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【サポート優先】錨の在処は……

#サクラミラージュ #グリードオーシャン #【Q】 #カルロスの錨

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#サクラミラージュ
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#【Q】
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#カルロスの錨


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

「お父さん、早く早くッ」
 ――雑技団がやってくる。
 お誘いあわせの上で、お気軽にご来場ください。
 極彩色の旗がはためくその真下にまさか、カルロス・グリードの秘密基地があるなど誰が思うだろうか。

「その秘密基地こそ『|カルロスの錨《カルロス・アンカー》』。サクラミラージュの中国大陸のどこかに存在すると思われていたのだが、まさかこんなところに隠していたとはな」
 サク・スミノエ(花屑・f02236)が示したのは地下だ。
 それも真上では雑技団がショーを開いている最中である。
「儀式魔術【Q】の発動がなければ未だにわからなかっただろうな。なにしろ『幻朧戦線』に所属する人間の構成員はこの基地の存在すら知らなかったらしい。正真正銘の秘密基地だ」

 秘密地下へ続く階段は現在、雑技団テントのど真ん中にあるようだ。巧妙に隠された入口の真上を駆ける猛獣や玉乗り芸人たち……狙うならショート合間や休憩時間しかない。
 雑技団は各地を旅しながら芸で人々を楽しませる一座らしく滞在期間はそれほど長くない。だが、悠長にテントがなくなるのを待っていてはこちらの動きを悟られるかもしれない。
「万が一にも逃げられたら意味がない。面倒をかけるが、うまく怪しまれずに潜入してくれるか。関係者を装うのも観客に紛れて近づくのもいいだろう」

「はい、皆さんよく見ていてくださいね。このルルちゃんはとってもかしこくてほら、この通り!」
 ステージの中央に置かれた台の上で象が片足立ちを披露する。隠し階段が仕込まれているのはまさにその場所だ。
「では、次は皆で輪になって踊りましょう。その後に三十分の休憩を挟んだらお待ちかね、空中ブランコの出番です!」


ツヅキ
 カルロス・グリードの秘密基地『カルロスの錨』を探し出して破壊せよ。
 雑技団に潜入し、地下を目指します。

 第2章以降の状況は断章をご確認ください。
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第1章 冒険 『サアカスの花形』

POW   :    見世物小屋に真っ向から突入だ!

SPD   :    ファンや関係者を装い潜入する。

WIZ   :    団長、経営者を説得する。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マグラ・ユメノミヤ(サポート)
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
◆口調
・一人称は私、二人称は貴方。持って回ったような物言いで、敵にさえ敬語を用いるものの内容は悪辣
◆癖・習性
・コワモテに反してぬいぐるみや人形を好む
・苦痛を受ける度に気分が高まる性癖
◆行動傾向
・妻と部下をオブリビオンに殺された経験から生命の埒外に到達した悲しみの猟兵。胸中に渦巻くのは、復讐心と愛する者を護れなかった罪悪感……
・見えざる魔力のからくり糸で、凶器を仕込んだ球体関節人形を自在に操ってあらゆる試練に挑む。ダークセイヴァーを出自とするだけあって、そのスタイルは冷徹で老獪
・死霊術士であることから、魔導にもいちおう通暁している



 ほう、ほう、ほう――……。
 雑技団の敷地を抜ける間、マグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)は感心しきりであった。
 テントの外にまで彼らの見世物はあふれている。中にはとても可愛らしい人形を操る者や小さな獣に芸を指せるものがあって、マグラの心をそれとなく楽しませてくれたのだった。
 マグラはあくまで目立たず、人々の耳目を集めぬままにテントの内部へ滑り込む。チケットのもぎりに夢中な受付の目すらかいくぐり――奥へ。
「あれ?」
 微かに肩がぶつかった男が振り返るが、マグラの姿は既にない。ステージから陽気な男の声がした。あの先だ、急げ。
「その後に三十分の休憩を挟んだらお待ちかね、空中ブランコの出番です!」
 盛り上がる場内から喝采が聴こえる。舞台袖に潜んだマグラは指に絡繰り糸を嵌めながら時を待つ……1分、2分――5分ほどが経過した時、舞台に出ていた象たちが檻へ戻る足音がした。
「さて、時間ですね」
 ひらりと黒い外套を翻し、幕の下りた舞台に|処刑人形《ルーチェ》を躍らせれば。
「そこですか」
 ルーチェに仕込まれた刃があっという間に地面を裂き、巧妙に隠されていた階段をマグラの眼前に引き摺り出したのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
得意なのは近接戦闘とか、【情報収集】も兼ねた見回りとかお話を伺うのも好きですよぉ~。
非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
大丈夫ですよぉ~。手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。

ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんよぉ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談するのも良いですねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
堅実にきちんと片づけたら、皆で美味しいものでも食べて帰りましょう~。
※アドリブ・連携歓迎



「入団希望?」
「芸なら得意なのですよぉ~」
 向・存(葭萌の幽鬼・f34837)は袖に入れた両手を口元に当て、くすりと微笑む。
「ふむ。身軽そうだし、団長に話を通してやるよ。休憩時間になるまで奥の控室で待っていてくれ」
「ありがとうございます~」
 深々と頭を下げた存はするりと人波をかきわける。入団希望を装って潜入するのはうまくいったようだ。
 溶け込みやすい身なりもあって存を怪しむものはほとんどいなかった。軽くテント内部を調査して地下に続く毛色が他にないかも情報を集めてみる。
「あんたが新入りかい? ふうん、筋はよさそうだ」
 軽業師の女性が満足そうに頷いた。
「あの~、地下に何かあるという噂を聞いたことはないですかぁ~?」
「地下? ただの地面だよ。テントと建てる前には何にもなかったけどね」
「そうなんですね~」
「ああでも、そういえばテントを建てる位置を少しだけずらしたんだよ。なんでも支柱が入らない場所があるっていうんでね。今思えば、そこが怪しいかもしれないねぇ。ちょうど今のテントが経っている位置の真ん中らへんさ」
 存は休憩時間になるのを待ってステージに近づき、霊紙の雛鳥を飛ばした。
「あそこですねぇ~」
 鳥たちが集まった地面を掘ると、やがて四角い隠し扉が見えてくる。

成功 🔵​🔵​🔴​

クロエ・ボーヴォワール(サポート)
「カネならありますわよ~!」
◆口調
・一人称はわたくし、二人称はあなた様。典型的なお嬢様風
◆性質・特技
・好奇心旺盛にして仕事熱心
・実はゲテモノ料理好き
◆行動傾向
・ボーヴォワール社の持て余した圧倒的カネの力にモノを言わせ、万事解決を目指す
・法すらカネで買い取る自由奔放すぎる性格であるが、ノブレスオブリージュの精神に則り他者の為ならば才と財を惜しまない(混沌/善)
・猟兵としての活動は異世界を股にかけたボーヴォワール社の販路開拓と考えており隙あらば自社製品を宣伝し、「実演販売」に抜かりはない
・教養として体得したシンフォニアとしての技術をビジネス話術にも応用する
・細かい仕事は老執事セバスチャンに一任



 ごくり、と団長は手渡された光り輝く名刺と目の前に積まれたカネを交互に見た。
 クロエ・ボーヴォワール(ボーヴォワール財閥総裁令嬢・f35113)は上品に腕を組み、圧倒的なまでの自信に満ちた微笑みと共に告げる。
「これで雑技団を買い取りたいのですわ」
「し、しかし……」
「まだ足りませんの?」
 クロエは眉を寄せ、おねだりするみたいな上目遣いになる。
「いくらでも出しますわよ」
 実際のところ、雑技団のショーは素晴らしかった。これはカネになるとクロエは踏んだのだ。高い買い物になろうが、必ず後で回収できる――と。
「ご安心なさって。わたくしめはスポンサーになるだけですわ。経営はこれまで通り、あなたにお任せいたします」
「よ、よし……なら、売った!!」
「セバスチャン」
 ぱちん、とクロエが指を鳴らす。
 脇に控えていたセバスチャンが契約書類一式を差し出し、ここに雑技団はボーヴォワール魔導蒸気技術(株)の傘下に入ったのだ。
「これでわたくしめは雑技団の関係者ですわ。中を歩き回っても問題ありませんわよね?」
「もちろんでございます」
 こうしてクロエは堂々とテントの中を歩き、件の隠し階段を発見したのである。
「ふふっ、やはり3Kの力は偉大ですわ」
 扇で隠した口元に浮かぶのは勝利者の微笑み。
「待っていなさい、カルロス・アンカー。全てはカネ、カネ、カネの前にひれ伏すのですわ~!」

