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|ガチ・ガチ・オンライン《GGO》

#ゴッドゲームオンライン #アリーナ #憂国学徒兵

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#ゴッドゲームオンライン
#アリーナ
#憂国学徒兵


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●[GOD.GAME//ONLINE]
 PvP――Player vs Playerと略されるオンラインゲームにおけるコンテンツの形態の一つだ。
 プレイヤーVSプレイヤー。
 つまるところ、対人戦である。
 ゴッドゲームオンラインは究極のオンラインゲームであるのならば、当然このような要素は存在するだろう。

『学園』と呼ばれる拠点においても、同様のコンテンツが用意されている。
『アリーナ』と総評される闘技場コンテンツ。
 対戦モードでゲームプレイヤーたちがランキングを競い合うのだが、なぜだか『テスト順位』として発表されることになっている。
 当然、順位が上位になれば『学園』であるのだから『特待生』だとか、そんな具合の称号と共に恩恵が受けられるのだ。
「今度の一位報酬見たか?」
「ああ、『学生食堂』のステータスバフメニューだろ。温玉トッピングのみならず、コロッケ、お揚げ、とろろ昆布、かき揚げ、ちくわ天、海老天、ごぼう天、山菜の天ぷらの全部のせなんだろ?」
「これが伝説の立ち食い蕎麦のトッピング全部のせ……!」
「一体どれだけのバフ効果が得られるのか、まるで想像ができねぇぜ」
 ゲームプレイヤーたちは、『学園』のPvPコンテンツをプレイする『体育館』の入口に表示された『テスト順位』を見上げる。

 その上位陣に記されていたのは。
「やっぱり今期もクラン『憂国学徒兵』の連中が独占かー」
「だって連中、廃人プレイヤーなんだろ? 年季が違いすぎる。スキルもすげーけど、あれどうやってんだろうな?」
「一時期チートじゃね? って言われてたけど、チートじゃなかったらしいな。しかも、オート機能を全部オフにしてるんだろ?」
「げえっ、手動ってこと? スキル使用のコンボセットも?」
「そうらしいよ」
「こわ……」
 彼らは、そう噂をしながら『学園』を拠点としているクラン『憂国学徒兵』と呼ばれる廃人プレイヤーたちのスコアを眺める。
 四位から五位の間にはかなりのスコア差がある。
 実質、五位に入ることが、この『拠点』におけるPvPの一位であるとも言えるほどの差であった――。

●ゴッドゲームオンライン
 特に事件は起こっていない。
 オブリビオンであるバグプロトコルが発生したというわけでもない。
 単純に。
 そう、単純に、だ。
 ゴッドゲームオンラインという仮想世界において、拠点『学園』の『アリーナ』である『体育館』での対人戦……ひいてはゴッドゲームオンライン上での多様な戦い方を経験できる機会である。
「当然、勝敗に応じてトリリオンや報酬アイテムを手に入れることができます。今回は、お蕎麦です!」
 腕組みしてグリモア猟兵、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は猟兵たちにそう告げた。
 別にグリモア猟兵は今回のことに関してあまり関係ない。
 一切関係ないと言い切ってもいい。
 なぜなら、オブリビオン――バグプロトコルの出現が予知されていないからだ。

 ならば、何故?
「単純に今回の『アリーナ』の報酬アイテムである、お蕎麦が気になるからです! ランク順位に応じてトッピングの追加ができるのです! そんなの!」
 ああ、楽しいから付いてきたいっていうそういうあれなのか。
「今回向かう闘技場、『アリーナ』……『体育館』で行われる対戦モードは、特殊ステージになっております」
 そして、今期の対戦モードは『ワープバトル』である。
「文字通りです。『体育館』に設置されたワープトラップは、踏み込めば即座に別のワープトラップへと皆さんを転移させてしまいます。一瞬です。いわゆるダンジョンギミック、というやつですね」
 これによって、様々な工夫が行えるだろう。
 加えて言うなら、これはバトルロイヤル。
 最後の一人になるまで対戦モードは続く。

 撃破数と生き残った時間によってスコアが加点されていくルールだ。
「また、ゲームプレイヤー同士の戦いのみならず、通常の敵モンスターもトラップ扱いで跋扈しております。加点を狙うなら、オブジェクトもモンスターも破壊していくのがベターでしょうね」
 ワープトラップを如何にうまく使うか。
 これがランクインの大きな要因になるだろう。
「ああ、それと。報酬アイテムのお蕎麦、そのトッピング、何が良いか決めておかないとですね。ちなみに私の好きなトッピングは、チキン南蛮です!」
 その言葉に猟兵たちは思っただろう。
 邪道、と――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はゴッドゲームオンラインにおいて、PvP、つまり対人モードによるバトルロイヤルを楽しむシナリオになっております。

 ※このシナリオは一章構成です。またバグプロトコルが出現しません。

●第一章
 冒険です。
 拠点『学園』の『アリーナ』、『体育館』での対戦モードになります。
 最後の一人になるまでゲームが続くバトルロイヤル形式です。
 加点方式は『撃破数』と『生存時間』です。
 モンスターとオブジェクトの破壊は加点になりますが、微々たるものなので、ランクインを狙うなら、やはり他のゲームプレイヤーたちの撃破と長く生存することが鍵になるでしょう。

 またクラン『憂国学徒兵』と呼ばれる廃人プレイヤーたちも参加しています。
 廃人プレイヤーの例に漏れず、馬鹿みたいに強力な戦法であったり、スキル構成、装備アイテムで強敵です。

 報酬アイテムはお蕎麦です。
 温かいのと冷たいのが選べます。
 またランキングインすることでトッピングを選ぶことができます。
 お好きなトッピングを書いておくとよいかな、と思います。。

 それでは、バグプロトコル関係なしの対人モード、そのバトルロイヤルを廃人プレイヤーたちと競い合うランキング戦。あなたの好きなお蕎麦のトッピングはなんでしょう? となる皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
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第1章 冒険 『ワープトラップ』

POW   :    ワープ床を破壊する

SPD   :    慎重にワープ床を避けて歩く

WIZ   :    目的地へ繋がるワープ床を見つけ出す

イラスト:ハルにん

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 バトルロイヤルを告げるサウンドエフェクトが、拠点『学園』の『アリーナ』である『体育館』に響き渡る。
 今期のバトルロイヤル、そのランキングである『テスト順位』の上位者は、言うまでもなくクラン『憂国学徒兵』と呼ばれるゲームプレイヤーたちが占めている。
 彼らは廃人プレイヤー。
 そのゲームスキルは言うまでもなく超一流であろう。
 加えて、フィールドである『体育館』には多くのモンスターがとオブジェクトが邪魔を仕掛けてくるだろう。
「さーて、今日も狩るかー!」
『アイン』と呼ばれたゲームプレイヤーは、拳を打ち据え、大型突撃槍を構えた。
「油断はせぬように。対人モードですから、後ろにはお気をつけて。尤も、そこまで気を配れるますかね?」
『ツヴァイ』と呼ばれるゲームプレイヤーは、不敵に笑む。
 今回の戦法には自信があるのだろう。
「フハハハ! わかっているぞ、さきほどアイテムボックスの中に煙幕玉と閃光玉をセットしていたからな! スタンを取ろうなどお見通しだ!」
「何故、それを」
『ドライ』と呼ばれるゲームプレイヤーに『ツヴァイ』が食って掛かり、『フィーア』と呼ばれたゲームプレイヤーが、これを慌てて仲裁する。
 どちらにせよ、皆敵同士。
 普段は協力プレイに勤しむ者たちだが、今日だけは違う。

