山を彩るのは、枝垂れ咲く満開の藤の花。
だがそれを愛でる者が滅多におらぬのは、此処が険しい山中であるから。
そして険しき山道を抜ければ、現れるのは朱色の鳥居。
何故このような場所にというそれを潜り、春風が吹き抜けた刹那。
――くうるり、くるり。
一斉に花開くように、参道の両脇に並んで廻り咲くは、数え切れぬほどの風車。
それは、ひとつひとつ、訪れた人々の願いが込められた花風車。
そしてこの神社の傍に存在している、もうひとつの違和感。
一見貴族暮らしに適しそうもない場所にぽつんと在るのは、寝殿造の邸宅がひとつ。
このお屋敷は、そう――「対妖要塞」。
そんな邸宅の庭には、それは見事な藤棚があって。
夜になり庭灯籠が燈されれば、幻想的な夜の宴へと、屋敷の主人が客人達をご案内。
されど、その前に。
――近々妖どもとの大きな戦がこの地で起きるであろう。
強くなる妖どもの気配を感じ取ったというから。
猟兵達へと、この邸宅の貴族が一通の文を送ってきたのだ。
一騎当千のつわもの揃いである皆様の手を借りたい――と。
●あしひきの藤咲く山へ
「アヤカシエンパイア、皆はもう訪れただろうか」
俺は度々訪れている、と筧・清史郎(桜の君・f00502)は雅やかな笑みを湛えた後。
今回の案件について語り始める。
「山中の神社とその傍らに佇む平安貴族の邸宅。それはつまり、強力な陰陽師達によって制御された「対妖要塞」だという。一見貴族暮らしに適しそうもない場所に寝殿造の邸宅が存在していることがあり、こうした邸宅は往々にして「特に強力な妖の出現を監視し、即座に対応する為の要衝」となっているようだ」
そして今回、そうした「危険な山中の邸宅」に住まう有力な貴族の一人から。
グリモア猟兵である清史郎の元に一通の|文《 ふみ 》が届いたという。
「妖と戦う猟兵の活躍を知った彼……社の主人は、「近々妖どもとの大きな戦がこの地で起きるであろうという予測」と、「一騎当千のつわもの揃いである猟兵の手を借りたい旨」を伝えてきた。勿論、それを断る理由はないからな」
だから、清史郎はこう集まった皆へと依頼する。
貴族達と協力し、妖の侵攻を陰陽術の要塞たるこの邸宅で食い止めて欲しい、と。
「だが、アヤカシエンパイアに転送してすぐに事が起こるわけではない」
文をしたためた貴族の邸宅へ赴けば、邸宅の主は猟兵達を丁重に迎え入れてくれて。
歓待の祭りで宴を開いてくれるという。
それ自体が「平安結界」の維持にも繋がっており、何より貴族達から「現地の妖の情報」が彼らに知り得た限り詳細に語られるだろうから。
祭りを楽しみつつ、平安貴族達とひとときを過ごして欲しいというわけだが。
「邸宅がある山中は今、山藤が豪華に咲き乱れているという。そして邸宅の傍には、神社があるというが、邸宅や神社で歓待の催しを開いてくれるのだという」
見事に咲き枝垂れる藤の花に囲まれた、普段は殆ど人が訪れぬ神社。
朱の鳥居を潜れば、参道の両脇には数え切れぬほどの風車が飾られていて。
風にくるりと廻る様々な彩りの風車の景色は、花畑にいるように幻想的だという。
この風車は、稀に訪れた人々や貴族たちによって作られたもの。
願いをしたためて作られ、飾られたそれらは絵馬のようなもののようだ。
勿論、猟兵達もひとつ、欲張ってふたつみっつ、風車を作って飾ってみてもいいし。
藤にちなんだ謂れのある社を参拝をしたり、藤の花が満開に咲く神社をぶらり散策しながら、貴族達に声をかけてみたりも良いし。
邸宅では、魔除けの効果があるという藤の花で染められた紐を使った、組紐のお守りや装飾の作り方を貴族達が教えてくれるというので、武器飾りやブレスレット、ストラップ等、作ってみても良いし。美しい山藤を眺めながら、出された椿餅や茶、そして平安時代から甘味として存在している藤の花が添えられた氷菓……いわゆるかき氷をいただくのも良いだろう。
「そして夕刻頃、近辺で「妖の裂け目」が発生し、強力な妖の率いる大軍勢が邸宅に攻め寄せてくるというが。押し寄せる妖の雑兵どもは邸宅の貴族達が引き受けてくれるというので、皆はこの軍勢を率いる大将の方を討ち取って欲しい」
それまでの時間で貴族達と共有した情報を元に、充分に備えた状態で迎撃できるので。
清史郎の言うように、大軍は貴族達に任せ、猟兵の皆は大将の妖を退治して欲しい。
そして、無事に妖の討伐を成し、裂け目も塞がれれば。
「邸宅の主である貴族が、改めて今度は戦勝の宴を開いてくれるという。ここはご招待にあずかり、心行くまで楽しんで行くのが礼儀ではないか」
事が成されれば、俺もご招待にあずかろうかと思う、と告げる清史郎。
夜の宴は、邸宅と邸宅の見事な庭園で催される。
邸宅の庭園には、見事に整えられた藤棚と太鼓橋かかる池があって。
沢山の灯籠がともされ、月明かりの下、雅やかで豪華な宴を楽しむのも良いだろう。
宴では勿論、豪華な食事や酒や甘味が用意され、賑やかにでも静かにでも好きに過ごしてもらえばということであるし。
改めて、お土産用にでも、風車や組紐を編んで作ったりもできるだろう。
清史郎はそこまで説明を終えた後、皆を見回して。
「藤の花は魔除けがあると言われている花だが。そのような優美な藤が咲き誇る山中の邸宅へと赴き、歓待を受けながら、妖どもが出現すれば貴族達に手を貸してやってくれ。無事に夜の宴も楽しめるよう、確りと妖を倒してきて欲しい」
そうふわりと笑み咲かせた後、清史郎の掌に咲く満開桜。
咲き乱れるその彩りが、猟兵達を平安の地へと今、導く。
志稲愛海
志稲愛海です、よろしくお願い致します!
平安の地へとご案内いたします!
※ご連絡※ 受付開始日等はシナリオタグやMSページで連絡します。
各章詳細を記載した断章を受付開始前に各々掲載予定です。
今回の内容は以下です。
第1章:季節の祭り(日常)
第2章:久遠院六条公貞(ボス戦)
第3章:貴族の宴(日常)
日常章はPOW/SPD/WIZは気にせずOKです。
どの章からでも、気になった章のみでも歓迎です。
ありそうなもの、できそうな事は大抵OKです、お好きな様に!
サーヴァントやペット等とも全章一緒にどうぞ!
第1章は、藤が満開な山中にある神社や邸宅でのひとときを楽しめます。
神社の参道の両脇には数え切れぬほどの風車が飾られています。
それを眺めながら参道を歩いたり、参拝するのも良いですし。
好きな彩りの風車を作り、願いを込めて飾るのも、持ち帰る事も可能です。
そして神社の傍にある邸宅ではお菓子が振舞われます。
それを藤が見事な山の景色を眺めながらゆったりいただくのも良いですし。
藤の加護があるという組紐の装飾品の作り方を貴族が教えてくれますので。
藤と言っても色々な色合いがあるので、好きな色で編んでみるのも良いかと。
第2章は、貴族達と協力して妖を退治してください。
集団敵は貴族が対応してくれますので、皆様は大将を討ってください!
第3章は、灯籠が灯された邸宅や庭園での夜の宴です。
幻想的に照らされた藤棚や池のある庭園を散策したり、花見をしたり。
豪華な料理や酒や甘味などもふるまわれますので、舌鼓を打ってもいいし。
風車や組紐の装飾も作れます。
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。
●お願い等
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
第3章のみ、当方のグリモア猟兵も皆おります。
お声掛けていただいた場合のみ、喜んでご一緒させていただきます。
これまで面識なくても全く構いません、お相手をお探しの際など、お気軽にと!
ご参加お待ちしております!
第1章 日常
『季節の祭り』
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POW : 祭りの会場を歩き回り、巡り尽くす
SPD : 祭りで催される遊戯に挑戦する
WIZ : 祭りの風景を眺め、歌を詠む
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
|文《 ふみ 》を猟兵宛へと送ってきた貴族は、|風藤《 かざふじ 》と名乗り、よくぞいらっしゃいました、と。
お付きの貴族達も盛大に迎え入れてくれ、山中の豪華な寝殿造の邸宅に訪れた猟兵達を歓迎して。
此方へ、と山中に佇むには豪華な建物内へと案内しながらも告げる。
「「妖の裂け目」が発生すると予知されておりますのは、本日の夕刻頃。それまで十分に時間がございます故、暫しご自由にお過ごし頂ければと」
赴いてくれた猟兵達への感謝の気持ちは勿論のこと。
歓待の祭りや宴を行なう事が「平安結界」の維持にも繋がるらしい。
なので、遠慮なく目一杯楽しむことが力となるだろう。
「屋敷でゆるりとお過ごしされてもよろしいですし、今は丁度山に咲く藤が満開の時期。邸宅の傍にある神社でも、季節の祭りを催しておりますので、よろしければ是非足を運んでみてください」
普段はこのような山奥で滅多に人も訪れぬため、藤の季節の春祭りは毎年邸宅に住まう貴族達だけで密やかに行なわれているというが。
今年は猟兵が訪れてくれるということで、春祭りを少しでも楽しんで貰おうと、貴族達も張り切っているという。
「とはいえ、祭りといっても、ささやかなものでございますが……普段は締めている茶屋を開けておりますし、神社名物の花風車作りや組紐を編む材料などもふんだんに用意しておりますゆえ。藤の景色と季節の祭りを楽しんでいただければと」
まずは、邸宅の傍にある神社。
この神社も、山中にあるとは思えぬほど広く、立派な本殿や拝殿、授与所や社務所、摂社や末社などがある。
まずは、美しく豪華に咲き誇る満開藤の景色の中、朱塗りの大きな一の鳥居を潜れば。
数え切れぬほどの花の如き風車が両脇に並ぶ参道となり、この参道の途中に茶屋もある。
そして参道の先を行けば、色とりどりの春の花が満開に浮かぶ手水舎、そして二の鳥居を潜った先に御社殿――拝殿や幣殿や本殿が。
願いを馳せる花風車を作る場合は、社務所に併設されている授与所に申し出れば良いようだ。難しい工程のあるパーツは予め作成してあり、作り方は紙を折って材料に通して止める程度のもので簡単だというが、社務所の貴族に頼めば喜んで教えて貰えるだろうし。様々な色の紙が用意されており、いくつ作っても構わないし。作る風車に願いを書いて絵馬のように飾ってもいいし、何も書かずに持ち帰ってもいいようだ。定番の羽が4つの風車は勿論、少しだけ手を加えた八重の風車の作り方も、貴族に訊けば丁寧に教えてくれるだろう。
組紐を編んで作れる装飾は、邸宅でじっくり複数編んでも良いし、祭りのため特設された境内の休憩所で編むこともできる。この装飾をわかりやすくいえば、数本の糸を手で編んでいくミサンガであり、藤の花で染めてある糸は魔除けの御利益もあるという。編む際に必要な丸台も用意され、声を掛ければ貴族が嬉々と編み方をおしえてくれるだろう。シンプルで取り組みやすいものから少し複雑な模様のもの、また、藤結びや桜結びや他縁起の良い結び方をして作る「花結び」という飾り結びなどにも挑戦できる。組紐は藤で染められているものを使用するというが、一言に藤といってもその彩りは様々で。定番の藤紫から、濃い紫、淡い紫や淡い赤紫や青紫、ピンク、白、黄など……様々な彩りのものがあるというので、好みの色合いを組み合わせられるし。編んだものも、武器飾りやブレスレット、ストラップや帯留めや髪飾り等々、好みのものにできるだろう。
そして山に咲き乱れる藤の花やくるりと廻る風車、立派な神社内の風景を眺めながら、茶屋で一服もできる。椿餅と茶、そして藤の花が盆に添えられた甘い蜜がかかった氷果、いわゆるかき氷がふるまわれるという。
他にも、ささやかながら春の祭りということもあり、雅やかな神楽舞いや演奏が披露されていたり、ただ散策するだけでも楽しめるだろうし。
占いができる貴族もいるというので、おみくじ感覚で占ってもらったりもできるようだ。
藤の花は、悪霊を取り除き奇跡や幸運を引き寄せる魔除けの効果があると言い伝えがあったり、神さまの恋を叶えた花ともいわれており、他にも、延命長寿や家運繁盛や子孫繁栄などの象徴ともいわれているので。拝殿での参拝は勿論、そういう謂れのある末社などを巡ってみるのもいいだろう。
また、豪華な神殿造りの邸宅でゆったりと贅沢に過ごすこともできる。
邸宅から望む山藤の景色は圧巻だというので、茶屋でもいただける椿餅や茶屋やかき氷などをいただいたり、風車を作ったり組紐を編むこともゆっくりと邸宅でも楽しめるし、戦いに備えてぽかぽか陽気の中で昼寝したり、風藤をはじめとした貴族達と語らったり、歌詠み遊びや庭で蹴鞠などをしてもいいだろう。
新しい世界、アヤカシエンパイアでゆっくりと過ごせる自由時間を楽しみつつも。
貴族に話を聞いたり、英気を養ったりしながら、戦闘に備えるのも良いだろう。
ということで。
「私をはじめ、邸宅や神社には貴族達が沢山おりますので。何かございましたら、なんなりとお申し付けください」
平安結界の力を強めるためにも――暫し、祭りや宴のひとときを楽しむべく、貴族達の歓待を受けよう。
勧禅寺・宗大
風藤殿の挨拶は【宗代】を私として挨拶させ、
私はその弟子という事でとりあえず…仔細を話して広まったらややこしいしな。
挨拶が終わったら折角なので魔除け代わりに藤染めの組み紐で髪を縛る物でも作るか。戦える力は戻ったとはいえ、強い妖への恐怖心が拭え斬った訳ではないしな。
他の貴族に作り方を教わって真剣に作り続けていたら「根を詰め過ぎたら陰の気に囚われますよ」と言われる。確かに人の陽の気で平安結界を保つ職に就く身、ならば遊び心無くてはな。素直に礼を貴族にして色彩豊かな物を好きに作っていく。
そうしていると宗代に頭をぽんと叩かれる。
「子供の様に夢中になり過ぎだぞ」と笑われるが…お前は私の代理なんだからなっ!
満開を迎えた藤の花が山を彩り、甘い香が漂っている。
藤の花は楚々とした上品な印象が強いが、人の手が一切入っていない野生の山藤は、どこか逞しくも豪華であって。
誰も訪れる用など本来ならばないだろう山の中で、人知れず咲き誇っている……ものの、はずなのだけれど。
藤の花と共に在るのは、山中にあるとは思えぬほど豪勢な寝殿造りの邸宅と、そのすぐ傍らにある神社。
貴族が生活するような場所とは到底思えぬ場所に佇むこの邸宅は、そう――「対妖要塞」。
特に強力な妖の出現を監視し、即座に対応する為の要衝だ。
そして今回、「妖の裂け目」が発生し、妖の大軍勢がこの邸宅に攻め寄せてくることが予知され、手をお借りしたいと。
そう|文《 ふみ 》を送ってきた邸宅の主人・|風藤《 かざふじ 》や貴族達が、足を運んでくれた猟兵を大いに歓迎し、歓待するのは当然のことだろう。
勧禅寺・宗大(平安貴族(従五位上)の幻惑の陰陽師・f43235)も山中の邸宅へと出向き、風藤へと挨拶をすれば。
「これは丁寧なご挨拶を。宗大様とお弟子様でございますね」
(「私はその弟子という事でとりあえず……仔細を話して広まったらややこしいしな」)
色々と経緯があり、本当の宗大は今、見た目が十代中盤位にしか見えない。
一から説明するのも何だし、ややこしくもなってしまいそうだからと。
とりあえず今回も式神の宗代に大人の宗大を演じさせている傍らで、藍色の瞳を向けつつ、自分は弟子ということにしておく。
そして自分達を招いた邸宅の主へと挨拶が済めば、まだ妖討伐までには、結構な時間があるというから。
「折角なので魔除け代わりに藤染めの組み紐で髪を縛る物でも作るか」
宗大は、宗代に伴われながら、組紐を編んでみることに。
藤の花は魔除けの効果があると言われているから。
(「戦える力は戻ったとはいえ、強い妖への恐怖心が拭え切った訳ではないしな」)
幼い見目になった切欠……命を失いかけ、姿を奪われた時のことが、己の中でまだ完全に払い切れてはないことを思えば。
藤の花の魔除けの効力にあやかれるならば、それに越したことはない。
なので、屋敷内にいる貴族へと声を掛け、編み方を教わることに。
そして教えて貰った通りに真剣に作っていれば、向けられるのはこんな声。
「根を詰め過ぎたら陰の気に囚われますよ」
その言葉に、宗大はハッとその手をふと止めて。
(「確かに人の陽の気で平安結界を保つ職に就く身、ならば遊び心無くてはな」)
「そうだな、ありがとう。だったら、この糸とその糸も組み合わせてみようか」
素直に貴族へと礼を告げた後、今度は自由に感性の赴くまま、色彩豊かな物を好きに作っていく。
そうして自分ならではの彩りや模様を編んでいき、楽しくなってきて、つい夢中になれば。
ふいに、ぽんと頭を叩かれて。
「子供の様に夢中になり過ぎだぞ」
自分の様子をそう見て笑う宗代を見上げ、むぅと返す宗大。
……お前は私の代理なんだからなっ! って。
大成功
🔵🔵🔵
白矢羽・尭暁
よし。
れーくんを撒いてきた!
清君がどこかへ送ってくれるので行くよ!ってしたら僕の世界だった、あれぇ…
でも偶にはひとりふらりと歩むのも良いか!
好き放題できる
あとでお小言はあるだろうけど
ああ、皇族である僕がふらふらしてたらびっくりするかな
今日は猟兵としてきているのだ、気にしないでくれ!
神社に足を向ければ色々ある
組紐? 楽しそうだ、僕も編んでみよう!
この場にちなんだ色にしよう
藤色と、白と、紫が強めのものと
できた!うんうん、初めてにしては上出来!
れーくんのも作ってあげよう
ひとびとが笑顔でいるのはとても良い事だ
さぁ、この笑顔を守る為に僕もできることをしよう
僕は、皇族なのだから――亡き父上のように、立派に
……よし、と。
そうひとつこくりと頷いてから。
藤咲く邸宅へと歩みを進める白矢羽・尭暁(金烏・f42890)は、珍しく今日はひとり。
いつも傍にいるはずの従者がいないのは。
(「れーくんを撒いてきた!」)
彼が仕事に手が離せぬのをいいことに屋敷を抜け出し、置いてきたからである。
それから足を向けたグリモアベースで友の姿を見つけて。
どこかへと送ってくれるようだったので、行くよ! ってしたら。
(「僕の世界だった、あれぇ……」)
送られた先は、元居た世界ではあったのだが。
とはいえ、あの調子では当分従者は手が離せないだろうし。
ということは……今の尭暁は、そう。
「でも偶にはひとりふらりと歩むのも良いか!」
好き放題できるのである!
きっと、お小言はあるだろうけど……それもまた良し、だ。
そうご機嫌に歩んでいれば、邸宅の貴族が出迎えてくれたのだけれど。
自分の姿を見た瞬間、あわあわと慌てだしたその様子に、尭暁は思う。
(「ああ、皇族である僕がふらふらしてたらびっくりするかな」)
それから深々と頭を下げる貴族へと、大らかに告げる。
「皇族様に、このような山の中までご足労いただくなど……っ」
「今日は猟兵としてきているのだ、気にしないでくれ!」
ということで、気の向くままに、神社へと足を向ければ――色々ある、と。
沢山の花風車を眺めたり、狛犬とじいと見つめ合ってみたり、神楽歌に耳を傾けたりしつつも。
境内の休憩所に、ふと目を向ければ。
「組紐? 楽しそうだ、僕も編んでみよう!」
早速、見かけた組紐作りに挑戦。
「この場にちなんだ色にしよう。藤色と、白と、紫が強めのものと……」
そして教わった通り、選んだ彩りたちをすらすらと編んでいって。
「できた! うんうん、初めてにしては上出来!」
「これはこれは、とてもお上手でございます」
「もうひとつ作ってもいいかな?」
お世辞などではなく心から感心したように言った貴族に訊ねれば、勿論ですとも、と返ってきたから。
自分のとお揃いの色合いで、もう1本……れーくんのも作ってあげよう、って。
いずれ飛んでくるだろう従者の分も、編み編み。
お小言を始めたら渡せば、誤魔化せるかも……いや、それは無理かもしれないが。
でもきっと、自分にしかわからない機微の表情をみせつつ、着けてくれるだろうから。
そして組紐を楽しく編んでいきながらも、尭暁は金の瞳を柔く細める。
藤の花が満開に咲く春を悦び、穏やかに流れる時間を楽しんでいる者たちの姿。
その光景は平和そのもので……ひとびとが笑顔でいるのはとても良い事だ、と。
だから、今のこのひとときを共に楽しみながらも、尭暁は思うのだ。
(「さぁ、この笑顔を守る為に僕もできることをしよう」)
以前のように責に囚われすぎることこそ、従者と共に歩む今は、もうないのだけれど。
だがこの血は妖を滅ぼすもの。そう、妖を狩ることは。
(「それは僕のやるべきことだから」)
そして優先すべきは、己が死なぬこと。
だから尭暁は、組紐を編み終え2本並べて眺めながらも。
常に抱く強い思いを、改めてその心に密かに描く。
僕は、皇族なのだから――亡き父上のように、立派に、と。
楚々と咲く藤の花のように、静かでやわらかで、優しく……そして、はかない淡い月であったと。
そう聞いている、微かにしか記憶にないその姿を、瞼の裏にそっと浮かべながら。
大成功
🔵🔵🔵
ココ・ロロ
【ココ彩】
クミヒモというのが作れるのですね
ココも作ってみたいです!
あっ、貴族さん!ココ達に教えてくださーい
色は黄色と白いの
これをーこうしてー…
んむむ…ちょっぴりむずかしい…
サイさんはどうですかー?
好きな結び…?
んー…、サクラのでしょうか
えへへ、お花見たのしかったですから
上手く編めたら輪っかにしてー…
…ふふー、これで完成です!
白い方はおじいさんへお土産に
黄色い方は隣の友達へ
わわ、ココにも…?
えへへー、交換こ~
大事な縁が切れないよう、大切に腕に通せば
うれしくて、くすぐったい
がんばったら疲れちゃいましたね
…カキゴーリ食べられるのですか?
わわ、サイさん行きましょー!
結んだ紐を仲良く揺らして、君と一緒に
夏彦・星彩
【ココ彩】
本格的な組紐やった事ないが
三つ編みくらいなら出来るぞぅ
教えて貰えるなら色々と作れそうだなぁ
カラフル並んだ糸を眺めて
友だちはお日様のような黄色、
星彩は白い獣だからまぁそのまま色で
咲いてた藤の景色もキレイだったから
三つの色を手で編むように
…お、それならお土産用に二本目も作るかぁ
ココはどの結び方が好きだろー?と
藤に桜に其々の花結びの話も聞いて
確かに花見時間も楽しかったなぁ
出来たひとつは交換このようお互いの掌に
結び結んだ縁はある方が良いだろうから
星彩も椿餅とかカキ氷食べられるの気になるぞ〜
初めて世界の甘い蜜の氷果はどんなだろうな
仲良く並んだ組紐を揺らして共にいこうか
ぽかぽか陽気の春爛漫、甘い香りを纏う風がふわりと吹けば。
くるくるからりと一斉に廻る、花のような風車。
そんな神社を……いや、山全体を染め上げているのは、満開を迎えた春の花。
この間、お花見は楽しんだばかりで、次の春がわくわく待ち遠しくなっていたけれど。
でも、思ったよりもずっとずっと早くやって来た、ふたりで楽しむ次の春。
今回咲き誇っている春の花は、枝垂れ咲く藤の花。
そして、木々に囲まれた山の中なのだけれど、自分達が知っている世界の風景とはまた違った雰囲気で。
聞こえる美しい鳥の囀りも、きっと知らない子のもの。
でも、どこかほっとするような落ち着く心地を感じながら、一緒に尻尾をゆらゆら。
ふたりで風車をふーってしてみたり、狛犬さんを見つめてみたり、あっちへこっちへ。
神社を散策していたココ・ロロ(ひだまり・f40324)と夏彦・星彩(アルベード・f38088)が、次に境内で見つけたのは。
「クミヒモというのが作れるのですね。ココも作ってみたいです!」
「本格的な組紐やった事ないが、三つ編みくらいなら出来るぞぅ。教えて貰えるなら色々と作れそうだなぁ」
藤の花で染めた糸で編む、組紐作り。
早速、ふたりもやってみることにして。
「あっ、貴族さん! ココ達に教えてくださーい」
近くにいた貴族に声を掛ければ、ええお教えいたしますとも、と嬉々と編み方を教えてくれるみたいだから。
まずは、カラフル並んだ糸から好きな色を見つけることから。
ココが手にしたのは、黄色と白の糸。その二色を交互に見つめて。
「んー……黄色も白も、どっちの色のクミヒモも、作ってみたいのですけど~」
「……お、それならお土産用に二本目も作るかぁ」
「お土産用! そうしましょうっ」
そうこくりと頷いたココに、こくりと頷き返してから。
星彩が手を伸ばし、選んだ色は。
(「友だちはお日様のような黄色、星彩は白い獣だからまぁそのまま色で。咲いてた藤の景色もキレイだったから」)
まさにこのひとときを染める、今の彩りたち。
それから教えて貰った通りに、編み編み……してみているのだけれど。
「これをーこうしてー……んむむ……ちょっぴりむずかしい……」
ココはそう、お耳をちょっぴりだけぺたり。
何とか四苦八苦しつつも、一生懸命編んでいきながら。
「サイさんはどうですかー?」
そうちらり、星彩へと目を向けてみれば。
三つの色を手で編みつつ、星彩が気になっているのは。
「ココはどの結び方が好きだろー?」
「好きな結び……?」
貴族が手慣れたように編んでいる飾り結び。
藤に桜、梅や菊、他にも幾つもの縁起良いの結び方……色々な花結びの話も貴族から聞いて。
「んー……、サクラのでしょうか。えへへ、お花見たのしかったですから」
「確かに花見時間も楽しかったなぁ」
お喋りしながら編んでいたら、随分コツも掴めてきたから。
「上手く編めたら輪っかにしてー………ふふー、これで完成です!」
それぞれ二本ずつ、組紐の完成。
ココが編んだ白い方は、おじいさんへお土産に。
そして、黄色い方は隣の友達へ。
星彩も出来たひとつは、交換このようにお互いの掌にゆうらりと。
「わわ、ココにも……? えへへー、交換こ~」
「結び結んだ縁はある方が良いだろうから~」
きゅきゅっと、ふたりで順番に交換した後、結びあいこ。
大事な縁が切れないよう、大切に腕に通せば、ココの顔にもほっこりふわりと咲く笑顔。
……うれしくて、くすぐったい、って。
それから組紐作りも大成功、再びきょろりと視線を巡らせれば。
「がんばったら疲れちゃいましたね……カキゴーリ食べられるのですか?」
「星彩も椿餅とかカキ氷食べられるの気になるぞ〜」
やっぱり心擽られるのは、この世界の甘味!
ということで、次に向かうのは。
「初めて世界の甘い蜜の氷果はどんなだろうな」
「わわ、サイさん行きましょー!」
仲良く並んだ組紐と尻尾を、仲良く共に揺らして――君と一緒に。
新しい世界の美味しい春をいただきに、茶屋へ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふわぁ、素敵なお屋敷ですね。
あ、この度はお招きいただきありがとうございます。
まだ時間もありますし、お言葉に甘えてゆっくりとさせていただきますね……って、アヒルさん!くつろぎ過ぎですよ!
ふええ、すみません。
そういえば、この藤の花には神様の恋のお話があるそうで是非とも聞いてみたいです。
自然の藤が咲き乱れる山奥にあるとは思えないほど豪勢な、寝殿造りの貴族の邸宅。
そんな屋敷は、実は「対妖要塞」であるというが。
「ふわぁ、素敵なお屋敷ですね」
フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《 👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)は、大きな邸宅にちょっぴりおどおどしながらも。
「よくぞいらっしゃいました、猟兵様」
風藤と名乗る屋敷の主や邸宅に住まう貴族達に迎えられれば。
頭を下げて返して、ぺこり。
「あ、この度はお招きいただきありがとうございます」
「其方の鳥の式神様も、どうぞご一緒にお寛ぎいただければです」
そう貴族達はフリルと、そして式神かと思った様子のアヒルさんを、広い屋敷内へと案内してくれて。
式神と勘違いされても特に文句を言ったりしないアヒルさんに首を傾けつつ。
「まだ時間もありますし、お言葉に甘えてゆっくりとさせていただきますね……」
猟兵としてのお仕事は、もうちょっと先の時間みたいだから。
藤が綺麗に見える、様々なものが至れり尽くせり準備された部屋へと通されれば。
フリルはぱちりと瞳を瞬かせつつ、アヒルさんが何で怒らなかったがようやくわかったのだった。
「……って、アヒルさん!くつろぎ過ぎですよ!」
豪華なひとときを過ごす気満々な、自分の家かの如く寛ぎ始めたその姿を見て。
そんな全く遠慮がないアヒルさんの行動に、フリルは慌てて謝るも。
「ふええ、すみません」
「いえいえ、存分にお寛ぎいただいて構いませんよ。ゆっくりされてくださいませ」
そんな貴族の言葉に、そうだそうだと言わんばかりのアヒルさんを後目に。
フリルはふと藤の花が咲く景色を見て、思い返して紡ぐ。
「そういえば、この藤の花には神様の恋のお話があるそうで」
色んな意味で様々な恋の物語を展開するフリルはそわりと、私でよろしければその逸話をお話いたしましょうか、と言ってくれた貴族にこくりと頷き返す。
……是非とも聞いてみたいです、と。
大成功
🔵🔵🔵
ジャスパー・ドゥルジー
【エイツア】
久々の社員旅行が新世界なのガチテンション上がる〜!
それにしても面白い作りの建物だな
ここで俺らも雅〜ってやつを堪能するとしますか
雅に藤見を…そんで雅な花見に欠かせないのはやっぱり甘味だよな、うんうん
(茶屋のお品書きを眺め)かき氷も暑くなってきたし美味しいよな……
ん?椿餅?
桜餅は知ってるけどこれは初耳だな
せっかくだからこれにしよっと
自然を彩る淡い紫色に
どの世界でも花を見る習慣があるんだなあ、と目を細めつつ
お、これめっちゃ美味いな
やっぱり花より団子ってやつ
マジ?かき氷もーらい
千鶴の羊羹もちょっと貰っちゃお
そういや冷凍庫ってあんのかな…UCでどうにかしてる的な?
モフ・ラムシュタイン
【エイツア】
終始もきゅぷきゅ鳴いていますが
ニュアンスで何となく周囲に伝わりましたら幸いです。
うむ!藤も見頃じゃの、存分に楽しもうぞ。
平安結界内はわしにとって庭のようなものよ。ついて参れ!
