テレビウム・ロック! ~ごく普通じゃない今日
「はぁ」
オゥフ・テレ子は自称ごく普通のテレビウム。友人は口をそろえてどこが普通だと言われていたが、当人はごく普通のつもりであった。
「どうしちゃんだんだろ、僕の画面」
そんなテレ子を悩ますのは、顔面である液晶に鍵の様なモノが浮かび上がったことだった。その大きさの胸はテレビウム的にあり得ないとか言われても認めず、遮光器土偶扱いされれば即座に猛抗議したテレ子にとって、明らかに普通で無い今の顔はひたすらありがたくなかった。
「はぁ」
解決策も浮かばずもう一度ため息をつくとふいに顔を上げ。
「え゛」
行く手をふさぐ異様な集団に漸く気が付いた。
「見つけたブーン」
「恨みはないけれどブーン」
「お命頂戴ブーン」
明らかに不穏な発言をしつつ銀色の槍を片手に蜂を模したいで立ちの集団は歩き出す、そうテレ子の方へ。
「ちょっ、どういうことーっ?! っ」
思わず叫ぶが、叫んでいる場合じゃない。命の危機を感じたテレ子はくるっと背を向けると全力で逃げ出したのだった。
「キマイラフューチャーの世界で事件が起こってるもちぃよ」
グリモアベースで君たちに声をかけたモティアナ・クロスウィート(ブラックタールのお餅好き・f02000)曰く、テレビウム達の顔に、突如「鍵のような映像」が浮かび上がり、それをどこからか現れた怪人などが襲撃しているのだと言う。
「わたしが予知したのはその内の一件、オゥフ・テレ子と言うテレビウムの女の子が働き蜂戦闘員に襲われるところだったもちぃ」
テレ子は猟兵でも何でもないただのテレビウム。君たちが助けなければ戦闘員の言うとおりお命頂戴されてしまうことだろう。
「そんなの見過ごせないもちぃよね? そこで、わたしが襲撃の現場まで転送するからまずはテレ子さんを助けてあげてほしいもちぃ」
首尾よく戦闘員たちを排除できたなら一安心と言いたいところだが、画面の鍵と言う謎は残るし、襲撃理由が判明しなければ別のオブビリオンが襲ってくる可能性も否めない。
「だから、鍵の謎も解き明かす必要があるもちぃね」
画面に鍵が浮かぶのも怪人が襲撃してきているのもこの一件だけではない。
「テレビウムさんたちの安全のためにも、お手数をかけるけれどよろしくお願いするもちぃ」
一糸まとわぬ姿のままモティアナは君たちに頭を下げたのだった。
聖山 葵
何だかテレビウムさん達が襲われてるそうですね。
と言う訳で、今回はそんなテレビウムさんの一人を助け、画面に浮かんだ鍵の謎を解き明かしていただくお話の様です。
まずは襲ってくる戦闘員やら怪人やらを撃退してテレビウムさんを守りましょう。守り切れれば何か起こるかもしれません。
では、ご参加お待ちしておりますね?
第1章 集団戦
『働き蜂戦闘員』
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POW : 御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:森乃ゴリラ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
愛久山・清綱
どうやら、この手の事件は至る所で起きているようだ。
故郷が荒れてしまうのは、忍びない……
なるべく早めにカタをつけたいものだ。
しかし、何の理由もなく罪なき者に刃を向けるとは、
「兵(つわもの)」の風上にも置けない輩だ……
この俺が成敗してくれる。
■闘
一刻も速くテレ子殿を救わねばならんな。
先ずは襲撃の現場に割って入り【殺気】を放ち、
蜂どもに【恐怖を与えて】やる。
卑劣なる悪党共、貴様らを成敗しに来てやったぞ。
相手の攻撃を【野生の勘】で予測しつつ【見切り】、
敵が密集している場所に【ダッシュ】で急接近だ。
たどり着いたら攻撃力を重視した【夜見】で【なぎ払い】、
敵の大群を一瞬にして冥府に送ってやろう。
オクタ・ゴート
罪のない方々に無遠慮に襲い掛かる「なっていない」羽虫の皆様には、鞭によって叩き潰される痛みを味わって頂きましょう。
怪力と属性攻撃を合わせ、【燃える汚泥の鞭】でもって迎撃。救援対象のテレ子様を背にしかばう。全方位に対応できるように致しましょうか。
槍で触手を穿とうが、或いは弾こうが無意味。「おや、お召し物に油が撥ねたようですね」―――そしてそれは、我が意のままに燃える炎の呼び水。その槍は、無意味です。
無論私を突き通しテレ子様を狙おうとするならば、私自身の身体を焼き槍を融かすか灰とするまで。人を守る以上、捨て身を覚悟するのは当然で御座います。
「どうやら、この手の事件は至る所で起きているようだ」
協力を求めていたグリモア猟兵の少女自身がその内の一件と言っていたことを思い出し、無表情のまま淡々と愛久山・清綱(もののふ混合童子・f16956)は結論付けた。転送され、目を開けて映る景色は清綱が生まれた世界のもの。
「故郷が荒れてしまうのは、忍びない……」
表情には出ずとも声に不本意さを滲ませる。なるべく早めにカタをつけたいものだと思いながら視線を前方にやると、目に入ったのは銀色の槍を手にした戦闘員たちの姿。
「一刻も速くテレ子殿を救わねばならんな」
オブビリオンが居るということは狙われるテレビウムも近くに居ると言うことで、周囲を見回せば、蜂を模した戦闘員たちとは逆から俯きがちに歩いてくるテレビウムが一人。間に合ったようであった。
「え゛」
そこからの流れはまさにグリモア猟兵に説明された通り。顔を上げた画面に鍵の浮かぶテレビウムことテレ子が戦闘員たちに気づき。
「見つけたブーン」
「恨みはないけれどブーン」
「お命頂戴ブーン」
不穏な発言をしつつオブリビオンたちがテレ子に迫る。
「何の理由もなく罪なき者に刃を向けるとは、『兵』の風上にも置けない輩だ……」
違いがあるとしたなら、清綱が割って入ったことであり。
「っ、何奴ブーン」
「邪魔を」
仲間の口にした誰何の声に続いた戦闘員に最後まで言わせず殺気を放ったことでもあった。
「なっ」
「邪魔立てするつもりかブーン?」
