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港湾都市ハルバー解放戦～海神の薔薇

作者：黒代朝希

　――破壊を撒き散らす飛翔体が、空を鳴かせる。
　ハルバーという観光都市は既にクロックワーク・ヴィクトリアの手によって軍用空港と戦闘機搭載空母が常駐する空海それぞれの主要基地と化していた。
　街に住んでいた住人達はクロックワーク・ヴィクトリア軍によって空軍の部品製造等の仕事を『斡旋』され、酷使されていく。
　奪われた波打ち際の想いは神には届かない……いや、多神教の定義で言えば、届くのかもしれない。
　その願いをかなえるのは、神すら超える力を振るう稀人達――
　名は『六番目の猟兵』――かつてこの獣人戦線にて活躍した『はじまりの猟兵』と名を同じくする生物種達に届いたのであった。

　――空と海から、希望の号砲が住人達に聞こえる。
　それは二つのシカの獣人達が作り上げた反抗組織……『ガーター騎士団』と『イエローローズ王国』の反撃の叫びであった。

「という訳で、わたくしの『イエローローズ王国』と同盟組織である『ガーター騎士団』による共同作戦……『港湾都市ハルバー解放戦』を開始するわ」
　そう言って長い金色の縦巻ロールを靡かせながら、黄薔薇の花弁が如きグリモアを用いてレヴィア・イエローローズ（亡国の黄薔薇姫・f39891）――『六番目の猟兵』に覚醒した『イエローローズ王国』の現在における実質的な指導者は、グリモア猟兵としてクロックワーク・ヴィクトリアに関する依頼を猟兵達に紹介していく。
「今回の戦場となる港湾都市ハルバーは、かつては美しいビーチを主とした観光都市だったわ……今ではクロックワーク・ヴィクトリアの南側における軍事的拠点となっているけれど」
　巨大な空港と大規模な軍港の二つを建造し、クロックワーク・ヴィクトリア空海軍の主要基地が一つとなっているこの都市だが、シカの復興を目指す『ガーター騎士団』と『イエローローズ王国』によって奪還作戦が決行される事となった。
　もしもこの都市を『六番目の猟兵』の勢力下に置く事が出来たなら、クロックワーク・ヴィクトリアの空海軍にダメージを与えるだけでなく、南部における地政学的アドバンテージを逆転させる事が可能と見込まれている。
　先んじてクロックワーク・ヴィクトリアに潜入していた『ガーター騎士団』が内陸部で現地レジスタンスと合同して内陸部で行動を起こし、同時に海軍戦力として磁界戦艦『サートゥルヌス』を誇る『イエローローズ王国』が湾岸から同時に襲撃し、敵からすれば二正面作戦となる解放戦を開始するのだ。
「とはいえ、この都市の重要性もクロックワーク・ヴィクトリアの首脳部と軍上層部も勿論理解しているわ」
　まず、この都市は空港と空母に搭載されている戦闘機が豊富だ。
　オブリビオン兵器『制空戦闘機』の群れに対し、こちら側の陸上戦力の殲滅を回避するべくそれぞれ飛行手段を用いて『制空戦闘機』を撃墜し、制空権を奪取するのが作戦の第一段階だ。
「また、この都市には『エースパイロット』と呼ばれる手強いオブリビオンが二名も存在するのだけど……そう、今回わたくし達は内陸部と湾岸部から二方面から同時に攻め込むわ」
　つまりは分断――『エースパイロット』を二体同時に相手取る事態を避け、各個撃破に追い込む戦略なのだ。
　とはいえ戦場が広い上に大きく二つに分かれる為、内陸部と湾岸部におけるユーベルコード使用による戦況の変動はない。
「だけどこちらにはグリモア猟兵の転移が存在する……それによってこの作戦に参加する猟兵は同時に二つの戦場に参加する事が可能よ」
　その事を活かし、出来る者は二つの作戦に同時に参加してみるのも良いだろう。

「わたくし達『イエローローズ王国』は湾岸部攻略を担当……予知で出てくる『エースパイロット』は『レオニダス長官』。オブリビオン兵士としては『戦士』としてより『将軍』として強みを発揮するタイプよ」
　ここで二人の『エースパイロット』を撃破したなら、後は猟兵がいなくとも反旗を翻した現地の獣人達の手でハルバーを解放する事が出来る。
　解放が終わった後、イエローローズ王国はハルバーの復興を担当する予定だ。
「それでは、クロックワーク・ヴィクトリアに対する大規模反抗作戦……スタートよ」
　――｜黄薔薇《グリモア》が舞う。
　その花弁は、獣人達を介抱し解放する為に『六番目の猟兵』を空中戦の戦場へと誘うのであった――

