虫歯ってほっとくと死んじゃうんですよ、ご存知でした?
●シルバーレイン・金沢市「卯辰山公園」
「待ちなさい」
ハビタント・フォーミュラの逃走経路……すなわち|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》で生じた「超次元の渦」の前に、グリモア猟兵の白鐘・耀が立っていた。
彼女は猟兵たちを見渡し、髪をかきあげるとこう言う。
「この先にはハビタント・フォーミュラはいないわ。代わりにいるのは、あんたたちを待ち伏せしてる禁軍猟書家……まあつまり、あいつはこっちの追跡を見越して罠を張ってたってわけね」
その存在を予知し伝えるために待っていたのだ、と彼女は語る。
「あんたたちは恐ろしい敵と戦うことになるわ。そう――」
耀はシリアスな顔で、敵の名を告げた。
「『ワルの遊園地シーサイド』に君臨する最強のキャスト、『虫歯王』とね」
え? 何? なんて??
「は? シリアスな空気はどうした?? デビルキングワールドみたいなとこに飛ぶのにシリアスなんてあるわけないでしょうが!」
なぜか逆ギレしてきた!
「ってわけで、あんたたちの向かうことになる先は、骸の海に浮かぶ『ワルの遊園地シーサイド』。
ここはどうも、遊園地そのものがクソデカいひとつのブレインバイシクルになってるみたいなのよ。
実は禁軍猟書家なのは、『虫歯王』じゃなくて『ワルの遊園地のパレードキャスト』って連中なんだけど」
集団にして一の猟書家とは、なんとも奇妙な存在である。
「そいつらを倒す前に、まず「遊園地最強のキャスト」を倒さないとダメなの。それが『虫歯王』ムシヴァーよ!!」
きりりっ! まるで戦争終盤のボス敵シナリオのOPみてえな面になる耀!
「ムシヴァーは……虫歯で世界を征服しようとするオブリビオンなのよ!!!」
そしてその面のままでクソどうでもいいことを叫んだ!
静まり返る猟兵たち。すると耀はなぜか目に見えてキレ始める。
「あんたたちわかってる!? 虫歯ってのはね、昔々から超ヤバい致死率を誇る病気のひとつなのよ!
虫歯菌をほっといたら頭に回って死ぬのよ、マジで! これからバレンタインなんだから油断してたらもう歯ぁボロボロになるわよマジで!!」
田舎のかあちゃんみたいなことを言い出す始末。学生なのに。
「とまあそういうわけだから、油断せずに頑張りなさい。敵は強いわよ……!」
そもそも悪魔じゃねえのかよという気がしないでもないが、多分元悪魔のオブリビオンなんだろう。
「……歯はちゃんと磨きなさいよ! フロス使いなさいよフロス!」
渦に飛び込もうとする瞬間までなんかやかましかった。田舎のかあちゃんかな?
唐揚げ
自分は親知らずが虫歯になっていてとてつもない絶望を味わいました。ベッコウ飴です。
OPの通り、このシナリオに出てくるのは悪魔でなくオブリビオンなのでぶっ倒してOKです。
1章では、『ワルの遊園地シーサイド』最強のキャスト、『虫歯王』ムシヴァーと戦います。
あ、完結優先で進められたらいいなあと思っています。思うことは自由ですからね。
まあOP読んで分かる通りほぼネタなので、お気軽にご参加ください。
第1章 ボス戦
『『虫歯王』ムシヴァー』
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POW : 虫歯活性
戦闘中に食べた【食事と戦闘前に飲食した飲食物】の量と質に応じて【対象の歯の虫歯菌が活性化し激痛と共に】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 極小の侵略者
肉体の一部もしくは全部を【虫歯菌サイズ】に変異させ、虫歯菌サイズの持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ : 開口(することが)一番
対象の【口】に【虫歯】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[口]を自在に操作できる。
イラスト:星の岬 かずま
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
新田・にこたま
はい!先制攻撃ハッキングフラッシュ!
何やら恐ろしい力を持っているようですが行動を操ることで力を使わせもしません。
虫歯は恐ろしい病気…なるほど。義体化技術の進んだサイバーザナドゥにはあまりない価値観ですね。
ですが、それなら私が思いついた完全確実な虫歯対策をしてあげましょう。
歯、全部抜いてあげます。
私には多少の医術の心得もあるのでご安心を。
敵の口内に義手である右手を突っ込み、指で歯を掴んで怪力で引っこ抜きます。敵の動きは封じているので痛みで暴れることもありませんし、抜くのに困ることはないでしょう。
細かい作業を13秒以内に終わらせる練習です。
失敗してもそれはそれ。全部抜くまでは動きを止めます。
●ところがどっこい技能は万能ではないのである
「これが正義の威光です!!」
超次元の渦から『ワルの遊園地シーサイド』に跳躍するなり、開幕一番ユーベルコードという無法をかました新田・にこたま。
「グワーッ!?」
最強のキャストである『虫歯王』ムシヴァーは、フラッシュを喰らってしまった! 動けないぜ!
「虫歯は恐ろしい病気と警告されましたが……サイバーザナドゥ的にはあまりピンと来ませんね。インプラントとか当たり前ですし」
言われてみるとそうである。きっとサイバーザナドゥの歯科医はとりあえず歯ァ引っこ抜くのが常態化していることだろう。ドリルとか使わないからある意味いいのかもしれない。
「虫歯王と名乗るということは、きっとあなたの口内も虫歯だらけのはず。ここは私が思いついた完全確実な虫歯対策をしてあげましょう」
ちなみにここまで1秒。超高速で喋ってるので。
「歯、全部抜いてあげます」
「!?」
ムシヴァーは抵抗しようとしたが喋れないし動けもしない! そこへ迫るにこたまの鉄の義手! 抵抗しようとするがまあやっぱり操られてるのでひとりでに口が開き、ガッと義手が突っ込まれ、適当な歯を人差し指と親指でつまむ!
「モガーッ! モガガーッ!」
「大丈夫です。練習みたいなものですからね」
どこのマフィアの拷問かな? 正義ってこえー!
「モガガガガーッ!!」
もうネタとか抜きに普通にいてえので描写出来ない。コワイ!
ところでにこたまは完璧に先制攻撃で封殺したつもりでいたので、まったく気づいていなかった。
ムシヴァーとて遊園地最強のキャスト、悪魔ではないものの悪魔並に強い、それすなわち猟兵並に強いということ。
然り……! 住み着いていたのだ……! にこたまの口の中……いっちばん抜きづれえ下の親知らずのしかも横倒れになっているやつ……!!
にこたまがサイバーザナドゥの超絶歯科医術でさっさと直したのか、それとも後々地獄を味わったのかはまた別の話である。とりあえすムシヴァーは2、3本抜かれて地獄を見た。かわいそう。
成功
🔵🔵🔴
テスティナ・ヴァシリッサ
虫歯……死病でしょうか?
しかし生憎(元々の惑星規模の群体集合宇宙怪獣ゼルガリアスとしての)口や歯等は失い、未だ取り戻せては……ぴる?何やら口の中が?
