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敵影を星屑の宙に追え

#スペースシップワールド #戦後

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#スペースシップワールド
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#戦後


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「銀河帝国攻略戦の終結により、スペースシップワールドは落ち着きを取り戻しつつあります」
 グリモア猟兵、ユージ・スペンサー(f14224)が告げた。
「今後は、残敵の掃討を行うことで、真の平和の実現が近づくことでしょう。すでに、ミディア・スターゲイザーさんによる、各スペースシップへのワープドライブの搭載、それを利用したワープ移動による残敵掃討作戦が進行しています」

 今回の任務は、そのひとつ。ある宙域に潜伏していると見られる銀河帝国残党の掃討戦だ。猟兵たちはスペースシップのひとつに搭乗して、目的の宙域へワープで移動することになる。

「ですが、スペースシップは先の戦争により被害を受けています。艦内の環境整備、破損個所の修復、住人の心身のケアや今後のための人材育成などが必要とされています」

 そのため、ワープ移動の準備中に、これらの復興作業を猟兵たちにより行う。すべてを一気に解決することはできないかもしれないが、少しでも、このスペースシップにプラスになることができれば、今後の復興にも弾みがつくことだろう。

「その後、ワープドライブで移動を行います。目標は、無数の小惑星の破片や宇宙ゴミが浮遊するアステロイドベルトのような宙域です。この付近に、帝国軍の残党である『帝国戦闘機母艦』 が潜伏しているとの予知情報です」

 移動後、スペースシップはその場に待機する。猟兵たちだけで帝国戦闘機母艦を撃墜するのが作戦目標だ。

「残敵を追い詰める形の作戦ではありますが、“窮鼠猫を噛む”ということもあります。『帝国戦闘機母艦』 はそれ自体が高い戦闘力を持っていますし、内部に多数の兵力を格納している可能性があります。目標宙域に到達後は、十分注意のうえ、作戦にあたってください」


墜落星
 スペースシップワールドの残敵掃討作戦をご案内します。
 第1章は日常パートとなりますので、選択肢やオープニングで挙げた内容だけにこだわらず、いろいろなプレイングをいただけると嬉しいです。
 みなさんのご参加をお待ちしております。よろしくお願いします!
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第1章 日常 『よりよい航行生活のために』

POW   :    肉体や気合いでどうにかする

SPD   :    速さや技量でどうにかする

WIZ   :    魔力や賢さでどうにかする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エメラ・アーヴェスピア
ええ、何事も後始末というのは大切よね
余裕があるうちに、しっかりと片付けてしまいましょうか
それじゃ、猟兵の仕事を始めましょう

さて、私は破損個所の修理や整備に回るとしようかしら
【情報収集】で重要度が高い物からリストアップして、と
重要度の高い物から【メカニック】で直してしまいましょう
私はハード面、ソフト面、どちらも直せるわよ
もし他に修理の同僚さんが居るなら、リストは共有してしまうわね
UCに関しては、単純に人手の増加よ

直せれば直せただけ、ここの住民さん達もできる事が増えるのだから
手を抜く理由はないわね

※アドリブ・絡み歓迎


エルト・ドーントレス
連携・アドリブ歓迎

POW選択

目標までの道中、間借りしてる船の手伝いすればいいわけだ。
故郷でやってたことすればいいだけだし、問題なし。
ちゃっちゃと片付けますか。

破損個所に船の外装も含まれてるなら、そっちの修理は引き受けるよ。
装甲だとかフレームだとかの鋼材もパワードスーツがあれば楽に運べるし、こういう時は便利だよねぇ。
おかげで整備員でもないのにしょっちゅう修理に駆り出されて、すっかり段取り覚えちゃったよ。

エア漏れしてない?ショートしてる個所は?
教えるとかは無理だけどその分自分でやるし、早く終わらせて早く飯にしようよ。


トルメンタ・アンゲルス
※アレンジ大歓迎


戦後復興も大切なお仕事ですからねぇ。
……これからもここで生きていくんです、きっちり直しませんとね。

【SPD】
足を生かして、あちこち駆け回りますか。
コミュ力でいい感じで立ち回りながら情報収集し、困ってることを聞いて回りましょう。

運搬系統なら足で回りますし、重機に関することなら、俺の操縦技術で何とかしましょう。

電気系統の修復やチェックも、ハッキングとメカニックを生かしてやっていきましょう。
俺自身、鎧装とかのメンテもやりますし、そういう方向も対応しますよ。



 唸る重機のエンジン音に、金属が切断される鋭い音が重なる。そこかしこで、目を灼くバーナーの閃光が瞬いていた。
 そこはスペースシップの外装に近い区域だ。帝国軍との交戦で被弾した箇所が、当座の応急処置だけを施されていたところ、今日は本格的な修理工事がハイペースで進んでいる。
 現場を見渡すタラップに、エメラ・アーヴェスピア(f03904)が立つ。
 エメラのユーベルコード「我が工房に帳は落ちず(コンバットエンジニア)」により呼び出された魔導蒸気工兵たちは、スペースシップの作業員にまじって、作業に従事している。資材を運搬するもの、重機の交通整理をするもの、配線を溶接しているもの、新たな足場を組み立てているもの……皆がてきぱきと動くのを横目に、エメラ自身は、船のネットワークにつながった端末から、システムをチェックしていく。
 ――と、顔をあげれば、トルメンタ・アンゲルス(f02253)が宇宙バイク「NoChaser」で走りこんでくるのが見えた。
 ワイヤーに吊られて上下する鉄骨や、部材を満載したリフトが移動する合間を、水が流れるかのように流麗にすり抜けて、ピタリと停車する。
「持ってきましたよ」
 トルメンタが運んできてくれた部品を、魔導蒸気工兵が受け取り、持ち去ってゆく。
「それと、聞いてきたのですけど――」
 トルメンタは物だけでなく、情報も集めてきてくれたようだ。ネットワークが張り巡らされたスペースシップであっても、デジタル化されない情報は常にある。端末をにらんでいただけでは見つからない破損個所や不具合などを、実際に暮らしている住人たちから聞き出してきた。バイクでひっきりなしに飛び回っては、ハチドリのように情報を集めてくるのが、乗り込んで以来のトルメンタの仕事だったのだ。
「ありがとう。すべてリストに入れて共有しておくわ」
 エメラがネットワークに情報を流し、ほかの猟兵たちとも共有する。
「ワープ移動できるまでには、まだかかるみたい。余裕があるうちに、しっかりと片付けてしまいましょう」
「ですね。……かれらはこれからもここで生きていくんです、きっちり直しませんとね」
「ええ、直せれば直せただけ、ここの住民さん達もできる事が増えるのだから手を抜く理由はないわ。……悪いのだけど、あの部材を外装へ運んでくれない? 宇宙ゴミの件は、連絡しておくわ。外で回収作業をすると言っていた猟兵がいたから」
「了解!」
 水のなかで魚が身をひるがえして流れに乗るように、トルメンタは荷物を掴むと、バイクを駆る。
 あっという間に、エメラのいた現場が遠ざかっていった。

