泣いていては自由は得られない、戦う者だけが自由を得る
●国境線、18:00
「ほほう、では、この地を抜ければキエフまで一直線ということだな?」
ここはウクライナの国境線。ウクライナはワルシャワ条約機構から、「敵」とみなされることになった。まだ、そのことすら伝えられていない。しかし、「特別軍事作戦」は決定された。豚の獣人の将軍が地図を眺めながら、戦闘の準備を始めている。条約機構軍の主力たる突撃歩兵も大量に用意した。数で押せば、勝てる。そう、将軍は考えていた。
「内部からの情報によると、我々の動きは勘づかれていない。やるなら、今だろう……これで、『敵』を潰せるなら、安いものだ。あとは、全て……奪えばよい」
突撃歩兵の隊長が将軍に伝言を伝える。
「我々の準備も整いました。さあ、ご命令を!」
彼らの装備はそれほどよいものではない。銃もろくにあるわけではない。銃剣、手榴弾、そしてスコップ……。使えるものは何だって使う。しかも、兵隊は畑で採れるのだ。搦手など、邪道だ。将軍の考えに、曇りはなかった。
「では、午前0時を以て、特別軍事作戦を開始する。勝利は祖国のために!」
小銃を握りしめながら、豚の将軍は高らかに叫んだ。おそらく、突撃歩兵が後退すれば撃つつもりなのだろう。
●キーウ、22:00
「大統領閣下、国境線に何やら動くものの姿があるとの報告が……」
犬の武官が、大統領にメッセージを伝える。
「また、条約機構軍か。まあ、あれは訓練だと思うが……」
大統領はこれから起こることを知らないのだ。だが、その兆候は、確実にある。武官は焦っていた。このままでは、奇襲をされる心配がある。そうなってからでは、遅いのだ。
「ですが……」
その曇った顔を、大統領は見逃さなかった。
「万が一の悪い予想は、したくない。だが、そうなったときは徹底抗戦するつもりだよ……」
覚悟を決めた様子で、大統領は武官の顔を見つめていた。
●グリモアベースにて
「獣人戦線にて、ワルシャワ条約機構軍が動くという情報が入りました……」
悲痛な目でルイザ・シャーロット(殆くも美しいこの世界に・f27402)が状況を語り出した。
「彼らは、夜中のうちに国境線を抜け、ウクライナの首都、キーウを強襲するつもりでいます。備えは万全ではないため、彼らの敗北は明らかだと思い込まれています」
だが、ワルシャワ条約機構軍の作戦も、進軍ルートもだいたい読めてしまうのだ。
「お付きの武官は、彼らの作戦をだいたい読み切っています。それに……」
突撃歩兵たちの士気は低く、ただ突撃しかしてこないようだ。それに、その指揮官である豚の将軍も俗物丸出しである。
「なら、すべきことはまず最初に武官に接触して一緒に作戦を練り、首都にいたる前にワルシャワ条約機構軍を止めることです……」
ルイザの手に握られているのは、ウクライナの人形、モタンカ。
「この戦いには、大義はありません……正義のために、彼らを止めてください!」
その目は、何よりも悲痛さをたたえていた。
ヨーシャ
お久しぶりです。最近はメタバースに入り浸っていてすっかりこっちの世界を忘れていたヨーシャです。今回のテーマは大義なき戦争をいかに止めるかというものです。
まず始めにすることは武官たちと作戦を協議し、彼らの不安を払拭することにあります。しかし、必要な時間は短いです。ただ、ワルシャワ条約機構軍の作戦はだいたい読めていて、それは突撃歩兵による人海戦術です。
その次には突撃歩兵たちとの戦いになります。近接戦が主体になりますが数が多いです。ただ、士気は低いのでそこを突けば効果的かもしれません。
最後にこの方面の司令官であるブタ将軍との戦いになります。まあ、周りの士気は低いので将軍を倒せばこの方面は護れるでしょう。
なお、どこかで見た話だって……? それは、気にしてはいけませんね。
最後に、初回プレイングはシナリオが受理された日の19:00〜で、断章が投下されていればプレイングを受け付けます。第二章と第三章は断章が投下された段階からプレイングを受け付けます。
では、我々に、勝利を! 獣人たちに栄光あれ!
