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オペレーション アイランド

#UDCアース

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#UDCアース


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 夢をみた。
 ジメジメと纏わり付くような気色の悪い暑さのジャングルだった。
 夢をみた。
 照りつける太陽に焼かれ、腐敗していく"人間だった物"の山。
 夢をみた。
 突如、動きだしたその山に、大切な家族達がなすすべもなく呑まれ、自分の名を呼びながら悲鳴を上げて、溶かされていく夢をみた。
 響き渡る悲鳴と、怨嗟の声に呑まれていく自分を見た。

●ユウキの寝所。
 がばりと起きあがり、酷く乱れた呼吸と、尋常ではない発汗に塗れ、目を覚ます。
「…たまに、このグリモアって奴が憎たらしくて仕方がない…」
 汗を軽く拭い、枕元に置いた何かの薬と水を飲む。
「嫌な事を思い出させやがる…」

●グリモアベース
 「諸君、よく集まってくれた」
 ユウキは、グリモアベースに集まる猟兵達に、新たな予知の内容を告げる。
「とある絶海の孤島に、所謂人の住まない無人島がある。その島に邪神教団の連中が潜伏しているという情報を得たUDCの職員達が調査に向かい、それ以来消息を絶っている」
 予知の内容から察するに、既に彼等は"助からないだろう"と告げるユウキ。
 助からないとは、どういう事だろうか?
「死んではいない。だが、死んだも同然の状態にある」
 ますます訳がわからなくなる。
「…つまりだ、恐らく邪神の呪詛や呪術の類に呑まれ、既に人としての理性を失い、島中に散らばる元教団員や、小型のUDC同様、見境なく人間を襲う怪物に成り果てている。」
 そして、それを救う術は無いとの事だ。
「今回、諸君には島に蔓延る敵の殲滅をお願いしたい」
 まず、UDCの船で、島の海岸に上陸。
 必要な物資の支給や、補給部隊と連携し、島に蔓延る敵を全て殲滅して貰いたいとの事だ。
「邪神そのものの捜索は、職員達に任せて貰えれば良い。諸君は、ただあいつらを殺す事のみに集中してくれ。」
 そう言って、ユウキはUDCアースへのゲートを開く。
 だが、その様子は何かがおかしい。
「気にするな…寝覚めが悪かっただけだ」
 ゲートが開くと、やはり少しイラついたような声で、作戦の開始を宣言する。
「島作戦(オペレーション アイランド)を開始する。」
 …いつもの激励の言葉すらなく、早く行けとでも言いたそうな目で、ユウキはただ猟兵達を見送った。


ユウキ
 ちょっとホラーな戦闘オンリーなシナリオです。
 島にいる元職員や、教団員、小型UDCには理性がなく、あなた方を発見次第襲って来るでしょう。容赦はいりません。徹底的に排除してください。
 その他注意事項や詳細はマスターページにてご確認を。
 それでは、ユウキ少尉に変わり、私が皆さまに激励の言葉をお掛けします。
「それでは皆様、よい狩りを」
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第1章 冒険 『突入、殲滅、邪神教団の島。』

POW   :    ともかく突っ込む!見える相手は見敵必殺!

SPD   :    周囲の職員と歩調を合わせ、確実に相手を撃破して行く。

WIZ   :    応援、空爆、砲撃要請。個に勝る戦術の力を見せてやろう。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

満月・双葉
敵以外、僕と目を合わせないで下さいね。
さて、死にたいやつも死にたくないやつも、敵なら僕の視界にどうぞ。

視力、暗視、聞き耳、野生の勘、第六感など使えるものはフルに活用し、敵の位置を把握。
武器の投擲と銃による射撃をスナイパーにより強化して攻撃。
虹瞳による生命力吸収攻撃も行います。
近距離に入ってこられたらゼロ距離射撃か、ユーベルコードにて対処します。
まぁ、島の中なら出てこなきゃ良いってなもんでもありますが、対処しようとする善良なる市民的な人達が出てくる以上、犠牲が増える前に何とかしないといけませんよね。

ユウキさん、大丈夫ですかね?

知り合いがいれば積極的に連携。
他猟兵との連携も可
アドリブ歓迎


波狼・拓哉
…呪詛、呪術に掛かった奴はまあ、可哀想だとは思うけど考えても仕方ないしね?せめて安らかにくらいは眠らせてあげないと。さてと殲滅と行きますか。
地形の利用をしつつ暗視や第六感使って敵を捜索。相敵したら戦闘知識をフルに活用して呪詛系統が怖いから近づき過ぎないように衝撃波込めた弾で撃ち倒して回ろう。地形を利用して一網打尽に出来そうな所に破壊工作も仕掛けておこうかな?上手く誘導出来れば大きいし。
間違えて味方攻撃しないためにも誰かの気配感じたらミミックが化けた鐘を鳴らそう。ついでの回復もして長く戦えるしね!…後はまあ最後に正気にだけでも戻らせてあげれればなー。躊躇なく止めはさすけど。
(アドリブ絡み歓迎)


流観・小夜
……敵は多数、戦場において数の優位さというのは分かりやすいほどの指標です。下手に行動して失敗するより、確実に数を減らしていきましょう。

カメラを搭載したドローンを展開。義眼とカメラの視覚を接続し、上空から周囲の地形の把握や、見つけにくい所に隠れている者を発見し、周囲にいる味方に伝えましょう。
私も周囲の地形に潜伏し、出来る限りこちらの位置を悟られぬ様、ドローンからの情報とゴーグルの性能を生かし、正確に狙いを定め、少ない弾数で狙撃していきましょう。
本来は手足を狙撃して無力化するべきなのでしょうが……手遅れであるなら味方の被害を抑えるため、頭部を狙い一撃で撃破しましょう。

※アドリブ・他者との協力歓迎


霑国・永一
島という密室に凝縮された敵の群れ。うーん、いいね。愉しみで仕方が無いよ。金目のものは無さそうだけど狂気だけは多そうだ

とりあえず移動中は【忍び足・迷彩】で静かに物陰に隠れながら移動しつつ、【視力】で先の方を見ておこうかな。
敵を発見次第、遠くから狂気の銃創を撃ち込んで一体一体確実に【暗殺】しておこう。敵が複数体見えるなら狂気の銃創で此方とは別方向で敵の近くにあるものを撃ち抜いて其方に意識を向けさせ、その隙に静かに倒していくか【おびき寄せ】
危うい状況なら【逃げ足・ダッシュ】で一時撤退、態勢立て直すのもいいだろうさ
「元がなんだろうが知った事じゃないねぇ。敵は所詮は敵なのさ。ほらほら、塵になれ怪物たち」


仇死原・アンナ
生かして救うことは叶わないか…
なら…処刑人として彼らの魂を救おう…

POW 突撃、見敵必殺

「来い…今すぐ楽にしてやる!」

[挑発、おびき寄せ]をして敵を集め
[怪力、鎧砕き、なぎ払い]で鉄塊剣を振り回して蹴散らし
さらに妖刀を抜き[早業、2回攻撃、鎧無視攻撃]で攻撃する

敵の攻撃は[武器受け、オーラ防御、見切り]で防御回避

「彷徨える魂に炎の救済を…!」
【ブレイズフレイム】を使用し[属性攻撃、範囲攻撃]を重ね
群がる敵を地獄の炎で燃やし尽くす

倒した敵の魂の安息を願いつつも
すべての敵を殲滅するまで武器を振るい続けよう…

「かかって来い…お前達も楽にしてやる!」


アドリブ絡みOK


カネリ・カルティエ
【SPD】
先行は他の方に任せて、私は職員の皆さんの護衛役に回りましょうか

島に上陸後【UDC召喚】にて味方UDCに職員の防御と敵の撃破を命じ、私自身は【呪詛】で支援攻撃を行います

どんな子が来るかわかりませんからね。土属性の子であれば土壁で防御、敵を生き埋めにして貰いましょう。別属性が来てしまっても同様に。
炎なら炎の壁で守り敵を焼き尽くし、植物なら蔦の壁を作り敵を貫く

補給部隊が通る道の確保を意識しながら移動

戦場での錯乱は命取りになりますからね、職員の中に様子のおかしい者がいたら【催眠術】で落ち着かせましょう
(穏やかな声で)「貴方が怖れる必要はありません。あれはただのUDC。殲滅するべき敵なのです」



