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【旅団】夏だ!スイカだ!!スイカボムだ!?2023

#キマイラフューチャー #【Q】 #旅団 #スイカボム

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#【Q】
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#旅団
#スイカボム


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【これは旅団シナリオです。旅団「喫茶【スノウホワイト】」及び友好旅団の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです】

●キマイラフューチャー・学園のような場所で進む陰謀(?)
「近々、ガクエン? っぽい場所で、スイカ割り大会なるものが行われるらしいよ?」
「スイカ割り? なんだそれは?」
「ククク、聞いて驚け。スイカ割りとは……水着姿の女性がキャッキャウフフしながら棒でスイカを割るイベントのことだ!!」
「何だと!? そんな眼福な……ゴホン、ハレンチなイベントがあるとは!!」
「これじゃ、水着見たさに若者が大量にガクエンに押し寄せるじゃないのよ!! 許せないわ!!」

「かくなる上は……かくなる上は!!」
「「「「スイカ割り用のスイカをスイカボムに取り換えてしまえ!!」」」」

●旅団シナリオになりましたので、説明不要になりそうですが、一応(?)
「あー、例年なら広く呼び掛けるのだが、今年は諸々の事情が重なった結果、ここの常連客に対応をお願いしたく」
 突然どうしたのでしょうか? 『喫茶【スノウホワイト】』団長、藤崎・美雪さん?
「既に11月なんだが、遅めの夏休みということで、キマイラフューチャーの常夏の学園っぽいエリアにある屋外プールサイドで有志によるスイカ割り大会が開かれることになったんだが……またまた困ったことになってな」
 学園っぽいエリアの外観は、どこぞの銀の雨が降る世界の巨大学園に似ているらしいのですが、それは気にしてはいけないということで。
 それはさておき、美雪さんいわく、そんな学園で開催予定の楽しい楽しいスイカ割り大会に、水着姿できゃっきゃうふふするのが許せない、リア充爆発しろとか言い出しそうな一部のキマイラたちが変な仕掛けを用意したとか。
「世の中、そんな楽し気なイベントなんぞ許せんと息巻く輩はどこにでも湧くらしくな……今回もスイカ割り大会に使われるスイカの一部を、緑と黒にペイントされた爆弾……スイカボムにすり換えおった」
 それは大事じゃないか! とのどよめきに混じり、ああやっぱり今年もか……と嘆息する声があったとかなかったとか。
「しかもそのスイカボム、もともとどこぞのスクラップビルダーが精巧な細工を施した爆弾を改造したものらしく、見た目は本物のスイカと区別がつかないのはもちろんだが、うっかり叩いて爆発させたら……」

 ――あっという間に爆風に巻き込まれて、お空の星になってしまうとさ。

 あれ、今年はいつもより大人しい……? と首を傾げる常連客。
「まあ、爆発に巻き込まれる以外の実害はないとしても、何も事情を知らない住人たちが、本物のスイカ割りのつもりで意気揚々と参加して爆発に巻き込まれたら、いくら何でもトラウマになるだろう?」
 面白いことならオールオッケー!! のキマイラフューチャーの住人たちであっても、爆風で遠くに吹き飛ばされたらさすがにトラウマになりますわな。
「というわけで、皆が代わりにスイカ割り大会に出て、できるだけスイカボムの被害が住人たちに向かわないようにしてほしいのだ」
 運よくスイカを割れれば、甘くておいしいスイカをその場で腹いっぱい食べてよし。
 仮にスイカボムを引いたら……爆風に飛ばされ空中散歩を満喫できます。やったね!(?)
 ちなみに、技能やユーベルコードを駆使してスイカボムを見分けたり、爆発の衝撃を緩和するのは問題ないそうです。
 アイテムの使用は……所持がバレなければ何とかなるんじゃないですかね?