この体は基本他の星の方を真似た擬態のようなものなのですが……
これがそうですか。少し気になりますね、ぴる。
気になるので解析させてもらいます
UCを発動、口部と髪部分のヒト型擬態を一部解除し、ぷるぷるのぷよぷよ化し、中の虫歯菌とやらとおまけで相手を“無力化して”捕まえますぴる
逃げる様なら念動力の衝撃波をぶつけて気絶させたり、コルピオス号に上から触手で襲わせます
捕まえたら包み込んで解析を開始、解析が終わったら菌も相手も包み込んだまま“消化”を図りますぴる
●あれ? この子逆に地獄に突き進んでねえ?
「虫歯……?」
ゼルガリアス星人の体組成は、人間のそれと大きく異なる。
テスティナ・ヴァシリッサの人間的な造形も、あくまでそれを真似ているというだけのこと。擬態は擬態でしかないのだ。
なので、虫歯菌という概念がまったくわからない。となると……やることはただひとつ、解析だ!
「ぴる?」
とか思ってたら、ムシヴァーがなんかトゲトゲしたトライデントをこっちに向けてきた!
「そこのお前! 味わわせてやる……虫歯の恐怖をなぁ!」
「ぴる……ぴる!?」
するとなんか恐ろしい激痛が走った! 食性すらも異なるはずのテスティナだが、しかし、めちゃくちゃ痛い! となると他星系――つまり人類どんだけ痛みに耐えてんだ!?
「これが、そうですか。やはり解析しないとですね。ぴる」
「えっ!?」
どろり。テスティナの頭部が融けた。
「溶けた!? ギャーッ!!」
某ホラー劇画のショック顔みてえな顔で驚くムシヴァー! とんだ精神的ブラクラ(死語)だこれ!
『ぴる。これが虫歯菌ですね。捕獲しました』
ぷるぷるのぷよぷよ化した頭部全体が振動する。虫歯ウィルスは無力化して捕獲されていた。ついでにムシヴァーをも捉えようと偽足が延びる!
「ギャー怖い!」
ムシヴァーは逃げた! すると!
『逃げないでください。ぴる。あなたも解析します。ぴる』
「グワーッ!?」
念力炸裂! ムシヴァーは後頭部を硬貨ジャラジャラ入ったブラックジャックでぶん殴られたみたいに斃れた! んでぐにょぐにょに足を掴まれた。
『ふむふむ……なるほど、ぴる……栄養を摂取することで酸を生成出来るのですね』
俗に言うミュータンス菌の組成や生体構造を瞬く間に解析していくテスティナ。
『さきほどの痛みは、擬態化に際して生成した神経網が酸で焼かれたせいなのですね。そして細胞膜を作り内部で増殖し感染する。よくわかりました。ぴる』
「ウワーッ! ハナセー! ハナセー!」
『では消化しますぴる』
「アイエエエ!?」
恐怖! ミュータンス菌を消化する女! ムシヴァーは慌ててトライデントで偽足をぶった切った!
「ぜ、全部飲み込まれてたら僕も消化されてた!? 猟兵、こえー!!」
『ぴる。逃しましたか。ですがこれで虫歯菌とやらは解析しました。ぴる』
再びテスティナの頭部がもとに戻る。彼女はミュータンス菌を理解した!
……が、テスティナもまた気づいていなかった。
無力化により虫歯菌の痛み……つまり酸のダメージはなかった。だがミュータンス菌の増殖能力はウィルスの中でも折り紙付き……!
残っていたのだ……! 解析中に感染したごくごく小さなウィルスが……!!
というわけでテスティナは、のちほど再びあの痛みを味わったとか味わわなかったとか。色んな意味で理解が進んだので結果オーライだね! やったぜ!
成功
🔵🔵🔴
廻屋・たろ
ハムッハフハフッハムッ!(おやつを口一杯詰め込んでいる)
虫歯って怖いよね。治さないと硬いものも暖かいものも冷たいものも食べられなくなるし
と言うことでどうせ虫歯になるんなら思い残しが無いように食べてくればいいってわけ、俺ってば賢いね
ってことでお腹もいっぱいになったしいざ勝負あっクソ痛てぇーーーッッ!!(虫歯活性をもろに食らって失神する)
…
……
それでUCの効果で僕さんが出てきたってわけ。バカ?(倒れてる横から真の姿の幻影が現れる)
まぁいいや、先陣に倣って悪い虫歯菌は抜いちゃいましょう
とりあえず右フックで殴り倒した後に開口、フォークできゅっぽんきゅっぽん抜いていきます
痛かったら手上げてくださいねー
●虫歯ってマジでヤバいと本当に失神するから怖いですよね
ワルの遊園地シーサイド。
ここは偽物の世界だが、遊園地というからには当然倍点もある。そしてデビルキングワールドを模している(どうやらこいつを使って本物のデビルキングワールドに乗り込むつもりだったらしい)ので、つまり売ってるお菓子もデビルキングワールドにありそうなぐらいワルいものということになる。
「ハムッハフハフッハムッ!」
その原色ギラギラ甘味脂質ギトギトなお菓子を口いっぱいに頬張る廻屋・たろ。なぜ虫歯菌の使い手が敵なのに、敵に塩(この場合は糖だが)を送ってるんだろう。
「虫歯怖いな~。前に歯医者ヤで放置してた時は、硬いものも暖かいものも冷たいものも食べれなくなったし、今のうちに食べておこっと。俺ってば賢いね!」
「……」
ムシヴァーは唖然としていた。
「もぐもぐごくん……あっごめんね待った? んじゃいざ勝」
「えい(トライデントを向ける)」
「あっクソ痛てェーーーーーッッ!!」
そんで仰向けにひっくり返ってぶっ倒れた。し、死んでる……!(死んではいない。瀕死ではある)
……すると、倒れたたろの隣に、彼の真の姿の幻影が出現した。
『ねえ|本体《ぼく》ってバカなの???』
あまりにも言いたいことが多すぎたが、白目剥いてぶっ倒れてる|本体《たろ》は未だなお虫歯菌の痛みに苦しんでいる。起こすとなんか自分にまでシンクロしそうだからやめておくことにした。
「お、お前も虫歯を」
『はい無理ー!』
「グワーッ!?」
ハヤイ! さすがは瀕死にならないと出てこない"英雄"である。容赦ない右フック!
『というわけで先例に倣って虫歯抜いていきましょうねー』
「モガーッ! モガガガーッ!」
ムシヴァー、暴れる! だが逃れられない! 物理で!
『一本目いきますよー』
「モガーッ!?」
『痛かったら手上げてくださいねー』
「モガーッ!(手を挙げる)」
『はい邪魔しないでくださいねー(下げさせる)』
理不尽! そんなわけでまたしても悲鳴が響き渡った。かわいそう。
「アバーッ!」
たろ本人はすさまじい痛みにビクンビクンしていたし、虫歯菌は隣の歯にまで広がっててえへんなことになったとさ。お菓子の食べすぎには気をつけようね!
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
猟書家め…!
いかなる敵が待ち構えようとも全て屠り倒そうぞ…!
さぁ行くぞ…私は処刑人…|痛《つぅ》…(頬がパンパンに晴れてる)
くそ痛いんだけど…敵の攻撃には激痛耐性で我慢しよう…|痛《つぅ》…
痛みと憎しみを力溜めて力に変えて【過熱する地獄の炎】を発動
我が身より生じる地獄の炎を身に纏いて全ての能力を6倍に…
あー…歯の痛みも6倍に…|痛《つぅ》……
…痛いんだよクソ虫歯王がオラ!
