オーンブル。
水晶が生えた一本の「名もなき大樹」を中心とする無人の大陸で「己の希望」を高らかに語れば大樹がそれに応え、希望の強さに応じた射程と威力を持った「光の武装」を猟兵達に授けてくれた、ブルーアルカディアにある伝説の地である。
「そんな場所と全く同じ名前を冠する惑星の伝承がスペースオペラワールドにもあるそうで。しかも異なる場所に複数も」
くるくると椅子に座って回っていたルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は両足でその回転を止めた。
「大体はブルーアルカディアで伝えられている物と一緒なんですけど、話の締めの一文が絶対に違うんですよね」
しかし聖地を目指す者、皆ことごとく幻想の眠りに沈む———故に誰も辿り着けない。
本当か嘘かわからない昔話は教訓譚にもならないために広大なスペースオペラワールドでも半ば失われかけていたそうだが、此度の猟兵の調査によって掘り返されたそうだ。
「禁軍猟書家との戦いが起きた時に初めて観測されたクェーサービースト『スクイカンタクル』。その生息域にオーンブルはあるようです」
そしてブルーアルカディアの伝承との差異の原因はある「クェーサービースト」のせいではないか、とルウは予測する。
スクイカンタクル。その姿を認識した者すべてを幻想の中へと沈め、現実から切り離す能力を持ち、銀河帝国からは「覆い尽くすモノ」と呼ばれていたクエーサービースト。
他種と違って物理的な攻撃はやってこない温厚な性質だが、その惑星級の図体と自分に近づいてくる存在全てに警戒して先手を打ってくる臆病な生態故に出会うことそのものが危険な存在である。
「今回はスクイカンタクルが複数回確認されている宙域に行っていただき、巣の中にオーンブルがあるかどうか確認し、もしそれらしき反応があったらスクイカンタクルの群れの中に飛び込んでその座標の正確な値を確定させていく……という流れとなります。どの地点いずれも居住可能惑星からは遥か遠くにある宙域にポツンとあるので、一般人が巻き込まれる心配は不要です」
ただしオーンブルの所在は現時点で全くの不明。そもそも今回向かうスクイカンタクルの観測地には無い可能性もある。だが、無ければ無いで今後の調査対象から外せばいいだけの話だ。
「彼らとしては縄張りに入ってきた異物を追い出そうとしているだけなので一気にオーンブルまで到達してしまえば、縄張りの外に出たと判断して追って来なくなるものと思われます」
そうしてルウは話を締めくくるように両の掌を叩いた。
「それでは皆様! スクイカンタクルの幻想の網を掻い潜り、オーンブルの謎を解明していきましょう!」
平岡祐樹
すっかりご無沙汰? なオーンブル探索シナリオです。お疲れ様です。平岡祐樹です。
今回は「何か」があるらしきスペースオペラワールドの「希望の聖地オーンブル」の探索に出ていただきます。
今フラグメントのシナリオを一定数成功すると「オーンブルの座標」が確定し、グリモアの力で「スペースオペラワールドのオーンブル」に直接行けるようになります。そこに何が隠れているのかを調査できるかどうかは皆様次第です。
第1章 冒険
『未開惑星の探索』
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POW : 肉体を使って探索するぞ。
SPD : 技術を使って探索するぞ。
WIZ : 魔法を使って探索するぞ。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴィリー・フランツ
心情:例の惑星か?ホントにテラフォーム無しで今すぐ居住可能な惑星なんぞあるもんかね?