(てちてちダッシュ)
茶屋を見遣れば、何やら女子が悦びそうな気配。
此方で馳走になるとするかの。
適度に店の者に甘えて甘味を乞いつつ
皆に藤棚近くの良き席を案内して貰うよう働きかけようぞ。
ん~!久々の氷菓じゃ!!
添えられた藤から良き馨もするのう…っぼふ。
そういえばこの身は匙が使えなんだ。
思い切り顔周りを濡らしてしまったが
何ぞ新種の妖にでもなった気分じゃのう…山男。雪男だったか?
顔を拭かれつつ、楽しければヨシ!なのじゃ。
パウル・ブラフマン
【エイツア】
久々の社員旅行inアヤエン!
初めてこの世界に来るクルーさんも多いし
先導は任せたよ、モフちゃん!!
軽快な足取りを追って藤色の境内を往けば
オシゴト前の腹ごしらえにぴったりなお茶屋さんを発見。
折角だしココで皆で甘味をキメていっちゃおう♪
椿餅…オレも初見だけど、桜餅の椿版てカンジなのかな。
ジャスパー、オレのかき氷もシェアしてみる?
藤色が最愛の彼のパーソナルカラーに見えて
つい自分が頬張るより先に薦めてしまいそうだ。
くぬぎちゃんと千鶴ちゃんのお菓子も超美味しそうだし映えるね♪
モフちゃんは顔面全体で水を吸収したわんちゃんみたいになってるけど
まぁ楽しそうで何より☆(タオルハンカチで拭おうとしつつ)
縄田・千鶴
【エイツア】
おかしー!!!
わがし!!!!!!!わたしね!!!!わがしもだいすきだよ!!!!!!!
えっとね!!!!えっとね!!!!ゆべしとかようかんとかうめのやつとかあかとしろのおもちのあまいやつとか!!!!!!!えっとえっとまだいっぱいあるけどぜんぶだいすき!!!!!!
みんなのもおいしそう!!!!!!わたしね!!!みんなといっしょにたべたいからみんなにもあげるね!!!!!!!だからね!!!!いっしょにたべよ!!!!!!!!!
三上・くぬぎ
【エイツア】のみんなでおでかけですー
くぬぎ、アヤカシエンパイアはじめて来たです!
わくわくですー♪
藤の花がいっぱいいっぱいです! とってもきれいですね
わーい、なにするですか?
甘いもの! 賛成ですー! おやつタイムですー!
かき氷もあるんですね。じゃあくぬぎはかき氷をおねがいするです
わぁ、ほんとうにかき氷ですー。へいあん時代にも冷凍庫があるですか?
もきゅっ冷たくてあまくておいしいですー♪
ジャスパーさんのは、桜餅じゃないです?
椿餅……はじめて聞いたです。へいあん時代もいろんなおやつがあるんですね!
春の季節はお出掛け日和、そしてお出掛けと言えば。
「久々のエイツア社員旅行inアヤエン!」
そう、エイリアンツアーズ恒例の社員旅行です!
しかも今回の行き先はパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の言う様に、アヤカシエンパイアの世界。
この世界を行き来できるようになったのは、つい最近だから。
「くぬぎ、アヤカシエンパイアはじめて来たです! わくわくですー♪」
「久々の社員旅行が新世界なのガチテンション上がる〜!」
ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)や三上・くぬぎ(アウトドア派・f35607)のように、初めて訪れる猟兵が多い世界。
まさに、猟兵向け旅行会社であるエイリアンツアーズの社員旅行にぴったりの旅行先である。
そんな今回の旅先でパウルが頼りにしているのは。
「初めてこの世界に来るクルーさんも多いし。先導は任せたよ、モフちゃん!!」
この世界ならばお任せの、モフ・ラムシュタイン(いともふし・f30317)。
パウルの言葉に、ぷきゅっと鳴いて。
「もきゅ! もきゅぷきゅきゅ~」
――うむ! 藤も見頃じゃの、存分に楽しもうぞ。
それから、皆に先立って、てちてちダッシュ!
「ぽぷきゅきぷゅきゅ、ぷきゅ!」
――平安結界内はわしにとって庭のようなものよ。ついて参れ!
そうニュアンスで何となく言っている感が伝わるから、モフの後を皆もてちてちついて行けば。
「それにしても面白い作りの建物だな」
ジャスパーがぐるりと見回すのは、寝殿造りの邸宅。
壁がない造りが印象的で、寝殿を中心に庭と一体になったような、豪華でありながら上品で風流な印象で。
「ここで俺らも雅〜ってやつを堪能するとしますか」
気分も雅な平安貴族!
その雅やかさをさらに引き立てているのは、丁度今の時期、山に咲き誇っている春の花。
「藤の花がいっぱいいっぱいです! とってもきれいですね」
桜の後に満開を迎えた、甘い香漂わせる藤の花。
くぬぎはそんな藤の花を眺めながらも、ぴょこんっ。
豪華な邸宅から、その隣にある神社へと皆と向かえば。
「わーい、なにするですか?」
どこから探検するか、わくわくそわり。
甘やかな香りを運ぶ春風が吹けば、皆で歩く参道の両脇でくるくると沢山の花風車が廻って。
先導するモフの軽快な足取りを追って藤色の境内を往く道すがら、ふとパウルは皆に声を掛ける。
「オシゴト前の腹ごしらえにぴったりなお茶屋さんを発見!」
「ぷきゅきゅ、ぷきゅぷんきゅー」
モフもパウルが見つけた茶屋を見遣れば、ぷきゅー。
――何やら女子が悦びそうな気配、と。
そんなモフの思った通りに。
「おかしー!!! わがし!!!!!!!」
瞳をキラキラさせて悦びまくっているのは、縄田・千鶴(わたしをみつけて・f30136)。
くぬぎもそんな千鶴と一緒に、きゃっきゃ!
「甘いもの! 賛成ですー! おやつタイムですー!」
「わたしね!!!! わがしもだいすきだよ!!!!!!!」
そんなエイツア女子たちの姿をみれば、パウルも笑って頷いて。
「折角だしココで皆で甘味をキメていっちゃおう♪」
「もきゅぷきゅ、きゅぶぷきゅー」
――此方で馳走になるとするかの、みたいな感じにモフも鳴きながらも。
「きゅぷ、きゅぷぷっ!」
「藤棚近くの良き席でございますね、此方へ」
ニュアンスで貴族にも何となく伝わったようで、ご所望通りの藤の花が綺麗に見える案内される。
そして、適度に店の貴族に甘えて乞うのは、やはり花があるならこれです。
「雅に藤見を……そんで雅な花見に欠かせないのはやっぱり甘味だよな、うんうん」
そう、お品書きを早速眺めるジャスパーの言うように、花があるなら団子も必要。
とはいえ、甘味といっても種類があって、目移りしてしまって。
「かき氷も暑くなってきたし美味しいよな……」
「かき氷もあるんですね。じゃあくぬぎはかき氷をおねがいするです」
くぬぎが選んだのは、平安の時代から実はあるという、かき氷に。
それからふと、ジャスパーが気になったのは。
「ん? 椿餅? 桜餅は知ってるけどこれは初耳だな」
桜餅ならよく知っているが、桜ではなく聞き慣れぬ椿餅。
パウルもジャスパーが見ているお品書きをひょこりと覗き込んで。
「椿餅……オレも初見だけど、桜餅の椿版てカンジなのかな」
「せっかくだからこれにしよっと」
ジャスパーは椿餅にしてみることに。
そして沢山のおかしを前にした千鶴のテンションは、さらに上がりっぱなしで。
「えっとね!!!! えっとね!!!! ゆべしとかようかんとかうめのやつとかあかとしろのおもちのあまいやつとか!!!!!!!」
ゆべしも羊羹も、梅のやつや紅白の甘いお餅は勿論のこと。
「えっとえっとまだいっぱいあるけどぜんぶだいすき!!!!!!」
他にもとにかく、おやつは全部大好きなのです!
それから皆それぞれ注文を済ませれば、テーブルにずらりと並ぶ、この時代の甘味たち。
思った以上に、平安の世は甘味も豊富で。
くぬぎの前にことりと置かれたのは。
「わぁ、ほんとうにかき氷ですー。へいあん時代にも冷凍庫があるですか?」
藤の花が盆の上に添えられた、シンプルな甘い蜜がかけられているかき氷。
「そういや冷凍庫ってあんのかな……ユーベルコードでどうにかしてる的な?」
そしてくぬぎが口にした素朴な疑問に、ジャスパーも首を傾けるけれど。
平安時代には実は、冬場にできた天然の氷を溶けないように保管する、氷室という技術があるのです。
それに確かに、猟兵になった者もこの世界にはいるから、ユーベルコードを使って簡単に氷を作っていることも……あるのかも。
そんな、くぬぎと一緒にふたり、こてりと首を傾げているジャスパーへと。
「ジャスパー、オレのかき氷もシェアしてみる?」
自分が頼んだかき氷を差し出すパウル。
いや、まだ自分も頬張ってはないのだけれど……つい先に勧めてしまうのは。
(「藤色が最愛の彼のパーソナルカラーに見えて」)
そんなパウルの言葉に、尻尾もぴょこり。
「マジ? かき氷もーらい」
「もきゅっ冷たくてあまくておいしいですー♪」
ジャスパーがひょいとかき氷を口にすれば、くぬぎもその素朴な美味しさにもきゅもきゅっ。
そしてパウルやくぬぎと同じく、モフもかき氷にしたのだけれど。
「ぽぷ~! きゅぷきゅきゅ!!」
――ん~! 久々の氷菓じゃ!!
そんなニュアンスで嬉々と鳴いた後。
「もきゅぷきゅきゅ……っぼふ」
――添えられた藤から良き馨もするのう……。
なんて、ぷきゅっていれば――ぼふっ。
氷に頭からつっこんでしまいました!?
いや、モフも、もきゅぷきゅこう思い出す。
……そういえばこの身は匙が使えなんだ、と。
そして千鶴もうきうき、ぐるりと視線を巡らせて。
「みんなのもおいしそう!!!!!!」
皆が食べているものを見ては、声をあげて。
「わたしね!!! みんなといっしょにたべたいからみんなにもあげるね!!!!!!!」
……だからね!!!! いっしょにたべよ!!!!!!!!! って。
自分の前に並べ慣れている、ゆべしも羊羹も梅のやつも紅白の甘いお餅も、皆にお裾分け!
パウルも、そんな千鶴や皆を見回して。
「くぬぎちゃんとモフちゃんと、かき氷でお揃いだね♪ 千鶴ちゃんのお菓子も超美味しそうだし映えるね♪」
「ジャスパーさんのは、桜餅じゃないです?」
「椿餅っていうらしいし、桜色はしてないけど、葉っぱが乗っててもちもちしてるのは似てるかも?」
「椿餅……はじめて聞いたです。へいあん時代もいろんなおやつがあるんですね!」
皆でそれぞれの甘味を交換こしたりお裾分けし合って、お喋りしながらも楽しいおやつタイムを。
そして、思い切り顔周りを濡らしてしまったモフであるが。
「ぷきゅきゅきゅ~」
ちょっぴり、もふもふがぺしょっとはなったのだけれど。
――何ぞ新種の妖にでもなった気分じゃのう……山男。雪男だったか? なんて。
そんなニュアンスできゅぷっと鳴いていれば。
「モフちゃんは顔面全体で水を吸収したわんちゃんみたいになってるけど」
そう気づいたパウルは、取り出したタオルハンカチでぽふぽふ、お顔を拭いてあげて。
「まぁ楽しそうで何より☆」
「もきゅぷきゅ!」
――楽しければヨシ! なのじゃ。
モフも顔を拭かれつつ、そういうニュアンスで、ぷきゅ!
ジャスパーはそんな賑やかなエイツアの皆の様子と、そして自然を彩る淡い紫色に目を細めつつ。
「どの世界でも花を見る習慣があるんだなあ」
新しい世界でも皆と一緒に、ちょっぴり雅に花見と興じ……ようとしたのだけれど。
「お、これめっちゃ美味いな」
「ジャスパー、こっちも美味しいよ、はい♪」
「ぜんぶおかしおいしい!!!! ゆべしもみんなにあげるね!!!!!!」
「もきゅっ、ちょっとキーンとなっちゃったですー」
「きゅぷもきゅ!」
そう――やっぱりどうしても、花より団子になっちゃうのです。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朱赫七・カムイ
⛩神櫻
──かくしてそ 人は死ぬといふ 藤波の、ただ一目のみ、見し人ゆゑに
詠う気持ちもわかる絢爛の藤波だ
桜の次には藤が咲く…薄紅から藤へとうつろう四季彩はまるでサヨの瞳のようで、美しい
花咲みに重ねるように藤へと伸ばされた繊手を握り藤の歓待を受け入れよう
勿論、神社にも挨拶にいくよ
この世の神は大変だろう
禍津神を厭うやもしれないが
サヨがそう招いてくれるなら、それでいい
組紐飾り?
それはいいね
藤と桜色の二つで編もうかな
サヨはふたつ?
成程…同志の分も欠かせないな
…私は細かい作業は…
だが!懸命に編む
「決して離れない」ならばとサヨの腕にも不格好になった組紐を飾れば誇らしくなる
独占欲というならば
其れは
私も同じこと
誘名・櫻宵
🌸神櫻
藤波に手のひらを伸ばして柔く花咲む
藤をみると懐かしい気持ちが浮かんでくるの
禍津日の世にあっても桜の次には藤が咲き四季が巡るの
夢のように美しくどこか儚い
「歓迎」の花言葉のように絢爛の彩が迎えてくれたようね
あなたが綺麗と褒めた双眸を細めて咲い手を握り返して散策を
私の神様はこの世の神にご挨拶をなさるのかしら?
私のかぁいい厄災なのに
なんて笑って
じゃあ組紐飾りを作りましょう
藤は神様の恋を叶えた花、なんですって
縁起がいいわ
では私は赤藤と藤色の二色で編むわ
もう一つは白と藤色でお持ち帰りする
細かい作業は得意なの!
編み上がったらカムイの腕に巻く
決して離れない、その言葉の通りに
──甘く咲かせた、独占欲の証
――かくしてそ 人は死ぬといふ 藤波の、ただ一目のみ、見し人ゆゑに
詠う気持ちもわかる絢爛の藤波だ、と。
朱赫七・カムイ(禍福ノ禍津・f30062)は見つめる朱砂の彩宿す瞳にも、枝垂れ咲く花を咲かせた後。
愛し気に見つめるのは、藤波に手のひらを伸ばして柔く花咲むその姿。
「藤をみると懐かしい気持ちが浮かんでくるの」
誘名・櫻宵(咲樂咲麗・f02768)はそう紡ぎ、桜霞の春麗の瞳をふわりと細める。
……禍津日の世にあっても桜の次には藤が咲き四季が巡るの、と。
そんな春はやはり夢のように美しく、どこか儚くて。
カムイは綻ぶ花咲みに重ねるように、藤へと伸ばされた繊手を握って。
「桜の次には藤が咲く……薄紅から藤へとうつろう四季彩はまるでサヨの瞳のようで、美しい」
甘やかな香りと淡い紫の花に誘われる。藤の歓待を受け入れよう、と。
そして櫻宵もその手を握り返して……「歓迎」の花言葉のように絢爛の彩が迎えてくれたようね、って。
共に並んで、藤咲く春を散策することにする。
彼が綺麗と褒めたうつろう春色の双眸を細めて。
それから藤の香を纏う春風に乗せるのは、ちょっぴり悪戯な声色。
「私の神様はこの世の神にご挨拶をなさるのかしら?」
……私のかぁいい厄災なのに、なんて笑って。
「勿論、神社にも挨拶にいくよ。この世の神は大変だろう」
カムイはそう紡ぎつつも、柔く笑み返す。
禍津神を厭うやもしれないが、でも。
「サヨがそう招いてくれるなら、それでいい」
そして花風車が廻り咲く参道を歩きながら、櫻宵はこんなお誘いを。
「じゃあ組紐飾りを作りましょう。藤は神様の恋を叶えた花、なんですって。縁起がいいわ」
「組紐飾り? それはいいね」
カムイもそうすぐに頷き返した後、並んだ様々な藤のいろの糸を見遣って。
手を伸ばしたのはやはり、どちらも春の彩り。
「藤と桜色の二つで編もうかな」
「では私は赤藤と藤色の二色で編むわ。もう一つは白と藤色でお持ち帰りするの」
「サヨはふたつ?」
カムイはそう瞳をぱちりとさせるけれど、すぐに納得するように頷く。
成程……同志の分も欠かせないな、と。
ということで早速、組紐作りに挑戦。
「細かい作業は得意なの!」
その言葉通り、すらすらと組紐を綺麗に編んでいく櫻宵と一緒に。
「……私は細かい作業は……」
編み始めたカムイの手付きは、ちょっと正直、全然覚束ないけれど。
四苦八苦しながらも編み進めていく……だが! 懸命に編む、って。
そして互いに編み上がれば、くるりと飾り合う……決して離れない、と。
櫻宵はその言葉の通りに、自分の編んだ組紐をカムイの腕へと巻いてあげる。
だって、これは――甘く咲かせた、独占欲の証。
カムイも、「決して離れない」ならばと。
不格好になった組紐を櫻宵の腕にも飾ってあげば誇らしくなって、そして伝え咲かせる。
満開の藤の花が枝垂れ咲く春に――独占欲というならば、其れは私も同じこと、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神城・星羅
愛しい方である朔兎様(f43276)と参加
まさか朔兎様と再びめぐりあい、一緒に花と風車を眺めることが出来ようとは。在りし日が蘇ってきますね。はい、足元気をつけますね。まずは散策ですか。こうしえ朔兎様と何気なく歩くのも嬉しいです。
ええ、藤の花も桜も綺麗。風車も朔兎様と作った想い出が。え?抱き上げてもっと視線を上に・・・相変わらずの朔兎様に微笑んだり。(ひょいと姫抱っこされた)
まさか朔兎様に抱えられたまま邸宅に入るとは・・・嬉しいけど心の準備が。もう、からかわないでください。
朔兎様と対面の座にて椿餅とお茶をいただきます。かき氷も。
こうした風景を守るのも私たちの使命。ともに頑張りましょう。
源・朔兎
愛しの君の星羅(f42858)と参加
急に押しかけて星羅と世話になっている方々を驚かせてしまったが、とても歓迎してもらえてよかった。色々ご教示していただいたりしてるしな。今日は任務もあるが、まず春の花を星羅と見て回ろうか。
ああ、藤の花も綺麗だな。上品な色彩に癒される。星羅、少しいいか?(星羅を姫抱っこ)ただでさえ隣が俺では見難いだろうし、視線を上に。風車も懐かしいな。
まあ、抱き抱えて邸宅に行くのは愛しい人として当然だろ?え?貴女はいずれか俺の妻になるんだし。あ、言いすぎた。
椿餅とお茶が美味しい。ああ、かき氷も美味しいな。
こうした日々を守るのも大事だな。ああ、共に頑張ろう。
これまでも、あれこれ飛び込んだりなんたりとしてきたのだけれど。
源・朔兎(既望の彩光・f43270)は藤咲く中を愛しの君と歩みながら、瞳を細める。
姫君の家に飛び込むという事をしでかしたのは、先日のこと。
にもかかわらず、その年相応真っ直ぐさと純粋さ故ではあるものの。
「急に押しかけて星羅と世話になっている方々を驚かせてしまったが、とても歓迎してもらえてよかった」
……色々ご教示していただいたりしてるしな、と。
とても可愛がられている今に、感謝の気持ちを宿す声で紡いで。
そんな彼の行動力に、神城・星羅(黎明の希望・f42858)も最初は驚きはしたのだけれど。
「まさか朔兎様と再びめぐりあい、一緒に花と風車を眺めることが出来ようとは」
……在りし日が蘇ってきますね、そう昔を思い返しながらも返せば。
「今日は任務もあるが、まず春の花を星羅と見て回ろうか」
「はい、足元気をつけますね」
見事に咲く山藤の景色を眺めるべく、共に歩んでいく。
「まずは散策ですか。こうして朔兎様と何気なく歩くのも嬉しいです」
「ああ、藤の花も綺麗だな。上品な色彩に癒される」
「ええ、藤の花も桜も綺麗」
「風車も朔兎様と作った想い出が」
「風車も懐かしいな」
ふたりで他愛のない会話を仲良く交わしつつ、ゆっくりのんびりと。
それから朔兎はふと、隣を行く彼女へと瞳を向けた後。
「星羅、少しいいか?」
そう声を掛けた刹那――ひょい、と星羅を姫抱っこ。
「ただでさえ隣が俺では見難いだろうし、視線を上に」
「え? 抱き上げてもっと視線を上に……」
刹那、先程まではうんと首を伸ばして眺めていた藤の花が、ぐんと近づいて。
彼に抱っこされた星羅は微笑んでしまう。相変わらずの朔兎に。
いや、姫抱っこしているのは、藤を眺める時に限っただけではなくて。
星羅は密かに、ちょっぴりどきどき思ってしまう。
「まさか朔兎様に抱えられたまま邸宅に入るとは……」
……嬉しいけど心の準備が、なんて。
そんな彼女の様子や声に、朔兎は臆することなく口にする。
「まあ、抱き抱えて邸宅に行くのは愛しい人として当然だろ?」
「もう、からかわないでください」
「貴女はいずれか俺の妻になるんだし」
それから――あ、言いすぎた、なんてちょっぴり肩を竦めるけれど、それは本当の気持ちであるし。
今はふたりでこのひとときを楽しむことにして、次に足を運んだのは茶屋。
対面の座にてふたり、お品書きを眺め注文したのは。
「椿餅とお茶をいただきます。かき氷も」
「椿餅とお茶が美味しい。ああ、かき氷も美味しいな」
優しい餡子の甘さの椿餅と、藤の花が添えられた蜜かけのかき氷。
そして一緒に、花も団子も楽しみながら、気を引き締める。
「こうした日々を守るのも大事だな」
「こうした風景を守るのも私たちの使命。ともに頑張りましょう」
「ああ、共に頑張ろう」
歓待を受け、平安結界を維持する力にしながら――勿論、やるべきことだって忘れていないから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御園・桜花
「此の時代が平安結界を選んだのは、其処迄しか歴史が進んでいなかったからなのか、此の時代が結界を作るのに適していたのか…何方でしょう」
「UDCやSSWに行く度に思うのです…大正とは、活気があって、でも世界は国毎に隔絶していた世界だったのだな、と」
「ミラージュの事をもっと良く理解する為に、行ける新世界には行かねばと思うのです」
「甘葛しか甘味のない世界。五穀も麦粟稗が中心だったと聞きます。お祭りではどんな食事が出るのでしょう」
もちキビを茹でて突き白摺り胡麻と刻み胡桃をまぶして丸めたきび団子準備
世界観があっていればきび団子も祭りの食事もUCで増やし現地の一般の人達が満腹になる迄振る舞い手伝う
普段在る世界の桜は、散ってしまう事はないのだけれど。
今回赴いた世界では桜はもう散りかけておて、でもかわりに今度は、藤の花が満開に咲き綻んでいる。
そんな春の移ろいを感じながら、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、甘やかに藤香る風にふわりと乗せるように紡ぐ
「此の時代が平安結界を選んだのは、其処迄しか歴史が進んでいなかったからなのか、此の時代が結界を作るのに適していたのか……何方でしょう」
その答えは、疑問を紡いだからといってすぐに出るものではないことだって、分かっているのだけれど。
桜花は様々な世界へと足を運び、そして思うのだ。
「UDCやSSWに行く度に思うのです……大正とは、活気があって、でも世界は国毎に隔絶していた世界だったのだな、と」
全く異なる世界を巡ったからこそ、分かることがあると。
そしてまた最近行き来が可能になったばかりの新しい世界。
このアヤカシエンパイアにもまたきっと、何かの気付きを与えてくれるものがあるかもしれないから。
桜花はやはり、界を渡り、様々な世界を見て歩く。
「ミラージュの事をもっと良く理解する為に、行ける新世界には行かねばと思うのです」
桜咲く帝都のことを、さらに知るためにも。
それに、やはり楽しみでもあるのだ。
「甘葛しか甘味のない世界。五穀も麦粟稗が中心だったと聞きます。お祭りではどんな食事が出るのでしょう」
桜花も、もちキビを茹でて突き、白摺り胡麻と刻み胡桃をまぶして丸めたきび団子を準備してきたし。
邸宅や神社の貴族達に歓待され、歓迎を受けつつ……どのような美味しいものが味わえるのかと心躍らせる。
そして平安の世は、想像以上に甘味が豊富であるから。
「わぁ、美味しそうな団子ですね……!」
世界観的にも違和感があるわけではなさそうなので、桜花は周囲の人々に振る舞い手伝うのだった。
きび団子も祭りの食事も、花見御膳で増やして……平安の刹那の春を感じながらも、現地の人達が満腹になるまで。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「脚気が栄養不足であると判明したのは明治16年、つまりミラージュでは判明している事がこの地では判明していないのです」
嗤う
「貴族の主な死因は脚気、平民の主な死因は栄養失調と言われ30で亡くなるのが当たり前だった時代です。私が一尾の野狐として生を受けたのはもう少し昔、神代の豊葦原でしたが…この時代も天災が酷かった」
嗤う
「貴族と平民の差は大きくとも、力さえあれば強訴も打ち壊しも横行していました。農民の落ち人狩りも極めて普通な戦闘民族だったのですよ、大和の民は」
懐かしそうに笑う
平安結界に障らないよう唐人自称
四種器配慮し木菓子持ち込む
祭りで仙桃含め配る
「消え物で大陸渡来といえば問題ないでしょう?」
嗤う
アヤカシエンパイア、此処は平安の世界。
そしてこの時代は、大正の世に比べれば、ずっと昔の世界なのだから。
鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)はふと思いながらも、嗤う。
「脚気が栄養不足であると判明したのは明治16年、つまりミラージュでは判明している事がこの地では判明していないのです」
平安の時代は、貴族はそれなりに良いものを食べていたようだが。
けれどやはり様々なことが判ってはいない、昔の時代となれば。
「貴族の主な死因は脚気、平民の主な死因は栄養失調と言われ30で亡くなるのが当たり前だった時代です。私が一尾の野狐として生を受けたのはもう少し昔、神代の豊葦原でしたが……この時代も天災が酷かった」
命を早く落とす要因も多く、そしてそれを一尾の野狐として冬季は見てきたのだから。
そして再び紡いで、嗤ってから。
「貴族と平民の差は大きくとも、力さえあれば強訴も打ち壊しも横行していました。農民の落ち人狩りも極めて普通な戦闘民族だったのですよ、大和の民は」
今度は、懐かしそうに笑うのだった。
それから折角だからと、まだ今は穏やかで静かな藤咲くひとときを、この場で楽しむことにする。
平安結界に障らないよう、唐人と自称しつつ。
四種器配慮し木菓子を持ち込んで。
甘やかに香る藤の花が満開の春の祭りで、仙桃含め配りながらも。
「消え物で大陸渡来といえば問題ないでしょう?」
冬季は平安の世を歩み、そしてそうまた、嗤うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
武富・昇永
凄いとしか言いようがない
これほどの光景を誰かの主導だけで作り上げることなどできないはず
ここに居を構える風藤さまをはじめ貴族の方々
さらには多くの人々の手によって築き上げたものだろう
(神社にある授与所に赴いて花風車を1つ作りたいと申し出る)
こめる願いはやはり「立身出世」だな
幻想的なこの風景とは合わない俗な願いだが
こうして俺の願いも加えることで
この光景を守らねばならんという気持ちを
より強くしてくれそうだ
(参道の脇に自分の願いを込めた風車を追加した後、山の中を通り抜ける穏やかな春風に身を委ねながらゆっくりと歩く)
本来ならば、満開に咲くこの山藤が満開に咲く様を見る者などおらず。
人知れず咲き、人知れず散っていたに違いない。
武富・昇永(回遊魚・f42970)が今回足を運んだのは、それほどまでの山の中。
だが、眼前の光景を見れば、思わずその瞳を見開いてしまう。
――凄いとしか言いようがない、と。
一見貴族暮らしに適しそうもない場所に存在する、豪華で立派な寝殿造りの邸宅に。
そんな眼前の邸宅は「対妖要塞」、特に強力な妖の出現を監視しており、即座に対応する為の要衝となっているのだ。
そして、昇永は思う。
(「これほどの光景を誰かの主導だけで作り上げることなどできないはず」)
……ここに居を構える風藤さまをはじめ貴族の方々、さらには多くの人々の手によって築き上げたものだろう、と。
さらに築かれたそれらを、此処に在る貴族達は守ってきているのだ。
邸宅は勿論、美しい庭や隣に存在する神社の手入れが行き届いている様を見れば。
そんな対妖要塞からの、不穏な予知による要請でこのたび、猟兵として赴いたわけであるが。
妖が現れるまではまだ時間はあるようだから、平安結界の維持も兼ねて、昇永は立ち寄ってみることにする。
枝垂れ咲く藤の花で美しく彩られている、春祭りの神社を。
そして足を向けるのは、神社にある授与所。
其処に赴いて昇永は申し出る――花風車を1つ作りたい、と。
参道を歩んできた際にも沢山見かけた、風に廻る沢山の風車。
それにはひとつひとつ、人々の願いが込められているのだというから。、
昇永もひとつ、花風車にしたためてみる。
「こめる願いはやはり「立身出世」だな」
いや、幻想的なこの風景とは合わない俗な願いだとは思うのだが。
でも昇永は、こうも思うのだ。
(「こうして俺の願いも加えることで、この光景を守らねばならんという気持ちをより強くしてくれそうだ」)
なので確りと――「立身出世」と。
素直に思うまま、願いを記してから。
参道の両脇のにある花風車たちと一緒に並べて、自分の風車を共に咲かせて。
くるくるからりと、花風車を廻す風が吹けば……ふわりと鼻を擽るのは、甘やかな藤の花の香。
それから昇永は、己のものや沢山の誰かの願いが込められた花風車たちが廻る参道を、ゆっくりと歩む。
山の中をふわりと通り抜ける、穏やかな甘香る春風に身を委ねながら。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
アヤカシエンパイアは初めてね。
いきなり物騒なことにはならないみたいだから、ちょっと見物してからお屋敷そばの神社へ向かおうかしら。
和装を纏って向かうけど、特に髪の色で一目で猟兵と気づかれそうね…
黒く染めておこうかしら。
食べ物に気を惹かれるけど、今回は自重しましょう。
(最近のみ過ぎ食べすぎが気になるヤドリガミです)
ということで組紐で腕輪を作ってみましょう。
藤紫色と青藤色の2色に白色を一本。組み合わせれば青の魔除けの腕輪の出来上がり。
「首から呪物を下げているのだから、ちょうど中和してくれるんじゃないかしら?」
ええ、呪物は本体の青金剛石だけれど、ね。
やはりこの世界も、今の季節は春爛漫。
桜の時期が終われば、同じ春の花でも今度は藤の花が満開を迎えている。
けれどその美しい光景が目にできるのは、平安結界で覆われているからで。
世界は妖蠢く死の大地と化しているのだという。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が今回訪れたのは、そんな行き来がつい最近可能になった世界。
(「アヤカシエンパイアは初めてね」)
そう、アヤカシエンパイア。
足を踏み入れた山の中にあるにしては豪華な邸宅は「対妖要塞」。
そして此処に妖の群れの出現が予知されたため、要請があって赴いたわけであるが。
(「いきなり物騒なことにはならないみたいだから、ちょっと見物してからお屋敷そばの神社へ向かおうかしら」)
事が起こるのは夕刻だという予知、まだ結構な時間があるから。
ヴィオレッタは折角だからと、和装を纏って向かうけれど。
(「特に髪の色で一目で猟兵と気づかれそうね……黒く染めておこうかしら」)
なんてことも思ったものの。
貴族達は猟兵を歓迎しており、歓待の祭りまで開いてくれているので、気付かれても問題はなさそうであるが。
問題があるとすれば、むしろ――。
(「食べ物に気を惹かれるけど、今回は自重しましょう」)
ええ、最近のみ過ぎ食べすぎが気になるヤドリガミです。
ということで、楽しむのは食べ物ではなく。
「組紐で腕輪を作ってみましょう」
藤の花で染めた糸を使った組紐を編んでみることにして。
選んだ糸の彩りは、藤紫色と青藤色の二色に白色を一本。
それを組み合わせて編んでいけば――青の魔除けの腕輪の出来上がり。
そして、藤の花の魔除けの加護がありそうなそれを藍と紫のいろで見つめ、ヴィオレッタは紡ぐ。
「首から呪物を下げているのだから、ちょうど中和してくれるんじゃないかしら?」
……ええ、呪物は本体の青金剛石だけれど、ね、なんて。
大成功
🔵🔵🔵
八秦・頼典
●POW
膨大な政務を妖退治を口実にサボれるのは本当に良い事だ
位が高まれば高まるほど自由に身動きが取れないのも考えものだけど、ここは妖退治前の気分転換も兼ねて神社の参道を散策しよう
へぇ、願いを馳せる花風車ね
そうだね…ボクの願いは美しき事で有名な止事無き御方へのお目通りが叶うこと、かな?
