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闇の救済者戦争⑨~黒薔薇と荊棘

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #闇の救済者戦争 #宿敵撃破

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●騎士の思い
 あたたかな光を放つ美しい花々。
 この美しき景色は第四層にありながら、さながら天国を思わせた。
 花園には苦痛や不幸などはないように感じられるが、此処は現実改変ユーベルコードによって生み出された偽りの楽園に過ぎない。すべてはまやかしであり、真実の世界は過酷な闇に包まれている。
 そんな場所に佇む、ひとりの騎士がいた。
「俺は……」
 足元に咲く黒薔薇を見下ろしていたのは、荊棘卿・ルキウスと呼ばれし者。
 花園の中でルキウスは拳を握った。彼はオブリビオンとしての強大な力を得ても、慢心を抱くことはなかった。今も尚、貪欲に力を希求するがゆえに強者に戦いを挑んでいる。現に今も、現実改変の力によってルキウスの身にはこれまで以上の力が宿っていた。この力で以て、強敵を倒せとも命じられている。
「強くなれば貴女を護れる。たとえ今は逢えずとも――」
 その瞳には誰かを想うような光と共に、暗い闇も宿っているようだった。

●苦しみと呪いで咲く花
 ――楽園。その呼び名には偽りがある。
「其処は……招かれざる者が足を踏み入れた瞬間、呪いの地に変貌します」
 ミカゲ・フユ(かげろう・f09424)は楽園と呼ばれる領域について語り、その現実を説明していく。
 美しい光に満ちていたはずの花園は、瞬く間に呪いに満ちた戦場へと変わる。招かれざる者、つまりは猟兵におぞましい光景を見せながら、楽園は大いなる苦痛をもたらす。
「今は呪いの苦痛だけではなく、『祈りの双子』によってオウガ・オリジンの現実改変ユーベルコードを移植されたオブリビオン――荊棘卿・ルキウスさんが襲いかかってくるようです」
 強力な力の移植によってルキウスの戦力は相当なものになった。だが、その副作用によって痛みを通常以上に感じる身体になっているようだ。
 また、戦場にもたらされる奇妙な世界法則もあるため、猟兵は苦戦を強いられるだろう。
「ルキウスさんは誰かのために戦い続けたくて、強い力を欲しているみたいです。それでも……オブリビオンである以上は、立ち向かわなければいけません。改変された世界なんて、あってはいけないから」
 ミカゲは仲間達に信頼を抱き、転送の準備を整える。
 行く先は偽りの『楽園』。ありもしない幻想と苦痛を破るため、今こそ猟兵の力が必要だ。


犬塚ひなこ
 こちらは『闇の救済者戦争』のシナリオです。
 楽園と呼ばれる花園にオブリビオンが待ち受けています。戦って倒し、道を開きましょう!

●プレイングボーナス
『現実改変ユーベルコードに対処する』

 立っているだけで呪いが体を蝕み、攻撃を受けなくても苦痛が巡ります。
 いわゆるバッドステータス状態で敵と戦うことになるので、対処があるとプレイングボーナスが付きます。

 敵であるルキウスは主君のことを思っているようですが、このシナリオで主君が出てくることはありません。ここで倒すしかないことをご理解ください。どうぞよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『荊棘卿・ルキウス』

POW   :    俺は斃れる訳には行かない。
【敵意 】を向けた対象に、【己が戦場に立つ限り消えぬ無数の魔力の黒刃】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    失礼。足癖が悪くてな。
速度マッハ5.0以上の【金剛石をも砕く威力の蹴り技の連撃 】で攻撃する。軌跡にはしばらく【魔力の残滓が成した薔薇咲き乱れる黒茨】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
WIZ   :    ――心得ている。貴女を二度と泣かせまい。
自身と武装を【愛する黒薔薇からの加護 】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[愛する黒薔薇からの加護 ]に触れた敵からは【血と生命力】を奪う。

イラスト:西東源

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ラファエラ・エヴァンジェリスタです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レザリア・アドニス
死霊ちゃんが与えてくれた、魂に直接作用する激痛に比べて、これぐらいの痛みは…
ヴェールを深く被り、【激痛耐性】と【狂気耐性】で苦痛を軽減させてみる
軽減できない分は意志で乗り越える
これぐらい…痛くも痒くもないわ…!(歯を食いしばり、ふんと笑い)

そちらの事情は知らないし知りたくもない
敵である以上、やるべきことは戦いのみ
翼を広げ、風と魔力の流れで敵の動きを読む
出来れば、鈴蘭の嵐を戦場中に吹かせて、花弁で敵の所在を指示してみる
それを掴むと迅速に炎の矢を編み出し、遠距離から敵を攻撃
【高速詠唱】【全力魔法】【鎧無視攻撃】をかけて
近付かれないように常に気を付ける
残念ですけど、あんたに血を与えるつもりはないわ


仇死原・アンナ


…時は来たれり!ただ先へと往くのみだ…!
我が名はアンナ…処刑人が娘也!