 なお、肝心の首謀者捜しですが、今年は少々趣が異なるらしいです。
「例年、主催と|我々《グリモア猟兵》で探すのだが……今年はお手すきの方にも協力いただきたく」
 ただし、捜索シーンの描写保証はしないので、文字数に余裕がある場合にだけにしておくのが無難だよ!(唐突にぶち込まれるメタ)
「ま、メタい天の声はさておき、スイカを引けても、スイカボムを引いても、とにかく思いっきり楽しむのが一番だ。できれば厄介事は私に任せて、目いっぱい楽しんで来てくれ」
 笑顔でそう語る美雪さんの目は、なぜか全く笑っていませんでした。
 毎年のことではありますが、猟兵たちが目いっぱい楽しめば、首謀者の油断を誘えて摘発に繋がる近道になるとはいえ、楽に捕まえられるかと言えばまた別の話ですから、ね。

「それでは、遅めの夏休みとなってしまったが、是非とも満喫してきてほしい」
 常連客たちに深々と頭を下げた美雪さんは、手にしたグリモア・ムジカから無数の音符を奏で、集まった皆をスイカ割り会場へと送り出しました。

 ――あなたが選ぶのは、このスイカですか?
 ――それとも、このスイカボムですか?

「断言しても良いが、シリアスは既に浜で死んでいる。諦めてくれ」
 ……マア、マイトシノコトデスカラネ。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願いします。

 最早毎年恒例ですが、今年も懲りずにスイカをスイカボムに置き換える輩が現れました!!
 旅団「喫茶【スノウホワイト】」及びその友好旅団の団員の皆様、どうかスイカボムへの対処をお願い致します……!!
(意訳:今年は旅団シナリオとなりましたので、事前に参加表明いただいた方のみ参加可とします)

 全力のネタ・ギャグ・カオス依頼です。
 アドリブ多め、描写量の差異が発生する可能性大。
 また、旅団シナリオですので、EXP・WPは入りません(そのはず)。
 以上3点、予めご了承の上での参加をお願いします。

●本シナリオの構成
 キマイラフューチャーにある、どこかの学園に似た施設の屋外プールサイドでスイカ割りを楽しんでいただくシナリオです。
 スイカが割れるかどうかは実際にダイスを振って判定しますので、判定に使用する能力値を1種、プレイングの1行目に記載願います。(未記入時は最も低い能力値で判定)
 なお、水着の着用は任意となります。

●特殊ルール:今年もスイカがスイカボムに!?
 最早恒例ですが、今年も用意されたスイカの一部に【スイカボム】が混入しております。

 目の前のスイカがスイカボムになるか否かは、昨年同様、数字のマッチングで判定。
 皆様は、プレイングの2行目に【0~9の任意の数字を3つ】記してください。
 MSは、リプレイ執筆前にリアルD10を3個振り、当たり数字を決定します。(MSの出目はリプレイ内で公表)

 プレイングに記した数字の中にひとつでも当たり数字があった場合、そのスイカは【スイカボム】です。叩いた瞬間派手に大爆発し、猟兵を爆風で吹き飛ばします!!
 逆に一つも当たらなかった場合は、そのスイカは甘くて美味しいスイカです。美味しくいただけます。
 リプレイ執筆前にダイスを振る都合、スイカボムを引くか否かは執筆直前までMSにもわからないため、プレイングを作成する際は、的中時、外れ時、両方の反応を記していただけると助かります。

 その他、公序良俗に反する行為、飲酒喫煙は全面禁止。お色気ハプニングは絶対起こりません。
 また、グリモア猟兵は裏で首謀者探しをしていますが、今年はツッコミに来るかも……?

 プレイング受付期間等は、全て旅団シナリオスレッドにて連絡致します。
 それでは、遅くなりましたが、今年もドタバタひと騒動をお楽しみくださいませ。
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第1章 冒険 『ライブ!ライブ!ライブ!』

POW   :    肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!

SPD   :    器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!

WIZ   :    知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!

👑1
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リオン・リエーブル
連アド大歓迎
【246】


おお今年は学園ものかあ
ならおにーさんは学生服を着よう
「屋外プールサイドに来てください」
っていう手紙を受け取っておにーさんドキドキ
もしやこれはラブ展開!?
緊張しながらプールサイドに行ったらば
ズラリ並ぶはスイカボム!
「リア充爆発しろぉぉ!」
と吠える学生が投げつけてくるスイカボムに
バット構えてバッターボックスに入るよ!