 スペースシップは、真空の宇宙に浮かぶ、気体をためた箱のようなものだ。
 穴が開けば大変なことになるから、外装は強固な材質で幾重にも護られているし、いくつもの層にすることで、一部の破損が致命的にならないよう工夫されている。
 そこは、宇宙空間に接するもっとも外縁の部分。
 真空、低温、電磁波、放射線……宇宙の過酷な環境に耐えられるよう、もっとも堅牢につくられなくてはいけない場所だ。
 エルト・ドーントレス(f14009)が、高機動型パワードスーツ・PSX-03R『レッキス』に身を包んで、この場所での作業に従事していた。
「エア漏れしてない? 俺が支えておくから、慎重にやってね」
 現場の技術者と共同で作業する姿も、なかなか様になっている。
「順調ですか?」
 トルメンタがバイクで近付いてきた。
「整備員でもないのにずっと修理に駆り出されて、すっかり段取り覚えちゃったよ」
 と、エルトは笑う。
「コーティング剤を持ってきました」
「ああ、ありがとう。……ねえ、そこ、ショートしてない?」
 話しながらも放電の火花をみとめて、エルトが声をあげた。
「電気系統なら覚えが。俺がやりましょう」
 トルメンタが返事を待たず、破損個所へ向かった。
 やれやれ、と思ったのもつかの間、別の場所でボルトが外れたかなにかして、金属板が真空に投げ出されたのを、エルトは今支えている部材に片手を残し、もう一方の手でつかまえる。
「忙しいな、もう。早く終わらせて早く飯にしたかったのに」
 まだまだ、やるべきことはあるようだ。

「……あら」
 エメラが端末から顔をあげると、ひとりの幼い女の子が彼女を見つめていた。
「迷子?」
 問いかけに、ふるふると首を振り、そっと飲み物のボトルを差し出してきた。
「くれるの? ありがとう」
 外見は、エメラもあまり歳が変わらないように見える。女の子はそれが不思議なようだ。
「大丈夫よ。この船はもうすぐ、完璧に修理されて、前より環境もよくなるから。……そうだ、あとでC-Z地区の倉庫に行ってごらんなさい。面白いものが見られるかもしれないわよ」
 エメラが言うのに、女の子はこくりと頷く。

 エルトはようやく作業をひと段落終えて、息をつく。
 トルメンタは電気系の修理を終えると、また風のようにどこかへ走っていってしまった。
 エルトは宙を見上げた。
 無限の星空がどこまでもどこまでも広がっている。
 光の軌跡を残して飛ぶあれは……流れ星かと思ったが、仲間の猟兵が乗る回収ポッドのようだ。何をしているのだろう。
「さて、と」
 修理完了した部分を満足げに見渡し、コンコン、と叩いてみる。真新しい頑丈な装甲だ。
「よし。じゃあ、飯にするか!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月見・桜
【WIZ】を選択

残敵の掃討作戦ですか… この世界から戦いを無くす為に少しずつ活動していけば、いつかは本当の平和をもたらす事が出来るはずです!

【行動】
戦いは確かに勝利しました… ですが、少なくない犠牲が出た事も事実です。
きっとこの船にも心身に傷を負った人が居るはずです。 ですので、わたしはその方達を癒す事にします!
《生まれながらの光》や〈祈り/第六感〉を使えば、癒す事も出来る… でしょうか?
〈聞き耳/手をつなぐ〉を使っても良さそうですね!

アドリブ歓迎です!


如月・源
航行生活か。その手なら儂に任せい。伊達に長生きしておらんぞ。
まあまずは娯楽じゃな。電子系の遊具(ゲーム)などは溢れておるじゃろうから……よし使っておらん廃戦艦一つ借りる(または帝国のをぶんどる)かのぅ。子供は普段入れぬ所などに入れるとなれば喜ぶじゃろうて。という訳で改造技師に声を掛けて、力技で解体(ならず者も引っ張って説得【怪力】)するかのぅ。ついでに船内でUDCアース産の宇宙戦艦系アニメでも流すか。
 廃戦艦の改造には【ヴァリアブル・ウェポン】で溶接できる道具に指先を変えてやろうか。くっくっく、戦いとはいえぬがこれも腕が鳴るのぅ!(凄く楽しそうな爺。


神羅・アマミ
うひょひょ、残党狩り!残党狩りー!
いかんいかん、これでは妾がまるで世紀末に斧持ったモヒカンみたいではないか。
まあ、肩からトゲ生えてるのは確かじゃけど。
どうでもいいな。

さておき、目標に近づくほど宇宙ゴミが増えていくんじゃろ?
だったら船に回収ポッド等があればそれに乗り、宙域に漂っているまだ使えそうなジャンクを漁ってみるのもいいかもしれんにゃー。
スクラップビルダーとして心得も一応ある、切った貼ったの力技で資材を船内の補修に使うくらいはできるじゃろ。

もしくはこうしてあれやこれやコードを繋いでいるうち、妾の才能が突然開花してSSW史上に残るような偉大な発明をしてしまうかもしれんのー……あっ(不穏な一言)


メイスン・ドットハック
復興事業のー。確かに重要なことではあるのー
では電脳魔術師の本領を見せるとしようかのー

ユーベルコード「井の中の蛙、大海を知らず」を使用
電脳AI「ノーキン」くんの力を借りつつ、復興に必要な管理AIの開発に着手
的確な復興事業や自動機械達の制御などを的確に行う、最先端AIであり、効率を最大限まで引き上げることで、復興スピードを上げる

さらにサイバー面の防御対策も講じ、破壊勢力の防護とする(ハッキング、暗号作成)

自身はハッキング技術を活かして、機械達を効率的に動かすことで、AI任せではない復興事業に協力もする

アドリブ・絡みOK



 スペースシップワールドの大半は虚無の宇宙空間だが、その広大な空間には、実のところさまざまな物体が浮遊している。
 行き交うスペースシップもそうだが、もっとずっと小さな、過去の宙間戦争で破壊されたスペースシップの破片、あるいはスペースシップが遺棄した不要物……などである。いわゆる宇宙ゴミ(スペースデブリ)だ。
 回収ポッドに搭乗した神羅・アマミ(f00889)がキャッチしたのも、そんなデブリのひとつだった。
「これは……宇宙船の残骸かのぅ? 金属じゃから、切った貼ったの力技で資材を船内の補修に使うくらいはできるじゃろ」
 それはまだ新しいようなので、先の銀河帝国攻略戦で撃墜された宇宙船のジャンクではないかと考えられた。そのまま無重力中を曳航してゆくことにする。スクラップビルダーでもあるアマミの頭の中には、あそこをこうしてああすれば……という青写真は描けているようだ。