呪いには首飾りによる破魔と呪詛耐性の加護を得て呪いの進行を抑え
苦痛は環境耐性と激痛耐性で耐え抜こう

敵の攻撃を心眼と気配感知で見切りつ
鉄塊剣を盾代わりにして攻撃を武器受けで凌ぎ
妖刀振るい黒茨をなぎ払い敵の攻撃を回避

黒薔薇の騎士よ…我が身に掛かる呪詛をそのまま貴様に返してやるッ!

地獄の炎を我が身より噴き出し【束縛されぬ地獄の炎】を発動
敵を呪詛と地獄の炎で包み込み焼却してやろう

そして妖刀抜き振るい心の臓目掛けて串刺し傷口をえぐりそのまま切り捨ててやろう…!

止まるまいぞ…私は…処刑人だッ!!!



●呪いも花も踏み越えて
 楽園に待ち受けていたのは呪いが齎す苦痛。
 光り輝く花に満ちていた領域は、猟兵達が足を踏み入れると同時に地獄のような光景に変わった。
 刹那、身体がどろりととけたような感覚が広がる。
「……!」
「これ、は……」
 レザリア・アドニス(死者の花・f00096)は違和感に次いで視界が大きく揺らいだ気がして、思わず踏み留まる。同様に此処に訪れた仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)も片腕を押さえ、眩むような感覚に耐えた。
 呪いの苦痛は身体に痛みを響かせたが、アンナは真っ直ぐに前を見据える。
「……時は来たれり! ただ先へと往くのみだ……!」
「この呪いの痛みに耐えるか」
 すると、視線の先に立っていた騎士――荊棘卿・ルキウスがアンナ達に感心するような様子をみせた。レザリアは彼へと眼差しを返しながら、静かに頷く。
「これぐらい……痛くも痒くもないわ……!」
 歯を食いしばり、ふん、と笑ってみせたレザリアは呪いなど効かないと語った。
 レザリアに寄り添う死霊が与えてくれた魂に直接作用する激痛。それに比べれば、このような呪いの痛みなど可愛らしいものだ。
 レザリアはヴェールを深く被り、激痛と狂気に耐えて苦痛を軽減させた。痛みが完全に消えたわけではないので残りは意志で乗り越える気概だ。
「そちらの事情は知らないし知りたくもないわ」
 凛と告げたレザリアは信念を持っている。敵である以上、今此処でやるべきことは戦いのみだ。
 翼を広げた彼女は攻勢に入るべく、風と魔力の流れで敵の動きを読んでいく。鈴蘭の嵐を戦場中に吹かせていけば、地獄のような楽園が数多の花弁で彩られた。
 其処に続き、地を強く蹴ったのはアンナだ。
「我が名はアンナ……処刑人が娘也!」
 名乗りと同時に振り上げたのは鉄塊剣。アンナの首飾りが放つ破魔と加護の力が、尚も襲い来る呪いを幾分か跳ね除けてくれていた。
 苦痛がなくなったわけではないが、アンナは果敢に攻め込んでいく。
 アンナはルキウスが動いたことを察し、心眼と気配感知で見切る動きに入った。金剛石をも砕くであろう威力の蹴撃がアンナに迫ったが、鉄塊剣を盾代わりにして受ける。
 そうすることで相手からの攻撃を凌いだアンナは妖刀を振るい、黒茨を薙ぎ払った。
「黒薔薇の騎士よ……我が身に掛かる呪詛をそのまま貴様に返してやるッ!」
 その言葉と共にアンナの身体から地獄の炎が迸る。
 己が身より噴き出した、束縛されぬ地獄の炎が騎士へと巡り、大きな揺らぎをみせた。
「く……!」
「未だ終わらないぞ、尽きるまで焼却してやろう」
 どうやらルキウスは激しい痛みに耐えているらしい。強大な力を得ている反面、彼は苦痛を必要以上に感じる身体になっているようだ。呪詛と地獄の焔でルキウスを包み込んだアンナは仲間に合図を送る。
 視線を受けたレザリアはこくりと首肯した。
 アンナが前線に出てくれている今、レザリアが行うべきは後方からの援護。周囲に舞う花弁を掴むと同時に、迅速に炎の矢を編み出した彼女は攻撃を放つ。
 このまま遠距離から敵を攻撃し続ければ、確実に力を削っていけるだろう。
 高速での詠唱に全力を込め、防御を無視する勢いを魔法の矢を繰り出す。決して相手に近付かれないよう、常に気を付けていくレザリアの眼差しは真剣だ。
「未だ斃れる訳には――」
「残念ですけど、あんたに血を与えるつもりはないわ」
 ルキウスは愛する黒薔薇からの加護を受け、血と生命力を此方から奪おうとしている。だが、レザリアはしかと首を横に振ることで拒絶した。
 そして、次はレザリアが仲間に追撃の合図を送る番だ。
 好機を察したアンナは再び妖刀を抜き、レザリアが放つ矢に合わせて一気に刃を振るう。敵の心の臓に目掛けて突き放った一撃。それはルキウスの傷口を抉り、更なる痛みを与えた。
 しかし、苦痛に耐えた騎士は体勢を立て直す。
「かなりの実力者のようだな」
「そのまま切り捨ててやろう……! 止まるまいぞ……私は……処刑人だッ!!!」
「お生憎様ですね。あんたはここで斃されるの」
 アンナとレザリアはそれぞれの思いを言葉へと変え、ルキウスを強く見つめた。
 魔力の残滓が成した薔薇が咲き乱れ、黒茨が戦場に広がる。悍ましくも美しい、相反するような光景の中で激しい攻防が続いていく。
 この戦いに、確かな終止符が打たれるまで。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

