死ぬまでに、一度は見ておきたいと思っていた。
息を飲むほどのめくるめく春の絶景、幽玄なる桜リフレクション。
それは、1枚の写真に収められた、奇跡の春。
はじめてそれを目にした時、この場所にいってみたいって、ずっと思っていて。
それがようやく叶うと、そう思っていたのに。
そこに居ただけなのに、友達と遊んでいただけなのに。
……何故どうして? 待ち焦がれた春が訪れる前に――私は、死にました。
でも、それでもやっぱり。死んだ今だって、私は……。
●桜リフレクション
「今年も、春の季節が巡ってきたな」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はそう桜のようにふわりと微笑み、集まってくれた皆に礼を言った後、今回の案件の内容を語り始める。
「帝都に、ことさらに傷ついた影朧が現れることが予知された。影朧は皆、多かれ少なかれ傷つき生まれる「弱いオブリビオン」なのだが、その中でもこの影朧は特に儚く、弱く感じられる。余程の辛い「過去」が具現化したのだろう」
そんな儚く弱い影朧が帝都に現れた理由、それは。
「この影朧は「果たせなかった執着」を叶えようと、帝都にある湖に現れるようだ。彼女は、「桜火ノ少女」という戦う術を持たぬ怪異となり、春の湖に沿った桜並木を進んでいるという。生前の彼女の父親は写真家で、大好きな父親が撮った写真の場所に連れて行って貰う予定であったようだが。それが叶う前に、友人と遊びに出た際、不運にも爆発事件に巻き込まれ、彼女は命を落としてしまった。そんな無念と、桜の景色への憧れが、強い執着となったのではないかと」
通常ならば、帝都を脅かす影朧は即座に斬るのが掟。
だが、ひとたび無害と分かれば、帝都桜學府の目的である「影朧の救済」を優先するべく動くこととなるから。
「なので今回は、「果たせなかった執着」を叶えるために歩き始める影朧を、目的地まで導いて欲しい。そのためには、影朧が現れたことで動揺してしまうだろう帝都の人々を安心させ、宥めることも必要だ。彼女は、写真の風景まで辿り着き、その景色を目にすれば、心残りがなくなって己の死を受け入れる」
つまり今回の依頼は、歩き始めた「桜火ノ少女」に同行して。
彼女の「執着」を果たさせてあげて欲しいと、そういうわけだ。
そんな彼女の「執着」は、父親が撮った写真の場所に実際に赴いて。
月明かりに照らされ水鏡に映る、春の夜の逆さ桜を観ること。
「この湖は桜の名所として知られており、大きな湖の岸沿いは今の時期、見事な桜並木となっている。彼女の目当てはこの湖の穴場に密やかに佇む、夜の水鏡に映る一本桜だが。まだ明るい時間帯から彼女はこの湖に現れる。彼女は湖岸の桜並木を、目的の一本桜目指して、まずはゆるりと歩いて進んでいる」
彼女のお目当ての夜の逆さ桜は、いつだって観られるわけではない。
風がなく、雲一つない晴れた春の月夜にしか観ることが出来ないというが。
この日はその条件が満たされ、美しい桜のリフレクションが鑑賞できるという。
彼女がそんな目的の地を目指してゆるりと歩くという明るい時間帯も、淡い桜の薄紅と澄んだ湖や空の青が、美しい春の情景を生み出して。
桜が満開のこの時期、湖の桜並木に沿って出店が並び、湖岸にシートを敷いて花見もできるし。桜並木を歩いて散歩してみたりは勿論のこと、レンタサイクルや遊覧船やレンタルボートなどもあり、ただ花見といっても、楽しみ方はいろいろ。麗らかな春の湖畔に咲く満開桜の風景を、好きなように楽しめる。
「この影朧の少女が行く先はわかっているし。少女についていなくとも、彼女が通りかかる場所で皆が見守ってくれるだけでも、猟兵がいるという安心感を、湖岸の出店の人や花見に来た周囲の人は抱くだろうし。皆も一緒に楽しんでくれれば、その様子を目にした少女も、さらに憧れの風景に対しての心躍る気持ちが満ちるだろうので。皆も、桜色に溢れる湖でのひとときを楽しみつつ、少女の執着を晴らすことに手を貸してあげて欲しい」
清史郎はそれから改めて、よろしく頼む、と皆に頭を下げた後。
掌に満開桜を咲かせ、猟兵達を導く。
再び季節が巡りきて桜色に染まった、春の帝都へと。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いします!
※ご連絡※ 第1章は、4/6(日)朝8:31より受付開始します。
第1章の断章をOP公開後に掲載いたします。
今回の依頼内容は以下、全章イベシナ風です。
第1章:桜火ノ少女
第2章:時よ暁にて止まれ
全章POW/SPD/WIZは気にせずOKです。
気になった章のみのご参加も勿論歓迎です!
全章、影朧に同行せずとも構いません。
猟兵がいるというだけで、十分な安心感を一般人に与えられるので。
存分に楽しんでいただいて大丈夫です!
第1章、昼~夕方の湖畔の桜を楽しめます。
湖に沿った桜並木が続く春の名所で花見等ができます。
桜並木には出店が並び、シートを敷いて花見もできますし。
ベンチ等も置かれており、食べ歩きを楽しむ事もできます。
他にも、一人乗りから複数人乗りの自転車を借りてレンタサイクルとか。
手漕ぎや足漕ぎボートを借りられたりだとか。
遊覧船にも乗れますので、お好きな過ごし方をと。
影朧は人に危害を加える力はもうなく、ただ歩んでいますので。
そっと彼女を見守ったり同行もできますし。
周囲の人を安心させるべく、全力で楽しむだけでもOKです!
第2章、夜から夜明けまでの桜を楽しめます。
影朧の目的地は、湖の奥にある一本桜が満開に咲いた穴場です。
水鏡に映る見事な逆さ桜を観ることができます。
彼女の転生を見届け見守るべく、この場に赴くもよし。
昼にできることは引き続き、夜もできますので。
人々を安心させるために、夜の花見を全力で楽しむこともできます。
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、20歳以下の方の飲酒喫煙は厳禁です。
各章、詳細を記載した断章を受付前に掲載します。
締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。
●お願い等
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
第2章は清史郎をはじめとした当方のグリモア猟兵も皆おりますので。
お声掛けていただいた場合のみ、喜んでご一緒させていただきます。
これまで面識なくても全く構いません、お気軽にお声かけてくださればです。
ご参加お待ちしております!
第1章 ボス戦
『桜火ノ少女』
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POW : ファイヤー・オン・クイーン
自身の身体部位ひとつを【、又は対象の身体部位ひとつを強力な爆弾】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
SPD : 花散る爆弾
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【含む、生物・非生物を生きた爆弾】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : バレッテーゼボム
【指定座標に見えない爆弾を設置、起爆する事】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:さわら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
どの季節に訪れても、自然豊かな湖の風景は美しいし。
この世界にはいつだって、散ることなく桜が咲き誇っているのだけれど。
そんな桜の花を見慣れているはずの帝都の人々が毎年沢山、春になれば花見に訪れるという場所。
空と湖の青によく映える満開桜の彩りは、常桜の世に在る人達の心をも掴んで離さない。
桜が咲く湖の岸沿いに並ぶのは、満開桜と様々な屋台。
騒がしすぎずゆるりと、でも賑わいをみせている春限定の屋台には、祭りでよく見かけるような定番のものは勿論のこと。
桜や春にちなんだ限定のものなども並んでいて、見て歩くだけでも楽しい。
チョコバナナやリンゴ飴、わたあめなどの定番の屋台スイーツもやはり人気であるのだけれど。
眼前に臨む空と湖の色のようなラムネ味のソフトクリームに、ピンクや白の桜チョコがちりばめられた「花筏ソフトクリーム」は、美味な味も映える見目も大人気で。食べ歩けるようカップに盛られた桜フレーバー満開な桜パフェは、あんこ入りの桜餅に、ゼリーやアイスやソースも桜味尽くし。桜餡のたい焼きやどら焼き、桜クリームと苺と抹茶アイスの春クレープやさくらミルクプリンなどの桜スイーツは他にもいっぱいで。花見にはかかせない団子の屋台には、三色やみたらしなどの定番の味は勿論のこと、限定の桜餡団子もいただける。
おなかがすけば、屋台飯に舌鼓を打つのもいいし。ビーツで色付けされた淡い桜色カレーは珍しくて映えるだけでなく、甘そうに見えてしっかり本格的なカレーの味わいで、辛さも選べて美味しいと評判らしい。
また、グラデーションがきれいな抹茶桜ラテ、桜苺ソーダ、桜桃シェイクなどの桜ドリンクも豊富で。成人していれば、桜と抹茶の和カクテルや、「桜穹」という名の桜香る日本酒なども楽しめる。
歩きながらでも、ベンチに座ってでも、シートを敷いて花見をしながらも、美味しく楽しく花も団子も楽しめるというわけだ。
また、桜の愛で方も様々。
座ってじっくりも良し、ゆっくり歩きながらお散歩するも良し。
ひとり乗りだけでなく複数人用もあるという自転車を借りてサイクリングもできるし。
手漕ぎボートや足漕ぎボートも借られるし、遊覧船に乗ってみたりだとか、湖の上から桜を眺めるのもまたいいだろう。
好きなように自由に、春のひとときをそれぞれ楽しんで欲しい。
そしてそんな美しい春の景色を歩むのは、もう戦う能力も持たない、儚き影朧。
季節の花の写真を撮る、それが少女の父の生業であった。
そして少女につけられたのは、父が一番好んだ花の名。
薄紅に染まる湖の道をただひたすら歩む「桜火ノ少女」の手には、ぼろぼろの1枚の写真。
彼女が向かう先は、その写真に写った、逆さ桜が観られる場所。
湖に映っては揺れる桜は桜並木を歩きながらもみられるが、その場所の逆さ桜はまさに鏡映しの美しさだという。
そんな、父の写真に撮られた逆さ桜の元に辿り着けば、悲運の死を遂げた「桜火ノ少女」は未練を残さず転生する。
だから、周囲の一般の人々を安心させたり、「桜火ノ少女」が逆さ桜の元へと無事に辿り着けるよう見守ること――これが猟兵達がまずおこなうことである。
はらりひらり、桜花弁が舞う中、1枚の写真を手に。
影朧「桜火ノ少女」……いや、生前「|深桜《みお》」という名であった少女は歩き出す。
ただ、逆さ桜をこの目で見たいという、その一心で。
◆マスターより補足
第1章の時間帯は、昼~夕方の明るいうちです。
影朧には構わずに花見などを楽しんでいただいて大丈夫です。
好意的に声を掛ければ影朧も返してくれるので、共に見守りながら彼女と歩くこともできます。
影朧はおとなしめだけれど人見知りはしない、女学生の少女です。
戦闘は発生しないので、お好きなようにお過ごしいたたければです。
夜鳥・藍
春は何かと落ち着かない天気になる事も多いですから、このように凪いだ光景は珍しい気がします。
少し多めに食べ物を買い湖岸にシートを敷いてお花見をいたしましょう。
お供はいつもの白銀。
ええもちろん多めの食事は白銀用です。でも白銀が食べると気が付いてから私も楽になったの。
だって食が細くとも気になる事は別。味見程度の一口頂いたらあとは白銀に頼めますから。
一緒に食べ歩きも良かったのですがさすがに白銀の体の大きさでは他の人のお邪魔になってしまうので。
一通り食事が終わったらラテを飲みながら一息つきます。