殺気と言う形で明確な意思表示をされてまで働き蜂戦闘員の一人が問うたのは、気圧され恐怖を覚えでもしたのか。
「卑劣なる悪党共、貴様らを成敗しに来てやったぞ」
「おのれ、ならばお前からやっつ、べっ」
今度こそ明確に告げた清綱の方に気を取られたオブビリオンは飛来した黒い何かによって叩き倒された。
「どうやら、かなり注意不足のご様子。このような場では命取りにございますよ?」
それはオクタ・ゴート(八本足の黒山羊・f05708)の振るった武器の先端であったらしい。
「それはそれと致しまして――罪のない方々に無遠慮に襲い掛かる『なっていない』羽虫の皆様には、鞭によって叩き潰される痛みを味わって頂きましょう」
「うぐっ」
「僕たちを羽虫扱いだって? 後悔させてやるブーン!」
引き戻したオクタの鞭が風を切り、一人が怯むも激昂した別の一人は両手で槍を構えると地を蹴って飛ぶ。
「では、僭越ながら。荼毘には火を、旧き過去には葬送を」
オクタはテレ子を背に庇う形で迎撃に出る。穂先が銀の輝きを伸ばしてオクタを狙い、鞭状に変化しつつ阻むように躍り出た触手が代わりに貫かれて黒い飛沫を散らす。
「おや、お召し物に油が撥ねたようですね」
それはオクタの望んだ結果であった。戦闘員のスーツに付着したそれは、オクタの意のままに燃える炎の呼び水。
「なっ、熱っ、熱ち」
燃え上がったスーツに注意を逸らされたオブビリオンは気づかない、致命的な状況であることを。先ほどの触手は迎撃なのだ。単独で突っ込んだその戦闘員をフォローしてくれる味方はなく、反撃の鞭が振るわれる。
「ぎゃああっ」
「ええと、助けてくれたんだよね? ありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでで御座います。それに、お礼にはまだ早いかと」
返り討ちに遭ったオブビリオンが断末魔を上げたことで我に返ったテレ子が礼を言うもオクタは頭を振ると前方を示す。
「子の間合いならば、逃さんっ! 秘伝……夜見」
そこにあったのは、戦闘員の固まっている場所に駆けた清綱が合金製の武骨な刀で纏めて薙ぎ払う様だった。断末魔を上げて何人もの戦闘員がバタバタと倒れ伏すが、周辺に居たオブビリオンの全てを斬り捨てた訳ではない。
「ああ、みんながやられたブーン」
「くっ、みんなの仇を討つブーン」
数が減ったとはいえまだまだ戦闘員たちは健在で、テレ子と猟兵たちへと槍の穂先を向けるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ルク・フッシー
ここでもテレビウムの人が襲われてる…!た、助けないと!
既にいる猟兵の方も強そうですけど、数が足りないみたいですね…ぼ、ボクも戦います…!
蜂怪人は熱に弱いと思うので、炎属性の赤い絵の具で攻撃します。地面も塗られて加熱される事で、増援も近寄りにくくなるでしょうか…
敵の数は多いですが、増援を呼ばれないために、一体ずつ確実に仕留めていかないと!
備傘・剱
WIZ
困ってる女の子が居るのに、それに追い討ちをかけるとは…
怪人の風上にも置けんな
こんな時は、ちゃんと別の人を狙うのが礼儀ってもんだろうが!
てな訳で、二回攻撃でシバキ倒していくぜ
飛んで逃げようとする奴は念動力で首根っこ引っつかんで強制お仕置きだ
攻撃は、ガントレットで受け流して接近戦に持ち込むぜ
って言うかよ、お前ら、何処でこの娘が病気になってるって情報を手に入れたよ?
もしかして、この病気の発生原因を知ってたりしないか?
喋るならよし、しゃべらないなら、記憶の封印が解かれる様に恐怖を与えてみるかな
まぁ…、知らないって可能性があるから、しつこくは聞かないが
アドリブ、絡み、好きにやって欲しい
山梨・玄信
テレビウムの人々も災難じゃのう。
友人のテレビウムのせいですっかり忘れておったが、彼らは確か電子の妖精じゃったな。
【SPDを使用】
オゥフ殿を背後に庇い、少し開けた所で敵と対峙するのじゃ。
オゥフ殿を危険に晒さない為にも、見切りと第六感で打点をずらしてオーラ防御で攻撃は受け止めるぞい。
なるべく距離を取り、UCで確実に仕留めに行くのじゃ。空中に飛ぶなら、寧ろ格好の的じゃ。その為に遮蔽物の無い開けた場所に誘き寄せたんじゃしの。
増援を呼んだら、範囲攻撃で一気に片付けるぞい。
「大丈夫か?わしは猟兵じゃ。助けに来たぞい」
「お主ら、人の下で働くのは辞めたらどうじゃ?風来坊は気が楽じゃぞ」
アドリブ、絡み歓迎じゃ。
高柳・零
POW
テレビウムに鍵ですか…自分は大丈夫ですが、他人事では無いので助けに行きましょう
「助太刀に参りました。自分も戦います!」
槍をオーラを纏った盾で止めつつ、返す剣で天斬りをお見舞いします。
止め損なった攻撃はオーラ防御と激痛耐性で耐えます。
「いいねを稼がずお命頂戴とは…あなた達、それでもキマイラフューチャーの怪人ですか?恥を知りなさい!」
飛んだら衝撃波を2回攻撃で撃ち、仲間を呼んだら天斬りを範囲攻撃にして対応します。人殺しをしようとする怪人に容赦はしません。
怪人を片付けたら、オゥフさんのケアをします。
「大丈夫ですか?自分達は猟兵です。あなたを助けに来ました。安心して下さい」
アドリブ、絡み歓迎です
「ここでもテレビウムの人が襲われてる……! た、助けないと!」
視界にテレ子と戦闘員たちが入った直後、ルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)は動き出していた。テレ子に今のところオブビリオンたちのもつ槍の穂先は味方のおかげでかすりすらしていない。だが、数が足りないのは誰の目にも明らかだったのだ。
「……ぼ、ボクも戦います……!」
宣言するなり、踏み込んで特大の絵筆を振りかぶる。
「ここは……これで!」
抱き枕ほどもある絵筆が残すのは、赤い軌跡。
「ブっ」
炎を宿す絵の具をたっぷり含んだ筆先は、黄色の戦闘服を赤く塗りつぶしながらオブビリオンをなぎ倒す。
「あ、熱っ」
「なっ、炎ブーン?!」
倒れた直後に仲間の身体から上がる炎に別の戦闘員が驚きの声を上げた。
