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長い冬の先に待つもの

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 木々の風に揺れる音、辺りに香る新芽の匂い。
 それらを感じながら、初老の男は雪解けを迎えた森の中を歩いていた。
「漸く春が来たか。さて、食料を早く集めなければな」
 色とりどりの木の実にきのこ、山菜に薬草と男が森の中を忙しなく歩き回り、食料を懸命に探し出していく。
「これだけ取れれば十分だろう。さて、そろそろ村に戻る……ん?」
 日も落ち始めた頃、背負ってきた籠いっぱいに取れた食料に達成感を感じながら村へ戻ろうとする男の視界に、不意に映った異形の存在。
 黒いドレスに血色の悪い肌。こんな地に珍しいと男が意識を向けていると、ドレスを着た女も初老の男に気付いて、男に視線を向ける。
「あ?」
 瞬間、響き渡る絶叫。放たれた声の衝撃は男を切り裂き、男は何が起きたのかを理解する前に絶命した。
 再び静寂に包まれる森の中、白い翼を携えた少女がふわりと姿を見せる。
「こんな場所に人が居たのね。さぁ、目覚めなさい」
 倒れ伏した男を見て、少女は優しく声を掛ける。するとその声に同調するように、少女が手にした黒剣が鈍い光を放つと、そこに現れたのはその場に倒れ伏している初老の男。
「さて、村に食料を持ち帰らないとな。皆も待っているだろう」
 現れた男は遺されていた食料の入った籠を背負うと、そのまま慣れた足取りで森を抜けていく。
 そして男の進む先にある目立たない様にあるその集落を見て、少女はくすりと笑みを零す。
「こんな所に隠れていたのね。それならここの人達にも『救い』を与えてあげないと」
 慈愛に満ちた笑みを浮かべる少女の視線の先で、剣により生み出された初老の男が集落の中へと消えていった。


「集まってくれてありがとう。ダークセイヴァー世界で事件が起きた。皆にはそれの解決に向け力を貸してほしい」
 グリモア猟兵のコーダ・アルバート(無力な予知者・f02444)は集まってくれた猟兵達に礼を述べると、事件の説明を始める。
「場所は森の中に隠れ住む集落。オブリビオンの支配から逃れた人達が隠れ住んでいる集落で、この地域の支配者たるオブリビオンの脅威は今のところ無い」
 ところがそこに放浪していたオブリビオンが現れて、森に居た男と隠れ住んでいた村人を見つけてしまう。

 そして『救済』の名目で村人達を皆殺しにし、手にする剣で村人の偶像を生み出してその後の生活を肩代わりさせるのだ。

「皆には村人が殺される前に、このオブリビオンを倒して欲しい。……けれど、それを為す前にやって欲しい事がある。村人に代わっての食糧補給だ」
 そもそも村人が森に出るのもその為なのだ。
 秋のうちに集めた食料で長い冬を越え、漸く春を迎えた今の集落にはまともな食料が無い。
 森へ入り食料を調達しなければ今日の食事にも困る村人に、今の森が危険だからと言った所で、餓死するよりはマシだと森へ行ってしまう村人も出るだろう。
「だからまずは村人の為の食料を集め、村人からの信頼を勝ち取ってからオブリビオンとの戦闘に向かってくれ」
 村の外で戦闘が起こっても、村の中に居れば被害は出ないだろう。村人達から信頼を得ていれば、何があっても村から出るなと告げておけば、オブリビオンとの遭遇も阻止出来る筈だ。
「まずは朝方、村人が動き出す前の森へテレポートさせる。集めた食料を渡せば信頼は得れるだろう。オレは送る事しか出来ないが、今回の件宜しく頼む」
 コーダはそう告げると、猟兵達をテレポートさせるのだった。


早瀬諒
 初めまして、またはお久し振りです。早瀬諒です。
 1ヵ月ぶりの新作となりました。

 今回は村人の為に食料を調達し、村に迫るオブリビオンを倒すというシナリオになっております。
 OPで殺されてしまう人はまだ森へ向かっていないので生きてます。

 それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『日々の糧を得るために』

POW   :    大型の獣や魔獣を戦って狩る。

SPD   :    小~中型の草食動物を狩る、釣りなどで魚を釣る。

WIZ   :    食べられる植物や木の実を探して採る。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七那原・望
やっぱり食べ物と言えば木の実なのですー。
木の実はわたしにお任せなのですー。

【マジックオーケストラ】でたくさん影とねこさんを呼んで食べ物探しを手伝ってもらうのですー。
【第六感】と【野生の勘】でなんとなく食べ物のありそうな場所はわかると思うのです。
【動物と話し】て他にも美味しいものがないか聞いてみるのもいいかもなのですー。
あ、怪我しちゃうとみんな消えちゃうからちゃんと影に守ってもらうのですー。
影とねこさん、みんなで一緒に集めればきっと村の人にいっぱいの美味しい食べ物を届けてあげられるのです。
頑張るのですよー!

他の人との絡みとかアドリブ大歓迎です。




 猟兵達が転移されてきたのはまだ薄暗い森の中。
 既に日は昇っているものの、朝方故に身を包む空気は冷たく吐く息は白い。
 時が立てば気温も上がり、多くの生き物達も動き出すだろう。
 勿論、村人達も。
 七那原・望(封印されし果実・f04836)はそうなる前にと、静けさに満ちた森の中へと歩を進めていく。

「やっぱり食べ物と言えば木の実なのですー。木の実はわたしにお任せなのですー」
 周囲に意識を向けながら歩を進める望は、少し開けた場所に出るとそこで歩みを止める。
「この辺り……色々ありそうな気がするのですー」
 きょろきょろと周囲を見渡せば、色とりどりの実が小さく実っているのが分かる。
「『さぁ、開演なのですよ!』」
 ここに探していた木の実がありそうだと目星をつけた望はユーベルコードを発動させる。
 召喚される無数の白猫と影の軍勢。
「影とねこさん、みんなで一緒に集めればきっと村の人にいっぱいの美味しい食べ物を届けてあげられるのです。頑張るのですよー!」
 望の声に従うように召喚された白猫と影は一斉に動き出す。
 猫が高いところにある木の実を落とせば、下で待ち構えていた影がそれを受け取って。
 そんな連携を見せながら、効率よく集められていく木の実達。
「この辺りに美味しそうな木の実とかはないですかー?」
 猫達が効率よく集めている間に、望は近くから様子を眺めていたリスに話し掛ける。
 一般人が見ていたのなら、誰と話しているんだろう?と思われたかもしれないが、今森の中に居るのは猟兵達だけで。
 話し掛けられたリスは、この先にすっごく甘い木の実があるよと望に告げ、望もありがとう!と返し影達の様子を見る。
 沢山集められた木の実達。それでもまだ多くはない。
「じゃあ、次に行くのです!」
 集めた木の実を抱えて、望はリスが伝えてくれた場所へ向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュシール・ミラー
【心情】生きるのは苦痛に満ちている、ならば代わりの存在にその苦痛を与えよう、か。とても興味深いオブリビオンだ。優しい自分本位の救済者くん、私がそれを救済してみせるよ。

【SPD】
猟といこうか。死霊を召喚して獣を追ってもらおう。網を張るなり罠を張って待ち伏せし、やって来たところで一網打尽。誰か仕留める人がいたらその人に仕留めてもらおうかな。


ミニョン・エルシェ
SPD:
「戦国乱世は小氷河期の食糧難が産んだという説もあります。
飢えを解消するためなら人は一揆でも何でもやりますから…
狩りに出ようとするなんて容易い筈。そうなる前に、頑張りましょう」

動物の足跡、獣道、フンがあればその新旧で付近の野生動物の行動ルートを、マッピングしながら探ります。
行動ルート上の餌場と思われる場所に、レプリカクラフトで落とし穴を仕掛け、地面を偽装して隠しておきましょう。
仕掛けた場所は、同じように行動している仲間に共有です。
この方針で複数個仕掛けておけば、どれか一個には引っかかるでしょう。
掛かったら、槍で突いて仕留めます。
「…飛び切り美味しい料理にしますので、堪忍して下さいね。」




「生きるのは苦痛に満ちている、だから代わりの存在にその苦痛を肩代わりさせよう、か。とても興味深いオブリビオンだ。優しい自分本位の救済者くん、私がそれを救済してみせるよ」
 リュシール・ミラー(ダンスマカブル・f14809)は、まだ見ぬ敵に思いを馳せるも、それはまた後の事。
 まずは狩りをし、村人への食料を届けようと森の中を進んでいく。
「戦国乱世は小氷河期の食糧難が産んだという説もあります。飢えを解消するためなら人は一揆でも何でもやりますから、狩りに出ようとするなんて容易い筈。そうなる前に、頑張りましょう」
 ミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)もそう決意すると森の探索を始める。
「えーと、ここからこう足跡が繋がってますからー……」
 地面に残る動物の足跡や獣道を辿り、野生動物の行動ルートをマッピングしながら二人は森の中を進んでいく。
「おや、この先少し開けてますね」
 獣道を進んだ先の少し開けた場所。二人がきょろきょろと辺りを探れば、大きな木の根元に小動物の巣穴を見つける。
「これが巣ですか。でも、肝心の動物はいませんね」
「ならば任せてもらおう」
 巣穴を覗き込んだミニョンの言葉に、リュシールは死霊を呼び出すと、辺りを散策させる。
 ここに住んでいるであろう動物達を、巣へ避難させるために。
「なるほど、それでは私も」
 ミニョンもその意図を把握すると、近くにあった動物達の餌場と思われる所にユーベルコード【レプリカクラフト】で落とし穴を生み出すとそれを地面に仕掛け、その後土を被せ仕掛けが目立たないように偽装する。
 視界に入る餌場と全ての巣穴の前に同じ仕掛けを施して、ミニョンは満足げに辺りを見回した。
「これだけ仕掛ければ、どれか一個には引っかかるでしょう」
「後は死霊達が動物を連れ戻すのを待つだけだな」
 そうして二人が待つ事数刻、慌しい鳴き声と共に死霊に追われた動物達が我先へと自らの巣穴目掛けて逃げ走る。
「ぴっ!?」
 だが、穴の前にはミニョンが仕掛けた落とし穴がある。動物達は巣の前に仕掛けられた穴に次々に落ちていく。
「さて、後は仕留めるだけか」
 身動きの取れなくなった動物達を見下ろしてリュシールが呟けば、ミニョンは槍を取り出して巣穴の前に立ちはだかり。
「……飛び切り美味しい料理にしますので、堪忍して下さいね」
 申し訳なさそうに言いながら、落とし穴に落ちた動物達目掛けて手にした槍を振り下ろした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
せっかくなら肉を持っていきたいね
肉は植物の恵みより集めるのに骨が折れるもの

