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第二次サイキックハーツ大戦⑱〜theEnd&Stand

#サイキックハーツ #第二次サイキックハーツ大戦 #第三戦線 #蒼の王コルベイン #大首領グローバルジャスティス

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 ――世界は悪に満ちているか。
『統合元老院クリスタル・ミラビリスは崩壊し、闇の秩序は失われ。悪もまた、滅びつつある』

 ――闇は生命を育んでいるか。
『新たな闇は最早生まれず、未だ闇が自ら命を産むことも叶わず。闇もまた、緩やかに滅びゆく』

 ――余の他に、誰か新たなサイキックハーツに到達したか。
『今や、世界に生きる人類全てがサイキックハーツに至り。以て、循環は断たれた』

 ――簒奪者達は裁かれたのか。
『四体の王は、全てが灼滅せしめられたという。なれど奴らもまた、余と同じく蘇り来た――黒の王を除いて』

 13年の時を経て得た、かつての問いの答え。
 其が意味するのは、かつて手の届きつつあった夢――|究極の一《サイキックハーツ》への道が、永遠に断たれたという事実。
 なれど、彼に絶望は無い。この世界で果たせぬならば、|別の世界へ行けば良い《・・・・・・・・・・》。

『忌々しきはサイキックアブソーバー。だが、もうすぐだ。もうすぐ、其を砕くことが叶う』
 アンブレイカブル三大老、スーパーアポロン、ジョン・スミス。三者各々の手段で以ての武蔵坂学園攻略。
 そして己もまた、其に迫りつつある。昔も今も己が願いを阻む、最大の障害。其に手が届くまで、後少し。
 終わりを超えて、新たな始まりへ至る為に。『剣樹卿アラベスク』と合一せし『蒼の王コルベイン』は征く。今度こそ、己はサイキックハーツに到達するのだと――。



「――無論、其を赦すわけにはいかない」
 自ら築き上げた巨大戦車の操縦席に座して、男は呟く。異界の人類に、苦しみを背負わせはしないと。
 闇を知り、闇の苦しみを知り、それこそが人類を苦しめていると知り。其を除くべく、天命すらを踏み越えて、戦い続けた566年。いつしか己は、賛同せし闇の者達から、一命擲つも躊躇わぬ程の忠誠を得ていた。
 サイキックアブソーバーの出現は、ただ口を開くことすらも命懸けという程に己を追い詰めたが。その果てに得たサイキックハーツの力は、理想を現実とするに充分なものだった。
 なれど、其を阻んだ者達が在る。自らの闇を御し、人として人類の苦しみを除かんと戦い続けてきた若者達。彼らとの決戦に敗れ、己も、己について来てくれた者達も滅び去った。
 だが、恨みは無い。己らを滅ぼした彼らの理想もまた尊きものであり、そして実現した彼らの理想は、己の理想と多くの部分で重なっていたからだ。それを見られただけでも、オブリビオンとして蘇ってきた甲斐はあったのかもしれない。
「苦しみの循環は終わった。其を再び始めようというなら、私は再び此処に立とう」
 かつて、人であったものとして。『グローバルジャスティス』、すべてのご当地怪人を統べる大首領にして、表の歴史に『万能の天才』と称された男。その知の結晶を以て、再び闇へ立ち向かう――。



「というわけで皆、決戦の時よ」
 グリモア猟兵、タシュラフェル・メーベルナッハ(夜闇の万華鏡・f43850)、通称タシェ。その表情に、普段の気だるげな様子は無い。
「敵は『剣樹卿アラベスク』と合一した『蒼の王コルベイン』。彼を打倒することでこそ、今回の戦いに勝利したと言えるわ」
 かつてサイキックハーツの座にあと一歩まで迫りながら、四人の『王』――|白の王《セイメイ》・|赤の王《タロット》・|緑の王《アフリカンパンサー》、そして黒の王によって頭部を砕かれ凋落したノーライフキング。だが今、その頭部を取り戻した彼は、かつて武蔵坂学園に灼滅された時とは比較にならぬ力をも取り戻すに至った。
 彼が纏いしは、爵位級ヴァンパイアの最高位『公爵級』に在った唯一の存在であり、有する能力によって望めばいつでもサイキックハーツへ到達が叶うとすら言われた最強のヴァンパイア。即ち、準サイキックハーツと言うべき存在二体分の力を持つ今のコルベインは、紛いなくサイキックハーツ世界最強の存在と言える。
「最大の脅威は『アラベスク・ソード・カタストロフ』っていうアラベスクの能力。すべての生命体をアラベスクにする、っていうとんでもない能力よ」
 其はかつて、武蔵坂学園にも「発動を許せば対処の術は存在しない」とされた程の驚異的能力。その脅威たるや、猟兵にすら対処の術が存在しないという程だが。
「これに対抗する為に、グローバルジャスティスが用意してくれたものがあるの。円形戦車『ジャスティスベース』よ」
 かつてイタリア・フィレンツェにあったご当地怪人の本拠地と同じ名を持つこの戦車は、かの大首領が開発した『対破局装甲』に覆われている。名前通りアラベスク・ソード・カタストロフへの対抗を意識したのだろうこの装甲は、その名に恥じず、かの脅威をたった一度かつギリギリではあるが完全に凌ぐことが可能であるのだ。
「アラベスク・ソード・カタストロフの唯一の弱点は、一度使ったら二度目を撃つまでに長いチャージが必要になるということ。だからジャスティスベースに乗り込んでアラベスク・ソード・カタストロフの一撃を凌いで、そのあと二発目が来る前に倒しきる。こんな流れで行くのが望ましいと思うわ」
 また、もうひとつ有利な要因があるとタシェは言う。
「ジャスティスベースには『ユーベルコード増幅砲塔』っていう武装も積んであるの。名前通り皆のユーベルコードを強化する代物ね」
 直接猟兵のユーベルコードを注いで通常より強力なユーベルコードを放ったり、砲塔からエネルギーを送り込んで貰ってユーベルコードを強化したり、といった使い方が考えられるが、他にも有用な活用法があるかもしれない。
「尤も、これだけあってもコルベインはとんでもない強敵だから。気を付けて頂戴ね」
 アンデッドを使役するコルベインの力に、聖剣名剣魔剣に邪剣、あらゆる剣を自在に操るアラベスクの力。それらを合わせての攻勢もまた、凄まじい脅威と言える。心して戦って欲しい。

