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其の者、禍津なる荒神

#アヤカシエンパイア #安倍晴明 #ブレイズゲート

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#ブレイズゲート


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●渦巻く白炎迷宮
「やっぱり生きていたわね、安倍・晴明……。まあ、オブリビオンなわけだし、いくら倒しても放っておけば復活するのは仕方ないんだけど……」
 やはりというかなんというか、こいつも世界の壁を超えて新たな事件を起こしている。そう言って、神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は猟兵達に、アヤカシエンパイアにて発生している白き迷宮について語り始めた。
「もう、知っている人もいると思うけど、晴明が平安結界を歪めて『ブレイズゲート』とかいう迷宮に変えているわ。周囲の地形と村が丸ごと飲み込まれて、空間や常識の歪んだ迷宮になっている感じね」
 世界は異なるのかもしれないが、それでも陰陽師である晴明にとって、平安の世は古巣に等しい。そんな彼が仕組んだ迷宮は、内部で無数のアヤカシが分裂と増殖を繰り返すという恐るべきもの。空間が歪んだことで、在り得ない場所と場所が繋がっており、内部に取り込まれた者達が脱出するのも容易ではない。
「既に平安貴族の一人が何人かの女房を連れてブレイズゲートに向かったけど……残念ながら、未だ帰還していないところからして、あまり良い結果は期待しない方がいいかもしれないわ」
 鈴音の話では、ブレイズゲートには村が丸ごと一つ取り込まれており、その内部も既にアヤカシ……オブリビオンによって占拠されてしまっているという。村を占拠しているのは有象無象な野武士のオブリビオンだが、彼らとて腐ってもアヤカシの一種なので、何の力も持たない村人達では歯が立たない。それを良いことに、野武士どもは略奪に破壊に凌辱といった、狼藉の数々を尽くしている。
 そして、そんな野武士達に殺された者達の肉は、ガゴゼと呼ばれる人喰いアヤカシの餌となる。だが、それだけでなく、彼らはブレイズゲートの主に捧げる生贄としても、人の血と肉を求めるのだという。
「ブレイズゲートの主として君臨しているのは『|須佐之男大神《すさのおおおかみ》』……荒ぶる神がアヤカシに堕ちた存在よ。アヤカシといっても、元は神様だからね。油断して挑むと酷い目に遭うわ」
 とにかく、まずは取り込まれた村に向かい、村人達を救出しなければならない。しかし、村は既に野武士に占拠されているため、彼らは村人達を盾に取って降伏を迫るなどといった、卑怯な手段を使ってくるだろう。
「貴族の人達が碌に活躍できなかったのも、たぶんこれが原因ね。正面突破しても構わないけど、人質の安全を考えると無策で挑むのはお勧めできないわね」
 場合によっては無力な者を演じて騙し討ちを仕掛けることも必要かもしれない。貴族や女房も殺されてはいないようなので、彼らを救出することができれば、その後の村人達の保護は任せてしまっても良いだろう。
「村人達を助けたら、後はブレイズゲート内のアヤカシを掃討してちょうだい。まずはガゴゼだけど……これは数が多いだけで、特に問題ないわね。最大級に危険なのは、やっぱり|須佐之男大神《すさのおおおかみ》の方よ」
 単に主であるから強いというだけではないと鈴音は続けた。元は神であるという点もそうだが、それを抜きにしても、この敵が持っている気は他のアヤカシとは比べ物にならないほど異質なのだと。
 それこそ、まるでブレイズゲートそのものであるかのような雰囲気を纏っているという。どちらにせよ、|須佐之男大神《すさのおおおかみ》を倒さない限り、ブレイズゲートを消滅させて元の平安結界に戻すことは不可能なのだが。
「サムライエンパイアに現れた時もそうだったけど……安倍・晴明が使う術は、私達が知っている世界の常識では考えられないような外法の一種よ。ブレイズゲートの中では何が起きるかわからないから、こっちも相応のユーベルコードを用意して挑んだ方がいいでしょうね」
 このまま放っておけば、いずれは増殖したアヤカシがブレイズゲートの外にまで溢れ出し、手の付けらない事態になるかもしれない。そうなる前に、なんとしてもブレイズゲートを消滅させ、在るべき姿に戻さねばならない。
 そう言って、鈴音は猟兵達を、アヤカシエンパイアへと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 まさかの平安時代にブレイズゲートが出現です。
 内部に捕らわれている人々を救出しつつ、主を撃破して平安結界を元の状態に戻さねばなりません。

