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帝都櫻大戰⑪〜5th、6th、そして7thッス！

作者：黒代朝希

　――それは、世界そのものと言える拳であった。
　エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』は八億の魂を搭載した鉄神――その強化率は『世界そのもの』にほかならない。
　普通の生命体ならそれをもろに食らえば即死するであろう……
「馬鹿な……我の拳の直撃を受けて、無傷だと……！？」
「すごくいた〜い。でも勇者なのでほれこのように元気です（ぶんぶん）」
　しかし、相手が防御力に特化した5th KING『勇者リリリリ』なら話が別だ。
　世界最強の種族、デビルキングワールドの悪魔の最高位指導者であるデビルキングの五代目……ユーベルコードは「盾のオーラを任意の仲間に付与する」ものを操る他、そもそも本人も異常なほどタフな魔界の勇者だ。
「そうか、周囲の賞賛……『ビームスプリッター』と同等の……！」
「先代です……そして、現在は七代目『六番目の猟兵』が就任しています（ぶんぶん）」
　しかし、流石に攻撃力に関しては『世界そのもの』を傷付ける事は難しい様だ。
「でも剣は刺さりそうにないな〜。盾パワーをレンタルするから、だれかかわりに攻撃して〜？」
　ならば、剣を担うのだ――7th KING『六番目の猟兵』よ。

「という事で、次はデビルキングワールドにてエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』との戦いになります」
　そう言って灼滅者のグリモア猟兵、七草・聖理（光の弓矢は闇無き世界で始まる・f43834）は六番目の猟兵達に次の戦場を示す。
「今回の同行者は『5th KING勇者リリリリ』です。彼女の防御力とタフさは世界屈指のもの」
　故に『世界そのもの』と言えるエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』の攻撃を防ぎ切れるのだ。
「なので今回は、ここはいっそ彼女に防御を任せる事で、私達六番目の猟兵は全力で攻撃に集中しましょう！」
　攻撃を防ぐ役に専念し、共に命の危機が無いというなら言わずもがな。
　六番目の猟兵よ、この機会を逃さずにエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』に痛打を与えるのだ――

第1章 ボス戦 『護国鉄神零號』

POW   :    零式噴進飛翔拳 かつて喰らった「【鋼鉄共栄圏の人々】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【ロケットパンチ】を装備する。 SPD   :    八岐大蛇機関砲 【自在に射角調整が可能な蛇型四連機関砲】を最大レベル秒間連射し続け、攻撃範囲にダメージと制圧効果（脱出・侵入を困難にする）を与える。 WIZ   :    護国熱血破壊砲 装備武器から【護国英霊波導砲】を発射する。自身の【放熱装置】削減量に応じ、威力・速度・発射数が増加する。 イラスト：柿坂八鹿 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「八億人の魂を結集した鋼鉄の神、ですか……相手に取って不足なし――ですね」
　火土金水・明（夜闇のウィザード・f01561）は漆黒のローブを靡かせてエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』との対決に挑む。
　今回、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』からの攻撃は5th KING『勇者リリリリ』が全部盾のユーベルコードを用いて防いでくれる――ならば『それはまるでチートのような、とんでもない才能』によって選ばれるユーベルコードも限定されていく、というものだ。
「――『オブリビオン・バスター』、私の前に立ちはだかる敵に一撃を！」
　魔法の箒に騎乗し、『銀の剣』で攻撃する時において自身より『体高』が大きい、高い敵への射程とダメージが増大するという特性を持つユーベルコードが発現。
　その間にもエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』は明を狙ってユーベルコード『護国熱血破壊砲』による『護国英霊波導砲』を用いた一斉掃射を開始するが――
「おお、今のは今までより少し痛かったかも～」
「信じられん……我の『護国熱血破壊砲』を喰らって軽く火傷する程度とは……」