さあ最後の一球!これで今年の優勝チームが決定!
ピッチャー振りかぶってボム一球…投げた!
打ったー!これは大きい!入るか、入るかー!

【ボム】
バットにヒットした瞬間大爆発!
ギャグマンガ調に吹っ飛ばされれば指定UCでゴーレム創造
実況席型ゴーレムさんで飛翔しながら
他猟兵のスイカボムを実況中継しよう
ボム前に割れたスイカは美味しくもぐもぐ

【スイカ】
打ったスイカは綺麗な八つ割になって空飛ぶゴーレム製お皿の上に鎮座
ヒットの瞬間刃物になるゴーレム製バットさ
これぞスイカ神拳奥義、スイカバット割
お前は既に食べている(キリッ

…スイカ割の定義?スイカが割れればスイカ割では?(きょとん)


真宮・響
【真宮家】で参加

数字:【0、3、5】

手持ちのデニム水着で参加。

また懲りずに現れたかスイカボム・・・ああ、律、毎年恒例のごとくスイカ割りをスイカボムに取り替える奴らが出るんだよ。アタシ達家族はもれなく2回被害を受けてる。

こういう小悪党って案外どこにもいるんだよねえ。まあ、一般人を巻き込む訳にはいかないんでアタシ達猟兵が対応に回るんだが。

ああ、バランス感覚は自信あるんで、スイカ割りは容易にできると思うが、問題はスイカボムかどうかなんだよね・・まあ、吹き飛ばされても竜騎士なんで空中でバランスとって上手く着地するんだが。

今までの経験からスイカボムで無い方が珍しい。心底安心するよ。

律はどうだった?


真宮・奏
【真宮家】で参加

番号:【1、4、6】で参加

紫のリボンビキニで参加

まだ滅んでなかったんですか・・スイカボム。ええ、お父さん、毎年こういう物騒な連中が現れるんです・・・私達も2回吹き飛びましたが衝撃はすごかったです・・・兄さんは髪がチリチリになりましたし。

一般人を巻き込む訳にはいかないので私達が対応する訳ですが4回目なので上手くできるはずですっ・・・頑張るぞ。

吹き飛ばされたら何とか空中でバランスをとって頭から地上に突っ込むことは避けたいですっ・・お尻痛いですけど。

珍しくスイカボムでなかったら目を丸くしてから遠慮なく本物のスイカを家族で頂きます。苦労した分、極上の味ですね。


神城・瞬
【真宮家】で参加

番号:【2、7、9】と参加

案外こういう小悪党の集団はどこにでも現れ、渋とく残るものです。ええ、お父さん。毎年恒例のようにスイカボム仕掛けていくんですよ。家族3人で2回爆発で空に吹き飛びましたし、僕は髪がチリチリになりました。

まあ、今年も覚悟を決めてスイカに向き合いますよ。覚悟を決めて、いざ!!

まあ、爆発して空に吹き飛んでも空中でバランスを取れて着地できるはずです!!流石に綺麗に着地とはいかないでしょうが。最低でも尻もちで済ませたい。

普通のスイカである事自体珍しいですから心底ホッとします。本物のスイカを家族で食べます。

お父さんはどうでした?黒幕ボコりたい?そうでしょうねえ。


真宮・律
【真宮家】で参加

番号:【3、6、8】で参加

家族に買ってもらった紺色のサーフパンツで参加(上にパーカーを羽織る)

え、スイカボムって普通に物騒だぞ?でもこういう奴らって意外と残るものだ。傭兵時代もこういうセコイ計略巡らす奴らはてこずった。

都合皆2回吹き飛んでいるのか・・・皆にリスク負わせる訳にはいかないし、俺もスイカ割りやるぜ。まずスイカの位置を確認すれば大丈夫だ。

スイカボムで吹き飛んだら勢いの凄さに少々驚きつつ、バランスをとって地上に着地。まあ、こういう事態は慣れてる。

え?普通のスイカは珍しい?初めてで引き当てたのは幸運だったな。皆で食べるか。

まあ、黒幕ボコりたい気持ちだが、その必要はなさそう?