「私からはこんなところね。皆、気を付けて」
 その手にグリモアを展開し、タシェは告げ――一度言葉を切ったあと、続けて告げる。
「――どうか、勝利と、生還を」


五条新一郎
 オメガそしてアルファ。
 五条です。

 第二次サイキックハーツ大戦、いよいよ最終決戦です。
 完全になって蘇ったかつての最初の大敵、かつて同様の驚異にして脅威たる最後の大敵。
 彼らが合一したこの世界最強の敵。
 これを、蘇りし大首領の発明品を駆使して打ち倒してくださいませ。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は「やや難」です。

●目的
『蒼の王コルベイン』の撃破。

●戦場
 サイキックハーツ、要塞化武蔵坂学園の一角。
 かつてコルベインが座していた水晶城のような、すべてが水晶で形作られた城の大広間を模した空間になっています。
 中は非常に広く、キャバリアでも自由に機動が可能です。

●味方NPC
『グローバルジャスティス』
 ご当地怪人を統べる大首領。かつてサイキックハーツに到達したものの、オブリビオンとしての彼はその力を持っていないようで肉体的にはほぼ無力ですが、そのカリスマ性と天才的な頭脳は健在です。
 巨大な円形戦車『ジャスティスベース』を操り参戦します。対破局装甲によりアラベスク・ソード・カタストロフを一度だけ且つギリギリながら確実に防ぎ、ユーベルコード強化砲塔で猟兵のユーベルコードを強化できます。
 他にも色々武装がありますが、コルベイン相手ではあくまで援護射撃レベルです。

●プレイングについて
 OP公開と同時にプレイングを受け付けます。募集状況はタグにて。締め切りと書いてなければ基本受付中と考えて頂いてOKです。
「ジャスティスベースに乗り込んで戦う」「2発目のアラベスク・ソード・カタストロフが発動する前にコルベインを倒す」ことでプレイングボーナスがつきます。
 前者のボーナスについては「対破局装甲で1発目のアラベスク・ソード・カタストロフを耐える」「ユーベルコード強化砲塔で強化したユーベルコードを使用する」の二点を満たしていれば、最終的にジャスティスベースを降りてもボーナス条件は満たすものとします。

 それでは、皆様のその力恐れぬプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『蒼の王コルベイン』』

POW   :    剣持つ骸の群れ
レベル×1体の【聖剣・魔剣で武装したアンデッド軍団】を召喚する。[聖剣・魔剣で武装したアンデッド軍団]は【剣】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    我が身は剣にして死の具現なり
【自身の影から生える無数の剣】に密着した「己が武器とみなしたもの」全てを【サイキックエナジー】で操作し、同時一斉攻撃及び防御に利用できる。
WIZ   :    死剣大樹海
召喚したレベル×1体の【伝承に語られる聖剣・魔剣の数々】に【生命を喰らう蒼き水晶】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:カス

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七草・聖理
【アセンション】
これが最後の戦いです…行こう

ジャスティスベースに二人と共に乗り込み、アラベスク・ソード・カタストロフを対処
そのままジャスティスベースのUC増幅砲塔に、私達の『アセンション』を装填するーー
ーーアラベスク・コルベイン
世界に悪は満ちていない
闇も悪の道から脱却しつつある
それでも尚、カタストロフを以てサイキックハーツを求めるなら…私達の『アセンション』を喰らいなさい
……企みの果てに導かれた運命を、全て拒絶し超克しよう

アセンションのUCを砲塔に装填
三人で一斉に死剣のUCを吹き飛ばしながら、三種の『アセンション』をアラベスク・コルベインに叩き込む!


アルテミシア・ルッシュリア
【アセンション】
さぁ、月を見ろ……アラベスク・コルベイン

ジャスティスベースに乗り込んでアラベスク・ソード・カタストロフを対処
そこからUC増幅砲塔へと『アセンション』のUCを装填していく――

確かにボク達|闇《ダークネス》は新たに生まれず、命を産む事も出来ない
だけど、だからと言って滅びに向かうだけじゃない
それを、証明してみせよう
これが、ボク達の『カタストロフ』に対する『アセンション』だ
……企みの果てに導かれた運命を、全て拒絶し超克しよう

アセンションのUCを砲塔に装填
三人で一斉に死剣のUCを吹き飛ばしながら、三種の『アセンション』をアラベスク・コルベインに叩き込む


多々良・緋輝
【アセンション】

ヘッ、何が新たなるサイキックハーツだ
何が『真理』と『真理の先』だ
それは、炒飯よりも旨いのか?違うだろ?

他二人と同じ様にジャスティスベースに乗り込んでアラベスク・ソード・カタストロフを対処
二発目が撃たれる前にオレ自身を先んじてUCでプラスコネクトし、強化した上でUC増幅砲塔に『アセンション』を装填――

オレは大したことを考えてねぇ
只明日がもっと良くなればそれでいい
それを『真理』じゃねぇと宣うなら――こう言ってやる
……企みの果てに導かれた運命を、全て拒絶し超克しよう

遍く系統・種の『新造・創造』を司る神鉱で『真理』に帰結する権能である死剣のUCを防御
そのまま『アセンション』を叩き込む!



「グローバルジャスティス様、ご出陣!」
「どうか勝利を! そして生還を!」
「「グローバルジャスティス様に栄光あれ!!」」
 整備を担当していたらしいご当地怪人達に見送られ、力強いエンジンの唸りと共に一両の巨大戦車が征く。
『ジャスティスベース』、大首領グローバルジャスティスが此度の決戦の為に建造せし切り札。無限機動が地を噛んで、要塞化せし武蔵坂学園を征く。迫りつつある蒼の王を、迎え撃つ為に。

