獣人世界大戦⑨〜|怨嗟《ねがい》
「復讐に焦がれるわたくしだからこそ、怨嗟も願いとなる事は理解できるわね」
ポーランドの一地方で猟兵を集め、ウラジオストクにおける『幻朧帝国』の『|黯党《あんぐらとう》がとの戦いの依頼を斡旋する黄金の縦ロールを靡かせるシカのグリモア猟兵、レヴィア・イエローローズ(亡国の黄薔薇姫・f39891)は、そう言ってブリーフィングを続けていく。
「今回の相手は『量産型アングラマンユ』……サクラミラージュで確認された影朧甲冑の一種が大量に配備されている事が確認されているわ」
これは強大な|悪魔《ダイモン》を燃料とする装着兵器であり、搭乗者である黯党員も一切「戦いへの戸惑いや迷い」を持つことなく戦線に身を投じてきている。
その為、『六番目の猟兵』を以てしても極めて隙の少ない強敵となり得るのだ。
「とはいえあくまで『闘いへの戸惑いや迷いを捨てている』だけで『こちらの言葉が届かない』わけでは無いわ」
そしてこの『量産型アングラマンユ』の原点となる兵器の装着者は『恨み』や『憎悪』、そして『復讐心』等を糧としてこの兵器を用いている。
その『|怨嗟《ねがい》』に対して語り掛ければ、何かしらの突破口は開ける筈だ。
「勿論核となっている|悪魔《ダイモン》の力を弱らせる手段を取る事も有効な突破口となるはずよ。上手く相手の強さを鈍らせて倒してきて頂戴」
そう言ってレヴィアは黄薔薇のグリモアを展開させた後……険しい顔で西の方角を見据える。
「……恨み、か」
国を滅ぼされた少女は、そう言ってグリモアの転移の起動準備に移る――
黒代朝希
怨嗟の強い世界。
ならばここでもこの兵器は強いでしょう。
プレイングボーナス……何らかの手段でアングラマンユの燃料となっている|悪魔《ダイモン》の力を弱める。
に加えて、
プレイングボーナス……搭乗者である黯党員に語り掛ける。
が存在します。
今回の『獣人世界大戦』の戦線ルールにより、迅速なシナリオ完結が望まれるため完結数が揃って執筆が可能な次第、迅速に完結させて貰う体制となります。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『量産型アングラマンユ』
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POW : 憤怒兜割
単純で重い【上段から】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 赫魔召喚
【籠められた影朧の憤怒】から、【獄炎】の術を操る悪魔「【アスモデウス】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
WIZ : 不浄剣
自身と装備を【憎悪の瘴気】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
怨嗟が願いとなるのは、私もわかりますねー。ほら、悪霊ですから。
そういうものです。
さて、悪魔への干渉ですねー。
UCにて高めた結界術にて、その接続部を遮るように。
そして、結界を通じて生命力吸収を発動。…生きているなら、それだって吸えますよ。
さらに関節部分に対して漆黒風を投擲し、動きを制限していきましょうかね。
ところでね、聞きたいのですよ。
恨みや憎悪は、どこから来ているのかと。軽く『わかります』とは言いませんよ。
だってそれは、それぞれに理由が違うはずですからねー。
私達のは、『故郷を滅ぼされた』ですが…さて、相手は
「怨嗟が願いとなるのは、私もわかりますねー。ほら、悪霊ですから……|怨嗟《ねがい》とは、そういうものです」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)……オブリビオンによって故郷は壊滅、殺された四人の人間が統合された『複合型悪霊』の『六番目の猟兵』は、迫り来る『量産型アングラマンユ』へと立ち向かう。
|悪魔《ダイモン》への干渉としてはユーベルコード『四悪霊・『界』』によって結界術を|異能《ユーベルコード》の域まで到達させ、その技巧を用いて|《ダイモン》との接続部を遮るように施していく。
「……生きているなら、それだって吸えますよ」
更に接続部を遮る結界術から同じく|異能《ユーベルコード》の域に達した生命力吸収攻撃を発動。
そこから関節部分に対して漆黒風を投擲し、動きを制限していく――
「ところでね、聞きたいのですよ……恨みや憎悪は、どこから来ているのかと。軽く『わかります』とは言いませんよ」
憎悪とは、復讐心とは、恨みとは……人それぞれに重みが違う。
正義と同じく、正統性は兎も角として絶対値や相対値で測れない概念……それが『怨嗟』だ。
「だってそれは、それぞれに理由が違うはずですからねー」
軽く言うが……『彼』はオブリビオンに故郷を滅ぼされた上で殺された身だ。
普通なら復讐者として燃える怒りを滾らせていても、可笑しくない。
「私達のは――『故郷を滅ぼされた』ですが……さて、貴方はどうなのです?」
