11
リグ・ヴェーダは、青く燃えるか

#クロムキャバリア #『巨神』 #ACE戦記 #ACE戦記外典 #ビバ・テルメ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#クロムキャバリア
🔒
#『巨神』
#ACE戦記
#ACE戦記外典
#ビバ・テルメ


0




●知を求め、力と成し、それを理性でもって手繰る者
「僕の名は『■■■・ラーズグリーズ』。君より前に『これ』に出会った者だ――」
 詩篇は雪のように降りしきる。
 それ一つ一つに意味はないのかもしれない。
 氷雪の一欠片。
 その中に結晶があり、どれ一つとっても同じものがないことを知るのならば、意味がないと言われた事柄の中にさえ意味を見出すことができるのかもしれない。

 知は降りしきる雨のように時間という大地に打ち付けられていく。
 大地に芽吹くものがあるのならば、それは理性と呼ぶ。
 力は劫火となるだろう。
 しかし、知によって育まれた理性は、これを手繰る。

 絶対凍結戦士――『セラフィム・シックス』は小国家『ビバ・テルメ』の湾内、その海底に氷山の如く氷漬けになりながら空を見上げる。
 それは蒼天の空ではなく、星辰の空を見据えていた。
 はるか彼方。
 赤熱した胸部砲口。
 来る、と理解しているからだ。
 敵が来る。
 どうしようもない悪性が来る――。

●『巨神』
「一度沈んだのならば、もう二度と浮上してこなければいいものを」
 小国家『プラナスリー』の艦隊が海を往く。
 通常であればありえないことであった。
 何故ならば『プラナスリー』の艦隊が往くは、他国の領海であったからだ。
 目指すは小国家『ビバ・テルメ』の湾内。そして、この湾内に繋がる海は、さらに他国の領域と面している。
「厄介な機械神に察知される前に……というのはあまりにも都合が良すぎますね。必ず来る、と思っていなければ。仮に来なかったのだとしても、用心を重ねるに越したことはありません」
 彼女――『ノイン』は『プラナスリー』の艦隊の甲板上にて配置につく己が機体『アークレイズ・ディナ』のコクピットに座す。

 その思想は狂気に染まっている。
 だが、彼女はまるで構わないようだった。これが自国を破滅に導く行いであったとしても構わないと思っていた。
「忌々しい。たかが第六世代が。円熟を迎えた十八世代ならばいざ知らず。機械如きが乗り手を選ぶなど」
 今、小国家『ビバ・テルメ』に『神機の申し子』たちはいない。
「|『超越者』《ハイランダー》気取りで他国に首を突っ込むから、隙を突かれるのです。この機会は逃さない。『神機の申し子』たちが不在の今ならば、残す懸念は猟兵のみ」
『白騎士』と『黒騎士』が小国家『エルネイジェ王国』で敗走したのは誤算であったが、彼女の手札はまだ一つではない。

 ならばこそ、彼女は艦隊を率いて行動を起こしたのだ。
 これまで『神機の申し子』たちに頼り切りであった『ビバ・テルメ』の防衛網など取るに足りないことである。
「後は、あの『巨神』、『セラフィム・シックス』を破壊するのみ――!」

●『セラフィム・シックス』
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の事件はクロムキャバリア世界。小国家『ビバ・テルメ』の湾内にて嘗て沈んだ『巨神』を巡る事件を覚えておいでの方もいらっしゃるかと思います」
 彼女は嘗て起こった事件を説明する。
『強大すぎる力と乗り手を選ぶ性質故に封印されていた、古きキャバリア』……通称『巨神』、『セラフィム・シックス』を巡る戦いがあった。
 戦いの果に『セラフィム・シックス』は乗り手を選ばずに海底に沈んでいった。

 しかし、彼女の予知では再び、氷漬けになっていた氷山ごと湾内に浮上するだという。
「以前は乗り手を選ばなかった『セラフィム・シックス』ですが……これを狙って新興小国家『プラナスリー』のオブリビオンマシンを擁する艦隊が領海に侵入してきているのです」
 言うまでもないことだが、オブリビオンマシンの手元にこの強力な機体を渡らせるわけにはいかない。
 そして、以前も伝えた通り、猟兵であればこの『巨神』たるキャバリアの操縦者に適合できる可能性がある。
「氷山が湾内に出現したこと、そして現在の『ビバ・テルメ』は戦力である『神機の申し子』たちが不在なのです。しかし、いつまでも彼らに頼り切りの『ビバ・テルメ』ではありません」
 どうやら『ビバ・テルメ』に逗留していた嘗ての小国家『第三帝国シーヴァスリー』の首席『ノイン』が指揮を取って浮上した『巨神』、『セラフィム・シックス』にエネルギー充填作業を行っているのだという。

 猟兵たちはこれを手伝いながら、『巨神』、『セラフィム・シックス』と交流を試みることができる。
 うまく操縦者として適合するか、もしくは意志を交わすことで『巨神』の力を迫る『プラナスリー』の艦隊……オブリビオンマシンとの戦いに助力してくれるかもしれない。
 その可能性に賭けなければならないほどに『プラナスリー』の艦隊は大戦力なのだ。
「危険な戦いになることは承知の上。どうか、お願い致します。人々を守るために皆様の力をお貸しください」
 そう言ってナイアルテは頭を下げ、猟兵たちをクロムキャバリアへと送り出すのだった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はクロムキャバリア、温泉小国家『ビバ・テルメ』の領域の湾内に沈んでいた氷山から再び姿を表した『巨神』、『セラフィム・シックス』を狙う新興小国家『プラナスリー』の艦隊が湾内に侵入し、この『巨神』を奪取せんとしています。
 これを阻み、『巨神』を守るシナリオになります。

 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
 ただし、暴走衛星『殲禍炎剣』が存在しているため、空は自由に行き来できません。

●第一章
 日常です。
 湾内に浮かぶ氷山に座す『巨神』ですが、今は前回の戦いでエネルギーが枯渇状態にあります。
 偶然逗留していた嘗ての『第三帝国シーヴァスリー』の首席『ノイン』が陣頭指揮を取って、『巨神』を機動させようと作業を進めています。
 エネルギー充填を手伝い、または巨神』との交流を試みることができます。
 もしも、この働きかけに寄って『巨神』に猟兵を認めさせることができれば、『巨神』は猟兵をパイロットとして受け入れ共に戦ってくれる可能性がありあす。

●第二章
 集団戦です。
『プラナスリー』の艦隊から出撃したオブリビオンマシン機動殲龍『底這』が湾内にて蹴撃してきます。
 海中での性能を発揮するオブリビオンマシンです。
 彼らに有利な戦場となっていますので、皆さんは不利を強いられるでしょう。

●第三章
 ボス戦です。
 オブリビオンマシンを率いていた艦隊の主、オブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』を駆る『ノイン』との対決になります。
 もしも、これまで章で猟兵の皆さんの誰かが『巨神』に認められ、操縦することができていれば、共に戦う心強い戦力となるでしょう。

 それでは再び浮上した『巨神』と迫るオブリビオンマシン艦隊。この二つが織りなす戦乱の火種を鎮めるため戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
273




第1章 日常 『エネルギー充填作業』

POW   :    大きいインゴットを数個持ってくる

SPD   :    小さいインゴットを沢山持ってくる

WIZ   :    効率的にインゴットを運び入れる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「急いでください! エネルギーインゴットの搬入経路は1番ゲートから7番までを!」
 嘗ての『第三帝国シーヴァスリー』の首席『ノイン』は如何なる運命のいたずらか、保護した猟兵によって小国家『ビバ・テルメ』にて療養という名の逗留のときを過ごしていた。
 それがどうしてか今、小国家『プラナスリー』の接近を知り、また湾内にて再び浮かび上がった『巨神』、『セラフィム・シックス』の前回の事件の折に消耗しきってしまった燃料……エネルギーインゴットの補充の指揮を取っているのだ。
「生産プラントの状況は!」
「こっちには一基しかプラントがないんですよ。エネルギーインゴットの生産ばっかりやってるわけないでしょう!」
「貯蔵している分はないのですか」
「あるわけないでしょ! 全部使ってしまっているし、今から再生産っていったって限度がある!」
『ノイン』は頭を抱える。
 絶対的にエネルギーインゴットが不足している。
 現状では『セラフィム・シックス』のエネルギー充填は三割を切るだろう。
 起動すらままらない。

「なんだってこの機体はこんなに大喰らいなんです!」
「『巨神』だっていうんでしょう、これ! 古い機体だって、前言ってましたよ。なら、燃費が悪いのは年寄りだからでしょ!」
 そんな理屈、と『ノイン』は思ったが、しかしそうなのかもしれないとも思ったのだ。
 機体のコクピットに乗っても動かせなかった。
 けれど、計器は生きていた。数値や諸々を確認した所、キャバリアを駆動させるエネルギー源であるエネルギーインゴットではなく、『炉』のようなもので動くようだった。
 それが今、空なのだ。
 そこに無理やりエネルギー源であるエネルギーインゴットを突っ込んでいるのだ。そもそもエネルギーインゴットではエネルギー効率が悪いのかとさえ思える。

「年寄りだろうが若者だろうが、お腹を空かせてるんです。なら、いっぱい食べさせて上げるのが人情というものでしょう!」
「そりゃそうです!」
 動くかわからない機体。
 来るかもわからない援軍。
 けれど、迫る敵。
 この状況では八方塞がりである。けれど、やるしかないのだ。どの道、『ノイン』は人事を尽くして天命を待つしかないのだった――。
ウィル・グラマン
●POW

セラフィム・シックス!
無事だったんじゃねぇか、この野郎〜
てっきり沈んで自壊したかと思ってたじゃねぇか


よぉし、全部聞いたぜ
腹が減っては何とやらだ
この様がエネルギーをたらふく食わせてやるぜ!

えぇっと…あった!
ベア、このキャバリア用のモーターを集めてセラフィム・シックスの周りに置いてくれ
ノインはケーブルとかインバーターを出来るだけ掻き集めてくれよ!

何をするかって?
にひひ、見てなぁ…【アローライン・スクリーム】!
矢印の渦の力でモーターのコイルを回しに回して発電だァ!
そいつをインバーターに集めて変圧して、エネルギーインゴットに匹敵する大電力そのものを巨神の炉に送るのさ

行くぜ行くぜ行くぜ-!



 小国家『ビバ・テルメ』の湾内に沈んだ『巨神』、『セラフィム・シックス』。
 それは嘗てオブリビオンマシンに狙われた機体であり、そして再び海底に没した機体でもある。
 その事件に関わっていた猟兵の一人、ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は、再び氷山の上に座す機体を見上げて目を見開く。
「『セラフィム・シックス』! 無事だったんじゃねぇか、この野郎~」
 赤熱した青い胸部装甲。
 そして、周囲には多くのケーブルが機体に接続されている。
 どうやら機体の残量エネルギーが底をついた状態で浮上したようなのだ。

 そのため、今は『セラフィム・シックス』にエネルギーを充填しようと作業が進められているのだが、遅々として進んでいない。
 どうやら充填率がまだ一割にも到達していないのだ。
 機体を起動するためには最低限でも五割に到達しなければならない。
「てっきり沈んで自壊したかと思ってたじゃねぇか」
「どうやら氷山は機体を保護するためのものだったようですね」
『ビバ・テルメ』のキャバリア技士たちの言葉にウィルは頷く。

「よぉし、全部聞いたぜ。たしかにな。腹が減ってはなんとやらだ。このウィル様がエネルギーをたらふく食わせてやるぜ!」
「しかし、どうするんです?」
「ふふん。まあ、任せておきなって」
 ウィルは己が漆黒のスーパーロボット『ベアキャット』に『ビバ・テルメ』銃のキャバリア用モーターをかき集めさせ、機体のそばにどっさりと山積みにした。
 それを見た技士たちは余計に首を傾げる。
 まだピンと来ていないのだ。
「エネルギーインゴットではないのですか?」
「まあ、まあ、見てな。あ、どうせなら手伝ってくれよ。『セラフィム・シックス』の周囲に均等にな。間隔を空けて」
「……まさか」
「そのまさかよ!」

 ウィルは技士たちと合い通じるようにうなずき合う。
「『ノイン』、ケーブルとかインバーターを集めるように指示してくれよ!」
「もうやってますよ!」
「そうみたいです!」 
 ウィルが『ノイン』に告げる前に技士たちが気がついてケーブルと変換装置を集めに走っている。
 流石だな、とウィルは思っただろう。
「でも、何を」
『ノイン』の言葉にウィルはらしくないな、と思ったかも知れない。
 まだ気が付かないのか、と。

「な、なんです。その目は」
「にひひ、なら見てなって!」
 ウィルは技士たちと次々とケーブルでもってモーターをつなぎ、インバーターを介して『セラフィム・シックス』に接続する。
 エネルギーインゴットだけではエネルギー充填が間に合わない。
 なら、どうするか。
「アローライン・スクリーム! 矢印の力でコイルを回しに回して発電だ! んでもって~!」
 ウィルは己の瞳をユーベルコードに輝かせ、モーター内部のコイルを矢印で強引に加速させ回転させているのだ。
 回転によって得られた力はインバーターによって変換され、さらに変圧されてエネルギーインゴット以外の電力動力として『セラフィム・シックス』の炉へと注ぎ込んでいくのだ。

「行くぜ行くぜ行くぜー!」
「これならばエネルギーインゴットの再生産が間に合わなくても、このおじいちゃんの『巨神』にエネルギーを充填させられるってわけです!」
「おじいちゃんって……」
「腹一杯にしてやっからなー! 待ってろよ! さあ、どんどん集めてきてくれよ! あればあっただけいいんだからさ!」
 ウィルはそう言って、己のユーベルコードによって生み出された電力を『セラフィム・シックス』へと送り込み続けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルコ・アロー
エネルギー不足ですか。
ふふん、ならばボクの出番ですね!
ひとっ飛びしてどっかからいっぱいインゴットを持ってきてやるですよ!
チェェェンジ!ファル……ピィッ!ここクロムキャバリアじゃねーですか!?
あっぶねー、他の世界に慣れ過ぎて忘れてたです……!
こうなったら手は一つ、ボクのエネルギーをこのジジイに分けてやるです!
フルパワー時の力を生み出すエネルギーはちょっとしたモンですよ!
まぁボクがいっぱい食べてエネルギー充填しなきゃですけど。
ボクもこのジジイもきっと生まれは似たようなモンですからね、ケーブルかなんか直結するだけでロスも少なくて済むかもです。
人間で言えば……何ですかね?
まぁ介護みてーなもんですね!



『巨神』に分類されるという古き機体。
 それが『セラフィム・シックス』である。最新現行のキャバリアからすれば、型遅れな機体であることは言うまでもない。
 だが、その機体の構造を含め謎が多いのだ。
 例えば『炉』。
 本来ならキャバリアを動かすのはエネルギーインゴットである。
 これを用いれば、キャバリアは駆動し、その性能を発揮するだろう。
 けれど、『巨神』たる『セラフィム・シックス』は異なるようだった。故に、今も難儀をしているのだな、とファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は理解する。
 問題がエネルギー不足だというのならば、ファルコは鼻を軽く鳴らして得意満面の顔で胸を張る。
「ふふん、ならばボクの出番ですね!」
 彼女の言葉に小国家『ビバ・テルメ』にあるたった一基のプラントから緊急事態故に普段は生産しないエネルギーインゴットを生産している住人たちはどういうことだと首を傾げる。

「ひとっ飛びしてインゴットをもっていってやるですよ!」
 その言葉に皆、余計に混乱したようである。
 言葉が比喩なのか、それとも本気で飛ぶのか。
 いずれにしたってファルコの姿を見れば、その言葉の意味を測りかねることであっただろう。
「どういう……」
「チェェェンジ! ファル……ピィッ!?」
 ファルコは生産されたエネルギーインゴットを前にしてユーベルコードで戦闘機に変身しようとして、体をすくめる。
 そう、ここはクロムキャバリアである。
 空を暴走衛生によって蓋をされた世界。
 空を飛ぶ、ということは即ち低高度低速で飛ぶ飛行船以外は全てが撃墜される憂き目にあう世界なのだ。

「あ、ああっぶねー……! 他の世界に慣れすぎて忘れてたです……!」 
 ファルコは此処最近、猟兵となって他世界の空を飛ぶ喜びに満ち溢れていた。
 彼女本来の性能を発揮する素晴らしさ。
 それは彼女に得も言われぬ充足と他者の役に立つという欲求を満たすものであった。
 だからこそ、忘れていたのだ。
 自身の生まれた世界、クロムキャバリアにおいては自分の性能は十全に発揮できないことを。

「ど、どうしたんです? さっきからなんだか」
「こっちの話です。いえ、でもエネルギーインゴットはそんなに生産できてねーですね?」
「そうですよ。だって、今までこのプラントが生産していたのは主に食料品ばかりでしたから……」
「なら、まだ時間はかかるということです?」
 そういうことです、とプラントの技士たちは言う。
 ならば、とファルコは他の猟兵がエネルギー充填を行っている『セラフィム・シックス』のもとに赴く。
「こうなったら手は一つ。ボクのエネルギーをこのジジイに分けてやるです!」
 ファルコは、ふんす、とまた胸を張る。

「え、なに、一体どういう……」
 現場を指揮していた『ノイン』が突然現れたファルコに困惑している。
「ボクのフルパワー時の力を生み出すエネルギーはちょっとしたモンですよ! まぁ、ボクがいっぱい食べてエネルギー充填しなきゃですけど」
「つまり、あなたのエネルギーを、くれる、と?」
「そうです! どっちかってーと、ボクが親鳥みたいなもんですね!」
 それに、とファルコは青い装甲の『巨神』、『セラフィム・シックス』を見上げる。
 この機体もきっと生まれは似たようなものなのだろうと彼女は思ったのだ。
 ならば、とファルコは己の体躯にケーブルを繋ぎ、『セラフィム・シックス』と連結する。
 ロスは少なければ少ないほうが良い。

「さあ、行くですよ。ふ・る・ぱ・わぁぁぁぁ!」
 おりゃー! とファルコは己が体躯から溢れるエネルギーを注ぎ込んでいく。
 だが、炉はまだ動かない。
 充填されるエネルギーでもまだ足りないというように反応を示さないのだ。
「なんて規格外な……! なんていうか人間で言う所……えっと、なんですかね?」
「介護?」
「そう、多分、そんな感じですね!」
 ファルコは己がフルパワーでもまだ足りぬという『巨神』を見上げ、手のかかるジジイですね、と笑うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『機動殲龍『底這』』

POW   :    グラビティカノン
【LV×100km/hに加速し潜航。口部】【重力砲で攻撃。外れても一定時間残留する。】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    パラライズケージ
【LV×100km/hに加速し潜航。腹部】【敵にのみ効く複数個の時限式EMP機雷】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    エアリアルバスター
【LV×100km/hに加速し潜航。空気を】【圧縮し放つ多数の副砲で攻撃する。】【味方機とデータリンクし敵の行動を学ぶ事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:エンドウフジブチ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※MSより
 申し訳ありません。
 操作を誤って第一章を期日より速くクリアさせてしまいました。
 引き続き、第二章を開始しております。
 状況としては断章に続く通りです。第二章でも『巨神』、『セラフィム・シックス』との交流を試みることができます。
――――――

 猟兵たちは知るだろう。
 小国家『ビバ・テルメ』の湾内に迫る多くの艦艇を。
 それは、小国家『プラナスリー』の艦隊であり、今も尚エネルギー充填作業が進められている『巨神』、『セラフィム・シックス』を狙ったものであると。
「まだ『巨神』は目覚めていませんか。ならば、これは好機」
 指揮する『ノイン』は笑む。
 そして、彼女はオブリビオンマシンである機動殲龍『底這』を差し向ける。
 海に浮かぶ氷山。
 そこに目的の『セラフィム・シックス』が未だ動けずにいる、というのならば、これを破壊するのは今しかない。

 故に彼女は無人の機動殲龍『底這』を海中に走らせ、未だ迎撃準備の整わぬ『巨神』及び、猟兵戦力を撃滅せんとするのだった――。
ウィル・グラマン
●POW

げぇっ敵襲!?
おいおいおいおい
まだセラフィム・シックスが再起動するどころか、意識すら戻ってねぇじゃんかよ!
あーもう、こうなりゃ守るっきゃ
ねぇ!
ベア、|緊急出撃《スクランブル》だ!!

落ち着つけ…落ち着け…オレ…
ベアキャットブースターで水中戦に対応しているベアだけど、相手がベアの攻撃パターンを学習して対策されたら嬲り殺しされちまう
だけど、ここでモーターの回転を止めちまえばセラフィム・シックスの再起動は望めねぇ

だったら…おい、セラフィム・シックス!
意識が戻ってるかどうか分からねぇけど、伝説の巨神ならえーと…自動防衛装備ぐらいあんだろ!?
『眠れる力を呼び起こせ!』
セラフィム・シックス!!



 波間を往くはオブリビオンマシン機動殲龍『底這』。
 その体躯はまさしく巨大なる鮫のようであった。
 口腔部に備わった重力砲が放たれ、その威力は氷山を揺らす。
「げぇっ、敵襲!?」
 ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は、逼迫した事態に声を上げる。
 敵の襲撃が予想以上に早い。
 未だ敵の目的である『巨神』はエネルギーの充填がままならぬ状況である。
 この状況下でウィルは敵が迫ることの意味を理解しただろう。
「おいおいおいおい」
「速い……この私の予測よりもずっと!」
 現場を指揮していた『ノイン』の言葉にウィルもまた同意するところであった。

 未だ『セラフィム・シックス』は沈黙したまま。
 戦うどころではない。
 ならば、とウィルは漆黒のスーパーロボット『ベアキャット』と共に立ち上がる。
「こうなったら守るっきゃねぇ! ベア、|緊急出撃《スクランブル》だ!!」
 ウィルは駆け出す。
 共に漆黒のスーパーロボット『ベアキャット』もまた重たい音を立てて走り出す。
「頼めますか!」
「やるっきゃないって言ったろ! なら、やるしかないんだよ!」
 ウィルは己の心を落ち着かせる。
 敵は海中を往くオブリビオンマシン。
 はっきりいって戦場の地の利というのは、あちらにある。ならばこそ、ウィルは己の心を落ち着かせようとする。

 飛翔してきた『ベアキャットブースター』が『ベアキャット』の背面にドッキングし、巨体を界面すれすれで飛ばす。
 たしかに水中戦ができないわけではない。
 けれど、敵オブリビオンマシンは此方の行動を学習し、対策を講じてくる恐るべき敵なのだ。
 単調な動きをしていては、すぐに動きを読まれて囲われてしまう。
 そうなれば、なぶり殺しも良いところだ。
「クソッ……落ち着け……落ち着け……オレ……!」
 ウィルはもう一度息を吸い込む。
 敵を撃退するだけではダメだ。このまま敵の砲撃を氷山に許せば、モーターの回転は止まる。そうなれば、電力を安定して供給できなくなってしまう。
「やっぱり八方塞がりじゃないか!」
 しかし、ウィルは考えている時間さえ与えられなかった。

『ベアキャット』と『底這』が海中で組み合っている。
 今は良いが、時間が経てば経つほどに此方が不利になってしまう。
「再起動はまだかよ……おい、『セラフィム・シックス』! 伝説の『巨神』だっていうんなら! あるだろ! できるだろ! 眠れる力を呼び起こせ! 男の子だろうが!!」
 ウィルの言葉にわずかに灯る熾火。
 それは『セラフィム・シックス』の胸部砲口より放たれる炎であった。
 迫る重力砲の一撃があわや直撃する、という直面にいたって放たれた熾火が、その一撃を防いだのだ。
「自動防塀装備……やっぱりあるんじゃねぇか! いいぞ、って……いまのでまたエネルギーゲインが減少!? とんだ大飯喰らいじゃねーか!」
 ウィルはモニタリングしている『セラフィム・シックス』の給電状況を見やり、頭を抱える。
 まだ足りない。
 そう、持てる札は多くない。
 けれど、ウィルはこの絶体絶命の状況にあってなお、その瞳をユーベルコードに輝かせる。

 やれるやれないじゃない。
 やるしかないのだ。
 故にウィルは『ベアキャット』と共に走り出す。
「いくぞ、ベア! 敵が学習するより速く、倒せ!」
『ガォン!!』
 その力強い咆哮が轟き、ウィルはオブリビオンマシンの猛攻を前に持ちこたえるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリィ・ローゼ
キャバリアを借りて搭乗
こんなに大きな機械でも、心を交わせるなんて素敵なのだわ
昔からのお寝坊さんも、起きてくれるといいのだけど

……といっても、ここは敵に有利なのよね
回避で時間を稼ぎながら、UCも使って『セラフィム・シックス』に呼びかけるのだわ

聞こえているのよね? みんな、あなたが目覚めるのを待ってるわ
戦うために目覚めるのは嫌かもしれないけど、この世界はそれだけじゃない
あなたを友だちだと思ってる人たちが、たくさんエネルギーをくれたでしょ?
さ、起きて
今度はあなたが、お友だちになれるみんなを助けてあげなきゃ



「キャバリアを借りても?」
 小さな体躯が戦場となった小国家『ビバ・テルメ』の領海、その湾内に浮かぶ氷山に翻る。
 リリィ・ローゼ(フェアリーのシンフォニア・f04235)は逼迫した事態に陥った氷山の混乱の最中にそう問いかける。
 だが、この状況では誰も彼女の問いかけに応えることはできなかったかもしれない。
 けれど、一人だけこの状況にあっても現場を把握している者がいた。
「構いません。今は一人でも多くの戦力が必要です!」
 嘗て小国家『第三帝国シーヴァスリー』の首席『ノイン』は数奇な運命によって、今この場にいる。
 彼女は事態を正しく認識している。
 リリィの言葉に対して応じるのに少しのためらいも持っていなかった。
「ありがとう!」
 
 リリィは量産型のキャバリアを借り受けて、そのコクピットにおさまる。
 フェアリーである彼女からすれば、山のような体躯を持つ鋼鉄の巨人である。
 けれど、操縦することは猟兵である彼女には難しくないことだった。
「敵が来ます! 迎撃をお頼みしても?」
「ええ、任せて」
 リリィは未だ動かぬ『巨神』、『セラフィム・シックス』を見やる。
 自分の借り受けた量産型キャバリアと同じくらいの大きさだ。
 青い装甲を持つ機体。
 未だ目覚めぬ機体。
 でも、とリリィは思う。
 こんなにも大きな機械でも、心を通わせることができるの素敵なことだと。
「お寝坊さんが起きてくれるといいのだけれど」
「その時間を稼いでいただきたい」
「任せておいて」
 と、リリィは安請け合いしてしまったと思ったかも知れない。

