猟書家決戦~人中有呂布、馬中有赤兔
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『韓公は某にユグドラシルブレイドなる神器を與えられた。なれば其に相応しい働きをせねばなるまい』
南蛮門を背にした武将、呂布は猟兵と戦う事を決めた。
骸の海より掬い上げられた今の彼には天下も栄華も興味は無く、また己に神器を託した韓信大将軍の野望にも興味は無いのだが、己が新たなる力を得たのには意味があると思っている。
即ち――。
『己はただひたすらに強者と矛を交え、斃し、最強を求めるのみ』
究極神器『封人台』が誰の手に渡ろうと知った事では無い。
実の所、【Q】『南蛮来往道』が成功しようと失敗しようと、己が進む道は変わらぬと佳唇を結んだ呂布は、間もなく攻め來るであろう猟兵を見据え、暴威の化身となる。
『腕に覚えのある奴はかかって来い。その腕も首も刎ね飛ばして呉れる』
彼の者、武侠に非ず。
彼の者、武狂である。
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「……呂布は董卓に赤兎馬を贈られた時、その見返りに養父・丁原を殺したが、此たび己に神器を授けた韓信大将軍にも、相応に報いるだろう」
布見了此馬,大喜,謝肅曰「兄賜此良駒,將何以為報?」――。
浅慮ではあるが、彼の男は報恩を心得ており、また「よく働く」と意味深に言を足した枢囹院・帷(夜帷の白薔薇・f00445)は、韓信大将軍と相見える前に、実に厄介な者が現れたと声色を落とした。
「未だ自身の主たりうる覇王を見つけ出せていない男が、幾度と主を変えた男を南蛮門に据えるなど滑稽な話だが、人選としては間違いない。呂布は剛勇無双の武将だ」
彼に仕えた陳宮は慥か「呂布壯士,善戰無前」と云ったか。
乱世の英雄が挙って欲しがり惜しんだ鬼才にて、激戦は必至と柳眉を顰めた帷は、然しここで彼を撃破せねば、人界に固定された「南蛮門」より間もなく南蛮魔獣が飛び出し、人界が一気に攻め落とされると懸念を口にする。
「先の殲神封神大戦で戦った兀突骨レベルの魔獣に暴れられては堪らない。皆にはどうか呂布を討伐し、次いで溢れ出る魔獣も南蛮門に押し返して欲しい」
南蛮門周辺の守備についている呂布をやっつける。
南蛮仙界ごと封じられていた「南蛮王」の軍勢を押し返す。
そして、韓信大将軍との決戦を制する。
難戦の連戦となるだろうと声を鋭くした帷は、然し皆々なら必ずや全てやり遂げてくれると信じており、だからこそグリモアを結んで転送に掛かる。
「向こうが“武狂”なら、こちらも狂るほど矛を突き立てるまで」
獸相手なら猶の事、と。
精鋭を送り出す麗人もまた吃々と不敵に笑んでいた。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さりありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
こちらは、韓信大将軍が発動した【Q】『南蛮来往道』の成功を阻む決戦シナリオです。このシナリオを12月27日(水)までに合計20回成功すれば、究極神器『封人台』がどこか他世界のオブリビオン・フォーミュラに渡るのを阻止できます。
●戦場の情報
封神武侠界、南蛮門前。
人界に固定された超次元の渦の前には、韓信配下となった呂布が居る為、先ずは彼を倒す必要があります。
●シナリオ情報(三章構成です)
第一章 🌗『呂布』(ボス戦)
剛勇無双の武将で、赤兎馬に騎乗した状態で猟兵を待ち受けます。
韓信から与えられた神器( https://tw6.jp/html/world/441_worldxx_ogre16.htm )のうち『ユグドラシルブレイド』を装備しており、通常の攻撃手段に加えて神器の効果も戦闘に使用します。
第二章 『南蛮王』を撃退せよ(冒険)
「南蛮門」の奥から「南蛮王」達の軍勢が溢れ出ようとしています。超強大な魔獣達に、人界を蹂躙させる訳にはいきません。全てを倒す必要はないので、何とかして南蛮門の奥に押し返しましょう。
第三章 韓信大将軍(ボス戦)
己の仕えるべき英傑を見出し、究極神器『封人台』に全ての人仙を封印する為に活動していたオブリビオンです。本人の戦闘能力は優秀ですが、配下に神器を与え、強大な存在にする力は並ならぬものがあります。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。お互いの関係や呼び方があれば、より踏み込んだ描写をさせて頂きます。
また状況によりサポートさん方のご支援を頂きながら、早期完結に努めて参ります。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 ボス戦
『🌗呂布』
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POW : 無双天崩撃
単純で重い【方天画戟】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 殲獄無双
【己の魂】を宿した【方天画戟】で、「自分や仲間が取得した🔴の総数×1回」攻撃する。
WIZ : 無双滅塵覇
【方天画戟を振るうことで衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「劉・涼鈴」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
畢竟、呂布は韓信が滅びようと、封人台が誰の手に渡ろうと構わない。
神器を手にした今、普く強者の首を刎ね飛ばし、嘗て韓信がそう呼ばれた「国士無雙」と成る――其こそ我が野望と騎馬にて立ち開かる姿は、虎牢関の戰いで見せた雄姿そのもの。
『肉を與えよ。飽かざれば咬むまで』
「……世界がどうなろうと我が道を行く。そういうの、嫌いじゃないぜ」
而してその飛将を、|鏡面《レンズ》を隔てた鳶色の瞳に映す猟兵が一人。
繊麗の指先に眼鏡を押し上げた大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は、ユグドラシルブレイドを得て「武狂」と化した呂布を前に、そんな生き方があっても良いと靜かな交睫に是を代わらせる。
蓋し次の瞬間、再び持ち上がる長い睫の間より覗く虹彩は烱々と、眼前の暴威を鋭く射た。
「唯だ、この世界がどうにかなっちまうのは……民間人が巻き込まれちまうってんなら、あたしが許さない」
韓信の目論見は勿論、呂布の野望とて必ず無辜の命を傷付ける。
それだけは許せないと、今度は訣別の交睫を置いた朱毘は、我が相棒――漆黑のボディに燃えるような炎を抱く『スコーチャー』を構えるや、ピックを六弦に躍らせた。
「さぁ、行くぜ! 今からこの場所は、あたしが支配するステージになる!」
『弦の響き……?』
「これはお前の爲のセットリストだ。――ザ・ライブ!」
ギャァァンッと鋭い音色がスピーカーから溢れると同時、半径139m圏内が無機物から生成された機材とステージに變わり、強烈な照明がビームのように降り注ぐ「ライブ会場」となる。
其は謂わば戰士を奮い立たせる鼓音か。彼女が奏でる音樂は仲間を鼓舞し、戰鬪力を強化させ、虎や鷹に譬えられた猛将との熱戰を煽る。
「勿論、あたしも戰うぜ。めいっぱい音彈を浴びな!」
『ッッ、音が衝撃波となってぶつかる……!!』
「我が道を行く者と、世界の命運を背負ってる者と。覺悟が違うって教えて遣るよ」
溢れる魔力を電気に変換し、ギターを通して音撃を叩きつける。
而して呂布が掣肘される中、朱毘の支援を受けた仲間達が次々と暴威に踊り掛かった。
大成功
🔵🔵🔵
鷲生・嵯泉
……成る程。途の見えぬ侭に進み、足を踏み外したと見える
其の侭骸の海に沈んでおけば良いものを、面倒ばかりを引き起こす
無辜の民に災いを成す前に早々に討たねばなるまい
生憎と騎兵の戟の間合いに「刀」で応じる心算は無い
遍く撃ち砕いて呉れよう――破群領域
人馬の視線、手綱捌きに鐙への力加減や重心の変化等から
攻撃方向を戦闘知識にて測り、砥いだ第六感にて戟の1撃を見切り躱すと同時
木剣の刃を叩き落とすのを目晦ましに狙うは1点、機動を削ぐ為に馬の脚を潰す事
其れで出来る隙なぞ一瞬で構わん
カウンターで全力の斬撃を叩き込んでくれる
己が強者であるか否かなぞどうでもいい
此処に在ってお前を討つ
此の刃を以って只其れを成しうるのみ
登曰「譬如養虎,當飽其肉,不飽則將噬人」
曹公笑曰「如養鷹耳,饑則為用,飽則颺去」
嘗て陳登は呂布を虎と、曹操は鷹と譬えたが、骸の海を潜った今は果して何に成り得たか。
亂世は天下を駆けて「飛将」と呼ばれた武人が、今や神器を手に最強のみを求めようとしている――その輝かしくも危うい姿を見た鷲生・嵯泉(烈志・f05845)は、冷やかに言ちた。
「……成る程。途の見えぬ侭に進み、足を踏み外したか」
呂布も。韓信も。
其の侭骸の海に沈んでおけば良いものを、面倒ばかりを引き起こす――と、眇めた隻眼に騎馬の武人を映した彼は、互いを挟んで数十歩の位置で抜刀した。
「無辜の民に災いを成す前に早々に討つ」
この場から吶喊するか、否。
呂布が跨るは稀代の名馬、その馬上より繰り出る戟に「刀」で應じる不利は負わぬと、緋の虹彩に烱々と光を湛えた嵯泉は、秋水の刀身を伸ばして「鞭」の如く、薙ぐや靱やかな弧を描いた。
「遍く撃ち砕いて呉れよう――破群領域」
『ッ、その位置から届く刃など……』
「無いと思ったか」
歴戰の武人の常識を覆す鞭剱の射程範囲は半径144m。
埒外の疆域から飛び込む衝撃は然も幾重に閃き、弓形に回避しながら打ち払う方天画戟へ重い亂打を叩きつけた。
『~~っ!! ならばこれで如何だッ!!』
この距離に焦れた呂布が赤兎馬を駆るのは想定通り。
騎馬すれば機動力は飛躍するが、手綱捌きや躯の重心移動を見れば大方の挙動は読めるし、四つ脚の獸は方向も読み易いと、蹄音の迫るほど研ぎ澄した嵯泉は、呂布が戟を脇抱えにした瞬間に腰を落とした。
(「――次は木剱が來る」)
『嘿ッ!!』
發氣一聲、神器を擲げ放たんと腕を振り上げる瞬間を――楔打つ!
範囲を狭めてより精確に、呂布の肘に鞭刃を命中させた嵯泉は、かの木剱が虚空を踊る間にもう一閃ッ!
今度は眼路に迫る赤兎馬めがけて刃を撓らせ、その腹に血斑を噴かせた――!
『ヒヒィィイイッッ!!』
『ッ、赤兎!!』
呂布が愛馬の流血を追ったのは、たった一瞬。
然しその一瞬を隻眼の士は決して逃すまい。
「いま此処に在ってお前を討つ。此の刃を以て|只夫而已《ただそれのみ》を成す」
『哇ッ――!!』
嵯泉には「己が強者であるか」など些末な事。
秋水を振り抜くや烱瞳を眼眦に流した男は、擦れ違いざま吹き抜ける風が我が頬に血滴を置く――その熱き迸りに果を受け取るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
フィア・フルミネ
呂布、うん。韓信もそうだけど、浅学な私でも知る名前。だからといって退きはしない。一太刀でも浴びせて、手傷を負わせる。無名の魂人の恐ろしさを味わうといい
互角に渡り合おうとは思わない。《被雷身》で物理攻撃のダメージを抑えつつ、放電で攻撃しよう。その戟も見たところ金属。感電させるのは不可能ではない、例え相手が人中のなんとやらだとしても。
そのまま通電する馬のあぶみやら同人の鎧を出入りして着実に倒そう。卑怯でもなんでも罵ればいい。どれだけ傷を負っても最後に勝つのは私たち。キミは危険だからどんな手を使ってもここで倒す。それだけ。だからさよならね。
呂布見了,便戰張飛。連鬥五十餘合,不分勝負。
雲長見了,把馬一拍,舞八十二斤青龍偃月刀,來夾攻呂布。戰到三十合,戰不倒呂布。
劉玄德掣雙股劍,驟黃鬃馬,刺斜裏也來助戰。
「……あれが呂布。うん」
目下に|睼《みむか》う武人の名は聞き及んでいる。韓信も然り。
浅學な己でも知っていると云う事は、|畢竟《つまり》、かの|漢《おとこ》の武勇が尋常ならぬ事の|證左《あかし》なのだ。
――蓋し。
「だからといって退きはしない」
我が鬪爭の道は、立ち開かる者の如何で曲折しない。
かの三英傑も斃せなかった相手と互角に渡り合おうとは思わぬが、一太刀でも浴びせて傷を負わせんと凛然を兆したフィア・フルミネ(|麻痿悲鳴 《まいひめ》・f37659)は、雪膚に刻める疵跡を赫々と輝かせて眞の姿を暴いた。
「たとえ人中のなんとやらだとしても、受肉した身。人なら感電させるのは不可能では――ない」
『甲冑も纏わぬ女人よ、無手で某と戰うか』
「無名の魂人の恐ろしさ。|痛痒《いたみ》で味わえばいい」
『――ヒヒィィイイイッ!!』
呂布が方天画戟を脇抱えに、木剱を振りかぶって駆け出した刹那、先ず赤兎馬が叫喚して仰け反る。
槍の如き閃雷に全身を突き通した駿馬が|飜筋斗《もんどり》打てば、呂布も戟から電撃を受けて態勢を崩した。
『こ……これは……ッ!?』
「骸の海を潜る前には、こんな戰いは無かった筈」
目下、【被雷身】と化したフィアは赫緋の瞳を煌々と、その美し虹彩に光の帯を引きながら疾り、矛撃も馬脚も届かぬ間合いから黑鋼の鎧や馬の鐙へと飛び込んでは「人中の呂布、馬中の赤兔」を灼く、熾く、燎く!
