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虐殺交響曲 タクトが止まるその時まで

#ダークセイヴァー #戦後

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#戦後


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 如何に暗闇に覆われた世界であろうとも、そこに人が住んでいるならば娯楽はある。演劇、物語、絵画、歌―――音楽。音楽は心を安らげることも、奮い立たせることも出来る。
 もしかすると、人を殺すことも出来るかもしれない。

「もし人を殺す音楽というものがあったとしたら―――皆様はどんな音楽だと思いますか?」
 集まった猟兵達に、リリアナ・グレイ(遺された宝珠、或いは喪失の淑女・f42333)は問いかける。視線を少し落として、彼女は続けた。
「ダークセイヴァーのある領主が、領民達の為に楽団を招いて、館で演奏会を開くそうです。何でも、領民なら無条件で入場出来るのだとか」
 猟兵達は首を傾げた。ダークセイヴァーの領主といえば、民に対して苛政を敷く鬼畜オブリビオン。民に娯楽を提供するなどという模範的な領主など無いに等しい。
「勿論、お察しの通りこれは領主の善意などではありません―――寧ろ悪意と言うべきでしょう。何せこの楽団、疫病楽団なのですから」
 疫病楽団。かつてダークセイヴァーの平和を奪い、多くの民を苦しめた存在。彼らの奏でる音楽は人々に疫病を齎す、正に『人を殺す音楽』だ。
「このまま演奏会が行われれば民に甚大な被害が出るでしょう。そうなる前に私達は楽団を滅ぼし、元凶である領主を葬る必要があります」

 リリアナは徐ろに立ち上がった。アメジストの瞳が前を向く。
「これから皆様を領主の館へと送致します。あと2時間程で開場するでしょう。領民、或いはヴァンパイア貴族を装えば入場は容易い―――」
 もし領民として入場出来れば、他の領民達の保護がしやすくなり、貴族として入場出来れば領主の寝首をかくチャンスが出来るだろう。
「楽団員が全員登壇したら攻撃を開始して下さい」
 会場には一般人もいる。まずは彼らの保護や避難、それから楽団員の殲滅だ。役割を分担しても良いかもしれない。貴族として潜入したならば、ここは静観するふりをして陰から支援するというのもまた一つ。
「今回の戦いは非常に柔軟な対応が必要になるでしょう。ですが皆様なら、必ずやり遂げて下さると信じております」

 これまでに多くの民が領主に、疫病楽団に、オブリビオンに苦しめられてきた。そして今、その被害は膨れ上がろうとしている。それを止められるのは、特別な力を持つ猟兵だけなのだ。
「皆様のご武運をお祈りしております。それでは、ダークセイヴァーへの扉を開きましょう」
 グリモアが起動する。視界が光で埋め尽くされていく。その先に見えたのは、闇だった。


雨野つくし
 こんにちは。ダークセイヴァー大好きマスターの雨野つくしです。あの退廃的な雰囲気が堪んないんですよね。

 今回も2章構成です。いつものように鬼畜領主が民を苦しめようとしていますので、いつものように懲らしめてやって下さい!

 以下各章の説明です。

●第一章
 疫病楽団を殲滅します。まずは潜入、そして討伐!領民として入場するか貴族として入場するかを選び、プレイング冒頭にご記入下さい。記入がない場合はこちらで指定しますので悪しからず。また、どちらを選ぶかでプレイングボーナスが変化します。
 ☆領民として潜入する場合☆
 プレイングボーナス:他の領民の安全を確保してから戦闘する。(避難誘導や結界の展開、疫病の治療など)
 ☆貴族として潜入する場合☆
 プレイングボーナス:領主に気づかれないように振る舞いながら味方を援護する。(分身系ユーベルコード、自律型アイテム、バフ/デバフをかけるユーベルコードなど)

●第二章
 通常のボス戦です。正々堂々戦うもよし、裏手から回ったり立場を活かして奇襲するもよしです。

 アドリブ、連携NGの場合はプレイング冒頭にお願いします。

 それでは、頑張ってください!
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第1章 集団戦 『疫病楽団の幽霊楽師』

