「困ったことになった」
と藤間・英(縦横無尽の語り部・f13788)は険しい顔を見せた。
端午の節句が近付いている折だった。
まだ幼い子供たちはもちろん、男衆女衆もみな祭りの気配に胸を躍らせている。
そんな中、サムライエンパイアで事件が起きたのだという。
「坂上の剣菱をな、飲ませてやろうと思ったんだよ」
ため息交じりに藤間は語る。
「知らねえか? 坂上の剣菱。『名酒づくし』って江戸の番付表で東の大関に選ばれたこともある、そりゃたいそうな名酒でな。
知り合いの酒屋に頼んで、今度の節句に何樽か支度してもらってたんだ」
だが、と、藤間は眉根を寄せる。
「伊丹から樽を送る船の上で、『うわばみ』の群れにやられる景色が見えた」
酒を好むオブリビオンだという。
酒のあるところに現れては、酒がなくなるまで暴れ尽くし、飲み尽くし、姿を消す。
「どう考えても妙だろ」
と藤間は剣呑だ。
「荷物の中に一匹紛れてたなんて様子じゃない。交尾でもするみてぇにうじゃうじゃと、蛇が甲板に居やがる。ひっかかったんでよくよく未来を見てみりゃ、この船にゃ『うわばみ』の他にも招かれざる客がいた」
名を、嗤う厭魅師。
「えみんしってのは、セールスマンみてぇなもんだ。『みなさまの心のスキマ、お埋めします』って寸法で、人間の心の弱みに付け込んで呪いをばらまくオブリビオンが出現した。
そいつに、廻船の人間が付け込まれたらしい。金の動く生業だ。多少はズルだの不正だの蹴落とし合いだのあってもおかしくはねぇんだが、場所と、間が悪かった。なにせ船の上、あの坂上の剣菱を運ぶ最中だ」
ぽん、と、藤間は手を叩く。
「お前さんらには、船の上に現れた大量の『うわばみ』の始末、そして船の最奥に陣取った厭魅師の討伐を頼みたい」
そして、猟兵の背を叩いて付け加えた。
「今回は慰安も忘れてねえからしっかり頑張ってくれよ。
終わりゃ柏餅やちまきも出るわ、邪気払いの菖蒲湯はあるわ、こいのぼりや兜飾りも作れるわで、楽しい端午の節句が待ってるからよ」
千歳アキラ
「しゅえんうわばみあきないのせっく」とお読みください。
どうもこんにちは。千歳アキラです。
今回は1章2章ともに、船の上での戦闘です。どうぞ船酔いに気を付けて!
今回は端午の節句を皆さんできゃっきゃ楽しめたらよいなぁと思って、日常シナリオ込みで出させていただきました。
無事守り果たした名酒を傾けつつ、端午の節句を楽しみましょう!
知人は参加していないんだけど……という方でも、「連携・アドリブ可」の表記をいただけましたらほかの方と交流する様子を描写させていただこうと考えております。
要請がありましたら藤間も顔を出しますので、お気軽にお声掛けください。
それでは、皆様のご活躍を楽しみにしております。
第1章 集団戦
『うわばみ』
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POW : 噛みつく
【鋭い牙】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 巻きつく
【素早い行動】から【巻きつき攻撃】を放ち、【締めつけ】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 炎を吐く
【体内のアルコールを燃焼した炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:塚原脱兎
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高柳・源三郎
「あの坂上の剣菱が飲める日がくるとはのう、さっさと終わらせて早く飲みたいのう。」源三郎の頭の中は夢にまで見た坂上の剣菱を飲める嬉しさでいっぱいだった。「うわばみの奴に酒が全部飲まれたら大変じゃ、応援を呼んでさっさと終わらせよう。」ユーベルコード恐怖!!源三郎大集合!!を使い源三郎に化けたたぬき達(たぬきの耳、尻尾を付けた源三郎)を呼び出し「一匹づつ確実に仕留めて(攻撃力重視)酒を死守するんじゃ」とたぬき達に言うとたぬき達はうわばみに攻撃を開始するのであった。
揺れる船の上、高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は、どっしりと構え樽を見据えていた。
「あの坂上の剣菱が飲める日が来るとはのう」
目元の笑いじわがきゅっと深くなる。
もともと酒を愛してやまない男だ。
たぬきめいた風貌に芸道具の「たろう」と「はな」を携える姿は異彩を放つ。
「さっさと終わらせて、早く飲みたいのう」
そうつぶやいた折だった。
高柳の目の前に、不意に。
ぼとぼとぼと、と、赤いウナギが降ってきた。
否、蛇だ。
空から降ってきたオブリビオン『うわばみ』は、瞬く間に樽の周りに、ぐにゃぐにゃと赤いウナギのような塊が蛇だまりを作った。
「いかん!」
高柳はすかさずユーベルコード【恐怖!!源三郎大集合!!】を発動させた。応援を呼んで手早く片付けてしまうに越したことは無い。
「うわばみの奴に酒が全部飲まれたら大変じゃ!」
源三郎に化けたたぬき達が現れる。
たぬき達は蛇の尾を掴み、ぶぅんと縄のように振った。そして遠心力で頭を甲板に叩きつけて始末してゆく。
時々「ギャッ」と声がするのは、【噛みつく】攻撃をよけきれずに足や手を噛まれてしまったせいだろう。幸いにして毒蛇ではないが、何匹かのたぬきが涙目になっている。
「頑張れ、もう少しじゃ……! そばにいるのが噛まれんよう、互いに援護するんじゃぞ!」
高柳はたぬき達を鼓舞し、自らも蛇のなかに飛び込んで片端から片付けてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アルル・エノ
かしわもち、ちまき、タべれるモノか?
ほんだラ、エノ、がんばる!
おわったらいっぱい食べルンだー
鼻歌交じりにうわばみ見遣って
ヘビもねー、うまイヨな!
なんて言ったら腹が鳴る
おっきイから引き裂かナイと、たべづれぇよナ
おててをグーに、グラウンドクラッシャーでドーン!
