帝都櫻大戰㉓〜それはそう。
●八億の(邪な)怨嗟
叫びが聴こえる。
八億の魂がロボット化した、世界――『殲機鋼鉄共栄圏』にて、世界から聴こえる絶叫が、叫びが、木霊する。
「儂の下へ集え、八億の魂たちよ。猟兵たちを蹂躙し、この世界を確固たるものとせよ」
機械兵団たちが一斉に動き始める。
カタカタと動く口の機構から、恐ろしいまでの怨嗟の声が響き渡った。
「俺が死んだ時はPCのデータ消せっていっただろおおおおおおおおおおおおおお!!! 護国鉄神零號の中にまだ残るなんて聞いてねぇぞくそがああああああああああああああああ!!!」
「お前は小さな男の子がお姉さんに迫られる構図が好き!! 俺はお姉さんが小さな男の子に迫られる構図が好き!! そこに何の違いもありゃしないだろうが!!!」
「違うのだ!!!!!」
「時代はたけのこに決まってるだろうがよおおおおおおお!!!」
「うるっせぇなきのこに決まってるだろうがよおおおおおお!!!」
「今◯焼きだよ今◯焼き!!! なんだよ大◯焼きだの回◯焼きだのふざけるなよおおおおおおおお!!!!!」
「へーふーん。でもそれってあなたの感想ですよね? その関係性、公式が勝手に言ってるだけですよね?」
あの、みなさん。ちょっと。
●割りとどうでもいい(かっこいいポーズ)
「なにこれ」
深刻顔なのはグリモア猟兵、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)である。こっちが聞きたい。
「えーと……幻朧帝イティハーサは、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』と融合することで「意志」を獲得したみたい。侵略新世界『|殲機鋼鉄共栄圏《せんきこうてつきょうえいけん》』を創造したよ」
ぱらぱらと情報の書かれた魔導書を読んでいく。
「そこには、全国民が肉体を失い|鉄人形《ロボット》と化した戦乱の世界が、幻朧帝の号令により他世界の侵略に乗り出そうとしてる……らしいよ。うん。八億の魂が、その鉄人形たちに入っているみたい」
ぺらぺらとめくっていく度に、アインの表情が曇っていく。
「滅ぼされた元凶に操られる状況、ひどい状況だよね……ってうるさい!!」
魔術によって投影された世界の向こうから、なんか色々と邪な怨嗟の声が響き渡っている。即魔術解除。
ふぅ、と額の汗を拭って。
「まあその……鉄人形の魂達が怨嗟の叫びを上げるたびに、幻朧帝はより強大な力を得ちゃうんだ。魂達の叫びは衝撃波と強い怨みの念によって聞く者の行動を封じるけど、僕たち猟兵が何らかの手段で彼らの叫びを聞き届けて、その怨嗟を少しでも和らげてあげることができれば、その分だけ叫びによる悪影響は弱まるよ」
それに、と付け加え。
「魂達が僕たちに完全に同調するまでに心を開かせることができれば、彼らの叫びは逆に僕らに力を与えてくれるようになるからね。まあでも……」
うーん、と再び唸る。
「なんか……これって同調すべきなのか迷わない? ……僕は転移に力を入れるからどうにもできないんだけどね」
よし、とばかりに転移の光発動。
「とりあえず、彼らの怨嗟の声に耳を傾けてみよう! 説得して心変わりさせたり、その叫びに深く頷いたりすれば、きっと僕たちの力になるよ……うん」
すっごい気まずい表情。
「それじゃあみんな、頑張ってね……これ現地のイティハーサ大丈夫なのかな……」
夕陽
イティハーサに尊厳を傷つけられる(邪念)
OPをご覧頂きましてありがとうございます。
ネタ依頼です。(大きなフォント)
以下、プレイングボーナスが存在します。
プレイングボーナス……理不尽な叫びを聞き、怨嗟を和らげてあげる/魂達を味方に付け、強化を受けて戦う。
そして以下、OP内にて言及のあった怨嗟の声です。
①死後にPCデータを削除できなかった。
②少年とお姉さんの関係性のお話。
③きのことたけのこの大問題。
④小麦粉からなる生地に餡を入れ、金属製焼き型で焼成した和菓子のお話。
⑤その二人の関係性、公式が勝手に言ってるだけですよね?