●第一章(冒険)
 ブレイズゲート内にある村を訪れ、そこを支配している野武士のオブリビオンから解放してください。
 見た目こそ人間ですが、彼らはもはやアヤカシです。
 猟兵であれば戦って倒すのは造作もないですが、囚われている人々の安全も配慮しなければなりません。

●第二章(集団戦)
 『ガゴゼ』との戦いになります。
 人の肉を喰らう低級なアヤカシです。
 ブレイズゲートの効果で凄まじい数に増殖しているため、数的不利を覆すための作戦が有効です。

●第三章(ボス戦)
 『|須佐之男大神《すさのおおおかみ》』との戦いになります。
 白炎にも似た神気を放ち、己以外の全てを喰らうことを当然であると考えています。
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第1章 冒険 『占拠された村』

POW   :    最も成功率の高い正面突破を試みる。もちろん連中の捕虜になったりはしない。

SPD   :    最も成功率の高い奇襲を試みる。もちろん連中の捕虜になったりはしない。

WIZ   :    最も成功率の高い夜討ち朝駆けを試みる。もちろん連中の捕虜になったりはしない。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●外道に支配された村
 ブレイズゲートに取り込まれ、魑魅魍魎の跋扈する地と化した村。その地を占拠した野武士達もまた、人ならざる者である。
 人間の姿をしてはいるが、行いは全て悪逆非道。人道に外れたことに喜びを感じ、人々を痛めつけることで愉悦を感じる外道ども。
 アヤカシとしては最下級の存在故、女房を連れた平安貴族であれば負けることは考えられなかった。だが、村の人々を盾に降伏を迫り、降参したと見せかけて不意打ちを仕掛けるという狡猾な策により、この地を奪還すべく馳せ参じた貴族と女房は、全て囚われの身となってしまった。
「ギャハハハ! 都を治める貴族様も、こうなっちゃ形無しだなぁ!」
 後ろ手に縛られ抵抗できない貴族の青年を、野武士が女房達の前に放り投げた。彼は酷い暴力を振るわれたようで、美しかった顔も体も、青痣だらけになっていた。
「う……うぅ……。や、約束だ……彼女達には……手を出すな……」
 それでも貴族としての誇りがあるのか、彼は最後まで女房に手を出すなと野武士達に迫った。しかし、そんな彼の訴えに対して蹴りで答えると、野武士は彼の顔に淡唾を吐きかけた。
「ケッ……そのスカした面と態度が気に食わねぇんだよ! 約束なんざ、守るわきゃねぇだろ!」
「あぁ……|純頼《すみより》様……お痛わしや……」
 女房の中でも長を務めていると思しき者が駆け寄ろうとするも、彼女もまた縛られているため、己が仕える者の痛ましい姿を前に涙することしかできない。そんな女房達の姿を見て、野武士達は更に下劣な笑みを浮かべると、女房の長を強引に引き寄せ村の広場へと連れて行き。
「テメェが女どもの纏め役だな? 丁度いい……獲物は殺すなと言われているからな。死なない程度に遊んでやるさ」
 抵抗できない女房を広場に打ち込んだ杭に縛り付けると、衣服を引き裂いて辱めた。そして、半裸にされた彼女の前に、棒切れを持った村人達を連れて行き。
「オラ! 殺されたくなきゃ、この女をブッ叩くんだよ!」
「早くしねぇか! やらねぇってんなら、テメェの娘を俺様が犯してやるぜ!」
 なんと、自分達を助けに来た者を、自分達の手で痛めつけろと命令する。さすがに、そんなことはできないと怯える村人達だったが、しかし身内の命や貞操を盾にされては従う他にない。
「ひぃぃぃ! も、申し訳ありません!」
「お許しを! こうする他にないのです!」
 已む無く女房を痛めつけるが、その手には力が入っていない。だが、殴打の勢いが弱ければ野武士達から折檻されるため、村人達の力も徐々に増して行く。その責め苦に、ついに気を失ってしまう女房だったが、そうすると今度は野武士達が桶に入った冷水を浴びせ、無理やりに目を覚まさせて行く。
「ハッハッハ! そんな姿では、もう誰のところにも嫁には行けねぇなぁ!」
「安心しな! 俺達が慰み者に使ってやるさ! まあ、その後はガゴゼどもの餌にするだけだがなぁ!」
 穢した者の身体は供物にできないため、低級なアヤカシの餌にするのがせいぜいだ。高貴な者の身体が穢され、壊され、最後は食われてアヤカシの糞になるとは、なんとも滑稽なことだと野武士達は笑い出す。
「あぁ……若菜様……」
「酷い……酷過ぎます……。あなた達はケダモノ以下です……」
 女房長が痛めつけられる姿を目の当たりにして、残る女房達は悔し涙を浮かべることしかできない。ブレイズゲートの虜囚になってしまった以上、その先に待つのは地獄よりも酷い地獄でしかないのだ。
メディア・フィール
❤NGなし
プレイング改変・アドリブOK
他PCとの絡みOK