第1章 日常
『会議は踊る』
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POW : 力技な作戦を提案する
SPD : 電光石火な作戦を提案する
WIZ : 複雑な作戦を提案する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●深夜の軍議
その日の参謀本部では、皆重い表情であった。
このままワルシャワ条約機構軍がキーウに進軍を開始すれば、遅くても夜明け前にはたどり着いてしまうだろう。だが、今から市民に告知しても、うまく備えられるのだろうか。ただ、それだけが読めていなかった。
ましてや、今は深夜だ。皆、寝ているのだ。精鋭揃いの軍が備えたとしても、突撃歩兵の大軍には突き破られるだろう。このままでは、我々には死しかないのか……。
絶望が皆を包む中、希望がもうすぐ到ることになるとは誰も知らなかったのだ。
ヴォヴァ・ヴァシレフスキー
【クヴァルタル】
アドリブ/連携可
(地図を眺め)
「我が故郷、キーウを渡すわけにはいかない!とは言えどうすれば・・・」(UC発動)
天使「ここは正攻法、敵の進軍ルートで待ち伏せしましょう」
悪魔「見ろ、ここにダムがあるだろ?これを破壊して連中を水攻めするんだ。ついでにキーウまでの道も潰せる。ん?近くに村がある?村人達には事前に避難してもらえ。お前のコミュ力なら説得できるはず」
村へ行き、村人達に礼儀作法とコミュ力を駆使して避難するよう説得。
避難完了後、ダムに爆薬をセットし、陽動部隊からの映像を見ながらその時を待つ。
「今だ、ダム爆破!陽動部隊は離脱せよ!」
ダムを爆破。敵軍に襲い掛かる大量の水。
ユーリ・イグナーチェフ
【クヴァルタル】
アドリブ/連携可
迷彩+目立たないを駆使して進軍の様子を偵察、暗視カメラで撮影して映像を味方に送ります。
「これは多いですね。しかし」
敵軍の戦力を映像から情報収集します。
「移動中はどうしても無防備になりやすいので敵方の攻撃を考慮するものですが、この部隊はあまり戦闘慣れしていないようです。まぁ念には念を入れて油断は禁物ということで」
敵が指定位置を通過したタイミングで陽動+UCを発動します。影縛りで動きを封じつつ殴り倒していきましょう。
味方の通信を確認し、UCを解除して高台へ離脱します。
「ふう、危機一髪と。それにしてもヴォヴァは大胆な作戦を考えましたね。流石私が見込んだ男」
故郷の危機に、ヴォヴァ・ヴァシレフスキー(担ぎ出された喜劇役者・f41312)は胸が張り裂けそうな思いだった。彼の故郷であるキーウを守るためにも、ここは何としてでも作戦を成し遂げられなければならない。彼の副官であるユーリ・イグナーチェフ(副官兼マネージャー兼プロデューサー・f41527)もまた、その思いを身に染みて感じていた。そんな彼らは危機感を感じつつも参謀本部に向かったのだった。
「ああ、君は、クヴァルダルのヴォヴァじゃないか!」
司令官の顔が笑顔に包まれる。どうやら、彼の存在を知っていたようだ。そんなこんなで世話話に花が咲いたが、作戦はなかなか思い浮かばない。そんなヴォヴァが思い出したのは、作戦について天使と悪魔に相談するというものだった。
「やはり、ここは正攻法で迎え撃つべきでは……」
天使がささやく。だが、悪魔はもっと大胆な方法を突きつけてきた。
「見ろ、ここにダムがあるだろ? これを破壊して連中を水攻めするんだ。ついでにキーウまでの道も潰せる。ん? 近くに村がある? 村人達には事前に避難してもらえ。お前なら説得できるはず……」
冗談じゃないとヴォヴァは思った。いくら、祖国を守るためといえどもダム破壊など赦されるはずはない。村人は、どうなる……のか。だが、祖国を守るには、これしかない。
「ダムを、破壊しましょう。敵を足止めするには、これしか、ありません……」
腹を決めたような表情で作戦を提案するヴォヴァに、参謀本部の一同は目を白黒させていた。
「……これしか、ないのか?」
武官が目を剥きながらヴォヴァに問うと、表情を曇らせたヴォヴァは首を縦に振った。
「これは、やるしかない。村人を説得して回ろう……」
意を決した武官たちはヴォヴァとユーリと共に村に向かうのだった。村ではヴォヴァの説得もあって、トントン拍子で避難が進んでいた。これなら、開戦までに間に合いそうだ。なお、ダムには国軍が爆薬をしかけている。後は、安全な場所に避難して、ダムを破壊するだけだ。
