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猟書家の侵略~鬼城の首塚を狙いし狩人

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #獣狩りのアルヴィナ #化身忍者 #風魔小太郎 #魔軍転生

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●サムライエンパイア・紀伊国
 ――三方を海に囲まれた険しい岩山の頂上に佇む、『鬼ヶ城』の西方にて。
「ふんふんふ~ん♪」
 蒼白を基調にした僧服の女性――幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』が、鼻歌を歌いながら天然の要害たる岩山の頂上にある小さな城に視線をやり、にんまりと笑った。
「随分探し回ったけど、やっとみ~つけた♪」
 そんな彼女の横には、オブリビオンの落武者が数体、無言で控えていた。
「さて、それじゃあ、ちゃっちゃと終わらせるかな?」
 嘗て戦で無碍に散っていった武者の成れの果てを一瞥しながら、アルヴィナは両手を掲げ、軽やかに高らかに詠唱する。

「発動せよ、超・魔軍転生!! 憑装せよ、魔軍将『風魔小太郎』!!」

 その声が虚空に溶け込むと同時に、彼女の周囲に膨大な量の魂が現れ、たちまち落武者たちに吸い込まれてゆく。
 やがて、落武者たちの口から、老獪な忍者の声が漏れ出した。
「ほう……これはまた、攻めがいのありそうな城だな」
「そだね。この城を落としたいのだけど、ちょっと手伝ってくれないかな?」
「うむ、ここは我々風魔忍にお任せいただこう」
 魔軍将『風魔小太郎』が憑装した落武者たちが頷くのを見て、アルヴィナは再度にんまりと笑う。
「さ、急いで首塚の一族の首をあげないとね――かかれ!!」
 あまり時間が残されていない気がするからね、とは口には出さず。
 アルヴィナは「首塚の一族」を討ち取るべく、落武者たちを鬼ヶ城に向かわせた。

●グリモアベース
「最近鳴りを潜めていた、幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』の動きを察知したぜ」
 グリモア猟兵森宮・陽太(未来を見据える元暗殺者・f23693)の呼びかけを聞きつけ、次々と集まってくる猟兵達。
 己が呼びかけに応えてくれた猟兵ひとりひとりに「すまねえ」と頭を下げながら、陽太はグリモアが齎した予知を話し始めた。

「今回、アルヴィナが現れるのは、サムライエンパイアの紀伊国・熊野の海沿いに佇む『鬼ヶ城』だ」
 陽太のグリモアの予知にかかった幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』の目的は、オウガ・フォーミュラの居所『魔空原城』の護りを打ち破る呪詛を持つ『首塚の一族』の根絶。
 猟兵たちが魔空原城に攻め入ったことで、オウガ・フォーミュラ『クルセイダー』も討ち取られる寸前だが、だからこそアルヴィナは、鬼ヶ城にて匿われている『首塚の一族』を殺めて延命を図ろうとしているのだろう。
「もちろん、鬼ヶ城で『首塚の一族』を護る化身忍者たちもアルヴィナの襲撃を察知し、速攻で打って出るんだが……実力差があり過ぎる。急がねえと片っ端から返り討ちに遭っちまう」
 その原因は、アルヴィナ軍の尖兵たる落武者たちに、『超・魔軍転生』で大量に複製され召喚された魔軍将が一、百面鬼『風魔小太郎』が憑装しているからだと、陽太は断言した。
「だから、まずは現地の化身忍者たちと共闘しつつ、風魔小太郎が憑装している落武者を全て撃破してくれ」
 忍の業をも駆使する落武者を全て撃破すれば、アルヴィナは己が手で本懐を遂げるべく猟兵たちの前に姿を現す。
 猟兵達が闘争心を露わにすれば、根っからのバトルジャンキーでもあるアルヴィナは簡単に乗ってくるはずだ。
「落武者同様、アルヴィナは遠慮せずにぶちのめしていい輩だ。手加減はいらねぇぜ」
 遠慮するな、と煽動する陽太に、猟兵達はそろって頷いていた。

「クルセイダー……いや、『晴明クルセイダー』との戦いも佳境に差し掛かってはいるが、幹部猟書家も残しておくわけにはいかねえ」
 だから、一刻も早い対処を頼んだぜ、と頭を下げる陽太に見送られながら。
 猟兵達は、三方を海に囲まれた険しい山城に赴いた。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 サムライエンパイアにて暗躍中の幹部猟書家「獣狩りのアルヴィナ」は、未だ「首塚の一族」を狙い続けているようです。
 猟兵の皆さま、紀伊国・熊野の鬼ヶ城で匿われている「首塚の一族」の命を狙う幹部猟書家の撃破を願います。

●本シナリオの構造
 集団戦→ボス戦の【2章構造】です。

 第1章は「風魔小太郎」を憑装した「落武者」との集団戦です。
 落武者たちは汚い手も辞さず、何としてでも「首塚の一族」の暗殺を成し遂げようとしますが、忍者の手口を知る化身忍者たちと協力すれば対抗しやすくなるでしょう。

 第2章は「幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』」とのボス戦です。
 猟書家の力が制限されるらしく、アルヴィナは魔軍将を憑装しておりません。
 アルヴィナを撃破すれば、落武者たちは烏合の衆と化しますので、掃討は容易です。
 ちなみに、アルヴィナはオウガ・フォーミュラ『クルセイダー』の現状を知りませんが、伝えるかどうかは自由です。

●本シナリオにおけるプレイングボーナス
【化身忍者と協力して戦う】と、プレイングボーナスが付与されます。
 化身忍者たちは猟兵ほど強くはありませんが、忍者の手口に詳しいです。

●【重要】プレイングの受付・採用について
 第1章・第2章ともに、断章追加後からプレイング受付開始。
 いずれも受付締切は、MSページとTwitter、タグにて告知致します。

 なお、本シナリオは諸事情により、ゆっくり運営致します。
 もし、プレイングが失効してお手元に戻った場合は、お手数ですが再送をお願いします。

 全章通しての参加も、気になる章のみの参加も大歓迎です。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『落武者』

POW   :    無情なる無念
自身に【すでに倒された他の落武者達の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    欠落の決意
【武器や肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【首や四肢が欠落する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    妄執の猛撃
【持っている武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

イラスト:麻風

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●サムライエンパイア・鬼ヶ城
 猟兵達が転送されたのは、三方を海に面した囲まれた小さな岩山の上に佇む山城『鬼ヶ城』の内部。
 突然の猟兵達の来訪に、城を守護している化身忍者たちは驚いていたが、猟兵たちが天下自在符を見せながら事情を説明すると、直ぐに納得してくれた。

「そこに『首塚の一族』が匿われておるのは解っておる。大人しく姿を現し、その命を差し出すが良い」
 猟書家『獣狩りのアルヴィナ』が差し向けた落武者たちが、老獪な声で降伏勧告をしつつ、唯一海に面していない西側の坂を登ってくる。
 落武者たちの見た目はごく普通の武士だが、憑装した『風魔小太郎』の力で忍術をも行使する、恐るべき敵だ。
 如何なる隠し玉を持ち合わせているかは見た目ではわからないため、実際に手を合わせてみるしかなさそうだが……。
「成程、忍の力を得ている武士か。ならば、忍の我らならその手口は見当がつくかもしれぬ」
「ああ、おそらく風魔だろうが……見極めた時点で伝えよう」
 いつの間にか忍者刀を抜き、手裏剣を構え、応戦体勢を取っている化身武者たちの視線は、落武者とその後ろにいるであろう首謀者に注がれている。 
「この城で匿ってる御仁を狙うのであれば、追い返さねばならぬ敵。我々も貴殿らと共に戦おう」
 油断なく異形の集団を睨む化身忍者たちを横目に、猟兵達はひとつ頷いて得物を手に取り、城外へと駆け出した。