　しかし勇者リリリリの防御により、波動砲は明には届かず……そして、勇者リリリリはすぐさま悪魔としての特性を以て火傷を回復させていく。
「その回復速度、そのタフネス……正しく我らエンシェント・レヰスに匹敵し得る……これで『六番目の猟兵』ではないだと？」
「成ってみたかったけどね～。でもこうして戦えています（ぶんぶん）」
　剣を振りながら、あらゆる『護国熱血破壊砲』の砲撃を防ぎ切っていく勇者リリリリ……
　――既に、稼いだ時間で明は『オブリビオン・バスター』を駆動させている。
「その巨体、正しく相性は良いでしょう――！」
　銀閃――振るわれた『銀の剣』は、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』の魂に痛打を与える事に成功。
「届かせたのか……『世界そのもの』と言ってもいい我に……」
　驚愕する『護国鉄神零號』、然し明はすぐさま離脱を開始する。
「私が成すのは、後に続く六番目の猟兵の支援を行う事」
　その言葉が紡がれると同時、グリモアの転移で明は戦場から退去していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「あら、リリリリさん、お久し振りですわね！　｜運動会《バトル・オブ・オリンピア》ぶりですがお元気そうで何よりです」
「久しぶり～。7th KINGが出張るとはね～」
　5th KING『勇者リリリリ』は自身の二代先の後任……7th KINGの称号を持つアルテミシア・アガメムノン（黄金の女帝・f31382）――本来7th KINGの称号は『六番目の猟兵全員』が持つ者であるが、その中でも代表者として名高いのがアルテミシアだ。
　ともあれ勇者リリリリとアルテミシア……二人のデビルキングは5th KINGが『盾』を担い、7th KING代表が『剣』を担う。
「今回は共闘ですわね。守りは全面的にお任せいたします！」
「任せて～。でも一応剣は振ります（ぶんぶん）」
　炸裂するエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』のユーベルコード『護国熱血破壊砲』を見事に防ぎ切る勇者リリリリ。
　やがて『護国熱血破壊砲』が一旦停止すると同時、アルテミシアはユーベルコード『焔神の乱舞』を発動。
「無数に出現した究極の炎を一つに束ね……超窮極の大焔撃で『護国鉄神零號』さんをこんがりと焼いてあげましょう！」
「おお、凄い火力」
　アルテミシアが具現化した焔の特性は『触れた存在を任意で消滅させる複数の大焔球』……魔力を常に供給させ続けないと暴走の危険性が生じるが、魔王にして魔女であるアルテミシアなら短時間なら魔力切れになる事はない。
「それにしても……正義の味方である『護国鉄神零號』さんに世界の破壊を強いるとは、幻朧帝さんは『諸悪の根源』と言われるだけあって性格悪いですわねえ」
「……正義の味方、と言ってくれるのか……イティハーサに支配されたこの我を……」
「コンセプトは、紛れもなく正義の味方でしょう？　なら間違いなくそうですわ」
　断言する姿は、紛れもなく『ワルの頂点』に立つ者の其れであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「リリリリさんが守ってくれると言うのなら、言葉に甘えましょう！」
　ツォーナ・ロチェアーダ（世界を渡る大海の剣・f01913）は迫り来る『護国熱血破壊砲』の砲撃にひるまず、勇者リリリリを信じて突撃を敢行。
　ツォーナは『ロチェアーダ』……大海の様に青く澄んだ刀身が特徴の片刃の大剣、自覚無きツォーナの本体に『螺旋の魔力』を纏わせながらその後ろに隠れて陣形を整えていく。
　ユーベルコード『｜剣風・竜巻《ヴェントディスパーダ・トルナード》』の起動準備だ。
「零距離まで詰めたらリリリリさんの後ろから飛び出します……合わせて下さいね」
「了解～」
　爆音が鳴り響く中、クールビューティーな見た目に反して緩い口調で勇者リリリリはツォーナの案へと返答。
　盾のオーラをツォーナに与え、後ろから飛び出す際に耐えきる戦術が今……試される。
「――ボクが託され、受け継いだとっておきの剣技です！……行きますよ！」
　螺旋状の魔力を纏わせた『ロチェアーダ』から『爆音を伴う竜巻状の衝撃波』を放射し、爆音や吹き飛しなどを放って攪乱していくツォーナ。
　しかし相手もエンシェント・レヰス――飛び出したツォーナへとすぐさま標準を合わせて集中砲火を仕掛ける。
「来ると思っていました（ぶんぶん）」
　だが、ツォーナの進行ルートを阻害せず……それでいて『護国熱血破壊砲』の射線上を遮る座標に勇者リリリリは位置取る事で防御を再開。
