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伝説の勇者の鎧(ビキニアーマー)

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #勇者 #勇者の伝説探索

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●勇者の伝説
 かつての昔、帝竜ヴァルギリオスとの決戦に参加した冒険者の多くは、沈みゆく群竜大陸と運命を共にしたと伝えられている。
 この戦いで命を落とした全ての冒険者が、今の世に勇者として伝説に語られているのだ。
 これはそんな勇者の伝説の一端をたどる物語。
 かつて勇者が身に付けたという、伝説の鎧を巡る物語である!

●勇者にだって女性はいるわけで……
「まあ、その伝説の鎧がビキニアーマーだって言われても、なんていうかコメントに困るよね?」
 そんなわけで、グリモアベースにて集まった猟兵たちに語るメリッサ・ウェルズ(翡翠の吸血姫・f14800)は、なんとも言えない表情をしていた。
「そりゃまあ、伝説の勇者っていっても、めちゃくちゃ数はいたわけだし、当然その中には女勇者だっていただろうし、だったらその中にはビキニアーマー使ってた人がいても不思議はないわけだし?」
 そういうメリッサ自身も、ビキニの衣装を普段着にしてるわけですしね!
「ボクのことはいいんだよ。そもそもこれは鎧じゃないんだし」
 自分の格好の事を指摘されると、ちょっとは恥ずかしく思うメリッサであった。
「いや、それよりもだね、要するにみんなにはビキニアーマー勇者の伝説を辿ってもらおうかなって話だよ」
 ということで、メリッサは語り出す。
 曰く。伝説の勇者にビキニアーマーを作って与えた職人の子孫が、今もビキニアーマーを作る職人として活動しているらしい。
 そこで猟兵たちには、その職人のもとに行ってビキニアーマーを作ってもらい、作ってもらう中で、ビキニアーマー勇者の伝説について調べてもらいたいと、そういう話である。
「さすがに勇者のビキニアーマーの現物なんてないだろうけど、どんなビキニアーマーだったのかとか、なんでビキニアーマー着てたのかとか、ビキニアーマーを着てどこにいったのかとか、まあいろいろ調べられればいいんじゃないかな……?」
 たぶんお客さんにならないと何も語ってはくれないと思うけどね、とメリッサは付け加えた。
「なんでもその職人さん、装着者のサイズを事細かく調査して、ベストフィットするオーダーメイドを作るという信念を持った職人なんだってさ」
 つまり身体検査されること必須ですか?
 そう聞くと、メリッサはにこりと笑った。
「あ、職人さんは中年の人間男性だから」
 なんだか嫌な情報が出た気がする。
「あと、男物もあるんだってさ」
 なんだか余計な情報も出た気がする!!


雅瑠璃
 こんにちは、またはこんばんは。
 雅です。

 今回はちょっと試しに、2本同時にシナリオ運営してみようかなと思い、こんなオープニング書いてみました。
 ……おかしいな、今出てる別のがえっちなネタシナリオだったので、今回は真面目に勇者の伝説を追おうかなって思ってたのにな。
 フラグメント引いちゃったから仕方ないよね?

 さて、1章では、ビキニアーマー勇者の伝説を調べるというのは名目で、皆さんにビキニアーマーを着てもらおうという話になっております。
 客相手じゃないと話さないぞっていう職人さんだから、客になるしかないものね、仕方ないよね!
 はい、老若男女性別問わず、ビキニアーマーになっていただきますとも。
 サイズを計られたり、希望のビキニアーマーのデザインを語ったりすればいいんじゃないかな!
 あ、測定の際に必ずしも脱ぐ必要はないですよ?
 脱いじゃダメとも言いませんが。脱いだ方が正確に測れるでしょうが。
 なお、ビキニアーマー作らない人には何も語ってくれないので、容赦なく失敗判定になります(酷い)

 2章では、ビキニアーマーに着替えて、ビキニアーマー勇者の向かった先へと赴いての冒険になります。
 2章から参加する人も、描写なかっただけで1章の職人にビキニアーマー作ってもらった体でよろしく!

 3章では、その冒険先に巣食っていた魔物と、ビキニアーマーを着たまま戦ってもらいます。
 ビキニアーマーが活かされるかはプレイング次第ですね、ええ。

 とまあそんな感じのシナリオになっております。
 ビキニアーマーって何回書いたんだろう……?

 ともあれプレイングお待ちしてますよ。
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第1章 日常 『ビキニアーマー職人の朝は早い』

POW   :    天が与えた大いなる至宝を毎日の節制とトレーニングで磨いた、これこそ最高の形なり。

SPD   :    あまり大きいものは実用的ではない、アッパーミドルクラス釣鐘型、これ。

WIZ   :    貧しいではなく品のある胸、それが時代の選択です、それを分からずして何が職人か。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ビキニアーマーは職人芸
「ん? お客さんかい?」
 グリモア猟兵に転移してもらった先で、指定された店に赴くと、職人らしき親父さんが猟兵たちを出迎えた。
 見た目はハゲ頭でヒゲ面で筋骨粒々の大男。
 店番をするよりも、山賊の親分と言った方が似合いそうな風貌ではあるが、好色な雰囲気などはない。そのあたりは職人らしさを感じる。
 この風貌なら、鍛冶をやっているといわれれば納得はしそうなのだが……そうなると店内に並べられたさまざまなビキニアーマーがミスマッチだ。
 ……というかこの店、ビキニアーマーしか展示されてねぇ……。
「なんだ? 客じゃねえなら帰った帰った」
 親父さんは黙っている猟兵たちを胡散臭そうに睨み付けた。
 まずは客としてビキニアーマーをオーダーメイドしなければ、これ以上は話が進まない、かもしれない。
中村・裕美
ビキニアーマー…ラティナさんみたいな装備のことですわね

主人格の裕美がコミュ障なので、副人格のわたくし、シルヴァーナが本体から分離して交渉に行ってきますわ。裕美は店の外でお留守番ですわ

「オーダーとしては胸が邪魔にならないよう動きやすいもの、あとはナイフとかダガーを収められるようなホルダーを付けられれば文句ないですわ」
胸のサイズは90入ったくらい。100cm超えの方々に比べればまだまだですわ
脱ぐ必要があったら脱ぎます。裕美に後で何か言われても「本体が見られたわけじゃないからノーカンですわ」で通す

ついでに勇者の話も聞いておきますわ
「勇者さんはどういったサイズで、どういった冒険をされた方ですの?」


雷田・龍子
束縛を嫌う龍子は普段はノーブラなのだが・・・。

「情報を得るためならば仕方が無いだろう。」

【POW】
「さあしっかり採寸してくれたまえ。」
龍子は裸を見られることに抵抗はない。露出狂ではないが、必要とあらば脱ぐことを厭わない。徐に服を脱ぎ仁王立ちをする。

「私に似合うビキニアーマーを作ってくれよ。」
胸のサイズが一際大きい龍子は、普段着を購入する際にいつも服選びで自分に似合うデザインを探すのに苦労している。

「ところでビキニアーマー勇者の伝説について何か知らないか?」
採寸をする職人にそれとなく尋ねてみる。


原宮・早月
えっと、ビキニアーマー、作ってもらえる…かな。
その、普通の鎧じゃ、体型が合わないから…鎧を着るなら、こういうのになるかな…って。

…サイズ測定?そ、それもそうだよね。ちゃんとサイズ測らないと…
は、恥ずかしいけど…仕方ないよね(服脱いで裸になりつつ)
…え、服は脱がなくていい?は、早く言ってよ…!
(尚3サイズは122/64/118)

デザインの希望は…うん、とりあえず、うっかり外れたりしないくらいしっかりしたものなら良い…かな。
(PL的にはむしろポロリの危険ある方が望ましいです)
それで、実用性ある範囲で可愛いデザインなら尚良し、だね。

そんな話をしつつ、ビキニアーマー勇者の話を聞ければと。


ランドルフ・フランセット
【Wiz】
ふむ、びきにあーまぁとな。
あれじゃろ、胸と腰だけ守ってくれる鎧じゃろ。
このじじぃも着てみようかの。

おぉ、職人殿、サイズチェックじゃな。
了解じゃ了解じゃ。
そのへあーすたいるにはちょっと親近感覚えるのう。

あと、わし腰痛と冷え症あるから、
下にコルセットとサポーターつけながらでもいいかの?
どっちもベージュにして、目立たないようにするからの。

じじかるらんらん、びきにあーまーゔぁーじょんじゃ!

(アドリブOK、腰や入れ歯やっちゃってもOK)


国包・梅花
POW

異世界の豪傑の伝説を追えるとはなんとも名誉なことにて
びきにあぁま?なる甲冑も作ってもらえるとなれば胸躍りまする
…お店の中のこれらは肩当てや胸当てでしょうか?

作っていただくにあたり全て職人の言う通りにします
こちらは素人あちらは玄人、当然ではありますが
脱げと言われれば脱ぎましょう……あの、本当に脱がねばなりませぬか?そうですか…
(下着の類はつけていません)

いえ職人という生き物は仕事となれば邪な心など捨てるものと
世界は違えど職人とはそうしたものと信じておりますれば
…ただ、出来れば採寸は早う終わらせてほしく…

甲冑のでざいん?も細かく指示せず
剣を振る仕事ゆえ、動きやすくとだけお願いしておきます


イネス・オルティス
イネスはビキニアーマーを愛用しています。

勇者にビキニアーマーを作った職人の子孫? 面白そうね、
でも〔一族伝統の鎧〕以外のビキニアーマーを着るつもりはない。
というわけで修理を頼んでみようと思う

「この鎧は一族の誇りだもの、これ以外を着るつもりはないけど修理なら頼みたいわ」

まあどうしてもって言うなら修理している最中の代えのなら作ってもいいかな
「サイズを測る? 水着越しならいいわよ」

〔イネスの水着〕に着替えて計測
”恥ずかしさ耐性”があるので堂々と”存在感”ある肢体をさらす

「そういえば勇者のビキニアーマーってどんな感じのだったの? オーラで黄金に輝いてたとか?」

アドリブ・絡み・可


青葉・まどか
伝説の…ビキニアーマー!!
凄い!しかも職人さんの子孫の方が代々ビキニアーマー職人になっているなんて胸が熱いね!
これはビキニアーマーを作ってもらうしかないよね!

お医者さんや職人さん相手に恥ずかしがっても意味がないし、キチンと作って貰らうね。
測定の為に躊躇なく脱ぎ、職人さんに胸を見られたり触れられても特に気にしません。

ビキニアーマーへの要望
「胸がまだ成長しているんですけど、拡張性のあるビキニアーマーって作れますか?」
「身軽さがウリなんで軽い素材でお願いします」

職人さんの邪魔にならない程度に話しかけて交流。
「勇者さんて何処に向かったんですかね?」


ナタリア・ノエル
【POW】
ビキニアーマー、ですか。動きやすい装備は歓迎ですわ!

というわけで、やって参りましたビキニアーマー専門店。
これでもわたくし、日々鍛えてますので!

(一切躊躇わず服ぬぎぬぎ)どうですか?一流の職人様が作り上げる、一流の品に見合う体つきを私はしてますでしょうか。お認めくださるならば、是非ビキニアーマーを作っていただきたいのです……!

ちょっと手足が太かったり、お腹が割れてたりしてこう……「おんなのこらしさ」はないかもしれませんけども、鍛練は邪悪と戦い打ち払う力を天より授かりし者の責務ですわ。このカラダは女の子のカラダである前に、戦士のカラダですの……!


ニコル・ピアース
たのもー!
というわけでビキニアーマーを買いに来たのですよ。
うん、ビキニアーマーは普通に普段着てますよ。
ていうか今もちゃんと付けてますから。
というわけで買うのは予備用ですね
性能良ければそっちメインにしてもいいですけど。

というわけで、脱ぎますよ、全裸ですよ、見られ放題ですよ。
あれ? で、どこで測定とかするんです?
大丈夫ですよ、ビキニアーマーは破損して見られてなんぼですから。

そしてビキニ部分は小さいほどいいですよ動くのも楽ですし。
ただしアームパーツとレッグパーツは別です。
これがないと単なる硬いビキニですし、
ちょっとごっつくてかっこよくないと駄目ですね。

アドリブ、他の人との絡み等歓迎です。


ティアナ・スカルデット
※絡み・アドリブ・連携歓迎・弄り歓迎

【POW】
こんにちは、鎧を作りたいのですがいいですか?
鎧を探していたらここを紹介されました
鎧の事は鎧職人さんに聞くのが一番だと思うのでお任せします
理想としては伝説の勇者様みたいな恰好良く実用性が高いのがいいです

全部脱がなきゃダメですか
クロースの上に着用するからクロースは着ててもいいですよね
脱げと言うなら脱ぎますけど(誰かに脱がされる)

身長は低いけど
腹横筋と腹斜筋を鍛え引き締まったくびれ
しなやかな手足
着衣状態でも主張する巨乳
健康的な赤茶色の肌

実は私は英雄に憧れてて勇者についていろいろと聞きたいのです
足取りを追ったり近い装備をする事で一歩でも英雄に近づきたいの


シズホ・トヒソズマ
※他猟兵との絡み、アドリブOK

【SPD】

釣り鐘型の着用者さん(見た目可愛ければ種族年齢問わず)を探し【コミュ力】で着用してもらい店に突撃
服は首から下はぴっちりスーツでマスクはアイマスクタイプ

そして【気合い】の土下座!
『お願いします!恐らく信条に反するとは思います、ですがどうか!! この私のぴっちりスーツの上からつけるビキニアーマーを仕立ててください!』

【言いくるめ・覚悟】込みで
『ビキニアーマー、良いと思います。でも私は!全身ぴっちりの感触を味わいつつもビキニアーマーというロマンを着たい!ぴっちりスーツとビキニアーマーは共存すると、かつて勇者達が掴んだような、新たな可能性を拓きたい!どうか!』


アルテミス・カリスト
「古代の戦士たちは身軽さを好んだと言いますから、伝説の勇者の中にも身軽な動きを追求した女勇者がいてもおかしくありませんよね!
ここは私も正義の騎士として、勇者を見習うとしましょう」

ビキニアーマー職人さんの元へ向かい、早速オーダーメイドのビキニアーマーを作ってもらうとしましょう。

「って、だ、男性の職人さんなのですかっ!?
聞いてませんよっ!?」(注:言ってました

うう、恥ずかしいですが仕方ありません。
これも勇者の――騎士の試練。

採寸のため鎧を脱ぎ、上着とスカートを脱いでワイシャツ姿に。
ボタンを一つ一つ外し脱いだ後、ブラジャーに手をかけて……

って、なんでこんなに描写とカメラワークが細かいんですかーっ!?


燈夜・偽葉
ビキニアーマーを作ってもらえるんですか?
じゃあ折角ですから作ってほしいです

(羞恥心なく脱ぐロリ巨乳)
(サイズ測られる際のあれこれとした手つきも気にしない。好色じゃないらしいですし!)
(どういったデザインがいいいのかはお任せしちゃうのです)

そういえば、伝説の勇者にビキニアーマーを着ていた人もいるそうですね
その人のビキニアーマーについて何か知ってたりしませんか?