●Introduction――裏で蠢く首謀者たちの一幕
 ――とある学園の、薄暗い倉庫の一角で。
 首謀者たるキマイラたちは、スイカ割り用に用意されたスイカとスイカボムを取り換えつつ、不気味な笑みを浮かべていた。
「準備できたわね」
「ふふふ、これでリア充どもを一網打尽にできる……」
「リア充など滅べばいいのだ。この世から一人残さずな……!!」
 リア充憎しの怨念が籠る声が、薄暗い倉庫に不気味に響き渡る中で。
 スイカボムは、その身を静かに横たえながら、出番を待っていた――。

 ……あ、言うまでもないと思いますが、一応。
 シリアスパートはここまでです。いいですね?

 なお、今年は諸般の事情により、先にスイカボム当たり目を公表致します。
 スイカボム当たり目は――【0、8、9】です。
 これを念頭に、お読みくださいね。

●家族そろってスイカ割り(4回目)
 ――どこぞの学園と似ている、プールサイドの片隅で。
「え、スイカボムって普通に物騒だぞ?」
 至極当たり前の疑問とともに首を傾げているのは、パーカーを羽織り家族に買ってもらった紺色のサーフパンツ姿でプールサイドに現れた、真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)さん。
 初挑戦の律さんに対し、家族たちはというと……何処か達観した目をしております。
「また懲りずに現れたかスイカボム……」
「まだ滅んでなかったんですか……スイカボム」
 達観しつつ首謀者に対しジト目を向けているのは、手持ちのデニム水着姿の真宮・響(赫灼の炎・f00434)さんと、紫のリボンビキニ姿の真宮・奏(絢爛の星・f03210)さん。
 そんな妻と娘の姿を見て、頭に「???」マークを浮かべながら首を傾げる律さん、思わず義息子の神城・瞬(清光の月・f06558)さんに質問してしまいます。
「どういうことだ? 瞬」
「ええ……お父さん。毎年恒例のように、何処かの世界のスイカ割り大会に現れて、スイカボム仕掛けていくんですよ」
「お父さん、こういう物騒な連中が、なぜかどこの世界にも現れるんです……」
「毎年!?」
 ため息交じりの瞬さんとジト目のまま呟く奏さんの説明に、思わず目を丸くし驚く律さん。
 呆気に取られている律さんに、響さんもジト目を崩さず付け加え。
「そうさ、律……毎年恒例のごとくスイカ割り用のスイカをスイカボムに取り替える奴らが出るんだよ。アタシ達家族はもれなく2回被害を受けてる」
「2回!?」
「しかも家族3人で2回爆発で空に吹き飛びましたし、僕は髪がチリチリになりました」
「私達も2回吹き飛びましたが衝撃はすごかったです……」
 あわや全員が成層圏を突破しかけた時のことを思い出したか、思わず遠い目をする瞬さんと奏さんを見て、さすがに律さんも頭と背筋に何本か縦線が入るような感覚を覚えてしまい。
「都合皆2回吹き飛んでいるのか……って納得していいのか!?」
 いや、納得しちゃいかんだろと必死に自身に言い聞かせる律さんをよそに、プールサイドに集まった観客たちを煽るような主催者の声が響き渡りました。
「大変長らくお待たせしました。それでは――」

 ――スイカ割り大会、始まり始まり!!