「おお、これはなかなかの獲物じゃな」
 アマミの収穫物を前に、如月・源(f14361)は満足そうに笑む。
「使えるか?」
 アマミがひらりと、ポッドを降りて、源に並ぶ。
「任せておけぇい。腕が鳴るわい」
 ガシャリ、と、源の腕が変型して工具に変わってゆく。
「では、見物人を集めてもらおうか?」
 と、源が振り返った先で、メイスン・ドットハック(f03092)がうっそりと頷いた。
「おかしなことを考えるものだのー」
「伊達に長生きしておらんぞ。こういうときに必要なものは、まずは娯楽じゃ。さりとて、ここではゲームなどは当たり前じゃろう?」
「確かに」
 メイスンの指が端末を奏でるように滑り、電子の海へアクセスしてゆく。
 当初、メイスンは、持ち前の技術を活かして、スペースシップのシステムの強化に取り組んでいた。管理AIをより高度なものにすることで、復興作業やその後のスペースシップ内の生活がもっと効率よく、優れたものになるはずだった。合わせて、セキュリティ面も強化することで、サイバーテロの危険からも船を護れる。先の銀河帝国との戦いでも、電子的な攻撃は行われていたので、物理的な防御だけでなく、電子的な護りも不可欠なのだ。
 その作業の間に、協力してくれ、とやってきたのが源だった。
「電脳生命体『ノーキン』くんよ、協力してくれのー」
 メイスンのユーベルコード「井の中の蛙、大海を知らず(アトランティス・ギフト)」により、高度な補助AIが出現する。それはメイスンの命じるままに、スペースシップのネットワークを駆け巡り、必要な対象に情報を拡散させていった。

『C-Z地区の倉庫にて、ジャンク解体ショーを開催!!』

 月見・桜(f10127)の聞き耳が、その着信音を聞き逃さなかった。
 仲間の猟兵から送られてきたその情報を見て、ふっ、と頬をゆるめる。
 桜は船内の医療施設を回り、先の戦争で傷ついた人々へのケアを行っていた。彼女の「生まれながらの光」による高速治療で大勢の人々が癒されたが、それもさることながら、病室を回ってはかいがいしく負傷者・病人の世話をし、老若男女問わず穏やかな笑顔で語り掛ける桜の姿にこそ、救われたような思いを抱いた者も多かったことだろう。
 そんななか、病院にもその情報は届けられたのだ。
「よかったら、一緒に出掛けませんか?」
 状態がよく動くことの可能そうな患者たちに向けて、桜は誘いの言葉を発した。

 予定の時刻。
 倉庫には、宇宙を漂っていた艦の残骸が運びこまれ、強化ガラス越しに集まった住人たちがそれを見ている。
 普段は立ち入れないような場所に来られて、子どもらははしゃいでいるようだったので、迷子にでもならぬよう、桜が手をつないでやっている。
 やがて、あらわれたのは、スペースシップの解体業者を引き連れた源である。
 さあ、解体ショーのはじまりだ。
 源が大きく跳躍し、一息に、巨大なジャンクの胴をまっぷたつに斬ってしまうと、観客がどよめく。
 彼が派手な動きで大物をどんどんバラしてゆき、解体業者がそれを運んでは、工具を使ってさらに細かく解体してゆく様子は、一望するとなかなか壮観な眺めであった。
「……」
 メイスンは端末で仕事を続けながら、見るともなしにショーを見ていたが、ふと源から頼まれていたことを思い出し、「ノーキン」に命じた。
 電脳生命体はメイスンのデータベースが探し出してきた、UDCアースの宇宙戦艦系アニメの映像を各所のモニターに送り込む。このショーに添えるにはふさわしいだろう。
 子どもたちが歓声をあげるのを見て、桜は嬉しくなった。
 スペースシップワールドは、オブリビオンたる銀河帝国により、打撃を受けた。しかし子どもらから笑顔と希望が失われない限り、この世界のこれから明るいものだろうと、桜は思う。
 いまだ残敵がいるとしても、それは桜たち猟兵が戦えばいいことだ。そうすればいつか。
(いつかは本当の平和をもたらす事が出来るはずです!)

 アマミは、解体されたジャンクを、パズルのように、あちこちの修復箇所にあてこんでいく計画に頭を使っていた。
「いやはや、これはなかなか良い頭の体操じゃて。こうしてあれやこれやしているうち、妾の才能が突然開花してスペースシップワールド史上に残るような偉大な発明をしてしまうかもしれんのー……あっ」
 言ったそばから、ためしに繋いだ回路から火花が散り、小規模な爆発が立て続けに起こった。
 粉塵が舞い、けほけほと咳き込むアマミ。
 そのときだ。

『全住民に連絡です。本船は、まもなくワープ移動に入ります。一般市民は、居住エリアから出ないでください。作業員は、マニュアルW537に従ってください。繰り返します。本船は、まもなくワープ移動に入ります――』

「おお、やっとか。ということは……うひょひょひょ」
 アマミは戦いの予感にふるえる。
「残党狩り! 残党狩りー!」
 そのときが、近づいてきていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『コズモメーバ』

POW   :    コズモゾア増殖
【分裂によって自身と同じサイズの別個体】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    暴食性シスト
戦闘中に食べた【人工物】の量と質に応じて【急激に成長し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ヴェノマ器官
自身の肉体を【体内で生成した猛毒で覆って紫色】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。

イラスト:オペラ

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スペースシップは、ワープにより、目的の宙域に出現した。
 宇宙ゴミや、小惑星の破片のようなものが散乱、浮遊する雑然とした眺めの場所だ。
 そのはるか彼方に、帝国戦闘機母艦らしき機影が確認できる。
 猟兵たちが、敵機に攻撃を加えるべく、スペースシップから宇宙空間に出た、そのとき。
 宙域の浮遊物の影から、無数の、不定形なものがあらわれ、宙を漂ってくるではないか。それは明らかに意志を持ち、猟兵たちに向かってくる。
 どうやら、敵機がこの宙域に潜んだのは、こいつらを周囲に散布し、護らせるためだったようだ。浮遊物が満載のこの宙域では、この不定形生物から奇襲を受ける危険が常にある。
 敵機の抱えていた残存兵力が、ウォーマシンでも戦闘機でもなく、宇宙空間で生きる生物とは意外だったが、これを駆逐しなければ、敵機へはたどりつけない。
 猟兵たちは、それぞれに、戦いの構えをとった――。
エメラ・アーヴェスピア
あら、厄介な敵が残党として残っていたわね…
こいつ等を散布している敵も気になるけど…残しておくと酷いことになりそうだし、しっかり撃滅しておきましょう

…ただ、宇宙空間…残念ながら生身で出て行けるような技能はないのよね…
とりあえず『蒼穹翔るは我が箒』、小型の機関砲と操縦席部品を呼び出して変形合体
バイク程度の大きさの宙間戦闘機として搭乗しておくわね
そして攻撃自体はこちらを使用するわ、『我が砲音は嵐の如く』
周囲の状況から相手の能力は万全に使えてしまう
ならば、増えたり成長する前に全て撃ち抜くだけ
同僚さん達の【援護射撃】を中心に【一斉射撃】よ!