一応、どれか一つをプレイングはじめに番号で指定してくださればOKです。
もしくは別の怨嗟の声が聞こえたのならば、それをプレイングに記載し説得頂ければOKです。
ネタ依頼なので、キャラ崩壊などあるかもしれません。どうぞお覚悟を……。
以上、プレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『イティハーサ・零號』
|
POW : 天矢『殲機鋼鉄共栄圏』
【命令と共に飛来する殲滅機械矢(ミサイル)】に乗り、レベル×5km/hで飛翔する。飛翔突撃も可能。
SPD : 神鷹『殲機鋼鉄共栄圏』
【飛翔する神鷹の真下の大地】から【無数の生命殲滅鉄人形】を召喚する。[無数の生命殲滅鉄人形]はレベル×5km/hで飛翔し敵を攻撃する。使用者はこれに騎乗可能。
WIZ : 骸眼『殲機鋼鉄共栄圏』
【骸眼の蠢き】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【足止め用の対猟兵鉄人形軍団】で囲まれた内部に【『殲機鋼鉄共栄圏』の爆弾の雨】を落とし、極大ダメージを与える。
イラスト:炭水化物
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ブリュンヒルデ・ブラウアメル
①
ふざけているかもしれないが……しかし、個人の想いの重さは、その個人にとっては世界と等価値であって然るべきだ
なぁ、そういう作品であるのは分かっているが――然しだ
その作品を見て思った喜びは、後世の者も等しく価値を見出すなら残るべきだ
あの幻朧帝イティハーサは貴殿がその作品を見て抱いた感情などを、無に帰すのだ
いわば――押しの抹殺所か『抹消』だ
許せぬだろう――我に力を貸せ!
その終焉に終焉を下してやろう!
……保存はするが、誰にも閲覧されない場所にあるサーバーにデータを保管する、でどうだ?
そんな風に告げながらUCを発動
戦場内の全ての存在が辿り得る『終焉』を変更し、ミサイルを撃墜して反撃するぞ
木元・明莉
そりゃまぁ八億もいりゃ色んな奴がいるだろうよ
何故かな?最近しりあす続いてたからかな?性癖溢れるトンチキな声達が森林を流れる川の清水が如く心に染み渡る
聞いてやろう、お前達の想い
そして語り合おう
因みに俺はうさ耳メイド服が見るのも着るのも大好きだ…!
バニー系の性癖持ちならドンと来い
バニーガール服のクールな網タイと丸っとしたウサ耳のアンバランスさも最高だ
メイド服の膝上13cmなスカート、動く度に揺れるフリルとうさ耳
そしてちょこんと付いた丸い尻尾
うさ耳は至高…わかりみがすごい
うさみみメイドさん召・喚
さ、皆でメイドさん達と歌い踊ろう
そして囲むは俺でなく幻朧帝
メイドさんに急所を聞けば大刀「激震」で叩き潰す
アリス・セカンドカラー
②
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ふ、ナニを言い出すかと思えば、そこは|おにしょたでしょうがぁ!!!!《多重詠唱欲望解放精神汚染》といきなり頭セカンドカラーな主張。イティハーサは頭セカンドカラーになる。
両方女装してればなおヨシ。説得?そんなの必要ないわ、私の主張は精神を汚染し頭セカンドカラーに染めてイくから❤8億総頭セカンドカラー……コレはひどい。
鈴蘭っていいわよね、とか言いながらイティハーサを|男の娘化してえっちなのうみそおいしいです❤《化術×肉体変異、大食い×魔喰×料理×エネルギー充填》
朱鷺透・小枝子
④【呪詛】で以て彼の怨嗟に呼応します。
今◯焼き大◯焼き回◯焼き御◯候二◯焼きベイクドなんとか!!
確かに呼び名が多い!!何故こんなにも多いのか!!
一つに絞ればいいものを!皆自分の呼び方を押し進めるのか!混乱するのですよ!こんな事があって良いものか!それもこれも全部この世界を作ったとかいう奴がいけないのです!責任を取らせましょう!あいつが悪い!!だから!!壊れろぉおおおおお!!!!!
彼の怨嗟に同調しつつ幻朧帝に責任転嫁し『豪風無常贋』発動!