●スイカボム(超正統)
 最初に挑んだのは、響さん。
 もともと体幹が強く、バランス感覚には自信がある響さん、過去のスイカ割りは4回とも(スイカボムか否かはともかく)しっかりスイカを捕らえています。
「バランス感覚は自信あるんで、スイカ割りは容易にできると思うが……問題はスイカボムかどうかなんだよね……」
 一応、目隠し前に目を凝らしてスイカボムを見極めようとしますが、スクラップビルダー謹製のスイカボムを見極めることは難しく、やはり叩いてみないとわからないようです。
 まあ、ここは毎年のことなので(?)、響さんも直感で選ぶしかなく。
「決めた!」
 目隠しをして棒を立て十回転したあと、真っ直ぐ左のスイカに向かう響さん。
 迷わずスタスタと歩いていく様は、目隠しをしているようにも、事前に十回転して三半規管がやられているようにも見えません。
「おおおおおーっ」
「あのお姉さん、すげぇな……」
 見定めたスイカに向けて真っ直ぐ歩いていく響さんに、観客からは応援と感嘆の声があがります。
 そうして難なく狙いのスイカの前に辿り着いた響さん、これまたためらいなく棒を振り下ろし。
「ええいっ!!」
 振り下ろされた棒は、狙い違わずスイカの芯を捉え――。

 ――カチッ。

「あ」
 はい、スイカボムですね。

 ――ずどどどどどどおおおおおおおおん!!

 というわけで、今年もスイカボムの爆風に吹っ飛ばされた響さん、お空の空中散歩へレッツゴー!
(「……まあ、吹き飛ばされても竜騎士なんで空中でバランスとって上手く着地するんだが」)
 今年は爆発力も控え目ですが、至近距離から爆風を受ければすぐには立て直せないもので。
 若干、空中に手を泳がせはしましたが、やがて綺麗に姿勢を立て直し、プールサイドに着地!!
「おおおおお~~」
「すげー、すげーよあの人!!」
 拍手喝采するキマイラたちに出迎えられたのは、言うまでもありません。

●スイカ割り(こちらも正当)
 次に挑んだのは、奏さん。
 目の前でスイカボムを引いた母が爆風に巻き込まれ、空中散歩に旅立ったのを見れば、背中に冷や汗つたいはするけれど。
「一般人を巻き込む訳にはいかないので、私達が対応する訳ですが、4回目なので上手くできるはずですっ……」
 頑張るぞ、と気合を入れながら目隠しをつけ、毎年のように棒の周りを十回転してからスイカのもとへ。
 しかし、響さんのようにバランス感覚に自信がない奏さん、今年もあっちへふらふら、こっちへふらふらよろめいて、なかなか前に進めません。
「お姉ちゃんがんばってー!!」
「いけいけ、そっちだー!!」
 周りの観客の声援と誘導を受け、なんとかスイカの前まで辿り着いた奏さん。
 精神集中も兼ねて深呼吸を繰り返した後、気合を入れ直し棒をぐっと握りしめ。
「えーい!!」
 気合一閃、振り下ろされた棒は、確かにスイカの芯を捉え――。

 ――ぱかっ。

「え?」
 ボムを引いた時のために咄嗟に身構えはしたものの、いつまでたっても爆風は来ません。
(「確かに、叩いた時の手ごたえは金属ではなかった気がしましたが……」)
 まさか時間差では? と不安に駆られながらも、目隠しを取る奏さん。
 彼女の前にあったのは、やや不格好ながらも割れたスイカでした!!
 やった! と内心ガッツポーズをするも、すぐ割れたスイカを抱えて一言。
「これは後で家族でいただきますね」
 奏さん、家族思いですのぅ……。

●スイカボム(やはり正当)
 3番手は、瞬さん。
 義妹が上手くスイカを割ったので、スイカにありつけないということだけはなさそうですが、それでもできれば、自分で割って食べてみたいもので。
「まあ、今年も覚悟を決めてスイカに向き合いますよ」
 ――覚悟を決めて、いざ!!
 目隠しをつけ、棒を握る手に力を入れつつ、スイカ割りのお作法(?)に従って棒の周りを十回転してから棒を構え直し。
 いざ、スイカの下へ行かん! とするも……やっぱり頭はふらふら、足もふらふら。
 何度やっても慣れるものではないけれど、周りの声援を受ければ元気も出て来るもの。
「おにいちゃん、そっちじゃなーい!!」
「右よ、右!!」
「いや、そっちだよー!!」
 観客のアドバイスと応援を受けながら、なんとかスイカの前に辿り着いた瞬さん。
 改めて棒を握り直し、しっかりと真っ直ぐ振り下ろすイメージを描きながら。
「えい!」
 掛け声とともに全力で振り下ろされた棒は、確かにスイカを捉え――。

 ――カチッ。

「こ、これは……」
 背中にさーっと冷たいものが伝うより早く、耳に届いたのは――爆音!!