※アドリブ・絡み歓迎


エルト・ドーントレス
連携・アドリブ歓迎

SPD選択

うわぁ…、面倒なのが出てきたなぁ。
あれを放置したままだと民間船にまで被害が出るかも…。
まずは近辺の掃除からやるしかないか。

…と言っても、装備を食われたり毒をくらったりはごめんだし、後方から【援護射撃】させてもらうよ。

前衛役が見える位置に陣取ってUCホークアイ・シューティングを発動。
【スナイパー】として一匹ずつ確実に仕留めていくつもり。
足場になりそうなデブリがあるなら、ヒールバンカーを撃ち込んで機体を固定、射撃精度を上げていく。

…さて、派手に戦闘しちゃったしあちらさんも当然こっちに気付いてるよね。
奇襲できれば楽だったんだけど、どうしたもんかなぁ…。


トルメンタ・アンゲルス
さぁて、外敵駆除と行きましょうか!
トルメンタ、出ます!

行くぞNoChaser!
変身!
『MaximumEngine――Mode:Formula』(ベルトの音声)

アクセルユニゾンを始動!
相棒を攻撃力重視の装甲として変身合体!
ドックから飛び出して行きますよ!

ブースター全開!
物理法則を無視した軌道と、超高速で撹乱しながら攻撃しましょう!

不定形な奴が相手なら、打撃はあまり宜しくないでしょうねぇ。
プラズマブレード展開!
焼き切ってやりますよ!

と言っても、分裂するなら数がどんどん増えそうですねぇ……。
ならば!
グリッタービームで纏めて薙ぎ払って、消し飛ばしてやりましょう!



「うわぁ……、面倒なのが出てきたなぁ」
 エルト・ドーントレス(f14009)が渋面をつくる。
 しかし、標的にたどりつかねばならないことに加え、あれらを放置すれば、今後、民間船にも被害が出ることが予測できる。

「駆除と行きましょうか! トルメンタ、出ます!」
 先陣を切ったのはトルメンタ・アンゲルス(f02253)だった。
「行くぞNoChaser! 変身!」
 トルメンタの声に呼応して、マシンベルトから音声が迸る。『MaximumEngine――Mode:Formula』。愛機『NoChaser』が変形してトルメンタの装甲となり、それをまとった彼女は、ブースター全開で宇宙空間へと飛び立っていった。
 エメラ・アーヴェスピア(f03904)もそれに続く。召喚した浮遊型魔導蒸気砲を変形させ、バイク程度の大きさの戦闘機として搭乗していた。
 猟兵たちの動きに反応してか、宇宙生命体――コズモメーバの群れが、不気味にその身をふるわせながら、無重力空間を浮遊し、接近してくる。
 トルメンタのプラズマブレードが手近な一体を一刀両断!
 核を焼き斬られて、溶け崩れてゆく。不死身というわけではないことを確かめると、トルメンタは流星のようなスピードで敵の群れにつっこむと、プラズマブレードを振るってゆく。

 後方で、前衛陣の戦いを見ていたエルトは、コズモメーバがただよう宇宙ゴミにとりつき、それを溶かして吸収してゆくのを見る。そして、吸収するにつれ、その大きさを増し、より活発な動きを見せ始める。
「喰って……いるのか。……気をつけろ!」
 仲間たちに警告を発し、ユーベルコード一「ホークアイ・シューティング」により具現化したマルチプル・ビーム・ランチャーを構える。必要な時間は10秒――それだけあれば、必要なエネルギーが充填される。次の瞬間には、まっすぐに照射されたビームが、宇宙ゴミを取り込んで大きくなったコズモメーバを撃ち貫く。
 だが、ほかの個体も、それぞれに、人工物を取り込むことで急成長する「暴食性シスト」の性質により、凶暴性を増してきていた。その群れが、最前線で戦うトルメンタに押し寄せんとしている。
「援護するわ」
 エメラが声を張った。
 浮遊型魔導蒸気ガトリング砲が召喚され、宇宙空間にずらりと整列した。
「砲撃、開始――!」
 「我が砲音は嵐の如く(ワイドエリアバラージ)」。ガトリングガンの一斉射撃が弾幕となって、敵の群れを蜂の巣にしてゆく。その隙をついて、トルメンタはいったん、後退した。
「何体いたって焼き切ってやりますが……こう数が多くてはきりがないですね」
「それだけじゃないぞ、見ろ」
 エルトが指す方向では、エメラの砲撃をからがら免れた個体が、分裂して二体になる姿が見られた。
 分裂増殖までされたのでは、文字通り、無限に相手をすることになってしまう。
「それは承知よ。もとより、この場は、あれにもっとも適した環境。ならば、増えたり成長する前にすべて撃ち抜くだけ」
 エメラが落ち着いて言うのへ、エルトは不敵に笑みを返した。
「ゴリ押しもいいところだけど……悪くない。近づいて装備を食われたり毒をくらったりはごめんだし、俺もここからの射撃で撃墜王を狙わせてもらうよ」
 そう言って、手近なデブリに着地し、脚部に装備していたヒールバンカーの杭を打ち込む。姿勢を固定したことで、より安定した精度で射撃できるはずだ。
「そういうことなら」
 トルメンタは再び、生ける彗星となって翔ける。
 慣性すら無視したような不規則な軌道で、敵群の中を縫うように飛ぶ。まともに追いすがって彼女に追いつける個体はないが、死角から襲いかかってくるものは、エルトの狙撃によりピンポイントに撃ち倒されてゆく。
 その間も、エメラの援護射撃がやむことはなく、敵は確実に数を減らしていった。さながらそれは光と砲声のオーケストラのようで、エメラこそがその指揮者だった。
 そしてトルメントの動きは決してでたらめではなく、徐々に、コズモメーバの群れはひとまとまりになる位置へと誘導されていたのである。
「まとめて、消し飛ばしてやりましょう!」
 胸部から放たれた「グリッタービーム」が、多数の個体を瞬時に蒸発させる。
 ビームの光を反射するスポーツサングラスで、彼女の目はうかがいしれないが、狙い通りの結果に満足な笑みを浮かべたのは、口元を見ればわかった。
「おー、ずいぶん片付いたな」
 エルトが感嘆の声を漏らしたが、
「あれが分裂増殖するのをお忘れなく。一体残らず、しっかり撃滅しておきましょう」
「容赦ねぇ~」
 エメラはいまだ、砲撃の手をゆるめるつもりはないようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

神羅・アマミ
なんと…彼奴らめ、こんな生物兵器までこさえておったのか!
しかもデブリの多いこの宙域では食い物に困らんというわけじゃな。
残党とは言え帝国軍、なかなか狡猾な手を考えるもんじゃぜ。

そして捕食・分裂・猛毒と三拍子揃った相手へ不用意に接近するのは得策ではない。
なればコード『特機』を発動し、ソードビットによる攻撃を試みる!