野武士から囚われている人質を奪還しますが、その中にすでに度重なる凌辱で堕ちてしまっていた者たちが混ざっていたため、状況は逆転されてしまいます。助けたはずの少女たちに突然襲われ、野武士たちの捧げものにされてしまいます。立ったまま倒れることも許されず犯されているうちに常識が書き換えられていき、自分の悦びは男たちの性欲の捌け口になることだと思い込んでいきます。

「くぅ、まさか堕とされた娘たちがこんなに大勢いたなんて……」
「負けないぞ! 隙を見て逃げ出して反撃しないと……」
「あああっ! 気持ちイイです! もっとボクの身体で愉しんでください!」



●鮟鱇の計
 平安結界が歪められた結果、白き焔の渦巻く迷宮と化したブレイズゲート。その内部は奇妙にねじれた空間であり、魑魅魍魎の跋扈する危険な地。
(「さて……とりあえず、村には直ぐに入れたけれど……」)
 突入早々に村へと入り込めたことは、メディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)にとっては意外だった。もっと警戒が強いと思っていたのだが、こうも容易く入り込めたことが却って不気味だ。
 試しに村の外へ出てみようとすると、残念ながらブレイズゲートの入口には戻ることができなかった。どうやら、一度入ったが最後、出口は改めて探さねばならないらしい。これでは村人を連れて先に外へ出すわけにもいかず、救出の困難さは想像以上。
 それでも、まずは人質を解放しなければ始まらないと、メディアは村の中に置かれた蔵へと忍び込んだ。幸い、閂などは掛けられておらず、扉を開けて堂々と中に入り込めた。
「ん……んぅ……」
 微かに呻くような声を耳にし、メディアは蔵の奥へと急いだ。すると、そこには蔵の柱に縛り付けられ、猿轡をかまされた少女達が囚われていた。
「大丈夫かい? 今、解いてあげるから」
 少女達の拘束を外し、メディアは彼女達へ自分と一緒に逃げるように促した。だが、踵を返して蔵の外へ急ごうとした瞬間、首の周りに手拭いが巻きつけられてしまった。
「……っ! な、なにを……!?」
 いきなり首を絞められ、慌てて振り解こうとするも、今度は頭を棒で叩かれた。それらの暴行を加えて来るのは、他でもない助けたばかりの少女達だ。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「こうしなければ、殺されるのです! お許しください!」
 瞳に涙を浮かべながら、少女達は力の限りメディアのことを攻撃して来る。彼女達が野武士の暴力的な調教によって配下にされていたことを理解した時には既に遅く、メディアは首を絞められ続けたことで、ついに失神してしまった。