手段:後期型ワダツミ級揚陸母艦『ヴェルダン』に乗って出撃する、必要なら他の猟兵も母艦として使ってくれても構わん、それで成功率が上がるならな。
【海兵降下装甲小隊第46機動部隊ヘルウォールズ】を召喚、10機もいれば大丈夫だろう、性能は下がるが探査任務ならその分人手が必要だ。
俺もヘヴィタイフーンで出撃、艦長、艦の事は頼むぞ、キャバリアスラスターで宙域を移動しながらEP-Sアウル複合索敵システムの出力を上げて周囲を探査、コレで何も見つからなきゃこの宙域はハズレだな。
邪魔なデブリはBS特火重イオン粒子砲の射撃で砕く。
「例の惑星か? ホントにテラフォーム無しで今すぐ居住可能な惑星なんぞあるもんかね?」
首を傾げはするが、実際にクエーサービーストの群生地の先に本当に人が住む惑星があったのもまた事実。
ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は後期型ワダツミ級揚陸母艦「ヴェルダン」のブリッジの中から光の見えない真っ暗な景色を眺めていた。
1人でやる分にはここまで大掛かりな母艦を持ち出す必要はない。しかし他の猟兵がヴェルダンを母艦として使うことで成功率が上がるなら、とヴィリーは他の猟兵にも門戸を開いていた。
「そろそろ問題のポイントに到達します」
乗務員からの淡々とした報告がブリッジに響く。とはいえ星らしき物は見当たらず、レーダーに|生命体《クエーサービースト》の反応はない。しかしこれもまたスクイカンタクルの防衛本能が見せる幻なのかもしれない。
その真偽を明らかにすべく、甲板が開いていく。
「海兵降下装甲小隊第46機動部隊ヘルウォールズ、10機もいれば大丈夫だろう」
この機動部隊の人員は呼べば呼ぶほど練度が落ちて性能も下がるが、探査任務ならその分人手が必要だ。
「艦長、艦の事は頼むぞ」
ヴィリー自身もその後に続くように|愛機《ヘヴィタイフーン》に乗って宙域へ出るとキャバリアスラスターを蒸して移動しながらEP-Sアウル複合索敵システムの出力を上げて周囲を探査する。
その道中、飛んできたデブリをBS特火重イオン粒子砲の射撃で砕いたところで視線をデブリが流れてきた方に向ける。
デブリとは星の重力と重力から脱出しようとする遠心力が釣り合い、何らかの意味がある活動を行うことなく星の衛星軌道をただただ周回する物体を指す。
もしこのポイントにオーンブルがあるとしたら、あのデブリはオーンブルの持つ重力に逆らっていた可能性がある。もちろんただの居住不可能な天体や、居住可能ではあるがオーンブルとは全く関係ない星である可能性もなくはないが。
「コレで何も見つからなきゃこの宙域はハズレだな」
煙草を口に咥えることが出来ないヘルメット越しにヴィリーは何となくの当たりをつけ、デブリが描く円の中心へ進み始めた。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
この世界のオーンブル、かぁ…
幸せな幻想を見せる獣どもに隠された真の希望、って所かねぇ?
ま、今回ばかりは巡礼船が近くを航行してないのも何よりだよ。
ハズレ宙域だったなら笑い話にできるしな!
それじゃ斥候に出発するよ!
宇宙カブに『騎乗』して宇宙空間を駆けるのも久しぶりな気がするよ。
のびのびとツーリングをしたくもあるけど、今はお仕事お仕事。
宙域を駆け巡りながら【超感覚探知】のテレパスでピンガーを打ちながら、スカイカンタクルの分布状況を『情報収集』するよ。
あまり強い信号を使っちまうと下手に刺激しそうだから、出力は抑え目で。
さぁて鬼が出るか蛇が出るか、獣が出るか希望が出るか……?
「この世界のオーンブル、かぁ……幸せな幻想を見せる獣どもに隠された真の希望、って所かねぇ?」
窒息しないようにするための装備をライダースーツの上につけながら数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は窓越しに見える暗黒を見やる。
この母艦は現在スクイカンタクルが観測された地点からは遠目に陣取っているため、たとえ惑星と同じくらいの巨体でも人の目で捉えることはまだ出来ない。しかし先程までと違い、先行しているキャバリア部隊から発せられる光だけが時たま瞬くようになっていた。
「ま、今回ばかりは巡礼船が近くを航行してないのも何よりだよ。ハズレ宙域だったなら笑い話にできるしな!」
別のグリモア猟兵から紹介された案件でオーンブルを目指して航宙を続ける一団と知り合った。ここで万が一ドンパチ起きてしまったとしても、流れ弾で他人が傷つく心配はない。
多喜も自前の宇宙カブに騎乗して斥候に飛び出した。
「宇宙空間を駆けるのも久しぶりな気がするよ」
