セイヴァー/IVI/サウィン
●4・5・6
「地球の生きとし生けるものたちよ、お初にお目にかかる! オレサマの名は『大祭祀ハロウィン』! 宇宙連合軍デウスエクスを滑る|『十二剣神』《グラディウス・トゥエルヴ》の一柱だ!」
沿岸の決戦都市の責任者『エイル』博士は、全世界に広がる十二剣神『大祭祀ハロウィン』の声明に目を見開く。
「あれが十二剣神『大祭祀ハロウィン』……! やはり予見されていた通りに『季節の魔力』を狙って来訪したかい!」
彼女の言葉にサポートAI『第九号』は全世界に向けて放たれた放送の出処を感知しようとして、それが徒労に終わることを僅かな時間で知ることになる。
「オマエラの|グラビティ・チェイン《生存ネルギー》を狙う悪の侵略者として、最低限の教示を通させて貰う」
「何を言っているんだい、彼は」
『エイル』博士には理解できないことだった。
『十二剣神』を名乗る『大祭祀ハロウィン』――それはこれまでのデウスエクスの襲来とは趣を異にするものであった。
なぜなら、これまで地球……特務機関DIVIDEはデウスエクスの襲来の対して後手に回り続けていた。
極小の『小剣』によって飛来する彼等を感知することは科学、魔術の両方の観点から見ても未だなし得ないことだったのだ。
しかし、それは猟兵の出現によって一定の解決を見せている。
つまり『大祭祀ハロウィン』は、それを踏まえた上で宣言しようとしているのだと『エイル』博士は気がついた。
「まさか……!」
「つまり、これは宣戦布告だ!」
「なんと愚直な! だが……デウスエクスの大軍勢が来るのだとしても、こちらには|『決戦配備』《ポジション》があーる!『第九号』くん!『セラフィム』のスタンバイは……」
「これより、オレサマ自らが、多重分身による『全世界同時攻撃』を行う!」
「――は?」
『エイル』博士は、その言葉に目を丸くする。
恐らく『大祭祀ハロウィン』は『十二剣神』と呼ばれる所以を、その強大な力に寄るところとしているはずだ。
それが?
多重分身による全世界同時攻撃を行うというのだ。
ハッタリだと、切って捨てるには、あまりにもデウスエクスという侵略者は強大過ぎた。その言葉が真であることを彼女は痛いほど知っている。
「オレサマの目的は、地球に『ハロウィンの楔』を打ち込むこと! ハロウィン当日までに阻止できなければ、地球はオレサマの主星『真理の部屋ハロウィン』と融合し、汎ゆる生命、そしてグラビティ・チェインは、その全てがハロウィンと化す……!」
「ぜ、全部言ったー!? そういうのって普通は隠しておく所じゃあないのかい!?」
『博士、なんにせよ、これで敵の目的はわかりました。むしろ、喜ぶべき所では?』
「そ、そうかもだけど!」
全部目的から、その目的を達せられることで何が起こるかまで教えてくれる懇切丁寧さに『エイル』博士は、敵ながらわけのわからないやつだと『大祭祀ハロウィン』を見つめる。
そんな彼女の視線を受けるようにして『大祭祀ハロウィン』は高らかに笑う。
「止められるか、特務機関DIVIDE! 止められるか、六番目の猟兵達……!」
「止めてみせるさ! 私達が!」
「オレサマは、世界各地で待っている! 勿論、大義はオマエラにある。正義の味方として、正々堂々止めに来い! ヒャ~ッハッハッハァァァァ!!!!」
「最後の最後まで冗談みたいなやつだ! だが、全世界にということは、此処も標的になる! なら、来てみろ『大祭祀ハロウィン』――!」
●ケルベロスディバイド
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。すでに多くのみなさんがご存知かと思われますが、ケルベロスディバイド世界に『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』が宣戦布告しました」
彼が全世界に向けた放送の最中に、その目的は語られている。
ケルベロスディバイド世界においてハロウィンのお祭りによって極大にまで高められる『季節の魔力』……即ち『ハロウィンの魔力』を狙っているのだ。
それによって地球に『ハロウィンの楔』を打ち込み、この世界を『ハロウィン化』しようとしているのだ。
「ハロウィン化とは即ち、『万物が存在する状態』へと変貌すること。つまり……混沌状態に堕とすということなのでしょう。これに飲み込まれてしまえば、皆さんと言えど無事ではすみません」
うん。
さっきからなんか真面目な顔をしているが、と猟兵の一人がナイアルテを見やる。
今の彼女の姿はボロボロの服を来た幽霊装束姿であった。
手がうらめしや~な、アレな感じになっている。
そんな感じで今の今まで真面目な説明をしていたのだ。正気か?
「ち、違います! これ、ちゃんと理由があるんです!」
慌てるナイアルテの顔が青ざめた肌のメイクを透過するように赤く染まる。恥ずかしいんかい。
「『万物が存在する状態』、即ち混沌に対抗するためには、たった一つ、仮装によって『あらゆる世界の概念が同時に存在する状況』を作り出すこと! なのです!」
つまり?
「皆さんもガチハロウィン、出身世界コーデ、お剃りコーデなどなどのバラエティ豊かな仮装で戦場となる沿岸の決戦都市の『ハロウィン化』から身を守る必要があるのです!」
そして、今回もまた沿岸の決戦都市からは体高5m級の人型戦術兵器『セラフィム』たる『決戦配備』が飛び出している。
これらと連携することで『大祭祀ハロウィン』の目論見を挫くことができるはずなのだ。
「とは言え、『大祭祀ハロウィン』の力は強大です。まずは決戦都市に迫るデウスエクスの軍団とハロウィン化を仕掛けている決戦都市で戦い、これらを撃退しましょう」
『決戦配備』による『セラフィム』たちと連携することで戦いは優位に運べるだろう。
そうすれば多重分身した『大祭祀ハロウィン』自ら、決戦都市に乗り込んでくるだろう。
とは言え、敵は『十二剣神』の一柱。
手強いでは済まない相手である。
「ですが、立ち止まっている暇はありません。お願いいたします。どうか、『ハロウィン化』からケルベロスディバイド世界を救ってください。救ってくださらないと、化けてでますよ~」
なんて、と笑むナイアルテ。
その姿に猟兵たちは思ったし、言った。
『今、そういうんじゃないから』と。
その言葉にナイアルテは赤面したまま小ちゃくなるしかなかったのだった――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の事件はケルベロスディバイドに迫る『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』による地球『ハロウィン化』です!
多重分身によって全世界同時攻撃を仕掛ける『大祭祀ハロウィン』の猛攻に晒される沿岸の決戦都市を巣食うシナリオになります。
※このシナリオは二章構成となっております。
※『決戦配備』とは。
(https://tw6.jp/html/world/441_world25.htm)
に記されたものです。プレイングの冒頭に各々の単語を書き込むことで上記のプレイングボーナスを得ることができます。
●第一章
集団戦です。
『大祭祀ハロウィン』によって沿岸の決戦都市に迫る無数の『ハイドラホラー』との戦になります。
すでに決戦都市内部はハロウィン化しており、万物が存在する状態となっております。
これに対抗するための唯一の方策は多種多様な世界の概念が同時に存在する状況のみ。
皆さんのハロウィンコーデで、万物が存在する状態を打ち消しましょう。
また、この沿岸の決戦都市の『決戦配備』を行う体高5mの人型戦術兵器『セラフィム』がいるだけでも、『汎ゆる世界の概念が同時に存在している』ため、近くにいるだけでも『ハロウィン化』を防ぐことができます。
●第二章
ボス戦です。
『ハイドラホラー』を全て蹴散らした皆さんの前に『大祭祀ハロウィン』が現れます。
彼は『十二剣神』の一柱。
流石に強敵が過ぎます。ですが、前章同様に『決戦配備』を活用すれば、『ハロウィン化』に抵抗しつつ、勝機を手繰り寄せることができるかもしれません。
それでは滅ぼえぬ敵デウスエクス、その首魁たる『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』が目論む『ハロウィン化』を防ぐために戦う皆さんの物語を彩る一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『ハイドラホーラー』
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POW : ハイドラファング
自身の身体部位ひとつを【ドラゴン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : ハイドラブレス
【多頭竜の首】から【毒のブレス】を放ち、レベルm半径内の敵全員を攻撃する。発動前の【詠唱】時間に応じて威力アップ。
WIZ : 竜首再構築
【より混沌化した姿】に変身する。変身の度に自身の【肉体から生える竜首】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
イラスト:ろま
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「行ける! 今回は行けるぞ、『第九号』くん!」
『エイル』博士は興奮仕切りであった。
確かにデウスエクスの軍勢は凄まじい数で沿岸の決戦都市へと迫っていた。だが、都市から飛び出した『決戦配備』こと『セラフィム』は、その存在だけで『ハロウィン化』を中和している。
これまでデウスエクスに単体では全く歯が立たなかった『セラフィム』は、『エイル』博士の面目躍如の活躍を見せていた。
そのことに彼女は気を良くしていた。
サポートAI『第九号』も『エイル』博士と抱き合うようにしてホログラムの形を買えていた。
『でも、博士』
「なんだい、『第九号』くん! 喜びに水を差すない!」
『いえ、そのつもりはないのです。ただ……言いにくいのですが』
「何? ハッキリ言い給えよ! AIだろう、君は! だがしかし! フハハハ、行ける、行けるぞ! 来年度の予算もこれで降りるってもんさ!」
『いえ、セラフィムが出来るのは『ハロウィン化』をこれ以上進行させぬことだけみたいです』
「ん?」
『エイル』博士はその言葉に首を傾げる。
モニターの先では確かに『セラフィム』が存在するだけで『ハロウィン化』を中和している。
だが、それだけだった。
「……え?」
『つまり、デウスエクスをどうにかするには火力が足りてないということみたいです』
「えええええ――!?」
彼女の悲鳴をあざ笑うようにデウスエクス『ハイドラホラー』は、その多頭の首をもたげ、咆哮を轟かせるのであった――。
ヴィルトルート・ヘンシェル
●WIZ【クラッシャー】
オーッホッホッホ!
天が呼ぶ、地が呼ぶ、お嬢様が呼ぶなハッピーハロウィンでございましてよ〜!!
余りにも早すぎて、わたくし仮装衣装なんてご準備しておりませんわ
ですが、お嬢様たるもの慌てざること林の如しでしてよ
現地調達でドレスコードを整えれば良いだけの話ですが、ボロ布を被るだけでは余りにも品がございませんわ
なので、そこのデウスエクスめの姿を『魔法鹵獲術』でそっくり頂戴しましてよ!
オリジナルよりもより混沌とした姿となり、更には|決戦兵器《ポジション》をコール
一番、レプリカントにして鹵獲術士 × 探索者のヴィルトルート・ヘンシェルですわ
古式ゆかしい名乗りと共におクラッシュでしてよ
『万物が存在する状態』――それが『ハロウィン化』ということである。
その言葉だけで説明されたのであれば、首を傾げるほか無い事態であった。故にヴィルトルート・ヘンシェル(機械兵お嬢様・f40812)は百聞は一見に如かずという言葉を地で行くように沿岸の決戦都市へと急行していた。
目の前に広がる『ハロウィン化』。
それはなんとも言い難いものであった。渦巻いているような。いや、それも形容としては正しくないのだろう。
この様相に気圧されている暇など彼女にはない。
そう、彼女は元は地球侵攻用高級指揮官機ダモクレスであった。
だがしかし、彼女の心は稲妻にうたれてしまった。
そう、『お嬢様』という概念、その稲妻にである。
さっぱりわからん。
一体全体どういうことなのだろう。
だが、そのことを問いただしたとしても、ヴィルトルートしか知り得ないことであろう。
故に彼女は『お嬢様』らしく高笑いと共に混沌たる戦場へと降り立つのだ。
「オーッホッホッホ! 天が呼ぶ、地が呼ぶ、お嬢様が呼ぶ! ハッピーハロウィンでございましてよ~!!」
その高らかな宣言に『ハイドラホラー』たちは、一向に構うことなく、その体躯をより混沌化し、多頭の竜首でもってヴィルトルートへと襲いかかるのだ。
「なんという早着替えでございましょう! お召し替えが早すぎますわ~!」
この混沌たる万物が存在する状態が満ちる戦場において、『ハイドラホラー』たちの力は圧倒的だった。
その存在事態が混沌を体現しているかのように吹き荒れるユーベルコードによって彼等は迫る。
確かにグリモア猟兵は『ハロウィン化』に対抗するためには、自分たちまたハロウィンの仮装をする必要があると言った。
だが、あんまりにも急すぎた事態のためにヴィルトルートは仮装を用意していなかったのだ。
このままでは混沌に飲み込まれてしまう。
だが!
そう、否!
「お嬢様たるもの慌てざること林のごとしでしてよ」
なんもわからん。
だが、よくわからんがスゴイ説得力だけは感じる。理屈不要! 問答無用! なぜならそれが『お嬢様』というものであるから!
「ドレスを持っていないのならば、現地調達でドレスコードを整えれば良いのですわ~! ボロ布をかぶるだけでは余りにも品がございませんわ」
あれ、グリモア猟兵の仮装のことディスってる? 違うよね?
「ディスこそ品がないものでしてよ~! なので、わたくしめ、そこなデウスエクスの姿を魔法鹵獲術でそっくり頂戴いたしましてよ!」
あ、それ。
ヴィルトルートの指先がユーベルコードに煌めく。
瞬間、彼女の眼前に現れた魔導書が羽ばたくようにしてページを広げ、そこに『ハイドラホラー』のユーベルコードを記載する。
そう、それこそが彼女のユーベルコード。
彼女の体は、躯体は、その混沌たるユーベルコードを持って、『ハイドラホラー』よりもさらに混沌化した体躯でもって多頭の竜首をもたげてみせる。
「さあ、|『決戦配備』《ポジション》をコールですわ~!」
ヴィルトルートは咳払いした。
咳払いする機能があるというのに驚いたが、まあ、レプリカントなので。そういうことなのだ。
「コホン。様式美と仰ってくださいまし」
「いや、そういうの在ったかなぁ!?」
通信から『エイル』博士の声が響く。だが、ヴィルトルートは無視した。
『お嬢様』を前にして理屈は不要と言ったはず! 問答も無用なのである!
「一番、レプリカントにして鹵獲術士✕探索者のヴィルトルート・ヘンシェルですわ!」
「ポジションは?」
「おクラッシャーでしてよ!」
その言葉にと共に飛来する人型ロボットの戦術兵器『セラフィム』。
その支援を受けてヴィルトルートは混沌たる様相を見せる体躯でもって『ハイドラホラー』たちを圧倒する『お嬢様』ちからを見せつけ、彼等をすりつぶすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
風車・拳正
……敵といい、グリモアベースの会話といい、そして現場は(博士とAIを見て)……締まらねえな
(まあそれでも気を引き閉めて事に挑まなければならない。ふざけた相手だが、敵は強い)
じゃ、ぶっ飛ばしにいくか
(仮装は適当にホッケーマスクを被って某スプラッター映画のキャラ)
……考えてみれば俺の格好も締まらねえなこりゃ
まずは接近して敵がどんな攻撃でどんな戦い方をするか、確かめる【見切り、情報収集、視力】
そして敵の動きを把握したら、【カウンター】のタイミングを見計らって、更に接近してUCを放つ【勝負勘、覚悟】
悪いが地球でのハロウィンは一年に一回だ
年中ハロウィンしたいなら、自分の星だけでやってやがれーー!
ハロウィンとは楽しいお祭りである。
本来の意味合いを薄れさせたものであったとしても、しかし、楽しいものは楽しい。そう、その楽しむという気持ち、感情こそが『季節の魔力』の源である。
それを求める『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の魔の手が全世界へと向けられている。
風車・拳正(衝撃の鉄拳・f41386)はなんとなく『大祭祀ハロウィン』の言葉や所作に締まらぬものを感じていた。
それだけではない。
グリモアベースにおけるグリモア猟兵の、ちょい浮かれてる雰囲気もなんかなぁって思っていた。
せめて、デウスエクスの侵攻に晒されている現場だけは緊迫感が漂っているように思えたのだが……。
「やってきたね、猟兵! 今回も頼んだよ! いやほんとに! このままだと人型ロボット戦術兵器の実用性を疑われてしまうんだ! 来年度の予算がピンチでやべーのさ!」
ホログラムの通信の向こう側で亜麻色の髪の女性『エイル』博士が喚いている。
『博士、早くポジションをお聞きしてください。後が詰まってますから』
サポートAI『第九号』とのやり取りを見て、やっぱりなぁって思った。
全然緊迫感ない。
「締まらねえな」
「そんなこたーない! これでも結構ギリギリのギリだよ!」
「わかってんよ。このお祭り騒ぎに常時なけりゃならねーってことくらいはな!」
拳正は由緒正しい仮装に身を包む。
それは、金曜日な13日に現れる怪物。
スプラッタホラーの王道の中の王道。こすられ過ぎてもう、そんなに怖くないんじゃない? となるほどのホッケーマスクを被った怪人めいた仮装である。
「……考えてみれば俺の格好も締まらねえなこりゃ」
「そういうのは考えたら負けだって思うな! 考えるな、感じろ! そういうじゃあないか!」
「へっ、まあ、そういうこった。じゃ、ぶっ飛ばしに行くか」
踏み込む。
決戦都市を『ハロウィン化』しようとする『ハイドラホラー』たちの力は圧倒的だった。
多頭の竜めいた体躯を持った『ハイドラホラー』たちは、その竜の顎をさらに凶悪に変貌させ、拳正へと迫る。
どのように彼等が戦うのか、拳正には予想ができなかった。
故にどう出るのかを見定めるために踏み込んだのだが、なんとも単調な攻撃だと彼は思っただろう。
「変速自在かと思えば、竜の顎で噛みつきだけかい!」
頬を切る牙。
血潮が溢れるが、しかし、それはかすり傷にしかならない。
問題にさえ拳正はしない。
「猟兵くん、|『決戦配備』《ポジション》は!?」
『エイル』博士の通信に拳正は答えなかった。
目の前に迫るラッシュめいた竜顎の一撃を既のところで躱し、交錯するようにして、己の拳を叩き込むのだ。
それは衝撃波を生み出す程のクロスカウンター。
超高速で放たれた拳は、至近距離でしか効果をはっしない。故に彼は踏み込んだのだ。暴風のように迫りくる竜顎をかいくぐり、己の拳を叩きつけるために。
「――」
『ハイドラホラー』の頬が歪む。
めり込む拳。
だが、それだけではただの拳だ。けれど、彼の拳はユーベルコードに昇華する。
瞳煌めき、叫ぶ。
ーーブッ飛べッ! と。
「悪いが地球でのハロウィンは一年に一回だ。年中ハロウィンしたいなら!」
振り抜く拳。
それは、ショック!(ヒッサツノイチゲキ)そのもの。
拳はただの拳にあらず。
汎ゆる混沌を吹き飛ばす己の拳を信じるが故に昇華した一撃は、『ハイドラホラー』の体を吹き飛ばす。
「自分の星だけでやってやがれ――!」
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
決戦配備:ディフェンダー
サポートAI『第九号』殿……? 奇遇でありますな!
同じ9(ノーヴェ)の数字を冠するモノとして協力させていただきマース!
それと可愛いデスヨ、ナイアルテ殿!(サムズアップ)
それではレッツハロウィン!
この都市での仮装は、スーパーカオスドラゴン殿!(2022年の南瓜行列SD)
そう……カオスの乱舞デース! ヒャッハー!
セラフィムたちに防御支援を頼みつつ、カオスヘッダーを使用しマース!
分身が一体でも倒されたら全滅する混沌魔法も、仲間の警護があれば大丈夫! 多少の負傷も再使用で回復デース!
ハイドラホーラーのドラゴンヘッドを数の力で叩き潰しマース!
ハロウィン!
沿岸の決戦都市の責任者、亜麻色の髪の女性『エイル』博士をサポートするAI『第九号』は大忙しであった。
何せ、『季節の魔力』を狙って『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』が全世界同時攻撃を敢行している真っ最中なのだ。
配下のデウスエクスたちの猛攻はもとより、彼等の力によって『ハロウィン化』した戦場は、万物が存在した状態。即ち、混沌である。
この混沌に飲まれてしまえば猟兵であろうと無事では済まない。
その方策の一つとして、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はデビルキングワールドの『スーパーカオスドラゴン』に扮した姿でもって飛び込んでいた。
そう、『ハロウィン化』に抵抗する術。
それこそが汎ゆる世界の概念が存在する状況を生み出し、『ハロウィン化』を打ち消す方策となっているのだ。
別に浮かれまくっているわけじゃあないのである。
「サポートAI『第九号』殿……? 奇遇でありますな! 同じ|『ノーヴェ』《9》の数字を冠するモノとして協力させていただきマース!」
それと、とバルタンは後方で転移を維持しているグリモア猟兵にサムズアップする。
ボロキレ幽霊コス可愛かったデスヨ! と。
慰めてくれて嬉しいやら、恥ずかしいやらなんやらかんやらわからない感情を浮かべる顔をよそにバルタンは叫ぶ。
「レッツ・ハロウィン! さあ、サポートよろしくデスヨ、『第九号』殿!」
『おまかせください。|『決戦配備』《ポジション》は如何なさいますか』
「|防御支援《ディフェンダー》をお願いしマース! さあ、ゆきますよ! ヒャッハー!」
バルタンの瞳がユーベルコードに輝くのと同時に数体の人型ロボット戦術兵器『セラフィム』が降り立ち、『ハロウィン化』を中和していく。
その中心でバルタンは模倣様式・混沌魔法(イミテーションスタイル・スーパーカオスマジシャン)を発露させる。
「カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
カオスを具現化させる混沌魔術師の姿へと変貌し、『スーパーカオスドラゴン』さんの仮装に扮したバルタンが戦場へと飛び込む。
そう、『スーパーカオスドラゴン』さんと言えば、混沌魔法『カオスヘッダー』!
無限に増殖するバルタン・フューチャリング・『スーパーカオスドラゴン』!
とは言え、無敵に思える『カオスヘッダー』も万能ではない。
全てのバルタンは同一存在。
それ故に、一体でもバルタンが倒されてしまえば、同時に消えてしまうのだ。
「故の『ディフェンダー』デース! これで守りは鉄壁! デウスエクスの噛みつき攻撃など恐れるにたらずデース!」
そう、そのための『セラフィム』による警護。
バルタンは『セラフィム』たちの囲いの中で十分に増えていく。もう饅頭こわいではなく、バルタン怖いである。
圧倒的な数で増えたバルタンは一気に飛び出す。
「数は暴力デース! この暴威でもって叩き潰しマース!」
その圧倒的な、それこそ雪崩めいたバルタンの猛攻を前に『ハイドラホラー』たちは一気に押しつぶされていく。
もう竜顎がどうこうという問題ではなかった。
そこにあるのは数の力。
物量ってやつである。どれだけ混沌化によって強大になるのだとしても、数を用意したバルタンを前に彼等が立ち向かうことなどできはしないのである。
「ハロウィン!」
バルタンたちが一斉に叫ぶ。
それは巨大な音の輪となって『ハイドラホラー』たちを圧倒し、さらに『ハロウィン化』した戦場を塗りつぶす勢いで増殖しまくる。
もはやハロウィン化というよりバルタン化。
そう言わしめるほどの光景が戦場には拡がっていったのである――。
大成功
🔵🔵🔵
サブリナ・カッツェン
●POW
おーおー、賑やかなこった
ハロウィンったぁ仮想して馬鹿騒ぎの祭りだが、こうも暴れるのもまたハロウィンってかね
『やるなら自分の星でやって貰いたいものだが』
そうだな
あたしらも仮装して大暴れしようじゃねぇか、|MK《ミーケー》!
仮装は去年作ったカボチャ仕立てのキャバリワーゲンに跨がった幽霊ライダーさ
MKはカボチャの着ぐるみでも着てな
決戦配備はジャマーを要請
ドラゴン頭を振り乱して暴れ散らす野郎を取り押さえて貰おうじゃねぇか
『そう言えば、ハロウィンに付き物と言えばお菓子だったな』
お菓子をくれなきゃイタズラするぞって奴か
生憎お菓子はねぇが、お菓子を買う駄賃はあるぜ?
ほらよ、『指弾』を食らっちまいな!