●虜囚に成りて虚ろを作る
 冷たい水を頭から浴びせられる感覚に、メディアはうっすらと意識を取り戻した。
 全身が微かに痛む。少女達から見境なく棒で殴られたからだろう。身体を動かそうとするも、首が重たく手足の自由も利かない。捕えられたのだと理解した瞬間、今度は肌寒さが彼女の身体を襲って来た。
「お目覚めかい、嬢ちゃん。それにしても、酷ぇ格好だなぁ!」
「ここからじゃ、お前さんの恥ずかしい部分が拝み放題だぜぇ!」
 周りで下品な笑みを浮かべる野武士達。よくよく見れば、自分は既に一糸纏わぬ姿にされている。首につけられた縄の先は巨大な石が結んであり、これでは腰を折った姿勢から身体を起こすことができない。両手は縄で天井に吊り上げられ、足にも枷を嵌められており、尻を突き出すような格好のまま身体が固定されてしまっている。
「へっへっへ……よくやったなぁ、小娘ども。てめぇらの貧相な身体なんざ、ひん剥いても面白くねぇからなぁ」
「こんな上玉を捕まえてくれたんだ。こいつぁ、褒美をやらなきゃならねぇな」
 暴力によって躾けた少女達を、野武士達は褒美と称して再び縛り上げた。約束が違うと泣き叫ぶ少女達だったが、野武士達は何ら動ずることなく、注連縄のようなものを少女達の首につけ。
「約束通り、俺達はてめぇらを殺さねぇよ。その代わり、大神様の生贄になってもらうのさ」
「ありがたく思うんだなぁ! ガゴゼの餌にされたり、俺達に犯されたりするよりはマシだろう? ギャハハハハ!!」
 なんと、穢れなき身体は神への供物に最適だとして、少女達をブレイズゲートの主に捧げる生贄にすると言い出す始末。
(「くぅ……まさか堕とされた娘たちがこんなに大勢いたなんて……」)
 そんな様子を歯噛みしながら見ることしかできず、メディアは悔しさでいっぱいだった。そして、少女達を供物にする準備ができたことで、野武士達もまたメディアの周りに集まり始め。
「さぁて……次は、この女をどうするかだが……」
「決まっているだろう? 供物も餌も、十分に集めたんだ。ここから先は、俺達で楽しませてもらおうぜ!」
 欲望を剥き出しにし、悪党のお約束な台詞を吐く野武士達。このまま凌辱されるのを覚悟し、歯を食いしばるメディアだったが、しかし野武士達はいきなり彼女を襲うことはせず、なんと手にした刀の鞘で、散々に彼女の尻や腹を打ち据えた。
「……っ! がっ……はっ……うぐぅっ!?」
 それは凌辱ではなく、純粋な暴力。単に辱めるだけでなく、まずは暴力によって心を壊し、その上で身体を犯そうというのだ、この悪党どもは!
(「負けないぞ! 隙を見て逃げ出して反撃しないと……」)
 それでも、最初は耐えたメディアだったが、だんだんと痛めつけられ続ける内に、身体に力が入らなくなってきた。野武士達は単に尻を叩くだけでなく、冷水を浴びせながらメディアの頬を何度も平手で打ち据える。気が付けば、頬も尻も赤く腫れ、これ以上は顔にも腰にも力が入らなくなっていた。
「はぁ……はぁ……」
 力なく項垂れるメディアだったが、それでも心までは折れていない。こうなったら、少しでも耐えて時間を稼ぎ、他の猟兵達が来るまで敵を引き付けて油断させてやろうと覚悟を決めるが……そんな彼女に更なる絶望を与えるものが、唐突に彼女を真後ろから貫いた。
「……んっぐぅっ!?」
 ああ、やはり最後はこうなるのかと思った瞬間、今度は口の中にも汚らわしいものを突っ込まれる。散々に叩かれた尻や頬では抗うこともできず、メディアは野武士達にされるがままだ。
「グハハハハ! やっぱり女を犯すなら、徹底的に調教して服従させねぇとなぁ!」
「心でも逆らえねぇようにしてやるぜ! 快楽なんかじゃなくて、痛みで身体に刻み込んでやる!」
 野武士達の下劣な行為に、もはやメディアは抵抗する力さえ残っていない。それでも、微かに残された意識で懸命に耐えようとするが、野武士達はそれさえも見越していたのだろうか。
「へっへっへ……村の連中から、面白いもん奪ったんでなぁ。今からてめぇにくれてやるよ」
 そう言って野武士が懐から取り出したのは一本の青いキュウリ。平安時代のそれは酷く硬くて苦いため、熟さない限り食用に適さない代物なのだが。
「……んぶぅっ!?」
 口を塞がれたまま、メディアは両目を見開いて呻き声を上げた。なんと、野武士は未熟なキュウリを彼女の尻に突き刺し、穴という穴を塞いで犯し尽くしたのだ。
 加速する痛みと破壊される尊厳。そして、凌辱の最中も続けられる暴力によって、ついにメディアの心は決壊を迎えた。
 自分の役割は時間稼ぎ。敵を油断させるためには、あらゆる行為に耐えねばならない。だが、心の壁が決壊した今、現実の地獄に耐えるだけの精神力はメディアの中に残ってはいない。
「あああっ! 気持ちイイです! もっとボクの身体で愉しんでください!」
 一時的に口が解放されたところで、メディアは自ら男達を求めた。自分の悦びは、野武士達の性欲の捌け口になることだ。そう思い込み、現実逃避をしなければ、この痛みと屈辱に耐えることができなかった。
 斯くして、メディア・フィールもまた、ブレイズゲートの新たなる虜囚となってしまった。だが、彼女の行為は決して無駄ではない。こうして野武士達を引き付けたことで、彼らの心に大きな油断を生じさせ、村を解放するための大きな機会を作り出してくれたのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