判定:POW

獣や魔獣だってこの季節は餓えてるだろうから
普通に歩いていれば寄ってくるだろう
見つからなければ地面や木々の傷を探し動物の形跡を探そうかな
見つけたら『解放・宵』も使って狩らせてもらう
「そちらも空腹だろうけど、ごめんね?」

村人へは穏やかな態度で
“自分は旅人で、この村で少し休ませてもらいたいと思った
タダでなんて図々しいから食べ物を持ってきた”
と自分達のことを説明
毎年この時期は特に厳しいよね、と実体験も交えて会話する

獣もおなか減ってるらしくて荒れ狂ってたよ
しばらくは外に出ないほうがいい
と忠告しておく

※アドリブ、連携歓迎


ヴェル・ラルフ
★他の猟兵との連携・アドリブ歓迎

犠牲者が出る前に行けるのは幸運だったなぁ。
食料調達だね、任せて。


【雄凰】を召喚。
狩猟が得意な蛇食鷲なんだ。
一緒に探させよう。
おいで雄凰、狩の時間だよ。

召喚するようになったの最近だから、僕には偉そうだけど…
他の人にはなぜか甘えたなんだよな、こいつ。

雄凰も大きいからね。
中型~大型の動物を狙ってもらおう。


春が近づいてきているから、他の動物や植物も芽吹き始めてるんだね。
…ダークセイヴァーの世界でも、「お花見」ができるような日が来るかな…




「犠牲者が出る前に行けるのは幸運だったなぁ」
 ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は森の中を歩きながら息を吐く。犠牲者が出ては、食料を届けてもきっと気分は晴れなかっただろうから。
「せっかくなら肉を持っていきたいね。肉は植物の恵みより集めるのに骨が折れるもの」
 サンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)もヴェルの隣を歩きながら呟く。
「なら肉の調達だね。任せて。『おいで雄凰、狩の時間だよ』」
 サンディの言葉を聞いて、ヴェルはユーベルコードを発動させる。
 召喚される大型の蛇食鷲。それにヴェルが跨ろうとすれば、どこかツンとした態度でなかなか乗せてはくれない。
 苦戦しながら雄鳳に乗ろうとするヴェルを、サンディは苦笑気味に見上げていた。
「はー……やっと乗れた。こいつは狩猟が得意な蛇食鷲なんだ。一緒に探させようと思ったんだけど、召喚するようになったの最近だから僕には偉そうなんだよな……他の人には甘えたなのにさ、こいつ」
「へぇ」
 ヴェルの言葉を聞いて、現れた鷲にそっと手を伸ばすサンディ。それに嫌がる素振りを見せる処かその手に擦り寄るように甘える雄凰。
 こいつ……とぼやくヴェルの言葉には、もう笑うしかなかった。
「さてと、僕は空から動物の巣とかないか探してみるよ」
「なら俺は普通に歩いて回ってみる。獣や魔獣だってこの季節は餓えてるだろうから、普通に歩いていれば寄ってくるだろう」
「分かった、それじゃ後でな。行こう、雄鳳」
 軽いやり取りの後、ヴェルは雄鳳を駆って空へと舞い上がり、サンディはそのまま森の中を進んでいった。

 空から見る闇に包まれどこまでも続く荒野と、深く多い茂った森。
 闇に包まれるダークセイヴァー世界においても、昼と呼べる時間にはほのかに明るくなり、深夜ともなれば今以上に真っ暗になる。
 今は昼の時間でそこまで闇には覆われてはおらず、森のあちこちから命の息吹は感じられ、何かが蠢く気配はする。
「ん?」
 ふと地上を動く何かを見つけるヴェル。目を凝らしてそこを見れば、木の実を取ろうとしている動物の姿。
「雄鳳、あそこに向かってくれ」
 狩りの対象を見つけてヴェルが雄鳳に指示を出すも、指図するなと言わんばかりに雄鳳は急降下を始めた。
「ちょ、もう少し優しく降りてくれー!」
 落とされないように必死にしがみ付くヴェルの叫びを無視しながら。

 サンディは所々に生えている木に付けられた爪痕を辿る様に進んでいた。
「これは熊の縄張りを示すもの……だとしたら、この近くに熊が……?」
 慎重に歩を進めるサンディ。グルル……と唸る声を聞き視線を向ければ、そこには熊の親子の姿。
 近寄ってきたサンディに警戒しながら威嚇をするも、当のサンディには通じず。
「そちらも空腹だろうけど、ごめんね?」
 サンディは手にした黒剣を構え一気に間合いを詰めると、その黒剣で熊を切り裂いた。
「ガァァッ」
 飛び込んできたサンディの攻撃に反撃体勢を取った熊がその爪を振り下ろせば、その一撃はサンディの服の一部を破り捨てる。
 傷こそ負わなかったものの、熊の素早い動きにどう対処するかサンディが思案していると、空から降下してきた雄鳳がその爪で熊に襲い掛かる。
 蛇喰鷲は本来蛇を蹴り弱らせてから食べる鷲。弱るまで蹴り続けるその鷲の名に相応しく何度も熊の頭部を蹴り付ける。
 空からの攻撃に熊が爪を振り上げた所で、空に居る雄鳳には届かない。
 熊が弱ってきた所で、再びサンディが黒剣を構える。
「『さぁ、宴の時間だよ』」
 ユーベルコードを発動させサンディが振り抜いた一撃は、そのまま雄鳳の相手をしていた熊を地に伏した。


 倒した熊の親子を担いで村へと向かえば、閉じられていた村の門が開き、狩りに出かけようとする村人達の姿。
「こんにちは、こんな所に村があったんだね」
 サンディが出かけさせない様に声を掛ければ、見慣れない二人に警戒心を隠さない村人達。
「あんたら、誰だ?」
「旅人です。歩き通しで疲れたので少し休める場所を探していたんです。この村で少し休ませて貰っても良いですか?」
 穏やかな態度で接するサンディ。親熊を担いでいるヴェルもお願いします、と頭を下げた。
「だが……村には旅人を迎える施設など……それに食べ物だって」
 部外者を招き入れたくないとの意思と、ヴェルやサンディが持つ熊への興味を村人達から感じる。
 その熊をくれるなら……との思いを村人から感じ取り、サンディは村人の望む言葉を放つ。
「あ、タダでなんて図々しい事は言わないよ。この熊を貴方達に差し上げます」
「い、いいのか?」
「本当か?」
 サンディの言葉に、村人からどよめきが起こる。肉を狩るのは猟兵にとってはそう難しくなくとも、この村に住む村人には難易度が高いだろう。
 ましてや熊を倒せるだけの猛者は、今この村には居ないだろうから。
 そんな村人に肯定の言葉を返せば、一気に巻き起こる歓迎ムード。
「毎年この時期は特に厳しいよね。獣もおなか減ってるらしくて荒れ狂ってたよ。しばらくは外に出ないほうがいい」
 ほら、とサンディが熊に裂かれた服を見せればおお、と感嘆とした声が沸きあがる。
 こちらへ、と村に案内されながら、ヴェルはそっと村の外の森を見渡す。
 どこまでも薄暗い森の風はまだ冷たくて、それでも真冬の凍て付く寒さと比べれば暖かくて。
「春が近づいてきているから、他の動物や植物も芽吹き始めてるんだね。……ダークセイヴァーの世界でも『お花見』が出来るような日は来るのかな……」
 他の世界なら他愛ない願いだったかもしれない。
 それでもオブリビオンに支配されたこの世界では難しい事も分かっている。
 そんな思いを抱えながら、ヴェルも村人に呼ばれるまま村へと入っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

音羽・浄雲
旅団『蛇塚わくわく武闘派ファーム』の蛇塚レモン(f05152)殿と行動を共に致します。人々のため、頑張りましょうね。
詭り久秀を使い、地形の利用、罠使い、おびき寄せで動物達を追い込み、仕上げはユーベルコードで一気に捕らえます。

「おや、これは有難いですね」
 巻きついたレモンの蛇神の恩恵による擬態を確認し、流石は神の御業とレモンに礼を込めて頭を下げ、駆け出す。

「なればわたくしも役目を果たしましょう」
 両手から地を伝うように糸が流れ、レモンが聞き耳で見つけ出した動物達を開けた場所へと誘導していく。
 そして動物達が一所に集まったのを狙い、音羽忍法【絡新婦】を放つ。


蛇塚・レモン
旅団『蛇塚わくわく武闘派ファーム』所属の浄雲さん(f02651)と一緒に行動 浄雲さん、頑張ろうねっ!