紫・藍
あやー。慢心無く、護るため、愛のために戦う騎士でっすかー。
誰かのために戦える方は強いのでっす。
自分自身の満足や諦めを超えて戦えるのでっすから!
どこまでも強くなれるのでっす!
歌うのでっす。藍を込めて歌うのでっす。
この身がどれだけ痛くとも、不可視の攻撃が来ようとも、歌うのをやめないのでっす!
トラブルを乗り越えるのも、どこにいるかも知らない誰かに歌を届けるのも!
藍ドルの日常なのでっすよー!
それになのでっす。
藍ちゃんくんの歌は状態異常も吹き飛ばす癒やしの歌なのでっしてー。
感知不能を良いことにヒットアンドアウェイなどでは回復するばかり!
向こうとしても全力攻撃で打って出るしか無いかと!
でしたら、後は意地の勝負なのでっす!
藍ちゃんくんは二度と泣かせないとは言えないのでっす。
泣かせてしまう時はいずれ来るのでっす。
でっすが。
藍ちゃんくんがいなくなってもその涙を抱きしめられるような歌を遺してみせるのでっす!
藍ちゃんくんでっすよー!

この勝負、愛の優劣の結果ではないのでっす。
ただこうなった。それだけでっすよー。



●あいすることの意味
 ――荊棘卿・ルキウス。
 彼には大切なものがある。此度の現実改変ユーベルコード移植を受け入れたのも、そのためらしい。善悪はどうであれ、オブリビオンになっても主を思う忠誠は確かなものだ。
 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)はルキウスの思いに考えを巡らせてみる。本当の彼の思いは想像するしかないが、その志からは献身の意思が感じられた。
「あやー。慢心無く、護るため、愛のために戦う騎士でっすかー」
 藍は思う。
 誰かのために戦える者は強い、と。それが猟兵であれ、ごく普通の人であれ、オブリビオンだったとしても、自分自身の満足や諦めを超えて戦えるのだから。
 きっとルキウスはどこまでも強くなれる可能性を秘めている。主君を思い、忠義を懐いて、己を他に捧げることを軸とする。その在り方は尊敬を抱いてもいいものだ。
 しかし、藍は知っている。現実を改変して作られた楽園には、永遠の苦しみが眠っているだけ。
 ただの地獄でしかない此処を、このままにしてはおけないことだけは確かだ。
「歌うのでっす。藍を込めて歌うのでっす」
 領域に踏み入ったときから、藍の身体には呪いの苦痛が巡っていた。
 痛い。苦しい。早く楽になりたい。
 そういった思いが駆け巡ってしまうのは自然の摂理。この苦痛から解放されることが楽園だというのならば、なんという皮肉だろうか。
 されど、藍は歌を紡ぎ始めた。この身がどれだけ痛くとも、ルキウスが得た加護から放った不可視の攻撃が来ようとも――歌うことを止めたりしない。
 天を覆う闇も、身体を蝕む呪いも、すべて障害も吹き飛ばして。
 いつか見えるはずの青空に、藍ちゃんくんの歌を響かせるときが今だ。思いを強く抱いた藍は両手を広げ、澄んだ歌声で音を奏でていく。
「トラブルを乗り越えるのも、どこにいるかも知らない誰かに歌を届けるのも! 藍ドルの日常で、藍ちゃんくんの役目なのでっすよー!」
「痛みで頭がどうにかなったのか?」
 明るく笑う藍を見遣り、ルキウスは疑問を言葉にした。
 呪いばかりが満ちる領域の中で歌を紡ぐ藍の姿を見れば、そう思うのも必然なのかもしれない。何故なら藍は本当に楽しげで嬉しそうに歌を満ちさせている。
 ルキウスへと視線を返した藍は指先をぴんと立て、言葉を続けた。
「それになのでっす。藍ちゃんくんの歌は――」
 そう、状態異常も吹き飛ばす癒やしの歌。次々と襲い来る呪いのすべてを浄化できずとも、与えられる影響を最小化させることは可能だ。
 ルキウスの攻撃にも隙がある。感知不能を良いことにヒットアンドアウェイの戦法を取れば回復するばかりになるだろう。それならば、向こうとしても全力攻撃で打って出るしかないはずだ。
(……でしたら、)
 後はきっと意地の勝負になっていく。
 藍の読みと行動を察知したルキウスは、まるで誓いのような言葉を紡いだ。
「俺も負けるわけにはいかない。……もう、貴女を二度と泣かせまい」
 それは主君への思いなのだろう。
 貴女、と呼ばれた誰かが騎士としてのルキウスがすべてを捧げた相手だとわかった。その声を聞いた藍は更にルキウスへの興味を持つ。
「藍ちゃんくんは二度と泣かせないとは言えないのでっす」
「それは俺への皮肉か?」
 対するルキウスは訝しげな視線と共に更なる攻撃を放ってきた。詩を歌うことでその衝撃を吹き飛ばしながら、藍はそうではないと応える。
「いいえ、泣かせてしまう時はいずれ来るのでっす」
 誰かを相手にする以上、その感情を此方側から制御することは不可能だ。
 泣きたいときに泣き、笑いたいときに笑えばいい。不幸も幸福も受け取り手次第。それゆえに藍には泣かせないと宣言することはできなかった。
「でっすが。藍ちゃんくんがいなくなっても、その涙を抱きしめられるような歌を遺してみせるのでっす!」
 それこそが藍の決意であり、想いの証。
 だから、歌う。
 今この瞬間も、大切な人を想うときも、ずっと。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
 明るく澄んだ声が戦場に響き渡っていく。それは藍テールとして、この先も進んでいく為の歌だ。
 暗闇に包まれた世界であっても、偽りの光であったとしても、此処に光があった。漆黒の空が重く苦しい空気を巡らせているとしても、藍の歌は青空を呼ぶものだ。
「この勝負、愛の優劣の結果ではないのでっす」
「何を……」
 藍の語ることの意味がわからなかったのか、ルキウスは一瞬だけ眉をひそめた。藍は笑みを浮かべ、特徴的な歯を見せながら天に腕を伸ばす。
「ただこうなった。それだけでっすよー」
 偶然、必然。そういったことを突き詰める心算は藍にはなかった。
 感情を呼び起こす魂の歌は呪いを打ち破り、偽りの楽園に本当の光を宿していく。その歌声は同じ戦場で闘う仲間達にも届き、広がっていった。
 藍は歌を止めない。最後まで、この声を届けるため。
 闇の世界の人々にも、いつかとびっきりの青空を見せるためにも――。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
その忠誠と献身はオブリビオンであるとは言えど見事。
ですが、だからこそ、オビリビオンであるが故に、既に|終わってしまっている《・・・・・・・・・・》貴方の願いを叶えてしまうわけにはいかないのです。

全ての敵、悉くを斃し尽くす。それが、闇の救済者戦争の定めなれば!

◆タイマンチェイス
念動力+浄化で世界法則に抗いながら激痛耐性で堪え続けて戦う

敵意の刃を心眼+見切りで視覚化しながら動体視力とフェイントで躱し、フェイント+ジャンプで飛び込んで切り込み
刻印を附与し、息もつかせぬクロスレンジでの消耗戦を仕掛ける
しかし取り回しの悪さ故の自傷も厭わないでしょうね
その覚悟があるのなら!

グラップル+乱れ撃ちの限界突破!


