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バトルオブフラワーズ③〜護るは遺物と新時代の閃き〜

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ザ・ビルドステージ #タワーダイセンリャク

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「皆さんももうご存知だと思いますが、キマイラフューチャーが真っ二つに割れました」
 もう割れてしまったキマイラフューチャーの姿に慣れたのか、いつもの調子を取り戻しつつあるルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)の後ろには真っ二つに引き裂かれたキマイラフューチャーの全景が映されていた。
「この星に開いた隙間から『システム・フラワーズ』と呼ばれるコンコンシステムの中枢部に行けるそうになったらしいのですが……肝心のシステム・フラワーズはオブリビオン・フォーミュラの『ドン・フリーラム』に支配され、突入するための通路である『ザ・ステージ』も配下のオブリビオンに乗っ取られている状況です。今回はその中の『ザ・ビルドステージ』の攻略をお願いいたします」
 ザ・ビルドステージには特殊な結界が張られており、『タワーダイセンリャク』という特殊戦闘ルールが適用される。
 ステージにはオブリビオンの大軍団が控えており、スタートの合図と共に攻め寄せてくる。
 猟兵達は合図までに防衛準備を整えて、一番奥にあるよくわからない機械を防衛しなければならない。
 その準備に使えるのは戦場のあちこちに転がっている様々な兵器の残骸。
 これらから『防衛施設』を1人につき1つ作成する事で、有利に戦闘を行う事が出来る。
「ただ、兵器の技術水準はUDCアースでおきた『第二次世界大戦』以前程度の物しか確認されていません。また防衛施設は移動できるようにすると、雑魚のワンパンで壊れるほど耐久力が低下してしまうそうなのでおススメ出来ません」
 さらに、オブリビオンに対して持参した武器やユーベルコードの威力は大幅に削られてしまっているそうで、防衛施設無しで自分の力だけで戦おうとしてもあまり戦果は期待できないそうだ。
 あくまで主役は猟兵ではなく防衛施設、もしくは弱い兵器を一線級までに押し上げる建築技術といったところだろうか。
「ただし、防衛施設の製作に関してだけはユーベルコードは100%の力を発揮するそうです。限られた資源でオブリビオンをどのようにして制圧するか、皆さんのひらめきを期待しておりますよ?」


平岡祐樹
 俊足の3ステージ目です、平岡です。目指すはステージ全制覇です、平岡です。

 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 単独で作るも良し、複数人で組んでコンボを叩き込むも良し、皆さんの柔軟な発想力を期待しております。
 なお、どう考えても1人で2つ以上の施設を作ろうとする、移動可能な施設を作る、施設無しで戦おうとするとダイス目に厳し目の補正をかけるのでご注意を。
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第1章 集団戦 『物理学トリオ』

POW   :    振り子怪人・ウェポン
【振り子兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    メトロノーム怪人・ジェノサイド
【メトロノーム攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    電源プラグ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【電源プラグ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モイ・トリー
※アドリブ・共闘歓迎

防衛施設かぁ、施設って聞くとでっかいイメージがあるけど、小規模でもいいよね、頑丈なら。っと言うことで、自身の上、前方、左右をすっぽり覆いつつ、万が一の為に他猟兵のスペースも確保した、出入りのために後方がぽっかり空いた小屋を造ってみる。

そして、後方からちょこちょことユーベルコードで敵の行動を阻害してみる。こっちに攻撃が飛んできて当たりそうだったら技能【オーラ防御】で防げるか試すよ


七那原・望
えくるん(f07720)と参戦です。

えくるんのガジェッティア魂に火が付いてるのー。
えくるんに色々知識をもらいながら、【マジックオーケストラ】で召喚した影達を駆使して高台に砲台を作り、複数の大砲を設置するのです。
慣れないけど、何とかしてみるのー。

えくるんの電磁フェンスと合わせて、防衛能力を上げるのです。
なので、基本的なスタンスは近付いてきた敵の迎撃。
電磁フェンスで移動できる範囲が狭まった敵を【マジックオーケストラ】の影達に大砲を【一斉発射】させて、【範囲攻撃】で一網打尽なのです。
遠くの敵の数を減らしたりは他の人に任せるのです。