囮としてまずレベル1のビットを敢えて食わせることで、この武器が驚異でないことを相手に学習させる。
そこを収束によりレベルアップさせたビットで追撃することで、油断した敵を貫くというわけじゃ!
加減が効くという点が功を奏し、どの程度の攻撃ならば相手に通用するかを見極めることもできるぞい!


如月・源
何じゃ。手ごたえがありそうなものが来るかと思うたら、このようなものしか出せんのか。まぁよい。肩慣らしに全て叩き潰してくれよう
【念動力】で自らの身体を操り宇宙でも高速で飛翔し、【攻撃的防御】にて近くのコズモメーバを二十枚の障壁でサンドイッチするように叩き潰す。正面にいる相手は三枚の障壁で逃げ場をなくし、【串刺し】じゃ。別に障壁が壊されようとかまわん。レディーが相手ならばぜひとも触れるが、触れたくもない軟体生物じゃからのぅ。触手を伸ばされれば障壁一枚を足場にし、【第六感】【念動力】【見切り】で回避しつつ切り払う。
「そのような動きでは爺は捕えられぬぞ。ほれ、もう斬れた」



「なんじゃ。手ごたえがありそうなものが来るかと思うたら、このようなものしか出せんのか」
 星屑の宙にうごめく宇宙生命体を前にした、如月・源(f14361)の感想はそれだった。
「しかしきゃつらは人工物を喰らうようじゃの。デブリの多いこの宙域では食い物に困らんというわけじゃな。なかなかどうして狡猾な手ではないか」
 神羅・アマミ(f00889)はそう評する。
「ふん、そうか。まぁよい。肩慣らしに全て叩き潰してくれよう」
「違いない」
 サイボーグの爺と、羅刹の少女はにやりと目を見かわすと、互いのお手並み拝見とばかりに、それぞれ別の方面へと跳んだ。

 だん、とデブリのひとつに着地した源は、這い寄る宇宙生物――コズモメーバを前に悠然と立つ。
「旧帝国の遺産、とくとご覧あれってなぁ! ……ファランクス!」
 気合の大音声とともに、源の周囲に、突如として障壁がそびえたつ。ユーベルコード「攻撃的防御(ファランクス)」は、障壁を創造することで仕掛ける攻防一体の技。その壁が敵の攻撃を防ぐとともに、対象を押し退け、叩きつぶす武器にもなる。
 あらわれた障壁はその数、二十。
 それ自身の質量をもってして、コズモメーバをおしつぶしてゆく。
 ダメ押しとばかりに、そのうえに飛び乗った源は、そこを足場に次のデブリへと跳んだ。
「ぬっ!?」
 コズモメーバが分裂し、その身を伸ばして源へと迫る。
「触れるでない、わしに触れてよいのはレディーだけじゃ! もっとも、そのような動きでは爺は捕えられぬぞ。ほれ、もう斬れた」
 あらわれた新たな障壁が、コズモメーバをまっぷたつに押し切ったのだった。
 
 宇宙空間を、ひとふりの剣のようなものが飛ぶ。
 よくみると、柄尻のデジタル表示器に「1」と数字があるので、それがアマミのユーベルコード「特機」によってあらわれたソードビットだとわかる。
 コズモメーバの一体がソードビットのひとつをくわっと包み込み、そのまま消化吸収してしまう。
「喰らいたくば喰うがよい。ほれほれ、まだあるぞ」
 アマミ自身はコズモメーバの群れから十分に距離をとりながら、ソードビットを操っている。
 ソードビットのひとつを喰らい、大きさを増した個体は、その前をよぎった別のソードビットへと襲いかかる。たやすく捕食できる餌だと認識したのだろう。
「かかったなっ!」
 だがそれこそが、アマミの策だった。
 狙われたソードビットの数字は「10」。10体のソードビットが合体した、10倍の強さのものだったのだ。
 鋭く反転し、目にもとまらぬスピードで、呑み込まれるより先にコズモメーバの身体を貫く。
 アマミは同様の作戦で、次々にコズモメーバたちを仕留めていった。

 こうして、宇宙生物は確実にその数を減らされてゆく……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メイスン・ドットハック
意志と持つアメーバとはのー
じゃけど、意識があるのならやりようはあるけーのー

電脳魔術でバーチャルミサイルや機関銃を精製して攻撃準備
コズモメーバがヴェノマ器官で紫色になった瞬間に、ユーベルコード「電脳黒死病」を発動
半径260mのコズモメーバに電脳ウィルスを感染させ、命令系統をジャミングで遮断、一時的に行動不能にする
その瞬間を狙って、展開しておいたミサイルと機関銃で敵を一気に掃討する

タイミングがわかれば連携も可能なので、同じく仲間の攻撃のタイミングを作るのに電脳黒死病を使うのも可

アドリブや絡みOK


月見・桜
まさか宇宙生物が現れるなんて…
綺麗な見た目をしていますが、軟体生物っぽいので変幻自在な攻撃を仕掛けてくるかも知れません!
気を付けないと、こちらが狩られる可能性もありますね…

【行動】
〈見切り/残像/第六感〉で敵の攻撃を避けつつ、〈スナイパー/援護射撃/視力/暗視〉で味方の援護を行います!
《穿つ砲竜の霊》で召喚した砲竜にも攻撃に参加してもらいましょう!
…わたしの砲竜は宇宙空間での活動に慣れていないので、敵に攻撃を当てるのは難しいかも知れません… なので、直撃しなくても砲弾が炸裂し敵にダメージを与える、近接信管付きの砲弾を使用すれば、命中率が上がる…かな?

アドリブ・協力歓迎です!



 コズモメーバの身体の一部が、異様な伸縮性を見せて、触手のように伸び、月見・桜(f10127)へと迫った。
「……っ!」
 桜はその動きを見切ったかのように、寸前で回避する。
 触手は毒々しい紫色を帯びており、あれに捕まっていたらただでは済まなかったろう。
「偉大なる竜よ……お願いします! 力を貸してください!」
 桜の祈りのような声が、宇宙空間に放たれる。
 それに応えて「穿つ砲竜の霊」が虚空より出現した。すなわち背に砲塔をもつ四足の竜である。
 竜の砲塔から、砲撃が放たれる。
 それは見るものを威嚇するには十分な光景だったが、コズモメーバの知性では、畏怖を感じることはなかったかもしれない。竜は、どこかしら、宇宙空間に呼び出されたことに戸惑っているようにも感じられた。

