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帝都櫻大戰⑯〜神王の|過《あやま》ち

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第二戦線 #神王サンサーラ #碎輝

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●広大無辺は災禍と堕ちて
「御機嫌よう、とんでもない事になったね第二戦線! ともあれ集まってくれた皆に此度も感謝を」
 グリモアベースにある作戦会議室、招集に応じた猟兵たちをカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)は一礼で出迎えた。
 カタストロフをもたらさんとする幻朧帝イティハーサ復活の迫る帝都櫻大戰。
 彼の帝を封じるサクラミラージュに始まったこの戦争は、今や無数の異世界にまで波紋を広げている。

「今回の戦場はサイバーザナドゥ、サイバースペース内部。『神王サンサーラ』の撃退戦になるよ」

 サンサーラはかつて帝を封じたエンシェント・レヰスの一角。
 だが彼はその強大さ故に、「完全に無傷の状態」でない限りこの世界への顕現を維持することができないらしい。
 予知によればこの戦いでの撃破は不可能だが、一撃でも有効打を叩き込めばサンサーラを撤退させる事が出来る。
 一撃。
 「骸の海を無限に広げる」という規格外かつ制御不能のユーベルコードを持つ彼には、ただ一撃を届かせる事さえ困難を極める。

「けれど、この戦いには頼れる|ゲスト《援軍》も呼ばれててね」
 カクリヨファンタズムの竜神親分『|碎輝《さいき》』。
 自他共に認める最弱にして、無限に成長する最強の竜神が猟兵に助力してくれるのだという。
 彼がサンサーラに一撃を叩き込めるレベルに成長するまで守り通すか、共に渾身の一撃を叩き込むか。
 危険な戦いだが勝機は充分に存在するとグリモア猟兵は語った。

「今回も君たちの勝利と無事の帰還を祈っているよ。どうか御武運を」
 見送る言葉と共にグリモアが輝き、豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 急展開を迎えた帝都櫻大戰@第二戦線、今回は『神王サンサーラ』とのボス戦になります。
 プレイングボーナス:弱い状態の碎輝を守って戦う/強力に成長した碎輝と協力して戦う。

 碎輝の戦闘手段は以下シナリオのフラグメントを参考にどうぞ。(二種類存在します)
 ( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35089 )
 ( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35090 )
 猟兵のUC種別に関わらず、例えば「UC黄金竜神を使った碎輝の護衛」「UCサンダーエンブレムを使う碎輝と同時攻撃」と言った風に指定可能です。

 プレイング受付は09/11の08:30~送信可能な間はいつでも。
 また、希望する展開の指標として難易度オプションも実施しています。
 興味のある方はMSページをご覧ください。
 それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 ボス戦 『神王サンサーラ』

POW   :    サンサーラディーヴァ
自身の【眼前】を【広大無辺の仏国土】化して攻撃し、ダメージと【神王サンサーラへの到達不能】の状態異常を与える。
SPD   :    サンサーラノヴァ
【かざした両掌の間】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【五感封じ】の状態異常を与える【神王光】を放つ。
WIZ   :    強制転生光
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【サンサーラの光】を放つ。発動後は中止不能。

イラスト:ぽんち

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●無限の過去、無限の未来
「……私の放つ骸の海は無限に広がりゆく。それを阻む術は無い」
 サイバースペースに無数の幻朧桜が咲き乱れる。
 後光を背負い降臨した神王は物憂げに目を伏せた。
 その存在を起点に広がる骸の海は、ただ其処に在るだけで世界の悉くを破壊する。
 サイバースペース内部に存在する遅効性の思考破壊プログラム「ヤマラージャ・アイビー」を起点とし、その影響はいずれサイバーザナドゥの|現実《リアル》をも呑み込むだろう。

「だがせめて、私を幾許かでも食い止められる者は居ないだろうか……」
「居るぜっ、此処に一人な!」

 爆ぜる紫電と共に|金色《こんじき》の竜神が名乗りを上げた。
 彼を戦場に送り届けたキャンピーくんに礼を言って見送り、竜神|碎輝《さいき》は神王の前に立ちはだかる。
 敵対者の存在に活性化するユーベルコード、波濤の如き骸の海が放たれれば最弱の竜神は容易く呑み込まれるだろう。