 氷山に迫るオブリビオンマシンは機動殲龍『底這』と呼ばれる海中に特化した機体だ。
 その鮫のような獰猛さを示すように『底這』は海中を加速し、空気を圧縮した副砲でもってリリィの駆る量産型キャバリアへと迫るのだ。
「うっ……、やっぱり此処は敵に有利なのよね」
 時間を稼ぐしかない。
 敵を打ち倒すだけの力はリリィにはまだない。
 だからこそ、時間を稼ぐ。
 この事態に猟兵たちも駆けつけてくれるはずだ。ならば、自分はその間を繋がなければならない。
 鎹として、楔を戦場に打ち込まねばならないのだ。

 必死に交わす。
 空気を圧縮した砲撃はリリィを翻弄する。
 見えぬ圧縮された一撃は量産型キャバリアの装甲を削り落とすようだった。
 機体が揺れる。
「聞こえているのよね? みんな、あなたが目覚めるのを待ってるわ」
 ユーベルコードにリリィの瞳がユーベルコードに輝く。
 シンフォニック・キュア。
 リリィの歌声のような声が響く。
「戦うために目覚めるのは嫌かもしれないけれど、この世界はそれだけじゃない」
 争いばかりの世界。
 争乱耐えぬ世界にありて、しかし、人の営みはそれだけはないとリリィは思うのだ。
「あなたを友達だと思ってる人達が、たくさんエネルギーをくれたでしょ?」
 リリィは願う。

『巨神』が悪しき存在ではないというのならば、その存在が何のために生まれたのかを。
「さ、起きて」
 願う。
 願いは祈りに変わる。
 多くの人々が平和を望んでいる。それがたとえ、争いの後にしか訪れず、争いを生み出す先触れでしかないのだと知っても。
 それでも、人は繰り返していく。
 ならば、とリリィは思うのだ。
「今度はあなたが、お友達になれるみんなを助けてあげなきゃ」
 迫る砲撃は苛烈さを増していく。
 目覚めの時はいつのなのかわからない。それでもリリィは、青い鋼鉄の巨人が目覚めると信じて、砲火の中を注意を引き付けるようにして海上を疾駆するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラスク・パークス
POW アドリブ歓迎

ドーモ、セラフィム・シックス=サン。お久しぶり。
『・ω・)ノ スシ食うね? たーんとお食べ!』
まだエネルギー充填中。了解。手伝う。
私は、インゴットの運搬供給作業に、参加。
……? 敵機の接近? 安心して欲しい。
『巨神』は、他にも来てる。

(ザナドゥの死神が纏う漆黒の闇。ラスクの影から出撃するのは、自律行動可能な光り輝く巨神。氷山を眩く照らしている)
ソティラス。底這の迎撃、委任。
高速加速潜航する敵も、攻撃の瞬間は姿を見せる。
口部のグラビティカノンを射出しようとする、その隙を狙って。
五対十枚の羽・クリスタルウイングビットでなら、どこから来ても対処可能。

セラフィム・シックス。久方ぶり、調子はどう?
『・ω・)b 音声出力がイマイチなら、チャット形式でも対話可能なラスクちゃんですよ』
沈んでいた間、どんな思索を巡らせてたのか。あるいは、眠っていたのか。談話しつつ。
再浮上した、今。何を求め、何を望むのか。聞いてみたい。
協力・加勢が必要なら。手を貸す。
安心して欲しい。君は、一人じゃない。



 未だ起動しない『巨神』、『セラフィム・シックス』の破壊を目論む小国家『プラナスリー』の艦隊より出撃したオブリビオンマシン機動殲龍『底這』は氷山に迫っていた。
 応戦する猟兵達の姿もあるが、やはりエネルギーの充填が間に合っていないことが逼迫した事態を知らせるものであった。
「まだですか!」
 嘗ての小国家『第三帝国シーヴァスリー』の首席であった『ノイン』の言葉にキャバリア技士たちは頭を振る。
「そんなすぐにできるものじゃないって知っているでしょうに!」
「急かしたって終わりませんよ! わかるでしょ!」
「ですが……!」
 急がせたくなる気持ちはわかる。
 迫る脅威は、この『巨神』を狙っているのだ。
 ならばこそ、この場にいる彼らもまた危険に晒される。本当ならば退避させたい。けれど、彼らがそれを良しとしないのだ。

「技士なんですから、しっかり仕事をしなければ!」
「もう、どうして!」
 融通が効かない! と彼女は憤った。
 そんな中、ラスク・パークス(最後の死神・f36616)は氷山に降り立つ。
「・ω・)b 音声出力がイマイチなら、チャット形式でも対話可能なラスクちゃんですよ」
 バイザーの電光掲示板に流れる文字列。
 その奇異なる姿に『ノイン』を含め、キャバリア技士たちは目を見開く。
「ドーモ、セラフィム・シックス=サン。お久しぶり」
 電子音声が聞こえる。
 そして、電光掲示板めいたバイザーには文字列が流れていく。
「・ω・)ノ スシ食うね? たーんとお食べ!」
「どういうこと!?」
「何がなんだか……え、エネルギーインゴットのことをスシって言ってる!?」
「今気になる所そこ?」
 ラスクは思った。
 この危機的な状況にあって彼らも結構悠長だな、と。

「私はエネルギーインゴットの運搬を行ってる」
「だ、ダメです。此処は危険です。敵が来てるんですから!」
「……? 敵機の接近? 安心してほしい」
「なんで!?」
「『巨神』は他にも来てる」
 その言葉と共に現れるは『巨神』にカテゴライズされるキャバリア『ソティラス』であった。
 白銀に光り輝く『巨神』がラスクの影より這い出し、その機体の輝きを放っているのだ。
 氷山を照らす輝きは目もくらむ程であった。
「『ソティラス』、敵性オブリビオンマシンの迎撃、委任」
 その言葉に呼応するようにして『ソティラス』が氷山より海上へと飛び出す。
 迫るオブリビオンマシン『底這』は海中での機動力が高い。適正たる戦場において、『底這』ほど脅威なるオブリビオンマシンも存在しないだろう。

 高速で海中を駆ける姿は、まるで獰猛な鮫のようであり、また僚機と連携するようにして一気に氷山を取り囲み、口部より放たれる重力砲でもって氷山事『巨神』である『セラフィム・シックス』を破壊しようとしているのだ。
 だが、その一撃を加えようとした『底這』へと『ソティラス』はためらうことなく飛び込む。
 如何に海中を高速で移動する機体とは言え、口部の重力砲で砲撃するのならば海面から姿を現すだろう。
 それが隙なのである。
「『ソティラス』を舐めないほうが良い」
 ラスクは自律行動する『ソティラス』が五対十枚の羽……クリスタルウィングビットによる一斉発射たるフルバースト・マキシマムによって氷山に砲撃を行おうとしていた『底這』を尽く打ち抜き、爆散させるのだ。

 その光景は凄まじいものであったことだろう。
 だが、ラスクはその光景に背を向け、未だエネルギー充填の終わらぬ『セラフィム・シックス』を見上げる。
「『セラフィム・シックス』、久方ぶり。調子はどう?」
 答えは返って来ない。
 起動すらままらならい状況なのだろう。
 色々聞きたかったのだけれど、とラスクは思う。
 たしかに『巨神』には意志があるのだろう。けれど、この機体はどちらかと言うと、意思疎通というよりは情報を膨大に抱え込んでいるようにも思えた。
 その全てが戦いの記憶である、というのならばそうなのかもしれない。

「再浮上した、というのならば……求めているのは乗り手。理由は戦うため」
 なら、とラスクは語りかける。
 協力と加勢が必要なのならば己が手を貸す、と。
 そして、知るといいのだ。
 此処には己だけではない。
『セラフィム・シックス』だけが戦わなければならないわけではないのだ。
 ひとりじゃないということは、それだけで心を落ち着かせるものである。
「君は、一人じゃない」
 ラスクはそう告げ、迫りくる『プラナスリー』の艦隊と敵影に振り返る。
 言い難き悪性が迫る。
 それは、己が悪性と自覚しているからこそ、善性を破壊せんとする者。
 争いは避け得ぬものであると教えるように、その気配だけがラスクの肌をひりつかせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリィ・ローゼ
「きゃあっ!?」
借りて搭乗していたキャバリアに損傷を受け、大きく揺さぶられる
「やっぱり、安請け合いしちゃったかしら……いいえ、いいえ! ここで諦めてなんて、やるもんですか!」
キャバリアの武器からUCでライオンを召喚し、互いに助け合うコンビネーションで敵を引きつける

ライオンの雄叫びに乗せて、さらに願いを強くする
(私たちのお友だち、どうかこの声を聞いて……私たちもあなたを助けるわ、だから力を貸してほしいの。お願い、目を覚まして!『セラフィム・シックス』!!)



 オブリビオンマシン機動殲龍『底這』の猛攻は続く。
 かのオブリビオンマシンの強みは他の機体との連携にある。
 得たデータは蓄積され、適切な戦術となって猟兵達を追い詰めようとする。地の利もある。当然、氷山に座して動かない『巨神』、『セラフィム・シックス』と周囲にいた『ビバ・テルメ』の技師たちのこともあった。
 有り体に言えば、劣勢。
 数だけではない。
 無人機であれど、いや、無人機であるからこそ『底這』は海中という地の利と交戦データを経て、猟兵を追い詰めるようにして囲い込むのだ。

「きゃあっ!?」
 リリィ・ローゼ(フェアリーのシンフォニア・f04235)は己が借り受けたキャバリアが『底這』の攻撃を受けて傾ぐ衝撃に悲鳴を上げる。
 多勢に無勢。
 猟兵達が次々と駆けつけてくれて入るが『プラナスリー』の艦隊から放たれる『底這』の戦力はあまりにも多い。
 撃破しても撃破しても、次から次に海中から襲いかかってkルウのだ。
「やっぱり、安請け合いしちゃったかしら……」
 リリィはわずかに後悔する。
 できるなんて言わなければよかったかもしれない。
 弱気が顔を出す。
 けれど、彼女は頭を振った。

「……いいえ、いいえ!」
 彼女の瞳にユーベルコードが輝く。
 オブリビオンマシンは己が今思い浮かべた感情にこそ笑むだろう。
 絶望が人の歩みを止めるのではない。
 いつだって諦めが人の歩みを止める。
 リリィはそれを知るからこそ、その瞳をユーベルコードに輝かせ、否定する。
 弱気を否定し、彼女の力を迸らせる。
「ここで諦めてなんて、やるもんですか!」
 破壊されたアンダーフレーム、その脚部の代わりになるように、黄金のライオンが現れ借り受けたキャバリアの足代わりになるようにして機体を担ぎながら海上を疾駆する。

 そう、リリィは助け合う力の強さを知っている。
 1+1は単純に2になるだけではない。
 こうやって、機体と共にあることで更に力を増すことができるのだ。助け合うというのはこういうことだ。
「ガォォォォ!!!」
 黄金のライオンがリリィに応えるように咆哮する。
 疾駆するライオンの背に乗るキャバリアと共にリリィは頷く。
 己が願い。
「(私達のお友達……どうかこの声を聞いて……私たちもあなたを助けるわ)」
 それは祈りに昇華する。
 彼女が祈ったのは神にではない。
『巨神』、『セラフィム・シックス』に祈った。
「(だから力を貸してほしいの。お願い、目を覚まして!)」

 人の祈りが距離すら越えるというのならば、それはきっと超常なる力であったことだろう。
 空想の中の力。
 ありえない力。
 けれど、祈りは時に時空すら歪めるのならば、リリィの願いはきっと響く。
 りりィは見ただろう。
 氷山に座す『セラフィム・シックス』に宿る青き熾火の煌めきを――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
まったく、寝坊さんの巨神さんにも困ったものね
もう少し時間を稼がないと無理かしら

緑を基調とした「キャバリア天蛇王」に乗り込み、キャバリア装備の蛇矛を構える
攻撃方法は蛇矛を鋭く振るい、斬撃を高圧の水【属性攻撃】【衝撃波】で【乱れ撃ち】
底這達の氷山への行動を抑止し、派手な攻撃でこちらにひきつけるのが目的だ
強烈だがやや単調な乱れ撃ちはすぐに学習されるだろうが、それが狙いだ
斬撃をかいくぐり、こちらの周囲にEMP機雷を撒きに来た所が勝機

「学習は大事だけど、予習はどうかしら?」
真の姿の【封印の解く】と温存した九頭の大水蛇で機雷ごと周囲を殲滅しに行く

流石にしんどいわね。早く起きてくれると良いんだけど



「まったく、お寝坊さんの『巨神』さんにも困ったものね」
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)は氷山に座す『巨神』、『セラフィム・シックス』を見やる。
 青き装甲を持つ機体。
 胸部砲口は赤熱しているが、未だ炉が起動していない。
 前回の事件の折に連発した熱線兵器『プロメテウス・バーン』によりエネルギーが空になっているのだ。
 今も尚、エネルギー充填作業が進められているが、起動に至る程のエネルギーを得られていないのだ。
「もう少し時間を稼がないと無理かしら」
「まだ二割なのです。頼めますか!」
 嘗ては小国家『第三帝国シーヴァスリー』の首席であった『ノイン』の言葉に紅葉は頷く。

「なら、任されたわ。この『天蛇王(テンジャオウ)』が!」
 紅葉の瞳がユーベルコードに輝く。
 緑の装甲を持つキャバリア、『天蛇王』が氷山に降り立つ。
 その威容、その重圧。
 紅葉が乗り込み、構えるは蛇矛。
 振るう斬撃は業の冴えわたるを知らしめるには十分すぎた。
「我が武威へと並び立つ、九頭の蛇神の神威をここに示しなさい……天蛇王!!」
 裂帛の気合と共に紅葉は氷山より飛び出し、一気に海上を疾駆する。
 迫るはオブリビオンマシン機動殲龍『底這』である。
 戦闘を続ける以上、敵は学習によって戦術を組み上げていく。恐るべき敵であるし、また『プラナスリー』の艦隊から出撃した数ははっきり言って数の暴力であった。

 鮫の如き姿を持つオブリビオンマシンは猟兵たちを囲い込むようにして分断してきていた。
「こっちを分断しようってわけ。けど、好都合よ。氷山から意識が離れるのなら、望むところよ!」
 紅葉は『天蛇王』のコクピットで笑う。
 構える蛇矛の一閃が『底這』を捉え、切り裂く。
「膾切り、三枚おろし、自由自在ってね!」
 紅葉の動きをトレースするかのような乱舞によって敵は両断されていく。
 だが、彼らは無人機。
 そこに己の生命を失うかも知れないという恐怖はない。ただただ猟兵を追い詰めるためだけの捨て石になるかのように消耗戦を仕掛けてくるのだ。

「なるほど。学習しているというわけね。たしかにね。学習は大事だけど、予習はどうかしら?」
 迫る機雷。
 敷設して、己の行動を制限しようというのだろう。
 けれど、紅葉は構わなかった。
 温存した力を開放する。
 敵に地の利あり。
 されど紅葉が操る『天蛇王』もまた、この水のある場所……海上にあって力を発揮するキャバリアである。
「受けなさい、大水蛇乱舞!」
 かき集めるようにして機雷が『天蛇王』の力によって渦を巻き、『底這』たちをも引き寄せる。
 その渦の一撃が機雷ごと彼らを破壊したのだ。

「ハァッ……! ハァ……! 流石にしんどいわね」
 紅葉は肩で息をする。
 大分力を使った、というところであろう。敵を殲滅するまでこの攻勢は続くのだろう。
 此方にとって時間は有限ではない。
「早く起きてくれると良いんだけど――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

栢山・源治
…こいつが…あのセラフィムシリーズの巨神か

この世界出身なら…憂国学徒兵もセラフィムも知らん奴はいねーわな

それにまぁ…憧れるぜ

事前
セラフィムシックスについての過去の情報も確認

エネルギーインゴットを大量に用意
最悪紅月のも今回は譲渡

記録じゃこいつは本来補給なしでもとんでもない時間戦い続けられるらしいな

効率は悪いかもしれないが火種がなけりゃ燃えないもんだ

と言うわけで用意して提供

お伽噺とさえ思われてたわけだが…

こうして現物を見るとまぁ…感動的だな

それに…目覚めかけてる。ならば…起きて貰おうか

俺じゃちと不満だろうが…それでもやれることはあらぁな。

可能ならコックピットに乗り込みアクセス
【戦闘知識・瞬間思考】で情報の交流
莫大な情報のなかからこのセラフィムシックスに関する情報…乗りこなす為の条件を解析

己に出来ることなら…全力で応える!

青いセラフィムさんよ?敵はもう来てるぜ?

起動に成功したら突撃だ!
UC発動!
プラズマブレイドで切り刻み味方を巻き込まないように胸部砲口も使用!
クリスタルビットがあるならフル稼働



 氷山に座す青きキャバリア……『巨神』、『セラフィム・シックス』。
 その機体を見上げ、栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)は一つ頷いた。
「……こいつが……あのセラフィムシリーズの『巨神』か」
「急げ、まだエネルギーインゴットの補充は!」
 源治の横をキャバリア技士たちが忙しなく駆けていく。
 海底から浮上した氷山の周囲は、今や小国家『プラナスリー』の艦隊から出撃したオブリビオンマシン、機動殲龍『底這』によって包囲されている。
 波状攻撃のように氷山に迫っているのを猟兵たちが食い止めている現場である。

「一体どうして炉の出力が上がらないんだ。エネルギーインゴットがいくらあっても足りないじゃあないか!」
 彼らの言葉を聞き、源治は憧れにも似た感情を抱く。
『セラフィム』――嘗ては『熾盛』とも呼ばれた伝説の機体。
 小国家『グリプ5』を起こした『フュンフ・エイル』の乗騎。
 そして、『グリプ5』の興りとなった『憂国学徒兵』最初の9人たちが使用したのが、そのデッドコピー『熾煌』である。
「……憧れるぜ。おい、あんた。よかったら、このエネルギーインゴットを使ってくれ」
 源治の言葉にキャバリア技士は目を剥く。

 彼が用意した大量のエネルギーインゴットは、『ビバ・テルメ』で用意したもの以上の量があったからだ。
「い、一体これだけのエネルギーインゴットをどこから……!?」
「細かいことは言いっこなしにしようや。なあ、少し教えて欲しいんだが、こいつは本来補給無しでとんでもない時間戦い続けられるらしいな?」
「それは、機体の出力のことを言っているのか? そりゃ、炉が動き出せば……理論上は可能だろうさ。けれど、考えてみてほしい。君、飲まず食わずでキャバリアに乗り続けることができるかい?」
 キャバリア技士の言葉に源治は頷く。
 理屈では補給無しで戦い続けることができる。
 けれど、パイロットが必要なのだ。
 そのパイロットが補給なしで永遠に戦い続けることができるか、と問われれば答えはノーであろう。

「そりゃそうだな。だが、メンテナンスフリーっていうのはどういうことだい」
「機体が新陳代謝を起こすように入れ替わっているんだよ。金属細胞とでも言うのかな。フレーム、外装、そうしたものが入れ替わってる……まあ、有り体に言えば」
「人間みたいに再生するって言いたいのか?」
「そうだよ。だから、敵さんも狙ってるんだろう!」
 迫るオブリビオンマシン機動殲龍『底這』の砲撃が迫る。
「なるほどな。で、まだこいつはオネンネなのか?」
「起動すらしない。炉にこれだけエネルギーインゴットや電流供給したって……」
 見ろ、と技士が示すはコクピットの中の計器。

 未だ二割をわずかに超えて三割に到達しようかしないか、という具合である。
「ちょっとばかしいじらせてもらうぜ。俺じゃちと不満だろうが……」
 源治はコクピットから機体にアクセスする。
 機体のコア。
 集約された膨大な戦闘データ『ファフニール』にアクセスし、瞬間思考で情報を読み取ろうとする。
 だが、膨大な戦闘データが頭に流れ込んでくる。
 星の海の戦い。
 氷雪の吹雪く中での戦い。
 地獄の如き炎の中迫る悪魔との戦い。
 どれもが現実離れしたような戦いの連続。
 あまりにも膨大な情報量に源治は頭が焼き切られるような痛みを覚え、己が現実に引き戻されるのを理解しただろう。

「……ンだよ、こりゃあ……本当に千年単位で戦ってきたっていうのかよ」
 だが、源治は理解する。
 この機体には意志のようなものがある。
 それは表層にでていないだけなのだ。
 そして、この機体が求める乗り手の条件。
「知を求め、力と成し、それを理性でもって手繰る者……知ることをやめない者ってことか。そして、それに振り回されない者。なるほどな」
 源治は未だ動かぬ『セラフィム・シックス』から飛び降りる。
 あの膨大な戦闘データを受けても脳焼けぬ者が条件なのかもしれない。
 どちらにせよ、今動かぬというのならば源治は頭を振る。

「青い『セラフィム』さんよ? 敵はもう来てるぜ?」
 いつまで寝てるつもりだい、と源治は呟き、己また戦うために踏み出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

杓原・潤
もー、ピヨちゃん(f42991)ってば人使いが荒いんだからぁ。
自分はご飯食べてサボっちゃって……あはは、冗談冗談。
任せといて、時間稼ぎどころか全滅させちゃうもんね!
じゃあねピヨちゃん、おじーちゃん!
あ、時間無いから残り食べといて、このクレープ!

さーて、行くよテルビューチェ。
あんなサメより強いってトコを見せてやれ!
敵も水中戦用っぽいし、今回は水に入らずエレメンタル・ファンタジアで勝負だ!
この環境に合わせて氷の渦潮でどう?
水中にいたら安定しないから射撃も難しいし、氷がどかどかぶつかって大変な事になっちゃうよぉ?
まぁ水から出て来てもやっつけちゃうけどね。
テルビューチェは空中浮遊してても強いんだから!


ファルコ・アロー
敵が来やがったんですか!?
まだこのジジイも目覚めてねーですのに……!
あ、良い所に来たですね!
ちょっと手伝えですよ杓原ァ!(f28476)
だからサボってるんじゃねーですって!
こっちはクソマズい油飲んでまでエネルギー作ってジジイに流してるんですよ!?
てめーに出来るならやって見ろってんです……って今はそれどころじゃねーんですよ、敵が攻めて来やがってんですから!
相手がサメならてめーの専門だろです!

うん、任せたです!
ボクも頑張ってエネルギー充填してるですから……もがっ!?
人に食べかけのクレープ押し込むんじゃねーですよ!
口直しになるくらい美味しかったですけど!
やいジジイ!
てめーも早いとこ起きやがれです!



 ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は己の体と直結した『巨神』、『セラフィム・シックス』を狙って迫りくる小国家『プラナスリー』の艦隊より放たれたオブリビオンマシン機動殲龍『底這』の襲来に目を見開く。
「敵がもう来やがったんですか!?」
「早すぎる……! この動き、まるで此方の情報が筒抜けみたいに!」
『ノイン』がうめいている。
 このタイミングで敵が動くとは彼女も想定していなかったのだろう。
 現に未だ『セラフィム・シックス』は起動すらしていないのだ。
「まだこのジジイも目覚めてねーですのに……!」
 ファルコは己が体を繋ぐケーブルを引き抜く。

「ボクも出撃ます!」
「もー、ピヨちゃんてば人使いが荒いんだからぁ。電話一本で呼び出されるこっちの身にもなってよね!」
 ファルコが飛び出そうとする前に現れたのは、杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)であった。
 彼女の姿を認め、ファルコは頷く。
 良いタイミングだ、と。
「ちょっと手伝えですよ杓原ァ!」
「いいけど、ピヨちゃんはお食事? ご飯食べてばっかでサボっちゃって……」
「違、サボってるわけじゃねーですって! これは、このポンコツジジイに供給するためのエネルギーを生み出すために仕方なくですね!」
「あはは、冗談冗談」
「冗談!? こっちはクソマズイ油飲んでまでエネルギー作ってるっていうのに!?」
「あの、迎撃、頼めますか1?」
『ノイン』の言葉に潤はにっこりと笑む。

「まっかせておいて! 潤と『テルビューチェ』にお任せ! じゃあね、ピヨちゃん、おじーちゃん! あ、時間ないから残り食べておいて、このクレープ」
「ってもがぁ!? 今はこういうのじゃないんですってば! こんなことやってる場合じゃないって……!」
 敵が来てるのだ、とファルコは潤に訴える。
 そんな彼女の様子に潤はまた笑う。
「人に食べかけのクレープ押し込むんじゃねーですよ!」
 いやまあ、口直しになるくらいには美味しかったけれど、とファルコは付け加える。
「でしょー今度一緒に行こうね! さあ、行くよ『テルビューチェ』! あんなサメより強いってトコを見せてやれ!」
 潤はサメを模した機体同士であることを意識してか『テルビューチェ』と共に気合十分に海上へと飛び込む。

 迫るは『底這』。
 これまで猟兵たちを分断するように、または捨て身でこれを撃破しようとしていた。
 それは無人機であるがゆえの吶喊めいた戦い方であった。
 己たちが破壊されても、その経験はすぐに他の『底這』たちに共有される。そうすれば、戦術が組み上がっていき、また練磨されて、いつしか猟兵たちをも凌駕する者へと変貌していくのだ。
 故に、その見境のない突撃を前に『テルビューチェ』は追い込まれる……はずだった。
「海中なら、って思っているのかもしれないけれど、甘いよね!『テルビューチェ』!」
 その言葉と共にアイセンサーが煌めく。
 潤のユーベルコードを増幅させるようにして駆体のジェネレーターが唸りを上げる。
 煌めくは、エレメンタル・ファンタジア。
 氷と渦潮を組み合わせたユーベルコードが炸裂する。

 それは迫る『底這』たちを巻き込みながら、まるでダメージジーンズに加工するために意志の礫と共に放り込むようなものだった。
 生み出された氷の礫が『底這』たちを取り囲み、下手に動けば渦潮に巻き込まれてしまう。動かずとも礫が機体を打ち据えていくのだ。
「おっと、海から出てもね!」
 たまらず飛び出してきた『底這』を『テルビューチェ』が魔獣の牙で作られた近接武器でもって叩き切るのだ。
 爆散するオブリビオンマシンを背に潤は氷山に向かってVサインを作るのだ。
 それを見たファルコはまったく、と瞳を伏せる。

 けれど、助かったというのも事実だ。
 潤のおかげで敵の猛攻は氷山まで迫っていない。
「後は……やい、ジジイ! てめーも早いとこ起きやがれです!」
 ファルコは青い装甲を蹴っ飛ばす。
 寝ぼけている場合じゃあないと――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
くく、我の出番だな…ってもう|戦闘《第二章》が始まっておるではないか!?あ、ちょ、待……ぬわーっ!!!
(流れ弾の爆発に巻き込まれてフッ飛び気絶し海に落ち沈む)
(浮いてこない)

(海中でUCが暴発。半透明で虚ろな目の堕天使の形をした「欲望具現術の化身」となり、巨神へ憑依。
相手の望むあらゆる能力、装備…姿形の変化すらも無制限に具現化します。
今の彼女に自我はなく、故に相手に望まれる限りどこまでも愚直に具現化させ続け、逆に望まない事は何もしません)

……夢幻より生ずる無限を以て
―――――貴方の望みを、叶えましょう

(相手が望むのを止めるか拒否の意思を持てば終了し、元に戻り、多分気絶状態で海面に浮いてます)



 戦いの惨禍は否応なしに多くのものを飲み込んでいく。
 いや、潮流のように巻き込んでいく、というのが正しいのかもしれない。
 少なくとも戦いの先にあるものを望むのならば、争いとは避けては通れぬものであった。同時に避け得ぬ事象でもあったことだろう。
「くく、我の出番だな……」
 ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)はクロムキャバリアへと転移し、早速猟兵として役目を果たそうと氷山へと舞い降りた。
 未だ氷山に座す『巨神』、『セラフィム・シックス』は沈黙を続けたままである。
 かのキャバリアは今はガス欠状態……前回の戦いにて熱線兵器を放ち続けたことにより、エネルギー残量がほぼない状態だったのだ。
 これを稼働させるために小国家『ビバ・テルメ』はなんとかしてエネルギーインゴットをかき集めてきたのだが、それでも足りない。

 未だ起動に至っていない機体を狙って小国家『プラナスリー』のオブリビオンマシン機動殲龍『底這』が迫ってきているのだ。
 放たれる砲撃。
 その一撃が氷山の一角を吹き飛ばす。
「ってもう戦闘が始まっておるではないか!? あ、ちょ、待っ……」
 ワルルーナの至近距離に叩き込まれる砲撃。
 その衝撃は不意打ちと言ってもいいほどのものであり、ワルルーナの体が盛大に太部。
「ぬわーっ!!!」
 いつもならば、彼女はこの程度の衝撃では気絶しないだろう。
 けれど、今回は違った。当たりどころが悪かったのだろう。
 ワルルーナは吹き飛ばされて海中に没する。

 いつもならば、と二度目であるが、彼女はすぐに浮上してくるはずだった。
 けれど、いつまで経っても浮いてこないのである。
 不安になるほどの時間が経って、不意に海中からユーベルコードの輝きが放たれる。
 それは、ワルルーナのユーベルコードの暴発。
 海水が一気に喪われ、渦を巻く中に『底這』たちは巻き込まれていく。
 その中心に存在していたのは、ワルルーナの堕天使の|姿《カタチ》であった。
「――さあ、あなたの|欲望《願い》を、教えてください」
 その言葉響く。
 ワルルーナは欲望具現術の化身へと変貌し、透明なまま『巨神』、『セラフィム・シックス』へと憑依する。

 それは意味のない行為であったはずだった。
 鋼鉄の巨人に本来意志はない。
 しかし、『巨神』には意志めいたものがある。それを割るルーナは堕天使の姿となって敏感に察知したのだろう。
「貴方の中の無限の夢幻(オール・イン・ワン)……夢幻より生ずる無限を以て――貴方の望みを、叶えましょう」
 ワルルーナの瞳がユーベルコードに輝く。
 それは相手の望むあらゆる能力、装備、姿形すらも無し得てしまう具現化術。
 際限なき欲望を叶えるための手段であり、同時にワルルーナ自身の原点とも言うべき衝動であった。

 しかし、ワルルーナの瞳が細められる。
「……既に『叶えられている』と。貴方が望むのは争いでもなく平和でもない、と」
 知るだろう。
『セラフィム・シックス』が求めるものはすでに叶えられている。
 この機体の中に込められた祈りと願いは、三十六に分かたれ、その存在事態が叶えられたものであると理解したのだ。
 ワルルーナは頷く。
「貴方という存在事態が願いの結実。祈りの結晶。ならば」
 それはワルルーナには叶えられないものである。
 もしも、願望めいたものがあれば、それこそが『セラフィム・シックス』の起動を叶えるものであったはずだ。

 けれど、ワルルーナは静かに笑む。
「それもまた良いでしょう」
 道行きにあるもの全てに願いがある。
 けれど、願いは祈りに昇華する。逆接もまた然り。
 故にワルルーナは……下の姿に戻り、そのまま海面に浮かぶように気絶するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
【心境】
「セラフィム・シックスは座して黙したまま…か。」
腹ペコちゃんが満足するまで、一肌脱ぎますか…。
…でも、あの子が本当に飢えてるのはエネルギーなのか、それとも…。

【行動】
海中からの奇襲ね。
悪いけど、ぶっちゃけワンパターンよね。
このレスヴァントMk-2は全環境対応型よ!!

機体の『環境耐性』はばっちり。
水圧と水流対策に『オーラ防御』に『水中機動』用のバーニアに換装済みよ

アマテラスで『索敵』し、ボクも『読心術』で敵の位置と機動の『情報収集』。敵機の機動を読み攻撃を『見切り』回避
女神の右手を発動。
敵のユーベルコードを無効化し、イニティウムによる『重量攻撃』で撃破するよ。
水中戦はやはり慣れないね…。



 氷山に座す『巨神』、『セラフィム・シックス』へのエネルギー充填作業は思わしくなかった。
 未だ三割。
 炉に火が灯ることなく、起動すらままらない状況である。
「何故、これだけのエネルギーインゴットがあっても起動しないのです!」
「炉がおおぐらいすぎるんですよ!」
『ノイン』の言葉にキャバリア技士たちが喚く。
 その様子をユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は認めながら、やはり、と思う。
「『セラフィム・シックス』は座して黙したまま……か」
 まだ動かない。
 ならば、ユーリーは『レスヴァンとMk-Ⅱ』を駆り、海上から海中へと飛び込む。

「腹ペコちゃんが満足するまで、人肌脱ぎますか……」
 迫るはオブリビオンマシン機動殲龍『底這』。
 まるでサメのような体躯を持つオブリビオンマシンは、この湾内という戦場の地の利を完全に得ていた。
 加えて圧倒的な数である。
 小国家『プラナスリー』は一体何処からこんなオブリビオンマシンを用意したというのだろうか。
 艦隊の数も尋常ではない。
 これだけの大戦力を仕向けるだけの理由が『巨神』にあるというのだろうか。
「海中からの奇襲ね」
 そんなユーリーの思考を断ち切るようにして『底這』が海中に飛び込んだユーリーへと口部の重力砲を向ける。

 放たれる一撃を『レスヴァントMk-Ⅱ』は躱す。
「悪いけど、ぶっちゃけワンパターンよね。この『レスヴァントMk-Ⅱ』は!」
 アイセンサーが煌めく。
 ユーリーの操縦テクニックに裏付けされた性能が発揮され、海中であっても地上で活動するのと変わりないほどに機体が走る。
「全環境対応型よ!!」
 海上にて索敵するアマテラスからの情報を得て、ユーリーは視界の悪い海中であっても敵の姿を捉え、一気にその瞳をユーベルコードに輝かせる。
『レスヴァントMk-Ⅱ』の右手と己の右手がリンクする。
「この右腕で……すべてを護って見せる!!」
 女神の右手(ゴットブレスイージス)が迸る。
 周囲を覆うは敵のユーベルコードを完全無効化する結界。
 放たれた重力砲の一撃を完璧に無効化しながら、ユーリーは『底這』に肉薄する。

「遅い!」
 振るうキャバリアソードの一撃が『底這』の躯体を両断する。
 無人機故に、遠慮はいらない。
 爆発が起こる海中からユーリーは飛び出し、海上にまで追いすがる敵をキャバリアソードの一閃で叩き伏せながら、遠くに見える艦隊へと視線を向ける。
 あちらもまだ動かない。
 しかし、直接叩くには敵の数が多すぎる。
「まだかな、あの腹ペコちゃんは!」
「すいません……まだです!」
「なら、まだ持ちこたえられる!」
 ユーリーはそう返しながら、訝しむ。
 あの『セラフィム・シックス』が求めているのは、本当にエネルギーなのか。
「それとも……」
 いいや、とユーリーは頭を振る。
 戦いに雑念はいらない、と。集中しなければ、と彼女は戦場となった海上をひた走るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリス・ホワイトラトリア
●艦隊組
戦闘がもう始まってる!?
あの日、あの人達は私とベヘモスコーストを助けてくれました
今度は私がビバ・テルメを助ける番です!
ベヒーモス様…どうか力をお貸しください

セラフィム・シックス様の前に出ます!
聖盾の守護を展開して盾になります
大丈夫です!ベヒーモス様の装甲はアダマンチウム製なので!

凄い速さで泳ぐ敵…見失わないようにしなきゃ
ソナーで敵の位置を探知して皆さんにお伝えしましょう
ジャミングメーカーも起動して敵のデータリンクを妨害して連携を崩します

敵を捕捉したら20連装中型魚雷を発射!
敵艦隊にはハイパーレールガン、三連装衝撃砲、メガビーム砲で砲撃します
これで怖がって引いてくれたらいいんですけど…


エレイン・アイディール
●艦隊組
寝込みを襲いに来たつもりが残念ね?
敗北の味と共にアイディール家の名を刻み込んであげるわ!

目には目を!艦隊には艦隊よ!
ローエングリンで出るわ!
ベヒーモスの横に付くわよ!

ちょこまかと良く動く魚ね
でもこの先は通行止めよ!
火砲弾雨で盛大におもてなしして差し上げるわ!
全MLRSは魚雷を発射!
数と位置はイリスがソナーで把握してるからご心配なく
確かに動きは速いけれど、延々と発射され続ける魚雷からいつまで逃げ切れるかしら?
攻撃は最大の防御とはよく言ったものよね
そもそも弾幕で近寄らせなければ撃たれないのよ!
艦隊にはメガビーム砲のプレゼントを用意してあるわ
ミサイルの類のお返しには対空機関砲のお返しよ


桐嶋・水之江
●艦隊組
艦隊でカチコミを掛けてくるとは、よっぽどこの巨神に何かあるのね
興味があるのは私も同じだけど
でも迷惑な観光客にはお引き取り願いましょうか

温泉街を荒らしに来たと思いきや、軍艦二隻と巨大キャバリアが湾内に陣取ってたら?
ビックリするんじゃない?
という訳でワダツミで行くわよ
ベヒーモスの横に付くわ

へぇ…機動殲龍の底這…
速いし連携取るしEMPの機雷を持ってるしで厄介な相手ね
ご令嬢は弾幕で追い払ってくれてるのね
じゃあ私は丁寧に一機ずつ処理していきましょうか
MLRSに機巧の魔女の祝福を施して魚雷を長射程・高威力・高誘導化するわ
これで弾幕の中で動けなくなってる、或いは外に逃れた相手を射程外から狙っていくわ



「戦闘がもう始まってる!?」
 白亜の装甲を持つ巨竜の如き巨大キャバリア『ベヒーモス』のシートの上でイリス・ホワイトラトリア(白き祈りの治癒神官・f42563)は小国家『ビバ・テルメ』の湾内にて巻き起こる戦火を目の当たりにした。
「あら~敵さんはこれまた豪勢な艦隊行動だこと。大規模艦隊でカチコミかけてくるとは、よっぽどこの『巨神』に何かあるのね」
 興味があるのは己も同様だけれど、と桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)はワダツミ級強襲揚陸艦『ワダツミ』の艦橋シートにて足を組む。
 その足先が示すは、小国家『プラナスリー』の大規模艦隊であった。
 大戦力と言って良い。
 あれだけの規模の艦隊であれば、艦載機であるキャバリアの数も掃討なものだろう。
 事実、氷山を囲むオブリビオンマシン機動殲龍『底這』の数は尋常ではない。

 一騎当千の猟兵たちを囲むことができるだけの戦力。
 これをたった一体の『巨神』に差し向けるとは、大事である。
「興味があるのは私も同じだけど。でも、迷惑な観光客にはお引き取り願いましょうか」
「寝込みを襲いにきたつもりが残念ね? 敗北の味と共にアイディール家の名を刻み込んであげるわ!」
 イリスの駆る『ベヒーモス』を中央にして、両翼を固めるは『ワダツミ』とエレイン・アイディール(凛とした傲岸・f42458)の座すローエングリン級大型戦艦『ローエングリン』であった。
 その巨大な嚆矢の如き艦隊は、対する小国家『プラナスリー』の艦隊にプレッシャーとして機能するだろう。
「あの日、あの人達は私とベヒモスコーストを助けてくれました」
 イリスは思い出す。
『神機の申し子』たち。
 彼らは他国であっても、戦火に巻き込まれる人々を捨て置けぬと行動した。してくれたのだ。
 ならばこそ、イリスは思う。
「今度は私が『ビバ・テルメ』を助ける番です!『ベヒーモス』様……同か力をお貸しください」
「その通りよ、イリス! 目には目を! 艦隊には艦隊よ! 艦砲射撃の用意はよろしくて?」
「はい!」
「ま、温泉街を荒らしに来たのなら、それ相応の報いってのを受けてもらいましょうかね」
『ベヒーモス』の三連装衝撃砲とレールガン、メガビーム砲が放たれ『プラナスリー』艦隊に牽制する。
 そして、エレインと水之江の駆る戦艦からも火砲弾雨(バーストストーム)と多連装ランチャーシステムからミサイルが放たれる。

「それそれそれそれぇ!!」
 エレインはハッピートリガーかと見紛う程に盛大に火砲を放つ。
 乱れ打ちというのがしっくり来るほどに『ローエングリン』から火砲を放ち続け、その砲火を持って海中を迫る『底這』たちを寄せ付けないのだ。
「イリス、ソナーの情報をどんどん回しなさい。海中から迫る敵はこの『ローエングリン』が全て撃滅してくれるわ!」
 さらに、とエレインは魚雷の発射を命じる。
 金に糸目はつけないまさしく金満主義の如き魚雷のオンパレードに『底這』たちは『ベヒーモス』に近づくことすらできなかった。

「エレイン様、これより『ベヒーモス』は『セラフィム・シックス』の直掩にまわります!」
「よくってよ!」
「断罪の竜帝よ、神の教えの元、悪しきを退け友を守護する盾をお授けください」
 イリスの瞳がユーベルコードに輝き、聖盾の守護(セイントプロテクション)が展開する。
 それは如何なる攻撃をも防ぎ、また同時に『ベヒーモス』の装甲を活かした要害となって氷山に迫ろうとするオブリビオンマシンの攻撃を寄せ付けないのだ。
「とは言え……へぇ、機動殲龍の『底這』……無人機とは言え、即座に戦闘データをリンクしてくるのね。加えてEMPの機雷。厄介な相手よね」
 水之江は片翼を担うエレインの『ローエングリン』を見やる。
「ご令嬢の弾幕で追い払ってくれるのね。ありがたいことだわ。じゃんじゃんばりばり弾薬消費してもらいましょう」
 ニコリ、と水之江は商魂たくましい笑顔を浮かべ、エレインの『ローエングリン』の弾幕から逃れた『底這』へと多連装ランチャーからミサイルを放ち、これを撃破するのだ。
「ちょちょいのちょいっとね」
 装填されたミサイルは機巧の魔女の祝福(エンハンスド・マシーナリー)たる改造を受けて、誘導化されて敵の打漏らしなど許さないように海中へと叩き込まれて、これを撃滅するのだ。

「ちょこまか逃げ回っても無駄よ、無駄! アイディール家の力を甘く見ないことね! 攻撃は最大の防御とは良く言ったものよね!」
 圧倒的な火力にエレインは高笑いが止まらない。
 ついでと言わんばかりにメガビーム砲を放ち、海上に水柱を立ち上げるのだ。
「これで怖がって退いてくれたらいいんですけど……」
 イリスは最大望遠で捉えた『プラナスリー』艦隊の不穏な動きに不安げな顔をする。
 きっとあれは動く。
 怖がって退いてくれたら、というのはイリスの希望的観測に過ぎない。
「まあ、連中が何を考えているかなんて……わかっているようなものでしょう」
 水之江は理解する。
 あの艦隊はただキャバリアを運んできたのではない。
『底這』が無人機であったというのならば、これは飽和攻撃ではない。
「波状攻撃ってことよね。なら、次が『本命』ってことでしょ」
 そう言って、水之江は動き出した敵艦隊の動きに注視するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘレナ・ミラージュテイル
●ベヒーモスの甲板上組
ビバ・テルメの事はソフィア陛下から聞いてたけどねぇ…
こんな切掛で来る事になるなんて
早く終わらせて温泉はいりたーい!

ヴェロキラで出撃しまーす
ベヒーモスの飛行甲板から狙い撃つわよぉ
イリスちゃんの聖盾の守護をしっかり受けられるから集中できるってわけ

あらあら?
迷子のワンちゃん(ガルム)かな?
ま、邪魔はしないでね?

へぇ?こっちの動きを勉強しちゃうんだ
じゃあジャミングスモーク焚いておこうっと
撃つ瞬間とか見切られたく無いしねぇ

狙いは底這が海面に出た瞬間
スナイパーセンサーで一撃集中よ
よく狙ってスナイパーキャノンを発射…って
ちょっと執行官さん?
あたしの戦い方真似するのやめてくれないかなー?


ジュディス・ホーゼンフェルト
●ベヒーモスの飛行甲板組
アレが例の巨神か…
誰が巫女になるのか、また沈むのか、見届けさせてもらいますよっと

まーたエルネイジェの御一行はゾロゾロと…
あれ?レーゼ執行官殿は?
まあ大丈夫でしょ
行くよガルム

冷たそうな海なもんで
こんな所にガルムを飛び込ませたら風邪引いちゃうっての
丁度良さ気な足場(ベヒーモスの飛行甲板)があるから使わせて貰おうっと

聖竜騎士団のディアストーカーって事はミラージュテイルのキツネか…
邪魔しないなら無視でいいね

行動を学ぶなら見せなきゃいいんでしょうが
スモーク展開
明鏡止水で狙いを定めて底這が頭を出した瞬間をビームキャノンで狙い撃つ…ってなにさ?
パクってるのはそっちでしょーが!



巨大キャバリア『ベヒーモス』の甲板上にてヘレナ・ミラージュテイル(フォクシースカウト・f42184)は『ヴェロキラ・ナイトストーカー』に座し、戦いの推移を見守る。
 己の目的はこの『ベヒーモス』に迫るオブリビオンマシン機動殲龍『底這』の排除である。
 圧倒的な装甲を持つ機体とは言え、直掩機がいない、というのは不安要素もある。
 そこで狙撃仕様の機体であるヘレナの『ヴェロキラ・ナイトストーカー』がかいくぐってきた敵を打ち倒す任を得たのだ。
「『ビバ・テルメ』のことはソフィア陛下から聞いてたけどねぇ……こんな切っ掛けで来ることになるなんて」
 聞けば、『ビバ・テルメ』は温泉小国家と言われるほど潤沢な湯が湧き出る小国家なのだという。
 加えて、背には鉱山、前には入り組んだ遺棄された廃工場群という天然の要害に覆われているため守りやすく攻めがたいという圧倒的な立地条件を有しているため、争乱絶えぬクロムキャバリアにおいて観光を資源としているのである。
「早く終わらせて温泉入りたーい!」
 ヘレナは、一刻も早く温泉! と意気込んでいた。
 この仕事が終われば陛下から休暇の許可を頂いている。
『ビバ・テルメ』の温泉でまったりしつつ、きゅっと一杯やるのもいいだろう。

 ならばこそ、余計に早く仕事を終わらせたい。
 そんな思いを胸いっぱいにしながらヘレナはセンサーに引っかかる機影を認め、眉根を寄せる。
「あらあら? 迷子のワンちゃんかな?」
 その視線の先にあったのは、狼型キャバリア『ガルム』であった。
 漆黒の装甲と共に『ベヒーモス』へと氷山を足場にして飛び込んでくる。
「まーたエルネイジェの御一行はぞろぞろと……あれ? レーゼ執行官殿は?」
 ジュディス・ホーゼンフェルト(バーラント機械教皇庁三等執行官・f41589)は『ガルム』のコクピットで共にやってきていた同じ『バーラント機械教国連合』の巫女の機体が傍らにないことに首を傾げる。
 一緒に来たっていうのに、何処に行ったのだろうか。
「でもまあ、あの方なら大丈夫でしょ」
 しかし、同時に気になることもある。

 己の乗機『ガルム』が明らかに氷山の『巨神』、『セラフィム・シックス』を避けているのだ。
「……アンタ、あの『巨神』のこと避けてない?」
 陛下より警戒するように、と伝えられていた『巨神』、『セラフィム・シックス』をジュディスは見やる。
 誰が選ばれるのか、それともまた沈むのか。
 いずれにせよ、ジュディスたちは見届けよ、という命を受けて此処に来ているのだ。
「ちょっと、迷子のワンちゃん、何勝手に人んちの敷居をまたいでるの?」
 ヘレナノ言葉にジュディスはへらりと笑う。
「あんまりにも冷たそうな海なもんで。こんな所に『ガルム』を飛び込ませたら風邪引いちゃうっての。ちょうど良さそうな足場があったから使わせてもらおうかと思ってね」
 そう云う、相手は聖竜騎士団の『ヴェロキラ・ディアストーカー』か、とジュディスは理解する。
 つまり、ミラージュテイル家のヘレナである。

「ま、邪魔しないでね?」
「ふーん、甲板上にこっちが降りても無視ってことは邪魔しないってことでしょ」
 普段ならば敵同士である。
 けれど、今は共通の敵がいる。
 即ち、オブリビオンマシン機動殲龍『底這』である。
 これを打倒さなければ、『巨神』が選ぶ沈む以前の問題である。
「ジャミングスモーク、セット」
 ヘレナは即座に機体を覆い隠す。
 折りたたみバレルが展開し、その砲身がきらめく。
 同時に『ガルム』のアイセンサーが煌めき、その機体からスモークが噴出する。

 奇しくも互いに同じ戦法であった。
「行動を学ぶなら見せなきゃいいんでしょうが」
「よーく狙って……」
 一撃集中(ブルズアイ)と明鏡止水(コンセントレイション)。
 敵が海中から顔を出した瞬間が勝負。
 一瞬海面が盛り上がったと思った瞬間、即座にヘレナとジュディスは引き金を引いていた。
 これまた奇しくもまったく同じタイミングであった。
「ちょっと執行官さん? あたしの戦い方真似するのやめてくれないかなー?」
「なにさ、パクってるのはそっちでしょーが!」
 スモークが濛々と立ち込める中、二人は言い合いしながら、次々と引き金を引いては『ヘビーモス』に迫る敵を撃ち抜いていくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・エルネイジェ
●航空戦組
フルーⅦで飛ばされた件のスーパーロボットの頭部は見当たらないようですね
あの頭部が関わっているとも思いましたが…

インドラ・ストームルーラーで出撃します

敵は高機動かつ高威力な火器を備えた一撃離脱型の機体でしょうか
攻撃を行う瞬間が好機と見ました

イリスから送信された索敵情報を元に、海上を滑空して敵機を追い掛けましょう
顔を出した一瞬を狙います
フライトユニットとイオンスラスターで敵機に急速接近
直後に憤怒の剛力を発動
脚部のクローで捉えます
重力砲の影響を受ける前にその場から即時離脱しましょう
そして敵機を上空に放り投げ、無防備となった所をガンポッドとミサイルで集中攻撃します


メサイア・エルネイジェ
●航空戦組
わたくしの温泉はどちら?こちら?
あら~?でっけぇお魚ですわ~!
今夜のお夕飯はお魚ですわ~!

ヴリちゃん!スカイルーラーで参りますのよ~!

お魚を追って海の上を飛ぶのですわ
なんだかカモメみたいですわねぇ

あのお魚!速いしなんかでっけぇ玉みたいなのバラ撒いておりますわ!
捕まらなくてイライラしますわ!むきー!
なんですヴリちゃん?
こちらも速くなればよろしいと?
なるほど!ヴリちゃんは賢いですわね!
こんな時は!暴虐強襲ですわ~!
変な玉みたいなのはガンポッドでぶっ壊してしまえばよろしいのですわ~!
海面に出た所をキャッチ…あら?
これおキャバリアですわ~!
よくも騙しましたわね~!
噛み砕いてさしあげますわ~!