万物が存在する状態。
その様相は、正しく混沌そのものであった。
渦巻くようにして光が明滅する。沿岸の決戦都市から飛び立った人型ロボット戦術兵器『セラフィム』の存在は、其処に在るだけで『ハロウィン化』を中和しているようだった。
「おーおー、賑やかなこった」
サブリナ・カッツェン(ドラ猫トランスポーター・f30248)は己のサイキックキャバリアと共に戦場となった決戦都市へと降り立つ。
「ハロウィンったぁ仮装して馬鹿騒ぎの祭だが、こうも暴れるのもまたハロウィンってかね」
『やるなら自分の星でやってもらいたいものだが』
サブリナのパートナーアドバイザーロボット|『MK』《ミーケー》の言葉に頷く。
「それはそうだね! 本当にまったくもってね!」
ホログラムの通信が入る。
サブリナはそちらを見やれば、亜麻色の髪をした女性『エイル』博士がしきりに頷いて同意を示している。
まったくもって人騒がせであると言わんばかりであった。
「そうだな。この『ハロウィン化』に対抗する術はたった一つ、仮装することってんなら、あたしらも大暴れしようじゃねぇか!」
彼女が駆るは、去年のハロウィンでした仮装。
幽霊めいた体をすっぽりと覆う布とカボチャ仕立てのキャバリワーゲンが唸りを上げる。共に往く『MK』はカボチャのきぐるみを身に纏っている。
「――!!」
だが、そんな彼女たちに迫るのがデウスエクス『ハイドラホラー』である。
彼等の異形なる竜首の顎がもたげ、その鋭き牙が剣呑たる輝きを放っている。あの大顎にかかっては、如何に己のキャバリア出会っても砕かれてしまうだろう。
「決戦配備は!」
「無論、ジャマーを要請! あのドラゴン頭を振り乱して暴れ散らす野郎共を取り押さえてもらおうじゃねぇか! できんだろ!」
サブリナの言葉に『エイル』博士は力強く頷く。
確かにこれまでの『セラフィム』ではデウスエクスに叶わなかった。
しかし、『ハロウィン化』を中和することができるというのならば『大祭祀ハロウィン』の力を受けた『ハイドラホラー』を取り押さえる事はできるだろう。
飛び立つ『セラフィム』たちが一気に『ハイドラホラー』たちの竜頭をつかみ上げ、剛腕を振るうように振り回し大地に叩きつける。
砕ける大地。
その最中をサブリナは駆け抜ける。
「幽霊ライダーはどんな悪路だってな、走れるんだよ!」
『そう言えば、ハロウィンに憑き物と言えばお菓子だったな』
「トリックオアトリート!」
「ははん、お菓子をくれなきゃイタズラするぞってヤツか」
サブリナは彼等の言葉に少し考えを巡らせる。
唇の端が釣り上がる。同時にユーベルコードに瞳が輝く。
「生憎お菓子はねぇが、お菓子を買う駄賃はあるぜ?」
煌めく彼女の瞳が見据えるは『セラフィム』に取り押さえられた『ハイドラホラー』たち。
弾くはコイン。
瞳の輝きを受けて、反射する光のさなかにサブリナはコインを指で弾く。
「ほらよ、指弾(スータン)を食らっちまいな!」
放たれるコインは銃弾よりも早く宙を切り裂くようにして飛び、『ハイドラホラー』たちの体を貫くいた――。
大成功
🔵🔵🔵
ジュディス・ホーゼンフェルト
あのグリモア猟兵、なんかもう既にハロウィン化してなかった?
いやこんな格好してるアタシが言う事じゃないけどさ
しかもどこかで聞いたような名前も出てきたし
それはそれとして、お仕事お仕事っと
コーデに関しちゃハロウィンの仮装で完璧でしょ
どこからどう見てもハロウィンのパリピ間違いなし!
決戦配備はクラッシャーでいいかな
セラフィムに場を引っ掻き回してもらおう
こっちは生身一つの身軽さでビルの隙間に潜む
いい感じに隠れられたらセラフィムに敵を引っ張ってくるように依頼しよう
獲物が通り掛かったら飛び出して斬殺執行で頭を切り落とす
頭が無ければ噛めるものも噛めないでしょうよ
首をくれなきゃイタズラするよ〜ってね
グリモアベースで説明を行っていたグリモア猟兵は浮かれていた。
ものすごっく浮かれていた。
なんたってハロウィンである。心踊らぬ方がおかしいもんである。今は後方で転移を維持している。
「あのグリモア猟兵、なんかすでに『ハロウィン化』してなかった?」
ジュディス・ホーゼンフェルト(バーラント機械教皇庁三等執行官・f41589)は自らの姿格好を棚上げして首を傾げている。
「いや、こんな格好してるアタシが言うことじゃないけどさ」
「本当だよね! いや、本当にキミ、すごい格好してるな!?」
ホログラム通信の亜麻色の髪の女性『エイル博士』は通信先に居た猟兵の一人であるジュディスのハロウィン仮装の姿を見て、目をひん剥いていた。
ジュディスの今の格好は確かにハロウィンの魔女めいた姿である。
箒だって持っているし、カボチャランタンだってある。あとなんか半透明の幽霊エフェクトまで出ている始末である。
というか、すんごい。
露出がすんごい。
「なんかどこかで聞いたような名前よね、あなた」
「え、私!? えー? もしかして私、有名人だったりするかい? いや、みなまで言うない。そりゃそうだよね、私程美人で聡明で……」
「あ、そっちじゃないから。多分人違い」
これは違うな、とジュディスはきっぱりと切り捨てる。
「それはそれとして、お仕事お仕事っと」
ジュディスのドレスコードはパーペキであった。
何処からどう見てもハロウィンの仮装。パリピである。うぇいうぇいうぇーい! と何処からか合いの手が聞こえて来そうな格好である。
「決戦配備はクラッシャーでよろしくね」
「任せておきたまえ。さあ、とくと見るが良いさ、私の開発した『セラフィム』の力をね!」
その言葉と共に『セラフィム』が飛翔し、デウスエクス『ハイドラホラー』へと迫る。
とは言え、決定打を打ち込むことができない。
それもそのはずだ。
『セラフィム』は『ハロウィン化』を中和することができても、デウスエクスを倒す程の力を持ち得ていない。
「せいぜい場を引っ掻き回すくらいっていうことね!」
ジュディスは、ハロウィンの魔女の衣装を翻してビルの隙間へと潜む。
「デウスエクスを引き付ければいいんだね?」
「そ、よろしくね。『セラフィム』に決定力がないのなら、アタシがなればいいってだけの話。だけど、一撃で多数を仕留めるには、アタシでは無理。ならさ、適材適所ってやつでしょ」
「わかっているとも。さあ、タイミングは!」
「こっちに任せておきなさいって」
ジュディスは『セラフィム』が引き付けてきた『ハイドラホラー』の姿を認める。
「ちょ、多くない?」
「思いの外多く連れてしまったようだ。がんばってくれたまえ」
「他人事だと思って! でもまあ、やれないことはないでしょ!」
ジュディスの瞳がユーベルコードに輝く。
その光は『セラフィム』を追う『ハイドラホラー』たちへと放たれた瞬間、その体を一刀の元に両断する。
目にも止まらぬ斬撃。
そして、防御すら許さぬ一撃。
そう、それは斬殺執行(キル・エクスキューション)を示すものであった。
「ずばーんっと。首をくれなきゃイタズラするよ~ってね」
一撃でジュディスは『ハイドラホラー』たちの首を切り落とし、くるりと魔女のほうきを回して、浮かれた様子を見せるようにして笑むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ミルフィ・クロノラヴィット
アドリブ連携歓迎
【POW】:クラッシャー
地球をハロウィン化…
一見楽しそうに見えますが
その実
とんでもない所業ですわね…☆
仮装は
露出高いセクシーな
『くノ一』の装いで
『では「エイル」博士様…参りますわ――ニンジャホワイトラビット・ミルフィ…推参、ですわ!…セラフィム様、中和お願い致しますわ…!』
自身の『淫魔の翼』で飛翔し
【空中機動】等の
【空中戦】も行い
【軽業】とも併せ
立体的に立回り
忍刀【隠微時舞流】と
クナイ・クロックハンズを
駆使し
刀の【斬撃波】や【切断】【なぎ払い】
クナイの【一斉発射】と
UCを組み合わせ
セラフィムとも連携し
攻撃
敵の攻撃等は
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避
『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の目的は『ハロウィン化』である。
万物が存在する状態。
それが『ハロウィン化』である。
これには猟兵と言えど抵抗することはできない。ならば、なんとするか。戦場に走る猟兵たちは仮装に身を包んでいた。
宛らハロウィンパレード。
その光景をみやり、ミルフィ・クロノラヴィット(ストライダー白兎・f20031)はちょっと楽しそうだと思ってしまった。
「ですが、その実とんでもない所業ですわね……☆」
「その通りだよ! 猟兵。地球を『ハロウィン化』などさせてはならない。決戦配備はどうする!」
ホログラム通信で亜麻色の髪の女性『エイル』博士の声が届く。
どうやら襲われている沿岸の決戦都市の責任者のようだ。
彼女の言う決戦配備とは即ち、人型ロボットの戦術兵器のことを示す。
「では、『エイル』博士様……ポジション・クラッシャーですわ!」
「了解! 思いっきやってくれたまえ、ていうか露出また高いな!」
彼女の驚きも当然であろう。
今のミルフィは『くノ一』である。それも露出高めの。その装いは確かに仮装と呼ぶに相応しいものであったが、大変に目のやり場に困るものである。
同性であっても、ちょっと何処を見ていいかわからない様子であった。
「これぞニンジャホワイトラビット・ミルフィ……推参、ですわ!」
「あ、くノ一じゃなくて、そういう名称あるんだね!?」
「『セラフィム』様、中和お願いしますわ……!」
ミルフィの瞳がユーベルコードに輝く。
淫魔の翼が羽ばたき、迫る『ハイドラホラー』たちの多頭の竜首がうねるようにして迫るのを躱す。
軽快にして素早い彼女の立ち回りはくノ一そのもの。
翼による立体的な立ち回りは見事なものであったし、うねる竜首は戸惑うように空中を動くことしかできなかった。
「――!!」
苛立つような咆哮を受けて、ミルフィは微笑む。
手にした忍者刀の一撃で竜首を一撃で叩き落し、クナイを投げ放つ。
「『セラフィム』様!」
その言葉に戦術兵器『セラフィム』が『ハイドラホラー』に組み付き、その体を止める。
「今だよ、猟兵!」
「ええ! ――全てを灼く蜘蛛糸の領域からは……逃れる事叶わず……ですわ」
放たれる蜘蛛糸の巣。
それは汎ゆる全てを灼く炎。
その糸に触れた『ハイドラホラー』の体が即座に燃え、また同時に彼等の行動力を奪いながら生命力さえも吸い上げていくのだ。
捕らわれたものは最早逃れ得る術を持たない。
「名付けるのならば、スパイダークイーン・バニシングウェブとでも言いましょうか」
ミルフィは手にした忍者刀でもって炎の蜘蛛糸を弾く。
すると一気に『ハイドラホラー』の体は燃え盛るようにして、その一片すら残さぬままに滅ぼし尽くすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
ハロウィンのおパーティーですわね!
わたくしおパーティー大好きですわ〜!
なんだかどこかで聞いたお名前が出てきましたけれど思い出せませんわ〜!
お決戦配備とは?
よくわかりませんわ〜!
迷ったらクラッシャーでおクラッシャーしておけば解決ですわ〜!
わたくしこそが決戦兵器ですわ〜!
お仮装すればよろしいんですの?
ではこちらのアンビシオンを装着!
フルアーマーメサイアですわ〜!
ネメジストを撃ちまくりながら突撃ですわ〜!
蛇ちゃんの噛み付きにカウンターエッジ!
すぐに飛び込んで王笏ハンマーで脳天をおチェストですわ!
おセラフィムもお手伝いしてくださいまし〜!
お火力が足りない?
囲んでおチェストしたらよろしいのですわ〜!
メサイア・エルネイジェ(暴竜皇女・f34656)はパーティと名のつくものが大好きであった。
そういう意味ではパーティピーポーであった。
よく頭の中のことをそう揶揄されることもあったのかもしれないが、しかし、この場合においての彼女の『ハロウィン化』した決戦都市の戦場への順応性は異常に高いものであった。
ケルベロスディバイドにおける猟兵の立場や特務機関DIVIDE、決戦都市。
多くのことがわからなかった。
「お決戦配備とは?」
「いや、さっきからこの説明三度目なんだが」
ホログラム通信の前でメイサアはとてもむずかしい顔をしていた。逆にホログラム通信の向こう側の亜麻色の髪の女性『エイル』博士は苦虫を潰したような顔をしていた。
何回も説明した。
とっても懇切丁寧に説明した。
でもメサイアは理解してくれなかった。さっぱりであった。皆目検討もつかなかった。
「よくわかりませんわ~!」
「聡明そうなのは見た目だけなのかな!?」
「迷ったらクラッシャーでおクラッシュしておけば問題解決ですわ~!」
「なんていう脳筋ぶり!」
メサイアの言葉に『エイル』博士は頭痛がする思いであった。
此処までの脳筋はケルベロスの中にも、これまで出会った猟兵の中にもいなかったように思えてなからなかった。
「わたくしこそが決戦兵器となることなのですわ~!」
メサイアは神性なる大型機械鎧を纏い、その背に光輪たる光を発しながら飛翔する。
手にした王笏と銃剣を装備したビームライフルを携え、己の姿をデウスエクスの前に晒す。
「あーもー! めちゃくちゃだよー!」
「これこそがフルアーマーメサイアですわ~!」
メサイアは『エイル』博士が止めるのも聞かず、また『セラフィム』の追従を許さぬ程の速度で持って戦場へと突っ込んでいく。
後先を考えない突撃にデウスエクス『ハイドラホラー』たちはたじろいだ。
如何に猟兵、ケルベロスと言えど、敵陣へと突っ込むことは自殺行為であった。
それに加えて、此処は『ハロウィン化』しているのである。
地の利というのならば彼等にあった。
だが、である。
その地の利を圧倒的な物理で押しつぶす例外が此処にある。
「ビームライフルのトリガーに指がかかりっぱなしですわ~! 止まりませんわ~!」
放たれる光条。
それは乱舞するようにして『ハイドラホラー』たちに襲いかかり、迫りくる竜頭を打ち抜き、さらに手にした銃剣の一閃で持って切り裂くのだ。
「お踏み込みが足りねぇんですのよ!」
反撃の刃(カウンターエッジ)というか、見敵必殺というか。
メサイアの斬撃は、『ハイドラホラー』たちの予想を遥かに越える速度で叩き込まれ、さらには『セラフィム』たちが到着するより早く『ハイドラホラー』たちをぶちのめしていた。
「お『セラフィム』もお手伝いしてくださいまし~! わたくしだけで終わっちまいますわよ~!」
「は、速すぎる……! なんだこの娘!」
「わたくし皇女ですわ~!」
「何処の世界に王笏で敵の頭蓋砕く皇女がいるんだい!?」
『エイル』博士の疑問も当惑も尤もである。
でもま、あるのである。そういう世界が。
「火力が足りなくても、一体を取り囲んでおチェストすればよろしいのですわ~! 塵も積もれば、焼き芋するのにうってつけですわ~後は火をつけるだけ!」
メサイアは王笏で『ハイドラホラー』をぶっ叩いて、ビームライフルの光条で打ち抜きながらきらびやかな光輪を輝かせながら飛翔し続ける。
確かに、それはそうである。
確かに火力が足りないなら袋にしてしまえば良いのである。
だが、いや、それできるかなぁって『エイル』博士はメサイアの乱暴狼藉たる振る舞いに頭を抱えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
バドックス・ジュデッカ
●WIZ 【クラッシャー】
特務機関DIVIDEより派遣された。
定刻につき戦闘支援を開始し――
…………『博士』はいつもこうなのか。
(どっちかっていうとAIなんで何か同意しそうな顔をしているライドキャリバー、南瓜のバイク仕様)
……仕事はさせて貰う。
『第四円の魔氷輪』起動。
戦闘演算を開始しつつ氷輪で各首を捌き、必要に応じて伐採。
氷輪には氷属性の魔力を纏わせて動きの阻害を狙う。
回復をさせればさせる程相手には『当てやすく』なる筈だ。
最後は………
氷輪全身装備での本体での特攻(男突撃)だが。
多少は派手にした方が問題ないだろう?
戦場となった沿岸の決戦都市は『ハロウィン化』していた。
それが『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の齎す力の一端であることは言うまでもない。
強大なデウスエクス。
その首魁の一柱ともあれば、このような万物が存在する状態を生み出すことなど造作もないのかもしれない。
地球が全てこれに飲み込まれれば、『大祭祀ハロウィン』の主星とつながることは避け得ぬことであった。
故にバドックス・ジュデッカ(戦闘バイク型決戦配備BDX式試験機・f41205)は戦場に到着し、決戦都市の責任者である亜麻色の髪の女性『エイル』博士へと通信をつなげる。
「特務機関DIVIDEより派遣された」
「援軍かい! 助かるよ! いや本当に! 猟兵は皆トンチキな感じだし! 色々と大変なんだよ! あ、派遣のお給金はこっちじゃなくて特務機関DIVIDEによろしくね!」
一気に捲し立てられてバドックスは面食らう。
「……『博士』はいつもこうなのか」
『……そうです』
サポートAIである『第九号』が静かに呟く。
そう、いつもこうである。いっつも。こっちの静止なんて聞きやしないし、勝手に決戦配備たる戦術兵器を発信させては無駄に壊したりしているのである。
いつもである。二度言った。大事なことなので。
そのつぶやき一つに万感の思いが籠められていることをバドックスはどちらかというと、『第九号』寄りであった。
「……仕事はさせて貰う」
「ああ、頼んだよ。おっと、決戦配備はクラッシャーだったね。それじゃあ、頼んだよ。『セラフィム』は『ハロウィン化』を中和できても決定打にはなりえないんだ」
「では露払いを頼むとしよう。敵のあの多頭は厄介だ」
バドックスの瞳がユーベルコードに輝く。
展開した魔法陣から凍えるよな冷気がほとばしる。
それは、BDX-Sp『第四円の魔氷輪』(バドックススペルダイヨンエンノマヒョウリン)。ライドキャリバーたる彼は、迫りくる『ハイドラホラー』の放つ竜頭の牙の鋭さを見つめながら、しかし恐れるに足りないと判断していた。
戦場を疾駆する己に追従するようにして飛ぶ『セラフィム』たちが多頭の竜を押さえつけ、バドックスの道を開く。
「上出来だ――氷獄よ、六花を紡げ」
その言葉と共にバドックスはユーベルコードによって生み出された氷輪の一つを手にし、投げ放つ。
瞬間、その氷輪は丸鋸めいた鋭さでもって『ハイドラホラー』の生み出した竜頭の首を寸断してせたのだ。
彼流に言うのならば、伐採である。
「とは言え、カボチャ仕様はなんとも動きづらいものだ。これをする必要性があるのだが。どうにも」
『我慢していただくほか無いですね』
サポートAI『第九号』の言葉にバドックスはうなずく。
己が仮装することで『ハロウィン化』に対抗することができる。
存外簡単な対抗策であるが、効果はてきめんである。人型インターフェイスの前身に氷輪が生み出される。
敵の動きはすでに把握している。
ならばこそ、バドックスはためらわない。
「俺に振り落とされる覚悟はあるな?」
飛び出す人型インターフェイスは、『セラフィム』たちを足場にして『ハイドラホラー』たちの頭上を取る。
身にまとう氷輪が煌めくのと同時に、その鋭い刃へと変じた一撃が『ハイドラホラー』たちの体を切り裂く。
吹きすさぶ血潮。
そのさなかに咲く氷輪は徒花めいていたことだろう。
「多少は派手にした方が問題ないだろう?」
バドックスはこともなげに言い、さらに迫りくる『ハロウィン化』の波をみやり、己の生み出す速度に振り落とされぬようにと『セラフィム』たちと共に戦場を席巻するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
決戦配備:クラッシャー
噂通りにやって来たわね、“大祭祀”。ヒーローズアースのヴィランだか、デビルキングワールドの悪魔達だか分からない宣言しちゃって。
それじゃ、仮装しましょうか。白いローブを着て背中に白い翼。頭の上に吊っているのが分からないようにセットしたハイロウ。シンプルに天使よ。
またこいつらか。ハイドラホーラーはわらわらいるようだし、派手にいきましょ。
「全力魔法」「召喚」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「衝撃波」で天絶陣!
宇宙からの侵略者には、同じく宇宙からの鉄槌で滅んでもらう。呼び寄せた隕石を敵の一番密集しているところへ誘導して落とす。
耐えられるものなら耐えてみなさい!
反撃なんてさせないわ。
『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の存在は予見されていた。
狙うは『季節の魔力』。
打ち込まれんとしていたのは『ハロウィンの楔』。
『大祭祀ハロウィン』の主星『真理の部屋ハロウィン』と繋がるためである。その全てを律儀に『大祭祀ハロウィン』は語って聞かせたのだ。
余程の自信があるのだろう。
己の術策を語っても問題なし、と。
「噂通りね。まるでヒーローズアースのヴィランだか、デビルキングワールドの悪魔達あかわからない宣言をしてくれちゃって」
村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は白いローブに白い翼と天使の輪を頭上に浮かべた天使の仮装を翻して、戦場となった決戦都市へと飛び込む。
戦場は『ハロウィン化』している。
万物が存在した状態。
そのさなかに数多の竜頭を蠢かせるデウスエクス『ハイドラホラー』の姿がある。
彼等のことをゆかりは知っているようであった。
「またこいつらか」
「――!!」
『ハロウィン化』によって強化されているのであろう、彼等の竜頭の顎の強靭さは群を抜いている。
強化されているとしても『ハイドラホラー』には変わらない
「それにわらわらいるようね。なら、頼んだわよ、『エイル』博士」
「はいよー!」
ゆかりの言葉にホログラム通信の『エイル』博士がうなずく。
あ、ぽちっとな、とノリの軽さで彼女は決戦配備たる『セラフィム』を出動させる。
飛翔する彼等は存在するだけで『ハロウィン化』を中和してみせるのだ。
「全力で行くわ、天絶陣(テンゼツジン)!」
彼女の言葉と共に瞳がユーベルコードに輝く。
掲げた手が示すは天。
「宇宙からの侵略者には、同じく宇宙からの鉄槌で滅んでもらう」
戦場全域に降り注ぐは光の流星雨。
その見事な光景を見上げても、デウスエクスたちの心に去来するものは無かった。意味のないことだったからだ。
光の流星雨は『ハイドラホラー』たちの体へと降り注ぐ。
「不発かい!?」
「いいえ、違うわ。見ていなさい。これがあたしのユーベルコード!」
その言葉と共に天より落ちるは燃えさかる巨大隕石の姿であった。
「……は?」
『エイル』博士は思わず間抜けな声を出していた。
「隕石!?」
「そう、これこそが宇宙よりの鉄槌よ! 耐えられるものなら耐えてみせなさい!」
「ちょ、ちょいまって! これ、えっ!? 大丈夫?! 耐えられる!? 決戦都市のシェルター大丈夫!?」
「あなたが責任者なんでしょ、自信を持って!」
「気休めでしか無いね!?}
ゆかりの言葉に『エイル』博士が喚く。
だが、すでに賽は投げられたのだ。『ハイドラホラー』たちの頭上に落ちる巨大隕石。
その衝撃は、彼女の語る通りまさに鉄槌たる一撃。
膨れ上がる衝撃波に『ハイドラホラー』たちが吹き飛ぶ。
「ほら、大丈夫だったじゃない」
「結果論だよね!?」
幸いにして決戦都市のシェルターは耐えきったようである。ゆかりは満足げに頷き、吹き飛ばされた『ハイドラホラー』たちを追って、破滅のラッパ鳴らす天使のように戦場を走るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
【いつもここから】
ハロウィンといえばダークファンタジー。
ダークファンタジーと言えばソウルでボーンなやつ。
こんばんはジェイミィです。
一昨年の南瓜行列の衣装で参加しましょう。
この外套に帽子、獣を狩る人みたいじゃないですか。啓蒙が上がりますね。
何言ってるんですかベルゼさん。
この肩のキャノンは「我が師、導きのワーム殺し」。
狩人的には大正解です。
コホン。ポジション「スナイパー」を要請。
オフェンスはこちらで行うので支援お願いします。
毒のブレスは元々機械の私には効きませんで。
ミサイルの雨の中、リボルバー拳銃にカモフラージュしたマシンガンでひるませてCRESCENT MOONLIGHTの連撃を浴びせましょう。
ベルゼ・アール
【いつもここから】
ジェイミィ???
私も一昨年の仮装を持ってきたけどその前フリから鑑みるに私はアレよね???
人間性捧げるやつよね???
というかジェイミィあーた元の装備に無いWORM KILLERを肩にしれっと装備するんじゃない!!
仮装に余計な装備くっつけて誉れは無いのか誉れは!!
クソァ!! |こいつ《ジェイミィ》の誉れは|川《ルビコン》でおっ死んでやがる!!
ポジションコールはジャマーでよろしく!!
普段と違って甲冑着てて動きづらいんで敵の機動力を奪ってちょうだい!
毒息はVALAFARで成分解析して香水型薬剤スプレーで中和剤を噴霧!(毒使い)
仮装の時にサービスでついてきたこの大剣でぶった斬る!!
