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ゴーストタウン浄化作戦:東京都文京区S寮跡地

#シルバーレイン #戦後 #ゴーストタウン #廃墟巡り

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●謎の焼け跡
 東京都文京区。
 大学や病院が集積し、その他は閑静な住宅街が区の多くを占める、東京都の中でも人気の高い土地である。
 そんな文京区の片隅に、その寮は突如として現れた。もっとも、寮とはいっても既に朽ち果てた建物であり、そこを借りている者など存在しない。焼け焦げた壁は、過去にこの建物が酷い火災に見舞われたことを示しており、近づけば今でも異様な臭いが鼻をつく。
 だが、そんな廃屋が何の脈絡もなく出現したにも関わらず、人々は何ら関心を持たないまま日常を過ごしていた。まるで、その建物が最初からそこにあったかの如く。異界への入り口がぽっかりと口を開き、獲物を待ち構えていることさえ気づかずに。

●屋敷の幽霊?
「今年も年末が迫って来たけれど、久しぶりにゴーストタウンの発生が確認されたよ。それも、よりにもよって東京のド真ん中にね」
 だが、そのことは誰も気づいておらず、人々は普段通りに過ごしていると穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)は猟兵達に告げた。これも、全てはオブリビオンとして復活した世界結界の力なのかもしれないが、それにしても今回は異常だ。
「元から使われていない廃墟ならともかく、いきなり廃墟が街中に出現したんだよね。その現象も世界結界によって歪められているんだとしたら……もしかすると、この廃墟そのものが巨大なゴーストなのかもしれないよ」
 シルバーレインの世界におけるゴーストとは、残留思念が意思を持ち具現化した存在だ。故に、何らかの残留思念が廃墟の形を取って具現化してもおかしくはないが、そこがゴーストタウンである以上、この廃墟ゴーストさえも操る真の主が内部に潜んでいる可能性が高い。
「僕が調べたところによると……この建物、昔は外国人向けの寮として使われていたみたいだね。でも、火事で焼け落ちてからは廃墟になって、随分と前に取り壊されたみたい。中には炎を操るリリス化したオブリビオンがいるみたいだけど、このリリス達は廃墟の主ってわけじゃないね」
 そんな廃墟を復活させて、オブリビオンゴーストはいったい何を企んでいるのか。その目的までは分からないが、放置しておけば迷い込んだ一般人が餌食になる可能性もある。取り急ぎ、この廃墟に突入し、最深部に潜む地縛霊化したオブリビオンゴーストを排除しなければならないだろう。
「年末も近いとはいえ、廃墟の大掃除をお願いするのは申し訳ないんだけど……東京のド真ん中に、こんな屋敷幽霊を残しておくわけにもいかないからね」
 人々が安全にクリスマスを祝い、そして年を越せるようにするためにも、このゴーストタウンは浄化しなければならない。そう言って、耶子は猟兵達を、銀の雨が降る世界へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 東京のド真ん中に、突如として廃墟のゴーストタウンが出現しました。
 今はまだ人的被害は出ていませんが、早急に浄化しなければ危険でしょう。

●第一章(集団戦)
 『ファイヤーフレイムガール』との戦いになります。
 彼女達もまたゴーストタウンの虜囚になっているようで、獲物が灰になるまで精気を貪ること以外は考えられなくなっているようです。

●第二章(ボス戦)
 この廃墟を出現させた存在との決戦になります。
 現時点で正体は判明していませんが、この寮に関する因縁を持ったゴーストであることは確かです。
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第1章 集団戦 『ファイヤーフレイムガール』

POW   :    燃え盛る欲望
【悟らないと耐えられない桃色のオーラ】を放ち、命中した敵を【思春期のように悶々とした情動】に包み継続ダメージを与える。自身が【体表の80%以上を露出(ソックスは除く)】していると威力アップ。
SPD   :    夢魔の檻
レベルm半径内を【濃密な桃色の霧】で覆い、[濃密な桃色の霧]に触れた敵から【生物か非生物を問わずに精気】を吸収する。
WIZ   :    避けられぬお約束
【よーく絡まった桃色の運命の糸】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【社会的ダメージを負う事故】を誘発する効果」を付与する。

イラスト:赤霧天樹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花菱・真紀
幸也さん(f13277)と
アドリブ歓迎
東京のど真ん中に現れた廃墟。それだけ聞くと都市伝説みがあると言うかすごい怪奇現象ですよね〜。
ふふ、幸也さんにはこう言うの好きだってバレちゃってますね。
確かに取材の延長線な感じはします。

巻き込まれたとはいえ…
あー、やっぱリリスってこんな感じですよね。
(えっちなかんじのやつだと呟きながら)
とりあえず幸也さんには被害にあってもらいたくないのでUC【絶対防御の壁】で攻撃を防いで時間を稼ぎますから。
その間にさくっと決めちゃってください!