この間、己が繊躯も焼けるような痛みを伴うが、フィアは諸刃の剱に血を流しながらも突き立てよう。
「肉を裂き……ッ、血を蒸発させる……ッッ何度でも、何度でも……」
『~~っ!! なれば木剱に貫いて呉れる!! 神器に斬れぬものは無い!!』
「構わない。無傷で勝とうとは思ってないもの」
どれだけでも傷を負おう。最後に勝つのは私達だから。
卑怯だと罵られようと、どんな手を使ってでも斃さねばならぬ敵と認める限り、それこそ「身を焦がす」のだと――激痛を抱えながら呂布の鎧に飛び込んだ魂人は、いずれ來るであろう刻の爲に|訣別《わかれ》を置く。
「キミを畢らせる。それだけ」
――だから、さよならね。
さやかに震える鈴音は雷光と化し、天下無雙の漢の躯を貫いて疾った。
大成功
🔵🔵🔵
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
伝説の武人の実力にこの私の腕がどこまで届くかを試みます。
なのでロベルタさんには申し訳ないですが補佐を頼みますね。
リミッター解除後に限界突破し【神滅 弐之太刀『神裁』】を。
鎧砕きと鎧防御無視と重量攻撃と属性攻撃を『兼元』の一振りへ。
相手を見据えつつ濃口を切って構えてから身を低く保ちます。
私はただ一撃に可能な限りの剣気と気力を練って挑ませて貰います。
赤兎馬もろとも呂布さんを斬り捨てるつもり…いえ。斬ります!
なんの工夫もなくただ真正面から一直線に呂布さんへ駆けます。
呂布さんとの闘いではオーラ防御は身体に纏いません。
纏うことで私の心に『油断』という邪念が入るかもしれません。
些細なことでも致命傷になる可能性が高いですから。
防御はしませんが見切りと野生の勘と第六感は使用しますね。
呂布さんと赤兎馬の一挙手一投足は把握しておきたいので…。
では。いざ!!
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
このおっちゃんのことはよくわからないねぃ。
けど凄い存在感と闘気だじぇ。これが…覇気…。
墨ねーはおっちゃんと一対一で戦いたいみたい。
だったら僕は墨ねーの補佐をするだけだじぇ♪
パフォーマンスで身体機能を上げて封印を解くねぃ。
それから限界突破後に多重詠唱しながら足技を発動♪
【雷神の大槌】の速度なら十分補佐ができるはず。
技の速度と威力を維持するために継戦能力を使うよ。
それから脚には重量攻撃と属性攻撃を加えておくね。
墨ねーが立ち向かった後から僕は出ることにするじぇ。
僕の役目は補佐。大技後の動けない墨ねーを護るのが役目。
おっちゃんの武器を全力の蹴で彼方へ飛ばしてみようかな♪
クイックドロウと零距離射撃の2回攻撃ならなんとかなるかも。
…って簡単に考えてたけど少し甘かったかもしれないねぃ…。
武器の軌道を曲げるので精一杯だったよ。すげーじぇ…。
呂布有駿馬名赤兔,常騎乘之。
時人為之語曰「人中有呂布,馬中有赤兔」
三國一の猛将呂布が、「馳城飛塹」の優駿赤兎を駆る姿は、まさに挙世無雙の戰神。
此たび骸の海を潜って再臨した騎馬の武人を前に、少女らは否應にもその武威を感じていた。
「このおっちゃん、凄い存在感と鬪気だじぇ……」
「……伝説、の……武人……です……!」
「墨ねーは知ってるんだねい?」
ロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は生前の彼を知らないが、戰場に降り立つなり武者震いした浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)を見るに、餘程の相手と察する。
事實、我が頬を掠める覇気は凄まじく、かの|漢《おとこ》そのものが砦のよう。
扨て如何にして挑まんとロベルタが身体機能の底上げを図る中、隣する墨は少女より一歩前に踏み出ると、纖細い聲ながらも音色は凛と、さやかに告げた。
「……ロベルタさん、は……補佐を……頼み……す……」
「墨ねー?」
「……私の……腕、が……こまで……届くか……試させて……さい」
雪嶺の鼻梁を眞直ぐ巨邪に向けた儘、魔力も靈力も際限なく励起させる墨。
切揃えの前髪の奧では、麗し樺色の瞳が燃えるように輝いていようか――戰友の本気を肌膚に感じたロベルタは首肯をひとつ。一対一の鬪いを望んで進み出る墨の背に回り込んだ。
「僕は墨ねーが勝負に出た後を支えるじぇ。全力を出し切って無防備になった所を狙われないようにする」
「ロベルタさん……申し訳……いです……」
「ぜーんぜんっ♪ 墨ねーは思いっきりぶつかってきてねい♪」
強者に純然と挑みたい気持ちは理解る。
また極限まで練り上げた全てを受け止めて呉れる相手もそう居まいと、ロベルタが小気味佳く咲みつつ墨を見れば、彼女は身を低く拇指球を踏みざま愛刀『真柄斬兼元』を引き寄せ、靜かに鯉口を切った。
「では。……いざ!!」
『|來《こい》!』
而して呂布も気炎万丈。
画桿の戟と神器を構えた美丈夫が、目下、赤兎馬に打ちまたがって駛走した。
†
「……斬ります!」
対峙した當初は、赤兎馬もろとも呂布を斬り捨てる|心意《つもり》だった。然し其では足りぬ。
|必ず斬る《・・・・》という覺悟なくして人馬の極は崩せず、その一心の爲に邪念は棄てようと、万が一にも『油斷』になり得るオーラを纏わず踵を蹴った墨は、大地を波打たせる勢いで突貫ッ! その身を矢の如く、地を這うほど低く駆けながら赤兎馬の腹元へ迫ッた!
『哈哈、その魔神の如き剱氣や好し!! 神器が屠るに相應しい!!』
而して最強を求める武狂は大いに喜んだろう。
方天画戟を脇に挟み、逆手に構えた木剱を投擲すれば、墨は疾りながら【|神滅《カミゴロシ》 弐之太刀『|神裁《カミタチ》』】――!
赤兎馬の腹から垂直に抉り上げるように『兼元』を振り抜き、巨柱の如き斬撃波を叩きつけた!!
「滅せ……」
其は防禦を顧みぬ渾身の一撃。
切り結ぶか彈くか、一瞬の判斷を間違えれば黑鎧ごと砕かれる致命打だ。
『ッッ、方天画戟よ!!』
赤兎馬が激しく嘶き、騎馬する身もグラと傾く中、呂布は大きく身を反らしながら無双天崩撃ッ!
天も崩れる超重量の矛撃が墨に襲い掛かるが、馬上から繰り出る鋭鋩は突然の雷鳴に彈かれた。
「Uccidi i nemici in orbita con l'aiuto del ruggito! 雷は轟いた後に閃くんだじょ~♪」
『ッ!! ……貴様ぁぁあ啊啊ッ!!』
荒々しい呶号に可憐な|微咲《えみ》を返すは――ロベルタ!
兩者が角逐する間にも祕呪を詠唱していた彼女は、當初の宣言通りに墨が攻撃した直後を預かって【|雷神の大槌《ミョルニル・ハンマァー》】――元気いっぱい電光を疾らせ、龍の化身と云われた方天画戟を蹴って彈いた!!
「お空の彼方へ飛んでいけー♪」
『させん!! 我が矛よ、宙を踊りて手元に戻れ!!』
「う! 少し甘かったかもしれないねぃ……おっちゃんすげーじぇ……」
むむ、とロベルタが花顏を顰める正面、呂布が宙を旋回した矛を素早く取る。
少女が攻撃したのは二回。射線に割り込んで墨への矛撃を手折り、間隙なく蹴撃を突き入れたのだが、閃雷が一帯を白ませる中で呂布は二撃とも耐えたのだ。
赫光に陰影を際立たせた武狂は、墨とロベルタの息の合った連携に喜色すら浮べていたろう。
『……芙蓉の二花よ、わが手に摘まれて散れ!!』
而して己は最強の道を究む、と――!
怪腕を撓らせて月牙一揮、無双滅塵覇が血場一帯に噛み付くが、その衝撃波を潜るように身を滑らせた墨が肉薄して鋭刃一突!! 攻撃直後、僅かにも覗いた右脇の隙間へ刀鋩を沈めた――!
『――牙ッッ、ッッ――!!』
呂布は一瞬でも気を抜いたか、否。
ならば慢心したか、斷じて否。
其は寸毫の刻を抉じ開けた、墨の純然にして愚直な一撃。
ロベルタが交戰中にも詠唱し続けていたのと同樣、彼女が時を繼ぐ間に呂布と赤兎馬の一挙手一投足を把握していた墨は、人馬一体の呼吸に割り入って冱刃を差し出したのである。
その|證左《あかし》に呂布の喫驚と赤兎の絶叫、そして赫々しく噴き上がる血飛沫を眼路いっぱいに映した墨は、駆け抜けざま大きく息を吐き、
「……届けました……届き、ました……ロベルタさん……」
「墨ねーっ! すっっっごいじょ……!」
また墨の背を見送ったロベルタも大いに興奮したろう。
武狂がぐらりと赤兎馬の背に凭れる中、可憐なる二輪の花は笑顏を結び合うのだった。
大成功
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劉・涼鈴
劉家に伝わる【気功法】で全身に漲る【覇気】!
充溢する【気合い】で大人の姿に変身!
互いに同じ戟の穂先を突き付けて宣戦布告だ!
私は涼鈴! 劉家拳が伝承者、劉・涼鈴!!
行ッくぞぉおおおおおお!!!
木剣を【野生の勘】と【心眼】で【見切り】、【ジャンプ】で躱す!
驚異的な【軽業】で飛び乗って足場にしちゃうぞ!
極まった【功夫】の使い手にこんなものは通じない!
お前の武器はこれじゃあないだろ! 得意の戟でケリつけようぜ!
心技体、全身全霊を以って、鏡合わせのように同じ技を繰り出す!
人中に我あり! 【殲獄無双】!!
今この瞬間だけは! 韓信の封人台も、世界の命運も関係ない!!
真の三國無双の名を懸けた、武侠と武狂の一騎討ちだ!!!
【怪力】で振るわれる互いの戟(重量攻撃)は一撃一撃が超絶技巧の必殺奥義!
激突するたびに乾坤を震撼せしめる!!
掠っただけでぶっ飛ばされそうなそれを【根性】で耐えて喰らい付く!
【限界を突破】して最後の最後、渾身の【捨て身の一撃】!!!
私がァ! 最強ォ!! だぁあああああッ!!!
