●ラグジュアリーサマー!
そこはUDCアースでも有名なグランピング施設、ラグジュアリー・シー。名前の通り、海の近くでラグジュアリーなひと時を過ごせると人気のスポットだ。
ベルテントに大型のドームテント、別荘風のコテージと好きなスタイルを選べるのも魅力の一つ。そしてそのどれもが充分な間隔があり、多少騒いでも苦情が入るようなことはない。
バーベキューの道具も全て揃っていて、食材もお好みのものをチョイスすることが可能。調理器具も大抵のものはあるので、作りたい料理を楽しむのだって問題なくできるだろう。
そして、目の前に広がるのはプライベートビーチとも言える海、水遊びもバーベキューも花火も肝試しも、きっと何をしたって楽しいひと時になるのは間違いないはず。
そんな場所へのお誘いを猟兵達にかけるのは――。
●とっておきの夏休み~Daytime~
オブリビオンは盆暮れ正月と待ってはくれないけれど、猟兵だって休みは欲しい。
「休みって言うたら、やっぱりサマーバケーションやと思うんよ!」
グリモアベースの一角で、既にサマーバケーションスタイルとなった八重垣・菊花(翡翠菊・f24068)が浮き輪を抱え、集まった猟兵達に高らかに告げた。
「でな、うちサマーバケーションにぴったりな場所を見つけたんやけど、皆はグランピングって知っとる?」
得意気に笑った菊花がグランピング、と言葉を繰り返す。
「簡単に言うとな、テントやバーベキューなんかの道具を準備せんでも気軽にキャンピングが楽しめる体験のことなんやって!」
正確には|グラマラス《豪華な》とキャンピングを組み合わせた言葉だそうで、手荷物ひとつで気軽に遊びに行ける場所だ。
「でな? そのテントっていうんがまた豪華なんよ!」
テントと言われれば、三角形の形をしていたり少し丸いドームのような形をした二人くらいが寝転べるサイズを想像するのではないだろうか?
「これが大型のドームテントでな、ダブルサイズのベッドが六つは入る大きさなんよ」
ソファにテーブルもあるというのだから、その大きさは推して知るべし。
「二~三人用のベルテントっていうんもめーっちゃ素敵やしな、別荘風のコテージもホテルの一室みたいでラグジュアリー! って感じなんよ~!」
そこまで一息に言い切ってから、菊花が他の醍醐味についても話し出す。
「でもま、昼の間はテントにおるよりも外でバーベキューしたり泳いだりする人の方が多いと思うよってな? ちゃーんと美味しいお肉や野菜も準備されてるんよ!」
食べ応えのある各種お肉! 飯盒で炊くお米! ダッチオーブンを使った料理だって楽しめる。特にダッチオーブンはその名の通り、オーブンとしてローストチキンやローストポーク、グラタンやパンを作る事だってできるし、煮たり焼いたり蒸したりだってお手の物だ。
「たっぷり水遊びした後にバーベキューもええし、美味しく食べた後にテントでお昼寝するんもええよねぇ」
それってとっても|素敵なこと《ラグジュアリー》だと菊花が笑う。
「勿論な、グランピングや水遊びで出来ることは大抵できるよって、楽しみ方は人それぞれやよ」
そう言って、菊花が柏手を一つ打ってグリモアを呼び出し、ゲートを開く。
「思い思いのサマーバケーション、楽しい思い出を作ってきてな!」
一番楽しもうとしている少女が、猟兵達を見送るように頭上に持ち上げた大きな浮き輪を振った。
波多蜜花
閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
水着の季節がやってまいりましたね、サマーバケーション! こちらは一章のみのお楽しみイベントシナリオとなっております。昼間・夜・深夜の三部作となっておりまして、それぞれ案内する猟兵が違います。場所は同じですので、お好きな内容のシナリオに参加いただければ幸いです(複数参加も歓迎です)
水着は特に希望がなければ今年の水着を勝手に描写する場合があります。水着をお持ちでない方も、☆をプレイングのどこかに入れてくだされば、勝手にイメージで水着を着せます(ない場合はプレイングでの指示が無ければ描写致しません)
●プレイング受付期間について
断章投下後にタグやMSページ記載のURL先にてご案内しております、参照いただけますと助かります。
また、参加人数やスケジュールの都合、予期せぬ出来事によっては再送をお願いする場合がございます。なるべく無いように努めますが、再送となった場合はご協力をお願いできればと思います(この場合も、タグとMSページ記載のURL先にてお知らせ致します)
オーバーロードについてはMSページに記載があります、ご利用をお考えの方がいらっしゃいましたらお手数ですが確認していただけると幸いです。
●できること
時間帯は昼、午前十時~午後五時くらいです。
豪華なグランピング施設でのバーベキュー、海での水遊び、ご希望のテントやコテージでの一幕など、昼間にできそうな事はお好きなようにやって頂いて構いません。
POW/SPD/WIZは気にしなくて大丈夫です。
●同行者について
同行者が三人以上の場合は【共通のグループ名か旅団名】+【人数】でお願いします。例:【煌夏3】同行者の人数制限は特にありません。
プレイングの失効日を統一してください、失効日が同じであれば送信時刻は問いません。朝8:31~翌朝8:29迄は失効日が同じになります(プレイング受付締切日はこの限りではありません、受付時間内に送信してください)
未成年者の飲酒喫煙、公序良俗に反するプレイングなどは一律不採用となりますのでご理解よろしくお願いいたします。
●その他
プレイングでのご指定がありましたら、菊花がご一緒致します。もし何かあればご用命くださいませ、プレイングに記載なければ登場することはありません。
それでは、皆様の素敵なサマーバケーション昼の部をお待ちしております。
第1章 日常
『おいしく楽しく』
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POW : とにかくたくさん食べる!
SPD : ゆっくりと味わって食べる!
WIZ : おしゃべりを楽しむ!