位はあがれど、権力を振りかざして無理に押しかけるのはボクの美学に反する
文の交換で良き返事が返ってくるのを願い、花結びにこの想いを込めよう
…しかし、それはそれでこれはこれ
美しき人が居れば思わず声を掛けたくなるのがボクの性分さ
流石は藤の名所だけあって麗しき姫君らがお忍びで来られている
もしよろしければボクと巡りませんか?
平安の都は豪華で雅やかでは一見あるが、しかし何かと厄介事や煩わしい事も多い。
たとえばそう、お役所仕事だとか政だとか。
けれど今回は猟兵として、場所こそ辺鄙な山の中ではあるものの。
八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)がやって来たのは、都の屋敷にも引けを取らぬほど豪華な寝殿造りの邸宅。
いや、確かに貴族が住まう場所ではあるが……ここは「対妖要塞」。
そして今日の頼典は猟兵として、予知された妖に対処するべく此処に赴いているというわけなので。
(「膨大な政務を妖退治を口実にサボれるのは本当に良い事だ」)
妖が現れるまで時間もあるとのことだし、暫しのんびりサボり……いえ、平安結界の維持のためにも、頼典はこのひとときを楽しむことにする。
実際にこうやって事が起こる現場に赴けば、平安貴族としての位も上がっていくわけであるが。
(「位が高まれば高まるほど自由に身動きが取れないのも考えものだけど」)
……ここは妖退治前の気分転換も兼ねて神社の参道を散策しよう、と。
平安の都にいる時とはまた違う、ゆるりとした時間を過ごすことに。
そして訪れた神社の鳥居を潜って参道に差し掛かれば。
「へぇ、願いを馳せる花風車ね」
両脇に並んで廻っているのは、ひとつひとつ誰かの願いが込められた、沢山の花風車。
そして己の願いといって頼典が思い当たるのは、やはりこれ。
(「そうだね……ボクの願いは美しき事で有名な止事無き御方へのお目通りが叶うこと、かな?」)
とはいえ、いくら位はあがれど。
(「権力を振りかざして無理に押しかけるのはボクの美学に反する」)
意中の御方へのお目通りが叶うようにというのは、己の力で。
だから、花結びには……文の交換で良き返事が返ってくることを願って。
とはいえ、頼典はくるりと視線を巡らせてから。
「……しかし、それはそれでこれはこれ」
綺麗な花はやはり、愛でてなんぼ。
(「美しき人が居れば思わず声を掛けたくなるのがボクの性分さ」)
それに、見たところ……流石は藤の名所だけあって麗しき姫君らがお忍びで来られている、と。
「もしよろしければボクと巡りませんか?」
まるで藤の花の如く楚々と上品に咲く姫君という花へと頼典が掛けるのは、甘やかな誘いの声。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
まずは神社へお参り。
神社に風車って他の世界の神社ではあまり見かけませんが…どういう謂れがあるんでしょう。社務所の貴族に聞いてみようかな。
不勉強でお恥ずかしいのですが、藤が神さまの恋を叶えた花といわれるのも知らなかったのでその辺のお話も聞いてみたいです。
せっかくなので私もひとつ。藤色と白の紙で八重のものを。
天文部の新たな部員との縁結びを祈願して飾ります。
あとは茶屋で椿餅と氷菓を。椿餅は最古の和菓子といわれてるんですよね、砂糖が貴重な時代は甘葛で甘味をつけてたそうですがこれもそうなのかな…?氷菓の方も。
源氏物語や枕草子に登場するお菓子をおそらくそれに近い形でいただけるなんて感慨を覚えますね…
山の中に佇む豪華な寝殿造りの邸宅と、そしてその傍に在る神社。
八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)はまずは、藤の花咲く神社へとお参りに訪れて。
参道を通りながら、両脇で廻る沢山の花風車を眺めながら思う。
(「神社に風車って他の世界の神社ではあまり見かけませんが……どういう謂れがあるんでしょう」)
それに、もうひとつ。
(「不勉強でお恥ずかしいのですが、藤が神さまの恋を叶えた花といわれるのも知らなかったのでその辺のお話も聞いてみたいです」)
藤の花が、恋に酔う、という花言葉があるのは有名だが。
神様の恋を叶えたという逸話は初めて聞いたし、それがどういう謂れなのかにも興味があるから。
(「社務所の貴族に聞いてみようかな」)
参拝する道すがら向かうのは、神社の社務所。
そこで、花風車や神様の恋に関する謂れを聞いてみれば。
「此処は何もない山の中ですからね、娯楽なども余りありませんので、先人は風車を作って時間を潰していたそうです。それに此処は風の通り道、ですので作った風車がよく廻るこの場所に、願いを込めて飾るようになった……らしいです」
「確かに、山の中でできることは限られていますからね」
「神様の恋を叶えたというのは、『古事記』に、藤の花衣をまとって恋を叶えた男神の話があるのですよ」
誰の求婚にも応じなかった女神を射止めたのが、藤の衣を纏い、藤の花を咲かせてみせた男神であった……というような話らしい。
そんな話を興味深く聞いた後、折角なので、と。
詩織がひとつ作ってみるのは花風車。
(「天文部の新たな部員との縁結びを祈願して」)
少し華やかで凝った、藤色と白の紙で八重のものを飾って。
それから風車を飾った足で向かうのは、参道の途中にある茶屋。
そして出された椿餅と氷果をいただきながらも思う。
「椿餅は最古の和菓子といわれてるんですよね、砂糖が貴重な時代は甘葛で甘味をつけてたそうですがこれもそうなのかな……? 氷菓の方も」
この甘味たちは、源氏物語や枕草子にも登場しているもので。
詩織はそんな浪漫と一緒に、じっくりと味わうことにする。
おそらくそれに近い形でいただけるなんて感慨を覚えますね……って。
大成功
🔵🔵🔵
四祇院・エト
アドリブ等歓迎
何と豪華で立派な御屋敷……雨漏りをはじめた当家とは大違い……ですがいつか、当家も斯様な屋敷のように立派に!
そんな野心を花笑みの裏側に隠して藤花を愛でるのです。
枝垂れる藤をみやれば心も晴れますね
連れ添う花龍の喜びが伝わればわたくしもうれしくなります
暫し、藤逍遥を楽しんで
優しく、藤色に染まりし花龍を撫でる
当家を再建した暁には屋敷には藤棚を…いけない、神の御前でもあるのでした!
そこの方
わたくしにも花結びを教えてくださいませ
しゃんと背筋を正して姫らしく
淡い藤色と白の組紐を編みましょう
わたくし、こういうのは得意です
花龍と揃いの飾りを編みましょう
家運繁盛……藤花のご利益をいただけそうですね!
麗らかな春の日に枝垂れ咲く満開の藤の花を、胡蝶の如くひらりと優雅に。
巡る四季を寿ぐ花龍と戯れるかように愛でながらも、花のかんばせに可憐な微笑みを湛えて。
四祇院・エト(十二支の花姫・f43283)は、訪れた山の中の屋敷に視線を巡らせつつも思う。
(「何と豪華で立派な御屋敷……雨漏りをはじめた当家とは大違い……」)
――ですがいつか、当家も斯様な屋敷のように立派に! と。
その花笑みの裏側に、そんな野心と意欲と気合いが隠されていようとは、よもや誰も思うまい。
とはいえ勿論、見事に咲く藤の花も、確りと愛で楽しむつもり。
だって、うれしくなるから。
「枝垂れる藤をみやれば心も晴れますね」
連れ添う花の仔がくるりと春空を舞い、咲かせるその喜びが伝われば。
そして花風車廻る参道を歩みながら、暫し、藤逍遥を楽しんで。
優しく甘やかな春を纏うように藤色に染まりし花龍を撫でる。
それから、立派な藤棚を見遣れば、ふわりと藤の如き嫋やかな笑みを咲かせて。
(「当家を再建した暁には屋敷には藤棚を……」)
やはりエトの心に湧く想いは、烈火の如き燃ゆるお家再建の野望!
けれど……いけない、神の御前でもあるのでした! なんて。
ハッと気を取り直して、華蘭と共に神様へご挨拶を済ませてから。
ふと目についたのは、休憩処で人々が興じている組紐作り。
そんな様子を見れば、内心わくわくしながらも。
「そこの方、わたくしにも花結びを教えてくださいませ」
しゃんと背筋を正して姫らしく楚々と声を掛ければ、ええ勿論喜んで、と快く返ってきたから。
やり方を教わりつつも、いざ組紐編みに挑戦。
選んだ淡い藤色と白の糸をすらすらと編んでいって。
「これはこれは、とてもお上手でございます」
貴族もお墨付きの見事な手捌き。
向けられたそんな賛辞の声にも柔らかに花笑んで。
「わたくし、こういうのは得意です」
楽しくエトは編んでいく。春色を咲かせた、花龍と揃いの飾りを。
それに、これでもかと確りと気持ちも込めて、これだけ上手に編めているのだから。
(「家運繁盛……藤花のご利益をいただけそうですね!」)
家運繁盛の御利益も充分に得て、きっと想いも花開くはず――見つめる藤の花のように、いつか満開に。
大成功
🔵🔵🔵
氷室・花純
アドリブ連携歓迎
「閑さや 山を踏み分け 藤の花」
なんて素人俳句ですのでお恥ずかしい限りですね
赤い唐傘を差して満開藤を眺めながら茶屋まで向かい一服いたします
「素晴らしい眺めでございますね」
茶屋までの道のりで藤を見て参りましたがこの景色は飽きませんね
風車も彩を添えられていて心が癒されるばかりです
お抹茶と椿餅を頼んでのんびりと風景を眺めましょう
「この様な時間がずっと続けば良いのに……」
そうは思いましても猟兵の身
オブリビオンが存在する内は戦いこそが猟兵の務め
ですが戦いに明け暮れてばかりいれば心が疲弊するというもの
この様に自然に癒される時間は大切にしなくてはいけませんね
お茶を飲んでまったりいたしましょう
人は、溢るる感情を言の葉として綴り、歌を詠むというから。
満開に咲き誇る藤の花を、見つめる青の瞳にも咲かせながら、一句。
――「閑さや 山を踏み分け 藤の花」
(「なんて素人俳句ですのでお恥ずかしい限りですね」)
氷室・花純(想い出は遥か遠く・f31392)はそう綴ってみせながらも、赤い唐傘を春空にくるりと咲かせて。
満開藤を眺めながら向かうのは、ゆっくり一服できそうな茶屋。
表情こそ変わらないけれど、微か瞳を細めてみせて。
「素晴らしい眺めでございますね」
茶屋までの道のりで藤を見て参りましたがこの景色は飽きませんね、と。
茶屋を営む貴族と会話を交わしながらも、お抹茶と椿餅をお願いして。
ふわりと藤の甘香纏う春風が吹き抜ければ、からからと小気味良い音色が耳に届いて。
其方に視線を移しつつ、運ばれてきた甘味をいただくことにする。
……風車も彩を添えられていて心が癒されるばかりです、と。
穏やかで和やかな春の風景をのんびりと眺めながら。
そして、だからこそふと、花純は呟きを落とす。
「この様な時間がずっと続けば良いのに……」
だが、成すべきことは確とその胸に――そうは思いましても猟兵の身、と。
(「オブリビオンが存在する内は戦いこそが猟兵の務め」)
その思いは揺るぎなく、己が成すべきことを花純は違えたりはしない。
けれど、それでも……いや、むしろそれを成すためにも、花純はこうも思うのだ。
(「ですが戦いに明け暮れてばかりいれば心が疲弊するというもの」)
……この様に自然に癒される時間は大切にしなくてはいけませんね、と。
見事に咲き誇る藤の花を愛でながら、そして、猟兵としてこの風景を守るためにも。
(「お茶を飲んでまったりいたしましょう」)
今は抹茶と甘味をお供にほっこりと、花純は楽しむことにする。
美しくも麗らかな、この春のひとときを。
大成功
🔵🔵🔵
鎬木・一郎
フフ、祭りかァ、良いねェ。俺ァ昔からこう言う催し物は楽しむって決めてンだ。先ずは甘味だろォ?これだけは外せねェなァ。甘いもン食いながら花見と洒落込もうじゃねェか。
甘い飲み物も悪かねェが、ここは口の甘さをリセットしてくれる清涼感がある飲み物が良いだろォな。それがねェと口の中で甘さが喧嘩しちまって戴けねェ。
いやァ、絶景だねェ。オジサン、心が洗われるようだよォ。やっぱり世の中メリハリとバランスだねぇ。ドンパチがあれば、同じだけのんびりした時間がねェと心が荒んじまう。
こんな時間は荒事は無粋だねェ。今の俺ァ大抵の事は笑って許せる気がするぜェ。
おおーゥ、色とりどりだねェ。どんな味がするのかねェ、ワクワクするねェ。新しい武器弾薬を選別してる時と同じくらい楽しい一時だァ。
ある程度お菓子と飲み物も集まったなァ。どっか静かに花見が出来るとこ探して、時間を忘れて心の栄養を補給するとすっかァ。この後に起こるであろうことに向けて、なァ。(口元だけに笑みを浮かべて)
季節が廻り、春になれば満開の花が咲き誇る。
訪れたこの山にだって、毎年決まって、今見ているように藤の花が咲いていて。
そして訪れた春を喜び、ささやかながらも、神社では祭りが開かれているのだろう。
そんな神社の境内を楽し気に歩きながら。
「フフ、祭りかァ、良いねェ。俺ァ昔からこう言う催し物は楽しむって決めてンだ」
鎬木・一郎(人間のガンスリンガー・f42982)は、春の祭りを目一杯満喫するつもりだ。
だって、何一つ無いのだ、当たり前のことなんて。
藤の花が咲き乱れていることも、穏やかで賑やかな祭りがこうやって催されていることも。
だから一郎は、その日その日の全てを楽しもうとする性分なのである。
今日というこの日も勿論、例外なく。
ということで、ふらりと目に留まって立ち寄ってみるのは、参道の途中にある茶屋。
「先ずは甘味だろォ? これだけは外せねェなァ」
――甘いもン食いながら花見と洒落込もうじゃねェか。
そう、花より団子とはよく言ったもので……いや、花も団子も、両方楽しむに決まっているし。
(「甘い飲み物も悪かねェが、ここは口の甘さをリセットしてくれる清涼感がある飲み物が良いだろォな」)
……それがねェと口の中で甘さが喧嘩しちまって戴けねェ、と。
できるだけ色々なものを沢山味わえるようにと、当時は貴族の飲み物であったという麦湯こと麦茶も貰って。
「いやァ、絶景だねェ。オジサン、心が洗われるようだよォ」
見事に枝垂れ咲く藤の花を見上げながら、ウンウンと頷いて続ける。
……やっぱり世の中メリハリとバランスだねぇ、って。
このようなまったりとした時間ばかりでは、いくら美しく穏やかでも飽きてしまうかもしれないし。
かといって、ドンパチがあれば同じだけのんびりした時間がないと心が荒んでしまう。
そしてそのどちらも、いや、他のことも全てが同列の楽しみであると。
それこそが、常に一郎の行動原理なのである。
だから、貴族たちの歓待を受けつつ祭りを楽しむこのひとときは。
(「こんな時間は荒事は無粋だねェ。今の俺ァ大抵の事は笑って許せる気がするぜェ」)
何事も穏便に、いいってことよォ、なんてひらり笑って躱せる気もするし。
一郎にとっては、同じくらい楽しいのである。
「おおーゥ、色とりどりだねェ。どんな味がするのかねェ、ワクワクするねェ」
どれにしようかと春色の甘味を選ぶことも、新しい武器弾薬を選別している時も。
そしてそうこう、あれもこれもと楽しんで見て回っていれば。
「ある程度お菓子と飲み物も集まったなァ」
手の中には、十分なくらいの戦利品が。
だから、ふらりと神社を歩きながら、一郎は視線を巡らせてみて。
「どっか静かに花見が出来るとこ探して、時間を忘れて心の栄養を補給するとすっかァ」
藤の花が一等よく楽しめる場所を求めて、ご機嫌に歩き出す。
……この後に起こるであろうことに向けて、なァ、なんて。
花も団子もドンパチも、全て楽しむべく――口元だけに笑みを浮かべながら。
大成功
🔵🔵🔵
神野・志乃
「風藤氏。……良い名ね」
この山藤のある風光を守護してきた謂れがあるのかしら、なんて
軽く会話しながら、邸宅にお邪魔させてもらうわ
祭りを楽しむというのも悪くないけれど
藤は……私のいちばん好きな花だから
花の盛りを存分に堪能したいのよ
風藤さんのこともあまり引き留めず、程々に会話を切り上げて
邸宅から見える藤をぼうっと眺めるわ
藤棚の下から見上げたことは今までも何度かあったけれど、上から眺めるのは初めてかも
藤の咲く時期の風はそよそよと本当に穏やかで
風藤とは本当に風情があって良い名だわと、一人でも改めて心のうちで思う
椿餅というものもそういえば初めてね
椿の葉と藤の花。季節の移ろいを感じられるのは贅沢だわ
冷めておらずそれでいて熱すぎない、この気温に合わせて点てられたのであろうお茶と一緒に頂いて
藤色を想わせる花の香が乗ったそよ風を前髪に浴びれば
五感に流れる時間がみんな、ゆるやかになったように感じられて
……人の家で、はしたないけれど
つい、うとうと……
…………はっ
いけない、そろそろ戦う準備をしないと……
ふわりと甘香る春風は優しく、枝垂れ咲く花をそっと揺らして。
出迎えてくれた邸宅の主の空気感も、そんな穏やかな春のようで。
神野・志乃(落陽に泥む・f40390)は聞いた彼の名に、納得するような気持ちになる。
「風藤氏。……良い名ね」
そして、有難うございますと、そう自分に返ってくるその声色も淡く上品である。
とはいえ、この時代は本名を呼ぶことはその人の魂ごと呼ぶ事になるため、|諱《 いみな 》という通称があったようであるし。
風藤という名は、彼の本名ではないのかもしれないけれど。
でも、だからこそ。
「この山藤のある風光を守護してきた謂れがあるのかしら」
「そうでごさいますね、代々私の家は、この藤の山を守っておりますから」
この場所にぴったりな名にも、納得がいくのかもしれない。
そんな軽く会話を交わしながら、邸宅の中に案内されれば。
どうぞご自由にお過ごしください、と告げられれば、無理に引き留めることなどもせず。
程々に楽しんでいた会話を切り上げた後、邸宅で過ごすことにする。
邸宅の傍の神社では、春の祭りも開かれているのだとは聞いているが。
(「祭りを楽しむというのも悪くないけれど、花の盛りを存分に堪能したいのよ」)
だって、志乃にとっては。
(「藤は……私のいちばん好きな花だから」)
だから、邸宅から見える藤をぼうっと眺めてみることにして。
山を染める満開の野生の藤も、楚々として上品でありながらもどこか力強く豪華であるし。
ふと良く手入れされた庭園を見下ろせば、見つけた藤色を咲かせた漆黒の瞳をそっと細める。
(「藤棚の下から見上げたことは今までも何度かあったけれど、上から眺めるのは初めてかも」)
寝殿造は元々自然との調和を重んじた、壁がないつくりであるから。
心地良い風が吹き抜け、神社だけでなく邸宅にも飾られている風車もからからと廻って。
そんな、藤の咲く時期の風はそよそよと本当に穏やかだと志乃は感じながらも。
一人でも改めて心のうちで思う――風藤とは本当に風情があって良い名だわ、と。
それから、よかったらお召し上がりくださいませ、と。
そっと勧められたのは、花見のお供にもぴったりな椿餅と茶。
「椿餅というものもそういえば初めてね」
「つばきの葉油分が多く餅が包みやすくて、また邪気を払うとされているのですよ」
そうそれだけ告げれば、丁寧に頭を垂れて下がる邸宅の貴族。
必要以上に近すぎず、かといってそっけなくもない、程良い距離感で接してくれるのも居心地が良いし。
折角だから、そっとひとくちいただいてみる。
(「椿の葉と藤の花。季節の移ろいを感じられるのは贅沢だわ」)
冷めておらずそれでいて熱すぎない、この気温に合わせて点てられたのであろうお茶と一緒に。
そして再びふわりと、藤色を想わせる花の香が乗ったそよ風を前髪に浴びれば――つい、うとうと。
(「……人の家で、はしたないけれど」)
五感に流れる時間がみんな、ゆるやかになったように感じられるから。
ぽかぽか麗らかな春の陽光も相俟って、ゆらりと暫し夢心地に。
けれど…………はっ、と。
慌ててはいないが、現実へと引き戻した意識の中、何気に忙しく邸宅内を行き来する貴族達の姿を見れば。
此処へと赴いた目的を志乃は思い返しつつ、改めて気を取り直す。
(「いけない、そろそろ戦う準備をしないと……」)
いちばん好きな藤の花たちが望める邸宅「対妖要塞」を守るために、風藤の要請に応じてやって来たのだから。
大成功
🔵🔵🔵
花染・春鈴
アドリブ◎
「美しい藤の花
春と云えば藤棚も魅了されるわよね
それも平安の世は余すところなく自然の美しさと出会える」
そう思うでしょ?|花白《かしろ》
首元にマフラーのように寄り添う使い魔の”花白蛇”に視線を向けて
花白はちょろっと舌を出して相槌を打つ
「せっかくだから催しを楽しんでみる?
まずは参拝をしていかないと、ね」
社に務めている者として
お邪魔します、と本殿にしっかりと参拝をする
――次は
花風車を作りにゆこうかな?
「あの、花風車の作り方教えていただけませんか?」
授与所にて貴族に教えてもらい
藤色とシロの2色を組み合わせて丁寧に作るの
わたしが込めた願いは…そうね
人々が平穏に過ごせますように、かな
平穏な場所で民が笑顔でいる事
此の世で戦う者達の明日への希望、願いでもあると
他の地で戦った処で胸に刻んできた
…どうか、この地でも藤の加護がありますように
完成した風車は飾ることに
――この風車も結界の力と成れますように
咲いた花風車に静かにそう祈る
この後は何処へゆこう?
道すがら茶屋で椿餅を頂き乍らのんびり散策をしようか
春夏秋冬、移ろうのは、そんなひととせを彩る四季も勿論なのだけれど。
春という季節の中でも、咲く花のいろも次々と咲き誇り移ろっていくことを、花染・春鈴(花祝・f42773)はよく知っている。
春の訪れを告げる梅が咲けば、その後は沈丁花に木蓮、桜。
そして今、見頃を迎えているのは。
「美しい藤の花。春と云えば藤棚も魅了されるわよね」
そう、眼前で枝垂れ咲いている藤の花。
それに、綺麗に丁寧に整えられた藤棚も、見上げればまるで藤の花が降ってくるかのような美しさを咲かせているのだけれど。
でも今、眼前に咲き誇っているのは、藤棚の藤の花だけではなくて。
「それも平安の世は余すところなく自然の美しさと出会える」
野を染め上げる、人の手が加わっていない自然のままの山藤たちも満開。
藤の花らしい楚々とした上品な雰囲気は勿論の事、野に咲く花はどこか力強く豪華な印象も受ける。
春鈴は、そんな藤棚の藤も山藤もどちらも愛でながらも、ふと視線を向けて紡ぐ。
「そう思うでしょ?|花白《 かしろ 》」
首元にマフラーのようにくるりと寄り添う、使い魔の”花白蛇”に。
そして向けた声に、ちょろっと。
紅の宝石眼宿す桜の鱗咲かせた白蛇は、舌を出して相槌を。
そんな様子を見れば、ほわりと花笑み零して。
「せっかくだから催しを楽しんでみる? まずは参拝をしていかないと、ね」
社に務めている者として……お邪魔します、と。
神様がおわす本殿にしっかりと参拝を。
それから挨拶が済めば、きょろりと周囲を見回した後。
花白と共に春鈴が足を向けるのは社務所。
そう、次は。
(「花風車を作りにゆこうかな?」)
参道の両脇に数えきれないほど飾られていた、まるで花のような風車のことを思い出したから。
「あの、花風車の作り方教えていただけませんか?」
授与所にてそう申し出れば、快く貴族に作り方を教えてもらって。
選んだ色合いは、満開に降り注ぐ花のいろと同じ、藤色とシロの2色。
その彩りたちを組み合わせて丁寧に作っていきながらも。
「わたしが込めた願いは……そうね。人々が平穏に過ごせますように、かな」
花風車に、願いを。
平穏な場所で民が笑顔でいる事。
それは、此の世で戦う者達の明日への希望、願いでもあると。
そして他の地で戦った処で胸に刻んできたから。
だから春鈴は想いを馳せ織り成しながらも、藤色と白を折り重ねてゆく。
……どうか、この地でも藤の加護がありますように、と。
それから風車が完成すれば、くるりと一緒に。
(「――この風車も結界の力と成れますように」)
ひとつひとつ誰かの願いが込められた参道の風車とともに並べて飾りながら。
咲いた花風車に、静かに春鈴は祈るのだった。
そして風車を飾り終えた後、花白と共に再び歩き出しながら。
「この後は何処へゆこう?」
……椿餅を頂きながらのんびり散策をしようか、なんて。
再びちょろりと舌を出してそれに応える美しき従者に咲みつつも。
甘やかな藤の香纏う春風が吹く中、まずは道すがら茶屋へと足を向ける。
こうやって春の歓待を目一杯楽しんで受けることも、結界の力となるのだから。
大成功
🔵🔵🔵
ルーシー・ブルーベル
【月光】
咲き枝垂れる藤はカーテンのよう
それに何て甘い香り!
藤の花はこんな香りがするのね
桜より深まった春の香り
ゆぇパパと手を繋いで参道をお散歩!
みて!こんなに沢山の風車を見たのはルーシー、始めてだわ
ルーシー達も風車を飾っていいみたい
ね、いっしょに作って飾ろう?
わたし達が去っても、ずうっとここで風車は咲き続けてくれる
それってとてもステキだと思うの
えへへー
うん!
わあ、八重の風車なんてあるのね!
ルーシーは……それじゃ、4重の風車にしておくわ
白い風車を選んで、一片ごとに絵を描くの
黒ヒナさん、ララ、パパにルーシーの似顔絵よ
……に、にてなくても似顔絵!です!
パパの風車の隣に飾って
ふふ、うん
ずっといっしょね
パパとルーシーも
こんな風にずっといられますように
組紐作る!
贈り合いも嬉しいわ、ぜひ!
なら張り切って色の組み合わせを考えなきゃ
淡い藤色に水色、金糸を選んで編む
水色と金色は『ルーシー』であり
…『ララ』の色でもあるから
パパは出来た?今はお互いナイショよ!
後のお楽しみ
ええ、お散歩再開ね
では、と、再び手を繋いで
朧・ユェー
【月光】
藤がゆらゆらの揺らめく
えぇ、確かにカーテンの様ですねぇ
藤の香、桜とは違った春の馨ですね
小さな手と繋いで藤の道を歩いていく
風車?
沢山のくるくると回る風景は不思議な感じがする
おや、とても素敵な言葉ですねぇ
咲き続ける風車
えぇ、一緒に作りましょうか
貴族さんに基本を教えて頂いて
せっかくなので八重の風車に
ルーシーちゃんはどうですか?
可愛らしい似顔絵ですね
とってもそっくりですよ?ありがとうねぇ
隣同士で飾ってクルクル回る風車
ずっとこれからも隣でクルクル回る人生を歩める事を願って
ルーシーちゃん組紐も作りませんか?