「援護が必要かの?」
 と、メイスン・ドットハック(f03092)は問う。
 メイスンの周囲に浮かぶ投影モニターには、戦況が分析されているが、桜の攻撃の命中率が低めだと判断したのだ。
「すみません、わたしの砲竜は宇宙空間での活動に慣れていなくて。砲弾の種類を変えてみます」
 むしろ自分が援護に回りたかったのに――桜の声音には、悔しさと申しわけなさがにじんでいる。
「ええんじゃ。むしろ火力を出してほしい。やつらを集めてくれるか? 僕がやつらの動きを止めるけー」
「どうするんですか?」
「やつらはアメーバじゃけど意志がある。なら、やりようはあるけーのー」
 メイスンの指が端末を叩く。
 超越的なハッキング技能により、必要なシステムが高速で組み上げられていく。
 その間も、桜は砲竜をともなって宙を駆け、コズモメーバの攻撃をかわしつつ、できるだけ多くの群れをおびき寄せ、ひとところに集めてゆく。コズモメーバの原始的な知性は、獲物を追うことはできても、それが罠だとは考えない。かれらはただ襲い、喰らおうとするのみだ。
 不定形のその身が伸びる。狩りの本能が命じるままに、触手化した先端が猛毒の紫に染まる。そのときだ。

「どんな生物じゃろーと……、ウィルスからは逃れんけーのー」

 ユーベルコード「電脳黒死病(スタン・パンデミック)」。
 空気感染する電脳ウィルスが、すさまじいスピードで拡散し、コズモメーバの群れに感染してゆく。ウィルスは瞬時に敵の神経系を侵し、その動きをマヒさせた。
「今です!」
 桜が身をひるがえし、反撃の時を示した。
 砲竜の砲塔から放たれた砲撃は、近接信管付きの砲弾だ。すなわち、命中せずとも爆発する。
 間髪入れずに多数の弾が発射され、それらが連鎖的に爆発する。その爆炎に、無数のコズモメーバの群れを巻き込みながら。
 宇宙に咲いた大輪の花火のような炎は、貪欲な宇宙生物を焼き滅ぼし、葬ってゆく。
 その炎が消えたとき、猟兵たちは、コズモメーバの群れを駆逐できたことを知ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国戦闘機母艦』

POW   :    サイキックファイア
【ビーム砲撃】が命中した対象を爆破し、更に互いを【サイキックエナジーの鎖】で繋ぐ。
SPD   :    インペリアルレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【帝国式兵器】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リペアアーム
【修復用アーム】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。

イラスト:8mix

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「コズモメーバ、すべて駆逐された模様です」
「やむをえん……。前進せよ。敵はわずか数名に過ぎん。わが艦の残存兵装をもって、この星屑のひとつに変えてくれよう――」

 帝国戦闘機母艦は、ゆっくりと動き出した。
 漆黒の宙を背景に、機関部から漏れる青白い光があやしく明滅する。次々に兵装が起動し、間近に迫った敵を迎撃する準備が整ってゆく。すなわち、無敵の帝国軍を壊滅へと追い込んだ、猟兵たちを。
 それは、追い詰められたものの、最後のあがきであった。
メイスン・ドットハック
最後の悪あがきといったところかのー
それじゃ、せいぜい派手に散らせてやるとしようかのー

小型船に乗り込み、敵戦闘機とドッグファイト
操縦はユーベルコード「井の中の蛙、大海を知らず」で呼びだした電脳AI「ノーキン」くんに任せる
自身はインペリアルレギオンの動きを阻害するジャミング波を生み出し、動きが鈍ったと同時に電脳魔術で生み出したミサイルで撃ち落とす(ハッキング、破壊工作、誘導弾)

敵戦闘機を掻い潜り、母艦に近づくと火器管制システムに向けてハッキングを開始
主砲はもちろん、その他の戦闘力に直結武器システムをダウンさせるウィルスを送り込む(ハッキング、暗号作成、破壊工作、鍵開け)

絡みアドリブOK


月見・桜
あれが帝国の空母ですか… 大きいですね。
強力な敵ではありますが、護衛艦が居ないのが幸いですね!
油断せずに戦えば勝てるはずです!

【行動】
とにかく大きいので、《吹き飛ばす爆竜の霊》で呼び出した爆竜に活躍してもらいましょう!
謎の光線を放ち、敵の電子機器の破壊を試みます! これで砲撃の命中率や修復機能が機能不全を起こすはずです!
爆撃に使用する爆弾は、威力重視の物を使用します!…なので爆撃をする際は、皆様にお知らせしますよ!
〈見切り/残像/第六感/スナイパー〉を使用して、爆撃を強化しても良さそうですね!
…わたしはどうしようかな? 召喚した後やる事が…… 爆撃に乗り込もうかな?

アドリブ・協力歓迎です!


エメラ・アーヴェスピア
…まさか、母艦がそのまま出てくるとは思わなかったわ…
まぁ、残しておいてもいい事は無いし、確りと撃滅しましょう

とりあえず、引き続き『箒』には乗っておくとして
さて、どうした物かしら…
ハッキングしても良いのだけど…私より得意な人がいるし任せておきましょう
なら私に求められるのは…やはり攻撃力かしら
ただ、相手は艦…並の砲撃じゃ無理よねぇ…
…同僚さん達、時間を稼いでちょうだい
普段は使えないような超大型の奴を数門、呼び出すとしましょう
正直、処理的に本当にキツイし、こんなもの呼び出す以上凄い時間がかかるのだけど…!

待たせたわね…!『我が砲火は…未来の為に』ッ!
その攻撃力重視の砲撃にて…艦を撃ち砕きなさい…ッ!


エルト・ドーントレス
連携・アドリブ歓迎

POW選択

ちまちま削っても自己修復しちゃうんじゃジリ貧だ。
あの母艦を沈めるには機関部をつぶさないと…。
ここはひとつ「足」を使って接近戦を仕掛けますか。

まっすぐ突っ込んでもビーム砲撃を食らうのが落ち。
だったらブースター噴射による加減速にプラスして、デブリを踏み台にした【ジャンプ】で変則機動を仕掛けて、相手の照準を狂わせるよ。

ああ、踏み台ならその辺を飛び回ってる帝国式兵器も使えるかも。

母艦に肉薄できたら加速の勢いのままヒールバンカーの一撃。
装甲の亀裂に狙いを定めて【コード『M.B.L』】を攻撃力最大でぶっ放す。

用が済んだら長居は無用。
最後の道連れにされないようにさっさと離脱する。


神羅・アマミ
ヘッ、奴ら今頃司令室で「誇り高き帝国兵らしく華々しく散ってやろう!一人でも多くの猟兵を道連れにしてやるのだ!」とか言ってんじゃぜ。
自暴自棄の進攻はいい的にしてくださいって言ってるようなもんじゃのー!
…妙な親近感を覚えるのは何故じゃろか。

さておき、真の姿・象兵(宇宙戦仕様)にてお相手つかまつる!
ビームのチャージ中は弱点ですよって自己主張しそうな中心部めがけ、コード『音残』でもって精密射撃を行うのじゃ!
奴らの拙速と妾の遅巧、どちらが勝るか駆け引きと行こうか!

いみじくも生き延びようとするあがきにこそ、時に命は輝く!
全てを投げ売った貴様らに最初から未来はなかったのじゃ!
躯の海へと還り、泥のように眠れ!