ハロウィンに対するイメージは千差万別であろう。
そもそもの成り立ちを考えるのならば、それは受容の文化であるからだ。受け入れ、変容し、形を変えていく。けれど、名前だけは残っていく。
それが文化というものの変遷であるというのならば、ハロウィン程変化していった祭事もないだろう。
「ハロウィンと言えばダークファンタジー。ダークファンタジーと言えば、ソウルでボーンなやつ」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)は完璧な理屈、と言わんばかりに大仰に頷いていた。
「こんばんはジェイミィです」
「はい、こんばんは。ってうおーい! 色々危ない発言が聞き取れたんだけれども!?」
沿岸の決戦都市の責任者、『エイル』博士が突っ込む。
色々権利的にやべー言葉が飛び出していたような気がする。笑い事じゃあない。
「まあまあ、この格好見てくださいよ。中々に啓蒙が上がる格好じゃあないですか」
「そういうことを言っているんじゃないんだけどなぁ」
ジェイミィは一昨年の南瓜行列の衣装で戦場に飛び込んでいいた。
宛ら、その姿は獣を狩る人みたいであった。
そんなジェイミィにベルゼ・アール(怪盗"R"/Infected Lucifer・f32590)は目を丸くしていた。
「ジェイミィ? 私も一昨年の仮装だけど、その前フリから鑑みるに私はアレよね?」
鎧纏う騎士めいた姿の仮装をしたベルゼ。
人間性を捧げるやつ。
いや、そういう問題だろうか。諸々さぁ。
「何言ってるんですかベルゼさん。こういうときほど弾けなければ。敵は『ハロウィン化』という万物が存在した状態でもって世界を塗りつぶしてくるのです。これに対抗するためには、こちらも汎ゆる世界の概念が存在する状態でなければ」
ウォーマシンである彼にとって、ダークファンタジーとは恐らく対極にある概念であろう。サイエンスフィクションとダークファンタジー。うん、真っ向からケンカするやつである。
「そういうこといってるんじゃあないのよ! あーた、元の装備にないそれは何よ!」
「この肩のキャノンは『我が師、導きのワーム殺し』」
「仮装に余計な装備くっつけて誉は無いのか、誉は11」
「混ざっていやしないかい? 色々」
『エイル』博士はホログラムの通信で二人の猟兵のやり取りに収拾がつかなくなりそうだからという理由で突っ込むが、二人は気にしていなかった。
「いいえ、狩り人的には大正解です」
「クソぁ!! |こいつ《ジェイミィ》の誉は|川《ルビコン》でおっ死んでやがる!!」
「徹頭徹尾全部わからないんだけどもね!?」
ホログラム通信はもう、トリオ漫才めいた様相を見せていた。いや、一人だけ巻き込まれただけの『エイル』博士が四苦八苦している状況でしかないのだが、迫るデウスエクスの群れをサポートAI『第九号』が感知する。
『博士、デウスエクスが来ています。タイプ『ハイドラホラー』です』
「ほらー! 君らが漫才コントやっている間に敵が来たじゃないかぁ! ポジション、ポジションはどうするんだい!」
「コホン、ポジション『スナイパー』を要請」
「コールポジション、『ジャマー』!」
二人はこういう時だけ息があっていた。今までのコントをやっていたのだから、仲違いしていそうなもんであるが、戦いに於いてはしっかりとしているのである。
質が悪いなぁって『エイル』博士は思った。
「オフェンスはこちらで行うので」
ジェイミィは決戦都市から飛び出す『セラフィム』を認め、射撃支援を受け取る。『ハロウィン化』を中和する『セラフィム』の力で視界は良好である。
さらにベルゼを守るようにして『セラフィム』たちが『ハイドラホラー』たちへと飛び込んでいく。
その機動性でもって敵の狙いをそらそうとしているのだろう。
「敵の機動力さえ奪ってくれるのなら!」
彼女の仮装は騎士甲冑である。いつもの格好とは異なり、動きづらいし、静音性はないしで大変に目立つのだ。
故にベルゼは『セラフィム』たちによる妨害工作を受けて飛び出していく。
「――!!」
『ハイドラホラー』の咆哮と共に毒息が吹き荒れる。
「ウォーマシンたる私に効果はありませんが、此処は決戦都市。隔壁の気密性が損なわれた問、市民の皆様に害が及ぶことは!」
「わかってるわよ! こっちでなんとかするわ!」
ベルゼはジェイミィの言葉にうなずく。
成分を解析し、香水型スプレーで中和剤を生み出して、周囲に満ちた毒息を払っていく。
さらにジェイミィは手にしたリボルバー拳銃……という名のマシンガンで弾丸をばらまき『ハイドラホラー』たちを牽制する。
光波を生み出しながらジェイミィのアイセンサーがユーベルコードに輝きながら『ハイドラホラー』へと踏み込む。
「BLADE ARTS PROGRAM "DOMINANT" LOADED COMPLETED」
「ついでに、この仮装サービスでついてきた大剣の一撃を喰らいなさい!」
なんだかんだでベルゼとジェイミィのコンビネーションは決まっているように思えただろう。ならば、やはり最初の下りはコントである。
掛け合いというか。
観客を巻き込むタイプのものというか。
巻き込まれた方は溜まったものではないだろうが――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
デウスエクスよ、お初にお目にかかる
エンドブレイカーのお姉さんだ
何気に11の怪物を倒すまではと思っていたので
出身世界から飛び出すのは初のこと
猟兵として改めて務めるさ
成程これがデウスエクス、そしてハロウィン化した都市か
業に入っては何とやら、『決戦配備』を要請しようかな
ディフェンダーで防御を上げ、纏うは黄金の鎧の仮装
守護天使というかそんな感じだな
それでは、私らしくやらせてもらおう
向上した防御力で敵の攻撃を受け
反撃の剣と拳を入れる
随分な頭数の竜だが、お姉さんの体を砕くには至らないな
きっちりと反撃の《断罪真拳》を入れてKOしよう
トリックオアトリート!
平和を脅かすものは、ボコボコにしちゃうぞ♪
……なんてな
ケルベロスディバイド。
それは宇宙より侵略せしデウスエクスに立ち向かうケルベロスたち、特務機関DIVIDEが地球を防衛している世界である。
猟兵達が訪れるまで、ケルベロスたちは予測不可能であり感知のできぬ『小剣』によって地球に来襲するデウスエクスたちと死闘を繰り広げていた。
此度もそうである。
『季節の魔力』を求めた『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』による襲撃。
これに抵抗するためにケルベロス含め、全世界が一致団結しているのだ。しかし、迫るデウスエクス『ハイドラホラー』の数は尋常ではない。
それに加えて、戦場となった沿岸の決戦都市は『ハロウィン化』という名の、万物が存在する状態に汚染されているようでもあったのだ。
「――!!」
咆哮が轟く。
『ハイドラホラー』の多頭の竜首から毒のブレスが吹き荒れている。それはこの決戦都市に終焉という名の破滅を齎すものであった。
だが。
その毒を切り裂くようにしてアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)は戦場に降り立つ。
「デウスエクスよ、お初にお目にかかる。エンドブレイカーのお姉さんだ」
此処には猟兵にして終焉を砕く者がいる。
これまでアンゼリカは己の世界エンドブレイカーにおいて『11の怪物』を打倒するまでは他の世界に干渉することを控えていた。
知らぬ世界に飛び出すのは初めてのことだった。
エンドブレイカーとして、いや世界の悲鳴に応える戦士、猟兵として努めを果たすべく彼女は黄金の鎧を纏い、戦場に切り込む。
イメージしたのは守護天使。
この決戦都市にだって人々はいるだろう。多くがシェルターに避難している。
「守りは万全ではないか。そして、『ハロウィン化』した都市か」
「その通りさ。猟兵、歓迎するよ!」
ホログラム通信によって亜麻色の髪の女性『エイル』博士の声がアンゼリカに届く。
「む、面妖な。これもこの世界の技術か」
「遠隔の通話だと思ってくれればいいさ! さて、君は『決戦配備』を理解しているかい?」
「無論。郷に入りてはなんとやら、だ。ディフェンダーを!」
「了解! さあ、見たまえ、私が作り出した『セラフィム』の力を!」
その言葉と共に人型ロボットの戦術兵器がアンゼリカの前面に降り立ち、『ハロウィン化』を中和していく。
「ほう、なるほど。守護天使というか、そんな感じか。それでは、私らしくやらせてもらおう」
アンゼリカは飛び出す。
黄金の鎧の仮装を身にまとい、『ハイドラホラー』へと一気に踏み込む。
毒のブレスは最早気にならない。『セラフィム』による防御支援によって、毒の成分は解析され無効化されている。
手にした剣が『ハイドラホラー』の竜頭の一つを切り裂く。
だが、一頭を切り裂いたとて、多頭の竜の首はアンゼリカを狙ってうねるようにして迫る。
「――!!」
「ほう、随分な頭数だが……お姉さんの体を砕くには至らないな」
真正面から迫る竜頭の一撃を受け止めながら、アンゼリカは笑む。
そして、その握りしめた拳がユーベルコードに輝く。
この拳は自慢の拳。宿るは究極の光。
「トリックオアトリート!」
気合一閃。
断罪真拳(ダンイシンケン)の一撃が『ハイドラホラー』の体をかちあげる。しかし、それは他者を傷つける心をこそ砕くものであった。
これはハロウィンだ。
ならばこそ、アンゼリカは笑むのだ。
「平和を脅かすものは、ボコボコにしちゃうぞ♪ ……なんてな」
「こわぁ……」
『エイル』博士はアンゼリカの戦いぶりに、絶対に敵に回したくないな、とそう切実に思うのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
御影・しおん
決戦配備:クラッシャー
あら、なら名前的にどろんバケラーの出番よね?
手足覆う黒い結晶装甲『黄昏の竜爪』と、同じく黒い結晶の翼『暁の翼影』を身に纏うわ。ふふ、まるで黒い結晶で覆われた獣みたいじゃない?
……そういえばハロウィンとは異界の門が開く夜らしいわね?
うふふ、それじゃあ、時空に穴を開けて、何かを呼び込んじゃいましょうか
UCで攻撃と同時に巨大古代生物か未来的殺戮機械の群れを召喚、わたしも翼で飛翔し足元の影より影の竜と刃を放って動きを抑え味方達を援護、若しくはわたし自身が接近し怪力で引きちぎるわね?
……あら博士?残念だけどあれらが本当にこの世界の過去か未来から来た存在だという保証はないわよ?うふふ
ハロウィンと聞けば、心が沸き立つ。
多分、そんな感情なのだろうと御影・しおん(Unknown・f27977)は思った。
祭事とは即ち奉じるものである。
竜神である彼女にとって、それは嘗て自らに捧げられるものであっただろう。だから、というわけではないが、今は零落した身であっても、己の出番であるとケルベロスディバイドの世界へと降り立つ。
すでに沿岸の決戦都市を襲った『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の軍勢は、『ハロウィン化』を推し進めながら侵攻を開始している。
猟兵たちの活躍によって一進一退であるが、しおんは万物が存在する状態へと陥った戦場を見下ろす。
「随分と楽しそうなことをしているようね。ハロウィン。名前的にどろんバケラーの出番というわけね?」
仮装。
そう、冗談みたいな話であるが『万物が存在した状態』に抵抗することができるのは、汎ゆる世界の概念が存在する状態……即ち仮装に身を包むことなのである。
しおんは己の手足を覆う黒い結晶装甲を竜爪へと変じさせ、さらに黒い結晶の翼を大きく羽ばたかせる。
「ふふ、まるで黒い結晶で覆われた獣みたいじゃない?」
しおんの瞳がユーベルコードに輝く。
その仮想という名の獣の姿へと変じた彼女は、魔弾を解き放ちながら決戦都市に迫るデウスエクス『ハイドラホラー』たちへと魔弾を放つ。
その魔弾は『ハイドラホラー』たちや、周囲のハロウィン化した大地を穿つ。
だが、しおんの狙いはそれではなかった。
彼女が狙っていたのは。
「……そういえばハロウィンとは異界の門が開く夜らしいわね?」
ケルベロスディバイドにおいては、地球と『大祭祀ハロウィン』の主星とを繋ぐという意味合いがある。それを阻止するためにケルベロスと猟兵は戦っているのだ。
ならばと、しおんは倣うようにして境界操作の陸『時喰い蟲の穴』(ボーダー・オブ・イラ)によって、異なる時間への穴を魔弾によって穿つのだ。
「くすくす、さあ穴が開いたわ。一体中から何が出て来るかしら?」
彼女の瞳が上空に空いた穴を見つめる。
その穴をこじ開けるようにして、赤い未来的な殲滅機械の群れが現れる。その様子は宛ら、怪物めいていたことだろう。
「な、なんだあれー?!」
「あら博士?」
「え、あ、はい。博士ですけど!」
ホログラム通信でしおんは、決戦都市の責任者であろう亜麻色の髪の女性『エイル』博士』を認め、首を傾げる。
「なにか問題でも?」
「いや、アレ何!? なんか空に穴が空いて……!」
しおんは、ああ、そんなこと、とほほえみながら『ハイドラホラー』を有り余る怪力で持って引きちぎりながら、多頭の首の一つを投げ捨てる。
「残念だけれど、どう説明したものかしらね? わたしとしても、あれらが本当にこの世界の過去か未来から来た存在だという保証はできないのよね」
なにせ、としおんは笑む。
あれらは異界のどこそこから現れたものだから、と未来的な殲滅機械の赤い群れと共に『ハイドラホラー』たちを圧倒しながら、『エイル』博士に微笑むのだ。
「な、何一つ安心できない説明をありがとう!」
「いいのよ、うふふ」
しおんは微笑みながら、しかし、混沌を極めるかのような戦場を赤き殲滅機械と共に押し返していくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
決戦配備:クラッシャー
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
さてー、参りましょう。
それにしても…中和するだけでも凄いのでは?
仮装は老年の魔法使いですねー。陰海月が張り切って帽子を…。
で、いつものようにUCにて攻撃しますかー。……全く魔法使いらしくないですねー?
しかして、まあ、武闘派もいていいですよね?
ドラゴンの頭部は目立ちますからねー、それは見切っていきましょう。
※
陰海月「ぷきゅー」
僕も魔法使い!だから帽子(手作り)被ってるんだー。…傘に載せてるって感じかもしれないけど!
僕も四天流星投げてくよ!錯誤呪詛しゅばばばー。
「さてー、参りましょう」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はそう呟いたものであるが、しかし、目の前の決戦都市の惨状に目を覆う思いであった。
万物が存在した状態。
それが『ハロウィン化』というものであるらしい。
決戦都市は戦場であったが、その混沌めいた様相の中にケルベロスや猟兵、デウスエクスが入り乱れているのだ。
戦場へと飛び立ち続けているのは、この決戦都市の『決戦配備』たる『セラフィム』である。あの戦術兵器が『ハロウィン化』を中和しているのだという。
「……中和するだけでも凄いのでは?」
四悪霊の一柱である『疾き者』は首をかしげる。
「いや! なんかよくわからんが中和できてしまったんだ! アハハハ!」
ホログラム通信で『エイル』博士が闊達に笑っている。
想定していない機能が生まれているというのは、この状況に於いては歓迎すべきことであったが、研究者としてはなんとも言えない気持ちなのだろうことが推して知れる。
「はー……ですがまあ、活用させていただきますよ」
「決戦配備だね、コール・クラッシャー! 頼んだよ、猟兵!」
「ええ、老年のまほうつかいにお任せあれ」
『疾き者』は己の仮装を翻す。
それは魔法使いめいたローブ。
『陰海月』が張り切って帽子まで作ってくれたのだ。この機会に活用しなければならない。
とは言え、ユーベルコードはいつものものである。
そう、手にした棒手裏剣の投擲。
四悪霊・風(シアクリョウガヒトリ・トノムラヨシツナ)による一撃は確かにデウスエクス『ハイドラホラー』に有効であったが、しかし、なんというか……。
「……全く魔法使いらしくないですねー?」
杖も魔法もあったものではない。
だがまあ、武闘派の魔法使いが至って良い。昨今のことを考えるのならば、逆に魔法使うばかりの魔法使いの方が珍しいという逆転現象が起こっているような気がしないでもない。
迫るようにして唸りを上げる『ハイドラホラー』の多頭の竜首の一撃を躱しながら、投げ放つ棒手裏剣が彼等を貫いていく。
「ぷきゅー」
そんな彼の周囲で巨大なくらげ『陰海月』が同じく魔法使いの仮装をして踊っている。
帽子はなんというか、傘にさらに輪をかけたような形なっているが、まあ、この際しかたない。
「とは言え、万物が存在した状態、ハロウィン化ですかー」
この混沌たる戦場。
さらに混沌を加速させるようにケルベロスや猟兵たちは各々自由に仮装をしている。それは他世界であったり、己の思い描くものであったりと多種多様である。
そんな仮装を見て『陰海月』は興味津々であるようである。
なんとも締まらない雰囲気であるが、しかし地球の危機であることに変わりはない。
故に『疾き者』は戦場を飛ぶ魔法使い、もとい、武闘派魔法使いとして魔法みたいな棒手裏剣の一撃を『ハイドラホラー』に叩き込み続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎
決戦配備:スナイパー
「仮装か。良いねえ。全力で行くぜ!!」
戦場に現れた清導の姿はドラゴンだった
ガントレットと脚部装甲に爪や鱗
背中には翼に尾、頭はドラゴンのヘルムをつけていた
「オレの相棒、勇輝龍の仮装だ!
コレでやる気と[勇気]百万倍だ!」
この仮装にそんな能力はないが、
[気合い]が戦闘力に直結する清導には十分だった
「遠距離支援頼むぜ!オレは…前線で切り開く!」
ヘルムのドラゴンが火を吹いた…ように見せて
炎が巻き起こって両手に剣
腰には炎のブースターが創造して一気に突っ込む
ハイドラホーラーの首を次々と切り捨てる
「数頼みのドラゴンに勇輝龍が負けるか!
真のドラゴンを見せてやる!」
『ハロウィン化』に対抗する術はたった一つ。
そう、万物が存在する状態に陥った戦場は、確かに猟兵であっても飲み込まれれば無事ではすまない。
万物が在る、というのならば、汎ゆる世界の概念を持ってぶつければいいのである。
つまり。
「仮装か。良いねえ、全力で行くぜ!!」
空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』によって襲われる沿岸の決戦都市の戦場へと飛び込む。
身を包んだ機械鎧。
その手甲や脚部装甲に爪や鱗、背中には翼と尾。
頭部のヘルメットにはドラゴンの顔をもした装飾が成されている。
つまり、ドラゴンであった。
「それは何の仮装なんだい?」
ホログラム通信によって『決戦配備』のポジションを聞こうとしていた亜麻色の髪の女性『エイル』博士は、彼の姿に首を傾げる。
いや、わかっている。
ドラゴンの仮装だってことは。だが、そのあり方はどうにも独特なものがあるように思えたのだ。
「これはオレの相棒、勇輝龍の仮装だ!」
清導はなんとも己の勇気が百万倍になるような思いであった。無論、そのような機能は仮装にはない。
だが、そんなことは些細な問題であった。
機能があろうがなかろうが、己の心の中に湧き上がる勇気だけは本物だったからだ。
「なるほど。気合が違うというわけだね」
「そういうことさ。遠距離支援頼むぜ! オレは……前線で切り開く!」
清導の瞳がユーベルコードに輝く。
己に迫るデウスエクス『ハイドラホラー』の生み出す多頭の竜首がうねるようにして己を噛み殺さんと迫っている。
それを目の前にしながら彼は己の腕部に集約させた炎をもって、頭部のドラゴンヘルムから炎を噴射させ、多頭を焼き滅ぼす。
だが、それだけではない。
巻き上がる炎の最中を彼は駆け抜け、手にした剣でもって残った多頭を切り裂くのだ。
「――!!」
怒り渦巻くようにして『ハイドラホラー』たちの多頭が数を増やすようにして清導へと襲いかかる。
それらを足から炎を噴射させて一気に空へと飛び上がった瞬間、決戦配備の人型ロボット戦術兵器『セラフィム』の長距離狙撃が放たれ『ハイドラホラー』たちの体を吹き飛ばす。
「決定打にはなり得ないぞ! だから!」
「ああ、任せてくれ! 数頼みのドラゴンに勇輝龍が負けるか!」
吹き荒れる炎と共に清導は『セラフィム』の一撃によって体勢を崩した『ハイドラホラー』へと踏み込む。
両手にした剣が炎を巻き上げる。
「ブレイザイン・バーニングモード!! さあ、いつもより燃えていくぜぇええ!!!」
己の勇気はすでに燃え上がっている。
生み出された炎が龍の形を作り上げ、放たれる一撃が心の熱さに比例して温度を上昇させ、大気を歪めながら『ハイドラホラー』を呑み込んでいく。
「これが真のドラゴンってやつだぜ、見たか!」
清導は己の心が生み出し炎と共に咆哮し、己が思う勇輝龍の姿を混沌たる戦場に示すのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・タタリクス
【ステルク】
エイル博士からポンコツの香りがしまぁぁすっ!
結論:エイル博士萌えかわいい
そんなわけでメイド推参です
時にエイル博士、お歳は何歳なんです?
ハロウィン化阻止のために
『あらゆる世界の概念が同時に存在する状況』が必要とのこと
我々の場合、勇者とメイドとセラフィムで既にスリーカード状態な上に
勇者が演奏家で、メイドがガンカタってもう属性もりもりで
仮装要らないんじゃないかと思いますが
ルクス様
ロイヤルストレートフラッシュ決めますか?
わかりました
似ているか似てないかの前に愛が足りないのでハリセンです
では私はにゃいあるてコスで
ええ、あのにゃんこグローブは記憶に刻んでありますので
では|メイド《犬》参ります!
ルクス・アルブス
【ステルク】
『エイル』博士……。
たしかに師匠とはまた違ったポンコツ臭がしますね。
でも『エイル』さんはいろんな世界にいますけど、
基本の性格とかはいっしょでしたような……。
ということは、オリジナルの『エイル』さんも、
天然ポンコツなところがあるということでs(びくっ
あ、はい! こすぷれですね!
ロイヤルストレートってことは、わたしもするんですか?
それならわたし、ステラさんコスはいかがでしょうか?
いっかい叫んでみたかったんですよね♪
『エイルさまの香りがしまぁぁすっ!』
どうですどうです? 似てました?
痛いです!? 今日のツッコミ強くないですかー!?
あとはもう、ステラさんの応援歌を演奏するしかないですね!
今日も今日とて叫びが響き渡る。
何の、とは野暮なことを聞くものである。
そうメイドの叫びである。
「『エイル』博士からポンコツの香りがしまぁぁすっ!」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)である。
最早、彼女をメイドと呼ぶには語弊が在るような気がしないでもない。メイドの概念ってこんなんでしたっけ? と首を傾げたくなる始末である。
少なくとも最も身近で、最も多くステラのそういうメイド所作というものを見てきたルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は思ったかも知れない。
「『エイル』博士……確かに支障とはまた違ったポンコツ臭がしますね」
「うぉい! それは私への罵倒かな!?」
ホログラム通信の亜麻色の髪の女性『エイル』博士がたまらず突っ込む。なんか今日はやけに突っ込むなぁって彼女自身思った。
「結論、『エイル』博士萌えかわいい」
うわ、とルクスは思ったかもしれない。
ステラは何処まで行ってもステラである。メイドという概念を侵食する勢いを見せる彼女はホログラム通信の『エイル』博士へと詰め寄る。
「そんなわけでメイド推参です。時に『エイル』博士、お年は何歳なんです?」
「女性に年齢聞くない!」
「これは失礼いたしました。ですが、ハロウィン化阻止のために必要なことなのです」
「いえ、ステラさん、ハロウィン化に対抗するのに必要なのは、汎ゆる概念が同時存在する状況ですよ」
ルクスが真面目に言う。
「|チッ……《そうでしたね》」
「ルビ! 逆!」
「なんだかツッコミ属性もありそうですよね、『エイル』博士。いろんな世界の『エイル』さんは、基本性格は一緒でしたたような……」
ルクスは考える。
もし、『エイル』が他の世界の同じ名前を持つ者であるというのならば、『エイル』博士の性格も彼の一面である、ということがいえるのではないのかと。
「ということは、オリジナルの『エイル』さんも、天然ポンコツなところがあるということで……」
そこでステラの眼光をルクスは受け止める。
ひっ! ってなる感じの眼光であった。
「いいですか、すでに私達には勇者とメイドと『セラフィム』ですでにスリーカード状態。さらに言えば勇者が演奏家でメイドがガンカタっていうもう属性もりもりで仮装要らない状態じゃないかと思うんですが」
「つまり、普段からそれは仮装ってこと?」
『エイル』博士の鋭いツッコミが入る。今日はキレッキレである。他の猟兵達がボケ倒すものだから、彼女にツッコミのお鉢が回ってきたと言っても良い。
「ちーがーいまーすー! 勇者は心のあり方! 演奏家は職業、です!」
「そのとおりです、とは言い難いですが、ルクス様。ここはロイヤルストレートフラッシュ極めますか?」
「だからー! ポーカーの役じゃないんだってば!」
三人は最早コント集団であった。
一人はホログラムだけど。
「それならわたし、ステラさんのコスをしますね! じゃあ、コホン」
え、何。何が始まるんです?