とっつかまえたラ両手で裂いテくんだ
食べやすくなったかな、なんてニコニコ笑って、大きく口を開け、
説明を聞き終えて、アルル・エノ(└( 'ω')┘ムキッ・f15161)はちょこんと小首を傾げた。
まだたった7つの子どものような見た目をしているが、その名は戦場で死肉を食うものを指し、あるクニにおいては畏敬とともに語られている。
だがその彼女も、今は無邪気な子供のように喜んでいた。
「かしわもち、ちまき、タべれるモノか? ほんだラ、エノ、がんばる!」
出撃する途中も、彼女はたいそうご機嫌だった。。
「おわったらいっぱい食べルンだー!」
船の上に到着する。
すでにあたりには蛇だまりがうぞうぞと蠢いていた。
思わずふんふんと鼻歌がこぼれてしまう。
「危ねぇ、お嬢ちゃん!」
何も知らない乗組員が、とっさにエノをかばおうとした
「こんなところに居たら怪我するぞ!」
エノへ手を伸ばし、安全なところへ連れてゆこうとする。
だが、続くエノの言葉を聞いてすっと引き下がった。
「ヘビもねー、うまイヨな!」
エノはにんまりと笑っていた。
そのお腹が、ぐぅと鳴る。
きゃっきゃとはしゃぐようにエノは蛇だまりに向かって走り出した。
「んんー、おっきイから、引き裂かナイと、たべづれぇよナ」
無防備に近付いてくるエノに咬みつこうと、『うわばみ』が口を開く。蛇の一尺内であれば、その鋭い牙で幼いモミジの手に【噛みつく】ことがかなう筈だった。
しかし、エノの方が早かった。
小さな手で拳を作り、ぐっと力を籠める。
「グラうんドクらッシャー!」
本来であれば直撃地点の周辺もろとも破壊するほどの大技だが、さすがに船の上であることを考慮したのか、蛇だまりがクッションになったのか。
彼女の大技は船体を激しく揺らしはしたが、幸い、船を沈めるには至らなかった。
『うわばみ』が無残に動かなくなったのを、エノは笑顔で確認している。そして無造作に捕まえると、両手でその身体を布切れのように引き裂き、もぐもぐと、むさぼり始めたのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
ほう、剣菱――。
然様な銘酒があるとは初耳でしたが、黙って奪われるのは癪な話。
猟兵としては元より、一介の酒好きとしても微力を尽くしましょう。
◆行動
予知された船に乗船。
船員には金子を握らせておくか、通じぬなら天下自在符を。
そのまま船上で待機し、蟒蛇が出現したら船乗りたちを【かばう】べく行動し、安全な方に退避して頂きます。
◆戦闘
余りに数が多いなら一匹二匹を地道に斬り捨てていくより、少し工夫を。
【打草驚蛇】で蛇たちの動きを【見切り】つつ攻撃を捌き、一纏めになるよう追い立て、好機と見れば剣撃の【衝撃波】による【範囲攻撃】の【なぎ払い】で掃討を。
他猟兵との連携・助力も惜しみなく。
(連携・アドリブ可)
九条・救助
☆連携・アドリブ可
うわ、こりゃたしかにすごい数だねー。
これじゃ船主さんも困るでしょ。すぱっと退治しなくちゃ!
オブリビオンだろーが、蛇は蛇。変温動物なら寒いのはお得意じゃーないっしょ!
スフィア展開ッ!凍神領域で戦場を氷に閉ざし、敵の吐き出す炎に対抗だ。何匹いようと関係ないね。全部氷漬けにしてやる。
きっちりトドメは刺さないとね。……とはいえ、近づくとうっかり絡め取られそうだ。ここはレタルアイ/氷の矢を投射して仕留めていこう。逃すかッ!
オレはまだまだ半人前。自分のチカラは過信せず慎重にやるよ。他の猟兵の戦い方とかもよーく見て勉強させてもらお。
逢坂・理彦
まさしく『うわばみ』だねぇ。折角お酒を用意してもらったんだそれを飲めるように頑張っておかないとね。
船の上ってのは慣れないけど。まぁ、頑張ってみるよ。
【薄墨桜】で【なぎ払い】で【範囲攻撃】これでざっくり沢山の敵を切りつけることが出来るはず。
あんまり近づくと巻きつかれたり噛み付かれたりしそうだから距離を取りつつ。
UC【狐火・椿】を使用。
炎だけど任意で消せるから火事にはならないはず。酒気を孕んだ蛇はよく燃えるだろうね。
不意の攻撃に備えて【第六感】や【聞き耳】でしっかり音を聞いておこう。
アドリブ連携可。
愛久山・清綱
坂上の剣菱……初めて聞くが、なんと心惹かれる名だ。
特に「菱」。これは一体何を意味しているのだ?
剣の下にある菱……菱形……「鍔」?
むむむ、益々興味が湧いてきた。是非俺も飲ん……でみたいが、
俺はまだ14歳だ。あと6年我慢、我慢。
■闘
ここは船上、否、戦場。雑念は棄ていざ勝負。
先ずは【殺気】を放ち、うわばみ達に【恐怖を与える】。
貴様ら全員、喰らいつくしてくれる。
相手が同じ獣なら……その動き、【野生の勘】で【見切る】まで。
攻撃を【残像】でかわしつつ、隙を狙って【鎧無視攻撃】を含んだ
【カウンター】で一閃。
敵に接近したら、大なぎなたの出番だ。
【怪力】を込めた【剣刃一閃】で【なぎ払い】、大量撃破を狙おうか。
向坂・要
こいつぁいけねぇ
せっかくの酒を独り占め、たぁ関心しませんぜ?