武富・昇永
なんという悍ましい光景だ
これをセイメイとかいう陰陽師と
人間であるはずの野武士が作り上げているとはな
({妖切太刀・御首級頂戴丸}を抜刀する)
む?人質の命が惜しければ刀を捨てろと
わかった
({妖切太刀・御首級頂戴丸}を空中に放り投げるとUC【陰陽道・煩悩滅殺の輝き】を発動し光を放つ)
この光は敵しか攻撃せん
そしてこの光は欲望を滅却する
性欲・食欲・睡眠欲・生きる欲
一度死んだ貴様らには不相応な感情だ
そして欲なき貴様らなどただの動く肉塊
だが貴様らの首でも多少の手柄にはなるだろう
俺の立身出世の糧になるがいい
({妖切太刀・御首級頂戴丸}を拾い野武士を座らせると首に向けて刀を振り下ろす)



●亡者は亡者らしく
 アヤカシの跋扈する異界に飲まれた村を救うため、貴族としての任を果たすべく馳せ参じた武富・昇永(昇鯉・f42970)。そんな彼が見たものは、拷問の果てに倒れた平安貴族や、杭に縛られ暴行された女房の姿。周囲には村人がまばらにいるだけだったが、彼らは一様に怯えており、助けに来たはずの昇永からも目を逸らす始末。
「なんという悍ましい光景だ。これをセイメイとかいう陰陽師と、人間であったはずの野武士が作り上げているとはな」
 これは、さすがに許せるものではない。相手が元は人間であろうと、アヤカシに堕ちたのであれば斬り捨てるだけだと、昇永は静かに太刀を抜く。だが、誰かが通報したのか、それとも新たなる侵入者が現れたのを察知したのか、家々の影から続々と野武士達が現れた。
「なんだぁ、てめぇは?」
「おいおい、ま~た貴族様のお出ましだぜぇ?」
 実力では格上の昇永が現れたにも関わらず、野武士達は余裕で笑っていた。見れば、彼らは怯える村人に刃を突きつけ、少しでも妙な真似をしたら殺すと言ってきた。
「そういうわけだ。諦めて刀を捨てな、兄ちゃん」
「てめぇが抵抗しなけりゃ、俺達もこいつらを殺しはしねぇよ」
 下劣な笑みを浮かべながら、野武士達は昇永に迫る。実際、彼らが約束を守るような人間ではなく、刀を捨てたところで状況は変わらないと知っていたが、それでも昇永は熟考した素振りを見せつつ頷いて。
「……わかった」
 愛刀の御首級頂戴丸を、盛大に空中へ放り投げる。置くのではなく、敢えて真上に投げたのには、昇永なりの作戦があってのことだ。
「ギャハハハハ! やっぱり貴族の坊やは、素直で純粋だなぁ!」
「刀捨てたようなやつの約束なんざ、誰が守るかっての! おい、あいつも捕まえて縛り上げろ!」
 案の定、野武士達は早々に約束を反故にすると、昇永を捕えるべく襲い掛かって来た。しかし、周りを囲まれ絶体絶命の状況にありながらも、昇永は不敵な笑みを浮かべながら印を結び。
「お前たち如きには不相応な感情だ! 失くした方が清々するぞ!」
 投げた刀が大地に突き刺さった瞬間、そこから放たれるのは眩い閃光。思わず目を覆う野武士達だったが、しかしこれは目晦ましの類などではない
「痴れ者が……この光は敵しか攻撃せん。そして、この光は欲望を滅却する。性欲・食欲・睡眠欲・生きる欲……
一度死んだ貴様らには不相応な感情だ」
 オブリビオンとは過去からの蘇り。ならば、蘇りらしく感情のない亡者となれ。そう、昇永が告げる通り、野武士達の顔からは生気が凄まじい速度で失われて行き。
「そして、欲なき貴様らなどただの動く肉塊。だが、貴様らの首でも多少の手柄にはなるだろう。俺の立身出世の糧になるがいい」
 もはや、単なるゾンビ状態になった野武士達へ、昇永は拾い上げた御首級頂戴丸で情け容赦なく斬り掛かって行く。一人、二人と首を刎ね、その場にいた全員を成敗したところで、静かに刃を納めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花乃宮・百合姫
【アドリブOK】
あの者たちには外道という呼び方すら生ぬるい。
このモノ達は、百合姫様の名の元に討つことはしない…
カキツバタとして討つ。