POW   :    その疫病と演奏は人々の感情を狂わせ
【狂気に陥らせる演奏と疫病】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    世界を憎み蹂躙させる
【疫病を振りまく演奏】を披露した指定の全対象に【猟兵や世界に対し強い敵対】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    そして虜になった者は人を止め、肉の怪物と化す
【疫病にかかりつつ、狂気に陥った人々】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。

イラスト:井渡

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 黒い雲が空を覆う。その下に、雲をどろりと落としたような闇が、漆黒の館があった。
 普段は人影一つ見られないその館に、今日は民の姿が見られる。皆期待に満ちた表情を浮かべている。重税に耐え、不作に苦しみ、オブリビオンの襲撃に命からがら逃れる日々を過ごしている彼らにとって久しぶりの娯楽。

 しかし、それはすぐに裏切られることになるだろう。
 殺戮が始まる前に、猟兵は民を救えるか。
サンディ・ノックス
領民として入場
昔身に付けていた服と似たデザインの服を着ていく
普段着でも違和感覚えられないんだけど気持ちの問題でね

入場のときは楽しみなような不安なような、他の領民と似たような様子を演じるよ
楽団殲滅のための行動は同業者の様子も見て、同業者が動いてから開始

まずは領民を誘導するよ
守る力は失った俺だけどその代わり戦う力がある
楽団に演奏をさせると領民に被害が出るからね
誘導中でも演奏をする敵が居たらユーベルコードを発動して敵の元へ走り攻撃回数重視で攻撃
演奏を止めるまで斬り刻むことを伝えて演奏を躊躇わせよう

誘導が終わったら殺し合いの本番だね
一時的な疫病なら恐れることはない
落ち着いて重い一撃を与え殲滅していこう


アネモネ・クロウダート
雨野つくしマスターにおまかせします。領民を非難させながら戦うアネモネをお願いします。

 ダンピールの魔剣士×処刑人、生真面目で感情がパッとわかりづらい16歳の男です。
口調:男性的(俺、~君、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします。



 館に入っていく民たち。笑顔を浮かべる者、どこか不安げな者。その中で眉を少し下げた笑顔で歩むものがいる。サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は彼がかつて着ていた服に身を包み、まるで領民の一人であるかのように振る舞っている。まあ、猟兵はどんな格好をしていても違和感を持たれることはないのだが―――やはり領民のふりをするなら形も整えておきたい。
 サンディは闇の中へと民とともに姿を消した。

 その頃、館の中にて。楽団を囲むように立ち見する民の中で青い髪が揺れた。アネモネ・クロウダート(ダンピールの魔剣士・f42627)はちらりとバルコニーの貴族席を見る。そこには談笑する男。彼こそ今回の敵、領主。アネモネは視線を落とした。
 もうすぐ、演奏が始まる。

 指揮者がタクトを振り上げる。僅かに先が動く。アネモネは見逃さなかった。
「やらせませんよ」
 会場に青と赤の飛沫が舞う。青い剣が光る。会場の全存在に衝撃が走る。同時に、サンディも動く。
「まずは皆を守らないとね」
扉を力ずくで開け放ち、領民達の手を引いて誘導する。それに続いて他の民も外へと飛び出していく。
 楽団員が楽器を奏でようとすればアネモネが切り裂く。最前列にいた民を助け出し、扉を指し示しながら。
 しかし楽団は音楽を奏で始めてしまった。このままでは逃げ遅れた人たちが危ない―――その時、すかさずサンディが突入した。
「さぁ、宴の時間だよ」
ユーベルコード『解放・宵』で手数を増やす。楽団員の一人に肉薄し、斬りつける。動かなくなったら次の標的へ。
「君達がその演奏を止めるまで、俺は何度でも斬り裂くよ」
蠱惑的に口元を歪める。演奏を厭う者が出始めた。
「まあ、どうせ皆倒しちゃうんだけどね」
 出来た隙を見逃すまいとアネモネがユーベルコード『剣戯蓮舞葬』を発動させる。華麗なステップで間合いへと一気に踏み込む。4回連続で剣戟。
「この刀、よく切れるんですよ」
刀から蒼い花びらのような真空波が放たれる。次々と倒れる楽団員たち。
「これで皆さんが助かればいいんですが」
息を整えて走り出す。

