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BATTLE/HALLOWEEN

#グリードオーシャン #お祭り2022 #ハロウィン

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#グリードオーシャン
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#ハロウィン


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●チクタク
 ある島もまた、例外ではなかった。
 聳え立つは、島中央に座する老齢の巨木。
 大きく、太く鬱蒼と茂る木の葉は空を盛大に覆い隠すもの。
 むしろ、島全体の殆どが大樹の巨大な根に覆われた非常に住むに適さない島である。
 その巨木はマングローブ――砂地は殆どなく、殆どの陸地は根の上だ。
 しかし、それでも根付いて改良して根城にしてしまう者たちが居る――無人ならこれ幸いと島ごと奪った海賊がいるのだ。
 冒険する者たちにとって、宝を隠すなら当然秘境である方がいい。
 ハロウィン島なら尚更だ。
 島にぽこぽこ生えるおばけカボチャはその前兆。
 誰もカボチャに顔を彫り込まずとも、その顔はケタケタと笑い始める。
 笑い出したカボチャに気をつけろ。
 おばけかぼちゃは――早く遠くに投げないと、爆発するぞ。
 チクタク、チクタク。制限時間は相手に投擲する瞬間だけ無限に伸びる。
 小粒で手頃なカボチャがそれならまだいいが、誰も拾わなければ、いずれ――ドカンだ。投擲されたカボチャが地面に落ちても、――ドカンである。
 巨大なおばけカボチャは単純に悪いカボチャ。こんな愉快な見世物を、眺めてはケタケタ笑い出す。小さなカボチャが反応して笑いだして爆発するのを横目に、慌ただしい日を作るのだから。

●お化けカボチャ
「……収穫祭とは。いや、それはいいや話を聞いてくれ」
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は資料を叩く。
「そこはとある海賊のアジトしかない島だ。巨木の根が良い隠れ蓑になるんだと」
 しかし、人が寄り付かないわけではない。
 時折海から流れ着いたものが、浜辺に打ち上がっている。
「拾いに来る賢い冒険商人もいるらしい、が……そこはいわゆるハロウィン島と呼ばれる島なんだ」
 言いたいことは唯一つ。ハロウィンの時期になるとカボチャがそこら中に生える奇妙なハロウィン適正あリの島である、ということ。
「ハロウィン島の一番の面白いところは、『カボチャが生える』という現象はその島のメガリスの封印が解けるという連続した事象も絡んでいてな」
 それを狙って訪れる略奪の海賊や、売りさばき目的のパルクール系冒険商人は後を絶たない。
「そのメガリスッつーのは、此処を拠点にする海賊団が所持してる……んだが、これまた奇妙なメガリスだッたようだぜ?」
 歌うカボチャに笑うカボチャ、無くカボチャに叫ぶカボチャ。
 メガリスの影響を受けたカボチャは勝手におばけ化して声を発する。
「無機物に感情を与える、ような代物ッぽいな。使い道は限られてるが、喋るはずない無機物に感情をうまく与えて制御できれば財宝を探すのにも利用できるモンなのかもな」
 形こそは不明である、というのフィッダの話。
 ただ、それは発動中はずっと鈴の音が響いているらしい。
「……メガリスはおそらく鈴かそれに類似したモンなんだろうな。そんで、事態はそれだけでおわらないんだよな……コンキスタドールの団体が音の元凶を奪わんとして浜辺付近に現れた」
 音を聞いて、メガリスの効果でコンキスタドールがだんだん島へやってきている最中だという。
 それは氷の海が実体化したような姿をもったセイレーンの大群。
 歌うように、声の主を探している。
「氷漬け必至、ッてわけよ。だから、お前たちはそこらじゅうでメガリス影響下になッたカボチャを……投げるなり利用して退けてほしいわけだ」
 島は繁栄している方。
 カボチャもそこらじゅうで笑ってる。
「……ああ、爆弾だと思えばいいさ。メガリスの影響で爆発物に変じているんでね、ドッチボールして丁度いいくらいだ」
 良い忘れてたが、とフィッダは付け足す。
「島はアスリートアースの気配があるそうだぞ。――まあ、略奪行事だッて楽しくフェアにやれよ、ッて事だよ」
 海賊行為がフェアだと言うならそういう顔をすると良い。
 不正が見つかると、近くのカボチャがドカンと炸裂するかも知れないが。
「たまには良いんじャねーの?愉快な攻防繰り広げるのも」


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 これは2章のハロウィン系お祭りシナリオです。

●概要
 アスリートアースのマングローブ島。
 普段は無造作に伸びる根をパルクールする体力自慢とかも来訪するようです。
 現在は大抵の場合、島の海賊たちも来訪して上陸した他の海賊や冒険商人たちもカボチャを投げあって争っています。
 足場不安定のハロウィンカボチャドッチボール大会会場へようこそ。
 そんな現場にコンキスタドールたちが場外乱入しようとしているので、追い払いましょう。楽しくフェアにハロウィンカボチャで撃退しようぜ。

●一章『アイスセイレーン』。
 彼女たちは、海面から直接から身を伸ばして周囲を凍らせながら『島のメガリス』を探します。彼女たちが動けば動くほど、周囲は一気に凍っていきます。
 島の樹が傷んでしまうので、早めに退けてしまいましょう。

●二章『名を忘れられ堕落した『髪の女神』』
 自身の名を忘れたどこかの世界から居場所を失い堕落した女神様。
 忘れられた事を恨み『髪』で色んな物を縛り付けて我が物にしようとします。
 セイレーンたちを率いてでも探していた『島のメガリス』の力があれば、自身は一人にはならず永遠に何かは共にいてくれて心温くなれると思って襲っているようです。

●小さなお化けカボチャたち(一章・二章共通)
 OPにも記載した通りお化けカボチャを持っている間は爆発しません。そこら中で誘発されてケタケタ笑っているので、どこかにやらないと爆発します。
 キャッチ出来ない場合も爆発します。ドッチボールと同じです。
 ユーベルコードや武器で殴ったりしても、ふっとばされた先で爆発します。
 生かぼちゃなので、爆発すると種とか色んなモノが吹き飛びます。目くらましに最適。
 爆破を受けると敗北感がいっぱいかも。
『集団戦:乱戦を利用してグループでのドッチボールOK』。
『ボス戦:流れ弾がボスに当たります』。
 爆破を受けた対象は現在位置よりも後退するのがルール。つまり、ぶつけ続けられた場合は島から落下したり、そもそも島に上陸できなかったりします。

●島のメガリス
 鈴音が大きく聞こえるときは、大きなお化けカボチャがあるらしい。

●その他
 カボチャを使うような内容はプレイングボーナスの対象。ハロウィンだもの。気持ちは猟兵もまた競技参加の気持ちのほうが良いかも。途中参加、途中だけ参加、大丈夫。全てを採用できないことがあるかもしれません。
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第1章 集団戦 『アイスセイレーン』

POW   :    氷水鉄砲
レベル分の1秒で【過冷却の(当たると凍る)水鉄砲】を発射できる。
SPD   :    仲間づくり
攻撃が命中した対象に【アイスセイレーンの憑依】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【心身を取り込みアイスセイレーンの氷像化】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    シェイプ・オブ・アイスウォーター
【着氷性の(当たると凍る)雨】を降らせる事で、戦場全体が【無数の氷柱がそびえる氷の海】と同じ環境に変化する。[無数の氷柱がそびえる氷の海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●音のする方へ
 どこもかしこもカボチャが飛び交う島の中で、マングローブの根の隙間を海面から体を伸ばし、上陸しても大丈夫そうな場所をきょろきょろ探す氷の存在が居た。
『此処からなら、探しに行けそうかしら?』
 こっそりと根を凍らせながら、彼女たちは音のする方へ手を伸ばして進んでいく。
 音だけが頼りだが、どこもかしこもカボチャの爆発と投擲だらけ。
 進むには、どれもかいくぐらなければならない為――隠密行動は意味をなさなかった。

 ああ、ほら――カボチャの特性に気がついた新手がアイスセイレーンの悪事を阻止するために動き出した音がする。
ルクス・キルクルス
アドリブ連携◎

なるほどなるほど、要するに爆発するカボチャを取っては投げ取っては投げすれば良いんだな。
分かりやすい!良いね、サイコー!
そうと決まればさっそく飛んできたカボチャをキャッチ! アンドリリース!
海賊も商人もセイレーンもまとめて一網打尽にしてやるぜ!
なぁに、向こうだってそのくらい覚悟の上だろうさ。
そらもういっちょ! ハッピーハロウィン!!(片っ端からカボチャを投げる)


栗花落・澪
メガリスの封印が解けるってことは、その間は無防備ってこと、かな?
大変そうだけど…ドッチボールは楽しそう
投げるのは苦手なんだけど、魔法だって使っていいんだよね
よし

みんな、あそぼー!
【指定UC】発動、この島の民を呼んで手伝ってもらいます
優先狙いはあっちにいる敵さん達ね
爆発しそうな南瓜を優先的に拾って
余裕があったら…味方同士で遊ぶのも有りじゃないかな
ただ島から落とされないようにだけ気を付けて
こういうのは楽しんだもの勝ちでしょう

あ、あと敵の攻撃にも気を付けてね!!

非力な僕は素の力での遠投は難しいので
両手で南瓜を持って投げる瞬間に【高速詠唱】で風魔法の【属性攻撃】
風力を乗せて敵のとこまで投げ飛ばしまーす



●一人は皆のために!

「メガリスの封印が解けるってことは……いまこの間は色々無防備ってこと、かな?」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は遠くに聞こえる破裂音や、近くで聞こえる|ドッジボール《戦い》に興じる声に思わず笑みを零す。
 スポーツマンシップに則った、広くて足場不安定な場所で行う『遊び』のようなものだと思えば可愛いものだ。
「活性化していて、メガリスが起動しているっていう意味ならこの光景も納得だね。仲間に入るのは大変そうだけど、……ドッジボールは楽しそうだよね」
 近場でははーん、と己の顎を撫でて笑う一人の女の姿が現れる。
「なるほどなるほど、ドッジボール。要するに爆破するカボチャを取っては投げ、取っては投げすれば良いんだな?」
 ルクス・キルクルス(36の世界の果てまで・f38588)はとても単純な『ルール』に一つ二つ頷いて。
「わかりやすい!ハハ、――そいつはい良いねぇ、サイコー!」
 理解した、と言葉に発したルクスは早速自分の元へ飛来するカボチャを掴み、素晴らしいフォームで流れるように投げ返した!
 完璧なキャッチアンドリリース。
 それは、隙がある新しい闖入者がやってきたと冒険商人が歓迎の一撃を投げたものであった。
 投げたカボチャは見事な速度と入射角を持って冒険商人にぶち当たり――ドカンと中身の綿と種を盛大に散らした。
 不意打ちを行ったのが、仇となったのだ――掴みきれなかった末路は、大抵の場合あの通りになるのである。
『うべらぁ!?』
 奇声を上げて倒れる冒険商人が近場でキョロキョロとメガリス捜索に勤しむアイスセイレーンを巻き込んで海へ真っ逆さまに落ちていく。
『きゃ、きゃあ!?なあにこれー!』
 悲鳴のような声をあげて、カボチャの綿まみれの男たちと一緒に海へどぼん、である。
 カボチャの爆発を直に浴びるのと、巻き添えになるの――どちらが一体幸せだろうか。
「見ろ見ろ!皆纏めて一網打尽だ!」
 ルクスは笑う。
「そうらもう一丁!喰らえ、これが此処で最高のハッピーハロウィンだろ!」
 カチカチと、チクタクと。
 音がなるカボチャをガッ、と捕まえて。
 片っ端から投げまくる。
 飛び交うカボチャをキャッチ出来るものはたまにいる。
 しかし、猟兵が投げたカボチャは大抵不意打ちのように、殺到するもので――。
 どかん、どかんと音が炸裂する。
「わりとたのしいな、コレ。あんたら随分良い見た目になってるな?ハハハ、スポーツマンは負けず嫌いってか?ハッピーハロウィン!」
 にぎやかな笑い声と、敗北者たちの嘆き。
 巻き込まれたアイスセイレーンの、悲鳴と海に落ちる誰かの音。
「アクティブだねえ?僕はちょっと投げるのは苦手で……でも、魔法でもきっと大丈夫だよね」
 カボチャにふわりと手を添えてみて、軽く魔法の力を与えてみても問題なし。
「よし、じゃあ……みんな、あそぼー!」
 澪の声は、競技仲間としての参入を意味した。
 声に反応した者たちは、みんあ『澪ちゃん親衛隊』!
 協力者となって、振り向きパタパタと作戦会議に耳を傾ける。
「作戦を手短に発表するね、今、ルクスさんが率先して|カボチャ投げ《ドッジボール》に参加しているんだけど……優先狙いは、ドッジボールに参加していない|アイスセイレーン《あのこ》たち。折角の季節、折角の清々しい日なんだもの、遊びに誘っていこ!」
『そうだな、此処でハロウィンボムを投げたりキャッチしたりをしないのは、もったいねえ!』
 同意が多数。澪の言葉に頷いて、それからなにかあるか?と協力者となった島の海賊たちは問う。
「全員が僕のチーム、みたいにならなくてもいいんだよ?不意打ちを仲間同士で仕掛け合うのだって楽しいだろうからね?」
 ハッピーな日を過ごすなら、多少の驚きだって必要。
 スポーツマンにだって可愛いお茶目な悪戯は、許されるでしょう。
『……はは、そいつはそうだ。誰が後ろを取るか取られるか、楽しくなってきたな』
『おいおい裏切るなよ?』
「遊ぶのはいいけど、島から落っこちるくらい狙い撃ちはダメだよ?」
 海賊同士の不穏の疑心暗鬼様相を、澪は釘を差して指摘した。
 めっ、と人差し指を彼らの鼻面に突きつけて。
「こういうのは、楽しんだもの勝ちでしょう!」
『おう。楽しむのが優先だな!』
 作戦開始ー!と行動に移っていく速さはさすがの海賊。
 機敏で、そして、恐れを背中に貼り付けない。
 足元のカボチャを拾いあげて、アイスセイレーンへ直球の一撃がたくさん飛ぶ。
「……あ、あの子たちの攻撃にも気をつけてね!」
『えっ?』
 カボチャの襲撃に、どかんと一撃を貰ったアイスセイレーンの個体がカボチャの綿を身体に貼り付けて。
 張り付いた綿を凍りつかせながらコチラを見ていた。
『どうしてそんな酷いことをするの?』
 手を伸ばし、氷の体を伸ばしてカボチャを投げつけてきた海賊たちへアイスセイレーンは迫る。意外と素早く、その手は海賊の体に届いた。
『悪い子にはお仕置き、なんだよぉ?邪魔、シないでね』
 ふう、と海賊の耳元に囁いて。
 言葉の魔力とアイスセイレーンの冷たさがパキパキと体中を凍らせていく。
『うっ、あ……冷てえ!つ、冷てぇよぉ!』
『バカ!早く逃げろってんだよ!』
 先程言い合いしていた一人が、仲間に向けてパンプキンボムを投擲。
 どかん、と爆発したカボチャの綿で助け舟を出そうとしたのだろう。
 しかし、増えた綿も合わせてぱきぱきと氷像化に巻き込まれていってしまう――。
『次はだあれ?みんな氷像にしちゃえば、邪魔もできないよね?』
「あんたが捜索を諦めて帰る、も手だろ?」
 ルクスのカボチャがアイスセイレーンの後頭部を襲った。
 すこーん、とやや張りの良い音がなり、数秒遅れて爆発。
 べしゃべしゃ、と種が降り注ぐ。
「楽しく遊んで笑顔でばいばい。僕はその方が皆平等で良いと思うんだけどなぁ……」
 ――僕は非力だからね。
 澪は、遠投するのは難しい。
 例え軽いカボチャでも、中身が在るからそれなりの重さ。
「というわけで、仲間の分までこれで失礼するからねー!」
 両手でやや大きなカボチャを抱えて、せめてアイスセイレーンに届くようにと風の魔法を援護につける。
「てやー!」
 高速で詠唱し、紡いだ言葉は必ずあの子の頭の上まで運んでくれる。
 風力を乗せて敵の元へ届け。
 ひゅーんと飛んでいったカボチャから、かすかに聞こえるチックタック。
『もうそんなのびっくりしないん、だ、から……?』
 澪の投げた一つだけであれば驚かなかった事だろう。
 しかし、周囲は澪と氷漬けにされた海賊の仲間だらけ。
 同時に投げ放たれたカボチャの殺到数は有に指の数を越えていた。
 そんなものを弾き返せるはずもなく――アイスセイレーンは大量の連続爆破に巻き込まれ、自身の冷気で凍りつくカボチャの綿に埋もれるように海へ墜ちていくばかりだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テフラ・カルデラ
【人形館】
※アドリブ可

シエナさんと一緒に来ましたが…ひゃわー…何というか不気味なかぼちゃですね…
それにアイスセイレーン…確実にフラグじゃないですか…
しかし!ただやられるわけにはいきません!抵抗ぐらいはします!行きましょう!

ただ真っ向から行ったら確実に凍らされるのはわかるので…隠れて油断したところに近くのかぼちゃを拾って思い切りシュート!なのですっ!
こうして何体か撃退しましたが…気づけば相手の冷気に足が凍ってしまって…あっ…これダメだ…(全てを察して氷像と化す兎

…どうやら凍っている間、シエナさんに遮蔽物として扱われてました
そ…それはそれで…(どきどき


シエナ・リーレイ
■人形館・アドリブ可
テフラ君に連れられ大会会場へと降り立ったシエナ
[軽業]や[空中機動]を駆使して島を駆け巡りながら出会った相手と仲良くなる為に親愛と好意と[怪力]と【ユーベル】がこもったカボチャシュートをかまします


こんにちは!とシエナはカボチャを投げつつ挨拶します。

島を駆け回る内に『お友達』候補と出会えばシエナは歓喜し気分を高揚とさせてゆき、水鉄砲で凍り付く身体を[怪力]と【ユーベル】任せに強引に砕きながらカボチャを投げつけてゆきます

気が付けば氷漬けになったテフラくんを水鉄砲の盾にしながら『お友達』候補に投げつけているかもしれませんが気分を高揚とさせたシエナはそれに気づく事はないでしょう



●皆凍っちゃえー!

 ととん、と靴音を鳴らして。
 もう一人を連れて訪れた兎の耳は揺れていた。
「シエナさんと一緒に来ましたが……ひゃわー……何というか不気味なかぼちゃですね……」
 にんまりと、笑うカボチャは声を上げて笑っているのが見える。
 ケタケタかたかたひとりでに動く大きなカボチャをみて、うわあ、と声を漏らしたテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の感想は最もだっただろう。
 何故ひとりでに笑うのか、何がそんなに楽しいというのか――。
「でもでも?スポーツ大会会場というのなら、ルールに則って一緒に遊ぶのが良いとシエナは提案します」
 シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は普段と同じくニコニコだ。なにしろ、此処には"仲良く"なれそうな存在が居るじゃないですか。人もオブリビオンも、楽しそうに見えるシエナはワクワクと自身の体を空中に浮かべる。空中機動を駆使したならば、この体は風船のように軽くどこまでも飛んでいけるはず。
「いやだって、わたしの耳がキャッチしてますよ?あの音、此処に居るのはアイスセイレーン、ですよね」
 ぱきぱきと凍る音。凍らされた誰かの絶叫。
 歓声と怒号と、飛び交うカボチャの重そうな音と、爆発する音。
 紛れたあの声が聞こえないはずがない。
「――確実にフラグじゃないですか――――」
「フラグとは、回収するものでもあるのだとシエナは思います」
「回収は絶対するものではないかと?……いやでもしかし!しかしです、ただやられるわけにはいきません!抵抗ぐらいはします!行きましょう!」
 てやー、と突撃するテフラの後を、シエナが続く。
 ――ただ真っ向から行ったら、確実に狙われちゃいますよね。
「怯んだら負け、とシエナは思います」
 それは親愛と好意が入り乱れる――と|シエナ《本人》は主張する行動。
 仲良くなるために、海賊でも冒険商人でも他の猟兵でもなく――狙いすましたように、アイスセイレーンへ|言葉《かぼちゃ》を投げるのだ!
「わたしと一緒に遊びましょう!とシエナはお友達候補との交流を始めます」
 尚、交流は――カボチャを投げる行為でも在るため物理である。
 にこにこと突撃するシエナの大いなるカボチャでの一撃は、出会った相手に容赦なくシューーーート!
 顔面に決まったカボチャは、着弾と同時にどかんと音を立てて炸裂する。
 べしゃりと飛び散るカボチャの綿!吹き飛ぶ種!
『ちょっとぉ、なにするのぉ~!』
「ふふふ、こんにちは!とシエナはカボチャを投げつつ挨拶します」
『挨拶は目を見てしなさ……きゃあ!?』
 追加のカボチャをべちり。どかん。べちゃり。
 キャッチの姿勢を取っていないアイスセイレーンに二個目の爆破が発生した。
 爆破の巻き添えで資格で靴が凍って動けなくなっていた海賊に被弾した音がする。
『てめえ、何して……』
 お友達候補を早期に見つけたシエナは、嬉しさのあまりに海賊のことをスルーした。
『私、貴方のことは|敵《まと》だと思うことにするのよ!』
 手元に氷の力を集めて指で銃を撃つ姿勢を取る。
 氷の水鉄砲の水源は自身。その水自体は海からの供給だ。
 無尽蔵で放つ事が出来る分、本来不利なのは猟兵である(こんな忙しい所に取り残された哀れな海賊付き)。
 ぴぴぴ、と高速で放たれる過冷却の水鉄砲に当たりながらきゃっきゃとシエナは声を漏らすだろう。
「あのぉ、……シエナさん?」
 一方テフラは、隠れてアイスセイレーンが油断をしている隙をついてアタックを仕掛けていた。
 やや少し前のテフラは、傍のカボチャを拾い上げて。大胆不敵に――。
「思い切りシュート!なのですっ!」
 と、カボチャの投擲。思わずカボチャで物理的に殴りかけたが、それは凶器になるので自重した。不意打ちで行った投擲は成功し、どかんと爆発させた事で逃げ帰った個体や撃破できた個体は居たのだ。居たのである。きちんと、競技の範囲で不正ではない攻撃を与え、勝利してきたのだが――。
 現在なんと、足元が凍ってしまっている!
 迂闊にアイスセイレーンの冷たい空気領域に踏み込んでしまった事で――哀れな海賊同様の運命を辿ったのである。
「……あっ、……あっ……これダメだ……」
 シエナが自由に避ける。つまり、シエナへ向けられた氷水鉄砲にテフラにも周囲に居た海賊や色んな人に被弾した。
 つまり、だんだん当たった箇所から凍っていく。お腹の脇から、足から――じわじわ冷気が広がってくる。
 すべてを察して、氷像化と化す兎はこのフィールドの付属物へと変わっていった。
『ちょっとぉ、逃げてばっかりいないで止まりなさあい!』
 攻撃は続いている。アイスセイレーンは追撃をやめず、打ち続けていた。
 その間にシエナ自身も、アイスセイレーンの水鉄砲の被弾で凍っていく箇所を増やしていく。凍らされて氷像の一部となっていく体にわあ、と歓喜し気分を高揚とさせ、しかしこれは常日頃の自身の目的のため――強引に砕き、そしてちょうどいい|遮蔽物兵《テフラ》の影に隠れる。
「遊びましょう。もっと、もっと!とシエナは誘います」
 楽しい、楽しい!と次の投擲物を探し、そして怪力で持ち上げた氷は、中に確かにカボチャがあった。
 音もかすかに聞こえている。じゃあ投げてしまいましょう!
 ぶん、と投げたシエナ。
 しかし、シエナは気が付かない。
 アイスセイレーンへ投げた氷は――よおくみると、心身を取り込まれアイスセイレーンの氷像化したテフラであったことに――――。

 氷像とぶつかって、無事で居る存在がいるだろうか。
 いや居ない(反語)。
『いったあ~い!』
 ぶわああ、と物理ダメージに悲鳴を上げて場外へ消えていくアイスセイレーンはこの場合被害者だろう。
 アイスセイレーンが撃退、もとい去った事により島の氷はじわじわ解けていく。
「……あ、あれ?」
 自分が氷像になったはずの場所からなんだか随分と場所が変わっていた。
 テフラは、気がつく。自分が立っていた場所の傍でシエナがニコニコしていると。
「……どうやら凍っている間、シエナさんに遮蔽物として扱われてました?」
 ――そ、……それはそれで…………。
 どきどき、そわそわ。胸の内が騒いでいた。
 それもう最高にご褒美では? いや絶対ご褒美ですね? 心の声がテフラの顔に満面の笑みで漏れたことは、間違いないことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)と参加

律にいつかグリードオーシャンを案内すると約束したので、一緒に来た。

ハロウィンの季節のせいかカボチャが飛び交っている様だが・・・爆発の音がするのは気のせいではない様だね。

ああ、アスリートアース由来ならそういうノリなんだね。理解した。

あ、何か凍った奴らが彷徨いてるようだ。この爆発するカボチャで倒せば良いと。律、ドッチボールのルールはやりながら説明する。いくよ!!

戦場で駆け回っていたから運動神経には自信ある。爆破を食らっても鍛えた平衡感覚と体幹で踏みとどまる。

むしろ、律と一緒なら負ける気がしない。受けな、魔球「ソニックストーム」!!


真宮・律
妻の響(f00434)と参加

約束通り響にグリードオーシャンに連れて来て貰ったが・・・何かカボチャが一杯飛んでいるし爆発音がするな。アスリートアース由来の島。納得した。

まあ、こんな危ない事をノリノリでやってるあたり荒くれ者が一杯いる様だが、明らかに人でないのがいる様だな?このカボチャで倒すんだろ?

ドッチボールの事は良くわからないがとりあえずこのカボチャを投げればいいんだろ?爆発のダメージを減らす為に傭兵の知恵で防御力上げるが、カボチャぶつけられた時の後退は技術で何とかするしかない。何、こういう時の技能は兼ね備えているさ(【勝負勘】とか【足場習熟】とか)

響がいれば俺は何倍もの力が出る。行くぞ!!



●これがグリードオーシャンの不思議!(の一部のようなもの)

 ――いつか、グリードオーシャンを案内するよ。
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)には夫へ約束した言葉があった。
 だからこそ、妻の言葉を歓迎し、真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)は共に訪れた。

 ハロウィンなカボチャと、アスリート魂溢れた謎の島へ――。
「憶えてる?約束」
「ああ、覚えている。約束通り連れてきてもらったが……」
 律が見た光景。それは、カボチャ飛び交う大乱闘。
「何かカボチャが一杯飛んでいるし爆発音がするな」
 ハロウィン時期に無限に増えて繁殖する野生カボチャの爆弾郡。
「これはねえ、あのグリモア猟兵とその仲間が予知するハロウィン島が大抵こういう状態なんだそうだよ。ハロウィンが仮装とお菓子と脅かすだけの行事じゃないんだろうさ、少なくとも――この島のような状態ではね」
 ハロウィン島といっても、様子は様々。
 爆発するカボチャ島なんて、そうあってたまるか、と思うだろうが――なにせグリードオーシャンの島は数多いのだ。
 未だに誰にも発見のされていない島さえある。何が在るかわからない。
 他の島と似た特性を得た島だって、合ってもおかしくないのだ。とても不思議な現象である。
『爆発』する要素自体が、この近海に影響させているメガリスの効果かもしれない。
 その真相は、謎のままだ――。
「ハロウィンの季節だから、なにやら攻撃的にカボチャが飛び交っている様だが……爆発の音がするのは気のせいではない様だね」
 どかん、と爆発する音と続いてやってくるぼたぼたとしたくぐもった音と悲鳴。
『あ。もしやアンタらこの島初めて?あのカボチャは投げないと爆発するんでさァ!』
『爆発物ではあるが、被弾するとちょっと綿を被る程度で火薬なんかはナイんで安心しな!』
『安心!安全(なほう)!カボチャで物理攻撃なんてしてみろ、お前も被弾するんで実質負けだぞ!スポーツマンシップに則って行動しろよな!』
 声を掛けてきた者たちは皆モノ好きの冒険商人である。
 この島のおもしろ要素を体験しに来たモノ、メガリスを拝もうと挑みに来たもの。
 密猟、略奪を企てるもの、様々だが――カボチャを投げなければ自分が被弾するのだから、皆乱闘になってしまう。
 敗北感を恐れないなら、この島で最強の勝利者へ至るのも、不可能ではない。
「これは……もしかするとアスリートアース由来の島、だな。納得した」
 ルールに則り、攻撃し、防衛し、反撃し、追撃が在る。
 チームが有り、個人が有り。
 ルールの中にあれば誰もが参戦して良い、というグローバルな試合が常時開催中なのだろう。
 律の理解力は、大変的を射ていた。
 一定の|規律《ルール》があり、その中で行動しているものは誰も不利を得ては居ない。
 ただ一部の――例外を除いては。
「ああ!なにかに似てると思ったら、アスリートアース由来ならそうだね。ルールの中で暴れる。たしかにコレはそういうノリだ。理解した」
 夫婦の理解は早かった。
 この盛り上がりは、スポーツをする光景に似ていると言えば似ている。
 勝利者が『島のメガリス』を奪おうとしたりしても、戦って勝ち取るのなら不満の声がでるものではない――。
「……あ?ちょっとまってなにか凍った」
 ぱきり。
 ぱきり。
 マングローブの根がじわじわと氷に覆われていく。
 氷を発する何かがそばにいる為、氷に襲われていくのである。
「ああ、あれかね?あれが異変につられてやって来た奴らってことか!」
「まあ、こんな危ない事をノリノリでやってるあたり荒くれ者が一杯いる様だが。明らかに人でないのがいる様だな?」
 ひゅーんと体を伸ばし、周囲を凍らせていくのは氷を属性に持つ|精霊《セイレーン》。
「こんなにちょうど良さそうな奴があるんあ、当然このカボチャで倒すんだろ?」
「爆発するカボチャで撃退される為に来たとしか思えないねぇ……」
 良い的だ。ルールを無視し、彷徨うコンキスタドールは追い払われる。
 ルール通りに遊びに興じないのは、当然招かざる客である。
「此処でのルールはドッジボールらしい、とも聞いたが……律、ドッチボールのルールはやりながら説明する」
「ドッジボールのことはよくわからないが……」
「まずは投げるんだよ、投げてからが勝負だ!行くよ!!」
 妻が説明するというのだから、と律は迷わずカボチャを取った。
 手に在るだけでは爆発しない。ただケタケタ笑って騒がしいばかりだ。
「だが、ボールを投げる競技なんだろう?この場合は、このカボチャになるわけだが」
 比較的爆発のダメージ余波を減らすため、初撃の|ボール《カボチャ》への巡らせるのは傭兵の知恵(ヨウヘイノチエ)。
 この身に纏う防御を上げたオーラは生き延びるには必要なこと。
 一度死を経験しているからこその、懸念点であった。
 念には念を入れるのは愛する人の隣なら、当然のことだろう。
「……よし、行こう!」
 律は気合を入れて、思い切りぶん投げたっ!
 カチコチ、と音をたてるカボチャは弧を描いてアイスセイレーンの元へ飛んでいく。
『……ふえ?』
 そしてきゅ、とキャッチする。キャッチされてしまった。
 これでは爆発しない――。
『これあたし、知ってるよ!危ない爆弾だよね、うわあん、あたしをバイバイさせようっていうのねぇ!』
 ところどころたどたどしいセイレーンは、夫婦へとカボチャを投げ返し――そして銃の形に手を構えて、追撃する。
 ぴぴぴ、と手から放たれた水はみるみる凍り、カボチャを氷カボチャへと変質させた。
『これなら加速して取れないでしょぉ、つめたいっ!ってして、とれないでしょぉ~!』
 どうだーえっへん、とアイスセイレーンはしてやったり、とニコニコ笑った。
 見た目からは想像できない幼い子供のような行動であると響は思う。
「甘く見られたものだねえ、……律!」
「ああ」
 勝負勘が囁いた――これは受けるべきではない。
 適当に爆発させてしまえば良い。カタカタケタケタ笑うカボチャは周囲に多い。
 氷に覆われたカボチャは、派手に爆発して周囲のカボチャも連鎖爆破させるだろう。
「これがチャンスだ、同時にやろう――出来るよな」
 響が頷いたのを見て、戦場で駆け回っていた経験を活かし一気にアイスセイレーンへと詰める。
 後方で爆風が大量に巻き怒ったのを感じながら、爆破を食らってもこれまでに培ってきた平衡感覚は裏切らない。
 多少飛び上がったくらいでも、響は元々の姿勢を崩さない。
 なにしろ、傍に――夫だっているんだから。
 こんな状態は、困難とだっていえやしない。
「響がいれば俺は何倍もの力が出る。行くぞ!!」
「むしろ、律と一緒なら負ける気がしない!さあ受けな、魔球『ソニックストーム!』」
 駆ける前に拾っていた||ボール《カボチャ》を、律は響に投げる。
 夫婦の共同攻撃とはこの事だ。
 ガッ、と阿吽の呼吸で響が蹴り込み、発生した音速嵐は一気に空気を引き裂き加速する。ゴールへシュートを決める見事なフォームの響と肩を並べた律の姿が、きっとアイスセイレーンからは見えただろう。

 完全に敗北するフラグが、見えたはずだ。
 カボチャの笑いが音を超えて耳に反映される前に、どーーーーんと激しい重力音を上げながら一部マングローブの根ごと破壊してセイレーンは姿を消した。
 加速を最速に。軌道変更も最高に。
 遠く遠くへ、敵を吹き飛ばし続け――場外アウトへと持ち込んだ。
 そのうち微かに爆発音と、小さなぽちゃん、という音が――聞こえたような。
 聞こえなかったような。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『名を忘れられ堕落した『髪の女神』』

POW   :    髪鳴り(かみなり)
自身に【生えた髪の毛へ邪気で作られた雷】をまとい、高速移動と【髪に纏った超威力の雷】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    髪業(かみわざ)
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【無数に生えて来る髪の毛うちの一部】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    髪縛い(かみしばい)
【邪気で作られた雷】を籠めた【強靭かつ伸縮自在で自由に動く髪の巻き付き】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【意識や信仰心】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神永・衣乃です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●みいつけた

「……どこぉ、どこかしらぁ………」
 その髪はどこまでも美しかった。
 長く、黒い真珠のような光沢で。
 さらりと布のように柔らかな見た目をしていた。
「これじゃない。……これでもないわぁ……」
 髪を伸ばし、捕まえて。縛り上げて。
 しかし目的のものではないと解っても、女神は捨てようとしなかった。
 髪はどこまでも伸びる。どこまでも増える。
「この『島のメガリス』が欲しいだけなのに、どうしてこんなに騒がしいの……?」
 ハロウィン島に訪れている者たち、元々この島にいた海賊たち。
 それから更に急に訪れた猟兵たち。
 名を堕とした女神は、ため息をつく。
「……キャッチボールでもしているのぉ?お相手がいて、いいわねぇ。狡いわぁ……?」
 自身は過去に忘れられて、名前さえ失くして孤独の中にいるというのに。
「……わたしは、探すわぁ?『島のメガリス』を。ねえ、ちょうだい?」
 りりん、と鈴の音が鳴る。
 ひときわ大きなお化けカボチャから、その音は漏れていた――。
「これかしら。ねえ、ねえ?貰っていくけれど、いいかしらぁ……?皆遊ぶので忙しいのでしょう……ねえ?いいわよねえ?」
 手を伸ばすように、髪を伸ばし――触れたものを我が物にしていく神様、もとい髪様は お祭り騒ぎの中で、空気を読まずに狙いの物へ手を出そうとしている。
 鈴の音を発しながら笑う大きなお化けカボチャの中に、オブリビオンによって愛でる対象となり得る『島のメガリス』が目前にあるから――。
ルクス・キルクルス
アドリブ連携◎

【POW】
おっ、新しいやつがやってきたな……ってオイコラ、空気読めよな!
そこの海水で髪が傷みそうなあんた、こいつは挨拶だ、もらっていきな!(カボチャを投げる)
せっかくのお祭り騒ぎなんだから楽しまなきゃなぁ? 言うだろ、踊る阿呆に見る阿呆とかなんとか。
それでも攻撃してくるようなら、こっちも【指定UC】で対抗だ。
その黒髪をざんばらにしてやろうじゃん!悪く思うなよな!
もちろんまだまだ飛んでくるカボチャにも油断はしないんだぜ。
黒髪!こいつも貰っていきな!ハッピーハロウィン!!!(もう一つカボチャを投げつける)



●遊ばなきゃ損ってやつなんだぜ?

 なんだ案外この島の馬鹿騒ぎ楽しいな。
 ニィ――と笑った口角の隅を指の腹で撫でる。
 ルクス・キルクルスは、しかしおかしな行動に出た存在の姿にもいち早く気が付いた。
「新しい奴がやってきた……って思ったらオイ!」
 どっから来た?とか色々聴きたい事はあったが、しかしその長い髪を見て。
 ルクスからの口から飛び出した言葉は『女性』なら気にかける事象であった。
「そこの海水で髪が全力で痛みそうなあんた、こいつは挨拶だ、もらっていきな!」
 問答無用に、島の競技者認定をしながら小柄なカボチャを拾い上げて先制の一撃を投げつける!
 控えめに、ケタケタ笑うカボチャから聞こえてくる微かなチクタク音。
 ひゅーんと飛んでいったカボチャは――ぽす、と髪の女神の『髪』の上に着弾する。
『……なあに?』
 髪の女神にとって、自身の髪は――どこまでも広がる自分と同一。
 欲しい物を縛り付ける概念と化した髪の上に、予想外の『モノ』が投げ渡されて着弾したならば一拍遅れてしまうのもまた道理。
 キャッチしていない、とカボチャに判断されたら最後綺麗な髪の上でも容赦なくそれは爆発した。
 コミカルな、どかん、という音。
 衝撃音に驚いて、神様は一歩身を引かざる負えなかった。
 そしてぼたぼたと彼女の髪を汚した綿、綿、種、綿――。
『……えっ、え?』
「なんて顔してんだよ。此処はお祭り騒ぎしてんだよ、お祭り気分で自分も楽しむ『一員』になっちまえよ」
 ルクスは笑って、楽しまないなんて損だぞざまあみろ、と長髪の女へ挑発した態度を魅せつける。
 当然、お前も投げ返せよ、という意味の範囲であった。
『そんな……ああ。酷いわ、酷い。わたしの髪が……』
 これが、土着信仰さえ手元から離れてしまった孤独の女神の末路である。
 嘘である。貰ったものが|生物《なまもの》。この衝撃に打ち震えているのである。
『わたしがひとりぼっちだからって……ええ、ええ。なんでもしていいわけでは、ないのよ……?』
 ぷるぷると震える女神の髪が、怒りと思わしき邪悪のオーラを身にまとっていく。
 ばちばちと、音を立てる様相はまるで『|髪鳴り《いかずち》』のような電気音。
『いいわ?ひとりぼっちのわたしに、やってはいけないことをした――同じ目に、遭わせてあげましょう……』
 きょろきょろと、視線を振って女神はカボチャを拾い上げ――髪に纏った雷オーラは彼女の行動速度を跳ね上げている。
 投擲のフォームから投げはなった動作がルクスには見えなかったが。
 ただ、ばちばちと激しい音を点てる電気オーラコーティングの爆発物が飛来してくるのは、即座に気が付いた。
「言うだろ、踊る阿呆に見る阿呆とかなんとか。……お?前向きにやる気だしたか?」
 ――いやあんなの絶対痛いだろ!
「切り捨てがダメとは聞いてないし、な!斬れぬものなどちょっとしかないが……!」
 短く呼吸を整えて、銘は月光静――美しく青白い刀を手にディールプティオーでぶった切る!
 一刀両断されたカボチャは、ルクスを挟んで左右に吹っ飛んでいき、控えめにボンと爆破音を立てた。
「ついでだ、その髪型もちょっと手入れしてやるよ!」
『え、ええ……?!』
 攻撃し返した女神は、動揺している。まさかアレを避けるとは。そんなニュアンスであった。
 刀を煌めかせ、ルクスはすれ違うように駆け――そして振り抜き、オーラを纏った危ない髪を無力化する。
「黒髪をざんばらにしてやったよ。これで、即座に反撃なんて難しいだろ?髪は女の命だもんなぁ?」
 悪く思うなよ!とルクスは笑い、それから新手のハロウィンをぶつけて御見舞する。
「こんなところで、髪に気を配ってちゃあ大変だなぁ?災難だらけになるぜ?」
 自分の元へ飛んでくる無作為なカボチャをひょいと避け、ルクスは女神に敗北の味を与えるだろう。
 欲しい物に手を伸ばしても、此処でもそれは手に入らないんだ。
「まあ、今回はダメでもいつかは手に入るだろ。……つーわけで黒髪、こいつはおまけだ貰っていきな!ハッピーハロウィン!!!」
 連続でハロウィンボムで歓迎するルクスに、女神はやられっぱなしを強いられる事だろう。髪を汚されたり髪を切断されたことに、気もそぞろにしつつ――島の外へ存在を追いやられながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)と参加

おっと。どさくさに紛れてお宝掠め取ろうたってそうは行かないよ。

まあ、名前も無くなるって事は自分自身を無くす事なんで、必死なのは分かるんだが、その不気味な髪は頂けないねえ。この島に被害が及ぶ前になんとかしな・・・律の周りの雷の放電が凄いんだが?まあ、雷使いとしては許せないよね。こいつ。

とにかく無数に生えてくる髪がうざったいので、容赦無く情熱の炎で焼き払う。あらゆる行動に成功する奥の手も燃えてなくなれば代償にできないだろう?

直接の激突は律に任せる。黄昏の雷鳴の意地を見せてやりな!!


真宮・律
妻の響(f00434)と参加

・・・・髪が無制限に伸びるから髪鳴り・・・ふざけんな。まあ、敵が本気で得物の髪からの放電で強いのは分かるんだが、雷使いの前の俺の前でいい度胸だ。いいだろう、受けて立ってやる。(妻が引く程の物凄い放電)

響が得物の髪を焼き払ってくれるので、鳴雷の意志を発動。高速移動と雷の放射に構わず、ただ雷で強化したスピードで真っ向から突進する。

同じ読みだからって本物に通用すると思うなよ。俺も遊びで黄昏の雷鳴名乗ってる訳じゃない。迷惑なんで、その粘着質な性質ごと消えろ!!



●本物と亜種の格の違いって奴だよ

 ひゅう、と口笛を吹いて。
 女神に近づく存在が在ることを、事前に知らせたのは真宮・響だった。
「ドサクサに紛れてお宝掠め取ろうたってそうは行かないよ」
 掟破りは、誰かに妨害されるのが|常《つね》だろ?
 そんな響の言葉に悔しそうな、恨めしそうな顔を晒した女神は、睨む。
「ルール破りしてでも欲しいって願う事自体は止めやしないけどね……」
『あなたは……そう、あなたたちは独りではないから、いいわねえ』
 響きの隣に、寄り添う真宮・律へも視線を向けて、それからスッと視線を逸らす。
 あまりに綺羅びやかな二人組みに視線を向けているのは、神様には躊躇われた。
 二人が持つ『夫婦』という固い絆は、奪えないし何よりも強固。
 ひとりではない、という絆だけは、神様には恨めしいものであり、反面眩しくて仕方がなかった。
『なら、わたしはどうしてもあれが、あれがほしいの。邪魔を、しないで貰えないかしら……!』
 神様の髪は何故かざっくばらんに長さがあべこべ。
 誰かに対処を繰り出され、やや状態が変化していたが――それでも生えている頭髪であることには変わらない。
 邪なオーラを、荒れる内心を表すように電気質に変えて髪へ流す。
 ばちばちと、音を立てる綺麗な頭髪は無制限に伸び、雷を迸らせる『神様』としての本領を発揮させるだろう。
「……髪が無制限に伸びるから髪鳴り……」
 地域一帯を埋め尽くす程の天候のように、髪で埋め尽せば同義だと?
 律から出たのは、呆れと支配しようとする規模のデカさ。
「ふざけんな」
 ばちりばちちちちち、激しい音を立てて雷鳴の意思をその身に宿し、睨み返した夫。
 あえて魅せつけるように、その雷は放電だけに留めている。
「広範囲で、しかも放電を行う気ならそりゃあ強いだろうな。だが、俺もまた雷使いなんだ――俺の前でいい度胸だ」
『……あなたから焼きましょうか?ご要望とあれば叶えるのが、神ですので……』
 強気に最初に仕掛けておいて、女神はこの状態でも『聞いてくる』。
「尋ねてくるのかい?名前なら、聞いてあげなくもないんだが……」
『名前は……ないです。もう、誰も覚えていないわたしの名前は、欠落し亡くなったので……』
「おっと、名前が無くなるって事は自分自身を無くしたも同然ってことか……必至なのは分かるんだが」
 ばちばちと多方から雷の男が景気よく響く。
 雷に焼かれ、自然爆破するカボチャがあるのは仕方がないことであった。
「だが、その不気味な髪は頂けないねぇ……この島の樹だって焼かれかねない様子は見過ごせない。被害が及ぶ前になんとか……」
「いいだろう、受けて立ってやる」
 食って掛かるように傍で勢いよく放たれる雷。
 響がやや驚いた様子を見せたが、律はお構いなしであった。
 物凄い放電現象は、女神より轟音を立てるのだから周囲だって驚く。驚かない方が無理である。
「律の周りの放電がまあ、凄いんだが……?まあ、雷使いとしては許せないよね、こいつ」
「来いよ、俺を焼けるものならな!」
 ばちばちばち、と激しい音を立てる髪鳴りを引き連れて、嫉妬に燃える女は男を狙う。
 しかし、その前にちっちっち、と人差し指をわずかに振って。
「とにかく無数に伸ばしてるところ、悪いんだけど足場が悪すぎなんだ」
 正直言えば、うざったい。
「こういう場所に来るなら、相応の格好をした方が良いって誰かに言われなかったかい?いいや、その状態を見るに言われたしやられたんだろ?」
 響の掲げる情熱は、あらゆる行動を成功させる為に髪をどんなに大小にしても構わない女神の髪を轟々と焼き払う。
 一瞬のことであった。
『ひゃわっ!?』
 一気にわあ、と黒髪を焼いたかと思えば、髪を伝って炎は勢いよく広がっていく。
 抵抗するように、広げた半焼の髪から雷を空へ向けて放つが――音だけが鳴り響き、誰に当たることもなかった。
『いやあ、やめてぇええ!』
「髪を広く長く伸ばしたのも、なにか奥の手があったからなんだろ?アタシの炎は熱いだけでは済まないよ!」
 他人の髪を焼くのはやや、チクリと胸が痛む思いがあったが――攻撃に『髪』を使うのであれば。
『髪』様であると、その身が体現しているのならば。避けられない事象であった。
『ああ……ああ。わたしの、髪が……』
「直接の突撃は任せたよ、律。黄昏の雷鳴の意地を見せつけてやんな!」
 隣で雷電が、駆け抜けていく。
 言葉通りの能力増強で足に働きかけた速さは、髪を燃やされ泣き顔を浮かべる女神の顔を即座に拝む事を可能とした。
 轟音を立てて、真っ向から向き合う律の横顔は真剣そのもの。
「髪を焼き払われてしまって無念だろうが、――俺には当たらないな。雷と|髪鳴り《かみなり》と、同じ読みだからって正真正銘の雷鳴に通用すると思うなよ?」
 恨みの炎、などという言葉がアレば。
 過激な恨みの雷だって在るかもしれないが、本物の雷には至れないだろう?
『……ひええ、まさか雷神様が居るなんて……!』
「雷神ではないが、俺も遊びで黄昏の雷鳴名乗ってる訳じゃない。迷惑なんで、その粘着質な性質ごと消えろ!!」
 男は吼える。呼応するように雷が、ばりばりと周囲の空気を焼いて、爆ぜた。
 欲しがる女神に渡せるモノはこの島にはないのだと。
 自身より発生させた黄昏の雷鳴をその身に受けて――島から場外へ飛んでいけ!
 跳ね上げた攻撃力と速さは、すなわち突進力と推進力。
 ふよふよふわふわ、体を浮かせていた女神はひとたまりもない。
 炎で焼かれ、雷に焼かれ――髪を無惨な状態にした女神は、誰かに合う前に拾っていた『髪で縛り上げたもの』を取りこぼしながら、島の縁へ追いやられるように、吹っ飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
■アドリブ絡み可
わたしと遊びましょう!とシエナは遊びに誘います。

お遊戯会の参加者達が鈴の音を追う中でシエナが目指すのは長い髪が素敵な女神様
シエナが島を訪れたのはオブリビオンと仲良くなり『お友達』に迎える事でありメガリスはそもそも眼中にありません

それなら新しい名前を考えればいいんだよ!とシエナは提案します。

女神様と仲良くなる為に悩みを解決する手段を提案しながら迫りくる髪をカボチャシュートで散らし、絡みついた髪を[怪力]混じりに梳き解し、電撃を[激痛耐性]で無視しながら女神に迫り女神が抱える寂しさを晴らす為に全力のハグを決めようとします

ぎゅっとすれば孤独とはサヨナラだよ!とシエナは微笑みます。



●あなたのなまえは

 時折カボチャを投げ返し、それなりの応戦してはいるものの。
 基本的には防戦一方の不器用な女が島の隅に一人いた。
 その女はおどおどしており、泣きじゃくっており、被弾を受けてばかりで麗しい髪もやや台無しにしている。
 長髪というのも、今や遠い。
 女の周囲は何故かやや焦げ臭く、女自身も雷に焼かれたように服装を乱している。
 ところどころ雑に燃え焦げたショートヘアーが特徴的、と言えただろう。
 元より『名』さえ忘れられ堕落したものであり、女神である立場からすれば――彼女は一方的に攻撃を加えるのを躊躇ったのである。
 彼女がどこの土着信仰を持っていたのかは、当然誰も知らない。
 だからこそ、彼女は孤独の女神なのだ。
 少しずつ、島の外へ追いやられていく"オブリビオン"の姿を見つけてくる猟兵以外が知る由もない。
 弱気で、負け気質で、仲間が居ない。様子のおかしな孤独のお祭り参加者のひとり。
 そんな彼女のことをただの祭り参加者にしか思ってなどいないだろう。
「あなたがひとりぼっち?そんなことはないからね、わたしと遊びましょう!とシエナは喜んで遊びに誘います」
 手を差し出して、シエナ・リーレイは、ニコリと微笑んで見せる。
 爆発や悲鳴を奏でる沢山のお遊戯会の参加者たちのなかで、鈴の音を一心に追う長い髪が素敵な女神様。
 集団で現れたアイスセイレーンたちを引き連れて寂しいを埋めたがった独りぼっちの、神様。
「島へ訪れたのは、遊ぶ為だけではないから。シエナは『お友達』と仲良くなりたいのです」
 鈴の音も、ハロウィンボムも、悲鳴も敗北も、もともと眼中に無いシエナは対象を見つけて気分も心も弾むよう。
 オブリビオンと仲良くなる。自身の『お友達』の一人に加える。
 ひとりぼっちなんて、さようならなんだよ?と勧誘するように語れば、女神の心が傾かないかとソワソワと相手の出方を伺った。
『……ひとりで、いなくても、良いと?名前を忘れられてしまったわたしには、その資格は……』
「名前がないの?それなら新しい名前を考えればいいんだよ!シエナは提案します」
『新しい、なまえ……?』
「どんな名前が欲しい?とシエナは尋ねます!」
 覚えているのはどんなこと?それとも、忘れられてしまったから記憶から取りこぼれてしまっただろうか。
 シエナの無垢な問いかけに、女神はぷるぷると体を震わせる。
「どうかしたの?とシエナは気にかけています」
『……い、いえ。とても、なんだかとても、嬉しくなるような事を、言って貰ったから……』
 嬉しくて、嬉しくてつい――ばちばちちち。
 短な髪に雷が纏われていく。神様的チカラで無限に伸びていく神は、まさに変化自在の要素だ。
 髪の女神であるという事実と、髪は彼女自身でもあるという証拠だ。
『あなたを縛り付けたならば、わたしは独りじゃなくなるかしら……なんて』
 欲しがる気質はシエナへ向いた。
 しかしシエナには好都合。
「思ったことを言うよ、あなたとお友達になりたいもの。シエナは悩みを解決するでしょう!」
 衝動的行動に動き出した女神に対し、迫り来る髪にシエナはカボチャを蹴り上げて思い切りシュートを決める!跳ね除けて笑みを向けたが、ばちばちと雷を纏った髪はシエナを背後から縛り上げる。
 傍で女神の声が聞こえる。
『ああ、やったわ?捕まえた。捕まえたわ……?』
「良い作戦だね、楽しいね!とシエナはあなたを称賛します」
 しかしシエナも黙って捕まることはない。雷に対する耐性はないが――激痛を我慢することは出来る。
 絡みついた髪を怪力混ざりに強引に引き剥がすように捌いて。
「簡単には捕まってあげないけど、ハグすればみんな『お友達』だよ!とシエナは満面の笑みを浮かべ抱き着きます」
 駆け寄るように、抱きとめる。
 もう大丈夫だよ、と思わせるハグがきっとそこにはあった。
 女神に迫り女神が抱える寂しさを晴らす為に全力のハグ。人形化の呪詛を纏う、親愛と好意が籠もった力強いハグに女神は――堕ちることだろう。
「ぎゅっとすれば孤独とはサヨナラだよ!とシエナは微笑みます」
『……そう、ね。わたし、ひとりじゃ、ないのかも……』
 ただし、女神という要素が彼女から抜けてしまえば、名さえ失っていた女神の存在の根幹が崩れ去る。残されるものは『髪束』だけだ。
 不思議と、手元に小さく遺った人形をシエナがどうしたかは、誰にも分からない。


 独りの女神が島から満足を抱えて消え去ったとしてもお祭り騒ぎが止まらないように。
 変わらないものが、この世界にはあふれているのだから。
 猟兵が見た、オブリビオンたちもまた目的を変えれば遊びに現れた寂しがりやであったかもしれない。
 ハロウィン当日まで、まだ期日がある。
 つまり――この島のこの騒がしすぎる様相は、まだ暫く続くのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月27日


挿絵イラスト