などと嘯き
和らぎ水も忘れずに、ですぜ
とエレメンタル・ファンタジアで呼び出すは霙まじり雨を宿した燕達
吐き出した炎などで船に被害が行かぬ様留意しつつ同時に宿したルーンの【毒攻撃】と【麻痺攻撃】でうわばみを蝕んでいくつもりですぜ
自身もtoguz tailsで【なぎ払い】【衝撃波】や氷雪の【属性攻撃】
【第六感】も生かし全体を俯瞰で捉える様意識
何かあれば声かけ
アドリブ
絡み歓迎
●鞍馬と向坂
鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)はふむ、と顎に手を上げた。
「剣菱ですか……」
「伊丹の名酒でさ。ご存知ねぇんで?」
「初耳です」
「武家のご嫡男じゃ、巷の評判に疎くても仕方ありやせんかね」
相槌を打って、向坂・要(黄昏通り雨・f08973)は薄く目を細める。
「斯様な銘酒を、黙って奪われるのも癪な話でしょう」
瑠璃色の目に剣呑な色を浮かべる鞍馬に、をすがめる。
「えぇ。せっかくの酒を独り占め、たぁ関心しませんな」
「猟兵としては元より、一介の酒好きとしても微力を尽くしましょう」
「勿論でさ」
二人は頷き合い、船の方へ向かう。
「これを」
と天下自在符を見せると、船乗りは二人を船に乗せた。
船が出る。
白い波を上げ、真っすぐに海の上を走っていく。
半時ほど走った頃だった。
不意に、荷物の一つがガタリと揺れた。
二人はハッと振り返る。
「来やすぜ」
「あぁ」
互いに頷き合い、散開する。
同時に荷物が、一つはじけ飛んだ。否、中にはちきれんばかりに入っていた『うわばみ』が、その姿を現したのだ。
「打草驚蛇」
鞍馬はユーベルコードを使って蛇たちの動きをけん制し、一か所へまとめてゆく。
時折【衝撃波】によって数を減らしながら、徐々に蛇たちをけん制する。
「あまり近寄らないよう」
『うわばみ』を気にする乗組員たちを【かばう】ことも忘れない。『うわばみ』の反撃は【見切り】でかわしながら、剣をふるう。
一方の向坂も、『うわばみ』の吐き出した炎が船を壊さぬよう気を配りながら、【なぎ払い】、【衝撃波】、氷雪の【属性攻撃】を加えて蛇の動きを制してゆく。のみならず、宿したルーンの【毒攻撃】と【マヒ攻撃】を重ねることで、『うわばみ』たちのより強力なダメージを狙ってゆく。
やがて、頃合いだと見て二人は目を合わせた。
「今です、鞍馬どの!」
「合点承知……!」
向坂は【第六感】で全体を俯瞰した。『くちなわ』の動きも、
「エレメンタル・ファンタジア!」
向坂が真っ先にユーベルコードを展開させた。
「和らぎ水を、忘れちゃいけませんや」
霙まじり雨を宿した燕達が『うわばみ』めがけて飛んで行く。
炎と水がせめぎ合い、やがて、『うわばみ』たちはぴくりとも動かなくなった。
●九条と逢坂
九条・救助(ビートブレイザー・f17275)と逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)は、甲板から海を見下ろしていた。
「それにしても、まさしく『うわばみ』だねぇ」
緩やかに逢坂は呟いた。
「まさしく?」
15歳の九条が不思議そうに逢坂を見遣る。
「大酒飲みのことを、そう呼ぶんだよ」
「どうして?」
「大蛇はものを飲み込むからね。何でも飲んでしまう人を、そう呼ぶようになった」
「へぇ……」
不思議そうに頷く九条を、逢坂は見守るように見下ろしている。
もうじき、予知のあった刻限となる。
「逢坂さん」
「うん?」
「オレ、まだまだ半人前だからさ。戦い方とか、よーく見て勉強させてもらうよ」
「はは。おじさんが宛になるかな」
「もちろん」
その時、ぐらりと船が揺れた。
「ヘビだ!」
遠くから船乗りの叫び声が聞こえる。
「出たようだね」
「行こう!」
二人は波に揺れる船の上を走る。
たどり着いた先には、ぞっとするほどの蛇だまりができていた。
「うわ!」
思わず九条が声を上げる。
「こりゃ確かにすごい数だね……これじゃ船主さん大変でしょ、すぱっと退治しなきゃ」
「船の上ってのは慣れないけどね」
緩い口ぶりながらも、逢坂の目に油断はない。
「まぁ、頑張ってみるよ」
先に、逢坂が仕掛ける。
「はァ……ッ!」
【薄墨桜】で【なぎ払い】を行う。その【範囲攻撃】は多くの蛇の首を一度に薙いだ。
「すげぇ」
「はは、あまり褒めるもんじゃないよ」
苦笑を返して、逢坂はユーベルコード 狐火・椿を放った。
33の【狐火】の炎が『くちなわ』を取り囲み、火をつける。
酒気を孕んだ『くちなわ』は、瞬く間に燃え上がった。
「九条くん!」
「わかった!」
タイミングを合わせて、九条がユーベルコードを展開した。
頭に火のついた『くちなわ』が、氷の床の上でのたうち回る。
「オブリビオンだろーが、蛇は蛇だ! 変温動物なら寒いのはお得意じゃーないっしょ!」
二人とも、噛みつかれるのを警戒して不用意に近付くような真似はしない。
遠くから、上の炎と下の氷で、じりじりと苛んでゆく。
「九条くん」
【第六感】と【聞き耳】でしっかり周囲の様子を伺っていた逢坂がつと遠方を指さした。
九条は返事をするより際に、レタルアイで指示された方を射貫く。
船の柱を登っていづこへ逃げようとしていた『うわばみ』の生き残りが、頭を射抜かれて絶命した。
「おや、良い腕だね」
「いや、逢坂さんこそ。よくあんな遠くの見つけたなー……」
「たまたまだよ」
ゆるりと腕を組んで、逢坂は笑う。
九条はぐるりと船を見渡した。
「さぁ、残るは首謀者だ!」
●愛久山
愛久山・清綱(もののふ混合童子・f16956)は、剣菱の銘柄の模様をゆっくり指でなぞっていた。
「坂上の剣菱……」
「知らねぇのか、小僧」
見かけた船乗りが声をかける。
「あぁ。初めて聞くが、何と心惹かれる名だ」
「伊丹じゃ有名な酒だ」
「この『菱』は、何を意味しているのだ? 剣の下にある菱形は……刀の鍔?」
「さてなぁ、だが、天地陰陽和合……だとか、難しい言葉を聞いたことはあるな。上が男、下が女を現してる、だとか……」
「むむむ……」