 ――ちゅごごごごごどおおおおおおん!!!

 かくしてスイカボムを引いた瞬さん、爆風に巻き込まれてお空の散歩へ行ってらっしゃい!!
(「ば、爆発して空に吹き飛んでも、空中でバランスを取れて着地できるはずです!!」)
 流石に綺麗に着地とはいかなくとも、最低でも尻もちで済ませたい!
 そんな思いを抱きながら、瞬さんは必死に空中で四肢を泳がせ、空中でかろうじて体制を整え直し、お尻からプールサイドに着地しました。
 一応、願いかなって尻もちですみましたが……プールサイドに直に落ちたためか、やはり少し痛かったのは、また別の話。

●スイカボム(実は初)
 4番手は、律さん。
 今回初参戦となる律さんは、もちろんスイカ割り自体初めて。
 それでも、事前に経験者たる家族からレクチャーを受け、なおかつ家族が先に挑む光景を見ていれば、歴戦の傭兵の勘で何となく攻略法は見えて来るもの……だと思いたい。
「まず、スイカの位置を確認すれば大丈夫だ」
 そう意気込んでスイカの位置を確認しつつ、スイカとスイカボムを見分けようとするけれど、律さんの目を以てしてもスイカとスイカボムの区別は全くつかなくて。
(「なるほど、精巧にできている」)
 その技術を何処かに生かせよ、とツッコミたくなるのをぐっとこらえている律さんに、主催者のキマイラが目隠し片手に一言。
「目隠しするけど大丈夫かい? あんちゃん?」
「ああ、大丈夫だ」
 キマイラの手を借りて目隠しをつけてもらった律さん、家族から教わった通りに地面に立てた棒に額をつけ、十回転。
(「思ったよりわからなくなるものだな……参った」)
 目隠しをしていても、視界がぐるぐる回って方向感覚がなくなる感覚に、さすがの律さんも少し恐怖を覚えてしまうけど、気合で目隠し前の記憶を頼りにスイカまで歩いていこうとします。
 ですが、初挑戦では足元のおぼつかなさは隠しようがありません。
 そんな律さんの耳に届いたのは、観客の声援!
「がんばってー!!」
「その調子よ!!」
 声援を聞く限り、真っ直ぐは進めているようだと判断し、慎重に歩いていく律さん。
「そこそこ!!」
「思いっきりやっちまえ!!」
 やがて、観客の声が変わったのを機に足を止め、思いっきり棒を振り下ろしました。
「それっ!!」

 ――カチッ。

 叩いた瞬間、響いた音は、律さんもどこかで聞き覚えがあるような音。
(「あ、スイカボム?」)
 ヤバ、と身構えるより早く。

 ――ちゅごごごごごおおどどどどどどどおおん!!

「うおっ!?」
 目隠し状態で至近距離から猛烈な圧を受け、律さんも吹っ飛ばされ空中散歩へ!
「けど、これくらいならどうにか……せいっ!!」
 一瞬、爆風に驚きはしたものの、器用に爆発の勢いを流しながらバランスを取り、しっかりプールサイドに着地!!
「お、おおおおお~~~~」
 綺麗に着地した律さんを、観客の拍手と感嘆の声が迎えますが、律さん自身は涼しい顔。
「まあ、こういう事態は慣れてる」
 観客たちにもフォローを欠かさない、歴戦の傭兵の鑑ですね!!