 互いの寝首をかくために様々な戦法を試すのだ。
 そして、要であるのはワープトラップ。
『体育館』のあちこちに設置されたワープトラップは、踏み込めば、いずこかのワープトラップに転移することができる。
 完全にランダムであるため、その法則性を見出すことはできないだろう。
 だが、攻撃にも回避にもうまく使うことができれば、バトルロイヤルをうまく生き延びることができるかもしれない。

 そんな数々の思惑を内包した『体育館』は、その緊張感が頂点に至った瞬間、バトルロイヤル開始の合図を告げるのだった――。
明和・那樹
●SPD

『憂国学徒兵』の皆と一緒にクエストへ出たりするけど…各個の|PS《プレイヤースキル》もそうだけど、連携も他のクランと比べて凄いからね
僕は学校に行かなければならないから日中はログイン出来ないけど…GGOの中で身バレは禁物だからどんな生活を送っているかは誰も知らないし、僕も知る由はない

だから気兼ねなく付き合えるけど、手加減なんてしない
今、この瞬間を…俺達は本気で遊んでるからな

UCを使えば俺の方が上だけど、使わなければPSは五分五分
だったら、皆の考えや癖を先読みして先回りだ
ワープトラップは『スカイステッパー』を足場と使って、皆の予想の斜め上で行く

言っただろ?
閃光のシデンの名は伊達じゃないって



 バトルロイヤル開始を告げるサウンドが『体育館』に鳴り響く。
 それはおなじみであったかもしれないし、はじめて耳にする者もいたかもしれない。
『体育館』と一口に言ったが、しかし、そのあり方は対人戦モード……つまり、プレーヤーVSプレイヤーである。
 普段はモンスターを共に協力して狩る仲間たちであっても、今回は互いに敵同士。
 連携を主にプレイヤースキルや、スキルビルドを行ってきた者たちからすれば、全てが別種のものに思えただろう。
 そんな戸惑いすらも食い物にできるのが廃人プレイヤーである。
「アハハハ! どけどけ! お馬が通るぞ!」
 笑い声と共に加速スキルと突撃スキルを併用したクラン『憂国学徒兵』の『アイン』と呼ばれるプレイヤーが大型突撃槍の突進力でもってフィールドを一閃する。

 それはまるでフィールドに白線を引くようであった。
「め、滅茶苦茶やりやがる!」
「攻撃一辺倒かと思ってたけど、攻防一体のスキルか!」
 プレイヤーたちの困惑を明和・那樹(閃光のシデン・f41777)、この場では『閃光のシデン』は耳にする。
 なるほどな、と那樹は思う。
『アイン』はもとより速さと突進能力に全振りしたスキルビルドをしている。
 それは連携において敵陣への嚆矢たる役割を持っていた。
 だが、このPvPにおいては攻防一体の突進として多くのゲームプレイヤーとモンスターを巻き込む範囲攻撃に変貌を遂げていたのだ。

 しかも。
「ワープトラップを利用すれば……」
「ご明察! ってやつだ!」
 その言葉と共に加速した『アイン』がワープトラップを踏み抜く。
 瞬間、『体育館』のあちこちに設置されたワープトラップからランダムに『アイン』が大型突撃槍を構えて幾重にも重なる閃光となって走るのだ。
「どうした、『閃光のシデン』! てめーの渾名を食っちまってるぞ! アハハッ!」
「クッ……!」
 ランダムに迫る『アイン』の構成に那樹は回避スキルを使用し、さらにユーベルコードで持って空中を蹴る。
 地面に立っていては、『アイン』の攻撃のよい的だ。
 那樹は空中に活路を見出したのだ。

 彼女たち――クラン『憂国学徒兵』たちとは一緒にクエストに出かけたりする仲だ。
 もちろん、彼らのプレイヤースキルや、装備、スキルビルドも把握している。他のクランと比べても廃人プレイヤーと言われるだけのことはあるのだと納得している。
「鈍っちまってんじゃあねぇぞ!」
「仕方ないだろ!」
 大型突撃槍の切っ先を双剣を交差させて受け止める。
 突撃ダメージだけでも凄まじい威力。
 並のプレイヤースキルと装備では防げない。
 だがしかし、那樹も『閃光の』と渾名されているのだ。『アイン』の攻撃に呼応して、ダメージを軽減してからのカウンターを叩き込む。

 確かに那樹は学校があるから日中はログインできない。 
 俗に言う廃人プレイヤーのように日がな一日ゲームはできないし、対する彼女たちの生活も同様なのだと思う。
 詳しくは知らないし、知ろうとも思わない。
 だから、気兼ねなく付き合える。
 手加減もいらない。そうすることもない。
 なぜなら、自分たちは本気で遊んでいるのだ。今、この瞬間瞬間を忘れないように。灰色の現実に差し込む虹色のような仮想の世界であっても、ここで生きて、遊んで、笑うのだ。

 だから、と那樹の瞳がユーベルコードに輝き続ける。
 空中を蹴った体がワープトラップを利用し、さらに『アイン』と並走するようにフィールドを駆け抜けていく。
「ハッ! この私に追いつくかよ!」
「言っただろ?『閃光のシデン』の名は伊達じゃないって」
「だろうな! なら、アゲてくぜ! 付いてこれるか?」
「愚問! そっちこそ遅れるな!」
 笑って、笑って、笑い合って。
 そうやって生きていく。それが灰色を塗りつぶす虹色。
 煌めくような火花をちらしながら、那樹と『アイン』はスコアを稼ぎながら、互いと激突するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オニキス・ヴァレンタイン
先生〜! 僕、|プレイヤー《PC》じゃなくて|ノンプレイヤーキャラクター《NPC》だし、26歳の設定なんですが、実装されて4年目……つまり4才なので学生ということで参加していいですか!?

立ち食い蕎麦のトッピング全部のせ……!
なんて心惹かれる報酬なのでしょう! これは皆様、参加するっきゃありません!

