【サポート優先】廃園の工房、亡失の鎚と騎士の矜持
「皆さん、集まってくれてありがとう。……少し、大事な話をさせてほしいんだ」
グリモアベースの静謐な空間に、ミィナ・パルマの落ち着いた声が響く。彼女が指し示したグリモアの輝きは、竜と騎士が空を駆ける世界、バハムートキャバリアの情景を鮮明に映し出した。映し出されたのは、切り立った崖の合間に建つ、古びた、しかし手入れの行き届いた竜騎鍛冶師の工房だ。
「今回の舞台は、人造竜騎を修繕する『竜騎鍛冶師の工房』だよ。……そこが今、百獣族の軍勢に狙われている。彼らにとって人造竜騎は『人類の非道の象徴』なんだって。彼らは職人さんたちには手を出さないと誓っているけれど、人類にとっての希望を、みすみす破壊させるわけにはいかないから」
ミィナは一つ呼吸を置き、金色の瞳に決意を込めて作戦の全容を告げる。
「最終的な目的は、工房を襲撃する百獣族を退け、預けられた人造竜騎を守り抜くこと。相手は戦士としての誇りを持って、正々堂々と決闘を挑んでくるよ。私たちも、それに応えなきゃいけないんだ」
彼女がまず提示したのは、工房を包囲し、地響きを立てて進軍する巨人の群れであった。
「まずは第一の関門、工房を包囲する集団『獣騎キュクロプス』との激突だね。彼らはかつて、優れた鍛冶の技術を持っていた一族だった。けれど、人造竜騎による戦火の中で、その技術も、平和な暮らしもすべて失われてしまったんだ……。彼らの怒りは、失われた文化への嘆きでもある。けれど、彼らが手にする巨大な鎚が振り下ろされる前に、安置された竜騎を守る盾になってほしい。 キュクロプスたちは強固な『巨人の戦鎧』で正面からの攻撃を弾き返し、対竜騎用に誂えた特殊な武器で攻めてくる。正面から力で押し通すのは骨が折れるかもしれないけれど、視覚外からの奇襲や、彼らの誇り高き精神を揺さぶるような戦術なら、きっと道は開けるはずだよ。皆の得意なやり方で、工房を蹂躙しようとする巨人を食い止めて!」
混戦を抜けた先には、嵐の前の静けさが訪れる。次の強敵が襲来するまでの僅かな猶予を利用し、鍛冶師たちと協力して武装の修復や強化を施すことになるだろう。工房の主たちは、自分たちの「作品」を守ろうとする猟兵を歓迎し、持てる技術のすべてを注ぎ込んでくれるはずだ。
「尖兵を退けた後も油断はできないよ。予知によれば、さらに強力な百獣族がこの工房を目指している。その短い休息の間に、人造竜騎のメンテナンスを済ませておいて。ボロボロになった装甲を張り替えたり、新しい武装を試作したり……鍛冶師さんたちとの共同作業が、きっと次の勝利に繋がるはずだから」
そして最後には、人造竜騎を激しく憎む強力なボスとの、一対一の決戦が待っている。 そのボスは、かつての凄惨な戦場で家族や仲間を竜騎に殺された者かもしれない。憎しみは深く、されど戦士としての礼節は忘れない。そんな複雑な想いを抱えた強敵に対し、猟兵は自らの力と、工房で磨き上げた「絆の武器」で立ち向かう。
「決戦の時、鍛冶師さんたちも地下から皆を支えてくれるよ。彼らが作り上げる『急造竜騎槌』は、きっと皆の最後の一押しを助けてくれるはず。……さあ、準備はいいかな? これは、誰が正しいかを決める戦いじゃないかもしれない。でも、私たちは今を生きる人々の盾にならなきゃいけないんだ。職人の意地と、騎士の誇りを守るための戦い。……どうか、よろしくお願いします!」
七枢 綴
バハムートキャバリアを舞台に、人造竜騎の破壊を目論む百獣族との、矜持を賭けた戦いをお届けします。ミィナが導く今回の戦いは、ただの防衛戦ではありません。敵の言い分を知り、職人の意地に応える――そんな厚みのある物語を、皆様のプレイングと共に描ければ幸いです!
第1章 集団戦
『獣騎キュクロプス』
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POW : 巨人の大鎚
【巨人の大鎚】に【装甲破壊】のルーンを宿して攻撃する。対象が何らかの強化を得ていた場合、それも解除する。
SPD : 巨人の戦鎧
【謎の金属で造った、攻撃を反射する巨人の鎧】を召喚装着し、無敵になる。ただし視覚外からの攻撃は回避不能となり、防御力も適用されない。
WIZ : 巨人の鍛冶術
いま戦っている対象に有効な【巨人が造った対竜騎用の武器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
イラスト:聖マサル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
イウェイン・レオデグランス(サポート)
※連携およびキャラを逸脱しないアドリブ歓迎
※お色気、公序良俗に反する行動、所謂R18やR18Gの系統はNG
※口調等はステシや過去参加シナリオ等を参照ください
他の猟兵に迷惑をかけたり、脚を引っ張る、目的達成に反する行為はせず、
人道から外れたような行いには嫌悪感と怒りを強く示す
平素はどこか飄々とした昼行燈風
キャバリア/人造竜騎が必要な依頼は愛機を積極的に使用
騎体での戦闘が不要/不可能な場合は剣技にて対応
元は城仕えの円卓の騎士だったので、礼儀作法等は一通り身についており、
生粋の騎士の家系でもなかったので市井にも溶け込んで立ち回れる
地響きが来る前に、空気が変わった。
崖の稜線を越えて現れた影は、一つ、二つ――数えるほどに増え、やがて数えることを諦めるほどの巨躯が地平を埋めた。獣騎キュクロプスの軍勢。一つ目の奥に宿る怒りは、恨みか、嘆きか。彼らが掲げる大鎚には、滅ぼされた文化の亡霊が刻まれているかのようだった。
「……なるほどな」
工房の外壁にもたれ、腕を組んでいたイウェイン・レオデグランスは、ゆったりとした仕草で立ち上がった。五十年の風雪が刻んだ顔には、緊張の色よりも、どこか遠くを見るような静けさがある。
「でかい。そして、怒ってる。厄介な組み合わせだぜ」
つぶやきは独り言にしては少し大きく、隣にいた鍛冶師の小僧が思わず苦笑いをこぼした。
だが、次の瞬間には笑みが消えた。
先頭の一体が鎚を振り上げた。ルーンの輝きが刻まれた戦鎧が光を弾き、それだけで工房の壁が軋む。正面からぶつかれば、岩盤ごと吹き飛ぶだろう。
「正面は無駄だ、か。わかってるよ」
イウェインは静かに剣を抜いた。円卓に仕えた日々が鍛えた所作は、どこまでも無駄がない。だが彼が向かったのは、敵の正面ではなかった。
崖沿いの死角。岩肌が作る影の中を、音も立てずに滑り込む。巨人の一つ目は広い視野を持つが、真横の岩陰、足元の闇――そこだけは盲点になる。城仕えの時分に、夜警の抜け道を覚えた身には、むしろ勝手知ったる地形だ。
「お前さんたちの鎧、よくできてるな。……惜しいのは、俺が通る隙間を、ちゃんと空けてくれてることだ」
呟いた声は、もう誰にも届かない。
疾走。
風が鳴いた、と言うよりは、風そのものになった。
キュクロプスが振り返る間もなかった。鎧の継ぎ目、戦鎧の防護が薄れる脇腹の隙間――そこへ、音速を超えた連撃が叩き込まれる。一撃、二撃、三撃。刃が触れるたびに轟音が遅れて追いかけてくる。装甲に走るひびが、まるでイウェインの通った軌跡を描くように広がった。
「『狂飆の名乗りは飾りじゃ無い事、身を以て理解して貰おうか』」
低く、静かな声だった。飄々とした昼行燈の皮が、一枚だけ剥がれた瞬間だった。
先頭の巨人が膝をつく。装甲の要所が砕け、鎧の輝きが失せた。それを見た後続の数体が一瞬、足を止める。
その刹那を、イウェインは逃さなかった。
再び影へ消え、次の死角へ滑り込む。背後からの風圧に気づいた巨人が振り返る頃には、もう彼はいない。工房の壁を蹴り、岩棚を踏み台にして、また別の死角へ。追い切れない速さで、次々と装甲を剥いでいく。
正々堂々と鎚を振るう誇り高き戦士たちにとって、それは正面からの勝負ではない。だが、工房を守る盾になれと言われたのなら、こちらも守り方を選ぶ権利がある。
やがて包囲の密度が薄れ、軍勢に動揺が走った。見えない速さで仲間の鎧が砕かれていく。正面の敵はどこにいるのかもわからない。
それで十分だった。
イウェインは、工房の門柱の上に静かに降り立ち、剣を鞘に収めた。茶色の髪が風に揺れる。青い瞳は、退き始めた巨人たちをただ静かに見送った。
「……あんたたちの怒りは、わかるつもりだ」
届かないとわかっていても、言わずにいられなかった。
「でも、今日だけは、引いてくれ」
工房の奥で、槌の音が鳴り始めた。鍛冶師たちが、次の戦いへ向けて動き出した音だった。
成功
🔵🔵🔴
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
戦闘は確実性やオーバーキルより迎撃数を優先するので、全力魔法と範囲攻撃で少し広めに撃ってから時間差で仕留める。
もしくは単体攻撃にカウンターや鎧破壊攻撃を乗せつつ、連続して使って、一撃必殺を繰り返す。
「ここから先は行かせないよ、キリッ」
…ところで、なんでオブリビオン居るの?(前後の説明忘れた)
……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)
「でっか……」
思わず声が出た。藍色の髪を揺らして工房の陰から顔を出した城田・紗希が、眼前に迫る巨人の群れを見上げて、率直な感想を口にした。獣騎キュクロプスの軍勢。一体一体が岩塊のような体躯で、掲げた大鎚はそれだけで城門が吹き飛びそうだ。
「……ま、でも!」
赤い瞳が、きゅっと前を向く。
「ここから先は行かせないよ、キリッ」
自分でキリッって言うんかい、とどこかから聞こえた気もしたが、紗希はもう走り出していた。
考えるより先に体が動く。それが城田・紗希という人間だった。ただし、向かった先は正面ではない。巨人の戦鎧が光を弾く様子をちらりと横目で確認して、瞬時に進路を変える。
「正面ダメなやつじゃん。じゃあ――中から!」
ぼん、と音がした。
紗希の体が、見る見るうちに平面になった。厚みがゼロになった、というよりは、アニメのキャラクターが横向きになったような、あの感じ。そのまま横滑りに、キュクロプスの戦鎧の継ぎ目へ、紙一枚分の隙間へ、するりと滑り込んだ。
「暗いな〜……って、あった!」
鎧の内側。ルーンの術式が刻まれた裏面を、紗希は赤い目でじっと見た。一秒。それだけあれば十分だった。
どこから出てきたのか自分でも把握していない暗器が、袖口から、帯の裏から、靴底から、次々と飛び出す。狙うのは術式の要所。きっちり計算して、というよりは、なんとなく「ここが弱そう」という第六感で叩く。カン、カン、カン。金属音が鎧の内側でこもって響いた。
「私じゃなきゃ死んでたよ!?ってか、入れてたよ!?」
悲鳴とも歓声ともつかない声を上げながら、今度は鎧の外へ転がり出る。再び立体に戻った紗希は、ルーンの輝きが急速に失せていく戦鎧を振り返り、満足げにうなずいた。
「よし。次!」
隣の巨人が大鎚を振りかぶった。反射的に横へ飛ぶ。風圧で髪が爆発する。
「あっぶな!?」
着地した瞬間にはもう、次の鎧の継ぎ目を探して走っている。転がって、薄くなって、潜り込んで、叩いて、飛び出す。それを繰り返す。めちゃくちゃに見えて、でも工房への進路だけはきっちり塞いでいる。
やがて三体目の戦鎧が沈黙した頃、包囲の前列がぐらりと揺らいだ。突破できない、でも敵がどこにいるかわからない。巨人たちの間に、明らかな動揺が走った。
紗希は岩陰で一息ついて、髪についた埃を払った。
「うん、まあ……なんとかなった」
そう言いながら、靴底からまたなにかがこぼれ落ちた。見たことのない形の暗器だった。
「……これ、なんだっけ」
本人も首をかしげながら、それをそっとポケットにしまって、また走り出した。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・みすず(サポート)
リーダー役が必ずいると思うので、ソイツを先に倒すようにします。「リーダーが倒れたら、あとは烏合の集だよ」アドリブ、共闘歓迎です。
空から見れば、一目でわかった。
包囲する獣騎キュクロプスの群れ。その中心よりやや後方、一際大きな体躯の一体が、他の者たちとは違う動きをしていた。号令を下すような仕草。仲間の位置を確認するように視線を巡らせ、大鎚を掲げる角度で進軍の方向を指示する。群れに意思を与えている、その一体。戦鎧の装飾が他よりも重厚で、刻まれたルーンの数も多い。間違いない。
「リーダーが倒れたら、あとは烏合の集だよ」
みすずは静かにそう言って、高度を上げた。スカイダンサーの翼が、崖を吹き上がる気流を捉える。巨人たちの視線は工房の正面に釘付けだ。上を見ていない。この高さから見下ろせば、群れの構造がはっきりと読める。どこが急所で、どこを崩せば全体が瓦解するか。戦場は、空の上から見るのが一番わかりやすい。
装備武器に手をかける。蒸気エンジンの機構が、低い唸りを上げて起動した。圧力が高まるにつれ、その振動が腕を通じて伝わってくる。じわじわと熱を持つ感覚。破壊力が乗る。十分だ。
「行くわ」
急降下。
風が轟音になる。高度が一気に落ちて、崖の岩肌が視界の端を流れる。巨人たちの頭上が迫る。リーダーの一体が、何かの気配を感じたように視線を上げた。遅い。
蒸気エンジンが解放された。
衝撃音が崖を揺らした。リーダーの巨人が大きくよろめき、片膝をついた。戦鎧に深い亀裂が走り、ルーンの一部が砕けて火花を散らす。一撃では仕留めきれない。でも、それでいい。みすずはすぐさま上昇に転じ、群れの頭上を旋回した。
リーダーが膝をついた。その事実だけで、群れに動揺が広がっていく。
号令が途切れた。巨人たちが互いの顔を見合わせ、足並みが乱れる。統率を失った軍勢は、それぞれが別々の判断で動き始めた。前へ出る者、立ち止まる者、上空のみすずを追おうとする者。整然とした包囲が、じわじわと形を崩していく。
「ほら、ね」
予想通りだった。
烏合の集になった群れの隙を、他の猟兵たちが的確に突いていく様子が、上空から見えた。散発的になった巨人たちは各個に対処できる。全体が乱れれば、あとは一体ずつ潰していけばいい。
みすずは再び急降下した。今度はリーダーの真上から。蒸気エンジンを、また全開にする。一撃目で刻んだ亀裂の位置を、空の上から正確に捉えていた。同じ場所に、もう一度。
巨人が鎚を振り上げようとした。重い。遅い。みすずにはそう見えた。
二撃目が直撃した。戦鎧の亀裂が一気に広がり、ルーンの輝きが残らず失せた。リーダーの巨人が、ゆっくりと、大地へ伏した。金属の軋む音が崖に反響して、しばらく消えなかった。
群れが止まった。
静寂が一瞬だけ落ちて、それから巨人たちの間に動揺の波が広がった。進軍の足が乱れ、一体、また一体と後退し始める。旗印が倒れた。もう前へは進めない。本能がそう告げているのだろう。誇り高き戦士たちにも、それだけはわかった。
みすずは高度を保ったまま、その様子をしばらく見下ろしていた。翼の羽ばたきだけが、静かに空気を打つ。
「……お腹すいた」
小さく、ぽつりと言った。そろそろ限界だった。
成功
🔵🔵🔴
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です
ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです
ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
巨人の群れを前に、ゾンビーヌ・ロッテンローズは静かに目を細めた。
獣騎キュクロプスの軍勢。一体一体が岩のような巨躯を誇り、掲げる大鎚には破壊のルーンが刻まれている。彼らの怒りには、失われた文化への深い嘆きが宿っているのだとミィナは言っていた。それはわかる。わかるけれど――今この瞬間、ゾンビーヌの視線はそこではなく、群れの中ほどで特に大きく隆々とした体躯の巨人ふたりへと、吸い寄せられていた。
(……あの二体、並んで立っていますわね)
胸の内で、何かがむくりと動いた。
ぴたりと寄り添うように立つ巨漢と巨漢。戦鎧の意匠が似ている。きっと同じ一族なのだろう。古くからの戦友か、あるいは――。
(――いけませんわ。今は、お仕事ですもの)
白い瞳をぱちりと瞬かせ、ゾンビーヌは内なる衝動を丁寧に棚の上へ置いた。赤髪をひとつ払い、緑色の手で懐をまさぐる。指先に触れたのは、小さな種。希少植物『ロッテンローズ』の種だ。
「さあ、参りましょうか」
ゾンビーヌは工房の壁を離れ、人の波をすり抜けるように前へ出た。緑の肌は戦場でも目立つが、それを気にする様子は微塵もない。むしろ、ゾンビとして蘇った身体の頑丈さを、今日くらいは存分に使わせてもらおうと思っていた。