咎離・えるぴす
【POW】使用。アドリブ歓迎。

ビキニアーマーは、動き易さを追求した鎧と聞いています。
今の服は格闘時の立ち回りに些か難がありますし、この機会に試してみたい所です。

格闘戦時に動き易いものを作る為にはより正確なサイズが必要と思われるので、計測時は全部脱ぎ(胸はこれでもさらしでギチギチに押さえてるので、封印を解き放つ感)、職人気質と思しき親父さんに対して失礼にならないよう堂々と受ける。

……実の所、穢れを伴う邪な視線や感情やその他諸々も割と好物なのだけど、それは表に出さずに。

話し掛けられそうな頃合を見て、親父さんの先祖が勇者の依頼を受けた時の事を聞く。
伝わっている、何か小さなエピソードでも聞ければよし。


アイリス・ヴォルフェルト
伝説の勇者のビキニアーマーですか。
……興味が無いと言えば嘘になりますけど、私は避けるより受けて防ぐ戦闘スタイルなんですよ。
それに貧乳のビキニアーマーって需要ありますか?あ、事実でも他人に貧乳と言われるのはカチンときますね。

でも、仕方ないですね。とりあえずビキニアーマー作ってもらいましょう。
う、うぅ。家族以外に見せたことない。特に此処数年は母さんと姉さんぐらいにしか見せてない珠のお肌をこんなことで異性に晒すことになるなんて。
……え、脱がなくてもいいんですか?なら、脱ぎませんよ。えぇ、騎士とはいえ私は女の子ですから恥はありますから。
デザインはお任せしますから、色々お話聞かせてください。

アドリブ歓迎



●予想もしていなかった商売繁盛
「なんでぇ。アンタらみんな客か。だったら話は早い。
 そこらにあるやつを買うのか、それとも新たに作るのか、どっちだい?」
 総勢15名の猟兵達(ほぼ女性)が皆客だとわかったとたん、厳ついひげ面の相好を崩し、意外と人懐っこい笑顔を見せるハゲオヤジ職人である。
 とはいえ、筋骨隆々な大男が、笑顔でビキニアーマーについて語っているというのは、それはそれでいろんな意味で怖いかもしれない。
 周りに展示されているビキニアーマーを見れば、このオヤジの腕はいいのだろうというのはわかるのだが、猟兵達以外に客がいなかったのは、何となくそういう事なんだろうなと察せられたりする。
「よし。そんじゃ始めるか。個別に注文を聞いていくからよ。
 採寸が必要な奴は別室でだな。
 で、誰からにするよ?」
 というわけで、猟兵達は順番にビキニアーマー商談に入ったのだった。

●じじいの場合
「ふむ、びきにあーまぁとな。あれじゃろ、胸と腰だけ守ってくれる鎧じゃろ。
 このじじぃも着てみようかの」
 というわけで、最初に話をすることになったのは、メンバー中唯一の男性であるじじい……もとい、ランドルフ・フランセット(じじかるらんらん・f09319)であった。
「確かに男モノもあるがな、爺さんでビキニアーマーってのはなかなか珍しいぞ」
 ハゲ頭同士で親近感でもあるのか、割と気安い感じで話しかけるオヤジである。
「まぁいいや、それじゃ採寸するから上着脱いでくれるかい?」
「おぉ、職人殿、サイズチェックじゃな。了解じゃ了解じゃ」
 言われるまま上半身の服を脱いでいくランドルフ爺さん。オヤジはメジャーを当てて採寸しつつ、どんな感じのものがいいか尋ねる。
「おお、そうじゃな。
 わし腰痛と冷え症あるから、下にコルセットとサポーターつけながらでもいいかの?」
「ああ、それくらいなら構わんだろうさ。だけど、そんなものつけてたら外から丸見えで目立つぞ?」
「どっちもベージュにして、目立たないようにするからの」
「そうかいそうかい。それじゃそのあたりと干渉しないようなものにするかね。
 よし、サイズはこんなもんだろ。それじゃ次の奴を呼んでくれ」
「ほいきた。まかせるのじゃ。
 じじかるらんらん、びきにあーまーヴぁーじょん、楽しみ、じゃ……?!」
 びきぃっ?!
 他の者を呼ぼうと急に振り返ったじじいの腰から破滅の音がした。
「お、おい、爺さん、ぎっくり腰やっちまったか?
 おーい、だれかー、爺さんの面倒見てやってくれー!」
 慌てて部屋の外の女性陣に声をかけて助けを求めるオヤジである。
 というわけで、ともあれ一応はまず1人目の採寸が終了した。
 初っ端からとんでもないイベントはあったが、ある意味次からが本番である。

●ビキニアーマー女戦士の場合
 爺さんと入れ替わりに次に採寸用の別室に入ってきたのは、2人。
 元からビキニアーマーを着用しているイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)とニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)である。
「ほう、嬢ちゃんたち、なかなかいいビキニアーマー使ってるじゃねぇか」
 さすがにビキニアーマー職人というべきか。一目でその出来の良さに感嘆していた。
「さすがは、伝説の勇者にビキニアーマーを作った方の子孫。いい目をしてるわね。
 ええ、この鎧は一族の誇りだもの、これ以外を着るつもりはないけど補修を頼みたいわ」
 と、イネスは自らの着ているビキニアーマーを誇ってみせた。
「ふむふむ。なるほど、確かにいい出来だ。が、少々古びてて補修は必要そうだな。
 任せておけ。……にしてもご先祖様の事そんなに知られてるたぁねぇ」
 伝説のビキニアーマー師である先祖の事を言われて悪い気はしていないらしい。ご機嫌になるオヤジだが、とりあえず今はそれ以上語ることもなく、もう1人の方へと向き直った。
「で、そっちの嬢ちゃんは? そっちも普段から着てるみてぇだが」
「うん、ビキニアーマーは普通に普段着てますよ。
 というわけで買いたいのは予備用ですね。性能良ければそっちメインにしてもいいですけど」
 こちらは着ているビキニアーマーにそこまでのこだわりはなさそうなニコルである。
「あ、予備用という事でしたら、私もありかもしれませんね」
「ほうほう。いいぜ。修理でも予備でも任せてくれや。
 そんじゃ、まずは体型に合わせるために、採寸からだな。いいか?」
「あ、はいはい。脱ぎますよ、全裸ですよ、見られ放題ですよ。
 大丈夫ですよ、ビキニアーマーは破損して見られてなんぼですから」
「えっ? 脱がなければいけませんか?」
 ぱっぱとビキニアーマーを外し胸を晒して採寸されていくニコルに対し、イネスはさすがに躊躇っている。
「そりゃ、鎧の内側の採寸だからな。脱がないと意味はなかろうさ」
「……では、水着越しならいいわよ」
「ああ、十分だ」
 イネスも水着に着替え、身体のサイズを測られていった。
「よし、採寸はこんなものだな。
 予備ってことだが、希望はあるか?」
「私は、特には……普段は先祖代々のを使いますし」
「なら、予備もそれに似せた感じにしておこう。補修も必要ならいつでもいいな!」
「私はそうですね……ビキニ部分は小さいほどいいですよ動くのも楽ですし」
「確かに嬢ちゃんのはほとんど見せてるような絶妙な形状だしな。オーケー、それに合わせてみるさ」
「あ、でもアームパーツとレッグパーツは別です。
 これがないと単なる硬いビキニですし、ちょっとごっつくてかっこよくないと駄目ですね」
「わかってるわかってる。皆まで言うんじゃねぇ。そのあたりはプロに任せておきな」
 さすがに愛好家同士か、言いたいことはちゃんとわかるらしい。
「あ、あと、そういえば勇者のビキニアーマーってどんな感じのだったの?」
 と、イネスは本来の目的の情報収集をしようとするが。
「ああ、それを聞きたいってか?
 ま、あとだあと。注文待ちもたくさんいるからな。商品できて受け渡すときにでもまとめて話してやるよ。
 どうせほかの連中も聞きたがるんだろうから、嬢ちゃんたちからそのこと伝えてやってくれや」
「はーい」
 という事で、話はあとという事になり、2人は採寸室を出て、次の人を呼ぶのだった。

●ノーブラの場合
「異世界の豪傑の伝説を追えるとはなんとも名誉なことにて。
 びきにあぁま?なる甲冑も作ってもらえるとなれば胸躍りまする」
 店内を眺めて、展示されているビキニアーマーを見て、これは胸当てか肩当てか……と小首をかしげていた国包・梅花(妖刀乱花を舞わす・f15283)だった。
 一方、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)の方はというと……。
「束縛されるのは苦手なのだが……情報を得るためならば仕方が無いだろうな」
 普段から胸の束縛を嫌っているためノーブラな彼女は、ビキニアーマーにはそれほど興味はない様子。あくまでも仕事としてここにきていた。
 次に採寸室に入ってオヤジと話すのは、この2人である。

「さあしっかり採寸してくれたまえ」
「おう、なかなか脱ぎっぷりがいいじゃねえか、姉ちゃん」
 採寸室に入るなり前置きなしで服を脱ぎ肌を晒した龍子である。別に露出狂というわけではないのだが、必要ならば肌を晒すことにはまるで抵抗はないらしい。大きな胸を遠慮なくさらして仁王立ちしている。
「私に似合うビキニアーマーを作ってくれよ」
「まかせな。この胸のサイズだと、普段の服選びや鎧選びから苦労してるんだろ?
 胸の大きな冒険者には、なかなか合うデザインの鎧とかはないからな。ビキニアーマーを除いてはよ」
 にかっといい笑顔で請け負うオヤジだった。

「さて、そっちの嬢ちゃんも採寸したいんだが、いいか?」
「あ、はい。脱げと言われれば脱ぎましょう……あの、本当に脱がねばなりませぬか?」
「その厚い服の上からだと細かなところはわからんからな」
「そうですか……わかりました」
 オヤジの言うとおり、梅花の和服の厚い布の上からだと正確に測るのは難しいのだろう。こちらは素人であちらは玄人なのだから、言うとおりにするのが当然だと、職人であるならば仕事の際に邪な心など持たぬだろうと、言われた通り着物を脱いでいく梅花だった。下着の類はつけていないので、豊かな胸が空気に晒される。
「おう。すまないな、嬢ちゃん」
「いえ、出来れば採寸は早う終わらせてほしく……」
「ああ、そんなに手間はとらせねぇ。ちっと失礼するぜ」
 そうして、実際にオヤジには邪心などなく、ただ機械的にサイズを測っていく。
 とはいえ胸を晒している梅花の方は、龍子のように平気とはならずに赤面してプルプル震えているのだった。

「あんがとよ。そんじゃ2人とも、ビキニアーマーの希望はあるか?」
「えと、甲冑のでざいん、ですか?
 あまり細かくは、絵、お任せしますが、剣を振る仕事ゆえ、動きやすくとだけお願いします」
「こっちもそうだな。あまり束縛されるのは好まんから、動きやすく頼むぞ」
「おう、任せときな!」
「あと……」
「ああ、勇者の伝説だろ? それはあとからな。
 さ、次の奴を呼んでくれ」

●90と122の場合
「オーダーとしては胸が邪魔にならないよう動きやすいもの、あとはナイフとかダガーを収められるようなホルダーを付けられれば文句ないですわ」
「おう、具体的に欲しいのがわかってると、こちらも作りやすいぜ」
 採寸室に入ってくるなり、てきぱきと注文をする中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)……ではなく、その副人格のシルヴァーナである。本人があまりにもコミュ障であるため、【オルタナティブ・ダブル】によって生み出されたもう1人の自分に副人格を宿らせ、店の外に主人格の裕美を放り出してここにやってきたのだった。
 なお、あくまでももう1人の自分であるため、ダブルのこの身体は本人の体と同一であり、当然ビキニアーマー作成のためのサイズも一緒なのである。
 ゆえに、シルヴァーナはあっさりと服を脱いで90を超えるバストを晒して職人に測ってもらっているのだが。
(「ま、裕美にあとで何か言われても、本体が見られたわけじゃないからノーカンですわ」)
 繰り返すがもう1人の自分である。まったく同一の身体である。
 その言い分が本体の主人格に通じるかは……まぁ、彼女たち次第であろうか。
「ふむ、この大きさだと普段は結構じゃまだろう。これが邪魔にならず動きを阻害しないように、となると結構しっかりとカップを作って固定する必要がありそうだな」
 そう言いながら、シルヴァーナの胸を掴み形を確認するオヤジ。手つきはあくまでも邪心のない作業そのものではある。ブラのカップを定めるために胸の形を確かめているだけなのだ。
「まぁ、大きいとは言いましても、100cm超えの方々に比べればまだまだですわ」
 そういってシルヴァーナは、傍らにいるもう1人の胸を見るのだった。

 そのもう1人、原宮・早月(ルードリーム・レイヤード・f14983)である。
 でかい。説明不要にでかい。
「こりゃあ、大したもんだ。ここまで大きいのは、俺も初めて見るぜ」
 ビキニアーマー作って百戦錬磨のオヤジさえも驚愕する大きさであった。
「その、普通の鎧じゃ、体型が合わないから……鎧を着るなら、こういうのになるかな……って」
「だろうなぁ……そこまで大きいのに対応する普通の鎧はないだろうさ。
 どれ、ちょっくらサイズ測らせてくれや」
「そ、それもそうだよね。ちゃんとサイズ測らないと……。
 は、恥ずかしいけど……仕方ないよね」
 そういって早月は上着を脱ぎ、ブラも外してその巨大な質量を晒す。
「あ、ブラの上からでもよかったんだが……まぁ、いいか。この方がやりやすいのは確かだ」
「えっ……服は脱がなくていいの?
 は、早く言ってよ……!」
「がっはっは。まぁ、気にすんない。この方がより正確になるのは確かだし、それにお前さんの場合、実際の大きさ見てみないとちゃんと作れそうにないからな。
 よっと、もうちょっと失礼するぜ」
 そういって、オヤジは早月の乳房を支えるように手に取った。
「ひっ?!」
「なるほど……こいつは確かに重いな。だとするとこれを支えるように工夫しないとな……」
 触られてビックリした早月だが、あくまでもオヤジはビキニアーマー作成のためにそうしているだけなのである。
「あ、うん、とりあえず、うっかり外れたりしないくらいしっかりしたものなら良い……かな。
 それで、実用性ある範囲で可愛いデザインなら尚良し、だね」
「任せとけ!」

「いや、しっかし、嬢ちゃんたちみたいな大きな胸にあうものを作る機会って意外とねぇからな。いい仕事させてもらったお礼だ。後できっちり話してやっからよ」
「ええ、勇者の話、楽しみにしてますわ」
「それじゃ……失礼します」
 というわけで2人も測り終わり、次の人と交代となった。

●筋肉の場合
「動きやすい装備は歓迎ですわ!」
「鎧の事は鎧職人さんに聞くのが一番だと思うのでお任せします。
 理想としては伝説の勇者様みたいな恰好良く実用性が高いのがいいです!」
 次にやってきたのは、美しい容姿でありながら、鍛えられた筋肉を持つオラトリオとドワーフの2人の女性だった。
「ほほう。2人ともいい体をしてるじゃねぇか」
 言い方だけだと誤解されそうだが、オヤジが見ているのはあくまでも筋肉である。
「これでもわたくし、日々鍛えてますので!」
 堂々とそう言うのはオラトリオの方、ナタリア・ノエル(不屈の聖女姉妹・姉の方・f12417)である。
「実は私は英雄に憧れてて、足取りを追ったり近い装備をしたりする事で一歩でも英雄に近づきたいの」
 そう力説するのはドワーフの方、ティアナ・スカルデット(ロンズデーナイト・f11041)だ。
「そうかそうか。いい心掛けじゃねぇか」
 ビキニアーマー専門とはいえさすが鎧職人という事だろうか。体を鍛えるものに対しては相好も緩むオヤジである。
 オヤジの関心がティアナの方に向いたからなのか、ナタリアは自分を見てもらおうと、一切躊躇わずに衣装を脱いでいった。 
「どうですか?
 一流の職人様が作り上げる、一流の品に見合う体つきを私はしてますでしょうか?
 お認めくださるならば、是非ビキニアーマーを作っていただきたいのです……!」
「お、おう?
 別に身体認めるから作るってわけじゃねぇけどよ。こちとら商売だしな、欲しいというなら造りはするが……」
 脱いで身体を見せつけるナタリアに少々戸惑うオヤジに対し、ナタリアはさらに言葉を続けていく。
「ちょっと手足が太かったり、お腹が割れてたりしてこう……おんなのこらしさはないかもしれませんけども、鍛練は邪悪と戦い打ち払う力を天より授かりし者の責務ですわ。このカラダは女の子のカラダである前に、戦士のカラダですの……!」
 少々思いつめたというか、自信なさげなナタリアに対し、オヤジは問題ない、皆まで言うなとばかりに言葉を遮って笑顔を向けた。
「ああ、わかったわかった!
 というか勘違いしてるんじゃねぇぞ、嬢ちゃん。
 俺は鎧を作る職人なんだ。女の子らしいよりも、鍛えた筋肉のある身体の方が好ましいに決まってるさ。
 心配しなくても、嬢ちゃんに合う最高のモノを作ってやるともよ」
「本当ですか!」
「おうよ」
 逆に、ナタリアの身体が認められたと思ったか、今度はティアナの方が主張を始める。
「わ、私も、ドワーフだから身長は低いですけど、腹横筋と腹斜筋を鍛え引き締まったくびれとか、しなやかな手足とかはそれなりに行けると思うんですが、どうですか?
 それとも私も脱いで見せなくてはダメですか?
 脱げというのなら脱ぎますけど……私はクロースの上に着用するつもりなので……きゃぁっ?!」
 オヤジに詰め寄るように主張していたティアナだが、そういっている間に、ナタリアが気を利かせたのか、するっと服を脱がされてしまった。
 着衣状態でも主張していた巨乳が、健康的な赤茶色の肌とともに晒される。
「ちょ、ちょっと?!」
「あ、えと脱いで見せるのかなと思いまして……」
 意地悪とか悪戯とかではない、ただ天然なナタリアである。
「ま、まぁ、クロースの上から着るっていうならそこまで脱ぐ必要はなないけどよ。
 だが、嬢ちゃんは勇者に憧れて、足取りを追うとか言ってたよな?
 なら、クロースではなく直接つけるようにした方がいいとは思うぞ。詳しくはあとで話すがよ、勇者の足取り追うなら、クロースはあまり望ましくないかもしれん」
「そ、そうなんですか……?」
「けどまぁ、そのあたりはどっちでも大丈夫なように作ってやっから。
 ほら、せっかく脱いだんだから、ちゃんと測らせてくれよ?」
「「はいっ」」

