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春の訪れを抱きて

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 その雪山ふもとの村では春の訪れの祝いとして、山頂付近の雪解け水が作る川に「春の石」を流す祭事があった。
 濁流のなかを流れ、村に無事辿り着いた春の石を守り神へと奉納し、耕し種まく農耕のための糧とすべく宴が開かれる――予定であった。

「ゴブ?」
 雪解け水の速い流れを見ていた一体のゴブリンが「それ」を見つけ、拾い上げた。
 川水に浮くよう作られた透明の容器の中に、桃色の石。
 振ってみればカランコロンと音が鳴る。
「ゴブゴブ」
 良いものを拾ったとばかりに、ゴブリンはそれを持って群れの王へと献上すべく来た道を戻り始めた。
「ゴブ?」
「ゴブゴブ!」
 群れの仲間があちこちにいて、傾斜のなか何か良いものが無いかと探している。
 それは残雪にある柔らかな芽であったり、ひょっこりと出てきた小動物であったり。
 ――ゴブリンの群れは、山中を住処とするべく、入ったばかりであった。


「村の社と山頂を繋ぐ魔法陣があるみたい」
 それで祭りの時に、山頂から春の石を流せるのね、とポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)が猟兵たちに言う。
 幾重にも重ねられた小さな魔法陣は古代のもので、陣内に収まる物を置けば、山頂へと転移するという仕組みとなっているようだ。
「冬が終わろうとするたびに、ずっと続けられてきたことなのでしょうね。
 不思議と石が流れ着かないことは一度も無く、守られてきた伝統なの」
 辿り着いた石を社に奉納し、宴と、農耕のための小さな市が開かれる。
 種や肥料、工芸品として作られる特有の鉢。
 遠方から買い付けにやってきた商人もいれば、宴のために近くの村々からやってくる人もいる。
「そんな営みのための祭りを邪魔するオブリビオン達――ゴブリンとゴブリンキングが現われるから、皆さんに退治して欲しいの。
 春の石が流れ着かないとなれば、次の日には捜索隊が組まれて、村の人が川伝いに山中に入るのだけど――ゴブリンに殺されちゃうのよね……」
 そうなる前に山中にいるゴブリンたちを倒し、春の石を手にしたゴブリンキングを倒してもらいたいとポノは言った。
 猟兵たちは、グリモアベースから山中へと直接転移される。
「これ、迷わないための地図ね」
 ポノが言って、猟兵へと地図を渡す。
 近くにはゴブリンがいないので、探索しつつの撃破となるようだ。
「そして取り返した春の石は、また川へと戻して欲しいの。
 村の人が恙無く祭事を行なえるように、ね。
 皆さんも村に行って、どうぞお祭りに参加してみてね。大きな鍋でぐつぐつ煮た料理が振舞われるみたいだから、獲物を調達したり、お手伝いをするときっと村の人に喜ばれるだろうし。
 興味があれば市を巡ってみるのも良いわね」
 よろしくお願いね。
 と、ポノは言って猟兵たちを送り出すのだった。


ねこあじ
 ねこあじです。
 ゴブリン相手だと、肩の力を抜いて挑める依頼系な気がしますね。
 ちなみに山中では、大丈夫、迷わない。

 第一章は、探索しつつゴブリン退治。
 山中のあちこちにいますから、手分けしたり、力を合わせたりして倒していきましょう。
 フィールドは傾斜あり。崖もあり。となっています。
 たぶん、1戦につき猟兵1人あたり1~3体との戦いとなります。

 第二章は、ゴブリンキング退治です。

 第三章は、祭&宴です。
 宴のための準備を手伝って、その後は大きな鍋を囲う宴で皆と飲み食いしたり、品は限られますが市場で買い物をしたりとしましょう。食べ物屋台は勿論あります。
 買い物はアックス&ウィザーズの貨幣や、物々交換となります。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジャック・カラック
偶々見つけたとはいえ、この被害は見過ごせないね
複数で来られると厄介だし、サクッと終わらせたいところだよ
こういう時に体が小さいと便利だよねぇ…

森の中に潜んで耳を澄まして相手の位置を探ろうか
崖や斜面にいるなら高所から攻撃した方が有利だし、
一体一体確実に仕留めていくよ
あー、こういうゲームってあったよね、サ、サバゲー…?だったけ…
新しい単語を覚えるのって苦労しちゃうよね

基本は背後からの攻撃で先制攻撃して、
攻撃し終わってすぐに茂みや岩陰に隠れて移動の繰り返し
僕の位置が把握しづらいようにね?

どうにもならないなら、そうだねぇ…
攻撃が入りそうな瞬間に砂でも目に向かって投げてやるさ
甘く見られるのは不愉快なんでね




 雪解けの最中にある山は、山頂ほど白く、ふもとに近いほど緑の樹林が目につく。
 木々と岩場の間を歩くジャック・カラック(ガラクタノホシ・f04652)は、常に耳を澄ませていた。
 聞こえるのは沢の音――そして、獣か何かが動く音――数はひとつ、とジャックは判断し物音の方へと向かう。
(「複数で来られると厄介だし、サクッと終わらせたいところだよ」)
 そう思う彼の顔、テレビウムの画面には表情といえるものが何も映っていない。かわりに周囲の景色が映りこんでいた。
(「こういう時に体が小さいと便利だよねぇ……」)
 身の丈五十センチにも満たないジャックは、木々や茂みといった場に潜みながらの移動も易々とできる。
 ざくざくと山の地面を踏みしめて歩くのは、たった今ジャックが視認したゴブリンだ。
 彼我の距離を一定に保ち、高所を位置取るべく回りこむジャック。
 そしてゴブリンが背を向けた瞬間、岩場を蹴り、跳躍したジャックはダガーを振るう。
 筋肉質な敵の肉を、降下の重力に任せ斬り裂いた。
「……ゴブッ!?」
 驚いたゴブリンが咄嗟に反応し、手にした武器を振るうように振り向くも、既にジャックは茂みへと横跳びしたあと。
 攻撃されたゴブリンは、音を立てた茂みへと駆け寄り一刀。
 空振り。
 ジャックを視認できていないゴブリンは――ただの的であった。
 ゴブリンの向いた側から約九十度。片手に持つダガーの柄尻にもう片方の手を添えたジャックが、弾丸の如く飛び出し深く深く敵肉を刺突する。
 下段から横腹に――衝撃に横倒れたゴブリンは、更に振るわれた刃によって撃破となった。
「ゴブ!」
 新たな敵の声に、素早くジャックは茂みへと駆け戻った。距離が近い。
 追いかけてくるゴブリンを撒くように方向転換して木の影に身を隠し、追い抜こうとする敵へと斬りつけた。
「ゴブッ」
 しかし敵も予測はしていたようで、斬線には盾。
 ジャックは怯まず身の低さを活かす。弧を描き戻った刃で盾を掻い潜って一閃した。
「あー、こういうゲームってあったよね、サ、サバゲー……? だったっけ……?」
 基盤に書き込むのをイメージしつつ、ぽそりと呟いた。
「……新しい単語を覚えるのって苦労しちゃうよね」
 何かと情報過多な世の中だ。テレビウムの嘆き(?)はなかなかにリアル。
 ヒット&アウェイ方式で、ゴブリンの各個撃破をしていくジャックだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四宮・かごめ
草花の趣は違えど春麗らかなのは何処も同じにござるな。
確か『ごぶりん』にござったな。
悪戯好きの子鬼どもを成敗にござる。
四宮かごめ、参る。

まず山のあちこちを探すでござる。
基本は一人にござるが、捜索に好都合なら協力するでござる。
それがしはシーブス・ギャンビットを使って戦うでござるよ。
【目立たない】を利用して【だまし討ち】【投擲】などで
地形を活かして先手を取りたいところ。
また距離を取れているうちは足払いも届くまい。
【投擲】で先手でござる。
追い付かれたら【見切り】【2回攻撃】で手数を重視して戦うでござる。
ほう、盾を捨てる程度の知恵が。ならばこちらも。
大丈夫、誰も見て……な、なにを見ているでござるか。



 ところどころ残雪景色の山中を眺めながら、四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)は一人頷いた。
(「草花の趣は違えど、春麗らかなのは何処も同じにござるな」)
 一羽の鳥が飛んでいくのを見て、無表情ながらもかごめの瞳は和らぐ。
 地面に芽吹く緑は触れると柔らかく、山草の一種にも思えた。
 ――屈んだかごめの視界の端で違う緑が蠢く――咄嗟に、更に身を低くしたかごめはそのまま木の影へと滑りこんだ。
 あれは、と視認するのは、
(「確か『ごぶりん』にござったな」)
 今回成敗する対象である。
「四宮かごめ、参る」
 呟いて、音をたてないよう傾斜をのぼって高所を位置取った。
 小石を拾ったかごめは、遠くに位置する木めがけて小石投げた。
 カツン! と高らかな音がたち、ゴブリンがそちらを向いた瞬間、苦無を投擲する。
「ゴブ!?」
 かごめの愛用の品である苦無は、切り出し代わりとなってもその殺傷力は保たれたままだ。
 欠かさず手入れしてきたそれを、三つ、放つかごめ。
 その時にはゴブリンもかごめに向かって駆けあがってくる。筋肉質な敵背に苦無は三つ、一つは振り向くゴブリンの盾に弾かれた。
 ――かごめや他の猟兵の狙い通り、彼我の距離があるうちに攻撃すれば、近接を主とするゴブリンの攻撃は封じられているも同然である。
「ゴブ!」
 迫るゴブリンが剣を横一文字に振るうも、下方からのそれは竹割鉈清左で容易くいなせた。
 刃先が敵肉を裂くのを感じつつ、即座に翻す。
 上段から垂直に落とす斬撃を放てば、大振りの鉈にゴブリンは血を飛沫させ仰ぎ倒れた。
「ゴブゴブ!!」
 やや遠くから、しかしはっきりと聞こえたゴブリンの声に、ピクリとも動かないゴブリンから苦無を抜き取ったかごめが振り向き様に投擲した。
 ほんの少し色付いた軌跡は、吸い込まれるようにゴブリンの胴へ。
「……ゴブッ」
 二刀目を放つも、振り払うように盾でいなしたゴブリンは装備したそれを投げ捨て、加速する――ぐんと迫る緑塊。
「ほう、盾を捨てる程度の知恵が。ならばこちらも」
 衣服を払い、素早く飛び退き少しの間合いを得たかごめが再び投げ打つ。
 加速の増した投擲は重く、同じく加速したゴブリンは乗じた双方の衝撃に絶命し斜面を転がり落ちていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

ゴブリンの集団が調子づいて襲撃を激化させる前に何とかしないとねえ。山中にいる間に片づけてしまおうか。まあ、サバイバル生活が長いから、山中の活動は慣れたものだ。

折角崖があるんだから、真紅の竜を呼び出して【騎乗】して崖から襲撃を掛けようか。飛び降りた後は【ダッシュ】で敵の群れに飛び込んで、【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃していくよ。【残像】も併用しようかね。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

村のお祭りにゴブリンが乱入しましたか。ゴブリンは偶々石が取れる森に立ち寄っただけかも知れませんが、人殺しをするなら討伐せねばなりませんね。長い間の旅暮らしで山中での活動は慣れてます。

私は主に防衛役を担います。トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で家族を【かばう】。地形上【拠点防御】が有効に使えそうなので併用します。攻撃が必要ならば、【二回攻撃】【範囲攻撃】を使用しますね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

村で行われる伝統のお祭り。偶然とはいえ、ゴブリンが関わってしまいましたか。僕らが一肌脱ぎましょう。ささやかなお祭りが、滞りなく行えるように。はい、家族3人での旅暮らしで山中は慣れてますので。

響母さんの襲撃を援護する為に、【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【援護射撃】として【範囲攻撃】で撃ちます。【二回攻撃】で攻撃回数も増やし、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょう。



 ザアアアと水の落ちる音が聞こえ、真宮・響(赫灼の炎・f00434)たち【真宮家】が進めばやがて滝場へと行き当たった。
 崖上から下方を覗きこめば、ゴブリンが九体。
 アックス&ウィザードのモンスターもそれなりに水場を必要としているのだろう。
 旅暮らしをしている一家も、水場を探すのが常套であった。
「ゴブリンの集団が調子づいて襲撃を激化させる前に何とかしないとねえ。
 山中にいる間に片づけてしまおうか」
「人殺しをするなら討伐せねばなりませんね」
 母である響の言葉に、こくこくと頷く真宮・奏(絢爛の星・f03210)。
「そして、村で、ささやかなお祭りが滞りなく行えるようにしないといけませんね」
 神城・瞬(清光の月・f06558)の言葉に、母子が頷き合った。
「さて、一緒に行くよ!! 気張りな!!」
 響が召喚した真紅の竜が翼を広げ、滑空すべく空へと身を滑らせるのと同時、響がその背へと飛び乗った。
「あまり離れないでくださいね」
 響の背へと声を投げた奏はエレメンタル・シールドを掲げ、水の魔力、風の魔力を使いながら自らもオーラを纏った。
 ゴブリンと一家の彼我の距離を目測し、拠点となる場の線を引く。
 刹那、魔力が働き、キンと空気が変化した。
 六花の杖を持った瞬の高速詠唱に伴い氷晶の矢が次々と顕現していく――周囲は冬が戻ってきたかのように、冷気が満ちた。
「さて、これを見切れますか?」
「ゴブ!?」
 突っこんでいく真紅の竜と響を追い抜くように射放たれた氷晶の矢がゴブリンたちに振りそそぎ、竜の風圧が敵を薙ぐ。
 ――その中で走る赤の一閃。
 ブレイズフレイムを大きく横薙ぎにした響だ。
 斬撃は、ゴブリンの体を裂き、地面に突き刺さった氷晶の矢を砕く。
「ゴブゴブッ」
 二体のゴブリンが氷矢の突き刺さった盾を投げ捨て、崖をのぼろうと跳躍するのだが見えざる壁に阻まれたかのように動きが止まった。
「ゴブ?」
「させませんよ」
 告げた奏が魔力の風を練り上げゴブリンを弾き飛ばす。
「飛んで火にいる何とやら、ってね!」
 弾き飛ばされたが故に無防備となったゴブリンへ一太刀浴びせた響は、敵胴を真っ二つにした。
 刃を翻した彼女がもう一体を狙い定めた時、瞬の長き氷晶の矢が降り、ゴブリンを囲う――檻のように。
「ゴブ!?」
 閉じ込められたゴブリンが矢に手を掛けるも、その時には真紅の竜に騎乗する響の餌食だ。
「ゴブッ」
「ゴブゴブッ」
 盾を投げ捨てたゴブリンたちが一斉に跳躍し響を襲おうとするのだが、それは許されないとばかりに奏と瞬の援護が放たれる。
 滝の水飛沫を暴風に乗せた奏が目くらましと敵の跳躍力を奪い、瞬が氷晶の矢を放てば、刹那の滞空ののち射貫かれたゴブリンがばたばたと地面へと落ちた。
「おっと、意外とあっけないね」
 撃破したゴブリンを見回した響が、く、と両脚に力を入れれば竜は緩やかに上昇し、奏と瞬の目前まで飛ぶ。
 高所からの襲撃と遠距離から放つ攻撃の前では、ゴブリンも手も足も出せなかったことだろう。
「索敵を再開しましょう」
「村のお祭りに乱入されても、困りますしね」
 ここはきっちりと倒さないと、と決意新たにする「子」らへ響は微笑みを向けた。
 響は令嬢育ち故か怖気づくこともなく、つい敵へと向かっていってしまうが、奏も瞬も慣れてしまっているのか援護のための連携を発揮する。
 安心して背中を任せられる「子」たちのやり取りに、
「では、はりきって行こうじゃないか」
 と響はウインクするのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メル・ルビス
ソアラちゃん(f04138)と一緒に戦うよ
初めましてだけど、同じ猟兵同士頑張ろうねっ

まずはゴブリン退治だね
僕に任せて!
【罠使い】を使って簡単な落とし穴を作るよ
作る場所は【動物と話す】で動物さんに、
ゴブリンがこれから行きそうな場所を教えてもらうの
あとソアラちゃんともしっかり連携を取りたいね
そのあとは【おびき寄せ】を使って、
罠にはまるようにゴブリン達を引き寄せたいの

ゴブリンと遭遇出来たら、
ソアラちゃんと一緒に戦うの
ちょっと怖いけど【勇気】を出して動物さんと戦うよ!
僕は主にソアラちゃんのサポート
UC『秘儀・ネコネコパンチ』を使って、
ソアラちゃんの邪魔をするゴブリンとバトルっ
邪魔するのはだめなのーっ!


ソアラ・グスタヴソン
メル・ルビス(f03622)と行動するぞ。
初めて顔を合わせるから簡単なりと挨拶はするのじゃ。
【礼儀作法】は大切じゃからのう。

ゴブリンをまず探さなくてはのう。
【動物と話す】で探索を手伝ってもらおう。
【地形の利用】で罠を作ると効果的な場所をメルに教える、とかもありやもしれぬ。

上手く遭遇できたら気を引き締めるのじゃー。
サポートがあればとても心強い。私は前衛に回るぞ。
敵の溜まっているところに【捨て身の一撃】、反撃されても【野生の勘】でちゃんと回避するのじゃ。
ここぞという時にUC『グラウンドクラッシャー』
確実に屠っていこう。

村のものを危険に会わせるわけにはいかぬ。
春の訪れの祭事を執り行わせたいのじゃ。



「初めましてだね。
 僕はメル。同じ猟兵同士頑張ろうねっ」
「うむ、初めまして。わたしはソアラという。よろしく頼むのじゃ」
 事件を解決しようと集う猟兵たちは、そのたびに様々な縁が生まれる。
 今回出会ったメル・ルビス(いつでもキミの傍に・f03622)と、ソアラ・グスタヴソン(サムライブレイドの刃紋・f04138)に新たな縁――ケットシ―のふわふわな手と握手したソアラはにこっと笑顔。
 力を合わせて戦うことにした二人は周囲を見回した。
「ゴブリンを探さなくてはのう」
 そう言ったソアラがふと茂みへと近付けば、ひょこりと白うさぎが現われた。
 慣れた様子で呼び寄せるソアラ。
 ゴブリンという言葉にうさぎは頭を傾けるのだが、最近縄張りに侵入してきた妙な生物――と尋ねれば、思い当たったように、耳と鼻先をひくひくさせた。
「……小枝の集まるところ、とな。よく行き来しているようじゃ」
「……何をしているんだろうね? 巣作りとかかな?
 とりあえず行ってみようっ」
 二人は細木の生える場所へと向かう――その最中、残雪にゴブリンと思わしき足跡を見つけ、辿ってみたメルはとある法則性に気付いた。
「拾い集めながら巡回しているみたいだね」
 ついてきた白うさぎが成程とばかりに、鼻をひくひくさせた。
 白うさぎと話して決まったのは、罠を仕掛けてみよう、ということ。
 穴を掘って枝と藁を被せ、そして雪をのっけた簡単な落とし穴――それでもゴブリン一体は入る穴だ。
 後は効率よく誘き寄せたいところ――と、メルは無害な(?)ケットシーを装ってついてきてくれる白うさぎとともにゴブリンを誘き寄せることにした。
「気をつけるのじゃぞ」
 とソアラが声を掛ければ、メルは手を振って山をのぼっていく――のだが、木々に見え隠れしたところで、白うさぎを抱いて慌てて駆け下りてきた。
「ゴブゴブゴブっ!」
「ガウウウウウッ」
 まるで餌を見つけたかのような、ゴブリンたちの声……と、狼。
 三体と一匹を引き連れて駆け下りてきたメルは落とし穴を飛び越えて、ズシャァァァッ、と、ソアラのもとへとスライディングである。
「ゴブッ!」
「ゴブゴブッ」
「ゴブゴ――ゴブウウウウッ!?」
「……とてもきれいに引っ掛かったのう」
 言ったソアラの視界には、何も知らない先頭ゴブリンが穴に落ち、後続のゴブリンはそれにつんのめって転がり落ちてくる光景。
 びっくりした狼は、急停止し、ゴブリンを見つめている。
「ゴブウウウウッ!!!」
「隙だらけの今が好機じゃのう」
 そう言ったソアラがバトルアックスを振りながら転がる敵を迎撃した。
「ちょっと怖いけど……勇気を出して頑張ろうねっ」
 向けられたメルの声に、仰天するうさぎと――狼。しかしまあ乗り掛かった舟だとばかりにうさぎは駆けだし、獣奏器の音色に狼もまた戦うことにしたようだ。
「にゃんにゃん。僕のパンチから避けきれる?」
 秘儀・猫猫パンチを繰り出すメル。
 筋肉質な敵の体を殴り、しかし敵も負けじと剣を振るう――それを邪魔するのはうさぎと狼。
 弱肉強食な動物たちの共同作業。
「ゴブ!?」
「えいっ」
 二打、三打とパンチするメル。
 よろけたゴブリンを屠るのはソアラだ。斧の斬撃が敵を裂く。
 二体をあっという間に倒した二人。休む間もなく落とし穴めがけて駆けたソアラは、落とし穴のゴブリンへ重い一撃を放った。
 ドゴッ! と大きく地面を穿つ音――ひと回り、ふた回りと大きくなった穴の中で、ゴブリンは倒されるのであった。
「この調子で次じゃ。
 村のものを危険に会わせるわけにはいかぬ。春の訪れの祭事を執り行わせたいのじゃ」
 ソアラの言葉に、こくりと頷くメル。
「うん、僕も頑張るよっ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

糸縒・ふうた
アドリブ・絡み・改変等歓迎

春の石を奉納してカミサマにお願いする、か
まだまだオレの知らないことがあって、新鮮
村の人たちが安心して無事にお祈り出来るよう、がんばるぜ

森の中は歩き慣れてるけど【福音】で奇襲に警戒しつつ
現れたら【喚び聲】で喚んだかぞくとなかまにお願いしよう

もちろん他の仲間たちとも協力してオレも一緒に戦うぜ

中々見つからないようなら【森の忍者】に
見つけて来てってお願いして

周りの動物たちにも【動物と話す】で
ここら辺にへんてこないきものがいなかった? って聞いてみる

ありがとう
お前らは見つからないように隠れてるんだぞ
って注意も忘れないように

ここは動物たちにとっても大事な住む場所だから
荒らさせない


泉宮・瑠碧
ゴブリン達にも生活はあるだろうが…
山に入る度に襲われては、人が生きていけない
いずれ行動範囲も広がれば、更に被害は出るだろう
…すまないな

僕は主に精霊祈眼や精霊弓での射撃
人が居れば援護射撃
腕力には自信が無いので…狙撃等で確実に狙う

第六感や地形の利用もしていこう
崖があれば、上から崖下を見渡して発見すれば射る
傾斜があれば伏せたり
木があれば影に隠れて様子を窺ったり
動物が居れば動物会話で尋ねても見る

相手の攻撃が届く範囲での戦闘になれば
氷の精霊に、彼の者の動きを止めて、と願う
そのまま凍らせたり、寒さで動きを鈍らせて射るぞ

自身への攻撃は基本は見切りで避ける
避け切れない場合は
精霊の守護と森の気によるオーラ防御



「ゴブ!」
 敵の接近を許す前に倒そうと攻撃するのは、泉宮・瑠碧(月白・f04280)と糸縒・ふうた(風謳エスペーロ・f09635)であった。
 彼の者の動きを止めて、と願った瑠碧に呼応した氷の精霊がその冷たさでゴブリンの動きを封じる。
 そこへ、ふうたの攻撃と、ふうたの聲に応じたかぞくとなかまが一斉に叩けば、たった一体しかいなかったゴブリンはあっという間に倒された。
「ゴブリン達にも生活はあるだろうが……山に入る度に襲われては、人が生きていけない」
 と、瑠碧は言う。人と魔物が共存する世界において、あまりにも危険が増せば排除せざるをえない。
「いずれ行動範囲も広がれば、更に被害は出るだろう……すまないな」
 分け隔てなく、生きていたものへ向けての言葉だった。
 戦いが終われば、どこからともなく狼がふうたと瑠碧のもとへと寄ってくる。
「ここは動物たちにとっても大事な住む場所だからな――荒らさせない」
 狼を撫でてふうたが呟いた。
 山に棲む動物たちの声に応じて行動する二人は、自然と行き会った。
 ふうたが、番いのモリフクロウを山中へと放ち、知らせを待つ間は小鳥や狐、狼といった動物たちが入れ代わり立ち代わりに二人の元へとやってくる。
「ゴブリンたちは、巣作りをしている途中なのか」
「やっぱり水近くが生活の場になるみたいだぜ」
 瑠碧とふうたの会話には動物たちの声も交わされるので、やや賑やかだ。
 山に棲むものは、やってきたゴブリンを警戒していた。
 崖上の獣道を進めば、眼下に現れるゴブリンたち――まだ気付いていないようだ。咄嗟に伏せた二人は頷き合い、ふうたがその時一緒にいたうさぎを撫でた。
「ありがとう。
 お前らは見つからないように隠れてるんだぞ」
 ふうたと瑠碧を一瞬だけじっと見つめたうさぎは音なく茂みへと飛びこんだ。
(「どうか、力を貸して……この願いを聞き届けて」)
 瑠碧の精霊祈眼を受け、水の精霊と風の精霊が虚空にふわりと舞った。
 精霊弓の弦を引けば、水の矢が生成される――放てば風の精霊の援護のもと、水精霊の矢がゴブリンを射貫いた。
「ゴブ!?」
 攻撃に気付いたゴブリンは周囲を見回すが、崖上で伏せた二人は勿論のこと、射線の隠された矢の元凶を見つけることが出来ない。
 そのまま二の矢、三の矢と放ち、崖下へ降りたふうたと彼の喚び聲に召喚されたかぞくとなかまがゴブリンたちにトドメをさした。
 ゴブリンは決定打となる攻撃をする間もなく倒されていく。
 山という場を利用した猟兵の動きが磨きをかけているのだろう。
 戻ってきたモリフクロウが新たな敵の居場所を知らせ、一体、また一体とゴブリンは確実な手で仕留められていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と一緒に行動】
ゴブリンに見つからないよう草木に紛れて進み周辺の地形を把握
崖を発見したらアヤネさんにはその場で隠れながら待機してもらい
私がゴブリンを捜索
技能【聞き耳】で鳴き声や移動音を察知
こちらからゴブリンの前に姿を現し
崖の方まで誘い込みます
きゃー
たすけてー
…ゴブリン着いてきてるよね?(ちら

ゴブリンが私を崖まで追い詰め慢心したところで技能【地形の利用】【残像】使用
アヤネさんにはゴブリンを吹っ飛ばして崖に落として貰います
私は一緒に落ちないよう【ダッシュ】避ける
崖から這い上がって来ようとする個体は崖の上から攻撃
落ちなかった個体はUCで崖の方まで追い詰め衝撃波で落とします


アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と一緒】
春の景色にのんびり和みそうになるけど
そう言う訳にも行かないネ
ソヨゴと一緒にまずは探索
ゴブリンがいても見つからないように隠れてやり過ごす
相手の数が多いので、地形を把握してから有利に戦闘したいから
え、ソヨゴが囮になるの?
oh.言葉と同時に行動してるネ
仕方ない。作戦に乗ろう
ソヨゴの身が危険になるのは嫌なのだけど
これくらいの相手なら全部僕が守りきる

ソヨゴが追われているその後ろに回り込む
「ソヨゴ!避けて!」
UCを展開して攻撃
ソヨゴに被害が及ばないように角度を調節
一度に体当たりさせれば崖から落ちてくれるかな?

UCの一斉攻撃で落ちなかったゴブリンは銃で撃ち落そう
「アーメン」



 山中でとても高い崖を見つけた二人。
 私が囮になります!
 と、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)が言った時、いつもの調子の明るい声であったためか、アヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)は把握に二拍ほどの時を必要とした。
「ソヨ――」
 ゴ、と呼んだ声は時すでに遅し。
「……oh、.言葉と同時に行動してるネ……」
 ひゅう、と春風が崖上に佇むアヤネに吹いた。駆けて行く冬青の背を見送ったアヤネは、木の影へと身を隠す。
「ソヨゴの身が危険になるのは嫌なのだけど――ゴブリン相手なら、全部僕が守りきろう」
 そう決意してしばし待てば、冬青のきゃあきゃあとした声。
「上手く釣れたようだネ」
 と、アヤネがそっと顔を覗かせて、状況を窺った。
「きゃー、たすけてー」
 迷い込んだ村娘の如し悲鳴をあげて冬青が駆け戻ってくる――走る速度は、先程の半分くらいだが。
 そんな冬青の後ろには、
「ゴブッ」
「ゴブゴブ!」
 餌にしてやるぜとばかりに剣を振り上げて追いかけてくるゴブリン五体。
「さすがソヨゴ」
 結構な数に、呟くアヤネ。
 たま~に、ちらっと背後を見つつ駆ける冬青は……ゴブリンと目がばっちし合った。
「……ゴブ?」
「……! きゃー、おいかけてこないでー。
 ――ああっなんてこと、いきどまり!」
 崖上でやや急停止した冬青が、恐る恐るといったように振り返ればゴブリンが彼女を取り囲む。
「ゴブゴブゴブ」
 ――笑っているようだ。おそらく。たぶん。
 そんなやり取りをしている後ろへ回りこむアヤネ。
「ソヨゴ! 避けて!」
 小型の戦闘用機械兵器を召喚したアヤネが告げれば、「ゴブ!?」と振り向くゴブリン。そして残像をその場に素早く横へ跳ぶ冬青。
 ひとつの生き物――蛇のように密集させた機械兵器でゴブリンを薙ぎ払えば――哀れ、ゴブリンは虚空へと飛ばされた。
 叩き出した機械兵器が空中で散開する。
 一体が粘る様に踏み止まろうとしたが、えいっ、と冬青の繰り出した衝撃波に同じ道を辿る。
「……ゴ、ゴブ!?」
「ゴブウウウウウッ」
 高い高い崖上から投げ出される恐怖――悲鳴をあげたゴブリンは落ち、更に二人が追撃を仕掛けるものだから、落下が加速し地面に強く叩きつけられた。
 容赦ない攻撃方法を選んだものだ――当然、ゴブリンはバラバラに。
「アーメン」
 と、アヤネは呟く。
 ゴブリンは手も足も出ないまま、倒された。
 ……アーメン。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルバ・アルフライラ
全く、雅を解さぬ無粋な奴等め
貴様等には過ぎた宝だ――返してもらうぞ

ふむ、私一人にはやや厳しい地形の様だ
…ならば致し方ない
ジャバウォックを召喚し、騎乗する事で迅速な移動を行おう
乗り心地は最悪だが、これならば比較的安全に攻撃も行えよう
叶う限り広範囲へ魔術を行使、多くの敵を巻き込んでいく
無論、他の猟兵に被害が及ばぬよう手は尽くすとも
手数が多いと厄介故<マヒ攻撃>も絡め、ゴブリンを牽制

ダッシュ攻撃は<見切り><第六感>で回避を試みる
それだけでは不十分やも知れぬ故
仕込み杖を抜き武器で受ける態勢も整えておく
その際、カウンターも忘れぬよう仕掛けよう

他猟兵との連携は惜しまず
互いの隙を埋め合えるよう最善を尽くす


リュカ・エンキアンサス
※アドリブやほかの方との会話も歓迎。
地図があるのか。すごくありがたい
とりあえず確認して、自分が隠れられそうなところ、また、ゴブリンたちが隠れていそうなところなんかは頭に入れて出発する
基本は探して、見つけたら遮蔽を取りながらの急所へ射撃。倒したら先に進む、っていう感じだけれども、
他の猟兵が交戦中なら武器を飛ばしたり足を狙ったりと援護射撃も行う

……綺麗な、石か
そういう楽しみにするものって、大事だと、思う
無事に見つかって、恙無くお祭りを行えるといい
流石にボスのところにありそうだけど、
そういうものを見掛けないかも、一応気を配っておく。
そして見つけたら猟兵の誰かに教える。
自分で持ち帰るのは柄じゃないから



「ふむ、私一人にはやや厳しい地形の様だ……ならば致し方ない」
 そう言ったアルバ・アルフライラ(双星の魔術師・f00123)は召喚した名状し難き黒の翼竜――ジャバウォックに騎乗し山中を駆けた。
 途中、行き会ったのはリュカ・エンキアンサス(人間の探索者・f02586)だ。
 リュカは地図を利用し、ゴブリンたちのたむろしていそうな広場に見当をつけていた。
 ならば、と一気に叩く戦法をとる。
 滑る様に駆け下りたリュカは、遮蔽物を陣地とし、灯り木でゴブリンの手足を撃ち貫き機動力を奪う援護射撃。
 ゴブリンたちの前に現れる黒の翼竜――アルバは高速詠唱により流星の如き速さで陣が描き、攻撃の魔術を放った。
「ゴ、ゴブ!?」
 麻痺し動けぬゴブリンを、一体、また一体とリュカが確実に仕留めていく。
 ジャバウォックがゴブリンを翻弄し、弾き飛ばすように駆け回った。
 驚くなかれ、彼我の距離が充分にとられた攻撃は、ゴブリンたちに次なる動きを与えぬまま一掃というものとなった。
「何とも呆気ない――次へ向かいましょうか」
 呟いたのち、アルバがリュカへと問えば、そうだな、と頷きの声。
 雪解けで増水した場から離れた場所――その辺りを索敵する二人は、ふと、一直線に歩くゴブリンを見つけた。
「ゴブゴブ」
 何かを大事そうに持ち、歩いている。
「……?
 あのゴブリンは――」
 目を付けたリュカは、アルバへと知らせる――恐らくは、石を持っているゴブリン。
(「……綺麗な、石か。そういう楽しみにするものって、大事だと、思う」)
 倒して取り戻す――ことは出来なさそうだ。何やら敵の気配が多くなってきた。
 ジャバウォックに騎乗するアルバが警戒するように周囲を見回し、リュカは見失わないように、件のゴブリンを注視する。
 恙無くお祭りを行えるように、無事に取り戻したいと思うリュカ。
 後を追えば、すぐにゴブリンの本陣ともいえる場に出た。
 何か大事そうに持ったゴブリンは奥へと向かっていき、かわりに、違うゴブリン二体が二人に気付いた。
「ゴブ!?」
 盾を投げ捨て、侵入者を捉えようと向かってきたゴブリンを避けたアルバは星追いを抜き放ち、その背を斬りつけた。
 ジャバウォックの上から振るう高所からの一刀は鋭い。
 更に即座に発動させた魔術を直接叩きつけ、息の根を止める。
 続き護衛の様なゴブリン二体目を、麻痺を含む魔術で動けぬようにし、リュカが倒す。
 投擲した散梅を回収したリュカ、そしてアルバは目配せののち頷いた。
 ゴブゴブゴブと笑い声のようなものが耳に障る。
(「全く、雅を解さぬ無粋な奴等め。
 貴様等には過ぎた宝だ――返してもらうぞ」)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ゴブリンキング』

POW   :    ゴブリン親衛隊の召喚
戦闘用の、自身と同じ強さの【杖を持ち、炎の魔法を放つ、ゴブリンメイジ】と【剣、盾、鎧で武装した、ゴブリンナイト】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    王の激励
【王による、配下を鼓舞する言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    ゴブリン戦奴の召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【奴隷ゴブリン】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 山の動物たちに情報をもらったり、行き来するゴブリンを見つけて倒していくと、そのうちに本陣とも言えるべき場所へと出る。
 窺う猟兵に、辿り着いた猟兵が合流する。
 ゴブリンが川の周辺を生活の拠点としていたなら、やや奥まった場は、長がいる本陣だろうか。
 召喚されたゴブリン、護衛のようなゴブリン。
 そしてゴブリンキングは岩場が鎮座し、貢物を集めているようだ。
 主になっているのは餌となる動物で、新鮮さを重んじられているのか、生きたまま捕らえられている。
 他には、いままで集めてきたのだろう。ゴブリンにとっての「宝」のようなものがあった。
 金銀財宝というものでは無く、見る者が見ればそれは我楽多。
 新たな貢物を手にしたゴブリンキングは、カラコロと音を鳴らしている。
「うむ。よくやったゴブ。これは良いものだゴブ」
「ゴブゴブ」
 桃色の石を見て、ご満悦なゴブリンキング。

 攻撃を仕掛けるなら今だろうか――猟兵たちは先の一手を取るべく動き出した。
真宮・響
【真宮家】で参加。

ゴブリンの群れの首領か。あれだけの大量の群れを率いるだけあって、覇気が凄いね。本気でいかないとね・・・(真の姿解放。黒髪金眼になり赤いオーラを纏う)

相手は召喚する攻撃と鼓舞の攻撃は長けてるけど、本体が無防備になりがちだ。親衛隊の相手を奏に、奴隷の相手を瞬に任せて【目立たない】と【忍び足】で気配を消しつつ、【ダッシュ】【残像】で敵に一気に接近。キング本体に【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使うよ。アタシらは先陣だ。きっちりと一番槍の役目を務めるよ!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

むむ、キングを名乗るだけあってただならぬ佇まいですっ。これを倒さないとまたゴブリンの群れが悪さをしてしまいますね。全力でいきましょう。(真の姿解放。黒髪金眼になり青いオーラを纏う)

纏めて戦力を強化されると厄介ですので、召喚するゴブリンの数を減らすことに専念しましょう。トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で親衛隊の攻撃を引き受けますよ。状況によっては【拠点防御】も併用し、攻撃は【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で。遠距離攻撃が必要なら衝撃波を使いますよ。はい、先陣の役目、果たしてみせます!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

あれだけ体力のゴブリンの群れを率いる統率力と実力は侮れません。本気を出す必要がありそうですね・・・(真の姿解放。銀髪になり、両方が赤い目になり、銀のオーラを纏う)

激励で敵が召喚した配下を纏めて強化されると厄介です。僕は奴隷の数を減らすことに専念しましょう。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で攻撃していきます。【二回攻撃】で攻撃回数も増やして、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょう。僕達は先陣、確実に機先を制して見せます!!


アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と一緒】
キングを名乗るだけあって強そうだ
でも語尾はゴブなのネ

戦闘開始は不意打ちの遠距離攻撃で
周りに猟兵がいるならタイミングは合わせよう
混乱に乗じて前へ

召喚で敵の数を増やされるのは厄介だ
ソヨゴ手を貸して
キングに話しかけられるくらい近くに行きたい
近寄る銃で撃ち落とし、自分の身を守りつつ接近
UC一発で決めさせてもらおう

キングに話しかける
その桜色の石は返してもらうよ。ほら、裏側に僕の名前が書いてあるだろう?
もちろん書いていないけど
敵の疑問の感情は見逃さない
UC発動
謎でも喰らえ!

戦闘終了後に春の石を回収
元の川に戻してあげないとネ


城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と一緒に行動】
ボスゴブリンというからゴリラみたいなムキムキかと思いきや魔法を使うゴブリンシャーマンだったんですね
こういうのは頭脳系というのかな?
まぁ倒しちゃいますけどね!
アヤネさん
まずは周りの雑魚から蹴散らしていきましょう

花髑髏と不死蝶で寄ってく配下達をバッサバッサと斬っていきます
ゴブリンは小柄なので
死角から不意打ちされないよう
[第六感]と[武器受け]で警戒・対応します

配下が減ってボスの護衛がが手薄になったら
UCでボスへ攻撃をしかけます
配下が割って入ってきたら[衝撃波]で
ボス諸共纏めて攻撃しますよ

屍山食らいて実を結び
血河飲み干し咲き誇れ花髑髏!
&不死蝶!
…なんてね



「キングを名乗るだけあって強そうだ……でも語尾はゴブなのネ」
 ゴブリンキングを窺いつつ、アヤネが言った。
『ゴーブゴブゴブゴブ』というゴブリンの高笑いもたまに聞こえてきて、思わず額を押さえるアヤネ。
「ボスゴブリンというからゴリラみたいなムキムキかと思いきや、魔法を使うゴブリンシャーマンだったんですね」
 あのゴブリンキングも厳つい方だが、冬青が想像していたゴブリンキングはもっと凄い体格だったようだ。
「こういうのは頭脳系というのかな?」
 まあ、倒しちゃいますけどね! と冬青。
 そして、油断は禁物と警戒する真宮家。冬青とアヤネも当然だという風に頷いた。
「ゴブリンの群れの首領か。あれだけの群れを率いるだけあって、覇気が凄いね」
 そう言った響が、目を閉じ、真の姿を解放していく――。
「本気でいかないとね」
 再び開いた目は、紫から金へ変化していた。
 その体からは赤いオーラが立ち上り、艶やかな黒髪を靡かせる。
「ええ、全力でいきましょう」
 頷いた奏もまた真の姿を解放する。母と同じ黒髪と金の瞳――されど、纏うオーラは青。
「倒さないと、またゴブリンの群れが悪さをしてしまいますから……」
「あれだけの数のゴブリンを率いていたのです。統率力と実力は侮れません」
 と、言った瞬は金髪を銀へと。纏うオーラもまたその色に準じ、異なる瞳の色は同じ赤となった。

 戦端を開くのは瞬の氷晶の矢であった。
 残雪ある冷たい空気。されど降り注ぐ陽射し暖かな空に音なく現れる矢――否、氷晶を象る、氷独特の微かな軋みの音。
 キリリと数多の矢尻が捉えるのは、召喚されたゴブリンの群れ。
「僕達は先陣、確実に機先を制して見せます!!」
 風を切る音は直ぐに地面とゴブリンを貫くものとなった。
「何が起こったゴブ!?」
 襲撃に気付いたゴブリンキングは、ドッと杖を突き指輪を煌かせてゴブリンナイトを召喚した。
 まずは自分の身を固めたようとしているようだ。

 思わぬ襲撃へと意識が向かっているゴブリンの群れ――その機に合わせて、猟兵たちがそれぞれ動き始める。

 奏がシルフィード・セイバーを振るえば、その風は衝撃波となりゴブリンメイジとゴブリンナイトを襲った。
「ゴブ!」
「倒すゴブ!」
 駆けるゴブリンを誘導するように、左右へとわかれる瞬と奏だが互いを補う射程を維持するため距離は一定を保つ。
 ゴブリンメイジが火炎球を放ち、奏を威嚇するなか、ゴブリンナイトが後退しゴブリンキングの前へと戻る。
 猟兵と、ゴブリン。阿吽の呼吸で形成されゆく陣を、颯爽と駆け抜けていこうとする赤光――響だ。
 気配を消し、残像が発生する速さで敵陣中を駆け抜けていく。
 加速した赤光が一本の線となった時、もう一つ、赤の光が発生した。
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
 竜牙がゴブリンキングへ喰らいつくが如く放たれる。
 だが二手へとわかれた親衛隊のナイトが邪魔をした。それでも響はブレイズフレイムを振り抜いた。
 剣戟の音が響く。
「アタシらは先陣だ。きっちりと一番槍の役目を務めるよ!!」
 刹那の鍔迫り合いののち一度刃を引き、再び踏みこんだ響が鼓舞する。
「はい、先陣の役目、果たしてみせます!!」
 ゴブリンメイジを倒し、ゴブリンナイトへと接敵した奏。
 繰り出された敵剣を白銀の小盾でいなす。
 その時、猟兵の攻撃がゴブリンキングを掠め、二体は即座に消失した。

「我らが糧となる生き物がきおったわ!
 集えゴブリンども!
 こ奴らは活きが良い――生かして返すな、首を狩れ!」

 語尾のゴブは何処にいったのか、真剣ゴブリンキングの鼓舞が広がる戦場へと行き渡る。
「「「ゴブ!!」」」
 士気上昇の色を見せたゴブリンたちへ、瞬が氷晶の矢を次々と射った。
 陽射しを反射する矢が、真昼の流星が如く放たれていく。
 それを追うように冬青が駆けた。
 片手には花髑髏、そしてもう片方の手には脇差――不死蝶。
 片脚を軸に、やや身を屈め旋回する冬青の刃に掛かった奴隷ゴブリンが消滅していく。二刀を翻し、斬り上げ、薙ぐ姿は舞うように。
 突如、背後に向かって切っ先を向ける冬青。重々しい肉を貫く手応えは、死角からの攻撃を阻止したもの。
 切り開かれる道を進んでいくのはアヤネだ。
 記憶消去銃の光線が、新たに出現したゴブリンメイジの体を灼き貫き、怯みをみせた隙にゴブリンキングへと接敵する。
「その桜色の石は返してもらうよ。――ほら、裏側に僕の名前が書いてあるだろう?」
「何っ」
 思いもよらぬ問いかけであった。カランと音を立て思わず確認するゴブリンキング。
 もちろん名前は書いていないけれど、これこそが狙い。生じた疑問にアヤネは笑んだ。
「謎でも喰らえ!」
 召喚した絡みつく紫の触手のかたまりが、謎を喰らう触手を飛ばし、ゴブリンキングを絡めとる。
「屍山食らいて実を結び」
 漆黒の吸血武器と化した刀を振るう冬青。斬撃はゴブリンキングの体液を得る。
「血河飲み干し咲き誇れ花髑髏!」
 不死蝶と交差させた衝撃波がゴブリンキングを襲った。攻撃を受けながらも、飛び退き彼我の距離を作るゴブリンキング。
 逃さないとばかりに、響が武器を振るい――ゴブリンキングは杖をかざした。
 詠唱なく、王の意を汲んだかのように、二百もの奴隷ゴブリンが現われ、猟兵たちを押し戻していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

リュカ・エンキアンサス
※アドリブ歓迎
まずは挨拶代わりに射撃
その後突っ込んでナイフを抜く
ゴブリンキングの腕を切り落とす気概で
床に落ちる前に桃色の石をキャッチできたら、遠距離にいる安全そうな人のところに投げて渡す
後は頼んだ
その後は距離をあけて撃つ……とまあ、そんなにうまくはいかないよね。流石に
絶望の福音でなるべく攻撃を避けつつ、懐にもぐりこんで手早くナイフを使って配下から倒す
俺は力がないから暗殺寄りの急所を狙った攻撃になる
いざとなったら零距離射撃で撃つけど、洞窟で周りに敵じゃない人がいるとなればなるべく避けたい

終わったら、何かひとつガラクタの中から記念になりそうなものでも持って帰ろうかな
別に高価なものじゃなくてもいいよ


糸縒・ふうた
アドリブ・絡み・改変等歓迎

うわぁ…、なんだか偉そうなヤツだなぁ
皆に働かせて自分だけ楽をしてるなんて、嫌いだ
さっさとやっつけよう

きっと仲間が奇襲をしてくれるだろうから
成功した後に崖から飛び込もう

万一着地に失敗するようなら【疾風】に乗せて貰って
そのまま手下たちを確実に一匹づつ仕留めていく

激励は【人狼咆哮】で打ち消して
手下にぱわーを与えないようにするぜ


倒せたら動物たちを解放してあげよう

怖かったよな、遅くなってごめんな
みんなのところへ戻って、もうつかまるんじゃないぞ
って【動物と話す】で伝えながら野に帰してやるぜ


泉宮・瑠碧
生きたまま、なら…動物達も助けられるな

僕は主に援護射撃と動物達の保護

気付かれる前に
側面の方へと静かに移動しておこう
真っ直ぐ動物達の付近を狙える様に

開戦次第
動物が被害を受けない様に
その付近のゴブリン達を動物に近い順から射るぞ

戦奴へは撃った矢を分散して範囲攻撃
親衛隊登場時は解除狙いでキングを射る

精霊祈眼で
動物達が傷付かない様に風の精霊に願う
多少の石や余波なら吹き飛ばして

メイジの炎魔法に関しては水の精霊に
仲間も、動物も、炎から守って
発現する炎に対して水で包んだり、対象へ水の覆いで軽減を

自分への攻撃は第六感も使って見切り
或いはオーラ防御

終えれば
動物達の捕縛を解き
ゴブリン達が静かに眠れるよう、そっと祈る


アルバ・アルフライラ
収集癖を持つ分には一向に構わんが
人へ害が及ぶのであれば見過ごせまい
…何より私が見逃す訳なかろう、馬鹿者めが

貴様が王ならば、此方は女王に御登場願おう
描いた魔方陣より召喚するは【女王の臣僕】
ゴブリンキングだけではなく
護衛のゴブリンごと、芯まで凍らせてやるとしよう
ふふん、私に数で挑もうなぞ良い度胸だ
我が魔術に掛れば奴隷ですら容易く殲滅してくれる

他猟兵に対する連携、援護は怠らぬ
我が第六感もある程度は働いてくれるだろうよ
隙を狙われる、死角を取られる等の危機を察知した際は
即座に高速詠唱で魔術を行使
そう簡単に刃が通ると思うな

貴様には無用の長物だろう
――その石、此方に返して貰うぞ

(従者、敵以外には敬語で喋る)


四宮・かごめ
なるほど。あれが本陣にござるな。
あそこにいる大将を討ち取れば、村の祭りも恙無く行われるでござろう。

とはいえ、いささか護衛が邪魔にござるな。
他の猟兵に追従。忍法四宮流・梁塵秘抄を使い、味方の【援護射撃】をするでござるよ。
少しでも多くの敵を巻き込む為に、【目立たない】や【地形の利用】などで、戦場での位置取りを常に気にするでござる。
本陣奥まで押して行き、大将が攻撃範囲から逃げられないようになれば此方のもの。
普段から数に頼っていれば、崩れるのも一瞬にござる。

ふむ、おかしなものばかり集めているようでござるな。
変わった種族にござる。

※アドリブ絡みOK



「なるほど。あれが本陣にござるな。
 あそこにいる大将を討ち取れば、村の祭りも恙無く行われるでござろう」
 急勾配な場を滑るように駆け降りていくかごめ。
 戦いの音が彼女の耳に届いていた。
 進むにつれ、加速に追いつかなくなる進路の対処は木々を掴むことで方向を定める。
 最後の数メートルは跳躍し、茂みから虚空へと。
 着地した瞬間、ゴブリンキングの鼓舞が耳を打った。

「我らが糧となる生き物がきおったわ!
 集えゴブリンども!
 こ奴らは活きが良い――生かして返すな、首を狩れ!」

 朗々と響き渡るゴブリンキングの声に対し、ふうたが崖上から人狼咆哮を放ち、大音声を抑え込んだ。
 そして、不愉快そうに呟く。
「なんだか偉そうなヤツだなぁ。
 皆に働かせて自分だけ楽をしてるなんて、嫌いだ」
 先陣を切った猟兵の奇襲は成功といったところだ。
 だが召喚されたゴブリン親衛隊も、思考・機動は働いているようで、ゴブリンキングの守護は固い――崖上から、そう判断するふうた。
「……さっさとやっつけよう」
 呟き、崖先へと手を掛けながら眼下を見る――見当をつけた着地点――その先。
 瑠碧は捕まった動物たちの近くにいるゴブリンを水の矢で射る。
 そっと側面へと回っていた瑠碧は、まずは動物たちを助けるために動いていた。
 動物とゴブリンの間、その側面となる位置は見通しが良く、次々と射放つ瑠碧。
「ゴブゴブッ!」
 射手に気付いたゴブリンが即座に連携し、飛びかかってくる。
 強く弦を引き放った瑠碧の水の矢が、一本から分散して様々な射線を描き、奴隷ゴブリンたちを迎撃していった。
 その最中へと飛びこんできたのはふうただ。
 途中、崖の陰から生まれた狼に乗り、着地したふうたが疾風でゴブリンを狩る。攻撃が当たれば瞬時に消滅する奴隷ゴブリンはみるみると数を減らしていった。
 生まれた間隙に滑りこむように、リュカ。
 スリングを滑らせれば、愛用しているアサルトライフルの銃口が容易く敵を捉えてくれた。
 だが、その射撃はゴブリンナイトの盾によって受け止められる――もとより挨拶がわりだ。
 隙間隙間に放つ一手。
 灯り木の立てる音を耳にしながら、踏みこんだリュカがゴブリンキングの腕めがけて斬りつければ、傷付いた片腕は『容器』を手放し、親衛隊が消える――。
「これを……!」
 そう告げて後方へ投げるリュカ。後は頼んだとばかりに投げられた容器、中の桃色の石を受け取ったのはアルバだ。
 瞠る青は一瞬。意図を察するのは早かった。
「――確りと守り抜いてみせましょう」
 応じる声のアルバが「宝」を守ろうとする姿、そして「宝」を奪ったリュカへと、ゴブリンキングは激昂する。
「返さぬか!!」
「貴様には無用の長物であろう?」
 ゴブリンキングへ向けるアルバの声色は鋭利。
「ええい、奴隷ゴブリンよ、盗人どもを殺せ!!」
 新たに召喚される奴隷ゴブリンの数はおよそ二百。
 一気に膨れ上がった殺気に、動物が恐慌状態へと陥ったのを背に感じた瑠碧が精霊へ願う。
 動物たちが傷付かないように、殺気も、戦いの余波も、吹き飛ばすように――風の精霊は応えるように清涼な風を生みだす。時にそれは敵を遠ざけるべく強い向かい風へと変化した。
「みんな、落ち着いて」
 ふうたの声が荒立つ動物たちを凪ぐ。
「貴様が王ならば、此方は女王に御登場願おう」
 アルバが描く魔方陣が青き蝶が召喚される――清涼な風のなか、清廉な青が無数に舞い、幻想的な光景を生み出す。
 蝶の冱てる鱗粉は、次々と奴隷ゴブリンたちを凍てつかせ消滅させていった。何しろ、羽ばたき一つで降る鱗粉は数多故に、
「ふふん、私に数で挑もうなぞ良い度胸だ。我が魔術に掛れば奴隷ですら容易く殲滅してくれる」
 アルバを中心に渦を描くように舞う蝶は、奴隷ゴブリンを寄せ付けない。
 そこへ相乗し舞い拡がる花吹雪――花弁を視認したアルバは、記憶のそれを探り当て呟く。
「珍しい花を目にしました。竹の花ですか」
「――四宮流、とくとご賞味あれ」
 かごめの忍法四宮流・梁塵秘抄。数十年から、百年に渡り一度だけ咲くか否かの竹の花。希少な花弁が、かごめの周囲の敵を攻撃していく。
 エルフの忍びであるかごめの脚は止まることなく、駆け続ければやがて奴隷ゴブリンの全てを範囲内へとおさめた。
 消え去る奴隷ゴブリンたち。
「普段から数に頼っていれば、崩れるのも一瞬にござる」
 ゴブリンという肉壁を失くし、動揺したゴブリンキングへ猟兵たちの攻撃が放たれる。
 杖をかざすのを阻止し、奴隷ゴブリンを召喚する暇を与えない。
「――ええい、やられてたまるか、ゴブ!!」
 その時、指輪を煌かせたゴブリンキングは、新たな親衛隊を召喚した。
 出現と同時にゴブリンメイジから放射状に放たれる火炎へ、瑠碧が水の精霊に願い対抗する。
 迸る水が炎を覆い抑え込んでいく。
 召喚位置を上空に指定されたらしきゴブリンナイトが、易々とアルバの元へと降り立った――着地とともに薙ぐ剣を、高速詠唱による魔術で阻止するアルバ。
 衝撃から、思いもよらぬ高らかな剣戟の音が放たれ、ゴブリンナイトは戸惑う様子を見せた。
「そう簡単に刃が通ると思うな」
 一方、掻い潜るように肉迫したリュカが取るのは敵の死角――対角には、疾風に騎乗したふうたが躍り出て敵の目と意識を惹きつける。
「ゴブ!?」
 くるりと旋回した疾風がゴブリンキングを尾で叩けば王はよろめき、ゴブリンメイジとゴブリンナイトが消える。
 そして、体勢を崩した敵首めがけリュカの短剣が放たれた。
「ご、ごぶッ……ッ」
 断末魔をあげることすら叶わず、ゴブリンキングは倒されるのだった。


「キュウ」
 冬毛のもふもふ。
 まるまるとした動物にかけられた縄を解く瑠碧。
 ゴブリンたちの餌として捕獲されていた動物たち。
「もう大丈夫だ」
「怖かったよな、遅くなってごめんな」
 瑠碧とふうたが動物たちへと声掛ければ、留まって見上げてくるもの、跳躍し山を駆けて行くもの、と様々な反応。
 がたがたと震え続けている動物もいて、ふうたはその小動物を抱き上げて獣道へと向かっていく。
 撫でて続けると次第に落ち着いてきて、しばらくしてからそっと地面へとおろす。
「みんなのところへ戻って、もうつかまるんじゃないぞ」
「くぅ」
 恐る恐ると、頼りない足取りで茂みへと入っていく小動物。
 他の動物たちを見送った瑠碧は、戦場を改めて見回して、ゴブリン達が静かに眠れるよう、そっと祈る――。

「ふむ、おかしなものばかり集めているようでござったな。変わった種族にござる」
 ゴブリンのお宝。
 珍しい装飾の杯や、小さな金槌。
 キラキラとしたお手玉かと思えば、クッションに打たれた小玉の待ち針と。
 小袋には植物の種が入っており、どんなものが育つのかは不明。
 ブージと呼ばれる長柄の戦斧もいくつかあり、リュカはそれを手に取った。装飾は部族に依存しているようで様々だ。
 馬上用の武器ではあるが斧部はダガーのようで、扱いやすそうではある。
 近接に短剣、遠距離に銃、中間用としてブージは使える武器だ。
「ひとまずは春の石を流れに戻しましょう。
 村の者が、今か今かと待っているかと思われます」
 と、アルバ。
 猟兵たちは急ぎ、あらかじめ地図に示されていた流れへと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『キッピスの宴』

POW   :    獣を狩って鍋の具材を確保する

SPD   :    罠や弓を屈指して鳥や小動物を狙う

WIZ   :    宴を美味しく楽しくする為に工夫する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 桃色の石が入った容器を水の流れへと乗せ、猟兵たちは見送る。

 山頂から麓まで。
 川下で待機していた村長は、無事に春の石を迎え、春の訪れはもうすぐだろうと村々の者へと告げた。
 春の女神役の村娘の手で、社へおさめられる春の石。

 今季の流れでは、様々なことがあったのだと――それを知るのは、猟兵と、山の動物と、春の石だけだ。
 それでいいのだ。
 恙無く春を迎える準備をしていく、アックス&ウィザーズの住人。
 準備をするのは人間だけではない。
 不思議と、冬眠していた生き物も外へと出てくる。
 雪解けは目に見えて加速して――何かの力が働いているようでもあった。
 鳥のために冬の果物を木々に刺し、山駆ける動物のため見回り兼ねた山師が餌場と狩場の調査へと赴く。

 本日は宴と、そしてしばらく開かれる市の準備が主だ。
 生きるための糧や、準備の手を土産に、村へ赴く猟兵たち。
 大きな鍋を囲い、皆で食べ、明日のための元気を得る宴。
 乾杯の音頭は何度もとられることだろう。

 市場では、様々な植物の苗や球根、種、肥料、工芸品が売買される。
 自ら育てるための花の種を買ってもいいだろう。
 村の人間が改良してきた花は、この地特有のものであり、寒さに強い。
 工芸品の鉢は、村独特の紋様が入っている。

 農耕文化の祭り会場を眺めながら、猟兵たちは歩く。
真宮・響
【真宮家】で参加。

春を迎えて、農耕を始める為のお祭りか。農耕は季節を通じて行われる大変な作業だ。こうして力を付ける為の準備も必要だ。アタシら家族も加わらせて貰おうかね。

宴の準備の手伝いをする瞬を村に残して、アタシは奏と獣を狩りに行こうかね。女2人は力仕事の方が性に合ってる。野外での活動は慣れてるからね。奏と2人ならいい獲物が沢山取れるだろう。村の人達が喜んでくれれば、凄く嬉しいよ。その笑顔が、何よりのご褒美だ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

お祭りが無事に開催されるようで良かったです。農耕という大変なお仕事をやる前の準備の宴、私達もお手伝いさせて貰いますっ。

瞬兄さんは宴のお手伝いの為、村に残るので、私は響母さんと獣を狩りに行きます。はい、私はこういう動く仕事が性にあってます。私と響母さんの手にかかれば、沢山の獲物が採れますね!!皆さんがお腹一杯になって力が付けれるように頑張っちゃいますよ~。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

滞りなくお祭りが開催されるようで何よりです。春を迎え、農耕を始める前のお祭り。ささやかながら僕達家族もお手伝いさせて貰います。

響母さんと奏に任せておけば充分に鍋の具材が確保できると思いますので、僕は宴のお手伝いを。食器と鍋を運ぶとか獲物を捌くのは人手がいるでしょう。僕でよければ何でもお手伝いします。こういう何気ない日常を護ることが、僕の戦う理由です。



「お祭りが無事に開催されるようで良かったです」
 村に入った奏が、場の雰囲気を見て笑顔で言った。
「春を迎えて、農耕を始める為のお祭りか。農耕は季節を通じて行われる大変な作業だ」
 うんうんと頷く響。
 準備にあたる期間の祭りは、英気を養うという意味ではとても理にかなっていると考える。
「春を迎え、農耕を始める前のお祭り。ささやかながら、僕達家族もお手伝いさせて貰いましょう」
 と瞬。
「それじゃあ、宴の準備をしている人に話を聞きに行きましょう」
 辺りを見回していた奏がそれっぽい人を見つけ、真宮家は声をかけた。
 村の風下には肉を捌く場があり、祭りのための糧はいくつあっても足りるということはない、ということだったので――。
「じゃ、アタシは奏と獣を狩りに行こうかね。アタシたちは力仕事の方が性に合ってる。
 野外での活動は慣れてるしね」
「あらあら、まあ、勇ましい女冒険者さんだねえ」
 にこりと村の奥さんが、任せてくれよ、と請け負った響へと微笑んだ。
 奏もまた響の言葉に応じ、笑って頷く。
「はい、私はこういう動く仕事が性にあってます。
 私と響母さんの手にかかれば、沢山の獲物が採れますしね!!」
「娘さんも頼もしい限りだねえ」
「皆さんがお腹一杯になって力が付けれるように頑張っちゃいますよ~」
 ぐっと拳を作って言う奏。
 元気に手を振って狩場へと向かう響とどこか軽やかな足取りの奏を見送った瞬は、宴の手伝いだ。
「充分に鍋の具材がやってくると思いますので、こちらはそのための準備をしてしまいましょう」
 てんやわんやとしないためにも、下準備は必要だと瞬。
 捌くのは主に男衆の仕事となっているようで、手伝いにやってきた村々の男たちが頷いた。

 村の人にあらかじめ、大きな食用獲物を聞いてきた響と奏は次々と獲物を狩っていく。
 猪のような獣――。
「奏、今だよっ!」
「はいっ」
 真っ向からの突進を受け止めきった響の声に、準ずる娘のどこか柔らかな声。
 真横から一突きした奏の剣、横薙がれた響の斬撃に、獣はどおっと地面へと倒れた。
 ある程度の血抜きを同時に行いつつ、大きな一本の枝に手足を縛り確保。
「あ。
 あそこにも」
 母へと声を掛ける奏。
「春めいたせいか、獣も餌を探して出てくるんだろうね――……おや……?」
 遠く、茂みから出てきた角のあるしなやかな体躯の獣――それに続く小さな個体。
「親子のようですね」
 そう言って見送る奏と、響。
 この遥か先には整えられた農地があり、その手前には実りが豊富となるよう丁寧に手入れされた小さな野山がある。人の手が用意した、獣たちのための餌場だ。
 その方向に行く動物たちは、なるべく見過ごすようにと村の者に言われている。
 持ちつ持たれつ、世界は共存共栄であることが分かる場面であった。
 どこかあたたかな気持ちで二匹を見送った親子は、次の狩りをすべく場所を少し移動していく。

「ただいま!」
 帰ってきた響と奏。たくさんの獲物。
 新鮮なうちにと捌き手が手分けして受け取っていく。
「おかえりなさい」
 出迎えた瞬もまた、縄に括られた鳥四羽を受け取った。
「ああ、ありがたい。血抜きは終えているのですね」
 湯につけると羽毛は抜きやすくなるらしいが、肉の旨みを逃さないために、そのままむしる方法がとられている。
 瞬が周囲を見渡すと黙々と村の者が作業しており――その表情は真摯そのものだ。
 改めて、命をいただくということはこういうことなのだと、分かる。
 それでも、いざ調理して炙ったりする場面になると芳しい焼き鶏肉の香りがして、その時には皆笑顔。
 元気の出るハーブを加えようとする女性陣に、味付けに関して物申す男性陣。
 あっさり香味派とこってり味派の図に、いつものことだと笑う者たち。
 そんな光景を見て微笑む瞬は、ふと、
「……こういう何気ない日常を護ることが、僕の戦う理由です」
 そう呟いた瞬の背を、響はぽんと軽く添えるように叩いた――表情は穏やかな微笑み。
 言葉はいらない。それは、ここに在れば通じるものなのだ。
 そんな絆を、真宮家は持っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四宮・かごめ
ふむ。祈年祭にござるか。
故郷では木六竹八などと申し、
この時期はあまり力になれない事が多々。
此処ではどうでござろう。

【WIZ】
食事の席を華やかにする籠を編むでござるよ
素材は有れば何でも
果物や花などを盛り付けられるように形は浅く広く。
編みは……六つ目籠の要領で良いでござろう。安上がりだし。
底を編んだら立ち上げ、体全体を使って形を丸く整えつつ、【早業】でさっさと編み進めていくでござる。
太めの材料を鉈で半分にして縁を当て、細く柔らかい材料で縁を巻き締めて完成。最後に【掃除】も忘れずに。

まぁ、遅くとも一日一個と言ったところ
幾つか出来たら鉢と物々交換を持ちかけてみるでござる。

※絡みアドリブOK



「ふむ。祈年祭にござるか。
 故郷では木六竹八などと申し、この時期はあまり力になれない事が多々……」
 さもありなん。かごめの呟きは、伐採に適した時期を考えたもの。
 とりあえずはそれを見聞きしてみようと、彼女は村を見て回る。
 冬ごもりのために蓄えた木々や蔓は手仕事として保管されているようだ。そして何やら慌ただしい。
「手伝えることはあるでござろうか?」
 かごめが花を運び入れる村娘へと声を掛ければ、ぱっと振り向かれた。
「手伝ってくれるんですか!?」
「う、うむ」
 鬼気迫る様子の村娘におされつつ頷くかごめ。
「この時期は本当に、忙しさが急にやってくるんです」
 かごめを招き入れ、作業場へ案内する村娘。コの字型に建てられた、やや頑丈な建物は普段は宿屋として機能しているらしい。馬小屋、旅のための細々した道具のための修理屋と長屋の様に連なっている。
 その中庭。
 日干しされるあれこれ――その中には、かごめの得意とする編まれた籠もある。
「リャナン姐さん、冒険者さんが手伝いに来てくれたよ!」
「良いところにきた! エルフさんかい、アンタの出来そうなことはあるかい?」
「籠作りは得意としているでござるよ。素材は有れば何でも」
 リャナンと呼ばれた恰幅の良い女は、かごめに良い笑顔を向けた。あ、いま、段取りに組み込まれたでござるな……と察するかごめであった。

 食事の席を華やかにする籠を編むかごめ。
 六つ目編みの要領で籠を作っていく。小さければ、すぐに。大きければ、それなりの時間をかけて。
 底を編んだら立ち上げて、体全体を使って形を丸く整えつつ、ささっと編み進めていく。
「こんなところでござろうか」
 太めの材料を割鉈清左で半分にして縁を当て、細く柔らかい材料で縁を巻き締めれば完成だ。
 傾けていた体を正し、籠をかざして現状の出来栄えを眺めるかごめ。
 素材によって出来上がりの感じががらりと変わる編み籠。
 籠は果物や花を盛り付けて、と。
 精を出していると「休憩だよ」と声を掛けられ、リャナンや村娘たちとともに差し入れのプティングを食べた。
 温かなそれにはドライフルーツがたっぷりと入っていて、結構な食べ応えがある。
 そこで女性陣による市の情報も仕入れ、しばらくをそこで過ごしたのち、籠編みの手伝いを終えたかごめは別れを告げて、場を後にした。
 立つ鳥跡を濁さず、掃除もきちんとしてから――。

 手伝いとともに作った別の籠。鉢を売る店で物々交換をかごめは持ちかける。
「おや、意外としっかりと作っているね」
 ぎゅっと籠の底を押した店主が満足そうに頷いた。
「まあ、ゆっくり見ていきな」
「そうするでござる」
 店主の言葉に、こくこくと頷くかごめ。
 売られている鉢は色々で、木工品から陶器とある。白地に薄らと緑が出ている鉢を手に取った。描かれているのはこの地特有の植物だろうか。
 パズルのようになっている木組みの鉢もあり、ふむふむ、とかごめは選んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と一緒】
お疲れさま!
ソヨゴが格好良く決めてたネ

祭りの準備を手伝おうか
食卓に飾る花でも集めてみよう
野山を探して回ろうかと思うけど
市場でも見つかるだろうか
ソヨゴと一緒に花を探して回るよ
こうして異界の植物を眺めるのは飽きないネ

マハロ・ヌイ?それほど経っていないのに懐かしく感じるネ
そういえばあの夜のことを説明したいと思っていたんだ。いずれ機会を作ったら、長話を聞いて欲しいな

そうだネ。事務所は殺風景だし。窓際は飾りの一つもない
あの辺りならいいかも

そうだ。戦闘後でソヨゴはお腹がすいているだろう
鍋物とかあるみたいだし、いただきに行こう


城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と一緒に行動】
石も川に返したし
村も一安心ですね
さて私達は宴に飾る花でも見に市場で見ていきますか?
市場がまだ始まってなかったら野山で見つけるのもいいかもしれません

そういえば前にアックス&ウィザーズに来た時も花を見ましたよね
マハロ・ヌイと一夜のだけ咲く花…
流石にあの花と同じ種類は無いでしょうけど
似ているものはあるかもしれません

長話ですか?いつでもどうぞです!アヤネさんが話したくなった時でいいですからね

あ、そうだ!アヤネさんの仕事場に花を飾るのはどうですか?
あそこ日当たり良いですし

あはは
お腹減ってるのバレちゃいましたね…
はい!ご飯食べましょう



「これで、村も一安心ですね」
 にこりとした冬青は、アヤネを見てから周囲を見回した。
「さて、私達は宴に飾る花でも見に……っと、市場はまだ準備中みたいですね。
 野山で見つけるのもいいかもしれません」
「そうだネ……まずはあっちの方角を目指してみよう。山上から、花畑みたいな場所が見えたんだ」
 地図を出し、「ほら、ここだよ」とアヤネが指さす一点には農耕地とは別の、整えられた土地がある――近くに赴けば、花摘む村人がいそうな気がした。
 ふもとの雪は完全に消えていて、緑の大地に華やかな色合いの花々が咲いていた。
 向こうには土がむき出しの大地が広がっており、所々は青々とした雑草が生えているようだ。
 近くにはあちこちに村娘たちがいて、花を摘んでいるのだが――忙しそう。
「あ、あのっ、私達もお手伝いします!」
「ほんと!?」
 冬青が近付き声をかければ、助かったとばかりに笑顔を向ける村娘。
「ありがとう! まだ色々とやらなきゃいけないことが多いのよ。一緒に花を摘んでくれるかしら?」
 それぞれ花摘み籠を受け取る冬青とアヤネ。
 赤、青、白、ピンクと多種多様な花たちを摘んでいく二人。
「こうして異界の植物を眺めるのは飽きないネ」
 とある場所には、地面に花輪ばかり――よくよく見ればそれは蔓で、くるくるとロールしている。
 自然にできた花輪だ。
 どこか楽しそうにアヤネが刈り取っていく。
「そういえば前にアックス&ウィザーズに来た時も花を見ましたよね。マハロ・ヌイと一夜のだけ咲く花……」
 青の燐光舞う光景を思い出しながら冬青が言った。
 流石にあの花と同じ種類は無いでしょうけど、と呟いて、手まり咲きの青花を摘む。
「マハロ・ヌイ? ――それほど経っていないのに懐かしく感じるネ」
 アヤネの声がふわりと柔らかくなり、冬青は顔を上げて彼女を見る。
 緑の瞳――目が合った。きょとんとする冬青へ、アヤネが言う。
「……そういえば、あの夜のことを説明したいと思っていたんだ。いずれ機会を作ったら、長話を聞いて欲しいな」
「長話ですか?」
 冬青はぱちぱちと瞬きをしたのちに、にっこりと笑顔。
「いつでもどうぞです! アヤネさんが話したくなった時でいいですからね」
「うん、ありがとう」
 明るい冬青の声にこくりと頷いて、アヤネもまた微笑んだ。

 花を摘んで、食卓を飾る花――手作りの籠に悩みながら盛ってみれば一層に華やかさを増す。
 手伝いのお礼に、と焼き菓子を受け取った二人は、ようやく開かれた市へと向かっていった。
 そこには花の苗や種、寄せ植えられた花などがあり、少女たちはひとつひとつ見ていく。
 風に戦ぐ葉と花の音を聞き、一つの花鉢の前で足を止めた。
「綺麗な音だネ」
「赤い小花が実のようですね~」
「花や葉から小鈴のような音がするだろう? 低木の一種なんだがね、成長はここでほぼ止まるから、室内用なんだよね」
 店主の言葉に、まじまじと観察しはじめるアヤネと――冬青はポンと手を打った。
「あ、そうだ! アヤネさんの仕事場に花を飾るのはどうですか? あそこ日当たり良いですし」
「そうだネ。事務所は殺風景だし。窓際は飾りの一つもない……あの辺りならいいかも」
 そう話し、購入した花を大事に抱えたアヤネが今度は「そうだ」と呟く。
「戦いの後で、ソヨゴはお腹がすいているんじゃないかな。鍋物とかあるみたいだし、いただきに行こうよ」
 ハッとして姿勢を正した冬青が、そろそろとアヤネを見る。
「あはは……お腹減ってるの、バレちゃいましたね……。
 はい! ご飯食べましょう」
 良い返事に、ふっと同時に微笑み合って、二人は軽やかな足取りで次の場所へと向かっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リュカ・エンキアンサス
※アドリブ、ほかの方との絡みも歓迎

のんびりと市を見て歩こう。
ちょっと自分の中では変わった武器(ブージ)を手に入れたから、無表情ながら自分の中では若干上機嫌で
剥き出しのままで持つのは危ないから、カバーを探して……とか色々算段しつつ、あれこれ市を見て回ります
ああ、それとひとつ花の種を
なるべく香りの強いものがいい。夜に香る花であればなおいい、かな
特に意味なんてないよ。なんとなく
ただ、いつかどこかでまたこうして訪れた場所でまければいいなと思うだけで

そんな風に楽しみながら、
幸せそうに歩く村の人々を眺めている
自分はこうやって地に足をつけて生きることは出来ないけれど、
そういう人を見るのが好きだから



 のんびりと市を見て歩くリュカ。
 時折、じっと店の品を見つめ、緩やかに歩を進めていく。表情はいつもの通りだが、歩み始めの一歩目は少し軽くて、若干上機嫌の様子。
 先程手に入れた、ちょっと変わった武器は布でぐるぐる巻きにしていた。
(「剥き出しのままで持つのは危ないから、カバーがあればいいな」)
 と考えつつ、見て回る。
 見かけた村の道具屋は何でも屋の一面もあるようで、売り場の隣では実演販売だろうか――仕事の様子をしばらく眺めた。
 革製品のデザインも多種だと頭に入れつつ、リュカは花の種も見ていく。
「何かお探しかい?」
 種屋の店主からの声掛けに、やや目を瞠るリュカ。知らぬ間に夢中になって結構歩き回っていたようだ。
「花かい?」
 続く声に頷く。
 どんな花を探しているのか、と目で問うてくる店主にリュカは少し考えて、
「なるべく香りの強いもの――夜に香る花であればなおいい、かな」
「ふむ……? となると、改良したこの二つかな。
 一つは、つる性でアーチなどに這わせると香りが上から降ってくるヤーライシャン。
 星型の花が咲く。
 もう一つは、ムラサキマツリ。香りは強めで、紫や白の花が咲く。こっちは生育旺盛で、丈夫だな」
 手渡された種は仄かに温かい。よくよく観察してみれば、陽射しが集まるように加工された売り場だ。
 店主の言葉を吟味しつつ、じぃと手元の種を見るリュカ。
 その姿は悩んでいるようにも見えたのだろう。店主は言葉を重ねた。
「花を買い求めるお客さんは、色々だ。癒しのため、庭を整えるため、仕事のため、薬効やら様々だが、お前さんはどんな目的で花を求めるんだい?」
 何か力になれるかもしれない、と。
「特に意味なんてないよ。なんとなく」
 視線も、表情も動かさずにリュカは答えた。
「ただ、いつかどこかで、またこうして訪れた場所でまければいいなと思うだけで」
 なるほど旅人さんか、と店主は呟き頷くのだった。

 購入した種袋を鞄に入れたリュカは、次は、と思い周囲を見回した。
 そこには農事暦とともに生活を営む人々がいて、今はそのための祭りを楽しんでいる。
 幸せそうに歩く村の人々を眺めるリュカ。
 彼自身は――こうやって地に足をつけて生きることは出来ないけれど、そういう人を見るのは好きだから。
 買い物や宴のなか話される明日のこと――人の声は、春の調べのようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・アルフライラ
(従者以外には物腰柔らかな敬語を話す)

私は力仕事には向かぬ故な
なぁに、かといって何もせぬ訳ではない
【賢者の提言】による作業の効率化位は出来るだろう

活気溢るる市を巡りつつ珍しい品物がないか物色
ふむ、この地特有の花か
それは実に興味がある
一つ一つ、どの様な花が咲くのか質問
そうさな…薬の原料になり得るもの、鮮やかな花を咲かせるものを幾つか頂くとしよう
出来れば従者へ土産を用意したいが…
多少雑な者でも枯らす事のない花はあるだろうか?
それと工芸品である鉢も合わせ、奴の部屋に飾ってやるとしよう

買い物の後、大きな鍋料理を暫し見詰め
同じ釜の飯を食うという言葉があると聞くが
…ふふん、もしかするとその通りやも知れんな



 宴の準備を行う村人へ、賢者の提言を行って作業の効率化をはかろうとアルバがそろっと会場に顔を出してみれば、何やら揉めている雰囲気。
「何か、ありましたか?」
 見かねて声を掛ければ、村人は燃やす薪の組み方で揉めていたらしい。
「成程……そうですね、私の知る薪の組み方としては――」
「こ、こうか?」
「ああ、こりゃいい。炭となって崩れても火の粉があまり飛ばないだろうし」
 宴は人が集まるのだから、危険なことはより注意した方がいい。
「あんた、冒険者さんかい? ありがとな」
「いえ、お役に立てたのならば幸いです」
 ――そのように、アルバは気付いた場所へ助言をしていった。
 しばらくすると今や戦場と化した調理場から次々と料理や鍋の材料が運び込まれてきて、ようやく宴が始まるようだと判断したアルバは、来た時と同じように、そっと場を去る。

 次に足を運んだのは活気溢るる市だ。
 今年の農法が掲示されており、誰でもこの地の農事暦が理解できる。
 それを読んだ後は、珍しい品物がないかと物色し歩くアルバ。
 ある店の色とりどり揃えられた栄養剤は、製法、使用法とそれぞれ違うようで、その効能ひとつひとつに目を通す。
 種屋は連なっており、麦、野菜、花と続く。
 店主の説明によれば、寒地に耐えるべく改良を重ねた種たちだ。
(「ふむ、この地特有の花か――それは実に興味がある」)
「これはどのような花が咲くのでしょうか?」
「それは水色の花弁が五つある、ソラマツリだね。雪の様な冷たさを持つのが特徴さ。薬用としては鎮痛と解毒の効果があるよ」
 他にも、山特有の背高植物の紫花。
 風に戦げば小鈴のような音が鳴る、赤い小花。
 一つ一つ尋ねて、生育具合や効能を聞いていると場がぽかぽかと温かなことにアルバは気付く。
 陽射しが集まるようにと建てられたそこは、恐らくは種のためのもの。
 ふと、市が活気溢れる理由が見えた気がした。
(「そうさな……薬の原料になり得るもの、鮮やかな花を咲かせるものを幾つか頂くとしよう」)
「色々と聞かせてくださり、ありがとうございます。
 その中で、幾つか購入したいものがあるのですが――」
 聞いた中で気になっていたものを購入するアルバ。
 多少雑な者でも枯らすことのない花の種――ソラマツリを買う。先程聞いたそれは、生育も旺盛で元気に育つらしい。これは従者への土産だ。
 良い買い物をした、と種袋を手に歩けば、次は工芸品を扱う店。
(「工芸品である鉢も合わせ、奴の部屋に飾ってやるとしよう」)

 買い物を終えた後、宴の会場を通り掛かったアルバは大きな鍋料理をしばし見つめる。
「同じ釜の飯を食うという言葉があると聞くが……」
 呟きつつ、ゆるりと動けば、応じ揺れる水晶一雫。
「……ふふん、もしかするとその通りやも知れんな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉宮・瑠碧
僕は料理の方の手伝いをしようか
これからの農耕の力になりますようにと祈りを籠めて

常の手順通りを手伝いつつ
他は勝手に色々足さずに、他にも調理している者達に確認してから

農耕に備えてなら、栄養価や風邪予防にも良いだろうし
元々の味付けを邪魔しない程度に香草を添えたり
あと、人参の様な煮崩れし難い野菜を花の形に切って入れよう
完成後は人々の分をよそったり配ったりの手伝いを

自分の分はしみじみいただく
邪魔にならない様に端の方で眺めながら、様子にほっこり

あと市場だが、花の種や苗…
環境上、あまり付き添っていられないから今は育てていないが
せめて品を見て回ろう

どの種や苗や球根も見れたら嬉しく…
元気に育ってね、と願いながら


ユーゴ・メルフィード
WIZ:調理のお手伝い
皆で囲む鍋はとっても美味しそうなのじゃ!
どれ、わしも人肌ならぬマンゴー肌を脱がせてもらうかのー

皆が集めた食材を切り分けるなど、料理のお手伝いをしますのじゃ
お肉は丁寧に下ごしらえしてから、食べやすい大きさに切り分け、
野菜は星型の型を使って見た目もファンシーにしてみるのじゃー

もちろん、料理する時は楽しく作ることを忘れないぞい
こうして、こうやったら、お星様なのじゃ!(瞳キラキラ)

手が空いたら、市場にも寄ってみたいのじゃ
食べられる花や野菜の種は、ありませんかのう?
わし特製のシチューパンと交換して欲しいのじゃ!

村の皆が大切にしてきたモノは温かいのう、
わしも大切にしていきたいのじゃ!



 宴は、村や近隣の村総出で準備だ。
 大鍋や卓を運び入れ、薪の用意、飾りつけの花など――毎度の催しなのでやや手慣れたものだが、人手はどれだけあってもいい。
「僕は料理の方の手伝いをしようか」
「わしも人肌ならぬマンゴー肌を脱がせてもらうかのー」
 その中で、瑠碧とユーゴ・メルフィード(シャーマンズゴースト・コック・f12064)は、村の共同炊事場へと顔を出す。
「何か、手伝えることはあるだろうか?」
 瑠碧が炊事場にいる村娘へと声をかければ、快く『料理長』へと取り次いでくれることとなった。
 今期の暫定料理長はシアン。普段は村の食堂で料理を作っているおばちゃんだ。
「手伝いだって!?」
 取り次いでくれた村娘にくわっと目を見開き、そしてそれはそのまま瑠碧とユーゴへと向けられた。
 二人とも首を傾げて目を瞬かせる。泰然としている二人に、シアンは満足気に頷いた。
「経験者優遇だよ、自由にやっておくれ!
 ありがたいね、やることはたくさんあるんだ――ああ、早速、新手が来たね」
 新鮮な野菜が、炊事場へと運び込まれてくる。
「わしは野菜を洗ってきますのじゃ」
 野菜の入った籠をささっと持ち、ユーゴが水場へと歩いていく。
「これは香草だな。色々と混ざっているから、寄り分けた方がいいだろうか」
 香草の入った籠を指先で軽く分けながら瑠碧が問えば、
「是非お願いしたいわ」
 と、取り次いだ村娘の声。
 二人が炊事場に入ってしばらくすると、捌いたばかりの新鮮な肉が到着する。
「肉だ! 肉がきたぞ!」
「どの世界も、肉は人気ものなのじゃー」
 わあっと歓喜する村人を見て和んだのか、野菜を洗い終えたユーゴが言う。
 肉や野菜を仕分けた後は下拵え。
 まずは初めに鍋に投入されるであろう、肉。野菜も大事だが、やっぱり一番消費が多いのは肉だろう。
 ざっくりとしか解体されておらず、大きな肉塊の前に立つユーゴ。
 余分な脂肪を切り落としつつ、形を整えていくユーゴ。筋を切ったり抜いたり、食べやすい大きさに切ってから、次の手順を行う人へ「お願いしますのじゃ」と渡していく。
 味付けの手伝いをする瑠碧は、栄養価や風邪予防にも良い香草を、シアンや担当の人と話し合いながら使っていく。
(「これからの農耕の力になりますように」)
 と、祈りを籠めて――。

 葉野菜はざっくりと切り分け、雪下で育ち旨味のつまった根菜は満遍なく火が通るように――しかし、宴なのだ。ちょっとした遊び心も必要だろうと、この作業は皆が楽しく挑戦する場でもあった。
「これを、こうして、ここを、こうやったら――お星様なのじゃ!」
 瞳をキラキラとさせてユーゴが作るお星様。
「僕は花の形に切ってみたよ」
 と、丸い花弁の花を作ってみた瑠碧。他にも村娘たちが動物をまねた形だったり、簡単な文字や記号だったりと、色々と作っていく。
 勿論、追加のための具材も必要でなかなか終わりの見えない調理場ではあったが――美味しそうな匂いが漂った時、シアンが「ここまでだよ!」と皆に声をかけた。
「そろそろ皆、手を休めて鍋を囲もうじゃないか。
 お腹が満たされたら、後は班ごとに交代しつつやりくりしていこう」
「「「お疲れさまでした!」」」
 わあっと賑やかさが数段跳ね上がった。
 鍋を大きなお玉でよそい、やってくる人々の手に器を渡す瑠碧。手伝いに来た村々の者、商隊の一行や依頼され仕入れに来た冒険者と、様々な人と出会った。
 一息入れる時は、邪魔にならない様に端の方へ寄る瑠碧。
 そうやって食べながら、鍋を行き来する人を眺める。複数の器を持って、店から離れられない人へと持っていく娘たち。
 仲の良い親子。
 子供の集団は根菜の形を比べ始めている。崩れた根菜は、何を模していたのかは永遠の謎だ。

 ユーゴは市場を見ていく。
「食べられる花や野菜の種は、ありませんかのう?」
「今から種まくなら、花はナスタ、野菜はカヴィだな」
 ナスタは赤い花が咲き、葉・茎・果実も食べられるのだと店主が言った。
 作られる料理、調理法、育て方などを説明する店主と「ほう、ほう」とメモをとるユーゴ。
 世界によって、地方によって食文化も違う果てのない探求。
 好奇心は尽きず、様々な種へと目を向けるユーゴ。
「それで代金だが、何かあるなら物でも――」
「わし特製のシチューパンと交換して欲しいのじゃ!」
 一見は丸いパン。中身は……察した店主の喉が鳴る。鍋を食い損ねている現在進行形の店主との交渉はさくさくと進み、色々な種を手に入れるユーゴであった。
(「村の皆が大切にしてきたモノは温かいのう、わしも大切にしていきたいのじゃ!」)
 種の入った袋を丁寧に持ち、市場を歩く。

 環境上、あまり付き添っていられないからと今は植物を育てていない瑠碧は、せめて品を見て回ろうと思い市場を歩いていた。
 高山特有の背高花の球根、薬効のある葉が青々と茂る植物の種、説明書きを読みながら見て回る瑠碧の目は優しい。
(「元気に育ってね」)
 種や苗たちへ、そう願いながら。

 人も、動物も、植物も、芽吹く時。
 その地の歓びをその身に感じながら、猟兵たちは春のひと時を過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日


挿絵イラスト