トワイライトカフェへようこそ
●ご褒美はチョコレートがいい!
「というわけでモラを捕まえてきてほしい」
とファイルを閉じた御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)の話はこうだった。
“シルバーレン 銀誓館付近において妙に素早い野良モーラットが確認された。どうやら人好きらしく能力者一般人問わずちょっかいをかけてはモキュモキュ喜んでいる”のだという。
藍夜曰く、
「いつか何かの拍子にモーラットが意図せずともスパークを発した場合相手が能力者ならいざ知らず一般人では大怪我になりかねない」
とのことであまりの素早さに能力者陣営も捕まえきるには至らず、猟兵へヘルプコールがあった――というのが全容だ。
素早いモラを捕まえる――……大きな闘いで疲れた猟兵の中喜ぶ者はそうは多くない――かも、しれない。
……と、いうのが“というわけで”の全て。
ファイルを閉じた藍夜が取りだしたのは、甘い香りのする小箱。
「俺も銀誓館卒業生としてモラ捕獲経験はある……のでチョコレートだ」
「チョコレート」
どうしたんだと言う猟兵達に藍夜は言う。
「おびき出し掴まえろ。|あいつら《モーラット達》は大抵甘党でな。折角のバレンタインならやはりチョコが手っ取り早いだろう?で、」
で?
ファイルを漁った藍夜が取りだしたのは“トワイライトカフェご招待券”。
「捕まえきったあかつきには此処でオリジナルのパフェづくりと新作の紅茶かコーヒーを味わってきてくれ」
藍夜曰く、顔見知りが期間限定で新規開店した天気と時間をテーマにしたカフェなのだそうで、バレンタイン時期だけはチョコレートがメインで選んだパーツから自分だけのパフェを売りにしているとのこと。
「仕事上がりのサービスで貸し切りにした。存分に楽しむと良い」
“簡単なメニュー表は副えておく、どれにするか選んでおいても良いぞ”なんて後のお楽しみのを方を楽し気に言う藍夜は送り出す際に、一言。
「そうだ、そのチョコは俺が作ったものだがモラが食っても安全な代物だから心配するな」
皆川皐月
お世話になっております、皆川皐月(みながわ・さつき)です。
バレンタインシナリオがしたい!という欲望のモラ保護+。
●第一章:冒険『野良モーラットをつかまえて!』
時間帯:日中
『もきゅ!!!!!』
活きのいいモーラットAが現……ん?
気が付いたらZくらいまでに増えているのは気のせいか。
藍夜のモラ用チョコを仕掛けてモラを獲れ!
●第二章:日常『行きつけのあの店で』
場所:トワイライトカフェ
時間帯:夕方~夜
カフェスイーツメニュー例
🍫1オリジナルショコラパフェ
選べるのは下記のパーツです。上から順に数字を並べて頂くと分かりやすいです(例参照)
・ソース(1:旬フルーツ、2:ミルクチョコ、3:ビターチョコ)
・フレーク(1:コーン、2:玄米、3:ミックスナッツ)
・ショコラアイス(1:ミルク、2:ビター、3:ストロベリー、4:ホワイト、5:ブルー、6:ミント)
・ショコラクリーム(1:ミルク、2:ビター、3:ストロベリー、4:ホワイト、5:ブルー、6:ミント)
・トッピング(は、お好きな物をお教え下さい)
(例:『1(苺希望)244三毛猫耳』=白三毛猫ちゃんパフェ旬の苺を添えての完成!)
🍫2朝・昼・夜・深夜時間チョコレート
🍫3黄昏紅茶
🍫4新月夜珈琲
※文字数節約に🍫1など冒頭絵文字+数字でご指定頂いても構いません。
●その他
全体的にお遊びまたは雰囲気重視のお話です。
複数人でご参加される場合、互いの【ID+呼び名】または【団体名】などをご記載いただけますと助かります。
また失効日も揃えて頂けますとなお嬉しいです。
マスターページに文字数を省略できるマークについての記載があります。
もしよろしければご利用くださいませ。
一章のみ、二章のみ、両方とお好きな形でご参加ください。
連続でご参加いただいた場合、モラ捕獲大変だったなど“話の続き”の描写をさせていただきます。
プレイングにて当方グリモア猟兵とご指名頂きますと、二章目のみご一緒させていただくことも可能です。
短縮絵文字は杜環子🪞、藍夜☔、ドルデンザ👊です。御用事があればお使いください。
●オーバーロードについて
あれもこれも!とご希望がある場合、またはじっくりお話がしたい方にオススメです。
じっくり細かめ&たっぷりと執筆させていただきます。
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
第1章 冒険
『野良モーラットをつかまえて!』
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POW : 走り回ってつかまえる
SPD : 罠をしかけてつかまえる
WIZ : お菓子でおびきよせる
イラスト:RAW
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そうして出立する直前、遠目にハッとした藍夜が走って来る。
息を切らして何事かと思えば、
「すまん!ほんとすまんメガリスはモーラット達が持ったり投げたりして遊んでる赤ん坊用のガラガラの中に入った鈴だから、ガラガラごと回収頼む!!!」
「 」
“お前それ早く言えよ!!!”と誰かのツッコミがエコーする中、向かう猟兵誰もが思った。
そういう一番大事なことを言い忘れるんじゃない――……あと頼んだぞ!って何でも言うな――と。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
回収メガリス:赤ちゃん用|ラトル《ガラガラ》
効果:振ると幼い魂を喜ばせ、安心させる音を発す
代償:手放させたくない、振って音を聞きたい衝動を与える
茜崎・トヲル
【モノクロフレンズ】(あーさん、スーさん、交互呼びします!)
もふのパラダイスだよ、あーさん!(ぐっ)
わーっ、めーっちゃいる!あっあっすごい寄ってくる!足がふかぁ……ってなる!
えい!(つかまえようとする)(さっと逃げられる)(また近づかれる)(ふかぁ……)
しゅ、しゅんびん!!これはむずかしー依頼だよ、スーさ……スーさん?!(もふに沈むあーさん)(しあわせそう)(ラトナちゃんによる嫉妬の猫パンチ!)(しあわせそう……)
起きてー!!カンカン!朝だよ!!
罠しかない!
この近くの蔓で編んだ網にチョコレートをしかけて、隣にあーさんかくれて!
中に入ったら、このひもをぐって引いてね!
スキアファール・イリャルギ
【モノクロフレンズ】
略してもふパラですね、トーさん!(ぐっ)
足にサッと触られるだけで分かります、触り心地は抜群だと――!
(興奮する主に嫉妬の目線を送る猫の使い魔ラトナ)
(また浮気してる……と言いたげ)
はっラトナの目線が痛い
仕事です、これは仕事なんですラトナ……!
うわっ動きが早い、腕を伸ばしてもすり抜けて行く!
トーさんでも苦戦しているなんて……!
あっ
(俊敏さに翻弄されてこける)(モーラットの群れへ沈む)
(ねこさんの嫉妬猫パンチ)
あぁ……ふかふかもふもふ……ねこぱんち……(尊死)
――ハッ朝ですか!?
あれっすごい古典的な罠ですね??
わ、わかりました。よーく動きを見て……今です!(紐をぐいっ)
●君と“楽しい”へ
『モキュー!』
飛び交うもふをモノクロな二人は瞳を輝かせ眺めていた。
くいくいと茜崎・トヲル(Life_goes_on・f18631)がスキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)の裾を引く。
「もふのパラダイスだよ、あーさん……!」
「……略してもふパラですね、トーさん!」
視線の先にはトヲルの言葉通りモーラットが風切り走りまわるもふもふパラダイス状態。時折聞こえる赤ちゃんのガラガラことラトルがガランコロンと飛び交い、モーラット達をあやす光景は酷く穏やか。
瞳を輝かせ振り返るトヲルの無邪気な笑顔にスキアファールが眦下げて微笑めば、くふくふ幼子のように笑んだトヲルが横切るモーラットを摘ま構えようとして――……。
「えいっ!」
スカッ。
風の如く逃げ去るモーラットはモキュキュキュキュ、と笑っている。どうやら真白いトヲルを大きな仲間だとでもいうのか思ったか、モキュモキュとちょっかいを出してくるではないか。
『モキュ!』
「わっ……!えいや!」
腕の中に入るも、するりん、しゅ!と抜けてゆき、トヲルの着物の裾に絡まり遊ぶ始末。
書面で気付かないフリをしているらしいモーラットにトヲルが近付けば、後ろから数珠を引っ張る別のモーラットに驚いた隙に正面に居たのにも、後ろから来たのにも逃げられて。近付くも逃げられ悪戯されての繰り返し!
――だが傍から見ながらその長い足の間をトンネル代わりに通り抜けられるスキアファールは、目の前の光景は勿論自身の足元を通り抜けまるで“トンネルだ”とモキュモキュ喜ぶモーラット達が可愛くて仕方がなかった。割と茫洋と遠くを見る癖のあったスキアファールだが、目の前で格闘するトヲルとモーラットのふわふわ戦争に口角が上がりっぱなし。
「む。むぅうう……!スーさん!」
「ふふふトーさん聞いてください」
スキアファールには一つ分かったことがあった。
「何か見つけたのあーさん……!?」
「ふふふ……足にサッと触れられるだけで分かります」
「触れられるだけで……?」
何の情報だろう、捕まえやすい何かとか?と興味津々なトヲルに、スキアファールはどこか胸を張っていたかもしれない。
「モーラット達の触り心地は抜群だと……!!」
「あー!分かる、だってさっきちょっと触った時ふわっとしたんだぜ!」
“いいなぁ”なんて盛り上がる二人を、ふんわりふかふかぼでぃのきゅーとなふぇありー―ラトナ・ラトリ―が冷めた目で見ていた。
『|まーお《浮気してる》』
「っ、は、ラトナ……!」
再び鳴くラトナに慌てたスキアファールの言葉はまるで言い訳。
「こ、これは仕事です、これは仕事なんですラトナ……!」
くんにゃり首を傾げて見せたラトナだ、が視線は冷たいまま。
「しゅ、しゅんびん!!これはむずかしー依頼だよ、スーさ……」
「あっすばや――……」
もふん。
『モキュー!!』
モーラットの素早さに翻弄され転んだスキアファールは瞬く間にモーラットにもみくちゃにされてゆく!
「スーさん?!」
「と、トーさ……!」
『モッキュ!』
モーラットの勝利宣言にラトナが異議申し立て、主たるスキアファールに猫パンチ!――だがスキアファールは寄り集まるモーラットの温もりと得も言われぬラトルの音色に揺り籠の様な温もりを与えられ夢の中。
「あぁ……ふかふかもふもふ……ねこぱんち……」
が。
「起きてー!!カンカン!朝だよ!!」
「――ハッ朝ですか!?」
口でカンカン!と言ったトヲルが拍手をすれば舞い散るモーラット。残されたスキアファールがその声と拍手にハッと起き上ればニッと笑うトヲルと目が合った。
「あーさん!」
「は、はい?!」
「罠しかない!」
罠、ですか?と不思議そうなスキアファールを横目に器用にもトヲルが準備したそれは――……。
「あれっすごい古典的な罠ですね??」
器用にもトヲルが蔓で編んだ編を木の枝で洞窟状にしチョコレートを設置。その木の枝を引けば被せるような古典的な罠の仕掛け。
「はい、スーさんあっちに隠れて中に入ったらこのひもぐいって!ね!」
「わ、わかりました。よーく動きを見て……今です!」
『モキュアー!!』
その後捕獲に成功したモーラットは計3匹。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アミリア・ウィスタリア
【小夜の藤筏】◎
モーラットさんも甘党なんですね!
うふふ、ミラも甘いもの好きです!
藍夜さんからお預かりしたチョコレートで誘き寄せつつ、警戒させないように私もチョコレートを食べながら待ちましょう(買って来たちょっと高いチョコレートをもぐもぐ)
リコさんも食べます?遠慮しないで?
モーラットさんが来て下さったらそっと抱き上げてチョコレートをお渡しします。
「ここで食べるのも悪くないですが、落ち着いた場所で食べた方がきっともっと美味しく頂けますよ」
それでも警戒されてしまうようならUCにちょっとだけ頼ります。
「私達と一緒にお茶を飲みませんか?」
チョコレートだけでなく一緒にゆっくりお茶が飲めたら素敵ですよね。
リコ・リスカード
【小夜の藤筏】◎
モーラットって大体甘党なんだ。まあイメージは出来るけど。
……うん、主、人型のままで堂々道端で高めのチョコを食べる神経凄いと思うよ。
「いらないよォ、って無理に口に突っ込まないでェ!?」
まだこの気温だし、遊んでても寒くなってるモーラットもいるんじゃないかなぁ。だから紅茶持ってきといたよ。
モーラットって紅茶飲めるのか知らないけど。一応ぬるめにはしてあるし、火傷はしないと思う。
ガラガラで遊んでるなら誘き寄せるのも遊びの要素もあった方がモーラットも気になるんじゃない?
大き目のバスケットを見せてみよっかな。
「これに入ってくれたらブランコみたいに揺らして遊んであげられるけどォ……気になる?」
●甘い散歩道にて
「モーラットさんて甘党なんですね!」
「モーラットって大体甘党なんだ」
日差しだけ小春日和な中、アミリア・ウィスタリア(綻び夜藤・f38380)が朗らかにころころ微笑めば、並び歩くリコ・リスカード(異星の死神・f39357)が“へぇ”、と眠た気な瞳で道の先でラトルをからころ鳴らすモーラットの群れを見ればリコの隣でしゅるりとリボンを解く音。
「え?」
「うふふ、ミラも甘いもの好きです!」
にこにこと無邪気に微笑み細い指が摘まんだのは色鮮やかなグリーンのチョコレート。
「あ、これは林檎の香りが……ふふ、キャラメルがとろっと美味しいですっ」
“えぇ……なんで主、人型のままで堂々と道端で高めのチョコ食べてるの?”という正しすぎるリコの疑問に答えてくれる者はいない。
寧ろリコの視線にきょとんとしたアミリアが“あぁ!”と何か閃いたような顔をすると、楽し気に微笑み選んだのは馬蹄型のチョコレート。
まるで“言ってくれればいいのに!”とでも言いたげなその微笑みは。
「リコさんも食べます?遠慮しないで?」
「え?いや、あ?いらないよォ、って無理に口に突っ込まないでェ!?」
でも口突っ込まれたそれはリコが美味しく頂きました。
口溶け滑らかで美味しい。ビターチョコにアプリコットジャムの合わせも悪くは無いな、と思いながら、二つ目のチョコレートを食み明らかに“味が混ざった”と言いたげな顔するアミリアの愛らしさについ頬の緩んだリコが取りだしたのは水筒。
カップに注いだ茶の香りにすん、と鼻を動かしたアミリアがパッと顔を輝かせリコを見れば、“はいはい”とリコはその一杯をアミリアへ差し出して。
「まだこの気温だし、と思ったけれど主には必要だったみたいだね」
「うふふ、ありがとうございます。でも――」
『モキュー!』
スタンドカフェの目の前、置いてあるカフェスペースへ優雅に腰かけたアミリア達の前でラトルを投げ遊ぶモーラットの楽しそうなこと!