さぁ、さぁ学生の皆々様。楽しんで参りましょう。
僕が踏みそうなワープトラップはグラウンドクラッシャーで破壊。
PCの皆様には矢弾の雨を降らし地形の利用でトラップを踏むように仕向けましょう。

(等と言いつつ、実際は黒聖者として皆様の欲望による進化を見に来ただけなので、途中でえ〜ん!と撃破退場しても大丈夫です)



 キンコン、カン、コーン。
 そんな予冷の音が聞こえてくるようなゴッドゲームオンラインの拠点『学園』の日常風景の中にPvPを行うコンテンツ、『アリーナ』……ここでは『体育館』と言った方がよいだろうか?
 ならば、今はお昼時、お昼休み。
『体育館』の開放されたフィールドには、無数のワープトラップが存在し、その中を無数のゲームプレイヤーたちが互いのスコアを競い合ってスキルを発動している。
 傍目に見ていてもド派手である。
 そんな中にあってモンスターなどはただの置物でしかなかった。
 障害物だって存在しているが、これもまた同様だ。
 邪魔なら破壊する。倒す。
 そういうものなのだ。

「先生~! 僕、|プレイヤー《PC》じゃなくて|ノンプレイヤーキャラクター《NPC》だし、26歳設定なんですが、実装されて四年目……つまり4歳なので学生ということで参加していいですか!?」
 オニキスのような肌をした黒教の黒聖者、オニキス・ヴァレンタイン(八月のヴァレンタイン・f41830)は背筋を、ピッと伸ばして挙手していた。
 先生。
 この場においては引率の先生めいたリクルートスーツを着込んだグリモア猟兵が頷く。
 ガバガバだな、と思うが、もとより本物の先生ではないので仕方なし。
 そんなこんなでオニキスはノンプレイヤーキャラクターでありながら、ゲームプレイヤーたちとスコアを競い合う一プレイヤーとして『体育館』フィールドに踏み出していた。

 ワープトラップはさながらゲームプレイヤーたちをバウンドするバスケットボールへと変えていた。
 そう、ワープトラップはどこからどこに、という法則性がないのだ。
 完全のランダム。
 背後をついた、と思ったら他のゲームプレイヤーの目の前に飛び出していた、なんてこともあるのだ。
「しかし、報酬アイテムが立ち食い蕎麦のトッピングとは……しかも、ランキング上位になればそれだけトッピングの量が増える、ということ……全部のせ……!」
 強欲。
 そう、それは黒教の信者であり、その布教者であるオニキスにとっては心踊り、惹かれる文言であった。
 人の欲望、その再現なさを体現したかのような食べ物である。
「さぁ、さぁ学生の皆々様、楽しんで参りましょう! こんなの参加するっきゃありません!」
 であれば、オニキスは参加するっきゃないのであるし、まだ参加を躊躇っているゲームプレイヤーたちを煽るようにフィールドに飛び出していくのだ。

「オオ! 乱入者か! ちょうどいい、スコアの足しにさせてもらおう!」
 オニキスに迫るのはクラン『憂国学徒兵』の『ドライ』と呼ばれるゲームプレイヤー。
 振りかぶったハンマーの一撃がオニキスを襲う。
「おおっ、と! いけません。これは強烈ですね! ですが!」
 オニキスは月光弓を構え、迫るゲームプレイヤーに矢弾を射掛ける。
 足を止めるつもりなのだ。
 だが、それで足を止めることができたのは、『ドライ』以外のゲームプレイヤーであった。
 振り降ろされた一撃がオニキスに迫る。
「もらった!」
「いいえ、足元注意ですよ」
 そういったオニキスは『ドライ』を矢弾でワープトラップに誘導していたのだ。振り降ろされる一撃がオニキスを打ち据える前にワープして消える『ドライ』。
 オニキスはこれを狙っていたのだ。
「そして! 僕の周囲のトラップはぁ~グシャグシャになぁれ♪」
 振るうは、いい感じの棒。
 その一撃は単純に重く、ワープトラップを粉砕し、オニキスの周囲はワープすることも、してくることもない安全地帯になるのだ。
 だが、ということは。

 そこに安全地帯を求めてゲームプレイヤーが殺到してくるのは当然。
「え、ええ? み、皆々様?」
 オニキスばかりが安全にとは行かない、いかせないというように他のゲームプレイヤーの殺到に巻き込まれてオニキスは押し流されていく。
 だがまあ、オニキスにとってはこれも善き結果であろう。
 なぜなら、ゲームプレイヤーたちの欲望によるさらなる進化。
 その一端を垣間見たのだから。
「え~ん! 折角安全地帯を作りましたのに! ですが、皆様の欲望が進化していくのならば、オッケーです!」
 フィールドの外に飛ばされつつ、オニキスは己が生み出した安全地帯を求めて欲望のままに振る舞うゲームプレイヤーたちを満足気に見るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竜珠・アルベルチーヌ
はーい私も参加!
今日は人間達との交流もとい試合を楽しみに来たNPC守護獣アルルです!
特に注目されなければシレっと参加

空中機動で空を飛び
時々着地してワープを利用するね
UCはもぐら叩きのようにピルエラが出てしがみついたりは目に悪そうな回復光だったり。
羽根や尻尾の分、私のあたり判定は大きめだけどウカツに触れた人には指輪のビーム&怪力尻尾で打って羽根でも叩いて吹き飛ばしちゃうよ

勝ち負けより人間に混じってワイワイしたい
そのうち負けそう~
そしたら
守護獣アルル▼みんな強いわね!私はここからみんなの武運を祈るわ!
とかNPCらしく背景に紛れる

ちなみにお蕎麦には葱と山菜を狙ってます
鴨南蛮もいいかも!
皆ガンバレ~



 とある森で守り神として親しまれる天使の羽根を持つ竜人。
 それが竜珠・アルベルチーヌ(リュージュの守護獣アルル・f42188)のノンプレイヤーキャラクターとしての設定である。
 クエストの発端となる橋渡し役ともいうべきか。
 そんな彼女にとっての娯楽、楽しみというのはゲームプレイヤーとの交流である。
 普段は決められた会話しかできないが、今回は拠点『学園』のPvPコンテンツ、『アリーナ』である『体育館』にシレッと混ざり込んでいた。
 モンスターエネミーとしてではなく、一参加者として、である。
「なあ、あれって町紹介してくれるクエストトリガーのノンプレイヤーキャラクターじゃあないか?」
「あ、そう言えばそうだ。可愛いから覚えてるよ」
「でもなんでアリーナに?」

 この拠点『学園』のPvPコンテンツの方式はバトルロイヤルである。
 なので誰もが敵同士。
 そんな中にアルベルチーヌが入り込めば、誰もがノンプレイヤーキャラクターであるがゆえにモンスターエネミーとして認識しただろう。
「今回は私も参加よ!」
 アルベルチーヌは翼で飛翔し、ゲームプレイヤーたちの目を惹きつける。
 このコンテンツではモンスターやオブジェクトの破壊はスコアに加算されるが、点数が低い。
 やはり対人コンテンツ故に他のゲームプレイヤーを狙った方がスコアが高くなるのだが、それでも小銭を稼ぐ要領でモンスターエネミーを狙うゲームプレイヤーだっているのだ。
「こっちよこっち」
「あの子飛べたのか!?」
「いや、飛べるだろ。もとから羽あるんだから……いやにしても」
 早い。
 ノンプレイヤーキャラクターってこんなに強いものだっけ? とゲームプレイヤーたちは困惑仕切りである。

「ともかくお前のついでにあの子も!」
「何を!」
 アルベルチーヌを追いかけるゲームプレイヤーたちは隙あらば隣にいるゲームプレイヤーを倒してしまおうとするだろう。 
だが、次の瞬間、アルベルチーヌが姿を現す。
「ばあ!」
「うお!? なんだぁ!?」
 そう、ワープトラップである。
 フィールドに所狭しと設けられたワープトラップによってアルベルチーヌは突如、ゲームプレイヤーたちの間に顔を出したのだ。
 まるでもぐらたたきである。
 彼女はあちこちのゲームプレイヤー同士の戦いの間に入り込んでは、顔を出して指輪のビームや尻尾の殴打でもってゲームプレイヤーたちを吹き飛ばすのだ。