●真宮家の結果は、ボム3にスイカ1!!
 ボムに巻き込まれた響さん、瞬さん、律さんが、全身についたススを払って戻って来る頃には、奏さんが割ったスイカが主催者の手で綺麗に切り分けられておりました。
「父さん、母さん、瞬兄さん、食べましょう!」
 そんな奏さんの頬がリスのように膨れているのは、見なかったことにして。
 奏さんが差し出したスイカを手にした3人は、次々にかぶりついていきます。
「良く熟して美味しいスイカですね」
「これがスイカか……」
「全員ボムじゃなくて一安心だよ」
 瑞々しく甘いスイカの味に、響さんがほっとした、その時。

 ――キャーッ!!

 突然プールサイドに響き渡ったのは、これまでと異なる黄色い声援!!
「え?」
「い、いったい何がおこって……」
 家族一同、黄色い声援が飛ぶ方向を見てみると、意外な光景が!!
「……はあああ!?」
 その光景を見て、響さんは思わず素っ頓狂な声を上げてしまいました。

 さて、真宮家の皆様は、一体何を見たのでしょうか……?

●スイカ割り(野球)……!?
 ――少しだけ、時は遡ります。

 真宮家の皆様がスイカボムに苦戦しているころ、プールサイドの外にはどこか嬉しそうに会場に向かっているリオン・リエーブル(おとぼけ錬金術師・f21392)さんの姿がありました。
「おお、今年は学園ものかあ」
 いつになく笑顔でウキウキのリオンさん、その姿はなんと、水着ではなく学生服!
 時々スキップすらしているリオンさんの手には、1通の手紙が握られていました。
 その手紙に書かれていた内容は――。

『屋外プールサイドに来てください』

「もしやこれはラブ展開!?」
 内心、緊張しながらプールサイドに向かったリオンさんですが、事前に『お色気ハプニングは絶対起こりません』と明記されているこのシナリオで、そんなラブな出来事は起こりませんな(メタ)。
 案の定、リオンさんを待ち構えていたのは、手紙の送り主たる可愛いキマイラ……ではなく、リア充への憎悪を剥き出しにしながらスイカを抱えたキマイラの学生たち!
「ふ、ふふふ……」
「リア充め、待っておったぞ……」
「……いやこんな手に引っ掛かるとは思わなんだが」
 ぽつりと本音を零しているキマイラもいるようですが、それは聞かなかったフリをして。
「スイカ割りなんぞ、我らが貴様らリア充を誘き寄せるための罠にすぎん!」
「爆発しろぉ!!」
 いかにも『プールサイドに呼び出された』ように見えるリオンさんを見て、さらにしっとの炎を高らかに上げるキマイラたち。
 ところで君たち、どれがスイカでどれがスイカボムかわかって投げるつもりかい?
「知らん!!」
「当たれば良いのだ、当たれば!!」
 天の声にも律儀に反応しつつ、いかにもスイカを投げつけようとしてくるキマイラたちを見て、リオンさんはバット片手にバッターボックスに。
 あ、いつバッターボックスがプールサイドに用意されたのかなんて、気にしたらいけません。
 ついでに、いつの間にリオンさんがバットを用意していたのかも、気にしてはいけません。いいですね?
『さあ最後の一球! これで今年の優勝チームが決定!!』
 そしてこれまたいつの間にか実況席に変貌していた本部席から、ノリノリの実況がプールサイド全体に響き渡ります。
 いつの間に用意したんだ、と突っ込みたくなりますが、キマイラって楽しければオッケーですからね(偏見)。
『ピッチャー振りかぶってボム一球……投げたー!!』
 この実況、実は首謀者側だろ!? とどこかから突っ込む声がした気もするが、とにかくリア充への憎悪に満ちるキマイラがリオンさんにスイカを投げつけ!
「ふっふ~ん♪」
 鼻歌混じりにフルスイングされたバットは、しっかりとスイカの芯を捕らえて……。