其は虎牢関の戰いの再來であったか。
或は兗州、徐州にて見せた転戰無前か。
猟兵の精鋭と矛を交えて幾合、黑鎧を鮮血に濡らして猶も燦然たる呂布はまさしく「挙世無雙の戰神」であったが、この漢が巻き起こす戰塵の中へ颯爽と飛び込む英姿も、また綺羅星の如く輝いていた。
「私は涼鈴! 劉家拳が伝承者、劉・涼鈴!!」
『!! ――なんという覇氣の奔流ッ』
「うぉおおお、行ッくぞぉおおおおおお!!!」
まるで鬪氣の大河だと呂布が|睼《みむか》ったのは、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)!!!
劉家に伝わる氣功術により、矮躯から漲溢する氣に合わせて「器」を大人にした涼鈴は、すらりと伸びた手に方天戟を引っ提げて吶喊する。
堂々と名乗り上げた彼女を「|好矣《よし》」と認めた呂布は、全身に走る痛痒を鎮めて迎撃ッ!
韓信から授かったユグドラシルブレイドを構えるや、赤兎の腹へと迫る涼鈴めがけて振り下した――!
『貴様も虎が屠る肉が一、我が糧と成れ!!』
「こんなもの……通じない!!!」
腦天へと墜下する木剱に方天戟を一回旋ッ、鋩を彈くや穂先を迫り出して呂布の脇を攻める涼鈴。
赤兎馬が之を嫌って飛び退けば、此たび木剱は橫薙ぎ一閃して涼鈴の懷に噛み掛かるが、劉家の奥義を極めた涼鈴は忽ち震脚して発勁! 重力を物ともせぬ跳躍で斬撃波を飛び越えると、木剱の刀身に乗ってみせた!
「お前の武器はこれじゃあないだろ! 得意の戟でケリつけようぜ!」
「哈哈哈!! 我が戟の万夫不当を知って云うか!!」
この時、騎馬の武人は快哉を叫んだろう。
至上の武に至るに、劉・涼鈴こそ克つに相應しい相手と確信した呂布は、空中一回転する彼女を一刺にせんと方天戟を繰り出すが、これに鈞ッと火華を散して角逐するも方天戟。
柄を握る手を痺れさせる重く鋭い衝撃にも、暴威の化身は大いに喜んだ。
『斬る、突く、薙ぐ! 女人がこれだけの武技を心得ているとは……亂世には見ぬ壯快!』
「とりゃっ! でぇいっ! あちょー!」
『實に猛々しく|美麗《うつく》しい!!』
月牙の煌々と交わる向こう、燃えるように輝く紅眼のさやかなこと!
心技体の全てを一に、全身全霊を以て呂布と同じ技を繰り出した涼鈴は、宛ら鏡を挟んだように丁々と刃を閃かせ、雄渾と湧く血潮をたばしらせる!!
玉臂に握れる覇王方天戟は、天地無双の力を噴き上げて轟然と唸ろう。
「今この瞬間だけは! 韓信の封人台も、世界の命運も関係ない!!」
『噫ァ然うだ!! 此處にあるは純然なる武の鬪爭!!』
「真の三國無双の名を懸けた、武侠と武狂の一騎討ちだ!!!」
『涼鈴よ、力の限り咆哮せよ! この呂布を最強の|究極《きわみ》へと連れていけ!!』
人中に我あり!! 封神武侠界に轟かしむは【殲獄無双】!!!
而して乾坤を震撼せしめる超絶技に應えるも【殲獄無双】!!!
武狂の一撃も武侠の一撃も、一揮一撃が天下無雙の必殺奥義。鋩刃を掠めるだに吹き飛ばされそうな其を全き気力で耐えた兩者は、また一薙ぎして喰らい付き、荒々しく激突させる――ッ!!
「うぉぉぉおおりゃぁぁあああ!!」
『嘿ッ!! 呀啊啊啊啊啊――――ッ!!』
気力の角逐、矜持の衝突、驍勇の相剋!!
狂瀾の如く方天戟を交えた二人は、或いは次に相見える事があれば勝敗は變わっていたかもしれない。
それだけの激しい抗衡を見せた涼鈴は、然し「次は無い」と覺悟していたか――呂布なる武の極限を突破すべく大呼一聲した佳人は、渾身の膂力を奮い起して猛撃を彈いた――ッ!!!
「私がァ! 最強ォ!! だぁあああああッ!!!」
刹那、晃乎と光れる月牙が折れ、猶も突き進んだ覇王方天戟が黑鎧を穿つ! 心臓を貫く!!
疾ッと繁噴く血烟が兩者を劃てば、武狂は赤兎の背より傾き、武侠は駆け抜けざま落馬の音を背越しに聽いた。
『……ッ、ッッ……見事也、劉・涼鈴……ッ!!!』
巨星、堕つ――!
嘗て策を弄さずしては斃せなかった三國一の飛将は、純然たる武を以て己を淘汰した劉・涼鈴なる武侠を讃えるや、この道を進みては「最強」の誉れを得るべし――と、滿足げに咲んで散るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『『南蛮王』を撃退せよ』
|
POW : 苛烈に攻め立て、南蛮王の軍勢を後退させる
SPD : 超強大な魔獣の僅かな隙や弱点を突く
WIZ : 計略で敵の動きを誘導する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『……ッッ……フフ、見事だ猟兵……ッ!』
ぐらり、赤兎馬の背から傾いた呂布が大地に轉がる。
韓信の目論見など全く興味の無かった彼ではあるが、骸の海を潜らずして「武」を練り上げる猟兵に敬意を払ったか――赫々しく血濡れた手が、気力を絞って南蛮門を示した。
『……これより韓信大将軍が南蛮門を開かれる……魔獸が、解き放たれるのだ……』
人界に固定された超次元の渦「南蛮門」。
その奥から、南蛮仙界ごと封じられていた「南蛮王」の軍勢が溢れ出ようとしている――。
彼等は餘りに強力な魔獸で、ひとたび人界に溢れ出てしまえば、如何に猟兵と雖も対処できないと確言した呂布は、血霧に溶けながら最期の力を振り絞って云った。
『……強き者達よ、今より溢れ出る南蛮王の群れを……門の向こうに押し返せ……!』
敵は殲神封神大戦に出現した兀突骨レベルの魔獸。其が軍勢となって押し寄せる。
嘗て虎や鷹に譬えられた呂布だが、魔獸は人間よりも獸よりも遥かに強靭だと眼光に示せば、間もなく南蛮門から獸聲が響いてくる。南蛮王らが飛び出したのだ。
而して呂布の死を見届ける間も無い。
目下、雄牛の角や龍の尾を継ぎ接ぎしたような魔獸の群れが、赫い狭霧の立ち昇る中を驀進して來た。
四十物・寧々(サポート)
※サポートプレイング
多少の怪我や失敗は厭わず積極的に行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
その上で現在の状況に対応できる人格で行動します。
シナリオ進行に必要な言動など青丸稼ぎに役立てて下さい。
使用ユーベルコードの指定はありません。
「成功」の結果で書けそうなものを一つステータス画面からお選び下さい。フラグメント次第で不使用も可です。
アイテムもご自由にお使い下さい。
服装系は提案の一例としてアイテムの最後尾から装備としております。
あとはお任せ致します。
宜しくお願い致します。
卻說蠻王孟獲,聽知孔明智破雍闓等,遂聚三洞元帥商議。
第一洞乃金環三結元帥,第二洞乃董荼那元帥,第三洞乃阿會喃元帥。
嘗て諸葛亮が南征を行った時、名立たる南蛮の王が蜀軍と戰ったが、此たび彼等が魔獸となって解き放たれる――。
「兀突骨を含め、實は彼等は強大な魔獸だった……?」
南蛮門から響く獸聲を耳に、そと語尾を持ち上げる四十物・寧々(あいもの・ねね・f28377)。
嘗て金環三結や董荼那、阿會喃と呼ばれた「南蛮王」らを前にした佳人は、その猛々しい進軍を映した櫻瞳を煌々、すらりと伸びる玉臂を胸元から差し出した。
「獸の強さは知っています。まして異形の魔獸なら猶の事」
ですから、此方も――と。佳唇が怜悧に囁いた刻だったか。
白磁の纖指がマウスのボタンをクリックするように動いたのも一瞬の事。美し花緑靑の髪を梳るように顕現れたのは、UndefineD Creature――UDCアースで跋扈する怪物だ。
四つ脚である事は確認できるものの、獸皮や臓物を継ぎ合せたような形状し難い異形を召喚した寧々は、更にクリックを数回、コピー&ペーストをするように魔獸を増やしていく――!
「目には目を。齒には齒を。そして、魔獸には魔獸を」
『Urrrrrr……!!』
「人界を蹂躙しようとする者達に、同等の蹂躙を」
其は|同害報復《タリオ》。
寧々が示す方向へ怪物の群れが飛び出して須臾、異形と異形の叫喚が衝き上がった。
成功
🔵🔵🔴
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
内容にもよるけど、行動指針となる確実な情報を得るのが有意義だと思うわ。
着替えるなり変装するなり色仕掛けなり、手段は状況に寄りけりかしら。
それとどんなときも落ち着いて行動ね。
あと、物証とか何かを集める必要があればうまく詰め込んで、
効率よく運びたいわね。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.潜入・変装・誘惑等で確実な情報一つの入手を試みる
(または情報の裏を取る)
2.斥候・探索役として周囲を探り、情報収集を行う。
3.戦闘にて囮役または攻撃補助に徹する。
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
「封神武侠界の諸葛亮は、嘗ての南征で南蛮王を南蛮門ごと封印したそうね」
三國時代の末期、孟獲をはじめ名だたる南蛮王達が諸葛亮の策略によって討伐され、封印された。
先の殲神封神大戦で見た兀突骨もその一人であったと、事前に情報を纏めていたラムダ・ツァオ(影・f00001)は、凄まじい毒の瘴氣を漂わせる魔獸を前にしても花顏は涼しい儘。
寧ろ集めた情報を「使う」時が來たと、小気味佳い|微咲《えみ》すら浮かべていた。
「慥か諸葛亮は、“瘴氣不染の草”を貰って毒を遁れたとか」
名曰『薤葉芸香』――。
佳唇にその名を綴るや、草の効能を模倣して生成した「偽草」を迷彩のように黑衣につけたラムダは、魔獸の群れに吶喊するUDC怪物の群れに紛れて前進する。
颯爽と飜る黑衣から覗く手には、諸刃の黑刃――。
其が間もなく閃き、猛々しい獸聲の中に叫喚を交ぜた。
「嘗て蜀漢の兵を苦しめた猛獸も毒泉も、既に諸葛亮に攻略されてる」
『グルァァア嗚呼ッ!!』
「私も有意義に使わせて貰うわ」
此度の【|想い出の灰被姫《シンデレラメモリアル》】の精度は高くは無いとしても、瘴氣から身を護るには十分。
ラムダは大地を這うほど身を低く駆けざま、次々と飛び掛かる魔獸の腹に黑刃を差し入れ、疾ッとたばしる獸血も受け取らずに次の個体へ、閃々と鋭刃を走らせる。
魔獸の貪欲が恐怖に變わるまで、いくらでも付き合おうと――血烟の中に花顏が輝いていた。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、31歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
強力な魔獸である「南蛮王」らが人界に溢れてしまうと、猟兵でも対処のしようが無い――。
散り際の呂布の科白を聽いた諏訪野・啓太郎(さすらいのライダー・f20403)は、南蛮門より解き放たれた魔獸らの荒々しい咆哮に、怜悧なバリトンを滑らせた。
「……魔獸を野放しに走らせる訳にはいかないな」
猛獸には檻が必要だと、大軍勢を映す黑瞳に烱光が宿ったのは間もなくの事。
濛々と噴き上がる戰塵を前にスッと右手を構えた啓太郎は、【エレクトロレギオン】――総計675機の戰鬪用小型機兵を召喚するや、南蛮門から等距離の位置にそれらを配置する。
人界に溢れんとする魔獸らに防衛ラインを引く――|宛《まる》で円状の獸檻だ。
「南蛮王の前では一撃で消滅するが、その一撃一瞬の時の猶予があれば、俺は回り込める」
語尾をギャァンッと搔き消すは、啓太郎が跨る宇宙バイク。
魔獸の俊足に勝る二輪の脚は、黑鐵の檻を潜り抜けようとした魔獸の側面めがけて疾駆すると、啓太郎は腕に備えたスーパークラッシャーを放射――ッ! 極限まで高めたサイキックエネルギーを撃ち込んで斃す!!