「くっ! お邪魔エネミーってことか! なら!」
「まずはコイツから!」
「わ、わわ!?
 ゲームプレイヤーたちのヘイトを向けられ、アルベルチーヌは大慌て。
 アルベルチーヌは彼らを相手にしても負けることはなかっただろう。だが、周囲のゲームプレイヤーたちから一斉に標的にされれば分が悪い。
 一斉に放たれたスキルの包囲網にアルベルチーヌは見事にHPゲージをゼロにされてしまって、『体育館』の外に排出されてしまう。
「みんな強いわね! 私はここからみんなの武運を祈るわ!」
「あ、そうか。思い出した。あの子、守護獣アルルだ!」
「もう蕎麦食ってるよ……」
 報酬アイテムであるお蕎麦の出汁をアルベルチーヌはすすりながら、その丼にのっけられたネギと山菜、そしてよくがんばったで賞の鴨を掲げて見せる。
「皆ガンバレ~」
 アルベルチーヌは、人間たちとワイワイとPvPコンテンツを楽しんだ記憶と共にお蕎麦を啜るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
好きなトッピング: 山菜(not天ぷら)とおあげさん
温冷:お任せ!

「面白そーだから混ーぜてー!」
UC:影に潜む蝙蝠 だけ使ったら、僕自身の技量の確認も兼ねて参戦だー!
Vergessen《愛用の黒剣》を構えて第六感/見切り/野生の勘を併用しながらズバズバ駆け巡るぞー!
ワープトラップのランダム転移は…UCの効果で僕を見つけちゃったヒトは恐怖しちゃうから
「隙だらけだよ~?」
その隙を|藍染三日月《愛用の斬霊刀》でズバっ!と出来るから問題なし☆

恐怖を乗り越えた相手には
「うーん、殺りがいありそ~」
遠慮なーく威圧/殺気を放ちつつ、2回/死角/範囲攻撃等を併用した|Pisces《愛用の鎖付き短剣》で攻撃だ~!



 狙うは山菜。
 天ぷらではなく。そしてお揚げである。
 何が、と言うとPvPコンテンツの報酬アイテムのことである。
 インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は意気込んでいた。
 ゴッドゲームオンラインのPvPコンテツは、そこかしこで行われているものである。だが、それは各所において個性豊かなものであり、それぞれに特色があるのだ。
 拠点『学園』においてはアリーナが『体育館』であるように。
 そして、当然報酬アイテムだってそうだ。
「温かいのと冷たいの選べるんだ。悩むなー」
 どっちにしよか、とインディゴは首をひねる。
「いや、それよりも参加しないと。面白そーだから混ーぜてー!」

 インディゴは一対の翼を羽ばたかせながら『体育館』へと飛び込む。。
 手にしたのは愛用の黒い剣。
 自分の技量がゴッドゲームオンラインにおいて、どこまで通用するのか知りたかった。
 ましてや、廃人プレイヤーたちが跋扈するPvPコンテンツである。
 殺し合いではないが、スコアを競うためにゲームプレイヤー同士で狙い合う形になるバトルロイヤル形式。
 当然、インディゴが飛び込めば、即座に新しい標的だと言わんばかりにゲームプレイヤーたちが殺到するだろう。
「ニューチャレンジャーか! なら、そのタイミングで狩らせてもらう!」
「どんなスキル構成かわからないから! 今のうちに!」
 確かに彼らの言う通りであった。
 詳細の知れぬゲームプレイヤー。
 初見殺しのスキルビルドを行っている可能性だってある。なら、それを発揮するまえに倒してしまおうというのだ。

 その判断は間違いではない。
 だが、影に潜む蝙蝠(ミエド・ムルシエラゴ)は皆一様に恐怖を与えられる。
 言いようのない感情。
 喉元からせり上がるような恐怖にゲームプレイヤーたちは、これがゲームだとわかっていたとしても、身を固くしてしまったのだ。
「な、なんだよ……! コイツ!」
「これもスキルなのか!?」
「ふふ、隙だらけだよ~」
 インディゴは恐怖で身をすくませたゲームプレイヤーたちに踏み込み、手にした『藍染三日月』の一閃を叩き込む。

「まあ、仕方ないよねぇ。僕の姿を見たら恐怖しちゃうユーベルコードなんだから……っと!?」
 インディゴが立っていた場所に叩き込まれるのは、さらなるゲームプレイヤー……クラン『憂国学徒兵』のゲームプレイヤー『ツヴァイ』であった。
 彼女は盾と剣を構えてインディゴに対峙する。
「おや、僕の恐怖を乗り越えて来たんだ?」
「恐ろしいですが、感情ならば処理できます。恐怖を乗り越えてこそ、スリルというものは味わえるものですから」
「う~ん、殺りがいありそ~」
 吹き荒れるは殺気。
 威圧とも取れる殺気を放ちながら、インディゴは踏み出す。
「楽しませて差し上げましょう。ですが!」
 勝ちはもらうと言わんばかりに『ツヴァイ』は踏み込む。
 互いに一歩も譲らぬ一進一退の攻防

 鎖が乱舞するようにフィールドに広がり、ワープトラップを利用した『ツヴァイ」の接近を防ぐ。
 打ち合う度に火花が散る。
「いいねぇ、僕と遊べてるなんて、キミなかなかやるじゃあないか~」
 インディゴは笑いながら歯ごたえのあるゲームプレイヤーとの戦いに興じ、迫る『ツヴァイ』と打ち合うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薄翅・静漓
この戦いは試合形式なのね
命を懸ける必要がなくても、気が緩むわけじゃないわ
だって、こういう勝負こそ――私のアスリート魂に、火がつくもの

トラップを利用して、ランダムにフィールドを移動
光の矢で牽制、すぐにワープ、また違う位置から矢を射る
タイミングを見て一撃、場所を変えてもう一撃
動きを読ませず、常にこちらが先手を取る狙撃戦

……けれど、あの子達は甘くない
こういう動き、きっともう対策されているわよね
だったら、こっちも一筋縄じゃいかない戦い方を見せてあげる
放った矢を花びらに変え、花吹雪で視界を阻害しながら攻撃
楽しいわ、こういう駆け引き

好きな蕎麦は温玉のせのお月見そば
でも、知らないものに挑戦するのも好き



 バトルロイヤル。 
 それは最後の一人になるまで決着しないバトル形式である。
「この戦いは試合形式なのね」
 薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)はゴッドゲームオンライン、拠点『学園』のPvPコンテンツである『体育館』に足を踏み出してルールを確認する。
 フィールドである『体育館』には様々なオブジェクトが設置されている。
 これを利用して不意打ちなどの戦略を取るのもいいし、オブジェクト事態を破壊してもスコアが加算される。
 またモンスターエネミーも配置されているので、これが邪魔をしてくることもある。
 無論、これも撃破すればスコアに加算されるのだ。
 だが、最もスコアを稼ぐためには、やはりPvPコンテンツらしくゲームプレイヤーを撃破するのが一番加点が期待できる。