ジェラルド・エルネイジェ
●航空機組
あれがメルヴィナの報告にあった、かの海底に沈みし巨神か…
セラフィム・シックスよ、誰を望む?
だが少なくとも俺ではあるまい
俺はサラマンダーの巫女なのだからな

底這の名とは対照的な感嘆に値する航行速度だな
ならばこちらもサラマンダーと共に駆け抜けよう
シュトゥルムイオンブースターで海上を翔ぶが、まだ足りんな
炎嵐火翔で更に加速しよう
炎の嵐を巻き起こせば厄介な機雷も幾らかは破壊出来るだろう

敵の位置はイリスが報せてくれているが、攻撃の機会はそう多くはあるまい
海面付近まで浮上してきた瞬間に突撃してクローで捕らえよう
そして炎の嵐の気流に乗って時限式機雷が作動する前に離脱し、噛み砕く
まるで海鳥の狩りだな



 赤い『レーギャルン』の頭部。
|『∧』《キャレット》と呼ばれたオブリビオンマシンの頭部は小国家『フルーⅦ』にて斬り飛ばされた。
 その駆体は破壊されたが、しかし、頭部の行方だけが知れず。
 故にソフィア・エルネイジェ(聖竜皇女・f40112)は此度の事件もまた、それに関連したものでると検討をつけていた。
 いや、関わっているだろうと思っていたのだ。
 それは正しい。
 しかし、その姿が見えない。
「……『インドラ・ストームルーラー』、出撃ます」
 彼女のキャバリア『インドラ』がフライトユニットを羽ばたかせるようにして『ベヒーモス』の甲板上から飛び立つ。
 なんだか甲板上で二騎のキャバリアがスモークを炊いてもうもうと喧嘩しているような気がしたが今は些事とソフィアは捨て置いた。

 高高度に達する前に海面スレスレを飛翔する。
 敵は機動殲龍『底這』。
 海中での機動力は言うまでもなく、また海上戦力に対する高威力な火器を備えた機体である。無人機であるようだが、これだけの数を揃えている所、そして、これを運んできた大規模な艦隊を見るに小国家『プラナスリー』は本気のようだった。
 それほどまでの脅威が『巨神』にはあるというのだろうか。
「あれがメルヴィナの宝庫kにあった、かの海底に沈みし『巨神』か……」
 甲板上にてジェラルド・エルネイジェ(炎竜皇子・f42257)は己が乗機『サラマンダー』の機体が震えているのを知る。
 それは恐怖からではないことをジェラルドは知る。
 世界の声が聞こえるようだった。
「『セラフィム・シックス』よ、誰を望む? 何を望む?」
 乗り手を望んでいるのならば、誰を選ぶのだろうか、と。
 少なくとも己ではない。
 己はサラマンダーの巫女。
 故に、己に『セラフィム・シックス』が求め……いや、どうしようもなく相対するしかない要素しかないのならば、己が役割は『対決』である。

「しかし、それは叶わぬやもしれぬな」
 ジェラルドは意味深に息を吐き出す。
 その空気にソフィアはまーた、と思ったが、飛び込んできた声に頭を抱えた。どうして自分はこうも貧乏くじを自ら引くのだろうか。
「わたくしの温泉はどちら? こちら? そちらでして?」
『インドラ』の真横をかっ飛んでいくは、『ヴリトラ』であった。
 航空装備によって一気に海上を割るようにして飛ぶは、エルネイジェの暴走機関車ことメサイア・エルネイジェ(暴竜皇女・f34656)である。
 なんとも不名誉なあだ名であるし、はっきりって呼ぶことは侮辱罪であろう。
 そんなメサイアの駆る『ヴリトラ』の眼前に飛び出すはオブリビオンマシンの群れである。
「あら~? でっけぇお魚ですわ~今夜のお夕飯はお魚ですわ~!」
 蒸し焼きにしてヨシ。塩焼きにしてもヨシ。刺し身にしてもヨシ。
 いずれにしたってストゼロが合うのである。

「それにしてもお魚を追って海の上を飛ぶなんてヴリちゃんなんだかカモメみたいですわねぇ」
 心外というように『ヴリトラ』が咆哮する。
「メサイア、突出してはなりません。イリスから送信された索敵情報を下にして……」
「あのお魚! 速いし、なんかでっけぇ球みたいなのバラまいておりますわ!」
 メサイアが追う『底這』は圧倒的な速度で海中を走るようにして翻弄している。
 なんだかイライラしてきた。
「むきー!」
「メサイア! 落ち着きなさい!」
「ならば、俺が征こう」
「お兄様!」
 ソフィアはまた頭を抱えた。
 なんでこうも! と。二人の問題児は別ベクトルで問題児なのである。何言ってるかわからんが、そうなのである。

 ジェラエルドの駆る『サラマンダー』が炎を噴出しながら、嵐の如き力を発露する。
「炎の嵐となり翔けよ!」
 ソフィアの制止などジェラエルドは聞いていなかった。それよりも世界が言っているのだ。此処は先制攻撃である、と。
 如何なる敵も先制攻撃でぶっ飛ばせば、反撃を追うことなく倒せるのだと。
 厄介な機雷であっても『サラマンダー』の炎嵐火翔(ブレイズストーム)によって誘爆し、面倒なことは全て爆散させることができると。
 はっきり言って滅茶苦茶である。
 しかし、これで結果が伴ってくるところがジェラエルドの恐ろしい所であった。

「あれまーお兄様、お見事でしてよー!」
「ふっ、メサイアよ、お前にはお前にしかできぬことをせよ」
「わたくしにしかできないこと……なんですヴリちゃん? こちらも疾くなればよろしいと? なるほど! ヴリちゃんは賢いですわね!」
 なんだその理屈は、とソフィアは思った。
 暴虐強襲(バイオレンスアサルト)たる『ヴリトラ』の全武装が放たれる。ガンポッドからの弾丸はまさしく嵐。
 吹き荒れるようにして機雷を破壊しつくし、さらには爆風の中を貫くのようにして舞い上げられた『底這』を獣脚で掴み取るのだ。

「おキャッチ! つかみ取りでしてよ~!」
 いぇい! とメサイアは今夜の肴が出来たことを喜んだ。
 だが。
「メサイア! それは!」
「あら? これおキャバリアですわ~! よくも騙してくれましたわね~! 噛み砕いて差し上げますわ~!」
 キリングバイトの一撃が『底這』を噛み砕き、その残骸が海中に没していく。
 いや、とソフィアは思った。
 わかっている。
 人選。
 全てはこれに尽きる。頭痛の種が尽きない。吹き荒れる炎の中、咆哮が轟いている。敵にとっては悪夢かもしれないが、ソフィアにとっては頭痛しかしない光景である。
 だが、それでもソフィアはやるせない思いを憤怒の剛力(ラースオブザパワー)に変えて、オブリビオンマシンに叩きつけるしかないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メルヴィナ・エルネイジェ
●海中組
またセラフィム・シックスが狙われているのだわ?
プラナスリーの目的は捕獲じゃなくて破壊なのだわ?
壊したい理由があるのだわ?

リヴァイアサンで水中で戦うのだわ

相手は凄い速さだし連携も取れているのだわ…
海竜装甲があるけどいつまでも撃たれていていいものじゃないのだわ

帰還の渦潮を発生させるのだわ
これで強烈な海流を作り出して底這を引き寄せるのと同時に連携を乱すのだわ
渦潮は攻撃を防ぐ盾にもなってくれるのだわ
引き寄せたらクローで叩いたり噛み付いて壊すのだわ
あとルウェイン…そのユーベルコードは恥ずかしいから止めるのだわ…

あの蠍みたいなキャバリアはマンティコアなのだわ…?
手出ししてこないなら放って置くのだわ


ルウェイン・グレーデ
●海中組
以前所属していた哨戒部隊を壊滅させた下手人がこの地に飛ばされたらしいが…どこに隠れている?

イグゼクターで出るぞ

こうも水中を泳ぎ回られては手出しが難しいな…
包囲されないよう海上を滑走しつつ、ベクタードイオンブースターで左右に切り返して敵の攻撃を回避しよう

しかしメルヴィナ殿下の戦い振りのなんと荒々しくも美しいことか…
俺もメルヴィナ殿下に続くぞ!
海面近くに上がってきた敵ならば脚部のクローで…斬るぞ!メルヴィナ殿下の為に!
この一撃!メルヴィナ殿下にお捧げ致します!

なんだ?
あの蠍のようなキャバリアは…まさかマンティコアか?
バーラントの執行官か…もしメルヴィナ殿下に仇なす者なら容赦はしないが…


レーゼ・シュトラウス
●海中組
どうかお構いなく
私とジュディス執行官はただ見届けに訪れただけですので
かの巨神がどなたを選ぶのかを

マンティコア…共に海へと参りましょう…

底這の攻撃は迅速にして苛烈、そして緻密
捉える事もままなりませんね
では待ち構えさせて頂きます

攻撃を受けたらマンティコアには装甲で堪えて貰いましょう
煙幕を放出しつつ海の底へと沈みます
辿り着きましたらバスタークローで潜行致しましょう

そして底這が付近を通りましたら、振動センサーで感知し、テイルクローで貫きます
さあマンティコア…肉への渇望を癒やしてください
これにてより速く泳ぐ力を得られました
重力砲と化した片腕を用い、底這の動きを鈍らせ、クローにて圧砕します
ふふふ…



 何処だ、とルウェイン・グレーデ(自称メルヴィナの騎士・f42374)は金色の瞳でもって戦場たる海中を見回す。
 嘗て己が遭遇し、一蹴とも言えぬ程の刹那に所属していた部隊と共に海の藻屑へと変えた下手人の姿を探す。
 彼の上司たるソフィアが言うには、この地に関連した何かが蠢動しているのかもしれないと言っていた。
「……どこに隠れている?」
 己の乗機『ヴェロキラ・イグゼクター』は海中にありて、『リヴァイアサン』の直掩についている。
 海中においては、メルヴィナ・エルネイジェ(海竜皇女・f40259)の駆る『リヴァイアサン』は無敵と言っても良い。己が直掩につく必要性はない。
 だが、それでもルウェインはメルヴィナの騎士を自称している。
 彼女の手を煩わせる事なく敵を討ち果たさんと海中にて迫るオブリビオンマシン機動殲龍『底這』を迎え撃つのだ。

「また『セラフィム・シックス』が狙われているのだわ?」
 メルヴィナは『リヴァイアサン』のコクピットの収まりながら考える。
 以前、この小国家『ビバ・テルメ』の湾内にて浮上した氷山に座す『巨神』を巡っての事件に参じたことを思い出していたのだ。
 以前は『第三帝国シーヴァスリー』が。
 今回は『プラナスリー』が迫っている。しかも、鹵獲ではなく、破壊を目論んでいるのだという。
「壊したい理由があるのだわ?」
 それは何か。
 壊さねばならない理由。
 壊したところで何も手に入らない。本来ならば鹵獲だろう。『ビバ・テルメ』にこれ以上戦力が増強されないために? これは薄い。
 ならば、壊した果に何の益が『プラナスリー』にあるのか。

「メルヴィナ皇女殿下、お下がりを」
 ルウェインの言葉にメルヴィナは思考を断ち切る。
「ルウェイン、相手は海中での機動力共に連携も取れているのだわ。如何に海竜装甲があるといっても……」
「委細承知!」
 ルウェインはたったそれだけで飛び出した。
 海上へと『ヴェロキラ・イグゼクター』が飛び出すのにつられて『底這』たちが追う。
「バカ共が。この俺につられて、メルヴィナ皇女殿下に背を向けるなど!」
 ルウェインは理解したのだ。
 たった一言。
 メルヴィナの意図を汲み取った。それは恐るべきことであった。メルヴィナはちょっと引いた。

 けれど、それでもルウェインの行動によって『底這』の多くが『ヴェロキラ・イグゼクター』に惹きつけられ、こちらに背を向けた。
 その瞬間、メルヴィナの瞳と『リヴァイアサン』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
「帰還の渦潮(バックシュトローム)……もと来た場所に還るのだわ」
 強烈な海流が生み出され、ルウェインを追っていた『底這』たちを引きずり戻し、さらに連携を乱すのだ。
 その引き寄せられた躯体を『リヴァイアサン』のクローが引き裂く。
「流石メルヴィナ皇女殿下だ……勇ましき戦いぶりの中になんと美しい所作……! 俺もメルヴィナ殿下に続くぞ!」
 ルウェインは忠義の刃(ロイヤリティエッジ)である。
 彼女に迫る敵は全て己が切り裂く。
 その意志を込めた宣言が戦場に迸る。

 オープン回線でもなんでもないのに、響き渡るとは如何なることか。
 この戦場に在りし耳あるものたちは皆、手で耳を抑えたほどだった。
「メルヴィナ殿下の為に!」
 振るう黒ーの一撃が『底這』の躯体を切り裂き、次々と破壊していく。
 その戦いぶりは、まさしく騎士そのものであったことだろう。雄々しくも勇ましい戦いぶり。それはたしかに目を見張るものであった。
 だが。
「ルウェイン……そのユーベルコードは恥ずかしいからやめるのだわ……」
「そうでしょうか。とても勇ましく、好ましい御方。真っ直ぐな気質は惚れ惚れするものでございましょう」
 その言葉に二人は硬直する。
 今の今まで気配を感じることができなかった。

 それは揺らめくようにして海底に座すキャバリアだった。
「どうかお構いなく。私はジュディス執行官はただ見届けに訪れただけですので」
 キャバリア『マンティコア』――地獄の大蠍の異名を持つ、その威容がレーゼ・シュトラウス(バーラント機械教皇庁二等執行官・f42691)と共に現れたのだ。
 言うまでもなくメルヴィナたち『エルネイジェ王国』と『バーラント機械教国連合』は敵対している小国家同士である。
 しかし、ここは猟兵として訪れているのだ。
「かの『巨神』がどなたを選ぶのかを」
 ただ、それだけなのだとレーゼは言う。
 しかし、それはメルヴィナたちに理解されても、オブリビオンマシンには関係のないことだった。

 新たなる敵の脅威に『底這』たちが迫る。
「『マンティコア』……」
 静かに告げるレーゼの言葉にアイセンサーが煌めく。
 放たれる重力砲の一撃に機体が海底に沈む。更に追撃迫るように『底這』たちが『マンティコア』に迫る。
「あの蠍のようなキャバリアが『マンティコア』だというのですか、メルヴィナ殿下!」
「そうなのだわ……こちらに手出しをしてくる様子はないのなら……放って置くのだわ」
「御意」
 見れば劣勢のようである。
 しかし、手出しは無用だとメルヴィナは言った。ならば、ルウェインは己が口を出すことではないと理解する。
 やられるのか? と僅かに浮かぶ疑念。

 それを払拭するかのゆに海底に煌めくは『マンティコア』の重力砲であった。
「――!?」
 ルウェインは目を見開く。
 あの『マンティコア』には、一瞥しただけではあのような装備はなかった。それらしい艤装もなかった。
 なのに、あのキャバリアは重力砲を放ったのだ。『底這』のように。
「ふふふ……いただきました」
 レーゼは肉への渇望(ハンニバル)を抑えきれぬ笑みと共に『底這』のちからを『マンティコア』に宿し、凄まじい勢いで海中を疾駆するように泳ぎ、そのクローで敵を圧砕し、重力砲を放っては、迫る敵を討ち滅ぼしていく。
 そのさまをルウェインは見やり、恐るべき敵であると知るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
セラフィム・シックス。プロメテウス
…既に敵が来ているか

『この命が壊れ失せるまで』
ユーベルコード発動。己が|戦闘力《技能》を【限界突破】
外殻ユニット装着ディスポーザブル03【操縦】
己が【闘争心】を03に叩き込みエネルギー変換!

邪魔だ、魚共!!!

内蔵ビーム砲台とハイペリオンランチャー・ハンドユニットに
海中を貫く分多くエネルギーを込め【範囲攻撃】
人工魔眼が齎す|【第六感】《超能力》で
海中の『底這』の位置を感じ取り、その機動を【見切り】狙い撃つ!

……実はこの前言い忘れていたことがありました。

抗体兵器たる逆鱗加速戦鎚を取り、その【呪詛】と同調
更にそこから以前やってようにセラフィム・シックスに呪いを伸ばして同調
ケーブルも繋げ

コミュがどうこう宣うなら、これは最初に言うべき事でした……。

今だ燃える己が闘争心を、03のエネルギーを
【エネルギー充填】03からセラフィムへ送り込みながら声を伝える!

自分の名前は!朱鷺透小枝子で!!あります!!!
以後お見知りおきくださいませぇえええ!!!!

自己紹介をしてなかった!



 小国家『ビバ・テルメ』の湾内に侵入してきた『プラナスリー』の艦隊は大規模すぎた。
 あまりにも過剰な武威であるようにも思えたし、またその艦隊から出撃し続けている無人機のオブリビオンマシン機動殲龍『底這』の数は尋常ではなかった。
 その全てがたった一つの氷山に座す『巨神』に向けられてのものであるとは到底思えぬほどであったがし、しかし、事実である。
 それは認める他ない。
「『セラフィム・シックス』、『プロメテウス』……既に敵が来ているか」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は逼迫した事態であることを知る。
 戦わなければならない。
 戦わなければ、全てが奪われる。壊される。
 己が戦うのは守るためではない。壊すためだ。壊されるためではない。
 故に。
「この生命が壊れ失せるまで」
 ディスポーザブル(タタカッテタタカッテタタカッテ)、と小枝子は小さくつぶやく。
 ユーベルコードの輝き宿す瞳が煌めき、人口魔眼から炎が噴出するようにして、己を自覚なき狂える悪霊へと変える。

 吹き荒れるようなエネルギーを己が乗機『ディスポーザブル03』へと注ぎ込み、小枝子は海中へと飛び込む。
「邪魔だ、魚共!!!」
 小枝子は見据える。
 海中を凄まじい速度で持って泳ぎ、こちらへと距離を詰めるオブリビオンマシンの姿を。
 壊さねばならない。
 壊すしかいない。
 それ以外を知らぬがゆえに。
 内蔵ビーム砲台とハイペリオンランチャー・ハンドユニットから迸るは小枝子の悪霊としての力。
 海中ではビームは減退するだろう。
 だが、それでも己が注ぎ込んだ悪霊としての力が、その減退を無きものとしてほとばしらせ、『底這』の駆体を貫くのだ。

「見えているぞ、魚共! 貴様たちの位置は!」
 小枝子は人口魔眼で敵を捉える。
 もたらす超能力によって、敵が何処にいるのだとしても見据えることができる。
 海底の暗き場所であったとしても見逃すことはないのだ。
「……実は、この前良い忘れていたことがありました」
 手にするは抗体兵器。
 生命殺す武器。
 その呪詛と小枝子は同調し、未だ氷山に座す『セラフィム・シックス』へと同調を伸ばすのだ。
 繋がる意志。

「コミュがどうこうのたまうのなら、これは最初に言うべきことでした……」
 つながった『セラフィム・シックス』へと小枝子は申し訳無さそうに告げる。
 そう、前回どうしてもできなかったことがある。
 己がどうにもこういう分野において不得手であるということを差し引いても、為すべきことがあったのだ。
 それがどうしても引っ掛かっていたのだろう。
「自分の名前は!」
 己の中にある闘争心を、『セラフィム・シックス』へと届ける。
 声を届ける。
 それがなさねばならないことだった。
 他の何においてもなさねばならないことだったのだ。
 故に、小枝子は叫ぶ。
「朱鷺透・小枝子で!! あります!!!」
 裂帛の気合と共にエネルギーが『セラフィム・シックス』へと流入していく。

 起きろ。起こせ。
 その心の撃鉄を起こせ、と小枝子は叫ぶようであった。
「以後お見知り置きくださいませぇえええ!!!!」
 咆哮と共に小枝子と抗体兵器の生命咒う呪詛が『セラフィム・シックス』の炉に熾火を灯す――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・タタリクス
|エイル様の《主人様》の! 香りがしまぁぁすっ!!!
はい、ステラ参上です!
今回はサツキ様のような気がしますが
いえ、もしかして熾天大聖様の方?
ともあれ、定められた|乗り手《揺れ動く良心》はいまだなく
|セラフィム《善性》はただの力でしかないのならば
どうしようもない悪性には勝てないでしょう
例えば……プロメテウスXのような
そろそろノイン様の|執着《正体》も明かしたいところですが
というかあの方、エイル様を好きすぎるでしょう?
ともあれセラフィムを守りませんと

フォル!いらっしゃい!(鳥型キャバリアを召喚)
空も海も抵抗があるという意味では一緒
つまり特に問題ないという事です!!
フォル、【ファム・ファタール】!
突撃行きます!
海中とて音速生み出す速度で移動すれば
全てを巻き込む災禍を巻き起こせましょう
逃がしませんし、セラフィムのところまではいかせません!

……乗り手を選ぶセラフィム
乗り手すら拒絶するセラフィムもいる中で
|セラフィム・シックス《貴方》様は何をお考えなのでしょう?
教えてもらうことは……できませんかね?



 氷山に座す『巨神』、『セラフィム・シックス』のアイセンサーが灯る。
 それは熾火のようであった。
「起動した……!?」
「まだ炉のエネルギー充填率は三割を越えたばかり……って、ええ!? もう七割越えている!? なんでだ!?」
 急展開たる事態に『ノイン』を含め、キャバリア技士たちは目を見開く。
 今までどんなにエネルギーインゴットを投入しても充填率が上がらなかったというのに、ここに来ていきなり充填率が七割を超えてさらに増えていっているのだ。
「何故……」
「|『エイル』様《主人様》の! 香りがしまぁぁすっ!!!」
 それは突然降って湧いたような声だった。

「はい、ステラ参上いたしました!」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)はビシッとカーテシーを決めて氷山にて固まる『ノイン』らを前に優雅たる挨拶が如何なるものかを示してみせた。
 いや、今はそれどころではないのだ。
「今回は『サツキ』様? それとも『熾天大聖』様の方? ともあれ、定められた|乗り手《揺れ動く良心》はいまだなく、|『セラフィム』《善性》はただの力でしかないのならば、どうしようもない悪性には勝てないでしょう」
 例えば、とステラはつぶやく。
『プロメテウスX』。
 迫るは『プラナスリー』の大艦隊。
 それを指揮しているのは、この氷山にいる『ノイン』ではなく別の『ノイン』であろう。
 あの執着、あの正体。
 明かさねばならぬとステラは思うが、しかし、とステラは訝しむ。

「というか、あの方、『エイル』様を好き過ぎるでしょう?」
 それをステラが言うのかとツッコむ者がいなかった。残念ながら。
「ともあれ、『セラフィム』を守りませんと。まだ寝ぼけ眼でしょうからね。フォル! いらっしゃい!」
 その言葉と共に氷山に降り立つのは鳥型キャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』である。
「鳥型……!?」
「ふっ、空も海も抵抗があるという意味では一緒です」
「まさか、海中での活動が可能なのですか!」
「ええ、つまりは問題はないということです!」
 ステラは『ノイン』たちの言葉を背に『フォルティス・フォルトゥーナ』へと乗り込む。
 瞳に輝くはユーベルコード。
 あらゆる理不尽を突破する運命の女は邁進することしかしらない。

 どんな回り道をしたっていい。
 最後には己の元にやってくるのが運命なのだから、ステラは、これが回り道の道程でしかないのだと言うように『フォルティス・フォルトゥーナ』と共に海中へと一気に飛び込む。
 氷山から飛び込む速度は音速を越えている。
 そのソニックブームは海面を割り、その衝撃で立ち昇った水柱は天を貫かんばかりであった。
「フォル! あなたの速度で全て蹴散らしなさい!」
 真空で出来た三日月の鎌が海中を引き裂き、迫るオブリビオンマシン機動殲龍『底這』を蹴散らしていく。
 全てを巻き込む災禍の如き突進。いや、猛進。
 まさしくファム・ファタール。
 運命という言葉でしか片付けられぬほどの暴威が底にはあったのだ。

「逃しませんし、『セラフィム』のところまでいかせはしません!」
 ステラは海中にありて飛ぶように『フォルティス・フォルトゥーナ』と共に敵を切り裂いていく。
 乗り手を選ぶ『セラフィム』。
 拒絶すら選択する『セラフィム』が存在する中で、あの『巨神』は何を考えているのかとステラは思う。
 言葉で伝えることはできるだろう。
 けれど、あの熾火宿した機体は答えない。
 答えても意味のないことだと言うかのように。
 あれが、連綿と紡がれてきた善性と悪性が糾える道であるというのならば、その先に求めるは一体何なのか。
 ステラはそれを知りたいと思ったのだ。

「……答えはいただけませんか」
「僕の名は『サツキ・ラーズグリーズ』。君より前に『これ』に出会った者だ――」
 響くは録音されたような再生音声。
 君は逃げられない。
 運命から。
 そういうように、響く声が氷山にて響き渡る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
神機
やれやれ…取り合えず…護れる目があるなら…最悪じゃねー
テラ…ぜっちゃん…もう借金は返したろ?わざわざ付き合わなくてもいいだろーに

答えに
…やれやれ…お人好し共が
それなら…あの魚共をぶちのめしててくれ

よ、ノインつったか?
大物オーラが凄かったのに今は苦労人オーラがすげーな?

UC起動
【情報収集・視力・戦闘知識】
メルシー…おめーにこれが御しきれないとかいわねーよな?
「大丈夫だよご主人サマ☆メルシーは叡智皇☆セラフィム君…君がもう一つの叡智…プロメテウス君に連なるなら…メルシーも負けないぞ☆」
セラフィムシックスの更新され続けるあらゆる情報を解析
更に交流を行う
青セラフィムよぉ…いい加減氷山でおねむちゃんしてる場合じゃねーぞ?

おめー相手じゃ夜這う気もおきねーから…起こす手伝い位はしてやる

特に使いこなす為の…乗る為の情報を全力で解析しこの巨神に乗る為に力を尽くす者達に情報を開示する!
このカシムさんが手助けするんだ…乗りてー奴は存分に利用しやがれ…!

…氷山での二度寝とか三度寝とか…許さねーからな?


テラ・ウィンディア
神機

まさか…あの時に護ろうとしたセラフィムがピンチとはな?

カシムに
何気にするなよ?これでも感謝してるんだぜ?
お前のお蔭でおれもヘカテもこうして日の当たる所を歩けるんだからよ?
「ぐううう!!」(悶絶するヘカテさん

それじゃカシムとメルシーはそこの青セラフィムのフォロー頼むな?

迫る敵はおれ達とぜっちゃん達で迎撃だぞ!

【戦闘知識】
迫る敵軍の陣形と敵の戦い方を解析

【属性攻撃】
機体と武装に炎を付与

更にセラフィムを防衛する立ち位置を常に意識

そして…敵に人が乗っているかどうかの把握は必ず行う
乗っていたら不殺徹底
同行者にも周知
【弾幕・重量攻撃・貫通攻撃】
ガンドライド
ドリルビット展開
重力弾と火炎弾の弾幕と共にドリルビットで敵を貫通するぞ


UC発動
【空中機動・見切り・第六感・残像・武器受け・オーラ防御】
高速で飛び回りながら敵の攻撃は回避

【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
敵陣に飛び込み宝剣と槍で切り刻んでは串刺しにして動きを止めて

機体の動力部等コックピット類は裂けて切り裂き無力化に努めるぞ

救えるなら救わねーとな


皇・絶華
海鶴マスターにおまかせします。かっこいい皇・絶華をお願いします!