「そしてお前を止めるのは俺だけじゃない。来るぜ、六番目の猟兵が!」

 押し寄せる骸の海を超え、神王サンサーラの振るう|権能《ユーベルコード》をも超えて。
 無限の絶望を貫け。
空桐・清導
POW
UC撃滅放電槍を使う碎輝と同時攻撃

碎輝と目が合った瞬間、互いに理解した
目の前のコイツは同類だと
「オレはブレイザイン。みんなを護るヒーローだ!
アンタを含めてね。アンタもきっちり守るし、
もとに戻れるようにするぜ!」

UCを発動して弱い状態の碎輝を護りきる
「さあ、準備はいいか碎輝。
この一撃で無限の神王にご退場してもらおうぜ!」
成長した碎輝にニヤリと笑いかける
碎輝が成長するたびに[勇気]が燃え上がり、[限界突破]していく
清導もまた無限成長するのだ
「無限と無限で超無限だ!これでアンタを超えていく!
超必殺!インフィニティ・ブレイカー!!」
到達不能の異常を出力でねじ伏せ、
炎槍と雷槍が融合した一撃で穿つ!



●雷炎共鳴
「――ああ、もう大丈夫だ! オレが来た!」

 猛る紫電と共に現れたのが竜神であったなら、輝く煌焔を纏い駆け付けたのが空桐・清導(ブレイザイン・f28542)だった。
 短い口上、そして目があった一瞬で充分。
 掲げる理想、二人は同類なのだと互いに悟る。

「オレはブレイザイン。みんなを護るヒーローだ! アンタを含めてね」
 それはこの戦闘に於いて戦術上の話だけではない。
 無限の成長を誇る碎輝の最弱には理由があり……過剰成長に伴う危険を承知で、彼は此処に立っている。
「アンタもきっちり守るし、もとに戻れるようにするぜ!」
「ハ、そいつは頼もしい! 竜神親分として負けちゃいられねぇな!」

「……ならば見せてくれ。汝等の可能性は私の無限に抗い得るのか」
「当然っ! ブレイザイン・バーニングモード!!」

 超鋼真紅の腕部に収束させた炎が形を変え、清導の振るう武器となる。
 【バーニング・クリエイション】の一閃は押し寄せる骸の海をも焼き払い、食い止めて。

「流石に凄まじい力だ。だが、骸の海さえ燃やす程の出力を維持し続ける事は出来まい……それが生者の限界である」
「まだまだ! いつもより燃えていくぜぇええ!!!」
「…………!」

 僅か、押し込まれていた炎が勢いを盛り返す。
 サンサーラの言葉は正論だ。力には限りがあり、それを行使する器も無理を通せば砕け散る。
 そんな限界を乗り越えて清導は戦ってきたのだ。
 自分の戦いも碎輝を奮い立たせる熱となり、一秒稼ぐごとに飛躍的に上昇していく彼の成長が感じ取れる。
 彼が今まさに自分の意思に応え続けている事が、清導の勇気を更に燃え上がらせる。
 共に戦う二人はまるで競い合うように、その力をどこまでも高め合う。

「さあ、準備はいいか碎輝。この一撃で無限の神王にご退場してもらおうぜ!」
「おう、待たせたな。とびっきりの一撃で決めてやろうぜ!」
 ニヤリと交わした笑みは何処までも羽ばたいていく少年のように純粋に。
 激しく迸った炎と雷が骸の海を蹴散らし、二人の構えた武器に宿る。

「無限と無限で超無限だ! これでアンタを超えていく!」
「撃滅放電、最果てを穿つ! 友と征かば無限の彼方までも!」

「「超必殺! インフィニティ・ブレイカー!!」」

 行く手を阻むは踏破不能の【|広大無辺の仏国土《サンサーラディーヴァ》】、如何なエネルギーも無に帰す無限距離の障壁。
 ――止まらない。
 炎槍と雷槍、融合した一撃の爆発的な出力は不可能さえ真正面から打ち破って。

「確かに……|可能性《希望》を見せて貰った。見事……!」

 神王サンサーラを捉えた切っ先の確かな手応え。
 |完全性《絶望》を否定された黄金のエンシェント・レヰスの存在は、サイバーザナドゥより消え去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波羅蜜・唯華
もはや事態は櫻の帝都のみに留まらず。三千世界を巡る如き大戦の有様。
その全てを一手に収めることなど不可能であれば、ひとつひとつと成し遂げていきましょう。