すぅってルクスが息を吸う。
「『エイル様の香りがしまぁぁすっ!』……どうですどうです? にてました?」
ドヤったルクスにステラのハリセンが飛ぶ。
「いったぁ!?」
「似ているか似ていないかの前に愛が足りないのでハリセンです」
「そんな! こんなに間近でみてるんですよ! にてないどころか愛が足りないと言われるいわれはないはずですよー!」
「ええい、私はにゃいあるてコスです」
「今、なんか何処か遠くで悲鳴が聞こえた気がするんだけど」
「気の所為です! ええ、このにゃんこグローブは私の記憶に刻み込まれております。さあ、ルクス様、参りますよ」
「えぇ……なんか今日のステラさんツッコミ強いですー」
「いいから!」
そんなドタバタなコントを混沌たる戦場に繰り広げる二人。いや、三人。
遠くで転移を維持していグリモア猟兵が赤面していたことは、まあ言うまでもないよね。というか、真面目にがんばろうね。
「ええ、では、|メイド《犬》参ります!」
だからぁ――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、いえコスプレじゃないしちゃんと忍んでますけど!?
おお、今日も理緒さんが荒ぶっておられる
っていうか最近、|暴走《りおりお》しすぎじゃないですか??
ナイアルテさん危ない!早くにゃいあるてぱんちを!
アッハイワタシガツッコミマス
りおさーん、いきますよーあとにしましょうねー
さてハロウィン化を阻止しないといけませんね
セラフィムは利用するとして仮装……
むー何にしましょう?
私目立った特徴が無いのでこういう時困ります
え?クノイチ要素の排除?
どこにでもいる少女Aの誕生ですけど!?
まぁそれでいいなら少女A……I?なんで?
あ、【VR忍術】カマイタチの術いっきまーす
菫宮・理緒
【サージェさんと】
Trick or Rescueってことだね。
うん、もちろん救っては来るけど……。
救ってくるから化けて出て!いやむしろ取り憑いて!
いやいやもしいいなら取り憑かせて!
サージェさん痛いの……。
コスプレは電脳妖精でいくとして。
この世界をハロウィンにしてやる、とか、どういうことなの。
いや、ナイアルテさんがずっとコスプレしてくれるなら、ありかな、とか思っちゃうけども!
冗談ですよ!?
あ、あとサージェさんはそのバレーボール2個隠せば、
クノイチのコスプレになるから、それでいいんじゃないかな?
とりあえずハロウィン化は防いでくれてるから、
わたしたちはあと一押しだね。
ニムルドレンズで灼いちゃおうー♪
混沌渦巻く戦場。
沿岸の決戦都市に迫るデウスエクスの群れ。
『ハイドラホラー』たちの生み出す多頭はさらに混沌を煮詰めたかのような漆黒の竜頭でもって戦場を押し返さんとしている。
猟兵、ケルベロス。
彼等が入り混じり戦う様は、混沌をさらに煮詰めていくようでもあった。
「混沌とした戦場に差し込む一条の真理! お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、いえ、コスプレとかじゃないし、ちゃんと忍んでますけど!?」
セルフで突っ込む。
これがクノイチちからである。
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は、しゅたっと戦場に降り立つ。
「Trick or Rescueってことだね。うん、もちろん救っては来るけど……」
だが、そんな颯爽登場を決めたサージェの背後で後方で転移を維持しているグリモア猟兵に絡んでいるのが菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)である。
「救ってくるから化けて出て! いやむしろ取り憑いて! いやいや、もしいいなら取り憑かせて!!」
むちゃくちゃ言っているのである。
いや、何の交渉事なのかさっぱりわからないやり取りである。だが、サージェは、あーいつもの理緒のあらぶり具合と比較して、荒ぶってんなーくらいに思っていたのである。
というか、最近、|暴走《りおりお》しすぎじゃないかなぁとすら思っていた。
グリモア猟兵が危ない!
転移の維持をしてんだから邪魔してはならない。今だ、そこだ、必殺のにゃいあるてぱんちだ! とサージェはサムズアップしている。
「アッハイワタシガツッコミマス」
サージェは何かを見たらしい。
「りおさーん、いきますよーあとにしましょうねー」
ハリセンで理緒の後頭部が叩かれる。
正気に戻った理緒は後頭部を擦る。ハリセンと言えど、痛いものは痛いのである。
「痛いの……でもコスは何にしようかなぁ。サージェさんは元からコスプレだし」
「いえ違いますけど!? 普段からこれですけど!? 決してコスプレじゃないですから!? ちゃんと仮装しますけど!?」
「あーはいはい。わたしは電脳妖精でいこうかな……というか、この世界をハロウィンになんて……え、どういうことなのかな?」
もしかして、普段からコスプレ姿を見ることができるって……こと!?
いや、でもでも、普段からコスプレしていたのなら特別感なくない? そうなると最早それはコスプレではなくて。
コスプレゲシュタルト崩壊を起こしそうである。
「冗談ですよ!? あと、サージェさんはそのバレーボール二個隠せばクノイチのコスプレになるから、それでいいんじゃないかな?」
んなわけあるかい。
むしろ、それを隠すなんてとんでもないまである。
「えーそんあの何処にでも居る少女Aの誕生ですけど!?」
そうだそうだ!
隠せない弾む二つの言及できない、そういう褐色の果実を隠すなんてとんでもないことである。許されざる暴挙である。
サージェは忍びきれていない忍べない。
そういうキャッチフレーズで今までやってきたはずである。相対してきた敵の全てが、あれはクノイチじゃないよなぁとかなんとか思いながら戦っていたに違いないのである。
そんなサージェのアイデンティティをコスプレとは言え、隠して良いのか! いや良くない!
「いや、それもそれで語弊が在ると言いますか……もはや少女A……I的な? なんで?」
「ひとまず『セラフィム』がハロウィン化は中和してくれてるから、わたしたちはあと一押しだね」
尺的にもね。
「尺ってなんですか!?」
「Nimrud lens(ニムルド・レンズ)で雑に焼いちゃおうー♪」
「う、物騒なことを平気な顔して言ってる理緒さん怖い。あ、VR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)でカマイタチの術いっきまーす!」
雑ぅ!
二人はユーベルコードに輝く瞳をデウスエクス『ハイドラホラー』へと向け、その力を発露する。
集約させた光が煌めき、大気を屈折させて生み出されたレンズから灼熱の熱線が放たれ『ハイドラホラー」たちを焼滅していく。
サージェは目にも止まらぬ速度と、そしてクノイチ要素を排除した何処にでも居る少女AIのコスプレという名の気配遮断によって、いつも以上に忍びムーブでもって『ハイドラホラー』たちを切り刻んでいくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メアリー・フェアチャイルド
●WIZ【キャスター】
頭のネジをがっちり締めて、気分は最高の絶好調!
万物化するって、うーん…要はカボチャなハロウィン一色にさせるなって事でしょ?
それならあたしちゃんのギターで、皆をノリにノラせて皆のコスプレを大いに盛り上げちゃうぞー!
コスプレは故郷がアポヘルらしく世紀末な衣装よね
決戦配備のセラフィムだけど、デウスエクスをどうにかする火力が足りないのならライブステージ建設要請の支援ぐらいは期待しちゃってもいいよね?
存在するだけでハロウィン化を中和するなら、ギターの音色に中和する作用を乗せるアンプ機能とかさ
邪魔する敵はギターの音色で召喚した『シャーク・トルネード』で竜首まるごとズタズタにしちゃうね
メアリー・フェアチャイルド(サンダーボルト・f25520)は己の頭部に存在するネジをしっかりと締め直す。
デッドマンである彼女は情緒不安定である。
頭のネジが緩むとどうしても弱気になってしまうのだ。
だが、今回は彼女の気分を示すボルテージは最高潮に達していた。
何故ならば、万物が存在する状態――即ち『ハロウィン化』は、彼女のような出で立ちの存在を超常ではなく、通常のものとするからだ。
「あたしちゃんのギターを聞けぇ!」
すでに気分はロックにキマっている。
かき鳴らすエレキギターの音色がアンプに増幅され、『ハロウィン化』された沿岸の決戦都市に鳴り響く。
そう、これがハロウィン化だというのならば、己のノリに乗ったサウンドでもって更に盛り上げてやろうってもんなのである。
それに他のケルベロスや猟兵たちのコスプレを盛り上げるのもまた一興である。
メアリーの姿は世紀末。
棘々鋲にメタルアクセサリー。ブラックの革ジャンにジャラジャラと鎖が巻き付いている。どこに出しても恥ずかしくないデスメタルな雰囲気となっていた。
彼女の出身世界アポカリプスヘルにおいては、レイダーたちめいた服装であったのえ特別メアリーには珍しいものではなかったが、ことケルベロスディバイドでは珍しい部類であったことだろう。
「決戦配備どうするんだい……ってうっわ、すごいな君」
ホログラム通信の『エイル』博士がメアリーの演奏と服装に思わずビビってしまっている。
「決戦配備? オーライ!ライブステージ建設要請よろしくね! 最高なステージ期待しちゃってもいいよね?」
「突貫工事だよ!」
「あ、それとアンプ代わりに『セラフィム』を借りるよ! さあ、かき鳴らすよ、ご機嫌なビートってやつをね!」
その言葉と共にメアリーの瞳がユーベルコードに輝く。
接続されたプラグ。
『セラフィム』のアイセンサーが明滅し、その胸部砲口をスピーカー代わりにしてメアリーのかき鳴らす音色が響き渡る。
「ジャッキーン! シャーク・トルネード!」
召喚されるサメたち。
回転ノコギリを備えたサメたちがメアリーの演奏に合わせるように宙を飛び、迫るデウスエクス『ハイドラホラー』の生み出す無数の竜頭をずたずたに切り裂きながら突き進んでいく。
それはまさに混沌めいた……いや、B級映画じみた光景であったことだろう。
地にはコスプレケルベロスと猟兵が疾駆し、空には回転ノコギリ備えたサメが乱舞する。BGMにはエレキギターの音色が響いているのだ。
これが混沌でなくってなんだというのだ。
それほどまでにメアリーの演奏は神がかっていた。
吹き荒れるサウンドに『セラフィム』の機体が揺れる。
あまりの音に機体が耐えられないのかもしれない。けれど、それでもメアリは破壊的なサウンドをかき鳴らし続ける。
己の心臓は最早ない。
だが、衝動をエネルギーに変える第二の心臓たるエンジンが唸りを上げる。
衝動のままにかき鳴らす音色は、混沌さえも切り裂くように戦場を埋め尽くしていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
リコ・エンブラエル
●POW【スナイパー】
昨年のハロウィンは実に健やかなものであったが、今年は世界の存亡を賭けたレースと言う訳か
一騎当千の俺たち掛かれば…と言いたいところだが、相手の数は大物の配下だけとあって際限ないまでの数だ
去年の再利用ではあるが、ハリボテ同然にデコったギアで迎撃に当たらせて貰おう
だが、問題は機動性の低下だ
積極的に打って出れない状況下を打破する解決策として、|決戦配備《セラフィム》にスナイパー支援を要請
デウスエクスをどうにかするには火力が足りてないのであれば、武装形態をギアで担いで【ヘビーアームド・ウェポナイズ】による乗算作用により威力を強化
とんだ現地魔改造となったが、噛みつかれる前に殲滅だ
今年のハロウィンは余りにも物騒なものである。
何せ、世界の危機なのだ。
ケルベロスディバイド。その世界は常に宇宙よりの侵略者の脅威に晒されている。生存エネルギー、グラビティ・チェインの収奪を狙うデウスエクスたち。
此度は、お祭りを楽しむ『季節の魔力』の高鳴りをねらって『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』が到来しているのだ。
沿岸の決戦都市は、正しく混沌そのものだった。
『ハロウィン化』と呼ばれる万物が存在ている状態が戦場を染め上げている。それに飲み込まれれば、猟兵と言えど無事では済まない。
「昨年のハロウィンは実に健やかなものであったが、今年は世界の存亡をかけたレースという訳か」
リコ・エンブラエル(鉄騎乗りの水先案内人・f23815)は、今回の『大祭祀ハロウィン』の到来が時間制限が設けられている事態を憂う。
ハロウィンとはもっと本来こう、賑やかで楽しいものであるはずだった。
間違っても、こんな混沌めいた狂騒めいた祭事ではないのだ。
「一騎当千の君たちならば、なんとかできるだろう。いや、してもらわないと困るんだが! 来年度の予算が!」
ホログラムの『エイル』博士の悲鳴を聞いてリコはうなずく。
とは言え、である。
敵の数は膨大そのもの。
それに加え、『十二剣神』の一柱の配下デウスエクスである『ハイドラホラー』は今日的である。際限のない物量も正直言って、脅威そのもの。
「とは言え、泣き言はいってられんか。去年の再利用であるが」
リコはハリボテ同然にデコレーションしたギアに乗り、戦場へと飛び出す。
「決戦配備は!」
「遠距離支援を要請させてもらおう。だが、問題は機動性の低下だな……」
ハリボテをした分、ギアがどうにも動かしづらい。
そもそもハリボテデコレーションをした状態で戦うなど想定していないのだ。だが、このハリボテデコレーションが成されていないと、『ハロウィン化』に対抗できないのだ。
目下の問題は『ハロウィン化』。
これは優先問題でしかないのだ。
「了解、とは言え、火力は君たちのユーベルコードには及ばないと理解してくれ給えよ、できて」
「時間稼ぎか」
「そういうことさ!」
その言葉と共に決戦都市から飛び立った『セラフィム』が胸部砲口から火線を放ち、『ハイドラホラー』たちがリコへと迫るのを足止めする。
確かに決定打になりえない。
存在するだけで『セラフィム』は『ハロウィン化』を中和してくれるというのであれば、リコはハリボテデコレーションをひしゃげさせながら、己のギアを重武装モードへと変形させていく。
「中和は『セラフィム』に任せよう。こちらは」
ユーベルコードに輝くリコの画面。
己に足りていないのは『ハロウィン化』をどうにかする力。『セラフィム』に足りていないのは火力。
ならば、これは役割分担である。
「こちらが火力を担当する。とんだ現地魔改造となったが……噛みつかれては敵わない。容赦なく殲滅させてもらおうか」
重武装モードへと変形したギアより放たれる火砲の一撃は、移動速度を代償に、さらにはデコレーションをも犠牲にして圧倒的な火力たる砲火の一撃を迫る『ハイドラホラー』たちへと叩き込む。
その痛烈なる一撃は爆風を巻き上げ、『ハイドラホラー』たちを盛大に吹き飛ばしてみせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ナターリヤ・トゥポレフ
●POW【メディック】
ハロウィ…ン?
ほんの些細なお祭りでさえ貴重な獣人戦線では見られない催しですね
嗚呼、私の可愛いミーシャがシーツお化けな姿になると思うと…こほん
今はまだその時ではありませんね(キリッ!
どの道敵の首領格が降臨するのであれば、事前に市民の避難を万全にしておくべきかと
セラフィムの一機をお借りしまして、ハロウィン化が進行する決戦都市に取り残された方の捜索を…この姿ですか?
はい、この夏UDCアースにてお買い上げしました『八尺様サイズの純白ワンピース』です♪
八尺様とは何の事か詳しく存じませんが、これなら何とか対抗できるかと
不十分でしたら…『夜の森の神』となり、敵のみを震え上がらせましょう
他世界を識る猟兵に取ってみれば、ハロウィンという祭事は馴染み深いものではなかったのかもしれない。
特に戦乱渦巻く世界においては。
「ハロウィ……ン?」
ナターリヤ・トゥポレフ(母熊は強し・f40514)は転移後の世界、ケルベロスディバイドの決戦都市の様相みやり、首を傾げる。
彼女が戦う獣人戦線においては、些細なお祭りでさえ貴重であった。
「そうさ、『ハロウィン化』! これが今まさに決戦都市を襲っている『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の力さ!」
転移直後にホログラム通信が入ったことにナターリヤは少し驚いた。
人が小さく浮かんでいる?
いや、そもそもナターリヤの体躯を考えれば、大抵の人間は小さな存在であったことだろう。
ていうか、え、でっか……と亜麻色の髪の女性『エイル』博士はナターリヤの容姿にびっくりしていた。
「あ、いや。それどころではなくって」
「なるほど? 私の可愛いミーシャがシーツお化けなるものになると思うと……」
ナターリヤは戦う者から母の顔に一瞬なるのだが、頬を叩いて気を引き締める。
そう、今はまだその時ではない。
己の可愛い子。
その姿を瞳に収めるためには、この戦いを乗り切り、世界の危機を救って見せねばならないのだ。
「お、おう……そのとおりだよ。というわけで、頼まれてくれるかい、猟兵くん!」
「ええ、おまかせくださいませ。どのみち、敵の首領格が降臨するのであれば、市民の避難を万全にしておくべきかと」
「シェルターに避難は済んでいるとは思うのだが……いや、確かに君の言う通りだな。逃げ遅れている者がいるかもしれない。頼まれてくれるかい?」
「わかりました。では『セラフィム』を一騎お借りいたしまして……」
「あ、いや、ちょっと待って」
「はい?」
ナターリヤを呼び止めるホログラム通信の『エイル』博士。
彼女が呼び止めたのは、ナターリヤがその場から離れようとして通信のカメラが大きく彼女の姿を捉えたからだ。
「その格好は?」
「これですか? はい、この夏UDCアースにてお買い上げしました『八尺様サイズの純白ワンピースです♪」
レンズの画角のせいだろうか。
ただの金髪清純ワンピース美女しか写ってない。
いや、これを仮装と呼んで良いのか。
「八尺様とは何のことか存じませんが、これなら対抗できますよね? ハロウィン化に」
「……できるかなぁ……」
「でも、私平気ですよ?」
「できるんかい!」
思わず突っ込んでしまっていた。とは言え、ナターリヤが頼りになる存在であることは言うまでもない。
「敵との遭遇戦には十分に気をつけ……って言っている側から!」
純白ワンピースのナターリヤに迫るデウスエクス『ハイドラホラー』たちの多頭の竜首。その牙がナターリヤを噛み砕かんと迫る。
だが、ナターリヤは、その瞳をユーベルコードに輝かせながら、その躰を夜の森の神へと変貌させ、そn強靭在る熊の爪の一撃で持って口腔から真っ二つに引き裂いて見せる。
その膂力の凄まじさたるや、恐怖すら与えるものであったことだおる。
「どなたか存じ上げませんが、今は恐怖に身を震わせておいてくださいね。私は為すべきことがありますから」
そう微笑んで、ナターリヤは恐怖に竦むデウスエクスたちを無視し、逃げ遅れた市民たちがいないか、『セラフィム』と共に駆け回るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・フォーサイス
●SPD【スチパン】
うわー…あたし達のケルブレ世界でも毎年ハロウィンはエクスデウスが何かをしてたけど、こっち側は最初からクライマックスとかナニコレ笑えない状況じゃん
ま、あっち側でも何とかなってたし、こっち側でもなんとかなるっしょ
ね?シルバーブリット
あたし達は決戦都市内部に侵入したデウスエクスの遊撃に当たらせて貰うね
セラフィムにお願いするのはディフェンダーで、敵を幹線道路に閉じ込めて頂戴
そうそう
コスプレは…じゃーん!
ベルトが風を受けるとヘルメットと連動して変身しちゃうスチパンな仮面…おっと、コレ以上はいけなかったね
バイク形態なシルバーブリットで轢き回すけど、毒ガスで反撃されたらUCでお返しだよ!
真・シルバーブリット
●POW【スチパン】
わー、見てステラ!
ハロウィンだよハロウィン
ポンペリポッサの魔女と配下のドリームイーターは出て来てないようだけど…やっぱりハロウィンの魔力に釣られてデウスエクスが何かするのは変わらないんだね
ボクの仮装はステラの仮装に合わせた特撮ヒロイックなペイントさ
でさ、ステラ…よく分からないけど、何だかそれ以上言っちゃいけないと思うんだ
ステラを乗せて『デッドヒートキャリバー』してるけど、それだけじゃ芸がないと思うんだ
例えばこう…せり出した隔壁を足場にして大ジャンプ
完全な人型には変形しきれないけど、途中段階なバイクと人の間で炎を帯びた脚部を展開したキックとかさ
そんな感じに盛り上げていこうよ!
「わー、見て!」
その言葉は、ステラ・フォーサイス(帰ってきた嵐を呼ぶ風雲ガール・f40844)の駆るライドキャリバーにして真・シルバーブリット(真シルバーブリット・f41263)のものであった。
彼の視界に映るのは、『ハロウィン化』した決戦都市の様相であった。
確かにそこはステラやシルバーブリットのよく知る世界と酷似していたが、しかし違う世界であることを知らしめるものであった。
決戦都市。
デウスエクスと戦うために作り上げられた、正しく決戦の場でもある。
そこが今まさに『ハロウィン化』と迫りくるデウスエクス『ハイドラホラー』によって脅かされているのだ。
「ハロウィンだよハロウィン。ポンペリポッサの魔女とは以下のドリームイーターは出てきてないようだけど……」
「うわー……こっちがわの世界は最初からクライマックスとかナニコレ笑えない状況じゃん」
ステラはまたがったライドキャリバー、シルバーブリットのシートから決戦都市を染め上げる万物が存在する状態に塗れた戦場を見やる。
「……やっぱりハロウィンの魔力に釣られてデウスエクスがなにかするのは変わらないんだね」
「ま、あっち側でもなんとかなってたし、こっちがわでもなんとかなるっしょ。ね? シルバーブリット」
「うん、任せておいてよ! フルスロットルでいくよ!ステラがしてくれたペイントで僕はご機嫌なんだよ!」
「気に入ってもらえたんならよかった。じゃあ、行くよ!」
そう言って笑うステラはシルバーブリットの躯体にヒロイックなペイントで仮装させていた。
白を貴重として赤のラインがとても良い。
そのペイントを残光として戦場に刻みながら、シルバーブリットは駆け抜ける。
ステラは何故か自分のお腹……そう、ベルト部分に疾駆による風を受けるようにして立ち上がる。
何をしているのだろうとシルバーブリットは思った。
「何してるの、ステラ?」
「あたし? じゃーん!」
ほらこれ、と彼女が示すのはベルトに埋め込まれた風車みたいなガジェット。
それがどうしたのだろう? とシルバーブリットは思った。
風を受けてガジェットが回転していく。そして同時にステラの被ったヘルメットが変形し、フルフェイスへと変貌していくのだ。
そう、言ってしまえばこれは、ライドキャリバーを駆る、仮面ラ……あっぶねぇ! これはあぶねーですよ! デンジャラスですよ。
「おっと、これ以上はいけなかったね。冗談冗談。シルバーブリット!」
「うん! 任せてよ!」
その言葉と共にシルバーブリットは黒炎を纏うデッドヒートキャリバーへと至る。ただ突っ走るだけでは芸がない。
確かに轢殺するためには、このユーベルコードがうってつけだろう。
だが、少年の心を宿すシルバーブリットは、決戦都市の責任者である『エイル』博士に通信を入れるのだ。
「博士、壁面をBルートからEルートまで展開お願いね!」
「はいよっと!」
その言葉と共に周囲にあったビル群に隔壁の壁面が生み出され、まるでコースめいた様相を持ってシルバーブリットの眼前に生み出されるのだ。
それを足場にして駆け抜け、シルバーブリットの躯体が宙を舞う。
完全に人型へとは変形できないが、しかし、シルバーブリットの車輪が回転し、ステラがその上に飛び乗って回転のエネルギーと共にはじき出されるようにして、燃え盛る炎のオーラをまとって『ハイドラホラー』へと蹴撃を叩き込む。
其の一撃は正しく必殺技と呼ぶに相応しいものであったことだろう。
「これがライダー……あ、コレもダメ?」
「折角盛り上げたのにね!」
「まあ、仕方ないよね。でもさ、シルバーブリット。ちょっと」
「楽しいよね!」
なんて二人は笑い合いながら、『ハロウィン化』という惨禍に見舞われた決戦都市の戦場を自在に疾駆し、迫りくるデウスエクスの群れを打倒するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メリー・ブラックマンデー
決戦配備:キャスター
(アドリブ連携歓迎)
待たせたわね!|月曜日《私》が来たわよ!(黒ローブに大鎌を携えた死神仮装で降臨する竜神一名)
…なに?あらゆる世界の概念が同時に存在する状況を作りだす、そういう作戦でしょう?
当然月曜日も共に在るわ、ハロウィンが迫るこの世界でも!
一体一体の攻撃範囲が広いうえにこの数は厄介ね…!
なら…『アルテミス』!セラフィムが造りあげる障害物あるいはセラフィム自体を光で照らし、
ハイドラホーラーに影を落としなさい!
【晷針示すは我が威光】、多頭の口を開く前に雷の<神罰>を落としてやるわ!