トルメンタ・アンゲルス
ようやっと標的のお出ましですねぇ。
さぁて、ではトップスピードで撃ち落としてやりましょうか!

初動は他の方にお任せして、こちらはでかいの一撃叩き込んでやりましょう。

第一リミッター、解除!
真の力の一部を解放。

そして、OverDrive始動!
『OverDrive――Thunderbolt』
右足とブースターにパワーリソースを収束、チャージ。
限界までチャージし、右足からパワーの余波が放電し始めたら、飛び出します!

ブースター全開!
物理法則を無視した出鱈目な軌道で、第六感と見切りで攻撃を回避しながら突撃!
追撃のブリッツランツェで、蹴り穿つ!!

装甲?
俺の一撃は鎧なんか関係なく、無視して攻撃出来るんですよ!!


如月・源
さぁて、ようやっとお出ましか。残党…ともいえんな。こうなればただの残骸じゃ。海賊にもなれん帝国の残骸よ。文字通りスクラップにしてくれようぞ。
【念動力】【第六感】【残像】【見切り】【フェイント】で幾重にもあるように見せつつ、高速起動で回避しながら接近。

「ほれほれ、ここじゃぞ。全くなっておらんのぅ……あ奴らはもっと強かったぞ」

 有象無象を吐きだせば、【コード・ボルテッカ】で帝国兵器を足場にし、ブリッジ目掛けて蹴り込み、内部へと侵入。

「さて……降伏しろなどとは言わぬ。全て……首を出せ」

 内部にて【夢幻阿修羅切り】で全ての首を狩ろう。この宇宙にお主らの居場所なぞ無い。



「誇り高き帝国兵らしく華々しく散ってやろう!一人でも多くの猟兵を道連れにしてやるのだ!

 ……とでも言ってんじゃぜ。自暴自棄の進攻はいい的にしてくださいって言ってるようなもんじゃのー!」
 神羅・アマミ(f00889)の、赤と黒を基調とした着物姿であったものが、一転、青い装束へと変わってゆく。
 そして、宇宙空間に出現した象――象だ、まぎれもなく――の背に騎り、真空を駆けだす……それこそが、彼女の真の姿であった。
「お相手つかまつる!」
 ぎり、と弓を引き絞り、真っ向から敵機を見据えて、高らかに言った。

 ほかの猟兵たちも、敵本体との決着をつけるべく、戦闘態勢を整える。
「相手は艦……並の砲撃じゃ無理よねぇ……」
 エメラ・アーヴェスピア(f03904)は、『箒』に搭乗したまま、つかの間、思案する。
 その間も、ほかの猟兵たちが宙を駆けてゆくのを見て、意を決したようだ。
「いいわ。正直、キツイし、時間がかかるけれど、いけるでしょう」
 少し大掛かりな仕事に取り組むことにした。この場には大勢のほかの猟兵がいる。仲間が時間を稼いでくれるだろう。
「護衛艦が居ないのが幸いですね! 油断せずに戦えば勝てるはずです!」
 月見・桜(f10127)は状況をそう見ると、ユーベルコードによる竜の霊の召喚を行う。
「気高き爆竜よ……お願いします! その力を貸してください!」
 それは「吹き飛ばす爆竜の霊」。竜……とはいうが、その姿は戦闘機に似て。
 竜は桜を乗せて飛び出していく。
 それに続いて飛ぶのはメイスン・ドットハック(f03092)の乗る小型船だ。操縦はAIに任せている。かわりに、戦況をモタリングし、集めた情報から最善手を模索する……それがウィザード級ハッカーの戦いである。
 メイスンのモニターの中では、アイコンで示された仲間の猟兵たちが、敵の彼我攻撃射程圏内に入り、戦端が開かれようとするのが見てとれた。
 さて、まずは誰がどう動く。と、画面を注視するメイスンだったが、果たして、初撃は、まったく画面外からの、超遠距離射程での攻撃だったのだ。

「射たり、射たり。如何かな、これど静謐なる一矢……《音残(オトノコシ)》」
 真の姿をあらわしたアマミの放つ、それがユーベルコードの一撃だった。
 とてつもない力で放たれた矢は、敵機の中枢を見事に貫いて見せたのだ。
 敵機内部の様子はうかがい知れないが、おそらくは予測をはるかに凌駕する射程外からの攻撃に動揺しているはずだ。のみならず、矢の攻撃は実際的なダメージも、船体にもたらしている。
 敵機からのビーム砲撃による応戦があったが、そのような大づくりな攻撃に返り討ちにあうほど、アマミも、ほかの猟兵も呑気ではありはしなかった。
 ならば、とばかりに、敵機からはバラバラと小型の戦闘機が排出される。内部に格納していた残存兵装――インペリアルレギオンの一群だ。
 メイスンのモニターにおびただしい敵機のマーカーが広がってゆくのが映る。――と、そのただなかに、3つのアイコンが急接近していった。

「有象無象に構っている暇はないんですよ!」
 トルメンタ・アンゲルス(f02253)の宇宙バイクは、インペリアルレギオンの群れを縫うように駆け抜ける。
 そのスピードに追い付けるものなどもとよりいないが、たまたまその軌道近くにいた敵は行きがけの駄賃とばかりにプラズマブレードでぶった斬られていった。
 
「ほれほれ、ここじゃぞ。まったくなっておらんのぅ……先の戦で出た奴らはもっと強かったぞ」
 如月・源(f14361)が、からかうように、インペリアルレギオンの攻撃をかわす。
 それは念動力の賜物だが、ときに残像をのこし、ときにフェイントをかけるような動きに、レギオンのなかには誤って互いに衝突し、大破するものまでいる始末だ。
「こんなものは帝国軍の残党……ともいえんな。ただの残骸じゃ。文字通りスクラップにしてくれようぞ」
 ひらりひらりと回避を繰り返しながら、源は着実に、敵本船への距離を詰めてゆく。

 エルト・ドーントレス(f14009)は、デブリを踏み台にジャンプを重ね、ブースターの出力をあげて敵機を間合いにとらえていた。
 しかし、相手は腐ってもひとつの艦である。
 あれを沈めるには、機関部を完全に破壊する必要があった。だがさすがに無策のままこれ以上近づけば、砲撃を浴びかねない。
「……」
 そのときだ、エルトの視界のなかを、戦闘機が飛行してゆく。
 いや、あれは……桜の乗る「吹き飛ばす爆竜の霊」ではなかったか。
 爆竜が、カッ――と眩い光線を放った。
 それに触れたインペリアルレギオンは、制御を失ったかのように宇宙空間をでたらめに飛んでゆく。どうやら電子機器を狂わす効果があるようだ。光線は容赦なく敵機本体にも浴びせられ、さすがにこの大きさだとそれだけで艦全体がダウンするということはなかったが、それ以上の兵装の排出や砲撃は停止した。機能不全を起こしているのだ。
 船体のあちこちで、外装が開いて、そこから機械のマニュピレーターが姿を見せる。それがどうやら、機能を侵された船体の修理を試みているようだったが、それ自体、満足に動けないようで作業が捗っていない。
「最後の悪あがきといったところかのー。そうはいかんぞ」
 メイスンは、今こそ好機と考える。
 小型船でインペリアルレギオンの群れとドッグファイトを繰り広げていたメイスンだ。
 しかし、遊びは終わりだとばかりに端末を操ると、発せられたジャミング波が、敵群の動きを阻害。同時に、電脳魔術で生み出されたミサイルがレギオンたちを一掃する。
 もっともそれは、ただ、作業に没頭できる環境をつくっただけのこと。
 本丸である敵母艦に向けて、メイスンは本気のハッキングを仕掛けた。
 システムに侵入し、掌握する。当然、相手も抵抗する。それでも、着実に、オセロの駒が裏返るようにその支配権はメイスンに奪われてゆく。