皆無になったわけではないが、序盤の序盤に銀河帝国を壊滅させたこともあってスペースシップワールドに関する依頼が出て来るのはかなり稀になってきている。のびのびとツーリングをしたくもあるけれど、今はお仕事。飛んでくるデブリを避けつつ、宙域を駆け巡りながら【超感覚探知】のテレパスを流用したピンガーを打ちこむことで、この近辺に漂っているスクイカンタクルの分布状況を収集していく。
あまりに強い信号を送ってしまうとスクイカンタクルを下手に刺激して早期に暴れさせてしまう危険性があるため、出力は抑え目。とはいえ相手はクエーサービースト、多喜は十分に距離を取ったつもりでも全く同じ個体へHITしてしまう可能性はある。
しかし2、3個増えたとしてもマッサージチェアよろしく急に痛みがくるわけではないし、こっちの負担は大きくなるがエアスポットのように一個体だけ綺麗にすり抜けられてしまうことはこの広大な宇宙の中でも起きないはずだ……と多喜は思っていた。
「さぁて鬼が出るか蛇が出るか、獣が出るか希望が出るか……?」
空気や強い重力がない故にどれだけ速度を増しても体にかかる圧も音も起きない。赤いバイクは静かに闇の中を駆けていく。
大成功
🔵🔵🔵
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「調査と探索か…可能な範囲で尽力しよう」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開し、カメラと赤外線とサーモグラフィー機能を駆使して反射公営なども利用しながら調査と探索をします。
調査済みの範囲には浮遊型ビーコンを設置してマーキングし、テレポートも使用しながら広範囲に探査し記録・記憶して置きます。
後々に猟兵との情報交換用に別媒体での情報も用意して置きます。
気になる点があった際には詳細を記録し透明化したファンネルを待機させておきます。有事には即座に行動を。
「帖佐と探索か……可能な範囲で尽力しよう」
ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は【アストラル・エレメント・トランスフォーメーション】を起動して脚をエネルギー体とすることでそこから高出力のジェットを飛ばさせることで光速を超える動きを実現させ、広範囲に渡る探査を短時間で行う準備を整える。アダマンチウム超合金の骨格とケミカルプラチナム溶液流動金属の体液の前にGによる崩壊の未来はない。
また1分先の未来を見ながら多種多様なビットを創造しては展開し、カメラと赤外線とサーモグラフィー機能を駆使して反射光なども利用しすることで確実な調査と探索を実現させていた。
調査済みの範囲には浮遊型ビーコンを設置してマーキングし、現在地から反対の位置にあるという母艦に行く前に別の猟兵と出会した時のための情報交換用に手元で扱える媒体での情報も用意する。万が一1分後にスクイカンタクルが激怒して幻想を展開する光景が見えたらテレポートを使用して退避するつもりだ。
しかし渦を巻くように外周から徐々に中心を目指して進んできているものの、スクイカンタクルの存在は確認できても肝心のオーンブルと思われる星の姿は見当たらない。
気になる点があった際には詳細を記録し透明化したファンネルを待機させておくつもりだったが、なかなかその出番は訪れなかった。
「オーンブルの有無についてはやはりもう少し深入りしなければならないか。まあ、虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言うからな」
そもそも惑星があるらしいという伝説はあれど、どれだけの大きさかを示す伝承はない。ひょっとしたらスクイカンタクルよりも小さい星かもしれないし、そもそもこの宙域にない———星自体がスクイカンタクルが見せた幻想だったのかもしれない。
だが記録が残っている以上、この世界にもあるかもしれない希望の聖地を探そうという計画の中で無条件に切り捨てることは出来ない。
光速ではあるがゆっくりと確実に、ティティスはスクイカンタクルの密集度が増していることが分かっている宙域に向けて空間を滑っていく。
スクイカンタクルの体に生える蒼色の水晶体が、ティティスの発する光に反射して煌めいた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『クェーサービースト・スクイカンタクル』
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POW : SVCヴィジリウム