「蜂と言えば煙に弱い、まさかそれに気づいて――」
「えっ、そうなんですか?」
「えっ」
恐ろしい奴ブーンと戦慄しようとしたオブビリオンはきょとんとした当人の声に、言葉を失う。訪れる気まずい沈黙。その静寂を破ったのはルクであった。
「で、ですけど煙に弱いなら、絵の具があちこちに飛び散って煙を上げれば増援も近寄れませんよね」
「ああっ、しまったブーン?!」
思い切り語るにおちた戦闘員の自爆ではあるが、結果オーライと言う奴であろうか。
「くっ、この失態お前を斃すことで贖うブーン!」
追い込まれた戦闘員は槍を手にルクへと襲い掛かり。
「くら、べっ?!」
穂先がルクに届くよりも早く、飛来したフック状に歪曲した頭部を持つハンマー、ワイヤーワークスが顔面めり込んでオブビリオンは倒れ伏す。
「困ってる女の子が居るのに、それに追い討ちをかけるとは……怪人の風上にも置けんな」
「何奴ブーン?! と言うか僕らは怪人じゃなくて戦闘員ブーン!」
ワイヤーを巻き込み投じた獲物を手繰り寄せる備傘・剱(絶路・f01759)へ誰何の声を投げたオブビリオンはそのままツッコミも入れるも。
「こんな時は、ちゃんと別の人を狙うのが礼儀ってもんだろうが!」
「理不じぶっ」
返ってきたのは二回目の攻撃であった。ワイヤーワークスが命中したオブリビオンはポテリと倒れ伏した。
「ああ、また仲間がブーン」
「よくもやってくれたなブーン」
仲間の死にいきり立つ戦闘員たち。
「テレビウムに鍵ですか……自分は大丈夫ですが」
「テレビウムの人々も災難じゃのう。友人のテレビウムのせいですっかり忘れておったが、彼らは確か電子の妖精じゃったな」
隣で口を開いた友人のテレビウムこと高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)を一瞥した山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は助けに行きましょうと促す零の言に頷くと駆け出した。
「大丈夫か? わしは猟兵じゃ。助けに来たぞい」
「助太刀に参りました。自分も戦います!」
テレ子の前で玄信が足を止め戦闘員たちの行く手を遮る様に立ちふさがるのと、宣言しつつ零がオーラを纏わせた盾を翳しながら前線へ躍り出たのは、ほぼ同時。
「山梨、高柳――」
視線は前方のオブビリオンから外さずとも聞き覚えのある声でガントレットによって敵の槍を受け流していた剱は理解する。よく知る仲間の参戦を。
「うぐっ、新手ブーン」
オブビリオンからすれば、それは歓迎できない事態であった。
「天に変わって悪を斬る!」
「ぎゃあっ」
零が戦闘員の槍を弾き、手にしたバスタードソードで逆に両断してのける姿を視界におさめつつ、剱も眼前の敵に殴り掛かり。
「ええと」
「話は後じゃ。まずはあ奴やらを片づけねばの……はっ!」
何か言おうとしたテレ子を制し、背後に庇う形のまま玄信は気弾でオブビリオンを打ち落とすと。
「そうですよ玄信さんもまだ脱いでいませ」
「『まだ脱いで』とは何じゃ!?」
零が最後まで言い終える前にツッコんだ。
「え゛っ」
にもかかわらずテレ子が玄信を凝視して固まったのは、発言者の零が同族だったからだろう。
「大丈夫です、玄信。わたくしはわかっております」
「今は敵の排除が最優先じゃ、はっ!」
一方では空に浮かんだ神々しい女性の幻覚をスルーし、再び気弾を放つ。
「ぐ、なんて奴らだブーン」
「このままじゃ、ぶぎゃっ」
玄信たちが駆けつけたことで増えた戦力はそのまま戦局へ大きく影響を及ぼしていた。攻撃の手数が増えたなら、その分戦闘員たちは討たれて減るのだ。動揺も露わなオブビリオンの片方が零に斬り伏せられ。
「いいねを稼がずお命頂戴とは……あなた達、それでもキマイラフューチャーの怪人ですか? 恥を知りなさい!」
「だから、僕らは戦闘員ブーン!」
生き残った方が、怪人ではないと主張する。
「って言うかよ、お前ら、何処でこの娘が病気になってるって情報を手に入れたよ? もしかして、この病気の発生原因を知ってたりしないか?」
「えっ、僕のコレって病気なの?!」
一方で、剱が対峙するオブビリオンに問うと、テレ子が驚きの声を上げて。
「誰が仲間の仇に情報を――」
「ほぅ」
「……所詮僕らはしがない派遣戦闘員ブーン」
最後まで言わせるよりも早く剱が威圧すれば、オブビリオンは口を開く。言外の拒絶か、知らないという遠回しな意思表示か。
「お主ら、人の下で働くのは辞めたらどうじゃ? 風来坊は気が楽じゃぞ」
「僕らは働き蜂、他の生き方なんてできやしないブーン。それに」
やり取りを聞いていた玄信が諭すも戦闘員は力なく頭を振って槍を構える。
「まぁ、そうじゃろうな」
猟兵とオブビリオン、両者が出遭ったならば戦うだけだ。もっとも、猟兵側の増援で戦力バランスが崩れた時点で戦闘員たちの負けはもう見えていた。
「せめて、一矢……」
「「ブーン!」」
「……悪いの」
満身創痍のオブビリオンが最後の力を振り絞り、増援を呼ぶもそう来ると察していた玄信には意味をなさなかった。
「ぬ……はあっ!」
「「ぎゃああああっ」」
放たれた気弾が爆ぜ、増援ごと纏めて戦闘員たちを消し飛ばす。
「おおよそ方はついたか。あとは」
周囲を見回す限りオブビリオンの姿はなく、剱は後方を振り返り。
「大丈夫ですか? 自分達は猟兵です。あなたを助けに来ました。安心して下さい」
「あ、うん。ありがとう。なんだかよくわかんないけど、急に襲われて」
もうだめかと思ったよとテレ子が零に応じた直後だった、変化が起きたのは。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『アキクサさま』
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POW : ぽかぽかの風
【召喚したヒーターの熱風】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : どっちが本物?