だが無邪気に遊ぶものもいればラトルを振ることに夢中なものも。アミリアの手許を覗いて宝石のようなチョコレートに気づき涎を垂らすものも千差万別楽し気だ。
そんな視線に気づいたアミリアが紅茶を冷ますように立つ湯気を吹いて、ちょいちょいと手招き。
『モキュ?』
“なに?”と不思議そうながら興味津々にアミリアへ近付いた一匹のモーラットがふわふわと浮遊し近付かば、アミリアから差し出されたのは藍夜が作った内の一つ、林檎を模した真っ赤なコーティングのチョコレート。
「ここで食べるのも悪くないですが、落ち着いた場所で食べた方がきっともっと美味しく頂けますよ」
視線を合わせて心を籠めてウインク一つ。
UC―寵姫の瞳―
『モキュウ……♡』
瞳にハートでも浮かべそうな空気を纏わせ、ころんとアミリアの魅了に転がされたモーラットはふわふわゆるゆるそれこそ夢心地。
そんな光景を見ていたリコが思いだしたのは、紅茶の水筒を入れてきたバスケットの存在。
「……ガラガラ、ここで振ったら楽しいんじゃないかな?ほら、ベッドみたいだよォ」
二か所開くバスケットの蓋の片割れを開け、リコがゆらゆら揺らせばラトルを握った一匹のモーラットの視線が突き刺さる。
「これに入ってくれたら、ブランコみたいに揺らして遊んであげられるけどォ……気になる?」
そわ。
そわ、そわ。
『………………モ、キュ?』
からん、ころん――ラトルを鳴らしながらリコの揺らすバスケットに近付いたモーラットがちろりと小さな瞳でリコを伺う。
「いいよォ。ほら、ゆらゆらする?」
『……――モキュ!!』
好奇心には抗えないモーラッと転がり込んだ転狩り込んだ瞬間、ぱたん!と蓋を閉めたリコが約束通りゆらゆら優しく揺らしてやればラトルの音は徐々に静まり、聞こえるのは寝息だけ。
「はぁい、捕獲完了だね主」
「えぇ、リコさんの方もばっちりですね!」
小春日和の日差しが微笑み合う二人に差した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜鳥・藍
甘党と言うお話は聞いた事があります。飼い主、ではなくてサーヴァントの主となった方によってはおやつなのか食事なのかは詳しくお聞きしませんでしたが、角砂糖を与えていたかたもいらしたとか。
以前モーラットの方々とお会いした時好奇心が強いと感じましたので、やっぱりもふもふの白銀も一緒の方が良いような気がします。
さすがに人通りが多い所では捕まえるのも難しいでしょうし、公園あたりで日向ぼっこしながらチョコレートのお菓子でも食べてお待ちしましょうか。
シートを広げてお茶にチョコ以外のお菓子も。チョコはお客様用にお皿にのせて
白銀、甘い物は?あらダメなの?香りを避けるようにそっぽ向いちゃった。
●一緒にね、
チョコレートで誘き出す――そう聞いた夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は脳裏でモーラットの記憶をなぞっていた。
「甘党、というお話は聞いたことがあります……」
飼い主――ではなく、サーヴァントとしてのモーラットの主をしていた人によっては、モーラットにオヤツかはたまたご飯なのか角砂糖を与えているという者もいたのだ。
確かに思う。
ふんわり春の先駆けの風に乗ってモキュモキュと遊ぶ不思議な存在はとてもファンタジーにも見えるし、角砂糖がご飯かオヤツというのもどこか納得できてしまう愛らしさで目の前を飛び交われ、妙に実感出来たのだから。
「(可愛い……)」
冬の名残か日陰はまだ冷える。だが日向と日差しに混ざる春の兆しは心地よく、モーラットが跳ね遊ぶのも納得だ。
がらんころん、と耳を打つラトルの鈴の音。
「(……――あれがメガリス)」
好奇心が強いモーラット達はその音が好ましいのか、メガリスに引かれるのか楽し気に投げ遊んでいる。
「……やっぱり、前モーラットの方々とお会いした通り」
だがおそらく無理やり掴まえ奪おうとすれば上手くはいかないだろうと考えながら、“モキュー!”と楽しげな声の聞こえる中歩き気が付いたのは人の気配の薄さ。
「もしかして、人払いは出来ているのかしら……?」
察した藍がUC―銀狼招来―で呼び出したのは相棒の大狼 白銀だ。
通りかかった公園でシートを広げ、皿に乗せたモーラット用のチョコと他のお菓子やお茶を並べればピクニックの様相。
「ほら、白銀これがモーラット用みた――……あら?」
黄色い星形チョコを藍が示すも白銀はするりと逃げてしまう。ふわりと香る甘さは悪くは無いと思ったのだが、鼻の良すぎる白銀には刺激が強かったのだろうか?と藍が首を傾げた瞬間、手にした皿がズシリと重くなって。
『モッキュ!!』
「きゃ……!」
ぱっくりとチョコレートに食い付いたモーラットが皿の上で半ば転がれば、もう捕獲は完了したも同然。
大成功
🔵🔵🔵
落浜・語
【狐扇】
あっちこっちでモラ詰まってんだなぁ……。
……狐珀が嬉しそうで何よりだし、確かにモーラットはモフモフで可愛いけれど、目的は忘れちゃ駄目だからね?
捕獲ついでに一杯もふっていいだろうし、気が済むまで捕獲とメガリス回収して行こうか。
そう言えば、以前この世界でメガリス回収して、預かったな。モーラットが集まってくる奴(白鞠守り)。
チョコとそれで集めて捕獲していくと早いかも……?
モーラットを捕獲して、ガラガラ回収して、モーラット捕獲してガラガラ回収して、捕獲して回収して……随分集まって来たな???
うん、可愛い。それを抱きしめてる狐珀も可愛い。
吉備・狐珀
【狐扇】
もふもふ。もふもふのモーラット
あの子達にまた会えるのですね(おめめキラキラ)
素早く動き回りながら楽しげに鳴くモーラット
悪戯をしてはちょこまかと逃げるモーラット
語さん、どうしましょう!どの子も可愛いです!可愛すぎます!
…目的?
もく…て、き…
…!!
お、覚えていますよ?!
御簾森殿が用意して下さったこのチョコでおびき寄せてもふも、(コホン)捕獲するのですよねっ
メガリスの回収も!覚えていますともっ
さぁ行きましょう、とそそくさとチョコを片手にモーラットの元へ
チョコに誘われて寄ってくるモーラットを捕獲し、しっかり抱きしめたまま次の子をおびき寄せる
チョコを食べる姿も可愛いですね、語さん!(満面の笑み)
●花綻ぶのならば、
『モッキュ!』
『モキュー……!』
自販機の隙間に詰まり塀の穴に詰まりそして高速で飛び交う。
「あっちこっちでモラ詰まってんだなぁ……」
落浜・語(ヤドリガミの天狗連・f03558)の口から溜息と共にその言葉が漏れるのも無理はない。
高速で飛び交う白いもふもふはちょっと試してみただけで分かったが“捕まらない”のだ。
何かに興味を取られているモーラットにそろりと近付こうとも、直前で気付かれ“モキュー!”と鳴かれヒュボッ!と吹き飛――走られてしまう。
さてどうしたものか。
思いつつ隣の吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)を横目で見れば、空より深い藍色の瞳を幼子のよう輝かせ、真白い頬を淡く染めたその表情にあるのはちょっとした興奮。
「もふもふ――もふもふのモーラット……あの子達にまた会えるのですね……!」
そう、語も狐珀もモラ詰まりというかモーラットに関わる案件の経験は初めてではなかったのだ。
視界を行き交うもふもふことモーラットに瞳輝かせる狐珀へ一応でも“お仕事”じゃなかったっけ?なんて突っ込み、きっともう少し後からでも遅くはない。
「(……狐珀が嬉しそうで何よりだし)」
語自身、モーラットという不思議な存在の愛らしさを否定できる要素が見つからないからだ。
「素早く動き回りながら楽しげに鳴くモーラット……あっ、あの子は――悪戯を!」
公園のシーソーでお互い相手を空へ打ち上げギッタンバッコンと遊ぶモーラットの悪戯を狐珀が指摘すれば、“モキュ!”と鳴きまるで“バレた!”と言いたげにモーラット達はラトルを楽し気に振って逃げてゆく。
「……あぁ、やっぱりはちょこまかと逃げてしまいますねっ!語さん!」
至近距離での眩いほどの狐珀の瞳に気圧されながらも、大切な狐珀の希望なら叶えてやりたい。
「捕獲ついでに一杯もふってもいいんんじゃないか?」
「……! 語さん、どうしましょう!どの子も可愛いです!可愛すぎます!」
モーラットを可愛がる理由を与えれば、ぱぁ!とより分かりやすく狐珀がモーラットを抱いてみようと格闘すること数十分。
最初は惜しいことが多かったのだが、途中からモーラット達はもう狐珀が手を伸ばすこと自体を“そういう遊び”と認識したのか面白がって逃げるばかり。
「語、さん……つかまり、ません……」
「(かわいい)」
狐珀もモーラットも食い違っているが一生懸命捕まえようと逃げようとと頑張っていて可愛い。
そんなことを口にすれば狐珀は膨れるだろうから、熱冷ましに扇子で狐珀を仰ぎながら、語が呟いた。
「以前この世界でメガリスを回収して預かったな、“モーラットが集まってくる|やつ《白鞠守り》”チョコとこれで捕獲していくと、目的の達成が早いかもだな?」
「目的。……もく、て、き……?」
汗を拭った狐珀がきょとんとして言葉を反芻して――ハッとする。
「!!おっ、覚えていますよ!?みしゅも、御簾森殿が用意してくださったこのチョコでおびき寄せてもふも――」
ケホンコホンと咳払い。
「捕獲するんです、ねっ語さん」
かわいい。“さぁメガリスの回収もしますよー!”と息巻いてみせる狐珀は可愛い。
丸々一個チョコを出してしまえば一匹だけしか捕まらないだろうか?と分けて回数を重ねれば白鞠守りの効果もあってか面白いようにモーラットがチョコを手に乗せた狐珀へダイブ。
「お――……お、おお?随分集ま、」
「――食べてますっ!ふふ、チョコを食べる姿も可愛いですね、語さん!」
そうだな――……そのたった一言を言おうにもモラーットに頭突かれ当たられセルフもふられ状態の語は只管モーラットもメガリスも回収して知る。
どうやら小さなラトルに“|鈴《メガリス》”は分散しているらしい――と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
夫の律(f38364)と参加
ふむ、この白いふわふわの子達が有名なモーラット。噂では狭い隙間にモーラットが詰まって抜け出せなくなる様式美(?)があるらしいね。
街に出てるモーラットの子達は悪気はないんだろうが、周囲にパチパチスパークは危ないね。律、捕まえようか。被害が広がる前に。
折角モラ用チョコレートを用意してくれたので、赫灼の戦乙女と共にチョコレートを仕掛けて回る。罠にモーラットが引っ掛かったらスパークを発する前に【ダッシュ】して捕獲だ!!
本当にもふもふだね。この子。もふもふ命の奏なら捕まえるより埋まりに行って全然役に立たなかっただろう。律、お疲れ様。
真宮・律
妻の響(f00434)と参加
あの白いふわふわの塊がモーラットか。友好的な子達みたいだが、無意識にパチパチスパークは危ないな。一般人を傷つけるのはモーラットも本意ではないだろう。被害が出る前に捕まえるか。
モーラット用チョコを響と共に仕掛けて引っかかった所を【ダッシュ】で捕まえる。周囲の被害を考えるとなるべく自力で捕まえたい。いつの間にか危ないところに行ってた奏を追いかけて捕まえた経験があるので、逃げ足が早くても捕まえられる自信はある。
そうだな、もふもふ命の奏なら捕まえるより率先して埋まりに行ったかもな。パチパチスパークも頑丈な奏なら平気だろうし。本当に連れて来なくて良かった。
●懐かしきは夫婦の共同作業
『モッキュー!』
『モキュ?キュー!』
ラトルをからころ振って投げてはきゃっきゃと遊び回る白いふわふわ達――。
「ふむ、この白いふわふわの子達が有名なモーラット」
「ああ、あのふわふわだな。友好的な子達みたいだから、一般人を傷つけるのは本意ではないだろう」
真宮夫妻こと真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)は縦横無尽に遊び回る今回の標的ことモーラットには一切の悪意も作為も感じなかった。
ただ、彼らの振り回すラトルの発す“力”の口にし難い波動だけは分かるが、それにも一切の悪意はなくただ肌で感じるのは“泣かないで”、“いい子”と幼子をあやす親の様なこころだけ。
そして、本当に憎めない愛らしさしか感じさせない|生き物《モーラット》の姿にふと過ったの今や大きくなった“愛娘”のこと。
勿論二人の愛娘はパチパチ火花を発したりはしなかったが、幼い頃から好奇心が旺盛で幼子特有の“親の見ぬ間に危ない場所へ”は例に違わずあった。
モーラットに幼い子供と似たような傾向があるというのならば、話は早い。何せ響も律も|経験者《子育て済》なのだから。
「折角用意してもらったチョコ仕掛けてどんどん捕まえようか、律」
「勿論――だって、」
「「|奏《娘》と同じ要領だろう?」」
やはり思っていたのは同じこと。視線を合わせて笑い合った夫婦の共同作業は早いもの。
夫婦があえて選んだのは、人払いのされた住宅街――の、曲がり角。曲がったところでチョコレートを見えるように仕掛ければ、恐らくモーラット達は“怪しい”と訝しみながらも近付いてわざわざ見分する――それは”好奇心の最大利用だ。
「――さて、いくよ!」
「響、俺は逆回りで行く」
UC―赫灼の戦乙女―で軽やかに駆け出す妻の背に手を振れば、笑顔で手を振られた律は元気よく駆けだし“つーかまーえた!”とモーラットと笑いあう妻の姿にふと重なるのはやはり成長した|娘《奏》の姿。
「(奏ならきっと、チョコレートを沢山仕掛けて――……)」
「「(奏ならきっと捕まえるより埋まりに行っていたかも)」」
「(だってあの子ならこの子達のもふもふ具合は好きだろうし、全然役に立たなかっただろうしねぇ?)」
『モキュ?』
モーラットを捕まえ触れた瞬間、響もまた思ったのは|娘《奏》のこと。
零れた笑みに不思議そうな顔をしたモーラットを“大人しくしてるんだよ?”と響が籠に納める頃、律も捕獲したモーラットからラトルは奪わず“飽きたら離す――いやポイするんだぞ?”とモーラットを撫で、ふわふわタオルの敷かれた籠へ。夫婦共に次々捕獲し、モーラットを収めた籠が積めるくらいになった頃には“おつかれさま”と微笑みあう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
楊・暁
【帰花】
藍夜にもこもこ着込まされた…
モーラット…そういや俺、見るの初めてだ
悪戯な奴らなんだよな?
ミモザの話に最初はきょとんとしつつ
図星つかれ一気に真っ赤
は!?え!?
や、別に…俺はそんなことこれっぽっちも…!
…うぐ…ありがとう(ぼそ
とっ、とりあえず捕まえに行くぞ!
恥ずかしさ誤魔化すように息巻き
…で、どうやりゃいいんだ?
え?ちょ…のんびりしてる場合じゃねぇんじゃ…?
ぽかんとしつつミモザのペースに乗せられ
ホットカフェラテ注文
…美味ぇ
(けど藍夜のがもっと…って、仕事仕事…!
気を引き締め直し
あ、ミモザ!モーラット…!(視線で
心中で慌てつつ堪え見守り
流れる仕草に思わず拍手
すげぇ…!
そっと蓋開けラトルも回収
海藤・ミモザ
【帰花】
わ、暁くん防寒万全だねー!
そう!でも案ずるなかれ!
モラちゃん捕獲なら任せてー♪
あ、そうだ
はい。これ
暁くんには事前購入済のチョコ渡し
モラちゃんはこれでも十分釣れるだろうから
それ(藍夜さん手製チョコ)、貰っちゃえば?
いいからいいからー♪(押しつけ
はいはーい♪モラちゃんゲットだー!
ふふふ、簡単だよー♪
あ。あそこのカフェにしようか
テラス席でホットココアとクッキー注文
足元に大きなバスケット置き
これ(チョコ)をここ(バスケット)にイン!
そして――後は待つだけ!
んー…美味しい~♪(まったり
気づいてないふり、だよ…!(視線で
モラちゃんが中に入ったら蓋閉じ、留め具も閉め
はい、一丁上がりー!