「これが最後の戦い……ですね」
 その操縦室にて、車外の風景を映すモニタを睨みながら、七草・聖理(光の弓矢は闇無き世界で始まる・f43834)は緊張の面持ちで呟く。一月に渡る第二次サイキックハーツ大戦も、遂に最終局面だ。
「ああ。我々が勝利し彼の野望を砕くか、彼が勝利し野望に飛び立つか。二つにひとつ」
 応えるは、操縦席に座し端末を操る黒衣に黒マスクの人物。大首領グローバルジャスティス。語る声音は確かな意志を滲ませる。彼の野望を叶えさせはせぬ、と。
「ヘッ、何が新たなるサイキックハーツだ。何が『真理』と『真理の先』だ」
 その野望――新たな世界にてサイキックハーツへ至らんとする彼の目的を、多々良・緋輝(ロード・ヒイロタマハガネ・f44126)は笑い飛ばす。斯様な望みよりも大事なものが、この世界にはあるのだとばかりに。
「それは炒飯よりも旨いのか? 違うだろ?」
「……そもそも味覚は関知しないと思うのだけどね」
 元男性らしいラフな発想に、呆れたような声を漏らすのはアルテミシア・ルッシュリア(月を示す影・f44022)。とはいえ、其処に在る彼女の意志に対しての異論は無い。
「それは兎も角――来るよ」
 逸早く状況の変化を感じ取ったのは、最もソウルボードと親和するダークネスであるシャドウ故か。空間が揺れたかと思えば、ジャスティスベースの前方に突如広がる開けた空間。床も壁も天井も、すべてが蒼き水晶で形作られた空間。其はさながら、かつて阿佐ヶ谷に現れたという水晶城の如し。
『――やはり、来たか』
 そして前方より響くは、その主であった存在の声。赤き十字の光とサイキックエナジーを帯びた黒衣を纏い、無数の剣を従えた、水晶の如き白骨の頭蓋を持つ存在。
『蒼の王コルベイン』、今や失われた頭蓋を取り戻し、『剣樹卿アラベスク』と合一し、名実共に最強のダークネスと称すに恥じぬ存在となった、ノーライフキングの王。
『武蔵坂学園、そして猟兵。我が大望における最大の障害は、やはり汝らをおいて他に無し』
 ジャスティスベースを見据え語るコルベイン。その胸元に輝く十字の赤光が、巨大戦車を指し示し――
『――故に。まずは汝らから。アラベスクに――我が一部になるが良い』
 光が強まった、その直後。ジャスティスベースが、激しい震動と軋みに襲われる!
「……っ! これは……!」
「これが、アラベスク・ソード・カタストロフか……!?」
 床を踏みしめ、或いは壁に手をつき。聖理と紅輝は各々に震動へ耐える。そして同時に感じる、忍び寄るかの如き闇の気配。
「左様、これぞアラベスク・ソード・カタストロフ。すべてをアラベスクと化さしめる、剣樹卿アラベスクの絶対の技」
 問いに答えたグローバルジャスティスの声音は、あくまでも落ち着いたもの。その脅威、耐えることは十全に可能。そんな確信の籠った声音。
「――だが、このジャスティスベースを守る『耐破局装甲』ならば」
 そして、その確信に間違いは無かった。コルベインの差し向けた赤光はやがて衰え。後に残るは、昏く沈んだ十字光。
 即ち、防ぎきった。アラベスク・ソード・カタストロフを。
『――よもや、この世界にアラベスクを拒み得るものがあったとはな』
 声音に若干の驚きを滲ませながら、コルベインは評する。史上初めて、この業を防ぎきる者が現れたという事実を。
「然し、やはり辛うじて、という処か。次は防げない」
 一方、グローバルジャスティスは戦車搭載のコンピュータを用い各部状況を確認してそう結論付ける。やはり防ぎ得るは一度だけ、と。
「つまり、次の前にあいつをブチのめしゃ良いってコトだな!」
 ならばグリモア猟兵の言った通り、それこそがかの敵を打ち倒す最適解だろう。自信を以て言ってのける紅輝。
「その通りだ。よろしく頼みたい」
「勿論。その為に此処にいるのだからね」
 紅輝の言を肯定しつつ其を求むグローバルジャスティスに対し、アルテミシアは頷くと共に請け負ってみせる。勝負を決するは己らの役割にして使命、と。
『アラベスクを拒むならば。直接打ち壊すのみ』
 一方のコルベイン。ひとつ念ずると、その直下にて闇が蠢いたかと思えば、現れ出るのは無数の聖剣名剣魔剣に邪剣。蒼き水晶を宿し自律浮遊するものと、数多のゾンビやスケルトン、アンデッド達の手に携えられるもの。死者の王たるコルベインと、剣の王たるアラベスクの権能が合わさりし軍団。
『勿論、そうはいかせない』
 数も質も凄まじい、恐るべき死者の軍勢。其を前として、それでも。聖理は力強く告げる。ジャスティスベースの外部スピーカーを介して。
『世界は悪に満ちていない。闇も悪の道から脱却しつつある。最早、あなたの企みは成就し得ない』
『否だ。我は界を渡り、再び闇を、悪を育もう。かつて逃した頂へ、今度こそ至る為に』
 野望は潰えたのだと語る聖理に、コルベインは確たる意志を以て其を否定する。その為に、渡る先の世界をかつてのこの世界の如き苦しみに堕とすも厭わぬ風で。
『――確かにボク達|闇《ダークネス》は新たに生まれず、命を産む事もできない』
「………」
 闇を育む。その言に、ダークネス――シャドウであるアルテミシアが反応する。それと共に、グローバルジャスティスもまた、マスクの奥の瞳に悲しげな色を滲ます。其は、今の世において唯一叶わなかった、彼の理想のひとつであるが故に。
『だけど、だからといって滅びに向かうだけじゃない』
「!」
 なれど、続くアルテミシアの言に、大首領ははっとした様子を見せる。其を証明してみせるという、彼女の意志に。
『――オレは正直、こいつらみたいに大したコトは考えてねぇ。ただ、明日がもっと良くなればそれでいい、としか思ってねぇけどよ』
 そんな二人の様子を横目に、紅輝もまた語る。己には理想も、信念も無い。只々平凡な幸福を願うだけ。だが。
『それを『真理』じゃねぇ、と言うんだったら――』
 其は、今を生きる者達にとって極々当たり前の願い。故にこそ最も尊い願い。サイキックハーツを目指す闇の企みとは、其を踏み躙るものである。故に。
『オレは、こう言ってやる』
『今も尚、カタストロフを以てサイキックハーツを求めるというのなら』
『証明してみせよう。ボク達の『アセンション』で――』
 紅輝、聖理、アルテミシア。三者が其々に己の意志を語る。其を結ぶは、彼女達三人の共通の意志。