式神の皆様には村人の救助のために各地へと向かわせるのでございます。
カキツバタは正面より討ち入り、敵の注意を向けて
野武士衆の人質救出をしやすくさせるのでござります。

(名を問われれば)
「百合姫…いや、お前たちごときにその名を呼べば姫の名が汚されよう」
「私はカキツバタ。外道を討つのは同じケダモノだ」

そしてユーベルコードを発動。周囲の敵に一斉に苦無を投げつけ切り裂く。

「お前たちごときが|母様 《かかさま》の刃に討たれる栄誉を与えられると思うな…」



●毒には毒を以て
 平安の世を乱す、人ならざる者達。その大半は堕ちたる土地神や正体不明の魑魅魍魎だが、しかし時として人が人の姿をしたまま現世に戻って来ることがある。
 彼らのことを、人は時として鬼、あるいは黄泉帰りなどと呼んで恐れた。骸の海より舞い戻りし者達は、例外なく人格を破綻させており、人の道に外れた魔性に成り果てていたのだから。
 ブレイズゲートに取り込まれた村を支配しているのは、外見こそ野武士であるが、その正体は魑魅魍魎と同じ存在。だからこそ、アヤカシ退治の名門と謳われる花乃宮家の当主である、自分の手で討たねばならぬと花乃宮・百合姫(|百合姫《カキツバタ》・f42926)は考えていた。
(「あの者たちには外道という呼び方すら生ぬるい。このモノ達は、百合姫様の名の元に討つことはしない……カキツバタとして討つ」)
 もっとも、単に本能で暴れるアヤカシよりも、あの野武士達は性質が悪い。明確な悪意を以て人の尊厳を破壊するような輩には、名誉の戦死など烏滸がましい。
 救助と偵察を兼ねた式神を放ちつつ、百合姫は正面より堂々と村へ討ち入った。当然、そのようなことをすれば野武士達の注意を引くが、それもまた彼女の作戦の内だった。
「なんだぁ、てめぇは?」
「貴族のお嬢様かぁ? こいつは、とんだ獲物が引っ掛かったなぁ!」
 下劣な笑みを浮かべながら、野武士達が瞬く間に百合姫を取り囲んだ。アヤカシであることを抜きにしても、この連中が吐いている息の混ざった空気を吸っているだけで気分が悪くなってくる。
「百合姫……いや、お前たちごときにその名を呼べば、姫の名が汚されよう」
 いつもとは違い、百合姫は自分の名前を名乗るのを途中で止めた。こいつらは、貴族の名の下に討つことさえ贅沢な相手。他者の尊厳を破壊することに愉悦を感じるような者には、情けも容赦も無用なのだから。
「私はカキツバタ。外道を討つのは同じケダモノだ」
 それは、かつて彼女が呼ばれていた名前。姫を護るための組織され、そのためであれば時に手段を選ばず敵対者を屠って来た時の。
「ふざけやがって! この数相手に、敵うと思ってんのか!」
「全員で掛かれ! だが、殺すんじゃねぇぞ……。こいつも、俺達の慰み者にしてやるんだからな!」
 身の程を弁えない野武士達は、そんな百合姫を捕えるべく、四方八方から襲い掛かって来た。もっとも、百合姫は何ら動じることなく刀を置く。戦うことを諦めたわけではない。こんな下劣な連中には、高貴なる刀の刃を通すことさえ汚らわしい。
「|母様《かかさま》の刀……お前達なんかの血で汚すわけには行かない……」
 襲い掛かって来た野武士達に、百合姫は苦無を投げつけた。それらは大きさ的にも決して野武士達を一撃で仕留めらえるような代物には見えなかったが、しかし苦無が少し掠めただけで、彼らは途端に全身を紫色に変色させながらのたうち回り始めた。
「が……ぁぁ……。な、なんだ……こいつ……は……」
「き、貴様……。毒を……塗りやがった……な……」
 彼らが気が付いた時には既に遅く、苦無に塗られた毒が回っていた。元より、人に使うような毒ではない。肉を腐らせ、血液をも壊し、臓腑を破る猛毒だ。時に、アヤカシでさえ仕留めることのできるそれは、いかに人を止めた者達であるとはいえ、耐えられるような代物ではない。
「お前たちごときが、|母様《かかさま》の刃に討たれる栄誉を与えられると思うな……」
 血混じりの泡を吹いて倒れる野武士達に、百合姫は生ゴミでも見るかのような視線を向けた。このまま放っておいても、彼らは遠からず死ぬだろう。だが、偵察を終えて戻って来た式神から村の様子を聞いた百合姫は、凍れる瞳の裏に静かな怒りを湛え、追加の苦無を野武士達に放った。
「……ぎゃぁっ!!」
「あぐぅぅ……も、もう……やめて……くれ……」
 敢えて急所を外したことで、毒だけが更に回って行く。臓物が凄まじい速度で溶かされて穢れた血となり、全身が風船の如く腫れ上がって、その姿はさながら醜い芋虫のようだ。
「やめろ……だと? それを懇願した者達に、お前達は何をした?」
 暴力で村人を支配し、助けに来た者達を襲わせ、果ては凌辱の限りを尽くしたのを忘れてはいまい。ならば、その因果が巡り巡って、今度は全てお前達に帰って来ただけであろうと百合姫は告げ。
「……失せよ、ケダモノ。二度と再び、常世から舞い戻るでない」
 それまでは、じっくりと苦しんでから死んで行け。それが、今まで痛めつけて来た者達の痛みを知る、最後の機会になるのだから。
 外道が世界を蝕む毒であれば、こちらもまた毒を以て事を成す。百合姫によって与えられたのは、それまでに野武士達が犯した罪に合わせた、この世の地獄とも思しき裁きだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
娘の奏(f03210)と参加