「零距離から竜巻状の魔力を放って……攻撃です！」
「むぅ……！」
　やがて鋼鉄の機体に『ロチェアーダ』を突き刺し、内部から螺旋のエネルギーを注ぎ込んで破壊していくツォーナ。
　その痛打によって、鉄神としての稼働率が低下しつつあることをツォーナと勇者リリリリは見逃さなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「望まぬ破壊を強いられる『護国鉄神零號』さん……リリリリさんと共に、止めて差し上げなきゃ……」
　アリス・フェアリィハート（不思議の国の天司神姫アリス・f01939）はオラトリオの翼を広げて勇者リリリリの隣へと降り立つ。
「リリリリさん、お久しぶりです……どうか、よろしくお願いいたしますね……☆」
「お久しぶり～（ぶんぶん）」
　勇者リリリリの方もユーベルコード『八岐大蛇機関砲』……自在に射角調整が可能な蛇型四連機関砲を数分間掃射し続ける攻撃を盾のユーベルコードで受け止めていく。
　アリスの方もプリンセスキャバリアドレス【ゲルセミ】を装着し、キャバリア【フノス】の力をトレースしていく。
「――是は……不思議の国の不思議な戦い――受けて下さい、ヴォーパルの剣閃……！」
　強大な光焔の奔流と共にあらゆる全てを斬裂く斬撃を放つユーベルコード『アリスセイバー・ヴォーパルソード』を放ち、ヴォーパルソードから『神殺しの光焔の奔流と共にあらゆる全てを斬裂く斬撃』が『護国鉄神零號』へと叩き込まれる。
「何という……我も鉄神……神殺しの権能は有効であるか」
「貴方に……八億人の魂さんに……人殺しは、させません……！」
　勇者リリリリの盾のオーラを貰い受け、アリスは再び森羅万象など全てを断つヴォーパルソードを振るっていく。
　エンシェント・レヰスの方も『世界そのもの』と言える質量を叩き込む拳等を活用し、アリスと勇者リリリリと渡り合っていく。
「全身全霊で……貴方を……止めます！」
「――なら、全霊で行かせてもらう！」
　再び『八岐大蛇機関砲』を起動させ、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』は二人の守護者へと挑むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ふむ、鉄壁の多重詠唱結界術をリリリリさんに施して守りをより完璧にした上で……『｜混沌の触媒《ケイオスマジック》』」
　幼年期の夢に見た魅惑尽きせぬ領域の神性に覚醒し、時空間を超越する窮極的かつ永遠の“少女”へと変身していくアリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の｜混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202）。
「私は遍在する……故に８億の魂達すべてと同時に」
　故にシャーマンとしての感応能力を用いて『なかよし』になる事も可能。
　その上で、アリスは卓越した技量と能力を持つサイキックヴァンパイア……ソウルスティールの権能を持つ。
「死体の一時蘇生で、短くとも新たな生を与えることもできるわね――さて、八億の魂を失ったら相当にパワーダウンするでしょう」
「一時的に、オブリビオン化した我の機体から八億の魂を取り出してオブリビオン化の歪曲汚染を防ぐか……感謝する」
　アリスへとその様な謝礼の言葉を告げたエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』はしかし、容赦はしない。
　ユーベルコード『零式噴進飛翔拳』で八億の魂が込められたロケットパンチを射出し、其れが勇者リリリリの手によって受け止められる。
「後は……エナジードレインで料理するだけね？」
　舌なめずりをしながら、アリスはサイキックヴァンパイアとしての力を最大稼働させるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「リリリリ殿！――突っ込みますので盾を頂けますか！！」
「いいよ～」
　朱鷺透・小枝子（｜亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924）は勇者リリリリの盾のオーラに自分のサイキックシールドも束ねて纏い、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』のユーベルコード『八岐大蛇機関砲』を受け止めていく。
「感謝します！！！」
「8億の魂、そしてアンタの誇り！――8億1個を救うのがヒーローだ！　任せてくれ鉄神！……ブレイザインはここにいる！」