あはは、俺、ですか?そうですね…と苦笑しつつそっと対UDC仕様自動拳銃を構えて近距離射撃。


十朱・幸也
真紀(f06119)と
アドリブ歓迎

東京のど真ん中に発生?
この世界は初めて来たけどよ
何というか都市伝説みたいだよ、な……

おーい、真紀?
真紀の奴、凄い良い笑顔じゃねえか
曰く付きの場所ってのは
あいつにとっては取材の延長なのかもな

何処から敵が来るかも分からねえし
事前にからくり人形『千薙』を傍らに
敵を確認次第、UC:戦姫

リリス、ねえ
巻き込まれたとか知らねえけど
てめぇらにくれてやるモンなんざ──え、真紀?
いやいや、お前も被害に遭ってほしくねぇからな!?

『千薙』の衝撃波で吹き飛ばして
敵を壁とかに叩き付けられれば重畳
接近戦なら【切断】【カウンター】狙い

念の為、真紀への攻撃は
俺か『千薙』の近い方が【かばう】



●リリス達の洗礼
 突如として東京の真ん中に現れた謎の廃墟。だが、その存在を誰も気に留めていないことに、十朱・幸也(鏡映し・f13277)は違和感を覚えずにはいられなかった。
「東京のど真ん中に発生? この世界は初めて来たけどよ。何というか都市伝説みたいだよ、な……」
 聞くところによると、この世界には『世界結界』なるものが存在し、一般人の記憶や認識を歪めてしまうそうだ。しかも、その世界結界はオブリビオンとして復活したものなので、どうすれば破壊できるのかも未だ不明。故に、猟兵や能力者以外では世界の歪みや怪奇現象を認識できず、せいぜい下らない噂程度で終わってしまう。
 もっとも、そういった噂を好み、敢えて真相を追い求める物好きもいる。これが一般人であれば自ら地雷を踏みに行くようなものなのだが、猟兵や能力者の類であれば話は別だ。
「東京のど真ん中に現れた廃墟。それだけ聞くと都市伝説みがあると言うか、すごい怪奇現象ですよね〜」
「おーい、真紀?」
 幸也に声をかけられても聞こえていないのか、花菱・真紀(都市伝説蒐集家・f06119)はどんどん屋敷の奥へと進んで行く。なんというか、物凄く良い笑顔だ。曰く付きの場所というのは、もしかしなくても真紀にとって、取材の延長なのかもしれない。
「ふふ……。幸也さんには、こう言うの好きだってバレちゃってますね。確かに取材の延長線な感じはしますけれど……」
 決して浮わついた気持ちで来たわけではない。そう、真紀が言ったところで、突如として二人の前に無数の鬼火が炸裂し。
「あはは! 獲物がやってきた♪」
「ぜ~んぶ燃やして、残らず精気を搾り取っちゃおうか?」
 物陰から現れたのは複数のリリス。ファイヤーフレイムガールと呼ばれる、炎を操る小悪魔だ。彼女達は幸也と真紀の姿を見つけると、碌な会話もしないまま、いきなり桃色のオーラで攻撃を仕掛けて来た。
「リリス、ねえ……。巻き込まれたとか知らねえけど、てめぇらにくれてやるモンなんざ……え、真紀?」
 触れただけで、相手の精神を侵食するオーラ。まともに食らって耐えられるのは、煩悩から解脱した修行僧くらいだろう。
 そんな攻撃の直撃を受ければ、いかに幸也とて無事では済まない。だからこそ、相手の攻撃の特性を瞬時に見切った真紀は、すかさず炎の防壁を展開して攻撃から幸也を守っていた。
「あー、やっぱリリスってこんな感じですよね」
 分かってはいたが、それにしても目のやり場に困る格好だと続ける真紀。もっとも、リリス達に説教したところで意味はないので、ここは心を鬼にして、どんなセクシーギャルが登場しても倒すしかない。
「とりあえず、幸也さんには被害にあってもらいたくないので……。攻撃を防いで時間を稼ぎますから、その間にさくっと決めちゃってください!」
 壁を展開するだけでなく、拳銃で牽制しながら真紀が言った。彼の使う拳銃は対UDC用のものだったが、この世界のゴースト相手でも通用するのは救いだった。
「いやいや、お前も被害に遭ってほしくねぇからな!?」
「あはは、俺、ですか? そうですね……」
 苦笑しつつ弾を拳銃に込める真紀の横では、幸也が攻めに転じる機会を伺っている。そして、守られてばかりでは格好がつかないと、幸也もまた敵の攻撃を恐れず前に出た。途端に、彼の周囲に濃密な霧が散布され、それに触れた途端に精気をどんどん奪われて行くが。
「踊り狂え、千薙!」
 多少の無茶は承知の上だと、幸也は自らの操る人形から、その内に蓄積されていた呪詛を受け取った。途端に、全身を何かに掴まれ、蝕まれているような感覚が幸也を襲ったが、ここまで来るともはや止める手段は存在せず。
「そんなペースじゃ、俺の精気は奪い尽くせねぇぜ!」
 ついには自ら霧の中へ飛び込むと、凄まじい高速移動で擦れ違い様に衝撃波を当てながら、幸也は瞬く間に複数のリリスを撃破して行く。攻撃こそ激しいものの、防御という面では大したこともなかったのか、ファイヤーフレイムガール立ちは次々と壁に叩きつけれれ消滅して行く。
「よし……片付いたな」
「今のところは……ですけどね」
 戦いを軽く終えたところで、幸也と真紀は油断なく寮の探索を再開した。リリスにしては随分と好戦的で、ともすればエッチなことより精気を奪うことだけを考えていたような気もするが、それはそれ。
 どちらにしろ、倒さないといけない敵なら倒して進むまでなのだ。当面の障害がなくなったことを確認しつつ、二人は寮の更に奥、焼け焦げた匂いが微かに漂ってくる場所を目指して歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
取り壊された廃墟が蘇るってんのは
正にゴーストってカンジだぜ