まあ、この世界が来た時から予感はあったが、やっぱりきたか晴明!!

クルセイダーの時は本体を倒した訳ではないしな。まあ、まずは奴の気まぐれの犠牲を減らすとするか。

奏、前頼むよ!!アタシはなるべく一般市民を巻き込まないように、【オーラ防御】【残像】【迷彩】【心眼】を持って徹底的に気配を消し、情熱の炎を展開!!薙ぎ払った後、【ダッシュ】して【怪力無双】で【グラップル】!!いつまでも一般人離さないなら、【頭突き】してまでも離してもらう!!

これだけやらないと晴明の所業は潰せないしねえ。母親の心さえ弄んだ奴に容赦をする必要はないよ。大丈夫かい、奏?


真宮・奏
母の響(f00434)と参加

我が家に星羅と朔兎がきてから襲来はありうるとおもっていましたが、本当にくるとは。本当に楽しんでますね晴明?

因縁の長さもあるんですが、陰陽師として頑張っている星羅と寄り添う朔兎の道行きに邪魔をしないでもらいたいですね。まずは犠牲を減らしますか。

ええ、正面突破は望む所!!ええ、風の妖精騎士、頼みました!!住民の皆様の安全確保の為、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【ジャストガード】【受け流し】【硬化】で全ての攻撃を受け止め、ワンポイントで【シールドバッシュ】!!敵だけを吹っ飛ばします。後は母さんと妖精騎士に頼みます。

住民の方を【護衛】し、離脱します。



●腐れ縁なり陰陽師
 平安時代といえば陰陽師。その大半が後年に作られた説話や、あるいは近代に入ってから作られたフィクションのイメージによるものが大きいが、だからこそ予見もし易かったと言えるのかもしれない。
「まあ、この世界が来た時から予感はあったが、やっぱりきたか晴明!!」
「我が家に星羅と朔兎がきてから襲来はありうるとおもっていましたが、本当にくるとは……」
 もはや腐れ縁にも等しい安倍・晴明による事件。それらを聞いた真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、半ば呆れた様子で村へと向かった。
 何度企みを叩き物しても、懲りずに暗躍する男。自らは直接手を下さず、配下を送り込んだり世の中をかき乱したりすることで、世界を破滅へと導く存在。
 敵として考えた場合、これ以上に戦い難い相手も、そういない。なにしろ、相手は神出鬼没。おまけに自らは決して表に姿を現さないとなれば、倒す方法を見つけることさえ難しい。
 だが、それでも今は、清明の野望を砕くため、ブレイズゲートに捕らわれた村の人々を助ける方が先だった。相手は有象無象のオブリビオンであるものの、ある意味では清明よりも外道な存在。中途半端な覚悟で挑めば、それだけ罪もない人々への被害も増して行く。
「奏、前頼むよ!!」
「ええ、正面突破は望む所!!」
 敵の目を引き付ける役は奏に任せ、響は混乱に乗じて姿を消した。その一方で、奏は単身で野武士達のいる広場に突っ込んで行くが、それは野武士達からすれば、あまりに無謀に見えたのだろう。
「おいおい、女が一人で突っ込んでくるぜぇ?」
「それに、なかなかイイ女じゃねぇか。供物にするのは勿体ねぇな」
 下劣な笑みを浮かべながら、野武士達は奏を捕えるべく襲い掛かって来た。大方、彼女のことを散々に辱め、性奴隷にでもしようというのだろうが、そうは問屋が卸さない。
「風の妖精さん、力を貸して下さい!!」
 魔法石に込められた力を解放し、奏は風を纏う妖精騎士を呼び出した。妖精騎士は、文字通り風のような速さで疾走すると、まずは正面にいた野武士を盾を構えた体当たりで吹っ飛ばした。
「ぐぁっ!? な、なんだぁ、こいつは!?」
「式神の一種か? このアマ……舐めた真似しやがって!!」
 数の上では自分達の方が有利だと判断したのか、野武士達は一斉に太刀を抜いて妖精騎士に斬り掛かる。しかし、強固な騎士鎧に阻まれ、刃は奥まで通らない。それでなくとも、盾によって攻撃を弾かれ、闘気の守りと肉体の硬質化による二重の防御で、しっかりとガードされているのだ。
「……ふんっ!!」
 妖精騎士が槍で軽く薙ぎ払っただけで、凄まじい突風が生じて野武士達を吹き飛ばした。これで村人達を助けるための道が開いた。慌てて駆け寄り、彼らと共に逃げようとする奏だったが、野武士の内の何名かは、そんな奏へと狙いを定めた。
「おい、あの女を先にやれ! 妙な式神は後回しだ!」
 術者を先に倒してしまえば安全だと判断したのだろう。その考えは、ある意味では正しい。この場にいるのが奏と妖精騎士だけであればの話だが。
「そこまでだ! アタシの娘に手を出して、無事で済むとは思わないことだね!」
 突然、今まで物陰に隠れていた響が火を放った。それも、ただの火ではない。敵味方を識別し、通常の手段では消すことも不可能な炎だ。
「これはアタシの情熱だ!! 熱いだけでは済まないよ!!」
「ぎゃぁぁぁぁっ! 熱い! 熱ぃぃぃぃ!!」
 転げ回って火を消そうとする野武士達だったが、そんなことで消えれば苦労はしない。むしろ、余計に火の回りが早くなり、全身をまんべんなく焼かれるだけ。
「大丈夫かい、奏?」
「ええ。それよりも、今はこの人達を避難させないと」
 野武士達に抵抗する力が残っていないのを確認し、奏は村人達を逃がすことを優先した。もっとも、このブレイズゲートが解除されない限り、彼らにはしばらく村の中に留まってもらう他にないのだが。
「ひぃぃぃぃ! た、助けてくれぇぇぇぇ!」
「誰か! この火を消してくれぇぇぇぇ!!」
 のたうち回る野武士達を横目に、響と奏はまだ見ぬ主との戦いに備えて動き出す。ブレイズゲートの主、|須佐之男大神《すさのおおおかみ》。彼を倒さない限り、この空間の中には安心で切る場所など何処にもないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​