普段なら彼女の色を選ぶのだが
濃い紫に白を混ぜて、仕方ないアイツの黒も合わせましょうか
そうコレは僕達の色…だから
これはお互い作ったのを贈り合いましょうか
無事に終わった後で、ね
風車を眺めながら散歩の続きをしましょうか
柔らかな春風が山を吹き抜ければ、ふわりと。
揃ってゆらゆらと揺らめくは、満開に咲いた藤の花。
そんな春の花を朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)と共に見上げて。
ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)は、揺れる淡いいろを咲かせた空のような瞳を細める。
「咲き枝垂れる藤はカーテンのよう」
「えぇ、確かにカーテンの様ですねぇ」
「それに何て甘い香り! 藤の花はこんな香りがするのね」
……桜より深まった春の香り、って。
ユェーはそう紡ぐ彼女の声に頷いて返す。
「藤の香、桜とは違った春の馨ですね」
桜が散った後に咲いた、甘やかに香る春の花を、ふたりで一緒に眺めながら。
勿論、今日だって、しっかり手と手を繋いで。
朱色の鳥居を潜って、ちゃんとこの前教わった通りに。
神様の通り道をあけておくように、参道の端をルーシーは歩きながら。
ゆぇパパと並んで、ぽかぽか陽気が心地良い春をお散歩。
それから、参道の両脇でくるくる、からからと。
「みて! こんなに沢山の風車を見たのはルーシー、始めてだわ」
廻る数多の風車を見つければ、そう声をあげて。
繋いでいる小さな手に引かれ――風車? と。
ユェーも、歩く藤の道を飾るそれらへと目を向けてみれば、思う。
……沢山のくるくると回る風景は不思議な感じがする、と。
そう眺めていれば、風車を飾っている人たちの姿を見かけたから。
「ルーシー達も風車を飾っていいみたい。ね、いっしょに作って飾ろう?」
ルーシーはそうユェーを見上げつつ、こう続ける。
「わたし達が去っても、ずうっとここで風車は咲き続けてくれる。それってとてもステキだと思うの」
満開の藤の花は、もうすぐしたら散ってしまうし、それがまた儚くも美しいのだけれど。
でも、ずっと散らずに咲き続ける風車の花を一緒に咲かせられるのも、素敵で嬉しいって思うから。
そして、ルーシーが咲かせた言の葉に、ユェーは金の瞳を柔く細めて。
「おや、とても素敵な言葉ですねぇ。咲き続ける風車」
えへへー、とちょっぴり得意げに、そしてちょっと照れたように笑む彼女へと返す。
「えぇ、一緒に作りましょうか」
「うん!」
ということでふたりで、風車作りをやってみることに。
社務所の貴族から材料を受け取りつつ、基本の作り方をふむふむと教わってから。
「せっかくなので八重の風車に」
ユェーが作るのは、豪華な見目の八重の風車。
「わあ、八重の風車なんてあるのね!」
「ルーシーちゃんはどうですか?」
「ルーシーは……それじゃ、四重の風車にしておくわ」
八重は少しだけ工程も多いから、ルーシーは定番の四重のものをと。
白い風車を選んで、一片ごとに絵を描いていく。
「黒ヒナさん、ララ、パパにルーシーの似顔絵よ」
なかなか味がある……ある意味愛嬌のある、皆の似顔絵を。
そんな一生懸命彼女が描いてくれた家族の似顔絵を見て微笑んで。
「可愛らしい似顔絵ですね」
「……に、にてなくても似顔絵! です!」
「とってもそっくりですよ? ありがとうねぇ」
そう紡ぎつつも出来上がれば、隣同士で飾ってクルクル。
ふたつの風車の親子を見つめながら、ユェーはそっと想いを乗せる。
「ずっとこれからも隣でクルクル回る人生を歩める事を願って」
「ふふ、うん。ずっといっしょね」
……パパとルーシーも、こんな風にずっといられますように。
ルーシーも仲良く並ぶふたつの風車に、そう願いを。
そして風車を作って飾り終えたなら、折角だからと。
「ルーシーちゃん組紐も作りませんか?」
「組紐作る!」
組紐作りにも、一緒に挑戦。
ユェーはすぐに返ってきたルーシーの声に笑んで返してから。
編む組紐の糸の彩りを選んでみる。
(「濃い紫に白を混ぜて、仕方ないアイツの黒も合わせましょうか」)
――そうコレは僕達の色……だから、と。
それから、ルーシーへと持ちかけるのはこんな提案。
「これはお互い作ったのを贈り合いましょうか」
「贈り合いも嬉しいわ、ぜひ!」
そうとなればルーシーも、張り切って色の組み合わせを考えなきゃ、と。
手に取って編み始めた糸の彩りは、淡い藤色に水色、そして金糸。
(「水色と金色は『ルーシー』であり……『ララ』の色でもあるから」)
それからふたり編み終われば――。
「パパは出来た? 今はお互いナイショよ! 後のお楽しみ」
「無事に終わった後で、ね」
まだ今は、お互いに編んだものは秘密。
交換こは、無事にやるべきことを終わらせた後のお楽しみに、とっておくことにして。
「風車を眺めながら散歩の続きをしましょうか」
「ええ、お散歩再開ね」
では、と、再び手を繋いで、春の神社を歩いて廻る。
花風車みたいに並んで――優しく甘く香る春風に吹かれながら一緒に、くるりと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『久遠院六条公貞』
|
POW : 呼び水の構え
【右手で村正】を構える。発動中は攻撃できないが、正面からの全攻撃を【村正による受け】で必ず防御し、【左手の44マグナム】で反撃できる。
SPD : 扇撃ち
【44マグナムによるファニングショット】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 剣我一体
自身に【村正に宿る怨念と妖気】をまとい、高速移動と【敵の生命力と運動能力を奪う瘴気】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:223
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「カトリーヌ・クレマン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
楽しくも穏やかな春の日も、夕刻を迎えた頃。
「……!」
寝殿造の邸宅――いや「対妖要塞」へと再び集まった猟兵達へと風藤は告げる。
「……予知通り、妖の裂け目が発生しましたようです」
けれどこれは予めわかっていたこと。
これまでの歓待で、平安結界も強まり、貴族達とも交流して打ち解けているから。
「妖の雑兵どもは我々が引き受けますので、猟兵の皆様は敵の大将を討ち取ってください」
「藤の花の効力か、妖どもの大群は、神社とは反対側から侵入してくるようですが」
「此方の通路からまわり込めば、皆様は雑兵どもの相手をせずとも、敵の大将の傍へと辿り着けましょう」
「我々が有象無象は引きつけておきますので、ご移動ください」
そう貴族達が案内してくれれば――刹那響くのは、いかにも悪そうな麻呂の声。
『皆の者、略奪じゃ、虐殺じゃ! 金と権力は全て麿のものじゃ!』
それは、悪徳貴族が死後妖と化してもなお悪事を行っている『久遠院六条公貞』。
手にしている村正と44マグナムは密貿易などで不正に手に入れた品のようだ。
つまりは、金と権力に目がない根っからの悪人。
ということで、雑兵は邸宅の貴族達に任せて――敵の大将の悪徳貴族を、いざ成敗。
武富・昇永
せっかくの風情をぶち壊してくれるな、妖め
それにしても品がない妖だな…
煩悩まみれの俺でもここの風景には心が奪われるというのに
そんな言動が全く感じられん
まぁいいさ、そっちのほうが心置きなく狩れるというもの
風藤さまがお膳立てしてくださった勲功を頂戴するとしよう
({転身式神・多忙冠者}を召喚し{妖切太刀・御首級頂戴丸}を抜刀すると【出世道・功名一番槍】を発動し、式神と共に八相の構えで敵に向かって突撃する)
多忙冠者!俺の出世欲をお前に注いで『存在感』を際立たせるから『変わり身』となって敵に正面からぶつかれ!
俺はその隙に回り込んで死角から奇襲をかける!
風車に書いた願いを叶えるとしようではないか!
静かに楚々と咲いている藤が、風にざわりと揺れる。
同時に、発生した『妖の裂け目』から沸いて出るは妖の群れ。
「せっかくの風情をぶち壊してくれるな、妖め」
武富・昇永(昇鯉・f42970)は、藤の美しさを台無しにする輩どもにそう紡ぎつつも。
だか出現は想定内、よって雑兵は貴族達がおさえてくれるので、狙うは大将首……であるのだが。
『皆の者、略奪じゃ、虐殺じゃ!』
「それにしても品がない妖だな……」
不正に手に入れたらしき村正と44マグナムを手に喚く『久遠院六条公貞』の言動に思わず昇永は苦笑してしまう。
確かに自分も、藤の花咲く景色の中、俗っぽい願いを馳せたりはしたものの。
「煩悩まみれの俺でもここの風景には心が奪われるというのに」
……そんな言動が全く感じられん、と。
見遣る久遠院六条公貞は、その藤の花でさえも見えてなどいない様子。
『世の中、金と権力が全てじゃ!』
「まぁいいさ、そっちのほうが心置きなく狩れるというもの」
ここまでわかりやすい悪人さであれば、遠慮などいらない。
それに、雑兵の相手はしないでも良いのだから。
……風藤さまがお膳立てしてくださった勲功を頂戴するとしよう、と。
昇永は刹那戦場に喚んで、そして抜刀する。
己にそっくりの姿をした式神『転身式神・多忙冠者』を解き放ち、手にした『妖切太刀・御首級頂戴丸』を。
そして昇永自身も八相の構えで、式神と共に敵に向かって、いざ突撃!
――遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!
発動させるは『出世道・功名一番槍』、自身の漲らせる出世欲を力とし、振るう刃を閃かせて。
『略奪、虐殺なのじゃ!』
右手の村正で受け流すべく構え、左手の44マグナムで反撃せんとしている久遠院六条公貞へと昇永は差し向ける。
「多忙冠者! 俺の出世欲をお前に注いで『存在感』を際立たせるから『変わり身』となって敵に正面からぶつかれ!」
そしてその声に従い、敵へと突撃した式神に銃口を向けば、そのの隙に死角に回り込んで。
「風車に書いた願いを叶えるとしようではないか!」
『なっ!? こっちは囮……ぐぅっ!』
死角から奇襲をかけた昇永の一閃が転身式神・多忙冠者を容赦なく叩き斬る。
出世欲が高まって切れ味が増した、御首級頂戴丸の斬撃が。
大成功
🔵🔵🔵
勧禅寺・宗大
アドリブ連携可
ふむ、こんな世でも悪の貴族ははびこるか。
ならば相手にしてやろう。
宗代を筆頭に式神や鬼の護邸を使った【連携攻撃】で相手の防御をしきれないようにしてやるか、もし皆が反撃を喰らったら【御霊式神符】を飛ばしたり【霊的防護】で彼等を守っていく。
そして護邸への注意が逸れたら側面か背後を【鬼門遁甲】で攻撃し、
操作できたら村正を一時的に捨てさせて皆ボコボコにしていこう。
ダメでも抵抗して動きは鈍るだろうからより反撃させずに殴りやすくなるって作戦よ。
強い武器だけに頼るのは二流さ、全て使って妖を凌駕するのが本物の貴族よ!と上手く行ったら嬉しそうに笑う。
甘やかに藤の花が咲き誇る山中に、全く相応しくない無粋な存在。
『くっ、何をもたもたしておる! 早いところねじ伏せるのじゃ!』
「ふむ、こんな世でも悪の貴族ははびこるか」
勧禅寺・宗大(平安貴族(正五位下)の幻惑の陰陽師・f43235)は、貴族達が相手をしてくれている雑兵に喚く大将『久遠院六条公貞』の姿を見遣ってから。
請け負った依頼通り大将首をきっちりと獲るべく、滅すべき敵へと紡ぐ。
……ならば相手にしてやろう、と。
そんな宗大の声に、久遠院六条公貞は右手で村正を構えて。
『小童が、この麿の相手をかぇ?』
そう十代の少年に見える姿へと目を向けてそう口にするも。
『何!? くっ!』
刹那、マグナムを握り反撃の態勢を取る敵へと嗾けるのは、宗代を筆頭にした式神や朽ちた祠より引き取った美しい鬼の護邸。
そんな繰り出される連携攻撃に対し、久遠院六条公貞も村正で受け流し、逆手の44マグナムで攻撃を返してくるも。
御霊式神符を飛ばしたり、霊的防護で、自分に懐き従う護邸達を守りながらも立ち回る宗大。
そして敵の気が逸れているその隙を、決して見逃さずに。
――鬼の力を用いて眼前の者を調伏せん、鬼門遁甲!
『!? ぐぁっ!』
すかさず回った背後から刹那放つは、鬼の手。
鬼門を開いて鬼気を流し込めば、瞬間大きく敵の身が爆ぜて。
同時に操作して、村正を一時的に捨てさせるよう試みつつも皆でボコボコに!
『く、くぅっ!!』
それでも抵抗する久遠院六条公貞だが、完全にその動きは鈍っているから。
皆で攻め続ければ、どのみち殴りやすくなるという作戦!
それに、何より。
『ぐ、金も権力も持たぬ小童の分際で!』
「強い武器だけに頼るのは二流さ、全て使って妖を凌駕するのが本物の貴族よ!」
そもそも、そうまんまと自分達に翻弄される敵に嬉しそうに笑う宗大は。
実は少年ではなく、れっきとした大人の平安貴族なのだから。
大成功
🔵🔵🔵
白矢羽・尭暁
良い気分で過ごしていたのだけれども、略奪も虐殺もこの場にあう言葉ではないね
それにしても。ああー、僕は知っているよ
あのような者は滅ぶ運命にあることを
うーん、ああなりたくはない
そもそも僕が道を踏み外す前に止めてくれる人はいるから、ならないか
では、悪行成敗といこう
今日は我血を振るうにも制限がない
三回なんて余裕
二十回くらいは問題ないんだけどなぁ
やはり一度大丈夫なのを見せて……いや、お小言ではなくお説教になる可能性があるかぁ
といっても、今日は何度も振るう必要はさそうだ
まぁ、でもたまにだ
いつもよりちょっと多目に喰らっていいよ
血を与えて思う存分、その力振るうといい
お前の怨念と妖気より、僕の血の方が強いだろう
妖の裂け目から現れたのは、平安貴族の成れの果て。
『略奪、虐殺! 金と権力こそ力!!』
「良い気分で過ごしていたのだけれども、略奪も虐殺もこの場にあう言葉ではないね」
眼前の存在の所作が無粋であることは明確だけれど。
自分のすぐ近くにはいつだって生粋の平安貴族がいるから、貴族としての品も皆無なこともわかるし。
白矢羽・尭暁(金烏・f42890)は、権力こそ力だとヒャッハーしている『久遠院六条公貞』を見れば思うのだった。
(「それにしても。ああー、僕は知っているよ。あのような者は滅ぶ運命にあることを」)
そして……うーん、ああなりたくはない、と。
いや、眼前の妖とはちょっと違うのだけれど……立派な皇族で在ろうと固執していた時期があって、ちょっぴり人間性的にどうかという道に進みかけたこともあった尭暁だが。
(「そもそも僕が道を踏み外す前に止めてくれる人はいるから、ならないか」)
今は、自分はそうならないって……自分が人々を照らす陽で在れるための光を得ていることが、尭暁にはよくわかっているから。
皇族として、やるべきことを違えない。
「では、悪行成敗といこう」
正しく立派な皇族で在るべく、妖を狩る。それが自分の使命だから。
そして抜くのは、我血。
その餓血刀を手にすれば、やはり思ってしまう。
「二十回くらいは問題ないんだけどなぁ」
過去に、自分が制御できず倒れた姿を目にしているから、仕方ないといえばそうなのであるが。
過保護な従者は、我血を振るうのは一日三回迄と厳しい制限をつけてくる。
でも実際は三回なんて余裕であるし、今日は我血を振るうにもその従者が傍に今いないから制限がない。
ということは、使い放題……と言いたいところであるが。
「やはり一度大丈夫なのを見せて……いや、お小言ではなくお説教になる可能性があるかぁ」
他人にとっては分からない程度の機微だけれど、きっと眉を潜めてきゅっとした洒落にならない表情になることも自分だけは分かっているし。
『瘴気におかされて死ぬのじゃ!』
「といっても、今日は何度も振るう必要はさそうだ」
有象無象の雑兵は貴族が相手をしてくれているから、尭暁が狩るは眼前の大将首のみ。
とはいえ、何度も振るうこともないだろうし、過保護に心配する従者も折角いないのだから。
「まぁ、でもたまにだ。いつもよりちょっと多目に喰らっていいよ」
――血を与えて思う存分、その力振るうといい、と。
妖を滅するために流れる己の血を、我血へとちょっぴり普段より多めに喰らわせてあげれば。
金! 権力!! と喚きながら、村正に宿る怨念と妖気をまとい瘴気の放射をせんとする眼前の妖へと、尭暁は閃かせる。
『奪うために虐殺……ふぎゃっ!!』
ただ一人、己の尊き血を好んで喰らう心強い愛刀――妖を滅する血を十分に食らった我血を。
……お前の怨念と妖気より、僕の血の方が強いだろう、って。
大成功
🔵🔵🔵
神城・星羅
愛しの君の朔兎様(f43270)と参加
私達家族の巡り合いの例もありますから、マグナムを持ってる理由は理解できるのですが、生きる為ではなく、他を害する為だけに使うとはまさしく悪!!
あ、朔兎様が怒ってらっしゃいます。地雷を踏まれたようで。何気に構えに隙がないのでどこまでやれるか分かりませんが、一発入れてやりたいですね。
【残像】【幻影使い】【気配察知】で攻撃をまともに受けるのを避けます。【オーラ防御】【回復力】で保たせたい。確かに速度は脅威的ですが二人いますので。
隙を見せたら【高速詠唱】!!八咫烏の紋章を展開し、迎撃の形に。さらに調律の弓で矢を【一斉発射】!!
自分の事しか考えないのは自滅しますよ?
源・朔兎
愛しの姫の星羅(f42858)と参加
今の家族の巡り合いの件もあるし、俺のメインの武器も異世界の技術で作成したものだからマグナムについては文句言える立場ではないが、これを虐殺と略奪の為にだけ使うのは容認できない。
本当にムカつく奴だな!!何気に構えに隙がないので全力を持って一矢報いるぞ!!
敵の攻撃範囲の関係から下手な回避は意味がない。なので【迷彩】【心眼】【ジャンプ】【ダッシュ】【瞬間思考力】全てを持って敵に近づき、必殺の双月の秘技叩き込んでやる!!銃撃一度見れば対応できるし、星羅の前で屈する訳にはいかないので【残像】【回復力】で耐える!!
私欲だけで動くやつはこの程度だ。人の心の力舐めるなよ!!
『くっ、大人しく虐殺されて金品をよこすのじゃ!』
そう喚く眼前の妖の大将『久遠院六条公貞』の手にあるのは、村正と44マグナム。
村正ならばわかるのだが、平安の世にマグナムは違和感を抱いてしまうも。
源・朔兎(既望の彩光・f43270)は、自分がメインで今使用している武器を思えば、そこは目を瞑れるも。
「今の家族の巡り合いの件もあるし、俺のメインの武器も異世界の技術で作成したものだからマグナムについては文句言える立場ではないが、これを虐殺と略奪の為にだけ使うのは容認できない」
その武器の使い方は許すことが出来ない。
そんな朔兎の言葉に、神城・星羅(黎明の希望・f42858)も頷いて返して。
「私達家族の巡り合いの例もありますから、マグナムを持ってる理由は理解できるのですが、生きる為ではなく、他を害する為だけに使うとはまさしく悪!!」
久遠院六条公貞の所業はまさに妖らしい、悪そのもの。
朔兎と共に悪の存在である妖の大将を滅するべく、そう言い放つも。
村正と44マグナムを構えながら、久遠院六条公貞は悪い顔をして笑う。
『は、悪で上等! この世は権力と金!』
そしてその言動を見れば、ますます朔兎の中で許せない感情が大きくなって。
「本当にムカつく奴だな!! 何気に構えに隙がないので全力を持って一矢報いるぞ!!」
(「あ、朔兎様が怒ってらっしゃいます。地雷を踏まれたようで」)
星羅は彼の様子にそう思いながらも。
「何気に構えに隙がないのでどこまでやれるか分かりませんが、一発入れてやりたいですね」
全力で気にくわない敵を滅するべく動かんとする朔兎に、同意しつつも。
妖刀村正と44マグナムを駆使して攻撃してくる敵を確りと見遣る。
朔兎にとって星羅は、紛うことなき愛しの君。
それと同時に、頼もしい存在であるから。
瘴気の攻撃も、残像や幻影使を駆使し、気配察知でまともに受けるのを避ける彼女と共に戦場を駆けて。
オーラ防御と回復力でそれを保たせながらも、星羅も思うのだ。
(「確かに速度は脅威的ですが二人いますので」)
ひとりではなく、朔兎と共に征くのだから。
……敵の攻撃範囲の関係から下手な回避は意味がない、と。
迷彩や心眼を用い、地を蹴ってジャンプやダッシュをしたり、瞬間思考力で確りと考えながら動きつつも。
使える技能全てをもって、朔兎が敵へと近づけば。
(「必殺の双月の秘技叩き込んでやる!!」)
――さて、奥の手だ!! まあ運に賭ける!!
――伝えの使者よ、力を!!
ふたりで連携して、敵へと攻め込んで。
敵が見せれば高速詠唱し星羅が、八咫烏の紋章を展開して迎撃、さらに調律の弓で矢を一斉発射!!
さらに朔兎も、月読の技をお見舞いしてやって。
『くっ、この……!』
44マグナムの引き金がひかれるけれど、残像や回復力で耐える朔兎。
銃撃一度見れば対応できるし、何よりも、星羅の前で屈する訳にはいかないと、そう強い気持ちを抱きながら。
鳥の幻影を生み出しては放つ彼女と共に、二振りで一組の月の紋章が入った白銀の刀身の長剣を負けじと振るう。
『虐殺じゃ、略奪じゃ!! ……ぐっ!?』
「自分の事しか考えないのは自滅しますよ?」
「私欲だけで動くやつはこの程度だ。人の心の力舐めるなよ!!」
眼前の明確な悪、妖を祓う為に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふええ、アヤカシエンパイアに拳銃なんてあったのですか?
どうしましょう?アヒルさん。
ふえ?拳銃を持っているならアレも持っているかもしれないですか?
えっと、試しにお電話の魔法を使ってみましょう。
電話に出るには片手を使うから刀か銃のどちらかはしまわなければいけないって、確かにそうですね。
というより、電話が無いんじゃないんですか?
まさか、俳句で電話をしないといけないとか言わないですよね?
『このッ! 金にものを言わせて手に入れた得物で虐殺してやるのじゃ!』
そう声を荒げる、裂け目から現れた大将『久遠院六条公貞』を見遣って。
大きな帽子をそっと押さえながら、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《 👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)は瞳を見開きつつも。
「ふええ、アヤカシエンパイアに拳銃なんてあったのですか?」
……どうしましょう? アヒルさん。
そうやはり平安の時代には本来あるはずのない44マグナムを握る敵に対し、アヒルさんへと視線を映すけれど。
アヒルさんの言葉に、再びぱちくり。
「ふえ? 拳銃を持っているならアレも持っているかもしれないですか?」
アレとは……同じ様に、平安の世にはあるはずのないアレ。
「えっと、試しにお電話の魔法を使ってみましょう」
――も、もしもし、はじめまして、フリルです、なんて。
試しに、誰とでもお話しできるお電話の魔法を発動してみれば。
「電話に出るには片手を使うから刀か銃のどちらかはしまわなければいけないって、確かにそうですね」
『むっ、何じゃこんな時に……ぎゃあっ!?』
アレ……まさかの、携帯電話を持っている……!?
いや、さすがに。
「というより、電話が無いんじゃないんですか?」
この時代に携帯やスマホを持っているのはちょっと無理があるようだけれど。
ユーベルコードの効力で、フリルから発信するサイキックエナジーの電波が刹那爆破し、通信状態では繋がれているみたいで。
電話で語り掛けながらも、フリルは思わず敵をじいと見つめつつも。
電話がないのならばとこんなことを思うのだった。
……まさか、俳句で電話をしないといけないとか言わないですよね? なんて。
平安の世界らしく、返歌される可能性を考えてしまいながら。
大成功
🔵🔵🔵
ジャスパー・ドゥルジー
【エイツア】
【バンダースナッチの影】を使用
黒い炎になってこっそり接近するぜ
クルーや他猟兵の戦闘に乗じて背後から忍び寄る
狙いはあの村正って大層な名前の刀だ
あれのせいで正面からの攻撃が通用しねえなら…よっと!
腕を具現化して刀を持つ手を抑えこんじまおっと
これで猟兵陣の攻撃は通り放題だし?
至近距離にいる俺が巻き込まれてもむしろご褒美だし??
反撃に遭ったら遭ったで
傷口から流れる燃える血で包み込むようなあつーい抱擁をカマしてやる
うーん、一石二鳥ってやつ
今日も完璧な作戦
縄田・千鶴
【エイツア】
……対象の排除を開始、します。
「ピアッサー」による掃射、は……弾かれますね。効果がない、か……
であれば下がってキャバリアによる大火力で……いや……
任せ、て、みますか……前に出て接近、銃身での受けと銃弾によるパリィで引き付けます。直撃させようと思わなければ十分対処、できる程度。ですし。
ジャスパー、さんがカタナを抑えこんだら念の為【born to alone】で撹乱、首元に銃口を捩じ込んで一発、即座に離脱します。
パウル・ブラフマン
【エイツア】
いかにもなカンジのヒトキタァ!
これはオレ達も気合入れて…って
エイツアにも平安貴族さん居るゥ!?(モフちゃん真の姿二度見)
ジャスパーと千鶴ちゃんが刀側を抑えるなら
オレは銃の方を狙っていこっかな☆―UC発動!
人魚の身体で銃弾を無効化しつつ
展開したKrakeでカウンター狙撃をお見舞いしたいな♪
ジャスパーが抱き着いた瞬間、マグナムに通電させて超速移動を。
…ジャスパーのコト、良い匂いって想ったでしょ?
嫉妬から獰猛性を抑えきれずに
銃口を敵の頬にくっつけて【零距離射撃】を試みる。
そのイカした白塗りのツラを吹っ飛ばしてやんよ。
戦闘後はモフちゃんを抱えて離脱。
ふぇぇ、皆に怖い顔見せちゃったかなぁ…。
モフ・ラムシュタイン
【エイツア】
さぁて、腹拵えも済んだことで。ひと仕事しておくかの。
軽く身震いをして|UC《道術》を発動。
真の姿に還って符を拡げようぞ。
けたたましい輩じゃ。
金も権力も骸の海には持ってはゆけぬ。
なれば一時の快楽に興じることこそ至高―踊れ。わしと戯れたまへ。
皆が村正とやらを狙うなれば、わしはそれを援護しよう。
正面からの攻撃が無効なれば
側面と背面からしとどに符の雨を降らそうぞ。
そうじゃ…十では足らぬ、二十は舞ってもらうかの。
公貞よ、ヌシの望みは聞かぬ。わしを退屈させてくれるな。
戦闘後は元の姿に戻って香箱座り。
蟲を甚振るのはさほどでもないが、えいつあの皆の舞いは見事じゃった。
また機が合えば共に興じようの。
折角の美しい藤の花の風情も、あっという間に台無し感満載の。
『望月の、金と権こそ、力なり!』
謎に和歌風に言った『久遠院六条公貞』は、そう!
「いかにもなカンジのヒトキタァ!」
めっちゃいかにも平安感溢れた、悪い麻呂!
パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)はそんなベタすぎるおじゃるな悪貴族を見遣りながら、ちょっぴりテンション上がりつつ。
「これはオレ達も気合入れて……って」
「さぁて、腹拵えも済んだことで。ひと仕事しておくかの」
「エイツアにも平安貴族さん居るゥ!?」
エイツアのメンツの中にもいつの間にかにいた、謎の貴族を思わず二度見してしまう。
それは先程、軽く身震いをして、モキュピキュモキュ――と何か鳴いていた、モフ・ラムシュタイン(いともふし・f30317)の真の姿。
そう……今のモフの姿は、類稀なる美しき佇まいの、老若男女の癖に突き刺さるイケてる貴族なのである!
そんなモフが貴族姿へと変身すれば。
「……対象の排除を開始、します」
『金や権力のない者は不要、斬殺じゃ!』
縄田・千鶴(わたしをみつけて・f30136)は改めて眼前の敵を見遣って。
「「ピアッサー」による掃射、は……弾かれますね。効果がない、か……」
手にした改修型9mm自動拳銃「ピアッサー」でとも思ったが、敵の攻撃手段は把握済。
だから、村正を構えて待ち構えている敵に対し、より効果的な得物や戦闘手段を考えてみる千鶴であったが。
「であれば下がってキャバリアによる大火力で……いや……」
そこまで悩んでから、ふと――任せ、て、みますか……と。
『!?』
前に出て接近すれば、銃身での受けと銃弾によるパリィで引き付けるべく立ち回って。
『金目のもの持ってないなら、用はない……ぐっ!?』
「けたたましい輩じゃ。金も権力も骸の海には持ってはゆけぬ」
――なれば一時の快楽に興じることこそ至高―踊れ。わしと戯れたまへ、と。
真の姿に還ったモフが符を拡げれば、左手の44マグナムを撃ってくる麻呂の攻撃を受け流す千鶴。
「直撃させようと思わなければ十分対処、できる程度。ですし」
『くっ!? 何故当たらぬ!』
相変わらず喧しく声をあげる久遠院六条公貞の背後から。
クルーの戦闘に乗じて忍び寄るは――黒い炎!?
いや、それはただの炎ではなく。
――燻り狂えるバンダースナッチとジャスパードゥルジーに近寄ってはならない。
そう……黒い魔炎にその身を変異させたジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)。
そんなジャスパーの狙いはといえば。
(「あの村正って大層な名前の刀、あれのせいで正面からの攻撃が通用しねえなら……よっと!」)
久遠院六条公貞が右手に握る、妖刀村正。
そして掴める距離までそっと接近すれば。
『!!? 村正がっ!?』
「これで猟兵陣の攻撃は通り放題だし?」
……腕を具現化して刀を持つ手を抑えこんじまおっと、と。
にゅっと急に伸びた白い腕が、刀を持つ手をぐっと押さえつけ、敵の呼び水の構えを崩せば。
これまではその刀に受け流されていた攻撃も通るようになり、ずっと猟兵のターン!_
おたおたする悪貴族のすぐ傍にいるけれど、ジャスパーにとってはそれも無問題。
「至近距離にいる俺が巻き込まれてもむしろご褒美だし??」
むしろご褒美くらいあります、ええ。
そんなジャスパーの行動にオタオタしつつも、腕に向かって44マグナムを撃ってくる麻呂。
その銃弾が掠り、浅くも血が流れれば……さらにボーナスタイム?
ジャスパーがカマしてやるのは、傷口から流れる燃える血で包み込むようなあつーい抱擁。
『なっ!? 何かに抱き疲れてる!?』
「うーん、一石二鳥ってやつ」
今日も完璧な作戦、なんてジャスパーはちょっぴり得意げだけれど。
「……ジャスパーのコト、良い匂いって想ったでしょ?」
――そのイカした白塗りのツラを吹っ飛ばしてやんよ、と。
『えっ? ぎゃあ!?』
秒でマグナムに通電させて超速移動してきたパウルがぶっ放すのは、敵の頬に容赦なくくっつけられた銃口からの零距離射撃!
嫉妬から獰猛性を抑えきれずに、垣間見せるぎらついた瞳で。
そしてジャスパーがいまだ刀を押さえている中、さらに麻呂のことをぶっ放すのは千鶴。
自身から認識を阻害するジャミングを放出し、自身を認識する手段を無力化すれば。
今度は、敵の首元に銃口を捩じ込んで、一発!
『ぐっ、ふぐっ!!』
「皆が村正とやらを狙うなれば、わしはそれを援護しよう」
さらに、正面からの攻撃が無効というのならばと。
モフが降らせるのは、側面と背面からしとどに降らせる符の雨。
『うぐっ、くっ!?』
「そうじゃ……十では足らぬ、二十は舞ってもらうかの」
そして、雅やかに瞳細めながら続けるモフ。
「公貞よ、ヌシの望みは聞かぬ」
……わしを退屈させてくれるな、と。
それから、ジャスパーと千鶴ちゃんが刀側を抑えるなら、って。
パウルが狙うのはその逆手……44マグナムを手にしている左手。
――I'll be the guard dog of all our fever dreams!!
刹那そう紡げば、稲妻の模様と星屑を肌に宿した宇宙蛸の人魚へと、その姿を変じさせて。
人魚の身体で銃弾を無効化しつつも、やはり。
「カウンター狙撃をお見舞いしたいな♪」
嫉妬の炎はまだ胸の中では燃え盛っているから、目は全く笑ってない麻呂の姿を捉えれば。
『金と権力が在れば、それで……ふぎゃあ!!』
躊躇なく展開したKrakeでぶっ放します!
それから、ぽふんっと、元の姿に戻って香箱座りをしたモフをもっふもふ抱えて。
(「ふぇぇ、皆に怖い顔見せちゃったかなぁ……」)
パウルはついガチ切れしたことに、そう思っちゃうけれど。
もきゅもきゅっと、モフは皆に告げるのだった。
――蟲を甚振るのはさほどでもないが、えいつあの皆の舞いは見事じゃった、と。
そして、そう言っているのが何となくわかっている様子のクルーの皆をくるりと見まわした後。
もきゅっもきゅっと、得意気にモフはひと鳴き――また機が合えば共に興じようの、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
【💫💫】
ティタ!参りましょう!