【自身を認識した者にとって最も幸福な幻想】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : SVCスクイウス
戦場全体に、【自身を認識した者にとって最も不幸な幻想】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : SVCテンタクアム
自身に【自身を認識した者にとって最も恐れる幻想】をまとい、高速移動と【恐怖を煽り、トラウマを想起させる幻想】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:飴村いぬた
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「『クェーサービースト・スクイカンタクル』好奇心と食欲の怪物…駆逐し撃滅する」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開しアルテミス・レーザーとリニアロングボウで攻撃を仕掛けつつ敵の攻撃をテレポートで空間飛翔して避けながらオールレンジ攻撃を仕掛け、好機を見出した際にはフルバーストとヘラ・エウピションで総攻撃を仕掛けます。
必要であれば透明化をし敵の攻撃を阻害しながら乱反射で弾幕を貼って他の猟兵とも連携を張りつつドローンで疑似餌を模して攪乱し自爆させます。
「『クェーサービースト・スクイカンタクル』、好奇心と食欲の怪物……駆逐し撃滅する」
速度を維持したまま1分先の未来を見つつ各種ビットを創造して展開する黄金パターンを辿ったティティスはアルテミス・レーザーとリニアロングボウによる攻撃をスクイカンタクルに仕掛けた。
直前まで実体のないエネルギー体だったティティスからの不意の攻撃にスクイカンタクルは巨大な触腕を振るわせ、自身を認識した者にとって最も不幸な幻想で出来た迷路を生成させる。その動きを見切ったティティスは早々にテレポートを起動させて退避を図った。
惑星級の図体が視認する「戦場」は非常に広い。しかしティティスは幻想が作り出した迷宮から遠く離れたところに出現していた。
「中に閉じこもったか外から見てるか確認したかったが……無理をする場面ではないからな」
幻想もエネルギーと同じく実体が無い物。壁も幻想で作られている以上、外に退避できても「見た」判定になって引きずられてしまうかもしれない。故にティティスは転移する前にビーコンを残すだけに留めた。
この情報をあちこちに仕掛けていたビットを経由して他の猟兵達に共有すればうっかり突っ込んでしまう事故も起こらないだろう。
だがさすがに群生地に突っ込んだだけあって転移した先にも他のスクイカンタクルが漂っている。何の気なしに振ったであろう触腕を空間飛翔して避けながらティティスはオールレンジによる反撃を叩き込む。
ただそこで動いていただけで光線やら電撃やらを喰らう羽目になったスクイカンタクルは身を悶えさせる。見出した好機にティティスはダメ押しで【ヘラ・エウピション】で強化した全装備による総攻撃を仕掛けた。
スクイカンタクルの体に反射した光が宇宙を照らし、別のスクイカンタクルも穿つ。ここまで大暴れすればクエーサービーストと比べていかに矮小な存在でも敵意や殺意をもたれるのは必然。
スクイカンタクル達は自らの物理的に広い視界を駆使して、何らかの手段で伝え合うことでティティスの退路を断とうとし始めた。
そして迷宮に突っ込まれる前にまた転移したティティスを偶然捉えたスクイカンタクルは全身を振り回す。だがそれと衝突したティティスは爆散し、触腕を抉り取った。
「断裂するまではいきませんか。まあ、攪乱させるには十分でしょう」
透明化して戦局を眺めていたティティスは疑似餌を模したドローンの働きに一定の評価を下しつつ、自分に別のスクイカンタクルが触れてしまう前にまた転移した。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィリー・フランツ
心情:ビンゴだ、コイツらが居るならこの宙域にオーンブルが存在する確率が高い!
心情:「ヘルウォールズはヴェルダンと共に後方へ退避、ここからは猟兵の仕事だ」
BS特火重イオン粒子砲をスタンバイ、相手はマインドミナやヴァキアスと比べたら小型だ、それでも惑星以外衛星以上の大きさ、だからこその対艦ビーム砲だ、サブジェネレーター接続、チャージを加速して撃ち抜いてやる。
SVCスクイウス対策
おい、何も無いと言う話なのに何で吹き飛んだ移民船がいやがる、しかも俺が居た第426居住船だと!?クソッタレ、ふざけた幻を見せやがって!
【神経ステープラー】で狂気耐性・恥ずかしさ耐性・激痛耐性を強化、これを対抗処置とする!