空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ

「主君のために戦う騎士か…。
思うところはあるが、負ける訳にはいかないな。」
転送すると同時にUCを発動させて炎剣を両手に携える
その瞬間、全身に激痛がはしる
それに顔を顰めることもなく微塵も揺るぎもしない
清導は全身にはしる苦痛を[気合い]で耐えているのだ
単純明快だが故に為しがたい対策を清導は達成した

「さあ、いくぞルキウス。
全身全霊でアンタに勝つ!」
振るわれる魔力の黒刃を[オーラ防御]で防ぎながら炎剣を振るう
剣戟に合わせて炎の出力をドンドンと上げて
周囲の黒刃を飲み込みながら迫っていく

「これでケリをつける!超必殺!ブレイジング・バースト!」
火焔の大爆発でルキウスを飲み込む


シキ・ジルモント

痛みを堪え、荊棘卿から目を離さず対峙
呪いの苦痛は避けられない
動きが鈍る事も前提として防御を重視して交戦する

ユーベルコードを発動、狼獣人の姿で応戦
魔力の黒刃は増大した行動速度に加え、狙いを絞らせないよう常に動き続けて直撃を避けたい
呪いの苦痛で体勢を崩し隙を晒しても急所を避ければ継戦は可能だ

とは言え、守ってばかりで勝てる相手ではない
防戦の間に相手の行動パターンを観察
相手の攻撃の癖を把握次第、剣の腹を蹴り上げて隙を作り、爪の一撃で反撃を狙っていく
肉弾戦の間合いに持ち込めば速度で遅れは取らない筈だ