 2人は決してその攻勢を緩めることはない。楽団員が全て斃れるまで。
 鋭く重い一撃が楽団員達を屠っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ブラミエ・トゥカーズ
アレンジ歓迎

貴族として参加
近隣の領主と嘯く
疑問を持たれたら吸血鬼らしく対応

異界の同胞の舞台であるし楽しみではあるのだがな。

疫病楽団には親近感を持っている

力も知恵も使わず人を害することこそ余等の本能であるし、
そしてこの狭く暗い場所に余と貴公等がいる。
ならばやることは一つであるよなぁ?

演奏と客の騒ぎを客席で聞いている
貴族の参加する演奏会なら食事付きは当然

UCにて観客を眷属吸血鬼化
眷属に感染拡大と感情抑制と脱出を指示
ついでに間接的に吸血

敵UC感染者対しては自身の病にて内側から殺菌する
結果、吸血鬼になるが
その逆も然り

忘れ去られた病よ。
異界の侵略者よりこの星の生命の系譜を護るが良い。



 談笑する領主。その隣で緑の目が歪んだ。ブラミエ・トゥカーズ(《妖怪》ヴァンパイア・f27968)は赤いワインを揺らす。
「お招きありがとう。領主殿」
上機嫌に笑う領主。
「どうだね。この演奏会は」
「ああ、実に楽しみだ。彼らはどんな演奏を聴かせてくれるのであろうな」
楽しみなのは本当だ。病原体であるブラミエにとって"疫病"楽団は正に異界の同胞。親近感すら感じる。その晴れ舞台とあれば彼女の心が躍るのも仕方ない。
「それだけかね?私は民の藻掻き苦しむ様がこの演奏会のハイライトだと思うが」
領主は少し訝しげに彼女を見る。どうやらこの領主、結構疑心暗鬼なようだ。当然、こんなところでボロを出すブラミエではない。
「勿論だ。だがそれ以上に此度の演奏が待ち遠しくてな……前に聴いた時、驚いた。あれ程までに美しい演奏は聴いたことが無かった」
滔々と嘘を語ってみせる。
「さあ、もうすぐ演奏が始まるようだ」

 力も知恵も使わずに人を害すること、それがウイルスの本能である。そしてこの狭く暗い空間にいる同類。
 なら、やることは一つ。ブラミエの口元が歪んだ。
「何が起こった!何をしている!」
下が騒がしい。どうやら猟兵が動き始めたようだ。民がパニックになっているのを、疫病楽団が奏でる姿を見下ろす。供された食事を楽しみながら。美味なる料理で気分が良くなった。
 誰にも気づかれないようにユーベルコード『伝承再現・泡沫の暗黒時代』を発動する。観客を次々眷属化。間接的に吸血しながら、彼らに命ずる。
『感染者を増やせ。感情を飲み込め。そして脱出しろ』
次々と吸血鬼が増える。楽団の演奏を聴いてしまった者たちにも感染していく。ブラミエの圧倒的な感染力で疫病楽団の疫病は鳴りを潜めてしまった。
「忘れ去られた病よ。異界の侵略者よりこの星の生命の系譜を護るが良い」
彼女の呟きは誰にも届かず、虚空へ消えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

闇の一族どもめ…
相変わらず悪趣味な真似を…
奴らを屠り民を救う為にも…さぁ行くぞ…私は処刑人…!

領民として…或いは光学迷彩布を被り迷彩と認識阻害の加護を得て領民に紛れて館内へと潜入しよう

いよいよか…民を護らねば…少し怖い思いをさせてしまうが…すまない…

【恐怖与える殺意の瞳】を発動し、領民たちを殺気を籠めて睨みつけ
大声や暴れぬように大人しく外へ避難させよう

領民を逃したら仮面を被り毒に備えてから布を脱いで姿を現し楽団連中を睨みつけて動きを拘束
妖刀を振るい己の腕を切りつけ流血、血液から地獄の炎を生み出し範囲攻撃で炎を操り広めて
楽団連中を疫病諸共焼却してやろう…!
己の身が焼ける音を聞け…!