―UDC輸送船 船上にて

 じめじめとした熱気が、肌を撫ぜる。
 小夜は、自分がサイボーグになってよかったと少しでも思える瞬間が来るとは思いもよらなかっただろう。それぐらい、この場所の湿気と熱気は凄まじい。
「大丈夫ですか?」
 UDCの職員が話しかけてくる。
「⋯⋯問題ありません」
 彼女を心配する職員の気持ちも分からなくはない。彼女を包む衣服は全身が黒で統一され、常人であれば数分と経たず、容赦なく照り付ける太陽に殺される事だろう。
 ―南米、エクアドル
 赤道直下にあたるこの国に、今回の目標である島がある。
 ⋯…ほかの猟兵たちは?
 職員に尋ねると、カネリというブラックタールの男が補給部隊や、邪神の探索部隊と交流を図っている以外は、皆、冷房の効いた部屋で待機しているという。
「あれが、目的の島です」
 職員が指さす先に、目標の島が見え始めた。





―目標の島。コードネーム『manada(マナダ)』周辺海域

 船は一度接岸せず、島の周囲を停泊していた。
「まずは、この島についての概要を」
 そう言って職員達の部隊長と思われる男が話し出す。
「まずは島の大きさですが、半径約10km程度の小さな円形の島で、深いジャングルに覆われた自然豊かな離島です。かつてこの島には先住民族が居たようなのですが、いつの間にか各地に散らばり、数年前から無人島になっていたようです」
 つまりは、無人島になったのは極最近というわけだ、
「いつの間にか⋯と言うと?」
 双葉が部隊長に聞く。
「えぇ、実は古くからこの島には呪詛や呪術に関する話が多くてですね、それを気味悪がってはなれていく若者が後を絶たなかったようです」
 よくある話ではあるがそのような噂があって、今まで誰もこの島を調べなかったのだろうか?
「呪詛について、詳しく聞きたいな?」
続けて拓哉が質問する。
「いわゆるゾンビ。死んだ人間がこの世に未練を残していると、生きた死骸となって甦り、島に災いをもたらすといった物です。ブードゥーの教えに近いでしょうか?ですが、確認した限り⋯」
 そう言って一瞬言葉を濁す部隊長。
「過去に一件、同じような事件が起きましたが、そのオブリビオンには逃げられてしまっています⋯」
 そう言って少し黙る部隊長。
「情報は多い方がいい⋯でしょ?」
 アンナが催促するかのように言う。
「⋯分かりました。かつて、この島の近くで、米国の一個小隊が壊滅しています。生き残ったのは⋯たったの二名。詳細は分かりません。何も語ってくれないものですから⋯ただ、怨嗟の声⋯苦しみ⋯そんな声が聞こえた気がした⋯としか⋯」
 何かまだ隠しているようにも見える。
「それはいい、怨嗟に苦しみ、島という密室に凝縮された敵の群れ。うーん、いいね。愉しみで仕方が無いよ。金目のものは無さそうだけど狂気だけは多そうだ」
 栄一は楽しそうにそう言って笑う。
 それを、後ろの方で見ていたほかの職員たちが睨みつける。
「栄一君、口は災いのもとだ。彼らの気持ちも考えてあげた方がいい。」
 カネリがそう言って背後の職員たちを見た。
 少なくとも島には彼らの仲間がいる。いや、“仲間だった物”か。だが、それを面白そうに話されればたまったものではないだろう。
「はいはい、」
 栄一は、さもどうでも良さそうに手を振った。
「⋯⋯⋯いつ接岸するんですか?」
 小夜が聞く、ブリーフィングにあまり長い時間をかけると、職員たちとの険悪な雰囲気が広がりかねない。
「夕刻に接岸します。」
 部隊長の発言に周囲がざわつきだした。
 なぜ、視界の悪くなる夕刻に行動を開始する必要があるのだろう?
「夕刻⋯ですか?」
 小夜の問に、部隊長はうなずく。
「島の中央、少し高台になった位置に、教団の使用していたと思われる集落があります。そこに完全に暗くなる前に潜入し、陣地を構築、集落のどこかに火をつけて、元教団員たちや小型のUDCを誘引、暫く後、補給部隊と捜索部隊が、島に潜伏しているとみられる邪神を捜索。皆様は、集落にて誘引された群れを全てさ⋯撃破して頂ければと思います」
 一瞬言葉を言い換えた部隊長。おそらく、殺害と言うつもりだったのだろう。
 だが、殺害と言う言葉を使えば、それは暗に敵を人間だと認めることになる⋯人間を殺せということになる。
「それでは、これより6時間後に船を接岸、オペレーション アイランドを開始します!以上解散!!」






 ―作戦開始時刻『manada』密林区域

 接岸した位置から、職員に誘導され、集落へと歩みを進める5人。
 カネリは、補給部隊の援護役として、船に残ることになった。
 日が傾いて、ジャングルの中を進んでいるからか、昼間よりかは涼しくなった印象こそ受けるものの、このじめじめとした湿気はいかんともしがたい。
 目標の集落まで残り半分近くの場所で、職員が手を挙げて、猟兵達の注意を引く。
「⋯あれが見えますか?」
 木々の隙間から、目標ではないが、小さな集落が見えた。
 集落といっても、中央部の小さな小屋を除いて、建物はすべて倒壊しているようだ。
 そこには数人の人影と、まるでスライムのような小さなUDC。
「⋯あれが目標です」
 小夜は、一度ドローンを展開し、上空から集落の偵察をすることを提案。
 即座に受理された小夜は、ドローンを展開し、義眼とドローンのカメラを接続する。上空から視認できる映像から敵の大まかな人数と位置を伝える。
「⋯⋯中央の住居から東⋯私たちの方向に、人型が二、液状生物型が一、西方に人型三。上空から見えるのはそれだけです⋯少々お待ちを」
 ドローンとの接続を切り、建物の方を注視する。
「たぶん、中にも一人います」
 双葉が突然言った。だが、双葉の位置からは建物内は見えないはずだが⋯
「僕の勘はなかなか当たるんです⋯まぁ、信用していただけるかは分かりませんが⋯」
 勘⋯あまり確実性のないものを信用するわけにはいかないが⋯
「ここは迂回しましょう、目的の集落に着くまでは、あまり騒ぐべきではありません」
職員が言うと
「ばれないように殺せばいいんだろ?俺がやってやるよ」
 そう言って栄一が集落へとゆっくり近づいていく。
 ―『盗み貫く狂気の銃創』
「気付いた時には手遅れ。死ぬまで広がるといい⋯」
 そう言って右手に黒い拳銃が現れる。形状をみるにトカレフであろうか?
 静かに殺すべき相手に照準を定めて⋯
 ⋯⋯⋯⋯
 無音。
 何も音は聞こえない。
 だが、教団員の成れの果てと思われる化け物は、首元を抑えるように倒れ込んで血を流す⋯
 スライムのようなUDCも、静かに小さくなっていく
 声を出させぬように、気道を狙い撃ち抜く。
 そして、即座に建物に取りつき、裏手の三体も同じ様に殺害する栄一。
「余裕余裕⋯っと!」
 そして建物の扉が開き、中から出てきた人型も、同じ様に殺害した。
 静かに、一切の無駄なく、だ。
「へぇ、すごいな。」
 拓哉が感嘆の声を上げ称賛する。
「盗みに比べりゃ簡単だね、」
 そう言って栄一は戻ってきた。
「⋯敵には⋯回したくないね」
 アンナも、一応称賛らしきものを送る。
「そういえば、やるじゃん、双葉だっけ?お前の勘、当たってたぜ?」
 そう言われた双葉は、だが警戒するような目を向けたまま
「ただの勘ですから」
 とだけ言って静かに視線を外す。
「⋯これが猟兵⋯ですか」
 職員は、ただただ、目の前で起きた一瞬の出来事に、言葉を失っていた。





―その頃、『manada』接岸地点UDC輸送艦前

 「そうだったのですか⋯」
 職員の言葉に耳を傾けていたカネリは、職員の悲しげな話に同情の言葉を送る。
「あいつは⋯来週、結婚式を挙げる予定だったんです。それなのに⋯」
 目の前の職員は、ここに派遣された職員の友人だったそうだ。
「幸せになるはずだったんだ⋯結婚して⋯」
 職員は、涙を流しながら友の不幸を悲しんでいた。
 ⋯
 だが、表面上柔らかな口調で同情しているように見えるカネリには、彼の感情が理解できない。
 ただ、昨日まで生きていたものが死んだだけ。彼にとってはそれだけのことでしかない。
 だがそれでも純粋さを持つ彼を眩しく思う。自分にはない眩しさだ。そんな彼を傷つけぬよう、まるで脆い硝子細工を扱うように丁寧に接するカネリ。
「君は⋯優しい人なのですね?」
 そう言って静かに立ち上がると、山の方を見つめる。
「もしかしたら、救えるかもしれません」
 そんなことを言った。
 もちろん出まかせだ。おそらく、グリモア猟兵が言っていたように呪詛を解く方法はないのだろう。
 たとえ元凶のオブリビオンを下したところで、呪詛が解ける保証はない。
「そう⋯ですよね⋯あぁ、きっと邪神ってのをぶっ倒せばきっと!!」
 そう意気込む職員を、カネリは、表情のわからぬ覆面で、ただ、眺めていた。