【もう一羽のアキクサさま】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 究極の平和主義
全身を【スーパーもふもふモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
イラスト:橡こりす
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あれ?」
テレ子の画面の鍵がまるで方位磁石か何かのように動き、とある方角を指示して動きを止めたのだ。
「ええと」
テレ子が動けば、どこかを示しているらしき鍵も動く。やはり鍵は特定の場所か何かを示しているようであり。
「行くしかないよね?」
手がかりが他にはないのだ。とどまっていてもうオブビリオンが襲ってこないという保証もない。それから、歩くこと暫し。
「あっち、かな」
「ぴよ」
鍵だけを頼りに進むテレ子がポツリと漏らせば、ずんぐりとしたピンクい鳥の様な生き物が鳴いた。
「あ、やっぱりこっちで良いん……え゛?」
肯定してくれたのだと思い、そのまま進もうとしたテレ子は、鳥っぽい生き物を二度見する。
「ぴよー」
「ぴょーっ」
「ぴよ」
気がつけば、それはなんだかいっぱいいて、かわいらしいが非友好的な雰囲気を纏っていた。
「ひょっとして、この子たちも襲ってくるとか?」
「「ぴょー!」」
「やっぱりぃぃぃ!」
ご名答とでも言うかのごとく殺到してくるオブビリオン「アキクサさま」にテレ子は悲鳴を上げたのだった。
愛久山・清綱
また新手が来たか。それも大群。
俺としては一刻も早く終わらせたいところだが、
焦りは禁物。
急いては事をし損ずる……
戦いにおいては、常に心を保ち続けることが肝要だ。
■闘
テレ子殿を守りつつ戦おう。敵の攻撃を【野生の勘】で予測、
もしテレ子殿に攻撃が飛びそうになったら【武器受け】で護る。
こちらが攻撃できそうになったら、大なぎなたを【怪力】全開で
振るい、中距離から【範囲攻撃】を仕掛ける。
ニセモノが現れたら、双方を巻き込むように攻撃しよう。
好機が来たら敵の集団に【ダッシュ】で接近し、【剣刃一閃】で【なぎ払う】。
同時に【恐怖を与える】ことで、相手の戦意を削いでやろう。
※アドリブ・連携歓迎です。
「また新手が来たか。それも大群」
焦りは禁物と胸中で自身に言い聞かせながら、清綱は嘴でついばもうと飛来したオブビリオンを大なぎなたで受け止めるとそのまま跳ね除けた。
「急いては事をし損ずる……」
「ぴょー」
淡々とした口ぶりでありつつも、自身へ言い聞かせる言葉を紡ぐのは、視界をオブリビオンが物量で埋めているからであろう。ピンク、ピンク、そしてまたピンク。空を飛ぶ者が居れば、小さな足で地をチョコチョコ跳ねてくる者もおり、狙いは総じて清綱の後輩に居るテレビウムのテレ子だ。故郷と同郷の者を襲うこの難を一刻も早く終わらせたいとは思えど、焦りはミスを呼び易く、この場を切り抜けるには数を減らさねば話にすらならない。
「ふんっ」
一歩踏み込み、跳ね除けた個体を含むアキクサさまたちを纏めて切り払うべく大なぎなたを振るい。
「びょ」
「びっ」
「ぴゅっ」
怪力に任せた一撃に手ごたえを感じた清綱の視界で、ボールのように打ち飛ばされたオブビリオンたちが壁や地面に激突して動かなくなる。内いくつかは動かなくなる前に消滅するが、オブビリオンの力によって作り出されたもう一羽のアキクサさまが混ざっていたのだ。
「「ぴょ」」
唐突な仲間の死に安易に間合いへ踏み込めば同じことになると察したアキクサさま数羽の動きが止まり、一瞬の躊躇は清綱から見れば隙であった。
「ぴょー」
注意を促すかのように別のオブビリオンが鳴いた時、清綱はもう駆け出していた。
「ぴょ」
「ぴょーっ」
ひたすらに数で攻めてくる相手、ピンクのずんぐりした身体のオブビリオン全てが隙を作ったわけではない。嘴や体当たり、召喚したヒーターから熱風を吹き付けてくる者も居た。無傷で切り抜けるのは、不可能。されど、常に心を保ち続ければ、道は開かれる。
「「びょ」」
仲間の鳴き声で我に返ることは出来た、だが回避は能わず。大なぎなたの軌道上に居たオブビリオンたちは尽く両断され。
「次に冥府に送られたいのは、誰だ?」
「「ぴぃっ」」
刃の血を振り払って一瞥すれば、恐怖を覚えたオブビリオンたちが後ずさる。
成功
🔵🔵🔴
備傘・剱
この鍵って、敵を指し示してたのか…
…案外、便利?
って、のはおいておいて、なんだろうなぁ?
このピンクいゴムまりモドキ
なんか数居るみたいだからな
一体づつ接近戦で倒しておこうか
頭の上の一足りないには、テレ子に近づく奴に向って攻撃させるぜ
数で押してくるようなら麒麟閃で殴り倒してやる
オーラ防御を壁代わりになぎ払ってみるか
念動力で敵を持ち上げて盾にするのもいいかもしれない
見た目はアレだが、油断は出来ない
こいつらって変な鳴き声してるが、動物と会話する要領でなに言ってるか理解できないか?