ふふ、可愛いー
●おのれ白いふわふわ
肌に触れる風はどこか冷たく、未だ春の先駆けの恩恵は日向のみ。
どこか恥ずかしそうに楊・暁(うたかたの花・f36185)が頬膨らますのは、先程から突き刺さる海藤・ミモザ(millefiori・f34789)の視線のせい。
「……藍夜が、」
「ふふ、暁くんが防寒万全なのはそういうことかー!」
心配しても尖って返していた少年が、今や照れくさそうに狐耳までカバーできるコートを纏い照れて頬を染めている変化――それに自然とミモザ微笑んでしまう。
性格的にも種族的にも、妖精のミモザは他者の感情に敏感で――特に“幸せ”が好きだ。
幸せな気持ちというものは良い。だが誰にでも発せるものではない特別な物。特に愛情の混ざったものはミモザの心も躍るから。
「俺、その――モーラット…見るの初めてだ」
「そうなの?」
小首を傾げるミモザに暁は頷いた。
「えーっと、悪戯な奴らなんだよな?」
暁は出際、藍夜に“モーラット用だぞ”と念押しし握らされたチョコレートを見つめている。
「――そうらしいね、悪戯好きで甘党!」
「甘党、か」
“甘党”の言葉に妙に残念そうな暁へミモザはにっこり微笑んで。
「そう!でも案ずるなかれ!モラちゃん捕獲なら任せてもらって大丈夫なんだけど――」
「え。でも待てよ、俺だって、」
胸を張ったミモザに頷きかけた暁が慌てて訂正しようとすれば、暁の目の前で人差し指一本立てたミモザが“ちっちっち”とニンマリ笑顔で指差したのは暁の手中にある紫リボン型チョコレート。
妖精であり商人でもあり両方の意味で感情に機敏なミモザには丸分かり。
「はい。それの代役はこれね?」
「へ?」
ミモザが出して見せたのは銀誓館学園売店名物“モーラット印のサーヴァント用おやつ”と大きく書かれた物。
「これがあればモラちゃんを釣るには十分」
「え、あ、でも――」
“藍夜はモーラットにって”――明らかに図星を突かれ頬を染めている癖に、心と裏腹なことを言う暁に、ミモザは内心溜息を一つ。
どうやらここは“妖精さんの背中押し”が必要らしい。“ミモザさんに任せなさーい!”なんて気持ちを切り替え心のミモザは胸を叩く。
「|それ《藍夜手製のチョコレート》は必要なくなっちゃったし、貰っておけば?」
「や、別に……俺はそんなこと、これっぽっちも……!」
だが暁は、藍夜が人が食べても美味しいように気遣い作ったと知っている。
“まあまあいいからいいからー♪”とミモザに丸め込まれた暁は唸りながらも礼の言葉を呟き、嬉しそうに尻尾を揺らすではないか。
おそらく無意識だろう口角上げる暁の姿に、ミモザは花のように微笑んだ。
「……で、どうやって捕まえるんだ?、あ!」
「ん?ふふ、これこれ♪簡単なんだから!……あっ!だめかー、今回は早いなー」
掲げて見せたのはお菓子を入れているにしては妙に大きいバスケット。何処からか迫ったモーラットが興味深げに覗くので触れようと試みればすぐに逃げられるもミモザにあるのは余裕だけ。
こてんと首を傾げる暁にふふりと微笑み、ミモザはモーラット飛び交う通りのカフェを指差し“あそこにしよっか?”と微笑むも、戸惑う暁はフードの耳やコートから覗く尾を高速で過行くモーラットにいじられながら何とかミモザに追いついて。
「え?ちょ…のんびりしてる場合じゃねぇんじゃ…?」
「んー?私はホットココアとクッキー。暁くんは?」
「ホットカフェラテ」
受け取った品を手に座ったオープンテラス。
落ち着かない暁を横目におやつ箱から取り出したチョコレートを空のバスケットに仕掛け足元へ。戸惑う暁にミモザが“見ててね”と笑いかけた。
「んー……美味しい~♪」
「う、うん。……美味ぇ、」
けど、舌に残るざらつきと甘みの足りなさに暁が藍夜の淹れたカフェラテを思いだした時、カタリと聞こえた音。
「ミモ――、!」
「(静かに、だよ!)」
しぃ、と唇の前で人差し指立てたミモザに頷き待つこと数秒。
からんころん、とラトル鳴らすモーラットがころりとバスケットへ落ちて――……カチン、とミモザの指先が蓋をする。
「――はい、一丁上がりー!」
『モキュ!?』
「すげぇ……!」
小さく拍手をする暁が瞳を輝かせれば、保護されたモーラットがからころラトルを鳴らす。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
山立・亨次
🔪☕
まァ最早名物だよな
しかし珍しいな、俺は兎も角お前がモーラットでやる気出すの
……ああ、そっちか(納得)
しかし手作りか(チョコレートをじっと見)
(そして何故か自分でぱくり!)
……うん、モーラットでも食べられるっつってたが、ちゃんとチョコレートの味もするな
あのグリモア猟兵、なかなかやる
(お茶で対抗しているディルの傍ら謎の感心)
(なおモーラットが抗議するように群がってきている)
ん? ああ悪かった
菓子やるから機嫌直せ
(ぱぱっとモーラットでも食べられるスイーツ作り)
※基本無表情で寡黙だが隠しもしない可愛いもの好き(但し愛でる時も無表情)
※メガリスにはノータッチ。他の猟兵が何とかするだろスタイル
ディル・ウェッジウイッター
🔪☕
モーラット大量発生はいつもの事ですがメガリスを投げて遊んでいるのは危険ですね
早速モーラットを捕まえましょう。張り切っている?それは当然でしょう、|銀誓館学園の学生な《この後紅茶が私を待っている》のですから!
…なんですか、その納得した顔とそっちとは
藍夜さんは喫茶店の店長。お菓子作りも手慣れてらっしゃるのでしょうね
しかし頂き物だけを供するのも面白くありません
対抗して(?)私はお茶でモーラットを誘き寄せます
チョコレートに合うのはアッサムのミルクティーでしょうか
お茶が美味しい?そうでしょうそうでしょう(モフモフが集まって来たのに気を良くして)
亨次のお菓子と共に食べればもっと美味しいですよ
●手招く香り
『モキュー!』
『キュ?モッキュ!』
キャッキャ飛び交う|白い毛玉《モーラット》とからころ鳴る|ラトル《メガリス》。
その二つをどこか達観した目で眺めるディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)と相も変わらず表情変えぬまま見据える山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は卒業間近な銀誓館の生徒である。
「モーラット大量発生はいつもの事ですがメガリスを投げて遊んでいるのは危険ですね」
「まァ最早名物だよな」
銀誓館の能力者や猟兵の生徒にとってモーラットが詰まった、乱舞するというのは存外日常茶飯事。寧ろその対処に慣れていなければ余程な方だ。
「さて、早速モーラットを捕まえましょう」
亨次はふと不思議そうに小首を傾げた。
亨次の知るディルという人間がやる気を出すときは基本的に“紅茶関係が目の前にある時”だけ。
じいっと訝し気に見つめれば、僅かに眉寄せたディルがふっとどこかそわそわとした空気を隠しきれていないまま溜息を一つ。
「張り切っている?それは当然でしょう、|銀誓館学園の学生な《この後紅茶が私を待っている》のですから!」
「しかし珍しいな、俺は兎も角お前がモーラットでやる気出すの……ああ、そっちか」
“なんですか“そっち”って。しかも何ですかその納得した空気”とディルが抗議しようとも亨次はどこ吹く風でディルのやる気を理解した今、興味を向けるのは|御簾森藍夜《グリモア猟兵》から受け取った“モーラット用だ”と聞いたチョコレート。
『モキュ!』
『モーッキュッキュ!』
『ワン!』
「わ、モーラット……!亨次、それ欲しいみたいですよ」
「だな」
パッケージから取り出しただけで香る甘さに嫌味は無い。ただ動物的に匂いに敏感なモーラット達はそそられるのか興味津々か“ちょうだい!”と言うべきか、亨次にぽこぽこ体当たりしたり纏わりついて亨次の相棒てる黒柴“ホロケウ”に吠えられる始末。
即効で飛んできたモーラット達に“多いですね”とディルが零せば頷いた亨次が――……。
「しかし手作りか――ん、なるほどな」
「えぇ、そのよ――……は?え?亨次?いや、ちょっと貴方……やるかなぁと思ってましたが今やります?」
“せめて後でとかにしてくださいよ!”と突っ込むディルだが、亨次とは銀誓館所属前から気付けば同行してなんやかんやと気付けば付き合いは長い。
当然、山立・亨次という|猟理人《料理人》が“食べ物”へ並々ならぬ興味と好奇心を持ち合わせていることは知っていた。よって|その可能性《配布されたチョコを食べる》を考慮していなかったと言えばウソになる。
「……うん、モーラットでも食べられるっつってたが、ちゃんとチョコレートの味もするな」
「藍夜さんは喫茶店の店長。お菓子作りも手慣れてらっしゃるのでしょうね」
想像より人間用チョコレートに近い味。油とカカオバターの量と――砂糖への気遣い?成分的にやや獣寄りな様子もある――……ぽつりと呟き出す亨次に“|銀誓館卒業生《実質先輩》だそうですよ”とディルが微笑めば、“そうか”と言いながら亨次は口に残る味を少しでも分析把握しようと意識を傾ける。
――ちなみにこんな朗らかに会話している二人だが、良い香りのチョコレートを食べてしまった亨次にモーラットのぽこぽこ体当たりの猛攻がなされていた。
『モキュー!』
『モッモモッキュア!!』
信じらんない!やらさいてー!やら取り合えずクレームの応酬。
「あのグリモア猟兵、なかなかやる」
亨次がしみじみと呟くも、モーラット的にはそれどころではない。
おのれこのにんげんゆるすまじ。モキュモキュと体当たりをして何か出せとせがめば微笑んだままのディルがUC―フレグランス・カパ―を展開した。
「しかし頂き物だけを供するのも面白くありません。――お茶はいかがですか?」
ふうわり香る芳醇な紅茶の香り小さな鼻をひくひく動かしたモーラットが集まり始めれば、その香りに触発された亨次もまたUC―戦場猟理・極―でラトルをがらがらふって抗議するモーラットに応えた。
『モキュ!』
「ん? ああ悪かった……ほら、菓子やるから機嫌直せ」
二人の展開した美味しさに転がされモーラット達は次々捕獲されてゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 日常
『行きつけのあの店で』
|
POW : いつものアレを
SPD : 今日のオススメは?
WIZ : 裏メニューを
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●トワイライトカフェ
天井を覆う天鵞絨の夜空
。
天幕の如く垂れ下がるそれは漆黒ではなく、星光のごとき金の粉まとう濃紺が作り出す上品な夜空と淡く重なるオーガンジーの夕日色が絶妙な暮れ行く空を描く。
流れるジャズはゆったりながら静かすぎない空気を作り出すそこは“トワイライトカフェ”。
どうか今日だけ、素敵な誰彼時の魔法に惑わされて。
***
🍫1オリジナルショコラパフェ
選べるのは下記のパーツです。上から順に数字を並べて頂くと分かりやすいです(例参照)
・ソース(1:旬フルーツ、2:ミルクチョコ、3:ビターチョコ)
・フレーク(1:コーン、2:玄米、3:ミックスナッツ)
・ショコラアイス(1:ミルク、2:ビター、3:ストロベリー、4:ホワイト、5:ブルー、6:ミント)
・ショコラクリーム(1:ミルク、2:ビター、3:ストロベリー、4:ホワイト、5:ブルー、6:ミント)
・トッピング(は、お好きな物をお教え下さい)
(例:『1(苺希望)244三毛猫耳』=白三毛猫ちゃんパフェ旬の苺を添えての完成!)
🍫2朝・昼・夜・深夜時間チョコレート
🍫3黄昏紅茶
🍫4新月夜珈琲
🌟🍫5夜の宝物
金粉煌めくチョコレートドームの夜は大人味のホットビターチョコで蕩かして。
夜の向こうにパッションフルーツソース抱いたオレンジサファイアの様なケーキがお待ちかね。
🌟🍫6夕日の秘密
夜の欠片のようなカカオニブ抱いたチーズクリーム抱いたクレープシュゼットに真白い月のアイスクリーム。
温かな西日のオレンジソースに月が溶けきる前に、冷たくて温かな人皿を楽しんで。
***
セルジュ・フォートリエ(サポート)
竜派ドラゴニアンのマジックナイト×探索者、26歳の男です。
基本的に敬語を使って話しますが、ときおり敵を挑発するような言動をとることがあります。
魔法をまとった剣を持ち戦い、〈軽業〉〈空中戦〉等で飛び回りながら戦います。
アドリブ、共闘歓迎です。よろしくおねがいします。
●今日の特別時間
ふらりと通り掛っただけだった。
“猟兵様貸し切り”の札に不思議に思いノックした扉を開けた先は――シックな空気のチョコレートパラダイス。
「此処は――」
“ようこそ”と案内された一席に溢れるスイーツのメニューを見つめ、セルジュ・フォートリエ(魔剣使い・f39315)は瞠目し、同時に迷う。
「(どれにしよう)」
セルジュ自身甘党だし、実は可愛らしいものも好きだ。
パフェの一例の三毛猫チョコパフェも可愛らしさと兼ね備えているであろう美味しさは写真からも伝わってくる。だが折角この時期なら、少し冬名残の風に冷えた夕方だからこそ温かなスイーツというのも美味しいだろう。
しかし、時間をイメージした味の異なる4種のチョコレート気になって捨て難い。
右に左に目を走らせ迷った末、“すみません”とセルジュが注文したのは、そこかしこで余り目にしない温かなスイーツ。
“お待たせいたしました”と供された“夕日の秘密”から淡く立つ湯気にセルジュの表情が緩む。
ナイフとフォークを手に、切り分ければ覗いた柔らかな色のチーズクリームとカカオニブに膨らむ楽しみ。艶やかなオレンジソースを絡め掬い取ったオレンジと共に口へ運べば、じゅわりと染み出すオレンジの瑞々しさ。
「……!」
ありふれた時間が華やいでゆく心地に、白い頬の血色が良くなって。
「……なるほど、クリームは甘すぎずソースは甘め。実には酸味が」
クレープに感じるバターの僅かな塩味が心地よいし、全体的な柔らかな食感の中クレープに掛けられた鮮やかなピスタチオの黄緑は目にも刺激を与え、クレープの裡に潜むカカオニブとカリカリ感が合わさるのも旨味になる。
コーヒーと迷って選んだ紅茶の温もりとさっぱりとした美味しさ、余り香りを主張しないものが選ばれたお陰でオレンジの残り香と良く合っていて、セルジュの口角は上がっていた。
「――偶の散歩も、悪くはありませんね」
美味しい憩いの時間に一息をつく。
成功
🔵🔵🔴
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●休息には|最高の甘味《とびきりの美味しい》を
仕事の帰り道、日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は漂ってくる甘い香りに気が付いた。
「これは……チョコレート?」
彼方は実は甘党――を越え、とんでもない甘党だ。
今日はこれ以上の仕事はない。休憩も悪くないはず、と香りの根源へ向かえば“猟兵様貸し切り”の札。一瞬躊躇うも彼方は猟兵、入った先はシックなカフェが待っていた。
案内された一席で開いたメニューの写真に、いつもは冷静な彼方の瞳が輝くと同時に迷って――“すみません”とオーダーの際、甘いものがとても好きと言い添えれば微笑んだ店員に“お楽しみに”と返された。
そうして供された四種の時間チョコレートには硬めの生クリーム添え。切ったチョコと味わってほしいとのこと。
もう一つ注文した夜の宝物、本来ドーム溶かす為の温かなビターチョコはミルクチョコレートに。
カフェラテも既に砂糖入りだが、余ったミルクチョコを入れても美味しいとの言葉。
「いただき、ます」
胸の高鳴る甘い香り。
今日のご褒美だ……!そう無意識に上気した頬とでそっとチョコレートのドームへ艶々としたミルクチョコレートを掛ければ魔法のように崩れゆくチョコレートのドームの。
「わ、崩れた……あっオレンジのケーキ?」
現れたのは宝石じみたオレンジの実を花のように飾ったケーキが顔を出す。ドキドキしながら切り分け一口。
「……甘酢っぽい。けど、」
蕩けたチョコレートを絡めれば、ザクザクのタルトの食感、ぷりぷりとした瑞々しいオレンジ、パッションフルーツソースがチョコレートの甘味を引き出し、余韻になる甘酸っぱさが心地良い。
四種のチョコレートは時間が暮れるほどビターにはなるが過ぎる苦みではなく心地よい。朝には林檎、昼にはバタフライピーの青、夕にはチェリー、夜には葡萄と異なるジュレ、そして深夜にはたっぷりのガナッシュ。
どれもクリームには良く合っていて、楽しい時間はまだ続く。
成功
🔵🔵🔴
夜鳥・藍
毎度のことながら目移りしてしまう。
そうねいつもなら星が瞬く夜空を選ぶけど今日は月を選びましょう。パフェもすごくすごく気にはなるんですが今日は月の気分。
「夕日の秘密」に「新月夜珈琲」をお供に。やはり甘い物にはすっきりした飲み物を。
とびきり甘いわけじゃないけれど、チーズとオレンジの組み合わせに珈琲の苦味はアクセントになってまたこれも美味しい。
なのに白銀ったら戻っちゃった。香りの強さだけでなく甘い物自体が苦手なのかしら?もちろん店内に入れないっていうのもあるでしょうけれど。
そういえば一年以上の付き合いになるけど好みを知らないわ。
私と同じだと思い込んでいたけれど今度きちんとお話ししてみましょうか?
●暮れ行く時間を食むように
こういう茶会への誘いというのは良いものだ。
俄かにテンションを上げながら夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)はつい頬を緩めながらも
メニューの写真に目移りしまう。
「……今日は、月。でも――」
パフェも気になるし、という言葉を呑み込み選んだのは“夕日の秘密”と“新月夜珈琲”。
供された皿からふうわり淡く登る湯気は吸いこめばオレンジの甘ずっぱ香りが藍の胸を満たす。
“いただきます”とこそりと口にして、そっとクレープにナイフを入れれば柔らかな感触と、時折ナイフの刃に当たるカカオニブの感触。
器用に切り分けた一枚を一口大に整えソースと絡めて一口。
「……!甘酸っぱいし、オレンジの苦みも……」
でも全てが絡むほど美味しいし、これは温かくていいと思える。
絡むチーズクリームのミルキーさはオレンジの酸味も苦みも程よく包み込み、とろみのある酸味混じりの甘味が下に残る感覚は心地が良い。
これはほんのりクレープ生地に残るバターの塩味?なんてじっくり楽しめば楽しむほど気分が良いし、噛めばほろ苦いカカオニブが更に藍の心を弾ませる。
「美味しい……ね、白銀」
換気のために小さく開けられている窓の向こう、丸くなっていた相棒へ話を振ればすんすんと鼻を動かした相棒はきゅっと花に皺を寄せると戻ってしまった。
どうやら甘いクレープシュゼットの香りは相棒 白銀のお好みではないらしい。
「やっぱり甘い物自体が苦手なのかしら……?」
一年以上の付き合いながら、てっきり召喚主たる藍自身に近い感覚を持っているかと思えばどうにも違うらしい、というのはここ最近の藍の気付き。
「……私と同じと思い込んでいたけど、今度キチンとお話ししてみましょうか?」
ぽつりと呟き持ち上げた新月夜珈琲のカップを覗けば深くも澄んだ黒に藍が映り込む。
「(綺麗な黒)」
傾け口にすれば、口の中をリセットする香ばしさと爽やかさ、鼻に抜ける香ばしさはホッと藍の胸を落ち着けた。
大成功
🔵🔵🔵
山立・亨次
🔪☕
🪞
🍫1456
1は1(ネーブルオレンジ)112に黒猫風チョコレートガナッシュ
しかし思ったんだが
こういうところに野郎二人で来るのもなかなか虚しくならねぇか?
別に客の視線はどうだっていいし
今んとこ恋人欲しいわけでもねぇが
単にむさ苦しいなと思っただけだ
(いただきます、と手を合わせて黙々と食べ)
パフェはとびきり甘いのも、甘さ控えめも出来てデコれるのが喜ばれそうだな
ケーキにアイスも、独特なアレンジで目でも舌でも楽しめる
(時折珈琲飲みつつメモ取りつつ)
何か俺より熱入ってねぇか?
(パフェを語るディルへと)
……まぁいい
二人も食うか?
(ディルと杜環子さんへ、未使用のスプーンで色々取り分ける)
ディル・ウェッジウイッター
🔪☕
🪞
🍫3
おや、そういうの気にします?
最近は男2人でカフェに入っても視線は少ないですよ。それに少しばかし気が楽です
ですが華が無いのは事実。という事で杜環子先輩をお呼びしました
先輩よろしくお願いします
新作の紅茶はどんな物なのでしょうね
(口を付ける)
…うん、美味しい
今日はこの一杯のために頑張った甲斐がありました
パフェ
完全なる私見ですがパフェは味はもちろん、お客様が目にした瞬間に心躍る…そんな完璧な物でなければいけないんですよ
たまに食べられないからこそ完璧であって欲しいものです
そりゃあそうですよパフェには夢が詰まってますからね…
おや、よろしいのですか?それではパフェいただきますね
●今日は、
それはディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)が案内された席へ腰を下ろした瞬間だった。
「しかし思ったんだが。」
「どうしました?」
いつも通り表情を変えないまま山立・亨次(人間の猟理師・f37635)が呟いた言葉にディルは首を傾げれば、何とも言えず居心地悪そうに動いたかと思えば、ぽつりと。
「こういうところに野郎二人で来るのもなかなか虚しくならねぇか?」
「おや、そういうの気にします?」
ジャズの流れるシックな空間。
暮れ行く空をイメージした天井の天鵞絨と席の合間は下に向かい色濃くなるカーテンで仕切られた不思議な、それこそ誰彼時のような空気。
“亨次にしては珍しい”と言外に言えばその眉間に薄っすら酔った皺をディルがくすくすと笑い“最近は男二人だからと何か言われることも無いと思いますが”と言いながら、思う。女性の視線が無い、というのも一種気楽さがあると。
「別に客の視線はどうだっていいし、今んとこ恋人欲しいわけでもねぇが……単にそう思っただけだ」
「……――と、言う訳で先輩に」
「あらまぁそうなのー……ってんもう!|先月頑張って働いた《戦争対応頑張った》先輩への労りとでもオブラートを使いなさいな!」
“まったく貴方達って子は……”と頬膨らます先輩こと杜環子の小言遮るように運ばれて来たスイーツとドリンクが空気を塗り替える。
それこそ一通り注文した亨次のお陰だろう。
「あらまぁ、華やかだ事」
「ん――いただきます」
はやくー!とコールする杜環子はと言えば、使い込んだメモ帳とペンを取り出し完全に研究する姿勢になった亨次に再び膨れつつ四種のチョコレートにナイフを入れた。
その傍ら、“黄昏紅茶”と名付けられた紅茶の説明を受けたディルはパッと瞳を輝かせる。
「なるほど、最後はこれで幸運を足す……ですか」
香る華やかさに名残りに深い香ばしさ。口に含めば檸檬というより柚めいた苦みの中に酸味が馨り、鮮やかな水色は恐らく“最後には幸運を”と添えられた蜜は恐らくクローバー。
ティースプーンで蜜を味わえば優しくもどこか懐かしい甘さで心地が良い。
「…うん、美味しい」
ふと、視線。顔を上げれば、杜環子が楽し気に笑って切り分けた四種のチョコを勧め、一言。
「ふふ。ディルくん、美味しいですか?」
「えぇ。今日はこの一杯のために頑張った甲斐がありました」
“ありがとうございます”と小皿を受け取りながら、ディルは思う。“先輩”は時々大人な顔をする。
少女のように振る舞う癖して時々突然、遥か遠い大人の顔をする杜環子をディルは勿論亨次も知っていたし、実際の年齢を知っている手前嫌味にさえ感じない……というか慣れた。
そんな和やかな空気の傍ら、亨次は真剣に見合っていた。
未だ届かないパフェはアイスが溶けてしまうから、と先にケーキとクレープシュゼットが出されたのだ。
「(シュゼットのクリームは冷たいのか……カカオニブを噛むと苦いがチーズクリームのまろやかさとオレンジソースの酸味と甘みがいいな)」
さらさらとメモを取りながら傾けたカップには香ばしくも後味が穏やかな珈琲。
さっと盛り付けもメモをしながら手慣れた所作で食んだオレンジは甘味より酸味寄り、と書き加え亨次が手を伸ばしたのは温かなチョコレート。
中くらいのピッチャー満たすホットビターチョコレートはそっと味見すれば香ったのは濃厚なオレンジ。
「(アルコールは飛ばされてる。だが香りと苦みは……オレンジキュラソー)」
崩したチョコレートの下、ナパージュで宝石のように艶めくオレンジタルトは固すぎないタルト生地のザクザク感は気分が明るくなるし、混ざるナッツと白ごまのコクは美味い。
そして食んで知ったオレンジの種類はネーブル。僅かな苦みと甘みは先と異なる細やかな違いだが口の残る香りは異なっていてたのしいし、クリームは酸味も苦みもまろやかに包む卵のコクが良いカスタードクリーム。
「(ここにチョコは使ってない、と)」
恐らく書けたチョコレートを絡め楽しんでもらえばといことなのだ、と理解したところで視線に顔を上げれば杜環子が密かに笑っているではないか。
「ごめんなさいね、ふふっだってあんまり真剣なんだもの。亨次くん、楽しいですか?」
「ケーキにクレープも、独特なアレンジで目でも舌でも楽しめる。パフェは――」
“お待たせいたしました”と運ばれて来たそれは、オレンジの花の中からひょっこり顔を出した黒猫なパフェ。
「ねこちゃん!とっても可愛いし美味しそうですこと」
「パフェというのは味はもちろん、お客様が目にした瞬間に心躍る……そんな完璧な物でなければいけないんですよ」
“先輩みたいに”とディルがフッとややドヤ顔をすれば“なるほど”と杜環子が呟いた。
「何か俺より熱入ってねぇか?」
「そりゃあそうですよパフェには夢が詰まってますからね」
「……まぁいい。二人も食うか?」
パッと目を輝かせる二人に亨次が水を向ければやっぱりディルも杜環子も瞳の耀かせ方はほぼ同じ。
「はいっ!わたくしねこちゃんのところがいいです!」
「おや、よろしいのですか――って、一番上狙うんですか」
至極まともなディルのツッコミに“今日は労わっていただくんです!”なんてぷんすこする杜環子はといえば、三角チョコの片耳で猫の後頭部削いだ亨次に“あぁっ、猫ちゃんが!”と嘆いたふり。
すれば“耳はビターだが頭はミルクだった”としれっと慣れたもの。
カフェの空気壊さぬ声量で笑い合う一時は美味しい時間。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アミリア・ウィスタリア
【小夜の藤筏】◎
🌟🍫6
藍夜さんとお話出来たら嬉しいです
どれもお洒落な名前で迷ってしまいますね。
ううん、どうしましょう……。
まあ、綺麗……!
アイスが入っていると聞いたのでこれにしてみましたが、なるほど確かに夕日……!
折角だから一枚だけ写真を撮って。アイスが溶けきる前にいただきましょう!
アイスに温かなソースをかけるものってどうしてこう、美味しいのでしょうね?
藍夜さん、私、聞きたいことがありまして……!
モーラットさん向けのチョコレートの作り方教えていただけないでしょうか?
ミラもモーラットさんが安心して食べられるチョコを作りたいです!
いつかあのモーラットさんにお会いした時、お礼ができるように……。
リコ・リスカード
【小夜の藤筏】◎
🌟🍫5
☔
うう、少しだけさっきの鈴の音が聞きたい……ような気がする……。
ちょっと聞いただけでこの効果、怖……。
甘いものは好きだけど、甘すぎるのはちょおっとだけ苦手だから……ビターチョコって書いてあるこれにしよっと。
わ、何これ!すごぉい、どう作ってるんだろう……!
お洒落だし絶対美味しいよね。見ただけで分かる。
「うわー、すご、こういうの俺も作ってみたいなァ……!」
こういう技術にも興味あるんだ。どれだけ繊細な作りなんだろう?
よく観察してからいただくよ。
ああ、藍夜くん、ごめんねェ。主、モーラットに恩があるんだって。
俺も気になるし、もし良ければヒントだけでも教えてくれると嬉しいなァ。
●いつかの日を夢見る君は、
悩まし気に小首傾げるアミリア・ウィスタリア(綻び夜藤・f38380)がむむむ、と唸って。
「どれもお洒落な名前で迷ってしまいますね。ううん、どうしましょう……」
メニューと睨めっこする斜め向かいではリコ・リスカード(異星の死神・f39357)はというと――……頭を抱えていた。
「うう……」
「リコさん?」
自身とは別の意味で唸るリコの様子に不思議そうな顔をしたアミリアが尋ねれば“あのね”と話を切り出すリコの目が僅かに遠くて――。
「いや、少し……少しだよ?少しだけさっきの鈴の音が聞きたい……ような気が、する」
「メガリスの名残に当てられたか」
そう呟いた声はアミリアではない。
この場に招かれた御簾森・藍夜のもの。“メガリスは初めてか?”と問う声にリコが頷けば、“ふむ”と顎を撫でた藍夜が、心配そうにおろおろしだしたアミリアと“俺ガラガラが良いのォ?”とすぐに思いだせそうな鈴の音に唸るリコへ酷く冷静に。
「問題ない。メガリス酔いのようなものだ。あれは本来、神楽鈴……ええと、こう、葡萄の房を逆さにしたような――……」
本来の姿からバラけメガリス片となったのだと説明をし、元来の作用は“心を落ち着け、心や場を清浄に保つ”メガリスなのだと藍夜は言った。曰く、この後専門の機関であのガラガラは解体、取り出された中の鈴を集め元の姿に戻されるのだという。
「でもじャあ俺が聞いたのは鈴一個分でしョ?少し聞いただけでこの効果、怖……」
「まぁな、それが|メガリス《埒外の物品》力だな」
「まぁ……そうなのですね?」
という話はここでお終い。
迷いに迷ったアミリアと、どちらかといえば甘すぎるのは得意ではなくてと零したリコに藍夜が“こっちはビターだぞ”と勧めて選ばれた“夕日の秘密”と“夜の宝物”が供される。
共にリコと藍夜には新月夜珈琲、アミリアには黄昏紅茶と夜へ暮れ行かせるための月蜜が添えられれば一気にテーブルが華やいだ。
「まぁ、綺麗……!ふふ、確かに夕日です!」
「わ、何これ!すごぉい、どう作ってるんだろう……!」
嬉しそうな顔を見せるアミリアとリコに“それは何よりだ”と返した藍夜がそっとカウンターの向こう、厨房の店主を指差した。
「それは|アイツ《店主》が聞いたら喜ぶぞ。ああ見えてというか、俺もそうだが作ったものを喜ばれるのは嬉しいものだ」
藍夜が知り合いだと言った店主は似た者同士なのか無表情。
だがアミリアとリコの言葉が聞こえたのか、どこか妙に嬉しそう……いや、笑っている?ようなのだが、リコは思った。
「(あの人笑顔が下手なんだ……!)」
恐らく引き攣った口元は笑っている。たぶんあれは絶対笑顔。なるほど、藍夜くんと似たものどうしたお友達なんだね……リコは斜め隣の|藍夜《無表情》も恐らくどこか淡く微笑んでいるような気がしてきて何かを察した瞬間だった。
「アイスが入っていると聞いたのでこれにしてみましたが……あっ、お写真を……!」
アイスが溶けてしまう前に!と慌てるアミリアがバッグから取り出したスマホで微調整すること数秒。また一つ“素敵”がスマホのメモリに刻まれた。
その様子をじっと見つめていた藍夜が“リスカードが溶かす時は動画で撮るか?”と小首を傾げて見せれば、アミリアの瞳が輝く。
「これ?これさ、お洒落だし絶対美味しいよね……!見ただけで分かる」
「あいつの果物の目利きは食べれば分かる。美味いぞ」
“だよねェ!”と喜ぶリコが眺めること暫し。中くらいの硝子ピッチャーを満たすビターチョコレートからは、僅かに花の香りにリコが気付き嗅げば、“越南産だそうだ”と藍夜が海の向こうの国の名を口にした。
「そういうチョコもあるんだね……じゃ主、いくよ」
「はいっ、ばっちりです……!」
そっと上から垂らされる深い茶は艶めきシルクのよう。
薄いチョコレートの膜を蕩かした向こうに待っていたのは、花のように整えられたオレンジのタルトであった。
ちなみに、また盛り上がる二人にキッチン向こうの店主が下手な微笑みを浮かべていたのはここだけの話。
食べ進め、ソースの酸味とクリームのまろやかさ、カカオニブの食感と噛んだ瞬間の苦みに微笑んでいたアミリアが、藍夜がカップを置いた瞬間にハッと一番聞きたかったことを思い出す。
「ハッ……!藍夜さん、私お尋ねしたいことがありまして……!」
「うん?どうした、ウィスタリア」
きょとんとした黒い瞳にそわそわもじもじ。
“あのですね、”とどこかそわついたアミリアがそうっと尋ねたのは――……。
「モーラットさん向けのチョコレートの作り方教えていただけないでしょうか?」
「モーラット用の?」
どうしてそんな、と口にしようとした藍夜に、どこか困ったような微笑みを浮かべたリコが助け舟。
「ああ、藍夜くん、ごめんねェ。主、モーラットに恩があるんだって」
「いや全く構わんが――」
「ミラもモーラットさんが安心して食べられるチョコを作りたいです!」
ふんす!と息巻く乙女と、俺も知りたいし良ければヒントだけでもとそっとリコが尋ねれば、それこそ今度こそ|分かりやすく《・・・・・・》口角を上げて藍夜が微笑んだ。
「俺の独学でよければ喜んで。隠すような話でもあるまい、レシピくらいやるさ。ちょっと面倒な工程を踏んでいるくらいだが、リスカードとウィスタリアなら出来るだろう」
喜ぶ二人との茶会が和やかに過ぎてゆく。
きっといつかの日、アミリアは自信を持ってお礼をする運命の日を楽しみにしながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
茜崎・トヲル
【モノクロフレンズ】
🍫4と5
あーさん、楽しそーだった!よかったねえー!
わあラトナちゃんが嫉妬キャット
嫉妬キャットってキットカットに似てrグワーッ跳び蹴り!(ラトナちゃん・キック!)(ご主人以外には容赦なし!)
うん!今夜は大人なおれたちだね、スーさん!
あっコロちゃん!やほやほー!(あーさんの彼女さん!です)
音楽がきれーだね!あーさんもにこにこ!
じゃーさ、かぶらないよーに頼んで、半分ずつにしよ!
コーヒー、めーっちゃ!良い香り!ケーキの見た目もいい!
おしゃれなので、おれも礼儀正しくします……でもちょっとはしゃいじゃうのは許してね!
スーさん、おいしー?コロちゃんも、匂いだけでも楽しんでね!
スキアファール・イリャルギ
【モノクロフレンズ】
🍫3と6
もふもふで幸せでした…
(捕獲したモーラットを存分に撫でた
(ねこさんからは冷たい視線を貰った
後程ラトナには美味しいおやつともふタイムをお贈りsトーさーん!?
さ、さて!
今宵は大人な雰囲気のフレンズですよトーさん
(呼び出したひかりはぴかぴか!
ふふ、コローロも嬉しそうだ
流れるジャズが心地良くて上機嫌
でもメニューがどれも素敵で悩みまくる私です
後でトーさんが選んだスイーツ、一口戴いてもいいですか…?
んー紅茶の香りがとても良い
トーさんが選んだスイーツは仕掛けが凄い!
綺麗なオレンジの太陽ですね
私のはアイスが溶けきる前に…おぉ冷たいと温かいが同時に
不思議な味わいですが美味しいですよ
●一緒に
真白い頬の血色がどこか良く――……なったような?
スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)がどこか恍惚と口にするのは先程のこと。
「もふもふで幸せでした……」
「あーさん、楽しそーだった!よかったねえー!」
ねー!と茜崎・トヲル(Life_goes_on・f18631)が視線向けたのはスキアファール――ではなく、その頭上でふよふよ浮いていた妖精 |ラトナ・ラトリ《もちもちねこちゃん》。
眉間にきゅっと皺を寄せるや、ぼとりとスキアファールの頭上へ落ちると振りかぶった前足でぽかぽか叩く。
「わ、わ、ラトナ……!」
止めようとも怒られる理由の分かるスキアファールは止めるに止められずにいれば、そんな面白い光景にトヲルが笑わない筈も無く。
「わあラトナちゃんが嫉妬キャット」
『み゛?』
“何ですって……?”と言いたげなラトナの視線が今度は無邪気に笑うトヲルを射抜く。
「ラトナ、後であ、美味しいおやつともふタイムをお贈りるから……」
「あはは、嫉妬キャットってキットカッ……に似て――」
「ト、トーさーん!?」
追い打ち。
瞬間、釣り上がっていたラトナの瞳が、更に。
『み゛ぃあ!』
そんなお喋り中だが斜め上から|妖精さんキック《肉球だけど痛い》だ!
「グワーッ跳び蹴り!」
遠慮も容赦もあったものではない。お茶やスイーツを|楽しんでいる途中にアッパー《突然の襲撃》でなかったのは幸いか――と仲の良い二人と一匹、実は今の主はスキアファールだが、ラトナを見出したのは実はトヲルだった。
そんなすったもんだからなんとかスキアファールがラトナに交渉の末トヲルとセットでオヤツ2倍、の言葉に妖精さんは頷いた。
「さ、さて!今宵は大人な雰囲気のフレンズですよ、トーさん」
「うん!今夜は大人なおれたちだね、スーさん!」
ちょっと声は抑えめ楽しもうね、と微笑み合う此処は静かなジャズに香る珈琲や紅茶、主張が淡くとも分かる甘い香りと時々混ざるフルーツ。
「ふふ、そう。今日はコローロも一緒にね」
ふわりと現れたその輝きの名は“コローロ”。
傍目に見ると“光”な“彼女”を、トヲルはよく知っている。
「あっコロちゃん!やほやほー!」
淡く輝き“こんにちは”と示すコローロにトオルとスキアファールが微笑んで、どこか照れたようにコローロと触れあうスキアファールにトヲルはどこか大人っぽくも感じさせる顔で瞳を細めた。
「(音楽が綺麗で、あーさんもにこにこ。それにコロちゃんもうれしそう)」
大切な友人達の喜びをトヲルは嬉しく思う……と、したのに今度は開いたメニューを前にスキアファールが小さく唸る。
彼の好みを良く知るコローロが輝けば“うう、でも”なんて目が行ったり来たり。
「あの……」
「なぁに?あーさん」
トヲルにはもうスキアファールがどの二つで迷っているのかは分かっている。
「後でトーさんが選んだスイーツ、一口戴いてもいいですか…?」
「うん!じゃーさ、かぶらないよーに頼んで、半分ずつにしよ?」
一口と言わず、半分こ。“ありがとう、トーさん”と笑い合う。
芳醇な紅茶だが爽やかすぎない温もりにスキアファールがほうっと息を溢し、トヲルもまた苦みより香ばしさのある珈琲の爽やかな後味に微笑んで。
アイスが溶けきる前にスキアファールはそうっとナイフを入れ、トヲルはチョコレートで薄いドームを蕩かせば現れた宝石の様なケーキが不思議と眩しかった。
「スーさん、おいしー?」
「~~~、はい。冷たいと温かいが同時に……!」
不思議。でも美味しい。
香り立つオレンジソースにコローロが喜べばスキアファールは勿論トヲルも嬉しい。
「トーさんが選んだスイーツは仕掛けが凄い!綺麗なオレンジの太陽ですね」
「うん!ふふ、でも二つにしよ!」
君との美味しい約束を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミラ・ホワイト
【夢音】🍫1
大好きなあなたの手を引いて
夕暮れと宵が溶け合うよな世界へ
なんだかちょっぴり大人な気分
せっかくですもの、オリジナルにしたいわ
オーダーはこっそり『2146🦄✨』
夢描く一品を
まぁ、エールさまもないしょ?
どんなのが出来るか楽しみ!
完成したパフェを前に溢れる微笑み
ふふー、わたしの大好きな人をイメージしたの
ふわふわきらきら、幸せをくださる方
――大正解!エールさまっ
わたしをイメージしてくださったのも嬉しい…!
おそろいねってふくふく微笑って
可愛くって食べてしまうのがもったいないけれど
いただきましょ!
甘い幸せに舌鼓
あら、わたしのお味はいかが?
お口のクリームも、残さずめしあがってくださいな
エール・ホーン
【夢音】🍫1
大切な君の手をぎゅっとすれば
それだけで素敵な景色が
もっと特別なものになる
その空間きれいを紡げばきっと
もっともっときれいな君の笑顔が傍らに
ふふ、そうこなくっちゃ
ミラちゃんはどんなのに――
秘密?じゃあボクも!
迷って悩んでそれでも選ぶのは
『1(苺)144🔔🎀』福音のオーダー
君とパフェ、交互にみて溢れる煌々
かわいいっ。大好きなひと――
それってもしかしてもしかして…ボク?
そわそわうきうきお茶目に純粋に尋ね
だってボクはミラちゃんにしたから
一緒だったら嬉しいなって思ったんだ
いただきまーすっ
ふへへ…おいひぃ〜…
ミラちゃん、食べちゃった!
なんて悪戯に
口元にはやんちゃなクリームをつけて
●夢描く君との一時を
“君の一緒にいるだけで、その景色はもっと素敵なものに”
手を取り合って向かったのは案内された一画、ミラ・ホワイト(幸福の跫音・f27844)とエール・ホーン(ドリームキャスト・f01626)は顔を見合わせ微笑み合う。
「ミラちゃんもう決まった?」
「せっかくですもの、オリジナルにしたいわ」
どれにする?と見つめ合ったメニューであったが、ミラもエールも目を止めたのは一点だけ。
「ふふ、そうこなくっちゃ。ミラちゃんはどんなのに――」
そっと人差し指を唇に当て、“しー”と小さく声にしたミラにエールの口角は上がりっぱなし。
「秘密?じゃあボクも!」
「まぁ、エールさまもないしょ?どんなのが出来るか楽しみ!」
そんな笑顔を交わしてからのオーダーの一瞬、ミラとエールのそわそわした様子を察した店員が“お一人様ずつお伺いしてもよろしいですか?”との提案を受け少女達はその耳元へ囁いた。
ミラは自身の前へ運ばれたグラスを見た。グラスの足に添えられたのは艶々と赤い馬蹄形のチョコレート。
「(……おまけなの?)」
ちらりと見ればエールのグラスの足元にもリボン型の真っ白く艶々なチョコレートが煌めいていた。
その様子から自身だけではなかったと知りほっとしながら眺めたそのパフェ――……。
ミントクリームに混ざる薄桃色のお陰で“夢色”のようにも見えるクリームの上、きらきらとした金粉は星屑のよう。
ちょこりと据えられた馬の頭部模したホワイトチョコレートの、その頭部――!
「(ユニコーン……!)」
細い三角錐状のコーンは凛々しい一角と夢色のクリームがまるで鬣のように馬を彩り、一対の白い翼のチョコレート。
グラスの裡には上から底へ走るスターフルーツのラインがミルクチョコレートの海へ飛び込んでゆく。合間のホワイトショコラアイスはバニラよりどこか濃厚そうな色味が魅力的。
ミントクリームはユニコーンの鬣とお揃い夢の色。
一杯に魅了されたような心地でミラがエールの方を伺えば、エールもまたうっとりとグラスを見つめていた。
「(わぁ、煌々だ……!)」
苺の花弁の中央、絞られたホワイトチョコクリームのクッションの上には艶々と金色のベルと真っ赤なリボンのチョコレート!
そんなグラスの裡、渦を描く金粉の煌めきは真っ赤な苺のソースから始まっている。
香ばしそうなフレークとホワイトショコラのアイスはちらりと見たミラとお揃い。
ふんわりベルとリボンのチョコレート受け止める雲のクリームとお揃いの白は苺の花を柔らかに映えさせて。
ちらりもう一度ミラの方を見た時、二人の視線が再びぶつかった。
「ミラちゃん、そのパフェは――」
「ふふー、わたしの大好きな人をイメージしたの」
そろりと伺ったエールにミラはどこか得意顔で“ヒントはふわふわきらきら、幸せをくださる方よ!”と微笑まれれば、エールの瞳はぱちぱち瞬いて。
「大好きな人――……」
白い頬にふんわり差した春の花色にミラがくすくす微笑みを溢せばそわそわうきうきとした様子を隠さず、エールは甘やかに微笑み返し、口にするのは知った答え。
「それってもしかしてもしかして……ボク?」
「――大正解!エールさまっ」
ミラが瞳細め至極嬉しそうに頷けば胸の温まるような感覚はきっと二人でやってきたから。
「あのねっ!ボクもミラちゃんにしたんだ!でも一緒だったら嬉しいなって思ってたんだけど――」
「わたしをイメージしてくださったのも嬉しい……!」
“お揃い”は大好きな貴女だからこそ。
そうして恐る恐る揃ってスプーンを差し入れる――前に!
パクリとエールが一番に食んだのはミラをイメージしてもらった金色のベル型チョコレート。その瞬間、ミラがあえて尋ねたのはお茶目なこと。
「あら、わたしのお味はいかが?」
「ふへへ…おいひぃ〜……ミラちゃん、食べちゃった!」
悪戯が成功したような顔をしたエールの口の端にベルを受け止めていたクリームの欠片。
「お口のクリームも、残さずめしあがってくださいな」
“ここよ”と口の端を指差したミラに“ほんとだ、美味しい!”とクリーム舐めたエールが微笑めば少女達の宴は賑やかに。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
海藤・ミモザ
👊さんと
ドルデンザさんは何にする?
私はねー…
🍫1の『1(マンゴー)222お花』と
🍫2~6!(※ドルデンザさんの注文した品は抜く
ふっふっふー
妖精たるもの、甘い物は別腹なんだよー!(ドヤァ/持論
同じものがまたどこで食べられるか分からないんだから
食べられるときに食べとかなきゃ!
ん~!美味しい~♪選んで正解!
果物は何でも好きだけど、旬のものならマンゴーかな、って
私の花(ミモザ)の色に似たもの、なんか好きなんだよね
ドルデンザさんはどんな食べ物が好き?
あ、それ美味しい?ちゃーんと楽しめてる?
誘った側だから気になってつい聞いちゃう
ふー…楽しかったー!
よーし、甘いもの満喫したし…この後は飲みに行こー!
●春待ちに華やぐ
海藤・ミモザ(millefiori・f34789)は今、向かい合う大柄な男と共にメニューを眺めていた。
「ドルデンザさんは何にする?」
「私は何でも――」
「“何でもいいです”はだめー!」
言おうとした答えを封じられたドルデンザは困った顔で微笑み“では珈琲を”と一言。
「よし!私は珈琲以外全部で!」
そんな元気な注文が運ばれて来ると、ミモザは“取り皿を”とリクエスト。
白い花の取り皿に最初に運ばれて来た夕日の秘密を取り分け、洗練された所作でドルデンザの前へ置けば、戸惑った声で名を呼ばれ。
「ふっふっふー……妖精たるもの甘いものは別腹なんだよー!で・も!」
「なるほど……?」
?を浮かべたままなドルデンザへ立てた人差し指を左右に揺らし、妙に神妙な顔でミモザが言葉にしたのは持論。
「妖精はね、美味しく楽しく食べないと――」
「た、食べないと?」
生唾ごっくん。
「美味しくなくなっちゃうの!」
“美味しくなくなっちゃう”と反芻するドルデンザに大事なポイントなのでミモザも復唱すれば、向かいの隻眼はぽかんと見開かれて。
それから珍しく笑いだしたのだ。
「ふふっ……ふふ、ふふふ!美味しくなくなっちゃうんですか?」
「そうだよ!」
「どうしましょう……困ったな、此処を勧めてくれた彼に申し訳なくなってしまう」
どうだ!とドヤ気味なミモザの脅しのような言葉に困り顔でも何でもない、歳よりどこか幼く微笑んだドルデンザがフォークとナイフを手に取った。
「ならミモザさん、“美味しく”いただきましょう?ほら、アイスが溶けてきていますよ」
「……! 大変!それじゃ、」
“いただきます”の声は少し抑えてジャズを傍らに柔らかなクリーム抱いたクレープに温かいと冷たいを絡めて頂いて。
「ん~!美味しい~♪選んで正解!」
「温かくて冷たい不思議な一皿ですね」
蕩かしたチョコレートの帳の下、咲いたオレンジの至宝の瑞々しさに笑い合い、互いに珈琲と紅茶で再びリセット。
時間をイメージしたというチョコレートはそれぞれ割って中のジュレに興味深げに頷くドルデンザにミモザは酷く楽し気に微笑んだ。
「――ね、ドルデンザさんはどんな食べ物が好き?」
「私ですか?そうですね……生まれてこの方馴染みある物が基本味のするタブレットでして。なので、こういう“人の手で作られた物”が最も好きです」
そう口にした顔はひどく優しいものだった。
どこか遠くを見るように、“何か”を噛みしめるような様子に“そっか”と微笑んだミモザにドルデンザが問うたのは返すような質問。
「ミモザさんは、何がお好きですか?」
「私?んーと、果物は何でも好きだけど……旬のものならマンゴーかな、って」
“だからこれ!”と花咲くパフェグラスにミモザはトキメキを隠さない。
「|私の花《ミモザ》の色に似たもの、なんか好きなんだよね」
「なるほど……貴女にそのブーケはお似合いだ」
新緑の髪と海色の瞳に添う橙色の薔薇束ねたパフェグラス。
底から鮮やかなマンゴーソースの蔦が上部の薔薇へ向かい這う様はビターショコラクリームとアイスのお陰で美しく映えていた。
目の前の色の洪水にドルデンザが瞳を細めれば、笑顔のミモザが迷わずパフェにスプーンを刺した。
「え?ミモザさん?」
「もー!言ったでしょ、妖精は――」
“美味しく食べないと美味しくなくなっちゃうの!”と頬を膨らませて見せれば、“でも勿体ない”なんて呻きは無視無視!妖精さんのお耳はこういう時ちょっと聞かなくても良いのだ!
「ほら、ドルデンザさんアイス溶けちゃう!」
「わ、えええ勿体な――」
「はぁい、いただきます!」
おじさんの勿体ないなんて遠慮はパース!
美味しい、と喜ぶミモザに観念して食んだ完熟マンゴーの甘さにドルデンザはついミモザを見てしまう。
「あ、それ美味しい?ちゃーんと楽しめてる?」
「私さっきから美味し想いばかりしていますよ、ミモザさん」
“ご心配なさらずとも”と微笑んだ隻眼にミモザの瞳が弧を描いた。
そんな一時が穏やかに過ぎた頃には日も暮れて。
「ふー…楽しかったー!よーし……甘いもの満喫したし、この後は飲みに行こー!」
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
夫の律(f38364)と参加
いやあ、年甲斐もなく良く動いた。モーラットが被害を広げる前に止めれてよかった。さて、お楽しみのカフェで律とデザートタイムだ。
折角なので特別メニューの🍫3黄昏紅茶と🍫5夜の宝物を注文する。
ああ、金粉付きのチョコレートドームか。おしゃれだねえ。ふむ、ミルクチョコレートをかければオレンジのケーキが。サプライズ満載で華やか、実に私の好みだ。
おおこのケーキは黄昏紅茶と良くあう。なるほど、飲み物と合うようにも作られてるんだね。
律のも美味しそうだね。そうだね、今度は奏と瞬を連れてこよう。甘いもの大好きなあの子達ならとても喜ぶだろうね。
真宮・律
妻の響(f00434)と参加
やれやれ可愛い外見の割りには逃げ足が早い子達だ。まあ、モーラット騒動は終わったな。そうだな、カフェでデザートを食べようか。
🍫4新月夜珈琲と🍫6夕日の秘密を注文する。
ふむ、チーズクリームとアイスクリームは意外と合うんだな。グレープ手ゼットは初めて食べるが、美味しいな。カカオニプの口答えもいい。新月夜珈琲も良く合う。ああ、幸せでお腹一杯だ。
そうだな、これだけ美味しい甘いデザートが揃ってるんだ。デザート大好きな奏と瞬は連れてきたら喜ぶだろう。今度来る時は家族四人で、だな。
●共に時を過ごすことを
|逃げまわる悪戯っ子《野良モーラット達》との戦いを終えて。
「やれやれ……可愛い外見の割りには逃げ足が早い子達だったな」
「いやあ、年甲斐もなく良く動いた。モーラットが被害を広げる前に止められてよかったよ」
こきりと首を鳴らした真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)が溜息を一つつけば、伸びをした真宮・響(赫灼の炎・f00434)はモーラット達が誰かを傷つけることなく無事に捕まったことにホッとしながら、律と共に足を向けたのは一息つける場所。
やはり折角ならついでに羽根を伸ばすのも悪くない、と。
「騒動も終わったことだ、カフェで休憩しようか」
「ちょっとした|デザートタイム《ご褒美時間》だ」
本当に“夫婦水入らずの時間”とも言えるこの時間は穏やかなジャズが満たす、暮れ行く空の様な天井と他の人を伺えぬよう区切られたカーテンに仕切られた上品な空間だ。
案内された席で座って、向かい合わせ。
開いたメニューの写真に瞠目しながら興味深げに眺める律の姿に、響の口角はつい上がってしまう
「律はどれにする?」
「……そうだな、新月珈琲と――」
右のページと左のベージ、更に進んでまた戻って。
元々律は優柔不断なタイプではない。
だが恐らく、思っているのは甘い物が大好きな|奏《娘》や|義理の息子《瞬》のこと。その気持ちは妻であり母である響にもよく分かる。
つい考えてしまうのだ、子供のことを。それはもしかしたら所謂親の性なのだろうか?と思う傍ら、響は大抵の人が日常と思う夫婦としてのこの風景を――何度見ても、嬉しくて仕方がなかった。
二人だった時間を奪われて、一人になって……辛くとも苦しくとも一人で耐えて、耐えて耐えて耐えて、それがある日突然二人に戻って――……最初は中々なれなかった。
どこか夢見心地なのでは?と自分や周りを少しだけ疑ってみたりして……それが段々、当たり前のようになってきている不思議を密かに噛みしめながら。
そうして注文した響の前にはクローバーの蜜を添えた黄昏紅茶と夜の宝物。律の前には新月珈琲と夕陽の秘密からはふうわり湯気が立ち昇っていた。
薄いチョコレートのドームはきらきらと。
少々崩すのが勿体ないような心地で温かなチョコレートを掛ければ、まるで魔法のようが解けるよう。
「ああ、おしゃれだねえ。ふむ、オレンジのケーキが……サプライズで華やかだね」
「ふむ……チーズクリームとアイスクリームは意外と合うな」
オレンジの酸味、タルトのザクザク感に舌鼓打った響が嬉しそうに微笑む向かいで、律は口の中で転がしたオレンジソースが僅かにバター香るクレープ生地と絡み合い、解けるチーズクリームの思いの外甘すぎない味に律は瞬きをした。
アイスクリームもまた、爽やか過ぎずに甘すぎないことで嫌味も引っ掛かりも全くない。だが不思議なもので、おそらくそれ単品を楽しめば今一つ味は足りないと感じられるだろう。
一介の料理好きとして一口一口つい癖の様に分析しながら、気付いた一つの事実。最も甘いのは、やはり掛けられた温かなソースだ。
「(クレープシュゼットというスイーツは初めてだが……)――美味しいな」
“カカオニブの口当たりも良い” と機嫌良さそうに微笑んだ律が響と視線を合わせると口にしたのは家族のこと。
紅茶のカップを傾け味わっていた響が、ふと楽し気な率を見る。
「律のも美味しそうだ。そうだね、今度は奏と瞬を連れてこよう。甘いもの大好きなあの子達ならとても喜ぶだろうね」
「そうだな、これだけ美味しい甘いデザートが揃ってるんだ……デザート大好きな奏と瞬は連れてきたら喜ぶだろう」
言葉が重なって、互いに見つめ合って。
響と律が笑いだしたのはほぼ同時――……穏やかな時間が過ぎてゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
吉備・狐珀
【狐扇】
🍫1『1(苺)243三毛猫とトラ猫のクッキー』と🍫3
モーラット可愛かったですね(もふふわの抱き心地を思い出してにこにこ)
もう少し抱っこしたかったけれど、この後に待つカフェも楽しみで
期待に胸ふくらませて店内へ
わぁ…。宵のうちの空のような…
聞いたことのない音楽だけれどとても心地よい音色と相まって
とても素敵なお店ですね!
どんなパフェにしましょうか…、果物がいっぱい…、チョコも美味しそう
このアイス美味しそう―、あ、でも、こちらのも…
ソースは―、うぅ、このソースも気になります…
どれも美味しそうで、迷いに迷って
完成したパフェが目の前に運ばれると子供の様に目を輝かせて
美味しいですね、語さん!
落浜・語
【狐扇】
🍫1『2231猫耳チョコ』と🍫3
本当にもふもふいっぱいだったな。
集まってくるのはわかってたが、まさかあんなに来るとは思わなかったよ。もふもふでもあれだけ当たってくるとちょっと痛い…。
でも、もふもふを満喫できたようで何より。
ジャズって、曲によって雰囲気がとても変わるから面白いし、とってもいい感じのカフェだな。
組み合わせ次第で色々できるんだな……。そうなると、かなり悩むなぁ……本当どれも美味しそうだし、うーん……。
色々好きなものを詰め込んでるし、これは本当幸せ。一緒に食べるからってのもあるけど。
うん。美味しいな。
●もふもきゅの後で
ふふ、と吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)が零す微笑みは嬉しそうなもの。小さな手を握って開いて思いだすのは、先程モーラットを抱いた感触だ。
「モーラット可愛かったですね、語さん」
「本当にもふもふいっぱいだったな……。集まってくるのはわかってたが、まさかあんなに来るとは思わなかったよ」
そう呟いた落浜・語(ヤドリガミの天狗連・f03558)の瞳がどこかどろりと疲れていたのはきっと気のせいではないだろう。
「(もふもふでもあれだけ当たってくるとちょっと痛い……)」
個体差もあるのは分かる。
だが、野良のせいなのか柔らかい毛並みではあったが、その下にあるのは明らかに筋肉。無邪気に“もきゅ!”と鳴く姿は可愛い。そう、狐珀の言う通り可愛い……が、いかんせん当たると痛い――……は体験して改めて知ったことだけれど。
「でも、もふもふを満喫できたようで何より」
「ふふ……私、もう少し抱っこしたかったくらいです!」
痛くてもそれはちょっとのこと。大切な狐珀の笑顔が見られたのなら何より――そう語は自身に言い聞かせた。
そして訪れたのはお待ちかねのカフェ。
ドアを開ければ見えた暮れ行く空の不思議な空間に狐珀はパッと表情を明るくし、語は興味深そうに見回した。
「わぁ……。宵のうちの空のような……ピアノ?も綺麗ですね」
「これはジャズ。クラシックにマーチ要素を入れたりしていて、曲調と楽器で雰囲気がもっと違う物もあるから面白いんだ。それにここのカフェの空気をとっても良くする要素の一つなのかもな」
耳に届いたジャズはピアノメインのしっとりしたもの。
耳慣れない曲に狐珀が不思議そうにすれば、聞いたことのある語がざっくりとジャズという曲を教えてやれば、“そうなのですね……!”と狐珀が小さく拍手。
そうして開いたメニューと気付けば二人は睨めっこ。
あれにもこれにも興味が湧いて、一つの写真に引かれてはページを捲って別の写真に惹かれてしまう。
だがたった一つ……どんなに他に目を引かれても視線を戻してしまうものがあった。
「どんなパフェにしましょうか……、果物がいっぱい……、チョコも美味しそう。このアイス美味しそう―、あ、でも、こちらのも……ソースは―、うぅ、このソースも気になります……」
「組み合わせ次第で色々できるんだな……。そうなると、かなり悩むなぁ……本当どれも美味しそうだし、うーん……」
あれにしようかこれにしようか。
いや、もしかしたらこちらの方が……?なんて、思えば思うほど迷う感覚に狐珀も語も頭上に浮かべた?マークが増えに増え、はたと顔を見合わせた。
その末に供されたのは――……。
「「……おぉ、」」
2人の声はつい重なった。
語のパフェグラスのてっぺんには三角の耳がちょっこり。
アイスと同じ苺色の耳は苺色のねこちゃんだ。目や口、ひげだけがミルクチョコ製な様子で容器にウインクをしていた。
向かい合う狐珀のパフェグラスにのてっぺんにはあくびをする三毛猫ときりりとした顔の虎猫のクッキーが。
丸いクッキーに施されたアイシングと耳は語と揃いのチョコレート製。
パフェを目の前にすると胸が高鳴るのはどうしてだろう?
語と狐珀は不思議と視線を合わせてから、意を決してスプーンを差し込んで――!
「「……美味しい!」」
また声を重ねて微笑み合う。
一口掬ってミルクチョコレートクリームの甘すぎない独特の濃厚さ。ストロベリークリームは生の苺と使ったソースで生クリームに色と苺の味を追加しているそうで、らしいミルク感は存外主張しすぎないお陰で、瑞々しい苺の香りは良く合っていた。
ショコラアイスはホワイトショコラは濃厚だった。だが残り過ぎない後味で、次の一匙がもっと欲しくなる感覚に狐珀の頬は緩みっぱなし。
語もまた、ホワイトショコラアイスがベースのストロベリーに舌鼓。……少し、猫ちゃんを崩すのは惜しいけれど、食べてやらねば溶けてしまう!
「美味しいですね、語さん!」
「うん。美味しいな」
“美味しい”と笑い合える一時を、君と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
蓮見・双良
🪞杜環子さんと
良い雰囲気のお店ですね
どこの席にしますか?
杜環子さんのお好きな場所へ
彼女がどんなものを選ぶのか見つつ
僕は🍫2と🍫3を
それ(彼女の選んだメニューの使用食材)がお好きなんですか?
折角お付き合いくださったんですから
飽きさせないよう話題を振り、話を広げます
…僕も、杜環子さんが何を好むのか、興味がありますし
…ん。舌触りの良いチョコレートですね
紅茶も美味しい
杜環子さんが選んだのも、家でも再現できそうですが…
味が分からないことには、どうにも
自ら味見の申し出はしませんが、分けて頂けるのなら有り難く頂戴します
お礼に僕の皿も差し出して、良ければどうぞ、と
勿論、再現品も杜環子さんにお届けしますよ
●君との一時は青く、
「杜環子さん」
「ふふ、この度はお誘いありがとうございます」
変らぬ微笑み――……なように見えて、どこか幼く感じるような笑顔浮かべた蓮見・双良(夏暁・f35515)が出迎えたのは壽春・杜環子だ。
「どこの席にしますか?」
「そうねぇ……折角なら空の合間、あのあたりにいたしましょ?」
折角ならと杜環子の選んだそこは天井を見れば本当に、空が交わる合間の場所。
「……とっても迷いますわね」
「どれとどれでですか?」
きゅっと眉を寄せた杜環子が唸れば、一緒にメニューを見ていた双良はちらりと杜環子へ視線を向けて。
もしも迷うものがあるのなら自身が変えようか。それとも、もし全てなら――そう考えた双良へ返って来たのは、ある意味予想通り。
「むぅ……全部です」
笑ってはいけない。
恐らく向かいの杜環子は真剣なのだから。だがどうにも……どうにも、“先輩ですので!”と普段ドヤ顔を見せる杜環子が真剣に菓子を選ぶ様子が何とも言えず、つい双良がくすりと笑みを溢せば案の定頬を膨らまされてしまう。
「なんです、蓮見くんはもうお決まりに?」
「一応は」
「……なんですって!?」
そうしてううんううんと唸った末、杜環子が選んだのは“夕日の秘密”。
とろりと掛けられたオレンジの温かなソースの香りが広がれば、何とも言えず食欲がそそられてしまう一皿であった、が。
「はい、蓮見くんもご一緒しましょ?」
「え、あ、半分は――」
「あら、甘いものはお嫌い?」
“いいえ”と首振った双良はつい受け取った皿を断れる性格でもなく、冷めぬうちにと微笑む杜環子の言葉に背を押されるように、上品な所作で切り分け一口。
「美味しい?」
「はい」
「良かった、せっかくなら身近では見ない温かくて冷たいっていうのをね、貴方と楽しめたらなと思いましたのよ」
双良の瞳が見開かれたのも一瞬。次にはころころ微笑む杜環子につられ、どこか見目の年相応と言うべきかどこか柔らかい笑顔を湛えていた。
「杜環子さん、そちらのは“温かくて冷たい”以外にどこが……ううん、何がお好きですか?」
「これ?そうですわね……全体的に美味しそうって思ったのだけれど、一番はこのチーズクリームに興味があったの。どんなお味かしら?って」
“そうしたらとっても美味しいわ”
うふふ!と少女のように微笑む杜環子へ、今度は双良が杜環子と同じように切り分けた四種のチョコレートを勧めれ、どれにしましょう?と微笑んでみる。
それはどこか冒険をするような心地で、異なる見目だけでは察しきれない味を同時に楽しむこと――というのも、また面白いことだと双良は知ることが叶った。
「(やっぱり、面白い)」
人生に発見はつきものかもしれない。だが、短い人生の中で驚くほどの体験があり過ぎたと自覚しているせいか、双良自身これから何が有ろうと大した驚きも無いだろうと思っていた。
だがどうしてか、おそらくとっても当たり前なことの一つかもしれない。
すでに経験があるはずのことなのだろうとも、自身でも思えるのに……どうしてか妙に“新しい”と感じてしまうのは、人と分け合うと言うより“杜環子と分け合う”という特定の誰かと思うからなのだろうか?
「(それに知りたかった、)」
彼女が何を思い、何を選ぶのか。
実のところ、当たり障りなく過ごすために知ろうとした経験は沢山ある。相手の好みと際うものを知っていれば、最低限の不興を買うことも無く過ごせるし、上手くいけば相手の懐へ潜り込むことも叶うから。
だが、先程の問いにそんな下心など端から無かった。
「(温かくて、冷たくて……それにどの味にも嫌味はなく、ぶつかり合いも無い。調和してる)」
「あのね、蓮見くん」
「――っ、はい」
思考の海に沈みかけていたところに、声。
藍色の宝石じみた瞳を細めた杜環子が嬉しそうに指差したのは双良が選んだチョコレート。
「ごめんなさいね。大した話では無いのだけれど、この青いチョコレートは中まで青いのね……!」
“わたくし知らなかったわ……!”と微笑まれれば、双良は|自然と《・・・》微笑み、“その色は天然のハーブの色だそうですよ”と教えるとてっきり“ハーブ!”と言うかと思えば、出てきたのは古風な言葉。
「薬草!」
「やく、そう?……ふ、ふふ、薬草って……!」
「あら?ハーブは薬草ではなくって?」
小首を傾げて不思議そうな顔までするものだから余計に面白おかしくて仕方がない。
雰囲気を壊さぬよう何とか押し留めた双良が紅茶で心も口の中もリセットしようとしたその時、ぼそりと“……やくそうちょこ”と呟いた杜環子の言葉が双良への止めになったかどうかを知るのは二人だけである。
大成功
🔵🔵🔵
青和・イチ
【エイツア】
素敵なカフェですね…大好きな、一番星の頃の空…
みんなと一緒だから、特別楽しい予感
相棒のくろ丸も、入れるなら一緒に
どれも美味しそうだけど…僕はこれを
🍫1『1155+三日月』
🍫3黄昏紅茶
フルーツはお任せ
コーンフレークは、サクサクもアイスが染みた柔いのも好き
アイスとクリームは、宵に向かう空の色
月を載せたら…幸せな気持ちで歩く、いつもの帰り道
楽しかった一日…みたいなイメージ
あ、僕も写真を…
あれ、え?何で?(何度撮ってもくろ丸が写り込む
(帰り道には私も居ます、と言わんばかり
みんなのも美味しそう…テーマも、皆らしいね
ほっこり温かい気持ちになりつつ聞いて
アイスが程良く溶けたら…いざ、頂きます
ジャスパー・ドゥルジー
【エイリアンツアーズ】
🍫1(1(苺)322+悪魔の角】
+🍫3黄昏紅茶
今回の写真、エイツアの社内報に使うんだってさ
いつも以上に撮影に気合入るよな(スマホパシャパシャ)
ん、見た目がカワイイだけじゃなくて
ビターチョコと苺のほろにがと甘酸っぱさが絶妙でめっちゃ美味い
紅茶も濃厚なパフェに負けねえくらい香りが豊かだ
皆のコメントに耳を傾け
うち、食リポ向いてるヤツむっちゃ多いなと感心
パウルの言葉にはそっと笑んで
俺、Glanzの後ろに乗っけて貰ってるとき
いつも流れ星になった気分だなって思ってたぜ
「願いもいっぱい叶えて貰ってるし」――ってのは
惚気過ぎだから声には出さないでおこっかな、なんて
蓮条・凪紗
【エイツア】
注文は
🍫5夜の宝物に🍫3黄昏紅茶
皆も紅茶にしはったんやな
オレの世界、お茶言うたら抹茶やしなぁ…
紅茶見かけるとつい気になるんやわ
香りをしっかり楽しみ一口含んで味わいも堪能
お、写真撮るん?
目に焼き付けるだけやなく思い出残せるってエエ文化やわ
皆の感想とか食レポに耳傾けつつ
自分の番、オレンジソースをフォークの先に取り
…夜闇の向こう側に薄ら灯る燈によぉ似とる
金粉はさながら夜空の星やろか
街灯など無い、本当の夜の世界のほろ苦さ
…なぁんてな
言うだけ言って照れ隠しに笑みながらパクッと食べて
パウルの語りも聞き、頷き
願いを叶える事が願い――エエなぁ
ちらっとジャスパーに視線向け
どんな顔しとるやろ、とな
三上・くぬぎ
【エイツア】
わーい、みんなでカフェにおでかけですー!
もきゅ、どれもおいしそうで迷うですー。うーん……くぬぎはパフェが食べたいです!
🍫1『3311ブラウニー』
あ、ふつうのサイズでだいじょうぶですよ。こう見えてくぬぎ、いっぱい食べられるです!
パフェの写真をとるんですか?
くぬぎがたのんだのは、チョコいっぱいのパフェですよ!
どこを食べてもチョコ味でつくってもらったです。とってもおいしそうですー♪
わぁ、集合写真もとるですか!
みんなでおでかけってかんじがして、たのしいですね!
ヴィリヤ・カヤラ
【エイツア】
またみんなで食べに来られて嬉しい!
メニューも色々あるから迷っちゃうよね。
注文は……
🍫2 深夜時間チョコレート
🍫3黄昏紅茶
これでお願いしようかな。
紅茶は別のでも全然大丈夫だよ。
深夜って静かな感じで落ち着くし、
色んなものを隠しちゃうような雰囲気も好きなんだよね。
だから、気になって頼んじゃった。
皆のパフェも色んなイメージで素敵だね。
あと、写真も撮るんだよね。
あまり慣れてないんだけど頑張って撮ってみよう。
あ、集合写真も撮るの?記念にもなるし良いね。
皆の感想も素敵で食べるのが楽しみになっちゃうね。
チョコと紅茶のそれぞれの味も楽しみだけど、
合わせたらどんな味になるのかも楽しみ!
ダグラス・ブライトウェル
【エイツア】
🌟🍫6夕日の秘密
🍫4新月夜珈琲
ちょっとしたパーティみたいですね
こんなに美味しそうで素敵な写真が社内報に載ったら
質問攻めにあうかもしれませんよと笑って僕もスマホで撮影を
夕日の秘密
いい名前ですよね
一体どんな秘密が隠されて…と食べてみれば、想像以上
ああこれは…癖になる秘密ですね
夜の欠片と月のアイス、西日のソース
全部を一緒に味わうとまた凄いですよ
珈琲との相性も抜群で
肝心の所はわざとぼかし
秘密の部分は|秘密のまま《食べてのお楽しみ》に
皆さんそれぞれが思う夜や星の話も、素敵な誰彼時の魔法ですねぇ
ここの魔法と出逢ったからこそ掛かったその魔法で、
|また今度《おかわり》がしたくなりましたから
マシュマローネ・アラモード
【エイツア】
みなさんで記念撮影!
オリジナルのパフェやコメントも添えてのカフェタイム☕️🍰!
きっと素敵なエイツア社内報が出来そうですわ!
🍫6夕日の秘密
色々あって迷ってしまいましたけど、コレにいたしますわ!
夕日の秘密……クレープシュゼットと月を見立てたアイスクリーム、中々にエスプリの効いた名付けだと思いますわ!
こうしたテーマ性のある一皿は、インスピレーションを駆り立ててくれますわ。
みなさんのオリジナルパフェもそれぞれテーマや好きが詰まっていて見た目にも美味しそうですわ!
パウルさんの流星のテーマ……私、そういうのとても好きですわ……一瞬でも、目に焼きついて離れない鮮烈さ、憧れますわ。
パウル・ブラフマン
【エイツア】
ども!エイリアンツアーズでっす☆
素敵過ぎるカフェの噂を聴いて、社員旅行にやって来たよ!
持ち前の【コミュ力】を活かして
オーナーさんに店内での商品の撮影許可を貰っておくね♪
▼オーダー
🍫1『2335(流れ星)』
🍫黄昏紅茶(可能であれば)
この角度なら全員がフレームに納まるかな?
皆が写った一枚も欲しいよね!
各写真に添えるコメントを書き留めながら
自分が語る番になれば、僅かな逡巡の後に。
今回のモチーフの『流星』がスキって云うか…憧れがあるんだ。
旅するように空を渡って
暗闇を裂いて進みながら、時に誰かの願いを叶えたりするの。
本音の吐露にはにかみつつ
紅茶とショコラアイスのマリアージュを楽しもうっ♪
●エイリアンツアーズ社員旅行~シルバーレイン 『トワイライトカフェ』編~
案内されたのは8人並べるライブキッチンカウンター。
『良かった……!実は実演タイプのキッチンも展開予定なのですが……その、うちの|オーナー《シェフ》が寡黙過ぎでして』
「へぇそうなの?」
困ったように微笑む店員は“ども!エイリアンツアーズでっす☆”と爽やかに挨拶をしたパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)(※初対面)が“素敵すぎるカフェの噂を聴いて~……”と聞いた瞬間、“わぁ、ようこそいらっしゃいませ。エイリアンということは、ウチの噂宇宙まで……ということですか?凄いですよ!オーナー!”とはしゃいでオーナーを呼んだ青年だった。
「今回の写真、エイツアの社内報に使うんだってさ。いつも以上に撮影に気合入るよな」
マシュマローネ・アラモード(第十二皇女『兎の皇女』・f38748)がちらりとキッチンを伺えば、大柄な体格の割に酷く大人しい白熊の様な男――オーナーが他のテーブルの注文なのだろうか……慣れた手つきでクレープを焼く傍ら、既に焼き冷ましたらしい生地に冷蔵庫から取り出したチーズクリームを丁寧に塗るとカカオニブを振りおえると、迷わず焼き途中のクレープ生地を裏返し。
「凄い……」
『ウォン』
「もきゅ、みんなでカフェにおでかけできたかいがあるですー!」
流れるようなその所作に青和・イチ(藍色夜灯・f05526)が瞳を輝かせれば、主人の嬉しそうな様子に相棒犬のくろ丸の尻尾がぱたぱた揺れる。
同じくガラス越しにクレープの作られる様子に瞳を輝かせる三上・くぬぎ(アウトドア派・f35607)の桜の花弁に似た耳がふるりと震え繊細なクレープ焼ける音や紅茶の注がれる音、珈琲がほたりと抽出される音も、合間縫うジャズの軽快な音もどれもが胸を躍らせる材料にしかなり得なかった。
スマホで手早くオーナーの手許を撮影するジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)の撮影は既にパウルがオーナー自身から許可を得済み。
ちなみにこれは|寡黙《照れ屋》なオーナーへコミュ力の塊のようなパウルが真摯に丁寧に対応し聞き取った成果である。
「モワ……!コミュニケーションパワーが爆発ですわ!」
「いやぁ……えらいことしてはるな」
すぐに照れてしまうシェフ兼オーナーであったが、その腕は作り出される全てに迷いを持たない。手早くも丁寧で繊細に全ての段階を踏み、パフェグラスへ落したソースで描く花や蔦へ、ナイフで透けるほど薄くスライスしたフルーツをグラスへ張ると熱したスプーンで丸く形整えたアイスクリームが詰められた。
その光景にほうっと感嘆の息零すマシュマローネの隣、蓮条・凪紗(魂喰の翡翠・f12887)もまた興味津々に見つめるそのパフェづくりはどんどん進められてゆく。
重なるクリームは思い思いに違う色。そしてグラスのてっぺんを彩るものも思い思いのデザインはそれぞれ華やか。
さっとオーナーの開けた升目上に区切られた浅い霧箱から出された艶やかなショコラの群れに、ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)も興味深げに瞳を細めれば、並ぶダグラス・ブライトウェル(Cannibalize・f19680)も感嘆の息を溢しオーナーへ問いかけた。
「そちらは貴方がご準備をなさっているのですか?」
「……宝石みたいだね」
穏かなダグラスの声に集中していた所為か、ハッとしてオーナーが照れたように頷いて。
『はい……全て。だからあまり、数は用意出来なかったので、期間限定で、こうして……』
「なるほど。お写真をいただいても?」
「あっ、私もいいかな?」
『!勿論、です。一列目が本作品、二列目以降は各試作品……です』
カシャカシャと二つ三つと音が響けばそれぞれのスマホには所謂映える写真が画面いっぱいに。
よく聞けば色味や形の異な二列目以降は中の味も違うのだとか。
「モワ!宝石がいっぱいなのですわ!」
「え、どれどれ?わ、凄い!星だけで七色もあるし、形もバラバラだね♪」
「これ社内報に乗せたら皆喜びそうじゃん!」
店内を見て回っていたマシュマローネとパウル、ジャスパーが笑顔であの色が好きやら形が素敵とヴィリヤやダグラス、興味津々で覗きこんだイチや凪紗、“もきゅ!”と瞳を輝かせたくぬぎも巻き込み盛り上がれば、黙して微笑むオーナーの嬉しそうなこと!
「ね!オーナーさん、今の撮らせてもらっても良いかな?」
記念の一枚は不慣れな笑顔と宝石箱と共に――……そうして“どれにしよう?”と言いがちなこのカフェへ訪れた人が皆言うメニュー選びを経て、次々キッチンで作られることとなる。
初めは凪紗の注文。
「オレからでエエん?」
そわりとした様子で覗きこむキッチンでメニューの写真に載っていた宝石に例えられたオレンジタルトの上へ最後の仕上げ、チョコレートドームを作るのだと言う。
小鍋でドームをとかすようのチョコレートを温める傍ら、先に温められたミルクチョコレートを整えるように混ぜたオーナーが取り出したのはカラフルな風船。
掌より一まわる大きく膨らまされた風船へスプレーボトルで軽くオイルが吹きかけて――……。
「え。それもしかして、」
こくん、と頷く店主。
風船を一体何に……?と訝し気な凪紗とエイリアンツアーズのメンバー。せっかくだからとレンズの向く中、そっと風船がチョコレートで薄くコーティングされてゆく。
一種不思議な光景。
あれよあれよと作られたそれにはらりと金粉の星が施されれ、小さな音で割られた風船が剥がされればチョコレートドームがそっと被せられ、“夜の宝物”の完成!
「おぉ……」
つい零した感嘆の息と共に中くらいの硝子ピッチャー入りホットチョコレートが添えられた。
次に着手されたのはマシュマローネとダグラスの注文。
「モワ!どきどきいたしますわ……!」
「そうですね、目の前で“今”というのは中々……」
先程チラリとみること叶ったクレープを焼き、チーズクリームとカカオニブが挟まれる瞬間。その先はまだだったのだ。
取り出された鉄のフライパンにさらりと真白いグラニュー糖が落とされたのも束の間、とろりと熱に溶かされて液状に。
注がれたオレンジの果汁と細くカットされたオレンジピールへ火が通され、そこへイチョウの葉状に折り畳まれたクレープが投入。
前のめりに見つめるマシュマローネに、店主が“危ないよ”とジェスチャー。
「モワ?」
硝子越しなのに、とマシュマローネが首を傾げながらも身を引いた瞬間、ダグラスが“あぁ”と淡く微笑んで。
傾けられたフライパン。サッと投下された|透明な液体《グランマニエル》のアルコール分に火が燈る。
「!」
わ、と一気に華やぐエイリアンツアーズのメンバーのカメラや動画に収まるその光景。
アルコール分が炎により飛ばされ切った先、残ったのは香り立つビターなオレンジのみで、二人の目の前にアイスクリームの月と共に供されたのは“夕日の秘密”。
そして次に取り出されたのは先程みんなで盛り上がった宝石箱――こと、チョコレートボックスだ。
「あ、もしかして私かな?」
夜の様な漆黒の石のプレートに並ぼうとするチョコレート。
ヴィリヤは“深夜のチョコレートのみ”のリクエストだったため、少し悩んでから店主が小さく手招き。
「?」
不思議そうに身を乗り出したヴィリヤへ“この一列からお好きな物あと3つどうぞ”との声。
『試作の中ですが、もし良ければ……』
「選んでいいんだね……!」
本当は朝昼夜深夜のセットだけれど、一種類のみを希望してくれるなら期間限定のカフェらしく特別仕様。
悩みに悩み選んだのはビターショコラの上に星散るもの、青く艶やかな星形、白から黄色へ変化してゆく楕円形の3つ。
是非割ってみて、と添えられたナイフと共に受け取ったチョコレート4種は不思議とかがいてヴィリヤの目に映る。
そして次から注文されたパフェが作られるのかグラスが並び、全て同時に始まる様子。
まず最初はイチのグラス。底に透明なソースが落とされ、グラスの口まで斜めに引き上げられる。
2つ目はくぬぎのグラス。底に落されたのはビターチョコソース。
小柄なスーパーモーラットのくぬぎにはミニグラスを――と取りかけた店主へ“もきゅ!”と小さな手を上げたくぬぎは高らかに。
「あ!ふつうのサイズでだいじょうぶですよ。こう見えてくぬぎ、いっぱい食べられるです!」
そんな元気な声に頷いた店主はじっとクヌギを見つめるとグラスの裡にビターチョコで描くのはくぬぎの様なスーパーモーラットの姿。
3つ目はジャスパーのグラス。底には真っ赤な苺のソース。
そしてグラスの裡に描かれるのは、ジャスパーの背で時折震えるその翼と尾!
4つ目のグラスは勿論パウル!底にはミルクチョコレートを落とし、グラスの口へ向け描いたのは、イチとお揃いの天の川。
そうして整った下準備の次はグラスの中が整えられてゆく。
イチの透明な軌跡に施されたグラスには金箔と金粉で天の川とカリカリのコーンフレーク。
くぬぎ、ジャスパー、パウルのグラスには軽やかな音でミックスナッツの雨が降る。
コツンコツンとコーンやナッツがグラスにぶつかり合う音は、聞いているだけでわくわくした気持ちが掻き立てられ、誰もがどこか浮足立ってしまうのは不思議で仕方がない。
そうしてブルー、ビター、ミルク、ストロベリーとアイスが整えられ、イチとパウルは揃いのブルー、くぬぎはミルク、ジャスパーはビターなカラーで満たされた。
全てにブラックココアの雪が降らされ、整うのは新たなキャンパス。
最後の仕上げ、イチとパウルのグラスにはブルーショコラのクリームがその上にブルーショコラの花が咲く。
イチには青くアイシングの細い三日月のクッキーと、その影のように背後へブラックチョコレート製の細い三日月のチョコを飾った仕上げには星のように金箔のラインを施して。
イチだけの青三日月のパフェの完成だ。
「(いつもの、帰り道……)」
星の天の川は道にも見えその軌跡はてっぺんを越えその先へ続き、黒い三日月はまるで足元で丸くなるくろ丸のよう。
パウルのグラスの上には、花の中央に星型八面体のチョコレートが降れば、まるで流星が湖面へ落ちてきたかのよう。
「わぁ……!」
ほぅっと、パウルが息を溢す中、輝く金箔の雨で完璧な仕上がりだ。
続いてくぬぎのグラスの上、かっとされたブラウニーが乗って――終わりではない。そっと向けられたホワイトショコラクリームの口金。
「もきゅ?」
不思議そうに首傾げたクヌギの目の前でブラウニーは魔法のようにモーラットのようなふわふわな毛並みに!
可愛い、と言ったのは誰だったか。
スライスアーモンドのお耳とチョコレートの目鼻口が整えば小さなくぬぎのよう!
「すごい!くぬぎみたいです!」
そうして、いつの間にか作られて居たのか、ジャスパーとよく似た赤い角がグラスの上に一対、整って。
「……!」
並んだスイーツとパフェにいくつもいくつもシャッター音が洪水のように降る中、誰もが笑顔で、さり気無くイチと移り込むくろ丸に微笑む時間も、パフェやスイーツとのツーショットも、どれもこれもが賑やかだ。
「ちょっとしたパーティみたいですね」
「この角度なら全員がフレームに納まるかな?」
微笑むダグラスに“みんな寄ってー!”と口角上げたままのパウルが示し、幾つも取った写真でカメラロールがいっぱいに。
「くぬぎとパフェの写真もとるんですか?」
「撮るよー!」
もきゅ!と微笑むくぬぎが“くぬぎはチョコいっぱいのパフェです!”と自慢する傍ら、丁寧にカットしたチョコレートに目を見開いたヴィリヤの頬が緩んでゆく。
「深夜って静かな感じで落ち着くし、色んなものを隠しちゃうような雰囲気も好きなんだよね」
“でも色々な夜があるんだね”と微笑み、一つ一つジュレの違いやガナッシュの深みを話すヴィリヤのコメントをパウルは丁寧に書き止めてゆく。
その向かいで“迷ったんだけれどね、”という言葉に強く頷いたのはマシュマローネだ。
「わたくしもです……!こうしたテーマ性のある一皿は、インスピレーションを駆り立ててくれるのですが、どれも気になってしまいましたの!」
洗練された所作は王族教育ゆえ。
クレープに絡むオレンジソースの甘さは月に見立てたアイスのクリーミーながら後味の爽やかさがより引き立てる。
「中々にエスプリの効いた名付けだと思いいますわ!」
「お。オレのも写真撮るん?目に焼き付けるだけやなく思い出残せるってエエ文化やわ」
にぱりと笑った凪紗がドームの下から現れたケーキにふ、と相好を崩す。
「……闇の向こう側に薄ら灯る燈によぉ似とる。金粉はさながら夜空の星やろか」
皆の感想もそれぞれらしかったのだから、凪紗自身も少しは力を入れて。
「街灯など無い、本当の夜の世界のほろ苦さ……なぁんてな」
あんまり真剣にパウルが聞くものだからつい恥ずかしくなって食んだオレンジの瑞々しいこと!
もう一口目はチョコレートを絡めていただこうかと算段さえ楽しくなる傍ら、次にレンズが負ったのはイチ。
「あ、僕も写真を……あれ、え?何で?」
何度撮っても誰がとっても映り込む“くろ丸”はちょっとドヤ顔。
「そうだね、“帰り道”はくろ丸も一緒だよね……っていう、うん、僕は“月を載せたら……幸せな気持ちで歩く、いつもの帰り道。楽しかった一日…みたいなイメージ”」
「なるほど……素敵だね♪」
さらさら書き留めるパウルが次に狙うのは、一口食んだクレープシュゼット微笑み零したダグラスだ。
「僕も名前に惹かれてこちらを。ふふ、ですが食べてみれば想像以上でした」
「どんな感じ?」
「“癖になる秘密”と。夜の欠片と月のアイスに西日のソース……全部を一緒に味わうとまた凄いですよ」
「うわぁ気になるー……!」
「うち、食リポ向いてるヤツむっちゃ多いな……」
“いっそ全部頼んでいれば……!”と口にするパウルの横でそれぞれのコメントに感心したように唸ったジャスパーが、ふと。
「パウル。ね、パウルは?アイス溶けない?」
「そうだった……!」
おっと危ない、と構えたスプーン――を、入れてしまうその前に思い出の写真を幾枚か撮影した後、集まる視線に咳払い。
「今回のモチーフの『流星』がスキって云うか…憧れがあるんだよね……」
流れ星は不思議な存在。
宇宙では近付けば避けねば危ないし、遠目にはどこか当たり前にもなってしまいがちだけれど。
地上でなら、
「旅するように空を渡って、暗闇を裂いて進みながら、時に誰かの願いを叶えたりするの」
誰かの願い。
その言葉に頷いたジャスパーの表情を知るのは、向かい合ったパウルだけ。
「ふふ、さてこんなに美味しそうで素敵な写真が社内報に載ったら、質問攻めにあってしまうかもしれませんよ?」
「願いを叶える事が願い――エエけど、帰ったら頑張らんとな」
と笑い合って。
そろりとパウルの袖をジャスパーが引いた。
「なぁパウル」
「んー?」
そっとひそひそ、ジャスパーがパウルへ秘密の会議はひどく真剣な顔で。
「絶対俺も皆も、たぶんパウルも決めらんないと思うけど…………」
「……もしかして、」
「「社内報にどれ乗せる?」」
カメラロールを満たす全てを載せたいくらい!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
楊・暁
☔と
藍夜…!お疲れ様!(抱きつき
藍夜は何にする?
俺は…(メニューまじまじ眺め
んー…🍫1で、2131苺がいい…!
あとは🍫4も
モーラット、俺初めて見たけど本当にふわもふしてんだな!
捕獲…はミモザ任せだったけど…(苦笑
へ!?藍夜のチョ、チョコ!?
ああ、うん…美味しかっ…いや、うん、大丈夫だった!
モラ用だってのに欲しがって結局貰って大切に食べた、なんて言えるわけねぇ…
でも…聞かれたら言っちまうんだろうけど…
もう恥ずかしすぎる…
珈琲、美味ぇ(ほくほく
…けど、藍夜の淹れた方が好きだな
お前が俺にくれるもんなら、なんでも好きだし特別
パフェ来た…!
なんか綺麗で食っちまうの勿体ねぇな…
藍夜、交換こしよう?
どこの部分食いてぇ?あ、全部ちょっとずつ食うか?
はい、あーん(匙差し出し
自分も藍夜の匙から食べて
…ふふ、美味ぇ
明るい場所だと恥ずかしいけど、ここならと
並び座る藍夜に凭れかかり寄り添って甘え
店の装飾と雰囲気も相まって幸せ心地
…藍夜も同じ気持ちだったらいいな
本当は🍫5も食いてぇけど…食い過ぎだよな
我慢…!
●馨しき一時を、君と
「藍夜……!お疲れ様!」
「おっと」
受け止められるのはいつものこと。
共にモーラットを捕獲したミモザと別れ、楊・暁(うたかたの花・f36185)が待っていたのは唯一人。
会いたかった姿を見つけた瞬間、いつもの要領で飛び込めば案の定受け止められて“危ないだろ?”と優しく諫められても暁は変わらずの笑顔であった。
「心音こそお疲れ様。大変だっただろ?数はそこそこいたみたいだし」
「……まぁ」
案内された席で向かい合わせ――ではなく“隣が良い!”と甘える心音に笑った藍夜が“じゃあ”と選んだのはソファ席。いつもと変わらず藍夜にピタリと寄り添い甘えながらもうきうきと揺れる尻尾を隠さずいた心音だが、藍夜の問いかけにピタリと止まり、ごくんと唾を飲む。
「ほら、選ぼうぜ!藍夜は何にする?」
楊・|暁《心音》という少年は嘘が非常に下手なことを藍夜は知っている。
自身もあまり嘘は上手くないが、不思議なもので藍夜は心音に、心音は藍夜にと互いに相手が自身だと余計に下手になるのだ。
全てとまではいかないがある程度察した藍夜が厳しい顔をしたのも一瞬。
どこかしょぼくれだした尻尾に顔を緩めると頬を緩めて“はいはい”と心音の手にしたメニューを一緒に覗きこむ。
「心音は決まっているのか?」
「俺は……んー、……パフェ、苺でチョコのクリームで、苺のアイスのがいい……!あと、えっと」
「ん、苺のパフェか。あとは珈琲にするのか?」
「うん!」
ふわふわ緩やかな動きの心音の尻尾は藍夜にとっては酷く分かりやすい感情のバロメーター。
藍夜が微笑みながら注文を済ませて待つ間、するのは先程掴まえたモーラットのこと。
「モーラットはどうだった?あいつら野良でも案外懐っこいだろ」
「藍夜は見たことあるんだよな。でも俺はモーラット初めて見た!本当にふわもふしてんだな!」
“こんな丸っこくて、”と説明する心音を見つめながら藍夜はただ楽し気に相槌を打ちながら“そうだろ”、“だよな”といつもの無表情は崩れ、ひどく柔らかい笑顔を浮かべていた。
「俺のチョコは役に立ったようで良かった」
「へ!?藍夜のチョ、チョコ!?」
それは突然のこと。
藍夜の言葉にびびび!と尻尾を立てた心音が震えるや、視線を泳がせ始めたのだ。
「――、」
“お前まさか”そう言いかけて藍夜は口を噤み、ただじっと心音を見つめれば、狐耳震わせ柔らかな尾を抱いていた心音がその視線に耐えかねて。
“あー”やら“うー”やら唸った末に出たのは、そう。
「ああ、うん……美味しかっ……――いや、うん、大丈夫だった!」
精一杯の取繕いというには、あまりに可愛い様子に藍夜が咄嗟に自身の口元を隠した。それは吹き出す衝動と可愛いと褒めてはいけないが褒めたい衝動を抑えるため。
首を後ろへ逸らし、“んっふ、”と小さく吹き出す横で心音はといえば“す、すっげー上手くいったんだ!”と胸を張ってみせながら、内心安堵の息をついていた。
「(モラ用だってのに欲しがって結局貰って大切に食べた、なんて言えるわけねぇ……)」
“まさかモラじゃなくて心音、お前が食ったのか?!”なんて追及されなくてよかった、と思っていたのは|心音《当事者》と|ミモザ《協力者》だけの秘密だ。
「(き、きっと聞かれたら言っちまうし……)」
ああ恥ずかしい。
熱い頬を揉み熱を冷まそうとしたところへ運ばれて来たのは、珈琲香る二客のカップと薔薇の花束の様な苺ショコラパフェ。そしてグラデーションのような四種のチョコレート。
“お待たせいたしました”の言葉にふんわり膨らんだ心音の尻尾は興奮混じりの喜びか。
「パフェ来た……!苺が花みてぇ……」
「此処の店主はこういうのが得意でな。スイカで花束作ったりするんだ、趣味で」
藍夜の言葉に“すげぇ”とどこかポカンと口を開けたまま心音は呟いた。
「なんか、綺麗すぎて食っちまうの勿体ねぇな……」
「アイス溶けるぞ、心音」
「……それはやだ!」
“なら食ってやれ”そう朗らかに笑う藍夜に“分かった”とパフェ用の首長スプーンを握った心音がそろりと問う。
「なぁ、藍夜」
「んー?」
ちらりと珈琲を楽しむ藍夜を見上げれば、真っ黒な流し目と視線がぶつかって。
「……交換こしよう?」
「“いつもの”だろ?するとばかり思っていたんだが?」
「! へへ……ありが、んむっ」
ふうわり尻尾を揺らし照れたようにぴるぴる耳を震わせる心音に喉ならして笑った藍夜が半分に切ったのは、透き通るほど煮込まれている林檎にダークチョコレートがかけられた品。
細いナイフで上品に切られる様を興味深げに見ていた心音の口へ放り込めば、“旨いだろ?”と悪戯の成功したような顔をする。
「この新作チョコ結構俺も好みなんだ。全部朝で揃えて貰ったんだが、一押しは林檎らしいが試作の味もそれぞれ悪くないと思うんだが……どうだ?」
「んっ、美味ぇ……林檎、口ん中で溶けちまった」
“だよなぁ”と笑う藍夜が“此処の珈琲にも合うぞ”とカップを傾けるのに倣って心音も珈琲を一口。
甘い林檎の後味は苦めのビターチョコレートが蕩けていたのだが、珈琲がさっぱりと流し残る酸味の余韻も淡く飲みやすい。
「珈琲も美味ぇ……けど俺、その……藍夜が淹れた方のが、その、すきだな」
|いつもの店《夙夜の雨宿り》ではないのについ口にしてしまった言葉に、咄嗟に心音が横の藍夜を見上げれば――……その言葉に悠然と、しかしどこか余裕や喜びを綯交ぜにしたせいで妖艶にも見える微笑みを湛えた|藍夜《夙夜の雨宿りの店主》が居た。
「こら、そうやってすぐ俺の喜ぶことを言うんじゃない」
「…………だって。ほんとのことだし」
小さく膨れて見せれば、ひょいとソーサー横に置いたパフェ用のスプーンが黒い手袋に包まれた手に奪われて。
「あ、」
「ほら、あーん。アイスは溶かしたくないんだろ。……美味いか?」
「んむ」
適温になっていたらしいストロベリーショコラアイスの後味は人工的ではない、甘やかながら瑞々しいし、時折噛みしめるのは苺の種か。藍夜が掬った一輪は少し甘酸っぱくて美味しい品種。
「……ふふ、やっぱ美味ぇ。藍夜も」
「ん、あー」
はらりと落ちた前髪を払うように耳に掛けてから口を開ける藍夜へ、心音は自分がされたように薔薇を一掬い。
「ん……やっぱ美味いな此処のチョコアイス」
「知ってたのか?」
「多少付き合い合ったからな。そう言えば心音、さっき見てた“夜”は包んでくれるそうだ」
“チョコはお前が温めろ”だと、と笑う藍夜に心音がきょとんとしたのも一瞬。
ハッとまた頬を赤くし“見てたのかよ……!”と唸ればそりゃぁなと軽く返され再び放り込まれたのは朝イメージしたチョコレートの試作品。
「……ん!」
「美味いだろ?」
「美味ぇ……けど!」
「良いじゃないか。中々良い時間だ」
笑い合える穏かな時間こそ、活力であり支えになるのだから。
大成功
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