そんな風に、問いかける『複合型悪霊』……その様子に『量産型アングラマンユ』に搭乗した|黯党《あんぐらとう》のメンバーは――
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア
オブリビオンマシン『劫禍』に騎乗して戦闘
劫禍『怨嗟……くだらん。そのようなもので己を燃やさねば強くなれぬとは』
ラビニア「搭乗者がいないと性能を発揮のに偉そうに。パイロットが助けられそうならやりすぎないようにね」
『面倒だな』
相手の攻撃を【学習力】【聞き耳】で観察しながら戦い、動きを【見切り】、【カウンター】で腕部や脚部を爪で抉り、可能なら武器を奪って攻撃
更にはUCで召喚した戦乙女の【破魔】で悪魔の力による強化状態を解除
『ラビ子、この程度俺様だけで十分だと言うのに』
「数が多いんだから効率重視で戦った方がいいでしょうに」
『まさか、そこまで俺の事を……』
「なんか勘違いしてそうだけど、それはないから」
『怨嗟……くだらん。そのようなもので己を燃やさねば強くなれぬとは』
「搭乗者がいないと性能を発揮のに偉そうに。パイロットが助けられそうならやりすぎないようにね」
『面倒だな』
オブリビオンマシン『劫禍』に印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は乗り込み、目の前にて『憤怒兜割』なる上段切りのユーベルコードを受け止めていく。
相手の攻撃を学習しながら聞き耳を立てる事で観察しながら戦い、動きを見切って受けを成功させた彼ら二人はそのままカウンターとして『劫禍』の爪を振るう。
「ソグマ!相手の力を引き剥がせ! スルーズグリーズ・ブレイク!!」
更にユーベルコード『|破邪の戦乙女《ディスペル・ヴァルキリー》・ソグマ』を発動するラビニア。
カードから召喚した破邪の戦乙女の待つ魔槍に破魔や弱体化のルーンを宿し、オブリビオンマシンの爪による攻撃と合わせて挟み撃ちにしていく。
「目的は、ダメージを与える事じゃないよ!」
『成程、適合率の低下……破魔のルーンによるものか』
面倒くさそうに呟くオブリビオンマシン。
再び繰り出される『憤怒兜割』を、爪を振るって弾き返しながら一旦『劫禍』は後退する。
『ラビ子、この程度俺様だけで十分だと言うのに』
「数が多いんだから効率重視で戦った方がいいでしょうに」
『まさか、そこまで俺の事を……』
「なんか勘違いしてそうだけど、それはないから」
意志を持ったキャバリアやオブリビオンマシンが『六番目の猟兵』と深い絆で結ばれるケースは少なくない……が。
そもそもラビニアは……別ゲームの自キャラデータ達をGGOに移植し、バグプロトコルによる|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却を免れた際に性別が変わった『元男』である――
大成功
🔵🔵🔵
フィーナ・シェフィールド
サクラミラージュで生まれた物が他の世界に御迷惑をおかけするなんて、見過ごせませんね。
「影朧甲冑…全て浄化します!」
戦場へ辿り着いたら、2種のドローンを展開。
オーラ防御の結界とスピーカーで歌を聴かせる体勢を整えます。
「スターティング・オーバー!」
準備が出来たら、UCを使って戦場に居る影朧甲冑の搭乗者に呼びかけます。
「恨みや憎しみから幸せは絶対に生まれません!」
戦場中に投影したいくつものスクリーンから、浄化の力を込めた破魔の歌声に乗せて、搭乗者の怨嗟の念と甲冑に宿った悪魔を浄化しましょう。
「これ以上、戦いに身を投じるのは止めて…怨嗟に捕らわれないで!」
戦いが止まるまで、歌に乗せて呼びかけ続けます。
「サクラミラージュで生まれた物が他の世界に御迷惑をおかけするなんて、見過ごせませんね……」
サクラミラージュのとある貿易都市で生まれ育った天使の翼を持つ少女……フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)はそう言って『量産型アングラマンユ』の眼前へと立つと同時、AI搭載で宙を自在に動く2対のスピーカードローン『ツウィリングス・モーント』を展開。
相手の方もユーベルコード『不浄剣』の起動準備を完了させ、何時でも打って出る事が可能な様に構えていく――
「影朧甲冑……全て浄化します!」
瞬間、フィーナはオーラ防御の結界とスピーカーで戦場内に音楽を鳴り響かせる。
其れは歌唱系ユーベルコード『|もう一度、この世界で生まれ変われたら《スターティング・オーバー》』を発動させる為のもの。
戦場中に投影されたいくつものスクリーンから『量産型アングラマンユ』の搭乗者へと『自らの邪な行いを恥じ、悔い改める悔悟の状態異常』を与える浄化の力を込めた破魔の歌声が鳴り響く。
「心を鎮め、希望を願って。奇跡を祈った瞬間、新たな一歩を踏み出したその先に――恨みや憎しみから幸せは絶対に生まれません!」
憎しみや恨み……其れは時には何か悪を討つ事が出来る原動力となり得るのかもしれない。