狙いを定める。先ほどの二体のうち、前方に立つひとり。群れの中でも前衛を務めている、やや細身――とはいえ、紗希の倍ほどはある――の巨人だ。距離がある。しかし、ゾンビーヌの腕は常人よりも幾分か柔軟に動く。
ふわり、と種を指弾した。
種は弧を描いて飛び、巨人が大鎚を振りかぶった瞬間に、その口元へ吸い込まれた。巨人が不思議そうに動きを止め、手で口元を押さえる。遅い。既に種は喉の奥へ落ちている。
「あなたも薔薇の世界の布教者となりなさい!」
静かな、しかし確かな声で告げた。
巨人の目が、一瞬だけ虚ろになった。それだけで十分だった。
ゾンビーヌは静かに意識を繋いだ。種を介して流れ込んでくる感覚。大きな、力強い、怒りに満ちた身体。その怒りの根っこには、確かに悲しみがあった。失った仲間。焼かれた集落。竜騎の鉄蹄に踏み荒らされた記憶――。
(……それは、本当に辛かったでしょうね)
心の中だけで、ゾンビーヌはそっと思った。声には出さなかった。出すべき言葉ではないと、内気な本性がそう判断した。
代わりに、手を使った。
操作した巨人が、隣に立つ仲間を庇うように腕を広げた。敵への攻撃ではなく、ただ隣の巨人を後方へ押しやる動作。困惑した表情の巨人が、よろめいて後退する。包囲の一角に、わずかな隙間が生まれた。
他の猟兵たちが、その隙を見逃さない。
ゾンビーヌは静かに指を動かし続けた。巨人を直接傷つけさせることはしなかった。ただ、邪魔をする。足を止める。仲間の前に立ちはだかる。味方を傷つけているわけでもない、敵に加担しているわけでもない、その絶妙な塩梅で、包囲の密度をじわじわと薄めていく。
やがて種が吐き出された。巨人が我に返り、周囲を見渡す。群れの足並みが乱れていた。自分が何をしていたのかわからない、という顔だった。
ゾンビーヌは静かに次の種を取り出しながら、ちらりと先ほどの二体へ視線を向けた。混乱の中でも、その二体は互いの傍から離れずにいる。
(……仲がよろしいですわね)
棚の上に置いたはずの何かが、またむくりと動いた。
今度は、少しだけ時間がかかった。
成功
🔵🔵🔴
印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください
・キャバリア戦などでは劫禍のパーツに利用できそうなものは入手できそうなら回収
UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
最初にやったのは、戦うことではなかった。
印旛院・ラビニアは工房の周囲をぐるりと一周して、地形を頭に叩き込んだ。崖の角度。外壁の厚さ。窓の位置と高さ。荷物置き場の棚と、そこに積まれた金属材の重量感。鍛冶師たちが行き来する通路の幅。足場になりそうな出っ張り、壁を蹴れそうな角度、巨人が曲がり切れないであろう狭い角――全部、ぜんぶ、目に焼き付ける。
「……なるほど。この地形なら、あの戦術が有効かな」
小さく呟いた。自分に言い聞かせるような声だ。
緑の髪を揺らしながら、ラビニアは工房の中央へ戻った。胸の中で何かがざわりと動く感覚がある。劫禍のそれだ。戦場の気配に反応している。ラビニアはそれをそっと押さえ込んで、自分の判断で動くことにした。
巨人の群れが迫っていた。でかい。ひとつひとつが岩みたいだ。正直、怖い。怖いけれど――地形がある。壁がある。棚がある。使えるものが、ここにはたくさんある。
「……大丈夫。ゲームで言えば、地形利用のステージだ」
言い聞かせてから、走り出した。
向かったのは工房の外壁沿い。巨人が正面から突入しようとするなら、必ずここを通る。ラビニアはその手前、荷物棚の裏へ滑り込み、タイミングを測った。先頭の一体が踏み込んでくる。足元に目が向いていない。
壁を蹴り、棚の角を踏み台にして、跳んだ。
剣が巨人の戦鎧の継ぎ目を掠めた。深くはない。でも、それが目的じゃない。着地した瞬間に、ラビニアは荷物棚を勢いよく押した。積まれた金属材が、巨人の足元へ盛大に崩れ落ちた。
「っ、ごめん、鍛冶師さんたち! あとで絶対片付けます!」
謝りながらも手は止まらない。足元を乱された巨人が体勢を崩した。その一瞬の隙が、他の猟兵たちへの合図になる。
「君も頑張れる。僕も頑張れる。さあ、戦場に勝利を刻み込もう!」
気合を入れたつもりが、声が少し裏返った。それでも、ラビニアは次の地点へ走っていた。
工房の構造が、頭の中に地図として広がっている。この角を使えば、あの巨人が身動きを取りにくくなる。この壁を利用すれば、あそこにいる猟兵の射線が通る。個々の戦闘力でぶつかるのではなく、地形そのものを武器にして、戦場全体の流れを書き換える。それがラビニアの戦い方だった。
壁際に追い込んだ巨人の鎚が、石壁に激突して弾かれた。その反動で巨人が一瞬無防備になる。ラビニアは迷わず滑り込み、剣を鎧の隙間へ差し込んだ。手応えがある。よし。
「っしゃ――」
思わず声が出た。ちょっとイキった自分に気づいて、すぐに口を閉じた。誰かに聞かれた気がして、ちらりと周囲を確認してしまう。
見られていた気がした。気のせいだといいと思った。
それでも、手は止まらない。地形を読んで、仲間の動きを見て、次の一手を繋いでいく。巨人の包囲が崩れ始めた頃、ラビニアの体はじんわりと熱を持っていた。劫禍の気配が、また少しだけざわめいた。今度は抑え込まずに、そのまま走力に変えた。
戦場の端で、足元に転がった巨人の戦鎧の破片を見つけた。鍛冶師たちの技術と、巨人たちの技術が混ざり合ったような、独特の合金だ。ラビニアはそれを素早く拾い上げ、腰のポーチに押し込んだ。
「……あとで調べよう」
小さく呟いて、また走り出した。まだ、終わっていない。
成功
🔵🔵🔴
「わあぁ……おっきいですねぇ~」
向・存は、迫り来る獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、のんびりとした声でそう言った。オレンジの瞳が巨人の群れをゆっくりと舐め、ピンクの髪がそよ風に揺れる。その様子はどこからどう見ても呑気で、隣に立った鍛冶師が思わず「逃げなくていいんですか」と問いかけたほどだ。
「大丈夫ですよぉ~。ちゃんと見てますからぁ~」
存はにこりと笑って、静かに前へ出た。
見る、というのは存にとって重要な行為だ。敵の数。動き方。どこに力が入っていて、どこが疎かになっているか。群れの中に指揮系統はあるか、逃げ道はどこか、突破しようとしている方向はどちらか。ゆるゆると歩きながら、それを全部、ちゃんと頭に入れる。
先頭の巨人が大鎚を振り上げた。戦鎧のルーンが輝く。正面は硬い。側面と背後が手薄だ。そして――後方に、鎚を持たずに陣形を整えている数体がいる。逃げ道を塞いでいる組だろう。
「油断大敵ですねぇ~」
存はそっと呟いて、聖杯を掲げた。
「参りましょうか」
光が溢れた。
存の周囲に、一体、また一体と幻影兵が現れる。数が増えるにつれて、空気がずんと重くなった。白銀の鎧を纏った兵士たちが、存の思念に従って静かに整列する。それだけで壮観だった。その数、存のレベルに比例した大軍勢。崖の入り口を、幻影兵がずらりと埋めた。
巨人たちの足が、一瞬止まった。
「後ろも塞いでおきましょうねぇ~。逃げ道は最後まで意識しておかないと」
存はさらりと言いながら、幻影兵の一隊を工房の裏手へ回らせた。巨人が撤退しようとした時、あるいは別の方向へ迂回しようとした時のための備えだ。包囲は、した方もされる方も同じだけ怖い。それを身体で知っているから、存はまず出口から埋める。
正面の幻影兵たちが動き出した。
一体一体は、巨人の一撃で消える。それは最初からわかっている。でも、消えながら足止めをする。消えながら注意を引く。消えながら、隙を作る。数がいるからこそできる戦い方だ。巨人が大鎚を振るうたびに幻影が散り、振るった隙に次の幻影が踏み込む。終わりなく続く、消耗の波。巨人たちの動きが、じわじわと鈍くなっていく。
存は前線へは出なかった。後方から全体を見渡し、幻影兵の配置を細かく調整し続けた。あの巨人が右へ動いた、ならこちらへ二体。あの一体が鎚を振りかぶった、ならその後ろへ回り込む三体。盤面を読むように、静かに、着実に。
それでも、一体だけ存自身のそばまで迫ってくる巨人がいた。幻影を全て払いのけ、まっすぐにこちらへ向かってくる。目が合った。巨人の一つ目が、存を捉えた。
「あらぁ~」
存はおっとりと言って、一歩だけ横へずれた。
巨人の大鎚が、存の立っていた地面を抉った。存の腕が、振り抜いた鎚の縁に掠めた。ぱきり、と小さな音がした。存は自分の腕をちらりと見て、それから巨人の顔を見上げた。
「手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~」
にこりと笑った。
咄嗟に放った一撃が、巨人の膝を打った。よろめいた隙に、幻影兵が三体同時に飛び込む。三体とも消えたが、巨人は後退した。それで十分だった。
やがて幻影の波に押されて、軍勢の足並みが完全に乱れた。包囲の形が崩れ、撤退を始める巨人が出てくる。存は最後まで後方の幻影兵を動かし続け、逃げ道をきちんと確保しながら、それ以上の追撃はしなかった。
「堅実に、きちんとやりましたよぉ~。お疲れ様でしたぁ~」
存はそっと聖杯を下ろして、掠めた腕をぽんぽんと叩いた。
「さ、終わったら美味しいものでも食べて帰りましょうねぇ~」
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
得意なのは近接戦闘とか、【情報収集】も兼ねた見回りとかお話を伺うのも好きですよぉ~。
非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
大丈夫ですよぉ~。手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんよぉ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談するのも良いですねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
堅実にきちんと片づけたら、皆で美味しいものでも食べて帰りましょう~。
※アドリブ・連携歓迎
「わあぁ……おっきいですねぇ~」
向・存は、迫り来る獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、のんびりとした声でそう言った。オレンジの瞳が巨人の群れをゆっくりと舐め、ピンクの髪がそよ風に揺れる。その様子はどこからどう見ても呑気で、隣に立った鍛冶師が思わず「逃げなくていいんですか」と問いかけたほどだ。
「大丈夫ですよぉ~。ちゃんと見てますからぁ~」
存はにこりと笑って、静かに前へ出た。
見る、というのは存にとって重要な行為だ。敵の数。動き方。どこに力が入っていて、どこが疎かになっているか。群れの中に指揮系統はあるか、逃げ道はどこか、突破しようとしている方向はどちらか。ゆるゆると歩きながら、それを全部、ちゃんと頭に入れる。
先頭の巨人が大鎚を振り上げた。戦鎧のルーンが輝く。正面は硬い。側面と背後が手薄だ。そして――後方に、鎚を持たずに陣形を整えている数体がいる。逃げ道を塞いでいる組だろう。
「油断大敵ですねぇ~」
存はそっと呟いて、聖杯を掲げた。
「参りましょうか」
光が溢れた。
存の周囲に、一体、また一体と幻影兵が現れる。数が増えるにつれて、空気がずんと重くなった。白銀の鎧を纏った兵士たちが、存の思念に従って静かに整列する。それだけで壮観だった。その数、存のレベルに比例した大軍勢。崖の入り口を、幻影兵がずらりと埋めた。
巨人たちの足が、一瞬止まった。
「後ろも塞いでおきましょうねぇ~。逃げ道は最後まで意識しておかないと」
存はさらりと言いながら、幻影兵の一隊を工房の裏手へ回らせた。巨人が撤退しようとした時、あるいは別の方向へ迂回しようとした時のための備えだ。包囲は、した方もされる方も同じだけ怖い。それを身体で知っているから、存はまず出口から埋める。
正面の幻影兵たちが動き出した。
一体一体は、巨人の一撃で消える。それは最初からわかっている。でも、消えながら足止めをする。消えながら注意を引く。消えながら、隙を作る。数がいるからこそできる戦い方だ。巨人が大鎚を振るうたびに幻影が散り、振るった隙に次の幻影が踏み込む。終わりなく続く、消耗の波。巨人たちの動きが、じわじわと鈍くなっていく。
存は前線へは出なかった。後方から全体を見渡し、幻影兵の配置を細かく調整し続けた。あの巨人が右へ動いた、ならこちらへ二体。あの一体が鎚を振りかぶった、ならその後ろへ回り込む三体。盤面を読むように、静かに、着実に。
それでも、一体だけ存自身のそばまで迫ってくる巨人がいた。幻影を全て払いのけ、まっすぐにこちらへ向かってくる。目が合った。巨人の一つ目が、存を捉えた。
「あらぁ~」
存はおっとりと言って、一歩だけ横へずれた。
巨人の大鎚が、存の立っていた地面を抉った。存の腕が、振り抜いた鎚の縁に掠めた。ぱきり、と小さな音がした。存は自分の腕をちらりと見て、それから巨人の顔を見上げた。
「手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~」
にこりと笑った。
咄嗟に放った一撃が、巨人の膝を打った。よろめいた隙に、幻影兵が三体同時に飛び込む。三体とも消えたが、巨人は後退した。それで十分だった。
やがて幻影の波に押されて、軍勢の足並みが完全に乱れた。包囲の形が崩れ、撤退を始める巨人が出てくる。存は最後まで後方の幻影兵を動かし続け、逃げ道をきちんと確保しながら、それ以上の追撃はしなかった。
「堅実に、きちんとやりましたよぉ~。お疲れ様でしたぁ~」
存はそっと聖杯を下ろして、掠めた腕をぽんぽんと叩いた。
「さ、終わったら美味しいものでも食べて帰りましょうねぇ~」
成功
🔵🔵🔴
アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》助太刀に馳せ参じてございます。
かの軍勢が障害なのでございますね。
では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう。
「助太刀に馳せ参じてございます」
アラタマ・ミコトは、工房の門前に静かに立った。青い肌に将軍鎧を纏い、焦茶色の髪を風に遊ばせている。その体躯は小さく、迫り来る獣騎キュクロプスの巨躯と並べれば、岩の前に置かれた小石のようだ。だが、白い瞳には一粒の揺らぎもない。
極楽浄土で過ごした歳月が、この身に刻んでいる。生者の時間とは異なる流れの中で磨かれた武芸は、見た目の幼さとは全くかけ離れた重みを持っていた。
「かの軍勢が障害なのでございますね」
静かに確認するように言って、アラタマは周囲を見渡した。工房の壁に立て掛けられた道具類。鍛冶師たちが持ち込んだ金属の棒材。外壁に打ち込まれた鉄の杭。地面に転がる石礫。崖から剥がれ落ちた岩片。
全部、見えた。全部、感じた。
「では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう」
将軍鎧が、微かに輝いた。
念動力が解き放たれた瞬間、アラタマの周囲にあったありとあらゆる物が、静かに浮き上がった。鉄の棒材、石礫、岩片、杭、工具の柄――大小様々な「己が武器とみなしたもの」が、アラタマを中心に旋回し始める。それはまるで、嵐の目の中に立つ将軍の姿だった。
巨人の群れが踏み込んできた。
先頭の一体が大鎚を振り上げる。ルーンが輝き、装甲が光を弾く。正面から剣一本でぶつかれば、いかな武芸者とて吹き飛ぶだろう。だがアラタマは動じなかった。
岩片が飛んだ。
一つではない。十、二十と連なって、嵐のように巨人へ向かった。一つ一つは大した威力ではない。だが、それが絶え間なく、角度を変えながら、鎧の継ぎ目を狙い続ける。弾くたびに次が来る。防ぐたびにまた別の方向から来る。巨人の動きが、じわじわと削られていく。
「荒魂鎮神命、ここに在り」
声が低くなった。将軍の声だ。
鉄の棒材が一本、まっすぐに飛んだ。重さと速さが乗ったそれは、戦鎧の亀裂に正確に刺さり、ルーンの術式を内側から押し広げた。巨人が体勢を崩す。続けて岩片の連射。継ぎ目がまた広がる。
二体目が迫ってきた。アラタマは体を回転させるように向き直り、浮遊する武器群をそのまま薙ぐように展開した。扇状に広がった金属片が、巨人の前方を壁のように塞ぐ。突進の勢いが殺される。その隙に、杭が鎧の足部へ叩き込まれた。
戦場に、アラタマを中心とした嵐が生まれていた。
近づこうとすれば飛礫が来る。鎚を振れば別の角度から鉄材が刺さる。正面を防げば足元を打たれる。一人でありながら、まるで無数の兵が四方から攻め立てているような圧迫感。巨人たちの間に困惑が広がり、突進の足並みが乱れ始めた。