 ――この城にて匿われている、「首塚の一族」を守る為に。

※マスターより補足
 1章に搭乗する落武者は、憑装した魔軍将の力で剣術と同時に忍術をも扱いますが、同時に汚い手段を躊躇なく実行に移します。
 本シナリオにおいては、忍術及び汚い手段の行使は、【落武者のユーベルコードの発動と同時に、スキルによる追加攻撃を行う】扱いと致します。
 各ユーベルコードに対応する追加攻撃は、以下の通りです。

 POW:斬撃による衝撃波が、鋭刃の如く万物を切り裂く(切断、斬撃波)
 SPD:素早い一撃と同時に、口から顔面に麻痺薬を吹きかける(ブレス攻撃、麻痺攻撃)
 WIZ:武器にいつの間にか猛毒が塗布されている(毒使い、身体部位封じ)

 追加攻撃は、鬼ヶ城の化身忍者たちと共闘することで、事前に見破って警告してくれたり、追加攻撃そのものを妨害してくれたります。結果としてユーベルコードのみに対応すればよくなるため、プレイングボーナスの対象となります。
 一方、あえて化身忍者たちの力を借りず、追加攻撃もご自身で対処されても大丈夫です。どうぞ、御心のままに行動してください。
 その他、化身忍者たちに取ってほしい行動がございましたら、プレイングに記してください。

 ちなみに、憑装した魔軍将『風魔小太郎』と会話することもできますが、有益な情報は得られません。
 ――それでは、最善の戦いを。
鳴上・冬季
「合印もない御貸具足とは、確かに落武者らしい装いです」
嗤う

「どうやらあれらは毒持ちの様子。基本こちらで処理しますから、貴方達はあれらが城に近づかぬよう、遠距離からの足止めに徹すると良いでしょう」

自分は風火輪
普段から連れ歩く黄巾力士は飛来椅で
目立つよう敵集団上空30mを飛行
黄巾力士には制圧射撃で敵の行動阻害を命じ、敵の攻撃が届くようなら黄巾力士にオーラ防御で庇わせる
自分は敵に雷火陣
敵が灰になるまで焼き尽くす

「動く死体の相手など、部品単位でも動かなくなるまで切り刻むのが相場ですが、それはなんとも面倒くさい。延焼させず燃やし尽くす方が容易いでしょう?」
嗤う

UC後
上空で雷公鞭振り回し雷撃を落とし続ける




「合印もない御貸具足とは、確かに落武者らしい装いです」
 険しい岩山を登り、『鬼ヶ城』へと迫る落武者の集団を眺めつつ、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は薄く嗤う。
 落武者が手にする刀の刀身は、太陽光に照らされ、見るからに妖しく光っていた。
 ――おそらく、ほんの少し掠めるだけで、生物を死に至らしめる猛毒が塗布されている。
 いくら離れていても、冬季の目は誤魔化せない。
「どうやらあれらは毒持ちの様子。基本こちらで処理しますから、貴方達はあれらが城に近づかぬよう、遠距離からの足止めに徹すると良いでしょう」
「だろうな……どんな毒か想像もつかん故、何卒頼み申す」
 刀身の妖しい輝きを目にした化身忍者の頭領が、呻きながら首肯するのを見て、冬季は微かに笑いながら頷いた。
「では、後はお任せを」

 化身忍者達が手裏剣で落武者を牽制する中、冬季自身は風火輪で、普段から連れ歩いている黄巾力士は飛来椅で、わざと目立つように落武者集団の上空を飛行する。
 果たして、地に落ちる影で存在に気づいたか、落武者たちが次々と空を見上げ、冬季と黄巾力士に刀を向け始めた。
「黄巾力士、敵の行動を阻害しなさい」
 冬季は黄巾力士に命じ、飛来椅のソニックウェーブで落武者たちの行動を阻害させつつ、敵の攻撃が己に届くかどうかを見極める。
 どうやら、今登ってきている落武者たちは、猛毒を塗布した刀以外得物を持っていないらしく、この距離を保っていれば、落武者の妄執の追撃は届かないだろう。
 ならば、と冬季は両手で印を組み、呪を口ずさむ。
「稲妻が地を焼き草木を燃え上がらせる様を雷火と言う。我が雷火をその身で味わえ」
 呪が完成した直後、雲一つない真っ青な空から、突然轟音が轟いた。

 ――ドウッ!!
 ――ゴウンッ!!
 ――ドーン!!!

 轟音と共に落下した、雷属性を持った白色に輝き轟音轟かせる狐火が、落武者達を的確にとらえる。
 超高圧電流の塊たる雷に等しい狐火を受けた落武者たちは、灰になるまで焼かれ、ぱらぱらと岩山に散布された。
「動く死体の相手など、部品単位でも動かなくなるまで切り刻むのが相場ですが、それはなんとも面倒くさい。延焼させず燃やし尽くす方が容易いでしょう?」
 如何にも仙らしき豪胆さで広範囲に散開した落武者を焼き尽くしつつ、冬季は嗤いながら雷公鞭を振り回して雷撃を落とし続け、さらに落武者を土へ還していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加

【化身忍者と協力して戦う】

今度こそ終わりにしますよアルヴィナ!!色々酷い目に会いましたが今回で終わりです!!首塚の一族の方々にも安心して頂きたいですし。

あのアルヴィナの手勢、油断できません。化身忍者の皆様、助けていただけるととても心強いです!!

トリニティ・エンハンスで防御力を上げ、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【受け流し】【ジャストガード】で敵の攻撃を受け止め、【衝撃波】で吹き飛ばします!!おりゃ〜!!

さあどいてください!!私と兄さんの本当の狙いはアルヴィナです!!


神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加

【化身忍者と協力して戦う】

アルヴィナの因縁も長くなりましたね・・数々の苦渋を舐めさせられましたが、今回で終わりにしましょう。首塚の一族の皆さんにも平穏を捧げたいですし。

あのアルヴィナの手勢、打てる手は打っておきたいですね。化身忍者の皆さん、協力お願いします。

時間を掛けると不利になりますね。【高速詠唱】【全力魔法】【限界突破】で氷晶の矢を発動。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【部位破壊】【目潰し】【武器落とし】を付与して殲滅します。

敵の攻撃は【残像】【第六感】【心眼】で凌ぎます。

さあ前座はさっさとどいてください!!僕と奏の狙いはアルヴィナです!!