螺旋忍者×刀剣士の男子です。

戦闘スタイルとしては基本的に敵と戦う舞台の情報を把握した上で状況に合わせて行動します。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「やれやれ……」
 氷山を巡る大艦隊から繰り出されるオブリビオンマシン機動殲龍『底這』と猟兵達の戦いは苛烈を極めるものであった。
 圧倒的な物量で氷山を包囲し、飽和攻撃の如き吶喊を仕掛けてくる敵は無人機であれど、その学習データの共有というシステム故にジリジリと猟兵たちを消耗させていっているのだ。
「とりあえず……護れる目があるなら……最悪じゃねー」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は『メルクリウス』に座し、戦場を見下ろす。
 そう、まだ状況は最悪ではない。
「まさか……あの時護ろうとした『セラフィム』がピンチとはな」
 共に現れた『へカティア』を駆るテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の言葉にカシムは視線を向ける。

「テラ……ぜっちゃん……もう借金は返したろ? わざわざ来合わなくてもいいだろーに」
「そうは言ってもな。オブリビオンマシンを放置することは世界の破滅を意味する。なら、座して待つ理由なんてないだろう」
 皇・絶華(影月・f40792)の言葉にカシムはやれやれ、と肩をすくめる。
 どうやらテラも同様のようだった。
「何、気にするなよ? これでも感謝してるんだぜ? お前のおかげで、おれもヘカテもこうして日の当たるところを歩けるんだからよ?」
 テラの言葉に何故か『へカティア』が悶絶している。
 とは言え、状況は逼迫している。
 どうやら『セラフィム・シックス』は起動を果たしたようであるが、未だ乗り手を選んでいない。
 求めるものがいないのか。
 それとも、そもそも該当者などいないのか。

 いずれにせよ、カシムはこの状況を乗り切らねばならぬと知る。
「お人好し共が……それならあの魚どもをぶちのめしててくれ」
「わかった。カシムは」
「ああ、カシムはそこの青セラフィムのフォロー頼むな? 迫る敵はおれ達とぜっちゃん達で迎撃だぞ!」
「わかっているよ。さあ、行こうか。さっちゃん!お前の凄さを見せる時だ!」
 その言葉に『サートゥルヌス』のアイセンサーが煌めく。
 迸るユーベルコードの輝き。
 戦略級殲滅制圧機構『円環』(ヒカリノサバキ)によって、クロノスチャクラムが全機整然と居並ぶ。
「畏まりました主様!クロノスチャクラム全機展開…ターゲットロックオン…発射!」
 絶華の瞳が捉えるは、海中の『底這』たち。
 認識している対象を超光速にまで加速した弾丸が襲う。
 それは、円環たるクロノスチャクラムを通過することによって、凄まじい速度を得た弾丸でもって敵を逃さず滅ぼすためのユーベルコード。

 炸裂する爆発が海中からいくつもの水柱を立ち上げる。
 そこに『へカティア』が飛び込む。
 迫る『底這』は連携と速度、そして火力に優れた海戦に特化したオブリビオンマシンである。
 その連携は時間が経てば経つほどに猟兵達に不利に働くことだろう。
 わかっている。
 だからこそ、『へカティア』と共にテラは飛び込むのだ。
「無人機なら遠慮はいらないな! グランディアよ…全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ…!グラビティフィールド…展開!」
 テラのユーベルコードと共にフィールドが展開し、『へカティア』の機体を包みこんでいく。

「ドリルビット展開! いくぞ!」
『サートゥルヌス』の放った光弾の弾幕によって傷ついた『底這』へと『へカティア』が飛び込み、その躯体を貫き串刺しにしていく。
 これが有人機であったのならば、徹底した不殺を貫くところであったが、敵はすべて無人機であった。
 故にテラは迫る敵を全て撃滅せんと、その力を振るう。
 圧倒的な重力フィールドをまとった『へカティア』を前に『底這』たちは為すすべもなく海の藻屑へと変わっていく。

 その光景を背に起動した『セラフィム・シックス』の前に降り立つ。
「メルシー、おめーにこれが御しきれないとかいわねーよな?」
『大丈夫だよ、ご主人サマ☆ メルシーは叡智皇☆『セラフィム』君……君がもう一つの叡智……『プロメテウス』君に連なるなら……メルシーも負けないぞ☆」
 触れる。
 機体と機体が触れあえば、そこから接続される情報。
 膨大な戦闘データが流れ込んでくる。
 まだ、更新サれて続けている。
 交流、と呼ぶにはあまりにも一方的な流入。それを前に『メルシー』は訝しむ。

 あまりにも数が多いのは理解していたが、これはそういう問題ではない。
 並列に処理されていくデータ。
 更新されたデータを次々と統合していくのは、たった一つの機体では為し得ぬことであった。
「青セラフィムよぉ……いい加減氷山でおねむちゃんしてる場合じゃねーぞ?」
 カシムは問いかける。
 アイセンサーの熾火を見た。
 そこにあるのは意志。
 されど、カシムは理解しただろう。

 これは己達の知る神機や、それに類するものではない、と。
 鋼鉄の意志。
 そこにあるのは分かたれたる欠片でしかない。
「おめー相手じゃ夜這いする気もおきねーからな。まあ、目が覚めてるってんなら、話は別だ」
『セラフィム・シックス』が降着状態から立ち上がる。
 膝折っていた機体が立ち上がり、その赤熱した胸部砲口に光を湛え始める。

「はっ、氷山で二度寝とか三度寝とか……許さねーからな?」
 乗り手を選んでいるのではない。
 乗り手を選ばないことを選んだのだ。
 それの意味するところを『メルシー』は知るだろう。
 その選択。その意味。
 彼らが戦術兵器である所の意味を放棄するのではなく、願いと祈りのために、その力を使うことを示したのだと。

『――コール『プロメテウス・バーン』、か」
 カシムは、その情報を猟兵たちに開示する。
『セラフィム・シックス』は乗り手を選ばない。
 なぜなら、それは『平和』のための争いを呼ぶ行為であるからだ。故に、力だけがそこに残ることを示すように、『セラフィム・シックス』は、胸部砲口のトリガーを猟兵たちに預けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……もう始まっている…!?
アルカ・スィエラ、プロトミレス、緊急発進する…!

『フローリア』達を作業の支援に向かわせ、
水中にドラグレクス、水上に『コルヴィルクス』装備のプロトミレスという布陣で行くわ

まずは【RS-BR 背部搭載型マルチホーミングミサイル】を装備転送して弾頭を凍結弾に設定、多少のずれは無視してロックオンし発射、本体を、または周辺を凍結させて航行ルートに障害物を生じさせ阻害し、後はドラグレクスのレーザーブレス攻撃と、TGランチャーでの重力衝撃砲を狙う

……今はとにかく敵機の迎撃を。セラフィムに纏わる因縁がなんだろうと、相手がオブリビオンというのなら、私は戦うだけよ……!!



 小国家『ビバ・テルメ』の湾内に嘗て沈んだ『巨神』を巡る戦いを知っている。
 あの時、『巨神』たる『セラフィム・シックス』は海底に沈んだ。
 己が役割が今ではないというように。
 しかし、再び浮上した『巨神』のアイセンサーに宿るは熾火であった。
 起動した機体は乗り手を選ばなかった。
「……もう始まっている……!?」
 アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は己が乗機『プロトミレス』と共に緊急発進し、小型の整備機械人形たちを氷山に差し向ける。
 起動が相成ったというのならば、その現場を指揮していた『ノイン』やキャバリア技士たちを退避させなければならない。

「なんです、この小さい機械は……!?」
「お、おわー!? な、何をするー!」
「大丈夫、安心して。戦場の外まで運び出すだけだから!」
 アルカの通信にキャバリア技士たちは目を見開く。
「運ぶ出すってどういう!」
「そこが戦場になるってことでしょう。死にたくはないでしょう、なら、そのまま運ばせてちょうだい!」
 その言葉に今度こそ技師たちは黙る。
 たしかにアルカの言う通りだった。『セラフィム・シックス』の起動が相成ったというのならば、もはやそこに居座る必要はない。

 故にアルカは機械人形たちに彼らを保護させ、氷山から退避させたのだ。
「後は……退避までの時間を稼ぐ」
 アルカは機龍たる『ドラグレクス』と共に海上、海中の二面から迫る『プラナスリー』のオブリビオンマシン『底這』を迎え撃つ。
 猟兵達によって多くが撃退されてはいるが、今だが数を有している。
 ならば、この後の戦いのことを考えれば、これを殲滅しなければならない。
 確実にオブリビオンマシンは強大な機体を残しているはずだ。
 未だ後退することなく不気味な前進を続けている艦隊がその証明であった。
「弾頭調整……よし、ロックオン……確認!行きなさい……!」
 RS-BR 背部搭載型マルチホーミングミサイル(マルチホーミングミサイル)が『プロトミレス』より放たれる。

 凍結弾に設定したミサイルが海中を走り、『底這』へと迫る。
 迎撃されるが、それも計算の内だった。
 アルカは海中での多少のズレを無視していた。
 ロックオンと言えど万能ではない。故にミサイルが迎撃される可能性を踏まえた上で弾頭を凍結弾に変更したのだ。
 炸裂すれば、凍結弾は周囲の海水を凍結させ、『底這』の軌道を阻む簡易的な機雷に変貌するからだ。
「『ドラグレクス』!」
 如何にただ凍結しただけの海水とは言え、『底這』たちにとっては邪魔な障害物でしかない。
 当然、避けようとするだろう。
 そこに海中あった『ドラグレクス』がレーザーブレス攻撃を放てば、良い的である。
 加えて、アルカの駆る『プロトミレス』が海上から攻撃を加える二段構え。
 この囲いを如何に海戦に優れる『底這』であろうと躱すことはできないだろう。

「起動したって言っても……とにかく今は敵機の迎撃をしなければ」
 アルカは『底這』という海中戦力の排除に尽力する。
 如何に『セラフィム』に纏わる因縁があるのだろうとも、相手がオブリビオンマシンであるというのならば、己が戦うまでである。
「あの『セラフィム・シックス』にも金属細胞が使われていようと関係ない。私は戦うだけよ……!!」
 その強烈なる意志を宿した瞳と共にアルカは戦場に切り込んでいくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アークレイズ・ディナ』

POW   :    孔壊処刑
【ドリルソードランス】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防御を無視或いは破壊する掘削攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガンホリック
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デュアルアサルトライフルとテールアンカー】から【実体弾の速射とプラズマキャノン】を放つ。
WIZ   :    パワーオブザ・シール
命中した【テールアンカー又は両肩部のアンカークロー】の【刃】が【生命力やエネルギーを吸収し続けるスパイク】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。

イラスト:タタラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リジューム・レコーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コール『プロメテウス・バーン』――それは『セラフィム・シックス』の胸部砲口より放たれる熱線の名である。
 異なる世界を知るものであれば、それはとあるヒーローの放つ必殺技と同じ言葉であった。
 そのつながりが如何なる理由からか知る由もない。
 しかし、たしかに力が其処にある。
 猟兵達によって起動した『セラフィム・シックス』は、その力を猟兵たちに委ねる。
 ただ一言。
『プロメテウス・バーン』と叫べば、『セラフィム・シックス』は火線を持って、猟兵の敵を穿つだろう。

「……乗り手を選ばなかった? 何故」
『プラナスリー』の大艦隊を率いていた『ノイン』はオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』のコクピットの中で怪訝な表情をする。
『セラフィム・シックス』は理解していたはずだ。
 己の思惑を。
 それを防ぐには乗り手を選ぶしかない。
 なのに、それをしなかった。理解できない。何故、乗り手を選ばなかった?

「その素っ首を落し、その駆体のみを手に入れる算段を理解していながら、選ぶことがない、など合理的ではない……いいでしょう。それは私に利する所。後は猟兵を排除するのみ」
 彼女は『アークレイズ・ディナ』を駆り、艦隊の甲板上から海上へと飛び出す。
 その背を追うようにして大艦隊は一気に加速する。
 明らかにおかしい加速だった。
 それは湾内に既に侵入している。『ビバ・テルメ』を侵略するというのならば、その速度は『速すぎる』と言えるものであった。

 オープン回線で『ノイン』は猟兵たちに呼びかける。
 それは投降を促すものではなかった。
「猟兵へ告げます。これより当艦隊は、小国家『ビバ・テルメ』に対して特攻を仕掛けます。ああ、ちなみに言っておきますが、艦隊にはエネルギーインゴットが満載してあります。これが一隻でも突入できればどうなるかなどわかっていますね?」
 つまり、彼女は。
 元より侵略ではなく。
「ええ、滅ぼすつもりです。止められますか、第六の猟兵。ええ、知っていますよ。貴方達がこの程度では止まらないと。ですが、それは自らに降りかかる火の粉を振り払う時のみ。故にこの艦隊は貴方達ではなく、『ビバ・テルメ』を狙いましょう。『巨神』を手に入れるのは、それからでも遅くはありませんから」
 どうしようもない悪性が其処にあった。
 艦隊を止めるか、それともオブリビオンマシン駆るどうしようもない破滅に狂った『ノイン』を止めるか。
 その択を強いてきているのだ。
 かつての『第三帝国シーヴァスリー』の首席『ノイン』とは異なる『プラナスリー』の『ノイン』。
 その二人の卓越した技能は共通していながらも、どうしようもない悪性だけが、『アークレイズ・ディナ』を駆る彼女には在った。

「来なさい、猟兵。それが貴方達以外の滅びを招くのです――」
ウィル・グラマン
●POW

へへ、来たな親玉め!
セラフィム・シックスが再起動しちまえば、こちらのもん…って、え?
ノインがふたり?
ちょっと待てよ、何が騙して悪いがだ!

ちっくしょ、最初からこうなる手筈だったのかよ…
よぉし、そんなら容赦しねぇからな!
行くぜ!
ベア、セラフィム・シックス!!

迫るカミカゼ艦隊とオブリビオンマシン…まだ艦隊の到着に時間の猶予がありゃ、こっちだ!
けど、高機動にベアの特殊超合金のボディも削って来やがるドリルソードランスは厄介過ぎるぜ…
肉切らせて骨で断つっきゃねぇけど、切っ掛けさえあれば…そうだ!
セラフィム・シックス、プロメテウス・バーンを海面に向けてやってくれ!
水蒸気爆発の煙と衝撃でベアの援護だ!



「へへ、来たな親玉め!」
 迫る大艦隊。
 その加速は明らかに『ビバ・テルメ』への吶喊、特攻であった。エネルギーインゴットを満載した艦艇は一隻でも突入を果たせば、大爆発を引き起こし、小国家を滅ぼすだろう。
 故に一隻も抜かせてはならない。
 けれど、この程度の苦境にて止まる猟兵は唯の一人としていない。
 故に『ベアキャット』と共にウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は、オープン回線で呼びかけてきた『プラナスリー』の『ノイン』に立ち向かう。
「『セラフィム・シックス』が起動死地前歯、こっちのもん……って、え? 今の声って『ノイン』だよな?」
 あれ!? とウィルは後方の氷山を見やる。
 そこには他の猟兵の配した機械人形によって戦場から遠ざけられるようにして保護されている『ノイン』の姿があった。
 しかし、迫るオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』にもまた『ノイン』が乗っている。

「どういうことだ!」
「どういうこともないですよ。あれも『ノイン』。名ばかりではありませんが、しかして私も『ノイン』。別にこの世界では珍しいことではないでしょう、クローニングなど。レプリカント、という種族がいるのですから」
 迫る『アークレイズ・ディナ』を駆る『ノイン』はドリルソードランスを構えてウィルへと迫る。
「ちょっと待てよ! 頭混乱する! ちっくしょ、最初からこうなる手筈だったのかよ……!」
「あれはそもそも処分されるはずでした。ですが、貴方達猟兵が保護して今の今まで隠していたのではありませんか。それを」
 振るわれるドリルソードランスの一撃が『ベアキャット』に受け止められる。
 だが、次の瞬間『ベアキャット』の装甲が火花をちらして削られていくのだ。

「なっ!?」
「その程度の装甲で、この一撃を受け止められると!」
「くそっ、ベアの特殊超合金ボディも削ってきやがるとは……!」
 だが、とウィルの瞳は『アークレイズ・ディナ』を捉えていた。
 相対する敵は強大。
 されど、強大であるからと言って倒せぬ敵ではない。どんな強大な敵にでも人は己が知恵と工夫でもって乗り越えてきたからこそ、今の歴史がある。
 故にウィルは覚悟を決めた。
「ベア! 覚悟を決めたぜ、オレは!」
「ガ、オン――!!」
 彼の言葉に応えるようにして『ベアキャット』のアイセンサーが煌めく。
「肉を切らせて骨を断つっきゃねぇ!『セラフィム・シックス』!」
 ウィルは氷山にて立つ『巨神』へと振り返る。

 この状況を一転させるには、あの力しかない。
「コール!『プロメテウス・バーン』!」
 瞬間、赤熱する胸部砲口から『セラフィム・シックス』は熱線を放つ。
 しかし、それは『アークレイズ・ディナ』ではなく、海面を穿つ。
「何を……」
「こうすんだよ! ベア!」
「ガォン!!」
 放たれた熱線の一撃は、海面の海水を一気に蒸発させ、その爆発でもって迫る大艦隊の前に大波を生み出し、その進路を妨害する。

 それだけではなく、その水蒸気爆発でもって『アークレイズ・ディナ』の体勢を突き崩したのだ。
「やれぇ、『ベアキャット』!」
 ウィルの声に応えるようにして『ベアキャット』が水蒸気の中から飛び出し、『アークレイズ・ディナ』の躯体を打ち据える。
 その一撃は構えたドリルソードランスに削られながらも、駆体を凄まじい衝撃で打ち据え、海面を水切り石のように跳ね飛ばすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
はぁ?いやいやいや、そんな爆発起こしたらあんたも無事じゃすまないでしょうが!
狂人の考えはマジでわからない。一生分かりたくないけどね!

あの速度だと…下手にEMPで止めるより破壊したほうが確実かッ。
アマテラスの『索敵』で『情報収集』艦艇の爆発の規模を『戦闘知識』から予想して『瞬間思考力』で最終防衛ラインを設定。
ここを超えられる前に…撃つッ

『オーラ防御』のシールドで通常攻撃を防ぎつつ、ユーベルコードを『読心術』で『見切り』『操縦』テクで回避
『カウンター』でアストライアの『制圧射撃』で牽制しつつ、艦艇に近づくよ。
この一撃なら確実に沈めれる!!
ユーベルコード『ゲンドゥル』ボクの知る限りこの世界最大火力だ



 小国家『プラナスリー』の大艦隊を率いていた『ノイン』は言う。
 この大艦隊は艦艇の全てにエネルギーインゴットを満載していると。そして、これは侵略ではなく、破壊であると。
 それは破滅への一途であった。
 言うまでもない。
「はぁ? いやいやいや、そんな爆発起こしたら、あんたも無事じゃすまないでしょうが!」
 白のキャバリア『レスヴァントMk-Ⅱ』が海面を蹴るようにして疾駆する。
 目指すはオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』である。
 水切り石のように猟兵のスーパーロボットに弾かれた機体が体勢を整えていた。
「そうでしょうね。ですが、それの何処に問題が? 破滅をもたらすのが私の約目です。人の善性など、とうに捨てていますよ。私が求めるのは!」
 ユーリーの駆る白い『レスヴァントMk-Ⅱ』に迫る『アークレイズ・ディナ』。
 構えたドリルソードランスの一撃は受けてはならない。
 あらゆる防護を貫通してくるあの一撃は、シールドごと此方の機体を抉りに来るとユーリーは理解した。

 そして、同時にあの機体の速度も並ではない。
「狂人の考えはマジでわからない」
「そうでしょうか? 人は死ぬものです。永遠には生きられない。なら、刹那に生きることもまた生きることでしょう?」
「だったら何、そんなのこっちは一生分かりたくないけどね!」
 ドリルソードランスの一撃を警戒してユーリーは距離を取る。けれど、さらに『アークレイズ・ディナ』は追いすがるのだ。
「アマテラスッ!」
 ユーリーは即座にドローンから伝わる情報で持って艦艇に満載されたエネルギーインゴットと、その爆発に伴う予想範囲規模を計算する。
 やはり、どう計算しても小国家一個が丸ごと巻き込まれてしまう。
 それがこの多数の艦艇一隻で起こり得てしまうというのだ。

「ここを超えられる前に……撃つッ!」
「でしょうね! そうくると理解していましたよ!」
『ノイン』は理解していた。
 ユーリーが此方を撃破するよりも、艦艇の排除を狙うだろうということを。
 互いに戦場での駆け引きは互角。
 故に互いの最も嫌がることをする、となれば悪性満たす狂気を持つ『ノイン』が一枚上手だった。
 迫るアンカーテイルの一撃。
『レスヴァントMk-Ⅱ』の背部に突き立てられたアンカーは引き抜けない。それどころか、機体のエネルギーを奪っていくのだ。
 エネルギーゲインが低下していく。

「だろうね……そうくると理解してたよ! 理解したくもなかった狂人の思考なんて!」
 ユーリーの瞳がユーベルコードに輝く。
「何……、何を!」
「この一撃なら確実に沈められる! 全部を沈められなくても!!」
 彼女のユーベルコードは『レスヴァントMk-Ⅱ』より放たれたレーザーサイトでもって『プラナスリー』の艦隊を示す。
 そう、それは天に座す『殲禍炎剣』を騙す光。
 あの暴走衛生は空を飛ぶ飛翔体しか砲撃しない。

 だが、ユーリーのユーベルコードは、これを騙す。
「|この世界《クロムキャバリア》の災厄……利用させてもらうよ。ボクの知る限り、この世界最大火力だ」
 煌めくはゲンドゥル。
 暴走衛生より放たれた砲撃の一撃が『プラナスリー』の艦隊の中心部に放たれ、その一撃で艦隊の半数が消滅する。
「猟兵……どちらが狂人なのですか! こんなっ!」
 馬鹿げたことを! と凄まじい砲撃の最中、ユーリーはアンカーを引き抜き、残り少ないエネルギーを押して『レスヴァントMk-Ⅱ』で荒れ狂う海面を飛ぶ。
「この一撃なら確実に沈められるって判断したまでだよ! 合理的で理知的でしょーが――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
おうおう、人が留守の間に好き放題してくれるなんてイイ度胸じゃない
巨神なんぞ壊してくれたってどうとも思わないけど、国をどうこうするって言われたら黙っておけないね
それに隙をついての強襲なんて、浪漫がないね

お、捕虜の方のノインも働いてんしゃん
働かざる者食うべからず!
さあ、食い扶持の為に働くのだー!

そっちのノインも、捕まえて労働力にしてくれようか!

敵がどれだけ数を揃えようとも
|外法《オブリビオンマシン》を使った時点で、こっちに補足されてるんだよ
そうであるなら…負ける訳が無い!

光、此処に有らずとも
願い、此処に有らずとも
祈り、此処に有らずとも
浪漫、此処に有らずとも
超克の意思!此処に有り!
オーバーロード、外装展開、模造神器全抜刀!

【Unite Dual Core】起動
雷刃全展、まずは船!
海面に水平に『なぎ払い』
最大延長の雷の刃で届く範囲の艦艇を叩き切る!

性悪な方のノインに邪魔されないよう追尾蒼炎で攻撃し続け、近付かれないように対処
テールアンカーも『オーラ防御』で弾いて突き刺さらないようにしよう



 猟兵のユーベルコードによって誘発された暴走衛生の砲撃。
 それによって『プラナスリー』の特攻艦隊の半数が消滅した。
 けれど、まだそれでも半数なのだ。凄まじい衝撃に大波が立ち、艦艇を多く聞く揺らす。当然、浮上した氷山も大きく揺れていた。
 猟兵の配した機械人形によって保護されていた『ノイン』は立ち上がる飛沫に瞼を閉じていたが、しかし人の気配にまぶたを開く。
 其処にいたのは、己をこの『ビバ・テルメ』に逗留させた猟兵、月夜・玲(頂の探究者・f01605)であった。

 背を己に向けて立つ彼女はあまりにも待望の登場だった。
「おうおう、人が留守の間に好き放題してくれるなんてイイ度胸じゃない」
 玲にとって『巨神』がどうなろうと構わないことだった。
 壊されたって別に困らない。
 けれど、彼女にとって捨て置けぬことが一つあった。
 それは己が興した小国家。己が商機の塊たる『ビバ・テルメ』を滅ぼすと言われたのならば、黙っておけるはずがなかったのだ。
「それに隙をついての強襲なんて、浪漫がないね。そうは思わない『ノイン』』」
「ろ、浪漫、ですか?」
「そう、浪漫! 働かざるもの食うべからず! 良く守ってんじゃん」
「貴方が私を此処に置いていくから! これは仕方なく!」
「まあ、いいじゃん。食い扶持のために働くのもいいものだよ。というわけで、そっちの『ノイン』も捕まえて労働力にしてくれようか!」
 玲が指差すのはオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』。

 そのコクピットに座す『ノイン』は忌々しげに玲を睨めつける。
「言うに事欠いて、この状況でまだ私をどうにかできると思っているのならば、おめでたいにも程がある!」
 海上を疾駆する『アークレイズ・ディナ』。
 その加速は凄まじいものであったし、アンカーテイルの一撃が玲を狙う。
「どれだけ数を揃えようとも|外法《オブリビオンマシン》を使った時点で、こっちに補足されてるんだよ。そうであるなら……負ける理由がない!」
「ほざく!」
「いいや、そうじゃあないよ!」
 玲の瞳が超克の輝きを放つ。

「光、此処に有らずとも」
 煌めくオーバーロード、超克の彼方より飛来するは力。
「願い、此処に有らずとも」
 玲の背に追うは、一対の巨腕。
「祈り、此処に有らずとも」
 引き抜かれるは、模造神器。その刀身は蒼に輝く。
「浪漫、此処に有らずとも」
 彼女の手が、副腕に配された鞘、二振りの模造神器の柄に懸けられる。
「超克の意思! 此処に有り! オーバーロード、外装展開、模造神器――」
 振り抜くようにして四振りの刀身が励起する。
「全抜刀!」

 その瞳が見据えるは己に迫るアンカーテイルの一撃。
 これがキャバリア同士の戦いならば、アンカーテイルは致命傷にならなかっただろう。だが、玲は生身単身である。
 アンカーテイルの一撃であれど受ければ体が消し飛ぶ。
 だが、彼女は振り抜いた刀身に込められた雷と焔の疑似邪神と合体し、迫るアンカーテイルの一撃を二振りの刀身を交差させるようにして受け止めた。
「弐神合一プログラム……Unite Dual Core(ユナイトデュアルコア)……略してUDC……起動!」
 アンカーテールの一撃を弾き飛ばしながら玲は一歩踏み出す。
 掲げた刀身が雷刃となって天を衝くかのように形成されていく。
「こ、の……!」
 弾かれたアンカーテイルを引き戻しながら、ドリルソードランスを構えた『アークレイズ・ディナ』が迫る。

 しかし、それよりも疾く玲は動いていた。
「雷刃全展、まずは船!」
 猟兵のユーベルコードによって半数を失えど、一隻でも飛び込めばそれで此方の敗北となる。故に玲は最大延長によって生み出された雷刃を持って水平に薙ぎ払い、迫る艦艇ごと、『アークレイズ・ディナ』を叩き伏せ、背後に迫っていた艦艇を海面に叩き増えるのだ。
「よくも、やってくれますね!」
「はっ、性悪の方はお呼びじゃあないんだよね!」
 刀身より放たれた浄化の蒼き炎がほとばしり、『アークレイズ・ディナ』を退ける。
 近づけさせない。
 オーバーロードに至る玲の四振りの模造神器は、迫りくる艦艇を留めるために振るわれ、加えて『アークレイズ・ディナ』すらも押さえつけ続けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリィ・ローゼ
海鶴マスターにおまかせします。小さいけれど勇敢で、希望を失わないリリィをお願いします!