難しい顔をする愛久山に、男は笑って向こうを指さした。
「なんなら、陸についてからちょっとだけ分けてもらえばいい。考えるより飲んだ方が酒ってのはわかるもんだ」
愛久山の背丈を見てそう言ったのだろう。
だが愛久山は首を振る。
「いや、俺はまだ14歳だ。あと6年、我慢がいる」
「6年?」
元服の意識の違う江戸の男は不思議そうに首を傾げた。
その時、遠方で誰かが声を上げた。
「へ、蛇だ!」
愛久山はすぐに、大なぎなたを手に声のした方へ走った。
既に『うわばみ』がうじゃうじゃとのたくっている。
ここはすでに、ただの船上から戦場へと変わっていたのだ。
「出たか」
愛久山は【殺気】を放った。キマイラの放つ特有の鋭さは、『うわばみ』たちに【恐怖を与える】。上位の蛇だと、『うわばみ』たちに知らしめるには十分だった。
ひるんだ『うわばみ』に、愛久山は牙を剥いて見せる。
「貴様ら、食らいつくしてくれる」
一匹の蛇が、鋭く身を突き出した。
牙を鳴らして咬みつこうと飛び掛かってくる。だが【野生の勘】で【見切り】に成功した愛久山にはかなわない。
攻撃を【残像】でかわし、顎が遠のいたところを叩き落とすように真っ二つに切り捨てる。
そしてユーベルコード【剣刃一閃】で、大なぎなたを振り落とした。
大量の『うわばみ』が切り捨てられ、真っ二つになったり頭をつぶされたりして動かなくなる。
全ての『うわばみ』が動かなくなったのを確認し、愛久山は臨戦態勢を解いた。
船から、どっと拍手が起きた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『嗤う厭魅師』
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POW : 人を呪わば穴二つ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【召喚した対象の影姿で再現し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
SPD : 呪殺符
レベル×5本の【即死】属性の【呪符】を放つ。
WIZ : 蟲術
【猛毒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:九廸じゃく
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「御狐・稲見之守」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
愛久山・清綱
厭魅の使い手……邪なる力の使い手か。
能力を持っているだけとはいえ、俺も聖職(巫)の
端くれ。
故に其方のような者を放っておくわけにはいかぬ……覚悟。
■闘
相手の主な武器は毒と呪術か……
毒は【毒耐性】、札は【呪詛耐性】で耐え、可能であれば
【野生の勘】を用いた【見切り】で回避を狙う。
相手に近づいたら【フェイント】と【残像】を駆使しつつ死角へ
潜り込み、無防備になっている部位に【鎧無視攻撃】の太刀を食らわせる。
相手が弱っていると見たら、攻撃力を重視した【夜見】で一太刀。
その悪しき魂、黄泉の國へ送ってやろう……
って、あれ。結局巫の力を使わなかったではないか。
※アドリブ・連携歓迎です。
「厭魅の使い手……邪なる力の使い手か」
船の奥に潜む厭魅師と相まみえて、愛久山・清綱(もののふ混合童子・f16956)は目をすがめた。
能力を持っているだけとはいえ、自分も聖職の端くれだとの自覚がある。
「おやおや、かわいらしい御仁だ」
そう笑う厭魅師を真っ向から睨み据えて、愛久山は小さく牙を剥く。
「其方のような者を放っておくわけにはいかぬ……覚悟!」
鋭く言い放ち、真っすぐに近付いてゆく。
「ははっ、正直なお人と見える」
厭魅師は笑って愛久山の振り下ろす太刀での攻撃をかわしていく。
「あまり乱暴は宜しくないですぜ」
厭魅師は余裕綽々だが、愛久山は着実に距離を詰めていた。
【フェイント】と【残像】で自分の姿をくらませながら、相手の死角へすべりこみ、左脇の下から【鎧無視攻撃】で太刀をたたき込む。
「おっ、……と」
厭魅師は危ういところをひらりと躱した。
「随分せっかちな坊やだ」
だが、詰められた距離を回避するだけの余裕はなかった。
「食らえ……!」
今が好機と、攻撃力を重視した【夜見】で一太刀を浴びせる。
「なっ」
厭魅師は二撃目の回避がかなわず、腹部に怪我を負った。
「こいつぁ、分が悪いや」
唇をゆがめて、厭魅師は姿を消す。
「手傷は負わせた、か……」
愛久山は小さく呟き、はたと我に返る。
「って、あれ。結局巫の力を使わなかったではないか」
生憎、ツッコミは不在だった。
大成功
🔵🔵🔵
向坂・要
心のスキマ、ねぇ…
そういったもんが一定の需要をだしちまう、てのはいつの世もどこの世界もおなじなんですかねぇ
なんて益体もない事を思いつつ
ま、無粋なお人にゃお帰りねがいましょうかぃ
船や酒、一般のお人らに被害がいかねぇように【視覚】だけでなく【第六感】も生かして全体を俯瞰で把握し立ち回り
ま、いざとなりゃ【毒/激痛耐性】もありますし【庇う】くらいはしますぜ
放たれる呪符に迎撃するは錬成カミヤドリで生み出す分体
生命力、活性化や守りのルーンによる【属性攻撃】で対抗しつつ自身もtoguz tailsによる【衝撃波】などで攻撃
っと分体や武器に宿した【毒/マヒ攻撃】で悪酔いさせるのもありですかね
「心のスキマ、ねぇ……」
向坂・要(黄昏通り雨・f08973)は小さく呟いた。
「そういったもんが一定の需要をだしちまう、てのはいつの世もどこの世界もおなじなんですかねぇ」
ヤドリガミになるまで人の世を渡り歩く中、そんな話をいくつか目にしなかったでもない。
益体もない事だと、肩をすくめつつ、腹部を怪我しているらしい厭魅師に向き直る。
「ま、無粋なお人にゃお帰りねがいましょうかぃ」
厭魅師は薄く笑った。