 『manada』目標地点 寂れた集落

 あと一時間もすれば、完全に日も落ちるだろうというタイミングで、殲滅チームは集落へと到着していた。
「⋯⋯おそらく敵はいません、双葉さんはどう思いますか?」
 小夜が接続していたドローンから視界を戻し、双葉へと問いかける。
「ん⋯いないと思います。もぬけの殻?」
 双葉も、集落には敵はいないという。もちろんただの勘ですけど。と付け加えて。
 集落に入り、全員が各々の武器を構えながら集落をクリアリングする。
 小夜も、ライフルを構えて各建物を調べていく。
 どこにも生活していたような形跡は見られない。だが、おそらく儀式場か何かだったのだろうか?
 おびただしい血痕や、瓶詰にされ、何かの液体に漬け込まれた臓器などが散逸する部屋を発見する。
 吐き気を催す光景だった。そして、その奥、閉ざされた扉にゆっくりと近づく。
 ⋯嫌な予感がする。扉の奥から、この室内とは比べ物にならないほどの異臭が漂っていた。
 嗅覚をカットする。そして、扉を勢いよく開けた瞬間、中から黒い渦が飛び出した!!
 即座に下がって、目に映るその光景に絶句する。

 山だ⋯死体の山。
 この熱気と湿気のせいだろう、酷く腐敗したゲル状の死体の山に大量の蝿や蛆が群がっていた⋯
 何かの資料のような物が扉の裏に張り付いている。
 急いで資料を手に取り、扉を閉めると、外へと駆け出す小夜。
「おい、なにかあったのか?」
 駆け出してきた小夜を見て声を掛ける拓哉。
「⋯⋯ここに火をつけましょう⋯見ないほうが⋯身のためです」





―作戦決行。

 暗い闇夜でバチバチと激しく燃え上がる建物。
 双葉が魔法で付けた炎が、建物を飲み込み、どんどんと激しさを増していく。
「すごい数ですね」
 物見やぐらのような場所の上に陣取った小夜と職員。
 職員は、暗視スコープで遠くを見ていった。
「⋯⋯全て止めます」
 そう言って静かにライフルを構える小夜。
 片目をドローンに接続し、もう片目でライフルのスコープをのぞき込む。

 押し寄せる化物の群れ。
 最初に交戦を開始したのは⋯アンナだ。
「生かして救うことは叶わないか…なら…処刑人として彼らの魂を救おう…」
 静かに呟くと、その目つきが変わる。
「来いッ!!…今すぐ楽にしてやる!!!」
 彼女の叫びに呼応するかのように、彼女に大量の敵が群がってくる。
 その群れに果敢にも突撃し、錆色の乙女

 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嘆き続けるモノ』

POW   :    何故俺は救われなかった?
質問と共に【多数の視線】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
SPD   :    誰も私を助けてくれない
自身と自身の装備、【自身と同じ感情を抱く】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    僕を傷つけないで!
【悲しみに満ちた声】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。

イラスト:透人

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


―作戦決行。

 暗い闇夜でバチバチと激しく燃え上がる建物。
 双葉が魔法で付けた炎が、建物を飲み込み、どんどんと激しさを増していく。
「すごい数ですね」
 物見やぐらのような場所の上に陣取った小夜と職員。
 職員は、暗視スコープで遠くを見ていった。
「⋯⋯全て止めます」
 そう言って静かにライフルを構える小夜。
 片目をドローンに接続し、もう片目でライフルのスコープをのぞき込む。

 押し寄せる化物の群れ。
 最初に交戦を開始したのは⋯アンナだ。
「生かして救うことは叶わないか…なら…処刑人として彼らの魂を救おう…」
 静かに呟くと、その目つきが変わる。
「来いッ!!…今すぐ楽にしてやる!!!」
 彼女の叫びに呼応するかのように、彼女に大量の敵が群がってくる。
 その群れに果敢にも突撃し、錆色の乙女と名付けられた鉄塊の様な巨大な剣が、群れをなぎ倒してゆく!
「さぁ!!来い!!」
 至近距離に寄ってきた敵は、妖刀アサエモン・ブレードを抜き、すかさず切り裂いていく!
 だが、数が多く、接近してくる群れを全て薙ぎ払うことが難しくなってくる⋯
「元がなんだろうが知った事じゃないねぇ。敵は所詮は敵なのさ。ほらほら、塵になれ怪物たち!!」
 その後ろから、アンナの仕留めそこなった敵を、先ほどと同じ『盗み貫く狂気の銃創』で撃ち抜いていく栄一。
「…呪詛、呪術に掛かった奴はまあ、可哀想だとは思うけど考えても仕方ないしね?せめて安らかにくらいは眠らせてあげないと。さてと殲滅と行きますか」
 先程とはまるで違う、狂気の表情を浮かべる拓哉は、アンナ達とは逆方向から向かってくる群れを、衝撃波を込めた弾丸で的確に撃ち抜いていく!
 呪詛を受けたくはないからね、とフック付きロープや、地震の身体能力を生かし、的確に距離を取りつつ確実に撃破していく。
 それを見ながら、双葉も負けじと銃で敵を撃ち抜いていった。
「危ないですよ!!」
 双葉の声にハッとした拓哉の死角から、一匹の人型が飛び掛かる!
 刹那、人型の頭蓋が吹き飛び、一瞬遅れて銃声が響き渡った。
「うわ、やるなぁ、あの人⋯」
 それは、小夜が放った銃声だった。
 無駄弾を使わぬよう、一匹ずつ、確実に頭蓋を撃ち抜いていく。
 ⋯本来ならば、手足を撃ち抜いて無力化するべきなのだろう。だが、相手は助かる見込みがなく、下手に情けを掛ければ、味方の命にかかわるのだ。
 だが、事態はどんどんと悪化していく。
 拓哉がポイントを絞って仕掛けていた爆発物も、多数の敵を吹き飛ばしていったが、既に双葉が大根による白兵戦を行わねばならぬほど、敵に攻め込まれていた。
「さあ、化け響かせなミミック…!暗闇を掻き消し狂気を恐怖まで引き戻しな!」
 そう言って、拓哉がミミックを鐘に換え、味方の傷や疲弊を癒していく。
「皆!!やぐらに上れ!!私に策がある!!」
 そう叫んだのはアンナだった。それを聞いた三人は、一目散に櫓の上へと向かっていく。
 もはや、アンナの策に掛ける他は無かった。
 やぐらの上では、三人の撤退を支援するために、小夜に加えて職員までもが銃器で応戦を開始している。拓哉、双葉がまず到着し、続いて栄一がやぐらの上に登った。押し寄せる敵を、必死に銃火器で、押しとどめる四人。
「おい、アンナ!!早くしろ!!」
 栄一が叫ぶ!!
 アンナはただ一人、やぐらの入り口で応戦していた。
「上から見て!!遠くに敵はどれくらい居る!?」
 そう叫ぶアンナ。すかさず小夜が、ドローンとスコープを駆使し、周囲の確認を行う。
「少なくはありませんが!まばらになっています!!」
 小夜が観測できた情報を叫んだ。
「お前達もいま楽にしてやる!」
 そう叫んだアンナは、自らの腕を切り裂いた。
 すると、そこから炎が噴き出し、膨れ上がる!
 『ブレイズフレイム』アンナのUCだ。
「彷徨える魂に炎の救済を…!」
 そして燃え上がる爆炎が、やぐらに群がる哀れな魂の群れを、その炎により救済していった⋯