使えるUCは全て使用
半壊したキャバリアは(かわいそうなので)置いて、生身とライオンで戦いたいです



 機体が擱座する。
 大地に倒れ伏す姿は鋼鉄の巨人が息絶えたように思えたことだろう。
 その胸部、コクピットから這い出すリリィ・ローゼ(フェアリーのシンフォニア・f04235)は、傍らにあって鋼鉄の装甲に手を触れる。
「ありがとう。わたしを守ってくれて。がんばってくれて」
 感謝の言葉。
 それは兵器にとっては、ふさわしくない言葉だった。
 なぜなら、兵器は他者を害するためのものである。感謝される謂れなど何処にもなかったからだ。

 しかし、リリィは己が借り受けたキャバリアに触れて言葉を紡ぐ。
 他の誰かが彼女の行いに対して偽善であるとか、まやかしであるとか、そのような言葉を吐いたとしても、それは意味のないことだった。
 それは唯の言葉でしかない。
 今、リリィは己が駆ったキャバリアがたしかに己を守ってくれたことを実感した。
 感じたことは言葉以上の力を持つ。
 故に彼女は瞳をユーベルコードに輝かせる。
 迫るはオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』。
 猟兵のユーベルコード、雷刃に抑えつけられていた機体が跳ね飛ばすようにして海面をなめるようにして飛ぶ。
「どこまでも邪魔を!」
「邪魔? あの人達があなたに何をしたって言うの。いいえ、何もしていないわ! それなのに!」
「そこに存在している。それだけで私の心をかきむしる。善性というものに踊らされて、誰かを傷つけずにはいられない人間という生き物の本能を捨てされないで!」
 放たれるアンカーテイルとデュアルアサルトライフルから放たれる実弾とビームの嵐がりりィを襲う。

 もはや、彼女を守るキャバリアはない。
「そんなことないわ! 人という生き物が本能だけで生きているのならば、素敵なことは何一つ生まれなかった。あなたの言う善性だって、あなたが抱える悪性がなければ生まれることなんてなかった」
「それが無意味だというのです!」
 リリィは朽ちた鋼鉄の巨人、キャバリアを庇うようにして立ちふさがる。
 兵器に意思はない。
 守る意味などない。
 けれど、リリィは思ったのだ。
 戦うためだけに生まれてきた兵器であれど、可哀想だと。
 それは、彼女の信念にも似たものであった。

 曲げてはならない。
 それを曲げてしまっては己という個はこれから何を寄す処にして生きねばならないのか。
「そんなことないわ! だって、わたしは感じているもの! あの鋼鉄の巨人がわたしをまもってくれたって! なら、それが!」
 叫ぶリリィの瞳がユーベルコードによって黄金のライオンを呼び出す。
「今更そのような矮小なユーベルコードで何ができるというのです」
 できる。
 リリィはそう思った。
 戦える。
 そして、彼女は青い熾火を見ただろう。
 己を見ている。

「そうよね。あなただってそうなのよ。あなたは――そのために生まれてきたのだから」
 迫る『アークレイズ・ディナ』をリリィは惹きつけるようにして黄金のライオンにまたがり、海面を走る。
 恐ろしい音を立てる銃弾とビームの嵐の中を走る。
 敵は己に釘付けになっている。
 ならば、叫ぶのだ。
「コール!『プロメテウス・バーン』!」
 咆哮迸るようにして『セラフィム・シックス』の胸部が赤熱する。
 放たれるは熱線。
 苛烈なる一撃はリリィを追う『アークレイズ・ディナ』を打ち据え、その躯体を弾き飛ばすのだ。
 感じることができれば力だと言った。
 それはリリィが信じる力だった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
二択を強いられた
悟った瞬間には決断的にノインへと突貫し蛇矛を振るう
「その首貰うわ!」
艦隊を無視し、一筋に狙うは大将首
択をかけたと言う意識の間隙を狙い【気合】で蛇矛の【乱れ撃ち】による猛攻をねじ込むのだ
迷うと負けだ。勢いだ
呼吸を止めて乱撃し、何もさせまいと攻勢をかけたい
狙い目は相手が海を背負う一瞬
「天蛇王!」
神器の【封印を解く】と、重い一撃を奴の防御の上から狙う

目標は海割り
【情報収集】で艦隊の航路を測り、奴等をまとめて海の裂け目に引き摺り込むのを狙う

「一石二鳥。好きな言葉ね……じゃあ、さよなら、プロミネンスバーン!」

ノイン機体及び艦隊をねらい、海の裂け目へと巨神の一撃を依頼する



 それは刹那の決断だった。
 今駆け出さなければ手遅れになるのだと理解したからだ。
 二択。
 それは猟兵たちに突きつけられた選択肢であった。
 選べ、と『アークレイズ・ディナ』を駆る『ノイン』は言った。
 オブリビオンマシンを駆る己か、それとも特攻艦艇擁する艦隊か。
 故に才堂・紅葉(お嬢・f08859)はためらわなかった。
「その首貰うわ!」
 彼女の駆る『天蛇王』は艦隊を無視し、一気に『ノイン』の駆るオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』へと迫った。

 ユーベルコードがきらめいていた。
 僅かな逡巡も許されない。
 仮に彼女がわずかにためらったとしよう。それはオブリビオンマシンを駆る『ノイン』にとっては千金に値する隙であった。
 事実、紅葉が迫るのと合わせて『ノイン』はドリルソードランスを構えた。
「させると思いますか!」
 振るうドリルソードランスが『天蛇王』の振るう蛇矛と撃ち合う度にひび割れていく。
 削られている。
 どんな強固な守りであっても、『アークレイズ・ディナ』のドリルソードランスは無効化し、えぐるのだ。
 恐るべき性能である。

 だが、それでも紅葉は迷わなかった。
 迷ったら負ける。
 勢いだ。
 それだけを紅葉は頭に置く。
 呼吸を止める。息継ぎすら不要であるというように紅葉は『天蛇王』の蛇矛を振るう。凄まじい連撃であるが『アークレイズ・ディナ』はついてくる。
「無駄だと言いましたが!」
『ノイン』の言葉が脳裏にチラつく。だが、紅葉はためらわない。ためらってなどいられない。
「『天蛇王』!!」
 蛇矛は神器。
 振るうは裂帛の気合と共に放たれるユーベルコード。
「力は山を抜き、気は世を覆う……だっけか。要は海をも割る気合って事よ、天蛇王!!」
 地を裂き、海を割る。
 それこそが開放された神器の力。
 単純な一撃だ。
 振るう一撃は、ただそれだけだった。しかし、受け止めた『アークレイズ・ディナ』のドリルソードランスが歪む。
「なっ……!?」
 機体事態は保つ。

 しかし、放たれた天蛇王・猛勢一挙(モーゼイッキョ)は、『アークレイズ・ディナ』の背後、その海面を割るのだ。
 恐るべき力である。
 そのユーベルコードは周辺の地形すら破壊するほどの一撃なのだ。
 裂けた海の中に特攻艦隊が引きずり込まれていく。
「一石二鳥。好きな言葉ね……じゃあ、さよなら、『プロメテウス・バーン』!」
 青き熾火が迸る。
『セラフィム・シックス』より放たれた熱線。
 その一撃が海面へと引きずり込んだ特攻艦隊の一部を焼き滅ぼした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリス・ホワイトラトリア
●艦隊戦組
ソフィア殿下が仰っていました
猟兵とベヒーモス様の力があればもっと大勢の人を助けられるって…
いまがその時です!
艦隊はわたしが!
キャバリアはお願いします!

引き続きセラフィム・シックスの前に布陣します
敵艦からのミサイル攻撃は対空機関砲と対空ミサイルで撃ち落とします
被弾してもベヒーモス様のアダマンチウム装甲は揺るぎません!

複数ある砲を使い分けて効率よく多くの船を攻撃しましょう
巡洋艦にはメガビーム砲と三連装衝撃砲を
装甲の分厚い戦艦にはハイパーレールガンと超大型対艦魚雷を使います
でも敵艦の勢いが止まらない…ベヒーモス様?
わかりました
ギガンティックバスター!最大出力で発射してください!


エレイン・アイディール
●艦隊戦組
船の積載量を活かしてエネルギーインゴットを満載し、装甲を盾に戦線突破を図る
憎たらしいけど合理的な特攻作戦だわ
ただ一つ重大なミスを除けばね
それは…このアイディール家の女を敵に回してしまった事よ!

隊列はさっきと同じよ
真正面から出迎えるのが礼儀というものだわ
ローエングリン!全砲門開け!
メガビーム砲とミサイルが織り成す火砲弾雨をとくとご覧なさい!
僚艦と共に正面一帯にキルゾーンを形成するわ
強引に攻撃範囲を突破してくれば被害は必至よ
船の中に満載したエネルギーインゴットに誘爆させてあげるわ
けれど戦艦は流石に頑丈よね
セラフィム・シックス!出番よ!
プロメテウス・バーンで風通しを良くして差し上げなさい!


桐嶋・水之江
●艦隊戦組
ダメよ
仕事終わりに温泉入れなくなっちゃうじゃない
という訳で私は艦隊の相手に回るわ
ディナの相手はよろしく
なんでも貫通するドリルもだけどアンカークローにも気を付けて
エネルギー吸われちゃうわよ

こっちの隊列はベヒーモスが真ん中
ローエングリンとワダツミで左右を固める構成よ

まずはメガビーム砲とミサイルで応戦
対空防御はCIWSとプロテクトフィールドで対応
駆逐艦級までならこれだけでも十分でしょう
戦艦や空母には火力不足だからアレの出番よ

これより本艦は超収束ハイパーメガビーム砲を使用します
命が惜しい人は射線上から退避してね
発射タイミングはベヒーモスと被せるわ
余計な気を起こされる前に撃滅しちゃいましょう



 正気の沙汰ではない。
 特攻艦隊。
 それは小国家『プラナスリー』の艦隊を率いる『ノイン』が発した命令であった。
 彼女が率いてきた艦隊はどうやら全てが無人艦であったようだった。エレイン・アイディール(凛とした傲岸・f42458)は理解する。
 艦船の積載量を活かしてエネルギーインゴットを満載し、装甲を盾に戦線を突破し、敵国に壊滅的な打撃を与える。
「憎たらしいけど合理的な特攻作戦だわ」
 言うまでもない。
 それが有効な手段であり、猟兵たちに選択を迫った。
 つまり、オブリビオンマシンを叩くか、艦隊を叩くかの二択。
 片方を捨てれば、片方が世界の破滅をもたらす。その最悪の二択。

 だが、ただ一つ。
「彼女、一つ重大なミスをしたわね。それは……このアイディール家の女を敵に回してしまったことよ!」
「そーね。それにしたって、金に糸目をつけない戦法よねぇ。一体どこから出資されているのやら。どう考えてもマトモなじゃないわよねぇ」
『ローエングリン』と共に両翼を担う『ワダツミ』に座す、桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)は小国家『プラナスリー』があまりにも潤沢すぎる資源と資金を持っていることに訝しむ。
 どう考えてもこのような物量作戦を行うことができるのは新興国家ではない。
 プラント保有数が違うのか。
 ならば、新興国家であるというのはおかしなことだ。
 あれだけの物資が動けば、必ず気取られる。

 それこそ、十数年単位でもなければ。
 その奇妙な符号に感づく。
「はじめから計画されていたのなら、あの艦艇を捨てるみたいな作戦も頷けるのよねぇ……」
 ま、と水之江は息を吐き出す。
 全てはこの作戦が終わってからだ。そうでなければ、仕事終わりに温泉に入れない。
 ならばこそ、水之江は他の猟兵たちに告げる。
「『アークレイズ・ディナ』の相手よろしく。なんでも貫通するドリルもだけど、アンカー黒ーに気をつけて。エネルギー吸われちゃうわよ」
 そう告げて、水之江とエレインは巨大キャバリア『ベヒーモス』を中心に小国家『ビバ・テルメ』に迫る艦艇に相対する。

 圧倒的な数だ。
 それに加え、この中の一隻でも通せば『ビバ・テルメ』は壊滅的な打撃を受けてしまう。
 だからこそ、加減は出来ない。
「ソフィア殿下はおっしゃいました。猟兵と『ベヒーモス』様の力があれば、もっと大勢の人を助けられるって……」
 イリス・ホワイトラトリア(白き祈りの治癒神官・f42563)は恐ろしさを噛み殺した。
 浮かぶのは、『神機の申し子』の一人の顔だった。
 あの人達は、己が身を顧みずに他者のために力をふるった。
 ならば、己の手の内にある力はなんのためにあるのか。
 その力で誰かを助けるためだ。
「今がその時です!」
 顕然たる瞳に輝くユーベルコードの光。

「ソフィア殿下、艦隊はわたしが! キャバリアは!」
 イリスの言葉に呼応するように『ベヒーモス』が咆哮する。
 迫る艦艇から多数の迎撃ミサイルが飛ぶ。しかし、その尽くを『ベヒーモス』に配された対空みさいるが撃ち落とし続ける。
 打ち漏らしても構わない。
『ベヒーモス』のアダマンチウム装甲は揺るがない。
 イリスの信念と同じように揺るがないのだ。
「よい面構えになったわ、イリス。ならば、わたくしもまた応えましょう!『ローエングリン』! 全砲門開け!」
 火砲弾雨(バーストストーム)が吹き荒れる。
 メガビーム砲の光条が走り、ミサイルの乱舞によって迫りくる特攻艦隊を沈めていくのだ。
「とくと御覧なさい! これが火砲の雨というものよ!」
『ローエングリン』の火力は凄まじいものだった。

 瞬く間に特攻艦隊が爆発と共に海中に沈んでいく。
 だが、それでもまだ艦艇の数は健在なのだ。
「まったく。駆逐艦クラスやら巡洋艦レベルならわかるけど、戦艦や空母も持ち出すなんて敵もわかってるわね」
 全てが画一的であったのならば、対処もし易い。
 けれど、特攻艦隊は大小様々な艦艇を用いて、此方の対応の煩雑さを誘発しているのだ。
「メガビーム砲とミサイル。あとは対空防御。まあ、駆逐艦クラスならこの程度で十分でしょう。でも、戦艦や空母には火力不足だから……アレの出番よ」
 水之江の瞳がユーベルコードに輝く。
 いや、不敵に輝いた。

「これより本艦は超収束ハイパーメガビーム砲(スーパーコンバージェンス・ミズノエキャノン)を使用します。生命が惜しい人は射線上から退避してね」
「合わせます!」
 水之江の言葉にイリスが応える。
「それじゃあ、タイミングは『ベヒーモス』に」
「『ベヒーモス』様、どうかお力を! 偉大なる巨竜の息吹(ギガンティックバスター・マキシマイズ)たるギガンティックバスターの使用を……ええ、わかりました!」
『ベヒーモス』のアイセンサーが輝く。
 放てば、それだけで『ベヒーモス』は動けなくなる。
 けれど、それでいい。
 この一撃は、それだけの価値があるのだ。

「『セラフィム・シックス』! 出番よ! コール『プロメテウス・バーン』!」
 赤熱するは『セラフィム・シックス』の胸部砲口。
 エレインの呼びかけに応えるようにして、そのアイセンサーが熾火を宿す。
「エネルギーコンデンサを全て直結、チャンバー内荷電粒子の加圧率良し、EMライフリング回転開始……いつでも行けるわよ」
「はい……ギガンティックバスター! 最大出力で発射してください!」
 その言葉と重なるようにして、迸るようにして三つの光条が重なり、迫る特攻艦隊へと放たれる。
 それは極大なる爆発を引き起こし、戦場に吹き荒れる。
 多くの艦艇を巻き込む爆発。
 そうして、天を焦がすかのような光が、戦場に刻まれたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘレナ・ミラージュテイル
●ベヒーモスの甲板上組
ダイナミックな事考えるわねぇ…
温泉を吹っ飛ばされちゃうのは許せないかな?
火の粉は撃ち落とさせてもらいまーす

ディアストーカーでベヒーモスの甲板から狙い撃つわよぉ
ソフィア殿下達には悪いけど囮になってて貰おっと
ちゃんと引き付けててねー?

さっきのにも増して動きが速いわねぇ
一撃集中でじっくり狙いを定めるわ

狙うのは回避運動が終わった瞬間
スナイパーキャノンとステルスミサイルを同時発射するわ
するとキャノンが避けられてもすぐにミサイルが来るから防戦に追い込めるってわけ
しかもレーダーに映り難いミサイルだから躱すのにも目視を強いる事が…ってちょっと
あたしの戦い方真似しないでって言ったでしょ?


ジュディス・ホーゼンフェルト
●ベヒーモスの甲板上組
斯くしてセラフィム・シックスは誰も選ばなかったと
イェーガー側も気後れしてたように見えるけどね
現に立候補者が殆ど居なかったし?
あの巨神が何を抱えてるのか、なんとなく勘付いてるんじゃない?
ガルムは?アンタはアレの事何か知ってるでしょ?

同じ足場に居座って狙い撃とう
エルネイジェの皇女様達が敵と遊んでくれてるこのチャンスを逃す理由は無いね

赤外線センサー起動
明鏡止水で相手の動きに集中
バーニアの光が大きくなってから小さくなった瞬間…回避運動の終わりをビームキャノンで狙う
ミサイルも同時発射して一気に攻め落とそう
命中しなくても余所見はさせられる
あー?
だからパクってるのはそっちでしょーが!



 巨大キャバリア『ベヒーモス』の甲板上にて迫る小国家『プラナスリー』の特攻艦隊を認める。
 それは自暴自棄の行動ではなかった。
 元より想定されていた事態だったのだ。
 猟兵の到来。
 そして、オブリビオンマシンによる襲撃も阻止されるということも。
 故に『ノイン』は最初からこうするつもりだったのだ。
 艦艇に満載されたエネルギーインゴットと共に『ビバ・テルメ』への特攻を。
「ダイナミックなこと考えるわねぇ……温泉をふっとばされるのは許せないかな?」
 ヘレナ・ミラージュテイル(フォクシースカウト・f42184)は、己が温泉休暇を無きものにしようとする目論見を打ち砕くために『ヴェロキラ・ナイトストーカー』を甲板上で再び射撃体勢を取らせる。

「火の粉は撃ち落とさえてもらいまーす」
 すでに敵オブリビオンマシンは他の猟兵……ソフィアたちが惹きつけているはずだ。
 ならば、己がすべきことは、この艦隊……巨大キャバリア『ベヒーモス』と二隻の艦艇に迫る敵性体を撃ち落とすことだ。
「容易く私を撃ち落とすなど!」
 オブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』が迫る。
「さっきにも増して動きが速いわねぇ……なら、一撃集中(ブルズアイ)!」
 ヘレナは集中する。
 敵の動きは速い。
 はっきり言って『エース』級だ。
 けれど、そのような敵を狩るのが己の役目だ。彼女のミラージュテイル家は元来、あのような『エース』を屠るための技術を磨き上げてきた。
 ならばこそ、ヘレナは艦隊の砲火の中をかいくぐるようにして海面を飛ぶ『アークレイズ・ディナ』を捉える。

 狙うは回避運動が終わった瞬間。
「よーく狙っ……てぇ!」
 ロングバレルから放たれる弾丸とステルスミサイルが同時に放たれる。
 スナイパーキャノンから放たれた弾丸が躱され、さらにヘレナの後方からビームキャノンの光条が飛ぶ。
 それは同時に放たれた二つの攻撃によって『アークレイズ・ディナ』を撃ち落とす。これでこの艦隊の行動をあのオブリビオンマシンが阻害することはないだろう。
 此方はオブリビオンマシンと特効艦隊。
 その二つを相手取らねばならないのだ。
 しかし、だ。
 その同時に放った相手が悪かった。
「んなっ!? ちょっと、あたしの戦い方真似しないでって言ったでしょ?」
「あー? だからパクってるのはそっちでしょーが!」
 ヘレナはほぼ同時に同じ戦法でもって『アークレイズ・ディナ』へと攻撃を放ったもう一人……いや、もう一騎のキャバリアへと視線を向ける。

 そこに在ったのは、明鏡止水(コンセントレイション)に至ったジュディス・ホーゼンフェルト(バーラント機械教皇庁三等執行官・f41589)の駆る『ガルム』であった。
 奇しくも三度。
 同じ戦法によって敵を狙ったのだ。
 此処までの偶然が重なると、もはや因縁である。
「はいはい。うるさいったらありゃしない」
 ジュディスは息を吐き出す。
 こうも敵対する小国家の猟兵と戦法が丸かぶりであるというのは、なんとも釈然としない。
 けれど、ジュディスは後方の氷山に目を向ける。
 あの『巨神』、『セラフィム・シックス』。
 赤熱する胸部砲口は焼けただれるようにして黒く染まり始めている。
 濁る色。
 赤交じる青は、徐々にその装甲を変色さえている。

 その変化は如何なるものか。
「斯くして『セラフィム・シックス』は誰も選ばなかった、と。こうなることをアナスタシアは予見していたのかしら」
 ジュディスは考える。
 わからない。けれど、『バーラント機械教国連合』、機械教皇『アナスタシア』は何かを感じ、この地に己たちを派遣したのだ。
「あの『巨神』が何かを抱えているのか……『ガルム』は? アンタは『アレ』のこと何か知ってるでしょ?」
 ぶるりと、震えるようにして『ガルム』が躯体を揺らす。
 まーた、とジュディスは息を吐き出す。
 これだ、と。

 決まって『ガルム』は『セラフィム』に関連した……いや、『熾盛』に関連する事柄に対して過剰反応する。
 それは心的外傷とでも言うべきものであったのかもしれない。
「ま、いーけどね」
「よかないでしょ! 猿真似!」
「だーかーらー、パクってるのはそっちでしょーが!」
 何度目かわからない口角泡を飛ばす、どちらが先か論争に、その思考は塗りつぶされていくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・エルネイジェ
●対ディナ組
ノイン…?
かつてのシーヴァスリーの首席だった人物とは別人なのですか?
…何者であろうと倒さなければならない相手に変わりは無いようですね

恐るべき機動…!
こちらも雷光強襲で速力を引き上げて対抗します
聖竜騎士団全機!連続波状攻撃を仕掛けます!
自らが標的となればフライトユニットとスラスターによる急制動や急停止を駆使して回避に専念しましょう
その際には敵が僚機に対して背中を向ける位置取りを意識します

敵の狙いが移れば攻勢に出ます
ミサイルを起点としガンポッドを連射しつつ突撃
尻尾の殴打で体勢を崩してクローで引き裂く連続攻撃を行い離脱します
衝角の攻撃を警戒し、離脱する際には大きく距離を離しましょう


メサイア・エルネイジェ
●対ディナ組
わたくしが入る温泉を吹っ飛ばすですって!?
許せませんわ~!
悪い子ちゃんですわね!
こらしめて差し上げますわ~!

でっけぇおドリルですわ!
しかもさっきのお魚よりもお速いですわ!
お目々がぐるんぐるんしてきますわ!
ヴリちゃんも速くなるのですわ!
暴虐強襲!
お姉様が何か仰っておりますけどよく分かりませんわ~!
余所見をされている時を狙ってミサイルをぶっ放してから突っ込むのですわ!
ガンポッドをバリバリお連射!
ヴリちゃんタックル!ヴリちゃんパンチ!ヴリちゃん尻尾!ヴリちゃん噛みつき!
暴力で押せ押せですわ~!
連続攻撃で反撃させないのですわ~!
でもおドリルが危ないのでワンセット当てたら離脱するのですわ~!


ジェラルド・エルネイジェ
●対ディナ組
セラフィム・シックスに選ばれし者は現れなかったか
星が巡るように運命もまた巡る
かの巨神は再び眠り、また目を覚ますのだろう
ノイン、お前の運命はここには無かったようだな

波状攻撃か
良いだろう
炎嵐火翔で駆け抜けよう
敵の狙いが向けばストライクバックラーで防御しつつ後退
引き付ける事で僚機が攻撃する好機を生み出そう

敵の狙いが移れば攻勢に出る
高速突進で盾で殴打し炎の嵐を解き放つ
旋回してスマッシャーテイルを叩き付け、生じた遠心力を乗せたクローで引き裂く
離脱の前にブレイズディスチャージャーで爆風を放出し、敵を怯ませてからバーニングバスターを放射しよう
火炎で視界を奪い、続く僚機が攻撃し易い状況を作るのだ


メルヴィナ・エルネイジェ
●対ディナ組
何としてでもセラフィム・シックスをどうこうしたいのだわ?
あの巨神に何があるのだわ?
オブリビオンのせいでおかしくなってると言われたらそれまでだけど、それだけじゃない執念を感じるのだわ

アークレイズ・ディナを止めるのだわ
姉上達が波状攻撃を繰り返しているから隙を見て海上に出てオーシャンバスターを撃つのだわ
攻撃する瞬間までは海中にいるのだわ
相手は水中用の機体には見えないし、水の中に向けて銃を撃てば減速して使い物にならないし、プラズマビームは水蒸気爆発を起こすのだわ

ドリルで狙われたらエルネイジェ流横殴術で反撃するのだわ
尻尾を叩き付けて吹き飛ばすのだわ

だからルウェイン…そういうのは止めるのだわ…


ルウェイン・グレーデ
●対ディナ組
奴が敵の将か!
なんて大胆不敵な作戦だ…しかし例の下手人とは思えないな
メルヴィナ殿下とリヴァイアサンを相手に海上で仕掛けるとは迂闊だったな!
メルヴィナ殿下の敵は俺が叩く!