オブリビオンを海へと還してやろう
まずはリリスからだ

戦闘
地獄の炎を纏って
紅蓮の残像を残しながら
部屋から部屋
或いは廊下やホールへと
無尽に駆け抜ける

オーラになんか当たりゃしないし
もし当たっても炎で相殺だ
撹乱して同士討ちも誘ってみるぜ

ちょいとかき回したら
その混乱に乗じて仕掛ける

イケてるメロディを口ずさみながら
駆け抜けざまに獄炎纏う焔摩天を振るう

勢いを乗せて吹き飛ばしたり両断したり
燃やしたりする

音は走り抜けた俺の後から来るから
歌声が届くのはリリスが海に還った後だろう
鎮魂歌だ

こんなカンジで戦場を駆け抜けながら
次々と各個撃破していく

今、GTから解放してやる
紅蓮に抱かれて眠れ

事後
全滅したら足を止めて改めて鎮魂曲を演奏
海で安らかに

よし、最深部を目指すぜ



●リリスにされた者達
 世にも珍しい屋敷の幽霊。既に破壊された過去の遺物でありながら、再び現世に舞い戻ったという点では、確かに幽霊の定義を満たしているのかもしれにあ。
(「取り壊された廃墟が蘇るってのは、正にゴーストってカンジだぜ……」)
 焼け焦げた壁が不気味に残る寮の中を、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は慎重に進んで行った。この世界のゴーストとは、人々の残留思念が意思を得て具現化した存在だ。故に、そこに魂はなく、生命でもない。ましてや本人でさえもないのだが、それ故に本来であれば『人や動物の思念』でなければゴースト化はしないはず。
 では、それならば、この廃墟はいったい何なのだろうか。強力な力を持ったゴーストによって生み出された特殊空間なのか、あるいは廃墟そのものがゴーストではなくオブリビオンとして骸の海から顕現したのか。
 その、どちらであっても、ウタには関係のないことだった。彼の目的は、この地に存在するオブリビオンを骸の海に還すこと。そこに命が存在しなくとも、心を持った者である以上、誰かの意思にによって望まぬ生を与えられてはいけない。
「あ! 侵入者だよ!」
「アハハ! 空っぽになるまで、なにもかも燃やし尽くしてあげるね!」
 ウタを見つけたリリス達が、即効で彼に向かって謎のオーラを飛ばして来る。リリスといえば、淫蕩な行動で人を惑わし命を吸い取るゴーストだが、それにしても好戦的過ぎる。
「……それが攻撃か? 残念だけど、俺にはそんなもん通用しないぜ」
 もっとも、オーラを浴びたウタは全身から地獄の炎を噴出させることで、軽々とオーラを振り払ってしまった。ファイヤーフレイムガール達の放つ桃色のオーラは、命中した相手に思春期のような悶々とした情動を与えるが、そんなもので動じるウタではない。
「今度はこっちの番だな。さあ、翔け抜けるぜ!」
 お返しとばかりに、地獄の炎を纏ったままの状態で、ウタは一気に寮の廊下を駆け抜けた。そこに残るのは、彼が走り抜けた痕跡である紅蓮の軌跡だけ。焔を纏ったウタを止められる者は誰もおらず、迂闊に近づけば瞬く間に全身を燃やされてしまうのだから。
「な、なに、こいつ! なんか強いんだけど!?」
 ウタの強さが想像以上だったのか、ファイアーフレイムガール達は、早々に戦闘を放棄して逃げ出した。元より、この地に強引に取り込まれてしまった者達だったのだろう。統制も取れないまま逃げ惑う彼女達の背後から一気に距離を詰め、ウタは炎を纏った巨大な剣を叩きつけ。
「あぁぁぁぁ! 熱い! 熱いよぉ!!」
「いやだぁぁぁぁ! 死にたくなぃぃぃぃ!!」
 炎に巻かれたリリス達の悲鳴が寮に響き渡るも、それが聞こえてくるのはウタが完全に走り抜けた後だ。今の彼は、音よりも早く動いている。故に、あらゆる音は全てが終わった後についてくる。
「今、ゴーストタウンから解放してやる。紅蓮に抱かれて眠れ……」
 意思疎通ができない以上、ウタにできることは一刻も早く彼女達を倒すことのみ。人に仇名すゴーストである以上、彼女達を野放しにして良い理由はない。
「終わったか……。しかし、リリスなんて名前の連中にしては、お色気攻撃のひとつもなかったな」
 やがて、目につく全ての敵を斬り捨てたところで、ウタは改めて後ろを振り返った。
 リリス達の悲鳴が消えれば、その次に聞こえてくるのはウタ自身が刻んだメロディと、彼自身の歌声だ。それは奇しくも、倒されたリリス達への鎮魂歌になったのだろうか。
(「……ありがとう」)
 気が付くと、そこに立っていたのは先程までのリリス達ではなく、様々な国籍の外国人達だった。彼らもまた、この地に眠る残留思念だったのだろうか。その姿は直ぐに消えてしまったが、それでもウタは、最後に彼らへ救いがあったことを確信していた。
「そういえば、この寮は外国人専用だったか? と、いうことは……もしかすると、過去の火事で亡くなった人達の思念だったのかもしれないな」
 それらの大半は無害なものだったが、しかしこの屋敷幽霊に取り込まれた結果、リリス化オブリビオンにされてしまったのだとしたら。そう考えると、先程までの好戦的なリリス達の様子にも納得が行く。元より、淫蕩な性質の残留思念ではなかったので、姿や性質を強引に歪められた結果、単に精気を貪るだけの低級ゴーストになってしまったのだろう。
 本来なら少しでも早く最奥を目指したかったが、ウタはしばし足を止めて、鎮魂の曲を演奏した。いつもであればオブリビオンへの手向けにするものだが、今回は違う。過去に、この地で犠牲になり、今もなお残留思念をオブリビオン化させられ利用されていた者達。そんな彼らに、今度こそ救いがあれば幸いだと。消滅する最後の瞬間くらいは、ゴーストタウンの呪縛から逃れられたのだと信じたい。
「……よし、最深部を目指すぜ」
 この地を放置しておけば、やがて新たな残留思念が掘り起こされ、同じように利用されて行くことだろう。それはまさしく、記憶と魂の牢獄だ。そんな場所は一刻も早く浄化するべきだと、ウタは改めて誓いながら、廃墟の奥へと歩を進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