―捜索部隊
 島の中央から、銃声や爆音が上がり始めた。
「では、カネリさん。彼らをお願いします」
 そう言って部隊長は自らの部隊を率いて邪神の捜索を開始する。
 カネリはというと、部隊長が率いる捜索部隊とは別の部隊の護衛と指揮を任されていた。
 そこには、先程話していた職員の姿も見える。
「では、私たちはこちらを捜索します。」
 そう言って、職員たちに先行し、密林の探索を開始するカネリ。
UC『UDC召喚』をつかい現れた炎の属性を持つUDCに職員達の護衛と敵への攻撃を命じて、先行しつつ職員達の安全を確保していく。
 中央部の炎にだいぶ引き寄せられたのだろう、比較的安全に探索を進めていくカネリ達。
 数匹敵を見かけはしたが、全て召喚したUDCと、職員たちの攻撃で難無く撃破していった。
 いくつかのポイントを回り、こちらの捜索部隊は外れかとカネリが考え始めたころ、職員の一人が声を上げた。
 ⋯先程話していた職員だった。
「石田!!おい!石田!!俺だ!村上だ!!」
 目の前には、職員達と同じ格好をした⋯化物。
 片足を半分抉られて失っているらしく、よろよろと引きずりながらこちらに向かってくる。その姿は助けを求める姿に見えないこともない⋯だが、
「あの傷と肌の色から察して、おそらくすでに死んでいるのでしょう」
 そう言って、召喚したUDCに攻撃させようとするカネリ。
「ま⋯待ってくれカネリさん!!あいつは⋯あいつは!!」
 泣きじゃくりながら懇願する職員。
 だが、カネリは、その気持ちが分からない。
 だから、カネリは、彼の懇願を誤解する。
「あいつはせめて俺の手で⋯」
 と。
「分かりました」
 職員の耳元で優しげな声で語りかけるカネリ。
「⋯貴方が怖れる必要はありません。あれはただのUDC。殲滅するべき敵なのです」
 それを聞いた職員の目から、光が消えていく⋯
「⋯そうだ⋯UDCは⋯敵⋯あいつは⋯敵⋯」
 友人“だった物”に銃口を向ける職員。
「敵⋯敵⋯あいつは⋯敵⋯」
 そして、一発の銃声が、一匹の化け物をこの世から葬り去った。





―部隊長 捜索部隊

 「おそらくあの奥だ。」
 部隊長が、古い遺跡のようなものを指さして言った。
「猟兵の方々に連絡を。ターゲット発見。位置は北北西。ポイントB7」
 部下が、猟兵たちの無線に、体調に指定された座標を伝える。
「よし、それでは我々は⋯」
『ドウシテ⋯?』
 背筋に悪寒が走る⋯
『ドウシテダレモ⋯タスケテクレナカッタノ⋯?』
「⋯⋯ポイントB7ですね。繰り返してください。」
 小夜から通信が入る。
 職員達は誰もその通信に返答することはなかった。 
波狼・拓哉
運がなかった…ファンブったからじゃないないの?人生そういうときもあるししゃーないって。何事も上手く行く保証なんてないよ?
さてそれじゃあ、蹴散らしますか。今、彼らを救う方法は死のみだしね。思わん所があるわけではないけどそれで自分がやられるわけには行かんし。
さあ、それじゃあ化け咆えなミミック。狂気を狂気で塗潰し終わりを差し与えな。咆哮連打で爆撃して回ろう。…意識戻る前に終わらせてあげるのがせめてもの救いかなぁ…
自分は衝撃波込めた弾装填して撃ちつつ質問に答えたりしてよう。後はまあ、自分に課せられたルールは守っとこう。ミミック?いやー自分の知るとこではないですね。
(アドリブ絡み歓迎)


仇死原・アンナ
「安心しろ、今からお前たちを救ってやるからな…」
敵と対峙しながら静かに武器を構える

[呪詛耐性、戦闘知識]を発揮しつつ戦闘

鉄塊剣による[怪力、2回攻撃、なぎ払い]で迎撃
鞭を振り回し[ロープワーク、範囲攻撃、マヒ攻撃]で敵を妨害しつつ攻撃

敵の攻撃は[武器受け、オーラ防御]を使い防御
[見切り、地形の利用]も使って回避を狙うとしよう

「傷つけはしない…だが暴れてもらっては困る」
悲しみに満ちた声をあげたら【咎力封じ】を使い敵の攻撃を封じよう

嘆き続けた彼らの魂の安息を願う…


アドリブ絡みOK


流観・小夜
……無線機からの返答無し。何らかの襲撃があったとみて、警戒を強めていきましょう。

再度ドローンを展開し義眼と視覚を接続、周囲に何らかの敵対存在がいないか捜索しましょう。撃破対象を発見した際は他の猟兵に伝えると同時に、銃撃の音で攻撃を悟られぬようコンパウンドボウによる狙撃を行っていきます。
対象を逃してしまわぬ様、ドローンのカメラは随時対象の行動に合わせ、何らかの変化に対応してカメラの機能を変化させつつ追従していきましょう。素早く動くならスローカメラに、姿が消えるのなら温度を計測できる状態にし、追跡して『終了』させていきましょう。……アレも、撃破対象ですから。

※アドリブ・他者との協力・踏み台歓迎


霑国・永一
不穏なことになったと思ったら、これはこれは。
無念の塊、嘆くだけの壊れたレコードだ。
問いに丁寧に応対しても意味はなさそうだしねぇ……任せるよ、《俺》。
『ハハハハッ!こいつらゴチャゴチャ嘆いてうっせぇ生物だぜ!俺様の答えは肉体言語だけだ!』

狂気の戦鬼を発動
高速移動で動き回り、敵の標準に定まらないようにする【ダッシュ・見切り・フェイント】
動き続けたまま、敵に衝撃波を叩き込み続けていく【早業・鎧無視攻撃】
敵が透明化する場合は、敵が居ると思しき一帯を衝撃波であちこち攻撃して暴れまわり、燻り出す。
嘆く声が透明化中でも聞こえたならその方向に衝撃波を行う
「被害者ぶって加害者になってんだろ怪物がッ!死ねッ!!」


カネリ・カルティエ
北北西のポイントB7、と言いましたか?やはりこちらはハズレでしたか。返答が無いということは……。
(この島の探索を彼らに任せるのは少々酷だったかも知れませんね)

【SPD】
召喚した炎のUDCに引き続き敵の撃破を指示。
姿が見えない?灰を撒いて引きずり跡か輪郭がわかりませんかね。

ターゲットは既に見つかっているので、職員の方々は撤収でしょうか?

敵は気が弱そうだから【呪詛】で【恐怖を与える】で時間稼ぎにはなりますかね。

『職員が撤収・周囲に人がいない時』に限り【妖精が潜む小箱】を使用。
ご苦労様でした。

貴方がたが死んだ理由?
ふふ、私も昔、今は無い惑星探索隊の隊員だったんですがね。
みんな、運が悪かったんですよ。


満月・双葉
視力、暗視、聞き耳、第六感、野生の勘をフル活用して敵を補足
攻撃を見切り、見切れないものはオラトリオベールがオーラ防御をします

僕は助けて貰うつもりはありません。誰にも僕を護らせないと決めましたから

攻撃は、虹瞳による生命力吸収攻撃に加え、武器の投擲と銃による射撃をスナイパーで精度を上げて行います
近接に入り込まれたら、置物による殴打で気絶攻撃、大根で串刺しにしてから傷を抉る2回攻撃等で対応します

残存を見せる早業で動き回り敵に補足させないように心がけ、翻弄し、目で敵の弱いところを把握し鎧無視攻撃を放ち、鎧破壊し味方の攻撃が通りやすくなるようにしてみます

たとえ過去が何であろうと、今はオブリビオンですから



―殲滅班

⋯返答が帰って来ない。
「繰り返してください、こちら殲滅班、探索班部隊長へ、ポイントB7、よろしいですか?」
 小夜のは繰り返すものの、こうなるとおそらくは⋯
「どうですか、小夜さん」
 双葉が後ろから訪ねてくる。小夜は小さく首を振り、部隊長からの返答が無い旨を伝えた。
 こうなると、部隊長以下職員たちは襲われて全滅したと見ていいだろう。
『殲滅班、聞こえますか?こちら第二探索班、カネリです』
 カネリから通信が入る。曰く、第二探索班は島の反対側におり、職員を船まで送るため合流までは時間がかかるとのこと。
「了解しました。お気を付けて」
 小夜と双葉は、いったん仲間の元へと戻っていく。
「どうしますか?ここからは明るくなるのを待って行動するのも手ではあるかと⋯」
 双葉はそう言うが、相手がおとなしくポイントB7に留まっているとも限らない。まして部隊長たちも先ほど殲滅した連中と同じものになってしまった可能性が十二分に考えられる。時間を掛ければ相手を分散させるだけだ。
「⋯⋯一度、作戦会議ですね、ここまで誘導してくださった職員の方をどうするかも考えなければいけません」