武の権能と、私の持てる武器武芸の全てと矜持にかけて!
グレイス・フルムーン、ティタの盾となってください。(護衛&随伴)
モワ、ティタの援護があればこその攻め方になりますわ!ティタが信じて送って下さったのですから!
私が前に出ましょう、星空の護りがあれば、こちらに注意が向くはず、ならば斥力(吹き飛ばし&盾受け)で威力を減衰しつつ受け、返しの一撃を見舞いましょう。
UC【攻勢解呪】、寿命を削る、オブリビオンにとって詮無きものでも対価を命とする術は『重い』ですわ!
壊呪の斥力を機構槌に込めて、この世界を脅かす存在を、二人で一つのひとつぼしの力と共に討ち祓いますわ!
ティタ・ノシュタリア
【💫💫】
―実は、うれしいのです
戦うことがじゃありません。得意じゃないっていうのは自覚してますし
きっと、これからも慣れることはないのでしょう
でも。初めてあなたの戦いに力添えできる、あなたの横に立てるって
そう思うと怖さよりもずっと、心強さとうれしさが勝るのです
なんて、心のなかで思ったりして
あなたの号令に笑って応える
…はいっ!行きましょうマシュマローネっ!
前に出てくれているマシュマローネに【ひとさじの星空】を
もしこちらを狙ってきたらグレイス・フルムーンの力を借りつつオーラ防御
兎の皇女さまにして、私の騎士さま。その槌が、敵を撃ち抜くように
星空の護りに、祈りを込めて
ふたりでひとつの、ひとつぼしの力を
藤の花の綺麗な景色に妖の裂け目が派生し、敵の群れが押し寄せる中。
――実は、うれしいのです、と。
そう瞳を細めるのは、ティタ・ノシュタリア(夢を見る宇宙そら・f38779)。
でもそれは、戦うことがではなくて。
(「得意じゃないっていうのは自覚してますし。きっと、これからも慣れることはないのでしょう」)
……でも、と。
ちょっぴりわくわくドキドキさえしているこんな気持ちになっているのは、あなたのおかげ、と。
視線向けるのは、マシュマローネ・アラモード(第一皇女『兎の皇女』・f38748)の姿。
だって――初めてあなたの戦いに力添えできる、あなたの横に立てる、って。
そう思うとほら、不思議と。
(「怖さよりもずっと、心強さとうれしさが勝るのです」)
だから、彼女の瞳が自分の姿を映して。
「ティタ! 参りましょう!」
――武の権能と、私の持てる武器武芸の全てと矜持にかけて! と。
そう勇ましくも頼もしい号令を聞けば、勿論。
「……はいっ! 行きましょうマシュマローネっ!」
ティタも気合十分! 慣れない戦いでも、あなたと一緒なら――笑ってこう、応えることができるのだから。
『斬殺じゃ!! 略奪じゃぁ!』
少し先行している猟兵達の攻撃を受けてふらついてはいるが。
そう声を上げる敵 『久遠院六条公貞』の動向に注視しながらもマシュマローネが指示を出すのは、銀色に輝く、機構の月。
「グレイス・フルムーン、ティタの盾となってください」
戦闘には慣れていないティタの護衛と随伴をさせながらも。
「モワ、ティタの援護があればこその攻め方になりますわ! ティタが信じて送って下さったのですから!」
――私が前に出ましょう、と。
そう前に出てくれているマシュマローネに、ティタが施すのは。
――あなたに、星々のきらめきを。
戦場をキラキラと彩るのは『ひとさじの星空』による、攻撃力や装甲の強化の恩恵。
マシュマローネはその煌めきの中、星を纏いながらも駆けて。
(「星空の護りがあれば、こちらに注意が向くはず」)
『キラキラはキラキラでも、金目のものが好きなのじゃ!!』
やはり思った通り、自分へと敵の視線が向いたのを感じれば……ならば、と。
『瘴気を喰らうといい……なっ、ふぎゃっ!!』
吹き飛ばしと盾受けの斥力で威力を減衰しつつ受け、マシュマローネが見舞うは返しの一撃!
「寿命を削る、オブリビオンにとって詮無きものでも対価を命とする術は『重い』ですわ!」
――ごめんあそばせ! と。
呪の斥力を機構槌に込めて、この世界を脅かす存在を祓うべく貫く。
「二人で一つのひとつぼしの力と共に討ち祓いますわ!」
そしてグレイス・フルムーンの力を借りつつ守りも強固な中、そんな任された背を確りと守るように。
(「兎の皇女さまにして、私の騎士さま。その槌が、敵を撃ち抜くように」)
星空の護りに、ティタは祈りを込めて煌めかせる――ふたりでひとつの、ひとつぼしの力を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朱赫七・カムイ
⛩神櫻
藤花は美しくサヨもご機嫌であったというのに…
愛しき巫女が頑張るというのなら禍津たる私も頑張らねば
…サヨにいい所をみせたいもいつも思うのは滑稽だろうか?
サヨの屠桜も私の喰桜も密輸品には負けない
金と暴虐がそなたの幸いであることは認めよう
だが世に私の大切な存在に厄災を齎すことは許さない
──厄神ノ微笑
どんな弾も当たらねば意味は無い
狙いに当たらぬ不幸を約す呪詛と神罰を降し
決して逃しも隙も与えぬとサヨの太刀筋を合わせるよう斬撃波を放ち斬る
サヨを傷つけるなどさせないよ
結界術で身を守る
大丈夫かい?
サヨ…きみはあまり正気に強くない故
故に妖となったのだろう
在り方は否定はしないが、私は
そうはなりたくないものだ
誘名・櫻宵
🌸神櫻
お気に入りの腕飾りに心は踊り笑顔も咲き溢れていたのに
嫌ね
無粋だわ
雅を解さないとはこういうこと
藤花が雅に咲き誇る地に、虐殺だの何だのという下賎なものを持ってこないでほしいわ
悪徳貴族は成敗よ!
今こそ禍津神の神罰を降すときだわ!
巫女も頑張っちゃうから!
そんな密輸品に負けてらんないわ!
纏うは浄化の桜の守り
重ねるは花竜の祝福たる【護華】
私は瘴気が苦手だけど…カムイに心配かけられない
桜吹雪に紛れる様に駆け瘴気ごとなぎ払い
衝撃波と斬撃を放つ
奪われた生命力は同じように生命力を吸収することで補うわ!
カムイったら心配性ね
そういう所がかぁいいのだけど
お金よりも権力よりも大切なものを
見つけられればよかったのに
咲いて揺れるお気に入りの腕飾りに、藤の花の如く満開に笑顔も咲いていたというのに。
「嫌ね、無粋だわ。雅を解さないとはこういうこと」
折角踊っていた心にも水を差され、誘名・櫻宵(咲樂咲麗・f02768)はふるりと首を横に振る。
『金と権力を奪うため、虐殺斬殺するのじゃぁ!!』
「藤花が雅に咲き誇る地に、虐殺だの何だのという下賎なものを持ってこないでほしいわ」
そんな櫻宵を見つめる朱赫七・カムイ(禍福ノ禍津・f30062)も、妖の裂け目から現れた無粋な輩を見遣り、呟きを落とす。
「藤花は美しくサヨもご機嫌であったというのに……」
けれど、悪い麻呂はすばり!
「悪徳貴族は成敗よ!」
櫻宵はそう言い放ち、カムイを見つめて、ぐっと気合も十分!
「今こそ禍津神の神罰を降すときだわ! 巫女も頑張っちゃうから!」
神の巫女として、ここは腕の見せ所!
そして、そう張り切る姿を見れば、カムイは柔く瞳を細めて。
「愛しき巫女が頑張るというのなら禍津たる私も頑張らねば」
いつだって傍に在る巫女とお揃いで、ぐぐっとやる気満々に。
だって、どうしても思うのだから……サヨにいい所をみせたい、って。
いつも思うのは滑稽だろうか? なんて、そう思いもするも。
「そんな密輸品に負けてらんないわ!」
──さくら、咲樂、舞い踊れ。我が咲麗は護る為に咲き誇る。
纏うは浄化の桜の守り、そして重ねるは花竜の祝福たる『護華』。
絢爛の桜吹雪を吹き荒れさせながら、神楽を舞うかの如く、衝撃波と斬撃を放っていく。
(「私は瘴気が苦手だけど……カムイに心配かけられない」)
でも、巫女も頑張っちゃうって、そう口にしたのだから。
奪われた生命力は同じように生命力を吸収することで補いつつ、桜を吹雪かせ続けて。
『金さえ出せば、いい武器だって買えるのじゃ! このようにな!』
「サヨの屠桜も私の喰桜も密輸品には負けない。金と暴虐がそなたの幸いであることは認めよう」
カムイは自慢げに己の武器を見せびらかしてくる『久遠院六条公貞』へと言い放つ。
「だが世に私の大切な存在に厄災を齎すことは許さない」
── 時鳥 汝が鳴く里の あまたあれば なほ疎まれぬ 思ふものから
刹那解放するは、黒桜纏う厄災の神の権能。
『この44マグナムでぶっ放してやるのじゃ! ……って!?』
「どんな弾も当たらねば意味は無い」
そう……カムイが降し与えたのは、狙いに当たらぬ不幸を約す呪詛と神罰──厄神ノ微笑。
頑張る巫女と戯れるかのように、太刀筋を合わせて。
『なっ……ぐぅっ!』
カムイは斬撃波を放ち斬る――決して逃しも隙も与えぬと。
何より、神の逆鱗に触れること、それは言わずもがな。
「サヨを傷つけるなどさせないよ」
愛しき巫女を傷つけんとすること。
そして、結界術で身を守りながらも、カムイは櫻宵へと心配気な視線を向けて。
「大丈夫かい? サヨ……きみはあまり正気に強くない故」
「カムイったら心配性ね。そういう所がかぁいいのだけど」
そう、ふふと笑み咲かせてみせた後、櫻宵は小さく首を傾け紡ぐ。
「お金よりも権力よりも大切なものを見つけられればよかったのに」
「故に妖となったのだろう」
そしてカムイは、その在り方を否定はしないのだけれど。
でも……私はそうはなりたくないものだ、とそう続ける。
金や権力なんかよりも、ずっとずっと一等大切な存在を見つめながらも。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御園・桜花
「本来の平安時代には外国でも銃器はありませんから…此の結界の外は何処に繫がっているのでしょう。此処もコンキスタドールと関係あるのでしょうか」
首傾げ
「でも結界を守るため、貴方に骸の海へお還り頂く事に変わりはありません…どうぞお還りか、転生を」
UC「召喚・精霊乱舞」
自分は制圧射撃で一定以上に近付かず行動阻害
氷の精霊召喚し前後左右から挟み撃ち
又足元を凍らせ高速移動も阻害
「死後に極められる栄華などありません。飽食は出来ず、金銀財宝を集めるには強奪すると言う手段しかありません。其れは栄華を極めるのではなく、盗っ人に堕したと言うのです。本当に栄華を極めたいなら…何時か転生して、人として戻っていらっしゃい」
見た目はまさに、平安というイメージの麻呂。
そんな眼前の敵『久遠院六条公貞』なのだけれど。
御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)はその姿を見れば、思わず首を傾げてしまう。
『金さえ払えば強い武器も手に入るのじゃ!』
「本来の平安時代には外国でも銃器はありませんから……此の結界の外は何処に繫がっているのでしょう。此処もコンキスタドールと関係あるのでしょうか」
自慢げに敵の左手に握られている、44マグナムを見れば。
とはいえ、ここは平安結界の中。本来の平安と違っていても、それは不思議ではないし。
それに何より、桜花はこのために赴いたのだから。
「でも結界を守るため、貴方に骸の海へお還り頂く事に変わりはありません……どうぞお還りか、転生を」
『何を言う、金と権力さえあればそれが正義……、っ!』
――おいで精霊、数多の精霊、お前の力を貸しておくれ。
刹那桜花が召喚するは、氷の精霊。
そして前後左右から挟み撃ちさせつつ、敵の足元を凍らせ高速移動の阻害も試みて。
桜花自身も制圧射撃を繰り出し、一定以上に近付かず行動阻害をすれば。
「死後に極められる栄華などありません。飽食は出来ず、金銀財宝を集めるには強奪すると言う手段しかありません」
『くっ!? 動けない……ふぎゃっ!』
「本当に栄華を極めたいなら……何時か転生して、人として戻っていらっしゃい」
桜花は追尾する氷の魔力弾を精霊に引き続き放たせつつも、眼前の彼に教えてあげる。
……其れは栄華を極めるのではなく、盗っ人に堕したと言うのです、と。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「確かにここは異世界ですねえ」
嗤う
「私が過ごした平安時代には銃器はありませんでしたし、貴族であれば男性でも|鉄漿《かね》で歯を黒く染めるのが普通でした。骨たる歯を白いままにするなど、身嗜みも整えられぬと侮られ誹られたものです。何しろ院すらそうあれと命じ、武家にまで広がった風習です。公家の歯者など違和感も甚だしい」
嗤う
「感傷はここまで、法印強盗が居る訳でもなし、さっさと片付けるとしましょうか」
嗤う
黄巾力士に制圧射撃させ敵を正面に釘付け
仙術+功夫で縮地(短距離転移)し敵背後を取ってUCで寸勁
何度も縮地し敵の背中側から心臓位置・肝臓位置・頭部に寸勁し大ダメージ与える
「疾く消えるがよろしかろう」
嗤う
「確かにここは異世界ですねえ」
そう鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)が嗤うのは、知っているから。
本当の、平安の世という時代のことを。
だから、まじまじと眼前の敵―― 『久遠院六条公貞』のことを見遣れば。
『金! 金!! 金と権力!!』
「私が過ごした平安時代には銃器はありませんでしたし、貴族であれば男性でも|鉄漿《 かね 》で歯を黒く染めるのが普通でした。骨たる歯を白いままにするなど、身嗜みも整えられぬと侮られ誹られたものです。何しろ院すらそうあれと命じ、武家にまで広がった風習です。公家の歯者など違和感も甚だしい」
そう『本物の』平安時代のことを教えてあげながらも、冬季は嗤う。
けれど、そんな偽物の滑稽な景色も。
平安結界の内部だからといえば、それまでであるし。
やはり冬季は嗤って、こう続けるのだった。
「感傷はここまで、法印強盗が居る訳でもなし、さっさと片付けるとしましょうか」
というわけで、敵を正面に釘付けさせるべく。
黄巾力士に制圧射撃をさせれば。
仙術と功夫で縮地し、短距離転移をして敵背後を取った瞬間。
「内気功で練り上げた気を鎧も装甲も無視して相手の肉体に直接浸透させる。本来技名もない基本なのですが……敢えて言うなら浸透功ですかねえ」
『!? ぐ、はっ!』
そう告げながらも、発動させた内気浸透功で寸勁。
何度も縮地し、敵の背中側から心臓位置や肝臓位置、頭部に寸勁し大き衝撃を与えて。
「疾く消えるがよろしかろう」
堪らず揺らぐ偽物の貴族へと繰り出すその手を緩めずに、やはり冬季はそう嗤うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
|起動《イグニッション》!
髪を解き、瞳は青く変化。防具『雪月風花』を纏う。
平安時代に拳銃があったんですね、とツッコミたくなりますが、ここは私の知っている平安時代じゃないですしね…
この雅びやかな屋敷にそんな武器は似合いませんしさっさとご退場願いましょうか。
【早業】【結界術】で素早く厚い氷の壁を作り防御。雪と氷を操るのはお手の物、銃弾もそうやすやすと貫通させはしません。
仮にも貴族なのでしたら銃撃よりもお月見はいかがですか?
月煌絶零発動、消えない魔氷による【凍結攻撃】と麻痺で動きを封じます。凍ってしまえばこれ以上銃も撃てないでしょう。
一応、その銃をどのような経緯で手に入れたのか聞いてみますかね…
満開に咲く藤が、不穏な気配を察知するかのようにゆらりと揺れる中。
妖の裂け目が発生すれば、八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)はすかさず口にする。
――|起動《 イグニッション 》!
ふわりと解いた髪を躍らせ、青に変化した瞳を妖どもへと向けて。
纏うは、袖と裾にピンクの花と蝶が舞う、白く美しい着物――雪月風花。
そして雪女として、詩織は眼前の敵『久遠院六条公貞』を見遣れば、やはりつい。
「平安時代に拳銃があったんですね、とツッコミたくなりますが、ここは私の知っている平安時代じゃないですしね……」
そう気になって突っ込みたくなるも、平安結界のことを思えば。
この世界線の平安は自分の知っているものではない、やはりさらに思うし。
『ふっ、金が全てを解決するのじゃ!』
「この雅びやかな屋敷にそんな武器は似合いませんしさっさとご退場願いましょうか」
早業を駆使し、結界術で素早く厚い氷の壁を作って守りを固めて。
『この金をはたいて手に入れた、44マグナムの威力を……金の力を、思い知るのじゃ!!』
そう自信満々にマグナムの引き金を引いた、久遠院六条公貞であったのだけれど。
『……なっ!?』
「雪と氷を操るのはお手の物、銃弾もそうやすやすと貫通させはしません」
それから、貴族らしからぬ険しい表情をして慌てる相手へと詩織は勧めてみる。
「仮にも貴族なのでしたら銃撃よりもお月見はいかがですか?」
だが月見は月見でも、絶対零度の凍気を孕む青白い月光。
月煌絶零を発動させれば、消えない魔氷による凍結攻撃と麻痺をもって、敵の動きを封じんとして。
『! ぐっ、身体がっ』
「凍ってしまえばこれ以上銃も撃てないでしょう」
そう身動きを取ろうと焦る悪徳貴族へと詩織は一応訊いてみるも。
「その銃はどのような経緯で手に入れたのでしょうか?」
『大金を払って手に入れたに決まってる! 金こそが力じゃ!』
返る言葉を聞けば、思うのだった――やはり相手は所詮、妖であると。
大成功
🔵🔵🔵
氷室・花純
アドリブ・連携歓迎。SPDで行動
「人の欲とは尽きぬもの。とは言いますがここまでとは……。醜いですね」
敵に侮蔑の目を向けましょう
大人しく眠りについて居れば良いものを、愚かにも妖と成り果てた上に懲りずに悪事を働くとは本当に救いようがありませんね
「その首、潔く差し出しなさい」
武器:兼定で居合を中心に攻撃していきます
「跡形もなく散りなさい」
敵の攻撃に合わせる様にストールを槍に変え、UC:花散らしを発動
敵の攻撃を相殺できれば良し。ダメでも数多の槍で攻撃いたします
さて、人様に迷惑を掛ける愚か者は早々にご退場願いましょうか
世の為、人の為、と言いますでしょう?
次の生など考えず、願わず、消えて下さいませ
こんなにも、山を春の彩りと香りで満たす藤の花が美しく咲き誇っているというのに。
『金! 権力!! それを得るためなら、斬殺虐殺上等じゃ!』
発生した妖の裂け目から出現した敵の言葉に、氷室・花純(想い出は遥か遠く・f31392)は小さくふるりと首を横に振ってから。
「人の欲とは尽きぬもの。とは言いますがここまでとは……。醜いですね」
敵に―― 『久遠院六条公貞』と名乗る貴族風の妖に、侮蔑の目を向けて続ける。
「愚かにも妖と成り果てた上に懲りずに悪事を働くとは本当に救いようがありませんね」
……大人しく眠りについて居れば良いものを、と。
けれどこうやって眼前に現われた敵に対して、やるべきことはひとつ。
「その首、潔く差し出しなさい」
そう手を添えるは、携える刀匠・兼定作の打刀。
そして、銃口を向けてくる敵に対して、その刃を閃かせるて。
『金に物を言わせて手に入れた、44マグナムをくらえ……ふぎゃっ!』
兼定で居合を中心に、無粋な輩を斬ってやりながらも。
「跡形もなく散りなさい」
刹那、花純が発動させるは――花散らし。
ふわりと春に靡くストールが、敵がマグナムの引き金をその動きにあわせて槍と成れば。
『なっ!?』
念力で全てばらばらに操られ向けられる刃に、思わず声を上げる久遠院六条公貞。
そんな無粋な輩に、花純は鋭撃を向けながらも紡ぐ。
「さて、人様に迷惑を掛ける愚か者は早々にご退場願いましょうか。次の生など考えず、願わず、消えて下さいませ」
……世の為、人の為、と言いますでしょう? って。
大成功
🔵🔵🔵
八秦・頼典
●WIZ
なんとも見るに耐えれない、成金趣味に染まった悪徳貴族の成れの果てだね
まぁこういう反面教師が居るからこそ、ボクも権力に溺れず襟を正せているんだけどさ
有象無象の雑兵らはお言葉に甘えて彼らに任せ、ボクは平安貴族の面汚しをお相手致そう
へぇ、これなるがかの悪評名高い妖刀村正
しかし、その使い手として確かな技量を持っているとは疑わしいし、どうせ生前に金を積みに積んで手に入れた物だろうね
なら、ちょっと試してみようか
刀の妖気を纏って高速移動するけど、【凶方暗剣符】で行き先を遮ったらどう出るか…いやぁ興味深い実験だ
はは、どうしたどうした
疲労の色が浮かんでおりまするぞ?
お遊びはここまで
阿近、吽近、喰らい祓え
満開の藤の花を愛でるどころか、金しか見えておらず。
綺麗な女性よりも、権力に目がくらんでいるだなんて。
『この世は金と権力があってなんぼなのじゃ!』
「なんとも見るに耐えれない、成金趣味に染まった悪徳貴族の成れの果てだね」
八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)は、同じ貴族とは言われたくもないその存在を見遣りつつも。
「まぁこういう反面教師が居るからこそ、ボクも権力に溺れず襟を正せているんだけどさ」
有象無象の雑兵らはお言葉に甘えて邸宅の貴族達に任せることにして。
眼前の敵の群れの大将『久遠院六条公貞』へと改めて視線を向け、告げる。
……ボクは平安貴族の面汚しをお相手致そう、と。
その言葉に、ぷんすか立腹し憤りつつも。
『面汚しじゃと!? この大金をはたいて手に入れた武器を見ろ!』
「へぇ、これなるがかの悪評名高い妖刀村正」
頼典は言われた通り、相手の右手の刀を見遣るけれど。
すぐに肩を竦めてみせて、続ける。
「しかし、その使い手として確かな技量を持っているとは疑わしいし、どうせ生前に金を積みに積んで手に入れた物だろうね」
『な、なんじゃと!』
「なら、ちょっと試してみようか」
刹那……いやぁ興味深い実験だ、なんて。
……刀の妖気を纏って高速移動するけど、凶方暗剣符で行き先を遮ったらどう出るか、と。
頼典が手にしたその符を貼れば。
『なっ……!?』
「はは、どうしたどうした。疲労の色が浮かんでおりまするぞ?」
思う方向に動けぬ敵の滑稽な様子に、頼典はそう愉快気に言葉を投げてから。
――お遊びはここまで。
「阿近、吽近、喰らい祓え」
その声に呼応するように、獅子と犬に似た霊獣が刹那、悪徳貴族へと目掛けて。
荒々しく燃え盛る炎のように、また静かなる激流の渦が如く、その牙を容赦なく剥く。
大成功
🔵🔵🔵
朧・ユェー
【月光】
敵が出てきたようですねぇ
貴族さん達が妖をお任せして僕達は大将へ行きましょう、ルーシーちゃん
ひょいと片手で彼女を抱きかかえて
妖からの攻撃をかわし大将へと駆けていく
近づく大将の姿に
おやおや、コレは見事なキンキラキンですねぇ
金というか黄金の姿ににこにこと応える
なるほど、権力と金がお好みな方
ある意味清々しい程の悪ですね
幼い彼女にあまり見せたく無い輩です
んー、そうですねぇ。
自分が誰よりも偉いぞーと言いたくて欲してるのですよ
そうです、お金を奪って権力を振り翳して皆さんに迷惑をかけてるザコ……ゴホン、敵さんです
いいですか?ルーシーちゃん、こんな大人になってはいけませんよ?
悪影響になら無いように教えて
向こうで何か言ってる人は無視
ルーシーちゃんにはお金も権力も無意味ですね
屍鬼
悪い事をしたらそれが自分に返ってくるのです
難しい言葉を良く出来ました
後で花丸クーキーを焼きましょう
指を少し傷をつけて血を垂らし
悪い子は鬼が喰べてしまいましょうね?
指の傷もありがとうねぇ
ふふっ、いつでも僕は君の先生であり父親です
ルーシー・ブルーベル
【月光】
ええ、そうね
貴族さん達ががんばってくださってる間に、
わたし達がやるべきことをやりましょう
わわっ
ゆぇパパにしがみ付いて大将さんの所へ
わあ、とってもキラキラ
でもまだ足りないのね
うう、ん……?そんなに集めてどうするのかしら
買いたいものとか、やりたい事があるとか……?
お金に権力、どちらも乗りこなすのは難しい
過ぎたものには毒にしかならないわ
むう、そうなのね
何にしても、誰かを傷つけたり奪うのはダメね
わあパパ、言っちゃってる
ええ、だいじょうぶよ
ルーシーには全然うらやましく見えないみたい
なりたい大人ならステキなお手本が他にたくさんいらっしゃるもの
もちろんパパも!
蒲公英の散花
怪炎をパパとルーシーに纏わせて
あなたの瘴気は絶対にパパには届かせない
グールさんの動きに合わせて刀の気を焼き祓うわ
インガオウホウ、というのだっけ
本当?やった!
グールさんを呼んだ後は、パパの指の傷は癒しておきましょう
ふふ、何だか今日のパパは先生みたいね
からから、くるくる――廻る風車の音が小気味良く聞こえていたくらい穏やかであったというのに。
空に裂け目が現れた瞬間、一気に周囲が騒がしくなる。
そして邸宅へと侵入を果たさんと不躾にも侵攻してくるのは、そう。
「敵が出てきたようですねぇ」
朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)が向ける金の視線の先にいる、妖の雑兵ども。
けれどユェーがふと見遣るのは、有象無象達がいる、そのさらに奥。
それから傍にいるルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)へと柔い視線を移し、紡ぐ。
「貴族さん達が妖をお任せして僕達は大将へ行きましょう、ルーシーちゃん」
雑兵どもを率いている妖の大将、『久遠院六条公貞』。
今回この地へと赴いたのは、妖の裂け目から現れる妖の群れを……このオブリビオンを退治する要請があったから。
だから、藤の花咲くこの場が、戦場へと一変しても。
ルーシーもすぐに、ユェーの声にこくりと頷いて返して。
「ええ、そうね。貴族さん達ががんばってくださってる間に、わたし達がやるべきことをやりましょう」
邸宅の貴族が妖の雑兵をおさえている姿を見遣った後、いざ敵の大将の元へ。
貴族達から教えて貰った通路を征けば、雑兵達との乱戦は避けられるのだけれど。
そんな通路にも攻撃を仕掛けんとしている妖の雑兵達。
これは一刻も早く大将のいるところまで向かわねばという状況の中、刹那――ひょい、と。
「わわっ」
ユェーが片手で彼女を抱きかかえたかと思えば、妖からの攻撃をかわし駆け出して。
ちょっぴり驚いたけれど、ルーシーもゆぇパパにぎゅっとしがみ付いて、吹き抜ける春風にも背中を押されながら、瞬く前に敵陣の最奥へと辿り着けば。
『金! 世の中、金じゃあ!!』
「わあ、とってもキラキラ」
「おやおや、コレは見事なキンキラキンですねぇ」
纏う狩衣も手にしている得物も、金というか黄金。
そんな敵の大将の姿に瞳をぱちりとさせるルーシーに頷きつつ、にこにこと応えるユェーだけれど。
ただキラキラのキンキラキンなだけならば、まだしも。
『殺して根こそぎ、金を略奪せよ!! 世の中、金と権力じゃ!』
「でもまだ足りないのね」
「なるほど、権力と金がお好みな方。ある意味清々しい程の悪ですね」
……幼い彼女にあまり見せたく無い輩です、と。
明らかに教育に悪そうな言動を喚く久遠院六条公貞に、ユェーは思うものの。
「うう、ん……? そんなに集めてどうするのかしら。買いたいものとか、やりたい事があるとか……?」
……お金に権力、どちらも乗りこなすのは難しい。過ぎたものには毒にしかならないわ、と。
そう首を傾けるルーシーへと、頷いて紡ぐ。
「んー、そうですねぇ。自分が誰よりも偉いぞーと言いたくて欲してるのですよ」
「むう、そうなのね。何にしても、誰かを傷つけたり奪うのはダメね」
「そうです、お金を奪って権力を振り翳して皆さんに迷惑をかけてるザコ……ゴホン、敵さんです」
……わあパパ、言っちゃってる、なんて。
瞳をぱちくりと瞬かせる彼女に、悪影響にならないように教えてあげる。
『だっ、誰が雑魚じゃあ! この、金に物を言わせて手に入れた得物を見るでごじゃる!』
「いいですか? ルーシーちゃん、こんな大人になってはいけませんよ?」
向こうで何か言っている輩は無視して。
そんなザコ……いえ、敵の大将をちらりと見てから。
「ええ、だいじょうぶよ。ルーシーには全然うらやましく見えないみたい」
ルーシーは真っ直ぐに、迷いなく紡げる。
「なりたい大人ならステキなお手本が他にたくさんいらっしゃるもの」
……もちろんパパも! って。
金や権力よりももっと大切なものが世界には沢山あることを。
それを自然と教えてくれる素敵な人達を、傍にいてくれるゆぇパパのことを、ルーシーはいつだって見ているのだ。
――だから。
「ルーシーちゃんにはお金も権力も無意味ですね」
ちっとも眼前の敵のことなんて羨ましくないし、惑わされることもないのだ。
ユェーはそんな言葉に瞳を細めた後、右手で村正を構える久遠院六条公貞へと視線を投げて。
もうひとつ、ルーシーに教えてあげる。
「悪い事をしたらそれが自分に返ってくるのです」
「インガオウホウ、というのだっけ」
「難しい言葉を良く出来ました。後で花丸クッキーを焼きましょう」
甘くて美味しい花丸を上げる約束を交わしながらも。
「本当? やった!」
ぱあっと嬉しさを綻ばせる彼女へとユェーは頷きながらも。
その前に――悪い子は鬼が喰べてしまいましょうね? って。
指を少し傷をつけて、流れる紅血の雫を垂らせば。
『……! な、なんじゃこれは……う、ぐっ』
封印を解かれ食らいつくは、屍鬼――狂気暴食の巨大な黒キ鬼。
その衝撃を村正で受けつつ、左手の44マグナムで反撃してくる敵であるが。
――散って、魅せて。
戦場に灯り咲く怪炎は、藤の花と同じ春の花のいろ。
蒲公英色の炎を、ルーシーは己とゆぇパパに纏わせてから。
「あなたの瘴気は絶対にパパには届かせない」
『なっ、ふぎゃっ!』
黒キ鬼の動きに合わせ、敵が構える刀の気を焼き祓わんと、蒲公英の如き怪炎を散らせば。
「指の傷もありがとうねぇ」
勿論、グールを喚んだ後のパパの指の傷もばっちりと癒しておく。
それからふと見上げれば、ルーシーは思わず笑み咲かせてしまう。
「ふふ、何だか今日のパパは先生みたいね」
今日のパパは、先生みたいに色々と教えてくれるから。
そして先生みたいな彼は、やっぱり。
「ふふっ、いつでも僕は君の先生であり父親です」
ルーシーにとっての――大好きで大切なパパなのだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鎬木・一郎
はぁー、気に入らない、気に入らねェなァ。金で武器(チカラ)を手に入れて、それを振りかざすだけなんてェ……武器が泣いてるぜェ。
武器は金じゃねェ、愛なんだよ。相棒であり恋人であり家族なんだよォ。元々は只の銃でもなァ、愛情をもってカスタムしてやりゃァ金だけの武器なんかより、よっぽど上等なモンになるんだよォ!