「は、は。船の上で、中々殺生なことを言いなさる」
「最初から、呼ばれてねぇ舟なんかに乗るからですぜ」
「違いねぇ」
向坂は第六感を発動させた。船や酒、一般人に被害が及ばぬよう、【視覚】だけでなく【第六感】も生かして船の全体を俯瞰で把握する。
幸い、そう人数は多くない。船頭が船に乗っている連中を、最低限をとるだけ残して、あとは一か所に集めてくれている。
(ま、いざとなりゃ【毒/激痛耐性】もありますし【庇う】くらいはしますぜ)
と、そんなことを腹に決めながら厭魅師の出方をうかがう。
「他人をうかがうのもよろしいが、御前様の足元がおろそかだ」
厭魅師はそういって呪殺符を投げ放った。
「真かどうか、ご照覧あれ」
自分めがけて放たれた呪殺符を、錬成カミヤドリで生み出す分体でやり過ごす。
分体は32もいる。そうやすやすと破られはしないだろう。
「小癪」
厭魅師が呟くのを聞いて、向坂は薄く笑った。
「お前さんからそういわれるなら、褒め言葉と受け取っておきやしょうかい」
ルーンを使った【属性攻撃】で残りの呪殺符に対抗しつつ、toguz tailsによる【衝撃波】を右下から切り上げるように放つ。
先ほど腹部を怪我したばかりだった腹部に、【衝撃波】が綺麗に命中した。
厭魅師は苦し気に声を上げた。
「……は、は。容赦のねえ……」
うめく厭魅師の足元が、不意にぐらりと揺れる。
「おや、やっと効いてきやしたか」
向坂はからりと笑った。
分体や武器にあらかじめ仕込んでおいた【毒/マヒ攻撃】が、ようやく厭魅師の身体をむしばみ始めていたのだ。
「化け比べじゃ、……御前様に軍配が上がったようだ」
「そいつは、どうも」
厭魅師は小さく呻きをまた漏らすと、身をひるがえして、海の中へと姿を消した。
大成功
🔵🔵🔵
高柳・源三郎
「お前に坂上の剣菱はもったいない。わしの【銘酒・狸酔】を飲め飲め、何?【わしの酒が飲めんのか!!】」坂上の剣菱を守るために【銘酒・狸酔】を敵の口に大盤振舞いする源三郎。【狸酔】はいくら飲んでも無くならないからこそこんなにも大盤振舞いできるのだ(こいつを酔いつぶせば、猟兵のみんなも戦い易くなるじゃろう)
逢坂・理彦
招かれざる客の登場。かな?
心の隙間に入り込むか…心の隙なんて誰にでもあるもんだからねぇ。
悪どいことしてくれよ。
さて、招かれざる客には早めにご退場願おうか。美味しいお酒が待ってるしね。
今回はちょっと破魔ましましで行こうか。
UC【禊祓祝詞】畏み畏み(以下略)
それじゃあ【破魔】を乗せて【なぎ払い】
【騙し討ち】や【フェイント】を駆使して翻弄。
敵の攻撃は【第六感】で【見切り】
攻撃をくらった場合は【呪詛耐性】と【激痛耐性】で耐える。
アドリブ連携歓迎です。
鞍馬・景正
さて、粗方片付きましたか。
次は本命を斬るとしましょう。
◆戦闘
厭魅師らしき男を発見すれば、問答無用で抜刀。
人の心を篭絡するような輩、疾く首を刎ねるのみ。
仮に太刀を防がれ、影姿が現れたとしても動じる事は無し。
新陰流、【手字種利剣】にて影法師ごとお相手致そう。
およそ太刀筋が再現されたとて、元より剣術とは習い覚えた一の技より千手万手を遣い出すもの。
ならば此方は先とは違う太刀筋で影絵を仕留め、そのまま厭魅師に威力を重視した剣閃を【怪力】を込めた【2回攻撃】にて馳走しよう。
そして息の根が止まるまで二重、三重、猶四重、五重も打ち続ける。
手字種利剣、手を挙げさせぬ心得。
いずれも江戸の剣師の教えなれば、覚悟。
●鞍馬
鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は『うわばみ』の死体を一瞥して呟く。
「さて、粗方片付きましたか。次は本命を斬るとしましょう」
揺れる船の足場にも動じることなく、船室の奥を探し始める。
やがて鞍馬は、ぽつぽつと床に残る血痕に気が付いた。
(厭魅師か)
すでに手負いであるらしい。
じっと息をひそめて気配を探す。
その視界に、駆け去ろうとする白髪の男を見かけた。船乗りとは、到底思えない。なぜか海水に濡れている。
声をかけるより先に、鞍馬は抜刀した。
(人の心を篭絡するような輩、疾く首を刎ねるのみ)
と、容赦の心積もりは少しもない。
「おっ、……と」
厭魅師はわざとぐらりと身体を傾けて攻撃をかわした。
「おっかないね、兄さん」
つと目をすがめ、厭魅師は一つの影法師を呼び出す。
鞍馬によく似たその影法師は、鞍馬と同じ太刀筋で攻撃を返した。
「笑止」
鞍馬は動じない。
新陰流、【手字種利剣】で影法師を切り捨てる。
太刀筋が変わったのに、厭魅師は気が付いたようだった。
太刀筋だけの再現は意味がないと、鞍馬は知っている。
(元より剣術とは習い覚えた一の技より千手万手を遣い出すもの)
ゆえに、その場限りの猿真似は無意味だった。
厭魅師つと顔色を変えて、背を向けて逃げてゆく。すでに腹に手傷を負っているようだった。
鞍馬は厭魅師を逃がさない。
剣閃に【怪力】を込め、【2回攻撃】で素早く追い打ちをかける。
「ぐっ……」
厭魅師は背を傷つけられ、苦し気な声を上げる。
「覚悟」
その背中に【手字種利剣】を振り下ろしたが、厭魅師は身を翻して姿を消した。
●高柳
背中と腹部に手傷を負い、海水に濡れた厭魅師がやっとの思いで甲板にたどり着く。
荒く呼吸を繰り返す厭魅師の前に、一人の男が姿を現した。
高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)だ。
「お前に坂上の剣菱はもったいない」
そう言い放つ高柳を、厭魅師は呆気に取られてみている。
それを、まるで覚えの悪い新人でも扱うように襟をつかんでしゃんと座らせなおし、高柳は杯を渡す。
「えっ……」
何が何だかわかっていない厭魅師の手にした杯に、なみなみと酒を注ぐ。
「わしの【銘酒・狸酔】を飲め飲め」
「えっ、いや……俺、酒は……」
「何?【わしの酒が飲めんのか!!】」
「エッ」
あれよあれよという間だった。
坂上の剣菱を守るために【銘酒・狸酔】を、容赦なく厭魅師の口に大盤振舞いしてゆく。