戦場は混沌を極めていた。
猟兵もケルベロスも仮装に身を包み、ハロウィン化に対抗している。
だが、そんな一進一退の戦場に溢れ返るようにして『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の配下である『ハイドラホラー』たちが、その多頭の竜首より毒のブレスを解き放ちながら、決戦都市をハロウィン化という名の混沌に飲み込まえせようとしていた。
「やはり数が多すぎる……! 敵も本気ということだね!」
沿岸の決戦都市の責任者である『エイル』博士が呻く。
確かに猟兵たちはよく戦ってくれている。それでも『大祭祀ハロウィン』の猛攻は凄まじすぎるものだったのだ。
だが、そんな苦境に立たされていてもなお、希望の光は輝くのだ。
「待たせたわね! |月曜日《私》が来たわよ!」
其処に在ったのは黒ローブに大鎌を携えた死神仮装で降臨したメリー・ブラックマンデー("月曜日"がやって来る・f27975)の姿であった。
「務め人にはなんだかとっても苦々しい単語が聞こえた気がするんだけども!?」
「その通りよ! だって、これは汎ゆる世界の概念が同時に存在する状況を作りだす、そういう作戦でしょう?」
メリーは黒ローブを翻し、大鎌の刃を煌めかせて見せた。
その意味深過ぎる姿。
マジで死神は月曜日の化身なのかもしれない。やだやだ月曜日来たらやだ! とどんだけ駄々をこねたところで、月曜日は必ずやってくるのである。
となれば!
「当然月曜日も共に在るわ、ハロウィンが迫るこの世界でも!」
メリーは胸を張る。
其のとおりである。どれだけ月曜日の到来を悲観したとしても、月曜日がやってくることは止められない。
「さあ、晷針示すは我が威光(ルミナス・ダイヤル)を見なさい。首を垂れて地を見なさい、貴方達はもう私の領域に足を踏み入れているのよ」
その言葉と共にメリーは自分が作り出した影の領域に踏み入った『ハイドラホラー』たちへと神罰の一撃を叩き込む。
『セラフィム』が放つ光が彼等の背に影を生み出しているのだ。
そう、すでに仕込みは盤石。
メリーのユーベルコードは、すでに『ハイドラホラー』たちを捉えている。
如何に彼等が多頭の竜首より毒のブレスを解き放とうとするのだとしても、全てが遅きに失するというものである。
彼女の神罰は、影の範囲に入った者全てにくだされる。
逃れ得ぬことであり、また逃れようとする事自体が不敬そのもの。
「どんなときだってやってくるのよ、私は。時の流れは止められない。例え、世界がハロウィンという名の混沌に堕すのだとしてもね!」
メリーは月曜日の竜神。
どんなに疎まれても、望まれなくても。
必ず決まった時間にやってくる使者そのもの。まあ、月曜日を憂う人間ばかりではないことは特筆しておくべきことだろう。
例えば、今日のように。
「月曜日が定休日な人だっているだろうからね! 例えば、公共施設とか!」
図書館とか美術館とかね。
そういう人達に取ってみれば、メリーの到来は待ち望むものであったことだろう。そして、此度のように世界の危機であるというのならばなおさら。
「ありがたく思いなさい、人間! この私が加勢してあげようっていうのだから!」
その言葉と共にメリーは神罰の雷を『ハイドラホラー』へと落とし続け、その威容、神威を見せつけ続けるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
きゃあ!遅刻遅刻~!
でもそれはそれとして思うんだけどお菓子をくれなきゃ悪戯するぞって悪戯ができないのが損だと思うんだよね!
悪戯をした後でもっと悪戯されたくなければお菓子をちょうだい!って言う方が向こうの”|《お菓子》誠意”の量も変わってくると思うんだよね!
それでこそむこうもお菓子をあげなきゃどんな目に遭うか分かってる分お菓子を出すということに関して納得できると思うんだよね!
納得は全てに優先するってやつだよ!
●ここまでトリックオアトリートをしていての遅刻をごまかす(ごまかせてない)トーク
喰らい付くドラゴンヘッドに【第六感】で合せてUC『神撃』でドーーーーンッ!
「きゃあ! 遅刻遅刻~!」
それは朝のイベントめいたものであった。
混沌。
ハロウィン化した決戦都市の曲がり角を勢いよく走るロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、速度を全く緩めないまま、神撃(ゴッドブロー)の一撃を『ハイドラホラー』の鳩尾に叩き込んでいた。
開幕早々のユーベルコードである。
炸裂する拳の一撃に『ハイドラホラー』は天高くぶっ飛ばされ、頭から落ちた。
なんとか落ちって言うよね。多分それ。
「ごっめ~ん! ぶつかっちゃった! でもでも、君も悪いんだからね! 曲がり角で立ち止まらないんだから!」
完全に事故である。
「でもそれはそれとして思うんだけどお菓子をくれなきゃ悪戯するぞって悪戯ができないのが損だと思うんだよね!」
一体全体誰に向けた言葉なのかわからない。
だがしかし、ロニは深く頷いている。
そう、お菓子もほしいが悪戯もしたい。何その豆大福みたいな理屈。こし餡も食べたいけど小豆の食感も欲しい、みたいな。
「悪戯をした後で、もっと悪戯されたくなければお菓子をちょうだい! っていう方が向こうの|誠意《お菓子》の量も変わってくると思うんだよね!」
なにそれ、当たり屋そのもんどえある。
とは言え、やり方があくどいなどとは言うまい。いや、言うよ。言うに決まってる。
「それでこそ向こうもお菓子をあげなきゃどんな目に遭うかわかってる分、お菓子を出すことに納得できると思うんだよね!」
納得は全てに優先するってやつだよ! とロニは得意げにとんでもないことを言っている。
正直怖い。
神性ってみんなこういう思考回路してんの? と亜麻色の髪の女性『エイル』博士はホログラム通信の先でそんなことを言っているロニを見て、こわぁって思った。
というか、此処まで炸裂したトークはもしかして、遅刻したことへのごまかしだろうか。
「いや、それはそれとして決戦配備はどうするかね」
『エイル』博士は怖かったので、流した。
特に指摘して自分が得られるものがなかったからである。これを律儀に指摘して、神の怒りを買おうもんなら、それこそ大損である。
え、ていうか、こっちが其処まで考えることを見越してのトークであったというのならば、たちが悪すぎである。
「ま、いいじゃない! 細かいことは! こうやって曲がり角で出会い頭のパンチでデウスエクスくんをぶっ飛ばせたんだしね!」
「いや、まだ居るが!?」
「んもー、せっかちさんだね! こういう朝登校イベントは一人一回までって決まっているんだけど!」
大盤振る舞いだね、とロニは笑って、ユーベルコードの拳の一撃を迫る『ハイドラホラー』に叩き込みながら、ぶっ飛ばす。
一体全体どこに登校しようっていうのか。
それとも、悪戯するからお菓子、というたかり相手を探しに行っているのか。
どちらにせよ、その気まぐれめいた暴力性がこちらに向かぬことを『エイル』博士は祈るしかないのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
厳・範
決戦配備:スナイパー
半人半獣形態なお爺。仮装は『僵尸』
ハロウィン、とは…聞いたことがあるが。
全てアレになるとは…季節も何もないことになるか。
花雪「それは困ります!」(同じく僵尸)
であるから、行くか。
即座にUCを使い、眠らせていこう。
決戦配備での攻撃と、猫たちの攻撃…両方に対処するのは難しかろうて。
それに、猫たちは数が多く…睡魔を呼ぶのでな。
花雪「ドラゴンは、雷公鞭の雷で打ち据えますし!」(ふんす)
まあ、あてられたのか、猫たちも僵尸みたいにミニ札を貼っているがな…。
花雪「かわいいです!!」
ハロウィンとは様々な文化を経て変容した祭事の一つである。
大本をたどれば、それは収穫祭。
変容を受け入れ続けたがゆえに、今の形に落ち着いてはいるが、確かに混沌の器とするのならばうなずけるところがあるのかもしれないと大真面目に厳・範(老當益壮・f32809)は納得していた。
だが、である。
「ハロウィン、とは……聞いたことがあるが。全てアレになるとは……季節も何もないことになるのではないか」
詰まる所、『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の目論見とはそういうことである。
『ハロウィンの楔』を地球に打ち込み、彼の主星である『真理の部屋ハロウィン』と繋ぐこと。
そうすることでケルベロスディバイドの地球を混沌たるハロウィン化へと導こうというのである。
「それは困ります!」
彼の背で宝貝人形である『花雪』が声を上げる。
彼女は範とお揃いの僵尸姿の仮装をしていた。ペアルックと云うやつである。万事が全てハロウィンと化すということは、他との区別がつかぬということである。
それはどうしたって避けたい。
全てが違うからこそ、他者の存在を感じ取れるように。
違いなくば、個として成り立つこともできない。
それはとても寂しいことのように思えたのだ。
「では、往くか」
範の瞳がユーベルコードに輝く。
使令法:豹貓(バオマオ)によって呼び出されたベンガルヤマネコたちが『決戦配備』の『セラフィム』たちと合わせて戦場に飛び込み、長距離射撃と睡魔を呼び込む力よって『ハイドラホラー』たちを押し止める。
確かに決定打はない。
『セラフィム』にしたって長距離射撃の一撃は『ハイドラホラー』たちの動きをその場に縫い留めるだけであったし、またベンガルヤマネコたちの睡魔は、ただ眠らせるだけであった。
だが、それでいいのだ。
「無理に全て打倒するまでもない。敵の首魁がやってくるというのならば、これを討つまで」
範は気がついた。
よく見たら召喚したベンガルヤマネコたちの額にも小さな札が貼られている。
自分たちの仮装をマネしたのだろう。
その様子に『花雪』はなんだか嬉しそうだった。
「かわいいです!」
張り切るようにして彼女の手にした宝貝が雷を呼ぶ。
『セラフィム』による足止め。ベンガルヤマネコたちによる睡魔。
その二重によって十分に時間を稼いだがゆえに宝貝に蓄えられた雷は、天より降り注ぐ雷よりも苛烈なる一撃となって『ハイドラホラー』たちを打ち据える。
「うむ、見事。なれば、次なるは」
範は空を見上げる。
敵は『十二剣神』の一柱、『大祭祀ハロウィン』。
その力は強大そのもの。
多重分身によって全世界同時攻撃を観光するほどの力を有しているのだ。
ならば、気を抜くことなどできはなしない。
「これよりが本番と心得よ。あらゆるものを飲み込む混沌。なれど、対抗する術を我らは心得ているのだからな――」
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』
|
POW : そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD : トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ヒャ~ッハッハッハァァァァ!!!!」
デウスエクス『ハイドラホラー』を尽く打倒してみせた猟兵、ケルベロスたちの頭上に高らかな笑い声が響き渡る。
見上げた先に在ったのは威容なる姿。
形容するのならば、ジャック・ランタンの如き存在。
内部に蓄えられたエネルギーは、混沌の力を得ているからか。その存在そのものが、あらゆるものを『ハロウィン化』することを証明するように、周囲を尽く混沌へと変貌せしめていく。
「見事だ、ケルベロス、猟兵! オマエラの勇姿は確かに全世界の人々に希望を与えたことだろうよ! だがな!」
彼は笑う。
そう、希望があるから絶望が生まれる。
鮮烈なる希望が堕す時、人の絶望は寄り深いものとなるだろう。
故に彼は言うのだ。
「このオレサマを前にして同じように出来るか! 止められるか、ケルベロス! 止められるか、六番目の猟兵!」
ほとばしる咆哮。
ビリビリと走る『ハロウィン化』の力の波。
その前に降り立つ決戦配備の『セラフィム』達。
一斉に存在することで、『ハロウィン化』を中和しているのだ。
「ハッ! 七面倒臭い連中だぜ、まったく! だが、問題なし! 人の存在なくば、ただの木偶の坊と同じ奴らがどれだけ束になろうともな! 行くぜ、オマエラ正義の味方が大好きな、正々堂々の勝負ってやつだ! ヒャ~ッハッハッハァァァァ!!!!」
盛大な哄笑と共に、今、ハロウィンの一大決戦が幕を上げる――。
バドックス・ジュデッカ
●POW『ジャマー』
ハロウィンと言えば定型のフレーズがあるだろう?
それに倣わなければ、『宜しく無い』だろう。
なお此処で多少思い付いたので戦闘演算ついでに
どこぞの料理レシピサイトの知恵を拝借するものとする。
『ザミエルの氷嵐』を起動する。
氷の魔弾とは言うが、魔弾の形状が菓子であってはならないとは
俺の中の|術式《プログラム》には書いていない。
つまり、全力でトリートだ。
ハロウィン的トリックの『ジャマー』の中に
氷菓子の魔弾を紛れ込ませながら、口腔らしき部位に全力で叩き込む。
アイスクリーム頭痛とか冷たい物食べ過ぎによる腹痛などは責任を持たん。
要求してきたのはそちらだろう。
オアとは言うがアンドでも良かろう?
空より迫るは『十二剣神』の一柱。
その名を『大祭祀ハロウィン』――圧倒的な存在の力を発露するかのように口腔と眼窩めいた内部より走るは『ハロウィン化』の力。
混沌。
そう、万物が存在している状態。
「ヒャ~ッハッハッハァァァァ!!!! これがハロウィンになるってぇことだ、ケルベロス! 全てこのハロウィンと変貌し、真理へと至る。万物が在るということが、即ち真理なんだよ! だが、オマエラは正義の味方としてオレサマに楯突くだろう、ならば見せてみやがれ、オマエラのハロウィンってやつをよぉ!!」
『大祭祀ハロウィン』の咆哮と哄笑が入り混じった声が響く最中、バドックス・ジュデッカ(戦闘バイク型決戦配備BDX式試験機・f41205)は冷静に言葉を紡ぐ。
彼の言葉は正しく対極的ものだった。
「ハロウィンと言えば定型のフレーズがあるだろう?」
「あん?」
「それに倣わなければ、『宜しく無い』だろう」
バドックスは戦闘演算を開始する。
確かに『大祭祀ハロウィン』は凄まじい力を持っている。相対しているだけで、ジリジリと己の躯体を灼くようなプレッシャーを解き放っている。
だが、彼は立ち向かう。
己が正義の味方だからではない。
ケルベロスとして、立ち向かうと定められたがゆえ。そして、それを己が選んだが故であった。
「――間隙すらなく、降り注げ」
氷の魔弾を巻き散らすように解き放ちながら、走り抜ける。
「はっ、豆鉄砲がよぉ!」
『大祭祀ハロウィン』はしかし、眉根を寄せる。
放たれる氷の弾丸。
なんか嫌に色とりどりではないか? リボンが巻きつけられたように色合いが変わっているものもあるし、なんかビビットなカラーをしたものだってある。
それは決戦配備『セラフィム』によるジャマーの効果によるものもあったであろう。『大祭祀ハロウィン』は、それが何故己に放たれているのかを理解できなかった。
「なんだぁ、これは!?」
「よく言うだろう。トリックオアトリート、と」
BDX-Sp『ザミエルの氷嵐』(バドックススペルザミエルノヒョウラン)によって放たれた弾丸は、その術式を書き換えることよって、魔弾の形状を氷菓……否、アイスクリームへと変貌させていたのだ。
彼が戦闘演算の最中、どこぞの料理レシピサイトの知恵を拝借して生み出したアイスクリームの弾丸。
そう、それこそがバドックスの思うハロウィン。
示せ、と言われたから示したのだ。
魔弾の代わりにアイスクリームを。とびっきりに冷たく。そして甘いアイスクリーム弾。
それは『大祭祀ハロウィン』の口腔めいた部位へと叩き込まれ、その冷たさを存分に彼に与えたことだろう。
「ぐおっ!? 頭痛ぇっ! これはまさか……!!」
「そうだ。アイスクリーム頭痛などと言うらしいな。冷たい物を食べすぎると臓器を冷やす。となれば、腹痛頭痛の連鎖反応は当然であろう。とは言え、そちらにそのようなものに該当する臓器があるのかは判然としない」
だが、とバドックスは告げる。
万物が存在しているというのならば。
その体躯の中にもあらゆるものが存在しているはず。つまり。
「臓器もあるだろう。そちらが要求してきたんだ。これが俺のハロウィンだ。まあ、お決まりのフレーズ的にはオア、としているが。アンドでも良かろう?」
「き、貴様ぁ~! これが、正義の味方のやることか~!! トリックオアトリートに腹痛頭痛をプレゼントってかぁ!?」
哄笑と共に『大祭祀ハロウィン』はバドックスの贈った腹痛頭痛に、のたうち回るしかないのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
風車・拳正
| 出来るか 《 止められる 》か、……ハッ、出来るかじゃねえんだよ
ーー| するんだよ 《 止める 》俺達が
| トリック 《 侵略 》は終わりだ、今からお前に| トリート 《 拳 》をくれてやるよーー!
最初から全力で行くぜ【限界突破、気合い】
ーーブッ飛べ、ショック・ザ・ビックバン!!
支援はキャスター
空中に魔方陣を設置して貰って、それを足場にして接近する【空中機動、空中戦】
敵の攻撃は拳で防ぐ【覚悟、激痛耐性】
というか、そもそもハロウィンまでまだ数週間あるじゃねーか! 来んのが早すぎるんだよテメェ!
奴の眼前まで来たら溜めてた力を解放して全力のUCをぶちこんで地上に落とす!【衝撃波、力溜め】
「ヒャ~ハッハッハ!!! 腹痛ぇっ! だがよ、この程度でオレサマがオマエラを前にして止まるとおもったか!! 片腹痛ぇわ! あ、マジで痛ぇわっ!!」
ケルベロスによるユーベルコードによって、しこたまアイスクリームを口腔に打ち込まれた『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』は腹痛と頭痛にのたうち回っていたが、万物が存在ている内部にある温かいお茶でもって、なんとか頭痛と腹痛を治めていた。
万物が存在している状態でよかった。
だが、そんな『大祭祀ハロウィン』を前にして風車・拳正(衝撃の鉄拳・f41386)はなんとも締まらない空気であるが、致し方ないと思った。
「|出来るか《止められるか》、……ハッ、出来るかじゃねえんだよ」
「ならどうするってんだぁ!? このオレサマの力は知ってんだろうが! てめぇの思うハロウィンを見せてみろ! そうでなけりゃあ、オマエラも混沌の一部にしてやるってんだよぉ!!」
吹き荒れる混沌の力。
ユーベルオードのによるあらゆるものを『ハロウィン化』する力。
その前に拳正は踏み込む。
決戦配備の『セラフィム』が生み出す魔法陣による足場を蹴って彼は空中を駆け上がっていく。
敵は巨体。
それに混沌たる力を持っている。
「近づいたところでなぁ! オマエのハロウィンさえ保たぬやつが! このオレサマに、万物を備えているオレサマに敵うわけねぇだろうが!」
「――|するんだよ《止める》、俺たちが!」
「トリックオアトリートってやつだ! オマエラの敗北と云う名のトリック! そして、生存エネルギーというトリートでなぁ!」
その言葉に拳正は叫ぶ。
「というか、そもそもハロウィンまでまだ数週間あるじゃねーか! 来んのが早すぎんだよテメェ!」
「スケジュールの都合ってもんがあるだろうが! 誰にだってなぁ!」
「何の話してやがる! どうにもこうにも噛み合わねぇが! |トリック《侵略》は終わりだ、今からオマエに|トリート《拳》をくれてやるよ!」
限界を越えた力が拳に宿る。
拳正に出来ることは多くはない。
ユーベルコードだって多種多様に扱えるわけではない。結局のところ、この拳だけが己の武器なのだ。
故に気合を入れるしかない。
どんな混沌であろうと、己の気合一つえ切り抜けていくしか無いのだ。
振りかぶった拳に満たされたユーベルコードの輝きを握りしめ、明滅させる。
「――ブッ飛べ、ショック・ザ・ビックバン!!」
放つ拳が『大祭祀ハロウィン』の顔面をとらえる。
全力。
最初からこの一撃を叩き込むことしか考えていない。例え、これが己のハロウィンだと示すことができなくても。
己の体が変容していくのだとしても。
それでも己はただ拳を叩き込むだけ。
此処で己が倒れても、あとに続く仲間たちを知っている。ならばこそ、己に出来ることは。
「これが俺のハロウィンだ! 存分にくらいやがれ、俺の|トリート《拳》を!!」
振り抜いた拳の衝撃が『大祭祀ハロウィン』の巨体を大地に失墜させる。
「グオオオオッ!? なんてやつ……! これが正義の力だとでも言うのか!」
「ちげーよ! これが俺の拳の力だ――!!」
大成功
🔵🔵🔵
ミルドレッド・フェアリー
●POW【キャスター】
遂に降臨しましたね、タマネギっぽい顔の大祭祀!
ここはスペオペ宇宙憲章治外法権の別世界ですが、違法テラフォーミングな侵略行為を前にしては宇宙騎士として見過ごす事は出来ませんとも!
私のハロウィンはどのようなものかですって?
…良いでしょう
別宇宙のハロウィンはどんな物か、刮目しなさい!
セラフィム、投影開始です!!
これは何かって、宇宙モンゴリアン・デスワームの立体映像ですが何か?
外見は醜態ですが、意外と人懐こくて美味しいのですよ
このキモ可愛さこそサイフォス遊星人ハロウィン定番の…あれ、エイルさんもドン引きしていらっしゃるのは何故です?
まぁ、良いでしょう
この隙にUCを見舞います!
ケルベロスディバイドの空に宇宙サーフボードが滑るようにして飛来する。
そこに在るのは、ミルドレッド・フェアリー(宇宙風来坊・f38692)の姿であった。眼下には今まさに大地へと失墜させられた『十二剣神』の一柱、『大祭祀ハロウィン』。
「ついに降臨しましたね、玉ねぎっぽい顔の大祭祀!」
「オレサマは南瓜だろうがよ! どこをどう見たってよぉ!」
「え」
ミルドレッドはちょっと真顔になった。
いや、最初から真顔であるし、真剣そのものであったが、どうにも『大祭祀ハロウィン』のノリに乗せられてしまうと、こんな雰囲気になってしまうのだ。
あ、いや、違う違う。
自分は今なんのためにこの世界にやってきたのか。
そう、『ハロウィン化』などという違法テラフォーミング事件の検挙にやってきたのだ。
「ここはスペースオペラワールド宇宙憲章治外法権の別世界ですが、その『ハロウィン化』、侵略行為と判断いたします!」
「そうよ! このオレサマのやってることは徹頭徹尾、侵略行為! オマエラ正義の味方が戦うに値する相手よ!」
「ならばこそ、宇宙騎士として見過ごすことはできませんとも!」
「ハン、宇宙の片隅から御大層なこった! だがよ、オマエラは頭でっかち! 己のハロウィンも保たぬ連中がオレサマに立ち向かおうなどとは百万光年はえーんだよ!」
それは『大祭祀ハロウィン』によるユーベルコードにして命令であった。
己の持つハロウィン。
それを見せぬ存在は須く『ハロウィン化』による肉体変容が訪れてしまう。
混沌に触れる事。
それによって訪れる変化は猟兵であっても、その存在を無事ではいられなくするだろう。
「……良いでしょう。私のハロウィン……別宇宙のハロウィンはどんな物か、刮目しなさい!」
ミルドレッドは手を掲げる。
決戦都市の回線に割り込み、『エイル』博士との打ち合わせと共に、それを示してみせたのだ。
「いいのかい? これ?」
「いいのです。これこそが、私のハロウィン!『セラフィム』!」
その言葉と共に『セラフィム』のアイセンサーから投影されるのは、宇宙モンゴリアン・デスワームの立体映像であった。
ちょっと苦手な方もいると思うので、そこら辺の配慮はよろしくです。
「げぇ! 宇宙モンゴリアン・デスワームじゃねーか!」
「確かに外見は醜悪。ですが、意外と人懐っこくて美味しいのですよ」
「食うのかよ! 人懐っこいのを!」
「ええ、生きるということは食べるということ。そこに躊躇いなど却って生命に対する冒涜!」
「うわ、まじかよ」
これには『大祭祀ハロウィン』も真顔である。真顔っていうけど、顔……わからんな、これ。
「……えぇ……」
『エイル』博士もドン引きしている。
え、これを? 食べる? いや、ていうか、そもそも人懐っこいって本当なのだろうか?