『ゲェァァ嗚呼ッ!!』
瞬時に血烟と化した「王」は果して誰であったか。否、興味は無い。
「――次」
檻より出んとするものを狩るのみと烱瞳を眇めた啓太郎は、アクセル全開、新たな獲物を求めて疾った。
成功
🔵🔵🔴
フィア・フルミネ
どんなに強敵でも、大量でも、隙や弱点はあるはず。統率の取れた軍隊ならともかく膂力ばかりの相手。その隙は見逃さない。絶対に突いてみせる。
そのためには死に覚えるしかない。放電が効かない相手には斬撃を、刃物が通らない相手には電撃を、見舞うたびに命が削れる思いだけど、これで的確に弱点を突ける。いいよね。命は平等だから。例え王でも、一つしかないのだから。
すでに私はそういう輪廻からは外れた存在。何度でも立ち上がり打ち滅ぼす。ここから先に行きたければまずは私を殺していくといい。私を殺せるなら、だけどね。ああトラウマになりそう。
フィア・フルミネ(|麻痿悲鳴 《まいひめ》・f37659)が血色の瞳に映し見るのは、輪郭を違えた「器」だ。
目下、南蛮門より溢れ出る魔獸の群れを怯みも昂りもせず|瞶《みつ》めた麗人は、天地を震わす獸聲の中に美し大瑠璃の囀聲を滑らせた。
「――いいよね。命は平等だから。たとえ王でも、一つしかないのだから」
形姿を變えようと。名を違えようと。いのちはひとつ。
一つの器に一つの命しか宿らぬ条理は、譬えば、この名も知らぬ花とて然うだと、素足で立つ大地を瞥たフィアは、今ここに伝わる鳴動を辿って再び魔獸を見た。
「理解りやすいよね。その一つ一つに|訣別《わかれ》を告げれば良いのだから」
凛と持ち上げた長い睫は白銀に輝いて煌々と。
その間より覗かせる双の瞳を紅月の如く。
靜かに交睫するや愛刀を手に踏み出したフィアは、轟然と吶喊する敵群に【雷霆万鈞】!!
我が身を中心に放射状に紫電を疾らせ、猛爪鋭牙を迫り出す凶暴の|獸肉《にく》を灼いた――ッ!
『ギャヒッッ!!』
「……ッ、統率の取れた軍隊なら、ともかく……相手は、膂力ばかりの|群畜《ケモノ》……ッ」
限界を超えて出力した雷電は、その過負荷によってフィア自身を貫く。
悲鳴する咽喉さえ熾き潰すような痛痒は、眼前に見る魔獸のように感電死する程だが、稲妻の戰姫がそれでも命を落とさぬのは、耐性は勿論、魂人たる【永劫回帰】を持ち合せるからだ。
「わたしも“ひとつ”……手放す前に、握り潰す……」
どんな強敵でも、どれだけ多くても、隙や弱点はある。
而して其を見逃す筈も無いと、帯電した雷光を帯と引いて疾ったフィアは、敵群をジグザグと駆け抜けて刃影閃々!
初撃の雷撃に足並みを亂した隙を衝き、|魔禍祓霆《まかふってい》『|白雷《びゃくらい》』を飜す!!
「ここから先に行きたければ、まずは私を殺していくといい」
『ゲァァアア嗚呼!!』
「私を|殺せる《・・・》なら、だけどね」
『グルルルルッッ!!』
放電が効かない相手には斬撃を。刃物が通らない相手には電撃を。
唯だ「ひとつ」を摘み取る爲に、的確に弱きを突く。
既に命の輪廻や死の螺旋から外れたフィアは、死を恐れぬ事でしか発揮できぬ捨て身の疆地で獸を引き裂き、一つ、また一つと、幸福な記憶を零しながら血を流していく。
(「だけど、噫、トラウマになりそう」)
先に訣れたあの花も、獸血に塗れていようか。
緋瞳に凄惨を映したフィアは、引き結ぶ花唇に嘆聲を押し込めた。
大成功
🔵🔵🔵
劉・涼鈴
人間より強い魔獣の群れ? 神代の猛者?
|上等《じょーとー》じゃん! ならこっちはもっと古くて強い……恐竜の群れだー!!!
【侏羅紀游行】ォ!!!
三畳紀! ジュラ紀! 白亜紀! 色んな時代から強ぇーやつ!
1430体の恐竜を召喚だー!!
魔獣に負けない、それどころか上回る超巨体(重量攻撃)!!
【踏みつけ】! 噛み付き(大食い)! 尻尾で【薙ぎ払い】! ツノでブチ抜く(貫通攻撃)!
私自身も先頭でティラノサウルスの頭に乗って陣頭指揮!!
地上最強の【集団戦術】! 突撃して【蹂躙】だー!! がおー!!!
片っ端からぶっ潰せー!!
嘗て陳登は、曹操は、陳寿は、呂布を「虎」に譬えた。彼が持つ画桿の方天戟は「龍」の化身と呼ばれた。
而して猛獸に擬えられた呂布が、それらの強靭を確言すれば、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)はきゅっと太眉を持ち上げて言った。
「人間より強い魔獸の群れ? 神代の猛者? ――|上等《じょーとー》じゃん!」
來るなら來いと兩拳をシュッシュッ! 此度も氣合は十分。
見れば超次元の渦より溢れる「南蛮王」らは、キマイラの如く猛獸を繼ぎ合せた異形の魔獸のようだが、蜀兵の南征を大いに苦しめたという連中を見据えた涼鈴は、すらり伸びた兩腕を動かして太極を描いた。
「お前達がいた三國時代の末期より、もっともっともーっと古くて強い奴がいる!」
起勢、そして野馬分髪。
野を駆ける馬の鬣のように颯爽と出づるは、即ち――!
「恐竜の群れだー!!!」
『ぶぉぉおおおお!!!』
天・地・黎・明ッ、【|侏羅紀游行《ジュラシック・パレード》】!!!
太極の掌で時空と次元をまぜまぜした涼鈴は、超巨大生物「恐竜」を召喚して敵前に送り出す!!
その数ッ、なんとッ、1,430体!!! 多い!!!!!
「三畳紀! ジュラ紀! 白亜紀! 色んな時代から強ぇーやつ! ぜーんぶ來いっ!!」
『ぶらぁぁああ!!!』
「南蛮王、|何爲者!!!《なにするものぞおおお》」
『ぐぅぅおおお!!!』
魔獸も猛爪鋭牙を有していようが、トリケラトプスの角、カルカロドントサウルスの牙の前では虚しく霞もう。
超巨体のブラキオサウルスなどは歩くだけで大地を搖がし、魔獸らを大混亂に陥らせれば、群れが散り散りになった所へ強靭な頤が噛み付き、大きな尻尾がブンと薙ぎ払って、戰槌の如き角で貫く――なんと恐ろしい群竜大行進!!
濛々と噴き上がる戰塵に獸聲叫喚が交じる中、涼鈴自身もティラノサウルスの頭に乗って大軍団を導き、
「みんないけー! 片っ端からぶっ潰せー!! がおー!!!」
『ガオォォオオ!!!』
剱竜、鎧竜、角竜、諸有る恐竜を束ねた地上最強の軍勢による一斉突撃!
獸脚竜脚合わせての蹂躙は凄まじく、魔獸は尻尾をへにょり、獸檻と圍まれた戰場を右往左往するのみ。
「ふっふっふ、出口はひとつしかないぞ?」
カッコイイ恐竜を連れた涼鈴は花顏をツヤツヤにしているが、實は中々の策士。
彼等が「巣穴」に逃げ込むよう、常に南蛮門の位置を見ながらドスドスと魔獸を追い立てるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
機神搭乗
フィアも助けに入ってる様だな…それなら…僕もやるとしようか
「ご主人サマもフィアちゃんが心配なんだね☆」
ま、南蛮王を追い払うとするか
UC準備開始
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵軍勢の動きと陣形と南蛮王の位置から突破口を分析
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で音や匂いを隠蔽
【空中戦・弾幕・念動力】
空を飛び回りながら念動光弾を乱射して蹂躙
吹っ飛ばして
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣で連続斬撃を叩き込み金目の物は容赦なく強奪する
詠唱完了
【電撃】
こういう大軍っての相手でもなぁ…手がねーわけじゃねーぞ?
UC発動
電撃で強化しつつ南蛮王を中心に焼き払う!
現在、戰鬪用小型機兵が南蛮門を環状に取り圍む中、精鋭らが群獸の側面を急襲して勢を削いでいる。
而して南蛮王達は群れの強みを手放して散り散りになっていた。
「フィアも助けに入ってる様だな……それなら……僕もやるとしようか」
「ご主人サマもフィアちゃんが心配なんだね☆」
界導神機『メルクリウス』のモニタ越しに戰況を把握・分析したカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の耳に、相棒「メルシー」の佳聲が寄り添う。
竜雷比翼と契った彼女に何かあるとは思わぬが、己も魔獸を追い払う一助と成ろうと凛然を兆したカシムは、宙空を帆翔していた機神に方向を与えた。
「……猛獸を繼ぎ接ぎした魔獸と云っても翼は無し。空襲を仕掛ける」
既に地上戰では優勢を得ている。ならば決定打は上空から。
操縦桿を傾けざまオーバーヘッドパネルを操作して機体に光學迷彩を纏わせた彼は、更に水の障壁を施して音や匂いを隱蔽。努めて獸達に見つからぬよう接近を図る。
「敵性を視認。照準を固定。――目標を吹っ飛ばす」
この間に励起した魔力を杖型兵装『カドゥケウス』に注ぎ、光彈に變換して射出――ッ!
カシムとは逆に方向を見失った魔獸へ撃ち落とせば、忽ち繁噴く血汐に獸聲叫喚が交じった。
『ゲェァアッ!!』
『グルルルッ!!』
地上の猟兵を傷付けぬよう射撃は精確に、敵勢が完全に離散すれば鎌剱『ハルペー』を閃かせる。
「金目の物があれば容赦なく強奪しようと思ったが……獸肉と獸血だけは大量に手に入れられそうだ」
残念、と佳唇は少々の溜息を零して。
見切りをつけるよう一旦空中へ飛翔したカシムは、竜神兵器『帝竜眼』に魔力の限りを注ぐべく祕呪を詠唱した。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……我が呼びかけに答え……我が力に応え……我が叫びに応え……無限に強くなり続ける可能性の竜の力を今此処に示せ……!!」
一語一句の音に覺醒を得るは、【外典帝竜眼「碎輝」】――無限に成長し続ける者の力。
唱える裡に烱瞳を煌々、機神にも閃々たる雷電を纏わせたカシムは、
「こういう大軍っての相手でもなぁ……|手《・》がねー訳じゃねーぞ?」
飄と囁くなり鎌刃一閃!!
眩く紫電を迸る竜の息吹を、735mの直線上に疾らせた!!
「南蛮王を――焼き払う!」
『ッ、ヲオッッ!!』
其は死の疆界線。
一瞬で灼滅される個体を見た魔獸らは、ぞくり、恐怖の色を兆した。
大成功
🔵🔵🔵
鷲生・嵯泉
門を越え出でようとするならば
先ずは足踏み入れる許しを得てからにするがいい
尤も――通す心算なぞ端から無いがな
群れで現れるなら其れ相応の対処を成すまで
数には数を――出でよ千刃、蹂刀鏖末
門正面を中心に半円を描く様に飛刃を包囲展開し
一斉に片っ端から押し包んで刻んでくれよう
躱す道も逃げる道も無い……当然進む道なぞ在る筈も無い
譬え辛うじて攻撃へと進み来るものが在ったとしても
飛刃を避ける動きを見切りて先読みした動線へと斬撃を叩き込んでくれる
お前達に許されているのは門の内へと戻り二度と出ぬ事か
――此の刃に討たれる事のみだ
南蛮“王”なぞと称した処で過去の残滓に過ぎん
蹂躙されるのは世界ではなく、自らと知るがいい
韓信曰,兵法不曰「陷之死地而後生,置之亡地而後存」――。
稀代の名将は兵を窮地に置けば自ら戰うと云ったが、背に「水」でなく「命」を置いたら如何だろう。
目下、人界に固定された南蛮門から溢れ出る魔獸の正面、|抜刃《ぬきみ》のまま携えた『秋水』の刀身に冷嚴なる麗顏を映した鷲生・嵯泉(烈志・f05845)には、守るべきものを背負う者の氣鋭があった。
「門を越え出でようとするならば、先ず足を踏み入れる|裁可《ゆるし》を得てからにするが佳い」
これより無辜の命を屠りに行くか、と――。
赫く冱ゆる隻眼に射られた凶暴は、嘗て諸葛亮に南蛮門ごと封印された「南蛮王」たち。
斷りなく人界に躍り出た魔獸らを吃ッと睨め据えた嵯泉は、そのうち先頭を駆ける一体に刃鋩を結んだ。
「尤も――通す心算なぞ端から無いがな」
『グァァアア嗚呼ッ!!』
迫り來る魔獸を幾重に映すは、千刃を煌かせる【蹂刀鏖末】。
南蛮門正面を中心に、半円を描くよう1,440本の飛刃を展開・囲繞した嵯泉は、觸れたが最後、普く挙動を切り裂く鋭鋩を魔獸へと突き立てる――!