白銀はお昼寝をしてるように見えるけど、しっかり耳が立っているところを見ると周囲に気を配ってくれてるみたいね。
常に桜が満開に咲く世界でも、やはり春の桜は特別なもの。
麗らかに降る陽光は柔くあたたかく、湖の風景が広がる自然の中を歩くひとときは穏やかな心地に。
桜の名所と言われているだけあり、沢山の人々もあるが。
大きな湖の岸沿いは広く、伸びる桜並木は先が見えないほど長く、混雑など一切することもなく、皆がゆるりと過ごしている。
そしてそこを歩く影朧も無害であり、その姿に気づいて驚く人は多少いるものの、猟兵達がいるとわかれば騒ぎになどはなっていない。
そんな春の景色の中、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)はふと宙色の瞳で天を仰いで。
「春は何かと落ち着かない天気になる事も多いですから、このように凪いだ光景は珍しい気がします」
絶好の花見日和にそう瞳を細めながらも、月のカードから呼び出した白銀と共に、屋台が並ぶ桜並木をまずは歩く。
実際は無害だといわれている影朧ではあるものの、その姿を見て不安に思う人たちもいるだろう。
だが、そのような人たちが、体が大きな白銀の姿を見れば心強く思って不安も和らぐだろうし。
藍にとっても、白銀と一緒だと、気持ちもお腹も安心なのだ。
桜並木に並ぶ屋台で調達した、桜餡のたい焼きや花見団子、牛串や唐揚げやフランクフルト等々の少し多めの食べ物。
これらの食事は勿論、白銀用である。
藍自身は食が細めなのだけれど、でも、美味しそうなものがあれもこれも気になる事はまた食の細さとは関係なく別だから。
(「白銀が食べると気が付いてから私も楽になったの。味見程度の一口頂いたらあとは白銀に頼めますから」)
おなかのキャパシティの都合で、本来ならば諦めざるを得ないはずのものだって、白銀が一緒ならば、一口ずつ貰うことで藍も色々と楽しめるのだ。
そしてさっと目ぼしいものを買い終えれば、湖岸にシートを敷いてお花見をしながらいただくことに。
(「一緒に食べ歩きも良かったのですがさすがに白銀の体の大きさでは他の人のお邪魔になってしまうので」)
湖岸は広々としているので、大きな白銀がいても勿論何も問題はないし、ゆったり楽しめるから。
嬉し気に尻尾を振りながらはむはむと屋台グルメを食べる白銀と一緒に、藍も美味しいものを少しずつ色々と堪能してから。
桜花弁と春の陽光降る下、お腹も満足気な様子の白銀は、今度はころんと日向ぼっこ。
そんな白銀と穏やかに過ごしながら、ふわり桜香るラテを飲んで、藍もホッと一息。
そして、気持ちよさそうに丸くなっている白銀を見れば。
(「白銀はお昼寝をしてるように見えるけど、しっかり耳が立っているところを見ると周囲に気を配ってくれてるみたいね」)
そう頼もしくもあり、のんびり過ごす様子に、ぽかぽか和やかな気持ちに。
大成功
🔵🔵🔵
賤木・下臈
爆発事件により亡くなられた、ですか。下臈は自爆や爆発を趣味としますが、それで人が傷つけられるというのは悲しいことです。だからこそ、彼女を見守りましょう。
とはいえ折角の花見日和、楽しみましょう。この「桜穹」という酒は美味です。さて興が乗ったので、戯れに歌を一つ詠んでみます。
「今日のため |少女《おとめ》の|標《し》めし 湖の ほとりの桜 かく咲きにけり」
彼女は爆発により落命したためか、潜在的には爆弾の能力を持っているようです。戦闘は発生しないとのことですが、UCの用意はします。攻撃対象なし。事あらば自爆し、爆弾の爆風を我が爆風に取り込み被害を抑制します。悲劇は繰り返させません。まあ杞憂でしょう。
湖のほとりに満開に咲く、数え切れないほどの桜の木。
常に桜が咲き誇るこの世界だが、再び巡ってきた春の光景は平和そのものにみえる。
けれども桜花弁降る中でも、帝都では大なり小なり、日々何らかの事件が起こっているのは他の世界と同じで。
(「爆発事件により亡くなられた、ですか」)
賤木・下臈(おいしいクッキーです・f45205)の視線の先にいる影朧も、元は過去の爆破事件に巻き込まれた被害者なのだと聞いた。
そんな下臈も、自爆や爆発を趣味とはしているのだが。
(「それで人が傷つけられるというのは悲しいことです」)
|下臈《げろ》く、正しく、美しく――そんな独自の価値観を追及する彼にとって。
それらの趣味は下臈さの表現としてのみ行うものであり、攻撃には使いたくないのだ。
それに、そのような趣味があるからこそ、下臈はこの案件の話を聞いて思ったのだ。
……だからこそ、彼女を見守りましょう、と。
そして心地良く麗らかで、今日は天気も良い、ぽかぽか陽気の春。
だから、猟兵としての依頼を聞いてこの場所に赴いてはいるのだけれど。
(「とはいえ折角の花見日和、楽しみましょう」)
周囲の人々を安心させることも仕事のうち、春らしいひとときを過ごすのもまた良いだろうと。
「この「桜穹」という酒は美味です」
早速楽しむのは、桜並木の屋台で調達した春の銘柄をもつ日本酒片手に、花見酒。
そして春を満喫しつつも、やはり
(「彼女は爆発により落命したためか、潜在的には爆弾の能力を持っているようです」)
だから一応、ユーベルコードをいつでも発動できるように心構えはしておく下臈。
……悲劇は繰り返させません、と。
だが勿論、今回は攻撃は対象なし。事あらば自爆し、爆弾の爆風を己の爆風に取り込んで被害を抑制するつもりでいるが。
(「まあ杞憂でしょう」)
桜並木を歩く影朧は、もう何かを爆破させる力もないようだから。
そして、そんな彼女を念のため見守りつつも、ふわりとした酒の味わいと同じような心地良さの中。
……さて興が乗ったので、戯れに歌を一つ詠んでみます、と。
下臈は桜咲く春に、ここで一句。
「今日のため |少女《おとめ》の|標《しめし》 湖の ほとりの桜 かく咲きにけり」
改めて見事に咲き誇る桜を見上げながらも、吟じてみる。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
盟友の麗奈(f44908)で参加
私も二人の娘持ちだからね。辛い経験をさせてしまった分、幸せな未来を送ってほしいと思う。
麗奈は、瞬を一度置いていった身だから、歪な形でも親との大事なお出かけの目的地にいきたい娘さんの気持ちはよくわかるだろう。見届けよう、旅路を。
ふむ、麗奈はたい焼きと桜餅が食べたいと?和カクテルと共に遊覧船で桜ながめながらどうだい?桜咲き誇るなかで美味しいスイーツで船で乾杯、も乙なものだ。
私は娘も麗奈の息子もしっかりこの世界に馴染んでしまってねえ。件の影朧の子も必ず素敵な思い出を体験して欲しい。親心かもね。
神城・麗奈
盟友の麗奈(f00434)と参加
私は一度死んだ。6歳の瞬をひとりきりにしてしまった。私の様に正気のまま魂人として世界に戻るのは稀有な例なんだろうね。
影朧の子は写真家のお父さんが大好きだったんだろう。お父さんが見た景色を自分も見てみたかった。見届けよう、彼女の道行きを。
私はたい焼きと桜餅がいい。全て桜仕様なのが拘りを感じるねえ。桜と抹茶のカクテルも買って遊覧船?いいね。
遊覧船にのってゆっくりスイーツを味わいながらカクテルで乾杯。贅沢な時間だ。
そうだね、瞬や奏はもちろん、星羅や朔兎もこの世界が大好きみたいだから影朧の女の子もその美しい春の思い出をぜひ果たして欲しい。親心?そうだろうね。
常桜の世界に残ってしまった、或る少女の未練。
その心残りが少女を影朧にしてしまい、転生への枷となってしまっているという。
そしてそれは少女が生前、己の父親や彼の作品に抱く想いが強かったからであることも分かるし。
神城・麗奈(天籟の氷華・f44908)にとっても、話を聞けば、己と重ね合わせ思うところがあるのだ。
だって、麗奈は。
「私は一度死んだ。6歳の瞬をひとりきりにしてしまった。私の様に正気のまま魂人として世界に戻るのは稀有な例なんだろうね」
勿論、自分が望んでそうなったわけでは決してないし、今はこうして息子の傍にいられている。
けれどそれでも、息子を置いていってしまった過去があるから。
真宮・響(赫灼の炎・f00434)も、そんな盟友の言葉を耳にしながらも思う。
「私も二人の娘持ちだからね。辛い経験をさせてしまった分、幸せな未来を送ってほしいと思う」
自分も彼女と同じ、親という立場だから。
そして今回の案件の内容を聞いた麗奈は、だからこそ成したいと思ったのだ。
「影朧の子は写真家のお父さんが大好きだったんだろう。お父さんが見た景色を自分も見てみたかった」
――見届けよう、彼女の道行きを、と。
響も、そんな親友の思いを確りと感じ取りつつも、やはり抱く気持ちは同じ。
(「麗奈は、瞬を一度置いていった身だから、歪な形でも親との大事なお出かけの目的地にいきたい娘さんの気持ちはよくわかるだろう」)
――見届けよう、旅路を。
そう彼女と共に、親子の想いによって綴られるこの物語を、最後まで見届けるために。
とはいえ勿論、自分達だって、この小春日和の桜の風景を楽しみたいって思うから。
薄紅色の花弁が舞い降る中、桜並木を歩きながらも、並ぶ屋台をふたりでくるりと見て回ることにして。
「私はたい焼きと桜餅がいい。全て桜仕様なのが拘りを感じるねえ」
「ふむ、麗奈はたい焼きと桜餅が食べたいと? 和カクテルと共に遊覧船で桜ながめながらどうだい?」
「桜と抹茶のカクテルも買って遊覧船? いいね」
春の美味や美酒を堪能しながらも、湖を優雅に航行する遊覧船から、ゆっくりと桜の景色を眺めることにする。
そして桜が満開の景色が眼前に広がる船上で、春のような優しい甘さに舌鼓を打ちつつ、和カクテルで乾杯――それは乙な、贅沢な大人の時間。
でもやはり、穏やかな春のひとときを楽しみながらも、浮かんでしまうのは娘や息子のこと。
「私は娘も麗奈の息子もしっかりこの世界に馴染んでしまってねえ。件の影朧の子も必ず素敵な思い出を体験して欲しい」
「そうだね、瞬や奏はもちろん、星羅や朔兎もこの世界が大好きみたいだから影朧の女の子もその美しい春の思い出をぜひ果たして欲しい」
そう会話を交わしつつ、今回の影朧の少女と自分達の子供を重ね合わせてしまうのは。
ほかでもない、この一心だということが、ふたりにはわかっているのだ。
「親心かもね」
「親心? そうだろうね」
そう――親心。
いつだって親は、子供がいくつになっても、何よりも自然と娘や息子のことを考えてしまうものだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夏彦・星彩
【ココ彩】
今年も友達と一緒にお花見景色を楽しむぞぅ
…だがしかし星彩が惹かれてしまうのは
春限定な屋台の数々…!
ココと一緒に美味しい探そ〜
おお!目前の景色みたいな
花筏ソフトクリームは
絶対味わうべきだと思うなぁ
食べ歩けそうな甘いも沢山で〜
星彩は桜餡たい焼きと春クレープと…
三色団子も良いよなぁ
ココの方もパフェにプリンに〜
流石にそろそろベンチ座って
食べるに方向転換はするのだが
桜も綺麗なとっておきスポットも探しての〜
ココも食べ……桜の景色は楽しめているだろうか!
グラデーションが綺麗なのも良いよなぁ
桜苺ソーダって名前の飲物らしいぞぅ
……花より団子に負けてしまいがちだが
春も美味しい沢山な季節で楽しいなぁ
ココ・ロロ
【ココ彩】
わ~い、今年もいっしょにお花見~!
お友達とおでかけたのし…おいしそな香り…!
ふふー、今日のおいしいは何でしょうね?
わあ、サクラみたいなのたくさ~ん!
はっ!サイさん、サイさん!
サクラパフェもごうかですよ!
サクラミルクプリンと~サクラあんだんごも気になりますし…
…えへへ、両手いっぱいになっちゃいましたね
サクラ見ながらどこかで食べましょ~
ふふ~、おいし……お、お花も見ていますよ!
手元にもキラキラ春のいろ~ですね
シェイクのもおいし…かわいいですよ
春のおいしいは今だけ、ですからね
ですが…せっかくですから
あとで何かして遊びましょうか?
おいしいもたのしいも
友達との時間も
ココは全部よくばりたいのです
くるりと再び巡ってきた春に、そわそわふりふり。
「わ~い、今年もいっしょにお花見~!」
「今年も友達と一緒にお花見景色を楽しむぞぅ」
桜花弁たちが舞い降っては飾る、ココ・ロロ(ひだまり・f40324)と夏彦・星彩(アルベード・f38088)の揺れる尻尾も、今日もお揃いでご機嫌。
だって、友達とのわくわくな春のお出かけは、ぽかぽかお花見日和なとてもいい天気。
満開に咲き誇る桜だって、思わず目を奪われてしまうほど綺麗……では、勿論あるのだけれど。
ココのお耳がふいに、ぴこん。
「お友達とおでかけたのし……おいしそな香り……!」
輝かせた瞳を向けるのは、キャッチした美味しそうな匂いが誘う方向。
桜も良いのだけれど、でも今日も、ふたりの興味はこっち側。
(「……だがしかし星彩が惹かれてしまうのは、春限定な屋台の数々……!」)
そう、美味満開な春グルメ!
ということで早速、足取り軽やかに、桜並木を歩き出す。
「ふふー、今日のおいしいは何でしょうね?」
「ココと一緒に美味しい探そ〜」
おなかの虫も待ちきれないようにぐぅと鳴りそうになりながら、道沿いにずらりと並ぶ屋台を眺めつつ。
早速、うきうき美味しい物探しをはじめてみれば。
「わあ、サクラみたいなのたくさ~ん!」
「おお! 目前の景色みたいな花筏ソフトクリームは、絶対味わうべきだと思うなぁ」
美味しそうなだけでなく、桜色や桜の花で飾られた春グルメは見目も華やかで。
「食べ歩けそうな甘いも沢山で〜。星彩は桜餡たい焼きと春クレープと……三色団子も良いよなぁ」
「はっ! サイさん、サイさん! サクラパフェもごうかですよ!」
あれもこれも、気になるものがたくさん。
でも折角の、友達との春のお出かけなのだから。
「サクラミルクプリンと~サクラあんだんごも気になりますし……」
「ココの方もパフェにプリンに〜。どれも春らしくて美味しそうだぞぅ」
気になったものはとりあえず買っちゃいます!
そしてふたり、あっちのもこっちのも美味しそう、なんて、屋台をぐるりと巡ればやっぱり。
「……えへへ、両手いっぱいになっちゃいましたね」
「流石にそろそろベンチ座って、食べるに方向転換しようか~」
戦利品も両手いっぱいになっちゃったから、どこかに腰を落ち着けて、いざ食べようと。
「桜も綺麗なとっておきスポットも探しての〜」
「あ! サイさん、あの大きな桜の木の下はどうでしょう?」
「ベンチもあることだし、よさそうだ~」
満開桜の下に見つけたベンチに並んで座って、お花見開始です!
咲き誇る桜は見事で、眺めるだけでも思わず感嘆の溜息が――。
「ココも食べ……桜の景色は楽しめているだろうか!」
「ふふ~、おいし……お、お花も見ていますよ!」
ちゃんと桜も見ていますよ、多分!
それからココが向けた瞳に咲くのは、春色ドリンク。
「手元にもキラキラ春のいろ~ですね」
「グラデーションが綺麗なのも良いよなぁ。桜苺ソーダって名前の飲物らしいぞぅ」
「シェイクのもおいし……かわいいですよ」
そして互いに選んだドリンクを見せ合いながらも、ココは友達と一緒に、美味しいをいっぱい楽しむつもり。
……春のおいしいは今だけ、ですからね、って。
それは勿論、星彩だってお揃いの気持ちで。
「……花より団子に負けてしまいがちだが、春も美味しい沢山な季節で楽しいなぁ」
やっぱり、この季節ならではの美味しいは、余すことなくいっぱい楽しみたいし。
「ですが……せっかくですから、あとで何かして遊びましょうか?」
戯れるように桜花弁たちがくるくると舞い躍る中、ココはそう提案する。
だって、星彩と一緒に――おいしいもたのしいも、友達との時間も、全部よくばりたいから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・律
【調和の絆】で参加
一度奏を置いて死んだ時は奏の成長を見届けられなかった事に悔いが残った。もっと一緒に旅をして、世界をみせてやりたかった。影朧のお嬢さんのお父さんも旅して風景を写真に写して娘さんに見せてた。
でも娘さんの方が死んでしまったんだな。化けてでても風景をみたい気持ちはわかる。あ、星羅と朔兎はもう屋台スイーツの方にダッシュしてる。
え?桜パフェにどら焼きにクレープ・・・桜餡団子?食べ過ぎだ。え?俺なら八分目・・よくわかってんな。桜桃シェイクも買うか。.
凄い荷物になったな。ベンチで食べるか。ああ、見事な桜だな。まあ、例の影朧の娘さんの気持ちも分かる。とりあえず幼い二人とゆっくりするか。
神城・星羅
【調和の絆】と参加
私も故郷の家族を失っていますので、お父様が写して見せてくれたみごとな風景をみずに不慮の事故で亡くなった事、さぞや悔いが残るでしょうね。しかも地元の方ですから。お気持ちは物凄く分かるゆえ、道のりの邪魔はしません。
なにより屋台スイーツ早く買いたいです!!朔兎様、いきましょう!!桜パフェ、どら焼き、クレープ、桜餡団子・・・え?律父様なら腹八分目ですよね?(すごくいい笑顔)桜桃シェイクも欲しいです!!
凄い荷物ですね。ベンチに座って食べましょう!!桜綺麗ですね。朔兎様とスイーツをいただきながら、近くを歩いている影朧の方の事を思います。
源・朔兎
【調和の絆】で参加
星羅と共にサクラミラージュの家族の家にお世話になってから故郷の世界以外の世界をみてきた。広い世界の風景を見れたのは何より家族のおかげだ。お父さんがサクラミラージュの美しい風景を旅してきて写真に残してくれた絶景をみずになくなってしまったお姉さん。
気持ちは分かるんだ。道のりは邪魔しないよ。
俺は星羅と桜パフェ、どら焼き、クレープ、桜餡団子!!律さんなら余裕だろ?桜桃シェイクも!!
多くなってしまった買い物を抱えてベンチで3人で食べる!!昼の桜も見事だ。影朧のお姉さん、無事に夜までに間に合うといいな。
桜舞う春に耳に届いた、或る親子の話。
それを聞いた時、真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)の胸に生じる思い。
(「一度奏を置いて死んだ時は奏の成長を見届けられなかった事に悔いが残った。もっと一緒に旅をして、世界をみせてやりたかった」)
今でこそ、共に様々なところへと赴いているのだけれど。
律の中ではやはり今でも、この思いは燻っていて。だからこそ、この案件のことを聞いた時、他人事とは思えなかったのだ。
「影朧のお嬢さんのお父さんも旅して風景を写真に写して娘さんに見せてた。でも娘さんの方が死んでしまったんだな」
「私も故郷の家族を失っていますので、お父様が写して見せてくれたみごとな風景をみずに不慮の事故で亡くなった事、さぞや悔いが残るでしょうね」
律の声にそう頷く神城・星羅(黎明の希望・f42858)も、影朧となった少女の気持ちはわかるし。
「星羅と共にサクラミラージュの家族の家にお世話になってから故郷の世界以外の世界をみてきた。広い世界の風景を見れたのは何より家族のおかげだ」
源・朔兎(既望の彩光・f43270)も、今でこそこうやって色々な世界へと、家族と共に足を運んでいるのだけれど。
(「お父さんがサクラミラージュの美しい風景を旅してきて写真に残してくれた絶景をみずになくなってしまったお姉さん」)
予知で聞いた影朧の話を思い出せば、心に咲く想いを言の葉にする。
「気持ちは分かるんだ。道のりは邪魔しないよ」
「しかも地元の方ですから。お気持ちは物凄く分かるゆえ、道のりの邪魔はしません」
それは、星羅も朔兎と同じ気持ちで。
「化けてでても風景をみたい気持ちはわかる」
そうふたりに頷き、視線をふと向ければ――次の瞬間。
「なにより屋台スイーツ早く買いたいです!! 朔兎様、いきましょう!!」
(「あ、星羅と朔兎はもう屋台スイーツの方にダッシュしてる」)
元気に張り切って駆けていくその姿は、いつの間にかもう、桜並木の先の屋台に。
そんなふたりが嬉々と向かった屋台も、春の甘味が爛漫。
というわけで、ふたりが気になったのは。
「桜パフェ、どら焼き、クレープ、桜餡団子……」
「俺は星羅と桜パフェ、どら焼き、クレープ、桜餡団子!!」
「え? 桜パフェにどら焼きにクレープ……桜餡団子?」
律は思わず、食べ過ぎだ、とちょっぴり苦笑するも。
同時に向けられるのは、朔兎と星羅の視線と声。
「律さんなら余裕だろ?」
「……え? 律父様なら腹八分目ですよね?」
すごくいい笑顔と共にそう言われれば、笑んで返しながら。
「え? 俺なら八分目……よくわかってんな。桜桃シェイクも買うか」
「桜桃シェイクも!!」
「桜桃シェイクも欲しいです!!」
桜桃シェイクも追加で買っちゃいます!
そして折角だから、あれもこれもと、屋台を巡っては買い回れば。
「凄い荷物になったな。ベンチで食べるか」
「凄い荷物ですね。ベンチに座って食べましょう!!」
両手いっぱいの戦利品を抱えて、ベンチで3人で美味しくいただくことにして。
並んで座って一息つけば、周囲はひらりはらりと花弁舞う春の風景。
そんな満開桜を眺めてみれば。
「昼の桜も見事だ」
「ああ、見事な桜だな」
「桜綺麗ですね」
3人紡ぐのは、同じ気持ち。
それほどに、青空に映える桜は見事に咲き誇っていて綺麗で。
桜咲く景色の中を歩く、件の少女の姿を見遣りながらも、律は思う。
(「まあ、例の影朧の娘さんの気持ちも分かる。とりあえず幼い二人とゆっくりするか」)
そして星羅も、朔兎と春スイーツを存分に満喫しつつ、近くを歩いている影朧の少女に思いを馳せて。
朔兎も桜色の甘味を口に運びながら、そっと願うのだった。
……影朧のお姉さん、無事に夜までに間に合うといいな、って。
彼女が辿り着くその行く先を、ふたりと共に最後まで見守ることにしながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジゼル・サンドル
【花海星】の3人で
♪はじめましてこんにちは わたしはジゼル♪
深桜に歌って自己紹介。
改めて、ジゼルだ。少しばかりご一緒しても良いだろうか?
たしかにソフトクリー厶美味しそうだな、急いで買ってこよう。深桜は何か食べたいものとかあるか?
花筏ソフトクリームと、深桜が食べたいものがあればそれを買って。
待たせてすまないな。
じゃあ深桜を囲むように撮ってもらおうか。
ありがとう八坂先生…っと、ちょっと溶けてしまったな、早く食べないと。
一美味しい!
ミルナのも美味しそうだな。わたしのも食べていいぞ。
皆でシェアして食べ、満足したところでふと零れる歌。
♪さくらさくら さくらが咲くよ
青空に映える 淡くも華やかな花の色…
ミルナ・シャイン
【花海星】の3人で
ジゼルに続き自己紹介。
深桜様はじめまして、わたくしはミルナと申します。
あ、先生撮るならわたくし達も一緒に撮ってくださいませ!映えアイテムも欲しいですわね、そこで売ってるソフトクリー厶買ってくるので少しお待ちを。
ラムネ味ソフトクリー厶片手に、「お待たせしました!」
溶けないうちに、さあ早く撮って!可愛く撮ってくださいね?
ありがとうございます八坂先生、いいの撮れました?
あ、ソフトクリー厶溶けてしまいますわ、急いで食べなくっちゃ!
美味しいですわ、ジゼルもどうぞ、深桜様も。八坂先生も食べます?
皆で食べるとさらに美味しいですわよね。
ジゼルの歌、素敵でしょう?
しばし歌に聴き惚れましょう。
八坂・詩織
【花海星】の3人で
2人に続き自己紹介を。
ええと、私は八坂・詩織です。ごめんなさいね急に。(歌い出す子がいて)驚かせてしまったでしょうか?
深桜さん、素敵な名前ですよね。
お父様は写真家だったんですよね、私も最近カメラ始めまして…今日は綺麗な桜撮れればと思って来たんです。
練習がてら、ここで早速1枚撮らせてもらってもいいでしょうか?