アラタマは静かに立ち続けた。揺れない。迷わない。ただ白い瞳で全てを見渡し、念動力の糸を丁寧に操り続ける。小さな体が、将軍鎧の輝きの中に泰然と在った。
やがて先頭の集団が後退した。嵐の中心へ踏み込めない。それだけの話だった。
「……ご苦労でございました」
浮遊していた武器群が、静かに地へ降りた。アラタマは将軍鎧の埃を払い、工房の方へ振り返った。白い瞳が、守り抜いた建物をひと目見て、わずかに細まった。
「アラタマちゃん、ちゃんとお役に立てましたです」
小さな声で、自分に言い聞かせるように呟いた。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です
かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかけるような行為はしません
不明な点はお任せします
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
鈴乃宮・影華は工房の門前でそう名乗り、静かに状況を見渡した。迫り来る獣騎キュクロプスの軍勢。隆々とした巨躯、輝く戦鎧、ルーンを刻んだ大鎚。壁のような圧迫感が、じわりと肌に伝わってくる。赤い瞳が、その全体像を落ち着いて捉えた。
正面から押し通すのは、難しい。
戦鎧のルーンが防御を跳ね返す。ならば外からではなく――内から、崩す。
影華はイグニッションカードを静かに掲げた。
「――起動イグニッション」
低く、しかし明確な声で告げた。カードが淡く輝き、体内の黒燐蟲たちが応える気配がする。棲み慣れた感覚だ。友人から教わった剣術と、この蟲たちが、影華の両輪だった。
「――じゃあ皆、お願いね」
黒い靄が、影華の足元から湧き出した。
それは煙ではなく、無数の微細な蟲の群れだった。影華の肉体が、輪郭を失うように黒い靄へと溶けていく。形が崩れ、広がり、薄くなる。人の姿が消えて、代わりに黒燐蟲の群れだけが残った。意思を持った靄が、地を這うように前へ進む。
巨人たちは気づかなかった。
足元を這う黒い影など、轟音と地響きの中では見えない。靄は巨人の足元を抜け、戦鎧の最も低い継ぎ目へと辿り着いた。隙間は僅かだ。だが黒燐蟲の群れには、形などというものがない。するりと、音もなく、内側へ入り込んだ。
鎧の中は、複雑なルーンの術式で埋め尽くされていた。
靄が広がる。蟲たちが術式の筋道を辿る。どこが幹で、どこが枝か。防御を支える核がどこにあるか。靄はそれを探しながら、じわじわと隅々へ染み渡っていく。侵食、というよりは、解析に近い。
核を見つけた。
靄が凝縮した。黒燐蟲の群れが一点に集まり、術式の要所へ圧をかける。ルーンの光が揺らいだ。揺らいで、震えて――
外側で、戦鎧に亀裂が走った。
巨人が異変に気づいて鎧を叩くが、内側からの圧には意味がない。ルーンが一つ、また一つと沈黙していく。輝きが失われた戦鎧は、ただの重い金属の塊だ。
影華は継ぎ目から外へ滑り出し、地を這ったまま次の巨人へ向かった。
靄が人の輪郭を取り戻したのは、二体目の鎧が沈黙した後だった。黒い靄が収束し、鈴乃宮・影華が静かに立っていた。黒髪に靄の名残が漂い、赤い瞳が涼しげに前を見ている。
「……思ったより、術式が丁寧でした」
独り言のような声だった。褒めているのか分析しているのか、どちらとも取れる言い方だった。
三体目へ向かおうとした時、巨人の大鎚が真横から迫った。影華は即座に半身を靄に変えた。鎚が靄を通り抜け、地面を抉る。影華の輪郭が一瞬乱れ、すぐに戻った。
「……危なかった」
声のトーンは変わらない。ただ、赤い瞳がわずかに細まった。
黒燐蟲たちが、また靄になる。今度は完全に、影華の全身が解けた。地を這う黒い影は、三体目の足元へ向かって静かに進んでいく。包囲の外から見れば、そこには何もいない。ただ、巨人の鎧がひとつ、またひとつと、内側から光を失っていくだけだ。
工房は、まだ無事だった。
成功
🔵🔵🔴
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
響納・リズは静かにそう告げて、工房の後方へと位置を取った。金髪が風に揺れ、紫の瞳が戦場全体を穏やかに見渡す。その立ち位置は、前線から少し離れた場所だ。誰かの盾になれる場所ではなく、誰かを陰から支えられる場所。それがリズの選ぶ立ち位置だった。
迫り来る獣騎キュクロプスの群れを、リズは静かに見つめた。
巨大な体躯。輝く戦鎧。そして、その奥に宿る怒りの色。ミィナが語っていた言葉が、胸の中に蘇る。失われた文化への嘆き。奪われた平和への慟哭。彼らの怒りには、深い悲しみが根を張っている。
「……あなた方も、本当は辛かったのでしょうね」
誰に届くわけでもない言葉を、リズは静かに口にした。それでも言わずにはいられなかった。相手の痛みを想わずに、剣を向けることがリズにはできない。
だから、この力を使う。
リズは両手を静かに広げた。白い花びらが、どこからともなく生まれ始めた。一枚、二枚と増えていき、やがてリズの周囲で渦を巻き始める。白薔薇の香りが、硝煙と土埃の混じった戦場の空気に、ほんの少しだけ混じった。
「さあ、こちらへ。安全な場所へとご案内いたしましょう。……オブリビオン以外は、ですが」
竜巻が生まれた。
白い花びらの嵐が、包囲の前列へ向かって広がった。音もなく、ただ静かに、それは巨人たちを包んでいく。抗おうとした一体が鎚を振るった。花びらの竜巻はそれを受け流すように形を変え、巨人の全身を白い渦で覆った。
巨人が消えた。
正確には、転移した。棲家へ。彼らがかつて暮らしていた場所へ。戦場ではなく、故郷の土の上へ。
リズは目を閉じ、そして開いた。
「……どうか、そこで少し、休んでくださいませ」
竜巻はまだ続いていた。前列の動揺が後列へ伝わり、包囲の密度が薄れていく。仲間が突然消えた。どこへ行ったのかわからない。その困惑が、巨人たちの足を竦ませた。
リズは位置を変えながら、白薔薇の竜巻を丁寧に、着実に広げた。傷つけることを目的にしていない。ただ、工房から遠ざける。戦場から切り離す。それだけを、穏やかな顔で続けた。
転移を拒んだ巨人が数体いた。花びらに包まれながらも、意志の力で踏みとどまろうとする。その体に、竜巻の圧が増した。リズの表情は変わらない。ただ、紫の瞳が少しだけ、真剣な色を帯びた。
「無理をなさらないでくださいませ。あなたの帰る場所は、ここではございませんでしょう」
静かな声だった。責めでも怒りでもない。ただ、事実を告げるような声だった。
やがて踏みとどまっていた巨人たちも、竜巻に従うように消えた。
前線の密度が、大きく薄れた。他の猟兵たちが切り開いた隙間と、リズが静かに刈り取った前列とで、包囲の形が完全に崩れ始めていた。
リズは深く、ひとつ息をついた。白い花びらがゆっくりと地へ降りていく。風が通り抜け、薔薇の香りだけが少しの間、戦場に残った。
「皆様、よく頑張ってくださいましたわ」
誰かに言ったのか、自分に言ったのか、それとも消えていった巨人たちへ向けた言葉なのか、リズ自身にも定かではなかった。
成功
🔵🔵🔴
カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ
猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ
止められたら、別のユーベルコードを使います
さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ
カグヤ・モンデンキントは、工房の屋根の上に腰を下ろして、巨人の軍勢を眺めていた。
黒い瞳が、淡々と数を数える。一体、二体、三体――。黒髪が風に揺れ、色白の肌に午後の陽光が当たっている。104年を生きたヤドリガミの顔には、これといった緊張の色がない。要塞艦モンデンキントに宿った身として、この程度の軍勢は、過去に幾度となく目にしてきた光景の、ずっと小さな版に過ぎなかった。
「……随分と威勢がよろしいのね」
独り言のように呟いて、カグヤは立ち上がった。
下では他の猟兵たちが既に動き出している。地を這う黒い靄、白い花びらの竜巻、念動力の嵐、幻影兵の波。それぞれの戦い方で、巨人の包囲を崩しにかかっている。よく動く。頼もしい限りだ。
では、自分は何をすべきか。
カグヤは指先を持ち上げ、軍勢の後方、工房の外壁へ向かおうとしている数体を静かに捉えた。他の猟兵たちが前列を抑えている間に、側面から回り込もうとしている組だ。小賢しい動きではある。だが、もう遅い。
「行くわよ」
声のトーンが、一段落ちた。
指先から、光が降りた。
天から、という表現が正しい。カグヤが指を向けた先へ、まっすぐに、迷いなく、光の柱が落ちた。轟音が崖を揺らす。巨人が吹き飛ぶほどではない――カグヤが威力を抑えているからだ。正確には、惑星の地殻を割らない程度に。それでも戦鎧を直撃した光は、ルーンの術式を一瞬で焼き切るには十分な熱量を持っていた。
側面へ回ろうとしていた数体が、足を止めた。
「これでもエネルギーを10桁以上減らしているのだけれど」
カグヤは静かに言った。誰に言い訳をしているわけでもない。ただ、事実として述べている。要塞艦の主砲をそのまま解放すれば、この世界ごと消えてしまう。だから抑えている。それだけのことだ。
次の指先。また光が落ちる。
今度は軍勢の中央、密集した集団の手前の地面へ。直撃ではなく、着弾点を少しずらした。地面が抉れ、爆風が巨人たちを揺らす。倒すことが目的ではなく、足を止めることが目的だ。他の猟兵たちが動きやすくなるように、カグヤは戦場を読みながら光の着弾点を選び続ける。
三度目。後退しようとした一体の正面へ。退路ではなく、進路を塞ぐように。
巨人が立ち止まった。前にも行けない。横にも行けない。上から光が落ちてくる。どこへ向かえばいいのかわからない。その困惑が、体の動きを鈍らせた。
カグヤは屋根の上で、静かに指先を動かし続けた。派手さはない。大きく動くこともない。ただ、正確に、命中率の高い光を、必要な場所へ必要なだけ落とす。それだけだ。
やがて包囲の後方が完全に沈黙した。前列は他の猟兵たちが崩し、側面と後方はカグヤの光が抑えた。軍勢の形が、完全に瓦解していく。
カグヤは指先を下ろして、黒い瞳で戦場の終わりを眺めた。
「……近隣への影響は、まあ許容範囲だったのではないかしら」
小さな崖崩れが一か所あったが、それはもとからひびが入っていたのだと思うことにした。
屋根から静かに降りながら、カグヤはもう次のことを考えていた。
成功
🔵🔵🔴
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★
UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★
後はMS様におまかせするね♪
「わあ、でっかいね♪ クローネちゃん、ちょっとびっくりしちゃったよ!」
クローネ・マックローネは漆黒の肌に両手を当てて、迫り来る獣騎キュクロプスの軍勢を見上げた。赤い瞳がきらきらと輝いている。怖いというより、純粋に興味津々という顔だ。一体一体が岩みたいな体躯で、大鎚を掲げるたびに地が揺れる。すごい迫力だ。
「でも、工房ちゃんは守らないといけないしね♪ 皆ちゃんも頑張ってるし、クローネちゃんもやるよ★」
漆黒の髪を揺らして、クローネは前へ出た。
周囲では既に他の猟兵たちが動き出している。剣が閃き、靄が走り、光が降りる。前線は賑やかだ。クローネは全体をさっと見渡して、一つの判断を下した。傷ついている猟兵がいる。前線が厚い一方で、消耗が出始めている場所もある。攻撃しながら、回復も届けたい。
ならば、羅刹の出番だ。
「風を操る力に長けた羅刹に変身すれば……!」
声のトーンが、すっと落ちた。
クローネの体が変わり始めた。漆黒の肌に、更に深い色の紋様が浮かび上がる。赤い瞳が燃えるような光を帯び、髪が重力を忘れたように広がる。羅刹の形態。クローネの中に宿る、もう一つの力の姿。
風が生まれた。
足元から渦が巻き、クローネを中心に気流が動き出す。戦意を込めた視線が、包囲の前列を穿つ。狙いを定めた。密集している一角。他の猟兵たちの動きを妨げるように固まっている数体。
神薙刃が放たれた。
激しく渦巻く風の刃が、直線ではなく螺旋を描いて飛んだ。当たった巨人の戦鎧に風圧が食い込み、継ぎ目を抉る。一体が吹き飛ぶほどではない。だが、密集した隊形が乱れた。足並みが崩れ、互いに押し合う形になって、前進の勢いが殺された。
そして着弾の瞬間、クローネの周囲から別の風が広がった。
清めの風。神薙刃とは全く異なる、穏やかで温かな気流だ。それが傷ついた猟兵たちの体を包む。擦り傷が癒え、疲労が薄れ、呼吸が楽になる。攻撃の余波が回復になる。それがこの力の在り方だった。
「大丈夫ちゃん?♪ もうちょっと頑張れそう?」
普段の口調が戻った。羅刹の形態のまま、クローネはにこりと笑って近くの猟兵へ声をかけた。戦場でもこのテンションなのが、クローネという人間だった。
次の巨人が迫ってくる。クローネは視線を切り替え、また戦意を込めた。赤い瞳が燃える。
「ワタシの羅刹の風、まだまだ続くよ★」
二射目の神薙刃が飛んだ。今度はより広い範囲へ。包囲の側面を崩すように、風の刃が弧を描く。清めの風が、また後方の猟兵たちへ届く。攻撃と回復が、同じ一撃の中に宿っている。
クローネは戦場を走り回りながら、狙いを変え、角度を変え、必要な場所へ風を届け続けた。傷ついている猟兵がいれば、そちらへ向けて撃つ。包囲の密度が高い場所には、刃をより鋭く。柔軟に、楽しそうに、でも確実に。
やがて包囲の前列が大きく薄れた頃、クローネは羅刹の形態を解いた。漆黒の紋様が消え、いつもの姿に戻る。赤い瞳がぱちりと瞬いた。
「よしよし♪ いい感じだね★ 皆ちゃん、お疲れ様だよ!」
風がゆっくりと凪いでいった。
成功
🔵🔵🔴
政木・朱鞠(サポート)
確かに集団相手の対応は厄介だけど悩む時間が勿体ないし、困っている人をほったらかしにしてたら、あっと言う間に未来が過去に喰い潰され無いように、今は目の前のターゲットを倒すことに集中しないとね…。
死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここで退くわけには行かないよね。
戦闘
相手は多勢…手数で押し負けないようにしないとね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして、『咎力封じ』を使用して動きを封じて、【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与える戦法を取ろうかな。
アドリブ連帯歓迎
悩んでいる時間はない。
政木・朱鞠は獣騎キュクロプスの軍勢を一瞥して、そう結論づけた。でかい、多い、鎧が硬い。問題点を並べればきりがないが、並べている間にも巨人の足は工房へ近づいている。困っている人をほったらかしにしていたら、未来が過去に喰い潰される。それだけは御免だった。
「手数で押し負けないようにしないとね」
独り言のように呟いて、朱鞠は前へ出た。
「言霊にて煙火に暫しの魂魄を与えん……疾く攻めよ!」
金髪が揺れ、色黒の肌に狐火の光が映える。呪が解き放たれた瞬間、朱鞠の周囲に炎の揺らめきが生まれた。一体、二体、三体――狐火で模られた分身が次々と形を成す。小柄な朱鞠の姿を模した炎の像が、五体、十体、さらにその先まで増え続けて、やがて工房の前を埋めた。
分身たちが、一斉に駆けた。
巨人が大鎚を振り下ろす。分身が一体消える。また振る。また消える。だが次が来る、また次が来る。炎の群れは消えながら前へ進み、巨人たちの視野と動きを絶え間なく塞ぎ続けた。一体一体は弱い。でも数がある。それが朱鞠の戦法だった。
その隙に、朱鞠本体が動いた。
荊野鎖を手に取る。拷問具として作られたそれは、戦場では縛鎖として機能する。狙いを定めたのは、分身の群れをかき分けて前に出てきた先頭の巨人だ。鎚を振りかぶった、その瞬間。
鎖が飛んだ。
巨人の足首へ巻き付き、咎力封じの術式が流れ込む。重い巨体が、ぴたりと止まった。鎚を振り切れない。踏み込めない。動きを封じられた巨人が、困惑したように体を捩る。
「そこよ」
朱鞠は躊躇わず踏み込んだ。動きの止まった巨人へ一直線に向かい、戦鎧の継ぎ目へ刃を差し込む。鎧砕きの技が継ぎ目を抉り、隙間を広げた。傷口をえぐるように刃を返す。戦鎧が軋み、ルーンが一か所沈黙した。
巨人が呻いて腕を振った。朱鞠は素早く跳び退り、鎖を引いた。咎力封じが解ける前に離れる。それが朱鞠の間合いの取り方だった。