―第二探索班 カネリ・カルティエ

 背後から嗚咽の声が響き続けている。
「俺が⋯俺が撃った⋯?そんな⋯そんな馬鹿な⋯噓だ⋯あぁ⋯噓だ⋯」
 ⋯友人の亡骸の前で嗚咽を吐く職員。彼は記憶が残っていないようだ。
 とはいえ、ここでいつまでも泣かれていても困る。カネリは早くオブリビオンを片付けに行かねばならないのだ。
 ―とはいえ、この島の探索を彼らに任せるのは少々酷だったかも知れませんね―
「仕方がなかったんですよ、あなたが撃たなければ私が襲われていました」
 そう言って肩を持ち立ち上がらせるカネリ。
「いずれにしてもあの傷ではきっとすでに亡くなっていたのでしょう⋯さぁ⋯っ!?」
 背筋に走る悪寒。
「はずれだと思っていたんですがね⋯」
振り返るとそこにはまるで獲物を誘うようなぽっかりと口を開けた洞。
「彼を連れて早く行きなさい。オブリビオンが来ます」
 そう言って、職員たちに退避を命令するカネリ。
「オブリビオン⋯お前が⋯お前らがぁ!!」
 突如立ち上がり、銃を乱射しながら洞へと突撃する職員!
「待ちなさい!!」
 しかしカネリの制止も聞かず走っていった職員が、突如何かにぶつかり倒れ込む。
『イタイ⋯イタイヨ⋯ママ⋯ママ⋯』
 どこからともなく響く声⋯そして突撃した職員が宙へと浮かぶ。
「離せ!!離せ!!い⋯ギィ!?」
 宙に浮かんだ体がまるで何かに引っ張られるように伸びていく⋯
「あなたたちは早く逃げなさい!!⋯早く!!」
 だが、ほかの職員たちはその光景から目が離せない⋯
「ギ⋯ィ⋯やめ⋯ガァ⋯ア!!」
 ⋯プチプチと肉の裂ける音⋯何かに口をふさがれているのか、職員は目を見開いて声を出すことすらままならぬように声にならぬ悲鳴を上げていた⋯
「んんんんんんんんん!?」
 そして、
 ブチリ⋯
 上下に裂かれた体から、大量の血液と生暖かい臓物が地面へと降り注ぐ。
「あ⋯ああ!?あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!??」
 恐慌した職員たちが一目散に逃げだした。だが、これでいい。目の前で血を浴びた怪物の姿があらわになる。
『ママ⋯ママァ⋯タスケテ⋯タスケテ⋯』
 丸い体⋯所々光るあの赤い点は目だろうか?
 奇怪な体の怪物が、怨嗟の声を上げている。
『ドウシテ⋯ドウシテ⋯ボクハ⋯シニタクナンカ⋯ドウシテ⋯』
 自らの死の理由。そんなことを問うている怪物に、かつての出来事を思い出すカネリ。
「貴方がたが死んだ理由⋯?ふふ、私も昔、今は無い惑星探索隊の隊員だったんですがね⋯みんな、運が悪かったんですよ。ただ、それだけの話です」
 そしてカネリは召喚しているUDCと共に身構えた。
『アツイ⋯イタイ⋯クルシイ⋯』
 そう呻きながら近づいて来るオブリビオンに、呪詛の言葉を投げかけると、恐怖を感じたようにその動きを止めるオブリビオン。
「⋯やはり気が弱そうですね」
 そう言いながら懐から小箱を取り出すカネリ
「さぁ、お食事の時間ですよ、かわいい妖精たち⋯」
 その小箱から這い出た妖精たちが一斉にオブリビオンへと向かって行き、その肉を食らっていく!!
『イタイ⋯イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイィィィィイイイイ!!!』
 そう叫びながら暴れまわるオブリビオンを静かに見るカネリ。
「それは結構。ですが、生きながら二つに裂かれるのも、相当な痛みだったと思いますよ?」
 そう言って妖精たちに食い殺されていくオブリビオンを静かに見据えるカネリを、
突如頭痛のようなものが襲う。
「これは⋯いったい⋯」
頭を抱えて倒れ込んだカネリは、そのまま意識が遠のくのを感じていた。




―殲滅班

 未だ燃える炎の前で、殲滅班は集まっていた。
「⋯⋯というわけです。カネリさんからもそれ以来連絡が途切れていますので、もしかすると、カネリさんも戦闘に入ったのかもしれません」
 小夜が状況を説明する。
「B7には何があるんですか?」
 双葉が職員に聞いた。
「古い遺跡ですね、ここからはそこまで離れていないかと。」
 そう言って職員は黙り込む。無理はない、自分の上官が殺されたかもしれないのだ。
「遺跡ねえ⋯」
 拓哉が少し考えるように言った。
「昔、神を祀る神殿だった場所だそうです、ですが⋯」
「ですが?」
「米軍の部隊が壊滅した話をしましたよね⋯ちょうどそのころ、この国全体がちょっとした内紛状態にあったんです。そのときに、テロリストに掌握されて、地下は迷路のようになっているとか⋯」
 おそらくはそのテロリストが邪神教団とつながっていたのであろうということ。
 さらには、テロリストたちの存在が、この島の探索を困難にしていたことを話す職員。
「なるほどねぇ⋯ま、とりあえずお前はどうするんだ?」
 栄一が聞いた、職員を連れていくわけにはいかない。確実に戦闘に巻き込む結果になるだろう。そうなれば、彼も生きては帰れまい。
「私はここに残ります、一人で下手に動き回るより安全でしょう。それに、小夜さんが見つけてきてくれた資料の他にも何か残っているかもしれません」
 職員は静かに言った。自分が足手まといになることなど理解しているのだろう。
「それじゃあ、いきましょ」
 先程の凛々しい様子はどこへやら、比較的ぼんやりとした口調に戻ったアンナが言って、猟兵たちはポイントB7へと向かっていった。





―ポイントB7

「こりゃあひでぇなぁ。」
 栄一が目の前を見ていった。
 目の前に広がっていたのはバラバラに引き裂かれた人の群れ。落ちている装備から、辛うじてそれが探索班の亡骸なのだろうということが分かる。
「無理矢理引き千切ったんでしょうか?」
 その死体をまじまじと見て推察する双葉。
 まるで道端のゴミを見るような⋯何の感慨もなさそうな、そんな目だった。
「少し近くを回ってきたけど、特に気配とかはなかったな。」
 周囲の索敵を終えた拓哉が戻ってくる。となると、敵はやはり中か。
「迷路になってるって事だけど⋯どうする?」
 アンナが聞く。
「さすがに五人でまとめて入っても、動きにくいだけだよなぁ。」
 栄一がそう言って笑う。恐らく一人で動きたいのだろう。
 五人は、近接武器を持つアンナを先頭に、遺跡に入っていく。遺跡の中の階段を降りるとそこには小さな空間があり、タルや木箱が散逸、そしてさらに奥へと向かう道や階段などがあった⋯静かだ。時折聞こえる水滴の落ちる音がある以外には、無音。薄気味悪い空間だった。
「んじゃ、俺はこっち行ってみるから、じゃあな」
 そう言って軽く手を振りながら奥へと一人歩いて行った栄一。
 それじゃあ俺も、と拓哉も別の道へと行ってしまった。
「僕も一人で行きます、僕は助けて貰うつもりはありません。誰にも僕を護らせないと決めましたから」
 双葉もそう言うと、奥へと向かう。
「あなたはどうする?」
 アンナは小夜に聞いた。
「⋯⋯私はどちらでも構いませんが⋯そうですね、アンナさん、同行願えませんか?」
 小夜の装備では、接近された際に不利になる。全力で戦う為にも、だれか前衛で戦える仲間が欲しかった。
「ん、分かった」
 そう言うと、アンナは階段の方を示す。
「⋯⋯了解です。」

―霑国永一。

 静かに、しかし素早く、地下道を進んでいく栄一。かつて、テロリストが掘ったのだろう坑道は、確かに迷路のようだ。
 暗く、じめじめとして、そして気味が悪い
「いいねぇ⋯最高だ。」
 クスクス笑いを浮かべ、道を進んでいくと、少し広い地底湖のような場所に出た。
酷い臭いがする。
『イタイヨ⋯イタイヨ⋯』
 嘆くような声が聞こえ始める。
「やっとお出ましかよ?」
 姿を現した生物とも見えぬ怪物は、怨嗟の声を吐き続けている。痛い、苦しい。助けて⋯助けて⋯
「これはこれは。無念の塊、嘆くだけの壊れたレコードだ」
 頭をポリポリと掻いて、こりゃあ何も考えずに叩きのめしちまったほうが楽かと言いながら笑う。
「頼むぜ、≪俺≫」
 一瞬力が抜けたようにふらつき、体勢を立て直す栄一。
「ハハハハッ!こいつらゴチャゴチャ嘆いてうっせぇ生物だぜ!俺様の答えは肉体言語だけだ!」
 突如、人が変わったように凶暴な笑みを浮かべながら叫んだ。
 UC『盗み纏う狂気の戦鬼』を発動したうえで、自らのもう一つの人格を呼び起こしたのだ。
 オブリビオンは、姿を消して呪詛を吐き続ける。
「うるせぇんだよ化物が!!被害者ぶって加害者になってんだろ!死ねッ!!」
 姿が見えずとも問題はない。声が聞こえる方向に衝撃波を放って攻撃を加える!!
「オラッ!!出て来いよ!!さぁ、さぁ!!」
 ただ衝撃波を放つだけではない。敵が狙いを定められぬように縦横無尽にかけ回り、声のする方向へ、そして敵が動いている先を予測しつつ的確な攻撃を放っていく。己の不幸を嘆きたければ好きなだけ嘆けばいい。それだけ、こちらが狙いやすくなるのだから。
『⋯僕を傷つけないで!!』
 一瞬大きな⋯それでいて悲痛な悲鳴が栄一の耳に聞こえた。
 その声と同時に、満身創痍のオブリビオンが苦しそうな目でこちらを見つめている⋯
 恐らくはこいつのUCか。
「傷つけないでってか⋯?」
 つかつかと近づいていく栄一
「ほざいてんじゃねぇよ!!化物がッ!!」
 至近距離から衝撃波をぶつけて、オブリビオンを殺す。
 相手のUCの効果で、体に傷を受けたが、かすり傷だ⋯だが⋯なんだ?視界が歪む⋯
「なんだ⋯よ⋯これ⋯?」
 栄一はその場に倒れ込むと、意識を失った。

―波浪拓哉。

 拓哉がたどり着いたのは寝所のような場所だった。
 小汚いベッドが大量に置かれ、規則正しく並べられた様子は墓地を連想させる。
「んで、いるんだろ?早く出て来いよ。」
 静かなように見えるその寝所、その奥から小さな声が聞こえていた⋯
 許して⋯許して⋯
 そして姿を現したオブリビオンを見て、拓哉は笑った。
「うわ、薄気味悪い顔」
 そして、その顔は少しずつ狂気を帯びたものへと変わっていく
「さてそれじゃあ、蹴散らしますか」
 まるで今から掃除でもするかのような口調で、そう言うと、ミミックを放り投げる。
「さあて、それじゃあ化け咆えなミミック。狂気を狂気で塗潰し終わりを差し与えな」
 そう言うと、放り投げたミミックは龍のような姿となり、咆哮を上げた!!
 何度も、何度も、それを聞くたびにオブリビオンは爆発に吹き飛ばされている。
「えぇ?なんだって?聞こえないよ?」
 そう言いながら、爆発のする場所へ弾丸を撃ち込んでいく。そして、ついにミミックの咆哮で爆発が起きなくなると、狂気に満ちた薄ら笑いを浮かべながら言った。
「いやさ、思わない所ががあるわけではないけど、それで自分がやられるわけにはいかないわけで⋯わかる?あ、もう死んでるか」
 だがその瞬間、拓哉は頭痛に襲われる。
「う⋯なんだよ⋯いき⋯なり⋯」
 そしてそのまま拓哉は崩れ落ちた。

―満月双葉。

 「これは⋯何かの研究所ですかね」
 大量の薬瓶や、実験器具のようなものが並ぶ場所で、双葉は薬瓶を一つ手に取った。
「⋯読めない⋯か。」
 ほとんど文字はかすれているうえに、残っている部分もこの地方の言葉なのだろうか、判別することは不可能だった。
 だがいずれにしても、ろくなものではないだろうことは明白だ。
「あんまりこんなところで戦いたくないんだけどね⋯」
 小さく聞こえ始める怨嗟の声。
 双葉は呟いた。
「まぁ、でも今なら思おう存分戦える」
 そう言って眼鏡を外す。
「隠れたって無駄だよ、僕は命が視えるんだ」
 そして、目を向けた方向。すなわちオブリビオンに向かって生命力を削ぎ落とす矢が飛翔した。
 さらに自身も射撃で応戦し、敵を近づけぬように徹底的に乱射する!!
 だがそれでもなお接近してくるオブリビオン!
「僕に⋯近づくな!!」
 取り出した馬の置物で複数回殴打し、更に大根を突き立て、その傷口を抉るように何度も突き立てていく!!
 どれほどの時間がたったのか?
 何度その傷口を抉ったのか?
 しばらくすると、オブリビオンは動かなくなっていた。
 はぁはぁと息を切らす双葉。
 その死骸から離れると、急に視界がブラックアウトし、その場に倒れ込んだ。
「薬品の臭いでも⋯嗅いだ⋯かな⋯」
 そのまま双葉は意識を失ってしまった。

―仇死原アンナ。流観・小夜。

 目の前に広がる光景に絶句する。
 だだっ広い空間に鎮座するそれは、上にあるのとは違う別の神殿。
「⋯⋯地下にこんなものが?」
 それはひどく古いものだろう、ほとんどが倒壊しているが、それでもなお禍々しい、嫌な気配を感じるものだ。
「小夜、注意して。来る。」
 アンナの言う通り、周囲から怨嗟の声が響き渡り始めていた。
「小夜、敵は見える?」
 ドローンを展開し、サーモスコープを起動する。
「⋯⋯数匹いますね⋯」
 姿を消して襲い掛かってくるとなると厄介だ。
「私が咎力封じで炙り出す。場所を指示して」
 アンナはそう言うとUCを準備する。
「⋯⋯了解、終了させていきます……アレも、撃破対象ですから」
 襲い掛かるオブリビオンの位置を小夜が観測し、的確な指示を送りつつ弾薬の少ないライフルに代わって矢の再利用が利くコンパウンドボウによる一撃で見えない敵を葬っていく。
「安心しろ、今からお前たちを救ってやるからな…」
 指示を受けたアンナは咎力封じで、敵の姿をあらわにし、姿を現した敵を錆色の乙女の一撃で救済していく。
 二人は連携し、襲い来るオブリビオン達を静かに骸の海へと送り返していく。
 悲痛な声に耳を傾けることはない。同情し、一瞬でも気を抜けば、自分たちも彼らのようになるかもしれないのだ。
 確実に、しかし憐れみを込めたその一撃で全ての目標の魂を救った二人。
 だが、そんな二人を襲う突然の耳鳴り。
 耳を抑えうずくまる二人に小さな声が聞こえた気がした。
「開放してくれ⋯もう⋯許してくれ⋯」
 その声が聞こえてすぐに、二人は意識を失った。




―職員。実験記録日誌

 また失敗作だ。
 あれには魂が宿らない。
 成功作が逃走したことは実に惜しい事だった。
 だが幸いにも、この島には死体が山ほどある。
 あれをもう一度作るための材料が。
 生きたまま内臓を取り出した遺体を一か所に集め、邪神様の力を注ぎ込むのだ。
 恨み、妬み、苦しみ。そういう感情をもって死んだ遺体ならなお良い。
 生きたままとらえた場合は存分に痛めつけてから殺すように。
 この場所で見つけた邪神様の力を用いて、我らの手で新たな邪神様を生み出すのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『碑文の断片』

POW   :    災の章
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
SPD   :    妖の章
【猟兵以外のあらゆる存在が醜悪な怪物】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    神の章
【召喚した邪神の一部が、動く物に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は桑崎・恭介です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 意識を取り戻した猟兵たちは全員地下神殿の前にいた。
 それも、半分倒壊した物ではなく、完璧な姿の神殿の前に。
 そこに浮遊するなぞの石板のかけら。
 これが⋯この島の邪神なのだろうか?
波狼・拓哉
わあ、急展開。というかUDCに攫われんの二回目だよ自分…そしてあの浮いてるのが一番怪しいよね。浮いてるし。…生贄したら修復されるとかそんなんなのかな?
さてとそれじゃあ、化け撃ちなミミックっと。つっても今回は攪乱メインで行こうか。高機動型に化けな?あの石板の周りを高速で飛び回るだけでも効果ありそうだしね?撃つよりそっちメインでお願いするわ。あ、隙があれば遠慮せずに撃ってね。
さて自分は衝撃波込めた弾で牽制しつつ、ミミックの維持かな。別に再召喚制限とかないし、攻撃受けて消えちゃったら即再召喚して常に飛び回らせておこう。自分は逃げ足や地形を利用して目立たないように立ち回るか。
(アドリブ絡み歓迎)