 だが、バトルロイヤルであるがゆえに、一度撃破されてしまったらゲームが終わるまでは再びフィールドに入ることができないのだ。
 故に戦略とプレイヤースキルが問われるのだ。
「生命を懸ける必要がなくても、気が緩むわけじゃないわ」
「なら遠慮はいらないな! これはゲームなのだから!」
 フィールドに足を踏み入れた静漓を前に立ち塞がるのは『ドライ』と呼ばれたゲームプレイヤーであった。
 手にした武器はハンマー。
 重たい一撃を叩き込むことに特化した『ドライ』らしい武器であると言える。
 そう、一撃でも静漓が『ドライ』の攻撃を受ければ、確実にHPゲージはゼロになるだろう。そういう戦いなのだ。
 だからこそ。
「こういう勝負こそ――私のアスリート魂に、火がつくもの」
「ゲーマー魂でなくか!」
「そう、競い合うこと。ゲームであっても、スポーツであっても、それは変わらないもの」
 静漓が頷き、弓構えるような所作と共に光の矢が『ドライ』に放たれる。

 牽制だった。
 もとより、『ドライ』は一撃に懸けている。
 であれば、その一撃を打たせないことが静漓にとっては肝要だったし、その牽制の間にワープトラップを利用してランダムにフィールドを移動して『ドライ』を撹乱するつもりだったのだ。
 その目論見はうまく行ったと言えるだろう。
 光の矢をハンマーで払う『ドライ』。
 ちょうど目くらましにもなったのだろう。一瞬の間に静漓を見失った『ドライ』。その背後に静漓はワープトラップから一瞬で光矢をまた放つ。
 放ったかと思えば、即座にワープトラップを利用しての移動。
 さながら、常に先手を取る狙撃戦であった。
「クッ……! なるほど、トラップを十全に活用というわけだ! だが!!」
「ええ、そうね」
 静漓はわかっていた。
 クラン『憂国学徒兵』。彼らは甘くない。
 静漓がワープトラップを利用して攻撃してくるのならば、即座に対策を取るだろう。野生の勘とも言うべき一瞬の閃きを彼らは逃さない。

「……!」
「そこかッ!!」
 自動反撃スキルを使用しての静漓の光の矢に即応した『ドライ』がハンマーを振りかぶり、矢をへし折り、その勢いで肉薄する。
 一瞬だ。
 ワープトラップを使ってもいないのに、この速度。
「速い……けれど」
 そう、静漓も一筋縄では行かぬ猟兵なのだ。
 放たれた光の矢が無数の水晶の花びらへと変貌し、肉薄した『ドライ』の視界を塗りつぶすのだ。
「ブラインドか!!」
「ええ、楽しいでしょう? こういう駆け引き。報酬アイテムの温玉のせお月見そばが
たのしみ」
「それはたしかにそうだな! だが!」
「 水晶花(スイショウカ)、きれいでしょう?」
 交錯する静漓と『ドライ』。
 ガクリと膝をついたのは『ドライ』だった。
「『ドライ』、あなたのスコアは私がもらうわ――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…蕎麦か…お腹すいたな…
憂国学徒兵…そういう連中を倒し続ければ蕎麦を食べることが出来るのか…
わかった…蕎麦を食べる為に戦うとしよう…
さぁ行くぞ…私は処刑人…!

地獄の炎を身に纏い、鉄塊剣と屠竜の乙女を振るい敵と戦おう

ワープに入ったら転送先に拷問具をばら撒いて追跡者の足に噛みつかせて行動妨害
肉体より生じる地獄の炎をばら撒き範囲攻撃で操り敵を火達磨にして燃やしてやろう

ずるい?…蕎麦を食う為なら何だってする…ぶち|●《コロ》すぞ…!

【スキルクロス・モンストルム】を発動
怪物の技能を発揮して敵連中を二刀の大剣振るい怪力で叩きのめし恐怖を与えてやろう…!

蕎麦は…えぇと…冷たいざるそばをください…



 くう。
 腹の虫が鳴く音が聞こえた。
 ゴッドゲームオンライン上においても腹は減る。生きているのだから当然と言えば当然である。
 そして、そんな空きっ腹に出汁の香りなど嗅がされよものなら、余計に腹の虫が癇癪を起こしてしまうのも無理なからぬことであった。
「……蕎麦か……」
 お腹が、空いた。
 仇死原・アンナ(処刑人、獄炎の花嫁、焔の魔女、恐怖の騎士・f09978)は、ぽつねんと拠点『学園』のPvPコンテンツ『アリーナ』を開催している『体育館』の前に立っていた。
 くうくうと腹の音が止まらぬ。
「報酬アイテム……なるほど。参加すれば、ひとまず、蕎麦はもらえる、と……そして、参加者たちを倒せば、さらにトッピングが得られるのか……」
 そのためには、この『学園』を拠点にしているクラン『憂国学徒兵』と呼ばれるゲームプレイヤーたちとの戦いを制しなければならないのだ。

「わかった……そばを食べる為に戦うとしよう……さぁ行くぞ……私は処刑人……!」
 いや、絶対テンション間違っている気がしないでもない。
 だが、対人コンテンツとは得てしてそういうものである。
 他者を蹴落としてランクインするための死闘。
 轟々とアンナの身から膨れ上がるのは、地獄の炎。
 手にするは鉄塊剣と竜殺しの大剣。
 その物々しい雰囲気に『体育館』には、ピリピリとした雰囲気が充満していくようだった。
「な、なんだあのキャラメイク……!?」
「ど、どういう装備なんだ、あれ? 見たことあるか?」
「ないよ!」
 それもそのはずである。
 ここはゴッドゲームオンラインであるが、アンナは猟兵である。
 彼女の見目姿形というものは、ゴッドゲームオンラインをプレイしているゲームプレイヤーたちとは違い、本来の彼女の姿のままゲーム世界に訪れているのだ。
「いくぞ、蕎麦のため……」
 そんな物々しい処刑人めいたキャラメイクのアンナがフィールドに踏み込めば、ワープトラップをすぐさま踏み抜く。

 ワープ先はランダムだ。
 制御なんてできないし、法則性なんてない。
 ただランダムに位置を入れ替えるワープ。だが、アンナはワープした先に拷問具をばらまき、さらに己に襲いかからんとしたゲームプレイヤーたちの足元から伸びる足枷でもって、スタンを取るのだ。
「スタン!? 一体いつのまに……!?」
「背後を取れるとは、思わないことだ……」
 アンナの身から噴出する地獄の炎は、パッシブスキル。
 常時発動している炎は、足枷に囚われたゲームプレイヤーたちを一瞬で火だるまにする範囲攻撃なのだ。

「パッシブかよ! 一体どういうスキル構成にしてんだ!?」
「ずっこい! スタン確定で取れる上に常時自動攻撃とか!」
「ずるい? ……蕎麦を食うためなら何だってする……ぶち|ピー《●》すぞ……!」
 動画配信していたら、BANされちゃう感じの台詞を告げるアンナは、ちょっとしたボスエネミーほどの迫力があった。
 それを見たゲームプレイヤーたちは一様に戦慄する。
 PvPコンテンツに参加すれば、一応最低保証の報酬アイテムである蕎麦はもらえる。
 なのに、アンナのこの気迫はどうだ。
「我が力を思い知れ…そして恐怖に振るえるがいい…!」
 瞳に煌めくはユーベルコードの輝き。
 アンナは本気だった。
 冷たいざるそばのために、己が力を振るうことを決意した処刑人。
 その姿はさながらゲームプレイヤーたちにとっては、圧倒的脅威。
 絶対倒せない負けイベントで出てくるエネミーの様相を呈した、炎の嵐の処刑人として、その猛威を振るうのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
単に生き残るだけでなく、大勢倒すこともまた肝要。
兵士として、アンサーヒューマンとして、自分の能力がどこまでいけるのか!
いきます!!切り刻む!!!