「死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここで退くわけにはいかないのよね」
着地しながら呟いて、次の獲物を見定める。分身の群れがまだ動いている。消え続けながら、でも巨人たちの足を止め続けている。その隙間を縫うように、朱鞠は走った。
二体目。鎖を放つ。咎力封じ。踏み込む。鎧砕き。傷口をえぐる。離脱。
三体目へ向かおうとした時、横から別の巨人の大鎚が迫った。完全に死角だった。朱鞠は咄嗟に体を捩ったが、鎚の縁が肩を掠めた。衝撃で体が流れる。着地した時、肩がじんと痺れていた。
「……痛いわね」
でも、退かない。肩を一度だけ回して、痺れを確かめる。動く。なら問題ない。朱鞠は赤い瞳で三体目を捉え直した。
狐火の分身がまた数体生まれ、巨人の視線を引きつける。その陰で、鎖が再び飛んだ。
包囲の前列が、じわじわと削れていく。一体ずつ、確実に。悩まず、止まらず、前へ。朱鞠はそれを続けた。困っている人が後ろにいる。それだけで十分な理由だった。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
「アタシの力が入用かい?」
数宮・多喜は宇宙カブのエンジンをふかしながら、迫り来る獣騎キュクロプスの軍勢を見渡した。茶色の瞳が、一体ずつを丁寧に追う。でかい。多い。だが、それより先に確かめたいことがあった。
多喜はカブを走らせた。正面へ向かうのではなく、軍勢の側面へ。包囲の外縁を、ぐるりと回るように。テレパスを解き放ちながら。
感情が流れ込んでくる。怒り――その下に、悲しみ。失ったものへの慟哭。壊された暮らしへの憤り。竜騎への、深い、深い憎しみ。多喜はそれを、正面から受け止めた。
「……そうかい。あんたたちにも、ちゃんと理由があるんだね」
独り言のように呟いて、カブを止めた。軍勢の中で、こちらを気にしている一体と目が合った。多喜は手を上げた。敵意を示さない、ただの挨拶として。
「おーい。ちょっとだけ聞かせてくれないかい」
巨人が大鎚を構えた。当然だ。でも、多喜は退かなかった。テレパスが伝える感情の波を読みながら、言葉を選ぶ。
「あんたたちの怒り、アタシには全部はわからない。でも、工房の職人さんたちには、今日は手を出させられないんだ。それだけは、譲れないよ」
巨人が一瞬、止まった。
その一瞬で十分だった。
多喜はカブのアクセルを踏んだ。軍勢の前列へ向かって、真横から切り込む。電撃が手元に集まる。マヒ攻撃。狙いは先頭の一体の足元。倒すためではなく、止めるために。
電撃が走った。巨人の足が痺れ、鎚を振り上げる動作が一瞬遅れた。その遅れだけを作って、多喜はすぐに離脱した。カブが崖の岩肌を蹴るように方向を変え、次の位置へ滑り込む。
「――よーくご存じじゃないか。そうさ、アタシらが猟兵イェーガーさ!」
戦場に声が響いた。
テレパスで捉えた、苦戦している猟兵の気配。別の巨人の鎚が振り下ろされる寸前、その猟兵の元へ多喜は出現した。カブごと、瞬間的に。衝撃波が横薙ぎに放たれ、鎚の軌道を逸らす。直撃は免れた。
「大丈夫かい?」
短く確認して、また走り出す。戦場を一か所に留まらない。テレパスで全体を感じながら、危ういところへ現れ、援護射撃を打ち込み、また別の場所へ飛ぶ。宇宙カブの機動力と、「応える声」の瞬間移動が、多喜を戦場の縫い目にしていた。
電撃のマヒ攻撃が巨人の脚を止める。衝撃波が密集した隊形を揺さぶる。誰かが押し込まれそうになれば、そこへ現れて一撃を添える。決定打は出さない。でも、戦場の歯車が噛み合うように、あちこちに小さな楔を打ち込み続ける。
やがて軍勢の足並みが乱れ始めた頃、多喜はカブを止めて、テレパスをもう一度広げた。感情の波を読む。怒りの中に、疲労が混じり始めている。押し切れないという感触が、群れに広がっている。
「……そろそろ、引き時だと思うけどね」
届かないとわかっていても、多喜はそう言った。戦場の外縁へ向けて。コンタクトを取り続けることが、多喜にとっての戦い方だった。
事件を解決する。それだけが、今日の答えだ。
成功
🔵🔵🔴
インプレッサターボ・フォレストハリアー(サポート)
「いんぷノセリフハコンナ感ジノヒラガナかたかな逆転表記デオ願イスルにゃ」
いかにも機械ぽい抑揚のない平坦口調ですがたぶんかっこいいと思ってるからやってるだけ。
「戦闘ニハ余計ナ感情ハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
敵には深い事情あるかもしれないけど何の感慨もなく戦うがダメージ受けたり敵の非道に怒ったりするといきなり感情豊かな感じになるとか。
「タシカコウイウ時『ますたー』ハコウ言ッテタにゃ。ブッ殺ス、●ぁっく」
選択されたユーベルコードが
キャリバースピン:なるべく多数を巻き込むように相手を誘導してまとめてなぎ倒す
デッドヒートキャリバー:可能なら誰かに乗ってもらう。なるべく多数を巻き込むようにひき逃げ
「セントウニハ余計ナかんじょうハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
インプレッサターボ・フォレストハリアーは、獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、平坦な声でそう言った。感情の起伏が読めない、抑揚のない口調。だがその赤い瞳は、しっかりと軍勢の密度と配置を測っていた。
でかい。多い。固まっている。
いんぷにとって、それは好都合だった。
「多数ヲ巻キ込ムにゃ。ナラバ――あつまッテイルほど、都合ガいいにゃ」
静かに、しかし確実に、距離を詰め始めた。軍勢の外縁ではなく、中心へ向かって。巨人たちが気づいて大鎚を構える。いんぷは止まらない。むしろ、足を速めた。
包囲の中心、巨人が最も密集している一角へ、まっすぐに飛び込んだ。
「足ヲ轢キ潰スにゃ」
体が回った。
キャリバースピンが解き放たれた瞬間、いんぷの全身が高速の回転体と化した。遠心力が腕を、脚を、全身を鞭のように振り回す。近接範囲を薙ぐように、螺旋が広がる。一体目の戦鎧に衝撃が走った。二体目が吹き飛ぶほどではないが、足元を崩された。三体目が踏み込もうとして、足が止まった。足止め。動けない。
スピンが収まった時、いんぷの周囲に動きの止まった巨人が数体いた。
「マアこんなモノにゃ」
平坦な声で言いながら、次の密集地点へ向かおうとした。その時だった。
後方から来た大鎚が、いんぷの背中を直撃した。
視界が揺れた。地面が近くなった。前に倒れ込みながら、いんぷはなんとか受け身を取った。立ち上がる。背中が、痛い。
平坦な口調が、消えた。
「……ッ、いっっっっ痛ぁ!?」
思わず本音が出た。
振り返れば、後方の巨人が次の一撃を準備している。視野の外から来た。完全に盲点だった。いんぷは自分の背中に手を当てて、それから、ゆっくりと顔を上げた。
「……たしかこういう時、『ますたー』はこう言ってたにゃ」
声のトーンが、また変わった。今度は機械口調でも、感情豊かな素でもない。もっと低い、静かな、怒りの声だった。
「ぶっ殺す」
キャリバースピンが、もう一度起動した。
今度は狙いを絞らなかった。後方の巨人を中心に、周囲に密集していた全てを巻き込むように、最大半径で回転を広げた。足止めが次々と走る。一体、二体、三体、四体。動きを止められた巨人たちが、連鎖するように足並みを乱していく。
スピンが止まった。いんぷは肩で息をしながら、周囲を確認した。
「……まア、これでいいにゃ」
背中はまだ痛い。でも、動ける。機械だから、とか言いながら、ちゃんと痛みを感じているのがいんぷという存在だった。それを認めるのは少し癪だったが、認めなくてもどうせ顔に出る。
いんぷは平坦な口調を取り戻すように、ひとつ息をついた。
「セントウニハ余計ナかんじょうハ不要にゃ」
もう一度、同じ言葉を言った。今度は少しだけ、説得力が薄れていた。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ(サポート)
キノキノ、キノが来たから
もう、大丈夫だよ。
キノノ?キノだけじゃ心配だって?
マツタケ!キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!!
トリュフ!!キノ達の活躍を見せてあげるよ。
シメジ?キノが苦戦はありえないけど、その時は一発逆転を狙っていくよ。
キノキノ、みんなよろしくね。
「キノキノ、キノが来たからもう大丈夫だよ!」
キノ・コバルトリュフは工房の前に降り立って、明るく宣言した。青髪が跳ね、紫の瞳がきらきらと輝いている。獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、その顔に緊張の色は微塵もない。
「キノだけじゃ心配だって? マツタケ! キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!! トリュフ!!」
ぐっと拳を握って、キノは星霊たちへ呼びかけた。応える気配がある。ピュアリィ「キノコつむり」の星霊術士として、キノはいつだって一人じゃない。星霊たちの気配が、キノの周囲に集まってくる。温かくて、賑やかで、頼もしい気配だ。
巨人の群れが進軍してくる。大鎚が輝き、戦鎧のルーンが光る。地響きが工房を揺らす。キノは一歩、前へ出た。
「キノ達の活躍、見せてあげるよ」
両腕を広げた。舞いが始まった。
奉納の舞。キノの体が、音のない旋律に従うように動き出す。腕が弧を描き、足が大地を踏む。それは祈りでもあり、制御でもあった。この舞いを止めてはいけない。止めた瞬間、炎の渦は制御を失う。だから、キノは踊り続ける。戦いながら、ずっと。
炎が生まれた。
創世記の炎の渦。高速で旋回する炎の柱が、キノの舞いに呼応して出現した。橙と金が混ざり合い、螺旋を描きながら巨人の群れへ向かっていく。熱波が工房の外壁を舐め、巨人たちが思わず足を止めた。あの規模の炎が、まともに回転しながら迫ってくる。正面から突き進む勇気は、さすがの巨躯でも削がれる。
炎の渦が前列を薙いだ。
一体が吹き飛ぶほどではないが、密集した隊形が大きく乱れた。熱で戦鎧のルーンが一部沈黙する。足並みが崩れ、後列が前列に詰まって押し合いになった。炎の渦はまだ旋回しながら、包囲の中をゆっくりと動いている。
キノは舞い続けた。
腕が上がり、体が回り、足が刻む。奉納の舞が途切れれば炎は暴走する。だからキノの意識は常に二つに割れている。炎を制御する意識と、戦場全体を見渡す意識。星霊たちがその隙間を埋めてくれる。キノの視野が届かないところを、星霊たちが補ってくれる。一人じゃないから、できることだ。
「キノキノ、いい感じだよ!」
舞いの合間に声が出た。炎の渦が次の密集地点へ向かう。巨人が回避しようとして、隣の巨人と体がぶつかる。隊形がまた崩れる。炎が来ると思えば退き、退いた先で押し合いになる。キノの制御する炎は、戦場の流れそのものを動かしていた。
一体の巨人が、炎の外側から回り込もうとした。キノへ向かって、まっすぐに。舞いを止めさせるつもりだと、キノにはわかった。
「シメジ! でも、一発逆転があるよ!」
キノは舞いの向きを変えた。炎の渦が急角度で弧を描き、回り込もうとした巨人の進路へ割り込む。巨人が急停止した。熱波が顔を焼く。ルーンが沈黙する。退かざるを得なかった。
キノは笑顔のまま、舞い続けた。
やがて包囲の前列が完全に乱れ、軍勢の足が止まった。炎の渦がある限り、正面から押し切ることができない。後退が始まった。一体、また一体と、巨人たちが距離を取り始める。
キノはゆっくりと舞いを収め、炎の渦を空へ解き放った。橙と金の光が夜空へ昇っていくように、炎が散っていく。
「キノキノ、みんなよろしくね! 次も頑張るよ!」
深呼吸して、キノは工房の方を振り返った。星霊たちの気配が、温かいままそこにある。
成功
🔵🔵🔴
東・御星(サポート)
御星「さあ、美結行こうか!遅れないでついてきて!」
「今日を明日に変える事さえ欲望だよ?」
美結「はい、御星さん!ふふ、大好きです。」
「空間把握と電脳であれば私の分野です」
御星と美結、2人で1人の猟兵です。婚約しています。
元々美結は統制機構の一般人でしたが御星によって猟兵となりました。
欲望は生きるエネルギーと概ね肯定する姿勢を持ち、強敵に対し窮鼠即ち猫を噛むという戦闘スタンスです.
基本は全射撃装備による三次元一斉射撃が主戦術で、近接戦もこなせます。現実でも等身大や巨大戦に使える電子戦闘体にデータ化して2人で乗り込みます。
UCは選択したものを使用します。
あとはおまかせです。
「さあ、美結行こうか! 遅れないでついてきて!」
「はい、御星さん!」
二つの声が重なるように響いた。東・御星と美結は、電子戦闘体の中で並んで立った。現実と電脳が交差するその空間で、二人はいつだって一つだ。
獣騎キュクロプスの軍勢が迫る。御星は全射撃装備の照準を、戦場全体へ向けた。上、正面、側面。三次元の全方位に、射線が広がる。巨人の数は多い。密集している。だが密集しているということは、それだけ射線が通りやすいということでもある。
「今日を明日に変える事さえ欲望だよ? だったら、撃ち抜いてあげる」
一斉射撃が始まった。
前方の巨人たちへ、縦横斜め、あらゆる角度から射撃が降り注ぐ。一発一発が巨人を仕留めるほどではないが、絶え間なく続く弾幕が戦鎧のルーンを削り、隊形を乱す。前へ出ようとすれば射線が塞ぎ、横へ回ろうとすれば別の角度から火線が走る。三次元の一斉射撃は、巨人たちに自由な動きを許さなかった。
「空間把握、完了しています。左側面から三体、迂回を試みています、御星さん」
美結の声が、冷静に状況を伝える。統制機構で培った電脳の眼が、戦場全体を地図として描き出す。御星はその情報を即座に読んで、射撃の優先順位を書き換えた。左側面へ、火線の密度が移る。迂回しようとした三体が、弾幕の壁に行く手を阻まれた。
「ナノビット散布、定着正常に完了! 御星さん、いつでも大丈夫です!」
美結の声に、迷いは一片もなかった。
「OK」
御星は即座に応えた。
「全ての攻撃、私達の絆で何であろうと防ぎ切る!」
ナノビット・ディフレクションフィールドが展開した。
無数のナノビットが空気中に散布され、多重の防御フィールドが生まれる。それは壁ではなく、層だ。何重にも重なった防護が、あらゆる攻撃を受け止める。その強度は、二人の信頼が揺らがない限り、決して弱まらない。
先頭の巨人が大鎚を振り下ろした。フィールドが受け止めた。衝撃が散り、鎚が弾かれる。巨人が驚いたように次の一撃を叩き込む。また弾かれる。三撃目も、同じだ。
「……疑念なんて、ないよ」
御星は静かに言った。美結へ向けた言葉だ。
「私も、です」
美結が答えた。フィールドが、また一段厚みを増した。
弾幕とフィールドが同時に機能する。射撃が巨人の前進を阻み、フィールドが反撃を弾く。攻めながら守り、守りながら攻める。二人が一つだからこそ成り立つ戦い方だった。御星が撃ち、美結が見て、二人で判断する。その連携に、隙間がない。
やがて前列の密度が大きく薄れた。弾幕に押され、フィールドに跳ね返され続けた巨人たちの足が、じわじわと後退を始めた。
御星は射撃の手を緩めなかった。最後の一体が引くまで、弾幕は続く。
「ふふ、御星さん、大好きです」
美結がそっと言った。戦闘の最中に、突然。
御星は少しだけ間を置いて、それから照準を外さないまま答えた。
「……知ってる」
フィールドの輝きが、二人を包んでいた。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います
UCは指定した物をどれでも使用
普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)
処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣等大剣で敵を攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにし敵を攻撃
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵群を倒す
守護対象がいれば武器受けでかばい、敵をおびき寄せ注意を惹いたりします
キャバリアを操縦したり生身でも戦います
仇死原・アンナは、巨人の軍勢をぼんやりと眺めていた。
大きいね、と思った。多いね、とも思った。鉄塊剣『錆色の乙女』の重みが肩に馴染んでいる。漆黒の髪が風に流れ、黒い瞳が何を考えているのかわからない顔で、ただ軍勢を見ている。傍から見れば呑気に見えるかもしれない。でも、手は既に柄を握っていた。