流観・小夜
……先程の耳鳴りから意識消失後に拉致、その後ここに転移してきたと判断。周囲警戒を実施。

対象の浮遊する碑文は当方の知識はないため、視覚から読み取った情報と聴覚情報を義眼とヘッドセットを通じてUDC職員に届くよう送信。現時点では浮遊するため、ライフルを構えつつ観察。
対象が何らかの行動を開始した際は、味方の行動支援並びに対象の行動妨害のため、義眼とスコープで正確に対象を捉え狙撃。攻撃部位は碑文そのものでなく、現れるはずであろうUDCに対して実施。

職員から解析した情報が此方に届いた際は、他猟兵に情報を伝達し、即座に対象を『終了』出来るよう内蔵兵器を暴走させ、破壊行動を仕掛ける。

※アドリブ・絡み歓迎


満月・双葉
死者を冒涜する存在は、彼女の怒りを買いますよ
ほーら
この言葉は少々滑稽ですね
死んだ方が、まし?
2度は死ねないから、永遠に苦しんでくださいね

ユーベルコードは動きを止めるために使い、恐怖を与える呪詛を乗せた武器の投擲や射撃をスナイパーで精度を上げて用いたりする事で、直接攻撃の補助をしますが、近接に入り込むのが危険な相手なら直接攻撃は控えます
直接攻撃は桜姫による斬撃に恐怖を与える呪詛を乗せて行い、大鎌に変形させて炎の属性攻撃を行う2回攻撃をします

敵の攻撃は視力、暗視、聞き耳、第六感、野生の勘を駆使して見切るか、オラトリオベールがオーラ防御します


ぁぁ、碑文が読んでも害がなく読めるものなら可能なかぎり読む


霑国・永一
『あいつ』に戦い委ねてたら気が遠くなって、はて。しかし俺たちが意識取り戻すまで何もされてない感じかな。…あの妙な石板みたいなのにも

まぁいいや、まだいけるね、『俺』?
『ったりめぇだ!俺様は暴れ足りねぇってのにおねんねさせられて消化不良だ!ぶち壊す!』

狂気の戦鬼を発動。技能加えて高速移動をして、石板の生み出した怪物を引き付けつつ良い感じに纏まったら衝撃波で吹き飛ばす
敵の動く速度が速い場合は、引き付けてる最中でも足を狙って衝撃波を使用しておく。
無論余裕がある時は石板へ接敵、衝撃波を思い切り叩き込む。
石板に対しては暴れつつもヒット&アウェイで
「おらッ!こっち来いよ!そんでくたばれ!石板、てめぇもだ!」


仇死原・アンナ
あれが諸悪の根源か…ならあれを打ち砕くのみ…!

他の同行者と共闘しつつ[戦闘知識]を発揮して戦闘

「怪物め…邪魔をするな!」
【絶望の福音】と[見切り]を使い召喚した敵の攻撃を回避しつつ
鉄塊剣を振るい[なぎ払い、2回攻撃]で蹴散らす

現象による攻撃は[呪詛・火炎・氷結耐性]を張り[武器受け、オーラ防御]、
さらに仲間も[かばう]

「こいつで打ち砕く!」
石板の欠片は[力溜め、怪力、鎧砕き]による鉄塊剣の攻撃で粉々に打ち砕いてやろう…

アドリブ絡みOK


カネリ・カルティエ
あの石板のかけらのようなものが邪神……?

何と書いてあるのでしょうね。

【SPD】
囮として【UDC召喚】でよく動き回るものを召喚。
強さは問わず、相手を混乱させる為に数が多ければ尚良し。大きめの蝿、蜂の類はどうでしょうか。

※召喚に失敗して動きが遅いものだった場合は仕方ないのでそのまま敵の邪魔を指示。

体力が持つか不安なので、地縛鎖を放ち【地形の利用】で大地の魔力を吸い上げておきますかね。

自衛に【呪詛耐性】【オーラ防御】使用。
攻撃を受けたら【カウンター】【敵を盾にする】
【学習力】で敵の動きに注意する。

自身が動き回れる状況であれば
攻撃は地縛鎖の刃物で【串刺し】【傷口をえぐる】。



 いったい何が起きた?
 意識を取り戻した6人は、先程まで別々の行動をしていたはずの全員が同じ場所にいる異様な状況と、そしてそれ以上に異様な目の前に広がる光景に困惑する。
 目の前に鎮座するは荘厳な神殿。周囲には一面白い花々が咲き乱れ、崩れた天井から漏れる光が、祭壇に浮かぶ謎の石板を煌々と照らし出していた。
 諸人が一様に美しいと称するであろうその幻想的な光景は、しかし確かな違和感と共に禍々しい悪寒で猟兵たちの背筋を這い上がる。
「こりゃいったいなんなんだ?」
 栄一も、さすがにその状況に困惑しているのか、周囲をきょろきょろと見まわしていた。
「わあ、急展開。というかUDCに攫われんの二回目だよ自分…」
 拓哉も軽口を叩いてはいるが、その眼は決して笑っていない。
「あの石板のような物⋯動きませんね⋯いったい何が書いてあるのでしょうか?」
 カネリが興味深そうに石板に近づいていく。
「一応警戒はしておくべきですけど⋯なぜでしょう⋯攻撃を仕掛けてくる気がないような⋯?」
 双葉もそれに続き、興味深そうに近づいていった。
 小夜は職員との通信を試みるも、一切応答は無く、仕方なくライフルを浮遊する石板に向け、情報を得ようとする。
 
『死せる者達に慈悲を。
 死せる気高き魂に祝福を。
 汝、自らの死を恐れるなかれ。
 友の死を恐れるなかれ。
 愛する者の死を恐れるなかれ。
 死によりて汝らは祝福されん。
 死によりて汝らは一つの魂となるだろう。』

 そんな言葉が脳裏に響く。
「二人共!!そいつに近づくな!!」
 アンナが叫んだ次の瞬間。
『汝、死を受け入れ給え。妖の章』
 再び脳裏に響いた声と共に、神殿の奥から大量の化け物。―いずれも損壊の激しい人型だ―が一斉に飛び出してくる!!
 一部は石板を守る様に石板の周囲に固まり、残りが全て猟兵たちを排除すべく襲い掛かってきた!!
「⋯ッ!」
 即座に反応したのは小夜だった。白い花々を無残にも踏み散らかし接近してくる化け物たちに対して、着実にそのライフルの弾丸を叩き込んでいく!!
「『アンガーオブペルセポネ』!!」
 双葉も、相手の動きを止めようと裸眼による視線を向け、恐怖により相手を縛り付けようとする。
 しかし、彼らが足を止めることはない⋯すでに感情を持たぬ傀儡に、その効果が及ぶことはなかった。
「あぁ!もう!!」
 仕方なく拳銃を抜き、その頭部に確実な一撃を加えつつ、接近してきた人型を大根で殴り飛ばし、敵を片付けて行く。
 しかし、小夜と双葉に頭部を吹き飛ばされ、動きを一瞬止めた相手も、すぐに立ち上がり再び襲い掛かろうと突っ込んでくる!!
「これは⋯不味いですね⋯」
 カネリも接近してくる化け物たちを地縛鎖で薙ぎ払いつつ、UCを起動する!!
「さて、今度はどなたが呼び掛けに応えてくださるでしょうかね⋯ッ」
 再び現れたのは炎の属性を持つUDC。好都合だ。それならば⋯
「焼き払いなさい!!」
 現れたUDCに指示を出し、周囲一帯を焼き払う。その身を焼かれた化け物たちは、流石に体が物理的に崩れれば動けないのか、体を縮こませる様にうずくまると動かなくなった。
「は!まだやれるんだろう!!俺!!!」
 栄一がそう言うと、また再び気を失うようにふらつくと、その目つきが獰猛な物へと変わる。
「ったりめぇだ!俺様は暴れ足りねぇってのにおねんねさせられて消化不良だ!ぶち壊す!」
 再び『盗み纏う狂気の戦鬼』を発動し、そう叫んだ栄一は、化け物の集団へと突進し、その肉体を粉々に粉砕していく!!
「はっはぁ!!どうだ!?ぶっ壊れりゃ動けねぇだろう!!化け物共が!!」
 そう叫ぶ栄一。次の瞬間、また脳裏に声が響いた。
『死は救いなり。享受せよ。災の章』
 氷を纏った竜巻が、周囲の花や化け物を見境なく巻き込みながら栄一へと放たれた!!
「やっべぇ!?」
 即座に退避しようとする栄一だが、竜巻の接近する速度が速すぎる。これでは回避しきるのは難しいだろう。
「させるかぁ!!」
 その刹那、アンナが栄一の前に躍り出ると、その竜巻を全身で受け止める!!
「⋯ッ!?」
 鉄塊剣、錆色の乙女を構え、更に防御を貼って受け止めたはずのその攻撃が、
 アンナの体を傷つけた。
「アンナ!?」
 拓哉が叫ぶが、アンナは問題ないと言わんばかりに相手を睨めつけると、
「あの後ろに隠れてる石板を片付けないと、これじゃあじり貧だ!!どうしようもないぞ!!」
 そう言って石板が隠れている群れを指さし叫ぶ!
「でも、まずは周りをどうにかしないと⋯ッ!僕に近づくなって言ってるだろ!!」
 そう言って双葉が接近する化け物たちを大根で殴り飛ばし、吹き飛んだ相手を魔法で焼き払う!!
 だが、敵の数が一向に減る気配がない。わらわらと無尽蔵に現れる化け物たちに手間取り、接近はおろか攻撃を加える事すらままならない状況だった。
「接近さえできればまとめて吹き飛ばしてやるのに!!」
 アンナが恨めしそうに石板を睨んだ。
 UC『絶望の福音』により、敵の攻撃を避け、錆色の乙女による一撃を叩き込むアンナ。
 カネリは地縛鎖により魔力を補給しつつ召喚したUDCに敵を焼かせ、
 小夜は銃撃、双葉は大根による接近攻撃と魔法による焼却。
 栄一も接近する相手を殴り飛ばし、何とか近づこうとしていたが、次から次へと現れる化け物がそれを許さない。
「⋯⋯残弾残り10%⋯そろそろ弾薬が持ちません1」
 小夜が叫ぶ。コンパウンドボウの矢もあまり残ってはいない、それに、頭部を破壊しても動くとなれば、点での攻撃は効果が薄い⋯大口径のライフルの衝撃力が頼りだった。
「小夜!まだ弾丸はあるんだろ!!」
 拓哉が叫びながら聞く。
「だったら俺があの周りの雑魚を引きはがす!!その間に撃て!!」
 そう言ってUC『バトルシップ・ドーン』を起動すると、石板に群がる敵を薙ぎ払うように光線を連射させる!!
 拓哉本人も石板の方角へ、衝撃波を込めた弾丸をありったけ撃ち込み、その取り巻きを吹き飛ばしていく!!
『何故、抗う?何故、受け入れぬ?』