相手は戦力を強化する代わりに、受ける痛みも増大しているようだ
反撃を成功させる事に集中して大ダメージを狙う



●炎の如き闘志
 光に満ちていた『楽園』は一瞬で悍ましい光景に変わった。
 やわらかな光は呪いと痛みに変わり、美しい花々は毒々しくも感じられる色になる。その中央に佇み、猟兵に敵意を向けているのは荊棘卿・ルキウスだ。
「その忠誠と献身はオブリビオンであるとは言えど見事」
 戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は騎士たる彼への言葉を紡ぎ、強く身構えた。
 其処へ転送されてきた空桐・清導(ブレイザイン・f28542)も周囲に巡る呪いの苦痛を感じながら、オブリビオンを見据えていく。
「主君のために戦う騎士か……。思うところはあるが、こちらも負ける訳にはいかないな」
 清導は言葉と同時にユーベルコードを発動させ、炎剣を両手に携えた。
 その瞬間、全身に激痛が走る。
「これは……」
「なかなかの痛みだな」
 清導の声に応えるように言葉を発したのは、シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)だ。彼もまた、楽園に広がる呪いの影響を受けていた。
 痛みを堪えたシキは、荊棘卿から目を離すことなく対峙する姿勢を取る。
 この呪いの苦痛は避けられないものだ。それゆえに動きが鈍ってしまうことも前提として、防御を重視して交戦していく心積もりを固めることが有効だろう。
 シキはユーベルコードを発動していき、狼獣人の姿へと変じる。彼が応戦を始めたと同時に、蔵乃祐も素早い攻勢に入っていった。
「見事ですが……だからこそ、オブリビオンであるが故に、既に|終わってしまっている《・・・・・・・・・・》貴方の願いを叶えてしまうわけにはいかないのです」
 全ての敵、悉くを斃し尽くす。
 それが、闇の救済者戦争の定めなれば――。
 蔵乃祐が挑んだのタイマンチェイス。ユーベルコードとしての力を巡らせた蔵乃祐は念動力を発動させ、己の周囲を浄化していくことで世界法則に抗っていく。
 呪いを完全に消すことは叶わずとも、激痛に耐える力も持ち合わせている。堪え続けて戦うことも今の蔵乃祐ならば可能だ。
「邪魔をするのならば、誰であっても斃すだけだ」
 対するルキウスは敵意の刃を仕向けてきた。蔵乃祐は心眼による見切りで黒刃を視覚化しながら、持ち前の動体視力で以て対抗する。
 鋭いフェイントで躱し、高く跳躍することで刃を回避する。そして、落下の勢いで距離を詰めて飛び込んだ蔵乃祐はルキウスの身を穿った。刻印を附与しながら、息もつかせぬクロスレンジでの消耗戦を仕掛けていくのが蔵乃祐の戦法だ。
 その間に清導も炎剣での攻撃に移っていた。
 呪いの苦痛に対して彼は顔を顰めることもなく、微塵も揺るがなかった。痛みを受けていないわけではないのだが、清導は全身に巡る苦痛を気合いで耐えているようだ。
 それは単純明快な原理だ。されど、それゆえに為しがたい対策を清導は達成したと言えるだろう。
「さあ、いくぞルキウス。全身全霊でアンタに勝つ!」
 清導は振るわれていく魔力の黒刃を、オーラによる防御陣で防いだ。攻撃を凌いだのならば次は炎剣を振るい、相手の力を削っていくのみ。
 剣戟に合わせ、炎の出力を上げていった清導の動きは的確だ。
 周囲の黒刃を飲み込みながら迫っていく焔は激しく、戦場に紅の軌跡が迸っていった。
 そして、シキもルキウスに連撃を仕掛ける。
「俺のこの見て呉れを気にしている場合では無い。あんたもそうだったんだろう」
「お前に何が分かる」
「力を欲するのが誰かのためだったなら、少しは分かる」
「……!」
 シキは銀の毛並みを靡かせながら、鋭い攻撃を繰り出していった。ルキウスに語りかけたのは力を求める者として僅かながらも親近感めいたものを感じたからだ。
 されど、必要以上に馴れ合う気はない。シキは戦いへと意識を集中させ、魔力の黒刃を見据える。増大した行動速度に加え、狙いを絞らせないよう常に動き続ければ直撃は避けられるだろう。
 呪いの苦痛で体勢を崩してしまい、隙を晒しても急所を避ければ継戦は可能だ。
(……とは言え、守ってばかりで勝てる相手ではない)
 相手の実力を正しくはかったシキは、防戦の間に相手の行動パターンを観察していた。攻撃の癖、予備動作などを把握したシキは一気に駆ける。
「しまっ――」
 騎士が最後まで言葉を紡ぐ前に、シキは剣の腹を蹴り上げた。それによって隙が生まれたことを確かめたシキは爪の一撃で反撃を見舞う。肉弾戦の間合いに持ち込めば後は攻め続けるだけ。
 速度で遅れは取らないはずだと読んだシキは、ルキウスの様子を見つめる。相手は戦力を強化する代わりに受ける痛みが増大している状態。
「容赦などしないぞ」
 シキは反撃を成功させる事に集中していき、大ダメージを狙っていった。かなりの痛みが与えられているはずだが、ルキウスは猟兵を倒すために尚も攻撃を続けていく。
「取り回しの悪さ故の自傷も厭わないでしょうね。その覚悟があるのなら!」
 蔵乃祐は敵の意思にある種の敬意を持ち続け、グラップルから乱れ撃ちで攻め込んでいった。あちらが強い志を持ち続けているのならば、限界を突破して相手をするのが礼儀だろう。
 拳を振るった蔵乃祐がルキウスを穿つ中、清導も地を蹴った。
「これでケリをつけにかかるる! 超必殺! ブレイジング・バースト!」
 火焔の大爆発がルキウスを飲み込み、その身体が大きく揺らぐ。相手は激痛に言葉も出ないようだったが、現実改変ユーベルコードの力で耐えた様子もある。
 その瞳には、最期が訪れるまで戦い抜く覚悟が見えた。
 蔵乃祐と清導、そしてシキ。仲間達は互いに視線を交わし、騎士の最期を見届けることを決める。
 そして――戦いは終幕へと近付いていく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラファエラ・エヴァンジェリスタ
…貴公の名だけは知っている
貴公の主君はミカエラ・エヴァンジェリスタ、私の母であろう
私から見ればろくでもない気狂いの毒母だよ
だが、彼女にはそれほどまでに貴公の死も、親に決められた婚姻も耐えられなかったと言うことだ
彼女を攫えば良かったものを、何故しくじった?
慢心したか?…愚か者

UCで騎士を召喚
我が騎士よ、私に向ける以上の敬意を以てかの敵を討て
とは言え私達では力及ばぬこと等は無論よく心得ている
現実改変UCへの対応としては『茨の抱擁』にて吸血を試みて、得た力にて全力魔法により我が騎士を強化
適宜、後衛よりオーラ防御にて彼を援護
私が前に出たならば数瞬すらも彼の刃がこの身の存命を許すまい
それ程までに私の存在が憎かろう

…ルキウス、否、荊棘卿
貴公、ーー貴公が生きていたならば私はこんな歪んだ世の中に生を受けずに済んだ筈だ
故に憎むよ
ミカエラもーーいや、それはもう良い
彼女は貴方を愛していた
…私などよりも遥かに深く

貴公の主君の名代として命ず
もう眠れ
…次は絶対にしくじるな

(アドリブ、苦戦、負傷歓迎)



●荊棘が結ばれる処
 彼の日、あの国は滅んだ。
 楽園のような景色が一瞬で地獄のような光景に変わった様は、滅亡の日に何処となく似ている。
 ラファエラ・エヴァンジェリスタ(貴腐の薔薇・f32871)は黒薔薇が咲く花園に佇む騎士を、ヴェールの奥から静かに見つめていた。
 狂った血の一族の罪など、たかだか国のひとつを望んだだけだというのに。
 目の前の彼――荊棘卿・ルキウスは今も罪の上に立っている。彼は主君を遺して死んだ騎士団長だ。そういった過去のことをラファエラは聞いていた。
「……貴公の名だけは知っている、荊棘卿」
「貴女は、いや……違うな」
 ラファエラの姿を見たルキウスは一瞬、目を見開く。まるでラファエラの姿に誰かの影を重ねてしまったかのような反応だったが、彼はすぐに首を横に振った。
 しかし、彼がそうした理由もラファエラには分かっている。
 何故なら――。
「貴公の主君はミカエラ・エヴァンジェリスタ。私の母であろう」
 ラファエラは静かな口調で凛と告げた。
 ルキウスは主君の娘であるラファエラを瞳に映し続けている。
 声で返答をしない代わりなのか、騎士から頷きが返ってくる。どうやらルキウスは敢えて何も言わないようにしているようだが、言葉を選ぼうとしている様子も見えた。
 しかし、黒薔薇の加護たる荊棘が纏わりついた剣はラファエラに向けられている。
 イェーガーとオブリビオン。
 嘗ての騎士団長と、護るべき人の娘。
 複雑に絡み合った因縁が今、此処で繋がっている。皮肉にも楽園と呼ばれる場所でだ。
「あの御方は……ミカエラ様は、何処だ」
「私は知らない。いや、今の所在までは分からないと言えばいいか」
「……そうか」
 ルキウスは剣を向けたまま、ラファエラの返答を聞いていた。今の彼が力を得たいと願った理由は、ミカエラを守れずに自分が死を迎えたからだろう。
 そして、ルキウスはミカエラに一目でも逢いたいと願っているようだ。
 ラファエラは二人の関係性を思いながら、母について言葉にしていった。
「私から見ればろくでもない気狂いの毒母だよ」
「彼女を愚弄するのか?」
 実の娘から紡がれたことに対し、ルキウスは眉をひそめる。怒りを覚えているのだろうが、感情のままに斬りかかってくるようなことはなかった。
 その精神性は伝え聞いていた通りだと感じ、ラファエラは言葉を次ぐ。
「だが、彼女にはそれほどまでに貴公の死や、親に決められた婚姻に耐えられなかったと言うことだ」
「…………」
 告げられた事柄を受け、ルキウスは口を閉ざした。
 その間にもラファエラの身にはこの領域に満ちる呪いの力が巡っている。一度は死した躰であっても、呪いの苦痛は響いていた。それでもラファエラは顔色ひとつ変えず、目の前の騎士団長へと語っていく。
「彼女を攫えば良かったものを、何故しくじった?」
「それは……」
 ルキウスは口をひらいたが、其処に続く言葉はなかった。ラファエラはヴェールの下から彼の様子をしかと見つめている。目を離してはならない局面が今であるからだ。
「慢心したか? ……愚か者」
「……慢心などするものか。知った口を聞くな」
 返ってきた言葉には後悔めいた感情が宿っているように思えた。今のルキウスが力に酔わず、貪欲に力を希求する理由はその過去にあるのだろう。
 もしも、彼が母を攫ってあの国から飛び出していたのならば、悲劇は生まれなかったのかもしれない。
 されど誰にも過去を変えることはできない。
 悔やんでも悔やみきれずとも、此処にある現状こそが事実でしかない。
 黒薔薇の紋章を掲げていた一族は、時の権力の影に常に寄り添ってきた者達だ。うつくしき血統を半ば狂信めいた目で見ており、それを愛した者達の血は濃さを増すばかりだった。
 一族は狂っていった。
 そして、人を狂わせる異能も持ち合わせてもいた。それは権力を得る為に用いられたが、与えられるだけの権力では飽き足らず――やがて、彼らは自らの血族を玉座に据える夢を見た。
 だが、甘く昏い夢は断頭台の露と消える。
 一族は等しく悪とされ、其処ですべてが終わった――はずだった。
 死は不平等だ。死が結末にならぬ者もいる。
 屍人として生きるラファエラ。オブリビオンとして蘇ったルキウス。そして、今も彷徨うミカエラ。
 世界の敵に回った者達に真の終止符を打つことが、猟兵としてのラファエラの役目なのだろう。或いは、一族の悲劇を終幕に導くためか。
「我が騎士よ」
 ラファエラは自らの為に死した騎士団長、パーシヴァルの霊を喚んだ。
 白馬に乗った騎士は槍斧を構え、主たるラファエラの身を護るべく前に踏み出す。
「私に向ける以上の敬意を以てかの敵を討て」
 彼の主として、ラファエラは静かに命じた。ルキウスも身構え直し、パーシヴァルを迎え撃つ姿勢を見せている。己が騎士を信じているとは言えど、自分達では力が及ばぬことなどよく心得ていた。
 黒薔薇からの加護を得ている上、現実改変の力を移植されているルキウスは歪んだ光に紛れていく。
 黒き茨を解き放ったラファエラは吸血を試み、得た力を攻勢に転じさせていった。その様はまさに茨の抱擁と呼ぶに相応しい。
 魔力を巡らせた彼女は騎士に力を分け与え、黒薔薇を思わせるオーラを広げてゆく。
 防御陣となった力でパーシヴァルの援護に回ったラファエラは、その背に信頼を向けた。もしも自分が前に出たならば数瞬すらも保てないだろう。
 ルキウスの刃は己の存命を許すまい。そうに違いないと感じたラファエラは彼に言葉を投げかける。
「私の存在はさぞかし憎かろう」
「ああ、憎い。彼女の娘であろうとも、お前の存在は……俺の過ちを思い起こさせる」
 ラファエラの思いに対し、ルキウスも渦巻く感情を声にした。
 騎士達が繰り出す剣戟が響く。
 パーシヴァルは光を纏わせた槍斧を薙ぎ、ルキウスは闇茨を宿した剣を振るい返す。刃と刃が衝突する甲高い音が戦場で弾け、火花が散るような応酬が繰り広げられた。
 どちらも主君を思い、護る為に力を尽くそうとしている。ラファエラは呪いの苦痛に耐えながら、ルキウスに眼差しを向けた。
「……ルキウス、否――荊棘卿」
「何だ」
 憎む相手であっても強敵として認めたのか、ルキウスは或る種の敬意をもってパーシヴァルとラファエラに応えようとしているようだ。
「貴公が生きていたならば、私はこんな歪んだ世の中に生を受けずに済んだ筈だ」
 故に憎む。
 ラファエラは嘘も偽りもない、本当の思いを彼に伝えた。同情はおろか、慮ることもない。そうすることこそが彼女なりの在り方であり、この現実への向き合い方だ。
「ミカエラも――いや、それはもう良い」
 母のことを語りかけたラファエラだったが、頭を振った。
 パーシヴァルがルキウスに向けて刃を振り上げる。駆ける白馬は嘶き、戦いの終わりが間もなく訪れることを示しているかのようだ。
 先程に止めた言葉の代わりとして、ラファエラは告げてゆく。
「彼女は貴公を愛していた。……私などよりも遥かに深く。誰よりも、貴方を」
「……!!」
 その瞬間、ルキウスは再び目を見開いた。ラファエラが途中でルキウスの呼び名を変えたことの意味を知ったのだろう。パーシヴァルの一閃を黒茨の剣で受け止めた荊棘卿は大きくよろめいた。今の一撃で深く穿たれたこともあるが、現実改変の力の代償が彼を弱らせたのだ。
 次の瞬間、騎士がルキウスの剣を弾き、刃が宙に舞った。はっとしたルキウスは勝敗が決したことを悟り、その場に片膝を付く。
「また、俺が先に逝く運命を辿るのか……。貴女に逢う為ならば、俺は何だって――」
 宙を見上げたルキウスは力なく呟いた。
 きっとミカエラのことを想っているのだろう。その姿を見つめたラファエラは凛とした声を紡いだ。
「貴公の主君の名代として命ず」
 騎士の前に歩み寄ったラファエラは敢えて淡々と、それでいて強く命じていく。
 ルキウスは其処に愛した人の面影を視たのだろう。ただ静かに次の言の葉を待っていた。
「もう眠れ。次は絶対にしくじるな」
「…………」
 伝えられた命に対してルキウスは双眸を細めるだけに留める。その答えがどちらだったのかなど、確かめなくとも分かった。そして――。

 楽園と称された領域から、荊棘卿の姿が消えていく。
 ラファエラとパーシヴァルは薄れゆく騎士を最後まで見つめ続け、葬送の代わりとして見送った。
 彼はもう、骸の海には還らない。
 次に向かう場所は彼自身が知っているはず。それは、きっと――。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月03日
宿敵 『荊棘卿・ルキウス』 を撃破!


挿絵イラスト