「……行くね」
誰にともなく言って、アンナは前へ出た。
最初の一体が大鎚を振り上げた。戦鎧のルーンが輝く。正面からぶつかるのは無謀に見えるだろう。だが、アンナは止まらなかった。むしろ踏み込んだ。
鉄塊剣が薙いだ。
剣というより鉄の塊そのものをぶつけるような一撃が、巨人の脚に叩き込まれた。戦鎧の防御を完全には抜けないが、衝撃は通る。巨人がよろめいた。体勢が崩れた瞬間に、アンナは鎖の鞭を放った。巨人の大鎚を持つ腕へ巻き付き、振り下ろしの動作を強引に阻んだ。
行動が止まる。その隙に、もう一撃。
二体目が横から迫ってきた。アンナは振り返らずに気配だけで察して、半歩だけ横へずれた。鎚が空を切る。その腕を、今度は拷問器具の赤錆びた刃が引っかけた。動きを乱す。完全に止めなくていい。ほんの一瞬、歯車を狂わせれば十分だ。
三体目が対竜騎用の特殊武器を構えた。巨人の鍛冶術が生み出した得物。アンナは一瞬それを見て、鉄塊剣では受けにくいと判断した。
「……刀の方がいいね」
ぼんやりした声で呟いて、妖刀『アサエモン・サーベル』を抜いた。切り替えに迷いがない。処刑人として培った勘が、状況に合わせて武器を選ばせる。特殊武器が振り下ろされる直前、アンナはそれを流すように受け、勢いを殺してから返した。薄い刃が戦鎧の継ぎ目を滑る。ルーンが一か所、沈黙した。
その時だった。
別の巨人の対竜騎用武器が、アンナの足元へ向かって特殊な術式を放った。動きを縛る類の効果。状態異常の気配が、足元から這い上がってくる。
「……邪魔を」
声が変わった。
「するなッ!!!」
業火が噴出した。
アンナの体を切り裂くように、地獄の炎が内側から弾けた。術式の縛りが、業火に焼かれて反射する。放った巨人へ、そのまま跳ね返っていく。轟音。炎が戦場の一角を舐めた。縛りをかけた巨人が、その反射で大きく吹き飛んだ。
アンナは燃える腕を一度だけ見て、炎を収めた。
「……貴様等に付き合う暇はない」
低く、静かな声だった。炎獄の処刑人の声だ。
鉄塊剣を再び構える。周囲の巨人たちが、一瞬だけ足を止めた。状態異常を反射する。触れれば業火が返ってくる。その事実が、誇り高き戦士たちの足を、わずかに竦ませた。
アンナは竦んだその一瞬を、逃さなかった。
錆色の乙女が、また薙ぐ。鎖の鞭が絡む。拷問器具が引っかける。武器を次々と使い分けながら、アンナは淡々と前へ進み続けた。目的は工房を守ること。それだけだ。ぼんやりした黒い瞳が、静かに前を見ている。
処刑人の仕事は、終わるまで終わらない。
成功
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諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、34歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「唯のろくでなしの旅烏ですよ」
諏訪野・啓太郎は、そう言いながら工房の前に立った。百九十センチを超える長身が、崖からの風を正面から受けて微動だにしない。漆黒の髪が揺れ、漆黒の瞳が静かに軍勢を捉えた。獣騎キュクロプスの群れ。数は多い。戦鎧は固い。だが、啓太郎の表情は変わらない。旅烏はどんな夜空でも飛ぶものだ。
「……まあ、多いな」
独り言のように呟いて、啓太郎は右手を上げた。指を鳴らす。乾いた音が一つ。
機械兵器が現れた。
一体、二体、五体、十体――エレクトロレギオンが召喚されるたびに、工房の前の空気が変わった。小型の戦闘用機械兵器が次々と形を成し、啓太郎の周囲に整列する。無骨な金属の体。光る光学センサー。武装した腕。数が揃うにつれて、その圧が増していく。
「行け」
短く命じた。
機械兵器の群れが、一斉に駆けた。巨人の軍勢へ向かって、躊躇なく。小型の兵器一体では、巨躯の巨人に届かない。だが十体が、二十体が束になって向かえば、話は変わる。巨人が大鎚を振るう。一体が消える。また振る。また消える。だが次が来る、また次が来る。消えながら前へ、消えながら足を絡める、消えながら鎧の継ぎ目を叩き続ける。数の暴力だ。
啓太郎はその後方で、新たな機械兵器を召喚し続けた。
消えた分を補充する。補充して、また送り込む。途切れさせない。戦場の流れを、絶え間ない機械の波で塗り替えていく。啓太郎自身は動かない。全体を見渡せる位置を取り、どこに圧力が必要か、どこが薄くなっているかを読み続けた。
前線で、別の猟兵が巨人の鎚をまともに受けて吹き飛んだ。
啓太郎は即座に機械兵器の一隊をその方向へ差し向け、巨人の注意を引きつけてから、自ら走った。
「大丈夫かい?」
声が変わった。男性的な口調が、柔らかくなる。倒れた猟兵の傍に膝をついて、状態を確かめた。意識はある。打ち身で済んでいそうだ。
「起き上がれそうか。無理なら後ろに下がっていな」
気遣いをさらりと言って、すぐに立ち上がった。感傷を引きずらない。旅烏の流儀だ。
正面では機械兵器の波が続いている。先頭の三体の巨人が、ほとんど動けない状態になっていた。足元に纏わりついた機械兵器を払おうとすれば、その隙に後続が鎧の継ぎ目を突く。払っても払っても次が来る消耗に、巨人たちの動きが目に見えて鈍くなってきた。
啓太郎は再び後方へ戻り、また指を鳴らした。
新しい一隊が現れる。今度は側面を迂回しようとしていた巨人たちへ向けて。包囲の形が崩れ始めた頃、軍勢全体に疲弊の色が滲んでいた。終わりが近い。
「……まあ、こんなもんだろ」
啓太郎は腕を組んで、静かに前を見た。漆黒の瞳が、退き始める巨人たちを追う。追撃はしない。工房が守れれば、それで十分だ。ろくでなしの旅烏は、必要以上のことはしない。
機械兵器の最後の一隊が、工房の前で静止した。
成功
🔵🔵🔴
ベルト・ラムバルド(サポート)
キャバリアを使用できる環境なら愛用のキャバリアを操縦します
そのとき装備してるキャバリア用の剣と槍を振るい敵群を蹴散らします
キャバリアの操縦技術は優れています
キャバリア使用不可なら生身とその時の装備してる物で戦いますが残念ながら生身だとそんなに強くありません
それを補助するのが己のハイカラなオーラとセンスと瞬間思考力とUCによる謎の召喚術で頑張ります
ベルト・ラムバルドは、愛機のコックピットで軍勢を見据えた。
獣騎キュクロプスの群れ。でかい。多い。だが、こちらにはキャバリアがある。藍色の瞳が静かに照準を定め、金髪をヘルメットの中に収める。操縦桿を握る手に、自然と力が入った。
「不肖ベルト・ラムバルド、参る」
キャバリアが駆けた。
巨人の軍勢へ向かって、一直線に。搭載した剣を右手に、槍を左手に構えて、正面から突っ込む。操縦技術は優れている。巨人の大鎚が振り下ろされるタイミングを読んで、紙一重でかわしながら、剣が戦鎧の継ぎ目を薙いだ。ルーンが砕ける音がコックピットに響く。手応えがある。
槍で二体目を弾き飛ばす。剣で三体目の足を払う。キャバリアの機動力が、巨体の群れの中を縫うように動く。一対多数の乱戦だが、それこそベルトの得意な地形だ。狭い間隔をすり抜け、隙を突き、また次へ。
だが、四体目が特殊武器を構えた。巨人の鍛冶術が生んだ対竜騎用の得物。直撃を受ければ厄介だ。ベルトは一瞬、判断を迫られた。
その時、キャバリアが喋った。
「『おーほっほ! ご機嫌よう~! ワタクシ、キャバリアお嬢様ことパロミ・デス代でしてよー!』」
「勝手にしゃべるんじゃないよー!」
ベルトは即座に叫んだ。タイミングが最悪だ。四体目が迫っているというのに、愛機が自己紹介を始めた。
だが、変身は始まっていた。
キャバリアの外装が変わる。五メートルの人型が、キャバリアお嬢様パロミ・デス代の姿へ。正義の心とプライドが、変身後の強さを決める。ベルトはそれをわかっていたから、歯を食いしばって気合を入れた。正義の心。ある。工房を守る。職人を守る。それは本物だ。プライドの高さ。……ある。ハイカラな騎士として、ここで退くわけにはいかない。
変身が完了した。
「『ごきげんよう、巨人さんたち! あなたたちのお相手はこのパロミ・デス代でしてよ!』」
「喋りすぎ!」
ベルトの突っ込みと同時に、パロミ・デス代の腕が薙いだ。変身後の一撃が、対竜騎用武器を構えていた四体目を大きく吹き飛ばした。続けて五体目、六体目。正義とプライドが乗った攻撃は、巨人の密集した前列を次々と崩していく。
「『おーほっほ! どんなものでしてよ!』」
「俺が戦ってるんだけどな!?」
漫才のような掛け合いが戦場に響く中、パロミ・デス代は止まらなかった。剣と槍の代わりに変身後の腕が振るわれ、巨人の隊形を内側から引っ掻き回す。ベルトの操縦技術と、パロミ・デス代の規格外の強度が組み合わさって、前線が崩れていく。
やがて軍勢の前列が完全に乱れ、後退が始まった頃、パロミ・デス代の変身が解けた。元のキャバリアに戻る。ベルトはコックピットの中で、深く息をついた。
「……毎回勝手に喋るのはやめてくれ」
藍色の瞳が、静かに前を見た。工房は無事だ。
愛機が、何も言わなかった。言わないくせに、また次も喋るのだろうとベルトにはわかっていた。
成功
🔵🔵🔴
音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。
自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
プロデューサーより
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上……」
音駆螺・鬱詐偽は、台本を握りしめたまま、消え入りそうな声でそう言った。
「……って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。うう」
灰色の髪を押さえながら、鬱詐偽はうずくまりたい衝動をなんとか堪えた。番組の為だ。自身の命綱である番組の為だ。プロデューサーが言っていた。多少の苦難は仕方ない、と。
だが、前を向いた瞬間に、苦難どころではないものが目に飛び込んできた。
獣騎キュクロプスの軍勢。
「……ひっ」
思わず声が出た。でかい。なにあれでかい。一体一体が岩みたいな体躯で、大鎚を掲げるたびに地が割れる。こちらを一つ目で睨んでいる巨人と目が合った。合ってしまった。
「こわいこわいこわいこわい……っ」
その瞬間、何かが溢れた。
猜疑心と恐怖心が、堰を切ったように弾けた。鬱詐偽の周囲に、影が生まれた。一体、二体、五体、十体――バロックレギオンが次々と召喚される。鬱詐偽が怖がれば怖がるほど、その数が増えていく。恐怖心を与えた対象を追跡し、攻撃する意思を持った軍勢が、鬱詐偽の周囲を埋め尽くした。
「え、え、ちょっと待って、これ私が怖がったから出てきてる……?」
鬱詐偽は自分の周囲を見渡して、引きつった顔でそう言った。バロックレギオンたちは鬱詐偽の恐怖心を感じた対象、つまり先ほど目が合った巨人へ向かって、一斉に動き始めた。
「あ、行っちゃった……」
呆然と見送る。
巨人が大鎚を振るった。バロックレギオンが数体消える。でも、次が来る。鬱詐偽がまだ怖がっているから、まだ出てくる。巨人たちにとっては見えない場所から次々と現れる存在に、確実に圧力がかかっていく。
そこへ、別の巨人が鬱詐偽へ向かって突進してきた。
「ふぇっ!? ちょっと、こっちに来ないでよ!!」
恐怖心が、跳ね上がった。
バロックレギオンの数が、一気に倍になった。突進してきた巨人へ向かって、新たに召喚された大量のレギオンが殺到する。巨人が足を止めた。前へ進めない。圧倒的な数に、足が竦む。
「うう、もう本当にやだ、こわい、なんでこんなことに……」
鬱詐偽は目をつぶって縮こまりながら、しかし逃げ出さなかった。番組の為だ。これも番組の為だ。プロデューサーに言われたことがある。鬱詐偽さんの不運がおいしい場面を呼ぶんですよ、と。
おいしい場面かどうかはわからない。でも、確かに戦場が動いていた。
鬱詐偽が怖がるたびにレギオンが増え、レギオンが増えるたびに巨人の前進が阻まれる。ネガティブなエネルギーが、そのまま戦力に変換されていく。本人が一番「なんで」と思っている仕組みだが、結果は出ていた。
やがて軍勢の前列が止まり、動揺が広がった頃、鬱詐偽はそっと目を開けた。
「……終わった、の?」
周囲のバロックレギオンが、静かに消えていく。恐怖心が収まってきたからだ。
鬱詐偽は深く息をついて、台本をもう一度握りしめた。
「……これ、次回も同じことするのよね」
番組は、続く。
成功
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飯綱・杏子(サポート)
狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?
|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす
リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす
悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。|熟成肉《リビングデッド》うまうま
|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす
同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす
「……うわあ、でっかい鎧っすね」
飯綱・杏子は、獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、緑色の瞳をきらりと輝かせた。巨人そのものではなく、戦鎧を見ていた。分厚い金属の装甲。刻まれたルーン。精緻な継ぎ目の構造。銀髪をさらりと払って、杏子は小さく頷いた。
「あの鎧、きっとすごく硬いっすよ。……貝類みたいに、こじ開けたら美味しい可食部がありそうっすね」
隣にいた鍛冶師が、何か言いたそうな顔をした。杏子はそれに気づかず、前へ出た。
戦鎧は無機物だ。杏子の食材化の視線が有効な対象だ。
「おいしくいただくっす」
静かに、しかし確かな眼差しで、先頭の巨人の戦鎧を見据えた。食材化の視線が解き放たれる。視線が触れた瞬間、戦鎧の金属が微妙に変質し始めた。ルーンの術式が乱れる。硬度が、内側からじわじわと変わっていく。食材化とはつまり、構造を「喰らえる状態」へ転換することだ。鉄が豆腐のように柔らかくなるわけではないが、継ぎ目の密着が緩み、術式の接合が甘くなる。
戦鎧のルーンが、一か所、沈黙した。
「剥けてきたっす」
杏子は満足げに言って、次の巨人へ視線を移した。食材化の有効範囲は料理の腕前に依存する。杏子の腕前は高い。一度に複数の対象へ視線を走らせながら、次々と戦鎧の術式を緩めていく。
そこへ、先頭の巨人が気づいて大鎚を振り下ろした。
杏子は横へ跳んだ。鎚が地面を抉る。土煙が上がった。杏子は着地しながら、抉れた地面をちらりと見た。
「……あ、ミミズが出てきたっす。後で」
後で何をするつもりなのかは聞かない方がいいやりとりだったが、巨人には関係ない話だ。
二体目が迫ってくる。杏子は再び視線を走らせた。食材化の視線が戦鎧を捉え、術式の接合がまた緩む。続けて三体目、四体目。視線を向けるだけで、戦鎧が内側から弱体化していく。他の猟兵たちが攻撃する時、そこに亀裂が入りやすくなる。ルーンが抜け落ちやすくなる。杏子の戦い方は派手ではない。でも、確実に効いていた。
五体目の巨人が、対竜騎用の特殊武器を杏子へ向けた。杏子は避けなかった。悪魔の体に、武器の類はそこまで利かない。腕に受けた。痛い。でも、腕がある。杏子は傷口をぺろりと舐めて、視線を巨人の鎧へ向けた。
「……あ、鎧のルーン、結晶化してるっす。食感よさそうっすね」
巨人が困惑した。この相手は何を考えているのかわからない。その困惑が、次の動作を一瞬遅らせた。
杏子はその隙に、さらに二体分の戦鎧へ食材化の視線を通した。六体、七体。緩んだ鎧が、他の猟兵たちの攻撃によって次々と剥がれていく。
やがて前列の巨人たちの戦鎧が、軒並み術式を失い始めた頃、軍勢に動揺が走った。鎧が機能しない。ルーンが消えている。何が起きているのかわからない。
杏子は包囲が崩れていく様子を見ながら、懐からメモ帳を取り出した。
「鎧の金属、帰ったら調べてみるっす。鍛冶師さんに聞けば素材の産地とかわかるかな」
戦場の端で、銀髪の悪魔がひとりメモを取っていた。
成功
🔵🔵🔴
エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!