はいはい、すぐ撮りますから…
首から下げた一眼レフを構えて。
はい、チーズ。
うまく撮れてるといいんですが…
ではお言葉に甘えて。
皆でソフトクリームをシェアして食べて。
(深桜さん、たしか友人と出掛けた先で…って話でしたよね…転生前のいい想い出になるといいんですけど)
満開に咲く桜がひらりら、花弁を躍らせる景色の中。
――♪ はじめましてこんにちは わたしはジゼル♪
春空に響き渡るのは、ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)の歌声。
そんな歌って自己紹介するジゼルに一瞬、桜並木を歩いていた影朧の少女・深桜は、ぱちりと瞳を瞬かせるも。
「改めて、ジゼルだ。少しばかりご一緒しても良いだろうか?」
ジゼルの申し出にも、こくりと頷いて返して。
ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)と八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)も、ジゼルに続いて自己紹介を。
「深桜様はじめまして、わたくしはミルナと申します」
「ええと、私は八坂・詩織です。ごめんなさいね急に。驚かせてしまったでしょうか?」
……歌い出す子がいて、なんて、詩織が声を向ければ。
『少し驚いたけど、楽しいって思うわ。あ……私は、深桜』
ふるりと小さく首を振りながら、影朧の少女も己の名を告げる。
「深桜さん、素敵な名前ですよね」
詩織はそう瞳を細めつつも、ふとカメラを手にして。
「お父様は写真家だったんですよね、私も最近カメラ始めまして……今日は綺麗な桜撮れればと思って来たんです」
『そうよ、父は写真家なの。貴女も写真を?』
「ええ。練習がてら、ここで早速1枚撮らせてもらってもいいでしょうか?」
深桜へと訊いてみれば、こう続くのはミルナ。
「あ、先生撮るならわたくし達も一緒に撮ってくださいませ!」
それから、みんなで写真撮りましょう、と承知してくれた深桜と一度並んでみたミルナだけれど。
「映えアイテムも欲しいですわね、そこで売ってるソフトクリー厶買ってくるので少しお待ちを」
「たしかにソフトクリー厶美味しそうだな、急いで買ってこよう。深桜は何か食べたいものとかあるか?」
ジゼルもソフトクリームを買いに向かいながら、深桜に訊いてみれば。
『えっと、じゃあ……わたしも、ソフトクリームで』
まるでこの景色と同じような彩りをした、青にひらり花弁が積もった花筏ソフトクリームを購入して。
ラムネ味ソフトクリー厶片手に、声弾ませながらも。
「お待たせしました!」
「待たせてすまないな。じゃあ深桜を囲むように撮ってもらおうか」
「溶けないうちに、さあ早く撮って! 可愛く撮ってくださいね?」
ふたりに囲まれつつ、深桜も渡されたソフトクリームを手に、詩織の方へと視線を向けて。
「はいはい、すぐ撮りますから……」
詩織が首から下げた一眼レフを構えれば――はい、チーズ。
ぱしゃりと天気の良い空に響くのは、切られたシャッター音。
「ありがとうございます八坂先生、いいの撮れました?」
「うまく撮れてるといいんですが……」
そう小さく首を傾ける詩織へと、ミルナはハッとして。
「あ、ソフトクリー厶溶けてしまいますわ、急いで食べなくっちゃ!」
「ありがとう八坂先生……っと、ちょっと溶けてしまったな、早く食べないと」
はむりと溶けだしているところから口にしてみれば、ほわり。
春色のソフトクリームとお揃いの髪を靡かせながら、海色の瞳を細める。
「美味しいですわ、ジゼルもどうぞ、深桜様も。八坂先生も食べます?」
「ミルナのも美味しそうだな。わたしのも食べていいぞ」
そして勧められれば、ジゼルも自分のを勧め返しつつも――ぱくり。
「――美味しい!」
「ではお言葉に甘えて」
「皆で食べるとさらに美味しいですわよね」
ミルナはそう笑み咲かせながらも、しばし歌に聴き惚れることにする。
――♪ さくらさくら さくらが咲くよ
青空に映える 淡くも華やかな花の色……♪
皆でシェアして食べ、満足したところでふと零れるジゼルの歌を。
「ジゼルの歌、素敵でしょう?」
『ええ、とっても』
それから、皆でソフトクリームをシェアして食べながらも。
ミルナの声に頷く深桜へと視線を向けて、詩織はふと聞いた予知を思い出す。
(「深桜さん、たしか友人と出掛けた先で……って話でしたよね……」)
溶け始めたソフトクリームをあわあわと食べながら、満開桜の下を歩く彼女の姿を見守りながら。
……転生前のいい想い出になるといいんですけど、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
インディゴ・クロワッサン
久々のサクミラだ~!
影朧ちゃんをチラッと一瞬だけ見て、UC:運を天命に任せるが如く を指ぱっちんで発動したら屋台巡るぞ~!
「うーむむ…どれもこれも美味しそうで目移りしちゃうなぁ…」
とか言いながら、まずは手始めにラムネソフトから!
「ひんやりでしゅわ甘~」
桜カレーは…中辛にしとこうかな。甘口だとスイーツの甘さで霞んじゃいそうだし(笑)
「ん~♪ちょっと辛いって思うくらいが僕好み~」
カレーの合間の飲み物は勿論抹茶桜ラテ~!
「ふんわりと香る桜…あー幸せ…」
カレーとラテの次は…ちょっと気になってた桜パフェ!
「全体的に桜の主張が強いね~好き!」
色々食べたけど、まだまだ入るよ~
「次は何にしようかなぁ…」
今日は春の陽光がぽかぽか、お出かけ日和な上に。
「久々のサクミラだ~!」
インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は、訪れたこの常桜の世界にうきうき。
とはいえ、ここには、猟兵としての依頼を受けて来たわけだけれど。
インディゴは、桜並木を歩く影朧・深桜の姿をチラッと一瞬だけ見れば。
指ぱっちんで、運を天命に任せるが如くを発動させれば、ひらりひらりら。
その身は春の薄紅とともに空を駆ける花弁、空中を舞う藍薔薇となって。
春空の散歩を終えれば、改めて張り切って、桜の下をインディゴは嬉々と歩み始める――屋台巡るぞ~! と。
それから、きょろりと視線を巡らせてみるものの。
「うーむむ……どれもこれも美味しそうで目移りしちゃうなぁ……」
屋台に咲く美味も爛漫、あれもこれもと、美味しそうで悩んじゃいそうになるも。
とか言いながら、まずは手始めにと選んだのは、ラムネソフトから!
青に桜花弁が映える花筏ソフトをはむりと早速口に運んでみれば。
「ひんやりでしゅわ甘~」
ぽかぽかあたたかい陽気の中で食べるにはぴったりの、美味しいひやしゅわ!
それから次に見つけたのは、ちょっぴり変わった春色をしたカレー。
桜の彩りをしたカレーは、辛さも選べるということだけれど。
「桜カレーは……中辛にしとこうかな。甘口だとスイーツの甘さで霞んじゃいそうだし」
そう笑いながらも、間違いのない中辛でお願いして。
いざ、いただきますと食べてみれば、うんうんと頷くインディゴ。
「ん~♪ ちょっと辛いって思うくらいが僕好み~」
さらにカレーの合間の飲み物は、勿論これ!
「ふんわりと香る桜……あー幸せ……」
ほっこりほわほわな心地になる、抹茶桜ラテ!
そして桜カレーと抹茶桜ラテをいただき終われば、次は。
デザートにと買ってみた、ちょっと気になってた桜パフェ!
「全体的に桜の主張が強いね~好き!」
これでもかと桜が主張する味わいを堪能して、口の中まで春でいっぱいになりながらも。
インディゴは再び、屋台へと目を向けて。
「次は何にしようかなぁ……」
……色々食べたけど、まだまだ入るよ~、なんて。
まだまだ春に咲く爛漫な美味を、目一杯満喫し尽くすつもり。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふわぁ、桜が綺麗ですね。
湖もあるぞって、アヒルさん何をスタンバイしているんですか?
当然、アヒルボートの準備って、もしかしてふええ劇場ですか?
やっぱり、そうなんですね。
でも、アヒルさんの大きさでしたら、この湖は結構広くありませんか?
それに他のボートの起こす波で転覆とかしませんか?
ふええ、アヒルさん怒らないでください。
アヒルさんは大冒険のつもりでも、私は遭難の危機なんですよ。
ふええ、全然聞いてくれませんね。
しょうがないですね。
アヒルさん、絶対に転覆はしないでくださいよ。
約束ですからね。
天気の良い小春日和の、見事に満開な桜並木を歩きながらも。
「ふわぁ、桜が綺麗ですね」
ふわりと吹く春風に大きな帽子をそっと押さえつつ、晴れ渡る空を見上げるフリル・インレアン(大きな|帽子の物語《👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)であるけれど。
すぐに視線を、アヒルさんへと向ける。
「湖もあるぞって、アヒルさん何をスタンバイしているんですか?」
グアグアと何だか張り切っている様子のアヒルさんに首を傾けながら。
いえ、湖でボートといえば、これに決まっています!?
しかも、貸しボートに乗るのではなくて。
「当然、アヒルボートの準備って、もしかしてふええ劇場ですか?」
発動させろとアヒルさんが主張するのはそう――ふええ劇場『親指フリルの冒険』!
つまりは、小さくなったミニマムフリルをアヒルさんが背に乗せて、湖を泳ぐ……というわけであるのだが。
……やっぱり、そうなんですね、と紡ぎつつもフリルは湖を見遣ってみて。
「でも、アヒルさんの大きさでしたら、この湖は結構広くありませんか? それに他のボートの起こす波で転覆とかしませんか?」
そう不安に思ったことを口にすれば、ぷんすか!
「ふええ、アヒルさん怒らないでください。アヒルさんは大冒険のつもりでも、私は遭難の危機なんですよ」
おこなアヒルさんを宥めつつ、己の身の危険を訴えるも。
「ふええ、全然聞いてくれませんね。しょうがないですね」
全然やはり聞く耳など持たない様子のアヒルさんに、フリルはしっかりと。
「アヒルさん、絶対に転覆はしないでくださいよ」
……約束ですからね、なんて。
そう、これからの大冒険がどうなるか、わかりやすすぎるフラグを立てるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
城野・いばら
【白夜】
愛称:リティ
今年も皆が待ちわびた
ぽかぽかな季節がやって来たね
私もその一人で
ご案内見たらわくわくでじっとしてられなくて
溢れだしそうなキモチをお弁当に詰めてみたけれど
旦那さんは喜んでくれるかしら?
繋いだ手はゆらゆら、気分に乗って
でもお弁当は傾かないよう確り持って!