<WIZ>
浄雲さんが草食動物を狩るのなら、あたいはその動物が食べる木の実を収穫しようかなっ?
動物が食べても安全なら、人間が食べても安心なはずだよねっ
念のため、味見とアイテム『魔法の辞典』で毒性がないか調べてみるよ
(料理+情報取集+世界知識) 毒があっても多少は耐性があるよ(毒耐性)
勿論、道中で食べられそうな植物がありそうなら『魔法の辞典』で逐次確認だね~っ

聞き耳立てて草食某物を探す
発見後はユーベルコードで透明化
ミニ蛇神様(全長1m)を浄雲さんに巻き付けて狩りの手助けをするよ
(迷彩+目立たない)




 気温も上がり、色々な生き物が活動を始めた森の中を、旅団『蛇塚わくわく武闘派ファーム』所属の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)と音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)が歩いていく。
「浄雲さん、頑張ろうねっ!」
「ええ。人々のため、頑張りましょうね」
 二人が狙うのは草食動物と、動物が食べているであろう木の実。
「浄雲さんが草食動物を狩るのなら、あたいはその動物が食べる木の実を収穫しようかなっ?動物が食べても安全なら、人間が食べても安心なはずだよねっ」
 念のため、魔法の辞典で毒の有無を調べたり味見はするけど、と続けるレモン。
「……あれ?」
 そんなレモンの耳に聞こえる、動物の足音の様な草木の掠れる音。
 聞き耳をたて動物達の足音を意識して聞き取れば、その数が一体だけで無い事が分かる。
「居ましたか?」
 耳を済ませるレモンに浄雲が静かに声を掛ければ、こくりと頷くレモン。
「こっち!」
 なるべく足音を立てないように静かに、それでも急いで微かに聞こえる方へと向かえば、そこに居たのは二頭の鹿。
 赤い木の実を食べている二頭はまだ二人には気付いていない。
 そっと気付かれないように鹿の背後へ回りこむと、レモンはユーベルコードを発動させる。
「『いくよ、蛇神様っ!』」
 レモンの召喚に応じる様に現れたのは1m程度の蛇。レモンはそっとその蛇を浄雲に巻きつけさせる。
 巻きつかれた浄雲の姿はその効果によって透明になり、徐々にレモンからは見えなくなっていく。
「おや、これは有難いですね」
 巻きついたレモンの蛇神の恩恵による擬態を確認し、流石は神の御業とレモンに礼を込めて頭を下げる浄雲。
 しかしこの力はレモンに相応の疲労をもたらしてしまう。時間は掛けられない、と浄雲は足音に気を付けながらそっと鹿達目掛けて駆け出した。
「なればわたくしも役目を果たしましょう」
 浄雲が両手を地に這わせ詭り久秀を使用すれば、そこから伸びていく無数の糸。
 その気配を察した鹿達は一目散へと逃げ出し、後を追う浄雲は糸を回収しながらその行き先を見やる。
 水場に逃げ込んだ二頭の鹿。そこには鹿の群れが集まっていた。
「この数、惜しいですね。全て搦め捕って差し上げましょう。音羽忍法【絡新婦】」
 その数を見て、逃がすまいと浄雲はユーベルコードを発動させる。
 浄雲の掌から放たれた柔軟で丈夫な糸は、地を這い水面を這いあっという間に鹿の群れを包み込んだ。
 不意の襲撃に再び鹿達は逃げ出そうとするも、足元を這う粘度の高い糸は逃がすまいと鹿の足元を絡め取り、倒れた鹿の動きを封じ込めていく。
 水場に集まっていた鹿の群れを確保すると、浄雲は自身に巻きついていた蛇を解放する。
 浄雲から離れた蛇はそのまますぅっと消えていく。これでレモンに掛かる疲労もなくなるだろう。
「さて、少し重いですが形振り構っては居られませんからね」
 浄雲は集めた鹿を引きずりながら、レモンと合流すべく来た道を戻っていくのだった。

「これはクワの実、食べれるねっ。こっちは……」
「おや、木の実はいかがですか?」
 魔法の辞典で木の実の毒性を調べてから味見をしていたレモンに、鹿の群れを引きずりながら戻った浄雲が声を掛ける。
「あ、浄雲さん!この辺りのはちゃんと食べれるよっ!これは駄目みたいだけど。美味しくなかったぁっ」
 そう言いながらレモンが手にしていたのはクロガネモチ。
 毒ではないがとても苦かったのか、味見をしていたレモンも顔を歪める。
「美味しいのだけで取り敢えずは良いよねっ!それじゃ沢山集まったしそろそろ戻ろっか!」
 見ればレモンの周りには沢山の木の実が集められていた。それをレモンが抱えて、浄雲が鹿を引きずって。
 沢山集められた食料に達成感を覚えながら二人は村へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チャド・アランデル
【心情】
人々は懸命に生きようとしているのに、そんな救済認める訳にはいかないよねー。
なんとしても悲劇は防ぐよー。

【行動】
【レプリカクラフト】使用し獣用の罠作製
その場を離れ技能を活用し狩りを行う
活用技能
狩り【野生の勘、忍び足、投擲、ダッシュ、聞き耳、暗殺】
探し【野生の勘、聞き耳、情報収集、暗視】
罠【罠使い】

一通り狩りが終わったら、最後に罠の確認をします

村人に食料を渡し説明する際も技能を活用します

活用技能
【言いくるめ、礼儀作法】

【その他】
「僕の勘がここに罠を仕掛けろって言ってるよー。」
「この足跡は獲物さんのかなー。」
「この距離は知ってるよ…覚悟ー!」
アドリブ歓迎


リリウム・コルネリウス
WIN
異なる立場である限り『救い』という概念は共同出来ないのだろうか……等と考えつつ食べられる植物や木の実を探す
調理や下ごしらえをすれば、食べる事が出来るものも食べる事が出来る物と見做す
「(……私のような穢れが触った物、食べる事が出来るのでしょうか)」
そんな不安を抱きつつ、背に腹は代えられないので採集
調理や下ごしらえが必要な物も、解らない点はアドバイス程度
周囲を見、オブリビオンの強襲に遭った際の避難誘導、罠の設置について考える
罠等に詳しそうな猟師さんがいらっしゃればお聞きしたい
……理由?
「興味があるんです……私のような者には無い知識ですから」
設置して頂ければ僥倖ですが、不可でも自分で頑張ります




(異なる立場である限り『救い』という概念は共同出来ないのだろうか……)
 リリウム・コルネリウス(矛盾だらけの理想主義者・f03816)は、食べられそうな植物や木の実を探しながら、漠然としたそんな思いを抱えていた。
 そしてふと、自身の手の中にある植物に視線を落とす。
(……私のような穢れが触った物でも、食べる事が出来るのでしょうか)
 リリウムが触れても植物が腐敗する事など無いが、それでもリリウムはそんな不安を抱く。
 それでも食料を求める村人の為にと、背に腹は代えられないとの思いからリリウムは集められる限りの食料を探し出していく。
 ふと視線を上げれば、静かな森の中に微かに見える黒い影のような何か。
 食料調達に来ていた男性がオブリビオンに襲われ殺される……という話を思い出す。
(今オブリビオンの強襲に遭った際の逃走経路、または村に行かさない様にする為の足止め用の罠設置とかはどうすれば……)
「よーし、出来たー!」
 そんなリリウムの思考を遮ったのは、チャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)の明るい声。
 チャドがユーベルコード・【レプリカクラフト】を発動させ作り上げたのは、獣捕獲用の罠。
「あ、あの。それ、どうやって使うのかお聞きしてもいいですか?」
「へ?」
 それを見たリリウムは、そっとチャドに声を掛ける。
 いきなり話を振ってきたリリウムを不思議そうに見るチャド。その意図を読んで、リリウムは俯きながら答える。
「興味があるんです……私のような者には無い知識ですから」
「んー、別にいいけどー。じゃあ罠を設置するから付いてきてー?」
 知らない事を知りたがるのは普通だよねーといいながら、チャドとリリウムは罠を片手に森の中を進んでいく。
「この足跡は獲物さんのかなー?僕の勘がここに罠を仕掛けろって言ってるよー」
 獣道を見つける度に慣れた手つきで罠を設置していくチャド。たまにリリウムもそれを手伝って。
 森の中を歩く内にチャドがそっと歩を止めた先に居るのは、一匹のウリ坊。
 忍び足で距離を詰め、持っている武器を投げつければ、それは的確にウリ坊を仕留めて。
 視界に入る野兎や小動物を抱えられる程度に狩って、空を見れば先程よりは薄暗くなった空。
「そろそろ時間かなー?じゃあ罠を確認して村に戻ろー」
 二人で狩った動物達を抱えて、来た道を歩く二人。
 歩く二人の耳に罠に掛かって暴れる何かの鳴き声。
「何か掛かってるっぽいなー。どんなのが……ってうそだろー……」
「あ……」
 通りすがりに仕掛けた罠を確認しに戻れば、二人の目の前で罠に掛かって暴れていたのは黒いドレスを着た女……予知で告げられたオブリビオンだった。
 暴れるオブリビオンは罠に苛ついて二人にはまだ気が付いていない。
 それでもここに黒ドレスのオブリビオンが居るのならば、この近くに親玉も居るはずだと察した二人は、オブリビオンに気付かれないようにそっとその場を離れる。
 リリウムが去り際にちらりとオブリビオンを見れば、視界の隅に映る白い羽根。
「急ぎましょう」
 自分達が気付かれればきっと付いてくるだろうと、二人は村へ危険を知らせる為に急いで戻っていく。
「……人々は懸命に生きようとしているのに、そんな救済認める訳にはいかないよねー。なんとしても悲劇は防ぐよー」
「はい」
 村に戻る前に、リリウムが集めた植物や木の実を抱える。そんな二人の耳に、遠くから甲高い絶叫が聞こえた。
 仕掛けた罠は破壊されただろう。この付近に人が居る事にも気付かれただろう。
 それでも村人に食料を渡して立て篭もらせるだけの時間は稼げたし、今頃他の猟兵も集めた食料を村に届けて集まっている頃だ。
 二人は食料を渡し村の人々を救うため、開かれた村への入り口へと飛び込んだ。