わたしとえくるんの布陣、簡単に抜けられるとは思わない事なのですー。


七那原・エクル
七那原・望と一緒に参加するよ

まさかタワーディフェンスゲームを現実でやることになるなんて。しかも変なルールのせいで普通に戦うこともできない。まぁキマイラフューチャーらしい突拍子のなさだね。ガジェッティアとしてはこの状況、すごく燃えるシチュエーションだけれど。

もう一人の自分「ヒメ」に資材の調達、施設の建造、戦闘の補佐をしてもらうよ

ボクが建造する防衛施設は、超高圧電磁フェンス。鉄柵に接触したものに対して電撃を与える。フェンスには刺さりやすいように棘や返しを何重にもつけて物理的にダメージを与えられるようにしよう。途中でフェンスが損傷してきたら、破られた部分を鋼糸で繋いで応急修理をしながら戦うよ。



「まさかタワーディフェンスゲームを現実でやることになるなんて」
 七那原・エクル(ダブルキャスト・f07720)の視界には兵器の残骸が散乱する、キマイラフューチャーの市街地を模したステージが広がっていた。
「まぁキマイラフューチャーらしい突拍子のなさだね。ガジェッティアとしてはこの状況、すごく燃えるシチュエーションだけれど」
「えくるんのガジェッティア魂に火が付いてるのー」
 内心燃え上がっているエクルの気迫を感じ取った七那原・望(封印されし果実・f04836)が嬉しそうに手を叩く横で、ヒメは苦笑いを浮かべていた。
「で、エクル。何を作ります?」
「うーん……この場所と時間を考えると最低でもオブリビオンの邪魔をして、他の人達にどデカイのを作ってもらう時間を稼ぐのが理想だと思うんだ」
 実際、エクル達のいる位置から防衛対象である機械はかなり遠かった。
「つまりワタシ達は足止め狙い……ということですか」
「ボク達だけで潰し切ってもいいけどねー、望はどうしたい?」
「わたし? 基本的には近付いてきた敵の迎撃かなー」
「了解。じゃあ……こういう奴を作りたいんだけど」
 エクルは持っていた紙にすごいスピードで何かを書き記すとヒメに渡す。ヒメは一通り目を通すと首を傾げた。
「……なるほど。でもこんなに距離が離れていると弱体化しませんか?」
「全部同じ動力で繋いでいたら一つでカウントされると思うから大丈夫、だと思う」
「……そうですね。もしダメだった時は後続の人たちに連絡しましょう。では行ってきます」
「うん、よろしく! ……じゃあボク達も行こうか。とりあえず望でも動かせる物を探さないとね」
「おー!」
 そんな3人の和気藹々とした姿をとあるビルの形を模した建造物の屋上から眺める女性が1人いた。
「仲良さそうだね、あの3人。ああいう子供は私達大人が守ってやらないとね……」
 双眼鏡から目を離したモイ・トリー(人間のシーフ・f15633)は天を仰いだ。
「それにしても防衛施設かぁ。施設って聞くとでっかいイメージがあるけど……小規模でもいいよね、頑丈なら」
 そう呟いて、モイも自作の防衛施設を作るべく建物から飛び降りた。