　そこに空桐・清導（ブレイザイン・f28542）が登場。
　雄々しく名乗りを上げてドンと立ちながら、勇者リリリリの盾のオーラを借り受ける。
「勇者リリリリ！　これからオレは全力で攻撃する！　防御任せた！」
「はいは～い」
「人に守られるのはあまり好きではありませんが、まあ適材適所と参りましょう――攻撃なら喜んで承ります……ええ、いかなるものも撃ち砕くこの私の鎖をもってね」
　最後に登場したのは、黒城・魅夜（悪夢の滴・f03522）。
　勇者リリリリの防御によって、彼女はユーベルコードを練り上げていく――
「腐り落ちよ罪咎と共に、溶けて崩れよ呪いの夢に」
　結界術とオーラを展開し包み込むように――機関砲、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』の兵装を、だ。
「それほどの超高威力の速射連撃、あっという間にバレルは過熱するでしょう……」
「成程、司馬炎の戦場の情報を参考にしたのか」
「ええ、その砲身を結界で包み込み過熱を増幅させれば……いかなる高威力の機関砲でも灼け付いて自壊は免れませんね」
「やるね～」
「へっ！　そっちこそ！　流石は勇者の盾だ！　なんともないな！――もうちょいだ。頑張ってくれよ！」
　魅夜の戦術に感心した清導は、ロケットパンチを受け止める勇者リリリリに感謝を告げながらユーベルコード『｜決着変身！《ファイナル・ブレイザイン》』を発動。
　それは自身の潜在能力を覚醒させて変身し、胸部から極大威力の『特大二連火焔砲』と超極大威力の『超特大光焔砲』を放つ砲撃系ユーベルコード。
「ファイナル・ブレイジングドライブ！！　この力、使いこなしてみせるぜ！！！……コレこそが！！――ファイナル・ブレイザインだ！！」
「――ウウウウウウウウウウァァァァァァアァアアアアアアアア！！！！！！」
　続いて絶叫しながら小枝子がユーベルコード『｜浸食崩壊波《コラプス・オーラ》』を発動。
　高速移動能力を獲得し、更に機を見て己から『全てを壊す浸食崩壊波』を放射していく。
　更に言えば、放射された『全てを壊す浸食崩壊波』は戦場に2時間半以上も残留するのだ。
「危ないから、気を付けるのであります！」
　残った理性で二人に告げ、そこからバーサーク状態で蛇型四連機関砲の弾幕をオーラで弾きながら、『護国鉄神零號』にとりつき２本の騎兵刀を装甲へ突きつけていく小枝子。
　八億の魂の結実……其れが解かれようとしている現在だからこそ、その強度はより増しているが……
「分かっているだろ『護国鉄神零號』――お前と同じ様に、俺達も一人ではないんだ」
「まぁ、貴方は『単騎』であるのは間違いないですけどね……『｜劫夢は歌う、鏖の詩を。鏈は奏でる、呪いの唄を。《チェイン・オブ・レイン・ザ・サイン・オブ・シン》』」
　そこに清導と魅夜が加勢。
　念動力で取り憑いた小枝子の攻撃を届かせるべく、清導は極大威力の『特大二連火焔砲』と超極大威力の『超特大光焔砲』を放射。
　魅夜は始まりの猟兵の武器『劫夢呪鏖鏈』……対象を悪夢によって封じ魂から食い破る吸血グローブを用い、防御を無視して肉体と魂を内側から腐らせる呪詛を注ぎ込んでいく。
「我が技の前にはいかに防御が固かろうが意味はありません……八億の魂？　それは美味しそうですこと――そう、我が劫夢呪鏖鏈はその魂すべてを内側から腐らせるのですから」
「何という呪詛の練り上げ方……！」
「おっそろしいな……だが、ヤバイユーベルコードは俺の『｜決着変身！《ファイナル・ブレイザイン》』も同じだぜ！」
　瞬間、エンシェント・レヰス『護国鉄神零號』の動きが封じられていく。
　これが清導が使用したユーベルコードのもう一つの効果……『自身を超極大強化した上で、戦場全体の敵は拘束状態にする』というものだ。
「準備完了だ。避けてくれリリリリ。この一撃はアンタでも受けきれない」
「――ウウウウウウウウウウァァァァァァアァアアアアアアアア！！！！！！」
「私は、このまま呪詛を流し込み続けますね」
「はいは～い。それじゃあ、解除～」
　勇者リリリリは盾のユーベルコードを解除……それと同時、最後のエンシェント・レヰス『護国鉄神零號』による猛攻が仕掛けられていく。
「――天地開闢の光、受けてみろ！　超必殺！　ビッグバン・ブレイザー！！」
　だが、その猛攻を世界すら容易く浄滅させる光焔砲が溶かしていき……
「あのモノの、鉄の器を解体し壊してその身に宿る魂を開放させる！！」
「呪詛は、貸しますね」
　小枝子が魅夜の呪詛を借り受けて『全てを壊す浸食崩壊波』を鉄神の機体に叩き込んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年09月13日