成功 🔵​🔵​🔴​

六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。

基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
普通に駆けるか、天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。

ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「え?」
「あ――ッ」
「おっと!」
 六島・風音(スピードなら誰にも負けません・f34152)の左右を驚く人たちが通り過ぎていく。いや、逆だ。風音が彼らの合間を超高速で駆け抜けているのだ。
 雑技団の人気は高く、テントの回りは子ども連れや若い者同士の団体であふれていた。密度の高い人混みにも関わらず、風音は器用に彼らの間を縫うように進む。
「いらっしゃい! 今日のプログラムだよ――うわっと」
 チラシを配っていた少年は一陣の風となって駆け抜ける風音に驚いて尻もちをついた。
 ちゃっかり受け取っていた風音はプログラムにざっと目を通す。
「……休憩時間は象と空中ブランコの間、ですか。間に合わせます」
 かけっこに集中している間は生命維持すら不要。この状態の風音を止められるものなどこの場にいなかった。芸を終えた象が退場し、降りてくる幕の下を間一髪で滑り込む。
「どこですか?」
 軽く辺りを見回した。
 一見、何もないが――。
 ぴこぴこ。
 風音のうさ耳がアンテナみたいに動いた。
「……そこ」
 すたすたと歩いて地面に膝をつく。軽くそこを掘ると明らかに不穏な気配を放つ鋼の扉が現れた。把手らしき部分を引き出して開くと嗅いだことのある匂いがする。
「これは――」
 間違いない、潮の匂いだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『大日本帝国陸軍八〇式『柳月』』

POW   :    死スル覺悟デ進ムベシ
【飛翔の勢いに乗って振るわれる軍刀 】が命中した対象を切断する。
SPD   :    敵撃摧ト舞イ降ル
【手榴弾による爆撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【小銃狙撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    御世ノ栄ヲ祝ギ奉ル
対象の攻撃を軽減する【決死の突撃体勢 】に変身しつつ、【銃から拳に至るまで死力の限り】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:柿坂八鹿

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カツン……カツン……。
 響く足音は狭い地下階段を降りてゆく猟兵のものだった。潮の匂いに導かれるようにしてたどり着いたのは――地底海。
 底の見えない海に一隻の巨大海賊船が浮いていた。
 旗印は紛うことなきグリードオーシャン七大海嘯『王笏』のそれ。
「!」
 見張りのオブリビオンがこちらに気付いた。
「敵襲ッ!!」
 サイレンと共に出撃する多数のオブリビオン。『王笏』の旗が意味するのはまさしくこの巨大海賊船こそが秘密基地たる『カルロスの錨』であるという事実であった。
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。