第1章 集団戦 『制空戦闘機』

POW   :    ワンショット・ワンキル 【機銃弾】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。 SPD   :    ダイブアンドズーム 敵より【高い高度、または良好な速力を有する】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。 WIZ   :    編隊空中戦闘 【同じ目的を持つ僚機】が自身の元へ多く集まるほど、自身と［同じ目的を持つ僚機］の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。 イラスト：滄。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「イングランド戦線の獣人さん達を援護するためにも、敵の航空戦力を確実に潰していきましょうか」
　魔法使いとしての魔法の箒に跨り、漆黒の魔法装束を身に纏うウィザードの『六番目の猟兵』で火土金水・明（夜闇のウィザード・f01561）はクロックワーク・ヴィクトリア軍の『制空戦闘機』を撃墜するべく飛翔していく。
　得意の残像が出るほどの速度を用いて明は魔法の箒を用いてドッグファイトを繰り広げ、敵軍のユーベルコード『ダイブアンドズーム』に対抗していく。
「空中戦は魔法使いの本分です。クロックワーク・ヴィクトリア軍に後れを取る訳にはいきません」
　そのまま明は自身のユーベルコード『｜巷に金色の雨の降るごとく《ゴールドレイン》』を発動――気象操作ユーベルコードによって湾岸都市の上空に『金色の雨』を降り注がせていく。
　降り注ぐは金に輝く雨だけではない……『制空戦闘機』を内包するエネルギーで撃墜する『虹色の稲妻』が、ハルバーの空から降り注いでいる。
　更に彼女が自分で言った通り、明は空中戦に長けている。
　三次元的な機動戦をクロックワーク・ヴィクトリア軍に仕掛け、明は更に加速していく。
「私の役目は少しでもダメージを与えて次の猟兵の方に繋げる事……この『｜巷に金色の雨の降るごとく《ゴールドレイン》』による『虹色の稲妻』で敵を撃墜し、味方を癒す『優しい雨』でこの街を包む事で」
　七色に輝く虹色の杖を振るい、全力で風属性、水属性、雷属性を複合させた属性魔法を発動。
　魔法陣を構築し、そのまま三属性を複合させた魔法攻撃を放射する明。
　三属性複合魔法攻撃はクロックワーク・ヴィクトリア軍の『制空戦闘機』を数十の見込み、そのまま『六番目の猟兵』の制空権を確保。
「私の心にも雨が降る――このイングランドを占領された獣人達の様に」
　口遊むはユーベルコード『｜巷に金色の雨の降るごとく《ゴールドレイン》』の｜祝詞《えいしょう》。
　瞬間、降り注ぐ『虹色の稲妻』と『優しい雨』の出力と効果は上昇――これによって蜂起したイングランドのレジスタンスの傷が癒され、そこを狙おうとしたクロックワーク・ヴィクトリア軍の『制空戦闘機』を更に大量に撃墜していく。

　この成果によって港湾都市ハルバー解放戦の初手は『六番目の猟兵』の優位を初手で確立する結果に終わるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　――仙界大戦に名乗りを上げられる程の強者になりたい。
「それはどの仙も夢見る誉れではなかろうか？」
　かつての『殲神封神大戦』をも凌駕する仙界での大いなる戦……
　その戦いで鳴上・冬季（野狐上がりの妖仙・f32734）は名を上げる事を望む。
「ですが、鏖殺能力の不足は自分が１番知っている」
　……だからこそ、冬季は見上げる。
　――高速機動型巨神『闘神アスラ』を。
「暫くは貴方の能力をお借りしたいのです、闘神アスラ」
『……ああ』
「では、我々でこの地の空を制圧しましょう」
　嗤う――巨神の担い手の一人となった妖狐にして仙人である『六番目の猟兵』は、嗤う。
　このクロックワーク・ヴィクトリアに支配されたイングランドの湾岸都市……その上空で、巨神に騎乗しながら。