 タイムアップのアラームが鳴り響き、奥からカチカチ玉やメトロノーム、電源プラグをかたどった頭部を持ったオブリビオンが進軍してくる。
 その音を聞きつけ、オブリビオンの後ろにつけるように隠れていたモイの手には大量の布とロープが握られていた。
「子供達の手を煩わせるわけにはいかないからね! ここで止まってもらうよ!」
 後ろから不意に放たれたロープにオブリビオンの足が絡みとられ、転倒する。
 しかしすぐ近くにいたメトロノームのオブリビオンが激しく動く針でモイのロープをいともたやすく引きちぎってしまった。
「ちっ! やっぱり強度が落ちているか!」
 モイの【咎力封じ】はそこまで脅威ではないものの、一々転ばされたり足を止めさせられることを嫌がったのか、一団から何体かが離れ、モイの行く手を遮る。
 さらにこれ以上邪魔を挟まれないように徹底的な攻撃をし始めた。
「あ、きましたよオブリビオンが!」
『さぁ、開演なのですよ!』
 対して望達はモイが作った小さなトーチカに姿を隠していた。
 望遠鏡でオブリビオン達がやってくるのを確認したヒメの報告を受けて望が【マジックオーケストラ】を発動させる。
 すると可愛らしい二足歩行の猫や人形の影が現れ、望がエクルのアドバイスを受けながら作った防衛施設の所定位置についた。
 そんなことに一切気づかず進軍を続けるオブリビオン達の前に、道路を塞ぐように設置された電磁フェンスが現れた。
「頼むから、壊れないでくれよ……」
 壊された時のために望達から離れて側で隠れて待機するエクルが見守る中、メトロノームのオブリビオンがフェンスに手をかける。
 その瞬間メトロノームの体に凄まじい電圧が流れ、中の骨が見えた。
「よし、動いた動いた!」
 黒い煙を立てながらその場に倒れた仲間の姿に、エクルは賭けに勝ったとガッツポーズを見せる。
 ならば電撃に強いコンセントのオブリビオンが行こうとしたが、鉄柵には棘や返しを何重にもつけられており、一筋縄では突破出来ない物だと分かるだけにとどまった。
 そんな障害物を壊してみようと動き始めたオブリビオン達に、その両脇にある建物の屋上部分を跨ぐように設置された砲台から、ヒメが必死になってかき集めてきた銃火器が火を吹いた。
 フェンスの前で密集していたオブリビオン達にそれを避けるスペースはなく、爆風と一緒に宙を舞う。
「わたしとえくるんの布陣、簡単に抜けられるとは思わない事なのですー」
 望はトーチカを見つけ、壊そうと奮戦するオブリビオンの攻撃の音を聞きながらヒメの膝枕の上で微動だにしない。
 なぜならモイがエクル達のことを考えてしっかり丈夫に作った壁は小柄なオブリビオン程度の攻撃ではヒビすら入らない強度にまで高められていた。
 さらに万が一攻め込まれた時のことを考え、出入口にフェンスを設置しており……完全に安心安全な態勢が整えられていた。
 その一方で、射線から大砲の位置を把握したオブリビオン達が遠距離攻撃を仕掛け、影が何体か吹き飛んだ。
 だが望が無事な限り砲手はいくらでも補充される。弾がなくなったり、オーバーヒートを起こして動かなくなった時間以外のロスは起きなかった。
 しかしその僅かな時間を使って痛みを我慢して乗り越える者や爆風をあえて利用してフェンスを一気に飛び越える剛の者がいた。
 確実にオブリビオンの総数を減らしながら足止めをすることは出来たものの、「自分達だけで全て食い止める」という最良の目標は達成することは出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

デリア・グレイヴス
アドリブ等は歓迎

防衛戦か、ならば丹精込めて普請しようじゃないか
野戦築城は得意とする所だ

第二次世界対戦以前?
結構じゃないか、機銃も砲塔も弾薬も十分にあるという事だろう

まず杭の防護柵を隙間なく敷き詰める
乗り越えるまでに第一防壁からしこたま銃弾を喰らわせてやろう
防壁と防護柵の間には落とし穴だ、落ちた所に燃料を流し込んで燃やしてやる

突破されたら即撤退
急拵えの第一防壁は長く持たんだろうが、それで良い
途中で止まれないと言うんだから、精々罠に掛かって貰おうじゃないか
地雷原へようこそ、だ
後は鉄条網を張った本命の第二防壁からの砲撃だな
ひたすらに撃ち続けてやる

そら、どうした
オレは此処に居るぞ、喰らいついてみせろ


大神・零児
タワーディフェンスならトラップ配置も有効なはずだ
第二次大戦以前の兵器の残骸なら、爆弾、手榴弾、地雷、砲弾なんかもあるはず

「戦闘知識」「メカニック」を使い不発弾の信管を調整、できるだけ機能するよう直す
「戦闘知識」「拠点防御」「地形の利用」「世界知識」等を「情報収集」し予測される進路に信管調整した地雷や手榴弾を使ったブービトラップを「罠使い」で効率の良い配置に

