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【サポート優先】空竅

#サイバーザナドゥ #奴隷工場襲撃・ふたたび #キラー・ドローン #サイバークノイチ #ケラウノス #巨大企業群「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」

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#サイバーザナドゥ
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#巨大企業群「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


 とある国が行っていた、地殻深部を調べる科学プロジェクトの跡地で、今、何かが起こっている――。
 嘗て世界最大級の坑道長を記録し、地殻の約3分の1を貫いた壮大な掘削計画は、不安定な政治体制や超巨大企業の介入によって頓挫し、現在は溶接によって鉄の蓋で塞がれているのだが、最近になってこの付近に不穏な空気が漂っているとは、アンダーグラウンドネットでホットな話題となっている。

 ――俺氏、ここいらの住民だが、頻繁に地震が観測されておる。
 ――電磁波も確認できるし、トラックも多くね?

 超巨大企業の息が掛かった地上波放送では報道されないが、現地民が激しく訴えているのは、「地下に新しい施設が出来た」という事。何らかの製品を作るため、何台もの輸送トラックが往来しているという情報が飛び交っているのだ。
 中には、輸送中のトラックを撮影した画像もアップロードされているのだが、気になるのが車輛ナンバー。
 超巨大企業のひとつ、「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」が占有しているという「Zi-」の頭文字が、なにか恐ろしい計画が進んでいる事を示唆するのであった――。


「情報屋のスバルが、|篠突黎明《シノツクシノノメ》の新たな計画を掴んだようだよ」
 大陸深部掘削計画跡地に、かの企業が手を出し、何かを進めている――。
 新規に施設を建設しては嗅ぎ付けられると思ったか。“居抜き”を狙うとは姑息な手段に出たものだと嗤笑を零した枢囹院・帷(夜帷の白薔薇・f00445)は、ならばこれも潰してやろうと一同に提案する。
「スバルが予想するに、これは工場……材料を運び、製品にして何処かに運んでいるそうなんだ」
 付近を往来するトラックから、何か製造している事は分かるらしい。
 然し、元々が立入禁止区域だったため、内部に入る事は出来ないと連絡を受け取った帷は、猟兵ならば潜入が可能だと口角を持ち上げて云った。
「君達はこの施設に侵入し、内部で何が作られているか、その眼で確かめて欲しい。そして、作られているものが非人道的なものならば、調査活動を破壊活動に移して欲しいんだ」
 |篠突黎明《シノツクシノノメ》がこれまで行ってきた事業は、どれも倫理的に許容できるものでなかった。
 今回もそのセンが濃厚だと言い添えた帷は、ぱちんと指を鳴らすやグリモアを召喚する。
「敵方も随分と巧妙になってきたが、無論、私達も成長している。何度だって暴いてやろう」
 いずれ連中が猟兵を毛嫌いする程に。
 而して吃々と笑った帷は、連中が最も嫌いそうな精鋭を送り出すのだった。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さり、ありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ゆうかり)こあらと申します。

 こちらは、メガコーポにより巧妙に隠蔽された違法施設を襲撃する、三章仕立の『奴隷工場襲撃・ふたたび』シナリオ(難易度:普通)です。

●シナリオの舞台
 サイバーザナドゥ、とある掘削坑施設跡。
 或る国で研究されていた大陸深部掘削計画の跡地で、頻繁な地震と電磁波が確認されています。

●シナリオ情報
 第一章『キラー・ドローン』(集団戦)
 オブリビオン化により、ひとりでに動く飛行型の警備ドローンです。
 秘匿施設の警護や治安維持を主に行っており、不審者を発見すると猛烈な数と早さで取り囲み、殺害します。

 第二章『サイバークノイチ』(集団戦)
 秘匿施設で生産されている、サイバーニンジュツを使うクノイチです。
 各国・各企業に出荷される予定が、猟兵の侵入を察知して動き出しました。

 第三章『ケラウノス』(ボス戦)
 雷帝降臨! 秘匿施設を厳重に隠匿しながら運営していたボスと戦います。
 ボスが外部に連絡するより先に倒してしまいましょう。

●リプレイ描写について
 本シナリオは、サポート様のお力を借りて進めて参ります。
 ソロ参加や、おまかせプレイングはお受けできます。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 集団戦 『キラー・ドローン』

POW   :    スローター・ドローン
【抹殺モード】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【機銃掃射】を放ち続ける。
SPD   :    バトル・ドローンズ
レベル×1体の、【機体装甲】に1と刻印された戦闘用【重火器搭載型ドローン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    ファイア・アタッチメント
【飛来する専用強化パーツ】と合体し、攻撃力を増加する【大型ビーム砲】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【ミサイル】が使用可能になる。

イラスト:御崎ゆずるは

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アラタマ・ミコト
荒魂鎮神命が命じるのでございます。
神器よ施されし封印を解きその力を示すべし!
荒魂鎮神命の無双をご覧に入れるのでございます。

……あらたまちゃんのらいふを削っているのです!
高れああいてむや素材をどろっぷするのです!!