「此の先に躱す道も遁げる道も無い。當然、進む道なぞ在る筈も無い」
『ギャヒィッ!!』
数には数をと、魔獸の群れを切り裂く鋭刃の群れは、宛ら宙から降り注ぐ|斷頭刃《ギロチン》。
猛々しい獸聲が叫喚に變わり、濛々と立ち上る戰塵に血烟が交ざる中、嵯泉は巧みに先読みして逃げる脚を楔打ち、囲繞を抜け出た者には手ずから斬撃を叩き込んで駆逐していく。
この時、熱く滾る獸血を浴びた佳唇は赫々と染まりながら冷徹を囁き、
「お前達に許されているのは、門の内へと戻り二度と出ぬ事か――此の刃に討たれる事のみ」
『ガルルルルッ!!』
「随意に選ぶがいい」
孫子曰「圍師必闕、窮寇勿迫」。
包囲するにも逃げ道を作っておかねば、逆に危険な目に遭うと心得る嵯泉は、魔獸が“巣穴”に戻るよう巧みに搖さぶりを掛けつつ、群獣を、軈て戰場を支配していく――!
「南蛮“王”なぞと称した処で、過去の残滓に變わりない。蹂躙されるのは世界ではなく己等と知るがいい」
処々で今際の絶叫が上がる中、紅唇を掠めるバリトン。
其の靜けさこそ南蛮王らの虚しき末路を示唆する樣だった。
大成功
🔵🔵🔵
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
リミッター解除後に限界突破しても多重詠唱を続けますよ。
戦闘中に多重詠唱を続けるので無酸素詠唱を使用しますね。
そして【地擦り一閃『伏雷』】を使用し一息に攻めます。
技の速度維持と威力維持など全ての技能に継戦能力を。
斬撃時に鎧砕きに鎧無視攻撃と重量攻撃を『兼元』に。
【伏雷】とロベルタさんの足技の同時攻撃で押し返します。
押し返すのに魔獣の身体を利用させていただきましょうか。
丁度良い魔獣の身体を蓋代わりにぶっ飛ばして押しますよ。
私達の全力の技でなら…なんとかなると思いたいですが…。
…さて。丁度いい大きさの魔獣は…。
見つかるまでは襲い来る魔獣を連携でお相手しましょう。
弱点は不明ですが継ぎ足した部分が弱いかもしれませんね。
そこをロベルタさんとの同時攻撃で攻めたいと考えています。
大きい魔獣を見つけたら私は足元を掬って態勢を崩しますね。
可能ならば僅かでも宙に浮かせるようにしておきますよ。
他魔獣を巻き込んで門の方へ飛ばすのはロベルタさんと同時で。
さて。成功するでしょうか。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
おー。呂布のおっちゃんの次は魔獣かぁ~♪
墨ねーと連携して門に押し返さないとねぃ。いくじょ!
パフォーマンスで身体機能上昇♪次に封印を解くじぇ。
そんで限界突破して脚に鎧防御無視と鎧砕きを纏う!
門の中へ押し返すのに使う足技は【魔王の足跡】。
これくらいの威力が無いとぶっ飛ばせないと思うねぃ。
丁度いいサイズの魔獣を見つけながら墨ねーと連携。
なるほど。そっか!繋ぎ目が弱点かもしれないんだねぃ?
重量攻撃と属性攻撃に切断も加えた蹴りを放とうと思うじぇ。
『蓋』用の魔獣を見つけたらその魔獣を惹き付けておこうかな。
もし墨ねーが魔獣の態勢を崩すとか準備できない状態なら僕が。
僕が準備した場合は墨ねーに声をかけて連携で門へぶっ飛ばすじぇ。
それから余裕があったら門を閉じる時も蹴りでしようと思うじぇ。
…僕なんかの蹴りで門が破壊されないよね?手加減する余裕なさそう。
美し銀の煌きを彈く前髪を搖らし、額に手を翳して遠望する。
視線の先、韓信が人界に固定したという超次元の渦を捉えたロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は、そこから続々と現れる群獸に靑き虹彩を躍らせた。
「おー。呂布のおっちゃんの次は魔獸かぁ~♪」
嘗て虎や鷹に譬えられた無雙の武人は、「獸は人間より遥かに強い」と警告した。
慥かに人は獸に喩えられるが、その逆は無し――硬皮や爪牙を継ぎ接ぎにした魔獸達は、謂わば「いいとこ取り」だとロベルタが觀察する中、隣する浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)は沈毅たる儘、雄々しく響き渡る咆哮に耳を澄ませていた。
「……あれ、が……南蛮……王……」
彼等は諸葛亮の策略によって南蛮仙界ごと封印された王達。
殲神封神大戦で見た兀突骨をはじめ、孟獲、朶思大王、木鹿大王など、『三國志演義』の南蛮編に登場した猛者達は、みな強大な魔獸だったと理解を得た墨は、再び南蛮門に視線を結んで云った。
「……長らく、封印され……たもの……を……引きずり……出……とは……」
「う! 韓信のおっちゃん、結構な力業をしたねぃ」
諸葛亮がこれらの怪物を退けて南蛮を平定した事は、三皇神農も「興味深い」と零していた。
その孔明が封印していた連中を解き放つなど、單なる|賭博《かけ》には出ぬ韓信の稟性を見る樣だと息を呑んだ墨は、鏖殺でなく「押し返せ」と云った呂布の言を反芻する。――多分、其が最良の策だ。
「……魔獸の、躯で……南蛮門、に……蓋を……れば……良……かと……」
「おー。こう、注ぎ口にぎゅっと栓をする感じだねぃ♪」
兀突骨級の強さを有する魔獸を一体一体相手していてはキリが無い。
求めるのは兀突骨級の質量であると首肯を揃えた二人は、爪先を彈くや躍々と戰場を駆けた。
†
極限まで集中しつつ、視野は広く戰況を見る。
疾風の如く血場を走りざま、花唇に絶えず詠唱して魔力や靈力を練り上げたロベルタと墨は、戰塵と血煙の交じ入る中で佳聲を交した。
「墨ねー、猟兵のみんなが檻を作ってくれたみたい」
「良……った……これで一気に、人界に……轉び出る事は、無く……ました……」
或る者が戰場を取り圍み、或る者が魔獸を追い立てる。包囲を潜り抜けた個体は、また或る者が斬り捨てる。
人界の防衛ラインであり獸檻でもある疆界を一気に駆け抜けた二人は、今や仲間の果敢な攻撃によって離散した魔獸を捉えると、その僅かな時間に瞥見を結んだ。
「墨ねー! 魔獸たちが右往左往してるじぇ!」
「……好機……す……。丁度良い、大きさの……魔獸を……探しましょう……。……それまでは……」
それまでは。
それ以外は。
――斃す!!
「獸の……強みを……組み合せた、反面……継ぎ足した部分、が……弱いかも……ません、ね」
「なるほど、そっか! 墨ねー、あったまいー♪ 僕もいっぱい頑張っちゃうじぇ♪」
一瞬で分かれた玲瓏の|星眸《まなざし》は、次の一瞬で同じ魔獸に結ばれる。正に以心伝心。
違えたのは進入角くらいか、墨は『真柄斬兼元』の柄に繊手を添えつつ低身して大地を駆け走ると、対するロベルタは彈ッと土煙を起こして跳躍ッ、フリルを搖らしながらリボンを躍らせながら空を舞って蹴撃一閃――!!
「いくじょ!」
「……合、せ……す……!」
手加減無用と噛み合さる斬撃と打撃こそ、骨肉を砕く牙。
水平に閃く刃と、垂直墜下する踵が獸を交点に十字と結ばれるや、一際の絶叫が天地を震わせたッ!
『ッッゲェァァアア嗚呼!!』
この叫喚に言葉は無くとも、魔獸の耳は恐怖を感じ取ろう。
既に散り散りとなった群獸が愈々狼狽えれば、二人は動きの鈍った隙を見逃さず――南蛮門を結んだ直線上でちょうど二の足を踏んだ魔獸に的を絞った。
「墨ねー、あのでっかいの! 『蓋』になってくれそうだじょ♪」
「……い……! 私達の、全力の技……でなら……なんとかなる、と……思います……っ」
比翼の鳥が佳聲を交わすのと羽搏くのは同時。
繊麗の躯いっぱいに漲る力を今こそ解放した墨は、紫電を帯びながら地擦り一閃【|伏雷《フスイカヅチ》】!!
南蛮門めがけて725mの直線上を超高速で駆け抜けざま、白々しく閃く斬撃を身ごと叩きつけた――!
「參りま……。八雷の名の元に……」
『――ッッ、ッ!!』
「Orme della stella del mattino! 門まで一気にぶっ飛ばすじぇ♪」
撞ッと巨躯を彈かれた魔獸を更に押し込むは、ロベルタの【|魔王の足跡《ルシファス・ショット》】ッ!
己が無防備になる事を顧みず、全ての力を魔王級の鬪氣に變えた少女は超速・超重量の回し蹴りを一發!!
圧倒的重圧に錐揉みする魔獸と、その巨躯に巻き込まれる形で吹っ飛んだ獸達を南蛮門に押し込み、ぎゅぅううっと『蓋』をしたっ!!!
「やたっ♪ みんな南蛮門にムギュッと詰まったじぇ♪」
「……れで……南蛮……王は……もう、來ませんね……」
手加減する餘裕は無いと思っていたが、渾身の連携技は見事に魔獸達を『栓』とせしめた。
未だ南蛮門は人界に置かれているが、これで魔獸が溢れる事は無いと安堵の息を吐いたロベルタと墨は、以後は他の猟兵と共に残れる魔獸を個別撃破していく。
そこには、呂布なる武人と、かの|漢《おとこ》が警戒を示した魔獸をも打ち砕く――「最強」を手にした者の英姿があった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『韓信大将軍』
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POW : 楽浪郡勇士集結
レベル×1体の【神器で武装した楽浪郡の勇士(異世界人)】を召喚する。[神器で武装した楽浪郡の勇士(異世界人)]は【他世界】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 南蛮魔獣集結
自身の【召喚した、南蛮界の魔獣の軍勢】に【背水の陣】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。
WIZ : 三国武将集結
【偉大なる三国時代の武将達】の霊を召喚する。これは【生前に得意とした武器】や【韓信大将軍に与えられた『神器』】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:瑞木いとせ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『……哈哈、我が天運も愈々尽きたる』
己の仕えるべき英傑を見出す事は出來なかった。
究極神器『封人台』に全ての人仙を封印する事も叶わなかった。
勝負は時の運にて、我が行いの何處に|過失《あやまり》があったかと振り返る|意《つもり》は無し――それ以上に相手が優れていたのだと、前方に据わる猟兵を見据えた韓信大将軍が、背に負う大剱を天に向けて掲げる。
『或いは月を動かす力があれば、私にも勝機があったかも知れないが……無いものを惜しんではいられまい』
儀式の刻限は、12月27日の滿月昇りし時。
いま滿月を迎える事が出來れば……と、白昼に薄ら見える半月に苦笑した漢は、其を振り払うように大剱を薙ぐと、神器『紫煙龍』を持った楽浪郡の勇士達、南蛮界の魔獸軍団、三國時代の武将の靈を一度に召喚し、この大軍勢による包囲攻撃を仕掛けんとする。
それだけでは無い。
『蠱雕よ、私の元に集いて群を成せ』
名曰蠱雕,其狀如雕而有角,其音如嬰兒之音,是食人。
云うや蒼穹には天蓋を搖らさんばかり羽搏きが滿ち、其々に広げた怪翼が大地に翳を落とす。
其は鷲に似た、角を持つ鳥――『蠱雕』なる人喰いの怪物で、極めて獰猛で恐れを知らず、その底なしの食欲を以て人肉を食み、村一つを喰い尽くす事もあるという――民に恐れられた“天災”。
不気味な啼聲が降り注ぐ中、大地には魔獸の咆哮や人馬の踏み鳴らす音が鞺鞳とうねり、忽ち猟兵を包囲する。
これらの大軍勢を指揮した韓信は、今こそ高らかに叫び、
『井陘や垓下の戰いに勝る興奮を!! 乾坤一擲の大勝負、私が勝ってみせる!!』
と、大剱の鋩に猟兵を結び、一斉攻撃を仕掛けるのだった。
※最終章は韓信大将軍との決戦です。韓信自身は神器をひとつも装備していませんが、彼は卓越した軍略によって「必ず先制攻撃してくる」上、集団敵『蠱雕』の大軍勢を率いており、通常のユーベルコードと同時に、この大軍勢による包囲攻撃も仕掛けてきます。
『|蠱雕《こちょう》』
POW「人喰い」
戦闘中に食べた【人肉】の量と質に応じて【さらに狂暴化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD「強襲」
【角】か【牙】か【爪】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ「飢餓増大」
【飢餓】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
参照イラスト https://tw6.jp/gallery/?id=156703
既出シナリオ https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=39898 他
交響戦姫・シンフォディヴァ
『|聖遺物、起動《メガリス・アクティブ》!』
大神光槍ガンドニールを手元に呼び出し、起動聖句を詠唱する事で|交響戦姫《シンフォディヴァ》に変身するよ!