『『『企みの果てに導かれた運命を、全て拒絶し超克しよう』』』

 紅輝が触れるは、ユーベルコード増幅砲塔の装填口。意識を集中すると共に、力が其処に流れ込んでゆく。この砲塔の使い方はグローバルジャスティスから聞いている。問題無い。
「鋼は此処に――」
 呟くと共に、砲塔が唸りを上げて震動する。応えるが如くに震えた地面から、幾つもの重厚な金属の壁が現れ出ては、ジャスティスベース目掛けて侵攻するアンデッドを、死剣の群れを防ぎ止める。其は紅輝のデモノイドヒューマンとしての力の表出――新造・創造を司る神鉱からなる防壁。
「月よ示せ――」
「我が光よ――」
 次いでアルテミシアが、聖理がユーベルコードを装填する。其はあらゆる現行人類のソウルボード同士の繋がりを以て為す力と、生命の可能性に由来する概念を源とする力。コルベインの語る『真理』を否定する為の|超克《アセンション》。鋼と、月と、光と。三者の力がひとつに集い――
「「「――撃ち抜け!!」」」
 三人の叫ぶと同時、砲口から撃ち出されるは、神々しき光を纏う聖なる弾丸。其は死剣の軍勢を薙ぎ倒し、その彼方のコルベインを目掛けて一直線に飛翔――以て、此を撃ち抜いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神夜・未来
グローバルジャスティスと一緒に戦う日が来るなんて
思ってもいなかったけれど感傷に浸っている暇はなさそうね

2発目が撃たれる前に一気に勝負を付けるわ
防御は考えずに金色火砲・スナイパーカスタムからの
ハイパー・バスタービームで蒼の王コルベインを
一点狙いで落としてみせるわ
十分に狙える位置に迅速に移動したら
そこからは動かずに1発でも多く撃ち込めるように攻撃を最優先ね
ダメージを与えて2発目の時間も稼げればかしらね
無数の剣による攻撃も防御もユーベルコード増幅砲塔で
強化することで貫通させるわ
グローバルジャスティスやジャスティススペースには
援護射撃で無数の剣を破壊してもらったり牽制してもらえればね

アドリブ、連携歓迎


白峰・十三
アドリブ連携◎

グローバルジャスティス殿。
わしはかつてを知らぬが
その知性と助力に感謝申し上げる。

ジャスティスベースに搭乗。
UC強化砲塔でUCを強化して貰い
UC「六道迅雷」を発動。
グローバルジャスティス殿含む全員に強化を付与。

せめてもの誠意じゃ。

1撃目のアラベスク・ソード・カタストロフは
対破局装甲で耐えて貰う。

凌いだなら攻撃に転ずる。
六道迅雷を戦場全域へ響かせ
剣群やアンデッドらを薙ぎ払う。
同時に結界で味方の攻防を底上げし
コルベイン本体への攻勢を支援。

二発目を放たせる前に決めるのじゃ。

蒼の王よ。
世界は悪に満ちている。
じゃが、だからこそ世界も、生きる人々も美しい。
ゆえにここで邪魔をさせて貰おう。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
相当凄まじい方の様で。
何とか対処してみましょう。

『カタストロフ』が来るまでは、大首領さんに礼を述べ『ジャスティスベース』内に待機し凌ぎつつ『FLS』による全『祭器』の召喚を行いまして。
鴻均道人等、『骸の海』の化身が今後同様の能力を用いる可能性を踏まえ『FPS』で詳細の解析&記録はしておきますねぇ。

初撃を凌ぎ、『アンデッドの召喚』が行われたら『砲塔』の力をお借りし【暜噄】を発動、相手の戦闘能力が『剣属性』と明確化している以上、『剣属性』を指定した『吸収』を『増幅』して行えば、本体は兎も角配下のアンデッド達はほぼ無力化と吸収が可能でしょう。
蒼の王には多少の効果しかない可能性も高いですが、『吸収量に比例した強化』にも、間接的に『砲塔』の力が乗る状態となりますので、『FAS』で飛行して『ジャスティスベース』から飛び出し、通常攻撃は『FLS』の空間歪曲と『剣属性』を指定した『FES』の結界で防御、大幅強化された残る攻撃可能な『祭器』と『万象吸収』を重ねて一気に叩きますねぇ。


朱鷺透・小枝子
蒼の王コルベイン、ノーライフキング。アラベスク。
嘗て灼滅者達によって死に、今オブリビオンとして復活したというのなら……今一度、再び地獄に叩き込んでやる!!!

ジャスティスベースに乗り出撃。アラベスク・ソード・カタストロフを凌ぎ、ユーベルコード増幅砲塔より【継戦能力エネルギー充填】|ジャスティスベースを出で《可能なら砲塔から撃ち出て》『禍戦地獄借景』発動!亡国の主を召喚し融合し真の姿へと変形し【呪詛範囲攻撃】崩壊霊物質でできた巨大翼で死剣大樹海を薙ぎ払い吹き飛ばし、コルベイン目掛けメガスラスター【推力移動】螺旋飛行吶喊!!

るぅうううあああああああアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

【怪力】で竜骨爪をコルベインへ穿ち込み!大焦熱地獄精霊開放!!
コルベインの体内から大焦熱地獄を展開し【焼却】同時に【念動力】で崩壊霊物質翼を操りコルベインを囲い込んで崩壊させに掛る!!!

ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!

【追撃】口腔より、破壊の意思宿る霊物質を吐き散らし【ブレス攻撃】


高崎・カント
もきゅー! ジャスティスベース!
わーいなのです!
とってもカッコいいのです!

世界のためにカントもがんばるのです!
ではユーベルコード増幅砲塔に潜り込むのです
きゅー、このモーラットの身体に丁度良い直径……
絶妙なフィット感で落ち着くのですー

まずは一発目をやりすごし……今なのです!
グローバルジャスティスさん、砲塔でカントを撃ち出すのです!
砲塔によるユーベルコードの増幅と、撃ち出されることで初速を上げ
そしてカントも限界まで加速するのです!!【UC使用】

もっきゅっきゅ……
斜め上に撃ち出されることで、アンデッド軍団をすり抜けるのです
到達する直前で方向を変え、頭上から直接コルベインさんを狙うのです!
もきゅー!!


ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携歓迎

ジャスティスベースに同乗
すまないグローバルジャスティス卿、なんとか一撃は耐えて欲しい
あとは我らがなんとかしよう

戦場を[心眼]によって俯瞰し、敵の配置や攻撃タイミングを[見切り]ジャスティスベースに伝達、回避を任せる
そして最初の1発が放たれるまでは[念動力]によって操作した無数の刀剣を[乱れ撃ち]、敵軍団を[破魔]の力で消し飛ばしていく

最初の一発を防いでもらったら即座にキャリブルヌス・エクセリオンに[騎乗]状態で砲塔から射出される形で出撃・同時に増幅されたUCも発動させる

超高速飛行で蒼の王と残ったアンデッド軍団をまとめて薙ぎ払える位置に飛び、2発目までに至高の斬撃で断ち切ろう


秋風・葉月
アラベスク・ソード・カタストロフがなんなのかは知らないです、が!先輩方もあまり知らない感じしましたし!
ですがどんな必殺技があってもそれに臆さないのがヒーローというものですわ!
ご当地怪人の戦車に乗って共闘ってのは複雑な心情ですが……ええ、この際考えても無駄ですわ!

最初の一発目のアラベスク・ソード・カタストロフが飛ぶまでに強化砲塔を使って仕込みをしておきますわ。
内容はレガリアスバスターの装填。やはり餅は餅屋、射撃は砲塔ですわ。
最初のアラベスク・ソード・カタストロフを防いだところで――発射ですわ!
相手がやったか、と思うその瞬間こそが隙なのですわよ!
相手の武器はサイキック銃で撃ち落としますわね!


伊勢原・剛
…嫌な気配がするな。
世界に悪が満ちている?
…そうかもしれねえ。
けど人間は悪に振り回されっぱなしじゃねえ。
同じ位に善も満ちていて、そん中に大切なモンもあって…だから抗える!
勝手な循環の定めなんてのを他所に持ち込ませねえよ!

ジャスティスベースに同乗させて貰う。
イカしてんなこの戦車!
強化砲塔で蹴りの増幅は…できるか?
兎も角初撃のカタストロフを耐えたら速攻で飛び出しイグノートゥスカードで「|起動《イグニッション》!」
黒の力纏い影からの剣の群れをローラーダッシュとジャンプで振り切りつつ根性で回避、そのまま接近して音速の蹴りを守りの剣の上から衝撃波を叩き込み残炎燃え上がらせてやるぜ!

※アドリブ絡み等お任せ


和田町・いずみ
五条新一郎マスターにおまかせします。かっこいい和田町・いずみをお願いします!

電脳魔術士×ワールドハッカーです。
大人しい23歳の女性です。
天然クールで少々ポンコツ。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
熱中すると猪突猛進。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。

アドリブ・連携は大歓迎。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせでお願いします!



 要塞化武蔵坂学園の一角、グローバルジャスティス率いるご当地怪人勢力が借り受けたエリアに集合した猟兵達の前に、『それ』は姿を現した。
 その全高は見上げる程に高く、円形の車体は前後のみならず左右にも巨大。前面には様々な形状の砲塔と、機銃やミサイル、ドリルまでをも装備した、まさしく機動要塞。それこそが此度の決戦に際し、グローバルジャスティスが用意した決戦兵器たる円形戦車『ジャスティスベース』であった。
「もきゅー! ジャスティスベース! とってもカッコいいのです!」
「うおぉ! イカしてんなこの戦車!」
 その威容を前に、高崎・カント(夢見るモーラット・f42195)はもきゅもきゅ跳ね回りながら、伊勢原・剛(剛轟オレ流・f45689)は拳を握ってテンション高く叫び其々に興奮を示す。二人のそんな様子に、創造者たる大首領も満更ではなさそうだ。
「ええ、こういうモノも時には良いですよね」
 好きな乗り物は電車、という和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)も二人の興奮具合に同意を示す。これほどの乗り物、猟兵と言えど乗れる機会はそう多いものではないだろう、と。
「然し、キャリブルヌスを搭載できたばかりか、砲塔に載せることもできるとは」
「主もそのようにしても良かったかもしれませんね」
 此度キャバリアにて戦闘する予定のハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)は、愛機が余裕で搭載叶う程のこの戦車の巨大さに改めて感嘆の意を示す。加え、ハルの要望に応えてユーベルコード増幅砲塔のひとつをカタパルトのような形に作り替え、射出叶う状態にしたというのだから、その仕事の速さと技術力にもまた感嘆する処。別の形で愛機を運用する予定の朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)も、それもまた選択肢としてアリだったかもしれない、とカタパルト発進風景を想像したとかしなかったとか。
「グローバルジャスティス殿。わしはかつてを知らぬ者じゃが、その知性と助力、篤く感謝を申し上げる次第」
「私からも、ご助力に感謝を。凄まじい敵を前に、大変心強く思いますぅ」
 一方、白峰・十三(白翁法師・f45852)はジャスティスベース搭乗口付近にて、其処に佇んでいた大首領へと夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)と共に謝辞を述べる。二人ともサイキックハーツ世界の出身ではないため、彼らのかつての軌跡は記録でしか知らぬものの。その助力を有難いと思う感情に嘘は無い。
「私の方こそ、君達には礼を述べねばならない。猟兵――遠き異界からの救援者達よ」
 一方のグローバルジャスティスもまた、二人をはじめ猟兵達への敬意を以て応えを返す。何の益も無いにも関わらず、数多の世界より集いて、この世界の禍を祓わんとする、そんな彼らへの敬意。
 と、そこに。
「グローバルジャスティス様! 最終チェック完了、各部異常ありません! いつでも出撃可能です!」
 ジャスティスベースの点検作業に当たっていたらしい、宇宙服っぽい姿のご当地怪人が報告に来た。其を受けた大首領、頷きと共に了解の旨を伝えると。
「さあ諸君! 共に行こう! この世界と、彼らが狙わんとする世界の禍を祓う為に!」
 猟兵達へ呼びかけるや、先導するようにジャスティスベース車内へと乗り込んでいった。猟兵達も、後に続いて其々に乗り込んでゆく。
「それにしても……グローバルジャスティスと一緒に戦う日が来るなんて」
「少々複雑な心情ではありますわね……」
 そんな中、サイキックハーツ世界出身の猟兵二人――かつての学園の|灼滅者《スレイヤー》の娘である神夜・未来(金色のミライ・f43869)と、かつての戦い以降に学園へ入学した秋風・葉月(秋葉原のご当地ヒーロー・f44081)はある種の感慨を覚えていた。武蔵坂学園の戦いにおいて大いなる敵として立ちはだかった、大首領との共闘。特にご当地ヒーローである葉月は、宿敵というべきご当地怪人組織との共闘に複雑そうだが。
「……が、この際考えても仕方ないことですわね!」
「そうね。それに、感傷に浸ってる暇も無いわ」
 この戦いを制するには、かの大首領の力を借りるのが望ましい。グリモア猟兵の言を思い出して、葉月は割り切るように頷いて。応えて賛意を示す未来と共に、ジャスティスベースへと乗り込んでいった。