「ビンゴだ、コイツらが居るならこの宙域にオーンブルが存在する確率が高い!」
思わず声を上げたヴィリーは落ち着いてから回線を開き、一斉に伝える。
「ヘルウォールズはヴェルダンと共に後方へ退避、ここからは猟兵の仕事だ」
その指示を受けたキャバリア達が続々と撤退していく中、唯一残ったヘヴィタイフーンはBS特火重イオン粒子砲をスタンバイしながら前へ出た。
「相手はマインドミナやヴァキアスと比べたら小型だ、それでも惑星以外衛星以上の大きさ、だからこその対艦ビーム砲だ」
サブジェネレーターを接続することでチャージを加速して、その巨体を撃ち抜こうとする。
急激に高まっていくエネルギーの気配に反応したのか、スクイカンタクルは体表面の水晶を輝かせ始めた。
するとヴィリーが見つめる視界の片隅にヴェルダンとも猟兵の物とも違う宇宙船が近づいてきた。
「おい、何も無いと言う話なのに何で吹き飛んだ移民船がいやがる……」
招からざる乱入者に思わず苛立ち、ヴィリーは片っ端から信号を発して強引に通信を開こうとする。しかしそのために動かした視線に映ったのは見覚えのある———ありすぎる存在だった。
「しかも俺が居た第426居住船だと!?」
貧民地区が出来るような宇宙船だ、元々何十何百何千と売られていた量産型の船ではあっただろう。しかしあの塗装は、武装は、鏡写しのように全く同一に作り出せる物ではない。
「クソッタレ、ふざけた幻を見せやがって!」
だがあの船はもうない。
そうなればあれにかける時間はない。ヴィリーは再び幻想の壁の奥に聳えるスクイカンタクルに照準を絞り、衝突の危険を訴えるアラームを無視してボタンを強く押した。
———無音の宇宙空間に一筋の光線が伸び、スクイカンタクルの体を穿つ。柔らかい体に大穴を開けられたスクイカンタクルはもんどりうって悶え始めた。
『…作戦前に処置しておいて助かったぜ』
【神経ステープラー】で狂気耐性・恥ずかしさ耐性・激痛耐性を強化する対抗処置を行っていたことで何とか平静を保ち続けていたヴィリーはビームの軌跡が消えたところで大きなため息を吐いた。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
さぁてビースト戦だ、気張ってかないとなぁ……って。
そう言えば奴らの群れの先にオーンブルがあるかもしれないんだっけ?
そうするといつもの【宙穿つ穴】は使えねぇよな、余波だけでもとんでもない被害を与えかねないし。
そもそも辿り着いたオーンブルが既に滅んでたり希望が失われてたりってなんか周りに出てきたな、これがアタシが今考える「絶望に満ちたオーンブル」って所かい?
こりゃスカイカンタクルの仕業だね、敵が分かってるんだからそれを逆手に取れれば……え、偏在同定固有振動数?宇宙カブが奴の泣き所を憶えてる!?
考えるのは後、この【宙揺らす荒波】で幻想ごとイカどもを消し飛ばしてやる!
「さぁてビースト戦だ、気張ってかないとなぁ……って。そう言えば奴らの群れの先にオーンブルがあるかもしれないんだっけ?」
一応周囲に惑星の姿はない。だが宇宙空間の闇に紛れ込むほど真っ黒なオーラに覆い隠された惑星だったらいつもの——— 指定座標周辺に生み出した亜空間の連続崩壊を引き起こす【宙穿つ穴】は使いにくい。余波だけでもとんでもない被害を与え得るそれによってオーンブルが崩壊したら元も子もないからだ。
そんなことをぼんやりと考えていると、ふらりと動いたスクイカンタクルの影から岩石群が不意に現れる。その岩石には枯れた根らしき物が絡みついていた。
「あれって……」
ちゃんと確認し切る前にスクイカンタクルの触腕が当たり、岩石は粉々に砕け散った。せめてその破片を回収しようとハンドルを切るが物凄い速さで飛んでいった小さな物体を受け止めるどころか追いつくこともできなかった。
しかしその行動によって、スクイカンタクルの影に隠れていた他の存在も顕になった。
|巡礼者《ピルグリム》に寄生された大樹、全ての力を使い果たして灰色に限りなく近い白に染まった大樹、ペンペン草も生えない死の大地となった惑星。
「……これがアタシが今考える『絶望に満ちたオーンブル』って所かい?」
そもそも辿り着いたオーンブルが既に滅んでたり希望が失われてたり……正しく自身を認識した者にとって最も不幸な幻想であろう。