「仙術で飛行するのが、この『｜巨神《アスラ》』の仕様」
　迫り来る『制空戦闘機』に対し、飛行能力と同じ様に仙術を用いた功夫の要領で敵との彼我の距離を詰めていく冬季。
　敵機目前に出現し、コクピットを装備している『胡蝶双刀八斬刀』で搭乗者ごと叩き潰し敵兵を撃破――そのまま次の『制空戦闘機』の目前へと転移し、双刀を振るっていく。
「ハハハハ、次だ、早く、早く来い」
　その猛威に対してクロックワーク・ヴィクトリア軍も編成を組んで対処――包囲網を敷いて同時多方面から一気に冬季を撃破しようと試みる。
　対して『｜巨人《アスラ》』の担い手はその陣形の中心に転移……
　ここで言う『陣形の中心』とは『包囲網の中心』ではなく、『隊列の中央に位置する機体』の事である。
「――『｜高速機動型巨神『闘神アスラ』流詠春拳・死亡遊戯《キョシンリュウエイシュンケン・ダンスマカブル》』」
　ユーベルコードを発動……独自の技能と化した『巨神『闘神アスラ』流詠春拳・死亡遊戯』を以て、冬季は一気にクロックワーク・ヴィクトリア軍を殲滅するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「エドとレヴィアの共同戦線とあれば、オレが動かない訳にはいかねえな！」
　全身に気合を滾らせながら戦闘機群を見上げるのは、ヒーローズアースのヒーローである空桐・清導（ブレイザイン・f28542）。
　彼が身に纏う真紅の機械鎧は、赤く輝きながら変形していく――
「さあ！このブレイザインがとことん相手になってやる！――超変身！ブレイザイン・バスターモード！！」
　ユーベルコード『ヘビーアームド・ウェポナイズ』を発動し、全身武器庫のような形態に変身するブレイザイン。
　そのまま砲台をクロックワーク・ヴィクトリア軍の『制空戦闘機』へと向け……両手に持ったブラスターとガトリング、両肩のバスターカノン、背部のミサイルポッドが火を噴いていく。
「と、防御を固めておいて正解だったな！」
　更には重装甲化したボディから強化されたオーラ防御により、バリアのように展開されたオーラが防空壕の如く相手の機銃を防いでいく。
　よって、防御を強固にした上で高い火力の対空攻撃を放つ事が可能であるブレイザインが、この戦場ではイニシアチブを握る事になるのである――
「全弾持ってけ！フル・ブレイズ・バースト！！」
　トドメとして全砲門が開かれ、戦場における上空全域に対して隙間のない絨毯攻撃を放射する清導。
　一気に『制空戦闘機』は撃墜し粉みじんとなり、それでも尚続けざまに間髪入れず真紅の機械鎧が変形した『武装要塞』は発射し続ける――
「移動能力が低下しちまったから、俺自身の機動力は劣るのが難点だがな」
　こうして、一点に留まっても問題ない戦場ならば無双と言っても良い強さを誇るであろう。
　現在、清導が実証している様に。
「さて、ここが終わったら次は『エースパイロット』との対決だな！」
　その時に備えて、清導は準備を怠らずに戦っていくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「我らは黒き空の騎兵～♪……拙者が本当の世界大戦を教えてやる」
　低い声でエドゥアルト・ルーデル（黒髭・f10354）はユーベルコード『｜Luftflotte《ルフトフロッテ》』によって召喚した航空機――『Ju87G』。
　｜第二次世界大戦《ワールド・ウォー・ツー》にてドイツの爆撃機として名を馳せたその機体を駆りながら、エドゥアルトはクロックワーク・ヴィクトリア軍の『制空戦闘機』に攻撃を仕掛けていく。
「見ろよこの翼下の37mm砲を……『｜五卿六眼《レッド》』を刈り奪る形をしてるでござろう？相手は『｜五卿六眼《レッド》』じゃないけど」
　増強された『Ju87G』の装弾数と推力・機動性・安定性は、既にアース系世界における現行ジェット機の性能すら遥かに凌駕している。
　そのままエドゥアルトは爆撃機としての強みを活かすべく上昇――
「つまりは、上昇合戦でござるよ！――敵機群より高度を高く取ってダイブ＆ズームをキメるんでござるよ！」
　強化され増強した推力は、爆撃機でありながら戦闘機をも凌駕する馬力を持つモンスター・マシンへと『Ju87G』を進化させた。
　やがて高度を稼ぎ終わったエドゥアルトは、上昇合戦で速度を落とした敵機をねっとりと砲撃――
　空から見上げるオブリビオン兵の爆散は、花火の如く。
「これぞパワーある空戦の嗜みでござる……オラ降下！！再上昇！！！降下！！！！」
　躊躇なく圧倒的な｜制空権《イニシアチブ》を以てクロックワーク・ヴィクトリア軍へと爆撃を仕掛けていくエドゥアルト。
　やがて一通り空の戦場に存在する『制空戦闘機』が片付いたのを確認した彼は、残った地上に駐機してる敵機にも降下ついでに投下して徹底的に爆散させるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『レオニダス長官』