「このキモ可愛さこそサイフォス遊星人ハロウィンの定番……あれ、ドン引きしてらっしゃるのは何故です?」
「言いたくはないだがね、きみ」
「アア、オレサマもこんなことで地球人と意気投合しちゃうなんてどうかと思ったが」
『それはない!!』
重なる言葉。
同感同意しても、決して相容れぬ存在がデウスエクスである。悲しいね。
「はあ、これがわからないとか、やはり地球の文明もデウスエクスの文明も遅れてますね。この隙にクエーサー・バスター!!」
「て、テメェ! やることが正義の味方じゃねーぞ!?」
「いいんです、私は宇宙騎士! 正義の味方とはまた別カテゴライズ! 時に正義よりも宇宙憲章の方が優先されるときもあるのです」
というわけで、どっせい! とミルドレッドは、バトルアーマーを纏い、騎士銃槍による突撃によって『大祭祀ハロウィン』の巨体へと一撃を叩き込み、ぶっ飛ばすのだ。
それはそれは、とても雑な……ハロウィンらしい、お祭り馬鹿騒ぎめいた、見事な一撃であったとさ――。
大成功
🔵🔵🔵
ミルフィ・クロノラヴィット
アドリブ連携歓迎
【POW】:クラッシャー
引き続き
仮装は
露出高いセクシーな
『くノ一』の装いで
『遂に悪の大祭祀のお出ましですわね…正義のニンジャ、ミルフィが相手ですわ…いざ…!』
『淫魔の翼』で飛翔
【空中機動】等
【空中戦】も行い
【軽業】とも併せ
立体的に立回り
セラフィムとも連携
忍刀【隠微時舞流】と
クナイ・クロックハンズで
刀の【斬撃波】や【切断】【なぎ払い】や
「ハロウィンを見せよというなら見せましょう…これがわたくしのハロウィン|忍法《ニンポ―》ですわ!』
UC発動用のクナイを
織り交ぜた
クナイにお菓子を付け
【一斉発射】し
UC発動し爆破
敵の攻撃等
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避
穿たれた体。
その巨体の中からハロウィンが溢れ出す。即ち、それは混沌。そう、『十二剣神』の一柱、『大祭祀ハロウィン』は混沌そのもの。
万物が存在している状態。
「ハロウィンとはそういうもんだ! オレサマのハロウィンはあらゆるものが存在している!」
槍によって穿たれた体躯より血潮のように溢れ出す混沌。
だが、それさえもいとわずに『大祭祀ハロウィン』は咆哮する。
「来いよ、正義の味方! オレサマが相手をしてやるぜぇ!!」
「ついに悪の大祭祀のお出ましですわね……」
ミルフィ・クロノラヴィット(ストライダー白兎・f20031)はセクシーな『くノ一』の仮装を身にまとうことで、周囲に満ちる『ハロウィン化』を阻んでいる。
そして、空を飛ぶ『セラフィム』が中和する決戦都市の戦場の中に立つ。
「正義のニンジャ、ミルフィが相手ですわ……いざ……!」
「御託はいらねぇんだよ! 来いよ、猟兵!!」
迫る巨体の一撃をミルフィは翼を羽ばたかせて飛ぶ。
軽業を持って、打ち下ろされた腕を駆け上がっていく。そんなミルフィを振り払おうと腕が伸びる。そこへ『セラフィム』が飛び、その装甲を蹴ってミルフィは飛ぶ。
立体的な機動。
巨体を相手取るには、こうするしかなかったのだ。
「ちょこまかとよ!」
「それだけの巨体で何をおっしゃいます!」
確かにミルフィは『大祭祀ハロウィン』の一撃を躱せてはいる。
けれど、肉体の変容は避け得ない。そう、ハロウィンを見せなければならない。己自身の思うハロウィン。
それは如何なるものであるであろうか。
「見せてみやがれ! その上でオレサマは否定してやる!」
「ならば、お見せしましょう……これがわたくしのハロウィン|忍法《ニンポー》ですわ!」
手にしたクナイを投げ放つ。
それと同時に織り交ぜるようにして放たれる棒付きキャンディー。それはトリックオアトリートに倣うようであった。
「【土蜘蛛巫女艶爆鎖之術】(ニンポー・ツチグモミコエンバクサ)……――凡ゆる全てを繰り灼く艶やかな焔の蜘蛛糸の、爆鎖の術ですわ」
放つクナイが『大祭祀ハロウィン』の巨体へと突き刺さる。
それは混沌の中に興奮や催眠を齎す淫猥な傀儡の炎。
燃え盛るようにして内側から爆発する『大祭祀ハロウィン』の巨体。眼窩と口腔めいた裂空より迸る炎を見上げながらミルフィは、己のユーベルコードが効果を発揮したことを知る。
「ウォォォォッ! 体が内側から燃える……!」
「これこそがわたくしのハロウィン忍法!」
吹き荒れる炎の中をミルフィはユーベルコード輝く瞳でもって見上げる。
どんな巨体であろうと打倒できぬ理由などない。
そういうように彼女は戦場を包み込む『ハロウィン化』の渦を逃れ、さらにお菓子とクナイの乱舞を『大祭祀ハロウィン』へと叩きつけるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
季節の魔力ねぇ。あなたの場合、頭の中は年中春なんじゃない? 何しろご丁寧な宣戦布告をして、|番犬と猟兵《あたしたち》に勝つつもりでいるんだから!
あたしのハロウィン?
それは決まってる。死者の魂を慰めて、冥府へ還すこと。あなたもついでに送ってあげるわ。
「全力魔法」炎の「属性攻撃」「破魔」「浄化」で不動明王火界咒。
焼き南瓜にしてあげる! ……それとも焼き玉葱?
|決戦配備《ポジション》はクラッシャー。
ハロウィンっぽい塗装を施したミサイルを一式叩き込んで。
怯んだところで、更に火界咒を押し込む。
あたしの全力で押し切るわ!
『十二剣神』、恐るるに足らず! 消し飛びなさい、“大祭祀”ハロウィン!
混沌を内側から灼く炎を眼窩と口腔めいた裂空より迸らせながら『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』は傷に呻くでもなく、猟兵とケルベロスの猛攻を受けて笑う。
哄笑だった。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! もっと見せてみやがれ、オマエラのハロウィンってやつをよぉ!!」
まるで己が健在であることを誇るように『大祭祀ハロウィン』は万物が存在している状態であるハロウィン化を示すようにして巨腕を大地へと叩きつける。
それだけで砕けた大地はありとあらゆるものへと変じていく。
対峙する猟兵たちの眼に映るそれは、いずれもが形を変えていただろう。そして、対峙するだけで己の肉体が変容していくのに抗わなければならない。
「このまま『季節の魔力』を根こそぎいただくぜぇ!!」
「『季節の魔力』ねぇ。あなたの場合、頭の中は年中春なんじゃない?」
村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は『大祭祀ハロウィン』にそう言う。
「ハロウィンの季節的には秋だろうがよ!」
「いやね、ご丁寧な宣戦布告までして|番犬と猟兵《あたしたち》に勝つつもりでいるんだから!」
「ハッ! そういうのは互いの力の差を知らねぇ、無鉄砲が言うこったな! そら、オマエラの肉体も『ハロウィン化』していくぜ?」
『大祭祀ハロウィン』の言葉通りだった。
ゆかりの体はこの戦場に於いて、ユーベルコードによって肉体的変容を免れない。
けれど、ゆかりは鼻で笑う。
「あたしのハロウィン? それは決まってる。死者の魂を慰めて、冥府へと還すこと。あなたもついでに送ってあげるわ」
「やってみろや、猟兵!」
振るわれる巨腕。
その巨腕の一撃を受ければ、それだけで肉体は混沌たる『ハロウィン化』に飲み込まれてしまうだろう。
故にゆかりは手にした白紙のトランプを掲げる。
「煉獄、即ち、冥府に至る魂の禊ぎ。炎とは浄化するもの! いいこと、『大祭祀ハロウィン』、焼き南瓜にしてあげる!」
投げつけた白紙のトランプより噴出した炎が巨腕を燃やす。
不浄に絡みつく炎は、大蛇のように『大祭祀ハロウィン』の巨躯へと絡みついていく。
振りほどこうとしても振り解けるものではない。
「……それとも焼き玉葱?」
「南瓜だっつってんだろ!」
「そうね、でも、どっちだっていいわ!『エイル』博士、よろしくね!」
「人使いが荒いが、まあ良しとしようじゃあないか。急な仕様変更なんていうのは、いつだって技術者の命題だからね!」
『エイル』博士のホログラム通信と共に『セラフィム』がハロウィンカラーの紫とオレンジに塗り込められたミサイルを解き放つ。
炸裂する火力に『大祭祀ハロウィン』は呻くようにして巨体を傾がせる。
「木偶人形を操ったところでなぁ!!」
「その木偶人形の一撃でよろめいているくせに!『十二剣神』、恐るるに足らず! 消し飛びなさい!」
ゆかりの放つ炎がミサイルに飛び火して、その爆発をさらに強大なものへと膨れ上がらせていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
全世界の人々に希望が灯れば、
その火を守り続けるのが猟兵だ
正々堂々の勝負を挑むなら、力をお見せしよう
引き続きの守護天使の仮装にて
ハロウィン化に抗いつつ、決戦装備クラッシャーを要請
存分に力を振るおう!向上した力で
究極の光を宿す斧剣を叩き込みダメージを重ねていく
私にとってのハロウィンとはただ万物が存在するのみではなく、
人々の笑いあってのこと。普段の生があってのことさ
猟兵の力、分かっていただけたかい
私達で守る地球と戦い続けるか、それとも違う道か
どちらを取るのがデウスエクスという種を守れるか
本当は分かるはずだ、36世界に詳しいお前さんなら!
不滅なんだろう?結論は焦らないさ
《真・断罪閃光剣》で決着を狙う!
炎が浄化する。
混沌はあらゆる物が存在する状態である。
故に一定の指向性を見せなければ、形をとることはないだろう。『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』が持つ『ハロウィン化』の力は恐るべきものであった。
『ハロウィン化』に飲み込まれた戦場。
対峙して肉体的変容は免れない。
それは仮装という唯一の対抗手段に身を包んでいながらも、それらを圧倒するものだった。
だが、アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)は一歩も退くことをしなかった。
何故ならば。
「全世界の人々に希望が灯れば、その火を守り続けるのが猟兵だ」
「そうかよ! だがな、その希望も転じれば、燃え盛る絶望にしかならねーってもんだぜぇ? なあ! オマエラのハロウィンがどんなものであってもなぁ!」
アンゼリカの瞳は、その言葉に曇ることはなかった。
敵は、『大祭祀ハロウィン』は己たちのことを正義だと言った。
大義も己たちにあるのだと。
そうまでして『大祭祀ハロウィン』が正々堂々たるを己達に求めた。
「そうか。ならば、わたしたちの力をお見せしよう」
守護天使の仮装を身に纏ったアンゼリカは立ち止まらなかった。己の身を変容させる『ハロウィン化』。それを中和する『セラフィム』の力は減退していない。
ただ、『大祭祀ハロウィン』が降臨したことによって、侵食するかのような力が増大しているのだ。
「『ハロウィン化』の力が増している……! まずいぞ、猟兵くん!」
『エイル』博士の言葉が飛ぶ。
確かに敵は強大そのものだった。
今も抗うことしかできない。けれど、アンゼリカは瞳にユーベルコードの輝きを宿す。
「――『セラフィム』!」
その言葉に応えるようにして人型ロボット戦術兵器のアイセンサーが煌めく。
発露する力によって『ハロウィン化』が中和されていく。
アンゼリカは、その光の渦の中に立つ。
手にした斧剣は峻烈なる裁きの光を宿した。光は天を貫くように立ち上り、アンゼリカは柄を力強く握りしめる。
「『大祭祀ハロウィン』、お前さんは問うたな、私にとってのハロウィンを。それは!」
踏み込む。
光が溢れるようにして斧剣の刀身が煌めく。
「ただ万物が存在する混沌ではなく! 人々の笑い合ってのこと。普段の生があってのことさ」
常なる混沌ではなく。
非ざるが故に得られること。
振るうは、真・断罪閃光剣(シン・ジャッジメントセイバー)。
叫ぶは、己の目の前に在りし混沌を切り裂けという力の発露。振り切った一撃が『大祭祀ハロウィン』の巨体を切り裂く。
裂傷から溢れる混沌は血潮のようで。
「猟兵の力、わかっていただけたかい。私達で守る地球と戦い続けるか、それとも違う満ちか」
「この期に及んで、なおも示すかよ、猟兵! いや、エンドブレイカー!」
「そうさ。私達は終焉を砕く者。猟兵となった今であっても、足掻き続ける。だから、考え続けろ、『大祭祀ハロウィン』!」
アンゼリカは告げる。
それが如何に甘い考えであるのかを知りながら、しかし、手を伸ばさずにはいられないのだ。けれど、結論は急がない。
なぜなら。
「不滅なんだろう?」
ならば、時間は多くあると願う。一年後の今日もまた再び訪れるというのならば、異なる道が目の前に現れるその時まで彼女は戦い続けると、その光り輝く斧剣でもって明日を切り開くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
決戦配備:クラッシャー
『疾き者』のまま
…『魔法使い』が被ってる気がしますねー。
そしてまあ、追放は…対象の精神は『私』ですねー?
…情報欲しいんですよね…(忍びの矜持)
強制的に交代
『不動なる者』盾&統括役武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(刀)
いや、『真実の部屋ハロウィン』の情報探りに行くとか正気か、あやつ。
正気だったわ…。根っからの忍びだったわ…。
主導権はわしになったので、まあ動けるであろうから…不意打ち気味にUC付きで斬りつけていこう。
※
陰海月「ぷー!」
びゅーびゅーおじーちゃんは無茶してー!
あ、大祭祀は、この魔法の杖(コスプレ用玩具)で殴るね!ぽこん!
情報が欲しい。
それはデウスエクスという宇宙よりの侵略者と戦う上で必要なものであった。
如何なる理由で襲来するのか。知れている。生存エネルギー、グラビティ・チェインを求めるが故である。
であれば『十二剣神』の一柱、『大祭祀ハロウィン』の主星『真理の部屋ハロウィン』とは如何なる場所であっただろうか。
「……『魔法使い』が被ってる気がしますねー」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』は挑発的に言ってのけた。己の仮装と『大祭祀ハロウィン』のシルエットが似通っているためだ。
敢えて挑発する。
被っている、ということは戦場に同じ仮装をした者が必要ないということである。
故に追放を誘う。
『大祭祀ハロウィン』のユーベルコードは指定した対象を『真理の部屋ハロウィン』へと追放する。さすれば、その体は無敵となるが、しかし、動けなくなる。
猟兵達の戦力の一角を崩すことになるのだ。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! そう言われてみればそうかもしれねぇな!」
ユーベルコードに輝く『大祭祀ハロウィン』の眼窩。
その瞬間、『疾き者』は己の精神が『真理の部屋ハロウィン』へと飛ばされた事を知る。
己だけを対象とするのならば、他の三柱は無事であろう。
つまり、肉体の無敵性は残りつつ、残りの三柱で動くことができるはずだ。
だが、同時にそれは窮地を示している。
自分だけではない。
自分たちは4つの悪霊としての存在を束ねている。束ねているものが一つ喪われ、急にたわむのならば、どうなるかなど言うまでもない。
バランスを崩すのだ。
「あやつ、無茶をしおる! いや、正気か、正気だったろうな。根っからの忍びだったわ……」
主人格が入れ替わったことにより『不動なる者』が『大祭祀ハロウィン』を前に飛び出す。
手にした刀の斬撃の波が『大祭祀ハロウィン』の巨体へと放たれる。
精神のバランスが崩れている。
動き難いと思ったかも知れない。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 無駄無駄、無駄よ! どうやらオマエラは四つで一つってとこか! オレサマの主星のことを知りたがっていたようだが、無駄。『ハロウィン化』は万物が存在している状態、つまり、何を見ても、取り立てておかしなところなど何一つ無い自称の平原が拡がっているだけよ!」
『大祭祀ハロウィン』は哄笑する。
ハロウィンの楔を打ち込む。
それが彼が地球に来襲した目的である。生存エネルギーを奪うために地球をハロウィン化し、『真理の部屋ハロウィン』とつなげる。
流入した万物が存在している状態は、瞬く間に地球も同じにしてしまうだろう。
恐らくこれまでも、そうやって他の星からグラビティ・チェインを奪ってきたのだ。
故に、と『疾き者』が見たものも同様だった。
「得られたのは」
「戻ったか!」
「ええ、得られたのは、何もわからないということ」
『疾き者』は四悪霊の器に戻る。
『陰海月』が影の中で怒っている。
得られるものはすくなかった。けれど、精神が元に戻ったということは。
「無駄だということがわかったところで、来るがいいさ、猟兵! 結局オレサマとオマエラは滅ぼし滅ぼす以外の道なんてねぇのさ!」
膨れ上がる混沌。
目の前に迫る脅威は、払わなければならないのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
クラッシャー
「正義の味方を呼んだなら運が良いな。
最高のヒーローが来たぜ。
オレのハロウィン、見せてやるよ!≪ユニヴァース!≫
シン・超変身!」
万物が存在するもの“ハロウィン”
即ち宇宙
清導はそれを既に手にしている
無限の輝きの結晶体を纏い、
UCによって完全に取り込む
清導はその身に万物を、宇宙を宿した
「しかも、本人によるブレイザインの仮装だぜ?
驚いたか!?大祭祀ハロウィン!!」
この上ないハロウィンを見せつけ、
大祭祀ハロウィンまで飛翔
結晶が剣のような形状をとり、
光を炎を氷を…万物の属性を宿していく
「大宇宙必殺!オールマイティ・カオスラッシャー!」
一振りで無数の斬撃を叩き込み、無数の属性攻撃を叩き込む
『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』は猟兵とケルベロスにこそ大義があると言った。
己が侵略者であり、悪であると。
それと対峙するものが正義であると。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 問答無用よ! このオレサマ自らが降臨したんだ。止められるか!」
猟兵たちのユーベルコードを受けてなお、『大祭祀ハロウィン』は哄笑を止めない。
傷を負わせているはずだ。
なのに、今だ力の迸りは健在。
戦場となった決戦都市を染め上げんとする『ハロウィン化』の波は止まることはない。これが『十二剣神』の力であるというのならば、圧倒的すぎた。
しかし、そんな状況にあっても、諦めない者たちがいる。止まらない者たちが居る
「正義の味方を呼んだなら運が良いな。最高のヒーロがー来たぜ」
赤い機械鎧を纏った空桐・清導(ブレイザイン・f28542)が戦場に踏み出す。
万物が存在している状態。
それが『ハロウィン化』である。これに対抗する術はたった一つ。己もまた汎ゆる世界の概念が同時に存在している状態になること。
つまり。
「オマエラのハロウィンをオレサマに見せる他に道はねぇ! その上で全て混沌で塗りつぶしてやるよ!」
「なら、見せてやるよ! オレのハロウィン! シン・超変身!!(シン・ブレイザイン)」
清導にとって、それは宇宙だった。
全てが存在するということは、全てを内包するということだ。
つまり、己の手の内にそれがある。
心にあるのは『全てを守護るヒーローになる』という誓い。
その誓いが胸にあるのならば、己は負けることはない。
無限の輝きの結晶体を纏い、身に宿したそれは尽きることのない思いであったことだろう。
真の姿を晒した清導の瞳がユーベルコードに輝く。
「これが! これこそが、本人によるブレイザインの仮装だ!」
「本人による仮装!?」
「それはもう本物ってことでいいんじゃないのかな?」
『大祭祀ハロウィン』を『エイル』博士が首をかしげていた。変なところでタイミングが一致するもんである。
しかし、清導は煌めく赤き装甲を見せつけながら告げる。
「驚いたか!?『大祭祀ハロウィン』!!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 正義の味方が変身したっていうんなら、こっちも覚悟を決めにゃならねぇだろうがよ!」
振るわれる巨体の一撃を清導は飛翔して躱す。
己の姿を晒すのではなく、見せつける。
掲げた拳に握りしめられるは結晶が剣へと変じた姿。煌めく太陽の輝きを受けて、色彩解き放つ。
「光を炎を氷を……万物の属性が宿る!」
混沌が万物を内包するというのならば、その万物と同じものをぶつけるのみ。
「大宇宙必殺! オールマイティ・カオスクラッシャー!」
一振りでは夏は無数の斬撃。
それは万物の属性を一つ一つが示すものであった。打ち込まれた斬撃は『大祭祀ハロウィン』の巨体に叩き込まれ、その体躯に秘められた混沌をこそ霧散させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
御影・しおん
決戦配備:ジャマー
境化衣…「わたし」を「それ以外」と隔てる境界線を再定義し、周囲に改めて「境界線」を引きその力に抗うわね?生憎、これでも境界線を弄ぶモノなのよ?
ふふ、未来に異星、異界からのゲストまで入り混じるハロウィンなのでしょう?なら仮装の中に一人ぐらい、本物の“なにか”が紛れ込んでいてもいいと思わない?
黒鏡、つまり竜爪と翼影を構成する黒い結晶の力で光を喰らい、一時的に暗闇を作り出してその中でUCを使うわね。
支援を受けつつ領域内に虚実入り混じる光と闇の弾幕(折角だし星形や蝙蝠型にするわね)を展開し、更にわたしと一緒に把握も知覚も困難な「何か(元は武器の大鎌)」ですれ違い様に切り裂いてあげるわ
その指が示すは境界線。
『わたし』と『それ以外』を隔てるもの。
御影・しおん(Unknown・f27977)が纏うは、境界線。迫る混沌たる『ハロウィン化』は恐るべき力である。
肉体の変容を強いるものであった。
だが、しおんは決戦配備たる『セラフィム』の『ハロウィン化』を中和する力と共に境界線を退き直す。
『わたし』を再定義する。
「ふふ、未来に異星、異界からのゲストまで入り交じるハロウィンなのでしょう?」
Unknown(アンノウン)。
それが今のしおんの姿であった。
いや、そうである、と認識できるのは『大祭祀ハロウィン』がデウスエクスであり、またしおんが猟兵であるからである。
それ以外の認識は全て完全なる知覚と認識、把握ができなくなってしまっていた。
しおんは、『わたし』という認識外の全てが曖昧なる存在となっていたのだ。
今こうしているさなかにも、本当の彼女が如何なる存在であったのかを決戦都市にて戦う者たちは理解できなくなってきていたことだろう。
「オレサマを前にしても存在を希薄なものにするかよ、猟兵。いや、猟兵なのか? これが生命の埒外ということなのか?」
「どうやら混沌内包するあなたでも理解に及ばないということね。確かにあなたはわたしのハロウィンをご所望したのでしょうね。けれど」
しおんは『わたし』という存在を示すのならば、正しく本物の“なにか”へと変貌しているのだ。
誰も理解できない。
『セラフィム』によるジャマーを受けているせいで、さらに認識ができなくなってしまっている。
認識できぬ者に力は及ばない。
故に『大祭祀ハロウィン』は、しおんが光を喰らう黒い結晶まとう翼を羽ばたかせることを認識できない。
そして、その暗闇が迫ることも。
振るう竜爪の一閃が『大祭祀ハロウィン』の巨体を切り裂いた瞬間、漸くにして彼はしおんが己を攻撃したのだと知るだろう。
「どうなっていやがる。オレサマが認識できないだと!?」
光と闇の弾幕は、実在と虚構入り交じるもの。
どれだけ認識しようとしても、それは霞のように。靄のように『大祭祀ハロウィン』の目の前からかき消え、次の瞬間には爪の斬撃となって彼の体へと刻まれるのだ。
「認識してもらえないのが残念だわ、ひどくね」
「一体どこから攻撃してきていやがるってんだ!」
「仕方ないわよね、これが“ ”なのだもの。いえ、これも本当なのかしら。そもそも本当なんてあるのかしらね」
しおんは光と闇の弾幕を張り巡らせる。
彼女はハロウィンらしく星型や蝙蝠の形へと弾幕を変じていたが、それを認める者は誰もいない。
それが少し寂しいとは思わなかったけれど。
「境界線を引くのはわたし。なら、これがその一線よ」
しおんは『大祭祀ハロウィン』に気取られること無く、彼へと迫り、その手にした『なにか』でもってすれ違いざまに巨体を切り裂く。
混沌が血潮のように溢れる巨体。
それを見上げ、しおんは認識されることなく、ただ傷を『大祭祀ハロウィン』へと刻み込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
先程の状態(決戦配備・UC)を継続しつつ。
ヒャッハー!
ハロー、ハロウィン! アナタの望みは叶いマセーン!
何故ならここはバルタンと化すからデース!
「カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」再使用!
このUCは、使えば使うほど強くなりマース!
ハイドラホーラーとの戦いで受けた傷も回復した上、更なる混沌魔法をお見せしマショー!
これがワタシの、カオスのハロウィン!
マッドカオスフレイム!
カオスヘッダーを発動している間、属性を変え続ける混沌の炎と肉体を癒やす混沌物質をばら撒いて、効果的に見えマース!
カラフルな炎はまさにハロウィン! すなわち我輩こそハロウィン!
無限のバルタンによるパワープレイ、とくとご賞味あれ!
『スーパーカオスドラゴン』の仮装をしたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が戦場を駆け抜ける。
ついに降臨した『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の巨体は、その体躯の内側に混沌たる『ハロウィン』を内包している。
その力の強大さは言うまでもない。
けれど、バルタンは此処で退くことはない。
なぜなら!