戦闘中は無線式マイクとシンフォニックデバイスで歌唱し続ける事で、味方を癒やし、同時に戦意を奮い立たせ、世界を従え、天変地異をも発生させながら槍投げやランスチャージで戦うよ!
ユーベルコードは指定した物を使用し、仲間達とこの世界を護るために多少の怪我は厭わず積極的に行動するよ!他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ!あと、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないからねっ!
あとはおまかせ♪よろしくおねがいしまーすっ!!
後人有詩曰「七星壇上臥龍登,一夜東風江水騰」――。
封神武侠界に於いて、優れた策謀によって南蛮を平定した諸葛亮は、先には曹魏百万の兵を退けるに「借東風」――東風の吹くよう|天地《あめつち》に祈りを捧げたが、或いは大軍と渡り合うには天変地異を要するのかもしれない。
然う、譬えば埒外の生命体である猟兵のような――。
「|聖遺物、起動《メガリス・アクティブ》!」
鏘々たる甲冑の音、鞺鞳たる軍勢の喚聲の中に、さやかなソプラノが澄み渡る。
戰塵烟る血場に結ばれたのは、交響戦姫・シンフォディヴァ(〜♪Symphonic battle diva〜・f42258)――この戰場に歌を届けんと大地に降り立った少女は、手元に呼び出した『大神光槍ガンドニール』を構えるや灼光を帯びた。
「この世界に眠る、強大な力を……私に!!」
起動聖句を詠唱し、情熱に溢れる|交響戦姫《シンフォディヴァ》に變身する。
無線式マイクを起動、|楽器複合型神聖歌唱鎧装《シンフォディヴァギア》を同期させた彼女は、戰場の匂いごと肺腑に吸い込んだ空気を七色の旋律に變えた。
「~~♪」
――息を絶つ誰かが 遥か空に手を伸ばす
――見上げた昏い星が夙に滅びていることも知らず
『この歌は……!!』
大軍勢に距離を隔てた韓信大将軍にも届けられる神秘の音色は【ユーベルコード】。
どろどろと軍靴を轟かせる大地に慈雨の如く染みわたる佳聲は、この場で戰う猟兵を癒し、その鬪志を奮い立たせ、また大いなる音の波のうねりを以て大軍勢を搖るがした。
「――m'aider♪」
――この世を滅ぼす愛で
――芽生えた想いを終わらせて
『膨大な魔力が大河となって注ぐような……ッ!!』
戰場に召喚された三國時代の英靈が【紫煙龍】を放って捕食せんとするが、歌姫を中心に漲溢する魔力は無尽蔵。
虹色に煌く歌の潮流は仲間には追い風に、敵には向かい風に、宛で東風の如く颯爽と駆け抜けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
劉・涼鈴
韓信! さいしゅーけっせんだッ!!!
絶対先制で召喚は止められない! でも怯まずに【覇気】を漲らせて突撃ー!!
南蛮怪獣の群れに飛び込んで! ど真ん中で【劉家奥義・爆龍吼】!!
がおおおおおお!!!!
爆音で【気絶】か、そうでなくとも【体勢は崩す】ハズ!
そしたら【怪力】でぶん投げて、空高くぶっ飛ばす!!
そら蠱雕、食いでのある獲物だぞ!!
南蛮怪獣に群がる蠱雕を天覇強弓で射抜く! しゅばばばば!!
退けや有象無象ども!! 道を開けろー!!
戟で【薙ぎ払って】韓信に接敵、全力でぶっ叩く!!
ぅおりゃー!!!
【気合い】を入れて、【心眼】で【見切り】、極まった【功夫】の体捌きでぶちのめす!!
韓信の才は、その奇策や布陣は勿論、優れた用兵術にある。
天に翼獸を、地に猛獸を召喚するや、鼓音ひとつ鳴らさずして囲繞する卓抜を目の當りにした劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)は、然し花顏を怯懦に染めず、ぎゅぎゅぎゅいーんっと拳を突き上げた。
「韓信! さいしゅーけっせんだッ!!!」
天に結んだ拳から迸るは鬱勃たる覇氣!
|我在这里《われここにあり》と、矗立する光柱に己を示した涼鈴は、四面を圍う群獸めがけて突撃――ッ!
一点を貫く楔となって前衛を波打たせると、獸聲叫喚の中心で猛々しく咆哮した!
「がおおおおおお!!!!」
天地を搖るがす撃攘の大音量は【劉家奥義・爆龍吼】!!!
その雷轟の如き龍の咆哮は、獸達に強大な音の壁を叩きつけるや四肢を引っ繰り返し、痙攣して斃れる個体あれば、そうでなくとも尻尾を縮込ませるだけの畏怖を與えよう。
天にも譬えられる龍に敵う獸は無し、すっかり竦み上がった二匹をむんずっと摑んだ涼鈴は釣合い足踏み高速回転!
ハンマー投げの要領で天高く擲げ飛ばすと、貪婪の翼邪に好餌を與えた。
「そら蠱雕、食いでのある獲物だぞ!!」
『キェェエエッッ!!』
「みんな集まってこーいっ!!」
蒼穹を覆う怪翼めがけ、魔獸を次々と投げ込む涼鈴。ぽいぽい!!
間もなく蠱雕が獸肉に群がるのを見た彼女は、直ぐさま『天覇強弓』を構えて立射!! しゅばばばば!!
『ギャヒッ!!』
『ゲェァァアッッ!!』
猛禽の絶叫が入り亂れる空から血雨を受け取った涼鈴は、眞紅に濡れた『覇王方天戟』を引っ提げ、|切羽穿孔機《ドリルジャンボ》の如く軍勢を開き征く。その姿は彼女が踏破した飛将呂布の如し!!
「退けや有象無象ども!! 道を開けろぉぉおおー!!」
『クーン!!』
今や魔獸では涼鈴を止められまい。
本能的に「誰が強いか」を知った獸達は戟に屠られるまま流血し、その赫々しく染まった血路を突き進んだ涼鈴は、遂に大将軍の陣地に躍り上がる。
「涼鈴、一番乗り! ぅおりゃー!!!」
『っっ迅速い――!! 猟兵の勢はこれ程までに……っ!!』
喫驚する韓信の顏が白んだのは、須臾に閃いた大剱と方天戟が鈞ッと交わったから。
全てを見切るべく緋の烱瞳を研ぎ澄ませた涼鈴は、戟を振り回して打々發止、火花の間に斬り結ぶこと十数合!
功夫らしい多彩な角度から刃を閃かせ、天下無雙の漢と烈しく渡り合った!
「そぉいっ! とうりゃ!」
『呀ァァアア啊啊啊啊!!』
「負けないぞ!!」
『っっ、哈哈哈!!』
この瞬間こそ、井陘や垓下の戰いに勝る大勝負!
猟書家として背水に追い込まれた韓信は、然し戟を掠める顏に武人として最高の喜びを示していた。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】で参加
韓信将軍の戦いも大詰めと聞いて親子3人で加勢にきた。なるほど、貪って力を増すタイプか。もはや追い詰められた以上、敵の力を利用する手はありだね。
でも終わりにしなければこの世界の未来はない。奏、瞬、仕留めるよ!!
先制攻撃では敵に食い付かれないよう注意しないとね。【オーラ防御】【残像】【見切り】【迷彩】【心眼】を駆使して先制攻撃を凌ぐ。
攻撃の余裕ができたら奏と瞬と【連携攻撃】で赫灼の闘気!!これなら召喚物と韓信諸共巻き込める!!二度と立ち上がれないよう徹底的にやるよ。
ここまで戦い抜いてきた事は大したものだ。でもここは人の世界だ。アンタには退場して貰うよ。
真宮・奏
【真宮家】で参加
韓信将軍との決戦も大詰めと聞いて親子3人で加勢にきました。なるほど、敵の力を利用して力を増す、形勢逆転には適した奥の手ですね。
でもここまできたら倒し切るまで。この世界の未来の為。
先制攻撃は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【受け流し】【ジャストガード】【鉄壁】【硬化】を駆使して凌ぎます。
お母さんと瞬兄さんの攻撃の余裕ができたらゴーレムマテリアイズ発動!!【怪力】【グラップル】も駆使して敵の前に立ち塞がり、お母さんと瞬兄さんの全力の総攻撃の邪魔をさせないように盾になります。
韓信将軍、貴方の野望は阻止させてもらいます。ここは人が生きる世界です。
神城・瞬
【真宮家】で参加
韓信将軍の戦いの最後を制するべく、親子3人で加勢にきました。極めて獰猛で、敵の力を取り込み、力を増す。奥の手でしょうね。流石というか。
でもここは人の世界故。貴方の野望は終わりにさせて頂きます。行きましょう。
先制攻撃は【オーラ防御】【第六感】【残像】【心眼】を駆使して凌ぎます。
これ以上力を増すのを止めるため、一気に押し切らせてもらいます。【高速詠唱】で氷晶の矢を発動。母さんと【連携攻撃】でタイミングを合わせ、【全力魔法】【限界突破】で全力の氷の矢を召喚物と韓信本体に降り注がせます。
貴方の野望はここで終わりです。韓信。人の世界は、過去の存在に脅かされるべきではありません。
「二人とも、喰い付かれないよう注意しな。どうやら空の連中は貪って力を増すタイプの樣だ」
|蠱雕《こちょう》とかいう怪鳥が、腹を空かせるほど躯を肥大化させ、天蓋を夜の如くしている――と。
殺伐たる風に梳られる前髪の奧、|紫水晶《アメシスト》の玉瞳を烱々と研ぎ澄ませて空を仰ぐ真宮・響(赫灼の炎・f00434)。
蓋し|標的《まと》が大きいのは助かると、剱呑の中にも小気味佳い微笑を滲ませる響の胆力には、彼女を尊敬する二人の子らが凛然と首肯を添えよう。
「極めて獰猛で、敵の力を取り込み、力を増す翼獸……韓信も愈々奥の手を出したのでしょうね」
「将軍自身が背水の陣を強いられている現状としては、なるほど形勢逆転に適しているかと」
言を紡ぐほど怜悧を増すテノール・バリトンと、其に共鳴して淸々しく|透徹《すみわた》るソプラノ。
佳聲の主たる神城・瞬(清光の月・f06558)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、母の響が上空に警戒を注ぐ傍らで背中合わせに大地へ烱瞳を巡らせ、我ら親子三人を先制包囲した韓信軍に備える。
「天に怪鳥、地には樂浪郡の勇士と、三國時代の英靈達……どいつも神器持ちとは凄いね」
「韓信大将軍は用兵の巧者と聞きましたが、流石というか」
「……此度が決戰であると知った上の布陣でしょうね」
雪嶺の鼻梁を其々の殺意の渦に結びつつ、肩越しに言を交す真宮家の者達。
三人は見る方向を違えながらも意志を一つに、韓信に劣らぬ覺悟を示そう。
「唯だ僕達も、韓信将軍の戰いの最後を制するべく加勢に來た身」
「はい、ここまできたら倒し切るまでです。封神武侠界の未來の爲に……!」
儀式魔術【Q】『南蛮来往道』を止める。
究極神器『封人台』の起動を制する。
この世界が過去より滲出する者達の野望を叶える場所であってはならないと、語氣にさやかな意志を滲ませる子達に「是」の微笑を湛えた響は、凛乎と発聲するなり眞紅のマントを翻した。
「奏、瞬、仕留めるよ!!」
「はい、母さん」
「行きましょう!」
目下の四面楚歌を脱出し、韓信に一太刀浴びせる――!