「ちょっ……旦那、待った、待った待った、俺ァ下戸で……」
「ほれ、イッキじゃ、イッキ!」
「うぐっ……」
言われるがまま、厭魅師は困り顔で酒を傾ける。
だが不幸なことに、【狸酔】はいくら飲んでも無くならなかった。
だからこそ高柳も大盤振舞いできるのだろう。
(こいつを酔いつぶせば、猟兵のみんなも戦い易くなるじゃろう)
高柳の読み通り、徐々に厭魅師の目がうつろになっていく。
「ひっ、ク」
酔っぱらってしゃっくりを上げ始める厭魅師の肩を掴んで、高柳はまた無理な酒を飲ませていくのだった。
●逢坂
逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)がその人影を見つけたころには、相手はかなり消耗していた。
まず足元がおぼつかない。船酔いかと思ったが、どうもそうでもない気配だ。
腹部と背中には、大きな切り傷がある。
大きく呼吸を繰り返す彼の前に、逢坂はゆっくりと屈んだ。
「厭魅師は、お前だね」
厭魅師は答えなかった。だが否定がなければ、肯定には十分だ。
「招かれざる客として、十分折檻されたようだね」
目を閉じる厭魅師に、逢坂は穏やかに言い聞かせる。
「悪どいことしてくれるよ。心の隙間なんて、誰にでもあるものだから」
厭魅師は苦し気なうめき声をあげた。
そして、ゆっくりと、立ち上がる。
「俺とやるのかい、兄さん」
「そうだね、容赦はできないよ」
「そうかい」
「美味しいお酒が待ってるし、ね」
「はは、そりゃぁ、頑張らねえと」
冗談めかして笑い、厭魅師はすかさず【呪符】を広げた。
逢坂はすかさず二度、柏手を打つ。
「諸々禍事罪 穢を払へ給ひ清め給ふと 申す事の由を 天つ神地の神 八百万神々等共に 聞食せと 畏み畏み――白す」
【破魔】は、【呪符】と正面からぶつかり合った。
「くっ……」
厭魅師が顔をゆがめた。
逢坂が、術の威力で勝ったのだ。
「好機」
【なぎ払い】で追い打ちをかければ、厭魅師は軽く身をかがめて避けた。だが船がグラつき、厭魅師の上体が崩れる。
「悪いけど、逃がさないよ」
厭魅師の身体がどちらに傾くか、【第六感】で読み切る。そして【騙し討ち】で一瞬身をすくませたところを、思い切り蹴り飛ばした。
「く、はっ……」
厭魅師の身体は軽かった。
綺麗に弧を描き、船の甲板から滑り落ちていく。
「あ」
とっさに伸ばした彼の手を、つかむ者はいなかった。
水しぶきが一つ上がる。
そしてそれきり、厭魅師は浮かんでこなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『端午の節句を楽しもう』
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POW : 柏餅やちまきを食べて楽しむ
SPD : 菖蒲湯に浸かって邪気払いする
WIZ : こいのぼりや兜飾りを作って楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高柳・源三郎
「おぉ待っておったぞ、坂上の剣菱!!」宴会の場に到着した酒を見て満面の笑みの源三郎。「早く飲みたい、沢山飲みたいんじゃ!!」まるで無邪気な子供の様に酒を飲める時を待っている。共に戦った猟兵達との宴を楽しみつつ坂上の剣菱を飲む源三郎。沢山飲んでご機嫌になり「【わしの本業は旅芸人じゃ。】リクエストがあれば何でもやるぞ。」ユーベルコードで芸人モードになった源三郎の歌や踊り人形で場を盛り上げるのだった。
船から降ろされた荷物の中に、高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)が夢にまで見た名酒があった。
「おぉ! 待っておったぞ、坂上の剣菱……!」
高柳は思わず満面の笑みを浮かべてしまう。
端午の節句祝いで、待ちに待った酒がようやくふるまわれた。
「早く飲みたい、沢山飲みたいんじゃ!!」
はしゃぐ姿は、まるで無邪気な子供のようだ。
待ちきれず、己の盃をもっていそいそと列に並ぶ。
酒をふるまう猟兵が気を利かせて、高柳の盃になみなみと酒を注ぐ。表面張力でぷるりと震える酒を口で迎えに行けば、天の甘露とはまさにこの事かと知る、名酒の味わいが喉をつぅっと伝い落ちていった。
「たまらんのう、これは止まらんわい」
ごくごくと酒を飲み干して、ゆくうち、身体がぽっぽと熱くなり、心が軽くなる。
「よし、わしの本業をお見せしよう」
高柳はユーベルコード『源三郎の表の顔』を発動させた。気の良い旅芸人になり、心地よい存在感を放ちながら完璧なパフォーマンスと踊り、歌を披露して見せる。
猟兵たちから拍手が上がった。いいぞ、オヤジ!と励ます声もある。
誰かが歌うよう頼んだ。
「おうおう、リクエストとは嬉しいのう」
にっこり笑い、高柳は朗らかに歌う。その声が、青空の下どこまでものびやかに響いていく。
どこかでまた樽が開かれる音がする。端午の節句にかこつけた酒宴は、まだまだ終わりを見せなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィゼア・パズル
【SPD】
要(f08973)の誘いで名酒を楽しみに行こう
それ程ならば…味わわずには居られない
イケる口との声へ
「はっはっは。酒は好きだ。…良い湯と美味い酒…放って置けないだろう?」
笑い返し己の頭程ある盃に並々と注げばくいっと一杯。
…菖蒲湯と清め酒で全身が浄化されている心地だ。
「間違いないな。…菖蒲は勝負、剣の花とも言うそうだ。この湯からして験担ぎの御利益もあるだろう。」
柄じゃない、と言った相手にのんびり笑えば
共に祝いの空気に浸ろう。
(身体には胸元から腹部にかけ大きな傷痕)
向坂・要
ヴィゼアさん(f00024)をお誘いして
いやぁ、一仕事した後の一杯は格別ですねぇ
なんて言いながら坂上の剣菱を楽しみ
急な誘いでしたが来てくれてありがとうございます
さてはお前さんイケる口、ですねぃ?