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
乱獅子・梓
【不死蝶】◎
自分達でテント張ったり食材を集めたりするのも醍醐味だが
最初から上質なものが用意されているというのも良いな
しかもダッチオーブンまであるとは…今日はこれで料理してみようか
お前、今絶対オーブンレンジ的なものを想像しただろう
様々な調理法がこれひとつでこなせる万能鍋だな
なんかさっきから綾がダッチオーブン料理について
大声で独り言を言っているが…
はっきり言わずとも「梓作って」と念が込められているのは分かる
無視しようかとも思ったが、まぁ二品くらいなら聞いてやろうか(甘い
用意された食材をふんだんに使って
ローストビーフ、スペアリブ、パエリア、クラフティなど
ちょっと贅沢な気分が味わえる料理を作っていく
灰神楽・綾
【不死蝶】◎
これがダッチオーブン……いや、これお鍋じゃない?
スマホ取り出し「ダッチオーブン 料理」で検索
へぇ、本格的な料理がこんなに作れるんだねぇ
ダッチオーブン料理で特に人気なのはローストビーフらしいよ
出来たてのローストビーフはさぞかし美味しいんだろうなぁ~
肉もいいけど魚料理も気になるよね
パエリアなら主食にもなるし魚介類がたくさん食べられるし
見た目もオシャレでいいよね~
デザートも外せないよね
すごい、ダッチオーブンでケーキやプリンやパンまで作れちゃうんだ
どれも美味しそうだなぁ(チラッチラッ
そんなこんなで
梓に作ってもらったダッチオーブン料理はどれも絶品で大満足
今後もキャンプのたびにこれ使おうよ
●わくわくダッチオーブン!
地平線を眺め、その境界線にある海と空の青の色を確かめるように乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)がサングラスを指先で引っ掛けて僅かにずらす。
「いいところだな、そう思わないか? 綾」
毎年どこかしらに出掛けてはいるけれど、どの海も山も美しいと思う。それに、何と言っても今回はグランピングということで既に広くて綺麗なテントが張られているのだ。
「自分達でテント張ったり食材を集めたりするのもキャンプの醍醐味だが、最初から上質な物が用意されているというのも良いな」
今回は二人だからとベルテントにしてみたが、これが中々どうして見事なもの。テントの両端に一つずつ設置されているベッドもセミダブルサイズで寝心地も良さそうだし、テントの虫除け対策もばっちりされている。
「そう思わないか? 綾」
先程から何度か名を呼んでいるが、全く返事がない。んん?? と思って海から視線を外して梓が灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)を見遣れば――。
「これがダッチオーブン……いや、これお鍋じゃない???」
どう見てもオーブンっていうよりお鍋だと、ダッチオーブンを凝視していた。
「お、ダッチオーブンまであるのか」
「ねえ梓、これお鍋だよね? オーブンじゃなくない?」
「……お前、今絶対オーブンレンジ的なものを想像しただろう」
それで返事しなかったのかと、梓が溜息のように息を零す。
「だってオーブンって」
「オーブンっていうのはな、大まかに言えば空気を熱して調理する器具って意味だな」
「ってことは、これも?」
「蓋の上に炭火を置いて上からも下からも熱することができる……はずだ。所謂、様々な調理法がこれひとつでこなせる万能鍋だな」
へ~~、と納得したように綾がダッチオーブンの蓋を開けて中を覗き込んだ。
「今日はこれで料理してみようか」
「これで?」
ふむ、と考え込むような仕草をしてから、綾がおもむろにスマホを取り出して何やら調べ始める。
「ダッチオーブン、料理……っと」
フリック入力でささっと検索し、検索結果を片っ端から見ていく。
「へぇ、本格的な料理がこれ一つでこんなに作れるんだねぇ」
「だろう? 電気がなくても火があれば何とでもなるんだ」
うんうん、と頷く梓を横目にしつつ、綾が気になる料理を読み上げる。
「ダッチオーブン料理で特に人気なのはローストビーフらしいよ。出来たてのローストビーフはさぞかし美味しいんだろうなぁ~」
なんたって出来立てだもんなぁ~、と綾が心なしかいつもより大きな声で言う。
「あ、でも肉料理もいいけど魚料理も気になるよね」
すい、と指先でスワイプしてスマホの画面に現れたのは魚介豊かな――。
「パエリアなら主食にもなるし、魚介類がたくさん食べられるし、見た目もオシャレでいいよね~」
ね~? と僅かに語尾を上げている。
「……さっきから独り言がすごいな?」
ダッチオーブン料理について、大声で喋っている。勿論、この場には綾と梓しかいないので他の人に聞かせるつもりはないはず。つまりは――。
「作ってってことだな……?」
はっきりとは言われていないが、確実に|食べたいな~~《梓作って》という圧を感じる。
「〆にはデザートも外せないよね。あっ」
チラッと綾が梓に視線を向けて、チラッとスマホの画面を見せるように向けた。
「すごいよね、ダッチオーブンでケーキやプリンまで作れちゃうんだ。どれも美味しそうだなぁ」
「…………」
無視しようかとも考えたけれど、まぁ二品くらいなら作ってやらないこともないと梓が材料を取りに行く。その後ろをとてててて、と着いてきた綾に色々持たせて戻ると梓がいざダッチオーブン料理と仕込みを始めた。
「梓、それは?」
「これはローストビーフにする」
「こっちは?」
「スペアリブだ」
料理名を聞くたびに綾がサングラスの奥の瞳をキラキラと輝かせ、こっちは? あっちは? と子どものように梓に聞いて回る。
「これはパエリア、それからこっちはクラフティだな」
「クラフティ?」
「果物なんかにカスタード生地を注いで焼き上げたスイーツだ」
美味しそう! と笑った綾に頷いて、梓がちょっとばかり贅沢な気分が味わえる料理を次々と作り出していく。
「ほら、どうぞ」
木製のテーブルに並べられた料理に綾がパチパチと手を叩きつつ、お皿に取り分けられた料理を頬張る。
「ん、すっごい美味しいね!」
「ああ、ダッチオーブンを使った料理っていうのは中々だな」
旨味が凝縮しているというのだろうか、いつもより美味しい気がする。もしかしたら、外で食べる解放感もあるのかもしれない。
「どれも美味しい~、ねぇ梓」
「何だ?」
「今後もキャンプのたびにこれ使おうよ」
これ、と綾がダッチオーブンを指す。
「そうだな……まだ試してみたい料理もあるし」
悪くないな、と梓がパエリアを食べながら笑った。
「夜食にはさ~、袋麺も作ってよ」
「まだ昼飯食ってるところだぞ??」
えー、だって絶対美味しいでしょ、深夜の袋麺! と、ローストビーフを頬張りながら綾が楽しそうに笑って、ね? とねだるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夏目・晴夜
◎
さてリュカさんf02586、夏と言えば?