その一方、ユーリはギリースーツを纏って国境近くに潜入し進軍の様子を偵察していた。突撃歩兵は進撃する体制についている。移動は近い。ちょうどヴォヴァから避難完了の連絡が届く。
「これは多いですね。しかし……」
ユーリの情報によれば、敵はかなり多い。
「移動中はどうしても無防備になりやすいので敵方の攻撃を考慮するものですが、この部隊はあまり戦闘慣れしていないようです。まぁ念には念を入れて油断は禁物ということで……」
そのとき、敵の突撃歩兵は進軍を開始した。
「ああ、今、敵が突撃を開始しました……では、そろそろ……」
作戦で指示したところに、敵の突撃歩兵がさしかかる。そんなユーリはワールドハッキングプログラムを発動して、飛び道具を使えなくしたのだった。先頭がやや通り過ぎ、主力が今まさに通ろうとするとき、遠くで爆発音が聞こえる。ヴォヴァが、ダムを破壊したのだ。ほどなくして、冷たい奔流が突撃歩兵の主力を呑み込んでいく。その様子を見ながら、ユーリはユーベルコードを解除して退避するのだった。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
敵兵の哀れな叫び声が聞こえる。だが、こちらも民の財を使い物にならなくなってしまった。ヴォヴァはその様子を眺めながら村人たちに赦しを乞うしかなかった。
「申し訳ございません……でも、こうするしか、なかったんです……」
だが、状況を理解した村人たちは、なじるどころか彼に感謝の言葉をかけるのだった。
「なに、死ぬよりはましさ。それより、武器はどこだい? 条約機構軍のヤツらに一泡吹かせてくれよう!!」
村人たちの士気は高い。
「ふう、危機一髪と……それにしてもヴォヴァは大胆な作戦を考えましたね。流石私が見込んだ男……」
戻ってきたユーリがヴォヴァの様子を遠巻きに見つめていた。この男は、何か大きなことを成し遂げそうな気がする。だからこそ、仕えていかなければ……。ユーリの目に、もはや曇りはなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『突撃歩兵』
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POW : グラナーテ!
【対人柄付手榴弾、対戦車集束手榴弾、火炎瓶】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : アタッケ!
【銃剣による刺突】【自身の爪や塹壕スコップによる斬撃】【取っ組み合いからの殴り合い】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ : アングリフ!
【着剣した騎兵銃を撃ちながら銃剣突撃による】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【砲兵隊による迎撃を阻害する突撃支援砲撃】の協力があれば威力が倍増する。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●大損害を受けつつも……
「ああ、敵の、奇襲か……?」
突撃歩兵の隊長は報告を聞いて愕然としていた。兵の大半が、濁流に呑まれている。損害は大きく、反撃もできないまま倒されていった。だが、それを上に報告するわけにはいかない。もっと悪い条件で戦うことになりかねないからだ。しかも、後ろには督戦隊がいるだろう。だから、下がって体制を立て直すわけにはいかない。
「下がっても、死……なら、突撃あるのみだ……全軍、突撃!!」
指を真っ直ぐ前に振り下ろした隊長は覚悟を決めていた。前に進むことしか、我々には、できないと……。
「ウラー!!!」
兵たちの叫びが、夜のウクライナに、こだまする……。
ヴォヴァ・ヴァシレフスキー
【クヴァルタル】
アドリブ/連携可
(配信開始)
「みんな、見てるかい?『クヴァルタル』のヴォヴァ・ヴァシレフスキーだ。今回はウクライナ軍と共にキーウ防衛戦を戦っている。奴らを僕の故郷に行かせるわけにはいかない!」(UC発動)
(コメント欄に飛び交う『頑張れ』『負けるな』『彼らに勝利を』『栄光あれ』の言葉)
「我々は砲兵隊を迎撃する!撃て!」(大軍指揮+団結力+連携攻撃)
ソーシャルレーザーのビームが敵の大砲を射抜き、爆発する。
(視聴者から投げ銭代わりに充填されるソーシャルレーザーのエネルギー)
(逃げようとする敵砲兵達の前に立ち塞がり)