己と彼の怨念を騎兵刀に込め超暴風雨で【吹き飛ばし投擲】
【貫通攻撃】怨念込めた騎兵刀で鉄神装甲を貫通し、
破壊の呪詛とこの呼び名なんとかしろの苦情を叩きつける!!!
ツォーナ・ロチェアーダ
…ある意味、この叫びは皆さんが平和な暮らしを送っていた証拠なのかもしれません。
許せないのはそんな皆さんまで戦場に駆り出した事!
皆さん、よく聞いてください!
データを消し忘れた事、お姉さんと少年の関係やキノコタケノコにお菓子の名前に関して相容れず争いが起こる事、そして公式が勝手に言い出す事…その全ての原因は、そこにいる幻朧帝が原因です!
一度起こってしまった事なので、幻朧帝を倒せばすべて解決…とはまでは言いませんが、少なくともぶん殴ればストレス発散にはなります!
さぁ、皆さんの怒りを預けてください!
皆さんの怒りを込めた一撃を、ボクが幻朧帝に叩き込みます!
…うん、こういうのは勢いでごまかしましょう!
フィルバー・セラ
【アドリブ連携歓迎】④
ええ……(ええ……)
いやまあ、各々の趣味は否定しねえ。しねえけどよ。
……こんなんが八億もいてたまるかッ!!!!
えー、で?今●焼きだったか?随分いい呼称じゃねえか。
俺が聞いたのなんざベイクドモチョチョだぞ?ベイクドはわかるけどモチョチョってなんだよモチョチョって……
おいちょっと邪魔すんな!!(【呪殺弾/誘導弾】で雑に【砲撃】して会話を続行)
まあとりあえず【指定UC】で焼く為の機械を出して【料理】してやるか。
いや冷凍だけどよ、流石に一からは作れねえから……
魂になってから食事なんぞ縁がなかっただろ。俺に憑依したら味わえると思うぜ?
(食事で釣って味方につけようとする試み)
ディル・ウェッジウイッター
④
思入れのあるお菓子に違う名称で呼ばれると少し遠くなってしまった気がしますよね
ですが名前が変わっても、あなたが愛したお菓子と思い出は変わりません。
名前による争いよりもこの美味しさで話題にした方がこのお菓子も嬉しいと思いませんか?
そしてこのお菓子は紅茶もあいますのでこちらもぜひ(ごり押し)
殲滅鉄人形の皆様にはゴーストの皆さんのご協力と魂の皆さんのお力を借りてお帰り願いましょう
あの機械人形さん方、このお菓子をベイクドモチョチョとか言ってましたよ(大嘘)
これを機に徹底的にご談義してみたらいかがでしょうか?
(皆が談義してる後ろで優雅にお茶をすする)
やはり紅茶…紅茶は全ての争いを解決しますね…!
ウィズ・ザー
複数番号思い付いてしまったので①②③辺りでSPDアドリブ○
シリアスになり切れねェ…いや当人にとっては大事な事なんだと思うぜ?怨嗟の声聴きながらうんうんと頷く。
お宝画像フェチ全開データフォルダとか、忘れ去っていた癖全開の荷物類とか…知らない間にメ○カリで売られてたり御近所さんに大公開とかすンだろ?
おねショタとショタおねは全く違う…あぁ、全く違うな……なんの話だよ。ちな、アインはどっち派なんだ?年上のお姉さんに迫られたい感じ?
まー、でも、許せねェよなァ。解るぜ。
そんな感じで共感し怨嗟を味方に。戦闘では敵の『魂を捕らえる機構』を呑み込み奪う事を念頭に
序でに魂達を解放できればベストだな。
バルタン・ノーヴェ
マーベラス! 暴走とはランナウェイ!
発狂する八億の魂よ! ワタシは帰ってきた!
御存じデスカ? カオスなる混沌を!
怨嗟の神様! サタデーナイトに会いマショー!
幻朧帝イティハーサ! シリアスは死にマス。
ハロー、②③④⑤の魂ズ!
わかりマース、その御気持ち、よーくわかりマース。
うるせぇ! やっぱこれだね、カップヌードル(小柄な兄)×チーズ(大柄な妹)のカップリングを喰らって満足しなサーイ!
そしてアタックは!
このシナリオのためにユーベルコードを作って間に合ったので披露しマース!