 崖の上から闇の館を眺める女性が一人。仇死原・アンナ(処刑人、炎の花嫁、魔女、屠る騎士、そしてあいどる☆・f09978)は歯を食いしばった。軋む音がする。
「闇の一族どもめ……相変わらず悪趣味な真似を……」
 鳥の悲鳴にも似た鳴き声が響く。彼女は愛剣を握りしめた。彼女は処刑人。悪を断罪する騎士として、彼女は歩いていく。
「奴らを屠り民を救う、それが私の使命だ……!さあ、行くぞ―――!」

 アンナは光学迷彩布を羽織る。瞬く間に彼女は背景と同化してしまった。館へと打つ人の波。この中からすっかり同化した彼女を探すのは至難の業だ。
 守衛オブリビオンがちらりとこちらを見る。アンナの鼓動が一瞬高鳴る。ただ一瞬。だけれども長い時間のようにも思われた。視線が逸れた。見事彼女は潜入に成功した。

 暫く待っていると、会場に静寂が訪れた。いよいよか、とアンナは眉間の皺を僅かに深くする。
「少し怖い思いをさせてしまうが―――すまない……」
ユーベルコード『恐怖与える殺意の瞳』で周囲の領民を睨みつける。本能的に彼らは殺気を感じ取った。彼女の指示通りに暴れず騒がず静かに館の外へと出て行く。

 アンナは処刑人の仮面を被る。そしてユーベルコードを発動したまま布を脱ぎ捨てた。彼女の視線が楽団を貫く。
『動くな……』
その間にも彼女は妖刀を手にした。そのまま斬りつけたのは、楽団ではなく自分の腕。ぽたぽたと垂れる鮮血が発火する。一つの火柱となったそれはまさに地獄の炎。アンナは炎を操ることが出来る―――ならばやることは一つ。
「己の身が焼ける音を聞け……!」
楽団はなす術なく炎に飲み込まれていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

館野・敬輔(サポート)
※アドリブ、他者連携、派手な負傷描写OK
※NG:恋愛、性的要素、敵との交渉、UC名へのルビ使用

『吸血鬼をこの世界から駆逐する。例外なく骸の海に還れ!』

ダークセイヴァー出身の、青赤オッドアイの青年黒騎士です。
吸血鬼に家族と故郷を奪われたため、吸血鬼やオブリビオンに強い憎悪を抱いており、敵からの交渉には応じず、憎悪を以て敵を冷酷に斬り捨てます。

直情な性格ですので、黒剣1本だけで真正面から叩き潰す戦術を好みます。
集団戦では衝撃波で一気に複数の敵をなぎ払ったり、誰かを庇ったりもします。

ユーベルコードは指定されたものをどれでも使用。
迷惑行為や公序良俗に反する行動は、依頼成功のためでも行いません。



 彼は怒っていた。全てを奪った吸血鬼に。彼は憎悪に燃えていた。ダークセイヴァーに蔓延る"悪"に。
 彼、館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)がこの館で領民のフリをしているのも、全て吸血鬼を滅するためだ。
 彼の顔はフードに隠れて見えない。しかし強く握られた拳に彼の思いの全てが現れている。
 領主の笑い声が響くたびに吐き気がする。
 のうのうと笑いやがって―――
口には出来ない。彼は気持ちを落ち着かせようと、そっと目を閉じた。

 悲鳴が響く。はっとして目を開く。どうやら猟兵が攻撃を始めたらしい。
「貴様ら全て、骸の海へと還してやる!」
黒剣を手に場内を駆け回る。斬る。闇に紛れた彼を見つけるのは至難の業。楽団員は誰一人彼の気配を察知することが出来ない。一人、また一人と黒剣に屠られていく。

 突然、耳をつんざくような高音が響いた。楽団員が楽器を奏でたのだ。不快な音。同時に領民達の様子がおかしくなった。目に狂気が宿っている。
「皆を助けなければ……!」
狂気に精神を侵されてしまう前に。
「ゆっくり眠れ……」
ユーベルコード『魂魄剣舞・鎮魂誘眠』。彼は民を眠らせていく。眠ってしまえばもう音色を聴くことはない。