「怪力」「操縦」で戦車等の大型車両をバリケードにし車両の中に爆弾や砲弾、マルチグレネードを詰め込む
高台から無双の意識「第六感」「野生の勘」を使い敵の動向を先読みしマルチギアで「スナイパー」の如くバリケードや敵をマルチグレネードの「投擲」で攻撃



「防衛戦か、ならば丹精込めて普請しようじゃないか。野戦築城は得意とする所だ」
 そう語るデリア・グレイヴス(常在戦場・f17519)と黙々と集めた不発弾をいじる大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)の考えは偶然にもほぼ一致していた。
「第二次世界大戦の物なら、充分だ」
 自分たちでは修理不可能な戦車を引きずって道を塞ぐように並べたり、鉄杭を地面に突き刺して作った簡易の防護柵を作ったり、その間に修理した地雷や爆弾を隙間なく敷き詰めると2人は本命のトラップ作りに精を出し始めた。
 それから数時間後、エクル達の電磁フェンスと砲弾の雨あられを突破したオブリビオン達がぞろぞろとコーナーを曲がって進軍してきた。
 デリアは第一防壁から身を乗り出すと防護柵を乗り越えようとするオブリビオン達に向け、拾ってきたガトリング砲を一斉に掃射する。
 しかし元々のスペックが低い上に小柄なオブリビオン達は軽々と地雷や弾幕を避けて、次々に防護柵を突破していき、デリア達の待つ壁に近づいていた。
 直接的な攻撃はあまり効かないことが前にいた猟兵達から聞かされていたデリア達は早々に後方にある別の防壁へと転進していく。しかしデリアの表情に曇りはなかった。
「地雷原へ、ようこそ」
 第一防壁と位置づけていた壁を乗り越えたオブリビオン達が何十体かを超えた時、重さで地面が抜けた。
 もしデリア達の迷いない姿や第一防壁と第二防壁の力の入れ具合の差、最短距離を使わずに外側を通って撤退していたことに疑問を抱いていればまた違ったのだろうが、大神が防壁越しに発していた【無双の意識】によって気がそぞろになっていたオブリビオン達は一切気づけずに、掘られていた大穴の中になすすべなく落ちていった。
 そんなオブリビオン達に、カモフラージュ用の床の重しになっていたドラム缶がひっくり返って、中に入っていた燃料が浴びせかけられる。
 灯油まみれになったオブリビオン達が何とかして穴から脱出を図ろうとした所に大神が大量の爆弾を詰め込んだ車両を軽々と放り入れた。
 するとオブリビオンと接触したことによって起きた火花に爆薬が反応して大爆発が起こり、さらに穴の中に溜まっていた灯油に引火することで特大の炎の壁が出来上がった。
「そら、どうした! オレは此処に居るぞ、喰らいついてみせろ!」
 しかし灯油も穴の深さも有限である。
 オブリビオン達ははやる気持ちを抑えて炎が消えるまで待ち、穴の中に積み上がった仲間の死体を土台にして浅くなった穴を突破してきた。
 手持ちの武器を振りかざしながら襲いかかってくるオブリビオン達に向かってデリアや大神は第二防壁の影に用意していた小銃や爆弾を取り出して一掃を図った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シエナ・リーレイ
アドリブ、絡み可

罠を作ればいいのかな?とシエナは首を傾げます。


今日も『お友達』を求め彷徨うシエナ
今回は防衛施設を作らなければいけない事を聞くとスカートの中から沢山の『お友達』を呼び出し早速建造を始めます


『お友達』の世界に招待するよ!とシエナはハッチを操作します。


シエナが作った施設は只管に頑丈さを追求したシエナのスカートを模した施設です
普段は2か所に設置された出入口を開放しただのトンネルを装います
ですが、スカートを履くように頂上に陣取るシエナがタイミングよく出入り口を閉じればドームは人形世界の入り口となり、ドーム内のお友達候補を人形化の[呪詛]に満ちたスカートの中の世界へ引き摺り込む罠となります