そして今回の鍵となる碎輝さま、何卒よしなに。
あなた様が神仏さえ薙ぎ払う金翅鳥王となるまで、盾を務めさせていただきます。

……いえ、竜を喰らう金翅鳥では喩えとして不適切でしょうか。

冗談はさておき、碎輝様が成長しきるまでは私が攻撃の矢面に。
強制転生光の標的となり、放たれる瞬間を見極め回避に専念。

しかし躱すことで碎輝様が被弾する場合、あちらに狙いが向けられた場合は【此縁性】で相殺。
反撃の準備が整えば、滅びの光にて転生光ごと吹き消していただきましょう。



●守るべきもの
「もはや事態は櫻の帝都のみに留まらず。三千世界を巡る如き大戦の有様」
 エンシェント・レヰス達の侵攻は凡そ10日もあれば10を越える世界に致命傷を負わせる事ができるのだという。
 数多の苛烈な戦いを超えてきた六番目の猟兵をして、此度の戦いの規模は過去に類を見ない。
 だが、此度はその滅びに共に立ち向かう者たちが居る。

「ひとつひとつと成し遂げていきましょう。……碎輝さま、何卒よしなに」
「おう、よろしく頼むぜ!」
 積み上げていく事が肝心であると戦場に降り立ち、波羅蜜・唯華(生其心・f42819)はゆるりと会釈を一つ。

「あなた様が神仏さえ薙ぎ払う金翅鳥王となるまで、盾を務めさせていただきます」
「応とも! ……うん?」
「……いえ、竜を喰らう金翅鳥では喩えとして不適切でしょうか」
 首を傾げた碎輝にくすりと微笑を零し、一歩前へ。
 ただ鎮座するばかりの神王サンサーラからは、今も絶えず骸の海が広がり続けている。

「その意思は尊いものだ。だが、覆し得ぬ滅びに如何にして抗う」
「ふむ……」
 オブリビオン化に際し大きく歪められた様子も無く生前の精神性を保っていると思しきサンサーラに敵意は無い。
 広がり続ける骸の海と同様、【強制転生光】も彼の制御を離れたある種の暴走状態なのだろう。

「此有れば彼あり。此生ずるが故に彼生ず――」

 ごく短いスパンで絶え間なく撃ち出されるサンサーラの光。
 矛先が力を蓄える碎輝へ向く前に、その力を幾度か確認できたのは僥倖だったと言える。

「――火はあらゆる薪より生じ、光境は共に忘ず」

 【此縁性】の独鈷が光を掻き消す。
 光の発生する瞬間から意識を外す事なく、次弾の狙いが自分に向けば回避と共に思案を一つ。

「……ほう。相殺か」
「ええ。そしてその光、抗い得る脅威には相応に反応なさるご様子」
 一度の被弾でも致命傷とはいえ、誘導できるのならば寧ろ利用の余地がある。
 サンサーラの光、その狙いを誘発する事で迫る骸の海を消滅させて――碎輝の成長速度も尋常のものではない。
 前方で際限なく荒れ狂う暴威に引けを取らない程の力の高まりを、背中越しに感じ取る。

「そしてどうやら……此度の御役目は果たせたようですね?」
「ああ、充分だ礼を言う!」

 後退する唯華と入れ違いに駆け抜けた紫電の衝撃、迫る骸の海を押し返したそれは単なる余波。
 黄金の槍を構えた碎輝の眼前に絶大な力が収束する。

「無辜に害為す骸の業、滅びの光を以て打ち砕かん。慈悲深き魂よ、在るべき場所へ還るがいい!」

 それは唯華の作り出した時間全てを使った詠唱の結実。
 放たれて猶も成長し増殖するブレスは転生光を吹き消し、その先のサンサーラにまで喰らいつく。

「私に……傷を付けるか。この力なら……どうか、あの櫻花幻朧界にも……真なる平和を……」
「私も微力を尽くしましょう。願わくばあなた様にも安寧の在らん事を」

 斯くして世界を超えた滅びの危機、その一つは退けられて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェル・オオヤマ
・心境
彼が最大級の一撃を放てるように協力するよ!
護衛対象を護りながらの防戦は慣れてるからね!