「こりゃスクイカンタクルの仕業だね、敵が分かってるんだからそれを逆手に取れれば……」
おそらくもうすでにスクイカンタクルが作り出した幻覚の迷宮に取り込まれたと確信した多喜は敵味方を識別する時空間の激震を発生させる。すると周囲にあったオーンブルもどきは大きく震え出し、周囲にいたスクイカンタクルが苦しみ出した。
「あれ?」
多喜は自身の行為がもたらした結果に目を丸くして、計器類に視線を移す。
「え、偏在同定固有振動数?」
初めて対峙した相手ではない。とはいえAの地域とBの地域では同じ種でも微妙に違うというのはよくある話。だからまずは適当に試し打って徐々にチューンナップさせていくつもりだった。
「宇宙カブが奴の泣き所を憶えてる!?」
前の戦いから全く設定を変えてなかったりAIを入れられたりした覚えはない。しかし宇宙カブは記憶の中の最適解を、多喜が弄らずとも勝手に再現させていた。
「……考えるのは後、この【宙揺らす荒波】で幻想ごとイカどもを消し飛ばしてやる!」
オーンブルとは関係ないであろう謎のチューニングのことを頭の中から一旦追い出した多喜はこの恩恵を思う存分振り回すことを決意してアクセルを吹かせた。
大成功
🔵🔵🔵
クレア・フォースフェンサー
あの大樹があった大陸と同じ名前を関する聖地がこの世界にもあるとは何とも不思議なものじゃな。
キャバリアに搭乗。
リアクターを全開にして指定の宙域へと移動。
高速航行を行いながらレーダーで探索しよう。
反応あり。
あの光に満ちた星こそが――。
これが幻想か。
概念干渉にも対応できる力場を貫通するとは流石はクェーサービースト。
事前に聞かされておらねばこれは対応できぬな。
わしの光剣の力をキャバリアの光剣へと伝達。
わしが見ているこの幻想の世界そのものを斬り裂こう。
スクイカンタクル。
今は必ずしも倒さねばならぬ存在ではない。
他に反応がないようならば別の宙域へと移動しよう。
「あの大樹があった大陸と同じ名前を関する聖地がこの世界にもあるとは何とも不思議なものじゃな」
純白の騎士型キャバリアに搭乗するクレア・フォースフェンサー(認識番号・f09175)は何の目印も発光体も見えない暗黒をリアクターを全開にして高速航行を行いながら進む。
そして指定の宙域へ差し掛かったところで燃料の節約のために切っていたレーダーを起動させた。
それからしばらくあてもなく進んでいるとレーダーの端っこに1つの点が不意に浮かんだ。
音に引き寄せられてレーダーを一瞥した視線を上に向ければ、これまで視界に影も形もなかった惑星の姿がそこにはあった。
あの光に満ちた星こそが――。
「これが幻想か」
クレアはそう呟いて鼻を鳴らす。
「概念干渉にも対応できる力場を貫通するとは流石はクェーサービースト。事前に聞かされておらねばこれは対応できぬな」
このままもし無邪気に進んでいたら自分から丸呑みにされて食われていたか、知らず知らずのうちに認識していた座標とは全く異なる座標に誘導されていたか……その手際に素直に感心し、称賛する。だがこれが通用するのは初見だけ。
腰に差していた光剣に手を添えて、ブルーアルカディアの大樹から授けられた力をキャバリアの持つ光剣へと伝達させる。
心なし光量を増したその刃は、今自分がいるこの幻想の世界そのものを斬り裂くべく振るわれた。
すると景色が暗黒に包まれていることに変わりはないのに、煌々と輝いていた惑星の姿はまるで接着剤が切れた壁紙のように剥がれ落ちて、裏返ったまま消え失せた。
代わりに現れたのは行く手を阻むほど大きく、多いスクイカンタクルの集団。
「スクイカンタクル以外は……おらぬか」
次々と感知したスクイカンタクルの位置情報を示す点で余地を失ったレーダーをきちんと確認したクレアは何もかもを両断する切先を向けることなく僅かにある隙間をすり抜けるように引き返す。
彼らの行為はこちらへの攻撃というよりも防衛反応によるもの。今は必ずしも倒さねばならぬ存在ではない。
ならば無闇な殺生はするべきではない、と、スクイカンタクルから背を向けたのだ。
そして臨戦態勢を取るスクイカンタクル達も警戒はしつつも、別の宙域へ滑り出そうとする見慣れない白色を追いかけ回すことなく見送るだけに留めた。
大成功
🔵🔵🔵