「罠を作ればいいのかな? とシエナは首を傾げます」
 コツコツと、あちらこちらに転がっている兵器や金属片を使って作業をする猟兵達の姿を見てシエナ・リーレイ(年代物の呪殺人形・f04107)は首を傾げる。
 防衛施設を作らなければいけない事を聞いていたシエナはスカートの中から沢山の『お友達』を呼び出した。
「みんな、わたしがこれから言うものを作って欲しいです、とシエナは言います!」
 シエナの号令に『お友達』は一斉に散り、使えそうな物を取りに行った。
 そうして集められた物をアーチを描いた鉄骨や鉄板などに加工し、『お友達』はシエナの指示の元、巨大な建造物へ組み立てていった。
 それから数時間後、デリア達のトラップ地獄と砲弾と爆弾の雨あられを突破したオブリビオン達がぞろぞろと現れた。
 その視界の先には小高い山のような形をした巨大なトンネルがそびえ立っていた。
 周りのサイケデリックな建造物とは違う、銀色の鋼鉄製のトンネルにオブリビオン達は足を止め、おそるおそる中をのぞき込んだり叩いたりする。
 中は光源も何もない真っ暗闇でしかもかなり天井が高かった。
 オブリビオン達は、中で猟兵が暗視ゴーグルか何かをつけて我々を待ち構えているのではないかと疑った。
 そこで囮役として何体かが代表して突入していく。しかしいつまで経っても攻撃はこない。その様子をみて残りのオブリビオン達も中へ進んでいった。
「『お友達』の世界に招待するよ!とシエナはハッチを操作します」
 最後のオブリビオンがトンネルに入ったところで、トンネルの上から確認していたシエナはスイッチを押した。
 するとトンネルの両端の内側にあったシャッターが豪快な音を立てて落ち、オブリビオン達を中に閉じ込めた。
 灯台下暗しなトラップに引っかかった間抜けなオブリビオン達はこじ開けようとユーベルコードをシャッターに放つ。
 しかし『お友達』謹製のシャッターはビクともしなかった。
『みんな、お家に帰りましょう。とシエナはスカートをたくし上げながらお友達に促します。』
 オブリビオン達はこの声が響いても全く気づいていなかった。この鉄で出来た物体が「トンネル」ではなく「1人の猟兵の服(スカート)」だったことに。
 シエナの詠唱に反応して真っ暗闇だったトンネルの中が歪み、巨大な手が現れる。
 その手には巨大な針が握られ、周りにはボビンに巻かれた糸や布の切れ端、ボタンが浮遊していた。
 周りを見て、凍りついたカチカチ玉のオブリビオンが手に掴まれる。
「『お友達』に痛いことをするわけがないです、とシエナは憤慨します」
 巨大な手から何とかして離れようと掴んでいた手の指が意に反してそっくり返り、指を巻き込みながら手が膨らみ始める。
 それは足でも起こり、まるで人間をデフォルメ化したようなぬいぐるみの手足となってしまったオブリビオンは半狂乱になりながら巨大な手を殴る。
 しかし手は全く怯むことなくオブリビオンの顔に添えた。その手が離れた時、オブリビオンの顔面にあったのは赤い玉ではなく小さなボタンだった。
 抵抗する気を失ったかのごとく、手をぶらんと投げてしまったオブリビオンの姿に残りのオブリビオン達は察した、あの手に掴まれたら自分たちも同じようになる、と。
 しかし逃げ道は空間が歪むと同時に消え失せてしまっている。
 オブリビオン達は勝ち目がないことが分かっていても、自分たちの身を守る……いや生物として死ねるために伸びてくる巨大な手に向かって悲壮な思いで攻撃をしかけた。
 中のオブリビオン達がそんな思いで戦っているだなんて全く思っていないシエナは足をぶらぶら振りながら呟いていた。
「『お友達』がたくさん出来るみたいで嬉しいです、とシエナは頰を緩ませます」

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月06日


挿絵イラスト