 成程、嚴重な警備体制が敷かれる故に情報屋のスバルは侵入できなかったか。
 施設の周囲を巡回する殺人ドローンの数の多さに目を|瞬《しばた》いたアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は、然し、猟兵ならば「どうということはない」と口角を持ち上げると、不穩な靜寂に向かって一歩前へ。
「では、スバル殿に代わって參りましょう」
 敵地に赴くには|餘《あま》りに|柔《やさ》しく、楚々たる蓮歩でドローンの監視下に侵入したミコトは、間もなく警告の赤色灯を点滅させる機影を前に繊手を振り上げた。
「荒魂鎮神命が命じるのでございます。神器よ、施されし封印を解き、今こそ|通力《チカラ》を示すべし!」
 目下、殺伐たる灰色の空に浮かぶは、三種の神器の一つ――天叢雲剣。
 雷雲を呼ぶ神剱型神器を無数に複製して召喚したミコトは、攻撃態勢を取るドローンを眞上から強襲ッ! 玲瓏と耀く刀身を垂直降下させ、宛ら稲妻の振る如く機体を突き、貫いた――!
「荒魂鎮神命の無双をご覧に入れるのでございます」
 歪な金属音を地に轉がしたドローンが、救援信号を|發《はっ》して増援を――重火器搭載型ドローンを呼び寄せるが、これこそミコトが狙った事。
 ドローン群の進路を辿れば「祕密の場所」に行けるだろうと含笑した彼女は、無数の剱を雷と降らせて施設の内部に進んでいく。
 折に撃墜したドローンを調べるのは、『ゴッドゲームオンライン』で馴染んだ事後行動か。
「えぇと、どろっぷしたのは鉄クズと、ボルト……? ……。……これだけでございますか??」
 かの世界では、樣々な素材を組み合わせて武器や防具を作るのだが、これでは「物足りない」とは不滿の滲むソプラノが示そう。
「……あらたまちゃんのらいふを削っているのです! 高れああいてむをどろっぷするのです!!」
 ゆさ、ゆさ、と残骸を搖すって詰るミコト。
 淨土に達した即身仏は、すっかり|俗世《ゲーム》に塗れていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・エグズィスト
夕狩こあらマスターにおまかせします。かっこいいナイ・エグズィストをお願いします!

 人間の探索者×サイキッカー、14歳の女です。
 普段は普通に話さず、サイキックで話しています。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 『関係者以外立入禁止』と書かれたゲートに進入するトラック、その荷台後部に颯ッと乗り込む。
 リヤドアに伸びる手が|機械化義体《サイバーザナドゥ》でなく、白磁の如き繊手であるのが印象的か――骸の雨降るサイバーザナドゥを“生身で”生き拔く少女が、掘削跡施設に潜入する。
「(……強い電磁波が発生している……半導体か何か作っているのかな?)」
 胸の内にテレパシーを響かせるは、ナイ・エグズィスト(街の探索者・f45631)。
 極めて優れたサイキックエナジーを有する彼女は、その超感覺で不可視の現象を感知すると同時、生身であるが故の「熱」に反應して集まる監視ドローンに気付き、直ぐさま應じた。
「(敵と認識する。照準を合わせる。攻撃する。――それより|迅《はや》く仕留める!)」
 電気信号で情報を伝達する生体的な腦は、超技術で組み上げられたプログラムに引けを取る筈も無し。
 更に超常の|異能《チカラ》に滿たされた少女の反射は頗る鋭く、警告灯を焚くドローンに向かって兩掌を向けると、素早く高圧電流を放つ。
 刹那、眞白の五指が透くほど輝いたのは、【雷雷】――華奢に祕めたサイキックエナジーが紫電と迸ったからで、煌々と白皙を照り上げるナイの正面、稲妻に貫かれた機体がゴトリと地に|轉《ころ》がった。
「(――先ず一機)」
 本來は感電により擧動を一時的に封じるものだが、相性は拔群、電撃のユーベルコードは見事にドローンを撃ち堕とし、黑い煙を噴かせる。
「(次はその|後方《うしろ》……!)」
 而してサイキックを励起させた少女の反應速度は驚異的。
 烱瞳を結ぶや後続より迫る二機を標的に定めたナイは、右掌と左掌を其々に結んで再び放電ッ!
 同時に発射される大型ビーム砲を躱しつつ、閃々と耀く二条の稲妻を撃ち落した――!!
「(……今に仲間が飛んでくる。内部が異変で滿たされる)」
 施設内に異常が行き渡った時、きっと、|眞實《しんじつ》は暴かれる。
 救援信号を明滅させて|蹲《つくば》う機体を|眼眦《めじり》に流し、小さな影は奧部を目指して走るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



「地下施設って聞いたけど……こうも広いんじゃ、カブに乗って來れば良かったねぇ」
 数々のスピード勝負を制したグランプリレーサーの数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)にとって、機動力に劣る|歩行《あるき》は中々に|堪《こた》える。
 時間あたりに得られる情報が少ないのだと、跫音の反響する広い構内で肩を竦めた多喜は、控えめに輝く|橄欖石《ペリドット》のイヤリングに繊指を添えると、超高性能小型カメラを起動して撮影に掛かった。
「目に見えるものは録画するとして、見えないものは|感知能力《テレパス》に頼るか……」
 人間が居れば感情の波を捉える事が出來るが、果して――。
 鳶色の瞳を煌々と巡らせた佳人は、須臾、空気の層を滑る微かな羽の音を拾うと、角を曲がって現れる飛行体に口角を持ち上げた。
「人ではないと思ったら……成程、省力化が進んでるねぇ」
 ニッと嗤って仰ぐ機影は、構内を巡回する監視ドローン。
 残念ながらコミュニケーションは取れないが、これはこれで「相性が良い」とサイキックを励起した多喜は、警告灯を焚くやファイア・アタッチメントを呼ぶドローンに啖呵を切った。
「アタシに目を付けたのが運の尽きさ! そこらに|轉《ころ》がっときな!」
 多喜に照準を定めたドローンを背後から撃ち落とすは、蒼白く閃く雷撃ッ!
 自身の周囲に【|超感覚領域《サイキネティック・テリトリー》】を敷いた彼女は、己を敵と見做した機体を雷電に貫くと同時、向こうから飛來する専用強化パーツに稲妻を結んで爆発させる!
「探索の邪魔はさせないよ」
 爆発音が反響する中、巻き起こる風に颯ッと艶髮を梳った多喜は、一縷と躊躇わず爆熱の方へ――ドローンが來た方向を辿るように進むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃や灼熱の束縛を中心に使用
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター

みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

説得できる余地がある場合は説得したい
同情の余地がある敵の場合は情を漏らすことも

書いてなくても場合によっては持ってる技能を使うよ



「正しい事をしようとするなら、隱れる必要は無いんだ」
 閉鎖された地下施設に潜り込むのは、多分に|邪《よこしま》な祕密を匿したいから――。
 人一倍正義感が強い百地・モユル(ももも・f03218)の胸騷ぎが止まらないのは、この広大な空間に流れる不穩な空氣に反應しているのか。幾分にも警戒して掘削跡施設に侵入した少年は、巡回する警備ドローンの数の多さと、積載武裝の殺傷力に息を飮んだ。
「外からの侵入を警戒しているのか、内部からの脱走を警戒しているのか……兎に角、ただの警備ドローンが持つ裝備じゃない」
 身体の大部分を機械化したならでは、サイバーアイで解析した武裝の威力を即座に割り出すモユル。
 彼と遭遇した機体が間もなく「|無差別虐殺《スローター》モード」に転換すれば、モユルは飛ぶように轉がって曲がり角へ。閃々と火花を散らす機銃掃射を躱しざま、陰から腕一本を覗かせて應戰した!
「たくさん武裝しているって事は、機体自体が武器庫になっているって事なんだ……!」
 その危うさを今から示そうと、宝玉を嵌め込んだ|手甲《ガントレット》が赫々と照り上がり、少年の白皙が輝く。
 モユルの戰意に呼應して励起した炎の魔力は、方向を定めるやドローン目掛けて放出され、凄まじい高熱に包むと同時、積載する火力を引き出して誘爆!
 その衝撃と熱風を壁際で受け取ったモユルは、更に奥へ――施設の深部を目指して進むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ

猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ

止められたら、別のユーベルコードを使います

さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ



 規格も思考も銀河級なカグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)にしてみれば、骸の雨降るサイバーザナドゥなど惑星ごと破壞してしまえば、主目的であるオブリビオンの殲滅も達成できると思うのだが、主砲を撃って|終結《おしまい》という訳にもいくまい。
 聞けば施設の深部に祕密が隱されているらしく、「參りましょう」と|十二單《じゅうにひとえ》の裾を搖らした月の子は、知らぬ道も躊躇わず、楚々と|嫋《たお》やかに蓮歩を進めた。
「Malbona Kodo : ducent dudek ok.」
 時に花唇を掠めたのは、ナビゲーション用ドローンを召喚するユーベルコード。
 樣々な環境に適應した多種類の道具ドローンのうち、道案内に特化した機体を166機も滑空させたカグヤは、忽ち館内の構造を把握し、深部に向かう最適なルートを悠々と進んでいく。
 これらドローンに戰鬪力は無いが、侵入者を撃滅しに掛かる『キラー・ドローン』にはカグヤ自身が應じよう。
「出力を極限まで抑えましょう。これなら施設は壞れない筈……」
 月の子が携える三種の神器が一つ、要塞主砲ジャッジメント・クルセイドは惑星をも消滅させる超兵器。
 此處に匿された祕密ごと破壞するのは忍びないと、エネルギーを10桁以上減らして照射したカグヤは、光矢の如き赫奕一条がドローン本体とファイア・アタッチメントを撃ち抜くのを見て|眼眦《めじり》を緩める。
「上々。……|少々《・・》振動が大きくなった事は、お目零しくださいませ」
 而してこの時。
 凄まじい波動が構内を搖すった事には、どうかご寛恕を。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です

かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用

TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます

例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかけるような行為はしません
不明な点はお任せします



「譬えば此處で非人道的な活動が行われているとして。これらの警備ドローンは、人命を救った後の障害になるでしょう」
 殺傷力を有するなら猶更と、硝子を隔てた烱瞳に機影を見る影ひとつ――。
 銀誓館学園所属の能力者……もとい、白い神機の降臨を機に猟兵の道を歩み出した鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は、敢えて隱密行動はせず、|標的《ターゲット》を集めるよう動き出す。
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」
 澄んだ音色に結ばれて|顕現《あらわ》れるは、祈光風神機『レガリア・ベルクス』。
 己を新たな戰いに導いた機神に搭乗するなり、『E.N.M.A』――戰鬪支援疑似人格を起動した影華は、間もなく警告灯を焚いて集まる警備ドローン群に正対すると、聲色を鋭くして云った。
「E.N.M.Aから勅令――“光あれ”」
 影華のキャバリアを捕捉するなり、次々と合体して重火器を補強するドローン群に対し、眞白の五指を向けて破壊光線を放つ!
 搭乗者の白皙を照り上げる燦然、漆黑の闇すら光に変える超発光熱エネルギーは、ドローン群を撫でるや忽ち灼き盡し、残骸も落ちぬ道を影華に差し出す。
「――このまま敵機を集めながら前進」
 目下の殲滅活動は、後の退避行動の爲の謂わば“|殿《しんがり》”。
 無辜の命の爲に戰うのは昔と変わらぬと、白い神機は敵群に向かって走るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『サイバークノイチ』

POW   :    サイバーシュリケン
自身が発射した【サイバーシュリケン】の軌道を、速度を落とさずレベル回まで曲げる事ができる。
SPD   :    サイバークナイ
速度マッハ5.0以上の【サイバークナイ】で攻撃する。軌跡にはしばらく【残像】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
WIZ   :    サイバーバリアー
自身と武装を【サイバーバリアー】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[サイバーバリアー]を飛ばして遠距離攻撃も可能。

イラスト:沖田龍

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 掘削坑施設跡と云っても、地殻深部を調査・研究する地下施設は思った以上に広大。
 地下の深部に進むほど広くなる構内に驚いていた猟兵達は、巨大な培養室『サイバー・クノイチ・ファクトリー』の表記を見るや、息を飮んだに違いない。
「! これは……!」
 培養液に滿たされたガラスケースの中に、女性が一人ずつ漬けられている――異様な光景。
 何処から連れられてきたのだろう、若い女性達は『骸の海』の計画投与によって「ユーベルコード」の覚醒を促されており、かの“失われた古代の叡智”を運よく獲得した者は、次なる部屋で“出荷”を待つ事になるのだ。
「情報屋スバルの勘は、当たっていたという事か」
 ――然う。
 この掘削跡にトラックで運ばれてきたのは「女性」で、サイバーニンジャ工場に作り替えられた地下施設で培養された彼女達は、「製品」として闇の市場に送られている。
 そうと知ったからには、調査活動を救助活動に転換しなければならないのだが――。
『侵入者、発見!』
『この場で撃滅する!』
 培養液から出たサイバークノイチが、猟兵めがけて次々と襲い掛かってくる。
 先ずは彼女達を無力化し、地上に連れ出さなくてはならないだろう。
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?

キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?



 この培養槽には見覺えがある。
 培養槽に繋がれた測定器も、藥液調整機も知っている。
 |巨大企業群《メガコーポ》「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」傘下の医療企業、シノノメ医工の機器だ。
「ニオウシメジ(思い出した)……サイコブレイカー培養計画!」
 慥かあの時は、貧困街「ドヤ・ナラク」に集まる若者を集めていた。
 連行した先の施設で人爲的に超能力に覺醒させる、非人道的実験を行っていたのだ。
 今回はそのサイバーニンジャ版と云った處かと、神妙な面持ちで過去を振り返ったキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は、目下、侵入者に気付いたクノイチ達が続々と集まる中に凛然を萌した。
「キノキノ、今回だって頑張るよ! バルくん、一緒にやろうっ!」
 透徹と澄む佳聲に「なぁお」と返すは、星靈バルカンのバルくん。かわいい。
 キノが繊手を広げて【神火大嵐舞】を舞い始めれば、彼女の足元にスルリと身を滑らせたバルくんも尻尾を一振り。一人と一匹が躍るに合わせて創世の|火焔《ほのお》が迸り、赫々と舌を翻して燃え盛った!
「キノキノ、どんどん焼いていくよ!」
 蓋しキノは地下で火災を起こそうという訳では無い。
 クノイチ達を火あぶりにする|意図《つもり》も無い。
「エリンギ(ほら)、イイ匂いがしてきたよ!」
(『!? この芳しい馨りは……グワーッ!』)
 どことなく秋の豊かな実りを感じるのは、キノコの胞子が炎に炙られるから。
 輕やかに舞うキノの頭部、キノ笠から放出される超絶猛毒の胞子は、熱風の渦に煽られて構内に行き渡り、密かに接近するサイバークノイチらの神経を――視聽嗅覺を犯して麻痺させる。
「コウタケはマツタケを超える強い匂いを持つ高級茸! うんと味わってね!」
(『……身体が……痺れ……ッッ……!』)
 生憎、サイバーバリアーを身に纏ったクノイチ達をキノは感知できないが、うんと毒胞子を浴びた彼女達は、確実に、着実に、術者の預かり知らぬところで密かに倒れていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・エグズィスト
夕狩こあらマスターにおまかせします。かっこいいナイ・エグズィストをお願いします!

 人間の探索者×サイキッカー、14歳の女です。
普段は普通に話さず、サイキックで話しています。


 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 當初の依頼では、内部で進められている行爲が非人道的であれば、調査活動から破壞活動に移行するよう言い渡されていた。
 而して潜入調査の結果、掘削跡施設でサイバークノイチが培養されている事が判明った訳だが、ここでナイ・エグズィスト(街の探索者・f45631)は思案する。
「(破壞活動の前に、この|女性達《ひとたち》を救助しないと……!)」
 此處に來るまでに乗り込んだトラックの中には、|實《じつ》に人間が入っていた。
 彼女達は骸の海に滿たされたガラスケースに入れられ、強制的にユーベルコードに覺醒するよう仕向けられていたのだと培養室を見渡した少女は、|不圖《ふと》、優れた第六感に敵意を気取ると、咄嗟にガラスケースの間に飛び込んで初撃を躱した。
『製品番号なし。侵入者として排除する』
「(――ッ、ッッ)」
 呵ッとガラスに瑕を走らせたのは、モーターで高速回転するサイバーシュリケン。
 遠心力を検知して光る刃が床に轉がるのを見たナイは、その刃に映れるクノイチに花唇をきゅっと結んだ。
「(……私と変わらない|年齡《くらい》の女の子が……連れられて……)」
 サイバーザナドゥでは、強姦も誘拐も骸の雨に搔き消される場所が割と何處にでもある。
 この街を知るからこそ「遣る瀬ない」と|頭《かぶり》を振った少女は、さやと搖れる前髪の奧、緋の玉瞳を烱々と輝かせて話し掛けた。

 ――“地上に戻ろう。出口まで案内するよ”

『!? 胸に……腦に……直に響いてくる、この聲は……!!』
 ナイを排除しようとしていたクノイチに呼び掛ける、|音色《おと》なき|佳聲《こえ》は【強念話】。
 姿を見せずとも、また相手が姿を現さずとも届けられる思念は、サイキックエナジーを纏ってダイレクトに相手へ――敵意なきナイの、純粋に「助けたい」という気持ちが胸裡に響く。
『私は、侵入者の排除を……撃滅を……隱滅を……!』
「(大丈夫、|他者《ひと》を傷付けなくても助かるよ)」
『……ッ、ビッグ・スリケンが……!!』
 ナイの優しさを拒まんと、背に抱えた巨大手裏剣を投擲したクノイチは、何度も軌道を曲げられる筈の其が、強力なサイキックエナジーに捉えられて落ちるのに驚愕したろう。
 歷然たる力差に崩れ落ちたクノイチは、滲むような聲で小さく、
『助けて下さい……』
 と、涙を零すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
サイバークノイチってこうやって作ってるんだな。
もっと鍛錬したりして、腕を磨いているのかと思ってたよ。
がっかりだ。
畑でクノイチ育ててるようなものだったんだな。
しかも素材はさらってきた?かもしれないし。

まずはクノイチを無力化して、奥のボスを叩きのめして工場閉鎖だな。

黒槍『新月極光』で戦おう。
飛んでくるシュリケンは邪魔だな。
UC【月下満天】を発動して、威力を削ごう。
シュリケンを防いだところで【カウンター】。
【瞬間強化】で一気に距離を詰めて、力任せに【吹き飛ばし】て、大人しくさせよう。