厳密には他のシナリオでの所業をUC化したのは、クラスの皆には内緒ダヨ!
詠唱文で描写を説明するテクニック!
超級バルタン荷電粒子弾!
「「シリアスになり切れねェ…いや当人にとっては大事な事なんだと思うぜ? お、この紅茶美味いなァ」」
「確かに、ふざけているかもしれないが……個人の想いの重さは、その個人にとっては世界と等価値であって然るべきだ。む、これは申し訳ない」
「いやまあ、各々の趣味は否定しねえ。しねえけどよ。……こんなんが八億もいてたまるかッ!!!! ……よし、焼けたぞ。ほら」
「そりゃまぁ八億もいりゃ色んな奴がいるだろうよ。こういう願いってのは千差万別でこそ価値があるってもんさ。お、冷凍でも結構いけるもんだよな」
「…ある意味、この叫びは皆さんが平和な暮らしを送っていた証拠なのかもしれません。許せないのはそんな皆さんまで戦場に駆り出した事! あ、お菓子私にも頂けますか?」
「マーベラス! 暴走とはランナウェイ! オーウ、私のはカスタードデスネ!」
「色々と言っているみたいだけど、やっぱりここはわたしが|力《セカンドカラー》に染めないといけなさそうね。うん、紅茶と合うわね、やっぱり」
「お菓子の呼び名はやはり問題になりやすいのでしょう。あ、ディル殿、ありがとうであります」
「いえいえ、思い入れのあるお菓子に違う名称で呼ばれると少し遠くなってしまった気がしますよね。はい、おかわりをどうぞ」
現猟兵9名。
現在、新世界『殲機鋼鉄共栄圏』。
周囲には、大地を埋め尽くす鉄人形。包囲網完成。
そしてぽっかりと空いた穴、その包囲網の中心で、ディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)が用意したティーテーブルにて優雅にお紅茶を堪能中である。
何度でも言おう。なにこれ。
「この状況下で……よもや……。儂の力をみくびっているようだな」
そりゃイティハーサも怒る。でも周囲の怨嗟の声がキワモノ揃いでそれどころではない。
そこで、大声を上げたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だった。
「発狂する八億の魂よ! ワタシは帰ってきた! 御存じデスカ? カオスなる混沌を! 怨嗟の神様! サタデーナイトに会いマショー!」
ぴた、と動きを止めた後、ビシィ!とばかりに人差し指をイティハーサに突きつける。
「幻朧帝イティハーサ!」
「……」
「シリアスは死にマス」
色々な意味で死刑宣告。
◆
「聞いてやろう、お前達の想い。そして語り合おう。因みに俺はうさ耳メイド服が見るのも着るのも大好きだ…!」
木元・明莉(蒼蓮華・f43993の言葉に、)ざわ、と八億の魂たちがざわつく。
「バニー系の性癖持ちならドンと来い。バニーガール服のクールな網タイと丸っとしたウサ耳のアンバランスさも最高だ。メイド服の膝上13cmなスカート、動く度に揺れるフリルとうさ耳。そしてちょこんと付いた丸い尻尾」
『アァ……ウサミミ ハ……イイゾ……』
「うさ耳は至高…わかりみがすごい」
八億の魂、うんうんと頷く気配。鉄人形たちの動きが明らかに鈍くなっている。
「ってなわけで、ご奉仕だうさみみメイドさん」
ユーベルコードによって現れたのは、【ちびっこうさみみメイドさん】たちだ。
戦闘力のないちびっこメイドたちだが……。
「さ、皆でメイドさん達と歌い踊ろう」
わいわい、と紅茶と焼き菓子(仮称)を手に幻朧帝へと殺到。突然の逆包囲網にイティハーサが狼狽えている! 今なら説得し放題である!