痛みでバーサークと化してバットを敵目掛けて振るい
怪力と重量攻撃と暴力で敵を吹き飛ばして痛めつけよう
力が続く限り遊園地を破壊し続けよう…
クソ遊園地が!てめえのせいで歯が痛いんだよオラ!…あーくそ|痛《つぅ》…(昏睡)
●処刑人でも痛いもんは痛い
激痛耐性。
多分、技能の中でもトップクラスに広まっていて、それでいて強敵相手の戦いでは活用されているもののひとつになるだろう。特に統計的根拠はない。
仇死原・アンナが、今日ほどそれを渇望したことは多分ないだろう。
もっと鍛えておけばよかった、とか思ったかもしれない。でも激痛耐性を鍛えるってどういうことするんでしょうね。やっぱ自分で痛み与えて耐えるのかな?
「痛い」
アンナはパンッパンに膨らんだ頬を押さえ、涙目になっていた。
「おのれ|猟書家《ビブリオマニア》め……! いかなる敵が待ち構え……|痛《つぅ》……」
めっちゃくちゃ痛い。もう唾飲み込むだけで地獄みてえな痛さである。
地獄を見せるはずの自分が、地獄を味わわされているとはこれいかに!?
「……い、いかなる敵が待ち構えてようとも、すべて……~~~~ッッ、屠り倒そう……ぞ!!」
だが涙目になりながら、アンナは耐える。前口上やっとかないと気合が入らないし、あのクソオブリビオン相手に敗けた気がするからだ。
「さぁ行くぞ……私は処刑人……痛いぃ……」
でもまあ痛いもんは痛いんだよね! 歯磨き怠ってたならともかく、ユーベルコードで虫歯生やされるとかほんと可哀想ですね!
「ワハハハ! そうだそうだ、こういうのがこの虫歯王様の戦い方なのだ!」
麻酔無しで歯引っこ抜かれたりとガチ拷問二度ほど食らって色々へし折れかけたムシヴァーだったが、アンナがまんまと虫歯で苦しんでるのを見てメンタルを回復した。
「どーだ、虫歯菌の力を思い知ったか! いくら我慢しようとしても出来ないぞー!」
「……」
「泣いて許しを乞え! やーいやーい! お前のかーちゃんでーべ」
「痛いしうるせえんだよクソ虫歯王がオラァ!!」
「グワーッ!?」
SMASH!! アンナのバットがムシヴァーの脳天直撃! ナイスショッ!
「この痛みを糧にパワーアップしようとしたら虫歯の痛みも6倍になってんじゃねーかコラ! これか! このクソ遊園地のせいかオラ! あぁ!?」
手当たり次第にアトラクションを叩いて回る! コワイ!
「そ、そんなのそっちのユーベルコードが悪」
「うるせー!!(ゴッ」
「ぐえー!!」
理不尽! だが先に手を出したのはムシヴァーなので別に何も問題はない!
「あー畜生痛ぇ痛ぇ痛ぇ!!!!! あーーーーー!!!」
もはやブルドーザーのごとき勢いで、そこらじゅうを破壊しまくるアンナ。
強化された痛みでひっくり返って昏睡状態になるまで、地獄の炎は荒れ狂った。ちゃんと歯磨きしよう――彼女は、心の底から誓ったという。
(もともとやってると思うので、今回のことに関してアンナは何も悪くないんだけどネ!)
大成功
🔵🔵🔵
アルゼブ・アズモリィ
ちゃーんと歯は磨いてるから怖くないもんね!
なんたって健康優良…優悪悪魔なんだから!
『結構なことだが、虫歯の原因は歯磨き不足だけではない』
……。
とにかく、いでよ【氷窟の悪霊】!
虫歯には冷たいもの!行け!
『おい待て菌自体が冷たさに弱いわけでは』
さあこいつらから逃げられるかな!
お前たち!爆発して周辺を凍結させろ!
どーだ!これでも動けるか!?
すでにムシヴァーが小さくなっているなら、元いた辺りめがけて剣の《衝撃波》で追撃、
元のサイズのままなら、その辺の凍ったもので、あいつが持っている歯をぐりぐり。
ははは、しみるか?
『人の心がないのか』
人じゃなくて悪魔だしね。
*『』は喋る武器の声
*アドリブ他共闘大歓迎
●これが本場のワルってもんだぜ!
この『ワルの遊園地シーサイド』、誰がどう見てもデビルキングワールドの一部にしか見えないが、実はそんなことはまったくない。
つまりここにいる虫歯王も、単なるオブリビオンであり、すべては「偽物の世界」の一部なのだ。
いわば偽物の……ワル! 本当のデビルキングワールドに乗り込み、ウルトラ強いワルのキャストで悪魔を皆殺しにするという、ワルっつーか普通に悪い企みのために運行していたのである。
そしてそこに、信のワルがやってきた。
「虫歯ぁ~? そんなの、ちゃーんと歯は磨いてるから怖くないもんね!」
アルゼブ・アズモリィは、にーっと歯を見せて笑った。
なるほど自信は確かなようだ。歯の欠けも抜けも汚れもまったくない、白くてキラッキラな見事な歯並び!
「えっ、悪魔なのに歯磨きちゃんとしてんの!? なんで!?」
「そりゃなんたって、健康優良……じゃなくて、優悪悪魔なんだから!」
優悪ってなんだよ。というツッコミは無駄だ。
というか、そんな当たり前すぎるツッコミを入れる時点で、真のワルである悪魔には敵わないと自分から言っているようなものである。
『……結構なことだが、虫歯の原因は歯磨き不足だけではないぞ?』
そこに、レブヤ・ベザルが冷静なツッコミを入れた。
「えっ!? そうなの!?」
『当然だ。ストレスが多くなると唾液の分泌量が減り、そのせいで虫歯菌が繁殖したりもする。言うまでもないが、甘いものばかりを食べたり、睡眠不足でもいけないな』
「…………」
アルゼブは昨日の自分を思い返した。
こんな時間に寝るなんて雑魚のすることだぜ! とか、無駄にイキりながらゲームやってた気がする。もちろん、エナドリとお菓子をお供に。
「……と、とにかく! |悪《ワル》カッコよく、やっつけてやるぜ!」
『流したな』
「さあ出でよ|氷窟の悪霊《ゾール・ソ・ハースル》! 出番だぞー!」
『いいか。この際だから言っておくが、我は前々からその生活リズムに関して一言』
「ああもううるさいなー!! カッコ悪いだろ!?」
アルゼブ、まさかの仲間割れ! ぎゃあぎゃあと武器と言い争う!
「へへーん、そんな状態で攻撃なんか食らうもんか! 虫歯の恐ろしさを思い知らせてやるぜ!」
ムシヴァーはシュババババと素早い動きで悪霊の攻撃を避け、ぐんぐん小さくなりながらアルゼブに襲いかかる!
「そんな! 虫歯には冷たいものが効くんじゃないの!?」
『虫歯菌自体が冷たいものに弱いわけないだろうが!』
「じゃあ虫歯予防にチョコミントアイス食べてたオレの努力は!?」
『逆効果だ馬鹿者!!』
これは……(頭が)ワルいぜ!
「そこだぁ! もーらったぁー!」
ついに虫歯菌サイズになったムシヴァーが、アルゼブの口の中に飛び込もうとする! しかし!
「それはこっちのセリフだぁー!!」
『グワーッ!?』
「グワーッ!?」
スパーン! レブヤ・ベザルをバットめいて振り抜く! ナイスショッ!
「へん、口の中に来るってわかってるんなら待ち伏せだって出来るってーの!」
『おいなんで我をわざわざ凍らせて攻撃した』
「だって虫歯になると冷たいもの沁みるじゃん」
『さっきの我の話聞いてたか???』
「虫歯王ってんなら冷たいものは絶対に効くはず! ってことで悪霊たち、コイツ凍らせて」
『えっ』
パキパキと凍りついていくレブヤ・ベザル!
『おい待て凍りつかされる我の立場にもなり寒ッッッッッ!!!!』
パキーン! 氷の魔剣完成だ! その氷の魔剣で何をするかというと……。
「おらおら。喰らえー」
口の中に侵入されないように、遠くからぐりぐりするのである。口を!
「グワーッ!? アバーッ!!」
すでに拷問みてえなやり方で歯何本も引っこ抜かれてる上に、虫歯菌だらけのムシヴァーは悶絶!
「ははは、しみるか? これおもしれーぜレブヤ! レブヤ……?」
『……』
「レブ……し、死んでる!」
死んでない。凍らせたのは自分である。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
まあ座れよ
戦闘続きで疲れてるだろ?
今の拙者は【流体金属】と合体してるからな…お前の虫歯菌はアマルガム製の歯を犯せないって事でござる
既に一方的なんでこのままボコっても良かったんだがちょっと話をするのもいいだろうと思ったワケですぞ
これからバレンタインでござろう?つまりリア充共がむやみやたらに騒ぐ訳DEATHヨ
…「こんな世の中滅んじまえばいい」んじゃないかとエドゥアルト思うワケ
トム・ムシヴァー氏もインキャの戦士としてバレンタインを虫歯で台無しにしたいと思って来たんだろ?
という訳で異世界をクリーンにするためにも大至急ブレインバイシクルを完成させて拙者によこしな
なんだ拙者に意見するのか?よし殴って殺す
●バレンタインは専用衣装が発売される日でありそれ以上でもそれ以下でもない
「まあ座れよ」
なぜか焚き火のそばに座るエドゥアルト・ルーデル。液体金属と一体化した彼の目は虹色に光り輝いており、足音はカシャンカシャンとしている。で、今回はなぜかロックスターみたいな髪型になっていた。ひげだけは黒いままだ。
「げっ!? そんな体じゃ虫歯菌なんて意味ないじゃん!」
「このままボコってもいいんでござるが、ちょっと話をするのもいいだろうと思ったワケですぞ」
エドゥアルトはニッと笑う。メタルコーティング(というか特殊合金そのもの)の無駄に歯並びがいい歯がキラリと輝く! キモい。
ムシヴァーはもう早くも色々嫌になっているが、逆らったら絶対もっとひどい目に遭うので仕方なく座った。
「これからバレンタインでござろう?」
「は、はあ」
「つまりリア充どもがむやみやたらに騒ぐわけDEATHヨ……」
エドゥアルトはサングラス型の合金の奥で、イノベーションしてそうな瞳を明後日の方へ向けながら呟いた。
「こんな世の中滅んじまえばいいんじゃないかとエドゥアルト思うワケ。
いっそこう、円盤型の宇宙生物でも飛来してリア充全滅してくんねーかなって」
「小学生かよ……」
「なんだ拙者に意見するのか?」
「してないです!」
なんかへんてこな形の銃を額に突きつけられムシヴァーは震え上がった。
「トム・ムシヴァー氏もさぁ、陰キャの戦士としてバレンタインを虫歯で台無しにしたいと思ってきたんだろ?
だったら戦士たるもの戦って死なないとダメでござるよ。そうすれば誇りを以て骸の海に還れるでござる」
「ボクはトムなんて名前じゃないし、別にバレンタインとかはどうでもいいんだけど……」
「なんだ拙者に意見するのか?(チャキ」
「違うけど!? っていうか目的は何!?」
「ブレインバイシクルを完成させて拙者によこしな」
「えっ」
エドゥアルトは本気の目をしていた。
「こんな戦いを続けていたらみんなおかしくなってしまうでござる!
だからブレインバイシクルで異世界をクリーンにしなきゃいけないんでしょう!?」
「ブレインバイシクルってそういうためのもんじゃないけど!?」
「なんだ拙者に意見するのか? よし殴って殺す(ドカッ」
「その銃はなんなnグワーッ!」
理不尽! だがエドゥアルトはこういうものだし、合金製の拳はめちゃくちゃ痛かった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
ワルの遊園地……?
虫歯王……?
ごめんなさい、こういう時どんな顔すればいいのか、わからないの
笑えばいいですかね?
それはさておき、
デビルキングワールドの住民じゃないなら遠慮なくSATSUGAIしていいんですよね
『赫左』ロケットパンチからの|火炎放射《汚物消毒ファイヤー》で攻撃します
これで大人しく焼却されてくれればいいですが、まぁ虫歯菌侵略してきますよね
でもそうして入り込む隙間って私の口以外ありえませんよね、虫歯王なんですから
では口内を指定してUC起動
皆、それ喰べていいヤツだから遠慮なくやっちゃって
小さすぎて食べ甲斐が無い?好き嫌いしてると大きくなれないよ
●出た! 影華さんの1秒に10回のユーベルコードだー!
「もういやだ……」
歯を引っこ抜かれぶん殴られ冷たい氷でつんつんされ、ムシヴァーは心身ともにボロボロになっていた。
ここまでされる謂われがあるだろうか? さすがのオブリビオンでもないのでは!?
「虫歯王なんて名乗ってるのが悪いんじゃないんですか?」
そこに鈴乃宮・影華の正論が突き刺さる!
「じゃあなんだよ! ボクが虫歯菌で世界を征服するなんて言い出したから悪いっていうの!?」
「えっそれ以外のなんだと……ごめんなさい、こういう時どんな顔すればいいのかわからなくて」
どこかの無表情系ヒロインみたいなことを言う影華。ムシヴァーは崩れ落ちた。
「と、とにかくここからだ! まずお前を虫歯にしてリベンジしてやる!」
「なんだかんだまだ諦めてはいないんですね」
ジャキッ。影華は左腕の籠手を構えた。
「じゃあ遠慮なくSATSUGAIしていいですよね」
「えっ」
「汚物は消毒ファイアー!!」
「グワーッ!?」
ボワー!! 籠手から吹き出す炎! 噴射炎で炙りながらロケットパンチ直撃!
「おいそんな攻撃方法ありか!? くそぅこうなったら刺し違えてでも虫歯にしてやる!!!」
「虫歯にどんだけの執念燃やしてるんですか……」
呆れてツッコミを入れる影華の開いた口めがけ、ムシヴァーは燃えながら飛び込んだ!
が、それは影華の予想の範疇だった。
「どこに来るかわかっていれば、あとはもうカウンターするだけなんですよね」
「えっ」
ムシヴァーは気づいた。周囲からぞわりと黒燐蟲が出現したことに。コワイ!
「みんな、おやつの時間よ」
無慈悲な声が口蓋内に響く。ムシヴァーは逃げようとする……口は閉じられている! 逃げ場なし!
「ウワーッ! こんな死に方いやだ! アイエエエ! アバッ、アバババーッ!!」
断末魔の悲鳴も届かない。虫歯菌も残らない。影華は歯磨きをちゃんとしてるからだ。
哀れムシヴァー、猟兵はいろいろな意味で規格外すぎたのである……。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ワルの遊園地のパレードキャスト』
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POW : 熱帯魚のパレード
戦闘力のない、レベル×1体の【熱帯魚の幻影達】を召喚する。応援や助言、技能「【アート】」を使った支援をしてくれる。
SPD : イルカのパレード
戦闘力のない、レベル×1体の【イルカ達の幻影】を召喚する。応援や助言、技能「【パフォーマンス】」を使った支援をしてくれる。
WIZ : オルカのパレード
戦闘力のない、レベル×1体の【オルカ達の幻影】を召喚する。応援や助言、技能「【存在感】」を使った支援をしてくれる。
イラスト:くるみるく
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ムシヴァーがぶっ倒されると、なんかそこかしこにイルミネーションが点灯し、ワルな感じにアレンジメントされたパレードBGMが流れてきた。
そして、ざっと数百体以上の『ワルの遊園地のパレードキャスト』がぞろぞろと列をなして現れる。
こいつらが禁軍猟書家だ。で、全員で一斉攻撃してくるというたちの悪さ。そしてなにより!
「お菓子~、お菓子はいかがですかー」
「エナドリもあるよ! 炭酸もあるよ!」
「冷たいアイスもありますよ~」
鬼畜! 奴らは猟兵が虫歯に苦しめられたのをわかっていて、明らかにケミカルな色合いのスイーツとかジュースを売りつけてくるのだ! 食べたらそらもう地獄みてえなことになる! 虫歯菌を食らってるとか食らってねえとか関係ないのだ! ヤバいぜ!
新田・にこたま
スイーツと飲み物の提供、ありがとうございます。
故郷を思わせる色合いが目に嬉しいですね。
しかし、少々お待ちを……すぅ……ぅ゛ぅ゛っっっっ!!!!!!(口の中に義手の指を突っ込んで怪力で虫歯を砕き歯肉をズタズタにしながら虫歯と言う存在を口内から取り除いた)
―――いったいんですよっ!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!!(涙目)
人が人に!!こんなことをしていいわけがないでしょうが!!!ぶっ殺しますよ腐れ悪党どもがっっっ!!!!!!
ふぅー…ふぅーっ…(何故かここでスイーツを一口)…があ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!!!血の味しかしないというか痛すぎてもう何がなんだかぁっ!!!
怒りのままに最大火力をぶっ放します。
●正義とは死ぬことと見つけたり
調子外れのパレードの旋律、やけに原色感バリバリなやかましいイルミネーション。
ワルの遊園地シーサイドは五感を責め苛むメリケンでケミカルな感じの、簡単に言うと悪い葉っぱとか吸った時に見る幻覚みてえなサイケデリック映像だった。
「オラッ菓子を食え!」
「シュワシュワしてるのも飲め!」
そこにメリケンお菓子とケミカル飲み物のダブルパンチ! カロリーで臓器は死ぬ! って感じのコンボである。あ、もちろん普通の攻撃もする(一応)
普通の猟兵であれば、なんとしても食らうまいとするところ。しかし……。
「これはありがとうございます。故郷を思わせる色合いが目に嬉しいですね」
意外なことに、新田・にこたまはそれを普通に受け取っていたのだ。
デビキン印のケミカル&ファットお菓子でノスタルジー感じる人初めて見た。おまけに悪魔ならまだしも(一応)人間が、である。サイバーザナドゥいいかげんにしろよ……!
「いくらでもあるよ! どうぞお食べ!」
「ケミカルなタブレットもあるよ!」
「オラッシュワシュワしてるやつで滲みろ!」
こいつら虫歯菌との相乗効果狙ってやがる! 術中にハマってしまうのか、にこたま!?
「あ、少々お待ち下さい」
にこたまはすぅ、と深呼吸した。目を閉じ、精神統一している。
一体何をするというのか……パレードキャストたちは原因不明の不安を感じ、にこたまの一挙一動を見守る……すると、直後!
「ふっ!!!!」
にこたまは突然口を大きく開き、やおら義手の指を口蓋に突っ込んだ! そして!
「ぅ゛ぅ゛っっっっ!!!!!!」
「「「アイエエエ!?」」」
ばきん!! 人間の口の中からしてはいけない感じの轟音!! めりめりという人間の口の中からしてはいけないタイプの異音!
手を突っ込んでいるので見えないが、何をしているのかはわかった。にこたまが人を殺しそうな勢いで目を見開き青筋を浮かべているので一瞬でわかった!
「く、砕いてる」
「虫歯を……」
「す、素手で……!!」
パレードキャストたちは戦慄した。奴は……にこたまは、ムシヴァーにやったことを自分でやっているのだ! リハーサル(?)が済んでいるので施術は実際容易!
「あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!!」
血まみれの義手を引っこ抜き吠える! 砕いた虫歯とか歯肉とか色んなもんを吐き出す! ねえこれ大丈夫!? 痛み的な意味でグロじゃない!?
もはやパレードキャストはドン引きしていた。猟兵ってみんなこうなの? という、全方面に対して大変失礼な先入観が強制的に植え付けられていた。
「いったいんですよっ!!!! 人が人に!! こんなことをしていいわけないでしょうが!!!」
「「「えっ!?」」」
「ぶっ殺しますよ腐れ悪党どもがっっっ!!!!!!」
コワイ! マジものの狂人だ! 虫歯を生やされたとはいえそれをオブリビオンにやっていたことを自分で忘れたのか!
「ふぅー……ふぅーっ……」
いまだかつてないほどのマジギレ顔で息を落ち着かせるにこたま。
「あむ」
「「「!!?!?!?」」」
で、一息ついたと思ったらいきなりケミカルスイーツを頬張った! なんで!!?
「がぁあああああ!!!!!!」
そして悶絶した! 当たり前である! 甘味なのだ! 砂糖ジャリジャリなのである! 噛んでて「あっこれ終わったな」と分かるレベルの糖質量なのだ! 顆粒物たっぷりで新登場、つまり地獄なのだ!!
「血の味しかしないというか痛すぎてもう何がなんだかぁ!!!!!!」
にこたまは怒り狂っていた! わけがわからないのでパレードキャストの皆さんはもう早退したかった! ここまでされる謂われは……いや、そこはどうかな? あるんじゃ……ないかな!!?
「死ねぇ!!!!!」
「「「アイエエエアバーーーーッ!?」」」
そして唐突な骸の海ミサイル発射! 大爆発! すべては骸の海に包まれた……(だがワルの遊園地は滅んでいなかった! に続くオチ)
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
なんかいっぱいいますね……
その数で何をやってくるかと思えば
食品添加物ゼンマシマシチョモランマみたいなブツを売りつけてくるだけとは
大丈夫、私はノーと言える20代
殴る蹴るしてこないなら別に脅威じゃない………………
「いらないって言ってんでしょーがッ!!」
そんなに言うならお財布とカロリー全無視で食べ放題してやるわ――蟲達が!
『大蘭華』を用い
私と他の猟兵を味方、
うぜえキャスト共とジュースやスイーツを敵に指定し指定UC起動
「皆、アレ全部食べていいよ。むしろ食べ尽くしてお願いだから」
そしてここはデビルキングワールド(っぽい)世界、つまり――無銭飲食上等
虫歯の原因を蝕んでやろうじゃないですかHAHAHA
●※殴る蹴るをしてこないわけではない
テンテケテンテンテンテケテケテケテケテンテケテンテンテレテケテン(例のエレクトリカルなBGM)
「なんだかやけに聞き覚えがありますねこのパレードのBGM……」
鈴乃宮・影華は危険を感じて訝しんだが深くツッコむのはやめておいた。
ワルの遊園地である。一応デビルキングワールドを模している(なんせそこに攻め込むつもりだったから)ので、パレードもワルっぽく、つまり原色ギラギラで規則性もクソもない動きをしている。規則性がない方がワルいからだ。
その数で何をやってくるかというと、原色ギラギラのケミカルお菓子&飲み物の押し売り……と、攻撃である。攻撃もするって書いてありますからね!
「喰らえオラァ! あ、こちらの噛むとジャリジャリするケーキもどうぞ」
「逃がすかボケェ! あ、口直しにはこちらのドロドロになるレベルで砂糖が入ったミルクティーをどうぞ」
忙しい! 包囲してワルな攻撃をしてくると思ったらお菓子を差し出してくる! なんだこいつらは忙しすぎる!
「いえ、いらないので……攻撃もいらないので……」
影華は恐ろしい数の一斉攻撃を、なんとか躱しつつ(なんせ数百体が一気に殴り込んでくるもんだから、普通に攻撃を凌ぐだけでも手一杯である)お菓子&飲み物のカロリー爆弾攻撃も頑張って躱していた。
大丈夫、影華はノーと言える20代。玄関先にたまーにやってくる、女性二人組でニッコニコしながら神の実在と救いの必要性を訴えてくるタイプの方々もきちんといなしてきた。
オブリビオンがなんだってんじゃい。殴る蹴るをしてくる奴らよりも、一度ドアを開けたら絶対に帰らない新聞屋のほうがまだ……。
「そこだコラァ! ホイップマシマシ緑と青色のチョコレートも食え!」
「後ろもらった! トッピング盛り盛りのチョコシェイクも飲め!」
「いらないです、いらな……」
ぶちり。影華の頭の中で何かがキレた。
「……いらないって言ってんでしょーがッ!!」
「「「ヒィ!?」」」
影華はブチギレながら天に銃器を掲げ、トリガーを引いた。
すると、空から雨が降り注ぐ……いいや、よく見るとそれは雨ではない。タールめいてどす黒い蟲である。黒燐蟲の群れだ! コワイ!
「「「アイエエエ!?」」」」
「みんな、アレ全部食べていいよ。むしろ食べ尽くしてお願いだから」
黒燐蟲はものすごい勢いでお菓子を食べる! 飲み物も! あとついでにパレードキャストも!
「「「ギャー!!」」」
「ふう、これで虫歯の原因はなくなったわね」
影華は額の汗を拭った。やったぜ、一件落着だ!
……と思ったら、おや? 蟲たちがなぜか、食べかけのお菓子をぐいぐい押し付けてくるぞ。
「え? 何? まさか、甘ったるすぎてお腹もたれたから私にも食べろっていうの?
いや、いいから。私はいらないから。みんなで食べて、食べ……やめろコラァ!!!」
だが戦いは終わらない! 甘いものは別腹というがそれだって限度はある!
影華は抗った。昨日の味方は今日の敵、つまりはそういうことなのだ……!
あと、黒燐蟲たちはその後しばらく、カロリー爆弾でピザになりすぎてあんまり動けなくなったという。蟲ですらデブるお菓子と飲み物、ワルすぎるぜ!(※ここはデビルキングワールドではない)
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
!?…あ…歯が痛いの治ってる…よかった…ほ……
…あ…敵…パレード…暴食は罪だという事を思い知らせてやろうぞ…!
さぁ行くぞ…私は処刑人…
だから…
甘~い食べ物や飲み物は…滅却だ~~~ッ!!!
地獄の炎纏わせた宝貝を振るい回し【業火炎獄破】で地獄の業火を敵群に目掛け砲撃開始
範囲攻撃と重量攻撃で敵群と甘い物を爆破してゆき
悪のカリスマと存在感で恐怖を与えて焼却し蹂躙してゆこう…!
…はぁ…喉乾いた…あ…甘い飲み物………ぷはぁ~…甘~い…美味しい……
さてと……オラ!甘い物と敵は焼却だぁ~~~ッ!!!
ふぃーひひひ!一匹残らず殲滅だぁッ!!!逃げるんじゃあねぇーーーッ!
私は処刑人だぁーーーッ!!!
●虫歯が悪化する一番テンプレートな流れきてる!!
「ふふ……ふふひひひ……」
仇死原・アンナは上機嫌だった。なんなら普段よりも若干機嫌がいい。
なぜか? それは、アンナがさすさすしている腫れ上がった頬を見れば一目瞭然。
そう……彼女はついさきほどまで苦しめられていた虫歯の痛みから解放されたのである。
別に虫歯が抜けたわけではない。だが、痛みが消えたんだからまあオッケーだろう。
「痛いの治ってよかった……ほ……」
痛くて泣きそうになったぶん、心は晴れやかだった。今ならなんでもできそうだ。
「「「お菓子と飲み物はいりませんかァ!!」」」
ほら、殺到するあの腐れパレードキャストどもにだって負ける気がしない!
「暴食は罪だということ……思い知らせてやろうぞ……!」
ぎらり。アンナは腫れた頬から手を離し、処刑人モードになった!
ところでパレードキャストの皆さんはすんげえ数がおり、そいつらがすげえ勢いで攻撃してくる。なので、普通にその飽和攻撃にも対処しないといけない。
「私は処刑人! だから……甘~い食べ物や飲み物は……滅却だ~~~ッ!!!」
「「「グワーッ!!」」」
アンナは宝貝『火人剥命』に地獄の焔を纏わせ、振り回した!
近くの敵はどこかの英雄よろしくゼァアア!と回転斬りして寄せ付けず、遠くの敵には武器に纏わせた地獄の業火を砲弾よろしくどーん!
「消えやがれ~!!」
「「「アバーッ!!」」」
マグマの噴出じみた地獄の炎の爆発で、何体ものパレードキャストが吹っ飛ぶ。
そして、ケーキやチョコやドーナツやせんべいや、シェイクや炭酸飲料などが蒸発する。おかげで周りは胸焼けしそうな甘ったるい匂いが立ち込めた!
が、なにぶん敵の数が多いので、アンナはだんだん喉が渇いてきた。
「はぁ……何か飲み物……」
「こちらのミルクカフェキャラメルフラペチーノアンコリーノマゼターノをどうぞ!」
「ありがとう死ねェ!」
「アバーッ!?」
パレードキャストを消し炭にしつつ、なんかこうラージでトールな感じのラテを手にしたアンナ。
「……ん? まあいいか喉渇いてるし……」
なんかおかしい気がしたが、とりあえず飲む。甘い! 美味しい!
「ぷはぁ~……甘いものを気にせず飲めるって幸せ……さてと」
宝貝を構え直す。
「口直しにポテトはいかがですか!?」
「エルピスサンドもあるよ!」
「バター刺身食えオラァ!」
「食らうのはお前らだァ! ただし地獄の業火だがなァ~!!」
「「「ギャー!!」」」
パレードキャスト滅殺! コワイ!
「ふぃーひひひ! 一匹残らず殲滅だぁ! あ、叫んだから喉渇いちゃった(ごくごく)ぷはぁ~……オラァ逃げるんじゃあねェーッ! 私は処刑人だぁ~~~!!」
蹂躙! 殲滅! 地獄の業火燃え盛る中アンナは暴れまわり、喉が渇けば甘い飲み物をごくごく飲み、お腹が空けば甘いお菓子をもりもり食べた!
だってもう、虫歯の痛みなくなってるからね。痛くないということは治ったということだ。
アンナはそう考えていた……おそらくこれを読んでいる皆さんもその経験はあるはずだ。
痛みがないから治ってる。その考えが命取り……! 虫歯に自然治癒という言葉はない……!
アンナの口の中、虫歯菌は蔓延っていた……! 甘いものをもりもり摂取し元気に……元気に歯をアレしていた……!!
「ふぃーひひひ! ヒヒヒーッ!」
その後アンナがどんな地獄を味わったかは、あえてここでは記さない。地獄の業火を操る者とて、耐え難い地獄だったのは言うまでもないだろう……。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
拙者は特に虫歯で苦しんでないが?
今は特にいらねえんだよな甘いモン…ケミカルなアイスやらエナドリやらキメなくてもいくらでもウッ【流体金属君】がキマルッ!イントゥマイオウガメタルナイス硬度!ウッイェー!!
でも貰ったからには使いたいでござるよね…そうだ!せっかくだから甘いモンくれたキャストにねじ込んでいこうぜ!
自分たちが用意したもんだろ!遠慮すんなよな!いっぱいお飲み…お代わりもあるぞ!痛いかい!それは残念だ!もう一本いこう!
美少女キャストが激痛に悶えるさまからしか得られない何かがある!わかれ!わかってくれ!
帰る前に甘いモンをちょろっと貰っといてやるか!
こいつはグリモア猟兵へのお土産に…ネ!
●黒髭~~~!! しっかりいたせ~~~!!
「ケミカルなアイスにエナドリだァ~? そんなもんキメなくても拙者はなァ~!」
ヒュルリ、とエドゥアルト・ルーデルの身体を覆う流体金属君。……が、後ろの方やや下気味に消えた。するとエドゥアルトはビクビクと痙攣し始めた!
「ウッ! キマルッ! イントゥマイオウガメタルナイス硬度! イェー!!」
コワイ! なまじ普通のジャンキーよりも意味不明で怖い!
痙攣する黒髭は、やはりなぜか下半身からじわじわとメタル黒髭化していく。何が起きている? 考えたくない! 流体金属はそんなことのために使うものではない!
「「「アイエエエ!」」」
パレードキャストの皆さんは後悔した! できるならさっさと帰ってラッパーのリズムゲームでも遊びたかったが、この遊園地は労働環境もワルなので、さながらピザ屋の警備めいてブラックなのである。猟兵相手の仕事なんて絶対御免だぜ!
「そうだ! 拙者にくれたこのケミカルスイーツをお返ししてあげようでござる!」
水の中に入ったら沈んで浮き上がれなさそうなメタル色になったエドゥアルトが、両手にお菓子と飲み物を携え、カシャン……カシャン……とどこかの宇宙の帝王のアニキみたいな音をさせて近づく。パレードキャストの皆さんは悪夢の可能性を想起して潮が引くように下がった。
「なんだァ? テメェ……自分たちが用意したもんだろ! 遠慮すんなよな! ケミカルスイーツ666kgお食べ!!!!」
「「「アイエエエ!」」」
エドゥアルトがぬるりと近づく! キャストの皆さんは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した! 地獄の始まりだ!
「オラァこの原色バリバリのチュロス食えオラッ!」
「グワーッ!?」
「おかわりもあるぞ! お腹が痛いかい! それは残念だ、もう一本いこう!」
「アバーッ!?」
腹痛と虫歯の痛みに狂い悶える美少女キャストの皆さん! 絵面が最悪でありエドゥアルトはニチャリと微笑んだ。キモい!
「おっと、グリモア猟兵へのお土産にちょろっと貰っていかねばでござるな」
エドゥアルトはすでに次の悪事を企んでいた。いいか猟兵、死は結果だ!!
大成功
🔵🔵🔵
廻屋・たろ
目が覚めたらオブリビオンが倒されてた、さすが猟兵だね
次からは俺も力にならなきゃ…って思ったけど、ホーリーシット!倒した後にお菓子食べ放題だなんて聞いてないぜ!(お菓子をチラ見)
こうなったら本気で行くね
傷心どころか傷歯だらけになった俺にこんなもの見せた報いを受けさせてやるよ(お菓子をチラ見)
UC【傷嘆】でケミカルフードの誘惑で揺さぶられる精神を奮い立てて(お菓子をチラ見)召喚された幻影ごと(チラ見)猟書家をカトラリーでスパスパ切り捨てていこう
(お菓子をガン見)
うーんでも、据え膳食わぬはなんちゃららって言うし……虫歯とか関係ねえ、俺は食べるね!
[激痛耐性]で痛みに耐えてアイスを丸齧りあっ無理だこれ
●だからなんで自分から火中の栗を拾うの?
廻屋・たろは、ある日目を覚ましたら自分が虫歯になっていることに気づいた。
「まさか俺が倒れてる間にオブリビオンを倒してるなんて、さすが猟兵だね」
痛みのせいか、あるいはもともとおつむがゆるいせいか、自分が自業自得で起こした惨事についてはおぼえていないらしい。都合のいい頭してんなオイ。
そんなもんだから、たろはお菓子をチラチラ見てずっと気にしていた。
「ホーリーシット! 敵がお菓子を出してくるなんて、しかも食べ放題なんて聞いてないぜ!」
チラリ。どうしても視線がいってしまう。でもダメだ相手は禁軍猟書家なんだ、きっと甘いお菓子には罠があるに違いないぜ! なお虫歯はもう痛くない(治ったわけではなく痛みがなくなってしまうレベルのとこまで行ってしまったから)
「えっなんですかその顔食べたいんですか」
「そんなわけないね! だって俺は猟兵だもん(チラ見)お前たちを倒すために(チラ見)ここに(チラ見)来た(チラ見)んだ(チラ見)!」
「食べたいならもう普通に食べればいいじゃないですか! チラチラ鬱陶しいなこの人!」
「違(チラ見)う(チラ見)よ! そんな(チラ見)わけ(チラ見)ないよ!」
首でモールス信号でもやってんのかな? 逆に疲れそうである。
たろは傷ついていた。心もそうだし歯ももうボロボロである。痛くないけど(もうそういうとこ飛び越えちゃったから)
「こうなったら本気で行くよ。俺を傷つけた報いを味わわせてやる……味わう、か(チラ見)」
たろは自らを奮い立たせた。お菓子をチラ見しながら。精神の揺さぶりは半端なく、首は赤べこみたいに揺れていた。心も揺れている。つまり戦闘力スゴイ・アップ!
「うおおおー! 俺は誘惑になんて負けないぞー!」
「「「だから食べたいなら食べアバーッ!?」」」
カトラリーを振り回しパレードキャストの皆さんをスパスパ切り裂くやったぜ!
そして敵を倒すと、彼らの持っていたお菓子が目の前に転がってくる。
「……」
たろはお菓子をガン見していた。
「据え膳食わぬはなんちゃらっていうよね! 虫歯なんて関係ねえ俺は食べあっっっっっ無理!!!!!!!!!!!!!」
そして仰向けにぶっ倒れ、またも召喚された群像英雄は本体を二度見した。
「ウソだろオイ」
彼の仕事は終わらなかった。本当にかわいそう。
大成功
🔵🔵🔵
アルゼブ・アズモリィ
お、あの声はなんだ?
『ふん、わかりやすい罠だ。笑わせるな。この程度で引っかか』
すっげー!このエナドリ、買いそびれた限定デザインのやつだ!
『…る愚か者がいるから油断ならぬのだ!!!』
なーに、エネルギー前借りしてパパっと片付けちゃえば大丈夫だって!
『くっ、今まで予防したつもりでいたからこその慢心か…』
よーし、出てこい【岩の魔人】!
そっちが数で来るならパワーで《なぎ払い》まくってやる!
『ええい!かくなる上は!』
あー!こいつ、エナドリの缶を噛み砕いた!
『…うぐおぉおおおおお!?』
ちょっ、おい!こ、こら、暴れるなって!
お前剣なのに虫歯になるの!?
*『』は喋る武器の声
*アドリブ共闘虫歯で悶絶他大歓迎
●さすが本場、すごい(頭の)ワルさだぜ!
どこか聞き覚えのあるランドでエレクトリカルなパレードのBGMとともに、続々やってくるパレードキャストの皆さん。そして漂うケミカル&甘い香り。
「お、あれはなんだ?」
アルゼブ・アズモリィは興味津々だ。原色ギラギラのイルミネーションとか明らかに目にワルい。ってことはワルカッコイイってことジャン!(デビキン特有の短絡的思考)
『ふん、わかりやすい罠だ。笑わせるな』
レブヤ・ベザルは鼻白んだ。虫歯の痛みを味わわされた猟兵は、そう簡単にお菓子の誘惑に乗るはずなどない。
乗るはずなどないのだが、すでにさっきからお菓子を食べまくっている奴が少なくない。なんで? あいつら全員悪魔だったの??(※本物の悪魔はいまのところアルゼブだけ)
「はいどうぞー。こちら来場記念になっておりまーす。無料でーす」
『何が無料だ。覚えておけ禁軍猟書家よ。この程度で引っかか』
「すっげー! このエナドリ、買いそびれた限定デザインのやつだ! タダでもらえちゃうなんて、今日は|悪《ワル》運絶好調だぜー!」
『……る愚か者がいるから油断ならんのだ!!! というか我の話聞いてんのかこの大馬鹿者!!』
レブヤ・ベザルは嘆いた。こんな奴が持ち主でいいのか本当に。
しかしアルゼブは、エナドリを受け取りもう片方の手で別のお菓子を受け取りながら、チッチッと指を振った(正確には指を振るようにお菓子を振った)。
「おっと、オレを見くびるなよ? そいつは甘いぜ」
『甘いのは貴様の認識と菓子とエナドリだがな』
「上手いこと言ったつもりかよ! いいか、これはいわばカチューのクリを……なんかアレするって奴なのさ!」
『火中の栗を拾う、だぞ』
「エネルギーを前借りしてパパッと片付けちゃえば大丈夫だって! ほらオレ虫歯ないんだし!」
アルゼブはいい笑顔で言い切った。慢心……油断……それが命取り……!
『くっ、今まで予防したつもりでいたからこその慢心か……』
歯が痛くなってから歯磨きしても遅い。だが人は歯が痛くならないと歯磨きの大切さには気づかないものなのである。さすが悪魔、頭もワルいぜ!
レブヤ・ベザルは考えた。未だかつてないほどに頭脳を回転させた! ところで武器の頭脳ってどこなんだ??
「とにかく行くぜ、来い|岩の魔人《ロック・フィーンド》!」
アルゼブはずもももと岩の魔人を呼び出す。けっこう疲れるので、さっそくエナドリを飲んでパワーを補給……。
『ええい、かくなる上は!』
「あー!?」
そこでレブヤ・ベザルナイスアシスト! エナドリの缶をばきんと噛み砕いた!
「何すんだよー! オレの新作エナドリフレーバー!!」
『うぐおぉおおおお!!??!? があああああ!!』
レブヤ・ベザル、悶絶! そして暴れまわる! 暴れまわる先にキャストの皆さん!
「「「グワーッ!?」」」
「お前剣なのに虫歯になるの!? っていうか、あったの!? 虫歯!」
アルゼブは思った。歯磨き、今度はちゃんとフロスも使おう……と。
大成功
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テスティナ・ヴァシリッサ
ぴる。確かに口は痛いですが本来ゼルガリアスにおいて捕食を行うのは私ではありませんし、どちらかと言えば……あなた達の方が興味があります、全員いただきましょう
コルピオス号を呼び、ボトルの中よりもう一体のセル|集合獣《ビースト》、「生きている海」「ゼルガリアスの消化器官」“パルセノ”を解き放ちます
後は液状のパルセノが降りかかって菓子類や幻影ごと消化を仕掛け、
私が本体へとサイキック衝撃波を放ち吹き飛ばし、
コルピオス号がそれを触手で捕らえ船内へと|収容《捕食》、
後はUCによってコルピオスやパルセノが捕食し得た栄養の分だけ雑兵セルの兵士達をコルピオスに生み出させ、物量で押してゆきましょう
※アドリブ他◎
●そして誰もいなくなった
「アイエエエ! アイエーエエエエ!」
パレードキャストたちは阿鼻叫喚の地獄に叩き落されていた。
猟兵。埒外の天敵。奴らにはギャグ補正もなんも通用しねえ!
用意していた菓子を台無しにされるどころか、逆に押し付けられたり全部食われたり自分たちが食われたりもう散々だ!
「というわけで、私はあなたたちのほうに興味があります。全員いただきますね」
「「「またこういうの増えた!!!」」」
テスティナ・ヴァシリッサの無慈悲な処刑宣言が、終わりの始まりだった。
さながら人間が蟻の巣を無邪気に破壊するかのように、科学的興味のままに捕食されるパレードキャストの皆さん。
いや、パレードキャストだけではない。
「せっかくなので、この偽物の世界とやらも解析しましょう。ぴる」
デビルキングワールド侵攻の橋頭堡として創られた偽物の世界そのものをも、『パルセノ』が消化し融かしていく。
ああ、世界が終わる。ちなみに解析したからと言って別に何か情報が手に入るわけではないしアイテムが手に入るわけでもないのだが、まあとりあえずこの世界は終わる。なぜって? ゼルガリアス星人が通ったあとには草木も残らねえからだよ!
「助けて! 助け……アバーッ!」
「大丈夫です。|収容《収容》するだけですよ」
何も大丈夫ではない。そしてどっちがワルかもわかったものではない。
偽物の世界が崩壊し、禁軍猟書家の消滅に伴ってデビルキングワールドに放り出されるまで、テスティナの一方的蹂躙は続いた。
ああ、哀れなりパレードキャストの皆さん。猟兵なんかを相手に罠を張ってたからこういうことになるのだ……!
「……ぴる。このお菓子は癖になりそうですね」
ケミカルスイーツは、ゼルガリアス星人的にはアリな味らしかった。そしてテスティナの魔の手が、デビルキングワールドそのものにも迫る……!?(B級ホラーものにありがちな、ポストクレジットでの雑な匂わせEND)
大成功
🔵🔵🔵