☆
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「全力で頑張るからね!」
エジィルビーナ・ライアドノルトは、獣騎キュクロプスの軍勢を前にして、臆することなくそう宣言した。百四十五センチの小柄な体に、天誓騎士の鎧を纏い、赤髪を風に揺らして藍色の瞳が前を向く。正直に言えば、目の前の巨人たちは怖い。でかい。一体一体が、エジィの何倍もある。
でも、困ってる人がいる。工房の中で、鍛冶師たちが守られるのを待っている。
それだけで十分だった。
「来てくれるよね、グランスティード!」
エジィは星霊へ呼びかけた。応える気配が来た。温かくて、力強くて、電気のようにびりりとする気配。星霊グランスティードが姿を現した。光を纏った馬の姿。エジィの傍らに並んで立ち、その大きな目でこちらを見た。
「よろしく!」
飛び乗った。
人馬一体。電光属性が全身を包む。エジィの体に、グランスティードの速さと力が流れ込んでくる感覚。移動力が跳ね上がる。足元が光り、蹄が地を蹴った瞬間、電光の軌跡が地面に走った。
突撃。
一直線に、軍勢の前列へ向かって。グランスティードの速さは凄まじく、巨人が反応する前に距離が詰まる。先頭の一体が大鎚を構えた。でも、遅い。電光を纏ったエジィが懐へ飛び込み、剣が戦鎧の継ぎ目を抉った。ルーンが砕ける。通り抜ける。そのまま次の一体へ向かう。
「でやあっ!」
気合の声が上がった。近接戦闘なら、エジィの本領だ。足りない力は気合で補う。電光属性が乗った剣が戦鎧を叩き、継ぎ目に亀裂が走る。グランスティードが速さを殺さずに旋回し、また別の巨人へ向かう。乗り手と星霊が一つになって、戦場を駆け回る。
三体目が特殊武器を構えた。対竜騎用に誂えた得物。エジィはそれを見て、一瞬だけ迷った。得意じゃない、という声が頭に浮かぶ。でも。
「足りない分は気合と根性でカバー、だよね!」
グランスティードが電光の加速で横へ跳んだ。特殊武器の軌道を紙一重でかわし、その勢いのまま死角へ回り込む。背後から一撃。戦鎧の背面の継ぎ目が、電光を受けて焼け、ルーンが沈黙した。
エジィは小さく息をついた。かわせた。よかった。
四体目、五体目と続く。グランスティードが駆けるたびに電光の軌跡が地を走り、戦場に光の残像が刻まれていく。小柄な騎士と星霊が、巨人の群れの中を縫うように動く。重さでは敵わない。でも、速さがある。電光がある。そして、全力がある。
やがて前列の戦鎧が次々と術式を失い、巨人たちの隊形が崩れ始めた頃、エジィはグランスティードの首を軽く叩いた。
「ありがとう、助かったよ!」
星霊が短くいなないた。
エジィは汗を拭いながら、それでも笑顔で工房の方を振り返った。藍色の瞳が、守り抜いた建物をしっかりと捉えた。
「……うん、大丈夫。まだやれる」
グランスティードが、また前を向いた。エジィも、一緒に向いた。まだ終わっていない。でも、全力はまだある。
成功
🔵🔵🔴
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません
非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも
地響きを聞いた瞬間、アトシュ・スカーレットの口端が上がった。
獣騎キュクロプスの軍勢。崖の向こうから現れた巨躯の数を数えて、アトシュは軽く口笛を吹いた。でかい。多い。戦鎧が硬そうだ。銀の瞳が、その全体像を素早く舐め回す。弱点はどこか。どこから入れば効くか。悪ガキ上がりの勘が、戦場を読み始めた。
「……面白いじゃねぇか」
呟いて、地を蹴った。
空中へ。
一蹴り、二蹴り。クラールヴィントが機能する。空中の何もない場所を踏み台にして、アトシュの体が上へ上へと跳ね上がっていく。地上では巨人の大鎚が届く。でも、この高さまでは来ない。軍勢の頭上から、アトシュは戦場全体を一瞬で見渡した。
「戦鎧の継ぎ目、上からなら丸見えだな」
急降下。
三蹴り目で勢いをつけて、先頭の巨人の肩口へ向かって落ちた。戦鎧の肩の継ぎ目、鎧が重なって生まれた僅かな隙間。そこへ、棘を纏った拳を叩き込んだ。
腐敗の呪詛が走った。
棘が継ぎ目に食い込み、腐敗の力が金属を内側から侵食し始める。ルーンの術式が乱れる。鉄が本来の速度より遥かに速く錆びていく感覚。万物を強引に腐敗させる、アトシュが編み出した組み合わせだ。一撃で仕留めるほどではないが、継ぎ目が一か所、確実に弱くなった。
アトシュは即座に離脱した。巨人の腕が反射的に払ってくる。紙一重でかわして、また空中へ。四蹴り、五蹴り。高度を取り直して、次の狙いを定める。
「次はそっちだな」
二体目の頭上へ落ちた。今度は戦鎧の首元。棘と腐敗が、また継ぎ目を食い破っていく。ルーンがもう一か所沈黙した。
三体目が迫ってきた。地上から、鎚を構えて。アトシュは空中から見下ろして、その動きの隙を読んだ。振り上げた瞬間、脇の下が空く。そこだ。
真下へ落ちながら、棘を展開した。全身から伸びた棘が、巨人の脇の継ぎ目へ同時に突き刺さる。腐敗の呪詛が一気に広がった。戦鎧の一区画が、急速に侵食された。巨人が鎚を振り切れずによろめく。アトシュは巨人の体を足場にして、また空中へ弾けた。
「っしゃ、効いてるじゃん」
思わず声が出た。
それからちょっと周囲を確認した。誰かに聞かれた気がした。まあいい。戦果が出ているのは事実だ。
空中機動と棘、腐敗の組み合わせ。地上からでは届きにくい戦鎧の上部や背面の継ぎ目を、真上から正確に狙える。腐敗が広がれば、他の猟兵たちの攻撃も通りやすくなる。一人で仕留める必要はない。弱くして、崩して、繋げる。それがアトシュの役割だとわかっていた。
四体目へ向かおうとした時、工房の壁近くで、鍛冶師の一人が巨人の進路に取り残されていた。判断は一瞬だった。
「どけっ!」
方向を変えた。目の前で助けられる人間を見過ごす気は、アトシュにはない。六蹴り目で角度を取り、鍛冶師と巨人の間へ割り込む。棘が展開される。腐敗が走る。巨人の前進が一瞬止まった。その隙に、鍛冶師が走って離れた。
アトシュは息をついて、また空へ戻った。
「……まあ、こんなもんだろ」
銀の瞳が、次の獲物を探していた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 日常
『竜騎鍛冶師の工房』
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POW : 新しい武装を考え、作ってもらう
SPD : 破損した箇所を修復してもらう
WIZ : 魔法的な加工を施してもらう
イラスト:十姉妹
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
第一陣を退けた後の工房は、静かな喧騒に包まれていた。
鍛冶師たちが動き出していた。炉に火が入り、槌の音が響き始め、金属を削る音が壁を伝う。束の間の休息の中で、彼らはもう次の戦いへ向けて手を動かしていた。職人の意地というものを、多喜はその背中から感じ取った。
「アタシの力が入用かい?」
声をかけると、年嵩の鍛冶師が振り返った。眉間に刻まれた皺は深いが、目は鋭く、仕事人の顔をしている。多喜は宇宙カブから降りて、工房の中へ足を踏み入れた。
「キャバリアか何かを直してほしいのか?」
「まあそれもあるけど……アタシはまず、アンタたちが何を必要としてるか聞きたいんだよねぇ」
鍛冶師が少し意外そうな顔をした。依頼を持ち込む側が、逆に聞いてくる。珍しいと思ったのだろう。
多喜はテレパスをそっと広げた。押しつけがましくなく、ただ周囲の感情の波を受け取る程度に。鍛冶師の気配が流れ込んでくる。疲弊。でも、折れていない。この工房を守ることへの強い意志。そして――預かっている人造竜騎への、職人としての責任感。
「……預かってる竜騎、いくつか装甲に亀裂が入ってるだろう。今すぐ直したいのに、手が足りてない」
鍛冶師が言った。多喜は頷いた。
「わかった。どこを直せばいい? アタシ、細かい作業は得意じゃないけど、言われた通りに動くのは速いよ」
鍛冶師が少し笑った。口下手そうな人間が、こうして笑うのは珍しいことだと多喜には感じられた。
「なら、資材の運搬を頼む。この工房の裏手に、予備の装甲板がある。重いぞ」
「任せてよ」
多喜は宇宙カブのエンジンをかけた。工房の裏手まで、カブで往復する。屋内は狭いのでカブを降りる場面もあるが、資材の場所まではカブが使える。一往復目で鍛冶師が必要だと言った装甲板を積み込み、工房内の指定された場所へ運んだ。降ろす時は多喜の腕だけではさすがに重かったが、近くにいた別の鍛冶師が手を貸してくれた。
「ありがとうねぇ」
「……こっちこそ」
その鍛冶師は若かった。多喜よりも年下に見える。声をかけると、テレパスに緊張と使命感が滲んだ。初めて本当の戦場の近くにいる人間の感情だと、多喜には分かった。
「怖いかい?」
思わず聞いた。若い鍛冶師がぎょっとした顔をした。
「……なんで」
「なんとなく、ね。まあ、怖くて当然だよ」
多喜はそれだけ言って、またカブへ戻った。感情を読み過ぎるのは失礼になることもある。伝えるべきことは短く。
二往復、三往復。資材が揃っていくにつれて、工房の奥で槌の音が増えた。年嵩の鍛冶師が人造竜騎の亀裂へ鏨を当て、若い鍛冶師が装甲板を抑える。呼吸が合っている。長年の仕事仲間の間合いだ。
多喜は最後の資材を降ろしながら、その光景を横目に見た。
「……いい仕事してるねぇ」
呟きは、工房の熱気に溶けて消えた。
槌の音が、また一つ響いた。次の戦いへ向けて、工房は動き続けている。多喜はカブのシートに腰を落ち着けて、テレパスをもう一度広げた。次に何が来るか、今のうちに感じ取っておくために。
成功
🔵🔵🔴
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
得意なのは近接戦闘とか、【情報収集】も兼ねた見回りとかお話を伺うのも好きですよぉ~。
非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
大丈夫ですよぉ~。手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんよぉ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談するのも良いですねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
堅実にきちんと片づけたら、皆で美味しいものでも食べて帰りましょう~。
※アドリブ・連携歓迎
束の間の静寂の中で、工房は熱を帯びていた。
第一陣を退けた鍛冶師たちは、次の戦いへ向けた強化に手を回し始めていた。炉の火が高く上がり、金属を叩く音が重なり合う。猟兵たちへ向けて、持てる技術の全てを注ぎ込もうとする職人の気概が、工房全体に満ちていた。
向・存は、その様子をゆるゆると見渡しながら、ある鍛冶師のもとへ歩み寄った。
「……あのぅ、存の武具を少し見ていただけませんかぁ?」
声をかけた相手は、初老の鍛冶師だった。作業台の前で腕を組み、仕事の合間に顔を上げた。存の手元にある聖杯を見て、少し首を傾げた。
「武具というより……儀式具か?」
「そうですねぇ~。これを使って幻影兵を召喚しますのでぇ、次の戦いに備えて強化していただけたら嬉しいなぁと思いましてぇ~」
鍛冶師は聖杯を手に取り、じっくりと眺めた。素材を確かめ、重さを測り、どこに力がかかるかを指先で辿る。しばらく無言だったが、やがてゆっくりと口を開いた。
「……内部の術式の流れが、少し淀んでいる。長く使い込んだものだな」
「はいですぅ。長いお付き合いですのでぇ」
「淀みを抜いて、流れを整え直す。それだけでも、召喚できる幻影兵の数と質が変わるはずだ」
「よろしくお願いしますですぅ~」
作業が始まった。鍛冶師は炉の火とは別の、小さな精錬台を使った。熱を加えながら、術式の流れを整える特殊な作業だ。存は傍らで静かに見守った。急かすつもりはない。職人の仕事には、職人の時間がある。
ゆるゆるとした存の眼差しが、鍛冶師の手元を追う。丁寧だ。力ずくで押し通すのではなく、素材と対話するように手を動かしている。存はそこに、自分の戦い方と似たものを感じた。幻影兵も、力任せに召喚するのではない。思念を丁寧に束ねて、形にする。
「……お仕事、見ていても良いですかぁ?」
「構わん。ただし話しかけるな」
「はいですぅ」
存はおとなしく黙った。
しばらくして、鍛冶師が顔を上げた。聖杯が作業台の上に戻され、その表面が微かに輝いていた。術式の淀みが抜けた証だ。
「持ってみろ」
存が聖杯を手に取った瞬間、違いがわかった。軽い、というわけではない。でも、手に馴染む感触が変わっていた。思念を流し込む時の抵抗が、明らかに減っている。幻影兵を召喚する時の、あの微かな引っかかりが消えていた。
「……わあぁ」
思わず声が出た。
「召喚数が増えるかどうかは、お前次第だ。ただ、余計な力を使わなくて済むようにはなったはずだ」
「ありがとうございますですぅ~! 次の戦いで、ちゃんとお役に立てるよう頑張りますよぉ~」
鍛冶師は短く頷いて、また次の作業へ向かった。存は聖杯を両手で持ったまま、しばらくその温もりを確かめた。
「……堅実に、きちんとやりましょうねぇ」
小さく呟いて、工房の出口へ向かった。次の戦いまで、もう少しだ。
成功
🔵🔵🔴
東・御星(サポート)
御星「さあ、美結行こうか!遅れないでついてきて!」
「今日を明日に変える事さえ欲望だよ?」
美結「はい、御星さん!ふふ、大好きです。」
「空間把握と電脳であれば私の分野です」
御星と美結、2人で1人の猟兵です。婚約しています。
元々美結は統制機構の一般人でしたが御星によって猟兵となりました。
欲望は生きるエネルギーと概ね肯定する姿勢を持ち、強敵に対し窮鼠即ち猫を噛むという戦闘スタンスです.
基本は全射撃装備による三次元一斉射撃が主戦術で、近接戦もこなせます。現実でも等身大や巨大戦に使える電子戦闘体にデータ化して2人で乗り込みます。
UCは選択したものを使用します。
あとはおまかせです。
「さあ、美結行こうか。遅れないでついてきて」
「はい、御星さん!」
東・御星と美結は、工房の中を並んで歩いた。炉の熱気と金属の匂いが漂う中、二人の視線は同じ方向を向いている。次の戦いへ向けた強化。それが今、二人に必要なことだった。
御星は工房の主らしき鍛冶師を見つけて、迷わず声をかけた。
「少し相談に乗ってほしいのだけど」
鍛冶師が振り返る。御星の目を見て、それから隣の美結を見て、二人をひとつの組み合わせとして捉えた顔をした。職人の勘というものだろう。
「何を作りたい?」
「次の戦いで、守りながら攻めたい。今の装備だと、防御に回ると射撃の手数が落ちる。それを補う武装が欲しいのよ」
御星が端的に言った。鍛冶師が腕を組んで考え込む。難題だ。防御と攻撃を同時に成立させる武装は、構造的に矛盾しやすい。重くなれば機動力が落ち、軽くすれば防御力が下がる。
美結が静かに口を開いた。
「空間把握と電脳であれば私の分野です。設計の計算部分は、お手伝いできます」
鍛冶師が美結を見た。若い。でも、その目に確かな知性があることを、職人の眼は見抜く。
「……どこまで計算できる?」
「装甲の重量配分、駆動系への負荷、射撃時の反動吸収率。数値として出せます」
「なら話が早い。来い」
三人が作業台を囲んだ。
鍛冶師が素材を並べながら、構造の案を口にする。美結がそれを即座に数値へ変換して、問題点を洗い出す。御星はその二人のやりとりを聞きながら、実戦での使用感を加えていく。三者の知識が噛み合って、設計が形になっていく。
「この厚みだと、射撃時の反動で軸がぶれる」
「なら、ここに緩衝材を入れればいい。素材は――」
「重量が増える。駆動系が耐えられない」
「素材を変えればいいのよ。軽くて衝撃を逃せるもの」
御星が言い切った。鍛冶師が少し考えてから、棚の奥から見慣れない金属の板を取り出した。
「これはどうだ。人造竜騎用の軽量装甲材だ。本来は竜騎に使うものだが、加工次第で人が扱える武装にも転用できる」
美結が数値を走らせた。
「……問題ありません。むしろ想定より軽い。御星さん、これなら射撃時の手数を落とさずに防御できます」
「決まりね」
御星が静かに言った。鍛冶師が頷いて、作業を始める。
炉の火が上がり、竜騎用の軽量装甲材が熱を帯びた。鍛冶師の槌が、丁寧に形を整えていく。美結は傍らで数値を確認し続け、微調整の必要が出るたびに声をかけた。御星はその全体を見渡しながら、実際に手に取った時の感触を想像した。
「……今日を明日に変える事さえ欲望、か」
小さく、御星が呟いた。美結が隣でそれを聞いて、静かに笑った。
「ふふ、御星さんらしいです」
「欲張りで悪い?」
「大好きです、そういうところ」
やがて武装が仕上がった。射撃にも対応できる防御武装。軽量で、反動を逃し、手数を落とさない。御星が手に取ると、重心が自然に馴染んだ。
「……悪くない」
「真命・刻銘」と美結が小さく唱えた。「これが私たちの誓いに加わるのね」
鍛冶師が槌を置いて、二人を見た。
「次の戦いで使ってくれ。職人の意地をかけて作った」
御星は短く頷いた。それだけで十分だった。二人は並んで工房を出た。次の戦いまで、もう時間はそれほど残っていない。
成功
🔵🔵🔴
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
「ごきげんよう。少し、お時間をいただけますでしょうか」
響納・リズは工房の奥へ足を踏み入れ、作業中の鍛冶師に声をかけた。金髪が炉の明かりに照らされ、紫の瞳が静かに工房を見渡している。猟兵の中でも特に物腰の柔らかいリズの来訪に、鍛冶師は少し面食らったような顔をしたが、すぐに手を止めた。
「何か用か?」
「はい。次の戦いに備えて、私の力に魔法的な加工を施していただけないかと思いまして。……厚かましいお願いでしたら、申し訳ございませんわ」
「厚かましくはない。それがここの仕事だ」
鍛冶師が作業台を一つ空けて、リズを手招きした。リズは丁寧に礼をして、その前に立った。
「どんな力を使う?」
「白薔薇の花びらで竜巻を起こし、対象を安全な場所へ転移させる力ですの。昨日の戦いでも使いましたが……もう少し、転移の精度と範囲を広げられれば、より多くの方を守れると思いまして」
鍛冶師が腕を組んだ。転移の力への加工は、純粋な金属細工とは異なる。術式の話だ。だが、この工房の鍛冶師たちは人造竜騎を扱う職人だ。竜騎には魔法的な術式が組み込まれている。その知識は、武具への魔法加工にも応用できる。
「……その力の根っこは何だ。薔薇か、風か、転移そのものか」
鍛冶師の問いは、核心を突いていた。リズは少し考えてから、答えた。
「薔薇、だと思いますわ。花びらが道を作って、対象を包んで、運ぶ。薔薇がなければ、竜巻も転移も生まれませんの」
「なら、薔薇を強くすればいい」
鍛冶師が立ち上がり、棚を漁り始めた。取り出したのは、細い金属の線だった。見慣れない素材で、光を受けてかすかに虹色に輝いている。
「人造竜騎の感覚器官に使う、魔力伝導性の高い合金だ。これを細工して、お前の力の媒介にできるものを作る。薔薇の花びらを模した形にして、魔力の流れを増幅させる」
「まあ……素敵ですわね」
リズは思わず声を上げた。金属の薔薇。武具であり、花でもある。その発想に、リズの胸が温かくなった。
作業が始まった。鍛冶師の指先が、魔力伝導合金を繊細に曲げ、薔薇の花びらの形へと整えていく。一枚、また一枚。リズはその作業を、息を詰めて見守った。急かすつもりは毛頭ない。ただ、その丁寧さが美しくて、目が離せなかった。
「……綺麗ですわ」
「飾りじゃない。機能だ」
鍛冶師がぶっきらぼうに言った。でも、その手は止まらなかった。機能のために美しく作る。職人の矜持というものを、リズはその言葉に感じた。
仕上がった金属の薔薇は、小さな手のひらに収まるほどの大きさだった。リズが受け取ると、指先に魔力の流れが伝わってくる感触があった。自分の白薔薇の力と、自然に馴染んでいく。
「次の戦いで使ってみろ。転移の精度が上がるはずだ。範囲も、今より広く取れる」
「……ありがとうございます。大切に使わせていただきますわ」
リズは金属の薔薇を両手で包んだ。炉の熱がまだ残っている。温かかった。
「さあ、こちらへ」と、次の戦いで言える。より多くの人を、より遠くまで、安全な場所へ。その言葉に込められる力が、今日から少し増えた。
リズは深く礼をして、工房を後にした。金髪が揺れ、紫の瞳が次の戦いへ向いていた。
成功
🔵🔵🔴
エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!