酒井森・興和
ゴーストタウンもなかなか無くならないねえ…世界結界のおかげで一般人に気にされないとはいえ
火事の跡地か
被害の出てない今のうちに解決したいな

【気配感知、第六感】で敵UCオーラの直撃を躱したい
【威嚇射撃】飛斬帽を【投擲、切断】逆鱗でも【毒使い、追撃】
敵オーラは【落ち着き、狂気耐性】で…
と思ったけど
うーん…リリスには悪いが僕は出来損ないだし
ちょっと訳あって
まあ、枯れちゃっててねえ
これがダメージか?
多少そわそわするのを抑え反撃
リリスの身を掴みUC行使
振り回し周囲のリリスへぶつけ【なぎ払い】
他のリリスを掴み投げ【吹き飛ばし】

大人になったが
女性の扱いはてんで駄目だな
では
鋏角衆らしく障害となる敵は狩るとしよう



●其の攻撃は通用しない
 浄化を続けても、その度に新たな場所に出現するゴーストタウン。それも、今までとは異なり廃墟自体がゴーストか、あるいは何らかの特殊空間であるとすれば、これまでになく危険な場所だ。
「ゴーストタウンもなかなか無くならないねえ……」
 火事の跡地と聞いた瞬間、酒井森・興和(朱纏・f37018)の脳裏によぎったのは早々に事件を解決すべしということだけだ。一般人には気にされていないとはいえ、誰かが迷い込まないとも限らない。それ以前に、本来であれば既に取り壊された建物だとすれば、存在自体が世界の歪みだ。
「あれ? また誰か来たよ?」
「誰だか知らないけど、燃やしちゃえば同じだよね?」
 廃墟に足を踏み入れた矢先、興和の前に現れたファイヤーフレイムガール達。問答無用で桃色のオーラを放ってくるが、その直撃を受けたにも関わらず、興和は微妙な表情だった。
「うーん……リリスには悪いが僕は出来損ないだし、ちょっと訳あって……まあ、枯れちゃっててねえ」
 諸々の事情により、興和は性欲というものが極めて低い。多少、身体がざわつくような感覚があるが、それだけだ。ダメージといっても微々たるもので、リリス達の攻撃は、興和の足止めにさえなっていない。
「悪いけど、君達と遊んでいる暇はないんだよねぇ」
 飛斬帽をを投げつけて牽制し、その隙に興和は一気に距離を詰めた。そのまま相手の足を掴み、盛大に振り回して別の相手に叩きつける。その衝撃で落下した者を掴み上げ、今度は盛大に遠くまで投げ飛ばす。
 それは、さながら一方的な蹂躙であった。リリスの武器は相手の性欲を刺激するようなものが多いが、そもそも性的に枯れている興和に対しては、殆ど効果を発揮しない。
「大人になったが、女性の扱いはてんで駄目だな。では……鋏角衆らしく、障害となる敵は狩るとしよう」
 奥の方に更なる敵の姿を発見し、興和はのびているリリス達を横目に、廃墟の奥へと進んで行く。だが、それにしても、ここのリリス達はやはり奇妙だ。ユーベルコードとは別に、あるいはユーベルコードそのものとして篭絡術の一つでも使ってくるのかと思ったが、いざ対峙してみれば、単に相手を殺して精気を奪おうとするだけである。
 らしくないといえば、そうなのかもしれない。彼女達は、あくまで『リリス化』しているオブリビオン。この地にて亡くなった者達の残留思念が、強引に姿を変えられたものなのだから。
 本来であれば無力で罪もない思念だったかもしれないが、それを気にしていても始まらない。障害となるのであれば排除するだけだと割り切って、興和は目の前のリリス達を軽々と投げ飛ばし一蹴した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『通り魔の怨霊』