●眼鏡とマスクの場合
 次にやってきたのは、眼鏡の少女と、マスクを付けた少女だった。
「伝説の……ビキニアーマー!!
 凄い! しかも職人さんの子孫の方が代々ビキニアーマー職人になっているなんて胸が熱いね!
 これはビキニアーマーを作ってもらうしかないよね!」
 と、ノリノリの眼鏡の方は、青葉・まどか(人間の探索者・f06729)という。
 彼女は、職人さん相手ならお医者さん相手と同じようなものだし、きちんと作ってもらうなら恥ずかしがっても意味ないし、と、躊躇なく脱いで胸を晒していた。
「気が早いな、嬢ちゃん。ま、そんじゃさっそく測るとすっか。
 そっちのマスクの嬢ちゃんはちょっと待って……な、何してるんだ、おい?!」
 まどかの測定をするので待つようにと、マスクの方、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)の方を向き直ったオヤジは、驚愕した。
 なぜなら、彼女は採寸室に入るなりいきなり気合の土下座を披露しているからだ。
「お願いします!
 恐らく信条に反するとは思います、ですがどうか!!
 この私のぴっちりスーツの上からつけるビキニアーマーを仕立ててください!」
「な、何してんだいきなり?!」
 これにはさすがのオヤジもまどかも吃驚仰天であった。
 
 さて、ここで解説しておこう。
 彼女の正体はヒーローマスクであり、アイマスクタイプのマスクと、首から下に着用しているぴっちりスーツが本体なのだ。
 なので今の姿である少女、釣り鐘型の美乳をした可愛らしい女の子はシズホ本人ではなく、この世界で見つけて着用してもらった少女なのである。
 なので、ぴっちりスーツの上に着用できるかどうかは割と死活問題だったりする。
「ビキニアーマー、良いと思います。
 でも私は! 全身ぴっちりの感触を味わいつつもビキニアーマーというロマンを着たい! ぴっちりスーツとビキニアーマーは共存すると、かつて勇者達が掴んだような、新たな可能性を拓きたい! どうか!」
「……勇者がそんな可能性掴んだかどうかはともかく、わかったからよ、頭上げてくんな」
 呆れたような苦笑したような顔のオヤジであった。
 そのままオヤジは、脱いだままだったまどかの測定を再開する。メジャーを回してサイズを測り、カップの形状を確かめようと乳房を触り……。
「ふむ、なかなかの大きさだな、嬢ちゃん」
「そうなんですよ。しかもまだ成長まだ成長しているんですけど、拡張性のあるビキニアーマーって作れますか?」
「拡張性?! また難しい注文だな。そっちのマスクの嬢ちゃんのぴっちりスーツの方がよっぽど簡単な注文じゃねぇか」
「無理ですか……?」
 若干諦めたように肩を落とすまどかだが、そんなまどかの反応を見て、オヤジはどんと自分ん胸を立ちて、力強く言った。
「ま、ほんとはサイズ変わったら作り直すほうがいいんだけどよ。俺の腕を見込んできてくれた客なんだ、何とかするさ」
「ほんとですか?!
 あ、ついでに、身軽さがウリなんで軽い素材でお願いします」
 ついでの注文追加に苦笑しつつも、まどかのサイズ測定を終え、次はシズホの方に向き直る。
「わかったわかった。
 ほら、次はそっちのマスクの嬢ちゃんだ。ぴっちりスーツの上から測るから、こっち来な」
「よろしくお願いします!」

●巨乳の場合
「折角ですからビキニアーマーを作ってもらおうと思いました」
「ビキニアーマーは、動き易さを追求した鎧と聞いています。
 今の服は格闘時の立ち回りに些か難がありますし、この機会に試してみたい所です」
 そういって入ってきた2人。
 若いというかまだ幼さやあどけなさも感じさせる顔つきの少女の燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)と、大人の女といった感じの咎離・えるぴす(穢れ喰らい・f15378)である。
 年齢は一回りも離れているこの2人だが、共通点があった。それは……。
「それにしてもなんだな。大きな姉ちゃん嬢ちゃんが続くな」
 そう、ともに立派な巨乳だという事だ。
 オヤジもさすがに苦笑する。先ほどのまどかもそうだし、それ以前にも、基本的にここまでやってきた女性たちのほぼ全員が立派な胸の持ち主だったのだから無理もない。
「胸はこれでもさらしでギチギチに押さえてるんですけどね」
 そういいながら、えるぴすはさらしを解く。すると封印から解き放たれた巨乳が勢いよくばるんと揺れるのだった。
「あ、私も私も。測って下さーい」
 偽葉もまた躊躇いも羞恥心もなくあっさりと服を脱いで、幼い顔つきに見合わない、いわゆるロリ巨乳を晒すのだった。
「ああ、脱ぐのはいいが、2人同時には測れねぇぞ。順番だ順番」
 そういってオヤジは1人ずつ順番にメジャーでサイズを測り、乳房に触れて持ちあげたりしてカップの形を調べ始めた。
 その手つきなども、2人は特に気にする様子はない。
 オヤジが好色ではなく、あくまでも職人として接しているのが態度からわかるからだろう。
 もっとも、えるぴすは、邪な感情や視線も割と好物だったりするのだが、別にそれを期待したような態度などはおくびも見せなかった。
「よし、測定はこんなところだな。
 アーマーのデザインの希望はあるか?」
「んーと、特にないので、どういったデザインがいいいのかはお任せしちゃうのです!」
 と、偽葉が元気よく答えれば。
「私もデザイン面では特に。格闘戦の時に動きやすければそれで十分です」
 と、エルピスも答える。
「わかったよ。それじゃあとは任せてくんな!」

●普乳と貧乳の場合
 そしてようやく最後の2人が採寸室に入ってきた。
 ともに綺麗な金髪で鎧を身に纏った女騎士の2人である。
 まるで姉妹のようにも見えるが血縁関係はなく、それでも同じ寮にて暮らす先輩後輩の仲ではある。
「古代の戦士たちは身軽さを好んだと言いますから、伝説の勇者の中にも身軽な動きを追求した女勇者がいてもおかしくありませんよね!
 ここは私も正義の騎士として、勇者を見習うとしましょう」
 と、前向きなのが先輩の方、アルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)であり。
「伝説の勇者のビキニアーマーですか。
 ……興味が無いと言えば嘘になりますけど、私は避けるより受けて防ぐ戦闘スタイルなんですよね……」
 と、ちょっと消極的なのが後輩の方、アイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)である。
「それに貧乳のビキニアーマーって需要ありますか?」
 あるいはこれがアイリスの本音かもしれない。
 決して大きいとは言えないがまぁ普通の大きさはありそうなアルテミスと違い、アイリスはどこまでもすとーんとなだらかだった。
「需要はともかくな、別に貧乳だろうとビキニアーマー着ちゃいけないわけじゃねぇぞ、嬢ちゃん。ビキニアーマーはあくまでも防具なんだからな。乳の大きさは関係ねぇのさ」
「……あ、はい。でも事実でも他人に貧乳と言われるのはカチンときますね」
 オヤジのフォローにも、その不用意な一言で眉をしかめるアイリスである。
「おっと、こりゃすまねぇ。勘弁してくんな」
「まぁまぁ、悪気があったわけではありませんし?」
 オヤジとアルテミスに宥められてなんとかおさまるアイリスだった。
「いえ、まぁいいですけど……とりあえずビキニアーマー作ってもらいましょうか」
「はい。早速オーダーメイドのビキニアーマーを作ってもらうとしましょう!」
 というわけでとうやく2人の採寸をしようと、オヤジはメジャーを取り出すのだった。
「……って、だ、男性の職人さんが自ら測るのですかっ!?」
 聞いてなかったとばかりに目を見開くアルテミスである。
 なお、入ってくるのが最後なこの2人だからして、当然既に測り終えた人たちからは聞いていたはずなのだが……?
「ああ、作るのも俺だから、俺が測らなきゃ始まらねぇしな。
 ま、恥ずかしいだろうがそこは我慢してくれや」
「うう、恥ずかしいですが仕方ありません。
 これも勇者の――騎士の試練」
 そういって赤面しつつ、アルテミスはまずもとより着ていた鎧を脱ぎ、上着とスカートを脱いでワイシャツ姿になると、ボタンを一つ一つ外し脱いだ後、ブラジャーに手をかけ、そのホックを外し、ゆっくりと腕をぬいていく。
「う、うぅ。家族以外に見せたことない。特に此処数年は母さんと姉さんぐらいにしか見せてない珠のお肌をこんなことで異性に晒すことになるなんて……」
 アイリスもまた真っ赤になりつつも、鎧を脱いでその下の服を丁寧に脱いで、下着姿になると、それに手をかけるのだった。
「あー……ある程度は脱いでもらわなきゃ測りにくいが、でも全部脱ぐ必要はないからな?」
 あまりにも2人が恥ずかしそうに脱いでいるので、さすがにオヤジも遅ればせながらそう付け加えるのだった。
「「えっ?!」」
 ただ、そう言われた時には、すでにアルテミスはブラジャーを外して胸を晒した後だったのだが。
「もっと早くいってくださいーー?!」
「……え、脱がなくてもいいんですか?
 なら、脱ぎませんよ。えぇ、騎士とはいえ私は女の子ですから恥はありますから!」
 アイリスは何とか、まだ下着姿のままで、それ以上晒す前に間に合っていた。
「いや、すまねぇ、嬢ちゃんたち。
 ここまでに来た娘さんたちがほとんど平気で脱いでいくからよ、俺も少し感覚がマヒしてたわ」
 まぁ、感覚がマヒしてきたのもわかる気はする。ここまで10人以上、ほとんどがためらいなく脱いで晒してきているのだから。
「すまん」
 と手を合わせて頭を下げるオヤジに、2人もそれ以上は言えなくなるのだった。
 なお、採寸自体はそのあと無事に終わったことは付け加えておく。

●そして勇者の伝説
 全員の採寸が終わったあと、オヤジは弟子に下準備を任せて、その間に猟兵達にビキニアーマー勇者の話を聴かせてくれた。
「ま、約束だからな。つっても、代々伝え聞いた話で、どこまで本当かまではわからねぇぞ?」
「ええ、構いませんよ。
 伝わっている、何か小さなエピソードでも聞ければよいので」
 そういってえるぴすが促すと、オヤジは頷いて先を語り始める。
「そもそもうちのご先祖様を懇意にしてくれた女勇者様がいたわけなんだがよ。
 ある時、その女勇者様が相談に来たらしいんだ。
 とある場所に行きたいのだが、今のままの鎧じゃ行くことができないから、何か手段を考えてほしい、ってな」
「勇者さんて何処に向かおうとしたんですかね?」
 と、まどかが合いの手を入れると。
「詳しい場所まではわからねぇ。ただおおよその話は伝わってるから、それはあとで地図で見せるさ。あんたら向かうつもりなんだろう?」
「はい! 足取りを追いたいと思ってます」
 と、ティアナが頷く。
「なら、ビキニアーマーが完成してからにするといい。
 そもそもそこに行くためにご先祖様が試行錯誤して作り上げたのがビキニアーマーだからな」
「ビキニアーマーで?!
 勇者さんはどういったサイズで、どういった冒険をされてた方ですの?」
 と裕美……ではなくシルヴァーナが尋ねると。
「サイズまでは知らねぇよ?!
 それに、ビキニアーマー絡みの話以外までは伝わってねぇ。
 ただ、ある場所に行くためにビキニアーマーを必要としただけだ」
「勇者のビキニアーマーってそんなに特殊なの?
 いったいどんな感じのだったの? オーラで黄金に輝いてたとか?」
 とイネスが尋ねてみるが。
「だから、そんなんじゃねぇよ。
 水没した迷宮に潜るのに、重い鎧のままじゃいけねぇから、何とか手段を考えたってだけの話だ」
「水没した迷宮?
 あ、それでさっき、クロースは望ましくないって」
 とティアナが納得したように頷けば。
「じゃあ、わしのコルセットは大丈夫かの?」
「おいおい爺さん。爺さんはそれより腰の心配してな?」
 まだぎっくり腰で動けないランドルフ爺さんである。
「ま、多少濡れるのを我慢すればいいんだろうが……どっちにしても普通の服だと泳ぐのに邪魔だし、かといって水着だと水中にいる魔物相手をするのに不安だし、ってことで、ビキニアーマーになったらしいぞ。
 そして、そのあとそこに余計なもんが入れないように、ビキニアーマーを着たもの以外は通れない結界を張ったとか何とか。
 うちに伝わる話っていえば、そんなところだ」
 というところで、オヤジの話は終わった。
 いろいろ猟兵達から質問も出るが……たとえばその水没迷宮にいった目的は何だったのかとか……親父もそれ以上は伝わっていないので答えようもない。
「ま、全員分のビキニアーマーが出来上がるまで数日かかるから、また来てくれや。
 その時、迷宮のある場所への地図の写しも作っておくからよ」
 という事で、この日は解散となったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『水中洞窟を突破せよ!』

POW   :    肺活量にも力にも自信がある!肉食動物が出たら倒すまで!無理せず息継ぎをしながら泳いで進む。

SPD   :    一気に行こう!息継ぎは最小限で、肉食動物に見つかる前に泳ぎきる。

WIZ   :    息継ぎできる所ではちゃんと息継ぎをしよう!肉食動物には魔法や罠で混乱させている間に泳いで逃げる。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●水没した迷宮
 猟兵達は、完成したビキニアーマーを受け取り、そして水没迷宮の場所までの地図も得た。
 それをもとに改めてグリモア猟兵に転移してもらい、たどり着いたのがここだ。

 入口の扉には、ビキニアーマーを着た者だけが通れるような結界が張ってあり、迷宮の奥で勇者の足取りを調べるのならばビキニアーマーを着ていく必要がある。

 また、入り口を超えるとすぐに通路が水没しており、中には水中に生息する魔獣が泳いでいるという話だ。
 一応、完全に水没しているわけではなく、ところどころ息継ぎはできる場所があるらしいが、それでも、迷宮の奥に行くためにはビキニアーマーを着て、魔獣のいる中を泳いでいく必要がある。

 身につけたビキニアーマーは職人の渾身の策で、皆の望み通りのモノに仕上がっているはずだ。
 その出来を確かめつつ、あとはどうか注意して先に進んでほしい。
原宮・早月
…すごい。露出度は高いのにぴったりフィットしてて、これなら簡単には外れないって安心感がある…
これが、職人の技…。

というわけで、このビキニアーマーを着て迷宮探索に行くよ。

水泳は好きだけど、潜水はあんまり得意じゃないかな…割と浮きやすい体型だし。
だから、息継ぎはこまめにやっていくよ。

肉食動物を見つけたら、息継ぎできる場所かその近くで忍び寄る侵蝕者を発動。
触手をけしかけて、その間に先へ進むよ。

…って、ボクにまで襲ってこないでー!?ビキニアーマーの中にも入っちゃだめ…っ!
(水中なので粘液は効果を発揮しない模様)
何とか触手を引き剥がして、先に進むよ…。


国包・梅花
SPD

流石は職人の特注品、身体にぴたりと合っていますしなにより出来が良い
これならばきっと身を守ってくれましょう…胸と、肩と、腰らへんだけですけど
「お風呂でもないのにこの格好はなんというか……いえ、これが伝説の豪傑の出で立ちなればっ…うぅ」

しかしながら泳ぎにて突破するには確かにコレが最適かと
泳ぐうちにズレる心配もなさそうですから、ここは一気に突破しまする
【地形利用】して息継ぎは最小限、蹴りにて加速できるところはきちんと加速します

どうしても魔獣と戦わねばならぬ時は「練成カミヤドリ」にて愛刀を複製し
己の周りを回転させるように【念動力】で動かし
こちらは泳ぎを維持したまま対応します


アイリス・ヴォルフェルト
水没した迷宮ですか。
……えっと、水は大丈夫ですかね?流れとかあります?水質平気ですか?
単純な溜め池みたいな形で水没してるとしたら伝説の女勇者が潜った当時からある水ということで、腐ってません?
ま、まぁ大丈夫だと思いましょう。
でも、ビキニアーマー着た人だけが通れる結界って、なんなんでしょうね?

び、ビキニアーマーでも剣と盾が重いです!
し、沈む沈む!?な、なんとか泳いで持って行かないと!
魔獣が出てきたら皆の前に出て盾を構えて【無敵城塞】です!
私は皆の盾ですから!
……ガボガボ!そ、そうだよね。水中で無敵城塞なんて使ったら沈むしかないよね!?
ゴボッ!こ、これは本格的に拙いよね!?だ、誰か助けてー!?