 そして、敬輔は駆け出す。
「消し飛べ!!」
刀が風を切る。そのまま衝撃波が放たれる。衝撃に耐えられずある者は潰れ、ある者は吹き飛んだ。楽器が宙を舞う。
 黒剣に一筋の光が走った。
「貴様らはここで俺が駆逐する!」

成功 🔵​🔵​🔴​

エリス・シルフィード(サポート)
『それじゃあ皆、宜しくね♪』
 オラトリオの戦巫女×シンフォニア、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」、大切な人には「少女(わたし、あなた、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「酷い……音楽で人を傷つけるなんて」
 エリス・シルフィード(金色の巫女・f10648)は悲痛な表情を浮かべている。彼女はシンフォニア。歌で人を救う立場だ。正に疫病楽団の正反対にいる。
「私が、領民の皆を助けないとね」

 既に戦いは始まっていた。領民はパニックになっている。疫病楽団の音楽のせいだろうか。他の領民を襲おうとする領民も見られる。
「私の歌で正気に戻ってね……!」
澄んだ歌声が響く。負けじと疫病楽団も演奏の音を大きくしていく。まだ狂気に侵されていない民は彼女の歌声に酔いしれていた。襲われそうな領民を庇いながら彼女は歌い続ける。

 とうとう楽団もしびれを切らし、彼女を標的に領民をけしかける。彼女は反撃することなく、ただ歌い続けた。楽団は歓喜の歌を響かせる。
 エリスは口を引き結んだ。
「ここからが本番よ!」
ユーベルコード『トワイライト☆フレイム』を発動。周囲の景色が彼女の故郷に変わった。
「私が受けた痛みは、全て私の力になるのよ!」
黄昏色をした炎が彼女の声とともに広がる。彼女の奏でるライラの音は領民の正気を取り戻させるのに十分だった。
 歌が響き、炎が波となって押し寄せる。疫病楽団は1人残らず焼き尽くされたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『狂乱のルドヴィグ』

POW   :    伝染する狂気
攻撃が命中した対象に【いずれ狂気に至る癒えない傷痕】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【自傷、傷痕が生み出す激痛】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    包囲する狂気
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【狂気に陥る呪詛を撒き散らす己の複製剣】で包囲攻撃する。
WIZ   :    侵蝕する狂気
自身の【長剣】を【強い狂気と錯乱状態を付与する蛇腹剣】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。

イラスト:月岡ケル

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はハルア・ガーラントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くっ、猟兵め……私の楽しみを奪いおって……」
 領主は唇を噛む。これだけ猟兵に侵入されているのは予想外だった。―――まさか隣にもいるなどとは思ってもいないだろうが―――

「まあ良い。私が出向くことになるのは少々不本意だが、猟兵はこの手で屠り尽くしてやろう」
 こちらに向かってくる足音がする。直にここも戦場となるだろう。
「猟兵の血はどのようなものかね?」

猟兵も、随分見くびられたものだ。
ブラミエ・トゥカーズ
優雅と傲慢を示すのが吸血鬼の礼節であろう?
そうでなければ余等は憐れで惨めな敗残者になってしまうからな

さて、余は貴公を弑さねばならぬのでな
少し余と踊ってもらおうか
幾何学模様を描く剣の中を人型・狼・蝙蝠・霧に変化しながら包囲攻撃する
自身も敵も殺し切れるとは思っていない
半ば同名異種への共感を持って戯れる
見ている領民がいれば敵味方問わず互いに恐怖を撒き散らす

此度の宴の礼だ
余の血は余自身であるし不味いのでな
代わりにこれを受け取るが良い
味気ないが質は良いぞ?