『四連抜刀』騎兵刀4本を鞘に納め、
プラズマシューズとメガスラスターで【推力移動】
アンサーヒューマンの【瞬間思考力】にそれを強化する機械絆、
そして人工魔眼の動体【視力】を組み合わせワープトラップによる転移に、
瞬時に状況を把握、ゲームプレイヤーへ0秒攻撃や自動反撃からの0秒攻撃で防護無視【切断貫通攻撃】
【早業】刀を鞘に納めながら他PLへ寄って斬る、ワープトラップへ突入する。
これを高速で只管に繰り返し倒されるまで繰り返す!

通りすがりに失礼いたします!



「なるほどであります!」
 拠点『学園』の対人コンテンツ、『アリーナ』がおこなれている『体育館』の前に立ち、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は力強く頷いた。
 この対人コンテンツは、バトルロイヤル方式。
 オブジェクトやエネミーモンスターを倒せば加点されるが、それは微々たるもの。
 スコアを稼ぐためには長く生き残ることと、参加ゲームプレイヤーを多く撃破しなければならない。
 その肝要を理解して小枝子は頷いたのだ。
 己は猟兵である前に兵士、そしてアンサーヒューマン。
 その能力の全てが、この自分以外は全て敵、という状況においてどれほどのものであるのか知りたいと思ったのだ。

「それではいきます!! 切り刻む!!!」
「のっけから物騒ね?」
 小枝子の前に立ち塞がるのはクラン『憂国学徒兵』の『フィーア』と呼ばれるゲームプレイヤーであった。
 幻影のように魔法スキルを使ってデコイをばらまくやり方は、このバトルロイヤル方式の対人コンテンツの中においては有効な手段であったことだろう。
 無数のデコイは全てがゲームプレイヤーにとっては倒すべき敵として認識される。
 撃破したと見えても、実際にはデコイ故にスコアにはならない。
 味方は己だけという状況にあって、多数対一を強いることのできるスキルビルドは、最適解であるとも言えただろう。

 だが、小枝子には関係なかった。
「数など立ち止まる理由にはなっておりません! それでは!」
 構えるは騎兵刀。
 納刀された四振り。
 プラズマシューズが反発力を生み、その勢いをメガスラスターが補強するようにして小枝子をフィールドの中に走り込ませる。
「まっすぐに来るのね? いいわ。なら、あなたも『幻影』の餌食にしてあげる」
 生み出される無数の『フィーア』。
 デコイであることはわかっている。だが、その中に本物が混じっているかも知れないという可能性が、ゲームプレイヤーのスキルが高ければ高いほどに有効に働くのだ。
 小枝子の人工魔眼が戦場に走る。
 見分けはつかない。
 だが、動きを見る。
 瞬間思考で、全てのデコイである『フィーア』を見つめる。
 つぶさに観察し、違いを導き出さなければ、この『幻影』に小枝子は翻弄されるばかりであろう。

 そして、小枝子が見ていたのは『フィーア』だけではない。
 周囲に配されたワープトラップ。
 その位置関係を見やる。全てワープ先はランダムなのだという。であれば、ワープ後に即座に位置関係を把握できなければ、ただの移動手段にも劣るのだ。
 故に、小枝子は踏み出す。
 ワープトラップを踏み抜いた瞬間、小枝子はワープ先で戦場を俯瞰する。
『幻影』未だ見破れず。
 だが、問題はシンプルだ。
「すべてが本物に見えるのなら、全て斬ってしまえばよいのです!」

 ユーベルコードに輝く小枝子の瞳。
 それは乱暴なやり方だった。
 だが、己が手にした四振りの騎兵刀はそのためにある。ゼロ秒。
 刹那に満たぬ剣閃。
 その斬撃がデコイである『フィーア』たちを全て斬撃で持って斬り裂くのだ。
「ぜ、全部!?」
「ええ、通りすがりにデコイの全てを斬り伏せさせていただきました! 失礼いたします!」
「こ、こんな力技で『幻影』が破られるなんて、私、し、知らない!?」
「で、ありましょうな! なにせ、これはただの力技でありますから!」
 小枝子は全ての『幻影』を切り裂き、最後に残った『フィーア』を見つける。
 ワープトラップで緊急回避も許さぬメガスラスターの踏み込みと共に小枝子の斬撃が『フィーア』を斬り裂く。

 それは現環境最強とも言えたクラン『憂国学徒兵』の牙城の一角を切り崩す、ジャイアントキリングであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドワルダ・ウッドストック
そろそろどこかの世界で戦争が発生しそうな雰囲気ですし、錆落としにちょうどいいですわね。
参加させていただきますわ。
お蕎麦は、温かい奴をテンプラ載せで頼みますわね。

方針は積極的に、モンスターもプレイヤーも区別せず、片っ端から攻撃して参りますわ。
相手は廃人とやら、かなりの歴戦の兵士でしょう。
故に、手加減も小手調べもありません。最初からフルスロットルで暴れ回りましょう!
コンバットナイフとスローイングナイフ、ライフルと拳銃。
攻防を臨機応変に使い分けて、近距離遠距離関係なしに立ち回ります。

ワープ罠は、不慣れな身で迂闊に踏み込むのは危険なので破壊したり、|トラップ《パンジャンドラム》を設置しておきますわ。



 鍛錬とは弛みないものであるべきだ。
 戦う者であるのならば、常にそれを意識してる。戦いの外にあっても、どこか身を鍛え、技術を研ぎ澄ませているものである。
 少なくとも、エドワルダ・ウッドストック(金雀枝の黒太子・f39970)はそうであった。
 それに加えて言うのならば、猟兵として大いなる戦いが差し迫っている気配を彼女は肌で感じていた。 
 であるのならば、だ。
 彼女の鍛錬はここから研ぎ澄ませていくべきものである。
「錆落としにちょうどいい催しがあると聞いてやってきたのですが……なるほど。これは鍛錬のしがいがありますわね?」
 エドワルダが見つめる先にあるのは、ゴッドゲームオンライン内の拠点『学園』の対人コンテンツが行われている『体育館』である。