POW   :    滅茶苦茶にしたかった
【引火したガソリン】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    死なせてやろうと思った
【凶器に用いた呪詛を纏う包丁】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    巻き添えにしたかった
【犯行時に用いた暴走自動車】を操縦中、自身と[犯行時に用いた暴走自動車]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。

イラスト:はるまき

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂える通り魔
 廃屋と化した寮の奥へと進むと、次第に焼け焦げた匂いが強くなってきた。
 いや、それだけではない。そこに広がるのは血の匂い。かつて、この地で何らかの惨劇が起きたことは想像に難くない。そして、このゴーストタウンの支配者が、その惨劇を起こした張本人であることも。
「攘夷ぃぃぃぃっ!!」
 突然、時代錯誤な叫びと共に、全身を炎とタールで覆ったゴーストが現れた。恐らくは、このゴーストが廃墟を具現化させた張本人なのだろうが、それにしても彼はどのような残留思念なのだろうか。
「殺す! 殺す! 外国人は皆殺しだぁ!」
 その口から溢れるのは狂気的な殺意。いかなる理由があってかは知らないが、彼が外国人に対して憎しみを抱いているのは明白だ。
 もっとも、だからといって、それが外国人を無差別に殺して良い理由にはならない。この寮で暮らしていた外国人達の中に、仮に犯罪に手を染めている者や、あるいは不法入国者がいたとしても、個人が彼らを裁いてよい理由にもならないはずだ。
 だが、目の前の残留思念は、生前に身勝手な理由からこの寮を焼いたのだろう。それだけでなく、ドサクサに紛れて誰彼構わず寮の中にいる者を殺害した可能性もある。その結果、自分も炎に巻かれて死んでしまったというのは皮肉なものだが、その怨念は寮が解体されても消えることなく、オブリビオンゴーストとして蘇ったのかもしれない。
「この日本は、日本人だけのものだぁ! 外国人は、誰であろうと殺してやるぅぅぅぅ!!」
 歪んだ思想に毒されて、生前の男は外国人を無差別に殺戮する通り魔となった。そして、そんな男の残した怨念が、再び現世で殺戮を繰り返そうとしている。
 そんなことは、断じて許すわけにはいかない。あらゆる国の人間が、それこそ種族の垣根を超えて暮らせることのできる世界。かつて、銀誓館学園の掲げた人魔共存の世界を取り戻すためにも、この怨霊には骸の海へご退場願おう。
花菱・真紀
幸也さん(f13277)と
アドリブ歓迎
うわ、攘夷とかいつの時代の話をしてるんだ…
そんな時代錯誤な思想のせいで亡くなった方がいるんだよな……はい、同情の余地はありませんね。

(幸也の言葉を聞いてぴたりと止まり)
…幸也さんの意図は大体わかるんですけど…
ちょっと聞き捨てならないんで後でちゃんとお話ししましょうね。

幸也さんがヘイトを稼いでくれましたし
それじゃあ、俺もUC【匿名の悪意】
あんたの思想がどんなに時代錯誤のとんでも思想だって教えてあげる。

敵攻撃は【第六感】で【見切り】ます。


十朱・幸也
真紀(f06119)と
アドリブ歓迎

……なんつーか、アレだな
色々と思想がブッ飛び過ぎだろ、時代錯誤甚だしいわ
真紀、あいつに同情の余地はねぇよな?

真紀はともかく、俺は外国人認定なのかね
おふくろは日本人かもしれねえけど
半分はヴァンパイアの血が流れちまってる訳だし?
変な混じり者もさぞ嫌いなんだろうなあ?