そう、水遊びですね
ええ、夏らしく殺しましょう!
…ではなく、遊びましょう!
私は水風船を大量に用意しました
体感的には子持ちししゃもの卵くらいの量を用意しました
多すぎて持ち運べない故に移動できないという代償は大きいですが
物量に物を言わせて仕留めます
店員さんにきつく着付けられたマントは脱いで片手に持ち、盾に
めちゃくちゃ暑くて重かったですが、なかなか便利なものですねえ!
水を吸って更に重くなりましたけど!
それはつまりハレルヤを褒め、いって(転倒
…いや待って下さい、殴るのはアウトでしょう!
なんか良い感じに仰ってますが、
序盤に殺そう発言を聞いたが故に全てが信用できない
リュカ・エンキアンサス
◎
晴夜お兄さんf00145と
水遊びをする
19年の水着と水鉄砲用意
…よし、殺そう
……え。違うんだ?
今年こそはと思ったんだけど
というわけで全力で海遊びをします。
水鉄砲はなるべく顔を狙って発射。地面にはある程度水風船を隠しておいて要所要所で拾ってぶん投げる
相手の攻撃は基本予備動作を見て戦闘知識と第六感でかわす
最悪致命傷は避け…
…
……
(なんか変なのがいる
(これ、転ばした方が早くね?
あっ。あんなところにお兄さんがかっこいい!(雑(からの転ばせる
あとは水鉄砲で殴…
え、何?
勿論殺す気はないけれども、殺すつもりでやってる
何事も本気って大事じゃない。だから。
それにほら、たくさん動いた方がお腹が空いていいかなって
●今年の海は水遊びで!
「夏ですね! リュカさん!!」
「そうだね、それ去年も聞いた気がするね」
「そうでした? ではこの後続くセリフもお分かりでしょう! そう! 夏といえば?」
どこかの王侯貴族がお忍びでビーチにやってきたような、もふもふしたくなるようなファーの付いたマントを翻して夏目・晴夜(不夜狼・f00145)がリュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)へと問う。
「水遊びですね!」
「今年は俺の返事を待たないパターンだったかー」
「ハレルヤは意外性を重んじる男ですから!」
「そのマントは暑くないの?」
「ハレルヤほどの男になれば、これくらい!」
言いながらマントを翻す、その姿は堂に入った物だったが流れる汗は隠せない。ファサ……ッみたいな擬音が見えた気がする、と思いつつリュカは粛々と目を守るゴーグルを装着し、水鉄砲と言うよりはウォーターガンなそれをガシャコン! と動作チェックをしていた。
「これだけ暑いと水遊びも捗る気がするよ。よし、殺そう」
「ええ、夏らしく殺しましょう! ……ではなく、遊びましょう!」
「……え。違うんだ?」
うっかり殺そうとしてしまったんじゃなくって? ガチです? みたいな顔をしている晴夜に首を傾げながら、リュカが今年こそはと思ったんだけど、と小さくつぶやいた。
「やめてください! ガチっぽい雰囲気を出すのは!」
国宝レベルの顔を傷付けないでくださいね、と念押しを忘れない。
「わかった、顔ありルールね」
「んん~~~これぞリュカさん!」
容赦がない! ウキウキしながら晴夜が取り出したのは水風船だ。
「お兄さんは水風船?」
「ええ、大量に用意しました」
「大量に」
「ええ、体感的にはそうですね……子持ちししゃもの卵くらいの量を用意しました」
「子持ちししゃもの卵くらい」
それは具体的に幾つくらいなのか、とリュカが晴夜の向かう方に視線を向ければ、晴夜の身長よりも高く山になった水風船が見えた。
「これを一人で準備したの?」
「はい! 夜なべしました!! あっ正確には朝からですね!」
「……すごいね」
言葉の裏に多分馬鹿だねって意味があったかもしれないし、純粋にすごいなこの人って思ったかもしれない。ちなみに、シシャモの卵は個体にもよるが9000~13000と調べられているそうな。
まあ、それはそれとしてリュカが怯むはずもない。全力で海遊びをするぞと気合を入れて、晴夜を前にすると水鉄砲を向けた。
「勝負だよ、お兄さん」
「望むところです!」
対する晴夜は水風船の数が多すぎて持ち運べない――つまり移動が不可能という代償はあるが、物量の力で押し切るという強い意志を感じる不退転の構えである。
まず動いたのは機動力のあるリュカで、水鉄砲を構えながら晴夜に向かって駆けた。
「さすがリュカさん、身軽ですね! ですがこちらは……無数とも言える水風船ですよ!」
リュカの動きを読みつつ水風船を投げつける!