――だが『量産型アングラマンユ』に乗る事は決してそこには繋がらない。
「これ以上、戦いに身を投じるのは止めて……怨嗟に捕らわれないで!」
搭乗者の怨嗟の念と甲冑に宿った|悪魔《ダイモン》を浄化するべく、戦いが止まるまで、歌に乗せてフィーナは『量産型アングラマンユ』の搭乗者へと呼びかけ続けていくのであった――
大成功
🔵🔵🔵
神酒坂・恭二郎
この連中は多少は効く耳があるようだね
なら、やりようはある
刀に風桜子を纏わせて地面に突き刺し地脈を刺激する。噴き上げる地の気を用い、簡易の祓いの結界を構築して悪魔の力を弱める【龍脈使い、結界術、破魔】
上段からの攻撃に対しては、切っ先に風桜子を超高密度に集中させてピンポイントで受け止め【見切り、ジャストガード、オーラ防御】、脱力で足元から地面に衝撃と威力を流す【受け流し、衝撃波】
「目ぇ覚ましな。分ってるんだろうが、こんなのは八つ当たりだって!」
搭乗員に【覇気】をもって言葉を響かせたい
僅かでも相手の力が緩めば、受け止めた切っ先から「石動」を放って反撃する
「この連中は多少は効く耳があるようだね――なら、やりようはある」
ニヤリと笑みを浮かべ、神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)は刀に風桜子を纏わせて地面に突き刺し地脈を刺激していく。
其れは『量産型アングラマンユ』に搭載されている|悪魔《ダイモン》との接続を切り離す為のもの。
噴き上げる地の気を用い、簡易の祓いの結界を構築して|悪魔《ダイモン》の力を弱めていく――
「目ぇ覚ましな。分ってるんだろうが、こんなのは八つ当たりだって!」
迫り来る上段からの攻撃――ユーベルコード『憤怒兜割』に対しては切っ先に風桜子を超高密度に集中させてピンポイントで受け止め、脱力で足元から地面に衝撃と威力を流して対応していく恭二郎。
そこから恭二郎の方から切りかかり、鍔迫り合いに持ち込んでから覇気を纏った声で喝破する。
「何があったかは知らねぇ……ただ、人様の『世界』に踏み込んで暴れ散らす……そいつは『|怨嗟《ソレ》』を抱く切欠になった原因の野郎と同じになっちまったって、思わねぇのか!」
やがて押し切り、痛烈な斬撃と言葉を『量産型アングラマンユ』に叩き付ける恭二郎。
直ぐに二の太刀として突きを繰り出し、怒涛の勢いで攻めていく。
「僅かでも相手の力が緩めば……『石動』が全てを終わらせる」
瞬間、僅かに『量産型アングラマンユ』は脱力し……そこから零距離で突きつけた刀の切っ先が、全身のバネと螺旋状に練り上げた風桜子によって加速。
そのまま、漆黒の鎧は痛烈なひび割れを引き起こしていく――
大成功
🔵🔵🔵
御桜・八重
黯党の企みはここで終わらせないといけない。
最初にどんな崇高な理念があったとしても、
人の弱さに付け込むやり口は許されない。
搭乗者も利用されているのだろう。
本人が納得しているのだとしても
それを放ってなんかおけない!
「何があったって言うの!」
最初は防御に専念し、切り結びながら問いかける。
搭乗者の事情が見えてきたら、
捨て身の覚悟で飛び込み二刀を突き入れる。
一刀は搭乗者に。もう一刀は悪魔に。
あなたが悲しみを抱えていることだけはわかる。
けれどその行いは誰も望まない。きっと。
想いを込めて心を縛る邪念を斬る。
「もう、止めよう?」
悪魔の邪気を払い、動きの止まったところを兜割り。
露になった搭乗者に手を差し伸べる。
「黯党の企みはここで終わらせないといけない。最初にどんな崇高な理念があったとしても、人の弱さに付け込むやり口は許されない」
意図的に人を貶め、傷つけた時点でどの様な『崇高』も『意志』の力によって防がれる……今こうして、御桜・八重(桜巫女・f23090)が『量産型アングラマンユ』の目の前に立っている様に。
「――何があったって言うの!」
最初は防御に専念し、切り結びながら問いかける八重。
搭乗者も利用されているだけ、と彼女は信じている。
そう、例え――
「本人が納得しているのだとしても、それを放ってなんかおけない!」
その言葉に対し……『量産型アングラマンユ』の搭乗者は、囁くように八重にだけ聞こえる声色で話す。
語られた言葉に、八重は一瞬だけ目を伏せて――
「なら――猶更『復讐者』というだけで終わらせる、何て赦さない!」
八重は防御を捨てた――捨て身の覚悟で飛び込み二刀を突き入れる。
一刀は搭乗者に。もう一刀は|悪魔《ダイモン》に、だ。
「届け、この想い!――『桜花一心』!」
伝えたい言葉、届けたい想い……それらを込めた捨て身の覚悟。
その感情を込めた攻撃は、目の前にいる『量産型アングラマンユ』の搭乗者の心身に根差す『心を縛り付ける邪念』のみを斬滅していく――
「……もう、止めよう?」
……既に|悪魔《ダイモン》の邪気は払われた。
動きの止まったところを『量産型アングラマンユ』……漆黒の鎧だけを破壊する様に兜割りし、八重は露になった搭乗者に手を差し伸べる。
その様子を見て……搭乗者は心が浄化された、救われた笑みを浮かべて霧のように消え去るのであった。
大成功
🔵🔵🔵