落ち着ける場所に類が敷物さんを用意してくれたら
ありがとうと、桜さん達にお邪魔しますを
さぁ、白夜式のお花見の開始ね
物知り鏡のマダムリリー監修の元、私が作ったのは
白夜のお庭の春野菜や
家の近くで採れた山菜さんのお弁当
筍さんとわらびさんの炊き込みおむすび
菜の花さんのおひたしや
春野菜達の煮物
ちょっと焼くのに苦戦した、出し巻き卵焼きさん
お弁当箱を開いた時、
あなたはどんなお顔をするのかな
わぁ、と溢れたあなたのお声にそわそわ
好きを貰えたらほっとして
用意してくれた緑茶さんを手に、
一緒にいただきます
類が淹れてくれたお茶さんも美味しい…
お弁当楽しみって言ってくれたから
作るのもね、楽しみになったのよ
また一つ知った、食事の楽しみ方で
ふふ、幸せのお味ね
冴島・類
【白夜】
あたたかな風に誘われ
花開いた桜さんはすっかり爛漫
リティとゆっくりお花見、だけでも嬉しいのに
お弁当作ってくれるのが
楽しみ倍増!で
敷物や飲み物は任せておくれ
準備できたら手を繋いで出発
屋台で賑わってるねぇ
湖岸に近い方は
青空と湖に泳ぐ花筏も綺麗で
落ち着いて過ごせそうだよ
敷物を広げたら、どうぞと誘い座り
桜さんにもお邪魔しますしたら
ふふ、まずはお弁当時間、だ
蓋が開かれるのをわくわく見守り
飛び込んできた中身に
わぁ!と声にも顔にも嬉しいが溢れて
山や白夜の恵みたっぷりの煮物やおにぎり
爽やかな苦味が好きな菜の花も
好きでやった、だし
火を使うの最初は慣れてなかった彼女が
挑戦してきたから、な卵焼きも美味しそう
どれから食べるか悩むなぁ…
僕が用意したのは、水出しの緑茶
リティは食べ物から栄養もとれるけど
栄養たっぷりな水で出したのは
苦味が薄いし料理に合うかなって
沢山頑張ってくれたご馳走を前に
いただきますと手を合わせ食べたら
美味しい、とありがとうを君に
滋味深いだけじゃない
君の気持ちが詰まった
幸せだなぁ…って味がする
いつだって桜が咲き誇っている世界の人たちにとっても、この季節に咲く桜は特別。
だって、柔く降る陽光も、さわりと頬を撫でるように吹く風も。
咲き乱れる彩りも――みんな、うんと淡く優しくて。
だから、城野・いばら(白夜の魔女・f20406)だって勿論。
「今年も皆が待ちわびた、ぽかぽかな季節がやって来たね」
そんな、わくわくさんのうちのひとり。
それに、あたたかな春風に誘われて、ふわり花開いた桜さんはすっかり爛漫だと。
いばらと一緒に見上げて歩く冴島・類(公孫樹・f13398)が心躍らせているのは、巡り来た春が爛漫だからだけではなくて。
(「リティとゆっくりお花見、だけでも嬉しいのに」)
(「ご案内見たらわくわくでじっとしてられなくて、溢れだしそうなキモチをお弁当に詰めてみたけれど」)
……旦那さんは喜んでくれるかしら? なんて、本人はそわりとしているけれど。
類にとっては何よりも――彼女がお弁当作ってくれるのが、楽しみ倍増! なわけで。
だからそんなお弁当を最高の状態で楽しみたいから、敷物や飲み物はお任せあれ。
準備ができれば、いばらとふたり仲良しさんで手を繋いで、春のお出かけに出発!
そんな類と繋いだ手はゆらゆら、気分に乗ってご機嫌な心地になるけれど。
でも、わくわくな気持ちをいっぱい抱きながらも、いばらはきりり。
(「でもお弁当は傾かないよう確り持って!」)
自分にはお弁当を真っ直ぐに運ぶという、最重要任務があるのだから!
そんなそろりと慎重に歩く彼女に歩調を合わせながら。
「屋台で賑わってるねぇ」
桜並木沿いを類が見てみれば、自分達と同じ、わくわくさん仲間がいっぱいのようで。
視線を移してみれば、ひらひらゆうらり、穏やかな彩り溢れる春の風景。
「湖岸に近い方は、青空と湖に泳ぐ花筏も綺麗で落ち着いて過ごせそうだよ」
そして今日は、お弁当を持ってのお花見だから。
満開桜が見事に咲き誇る木の下、ゆったり落ち着ける場所を見つければ、類はばさりと敷物を広げて。
どうぞと招くお誘いの声を咲かせ、座れば。
ありがとうと、笑み綻ばせるいばらと一緒に、桜さん達にもお邪魔しますを。
それから、逸るようにわくわく見守るのは、何よりも楽しみにしているから。
「ふふ、まずはお弁当時間、だ」
わくわくそわそわ、その蓋が開かれるのを。
ということで、いざお待ちかね!
「さぁ、白夜式のお花見の開始ね」
いばらがぱかりと蓋を取れば、お手製の春が御開帳。
物知り鏡のマダムリリー監修の元、いばらが作ったのは、白夜のお庭の春野菜や家の近くで採れた山菜さんのお弁当。
筍さんとわらびさんの炊き込みおむすび。
菜の花さんのおひたしや春野菜達の煮物。
ちょっと焼くのに苦戦した、出し巻き卵焼きさん。
そして――お弁当箱を開いた時、あなたはどんなお顔をするのかな、なんて。
そわそわちらりと視線向けたと同時に耳に届いたのは、わぁ! と溢れ出る類の声。
いや、声だけではなく、顔にもいっぱい嬉しいが溢れていて。
類は改めて、春の美味が咲き誇る彼女のお手製花見弁当を見つめてみる。
「山や白夜の恵みたっぷりの煮物やおにぎり、爽やかな苦味が好きな菜の花も、好きでやった、だし。卵焼きも美味しそう」
火を使うの最初は慣れてなかった彼女が挑戦してきたから、な卵焼きだって、食べるのが楽しみで仕方がない。
でも、類がふと浮かべるのは、困り顔……?
「どれから食べるか悩むなぁ……」
わくわくがいっぱいすぎて、何から食べようか大いに悩んじゃう。
でも沢山頑張ってくれたご馳走を前に、いただきますと手を合わせて。
はむりとどれも全部順に食べていけば――沢山の美味しいと好きが、ぱっと咲き綻んで。
好きを貰えたらほっとして、いばらも一緒にいただきます。
彼が用意してくれた緑茶さんを手に。
そう、類が用意したお花見用の飲み物は、水出しの緑茶。
(「リティは食べ物から栄養もとれるけど」)
でも、栄養たっぷりな水で出したのは、苦味が薄いし料理に合うかなって、そう思ったからで。
「類が淹れてくれたお茶さんも美味しい……」
思った通りほっこり喜んでくれるいばらに、類も心に咲くまま、言の葉にする。
――美味しい、とありがとうを君に、と。
美味しいものを一緒に食べるだけでも、幸せなのだけれど。
でも、いばらは、さらにわくわくどきどきすることを知ったから。
「お弁当楽しみって言ってくれたから。作るのもね、楽しみになったのよ」
それも、また一つ知った、食事の楽しみ方で。
類も、桜花弁たちがくるりと舞い遊ぶ春の中、存分に味わう。
「滋味深いだけじゃない。君の気持ちが詰まった、幸せだなぁ……って味がする」
「ふふ、幸せのお味ね」
そう、桜みたいに淡く染まった顔を見合わせては、仲良く楽しく笑い合う。
美味しさも嬉しさも春色爛漫、満開の幸せを咲き綻ばせながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 日常
『時よ暁にて止まれ』
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POW : この時を楽しむ
SPD : この時を味わう
WIZ : この時に興じる
イラスト:羽月ことり
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
晴れ渡った春空に咲く桜も、鮮やかで綺麗だったけれど。
夜になれば、その印象はまた違うものに変化する。
夜の湖畔の桜並木は、昼と同じ……いや、それ以上に盛り上がりをみせている。
そして天を仰げば、雲一つない空にぽかりと浮かぶ月が煌々と輝いていて。
彼女が……影朧である深桜が、ただひたすら目指すのは。
桜並木を吹き抜けていたような春風の気配が全くない、春の夜の静寂で満ちる場所。
そしてそこには、人知れず満開に咲き誇る、水際の見事な一本桜があるらしい。
その水面はゆらり揺れることもなく微動だにせず、一本の桜の木を、そのまま映していて。
桜リフレクション――彼女の手にある写真と同じ風景が、そこにはあるのだという。
この風景をその目で見ることなく死んでしまったのが、彼女の未練で。
彼女をこの世界にいつまでも縛り付けている鎖でもある。
だから、深桜がその無念を晴らし、次の輪廻に旅立てるように、手を貸して欲しい。
春の夜の夢が覚めるまで、どうか、あともう少しだけ。
◆マスターより補足
第2章の時間帯は、夜です。
昼間(第1章)でできることは大抵夜もできますし、屋台でも同じものが買えます。
深桜のことを見守り、転生を見届けながら、水面に映るいわゆる逆さ桜を楽しむのも良いですし。
影朧が無事に目的地に辿りつけるように、楽しく夜桜を楽しむ姿を見せて一般人を安心させたりなどなど。
必ずしも影朧に接触する必要は全くありませんし。逆に、一緒に目的地へと向かったり、共に桜を観たり、声をかけたり話をしてあげても勿論構いません。
皆様それぞれ思う方法で、深桜の転生の手助けをしてあげてください。
影朧はおとなしめだけれど人見知りはしない、女学生の少女です。
戦闘は発生しないので、お好きなように、その御心のままにどうぞ。
真宮・響
盟友の麗奈(f44908)と参加
夜になったね。影朧の娘さんは無事に逆さ桜の見れるところに辿り着けるだろうか。親子の絆と思い出が齎す奇跡を、見届けよう。
夜桜を見る前に、腹ごしらえしよう。律たちも桜色カレーを楽しみにしていたらしいし、麗奈もどうだい?ああ、お互い中辛がいいか。気があうね。ソフトクリーム?ああ、植物の魔女の麗奈は花筏ソフトクリームは最高だろう。ついでにつけようか。
ベンチに座って夜ご飯を食べてから件の逆さ桜を見にいく。なるほど、夜桜そのままでもいいが、水面に映る桜も見事なものだ。たとえ世界が変わっても、綺麗なものを愛でる心は忘れないでいたい。麗奈もそう思うだろう?
神城・麗奈
盟友の響(f00434)と参加
夜になったね。影朧の女の子の旅の終わりが近づいている。親の立場としても、お父さんの絆の思い出がこんどこそ果たされるよう、道行きを見届けさせてもらうよ。
そういえば小腹がすいたね。桜色カレーだっけ?中辛が食べたい。響も中辛がいいか。気があうね。そうだねえ、植物の魔女にとって桜の美しさをそのまま映した花筏ソフトクリームは最高だよ。
ベンチで夜ご飯を食べて、と。件の逆さ桜をみにいく。故郷のダークセイヴァーは季節の色とりどりの花を楽しむ余裕がなかった。響も同郷だし、桜の美しさの眩しさはわかるだろう。響のいう通り美しいものを愛でるこころは忘れずもっていたいね。
同じように満開に咲いているのに、こうも印象が違うのかと思う程に。
昼とはまた違った趣きで咲き誇る、夜の桜の花。
そして――夜になったね、と。
真宮・響(赫灼の炎・f00434)と神城・麗奈(天籟の氷華・f44908)は、親友同士並んで歩きながらも、それぞれその心に思う。
夜になったということは、今回の目的を思い返せば。
(「影朧の女の子の旅の終わりが近づいている」)
(「影朧の娘さんは無事に逆さ桜の見れるところに辿り着けるだろうか」)
今回の、既に力無き影朧――深桜の転生の時が、刻一刻と近づいている。
彼女の父が写真におさめた逆さ桜をその目で見せ、この世への未練を晴らしてあげるために。
だって、麗奈も響も、娘や息子がいる立場なのだから。
(「親の立場としても、お父さんの絆の思い出がこんどこそ果たされるよう、道行きを見届けさせてもらうよ」)
(「親子の絆と思い出が齎す奇跡を、見届けよう」)
最後まで、この父娘の物語の終わりを、見届けたいって、そう思うのだ。
でも――その前に。
「夜桜を見る前に、腹ごしらえしよう」
「そういえば小腹がすいたね」
「律たちも桜色カレーを楽しみにしていたらしいし、麗奈もどうだい?」
気になっていた桜カレーを、響は麗奈にも勧めれば。
「桜色カレーだっけ? 中辛が食べたい」
「ああ、お互い中辛がいいか。気があうね」
「響も中辛がいいか。気があうね」
親友同士、選ぶ辛さもお揃いで。
思わず顔を見合わせて、微笑み合う。
いや、美味しく堪能するのは桜カレーだけではなくて。
「ソフトクリーム? ああ、植物の魔女の麗奈は花筏ソフトクリームは最高だろう。ついでにつけようか」
「そうだねえ、植物の魔女にとって桜の美しさをそのまま映した花筏ソフトクリームは最高だよ」
花筏ソフトクリームも一緒に、桜カレーに添えることに。
そしてベンチで座って夜ご飯として、戦利品を美味しくいただけば。
時間も丁度程良く――件の逆さ桜を、見にいくふたり。
その視線の先には勿論、深桜の姿もきちんとある。
そして1本の桜の木の元へとやって来て、風がぱたりと止んだかと思えば。
瞬間、目にするのは、湖面にも映って咲き誇る満開桜。
鏡のような湖に反射して咲く、桜リフレクション。
麗奈はそれを眺めつつも、ふと隣を見遣りつつ思う。
(「故郷のダークセイヴァーは季節の色とりどりの花を楽しむ余裕がなかった」)
……響も同郷だし、桜の美しさの眩しさはわかるだろう、と。
そしてそう思ったのと、同時に。
「なるほど、夜桜そのままでもいいが、水面に映る桜も見事なものだ」
響はそう紡いでから、今度は親友へと向けた瞳を細めてこう続ける。
「たとえ世界が変わっても、綺麗なものを愛でる心は忘れないでいたい。麗奈もそう思うだろう?」
その言葉に、勿論麗奈も頷いて返して。
はらりひらり、転生し正しい輪廻へと還ってゆく深桜を見守りながら、逆さ桜を麗奈は改めて眺めつつも思う。
……響のいう通り美しいものを愛でるこころは忘れずもっていたいね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
明石・鷲穂
【壁】
飲むぞ。
ひばめしはメイドだからな、飲みを強要しちゃ悪い。
メイは小さい。手のひらサイズだ。
栴はデカいから大丈夫。
ギガはな……何も言うな。大丈夫だ。
わかってるぞ。はい、ビール。
よっしゃ、盃乾かせ!乾杯!