つーかよ、何やっても攻撃が通らなくなったら、ちょっと毛を毟ってみよう
案外、喰えるかもしれない
アドリブ、絡み、好きにやってくれ
「あの鍵って、敵を指し示してたのか……案外、便利?」
ちらりとだけテレ子の画面を見て、剱は首を傾げた。単に示していた方向からオブビリオンがやってきた可能性も否めないが、おそらく検証している余裕はない。それは剱もわかっていて、鍵の件は一旦おいておき視線を前方へと戻した。
「なんだろうなぁ? このピンクいゴムまりモドキ」
「ぴょーっ」
自分のことだと理解したからか、一羽のアキクサさまが返事をするように鳴きながらぴょんぴょん跳ねる。敵意も露わなのは、ゴムまりモドキと称されたからか、はたまた元からか。
「なんか数居るみたいだからな――」
軽く視界に入ったモノを数えただけでも両手の指では到底足りず、数を減らすべく剱が地を蹴った。
「落ちるなよ。それと……」
とっさに頭にしがみつく力を強めた妖怪一足りないにテレ子へ近づくオブビリオンを攻撃するよう指示を出しつつ、後ずさって距離を開けていたオブビリオンたちに肉薄し。
「ぴぎょ」
叩きつけたのはガントレットに包まれた手で作る握り拳。
「ぴょ?」
「「ぴよ!」」
仲間が叩き伏せられたことでようやく恐怖から脱し我に返ったアキクサさま達が殺到してきたが、これも想定の範囲内であった。
「来たれ、麒麟! 我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
「びょ」
空気が微かに焦げたにおいをさせた、そう知覚する間もなく放たれた剱の回し蹴りは、帯電に爆ぜる火花をかすかに見たアキクサさまたちの意識を永遠に刈り取る。
「ぴょー!」
「ぴょぴょ!」
それでも尽きない数が、このオブビリオンたちの強みであろう。
「っ」
迫ってきたアキクサさまの内一羽のぶちかましをオーラで止めると、念動力を用いてその個体を盾に。
「「びょ?! ぴょ~」」
正面衝突を強要されたアキクサさまたちは目を回してひっくり返り。
「ぴょっ」
「ぴよよっ!」
「見た目はアレだが、油断は出来ないぜ。こうも数が多いと、なおさら、な」
尚も押し寄せるオブビリオンを時に防ぎ、時に返り討ちにしつつ剱の戦いは続く。
「しかし、こいつらって変な鳴き声してるが、動物と会話する要領でなに言ってるか理解できないか?」
そんな発想に至ったのはひたすらぴよぴよ鳴かれたからか。
「ぴょ」
「ふむ」
仲間を斃されたことで警戒したのか、丁度都合よくスーパーもふもふモードに姿を変え身を守ろうとした個体を見つけると、鳴き声に耳を傾け。
「……解るようでわからないような」
「ぴょ?」
じっと見つめれば、アキクサさまはきょとんとしつつ鳴く。やはり理解は難しいのだろうか。
「つーかよ、この状況はスーパーもふもふモードだから何やっても攻撃が通らないんだよな?」
「ぴょ……」
まぢまぢ見られて無敵の筈なのにオブビリオンの鳴き声が不安の色を帯び。
「ちょっと毛を毟ってみよう。案外、喰えるかもしれない」
「ぴょおおぉぉぉ?!」
叫ぶような鳴き声が悲鳴なのは、とりあえず剱にもわかった。
成功
🔵🔵🔴
高柳・零
POW
またこの鳥ですか…。
この鳥の発生源はドSな鳥好きなんでしょうか?
「玄信さんが脱がないのは、まだその時ではないからです」
オゥフさんを背後に庇いながら説明します。
基本はオゥフさんを守り、余裕があれば味方も守ります。
盾受けと武器受けで攻撃を受け流し、オーラ防御と火炎耐性で身を守ります。
分身したら両手を広げて両方を指差し、纏めてUCで攻撃します。
「敵が分身した時の心得。両方とも攻撃する!」
もふもふモードになったら、オゥフさんを連れて逃げます。
「敵が動けない内に逃げますよ!」
追って来たら、指10本をなるべく多くの標的に向けて光を10本落とします。
「光にな…ってください!」
アドリブ歓迎です。
山梨・玄信
最近、おかしな女性の幻覚を見るのう。この騒動が終わった、少し休んだ方が良いかもしれん…。
【POWを使用】
アースジャイアントさんを召喚して、範囲攻撃で一気に叩き落しに行くぞい。飛んで距離を取ったら衝撃波をぶち込んでやるのじゃ。
反撃は見切りと第六感で躱し、避けられなければオーラ防御と火炎耐性で二重防御するぞい。
もふもふモードの時は、零殿とオゥフ殿と一緒に逃げるのじゃ。
「またこの鳥かい!焼き鳥にしたくても撃破したら消えるし、とっとと殲滅するのじゃ」
「オゥフ殿、零殿の後ろに居ると良いぞ。おそらく、一番安全な場所じゃ」
「そこ!おかしな事を吹き込むでない!」
アドリブ歓迎じゃ。
「最近、おかしな女性の幻覚を見るのう。この騒動が終わったら、少し休んだ方が良いかもしれん……」
遠い目をし玄信の仰ぐ空でぴよーっとアキクサさまが鳴いた。そこに居たのがおかしな女性の幻覚でなかったのは、よかったのか、悪かったのか。
「またこの鳥ですか……」
「またこの鳥かい!」
同じオブビリオンを見て、零と玄信がどちらもまたと口にしたのは、どこかで遭遇したことでもあったのか。
「焼き鳥にしたくても撃破したら消えるし、とっとと殲滅するのじゃ」
すぐさま撃破せんと玄信がアースジャイアントさんを召喚する一方で、零は考える。
「この鳥の発生源はドSな鳥好きなんでしょうか?」
どちらかと言うと蹴散らされてこのオブビリオンの方がひどい目に合ってる気もするが、それはそれ。
「オゥフ殿、零殿の後ろに居ると良いぞ。おそらく、一番安全な場所じゃ」
守るべきテレビウムの一般人へ振り返り、忠告を残し前へ進む。他の猟兵によって討ち減らされてはいたが、玄信と召喚した大地の巨人が攻撃する相手には、困らない。
「でぇいっ!」
「「びょばっ」」
自身を弾丸とするかのごとく敵のただ中に突っ込めば、放った一撃がオブビリオン単体ではなく、そこに居たアキクサさまたちすべてを纏めて殴り散らす。そして、玄信の後に続いたアースジャイアントはこれを忠実にトレースするのだ。
「「びょべっ」」
数で圧す相手に対して範囲攻撃の効果は絶大だった。
「すごい……」
ポテっとひっくり返るオブビリオンたちと一撃でそれをなした玄信を眺めテレ子は思わずポツリと漏らし。
「ああ、驚くのはまだ早いですよ?」
同じテレビウムにして玄信の盟友たる零は語る。
「玄信さんが脱がないのは、まだその時ではないからです。それに、ここを切り抜けてもまだ終わりの様な気がしません。その時こ」
「そこ! おかしな事を吹き込むでない!」
「びょぴっ」
そんな零の言の途中でツッコミを入れつつ、玄信の放つ衝撃波は飛んでいたアキクサさまを一羽撃ち落す。
「ずいぶん数が減りましたね。となれば――」
数の減ったオブビリオンがどのような行動をとるのか。零には予想がついていた。
「敵が分身した時の心得。両方とも攻撃する! 天よ邪なる力を封じたまえ」
「「びょ」」
両手を同時に前方へ向けそれぞれ指させば、現れたもう一羽のアキクサさまと本物のアキクサさまがどちらも天からの光に打たれて動かなくなり。
「ぴょぴょ」
「敵が動けない内に逃げますよ!」
「えっ、あ」
味方がまた倒されたことで警戒したオブビリオンがもふもふモードになれば、これ幸いと零はテレ子の手を取り走り出す。数はかなり目減りしていた。これで逃げだせればそれで良し。
「「ぴょー」」
「まぁ、そうじゃろうの」
一緒に逃げていた玄信は追いすがってきたアキクサさまの急降下を見切って躱しながらちらりと前方を行くテレビウムの男女を見た。繋いでいた筈の手は解かれ、零は完全に後方に向き直り両手の指を広げながらオブビリオンたちへと向けていた。
「光にな……ってください!」
「「びょおおおっ」」
再び天から降ってきた光がアキクサさまたちを貫き。
「終わった……の?」
「そのようじゃの」
追っ手が完全に耐えた後方を眺めたまま、玄信はテレ子の声に頷いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『近所の可愛い天然お姉さん『千葉・牛美』』
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POW : うふふ、お姉さんハグが好きなの!