「アルヴィナの因縁も長くなりましたね……」
 先行した落武者たちが悉く雷で蹴散らされてゆくのを眺めている神城・瞬(清光の月・f06558)の話しぶりは、どこか懐かしさと焦りが含まれている。
 ――幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』と初遭遇してから、2年半。
 最近はグリモアも居場所を語らなくなっていたが、オウガ・フォーミュラ『クルセイダー』討伐が見えた今、突然居所が判明したのはグリモアの導きだろうか。
「数々の苦渋を舐めさせられましたが、今回で終わりにしましょう」
 首塚の一族の皆さんにも平穏を捧げたいですし……と呟く瞬に合わせるように、真宮・奏(絢爛の星・f03210)も力いっぱい頷く。
「今度こそ終わりにしますよアルヴィナ!! 色々酷い目に会いましたが今回で終わりです!!」
 岩山の麓にいるであろうアルヴィナに宣戦布告しつつ、奏は改めて落武者の集団に目を向けた。
 一見すると、落武者たちは刀のみを携え、『首塚の一族』のみを狙って進軍しているようにも見えるが、魔軍将『風魔小太郎』が憑装している落武者ゆえ、隠し玉のひとつやふたつは持ち合わせていてもおかしくない。
 事実、抜身の刀は太陽光を受けて妖しく光っているゆえ、何か塗布されていてもおかしくはないだろう。
 何が塗布されているのかは、もう少し近づいてもらわないと見極められそうにないが。
「あのアルヴィナの手勢、油断できません。化身忍者の皆様、助けていただけるととても心強いです!!」
「ええ、打てる手は打っておきたいです。お願いします」
 傍らに集まった化身忍者達は、ふたりの頼みに大きく首肯。
「承知した。だが間に合わぬ可能性もある故、ご自身でも用心召されよ」
「はい! お願いします!!」
 愛用のエレメンタル・シールドを手にしながら、奏も満面の笑顔を化身忍者達に向け頷いていた。

「はっ!!」
 化身忍者達が投げた煙玉が地面で炸裂し、落武者と猟兵達を煙に包み込む。
 これで衝撃に紛れた斬撃波は見分けがつきやすくなったはずだが、妖しく光る刀は相変わらず油断がならない。
「これは、時間を掛けると不利になりますね」
 接近戦は不利と判断した瞬は、早口で詠唱しながら六花の杖を軽く一振りし、700本の氷の矢を宙に浮かべる。
「さて、これを見切れますか?」
 六花の杖で落武者たちを指差すと、宙に浮く氷の矢が一斉に落武者のみを狙って降り注ぐ。
 麻痺と目潰しの術式が練り込まれた氷の矢は、次々と落武者に命中し、封じ込められていた術式を解放。
 直撃を受けた落武者は、冷気や麻痺の術式で動きが鈍り、視界が閉ざされて進行方向を見失った。
 麻痺と目潰し、両方を受けた落武者は、手にした刀を落としながら、緩慢な足取りであらぬ方向へ向かい始める。
 やがて、目を潰され危険すら認識できなくなった落武者は、岩山の南端から足を踏み外し、海に転落した。
 だが、全ての落武者が麻痺や目潰しを受けたわけではないらしく、一部の落武者は妖しく光る刀を両手で保持しながら、煙に閉ざされた視界をものともせずにぐんぐん登ってくる。
 登って来た落武者たちは、既に倒された落武者たちの無念を纏っているのか、剣呑な気配がオーラのように立ち昇らせていた。
「まずいです! 瞬兄さん!!」
 トリニティ・エンハンスで炎と水、風の魔力を纏い、さらに愛用のエレメンタル・シールドに翠のオーラを纏わせながら、奏が瞬の前に割り込む。
 直後、落武者たちが一斉に妖しく光る刀を勢いよく振り下ろし、横一直線に空間を薙いだ。
 ――ゴウッ!!
 斬撃が怨念籠る衝撃波となり、煙を吹き飛ばしながら、奏と瞬、そして化身忍者達を襲う。
 奏はタイミングを合わせて盾を掲げ、そのほとんどを受け止めはしたが、幾重にも重なった衝撃波が連続して盾を叩いた。
「くぅっ……!!」
「がっ……!!」
「ぐはっ!!」
 衝撃波が盾を叩く音に紛れ、化身忍者達の呻き声と斬られる音が木霊する。
 衝撃波そのものは煙で軌道を見極めやすくなっていたのだが、衝撃波に鋭刃の如く万物を切り裂く術が籠められているとまでは見極め切れておらず、一瞬対応が遅れてしまったのか。
 斬られて怯んだ空気を察したか、落武者たちが一気に距離を詰め、妖しく光る刀を化身忍者向けて力まかせに振り下ろす。
「猛毒か!! 各々気を付けられよ!!」
 化身忍者のひとりが、刀を間近で見てようやく妖しく光る原因を察したか、警告がてら大声を上げた。
 直後、その声を聞きつけた落武者が化身忍者の下に駆けつけ、一刀のもとに斬り伏せた。
「が、ふ……っ!!」
 妖しく光る刃に斬られた化身忍者は、一瞬地面に膝をついた後、全身を激しく痙攣させ、泡を吹きながら事切れた。
 その様は、奏や瞬、そして他の化身忍者達の思考に、重大な警告として突き刺さっていた。
 ――たった一筋でも、猛毒を塗布した刀に掠められたら命はない。
 猟兵であれば、毒が回り切る直前にグリモア猟兵が緊急回収してくれるかもしれないが、化身忍者達はそうもいかないだろう。
「おりゃ~!!」
 変わらず迫る落武者に対し、奏が盾を突き出しつつ翠の衝撃波を発射し、一気に押し戻す。
「さあどいてください!! 私と兄さんの本当の狙いはアルヴィナです!!」
「ええ、前座に用はありません!!」
 瞬もまた、再び氷の矢を生み出し、奏の衝撃波に追走させるかのように、アルヴィナへの道を開くように落武者に降り注がせ、次々と凍らせていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鹿村・トーゴ
あるびな嬢かー…いや
先に風魔憑きの落武者だな
>化身忍
オレは鹿村
憑き物と毒はオレら化身忍にも常套
…?この匂いって【毒使い、薬品調合】痺れ薬?
オレは正面から敵を弱らせる算段だが
接近戦も警戒だな…背後から頭を潰そう

>敵
常時【野生の勘で追跡】し【毒耐性、激痛耐性】で堪えて力押し
UCは全弾視認性低い物を射ち【念動力】で加速させ刺し撃つ
毒は痺れ薬と傷口の爛れるやつだ【毒使い】
欠損による加速妨害し敵の動きを鈍らせたい
体切断も身軽、なんて判断マトモじゃねーな
肉弾戦は近接避け槍化した猫目雲霧で【カウンター/串刺し】
【ロープワーク】で縄を付けたクナイも振り回しなぎ払い、時に【投擲】し首を掻き斬る【暗殺】