「――へぇ、サイバークノイチってこうやって作ってるのか。がっかりだな」
 凡そニンジャなるもの、隱れ里で鍛錬を重ね、密かに腕を磨いているのかと思っていたが――と。
 整然と竝ぶ培養槽の前、|率直《あからさま》に失望の色を萌したのは、シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)。
 幾許にも|不味《つまら》なさそうに室内を見渡した麗人は、|高性能義眼《サイバーアイ》に映れるガラスケースや藥液調整機、測定器の型番を検索し、成程、|巨大企業群《メガコーポ》「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」傘下の医療系企業、シノノメ医工が嚙んでいるのかと吐息する。
「これって、畑でクノイチ育ててるようなものだよな。しかも素材は|誘拐《さら》ってきたかもしれないし」
 何せスラムから若者を拉致してサイコブレイカーを培養していた企業だ。やりかねない。
 周辺の機器を照合するがてら過去の記録を洗ったシモーヌは、時にして刹那、背後から差し入る影を捉えるや橫ッ跳びに回避した。
『チョアーッ!』
「まだ新人かな? 光源から攻め掛かるのは止した方が良い」
『何を、っ!』
 コードだらけの機械類を|遮蔽《カベ》にして、可ッと床を打つ手裏劍を見ながら|助言《アドバイス》する。
 返す言葉の感情的な部分も含め、「修行が足りない」と竊笑を零したシモーヌは、黑檀の槍を構えてクノイチの前に現れた。
「この工場は閉鎖する。大人しく從って貰おうか」
『工場を狙っ……!? テロリストは排除する!!』
 クノイチが放つサイバーシュリケンの軌道は、まるで稲妻。
 幾度と角度を変えて飛び込む回転刃を、黑槍を旋回して払い落した佳人は、柄を左脇に抱えて右掌を正面に翳すと、月白と輝く聖光を全身に纏って輝いた。
「飛び道具は邪魔だな。此方の間合で戰わせて貰うよ」
『っっ……させるかっ!!』
 今度は左右の手から手裏劍が放たれるが、ジグザグと宙を走って迫る鋭刃を極限の集中で見極めた|月の戰士《pleine lune》は、素早く振り翳した『新月極光』の鋩に刃を叩き落とすと、火花が閃々と瞬く中を急進ッ!
 僅か一足でクノイチに肉薄すると、黑槍の柄を袈裟掛けに押し付けながらタックル!! 力任せに彈き飛ばし、壁に打たせて意識を摘んだ。
『ぐぅっ!! ……きゅう……』
「――よし、大人しくなった」
 後は担いで運ぼうと、溜息ひとつ置くシモーヌは呼吸も亂れず。
 すっかり脱力したクノイチを肩に抱いた佳人は、必ずや|首魁《ボス》を|打倒《ブチのめ》そうと決意するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャイニー・デュール(サポート)
『拙者は剣士でござります故!』
ウォーマシンの剣豪×クロムキャバリアです

真面目な性格ですが勘違いや空回りも多く、かつ自分がズレているという自覚もありません
正々堂々とした戦い方を好みますが、それに拘泥して戦況を悪化させたりはしません

ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行為は(そういう依頼でない限り)しません

サムライというものに憧れていますが、正しい知識はありません
銃を使うことを嫌っているわけではなく、必要に応じて刀と内蔵兵器を使い分けます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ふむ、サイバークノイチ……“|古代の叡智《ユーベルコード》”に覺醒めた女忍者にござりまするか」
 サムライに憧れるシャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)にとって、此度の相手は好ましかったろう。
 侍と忍者の|合戰《いくさ》なら、正々堂々かつ眞劍勝負が望ましいと、花のおもてに凛然を萌して『無銘刀』を拔いた鐵の剱士は、クナイを手に襲い來るクノイチに烱瞳を結んだ。
「――いざ勝負!」
『キエーッ!』
 |燦《キラ》、と妖光一条を引いて疾るサイバークナイのスピードはマッハ5.0を優に超える。
 この瞬息、ゲーミング発光する残像を刮眼して捉えたシャイニーは、呵ッ、鈞ッと剱刃相見えて幾合、靜かな呼吸の裡に【斬空閃】を放ッた――!
「拙者は剱士にござりますれば、振るう刀は骨肉を斷つのみならず」
『ッ、ッッ――!』
「その『骸の海』に穢れた臓腑を斬るにござります!」
 研ぎ澄まされた刀に籠められたる靈氣は無明――此度はクノイチの忍裝束と雪膚を透過して、臓腑に染む『骸の海』を斬って無力化する!!
「無常なものに常を抱き、苦であるものに樂を抱き、無我なものに我を抱き、不淨なものに淨を抱く――」
 シャイニーがサムライらしく嚴粛に語る傍ら、ぐうらと女の華奢が崩れる。
 其を肩を差し入れて支えた彼女は、避難路に向かって歩いていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・香織(サポート)
『あたしに任せて』
 ヤドリガミの戦場傭兵×鎧装騎兵、22歳の女です。
 普段の口調は「明るく元気な女性口調(あたし、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、真剣な時は「勇敢なヒーロー(あたし、あなた、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?)」です。

いわゆる熱血ヒーロータイプで一直線に行動する性格です。
戦闘では重火器一斉射撃など火力でごり押し型のシンプルな戦い方をし、ユーベルコードもそういった使い方をします。