アルテミス・カリスト
「ここが勇者が挑んだという迷宮。
正義の騎士として、勇者の挑んだ道を制覇してみせましょう!」

アイリスちゃんの先輩としても、ここは格好よく迷宮を突破してみせましょう!(フラグ)

「け、けど、やっぱり普段の鎧と違って
ビキニアーマーだと防御力が少し不安ですね……」

『騎士が身につけるようなビキニアーマー』というオーダーをしたのに、
なぜこんなに露出の多い過激な形状なのでしょうか?(首かしげ

ともかく、大剣を構えて迷宮に突入ですっ!

「って、大剣が重くて身動きがーっ!?」(当然、沈む

大剣を振り回しても、水の抵抗で思うように振れません!

そして敵の攻撃がビキニアーマーの留め金に当たり
上下とも外れてしまうのでした。



●迷宮に挑むビキニアーマーの乙女たちその①
 ビキニアーマーに身を包んだ猟兵達は、件の迷宮の前にやっていた。
「ここが勇者が挑んだという迷宮。
 正義の騎士として、勇者の挑んだ道を制覇してみせましょう!」
 早速気合を入れているアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)は、普段の騎士の鎧ではなくもちろんビキニアーマーに身を包んでいるわけではあるが……。
「け、けど、やっぱり普段の鎧と違って、ビキニアーマーだと防御力が少し不安ですね……」
 彼女は一応『騎士が身につけるようなビキニアーマー』というオーダーをしていたのだが、騎士だろうが何だろうがビキニアーマーはビキニアーマーなので、露出が多いのは仕方ないのだ。
 少なくとも、騎士鎧のように白銀に輝いているビキニは、オーダー通りであろう。
「水没した迷宮ですか。
 ……えっと、水は大丈夫ですかね? 流れとかあります? 水質平気ですか?」
 そう疑問を口にするのはアイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)だ。
 アイリスもアルテミス同様な騎士鎧のような白銀製で装飾のあるビキニアーマーを身につけていた。ただしアルテミスとは違い、こちらの胸は限りなくなだらかであり、ほとんど平たい胸当てのようになってはいるが……。
「単純な溜め池みたいな形で水没してるとしたら伝説の女勇者が潜った当時からある水ということで、腐ってません……?」
「おそらく大丈夫かと。水の流れを感じまする」
 水没した迷宮の水質を心配するアイリスに応えたのは、国包・梅花(妖刀乱花を舞わす・f15283)だ。
 梅花の言うとおり、迷宮の水には流れがあった。
 本来なら普通の地下通路であったろうこの迷宮は、いつしか地下水脈とつながりその中身が水没してしまったようだ。今でも地下水脈の流れはあるため、水自体は濁っておらず、潜水するにも特に問題はない様子。
 ただ、水の流れよりも何よりも、梅花にとっては自分の格好の方が心配事だろう。
「お風呂でもないのにこの格好はなんというか……いえ、これが伝説の豪傑の出で立ちなればっ……うぅ」
 普段は和服姿の撫子である梅花ももちろん、ビキニアーマーに身を包んでいる。
 職人が梅花に合わせて作ってくれただけあって、身体にぴたりとフィットしており、装備感覚と防御力には問題なさそうだ。胸と肩と腰だけだけども。
「……すごい。露出度は高いのにぴったりフィットしてて、これなら簡単には外れないって安心感がある……これが、職人の技……」
 その隣には、自らの巨大なバストを包むビキニアーマーについて感動している原宮・早月(ルードリーム・レイヤード・f14983)もいた。
 彼女の122にもなる巨大なバストの重量を支えるために、彼女のビキニアーマーは他の者のよりもカップがしっかりと形作られている。たとえばアルテミスとアイリスのは、三角ビキニのように胸の上に張り付いている感じだが、早月のはブラジャーのようにすべて土台から胸を包み込んでいるようになっている。このあたりが人に合わせて作る職人芸なのだろう。
「そうですね、泳ぎにて突破するには確かにコレが最適かと……思いますれば。
 泳ぐうちにズレる心配もなさそうですから、ここは一気に突破しましょう」
「はい、突入しましょう。
 アイリスちゃんの先輩としても、ここは格好よく迷宮を突破してみせますよ!」
 そういって、大剣を手にアルテミスは勢いよく真っ先に水中へと飛び込んでいった。
「あ、まってくださいよー!」
 アイリスもまた先輩を追うように、剣と盾を持ったまま入っていく。
「水泳は好きだけど、潜水はあんまり得意じゃないかな……割と浮きやすい体型だし。
 けど、行かなきゃね」
「ええ、それでは私たちも……」
 先行した2人を追うように、梅花と早月もまた水中に飛び込んでいくのだった。

 この水没迷宮の中身は意外と広い。
 おそらくは元は地下通路だったのだろうが、十分な高さと広さがあり、窮屈さは全くない。また、ところどころ天井が高くなっている部分があり、そういう所には空気もたまり息継ぎもできるようになっている。
 なので、泳いで進む分には全く問題ない。
 ……泳げるのであれば。

「って、大剣が重くて身動きがーっ!?」
「び、ビキニアーマーでも剣と盾が重いです!
 し、沈む沈む!? な、なんとか泳いで持って行かないと!」
 鎧を軽くしても、武器が重ければあまり意味はない。
 アルテミス(大剣)やアイリス(大盾)は、その重量ゆえあっさりと沈み、この迷宮の水の中で生息している魔獣に囲まれていた。
 なお、本来水中なので喋ったとしても、がぼがぼがぼと泡の音が聞こえるだけなのだけども、文章では利便性を考え、ちゃんとした台詞で書いておきます。みんなの心の声だと思いねぇ。
「大剣を振り回しても、水の抵抗で思うように振れません!」
「私は皆の盾ですから! 守らないと!」
 2人はまともに息継ぎもできない中で水棲魔獣……わかりやすく言えば、固い鎧のような鱗を持つ魚の類……と戦っている。
 水の抵抗に逆らって大剣を振るうアルテミスだが、そんなゆったりした動きでは水中に生きる鎧魚に当たるはずもなく、その体当たりをまともに喰らってしまっている。なんとか浮上して息継ぎはするのだが、そうしている最中にも攻撃を喰らい、せっかくのビキニアーマーの留め金にもダメージがたまっていった。
 そんな先輩を守ろうとアイリスは盾をもって前に出て【無敵城塞】を使ったのだが……。
「……ガボガボ! そ、そうだよね。水中で無敵城塞なんて使ったら浮かび上がれないよね!? 息継ぎしに行けないよね?!
 ゴボッ! こ、これは本格的に拙いよね!? だ、誰か助けてー!?」
 傍からは声も聞こえずごぼごぼ泡を吹いているだけにしか見えないが、やばいのだけは実に伝わってくる。
 という騎士たちの大ピンチの中、梅花と早月が追いついてきた。
 追いついてきたというよりは、まだ水に潜ってからそんなに経っていなかっただけなのだが。
 騎士コンビがあまりにも速攻でピンチになっていただけなのだが。

「戦うのが目的ではありませんゆえ、2人を囲むものだけ少し散らして先に進みましょう」
「触手をけしかけて、その間に2人を助けるよ」
 水中でも互いの考えはおおよそ察することができたのか、早月と梅花は頷きあうと、泳ぎながら即座に行動を開始した。
 早月はさっそく【忍び寄る侵蝕者(ナイトメア・クリーパーズ)】を発動させ、触手で鎧魚を攻撃。
 梅花もまた【錬成カミヤドリ】によって複製した愛刀を念動で飛ばし鎧魚に対応していく。
 これで2人を救出し、なんとか息継ぎも済ませて先に進める……ようにはなったのだが。
 アルテミスの【不幸な事故(トラブル)】はまだこれでは終わりではないらしい。
「……って、ボクにまで襲ってこないでー!?
 ビキニアーマーの中にも入っちゃだめ……っ!」
「きゃあああっ?! アーマーの留め金がっ?!」
 アルテミスの不幸の運命に巻き込まれたのか、早月の召喚した触手が一部制御を外れて、アルテミスと早月を襲ってしまうのでした……。

 ともあれ、2人のビキニアーマーが外れ、バストがポロリしてしまうとらぶるがあったものの、その後は何とか順調に、大剣とか大盾とかの重いものも皆で支えあって、泳いで先に進む4人であったとさ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

燈夜・偽葉
ビキニアーマー…なるほど、いいものですね
(軽く調子を確かめて/ゆっさゆっさ揺れるロリ巨乳)
(ビキニアーマーは多分、白が基調で縁などがオレンジ色のものになってます)

それでは泳いでいくとしましょうか
水泳技能は持っていますが、無理せず時折息継ぎをしますね
魔獣はUCで斬り捨てます
水の中は動きが制限されるものですが、ビキニアーマーならその制限もあまり受けないですね
戦いやすいです
あの職人さんには感謝と尊敬をしないといけませんね


ナタリア・ノエル
さーて、気力・体力共に充実していますわ!
職人様に感謝を、主に『祈り』を。
それでは、思い切って行きましょうか!

ドルフィンキックで泳いでいきますわよ……適度に息継ぎはしつつ、基本的には水中を進んでいきますわ。
敵……肉食動物を見つければ見敵必殺ですわ。先に発見して奇襲を仕掛けることが出来ればそれでよし、相手から向かってきたのなら迎撃あるのみですわ。
聖竜さんにパパッとハルバードに変形してもらって、穂先の槍部でグサァッしてドラゴニック・エンドッ!ですわ!

泳いで闘って泳いで闘って、あとはもう体力勝負ですわ、気力の勝負ですわ!『気合い』で乗り切りますわよ!


雷田・龍子
「ビキニアーマーは水との相性が良さそうだな。」
普通の装備だと水中ではまともに動けないだろう。
「とはいえ、水中での戦闘は圧倒的にこちら側の不利だ。余計な体力を使いたくない。一気に行こう!」
【SPD】
「さて、丁度いい道具があるといいが。なにが出るかな?」
UCを発動。龍子は己の胸の谷間に深く手を突っ込み道具を探る。
その道具を使い水中洞窟を一気に突破するつもりだ。


ティアナ・スカルデット
※絡み・アドリブ・連携歓迎

【POW】
早速、ビキニアーマーを着て冒険に出かける
ビキニアーマー(鎧)と竜槍グラスアボラス(槍)とカーバンクル(靴)
以外の装備はしていかない
出来るだけ戦いは避けたいところだけど避けられない戦いもあるよね
戦わない人は先に行かせて殿を務め魔獣の足止め
試させてもらいますねビキニアーマーの性能とやらを
魔獣の攻撃は〔六花昌金剛〕と〔オーラ防御〕で受け止めて〔カウンター〕で攻撃
流石に水陸両用ビニキアーマー、水中でもなんともありません
水中でも陸と同等の動きが出来ます
愛用する武器は槍なので水中でも普段通りに戦える

〔水泳〕〔ダッシュ〕を駆使して無理せず野獣を最低限に倒しながら先に進む



●迷宮に挑むビキニアーマーの乙女たちその②
「ビキニアーマー…なるほど、いいものですね」
 白が基調でありながら要所要所に瞳と同じオレンジ色のラインの入ったビキニアーマーの着心地を確かめるようにぴょんぴょん跳ねている燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)であった。ロリ巨乳なボディにぴったりとフィットしたビキニアーマーが瑞々しい肌に映えている。あとぴょんぴょん飛び跳ねているのでゆっさゆっさ揺れている。
「さーて、気力・体力共に充実していますわ!
 職人様に感謝を、主に『祈り』を。
 それでは、思い切って行きましょうか!」
 こちら気合を入れているのはナタリア・ノエル(不屈の聖女姉妹・姉の方・f12417)だ。ビキニアーマーはシンプルイズベスト。自慢の腹筋を見せるのなら、余計な装飾は必要ないという職人のこだわりである。ナタリアも動きやすいのか、楽しそうに準備体操をしていた。
「ビキニアーマーは水との相性が良さそうだな」
 これから向かう先に思いを馳せるのは、普段はノーブラな雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)だ。ブラの束縛を嫌う彼女だが、それを考慮されているのか、きつすぎず緩すぎずの絶妙のフィット感の職人芸には満足している様子。
「それじゃ、試させてもらいますね。ビキニアーマーの性能とやらを」
 ひときわ小柄なドワーフの身体に、ビキニアーマーと靴、そして槍だけを持ったティアナ・スカルデット(ロンズデーナイト・f11041)もいる。小柄ながら胸の大きなメリハリあるティアナの身体にもぴたりとビキニアーマーはフィットしていた。
 というわけで4人は、先行して言った面々の後を追うように、次々と水没迷宮へと飛び込んでいくのだった。

「それでは泳いでいくとしましょうか」
「ドルフィンキックで泳いでいきますわよ」
 今回も水中でも台詞はきちんと表記する方向で行きます。実際は心の声だったり、ぶくぶく泡をp吹いているだけだったりするのですが。
 それはともかく、偽葉もナタリアも、特に問題なく水中を泳いで進んでいた。
 龍子もティアナもそれに続いて順調に。
 先行していた面々が、重い武器で身動き取れなくなり、魔獣……鎧魚に襲われていたりポロリなとらぶるをしていたのと比べれば、このグループは実に順調だった。

 迷宮そのものは、もとは地下通路だったのだろうと推測される。
 それゆえか、あまり複雑な迷路のようにはなってはおらず、水没しているからか、罠の類も存在しない。
 とはいえ、分かれ道はないわけもなく、いくつかの分かれ道を適当に進んで泳いでいた。先行組がトラブル続きなのに、追いつかないのは、すでにどこかの道で分かれていたからだろう。
 こちらの4人は、水泳自体もよどみなく、無理せずに空気のたまっている所を見つけては息継ぎもし、できる限り戦いは避けて先へと進もうとする。
「水の中は動きが制限されるものですが、ビキニアーマーならその制限もあまり受けないですね」
 偽葉は、ビキニアーマー職人への感謝と尊敬の念を忘れずに泳いでいた。
「……出来るだけ戦いは避けたいところだけど避けられない戦いもあるよね」
 ここまでなるべく戦いを避け泳いできたが、ふとティアナが前方に鎧魚の群れを発見した。この辺りは一本道で迂回路もない。通路は広いが、さすがにこれを迂回できるほどの余裕はない。
「敵……肉食動物を見つければ見敵必殺ですわ」
「とはいえ、水中での戦闘は圧倒的にこちら側の不利だ。
 余計な体力を使いたくない。一気に行こう!」
 戦いは避けられないとみるや、ナタリアと龍子はすぐに先制攻撃の構えにうつる。
「先に発見して奇襲を仕掛けることが出来ればそれでよし、相手から向かってきたのなら迎撃あるのみですわ!」
 ナタリアはまず、自らと共に泳いでいた小さな聖竜をハルバード形態……『聖鉾槍デシメイター』に変形させ、鎧魚の群れの中に突き刺していく。
 それが魚を串刺しにしたと思ったら、次の瞬間【ドラゴニック・エンド】による聖竜の一撃が鎧魚の固い甲羅を砕いていく。
 一方で龍子は、鎧魚の群れに近付くと同時に、自らの胸の谷間へと手を突っ込んだ。もちろんおかしな意味ではない。これは彼女のユーベルコード【ガジェットドロー】のための動作なのだ。
「さて、丁度いい道具があるといいが。なにが出るかな?」
 胸の谷間で生成されたガジェットが、外に出ると同時に形を成す。この場に都合のいいガジェットが生成されるのだが、今回ははたして……?
「これは……水中モーター、か?」
 スクリューのついた潜水艦のような形の……武器といっていいのだろうか?
 ともかくそのスクリューが回転し、龍子はその推進力をもって群れへと突撃し、攻撃を仕掛けていった。
「薙ぎ払えっ!」
 偽葉もまた群れの中に飛び込むと、ユーベルコード【剣よ、天を斬って(ザンクウ)】にて、泳ぎながら鎧魚を一刀のもとに斬り捨てていた。
「すごいですねビキニアーマー、水中なのに戦いやすいです」
 さらに職人への尊敬の念を強める偽葉である。
「ええ、流石に水陸両用ビキニアーマー、水中でもなんともありません。
 水中でも陸と同等の動きが出来ます」
 ティアナもまた、槍を振りまわして魚と戦っている。
 こちらも水中だというのに動きは地上とほとんど変わりなく、普段通りの戦いができていた。

 とはいえ……。
「ちょっと数が多すぎますわね」
「そもそも敵を全滅させる必要もないのですし、道が開けたならそろそろ……」
 群れの数はなかなか減らない。戦闘面では特に敵ではないのだが、これではきりがない。ナタリアや偽葉も、これ以上は少々きついと頭を悩ませる。
「なら、わたしに捕まれ。このガジェットのスピードなら振り切れるだろう」
 水中モーターのようなガジェットを出現させていた龍子の提案(いうまでもないけれど水中で声は届かないので身振り手振り)に頷く3人。
 ティアナは、3人が脱出の準備を整えるまで殿につき、【六花昌金剛(ロンズデーライト)】にて鎧魚の攻撃を受け止めている。
「こっちは足止めしてます。あとは前の道を開けて……」
「オッケー、道が開きましたわ。皆さん龍子さんのモーターに捕まって!」
 そしてナタリアと偽葉の攻撃で前方が開いた瞬間を使い、一気に4人はこの水域を抜けていく。
「あとはもう体力勝負ですわ、気力の勝負ですわ!
 気合いで乗り切りますわよ!」
 モーターの推進力もあって、どうやら群れを振り切って先に進めたようだ。
 このまま彼女たちはさらに迷宮の奥へと潜っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青葉・まどか
職人さんが作ってくれたビキニアーマーを装備。
準備運動をしながら身体になじませる。
「流石だね。身体にフィットして激しく動いても違和感がないよ」
職人さんの仕事に大満足ですよ!