敢えて、敵に聞こえるように喋るのはヘイト稼ぎの為
上手くいきゃ万々歳ってな
意図を察した真紀の視線が痛い……つか、珍しく怖い
(冷や汗流しつつ)ア、ハイ、スミマセン

UC:紅喰ノ白鬼
真紀を【かばう】事が出来るように立ち回る
敵の包丁は薙刀で弾いて【カウンター】
後は真紀の攻撃に合わせつつ【切断】【斬撃波】



●狂った思想の果てに
 外国人への恨みつらみから、ついには外国人であれば誰彼構わず殺してやろうと寮に火を放った最悪の通り魔。
 彼がどうなってしまったのか、それについては花菱・真紀(都市伝説蒐集家・f06119)も十朱・幸也(鏡映し・f13277)も興味がなかった……というか、それ以前に、あまりに極端かつ時代錯誤な考え方に、呆れてドン引きするだけだった。
「うわ、攘夷とかいつの時代の話をしてるんだ……」
「……なんつーか、アレだな。色々と思想がブッ飛び過ぎだろ、時代錯誤甚だしいわ」
 確かに、外国人が増えることで、色々と問題が発生することもある。不法滞在者の増加、移民を低賃金で働かせることによる労働市場の変革、そして日本の常識やマナーを守らない外国人居住者によるトラブルなど。
 だが、それらの問題があるからといって、いきなり攘夷思想に走るというのはどうなのか。ましてや、自分に直接害を成していない外国人を、法律云々を飛び越えて、いきなり通り魔的に殺害するのはやり過ぎだ。
「……真紀、あいつに同情の余地はねぇよな?」
「……はい、同情の余地はありませんね」
 既に大勢の人が亡くなっている以上、目の前の男に同情してやることはできなかった。事件が過去のものであり、目の前にいる男のゴーストは残留思念の具現化した存在に過ぎないとしても、だ。
「何者だぁ、お前達ぃ? お前達も、この日本を乗っ取ろうとする、余所者どもなのかぁ?」
 包丁を振り上げながら、怨霊と化した男は真紀と幸也に尋ねて来た。だが、二人は男の問いに答えることなく、幸也が唐突に独り言を語り始めた。
「真紀はともかく、俺は外国人認定なのかね? おふくろは日本人かもしれねえけど、半分はヴァンパイアの血が流れちまってる訳だし? 変な混じり者もさぞ嫌いなんだろうなあ?」
 敢えて聞こえるように大声で喋り、これ見よがしに視線を送る。自分が外国人の血を引く者であることをアピールし、男の狙いを自分だけに集中させるつもりだ。
 もっとも、そんな幸也の作戦を、真紀が黙って見ているはずもなかった。自分が囮になることで被害を最小限に抑えるというのは合理的だが、だからといって自分の命を安く見積もるのは感心しない。
「……幸也さんの意図は大体わかるんですけど……ちょっと聞き捨てならないんで、後でちゃんとお話ししましょうね?」
「ア、ハイ、スミマセン……」
 思いもよらぬ真紀からの言葉に、幸也は冷や汗を垂らしながら答えた。
 今日の真紀は、いつになく怖い。だが、そんな会話をいつまでも続けさせてくれるほど、男の怨霊も甘くはない。
「ぬぁぁぁぁぁっ! この不純物がぁぁぁぁ! 死ねぇぇぇぇぇっ!!」
 予想通り、男は幸也を狙って盛大に包丁を振り下ろして来た。先程まで会話を続けていたので、幸也にはそれを避けるだけの術がない。仮にここで避けてしまった場合、敵の攻撃は後ろにいる真紀を直撃し兼ねない。
「……っと! そうはさせねぇ!」
 咄嗟に繰り出した薙刀の一撃で、幸也は辛うじて敵の攻撃をいなしてみせた。今のところ、リーチだけなら自分の方に分がある状況。だが、懐に入り込まれてしまっては、一転して長物は不利になる。
 ならば、ここは自分が動きを抑えると、今度は真紀が攻撃に移った。彼の武器は剣や銃……ではなく、どこにでもあるスマートフォン。しかし、ネットに接続したことにより、それは一瞬で相手の精神を破壊するための武器と化す。
「あんたの思想が、どんなに時代錯誤のとんでも思想だってことを教えてあげるよ。匿名ってだけで、人は簡単に悪意を吐き出せるんだぜ?」
 そう言って真紀がスマートフォンを操作すれば、彼の拾った様々なネット上の悪意的投稿が、そのまま怨霊の頭の中に流れ込んで来た。
「ぬぐぉぉぉぉっ! な、なんだ、これはぁぁぁぁっ!!」
 目を覆いたくなるような誹謗中傷と罵詈雑言の数々が、男の脳内に直接溢れてくる。目や耳を閉じれば防げるような代物ではなく、まるで脳内に直接ネットの悪意を書き込まれているかのようだ。
「ぐぁぁぁぁっ! 貴様達、俺を否定するなぁ! さては、貴様達も手先なのだな! この日本を侵略しようとする、外国人どものぉぉぉぉっ!」
 ついに、男の怨霊は、大声で叫びながらメチャクチャに包丁を振り回し始めた。もっとも、出鱈目に暴れるだけの攻撃など、戦い慣れた猟兵に当たるものではない。幸也にとっても、それは最大のチャンスである。今こそ真の力を解放し、渾身の一撃をイカれた思想の怨霊に叩きつけてやることにしよう。
「迷って、惑って、失くすのは終いだ!」
 吸血鬼に姿を変えた幸也は、本能の赴くままに血の渇望を力に変えて怨霊に薙刀を振り下ろした。咄嗟に包丁で受け太刀をしようとする怨霊だったが、そんなもので防げるほど、本気を出した幸也の一撃は甘くなかった。
「グゲェェェェェッ!!」
 腕ごと薙刀で斬り捨てられ、怨霊が薄汚い悲鳴を上げる。傷口からは血液の代わりに油が溢れ、周囲にガソリンの匂いが撒き散らされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す