描写上のタブーは一切無し、フリー素材やNPC感覚でご自由にお使い下さい。



 幾星霜を経て自由に動けるようになったのだ。
 折角なら、憧れていたヒーローになろう――困った人を助けようと猟兵になったのだ。
 而して己を害さんと集まって來る彼女達こそ、助けるべき相手では無いか。
「――あたしを攻撃するからって『敵』って訳じゃないよね」
 目下、四方八方からサイバーバリアーを叩きつけてくるクノイチ達に対し、敵意でなく決意を抱いた田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)は、相手方に囲繞されたタイミングで防御態勢を解き、攻勢に転じる。
「集まってきた處で攻守逆転! 一気に仕留めるわよ!!」
『こ、これは……身を守らなくては……!!』
「隱れ蓑の術? ――でも、忍んでいられるかしら」
 携行型とは言え、身丈程もあるアームドフォートを構えた瞬間、サイバーバリアーを押し込んでいたクノイチ達が盾と構えて隱れる。
 然すれば香織は彼女達を視聽嗅覺で感知する事は不可能となる訳だが、「彼女達の知覺があれば充分」と不敵に咲んだ香織は迷わず発射ッ! |催涙剤《クロロアセトフェノン》を込めた彈丸を撃ち放った――!!
『目が、呼吸が……ッ、バリアが維持できない!!』
「よしっ、見えてきた見えてきた」
『グッ悔し……エヘンエヘンエヘン!』
「大丈夫、いま地上に連れてってあげる」
 一時的にも擧動を封じられたなら上々。
 バリアが破られた瞬間に接近し、シュリケンやクナイを取り上げた香織は、咳込む彼女達を地上に案内するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

轟・やゆよ(サポート)
語尾に「だわさ」「なのよさ」とかつく熱いアニソン好きな女の子
元気で正義感が強い

またわらわらと出てきただわさ…
まとめて倒すのよさ!
(虫系の敵は苦手でちょっと怯える)
説得の通じる相手なら説得を試みるしワケありの相手には思わず情を口にするだわさ

その場で必要なUCや技能を使って攻撃や支援をするだわさ

もちろん公序良俗に反することや他人の迷惑になることはしないのよさ!

アドリブ絡み歓迎



『この侵入者達、中々の手練だ……気を付けろ!』
『我々で始末できるか? ボスに報告すべきか……否、ボスには掃討の完了を報告するッ!』
 猟兵を取り圍むサイバークノイチ、彼女達も(人爲的ながら)“|古代の叡智《ユーベルコード》”に覺醒めた超人だが、世界を超えて場数を踏んだ猛者には敵わない。
 経験は勿論、意思の強さが違うのか――轟・やゆよ(あにそん伝道師・f06396)と彼女が紡ぐ歌は、クノイチ達を目覺めさせるに驚異的な効果を発揮した。
「皆に問うんだわさ。クノイチになって人を殺めるのが、本当にやりたかった事なのか……」
『!! 何を……言う……!』
「きっと、此處に來る前にやりたかった事が……夢や希望があったのよさ!」
『ッ、ッッ――』
 察しの良いやゆよは、彼女達が|ワケあり《・・・・》と気付いている。望んで地下に來た訳で無いのだ。
 花唇を滑る佳聲に情を滲ませた佳人は、「忘れているなら思い出そう」とステッキを一振り。七色に輝く音色を花葩に變えると、繊手を頭上で回す仕草と共に【|勇気の花嵐《ブレイブ・フラワーストーム》】を巻き起こした――!
「花はやがて散りゆけど、この勇気は散りはしない……だわさ!」
『勇気……私の勇気……!』
 歌聲は小鳥のように愛らしいが、その音色は燃えて、萌えて、熱くクノイチ達の胸に響く。
 精神的には勿論、彼女達が構えていたサイバーバリアーも悉く打ち砕いたやゆよは、玲瓏と花辨の舞う中に手を差し伸べ、
「皆のやりたかった事は此處には無いのよさ……さぁ、地上に戻るのだわさ!」
 と、力強い音色で一同の目を覺ますのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ケラウノス』

POW   :    雷霆万鈞
自身の【装備する槍】に【迸る電撃】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。
SPD   :    付和雷同
【迸る電撃】によって、自身の装備する【槍】を高速飛翔させ、槍独自の判断で【軌道】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
WIZ   :    雷轟電撃
自身が装備する【槍】から【自由自在に迸る電撃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【サイバースペースへのハッキング】と【感電】の状態異常を与える。

イラスト:雲間陽子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ラスク・パークスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 培養槽から|覺醒《めざ》めたサイバークノイチは、戰鬪報告をすべきか迷っていたが、その實、培養室の異常は全て|総合管制室《コントロールルーム》が検知・把握している。
 ガラスケースの破損や藥液の強制排出といった機器の故障から、管理するクノイチが地上に向かって避難している事をモニター越しに確認した施設長は、無論、これだけの事をやってのける不穩分子が「ではさらば」と帰る事も無いと、予想もしていた。
『――矢張り來るか』
 潜入調査から救助活動に移行した猟兵が、次に行うのは――破壞工作。
 この管制室に侵入し、掘削跡を改造して作った『サイバークノイチ培養工場』を停止させる|氣《つもり》だろうと読んでいた男は、サイバースーツを裝着して待ち構える。
『連中を外に出す訳にはいかない。ここで始末する』
 彼の名は、“雷霆”こと『ケラウノス』。
 |閃光《ステロペス》、|稲妻《アルゲス》、|雷鳴《ブロンテス》の三つを合わせた雷の使い手で、その強力な電気エネルギーによって侵入者を始末する――施設の最高責任者が、猟兵を待ち構えるのだった。
ナイ・エグズィスト
夕狩こあらマスターにおまかせします。かっこいいナイ・エグズィストをお願いします!