「ヒャッハー! ハロー、ハロウィン! アナタの望みは叶いマセーン!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! やれるものならやってみろ! 止められるのなら止めてみろ、猟兵!!!」
「ならば、遠慮なくやらせてもらいマース! カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
そう、バルタンの瞳がユーベルコードに輝く。
模倣様式・混沌魔法(イミテーションスタイル・スーパーカオスマジシャン)。それはカオスを具現化させる混沌魔術師の姿。
手にした力は混沌魔法。
「ハロウィン化など恐れるに足らず! ここはバルタンと化すのデース!」
『大祭祀ハロウィン』の配下である『ハイドラホーラー』との戦いを経て、バルタンは叫ぶ。
混沌魔法。
それはある種、『大祭祀ハロウィン』の齎す力と似通っていたのかも知れない。
万物が存在した状態が『ハロウィン化』である。
ならば、混沌とは汎ゆる者を飲み込むのであり、根源めいたものであろう。故に、バルタンは、その手にマッドカオスフレイムを解き放つ。
「これがワタシの、カオスのハロウィン!」
吹き荒れる炎は『スーパーカオスドラゴン』の仮装、その口腔より解き放たれ、常に属性を変え続ける混沌の炎そのものであることを示していた。
「混沌の炎かよ!! だがよぉ! このオレサマの一撃に!!」
その言葉とともに放たれる巨体の一撃。
その一撃を『セラフィム』が受け止め、バルタンに迫るのを防ぐ。
きしむ機体。
いや、ひしゃげている。ただの腕の一振り。
それだけで防御形態となった『セラフィム』を粉砕してみせたのだ。
どこかで『エイル』博士の悲鳴が聞こえた気がしたが、バルタンにはかまっている余裕はなかった。
敵は強大。
混沌を内包した敵なのだ。己のばらまく炎は、肉体を癒やす混沌物質。そして、同時に敵を滅ぼす炎でもあるのだ。
「カラフルな炎は正しくハロウィンデース! 即ち、我輩こそハロウィン! 無限のバルタンによるパワープレイ! 炎でゴリ推して、全部我輩のハロウィンファイヤーで埋め尽くしてご覧にいれマース!」
敵が無限にも近しい混沌で迫るというのならば、己もまた同じ土俵に立って打ち消し合おうというのだ。
「やれるか、猟兵!」
「やってみせマース! それが猟兵ってものなのですカラ!」
バルタンは『スーパーカオスドラゴン』の仮装と共に極彩色めいた炎を噴出させながら、『大祭祀ハロウィン』と渡り合う。
ただ只管に。
飽きることのない攻防を。
そして、示して見せるのだ。
己こそがハロウィンであると。混沌の主であると――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
お〜っほっほっほ!
対抗して笑ってみましたわ〜!
でっけぇおカボチャのお化けですわねぇ
見てたらおカボチャケーキが食べたくなってきましたわ〜!
はっ!そうですわ!
そもそも今回はおハロウィンのおパーティーなのですわ!
おセラフィムの皆様〜!
おキャスターの決戦配備とやらでおパーティーの舞台を作ってくださいまし〜!
わたくしはこれですわ!
無限ストロングチューハイ!
おパーティーにはお酒は欠かせませんわ〜!
ちなみに口から出ますわ
ヴォエェー!
おハロウィン様もお飲みになって?
酔っ払っておハッピーですわ〜!
なんだか無敵になった気分ですわ〜!
無敵のお身体からストゼロが出続けますわ〜!
世界がストゼロで満たされますわ〜!
「お~っほっほっほ!」
それは高らかに響く笑い声であった。
やたらに高圧的な笑い声であった。あまりにも頭に響くものだから『エイル』博士は耳を抑えた。
「とってもうるさいんだけれど!?」
「対抗して笑ってみましたわ~!」
その言葉にメサイア・エルネイジェ(暴竜皇女・f34656)は、さらにけたたましいまでの笑い声を上げていた。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! これは負けてらんねぇなぁ!!」
『大祭祀ハロウィン』もまた笑う。
哄笑めいたそれは、最早意地の張り合いであった。
猟兵、ケルベロスのユーベルコードを受けて傷を追っているはずだ。消耗しているはずだ。だというのに、今だ『大祭祀ハロウィン』は健在であることを示すように高らかに笑っている。
メサイアと『大祭祀ハロウィン』の笑い声が戦場に響き渡って、やかましいことこの上ない。
「あら~でっけぇおカボチャのお化けですわねぇ」
「ハッ、言うに事書いてお化けかよ! まあ、間違っちゃあいねぇがよ!」
「……じゅるり」
「てめぇまさか!」
「ええ、見てたらおカボチャケーキが食べたくなってきましたわ~!」
食欲。
ここに来て食欲である。お腹の虫がパーティタイムである。うぇいうぇいと叫び倒すお腹。仮にもメサイアは皇女であるので、このような表現に差し替えさせて頂いた。
「はっ! そうですわ! そもそも今回はおハロウィンのおパーティなのですわ!」
ぱちん! と指を鳴らす。
『エイル』博士は、え、今のが合図? と一瞬戸惑ったがDJよろしく、スイッチをぽちっとな、と押した。
瞬間、メサイアを中心にせり上がるは、おハロウィンおパーティ会場たる舞台。
一瞬で舞台が形成サれるところからして、この決戦都市の科学技術の凄まじさを垣間見る事ができたであろう。
「いや、ものすごく大変ではあるんだけどね!?」
「これがおキャスターお『セラフィム』なのですわね~! さあ、お『セラフィム』の皆さま~サイリウムを振ってくださいまし~! わたくしのカラーはショッキングピンクでしてよ~!」
そして! とメサイアの瞳がユーベルコードに輝く。
『大祭祀ハロウィン』は身構えた。
これまでの例を鑑みるに猟兵たちのユーベルコードには常識ってもんがない。
こっちの力の天井を容易にぶち抜いてくるものだと判断したほうがダメージが少ないと本能的に察知しているのだ。
「何してくるつもりか知らねえが!」
追放してしまえば問題なし!
「わたくしはこれですわ! 無限ストロングチューハイ(リアルブレイカー)!!」
キンッキンに冷えてるのである。
「ありがてぇ! じゃあねぇわ! なんだそれ!?」
「アルコール度数9%のチューハイですわ! おパーティにはお酒は欠かせませんわ~! ちなみに、口から出ますわ」
ヴォエェー! と皇女らしからぬ濁音が響いたが、修正が間に合わなかった。
決戦都市の技術力をしてもノーモーション嘔吐であったためである。キラキラ修正も間に合わなかった。
「やることが、やることが多すぎるんだけど!?」
『エイル』博士の悲鳴が聞こえる。
いや、これもメサイアのユーベルコードの、いやさ、ストゼロのせいであろうか。
「おハロウィン様もお飲みになって?」
「うえ、やめろ! オレサマは確かに悪であるが、戦いのさなかに飲酒するのは酔拳の使い手だけで十分だろうが!」
「酔っ払っておハッピーなのですわ~! あ~……なんだかとっても無敵になった気分ですわ~!」
メサイアは、皇女らしからぬ所作をしていた。
とってもだらしがなかった。
ぷっはー! と自分が出したチューハイを煽っていた。正直に行って、醜聞を撒き散らしているようなものである。早く長姉来て。役目でしょ。
「無敵になったわたくしからストゼロが溢れますわ~! あ、そうですわ、このまま世界をストゼロで満たしてしまいまそう~! そしたら皆様ハッピーですものねぇ!」
その言葉に『大祭祀ハロウィン』と『エイル』博士は妙に気の合ったタイミングで言うのだ。
『やめろ――!!!』
大成功
🔵🔵🔵
ジュディス・ホーゼンフェルト
あんたがボス?
なんというかまんまハロウィンって感じ?
やってる事のスケールは大きいんだけど、なんだかお祭り感が強くてねぇ
ハロウィンを見せてみろって?
それアタシに言っちゃう?
自慢だけど今のアタシのカッコって最高にハロウィンしてると思うんだけどなー?
逆にアタシがハロウィンじゃなかったら誰がハロウィンなのよってレベルじゃない?
大鎌は本業の武器だけど……
因みにこのコスプレ、ダン・ホキーテで買ったやつね
という訳で決戦配備!ジャマーで煙幕よろしく!
闇に紛れてハロウィンに飛び掛かる!
ハロー!アタシはハロウィンの処刑人ダヨー!
斬殺執行!輪切りにしてやる!
今夜は南瓜の天麩羅かな?
チューハイまみれになった戦場にジュディス・ホーゼンフェルト(バーラント機械教皇庁三等執行官・f41589)は思わず、『うわ』って顔をした。
何処かしこもチューハイに浸されていた。
ゆっくりと排水されていっているように思えるのは、決戦都市の自浄作用であろうか。
そうであるといいな、とジュディスは思う。
「あんたも災難ね。えっとボスでいいのよね?」
ジュディスは巨体を見上げる。
その威容は凄まじいものであった。
巨体たる怪物。その眼窩と口腔から吹き荒れるようにして混沌たる『ハロウィン』が溢れ出しているだけにとどまらず、猟兵達のユーベルコードによる傷痕からも溢れだし、決戦都市の戦場を『ハロウィン化』しているのだ。
恐るべき力である。
「ああ、そのとおりだぜ! このオレサマが――」
「わかってるから、そういうの。なんというかまんまハロウィンって感じ? やってることのスケールは大きんだけど、なんだかお祭り感が強くてねぇ」
「つまり?」
「緊張感がないってことじゃないの?」
ジュディスは首を傾げる。
ストゼロまみれの戦場に立っているのだ。まあ、『大祭祀ハロウィン』もなんか酔っ払ってるような気がする。
気のせいかも知れないけれど。
「酔ってないぜ!」
「酔ってるヤツはみんなそう言うのよね」
「うるせぇ! オレサマにオマエラのハロウィンを見せてみろ!! この『大祭祀ハロウィン』様が評定してやるぁ!」
うーわ、とジュディスは思った。
これは絡み酒ってやつだろうか。酔を醒まさせてやらねばばならない。
「それ、アタシに言っちゃう?」
ジュディスは今の己の姿を両手を広げて示してみせた。
まさにハロウィン。ザ・ハロウィン。こんな格好しておいてハロウィンじゃないとは嘘である。
そんなザ・ハロウィンの魔女めいた姿のジュディスに『大祭祀ハロウィン』はうなずく。
「うむ、その露出、実にハロウィン」
「そういうんじゃないんだけど。まあ、このコスプレ、ダン・ホキーテで買ったやつね!」
アブねぇ!
チェスしそう。ドンドコドンドコドコドコドンみたいなイントロ始まりそう!
「そういうんじゃないからね!? 皆酔っ払ってるのかい!?」
『エイル』博士の声がホログラム通信で届く。
まあ、間違ってないかも、とジュディスは思った。
「アタシ、酔ってないわよ。まあ、いいじゃない。じゃ、決戦配備よろしくね! コール・ジャマー!」
「ああもう、めちゃくちゃだよー!」
「文句はあのエルネイジェのアホ姫に言って!」
ジュディスの言葉と共に決戦配備の人型ロボット戦術兵器『セラフィム』がハロウィンカラーな煙幕をもうもうと周囲に撒き散らす。同時になんだか神妙なBGMが流れ出す。
それは闇に紛れる仕事人のテーマ。
「斬殺執行(キル・エクスキューション)! ハロー! アタシはハロウィンの処刑人ダヨー!」
「さっき、ハロウィンの魔女って言ってなかった!?」
「その場のノリ! あと勢い! こういう時に勢いのないやつは負けるってものだからね!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! そのとおりよ! おらぁ!!」
振るわれる巨体の一撃をジュディスは手にした大鎌でもって切り裂く。
それはカボチャの輪切りめいた凄まじい切断攻撃であった。
一瞬。
僅かな刹那で生み出されるカボチャの輪切り。
うん、とジュディスはうなずく。
「今夜は南瓜の天麩羅かな? いいね、カレー塩をぱらっとやってパクっとやってこ――!」
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
【いつもここから】
(引き続き2021南瓜行列の衣装)
御覧ください。我々にうってつけのボスですよ。
ほらコズミックホラー的な啓蒙高めの見た目…え? 違う?
それジャック・O・ランタンなんですか?
名前的に首から下がパンツ一丁のマッチョな大男だと…それも違う?
正々堂々と言われましても「この際プライドは抜きだ、卑怯とは言うまいな」が我々の合言葉です。
誉れが死んでると名高いこのダブルWORM KILLERがその証。
ポジションのオーダー変更です。ジャマーで。
視界に入るとマズイですから全力で司会を振り切り死角に回り込みます。
WORM KILLERで動きを鈍らせまして、死角から接近し…サプラーイズ。
(UC発動)
ベルゼ・アール
【いつもここから】
ジェイミィ、あれ神話生物違う。脳に瞳宿さなくても見えるから。
多分本人的にはジャックオーランタンのつもりなんじゃないかしら。
…それ分かる人ごく一部ゥゥゥゥ!!
ほらぁなんか困っちゃったじゃんあの十二剣神!
あー確かに私怪盗だし正義の味方でもなければ正々堂々もない…。
でもそこのロボは単に自重してないだけなんで!
どうせそのリボルバーもショットガンになってるんでしょ!
ポジションのオーダーは継続してジャマー!
周囲に煙幕をお願い!
見せてやるわよ私のハロウィンを…ただし選択肢は全部トリックだけどね!
煙幕に紛れながらヒットアンドアウェイを繰り返すわ!
トドメは剣で斬ると見せかけて拳銃でズドンよ!
「御覧ください」
「あにをよ」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)の言葉にベルゼ・アール(怪盗"R"/Infected Lucifer・f32590)は指し示された方角を見やる。
そこに在ったのは『十二剣神』の一柱、『大祭祀ハロウィン』の姿があった。
眼窩、口腔の如き裂空より溢れるようにして混沌たる血潮めいた『ハロウィン化』齎す力が決戦都市の大地を侵食し続けている。
「あちらです。我々にうってつけのボスですよ」
ジェイミィは、『大祭祀ハロウィン』の姿を前にして恐れるでもなく、どこか浮足立っていた。ともすれば、ボーナスステージくらいに思っていたのかも知れない。
「ほら、コズミックホラー的な啓蒙高めの見た目……」
「ジェイミィ、あれ神話生物違う。脳に瞳宿さなくても見えるから」
「一体全体君らは何の話をしているんだい?」
ホログラム通信の『エイル』博士が首をひねっている。それもそのはずであろう。二人の会話は、ケルベロスディバイド世界の彼女には理解し難いものであったからだ。
いや、ほかの猟兵でもわからないものはわからないのではないだろうか。
「え、違う?」
「多分、本人的にあhジャックオーランタンのつもりなんじゃないかしら」
「それジャックオーランタンなんですか? 名前的に首から下がパンツ一丁な大男だと」
「それも違うゥゥゥ!」
『大祭祀ハロウィン』はなんとも微妙な顔をしていた。
自分の様子がそんなにダメだったのかなぁって顔をしていた。いや、あの顔で其処まで表情を読み取れるものであるのかというのは、議論の余地があろうが、ベルゼは少なくともそう思っていた。
「ほらぁ、さっきまであんなにやかましかったのに、黙りこくってるじゃないあの『十二剣神』!」
「まあ、あれだぜ。ほどほどにな。とは言え、ヒャ~ッハッハッッハ!!! テンションあげてこーぜ! ハロウィンはこれからなんだぜぇ! 正義の味方と悪であるオレサマの対決! これこそが求められたハロウィンってもんだぜぇ!!」
あーもー、一気にテンションレバー、ガチャ上げしたものだから『大祭祀ハロウィン』も変な空気になってしまっている。
「正々堂々と言われましても、『この際プライドは抜きだ、卑怯とは言うまいな』が我々の合言葉です。誉が死んでいると名高いこのダブル……」
「自重して、そこのロボ! 確かに私怪盗だし、正義の味方でもなければ正々堂々でもない……あと、あーた、どうせそのリボルバーもショットガンになってんるんでしょ!」」
「にこり」
「ニコリじゃない!」
「あ、ポジションオーダー、よろしいか。変更です。ジャマーで」
「私も継続してジャマーね!」
「切り替え早ぁ……ていうか、猟兵怖ぁ……」
『エイル』博士は、二人の情緒がどうなってるのか知りたいところであった。
なんなんだろう、あのテンションの緩急。
でもまあ、言われた仕事はしっかりこなすのが『エイル』博士の良いところであった。彼女は『セラフィム』を持って、煙幕を戦場に満たす。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! このオレサマの前に煙幕! しっかりメタってきてるじゃあねぇか!」
「視界に入るのマズイです」
「わかってる。だから、見せてやるわよ、私のハロウィンを!」
ベルゼの瞳がユーベルコードに輝く。
事前にジェイミィと練り上げていた計画を実行する時であった。
確かに『大祭祀ハロウィン』の力は凄まじい。見たものを『真理の部屋ハロウィン』へと追放する力は、それだけで己達を戦線から離脱させ、戦力を削る力となる。
だららこそのジャマー要請。
『セラフィム』による『ハロウィン化』の中和と視界を遮る煙幕。
これによって彼のユーベルコードを封殺するのだ。
完全犯罪計画(パーフェクト・ミッション)。
それがベルゼの打ち立てた『大祭祀ハロウィン』のユーベルコード攻略法だった。
「ハッ! この程度で! 煙幕は振り払えばいいだろうが!」
「いやあ、ベルゼさんの計画はバッチリですね。煙幕を張れば振り払う。振り払ってベルゼさんを探す。となれば、私がノーマークになる。そこに……サプラーイズ」
ジェイミィのアイセンサーがユーベルコードに輝く。
瞬間、彼を覆っていたバリアが爆発し、『大祭祀ハロウィン』の視界を塗りつぶす。
それは、PARTICLE FIELD BURST(パーティクルフィールドバースト)――高濃度圧縮粒子と衝撃波による索敵を不順にする力だった。
煙幕は布石。
全てはジェイミィのユーベルコードを『大祭祀ハロウィン』へと届けるためであったのだ。
「これが私のハロウィンよ! トリック・オア・トリート……でもね、あなたが選べる選択肢は一つだけ!」
ベルゼはジェイミィの放った高濃度圧縮粒子の煙幕の中から飛び出し、その手にした甲冑よろしく大剣の一撃を『大祭祀ハロウィン』へと叩き込む――ように見せかけて。
「トリックしか選ばせない!」
その手にした拳銃の引き金を引く。
「ズドン、とね!」
そう言ってベルゼはトリックという名の弾丸を『大祭祀ハロウィン』へと見舞うのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
勇者としては正義の味方であり、
全世界のみなさまに希望を与えるというのは、当たり前のことですけどね!
(言葉とは逆に、超うれしそうにぴょんぴょん)
それに持ち上げて落とすと、より深いダメージを与えられるのは解りますが、
それは、落とせたときのことです!
そちらこそ、わたしたちをそんな風に落とせますか?
ツッコミの準備は大丈夫ですか?
これまでステラさんのツッコミに耐えてきたわたしです。
生半可なツッコミでは落ちませんよ!
って、忘れ?(えぐ
あ、それにですね?
『人の存在なくば』じゃないですよ。
『人が存在するから』わたしたちは強くいられるんです!
そうですとも!
ステラさんのやべー度を甘く見ないでください!
ステラ・タタリクス
【ステルク】
なにか非常に不本意な評価が与えられているように思います
誰がツッコミ師ですか
どこからどう見ても超有能なメイドです
ルクス様が真面目な事を言うと舌打ちしたい気持ちになりますが
この場合は皆様のお役に立っているので仕方ありません
このままルクス様のノリに乗っかって大祭祀ハロウィンを……
だからコント集団ではありません!
どこからどう見ても美人博士と超有能助手(第九号様)とメイドの3人……
あ、|わんこ《勇者》忘れてました
ほら、やりますよ勇者
久しぶりの【ガレオンチェンジ】で飛空艇形態
【テンペスタース・クリス】突撃いきます!
ええ、実はただの人間ではありませんのでこのメイド!
誰がやべーメイドですか!!
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は嬉しそうにぴょんぴょん跳ねていた。
何んだか嬉しそうである。
「勇者としては正義の味方であり、全世界のみなさまに希望を与えるというのは、当たり前のことですけどね!」
そう、彼女は『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』からの言葉を受けて喜んでいるのである。
言葉とは裏腹であるが。
まあ、当たり前ですけど? 勇者ですから? とまあ、なんていうかこいてる感じがすんごいするのだが、それはこの際於いておくとしよう。
こういう時は黙ってやらせてあげるのが一番いいのである。
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 意気揚々と無い胸張ってくれるじゃあねえのよ、猟兵!」
「今、無い胸って言いました!?」
「言ったね」
『エイル』博士は、うん、と頷いていた。
「こ、こんな……持ち上げて落とすと、より深いダメージを与えられる……まさか、身をもって体感してしまうとは……!」
クッ! とルクスは開幕のっけからダメージを受けていたが、しかし、怒りボルテージはマックスである。
人には言ってはならぬ言葉というものがあるのである。
ルクスは傷ついた。とっても傷ついた。
だが、それ以上になんかこう不本意な評価を受けて不満そうな顔をしているステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は苛立ちを隠していなかった。大丈夫か、有能メイド。
「なにか非常に不本意な評価が与えられているように思えます」
「妥当じゃなくって?」
「不本意です。誰がツッコミ師ですか。何処からどう見ても超有能メイドでしょう!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 自分で言うのかよ!」
「チッ」
うわ、こわ。
ステラは『大祭祀ハロウィン』の言葉に舌打ちした。めちゃくちゃ怖かった。なんか妙に気の合うタイミングで『大祭祀ハロウィン』と『エイル』博士はびくっとなっていた。
普段は敵同士。
でもなんか、こう猟兵達が間に挟むと意気投合しちゃうのかもしれない。
それほどまでに、この状況は混沌たる様相を見せていたのだ。
「クッ、ですが戦わなければなりません! わたしたちは確かに持ち上げられています。でも落ちてませんから! わたし! そんな言葉のナイフなんて怖くないですもの! それにツッコミの準備は大丈夫ですか? これまでステラさんのツッコミ耐えてきた私です。生半可なツッコミでは落ちませんよ!!」
ルクスは胸を張った。
無い胸とか言ってごめんね。『大祭祀ハロウィン』はちょっとキョドった。
「ルクス様が真面目なことを言う……いや、いってますかね? まあ、このままルクス様のノリに乗っかって『大祭祀ハロウィン』を……」
「ノリがもうコント集団だよね」
『エイル』博士はただ一人冷静であった。
自分だけが俯瞰して見ているような物言いであったが、彼女も大概である。
「だからコント集団ではありません! どこからどう見ても美人博士と超有能助手『第九号』様とメイドの三人……」
あ、とステラは口元を覆う。
いけない。
それはいけない。素で忘れてたって間はあかんのである。
ルクスの瞳がどよんとした。ハイライトが消えた。あ、やっば、とみんなが思った。
この期に及んで『大祭祀ハロウィン』のノリの良さは異常であった。
この隙にユーベルコード打ち込めば、倒せるんじゃ? みたいな間もあったのに、ちゃんと付き合ってくれているではないか。なんて良い人!
「忘れ……てます?」
「いえ、わんこ枠ですから。マスコットキャラクター的な?」
「それって忘れてるてことじゃないですかー! 勇者ですよ、わたし!?」
「まあ、やりますよ、勇者。久しぶりにガレオンチェンジして突進しますので、テンペスタース・クリスで吶喊です。さあ、行きますよ」
「えぐえぐ。あ、そうだ」
「なんだ、猟兵」
どこまでも付き合いがいい『大祭祀ハロウィン』である。
「『人の存在なくば』じゃないですよ。『人が存在するから』わたしたちは強くいられるんです!」
「そのとおりです! なんかギャグの流れをいい感じのシリアスに強引に戻した感じがしますが、雑に喰らうがよいでしょう!」
「La Campanella(ラ・カンパネラ)の一撃です!」
「こ、この猟兵達、こっちが善意で付き合っていれば!! それが人間のやることか!」
「ええ、実はただの人間ではありませんので、このメイド!」
「そうですとも! ステラさんは超やべーメイドなんです! やべー度を甘くみないでください!」
「誰がやべーメイドですか!!」
そんな感じで吶喊していく飛空艇に変じたステラとルクスをホログラム通信で見送る『エイル』博士はみやり、ポツリと呟いた。
「やっぱり雑じゃないか――」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
うわ、ぜんっぜん可愛くないねー。
ジャックランタンの風上にもおけない感じ。
それにしてもなんでそんなにネタ臭が強火なのかな。
そんなじゃサージェさんの自己主張の激しいカボチャ(2個セット)に勝てないよ?
って、サージェさん、それだ、あのネタ龍だ!
いやー、二番煎じとか寒いね!
それにしてもあの寒カボチャ、勘違いしてるよね。
なんでわたしが正義の味方なのかな?
わたしはべつにそんなのじゃないよね。
ただの『菜医愛流帝』FCだもん!
だからもちろん、わたしのハロウィンは『菜医愛流帝』だ!(長ランばさぁ
さぁ、いきますよ!
全力全開、お菓子の代わりの【E.C.O.M.S】!
ハロウィンアタックをくらえー!
サージェ・ライト
【理緒さん】
……?私カボチャなんて持ってませんよ?
あと自己主張どころか忍んでますから!
私に対するクノイチ評価がおかしい!
それはそれとしてやっと思い出しました!
どこかで見たことあると思ったら
スーパーカオスドラゴンさんじゃないですか!
こう、さっきの配下の首が多い感じとか登場シーンの喋り方とか!
え?ただの被り?季節の魔力とかイベント使ってまで被り?!
かっこわる。
まぁ理緒さんの言う通り正義の味方では無いので
ハロウィンを楽しむのみ
ええ、ただの『菜医愛流帝』FCですから!
さぁいきますよ、私たちのハロウィン!
そう 『菜医愛流帝』です!(長ランばさぁ
どこかで悲鳴が聞こえましたがそれすらもエッセンスなのです!