『ジャスティスベース、発進!』
「「「グローバルジャスティス様に、栄光あれ!!!」」」
 大首領の号令一下、動き出す巨大戦車。見送るご当地怪人達の常と変わらぬ掛け声を背に、猟兵達を乗せたジャスティスベースは戦場へと向かってゆく。

 戦場へと向かい征くジャスティスベース。その車内にて、猟兵達は其々に戦闘準備を整える。
「カントは此処からどーんって飛び出していくのです!」
「成程、人間かそれ以下の大きさなら直接撃ち出されることも可能な感じでありますね……」
 ユーベルコード増幅砲塔には人間一人が入れるぐらいのスペースがあり、モーラットであるカントならば余裕。故に直接これを使って飛んでいくつもりと語るカントに、小枝子は頷くと共に、可能ならば試みたいと思っていた案が現実味を帯びてきたやも、と思い至った様子。
「とすると、蹴りの威力を増幅しようとするなら……アリか?」
 一方、剛も同じような手段で自分のユーベルコードを強化するのもアリかも、と考えた様子。まじまじと増幅砲塔の操作機構周りを眺めている。
「此方の砲塔、全部連結して使っても良いでしょうか!」
「良いとも。君達全員で使っても、ある程度余裕を持てる数を準備してある筈だ」
 いずみは何やら活用案を思いついたようで、複数の砲塔の連結使用の許可をグローバルジャスティスに申し出ていた。大首領、快く許可。
「やはり餅は餅屋、射撃は砲塔ですわね」
「私は上の砲塔を使わせて貰おうかしら」
 葉月は早々に自らのユーベルコードを装填完了。敵の初撃を凌いだあと最速で仕掛ける構えだ。未来は車体上部に設置された砲塔が自分向きの仕様と聞いたので、此方を使うつもりのようだ。
「それに致しましても、アラベスク・ソード・|カタストロフ《・・・・・・》ですかぁ」
 一方、るこるは敵の用いてくるだろう技の名に引っ掛かりを覚えていた。未だ謎多き『五番目の猟兵』を思わせる名を冠した技、果たしてどんな技であろうか。
「私もどんな技かは知りませんわ! というか先輩方もあまり知らない感じでしたわね!」
 武蔵坂学園の生徒である葉月も、はっきりと知らぬと返答。というより「剣を向けた先の全生命をアラベスクにする」「発動を許したらほぼ敗北確定」ぐらいの情報しか持っていない者が大半ではないか、とも。実際、生前のアラベスクと交戦した当時はその認識だけで充分であったが故に。
「敵がどんな必殺技を持っていようとそれに臆さないのがヒーローというものですわ!」
 と自信満々に言ってのける葉月に苦笑するるこる。彼女はどちらかといえば慎重派であるが故に。
(解析情報は記録しておいた方が良さそうですねぇ)
 鴻均道人に代表される「骸の海の化身」というべき存在ならば、類似の能力を行使する可能性がある。それらとの対峙を考慮し、解析は行っておいた方が良いだろう。頷くるこる。
「……! 来るぞ、皆の衆!」
 と、其処に。十三が猟兵達へ呼びかけるが早いか、周囲の風景が一変。広大なる蒼き水晶の城、その内の大広間と言うべき場へとジャスティスベースは侵入を果たし。それと同時に前方へ赤と黒の大いなる影が浮かんでいるのが身て取れた。
『やはり、余を迎え撃つは汝らか。ならば』
 その影――コルベインは納得を覚えたかのような声と共に、その胸の前に浮かぶ赤き十字型の光をより強く輝かせてみせる。そんな輝きの先端が、ジャスティスベースに向いた直後。
「「「………!!」」」
 ジャスティスベースの車体が、猛烈な震動と軋みに襲われる。まるで全てを引き裂き、形を変えさせようとするかの如き衝撃。以て直感が叶う、今この瞬間に『アラベスク・ソード・カタストロフ』による攻撃を受けていると……!
「くっ……グローバルジャスティス卿、すまないが……!」
「勿論だとも……この一撃だけは耐えてみせる!」
 腰を落として激震に耐えながら、ハルはグローバルジャスティスへと呼びかける。その意図は皆まで言う前に彼方へ伝わり、返る答えは決然と。大首領は忙しなく操縦席の端末を操作し、リアルタイムで生ずる変化への対処を試みているようだった。
 以て耐える時間は、数秒だったろうか、数分だったろうか。体感としては実際以上に長い時間が過ぎた処で、震動と軋みが止まる。これは、もしや。
「……全数値正常化。凌いだぞ!」
 理論だけで整える他に無かった対策が奏功した故だろう。思わず拳を握り快哉を上げるグローバルジャスティス。そして、其はそのまま反撃の狼煙ともなった。
「それでは反撃! 参りますわよ!」
 グローバルジャスティスの宣言を皆まで聞くより速く、葉月がユーベルコード増幅砲塔のトリガーを引いた。以て撃ち出されるは、何処か|白の王《セイメイ》を思わせる白き炎の塊。其は大気を裂いて、アラベスク・ソード・カタストロフの行使を終えたばかりのコルベインを目指して飛翔し――命中する!
『ぐおっ!? こうも素早く反撃してくるとは……!』
 コルベインの身を捉えた白き炎は爆ぜ、一気に広がって赤と黒に彩られた身を焼き焦がしてゆく。少しずつ広がる炎に苦悶するコルベインだが、ただやられるだけではない。
 沼じみて広がるコルベインの足元の影から、次々と飛び出し来るのは多種多様な聖剣名剣魔剣に邪剣、なにがしかの力ある刀剣の群れ。それらは一様に蒼き水晶を柄に生やし、自律的な飛翔能力を獲得している。
 更に其に続いて、闇の中から無数の人型が立ち上がってくる。同じく聖剣や魔剣をその手に携えた、ゾンビやスケルトンやグールやマミー、果ては僵尸といったアンデッドに分類される存在からなる大軍勢。
 死者を統べる蒼の王と、刀剣を統べる剣樹卿、各々の力を合わせたかの如き軍勢が、ジャスティスベースと其処に在る猟兵達を狙い動き出さんとした、その時。
『大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その収穫の理をここに』
『鳴れ、仏意よ。|雷《いかづち》となりて荒れ狂え』
 るこるの|詠唱《いのり》が響くに続いて、引き潮じみて力がジャスティスベースへと吸い込まれてゆくかの如き気配が戦場を走る。そしてその直後、ユーベルコード増幅砲塔から放たれるは、万象を吸収せんとする波動。荒れ狂わんばかりの勢いで走り出しかけていたアンデッド群は、それだけで歩みを大幅に鈍らせて。
 次いで響いた十三の詠唱が、ユーベルコード増幅砲塔から水晶の広間の上空に黒雲を撃ち放ち。其は瞬く間に天井付近を覆っていったかと思えば、降り落ちるは無数の|雷《神鳴り》。仏罰としての力をも宿す其は、死者の冒涜にも等しきアンデッド軍団には殊更に効果が高いようで。ひとつ雷の落ちるたび、数十のアンデッドや自律剣群が纏めて吹き飛ばされ、消し飛ばされてゆく。