 ――バコッ!!
 ――パカッ。

 バットの一撃を受けたスイカは、なぜか空中で綺麗に八つに割れ、真っ赤に熟した断面を晒しました!
 しかもリオンさん、ボムじゃなかったスイカをこそりと呼んでおいた空飛ぶゴーレムさんが変化したお皿に綺麗に乗っけるという、離れ業まで披露!
「キャー、素敵!!」
「な、なんと……!」
 黄色い声援をあげる観客たちに気圧されつつ唖然とするキマイラたちを前に、リオンさんはフッ、と髪をかき上げながら種明かし。
「ヒットの瞬間刃物になる、ゴーレム製バットさ」
「そんなものを用意していたとは……!?」
「フッ、これぞ――」

 ――スイカ神拳奥義、スイカバット割。

「――お前は既に食べている」
 キリッ、とポーズを決めて言い切るリオンさん。
 決まったっ! と内心ガッツポーズをした、その直後。
「何を格好つけてるのだおにーさんは!!」

 ――すぱこーん!!

「あ痛っ!?」
 突然後頭部を何かで叩かれ、思わず両手で頭を押さえるリオンさん。
 振り向けば、そこには鋼鉄製ハリセンを振りかぶった『喫茶【スノウホワイト】』団長、藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)さんの姿が!!
「今回は美雪さんが直接ツッコミに来た!?」
「ふっふっふ……今回は旅団シナリオだからな!! 私もツッコミ放題だ!!」
 いやぁ、直にグリモア猟兵を出せなかった今までに比べたらツッコミが楽ですわ。(筆者の本音)
「そういうメタなツッコミは置いといてだな、これはどう見てもスイカ割りの定義から外れてるだろうよ!?」
「スイカ割りの定義?」
 きょとん、としながら首を傾げるリオンさん。
「……スイカが割れればスイカ割では?」
「いや、伝統とかお作法とかいろいろあるんだが……まあ毎年明後日の方向に行ってるしいいか」
 しっかりホームベースやバッターボックス、そして実況席を即席で用意したキマイラたちのノリノリっぷりを見つつ、リオンさんや過去の参加者の所業(?)を振り返り、それ以上のツッコミを諦める美雪さんですが、諦めるだけは終わらなくて。
「これ以上突っ込まない代わり、少し手伝ってもらうぞ? いいな?」
「何を?」
「ちょうどそこにいるだろう? ……首謀者たちが」
 美雪さんが鋼鉄製ハリセンで差し示した先にあるのは、スイカを抱えつつ、事の成り行きを唖然と見つめているキマイラたちの姿!
「「「「「あ」」」」」
 いつの間にか駆けつけていた真宮家を含めた全員の視線が、ぎぎぎぎぎっとスイカを抱えたキマイラたちに向けられました。

●例年とはちょっと違う、その後の顛末
 かくして、リオンさんのフリに釣られてプールサイドに現れた首謀者たちは、美雪さんとリオンさん、そして真宮家の協力で取り押さえられました。
 逃げる間もなく取り押さえられた首謀者たちがやらされることと言えば……もうお分かりですね?

「さて、残ったスイカとスイカボムをきっちりより分けてもらおうか?」
「うんうん、おにーさんたちはともかく、他のキマイラたちまで巻き込むのはよくないよ?」
「う、ううう……」
 首謀者たるキマイラたちは、鋼鉄製ハリセンを突き付けられつつ、猟兵達や観客も含めた衆人環視の中で、半泣きになりながらスイカとスイカボムをより分けさせられておりました。
「律、どうだったい?」
「黒幕ボコりたい気持ちだったが、その必要は無さそうだな?」
「お父さんはそうでしょうねえ」
 さもありなん、と頷く瞬さんの目の前では、キマイラが奏さんに懇願しています。
「そこの可愛いお姉ちゃん、許してくれへんか?」
「ダメです スイカボム滅ぶべし!!」
「そんなぁ~」
 もちろん、スイカボム憎しの奏さんが許すわけもなく。
 首謀者たちは半泣きになりながら、スイカとスイカボムを全て分ける羽目になりました。

 首謀者たちを警察に引き渡した後は、キマイラたちと一緒に改めて安全なスイカ割りを楽しんで。
 最後は皆で美味しくスイカを食べて、遅い夏は幕を下ろしたのでありました。

 おしまい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年11月17日


挿絵イラスト