 人間の探索者×サイキッカー、14歳の女です。
 普段は普通に話さず、サイキックで話しています

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ――因果応報とか、自業自得とか。
 ナイ・エグズィスト(街の探索者・f45631)に懲罰思考は決して無く、首魁『ケラウノス』がそう思い込んだだけの事か知れないが、結果として「然うなった」。
「(……この施設で一番多い“|人影《かげ》”が、自ずと輪郭を結んでいく……)」
 ナイが召喚した【雑踏】――管制室に流れ込んだ134体のサイバークノイチの人影は、彼女達の「|忍術《シノビ》」の技能を借りて微かな影響力を膨らませ、軈てケラウノスを脅かし始めた。
『ッ、小娘め! クノイチの影を見たところで動搖など爲まいが……っっ!!』
「(施設に|潜入《はい》った時から感じていた。この磁場は……“使える”って)」
 畢竟、ナイは破壞工作を行う時に考えていた方法を転用しただけ。
 自身で撃つ|心算《つもり》だった雷撃を借りたのが、殊の外“刺さった”。
『あの者達の武器を……シュリケンを高速飛翔させるとは!』
「(落雷して磁氣を帯びれば、サイキックエナジーと|同期《シンクロ》させて……操作できる……!)」
『嫌味か皮肉か知らないが……ぜァッ!!』
 出荷予定の“製品”が、人影ながらシュリケンを擲げてくる事に苛立ったケラウノスは、雷を撃ち落とした其が磁気を帯びて再び襲來する事に、動搖の餘り回避が遅れる。
『ッ、ッッ……グ……!!』
 雷撃で鋭刃の軌道を手折っても、床に轉がったシュリケンはより強い磁氣を帯び、ナイの強力なサイキックエナジーに動かされて空中を高速飛翔する。
 其をクノイチ達の怨恨だとか返報だとか捉えるのはナイでは無い。
 少女を素体として調達し、培養槽に入れたケラウノス自身だ。
(「もう|施設《ココ》に戻る子は居ない。――だから、全力で!!」)
 この|施設責任者《ケラウノス》との戰鬪を、破壞工作に代えてしまおう。
 ナイは空中より踊り掛かる槍に雪膚を掠めつつ、頬の傷ひとつ許して反撃ッ! 増幅器を嵌めた兩腕をぐんと突き出し、最大出力にしたサイキックエナジーで漆黑のシュリケンをぶつけた!!
「(全部で134撃。すべて命中させる――!)」
『この程度……この、グワーッ!!』
 不本意にもクノイチとなった者達の想いを代わろうなど、大事を成そうとは思わない。
 だが「結果として」ナイの攻撃は、此處で悲劇に連なった少女達の想いを|苦痛《いたみ》としてぶつける事に、大いに成功するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



 果たして“その瞬間”は唐突に訪れる。
 ナイが放ったシュリケンが首魁『ケラウノス』に突き立てられると同時、管制室の壁面が大きな衝撃に突き破られる。而して凄まじい衝撃に機器類が吹き飛ぶ中、新たな猟兵が現れる。
「私がきたぞ!!」
『ッ!? グワーッ!!』
 壁からの側襲――ッ!!
 大気を圧縮して駆動力に変えるブースターレッド、その赤い爪先を蹴るや16,300km/hで壁を蹴った赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は、破壞の勢いをそのままケラウノスに飛び蹴りッ! 緩衝と耐久に優れたサイバースーツごと吹ッ飛ばし、床に叩きつけるよう轉がした!
『グ、ッッ……誰だ……!』
「ふはははは、私だ!!!」
 着地と同時に緋髮を躍らせる少年は、フリーダムにしてアグレッシヴ!
 輕やかに搖れる前髮の奧、紅い赫い双瞳を輝かせた緋色は、インラインスケート型の脚武器を走らせて肉薄すると、今度は蹴り上げるようにジャンプ! 眞下から雷の如きキックを見舞う――!!
「そぉりゃ!」
『っ、っ――!?』
 ここまで完璧な不意打ちを喰らい続けるケラウノスだが、「なぜ扉から來ないのか」と問うたなら、多分、破壞活動を行う施設の扉を大事にしようか? と返るだろう。
 手當り次第のようでいて、その實、室内の敵の座標も把握していた緋色は、首魁の討滅と施設の破壞を同時に行うのが宜しかろうと、今度はケラウノスを打ち上げる事で天井をブチ壞すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

飯綱・杏子(サポート)
狩った獲物は持ち帰ってもいいっすか?

|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす

悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。|熟成肉《リビングデッド》うまうま

|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす



「……搾取する側の連中は、自分が搾取される側になるって考えないんすね」
 飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)がこの場で言う最初の搾取は、第二義的な「不当行爲」を指すが、後者の搾取は第一義的な意味そのもの。
 即ち、「動物の乳や樹木の蜜、果汁を搾り取る事」と同義であり、そして、これより杏子が行う「エクストリーム調理」による“猟理”に他無かった。
「さ、やるっすよー」
 此度の|食材《オブリビオン》は雷の遣い手。
 その身に纏うサイバーアーマーも貝類みたいに美味しい部分があるだろうし、果して雷を喰らう時は舌にどのような刺激を呉れるだろうと、垂涎を催す口角を小気味佳く持ち上げた杏子は、木製の【エクストリーム|調理道具《クックウェア》】を召喚! 周囲の機器類より導電性の低い「麺棒」を使い、先ずは肉質を柔かくせんと躍り掛かった。
「ヒト型の食材を料理する時は、ヒト型を辞めるっす」
『……こ、れは……ッ、ッッ!!』
「|マナー《マイルール》なんで」
 棒を手に振りかぶる佳人の影は次第に巨きく膨れ上がり、ブヨブヨと歪に輪郭を波打たせる。
 この時、何方がオブリビオンに見えたろうか――悪食で暴食なる“|食道楽の悪魔《gluttony》”は、雨の如く降り注ぐ雷撃を心地よい酩酊として受け取ると、大きな牙を見せてガブリ。差し出た腕に喰らいつくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです



 愛と正義感に溢れ、殊に己より年下の子や可愛らしい動物に対する保護欲の強い響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は、この掘削跡で行われていた「クノイチ培養産業」に|義憤《ただしきいかり》を抱いたろう。
「年若き女の子達を連れてきて、戰鬪員として培養するなど……彼女達の|苦痛《いたみ》が分かりませんか」
 このような大人が居てはならない。
 このような社会が成り立ってはならない。
 普段の柔和な表情を一変、紫彩の瞳を凛乎と輝かせながら施設責任者ケラウノスに正対したリズは、男が「默れ」「噤め」と言わんばかり振り翳す雷撃を魔導杖『ルナティック・クリスタ』に受け止めると、閃光に麗顏を照り上げながら云った。
「悪しき電撃を操る者へ。邪心に染まりし悪を滅する、天の裁きを与えん!!」
 ――|かの者に裁きの雷を《Judgement sparkling thunder》!
 枝先についたクリスタルが眩く煌き、受け止めた雷が激しく増幅される――管制室が白く浮き立つほど光に滿ちるのを認めたリズは、繊手を振って閃雷ッ! 暴れんばかり迸る稲妻に方向を与えて走らせた――!!
「虐げられた子達の痛みを知りなさい!」
『……ゼァァアアアッッ!!!』
 他者の苦しみを測れぬなら、痛みとして知る他無し。
 酷く感電して悶える怪邪を見据える麗人は、少女達に代わってその悲鳴を聽き届けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ

猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ

止められたら、別のユーベルコードを使います

さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ



「先の潜入調査によって、地下に隱された祕密は明かされましたわ。出力を絞る必要は……もうないかと」
 祕密裡に行われていた、サイバークノイチの培養の実態は暴けた。
 製品として出荷される筈だった女性達は、被害者として救出した。
 残るは責任者の始末と施設の破壞だと、楚々たる蓮歩で管制室にやって來たカグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)は、既にその白皙を煌々と――凄まじいエネルギーの波濤に照り上がっていた。
『なんっ……何だ、この光の耀きは! 雷でもない、強烈な……』
「……あなたにとっては、破滅の光になるかしら」
 其は光粒子を最大まで励起させた、要塞主砲ジャッジメント・クルセイドの灼然。
 銀河帝国所属の要塞艦として造られた彼女は、地球規模の惑星を破壞する主砲型神器を備えており、人型では繊指を向ける先、亜空間から灼光一条に凝縮して放つ事が出來る。
「地殻を割らない程度に、ただ一点に集中して――」
 カグヤが放つ光熱の規模は、『ケラウノス』という個体が放てる雷の比では無い。
 彼奴も雷鳴を轟かせて稲妻を放つが、超極限まで収斂された|惑星破壊レーザー《ジャッジメント・クルセイド》を手折る事も曲げる事も叶わず――明々と白みあがる世界に輪郭を蒸発させる。
「止められたら、他の戰法をと思いましたが……十分でしたわね」
 十分すぎたとは、地下施設の大いなる振動が示そう。
 間もなくこの掘削跡は――|終焉《おわり》を迎える。

成功 🔵​🔵​🔴​

シモーヌ・イルネージュ
アンタも得物は槍か。これはうれしいね。
槍使いとやり合う機会はあまり無いんだ。しっかり勉強させてくれよ。

電撃は厄介だな。さすがにキツイね、これは。
喰らい続けるわけには行かないから、対策はさせてもらおう。
UC【山紫水明】を発動。土の魔力を防具に付与して、耐電性能を高めよう。

黒槍『新月極光』で戦うよ。
相手の吹き飛ばしには、【怪力】と【吹き飛ばし耐性】で対抗。
【カウンター】で【瞬間強化】して【吹き飛ばし】を狙おう。
自分の狙ってた攻撃を返される気分はどうだい?



 |先刻《さき》に見た「サイバークノイチ培養産業」には|殆《ほとほ》と|萎靡《ガッカリ》させられたシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)だが、|苦情《クレーム》を叩きつける先、管制室で待ち受ける男の姿には一目置いた。
「……アンタも得物は槍か。これはうれしいね」
 透徹たる碧の虹彩が映すは、首魁『ケラウノス』が持てる|黃金色《こんじき》の槍。
 槍使いと鬪り合う機会に中々惠まれなかったシモーヌは、これは好機と口角を持ち上げて|和笑《にやり》。果して太刀筋は如何と、黑槍『新月極光』を提げて半身中段に――かの者の技を貪欲に學ぶべく、攻撃を見極めやすい基本型に構えた。
「ひとつ宜しく頼むよ」
『我が社の“商品”を掠めておきながら、我が技能も竊むと云うのか。ならば呉れて遣る!!』
「――しっかり勉強させてくれ」
 先に仕掛けたのは、シモーヌを此度の騷動の犯人と認めたケラウノス。
 帯電し、雷撃を放ち、また稲妻に結ばれて飛び回る――變幻自在の金槍を駆使する“雷帝”を目の當りにしたシモーヌは、一撃一閃を受け止める毎に|嫣然《えみ》を深め、手が痺れればヒラヒラと振って苦笑を零した。
「槍の軌道はまぁ、読めるとして……電撃が厄介だな」
『そうだろう。|機械化義体《サイバーザナドゥ》だろうと生身だろうと、雷が効かぬ相手は居まい!!』
「噫、流石にキツイね、これは」
 目下、戰鬪型を録り続ける義眼も過電流に悲鳴を上げているし、生身の肉体も水分の灼かれる感覺に參っている。
 而して喰らい続ける訳にも往くまいと、奧齒を噛みつつ咲んだシモーヌは、呼吸を整えながら【|山紫水明《La Terre》】――地下ゆえに近しき“母なる大地”より力を借りると、身に纏う『アリアージュ』の耐電性能を高めた。
『ほう、まだ受ける氣か』
「身に付くくらいにはね」
 ニッと笑み返した美人が憎いか、|驒《ダ》ッと踏み込んだケラウノスは亂れ突きッ!!
 灼光を迸る槍の穂先、柄を回して石突と、雷の嵐の如き槍撃で迫るが、シモーヌはこれを黑槍の旋回で払い落し――!! 兩脚を踏み込め、拇指球を踏み締め、我が身を吹き飛ばす衝撃を耐える、耐え拔く!!
『な、んと……!!』
「扨て。自分の狙ってた攻撃を返される氣分は如何だろう」
『ッッ……ぉぉおおおおッ!!!』
 この瞬間、彼女は慥かにケラウノスの技を習得したろう。
 我が目に灼きつけた太刀筋を|捺擦《なぞ》るように――否、運動能力を強化し、更に増幅した冱撃をカウンターに閃かせたシモーヌは、サイバーアーマーが破砕し、その勢いのまま管制室の機器類へ吹ッ飛ぶケラウノスを新規に録画すると、これを以て任務完了の報告とするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年11月26日


挿絵イラスト