【豊満な胸】から【温かく柔らかい感触】を放ち、【妄想や誘惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : あらあら、うふふ。
【お姉さんの意図せぬ天然行動】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や空間をお姉さんの天然色に染め上げる】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : ほらぁお姉さんの搾りたて生牛乳よ!(言い間違い)
【牛乳瓶】を向けた対象に、【牛乳瓶から放出した牛乳】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:MAKI
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ピオニー・アルムガルト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ええと……あ」
二度目のオブビリオンの襲撃を跳ね除け、鍵の導きを頼りに進んでいたテレ子が急に立ち止まる。理由になりそうなモノはいくつかあった。一つは前方に建物がそびえ立っていたこと。二つは、その前に何者かが待ち受けていたこと。三つ目は、テレ子の身体が急に光り始めたこと。
「あらあら、とうとうたどり着いてしまったのね。あなたにはどこか親近感を感じるけど……」
建物の前に居た女性がテレ子の胸を見つつ歩み寄りながら声をかけるが、テレ子からの反応はない。ひょっとしたら、動けないのか。よく見ればテレ子の顔の画面にはカウントダウンされる数字が浮かんでいる。カウントがゼロになるのは、時間にして15分後と言ったところか。
「うふふ、お姉さんのお相手、してくれるかしら?」
だが、それまでのんびりとは待たせてくれないだろう。待ち受けていた女性はオブビリオンだったのだから。
ルク・フッシー
……うわぁっ!?(個人的にこの怪人には結構なトラウマがある)
か、関わりたくないですけど…ボク達が、テレ子さんを、守らないと…
大丈夫、大丈夫、大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…………(自己暗示)
ボクはテレ子さんのすぐ前に陣取り、牛乳に対しては【安心塗装】で赤い絵の具を撒き、熱で蒸発させます
それでも防ぎきれない攻撃があれば、武器受けでかばいます
ボクは防御に徹します…だって…うう…(怪人にテレ子さんが襲われる姿を想像してしまう)
高柳・零
POW
玄信!強敵ヌギ。向こうもヌギヌギランドの住人だったら、ごく一部のマニア以外は向こうを応援するヌギよ!
「さあ、ヌギ☆カル玄信に変身だヌギ!」
鎧砕きを2回攻撃で打ち込み、ダメージ+防御力低下を狙います。胸部装甲が作り物の可能性もあるので、先ずはそちらを狙います。天然物なら素直に硬い部分(脛や小手)を狙います。
「最近のお供は盾になったりもするヌギ!」
味方を盾受け、武器受け、オーラ防御で守り、攻撃に専念してもらいます。
「ヌギ☆カル玄信!その筋肉で巨乳を圧倒してやるヌギよ」
豊満な胸は美的関係が違うので妄想しません。
天然行動と牛乳はオーラ付きの盾で受けつつ、無敵城塞で弾きます。
アドリブ歓迎ヌギ!
山梨・玄信
…わしは何処から突っ込めばいいんじゃ?
光ってるペチコ殿は…本人の責任では無さそうじゃし、隣の変な妖精と上空の幻影はいつも通りじゃし…よし、正面のオブリビオンからじゃ!
【SPDを使用】
褌一丁になって、シーブズギャンビットの2回攻撃で突撃じゃ!
動き回って相手のペースに飲まれないようにするぞい。
天然行動は妖精の希望通り、持ち上げて見切りと第六感を使い盾にするのじゃ。攻撃を受け止めたらロープで縛り、振り回して範囲攻撃をしてやるぞい。この間も常に動き回るのじゃ。
敵が弱って来たら妖精を地面に置いてロープを解き、UCで止めを刺しに行くぞい。
「無視じゃ、無視…」
「必殺、超物理ヨーヨーじゃ!」
アドリブ大歓迎じゃ
備傘・剱
これまた、色んな意味で見事なのが…
い、いや、今はカウントダウンを止めねぇとな
恥ずかしさ耐性ONだ!
てな訳で、ワイヤーワークスを念動力で動かして敵の体に巻きつけて体勢を崩させるぜ
そうやって接近したら、黒魔弾を叩き込んでやるよ
牛乳瓶を持ち上げたら、瓶を横殴りに殴ってやる
天然行動に対しては…、こうなりゃやけだ。ダンスの応用で意図せぬ行動をアドリブで返して体勢を立て直して、仕切りなおしをするぜ
胸に関してはフォトンガントレットで触らないようにする
テレ子の様子は常に目の恥に入れておくが…
カウントダウンが0になる前に倒すぜ
テレ子、大丈夫か?