・戦闘
碎輝さんと合流し次第、彼を護るように立ち回ります

ビームシールドとマインドリングを装備し、[絶対守護領域]を発動!

ビームシールドの上からマインドリングからのシールドを展開してあらゆる攻撃を防げるようにします
五感封じの光も展開したシールドで跳ね返すのを試みます!
何としてでも碎輝さんには当てさせません!自分の五感が封じられても気合で彼を護ります

さて。お膳立ては完了したかな?思いっきり暴れてきてね!

【盾受け/かばう/激痛耐性/挑発/受け流し/闘志/勇気】

他キャラとの連携・アドリブ歓迎



●護り通す盾なる誓い
「碎輝さんが最大級の一撃を放てるように協力するよ!」

 実のところ、状況は最序盤にして絶体絶命であった。
 無限に広がっていく骸の海を前に立ち塞がったはいいが、成長の不十分な碎輝には為す術が無い。
 そこへ飛び込んだのがフェル・オオヤマ(氷焔操る紅の竜姫士・f40802)だった。

「護衛対象を護りながらの防戦は慣れてるからね!」
「サンキュー、助かった! 頼りにさせて貰うぜ!」

 【黄金竜神】へと姿を変じさせ碎輝が成長に専念すると同時、フェルの展開した二重障壁が光り輝く。
 無限の幻想より引き出すは限り無い可能性と希望。顕現せしは理想と真実の盾。
 燃え盛る闘志がフェルの力を呼び覚ます。

「我誓うは絶対なる守護。我は齎さん勝利を! 【|絶対守護領域《イージスフォース》】! ここから先は通させないよ!」
「ならば阻んでみせよ。出来るものならば……」

 絶対守護領域はその名の通り防御に特化したユーベルコード。
 迫る骸の海さえ受け流し、ベクトルを誘導する事で被害を最小限に抑え込む。
 ――神王サンサーラの両掌の間に、少しずつ輝きを増す光が見えた。
 フェルの守りは機能している。
 防御の上からもじわじわと浸透してくる感覚を捉え、適応して跳ね返す。

 時間としては恐らく、まだ数秒も経っていないだろう。
 何分かは過ぎただろうか? 流石に数時間も過ぎたとは考え難いが。
 時計を確認するような余裕など有る筈も無く、一瞬が遥かに引き延ばされたような極限状況の攻防が続く。
 分析と対応を繰り返してなお少しずつ、【サンサーラノヴァ】の神王光が五感を蝕んでいくのが分かる。

「私は、無限の力を手にしてしまったのだ。一時抗う事が出来たとしても、永遠に続くものではあるまい……」
「それでも……! 何としてでも碎輝さんには当てさせません!」

 奮い立たせる勇気と掲げた誓いがフェルを突き動かす。
 絶対守護領域は彼女の護りの業であり、それを為す竜姫士そのもの。
 フェルが立ち続ける限り、如何なる脅威も彼女の背後に届く事は無い。

 ……いつしか、覚める間際の夢に囚われたかのように朧になった視界。
 随分と薄れた五感にもはっきりと届く程の竜の咆哮が轟く。

「さて……お膳立ては完了したかな?」
「ああ、本当によくやってくれた! おかげで俺も万全だ!」
「それは良かった……思いっきり暴れてきてね!」

 神王光さえも斬り裂く鮮烈な黄金が五感の呪縛を焼き払う。
 黄金竜神の飛翔はサイバースペースに溢れ出した骸の海悉くを消し飛ばし、神王サンサーラまでもこの世界から叩き返してみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
ふーみーマスターにおまかせします。かっこいい国栖ヶ谷・鈴鹿をお願いします!



ハイカラさんの天才発明家&パテシエイルの多才なパーラーメイド。
お手製の二挺銃の扱いと、小回りの利くフロヲトバイの紅路夢、空鯨型航空巡航艇ヨナ、ワンオフのスーパーキャバリア阿穹羅と、守護稲荷きこやんの護法術、ハイカラさんの後光のパワーを駆使した、発明と天性の才能を武器に明るくも自信に溢れた心持ちで挑みます。


碎輝の親分を守りながら、最大強化まで時間を稼ぐよ!
UCで状態異常を反射して親分を守りつつ、親分からは感電の状態異常のUCで、時間をかけた戦い方をしてもらおう!
守り切ったら……あとは最大の一撃を連携してサンサーラへ!