 大凡戦いからは程遠い場所である。
 しかし、ゲームプレイヤーたちは、この対人コンテンツで互いのゲームスキルを高め合っているのだという。
「であれば、ちょうどいいと言わざるをえないのですわ。わたくしも参加さえていただきましょう……え、お蕎麦?」
 そう、この対人コンテンツ、報酬アイテムはお蕎麦なのだ。
 冷たいのと温かいのが選べ、そこからスコアによってトッピングが追加できるのだ。
「ふむ、であれば温かいのが欲しいところですわ。狙うはテンプラ……いざ!」
 エドワルダは気合を入れ直して『体育館』へと飛び込む。
 すでに戦いはバトルロイヤル方式に相応しい乱戦。
 あちこちでゲームプレイヤーたちが鎬を削っているし、またその間に割って入って漁夫の利を得ようとしている者たちもいる。
 戦略は様々だ。

 しかし、獣人戦線という戦いに明け暮れ、徹底抗戦の日々を送っていたエドワルダにとっては見慣れた光景でもあった。
「確かオブジェクト、モンスターも破壊すればスコアになるのでしたわね?」
 彼女は最初からフルスロットルであった。
 我流・二刀剣銃術(オウンスタイル・デュアルウィールド)。
 それは銃撃と剣戟の二重奏。
 迫るゲームプレイヤーの一撃をナイフで受け止め、拳銃を抜き払って銃撃で仕留めるのだ。
「なんて反応速度だよ!? プレイヤースキルの差だっていうのか!?」
「片っ端からですわ。そこにおられたのが不運だと思っていただくとして……」
 エドワルダはフィールドを走り抜けるついでと言わんばかりにゲームプレイヤーたちを狩り、スコアを順調にあげていく。

 みるみる間にランキング上位に食い込んできているのだ。
 それは他のゲームプレイヤーにも周知。
 であれば、突出したスコアを持つ者を排除しようと即席の連携が取られることもバトルロイヤルでは珍しく。
 エドワルダを取り囲むゲームプレイヤーたち。
 だが。
「下策、と言わざるを得ませんまわね?」
 迫る包囲攻撃。
 だが、彼女のナイフが翻る度に銃撃がゲームプレイヤーに即応され、叩き込まれるのだ。
 ナイフ、拳銃。
 残弾が尽きれば、コンバットナイフとスローイングナイフに切り替え、即座に対応するのだ。
 それは遠近そつなく熟す……いや、熟さねば生き残ることのできない戦線を戦い抜いた者だけに見える兵士としての直感。

「この攻撃をいなす者もいる、と」
「ハッ、やるじゃあねぇか! 鹿角の人!」
 クラン『憂国学徒兵』のゲームプレイヤー『アイン』だけがエドワルダの攻勢に対応できていたのだ。
「ここからはタイマンと移行じゃあねか、私についてこれるか?」
「愚問ですわ!」
 エドワルダと『アイン』は周囲を置いてけぼりにする超常めいたスキルのやり取りでもってフィールドを戦場に変え、その凄まじい戦いぶりは、後に名勝負として語り継がれることになるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
いいでござるか強いPvPプレイヤーは相手が嫌がる事大好きな性格が終わってるカスでござる
サバイバル系は少人数チーム制と違い責任が軽くて軽率に命が失われるものでござるよ…という訳で全員殺します(ゲーム的表現)

イクゾッッッ
隣人の貴重品を破壊する
隣人の尊厳を破壊する
隣人のジーンアカウントを破壊する
隣人の命を破壊する

適当に戦場に改竄コードを垂れ流し!全方位にレベル破壊するバグを放っていけ!
能力を殺されスキルもステータスもバグりほぼ元の肉体で戦わさせられる気分はどうだ?因みに拙者は素で強いぞ
これから行われるのは一方的なリアル感あるサバイバルでござる!|雄叫び上げ《打C》ながらぶん殴っていけ!

冷えたコロッケ



 PvP。
 つまり、プレイヤーVSプレイヤー。
 本来、ゴッドゲームオンラインにおいてのメインコンテンツは他ゲームプレイヤーとの冒険、連携である。
 倒すべきはモンスターエネミー。
 ならば、本来プレイヤーとプレイヤーとが戦う必要性などないのだ。
 だが、此処は究極のゲーム、ゴッドゲームオンライン。
 当然、対人コンテンツを求める声あれば、実装されているのは必然であった。
「いいでござるか。強いPvPプレイヤーは相手が嫌がることをするのが大好きな性格が終わってるカスでござる」
 エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)の物言いは炎上真っしぐらであった。
 だがまあ、概ね合っているであろうし、否定できないし、否定材料が見つけられないのが悲しいところである。

 そういう意味では、エドゥアルトはまるで加減しない類のPvPプレイヤーでもあった。
 拠点『学園』で行われている対人コンテンツ、『アリーナ』が行われている『体育館』はフィールドこそ現実世界の学校の体育館そのものである。
 だが、そこに配置されたオブジェクトやモンスターたちは全く持って現実に即したものではなかった。
 環境をつぶさに知り、これを利用することもまた肝要なのだ。
「それにサバイバル系は少人数チーム制と違い、責任が軽くて軽率に命が失われるものでござるよ……」
 にこし。
 エドゥアルトはアルカイックスマイルと共にフィールドに身を潜める。
 ここでむやみやたらに姿をさらすのは素人。

「ハッキリと言っておくでござる。位置取りに失敗したものからスナイプされてバンでござる」
 ボンッ、だぜ? みたいな感じでエドゥアルトはフィールドの高所を取るように『体育館』のバスケットゴールの上に陣取る。
 目立ってしょうがないのでは?
「これだから素人は困るでござる。ならば、見晒せ。イクゾッッッ」
 急にエドゥアルトの瞳がユーベルコードに輝く。
 刮目せよ、といわんばかりに放たれる改ざんコード。
 それはゴッドゲームオンラインというゲーム世界においては無法の極みであったことだろう。

「隣人の貴重品を破壊する。隣人の尊厳を破壊する。隣人のジーンアカウントを破壊する」
 いや、それはマジでやめてほしいところである。
 洒落にならん。
「そうでござる? ならば、隣人の生命を破壊する」
 あーね!
 HPゲージね! そういうあれね!
 エドゥアルトは適当に改ざんコードを垂れ流し、全方位にレベル破壊するバグを放っていく。
 それはこの対人コンテンツの一戦飲みに適応されるコードである。
 間違っても、今まで築き上げてきたゲーム内での時間までも破壊する鬼畜しようではないので安心していただきたい。
 ……だよね? そうだと言ってよ!
「にこし」
 エドゥアルトはアルカイックスマイルを決め、エドゥアルトはバスケットボールゴールから飛び降り、デバフに苦しむゲームプレイヤーたちを見下ろす。
「能力を殺され、スキルもステータスもバグった元の肉体で戦わさら得る気分はどうだ? どうせゲームばっかりやっていてもやしっ子なのだろう! そんなもやしっ子に拙者がやられる道理などないのでござる!」
「あんたも、デバフかかってるだろ……!」
 そう、改ざんコード垂れ流しなので、当然エドゥアルトもデバフがかかる!
 だが!