体調でおかしな所がないか、聞いてみる
絡み、アドリブ、何でもやってくれ
愛久山・清綱
テレ子殿の顔に現れたタイマーは、
今も1秒ずつ時を刻んでいる。
もしこのタイマーの時間が「0」になったら、
何が起こるかは想像がつかない……
嫌な予感がする。タイマーが切れる前に終わらせねば。
■闘
テレ子殿を護りつつ、15分以内に決着をつけよう。
相手の攻撃は【野生の勘】で予測しつつ、【見切り】でかわす。
但し、『意図せぬ天然行動』だけは【武器受け】で耐えよう。
強化されたら厄介だからな。
相手が同じ牛なら、此方も牛の膂力を見せつけてやろう。
(角だけだが……)
大なぎなたを手に【ダッシュ】で急接近し、【怪力】を込めた
【剣刃一閃】を放ち、叩き斬られる【恐怖を与える】。
牛は本来獰猛な生物であることを教えてやるのだ。
「……うわぁっ!?」
ルクが悲鳴を上げる。以前トラウマをもたらした相手との思わぬ再会ともなれば無理はない。
(「か、関わりたくないですけど……ボク達が、テレ子さんを、守らないと……」)
それでも涙目で踏みとどまれたのは、ルクが猟兵であったからだろう。大丈夫を呪文の様に繰り返しながら自己暗示をかけ、テレ子の前に立つ。
「止まる様子を見せぬようだな、このタイマーは」
テレ子に視線をやり淡々と事実を口にした清綱も前に向き直る。なぜか狙われ今は動けない様である一人のテレビウムを気にかけているという点において、二人は同じだった。
「嫌な予感がする。タイマーが切れる前に終わらせねば」
進むカウントダウンに無表情ながらも逸る心と戦いながら大なぎなたを構え。
「これまた、色んな意味で見事なのが……」
一方で、オブビリオンのどこかを剱は見ていた。どことは明言しないが。
「い、いや、今は――」
やらねばならないことが、他にある。頭を振って心の中の恥ずかしさ耐性と書かれたスイッチをONにすると手放したワイヤーワークスが支えられてもいないのに宙に浮く。
「玄信! 強敵ヌギ。向こうもヌギヌギランドの住人だったら、ごく一部のマニア以外は向こうを応援するヌギよ!」
心情は異なれど、二人の猟兵が動き始めた時、零もまた盟友に警告を発していた。
「……わしは何処から突っ込めばいいんじゃ?」
警告された方は微妙に目が据わっていたが、さもありなん。ツッコミどころだらけである。
(「光ってるオゥフ殿は……本人の責任では無さそうじゃし、隣の変な妖精と上空の幻影はいつも通りじゃし……」)
きっと玄信には零の声以外にも何か聞こえ、空から手を組んで祈りつつも温かく見守る見も知らぬ誰かの幻覚とかが見えているのであろう。
「よし、正面のオブリビオンからじゃ!」
「さあ、ヌギ☆カル玄信に変身だヌギ!」
結論を出すなり玄信が衣服に手をかければ、待ち構えていたかのように零が促し。
「脱☆衣♪」
と星すら散らして変身することはなかったが、着ていた服が宙に舞う。
「本来なら変身シーンは隙だらけヌギ」
だからこそ変身を阻止されないため何らかの工夫をすると語った零は天霧の盾を構えた。
「最近のお供は盾になったりもするヌギ!」
もし玄信が狙われたなら、説明しつつ庇う心づもりであった、だが。
「あら?」
他の猟兵達も動いているのだ。零の言う強敵こと近所の可愛い天然お姉さん『千葉・牛美』の腕に絡みついたのは、剱が念動力で動かした武器から延びる一本のワイヤー。
「捕えたぜ」
言うが早いか剱はワイヤーを巻き上げ。
「あ、きゃあ」
体勢の崩れた牛美へと距離を詰める。
「漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も――」
この距離なら外さないとは詠唱を始め。
「あ」
だが、牛美は天然お姉さんであった。ワイヤーに引っ張られた勢いでオブビリオンは剱目掛けて倒れ込んできたのだ。もはやどちらも止まらない。
「こうなりゃやけだ!」
「あら?」
そして剱は牛美の手をつかまえた。この交差をダンスの一動作とする事に活路を見出し、引き寄せた牛美の腰に腕を回して剱が踊る。遠心力を味方につければ、体勢を立て直すのとて容易い。
「ふぅ」
短い円舞が終わりを迎え。
「まさか、あんなカウンターを仕掛けてくるとはな。恐ろしい相手だぜ」
「何でじゃーっ!」
牛美に膝枕されながら戦慄する剱へ玄信はツッコんだ。
「見ていなかったんヌギか? ものすごい即興の応酬だったヌギ。ああも密着されては割り込んで守るどころではなかったヌギ」
若干驚きを含みながら尋ねてきた零が視線を前に戻す。
「相手が同じ牛なら、此方も牛の膂力を見せつけてやろう。ゆくぞ」
ツッコミどころ以外存在しない攻防が終わり、清綱が仕掛けたところであった。
「うふふ、いらっしゃい。お姉さんハグが好きなの!」
ダッシュで距離を詰め斬りかかる清綱に対し、オブビリオンは両腕を広げ歓迎するように迎え撃つ。努力すれば、斬撃にかいくぐってからの格闘を仕掛けようとしている図に見えなくもないような気がするが、表情と口にした内容故に全力ですれ違っているようなちぐはぐさがある。
「っ」
「あら?」
武器を振るえぬ距離まで一気に近寄り抱きしめて動きを封じてしまおうとする牛美の急接近を野生の勘で察知した清綱はそのまま見切って自身を捕まえようとする腕の輪から抜け出し。
「参る」
此方も牛とは言ったものの外見的に見れば清綱の牛的な特徴は角のみ。そこに大なぎなたを振るう手に込められた怪力と言う形で牛の要素がもう一つ追加される。
「きゃああっ」
恐怖に表情を歪め悲鳴を上げた牛美が斬りつけられ、真っ二つになった黒いベルトがぼとりと地に落ちた。ベルトだけではない、牛柄の服も切り裂かれて露出度が増し、作られた傷から血が伝う。
「玄信! 攻撃ヌギ」
もっとも、猟兵達の攻勢は終わらない。盟友に謎の語尾付きで呼び掛けた零はメイスを振り上げるとオブビリオンへと殴り掛かる。狙いは豊かな胸部装甲であった。それが偽物であるかを確認する旨もあったのかもしれない。ただ、何故確認する必要があったのかは、定かでない。