 村へ入れば、多くの猟兵達が集まっていた。二人が聞いた甲高い絶叫は村に居た猟兵達にも届いたようだ。
「おや、君達は……」
 村人が息を切らせて村に飛び込んできたリリウムとチャドに声を掛ける。
「やー。途中おっかないのに追われましてー、ちょっと片付けるのに荷物が邪魔だったので寄らせて貰いましたー」
 チャドが息を整えながら抱えていた食料を村人に渡すと、入れ違うように村に居た猟兵達は村から外へと飛び出していく。
「で、これから外で色々しますから、門を閉じて絶対に村から出ないで貰えますかー?」
 渡された食料の数、今まで村で話をしていた猟兵達が真っ直ぐに飛び出していったのを見た村人は何かを感じ取った様だったが、その村人は猟兵達を信じ、深く追求する事無く「分かった」とだけ答えた。
「それじゃ、後は宜しくお願いします」
 リリウムもおずおずと集めた植物や木の実を差し出すと、そのままチャドと共に村の外へと駆け出していく。
 猟兵達全員が村の外へ出たのを確認して、村人はその門を硬く閉ざした。
 閉ざされた門を確認して、猟兵達は前方へと視線を送る。
「さーて、相手願おうかー」
 武器を構え、戦闘の準備を整えた猟兵達の目の前には、無数の黒いドレスを着たオブリビオン達が集まってきていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 青白い炎を浮かべながら微笑む残影と、残影達を従える白い翼を持つ少女。
「このような所に人が居たのですね。世の中は理不尽で不条理でしょう。私が貴方達もちゃんと救済して差し上げます。大丈夫、その後の生活は偶像が貴方達の代わりに過ごしますし、貴方達の想いもちゃんと彼女達と共に残りますわ」
 慈愛の笑みを浮かべながら少女は、周囲の残影達に視線を投げる。
 つまり、この残影達は殺された人達の『想い』の具現化した姿。
 それに気付いた猟兵達は、色々な思いを抱えながら武器を握り締める。
「さあ、救済を始めましょう」
 少女の言葉と共に、残影達は一斉に猟兵達に襲い掛かった。
西院鬼・織久
我等が怨念は底無し故に
ぞろぞろと雁首揃えて来るならそれも良し
そっ首落として焼き尽くしてくれよう

【戦闘】
五感と「第六感」「戦闘知識」を活かし戦況把握
回避か「武器受け」か「カウンター」を狙いやすい方を「見切り」実行
物理的に対処できない物は各耐性で耐える

「先制攻撃」の「影面」で拘束
「怪力」で振り回して敵集団に叩きつけ「殺意の炎」の「範囲攻撃」
拘束対象が生き残ったら引き寄せ「串刺し」「傷口をえぐる」で止め
複数で押し寄せてくる敵は「殺意の炎」で牽制し敵一体を「串刺し」
そのまま「怪力」で他の敵ごと纏めて「なぎ払い」
同化への意思や悲観に満ちた絶叫は「呪詛」の如き「殺気」と「呪詛耐性」で跳ね除け反撃に移る


七那原・望
来ますか。
救済とかそういうの、本当にくだらないです。
結局やってることはただの虐殺です。
誰も救われてなんていません。

潰えた希望の果て?
何を悲観してるのかわからないですし、わかりたいとも思わないですけど、そんなただの叫び声には負けません。

【愛唱・希望の果実】を【歌唱】して、みんなのユーベルコードをパワーアップさせるのてす。

それから機掌・プレストを遠隔操作で【操縦】して邪魔な敵を【薙ぎ払って】もらうのです。

希望は、潰えてなんかいないのですよ。

絡み、アドリブは大歓迎です。




「さあ、救済を始めましょう」
 少女の言葉と共に、襲い来る残影達。
「来ますか。ならば」
 七那原・望(封印されし果実・f04836)は迫る残影を前に、そのユーベルコードを発動する。
「~~~♪」
 望の歌う【愛唱・希望の果実(コーラス・オブ・デザイア)】。
 味方のユーベルコードを一時的に強化させる事の出来るその歌は、同行していた西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)の力を引き上げる。
「『何人たりとも死の影より逃れる事能わず』」
 その恩恵を受け、織久は己のユーベルコードを発動させる。
 詰め寄る残影達を迎え撃つように、織久から伸びた黒い影は残影の一体に絡みつくと大爆発を起こし、爆発を起こした影の腕はその一体と織久を繋ぎ合わせた。
「我等が怨念は底無し故に。ぞろぞろと雁首揃えて来るならそれも良し。そっ首落として焼き尽くしてくれよう」
 そのまま力任せに影で捕らえた残影を振り回し、敵集団を捕らえた残影もろとも薙ぎ払う。
 捕らえられた残影がお返しとばかりに炎を放つも、それを見た織久はまた別のユーベルコードを発動する。
「『我等が怨念尽きる事なし』」
 呼び出されたのは、残影が放つ炎すらも燃やし尽くす漆黒の炎。
 黒い炎を巻き上げ辺りの残影を焼き払い、弱っている個体を見つければ武器で串刺して一体ずつ確実に仕留めていく。
 ふと、織久の背後から響く絶叫。背後から訪れた衝撃は纏う殺気で相殺出来たとしても、それでも応対しなければダメージが累積するのは必至。
「まだ後ろにいましたか」 
 後方の敵を薙ぎ払おうと織久が後ろを振り返れば、そこに居た敵を一掃していく望のガジェット、機掌・プレスト。
「救済とかそういうの、本当にくだらないです。結局やってることはただの虐殺です。誰も救われてなんていません」
 歌うのを止めた望は、遠隔操作でプレストを操縦しながら織久の周囲を取り囲む残影を薙ぎ払っていた。
(どんな思いがあるのかも、何を思っているのかも分からないですし、分かりたいとも思いません。でも……)
 響き渡る残影の絶叫。その衝撃は織久や望を包み、決して軽くはない傷を残すけれど。

 自分達の背後には、まだ生きている人達が居る。
 希望を持って、今を生きている人達が居る。

「そんなただの叫び声には負けません!希望はまだ、潰えてなんかいないのですよ!」
 望の怒りと共に操作されたプレストが周囲を薙ぎ払い、織久の巻き起こした漆黒の炎が周囲の残影達を焼き払った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リュシール・ミラー
ああ、君はなんて素晴らしいのだろう! 一方的な慈悲と救済を与え、哀しみで満ちたオブリビオンを創っている。そんな優しい君のために、救済をしなければね!

同化への意思
 そもそも憐憫の感情を与えらるような可能性が低い。私は等しく彼らを愛し、本来あるべき姿にするために倒すのだから。仮に他の猟兵が引きずり込まれそうになったら上の台詞と【存在感】【パフォーマンス】でこちらに注意を向かせて感情をこっちに向けさせる。UCで目立たせるためステップを踏もう。で、【呪詛】【恐怖を与える】で精神的に攻撃。想いを消すほど強い愛情(殺意)でかえしてあげよう。

哀しみ、怒りで満ちた愛しい遺志の君、私が愛してあげようじゃないか。




「ああ、君はなんて素晴らしいのだろう!一方的な慈悲と救済を与え、哀しみで満ちたオブリビオンを創っている。そんな優しい君のために、救済をしなければね!」
 リュシール・ミラー(ダンスマカブル・f14809)は少女に向けて宣言するも、少女は一つ笑みを浮かべると何も言わずに残影達をけしかける。
「ふふ、哀しみ、怒りで満ちた愛しい遺志の君達も、私が愛してあげようじゃないか」
 向かってくる残影の視線を集めようと、派手なパフォーマンスで注意を引き付けるリュシール。
(そもそも、私が憐憫の感情を与える訳がない。私は等しく彼らを愛し、本来あるべき姿にするために倒すのだから)
 絶対的な自信を持って、リュシールは残影達に視線を向ける。
「想いを消すほど強い愛情(殺意)でかえしてあげよう」
 ユーベルコードを発動させ、空を駆ける。呪詛を用いて残影達に恐怖を与えようとするが、様々な感情を抱える残影達にはなかなか呪詛は掛からない。
 何とか一体に呪詛を掛ける事に成功し、次の一体へと視線を向けた中、空を舞うリュシールをに向けて、別の残影が絡みつく腕を伸ばす。
 伸ばされたその腕は的確に、空を舞い逃げ場を無くしたリュシールを捕らえて、その身体を地へと引き戻した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リリウム・コルネリウス
wiz
チャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)さんに同行

生きる事が是なのか、死ぬ事が非なのか……世界に生き、躯の海に排出されるという事
死を肯定するのなら、オブリビオンも肯定しなければならない……何故ならそれは、同質であり過去だから
しかし現在に至るまでの過去が存在しないとすれば、現在の存在は不可能で過去を非と断じる事は難しい
「(……何故、私、は、存在する?)」
――いけないいけない、呑まれる訳には
アランデルさんのように、純粋に悲劇を食い止める為……と考えられたらいいのですが

戦闘時は白百合の風を使用
主への祈りを添えて
「天の御父よ。御心を為す為、私をお使いください」

アドリブ可


チャド・アランデル
1章で一緒に行動したリリウム・コルネリウス(矛盾だらけの理想主義者・f03816)さんと一緒に戦うよー。

【心情】
うわー、さっきの罠に引っかかってたやつだー。
あれは流石にびっくりしたけど、気持ちは切り替えていくよー!
リリウムさんに近づく敵には僕の牙が光るからねー!

【行動】
【ガチキマイラ】使用
戦闘はリリウムさんを守るように動きます
ガチキマイラで回復しながらの戦闘です

活用技能
【野生の勘 生命力吸収 敵を盾にする 見切り 時間稼ぎ 2回攻撃 フェイント カウンター】

【その他】
「何となく守りたいって思ったんだー。ここから先には通さないよー。」
「男の子には矜持ってのがあるんだー。…カモーン!」
アドリブ歓迎




「うわー、さっきの罠に引っかかってたやつだー」
 薙ぎ払われ、焼き尽くされる残影達を見ながら、チャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)は呟く。
 獣を取る為に仕掛けた罠に掛かる程に、知能は高くないのかなーとも考えるが、それより今は為すべき事が他にある。
「あれは流石にびっくりしたけど、気持ちは切り替えていくよー!リリウムさんに近づく敵には僕の牙が光るからねー!」
 隣に立つリリウム・コルネリウス(矛盾だらけの理想主義者・f03816)を見ながら、チャドはユーベルコードを発動する。
 利き腕に獣の力を宿しライオンの頭部を具現化させると、その腕を残影に向けると、高々に宣言する。
「男の子には矜持ってのがあるんだー。……カモーン!」
 言い切ると同時に、迫る残影を獣と化した腕で食い千切った。