『神の章』

 そう、頭に響いた。
 次の瞬間、地面からゲルのようなものが染み出し、周囲の化け物を飲み込んでいく!!
 それはまるで、小夜が集落の祭儀場の場所で見た死体の山のような姿へと姿を変えると、拓哉へと襲い掛かる!!
 しかし、アンナと栄一がその怪物の前へと躍り出ると、その怒涛の連撃を防ぐ!!
「双葉さん!!」
 カネリが叫び、
「わかってる!!」
 双葉が答える。
 そして、カネリのUDCと双葉の魔法が同時に石板の周囲の群れを焼き払う!!
「今だ!!」
 拓哉が叫びを上げて、新たな怪物へと攻撃を開始する。
「⋯⋯対象を確認。狙撃します⋯ッ!!」

 ターンッ!

 ライフルによる乾いた銃声。正確無比な射撃は、確かにその石板に命中した。
 
 ピシリ⋯⋯

 だがヒビが入ったその石板は砕けない、立て続けの2射目を撃つ為に引いた引き金が、乾いた発砲音を奏でることはなかった。
 ⋯⋯弾切れ!?
 予備の弾丸はすでに無く、味方は再び現れた人型と新たな怪物を引き留めるために手いっぱいで、こちらに加勢出来る状況ではない⋯
 小夜は、一瞬ですべてを計算する。
 この状況の打開策を。
 自分がアレを破壊しなければ、ここで全員死ぬことになるのだ。
「⋯⋯あまり⋯使いたくのなかったんですが⋯」
 実験兵器。暴走の危険が孕むそれを起動することを決意する。
 どうせ、それを使わねば仲間と共にここで朽ち果てるのだ。
 ならば、少しでも⋯たとえ自分が壊れても、“それ”を使うべきだろう。
『システムエラー!!システムエラー!!ボディに過剰な負荷を検知!!警告!!直ちにユニットを停止してください!!直ちにユニットを停止してください!!』
 脳内に響くけたたましいエラーメッセージ。
 すべてを無視する。
 黙れ。
「うわぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
 普段のクールな彼女とは思えぬ咆哮を上げながら石板へと突撃する。
 跳躍し、巨大な怪物を飛び越えて。
 一瞬、怪物の天辺。小さな何かが小夜を見た。
『あなたたちは違う』
 そんな声が聞こえた気がした。
 右腕を振りかぶる。その右腕から炎が燃え広がり、上着の袖を溶かした。
 煌々と赤熱する右腕を石板へと叩き付ける!!
「壊れろッ!!」
 粉々に砕ける石板と右腕。
 そして、また声が脳内に響き渡った。



『ありがとう⋯これでやっと⋯眠れる⋯』





 気が付くと、砂嵐だらけの視界の中、崩れた天井の空から小さな光が見えていた。
「大丈夫?」
 誰かが上から声をかけてきた。恐らくはアンナだろう。
「⋯⋯どうなりましたか?」
 雑音交じりの声であんなに聞いた。
 おそらく表情筋も動いていないだろう。
「あなたのおかげ。みんな⋯無事よ」
 そして、立てるかと聞いてくるアンナに謝る小夜。
「⋯⋯ごめんなさい⋯暫くは⋯動けなさそうです⋯」
「ん⋯分かった。帰りましょ、みんなのところへ」





―UDC輸送船。整備室。
 様々な機械に繋がれた小夜に、職員が話しかけた。
「すいませんね、簡単な整備しかできないものですから、本部に戻り次第、本格的に整備させますよ」
 声も出せなくなった小夜は、無言で話を聞いていた。
「それと、小夜さんが見つけてもらった資料は、こちらで引き取ります。詳しいことは話せませんが、渡さねばならぬ方がおりますので。」
 しかし、少し黙っていた職員は、一言だけ言った。
「⋯独り言なんですがね。人工的にUDCを生み出すなんて可能なんでしょうか⋯そうなると、今以上に警戒が必要です⋯それでは」
 そう言って部屋を出ていった。




―医務室。
「いってぇ!!」
 治療を受けていた栄一が叫ぶ。
 拓哉を守るために巨大な怪物から受けた傷が所々に残っている。
「もう少し優しくしてくれよ⋯」
 看護師にそういった栄一は静かに睨む。
「そんな怖い顔したって駄目ですよ。アンナさんを見習ってください」
 そう言って手当てした傷口を軽く叩く
「い⋯たい!っつうの!!」
 アンナは静かに看護師の手当てを受けている。
「痛くないんですか?」
 拓哉はアンナに聞いた。
「ん⋯慣れてる」
 そう言ってボケっとした顔でアンナは治療を受けていた。
「そういえば、結局あの石板はなんだったんですかね?」
 オブリビオンであることは確かだろう。
 だが、なぜあのような場所にあったのだろうか?
「先住民族の古い儀式上にあった石碑に悪しき力が宿ったものと推測されます」
 先程まで小夜の元にいた職員が入ってきた。
「古くは、死者の魂の安息を祈るために作られたものだそうです。内容は⋯」

「死せる者達に慈悲を。
 死せる気高き魂に祝福を。
 汝、自らの死を恐れるなかれ。
 友の死を恐れるなかれ。
 愛する者の死を恐れるなかれ。
 死によりて汝らは祝福されん。
 死によりて汝らは一つの魂となるだろう」

 カネリが扉を開いて入ってくるとそう言った。
「ですね?」
あの神殿で全員の脳に響いた言葉だ。
「ええ、なぜそれを⋯まぁ、ですが、最後にもう一言あるんですよ。」










『死せる者達に慈悲を。
 死せる気高き魂に祝福を。
 汝、自らの死を恐れるなかれ。
 友の死を恐れるなかれ。
 愛する者の死を恐れるなかれ。
 死によりて汝らは祝福されん。
 死によりて汝らは一つの魂となるだろう
 汝らに幸あれ。汝らに祝福あれ。汝らに安らかなる眠りのあらんことをこの石碑に記し、我らは祈りを捧げよう。全ての尊き英霊たちへ。』

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月26日


挿絵イラスト