●それは世界に挑む力
「――世界に満ちる、艱難辛苦を祓う時!」

 高らかな謳い文句と共に、後光を輝かせ現れるは国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)。
 自作発明品のフル装備、サイバースペースの性質を良い事に巡航火力までも惜しみなく投下して骸の海を打ち払う。

「ぼくの光は全てを糺す!」
「反射か……優れた力だ。だが、無限を前にいつまで抗える……?」
「当然、いつまでだって!」

 鈴鹿の【|苦集滅道リヰンカネイシヨン《ニルバーナ・リベレヰション》】は彼女だけでなく、範囲内の味方も守護する。
 守りは十全、手札は万全。
 勝利への手筈は整えてきた。後は形にするだけだ。

「成程、大したモンだ! 俺もしっかり応えねぇとな!」
「この調子で最大強化まで時間を稼ぐよ! 親分には時間をかけた戦い方をしてもらおう!」
「オーケー、任された!」

 大きく振りかぶった碎輝の槍から放たれるは【超電竜撃滅衝】、無限に成長する巨竜型の雷電。
 今はまだ際限なく溢れ出る骸の海を食い止めるにも至らない。
 毎秒ごとに加速度的なペースで力を増していく雷電を守り抜くのが鈴鹿の役目だ。

「それに、今回は都合の良い機会でもあるしね!」
「ん?」
「今回の黒幕より強大というオブリビオン、最弱にして最強の竜神。天才発明家としても実に興味深いって話さ!」
「おお、そうか! 良い貪欲だ、存分に糧にしていくといい!」

 今回サイバースペースに出現した神王サンサーラはただ其処に在るだけだ。
 ひとりでに発動していると思しき【サンサーラノヴァ】にも対策済み。
 無限の力を手にしたというサンサーラの存在、彼を起点に広がり続ける骸の海の危険性は一秒たりとて気を抜けるものではないが……だからこそ、規格外の脅威の分析に専念できるまたとない好機でもある。
 骸の海とは世界から排出された過去の集積体。
 世界に逆流したそれが示した振る舞いの例は多岐に渡るが、今回は特に不安定なようだ。
 実際の液体のように物理的に干渉可能かと思えばすり抜ける。何かの再現のように形状や性質を変える。
 時には概念干渉さえ効果は一定でなく、幾つもの手を試して漸く阻めたりもする。

「骸の海を利用する敵には度々お目に掛かるけれど、今回程の脅威は中々無いな。矢張り発生源の影響が……?」
「……汝等を害するものが無限である事の意味が分からない訳ではあるまい。汝は、恐れはしないのか」
「当然! 無限と言うなら創造の可能性こそ無限大さ。怖がってるヒマなんて無い無い!」

 手応えはある。
 たとえ打ち立てた仮設が次の瞬間には覆されようとも、それさえ含めて全てが前進なのだと鈴鹿は信じる。
 得られた情報一つ無駄にする事無く明晰に、それでいて白紙のカンバスを前にした子供の如く純粋に。

「よし……! そろそろだな。折角だ、最後は合わせるか?」
「了解! ひとまず今回の集大成といこう!」

 例えばこの骸の海に生物的な自我があるかは分からないが、原始的な防衛本能らしき反応は示す事。
 今や骸の海さえ焼き払う程に力を増した雷電に対する、最後の抵抗は読めている。

「こいつで仕舞いだ、ブッ飛ばせ! 超電竜撃滅衝ッ!」
「さぁ、驚天動地の一撃で決めてあげる!」
「……そうか。ならばいつか、本当に……無限さえも……」

 繰り出した最大の一撃は重なり合い、その連携は確かにこの世界から神王を退去せしめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
俺は成長した碎輝と並び立って戦える程に強くはないが
それでも俺はここにいる。俺にも出来る事があると信じてな

神刀の封印を解除。神気によって身体能力を強化して、サンサーラの元へとダッシュで向かう
碎輝とは別行動だ。奴のUCは範囲が広がっていくが、あくまで両掌の間からしか放てない
挟撃など、立ち位置次第である程度は攻撃範囲や敵の動きを制限できる筈