POW   :    獅子親衛隊 【獅子の獣人の配下たち】を召喚し、武器憑依・範囲治癒・魅了の踊り・眠り粉散布・針剣攻撃・話し相手のいずれかを行わせる。 SPD   :    非正規部隊 200G（万円）相当の【金銭】をｘ個消費し、ランダムな強さ・外見を持つ【獣人】族の【傭兵】をｘ体召喚する。 WIZ   :    ヘッドハンティング 指定した対象を【自身の配下】にする。対象が［自身の配下］でないならば、死角から【首切り兎の獣人】を召喚して対象に粘着させる。 イラスト：もりさわともひろ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「空は私の領域――敵が空中戦を行うというなら、私もそれに応えましょう」
　エンジェルの翼を翻してクロックワーク・ヴィクトリア軍のエースパイロット『レオニダス長官』に挑むのは白霧・希雪（呪いの克服者・f41587）。
　エースパイロットのユーベルコード『獅子親衛隊』によって呼び出された獅子の獣人の配下たちによる弾幕を空を大きく動き回って標準を定らせないように飛翔して掻い潜りながら、希雪は呪いをばら撒きながら敵の指揮下にいる兵のヘイトを稼いでいく。
「呪いの制御も、あの時より確実に上手くなっていますからね……」
　過去、自分に関わる人が皆死んでいく呪いをかけられたが……『師匠』に呪いを解呪してもらい、体内に残る呪いの力を制御する術を知った。
　故に希雪は呪いを制御するユーベルコードを猟兵として用いる――
「私に流れる天の覇者たちの血を。私に宿る天の覇者の呪いを。これが、私の...最速......！！」
　変身するは天使とドラゴンを混ぜたような人型の姿――それで飛翔を更に加速し、戦場の敵全員に弱い『与奪の呪』を発していく。
　ユーベルコード『天覇ノ血 天覇ノ呪』による効果で有効的にクロックワーク・ヴィクトリア軍の駆る戦闘機のエンジンかプロペラに呪詛を――ではなく。
「――『希雪の大薙刀』」
　それは使い手の意のままに長さが現状80メートルまで変わる細く、長く、黒い薙刀。
　一気に刀身を伸ばして戦闘機の急所に刺突を繰り出す戦術を希雪は取っていく。
「うまくいけば、エースパイロット本体へ！」
　十分な長さに伸ばした薙刀で最速最大の攻撃を『レオニダス長官』そのものに繰り出しながらトドメを刺すべく準備を整えていく――
「かつて天に覇を示した偉大なる種族の血。かつて天に覇を示した偉大なる存在の呪い。それを見せてあげましょう――」
　再び『レオニダス長官』そのものへ刺突を繰り出すべく、希雪はドッグファイトを仕掛けていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「エースとコマンダーの登場か……盛り上がるじゃないか」
　好戦的な笑みを浮かべ、空桐・清導（ブレイザイン・f28542）はユーベルコード『スーパー・ジャスティス』を発動。
　黄金のオーラを纏い、高速で空中戦をエースパイロット『レオニダス長官』と繰り広げていく。
「さあ、ドッグファイトと行こうじゃねえか！」
　圧倒的な速度と気合と根性によって成される直角機動を駆使し、真正面から戦闘機に食らいついていく清導。
　魅了の踊りと眠り粉散布によって意識を閉ざそうとする『獅子親衛隊』の対処は、それこそ根性――自身を燃え上がらせて煩悩と眠気を焼き尽くしていく。
「そのまま――拳一つで、戦闘機をぶち抜くぜ！」
　其れは獣人戦線ではありえないような光景――しかし、清導は獣人戦線の住人ではない。
　彼はヒーローとヴィランの世界――ヒーローズアースのヒーローなのだ。
「ヴィランが戦闘機に乗って空爆してくるなんて、日常茶飯事だぜ！」
　ドッグファイトの果て、清導は『レオニダス長官』が乗る戦闘機の背後を取る。
　そのまま、エンジンを中心として燃え上がる拳によるラッシュを叩き込んでいく――
「こいつで終わりだレオニダス長官！――超必殺！ブレイジング・キィィィック！！」
　トドメとしてコックピット目掛けて莫大な炎のエネルギーを足に込めた｜踵落とし《キック》を繰り出し、大ダメージを与える清導。
　しかし流石はクロックワーク・ヴィクトリア軍のエースパイロットとでも言うべきか……直ぐに蒸気魔導による治癒と機体復元によって致命傷ごと戦域を逃れていく。
「それでも、無視できないダメージは入った筈だぜ」
　そう言いながら、清導――『ブレイザイン』は全身から黄金色に輝く炎を吹き出しながら再び『レオニダス長官』に接近していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「最近私もやっと仙界大戦に名乗りを上げられそうな程度には腕を上げまして。貴方にもそれを味あわせて差し上げましょう……鏖殺せよ、真黄巾力士五行軍」
　不敵に鳴上・冬季（野狐上がりの妖仙・f32734）は嗤い、ユーベルコード『真黄巾力士五行軍・仙界大戦』……封神武侠界のオブリビオン・フォーミュラ『大賢良師『張角』』の『異門同胞』の基礎となった『黄巾党召喚指揮ユーベルコード』を模倣した『自作宝貝を装備した仙術使用強化型黄巾力士』を飛翔能力を付与して召喚し、冬季が所有するユーベルコードを使用させるユーベルコードを用いて軍勢対軍勢の空中戦を繰り広げていく。
「――『八卦天雷陣・青天の霹靂』」
　雷霆を呼び出し、稲妻による火傷と感電を敵に付与した後にその状態異常を起点として『豪雨の如く次々と発生する落雷』を降り注がせる気象操作系統のユーベルコードを用いて、冬季と呼び出された『仙術使用強化型黄巾力士』の軍勢はクロックワーク・ヴィクトリア軍のエースパイロットとその麾下にある空軍相手に有利に戦っていく。
「制圧射撃で敵の行動阻害５体、砲頭から徹甲炸裂焼夷弾連射し鎧無視攻撃で敵を蹂躙する５体、上記２組をオーラ防御で庇う５体――計１５体を１隊として１０隊計１５０体」
　その中隊規模の軍勢を指揮し、冬季は高度から戦場を俯瞰。
　普段から連れ歩く黄巾力士にオーラ防御で庇わせながら、竜脈の力で全黄巾力士の能力底上げしていく――
「我は妖仙、迅雷公――『｜忘却《オブリビオン》』を名乗る『貴様ら』全てを屠るものよ」
　迅雷公は嗤う――敵の滅びを前にして。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「オヌシは無法に惨たらしく殺す」
　どちらかというとサイバーザナドゥや人民租界のノリでエドゥアルト・ルーデル（黒髭・f10354）はエースパイロット『レオニダス長官』に死刑宣告を下し、そのまま超高速で接近していく。
「今丁度召喚したバチクソに速い飛行機に乗ってるからそのまま行こうぜ！」
　他の敵機を回避し、そのまま『レオニダス長官』の指揮官機まで最速で接近。
　機体同士が交錯する瞬間を狙い……エドゥアルトが乗っている戦闘機が、敵機に――
「I Can Fly！ニルヴァァァァナッ！！――機体に張り付いてしまえば他の機からの攻撃は無理でござるな」
　そう、何とエドゥアルトは戦闘機から飛び出して……超高速で湾岸都市の上空を飛翔しているエースパイロットの機体に張り付いたのだ。
　因みに制御不能となったエドゥアルトが乗っていた機体は即座に召喚術により追儺され墜落する危険性は無くなった。
「そして……このまま袋叩き――いや、スープレックスじゃあ！」
　キャノピーを叩き割りコクピットから『レオニダス長官』の鬣を引きちぎる勢いで引っ張り、そのまま機体から引きずり出す！
「自由落下中だろうが空中戦なら人間の拙者に分があり――そして空中戦という事は、ルチャドールという事だからな！」
　エースパイロットの首を両足でクラッチ、ホールドしたまま落下――
　そのまま、遂に湾岸都市の地面が近づき……
「｜必殺《フェイバリット》！！メキシカセメタリー！！」
　そのまま地面に慣性、重力の法則を以て叩きつけて致命傷を負わせるエドゥアルト。
　尚、エドゥアルト自身はユーベルコード『｜無法の荒業《ヤベーヤツ》』による柔軟性の獲得……及び『｜やりたい放題過ぎる《はじけた》人』になる事で無傷で済んだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第3章 日常 『心に刻まれた戦火の爪痕』

POW   :    明るく前向きに励ます SPD   :    多くの人と交流を持つ WIZ   :    親身になって話を聞く 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「さあ、ヒーローとして戦うこと以上に大切な仕事だ！　復興作業を手伝わせて貰うぜ！　力仕事なら任せてくれ！」
　ヒーローズアースではヴィランとの戦いの後、復興準備をヒーローは行う事がある。
　それは空桐・清導（ブレイザイン・f28542）に取って馴染み深い事……ユーベルコード『｜『光焔勇機』見参《ブレイザイン・ギガース》』で巨大ロボを呼び出し、復興支援を重機代わりに使って進めながら軍事施設を解体していていく。
「防衛設備に関しては、レヴィア達が担当するから安心してくれ」
　軍の基地を巨大ロボは掌で包み込み、そのまま光と共に建築資材へと姿を変えていく。
　最早、この湾岸都市は軍事施設ではなく……観光都市へとあるべき姿へと戻って行くのだから。
「無敵のロボは戦うだけにあらずってな」
　誰かを救うことなら『全て』出来てこそ真の“無敵”――ヒーローとはかくあるべしと清導は信じている。

「ここからみんなの街は生き返るんだ！　みんなで一緒にこの街を作り直そう！　そのために俺は此処にやってきたんだから！」
　その言葉を皮切りとして、湾岸都市の獣人達は次々とそれぞれの出来る事やするべき事を以て、観光都市を復元していく。
　その様子を見て、清導は笑みを漏らす。
「アースクライシスの後でも思ったが……やはり戦いのある世界の住人は、本質的には強いな」
　細かな作業は住民と一緒に作業し、炊き出しの料理を作っていく清導。
　――『｜超人《ヒーロー》』だけが全てを担い、全てを救う世界。
　誰かにやられただけで救われる世界は楽だろうが……しかしそれでは駄目だとヒーローである彼は断じる。
「自らの手で成すことにこそ、意味はあるからな」
　かつてアースクライシスでジェネシス・エイトとクライング・ジェネシスと相対した時に重要だったのはヒーローズアースの住人だったように――
　その事を、清導は決して忘れる事は無いのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「真面目な話、何処まで解体を進めて良いのでしょうね？」
　相変わらずの『嗤い』を浮かべながら鳴上・冬季（野狐上がりの妖仙・f32734）は湾岸都市の町長達に話を持ち掛ける。
「ここが要衝地であるならば、何度でも敵の攻撃は加えられるでしょう。景観を重視すれば防衛力は落ちます」
　そう、ここはクロックワーク・ヴィクトリアの本国……敵の首脳部と陸続きであるなら、クロックワーク・ヴィクトリアの軍は猟兵に『占拠』された『湾岸基地』を放置する道理はない。
　故にここから、湾岸都市ハルバーは度々北方からクロックワーク・ヴィクトリアの襲撃に会敵する事になるだろう。
「さて、何処まで景観を重視した復興を行います？」
　だからこそ、冬季は問いかける――観光都市として、どう再建するかを。
「規模は縮小するにしても、設備流用した方が今後の防衛計画は立てやすいと思うのですよ」
　ユーベルコード『黄巾力士・五行軍』によって召喚された黄巾力士……その数、150体。
　10体ずつ15班に分け、戦禍の酷い場所から優先して復興作業を進めながら、野狐上がりの妖仙は今後の戦略的な復興プランを提供していく。
「イングランド戦線で完全勝利を収める前に街の復興資材に使うのは、時期尚早な気がします……ですが」
　そこで彼はとある方向へと振り向く――宗教施設である教会と、児童病院が再建している場所へと。
「宗教と医療は話は別です。其れは戦禍にある場所だからこそ、必要です」
　即ち、心の拠り所と生命を繋ぎ留める場所。
　この銃弾と硝煙の渦巻く世界だからこそ……大切で、復興するべきなのだ。
「その他も、住宅や道路等の居住区とインフラの確保は大事です」
　そうして、戦略的な観点から冬季は復興プランを進めていくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年03月06日