「そんな動きで俺に当てられると思ったら困る」
走りながら腰を落として顔を狙った水風船を避け、晴夜の綺麗な顔を吹っ飛ばす勢いで水鉄砲の引き金を引く。
「甘いですよ!」
フッと笑った晴夜がマントを脱いで片手に持つ、それはまるでパラディンの盾のよう。
「いやぁ、店員さんにきつく着付けられて、ハレルヤにめちゃくちゃ似合うけどめちゃくちゃ暑くて重い、でもめちゃくちゃ似合うから脱ぐのも忍びないと思っていたマントが役に立ちましたねえ!」
リュカの放った水流はマントの生地に吸い取られ、反撃を喰らう前にリュカが離れていく。
「いやあ、便利便利! 水を吸って更に重くなりましたけど!」
あとふわっふわだったファーの部分も水を吸ってしなっしなになっている。
「……陰干しすればふわっとなりますかね?」
それか最悪クリーニングかな、等とマントを掲げながら晴夜がぶつぶつと言っている間に、リュカがさりげなく拝借した水風船を砂地に埋めていく。
「ふう、さすがお兄さん。最悪致命傷を避ければこっちの勝ちとして……」
そこまで作戦を組み立ててから、改めて晴夜を見遣って――思わず二度見した。
「|……《何あれ》。|…………???《何か変なのがいる》」
そう、水を吸ったマントを掲げて立ち尽くす姿は、辺りに無数にある水風船と相まって腹を裂かれた鱒か何かのよう。
「……よし」
これは間違いなく転ばした方が早い、浜辺に打ち上げられた魚にしてやる。
リュカのゴーグルの奥の瞳が獲物を狙うスナイパーとして光を放つと、すぅっと大きく息を吸い込んで――。
「あっ。あんなところにお兄さんがかっこいい!」
「えっ!? それはつまりハレルヤを褒め」
晴夜がえっ!? って言った瞬間に距離を詰めるべく走り出し、褒め、の辺りで腰を落として低くした姿勢から蹴りを入れて転ばせる。
「いって!」
そして転倒した瞬間を狙って水鉄砲のグリップ部分で殴りかかる!
「……ッ!」
間一髪、マントでそれを防いだ晴夜がもぞもぞしながら抗議の声を上げた。
「いや、待ってください! 殴るのはアウトでしょう!」
「え、何?」
「何? じゃないです!」
「勿論お兄さんを殺す気はないけれども、殺すつもりでやってる」
つまりどういう事だってばよ??? と、晴夜がマントでなんとかグリップを押し返す。
「何事も本気って大事じゃない。だから」
「だからじゃないんですよねえ! なんかいい感じに仰ってますが、序盤に殺そう発言をしていた事をハレルヤは忘れていませんよ!」
「チッ」
「舌打ちィ!」
「それにほら、たくさん動いた方がお腹が空いていいかなって」
「取ってつけたような理由ですね!?」
しょうがないな……みたいな雰囲気で晴夜から退いたリュカが改めて水鉄砲を彼の顔に向けて引き金を引いた。
「わっぷ! ハレルヤの国宝級の顔がー!」
「はいはい、綺麗になったね」
汗も流れて一石二鳥だよ、お兄さん。そう、リュカが額に浮かんだ汗を拭って楽し気に目を細めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
【真宮家】3
ふうん、グランピング。あらかじめ用意が整っているキャンプで間違いないかい?子供たちと夏休みを過ごしたくてね。いつも連れて行くのが戦場では余りにも味気ないしね。
水遊びが出来るという事で新しく仕立てたタンクトップビキニを着ていく。ご飯は作っておくから奏と瞬で水遊びしておいで。
野外生活は慣れてるしね。手慣れた手付きで飯盒でご飯を炊き、ダッチオーブンでローストポークを仕上げ、鍋で豚汁を作る。水遊びから帰ってきた子供達にはバーベキューを手伝って貰おうかね。
ああ、楽しく過ごせる時間は存分に満喫したほうがいい。もっとも、アタシは奏と瞬が楽しそうにしているのを見れば全ての疲れが吹っ飛ぶが(笑顔)
真宮・奏
【真宮家】3
キャンプも準備するの大変ですしね。予め用意されてるキャンプもあるんですね。グランピング、っていうんですね。ええ、戦いばかりじゃ息切れしますし、遊べる時に遊びましょう!!
水遊びする為に新しく仕立てた水色のクロスホルタービキニを着用。兄さん、水遊びしませんか!!(水かけ先制攻撃!!)あはは、油断大敵ですよ、にいさ・・・わっぷ!!(反撃を喰らう)うう、体格の差か水の量が半端ない・・・負けませんよ!!
しばらく水かけ攻防戦を続け、お腹が空いたら、お母さんの元へ戻って手作りのご飯に目をキラキラ。凄いです!!残さず頂きます!!