「上空の幻影はいつもの一人じゃしの」
玄信には見えなかった。ブラックジャックを投てきする構えをとりつつ空に浮かぶ二人目の幻影など。
「ジブンハヒンニュウハデス」
ついでに誰かに言わされているかのような抑揚のない零の声も聞かなかったことにした。
「俺は巨乳派ではない。全てのバストに興味のあるオープンなスケベだ。そこら辺は重要だぞ!」
「無視じゃ、無視……」
剱は反応していた様だったが、それも見ないふりをし、メイスによる殴打を放ったあとの零を捕まえる。
「なぁに、あなたもお姉さんに気があるの?」
「どこをどう見たらそうなるんじゃ!」
ツッコミと共に持ち上げた零を盾に。掲げた盾ごと零が抱きすくめられるも、これは予定通り。牛美の片腕にはまだアレなカミングアウトをした剱のワイヤーが絡みついたままだ。更にそこへロープが絡みついたとすれば、どうなるか。
「お主の好きにはさせぬぞ」
褌一丁でロープを手にした玄信が駆ける。衣服を切り裂かれオブビリオンのきわどさは上がっていたが、肌の露出度ならば玄信の方が上であった。
「ヌギ☆カル玄信! その筋肉で巨乳を圧倒してやるヌギよ」
無敵城塞で柔らかさに抗う盟友から応援の声が聞こえる、だが玄信は無言のままにロープを牛美の身体に回しかける。
「何、これ? お姉さんを縛ってどうしようというの? そうだ、喉が渇いたでしょ? ほらぁお姉さんの」
「させませんっ! こうして、こうして……」
危機感を覚えたのか、誤魔化すようにオブビリオンが牛乳瓶を取り出し玄信に向けようとすれば、勇気を振り絞ったルクの絵筆が赤の塗料から出る熱で迸る牛乳を瞬時に蒸発させる。
「すまんの、助かった」
「いえ。ボクはこのまま防御に徹します……だって……うう」
見事仲間をフォローしたルクではあったが、顔を紅潮させると視線を逸らす。服を切り裂かれ、ロープが絡みつきつつある牛美の恰好は少々刺激的すぎたのだ。そんなオブビリオンが妨害さえなければテレ子を襲っていたかもしれないと想像してしまうと、ルクも挙動不審にならざるを得ない。
「必殺、超物理ヨーヨーじゃ!」
「きゃあああっ」
とはいえそれはルクの事情。ロープで牛美を縛り終えた玄信はオブビリオンの身体を振り回し。
「あ……うぅ」
ロープが食い込んでどんどん危なくなってゆく牛美を見てしまい、ルクは赤くしたままの顔を背けた。
「流石だな、山梨。俺も負けてはいられねぇか。漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも! 当たれっ」
一方で、振り回されるオブビリオンへ肉薄した剱は今度こそ一撃を見舞う。
「ぐ」
遠心力の勢いとぶつかり、凶悪な一撃となった黒魔弾に牛美は吹っ飛び。
「はぁ、はぁ……激しい、のね」
「戦いとは、時として激しくもなる。そして――」
牛は本来獰猛な生物であることを教えてやる、と清綱は続けるともう走り出していた。
「ほらぁお姉さんの」
「させるか!」
戦いは続く。牛美の牛乳サービスが阻害されたのは、何度目の事か。
「大丈夫ヌギか? みんな」
「うぅ……なんとか」
味方を庇った零やルクは身体か武器かどこかにキスマークがついており、その戦いの激しさを物語る。
「激しさと言うか、その、何じゃろうな」
「こう、命より社会的な方面で殺されかねないオブビリオンだぜ」
若干遠い目をした玄信とは違う表情で剱が額の汗をぬぐう。
「う……」
だがオブビリオンも満身創痍。
「そろそろ終わりとしよう」
残り4分を切ったテレ子の画面を一瞥し、大なぎなたで清綱は斬りかかる。
「そうじゃの」
ダガーを構えた玄信もこれに同意し、地を蹴った。
「うふふ、情熱的なのね。一度に二人なんてお姉さん困っちゃうわ。だけど」
目的があってこの場に居るのだ。言動はともあれ牛美も引けないのだろう。
「あ」
交差は一瞬。
「残念……ね」
それだけ言い残して、オブビリオンは崩れ落ち。
「手ごわい巨乳だったヌギ」
「てい」
一仕事終えた態の盟友の頭に玄信は手刀を落としたのだった。
「テレ子、大丈夫か? おかしな所はないか?」
こうして何とかオブビリオンを倒し、未だ固まったままのテレ子に剱が聞いた直後のこと。画面のカウントダウンがとうとう0に至り。
「あれ?」
テレ子が声を漏らす。身体から発せられていた光も消え、画面もただのきょとんとした表情が浮かんでいるだけへと変わっていた。
「カウントダウンを止めねぇとと思っていたんだがな……」
止めるのではなくそのまま0にするのが正解だったように見えてばつが悪そうに剱は視線を逸らし。
「俺も嫌な予感がしていたのだが」
勘が外れたかと清綱が呟いた直後のこと。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
まるでテレ子の変化が終わるのを待っていたかのようにそれは周囲に響き渡る。
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「え」
誰かが驚きの声を上げても委細構わず。
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
一方的に告げる。
「い、今のは……」
「何かが起きつつあるのは確かヌギ」
ルクの言に応じた盟友にそろそろその語尾はやめんかと玄信がツッコミを入れ。
「よもやこのようなことになろうとはな」
無表情のまま呟いた清綱は空を仰ぐ。故郷の事件自体は一件落着とはまだいかないのだろう。
「ええと、その……助けてくれてありがとう」
「ぼ、ボク達は当然のことをしただけで……その」
どことなく顔を赤くしつつ、感謝の言葉にルクは落ち着かない様子であったが、それでも、猟兵達が一人のテレビウムを救ったのは事実であり。オゥフ・テレ子の普通でない日常はこうして終わりを迎えたのだった。
成功
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