アドリブ可




「あるびな嬢かー……いや、先に風魔憑きの落武者だな」
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)もまた、久しく耳にしていなかった名を聞きつけ、急ぎ鬼ヶ城に馳せ参じたひとり。
 一刻も早く幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』と刃を交えたいと逸る気持ちを押さえながら、まずは城内の化身忍者達に接触した。
「オレは鹿村」
「噂は聞き及んでおる。助太刀いただけるのは心強い」
 化身忍者達の思いもよらぬ反応に、驚きで一瞬だけ目を見開くトーゴ。
 おそらく、『首塚の一族』を護る化身忍者達は幕府直属ゆえ、幾度となく一族を護り通してきたトーゴの評判を耳にしていたのだろう。
「となると、凡そあの落武者らの手口は見当がついている、と」
「ああ。憑き物と毒はオレら化身忍にも常套」
 首肯しながら、トーゴは岩山を登るように吹き込む風に混ざった匂いに眉を顰める。
「この匂いって……痺れ薬?」
「同感だ。おそらく散布して弱らせるつもりと見た」
「オレは正面から敵を弱らせる算段だが、接近戦も警戒だな」
 なら、背後から頭を潰そうと心に決め、トーゴは手ぬぐい状の猫目雲霧を槍へと変化させた。

 城外に出たトーゴは、常時野生の勘を働かせ、三方から迫る落武者を待ち受ける。
 万が一、毒を真正面から受けても、生来の毒と激痛に対する耐性で耐えて力押しするつもりではいるが、肉弾戦は極力避ける方向だ。
「羅刹には馴染み深い石だ、こんな芸当もこの鉱石ならでは、だねェ」
 懐から痺れ薬と傷口が爛れる毒を塗布した141個の黒曜石の鏃を取り出すや否や、空中に投げつけ念動力で加速し、登ってくる落武者たちを狙い撃つ。
 落武者達は毒鏃を見かけても回避せず、頭や首、四肢に次々と鏃を受けていった。
 いざとなれば欠損すら厭わないゆえ、落武者達に黒光りする鏃を回避する気は最初からなかったのだろうが、それこそがトーゴの狙い。
 やがて、落武者たちが毒鏃を受けた部位が徐々に痺れ、傷口そのものも爛れ始める。
 頭や首に毒鏃を受けた落武者は、早くも毒が全身に回り、ぎこちなく倒れ伏しながら事切れた。
 一方、腕や脚に受けた落武者は、躊躇わず四肢を刀で斬り落として身軽になり、一気に化身忍者とトーゴに迫る。
(「体切断も身軽、なんて判断マトモじゃねーな」)
 それ自体はオブリビオンと化した落武者の特性ではあるけれど、四肢を欠損させても尚動けるのは不気味この上ない。
 ならば、とトーゴは槍化した猫目雲霧を突き出し、迫る落武者の心臓を一撃で貫き、葬った。
 事切れた落武者から猫目雲霧を引き抜きつつ、トーゴはさらに縄を縛り付けたクナイを振り回し、落武者たちの首を掻き斬ってゆく。
 クナイをかいくぐり再び肉薄しようとする落武者の心臓を、トーゴは再び猫目雲霧で貫き、確実に葬っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

褐返・紫黒
忍びのことは同じ忍びに聞く方が円滑に事が運んで良いさね。
特に技術云々ってのは素人がどうこうできる代物じゃあない。
化身忍者達に力を貸して貰うようお願いするつもりさ。
「補佐の方、よろしくお願いするよ。だんな♪」

開けた場所ってところじゃなさそうだから傀儡達は使わない。
斬った張ったは愛刀『久道』の脇差の一振りを使おうかね。
使う剣技は【音無】。剣速を更に増すために早業を使うよ。
オーラ防御で身体護んなくちゃあ怪我しちまう。

化身忍者のだんなと一緒に一人ずつ落武者を倒していく。
助言に従いながら戦い方を変えて襲ってくる者を斬るよ。
暫くしたらあちらさん(落武者)も慣れしてくるかもねぇ?
なら…フェイントと残像を使ってちょいと変化させてみようか。
抜刀にみせかけて一歩後退とか剣筋を変化させてみましょうか♪
熟練の忍びってことだからどれだけ効果的かわからないけどね。

最近は生業ばかりで随分と鈍っているかと思っていたが…。
案外とすんなり身体が動くようだから安心したねぇ。
これならまだまだ第一線で戦える自信がついたよ♪




 険しい岩山の頂上に迫る『風魔小太郎』を憑装した『落武者』の群れは、駆け付けた猟兵達によって着実に排除されてはいる。
 だが、いまだ全てを駆逐するに至っていないのか、残っている落武者たちが、城の西側からゆっくりと岩肌を踏みしめるように登ってくる。
 そんな光景を、ケットシーの褐返・紫黒(人形廻し・f23260)は、岩山の頂上にある城から戦場の偵察を兼ねて眺めていた。
 今、城に迫る落武者たちは、一見すると戦場にて落命した武士がそのままオブリビオン化した存在に見えるが、それにしては足さばきがあまりにも武士らしくない。
 おそらく、魔軍将が一『風魔小太郎』が憑装しているため、足さばきが変わったと思われるが、だからこそ、忍びの業で紫黒の不意を討ち苦しめてくるのは容易に予測可能。
「忍びのことは同じ忍びに聞く方が、円滑に事が運んで良いさね」
 特に技術云々ってのは、素人がどうこうできる代物じゃあないから、紫黒は素直に化身忍者の教えを請うことに。
「補佐の方、よろしくお願いするよ、だんな♪」
「おう、まかしてくれや。風魔の特徴、ようやく見極められそうだからよ」

 城を囲む簡素な木柵の前で、紫黒と化身忍者は登って来た落武者達と相対する。
 もし、周囲に開けた場所があれば、傀儡達を使い数で攻めるつもりだったが、三方を海に囲まれた岩山に開けた土地はほぼないため、城前で相手するしかなかった。
 貴重な平地で斬った張ったを行うために、紫黒は愛刀たる脇差の一振り『近江守久道』に手をかけながらオーラを纏い、全身の護りもしっかりと固めておく。
 ――身体護んなくちゃあ、怪我しちまうからね。
 そう、紫黒が考えていると、さっそく落武者の一人が素早い一撃を放たんと接近。
「紫黒殿! 左!」
「あいよ!!」
 化身忍者の助言に従いながら、紫黒は左から繰り出された肉体の欠損すら厭わぬ素早い一撃に合わせるように久道を抜いて自動反撃し、落武者を弾き飛ばす。
 刀を弾き飛ばされた勢いでよろめいた落武者が体勢を立て直し、久道を鞘に納めている紫黒を殴ろうとするが、そうはさせぬと化身忍者のクナイが素早く落武者を斬り伏せ、地面に沈めた。
 紫黒が用いる剣技【音無】は、絶大な威力を誇る代わりに、用いる度に必ず納刀しなければならないのが難点だが、納刀の隙を埋めるように化身忍者がクナイや手裏剣で牽制してくれるため、紫黒がいらぬ反撃を喰らうこともない。
 そうして化身忍者のだんなと連携し、確実に落武者を仕留めていると、やがて落武者達は自ら身体の一部を削ぎ落し、さらに速度を上げた一撃を放つようになってきた。
(「あちらさんも、慣れして来たねぇ」)
 ――ならば、フェイントと残像を使ってちょいと変化させてみようか?
 首を薙ぎ払わんと高速で振るわれた刃を、紫黒は久道の柄に手をかけたまま抜刀せず、そのまま一歩後退してギリギリ回避。
 追撃とばかりに落武者の口から麻痺薬が霧状に噴き出すが、後退したおかげで影響はない。
 憑装している輩が熟練の忍びだから、どれだけ効果的かはわからないが、フェイントでほんの少し太刀筋をずらし、残像を囮に惑わせていれば、間合いを外された落武者たちの刀は空を切り、紫黒や化身忍者を捕らえられなくなってきて。
 そんな落武者達の数を、紫黒と化身忍者は連携して真っ向から切り伏せ、時に回避からの自動反撃で叩き斬りながら、確実に減らしていった。