ソフィア殿下より命令が下った
そしてメルヴィナ殿下は攻撃の機会を伺っておられる
俺が成すべきは明確だ
迅翔連舞で敵のスピードに追い付いてみせるぞ!
敵機の狙いが他に向いた瞬間に突撃だ
被弾は耐衝撃装甲で受け流し、ミサイルを斉射しつつ接近
ガンポッドを連射しながら突進攻撃を食らわせる
そして爪と尻尾の連続攻撃を行い、ブースターの推力を正面に回して急速離脱しよう
こちらが狙われている状況ではガンポッドを撃ちつつ後退加速して注意を引くぞ



 完全同期の同時攻撃。
 その狙撃によってオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』は大きく体勢を崩した。海上で更に迫るミサイル攻撃の爆風に煽られながらも、しかして、その機体を制御せしめる技量はオブリビオンマシンに狂わされているのだとしても、卓越したものであった。
「奴が敵の将か!」
 海面を切るようにして『ヴェロキラ・イグゼクター』が飛ぶ。
 それは疾風のように凄まじい勢いであった。
「如何にも。そして、あなた達を滅ぼす者です」
『ノイン』の言葉と共にデュアルアサルトライフルから弾丸が放たれ、ルウェイン・グレーデ(自称メルヴィナの騎士・f42374)の駆る『ヴェロキラ・イグゼクター』の装甲を撃つ。
 浅い。
 けれど、それでも当てる。
「このイグゼクターに当てるだと!?」
「当てるでしょう、狙っているのだから!」
 火線が迸る。
 ルウェインは単騎で『アークレイズ・ディナ』の猛攻を凌ぐが、その最中を特攻艦隊が往く。

「なんと大胆不敵な作戦だ……しかし、例の下手人とは思えないな」
「したり顔で! 一兵卒に過ぎぬ存在が!」
『アークレイズ・ディナ』の蹴撃が『ヴェロキラ・イグゼクター』の躯体を弾き飛ばす。迫る弾丸。しかし、その砲火を炎の嵐が遮る。
「迂闊だぞ、ルウェイン」
「ジェラルド殿下……!」
 炎の嵐の中から現れるは『サラマンダー』であった。
「炎の騎士……!」
「どうやら『セラフィム・シックスに選ばれし者は現れなかったか。それはお前の誤算か。それとも」
 ジェラルド・エルネイジェ(炎竜皇子・f42257)の問いかけに『ノイン』は笑う。

「世界の声でも聞いたらどうです。エルネイジェの炎髪皇子。それとも、ブラフですか?」
 テイルアンカーが迫るのをジェラルドは炎の嵐と共に阻む。
「違うな。星が巡るように運命もまた巡る。かの『巨神』は眠ることを拒否している。目覚めたのならば、己が為すことを理解するのが、かの生命だ。そして、『ノイン』、お前の運命はここになかったようだな」
「知ったような口を!」
 弾丸を腕部のバックラーで弾きながら、ジェラエルドは『サラマンダー』と共に疾駆する。
 炎吹き荒れる中に、『ヴェロキラ・イグゼクター』が飛ぶ。
 ミサイルを斉射し、爆風の中を突っ切るようにして『アークレイズ・ディナ』に突進するのだ。

「悪い子ちゃんは此処ですわね~! こらしめて差し上げますわ~!」
 さらに黒き暴竜が迫る。
 メサイア・エルネイジェ(暴竜皇女・f34656)は現場がどのようなものであるかを理解していなかった。理解していなかったが、一つだけ理解していることがある。
 それは己が入る温泉をふっとばそうとしている悪漢がいる、ということである。
 それは許せない。
 断じて許せない。
 この事件が終わった折は温泉上がりにストゼロをくいっとやって、ガッとやって、ぷは~をする予定なのである。おっとよだれが。
「次から次へと!」
「あなたは嘗ての『シーヴァスリー』の首席だった人物とは別人なのですか?」
 ソフィア・エルネイジェ(聖竜皇女・f40112)の言葉に『ノイン』は笑う。
 今更だ、というようであった。

「だったらいかがします? エルネイジェ第一皇女。その立場で貴方は何を守り、何を排斥します。獅子身中の虫がいると知りながら、それもまた国民であるとのたまうのなら!」
「……何者であろうと倒さねばならない相手に変わりはないようですね」
 ソフィアは見た。
『アークレイズ・ディナ』を操る『ノイン』の技量は並ではない。
 加えて、艦隊を特攻させるという破滅的な作戦。
 オブリビオンマシンに思想を狂わされているとは言え、一貫していることがある。
 全てが争乱のために動いている。
 狂わされる前から『ノイン』は世界を憎んでいる。
 まるで、この世界が己の檻か足かせであると思っているかのようであった。

 怒りにも似た炎の如き感情を発露させるようにして、手にしたドリルソードランスが回転する。
 その威力は言うまでもなく。
 そして、ジェラエルドやルウェインを相手取っても尚、こちらを翻弄する機動力。
「恐るべき機動……!」
 ならば、とソフィアは共に戦う聖竜騎士団の面々に叫ぶ。
「聖竜騎士団全機! 連続波状攻撃を仕掛けます!」
「よいだろう」
「メルヴィナ殿下、よろしいですか!」
「わかっているのだわ、ルウェイン。彼女はなんとしても『セラフィム・シックス』をどうこうしたいのだわ」
 メルヴィナ・エルネイジェ(海竜皇女・f40259)は『リヴァイアサン』と共に浮上する。
 海上にあってなお『リヴァイアサン』の全容は知れず。

 彼女は見つめる。
 背後には氷山。そこに立つ『セラフィム・シックス』の青い装甲が胸元の砲口から徐々に黒ずんできている。
 赤熱していた装甲がまるで焼けただれるようであった。
「あの『巨神』に何があるのだわ?」
「知らず、私の邪魔をする。本能的とでも言うべきか、猟兵の嗅覚というものは厄介極まりないですね」
『インドラ』、『ヴリトラ』、『サラマンダー』という三柱の機械神を同時に相手取りながらも『アークレイズ・ディナ』は未だ五体満足であった。
 打撃を受けてフレームが歪む箇所もあれど、それでも『ノイン』の技量はこれをカバーしてありあまるものだった。

「その執念はなんなのだわ」
「貴方と同じですよ。貴方も執着しているでしょう。それと同じです。手を伸ばしても得られるとは限らない。他と同じように得られるものがないと嘆く貴方ならば!」
「――!」
 メルヴィナは目を見開く。
 己の何を彼女が知っているのか。
 その口ぶりは、己を謗るというよりは同情……いや、憐憫めいたものであった。
「なにを……言っているのだわ」
「動揺しているのが証明でしょう!」
 聖竜騎士団の包囲すらもかいくぐって『アークレイズ・ディナ』が『リヴァイアサン』に迫る。
 手にしたドリルソードランスの一撃はあらゆる防護を切り裂く。
 オーシャンバスターの一撃さえも、彼女は躱す。
 海面を切り裂く一撃にて舞い上がった水飛沫の最中を『アークレイズ・ディナ』のアイセンサーが煌めく。

「その憐れなる生涯が仕組まれたものとも知らず、ただ嘆く者には!」
 メルヴィナは見上げる。
『リヴァイアサン』の頭上を取った『アークレイズ・ディナ』の姿を。振るうドリルソードランスの一撃。しかし、その一撃は振り下ろされることはなかった。
 誰よりも疾く。
 誰よりも即応した者がいた。
「メルヴィナ殿下と『リヴァイアサン』に手出しできると思うな、下郎! メルヴィナ殿下の敵は俺が叩く! あの御方が涙するというのならば、その涙を止めて見せる! それが!」
 メルヴィナの騎士が征く。
『ヴェロキラ・イグゼクター』が『アークレイズ・ディナ』の躯体を吹き飛ばす。
 ガンポッド、ミサイル、その全てを叩き込みながらブースターの水力に任せて弾き飛ばすのだ。

「邪魔立てを!」
「黙れ! このメルヴィナ殿下の騎士たる俺がいて、指一本、そのお御髪の一本にすら触れると思うな!」
「ルウェイン、だから、そういうのは……やめるのだわ……『リヴァイアサン』!」
 その言葉と共に『リヴァイアサン』の尾がさらに追い打ちをかけるようにして殴打の一撃を『アークレイズ・ディナ』に叩き込む。
「今です!」
 ソフィアの『インドラ』のアイセンサーが煌めくと同時に『ヴリトラ』のアイセンサーもユーベルコードに輝く。
 二つの輝きが嵐のように『アークレイズ・ディナ』を強襲する。
 海面に叩きつけられながらも体勢を取り戻した機体に迫るは双竜の乱撃。
 挟撃するように白と黒の機竜が迫る。

「でっけぇおドリルに振り回されておりますわねぇ!」
「メサイア、この隙に!」
「なんかお姉様がおっしゃってますけれど、よくわかりませんわ~! ここはなんとなく!」
 メサイアはソフィアほど戦術に明るくはない。
 けれど、野生の本能とも言うべき直感、嗅覚にしたがって飛び込む。それが奇しくも連携となって『アークレイズ・ディナ』を囲うのだ。
 ミサイルとガンポッド。
 互いに装備が似通っているからこそ出来る連携。
 まさしく砲火の嵐。
 その中に敵を留める。この何れもが致命傷には至っていないのは、『ノイン』の操縦技術が卓越しているからだろう。

 だが、ソフィアはそれでいいと思った。
 己達の攻勢が致命打を与えずとも、しかし、それで生まれる隙がある。
「数と暴力で押せ押せですわ~!」
 踏み込み、『ヴリトラ』はスマッシャーテイルとキリングバイトの一撃を叩き込む。
 装甲が削れる。
「チッ……!」
 ドリルソードランスが翻る。それはあらゆる防護、装甲を削る一撃。瞬間的にメサイアは下がる。
「野生児が!」
「やさい?」
 やせいじ、やさいじ、やさい。
「メサイア、今は!」
 背後からソフィアの一撃が『アークレイズ・ディナ』を打ち据える。
「下がれ、妹たちよ」

 炎が降臨する。
 それは『サラマンダー』の炎であった。
 同時にバックラーの殴打が『アークレイズ・ディナ』の頭部を打ち据え、メインカメラのカバーがひび割れる。
 アンカーテイルが迫る。
 それを弾きながら更に『サラマンダー』は、身を翻してスマッシャーテイルの一打を叩き込み、さらに遠心力を乗せたクローで『アークレイズ・ディナ』のコクピットハッチを引き裂くのだ。
「……ッ!」
「その顔、覚えたぞ『ノイン』。お前がこの戦いで死せるのだとしてもだ」
 炎が吹き荒れる。

「この一撃で決めます!」
 ソフィアの『インドラ』が『サラマンダー』の炎の中から飛び出し、その最後の一撃を叩き込む。
『アークレイズ・ディナ』の駆体が吹き飛び、その駆体は大きく傾ぐのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レーゼ・シュトラウス
●ぼっち対艦組
これがあなたの選択なのですね
見届けさせて頂きました
では運命を終息させるため、微力ながらお手伝い致します…ふふふ

私は船を止める役回りに向かいましょう
いまビバ・テルメが喪われると、ジュディス執行官ががっかりするでしょうから…

海底から船底に接近致します
スティンガーレッグで船体を這い登り、甲板上に到達しましたら万能鍵で装甲を開き、お邪魔させて頂きます

船内に入りましたら、内部の構造を破壊します
まるで臓腑を食い荒らす寄生虫のように…
ああ…闘神アーレスよ…私はいま悦びに満ちています
マンティコアは満たされていますか?

最後に船底を穿ち退出致します
穴から入り込んだ海水はすぐに船内へ広がる事でしょう



 海底より見上げる瞳が捉えたのは、氷山に立つ『巨神』、『セラフィム・シックス』。
 レーゼ・シュトラウス(バーラント機械教皇庁二等執行官・f42691)は金色の瞳でもって、その機体を映す。
 青い機体。
 胸部砲口に赤熱する装甲は徐々に黒ずんでいく。
「これがあなたの選択なのですね」
 彼女は瞳を伏せる。
 誰かを選ぶのではなく。
 誰も選んばないことを選ぶ。
 そして、その行く先がなんであるのかをレーゼは知るだろう。

 兵器とは、目的を持って生み出されるものである。
 その目的、存在意義そのものを手放すという選択をするのは、『セラフィム・シックス』が特異であるからだ。
 戦うための力に手を伸ばすこともできただろう。
 多くを思い通りにすることもできただろう。
 しかし、それを手放す。手放すことで得ることができる。
 多くを得ることができるのは、手放した者だけだ。
「では、運命を収束……いえ、終息へと導くため、微力ながらお手伝い致します……ふふふ」
 海底にありて『マンティコア』のアイセンサーが怪しく煌めく。

 海上を征くは特攻艦隊。
 その一隻に狙いを定めた『マンティコア』が機動殲竜『底這』から得た航行能力を持って一気に艦艇の底へと張り付く。
 這い上がるようにして甲板上へと『マンティコア』は上がると、そのクローを振り上げる。
「この船が一隻でも『ビバ・テルメ』に向かわれるとジュディス執行官ががっかりするでしょうから……お邪魔致します」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 甲板の装甲をまるで扉を開くようにして内部へと『マンティコア』は入り込む。
 そのクローは、万能鍵(マスターキー)とも言うべき恐るべき力であった。
 ひっかかるのならば、なんでもこじ開ける。
 強固な装甲だろうとなんであろうと、レーゼを前にしては無意味。
 艦内へと侵入すれば、これもまた無人艦であることを知るだろう。

 この特攻艦隊で人の命は失われない。
 よくわかっている、と思った。この世界に置いて、マンパワーは即ち力だ。プラントを得るためには、結局人の力が必要になる。
 ならばこそ、人の命をなるべく浪費せず、然るべき時に投入する。
 そのために『プラナスリー』の繰り出すほとんどが無人機。
 だが、引っかかる。
「人の気配がないわけではない……そうですか。それが『疑似脳』……ふふふ」
 レーゼは理解し、まるで臓腑を喰い荒らす寄生虫のように艦内にあったエネルギーインゴットを捕食していく。

「ああ……闘神アーレスよ……私は今悦びに満ちています」
 己が機能を十全に果たす。
 それはレーゼにとって喜ばしいことだっただろう。
 そして、彼女はコクピットの中を撫でる。それはひどく柔らかい場所をなぞるような手つきであった。
「『マンティコア』は満たされていますか?」
 問いかける言葉に返される言葉にレーゼはうなずき、寄生虫が宿主の体内から這い出すのと同じように『マンティコア』は艦艇の底を穿ち、飛び出す。
 傍目には静かに艦艇が自沈していくようにしか見えないだろう。
 レーゼは、人知れず多くの艦艇を同じように沈め、戦いの行く末を見守るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルコ・アロー
エネルギーインゴット積んで自爆ぅ!?
もったいねー事しやがるですねあのやろー、ボクが家まで持って帰りたいくらいですのに……って杓原(f28476)、マジでやる気です!?
あーもー、深海じゃボクは何も出来ないんですからね!
ただでさえこの世界じゃ飛べないですのに……こうなったらチャンスを見付けて攻撃するですよ!
ジジイ!くれてやったエネルギー分はてめーにも働いてもらうですからね!
杓原が戦ってる間に推力移動で深海環境の中を少しでも近付いて、ユーベルコードが解かれた所で一気に捕まえるです!
フルパワーで敵を鮫キャバリアから引き剥がして……逃さねーですよ!
よし、気合入れろですジジイ!プロメテウス・バァァァン!


杓原・潤
あの船のエネルギーインゴット、爆発させるなんてもったいない!
ピヨちゃん(f42991)もそう思うよねぇ?
そーだ、あれ貰っちゃおう!
そんな訳でうるうのとっとき、シェイプ・オブ・ウォーター!
深海なら艦隊もオブリビオンマシンも動きは鈍るはず。
その間に高速泳法で出来るだけ艦隊の機関部を潰しちゃおう!
慣性ってやつも深海ならきっとすぐ止まっちゃうんじゃないかな?
ピヨちゃんは息でも止めといてね。
敵のキャバリアに追い付かれたらそこまで、敵のドリルとアンカーを受け止めるよ!
テルビューチェの回復力とインゴットで吸収とドリルに耐えて、怪力で捕まえる!
後はユーベルコードを解けば準備完了。
さぁ出番だよ、ピヨちゃん!



 小国家『ビバ・テルメ』に迫る艦隊は特攻艦隊であった。
 オブリビオンマシンを出撃させたあとの艦隊は、後退するのがセオリーであろう。だが、『プラナスリー』の艦隊は前進を続けていたのだ。
 それは元よりこうするつもりだったのだろう。
「エネルギーインゴット積んで自爆ぅ!?」
 ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は己とケーブルで直結した『巨神』を得るために、そこまでするのかと目を見開く。
 たった一騎。
 キャバリアのためだけに此処までのことをするのだ、手に入らないというのならば破壊するというのはわからないでもないが、小国家丸ごと一つを滅ぼさんとする手段は、彼女にとってはとんでもないことだったのだ。
「あのやろー、ボクが家まで持って帰りたいくらいですのに……」
「ねーもったいあないよねぇ! ピヨちゃんもそう思わない?」
「ピヨちゃんて言うな!」
 杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)の言葉にファルコは思わずツッコんでいた。

「そーだ、あれ貰っちゃおう!」
「は? 何言って……」
「うるうのとっとき、シェイプ・オブ・ウォーター!」
 その言葉と共に戦場に降り注ぐはソーダ水の雨。
 同時にそれは戦場が深海と同じ環境へと変貌するのだ。即ち、海上にありながら、海底と同じ水圧に見舞われるということなのだ。
「機体が重く……これはユーベルコードですか」
『ノイン』の駆る『アークレイズ・ディナ』は多くの猟兵に囲まれながらも、未だ五体満足であった。
 打撃を受けてはいるものの、それでも類まれなる操縦技術でもって耐えているのだ。
 恐るべき敵である。
「マジでやる気です!?」
「うるうはいつだって本気だよ!」

 潤は『テルビューチェ』と共に海上を疾駆し、一気に迫る艦隊を潰しにかかる。
 猟兵達の活躍によって多くの艦艇が沈んでいる。
 もう半数以上は撃沈できているが、それでもまだ半数残っている。一隻でも『ビバ・テルメ』へと到達されれば、十分な量のエネルギーインゴットを満載しているのだ。
 わずかでも取りこぼせない。
 故に潤は『テルビューチェ』と共に艦艇がこれ以上進めぬようにと機関部を破壊して回っているのだ。
「させるものか!」
 そこに『アークレイズ・ディナ』が迫る。
 アンカーテイルの一撃が『テルビューチェ』に突き立てられる。

「なに!? エネルギーが吸われてる……!?」
「杓原!」
『テルビューチェ』のアイセンサーから光が失われていく。
『アークレイズ・ディナ』のアンカーテイルはエネルギーを吸収する力があるのだ。もがけど振りほどけない。
 そこにファルコが飛ぶようにして駆けつけるのだ。
「ジジィ! くれてやったエネルギー分はてめーにも働いてもらうですからね!」
 煌めくはユーベルコード。
 助けなければ、と思ったのだ。

 それはファルコにとって己ができることをしなければ、という思いと同じだっただろう。
 たしかにこの世界ではファルコは己の力を役立てることができない。
 けれど、できることがあるはずだ。
 ずっとそう思っていたのだ。
 だからこそ、彼女は『テルビューチェ』に迫る『アークレイズ・ディナ』のアンカーテイルを握りしめる。
「レプリカトが生身で何が……!」
「できるできないじゃないんですよ! やるってきめたんですから!」
 マシーナリーズ・フルパワーが炸裂する。
 ファルコはアンカーテイルごと、『アークレイズ・ディナ』を『テルビューチェ』から引き剥がして、ぶん投げるのだ。

 恐るべき力であった。
「ピヨちゃん!」
「わかってるですよ! 気合い入れろです、ジジイ! コール!」
「「プロメテウス・バァァァン!」」
 二人の声が重なった瞬間、氷山に立つ『セラフィム・シックス』の胸部砲口から熱線が放たれる。
 その一撃は『アークレイズ・ディナ』へと叩き込まれた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
うぅーむ……むにゃむにゃ……36……望むのは争いでも平和でもなく……
って、我は一体今まで何を?

えーと何だかよく解らんが分かった!アレを止めればよいのだな!
いでよワルルンガー!あのでかい船を持ち上げて投げて転覆させてしまえー!!
勿論あの毒々しい色のトゲトゲ機兵が邪魔してくるだろうが、そっちはちょっと本気の我自身で相手してやろう!UCを使うぞ!奴と同等の強化を得、しかも撃ってくる弾は全部喰らってやるのだー!
そうしてワルルンガーが船をひっくり返したりしている間、奴を足止めする!

ついでにオマケだ!ワルルーナアイ!
貴様のその内に秘めた「欲望」、心を読んだうえで大声でこの場の全員の前で暴露してやろうか



 最初に感じたのは冷たい、ということだった。
 ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は、そう感じたのだ。
 そして、次に感じたのは熱い、ということだった。
「うぅーむ……むみゃむにゃ……36世界……望むのは争いでも平和でもなく、叶え……むにゃ……って冷た、熱い!?」
 おわぁ!? とワルルーナは気絶していた状態から意識を回復し、目を見開く。
 冷たいのと熱いの一緒に襲いかかって来る目覚めなど最悪であろう。
 飛び起きた彼女は自分が海上に浮かんでいたことを知る。
 そして、同時に己の頭上で『セラフィム・シックス』の放った火線とオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』が激突しているさまを見やる。これが熱さの原因かと理解する。
「ていうか、我は一体今まで何を?」

 あれ? と記憶が定かではない。
 小国家『ビバ・テルメ』に猟兵としてやってきていたのだが、そこから記憶がごっそり抜け落ちているのだ。
「えーとなんだか良くわからんが、わかった!」
 本当に? と誰かがいればツッコむのかもしれないし、配下がツッコむものであったかもしれない。
「アレを止めればよいのだな!」
 彼女の視線の先にあるのは特攻艦隊であった。
 見るだけでわかる。あれは悪意の塊だ。人の営みを、他者の優しさを、善性を悪性しかないと認めさせたいがための欲求が生み出した悪意だ。
 故にワルルーナは理解したのだ。
「いでよ、ワルルンガー!」
 その声に応えるようにして魔王機動城『ワルルンガーΣ』が降り立つ。
 海上に立つ姿はあまりにも巨大。
 その腕部が特攻艦隊の艦艇の一隻を掴み上げ、転覆させるのだ。

「なっ……!」
 火線を受け止めきった『アークレイズ・ディナ』はその装甲を溶解させながら、現れた『ワルルンガーΣ』に目を見開く。
「あれだけの機動兵器が何処に……!?」
「おっと邪魔はしてくれるなよ! 何、貴様は我が直々に相手をしてやろう! 少し本気を出すぞ」
 ワルルーナの瞳がユーベルコードに輝く。
「第2の将ワルレーン、第3の将ワルコーン、第6の将ワルべロス、貴様らの力、しばし我へと還すがよい」
 大罪の百胎堕天竜魔王ver.1(ハイパーワルルーナソノイチ)へと変貌したワルルーナの姿は『アークレイズ・ディナ』と似通った姿だった。
 手にした螺旋剣、伸びる触手の如き尾、狼の頭部の如き左腕。

「虚仮威しを!」
「いいや、違うぞ。我が力は貴様と同等の力! その悪意に対する憤怒よ。国一つ滅ぼすというワル! それを我より先にするなど言語道断よ!」
「わけのわからない理屈を!」
「いいや、理由がわからぬわけでもあるまい!」
 ワルルーナは理解する。
 己達の背後で『ワルルンガーΣ』が艦艇をひっくり返し続けている。
 彼女がしたことは足止めであった。
 そう、それだけでよかった。同じ力を持つにいたるというのならば、勝つことはできずとも負けることはない。
 圧倒的な技量を持つ『ノイン』だからこそ、それは致命的だった。

「このワルルーナアイは見ているぞ、『ノイン』! 貴様のうちに秘めた『欲望』! 貴様は憧れているな。憧憬にも似た感情。自分がそうでないということへの思慕! そうか、貴様……」
 ワルルーナは笑む。
「何を……私の、心を読んだのですか! ずけずけと!」
「貴様もワルにあこがれているのだな。『悪魔』に。あの圧倒的な力を持つ『救世主』とも言われた、あの『悪魔』に……」
「黙れ!」
 激突する力。
 ワルルーナは憐憫の瞳を向ける。だが、それもまた欲望であると肯定し、その一撃をぶつけ合い、相殺するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……そっちがどう出ようと、やる事は変わらないわ
「そっちの思い通りにはさせない」、それだけよ……!!

アルカレクスへと融合合身し、敵キャバリアに向け全ドラグカプトを展開し砲撃しながら、
残ってる艦へとむけて両腕を『ストライクスマッシャー』(ロケットパンチ)として放つ!
艦に命中させたらそのまま、【機界新生】……!!ストライクスマッシャーを媒介に艦そのものを金属細胞で機械侵食、積載していたEインゴットごとそのままキャバリアと同様の戦闘兵器へと「新生」させ制御下に置き、連携して残る敵艦や敵キャバリアへと攻撃を仕掛ける!!

言ったはずよ、「思い通りにはさせない」と……!