ハッハ、モノは上等でもお宅の手にも魂にも全く馴染んでねェなァ!そんなにオハジキ遊びがしてェなら他所でやんなァ。
(カウンターを狙う相手に)根比べは得意だぜェ、ただよォ1つ言っとくぜェ、少しでも気ィ抜いた瞬間、お宅に風穴があくぜェ?
刀のガードが解けた瞬間バレットタイムにより刀を持っている手を狙う。その後もう片方の手を狙い、余裕があれば足を狙う。
接近戦を仕掛けてきた時は、射撃をしつつ距離をとり、バレットタイムで動きに対応する。
ったくよォ、そんなに金もってンなら、1つ2つの武器(アイボウ)に金と愛情を注いでやりゃァ良かったンだ。来世での教訓にしとくンだなァ。あばよ。
神野・志乃
私はね、アヤカシエンパイアは初めて訪れたの
それでも、私の故郷のサクラミラージュにも近い、穏やかな花の香りのするこの世界が
美しき日本の原風景を愛するこの世界が、この世界に住む人々のことが
いっぺんに気に入ってしまったのよ
だから、お前のようなオブリビオンは
「……不粋、そして」
この世界の人々を害するお前には
「不愉快だわ」
本気で、怒りを覚えるのよ
「“ふしひ”……倒しましょう、この大欲非道の輩を」
UC《ふしひ》を発動、『陽光剣をのか』を構えて剣の間合いに
敵のUCは瘴気による攻撃、なら【浄化】の力で対抗し効力を減じさせ
生命力が奪われたら《ふしひ》の力で奪い返し
運動能力を奪われたら……
「お前みたいな輩に、負けられないって言ってんのよ……!」
それでも【負けん気】で動いてやろうじゃない
とはいえ私は魔術師であって剣士じゃないから
纏った陽光で唐突に【目潰し】したり、ただの目くらましかと油断させて【武器から光線】を放ったり
搦手上等で完膚無きまでに倒すわ
「私は、金や権力に興味は無いわ――ただこの世界を守りたいだけ」
花染・春鈴
アドリブ歓迎
「あらあら、お元気な方ですこと
然し、いけませんよ?そのような物騒な物を持って暴れては…
その銃弾が、刃が美しい景色を傷つけてしまったら大変
お金と権力のみならず、貴族であるなら
美しさも丸ごと抱く器でないと――なんて、品性を忘れて来てしまった方には縁のない事でしょうか?」
(※嫋やかに見えて、実はたまに辛口な娘)
ふわり花舞うように
花巫札を宙へ放つ
「欲望に塗れ自らを失いし罪人よ
汝の悪は此処で終わらせましょう」
――まなくれなゐ
札が赤き花弁へと姿移ろい
視線を向けた対象…久遠院六条公貞へと放つ
敵の攻撃からの守りは
花鳴を鈴で”浄化と破魔”の音を鳴らす
音は瘴気を祓い敵の放射とぶつかり合うのか
怯んだりはしません
我が生命力が奪われようと
わたしはこのお役目を全うする
猟兵として、巫女として
此の世の命を護りましょう
そっと深紅を手繰り乍ら
ふと艶やかに笑みを魅せる
「さぁ、終いの刻限です
悪に染まりし者よ
三途の川を越え、彼岸で沙汰を待つがいい」
――さようなら
りんと最期に鳴らすは
魂を黄泉へ導く音だったかもしれない
藤咲く山奥に在る貴族の邸宅は、ただの寝殿造の屋敷ではなく「対妖要塞」、そう易々と落ちはしない。
それに何より、敵の大将を討つべく要請に応えてくれたのは、一騎当千のつわもの揃いであるという猟兵達。
邸宅の長である風藤も貴族達も士気が高いまま、妖の裂け目から襲い来る雑兵達を相手に奮闘しているし。
『くっ、何をしてるのじゃ! 早ぅ殺せ、奪えェ!!』
そう喚く無粋な悪徳貴族も猟兵達の攻撃を浴び続け、よろりと上体を揺らしている。
そんな敵の大将『久遠院六条公貞』を見遣りながらも。
「あらあら、お元気な方ですこと。然し、いけませんよ? そのような物騒な物を持って暴れては……その銃弾が、刃が美しい景色を傷つけてしまったら大変」
花染・春鈴(花祝・f42773)は趣味が良いとは言えない輩を映した瞳を細め、続ける。
「お金と権力のみならず、貴族であるなら、美しさも丸ごと抱く器でないと」
『なっ!? 世の中、金と権力が全てじゃ! それに麿は、こんなに煌びやかな金に着飾っておるというのに……!』
「――なんて、品性を忘れて来てしまった方には縁のない事でしょうか?」
相手の反論をずばりと切るような言の葉で。
嫋やかな見目の春鈴であるが、実はたまに辛口な娘なのである。
そう返され、言い返せずにぐぬぅと唸る久遠院六条公貞だが。
さらに鎬木・一郎(人間のガンスリンガー・f42982)は、大きな溜息をつきながら口を開く。
「はぁー、気に入らない、気に入らねェなァ」
雑に敵が両手に握っている得物を見遣って。
「金で|武器《 チカラ 》を手に入れて、それを振りかざすだけなんてェ……武器が泣いてるぜェ」
『は、金にものをいわせて強い武器を入手する、それ以外にどう強くあるというのじゃ? 強さは金で買うもの!』
そう金ぴかであることを見せつけるように、密貿易などで不正に手に入れたらしき品を掲げて。
自慢気な久遠院六条公貞に、はっきりと一郎は教えてやる。
「武器は金じゃねェ、愛なんだよ」
『は? 愛???』
「相棒であり恋人であり家族なんだよォ。元々は只の銃でもなァ、愛情をもってカスタムしてやりゃァ金だけの武器なんかより、よっぽど上等なモンになるんだよォ!」
そう、一郎の手にあるリボルバー銃は、一見何の変哲もない。
けれどこれまで、いくつもの戦場をともにしてきた、よく使い込まれた拳銃……いや、相棒であり恋人であり家族であり。
それは決して金では買えないものであり、安直に金で買ったものに勝らずとも劣りはしないのだ。
「私はね、アヤカシエンパイアは初めて訪れたの」
神野・志乃(落陽に泥む・f40390)も、眼前の久遠院六条公貞へと言葉を向ける。
「それでも、私の故郷のサクラミラージュにも近い、穏やかな花の香りのするこの世界が。美しき日本の原風景を愛するこの世界が、この世界に住む人々のことが。いっぺんに気に入ってしまったのよ」
そして、金や権力に目がくらんでいる風情のかけらもない輩へと続ける。
――だから、お前のようなオブリビオンは。
「……不粋、そして」
――この世界の人々を害するお前には。
「不愉快だわ」
本気で覚えた怒りのいろを纏う声色で。
だから刹那、全身を陽光で覆った志乃が『陽光剣をのか』を構えれば。
太陽に焦がれ続けた想いの刃を手に、受けた悪意によって抱いた義憤を力にして。
「“ふしひ”……倒しましょう、この大欲非道の輩を」
好きになったこの世界でこれ以上、不粋で不愉快なことなどさせないために。
久遠院六条公貞を容赦なく討つべく、藤の花咲く戦場を駆けて。
『は、金を積んだ武器を手にした麿を、倒せる気でいるのかぇ?』
敵も村正に宿る怨念と妖気を纏い、高速で迫ってきたかと思えば、瘴気を放射してくる。
それは、生命力と運動能力を奪うもの。
けれど、たとえ瘴気によって運動能力を奪われたとしても。
「お前みたいな輩に、負けられないって言ってんのよ……!」
……それでも負けん気で動いてやろうじゃない、って。
志乃は動くという意志を曲げず貫いて。
『!? 何故、動いて……ふぎゃっ』
瘴気による攻撃を仕掛けてくることだって、予知で聞いていたから。
……なら、と浄化の力で対抗し効力を減じさせて瘴気の効力に抗えば、《ふしひ》の力で生命力を逆に奪い返してやる。
そしてさらにぐらりと大きく揺らいだ大将へと銃口を向けるのは、一郎。
「そんなにオハジキ遊びがしてェなら他所でやんなァ」
『うぐっ!』
瞬間、久遠院六条公貞が取るのは、呼び水の構え。
右手で村正を構えていかなる攻撃をも防御した後、左手の44マグナムで反撃せんとしている。
けれどそうカウンター狙いで待つ構えの相手を一郎は見遣って。
「根比べは得意だぜェ、ただよォ1つ言っとくぜェ、少しでも気ィ抜いた瞬間、お宅に風穴があくぜェ?」
相手の思惑は明らかなのだから、やるべきことはさらにその後どう対処するかだけの話。
トリガーを引けば、構えられていた相手の村正が閃くも。
『くっ、なんのぉ! ……あがっ、ぐぎィ!?』
愛銃を構えバレットタイムを発動し集中している一郎には、周囲を知覚し、それを思考することが可能であるから。
刀のガードが解けた瞬間、刀を持っている右手を狙ってまずは撃ち込んで。
さらにその後、金のマグナムを持つもう片方の手を狙い、続けざま足を狙って引き金を引いていく。
そして今にも崩れ落ちそうな品性のかけらもない悪徳貴族へと視線を向けて。
「欲望に塗れ自らを失いし罪人よ。汝の悪は此処で終わらせましょう」
そう告げる春鈴は、藤咲く春の宙へと放ち咲かせる。
ふわり花舞うような花巫札を。
刹那、春竜の御力宿りし花祝ノ巫女の札は、ひらりとその姿を移ろわせる。
……したたかに。然れども優雅に舞え――まなくれなゐ。
そして華のひとひらとなった紅のいろたち――深紅の薔薇の花弁が、春の吹雪の如き嵐を織り成して。
討つべき悪、久遠院六条公貞を包み込むように。
『ぐぅっ! されど、金を積んだ武器を持つ我が、敗れるわけが……っ!』
敵も村正に宿る怨念と妖気を纏い、再び瘴気を放出してくるけれど。
春の空に凛と響くは、花の囁きの如き”浄化と破魔”の音。
春鈴が鈴でし花鳴のおとが、瘴気を祓うべくぶつかり合い鳴れば。
『くぅっ、小癪な……!』
懲りずに再び、瘴気を放ってくる久遠院六条公貞であるが。
「怯んだりはしません。我が生命力が奪われようと、わたしはこのお役目を全うする」
春鈴は己がやるべきことを紡ぐ。
猟兵として、巫女として……此の世の命を護りましょう、と。
そして向けられる瘴気にはらりと返すように、そっと深紅を手繰りながら。
ふと魅せるのは、艶やかな笑み。
「さぁ、終いの刻限です。悪に染まりし者よ、三途の川を越え、彼岸で沙汰を待つがいい」
『なっ、馬鹿な、こんなにも金をかけたというのに……、ッ!』
自棄になったのか、駆け寄らんとしてきた敵に対し、一郎は再びバレットタイムを展開して。
冷静に思考し、距離を取るべくその身を撃ち抜けば。
いまにも崩れ落ちんとする不粋な貴族を完膚無きまでに倒すため、『をのか』を手に勝負に出る志乃。
(「とはいえ私は魔術師であって剣士じゃないから」)
正面から斬り結ぶのではなく、相手の目を潰すべく纏った陽光で唐突に仕掛けて。
『ふぎゃっ! く、このような小細工など……!』
ただの目晦ましかと敵が油断すれば――訪れるのは、絶好の機。
搦手上等、陽光剣から光線を放ち、金ピカな自慢の衣もすでにぼろぼろな敵の大将を打ち貫いて。
そして刹那響いたそれは、魂を黄泉へ導く音だったかもしれない。
――さようなら。
最期に春鈴がりんと鳴らした音色は。
そして、がくりと膝を追って。
『! 金と権力が、まだ麿には足りなかった、というのか……、がはッ!』
崩れ落ち沈んだ金の亡者を見遣り、一郎は紡ぐ。
「ったくよォ、そんなに金もってンなら、1つ2つの|武器《 アイボウ 》に金と愛情を注いでやりゃァ良かったンだ」
来世での教訓にしとくンだなァ……あばよ、と。
そして貴族達が相手をしていた雑兵も全て骸の海へと還り、再び藤の花咲く静かな邸宅の風景が戻って来れば。
志乃は最後に告げる。
「私は、金や権力に興味は無いわ――ただこの世界を守りたいだけ」
既に事切れている久遠院六条公貞へと……いや、無事に塞がれた妖の裂け目を見上げて。
ゆうらり藤の花揺らす春風が、からからと願いの風車を廻す音を聞きながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『貴族の宴』
|
POW : 大いに飲み食いし、主催者のもてなしを褒め称える
SPD : 他の参加者と共に遊戯や歌に興じる
WIZ : 花や月を愛で、その美しさを語らう
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
襲撃してきた妖の群れも1体残らず討伐して。
猟兵達の手により、敵の大将も討ち取られれば。
空間に生じた裂け目も、無事に塞がれる。
「この度は有難うございました、さすがは聞きしに勝る猟兵の皆様のお力」
邸宅の貴族を執り仕切る風藤はそう改めて、猟兵達へと深々と頭を下げ、礼を告げてから。
再び、豪華な寝殿造の屋敷内へと導く――よろしければもう暫く、ゆるりとご滞在ください、と。
裂け目は確りと塞がれてはいるが、慎重に様子をうかがいつつ、貴族達の歓待を喜んで受けることが良いだろう。
妖の裂け目が発生するまでの日中も、屋敷や隣接する神社でひとときを過ごした者もいるだろうが。
また夜になれば、藤咲く山奥の邸宅の雰囲気はがらりと変わる。
神社は門などはないので出入りは自由だが、基本的には夜は神様も不在だといわれているので。
特に夜の神社でやりたいことなどがない限りは、邸宅か屋敷の庭で過ごす事になるだろう。
夜の邸宅では戦勝の祝いを兼ねて、猟兵達への感謝を込めて、豪勢な宴が開かれるのだという。
平安の世は、貴族の食は思いのほか豪華で。
アワビやウニやサザエ、鯛や鱒や鯉、キジやカモなど高級な素材を使った、蒸し物や焼き物、切り身や吸い物などが並べられて。
そして意外にも、甘味の種類が豊富である。
昼のひとときでもいただけた、藤の花が添えられた蜜のかかったかき氷や、茶に良く合う椿餅。それに、団子やあんみつなどのよく知ったものから。
柑橘や栗などの木菓子・いわゆる果物や、他にも、中国風の揚げ菓子・わかりやすくいえば中国風のクッキーや、山芋を甘味料で煮込んだ芋粥など。平安の世ならではな菓子を味わってみるのも良いかもしれない。
それに、実年齢も見目も20歳以上であれば、酒も準備されていて。
干した鳥肉や干し鮑、蒸し牡蠣やくらげやほやなどのつまみとともに、夜に咲く藤を眺めながら乾杯しても良いし。
未成年であっても、麦湯こと麦茶や茶であったり、甘味料を氷で溶かした甘い水などがいただける。
邸宅の庭園には、見事に整えられた藤棚と太鼓橋かかる池があって。
夜を迎えた今、沢山の灯籠がともされ、月明かりの下、雅やかな風景を楽しめる。
それを邸宅からご馳走や酒を片手に楽しんだり、池に面した釣殿で眺めるも良いし、散歩がてら庭園を歩くのもいいだろう。
灯籠も灯っており、今宵は月明かりもさしているので、浮かび上がる藤の光景が楽しめるだろう。
また、邸宅内では、組紐を編んだり、風車作りも勿論できる。
組紐を編んで作れる装飾は、わかりやすくいえば、数本の糸を手で編んでいくミサンガのようなものであり、藤の花で染めてある糸は魔除けの御利益もあるという。編む際に必要な丸台も用意され、声を掛ければ貴族が嬉々と編み方をおしえてくれる。
シンプルで取り組みやすいものから少し複雑な模様のもの、また、藤結びや桜結びや他縁起の良い結び方をして作る「花結び」という飾り結びなどにも挑戦できる。
組紐は藤で染められているものを使用するというが、定番の藤紫から、濃い紫、淡い紫や淡い赤紫や青紫、ピンク、白、黄など……様々な彩りのものがあるというので、好みの色合いを組み合わせられるし。編んだものも、武器飾りやブレスレット、ストラップや帯留めや髪飾り等々、好みのものにできるだろう。
風車作りに関しても、難しい工程のあるパーツは予め作成してある。作り方は紙を折って材料に通して止める程度のもので簡単だというが、貴族に頼めば喜んで教えて貰えるだろうし。様々な色の紙が用意されており、いくつ作っても構わないし、持ち帰って貰って勿論構わない。
定番の羽が4つの風車は勿論、少しだけ手を加えた八重の風車の作り方も、貴族に訊けば丁寧に教えてくれるだろう。
けれどあくまで上記は、過ごし方の一例にすぎない。
占いができる貴族もいるというので、おみくじ感覚で占ってもらったりとか。
夜風にあたってひとねむりしたり、ひとり物思いに耽ったり、同行者や貴族達とじっくり語らうのだっていい。
豪華な邸宅や庭園で過ごす、藤咲く春の夜のひとときを、どうぞごゆるりと。
武富・昇永
(屋敷の縁側で月を愛でながら干し鮑をつまみに一人で酒を飲む)
山の中で海の幸を味わえるとはなんとも贅沢な事よ
風藤さまや貴族の皆様と宴を通じて顔を広めて奥のも大事だが
今宵はここで心安らかに過ごすとしよう
青天井の昇り鯉にも時には休息がないとな
そうしてまた一段と高みへと昇ることができるというものだ
ここでの景色は見事だったがいつかは結界ではない本物の草花と風を味わってみたい
そして同じように月を愛で酒と干し鮑を堪能したい、いやしてみせよう
いつか堪能できるその時の味を今宵の味と比べられるよう
深く深く記憶に残しておかなくてはな
静けさを取り戻した春の夜の山に、再び心地良い風が吹き抜ければ。
カラカラと屋敷内にも飾ってある花風車たちが廻り、帳の如き藤の花が楚々と揺らめく。
そして酒を片手に天を仰いでみれば、今宵の月はなんとも美しい。
武富・昇永(昇鯉・f42970)は屋敷の縁側で、そんな月と干し鮑をつまみに月見酒。
「山の中で海の幸を味わえるとはなんとも贅沢な事よ」
山の幸ではなく、敢えて海の幸に舌鼓を打ちながら。
いまだ戦の熱は冷めやらず戦勝に沸きつつも、平穏な空気を取り戻した屋敷内をくるりと見回して。
(「風藤さまや貴族の皆様と宴を通じて顔を広めておくのも大事だが、今宵はここで心安らかに過ごすとしよう」)
……青天井の昇り鯉にも時には休息がないとな、なんて。
今夜は積極的には人脈を広めることはせず、ゆるりと過ごすつもりであるけれど。
お酌してくれた貴族には愛想良く、一言二言交わしては穏やかなひとときを楽しむ。
(「そうしてまた一段と高みへと昇ることができるというものだ」)
くい、と酒をもうひとくち、抱く野心も今宵は肴にして。
いや……より高い位の肩書を得ることよりも、昇永が求めているのはそこに至るまでの過程や高揚感。
そして心に秘めるは、成せばきっと大きな達成感が得られるだろう思い。
(「ここでの景色は見事だったがいつかは結界ではない本物の草花と風を味わってみたい」)
裂け目から現れた妖との先程の戦いの光景こそ、この世界の本来の姿であって。
美しき眼前の風景は、平安結界によって齎されているものではあるのだけれど。
だからこそ、昇永は思うのだ。
(「そして同じように月を愛で酒と干し鮑を堪能したい、いやしてみせよう」)
結界が晴れたその時に見る、本物のこの世界の全てを、より楽しめるために。
藤の花を照らす今宵の月を愛でながら昇永は改めて杯を傾ける。
(「いつか堪能できるその時の味を今宵の味と比べられるよう、深く深く記憶に残しておかなくてはな」)
きっと来たるその日への思いをそっと胸に……眼前の春の夜に、今はゆるりと酔い痴れることにする。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「一尾ではなくても仙ではなかった時代の話です。ただの狐狸として人に混じったことはあっても、人として長く暮らしたことはありませんでしたから。削り氷や甘葛、芋粥をありがたがった姿は覚えていても、宮中行事に紛れ込んだ事はあまりなくて。麻花兒は七夕絡みのお菓子ですから、あの頃振る舞われていたかもしれません。宮中帰りを化かすのは容易くても、行事の日に紛れ込むのはそれなりに難しかったものです。あの頃は私も多少やんちゃでした」
嗤う
真桑瓜摘み酒を舐める
「僧房に忍び込めば喝破されそうでしたし宮中の酒部が作る酒は少ない。諸白を舐めたのも数度でしょうか。懐かしい話です」
普段と違う柔らかい笑い浮かべまた水菓子摘んだ
それは、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)が、今とはまた違った姿で在った頃にも目にはしていた光景ではあった。
平安の世では、このような宴や歌会が頻繁に催されていて。
豊かな芸術や文化の華が咲き誇り、貴族達は美味に舌鼓を打ち美酒に酔い痴れていた。
特に、今宵の様に月の美しい春の夜となれば、尚更の事。
そのような「人」達の在り様を、当時の冬季は見ていたのだけれど。
「一尾ではなくても仙ではなかった時代の話です。ただの狐狸として人に混じったことはあっても、人として長く暮らしたことはありませんでしたから」
転生を繰り返しているという妖仙は今、猟兵として歓待を受けている。
そんな宴の席で酒を片手に、ぐるりと並べてあるご馳走へと視線巡らせれば。
「削り氷や甘葛、芋粥をありがたがった姿は覚えていても、宮中行事に紛れ込んだ事はあまりなくて。麻花兒は七夕絡みのお菓子ですから、あの頃振る舞われていたかもしれません」
やはりその中でも冬季の目に留まるのは、沢山の甘味。
甘味と言えば、帝都の甘味が1番口に合ってはいると思うものの。
平安の世に在った際にいただいたものやその当時のことをそう思い返せば、甘い物に目がなかったのは、狐狸としてその席に密かに在った頃から変わらないかもしれない。
そして平安結界が見せる眼前の景色と脳裏に残る風景を重ねながら。
瞳を細め、冬季はいつものように嗤う。
「宮中帰りを化かすのは容易くても、行事の日に紛れ込むのはそれなりに難しかったものです」
……あの頃は私も多少やんちゃでした、なんて。
それから摘まんだ真桑瓜を肴に、酒を舐めれば。
「僧房に忍び込めば喝破されそうでしたし宮中の酒部が作る酒は少ない。諸白を舐めたのも数度でしょうか。懐かしい話です」
昔々の思い出話と春の夜に、暫し酔い痴れることにする。
普段と違う柔らかい笑い浮かべながら、またひとつ水菓子を摘んで。
大成功
🔵🔵🔵
ミルナ・シャイン
ここが愛しの光る君が生まれ育った世界ですのね!
先日アヤカシエンパイア出身の平安貴族に一目惚れしたばかり、もしかしたらあの御方もいらしてるかも?なんて思ったらときめきがとまらない。
占いができる貴族様に、ぜひ恋の運勢を占っていただきたいですわ!
いい結果ならやっぱり!と喜びますしもしも悪い結果でも占いですもの、運勢を変えてしまえばいいことですわ、とあくまでポジティブシンキング。
お守りに組紐も編んでいきましょう。藤の花言葉は『恋に酔う』ですもの、縁結びの御縁もあるはず!
ピンクと青紫の紐を使って藤結びに挑戦しますわ。いつも身に着けられるように髪飾りに。
恋に酔うなら貴方様とがいい!って願いを込めて。
美しい月が浮かび、見事な邸宅の庭園に沢山の灯籠が燈る夜。
柔らかな山風が吹き抜ければ、揺らめく藤の花が春の彩りを添えて。
カラカラと一斉に廻り始める、とりどりの花の如き風車。
それはまさに、風流というに相応しい雰囲気で。
ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)は星のように瞳をキラキラと輝かせる。
だって、降り立ったこの平安の世は。
「ここが愛しの光る君が生まれ育った世界ですのね!」
あの素敵な方が在る場所なのだから。
それは先日のこと、このアヤカシエンパイア出身の平安貴族に一目惚れしたばかり。
だから……もしかしたらあの御方もいらしてるかも? なんて。
そう思ったら、ときめきがとまらない乙女心。
そんな恋心を満開に咲き誇らせるミルナがお願いするのは、やはりこれ!
「ぜひ恋の運勢を占っていただきたいですわ!」
占いができるという貴族に、この恋を占って貰うことに。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。
式盤を用いた六壬式占という陰陽師が行なう手法で占って貰った結果は。
「貴方様の想い人である光る君は、思いのほかすぐ近くにいらっしゃる、という結果でございますね」
「あの御方が、近くに!」
……やっぱり! とそうぱあっと笑み咲かせるミルナに、貴族は頷いてから。
こうも続けるのだった。
「ええ。彼の君も普段背負っているものを下ろしてゆるり穏やかなひとときを過ごされている、との結果。そして貴方様も、自然に任せて行動すれば吉、と」
「自然に任せて、次にあの御方と出逢う時が吉、ですのね!」
そう前向きに捉え、良い結果に大きく頷いた後。
もしかしたらこの近くにあの御方がいらっしゃるかも……なんて思えば、やはりドキドキしてしまうけれど。
占い通りあくまで自然に、ミルナが次に挑戦してみるのは。
「お守りに組紐も編んでいきましょう」
沢山の猟兵や貴族が楽しんでいる組紐編み。
何せ用意されている糸は、藤の花で染められたものだというから。
(「藤の花言葉は『恋に酔う』ですもの」)
――縁結びの御縁もあるはず!
そうわくわくと、様々な色の中からミルナが選んだのは、ピンクと青紫の紐。
それを使っていざ編んでみるのはやはり、楚々として且つ華やかな藤結び。
垂れ下がる長い花穂を編んでいきながら、いつも身に着けられるようにと髪飾りにすることにする。
優しい春風に吹かれ、月の夜に咲き誇る、眼前の藤の花のように。
満開に咲かせた願いを込めながら――恋に酔うなら貴方様とがいい! って。
大成功
🔵🔵🔵
ジャスパー・ドゥルジー
【エイツア】
待ってました、皆で|組紐編み《ハンクラ》ターイム!
それにしても花結びってやつイカしてるな
桜結びってやつにビーズをつけてピアスにしても可愛いかも
ハンクラ好きの血が騒ぐぜ
組紐は二色
定番の藤紫と、ピンクがかった紫
ちょっと俺とパウルっぽくね?なーんて
手先の器用さには自信あるから
手順を教えて貰えば割とサクサク編めるかも
くぬぎこそ小さな手で器用なもんだなあ
ふんわり丸っこいフォルムの花にぶら下げるような形でパールビーズをつけて完成…
あっ和モノだけにとんぼ玉もいいかも!?
いやでもちょっとくどいか?
主役は組紐だし…むむむ…
悩みながらも表情は終始ニッコニコ
やっぱり何かを作るって楽しいよな
パウル・ブラフマン
【エイツア】
オシゴトお疲れさまっ!
お月様が主役の時間だけど…もうちょっと楽しんでっちゃお♪
邸宅内にて皆と組紐作りを体験するよ☆
ハンクラ好きの血が騒いでるジャスパー可愛すぎな件。
くぬぎちゃんは虫かごにつけるの?いいなぁ超ステキじゃん♪
ジャスパーの組紐がオレ達っぽい色味でときめきつつ
オレもその色合いで創ってみるよと意気揚々。
触手も駆使して花結びに挑戦しつつ
他クルーさんのお手伝いできる作業工程があったらお助けしたいな。
【コミュ力】を活かして
作業のコツを現地貴族さんに聴いたりしてみよう。
…できたぁ!
藤染め組紐で作った二対の夫婦茶碗ならぬ箸置き。
片方はおうちに帰ってから
サプライズでジャスパーに渡すんだ♪
モフ・ラムシュタイン
【エイツア】
終始もきゅぷきゅ言っていますが
ニュアンスで意図がなんとなく周囲に伝わりましたら幸いです。
大義であったのう。
皆も屋敷も大事なく何よりじゃ。
んー…よい妖はそろそろ寝子の時間じゃの。
久々に嘗ての姿に戻ったせいで瞼が重いわ。(眼しぱしぱ)
組紐作りに興じる皆の傍で
巻貝のごとく丸まって惰眠を貪るとしようかの。
起きた頃に皆の完成品を見るのが待ち遠しいわ。
夜風がわしの柔毛を撫でる。
因果は巡り、再びこの地を訪れた。
今は亡き無二の友よ。
わしはこんなにも健やかであると君に見せたい。
……復活!わしもともと夜行性じゃもん!
今から組紐を編んでも間に合う?
さすがにそれは…ええいままよ!!
(マズルも駆使して作業)
三上・くぬぎ
【エイツア】
組み紐作りに挑戦ですー♪
くぬぎはストラップ作るです! 虫かごに付けるですよ
組み紐ってはじめて作るですから、いちばんかんたんそうな編み方にするです
色は、うーん……ピンクと、白と、藤色です
がんばって編むですよ!
えーと、これがこっちで次は……?
もきゅ〜、むずかしいです、こんがらがっちゃうです〜
ジャスパーさん、サクサク編んでてすごいですー!
ちょっとかたちがガタガタですけど、なんとか完成したですー♪
むずかしかったけど、作るのたのしいですね!
縄田・千鶴
【エイツア】
わたしもくみひもつくる! ジャスパーさんおしえて!
えっとえっと、銃のチャームでつけられるようにしよ、黒と金で、わたしといっしょ。
かわいくて、めだてて、みんなに見て貰えるように。はでにしよ。
いっぱいいっぱいながくして、編んで、いっぱい……あれ? ながい? ううぬう……ながいすぎる……
じゃあもう、ぜんぶくるくるぐるぐるーってかざっちゃう! かわいいほうがいいよね!
いかにもな悪徳貴族を成敗し、雑兵も貴族達が無事に撃退して。
妖の裂け目も無事に塞がれれば。
「オシゴトお疲れさまっ!」
パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の声に、モフ・ラムシュタイン(いともふし・f30317)もぷきゅっと頷いて。
「もきゅぷきゅ、ぷきゅー」
――大義であったのう。皆も屋敷も大事なく何よりじゃ。
そんなニュアンスで皆へと労うように鳴けば。
猟兵としての仕事はこれで無事に終わり、ではあるけれど。
屋敷では手を貸してくれた猟兵達のために、戦勝と御礼の宴が開かれるのだというし。
宴に参加せずとも、妖の裂け目の監視も兼ねて、好きに過ごしていいということだから。
「お月様が主役の時間だけど……もうちょっと楽しんでっちゃお♪」
折角の平安の春の夜を、あともう少しだけ、エイツアの皆で楽しんでいくことに。
ということで! 皆でこれからやってみるのは。
三上・くぬぎ(アウトドア派・f35607)はもふもふ尻尾をぴこぴこ、わくわく。
「組み紐作りに挑戦ですー♪」
「待ってました、皆で|組紐編み《 ハンクラ 》ターイム!」
ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)も悪魔尻尾をぴこぴこ、わくわく。
いざ、組紐編みにチャレンジです!