こういう1日もいいですよね!!ああ、楽しいなあ。
神城・瞬
【真宮家】3
予めキャンプの用意がされてるんですね。グランピング、というのですね。そうですね、休める時に休む事も大切でしょう。
水遊びやる気満々の奏に付き合う為に紺のラインが入った白いサーフパンツを着用。水辺に着いた途端の奏の水かけ先制攻撃に一瞬たじろぎますか、男と兄としての意地で水かけ反撃。しばらく実年齢を忘れて水かけで激しい攻防戦を繰り広げます。
奏に付き合ってぐったりしてますが、バーベキューは手伝いますね。母さん一人で大変ですし。ご飯の準備が出来たら家族で食べますね。
こういう家族で過ごす何気ない日々こそ、僕の護るべきもの。ええ、楽しくて、幸せですよ。とても。
●夏休みは家族でグランピングを楽しんで
グランピング――ここ近年でよく耳にする言葉だが、どんなものかと問われてすらりと答えられるかといえば、そうでもない。漠然と、キャンプが気軽にできる施設といった認識が多いのではないだろうか。
「ふうん、グランピング。あらかじめ用意が整っているキャンプで間違いないかい?」
真宮・響(赫灼の炎・f00434)もまた、案内役から詳しく聞き理解を深めた一人だ。
その通りです、と案内役が頷き、三人が泊まるには充分な広さを持つドーム型のテントへと案内する。
「わあ、素敵……!」
思っていた簡素なテントとは違い、まるでホテルの一室かと思うようなドーム型のテントに真宮・奏(絢爛の星・f03210)が目を瞬かせ、母と義兄である神城・瞬(清光の月・f06558)に向かって振り向いた。
「キャンプも準備するの大変ですし、こんな素敵なテント……テント? ですよね、これ」
あんまりにも立派なテントに奏が思わず確認すると、案内役がドーム型のテントで広さと快適さが自慢なのだと教えてくれる。
「こんな風にあらかじめ用意されてるキャンプもあるんですね……これがグランピング……」
「便利なものですね。なるほど、|グラマラス《豪華な》とキャンプが合わさって作られた造語なのですか」
うっとりとテントを眺める奏の後ろで、勉強になりますねと瞬が頷く。
「母さんはどうして此処を選んだんですか?」
「うん? アンタ達とゆっくり夏休みを過ごしたくてね」
奏の問いに、ふっと笑って響きが答える。
「いつも連れて行くのが戦場では余りにも味気ないだろう?」
休める時にしっかり休む、それが戦士の基本というものだ。
「ええ、戦いばかりじゃ息切れしますし、遊べる時に遊びましょう!」
「そうですね、休める時に休む事も大切でしょう」
休んでばかりでは身体も鈍るというものだが、自分達に至ってはその心配はない。猟兵としての務めをしっかりと果たし、その上でバカンスに赴いているのだから。
「さ、水着に着替えようか」
「はい!」
この日の為に新調した水着を手に、奏がぴょんと飛び跳ねた。
「私は二人の後で着替えますね」
瞬が笑って、先にどうぞとテントを譲る。
「悪いね、時間は掛からないから」
「あっという間ですよ!」
その言葉通り、瞬がバーベキューのコンロや器具を眺めていると水着に着替えた二人が出てくる。
響はタンクトップビキニで、ボトムにショートパンツを履いている。対する奏は水色のクロスホルタービキニ姿で、腰には短めのパレオという夏らしい健康的な姿だ。
二人に続き、瞬が紺のラインが入った白いサーフパンツ姿で出てくると、奏が似合っていると我が事のようにはしゃいで褒める。
「奏も母さんも良く似合ってますよ」
お世辞などではなく、本当に良く似合っていると瞬が頷いた。
「さて、アタシはご飯を作っておくから奏と瞬は遊んでおいで」
「いいんですか?」
「母さん一人で大変じゃないですか?」
瞬と奏の言葉に響が笑い、大丈夫だからと二人を海へと送り出した。
「さて、あの子達が楽しく遊んでる間に色々作ろうかね」
野外生活は慣れたもの、バーベキューは肉と野菜を食べやすいサイズに切って串に刺せばいい。
「これは二人が帰ってきたら手伝って貰おうか」
食材だけ切り分け、冷蔵庫に肉を仕舞う。それから、飯盒でご飯を炊く為に米を研いで。
「三つ……じゃ足りないね」
何せよく食べる娘がいるのだ、水遊びをして帰ってくればきっとお腹をぺこぺこに減らしているはず。
「少し多めに炊いて、焼きおにぎりにしてもいいね」
あとはこのダッチオーブンだと、重たい鍋を軽々と持ち上げてバーベキューコンロの上に載せた。
「牛肉はバーベキューで使うから……こっちは豚にしようか」
豚ロースの塊に幾つか切り目を入れ、適度な塩で揉み込むとニンニクやローズマリーを挟んで中へと入れて、大きく切った玉ねぎとジャガイモを準備するとオリーブオイルをダッチオーブンに入れて食材を放り込む。
「あとは勝手に出来上がるからね」
その間に、豚汁でも作ろうかと鍋を火に掛けた。
「ふふ、楽しく遊んでるかね」
料理を楽しみながら、響が海へと駆けて行った可愛い子ども達を思って笑った。
一方、海へ向かった奏は波打ち際に足を浸けて、一気に膝くらいまで進んでいく。
「気を付けるんだよ、奏」
「はい!」
元気いっぱいの返事を聞きつつ、瞬も奏の後を追う。
「兄さん、水遊びしませんか!」
くるり、と振り向いたその勢いのまま、奏が両手で掬った海水をえいっ! と瞬に放つ。
「わ、っと」
「あはは、油断大敵ですよ、にいさ……わっぷ!」
突然の水掛けに一瞬怯んだものの、顔に掛かった水を拭って瞬が望むところだと笑いながら反撃を仕掛けた。
「うう、体格の差か水の量が半端ない……! 負けませんよ!!」
お互いの負けず嫌いに火が点いた、とでもいうのだろうか。
「えいっ! どうですか!」
「何の、これしき!」
男として、兄としての意地もある瞬が負けじと激しい水飛沫を奏へ向ける。
「きゃー、あはは! それなら私はこうですよ!」
楽し気な悲鳴と笑い声を響かせて、互いに童心に帰ったように水遊びを楽しんだ。
「決着が付きませんでしたね」
「審判もいませんからね」
やっぱり母さんがいないと、と二人で笑いながらグランピング施設へと戻る。
「お腹空きました!」
「はい、私もです」
奏の言葉に瞬が笑って頷くと、泊まる予定のドームテントの方からいい匂いがしてきて、顔を見合わせて駆け出した。
「おや、おかえり。楽しめたかい?」
「はい! とっても!」
「ええ、奏に付き合って少し疲れましたが……手伝いはできます」
「ハハ、それならバーベキューを手伝って貰おうかな」
串に刺して焼いておくれ、と頼まれて瞬と奏がせっせと肉と野菜を串に刺していく。
「わあ~美味しそうです! ローストポークに豚汁に……焼きおにぎりも! 凄いです! 残さず頂きます!!」
「たくさん食べな、瞬もね」
「はい、いただきます」
「いただきまーす!」
まずは冷えた身体を温めるように豚汁を、そしてホクホクしっとりなローストポークに付け合わせの野菜。焼きおにぎりも頬張れば、キャンプの醍醐味を全て詰め合わせたような幸せな味!