 そんな光景をどこか遠くの事の様に感じながら、リリウムはそれを眺めていた。
 否。その視線はどこも映さずただ目を開いているだけに過ぎず、リリウムの意識は己の思考の中に沈んでいた。
(生きる事が是なのか、死ぬ事が非なのか……世界に生き、骸の海に排出されるという事……)
 死を肯定するのなら、オブリビオンも肯定しなければならないのだろうか?
「……何故、私、は、存在する?」
「リリウムさん!」
 ポツリと漏れた言葉に返事はない。代わりに自身の名を呼ぶ声にハッと我に返る。
「あ……」
 いつの間にかリリウムの眼前に迫っていた残影。
 残影の手に集められた炎は、的確にリリウムを捉えていて。
 ダメージを覚悟して強く目を閉じるも、一向に訪れない熱に不思議そうに目を開くと、目の前にはチャドに貫かれた残影が霧の様に消えていく光景。
「大丈夫ー?流石にボーっとしてると危ないよー?」
 リリウムを庇いながら、迫る残影を喰らい尽くしていくチャド。
「悲劇を食い止める為に頑張ろうねー」
 明るい笑顔で発せられた言葉に、リリウムはどうして?と意識を乱す。
「何故……私を守ろうとするのですか……?」
 知り合いという訳でもない、この世界に来てから行動を共にしているだけの自分を。
 言外にその意味を含めて問えば、チャドはまた笑顔を浮かべて。
「何となく守りたいって思ったんだー」
 その答えに、リリウムが何から?と問う前に、チャドは再び戦場へと駆け出していく。
「ここから先には通さないよー」
 迫る敵を腕のキマイラが喰らって、その生命力を奪って自身の傷を癒していく。
「――呑まれる訳には、いきませんよね」
 そんな戦いを見ながら、リリウムも決意を固める。
 チャドの様に純粋に悲劇を食い止める為、と考えられたらとも思うがそれが出来ないのが自分である。
 リリウムは一つ首を振って、意識を残影に向けユーベルコードを発動させる。
「天の御父よ。御心を為す為、私をお使いください」
 装備していた武器が、リリウムの言葉に呼応するように白百合の花びらへと姿を変え、巻き起こした花吹雪は、チャドを取り巻く残影達に纏わり付いた。
 巻き起こした花吹雪が治まる頃、チャドの周りに居た残影達の姿は、跡形もなく消え去っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
今回は裏人格の蛇神オロチヒメで戦闘に臨む
(レモンは優しいので憐憫を抱いてしまうため不向き)
浄雲(f02651)よ、此奴等に慈悲など無用である
遠慮なく切り捨ててしまえ、是非もなし!
(背中合わせの友へ告げる)
……余の背中は預けた、浄雲
故に貴様の背中は余が預かろう

さて、余の蛇眼の霊力をその身で思い知れ!
ユーベルコードの不可視の鎖を視界内の残影に叩き付けてやろう
(範囲攻撃+念動力+衝撃波+ロープワーク)
そして数体を捕縛して鎖を操作し、炎の弾除けにするのだ
(マヒ攻撃+敵を盾にする)
また蛇腹剣クサナギと共に絡め取った残影を振り回し、敵をなぎ払う
多少の炎など余には効かぬぞ?
(オーラ防御+火炎耐性+激痛耐性)


音羽・浄雲
「レモン殿(f05152)もオロチヒメ様も頼もしい限りでございます。その背中、しかと預かりました!」
 背合わせに構えたオロチヒメに言い放つや否や、両手で印を結び右手を地面につけた。すると、地面に赤黒い八卦の陣が浮かび上がる。
八卦の陣が光を放って消えるとそのあとには、甲冑を纏った骸骨兵たちが佇んでいた。
「音羽忍法【餓者髑髏】――情なき骸の軍にてお相手いたしましょう」
 憐憫の情を持ってはならないというのならば情を持たない死人の兵をぶつけるのが得策かと浄雲は読んだ。
 背を守るレモン達がいる為、浄雲は術に集中することもでき、襲い掛かるものあらば音羽衆をその場に動かすこともできる万全の構えであった。




「浄雲よ、此奴等に慈悲など無用である。遠慮なく切り捨ててしまえ、是非もなし!」
 先程とうって変わった蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)の口調に、音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)はレモンが蛇神オロチヒメに入れ替わったのだと悟る。
 だがそれでいいとも思う。レモンは優しい娘。きっと敵である残影達を不憫に思い、敵だからと割り切って倒す事も難しかっただろう。
 だが、それでも二人の信頼は何も変わらない。オロチヒメとなったレモンもそれは同じだろう。
「……余の背中は預けた、浄雲。故に貴様の背中は余が預かろう」
 オロチヒメが背中越しに浄雲に言葉を託す。その信頼に浄雲も頷き言葉を返す。
「レモン殿もオロチヒメ様も頼もしい限りでございます。その背中、しかと預かりました!」
 背中合わせに言葉を交わせば、互いに後ろはもう気にしない。
 それだけの信頼感が、二人にはあった。
 残影に囲まれても不安はない。ただ前に居る敵を倒すのみ。
「『音羽が兵者共よ・・・・・・我らが怒りを此処に示せ!』」
 浄雲は前だけを見据え、両手で印を結び右手を地面につける。地面に浮かび上がる赤黒い八卦の陣。
 八卦の陣が光を放ち、呼び出された甲冑を纏った骸骨兵達。
「音羽忍法【餓者髑髏】。情なき骸の軍にてお相手いたしましょう」
 憐憫の情を持ってはならないというのならば、情を持たない死人の兵をぶつけるのが得策かと浄雲は考えたが、その読みは当たっていた。
 憐憫の感情を与えた者に当てる伸ばされた残影の腕は、感情を持たぬ骸の兵には届かずすり抜けられる。
 逆に骸骨の兵達はその伸ばされた腕を切り落とし、そのまま残影本体をも消し去っていく。
「ふふ、浄雲もやるのう」
 そんな空気を背中越しに感じ取ったオロチヒメも楽しそうに笑うと、眼前に集まる残影に集中する。
「なれば余の力も見せてやらんとのう。貴様達も余の蛇眼の霊力、その身で思い知るがいい!」
 オロチヒメがユーベルコードを発動する。これが本当の蛇睨みだと言わんばかりに超霊力オーラで生成された不可視の鎖を生み出すと、オロチヒメは視界内の残影に鎖を叩きつける。
 見えない鎖からの攻撃に、一部の残影が宙へ吹き飛んだ。オロチヒメはニヤリと笑うと吹き飛んだ残影をそのまま宙で不可視の鎖を用いて絡め取る。
 地上に残った残影から復讐に燃える炎が放たれる。自身に迫る炎を見るやオロチヒメは鎖を引き戻し、捕縛していた残影に受けさせた。
 鎖で捕らえていた残影がその炎で掻き消えると、別方向から放たれる炎がオロチヒメを包む。
「多少の炎など余には効かぬぞ?」
 オーラで身を包み炎耐性を持つオロチヒメは、蛇腹剣クサナギを一振りし身を焼く炎を掻き消した。
 火傷の痛みを耐えながら、オロチヒメは眼前に存在する残影目掛けて蛇腹剣クサナギを薙ぎ払う。
 残影から再び放たれる復讐の炎。二度は通じぬと剣を振る衝撃で炎を掻き消すと、オロチヒメは辺りに集まった残影達を一気に消し去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴェル・ラルフ
サンディ(f03274)と参加

「想い」だけが残されてしまったんだね。
魂は、オブリビオンなんかに救済されなくてもきちんとあるべき所に還ると思うけどな、僕。


SPD
さて、憐れみの感情なんて持たないように[覚悟]して臨もう。
そもそも、残影だし特に心配してないけど、ね。

如意棒で近場にいる残留思念を[フェイント]を入れて[なぎ払う]ことで集めていく。
サンディが追いたててくれたのも集まったところで、【残照回転脚】。
一気に爆風と黒炎の範囲攻撃をしよう。数、読み違えないようにしないとね。

残された想いは、黒幕にぶつけてこそ転生できるんじゃないかな。

代わりに、僕たちがぶつけてくるから。その思いを、力に変えさせて。


サンディ・ノックス
ヴェル(f05027)と参加

残影へは特に気持ち動かないや
かつてヒトだったとしても今は別のもの
むしろヒトだと認めたら元のヒトに失礼だよって思う

胸鎧を元に黒騎士の一体化変身
全身黒甲冑姿になり武器は大剣に変化

攻撃回数を重視した『解放・宵』で多くの敵を攻撃し【おびき寄せ】る
攻撃に耐えられる数を読み違えないように気を付けるよ

「ほら、感情を叩きつけてみなよ」

敵の炎を【火炎耐性】で耐えつつ【見切り】、回避できるものは躱す
戦闘しながら【地形も利用】して敵を一方向に集中させ、ヴェルが一気に焼き払えるようにするよ
(=最終的に敵の集団を俺とヴェルで挟めるような立ち回りをする)
焼き残りがいたら即座にトドメを刺しにいく




「『想い』だけが残されてしまったんだね。魂は、オブリビオンなんかに救済されなくてもきちんとあるべき所に還ると思うけどな、僕」
 ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は、有象無象に集まる残影を見ながらポツリと呟く。
(相手は残影だから特に心配はないだろうけど、憐れみの感情なんて持たないように気をつけないとな)
 でなければあの腕に絡み取られるだろうからと、気を引き締めるヴェル。
 その隣では、サンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)がふむ、と残影達を見る。
(残影へは特に気持ち動かないや。かつてヒトだったとしても今は別のもの。むしろヒトだと認めたら元のヒトに失礼だよって思うし)
 こちらも『憐憫』の感情には気を付けようと意識するも、当の残影達を見ても何の感慨も沸かない事に多少は安堵する。
「それじゃ行こうか」
 有象無象に集まる残影を前に、サンディは胸鎧を元に黒騎士の一体化変身を行う。
 胸鎧はそのままサンディの全身を包み、黒の甲冑姿へと変えていく。
 手にした黒剣は大剣へと姿を変え、準備が整ったと言わんばかりにサンディは敵の中へと飛び込んでいく。
「ほら、感情を叩きつけてみなよ」
 サンディは大剣と化した黒剣で多くの残影を斬り付ける。その一撃は軽くダメージを与える適度の物だが、サンディの挑発に応じる様に残影達はサンディの傍へと群がっていく。
 放たれる復讐の感情を纏った炎はサンディ目掛けて放たれるが、それらを見切り、避けながら少し開けた場所へとおびき寄せる。
(あそこに集めれば、ヴェルが一気に焼き払える……)
 その想いに応える様に、集められた場所からはみ出した残影をヴェルが如意棒で薙ぎ払い集めると、サンディの対面に立ち回った。
「残された想いは、黒幕にぶつけてこそ転生できるんじゃないかな。代わりに、僕たちがぶつけてくるから。その思いを、力に変えさせて。……『染まる緋、灰と化せ』」
 敵の中央に飛び込んで放たれたユーベルコード。ヴェルの巻き起こした爆風と黒炎が集められていた残影達を巻き上げ、切り刻んで燃やし尽くしていく。
「ギーーー」
 燃えながら、倒れていなかった残影からヴェルへと伸ばされる肉塊。
 それを蹴り落とそうと身構えるヴェル。だが、その肉塊はヴェルへと届く前にぼろぼろと崩れ落ちる。
 最後の残影に突き刺さる黒剣。残影も炎も消え去った森に静けさが戻る。
「……ありがと、サンディ」
「お疲れ、ヴェル」
 周囲に敵が居ない事を確かめてから、二人は手を合わせた。
  ぱんっ、と小気味良い音を森に響かせて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミニョン・エルシェ
罪を重ねる前に幽世に送るのが、何よりの手向けと信じます。