■行動
ガラが悪くとも信心深いため戦う前に【祈り】を捧げる事を忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないまま行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローへ、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ

■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業、魔導書
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う

アドリブ連帯歓迎


河崎・統治(サポート)
絡み、アドリブ歓迎

戦闘前にイグニッションカードから装備を展開し装着。
味方と連携しつつ周囲を警戒、【地形の利用】をしつつ【索敵】【偵察】して進む。暗所では暗視ゴーグルを使用する。
敵と遭遇したらアサルトウェポン、アームガトリングと21式複合兵装ユニット2型の【誘導弾】と【砲撃】【レーザー射撃】による【弾幕】【制圧射撃】で攻撃しつつ接近し、白兵戦の間合いまで接近した所で水月を抜刀し【切り込み】【切断】で攻撃する。
可能なら装甲の隙間や関節を狙い【鎧無視攻撃】【鎧砕き】を仕掛ける。
敵の攻撃は【推力移動】【見切り】で回避するか【武器受け】【オーラ防御】で防御する。
使用UCは状況に合わせて変更。



●外道に慈悲無し
 身勝手な理由から外国人の住んでいる寮を焼き、多くの命を殺めた男。その怨念は、彼の死後も残留思念としてこの地に残り続け、ついには巨大なゴーストタウンとして蘇った。
 そうまでして男が外国人を恨む理由は不明だが、どのような言い分があったとしても、無差別な殺戮を許して良い道理はない。それは、男の残した思念にもまた当てはまること。理不尽な死を撒き散らすというのであれば、彼を許す理由もない。
「よう、ご同輩。ああいう外道、どう思うよ?」
「聞かれるまでもない。叩き潰すのみだ!」
 ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)の問い掛けに、河崎・統治(帰って来た能力者・f03854)は間髪入れず答えた。
 元より、この手の異業を相手にすることは、二人とも既に慣れている。加えて、ギュスターヴは悪魔や悪霊を払うエクソシスト、統治に至っては銀誓館学園の卒業生だ。
 悪辣な人外を相手に戦うことは、もはや二人にとっては日常にも等しい。そういう意味では、この狂信的なゴーストを相手にするには、正にうってつけといえる者達である。
「ぬぉぉぉぉっ! 余所者はぁぁぁぁ! 日本の土を踏むんじゃねぇぇぇぇ!!」
 男が真っ先に狙ったのは、フランス人のギュスターヴ。だが、当の本人は自分が狙われているにも関わらず、聖書を片手に祈りの言葉を述べるだけの余裕がある。
「天にいますわれらの父よ、御名があがめられますように。御国がきますように……」
 男はギュスターヴを狙って走り出し、そして自ら呼び出した車に飛び乗った。どうやら、この車も外国人相手の無差別殺人に使った凶器のようだ。まさかとは思うが、この車で寮に突撃し、果ては火を放って逃げ惑う人々を包丁で殺害したのだろうか。
 そうだとすれば、その罪はあまりにも許し難いもの。たとえそれが、具現化した残留思念による再現であったとしても。
「……あなたの罪に罰を」
 そう、ギュスターヴが告げた瞬間、天からの光が男の怨霊を車諸共に斬り裂いて行く。咄嗟に身を翻した男だったが、彼の乗っていた車は真っ二つにされ、そのまま虚空に消滅し。
「お前みたいなやつは、今までも随分と相手にしてきたさ。オブリビオンになったところで、今さら驚くものかよ」
 車から投げ出された男に向けて、統治がありったけの火器をブチ込んで行く。もっとも、そんな彼の姿はおろか、呟きさえも男の怨霊には見えないし聞こえないのだが。
「ぬぁぁぁぁっ! ど、どこにいやがるぅぅぅぅ!!」
 包丁を出鱈目に振り回し、男はそこら中に炎を撒き散らした。姿が見えないのであれば、部屋諸共に焼き殺そうというのだろう。
 だが、それらの炎を以てしても、統治にはさしたるダメージも与えられない。なぜなら、彼は炎を操るファイアフォックス。熱と光は彼の武器であり、また彼の一部でもあるのだ。
 そんな相手を燃やそうなどとは笑止千万。刀を抜いて 袈裟斬りを浴びせれば、周囲にガソリン交じりの血液が飛び散った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