演奏会と食事の礼として輸血用パックを渡す

抗いたまえよ。人の敵よ。
足掻きたまえよ。いずれ敗れ去る者よ。
貴公の敵は、星の支配者にて捕食者たる人間なのだから



 昂る領主の隣で優雅に紅茶のカップを傾けるブラミエ・トゥカーズ(《妖怪》ヴァンパイア・f27968)。
「随分と余裕そうであるな。領主殿」
「それは嫌味か?」
「いや。優雅と傲慢を示すのが吸血鬼の礼節。そうでなければ余等は憐れで惨めな敗残者に過ぎなくなるのでな」
"敗残者"という言葉に領主が反応する。
「敗残者だと?私が猟兵にいつ負けた?」
ブラミエはカップを静かに置いた。
「とっくの昔に負けている、と言ったら貴公はどのような反応をするのであろうな―――」
領主の剣がブラミエを襲う前に、彼女はバルコニーの縁に佇んでいた。

 さて、と歌うように口にする。
「余は貴公を弑さねばならぬのでな」
「まさか貴様、猟兵か―――」
唖然とする領主にそっと白い手を差し伸べる。
「少し、余と踊ってもらおうか」
ユーベルコード『伝承解放・悪しき風と共に来たるモノ』を発動。領主が正気に戻った時には、周りは霧に覆われていた。周囲のヴァンパイアの様子もおかしい。半狂乱になる老貴族、気絶した貴族令嬢。皆狂っている。
「小癪な……!」
次に思わず耳を塞ぎたくなるような不気味な高音。だがヴァンパイアには非常に聞き馴染みのある音がする。
「蝙蝠か、これも奴の仕業か?」
蝙蝠の群れが黒い雲となって襲いかかる。ヴァンパイアの首筋に噛みつく。噛まれた者は顔面蒼白で倒れ込んでいく。
「攻撃は強力だが致命傷にはなり得ない。こんな攻撃で我らを全滅させられるとでも思っているのか!」
『分かっておるぞ。これで殺しきれるとは思っておらぬ。というより、こんなもの戦いなどではない。貴公等と戯れているだけのこと』
 蝙蝠の襲撃が終わったかと思えば、黒狼が一匹佇んでいた。狼が近くを歩くだけで周囲のヴァンパイアが狂乱に陥る。さながら疫病を運んでいるかのよう。
 とうとう立っていられる者が領主だけになった時、狼は人型、ブラミエへと変化した。
「お前達には少し共感している。余は"ヴァンパイア"であり"疫病"である。貴公等とは異なる種とはいえ、同じ名を持つ者として、な」

 ブラミエはすれ違いざまに領主に袋を手渡した。赤い液体が入ったそれは少なくともこの世界のものではないように見える。
「此度の宴の礼だ。余の血は余自身であるし不味いのでな」
彼女が定期購入している血液パックを渡したようだ。
「代わりにこれを受け取るが良い。味気ないが質は良いぞ?」
ブラミエは一階にふわりと降り立つと狼へと姿を変えた。舞台も終わりを迎えるらしい。
『抗いたまえよ。人の敵よ。足掻きたまえよ。いずれ敗れ去る者よ』
終末を示すように、不気味な吠え声が響く。
『貴公の敵は、星の支配者にて捕食者たる人間なのだから』

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

領主め…貴様のような者を屠る為に私はここへ来たのだ!
さぁ行くぞ…私は処刑人だッ!!!

処刑人の覚悟を胸に、狂気と邪心耐性の加護を得て妖刀を抜き振るい敵と戦おう

敵の振るう蛇腹剣を心眼と気配感知で回避して
妖刀の剣舞となぎ払いで剣による攻撃を吹き飛ばそう

鞭のようにしなる剣か…!ならばこそ鞭はこのように使う!!
鎖の鞭を振るいロープワークで敵が振るう蛇腹剣に巻き付けて【太陽を飲み込む闇の蛇】を発動

鞭より生じる地獄の炎を範囲攻撃で操り蛇腹剣と敵諸共焼却して敵と武器を焼き滅ぼしてやろう…!

己の身を浸食する地獄の炎で焼かれる肉の匂いとその音をその身に焼きつけるがいい!!!