「こういう一日もいいですよね!!」
「ああ、楽しく過ごせる時間は存分に満喫したほうがいい」
二人の会話を聞きながら、こういう家族で過ごす何気ない日々こそ、僕の護るべきものなのだと瞬が笑みを浮かべる。
「ああ、楽しいなあ」
「ええ、楽しくて、幸せですよ。とても」
母さんは? と二人が響を見て笑う。
「勿論幸せさ。もっとも、アタシは奏と瞬が楽しそうにしているのを見れば全ての疲れが吹っ飛ぶが」
何よりもそれが自分の幸せだと、響が心底楽しそうに微笑んだ。
三人の楽しい時間はまだまだこれから、夏休みを全力で楽しんで――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
呉羽・伊織
【盛2】◎
(広~いコテージの中でぽつんと小さく膝抱え)
ううっ…オカシイ
ホントなら今頃はぐらまらす水着美女とらぐじゅありーなばけーしょんを謳歌してたハズなのに…
(顔を上げても、目の前には狐筆頭に珍獣団しかいない!)
あっちがうって浮気とか抜け駆けとかそんなコトはっ(ぴよ&亀&|蛟《鰻》を宥めつつ)
てかどんな予定組んでんだよ!
(主に胃が)ハードスケジュールすぎる…
(結局いつもの展開に流されBBQへ――火加減は任せ、浅瀬できゃっきゃと水浴び始めた動物達見守り)
なんてーか無邪気な夏休みって感じで、心洗われる光景だな~
そりゃまぁ勿論、悪かないさ――お前の食気タイム以外はな~!(こんな熱々は望んでな~い!)
千家・菊里
【盛2】◎
(お供のおたま&伊織のぴよこさん・亀さん・|蛟《鰻》さんも一緒に連れ――
ご多忙の水着美女さんに代わり、今回も俺が|お送り《御守》します)
また譫言ですか?
ほらほら、“儚い浮気を目論む暇があるなら、私達と遊んで!”と、皆さん仰ってますよ
こんなに愛らしい子達を放っておいて良いんですか?
さぁ、黄昏るにはまだ早いですよ
これから昼食BBQ→腹ごなし水遊び→間食BBQ→三時のBBQ…と、予定も食材も山盛なので、早く出ましょう
(おたまも遊ばせてあげつつ、自分はばっちり火加減担当)
ふふ、ええ、これは心身共に実に満たされますねぇ
こういう一時だって良いでしょう?
ほら、熱々(肉)と甘々(氷菓)も揃えてますよ
●今年の夏も予定調和でバーベキュー!
ラグジュアリー・シーという名に相応しい、豪華なグランピング施設――その中でも特にグレードの高いコテージの広い一室で、呉羽・伊織(翳・f03578)は一人ぽつんと膝を抱えて項垂れていた。
外を見れば燦々と輝く太陽が海の水面を照らし、宝石を鏤めたかのような光が見えるというのに、伊織はず~んと暗い影を背負ったかのようにコテージの艶めく板目を指でいじいじと撫でている。
「ううっ……オカシイ」
オカシイのはあなたですよ、伊織。という言葉を飲み込んで千家・菊里(隠逸花・f02716)がお供のおたまと伊織のぴよこと亀、そして|蛟《鰻》を連れて眺めつつ、バーベキューの準備をするべく動いていた。
「ホントなら今頃はぐらまらす水着美女と|らぐじゅありーなばけーしょん《キャッキャウフフ》を謳歌してたハズなのに……」
昨夜は夢にまで水着美女との楽しいひと時が出てきたから、すわ正夢かと期待に胸を膨らませてこのグランピング施設にやってきたというのに。
「|はぁ~……《いつもの面子だネ》」
顔を上げても、何度見直しても目の前には狐を筆頭に珍獣団しかいないのである!
「また譫言ですか? 水着美女さんはご多忙なんですよ」
ですから、今回も俺が|一緒に《お守りに》来てあげたでしょう? と菊里が艶やかに笑った。
「いや、オレはぐらまらす水着美女がよかったんだ……!」
「ほらほら、いつまでもそんなこと言ってて良いんですか? 『儚い浮気を目論む暇があるなら、私達と遊んで!』と、皆さん仰ってますよ」
諦めも悪く伊織が絞り出すように言うと、菊里がぴよこと亀と蛟を伊織へとけしかける。
「こんなに愛らしい子達を放っておいで良いんですか?」
菊里の言葉と共に、三匹が伊織に向かってわらわらと群がっていく。
「あっちがうって、浮気とか抜け駆けとかそんなコトはっ」
決して! ただちょ~っといい思いがしたいな~なんて思っただけで! なんて、三匹をなんとか宥めながら伊織が菊里を見遣る。
「さぁ、黄昏るにはまだ早いですよ。立って動いてくださいね」
「わかった、わかりましたよ」
仕方ない、いつも通りに楽しむかと伊織が立ち上がると、菊里が満足気に頷いて。
「これから昼食バーベキュー、腹ごなし水遊び、間食バーベキュー、三時のバーベキュー……と、予定も食材も山盛りなので早く出ましょう」
「てかどんな予定組んでんだよ! おかしいだろ!」
「え……? いたって普通ですよ?」
いつも通りですが、と菊里が首を傾げる。
「ハードスケジュール過ぎる……」
主に胃が。オレの胃が、と食べる前から胃を押さえつつ、コテージからすぐの場所に用意されているバーベキューコーナーへと向かった。
「気を付けていくんだぞ~、浅瀬より奥に行かないように! 何かあったら亀、任せたからな」
海で水遊びがしたいと三匹とおたまが瞳をキラキラさせて訴えるので、危ない事はしない、浅瀬で遊ぶ、こっちの目が届かない場所には行かないなど、まるで子どもを遊ばせるお父さんのような事を言って伊織が動物達を見送る。
「いいですねぇ、楽しく水遊びをする皆さんを眺めながらバーベキュー」
おたまも楽しそうで何よりですと、菊里が肉や野菜をバランスよく焼きながら顔を綻ばせる。
「そうだな、なんてーか無邪気な夏休みって感じで、心洗われる光景だな~」
鍋奉行ならぬバーベキュー奉行に火加減を任せ、伊織は浅瀬できゃっきゃとはしゃぎながら水遊びを始めた彼らを見守って笑みを浮かべた。
「ああ……あれがぐらまらす水着美女だったら……」
すぐにどんよりともしたけれど、水遊びをする彼らはとても可愛い。
「ふふ、まだ言ってるんです? でも、これは心身共に実に満たされますねぇ」
伊織だってそうでしょう? と、焼けた肉を返しながら菊里が笑う。
「こういうひと時だって良いものですよ」
「そりゃまぁ勿論、悪かないさ」
寧ろ良いに決まっている、でも、でもだ。
「お前の食気タイム以外はな~!」
「何を言ってるんですか、折角のバーベキューなんですよ?」
ほら、この辺り焼けてますからねと焼けた肉を伊織の皿に次々と盛っていく。勿論、自分の皿に盛るのだって忘れない。
「熱々と甘々も揃えてますからね、しっかり味わってください」
焼けたばかりの肉とクーラーボックスにたっぷりと入っている氷菓を見せて菊里が満面の笑みを見せる。
「うう、美味い、美味いんだけどナ~~~」
こんな熱々は望んでないんだよナ~~~! と、ぼやきかけた声を美味しいお肉と共に伊織が飲み込んだ。
「しっかり食べてくださいね、この後は水遊びをして間食バーベキューと三時のバーベキューが待っているんですから」
「三時のおやつはわかるけど間の間食がわかんないんだヨネ!」
水遊びを楽しんでいるぴよこ達の食事は間食の時でもいいかな、と思っていたらバーベキューの良い匂いに釣られて戻ってきたので、せっせと食べさせる側に伊織が回る。
合間にちょいちょいと摘まみつつ、このペースなら間食バーベキューはいけるかな、でも三時は無理だろうと思ったりするのだが、三時はバーベキューで作る甘味おやつ――焼きマシュマロやスモア、焼きチョコバナナにマシュマロピザに焼きリンゴなどが繰り広げられるのをまだ彼は知らないし、匂いだけでお腹いっぱいになることも知らないのであった――。
大成功
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神坂・露
レーちゃん(f14377)●青色のパーカーに白ビキニ。
暑いのが苦手だから今の時間って涼しいところにいるはず。
どこが一番涼しい場所かしら…うーん。猫さんみたいよね…。
「…あ♥ やっとみつけたわ♪ レーちゃん~」
コテージの屋根がつくる陰の涼しい中で海側みてるの発見♪
ぎゅぅーって抱きしめて同じ視線で同じ景色を見るわ。
「…わぁ~♪ ここってとっても素敵よね~」
あそこに船がとか。雲綺麗よねとか。鳥が飛んでるとか…。
いつも通りだけど楽しいわ♪
暫く一緒に海みてて急にレーちゃんから誘ってきたわ。
「え? お散歩?」
レーちゃんってば偶にあたしのこそお誘いするのよね。
えへへ♪あたしへの気遣いさんかしら?えへへ♪
「も、勿論お散歩したいわ、したいわ!」
「…あ! 一緒にバーベキューも食べたいわ! ね?」
お散歩したらお腹減っちゃうからバーベキューは丁度いいわ。
多分レーちゃんは野菜中心でお肉あんまり食べないと思うけど。
気が付いたら陽が海に隠れようとしてる時間で。
「そーいえば、ここってお泊りできるらしいけど…泊まるの?」
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)●ワンピースの下に黒ビキニ。
この時期は暑い。熱気と吹き出す汗がうっとおしい。
なんだか一年ごとに暑くなっている気がするな。
陰のある場所を転々としていたらコテージの場所についた。
潮風が心地いい陰のある場所で暫く過ごそうか。疲れた。
…。改めて波の音を聞くと心地がいいな。理由はわからんが。
……。露がいないだけで静かだな。本でも読みたくなってくる。
聞きなれた足音がする。もう見つかったか…やれやれだ。
「よく、発見できたな…君は」
褒めてはないが照れながら私のレーダーを搭載しているようだ。
露本人に詳しい説明をされたが私には理解できなかった。
「散歩しないか? 露」
そろそろ露には退屈だろうから誘ったが…何故不思議そうな表情を?
よく解らないが露が嬉しそうだから気にしない様にしようか。
バーベキューか。確かに歩くと空腹になるな。
「ん。好きにしろ。…野菜が豊富なところがいい」
宿泊か。…そういえば可能だったな。
「君に任せるよ、露」
●彼女たちの夏休み
今年も猟兵達に夏休みの案内が出たと聞いて、神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)はブルームーンストーンの瞳を無邪気な子犬のように煌かせ、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)を見遣った。
「……なるべく暑くないところ」
夏なのだからそれは無理じゃないかしら~? と思いはしたが、なるべく避暑となる場所を……と探した結果、このグランピング施設の案内に目を留めたのであった。
露に任せるままにグランピング施設にやってきたシビラは、あっちこっち興味津々で視線を奪われている露を置いて陰のある場所を転々と移動していた。
「この時期はとにかく暑いな……」
むわっとするような熱気に噴き出す汗、元々が極寒の地出身であるシビラにとって夏は鬼門だ。
「なんだか年々暑くなっている気がするな」
いくら薄手のワンピースの下に黒いビキニを着ていたって、暑いものは暑い。はぁ、と零す溜息さえも煩わしくて、更に涼しい場所を求めて陰から陰へ移動していくとシビラ達が予約していたコテージへと辿り着いた。
「疲れた……ああ、でも此処は良いな」
潮風が心地よく、テラスは屋根が付いていて夏の暑い日差しを遮ってくれている。デッキチェアにごろりと寝そべって、軽く目を閉じれば波音が柔らかく耳に届いて不思議と心が安らいだ。
「波音で安らぐ理由はわからんが、そういうのもなんだろう」
ヒーリングミュージックとして波音があるくらいだしな、とシビラが納得したように頷く。
「しかし……露がいないだけで静かだな。本でも読みたくなってくる」
持ってくればよかったと思いつつ、シビラが波音に身を任せた。
一方、あちこちを見て歩き、施設の探検を楽しんでいた露は漸く周囲にシビラがいない事に気付き、日陰になった場所で立ち止まる。
「レーちゃんってば、迷子になるなんて……」
太陽の光を受けて輝くような白いビキニに、スカイブルーのパーカーを羽織った露がやっぱりあたしが付いてなくっちゃ! と決意も新たにすると、シビラが何処にいるかを探るように辺りを見回した。
「暑いのが苦手だから今の時間だったら涼しいところにいるはずよね」
逆に場所が絞られるから探しやすくはある、と日陰になる場所を移動していく。
「ここも涼しいけど、やっぱり建物の中かしら? うーん。レーちゃんって猫さんみたいよね……」
そういえば、予約していたコテージが近くにあったはずと足を向ければ、コテージのテラスで涼むシビラの姿を発見する。
「……あ♥ やっとみつけたわ♪ レーちゃん~」
「ん……露か」
名を呼ばれるよりも早く、その聞きなれた足音だけで分かっていたけれど、もう見つかったのかと頭を振る。
「……やれやれだ」
溜息交じりに起き上って、改めて声のする方を見れば大きく手を振って駆け寄ってくる露が見えた。
「レーちゃ~~ん!」
見つけた、と嬉しそうにシビラをぎゅぅーっと抱き締めて、太陽よりも眩しく笑う。
「よく、発見できたな……君は」
「レーちゃんに褒められちゃったわ!」
いや、褒めてはいないが? とシビラがくっついてくる露を見遣る。
「レーちゃんなら、何処にいたってみつける自信があるわ~♪」
露の感覚による説明はさっぱりわからなかったが、どうやらシビラ専用のレーダーを搭載しているという事だけはわかった。
「そうか、そうか……それはいいが、露……暑い」
「あたしはひんやりして気持ちいいわ♪」
えい、とデッキチェアをくっつけて、露がシビラにくっついたまま同じ視線で同じ景色を見ようと寝転がる。
「……わぁ~♪ ここってとっても素敵よね~」
「まぁ、そうだな」
「太陽は眩しいけど、このグランピング施設ってばとっても豪華だし♪」
コテージにはキッチンに寛げる居間のようなスペースがあったし、空調も効かせる事ができる。
「コテージの中には入らなかったの?」
「部屋で涼むのもいいが、折角だからな」
それに潮風は気持ちいいし、海は綺麗だとシビラが視線を海へと向けた。
「あ、あそこに船がいるわ! 空も青くて、雲も真っ白で綺麗ね~。鳥も飛んでる、カモメかしら?」
「海鳥にも色々いるからな……カモメばかりとは限らないんじゃないか」
「そうなの? 全部カモメかと思ってたわ~」
くすくす笑って、レーちゃんは何でも知ってるのねと露が彼女の腕に頬をすり寄せる。
「だから暑いと……露」
「なーに?」
「散歩しないか?」
ただ寝転がっているだけでは露には退屈だろう、だからこんなにすり寄ってくるのだろうと、シビラが誘いをかけた。
「え? お散歩?」
急な誘いに露がパチリと目を瞬かせ、シビラをじーっと見つめる。
レーちゃんってば偶にあたしのことお誘いするのよね……と思いつつ、あ、でもでも、それってあたしへの気遣いさんかも? と百面相を始めて、シビラがその表情をよく解らない、といった風に見返す。
「露、行くのか? 行かないのか?」
「えへへ♪ レーちゃんったら、えへへ♪」
なんだか嬉しくなってしまって、露がにまにまとシビラに微笑む。
「……露?」
「あっ! も、勿論お散歩したいわ、したいわ!」
今すぐにでも、とデッキチェアから身を起こした露を見遣り、まぁ嬉しそうだからいいかとシビラも立ち上がった。
「やっぱり陰になってる場所がいいわよね?」
「何処でもいい、日傘を借りていくからな」
コテージに備え付けられていた日傘を手に取って、シビラが行こうと歩き出す。
「日傘、いいわね! 相合傘ね!」
「いや、まだ日傘はあったぞ」
「相合傘ね!」
ね! と押し切って、露がシビラにくっついて海を指さす。
「……はぁ」
仕方ない、と諦めて海を目指すことにした。
海遊びをする人々やバーベキューをする人々を眺め、波打ち際を歩いて海の水の心地よさに笑って。
「いいわねぇ、バーベキュー。ね、レーちゃん! 一緒にバーベキューも食べたいわ! ね?」
お散歩したらお腹が減っちゃうから、丁度いいわと露がねだる。きっとレーちゃんは野菜中心でお肉は食べないだろうけど、と思いながら。
確かに散歩をしていれば丁度腹の減る時間になるだろうから、ほどよく空腹にもなるはずだとシビラが頷く。
「ん。好きにしろ。……野菜が豊富なところがいい」
「はぁい!」
うふふ、思った通りねと笑って、レーちゃんには野菜多めであたしにはお肉多めでと露の足取りが軽くなる。波打ち際で貝殻やシーグラスを探していれば、いつの間にか太陽が海に隠れようとする時刻。
「そーいえば、ここってお泊りもできるらしいけど……泊まるの?」
宿泊するかどうか、と問われてシビラがそうだなと立ち止まる。
「君に任せるよ、露」
どちらでも構わない、どうせ帰るのは一瞬の事だとシビラが沈みゆく太陽を眺めながら露に向かって言う。
「じゃあじゃあ、泊まっていきましょ~♪」
お泊りなんて素敵だわ、楽しいわ♪ と、露がシビラの手を引いてコテージへ戻ろうと嬉しそうに微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