「貴様ら逃げられると思うなよ」(恐怖を与える+逃亡阻止)
ユーリ・イグナーチェフ
【クヴァルタル】
アドリブ/連携可
始まりましたね。ではこちらは歩兵部隊を攻撃しましょう。
敵軍の歩兵達の様子がおかしいですね。勇猛果敢、というより何か我々以外のものを恐れているような…。
暗視カメラで後方をズームアップして…なるほど、督戦隊ですか。では先にあちらを潰しましょう。
迷彩で目立たないようにして敵の目を誤魔化し、奇襲を仕掛けます。
(UC発動)その弾、味方に撃つくらいなら我々に撃ったらどうですか?まぁ撃たせませんけど。
金縛りで動きを封じ、ポルターガイストで戦場に散らばる銃剣や手榴弾を敵の頭上に降らせます。
さて、これで崩しやすくなりました。あとは殲滅あるのみです。
●肉の嵐
ウラーと叫びながら、壁が近付いてくる。騎兵銃に着剣し、弾を込めて、突撃歩兵は向かってくる。全てをなぎ倒すかのような突撃のはずなのだが、その士気は低いように見えた。
そう、彼らは望んで突撃しているわけではない。ましてや、作戦の内容もろくに知っているわけではない。だが、前へ進まなければ、殺される。怯めば、逃げれば、督戦隊によって殺される。その恐怖が彼らを前へ前へかき立てていた。
そこに立ちはだかるクマ獣人が一人、彼こそがヴォヴァ・ヴァシレフスキー(担ぎ出された喜劇役者・f41312)である。故郷に向かいつつある敵兵を前に、彼は怯む様子など全く見せていない。
その横には副官のユーリ・イグナーチェフ(副官兼マネージャー兼プロデューサー・f41527)が立っていた。彼の暗視カメラは突撃歩兵の一群を捉えると、その様子に気付いたのだった。少なくとも、勇猛果敢なものではない。我々以外の、何かを恐れている……。
「やはり、敵には督戦隊がいるようですね……暗視カメラで見てみましょう。あ……これは督戦隊ですね。では、先にあちらを潰しましょう……」
やはり、背後には督戦隊がいる。ユーリはギリースーツに身を包むと、こっそり道端に隠れ、気付かれないようにして敵の督戦隊を狙うのだった。
その一方で、正面から敵兵を受け止めるヴォヴァは直ちに配信を始めた。祖国の危機を、心配しないものなどいない。覚悟を決めた表情は、国民の抵抗意識を高めることに役立った。
「みんな、見てるかい? 『クヴァルタル』のヴォヴァ・ヴァシレフスキーだ。今回はウクライナ軍と共にキーウ防衛戦を戦っている。奴らを僕の故郷に行かせるわけにはいかない!」
彼の配信を、大勢のウクライナ国民が注視している。「頑張れ」や「負けるな」、「栄光あれ」というメッセージに、たちまち画面は埋め尽くされる。だが、その勢いは、全く止まらない。このエネルギーが、レーザービームとなって敵の大砲を射抜いた。
辺り一面に鳴り響く、爆発音。突撃歩兵の一群は何があったのかまるでわかっていない。彼らは一本の道を真っ直ぐ進んでいたが、その混乱で進軍が止まってしまったのだった。
「な、何をしているんだ!! 進め、進めッ!!」
督戦隊が銃を込めて戸惑う突撃歩兵たちを撃とうとしたところ、急に彼の身体は動きを封じられた。
「その弾、味方に撃つくらいなら我々に撃ったらどうですか? ……まぁ撃たせませんけど」
その言葉と共に、戦場で散らばった銃剣や手榴弾が、督戦隊の頭上に降り注ぎ爆発した。ユーリが行った抵抗のおかげで、督戦隊は壊滅的な打撃を被ったのだ。そのことに気がついた突撃歩兵は、散り散りに逃げていく。
「貴様らぁぁぁぁぁぁッ!! 逃げられると、思うなよ!!!」
逃げ惑う敵兵たちに、ヴォヴァとウクライナ国民の怒りが炸裂する。この配信の視聴者たちが、投げ銭替わりにエネルギーを送っているのだ。その勢いはすさまじく、地面には何個ものクレーターができていた。
「だいぶ崩れましたね。逃げ延びた兵も少なくはありませんが、おそらく烏合の衆でしょう……」
ユーリの言葉に、ヴォヴァはこくりと頷いた。
「後に続く者たちが、ここは何とかしてくれるだろう。僕らは、敵の司令官を探し出して倒せばいいんだ……。そうすれば、ひとまず、祖国を救う時間稼ぎにはなる……」
ユーリはヴォヴァの瞳を見つめていた。まだまだしなければいけないことはあるが、希望は、ある。そういう瞳だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
試作機・庚(サポート)
はーい呼ばれてなくても参上する庚さんデスよ
サポート参加ってやつデスね
…サポート参加って何書けばいいんデスかね?