 階段を目にも留まらぬ速さで駆け上る仇死原・アンナ(処刑人、炎の花嫁、魔女、屠る騎士、そしてあいどる☆・f09978)。持ち前の怪力でバルコニーに繋がる通路の扉を破壊してからまだ数分も経っていない。
「領主め……貴様のような者を屠る為に私はここへ来たのだ!私は処刑人なのだから……!」
 責務に燃える彼女の姿はあっという間に消えていった。

 領主が彼女の姿を捉えたときには既にバルコニーに侵入されていた。
「想定より早いが……私の生み出す狂気に苛まれるが良い!」
領主の長剣が蛇腹剣へと変形する。禍々しいオーラを放つそれに近づけば、何人たりとも正気を保ってはいられない、はずだった。
「そんなものでは私の覚悟は揺るがない!!」
彼女の覚悟は相当なものだった。その上狂気と邪心には耐性がある。領主の策は失敗に終わった。アンナは妖刀を抜いた。
「その刀ごと、貴様をへし切ってくれる!」
領主は蛇腹剣を振るう。
「……見切った!!」
アンナはふわりと回避。連撃を仕掛けてくるも避けきった。まだまだ、と領主が踏み込んでくる。
「私の妖刀の一撃、受けてみろ!!」
彼女は舞うように刀を振る。攻撃を受け流す。そして、攻撃の隙を突いて薙ぎ払い。

「鞭のようにしなる剣か……!なればこそ鞭はこのように使う!!」
鎖の鞭をぶんぶん回し、飛ばす。アンナはユーベルコード『太陽を飲み込む闇の蛇』で鞭を蛇腹剣を巻き込んで領主の体にぐるぐると巻きつけた。
 鞭から地獄の炎が生じる。全てを燃やし尽くす炎は瞬く間に蛇腹剣、ひいては領主に燃え移っていく。
「己の身を浸食する地獄の炎で焼かれる肉の匂いとその音を、その身に焼きつけるがいい!!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

エリス・シルフィード(サポート)
『それじゃあ皆、宜しくね♪』
 オラトリオのシンフォニア×戦場の歌姫、24歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」、大切な人には「少女(わたし、あなた、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


館野・敬輔(サポート)
※アドリブ、他者連携、派手な負傷描写OK
※NG:恋愛、性的要素、敵との交渉、UC名へのルビ使用

『吸血鬼をこの世界から駆逐する。例外なく骸の海に還れ!』

ダークセイヴァー出身の、青赤オッドアイの青年黒騎士です。
吸血鬼に家族と故郷を奪われたため、吸血鬼やオブリビオンに強い憎悪を抱いており、憎悪を以て敵を冷酷に斬り捨てます。

直情な性格ですので、黒剣1本だけで真正面から叩き潰す戦術を好みます。
ボス戦では積極的に他猟兵を庇ったり、衝撃波や投擲用ナイフで牽制したり、他者連携を意識した戦い方もします。

ユーベルコードは指定されたものをどれでも使用。
迷惑行為や公序良俗に反する行動は、依頼成功のためでも行いません。



「骸の海に還れ!領主!」
黒剣を手に領主に斬りかかる館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)。
「真正面から来るとはな。奇襲という手を知らないのか?」
「貴様らのような卑怯な手は使わないだけだ」
剣と剣のぶつかる音。激しく火花を散らす2人。時が経つにつれ更に戦闘は激化していく。
「……時間を使いすぎたな」
領主は剣を蛇腹剣に変形させた。一撃一撃が更に重くなる。敬輔もユーベルコード『魂魄剣舞・専守防衛』で防御を高める。一進一退の攻防戦。

 空気が張り詰めた戦場に、柔らかな歌声が響いた。エリス・シルフィード(金色の巫女・f10648)の歌声だ。彼女の歌声は優しい祈り。オブリビオンの領主にとってはダメージとなり、敬輔には回復をもたらした。
 領主が攻撃対象をエリスに変更した直後、領主を衝撃波が襲った。敬輔が飛ばしたのだ。
「貴様の相手は俺だ。目移りするな」
それでも尚エリスに狙いを定める領主に、敬輔は大量のナイフを投げた。そして肉薄。致命傷とまではいかずともかすり傷とは言えないような傷をつけた。

 歌いながら、エリスは激戦が繰り広げられる戦場を神妙な面持ちで見つめていた。何か出来ることはないだろうか。力になれることはないだろうかと。今、双方互角といえる戦いをしている。あと一押しあれば猟兵の、敬輔の勝利は確実だ。
 彼女は一度歌を止めた。深呼吸。心を落ち着けて周囲を見回した。彼女の視界に、精霊の姿が入った。きっとエリスの歌に引き寄せられてきたのだろう。
「浄化の為に、燃やし尽くすわよ、皆!」
精霊たちが呼応する。ユーベルコード『聖霊達の狂詩曲』だ。聖属性の精霊たちは炎を生み出した。邪を祓う浄化の炎。エリスは歌で炎を操る。炎は領主の体、そして敬輔の剣に燃え移った。炎が敬輔の力を湧き立たせる。
「これで終わりだ!領主!」
領主は残る力でなんとか剣を振るうも、敬輔の力に負けた。もう蛇腹剣を維持することもできない。敬輔は燃え盛る剣を振り下ろした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

サンディ・ノックス
真の姿開放
金の瞳の赤い竜人の姿になる

苛立っている様子の領主を見ると笑みがこぼれてしまう
俺はダークセイヴァーの出身、幼い頃から猟兵だった
ずっと領主を倒してきた
今みたいに正気ではなく、俺の内包する悪意に突き動かされる形でだけどね
だから懐かしくて楽しい気分なんだ

できるだけ苦痛を与えて領主を殺したい
黒剣をロングソードに変形させて領主に接近し、斬る
接近戦では殴ったり尾で足払いして転倒を狙ったりするよ
領主からの攻撃は彼の殺意に反応して回避したいけど
喰らったところで痛みより領主を殺せるという快感で頭がいっぱいな俺にどこまで効果があるかな
領主が油断した隙に短剣で突きUCを発動させる
痛みに苦しむ顔を見たいなあ



 領主の前に現れた線の細い青年。一見領民がここに迷い込んでしまったようにも見える。
「邪魔だ」
領主が目にも留まらぬスピードで飛び掛かった。しかし、彼の剣は虚空を切った。
 目の前に居たはずの青年は、赤い竜人と変化していた。金色の瞳が歪む。

 サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は笑いが堪えきれなかった。領主はサンディに攻撃を避けられご立腹のようだ。それがどうしても面白い。いつもは余裕綽々としているのに、いざ自分の実力不足を突きつけられると途端に怒りだす。全て自分の思い通りにならないと怒り、暴れる―――
「まるで子供みたいだ。滑稽だね」
「貴様……!」
笑われて更に領主の怒りが大きくなったようだ。
「今、懐かしくて楽しい気分なんだ。幼い頃から君達領主を倒してきたからさ。昔の戦いを思い出すなぁ」
当時と現在の違いはサンディが正気であること。昔は彼の内包する悪意に突き動かされるように領主を狩っていた。

「五月蝿い猟兵め!疾く消えろ!」
サンディは黒剣が変形したロングソードを手に領主に接近する。領主の攻撃をものともしない。喰らったところで痛みより快感が勝る彼に攻撃など無意味に等しかった。
「できるだけ苦痛を与えてお前を殺したいな」
黒剣が領主を裂く。ただ腐ってもヴァンパイア。中々致命傷にはならない。
「ふはは!」
領主に剣を吹き飛ばされた。拾いに行く時間はないと判断する。サンディは領主を殴打する。何も剣がないと戦える訳では無い。
「貴様に勝算はない!黙って私に切り裂かれろ!」
サンディは何度も斬りつけられる。それでも攻撃を止めない。しかし攻撃に力が乗ってこなくなってきた。

 領主は余裕の笑みを浮かべた。しかしその顔は絶望に歪むことになる。
「―――油断したね?」
サンディは尾で足払い。領主を転倒させた。
「俺に隙を見せるとどうなるか……教えてあげるよ」
彼は倒れた領主に小刀を刺した。
「こんな攻撃で私を倒せるとでも……」
「倒せるさ」
ユーベルコード『解放・紫』。小刀から枝分かれした小さな刃が伸びてくる。それは木のように成長し、肉に小さな、けれど沢山の傷を付けていく。
「痛みに苦しむ顔を見たいなあ」
領主は小刀を抜こうとする。しかし釣り針状に変化した小刀は抜こうとするとより傷を深くする。

 痛みに悶え苦しむ領主が動かなくなるまで、サンディは悪意と快楽に満ちた笑顔で眺めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年07月30日


挿絵イラスト