仮に喰らって五感を封じられたとしても、まだできる事はある――威の型【嚇掣】を発動、サンサーラへ向けて殺気を放つ

もちろん本当に斬る事はできないが。一撃でも喰らえばサンサーラはそこで終わり
ならば一瞬であっても警戒する筈。そして碎輝ならきっと、その隙を突いてくれる



●貫くは己の選びし道
「俺は成長した碎輝と並び立って戦える程に強くはないが……」
 かつてUDCアースの地球から邪神を駆逐した竜神、その頭領。最弱を冠しながら今なお健在の生ける伝説。
 考察を巡らせるまでもなく、夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)は碎輝の力の程を知っている。

「それでも俺はここにいる。俺にも出来る事があると信じてな」
「そうだ、その積み重ねがお前を何処までも強くする! 頼らせて貰うぜ、鏡介!」
「ああ。力の限りを尽くすとしよう」

 覚悟と共に神刀の封印を解き、その身に神気を漲らせる。
 狙いは無限に広がりゆく骸の海の発生源、ただ座する神王サンサーラ。
 一度のアイコンタクトで呼吸を合わせ、左右から挟み撃つように同時に駆け出す。

「時は無限に過去を生み続ける。汝等はいつまで抗い続ける事が出来る……?」
「っ……!」

 無仭の神刀は森羅万象の悉くを斬る刃、横たわる骸の海なら斬り裂いて進めばいい。
 【サンサーラノヴァ】の射角を見切って影響の薄い経路を駆け抜け、五感封じの影響は解放した神気で食い止める。

 接近する程に光の影響は強まり、彼我の距離と反比例するように五感を神王光が埋め尽くしていく。
 実のところ、問題は其処ではない。
 仮に幻朧帝イティハーサを倒せても自分を倒す事は出来ないだろうと語るサンサーラの存在規模。
 子供の打ち込みで星を砕く事は叶わないように、鏡介の心眼は無限に挑む無謀を明瞭に映し出す。

「それでも、まだできる事はある――」

 神刀を握る手に力を込め、神王の座す方向を見据える。
 神王サンサーラには一撃通す事さえ困難を極める。そして彼は、その至難を為す者が現れる事を願っている。
 ならば可能性を見せてやればいい。

「――動けば斬る。威の型【嚇掣】」
「これは……!」

 放った殺気は対象の脳裏に、動いた瞬間に斬られる自分の未来を映し出す。
 抱かせた警戒心はかつて幻朧帝を封じ世界を護ったサンサーラにとって希望と表裏一体。
 ……この技自体に、本当にサンサーラを斬る力は無い。
 だが映し出されたヴィジョンが彼の注意を引き付けた次の瞬間、それは異なる形で現実となる。

「届いたぜサンサーラ――喰らって還りな、【撃滅放電槍】ッ!!」
「嗚呼……これが無限にも届く可能性か。礼を言おう……」

 超電竜撃滅形態、まともに入ったその一撃は神王の完全性にも|瑕《きず》を付ける。
 サンサーラの退去と共に戻る平穏。
 掴み取った勝利を祝い、互いに打ち合わせた手の音が高く響いて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
守ってみせるよ
弱い僕に出来るのは、それだけだから

オーラ防御を纏いつつ翼の空中戦
更に紅色鎌鼬を発動

碎輝さんには色々恩があるんだよね
相談も乗ってもらった
遊び相手にもなってもらった
思い出をくれた分
次は僕が返す番だよ

魔力で大量に増殖させた鎌を壁のように自在に操り
刃で反射させるようにして消滅の光を防ぐ

この技は少ない魔力で無数に鎌を増やせるのが特徴
とはいえ、長引けば長引いた分だけ
負担になっていくのは確かだけど
消された分を補うだけなら大した魔力消費は起こらない

碎輝さんが動けるようになるまで
鎌の壁を修復し続ける
何時間でも…何日でも
根比べ、付き合ってあげる
魔力が尽きたら命を削ってでも

碎輝さんの実力、信じてるから



●眩きは友の雄姿
「守ってみせるよ」
 サイバースペースに純白の羽が舞う。
 オブリビオンとして蘇り、ともすれば幻朧帝以上の脅威と化した神王サンサーラの顕現した戦場。
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は決意と共に、規格外の危険へと立ち向かう。