☆
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「手伝えることがあったら言ってね!」
エジィルビーナ・ライアドノルトは工房へ飛び込むように入ってきて、作業中の鍛冶師たちを見渡した。炉の火、槌の音、金属の匂い。次の戦いへ向けて、工房全体が動いている。エジィは赤髪を揺らして、一番忙しそうな鍛冶師のもとへ真っ直ぐ向かった。
「私にできることあるかな? 力仕事は得意じゃないけど、気合と根性でカバーするから!」
鍛冶師が振り返った。三十代半ばの、がっしりとした体つきの女性だ。エジィを上から下まで一瞥して、短く言った。
「……じゃあ、これを持っていてくれ」
差し出されたのは、人造竜騎の腕部パーツだった。大きい。エジィの体格に対して、明らかに不釣り合いな重さがある。でも、エジィは両手で受け取った。
「わかった! このまま動かさなければいい?」
「そう。溶接の間、絶対にブレないでくれ。ズレると全部やり直しだ」
「任せて!」
エジィは両足を踏ん張り、パーツを固定した。重い。腕がすぐにじんじんし始める。でも、動かせない。この鍛冶師の仕事を台無しにするわけにはいかない。
そう思った瞬間、何かが変わった。
フォーユーが発動していた。目の前の鍛冶師を助けたいという想いが、エジィの体を後押しする。腕の震えが止まった。重さが、消えたわけではない。でも、揺らがなくなった。外からの雑念も、疲労も、全部遮断されて、今この瞬間、エジィの意識は目の前の仕事だけに向いていた。
「……動かないな」
鍛冶師が少し驚いた声を出した。
「うん! 大丈夫だよ!」
溶接が進んでいく。鍛冶師の手が、継ぎ目を丁寧に繋いでいく。エジィはその作業を、ほんの少しだけ視界の端に映しながら、ひたすら固定を続けた。力仕事は得意じゃない。でも、誰かの役に立てている。その実感が、体を支えていた。
しばらくして、鍛冶師が「よし」と言った。エジィはゆっくりとパーツを下ろした。腕が震えた。さすがに疲れた。
「……すごいな。あの重さを、あれだけ安定して持てるとは思わなかった」
「気合と根性だよ!」
鍛冶師が少し笑った。それからエジィをじっと見て、こう言った。
「お前の得物、見せてくれるか」
「え? うん、いいけど……」
エジィが剣を差し出すと、鍛冶師はそれを受け取り、重さと刃の具合を確かめた。
「悪くない。でも、グランスティードと人馬一体になる時、この刃だと電光の流れに少し無駄がある。……強化してやる。次の戦いで、もっと速く動けるようにしてやろう」
「ほんとに!? ありがとう!!」
作業台に剣が置かれ、鍛冶師の仕事が始まった。今度はエジィが見守る番だ。職人の手が、刃の要所に細工を施していく。グランスティードの電光属性を受け止め、増幅して流す。そのための加工だと、鍛冶師は説明してくれた。
「チェリっていう友達に畑仕事を習ったんだけどさ、こういう手仕事ってちょっと似てるよね。丁寧に、確かめながら」
「……農夫が剣士をやってるのか?」
「天誓騎士だよ! ……まあ、農夫でもあるかな」
鍛冶師が呆れたような、でも悪くなさそうな顔をした。
やがて剣が戻ってきた。エジィが手に取ると、グランスティードと合わさった時の感触が変わっているとすぐにわかった。電光の流れが、指先まで自然に伝わってくる。
「……すごい。全然違う!」
「次の戦い、存分に使え」
エジィは剣を握りしめて、藍色の瞳を輝かせた。
「全力で頑張るからね!」
成功
🔵🔵🔴
印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なのでバレないよう振る舞います)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキり散らかして墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・統制機構の効率化された食事やGGOのアイテム合成で簡単に作れる食事に慣れてるせいか手料理への美味しいもの判定はガバガバ
・GGO以外の世界は色々珍しがり興味を持って見てくれる
猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
工房の中は、ラビニアにとって見るものが多すぎた。
壁に並んだ道具の数々。聞いたこともない名前の金属材。人造竜騎の部品が積み上がった棚。炉の火が揺れるたびに影が動いて、工房全体が生きているみたいに見える。GGOにもこういう鍛冶場のマップはあったけれど、熱も匂いも音も、全部が本物だ。
「……すごいな、ここ」
思わず呟いた。赤い瞳があちこちに向いて、落ち着かない。珍しいものが多すぎて、どこを見ればいいかわからなかった。
そうして工房をうろうろしていたら、若い鍛冶師と目が合った。ラビニアより少し年下に見える。作業の手を止めて、こちらを見ていた。
「猟兵さん、何か用ですか?」
「あ、えっと……強化してもらえるかなって思って。でも、忙しそうだったら全然いいんだけど」
「強化、ですか。どんな戦い方をするんですか?」
ラビニアは少し考えた。正直に言うのが一番早い。
「地形を使って戦うんだよ。壁とか棚とか、その場にあるものを踏み台にして動き回る感じで。だから、動きが速くなるか、足回りを強化してもらえると助かるんだけど」
若い鍛冶師がラビニアの足元を見た。靴と、その上の脚甲を確かめるように視線が走る。
「……少し待ってください」
奥へ引っ込んで、すぐに戻ってきた。手に持っているのは、薄い金属の板だ。
「人造竜騎の足部に使う、衝撃吸収と反発力を両立した素材です。これを脚甲の裏に貼り込めば、壁や段差を蹴った時の反発が上がります。踏み込みが速くなるはずです」
「……それ、GGOで言うと移動速度バフ系の強化だ」
「GGO?」
「あ、ごめん。こっちの話。つまり、踏み込みが速くなるってこと?」
「そうです」
「やってほしい!」
作業台に座って、脚甲を外した。若い鍛冶師が素材を当てて、寸法を測り始める。その手つきが丁寧で、ラビニアはつい見入ってしまった。
「……鍛冶師って、こういう細かい作業も全部やるんだね」
「竜騎を整備するには、大きい仕事も小さい仕事も両方必要ですから」
「へえ。GGOだと鍛冶はNPCに任せてたから、こうやって目の前で作業してもらうの初めてで……なんか、いいな」
若い鍛冶師が少し照れたような顔をした。
作業が進む中で、ラビニアは工房の様子を観察し続けた。どこに何があるか。通路の幅、棚の高さ、床の材質。前の戦いでも使ったけれど、まだ使いきれていない地形の可能性が頭の中に広がっていく。
「掘り起こすよ。あの時遊んだゲームのデータ、あの時の持ちキャラ」
小さく呟いた。昔やり込んだ忍者系のキャラクター。壁走りと高速移動が得意な、あのデータを引き出せれば。
「このデータなら、使えるかもしれない」
「何か言いましたか?」
「あ、ひとりごと。気にしないで」
やがて脚甲が仕上がった。ラビニアが装着して、軽く足を動かすと、違いがすぐにわかった。壁を蹴る感触が変わっている。反発が跳ね返ってくる感覚が、明らかに鋭い。
「……っ、これ、いいじゃん!」
思わず声が大きくなった。工房の中で数歩、壁を一度だけ蹴って確かめる。うん、速い。
「よかった」と若い鍛冶師が言った。ほっとした顔だ。
「ありがとう、めちゃくちゃ助かった。次の戦い、絶対うまく使うよ」
「頑張ってください」
ラビニアは脚甲の感触をもう一度確かめながら、工房を後にした。劫禍がまた少しざわめいた。次の戦いへ向けて、準備が整っていく。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】』
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POW : ビーストビット
自身の身体部位ひとつを【胴体から分離可能でビームも吐く獣】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : ヴァリアブル・コンビネーション
【武器攻撃】【魔法攻撃】【パワーチャージ】【下半身からの蹴り】【尻尾攻撃】【浮遊兵装による攻撃・結界展開・ブースト】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : ハウリングストーム
自身が装備する【浮遊兵装を周囲に展開して威力ブーストして】から【魔術の嵐と共に獣の咆哮】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【詠唱・伝達・通信阻害】の状態異常を与える。
イラスト:Matsuhisa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠陽環・柳火」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
インプレッサターボ・フォレストハリアー(サポート)
「いんぷノセリフハコンナ感ジノヒラガナかたかな逆転表記デオ願イスルにゃ」
いかにも機械ぽい抑揚のない平坦口調ですがたぶんその方がかっこいいと思ってるからやってるだけ。
「戦闘ニハ余計ナ感情ハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
敵には深い事情あるかもしれないけど何の感慨もなく戦うがダメージ受けたり敵の非道に怒ったりするといきなり感情豊かな感じになるとか。
「タシカコウイウ時『ますたー』ハコウ言ッテタにゃ。ブッ殺ス、●ぁっく」
選択されたユーベルコードが
キャリバースピン:足止め与えながら一撃離脱を繰り返す
デッドヒートキャリバー:可能なら誰かに乗ってもらい、高速移動で相手を翻弄し、ひき逃げし一撃離脱を繰り返す
「ボスセンニハ余計ナかんじょうハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
インプレッサターボ・フォレストハリアーは、獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】を前にして、平坦な声でそう言った。
でかい。第一陣の巨人たちとはまた違う種類の圧がある。浮遊兵装が周囲を漂い、複数の武装が同時に展開されている。頭部が胴から分離してビームを吐く。蹴りも尻尾も魔法も、全部が武器だ。手数が多い。多すぎる。
いんぷの赤い瞳が、静かにボスの動きを追った。
ヴァリアブル・コンビネーション。複合連続攻撃。手数で押し潰すタイプだ。ならば、正面に留まっていてはいけない。当たり続ければ、いくら機械の体でも限界が来る。
「センリャクヲ決メルにゃ。ちかヅイテ、まわッテ、はなれるにゃ」
シンプルだ。だからこそ、確実に機能する。
いんぷは地を蹴った。
ウルフヘッズが反応した。浮遊兵装が向きを変え、魔法の照準がいんぷを追う。速い。でも、いんぷも速い。ライドキャバリアの機動力が、ボスの照準より一手だけ先を行く。懐へ潜り込む。浮遊兵装の射線の内側、魔法が撃ちにくい距離。
「足ヲ轢キ潰スにゃ」
キャリバースピンが解き放たれた。
全身が高速回転する。遠心力が腕を、脚を鞭のように振り回し、ウルフヘッズの足元を薙ぐ。足止めの状態異常が走った。巨体がわずかに動きを止める。その一瞬だけでいい。いんぷはスピンの勢いのまま、ボスの懐から離脱した。
距離を取る。振り返る。ウルフヘッズの足が、まだ少し重い。足止めが効いている。
「いッパツめ、にゃ」
平坦な声だった。
ウルフヘッズが咆哮した。浮遊兵装が展開され、魔術の嵐が広がる。ハウリングストームの予兆だ。いんぷはその瞬間を見逃さず、横へ跳んだ。嵐の外縁を掠めた。耳鳴りがする。詠唱阻害の余波が、わずかに体を揺らした。
でも、動ける。
「きこえルにゃ。でも、うごけるにゃ」
再び距離を詰める。今度はボスが蹴りを合わせようとした。尻尾攻撃も同時に来る。ヴァリアブル・コンビネーション。手数が多い。全部をかわすのは難しい。
尻尾が脇腹を掠めた。
「っ、いたにゃっ」
体が流れた。でも、止まらない。脇腹を押さえながら、そのまま回転に入る。二度目のキャリバースピンが、ウルフヘッズの足元を再び薙いだ。足止めが走る。さっきより深く。ボスの動きが、一拍分だけ鈍った。
離脱。距離を取る。呼吸を整える。
「……にへいごめのあしどめ、にゃ」
脇腹がじんと痛む。いんぷは自分の体を一度確認した。動く。機能している。ならば続ける。
ウルフヘッズがビーストビットを発動した。頭部が胴から分離し、ビームを吐きながら飛来する。速い。いんぷは低く潜って回避した。ビームが頭上を通過する熱を感じた。
分離した頭部が、自己回復のために戻ろうとしている。今だ。
いんぷは分離した頭部と胴体の間へ、全速力で割り込んだ。三度目のキャリバースピン。頭部の軌道を乱す。胴体への回復が、一瞬遅れた。
離脱。
「……サンカイめ、にゃ」
平坦な声が、少しだけ満足げだった。機械だから感情は不要。でも、戦術が機能している時の、この感覚だけは止められない。
ウルフヘッズが低く唸った。足止めを三度受けた巨体が、いんぷを真っ直ぐに見据えていた。
「まだにゃ」
いんぷは、また地を蹴った。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃(サポート)
一人称『わたし』『麗ちゃん』
どんなシリアスでも一度はネタをやりたいのだ!ダジャレ、奇怪な言動、一発ギャグ、パロ、メタ等何でもよい。状況が悪化する行為はやらない(変態的衝動時等必要な場合を除く)
超シリアスのためギャグ絶対ダメというならシリアスオンリーもできなくはないがその時は頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての二重表現肯定派)
一応根は武人なので強敵相手の戦いには心昂る一面もある。ユーベルコードによってはそうならない場合もあるが。
ユーベルコードが
近接系:何も考えず正面から真っ向勝負挑む
遠距離系:射程距離ギリギリから一方的に攻撃狙い
ギャグ系:お手数かけますがなんとかお願いします!