とりあえず口調はこれでわかると思うんデスけど…
まぁ私はその時々で色々変わるデスから気にしない気にしない
私が出来ることなら大体の事はするデス
あーけど、基本私はハピエン厨デスからあまりにも酷いことはしないデス
私がされる分には基本何されても別に問題ないデスけど…
私以外の奴…例え敵でもあまりにも可愛そうだと感じたら手を差し伸べる場合があるデス
まぁ必要があればやることやるんデスけどね
仕事デスし
なんでそこの判断は任せるデース
こんなもんでいいデスかね…?
あっ忘れてた『UCの詠唱は自由にどうぞ』デスよ
貴無・天(サポート)
東方妖怪の衛生兵×バロックメイカー、20歳男。
普段の口調は「男性的(おれ、あんた、だ、だぜ、だな、だよな?)」、気弱になると「(おれ、~くん、~ちゃん、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用可。基本的に明るく朗らかにふるまいますが、人の役に立てなければ生きる価値がないという強迫観念があり自分が無力だと感じると幼児退行気味(泣いたり、ひたすら謝り続けたり)になることがあります。ですが他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」
「では、吉報をお待ちください」
竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません
戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません
侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●ただ向かってくる敵を前にして
突撃歩兵は戸惑いながらも前に向かってくる。銃は満足に揃っていないが、それでも倒れた味方から装備品を奪ったり、中にはまだ息のある味方から無理矢理奪って……というケースも見出された。あまりにも、まともではない行動だ。
試作機・庚(|神殺し《ケルベロス》・f30104)は目の前で起きている阿鼻叫喚を呆然と眺めていた。貴無・天(生存権をください・f42269)も同じだ。
「おれは、目の前で起こっている光景を、認めたくない……」
天の言葉に、力が入る。
「でも、やるしかないデス……」
たとえオブリビオンとて作戦を遂行するために味方を切り捨てる行為は、庚には信じがたかった。だが、これ以上先に進んでしまうと無辜の一般市民が巻き込まれることになる……。
「だからこそ、覚悟を決めなくては……」
チル・スケイル(氷鱗・f27327)が目の据わった顔をして向かってくる突撃歩兵たちを見つめる。そのまま、チルは魔術を唱え始めた。
「……我が氷雪よ、禁忌の氷霧となりて、神魔さえも極楽に堕とせ!」
霧状の冷気が、戦場を包む。凍り付いていく突撃歩兵たち。そして味方のウクライナ兵たちは意気揚々である。
「今、この混乱しているときに突撃をかけましょう!」
防衛部隊が反転攻勢を始める。彼らと共に駆ける庚。敵兵の攻撃を受けた兵士をドローンで治療しつつ、まだ先に出るなとばかり機関銃を打ち鳴らしている。ただ、敵の突撃歩兵は倒れていく。ドローンでの治療は限りがあり、後方には攻撃を受けて負傷した兵士が次々と運ばれてきた。
「よく、頑張ったね……でも、おれたちがいっしょだ。ならば、勝てる!」
その言葉を聞いた兵士たちの傷が、たちまち癒えていく。
「とにかく、負傷兵の面倒は、おれが見ます!」
天の頼もしい言葉だ。
「ああ、任せてください。ならば、戦場の霧の恐ろしさを、見せてあげましょう!!」
チルの言葉に、戦場は見えないほどの氷霧に包まれる。
「前に、出てはダメデスよー! ここは、任せるのデス!」
庚も機関銃を乱射し、敵突撃歩兵を食い止めようとしている。だいぶ勢いは弱くなったが、それでも突撃歩兵たちは向かってきた。
「圧政者に、死を!」
自分たちが圧政者である事も気付かずに突撃歩兵たちは向かってくる。その様子は、流石に何かに操られているとしか言いようがなかった。だが、それでも、戦わなければならない。でなければ、市民に被害が出てしまう。三人の思いは一つだった。これ以上、先に進ませてはならない。だからこそ、ここで足止めしよう、と。
敵の勢いはまだまだ続く。まだ夜であるが、辺りは照明や砲火などで明るくなっている。その中に、氷霧が舞っているのだ。光はより一層強くなるが、そこに何があるのかわからなくなっているのだ。だが、この手を止めるわけにはいかない。だからこそ、味方には前に出ないことを厳命し、我々猟兵だけでけりを付ける……。チルの氷霧と庚の機関銃は、その灯火の動きを徐々に減らしていった。懸命に治療を続ける天の喉も、もはや涸れ始めていた。だが、あと少しだ。