基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。

シリアス以外ならいたずら好きの面も。


北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。



「あれが、秘密基地?」
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)がハシバミに灯す炎によって地底海とそこに浮かぶ巨大海賊船が照らし出される。
 確かに秘密基地という名称に納得できるくらいの大きさがあった。こんなものが雑技団のテントの真下にあるという事実は遙の表情を曇らせる。
「万が一の場合には、一般人を巻き込んだ戦いが起こる可能性も否めない……いまのうちに殲滅しておかねばなりませんね」
 聖なる炎に包まれ、焼け落ちる味方を後目に特攻する『大日本帝国陸軍八〇式『柳月』』は知らない。たとえ飛翔しようとも、悪しき力の流れを浮かび上がらせるまじないの前には死角など無くなるということを。
「来ます」
「よし、迎え撃つか」
 北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)は言葉だけを残し、その居場所を空中へと移していた。
「邪魔するよ」
 軽い足音と共に優希斗は敵の真上に乗る。これが本当の死角だ。翼の上に立たれた柳月は降り落とそうと足掻くが、優希斗は『蒼月』と『月下美人』を交互に振るって敵を斬り落とした。
 墜落する敵を蹴落とし、また別の敵に乗り移って確実に葬ってゆく。
「アンタ、何のために戦ってるんだ?」
 ふと思いついたように尋ねる。
「戦う理由など決まっている! カルロス様の理想を叶えるためだ!」
「なるほどね……」
 優希斗が紫色の鋼糸を舞わせた途端、背後で爆破が起こった。僚機を救出するために近づいた機体同士が糸に絡まって互いに接触事故を起こしたのだ。
 両手で構えた拳銃を敵群に向け、遙が援護射撃を行う。燃料タンクを撃ち抜かれて爆発する機体が相次いだ。
「支援ありがたい」
 優希斗は剣を掲げ、振り下ろす前に口を開いた。
「戦う理由は忠義か。それも悪くはないが、俺にも戦う理由というものがある。殺し合いになろうとも、それは決して譲れないんだ」
 蒼き残影が四度瞬き、一瞬にして敵機を葬る。激しく燃え上がる炎が地底海に映え、戦場を赤々と染め上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!


アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的

戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません

非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも


赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



 ――まるで特攻。
 大日本帝国陸軍八〇式『柳月』の己の犠牲をいとわぬ突撃はスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)を圧倒――しなかった。
「!?」
 精霊の力を宿す突撃銃から放たれる弾丸は炎を纏い、『柳月』の比翼や胴体を撃ち抜いて爆発炎上を誘う。
「あれが『カルロスの錨』なのですね? 大きな船が丸ごと秘密基地だなんてびっくりしました!」
「浪漫だよねー」
 赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)のガトリングガンの標的となった機体が白煙を上げて墜落。
「はい、次ー!」
 実に楽しげな緋色である。
 狙い通りに一機、また一機と撃墜。
「くッ、突撃せよ!」
 いい感じに敵の注意がスピレイルと緋色に向いたその時、アトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)が船体へ飛び乗った。
「いくぞ、覚悟するんだな」
 ――棘、である。
 腐敗の呪詛を孕んだ棘が一斉に『柳月』へ絡みつき、突き刺さった場所から瞬く間に腐り落として。
「なッ……」
 呪詛はほどなく外装から内部の操作系統にまで到達し、制御不能。アトシュが軽く魔剣を振るっただけで両断されてしまった。
「ぐああッ!!」
「……こいつら、どうやら狂っているみたいだ。非道な実験とやらの影響なのか?」
 苦しみから解放すべく、アトシュの棘がきつく絡みついた。すぐに次が『カルロスの錨』の砲塔からあふれ出してくる。
「きりがない、というやつだな。元を絶たねばならないが……」
「指揮官狙いだね?」
 緋色は人差し指を頬に当て、巨大海賊船をまじまじと見上げた。
「正気を失ったこいつらは使い捨ての素材だろうし、そんなのに大事な秘密基地を任せるわけがない。まともなオブリビオンが他にいるはずだよ」
「わかりました! それを引きずり出せばよいのですね?」
 スピレイルの第六感も強大なオブリビオンの存在を察知していた。ぽんと両手を叩き、狙いを巨大海賊船に取り付けられた砲塔に変える。おそらくあれも影朧兵器の一種に違いなかった。
「精霊さん、やっちゃってください!」
 刹那、雷が降り注ぐ。
 それは雷の精霊が矢となって降り注いだ万雷の光景であった。逃げ場のない『柳月』は感電しながら制御を失い、物言わぬ残骸と化してしまった。
「今のうちに『カルロスの錨』へ乗り移りましょう!」
「りょーかーい!」
 よっ、とっ、は!
 緋色はバランスを器用に取りながら砲塔に掴まり、逆上がりの要領で甲板に乗り込んだ。
「させるものか!」
 投げ付けられる手榴弾。
「うわ! ――なんちゃって」
 ぺろりと舌を出して、ひらりと回避。
 反撃でお見舞いする銃撃が鳴り響き、さらに数を減らしてゆく。スピレイルは銃からナイフに持ち替え、突っ込んでくる『柳月』をすれ違いざまに斬り伏せた。
 横一文字にナイフで穿たれた機体が爆発、アトシュは甲板に降り立ち周囲を眺め渡した。
「出てこい、オブリビオン」
「呼んだ?」
 船体の真上に浮かぶ少年。
 この巨大海賊船をカルロスから任されたオブリビオンは、にっこりと微笑んで言った。
「ボクはギバーズグリフ。お見知りおきを」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えて自爆活動さ
アドリブ連携等ご自由に

登場即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
そう、自爆だ
僕に自爆をさせるんだ!
僕もろとも鏖殺だ
これぞ鏖殺領域なり

ただ自爆するためだけに現れる存在
何かいきなり自爆する怪奇現象
もはや災害である

技能:捨て身の一撃を用いての
メッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピード
有無言わせぬスピードで自爆する
これ最重要だね

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能



「ボクはギバーズグリフ。お見知りおきを」
 オブリビオンが名乗った直後、『カルロスの錨』たる巨大海賊船の周囲で大爆発が起こった。結論から言えば虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)による自爆である。
 人の自己紹介すら無視して自爆活動に勤しむテロリストのような行為だった。
 なにしろ、ただの一歩すら動くことのない自爆。
 何も言わずに自爆。
 後先などまるで考えないでの自爆。
 他の一切を投げ捨て、ただ自爆のみに身を捧げたうつろぎのこれが最速最大の|捨て身の一撃《メッサツモード》であった。|爆発範囲《鏖殺領域》は戦場全てを呑み込み、生き延びたのはギバーズグリフのみ。
「けほっ……」
 爆発に巻き込まれたギバーズグリフは咳き込み、ため息をもらした。
「あーあ、ボク以外誰もいなくなっちゃったよ」
 残っていた『柳月』は全てうつろぎの自爆に巻き込まれ、ただの塵と化している。紛うことなき鏖殺の犠牲者として。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ギバーズグリフ』

POW   :    かなしみからすくってあげるね
海の生物「【コウモリダコ・ウミユリ】」が持つ【捕食するため】の能力を、戦闘用に強化して使用する。
SPD   :    おはなしにおぼれておいで
【対象に効果的な偽りを映す、毒の泡】を降らせる事で、戦場全体が【悲しみへ誘う物語】と同じ環境に変化する。[悲しみへ誘う物語]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    きみのおはなしはこのようにおわるよ
【偽りの悲劇を綴る本】を披露した指定の全対象に【お話の通りに悲劇を辿り、救われない】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:西洋カルタ軒

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ペペル・トーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あーあ、ボク以外誰もいなくなっちゃったよ」
 ギバーズグリフは肩を竦め、退屈そうに本のページを繰り始める。
「ボクは君たちを救いたいだけなのに……ほら、悲しい物語が君たちを待っている。胸を裂かれるような哀しみ、苦しみに耐えるよりも楽になりたいとは思わない?」
 本で隠された口元で、少年はひそやかに狡猾な笑みを浮かべた。
「いまから見せるのは、君たちにおとずれる悲劇の物語。最期は真っ赤な血に染まって、闇の中へ堕ちてゆく――」
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……間違えました、猟兵の鈴乃宮です

基本は公開中のユーベルコードや友人から教わった剣術で対応
学生時代に大概の状況は経験したのでまず動じません
状況次第ではキャバリアの制御AIである『E.N.M.A』のサポートを受けて
『轟蘭華』に接続した重火器をブッ放したり、キャバリア等乗り物を使ったりします
(※公開アイテムを自由に組み合わせて下さい)

なお、コメディ色が強い等のネタ依頼では空気を読んで
姉の『鈴乃宮・光華』の演技で語尾を「にゃ」にする等全体的にきゃる~ん☆とした言動に変わります


えっち系は断固NG
それ以外の詳細はお任せします


新谷・むと(サポート)
『トイロボバトル』という小型ロボを操作し戦うその他スポーツに熱中する少年です。

猟兵としてもトイロボを使い、愛機ツクヨミと共に戦場を駆け抜けます。

戦闘行動はツクヨミが中心
むとは隠れている事が多いですが、
自身も超人アスリートとしての運動神経があるので、必要と思えば片手でツクヨミを操作しながら囮として前に立ちます。

「困ってる人を助ける」「トイロボバトルを楽しむ」「貪欲に勝利を目指す」の3つが行動指針
ふわっとしたイメージですがなんか主人公っぽい性格です

行くぞツクヨミ、猟兵としてみんなを助けるんだ!


ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
 (他に仕留めたい人がいればその手助け)

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


夜城・さくら(サポート)
キャバリアでの戦闘をメインに。
『オーバーフレーム換装』では、装甲を犠牲に攻撃力か射程を上げて仲間を援護するように攻撃します。【スナイパー】技能使用。
手数が必要な時は『無限射撃地獄』です。敵がビット攻撃してきた際には相殺するように展開することも。

キャバリア以外では、『ギタギタ血まみれの外科手術』で仲間の治癒と戦闘力増強に励みます。
「ちょっと痛いですよ? でも大丈夫。すぐに元気すぎるくらいになりますからね」
笑顔でノコギリを振るいます。大丈夫怖くない怖くない。


架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 こちらを怯えさせることが目的のギバーズグリフの台詞はとても芝居がかっていた。
 ならば今はそのやり方に乗るのも悪くない。
 音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)はスカートの裾をつまみ、軽く一礼して名乗りを上げた。
「あなたが世界に蔓延る悪ならば、それを懲らしめるのがネガティブアイドル鬱詐偽さんの役目なのよ」
 これでいいかしら、とどこかで見ているに違いないプロデューサーに視線を送る。
 巨大海賊船の甲板にて対峙するオブリビオンとアイドルの図式はさぞかしカメラ映えするに違いなかった。
「悪? 違うよ。ボクは救いたいんだ」
「救うですって?」
 ラムダ・ツァオ(影・f00001)はくすりと微笑んで首を振る。
「いらわないわ、そんなもの。私たちはね、どんな絶望にだって立ち向かうのよ。それが猟兵というものだから」
 ぴくりとギバーズグリフの眉が動いた。
「ふうん。でも、どこまで強がっていられるかな」
 ギバーズグリフのコウモリダコになっている部分から毒の泡があふれ出した。
「君たちは悲しみの物語の主人公だ。次々に悲劇に襲われ、愛しいものは死に、あらゆる悪意にうちのめされる……」
 戦場はいつしか闇に埋もれた荒野と化している。守るはずの者に罵られ、追放されたのだ。孤独な旅は終わりが見えない。
「それがどうかした?」
 しかし、ラムダは表情一つ変えなかった。
「覚悟はできてるのよ、とっくにね」
 これは時間稼ぎだ。
 ギバーズグリフの注意を引き付けている間に『カルロスの錨』を破壊するための。

「これが『王笏』の秘密基地ですか。大層なことですね」
 人間サイズに召喚した『レガリア・ベルクス』で裏側から海賊船に近づいた鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)はこの時、既に内部への潜入を果たしていたのである。
 どうやらあのオブリビオンは可愛らしい見た目とは裏腹に狡猾な性格をしているようだ。なぜなら船内の重要施設は既に機能を停止。資料の類も廃棄された痕跡があった。一応あやしいと思われる場所をあさってみたものの、手ごたえはなし。役に立ちそうなものは見つからなかった。
 となれば、もはやこの巨大海賊船に用はない。
 影華は冷静な口調で『E.N.M.A』に尋ねた。
「効率よく破壊するにはどこを狙えばいい?」

 ――ドンッ。
 突然の爆発音と揺れに甲板のギバーズグリフが驚いて振り返る。『カルロスの錨』が火を噴いて傾いた。
「どうして? まさか、伏兵が――!?」
「そこまでだ!」
 新谷・むと(闇夜照らすトイロボバトラー・f37795)と相棒のトイロボであるツクヨミが艦橋の上に立ってギバーズグリフを見下ろす。
「お前は既に包囲されてる。絶対に逃げられないぜ! いくぞ、ツクヨミ!」
 ツクヨミの回りに浮かぶ勾玉が光り輝き、エネルギーをビームに代えてギバーズグリフを撃ち抜いた。
「ちっ」
「逃がすな、ツクヨミ!」
 むとはとっさに艦橋の中に隠れて敵の毒泡を躱す。むとを見失ったコウモリダコの足が迷うように蠢いた。そこへ再びツクヨミが攻撃を仕掛ける。
 深追いしなくていい、とギバーズグリフ。
「先に目の前の敵を倒すべき――」
 皆まで言わせず、架空・春沙(緋の断罪・f03663)の大鎌がひと思いに蠢く足を断つ。
「!?」
「油断しましたね」
 春沙が冷徹な眼差しで告げる。
「敵は目の前にいるとは限りませんよ。ほら、そこにも」
 ギバーズグリフの目の前で『カルロスの錨』が沈み始めていた。
 搭乗した量産型キャバリアでライフル弾をたっぷりと撃ち込んだ夜城・さくら(不思議ちゃんの量産型キャバリア・f30006)は地底海に船が沈み始めたのを見て頷いた。
「これで『王笏』の秘密基地もおじゃんですね。あとはあのオブリビオンを倒すだけですが……」
 戦場を悲劇の物語通りの環境に変えてしまうあの泡がやっかいだ。さくらの脳波から指令を受けたダズルビットはこの環境を逆手にとって姿を消した。
 迷彩型の強みを生かして敵に知られないままにビットを展開、一斉に弾幕を叩き込む。
「どこから!?」
 ギバーズグリフが驚くのも無理はない。何の前触れもなく、毒泡という毒泡はビット攻撃によって散らされたのだった。周囲の環境も元通りの姿を取り戻す。
「それじゃ、反撃の時間ね」
 ラムダは一瞬にして敵の周囲に己が武器の複製を舞わせた。黒と白の刃は縦横無尽に戦場を迸り、逃げ場を与えてなんかやらない。
「これでもう動けないでしょ? あとはそのタコとウミユリをどうにかしないとね」
 刃が閃き、ユミユリを模した触手を縫い止めた。
「いまよ!」
「うまくいくといいのですけど……」
 鬱詐偽は自信なさそうに歌声を披露する。沈みゆく巨大海賊船を背景に、まるでしめやかな鎮魂歌みたいに。
「うるさい!」
 ギバーズグリフはとっておきの悲劇が綴られた本のページを繰ろうとして、「あっ」と叫んだ。
 黒燐蟲の群れが持ち帰ったそれは影華のイグニッションカードの中に収まっている。
「悲劇の物語ですか」
 そっと眼鏡を外し、首を傾け。
「いりませんよ、もう。終わるのはそちらですから」
 沈没する艦橋から脱出したむとは地上へ飛び降りてタクトデバイスを操作する。
「とどめだ、ツクヨミ!」
 エネルギーを最大値にまで高めた勾玉型ビーム砲ビットから勢いよくビームが放たれた。
 鬱詐偽の歌い上げる旋律が後押しする。いけ、と強い意思で命じるむとの心が幸運を引き寄せる。
「撤退しかないか」
 だが、ギバーズグリフの退路はラムダの千刃とさくらのダズルビットによって完全に塞がれていた。
「貴方は絶対に逃げられません。例えるならば蜘蛛の巣に囚われた蝶も同然なのですから」
 さくらの言葉は正しかった。
 身動きの取れないギバーズグリフの眼前に飛び込んだ春沙の大鎌が一閃する。
「処刑、完了」
 着地と同時に吹き出す血潮。
「いけぇ!」
 同時に降り注ぐ三条のビームがギバーズグリフを呑み込み、その体を粉々に撃ち砕いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年07月22日


挿絵イラスト