『ああ……俺のPCデータ……PCデータ……』
「なぁ、そういう作品であるのは分かっているが――然しだ。その作品を見て思った喜びは、後世の者も等しく価値を見出すなら残るべきだ」
「お宝画像フェチ全開データフォルダとか、忘れ去っていた癖全開の荷物類とか…知らない間にメ○カリで売られてたり御近所さんに大公開とかすンだろ? まあ、ドンマイってもんだよなァ」
そこへすかさずフォローを返すブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首『剣帝』・f38903)とウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)。
前時代のデータの価値は異常。
「あの幻朧帝イティハーサは貴殿がその作品を見て抱いた感情などを、無に帰すのだ。いわば――押しの抹殺所か『抹消』だ」
『な、なにィ……! そ、そんな……!』
「許せぬだろう――我に力を貸せ! その終焉に終焉を下してやろう!」
◆
『お前が俺と一緒な性癖わけないだろうが!!!!』
『同じだろうが同志だろうが!!!』
「ふ、ナニを言い出すかと思えば、そこはおにしょたでしょうがぁ!!!!」
激震、走る。
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)の怒号に、鉄人形たちがぷるぷると震えだした。
「両方女装してればなおヨシ」
『おにしょた……そういうのもあるのか』
『私たちはまだ可能性を模索しきれていないのよきっと……』
「わかりマース、その御気持ち、よーくわかりマース。うるせぇ! やっぱこれだね、カップヌードル(小柄な兄)×チーズ(大柄な妹)のカップリングを喰らって満足しなサーイ!」
バルタン、やべーやつを投下。
核爆弾よりもとてつもない弾頭である。
『すべてを包んでくれるのね……ああ、××××××××××××××××××××××(自主規制)』
アリスのユーベルコード【ヒュプノシスセカンドカラー】によって頭セカンドカラー化した鉄人形たち。
「8億総頭セカンドカラー……コレはひどい」
遠くでちろちろと紅茶を嗜んでいたウィズが呟く。
「おねショタとショタおねは全く違う…あぁ、全く違うな……なんの話だよ。ちな、アインはどっち派なんだ? 年上のお姉さんに迫られたい感じ?」
別方向からとてつもないナイフが飛んできたグリモア猟兵に合掌である。
……グリモアベースからの応答はなさそうだ。
◆
「えー、で? 今●焼きだったか? 随分いい呼称じゃねえか。俺が聞いてたのなんざベイクドモチョチョだぞ?ベイクドはわかるけどモチョチョってなんだよモチョチョって……」
「そうですね。ですが名前が変わっても、あなたが愛したお菓子と思い出は変わりません。名前による争いよりもこの美味しさで話題にした方がこのお菓子も嬉しいと思いませんか?」
『そうだ……お菓子の美味しさに貴賎なし……その通りだな……』
「なんなら俺の体使っても良いぞ?」
さっきからユーベルコード【|錬金術士の郷愁《アルケミア・ノスタルジア》】で生み出した料理道具を使って焼き菓子(戦争回避用語)をひたすら作っているフィルバーがそう応える。
『いや……良いのだ……お菓子に貴賎なし……それが分かっただけでも……』
「そしてこのお菓子は紅茶もあいますのでこちらもぜひ」
『いや、一度その肉体借りる』
手のひらくるっくる。
ディルのユーベルコード、【ゴースト・ティーパーティー】によって召喚された友好的なゴーストたちが給仕を開始する。
ディスが優雅に紅茶を一口啜った。
「ですが、あの機械人形さん方、このお菓子をベイクドモチョチョとか言ってましたよ。これを機に徹底的にご談義してみたらいかがでしょうか?」
なに、と鉄人形たちの首がぎぎぎと唸る。
それを見ながらティーテーブルに並んだお菓子と紅茶を嗜む猟兵。
この空間は一体。
「でも、分かるでありますよ。今◯焼き大◯焼き回◯焼き御◯候二◯焼きベイクドなんとか!! 確かに呼び名が多い!! 何故こんなにも多いのか!!」
『そうなんだよ!!! 多すぎるんだよ許せねぇよ!!!』
「一つに絞ればいいものを! 皆自分の呼び方を押し進めるのか! 混乱するのですよ! こんな事があって良いものか!」
そうだ、その通りだ、とばかりに周囲に集まっていた鉄人形たちが片腕を上げて大声を上げている!!