「皆の衆、わしが援護する! 二発目を放たせる前に決めようぞ!」
 以て十三が呼びかける。己のユーベルコードで強化は施した、ならば敵軍が乱れている今こそ好機と。
「はいなのです!」
『感謝する、グローバルジャスティス卿!』
「オブリビオンは……破壊する!」
「おう、やってやるぜ……!」
 応えるカント、ハル、小枝子、剛はいずれもユーベルコード増幅砲塔に装填された状態。ハルは愛機たる|巨神《キャバリア》『キャリブルヌス』に搭乗、カタパルト射出じみて飛び立たんとする構え。
 そして次の瞬間。四人は砲塔より撃ち出され。増幅砲塔の恩恵か十三のユーベルコードによる強化結界か、力の煌めきをその身に纏って空へと舞う!
「これが! カントの! 全力なのです!」
 カントの身は射出直後から猛烈な勢いで加速を重ねてゆく。己自身と共に装填したユーベルコードは、カント自身を射出し加速せしめ、真っ直ぐに蒼王目掛けて飛翔する。
これ以上の接近は罷りならぬ、とばかりにコルベインも魔剣群を射出しカントを撃ち落とさんとするが。複雑に軌道変更を繰り返すモーラットは捉えられることなく剣の群れの間をすり抜け。そのまま上を、上を目指してゆく。
「やってやるぜ……|起動《イグニッション》!!」
 剛は撃ち出されると同時にその手のイグノートゥスカードを掲げ、その身の力の全てを引き出す。そして敵の前衛を飛び越えた先にて着地するや、コルベインめざして疾走してゆく。アンデッド、蒼水晶の剣群、更には蒼王自身の操る剣群と、立ちはだかる障壁は多いが。
『キャリブルヌス! 撃ち払え!』
 其処へ飛来したハルが、キャリブルヌスの掌を剣の群れへと翳せば。生ずる念動力が剣群を押し返し弾き飛ばし、剛へ迫るものを退けてゆく。
「来い! 主よ!」
 飛翔する小枝子の背後、巨大な影――白骨じみた色合いと竜めいた頭部を有するジャイアントキャバリア『亡国の主』の姿が浮かんだかと思えば、その身は小枝子と一体化。漆黒の肌に巨大な黒翼と白き装甲を纏った巨人、というべき真の姿へ変化を遂げる。
『蒼の王コルベイン……ノーライフキング……アラベスク!』
 唸り叫ぶや周囲の光景に変異が生じる。猛烈なる炎、或いは凍てつく極寒の凍気。其はさながら大焦熱、或いは大紅蓮――地獄の如き光景。
『オブリビオンとして復活したというのなら……今一度、再び地獄に叩き込んでやる!!』
 其は、オブリビオンは壊し尽くすという小枝子の意志の具現。炎が、凍気が、地上の自律剣群や死者の群れを巻き込んで。
『るぅうううあああああアアアアアアア!!』
 更には螺旋回転しながら低空飛翔、黒き巨翼が其を攻勢する崩壊霊物質を撒き散らし死者と剣群を薙ぎ倒す。
 なれど敵群は尚も多く――だが、其処にも猟兵達の更なる攻撃が繰り出されんとしていた。
「一番線、二番線から四番線、五番線まで。特急列車、発車準備完了です!」
 ジャスティスベース車内、五つ並列接続されたユーベルコード増幅砲塔を前に、いずみは其々を指差呼称で確認する。モニタに浮かぶ敵群の配置に、仮想展開された線路が重なって。
「――全路線、特急列車が通過します! 皆さん、経路上から離れてくださーい!」
 そしてスピーカーを介して外の猟兵達へ警告するや、トリガーを引き――戦場に五本の仮想線路が電脳魔術で展開されると共に、その上を五両の列車が敵群目掛けて爆走する!
「うおっ!?」
 仮想線路を避けた剛の前を、猛スピードで列車が駆け抜ける。そしてその先の死者達を次々に跳ね飛ばし轢き潰してゆく。そんな蹂躙が、戦場内至る処で巻き起こっていた。あまりの勢いに唖然としかけた剛だが。
「けど、これで随分と攻め込みやすくなったな!」
 猟兵達の攻勢により、コルベインの軍勢は最早壊滅状態。ならば後は奴を目指すのみだ。地を駆け、剛はいよいよ彼の前へと見えんとする。
『ぬうう、やってくれるわ……!』
 己の軍勢を瞬く間に壊滅せしめられ、さしものコルベインも驚愕を禁じ得ぬらしい。未だその身を苛む白炎への苦悶と憤懣混じりに呻きながらも、その身に纏う無数の剣を操り近接戦闘態勢を取る。
『だが、まだだ! 余は諦めぬ……!』
 撃ち出される剣群が雨の如く、剛や接近戦を仕掛けんとする猟兵達を襲う。苛烈なる攻勢は、いずれ歴戦たる猟兵達にもその身へ傷負うを避け得ぬものだが。
『世界は未だ悪に満ちる……ならば道はある! サイキックハーツへ至る道が……!』
「世界に悪が満ちている、だぁ?」
 妄執じみたコルベインの叫びに、剛が眉根を跳ねさせる。そうかもしれねぇ、と呟く。かつて銀誓館学園の戦いの影で彼が繰り広げた、歴史に残らぬ戦いの記憶が過ぎる。なれども。
「けどな、人間は悪に振り回されっぱなしじゃねえ!」
 故にこそ剛は知る。世界を満たすは悪ばかりではないと。同じ位の善にも満たされているのだと。其処に大切なモノもあり――それこそが悪に抗う力になるのだと。
「勝手な循環の定めなんてのを! 他所に持ち込ませやしねぇ!」
 飛来した剣を踏みつけ、其を足場に跳躍。一気にコルベインの懐を目指す。その動きを察した蒼王、剣群を結集させての守りを敷かんとするが。
『――がっ!?』
 其処へ突如突き刺さった、黄金の矢が如き大出力ビーム。蒼王の身がよろめくと共に、剣の守りもまた緩む。其は、何処から飛び来たかといえば――
「命中。流石の威力ね」
 ジャスティスベース上部、ユーベルコード増幅砲塔に愛用の|金色火砲《バスターライフル》を接続し構えた未来が、己の一撃の命中を確かめて笑む。ユーベルコードを乗せた銃撃は、増幅砲塔によってその威力と貫通力を一層高め。コルベインが敷く剣の守りをも貫く程にまで至っていた。
「このまま、焼き尽くしてあげるわ」
 なれど敵は未だ健在、ならば倒れるまで撃ち抜くのみ。幸い他の猟兵の攻勢で敵の攻撃は此処まで来ない。来たとしてもジャスティスベースの火砲が撃ち落としてくれる。己は攻撃に集中すれば良い。
 再度コルベインへ狙いを定め、トリガーを引く。放たれたビームが空を裂いて、蒼王を目掛けて迸る。
『ぐぅ……っ! 防ぎきれぬ……!』
 剣群で防ごうとも、其を貫いてくるビーム。苦慮するコルベインは、それ故に剛の接近を許す。
「その執着――」
 蹴り足を構える。溢れる黒き炎は常よりも熱く激しく――ユーベルコード増幅砲塔の恩恵を得て威力を爆増せしめた一撃が、振るわれる!
「――焼き尽くしてやるぜ!!」
 マッハ5.0を軽く超える斬撃じみた極超音速蹴りが、黒と赤の衝撃波と炎の軌跡を残し不死王へと叩き込まれる。呻くその身に、白に加えて黒の炎が纏わりつき焼き焦がす。