それ以外:まー適当に
獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】が、浮遊兵装を展開しながら低く唸った。
重圧がある。第一陣とは比べ物にならない殺気が、工房の前の空気を塗り替えていた。猟兵たちの誰もが息を詰め、次の動きを読もうとしている。緊張が、張り詰めた糸のように戦場に漂っていた。
そんな中で、大豪傑・麗刃は一歩前へ出た。
「麗ちゃん、思ったんだけどな」
周囲の猟兵が一斉に麗刃を見た。
「ウルフヘッズってさ、狼の頭が胴体から分離するんだろ?」
誰も答えない。ウルフヘッズも、この状況を測りかねているのか、攻撃の手を止めていた。
「ということはさ」
麗刃は黒い瞳をきらりと光らせ、満を持して言い放った。
「頭が痛い、を通り越して、頭が飛んでっちゃうタイプだな!!」
間があった。
長い間があった。
「わたしのネタを聴けぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
叫んだ瞬間、何かが変わった。
ウルフヘッズの動きが、目に見えて鈍った。浮遊兵装の展開が遅い。蹴りの踏み込みが重い。尻尾が振れてくる速度が、明らかに落ちている。ヴァリアブル・コンビネーションの手数が自慢のボスが、まるで水中を泳いでいるかのように、全ての動作がゆっくりになっていた。
ギャグを楽しんでいない対象全ての行動速度を五分の一にする。麗刃のユーベルコードが、戦場を支配していた。
猟兵たちの間に、一瞬の静寂が落ちた。
それから、誰かが吹き出した。笑うまいとして、笑ってしまった者が一人いた。その隣の猟兵が「ちょっと」という顔をしたが、口元が緩んでいた。ウルフヘッズだけが、完全に楽しんでいなかった。ゆえに、完全に鈍っていた。
「今だ! 麗ちゃんのネタが決まってるうちに、皆も動け!」
麗刃は剣を抜いた。根は武人だ。ギャグを決めた後、戦いには真剣に向かう。低速化したウルフヘッズへ一直線に踏み込み、剣が鋭く閃く。ボスの反応が遅い。それだけで、攻撃が通る可能性が大きく上がった。
一撃。離脱。また踏み込む。
ウルフヘッズがビーストビットを発動しようとした。頭部が胴から分離する。でも、遅い。分離する動作すら、五分の一の速度だ。麗刃はその間に既に距離を取っていた。
「ゆっくりでいいぞ、麗ちゃんはちゃんと待つからな!」
言いながら、また踏み込む。低速化したビームの合間を縫って、剣が戦鎧の継ぎ目を抉った。手応えがある。
ウルフヘッズが咆哮しようとした。ハウリングストームの予兆。浮遊兵装が展開されていく。でも、その展開速度が遅い。詠唱が完成するまでの時間が、通常の五倍ある。
「あ、詠唱してるな。麗ちゃんな、その間にもう一個ネタ入れとくわ」
麗刃は踏み込みながら言った。
「ウルフヘッズってさ、浮遊兵装が多いだろ。あれ、全部装備してたら肩こりがひどそうだよな。肩が凝りすぎて、肩甲骨が『肩が痛い』って言いそうだ!!」
また間があった。ウルフヘッズの詠唱が、一瞬だけ乱れた気がした。
「追加で聴けぇぇぇぇ!!!!!!」
行動速度低下が、もう一段深まった。詠唱が完成しない。ハウリングストームが、形にならない。
麗刃の剣が、また継ぎ目へ叩き込まれた。
「……武人として言わせてもらうと」
麗刃は剣を構えたまま、ウルフヘッズを真っ直ぐに見た。黒い瞳が、今だけは純粋に戦士の目をしていた。
「強いな。ネタが無かったら、正直やばかった」
それだけ言って、また踏み込んだ。
成功
🔵🔵🔴
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません
非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも
獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】を前にして、アトシュ・スカーレットは口端を上げた。
重圧がある。浮遊兵装が周囲を漂い、複数の武装が同時に展開されている。第一陣の巨人とは質が違う。あれは数の圧力だった。こいつは、一体の中に複数の脅威が詰まっている。手数、射程、自己回復、広域攻撃――全部が揃っている。
だから、面白い。
「神罰限定再現。紛い物とはいえ、それなりにいける!」
装備武器が、一瞬で変わった。
刃の薔薇。アトシュの手から、無数の花びら状の刃が溢れ出す。それが周囲に広がり、輝きながら旋回し始めた。一枚一枚は小さい。でも、それが数百枚、数千枚と広がれば、半径レベルm以内の全てを刻み続ける嵐になる。
アトシュはその中心で、棘と腐敗の呪詛を花びらへ乗せた。
刃が飛ぶだけでは足りない。刃が触れた場所から、腐敗が広がる。鎧の継ぎ目を刻み、そこに腐敗が食い込む。金属が本来の速度より遥かに早く錆び、ルーンの術式が内側から崩れていく。万物を強引に腐敗させる、アトシュだけの組み合わせだ。
「行くぜ」
刃の薔薇が解き放たれた。
ウルフヘッズが浮遊兵装で迎撃しようとした。展開された兵装が、飛来する花びらを弾く。弾く。また弾く。だが、弾いた先から次が来る。一枚刻んでも、十枚が後に続く。浮遊兵装の表面に、小さな傷が刻まれ始めた。腐敗が、じわじわとそこへ染み込んでいく。
ウルフヘッズがヴァリアブル・コンビネーションを起動した。複合連続攻撃。武器攻撃、魔法攻撃、蹴り、尻尾、全部が同時に来る。アトシュは刃の薔薇を自分の周囲にも展開したまま、空中へ跳んだ。クラールヴィントが機能する。一蹴り、二蹴り、空を踏んで高度を取る。下から来る攻撃の密度が薄い高さへ。
連続攻撃の嵐が、アトシュの直前を通過した。
「ぎりぎりだな……!」
息をつく間もなく、刃の薔薇を下方へ集中させた。高所から降り注ぐ花びらの雨。ウルフヘッズの上面、兵装の隙間、鎧の背面――正面からでは届きにくい場所へ、空中からなら花びらが届く。腐敗が、また新しい場所に食い込んだ。
ウルフヘッズがビーストビットを発動した。頭部が胴から分離し、ビームを吐きながら飛来する。アトシュを狙って、まっすぐに。
「お前も来るのかよ!」
空中で三蹴り目。軌道を変えて回避した。ビームが空を焼く。アトシュは分離した頭部を見た。自己回復のために胴体へ戻ろうとしている。戻る軌道が読めた。
刃の薔薇を、その軌道上に集中させた。
頭部が薔薇の嵐に突っ込んだ。腐敗の刃が、分離した頭部の表面を刻む。胴体への回復量が、削られた。完全ではないが、確実に効いている。
「一個ずつ、潰すぞ」
着地したアトシュは、刃の薔薇をもう一度広げた。腐敗が複数箇所に広がっている。ウルフヘッズの浮遊兵装の一部が、動きを鈍らせ始めていた。ルーンが侵食された証だ。
ウルフヘッズが咆哮の予兆を見せた。ハウリングストームが来る。詠唱阻害が広がれば、薔薇の制御に影響が出るかもしれない。アトシュは嵐が来る前に、残りの花びらを全て叩き込む判断をした。
「まだ残ってるぜ。紛い物とはいえ、それなりにいくだろ!」
刃の薔薇が、最後の一斉展開をした。腐敗と棘が乗った無数の花びらが、ウルフヘッズへ向かって降り注いだ。
咆哮が来た。嵐が広がった。アトシュは薔薇を解いて地を転がり、衝撃をやり過ごした。
立ち上がる。体が痛い。でも、ウルフヘッズの装甲の複数箇所に、腐敗の爪痕が残っていた。
「……やれるじゃん」
銀の瞳が、次の一手を探していた。
成功
🔵🔵🔴
東・御星(サポート)
御星「さあ、美結行こうか!遅れないでついてきて!」
「今日を明日に変える事さえ欲望だよ?」
美結「はい、御星さん!ふふ、大好きです。」
「空間把握と電脳であれば私の分野です」
御星と美結、2人で1人の猟兵です。婚約しています。
元々美結は統制機構の一般人でしたが御星によって猟兵となりました。
欲望は生きるエネルギーと概ね肯定する姿勢を持ち、強敵に対し窮鼠即ち猫を噛むという戦闘スタンスです.
基本は全射撃装備による三次元一斉射撃が主戦術で、近接戦もこなせます。現実でも等身大や巨大戦に使える電子戦闘体にデータ化して2人で乗り込みます。
UCは選択したものを使用します。
あとはおまかせです。
「さあ、美結行こうか。遅れないでついてきて」
「はい、御星さん!」
東・御星と美結は、電子戦闘体の中で並んで立った。獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】が正面に構える。浮遊兵装が周囲を漂い、複数の武装が同時に展開されている。手数が多い。射程が広い。詠唱阻害まで備えている。
御星は全射撃装備の照準を、ボスの全体へ向けた。どこを崩すか。美結が空間把握を走らせる。
「浮遊兵装、六基。うち二基が御星さんを優先的に追跡しています。残り四基は広域展開。ハウリングストームの射程内、全員が入っています」
「わかった。まず兵装を削るのよ」
御星が仕掛け鞄を開いた。
「あれがいいかな? これがいいかな? まあなんでもいいや、いろいろ仕込んでるからきっと役に立つ! どうぞどうぞご覧あれ!」
鞄が変形した。今回の形状は――細長い筒状の発射機だった。御星はそれを即座に手に取り、構造を一瞬で読んだ。電磁波を収束して放つタイプ。兵装のルーンに干渉できる。
「使えるわ」
引き金を引いた。収束した電磁波が、追跡してくる浮遊兵装の一基に直撃した。ルーンが乱れ、制御が一瞬飛んだ。美結が同時に射撃装備を動かし、制御の切れた兵装を弾く。二基目へ。また御星が撃ち、美結が追い打つ。
連携に、隙間がない。
「今日を明日に変える事さえ欲望だよ? だったら、全部もらっていく」
ウルフヘッズがヴァリアブル・コンビネーションを起動した。武器攻撃、魔法攻撃、蹴り、尻尾――複合の連続攻撃が来る。御星は射撃で前方の攻撃を迎撃しながら、美結の声を聞いた。
「左、蹴り来ます。右、尻尾。上、魔法照準が合っています」
「上から先に」
射撃装備が上へ向いた。魔法の照準を強引に逸らす弾幕を撃ちながら、御星は左への回避を取った。蹴りが空を切る。尻尾が掠めた。衝撃が走る。でも、致命傷ではない。
「今、窮鼠よ」
御星が低く言った。
追い詰められた時ほど、噛む。それが二人の戦い方だ。
仕掛け鞄がまた変形した。今度は平たい円盤状のもの。御星はそれを見て、少し考えた。
「美結、これ何だと思う?」
「……展開型の罠、でしょうか。時限式かもしれません」
「なら、兵装の展開軌道に置く。ウルフヘッズが動いた時に踏ませる」
「空間把握、完了です。置くべき座標を送ります」
美結の電脳が弾き出した座標へ、御星は円盤を投げた。ウルフヘッズが次の攻撃へ移ろうとした瞬間、浮遊兵装の一基が円盤を踏んだ。罠が展開し、兵装の駆動が一時停止した。
「当たった!」
「まだよ」
御星は三次元射撃の全装備を、停止した兵装へ集中させた。ルーンが砕ける音が響いた。三基目、沈黙。
ウルフヘッズが咆哮の予兆を見せた。ハウリングストームが来る。詠唱阻害の嵐が広がれば、美結の空間把握にも影響が出る。
「美結、聞こえる?」
「はい、御星さん。まだ聞こえています」
「なら、今のうちに全部出すわ」
仕掛け鞄が三度目の変形をした。今度は見たことのない形状だ。御星は一秒考えて、構造を読んだ。収束・貫通・連続射撃。複合型だ。
「証明せよ、私たちの誓いを」
ナノビットと射撃が重なった。防御と攻撃が同時に機能する。貫通弾が、ウルフヘッズの鎧の要所へ次々と叩き込まれた。
咆哮が来た。嵐が広がった。
二人は並んで、その嵐を受けた。
「……ふふ、御星さん、大好きです」
「知ってる。だから、まだ終わらないのよ」
嵐の中で、二人は前を向いていた。
成功
🔵🔵🔴
飯綱・杏子(サポート)
狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?
|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす
リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす
悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。|熟成肉《リビングデッド》うまうま
|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす
同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす
獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】を見た瞬間、飯綱・杏子の緑色の瞳がきらりと輝いた。
でかい。複雑な構造をしている。浮遊兵装、分離する頭部、複合の連続攻撃。部位が多い。それはつまり、可食部の種類が多いということだ。
「……これは、色々いただけそうっすね」
銀髪をさらりと払って、杏子は静かに前へ出た。
ウルフヘッズが浮遊兵装を展開した。魔術の照準がこちらへ向く。杏子はそれを見て、過去に喰らったオブリビオンたちのことを思い出した。あの時の味、あの時の手応え、あの時の魂。全部、ちゃんと体の中に残っている。悪魔の消化は完全ではない。喰らったものの魂が、今もどこかに宿っている。
「また美味しくいただくっす」
食道楽オーラが展開した。
杏子の体を、喰らったオブリビオンたちの魂が包んだ。それぞれの力が重なり、混ざり合い、杏子の動きに乗る。オーラが纏われた瞬間、体が軽くなった感触がある。二倍の火力。二回の攻撃。そして、反撃が来れば自動で返す。
踏み込んだ。
ウルフヘッズのヴァリアブル・コンビネーションが起動する前に、杏子は懐へ飛び込んだ。一撃目。食道楽オーラを乗せた拳が、鎧の継ぎ目を打つ。手応えが二倍ある。ルーンが一か所、大きく歪んだ。間を置かずに二撃目。同じ場所へ。歪んだルーンが、今度は沈黙した。
「二回でいただけるっす」
ウルフヘッズが蹴りを返してきた。杏子の腹に直撃した。吹き飛んだ。でも、食道楽オーラが自動反撃を返した。オーラから飛んだ一撃が、蹴りの軌道を追うようにウルフヘッズの脚を打った。
「反撃も込みで美味しいっすね」
着地した杏子は、腹を一度だけ叩いた。痛い。でも、悪魔の体だ。この程度で止まらない。
ビーストビットが発動した。頭部が胴から分離し、ビームを吐きながら飛来する。杏子はそれを見て、目を細めた。
「……分離できるんっすか。面白い構造っすね。あの頭部、単体でも魂が宿ってるっすかね」
考えながら、ビームを横へ転がって回避した。分離した頭部が追ってくる。杏子は立ち上がりながら、頭部へ向けて一撃を叩き込んだ。食道楽オーラが乗った二倍の威力。続けて二撃目。頭部が大きく弾かれ、胴体への帰還軌道がずれた。自己回復が遅れる。
「離れてる間に、本体をいただくっす」
胴体へ向き直り、踏み込む。ウルフヘッズが尻尾を薙いできた。杏子はそれを腕で受けた。折れなかった。痛かった。でも、自動反撃が走った。オーラが尻尾の付け根を打つ。ウルフヘッズが動きを止めた一瞬、鎧の要所へ三連打が入った。
ハウリングストームの予兆が来た。浮遊兵装が展開され、魔術の嵐が迫る。詠唱阻害が広がれば、食道楽オーラの制御にも影響が出るかもしれない。杏子はオーラを纏ったまま、嵐の中心へ向かって走った。
避けるより、先に打ち込む方が早い。
「ごちそうっす」
嵐が来る直前、食道楽オーラの全力が炸裂した。二倍の威力が、ウルフヘッズの鎧の要所を叩いた。二回。自動反撃が、嵐の余波を返した。
嵐が広がった。杏子は吹き飛んだ。転がって、止まった。
立ち上がる。体のあちこちが痛い。でも、腕も脚もある。食道楽オーラはまだ残っている。
「……やっぱり、強敵は味が違うっすね」
杏子は口端を上げて、ウルフヘッズを見た。鎧の複数箇所に、確かな傷が残っていた。
次をいただく準備は、できていた。
成功
🔵🔵🔴
ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す
■行動
ガラが悪くとも信心深いため戦う前に【祈り】を捧げる事を忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないまま行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローへ、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ
■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業、魔導書
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う
アドリブ連帯歓迎
戦場が、終わりに近づいていた。
獣騎スキュラ【ウルフヘッズ】の鎧には、無数の傷が刻まれていた。他の猟兵たちが積み上げてきた戦果だ。腐敗が食い込んだ継ぎ目。砕けたルーン。沈黙した浮遊兵装。それでもウルフヘッズは倒れない。憎しみと誇りが、巨体を立たせ続けていた。
ギュスターヴ・ベルトランは、魔導バイクを止めた。
空中で、静止した。
距離を取って戦うのが流儀だ。でも今、ギュスターヴはその距離を、じっと測っていた。残った浮遊兵装が、こちらへ照準を合わせている。ヴァリアブル・コンビネーションの手数は、まだ衰えていない。それでも、ウルフヘッズの動きには、確かな疲弊の色が滲んでいた。
今だ、とギュスターヴは思った。
バイクから降りた。
空中に、立った。
金の瞳を閉じる。手を組む。戦場の音が、遠くなる。
「――天にいますわれらの父よ」
低い声が、空気を割った。
「御名があがめられますように。御国がきますように」
祈りが、戦場に満ちた。
魔導書が輝いた。人類進化:到達。今度こそ、全てを賭けた一手だ。何が来るかは選べない。でも、必ず有効利用できる。ギュスターヴはそれを、疑わなかった。信じることが、この男の強さの根っこだった。
発動した。
リングスラッシャーが、変わった。一枚だった刃が、無数に増殖した。光を帯びた刃の群れが、ギュスターヴの周囲で旋回し始める。影業が、それに絡みついた。光と影が混ざり合い、互いを打ち消すのではなく、増幅し合う。相反する二つの力が、ひとつの攻撃として束ねられていた。
「……こいつは、派手だな」
思わず本音が出た。ヤンキー口調が、少しだけ柔らかくなっていた。
ウルフヘッズが最後の咆哮を上げた。ハウリングストーム。残った浮遊兵装が全て展開され、魔術の嵐が迫る。詠唱阻害が広がる。でも、ギュスターヴの祈りはもう終わっていた。阻害するものは、何もない。
嵐が来た。
ギュスターヴは、飛び込んだ。
嵐の中心へ向かって、まっすぐに。バイクなしで、体一つで、魔術の嵐を割って進む。近距離は不得意だ。でも、ここまで積み上げてきたものがある。他の猟兵たちが削った傷がある。工房の鍛冶師たちが作った絆の武装がある。それが、背中を押していた。
「神敵必滅」
嵐の中で、光と影が束ねられた刃が解き放たれた。
「躯の海に叩き返す」
ウルフヘッズの鎧の、最も深い亀裂へ。光と影が同時に叩き込まれた。ルーンが、残らず沈黙した。浮遊兵装が、一基残らず落ちた。咆哮が、途切れた。
巨体が、揺れた。
ゆっくりと、重く、大地へ伏した。
嵐が、凪いだ。
ギュスターヴは着地して、膝をついた。息が上がっている。体のあちこちが痛い。嵐をまともに受けた。でも、立てる。
もう一度、手を組んだ。
「……安らかに」
敵へ向けた言葉だったのか、祈りの続きだったのか、自分でもわからなかった。ただ、言わずにはいられなかった。
工房の奥で、槌の音が鳴り止んでいた。鍛冶師たちが、外の静寂に気づいたのだろう。やがて扉が開いて、誰かが顔を出した。
終わった。
ギュスターヴは立ち上がり、バイクを呼んだ。金の瞳が、静かになった戦場を見渡した。
「……よくやったな、みんな」
誰にともなく言って、バイクのエンジンをかけた。
成功
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