縄田・千鶴(わたしをみつけて・f30136)も勿論、皆と一緒に。
「わたしもくみひもつくる! ジャスパーさんおしえて!」
何気にハンクラ男子なジャスパーに教えてもらいつつ、組紐編みをやってみることにして。
「それにしても花結びってやつイカしてるな。桜結びってやつにビーズをつけてピアスにしても可愛いかも」
……ハンクラ好きの血が騒ぐぜ、なんて。
尻尾もさらに、そわそわぴょこり。
そしてパウルも、胸がきゅんとするほど可愛いと思う。
――ハンクラ好きの血が騒いでるジャスパー可愛すぎな件、と。
わくわくそわそわそているのが、表情や尻尾から分かりすぎるジャスパーの姿が。
というわけで、邸宅内にて皆と組紐作り体験のはじまり!
一言に組紐と言っても、色々なものが編めるようだけれど。
「くぬぎはストラップ作るです! 虫かごに付けるですよ」
くぬぎはご主人からもらった、大のお気に入りのお花型の虫カゴにつけるストラップを作ってみることにして。
「くぬぎちゃんは虫かごにつけるの? いいなぁ超ステキじゃん♪」
「組み紐ってはじめて作るですから、いちばんかんたんそうな編み方にするです」
複雑なものは難しそうだから、スタンダードないわゆるミサンガのような編み方に。
「えっとえっと、銃のチャームでつけられるようにしよ、黒と金で、わたしといっしょ」
……かわいくて、めだてて、みんなに見て貰えるように。はでにしよ、と。
自分と同じ色の糸を見つければ、次は並ぶ見本の中でも、一番派手で目立つ編み方を探して。
仕上げには、ゆうらり銃のチャームもつけるつもり。
「千鶴ちゃんと一緒、超いいアイディア♪ この編み方なんて派手でステキなんじゃないかなぁ? モフちゃんは……あれ?」
「ぷきゅるぅ~……」
――んー……よい妖はそろそろ寝子の時間じゃの、と。
千鶴とキャッキャしていたパウルは、何となく眠そうなニュアンスを感じ取って瞳をぱちりとさせれば。
「……ぷきゅぅ~」
――久々に嘗ての姿に戻ったせいで瞼が重いわ。
そう眼をしぱしぱさせているかと思えば……ころん。
モフは組紐作りに興じる皆の傍で巻貝のごとく丸まって、すやぁ。
そういえばいつの間にか先程いた平安貴族のことをそっと思い出すパウルを後目に。
「きゅぷぅ~すぴぃ……」
――起きた頃に皆の完成品を見るのが待ち遠しいわ、と。
暫し、惰眠を貪ることにするモフ。
そんなもふもふまんまる状態になっておねむなモフはそっとしておいてあげつつ。
「ちょっと俺とパウルっぽくね? なーんて」
定番の藤紫と、ピンクがかった紫。
手にした二色の組紐に、紫とピンクが混じり合う瞳を細め言ったジャスパーの声を聞けば、パウルもときめいてしまう。
ジャスパーの言う通り、彼の選んだ組紐が自分達っぽい色味で。
そうなれば、やはり。
「オレもその色合いで創ってみるよ」
意気揚々とパウルが手にしたのも、自分達色のお揃い。
「色は、うーん……ピンクと、白と、藤色です」
くぬぎもそう淡く可愛らしい色を選んでみて。
――がんばって編むですよ!
そうもきゅっと気合も十分、早速皆と一緒に編み編みしてみるも。
「えーと、これがこっちで次は……?」
「いっぱいいっぱいながくして、編んで、いっぱい……あれ? ながい?」
「もきゅ〜、むずかしいです、こんがらがっちゃうです〜」
「ううぬう……ながいすぎる……」
千鶴と一緒に、ちょっぴり四苦八苦。
パウルは触手も駆使してするすると花結びに挑戦しつつも。
「くぬぎちゃん、次はここを編んだら大丈夫なんじゃない?」
「ここを……こうです~?」
「うん、そうそう! すっごい上手じゃん♪」
頑張るくぬぎのお手伝いをしつつ、大きく頷いて笑んでみせて。
むぅ、と長く編み過ぎてしまった千鶴の手元を覗き込んで、ジャスパーもお助けの声を。
「千鶴のは長くてもいいんじゃないか? ここをくるっとしたりとか、ちょっとアレンジしてみたり?」
「じゃあもう、ぜんぶくるくるぐるぐるーってかざっちゃう!」
「おっ、むしろこっちの方が派手かわいくていいんじゃね?」
「だよね!! かわいいほうがいいよね!」
長くなったらその分だけ、くるくるーって余計に大きくできるから。
見本のものよりももっと、派手で豪華に!
パウルは持ち前のコミュ力を活かして、編み慣れている邸宅の貴族にも声を掛けてみれば。
「貴族さんのは、さすが綺麗☆ 編み方のコツとかあるのかな?」
「綺麗に編むコツは、結び目の大きさを揃えることですね。 力加減を出来る限り同じよう編むように……おや、これは見事な手捌き」
「ジャスパーさん、サクサク編んでてすごいですー!」
手順を教えてさえ貰えば、手先の器用さには自信あるから。
要領をさくっと掴んで、貴族も目を瞠るほどにサクサク。
綺麗に編み進めていくジャスパーの様子に、くぬぎも声を上げて。
「くぬぎこそ小さな手で器用なもんだなあ」
ジャスパーもくぬぎの手元の組紐を目にして、そうこくりと頷きつつ。
ふたりでキャッキャ楽しみながらも編んでいけば。
「ふんわり丸っこいフォルムの花にぶら下げるような形でパールビーズをつけて完成……」
いち早く、ジャスパーの花飾りが完成!
……かと思いきや。
「あっ和モノだけにとんぼ玉もいいかも!? いやでもちょっとくどいか? 主役は組紐だし……むむむ……」
ハンクラ好きの血が騒いで、あれはこれもとつい悩んでしまうけれど。
それもまたハンクラの楽しさのひとつ、悩みながらも表情は終始ニッコニコ。
そんな皆が作業を進めている中、もふもふをさわさわ揺らして。
ふわり、寝殿造の屋敷を吹き抜ける夜風に柔毛を撫でられつつもモフは思う。
(「因果は巡り、再びこの地を訪れた」)
――今は亡き無二の友よ。わしはこんなにも健やかであると君に見せたい、と。
藤の花をゆらし、風車を廻す春風に乗って聴こえる、皆の楽し気な声を聴きながら。
そして編んでいれば、次第に皆も慣れてきて。
「……できたぁ!」
「わたしも、かわいいのできた!!」
「ちょっとかたちがガタガタですけど、なんとか完成したですー♪」
それぞれの組紐が、完成!
「むずかしかったけど、作るのたのしいですね!」
「やっぱり何かを作るって楽しいよな」
くぬぎと一緒にゴキゲンに尻尾を揺らすジャスパーを見つめながらも、パウルは自分が作ったものを改めてそっと見つめて。
(「サプライズでジャスパーに渡すんだ♪」)
自分達色をした藤染め組紐で作った、二対の夫婦茶碗ならぬ箸置きの片方は、ジャスパーへ渡すつもり。
おうちに帰ってからも、楽しいサプライズにと。
そして全員が組紐を完成させた……その時だった。
「……ぷきゅ! もきゅきゅぷー!」
――……復活!わしもともと夜行性じゃもん!
そう言わんばかりに、ガバッと起き上がってから。
てちてち皆の元へとやってきたモフはこてりと首を傾けて、きゅぷー?
――今から組紐を編んでも間に合う? なんて。
でも皆の作業が終わっているのを見れば一瞬、耳と尻尾をしゅんとさせるけれど。
「ぷきゅ……ぷきゅきゅー!」
――さすがにそれは……ええいままよ!!
マズルも駆使して、バリバリ作業を始めました!?
けれど組紐はいくつだって作ってもいいとのことだし、春の夜はまだ終わらないから。
どうやらエイツアハンクラ部は、嬉し楽しの延長戦のようです。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
白矢羽・尭暁
さて、そろそろれーくんが僕を見つけて迎えにくる頃だろうか…
あ、晴周殿ではないですか、このような所でお会いするとは
…少し、僕と話しませんか?
藤を見ながら
幼い頃、色々お話をしてくださいましたね
僕にとってあの時間は必要な物だったから今でも感謝しています
父の様にはなれないかもしれないけれど…皇族としてどうあるべきか理解できたから
ふふ、もし僕が何かを違えそうになったら止めてくださいね、れーくんと
…貴方がれーくんにいろいろな事を教えてくださったから、今共に戦える
どうもありがとう
あっ、れーくん
何をしていたかって?
組紐編んだり戦ったり、晴周殿とれーくんの話をしてた
貴方の弟子はとても素晴らしいです、ってね
一見するとスンとしているように見えるけれど、自分にしかわからない機微のへの字口で、つかつかと。
(「さて、そろそろれーくんが僕を見つけて迎えにくる頃だろうか……」)
置いてきた従者が、程なくしてやってくるだろうと。
白矢羽・尭暁(金烏・f42890)はそれを待ちながらも、残り少ないひとりの時間をもう少しだけ。
ふらりゆらりと、気儘に楽しんでいれば。
ふと視線を感じて振り返った先に、見知った人の姿を見つける。
「あ、晴周殿ではないですか、このような所でお会いするとは」
「これは御子様。お邪魔をしてしまいましたでしょうか」
己の従者の師である、弓弦葉・晴周のことを。
いや、晴周は、従者の先生であると同時に。
「……少し、僕と話しませんか?」
そう声を掛けたのは、昔もこうやって彼と話をしたことを、よく覚えているから。
そして――藤を見ながら、と。
普段の太陽の笑みとはまた違った、月の如き柔い微笑みを自然と向ければ。
一瞬、息を飲むように言葉を切ってから。
晴周はにこりと笑んで返してくる……私でよろしゅうございましたら是非、と。
それから改めて、春風に楚々と揺れる藤の花を見上げて。
「幼い頃、色々お話をしてくださいましたね。僕にとってあの時間は必要な物だったから今でも感謝しています」
ゆっくりと大切に、尭暁は紡ぐ。
「父の様にはなれないかもしれないけれど……皇族としてどうあるべきか理解できたから」
晴周を見つめる瞳に、宵の月が降らせる柔らかな光を纏わせながら。
――そして。
「月の君……」
そうぽつりと一言、呟きを零してから。
微か開いた糸目を再び閉じれば、晴周は穏やかに紡いで返す。
「貴方様は貴方様ございます、御子様。なれど……時折、やはり御父上に良く似ていらっしゃると。そう思う事がございますよ」
……まるで月の君かと見紛う様に、と。
そんな、父と嘗て強い絆で結ばれていたという彼の言の葉を聞けば、尭暁は嬉しくなるし。
「ふふ、もし僕が何かを違えそうになったら止めてくださいね、れーくんと」
自分達もそう在りたい、そう在っているって、思うから。
どうもありがとう、と従者の師に、尭暁は礼を告げる。
……貴方がれーくんにいろいろな事を教えてくださったから、今共に戦える、と。
眩い太陽の如き、金の瞳を向けて。
それを見れば、いえ、と晴周は笑んで見せた後、ふいにふっと視線を移し振り返って。
彼の向いた先を追うように見れば……尭暁様、と。
「あっ、れーくん」
思った通りのへの字口で、つかつかとやって来る従者の姿が。
そしてやはり、眉間に微か皺を寄せて。
「大人しくしておいてくださいと申しておりましたはずですが、何をなされているのですか?」
「何をしていたかって?」
従者がお小言モードなのは分かっているけれど、知らぬふり。
「組紐編んだり戦ったり」
「戦う? まさか、我血を……」
「ほら、れーくんのも作ったよ。後でつけてあげよう」
「尭暁様、戦うとはどういう……」
「あとは、晴周殿とれーくんの話をしてた」
「……先生と、私のことを?」
そう告げれば、お小言が一瞬止んだから。
自分を見つめている晴周と視線を合わせ、瞳細めた後。
こくりと頷いて、尭暁は続ける――貴方の弟子はとても素晴らしいです、ってね、と。
自分にしか分からぬ機微で嬉しそうな従者の様子に、笑み咲かせながら。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
【天文部】の3人で。シフォンさん、志乃さんと
天文部としてはお月見したいですよね、ということで釣殿で月と藤見を。
月明かりと灯籠に照らされて闇夜に浮かぶ藤、その光景を映す池…息を飲むほど幻想的で。
こういう時、平安貴族だったら和歌を詠むんでしょうけど…歌が出てこないのが悔しいですね、機会があれば和歌もちゃんと勉強したいものです。
代わりといってはなんですが、宴会場からお菓子いただいてきたので皆で食べながらお月見しましょうか。
私中国風のクッキーみたいなお菓子が気になりますね…ん、素朴な味で美味しい!
合間に食べる果物も口内をさっぱりさせてくれるようで。
歌は残せなくても、この日の情景はきっと心に残りますね。
神野・志乃
【天文部】八坂先生、シフォンさんと
「釣殿で月見だなんて、絵に描いたような貴族よね」
私達もこの素晴らしい風景の一部になっているのかしら、と
無表情ながら、妙な照れ臭さとちょっぴり浮足立つ気持ちが綯い交ぜに
そうね、和歌……
「藤波の……、……月の明かりの……」
ああ、うん。止め、止め
『風』で『藤』が波打つ様子を指す言葉があることは知っているけれど
ただ知っているだけで、詩歌の才なんて私には無かったわ。一寸浮かれすぎね
誤魔化すように甘い芋粥を頂きつつ
「……そうね、歌は残せなくとも」
この光景を愛する想いは、確かにこの胸の裡にあって
だから、きっと。この世界の人々が詠む詩に、心を重ねることならできそうよ
シフォン・メルヴェイユ
【天文部】
詩織さんと志乃さんと一緒に参加するね。
こうやって月明かりの下で藤の花を眺めるのって風情があって素敵だよね。
何か一句……うーん、私もこういう和歌を作るのは苦手だなぁ。
平安の貴族達は、皆こういう時に和歌を作れて凄いなって思う!
さて、折角だし私もこの綺麗な景色を堪能しつつ、甘い物でも頂こうかな。
中華風のクッキーとかもあるんだね、クッキーって洋菓子のイメージがあったけど
中華にもクッキーがあったのね。
んー、程よい甘みが絶品で素敵だなぁ……。
あとは何か飲み物も頂こうかな……麦湯とか美味しそう!
心が落ち着くような香りがする、良いお茶だね……!
後は旅団の仲間とお話しつつ、月見を楽しもうかな。
春の陽光に照らされた日中の藤も、青い空に淡く咲き誇って美しかったけれど。
日が沈み夜になれば、藤の花だけでなく、月や星も眺められるから。
「天文部としてはお月見したいですよね」
八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)の言う通り、天文部としては見逃せない。
ということで、景色や空を眺めるのにうってつけである寝殿造の釣殿で、月と藤見に興じることに。
シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)も、淡く降る月光に照らされて浮かび上がる幻想的な彩りを見つめて。
「こうやって月明かりの下で藤の花を眺めるのって風情があって素敵だよね」
「釣殿で月見だなんて、絵に描いたような貴族よね」
……私達もこの素晴らしい風景の一部になっているのかしら、と。
神野・志乃(落陽に泥む・f40390)は一見すれば無表情ながらも、心に湧く感情が綯い交ぜになる。
妙な照れ臭さとちょっぴり浮足立つ気持ちで。
寝殿造は、自然との調和を大切に重んじているというが。
満開を迎えた山藤が見事なこともさることながらに、今いる釣殿から望む庭園も美しく整えられていて。
月明かりに燈る灯籠、闇夜に浮かび枝垂れ咲く藤、鏡の如くその光景を映す池……それは息を飲むほどに幻想的で美しく。
詩織は風情を感じながらも、やはり此処は平安の世。
「こういう時、平安貴族だったら和歌を詠むんでしょうけど……」
ここで雅に一句、といきたいところではあるが。
「……歌が出てこないのが悔しいですね」
詠み慣れてないから当然といえば当然だが、ぱっと思い浮かばなくて。
そうね、和歌……と志乃も考えてみるけれど。
「藤波の……、……月の明かりの……」
そう口にしみるも……ああ、うん。止め、止め、なんて。
すぐに首を横にふるり。
(「『風』で『藤』が波打つ様子を指す言葉があることは知っているけれど」)
でも、そのことをただ知っているだけで。
風流な和歌にするとなれば、やはり難しくて。
(「詩歌の才なんて私には無かったわ」)
やはり詩織と同じように、良い感じの歌なんて即興で浮かばないし。
この見事な風景の中、一寸浮かれすぎね、なんて。
無理に歌にせずとも、このひとときを相応に楽しむことにして。
シフォンもふたりと一緒に、首を捻って考えてみるけれど。
「何か一句……うーん、私もこういう和歌を作るのは苦手だなぁ」
和歌は苦手で浮かばなくても……いや、浮かばないからこそ、こう思うのだ。
「平安の貴族達は、皆こういう時に和歌を作れて凄いなって思う!」
眼前の風景を美しい綺麗だという風情を、粋で雅な言の葉にする文化に、感心するのだった。
でもきっと上手く詠めたら、より風情溢れるひとときも楽しめるだろうから。
「機会があれば和歌もちゃんと勉強したいものです」
和歌の勉強は、またいつかの機会までの宿題に。
天文部らしく今は、月を見ながらの藤見を楽しむ。
そう、月見と言えば、美しく天に浮かぶ月と……そして。
「代わりといってはなんですが、宴会場からお菓子いただいてきたので皆で食べながらお月見しましょうか」
「さて、折角だし私もこの綺麗な景色を堪能しつつ、甘い物でも頂こうかな」
月見にも花見にも、団子は付き物です、ええ。
ということで、貴族達が用意してくれたお菓子に舌鼓を打ちつつ、春の夜の景色を眺めることにして。
「私中国風のクッキーみたいなお菓子が気になりますね……」
「中華風のクッキーとかもあるんだね、クッキーって洋菓子のイメージがあったけど。中華にもクッキーがあったのね」
興味深々、詩織とシフォンが摘まんでみるのは、中華風のクッキーのような揚げ菓子。
焼いているのではなくその名の通り、米粉などを捏ねたりなどした生地を揚げてあるようで。
ねじねじしていたり、形も知っている洋菓子のクッキーとはちょっと違ってはいるけれど。
はむりと試しに、ふたり同時に口に運んでみれば。
「……ん、素朴な味で美味しい!」
「んー、程よい甘みが絶品で素敵だなぁ……」
さくりとした食感とふわり素朴な甘さが口に広がって。
この時代ならではな、素朴で新鮮な味わいを存分に堪能しながらも。
「あとは何か飲み物も頂こうかな……麦湯とか美味しそう!」
「果物も口内をさっぱりさせてくれるようで」
「心が落ち着くような香りがする、良いお茶だね……!」
甘い物の箸休めにぴったりな果物や茶も一緒にいただいては、ほっこり。
シフォンはふたりと楽しくお喋りするこんなひとときや、共にいただいては味わう美味しいお菓子、そして天文部らしい月見も勿論目一杯楽しんで。
雅な和歌は詠めなかったけれど、それをそっと誤魔化すかのように志乃がいただくのは、甘い芋粥。
そんな振舞われる平安の世ならではなお菓子は物珍しく、何よりどれも美味しいし。
それに、詩織は再び釣殿からの景色を改めて眺めてから。
「歌は残せなくても、この日の情景はきっと心に残りますね」
夜空にだけではなく水面にも映り揺らめく月も共に愛でながらそう紡ぐ。
そして志乃もふたりと一緒に、春の夜の風景を見つめつつも。
「……そうね、歌は残せなくとも」
この光景を愛する想いは、確かにこの胸の裡にあって。
だから――きっと。
藤の花が満開に咲き誇り、からからと風車の花が廻る、春の夜のひとときを堪能ながらも続ける。
「この世界の人々が詠む詩に、心を重ねることならできそうよ」
大好きになった世界が彩るものに同じ情緒を感じ、楽しむことはできると、そう思えるから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティタ・ノシュタリア
【💫💫】
ふふふ、ごちそうですねっ
はしゃぎたくなる気持ちと声を少し抑えながら、あなたに話しかけて
はいっ。せっかくのお招きですから、恥ずかしくないようにっ
並んだお料理に舌鼓
おいしいっ…繊細な味ですっ
マシュマローネ、どうですか?
なるほどっ。マシュマローネのレシピ、また増えちゃいそうですねっ!
お食事を堪能したら、お団子を手に藤棚を見に
わあっ…きれいっ!
幻想的な景色に、しばし釘付けで
…さっき調べたんですけど、藤って魔除けのお花で、あと『優しさ』っていう意味もあるとか
やさしくって、守ってくれるとっても素敵なお花
なんだか誰かに似てると思いませんか?
くすっと楽しそうに
月明かりの下、私の騎士さまに笑いかけて
マシュマローネ・アラモード
【💫💫】
ティタと一緒に招かれてやってきた宴の席、その雅な趣きに、少しキリリとして。
モワ、そうですわ、今日は異世界のプリンセスとして恥ずかしくないように、ですわね!
モワ、アヤカシエンパイアのお料理、やっぱり素材の味わいを活かした調理方法なのですわね、おいしさを引き出す、すごく為になりますわ!
(所々に散りばめられた香りのエッセンスに、オリエントを感じつつ)
デザートを手に、一緒に月明かりの藤棚を眺めながらうっとり。
灯に映し出された青が見事ですわね!
モワ?ティタ、いかがしました?
モワ、藤にはそんないわれが?誰かに似てる……?
はてな?と思って見つめる先の微笑みに、少し照れたように微笑んで。
平安の世は、食文化も華やかで豪華絢爛。
貴族の宴ともなれば、沢山の美味がずらりと並んで。
見慣れたようなものから少し珍しいものまで、振舞われるのは贅を尽くしたおもてなし。
そんな戦勝と歓待の宴の招待を有難く受けながらも。
「ふふふ、ごちそうですねっ」
ついはしゃぎたくなるけれど、そんなわくわくな気持ちと弾む声を少し抑えながらも。
ティタ・ノシュタリア(夢を見る宇宙そら・f38779)はそう隣に在る、マシュマローネ・アラモード(第一皇女『兎の皇女』・f38748)へとキラキラした瞳を向ければ。
同じく心躍りながらも、マシュマローネはちょっぴりキリリ。
ティタと一緒に招かれてやってきた宴の席の、その雅な趣きに。
「モワ、そうですわ、今日は異世界のプリンセスとして恥ずかしくないように、ですわね!」
「はいっ。せっかくのお招きですから、恥ずかしくないようにっ」
プリンセスとしての振る舞いを確りと意識しつつも、でも目一杯楽しむつもり。
まずは、食事をいただくことにして。
「おいしいっ……繊細な味ですっ」
「そちらは、コイのなますでございます」
「なます……? コイは、お魚ですよね?」
「はい。魚の鯉を三枚におろして細作りにし、煎った鯉の卵をまぶしつけたものです」
食べたことのない料理に、ティタは舌鼓を打ちながらも興味津々。
所作には確りと気をつけつつも、でも片意地は張らずに、気になったものを摘まんでみながら。
「マシュマローネ、どうですか?」
「モワ、アヤカシエンパイアのお料理、やっぱり素材の味わいを活かした調理方法なのですわね」
マシュマローネは並ぶ料理の所々に散りばめられた香りのエッセンスに、オリエントを感じつつも。
口に広がる味わいに、真剣な表情。
「そちらは、キジのせせり団子の吸い物でございます」
「お出汁がしっかりときいておりますわね。おいしさを引き出す、すごく為になりますわ!」
料理をする身として、異世界の新しい味の開拓にはつい精が出てしまうし。
「なるほどっ。マシュマローネのレシピ、また増えちゃいそうですねっ!」
彼女の料理が美味しいということを、ティタはよく知っているから。
マシュマローネ作の新メニューが誕生する予感に、期待もぐんと上がっちゃう。
そしてやはり、花を眺めながらいただく甘味といえば、お団子!
どうぞ庭園を眺められるところで是非お召し上がりください、と手渡されたから。
お団子片手に向かってみるのは、満開の華が枝垂れ咲く藤棚が見える場所。
日中の藤も青空に映えて綺麗であったけれど。
「わあっ……きれいっ!」
「灯に映し出された青が見事ですわね!」
月明かりと燈された灯籠の光に浮かび上がるその彩りは、より幻想的で美しく。
思わずしばし目も心も釘付けになって、うっとりしてしまう。
そして、ふと何かを物思うようなティタの様子に気付いて。
「モワ? ティタ、いかがしました?」
マシュマローネがそう声を掛ければ。
楚々と咲く藤の花を見上げつつ、ティタは紡ぐ。
「……さっき調べたんですけど、藤って魔除けのお花で、あと『優しさ』っていう意味もあるとか」
「モワ、藤にはそんないわれが?」
そう聞けば改めて、マシュマロ―ネも藤の花を眺めてみて。
豪華でありながらも、楚々とした上品さと凛とした強さを兼ね備えているような花であり。
ティタの言うように、慈愛のような優しさを感じる。
そんな藤を眺めるマシュマローネの横顔を、ティタは見つめながら。
「やさしくって、守ってくれるとっても素敵なお花。なんだか誰かに似てると思いませんか?」
「誰かに似てる……?」
そう紡がれた言葉に、はてな? と暫し首を傾けるマシュマローネであったけれど。
ティタはくすっと楽しそうに、見つめる瞳を細める。
やさしくって、守ってくれるような――月明かりの下で、そんな騎士さまに笑いかけて。
そして、見つめる先の微笑みに気付けば。
マシュマローネもふわりと返す――少し照れたように、眼前の花のように咲かせた微笑みを。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夏彦・星彩
【ココ彩】
昼間も甘い蜜の氷果は楽しんだが
夜の宴はアヤカシエンパイアの
甘味とやらを堪能するとしよう
…と藤の花添えられたカキ氷と椿餅
美味しかったのでもう一回味わいつつの〜
よく知る団子やあん蜜もあるようで〜
ちなみにココは何だんごが好きだろうか?
三色団子は花見な雰囲気を感じられてお得だし、
みたらしの甘辛い風だったり
草よもぎだったり醤油だんごも良いよなぁ
…星彩は団子以外も
きちんと目を光らせているぞ!と
珍し甘味は此の揚げ菓子あたりだろうか〜
ねじねじしてたり変わった中身で
例えるのは難しそうだが、こういうのが
いとをかしと言うヤツか…?
月明かりの藤棚みたいに趣きがあるぞぅ
組紐と共に良き思い出が残りそうだな
ココ・ロロ
【ココ彩】
昼間のあまいもおいしかったですが
夜のあまいはどんなでしょう
えへへ、楽しみですね
もう一回食べるのですか…?
ふふ、サイさんの今日のお気に入り~ですね
ココはあんみつというの~
見た目は和のぱふぇに似てますが…違うのですね
…はっ、透明なの食べたことない味がします!
フシギなおいしいの味~
…好きなだんご、ですか?
ココはまだ食べたこと少ないですから…うーん
ですが色んな味のがあるのですね
この世界のは何味でしょう…?
サイさん、いっしょに食べてみましょー
ねじねじお菓子はいと…おかし…?
言葉の意味は分かりませんが
なんだか何かに似ているようなー…
…あっ、ねじねじがクミヒモっぽいです!
ふふ、いとおかし~ですね
日が沈んで夜になれば、また昼間とは違ったわくわく感。
そして満開の藤の花も、確かにとても綺麗なのだけど。
「昼間のあまいもおいしかったですが、夜のあまいはどんなでしょう」
「昼間も甘い蜜の氷果は楽しんだが、夜の宴はアヤカシエンパイアの甘味とやらを堪能するとしよう」
「えへへ、楽しみですね」
そわりと尻尾を揺らすココ・ロロ(ひだまり・f40324)と夏彦・星彩(アルベード・f38088)はやはり、花より団子の模様……?
昼には味わえなかった甘味もあるようだし、きっとまた新しい美味しいが楽しめるって。
そうわくわく思っていたココだったのだけれど。
「アヤカシエンパイアの甘味とやら……と、藤の花添えられたカキ氷と椿餅。美味しかったのでもう一回味わいつつの〜」
「もう一回食べるのですか……?」
星彩の言葉に、思わずきょとり。
でもすぐにその理由に気付いて、ほわりと笑み宿して続ける。
「ふふ、サイさんの今日のお気に入り~ですね」
彼の尻尾も小さくぱたぱた、ゴキゲンに揺れているのを見れば。
そして、そんな星彩お気に入りのカキ氷と椿餅も、おかわりの注文決定なのだけれど。
「よく知る団子やあん蜜もあるようで〜」
他にも、日中には食べられなかった甘味も沢山あるようだから。
「ココはあんみつというの~」
まずは、カキ氷と椿餅、あんみつをそれぞれお願いしてみて。
運ばれてきたあんみつを、ココはじいと見つめてみる。
「見た目は和のぱふぇに似てますが……違うのですね」
何がどう違うのか、いまいち見てみただけでは、ココに違いは分からないのだけれど。
とりあえずそっとひと匙、あんみつを掬ってみて。
そうっとはむりと食べてみれば……お耳がぴこり。
「……はっ、透明なの食べたことない味がします!」
氷のようだけど凍ってなく、ゼリーよりは硬いけれど、噛んだらほろっと歯切れがよく崩れていって。
ほわっと甘いのだけど、食べたことがないような味わいで。
フシギなおいしいの味~なんて、瞳をぱちくりさせながらももぐもぐしているココに。
花見と言えばやはりこれ。星彩はこう訊ねてみるのだけれど。
「ちなみにココは何だんごが好きだろうか?」
「……好きなだんご、ですか? ココはまだ食べたこと少ないですから……」
ココは団子未経験だという。
だから……うーん、と首を傾けるココに、星彩は宴で用意されている団子を一つずつ指して。
並んだお団子たちの味や特徴を紡いでいけば。
「三色団子は花見な雰囲気を感じられてお得だし、みたらしの甘辛い風だったり。草よもぎだったり醤油だんごも良いよなぁ」
「色んな味のがあるのですね。この世界のは何味でしょう……?」
「このきなことタレがついた焼いてある団子は、何味なんだろうか~」
「それは、きな粉をまぶした餅を炭火であぶった後、味噌ダレをぬった、あぶり餅ですよ」
「あぶり餅、おこげが美味しそうだなぁ」
「サイさん、いっしょに食べてみましょー」
通りかかった貴族に教えて貰った団子を、一緒にいただいてみることに。
そんなお気に入りだったり、新しいものを見つけたり、夜の甘味も沢山楽しめそうだけれど。
……星彩は団子以外も、きちんと目を光らせているぞ! と。
「珍し甘味は此の揚げ菓子あたりだろうか〜」
次に注目してみるのは、中国風の今でいえばクッキーのような甘味の揚げ菓子。
名前の通り、クッキーとは違って、揚げてあるものなのだけれど。
「ねじねじしてたり変わった中身で、例えるのは難しそうだが」
何だか面白い形をしているし、中身も変わっていることが気になって。
平安らしい甘味をじいと見つめつつ、星彩は尻尾をゆうらり。
「こういうのが、いとをかしと言うヤツか……?」
「ねじねじお菓子はいと……おかし……?」
「月明かりの藤棚みたいに趣きがあるぞぅ」
ココは、確かにお菓子であるだろうそれらを星彩とふたり並んで、まじまじと見つめてみれば。
色々物知りな友達に今日も感心しながらも、いとおかしとか趣きとか、そういう言葉の意味は分からないけれど。
でも、こてりと首を傾けて、ねじねじしているお菓子たちをふと見つめる。
「なんだか何かに似ているようなー……」
はじめてのお菓子のはずなのに、何だかどこかで見たことがある気がして。
それからふと、星彩と自分の腕へと何気に目を向ければ――再びココのお耳が、ぴこんっ。
「……あっ、ねじねじがクミヒモっぽいです!」
「確かに~。組紐みたいにねじねじだなぁ」
それからふたりで顔を見合わせて、頷き合って。
摘まんでみた揚げ菓子を一緒に、せーのでぱくりと頬張ってみれば。
尻尾と組紐が、再びお揃いでゆうらり。
「ふふ、いとおかし~ですね」
「組紐と共に良き思い出が残りそうだな」
ふたりでもぐもぐするその味は、そう――いとおかしです!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神城・星羅
初恋の君の朔兎様(f43270)と参加
実に執念深く、悪質な敵でした。むしろ滅んでスッキリしましたよ。
まあ、色んなものを見て回るのは悪くないのですが。お腹空きましたよね。妙に強くて狙い定めるのに神経使いましたから、何か食べたい。
貴族屋敷に出向いたお魚の料理に目をキラキラさせます。私と朔兎なら蒸し物や切り身は余裕ですよね。食べ盛りですから、食べませんと。キジの焼き物も食べちゃいましょうか?