 そして、此処に猟兵達の総攻撃が始まった。

『特別列車が通過しまーす!』
 コルベインの足元へ敷かれた仮想線路の上を、いずみの呼び寄せた列車が駆け抜けて蒼王を跳ね飛ばし。
「流石にしぶといですわね! ですが!」
「倒れるまで撃ち抜くのみよ!」
 ジャスティスベースからは葉月の白炎砲弾と未来のビームが白と金の軌跡を描いて、幾度もコルベインの身を穿ち。
「徹底的に叩かせて頂きますねぇ」
 更にジャスティスベースから飛び立ったるこるが、先のユーベルコードによる吸収で強化された祭器群より砲撃の雨を降らせ。
「ささやかじゃが、儂も加わらせて貰おうかの」
 大鷲に乗ってジャスティスベースより飛び来た十三の投げ放つ巨大法輪が、砲火の雨に紛れて飛翔して水晶の身体を斬り裂く。
「隙ありなのです! もっきゅーーー!!」
 よろめいたコルベインの頭上に、最大加速したカントが激突、雷電じみた威力にまで強化された静電気を水晶の頭蓋へと直接叩き込む。
『我が故郷へ闇の災いを持ち込まんとする所業、決して赦しはしない!』
 猟兵として以上に、ケルベロスとして。その怒りを以てハルが吼えると共に、キャリブルヌスが巨剣を大きく振るい抜く。以て繰り出された至高の斬撃が、残る死者の群れと諸共に不死王の身を斬り裂いて。
『ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
 絶叫と共に肉薄を果たした小枝子がその腕の爪をコルベインの白骨水晶からなる肉体へと突き刺せば、其処へ大焦熱地獄の炎を叩き込み。更には翼より発される崩壊霊物質が浴びせられ、内外からその肉体を崩壊させにかかり――

「これで、終わりだッ!!」
 己の放った衝撃波を足場に再度の跳躍を果たした剛が、コルベインの頭上へ到達。全身を捻り、渾身の力を込めた蹴撃を繰り出す。爆発的な勢いの黒炎と共に繰り出された一撃が――コルベインの水晶頭蓋を、叩き砕いた!

『ア……アア、ア……!!』
 よろめき、崩れ落ちるコルベインの肉体。二度目のアラベスク・ソード・カタストロフを試みるべく力を集束させていたのだろう十字の赤光も最早消え失せ、残存する剣群も地に落ちて。誰の目にも明らかな、敗北である。
「――蒼の王よ」
 今にも崩れ落ちんとするコルベインへ、地へ降り立った十三が語りかける。
「お前さんの言う通り、世界は悪に満ちている。この世界はまだしも、他の世界は全て」
 その声音は、世界の現実を語るにしては穏やかで、しかし確かな意志を込めて。即ち。
「じゃが、だからこそ世界も、生きる人々も美しい。儂は、それを損ねられたくはない」
 故にこそ、彼の夢を妨げるべく、此処に在るのだと。
『―――――』
 既に頭部を喪った故にか。十三の語るに、コルベインの言葉は最早無く。そのまま、水晶の肉体は塵と化して、消えていった。
『蒼の王コルベイン』、剣樹卿の力を得て再びサイキックハーツへ至らんとした水晶の不死王は、再び、此処にその野望を砕かれ、果てたのである。



 以て、猟兵達は剣樹卿アラベスクと合一せし蒼の王コルベインを打倒。
 武蔵坂学園とサイキックアブソーバーは守られ、ケルベロスディバイドへ迫らんとしていた禍も祓われた。
 第二次サイキックハーツ大戦は、猟兵と、武蔵坂学園の勝利にて、幕を下ろすに至ったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2026年06月01日


挿絵イラスト