不意に、物音が聞こえなくなった。三人は辺りを警戒しつつ前進すると、そこには立っている突撃歩兵などいなかったのだ。そう、我々は、突撃歩兵に、勝ったのだ。
「ううっ、これで……よかった……かな?」
天の言葉に、安堵する一同。だが、その先に、まだまだ災厄が控えていることを誰も知らなかったのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『俗物軍人『ブタ将軍』』
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POW : トンカツ作戦
戦闘用の、自身と同じ強さの【レベル×20体の歩兵】と【レベル÷10両のパンツァーキャバリア】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : ビフカツ作戦
【サーベル】を向けた対象に、【自身が指揮する兵士達の機銃掃射】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : カツレツ作戦
【信号弾】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【兵隊】で囲まれた内部に【カノン砲から発射される榴弾】を落とし、極大ダメージを与える。
イラスト:渡辺純子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「仇死原・アンナ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●豚は嘲笑う
突撃歩兵全滅の報に、ブタ将軍は顔面蒼白になっていた。斥候兵からの報告によれば、夜明けまでにキエフを落とせるのではなかったのか。ウクライナ軍は弱く、我々の敵ではないと思っていた。戦争開始前に上がってきた目の前の報告は、そのような事実と異なる報告だった。だが、これは、現実ではなかった。突撃歩兵たちは一方的に殲滅されたのだ。
「ひどい、誤算だった……が、かえって戦功をあげるチャンスが出てくるとはな……」
出撃の準備を始めるブタ将軍の頭には勝算があった。突撃歩兵はあくまでも使い捨てだ。なら、我が精鋭部隊で挑めば……と。
決戦の時は、刻一刻と近付くのであった。
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
ユーベルコードは指定した物を使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。
SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
杉崎・まなみ(サポート)
まなみは正当派後衛職のヒロインタイプです
聖職者教育を受講中の学生ですが、特に依頼に縛りは無く、どのような依頼も受けられます
但し人並みに気持ち悪いモノ、怖いもの等は苦手で遭遇した際は多少なりとも嫌がる仕草が欲しいです
甘いモノ、可愛いモノが好きで少し天然な所があります
初対面の人でもあまり物怖じせず、状況を理解して連携を取る動きが出来ます
シリアス2~3:ギャグ7~8割くらいのノリが好みです
ただシリアスもやれますよー
UCは状況に応じて、MS様が好きなのを使ってください
その他、細かい部分はMS様にお任せします
●天王山に至る
まだまだ、兵の余裕はある。そして、その兵は畑から採れる……ブタ将軍はそう思い込んでいた。だが、相手がこの世界の外からやってきた存在ということには、何一つ気付いていなかった。力で押せばよい、そういう考えの信奉者だったのだ。
「こういう奴には、正義の鉄槌を下してやるぜ!」
陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は闘志たる炎を燃やしながら誓っていた。何もしていない人たちが、なぜ侵攻されなければならないのか。なら、その前に業火で焼き尽くす……それが彼女の考えだった。
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)もまた、同じ思いだった。不義を行っている敵は、骸の海に帰って貰う。
「とにかく、ここで食い止めなければ、後はないわね……」
そのいっぽうで、歴戦の戦士であるバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は肝が据わっていた。どうやら、ブタ将軍とその部隊をここで食い止めればよいということを感じ取っていた。
「なら、三人で飽和攻撃して、誰かひとりが将軍に肉薄すればよいはずデース!」
その三人の姿を、杉崎・まなみ(村娘・f00136)は後ろで見つめていた。敵が強大である事はわかっている。だが、私にできることなど、あるだろうか。ましてや、彼女自身を狙ってきたら……。
「だから、こそ、だ。その前に、何とかしてやらぁ……」
柳火の頼もしい言葉に、まなみは微笑みを取り戻した。すると、まもなくしてブタ将軍の部隊の足音が聞こえてきた。
「……隠れて! 私が合図をしたら、飽和攻撃よ!」
朱鞠の指示に、皆で林に身を隠した。
●決戦
「いかにも、怪しそうな所だ……。何か、いるかもしれん……」
ブタ将軍は兵士たちとキャバリアを連れ、林の中の道を進んでいた。両脇の林に、猟兵たちが潜んでいる。そんなことなど、薄々わかっている。だが、進まなければいけない。ただ、問題はどちらが先に攻撃をしかけるか……。ただそれだった。無論、猟兵たちも最大限の警戒をしている。決戦の火蓋が切られるのはいつか、双方が情勢を注視していた。
「そこにいるのは、わかっているぞ……なら、火を放つか……」
心理的に優位に立とうとブタ将軍は配下の兵を呼び出しながら叫ぶ。辺りを、沈黙が包む。双方が、優位を握ろうとしていた。その均衡は、朱鞠の指示によって一気に崩れ去った。
「さあ、骸の海に……帰りなさい!!」
一瞬の隙を突いて眼前に躍り出る朱鞠。
「……焼き尽くす、それが、俺の役目だッ!!」
朱鞠に視線が集まった隙をついて、柳火が兵士たちを蹴飛ばしていく。その炎の勢いは、周りの林に延焼したのだ。
「……レッツ、パーリィ!」
炎で混乱する条約機構軍を前に、バルタンはグレネードランチャーで狙いを定めた。狙いは、敵将。注意がそれた一瞬を狙って、バルタンはグレネードを放った。命中ではなかったが、破片がブタ将軍の頬にかすり傷を与える。たちまち消えていく兵士たちに、ブタ将軍の怒りは頂点に達した。手元から信号弾を取り出すと、後方めがけて射出したのだ。それが、砲撃の合図となる。四方八方から砲声が響く。
「これでは、手が出まい……」
口元がにやけるブタ将軍。猟兵たちの運命は、尽きかけたように思われた。だが、まなみは希望を棄てようとしなかった。
「氷の濁流よ、我々を、お護りください!!!」
四方八方から、凍り付いた水が濁流となって押し寄せる。奇しくも、その濁流によって猟兵たちは護られることになった。流れてくる氷の影に隠れながら、爆発をやり過ごす柳火。着々とブタ将軍との距離を詰めていた。そして、その背後から、強烈な一蹴りを喰らわせたのだ。
「……くっ、う、後ろかッ!!!???」
不意打ちによって、その場に、ブタ将軍は崩れ落ちた。だが、まだここで終わるものでもない。そう考えたブタ将軍は後方へ一目散に逃げていった。おそらく退却しつつ迎え撃つつもりなのだろう。
「お、覚えておれッ!! この借りは、いつか十倍にして、返してやる!!」
ブタ将軍の負け惜しみが、辺り一面にこだまする。先ほどの氷の濁流で炎は消えてしまったのだ。ただ、静寂だけが、残されていた。
「やめておきまショウ……深入りすると、危険なだけデース……」
歴戦のバルタンは感じていた。ブタ将軍は体勢を整えて反撃してくる。だが、そこに飛び込んでは、飛んで火に入る夏の虫だ。我々も無傷ではないし、これ以上進むより後に来る誰かに任せた方がよいのだと思ったのだ。
「ですね、一旦、下がりましょう……」
まなみの表情は、重かった。だが、きっと後に続く者がワルシャワ条約機構軍の企みを止めてくれるだろう。希望を託し、猟兵たちは戦場を後にするのであった。
成功
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政木・朱鞠
一旦見逃すとは言われたけど…咎人を狩るものとしては、やっぱりここで見送りはちょっと癪に障るし、屈辱をバネに反転の策が組みあがる前に叩きたいんだよね…。
【情報収集】で敵戦力規模を確認、【追跡】でメインターゲット『俗物軍人『ブタ将軍』』をピンポイント【暗殺】で狙うよ。
邪な欲望を満たすために非道を行なう悪い軍属様はその歪んだ心ごと斬り伏せてあげるよ…骸の海に還るお覚悟よろしくって?
戦闘【WIZ】
もちろんこの世界はちょっとの油断も戦況を左右する危うい世界情勢、強敵相手にリスクは負わないなんて安い賭けじゃ済まないよね…。
せめて『忍法・鋳薔薇姫』でほんの数秒だけど動きを封じて隙を作って、得物は急所へ迫るための手数を狙って双刃『狐剃刀』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かずダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
●二分間の奇跡
「一旦、見逃す……だって!!?」
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は憤慨していた。彼女は咎人を狩るものなのだ。このまま逃亡を許すのは、彼女の信念が許さなかった。それに、ブタ将軍も屈辱をバネに反転攻撃の策を組み上げてしまうかもしれないのだ。その前に、最後の一撃を与えなければならない。
「なら、私は行こう……あのブタ将軍を骸の海に還さなければ……」
決意を秘めた朱鞠の目は据わっていたが、輝いていた。今なら、ブタ将軍が体勢を整える前に全てを終わらせることができるに違いないのだ。
「邪な欲望を満たすために非道を行なう悪い軍属様は、その歪んだ心ごと斬り伏せてあげるよ……。骸の海に還るお覚悟よろしくって?」
そう言い残すと、再び朱鞠はブタ将軍を追い、来た道を引き返すのだった。
「ああ、まさか、あんな所に伏兵がいるとは思いもよらなかった。だが、私は諦めはせん。あの林で……な!!」
ブタ将軍としても、あの奇襲は想定外だったのだろう。今となっては、復讐に燃えていた。その作戦は、あの林で再び猟兵たちを包囲することだった。
「兵士たちに告ぐ。引き続き、元の配置につけ! 信号弾を合図に、あの林に一斉に砲撃せよ!!」
そう言い残すと、ブタ将軍は再びあの林に向かって進み出した。
ブタ将軍が林に足を踏み入れたとき、朱鞠もまた林の中をブタ将軍を追って進んでいた。その二人が相まみえるのは、時間の問題だった。ほどなくして、二人がお互いの視野に入る。ブタ将軍にはその顔に見覚えがあった。あの時の、女だ。なら、こっちはあの時のお返しをしてやろう。ブタ将軍は信号弾を撃つと、砲兵隊がそれに合わせて集中砲火を朱鞠に浴びせようとする。
「ならば、こちらもリスクは負わねばいけないよね……じゃあ、二分間で、けりを付けさせてもらうわ……」
忍法・鋳薔薇姫! 朱鞠が動きを止められるのは、二分とちょっと。双刃を握りしめた朱鞠は空を舞った。砲兵隊の集中砲火も、今は関係ない。ただし、二分強が過ぎてしまうとその場で朱鞠は死に到ってしまう。そこまでに、けりを付けなければならないのだ。片っ端から双刃を振るい、ブタ将軍に迫る。そこまで、一分もかからなかった。
「い、いつの間に!!」
顔面は、蒼白だった。だが、それに気付いたとき、将軍は朱鞠の刃に貫かれていた。血を吐きその場に倒れるブタ将軍を、朱鞠は醒めた目で見つめていた。
「お前は……帰れ、骸の海へ!!」
朱鞠の目に、容赦はなかった。その刃がブタ将軍を切り刻むまで、時計は二分とかからなかった。生命力を吸い取られその場に倒れ込むブタ将軍。朱鞠は再びの一撃を食らわせたのだ。ブタ将軍には、この一撃を回避する余裕はなかった。それが、将軍の致命傷だった。
「祖国に、栄光あれ……」
この瞬間に、キーウは、ウクライナは護られたと言えるだろう。だが、朱鞠は喜ぶことができなかった。
「おそらく、ヤツらは第二・第三の難敵を繰り返してくる……なら、私も直視しなければいけないな……」
彼女の目は、もはや覚悟を決めていたのだ。
大成功
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