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狙われたリヴァイアサン大祭

#エンドブレイカー! #リヴァイアサン大祭

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#エンドブレイカー!
#リヴァイアサン大祭


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●リヴァ充、虐殺します!?
 グリモアベース。猟兵達が様々な世界で起きている事件を解決するべく、グリモア猟兵達が事件の依頼を語る場所。
 そんなグリモアベースにて、なにやら奇妙な格好の女性が立っていた。見たところ、彼女もグリモア猟兵なのだろうが……それにしても、この真冬に水着とジャケットだけの奇抜な格好とは、いったい何を考えているのやら。
「おっ! ちょうどいいところに来たな! 実は、ちょいとあたいの世界でヤバい事件が起こりそうでさ。力を貸してくれるやつを探してたんだ」
 エスカ・ブランシェール(跳ね馬の群竜士・f39110)。グリモア猟兵にしてエンドブレイカーでもある彼女は、集まった猟兵達に笑顔で告げた。彼女の世界で起きる事件ということは、それ即ちエリクシルが絡んだ事件であろう。
「あたい達の世界じゃ、そろそろリヴァイアサン大祭ってのが始まるんだ。あんた達の世界でいう『クリスマス』ってやつと、まあ同じようなもんだと思って構わないぜ」
 もっとも、リヴァイアサン大祭の詳細は、クリスマスとは随分と異なる。白ひげの爺さんが良い子にプレゼントを配る……のではなく、その日は『永遠の森エルフヘイム』と呼ばれる都市国家で、水の星霊リヴァイアサンが実体化して空を舞う。
「星霊リヴァイアサンは、同じ水の星霊のアクアなんかとは比べ物にならねぇくらい凄ぇやつだからな。その分、パワーもケタ違いってことで……エルフヘイムの星霊建築も、普通じゃ考えられねぇような現象を起こすんだ」
 具体的には、ドロークラウダで調整せずとも天候が常に雪となる。泉は全て温泉に変わり、小川には甘い蜜が流れ、都市国家全体が白い楽園と化すのだという。
「まあ、小難しいこと考えないで、大切な人と想いを伝えあう日って思っておけばオッケーだぜ。あんた達がの世界のクリスマスも、恋人達がイチャコラすること多いんだろ?」
 そんなリヴァイアサン大祭に、あろうことかエリクシルが目を付けた。その日、大祭を祝うべく集まった人々を虐殺し、悲嘆に暮れる人々へ愛する者達の復活を願わせることで、それを歪めて叶えようとしているのだとか。
「勘違い野郎なエリクシルのことだからな。愛する者を蘇らせてくれなんて願ったら、それこそアンデッドにでもして復活させかねないぜ。虐殺の後にゾンビパニックとか、マジで洒落にならねぇよ……」
 それを阻止するには、先んじてエリクシルの怪物を撃破し、大祭を祝う人々を守らねばならない。今回、狙われたのは、エルフヘイムにある街のひとつ。入口は自分が押さえているので、その先でエリクシルの怪物を撃破して欲しいとエスカは告げた。その上で、全てが片付いた後は、改めて大祭を楽しんで欲しいと付け加え。
「エリクシルの野郎は、最後まで何をするかわかんねぇからな。戦場になる街道の近くに人はいねぇから、いきなり街が大ピンチなんてことにはならねぇと思うけどさ」
 そういえば、こういう季節になると必ず嫉妬に狂った者がマスカレイドになっていた気がする。そんなことを思い出しつつも、エスカは猟兵達を、エンドブレイカーの世界にある巨樹の都市国家へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 季節はクリスマスシーズンですが、エンドブレイカー!の世界では、代わりにリヴァイアサン大祭が行われます。
 懐かしく感じる方も、初めての方も、一緒にエリクシルから大祭を守りぬいて楽しみましょう。

●第一章(ボス戦)
 『道化師『ゾンネンとシュターン』』との戦いになります。
 街に向かうまでの街道で迎撃できるので、周囲のことは考えず、戦闘に集中しましょう。

●第二章(集団戦)
 『道化師『ゾンネンとシュターン』』を倒しても、まだまだ油断はできないようです。
 どのような敵が現れるのかは、現時点では不明です。

●第三章(日常)
 リヴァイアサン大祭を、思う存分に楽しんでください。
 TW3当時の大祭の詳細などは、【http://t-walker.jp/eb/html/ivent/004/iv004_setumei.htm】から確認できます。
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第1章 ボス戦 『道化師『ゾンネンとシュターン』』

POW   :    嘲笑の激光
【道化師ゾンネンの全身】から、物質を透過し敵に【大火傷と視覚破壊】の状態異常を与える【灼熱の太陽光線】を放つ。
SPD   :    悲嘆の流星群
【道化師シュターンの目から零れる涙】から、レベル×5mの直線上に【当たると対象の肉を削ぎ落す悲嘆の流星群】を放出する。【目から零れる涙】を消費し続ければ、放出を持続可能。
WIZ   :    悲喜劇の舞踏
【ゾンネンの笑う時間とシュターンが嘆く時間】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。

イラスト:はるまき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フェリチェ・リーリエ
嫉妬戦士フェリチェ、ただいま参上!ヒャッハー、リヴァ充どもは爆破だべ!
…あれ、リヴァ充は?え、あの道化師二人組がリヴァ充なんだべか??(違)

うぉっ!?眩しっ!!くっそこれがリヴァ充のキラキラオーラなんだっぺか!?(絶対違う)
嘲笑の激光をくらってしまったら指定UCで作ったシュトレンやパネトーネを食べて自身を治療。
いやーリヴァ充どもと戦うには腹ごしらえも大事と思って食材たんまり持ってきといてよかったべ、ちょうど小川に蜜流れてるし…

嫉妬魂とおらの料理があればリヴァ充オーラなんぞ恐れるに足らず! 
さあ覚悟すんべリヴァ充ども!(だから違うって)
大包丁で斬りかかり【切断】、おらの乱切りをくらうだー!