 しばらく斬った張ったを繰り返していると、やがて周囲に静寂が訪れる。
 改めて周囲を見回した紫黒の目に、山を登ってくる落武者の姿は入らない。
(「最近は生業ばかりで随分と鈍っているかと思っていたが……案外とすんなり身体が動くようだから安心したねぇ」)
 ――これならまだまだ第一線で戦える自信がついたよ♪
 紫黒がほっと一息ついた、その時。
「あ~、落武者たちの反応がないと思ったら、やっぱり邪魔が入っていたか~」
 蒼白を基調にした僧服の女性が、城の西側から焦りと陽気さが綯い交ぜになった声を上げながら姿を現した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『獣狩りのアルヴィナ』

POW   :    零距離、取ったよぉ!
【瞬時に間合いを詰めて、パイルバンカー】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    躱せるものなら躱してみなよ!
【対猟兵用クレイモア地雷】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    キミも料理してあげようか?
戦闘中に食べた【調理済みの肉】の量と質に応じて【身体能力強化と自動回復能力を得て】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:たけ姫

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●サムライエンパイア・紀伊国――鬼ヶ城付近
「あ~あ、やっぱり真正面から落とすのは無理だったかぁ」
 何か猟兵って、狙いすましたように邪魔してくれるよね……とぼやきながら、幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』が姿を見せる。
「こうなったら、邪魔な猟兵を養分にして、ついでにこの城の人間全員、料理しちゃお♪」
 あっけらかんと物騒な事を口にしつつ、右手のパイルバンカーを構えたアルヴィナを見て、化身忍者達は『首塚の一族』の護衛につくべく、頷き合いながら城内に引き返す。
 そんな化身忍者達を興味なさそうに一瞥した後、アルヴィナは改めて猟兵達に視線を移し、にたぁ、と嗤った。

 ――それは、目の前の猟兵達を邪魔物かつ獲物と認識した、獣が浮かべる嗤い。

 猟兵もまた、城内に引き返した化身忍者をちらりと見やると、化身忍者も何か心得たとばかりに頷き返す。
 もし、猟兵が助力を求めれば、化身忍者も手を貸してくれることだろう。

 さあ、猟兵たちよ。
 目の前に現れた猟書家は、新鮮な闘争を求めし戦闘中毒者『獣狩りのアルヴィナ』。
 今も尚『首塚の一族』の命を狙わんとする彼女の首級をあげ、『首塚の一族』の命運を守り切れ。

 ――健闘を、祈る。

※マスターより補足
 第2章は猟書家『獣狩りのアルヴィナ』との純戦です。
 アルヴィナには魔軍将は憑装されておりませんので、汚い手段を用いることはございません。
 また、猟兵達を無視して鬼ヶ城内に突入することもありませんので、全力で対峙してください。

 1章で共闘した化身忍者は、城内で『首塚の一族』の護衛を優先しつつ、猟兵とアルヴィナとの戦いを見守っておりますが、猟兵から要請があれば、煙玉と手裏剣による支援攻撃を行ってくれます。
 支援攻撃が必要な場合、もしくはほかの助力が必要な場合は、その旨プレイングに記入をお願いします。

 ちなみに、アルヴィナはオウガ・フォーミュラ『クルセイダー』が撃破された事実を知りません。
 撃破されたことを伝えるか否かは、皆様にお任せ致します。

 ――それでは、戦を望む狩人との最善の戦いを。
真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加

もしかして、自分の野望を果たすことに必死でそれ以外の情報は耳に入ってませんでした?これはこれは。随分苦渋を飲まされた相手ですか、今の彼女はむしろ哀れに見えます。

でも、その凶暴性、齎す被害、決して見過ごせません。ここで討ち果たしましょう。

トリニティ・エンハンスで防御力を上げ、パイルバイカーでの一撃は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【受け流し】【ジャストガード】で受け止めます。うう、痛い上に重い!!でも【激痛耐性】で何とか耐えますよ!!

兄さん、今です!!兄さんの攻撃に併せて【怪力】で【シールドバッシュ】で攻撃します!!


神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加

まあ、自分のやりたい事に必死なら、首領の死を知らない可能性がありますか。随分酷い目に遭わされた相手ですが、無様ですね。

でもそれまでの経験から危険性も熟知してますので確実にここで打倒しましょう。

敵の攻撃を引き受ける奏の負担が大きいので出来るだけ早く援護したいですね。念の為に【オーラ防御】【残像】【心眼】で回避の準備はしておきますが、敵の攻撃は近づかなければ当たりません。距離を離れて術を【高速詠唱】します。そして疾風閃を発動。

【限界突破】も併せて【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】も疾風閃に併せます。手加減はしません。ここで終わりです。




「こうなったら、邪魔な猟兵を養分にして、ついでにこの城の人間全員、料理しちゃお♪」
 右手のパイルバンカーを構えつつ、物騒なことを口にする幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』を見て、真宮・奏はある違和感を抱く。
(「アルヴィナは、クルセイダーが既に倒されたことを知らないのでしょうか?」)
「……まあ、自分のやりたい事に必死なら、首領の死を知らない可能性がありますか」
 奏の疑問を代弁するように神城・瞬がさらりと零した情報に、一瞬アルヴィナの表情に「?」が浮かんだように見えた。
 その、意外な反応に、瞬は思わず眉を顰めるけど。
(「知らないとなれば、少し利用できるかもしれません」)
「もしかして、自分の野望を果たすことに必死で、それ以外の情報は耳に入ってませんでした? ……これはこれは」
 瞬はあえてわざとアルヴィナを嘲るように呼びかけ、出方を伺う。
 だが、アルヴィナはそれには答えず、無言でパイルバンカーを構えて奏に突撃した。
「随分酷い目に遭わされた相手ですが、無様ですね」
 その、あまりにも短絡的に見えるような行動に、思わずため息をつく瞬。
 今のアルヴィナは瞬の挑発に乗ったかのように見えるが、今までの交戦経験からアルヴィナの危険性は熟知しているから、挑発に乗って短絡的な行動をしているように見えても油断はできない。
「確実にここで打倒しましょう」
 銀のオーラを纏いつつ、魔術で残像も生み出しながらアルヴィナから距離を取る瞬を護るように、奏は全身に炎と水、そして風の魔力を纏い、愛用のエレメンタル・シールドを両手で構えて突進を受け止めようと踏ん張る。
「零距離、取ったぁ!!」
 奏が防御体制を取ると同時に、アルヴィナが瞬時に間を詰め、エレメンタル・シールドごと奏の胴を貫かんとパイルバンカーを勢いよく突き出した。
 奏もまた、翠のオーラを濃密に纏わせたエレメンタル・シールドをジャストのタイミングで突き出し、先端の鋭い杭を逸らそうとするが。
 ――ガンッ!!
 パイルバンカーの杭の先端がエレメンタル・シールドに触れた瞬間、パイルバンカーから杭が撃ち出され、奏を勢いよく後退させながらエレメンタル・シールドごと両手を貫いた。
 エレメンタル・シールドに大きな穴を開けられ、両手を傷つけられた奏の顔が、激痛に歪む。
「うう、痛い上に重い!!」
「もし、クルセイダーが死んだのがホントだとしても、首塚の一族を狩れば、まだ状況は変えられるでしょ♪」
 そんな奏の必死さを眺めつつ、アルヴィナは嗜虐的な笑みを浮かべながら、さらにパイルバンカーの杭をねじ込むように押し込んだ。
(「敵の攻撃を引き受ける奏の負担が大き過ぎる、出来るだけ早く援護しないと!」)
 三重の魔力の護りと翠のオーラ、そしてエレメンタル・シールドの護りすら強引に打ち破るパイルバンカーの威力を目にし、瞬は高速で術式を練り上げ、六花の杖を一振りする。
「疾風よ、奔れ!!」
 杖の先端から、命中したものを容易に切断する衝撃波が放たれ、一直線にアルヴィナに迫る。
 宙を迸る衝撃波を見て、アルヴィナは奏を突き飛ばすように離れ、衝撃波にパイルバンカーを向けた。
 おそらく、パイルバンカーで衝撃波を裂くつもりなのか、突き飛ばされよろめく奏には目もくれない。
「そう簡単には吹っ飛ばされないよ♪」
 どっしり構えながら、アルヴィナは血に塗れたパイルバンカーの先端を衝撃波目がけて突き出した。
 尖った杭の先端は、常人であれば容易に吹き飛ばされるであろう衝撃の波に逆らうよう食い込み、真っ二つに引き裂く。
 そのおかげか、衝撃波の直撃は逃れたが、引き裂かれた魔力の波の余波が至近距離からアルヴィナに降りかかった。
「……ッ!! 目が!!」
 魔力の残滓を浴びたアルヴィナが、左手で目を押さえ、パイルバンカーを引いた。
 ――瞬が放った衝撃波には、目潰しと麻痺の術式が織り込まれている。
 ただ裂くだけでは、動きを制約するような術式を破ることは……できない。
「ううっ!」
「兄さん、今です!!」
 隙ありと見たか、起き上がった奏が穴の開いたエレメンタル・シールドを構え、再度突撃。
「手加減はしません。ここで終わりです!」
 瞬も奏の突撃に合わせ、さらに目潰しと麻痺の術式を織り込んだ衝撃波を撃ち出した。
 目を潰されているアルヴィナは、奏のシールドバッシュをパイルバンカーで迎え撃ちつつ、衝撃波の音を頼りに回避しようとするが、麻痺した身体は満足に動かず、横っ腹を衝撃波で切り裂かれてよろめく。
 直後、奏のエレメンタル・シールドがアルヴィナの真正面を激しく打ち、吹き飛ばした。
「随分苦渋を飲まされた相手ですが、今の彼女はむしろ哀れに見えます」
 未だ首級が生きていると信じ、足掻くアルヴィナの姿に、奏も憐憫の情を抱かざるを得ないけど。
 その凶暴性、齎す被害は決して見過ごせないから、過度の情も抱けない。
「やれるならやってみたらどう? ボクは目的を果たすまで退く気はないからね♪」
「ここで討ち果たさせてもらいます!」
 麻痺で強張った身体を無理やり動かしながら起き上がろうとするアルヴィナに、奏と瞬は再びそれぞれの得物を構え、再度挑みかかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鹿村・トーゴ
化身忍から煙玉を貰いボス戦離脱願う
なんせ無差別だからな
お久しゅうあるびな嬢
羅刹のオレも闘争に昂ぶる性質
存分にやろーじゃねーか
×念動力で肉弾戦挑む
口角上げ牙を見せ笑い
UC全強化
代償毒を常時【激痛耐性】凌ぎ
右腕を黒曜石の鉤爪化し接近
敵武器と殴り合い+掴んで撃たせず
左手のクナイで斬り関節打ち、動き阻害
武器保定し蹴りも混ぜ傷蓄積狙う
>地雷被弾時
【軽業】+布の猫目雲霧広げ【武器受け】直撃軽減を

煙玉で目くらまし

敵の追撃逸らし目視で動き【追跡、忍び足】手裏剣【投擲】
防御させ隙誘い音で位置確信
跳び接近→武器踏み背を蹴り体勢崩し背後からクナイで腎【串刺し】
右腕鉤爪で後頭部から背を【傷口をえぐり暗殺】

アドリブ可




「お久しゅうあるびな嬢」
 化身忍者から貰った煙玉を懐に隠しながら、鹿村・トーゴは幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』に声をかける。
「羅刹のオレも、闘争に昂る性質。存分にやろーじゃねーか」
「望むところだよ!」
 多少の傷はものともせず、パイルバンカーを構えるアルヴィナに、トーゴは口角を上げ牙を見せ笑いながら、己が身に妖怪と悪鬼、さらに幽鬼を降ろし、肉体の超強化を図った。
 降魔の代償として全身が毒で蝕まれ、四肢の筋肉や関節が激痛を訴えかけてくる。
 だが、トーゴは歯を食いしばって無理やり激痛を押し殺しながら、右手を黒曜石の鉤爪へと変化させつつ疾走し、アルヴィナに接近される前に逆に接近。
 アルヴィナがパイルバンカーを持ち上げようとしたが、トーゴはそれより早く、パイルバンカーを押さえつけるように上部に殴りつけた。
「くっ……!」
「これで撃てないよな?」
 トーゴの怪力と黒曜石の鉤爪でしっかり押さえつけられ、びくともしないパイルバンカーを何とか持ち上げようとアルヴィナが足掻いている間に、トーゴはさらに左手のクナイで右腕の関節を打つように斬りつけ動きを阻害し、蹴りで追い打ちをかけようとした、その時。
「躱せるものなら躱してみなよ!」
 アルヴィナは痛みをこらえ蹴りを避けつつ、懐から対猟兵用クレイモア地雷を取り出し、トーゴに投げつけた。
 直撃を避けるべく、トーゴは黒曜石の鉤爪をパイルバンカーから離しつつ、左手のクナイを素早く手拭い状の猫目・雲霧に持ち替え、クレイモア地雷を巻き込むように眼前に振るう。
 投げつけられたクレイモア地雷は、手拭いに巻き込まれて逸らされ、あらぬ方向へと飛んで行き……。

 ――ドムッ!!

 トーゴの背後――鬼ヶ城の方角で、クレイモア地雷が爆発した。
 幸い、鬼ヶ城には直撃せず、化身忍者や首塚の一族にも被害はないようだ。
 一歩間違えればと考えると思わず背筋に寒気が走るが、トーゴはすぐ気を取り直し、煙玉を投げつけ目を晦ませながらアルヴィナの追撃を逸らした。
「ゴホッ、ゴホッ……」
 アルヴィナが煙を吸い込みせき込んでいる間に、トーゴは足音を殺しながら煙に紛れ、手裏剣を投げつける。
「っ!?」
 アルヴィナの呻き声と同時に、金属と金属が衝突する甲高い音が響いた。
 おそらくパイルバンカーで防御されたが、その音の大きさと向きから煙中での居場所を確信したトーゴはすぐさま跳躍し、パイルバンカーを足場に二段ジャンプ。
「なっ!?」
 パイルバンカーを踏まれて驚くアルヴィナの背を、トーゴは強く蹴りながら身を捻り、アルヴィナの背後を取った。
 アルヴィナは視界の利かぬ煙中で背を蹴られ、思わず前につんのめる。
 隙ありとばかりに、トーゴはクナイで腎の臓を串刺しにしつつ、後頭部から背にかけて黒曜石の鉤爪を振り下ろした。

 ――ザクッ!!

「うあっ……!!」
 腎をクナイに貫かれ、背中を派手に斬り裂かれたアルヴィナは、勢いを殺し切れず大きく前によろめいた。
 ――獰猛な獣狩りは、着実に追い詰められつつある。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「縮地は貴女だけの専売ではありません。それでは鬼ごっこでもしましょうか」
嗤う

「鬼サンこちら、手の鳴る方へ」
20mほど空中で嗤いながら手を叩き挑発しながら無数の雷火放つ
敵が縮地した瞬間こちらも仙術+功夫で縮地(短距離転移)し距離をとる
黄巾力士も同じく20mほど空中から砲頭と金磚で制圧射撃
敵の行動を阻害し雷火が当たりやすくする

「杭打ちなど所詮屠殺銃以下、性能などとっくに把握済みです。物珍しさ以外取り柄もない。何故仙の私が地を這う貴女と同列で争わなければならないのです?」
嗤う

「そう言えばオウガ・フォーミュラも骸の海に還ったと聞きますし、貴女も疾く彼の方の下に馳せ参じたらいかがでしょう」
雷火操り嗤う




「やってくれるじゃない……ちょっとやられすぎちゃった」
 背中をざっくりと裂かれ、軽く顔を顰める幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』の姿を眺めつつ、鳴上・冬季はさて、と思案する。
「杭打ちなど所詮屠殺銃以下、性能などとっくに把握済みです」
 しかし、冬季を前にしても、アルヴィナは杭打ち――パイルバンカーを構える気配はない。
 獣狩りとて、思った以上に負傷が累積すれば、積極的な攻勢に出づらいのだろうか。
 あるいはほかに思惑があるのかもしれないが、理由が何であれ、冬季に手を抜く理由は全くない。
「縮地は貴女だけの専売ではありません。それでは鬼ごっこでもしましょうか」
 口角を軽く上げ、挑発するように嗤いながら、冬季は20m程空中に浮かび上がり、パイルバンカーの射程から逃れた。
「鬼サンこちら、手の鳴るほうへ」
 ――パンッ、パンッ。
 さらに手を叩き挑発しながら、冬季は空中から雷火を降らせ始めた。
 白色に輝き、轟音を轟かせる雷火から逃れるためには、縮地で近づくのが最適解だと冬季には思えたが、しかし何度雷火が落ちようとも、アルヴィナが接近しようとする気配はない。
(「おや、少し読み間違えましたか……?」)
 縮地した瞬間、冬季も戦術と功夫の合わせ技で距離を取るつもりだったのだが、アルヴィナが仕掛けてくる気配は一向になく、隙あらば調理済みの肉を喰らおうと機を伺っている。
 それだけ、先ほど派手に斬り裂かれた背中がじくじくと痛み、気力が奪われているのだろう。
「降りてくる気はないんだ?」
「何故仙の私が地を這う貴女と同列で争わなければならないのです?」
 挑発するアルヴィナに、黄巾力士に砲頭と金磚で周囲を制圧するよう射撃させつつ、冬季も雷火を降らしながら律儀に挑発を返して行く。
 アルヴィナは傷を癒すべく、調理済みの肉を取り出し口元に運ぼうとするが、その都度雷火が落ち、肉を消し炭に変えていった。
 これでは、いくらアルヴィナが自動回復能力を得たくとも、攻撃能力を強化したくともできないだろう。
「そう言えば、オウガ・フォーミュラも骸の海に還ったと聞きますし、貴女も疾く彼の方の下に馳せ参じたらいかがでしょう?」
「ふんっ、嘘で惑わそうとしても通じないからね?」
 猟兵の言葉など信じぬ、と粋がるアルヴィナだが、痛みは隠しきれないらしく、時折表情が歪む。
 それでも手は抜かぬ、と言わんばかりに、冬季はアルヴィナの手が届かぬ空中から、一方的に雷火でアルヴィナを追い詰めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

褐返・紫黒
なんだか相手の上司?が還ったことは知らないようだねぇ。
そこのところはよくわかってないからわたしは伝えないよ。

アルヴィナの装備を見るに近距離接近が得意な感じかねぇ。
…中距離の攻撃方法を隠しているかもしれないけどね…。
自信もついたことだし速度に重きを置いた剣技を使おうかねぇ。
限界突破後の多重詠唱をしながら【神薙 壱之型『建御雷』】。
そうそう。技の速度維持のために継戦能力も使わないとねぇ!
「零距離…貰ったよ!」
『国宗』の一振りを使って可能なら先手を取ってみようか。
油断すると逆に間合いに入られちまうから周囲の警戒はするよ。
そうならないように自信がついても十分に気を引き締めて戦う。
上手いことわたしがアルヴィナの間合いに入りこめたら上々だよ。
そうだねぇ。腕でも一本貰うとするかね。もしくは脚を一本。
まあ斬り飛ばさなくとも筋を斬っちまって使えなくしちまおうか。
「腕か脚…一本貰っていくよ。お嬢ちゃん」
わたしがアルヴィナを倒せるとは思っちゃあいない。
熟練の猟兵達の補佐ができればそれでいいさ。今のところはね。




「く、く……」
 調理済みの肉を悉く消し炭に変えられ回復と強化を阻止された挙句、徹底的に雷火で打ち据えられ、幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』は肩で大きく息をつきつつ、時折痛みに呻いていた。
「でも、まだ終われないんだよ……」
 それでもなお、戦意が萎えないアルヴィナの様子を見て、褐返・紫黒は軽く首を傾げていた。
(「なんだか、上司? が還ったことは知らないようだねぇ」)
 オウガ・フォーミュラ『クルセイダー』は、魔軍将が一『陰陽師「安倍晴明」』に精神を圧し潰された挙句、肉体まで猟兵に滅ぼされている。
 そこのところ、紫黒はよくわかっていないから、伝えはしないし、伝える気もないのだけど。
(「それに、熟練の猟兵たちが何度伝えても、信じないようだしねぇ……」)
 別の猟兵たちが首級――クルセイダーが討たれたと伝える都度、アルヴィナが否定している様子は紫黒も目にしてきているから、これ以上言葉を重ねても無駄だろう。
 だから紫黒は、言葉を重ねる代わりに、アルヴィナの容姿と装備をよく観察する。
 現在、アルヴィナの装備と言えるものは、右腕に装着しているパイルバンカーくらい。
 中距離の攻撃方法を隠しているかもしれないが、ゆったりとした衣服の下に何が隠されているか、推し量るのは難しい。
 ならば、紫黒が取り得る手段は――速度重視の一撃。
(「自信もついたことだし、速度に重きを置いた剣技を使おうかねぇ」)
『……雷神の名の元に……』
 紫黒は目を閉じ、鞘に納めた一尺七寸の脇差『宇多国宗』の柄に手を添えながら、詠唱を開始する。
 技の速度を維持するためには、継戦能力も重要となるだろうから、紫黒は限界を超え、幾重にも呪を重ねてゆく。
 だが、敵の目の前で詠唱を続けるということは、相手に隙を見せると同時に、相手に回復の機会を与えるということになり。
「うーん、今なら食べられそうかな~?」
 詠唱を続ける紫黒を見て、アルヴィナは今だと調理済みの肉を取り出し、口に運ぶ。
 その瞬間、紫黒はカッと目を見開き、国宗を大きく振り上げた。

 ――零距離……貰ったよ!!

 アルヴィナの決め台詞を奪う勢いで紫黒が国宗を逆袈裟に振り上げると、直線状に稲妻のような電光が迸る。
 それは、雷を帯びた風を吹き荒れさせながら、アルヴィナが手にした調理済みの肉を粉砕した。
「くっ……!!」
 肉を粉砕されたアルヴィナが呻く頃には、紫黒もまた、身を屈めて一気に駆け出している。
「そうだねぇ。腕でも一本もらうとするかね」
 もしくは脚を一本もらうかね? と軽く嘯きながら、紫黒が目指すのはアルヴィナの懐。
 油断すると逆に間合いに入られるから、自信がついてもなお十分に気を引き締め、周囲の警戒は怠らない。
 無鉄砲に突撃したように見えて、実は周囲をよく観察し見出した道筋を、紫黒は一気に走り抜けてアルヴィナの懐に飛び込んだ。
 そのまま至近距離から国宗を構え、腕を狙う。
「取らせはしないよ!!」
 アルヴィナも咄嗟にパイルバンカーでガードしようとするが、小柄なケットシーの紫黒は身を屈めてそれを避け、国宗を一気に左腕目がけて振り上げた。

 ――斬!!

「う、ぁ……っ!!」
 紫黒の国宗の一閃は、アルヴィナの左腕を腱ごと深々と切り裂く。
(「落としたかったけど、さすがに目測が狂ったねぇ……」)
 だが、無理に斬り飛ばさなくても、筋を斬って使えなくしてしまえば上等だろう。
(「そもそも、わたしがアルヴィナを倒せるとは思っちゃあいないからねぇ」)
 トドメは熟練の猟兵達に任せればいい。
 ――あくまでわたしは、彼らの補佐ができればそれでいいさ。
(「ま、今のところは、だけどねぇ」)
 引導を渡したければ、もっと経験を積むのが一番。
 そう考えている紫黒は、見知らぬ猟兵の一尺七寸の脇差気配を察すると、国宗を鞘に納めた。
「ここまでやっておいて、逃げるつもりかな?」
「どうやら、わたしより引導を渡すに相応しい猟兵がいるようだからねぇ」
 その言葉に対し、アルヴィナが何か反応するより早く、紫黒はさっと身を翻して戦場を後にした。

 ――そして、幹部猟書家との戦は、宿縁の戦いへと移る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白石・明日香
どこを見ても獣ばかりだな・・・お前もそう思うだろ?
それともお前も血に呑まれたか?まぁ、どうでもいい。お前みたいな狩人を狩るのもオレの役目だからな。
本当の獣狩りを見せてやるよ!
残像で攪乱しながらダッシュで接近。最も奴にとってはこんなのは脅しにしかならんな。攻撃するのは一瞬。その時に質量の在るハイタッチを決めればいいのだからな。
ならば第六感で奴の攻撃が来る前に先制攻撃、怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃でその首を落とす!
あれだ。警句を忘れた狩人の末路は大体こんなものさ・・・・
かねて血を恐れたまえ




 身を翻し撤退した猟兵の代わりに、満身創痍の幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』の前に現れたのは、白石・明日香。
「どこを見ても獣ばかりだな……お前もそう思うだろ?」
 ――それとも、お前も血に呑まれたか?
 妙に冷めた声音で、明日香はアルヴィナに挑発交じりの疑問を突き付けるが、その心中は穏やかではない。
 この幹部猟書家だけは……己が手で宿縁ごと狩り取らねばならない気がしてならないのだ。
「まぁ、どうでもいい。お前みたいな狩人を狩るのも、オレの役目だからな」
「ふんっ、狩人ならなおさら狩りがいがありそうだね♪」
「本当の獣狩りを見せてやるよ!」
 アルヴィナがパイルバンカーを構えたのを見て、明日香は紅の刀身を持つ『全てを食らうクルースニク』を手に残像で撹乱しつつ、ダッシュで距離を詰める。
 縮地に近い技で一瞬で間合いを詰められるアルヴィナにとっては、先手を取って距離を詰めたところでただの脅しにしかならないが、今はそれで十分だ。
 ――攻撃するのは、ほんの一瞬。
 その時に、質量のあるハイタッチを決められれば、それでいいのだから。
「無鉄砲に突撃してくるなんて、そっちが獣じゃない♪」
 全身の痛みを無理やりこらえながら、アルヴィナはパイルバンカーを構え、明日香が接近するのを待ち構えているように見える。
(「ならば、奴の攻撃が来る前に、その首を落とす!!」)
 明日香は手にしたクルースニクに、確実に討ち取るとの覚悟を炎として宿しながら、さらに距離を詰めようした直後、明日香の目の前から突然アルヴィナの姿が消え、瞬間移動したかのように明日香の目の前に現れた。
(「先手を逆に取られたか……いや問題ない!!」)
 相手から距離を詰められ、明日香も一瞬目を見開くが、そもそも瞬時に距離を詰めて来るのは最初から想定に入っている。
 ――ならば、今は致命の二撃を放つ、絶好の機会!!
 目の前でアルヴィナがパイルバンカーを引いたのを見て、明日香もクルースニクを両手で構える。
 そして――。

「零距離、取ったよぉ!!」
「虚無に還るがいい!!」

 ふたりの気迫混じりの声が交錯した、その刹那。
 パイルバンカーとクルースニクが、全く同時にお互いの獲物を切り裂くべく突き出され、振り抜かれた。

 ――ドムッ!!
 ――ズシャアアッ!!

 アルヴィナが突き出したパイルバンカーの杭は、明日香の脇腹を僅かに掠めた後空を切り。
 そして、明日香の炎を帯びた二連撃は、アルヴィナの護りを全て破りながらその首を跳ね飛ばしていた。

 首から上を失ったアルヴィナの胴は、地面に倒れた後、跡形もなく消滅する。
 その姿を目に焼き付けながら、明日香はアルヴィナが倒れ伏した場に冷めた声を投げかけた。
「あれだ。警句を忘れた狩人の末路は大体こんなものさ……」

 ――かねて血を恐れたまえ。

 その警句に対し、反応を返す者はもはやいない。
 かくして、獣狩りを討ち取った明日香は、クルースニクを鞘に納めると、そのまま踵を返した。

 ――幹部猟書家『獣狩りのアルヴィナ』、撃破。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月18日
宿敵 『獣狩りのアルヴィナ』 を撃破!


挿絵イラスト