「……弱い僕に出来るのは、それだけだから」
「それはただ強い者が戦場に立つより勇敢な行いだろう。だが悲しいかな、無限の前では等しく無意味……」
「ハッ、無意味なモンかよ!」

 間一髪の危機を澪に守られ、今この場で最も非力な竜神が笑い飛ばした。
 かつて幽世とUDCアースの滅びを阻む為に矛を交え、平和を取り戻した後も言葉と|拳《武器》で語り合った。
 強く在ろうとする澪の心を、その強さを碎輝は知っている。

「来てくれてありがとうな! 澪が助けてくれるなら百人力だぜ!」
「ふふっ……碎輝さんには色々恩があるんだよね」
 変わらない彼の様子、呼び起こされる|記憶《思い出》に微笑が零れる。
 相談も乗ってもらった。
 遊び相手にもなってもらった。
 真っ直ぐに向き合ってくれる彼の在り方がどれほど眩しく、どれほど嬉しかったか。

「思い出をくれた分。次は僕が返す番だよ」
「……そうか。その想いが無意味では無い事を、せめて祈ろう」

 絶えず溢れ続ける骸の海はサンサーラがただ其処に居るだけでいずれ世界の悉くを破壊する程の災厄。
 だが、災厄はそれだけに留まらない。
 阻まれる骸の海に反応してか、これまでとは別種の光がサンサーラから放たれる。
 着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【強制転生光】の発現である。

「させない……!」

 翼を羽ばたかせ上空から俯瞰視点を確保、これまで骸の海を防ぎ続けてきたのと同じ【紅色鎌鼬】を展開。
 特殊な効果を付与する事なく、元々備わった能力で増殖させるだけなら魔力消費は最小限で済む。
 掻き立てるのは世界を害する災いへの敵意。
 消滅の力は事実上の防御不能だが、着弾点を鎌の障壁でコントロールする事で対処は出来る。
 攻撃の気配に意識を集中させ、光を阻むように鎌を生み出し、消されれば修復する。その繰り返し。
 発生とほぼ同時に着弾する光速の攻撃が、一秒ごとに繰り返される。

 恐らくは骸の海を広げているのと同様に、サンサーラ自身にも制御不能のユーベルコード。
 必ずしも澪や碎輝に牙を剥く訳ではない事は果たして幸いか、却って紛らわしいか。
 このユーベルコード自体は永遠に続く訳ではない――本当に?
 何分か、何時間か、何日か。光の乱射が収まる兆しは一向に感じ取れない。

「上等。……根比べ、付き合ってあげる」

 カッコいいのを夢想しても実行できない。
 描く理想とひ弱な現実の差を嘆いた自分を、“すっごくカッコいい”と言ってくれた彼の言葉を覚えている。
 ならば格好悪い姿は見せられないだろう。
 あの時より強くなった、あの時よりカッコいい自分を見せてやりたい。
 例え魔力が尽きようと、命を削ってでも。

 ――不意に、地より天へと仮初の世界を鮮烈な黄金が駆け上った。
 咆哮を轟かすはいつか見たよりも遥かに大きく成長した【黄金竜神】。

「よし、充分だ! 見えてるか澪!」
「見えてるよ。……ああ、やっぱりカッコイいいなぁ」

 神王にも負けない程の存在感、もう大丈夫だと一目で思わせる力強さ。
 集中の糸が切れ落ちゆく澪を尾の先で器用に捕まえ、迸る雷光は消滅の光さえ掻き消す。

「後は……お願い。碎輝さんの実力、信じてるから」
「ああ、よく見てな。この力は澪が戦った成果だ」

 決着は一瞬。
 飛翔する碎輝は稲妻の如く、すれ違い様の一閃でサンサーラを斬り裂いてみせた。
 僅か遅れて響いた雷鳴は勝鬨代わり。
 完全性を否定された神王はこの世界から消え去り、サイバースペースに束の間の平穏が取り戻される。

「ありがとうな。助けてくれた事もそうだし、強くなった姿を見せてくれた事もだ」
「それ、こっちの台詞だよ。もう」
 お互い様だと笑みを交わし、変身を解いた碎輝に抱えられる形で地へと降り立って。