「それもこれも全部この世界を作ったとかいう奴がいけないのです! 責任を取らせましょう! あいつが悪い!!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!』
鬨の声。
◆
そして、極めつけ。
「皆さん、よく聞いてください!」
ヒートアップしていく鉄人形たちを纏めるように、ツォーナ・ロチェアーダ(世界を渡る大海の剣・f01913)が世界に響き渡るかと思えるぐらいの大声で告げる。
「データを消し忘れた事、お姉さんと少年の関係やキノコタケノコにお菓子の名前に関して相容れず争いが起こる事、そして公式が勝手に言い出す事…その全ての原因は、そこにいる幻朧帝が原因です!」
『『『な、なんだってーーーーーーーーーー!!!!???』』』
「一度起こってしまった事なので、幻朧帝を倒せばすべて解決…とはまでは言いませんが、少なくともぶん殴ればストレス発散にはなります。さぁ、皆さんの怒りを預けてください!」
『やはり……幻朧帝の仕業だったのか……』
『俺のゲームデータが突然消えたのも……』
『私がタンスの角に小指をぶつけたのも……』
『ハンバーガーを注文したらパティが入ってなかったのも……』
『『『全部幻朧帝の仕業だったのか!!!!!!』』』
「皆さんの怒りを込めた一撃を、ボクが幻朧帝に叩き込みます!」
『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』』』
周囲の怨嗟の声が明らかに変質したのを、ツォーナは感じていた。
「…うん、こういうのは勢いでごまかすのが一番ですね!」
もうめちゃくちゃ。
◆
「くっ……この小動物が……!」
「鈴蘭っていいわよね。やっぱりちょっと強気な感じの性格とかにする?」
「――!!? な、なんだと……!?」
アリスが幻朧帝から、そのエネルギーを吸収する。いつの間にかアリスの力でめちゃくちゃ|若返ってる《男の娘化》イティハーサに関してはもう何もツッコまないこととする。
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「おっとぉ、そんじゃ俺も失礼するぜ」
ウィズの影がぐん、と伸縮する。【闇顎】が幻朧帝に纏わりつけば、アリスと同様にその生命力である魔力を奪っていく――!
「てめぇの暴虐、許すわけにはいかねぇんだよ!」
口に焼き菓子(戦争回避用語)のカスを付けたフィルバーが、猟兵たちの間隙を縫う呪殺弾を撃ち放つ。
銃撃を受けたイティハーサがぐらり、と揺らいだ。
「……保存はするが、誰にも閲覧されない場所にあるサーバーにデータを保管する、でどうだ?」
『交渉成立』
「よし、全弾発射!」
【|蒼翼の終焉破壊・戦の世界そのものを変える我が翼《ラウアフリューゲル・チェンジザワールド》】。
『終焉』を変更し、数多のミサイルでイティハーサを蹂躙するブリュンヒルデの怒濤の攻撃の後、猟兵たちが諸悪の根源へと肉薄する!
「メイドさんに感謝、だな! 潰れろッ!」
明莉の大刀『激震』が、イティハーサの頭上より叩きつけられた。
恐ろしいまでの砂塵が舞い散り、イティハーサの肩口が文字通り砕かれ裂けた――!。
「壊れろぉおおおおお!!!!!」
「ブースト展開ッ!飛んでけええええええッ!」
小枝子が暴風雨を纏い、ツォーナがその暴風雨を力として互いに折り重なるように突撃した。
あらゆる障害を貫通し、【|豪風無常贋《ウィンドペネトレイター》】と【ブーステッドアーム】のアームの一撃が、イティハーサの精神を貫き、その体をはるか遠方へと吹き飛ばした。
「ぐ、ぬ……! この儂を、ここまで……!」
「これで終わりデース! 【|超級バルタン荷電粒子弾《センシティブ・スワスティカ・アサルト》】!」
それは、捨て身のユーベルコードである。
いやもう、本当に捨て身としか言いようがユーベルコードであった。
全身を妙なオーラで覆ったバルタンが体当たり。世界の彼方へと吹き飛んでいくような勢いで吹き飛ぶイティハーサに追従する、とんでもない体当たりである。
激烈な閃光と雷の残滓を引きながら、大気に霞むように、イティハーサは骸の海へと消え失せていった。
周囲は、鉄人形たちの魂の狂喜の叫び声。
そして、はるか空の彼方へと消えていったイティハーサ……とバルタンの姿を遠い目で見つめる猟兵たち。
全員が、空へ向けて敬礼。猟兵は死んでない。
「やはり紅茶…紅茶は全ての争いを解決しますね…!」
約一名、ティーテーブルで紅茶を嗜む猟兵。
大成功
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