垓下で孤立した項羽でも無し、強い絆に結ばれた三人なら「必ず辿り付ける」と寸毫の裡に|流瞥《ながしめ》を結んだ家族らは、次の瞬間からは|眴《めくばせ》ひとつもせぬ阿吽の呼吸で連携攻撃に出た。
†
「圍むだけが仕事じゃないだろう? 灼かれたい奴から掛かってきな!」
嘗て音樂家の名家に生まれた御令嬢は、愛しき子を得てからは實に豪胆。
子供達と戰塵を駆けるなら、己が最も血を浴びようと佳聲は堂々、ブレイズブルーの青白く耀く炎の穂先を掲げるや【赫灼の闘気】を解き放ち、半径146m圏内に捉えた敵軍を圧した!
「アタシの燃える鬪気に抗えない奴は引っ込んでな!」
『くぉおおっ……烈風に甲冑が灼かれるようだ……!!』
「二度と立ち上がれないよう徹底的にやってやる。――勿論、アンタ達もさ!」
『ゲェァァアア唖唖ッ!!』
響が見上げる先、貪婪に急降下した怪翼が下から衝き上がる「圧」に捩じ切られる。
戰場で相見える者に天地の区別は無しと、熾々と燃え上がる鬪気は上空146m内に飛翔する蠱雕らにも嚙みつき、巨きな嘴が届くより迅く羽を散らした。
「人肉を差し出す訳にはいきませんし、かと云って飢餓を膨らませる事も出來ません。斯くなる上は――」
半魔半人の己が美味いかは分からないが、純粋な人間である響や奏を喰わせる訳にはいかない。決して。
而して喰わねば猶のこと躯と戰鬪力を増大させると云うなら、己が採れる選択肢は唯ひとつだと烱瞳を眇めた瞬は、繊手に握れる六花の杖を振りかざすや、凛冽と凍氣を迸る【氷晶の矢】を射掛けた!
「これ以上の増強を止める爲、一氣に押し切らせて貰います」
『ギャヒィッ!!』
麗人の花唇が詠唱して紡ぐ氷矢は、一射にして730本。
眼路に飛び込む幾百筋の軌道を躱す間もなく全身を貫かれる数量は、更に回数を重ねて氷楔の嵐と成ろう。
『!! 射られた怪鳥が……落ちてくる……!!』
血雨と肉塊が容赦なく降り注ぐ中、決戰に集められた三國時代の武将の靈達も『紫煙龍』を操って應戰するが、瞬のユーベルコードを捕食するには距離が足るまい。響が放射状に解き放つ鬪氣に阻まれるのだ。
「瞬、このまま前進して韓信を巻き込んでやるよ」
「はい。母さんの範囲攻撃とタイミングを合わせて道を開きます」
攻撃は苛烈ながら、瞬は沈毅として昂らず。
彼のすらりと伸びた長躯にも赫黑い骨肉が叩きつけられるが、視界が赤く霞む中でも彩色を違えた|烱瞳《オッドアイ》は煌々、今や限界まで追い詰められた韓信こそ「窮鼠」――最も危険な状態であると、進むほどに超感覺を研ぎ澄ませていく。
――時に。
母と義兄、いや婚約者の連携が、まるで齒車のように嚙み合ってきたと好機を見出したのは奏。
(「お母さんと瞬兄さんの攻撃に餘裕が生まれた今が仕掛け時――!」)
機を見るに敏なるは母親譲りか、響と同じ紫彩の玉瞳を玲瓏と輝かせた愛娘は、美し瑠璃色のオーラを漲溢させるや【ゴーレムマテリアライズ】――花のような華奢をオリハルコン装甲で覆い、身長から装備品、強靭も堅牢も倍化した|守護巨神《ゴーレム》に變身したッ!
「私が盾になります! 二人の全力の総攻撃、邪魔はさせません……!」
『……でっっっかい……っ!!』
今や奏の身長は5mを超える。
嘗て南蛮は烏戈國の王であった『兀突骨』が3m弱の巨躯で蜀漢の兵を翻弄したのだから、彼を優に超える奏を前に、樂浪郡の勇士らは時を忘れて仰ぐのみ。
斯くして巨神化した奏は有象無象を絡げるようにブレイズセイバーを一薙ぎ、韓信までの道を切り開けば、すっきりと晴れた視界に戰大将を捉えた響と瞬が、颯然たる一陣の風となる――!
『……ッッ、なんという……!!』
三者の英姿は韓信にも見えよう。(特に奏)
天下無雙と讃えられた|漢《おとこ》は、この時はじめて「敗北」なる絶望に立たされた歴代の勇を思い出したに違いない。
「ここまで戰い抜いてきた事は大したものだ。でもこれで|最後《しまい》さ。アンタには退場して貰うよ」
今こそ猟書家の戰いに|終止符《ピリオド》を打つ刻――と。
放射状に広げていた鬪気を一気に内に圧縮し、蒼炎の槍に集める響。
「貴方の野望はここで終わりです。人の世界は、過去の存在に脅かされるべきではありません」
そして一際の凍氣を練り上げ、730本の氷矢を一束に収斂する瞬。
兩者が攻撃方向を一つにして迫れば、これを迎撃する韓信は大剱一揮ッ! 幅広の刀身で槍矢の軌道を往なし、返す刀に反撃を呉れんと刮目するが、其は奏の玉臂……いや怪腕にピタリと止められた。
「韓信将軍、貴方の野望は阻止させて貰います。此處は人が生きる世界です」
『く……っっ!! 天はまたしても私を……この韓信を……!!』
天が韓信を見放したか、韓信が天を裏切ったか。今も昔も判然るまい。
ただ今は、真宮の家に結ばれた者達に究極戰法を打ち破られた事が事実であろう。
大剱を|寸《すんで》で止められた韓信は、開いた懷に槍の衝撃波と弓の鏃撃を叩き込まれ、天に我が血汐の鮮々と踊る樣を仰け反りながら見るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィア・フルミネ
ああ、相対してわかる。未曾有の大軍勢、それも猛将揃い、数多の神器、加えて獰猛な巨大猛禽たち。その全てが神算の采配で襲いかかる恐怖。ああ、トラウマになりそう。
《永劫回帰》を使うことになる。これほど一つの戦場で酷使したことはない。うん。強いて言えば先制されようとその一撃で戦闘不能になろうと、戦線に復帰できることが救いか。
救い。自分で言って笑ってしまう。この阿鼻叫喚の地獄のどこに救いがあるというのか。これほどまでの苦痛の坩堝にあってなおこの世に縛り付けられているというのは。
この世以上の地獄がないのなら、せめて生き抜いて一太刀浴びせよう。動かなくても首だけで噛みつくくらいの気概で、韓信だけに狙いを定める。
項羽卒聞漢軍之楚歌,以為漢盡得楚地,項羽乃敗而走,是以兵大敗。
韓信が30万の軍勢を率いて垓下に參ずれば、諸将も集結して項羽に包囲網を敷いたが、今の景色が正に然うだ。
「――噫、相対して分かる」
楚歌なんて綺麗な音色は聞こえない。
目下に鼓膜を騷めかせるは、簇々と押し寄せる軍勢の地鳴り、鏘々たる甲冑槍剱の響き、南蛮魔獸の猛々しい咆哮、そして天を覆う怪鳥の羽搏き――。諸有る音が奔流となって我が身を浚いに來る。
否、それ以上に。
「これら全てが神算の采配で襲いかかる恐怖が、今、目の前に用意された」
耳に聽き拾う音を目で捉えた緋瞳が、スッと眇められる。
今は隱れてしまったが、己を先制包囲した大軍勢の向こうに、嘗て「國士無雙」と讃えられた用兵巧者が自らを背水の陣に据えていると思えば、その覺悟は並々ならぬと想像がつく。
「……噫、トラウマになりそう」
穢れた白纏套の下、疵跡の染む玉肌香膩がぞわぞわと反應している。
心臓なき肉体が剱呑に呼應して泡立つ。
此度、間違いなく【永劫回帰】を使うことになると、眼路に迫る殺氣に烱瞳を絞ったフィア・フルミネ(|麻痿悲鳴 《まいひめ》・f37659)は、飢餓する程に肥大した躯で降下する怪鳥に射線を結んで前進ッ! 大きく開いた嘴を諸手で摑んだ!
「これまで摘まれた命に較べれば、腕なんて」
『ゲァアアッ!!』
「――なんて安い」
万力のように嚙み合さる咬撃に抗い、血に滑る兩腕で上下に持ち上げる! 而して引き裂く!!
怪翼が悶えて羽根を散らす中、間もなく駆け付けた武将の英靈が蛇矛を迫り出すが、フィアは牙形の鋭鋩を深く腹部に沈めながら、痛撃を踏み締めて肉薄――ッ!
「うん。強いて言えば、一息で先制されようと一撃で戰鬪不能になろうと、戰線に復帰できる事が救い」
『なッ、にッッ!!』
――救い。
花唇を擦り抜ける言葉に竊笑が零れる。自嘲。
柔く暖かな記憶を代償に「死を否定する」――全ての魂人の罪禍にして唯一の救いであるユーベルコードを使役した佳人は、我が身に赫々と広がる激烈な|痛痒《いたみ》が「たすけて」と叫ぶのを聽きながら、腹に沈む蛇矛を手折った。
「皮肉、ね」
この阿鼻叫喚の地獄の何處に「救い」があるというのか。
これほどまでの苦痛の坩堝にあって、猶この世に鎖がれているというのは。果して。
「畢竟、何處にも――」
小さく囁きつつ、柄を兩斷した蛇矛を突き返す! 同じ腹部を貫く!
次いで吶喊する猛将らを神器ごと打刀『白雷』に切り伏せたフィアは、己が肉の代わり英靈を怪鳥に差し出しつつ、韓信までの道を抉じ開けるように進んだ。
「いたい、いたい……でも止まれない」
この世以上の地獄は無い。
ならばせめて生き抜いて一太刀浴びせよう。
――今この地獄を作れる者に。
「首だけでも、頤だけでも、届かせる」
死に踊る舞姫が求むは戰大将ひとり。
圧倒的軍勢に揉まれながら惨憺の道を切り開いた戰姫は、韓信を認めるや急加速!
さやかに稲妻を帯びる『白雷』に花顏を輝かせながら接敵すると、刃鳴一閃ッ、これを迎撃する韓信の大剱と十字に刃を結び、衝突の波動で天地を搖らした!!
『あの布陣を切り抜けたか、猟兵!!』
「そう。死に物狂いで」
『ならばこれが最後の死だ!!』
切り結んだ瞬間、追撃を放つには臂を内捻して背嶺を走らせねばならぬ。
幾戰して染み付いた剱筋を再現した韓信は、然し、僅かにも頸動脈が晒される瞬間に白刃が侵襲した事は無かったろう。
「それはどちらの」
『ッ、ッッ――!!』
そと語尾を持ち上げた佳聲が耳朶に迫り、発電する刃が首に走ったのは間もなくの事。
大剱を潜って身ごと差し入れたフィアは、まるで嚙みつくような斬撃を切りつけ、弩ッと繁噴く鮮血の温かさを受け取るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
今回は『井上真改』の一刀を久々に使って戦います。
リミッター解除後に限界突破してから身構えますね。
韓信を見据えながら【地擦り一閃『伏雷』】を発動です。
速度と威力維持に継戦能力を。更に重量攻撃を付与で。
【伏雷】の速度で先手の攻撃を回避できるかわかりません。
軽傷か中傷の負傷で済むなら上々…といったところでしょう。
見切りと野生の勘と第六感を駆使しても中傷な気がしますね。
可能な限り回避ししたのちに反撃を試みようと考えています。
反撃時に鎧砕きと鎧無視攻撃を加え更に威力の底上げをします。
私の刃が蠱雕を超えて将軍…韓信へ届くか少し不安ですね。
蠱雕という壁は分厚そうですし彼らは空中戦が得意でしょうから。
しかしロベルタさんと連携と協力して戦おうと思います。
いつも背中合わせで戦ってきた相棒ですから今回も越えられます。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
うぇ~い♪墨ねーが『雷』なら僕も同じ属性の蹴り技だ!
パフォーマンスで身体機能を上げてから封印を解くじぇ。
最期に限界突破して【雷神の大槌】でにーちゃん倒すよ。
速度と威力維持に継戦能力。脚に重量攻撃を加えるねぃ♪
墨ねーは避ける考えらしーけど僕は蹴りで押し返そうかな。
見切りと野生の勘と第六感で先制攻撃の弱い部分を見極めて。
【雷神の大槌】の速度と威力を籠めた2回攻撃で蹴り返す!
二度目の蹴りはクイックドローと零距離射撃付きの蹴りだよ。
それと鎧砕きと鎧無視攻撃も蹴り脚に加えてみようかな。
弱い部分っていっても強力だろーしそんな部分は無いかも?
それでも蹴り返すことを試みようと思ってるよ。無理はしない。
韓信のにーちゃんとその軍勢は強力で。僕なんかじゃ力不足かも。
でも。墨ねーと一緒なら大丈夫。…巨怪鳥は踵落としとか喰らわす。
墨ねーとの連携なら巨怪鳥や韓信のにーちゃんなんか目じゃないじぇ!
上問曰「如我能將幾何?」信曰「陛下不過能將十萬」
上曰「於君何如?」曰「臣多多而益善耳」
嘗て韓信は高祖劉邦に、己が率いる軍兵は「多ければ多いほど善い」と答えたが、集結させた勇士と猛将に神器を持たせ、天に怪鳥を、地に魔獸を滿たし、その全てを手足の如く動かすとは、言うに違わぬ采配力。
「……これが、大将軍の……器……」
優れた用兵術により猟兵を先制包囲し、忽ち矗立する大軍勢の壁に姿を隱した韓信を、直前まで目に追った浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)は、流石、蕭何をして「國士無雙」と言わしめた實力を見る。
この軍勢にしてこの機動力なれば、覇王項羽も絶望したに違いないが、どんな事態を前にしても大体は笑顏で元気なロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は、流石、いつも通りの明るさだった。
「ダイショーグン! 強そうだねい」
「……先の温侯(呂布)に……勝る、とも……劣らぬ……武勇、かと……」
「う! 韓信にーちゃん、凄いんだ」
軍略に秀でた稀代の名将は、而して此度は自らに背水に布いている。
猟書家としても追い詰められた状況下、彼は「本気も本気」だと四面を圍む軍勢を見渡した墨は、黑漆の鞘に収まる『井上真改』に手を掛けると、花唇にそと鈴の音を震わせた。
「……包囲を……突破、するに……『伏雷』で、い……ます……」
「! 墨ねーが『雷』でいくなら、僕も同じ属性で合わせるじぇ♪」
かの技が一点突破に適していると云う墨の隣、彼女と|おそろ《・・・》(一緒)が良いと佳聲を彈ませるロベルタ。なかよし。
状況は過酷だが、いつも通り魔力を練り上げ、身体能力を引き上げていけば……と少女が間もなく力の封印を解いたなら、佳人はスッと通った鼻梁を軍勢に結んだ儘、怜悧に犀利に囁いた。
「伏雷の速度で、一斉の先制を回避できるか……。軽傷か中傷の負傷で済むなら上々……といった処でしょうか……」
「そんなに? 墨ねーが躱せないなら、僕が蹴りで押し返してあげるじぇ~♪」
「そ……で、すね……属性を揃えた連携なら……多少は防げるかも、しれません……」
「勿論、無理はしないけど。墨ねーとチカラを合わせたら、目の前に広がる軍勢も目じゃないじぇ!」
損耗は覺悟の上と凛然を兆す墨に較べれば、ロベルタは大らかで樂天的だが、その言には強い意志が輝いている。
いつも寄り添ってくれる眩い|戰友《とも》に此度も雄渾を得た墨は、こっくりと首肯を返し、
「……りましょう……大将軍の処へ……!」
「う! とびきりの連携技を届けるじぇ~♪」
と、厚みある軍勢の壁に向かって駆け出した。
†
「……上空の……蠱雕、と……英靈が持つ……紫煙龍に……捕食、され……よう……」
「ただ一点めがけて疾る! だねい♪」
先制包囲されたものの、戰大将の座標は聢と把握している。
損耗を考慮すれば最短距離を行くしかないと、柄に手を掛けたまま疾る墨をロベルタが追って疾れば、二人を極上の肉と認めた群鳥が烈しく羽搏き、巨きな黑斑となって急降下してくる。
『ギシャァァアアッ!!』
胃袋が虚しいほど躯を膨らませる――宛で巨壁の如き怪鳥らの突撃を見た墨は、ここで地擦り一閃【|伏雷《フスイカヅチ》】ッ!
我が姿影が怪翼に翳差すギリギリまで引き付け、紫電迸る斬撃一条を放ッた!
「……ロベルタ、さん……っ」
「う! 墨ねーといっしょ♪」
そう答えたロベルタの花顏が玲瓏と白んだのは、もうひとつの霹靂が閃いたから。
墨が抜刀するに合わせて蹴脚に力を溜めていた少女は、インパクトの瞬間を揃えて【|雷神の大槌《ミョルニル・ハンマァー》】――ッ!
蠱雕が血を噴いて袈裟に別れるや、そこから715m直線上に稲妻が迸り、而して大地を削って驀進する衝撃は龍尾の如く上下に波打ちながら、天地に滿つ異獸英靈に轟然と嚙みついた!
『ギェァァアア唖唖ッ!!』
『|豈夫《まさか》、紫煙龍に飲み込めぬなど……ぉぉおお嗚嗚っ!!』
蹴散らすのは韓信に続く道を塞ぐ者だけで構わない。だが其は餘りにも凄まじい。
全き同じユーベルコードを重ねる事で威力を乗算させた二人は、神々しく閃いた電光雷轟が一路を拓くのを見るや、自身も電気を帯びたように輝きながら直進ッ! 途中、脇より道を塞ぎに掛かる剱撃矛撃を彈き、或いは往なしつつ、進路に韓信を見るや更に加速した――!
「……淮陰侯……!」
「おっ、韓信にーちゃん見えたっ♪」
視線が“通った”なら、韓信にも二人の姿は見えよう。
『――來るか、猟兵』
用兵巧者の彼ならば、この僅かな間にも軍兵を動かして視線を遮り、墨とロベルタが力尽きるまで波状攻撃を続けたに違いないが、この二人こそ時の猶予は與えまい。
「僕なんかじゃ力不足かも、って思ったけど。墨ねーと一緒なら大丈夫……ここから蹴る!」
「……私達は……いつも、背中合わせで……戰ってきた……相棒ですから……今回も、越えられます……!」
韓信が大剱を天に結び、蠱雕に一斉突撃を命じようとした瞬間に――踏み込む!!
軍靴の鞺鞳たる大地を搖すらんばかり踏鳴した二人は、再び埒外の異能を解き放って一息一足で侵襲ッ!
眼路が大軍勢に覆われるより迅く、速く! 駆け抜けざま雷属性の斬撃と蹴撃を敵懷へ叩き込んだ――!!
『なん、だと――!!』
「……久々に……手に、した『井上真改』……届かせ……す……!」
「鎧ごと砕いて穿―つ! このまま骸の海へ飛んでっちゃえ♪」
『――ぉぉおおをを雄雄雄雄っっ!!』
韓信を貫くは宛ら天の雷。
全身を駆け走る激痛に身を強張らせた戰大将は儚げに、「天よ」と絞って膝を付くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鷲生・嵯泉
己が命運は尽きたとしながら尚抗うか
だが生憎と窮鼠に噛まれる愚を犯す心算は無い
此処で確実に其の足掻きごと絶ってくれよう
流石に此の数を一々相手にするのは面倒だ
貪詞虚消――顕現せよ、貪欲の権化
召喚可能時間の限界まで使い
敵将への直線上にある総てを喰わらせ続けるとしよう
……時間が惜しい。僅かでも空白地帯が出来始めれば其処を逃さず前進
空白を埋めようと近付くものが在れば
衝撃波を牽制に使って出鼻を挫き邪魔はさせん
捉えた韓信の様相、得うる情報の全てを以って戦闘知識と第六感にて測り
反撃の挙動を見切りてカウンターで全力の斬撃を叩き込んでくれる
大勢が決してから事を起こし敗する――同じ轍を踏み|煮える《ついえる》がいい
『くっ……天よ、またしても私を見放すか……!!』
|戰袍《ひたたれ》も鎧も赫々と染めた韓信大将軍が、遂に膝を付く。
時は充分にあったというのに、主君とすべき英傑を見出せなかった事が愈々惜しまれるが、用兵巧者たる己が|戰爭《いくさ》で追い詰められるとは、既に天運は尽きていたか知れぬ。
では何時? と問うても、透けた半月は答えまい。
蠱雕も|疎《まばら》になった蒼穹の下、擾擾と亂れる大軍勢の中に、玲瓏と輝く召喚陣を顕現させた鷲生・嵯泉(烈志・f05845)ならば――或いは一つの解を示せただろう。
「時間が惜しい。これだけの数、一々相手にはせんが咎めて呉れるな」
すらり伸びた長躯に靈光を帯びながら結印する。
二本指が天を向くに合わせ、冱々と矗立した光柱に巨影が切り出された瞬間、先ずは猛禽魔獸が戰慄し、次いで勇士猛将が眦を裂いて震懾した。
「貪詞虚消――顕現せよ、貪欲の権化」
忽ち戰場を蹂躙したのは、牛身人面の怪物「饕餮」。
術者が示す先、韓信へと結んだ直線上の有象無象を獲物と認めた邪神は、眼路に差し入る怪翼を引き裂き、三國時代の名だたる武将の英靈を紫煙龍ごと屠りつつ、而して切り開いた道を主人に進ませる。その間、二分強。
「塞ぐ者あらば斬る」
『ギャァ異異イイッ!!』
猶も進軍を阻む軍兵には、嵯泉が手ずから斬り捨てる。
貪婪の虎牙と斷禍の刃が赫々と血煙を立てて幾許、血肉骨片に滿ちた一路を靴底に踏み締めて進んだ嵯泉は、我が影を見るや再び立ち上がる韓信に対峙すると、秋水の鋩を向けて云った。
「己が命運は尽きたとしながら尚抗うか」
『ッ哈、哈哈……往く所無きに投ずれば、諸劌の勇と云うではないか……』
「……窮鼠に嚙まれる愚は犯すまい。其の足搔き、今こそ此處で絶ってくれよう」
饕餮に屠らせるでなく、刃にて討たんとするは|武士《さむらい》の慈悲。
流血の武人が大剱を構えた正面、堂々正眼に構えた嵯泉は拇指球を踏み込むや自ら飛び出し、韓信の樣相から呼吸、研ぎ澄ませた超感覺より得うる情報の全てを反應に變え、剱圧ごと鋭刃を叩き込む――ッ!
「大勢が決してから事を起こし敗する――同じ轍を踏み|煮える《ついえる》がいい」
『くッ、お雄雄ッ!!』
司馬遷は『史記』淮陰侯列傳の末尾を「而天下已集,乃謀畔逆,夷滅宗族,不亦宜乎」と締めている。
天下が定まった後に叛いた故に滅んだ武人は、骸の海を潜っても宿命を變えられぬか、
『豈非天哉……!』
奇しくも嘗ての今際の科白を|捺擦《なぞ》り、首を落とすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2023年12月14日
宿敵
『🌗呂布』
を撃破!
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