しかしまぁ、あれですねぇ
こういう験担ぎ、っていうんですかね?
健やかな成長を祈る、てのはいいもんですね
たしかにこいつは中からも浄化されるようですねぃ
ま、オレらは「男子」って柄じゃありやせんがね
なんてけらけらと楽しみつつ祝いの念が強い澄んだ空気に目を細め
(菖蒲湯に浸かる身体には鉱物である本体と同じ木目調に似た模様)
ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)は向坂・要(黄昏通り雨・f08973)に呼ばれ、端午の節句に顔を出していた。
ゆったりと邪気払いの効果のある菖蒲湯につかり、深く息をこぼす。ヴィゼアの胸から腹部にかけて、古傷が残っていた。一方の向坂の身には、鉱物である本体と同じ木目調に似た模様が浮いている。互いに互いの身について問う無粋はなく、からりと笑って酒を傾ける。
「いやぁ、一仕事した後の一杯は格別ですねぇ」
向坂はご機嫌で盃を傾けている。任務を今回も無事遂行することができた。そのうえ番付にも載るほどの極上の美酒を味わえている。これに勝る達成感、喜びもない。
「急な誘いでしたが、来てくれてありがとうございます」
向坂に言われ、ヴィゼアは目を細めた。
「要が誘うほどの名酒なら、味わわずにはいられないからな」
向坂は楽しげに笑って見せる。
「さてはお前さん、イケる口、ですねぃ?」
「はっはっは。酒は好きだ。…良い湯と美味い酒…放って置けないだろう?」
ヴィゼアは闊達に笑い、武蔵野と呼ばれる大きな盃へ並々と酒を注ぎ、くいっと一杯、また酒をあおる。
「…菖蒲湯と清め酒で全身が浄化されている心地だな」
「違いない。……しかしまぁ、あれですねぇ」
彼方を走り回る元気な子供たちを見て、向坂は酒を飲む手をふと止めた。
「こういう、験担ぎ、っていうんですかね? 健やかな成長を祈る、てのはいいもんですね」
「間違いないな」
ヴィゼアも頷いて見せる。
「…菖蒲は勝負、剣の花とも言うそうだ。この湯からして験担ぎの御利益もあるだろう」
「確かに、こいつは中からも浄化されるようですねぃ」
湯をすくって顔を洗ってみる。心地よさに、深くため息がこぼれた。
「……ま、オレらは『男子』って柄じゃありやせんがね」
屈託なく笑う向坂に、ヴィゼアもまたのんびりと笑いを返した。
遠くからは、酒でほろ酔いの楽しげな声が聞こえてくる。
「良い日だ。祝いの念で、空気が澄んでいる」
顔をほころばせる向坂とともに、ヴィゼアもまた、祝いの空気にゆったりと浸っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・理彦
うん、無事お酒を守ることができたし。船員さんにも怪我はないかな?怪我をしたなら少しなら回復もできるから言ってね〜。
UC【宇迦之御魂神の加護】
これが剣菱のお酒かぁ…すごく美味しいねぇ。
これのために一仕事したからってのもあるかもだけどそれ抜きにしても上等なお酒だ。
柏餅も美味しそうだねぇ。
そっか…もう端午の節句も近いんだね。
なんか今年は時間が過ぎるのが早い気がするよ。
それだけ充実してるのかな?