※機界化艦の詳細はお任せします。



『ノイン』率いる艦隊は特攻艦隊だった。
 無人艦にエネルギーインゴットを満載して特攻させる。それは恐るべき作戦であったし、悪辣であった。
 猟兵に選択を強いる戦い。
 オブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』を優先すれば、特攻艦隊が小国家『ビバ・テルメ』を滅ぼすだろう。
 だが、艦隊を鎮めるのを優先すればオブリビオンマシンによる世界の破滅が訪れる。
「……そっちの思い通りにはさせない、それだけよ……!!」
「できますか。それが!」
 猟兵の追撃を振り切りながら、迫る『アークレイズ・ディナ』と真っ向から対峙するアルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)の瞳が輝く。

 そこには意思があった。
 敵が如何に己たちを翻弄する罠や策謀を巡らせるのだとしても、やるべきことは何一つかわらないのだ。
「融合合身!『ドラグソリス・アルカレクス』!」
 機龍と『プロトミレス』が合体し、その威容が立ちふさがる。
「合体したからと言って! それが!」
 迫るはデュアルアサルトライフルの弾丸とアンカーテイルの嵐である。
 それは合体することによって的を大きくするだけのことであった。だが、アルカは『ドラグカプト』を射出し、これを迎え撃つ。
 火線が交錯する。
 爆発が巻き起こる。
 海上にあって尚、これだけの戦いができるのは『ノイン』の技量が高いからであろう。

「『ストライクスマッシャー』!」
 腕部が射出されるが、それは『アークレイズ・ディナ』を狙わなかった。アルカは、その一撃を特攻艦隊の艦艇の一部へと放ったのだ。
「よそ見など!」
 放たれた弾丸が『アルカレクス・ドラグソリス』の装甲を穿ち、衝撃がアルカを揺さぶる。
「っ……! よそ見のつもりなんてない! これが!!」
 アルカの瞳がユーベルコードに輝く。
 それは己が放った腕部がめり込んだ艦艇と共に光を放つ。
「機界新生(メタル・ドミネーション)!!」
 腕部から侵食するは金属細胞。それによって、艦艇は無人艦であるがゆえにアルカのユーベルコードによって彼女の影響下におかれるのだ。

「機械細胞の主……やはり貴方が!」
「この力のことを知っている……!?」
「忌々しいことを! その力が!」
 アルカは『ノイン』の言葉に訝しむ。己がこの力を使ったのは、この小国家群にて一度。
 秘匿されていたスーパーロボットの一部に、である。
 いや、と思う。
 己が金属細胞を付与した『レーギャルン』の炉は『熾盛・改』に搭載されていた。
 そして、『セラフィム・シックス』もまた人のように代謝するようにして数千年単位で粗現存していた。
 つまり。

「……金属細胞」
「その力が『あれ』を更に進化させた! ならば、その責は!」
 アルカは新生させた艦艇と共に『アークレイズ・ディナ』を追い込んでいく。
 砲火が荒ぶ。
 戦いのさなかに叫ぶ声は、かき消される。
 けれど、それは滅びへの咆哮にほかならないのだ。ならばこそ、アルカは叫ぶ。
「あの力さえあれば、私は……!」
 世界だって滅ぼせる。
 その言葉にアルカは確信する。彼女は言いようのない悪性だと。
「言ったはずよ、『思い通りにさせない』と……!」
 アルカは己の拳を天に突き上げる。同時に機界化した艦船が鉄槌のように『アークレイズ・ディナ』へと叩きつけられるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラスク・パークス
アドリブ歓迎

乗り手を選ばない。なるほど。それがあなたの選択。
『・▽・)ノ よろしい! ならば尊重だ!』
セラフィム・シックス。ヤッチマイナー。

ソティラスに、艦隊の特攻を防ぐよう遠隔指示。
あなたのビーム兵装の弾幕なら、突撃される前に、落とせると信じる。

そして、光輝に目立つソティラスに、敵の注目を引き付けてもらって。
その間に、アークレイズ・ディナに肉薄する。
ドーモ、ノイン=サン。ハイランダー気取りです。遠路はるばる、ご苦労。
『-ω-) それではボコらせていただく』

ザナドゥの黒霧。漆黒の闇に変異して。
敵機の隙間に入り込み、内側から暴れよう。
『・□・)つ オブリ側のノイン=サン! ハイクを詠むがよい!』



『巨神』、『セラフィム・シックス』は乗り手を選ばなかった。
「なるほど、それがあなたの選択」
 ラスク・パークス(最後の死神・f36616)は、それを選択だと理解した。
 乗り手なくば『巨神』は力を発揮できない。
 けれど、それでいいのだと思った。
 そう思うこともまた意思なのだ。故に、ラスクは思う。
 それは手放すことだった。
 何かを得ようとして伸ばす手ではなく、己の力を切り売りすることで誰かのためになりますようにと願うような心だった。

 故に、彼女の電光掲示板の如きバイザーが煌めく。
『・▽・)ノ よろしい! ならば尊重だ!』
「『セラフィム・シックス』、ヤッチマイナー」
 その事あと共にラスクの元から『ソティラス』が白銀の輝きを放ちながら特攻艦隊へと飛び立つ。
 あの艦隊の艦艇を一隻でも『ビバ。テルメ』に到達させれば、敵の目論見は達成されてしまう。
 そうなれば、小国家一つが滅びることになるのだ。
 故にラスクは信じる。
 己が『巨神』が、なんのために生まれ、なんのために力を振るうのかを。

「させるものですか!」
 咆哮と共に機界化された艦艇の質量攻撃を猟兵によって叩き込まれた『アークレイズ・ディナ』がドリルソードランスを持って、その一撃をくり抜くようにして這い出す。
 あらゆる防護、装甲を無に等しくえぐる力。
 その恐るべき力と共に焼けただれたような装甲を推して『アークレイズ・ディナ』は『ソティラス』へと迫るのだ。
「いいえ、させないのは此方。ドーモ、『ノイン』=サン。ハイランダー気取りです。遠路はるばるご苦労」
『-ω-) それではボコらせていただく』
 その言葉と共にラスクは『アークレイズ・ディナ』へと肉薄する。

 広がるは、ザナドゥの黒霧(フォグ・ザナドゥ)。
 死神としての輪郭は崩れ、黒い霧となって拡散する。
 それは漆黒の闇。
『アークレイズ・ディナ』を取り囲み、ドリルソードランスの一撃すら無意味なものとする。
「何処へ……いや、これ事態が!」
『・□・)つ オブリ側のノイン=サン! ハイクを詠むがよい!』
 闇が『アークレイズ・ディナ』の切り裂かれたコクピットハッチから侵入し、ラスクが姿を表す。
 電光掲示板の輝きが『ノイン』の顔を照らす。
 そこに在ったのは恐怖でもなければ驚愕でもなかった。
 あるのは、ただの怒りと憎悪。
 力ある者への捻れた感情だけだった。

「誰が!」
 振り払うようにして『ノイン』の手が振るわれる。
 しかし、闇へと変じたラスクには何の意味もない。彼女は立ち消えるようにして、『アークレイズ・ディナ』を内部から暴れ、同時に特攻艦隊を沈める『ソティラス』の光条を『ノイン』の視界から覆い隠すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
…スーパロボットは、搭乗者の思いを動力源とする。
……貴殿もそうなのか、セラフィム・シックス?

逆鱗加速戦鎚でのセラフィムとの同調を維持しつつ、
セラフィムに飛び移り己が【|闘争心《意志》】をセラフィムに更に込めてみる。

……戦いが終わったら、貴殿はどうするのか、
…いや、今自分が為すべき事は、破壊だ…!

人工魔眼で敵ノインを見据え、セラフィムの背後に黒輪光が展開
灼熱の【レーザー射撃】弾幕で敵艦隊・敵ノインを纏めて【範囲攻撃】

…壊す為に!壊させぬ為に!!もっと、もっとだ!!!

【念動力】でサーベルユニット4基を飛翔【武器受け】敵ノインの攻撃を巨大刃で防ぎ、別の巨大刃で【なぎ払い】機動を誘導。

今を生きようともがく者たちがいる。だから、|戦友《セラフィム》!!
自分は『敵を壊す。唯それだけを』為す!!!

自分は彼らを助けたいのだと、己が闘争心を、感情を、
セラフィムの炉に【|呪詛《思い》】を焚べ、
コール『プロメテウス・バーン』!!
敵機・敵艦隊纏めて【焼却】する!!!

穿ち抜けぇええええエエエエエエエ!!!!!!!



 キャバリアにはいくつかの分類がある。
 最新鋭機のクロムキャバリア。
 量産型キャバリア。
 サイキックキャバリア。
 ジャイアントキャバリア。
 そして、スーパーロボットである。
「……搭乗者の思いを動力源とする。貴殿もそうなのか、『セラフィム・シックス』? いや、違うな。貴殿は……唯一人の思いではないもので動いているような気がしてならない」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は同期する『セラフィム・シックス』と己が手にした抗体兵器と共に、その機体へと飛び移る。

 触れる。
 それだけでいい。
 此処にあるのは生命への呪いだけではない。
 故郷を失いたくないと願った者たちがいた。その思いが満ちている。そして、誰かのためになりますようにという祈りが満ちていた。
 故に小枝子は思う。
 足りないのはなんだ。
 それは闘争心だ。溢れ出る戦いへと向かう心。
 己が意志を注ぐ。
「……戦いが終わったら、貴殿はどうするのか」
 いや、と小枝子は頭を振る。
 答えは聞かない。聞いても意味がない。

 この青い『セラフィム』の胸部は赤熱を通り越して黒ずんできている。
 色が交じるのではなく、その色が失われていっている。
 わかっている。
 どんなものにも滅びは訪れる。
 故に、小枝子は、その人工魔眼でもって『ノイン』を見据える。
「……自分が為すべきことは、破壊だ……!」
 そう、それだけだ。己が闘う敵は、唯一つ。
「『それ』は私のものだ! 私が継ぐべきものだ! 猟兵! それを!!」
『アークレイズ・ディナ』が迫る。
 アンカーテイルが射出される。それを小枝子は念動力でもってサーベルユニットを操り、アンカーテイルと激突させる。
 火花散り、互いの武器が砕けて散る。

「……壊す為に!! もっと、もっとだ!!!」
「破壊の権化が!!」
 サーベルユニットを蹴散らし、さらに『アークレイズ・ディナ』が迫る。
 巨大な刃を形成し、その一撃を振り下ろす。だが、それをドリルソードランスが受け止め、抉り、砕く。
 強い、と思う。
 だが、それでも小枝子は頭を振る。
「今を生きようともがく者たちがいる。だから、|戦友《セラフィム》!!」
 見据える。
 あれは敵だ。
 倒さなければならない敵だ。だが、それ以上に。
「自分は『敵を壊す。唯それだけを(フォーカスコア)』為す!!!」
 小枝子の瞳がユーベルコードに輝く。

 青き『セラフィム・シックス』の背に黒き輪光が生み出される。
 灼熱のレーザーが『アークレイズ・ディナ』へと襲いかかるが、これを払い除け、小枝子は無縁にあふれる呪詛を持って、『セラフィム・シックス』の炉へと注ぎ込む。
 己が呪詛は思いである。

 ならばこそ、此処に結実するものがある。
 小枝子は息を吸い込む。
 吸って、吸って、吸って。
 そうではないのだ、と聞こえた気がした。
 吐き出すんだよ、朱鷺透・小枝子、と。それは幻聴であったかもしれない。だが、それでもよかった。
 それはきっと最期の言葉であっただろうから。
「コール『プロメテウス・バーン』!!」
 煌めくは熾火。
 迸る火線が『アークレイズ・ディナ』の突き出したドリルソードランスと激突し、そのエネルギーの奔流を周囲に撒き散らす。

「穿ち抜けぇええええエエエエエエ!!!!!」
 その叫びに、咆哮に、思いに後押しされるようにして『セラフィム・シックス』は、その青き装甲を黒く染め上げながら凄まじき一撃でもって『アークレイズ・ディナ』のドリルソードランスを吹き飛ばすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
神機
シックス君よぉ…お前…お前ふざけんなよ!?このカシムさんがお膳立てしておいて誰も選ばないを選ぶとか舐めてんのかごらぁ!?(おこぷん
これでまた氷山と共に沈むとかかましたら拿捕して南国でマンゴーの皮むき研修だごらぁ!エル・ティグレと一緒にやらせるからな!?
「多分この子…大きな意志の一部なんだぞ☆それよりご主人サマ☆ノインちゃんが酷い事してるよ☆これを防ぐのはもう…あれだよね♥」
うっがぁぁぁ!!(絶望の悲鳴
竜眼号に退避

絶望と地獄のUC発動
上空に約三千万の幼女…!
10師団
竜眼号護衛
【情報収集・視力・戦闘知識】
ノインの動きと艦隊の構造と動きを見据え

【空中戦・念動力・属性攻撃・弾幕】
飛び回りながら全機念動障壁展開
戦艦を押しとどめ冷凍ビームで海と戦艦を凍らせ
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
プロメテウス・バーン!
他の迫りそうな艦隊の海面に向けて打ち込み動きを止めてから幼女達が群がりインゴッドとか根こそぎ強奪!
あークレイズにも群がり

メルシー…ノインをわからせろ

ノインにとても…とても酷い事をする(?


皇・絶華
神機

「セラフィムよぉ…てめーこんだけ選び放題でなしとかふざけんなよぉ!俺なんかなぁ…とんでもねー主様引き当てちゃったんだぞ!?主様ガチャ爆死だぞごらぁ!」(私情交じりに涙目おこぷんさっちゃん
さっちゃんは何を興奮してるかな?とはいえ私も酷いミスをしたのでしょんぼりだが(何でおまかせ押しちゃうかなぁ!?

【戦闘知識】
迫る戦艦の陣形を分析

さっちゃん
戦艦が迫るが…さっちゃんでもどうにもできないかな?
「んな訳ねーですよ!そこのポンコツよりすげーって所見せてやらぁ!」
【念動力・弾幕・切断・空中機動】
超高速で飛び回りながら幼女軍団の止め損ねた船を亜空切断で分解!

そして…
ノインよ!お前がそのような狂気に冒されているのはそう…パワーが足りないからだ!
だが安心しろ!お前の狂気を晴らす為に圧倒的なパワーを授けよう!
「ぴぇぇぇ!?」
【第六感・武器受け・乱れ打ち・バーサーク・薬品調合】
超高速戦闘開始
直感を駆使しながら念動光弾で反撃したり次元転移で不意打ち
空間毎の切断も駆使し可能な限り武装や四肢を切断し分解させる!


テラ・ウィンディア
神機
またあのセラフィム沈んじゃうのかなー?
「そうするとまた狙われる恐れはありますし…彼がそれを理解してない筈はないんですが…」
何!そうなったらまた護るだけだ!
まだあのインドラにも借りは返してないからな!
爾雷彌降臨発動!(尚、カシムが呼んでるのと同一人物?です
「ドーモ、ノイン=サン。セラフィム・シックス=サン。爾雷彌=です。」
【属性攻撃】
爾雷彌と機体に重力属性付与
【戦闘知識】
艦隊の構造と動きと推進装置の位置を皆にも伝達

【見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け・オーラ防御】
迅雷
UC発動
超重力を纏って残像を残しながら敵の猛攻を回避
避けきれないのは剣で弾きオーラで防いで
【弾幕・重量攻撃・貫通攻撃】
ドリルビット
ガンドライド展開
ドリル攻撃をノインに向け
ガンドライドの重力弾の弾幕は広範囲に展開
被弾と同時に重力場で重くして…戦艦はそのまま自沈を狙う
【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
連続斬撃から槍に切り替えて串刺しへと繋げる
搭乗席は外すぞ

最後のブラックホールキャノンは無人の戦艦を圧壊消失に利用!



「シックス君よぉ……お前……お前ふざけてんなよ!?」
「そうだそうだ!『セラフィム』よぉ……てめーこんだけ選び放題で、選ばないとかふざけんなよぉ!」
 それは非難轟々たる叫びであった。
 戦場に迸る叫び。
 それは一人と一騎の哀切なる叫びであった。
 一つは、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。一つは皇・絶華(影月・f40792)の駆る神機『サートゥルヌス』。
 彼らは本当に叫んでいた。
「このカシムさんが此処までお膳立てしておいて、誰も選ばないことを選ぶとか舐めてんのかごらぁ!?」
 カシムは怒り狂っていた。
 これでまた氷山に沈むなどするのならば、厄ネタがまた振り出しに戻るようなものであったからだ。
 それに『サートゥルヌス』もまた喧々諤々たる騒々しさで叫ぶのだ。
「そうだぞ! 俺なんかなぁ……とんでもねー主様引き当てちゃったんだぞ!? 主様ガチャ爆死だぞごらぁ! 確率どうなってやがる!」
 ガーガー叫ぶ彼らの様子を見て、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は「セラフィム・シックス』がまた海底に沈むのかと少ししんみりした。
 またあの海底で一人でいるのは寂しいことのように思えたのだ。

「そうするとまた狙われる可能性がありますし、彼らの怒りも尤もです」
「何、そうなえばまた護るだけのことだ! まだあの『インドラ』にも借りは返してないからな!」
 テラの言葉に『へカティア』は同意を示す。
 だが、猟兵と共に火線の一撃を放った『セラフィム・シックス』の赤熱していた胸部砲口が徐々に赤から黒へと変色していっている。
 そして、その黒は青い装甲に伝播していっているように思えたのだ。

「なあ、さっちゃんは何を興奮しているかな?」
「主様には関係あることだけど、関係ないことでぇす!!」
 ごまかすのに必死である。
 そんな彼らをよそに猟兵とオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』との戦いは続いていく。
「ご主人サマ、多分この子……ただ一つじゃないんだと思う。『エイル』くんかと最初思ってたけど、これ、混ざってるよ」
「何と何がだよ」
「だから一杯!」
 メルシーの言葉にカシムは余計に理由がわからなくなる。
 もっと良く、と問い詰めようとしてメルシーが笑む気配があった。

「それでね、ご主人サマ☆『ノイン』ちゃんが酷いことしてるよ☆これを防ぐのはもう……アレだよね♡」
 ぞわ、とした。
 カシムは嫌な予感しかしなかったし、逆に考えれば、それしかないとも理解できた。
 この状況。
 特攻艦隊を持って『ビバ・テルメ』とオブリビオンマシンを天秤に懸けさせた『ノイン』の目論見を阻むためには、これしかないと理解出来ている。
 けれど、それは。
「うっがぁぁぁ!!」
 絶望であった。
 対軍撃滅機構『戦争と死の神』(メルシーハルノヨウジョマツリ)。
 それによって生み出されるのは小型のメルシーたちであった。
 約三千万の幼女たちが降り立つ光景は、はっきり言って。

「地獄だよな、これ」
 テラは頷く。
 まあ、いいや、とテラは頭を振る。
 今できることは特攻艦隊を阻み、オブリビオンマシンを破壊することだけ。
 ならばこそ、テラは『ヘカティア』と共に『アークレイズ・ディナ』へと迫るのだ。
 今、彼女の機体はドリルソードランスを失っている。
 あるのはアンカーテイルとデュアルアサルトライフルのみ。
 この好機を逃す訳が無い。
「さあ行くぞ!」
 海面を統べるようにして『ヘカティア』と『サートゥルヌス』が飛ぶ。
 アンカーテイルの一撃をかわしながら、残像を無数に生み出しながら一気に肉薄する。
 特攻艦隊はカシムたちに任せれば良い。
 なにせ、三千万という圧倒的な物量が迫っているのだ。

 艦隊を念動障壁で押し留め、物理的に進ませないようにしているのだ。
「あーもー、なんて光景だよ」
 カシムは退避した『竜眼号』の中で息を吐き出す。
 念動障壁で船の進路を阻みながら、れいとうビームで海ごと艦艇を凍らせているのだ。
 はっきりいって『ノイン』からすれば悪夢であったことだおる。
 けれど、今の彼女にそんな悪夢を見る余裕すらない。
 迫りくる『ヘカティア』と『サートゥルヌス』に対処するのに、片腕を失ったのは致命的だったのだ。
「『ノイン』よ! お前がそのような狂気に侵されているのは……そう、パワーが足りないからだ! だが、安心しろ! お前の狂気を晴らす為に圧倒的なパワーを授けよう!」
 絶華の言葉に『サートゥルヌス』は、なんか悲鳴をあげた。
 その理由は言わなくてもいいだろう。
 説明すれば長くなる。ならないけれど、長くなる気がする。
 ともあれ、亜空間戦術級制圧機構『巨神の王』(キョジンゾクノオウ)たる力は十全に発揮されるのだ。

 この後に起こる酷いことをどうしても『サートゥルヌス』は幻視してしまう。
 放たれるアンカーテイルを残像と共に躱しながら、一気に迫る。
 放たれる念動光弾の乱舞を掻い潜る『アークレイズ・ディナ』は、次元転移による不意打ちすらも防いでみせたのだ。
「圧倒的な? 馬鹿らしい……そんなもの!」
「そうかな? お前は『それ』を求めているだろう。『悪魔』じみた力を。そういうものにお前は憧れさえ持っている。いや、今は捻れて憎悪になっているのかな? だが、だからこそ、それはお前の狂気なのだろうな」
「知ったような口を聞く!」
 放たれた弾丸を躱し、『サートゥルヌス』は迫る。
「まったく主様も人使いが荒いっていうか!」
「できないわけじゃないだろ、さっちゃん」
「当然ですよ! そこのポンコツよりすげーんですから!」

 そんなやり取りをしながら『アークレイズ・ディナ』どころか、幼女軍団が内漏らした特攻艦隊の艦艇を切り刻んでいく。
 それは並のことではない。
「『ノイン』、お前の望みは叶わないぞ。自分じゃない誰かになりたいだなんて、そんな願いは……」
「願わないと! 人がそれを願わないと何故わかるのです」
「人は自分にしかなれないんだよ。お前は、本当に『それ』になりたかったのか? そうじゃあないだろ?」
 テラは『ヘカティア』とともに『アークレイズ・ディナ』を振り切る。
 幼女たちが艦艇からエネルギーインゴットを持ち出しながら、飛び立っていく姿をテラは見る。

 今ならば、と彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
「あこがれはわかるよ。けれど、お前の『それ』は……世界を滅ぼす悪意だ。だから!」
 冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)が立ち上る。
 超光速の連続攻撃。
 これにより『アークレイズ・ディナ』の機体装甲が切り刻まれる。
 そして、すれ違うようにして『ヘカティア』がブラックホールキャノンの砲口を向け、同時にカシムが叫ぶ。
「コール『プロメテウス・バーン』!」
 放たれる火線とブラックホールキャノンの一撃が特攻艦隊へと放たれ、『ノイン』の目論見を打ち砕くように、その多くを沈めるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ステラ・タタリクス
乗り手を選ばなかったのですか?セラフィム・シックス様?
……いえ、選べなかった?
ですが、それでは貴方さまはただの|装置《力》に過ぎず
どうしようもない悪性に喰い尽くされるのでは?
キャレットがヴェーダを求めるように

貴方さまの熾火は
きっとビバ・テルメの人々の想い
人の思いを増幅させるのが貴方さまですから

エイル様にはとても及びませんが
戦いに際しては心に平和を
揺れ動く良心こそが貴方さまの力を引き出す
灯った熾火を掲げ、盛らせることが我々の役目
以て、熾盛となりましょう……セラフィム!!

シックス様!上昇してください!
敵が海を来るならば、海を断つ!
コール……プロメテウス・バーン!!
海を蒸発させれば艦隊は進まないでしょう?
爆発するなら海水の底で弾けてください

今のシックス様なら空中機動も問題ないでしょう
このままノイン様を迎え撃ちます!
残念ながらこの躯体を差し上げるわけには
|プロメテウス《怪物》を生み出すわけにはいかないのです!
シックス様、プラズマブレードを!
【トニトゥルス・ルークス・グラディウス】
これで決めます!



『X』に至る道程において、|『V』《ヴェーダ》と|『∧』《キャレット》があるのだとしたら、『セラフィム・シックス』はどちらであっただろうか。
「乗り手を選ばなかったのですか?『セラフィム・シックス』様? ……いえ、選べなかった? そうではないですね。選ばないことを選んだのですね、あなた様は」
 それでは、自身がただの|装置《力》でしかないことを認めるところになる。
 どうしようもない悪性に喰らい尽くされるだけではないのかと、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は、その赤熱した胸部装甲から黒く変色していく『巨神』を見上げる。

 だが、ステラはそこに熾火を見た。
 暗闇のごとく色を失ってく機体色。その奥に青き熾火を見た。
 その熾火は彼女が大空だけの世界で見た光と同じだった。あの千切れるような思いを思い出して、胸が痛む。
 けれど、それが宿命であるというのならば。
「きっとそれは『ビバ・テルメ』の人々の想い。漸く得た、安住の地を失いたくないという数多の祈りが、そこに在るのですね」
 ステラは知っている。
『セラフィム』は人の思いを増幅させる。
 失いたくない。
 その想いこそが、あの熾火であると。

「『エイル』様にはとても及びませんが……『戦いに際しては心に平和を』。揺れ動く良心こそが貴方様の力を引き出す」
 彼女の瞳が見据えるは、傷つきながらも迫る『アークレイズ・ディナ』であった。
 引き裂かれたコクピットハッチの奥にある『ノイン』の狂気満ちる瞳と視線がかち合う。
 戦わなければならない。
 対決しなければならない。
 これはそういう戦いなのだとステラは知る。

「『それ』は! 私のモノだ!!」
「いいえ、これは熾火にして人の心。ならば、この燃え盛る輝きこそ我々の役目。以て、『熾盛』……いえ、その先へ……『セラフィム』!!」
 駆動する。
 それは思いを受けて稼働する力。
 背部のスラスターから噴出する光は翼のように。
 氷山を蹴って飛ぶ『セラフィム・シックス』が『アークレイズ・ディナ』と激突する。
 交錯した火花が散る。
 すでに特攻艦隊は全滅している。ならば、残すはオブリビオンマシンのみ。
「コール……『プロメテウス・バーン』!!」
 ステラの言葉に従うようにして胸部砲口から放たれる火線が海を割る。
 凄まじい一撃であれど、これを『アークレイズ・ディナ』は躱していた。

「乗り手無き『セラフィム』など!」
「いいえ、今の『セラフィム・シックス』様ならば!」
 その言葉を証明するように『セラフィム・シックス』が海面上で反転し、『アークレイズ・ディナ』へと迫る。
 ドリルソードランスを失っている『アークレイズ・ディナ』と『セラフィム・シックス』が組み合う。
 額と額が激突し、装甲がひしゃげる。
「機械ならば、機械らしく人に使われていればいいのです! それを意志があると、そうであればいいなどと願うのは!!」
 アンカーテイルが『セラフィム・シックス』に叩き込まれ、そのエネルギーが吸い上げられていく。
 青き装甲が変色していく。
 赤熱していた胸部装甲から広がるは、黒。

 力失うようにして機体が軋む。
「この駆体は私が頂く! そうすれば、『悪魔』だって……怖くはない!!」
「残念ながら、その躯体を差し上げるわけには、|『怪物』《プロメテウス》を生み出すわけにはいかないのです! 人の|傍らに在る《バイスタンダー》ためには!」
 ステラの瞳がユーベルコードに輝く。
 己が心臓。
 天使核より流入するエネルギーによって形成された迸る雷光の剣――トニトゥルス・ルークス・グラディウスをステラは手にし、『セラフィム・シックス』へと投げ放つ。

「――」
 その視線がステラを見た気がした。
 ひどく懐かしいような眼差し。
 組み付く『アークレイズ・ディナ』を振り払うことなく、投げ渡された長大なる雷光の剣を逆手に握りしめる。
 雷光。
 それは雷鳴。
 その名を『セラフィム・シックス』は思い出した。
『■■■』。
 すでに世界から消えた名前。
 意味をなさない名前。
 けれど、それは。
「これで決めます!」
 ああ、とステラは息を吐き出す。また、別れの刻が来た、と。
 あのときもそうだった。
 別れはいつだって、やってくる。わかっていたことだ。けれど、これが『怪物』を生み出す可能性であるというのならば、きっと己が主人も望まないだろう。

 だから、見届けるのだ。
「はな、せ――!!」
 もがく『アークレイズ・ディナ』の背から一気に貫かれる雷光の剣。
 それはコクピット毎『ノイン』を貫き、そして『セラフィム・シックス』をも貫く。
 炉に焚べられたのは想い。
 そして、それは雷光と共に膨れ上がり、閃光の中に消えゆく。
 海面を抉るような凄まじい爆風。
『アークレイズ・ディナ』をも巻き込んだ爆発は『セラフィム・シックス』ごと破壊し、霧散して消えた。

 リグ・ヴェーダは、青く燃え盛り、そして、灰へと消えゆく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年04月20日


挿絵イラスト