【戦闘】
伊達に木菟形兜を被っていません。得意の空中戦で挑みます。
「特製鉤縄」を使用し、【地形の利用】をしながら
【ロープワーク】や【踏みつけ】で木々や敵を足場に【空中戦】を行います。
対象を「我城普請・相横矢」で動きを止め、上空から鎗で一突きのヒットアンドアウェイです。
【第六感】と【野生の勘】を併用し、相手の攻撃態勢を確認したら、
絶叫を放つであろう方向とは逆へ回避行動を取ります。

例え惨めでも、不条理でも。生きていれば明日が来るのです。
生きていれば、不幸にだって立ち向かえるのです。
生ある方々の「明日」の邪魔はさせません。
※アドリブ歓迎、です。




「罪を重ねる前に幽世に送るのが、何よりの手向けと信じます」
 数を減らし、それでも眼前に立つ残影を見ながら、ミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)は、残影に相対させるべく死霊を呼び出す。
「『地脈に接続……防塁普請、並びに兵の配置完了。鉄砲隊、構え……撃て!!』」
 ミニョンの言葉に従うように死霊達が放つ火縄銃による十字砲火。
 残影達も火には火をと言わんばかりにそれらを炎で焼き返し、絶叫による衝撃波で応戦する。
 呼び出した死霊と残影の戦いが始まると、ミニョンは自らは得意の空中戦へと持ち込むべく、特製鉤縄を用いて木の上へと飛び跳ねる。
「伊達に木菟形兜を被っていません。私は得意の空中戦で挑みます!」
 木々の間を舞い敵中へと舞い降りると、ミニョンは手にした槍で確実に一体ずつ仕留めていく。
 突き刺した残影が消え去るのを確認し、再び木上へと戻ると眼下で行われる戦闘に視線を下ろす。
(残りは数えるほど、これで終わらせます!)
 また敵中へ舞い降り別の残影を突き刺した時、傍に居た別の残影がミニョンに視点を合わせる。
 絶叫が来る、とミニョンの勘がそれを告げる。それと同時に残影が発した絶叫。
 音は空気を震わせミニョンに襲い掛かるも、ミニョンもその残影から距離を取るように離れ、空中へと身を翻せば衝撃は森の木々に傷を生み出して消え去った。
 ふと視線を動かせば視界に入る白い羽根。
 この状況下でも微笑みながら戦況を眺めている少女。

『世の中は理不尽で不条理でしょう。私が貴方達もちゃんと救済して差し上げます』

 少女の発した言葉に、ミニョンはぐっと歯を食いしばる。
(……例え惨めでも、不条理でも。生きていれば明日が来るのです。生きていれば、不幸にだって立ち向かえるのです)
 怒りにも似た感情を抱えながら、ミニョンは地上に残った最後の残影をその槍で貫く。
 残影が消え去り、この場に動くものは猟兵達と少女のみとなった。
 ミニョンは、最後まで高みの見物を決め込んだ少女に向けてその槍を突き上げる。
「生ある方々の『明日』の邪魔はさせません!」
 ミニョンの宣言を聞いても尚、白い翼を持つ少女は微笑んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『救済の代行者・プレアグレイス』

POW   :    黒死天使
【漆黒の翼】に覚醒して【黒死天使】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    鏡像の魔剣・反射
対象のユーベルコードを防御すると、それを【魔剣の刃に映しとり】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    鏡像の魔剣・投影
【魔剣の刃に姿が映った対象の偽物】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。

イラスト:香

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 全ての残影を消し去られて、猟兵達の殺気を受けてもそれでも微笑み続ける白い翼を持つ少女。
「貴方達はお強いのですね。それでも全ての者が強い訳ではありません。影達だけでは貴方達を救済してあげられませんでしたね。それではこの『救済の代行者・プレアグレイス』直々に、貴方達に永遠の救いをもらたしてあげましょう」
 少女・プレアグレイスは、魔剣を抱えると猟兵達の前に立ちはだかった。
ミニョン・エルシェ
貴女の思う救いを、私に押し付けないで下さい。
私の生きる道は、私が決めます。

戦闘:
「因果捻転・鳳仙花」
…これを使うことに躊躇う理由のない相手で助かります。
引き続き「地形利用」「ロープワーク」で「空中戦」を仕掛けつつ、
鎗を振るう度に「鳳仙花」を発動する事で術の発動条件のブラフにします。
体内で発動する術ですが、万一防御された場合は、
常に視界に入らぬ様に位置取りする事を心掛け、
ここぞというところで鎗を振るわずに発動します。
爆発で怯んだら、「槍投げ」で鎗を投擲し、追い討つ様に簪宗信で
一突きを加えてやります。

「村の方たちにとっては。貴女が消える事が、何よりの救済でしょう。
…明日の為に、骸の海に還りなさい」


七那原・望
WIZで判定

ですから、そんな救済は不要と言ったのですよ。
みんなから明日も希望も奪う汚らしい殺戮者。
そんなに救いたいなら勝手に自分で自分を救っていれば良いのです。

私の偽物ですか。どうでもいい。
そんな物、纏めて【なぎ払え】ばおしまいです。
【フローラ・テンペスタ】。【全力魔法】の【範囲攻撃】を全ての武器を使って【一斉発射】です。
それでも立ち上がるなら【2回攻撃】でもう一度。
例え逃げようとしても逃しません。
【第六感】と【野生の勘】でどこに動くかなんて大体わかるのですよ。
後は一番良い位置で、良いタイミングで【フローラテンペスタ】を発動すれば十分ダメージは与えられるはずです。


ヴォルフラム・ヴンダー
なにをもって『救済』とするかは、各々が決めること
――断じて、貴様ではない


【夜想の魔獣】で、漆黒の巨大な四足獣に変身
※紅眼。この形態では人語は話さない

魔剣の刃に姿を映しとられぬよう
「残像」等を駆使し、常に戦場を移動し続けるよう警戒

敵の【投影】により猟兵の偽物が現れた場合
獣の嗅覚で匂いをかぎ分け、偽物に喰らいつき「吸血」
「生命力吸収」での弱体化や、爪や牙による猛毒の継続ダメージ付与を狙う

他の猟兵とは、機があれば積極的に共闘

獣化している間は、攻撃を軽減できる
堕天使に狙われている者があれば
攻撃を仕掛けて阻害、または庇いに入る


この世界は、絶望に支配されている
それでも
うつくしいものは、たしかに存在している




「『救済の代行者・プレアグレイス』直々に、貴方達に永遠の救いをもらたしてあげましょう」
 微笑みながら発せられた言葉に、七那原・望(封印されし果実・f04836)が反論する。
「ですから、そんな救済は不要と言ったのですよ。みんなから明日も希望も奪う汚らしい殺戮者。そんなに救いたいなら勝手に自分で自分を救っていれば良いのです!」
 苛立ちを隠さずに言い捨てる望の言葉を聞いても、プレアグレイスは余裕の微笑を浮かべたまま魔剣を構える。
「元気なお嬢さんね。なら、まずは貴女の代わりを用意してあげましょう」
 そう言ってプレアグレイスは魔剣の刀身に、望の姿を映し出す。
 姿を映した魔剣の刀身は光を発し、そこから現れたのは望と同じ姿をした少女。
「さあ、貴女の手で貴女自身を救ってあげましょう」
「そうですね。まずは、そこからです」
 生み出された望の偽者にプレアグレイスが囁けば、望の偽者もそれに応じるように、所持する装備から紅いアネモネが咲き誇る純白の大鎌を取り出し身構える。
「私の偽物ですか、どうでもいい。そんな物纏めて薙ぎ払ってしまえばおしまいです!」
 ユーベルコードの範囲魔法で全てを薙ぎ払おうとする望。だが、そうはさせまいと一気に間合いを詰めた望の偽者が望目掛けて大鎌を振り下ろす。
 大鎌が望を切り裂く前に、金属と金属がぶつかり合う音が辺りに響く。
 偽者の大鎌を、ヴォルフラム・ヴンダー(ダンピールの黒騎士・f01774)が手にする黒剣で受け止めたのだ。
「何をもって『救済』とするかは各々が決める事。断じて、貴様等ではない」
 偽者を弾き飛ばし、強い意志でプレアグレイスを睨むヴォルフラム。
 その睨みにも微笑を絶やさずにプレアグレイスは魔剣を構える。
 ヴォルフラムはユーベルコードを発動しその姿を漆黒の巨大な四足獣へと変え、魔剣の刀身に姿を映しとられぬ様にと森の中を駆け出した。
 血の様な紅眼は真っ直ぐにプレアグレイスと、望の偽者を視野に入れる。
 唸り声を上げ、木々の間を駆け抜けながら、望の術の発動を阻害する偽者を喰らい付こうと襲い掛かるヴォルフラム。
 だが、偽者に掛かったヴォルフラムに、プレアグレイスは微笑みながら魔剣の刀身を向ける。
 刀身に姿が完全に捉えられる前に、偽者から離れ木々の間へと身を潜ませるヴォルフラム。
「どうしたのですか?隠れてばかりでは何も出来ないでしょう?」
 何処か楽しげなプレアグレイスの声に、ヴォルフラムは森の中を駆け抜けながらもこのままでは埒が明かないと判断し、例え姿を映されても全てを噛み砕くと決意する。
 回避行動からプレアグレイスに飛び掛る為に身を反転した時、樹上からプレアグレイス目掛けて舞い降りるミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)。
「やーーーっ!」
 ヴォルフラムに意識を奪われ、やや反応が遅れるプレアグレイス。
 だが、意識を逸らしていた上に上空からの完全な不意打ちだったにも関わらず、ミニョンが振り下ろした槍の切っ先はプレアグレイスを掠めるに留まる。
 避けた体勢のままミニョンに反撃を試みようとしたプレアグレイスが剣を構えた刹那、槍が掠めた部位が途端に爆発を起こす。
「な……」
「『因果捻転・鳳仙花』……これを使うことに躊躇う理由のない相手で助かります」
 掠めた相手に魔力を仕込み、相手の内部から爆発を起こす。いつもならば使う事に躊躇しかねないユーベルコードだが。
 急な爆発に絶句するプレアグレイスに、ミニョンはその隙を逃さずに槍で突き上げていく。
「貴女の思う救いを、私に押し付けないで下さい。私の生きる道は、私が決めます!」
 掠めた傷は再び爆発を起こし、プレアグレイスに軽くはない傷を累積させていく。
 体勢を崩した隙を逃さず、ミニョンは腰に差した簪宗信を引き抜いてその間合いを一気に詰める。
「村の方達にとっては貴女が消える事が何よりの救済でしょう。……明日の為に、骸の海に還りなさい」
 簪宗信を一突きすれば、その刃はプレアグレイスの腹部を的確に貫いた。