水面に映る桜!酒も美味い。
これ酔って落ちたら引っ張りあげるの栴だからな。
浮く自信もない。よろしく頼む。
ひばめしはいつだって飯のチョイスが上手い。おれにくれるはずだ。な?な~!
……え!?メイ、もうすぐ成人か!?
こんなに小さいのに!?そうか……じゃあそれは最後のノンアルだな。ある程度覚悟しておいた方が良いぞ。
影朧たちは楽しめたか?
輪廻は苦しみといえど、転生の楽しみもある。
次は一緒に飲めたら良いな!
巣篭・ひばめし
【壁】
食べやすそうな物をいくつか買っていきましょう。
食欲旺盛ですから、うちのお酒飲みは。
有難うございます生浦様。
ちゃんとノンアル、相変わらず気が利きますね。
では、ギガ様の長い挨拶に拍手を返しつつ、乾杯しましょう。
おや、芽衣様はもうすぐ成人ですか。
期待を裏切るようですが、私はあまり酒癖の良い方では……
ですからこういった場では飲まないようにしているのです。
とはいえ、その分皆さんのお世話が出来ますから。
どなたかが水に落ちても私がすぐ引っ張り上げましょう。
お酒にはこれが一番合うでしょう。
はい明石様、あーんしてください、あーん(鳥串を差し出し)
ギガ様もいかがです。まだ沢山ありますから、どうぞ遠慮せず。
皐・芽衣
【壁】
皆と屋台を巡り
花筏ソフトを舐めながら湖畔へ。
夜の花見も逆さ桜も初めてじゃ、楽しみじゃなぁ。
うむ、獬豸は水辺好きが多くての。
……落ちる想定、必要ないじゃろ?
ありがとのぅ、栴。
ノンアルでの乾杯もこれが最後かもしれんというわけじゃ。
こんなに? 鷲穂がデカいだけ、というかそこまで小さくないじゃろ!
ん、わしも楽しみじゃよ、ギガ!
20になったら、皆で教えてくれるんじゃろ?
お酒を。楽しみにしておるよ!
ひばめしが一緒なら、良いペースも教えてくれそうじゃしの。
いや、皆信用しとるよ?
でもお主ら、ペース速そうじゃし。
……ひばめしも酒癖悪いじゃと!?
あの子も無事着けそうかの、何よりじゃ。
桜も綺麗。良い時間じゃ!
生浦・栴
【壁】
飲食物は現地調達。皆で屋台を回ってから湖畔へ
水面鏡がよく見える場所を取ろう
山羊のは泳げなかったろう、陸側に座って欲しい
引き揚げは死霊にさせるからな?(非力ゆえ
団長は…(大丈夫だったかなと視線投げ
巣篭のはそも落ちる心配はなさそうよな
黄金の、良くない想定は常にしておいた方が良いぞ?
さて、黄金のは少し早い誕生祝いになるか
黄金のと巣籠のは此方を(ノンアルの桜苺ソーダを二人へ
しかし最初からデカい者はどうしてこう(ジト目を送りつつ
皆に杯が回ったなら今年初の宴の開始だ
団長、一言(無茶ぶる
桜海老で色のついたたこ焼きやイカ焼きをアテにしながら
折角だ、黄金のの成人後に遣りたい事などを聞いてみようか?
桜田・鳥獣戯画
【壁】
屋台!団子も良いが夜桜には飯と酒だな!はいビール。
ひばめし私にもあーんを!
大人になると泳ぐ機会がなくてな…しかし動かずじっとしていれば浮くはずだ。花筏のように!
鷲穂も浮くはず…無理な気がするな。
メイメイも無…カイチは水辺が得意なのか? それは美しいな!
メイメイはもうすぐ成人か、楽しみだな!おめでとう!
何が変わるというわけではないが、祝われるのは良いものだ。そして一緒に酒が飲める!
一言!? 栴、貴様は毎度そうやっt…諸君!!水辺の夜桜がこの春の宵のひと時を~(長いので略)
(鷲穂の音頭に合わせて)乾杯!
舞う花びらを何片かキャッチして、歩く深桜嬢の道行きにそっと降らせる。
水に落ちぬようにな!
桜が満開に咲いた桜並木沿いには、ずらりと並ぶ沢山の屋台。
さらに、少し視線を移すだけで、春の湖の風景も楽しめる。
そして、皆と屋台を巡る皐・芽衣(金色一角のメイメイ・f35724)の手にあるソフトクリームにも、花弁がひらり。
「夜の花見も逆さ桜も初めてじゃ、楽しみじゃなぁ」
屋台で見つけた花筏ソフトを舐めながら、いざ湖畔へ。
そして巣篭・ひばめし(レディーメイド・f02775)は、今日も淡々とメイドとして皆の世話に勤しむ。
(「食べやすそうな物をいくつか買っていきましょう。食欲旺盛ですから、うちのお酒飲みは」)
生浦・栴(calling・f00276)も、飲食物は屋台で現地調達。
いくつか花見に良さそうなものを見繕い、購入した戦利品を抱え、花見の場所にと選ぶのは。
(「水面鏡がよく見える場所を取ろう」)
そして桜が美しく咲く湖の畔に陣取れば、明石・鷲穂(真朱の薄・f02320)はこくりとひとつ頷いて紡ぐ。
「飲むぞ」
花見といえばやはり、花見酒!
けれど、くるりと鷲穂は皆を見回してみて。
「ひばめしはメイドだからな、飲みを強要しちゃ悪い。メイは小さい。手のひらサイズだ」
だから、ふたりには酒は飲ませないようにと思いながらも。
「栴はデカいから大丈夫」
そう再びこくりと頷いてから、最後に目を向けるのは、桜田・鳥獣戯画(デスメンタル・f09037)。
「ギガはな……何も言うな。大丈夫だ。わかってるぞ」
「屋台! 団子も良いが夜桜には飯と酒だな!」
というわけで、ふたり顔を見合わせれば――はいビール。
「しかし最初からデカい者はどうしてこう」
栴はそう早速ビールにキャッキャするふたりにジト目を送りつつ、ひばめしと芽衣にノンアルコールの桜苺ソーダを手渡して。
「有難うございます生浦様。ちゃんとノンアル、相変わらず気が利きますね」
「ありがとのぅ、栴」
皆に杯が回ったなら、今年初の宴の開始です。
ということで!
「団長、一言」
そういきなり無茶ぶる栴に、思わず瞳を見開く団長であったが。
「一言!? 栴、貴様は毎度そうやっ……諸君!! 水辺の夜桜がこの春の宵のひと時を~」
ちょっと割愛しますが、無茶ぶりに応えて、めちゃ長い挨拶を……していたのだけれど。
「よっしゃ、盃乾かせ!乾杯!」
「乾杯!」
長くなりそうだからと声を上げた鷲穂の音頭に合わせて、乾杯!
ひばめしも団長の長い挨拶に拍手を返しつつ、皆と乾杯して。
「さて、黄金のは少し早い誕生祝いになるか」
「おや、芽衣様はもうすぐ成人ですか」
「メイメイはもうすぐ成人か、楽しみだな! おめでとう!」
栴の声に、ひばめしと鳥獣戯画も、芽衣へと視線や言葉を向けて。
鷲穂は瞳をぱちりと瞬かせた後、思わずじい。
「……え!? メイ、もうすぐ成人か!?」
……こんなに小さいのに!? なんて声を上げれば。
「こんなに? 鷲穂がデカいだけ、というかそこまで小さくないじゃろ!」
「何が変わるというわけではないが、祝われるのは良いものだ。そして一緒に酒が飲める!」
鷲穂にそうツッコミつつも、鳥獣戯画の言葉に頷く芽衣。
「ん、わしも楽しみじゃよ、ギガ!」
そして、もうすぐ20歳を迎えるということは。
「そうか……じゃあそれは最後のノンアルだな」
「うむ、ノンアルでの乾杯もこれが最後かもしれんというわけじゃ」
……ある程度覚悟しておいた方が良いぞ、なんて言う鷲穂に、笑んで返す。
「20になったら、皆で教えてくれるんじゃろ? お酒を。楽しみにしておるよ!」
いや、鷲穂に教えて貰うのは、確かに覚悟が必要かもしれないけれど。
「ひばめしが一緒なら、良いペースも教えてくれそうじゃしの。いや、皆信用しとるよ? でもお主ら、ペース速そうじゃし」
世話好きな性格のメイドなひばめしがいるし、他の皆がペースが速そうなことも分かっているから、きっと大丈夫そう……かと思いきや。
「期待を裏切るようですが、私はあまり酒癖の良い方では……」
「……ひばめしも酒癖悪いじゃと!?」
「ですからこういった場では飲まないようにしているのです」
告げられるのは、衝撃の事実!?
けれど、だからこそ、ひばめしはへべれけに酔っぱらったりしないようこのような席では酒は控えているし。
「とはいえ、その分皆さんのお世話が出来ますから」
メイドとしての任を全うできるというわけである。
そう……例えば。
「どなたかが水に落ちても私がすぐ引っ張り上げましょう」
誰かが湖にぽちゃんと落ちてしまっても、大丈夫……!?
そんな言葉を聞けば、栴は嬉々とビールを飲む鷲穂をちらり。
「山羊のは泳げなかったろう、陸側に座って欲しい」
「これ酔って落ちたら引っ張りあげるの栴だからな。浮く自信もない。よろしく頼む」
「引き揚げは死霊にさせるからな?」
もしも、ぼちゃんと鷲穂が水に落ちた時は、非力故に栴は助けられないが、かわりに死霊を差し向けるから大丈夫です……?
それから、次に酔って落ちそうな心当たりに目を向ける栴。
「団長は……」
水に落ちても大丈夫だったかな、なんて視線投げてみれば。
「大人になると泳ぐ機会がなくてな……しかし動かずじっとしていれば浮くはずだ。花筏のように!」
ひらり水面に揺蕩う花筏みたいにぷかりと浮けば、問題ありません??
とはいえ、そんな花筏作戦を口にした鳥獣戯画であるが。
「鷲穂も浮くはず……無理な気がするな。メイメイも無……」
「うむ、獬豸は水辺好きが多くての」
「カイチは水辺が得意なのか? それは美しいな!」
花筏になれなさそうだったり、ならなくてもよさそうだったりする皆を改めて見遣って。
栴は真剣に引き続き見定める。
「巣篭のはそも落ちる心配はなさそうよな」
そして、そんな皆の言葉に。
「……落ちる想定、必要ないじゃろ?」
確かにもっともなことを言う芽衣であるのだけれど。
「黄金の、良くない想定は常にしておいた方が良いぞ?」
そもそも落ちないようにということはともかく、しかもちょっと落ちかねない気もしないでもないから。
念のため、万が一の時のために考えておけば、備えあれば憂いなし、です……?