なんか空で飛空艇が吶喊して巨大グランドピアノの物理が『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の頭蓋をズガンとやったのを菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)を見上げていた。
巨体たる『大祭祀ハロウィン』。
その異様は恐ろしさを感じさせるものであった。
口腔、眼窩から溢れる炎のような混沌。それが戦場を『ハロウィン化』していくものであることを差し引いても理緒は……。
「うわ、ぜんっぜん可愛くないねージャックランタンの風上にもおけない感じ」
めちゃくちゃディスってた。
「ええい、やかましいわ! 万物が存在する状態を内包しているオレサマに言うに事書いて可愛くないだと!? 混沌はkawaiiすら内包してんだよ! つまり、可愛いだろうが!!」
叫ぶ『大祭祀ハロウィン』。
無理筋がすぎるなぁって理緒は思った。
それになんかこうネタ臭が強火な気がした。ものすごいスーパーでカオスなドラゴンを感じてしまう。
「そんなんじゃサージェさんの自己主張の激しい南瓜二個セットに勝てないよ?」
「……? 私カボチャなんて持ってませんよ? それに自己主張するどころか忍んでますから!」
理緒の言葉にサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は思わず叫んでいた。
「そういうところじゃないかな?」
「そういうところだよ、サージェさん」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! オレサマが言える立場じゃないが……そういうところだよ、猟兵」
『エイル』博士は冷静に突っ込んでいた。
そう、忍んでるっていうんなら、忍んでないって言われても黙って隠れてるべきなのである。忍んでないって柏手みたいに、それこそ呼び鈴みたいに言われて否定しに来ている時点でもう忍んでないよねって感じである。
『大祭祀ハロウィン』もそう思います、みたいな感じで頷いている。
いいかな、君たち。
これは決戦の場である。なんかこう、親戚のおじさんとプロレスやってる空気にしないでいただきたい。
「私に対するクノイチ評価がおかしい!」
元からないようなものだが。
「あるもん! それはそれとしてやっと思い出しました! どこかで見たことあると思ったら、『スーパーカオスドラゴン』さんじゃないですか! こう、さっきの配下の首が多い感じとか登場シーンの喋り方とか!」
「ただの被ったってことじゃないのかな? だってそうじゃないとさー」
理緒が声をひそめる。
おいやめろ、そのムーヴは『大祭祀ハロウィン』さんに効く。
「いやー、二番煎じとか寒いね!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 言うに事欠いて! いや、待て。何を言ってる?」
「だって、季節の魔力とかイベント使ってまで被ってるのって、かっこわるって思いますもん」
ディスが酷い。
『大祭祀ハロウィン』さんが何をしたって言うのだ。あんまりじゃない?
「あとね、なんだか寒カボチャ、勘違いしてるよ。なんでわたしが正義の味方なのかな?」
「いや、え? 今、寒カボチャって言った?」
「わたしはべつにそんなんじゃないよね。ただの『菜医愛流帝』ファンクラブだもん!」
大声で言う事、それ?
『エイル』博士は思ったし、『大祭祀ハロウィン』も思った。
「そのとおりです! 理緒さんの言う通り正義の味方ではないので! ハロウィンを楽しむ!『菜医愛流帝』ファンクラブ会員として布教に勤しむのみ! それが私達のハロウィン!」
「ちょ、ちょい、ちょい! さっきから何? なんて?」
『大祭祀ハロウィン』は動揺している。
そりゃそうだろう。誰だって動揺する。後方のグリモア猟兵も動揺している。大丈夫? 転移に乱れとかない?
「わたしのハロウィンは『菜医愛流帝』だ!」
「そう、『菜医愛流帝』です!」
二人は長ランを翻した。何処から出したのそれ。え、仮装って……コト!?
「その通り! どこかで悲鳴が聞こえた気がしましたが、それすらもエッセンスなのです!」
何もわからん!
わからんが、圧倒できているということは良いことだ!
「さぁ、行きますよ! 全力全開、お菓子の代わりにE.C.O.M.S(イーシーオーエムエス)!」
「威風堂々(シノベテナイクノイチ)と背中の『菜医愛流帝』を知らしめましょう! 私はクノイチ! 影より悪を討つ者なり!!」
二人の合体ハロウィンアタックが炸裂し、『大祭祀ハロウィン』は叫んだ。
「『菜医愛流帝』ってなんだー!!!」
どっかで悲鳴が聞こえた気がした。多分――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メリー・ブラックマンデー
決戦配備:キャスター
(アドリブ連携歓迎)
ようやくお出ましといったところかしら?
死神を描いたカードに|終わり《死》を見出だす者もいれば、新たな|始まり《生》を見出だす者もいる。
憂鬱な曜日だと嘆く者もいれば待ち望んだ休日だと喜ぶ者もいる。
ええ、知ってることだけど、先の戦いで聞いた言葉は嬉しいものだったわ。
さて…私の知るハロウィンは一年の終わりと始まりを告げる祭事を由来とするもの。
都市そしてセラフィムがこれまで培った<世界知識>を<竜脈使い>の力で『クロト』の元へ。
『アトポロス』に合して<衝撃波>で断ち切るわ!
楽しい祭日は平日を越えた者だけが迎えられるものよ?特に今年の|31日《ハロウィン》はね!
手にしたカードの絵柄は『死神』。
その意味するところは、それを見る者が決めることである。
例えば死神の大鎌の剣呑たる輝きに|終わり《死》を見出す者もいれば、新たな|始まり《生》を見出す者もいる。
「なんの遊びのつもりだ、猟兵! カード一枚で運命が決まるとでも思っているのか、ヒャ~ッハッハッッハ!!!」
悪役然として迫る『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』の姿を認め、メリー・ブラックマンデー("月曜日"がやって来る・f27975)は己の仮装の意味を説くようにしてつぶやく。
「憂鬱な曜日だと嘆く者もいれば、待ち望んだ休日だと喜ぶ者もいる」
「何が!」
『大祭祀ハロウィン』にはわからないことだった。
混沌たるハロウィンを内包した存在。
万物が存在するがゆえに、全ては平原のような事象ばかりが拡がっている。ならば、そこに曜日という概念はあれど、全てが同一となる。
だからこそ、メリーの言葉を『大祭祀ハロウィン』は理解できなかったことだろう。
メリーは先の戦いでのことを思い返す。
知っていたことだ。改めて言われるまでもないことだ。だが、それでもメリーの心の穴化に去来していたのは、喜びだった。
「ハロウィンというものことよ」
「なら、見せてみろ! オマエラの言うところのハロウィンというものがどんなものかを!」
その言葉にメリーは手を掲げる。
瞬間、決戦配備たる戦術兵器『セラフィム』が飛来し、彼女を手のひらに乗せる。
そう、それこそが彼女の要請したステージ。
手にするは、針剣。
「私の知るハロウィンは一年の終わりと始まりを告げる祭事を由来するもの」
故に、この時こそが境である。
この決戦都市が培ってきた戦いの歴史。
その最先端を往くのが『セラフィム』であるのならば、メリーは手にした針剣でもって竜脈の力を束ねる。
二振りの針剣。
一つは始まりを告げる。そして、もう一つは終わりを告げる。
「いいこと? 楽しい祭日は平日を越えた者だけが迎えられるのよ?」
メリーの瞳がユーベルコードに輝く。
対する『大祭祀ハロウィン』は見ただろう。
メリーの手にした剣。
その封印が解かれる瞬間を。
神器統合形態へと至った彼女の針剣が齎すは、始原にして終焉の一閃(プライム・メリディアン)。
そう、彼女の言葉の通りである。
まあ、祭日も平日みたいな者たちもいるのだが、それは置いておくとして、しかし特別でないことが在るからこそ、特別があるのだ。
混沌たるハロウィンは、日常を非日常で染め上げ、ないまぜにする。
そうして生み出される事象の平原は、何もないのと同義。
故にメリーは告げるのだ。
「だったらなんだというんだよ!!」
「わからないかしら? 暦を見ればわかることよ。特に今年の|31日《ハロウィン》はね!」
そう、ド平日なのである!
その言葉と共にメリーは針剣の一撃を『大祭祀ハロウィン』へと叩き込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎
●信頼度
決戦配置~?ロボくんが一機だけポンと出るやつでしょ~?
しょぼっ!
今回は違う~?ほんとかな~?
じゃあロボくんじゃんじゃん持ってきて!
決戦配置:クラッシャー
●ハロウィン?
ハロウィン?ハロウィン!
ハロウィン♪ハロウィン♪楽しいハロウィン♪
ほらみんなも歌って~!
とUC『神心』でもってハロウィンルームから世界のみんなの脳内に直接歌いかけ続けよう
ハロウィン♪ハロウィン♪楽しいハロウィン♪
世界を一つにし世界に楽しいハロウィンを届けよう!
とハロウィンくんの脳内にみんなのハロウィンソング(騒音)を流し続けよう!
あ騒音被害に苦しんでる間にロボくんたちはペチペチ攻撃しといてね!
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は常々思っていた。
沿岸の決戦都市特有の決戦配備。
人型ロボット戦術兵器『セラフィム』。
「決戦配置~? ロボくんが一騎だけポンと出るやつでしょ~?」
「そうだが……」
ロニの言葉に『エイル』博士はうなずく。
決戦配備とは、ケルベロスや猟兵を支援する目的で作られたものだ。迫る『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』は強大な存在だ。
猟兵やケルベロスだけでは到底立ち行かない相手である。
だからこそ、彼女はロニに訪ねたのだ。
「しょぼっ!」
「今、しょぼって言った!?」
「だって~たくさん出て欲しいじゃない?」
「予算が無いんだから仕方ないのだよ!」
『博士がじゃんじゃん出撃させて破壊されるからでしょう』
サポートAI『第九号』の言葉に『エイル』博士は、言葉に詰まる。つまり、そういうことである。
作るにしたって予算が限られているのだ。
成果を出さぬものに予算はでない。何処の世界だって似たようなもんである。
「じゃあロボくんじゃんじゃん持ってきて!」
「話聞いてたかい!?」
「ハロウィン?」
は? と『エイル』博士が首を傾げる。
あーゆーはろうぃん?
「イエス、ハロウィンだぜ~!!! ヒャ~ッハッハッッハ!!!」
それに答えるように『大祭祀ハロウィン』の巨体が迫る。
振り返るロニは笑って歌う。
「ハロウィン! ハロウィン♪ ハロウィン♪ 楽しいハロウィン♪ ほらみんなも歌って~!」
神心(ゴッドウィル)たる歌声は全世界を中継して届けられる。
全人類に呼びかける歌声。
全世界の生命の意識と無意識とに呼びかけられる歌声に『大祭祀ハロウィン』も歌っていた。歌うんかい。
「世界を一つにし、世界に楽しいハロウィンを届けよう!」
「いや、やかましいなふつうにこれ!」
「そうかな? これがみんなの総意ってやつさ、『大祭祀ハロウィン』くん!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! この程度でオレサマが……あっ、やばい。本当にうるさいな?!」
「それはそうだよ! 何せこれは全人類何十億分の歌声ってものだからね!」
ロニは笑いながら跳ねるようにして戦場を飛ぶ。
決戦配備の戦術兵器『セラフィム』と共に飛び立ち、盛大に歌い続ける。
「ハロウィン♪ ハロウィン♪ 楽しいハロウィン♪ あ、これ著作権大丈夫かな! 今更だけど!」
「ハロウィン連呼しているだけだろうが!」
歌でもなんでもなく騒音被害めいた頭痛を覚えるようなハロウィンコールに『大祭祀ハロウィン』は呻く。
その様子にロニは愉快そうに笑う。
「あれ~『セラフィム』くんは、火力不足かな~? あんまり聞いていない感じ?」
そう、『セラフィム』は決定打なり得ない。
微妙な一撃を叩き込みながら、ロニはま、いっかと笑う。
みんなで楽しく歌を歌うのが自分のハロウィンだ。
それを示せただけでいいのだ。あ、うそ。やっぱりお菓子はほしいなってロニは歌いながら『大祭祀ハロウィン』の頭蓋に響く歌声と共に跳ねるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
厳・範
決戦配備:ジャマー
あれが此度の首謀者か…またまあ、奇妙な。
花雪(お爺さまにそれだけ言われるとは…)
しかして、ハロウィンな…肝心なのが足りぬのではないか?
のう、花雪。
花雪「へっ。あっ!あれですね!徳利・青・鳥と!!」
(トリック・オア・トリートと言いたかった。焦った)
…焦らずとも良い。その文言は、こちらにも伝わっているからな。
花雪「はい!」
そして、我らのハロウィンはな…この格好(僵尸)にて行うものよ!
UC使用。まあ、札は角のところについておるが。外れぬようにはなっておるからな…。
花雪「私も乗ってますし、決戦配備もしてますから…」
そう、少しでも目を逸らせば、それは立派な奇襲であろうよ。
「あれが此度の首謀者か……またまあ、奇妙な」
厳・範(老當益壮・f32809)が見上げた先にある巨躯は、その言葉通り奇妙な体躯をしていた。だが、巨体である。
猟兵やケルベロスの放ったユーベルコードに寄る穿たれた痕や裂傷。そして、眼窩や口腔より溢れ出す『ハロウィン化』を齎す混沌が戦場を埋め尽くしていく。
やはり脅威である。
とは言え、背に乗る宝貝人形『花雪』は思った。
お祖父様にそれだけ言われるとは、本当にこの『大祭祀ハロウィン』は奇妙な存在なのだろうと。
そう、他世界を知る猟兵たちにとっても『大祭祀ハロウィン』とは奇異なる存在であった。
「ヒャ~ッハッハッッハ!! 恐れおののくがいいさ! このオレサマを恐れるということは、オレサマを止められぬという証左にほかならねぇんだからよぉ~!!」
哄笑する『大祭祀ハロウィン』は、その口腔より混沌たる『ハロウィン化』を撒き散らしながら巨腕を振るう。
「確かに奇妙だが……しかして、ハロウィンな……肝心なのが足りぬのではないか? のう、『花雪』」
「へっ、あっ! あれですね! 徳利・青・鳥と!!」
急に和風。
「……焦らずとも良い。その文言はことらにも伝わっているからな」
「はい!」
「なんか知らんがほのぼのとしてんじゃあねぇぞ!」
おらー! と巨腕が交差するように振るわれる。
その一撃を駆け抜けながら範は躱し、見上げる。
巨躯である。
それだけで脅威であると言わざるを得ない。それに肉体の変容を強いる『ハロウィン化』も厄介極まりないものであった。
しかし、こちらにはそれに対抗する術がある。
「我らのハロウィンとはな……この格好にて行うものよ!」
範は己の額に貼り付けた札が、ちょっと鬱陶しく感じたが、しかし外れぬようにしているため、また仮装であるため外すわけにはいかなかった。
「決戦配備をお願いしますね!」
「ああ、わかったとも! 漸くまともな雰囲気になってきたところだ!」
その言葉にホログラム通信の『エイル』博士はうなずく。
これまで猟兵やケルベロスのなんというか無茶振りに答えてきたからだろう。心なしかホッとしている様子であった。
「コール・ジャマー! 思う存分やってくれたまえ!」
その言葉と共に煙幕が吹き荒れる。『セラフィム』による煙幕は『大祭祀ハロウィン』を包み込み、彼の視界を奪う。
そう、範は黒麒麟に変化し、雷雲を纏い疾駆する。
そして、その背に誰かを乗せていた時、その突進の……轢殺たる一撃は、倍増するのだ。
「目をそらした瞬間が、お主の終わりよ」
「何を!」
「我らは、雷霆(ライテイ)。この一撃は立派な奇襲であろうよ」
その言葉と共に範は雷雲と共に一気に『大祭祀ハロウィン』へと飛び込み、その一撃を持って巨体を吹き飛ばす。
「おっと、良い忘れておったわ。トリック・オア・トリート、よな」
「はい、そうです!」
そのほのぼのとした雰囲気の中、『大祭祀ハロウィン』は、その巨体を大地に沈むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジークリット・ヴォルフガング
●POW【ケルナノ】
案ずるな、ナノ
私は傭兵騎士、お前との契約を遂行して止めてやるさ
このイタズラの度を越えた悪ふざけをな
仮装はモジュラーアーマーの装甲を換装させた魔法剣士な外装だが、セラフィムズの中和支援でも肉体変化の侵食は止まず…か
ならば答えよう…私のハロウィンを
Trick or Treat、生か死か
我らと貴様の間には単純明快な生存競争しかない
勝てば生き、負ければ死ぬ
…星剣抜刀!
星座の重力をオーバーロードにてリミッター解除したゾディアックブレイク、スタンバイ
ナノ、応援の翼とスマホと連動してハロウィン空間に投影された撮影生動画とマイク機能で送られた応援メッセージをセラフィムのキャスター支援を受けたライブ放送の準備だ
…ふざけた真似をだと?
何を言う、貴様のような|神《ろくでなし》を貶めるにはこれで丁度いい
それに私とて、ニコ生による牙なき者達の希望の星となる「デウスエクスと戦ってみた」な生放送に準じる物が無ければ物寂しい、|あちら側《・・・・》のケルベロスだ
絶望があれば希望も生まれる…それだけさ
ナノ・ナーノ
●SPD【ケルナノ】
遂に出たなの…あれが十二剣神『大祭祀ハロウィン』なの!
分身体だけど十二剣神自らが地球に殴り込んでくるのに備えて、ボクはジークと出会って契約したのなの
頼もしい返事なの
それでこそ、ボクがプロデュースした完全で無敵の|希望《アイドル》なの!
ボクの仮装はこの前の戦争で作った対毒武装の魔法使い装備なの
それにかかれば、ハロウィンがUCで給仕してくる毒菓子もチチンプイプイで無毒化しちゃうのなの
不安だったら、セラフィムのメディック支援で成分チェックすれば安全安心なの…もぐもぐ
ここはボクに任せて、ジークはハロウィンをやっつけるのなの!
それとボクの廃スペックスマートフォンを通して、武闘系ケルチューバー活動をしてるジークと大祭祀ハロウィンとの戦いをケルチューブで実況生配信中なの
戦場となってる決戦都市の避難シェルターで戦いが終わるのを怖がりながら待っている皆も、ボクの『応援の翼』を受けたジークを応援するコメントと全額を決戦都市復興に寄付するチャリティ投げ銭募金をどんどん送ってなのー
巨体が傾ぎ、仰向けに倒れ込んだ『十二剣神』の一柱『大祭祀ハロウィン』は、しかし立ち上がるようにして巨体を持ち上げた。
これまで叩き込まれてきたユーベルコードの数々に寄る裂傷や穿たれた傷痕からは『ハロウィン化』齎す混沌が血潮のように溢れている。
その恐るべき姿にナノ・ナーノ(ナノナノなの・f41032)は、その小さな体躯を震わせる。
「遂に出たなの……あれが『大祭祀ハロウィン』なの!」
多重分身に寄る全世界同時攻撃。
そして、成さしめようとしているのは、ハロウィンの楔を地球に打ち込み、主星『真理の部屋ハロウィン』と繋がることである。
例え、分身体とはいえ、油断することもできない。
だからこそ、ナノはジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)と契約して備えたのだ。
来る『十二剣神』との決戦。
それがこんなにも早く季節の魔力を狙ってやってくるとは思わなかったのだ。
震える体を抱き寄せるようにしてジークリットは笑む。
「案ずるな、ナノ。私は傭兵騎士。お前との契約を遂行して止めてやるさ。このイタズラの度を越えた悪ふざけをな」
「頼もしい返事なの。それでこそ、ボクがプロデュースした完全で無敵の|希望《アイドル》なの!」
「ヒャ~ッハッハッッハ!!! 言わせておけばケルベロス! オマエラにオレサマが止められるか!」
「追い込まれておいて何を言う」
ジークリットは、己のモジュラーアーマーを換装させた魔法剣士な外装を持ってしても『ハロウィン化』を免れぬことに呻く。
『セラフィム』による中和もあるにも関わらず、『大祭祀ハロウィン』に近づけば近づくほどに力の影響を受けてしまう。
「知ったことかよ! オレサマにとってのハロウィンこそが全てなんだよぉ!! オマエラの思うハロウィンを見せてみろ、それらさえも呑み込んで、全てを『真理の部屋ハロウィン』へと変えてやる!!」
吹き荒れる混沌。
肉体変容を強いる強烈なユーベルコードを前にジークリットは一歩踏み出す。
ナノが魔法使いをもした姿へと変身し溢れ返る毒菓子をあっという間に無毒化してしまう。
「コール・メディック、なの!『セラフィム』、解析を頼んでもいいなの?」
「任されよう!」
亜麻色の髪の女性『エイル』博士のホログラムと共に現着した『セラフィム』がナノが無毒化したお菓子の成分をチェックし始める。
スキャニングによって成分分析した結果、それは何の変哲もないお菓子であることが証明される。
「これならば! だが、食べ過ぎには注意してくれたまえよ!」
「まかせてなの! 安心安全なの! もぐもぐ! ジーク、ここはボクにまかせて!」
ナノの瞳がユーベルコードに輝く。
それは光の翼となってジークリットの背に生え、彼女の踏み出した一歩を大きく背中を押すのだ。
勝利への意思。
それが光の翼の巨大さへと変換される。
そう、この場においてジークリットの勝利を望むのはケルベロスや猟兵と『エイル』博士たちだけだった。
けれど、それだけでは足りない。
ならばこそ、ナノは廃スペックスマートフォンを構える。
カメラ機能だってしっかりついているのだ。
「何をしていやがる!」
振るわれる巨腕をジークリットの剣が受け止める。きしむ体が悲鳴を上げている。
どれだけふざけたイタズラめいた侵攻を行うデウスエクスとて、これが『十二剣神』の一柱としての力である。
「させはしないさ……! これが私の答えだ」
煌めくジークリットの瞳。
それはユーベルコードの輝きであった。
「Trick or Treat、生か死か。我らと貴様らの間には単純明快な生存競争しかない。勝てば生き、負ければ死ぬ」
「そうともさ。だから、全部ハロウィンで塗りつぶしてやろうってんだろうが!」
哄笑が響く。
あらゆるものを埋め尽くす混沌。
汎ゆる概念を混沌という一つで塗りつぶすための力。振るう巨腕の一撃だってそうだ。凄まじいの一言に尽きる。
混沌が噴射するようにして溢れ出し、ジークリットを抑え込む巨腕の勢いに変わっているのだ。
骨身がきしむ。
どうあがいても勝てないと思わせるものであったかもしれない。
だが、ジークリットの瞳は今だ諦観にまみれてはいなかった。
そう、彼女の背には今、声援が届いている。
「なの! みんな、応援してなの!」
ナノがスマートフォンを通して動画を配信しているのだ。武闘系ケルチューバー活動をしているジークリットと『大祭祀ハロウィン』との戦いを実況生配信中なのだ。
それはこの決戦都市の避難シェルターで戦いを終わるのを待っている者たちへと届けられている。
また同時に多発的に行われている『大祭祀ハロウィン』の世界同時攻撃の標的となっている者たちの元へも届いているのだ。
それらの動画を見た者たちは皆思うだろう。
恐怖に塗れた日々の中にあっても、希望はあるのだと。
ナノは、その彼等の気持ちをジークリットに届ける。
勝ってくれと願う願いが祈りに昇華し、次々とチャリティの投げ銭募金が募っていく。
「もっとなの! もっとジークを応援してなの! ボクも精一杯応援するなの!」
「ふざけたことをしやがってよぉ!!」
悪役。
そう表現するのが正しいほどの大仰な所作でもって『大祭祀ハロウィン』は巨腕を振り上げる。
それはジークリットにとどめを刺す一撃であった。
だが、手にした星座の重力を宿したゾディアックソードが煌めく。
「ふざけた、だと?」
膨れ上がっていく光。
背に追う翼がは最早、『大祭祀ハロウィン』よりも巨大であった。
「何を言う、貴様のような|神《ろくでなし》を貶めるには、これ以上にない声援であろう!」
己は牙なき者達の希望の星となる者。
確かに彼女にとってケルチューブは馴染みのないものだった。ニコ生による『デウスエクスと戦ってみた』という生放送の形態がないのは物寂しい。
自分は|『あちら側』《・・・・》のケルベロスだからだ。
だからこそ、叫ぶ。
「……星剣抜刀! 剣に宿りし星辰の重力よ……悪しき護りを断ち切れ! ゾディアックブレイク!!」
振るい上げたゾディアックソードの刀身に応援の翼が絡まるようにして光の刃を形成していく。
溢れるような力。
すべての人々の祈りと願いとを受け止めたような剣の一閃が『大祭祀ハロウィン』の巨体を一撃のもとに両断せしめる。
「……馬鹿な……オレサマが敗れる……!? この絶望の最中であっても輝く光はなんだ! この光にオレサマが! この悪の、オレサマが!!」
「一々大げさなの」
「ああ、簡単なことだ。『大祭祀ハロウィン』」
「……何?」
「人々を恐怖に叩き落とす絶望がお前たちであるというのならば。そう、絶望あれば希望も生まれる……それだけさ」
たったそれだけが『大祭祀ハロウィン』の敗因であると知らしめるようにジークリットは己のゾディアックソードの刀身を突き立て、『大祭祀ハロウィン』の巨体を滅ぼし、決戦都市に勝利の鬨の声を挙げるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