「いい加減、邪魔なのです!」
「それはこちらの台詞なのです!」
 術を発動しようとする望に純白の大鎌を振るう偽者。
「どこに動くかなんて大体わかるのですよ」
 それを難なくかわしていく望。それでもユーベルコードを発動させまいとする偽者からは隙を感じずにいた。
 プレアグレイスの意識がミニョンに逸れたのを確認し、ヴォルフラムは、その隙を作るべく距離を詰め偽者に喰らい付く。
 噛み付いた傷跡から血液と生命力を吸い取り、代わりに猛毒を流し込んでいく。
「邪魔、なのです」
 接近したヴォルフラムを引き剥がそうと大鎌を振るう偽者。それでも先程までの威勢の良さは失われ、振るわれた一撃を何ともなく回避するヴォルフラム。
 注がれた猛毒のダメージは確実に偽者の体力を奪っていく。それでも自身が本物を救うと疑わない偽者はまだ倒れない。
(……この世界は、絶望に支配されている。それでも)

 美しいものも確かに存在している。
 人がオブリビオンに抗い、今を懸命に生きるのも。
 自身が自身として生き続ける事も。
 その為に、本物を消し偽者に生活させる救済など認めない。

 後方で隠れている村人達を思い、ヴォルフラムは強く決意し意識を二人の望へと向けなおす。
 毒の影響か、偽者が望との距離を取ったのを見て再び両者の間に割って入り、偽者に喰らい付いてその血を吸い上げる。
「あ……」
 血液と生命力を吸い取られ、猛毒の影響もあってか、その一撃で偽者は体勢を崩す。
「例え逃げようとしても逃しません。『愛と希望を込めて、舞い踊って!』」
 その隙を突いて望はユーベルコードを発動する。
 全ての武器を赤と白のアネモネの花びらに変えて、巻き起こる赤と白のアネモネの嵐。全力で放たれた魔法は最大の威力を持って偽者とプレアグレイスを包み込んだ。
 花嵐が消え去った時、目の前に立っていた望の偽者は消え、血を流し傷を負ったプレアグレイスだけが、その場に立っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

西院鬼・織久
我等が敵を狩り血肉と苦痛を喰らう
それこそ我等が怨念の糧であり我等が救済
存分に喰らい合おうぞ

【戦闘】
【POW】
五感と「第六感」を働かせ敵行動の前兆を察知
敵攻撃や【反射】は自身の「戦闘知識」も活かし対処
「見切り」回避か「武器受け」か「カウンター」を狙いやすい方を実行

初手「怨鬼解放」
以降は武器に「呪詛」「殺気」の炎による「鎧無視攻撃」「属性攻撃」付与
武器の物理的な長さと炎で攻撃全てが「範囲攻撃」に

偽物は敵ごと「なぎ払い」より隙が出来た方を「串刺し」
「怪力」で縫い留め「傷口をえぐる」
その間に接近して来た対象に「怪力」で投げつけると同時に「ダッシュ」
諸共「串刺し」にして二回攻撃の「なぎ払い」で斬り飛ばす


蛇塚・レモン
(主人格に戻る)
いよいよ首謀者登場だねっ!
浄雲さん(f02651)と連携してやっつけちゃうよっ!
(浄雲さんへハイタッチしようと)
って、敵の横にあたいがいるっ!?
そういうユーベルコードはズルいから使用禁止っ!

ユーベルコードで蛇神様を呼び出して、プレアグレイスを魔剣ごと攻撃して敵のユーベルコードを封印するよっ!
破壊念動波の衝撃で敵の意識を遠のかせ、魔剣が砕けたり手から離れれば敵のSPDユーベルコードも使用できなくなるよねっ!
(念動力+範囲攻撃+鎧無視攻撃+衝撃波+武器落とし+マヒ攻撃+気絶攻撃)
偽物は消えちゃえっ!
浄雲さん、トドメをお願いっ!
あたいも超霊力オーラガンの霊弾で連携だよっ!
(援護射撃)


リリウム・コルネリウス
Wiz
チャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)さんに同行

「自身がして欲しいと思う事を他者にも行え……成程、プレアグレイスさん、葬られたいのですね。直ぐに気付けず、申し訳ないです」

プレアグレイスさんを”救済”する為、私は基本的に囮を行う
使用技能:おびき寄せ・オーラ防御・祈り・援護射撃
ユーベルコード:絶望の福音
を使用
オーラ防御&絶望の福音で長く囮になる事が出来るように
おびき寄せ+援護射撃でアランデルさんに意識が向かないように注意します

祈り:「(嘗ていっその事、葬られたいと私が願ったように――。私のお仕えする主よ、彼女をお救い下さい)」

アドリブ可


チャド・アランデル
リリウム・コルネリウス(矛盾だらけの理想主義者・f03816)さんと一緒に行動するよー!

【心情】
翼の生えた少女となると、噂に聞く疫病楽団関連が思い浮かぶねー。
今回は関係ないのかなー?
真実は分からないけど、やる事は決まってるよねー。
間違った救済を許す訳にはいかない、辛い事もあるけどその分幸せもあるのが人生だよー!

【行動】
【シーブズ・ギャンビット】(以下UC)使用
リリウムさんに引き付けて貰って、剣に映らない後方から隙を伺う
隙があれば、UC使用
疫病楽団に出る少女との共通点があれば探します

活用技能
戦闘【野生の勘 見切り 2回攻撃 フェイント ダッシュ カウンター 暗殺】
探り【情報収集】
アドリブ歓迎


音羽・浄雲
「どうやら彼の者が首魁の様ですね。それではレモン殿(f05152)、頼りにさせていただきますね」
 オブリビオンのユーベルコードを封じようとするレモン。その技を信じ、浄雲は印を結んで自らのユーベルコードを起動する。
「音羽忍法【鬼火】。焼き尽くして差し上げましょう!」
 浄雲の身体が青白い焔に包まれ燃え上がる。
「救済を掲げる貴方に敵という概念はおありでしょうか?その身を焦がすほどの憤怒はおありでしょうか?」
 問いかける浄雲の顔はどこか物悲しく、共にあるレモンにそんな顔は見せまいと斜めに掛けた般若の面を顔に被る。それと同時、目にも止まらぬ速度で、脇差を抜いた浄雲が劫火と共にオブリビオンに躍りかかった。


ヴェル・ラルフ
僕は救済される必要ないから、遠慮しとくよ。
どんな想いも、僕だけのもの。君に渡す気はないね。

サンディ(f03274)と参加

SPD
相手も疲れがみえてるね
まずは[早業]で敵との間合いを詰め、如意棒「残紅」で[力溜め][鎧砕き][なぎ払い]の重い[2回攻撃]
敵が反撃を仕掛けてきたら、【反照舞踏脚】で回避しながら体術による攻撃
サンディと二人で体力消耗を狙うよ

君は、その姿好きなの?僕だったらご遠慮したいね。
だってそれ、とっても強欲で、孤独じゃない?

[早業][暗殺]で背後をとって、【シーブズ・ギャンビット】で[傷口をえぐる]

ふふ、救済してあげようか?
もう、人のモノを欲しがらずに済むように、ね。


サンディ・ノックス
世の中は理不尽で不条理…ま、そこは同意するよ
でも偽物に生活を奪われ、想いは別の存在に変質させられることのどこが救済なのさ
結局増殖するための詭弁でしょ、馬鹿馬鹿しい