「アンタ、やっぱりすっごくカッコよかったぜ!」
「それもお互い様かな」

 世界の行く末を左右する戦争は未だ続いている。幻朧帝イティハーサとの決戦も遠くは無い。
 だとしても……諦めない強い意思さえあれば、きっと。望む未来に手は届くだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

同調し合う2つは完全なる1に勝る。
|『夜』空への階《ステアトゥデモン》、龍神親分に|憑依《降霊》することで私も同じく無限成長していくわよ☆後|主人公補正付与《幸運》。|これでシナジー効果を発揮して龍神親分が戻れる範囲の成長でも大幅な火力アップが見込めるかも?《リミッター解除、限界突破、振り絞り》
五感封じ?|世界破壊の灼熱の時にもう対策済よ、憑依してるから龍神親分とも共有できるわ。《多重詠唱拠点構築鉄壁結界術、第六感、心眼、気配感知、情報伝達》
|龍神親分の攻撃に私の力も上乗せ。《物真似、電撃、武器に魔法を纏う、高性能を駆使する、魔力供給、エネルギー充填》



●無限|×《と》不可思議

 無限の力を手にしたというサンサーラ、それに唯一対抗できる可能性があるとされる碎輝。
 少なくとも存在の規格、ポテンシャルという点で両者が他と隔絶した領域にある事は間違いない。

「というわけで|大物食い《ジャイアントキリング》を成すために、至りましょうその高みへと。そのための|階《きざはし》はこの手の内に」
「うおっとぉ!?」

 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)が選んだのは碎輝への憑依・同調。
 【|『夜』空への階《ステアトゥデモン》】は彼とアリスの|階位《レベル》を同期させ、更に少しずつ成長させていく。

「同調し合う2つは完全なる1に勝る。親分の無限成長に相乗りさせて貰うわね」
「それはいいけど成長するまでの時間稼ぎは大丈夫か!?」
「格上相手の立ち回りも心得てるからご心配無く」

 平易に表すなら所謂何でもありの混沌魔術を扱うアリスは他者の能力の解析・再現にも長ける。
 それは過去の戦争での幹部級・フォーミュラ級であれ例外ではない――無論、碎輝も。
 自前の技術で骸の海の猛攻を捌きつつ竜神親分の無限成長を模倣し、彼自身の成長と相乗させる。

「アレをこうしてコレをああして……これなら龍神親分が戻れる範囲の成長でも大幅な火力アップが見込めるかも?」
「おお、なんか手厚いな! いやスゲーなこれ!」
「だが汝等に牙を剥くのは骸の海だけではない……我が光には如何に対応する?」

 成長量に対し実際に発揮できる力を引き上げる|調整《カスタマイズ》は戦闘後を見込んだ碎輝のケアだけでなく、実質的に戦闘力上昇の更なる加速も兼ねる。
 【サンサーラノヴァ】の発動はその気配に反応したものか。
 回避困難な光速のユーベルコードに五感を奪われれば、為す術無く骸の海に呑まれる末路を迎える他無いだろう。
 普通であれば、との但し書きは付くが。

「それ、もう対策済みなのよ。親分にも共有するわね」

 否応なく五感の封印を押し付けられる|戦場《ステージ》で踊った事もあるのだ。
 脅威には違いないが、しかしそれは既に乗り越えた脅威に過ぎない。
 結界で光を阻み被害を緩和、その上から削られた分は影響外の技術で補いコンディションを維持する。
 ……その頃には既に準備も万全。
 敢えて手の内を隠すような事も無い一心同体の状態だ。合図など無くとも準備が整った事は互いに分かる。

「それじゃ、決めちゃうとしましょうか」
「応よ! 纏めて片付けるぜ、【サンダーエンブレム】ッ!」

 加速度的に数を増す紫電の放射はアリスの力も上乗せし、サイバースペースに広がっていた骸の海を纏めて薙ぎ払う。
 勢いは衰えるどころか更に激しくなり、紫電は膨大な竜の群れの如く神王サンサーラへと襲い掛かって。

「……よくぞ、この世界を護ってくれた。願わくば……あの櫻花幻朧界も……」

 紫電は遂に神王の完全性を喰い破り、骸の海へ叩き返す。
 名残のように舞った桜の花びらが、紫電の余波に焼かれて消えた。
 
 
 
 
 
―― 神王サンサーラ、撃破 ――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月16日


挿絵イラスト