「ふっ、甘いでござるよ。拙者、こう見えて素で強いぞ! そして! これから行われるのは一方的なリアル感あるサバイバルでござる!」
 エドゥアルトは素のステータスでゲームプレイヤーたちを圧倒してボコしていくのだ。
「冷えたコロッケは拙者のモンでござる!!」
 コロッケ、よいよね。
 温かい出汁に溶け出していく衣とホロホロのじゃがいも。
 それが渾然一体に……
「ふ、人の嫌がることをするのがPvP……であれば、拙者最強でござる!」
 それはそれでどうなのかな?
 だが、エドゥアルトは拳を突き上げ、そのぶっちぎりのスコアで冷えたコロッケを独占するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

え?お蕎麦?
ナイアルテさんお蕎麦食べたいんですか?

作りますよ?
トッピングのチキン南蛮はちょっとお時間頂いちゃうかもですけど!
(コック姿にフォームチェンジして瞳きゅぴーん☆)

そういうことじゃないんです?

なるほど。勝って食べるお蕎麦に価値があるってことですね。
わっかりました!
それではなんとかご馳走できるように頑張りますね!

とはいえー……。
あそこでテンションから揚がってるステラさんにも勝たないとなんですよね。

ふつうにやっても全然無理ですからここは!

やはり頼るのは演奏です!
ワープを利用しようと来る方々に、悉く演奏を聴かせていきましょう!

昨日の飼い主も今日は敵!
無差別音波でいきますよー!


ステラ・タタリクス
【ステルク】
|エイル様《主人様》の香りがしま……せんっ?!
あれ?!エイル様どこー!?
あ、|あんなところ《裏方》に!
エイル様、愛してまーすっ!!(手をぶんぶん)
それにしても、ほぼ|戦いの火種《エイル様》の香りがしない
この戦いならばエイル様のご心痛の心配も無し!
というわけでこの世の平和の為にルクス様を倒します!

あ、優勝したらシンプルに海老天のせ、山菜トッピングのざるそばを
エイル様の手ずからで食べる事を要求します!!


元々こういう乱戦は得意なのです
【スクロペトゥム・フォルマ】で仕掛けます
防御を重視しつつも
手近な距離から銃撃と体術でしばき倒します

ええ、ここで因縁(?)を断ち切りましょう
ルクス様、覚悟!



「|『エイル』様《主人様》の香りがしま……せんっ!?」
 香るのは出汁ばかりである。
『体育館』――拠点『学園』における対人コンテンツの『アリーナ』となってフィールドに満ちる香りにステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は驚愕した。
 カツオと昆布の併せ出汁!
 その芳醇な香りにステラは驚愕していた。
 そう、お蕎麦。
 それが対人コンテンツの報酬アイテムであった。
 参加すれば、皆もらえて温かいのか冷たいのかを選べる選択制。
 そして、スコアによってトッピングできる量が増えるし、またよいバフ効果が期待できる人気のトッピングともなれば、ランキングにインしなければ得ることもできないのだ。

 故に、拠点『学園』における対人コンテンツは、基本的に昼時行われていた。
 なんとも胃袋に優しくない仕様である。
「あれ?!『エイル』様どこー!? あ、|あんなところ《裏方》に!」
 ステラが目ざとく見つけたのは、亜麻色の髪を束ねて三角頭巾と割烹着を来たノンプレイヤーキャラクターの少女であった。
 まさか。
 そう、そのまさかである。
 報酬アイテムの蕎麦の出汁を作っているのは、『エイル』なのだ。
 であれば、そう。
「この香りは実質『エイル』様の!? そう言っても過言ではないのでは!?」
 過言がすぎる。
「『エイル』様、愛してまーすっ!!」
 告白。
 ステラは確信していた。
 今回、事件の匂いはしない。であれば、『エイル』の心痛を慮ることも必要ない。今ここは、まさに平和!

 そんな一人勝手にテンションの上がっているステラを他所にルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はグリモア猟兵に尋ねる。
「お蕎麦食べたいんですか?」
 そりゃあお昼時であるわけだから、当然お腹も空くってもんである。
「作りますよ?」
 いとも簡単に言ってのける料理人ならぬ勇者。
 ルクスにとってみれば、それは簡単なことだった。
「あ、でもトッピングのチキン南蛮はちょっとお時間いただいちゃうかもですけど!」
 すでにコック姿である。
 勇者としての姿ではなく、ルクス料理人での姿である。
 いやまあ、今回はそういうことではないのだ。
 これはあくまで対人コンテンツ。
 参加し、蕎麦を得ることで楽しむコンテンツなのだ。

「なるほど。勝って食べるお蕎麦に価値があるってことですね。わっかりました! そおれではなんとかごちそうできるようにがんばりますね!」」
 にこ!
 こういうところは普通に美少女なのになぁ、と思わないでもない。
 が、ルクスはステラを見やる。
 なんか妙にテンション高いのは今更である。
「……あのステラさんに勝たないとなんですよね」 
 普通にやっても全然無理なのだ、とルクスは思っていたが、演奏したら一発じゃね? と思わなくもない。

「なにか最悪の展開になりそうなので、この世界の平和のためにルクス様を他お押します!」
 いつもは相棒。でも今回は敵同士。
 それがバトルロイヤルである。
 そんでもって二人は見落としていた。これがバトルロイヤルということは、他のゲームプレイヤーもまた自分たちを狙っているということを。
「睨み合っている隙に!」
「フィールドで棒立ちとか、倒してくださいって言っているようなものだぜ!」
「ヒャッハー!」
 次々と迫るゲームプレイヤーたち。
 しかし、ステラの動きは速かったし、ルクスもまた即応していた。
「やはり頼りになるのは演奏です!」
 ルクスがバイオリンでCanon(カノン)を奏で、不協和音でもってゲームプレイヤーたちの鼓膜をぶち抜く。
 それも周囲に集まった全てのゲームプレイヤーの、である。
 恐るべきは演奏である。奏魔法とは絶対に言ってはならないあれである。

「ック、『エイル』様から手ずから頂くお蕎麦の最大の難敵は、まさかのルクス様だとは……耳栓が壊れました」
 ステラは構える。
「機能の飼い主も今日は敵!」
「ええ、ここで因縁を断ち切りましょう」
 いや、それは無理である。 
 宿業とか宿縁とかそんな感じで二人は結ばれているのである。断ち切ろうっていって断ち切れるような縁ではないのだ。
 しかし、ステラはやってやる気満々であった。
 なぜなら『エイル』から手ずから食べさせてもらえるからだ。無論、事後承諾もいいところであるが、しかしステラは二丁拳銃を構えた。
「ルクス様、覚悟!」
「無差別音波から逃れられるわけないじゃないですかー!」
 その言葉と共に放たれる衝撃波がステラを襲う。
 頭が揺れる。
 視界がブレる。 
 だが、ステラは執念でもって音波を踏み越え、ステラへと超近接専用『銃の型』でもってルクスを打ちのめす。

 しかし、それは相打ち。
 ドローである。
 崩れ落ちる二人。
 だが安心して欲しい。参加した以上、お蕎麦はもらえる! そして、トッピングないなら作れば良い! そんな無法がまかり通るのがゴッドゲームオンライン!
 ガチのガチのバチバチ。
 そんなバトルロイヤルは、きっとこれからも繰り広げられていくことだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年04月23日


挿絵イラスト