●ああ、勘違い
 リヴァイアサン大祭。毎年、恋人達が愛を育む祭りの季節と聞いて、フェリチェ・リーリエ(嫉妬戦士さんじゅうななさい・f39205)は我先にと飛び出した。
「嫉妬戦士フェリチェ、ただいま参上! ヒャッハー、リヴァ充どもは爆破だべ!」
 星霊の加護の下、甘い一夜を過ごす者は全て爆破する。どう考えても悪役の発想であり、フェリチェ自身、イチャつくカップルを全て爆破するつもりだったようだが。
「……あれ、リヴァ充は?」
 街の中ならいざ知らず、街に続く街道では、カップルなんぞいるはずもない。今頃、彼らは互いの家で愛を育み、語り合い……場合によっては、あんなことやこんなこともして楽しんでいるのだろう。
 リヴァイアサン大祭という名前だけを聞いて、明らかに勇み足過ぎたフェリチェであった。ぶっちゃけ、彼女は今回の依頼がどんな任務であり、どんな敵が現れるのかさえ、碌に聞いてもいなかったわけで。
「え……? あの道化師二人組がリヴァ充なんだべか??」
 街道の向こう側から現れた二人組。ゾンネンとシュターンの姿を前に盛大な勘違いをブチかます始末。いったい、何をどう勘違いすれば、あの腐れ道化師がリヴァ充に見えるのか。
「おお、ゾンネンよ! 彼女はなんたる残念な人なのか!」
「アヒャヒャヒャヒャ! こいつは傑作! 愉快、痛快! 彼女にとっては悲劇でも、傍から見れば喜劇だねぇw」
 ああ、ほら見ろ、言わんこっちゃない。勘違いのままに飛び出したから、もはや敵からも嘲笑されるレベルではないか!
「そ~んなお嬢さんには、リヴァ充なんて、もう見なくて済むようにしてあげようねぇ。その目が二つとも潰れてしまえば、嫌なものなんてぜ~んぶ見なくても済むからねぇ! アヒャヒャヒャヒャ!」
 狂った笑みを浮かべながら、ゾンネンが全身から凄まじい閃光を放ってきた。さすがはエリクシルの尖兵。他人の願いを歪んだ形で解釈し、碌でもない方法で叶えようとする姿勢は変わらない。
「うぉっ!? 眩しっ!! くっそ……これがリヴァ充のキラキラオーラなんだっぺか!?」
 相も変わらず勘違いを続けるフェリチェだったが、それはそれ。というか、今の攻撃で視力を完全に奪われてしまったのだが、本当に大丈夫なのか!?
「えぇぃ……こうなったら、まずは腹ごしらえだべ。腹が減っては、戦はできぬ!」
 このままではまともに戦うこともできないと思ったのか、フェリチェは回復効果のある料理を作ろうと考えた。だが、果たして視力を奪われた状態で、どこまで料理ができるだろう。
(「調理に必要な時間は10秒……後は勘だべ、勘!」)
 長年の勘だけを頼りに、フェリチェは持ちこんだ食材で手早く料理を作る。完成したのはシュトレンやパネトーネ……の、はずなのだが、味はともかく見た目が酷い。恐ろしく酷い。
 やはり、視力ゼロで料理を作るのは無理があったか。あまりに酷い見てくれに、ここぞとばかりに煽って来る道化師の二人組。
「アヒャヒャヒャヒャ! そ~んな料理で、いったい何をするつもりかな~?」
「ああ、なんということだ! 視力が奪われていなければ、ゲテモノを作ることもなかったのに!」
 戦闘中に料理を始めるという奇行を、二人の道化師は理解できていなかった。仮に、何らかの効果を持った料理であっても、あんな酷い見た目では、碌なことにならないだろうと……そう、踏んでいたのだが。
「……いやー、リヴァ充どもと戦うには腹ごしらえも大事と思って、食材たんまり持ってきといてよかったべ」
 なんと、料理を感触したフェリチェは火傷が治り、視力も回復しているではないか!
 ウォー・アイ・満漢全席。それは手持ちの食材で瞬く間に料理を作り、その料理を食べた者の異常を回復させるというユーベルコード。しかし、その一方で料理の種類や見た目、あるいは味に至るまで、別に回復効果と関係があるわけではない。
 目が見えなかろうと、その状態で作った料理が酷い形になっていようと、元からフェリチェにとっては関係なかったのだ。見た目より大事なのは味だし、そもそも味が悪くても回復効果には影響がない。トンデモないゲテモノ料理や、あるいは『謎の黒い塊』のような見るからに怪しげな代物であっても、作った本人が料理であると言い張れば、そこに回復効果は発生する。
「嫉妬魂とおらの料理があれば、リヴァ充オーラなんぞ恐れるに足らず! さあ、覚悟すんべリヴァ充ども!」
 先程のお礼参りとばかりに、フェリチェは包丁をブン回しながら二人の道化師に襲い掛かった。どれだけ光で攻撃されても、その度に料理を食べて回復するので関係ない。
「アヒャヒャヒャヒャ! こいつはたまらん! 逃げろ、逃げろ!」
「ああ、こんな悲劇があって良いのだろうか! 勘違いで殺されるなど、あってはならないことなのに!」
 さすがに、微塵斬りにされては堪らないと、道化師二人は逃げ出した。最後の最後まで、妙に鼻につく正論をブチかまして来るのが腹立たしいが……少なくとも、人々を虐殺する元凶を、街から遠ざけられたのだから、良しとしよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

サツキ・ウカガミ
WIZ

リヴァイアサン大祭は、毎年皆が楽しみにしてるんだ。
邪魔はさせないよ!

道化師相手にナイフ投げは、投げたナイフを取られちゃいそうで怖いね。
太刀での【居合】【なぎ払い】【急所突き】を中心に攻めようかな。
相手の攻撃は【気配感知】【見切り】【軽業】【武器受け】で対処。

……うん?道化師だから感情表現が大げさだな、
と思ってたんだけど、さっきまでと動きが違うね?
自己強化の類いか!ボクの眼は誤魔化せないよ、
瞳術『忍夜皐曲者』・蛞蝓で打ち消そうか。「解けろ!」

自己強化が急に解除されたら、
戸惑いや動きにぎこちなさが出るかな?
隙が出来たら【ダッシュ】で近づき【不意打ち】。
エリクシルの望み通りにはさせないよ!


シャルロッテ・ヴェイロン
あー、この時期、どこの世界にも現れるんですね、「リア充爆発しろ!」とかほざいてる連中が。

そういえばこの世界、オブリビオンは見当たらない代わりに、出てくるのはエリクシルでしたっけ?――まあやることは大して変わりませんが。
とりあえず「対エリクシル」の【属性攻撃】込めたUCを【先制攻撃】で撃ちまくって、敵のくだらない【時間稼ぎ】を阻止しちゃいましょう(【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・レーザー射撃・覚悟】)。あとは弱ったところを【零距離射撃】で仕留めちゃいましょうか。

※アドリブ・連携歓迎



●道化の時間は終わりです
 リヴァイアサン大祭は、エンドブレイカーの世界の人々にとっては、年に一度の大きな楽しみ。
 だが、そういった楽しみを理解できないばかりか、下らない逆恨みから邪魔してやろうという者がいるのも、またお約束。世界を違えても、こういったところは変わらないのだと、シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は大きな溜息を吐いた。
「あー、この時期、どこの世界にも現れるんですね……『リア充爆発しろ!』とかほざいてる連中が」
 そんなことを叫んだところで、自分が幸せになれるわけでもない。逆恨みをするくらいなら、少しでも自分が幸せになれるよう努力すれば良いのにと思うのだが……少なくとも目の前の道化師達は、話の通じる相手ではなさそうだ。
「ああ! 人々が愛し合う中、独りぼっちとはなんたる悲劇!」
「アヒャヒャヒャヒャ! でも、それも今日までだから、ご安心! み~んな仲良く、笑顔で地獄へご招待w」
 エリクシルの生み出した道化師二人組にとっては、リア充云々といった話はどうでも良いこと。恋人がいる者も、いない者も関係なく、全て殺せば万事解決! ある意味、嫉妬に狂う非モテなどより、よほど恐ろしい存在だろう。
「リヴァイアサン大祭は、毎年皆が楽しみにしてるんだ。邪魔はさせないよ!」
 これ以上、不快な嘆きと笑い声を聞きたくなかったのか、サツキ・ウカガミ(忍夜皐曲者しのびよるめいはくせもの・f38892)が太刀を握り締め飛び出した。だが、居合から流れるようにして繰り出される必殺の突きも、ゾンネンとシュターンは身軽な動きで巧みに急所への命中を避けて行く。
「アヒャヒャヒャヒャ! これは楽しい剣舞だねぇ」
「おお、神よ! 我が友が、バラバラミンチにされる運命から救いたまえ!」
 相変わらず、軽口を叩きながら逃げ回る二人。攻撃こそ仕掛けてこないものの、これはかなり癪に障る。オブリビオンとは習性も行動原理も異なる相手だけに、どうにも狙いが読めずもどかしい。
「……そういえばこの世界、オブリビオンは見当たらない代わりに、出てくるのはエリクシルでしたっけ? まあ、やることは大して変わりませんが」
 見兼ねたシャルロッテが、逃げ回る道化師二人に対して銃を構えた。オブリビオンであれ、エリクシルであれ、倒すのであれば関係ない。存在の根本が違っていても、そういった違いを無視して攻撃できる手段を選べば結果は同じ。
「攻撃プログラム展開。敵に直接コマンド入力といきますよ!」
 エリクシルに対する抗体とも呼べる弾を生成し、シャルロッテは問答無用で道化師二人を撃ちまくる。そんな便利なもの、そう簡単に作れるのかと思われるが……それを可能にするのが、ユーベルコードの力である。彼女の銃は発射するものを任意に設定できるため、相手の弱点に応じた光線を自由自在に放つことも可能なのだ。
「うひゃぁ! こいつは堪らん! 逃げろ、逃げろ!」
「我らの天敵が、まさかこんなところに存在したとは! 神は我等を見捨てたか!!」
 全方位からの弾幕を前にしては、さすがの二人組も攻撃を避けることはできなかった。それでも笑っていられる辺りは、さすがエリクシルの怪物といったところか。いや、どうもそれだけではなく、なんだか先程より動きが良くなっているような気が。
「……うん? 道化師だから感情表現が大げさだな、と思ってたんだけど……さっきまでと動きが違うね?」
 相手の動きが微妙に変化したことで、サツキが敵の真意を看破した。
 普通に考えれば避けられないはずの光線を避け、直撃を食らっているのに下らない道化を続けられる。それは即ち、あの二人が道化を続ける限り、どんどん強くなっていることを意味しているわけで。
「自己強化の類いか! ボクの眼は誤魔化せないよ!」
 下らない道化こそが彼らの力の源であると見抜き、サツキはその力を断つことにした。これ以上、好き勝手に強化されては、ますます手がつけられなくなる。なにしろ、シャルロッテの先制攻撃を食らってもなお、強引に肉体を強化して、致命傷を避けるような相手だ。
 このまま放置していたら、攻撃の手数を増やしたところで勝ち目はない。ならば、一番最初に断つべきは、相手の命ではなく力の根源。
「ボクの眼をもって命ずる、溶解しろ!」
 瞬間、サツキの瞳がサツキ模様に変化すると同時に、その視線の先にいたゾンネンとシュターンの動きが変わった。先程までは余裕で踊り狂っていたのに、途端に苦しみ始めたのだ。
「アギャァァァッ! い、痛い! 痛い! く、苦しぃぃぃぃっ!」
「ああ、なんということだ! 我らの力が、こうも容易く破られるとは!!」
 サツキの瞳術によって強化を解かれ、ゾンネンとシュターンは、シャルロッテの攻撃で食らったダメージを軽減なしに受けることになってしまった。全身を穴だらけにされても余裕で踊っていられた道化師の姿は、そこにない。エリクシルに対する特効効果も相俟って、もはや彼らは自身を再強化することさえ難しく。
「あ~、はいはい。お呼びでない登場人物は、さっさと退場してくださいね」
 悶絶する彼らに余裕で近づき、最後はシャルロッテの放った光線が、道化師二人の眉間をブチ抜いたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キャスパー・クロス
プリムちゃん(f38888)と一緒

「そうだね。幸せを奪うのは…許せないね」

いつもより少し真剣な顔つきで応える
最愛の妻の前だからってのもあるけど
人の愛を、恋人の幸福を踏み躙る奴ってのが私は一番嫌いだからね

先陣切って派手に舞う妻の影に隠れて接近し
黒旋風を当て易くすべく、2体の敵の間に割り込むように【空中機動】して分断させ
「プリムちゃん、お願い!」
【体勢を崩す】為の烈風を帯びた蹴りで攻撃

敵の光線が物質を透過するなら、私も風の【オーラ防御】で対抗
プリムちゃんのオーラと力を合わせて威力を減衰させる!

それでも、このふざけた敵がプリムちゃんの身体を害するなら
ほんの一瞬だけ、どこまでも冷酷になって
一直線の【推力移動】で一気に肉薄し

「葡萄色──」
同時使用可能UC《葡萄色は秘やか》で体勢を崩し

「──半色ッ!!」
《半色は窈か》で、黒旋風で腐食した部分に爪先を捩じ込む!

更に【2回攻撃】や【連続コンボ】で執拗に【傷口をえぐる】ようにして
徹底的に【恐怖を与える】【暴力】で、泣いたり笑ったりできなくしてやるよ


シュプリムント・メーベルナッハ
キャスパーちゃん(f38927)と一緒だよ!

むう、楽しいイチャイチャの邪魔はさせないんだから!
人の幸せを壊そうとするのは絶対に許せないよね!
やっちゃおう、キャスパーちゃん!

黒旋風で【呪詛】の風を纏って敵に突撃、大鎌と旋風で斬りつけていくよ。
キャスパーちゃんが隙をうまく突けるよう派手にやるよー。
逆に敵がキャスパーちゃんに気を取られてるなら、そこに斬り込んでいくね。
呪詛の効果は感情抑制。感情が鈍ればあんまり泣いたり笑ったりできなくなっちゃうもんね?
そうして相手の強化を防ぎつつ戦うよ。

ゾンネン…太っちょさんの方かな?そっちの身体が光ったらUCが来ると予測、キャスパーちゃんとの間に入るような形で肉薄して彼方への被害を抑えにいくよ。
目を逸らして視覚破壊を防ぎつつ、【オーラ防御】で熱を逃がすような形の気流の障壁を形成、何とか自分のダメージも抑えようかと。
キャスパーちゃんが無事ならよし、ぐらいの気持ちで!
プリムは大丈夫だから、思いっきりやっちゃって!



●其の風は悲劇を砕く
 リヴァイアサン大祭で人々を虐殺するどころか、気が付けば全身穴だらけにされていたゾンネンとシュターン。
 だが、そんな状態になってもなお、彼らは諦めてなどいなかった。というか、これで死んでいない辺り、さすがはエリクシルの怪物である。見た目は人間と同じでも、中身は別物ということか。
「おお、これは酷い、酷過ぎる。この寒空の下、身体の穴を通り抜ける風が冷たいねぇ」
「アヒャヒャヒャヒャ! いや、むしろ風通しが良くなったんだから、気分爽快ってやつじゃないのかい?」
 相も変わらず軽口を叩く二人。強がりなのか、それとも本気でフザけているのか。その、どちらでも関係ない。猟兵達にとっては、彼らがオブリビオンでなくとも、倒すべき敵に違いはない。
「むう、楽しいイチャイチャの邪魔はさせないんだから! 人の幸せを壊そうとするのは絶対に許せないよね! やっちゃおう、キャスパーちゃん!」
「そうだね。幸せを奪うのは……許せないね」
 シュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)の言葉に、キャスパー・クロス(空色は雅やか・f38927)が静かに頷いた。その様子は、いつもの彼女とはどこか違い、ともすれば冷徹とも思えるほどに冷静だ。
 人の愛を、恋人の幸福を踏み躙る者。そういう連中が、キャスパーは誰よりも嫌いだった。恋人の片方だけを殺し、悲嘆に暮れる者の心に付け込んで、亡くなった恋人を歪んだ形で再生させる? 冗談じゃない。そんなこと、間違っても許してはならないし、見逃すわけにもいかない。目の前で恋人が殺されるだけでも酷い話なのに、その亡骸をアンデッドにして蘇らせるなど、神をも恐れぬ冒涜でしかない。
「よ~し、まずはプリムから行くよ!」
 先陣を切って飛び出したのはシュプリムント……と、見せ掛けて、真横から現れたのはキャスパーだった。シュプリムントに目を奪われていた道化師二人はキャスパーの接近に対して反応が遅れ、その身を思い切り蹴り飛ばされることになってしまい。
「プリムちゃん、お願い!」
「任せて! ズタズタのボロボロになっちゃえ……♪」
 間髪入れず、シュプリムントも攻撃の体勢に入る。大鎌を回転させ、黒き呪いの風を巻き起こせば、それは強烈な呪詛となって道化師二人に襲い掛かる。風に耐えるべく、二人は得意の道化を続けようと試みるが……何故か悲劇を紡ぐ言葉や、先程までの嘲笑が出てこない。
「な、なんだ? こいつはいったい、どうしたことだ?」
「おかしい……笑いたくても、何故か気持ちが湧いてこないぞ?」
 シュターンもゾンネンも、互いに首を傾げるだけ。道化の力で自分を強化しようとも、その大本になる感情が出てこないのでは話にならない。
 シュプリムントの与えた呪詛の効果は感情抑制。感情を失ってしまえば、道化師に必要なソウルやパッションもなくなってしまう。喜劇にしろ悲劇にしろ、それらは演じる者の中に魂があってこそ成り立つもの。心を持たない機械同然にされた二人には、もはや道化の力を繰り出す術がない。
「えぇい! だが、まだ負けたわけではないぞ! こうなれば……お前達、二人とも焼き払ってくれる!」
 それでも、未だ諦めることなく、ゾンネンが全身から凄まじい光を放ってきた。それも、ただの光ではない。まるで太陽を地上に落としたかの如き凄まじい閃光は、見る者の目を焦がし、身体の表面を焼きつくす。咄嗟に風を纏って防がんとするキャスパーだったが、あらゆる物質を透過する光が相手では、水や砂塵とは違い完全に受け流すことは不可能だ。
「風の防御か。しかし、そんなもの、閃熱の前には無意味だぞ?」
「北風と太陽が戦えば、どちらが勝つか……勝敗は、決まっているだろう?」
 ゾンネンもシュターンも、形跡逆転を信じて疑わなかった。そもそも、何故にエンドブレイカー世界にいながら、UDCアースなどで語られる童話のあらすじを知っているのかとも思いたくなるが、それはそれ。
「そうはさせないよ! キャスパーちゃんは、やらせない!」
 光がキャスパーの身体を焼くよりも先に、シュプリムントが彼女の盾となり飛び込んでいた。風は、せいぜい熱を軽減するための効果しかない。視覚を破壊されないよう、両目はしっかり腕でガードしつつ、後は闘気の力だけで耐えてシュプリムントはキャスパーに背を向けたまま叫ぶ。
「プリムは大丈夫だから、思いっきりやっちゃって!」
 正直、どこまで耐えられるか未知数の状態で、大丈夫とは必ずしも言えない状況だった。だが、それでも健気に大切な者を守らんとするシュプリムントの姿は、キャスパーの本気に火を着けるのには十分だった。
 その心に焔を灯し、しかし瞳はどこまでも冷ややかに。刹那の間にて距離を詰めれば、敵の死角に回り込んで薙ぎ払うように蹴りを見舞い。
「葡萄色……」
 ともすれば残酷な印象を与える氷の微笑と共に、道化師二人の体勢を崩す。しかし、それだけでは終わらない。キャスパーの用いるユーベルコードは、他のユーベルコードと同時に使用が可能という、なんとも反則めいた性能を秘めているのだから。
「……半色ッ!!」
 続け様に繰り出された蹴りが、今度はシュプリムントの攻撃で腐食していた個所に命中した。その一撃が与える痛みは、この世の中に溢れている痛みの中でも、特に激しく強烈な代物。肉を抉られ、骨を削がれ、内臓を直に潰されているかの如き激痛が、ゾンネンとシュターンに襲い掛かる!
「あ……あががが……」
「ご……ごぶっ……! ぐげげ……」
 もはや、笑ったり泣いたりする以前に、二人は声すらも上げられなくなっていた。このまま放っておいても死にそうなものだが、それでもキャスパーの攻撃は止まらない。
「ほら、どうしたの? さっきみたいに、笑ってみなさいよ」
 相手が動けなかろうと関係ない。徹底的に、足で踏み抜き、蹂躙する。もはや、立つことさえできなくなった道化師二人に、キャスパーは最後まで冷やかな視線を向け。
「北風が太陽に勝てないって? それなら、勘違いも甚だしいね。だって……」
 そこまで言って、自分を守ってくれたシュプリムントへを視線を移す。全身を焼かれながらも、しかしそこまで酷い負傷をしていなかったのを見て、思わず安堵の溜息を吐き。
「風は風でも、私達は悲劇を打ち砕く風。あなた達のように、誰かを害するような相手なら、太陽だろうと吹き飛ばしてあげるんだから」
 それだけ言って、最後に二人の身体を天高く蹴り飛ばした。そのまま円弧を描いて落下したゾンネンとシュターンは、しかし二度と立ち上がることもなければ、笑うことも嘆くこともできなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スライムドラゴン』

POW   :    竜咆
【肉体を変化させたドラゴンの顎】から、レベル×5mの直線上に【任意の属性】の【ドラゴンブレス】を放出する。【体内】に【蓄積されたドラゴンの一部】を消費し続ければ、放出を持続可能。
SPD   :    竜躰
【肉体を変化させた分裂するドラゴンの爪】【肉体を変化させた分裂するドラゴンの牙】【肉体を変化させた分裂するドラゴンの尾】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ   :    竜喰
【肉体を変化させたドラゴンの爪牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【巨大ドラゴン】に変身する。

イラスト:麻風

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最悪の置き土産
 リヴァイアサン大祭を血に染めんと企んでいたゾンネンとシュターンは、猟兵達の活躍によって、完膚なきまでにボコボコにされた。
 いかにエリクシルの怪物とはいえ、彼らの命は風前の灯。だが、それを知ってか、二人は最後の力を振り絞ると……なんと、風船のように身体を膨らませ、天高く昇って行くではないか!
「アヒャヒャヒャ……これが……最後のプレゼントだぁ……」
「リヴァイアサン大祭は……やはり……大地を白く染めないとなぁ……」
 なんとも意味深な台詞を吐きながら、木っ端微塵に弾け飛ぶゾンネンとシュターン。しかし、彼らが弾け飛んだ中から現れたのは、雪と見紛うような白い体色をした、なんとも不気味な不定形生物。
「「「オロロロォォォォォ……!!」」」
 地上に舞い降りるなり、それらは一斉に首を上げ、そして不気味な声で叫び始めた。白い雪や、あるいは生クリームのように見えたのは、全て白色のスライム……それも、ただのスライムではない!
 スライムドラゴン。それは、スライムでありながら、竜の力を宿した凶悪な存在。その不定形な身体の特性を存分に生かし、竜の頭や爪を生やすことで、竜と同じ攻撃を仕掛けてくるという難敵だ。
 最後の最後で、とんでもない置き土産をしてくれたものである。こいつらを街に入れてしまえば、結局はエリクシルの狙い通り。ケーキの材料にさえならないスライムどもは、一匹残らず退治してしまった方がよさそうだ。
フェリチェ・リーリエ
ったくあの道化師ども、リヴァ充爆破と意気込んで来たらたまたま二人組でいたからちーっくと勘違いしちまっただけでねーか(ようやく気付いたらしい)、人を散々馬鹿にしくさって…(ぶつくさ)

…って、なんかすごい置き土産していきやがったー!?いや攻撃するなら清く正しい独り身のおらよりリヴァ充どもを!(こら)
【ダッシュ】でドラゴンブレスから逃げ回りつつ思考を巡らせる。うーん、スライム相手に刃物じゃ分が悪いべ…ならこれで!
ライフベリーを土に植え、いでよ攻性植物!
食虫植物タイプの攻性植物でスライムドラゴンを【捕食】、ドラゴンの一部だけでも捕食できればきっとブレスの放出も止められるべ、スライムなんぞ喰っちまえ!



●食って、食われて
 道化師二人の死と引き換えに、大量にバラ撒かれたスライム軍団。しかし、そんな連中などお構いなしに、フェリチェ・リーリエ(嫉妬戦士さんじゅうななさい・f39205)はひたすら文句を言っていた。
「……ったくあの道化師ども、リヴァ充爆破と意気込んで来たら、たまたま二人組でいたからちーっくと勘違いしちまっただけでねーか……人を散々馬鹿にしくさって……」
 いや、碌に説明も聞かないまま、勇み足ですっ飛んでいったのはあなたですよね?
 どこからともなく、そんな声が聞こえてきそうな気もするが、それはそれ。というか、既に周囲はスライムドラゴンの群れに囲まれているのだが、さっさと対処しないとヤバいのでは?
「「「オロロロォォォォォ……」」」
 案の定、スライムドラゴン達はフェリチェを手頃な獲物と判断し、一斉に襲い掛かって来た。ようやく気付いたフェリチェだったが、時すでに遅し。辺りはスライムドラゴンによって完全に包囲されており、もはや逃げ場はどこにもない。
「……って、なんかすごい置き土産していきやがったー!? いや、攻撃するなら清く正しい独り身のおらより、リヴァ充どもを!」
 この期に及んで、フェリチェはまだ自分の身を守るために、カップルを生贄に捧げようとする始末。お前、本当に猟兵か? そう、疑いたくなるような光景だが、これが彼女のアイデンティティなので仕方がない。
 もっとも、そんなフェリチェの事情など、スライムドラゴン達にとっては知ったことではなかったようだ。彼らにしてみれば、リア充だろうと非モテだろうと、全て等しく餌なのだから。
「オロロォォォ……」
 スライムドラゴン達が、その肉体をドラゴンの頭部に変化させ、一斉にブレスを吐いて来た。スライムの分際で、火炎だの電撃だのといったものを吐けるのは反則に近い。走り回って逃げ回るフェリチェだったが、このままでは本当に食われてしまう。
「スライム相手に刃物は不利……だったら!」
 こちらも切り札を切らせてもらおうと、フェリチェはライフベリーを地面に植えた。そのまま使っても回復アイテムになるのだが、これを地面に植えることで、頼もしい味方に変異させられる。
「いでよ攻性植物! スライムなんぞ喰っちまえ!」
 フェリチェの声に応えるようにして、大地を突き破って現れたのは巨大なハエトリソウ。ライフベリーの変化した攻性植物は、スライムドラゴンを次々と捕食し、その身を食い千切って行く。
 だが、それでもさすがは不定形生物の代名詞ともいうスライムだ。連中はドラゴンの頭を食い千切られてもお構いなしに、別の部位からドラゴンの頭部を発生させると、再びブレスでフェリチェのことを攻撃して来た。
「な、なんっちゅーしぶといやつだべ!?」
 炎のブレスの直撃を受けて、攻性植物が燃えて行く。しかし、攻性植物も簡単には燃え尽きず、燃えながら新たなスライムドランゴンを狙い、そのまま巨大な口で丸飲みに。
 そこから先は、正に地獄の大乱闘。暴れ回る攻性植物とスライムドラゴンが入り乱れ、周囲はあっという間にメチャクチャだ。
「はぁ……はぁ……。な、なんとかなったべか?」
 周りが静かになったところで、フェリチェはようやく岩の影から顔を出した。見れば、攻性植物とスライムドラゴンは壮絶な相討ちとなり、辺りには黒焦げになった攻性植物や、飛び散ったスライムの残骸が転がっているだけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サツキ・ウカガミ
こういうプレゼントは
期待してないんだよね……。
片付けちゃわないと。
でも、斬って良いのかも分からないし
……燃やしちゃおうかな?

【見切り・気配感知・武器受け】で
攻撃を避けつつ、発動させた
瞳術『忍夜皐曲者』・蛇で
忍具『火遁の巻物』を補助。
硬直で隙を作り、火遁を使うよ。

キミ達をまとめて燃やす消えない炎!
攻撃してくるのは良いけど、
分裂で表面積を増やすと、
炎も広がっちゃうんじゃない?

炎でダメージを稼ぎつつ、
斬撃が効くかを確認して
問題がなさそうなら
【居合・急所突き】で追撃。

偽物の雪もクリームも
お呼びじゃないよ。
星霊リヴァイアサンが来るんだから!


シャルロッテ・ヴェイロン
まーたとんでもない置き土産を残してきたものですね。で、こいつらもオブリビオンじゃないってことですか?
とりあえず、こいつらを街に近づけさせないようにすればいいんですね?じゃあやっちゃいましょう。

で、とりあえずFPSのキャラを最大量召喚して撃ちまくっていきましょう。近寄られて攻撃受けたらアレですし(【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃】)。威力が足りないなら合体させて攻撃力を底上げしましょう。で、撃ち漏らしがあったらそっちにも回して【逃亡阻止】とかやっときましょう。

※アドリブ・連携歓迎



●返品を所望します!
 死に際に道化師どもが放った最低最悪のプレゼント。そこら中に撒き散らされたスライムドラゴン達は、まるで本能に突き動かされるかの如く、一斉に街へと向かって動き出す。
「まーたとんでもない置き土産を残してきたものですね」
「こういうプレゼントは期待してないんだよね……。片付けちゃわないと」
 シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)とサツキ・ウカガミ(忍夜皐曲者・f38892)が、それぞれ大きな溜息を吐いた。まったく、面倒なものを残してくれたものである。こいつらを一匹でも逃がしたが最後、楽しい祭りが台無しにされるとかやってられない。
「……で、こいつらもオブリビオンじゃないってことですか?」
 迫り来るスライムドラゴンの群れに、シャルロッテはどうにも攻めあぐねているようだ。オブリビオンではない以上、オブリビオンに特化した対策や戦法は意味を成さない。純粋な地力がものをいう戦いになるわけだが……相手が相手だけに、迂闊に近づいて襲われるのも面倒だ。
 とりあえず、100体近いゲームキャラクターを呼び出して、シャルロッテは自分の代わりに敵を攻撃させることにした。離れていれば、まあ安全には安全。射撃攻撃を主体に挑めば、とりあえずは敵の動きを止めることはできているのだが……やはり、スライムというだけあって、身体の一部が少しばかり弾け飛んだ程度では、何の支障もなく向かってくるのは面倒臭い。
「オロ……オロロォォォ……」
 攻撃を掻い潜ってきた一部のスライムドラゴン達は、その身を次々と変化させては、絶え間ない攻撃でシャルロッテの呼び出したゲームキャラクターに襲い掛かる。こうなると、もはや混戦一直線。なにしろ、相手は攻撃を当て続ける限り無限コンボが可能なので、兵力と手数の真っ向勝負になってしまう。
「う~ん……これ、どうしようかな? 斬って良いのかも分からないし……」
 そんな中、サツキもまた自分の得意とする武器がスライム相手に効果が薄いとあって、なかなか手を出せないでいた。
 スライムへの対処として最も優れた方法の一つは、相手を燃やすことだろう。問題は、これだけの数のスライムドラゴンを一度に纏めて燃やせるだけの火力と、そのための火種があるかということだが。
「ボクの眼をもって命ずる、竦め!」
 まずは敵の動きを止めるべく、サツキは特殊な瞳術でスライムドラゴン達を凝視した。すると、今までは自在に形を変えられていたはずのスライム状ボディが、まるで冷凍されたかの如く、硬質化して動かなくなった。
 それはまるで、生クリームがアイシングに変わってしまったかの如く。しかし、サツキの真の狙いはそれだけではない。固まって動けなくなったスライムドラゴン達に、本命の技をお見舞いだ。
「これでもう、形を変えたり身体を分裂させたりできないね。最後は忍者らしく……火遁!」
 広げた巻物から放たれたのは、敵味方を識別する紅蓮の炎。荒ぶる炎は渦を巻き、身動きの取れないスライムドラゴン達を巻き込んで行く。
「あ~、なるほど。撃つんじゃなくて、最初から燃やせばよかったですね」 
 炎の渦に巻かれて溶解して行くスライムドラゴン達の姿に、シャルロッテも何かを悟ってゲームキャラクター達を合体させた。合体により、彼らは武器やら防具やらもパワーアップする。合体後、彼らが持っていたのは、先程までの銃ではなく……火炎放射器! 合体により手数こそ減ってしまったが、対スライム相手の火力と攻撃範囲としては申し分なく。
「汚物は消毒ってやつですね。残らず焼き払っちまいましょう」
 逃げる隙さえ与えずに、残るスライムドラゴン達を焼き尽くす。どれだけ手数で応戦しようとも、そもそもサツキの攻撃で硬直してしまっている以上、連中は完全にただの的。
「偽物の雪もクリームもお呼びじゃないよ。星霊リヴァイアサンが来るんだから!」
 サツキの叫びに合わせ、炎の渦が勢いを更に増した。それに飲み込まれたスライムドラゴン達は瞬く間に蒸発し、後には欠片も残さず消滅してしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャスパー・クロス
プリムちゃん(f38888)と一緒

予想外の敵の出現に一瞬身構えるも、秒で頭を切り替えて臨戦態勢
「よし、プリムちゃん!こんな奴さっさとぶっ倒して早くイチャイチャしよ!」
軽口と共にハイタッチして、【推力移動】で空を駆ける

さっきはプリムちゃんにアシストしてもらった形になったけど
この粘体はどう見ても、殴る蹴るの効きが悪そうだね…
なら、今度は私がサポートに回ろう
【空中浮遊】からの【空中機動】で動き回って【挑発】し、私の方に注意を向けたら
敵を睥睨しながら、身体を大きく回転させ大気の渦を作り…

「瑠璃色──」

台風の如きUC、《瑠璃色は清か》を発動
巨体だろうが軟体だろうが関係無い
戦場全てを覆い尽くす程の、360°全方位からの暴風なら!如何な微細な動きも抑え込む!
逃がすものか、肉体変化ひとつさせるものか、動けなければ衝撃を吸収することも出来ないだろう
見ろよ、これがお前等がさっきナメた風の力だ!

「プリムちゃん!キメちゃってっ!」

プリムちゃんの呪詛ならスライム製の身体にも効いてくれるはず!
トドメは任せたよ!


シュプリムント・メーベルナッハ
キャスパーちゃん(f38927)と一緒だよ!

むう、最後まで面倒なヤツなんだからー。
でもキャスパーちゃんが一緒ならこんなのにも負けないもんね!
よっし、二人で全部やっつけちゃおう!

キャスパーちゃんに援護してもらいつつ、大鎌振るってざくざく【切断】してくよー。
ドラゴンっぽい部位を優先的に斬り落としたり、あんまり距離を詰めすぎないよう間合いに気を付けて、敵のUCで食べられないよう注意。
…にしても白濁のぬるぬる…なんだかえっちいよねこの敵…(良からぬ妄想がもやもやと)
…って、そんなコト考えてる場合じゃないね!

キャスパーちゃんのUCで敵が動きを抑え込まれてる処にプリムもUC発動!
粘性劣化の【呪詛】を籠めた符を放って敵を燃やしちゃうよ!
放った炎は風に煽られてどんどん強く燃え上がる、一番強いのはやっぱり風と炎でタッグ組むコトだよね!
プリムとキャスパーちゃんの愛のタッグで残らず綺麗に燃えてっちゃえ!



●愛のBurning Typhoon
 道化師達が、死に際に残した大量のスライムドラゴンの群れ。その一部は猟兵達の猛攻をかいくぐり、早くも街の入り口に到達しようとしていた。
 だが、それを阻むべく、立ち塞がるのはキャスパー・クロス(空色は雅やか・f38927)とシュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)の二人。自分達の後ろに幸せな人々がいることを知っているからこそ、彼女達もまた負ける気はない。
「むう、最後まで面倒なヤツなんだからー。でも、キャスパーちゃんが一緒ならこんなのにも負けないもんね!」
「よし、プリムちゃん! こんな奴ら、さっさとぶっ倒して、早くイチャイチャしよ!」
 互いの手を軽く合わせたところで、二人は散会して敵を迎え撃つ。最初に仕掛けたのは、シュプリムント。粘性の高いスライムドラゴンのボディには、キャスパーが得意とする打撃技は効きが悪い。だからこそ、斬撃武器を持つ自分が前に出ねばと、シュプリムントは次々に遅い来るスライムドラゴン達を斬り捨てて行く。
「オロ……? オロロォォォォ……!!」
 竜の爪や牙を再現して襲い掛かろう二も、その度に変化した部位を切断され、スライムドラゴン達は上手く攻撃することができなかった。だが、対するシュプリムントも、迂闊に近づくと酷い目に遭うと知っているため、なかなか決定打を与えられず。
「……にしても白濁のぬるぬる……。なんだかえっちいよねこの敵……って、そんなコト考えてる場合じゃないね!」
 ふと、よからぬ妄想が浮かんだところで、シュプリムントは自分の周りがスライムドラゴン達によって囲まれていることに気が付いた。どうやら、調子に乗って少しばかり前に出過ぎてしまったらしい。しかし、そこはすかさずキャスパーが回り込み、スライムドラゴン達の前で、敢えて無防備を晒して挑発する。
「ほらほら、余所見しないの! それとも、素手の私が怖いのかな?」
 武器なしの状態で、わざと隙を見せて誘うキャスパー。その言葉は分からなくとも、少なくともシュプリムントよりは襲い易いと判断したのだろうか。
「オロロ……ロロ……」
「オォォォ……」
 瞬く間にキャスパーの方へとスライムドラゴン達が集まってきたが、それこそがキャスパーの狙いだった。
 身体を大きく捻り、呼び起こすは嵐の如き大気の渦。それは四方八方から襲い掛かる突風を呼び、やがて一筋に集まって竜巻と化す。
「瑠璃色っ‪……耐えてみせろっ!!」
「オロ……? オォォォ……!!」
 吹き飛ばされたスライムドラゴン達は、成す術もなく風に飲まれて宙を舞った。どれだけ身体を変形させようと、この風の檻からは逃げられない。変幻自在の肉体も、常識を超えた風圧の前には全て無力。敵が抗う術を失ったことを確信し、キャスパーは改めてシュプリムントに告げる。
「プリムちゃん! キメちゃってっ!」
「オッケー、任せて! どろどろに穢れて、燃えて、溶けちゃえ……♪」
 身動きの取れないスライムドラゴン達。それらを狙ってプリムが放ったのは、呪詛を込めて生成した護符だった。未だ鎮まる様子を見せない嵐の中へ、護符が次々と吸い込まれて行く。直接、スライムドラゴンの身体に命中していないので、果たしてどこまで効果があるのかと思われたが……シュプリムントにしてみれば、むしろ攻撃が『外れて』くれた方が都合が良かった。
「オォ……!? オブォォォォッ!!」
 薄気味悪い雄叫びと共に、スライムドラゴン達の身体が溶けて行く。見れば、キャスパーの起こした竜巻は、いつしか巨大な炎の渦へと姿を変え、中に飲み込まれた全てのものを完膚なきまでに焼きつくしていた。
 怨火涜聖符(ブラスフェミィ・シルト)。シュプリムントの放った呪いの護符は、標的に命中しないと代わりに地形を炎で包み、全てを焼き払う効果を持つ。そして、そんな炎を風で煽れば、もっと燃える。互いの攻撃属性が上手い具合に噛み合った結果、その効果は2倍どころか2乗の威力! 天高く昇る焔の竜巻は、赤い柱のように太く、そして強く伸びて行き……閉じ込められたスライムドラゴン達を、欠片も残さず蒸発させる。
「見ろよ、これがお前等がさっきナメた風の力だ!」
「一番強いのはやっぱり風と炎でタッグ組むコトだよね!」
 スライムドラゴン達を飲み込んだまま昇天して行く炎の渦を、キャスパーとシュプリムントは、それぞれ見上げながら口にした。彼女達の見せた本物の愛。それを祝福するようにして、炎の竜巻は都市国家の天井を焦がさんばかりに昇って行き……最後は四方に弾けて散って、美しく輝く粒子と化した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『リヴァイアサン大祭ムード一色!』

POW   :    リヴァイアサン大祭のお手伝い!

SPD   :    お祭りの景色を見て回る

WIZ   :    お祭りの食事を食べ歩き!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●さあ、お祭りだ!
 イカれた道化師と、その置き土産であるスライムドラゴン。それら全てを撃破したところで街に戻れば、街中は既にリヴァイアサン大祭ムード一色だった。
 空から降り注ぐのは、危険なスライムではなく本物の雪。流れる小川は全て密の川へと変わり、泉は温泉に姿を変えている。街中に甘い香りが漂っているのは、小川の水が密へ変わっているからという理由だけではないはずだ。
 紅茶とお菓子と、そして美味しい御馳走をいただきながら、楽しく過ごす親子連れ。互いの愛を永遠に誓い合う恋人達もいれば、いつまでも変わらぬ愛を確かめ合う夫婦もいる。
 星霊リヴァイアサンの加護の下、この時だけは、エルフヘイムは静かなる森の里という顔から一変し、愛の都市国家としての顔を見せるのだ。
 さあ、宴を楽しもう。星霊リヴァイアサンが降臨する夜は、まだ始まったばかりなのだから。
キャスパー・クロス
プリムちゃん(f38888)と一緒に
街を見下ろせるような露天の温泉に入るよ

「ふぃ~~……やっと人心地だね……」
ようやく表情から険が取れて、ぷかーっと湯船に浮き
私達の他は周りに誰もいないのをいいことに、の~んびりしよう

「プリムちゃん、大丈夫?お湯沁みたりしない?」
先程までの戦闘の負傷を気にかけるように、そっと肌に触れて
ついでにどさくさ紛れに少しばかりちちくり合ってみたりして♡

一通りふざけあったら、最終的にプリムちゃんと身体をべったりくっつけあったまま暫く無言で、静かな一時を
眼下には街の灯、頭上には地を照らす星
すぐ目の前の妻は、その何方も霞むくらい煌めいて見えて

「……来年もまた、戦いの日々かもしれないけどさ」
二人とも猟兵なんてものになって、別の世界の戦いに巻き込まれ、或いは自ら巻き込まれに行って…これまで以上に忙しくなってきたけれど
「これからも、プリムちゃんと一緒ならこわくないね」

身体を預けるように抱き合って、唇を重ね
月の下、灯の上で、リヴァイアサンだけが見守る二人だけの夜を、存分に楽しもう


シュプリムント・メーベルナッハ
キャスパーちゃん(f38927)と一緒に温泉に入るよー♪
折角だし、二人きりになれる場所を見つけて、裸で入浴ー。

「ふふ、キャスパーちゃんもお疲れ様っ♪」
プリムも温泉の中で思いっきり伸びしつつリラックス。
戦ってた時の傷は、うん、大丈夫。これくらいなら戦うたびによくあるコトだしね。
でも、心配してくれてありがと……って、あんっ♪
(際どいところ触られて甘い声が漏れてしまって)
もう、キャスパーちゃんってばー!お返しだよー!
(とかいって暫く乳繰り合って)

でも最終的にはキャスパーちゃんとくっつきあって景色を眺めてのんびりする流れに。
綺麗な景色を二人でのんびり眺めるこの時間も、プリムは大好き……♪

来年は……うん、多分またいっぱい戦うコトになると思う。
猟兵さんになって、行けるところもいっぱい増えたし、見えるモノも増えたし。
でも、キャスパーちゃんと一緒なら……何処だって平気だよ。
……来年も、どうかよろしくね。大好きな、キャスパーちゃん……♪
(そして抱き合って唇重ねて、熱いキスを)



●大星霊の見守る夜に
 エルフヘイムの街並みが、リヴァイアサン大祭の雰囲気一色に染まる中。
 キャスパー・クロス(空色は雅やか・f38927)とシュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)の二人は、敢えて街から少し離れた場所にある、小さな泉に身を委ねていた。
「ふぃ~~……やっと人心地だね……」
「ふふ、キャスパーちゃんもお疲れ様っ♪」
 互いに何も身に着けない姿で、暖かい湯の中に身体を浮かべる。この日だけは、エルフヘイムの泉は全て温泉と化す。だから、わざわざ街中にある公衆浴場や、宿の風呂場へと出向く必要もない。
 いつもであれば、何の変哲もない普通の泉。だからこそ、今宵だけは、この場所は二人だけの秘密の温泉。誰にも邪魔されず、知られることもなく、思う存分に楽しめる秘密の場所。
「プリムちゃん、大丈夫? お湯、沁みたりしない?」
 ふと、先程までの戦いのことを思い出し、キャスパーはシュプリムントの肌に触れた。
「うん、大丈夫。これくらいなら戦うたびによくあるコトだしね」
 そう、笑顔で返すシュプリムントだったが、それでもキャスパーは心配だった。
 猟兵には人間離れした特性を持つ種族もいるが、エンドブレイカーであるキャスパーやシュプリムントは、どこまで行っても『人間』だ。首を刎ねられれば死ぬし、攻撃を受ければ痛みを感じる。かつて、世界を危機に陥れたマスカレイドと戦っていた時から、それはずっと変わらない。
 命に関わる負傷でなくとも、痛いものは痛いだろう。優しく撫でるように、キャスパーの指がシュプリムントの身体に触れて行く。そこに確かな優しさを感じ、シュプリムントが身を委ねた時だった。
「でも、心配してくれてありがと……って、あんっ♪」
 ドサクサに紛れて、キャスパーに微妙なところを触られたことで、シュプリムントが思わず声を上げた。見れば、キャスパーは悪戯っぽく微笑んで、更に敏感な部分へと指を這わせて来る。
「もう、キャスパーちゃんってばー! お返しだよー!」
 このまま、やられっ放しでなるものか。シュプリムントもまたキャスパーの身体に手を伸ばし、豪快に胸を鷲掴み! だが、そんな悪戯は直ぐになりを潜め、ともすればお互い、くすぐり合っているような状態になって行く。
「あ……ちょっと、止めてww」
「きゃはは! くすぐったいってば!!」
 そのまま倒れ込むようにして、泉の中へと沈んでしまった。慌てて起き上がり、互いに笑い合ったところで、しばし身体を寄せ合って天を仰いだ。
 眼下に見えるは街の灯。頭上には、ドロースピカが満点の星空を映し出している。それだけでも素晴らしい景色だったが、キャスパーにとって、それらは全て背景に過ぎない。
 なぜなら、目の前に何よりも輝かしい存在がいるのだから。星々の瞬きも、美しい夜景もかすむ程に、煌めいて見える最愛の人がいるのだから。
「……来年もまた、戦いの日々かもしれないけどさ」
 天を仰いだまま、キャスパーが呟いた。
 エンドブレイカーの力を得たことだけでも奇跡だったのに、二人とも今度は猟兵に覚醒し、別の世界の戦いにまで巻き込まれ始めた。
 はっきり言って、慌ただしさはかつての戦いの比ではない。海から空から宇宙から、まだ見ぬ世界、知らない場所、冒険するべきところはいくらでもある。
「来年は……うん、多分またいっぱい戦うコトになると思う」
 シュプリムントもまた、キャスパーの言葉に頷いて天を仰ぐ。猟兵になって増えたのは、行ける場所やできることだけではない。様々なものを見聞きして、様々な人々と出会って……そして、彼らを守る戦いは、これからも続いて行くのだろうけれど。
「……でも、キャスパーちゃんと一緒なら……何処だって平気だよ」
「うん、そうだね。これからも、プリムちゃんと一緒ならこわくないね」
 そこから先は、何も言わずとも分かっていた。この瞬間のために、自分達は戦っているのだと。エンドブレイカーとして悲劇を砕き、猟兵として数多の世界を守ることだけでなく……なによりも大切な存在と、一緒にいる時間を守るために。
「……来年も、どうかよろしくね。大好きな、キャスパーちゃん……♪」
 そう言って、シュプリムントはキャスパーに身体を預けた。それを受け止め、キャスパーもまたシュプリムントを抱きしめる。そのまま互いの顔が近づいて行き、そして唇が重なった。
 雪の降る中、永遠にも思える一瞬を堪能する二人。熱く抱き合い、口付けを交わす二人を祝福するかの如く、雪明りが静かに泉を照らしている。
 それは、二人を見守る星霊リヴァイアサンからの、ささやかな贈り物だったのかもしれない。二人の甘い夜は、まだ始まったばかり。誰も知らない秘密の泉で、二人だけの思い出が、また一つ刻まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月01日


挿絵イラスト