酒井森・興和
さっきのリリス達…お前の勝手な思想で焼き殺された人間の成れの果てか?
差別や憎い対象が居るのは仕方ない
でも殺戮に走るのはねえ
今のお前の姿、その殺戮の報いを受け続けてるようではあるが
反省も後悔もして無さそうだ
お前を人間の街に出すわけには行かないな

敵UCガソリンが直接かかるのは【第六感】に頼っても回避したい
【結界術と火炎耐性】で肺が焼けぬよう呼気を調整、維持
脚を止めればそれだけ不利
【咄嗟の一撃を早業、怪力】で【足払い】
相手の隙を逃さず【重量攻撃と急所突き】乗せUC攻撃
腕、首、足、落とせずとも【切断】する気で向かう

いくら耐性を活用しても限度はあるな…
同じ時間焼かれるなら得手の剛力で至近から叩いてやろう



●焔の断罪
 憎しみのままに、八つ当たりにも等しい感情を吐き散らしながら、全てを焼いて殺さんとする醜悪なゴースト。そんな相手ではあるものの、酒井森・興和(朱纏・f37018)は敢えて問い掛ける。
「さっきのリリス達……お前の勝手な思想で焼き殺された人間の成れの果てか?」
 残念ながら、怨霊からの答えはなかった。だが、状況からして彼の推測は正しいのだろう。この寮を身勝手な理由で焼き、逃げ惑う外国人居住者達を殺害して回った通り魔は、死してなお怨霊としてこの土地に留まり、ゴーストタウンとして復活したことで、己の殺めた者達の思念さえも配下へと変貌させてしまったのだ。
 それだけの恨み辛みとは、いったいどのようなものなのか。そこまでは、興和も問うことはしなかった。差別的な感情は誰でも心の奥底に抱いてしまう可能性があり、憎い対象がいるのもまた仕方のないことだから。
 もっとも、それが殺戮を正当化する理由にならないのは百も承知。そして、殺戮の報いを受けるかの如く異形の化け物と成り果てても、男の思念は外国人の抹殺という、ただそれだけの感情に縛られている。
「今のお前の姿、その殺戮の報いを受け続けてるようではあるが……反省も後悔もして無さそうだ」
 こんなやつを、人間社会に出すわけにはいかない。ゴーストタウンを形成するオブリビオンゴーストは地縛霊型と決まっているが、あくまで地縛霊的な性質を持つというだけで、必ずしも土地に縛られているわけではない。
 むしろ、この男が縛られているのは、土地ではなく自らの心に抱いた負の感情。それを自ら断ち切れないというのであれば、この場で諸共に消滅させる他にない。
「ひやぁぁぁぁぁっ! 焼け死ねぇぇぇぇっ!!」
 ついに、男は興和の目の前で、見境なくガソリンを撒いて来た。直撃こそ避けたものの、ガソリンは直ぐ様に燃え上がり、今度は紅蓮の炎となって興和を襲う。常に動き回ることでガソリンや炎による攻撃こそ避けられてはいるが、このまま炎の勢いが増せば、いずれは周囲の空気から酸素を奪われ活動が困難になってしまう。
 炎に耐性を持つ特殊な結界の力を以ってしても、肺が焼かれたり呼吸困難になったりすれば、それだけで不利になることは明白だった。ならば、多少の無茶は承知の上で、ここは一気に勝負を決める他にない。
(「……イカれているだけで、動きは素人か。悪いけど、遠慮はしないよ」)
 焔の中を駆け抜けて、まずは相手の身体に三砂の石突きを突き立てる。そのまま、流れるようにして三砂の柄で足を払えば、続け様に放たれたのは力任せの急所撃ち。
「……ぐはっ! な、なんだとぉ……」
 男の首筋からガソリン交じりの血が噴水のように噴き出し、周囲の炎が更に燃え広がって行く。本来なら打突に使う武器に、首を切断できる程の力を込めたのだ。当然、そのような攻撃を食らって無事で済むはずもなく、男の怨霊は両目を見開いたまま動かなくなり、やがて周囲の炎も消えて行き。
「……どうやら、片付いたようだねぇ」
 気が付けば、興和を始めとした猟兵達は、建物と建物の間にある薄暗い路地に立っていた。どうやら、ゴーストタウンが消滅したことで、歪んだ空間も元に戻ったらしい。こんな狭い路地に、あれだけの規模の寮を再現していたのだとすれば、この地に残されていた怨嗟の念だけは凄まじいものがあったのかもしれないが。
「まあ、どちらにせよ、終わったことだからねぇ……」
 三砂を片手に、興和は夜の街へと去って行く。身勝手な理由で人々を殺めた男の怨念は、今度こそ完全に滅せられたのだ。
 男は自らの焔に焼かれ、そして地獄へ落ちて行った。全ては、大都会の裏で起きたこと。街は何も変わることなく動いていたが……その平穏を影から守っているのは、他でもない猟兵や、この世界に生きる能力者達なのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年12月21日


挿絵イラスト