「今だ!」
 エルトも、そこに好機を見出す。
 敵が自己修復機能を取り戻してしまえば、せっかくここまで与えたダメージを回復させられてしまうかもしれない。桜の竜が放った光線で敵が機能不全に陥り、メイスンからもハッキングを受けて立ち往生している今こそ、敵を叩くチャンスなのだ。
 破壊されたインペリアルレギオンの残骸を足場に、一息に敵艦へ飛ぶ。
 見れば、同じ考えからか、源とトルメンタが接近してくるのが見えた。
 そしてあっと思う間もなく、源は、開口部から敵艦内部に潜り込んでしまったではないか。乗船している指揮官の首を取るつもりか。ならそれは彼に任せよう。船が沈んでも、猟兵ならば脱出できるはずだ。
 そこまでの思考に要したのは、わずか数秒のこと。
 敵艦に足から着地すると同時に、ヒールバンカーを射出して、装甲にぶちこんだ。
『コード実行……。ステータス、オールグリーン。MBL、スタンバイ』
 生じた亀裂に、ゼロ距離から放つマルチプル・ビーム・ランチャーの砲撃。
 起こる爆発が、エルトを再び宇宙空間に押し上げる。

『OverDrive――Thunderbolt』
 トルメンタの真なる力が、その右足に流れ込み、収束していく。
 いまだ動けるインペリアルレギオンが、本船への直接攻撃を妨げるべく展開するが、もはや雑魚敵は彼女の眼中にない。
 バチバチ、と放電が始まれば、それはチャージ完了の合図である。
 全開のブースターによって飛ぶその姿は、まさに流星。いや……、このような軌道を描く星があるだろうか? それは物理法則では計算しえない、まぎれもなく、人の意志のあらわれだ。この敵をここで仕留める、という強い意志の。
 渾身の、すべてのパワーが収束した右足の蹴りが、敵機の装甲を衝く。
 追撃のブリッツランツェ!
 穿たれたのは、クレーターだ。広範囲に渡る装甲ごと、帝国戦闘機母艦の船体の一部がへこみ、穿たれ、穴が開いた。その衝撃に、艦そのものが大きく震える。
 たったひとりの蹴りで、巨大な艦全体が衝撃に震えたのである。

 同じ頃――、内部に侵入した源により、艦内は叫喚の巷と化していた。
「降伏しろなどとは言わぬ。すべて……首を出せ」
 悪魔か、鬼神か。
 帝国軍の兵士たちには、そう見えていただろう。
 源は刀を抜いてはいない。にもかかわらず、悠然と彼が進むなかで、向かってきたものも、逃げ出すものも、等しく斬り伏せられてゆく。彼が身にまとう空気そのものが、鏖(みなごろし)の風となっていた。
 兵卒も指揮官も関係なく、血煙のなかに沈んでゆくなか、源は、たやすく機関部に到達する。
「この宇宙にお主らの居場所なぞない。過去は過去へと沈むことじゃな」
 彼の全身が、超高密度・超高圧のサイキックエナジーに包まれていった。
 ユーベルコード「コード・ボルテッカ」。
「熟成されたサイキッカーの一撃を喰らってみなぁ!」
 裂帛の気合とともに、機関部に向けて蹴りが入れられる。
 奇しくもそれは、船体の外装にトルメンタがユーベルコードを放ったのに等しいタイミングであり……、帝国戦闘機母艦は、内と外から、同時に、強烈な蹴りをくらった形になった。

 トルメンタが穿った穴から、ごう、と火が噴いた。
 エルトがビームを撃ち込んだ地点からもだ。
 内部に潜り込んでいた源が離脱したのを確かめて、桜が声をあげる。
「いきますよ、近くの方は退避してください……!」
 警告ののち、「吹き飛ばす爆竜の霊」からの爆撃が、船体に浴びせられる。
 さらには、容赦なく降り注ぐ矢の雨が――それはアマミの射かけたものだったが、追い討ちをかける。
 もはや船は満身創痍の状態と言えた。
「いみじくも生き延びようとするあがきにこそ命は輝く! すべてを投げ売った貴様らに最初から未来はなかったのじゃ! 躯の海へと還り、泥のように眠るがいい」
 アマミが、せめてもの手向けとばかりに、そう呟いた。

「待たせたわね……! 後始末はつけさせてもらうわ」
 エメラの声だった。
 さすがの猟兵たちも、振り返って、目を見張った。
 恐ろしく巨大な砲が、数門、宇宙空間に忽然と存在していた。
 『箒』にて、ようやく完了した重労働に、エメラは汗をぬぐう。これだけの超大型魔導蒸気砲を召喚するのは並大抵ではなく、普通なら、召喚している間に戦いが終わってしまう。今回もほかの猟兵たちがいてくれればこそ、用意できたものだった。
 この砲撃に巻き込まれれば猟兵さえ無事ではあるまい。仲間たちが退避するのを見ながら、エメラは砲撃の準備に移る。
 狙いはすでに炎上中の帝国戦闘機母艦。あれほどの的なら外しようもないわね、とわずかに頬をゆるめる。

「『我が砲火は未来の為に(オープンファイア)』……!」

 音のないはずの、真空の宇宙空間を、揺るがすほどの砲声が、たしかに轟いたと思ったのは、錯覚だったのだろうか。
 すべての砲撃は敵艦に直撃。
 敵艦はかろうじて保っていた構造そのものを崩壊に導かれ、文字通りバラバラになって砕け、散り、燃えてゆく……。
 星屑の宙の向こうへと、完全破壊された敵艦の残骸が漂い、消えてゆくのを、猟兵たちは見つめていた。

 オブリビオンは、しみ出した過去だという。
 はるかな過去より戻り、この世界を喰い荒らしていた亡霊たちは、今ふたたび、過去へと戻っていったのだ。
 それを見届けると、かれらは三々五々、スペースシップへの帰途につく。
 艦内は、残敵掃討作戦の成功に沸いているはずである。
 戻ってかれらの歓待を受けるのも、猟兵の任務のうちと言えるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト