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銀河帝国攻略戦㉗~銀河を総べし者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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 遂に猟兵達は、スペースシップワールドのオブリビオン・フォーミュラ『銀河皇帝』を動かすことに成功した。
「もはや、我が動くしかあるまい」
 玉座に深く座っていた銀河皇帝が、腰を上げる。
「も、申し訳ございません、お手を煩わせてしまい……」
 増援としてやってきた配下へ、腕を振る。
「あ――」
 すると、配下たちは瞬く間に消え失せてしまった。
 エネルギーとして自らの体内に吸収したのだ。
 虚空へと、銀河皇帝は言の葉を置く。
「気にするな。我は端から我しか信じておらぬ」
 帝国旗艦『インペリウム』は彼の庭のようなものだ。
 構造は全て把握しているし、転移による奇襲攻撃も行うことができる。
「我は銀河なり。猟兵よ……なぜ我が皇帝と成れたかを、思い知るがいい」

「ついに、ぎんがこーてーとの決戦なのです! 言うまでもないですが、皇帝はとってもとっても強いのですよ」
 プルミエールは両拳を握って熱っぽく猟兵へと語って聞かせる。力の入れすぎでアクセントがおかしいが、気にしている場合ではない。
「インペリウム内への解放軍艦艇のワープ突入は行えていません。皇帝が封じているのでしょうか……」
 仮にスペースシップワールドの戦艦が全力砲撃を行ったとしても、インペリウムを外から破壊するのは1週間以上かかる見積もりだとプルミエールは告げる。
「勿論、スペースシップワールドの艦隊も、インペリウムへの攻撃が可能なように最善を尽くしているんですけど……それでも、カタストロフ開始までにインペリウムの撃破が可能かはわかりません」
 銀河皇帝の撃破はプルミエールらグリモア猟兵の転移によって、インペリウム内に侵攻が可能な『猟兵』達の活躍にかかっている……それが現状だった。
「私も皆さんを飛ばすんですが、飛んだらすぐに帝王が転移での奇襲をしてくると思ってください。まずはその一撃に対応しないと、苦戦はまぬかれません……」
 一方的に攻撃するという手順は取れない。相手の先制攻撃をどう対処して反撃するか、その点を考えてほしいとプルミエールは告げた。
「大変な状況ですが、みなさんならきっとできるのです!」
 プルミエールの言葉に根拠はない。だが、それでも彼女は笑ってみせた。


蘇我真
 どうも、蘇我です。今回の敵は銀河皇帝です。
 今回は特殊ルールがございます。オープニングでプルミエールも言っていますが、
 ====================
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
 ====================
 とのことなので、この辺り注意してプレイングをかけてみてください。
 みんな頑張りましょう。おー。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

芦屋・晴久
【WIZUC使用】
【診療所チーム】と連携

さて、この戦争も大詰めですか、確実に傷を与えていきましょう。
相手はUCの数だけ先手を打ってくる……では私のUCでお相手させて頂きます。
ワープドライブ・ペネトレーションでの奇襲……探知はお二人に頼みます?
五感を共有するというならば彼等のアクションにも反応が有ると見ました。そこに【全力魔法】を【高速詠唱】にて【五行相生】を船にぶつけましょう。
属性は火、現象は大規模爆発……聴覚、視覚、触覚、共有しているならば皇帝自身にも何れかの妨害が行くはずです。
体積故にこちらへの爆発の被害は少なくできるかと
遠呂智君、銀花君、隙が出来たのなら後は頼みましたよ


遠呂智・景明
【診療所チーム】と連携

奇襲が来たら弥久の動きに合わせてまず舟の位置を探るぞ。こっちも【見切り】だ。
五感を共有してるってんならあわせて【殺気】を放ってみる。反応があるといいが。
一人じゃ数手でも2人ならちっとは早く探れるはずだ。別に全貌を解明する必要もねぇ。少しでも揺らぎが、その姿が捉えられれば。
あとは芦屋に吹き飛ばしてもらうだけだ。

舟にダメージが通りゃ五感を共有してる皇帝も少しは怯むはずだ。そのまま斬り込むぞ。壊れた舟を【地形の利用】で使いつつ足がかりにして【2回攻撃】による連撃でぶった斬る。
多少の痛みは【激痛耐性】で耐える。
一太刀でも多く刻みつけてやるよ。

大将首、少しでも削る!


弥久・銀花
【診療所チーム】で連携です


大将首ですね、芦屋さん、遠呂智さん。

これは、きっと一人でも猟兵全員を狩り尽くせると言う自信の表れでしょう、油断は出来ません。


転移後、皇帝が現れたら、封刃の鞘杖を抜刀術の構えのまま使用します。
使う技能は【クイックドロウ】で【衝撃波】です。

相手の攻撃を【見切る】のは数手必要だと思いますので、何をされるのかはわかりませんが先ずは大雑把に攻撃をして相手の初撃の相殺を狙います!

衝撃波の当りを目印に芦屋さんが道を作ってくれる手筈なので、そこから私と遠呂智さんが斬り込む予定です。

接近できたら我が愛刀、白嵐玉椿を使って【鎧無視攻撃】で皇帝の首に斬り掛かります。



 インペリウム内へと転移した猟兵たち。
 初めに皇帝へ挑むのは診療所チームを冠する3名の面々だ。
(「相手はユーベルコードの数だけ先手を打ってくる……では」)
 晴久の眼前に皇帝はいない。恐らく猟兵が行動を起こした瞬間に転移し、奇襲を仕掛けてくるのだろう。
「其は五行を重ねて――」
 晴久の高速詠唱へと割り込むように黒き槍の船が出現する。
 全ての光を吸収する黒。その船首が忽然と現れ、晴久の身体を貫く。
「来たか!」
 事前の手筈通りに景明と銀花が動く。
 彼ら3名のうち、ユーベルコードを使用するのは晴久だけだった。
 それにより連携でも皇帝が使うユーベルコードをワープドライブ・ペネトレーションに限定させ、行動を確定させる。
 奇襲とは相手の思いもよらぬしかたで、不意をうって攻撃することである。
 どの奇襲が来るかわかっているとなれば、それは既に。
「奇襲では、ない!」
 晴久は自らを先に貫いた黒船へ、炎の爆発をぶつける。
「どうです、皇帝もこれは少しは効いた、でしょう……」
 口の端を僅かにつり上げる晴久。そこからは一筋、血が垂れ落ちる。
 この黒船は皇帝と五感を共有している。炎の大爆発を間近で受ければ耳は爆音で麻痺し、肌は焼けるような痛みを負うことだろう。
「殺気は……あったか?」
 景明の確認に、銀花は僅かに被りを振る。
 黒船の攻撃に殺気は無い。皇帝と五感を共有しているのなら殺気で攻撃を見切れるのではないかという景明の推理は外れた。
 あくまでも黒船は無機物。殺人犯に殺意があっても殺人犯が使う武器に殺意はないのと、同じようなものなのだろう。
「あそこです!」
 銀花の赤い瞳が皇帝の姿を捕らえる。爆発が巻き起こった先だ。大音量に顔をしかめている。
「まあいい、考えるのは後だッ!」
 景明は即座に思考を切りかえて、爆発の先へと疾走する。
 転移の仕組みを考えるよりも先に、やるべきことがある。
「芦屋が作ってくれた好機、逃す訳には!」
 手にした刀で皇帝へ袈裟切りに斬りかかる。
 刃の先が皇帝の胸板を斬り裂く。宇宙空間、血飛沫が玉となって宙を舞う。
「浅いわ!」
「わかっている!」
 皇帝の攻撃が来る。拳を固めてそのまま殴りつけてくるつもりだろう。その前に景明は小手を返した。
「ぬうっ!」
 返す刀で、切っ先が地を擦る。下から跳ね上がってくる刃は、巌流でいうところの燕返し。
 超低空で下半身、脛から太ももへかけての連斬撃。
 皇帝はその一撃を、甘んじて受けた。
「連携か、見事なものよ……!」
 拳で、別の刃を受け止めていた。
「首までは、取れませんか……!」
 銀花だった。景明による2回攻撃の二撃目に合わせて、愛刀の白嵐玉椿で首を落とそうとする。
 その嵐のような一撃は、皇帝の拳の骨に当たって止まった。
「矮小なるもの、弱者の戦い方を心得ている!」
 圧倒的な膂力で刃が押し戻される。皇帝の拳が銀花を殴りつけ、吹き飛ばす。
 景明も、2回攻撃の終わりぎわを狙われ、殴り飛ばされる。激痛耐性で痛みには耐えられるが、物理的に距離が開いてしまった。
 向こうは転移を使って一瞬で差を詰められるが、こちらはそうもいかない。
「どうやら、今回はここまで……だな」
 相手は銀河皇帝だ、同じ手が二度も通じることはないだろう。
 それでも、確かに皇帝へ傷を与えることができた。
 三人は確かな手ごたえを感じるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

斎藤・斎
顔も声も悪くはないけど、残念ながら性格はよくなかったですねえ。
ただ一人でしか有れないのなら、皇帝なんて名乗るんじゃないって思いますけど。
ともあれ、せっかくここまで手は届いたのです。その首、取らせて頂きましょう。

手製爆弾はスペースシップワールドの素材によってめいっぱい強化しました。これを銀河皇帝のユーベルコードにぶつけることで、瞬間的に時空断層を発生させ、その狭間へとエネルギーを霧散させます。
今回は両手で手製爆弾による【猫だまし】を行いますので、私から攻撃はほぼ行えませんが、その分は後に続く猟兵さん達が殴ってくれると信じて――!


エリス・ガーデナー
「あなたがラスボスね!一人で帝国ごっこするなら、もっと遠いトコでやって頂戴!」
オブリビオンの向こう側、とかね!
さて先制されるのは分かってる…パワーにはパワー!
いかな白騎士マインドといえど、それは武器なんでしょ?
ならアタシのやることはシンプル!
無傷の勝利など求めず一気に『ダッシュ』で距離を詰めて『捨て身の一撃』を
その武器目掛けて『武器落とし』て『吹き飛ばし』てやるっきゃないわ!
それも全力のグラウンドクラッシャーで、銀河皇帝の方へ吹っ飛ばしてやるのよ。
御自慢の武器が跳ね返って刺さると二重に痛いでしょう!
キザな顔をブサイクにしてあげる!
使い終えた武器は落としてって!アタシの槍の改造に使ってあげる!



「顔も声も悪くないんだけど、性格が残念でしたねぇ」
 皇帝へ侮蔑の言葉を投げかけるのは斎だ。
「ただ一人でしか有れないのなら、なぜ皇帝を名乗るんですかね」
「……貴様は我と問答をしにきたのか?」
 揶揄する言葉にも、皇帝は表情を変えない。
「まさか。首を取りに来たのですよ」
 斎の両掌に、手製爆弾が出現した。
「!!」
 爆弾を放つ前に、皇帝が転移する。今度は猟兵の背後に回り込み、背中から、黒船を放つ。
 槍の形をした船首が斎を貫く。
「その爆弾は、放てまい」
「いえ……プレゼントです」
 そこまでが、斎にとっては織り込み済みの事象だった。
 己を貫きに来た皇帝の船へ、手製爆弾をぶつける。
「これは……!」
 空間に、亀裂が生まれる。ヒビは広がっていき、その向こうにはまた別の宇宙があった。
「ここ、スペースシップワールドの素材を使って、目いっぱい強化しましたよ」
 発生する時空断層。
 狭間、外宇宙より現れし黒船は、狭間へと還っていく。
「そう来たか……!」
「さあ、今のうちに!」
「わかったわ!」
 斎の声に呼応し、走り出した者がいる。エリスだ。
 彼女の奇襲対策は痛みに耐えてダッシュで距離を詰め、捨て身の一撃で武器落とし、吹き飛ばして皇帝へとぶつけることだった。
 些か対策としては弱い、後手に回りがちな作戦ではあったが、それを斎の手製爆弾がカバーする。
「いくら白騎士レベルだろうと、武器は武器!」
 一手を封じられた動揺で、皇帝の二の手が遅れる。マインド・クリエイションで己の両手の封印を解き、白騎士と同性能の人型兵器『マインド』として変化させる。
「一人で帝国ごっこするなら、もっと遠いトコでやって頂戴!」
「グラウンドクラッシャー!!」
 エリスの全力の一撃は、文字通り『武器』を落とし、吹き飛ばした。
「ぬうっ……!」
 皇帝の両手首が力を失って宇宙の彼方へと飛んでいく。
「あー……落とした武器、アタシの槍の改造に使おうと思ってたけど……グロいからやっぱりいいわ!」
 エリスの言葉は、今や皇帝よりも不遜だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

弁柄堂・平吉
強力な念波といえど、視認しなければ使えない。
視認とは目で見ること、事前に〔錬成カミヤドリ〕を用いて15の傘を、周囲360度から自分が見えないよう展開します。
俺からも見えませんが、目は2つだけではありません。余った傘と〔咎力封じ〕のロープを張り巡らせ索敵を行い、〔ライオンライド〕で足の代わりとなってもらいましょう。
そこにいるとわかりやすく示しているので攻撃も来るでしょうが、傘を破ろうとするなら来る攻撃自体を【鎧無視攻撃】で【串刺し】にしてくれるまで。
混戦中に隙があれば抜け出し、荒れた戦場の【地形の利用】と【忍び足】で密かに近づき【傷口をえぐる】。皇帝に【暗殺】はお似合いでしょう。

アドリブ絡みOK


アグノラ・メイヴィス
アドリブ歓迎なのだ
連携に混ぜて貰えると嬉しいのだぞ。

私のプログラムが仲間に協力しろと囁くのだ
残念ながら、私に防ぐ手段は無い!!!

しかし、皇帝さんは独りを選んだけど私は仲間を信じてるのだ。
だから『防ぐ手段は仲間に守って貰う!』
そして【シンフォニック・キュア】で
傷ついた仲間を癒すのだ、私は反撃には加われないけど
その後の仲間の反撃の役にたてたら嬉しいなって思うのだよ。

【反撃は仲間に任せ、仲間のサポートに全力を尽くす】

みんな、この宇宙の人々の想いを背負って頑張るのだ
私のこの歌を信じて欲しい、私もきっと倒してくれるって信じてるから!


出水宮・カガリ
※アドリブ絡みOK
転移での奇襲、か
未来予知など持たん以上、カガリは少しでも長く持ち堪えるしかないのだが

即座にオーラ防御、なるべく味方から離れんように
背は味方に預け、物理的な奇襲は【鉄門扉の盾】の盾受け・怪力で流す
【不落の傷跡】と【拒絶の隔壁】で補強された盾だ
腕での操作が間に合わなくとも、念動力で動作を補助することも可能だ

目指すは皇帝――の前に、白騎士が立ちはだかるだろう
突出はしない
何よりこの身は城門だ、ひとの壁となってこそだ(覚悟・勇気)
ぎりぎりまで皇帝近くまで進むが、白騎士の先制攻撃は味方を庇い【駕砲城壁】を
「反撃せよ。砲を撃て。我が外の脅威を駆逐せよ!」


ウルフシャ・オーゲツ
白騎士と同性能? ほう、ならば対白騎士に使えるかと悩んでおったウチの戦争を終わらす一撃が役に立つやもしれぬな!
「皇帝よ!マインドよ! お主らが未来を、そしてすべてを見通すのならば、これからウチがどうなってしまうかわかろうな!」
そう、マインドの攻撃を受けて粉々に爆散するウチの姿を!
相手の先制攻撃を未来やあらゆる事を把握する事を逆手にとり、相手に有利な未来を見せて困惑させてやろう。
本体の致命傷だけを避ける事に注力、どのみち仮初めの身体はスプラッタ!
しかしその先がみえるかな、ウチが放つのは時空すら歪め、星をも貫く流星の一射!たとえこの一撃を耐えたとしても、乱された時空ではその力も存分に震えまい!



「……感謝だな」
 眼前の光景に、平吉はそう告げるしかなかった。
 そこには、敵は見えない。盾を構えて立つ、味方の後ろ姿があるだけだ。
 まず、平吉がここまで残っていること自体が、常ならばあり得ない。それを実感した故の感謝である。
 フォース・インベイジョンによるサイキックエナジー。平吉はこれを防ぐべく錬成カミヤドリで15本の傘を開くつもりだったが、奇襲される関係上、どうしても傘を開く前に視認されてしまう。
 更に皇帝はユーベルコードを使うたびに転異での奇襲攻撃を行う。
 平吉は錬成カミヤドリに加えて、咎力封じとライオンライドまで使うつもりだったのだから、通常ならば良くて苦戦、失敗も濃厚の行動だった。
 それを防いだのが、カガリの盾とアグノラの歌だ。
「反撃せよ。砲を撃て。我が外の脅威を駆逐せよ!」
 駕砲城壁、自らの盾をできる限り強化して、仲間を庇うべく立ちふさがるカガリ。
「マインドの攻撃ではなく、サイキックエナジーを受けるとはな……やはり、カガリには未来を予知する力はない」
 皇帝が封印を解くべき武器である両拳は既に消失している。
 転移しての蹴りも、城砦と化した盾で耐えきった。
「この身全てが城門だ、扉を敲し、開いて見せろ。できるものなら!」
 既に無い手でのノックを要求するカガリに、皇帝は歯がみする。
 今まで平静を保っていた表情が、ついに崩れた。
「~♪」
 そしてカガリの背後、隠れるようにして歌を唄う者がいる。
 アグノラはシンフォニック・キュアで味方を癒すことに専念していた。
 彼女自身は奇襲を防ぐ術を持たない。だからカガリに全てを託す。
(「それでも、仲間に協力したい……私にできることをしたいのだ!」)
 平吉がライオンに乗る。もちろん皇帝が転移して念波で攻撃しようとするのだが、カガリが身を呈して盾で攻撃を受け、視界を防いで流してしまう。
 更にたとえその盾がひび割れようとも、アグノラの歌声が猟兵たちを癒すことで盾を補強する。猟兵たちのユーベルコードがシナジーを持ち、循環し始めてしまった。
 こうなると猟兵ひとりひとりにしかダメージを与えられない皇帝が数的不利に陥る。皇帝が一人を殴る間に、アグノラは複数の者を癒すのだから。分の悪いイタチごっこである。
 このままではまずい。それは皇帝もわかっている。だからこそ表情も変わる。
 しかし、わかっていても、止めることができないのだった。
「皇帝よ! マインドよ! お主らが未来を、そしてすべてを見通すのならば、これからウチがどうなってしまうかわかろうな!」
 ウルフシャは無防備にユーベルコードを発動する。
 カガリが守ろうとするが、ウルフシャは目配せでそれを留める。
 何か策があるのだ、そう感じ取ってカガリは庇わない。
 もちろんそんな仕草を見れば皇帝も何かあるとは感じ取る。
 感じ取るが、皇帝が今取れるべき行動は各個撃破しかない。
「どのような、策があろうとも! ねじ伏せる! なぜなら私は――」
 それ以上は告げることができなかった。
 無防備に立っていたのはウルフシャの仮初の身体。それを粉々に砕き、吹き飛ばすことでユーベルコードが発動する。
 時空を歪める一撃。時空は手製爆弾で既に歪められていたため、100%狙い通りとはいかないものの、皇帝から言葉を奪う程度の傷を負わせることができた。
「皇帝です。皇帝に暗殺はお似合いでしょう」
 直撃を喰らった隙に平吉が懐へ潜り込み、閉じた傘で胴体を貫き、抉る。
「―――ッ」
 声にならない声を上げ、皇帝は絶命する。
 急速に失われていく皇帝の体温。
「やったのだ!」
 歓声を上げるアグノラ。ようやく、守護を終えたカガリもほっとしたように盾をその場に置く。
 ウルフシャも床に寝そべり痛みに耐えながらも、大物食いを達成した喜びを片腕を上げサムズアップすることで表現した。
 最終的に猟兵たちへ勝利をもたらしたのは、他人を信じて自分にできることを専念した結果、生じたチームワークに他ならないのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト