ここはクロムキャバリアにあるヴァンガ共和国の国境線の山岳地帯。そこにはこの世界の中では大手企業の部類に入る|ME《マイティ・エレクトロニクス》社の運搬トレーラーのキャラバンが走っていた。
「社長、ヴァンガ共和国に入りました。まさかヴァンガ共和国からマイティ・スナイパーⅡの発注が来るとは思いませんでしたね」
トレーラーのドライバーが隣の席にいるME社の社長、マクレガー・ハインツにそう話し掛ける。見た目はロングヘアの金髪碧眼で渋くクールな雰囲気の中年男性だ。
「ああ。今は総司令官となったカウロフ大将が軍の立て直しをしている。あの国の主力であるアマランサスは今でも十分主力として使える機体だと思うのだが…やはり|WWD《ワイルド・ウォードッグ》に対しての警戒かな。ここ最近、奴らの活動が活発化しているようだ」
車窓から見える景色を見ながら、マクレガーはそう答える。
「あの組織は本当に狂犬みたいなものですよ。戦争好きが集まった集団で、ましてやその戦争を拡大する為に兵器や兵士を売っているんですから。しかもそいつらに我々の技術が盗まれたのが痛いですね…」
「…|REAPER SYSTEM《リーパーシステム》の事だね。確かにアレを盗まれたのは痛かったが…不幸中の幸いは盗まれたのがそっちで良かったという事だ。拓也君が今使っている機体のシステムの方を盗まれたら、会社が終わるところだったよ…」
苦笑いしながらマクレガーがドライバーに対してそう話した時だった。トレーラーが突然の衝撃で大きく揺れ動く。
「何だ!?」
「て、敵襲か!?」
ドライバーの見事な運転技術でトレーラーは横転せずに停車する。停車したその先には複数のグレイルとそれを従えるあるキャバリアが立ちはだかっていた。
「なっ…あの機体は…!?」
マクレガーはリーダー機と思われるキャバリアを見て驚愕する。それはME社の技術を盗んで作られた機体だったからだ。
「こちら、ワイルド・ウォードッグ所属第3小隊副隊長、ジェーコブだ。マクレガー社長だな? ここで貴様は消えてもらおう。我らが作ったこの機体『キラー・イェーガー』によってな」
「不味い事になった…。最早、時間の猶予がない。ブリーフィングを始めるぞ」
グリモアベースに集まった猟兵達の前で、少々焦りの表情を見せる防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)が左腕のハッキングツールを操作し、中央に置いてある透明な机に今回の舞台の3Dモデルを表示する。
「今回の任務は、国境なき傭兵団『ワイルド・ウォードッグ』に襲撃されたME社の運搬トレーラーのキャラバンを救い出すのが目的だ。場所はヴァンガ共和国の国境線の山岳地帯。平地と岩がちらほらあるが、一般的なキャバリアが隠れるのには岩の大きさが小さ過ぎる。人身なら隠れられるが、キャバリアは隠れられないと考えてくれ。ワイルド・ウォードッグの狙いは社長であるマクレガー・ハインツを暗殺する事だ。これだけは何としても阻止してもらいたい。次は敵についてだ」
彼はハッキングツールを用いて、敵の情報を表示する。
「敵は2種類の機体を使っている。1つはグレイル。近距離から中距離での戦闘を得意とするキャバリアだ。中でもシールドバッシュからのパイルバンカーという連続攻撃が強力だ。格闘戦に持ち込む時は注意するように。そして最後の1つはWWD-004『キラー・イェーガー』。ME社の技術を盗んでワイルド・ウォードッグが作り上げた機体だ。この機体には|REAPER SYSTEM《リーパーシステム》と同様の能力を発揮するシステムが搭載されている。同様のシステムなら起動時、機体が発光するはずだ。その時が一番危険な状態だ。心して掛かるように」
そう言って、彼は猟兵たちを見回す。
「ブリーフィングは以上だ。もしキャバリアが必要であれば言って欲しい。量産型キャバリアではあるが、こちらの方で用意する。それでは、皆の武運を祈る」
最後に彼は敬礼し、グリモアを起動するのであった。
メガネペンギン
新年初の依頼がやって参りました。ネタ依頼でもやろうかなとも思いましたが…結局真面目な依頼になっちまったよ。
さて、お世話になっている方はお久しぶりです。初めての方は初めまして。メガネペンギンです。今回はクロムキャバリアにてME社の運搬トレーラーのキャラバンを襲撃した武装組織から救い出す事が目的となっています。
今回の大まかな流れは、グレイルとの集団戦→WWD-004『キラー・イェーガー』とのボス戦→ME社による企業展示販売会となっております。
幸い敵が分かっているので対策は立てやすいかもしれませんが、油断大敵です。
なお、今回はクロムキャバリア世界ということで、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器からも放つこともできます。そのまま戦うのもOKですし、自前のキャバリアで戦うのもアリです。そこら辺はプレイングに書き記して下さい。
皆さんが楽しめるように精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
皆さんのプレイング、お待ちしておりますよ!
第1章 集団戦
『グレイル』
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POW : シールドストライク
【シールドを使用した格闘攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【パイルバンカー】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : バレッジ
【友軍と共に繰り出す一斉掃射】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を制圧し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : グレネードショット
単純で重い【榴弾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:イプシロン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グリモアを通して現場に到着した猟兵達。そこには既にワイルド・ウォードックの隊員達が乗る多数のグレイルに包囲されたME 社の運搬トレーラーのキャラバンの姿があった。
「ん? 何だ、貴様らは。我々の邪魔をするつもりか?」
リーダー機が猟兵達に気付き、彼らを見る。
「マクレガーは私が見張る。お前達はあの雑種共を排除しろ」
そう指示を受けた隊員達は包囲を解き、猟兵達の方へと向かって来る。こうしてワイルド・ウォードックとの戦いの火蓋が切られたのであった…。
グリゼルダ・クラウディウス
一人称は余。
二人称は名前の呼び捨て、其方、貴様など。
余は竜神であり、その出生に相応しい尊大な態度と口調の自信家だ。
味方には寛容だが、敵には容赦がない。
活動の動機は、強敵との闘いを楽しみたいから。
キャバリアは必要ない。余自身の肉体こそが最強の武具であるからな。
UC《氷竜穿》に技能<凍結攻撃>を組み合わせて闘うとしよう。
大地を穿つ余の貫手を、果たして、その盾で防げるかな。
他の猟兵との連携に関しては自由にして構わぬ。
自身が傷つくことは躊躇わぬが、周囲に無用の被害をだしたり、その世界の公序良俗に反することは行わぬ。
あとはおまかせにしよう。よろしく頼むぞ。
「やれやれ、抵抗も出来ぬ弱者に寄ってたかって袋叩きにしようとは…卑怯極まりないであるな」
猟兵達の動きを伺い、様子を見るグレイルの群れに対して1人の女性がそう言いながら、生身のまま間合いを詰めていく。彼女の名はグリゼルダ・クラウディウス(氷銀竜・f39138)。とある世界にて永久凍土に君臨する氷銀竜の化身とも謳われる気高き女王である。
「こいつ…生身のままで戦うつもりか? なら…」
隊員の1人が『 グレネードショット』で榴弾をグリゼルダに向かって撃つ。
「ほう? 様子見と来たか…」
それを見たグリゼルダは瞬時に『氷竜穿』を発動し、自身の冷気を籠めた貫手を地面に向かって放つ。やがて榴弾が着弾し、直撃地点には大きな穴が開く。
「…やったか?」
その時であった。1機のグレイルが、突然下から突き出た巨大な氷柱によって串刺しにされる。
「なっ…何ぃ!?」
予想外の事態に隊員達は驚愕しながら、周囲から離れる。すると、氷柱が突き出た地面からグリゼルダが現れる。先程の氷柱は彼女の冷気によって生成された物であった。
「何じゃ、こんなものであるか。期待外れだ…」
「舐めた真似を!」
そこへ隊員の1人が仇を取らんと、『シールドストライク』を仕掛ける。
「そう来なくてはな…面白味がない」
それに対してグリゼルダは堂々と正面から迎撃し、盾を突き出したところを『氷竜穿』で貫く。盾は破壊され、パイルバンカーが彼女の冷気によって凍り付き、動作不良を起こす。
「そんな馬鹿な…!?」
「これで仕舞いだ」
止めに彼女はコックピットハッチに向けて『氷竜穿』を放ち、冷気で生成された巨大な氷柱が機体を貫通する。
「さて、余の次の相手は誰であろうな…?」
危険を感じて距離をとったグレイル達を見回しながら、彼女は敵にそう問うのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「…実にいい傲りですね」
嗤う
「貴方達への救命依頼が出ていない以上、お代は命で払っていただきましょう」
嗤う
自分は風火輪
黄巾力士は飛来椅で飛行
青白い高温の雷火を各機体の頭部メインカメラとコクピットハッチに着弾させる
「耐弾仕様にはなっているでしょうが、耐火性能はどうでしょうね。メインカメラやコクピットハッチが溶融する高温に、中の人間がどれ程耐えられるのか。実に楽しみです」
嗤う
敵の攻撃は仙術+功夫で縮地(短距離転移)して回避
黄巾力士はオーラ防御
ハッチが真っ赤に溶融したら黄巾力士に鎧無視・無差別攻撃でハッチを撃ち抜くよう命じる
「例え雑魚でも貴方達が減る方が都合がよいのですよ。心置きなく逝って下さい」
嗤う
「…実にいい傲りですね。そういう相手こそ蹂躙し甲斐があります」
そう言って嗤いながら自身を『宝貝・風火輪』で、『宝貝・黄巾力士』を『宝貝・飛来椅』で浮かせるのは鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)。破天荒で敵を鏖殺するのが仙の本質と説く雷使いの妖仙である。
「あいつ、飛んでやがるぞ!」
「気を付けろ、何をしてくるか分からん! 近付けさせるな!」
ワイルド・ウォードッグの隊員達は『バレッジ』で対空砲火による弾幕を張るが…
「無駄ですよ。貴方達の攻撃は見えています」
冬季は縮地を、黄巾力士はオーラ防御を利用して攻撃を凌いでいく。
「では、そろそろこちらから反撃を。貴方達への救命依頼が出ていない以上、お代は命で払っていただきましょう」
そう嗤いながら彼は『雷火陣』を発動し、グレイル達のメインカメラやコックピットハッチに向けて青白い高温の雷火を着弾させていく。
「くそっ、カメラが…!」
「こ、コックピット内の温度が上がってきてやがる…!?」
雷火が機体に着弾した隊員達は急いで火を消そうとするが、火は消えない。何故なら雷火は冬季にしか消せないからだ。
「耐弾仕様にはなっているでしょうが、耐火性能はどうでしょうね? メインカメラやコクピットハッチが溶融する高温に、中の人間がどれ程耐えられるのか…実に楽しみです」
敵の苦しむ様子を悠々と眺めながら、冬季は嗤う。そして彼はハッチが真っ赤に溶融した機体に対して、黄巾力士にハッチを撃ち抜くよう命じ、無慈悲に敵を蹂躙していく。
「例え雑魚でも貴方達が減る方が都合がよいのですよ。心置きなく逝って下さい」
そう嗤いながら彼は引き続き敵を蹂躙していくのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
バルザック・グランベルク
(アドリブ歓迎)
|鉄騎《キャバリア》の集団か。要人の救出と聞いたが、これならば賊が相手でも退屈せずに済みそうだ。蹂躙し甲斐がある。
我はUCを使い周囲に嵐を巻き起こそう。近、中距離戦が主であれば互いに近付かねば本来の力を発揮出来まい。なれば巻き込む事も容易かろう。
視界と機動力を奪った後は接近し足元を【踏み付け】と【地形破壊】で盾から杭を撃たせぬように体勢を崩させ、倒れた処に搭乗部を大槌で叩き潰す。
遠方に捉えた敵はそのまま鉄屑と化したキャバリアを【怪力】で持ち上げ投げつけてくれよう。それを繰り返し賊どもを掃討する。
敵の杭以外の攻撃は鎧と【激痛耐性】【継戦能力】で耐える。視界を奪った後だ、同士討ちも起こるやも知れぬしな。
さぁ、その自慢の鉄騎で、杭で、嵐に争ってみせるがいい。
「な、何だあのデカブツは!?」
「お、俺達の乗っているキャバリア並にデカいぞ!」
猟兵達との戦闘をグレイルに乗って続けるワイルド・ウォードッグの隊員達。そんな彼らの前に思いもよらない猟兵が姿を現す。その猟兵は5m以上の大きさを誇る巨人であり、禍々しい鎧を全身に身に着けていた。彼の名はバルザック・グランベルク(嵐帝・f38770)。一度現れれば破壊の限りを尽くし、立ち去った後には凄惨な傷跡を残すと言い伝えられ、『嵐帝』と崇められている男である。
「…ほう。鉄騎の集団か。要人の救出と聞いたが、これならば賊が相手でも退屈せずに済みそうだ。蹂躙し甲斐がある」
そう言って彼はゆっくりと敵との間合いを詰めていく。
「くそっ、こけおどしが!」
1機のグレイルが『 グレネードショット』で榴弾をバルザックに向かって撃つ。それを見た彼は手に持った『惑星殺しの凶槌』で榴弾を叩き落し、爆発させる。
「な、何て奴だ…!?」
迎撃した時の榴弾の爆風と砲弾の破片を物ともせず、何事もなかったように進み続けるバルザックにワイルド・ウォードッグの隊員達は恐怖感を覚える。
「では、次はこちらから行くぞ」
そう言った彼は『嵐帝暴風圏』を発動し、自身の107m半径内を雷雨を伴う黒雲と暴風の嵐で覆っていき、それに巻き込まれたグレイル達は視界と機動力を封じられてしまう。
「なっ…奴は自然現象までも操れるってのか…うわっ!?」
1機のグレイルが嵐によってバランスを崩し、倒れてしまう。そこへ『惑星殺しの凶槌』を持ったバルザックが歩み寄る。
「く、来るなっ!」
悪足掻きとして『シールドストライク』による盾の打突を放つも、バルザックは大槌で盾ごと左腕を叩き壊す。
「何と脆いものだ…」
「ひぃ…!? や、やめっ…!」
恐怖した隊員が言葉を言い切る前に、バルザックは大槌で何の躊躇いもなくコックピットを叩き潰す。グシャっという重い低音が響き、持ち上げた大槌には先程まで生きていたワイルド・ウォードッグの隊員だったモノが血と共にこびり付いていた。その様子を見た他のワイルド・ウォードッグの隊員達は恐怖を更に増大させる。奴はヤバいと。
「さぁ、もっと来るがいい。その自慢の鉄騎で我に抗ってみせろ」
威圧感溢れる覇気を放ちながら、バルザックは敵へそう挑発したのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
霧崎・紫苑
敵は人型兵器か
相手にとって不足はない
キャバリアに搭乗する意味はないので、敢えて身一つで挑もう
こちらを舐めてくれれば好都合
機械である以上、俺の操るナノマシンの効果からは逃れられん
敵の榴弾を避けつつ、UCを使って敵機を侵食し制御を奪う
非科学的な動力を用いるスーパーロボットやサイキックキャバリアならまだしも、量産型キャバリアでは俺のUCには抗えまい
ナノマシンによる直接侵食だから、アンチ・ウィルス・ソフトなどのハッキング対策も無意味だぞ
機体制御を奪った後は、そのまま互いの武器で同士討ちさせるか、あるいは榴弾を暴発させて自爆させてやろう
「コクピットは狙わせていない。命が惜しければ、早々に脱出するんだな
「なるほど。敵は人型兵器か。相手にとって不足はない」
ワイルド・ウォードッグの隊員達が操るグレイルの群れを前に、右腕の『万能医療義手』を握ったり開いたりしながらそう言うのは、霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)。彼はアポカリプスヘル出身の闇医者であり、偽神細胞の副作用と拒絶反応を抑える為に肉体の半分近くを機械化したサイボーグである。
「何だよ、こいつも生身で俺達に挑もうってのか!?」
「舐めやがって! こいつで身体ごと吹き飛ばしてやる!」
1機のグレイルが『 グレネードショット』で榴弾を発射する。それを見た紫苑は頭に被った『飛斬帽』を左手で抑えながら、素早くステップで回避する。彼がいたところに爆発と同時に地面に穴が開く。
「では、反撃と行こうか」
彼は『全機械解析制御』を発動し、自身から物体侵食型ナノマシンをグレイルの群れへと放出していく。
「な、何が起きている?! 機体が動かないぞ!?」
ナノマシンに侵食された機体は動きが止まり、隊員達がどうあがいても動かない。
「当たり前だ。既に貴様らの機体は俺の手中にある」
そう言った紫苑が右腕を動かすと、侵食された機体は同士討ちを始めたり、榴弾を暴発させて自爆していく。
「な、何をしやがった、テメェ!!」
「コクピットは狙わせていない。命が惜しければ、早々に脱出するんだな」
「…畜生め!!」
戦闘不能になったグレイルを操っていたワイルド・ウォードッグの隊員達は止む得なく機体を放棄し、捨て台詞を吐きながら脱出していくのであった…。
成功
🔵🔵🔴
ヴィリー・フランツ
(ヘヴィタイフーンに搭乗)
心情:相手は傭兵か、なら後始末の面倒はねぇな。
手段:今回は明確な防衛対象がいる、時間をかける訳にもイカンので容赦なくやらせてもらう。
恨み言は言うなよ?俺達傭兵は全ての行動が|自己責任《自業自得》なんだよ!
主に射撃戦、RSコングⅡ重無反動砲や肩のRS-Sクロコダイル単装電磁速射砲で仕留める。
【EP-155mmクラスター焼夷弾頭】はある程度一網打尽に出来るタイミングで使う、EP-Sアウル複合索敵システムで探知した範囲内の友軍機にも退避要請をせんとな。
敵のグレネードやライフルは機体の増加装甲やシールドで受ける、回避行動をすると手数が減る、反撃に注力した方が効率は良い。
「へぇ、相手は傭兵か。なら後始末の面倒はねぇな」
愛機である『HL-T10 ヘヴィタイフーンMk.Ⅹ』に搭乗して敵の様子を見ながらそう言うのは、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)。彼は歴戦の傭兵であり、このクロムキャバリアの世界でも、愛機と共に駆け抜けてきた男である。
「今回は護衛対象もいるし、時間を掛ける余裕はねぇ。とっととケリをつけさせて貰うぜ!」
そう言った彼は『RSコングⅡ重無反動砲』や『RS-Sクロコダイル単装電磁速射砲』で射撃戦を展開していく。
「たかが1機だ! 数で押して距離を詰めていけ!」
ワイルド・ウォードッグの隊員達も負けじと数を物を言わせ、『バレッジ』で一斉掃射を加えながら間合いを詰めていく。
「ちっ、なかなかやるじゃねぇか…。だが、集まってくれたのなら好都合だ」
ヴィリーは機体の増加装甲やシールドで敵の攻撃を受け止めながら『EP-Sアウル複合索敵システム』で運搬トレーラーの位置を確認し、ある武装の攻撃範囲外である事を認識した後、彼は『RSコングⅡ重無反動砲』の弾倉を『EP-155mmクラスター焼夷弾頭』が詰まった弾倉に交換する。
「さぁ、これで一網打尽だぜ!」
グレイルの群れの先頭に狙いを定めた彼は弾を発射し、空中で炸裂式子弾分裂型サーメート焼夷弾が炸裂して、着弾地点を高温の火炎がグレイル達を焼き尽くしていく。
「ぐわぁぁぁー!!」
「あ、熱い、熱い!!」
機体が融解していくのと同時に機体内部の温度が上がって、地獄のような苦しみを味わうワイルド・ウォードッグの隊員達が悲鳴を上げていく。そんな彼らにヴィリーは『RSコングⅡ重無反動砲』や『RS-Sクロコダイル単装電磁速射砲』で止めを刺していく。
「あんたらの自業自得だ。悪く思うなよ」
そう言って彼は残った敵を掃討するのであった…。
成功
🔵🔵🔴
桐嶋・水之江
へぇ…社長が…
身代金をたっぷり頂けそうね
ん?私何か言ったかしら?
あらあら、グレイルじゃない
なら私はゼルグ・ジールで行きましょうか
質と大きさで対応するわ
大きいという事はそれだけ頑丈という事よ
例えば高層ビルに拳銃の弾を幾ら撃ったとしても崩せないわよね?
しかも機体が大きい分プロテクトフィールドのジェネレーターもより高出力なものを積めるようにになる…という訳で質量で圧倒して攻撃を正面から受け切るわ
でも数はやっぱり脅威よね
向こうもそれを理解してるんでしょうし集団戦法で押してくるわよね
なら群れてる所に有線式クローアームのビームキャノンを撃ち込んでいきましょう
機体が大きい分だけ搭載火器も大口径で強力よ
「へぇ…社長がねぇ…。身代金をたっぷり頂けそうね」
「…!?」
「ど、どうしましたか、社長?! 急に震えたりして…」
「い、いや…急に悪寒が走ってな…。まぁ、気のせいだろう、多分…」
無線を聞いている訳でもないのに、何故か恐怖の予感を感じたマクレガー。その恐怖の予感を感じさせたとある猟兵が戦場に到着する。
「な、何じゃありゃ!?」
「で、デケェ…!?」
ワイルド・ウォードッグの隊員達が乗っているグレイル達が見上げられる程、それは全高40mにも達する大きなスーパーロボットであった。その名は『ゼルグ・ジール』。そしてそれを操るのは桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)。彼女が『ゼルグ・ジール』を作り出した人物である。
「あらあら、グレイルじゃない。こんな傭兵達にも使われているなんて、世も末ねぇ~」
まるで他人事のようにいう彼女。実はグレイルは彼女が開発した機体であった。
「ただデカいだけだ! 数はこっちの方が上だ! 押し切れ!」
ワイルド・ウォードッグの隊員達は『バレッジ』で一斉掃射するが、水之江はすぐにプロテクトフィールドを展開し、攻撃を防いでいく。
「残念♪ その程度ではこの子はビクともしないわ。何せ機体が大きい分、プロテクトフィールドのジェネレーターは高出力な物を積んでいるのよ」
そう得意気に語る彼女。このままではジリ貧になると感じたワイルド・ウォードッグの隊員達の数人が射撃を止めて、『ゼルグ・ジール』へと接近しようとする。
「懐に入り込めば…!」
それを見た水之江は『RBSX-A有線式クローアーム』を射出しながら、すぐに大型スラスターで後退する。その機動性は大きさの割りには高く、グレイルを凌駕していた。
「何だと…!?」
接近を試みたワイルド・ウォードッグの隊員達はあまりの速さに動きを止めてしまい、射出された2つの『RBSX-A有線式クローアーム』がその隙をついて次々と切り裂いていく。
「さて、これで仕上げと行きましょうか」
無謀にも接近を試みた敵を片付けた水之江は『RBSX-A有線式クローアーム』にあるビームキャノンで目の前の敵を殲滅していく。
こうしてワイルド・ウォードッグの隊員達が操るグレイルの部隊は全滅したのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『WWD-004『キラー・イェーガー』』
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POW : REAPER ALTER SYSTEM起動
自身が操縦する【WWD-004 キラー・イェーガー 】の【機動性と反応速度】と【武装の威力と命中精度】を増強する。
SPD : WWD-W002 デス・フィンガー
【左掌の近接攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【零距離射撃のビーム砲】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : WWD-W005 バスターライフル
【右手に装備したバスターライフル 】を向けた対象に、【高威力広範囲のビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:エンシロウ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠防人・拓也」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「…初めて拓也君とマックさん以外の猟兵を見たが、圧倒的だね…。拓也君が自身の力を恐れるのも頷けるよ」
ワイルド・ウォードッグの隊員達が操るグレイル達が蹂躙されるのを離れた場所でドライバーと共に見ていたマクレガー。彼はこの光景を目の当たりにし、猟兵達に畏怖の念を感じていた。
「…あれが猟兵の力か。なるほど、面白い。こいつでどこまでやれるか、良い実験になりそうだ」
それに対してジェーコブは嬉しそうに微笑んでいた。まるで遊べるおもちゃを見つけた子供のように。彼はマクレガーに構わず、自身の機体を操り、猟兵達の前に立つ。
「噂に聞いていた通りの実力だ。ここからは私が相手をしよう。第3小隊副隊長、ジェーコブがな」
彼はそう言い、いつでも掛かって来いと言わんばかりに構える。今までの雑魚とはまるで違う。猟兵達は何となく、そう感じ取れたのであった…。
グリゼルダ・クラウディウス
余の活動の動機は、強敵との闘いを楽しみたいから。
キラー・イェーガーか。
竜の玉体と鋼の躯体、果たして何方が上か、存分に競おうではないか。
機動性、反応速度、武装の威力に命中精度と隙がないな。
すなわち小技では役にたたぬな。初撃から全力を揮うとしよう。
UC《氷竜翔》に技能<凍結攻撃>を組み合わせた、跳躍からの、冷気を纏う高速の飛翔突撃をくれてやろう。
他の猟兵との連携に関しては自由にして構わぬ。
自身が傷つくことは躊躇わぬが、周囲に無用の被害をだしたり、その世界の公序良俗に反することは行わぬ。
あとはおまかせにしよう。よろしく頼むぞ。
「ほう。キラー・イェーガーというのか。竜の玉体と鋼の躯体、果たして何方が上か…存分に競おうではないか」
遂に強敵と戦える事に喜びを覚え、微笑むグリゼルダ。一方のジェーコブは彼女の出方を静かに伺っていた。
「(しかし、先程の敵とは違い、隙がない。流石は副隊長であるだけはあるか…。なら、小技など使わず初手から全力で行くとしよう)」
そう決断した彼女は冷気を纏いながら『氷竜翔』を発動し、マッハ9を超える速度で跳躍し、突撃を仕掛ける。
「!!」
それを見たジェーコブは間一髪のところで回避し、グリゼルダが通った地面は冷気によって凍り付いていた。
「なかなか良い反応ではないか。じゃが、2回目はどうであろうな?」
そう言って彼女は再び彼女は跳躍し、突撃する。これに対してジェーコブは『WWD-W005 バスターライフル』を発射し、冷気と高温のビームが激突する。最初は拮抗していたものの、次の戦いを見越してジェーコブはバスターライフルを停止し、エネルギーの節約を図る。その隙をグリゼルダが見逃すはずもなく、突撃する。ジェーコブはすぐに回避行動して直撃は免れたものの、右肩部分の装甲の一部は破壊されてしまう。
「流石は猟兵。一筋縄ではいかないか」
「貴様もなかなかやるではないか。さぁ、もっと余を楽しませておくれ」
自分の攻撃で簡単に蹂躙されず、すぐに対抗手段を取ってくる強敵との戦いにグリゼルダは心から楽しんでいるようであった…。
成功
🔵🔵🔴
バルザック・グランベルク
(アドリブ歓迎)
奴が賊の頭目か。成る程、頭目を張るだけあって先の雑魚どもとは違う。ククク、これは良き闘争になりそうだ。
奴との戦闘は正面から行う。賢しい策を弄するのは性に合わん。徹底的な【暴力】を振るい押しつぶす。
基本は敵の攻撃を高威力のものは大槌で弾き、鎧と【継戦能力】【激痛耐性】を盾に接敵する。その後は大槌による【重量攻撃】や【叩き付け】を狙う。
距離を取るようならば、我が武装【纏殺の冥響】で増幅した【大声】を【衝撃波】を【範囲攻撃】として放ち、【地形破壊】を誘発させ足を封じる。
相手がUCを発動したならば、我も続いてUCを発動する。
此処からは純粋な力比べよ。機動力、反応速度が上がるなら此方は無数の腕から更なる連撃を、威力が上がるならそれを耐える耐久を。策も力も、暴威で捩じ伏せるのが嵐の在り方故に。
さぁ貴様の力で嵐を止めてみよ。出来ぬならその命は惨たらしく散るだけだ。
「貴様が賊の頭目か。成る程、頭目を張るだけあって先の雑魚どもとは違う。ククク、これは良き闘争になりそうだ」
先程の戦いで雑魚達を蹂躙したバルザックだが、目の前にいる強敵を見て、彼は喜びを感じていた。
「…ああ。貴様は部下達を怯えさせた雑種か。随分と荒っぽい戦いを好むようだね。なら、こちらは速さで圧倒させてもらうとしよう」
そう言ったジェーコブは『REAPER ALTER SYSTEM』を起動し、『キラー・イェーガー』のセンサーアイなどが赤く発光する。
「ほう。ではその速さが我にどこまで通用するか、試してみるがいい!」
そう言ったバルザックは『百手ノ魔王、顕現』を発動し、理性を失った背中に無数の槌を持った腕を生やした魔人へと変化する。
まず、先手を取ったのはジェーコブ。機体のスラスターを吹かし、高速移動しながらバスターライフルを次々と撃ち込んでいく。それに対してバルザックは『纏殺の冥響』で増幅した咆哮を衝撃波として飛ばし、ビームと相殺させていく。
その間にジェーコブは距離を詰めていき、左掌を構える。それを見たバルザックは無数の槌を持った腕を背中から振り下ろしていくが、その攻撃速度をジェーコブの方が僅かに上回り回避していき、バルザックの背中から生えた腕の1本を左掌で掴む。
「先ずは1本だ」
そう言ってジェーコブは『WWD-W002 デス・フィンガー』を発動し、零距離射撃のビーム砲で腕を焼き切る。
「グオォォォー!!」
腕を切られた激痛でバルザックは苦しみの雄叫びと共に、『纏殺の冥響』を利用した咆哮で相手を吹き飛ばす。『キラー・イェーガー』は吹き飛ばされた時の衝撃のせいか、システムが停止して光の発光が通常モードになった
「ちっ…システムが一時的に止められたか。復旧までには少し時間が必要だな」
ジェーコブがそう言っている間にもバルザックは接近し、無数の槌を持った腕を振り下ろしていく。ジェーコブは運良く避け続けたものの、槌によって出来た穴に足をとられてしまう。その隙に振り下ろしてきた槌の一撃を左掌で受け止め、『WWD-W002 デス・フィンガー』で槌ごと腕を破壊し、距離を急いでとる。攻撃を受け止めた左掌には破損が見受けられた。
「システムだけでなくデス・フィンガーまで一時的に封じられるとは…やるな、猟兵」
自分が不利になったにもかかわらず、ジェーコブはどこか楽しそうな表情であった…。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィリー・フランツ
(引き続きヘヴィタイフーンに搭乗)Pow
(【熟練操縦士】にて各種機体性能の底上げ)
心情:よーし良いぞ、ターゲットの興味は護衛対象から此方に移った、ここで叩いて安全を確保する。
手段:《タイフーンよりキャラバンへ、今のうちだ、全速で退避しろ》
EPキャバリアスラスターを全開、ホバー移動による回避運動を混ぜ、他の猟兵と協力しながらの射撃戦を試みる。
奴が距離を詰めたらすかさず無反動砲を投棄、RXバーンマチェーテを抜刀し刀身を加熱、スラスター全開でスパイクシールドを構えてぶちかまし、そのまま切りつける事を試みる。
グリモア猟兵も連中の所在は知りたい筈だ…護衛対象も離れたなら生かして捕らえる余裕もある筈だ。
霧崎・紫苑
貴様が首魁か
だが、サイズ差だけが勝敗を決めるものでもあるまい
右手のライフルに警戒し、常に敵の左側面に回って移動しながらUCを使用
対象とするのは、敵の装備しているライフルのみだ
対象の数や質量が増えると、それだけ効果を発揮するのに時間を要するからな
ビームを発射される前に、制御だけでも奪わせてもらおう
ライフルの制御を奪い、物質組成を改竄して電子誘導ミサイルランチャーへと変換
キラー・イェーガーを標的にし、誘導ミサイルを放つ
至近距離で、しかも自機の手にした武器から放たれる誘導ミサイルならば、避ける暇もあるまい
「どのような|病原体《オブリビオン》にも抗体が存在する。今回は、それが俺だったというだけの話だ
「よーし、さっきの戦闘で奴は武装を破損したようだ。畳み掛けるなら今か?」
「仕留められるかは分からないが、チャンスではあるな」
『キラー・イェーガー』の損傷具合を見て、連携して攻撃を仕掛ける事にしたヴィリーと紫苑。ここで更に敵の力を削げば、勝利にグッと近づくかもしれない。
「こちら、タイフーンよりキャラバンへ。今のうちだ、全速で退避しろ」
敵の目はこちらに向いているし、今なら退避させる事が出来るかもしれないと考えたヴィリーはマクレガー達へ無線を入れる。
「こちら、マクレガーだ。そうしたいところだが…戦闘中でも敵は時折こちらを見てるから、迂闊に退避する事は出来ない。だが、こちらは心配ない。気遣い感謝する」
「了解。生きててくれよ」
そう話してヴィリーは通信を終える。
「ヴィリー。早速だが、奴の気を逸らして欲しい。その隙を突いて、俺の『冒涜的な整形手術』で奴のバスターライフルを電子誘導ミサイルランチャーへと変換させて、誘導ミサイルを奴へと放つ」
「OKだ。その間に俺は距離を詰めて、斬り掛かるぜ。出来れば生け捕りにしたいところだな。グリモア猟兵も奴らの所在が気になるだろう」
「…そう簡単に行く相手とは思えないがな」
作戦会議を終え、まずヴィリーが先陣を切る。『熟練操縦士』により各種機体性能が底上げされた『HL-T10 ヘヴィタイフーンMk.Ⅹ』が『EPキャバリアスラスター』を全開で噴き上げ、ホバー移動していく。
「先頭がキャバリアか。なら…」
ジェーコブはバスターライフルを構え、ビームを発射する。しかし狙ったのはヴィリーではなく、紫苑の方であった。
「くっ…いきなりこちらを狙ってきたか…!?」
自分の方へ構えられた瞬間に回避行動をとったため、何とか無傷で済んだ紫苑。額には冷や汗が流れていた。『キラー・イェーガー』はそのまま彼の方へ接近を試みるが、ヴィリーが『RSコングⅡ重無反動砲』と『RS-Sクロコダイル単装電磁速射砲』で牽制射撃して妨害していく。
「おらぁ! お前の相手はこっちだ!」
「ちっ、流石にずっと無視する訳にもいかんか…!」
舌打ちをしつつジェーコブはヴィリーに対応する為、バスターライフルをヴィリーの方へ向ける。
「ようやく隙が出来たな…!」
その隙を見逃すまいと紫苑は『冒涜的な整形手術』を発動し、侵蝕型ナノマシンを放出し、バスターライフルの制御を奪う。
「…!? まさか、さっきの男か!」
「もう遅い」
ジェーコブが気付いた頃には、バスターライフルが電子誘導ミサイルランチャーへと変換されてしまい、そこから誘導ミサイルが発射される。ミサイルのターゲットは『キラー・イェーガー』である。
「流石にマズいか…!」
ジェーコブはすぐに電子誘導ミサイルランチャーを放棄し、地面に転がり落ちていたグレイルのアサルトライフルを持ち、ミサイルを迎撃する。だが、全部は迎撃出来ず、2発が機体の胴体部分に命中し、装甲が破損する。
「よし、貰ったぜ!」
その間にヴィリーは『RSコングⅡ重無反動砲』を投棄して、『RXバーンマチェーテ』を抜刀して刀身を加熱させながら、スラスター全開で接近。『EP-Aスパイクシールド』を構えながら体当たりをくらわせる。
「ぐうっ!」
体当たりをくらった『キラー・イェーガー』は態勢を崩し、そこへヴィリーが斬り掛かる。これで決まりだ。ヴィリーがそう確信した瞬間であった。突如、『キラー・イェーガー』のセンサーアイなどが赤く発光し始める。
「何っ!?」
ヴィリーが放った斬撃は、奇しくも反応が早くなった『キラー・イェーガー』の左掌の『WWD-W002 デス・フィンガー』によって受け止められ、止めを刺す事に失敗する。このままだと危険だとヴィリーは感じ、スラスターを後方に噴き上げ、距離をとる。
「惜しかったな。さっきのは流石に危なかったぞ」
「ちっ、仕留め損なったか…」
ヴィリーは悔しそうに歯ぎしりをする。
「だが、これで貴様の武器は1つ奪ったぞ。どのような病原体でも抗体は存在する。それが俺達猟兵だ。もうすぐ他の抗体によって貴様は殲滅されるだろう」
「病原体…か。フフフ、医者らしい表現だな。だが、貴様らも人によっては抗体ではなく、病原体と見られる事を忘れない事だ」
紫苑の言葉に対して、微笑みながらそう返すジェーコブであった…。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
グラン・ボーン
強い奴がいるって聞いてきたんだが、おまえか?
(キラー・イェーガーの前にでかい男が現れた
キラー・イェーガーよりも大きい
5.5メートルはある巨人だ
ただでかいだけではない
肉の圧がすごい
分厚い筋肉で覆われた体は、見た目以上に男を大きく見せる
うっすらオーラが見えるのは男の持っている覇気だ
圧倒的な力の塊が、人の形をしてそこに立っていた)
巨人拳のグラン・ボーンだ
ぶん殴ってやるから覚悟しな
(たん!
地を蹴って間合いを詰めると正拳突きを一発放つ
鍛えぬいた拳だ
どこに当ててもいい
ガードするならすればいい
装甲だろうが何だろうが、俺の拳が当たったなら破壊できる
自分の拳はそういう拳だ)
「…強い奴がいるって聞いてきたんだが、おまえか?」
「…先程のデカブツと同じ類の者か」
ジェーコブが操るキラー・イェーガーの前に現れた1人の男。その者はバルザックと同様の巨人族であり、身長は5.5メートルはあった。だが、彼はバルザックとは明確に違う部分があった。それは生身の筋肉である。彼が鍛え上げた分厚い筋肉は見た目以上に彼を大きく見せていた。身体からはうっすらと覇気のようなオーラを漂わせており、王者の風格のようなものを感じさせた。彼の名はグラン・ボーン(巨人の巨人拳伝承者・f34134)。戦場を故郷に持つ戦士の一族であり、巨人拳伝承者であった。
「巨人拳のグラン・ボーンだ。ぶん殴ってやるから覚悟しな」
彼はただそう一言言い放ち、地を蹴って間合いを詰める。
「(速い…!?)」
巨体を思わせぬ素早さにジェーコブは反応し切れず、一気に拳の間合いに入ってしまう。その隙をグランは見逃さず、『一撃必殺』の正拳突きを放つ。その拳はキラー・イェーガーの右肩に命中し、右肩から下のパーツが全て破壊されてしまう。
「ぐあっ…!」
殴られた衝撃でキラー・イェーガーはふっ飛び、地面へと叩きつけられてしまう。
「ふん。コックピットは避けられたか。だが、次はどうだ?」
グランは驕る事もなく、立ち上がる敵を見ながら静かに構えをとるのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
桐嶋・水之江
あれがキラー・イェーガーね
へぇ…例のシステムを積んでるだけあってグレイルとは訳が違うようね
まあ、やり様はあるわよ
接近する理由は無いから後退推進しながら応戦しましょうか
左右の有線式クローを射出
ビームキャノンでオールレンジ攻撃スタート
一方は横から、一方は後ろからと片方に注意を向けている間にもう片方で死角を攻めていきましょう
ゼルグ・ジール本体を狙ってくるならそれはそれで結構よ
フィールドと装甲厚で受け切るわ
いずれにせよ何かしらの連撃をしてくるでしょうからそのタイミングでキャッチ・アンド・ホールド
オーバーフレームを掴んじゃえば身動きは取れないわよね
観念して投降するならよし
しないならビームソードをぶすりよ
「あれがキラー・イェーガーね。へぇ…例のシステムを積んでるだけあってグレイルとは訳が違うようね」
今までの戦闘を見て、興味を示す水之江。彼女は『キラー・イェーガー』に搭載された『REAPER ALTER SYSTEM』に注目していた。
「まあ、やり様はあるわよ」
そう言って彼女はキラー・イェーガーに向けて左右の有線式クローを射出していく。
「あの厄介なクローか。ええい、バスターライフルが破壊されたのが痛手だな…!」
ジェーコブはそう言いながらも、片手で地面に転がっているグレイルのアサルトライフルを拾いながら、射撃戦を展開していく。
「残念。その程度の武器では通用しないわ」
水之江の言う通り、プロテクトフィールドの前にジェーコブの攻撃は通用せず、一方的に水之江が有線式クローによるオールレンジ攻撃でビームを撃ち続けるような状況であった。
「止むを得ん、一か八かの賭けに出させてもらおうか!」
そう言ってジェーコブは『REAPER ALTER SYSTEM』を起動し、アサルトライフルを投棄して、一気にスラスター全開で距離を詰めようとする。
「っ!? 予想以上に速いわね…!」
それを見た水之江は後退推進しながらオールレンジ攻撃を仕掛けるが、ジェーコブはそれを回避しながら徐々に距離を詰めていき、プロテクトフィールドに対して『WWD-W002 デス・フィンガー』を放ち、突破を図る。
「うおぉぉぉー!!」
ジェーコブの叫び声と共に次第にプロテクトフィールドが弱まっていき、遂に突破されてしまう。だが、彼の攻撃はここまでだった。キラー・イェーガーが2本の有線式クローによってオーバーフレームを掴まれてしまう。
「つーかまーえた♪ もう逃がさないわよ」
水之江は妖艶な笑みを浮かべながらそう言う。キラー・イェーガーの光は赤から通常の光に戻っており、システムが解除されたのが確認できた。
「さて、投降するか、ここで死ぬか…選択肢は2つよ。好きな方を選びなさい」
彼女はジェーコブにそう呼び掛けるが、返事がない。機体が動く気配もない。不審に思った彼女が有線式クローでコックピットハッチを開けると、鼻血と口から血を流して動く気配がないジェーコブの姿があった。
「あらあら…最後の突撃で身体が限界を迎えたのかしら? 情けないわね…」
こうしてワイルド・ウォードッグとの戦闘は、猟兵達の勝利で終わったのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『企業の展示販売会』
|
POW : 展示販売されているキャバリア又は試作機の試乗をしてみる。
SPD : 展示販売されているキャバリアのパーツ又は試作品のパーツを見てみる。
WIZ : 企業に「こんな物が欲しい!」などのような要望を出してみる。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ワイルド・ウォードッグとの戦闘を終えた猟兵達はマクレガー達のキャラバンを護衛しながら、目的地へと辿り着く。そこはME社が主催している企業展示販売会の会場であった。大手企業なだけあって、会場も広かった。
「何故、護衛をつけなかったんですか、社長!! 貴方はいつワイルド・ウォードッグに狙われてもおかしくない身なのですよ!!」
そんな中、会場で1人の男の怒号が鳴り響く。その声の主は防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)。彼はいつもの戦闘服ではなく、スーツ姿であった。
「ご、ごめん…拓也君。完全に油断していたよ…」
彼の鬼気迫る表情にマクレガーはシュンとしながら謝る。マクレガーが反省している事を確認した拓也は大きく溜息をついた後、猟兵達の方へ向く。
「皆さん、ありがとうございます。おかげ様でME社の未来が守れました。皆さんの報酬はきっちりこの社長に請求しておくので、安心して下さい」
そう言って一礼した後、拓也は再びマクレガーの方へと向く。
「という訳で、社長。彼らへの高額報酬は覚悟しておいて下さいね?」
そう言ってドス黒いオーラを背後から出しながら、拓也は微笑みを浮かべてマクレガーに圧力を掛ける。否定は許さないと言わんばかりに。
「…はい」
マクレガーは素直に従うしかなかった。その言葉に頷いた拓也は猟兵達の方へと顔を向ける。
「…さて、後は皆さん各々、この展示販売会を楽しんで下さい。もしかしたら面白い物が見つかるかもしれませんよ。あ、私はある計画についてチーフと話し合わなければならないので、これで。何か用があれば呼んで下さい」
そう言って彼は一礼した後、去っていく。
「…まぁ、という訳で改めてお礼を申し上げます。私は例のキラー・イェーガーの解析をしていますので、ご興味があればどうぞ。ああ、そういえばパイロットの事ですが…メディカルセンターに搬送したところ、死亡が確認されたそうです。やはりシステムの負荷が強過ぎたのでしょうね…。では、これにて」
そう言ってマクレガーも会場の中へと消えていく。会場にはME社が生産した既存のキャバリアや試作機、既存武装や試作武装など様々な物が展示されているようだ。販売もしており、買う事も可能のようだ。猟兵達はそれぞれ思い思いに行動を始めたのであった…。
桐嶋・水之江
キラー・イェーガーの解析に立ち会いましょうか
だってアレは私が捕まえたんだもの
当然立ち会う権利はあるわよね
身代金は…まあいいでしょう
ちゃんとお駄賃払ってくれるならね
そう言えばまだ社長さんとご挨拶してなかったわね
私はこういうものです
どうぞお見知り置きを
それで何か分かりました?
この機体は御社の技術を失敬して作られたとお聞きしてますけど
話しは変わりますが…特別手当頂けません?
こうして解析出来るのも私のお陰ですものね?
お金とか貴金属はいいんです
それよりもこの機体に搭載されていた例のシステムと…ゼロが付く方も頂きたく
一科学者として知的好奇心があるだけです
機械工学に携わる人間ならご理解頂けますでしょう?
「初めまして、マクレガー社長。私はこういう者です。お見知り置きを」
「これはご丁寧にどうも」
水之江は早速マクレガーのところへ行き、名刺交換をしていた。
「それで何か分かりましたか? この機体は御社の技術を失敬して作られたとお聞きしてますけど…」
水之江は回収されたキラー・イェーガーを眺めながら、マクレガーにそう聞く。
「そうだね…。まずシステム面は元のREAPER SYSTEMより攻撃的に設定されているようだ。機体の性能を引き上げるだけでなく、武装のリミッターも解除して威力を上げているみたいだね。だが、それ故に機体の限界が来やすくなっているようだ。機体の性能面は前に拓也君が乗っていたリーパーキャバリアと同格のレベルだね。敵ながら、よく出来ているよ」
マクレガーもキラー・イェーガーを見ながらそう答える。
「なるほど。それで話は変わりますが…特別手当頂けません? こうして解析出来るのも私のお陰ですものね?」
水之江は妖艶な微笑みを浮かべながら、マクレガーにそう言う。
「特別手当?」
疑問の表情を浮かべながら、マクレガーは彼女の方を向く。
「単刀直入に言います。この機体に搭載された例のシステムと…」
「…REAPER ZERO SYSTEMかい?」
「あら、よく分かりましたね」
「名刺を見て、科学者でしかも拓也君の知り合いと来たら…それについて知りたいのは当然だろうね」
「一科学者として知的好奇心があるだけです。機械工学に携わる人間ならご理解頂けますでしょう?」
彼女の言葉を聞いて、マクレガーは困った表情で深い溜息をつく。
「…REAPER ALTER SYSTEMの方はデータをそのままお渡ししましょう。しかし、REAPER ZERO SYSTEMは渡せません。我が社の最高機密の物であり、それが各地に流出してしまったら我が社が潰れます。それにこの世界が滅ぶかもしれません。アレは危険過ぎるのですよ」
「でも、兵器は人が使う物。人によって大事なものを守る為に使われ、又は全てを滅ぼす為にも使われる。兵器を作っている身ならそれも承知でしょう? なのに、どうしてそんな最高機密を彼に渡したのですか? 彼は世界を滅ぼすかもしれませんよ」
水之江は微笑みを崩さないまま、マクレガーに厳しい言葉を突き付ける。だが、彼は怖気突く事も無く、水之江の顔を真っ直ぐ見る。
「…私は彼を信用しているんだ。あれ程、大事なものを守る為に戦える人間はいない。決して彼は世界を滅ぼすような真似はしない。私はそう断言できる」
「あらあら…余程信用されているのね、彼は」
「…それに、まだ私達は会ったばかりだ。まだ私は貴方の事を見極められていないですから。REAPER ZERO SYSTEMについての話は、親交が深まったら、再考させて頂きます」
「あら? それはいずれ教えてくれるという認識でよろしいかしら?」
「…良き関係が築ければの話、ですがね」
そう話して、2人は微笑み合う。
「分かりました。今回はREAPER ZERO SYSTEMの方は諦めるけど、あっちのシステムの方はしっかり貰っていくわ」
「ええ、それでお願いします。これから良き関係になれる事を願います」
その後、2人は握手を交わすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィリー・フランツ
心情:ふん、結局連中の基地は判らず終いか。
まぁ良い、後は報酬の請求書と今回使用した弾薬や保守用の部品を補充するだけだ。
手段:その辺の喫茶コーナーで端末を使い、請求書作成と部品の注文を済ませたら適当に会場を回らしてもらう。
(咥え煙草しながらブラブラ)
それにしても連中はリーパーシステムのデータを拡散させ戦火を燃え上がらせようとした。
だが現状でそれが必要か?現に彼方此方で燃え上がってるのに、コレじゃ無駄に油を投入してるだけで、労力の無駄遣いもいいところだ。
大方、連中のパトロンとなってる軍需企業、もっと厄介なら軍産複合体クラスが扇動したのかも知れんな。
…今回の騒動、予想以上に根が深そうだ。
「ふん、結局連中の基地は判らず終いか…」
喫茶コーナーにて少々不機嫌そうに端末をいじるヴィリー。彼は報酬の請求書と今回使用した弾薬や保守用の部品の発注書を作成していた。
「はぁ…まぁ、いい。弾薬や部品の補充と報酬をくれれば文句はない。よし、これで送信、っと」
書類作成を済ませた彼は立ち上がり、喫茶コーナーを出て煙草に火をつけ、口に咥えながら会場を歩き始める。
「(…それにしても、連中はREAPER SYSTEMのデータを拡散させ、戦火を燃え上がらせようとした。何故だ?)」
ブラブラと会場を歩き回りながら、彼は頭の中で考え始める。
「(現状でそれが必要だと思えない。現に彼方此方で燃え上がってるのに、コレじゃ無駄に油を投入してるだけで、労力の無駄遣いもいいところだ。大方、連中のパトロンとなってる軍需企業、もっと厄介なら軍産複合体クラスが扇動したのかも知れんな…)」
そう。この世界は戦いが溢れている。彼の言う通り、そんな陰謀があっても可笑しくないだろう。
「…今回の騒動、予想以上に根が深そうだ」
煙草の煙を吹かし、彼はそう一言呟くのであった…。
ここは会場内のメインステージの裏手。そこには2人の人影があった。1人は拓也で、もう1人は会場の30代くらいの赤髭を生やしたロングヘアの赤髪の男性スタッフのようであった。
「…で、私を呼び出した理由は何ですか?」
「はい。実は貴方に大事な用事がありまして…」
男が服の懐に右手を入れる。拓也はその動作を不審に思い、身構える。
「ここで死になぁ!!」
「!?」
案の定、男は拳銃を抜き発砲する。拓也は備えていた事もあって、致命傷は避けたものの、左肩を銃弾が貫通する。
「ぐっ…!」
拓也は左肩を右手で押さえながら、男を睨みつける。
「ハハハ! 流石にいい反応だな! そうでなくちゃ、面白くない」
男は高笑いしながら、拳銃を懐にしまう。
「俺はワイルド・ウォードッグ所属第1小隊隊長、クルーガーだ。異名は『血塗られた死神』。お前と同じ、死神仲間さ」
クルーガーと名乗った男はそう言いながら、拓也に顔を近づける。
「やはりワイルド・ウォードッグの者か…。何故、止めを刺さない?」
「1発であんたを仕留められなかった時点で、今回は俺の負けだからさ。ほら、さっきの銃声で人が動き始めている。ここで逃げないと捕まるからな。じゃあ、またどこかで会おうぜ、死神さんよ」
「待てっ!」
クルーガーは動きが素早く、そそくさとこの場から逃げ去っていき、ここには負傷した拓也だけが残った。そこへマクレガーがやって来る。
「銃声は確かこっちから…って、拓也君?! その怪我はどうしたんだい!?」
驚いた表情でマクレガーが拓也に近寄る。
「社長…面目ありません。会場のスタッフにワイルド・ウォードッグの者が紛れ込んでいたようです。その男にやられました…」
「早く治療を受けないと…! 歩けるかい?」
「大丈夫です、歩けます」
拓也は上着を脱ぎ、止血に適切な場所へ上着を縛る。
「…私だけでなく、君も狙われるとは。ワイルド・ウォードッグとは長い戦いになるかもしれないね…」
「ええ。ですが、奴らを野放しにする事は出来ません。また何処かで何かを仕掛けてくるでしょう。その時は猟兵の皆さんの力も当然必要になります。報酬や支援はME社に任せる事になりますが…それで構いませんか?」
「勿論だとも。最早、無関係ではいられないからね。最大限、協力しよう。…それより早く医務室へ行こう。痛いままだと大変だろう?」
「…そうでした」
そう話して2人は医務室へと向かったのであった。ここでのワイルド・ウォードッグとの戦闘は勝利で終わった。しかし、彼らは感じていた。これは始まりに過ぎない。奴らとの戦いはまだ続いていくと…。
大成功
🔵🔵🔵