SPD重視

水没した迷宮を攻略する為に女勇者さんはビキニアーマーまで用意したんだよね。
この迷宮に何があるのか?好奇心がうずくね!

魔獣がいる水没した通路を泳がなきゃならないだよね。
魔獣?どんな魔獣なのかな?魚タイプ?触手タイプ?
どんなタイプにせよ水中では戦えないし、【ダッシュ】【水泳】で泳ぎきってしまおう。
「逃げるが勝ちよね。…あわわ、ちょっと逃げ切れない?」


※アドリブ・他者との絡み・お色気展開 歓迎


イネス・オルティス
ビキニアーマーを着た者だけが通れる水没迷宮ね面白いわね
「さすがに水中戦はあまり経験が無いのだけれど」

未知の水中に入るのは少々怖いけどそんな事言ってられないわ
”勇気”を持って”覚悟”を決めましょう

幸い”水泳”はそれなりに出来るし一族に伝わる”戦闘知識”から槍は水の中でもそこそこいけるはず
「振り回すより突きを多用して敵を”串刺し”にしていきましょう」

水中で戦うと仲間の目の前でヘンな恰好(仲間を”かばう”事で鎧がずれたり方向転換で大股開きとか)
になったりするかもしれないけど”恥ずかしさ耐性”があるから大丈夫
「仲間の猟兵しかいないんだし戦いに集中よ」

アドリブ・絡み・可
””内技能


ミラ・グリンネル
「これがビキニアーマーというものなのデスネ。思ったよりブラが小さいデス。」

思ったより安定感ありマスネ。これなら魔物が居ても大丈夫……?
なんかまるで狙ったかのように周りの女性のビキニアーマーが剥がされていくデス(物理的に

「ヘイヘイ!狙うならミラを狙うデスヨ!(水中なので挑発ジェスチャー)」
ビキニアーマー姿が映えるこのミラならば囮役に最適です。
そしてここからの!必殺の『もっちあフォーム』の出番デスネ!さてお餅お餅…!?ぁ、ビキニアーマーにはポケット無かったデス……。

きょ、今日はこれぐらいにしてやるデスヨ。だから、だから攻撃は止めて欲しいデス!!(そして剥がされる

★他の人とのアドリブ絡みは歓迎です



●迷宮に挑むビキニアーマーの乙女たちその③
「流石だね。身体にフィットして激しく動いても違和感がないよ」
 準備運動をしながら、身体にしっくりとなじんでいるビキニアーマーに感嘆している青葉・まどか(玄鳥・f06729)である。
 しかもまどかの難しい注文にもちゃんと答えてくれたようで、胸がこれ以上大きくなったとしても対応できるよう、留め具の素材が伸縮できるようになっていた。
「うんうん、職人さんの仕事に大満足ですよ!」
「これがビキニアーマーというものなのデスネ。思ったよりブラが小さいデス」
 その隣には、まどかをはるかに凌駕するアメリカンサイズな巨大バストを揺らしているミラ・グリンネル(妖狐の精霊術士・f05737)がいた。
 ミラは前章での職人との問答には間に合わなかったが、その後遅れてビキニアーマーを作成してもらっており、ここで皆に追いついたのである。
 とはいえミラのビキニアーマーは、本人も言う通りブラの部分は割とギリギリサイズ。それでもぴったりフィットしててずれたりしないのは職人芸なのだろうか。ミラの美しく大きなバストを強調するためにそういうデザインにしたのかもしれない。
「思ったより安定感ありマスネ。これなら魔物が居ても大丈夫……?」
「さすがに水中戦はあまり経験が無いのだけれど……」
 ビキニアーマーだけが入れる迷宮に対しては面白がっていても、水中で戦う羽目になるとしたら不安なイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)である。
 彼女は一族伝来のビキニアーマー姿だ。
 職人には予備品を注文したのだが、同時に一族伝来のものも手入れしてもらっていたので、やはりこちらを斬ることにした様子。
「未知の水中に入るのは少々怖いけど……そんな事言ってられないわね」
 覚悟を決めたイネスは、勇気を出して水中へと潜っていく。
 まどかとミラもそれに続いて水中に入り、泳ぎ始めたのだった。
「水没した迷宮を攻略する為に女勇者さんはビキニアーマーまで用意したんだよね。
 この迷宮に何があるのか?
 好奇心がうずくね!」
「では、行きマショー!」

 この3人もまた、途中の分かれ道で先行した猟兵達とは別のルートに入っていった。どのルートが伝説のビキニアーマー勇者が向かった先に続いているのか、あるいはどの道を通っても最終的に同じ麻所にたどり着けるのか、そのあたりはいまだわからない。
「魔獣がいるんだったっけ。どんな魔獣なのかな?
 魚タイプかな、それとも触手タイプ?」
「水の中にいるデスから、魚とかタコとかデショウ?」
 ここまで泳ぎは順調で、息継ぎの為に水面の上に顔を出したところで、まどかとミラはそんな話をしていた。
 この3人が向かったあたりは、少し水中の生物相も異なっているらしく、他のルートで出てきた鎧魚は見かけなかった。
 だからといって、何事もなく進めるわけではなく……。
「なんにせよ、あまり戦いたくはないですね」
「そうだねー。どんなタイプにせよ水中では戦えないし、逃げるが勝ちよね」
「デスネー……って、ミラのフトモモ触っちゃだめデス」
「えっ? 違う、これは……」
「触手だーー?!」
 会話しつつ休憩中だった3人は、脚に絡みつく触手、タコのような姿の魔獣に絡まれて、水中に引きずり込まれてしまうのだった。
「……あわわ、ちょっとこれ逃げ切れない?」
 相変わらず水中でも台詞はそのまま記載するが、まどかは水中に引きずり込まれてごぼごぼともがいているだけである。
 タコ型魔獣の触手が、まどかの胸を覆うビキニアーマーのブラの中へと潜り込んでいく。成長のための伸縮性があだになったのか、触手が潜り込む隙間ができてしまっていたのだった。
「や、ちょっ……ごぼぼっ」
 ピンチなのはまどかだけではない。
「……くっ、水中では振り回すのは難しいわね。突きでなんとか、こいつを串刺しにしていきましょう」
 なんとかその状況からまどかを救おうと、イネスは手持ちの槍をタコに突き刺そうとしていた。
 ただ、自らも触手に絡まれながら無理な恰好で攻撃しようとしているためか、ビキニのブラがずれてきているうえに、片足が捕らわれているために大股開きのような格好になってしまう。
「くっ……仲間の猟兵しかいないんだし戦いに集中よ……!」
 恥ずかしさに耐えながらなんとかしようともがくイネスだった。

「なんかまるで狙ったかのように周りのビキニアーマーが剥がされていくデス……。
 ヘイヘイ! 狙うならミラを狙うデスヨ!」
 最初に脚に触られてはいたものの、まだそれだけで比較的無事だったミラは、2人を掬おうと、タコに対して挑発してみた。もちろんジェスチャーで。
 それはどれほど効果があったのかは知らないが、とにかくミラにもタコの触手が伸びてくる。
「ここで必殺のもっちあフォームの出番デスネ!
 さてお餅お餅……!?」
 説明せねばなるまい。
 【もっちあフォーム】とは、ミラが大好きなお餅を食べることにより、胸のもっちあ(名詞)がもっちあ(形容詞)と揺れてもっちあもっちあ(動詞)になるというミラの自己強化ユーベルコードだ。
 そしてそのための餅は、ミラの胸の谷間……ではなく服のポケットに仕込んであるのだが……。
「ぁ、ビキニアーマーにはポケット無かったデス……」
 ですよねー。
 やる前に気付けという話ではある。
「きょ、今日はこれぐらいにしてやるデスヨ。だから、だから攻撃は止めて欲しいデス!!」
 もちろんそんなことを言ってもやめるタコではなかった。
 というか繰り返すが、このシーンは水中なので、ミラのこの言葉も口からがぼがぼと泡を吐いているだけなのである。そもそもタコに言葉が通じるのかどうかという事はさておいても、言葉が出ていないのでは話にならない。
 というわけで、ミラのビキニアーマーのブラが剥がされるまで、たいした時間はかからなかったのだった……。

 結局3人は、イネスの槍でタコが貫かれるまでの間、触手に弄ばれてしまったののである……。 
 ……一応このあと無事に解放されて先に進めたことは明記しておきます。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ラティナ・ドラッケンリット
「遅れてすまない。ビキニアーマーは持参した。私はPOW判定で行かせてもらおう」
ビキニアーマーを職人に整備してもらいがてら話は聞かせてもらった
伝説の勇者にビキニアーマーを作った職人の子孫だけあって良い腕だった
確かにビキニアーマーであれば水泳は可能だな
これが板金鎧であれば無理だろう
グラウンドクラッシャーで魔獣や障害物を破壊しながら適度に息継ぎを行い迷宮の奥へと進むぞ
それにしてもビキニアーマーを着た勇者の伝説には興味がある
私の一族でも参考になるかもしれないしな
しかしさすがビキニアーマー、勇者が着て伝説となるとは合理性に溢れているな


ランドルフ・フランセット
【Wiz】
ふぅ、少し休んだら腰も治ったの。
ほうほう、これがびきにあーまーか。
次はこれを着ていくのじゃな。
何と、次は水場とな。
流石に心の臓に負担かかりそうじゃの。
びきにあーまーの下にうぇっとすーつ、着ていくかの。
ベージュじゃからぱっと見わからんじゃろ。
あまり近くでじろじろ見るんじゃないぞい…?

水に入る前にすとれっちじゃ。
(ゆっくり筋を伸ばす)
ああ、泳ぎは得意じゃから問題ない。任せられよ。

肉食動物には、こうじゃ!
エレメンタル・ファンタジアで炎の波じゃ。
混乱している間に泳ぎ切るのじゃ。

心なしか水流も少し温まって泳ぎやすくなったりせんかのう。
腰もグッキリせずにすみそうじゃ。
(アドリブ&他者絡みOK)



●迷宮に挑むビキニアーマーの乙女とじじい
「遅れてすまない。ビキニアーマーは持参した。私はPOW判定で行かせてもらおう」
 おくすまポジクラ的なメタな台詞を言いつつやってきたのは、ビキニアーマーの女戦士といえばこの人というくらいのイメージの持ち主であるラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)だった。
 彼女もまた前章の一括注文の時には出遅れていたが、その後でビキニアーマー職人と話をし、自前のビキニアーマーの整備がてら話を聞いてきたのである。
「それにしてもさすが、伝説の勇者にビキニアーマーを作った職人の子孫だけあって良い腕だった……」
 ビキニアーマー冒険者ギルドの主である彼女をもってしても、それほどの高評価である。職人の腕がわかるというものだろう。
「ほうほう、これがびきにあーまーか。次はこれを着ていくのじゃな」
 そんなラティナの傍らにいるのは、じじいだった。
 黒一点としてビキニアーマーを作ってもらった唯一の男性というかじじい、ランドルフ・フランセット(じじかるらんらん・f09319)である。
 そういえば測定の際にぎっくり腰をやってしまっていたが大丈夫なのだろうか?
 一応今はもう治ってはいるようだが……。
 ちなみにこのじじいがどんなビキニアーマーを着ているかというと、太陽のようなヒマワリのようなブラに葉っぱのような肩当、そして腰ミノという怪しいデザインであり、まるでこのまま来た来たと踊りだしそうな印象さえある。いや、腰に悪いので踊ってもらっても困るが。
「わしも、腰を休めるために出遅れたんじゃが、まだまだ間に合うから平気じゃぞい。
 それにしても水場とな。流石に心の臓に負担かかりそうじゃの……」
「だが、確かにビキニアーマーであれば水泳は可能だな。
 これが板金鎧であれば無理だろう。
 しかしさすがビキニアーマー、勇者が着て伝説となるとは合理性に溢れているな」
「そういうものかの?
 ……あ、わしは、冷たいと体に悪いから、びきにあーまーの下にうぇっとすーつ、着ていくでの」
 よくみるとじじいのビキニアーマーの下は、ベージュのウェットスーツだった。
 色が色だけにパッと見にはわからなかったのである。
「ウェットスーツ……?」
「あまり近くでじろじろ見るんじゃないぞい……?」
「ああ、すまない。肌着に見えたものでついな。
 それより、水に入る準備は大丈夫か?」
「おお、もう少しすとれっちしておくから、少し待ってもらおうかの」
 そういってじじいはゆっくり筋を伸ばしていた。
「ああ、泳ぎは得意じゃから問題ない。任せられよ」
「そうか、わかった。なら準備ができたら行くぞ」
 というわけで、ラティナとじじいのコンビもまた水没迷宮へと入っていくのだった。
 
 自分で言うだけあって、じじいもちゃんと泳げて、ラティナに遅れないようについていけていた。
 そうして2人が水中を泳ぎ進んでいくと、肉食の鎧魚の群れが2人を襲いにきたのに出くわした。
「やれやれ、敵みたいじゃの」
「ふん、問題ない。鎧のような鱗は堅そうだが、グラウンドクラッシャーで粉砕してやるさ」
 ラティナは宣言通り、手持ちの重量のある片手、剣屠竜刀『まかろん』を振るい【グラウンドクラッシャー】の一撃で、迷宮の壁ごと鎧魚を撃ち砕いていった。
「うひょー。やるもんじゃのぅ。
 なら、わしはこうじゃ」
 ランドルフ爺さんも【エレメンタル・ファンタジア】で水流の中に炎を出現させ、沸騰したお湯を鎧魚にぶつけていく。
 もちろん水中ゆえに、炎の流れもすぐに立ち消え、そして水温があがったことで先に進みやすくなったのだった。
「よし、じいさんこっちだ」
 ある程度魚の数が少なくなったところで、ラティナはランドルフの手を取り、身振り手振りで先に進むよう促していく。
「おうおう。水が温かくなって、これで進みやすくなったかの?
 これなら腰も大丈夫そうじゃっ……」
 調子に乗っていたら、ごぼごぼという泡と一緒に、爺さんの入れ歯が外れて流されて行ってしまうのだった……。

 こうして2人もまた水没迷宮を突破していく。
 ……ちゃんと入れ歯も回収できたので安心してほしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
※他猟兵とのアドリブ、連携OK

【SPD】

実にいいフィット感!
ぴっちりしつつもビキニアーマーというこの組み合わせがなんともはや!というか、これはもはや露出無しのビキニアーマーという健全ロマン最強装備なのでは!?
さてでは、張り切っていきましょう!

ビキニアーマーの見た目等はお任せ(描写カットも可)

UCで銀河皇帝の力を纏い、発見されにくい黒き槍の船を召喚
先行する猟兵を追跡対象にし、船にしがみつき【水泳・目立たない】も使いつつ水の中を進んでいく

(あっ、水でスーツが張り付いて、アーマーまで……!あ、でもこういう張りつきもまたアリな感覚……♪)
少し悶えつつ危ないときは【迷彩】も使い進んでいく


咎離・えるぴす
※アドリブ歓迎。

成程、さすがに全然違いますね。良き仕事に感謝を。
(普段着である巫女服との、動き易さの違いを色々試しつつ)

内部の詳細が不明なので、己の荷物一式と保存食、照明、焚火用品、タオル多数等を纏めて【災厄の箱】で黒い箱に収納。
提案の上要望があれば、仲間の所持品も収納。
黒い箱は風呂敷で包み腰に巻き、あとはビキニアーマーと苦無、右肩の刻印だけで水中洞窟を泳ぎ進む。

魔獣は刻印に侵食された右手を化物の姿に変化させ、恫喝し怯ませた隙に逃げる。
逃げきれない場合、刻印はオブリビオンしか喰わないので、水中戦の練習がてら苦無で対応。

こんな条件の結界を構築できるとは、勇者は練達の魔術師でもあったのでしょうか?


ニコル・ピアース
うん、なかなかいいビキニアーマーですね。
それじゃそっそく行きましょう。
しかし面白い結界ですね。
これを使ってもっとビキニアーマー以外お断りの場所が増えたら楽しいんですけど。

さて、というわけで水泳ですね。
ていうか水中戦ですね。
先手必勝、見つけ次第攻撃して倒すまでです。
別の帰り道がなければ結局帰りも同じ場所を通るし、
数を減らしておいた方が帰り道安全ですからね。
というわけで、グラウンドクラッシャーで殴り付けます。
うん、水中で多少抵抗があろうとも、動きはそんな重くはならないですね。

アドリブ、他の人との絡み歓迎です。


中村・裕美
今回もシルヴァーナメインで
SPDで判定
「着心地やフィット感は上々。あとは実際に動いて性能を試すだけですわね」
一気に泳いで渡りたいが、その為にも迷宮の構造とかを把握したい所
「なので、ここは裕美の出番ですわね」
オルタナティブ・ダブルで今回はダブルの方に裕美を入れる形で召喚。もちろんビキニアーマー姿
「センサーの扱いは裕美の方が得意ですもの。最短ルートの割り出し頼みますわ」
「……後で……覚えてなさい」
翼型センサーなどで周囲の地形の【情報収集】し、【地形の利用】をして的に見つからないよう進む。全貌が分からなければ、裕美にバックアップに回ってもらって逐次解析してもらいつつ進む



●そしてビキニアーマーの乙女たちは先に進む
「実にいいフィット感!
 ぴっちりしつつもビキニアーマーというこの組み合わせがなんともはや!
 というか、これはもはや露出無しのビキニアーマーという健全ロマン最強装備なのでは!?」
 ボディラインがくっきりと浮かぶ紫の全身タイツに、目と口だけが露出する紫の覆面を被ったシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は、紫の全身タイツの上に纏われている赤いビキニの鎧にとても興奮していた。
 というかうっかり全身タイツと覆面を纏っていると書いたが、シズホの場合そちらが本体だ。中身の女性は現地調達である。同意は得ているので問題ないらしい。
「成程、さすがに全然違いますね。良き仕事に感謝を」
 咎離・えるぴす(穢れ喰らい・f15378)もまた、普段の巫女装束とは全く違った姿にも戸惑うことなく、その動き安さに感心していた。
 こちらも普段はさらしに隠されたはちきれんばかりのバストを、巫女装束のイメージなのだろうか白いブラカップのビキニの鎧に包んでいるわけなのだが、露出は特に気にすることなく、その動きやすさをいろいろと試しているようだ。
「着心地やフィット感は上々。あとは実際に動いて性能を試すだけですわね」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)……ではなく、今回も別人格であるシルヴァーナがメインになっているようだが、ともかくシルヴァーナもビキニアーマーの出来には満足している様子。
 なお彼女のビキニアーマーは、採寸や交渉の際に出ていた人格がシルヴァーナであったために、当たり前だがシルヴァーナに合わせたデザインになっている。具体的にはかなり際どく露出しているデザインで、シルヴァーナ自身はあまり気にしていないのだが、本来の人格の裕美はどうかというと……いや、これは後述する機会もあるだろう。
「しかし面白い結界ですね。
 これを使ってもっとビキニアーマー以外お断りの場所が増えたら楽しいんですけど」
 そんなことを言うのは、他3人と同様にいいビキニアーマーですねと感心して準備運動をしていたニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)である。
 もちろん彼女のビキニアーマーは、普段つけているものと同様に、乳房のほとんどを露出させ、ただ先端の突起や輪の部分を隠しているような大胆すぎるデザインである。そこ以外にも、彼女の身体の文様を隠さないように最低限の装備となっている。
 当然普段と大差ないので、ニコル本人はその姿を気にしたりはしない。
「ビキニアーマーでないと入れない結界……そもそもこんな条件の結界を構築できるとは、勇者は練達の魔術師でもあったのでしょうか?」
「そういえば、ビキニアーマーと聞いたから戦士系かと思ってたけど、特にそういう情報はなかったですわね」
 えるぴすとシルヴァーナがそう首をひねるが、ここで話していても結論は出ない。
「先に行けばわかるかもしれませんし、張り切っていきましょう!」
 といって飛び込むシズホを筆頭に、各自水没迷宮に挑んでいくのだった。

「中の様子はさすがにわかりませんね……」
 例によって台詞は普通に書き起こしているが、すでに水中である。
 えるぴすは、保存食やタオルなども含めた己と仲間たちの荷物を【災厄の箱】に詰めて、風呂敷でそれを腰に巻いたまま、水没迷宮の中を泳いでいた。
 水は意外なくらい澄んではいるが、やはり明かりがほとんど届かぬ暗い中なので、身近な周りの様子しかわからず、先に進んだ他の猟兵グループの動向なども含めて全く情報はわからない。
 それはもちろん、他の者も感じている。
 一気に泳いで渡りたいが、その為にも迷宮の構造とかを把握したいと、息継ぎポイントで水面に顔を出したタイミングで、シルヴァーナは皆に提案した。
「なので、ここは裕美の出番ですわね」
 そういうとシルヴァーナは【オルタナティブ・ダブル】を使用した。
 そうすると現れるのはもう一人の自分。ただしこちらに入っているのは、シルヴァーナではなく本体の裕美の方。今回は裕美がダブルの方に入った格好になっている。
 なお、言うまでもないがビキニアーマー姿であり、シルヴァーナは平気な姿でも裕美の方は恥ずかしがって身体を隠してうずくまる……水面に浮いている状態なので、そうしようとして溺れかかるのだった。
「……後で……覚えてなさい」
 水面上にわずかに顔だけ出して、水面ギリギリの口元でぶくぶくと泡を吐きながらそのように毒づく裕美である。
「センサーの扱いは裕美の方が得意ですもの。最短ルートの割り出し頼みますわ」
 が、シルヴァーナの方は気にすることなくそういって裕美の入ったダブルを先行して送り出すのだった。
 しぶしぶ先行した裕美のダブルは魔獣に見つからないように慎重に泳いで進みながら、眼鏡に投影した電脳デバイスなどを駆使して情報収集しつつ先へ進んでいく。
 そしてその後ろを4人がついて泳いでいく形になった。
 その際、シズホもまたついて行きやすくするためにひとつ提案した。
 【幻影装身(アームドオブリビオン・ミラージュ)】を使って船を召喚し、それに捕まることで移動しやすくしようというのだ。
 それにより4人は一丸となって水中をスムーズに進んでいく。
 ……先行してる裕美のダブルにはより恨まれることにはなったが。

 こうして順調に進んでいく4人だが、それでも完全に戦いを避けられるという事にはならない。どうしても先に進むためには、そこをふさいでいる敵を倒さなければならない事態もある。
 先行する裕美からの情報で、道をふさいでいる鎧をまとった魚のような魔獣の群れを見つけ、それが避けられないと判断した一行は先手必勝とばかりに襲い掛かる。
「別の帰り道がなければ結局帰りも同じ場所を通るし、数を減らしておいた方が帰り道安全ですからね」
 ……とは、ニコルの弁だ。
 ともあれ4人の中で一番戦闘に備えていたのはニコルだった、
 真っ先に群れの中に飛び込んでは、【グラウンドクラッシャー】で群れの中心にいた大きな鎧魚に自らが持つ武骨で巨大なバトルアックスを叩きつける。
「うん、水中で多少抵抗があろうとも、動きはそんな重くはならないですね」
 動きやすいビキニアーマーだからか、水中戦でも特に問題なく対応できているようだ。
「水中戦の練習にもいいですね」
 えるぴすもまた、周りの魚型魔獣を苦無で斬りつけながら、そう思う。
「裕美が先に行く道を見つけました。適当なところで切り上げてあちらに」
 戦いが目的ではないため、ある程度片付けたところで、シルヴァーナからそう合図があった。
 合図を受けたえるぴすは、刻印に侵食された自らの右手を化物の姿に変化させて魔獣を恫喝する。
 そしてそれで魔獣が混乱している隙に、シズホの船に捕まってこの場を脱出したのだった。
「ふぅ、これであとは先に進めば……って、シズホさん、どうかしました?」
 ごぼごぼとジェスチャーでシズホの様子がおかしいと問うシルヴァーナだが……。
(「あっ、水でスーツが張り付いて、アーマーまで……!
 あ、でもこういう張りつきもまたアリな感覚……♪」)
 ……シズホは単に全身タイツが濡れて張り付く感覚を楽しんでいるだけなので問題はないだろう……。

 しばらく進んでいくと、ある程度広い空間に出た。
 そこも水が溜まっているのだが、どうやら他の道を通っていても、最終的にはここに合流するようだ。先行していた他の猟兵達の姿も見える。
 そして、奥には上に上る階段が見える。
 そこまで泳いでいき、やがて水面より高く上がる階段を上っていくと……?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『甲鎧虫』

POW   :    鎧甲殻
対象のユーベルコードに対し【防御姿勢】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    穴掘り
【地中に潜って】から【体当たり】を放ち、【意表を突くこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    球体変化
【闘争本能】に覚醒して【球状】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:すずしろめざと

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●伝説のビキニアーマー勇者の目的地
「ここは、墓場……かな?」
 そう、猟兵の誰かが呟いた。
 そこはすでに人の手が入らなくなって荒れ放題ではあるが、どうやら小さな墓場のようだった。
 伝説のビキニアーマー勇者の目的地がここであるのは、まず間違いないだろう。

 勇者にとって大切な誰かの墓があったのだろうか。
 切り立った崖に囲まれた窪地の中にある小さな広場。
 ここまで入ってくるためには、なるほど件の迷宮を通るしかなかったのだろう。
 ここに至る地下通路が地下水脈とつながって水没してしまい、行き来できなくなったがために、ビキニアーマーを開発してまで出入りできるようにしたのか。
 そして、余計なものに荒らされたくないから結界を張っていたのか。

 今となっては推測でしかない。
 墓場を調べてみれば、もう少し詳しいこともわかるのだろうか。

 だが、長い年月ですっかりここは荒れ果てている。
 雑草が生い茂り、そして、ここには独自の生態系も出来ているようだ。
 かさかさかさ……と不気味な音が草の中からしている。
 やがてその音の正体が判明する。
 虫だ。
 拳ほどの大きさもある虫が、すっかりここを住処にしてしまっていたらしい。

 虫たちは現れた侵入者である猟兵達に襲い掛かってくる。
 この場に来た猟兵達は、全てがビキニアーマー姿であるため、地肌の上を虫に這われることにはなるかもしれないが……。
「伝説の勇者の大事な人が眠ってる場所を、こんな虫に荒らされるわけにはいかない」
 誰かがそう呟き、それに頷いた猟兵達は、この場の虫たちを掃討しようと戦いを挑むのだった。
原宮・早月
うわぁ…こんなに虫がいっぱい。
襲ってくるならしょうがない、全部やっつけないとね!

グッドナイス・ブレイヴァーを使った上で、虫を一匹一匹攻撃していくよ。
…そういえば武器持ってきてなかったから素手で、だけど。
うう、気持ち悪い…。

…って、虫が肌に張り付いてきて這い回ってくるぅ!?
あ、脚の感触が…気持ち悪いのに、なんか変な感じもするぅ…っ。
身体が疼いてきて、だんだん身動き取れなくなってきて…

…こ、このままじゃ、また恥ずかしいところ皆に見られちゃう…!
撮影中だってコトを思い出して何とか立ち上がって反撃するよ。
疼くのは戦い終わるまで我慢…!


ランドルフ・フランセット
【SPD】
おぉう、なんぢゃありゃ。気味が悪いのう。

…墓というのは天に召された者が眠る聖地じゃ。
それを荒らすと言うことは、その者にも
その者を大事にしてきた者にも対する侮辱じゃ。
引導を渡してやるぞい。
(シリアスっぽく言っているが如何せん格好が)

何、せっかくのこの格好じゃ。
踊って皆を元気付けるぞい。
それ、ゆーらりゆらゆらゆらゆらりー
…なぜか敵にダメージが入っとるぞい?

ちょっと解せぬがまだまだ踊るぞい。
じじかるみらくるだんしーんg
(先程とは比べ物にならないレベルの破滅音が腰から)

うぐぁあああ!?
(踊ってる時のポーズのまま横に倒れる)

こ、こりゃ…帰ったら入院コースかもしれんのぅ…(ぷるぷるぴくぴく)


青葉・まどか
ここまで来るの大変だった…それでも会いたい人がいたんだね、勇者さん。

虫に人間の都合なんか関係ないし、虫からしたら私達の方がおじゃま虫なのかもしれない。
でもここは勇者さんの大事な場所なんだ…だから駆除するね。

仲間との連携・フォローを心掛ける。

虫の攻撃は【視力】で【見切り】、フック付きワイヤーを使い【敵を盾にする】
大量の虫が蠢き、向かってくる。
「無理無理無理、無理だから!…ちょっと、嫌ー!」

『シーブズ・ギャンビット』で攻撃。
「ビキニアーマーだと動き易いね!」
【鎧無視攻撃】【範囲攻撃】を【早業】で【2回攻撃】

無事に戦闘が終了したら、お墓の周りを掃除していきます。

※アドリブ・絡み 歓迎


中村・裕美
アドリブ連携歓迎
「いーーーやーーー!蟲!ムリムリムリムリ無理ですわー!!」
実はシルヴァーナ、虫が大の苦手
「裕美!ステルスボムでここら一帯を爆破してくださいまし!」
ただ、先程のことがあり、出てきてくれない
けど、一瞬だけ切り替わり
「……今回参加を決めたのはアナタだし…自分でなんとかしなさい」
と、邪竜降臨を発動させてから戻る

邪竜降臨の代償は毒、呪詛、激痛の【耐性】で防ぎ、槍を地面に突き立て、その上に立ち、地中からの攻撃に対処。出てきた所をナイフで攻撃か、槍を引き抜いて【串刺し】
「そんなでこんな敵が出てくるんですの!?(ザクザク)」

戦闘終了したらお墓周りを綺麗にしてあげたいですね

※全身図納品されました


雷田・龍子
「武器は置いてきてしまったな。」
【SPD】
大剣サンダーブレードもドラゴネットも置いてきた龍子は、UCを発動。己の胸の谷間に手を……。(※2回目なのでUC発動バンクは省略)
取り出した武器での戦闘を試みる。


イネス・オルティス
イネスは虫系とビキニアーマーで戦うのも慣れっこです
「常日頃ビキニアーマーなんだから今更ね」
「それにしても固そうな虫ね、めんどうそうだわ」

【薄衣甲冑覚醒】攻撃力重視で使用
”ダッシュ”で接近し”鎧砕き”の要領で虫の甲殻を割る
丸まった虫には”なぎ払い”で弾き飛ばす。
虫が逃げ出したら”追跡”し殲滅を心がける
「悪いけどここからいなくなってくれるとありがたいわ」

それにしてもお墓に入っているのは誰なのかしら?
家族? 恋人? お師匠様? 故郷の人たちって可能性もあるかな

:真の姿:
きらきら光るなんか強そうなオーラを纏っている

アドリブ・絡み・可


シズホ・トヒソズマ
※他猟兵とのアドリブ・連携OK

【SPD】

全くですね。邪魔をされるわけにも行きませんし、ここは手早く片付けるとしましょう!

UCで対甲鎧虫兵装を出します。当たりとしては殺虫薬効果、鎧殻対策で電気や炎などの発生装置、地中攻撃対策でソナー探知装置など想定しておきつつ、【メカニック・戦闘知識・武器改造(知識)】で武装を分析し使用法を理解し、虫に使用

【早業・操縦】でユングフラウを素早く動かし兵装やトゲで攻撃
自身への攻撃は【聞き耳】で警戒し、攻撃時に【カウンター・グラップル】で迎撃

戦闘後は墓や周辺を【撮影】、【暗視・情報収集】でて何か情報や気になる物がないか探索、生物がいれば【動物と話す】で聞き込み


ミラ・グリンネル
◾️心情
勇者の大切な場所を守るためにミラも全力を出します!
でも、正直虫は苦手なのデス…

◾️行動
「ひうっ!」
地面を這い寄る大きい虫を見て思わず変な声が出マス
これは遠距離攻撃に頼るしかないデス
『フォックスファイア』の乱れ撃ちデス!(気力130)

それでも虫がカサカサ近寄ってくるデス!
「やだやだやだやだ!ビキニアーマーの中に入ってくるなデス!
胸の中で何か潰れる感触がしマス!他の人に取ってもらうデス!」

無我夢中で仲間と虫の取り合いをシマス。そんなところは触らなくても!
ほらなんかビキニアーマーが外れてる気がしマス!
虫から解放される方が優先順位高いデス!(どーんと胸を張る
★他の人とのアドリブ絡みは大歓迎です


アルテミス・カリスト
「伝説の勇者の大事な人が眠ってる場所を、こんな蟲に荒らされるわけにはいきません!
この正義の騎士アルテミスが退治してあげます!」

大剣を蟲たちに向かって構えます。

「ですが、蟲は騎士にとって天敵っ!
きっとあの蟲も、相手を淫らな気持ちにさせる毒とか、
幻覚を見せる毒とか、催眠状態にする毒とか、
穴という穴から入り込んできて卵を産み付けたりといった
恐ろしい技を使ってくるのでしょう!」

な、なんて恐ろしいモンスターなのでしょうか。

自分が蟲たちにたかられ、毒によって淫らな気持ちにされ、
好きな女の子とイチャイチャする幻覚を見せられながら
蟲たちに身体中を蹂躙される未来を想像し、
私は騎士にあるまじく恐怖するのでした。


アイリス・ヴォルフェルト
けほ、けほっ!さ、酸素が美味しいです!
うっ、む、蟲ですか。こ、こうわさわさ蟲の群れが迫ってくるのは背筋がゾワッってしますね。
で、でも!墓場に蟲なんて最悪です。勇者の大切な人のご遺体が荒らされたかもしれないと思うと、もうこれ以上この場所を荒らさせるわけにはいきません!

私は皆の盾です!守護騎士として護って見ます!【無敵城塞】です!
……はわっ!?む、蟲の群れだから盾構えても防ぎきれない!?
あ、ああぁぁぁ!肌の上を蟲がぁぁぁぁ!?
し、しかも、わたしを素通りして皆の方にも普通に蟲が行っちゃったぁぁぁぁぁ!?
な、なんの為にわたしはこんな目にぃぃぃぃぃぃ!!!?(涙目)

アドリブ歓迎


ラティナ・ドラッケンリット
「たると、付いて来て居るな」
伝説を知る為に墓を調べるにも虫達が邪魔だな
穿竜槍『たると』を小型竜から槍に変じさせ
【なぎ払い】で向かって来る甲鎧虫を迎え撃ちながら
虫達が密集している場所へと進む
一息で間合いを詰められる所まで接近したら
【ダッシュ】【ジャンプ】【勇気】【覚悟】で突撃し
【先制攻撃】【見切り】【戦闘知識】【捨て身の一撃】【怪力】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】【誘導弾】【槍投げ】【串刺し】で
至近距離から槍を命中させる
『たると』は槍から巨大な召喚ドラゴンに変身する
「あまり墓を荒らすなよ」
『たると』に指示して竜の息吹による【範囲攻撃】で密集した甲鎧虫を一網打尽にする


咎離・えるぴす
※アドリブ歓迎

正直私達のほうが余所者のような気もしますが、仕方ありません。
侵略者として、何もかも奪い喰い尽くしましょう。

【満たされぬ暴食者】で、刻印に侵食された右手を化物に変形。
虫やら魍魎やら触手やら色々と這いずり回るのは育ちのせいで慣れてるが、ビキニアーマーの格闘戦での動き易さを試したいので、敵に的を絞らせぬようダッシュを繰り返し、第六感を頼りに潜った敵の動きを予測し体当たりを回避。
自分や仲間を狙い地中を飛び出した敵の動きを見切り、化物の口で喰い付き咀嚼し呑み込む。
激しい動きにも耐え、動きを妨げないビキニアーマーを作ってくれた職人に感謝しつつ。

交戦後は墓を調べ、墓碑銘等から勇者の痕跡を探る。


ミュリエル・フォルクエイン
ビキニアーマー冒険者ギルドの仲間が居れば連携していきます
「ビキニアーマーを纏う者の一人としてもこの状況は捨て置けませんね」
崖に囲まれても空があるなら、私は翼で空を飛び上空から弓で援護射撃しつつ皆様を支援しましょう。
「支援いたします」
「今のうちに体勢を」
上空なら虫に煩わされることなく支援できるはず。念のためアーマー・ビットで複製したビキニアーマーのパーツを自身の周囲に旋回させ虫の強襲にも備えつつ、支援の必要がなければ弓を用いての範囲攻撃で敵を殲滅。
「無粋なオブビリオンは滅しました。どうぞ、安らかに」
戦いが終われば墓標に手を合わせ、髪に咲いた花を一輪供えます。
「こんなものしかありませんが――」


燈夜・偽葉
うわー気持ち悪いですねぇ
(全く気持ち悪いと思っていないような声音で)
害虫は駆除しないといけませんね、ええ

先制で「剣は雨の炎」で攻撃します
範囲攻撃、一斉発射、串刺し、鎧砕き、鎧無視攻撃の技能を活用します
2回攻撃でもう一回攻撃します

球面に対し入射角が垂直でこちらの強度が高ければ突き刺さります
鎧砕き乗せてますし、そうなるように敵の動きを見切り的確に攻撃します
穴掘りには、地面に刀を突きさして刃先がソナー的に地中の振動を感知するのでどのから出てくるか読みやすくなります
それはそれとして敵の攻撃全般には見切り、第六感、戦闘知識を利用して回避、出来なければ武器受けで弾きます

なお動くたびにロリ巨乳がたゆんと


ニコル・ピアース
ここがビキニアーマーの墓場。
じゃなくて、何かの手掛りが?
とりあえず厄介な虫を退治してからですね。

とりあえずエロ系の虫じゃなくてよかったです。
ん、いやまだわからないですね、誰かがそういう目に合うまでは注意を。

というわけでビキニアーマーっぽい戦い方を。
軽さを武器にひたすら避ける、以上です。
ていうか虫は潰すと体液が出るのが、
そしてビキニアーマーだともろに体にかかるのが。
まあその辺は諦めて終わったら水没迷宮直行ですね。

グラウンドクラッシャーで纏めて吹き飛ばしましょう。
ちまちま叩いてると体にうぞうぞ取りつかれそう。

アドリブ、他の参加者との絡み歓迎です。


ティアナ・スカルデット
※絡み・アドリブ・連携歓迎・弄り歓迎

【POW】

大きい相手には戦いなれてるけど
小さい相手は苦手かな

雑草に隠れて甲鎧虫が見えない
気配はすれど姿は見えずに厄介ですね
雑草ごと〔なぎ払い〕して攻撃
雑草を狩り除き虫の隠れる場所を減らし見える様にする

〔鎧砕き〕と〔鎧無視攻撃〕を〔串刺し〕

気付いたら体中に這い上がり虫だらけで動きが封じられる
【六花昌金剛(ロンズデーライト)】で身を硬め
私ごと狩って
身体の強化は出来ても防具の強化されてないのでハプニング

甲鎧虫の体を守っている金属はいい素材になるのですよ
後で鎧屋さんに持って行ってビキニアーマーを強化してもらおう

墓場周りの雑草を取り除き綺麗に



●勇者の大切な人が眠る土地
「けほ、けほっ! さ、酸素が美味しいです!」
 ようやく水没地域を抜けて、この場所にやってきたビキニアーマーの猟兵達。
 特に中で溺れかけたアイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)あたりは、新鮮な空気が本当にありがたいだろう。
 水没迷宮の中で幾手にも分かれて攻略していた猟兵達だが、期せずしてこの出口付近で合流し、そして階段を上ってこの場所、崖に囲まれた小さな墓所へとやってきていた。
 前述の通り、ここは墓所。
 おそらくは勇者の大切な人が眠る土地。
「ここまで来るの大変だった……それでも会いたい人がいたんだね、勇者さん」
 そう静かに、青葉・まどか(玄鳥・f06729)は呟いた。
 だが、長い年月の末に、この墓所は雑草が生い茂り、そしてそこに生息する新たな主……甲鎧虫が生息していたのだ。
「うっ、む、虫ですか。こ、こうわさわさ虫の群れが迫ってくるのは背筋がゾワッってしますね。
 で、でも! 墓場に虫なんて最悪です。勇者の大切な人のご遺体が荒らされたかもしれないと思うと、もうこれ以上この場所を荒らさせるわけにはいきません!」
「といっても、虫に人間の都合なんか関係ないし、虫からしたら私達の方がおじゃま虫なのかもしれないよ」
 気合を入れるアイリスに対して、まどかは静かに呟いた。そしてまどかのその呟きに、咎離・えるぴす(穢れ喰らい・f15378)も頷く。
「そうですね。正直私達のほうが余所者のような気もしますが……」
 だが、そんな2人の呟きを、黒一点のじじい……ランドルフ・フランセット(じじかるらんらん・f09319)が否定する。
「……墓というのは天に召された者が眠る聖地じゃ。
 それを荒らすと言うことは、その者にもその者を大事にしてきた者にも対する侮辱じゃ。たとえ荒らしたものが虫でもな」
「そうです! 伝説の勇者の大事な人が眠ってる場所を、こんな虫に荒らされるわけにはいきません!
 この正義の騎士アルテミスが退治してあげます!」
 ランドルフに続いて、アルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)も気合を入れ、甲鎧虫に向けて大剣を構える。
「ビキニアーマーを纏う者の一人としてもこの状況は捨て置けませんね」
 一行より出遅れての登場ながら、何とかここで追いついてきたミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)もまた頷く。
「そうだね。ここは勇者さんの大事な場所なんだ……だから駆除しないとね」
 周りの言葉にまどかも改めて頷き返す。
「ええ、仕方ありませんね。では侵略者として、何もかも奪い喰い尽くしましょう」
 えるぴすも同じく。ここで生態系を築いていた虫たちにとっては自分たちの方が邪魔であるとわかっているからか、あえて偽悪的にそう言い放つ。
「伝説を知る為に墓を調べるにも虫達が邪魔だしな」
「はい。このビキニアーマーの墓場……じゃなくて、ビキニアーマー勇者の身内の墓場なら、何かの手掛りがあるかもしれませんし、そのあたりはとりあえず厄介な虫を退治してからですね」
 というのは、ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)とニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)だ。
 そもそもここに来たのは、勇者伝説の手掛かりを求めての事。
 それが、勇者が守った墓だというのなら、そこは守らなければ話にならない。
「全くですね。邪魔をされるわけにも行きませんし、ここは手早く片付けるとしましょう!」
 紫の全身タイツにビキニアーマーなシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)もそういって頷く。
 虫たちを排除しなければこれ以上那何もできないだろう。
 虫たちもまた、身構えるビキニアーマー猟兵達を自分たちの住処にやってきた侵入者として排除するために、カサカサカサと大量に群れを成して襲ってきた。
 地面を埋め尽くすほどに大量に、中には浮遊することもできるのか、そのまま空中を多数の足で歩くようにして飛んでくるものもいる。数は数えるだけばかばかしいくらいだ。
「うわー気持ち悪いですねぇ。
 害虫は駆除しないといけませんね、ええ」
 燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は迫ってくる虫を見て気持ち悪そうに言って……はいなかった。偽葉の声色から察するに、まったく気持ち悪いとは思っていない様子。
「それにしても固そうな虫ね、めんどうそうだわ」
 イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)もまた同じく、特に気にはしていない様子。ビキニアーマーのまま虫と戦う事さえ日常茶飯事なのかもしれない。
「うわぁ……こんなに虫がいっぱい。
 襲ってくるならしょうがない、全部やっつけないとね!」
 その一方で原宮・早月(ルードリーム・レイヤード・f14983)は気持ち悪そうに声色を少し曇らせていた。だがそれでも気丈に虫に対峙する覚悟を決めている。
「勇者の大切な場所を守るためにミラも全力を出します!」
 ミラ・グリンネル(妖狐の精霊術士・f05737)もまた気合を入れる、が……。
「……でも、正直虫は苦手なのデス……」
 ぽつりとそう呟くのだった。

●虫の恐怖
 いや、ミラはまだましかもしれない。
 正直苦手どころではない人がここにいる。
「いーーーやーーー! 虫! ムリムリムリムリ無理ですわー!!」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)……ではなく、その別人格のシルヴァーナである。実はシルヴァーナは、虫が大の苦手なのだった。
「裕美! ステルスボムでここら一帯を爆破してくださいまし!」
 もう完全にパニックになり、本人格の裕美を呼び出そうとしているのだが……水没迷宮突破の際に嫌がるビキニアーマー姿で便利にこき使ったことを根に持ってか、出てきてはくれない。
 結果、シルヴァーナ独りで喚くしかないのであった。
「なんでーーーーー?! いやあああああああーーーーー!」
 ちなみにこんなタイミングだが、シルヴァーナのビキニアーマー姿のイラストが納品されたようなのでみんな見てみよう。とても素敵に描かれてますよ!

「任せてください!
 私は皆の盾です! 守護騎士として護って見ます!」
 悲鳴を上げるシルヴァーナの前に出て、盾を構えて【無敵城塞】を使って守りにかかるアイリスだ。
 まさにその姿は騎士の鑑。つるぺたビキニアーマー姿であっても、守護者としての役割は果たしてみせる。そんな気合さえ感じられる。 
 のだが。
「……はわっ!? む、虫の群れだから盾構えても防ぎきれない!?」
 はい。今回の敵は拳大の虫の群れです。
 何匹かはもちろん盾で通せんぼできるでしょうが、大多数は盾を避けていくだけですね。
「あ、ああぁぁぁ! 肌の上を虫がぁぁぁぁ!?」
 しかも、アイリスの盾以外の場所にカサカサと群がった虫は、そのまま肌の上を我が物顔で蠢いている。さらに……。
「し、しかも、わたしを素通りして皆の方にも普通に虫が行っちゃったぁぁぁぁぁ!?」
 無敵城塞中で動けないアイリスの身体に群がるだけではおさまらず、それを越えて後ろの方にどんどん虫は向かっていくのだった。
 なので、悲鳴を上げているシルヴァーナはもちろんのこと……。
「ひうっ!」
 普段のアメリカンジャスティスな元気さからは考えられないような可愛らしい悲鳴を上げているミラは、虫はこちらに来るなと【フォックスファイア】を乱射して追い払おうとしているが、あまりにも多勢に無勢。瞬く間に虫に這い寄られてしまう。
「やだやだやだやだ! ビキニアーマーの中に入ってくるなデス!」
 隙間のほとんどなかったアイリスと違い、大きなバストをビキニで覆っているミラは、その揺れる胸の谷間とか、紐と肌の間とか、そう言った隙間に虫が潜り込もうとしてしまっているため、かなりの大惨事だった。
 もちろんそんな悲惨な目にあっているのは、ミラだけではない。
「虫が肌に張り付いてきて這い回ってくるぅ!?」
 武器を持ってきていなかったから素手で何とか虫と戦おうとしていた早月もまた、虫の群れに飲み込まれて、その122バストをはじめとした地肌を虫に蹂躙されていた。
「あ、脚の感触が……気持ち悪いのに、なんか変な感じもするぅ……っ」
 肌の上をカサカサ歩き回る虫の多脚が、くすぐったいというか微妙な刺激で早月を刺激していく。最初は気持ち悪さに耐えていた早月だが、次第にその動きによって身体が疼いてきて、だんだん身動き取れなくなってくる。
 しかも間の悪い事に、早月は自らを強化しようと、【グッドナイス・ブレイヴァー】の動画撮影用ドローンを召喚していたのだった。
 つまり、現在彼女の視聴者のもとには、虫にたかられて悶えている彼女の姿が映し出されているという事で、しかも虫が蠢いた結果ビキニアーマーがずれて豊満なバストがポロリとこぼれそうな状況まで中継されてしまうという事に。視聴数はかなり稼げそうだが、垢BANされないか心配になってくる。
「胸の中で何か潰れる感触がしマス! 誰か取ってほしいデス!」 
 ミラはミラで、ビキニアーマーの中に潜り込んだ虫と格闘していて、もう胸の中に入り込んだ虫を何とかするのが優先だと、自らビキニアーマーのブラをずらしていたりする。
「虫から解放される方が優先順位高いデス!
 でも変なところ触っちゃ駄目デス!!」
「い、いま何とかしますね」
 その声に応えたのはアルテミスだった。ミラの胸のあたりで蠢く虫を捕まえて引き剥がしていく。ミラもアルテミスも同じ寮で暮らす仲間だから、このあたり遠慮はいらないのだろう。なお、早月の動画ドローンにこのあたりの一連のシーンが映っていたかどうかは定かではない。
「それにしても、さすが蟲も騎士にとって天敵ですね。
 きっとこの蟲も、相手を淫らな気持ちにさせる毒とか、幻覚を見せる毒とか、催眠状態にする毒とか、穴という穴から入り込んできて卵を産み付けたりといった恐ろしい技を使ってくるのでしょう!」
 ミラから虫を払いのけながら、アルテミスはそんなことを口走っていた。
 もちろん、そんなアルテミスにも虫はたかってくる。
「あ、アルテミスせんぱーーーい?!」
 その様子を見てしまったアイリス(無敵城塞中)から悲鳴があがった。

 瞬く間に虫の群れに飲み込まれてしまうアルテミスとミラ。
 2人の瑞々しい地肌の上を這う蟲たちは、その牙をぷすりと乳房につきたてた。牙から滴るのは蟲が体内で作りだした淫らな毒。身体を這う蟲の感触が、まるで好きな人の手で愛撫されているような幻覚を見せ、そして身体を昂らせてしまう。
 アルテミスが見るのは同じ寮に暮らす好きな人の幻覚。女の子同士なのにこんな気持ちいけませんと思いつつも、その手に体を弄られて愛し合っている、そんな幻覚の中で蟲によって身体を蹂躙されていく。アルテミス自身も、その好きな相手を愛してあげようと、手を伸ばしその身体に触れて揉んでいき……。

 というところで、現実に目を向けましょう。
「そんなところは触らなくても!?」
 妄想に浸ったままのアルテミスは、ミラから虫を引き剥がすと同時に、その体に触れていた。妄想の中でミラの姿が好きな人にでも置き換わっていたのだろうか。乳の大きさは明らかに違うはずなのだが。
「ああ、な、なんて恐ろしいモンスターなのでしょうか……」
 もちろん妄想である。
 何処が妄想かというと、「虫」ではなく「蟲」と書かれた部分が全部。
 つまり、アルテミスとミラが虫の群れに飲み込まれたところまでが本当で、その後の部分はアルテミスの妄想です。
 この虫に、そんな淫らな幻覚を見せる毒とかありませんから!

「とりあえずエロ系の虫じゃなくてよかったです。
 ん、いやまぁ、あちらの人ががそういう目に合ってるのはまた別の話でしょうし」
 と、ニコルが何となくホッとしていれば。
「アルテミス先輩……ううううう……な、なんの為にわたしはこんな目にぃぃぃぃぃぃ!!!?」
 こちらもアルテミスと同じ寮に住んでいる後輩女騎士のアイリスは、その惨状(というか先輩の妄想している姿)を見て涙目になっているのでした。
 ……まぁ、せっかく皆を庇おうとしてもそれは叶わず、しかも自分が防げなかった虫が先輩に群がって、さらにそれで先輩が妄想でおかしなことになってると思えば、泣きたくなるのもしかたない。
 アイリスは強く生きてほしい。

「むむむ……これはあかんぞい。
 ここはわしの出番じゃな。何、せっかくのこの格好じゃ。
 踊って皆を元気付けるぞい!」
 こんな一部の者の大ピンチに、我らが黒一点、じじいことランドルフが立ち上がった。ヒマワリのようなビキニアーマーと腰ミノを身に着けたじじいが、腕をカマの形に曲げてゆらゆらと動かし、腰ミノのお尻をシェイクするようにグルグルと動かし始めた。
「それ、ゆーらりゆらゆらゆらゆらりー」
 これぞ【じじかるらんらん渾身の舞踊】である!
「そーれ、皆も正気に戻るんじゃー!
 ……なぜか敵にダメージが入っとるぞい?」
 明らかに正気を失っていた(というか妄想に浸ってた)アルテミスをはじめ、虫への恐怖に怯えてたシルヴァーナや虫にたかられて悶えていた早月など、そう言った面々を元気づけようとして踊りだしたじじいだが、なぜか皆の精神にダメージが入っていく。しかもなぜか踊りなど理解できようはずもない虫にまでダメージが入っていく。疑問に思うじじいだが、構わずまだまだ腰を振って激しく踊り続けるのだった。
「ちょっと解せぬがまだまだ踊るぞい。
 じじかるみらくるだんしーん……」

 ぐきっっ。

 あ、じじいの腰から破滅の音が。

「ぐぁあああ!?」
 ぎっくり腰になってしまい、踊ってる時のポーズのまま、ぽてっと横に倒れるじじいであった。
 ジジィムリスンナ。
「こ、こりゃ……帰ったら入院コースかもしれんのぅ……」
 ぷるぷるぴくぴくと震えるじじいに、さらに虫が貰がっていく。

 だが、それでも、じじいが躍った効果はあったのだ。
 じじいの踊りに触発されて、早月が立ち上がる。
「……こ、このままじゃ、また恥ずかしいところ皆に見られちゃう……!」
 いまだ撮影中であることを思いだした早月は、もう手遅れなんじゃね?と思われる面々(主にアルテミス)から目を逸らしつつ、なんとか立ち上がって、反撃を開始する早月。
 ちなみに、先ほどまでの動画配信だが、セクシーに悶える早月の姿が大写しになっていて視聴者数うなぎ上りだったところに、じじいのダンスが映し出されたため、ある種の炎上状態になっていたりするのだが、それは別の話。

 そしてシルヴァーナ、否、裕美もまたじじいダンスの効果なのか、反応があったのだ。一瞬だけ、シルヴァーナから裕美に姿が変わる。
「……今回参加を決めたのはアナタだし……自分でなんとかしなさい」
 と、本当に一瞬だけ。
 それでも裕美は、シルヴァーナの為に【邪竜降臨(ウロボロスインストール)】を発動させた。自らの身体に邪竜を宿し強化するこの技、代償に邪竜の毒や呪詛を受けてしまうのだが、それは自らの体勢で防ぎ、再びシルヴァーナへと変わる。
「あーもぉ、なんでこんなにたくさん虫が出てくるんですの?!」
 涙目ながらも、槍で虫を串刺しにしたり、太ももからナイフを抜いて群がる虫を切り裂いたりと戦いを始めるのだった。

 ちなみに、アルテミスとアイリスとミラは……まぁ、どんまい。

●ここからはシリアス戦闘です
 さて、お笑いチームがドタバタしている間にも、真面目な猟兵達は虫との戦闘を開始していた。
「……武器は置いてきてしまったな」
 水没迷宮を行く際に、泳ぎの邪魔になるからと大剣サンダーブレードもドラゴネットも置いてきてしまった雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)は、代わりにと自らの胸の谷間に手を突っ込んだ。
 別にお笑いチームのようにチョイエロな展開にしようというわけではない、これは前章でも使ったユーベルコード【ガジェットドロー】のための動作なのである。
 その場にふさわしいガジェットが召喚されるこのユーベルコード、ここで現れたのは……!
「ハエ叩き……か?」
 紛うことなきハエ叩きがそこにあった。金属製であり、ちょっとした剣くらいの大きさがあったりするが、形状は間違いなくハエ叩きだ。
 なるほど、虫退治にはちょうどいい武器かもしれない。
「よし、それではやるか」
 龍子はハエ叩きを両手持ちで構えると、群がる虫たちをスパーーーンと叩いていくのだった。

「大きい相手には戦いなれてるけど、小さい相手は苦手かな」
 そういうのは、メンバーの中でもひときわ小柄なドワーフのティアナ・スカルデット(ロンズデーナイト・f11041)である。
 生い茂る雑草は、他の者にとってはそれほどの影響はなくとも、身長1mに満たないティアナにとっては、雑草に隠れて甲鎧虫が見えづらいのである。
 だが、姿が見えなくとも気配は感じ取れている。なのでティアナは、手にしたバスタードソードで雑草ごと薙ぎ払い、切り裂いていく。
「これでよく見えますね……って、ものすごい数!」
 雑草を刈って虫がよく見えるようになったかわりに、その雑草に隠れていた虫たちが一斉にティアナに群がってくる。気付いたら体中に這い上がり虫だらけになってしまった。
「くっ、仕方ありませんね。わたしごとでいいので、狩っちゃってください!」
 そういうとティアナは咄嗟に【六花昌金剛(ロンズデーライト)】を使い、自らをダイヤモンドを超える硬度に硬めるのだった。
 そして、そのティアナの言葉に応えたのはこの声。
「了解ですっ!
 空に突き立て、空を焼き、空より来たる、それはきっと空の涙」
 高らかな詠唱とともに、偽葉の周りに無数の妖刀が浮かび上がる。
 ティアナの身体に纏わりついている虫たちと、それだけでなく自身に群がろうとする虫たちの動きまでもを見切り、正確に降ってくる【剣は雨の炎(センクウ)】による炎を纏った剣の雨が、丸まって防ごうとする虫たちに次々と、その固い甲羅を砕き団子の串のように串刺しにして突き刺さっていった。
「ありがとう。助かったわ。
 ……あ、せっかくのビキニアーマーが……」
 身体の強化はできてもアーマーまではそうはいかないらしく、剣の雨によって傷ついてしまっていた。
「甲鎧虫の体を守っている外骨格はいい素材になりそうだし、後で鎧屋さんに持って行ってビキニアーマーを強化してもらおう」
「素材集めは後ですよっ」
 ティアナに注意を促して、偽葉は、剣の雨をかわしていた虫たちが寄ってくるのを、手にした太刀で武器受けをして回避していた。
「私まで群がられたりしませんよっ」
 なお、動くたびにロリ巨乳がたゆんと揺れた。

「さあお着替えの時間ですよ! 貴方に相応しいドレスは決まった!」
 一方こちらでは、シズホが【着替人形・武装舞踏会(ドールドレスコードチェンジ)】を使って、対虫兵装を生み出していた。簡単に言えば殺虫剤のような効果を持つ武器だった。
 それを、ユングフラウ……愛用の戦闘人形に持たせ、虫への攻撃をさせる。さ駐在の効果もあり、シズホの操る人形は、素早くまるで生きているように虫を駆除していく。
「お見事です。持ち運んできた甲斐がありましたね」
 そういうのはえるぴすだ。
 水没迷宮を抜けてくる際、えるぴすは仲間の荷物も一緒に【災厄の箱】に詰めて運搬していたが、シズホのユングフラウもそのうちのひとつ。
「おかげさまで!」
 シズホはえるぴすに答えながらも、自らに直接向かってくる虫を、カウンターで殴り飛ばすのだった。
「では私も負けないように、行きましょう」
 そういってえるぴすは【満たされぬ暴食者】で、刻印に侵食された右手を化物に変形させる。異形に覆われている右腕が、数の長い舌と鋭い牙を持つ巨大な口の化物の形へと変わっていく。
 虫やら触手やら色々と這いずり回るものは育ちのせいで慣れてるえるぴすなので、ビキニアーマーでの格闘戦の動きやすさを試すかのようにダッシュして素早く虫の群れへと突っ込んでいく。虫たちの攻撃は第六感にも頼った素早い動きで狙いを絞らせずに回避していき。そして。
「いただきます」
 虫の動きを見切り、変形した化物の口を大きく広げ、大量の虫たちに纏めて喰い付き、咀嚼し呑み込んでいった。
「ふむ。激しい動きにも耐え、動きを妨げないビキニアーマーを作ってくれた職人には感謝ですね」

 一方でまどかは、大量の虫たちに囲まれていた。
「無理無理無理、無理だから! ……ちょっと、嫌ー!」
 敵の動きは何とか見切って回避は続けているのだが、あまりにも大量の虫たちが蠢き襲ってくるので、ついつい悲鳴を上げてしまう。
 ビキニアーマーだと動き易いね!……などと、最初は軽快に回避を楽しんでいたのだが、それにしたって限度というものはある。
 虫の攻撃をよけながら、回避しざまの【シーブズ・ギャンビット】でスパスパと何体か斬り捨てているのだが、それにしても数が多すぎてよけきれない。まどかはフック付きワイヤーを使って何匹かの虫を纏めてからめとり、それを盾にすることで何とか防いでいた。
「これは、ちまちま叩いてると体にうぞうぞ取りつかれそうね」
 その近くではニコルもまた、軽さを武器にひたすら虫の突進を回避していた。
 とはいえこちらもやはり、多少の攻撃はしていても、桐がないと思ったのだろう。
「こうなったら、纏めて吹き飛ばしましょう」
 そういうと、ニコルはまどかのいるあたりも含めて、2人に群がる虫たちの密集地帯に向かって手持ちのバトルアックスを大きく振り下ろし、【グラウンドクラッシャー】を叩きつけた。
 虫たちはまとめてつぶされて、体液がはじけ飛ぶ。
「あー、そうですよね。虫は潰すと体液が出るのが……そしてビキニアーマーだともろに体にかかるのが……」
 虫の体液を頭からかぶってしまったニコルと、巻き添えで浴びてしまったまどかであった。
「……まあこの辺は諦めて、終わったら水没迷宮直行ですね」
「どうせ帰りもそこ通るんでしょうしね……」

「たると、付いて来て居るな」
 ラティナはそういうと、自らにつき従ってきている穿竜槍『たると』を小型竜から槍に変じさせ、なぎ払いで向かって来る甲鎧虫を迎え撃つ。
 その傍らには、イネスとミュリエルもチームを組んで戦っていた。
 実はこの2人は、ラティナ率いるビキニアーマー冒険者ギルドの仲間である。
 なのでここで合流して以来、3人で連携して虫と戦っていたのだ。
 ラティナは、3人の先頭に立って虫が密集している箇所へと突撃していく。
 ダッシュして一息で間合いを詰め、甲鎧虫の固い鎧をも砕く勢いで怪力を活かした全力捨て身の槍の一撃を虫の密集地帯へと叩きつけた。
 そしてその勢いのまま『たると』は槍から巨大な召喚ドラゴンに変身してその竜の息吹で密集した甲鎧虫を一層する。【ドラゴニック・エンド】による一連の流れだ。
 イネスもラティナに続いて虫の群れを蹴散らしていく。
 ビキニアーマーへの強い思いを込めた【薄衣甲冑覚醒(ビキニーアップ)】にて自らの攻撃力を強化すると、ラティナに続くようにダッシュで接近して『藪払い』という戦斧で甲鎧虫の甲羅を叩き砕いていく。
「支援いたします」
 そんな2人を、ミュリエルは上空から援護していた。
 自らの翼で宙に舞い上がると、そこから弓で援護射撃を始めている。
 宙を駆けてくる虫も多少はいるため、念のために【アーマー・ビット】で自らのビキニアーマーのパーツを自分の周囲に旋回させて身を守っている。
 ……ところで、ミュリエルのビキニアーマーは、あまりにも豊満なバストに反してとても小さかったりするのだが、そのパーツを複製したところデビットはすごく小さい気がするのですが、ちゃんと守れるのだろうかと少し疑問が。
 もっともそんな疑問は特に問題なく、ミュリエルは弓からの範囲攻撃で上空から虫を攻撃していった。
「今のうちに体勢を」
 と、ミュリエルが援護射撃をすれば。
「あまり墓を荒らすなよ」
 と、ラティナはブレスを吐く『たると』に指示をして。
「悪いけどここからいなくなってくれるとありがたいわ」
 そして、イネスの戦斧が虫たちを屠っていく。
 3人の連携は安定しており、この辺りは虫たちを寄せ付けない戦いになっていた。
 3人の息のあった連携により、次々と虫は駆逐されて行き、数を減らしていくのだった。

●かくして害虫駆除は終わり
 こうして猟兵達(一部除く)の奮闘により墓場に巣食っていた甲鎧虫の群れは駆除されていった。
 なお、どこぞの騎士の先輩が、後輩に怒られていたのは、見なかったことにしておこう。

「何とか無事に終わりましたかね……」
 虫の体液を浴びてはいるものの、ほっとした表情でまどかが呟けば。
「それじゃ、あとはお墓を綺麗にしましょう、周りの雑草も刈らないと」
 虫がいなくなったことを確認し、ティアナがそう提案する。
「ですね。お墓周りを綺麗にしてあげたいですね」
 返事をしたのは裕美……ではなくシルヴァーナだが、もちろん他の猟兵達にも否はなかった。
 ……一部、作業するどころでもないもの(ぎっくり腰)もいたわけだが、そのあたりは割愛する。

「無粋なオブビリオンは滅しました。どうぞ、安らかに」
 戦いが終わり、掃除も終わったあと、ミュリエルの言葉とともに、猟兵達は墓標に手を合わせた。
「こんなものしかありませんが――」
 ミュリエルはさらに髪に咲いた花を一輪供えている。
「それにしてもお墓に入っているのは誰なのかしら?
 家族? 恋人? お師匠様? 故郷の人たちって可能性もあるかな……?」
 というイネスの疑問だが、墓碑銘は既にほとんどかすれていてまともに読めそうになかった。
「調べてみたのだけれど、墓碑銘がかすれていては、この場ではこれ以上は無理そうですね」
 そうえるぴすはいい、肩をすくめる。
「せめて、墓や周辺を撮影していきましょう。グリモアベースに情報を持ち帰れば、何かわかるかもしれませんし」
 シズホはそういって辺りの撮影を行っている。

 その後も手分けしてお墓の掃除と軽い調査を済ませ、猟兵達は再び水没迷宮を通り抜けて帰還していく。
 ビキニアーマーの勇者が大切にしていた場所を守れたという満足感とともに。
 この地はこれからは、勇者の大切な人が静かに眠れる場所になるだろう。
 猟兵達が立ち去った後は、ただただ清らかな静寂に包まれるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月25日


挿絵イラスト