(ふっと柔らかく表情を緩め)
アドリブ連携歓迎。
無事陸地に就いた船を見届けて、逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)はにこりと笑っていた。
「うん、無事お酒を守ることができたし。船員さんにも怪我はないかな?」
少しなら回復もできると伝え、船乗りたちを見渡していく。
『うわばみ』にかまれた傷が、逢坂の元に歩み寄ってきた。よほど深く噛み憑かれたのか、肌にぷっつりと穴が空き血がこぼれている。
「指は動くかい?」
尋ねられ、船員は頷いた。
「大丈夫だよ。これなら治る。……ゆっくり息をしてごらん」
逢坂は、ユーベルコード宇迦之御魂神の加護を発動させた。いくばくかの疲労を覚えはするものの、そう問題にもならない。
「さぁ、端午の節句だ」
と誰かが向こうで声を張った。逢坂も、遅れないようにといそいそと向かう。
坂上の剣菱が、枡酒で振舞われていた。
さっそく一つ頂いて、口でお迎えに行く。
「ん、……これが剣菱かぁ……すごくおいしいねぇ」
つるりと喉を伝い落ちてゆくようなクセのなさ、そのくせ後味が柔らかく残る。
「これのために一仕事したから、ってのもあるかもだけど、それを抜きにしても上等なお酒だ」
周りには、さっそく二杯目を呑もうとしている猟兵もいる。
「じゃあ、柏餅も頂こうかな」
逢坂はつるんと品よく丸まった柏餅に手を伸ばす。もっちりとした味わいと、しつこさのない餡子がたまらない。しっかりと噛む最中、餅を包んだ柏の香りが鼻腔を刺激する。
はしゃぎまわる子どもたちを眺めて、逢坂は穏やかに笑った。
「そっか…もう端午の節句も近いんだね」
今年はあっという間に過ぎてゆくように思えた。もう上半期が、終わろうとしている。
「それだけ充実してるのかな?」
我知らずまた、笑みがこぼれる。
遠くで誰かが逢坂を呼んだ。一気飲みをして倒れてしまったという。
「やれやれ、無茶はよくないよ」
年長者らしい穏やかさをたたえ、逢坂は声のした方へ足を向けた。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
邪なる力の使い手は散り、荷も護られた。
これでようやく一息つくことができるな。
■行
【SPD】
しかし、厭魅師との戦いで敵の呪詛を受けてしまった。
先に菖蒲湯に浸かって邪なる力を祓わなければなるまい。
……風呂が熱すぎないことを祈るばかりだ(注:水風呂好き)。
先に体を清めてから、足からゆっくりと入ろう。
足を滑らせないように、ざぶーん……
むーーーー、想像はついていたが、やはり熱すぎるな。
今まで入った風呂の中で一番熱いかもしれん。
いや、震脚滅灯すれば熱湯も……ぬるくはならんか。
嗚呼、水風呂が恋しい……だが、これも邪なる力を祓うためだ。
今は耐えなければなるまい……
船が港に辿り着く。
幸いにして船酔いになることもなく、愛久山・清綱(もののふ混合童子・f16956)は無事に着陸した。
(邪なる力の使い手は散り、荷も護られた。これでようやく一息つくことができるな)
船乗りたちに別れを告げ、愛久山はさっそく祝いの拠点へ足を向ける。
お疲れ様、とのねぎらいに返事をしながら、目指す先は菖蒲湯だ。
(しかし、厭魅師との戦いで敵の呪詛を受けてしまった。先に菖蒲湯に浸かって邪なる力を祓わなければなるまい)
水風呂好きな愛久山は、内心そっと、手を合わせる。
(風呂が熱すぎないことを祈るばかりだ)
脱衣所にはすでにまばらに人がいた。江戸であれば暗所での混浴が殆どだが、さすがに他の時代や空間との兼ね合いを踏まえてか、男女の湯は分けられている。
愛久山は先に体を清めた。すでに菖蒲の爽やかな香りがあたりに満ちている。
天気も良く、昼から風呂に入るのはたいそう良い心地がするだろう。
(足を滑らせないように、……と)
注意を払いながら、湯船に足を浸してゆく
小さく波が起きたが、とがめられるほどのものでもなかった。
(むーーーー)
湯加減に、眉根が寄る。
想像はついていたが、やはり、熱い。
(今まで入った風呂の中で一番熱いかもしれん)
(いや、「震脚滅灯」すれば熱湯も……ぬるくはならんか)
心頭滅却ならぬ、震える脚を叱咤し灯る火を滅する心地で湯船に挑む愛久山だ。
水風呂恋しさに、ため息がこぼれる。
(だが、これも邪なる力を祓うためだ。今は耐えなければなるまい……)
きりりと眉を寄せ、じっと耐え忍ぶ。
やがて身から邪気が晴れるころには、身体は心地よくぽっぽと火照っていた。
大成功
🔵🔵🔵
鞍馬・景正
斯くして一件落着となりましたか。
然らば早速、剣菱を味見させて頂くとしましょう。
普段愛飲しているのは南都の諸白、後は以前呑んだ戒誓なる銘酒も印象深い味わいでしたが、その違いなども比べながら盃を傾けるのも楽しいもの。
――成る程、これは旨い。
もし贖えるなら知己たちへの土産にしたいものです。
肴代わりの柏餅やちまきも懐かしい味わいで、子供の頃に戻った気分にもさせられます。
武家でも端午の節句には旗指物や甲冑を飾ったりするものですが、こうして碧空を泳ぐ鯉を見るのは実に雄大で清々しい。
さて、飲み食いしてるばかりでは締まりませぬ。
鯉幟の竿を運ぶのに苦労している姿などあれば手伝うとしましょう。
(連携・アドリブ可)
酒の荷物を下ろした人々がわいわいと騒いでいる。
「斯くして一件落着となりましたか」
鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)はゆるりと首を巡らせた。すでに酒が運び込まれ、彼方では我も我もと剣菱を求める声がする。
「然らば早速、剣菱を味見させて頂くとしましょう」
悠然と足を向ける。
「普段愛飲しているのは南都の諸白、後は以前呑んだ戒誓なる銘酒も印象深い味わいでしたが……」
と語りながら、酒好きたちと酌み交わす。南都の諸白といえば古くは平安時代に起源をもつ酒で、銘を知る人間も少なくはないだろう。
「違いなども比べながら盃を傾けるのも、楽しいものですね」
飲めるらしいと知れたようで、次々と盃に酒が注がれてゆく。
「成る程」
坂上の剣菱の味わいに、鞍馬は深くうなずいた。
「これは旨い。もし贖えるなら知己たちへの土産にしたいものです」
端午の節句の会を祝うための酒で販売はされていないようだが、一本ばかりもらって帰っても気付く者はいないだろう。
肴代わりにちまきをつまむ。甘党の酒好き、という変わり者も少なくはないようで、柏餅も飛ぶようにはけてゆく。
「懐かしい味わいだ。子供の頃に戻った気分にもさせられます」
己の育った家を思い出しながら、外の風景に目をやる。
「武家でも端午の節句には旗指物や甲冑を飾ったりするものですが、こうして碧空を泳ぐ鯉を見るのは実に雄大で清々しい」
ばたばたと風を受けて身を泳がせるこいのぼりは、子どもの健やかさを勇壮な姿で祈るようだった。
「さて、飲み食いしてるばかりでは締まりませぬ。鯉幟の竿を運ぶのに苦労している姿などあれば手伝うとしましょう」
一度盃を置き、鞍馬は立ち上がる。そして表へ足を向け、今日も人助けにいそしむのだった。
大成功
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