というわけで、満開の夜桜や美しい湖畔を眺めながら。
「ひばめしはいつだって飯のチョイスが上手い。おれにくれるはずだ。な? な~!」
「お酒にはこれが一番合うでしょう。はい明石様、あーんしてください、あーん」
鷲穂の嬉々としたお強請りに、ひばめしは鳥串を差し出して。
「ギガ様もいかがです」
「ひばめし私にもあーんを!」
そう続けて口をぱかりと開ける彼女にも、あーん。
「まだ沢山ありますから、どうぞ遠慮せず」
メイドたるもの、酒の肴の用意もそれを提供するのも、ばっちり抜かりはありません。
栴も、桜海老で色づいたたこ焼きやイカ焼きをアテにしながら、もうすぐ誕生日を迎える芽衣へと改めて目を向けて思う。
……折角だ、黄金のの成人後に遣りたい事などを聞いてみようか? なんて。
そんな芽衣は、皆と一緒に、春の夜の花見を美味しく嬉しく楽しんでいるのだけれど。
ふと視界の隅に捉えるのは、順調に目的地へと向かう影朧の少女の姿。
(「あの子も無事着けそうかの、何よりじゃ」)
影朧の出現に、周囲の人々も驚いてしまうかもしれないけれど。
「桜も綺麗。良い時間じゃ!」
自分達が目一杯楽しんでいれば、きっと一般人の皆も安心するだろうから。
そして鷲穂も、どこか嬉しそうに歩いていく影朧の少女へと目を向けて。
「影朧たちは楽しめたか? 輪廻は苦しみといえど、転生の楽しみもある」
杯を掲げ、その背中を押すように見送る――次は一緒に飲めたら良いな! って。
そして鳥獣戯画も――水に落ちぬようにな! なんて、勿論気を付けながらも。
ひらりはらりと舞う花びらを何片かキャッチして、そっと降らせる。歩く深桜の、その道行きに。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夏彦・星彩
【ココ彩】
今晩の星彩達はちょっぴりドキワク
夜桜も欲張って楽しむとしようか〜
水鏡に映る桜がキレイと聞いて
それならば遊覧船に乗るのはどうだろうか
ココは船乗り経験は…?
どちらにせよ星彩と一緒は
初めて体験な気もするので〜
ひとつひとつ達成していく様なのもまた楽しい
昼間おいしかった桜苺ソーダも手に
遊覧船に乗り込んで〜
暫く船内を楽しんだら甲板にも出てみよう…!
鏡映しの景色も其れ以外もキレイに見えそうだ
湖の上にいるのは
自分の足だけでは辿り着けない光景
乗りものって便利だなぁと思いつつ
嬉しい楽しいを分け合える友達がいるのも
また良いことだなぁ
…どれどれ魚が見えたのか〜
花びら美味しいものなぁ
ちょっと冗談だったのだが
ココ・ロロ
【ココ彩】
ぽかぽかお花見もよいですが
夜のお花見もキレイですからね
ゆーらんせん…?
船は乗ったことないやも~?
えへへ、今日の初めて体験ですね!
わ~い!船~!
桜桃シェイクを手にまずは中を探検
カンパン…?
わ~、行ってみましょう!
機械の船はとっても重そうなのに
水に浮かぶのフシギですね~
…しずまない?
…怖くなったら手繋いでもらって
でも船のおかげで
こんなにもキレイな景色を友達と楽しめるのだからすごいです
…あっ、サイさん!今お魚さんがいた気が!
ふふ、暗くて花びらが餌にみえたのでしょうか
…サイさんもお花食べるのですか?
えへへ~、実はココも~
また森に遊びに来た時に
あまくておいしいの教えますね
友達だけの特別ですっ!
日中もいっぱい、美味しいもの……いや、花も美味も楽しんで。
陽が落ちても、ふたりはまだまだ目一杯、春の夜を楽しむつもり。
だって、今晩のふたりはちょっぴりドキワク。
尻尾をゆらりお揃いで揺らして、ココ・ロロ(ひだまり・f40324)と夏彦・星彩(アルベード・f38088)は、桜花弁と戯れるように足取り軽く。
「ぽかぽかお花見もよいですが、夜のお花見もキレイですからね」
「夜桜も欲張って楽しむとしようか〜」
夜を迎えた桜空の下、向かうのは。
「水鏡に映る桜がキレイと聞いて。それならば遊覧船に乗るのはどうだろうか」
湖を優雅にゆっくりと航行する遊覧船乗り場へ。
「ゆーらんせん……?」
ココはこてりと首を傾けるも、星彩が向ける視線を追いかけて。
「ココは船乗り経験は……?」
「船は乗ったことないやも~?」
星彩の言うゆーらんせんが、船着き場に停泊している船だとわかって。
「どちらにせよ星彩と一緒は、初めて体験な気もするので〜」
「えへへ、今日の初めて体験ですね!」
またひとつ、一緒に体験する初めてに、星彩もココとふたり笑み咲かせる。
……ひとつひとつ達成していく様なのもまた楽しい、って。
それに、遊覧のお供にと、昼間おいしかった桜苺ソーダもばっちり手にして。
ココも桜桃シェイクを手に、ふたりで早速、船に乗り込んでみれば。
「わ~い! 船~!」
まずは、船内を探検です!
珍しいものや格好良いもの、船の中はわくわくがいっぱいで。
ぐるりと船内を一通り巡れば、
「ココ、次は甲板にも出てみようか~」
「カンパン……? わ~、行ってみましょう!」
カンパンという言葉にはまたもや首を傾けたココだけれど、外だと知れば一緒にうきうき。
「鏡映しの景色も其れ以外もキレイに見えそうだ~」
そう満開桜が舞う景色を映す、揺れる湖面へと視線を移して。
それから改めて、星彩は思う。
今いるのは、湖の上。そして目の前に広がるのは、自分の足だけでは辿り着けない光景。
(「乗りものって便利だなぁ」)
そしてふいに耳に届いた友達の声。
「機械の船はとっても重そうなのに、水に浮かぶのフシギですね~」
それから、そう言った後、ココはハッと気づいてしまう。
「……しずまない?」
そう考えちゃうと、お耳もぺたん、ちょっぴりだけ怖くなったから。
隣にいる友達に手を繋いでもらえば、伝わるぬくもりにホッとする。
けれど、改めてゆっくり進む春の夜の景色を眺めれば、笑みも戻ってくる。
「でも船のおかげで、こんなにもキレイな景色を友達と楽しめるのだからすごいです」
目の前に煌めく満開夜桜は幻想的で綺麗だし、それに、何よりも星彩は思うから。
……嬉しい楽しいを分け合える友達がいるのも、また良いことだなぁ、って。
お互い、ふたりで一緒に色々な初めてを体験するのも楽しいし。
「……あっ、サイさん! 今お魚さんがいた気が!」
「……どれどれ魚が見えたのか〜」
「ふふ、暗くて花びらが餌にみえたのでしょうか」
こうやって並んでそうっと湖を覗き込みながら、お喋りし合うのも楽しいし。
「花びら美味しいものなぁ」
「……サイさんもお花食べるのですか?」
ぱちりと瞳を瞬かせた後、ぴこりとお耳を立てて、嬉しそうにほわほわと続けるココを見れば。
「えへへ~、実はココも~。また森に遊びに来た時に、あまくておいしいの教えますね」
――友達だけの特別ですっ! って。
そう告げる友達に……ちょっと冗談だったのだが、なんて言えなくなった星彩なのけれど。
でもそれもまた、愉快で可笑しくて、とても楽しくて。
そして、桜花弁が舞い降る夜に――次は、美味しい花を教えてもらって、本当に食べてみようって、そう思うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・律
【調和の絆】で参加
夜になったな。屋台まわりながら桜眺めてたらあっという間に夜になった。本来星羅と朔兎は夜桜みにいくには二人じゃ違和感あるし危ない。俺がついてきたのもそういう理由だ。さあ、影朧のお嬢さんの道行きを見届けよう。
夜ご飯食べるか?桜色カレー美味しそうだな。普通の辛さでいいか。桜餅とたい焼きか。デザートもつけるのが二人らしい。3人で食べるか。
腹ごしらえしたら星羅と朔兎が仲良く隣であるいて夜桜みてはしゃいでるのを背後で見守りながら微笑む。俺にとって今の二人こそ咲き誇る桜だ。幼い二人が健やかに育ち、明るい咲き誇る未来を。一度響と奏を置いてきたものとしての心からの願いだ。
神城・星羅
【調和の絆】で参加
屋台巡りしてたらすっかり夜になってました。影朧のお姉さんももうすぐ希望の場所にいけるんですね。お父様との絆の場所、なんだか素敵だなあ。
お腹空いちゃいました!!ご飯食べましょう!!絶対桜色カレー!!桜バージョンのカレーは絶対!!普通の辛さでも平気です!!もちろんデザートに桜餅やたい焼きもつけます。3人で食べましょう!!
腹ごしらえしたら夜桜見に行きましょう!!私と朔兎様は猟兵ですけど、夜桜みにいくのは保護者必須です!!律お父様が後ろで見守っててくれるので私と朔兎様で夜桜見ます。綺麗だなあ。また来年もこうしてみたいですね。
源・朔兎
【調和の絆】で参加
3人で屋台回ってたら約束の夜になったな!!影朧のお姉さんはようやく約束の場所にいけるんだな。その道行が確かなものとなるといい。
まず夜ご飯食べよう!!家族で話題になってたけど出されるカレーも桜バージョンってすごいよな!!俺は普通の辛さで大丈夫だぞ!!もちろんデザートに桜餅とたい焼きつける!!
俺は大人並みの身長だけど夜桜みに出歩くのは違和感あるからな!!星羅の年齢一桁だし!!なので律さんが背後でみまもっててくれるから安心して二人で夜桜みれるぞ。綺麗だなあ。来年もまた見にこよう!!
春の陽光降る昼間も、沢山全力で楽しんだから。
「3人で屋台回ってたら約束の夜になったな!!」
「屋台巡りしてたらすっかり夜になってました」
源・朔兎(既望の彩光・f43270)の言葉にそうこくりと頷く、神城・星羅(黎明の希望・f42858)。
真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)も、ふたりと同じ感覚で。
「夜になったな。屋台まわりながら桜眺めてたらあっという間に夜になった」
春の夜を歩くふたりを見れば、改めて自分が付き添っているのかを思う。
(「本来星羅と朔兎は夜桜みにいくには二人じゃ違和感あるし危ない」)
……俺がついてきたのもそういう理由だ、と。
今回は、夜になったから帰ろう、というわけにはいかないから。
「影朧のお姉さんももうすぐ希望の場所にいけるんですね。お父様との絆の場所、なんだか素敵だなあ」
「影朧のお姉さんはようやく約束の場所にいけるんだな」
昼も夜も、満開桜咲く春を楽しみながらも、影朧……深桜が執着を晴らせるように見守ること。
そんな猟兵の任で、此処に赴いているのだ。
だから朔兎は、影朧の姿を目で捉えながらも、こう願う――その道行が確かなものとなるといい、と。
そして、安心してこの依頼を成せるのは。
(「その道行が確かなものとなるといい」)
自分達を父のように見守ってくれている、律も一緒だから。
ということで。
「お腹空いちゃいました!!ご飯食べましょう!!」
「夜ご飯食べるか?」
「まず夜ご飯食べよう!!」
周囲の人達を不安がらせないように、それに何よりお腹がすいたから。
屋台を巡って、腹拵えします!
そして何気に気になって、買ってみるのは。
「桜色カレー美味しそうだな」
「家族で話題になってたけど出されるカレーも桜バージョンってすごいよな!!」
「絶対桜色カレー!! 桜バージョンのカレーは絶対!!」
家族の中でも話題になっていた、桜色カレー!
辛さも好みでそれぞれ選べるというのだけれど。
「普通の辛さでいいか」
「普通の辛さでも平気です!!」
「俺は普通の辛さで大丈夫だぞ!!」
皆揃って、美味しくいただける普通の辛さに。
それから綺麗なピンク色のカレーをわくわく、いざいただきます!
……する、その前に。
「もちろんデザートに桜餅とたい焼きつける!!」
「もちろんデザートに桜餅やたい焼きもつけます。3人で食べましょう!!」
朔兎と星羅は、デザートも勿論つけちゃいます!
そんな要望に、律は瞳を細めつつも頷いて。
「桜餅とたい焼きか。デザートもつけるのが二人らしい。3人で食べるか」
桜色カレーと、桜餅とたい焼きも追加で。
そしてカレーで美味しくお腹を満たして、デザートの甘さにほっこりとなって。
ご馳走様をした後は、夜桜を見にいくことに。
まだそれほど遅い夜ではないとはいえ、やはり朔兎と星羅のふたりだけでは、夜のお出かけは不自然で。
(「俺は大人並みの身長だけど夜桜みに出歩くのは違和感あるからな!! 星羅の年齢一桁だし!!」)
(「私と朔兎様は猟兵ですけど、夜桜みにいくのは保護者必須です!!」)
でも、律が背後で見守っていてくれるから、ふたりも一緒に並んで、夜桜を安心して見ることができるし。
星羅と朔兎が仲良く隣であるいて、夜桜みてはしゃいでるのを、背後で見守りながらも微笑む律。
「綺麗だなあ。また来年もこうしてみたいですね」
「綺麗だなあ。来年もまた見にこよう!!」
だって、その姿を見ていれば、思うから――俺にとって今の二人こそ咲き誇る桜だ、と。
そして。
(「一度響と奏を置いてきたものとしての心からの願いだ」)
律が夜桜に密やかに願い馳せるのは……幼い二人が健やかに育ち、明るく咲き誇る未来。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
城野・いばら
【白夜】
愛称:リティ
お腹は幸せのお味に満たされて
類、次は湖さんの方に行ってみたいな
お噂の逆さ桜さんが見たいの
うん、あのコもきっと楽しんでるわ
お邪魔されそうなら私達が止めるのよ
わぁ、これが逆さ桜さん…!
水鏡さんに写る姿は
何だか上の桜さんと繋がってるみたい
明かりを纏った桜さんも、
お昼とはまた違ったお顔を見せてくれて
…静かで、綺麗…
惹かれるように水面に手を伸ばす
絡めた指を、きゅっと握り返して
まあ、それは新しいお花見の仕方ね!
旦那さんからの素敵なお誘いに
勿論と白薔薇の日傘を差し
風の魔法で空中浮遊
最初は水面を楽しんで
交わす想いの趣くまま桜さんを見下ろす高さへ
二人きりのふわふわ夜間飛行
ふふ、ロマンチックね
冴島・類
【白夜】
陽光の下と月明かりの中
一気に雰囲気が変わるね
リティの声に
うん、噂の景…
影朧さんも一本桜と水鏡に会いに来たんだったね
未練が果たせるようそっと願い
僕らも今しか見れない春の軌跡を楽しみに行こう
並木道を抜け湖の穴場へ
手を繋いでゆったり歩きながら
静かな湖畔を見遣れば
水面が揺れない静かな夜なのに
反射がうつす桜の姿は圧倒される
そっと水面に伸ばされたリティの手に
側にあるけど触れられないのは…
夢のようだけど、切なさもあるな
つい、繋いだ手の指絡め
空から見たらまた違うかな?
木の側からは少し離れたところで
君と日傘の力を借りるなら
強い風は起きないだろうし
夜間飛行してみようか
ろまんちっく?
うん、ふわふわり夢心地だ
晴れやかな空の下、お腹は幸せのお味に満たされて。
見上げれば、はらりひらりと舞い降る、いっぱいの春の彩。
そんな陽光の下で見た桜と、月明かりの中で今咲き誇っている満開桜。
「一気に雰囲気が変わるね」
そう春の夜空を見上げる冴島・類(公孫樹・f13398)に、城野・いばら(白夜の魔女・f20406)は紡ぎ咲かせる。
「類、次は湖さんの方に行ってみたいな」
……お噂の逆さ桜さんが見たいの、って。
そんな彼女の声を聞けば、類は頷きつつも思い返す。
「うん、噂の景……影朧さんも一本桜と水鏡に会いに来たんだったね」
「うん、あのコもきっと楽しんでるわ。お邪魔されそうなら私達が止めるのよ」
ただ、抱き続ける執着のために、桜の道を歩く影朧。
今の彼女はもう、散りゆく桜の様に儚い存在であるのだけれど。
だからこそ、猟兵達は見守り、願うのだ――少女の未練が果たせるよう、と。
同時に、ふたりも手を繋いでゆったり歩きながらも向かう。
「僕らも今しか見れない春の軌跡を楽しみに行こう」
夜桜が咲き誇る並木道を抜け、湖の穴場へと。
それから、辿り着いた其処の場所に広がるのは、風のない静寂。
そして、静かな湖畔を見遣れば。
「わぁ、これが逆さ桜さん……!」
ふたりの目の前に現れたのは、天に伸び、そして湖面に映り咲き誇る、美しい逆さ桜の姿。
「水鏡さんに写る姿は、何だか上の桜さんと繋がってるみたい」
そんないばらの声を耳にしながら、類は彼女と共に息を飲む。
(「水面が揺れない静かな夜なのに、反射がうつす桜の姿は圧倒される」)
昼に見た淡い薄紅の彩を纏う桜と、月に照らされて浮かび上がる様に輝く桜。
(「明かりを纏った桜さんも、お昼とはまた違ったお顔を見せてくれて」)
いばらはそっと、もうひとつの世界に咲く花へとその手を伸ばす。
……静かで、綺麗……。
そう惹かれるように、水面へと。
そんな彼女の指先の行方を、類は目で追いながらも。
(「側にあるけど触れられないのは……夢のようだけど、切なさもあるな」)
だから、つい――きゅっと、繋いだ手の指を絡めれば。
絡めた指に確かに返るのは、握り返してくれる感覚。
そして類は、今しか見ることのできないこの春の軌跡を、自分達だけの特等席から見る提案を。
「空から見たらまた違うかな?」
木の側からは少し離れたところで、君と日傘の力を借りるなら、強い風は起きないだろうし――と。
だから改めて、こうお誘いを。
「夜間飛行してみようか」
「まあ、それは新しいお花見の仕方ね!」
いばらはそんなとびきりのお誘いを、勿論と受けて。
春の夜空に開き咲かせるは、日傘の白薔薇。
刹那、傘を攫う風の魔法の乗って、ふわり空中浮遊。
最初は静かに煌めく鏡のような水面を楽しんで。
それから交わす想いの趣くまま――桜さんを見下ろす高さへと舞い上がる。
それは二人きりの、春のふわふわ夜間飛行。
「ふふ、ロマンチックね」
「ろまんちっく?」
そう遥か空の上で見つめ合えば、類は彼女と共に笑顔を咲かせ合う。
だって、眼前に広がるのは、特別な春の夜の世界……うん、ふわふわり夢心地だ、って。
大成功
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八坂・詩織
写真と同じ風景を目にして。
わあ…すごいですね、水面が鏡みたい…
持ってきた三脚にカメラを固定し撮影。
深桜さんも一緒に撮っていいですか?
きっとお父様も、深桜さんとこの景色を一緒に写真に収めたかったんじゃないかな、と思って…プロのお父様じゃなくて申し訳ないですが。
お礼を告げて別の撮影場所を探していたら五十嵐さん(f35357)に遭遇して。
あ、五十嵐さん!お久しぶりです。
五十嵐さんもやっぱりお子さんの写真とかよく撮ります?深桜さんのお父様のこと考えてしまって…最近カメラ始めたからでしょうか。
天文部で去年オーロラ見に行った時に一眼レフ買ったんですけどね。その時の写真見ます?
入部はいつでも歓迎ですよ。
陽が沈んで夜になれば、見上げる空に煌めくのは春の星空。
ついいつものくせで、その星たちをなぞってみながら、月が輝く桜並木を歩いて。
辿り着いたその場所に、八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は思わず目をみはる。
「わあ……すごいですね、水面が鏡みたい……」
それは、影朧の少女・深桜が持っている、彼女の父親が撮った写真と同じ風景。
そしてこの風景こそ、少女の心残り……執着の対象であるのだけれど。
微かの揺らめきのない、水鏡に映る逆さ桜は、執着するのも頷けるほどの美しさである。
だから、詩織は持ってきた三脚にカメラを固定して、まずは1枚撮影した後。
「深桜さんも一緒に撮っていいですか?」
『私も……?』
そうきょとりとする彼女へと、こう続ける。
「きっとお父様も、深桜さんとこの景色を一緒に写真に収めたかったんじゃないかな、と思って……プロのお父様じゃなくて申し訳ないですが」
『お父さんが? ……うん、そうかも』
それから、桜が咲くような笑顔で、カメラの方へと視線を向ける深桜。
そんな彼女と、彼女と父親の思い出の逆さ桜を、同じ1枚におさめて――ぱしゃりと、シャッターを切ってから。
お礼を告げて、深桜と逆さ桜を、ふたりきりにしてあげる。
深桜の表情を見たら、わかったから――もうすぐ、桜が散る様に、きっと彼女は執着の鎖から解き放たれるだろうことが。
そして、別の撮影場所を探していたら、知った顔を見つけて。
「あ、五十嵐さん! お久しぶりです」
同僚でもあり、知人でもある彼とふたりで、撮影スポットを探しがてら暫し歩きつつ、言葉を交わす。
「五十嵐さんもやっぱりお子さんの写真とかよく撮ります?」
「いっぱい撮るな、うちの子達は大天使だからな!」
そんな相変わらず親ばかな右京の言動に笑いながらも。
「深桜さんのお父様のこと考えてしまって……最近カメラ始めたからでしょうか」
カメラに収めたいと思う気持ちが湧く瞬間を、思い返してみる。
彼女があの逆さ桜に、未練を残し執着してしまったように。
きっと父親である彼も無念だったかもしれない。きっと一番の被写体である娘を、亡くしてしまって。
そんなことを考えながらも、詩織は気を取り直して。
「天文部で去年オーロラ見に行った時に一眼レフ買ったんですけどね。その時の写真見ます?」
「お、見たいぞ。って、すげーな!」
写真を見せながら、入部はいつでも歓迎ですよ、と告げつつも。
右京と共に桜の下、撮った写真を見ながら、その時のことを説明しつつも。
写真を撮った時のことや、その時の風景ひとつひとつが蘇り、脳裏に咲き誇る。
そして――だから、同じだろうと思う。今日撮った、桜と少女の写真も、きっと。
大成功
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賤木・下臈
今はただ、最後まで彼女の旅路を見守ります。
「春風は そよもな吹きそ |真澄鏡《まそかがみ》 清き月夜に 色はにほへり」
逆さ桜の光景を詠み、心に刻みます。彼女の旅路はここで終わりを迎えますが、私の、いや我々の戦いはまだ続くのですから。
しかし今は、春の夜の夢に揺蕩うのも悪くないでしょう。「桜穹」、まことに美味です。
影朧とはいっても、今の彼女はもう、ただ目的地へと向けて歩くことしかできない。
いずれ、桜の花のように、儚く散るその時を待つのみ。
だが、このサクラミラージュの世界は、年中桜の花が咲いて。
影朧を、次の輪廻へと導くように、散ることなく咲き誇り続けている。
そんな春の月夜にて、賤木・下臈(おいしいクッキーです・f45205)が選択する行動は迷いなく。
今はただ、最後まで彼女の旅路を見守ることにする。
そして、影朧……いや、志半ばに死したという少女、深桜と共に、下臈は辿り着く。
風がぱたりと止んだ静寂の中、幽玄なる美しさを湛える咲かざ桜の元に。
それから、逆さ桜の光景を詠み、心に刻む。
「春風は そよもな吹きそ |真澄鏡《まそかがみ》 清き月夜に 色はにほへり」
きっと春の季節の終わりを待たずに、影朧の少女は散りゆく運命であるだろう。
けれど、それでも、この常桜の世の幻朧桜がずっと咲き続けるように。
(「彼女の旅路はここで終わりを迎えますが、私の、いや我々の戦いはまだ続くのですから」)
猟兵達のゆく道は、まだ先まで続くのだから。
とはいえ、こうも下臈は思うから。
(「しかし今は、春の夜の夢に揺蕩うのも悪くないでしょう」)
たまにはこうやって足を止めて、ひらひらゆらりと、酔い痴れるのも良いだろうと。
満たされた表情を咲かせ、次の輪廻に導かれ、朧になって消えゆく少女を下臈は見送る。
――「桜穹」、まことに美味です、と。
春の香を纏う手向けの一杯を、桜咲く夜空に小さく掲げて。
大成功
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