ヴェル(f05027)と参加

黒甲冑姿で大剣装備は継続

攻撃回数重視の『解放・宵』を使用して敵の魔剣と打ち合う
敵からの攻撃は【フェイント】をかけて回避し【カウンター】
二人で体力消耗を狙うよ

敵が漆黒の翼に覚醒したら
「随分と歪んだ魂にお似合いの姿になったじゃない」
と嘲笑う

俺は正面から【怪力】を込めて攻撃力重視の『解放・宵』を放つ
俺と似たその剣ごと、骸の海に帰ってもらおう

…ヴェルのユーベルコードを真似なんかしたら無表情で最大級の攻撃を入れてやる




「いよいよ首謀者登場だねっ!浄雲さんと連携してやっつけちゃうよっ!」
蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)とハイタッチしようと手を伸ばす。
「どうやら彼の者が首魁の様ですね。それではレモン殿、頼りにさせていただきますね」
 浄雲もそれに応じる様にパンっと伸ばされた手を叩く。
「あまり調子に乗らないで下さいね?」
 傷を負い、それでも戦意は衰えていないプレアグレイス。
 目の前で行われたハイタッチに不快感を露にしながら、携えていた黒剣の刀身にレモンの姿を映し出す。
 すると先程同様、光を放つ刀身の中から現れるレモンと同じ姿をした偽者。
「!?あたい!?」
「そうじゃな、救いは与えてやらんとな」
 驚愕するレモンと同じ姿をした偽者は、レモンの副人格を写し取ったかのような口調で話し始める。
「そういうユーベルコードはズルいから使用禁止だよっ!オロチヒメはそんなんじゃないんだからねっ!」
 むぅっと膨れながら、レモンは戦闘開始と言わんばかりにユーベルコードを発動させる。
 レモンに呼び出され顕現する巨大な白き蛇神は、ぎょろりとその目でプレアグレイスと偽者を睨みつける。
「蛇神様っ!あいつにお仕置きしちゃって!!」
 レモンの言葉に呼応するように放たれる蛇神の破壊念動波。その衝撃はプレアグレイスを絡め取り、黒剣のコピー能力を一時的に封じ込める。
「くっ……」
 コピー能力を封じられ、刀身に映され生み出されたレモンの偽者はすぅっと掻き消えるように姿を消し、プレアグレイスは苦々しげに顔を歪める。
「音羽忍法【鬼火】。焼き尽くして差し上げましょう!」
 プレアグレイスのユーベルコードが封じられたのを確認し、浄雲は印を結びユーベルコードを起動する。
 生み出される青白い焔が浄雲の身体を包み、燃え上がっていく。
「救済を掲げる貴方に敵という概念はおありでしょうか?その身を焦がすほどの憤怒はおありでしょうか?」
 プレアグレイスに問いかける浄雲の顔はどこか物悲しそうで、共にあるレモンの士気を下げない様にと斜めに掛けた般若の面を顔に被る。
「全ての命を救済する事……それが私が為すべき事です。そこには敵も、憤怒も何もありません」
 淡々と告げるプレアグレイスの答えに般若の面で顔を隠した浄雲は一つ頷いて。
(人の気持ちを理解できぬオブリビオンは、骸の海へと戻って頂きましょう)
 決意を一つ。心を纏めて、浄雲は目にも止まらぬ速度で脇差を抜き、劫火と共にプレアグレイスへと斬りかかる。
 レモンの放った超霊力オーラガンの霊弾がプレアグレイスの動きを鈍らせ、浄雲の一閃は的確にプレアグレイスを切り裂いた。


 目の前で猟兵と相対するプレアグレイスを見ながらチャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)は、うーん、と唸る。
(翼の生えた少女となると、噂に聞く疫病楽団関連が思い浮かぶねー。今回は関係ないのかなー?)
 他で聞いてきた情報との類似点を探し出そうと猟兵と戦うその姿を視野に入れるが、それでも目の前で相対するプレアグレイスと、他のグリモア猟兵から聞いた少女との共通点は見当たらない。
(姿が似てる別人、なのかもねー)
「真実は分からないけど、やる事は決まってるよねー。間違った救済を許す訳にはいかない、辛い事もあるけどその分幸せもあるのが人生だよー!」
 ここで他の事を考えてても仕方ないとチャドは思考を切り替えて、目の前のプレアグレイスへと意識を向ける。
 その隣ではリリウム・コルネリウス(矛盾だらけの理想主義者・f03816)がプレアグレイスに哀れみの目を向ける。
「自身がして欲しいと思う事を他者にも行え……成程、プレアグレイスさん、葬られたいのですね。直ぐに気付けず、申し訳ないです」
 リリウムの言葉に反応して、他に向けられていたプレアグレイスの黒剣はリリウムに向けて振り上げる。
「私の役目は沢山の人を救済する事。私の事はお気遣い頂かなくて大丈夫ですよ」
 言葉と共に振り下ろされた剣の一撃は、リリウムのユーベルコードが見せた未来をもって避ける。
 振り下ろされた斬撃からそのままプレアグレイスの意識を引き付ける為に、聖銃を撃ち放つ。
(プレアグレイスさんを”救済”する為、私は囮になりましょう)
 銃弾を避けたプレアグレイスの背後へちらりと視線を向ければ、後方から隙を伺うチャドの姿。
 プレアグレイスの意識がチャドへ向かないように、リリウムは一人で対応していく。
(嘗ていっその事、葬られたいと私が願ったように……。私のお仕えする主よ、彼女をお救い下さい)
 振り下ろされる黒剣の威力を両腕に集めたオーラで防ぎながら祈るリリウム。
「っ……大人しく救済されてはどうですの?」
 そんな中、憐れまれていると感じ取り苛立ったプレアグレイスが大きく黒剣を振り上げる。
 その一瞬の隙を突いて、チャドはユーベルコードを発動する。
 振り上げられた黒剣がリリウムを切り裂く前に走り出すチャド。
「そんな事させないよー」
 あらかじめ上着を脱いで加速の威力を上昇させたダガーによるその一撃は、プレアグレイスの腹部を切り裂いた。


「く、う……」
「僕は救済される必要ないから、遠慮しとくよ。どんな想いも、僕だけのもの。君に渡す気はないね」
 血を流し、疲労が見えるようになったプレアグレイスに、ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)が声を掛けながら一気に間合いを詰めると、力を溜めた如意棒【残紅】を全力で振り抜く。
「ぐっ」
 薙ぎ払うように振るった如意棒はプレアグレイスの裂かれた傷口を抉り出す。
「世の中は理不尽で不条理……ま、そこは同意するよ。でも偽物に生活を奪われ、想いは別の存在に変質させられる事のどこが救済なのさ。結局増殖するための詭弁でしょ?馬鹿馬鹿しい」
 サンディ・ノックス(飲まれた陽だまり・f03274)も先程の黒甲冑姿を維持したまま構えていた大剣を振り上げる。
 威力こそそこまで強くはないが、回数を重視し、何度もプレアグレイスの魔剣目掛けて振り下ろす。
「猟兵が……調子に乗るな!」
 その合間に反撃とばかりに突き出される黒剣は、身を捻ればかわせる様な威力しかなく、その攻撃の隙を突いてサンディは再び防戦一方になりつつあるプレアグレイス目掛けて大剣を振り下ろす。
「っ……」
「これでもくらえ!」
 防いでばかりのプレアグレイスの攻撃を、ヴェルがユーベルコード・反照舞踏脚で回避しながら蹴りを仕掛けるも、その攻撃はプレアグレイスの黒剣に防がれる。
「お返しです」
 相手のユーベルコードをコピーする黒剣は、ヴェルの力をコピーして同じ動きを繰り出し、ヴェルの攻撃を回避しながらヴェルを蹴り上げるプレアグレイス。
「ぐっ……」
「っ」
 ヴェルを蹴り上げプレアグレイスが体勢を整える前に、無表情で苛立ちを露にしたサンディが、攻撃特化に重視した【解放・宵】を放つ。
 その一撃は体勢を崩していたプレアグレイスを的確に捉え、ここまでの戦いで蓄積していた疲労も相まって、プレアグレイスの身体は地に叩きつけられる。
「それはヴェルの技だから」
「く……なら」
 無表情で淡々と言い放つサンディ。そんなサンディを前に、プレアグレイスはその純白の翼を漆黒に染め上げる。
 漆黒の翼を背に、力を増したプレアグレイスは、先程までの微笑を消し、殺気だった瞳でサンディとヴェルを睨みつける、
「ふふ、随分と歪んだ魂にお似合いの姿になったじゃない」
 サンディはそんな姿になったプレアグレイスを嘲笑する。それに対して益々殺気立つプレアグレイス。
「君は、その姿好きなの?僕だったらご遠慮したいね。だってそれ、とっても強欲で、孤独じゃない?」
「うるさい!」
 余裕も何も無くなったプレアグレイスは、ヴェル目掛けてその黒剣を振り下ろす。
(俺と似たその剣ごと、骸の海に帰ってもらおう)
 その一撃をサンディが受け流すように振り払い、全力を籠め、攻撃に特化させた【解放・宵】を放つ。
「う……」
「ふふ、救済してあげようか?もう、人のモノを欲しがらずに済むように、ね」
 その隙にプレアグレイスの背後を取ったヴェルは別のユーベルコードを発動させる。その素早い一撃を避ける事も出来ず、プレアグレイスは膝を突いた。


「くっ……」
 がくりと膝を突いたプレアグレイスの前に最期だと言わんばかりに西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が立ちはだかる。
「我等が敵を狩り血肉と苦痛を喰らう。それこそ我等が怨念の糧であり我等が救済。存分に喰らい合おうぞ」
 織久がユーベルコードを発動させる。
「『我等が本性、ここに解放する』」
 禍魂に宿る念を解放する織久。その姿は我を忘れたかの様な荒ぶる怨鬼へと化していく。
「調子に、乗るな!」
 救済も何もかもを投げ捨てて、プレアグレイスは織久へと向かい合う。
 手にした黒剣は織久目掛けて振り下ろされる。
 けれどもそれを勘を働かせて見切る織久も、お返しとばかりに手にする鎌を振り上げる。
 呪詛と殺気を纏う織久の炎がプレアグレイスの羽根を焼き、プレアグレイスの黒剣が織久を切り裂く。
 言葉を棄てた両者の剣戟だけが辺りに響き渡る。
「ぁ……」
 一瞬の隙を突いて、織久の武器がプレアグレイスを貫く。
「これで、終わりだ」
 そのまま薙ぎ払えば、プレアグレイスの身体は真っ二つに切り裂かれ、その姿は風に舞い消え去っていった。


 プレアグレイスを消滅させ、静けさの戻った森の中。
 騒ぎが収まったのを確認してから、閉ざされていた村から、一人の村人がそっと顔を出す。
「終わったのですか……?」
 村人のその言葉に、誰かが頷いた。
 もう大丈夫と言った誰かの声に、村人は安堵の表情を浮かべた。
 これで暫くは隠れ里も見つかりはしないだろう。
 猟兵の与えた食料がいつまで持つかは分からないが、暫くは森に狩りに出ても問題は無いだろう。

 長い冬とオブリビオンの到来を越えた村に、ようやく春が訪れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月16日
宿敵 『救済の代行者・プレアグレイス』 を撃破!


挿絵イラスト