ああ、最近暑いからかき氷は最高ですよね。果物や揚げ菓子も食べましょうか?仕上げにお茶と。うん、お腹いっぱい。
ああ、庭園見ながらうとうとしちゃいます。構いませんか?朔兎様の腕の中なら。おやすみなさい・・・
源・朔兎
愛しの姫の星羅(f42858)と参加
あっさり潔く散る妖よりこういう他の文明の武器持ち出して強すぎる敵って最悪なんだよ・・・正直疲れた。
まあ・・神経も体も随分使ったし。食べるか。魚料理最高だろ。俺なら全部食べれるが、星羅がダウンしかねないので、抑えるか。わけっこだ。愛しの姫と分けっこなんで凄く嬉しい。え?肉もいける?星羅も子供なんだな。なら一つだけ食べよう。
お菓子か。子供にはお菓子は最高だよな。どの世界でもそうだ。かき氷も暑いので最高だし、普通に果物や良く食べていた揚げ菓子もあるなんて最高だろ。最後はお茶と。流石に俺もこれ以上入らない。
あ、これだけ詰め込むと星羅限界だな。腕の中で寝ていいぞ?
妖の裂け目は無事に塞がれて、再び春の山の穏やかな空気感が戻ってきたが。
先程相手取った敵は、ちょっと金ぴか趣味はどうかとは思うが、猟兵である自分達に要請が来たというだけはあって。
「実に執念深く、悪質な敵でした」
「あっさり潔く散る妖よりこういう他の文明の武器持ち出して強すぎる敵って最悪なんだよ……正直疲れた」
「むしろ滅んでスッキリしましたよ」
神城・星羅(黎明の希望・f42858)と源・朔兎(既望の彩光・f43270)は、打ち倒した敵のことをそう思い返した後。
妖の雑兵を束ねていただけある敵との戦いで、体力を使ったから。
これから裂け目の監視も兼ねて、暫く山奥の邸宅で何を過ごさんとしているかと言えば……決まっています、ええ。
「まあ、色んなものを見て回るのは悪くないのですが。お腹空きましたよね」
……妙に強くて狙い定めるのに神経使いましたから、何か食べたい。
そう紡ぐ星羅の声に、朔兎も頷いて。
「まあ……神経も体も随分使ったし。食べるか」
腹が減っては戦はできぬというけれど……戦が終わった後だって、腹ペコです!
ということで、戦勝と歓待の宴の準備が済んでいるという寝殿造の屋敷へと足を運べば。
星羅は出向き招かれた宴で振舞われているお魚の料理に、目をキラキラ。
「魚料理最高だろ」
それは星羅だけでなく、朔兎にとっても心躍るのだけれど。
「俺なら全部食べれるが、星羅がダウンしかねないので、抑えるか」
焼き物も蒸し物も干物も吸い物も切り身も……あわよくば、全部食べたいところだけれど。
星羅のことを考えて、朔兎はこんな提案を。
――わけっこだ、と。
わけっこすれば、星羅もより多くの魚料理を食べられるだろうから。
そして勿論星羅も賛成すれば、朔兎はそっと瞳を細める。
……愛しの姫と分けっこなんで凄く嬉しい、と。
そしてその姫は、気合十分。
「私と朔兎なら蒸し物や切り身は余裕ですよね」
食べ盛りですから、食べませんと、と大きく頷いていて。
そんな姿もまた愛らしいところであるのだけれど。
「キジの焼き物も食べちゃいましょうか?」
「え? 肉もいける?」
朔兎は思っていた以上に食べ盛りな彼女の発言に、一瞬だけきょとりとするも。
「星羅も子供なんだな。なら一つだけ食べよう」
魚だけでなく、肉にも瞳輝かせている姫の御所望通りに。
そして海の幸に山の幸にと、美味に舌鼓を打った後は。
「お菓子か。子供にはお菓子は最高だよな。どの世界でもそうだ」
「ああ、最近暑いからかき氷は最高ですよね。果物や揚げ菓子も食べましょうか?」
やはり、甘味は別腹です……?
星羅にそう訊ねられれば、朔兎はそわりと頷いて返して。
「かき氷も暑いので最高だし、普通に果物や良く食べていた揚げ菓子もあるなんて最高だろ」
かき氷も果物も揚げ餅も、どれも最高……すなわち、全部いただきます!
それから綺麗に完食すれば、最後はお茶で締めて。
「流石に俺もこれ以上入らない」
「うん、お腹いっぱい」
お腹も舌も大満足、満腹になったから――ご馳走様を。
そしておなかいっぱいになれば、灯籠に照らされる藤の花や見事に整えられた風情溢れる庭園をふたり、眺めていたのだけれど。
(「ああ、庭園見ながらうとうとしちゃいます」)
星羅は思わず、うとうとこくり。
(「あ、これだけ詰め込むと星羅限界だな」)
そんな様子に気付いた朔兎は、愛しの姫へと告げる。
「腕の中で寝ていいぞ?」
「構いませんか?」
構うどころか……身を預けてくれれば、朔兎だってとても嬉しいから。
自分を見つめる星羅に頷いて返せば――ころん。
身を寄せれば、感じる体温の温もりが心地良くて、尚眠たくなって。
さわりと藤の花揺らす風が優しく吹き抜ける春の夜に、星羅は安心して微睡む。
――朔兎様の腕の中なら。おやすみなさい……って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
勧禅寺・宗大
アドリブ可
さて、全て終わって後は陽の気をまた取り戻すだけという感じか。
まあここは良い所だ、心配せずとも人の流れと共に戻るか。
そんな事を考えつつ夜の庭園をぶらり。
護邸だけを連れ、夜風と藤や草木がそよぐ音を感じつつ歩くのも悪くない。護邸を祀る祠の景観やら常に出す事になりそうな宗代、何より身分を隠す為の私の部屋も含めて今後の邸宅改築の参考にもなるしな。全く、妖退治に勤しみ過ぎて独り身で広すぎた我が家も大事になったものだと振り返り笑う。
そんな事を考えていると風藤様に出会う、どうも正体がバレていた様子。苦笑いをしていると「戦いの様とその鬼をまるで子を見る目で見ていた」と返され恐れ入りましたと頭を下げる。
先程まで、妖の大群が押し寄せてきて、激しく交戦したとは思えないほどに。
静けさが戻ってきた、山に佇む貴族の邸宅。
月が浮かび、藤の花が揺れる夜空を見上げれば、いまだ閉じられたばかりの妖の裂け目は視覚できるけれど。
(「さて、全て終わって後は陽の気をまた取り戻すだけという感じか」)
後は陽の気が回復すれば、それもまた、平安結界によって知覚できないものになるだろう。
一応、勧禅寺・宗大(平安貴族(正五位下)の幻惑の陰陽師・f43235)はもう暫くこの場に留まって様子を見ることも、成すべき任務の仕上げではあるのだけれど。
(「まあここは良い所だ、心配せずとも人の流れと共に戻るか」)
宗大はそんな事を考えつつも、見事に整えられた夜の庭園をぶらり。
護邸だけを連れ、春の夜のひとときをゆるりと過ごしながらも思う。
……夜風と藤や草木がそよぐ音を感じつつ歩くのも悪くない、と。
そして庭園も広く、風情に溢れているけれど。
宗大は月明かりに照る寝殿造の豪華絢爛な屋敷を、庭園から眺めてみる。
この山奥の屋敷はただの邸宅ではなく、強力な陰陽師達によって制御された「対妖要塞」ではあるものの。
(「護邸を祀る祠の景観やら常に出す事になりそうな宗代、何より身分を隠す為の私の部屋も含めて今後の邸宅改築の参考にもなるしな」)
そう宴が催され、賑やかながらも穏やかな空気を醸す屋敷を眺めつつ、宗大は笑う。
……全く、妖退治に勤しみ過ぎて独り身で広すぎた我が家も大事になったものだと、そう振り返りながら。
そんな事を考えていれば、出会ったのは邸宅の貴族の長である風藤。
そして周囲に自分達以外いないことを確認する気遣いを見せながらも。
風藤の自分に対する振る舞いは、どう見ても完全に大人の客人に対するもので。
……どうも正体がバレていた様子、なんて。
苦笑いをしていれば、追い打ちでこう返されるから。
「戦いの様とその鬼をまるで子を見る目で見ておりましたので」
それは藤咲く春の夜の、風藤とだけの秘密に。
そして宗大は、そんな彼の言葉に頭を下げるのだった――恐れ入りました、と。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふわぁ、アヒルさんすごいです。
こんなに器用に組紐を編んでしまうなんて。
でも、なんで編んでいるところを見てはいけないんですか?
ふええ、アヒルさんを疑ってる訳ではないんですけど、気になって仕方ないんです。
ふえ?古来よりアヒルの織物を織る姿を人に見られてはいけないことになっているって、それは鶴さんではないんですか?
まだ、妖の裂け目は完全には消えてはいないけれど。
きっとそれも時間の問題であるだろうし。
一応念のため、何か起こらないか、もう少しだけこの山奥の邸宅にいることに。
とはいえ、すっかり平和が戻ってきた邸宅内は穏やかながらもとても賑やか。
戦勝と歓待の宴は美味美酒が並んで豪華絢爛、貴族が催すものであるだけあって贅尽くしで。
広い庭には灯籠が燈っており、月明かりと共に藤の花を美しく浮かび上がらせていて。
池や橋、美しく整えられた庭園を散策する人たちの姿も見られるし。
邸宅では、貴族達と共に歓談していたり、物作りを楽しむことだってできる。
そう、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《 👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)とアヒルさんも、組紐を編める場所にいるのだけれど。
「ふわぁ、アヒルさんすごいです」
フリルは思わず声をあげてしまう。
その出来の美しさもさることながら、難しい編み方だってちょちょいと。
「こんなに器用に組紐を編んでしまうなんて」
すらすらいつの間にか編み終わっている、すばらしいアヒルさんの作品群を見つめて。
そしてドヤ顔しているアヒルさんを改めて見れば、ふと首を傾ける。
「でも、なんで編んでいるところを見てはいけないんですか?」
何故だか、編んでいるところは見るなと再三釘を刺されたのだから。
だがそんな言葉に、途端に不服気になるアヒルさん。
フリルはその様子に、慌ててこう続けるけれど。
「ふええ、アヒルさんを疑ってる訳ではないんですけど、気になって仕方ないんです」
アヒルさんはその理由を明らかにするのだった。
「ふえ? 古来よりアヒルの織物を織る姿を人に見られてはいけないことになっているって」
何だかその話、どこかで聞いたことがあるような……なんて少し考えれば。
フリルはふと、とある昔ばなしを思い返して、アヒルさんに告げるのだった。
――それは鶴さんではないんですか? なんて。
結局、恩返しというわけでもなく、どうやってアヒルさんが組紐を編んだかは、春の夜の秘密……みたいです。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「今昔物語や四鏡で強飯や削り氷、甘葛のお話があったので、体験してみたかったのです」
数が限られているのでなければ勿論購入してお土産に
UC「古木の宿」内に冷蔵庫はあるので、一応削り氷も持ち帰れる筈
「此れが芋粥…想像と違うお味でした…」
何となく薩摩芋が入ってる気がしていた
「此の時代、山芋と里芋しかありませんでしたものね…」
椿餅や団子頬張り目を見張る
「粢が有るのですからお団子やお餅は有ると思っていましたけれど…高価な薬扱いの砂糖をこんなに…美味しいです」
周囲キョロキョロ
「物産展で蘇は食べた事があっても酪も醍醐も未経験です。探せば甘葛煎もあるでしょうか。何だか凄く楽しくなってきました」
うきうき会場を巡る
穏やかな春の夜の静けさが戻ってきた山奥の邸宅で。
貴族達の手で開かれているのは、猟兵達を歓迎し招いた戦勝の宴。
平安の世は食文化も華やかであり、ずらりと並ぶ料理も美味しそうなご馳走揃い。
けれどやはり、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の目がいくのは。
「今昔物語や四鏡で強飯や削り氷、甘葛のお話があったので、体験してみたかったのです」
そう、甘い物です!
特に、物語の中でしかこれまで知る事のできなかったこの時代の甘味には、興味津々で。
数が限られているのでなければ、勿論購入してお土産にと。
貴族達も、文に応じて手を貸してくれた猟兵達には大変感謝しているから。
快く、金銭なども必要ないと、土産の分も用意してくれたから。
桜花はお言葉に甘えて、「古木の宿」内へ。
しかもこの無限倉庫には冷蔵庫もあるから、一応削り氷も持ち帰れる筈……!
ということで、うきうきと土産の手配をお願いしてから。
実際にわくわく、平安の甘味を楽しんでみることに。
まずは、貴族の食事に出てくる芋粥。
だがそれは、お芋を入れたおかゆではなくて。
「此れが芋粥……想像と違うお味でした……」
山芋を甘葛で煮たデザートのことであった。
その名前や印象から、何となく薩摩芋が入ってる気がしていた桜花だけれど。
少し考えれば、使われている芋が山芋であることもすぐに納得する。
「此の時代、山芋と里芋しかありませんでしたものね……」
さつまいもが日本に伝わったのは、平安からさらに随分と進んだ時代であるのだから。
とはいえ此処は、平安結界が視せる、俗にいう平安時代とはまた異なる世界。さつまいもがあっても驚きはしないのだけれど。
次に桜花が頬張るのは、椿餅や団子。
そしてもぐもぐと味わえば、思わず目を見張る。
「粢が有るのですからお団子やお餅は有ると思っていましたけれど……高価な薬扱いの砂糖をこんなに……美味しいです」
砂糖は貴重であるため、基本は甘味は、甘葛で味付けをしてあるものが多いようであるが。
しかしきちんと甘味が美味しいのも――これぞ平安結界の成せる力……? かもしれない。
なんて、色々と味わいつつも、興味の赴くまま周囲をキョロキョロ。
「物産展で蘇は食べた事があっても酪も醍醐も未経験です。探せば甘葛煎もあるでしょうか」
桜花は、平安ならではなものを堪能し探しながら、ぐるりと春の夜の宴会場を巡る。
足取り軽く、うきうきと………何だか凄く楽しくなってきました、って。
大成功
🔵🔵🔵
夜鳥・藍
WIZ
妖退治に参加はしておりませんが少しこちらに興味がございまして。
こちらでの占いというのはどういったものなのでしょう?
占いを生業としてる身としてはぜひ一度見ておきたいです。
ここ数か月の運勢をお願いしてみますが、八卦とか易の筮竹とかなのかしら?
平安時代に基づく文化ですと陰陽道の天文学かもしれないわ。
目の前でその手腕が見られるかもしれないんですよね。とてもわくわくします。
おみくじ感覚とのことですがそれでも興味は尽きません。(結果などに関してはお任せします)
もしお時間を許していただけるのでしたら占いに関しの見解などお話ししてみたいです。
すっかり日が落ちた山は、本来ならば静かな夜を迎えていただろうけれど。
今日はもう少しだけ、賑やかな声が邸宅内には響いて。
燈された灯籠と月明かりに照らされた藤が、ゆらりと枝垂れるその花を揺らしている。
そして夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は今、塞がれた妖の裂け目の様子をもう少し見るために、念の為に屋敷に残っているのだけれど。
いや、それもなのだが……正確に言えば。
(「少しこちらに興味がございまして」)
向かった先にいるひとりの貴族に、こう声を掛ける。
「こちらでの占いというのはどういったものなのでしょう?」
……占いを生業としてる身としてはぜひ一度見ておきたいです、と。
そしてここ数か月の運勢をお願いしてみれば、興味津々な瞳でそわり。
(「八卦とか易の筮竹とかなのかしら? 平安時代に基づく文化ですと陰陽道の天文学かもしれないわ」)
そう予想しつつ、占いができるという貴族の声に耳を傾ければ。
「私は陰陽師でございますので。基本は天文や暦、陰陽の知識、そして呪術を用い、あとは式盤を使用した六壬式占などでしょうか」
やはり粗方予想していたように、陰陽道に基づいた占いであるらしいし。
藍は眼前の貴族の様子へと目を向けつつ、とてもわくわくしてしまう。
(「目の前でその手腕が見られるかもしれないんですよね」)
実際に、平安の世の陰陽師が吉凶を占う様がこの目で見られるかもしれないと。
とはいえ勿論、宮中などで行われているような本格的なものではなく、あくまで参考程度にということではあるが。
(「おみくじ感覚とのことですがそれでも興味は尽きません」)
そう躍る心のまま、結果を待てば。
「……ふむ、今は休むことなく忙しい時期であると出ておりますが。すぐにそれも落ち着き、暫くはゆるりと過ごせると出ております」
当たるも八卦、当たらぬも八卦――出た占いの結果を、貴族は丁寧に告げてくれた後。
「もしお時間を許していただけるのでしたら占いに関しの見解などお話ししてみたいです」
「ええ、喜んで。まずは、我々が用いる陰陽道のお話から始めることになりますが……」
そう申し出た藍と快く了承した陰陽師貴族の、春の夜の占い談話は――きっと当分、尽きなさそう。
大成功
🔵🔵🔵
八秦・頼典
平安結界の修復に至らずで済んだけど、折角の饗しとなればご相伴にあずかろうか
ただしボクは位階の事もあるので、場の空気を乱さず風藤殿らにも無用な気遣いをさせない為にも一介の平安貴族として身分を隠してのお忍びだけどね?
京でも中々味わえない新鮮な海の幸山の幸に珍しい甘味も捨てがたいけど、まずはこの地ならではの組紐に風車作りの教えを請おうか
既に意中の姫君らへの贈り物は神社のお祭で買ってはいるけど、
作り方を覚えておけば藤の花に限らず季節の花々の使った花結びを何時でも贈れるようになれるからね
勿論、唯教えを請うだけじゃない
感謝の言葉と共に甘い言葉も添えてさ
美しき人に一夜の夢を魅させるのはボクなりの礼儀だしね
妖は無事に全て祓い、妖の裂け目も再び塞ぐことが出来て。
山奥に佇む寝殿造の邸宅に、平穏なひとときが戻ってきたけれど。
念の為、もう少しだけ様子を見つつ、屋敷に留まる猟兵達。
八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)も、事が終わった今でも屋敷に留まっていて。
(「平安結界の修復に至らずで済んだけど、折角の饗しとなればご相伴にあずかろうか」)
何せ京の都ではなく、このような山奥だ。
賑やかな宴や趣向を凝らした催しを見れば、久方ぶりの客人をもてなす、邸宅の貴族達の張り切りようが見てもわかるし。
それを断るのも無粋とというもの、招かれるまま、頼典は立派な邸宅内で歓待を受けることに。
とはいえ、あくまでもこれはお忍び。
位階の事もあるので手放しで楽しむわけにはいかず、場の空気を乱さずに、それでいて風藤殿らにも無用な気遣いをさせない為にも。
頼典は身分を隠し、一介の平安貴族として振舞いながらも。
(「京でも中々味わえない新鮮な海の幸山の幸に珍しい甘味も捨てがたいけど」)
足を運ぶのは、少し心惹かれた贅を尽くした宴の席ではなくて。
「この地ならではの組紐編みや風車作りを、ボクにもよかったら教えてはくれないか」
物作りに楽し気に勤しむ貴族や女御、猟兵達が集まっている場所へ。
いや、既に意中の姫君らへの贈り物は、日中の神社のお祭で買ってはいるのだけれど。
(「作り方を覚えておけば、藤の花に限らず季節の花々の使った花結びを何時でも贈れるようになれるからね」)
この手で編み上げた季節の花で美しい姫君を飾り、その心に淡い想いも咲くやもしれないし。
意中の姫君らの元へと己が咲かせた花を届けに、幾度でも逢いに通えるから。
とはいえ勿論、唯教えを請うだけではない。
何せ頼典は、甘やかで華やかな噂話に事欠かない好色家貴族……もとい、女性の心を掴む素敵な殿方。
「教えてくれてありがとう。ではこの花は、藤の花の如く美しい貴女様へ」
「まぁ! 私に? とっても素敵でございますわ……」
――感謝の言葉と共に甘い言葉も添えてさ、なんて。
仄か頬を染める女御に微笑みを向け、教えて貰って編んだ組紐の花を一輪、その髪に飾ってあげる。
……美しき人に一夜の夢を魅させるのはボクなりの礼儀だしね、って。
藤の花咲く春の夜を楽しみ、楽しませながら。
大成功
🔵🔵🔵
ルーシー・ブルーベル
【月光】
夜の藤もまたキレイね!
月の下だと艶やか、って感じがするわ
貴族さんたちのお招きに預かりましょうか、ゆぇパパ
供されたお食事たちに目を瞬く
見慣れないゴハンがいっぱい!
ふふ…パパ、興味深そうにしてる
やっぱりお料理好きなのね
ね、これ何かしら…コイ?
コイってあの、キレイなお魚さんの?
ツバキモチって、この葉っぱは食べれる?
ダメ?サクラモチとは違うのね
質問したり感想を言い合ったり
…うん、この時間がとても好きだわ
クイズ!お花とか?…クラゲ!あのふわふわの?
本当、楽しい食感ね…!
お庭も見れるそうよ
見に行ってみましょう
頭上と水面、両面で藤が咲き
その間にパパとルーシー
サンドイッチされてる!
…そうだわ!はい、パパ
お昼に作った組紐
淡藤に水色、金糸を藤結びにした組紐をブレスレットにして結う
そう、これは『私たち』の色
藤の花はね、「決して離れない」って意味があるのですって
パパのは…まあ、ふふ!
白パパと黒パパがいるわ!嬉しいな
なあに?髪に結んでくださるの
大人しく結終えるのを待つ
…ふふ、ではこれはずっと一緒のお守りね
朧・ユェー
【月光】
夜に見る藤はまた違った美しさですね
貴族さんからの?それは楽しみですねぇ
おやおや、とても豪華ですね
キジやカモとはふむふむ
食べる事よりも料理の仕方など気になってしまいました
このお魚は鯉ですね
ふふっ、確かにお池に泳いでる鯉は色鮮やかですねぇ
彼方は鑑賞の子で、こちらの鯉とは違うのですよ
椿餅の葉っぱは桜餅の様に塩漬けされている訳じゃないので食べてはダメです
新しい事を知るのが楽しいのかワクワクとしている娘にふふっと笑って
ではクイズです
ルーシーちゃん、この透明な和え物の食材は何でしょうか?
クラゲです
そう、あのふわふわ浮いている子ですね
そのモノの味?というのは無いですが食感が良いです
沢山美味しいのを食べれましたね
今度似たのを作りましょう
綺麗なお庭ですね
サンドイッチ?ふふっ、それは幸せサンドです
昼に作った組紐が僕の腕に
この色はルーシーちゃんとララちゃん
藤の花の意味、ありがとうねぇ
こっちにおいで
そっと彼女の髪に組紐を絡めて結ぶ
えぇ、決して君から離れませんよ
僕もアイツも
これもお守りですね
先程まで戦いの喧騒に包まれていたことが、夢か幻かのように。
今の春の山は、静けさと平穏を取り戻していて。
吹き抜ける春の夜風に、ゆらりと揺れる藤の花たち。
青空の下でも楚々と咲くその花を眺め楽しんだのだけれど。
「夜に見る藤はまた違った美しさですね」
「夜の藤もまたキレイね! 月の下だと艶やか、って感じがするわ」
淡く照る月に耀う藤は、どこか幻想的で艶麗さを咲かせている。
そんな夜に咲く藤も勿論堪能したいのだけれど。
ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)が目を向けるのは、穏やかで賑やかな声がする方。
「貴族さんたちのお招きに預かりましょうか、ゆぇパパ」
「貴族さんからの? それは楽しみですねぇ」
朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)もルーシーの視線を追えば、金の瞳をそう細める。
自分達をもてなそうと張り切っている邸宅の貴族達の姿を見れば。
きっちり敵を倒して妖の裂け目も塞がれたが、念のため様子見しながらも。
招かれるまま宴の席についたルーシーは、瞳をぱちり。
「見慣れないゴハンがいっぱい!」
ずらりと並べられたこの世界ならではな料理たちに目を瞬かせて。
いや、ぐるりと御馳走に視線を巡らせているのはルーシーだけではなく。
「おやおや、とても豪華ですね。キジやカモとはふむふむ」
ユェーも興味深々の様子。
美味しそうであるのは勿論なのだけれど。
食べる事よりも料理の仕方などが気になってしまって。
その横顔に気付いて、ルーシーはそっと瞳を細める。
(「ふふ……パパ、興味深そうにしてる」)
……やっぱりお料理好きなのね、って。
それから改めて、料理へと視線を戻してみて。
「ね、これ何かしら」
まずは目の前に置かれた魚料理に首を傾ければ。
「このお魚は鯉ですね」
「……コイ? コイってあの、キレイなお魚さんの?」
再び大きく瞳を瞬かせる。
コイ……鯉といえば、よく池に泳いでいる、様々な模様が綺麗な魚。
それは知っているのだけれど、食べるという印象はなくて。
「ふふっ、確かにお池に泳いでる鯉は色鮮やかですねぇ。彼方は鑑賞の子で、こちらの鯉とは違うのですよ」
そんな驚いている彼女の様子を微笑ましく見つめながら、教えてあげるユェー。
いや、見たことのない珍しい食べ物は鯉の料理だけではなくて。
「ツバキモチって、この葉っぱは食べれる?」
「椿餅の葉っぱは桜餅の様に塩漬けされている訳じゃないので食べてはダメです」
「ダメ? サクラモチとは違うのね」
甘味だって、この時代ならではのもの。
これはあれは、と気になるものがいっぱいで。
質問したり感想を言い合ったりしながらも、ルーシーは思う。
(「……うん、この時間がとても好きだわ」)
ユェーもそんな彼女を見つめては、ふふっと笑み零す。
新しい事を知るのが楽しいのかワクワクとしている娘の姿に。
だから、ここでひとつ。
「ではクイズです」
「クイズ!」
そんなクイズの声に、ルーシーはきりり真剣に耳を傾けて。
ユェーが手にするのは、ある料理が盛りつけられた小鉢。
「ルーシーちゃん、この透明な和え物の食材は何でしょうか?」
そう差し出された小鉢を受け取っては首を傾け、じいと見つめてみてから。
「お花とか?」
「クラゲです」
「……クラゲ! あのふわふわの?」
思わぬ答えに、ルーシーはまたまたびっくりするけれど。
「そう、あのふわふわ浮いている子ですね。そのモノの味? というのは無いですが食感が良いです」
そうっとひとくち食べてみれば、クラゲのふわふわな見た目とは違って、こりこりした歯ごたえで。
「本当、楽しい食感ね……!」
はじめてのものばかりで楽しくて、そして美味しくて。
そして、あれもこれもと箸を伸ばしては、存分に味わえば。
「沢山美味しいのを食べれましたね」
……今度似たのを作りましょう、なんて。
料理好きなユェーも、興味が十分満たされた様子。
それから、宴で御馳走を沢山いただいておなかいっぱいになれば、次に楽しむのは。
「お庭も見れるそうよ。見に行ってみましょう」
足を運んでみるのは、灯籠が燈された広い庭園。
「綺麗なお庭ですね」
ユェーもそう紡ぐように、整えられた見事な庭の景色が醸し出すのは、まさに風情。
そしてルーシーは天を仰いだ後、次に池へと目を落としてから。
ぱっと表情を綻ばせ、パパを見上げながらこう声を上げる。
「頭上と水面、両面で藤が咲き、その間にパパとルーシーサンドイッチされてる!」
「サンドイッチ? ふふっ、それは幸せサンドです」
藤棚や山の景色に咲く頭上の藤と、水面に揺れる落とした視線の先の藤。
そんな満開の藤の花たちに、幸せサンドされた自分達に。
そして暫くふたりで、甘い香りが漂う庭を眺めていたのだけれど。
「……そうだわ! はい、パパ」
ルーシーがふと手にしたのは、昼に作った組紐。
淡藤に水色、金糸を藤結びにした組紐をくるりとブレスレットにして結って。
パパの腕につけてあげれば、ユェーも金の瞳を柔く細めて。
「この色はルーシーちゃんとララちゃん」
自分の腕に巻かれた彩りにそう紡げば、ルーシーも頷いてこくり。
「そう、これは『私たち』の色」
そしてこの『私たち』の色は、藤の花で染められたいろ。
「藤の花はね、「決して離れない」って意味があるのですって」
そんなルーシーの声を聞いて。
ユェーは改めて、自分の腕の『彼女たち』の色を見つめながら告げる……藤の花の意味、ありがとうねぇ、って。
そして今度は、『自分たち』の色のお返しを。
「パパのは……まあ、ふふ! 白パパと黒パパがいるわ! 嬉しいな」
「こっちにおいで」
そうぱっと笑み宿す娘を呼び寄せてから。
ユェーがそっと手を伸ばすのは、月光に照らされた彼女の金の髪。
その髪に結んであげんと、編んだ組紐をするりと絡めて。
「なあに? 髪に結んでくださるの」
大人しくじっと、結い終えるのを待つルーシー。
そして結い終われば、藤の花の如くゆうらり。
「……ふふ、ではこれはずっと一緒のお守りね」
「これもお守りですね」
そう笑んで返しながらもユェーは続ける。
「えぇ、決して君から離れませんよ」
藤の花が満開に咲く、春の月夜に誓うように――僕もアイツも、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