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魂の慟哭

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●天を舞え(じゆうをつかめ)
 時に、君達は叫びたくなる衝動に駆られることはないだろうか。自分の中に燻る炎を竜のブレスが如く吐き出したい。あるいは問いかける獣の如く唱え散らしたい。いや、その声のままに思い切り叫びたい!
「と、色々あるだろう。実はアルダワ魔法学園の地下迷宮で新しいフロアボスの出現を確認したんだ。ちょうどいい機会だ、偶には思い切り叫んで、蹴って、斬って、発散させてみないか?」
 アルダワ魔法学園の地下、入り組んだ迷宮の奥に居を構えるボスは侵入者を追い出す為に道中の大広間に物理的な攻撃を仕掛ける空間を作り出した。これがまた異様なものであり、なんと床のタイルがひたすら飛んでくるという内容なのだ。
「タイル自体の耐久度や攻撃力は大したことはないんだが、その、吹っ飛ばし率というのか、まぁ、当たるとかなり後方に押し出される。そのまま入り口まで戻されて先に進めないとアルダワ魔法学園の学生たちは四苦八苦しているようだ」
 タイルを残らず迎撃するか、避けて進むか、それとも圧倒的なタフさで吹き飛ばしの法則を打ち破るか。どれにしろ不意打ち的に体に当たることだけは避けねばならない。
「こういう時は気合が大事だ。気の持ちようで随分と変わるぞ。集中するにも何にも、精神力がものを言うからな。叫ぶだけでも気が入るものだ」
 やるぞ、という心意気が大事なのだろう。時に必殺技を叫ぶ形で気を入れるのもいいかもしれない。勿論、静かに精神を統一させるのも悪くない。要はこの先へ進めればいいのだ。
「タイルの大広間を抜ければボスのいるフロアまで一直線なんだが、途中で複数の災魔の影も見えた。十分に注意してくれ」
 ここで我孫子が一つしか見えない目でウィンクを飛ばす。
「災魔もボスも気合いが必要なのは変わらん。……叫んでもいいんだぞ?」
 無論、かっこよく。……どれだけ拘っているのだ。猟兵達は呆れながらも少しばかり喉に力を入れた。


楪カジ光
 お世話になっております。カジ光でございます。今回はアルダワ魔法学園で純戦系のお話。
 第一章のタイルが飛んでくる部屋はタイルを払うか避けるか圧倒的パウワーで進むかお選びいただけます。タイル自体は痛くないですが吹っ飛ばす能力が高いです。
 このシナリオ全体の共通項としまして、「必殺技や詠唱や言葉にならない声を叫ぶ」ことができます。かっこよく、美しく、可憐に、おかしく、皆様の決め台詞や必殺技を叫ぶ姿をプレイングして頂ければと思います。もちろん、キェエエエエー等の奇声でも構いません。
 特にない場合は気持ちや心持ちを書いていただければカジ光が勝手に必殺技や詠唱を描写させて頂きます。
 それでは、皆様のご参加お待ちしております!!
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第1章 冒険 『襲い掛かる無数のタイル』

POW   :    タイルの体当たりをひたすら耐える

SPD   :    タイルの体当たりを素早く回避する

WIZ   :    タイルが体当たりする前に撃ち落とす

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルヴィ・アウレアム
「心の内に秘めとる叫びを呼び覚ます!くぅ~~っ!ええやんええやん、血湧き肉躍るでぇ!まあうち、血ぃも肉もないけんどな!」

「下手な鉄砲もなんとやら…魔力の尽きるまで、撃って!撃って!ノーガードで撃ち砕く!それこそがウチの流儀や!」

・行動【POW:タイルの体当たりをひたすら耐える】
UC【マギア・ガトリング】を用いて眼前に飛来するフロアタイルを根こそぎ撃ち落とす。
無論、命中率など二の次三の次、こういうものは数撃ちゃ当たるのほうが「面白い」。
うち漏らしたタイルに関してはひたすら持ち前の耐久性能を使って耐えて耐えて耐え続ける!



 フロアに足を入れる者。その気配を察した床が鳴き叫ぶ。ふわり、重力の法則を無視したような浮遊感と同時に回る回る羅針盤。床に埋め込まれていたタイルが無差別に動き出す。ピタリ、照準が合ったというかのように停止したそれらは勢いよく対象に向かって突き進むのだ。
「ぎょうさんおって……はは、祭りみたいやね」
 からから、笑い声が響いた。振り上げた右腕が呼応するように音を上げる。目と鼻の先にまで迫ったタイルに声の主、セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)は笑顔を崩さずに言い放つ。
 接触。爆発。四散したタイルの破片を左手で払いながらその口角は円い弧を描いている。
「下手な鉄砲もなんとやら……舐めとーと後悔するでぇ!」
 その言葉を理解する知恵などないはずなのに、タイルは触発された怒りの体で複数枚襲い来る。はは、と笑いは止まらない。向けた内蔵ミニガトリングガンも止まらない。
「魔力の尽きるまで、撃って! 撃って! ノーガードで撃ち砕く! それこそがウチの流儀や! そこ、どいてもらうで!!」
 迷宮が根城とも言えるセルヴィは逃げない。そも、迷宮に逃げ道など存在しないのだ。あるのは抜け穴と近道だけ。だから撃つ。撃って、撃って、自分の進みたい道を作る。歩みたい道を見つける。その為にこの腕はあるのだから。
「頭ん中空っぽになる戦いっちゅーのは心の内に秘めとる叫びを呼び覚ます! くぅ~~っ! ええやんええやん、血湧き肉躍るでぇ!」
 ここは土埋まる大地ではないのだが破片と散らばる土くれが踏みつけられ、セルヴィの通った軌跡が道と化していく。銃声も止まず、己の足も止まることのないその顔はまだまだ余裕の笑みがあった。
「まあうち、血ぃも肉もないけんどな!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ブラスター・ブレード
……叫べばいいのか?
(わりと普段から叫ぶロボ)
あまり意識してやったことはないが、挑戦してみるとしよう。

後続のためにも、できるだけタイルは粉砕して行く。
【ベルセルクトリガー】起動。
被弾を気にせず前へと進みながらフォトンブレードとブラスターキャノンで目につく端から撃ち落としていく。

「ふっ!はあっ!甘いッ!」
「ウォオオオオオララァーーーー!」



 一枚! それは砕いたタイルの数である!! 二枚!! それは踏み抜いたタイルの枚数である!!
「つまり今、俺は計三枚もの貴様らの輩を屠った。しからば、全力でかかってこい! 俺はその突撃をも貫こう!」
 ラスター・ブレード(ウォーマシンのフォースナイト・f14073)の重き呼び声がフロアに響く。声量は少しばかりタイルの群れを浮かせた。それが合図だ。浮きあがったタイル群がお望みとあらば、と我一斉に飛翔する。
「ウォオオオオオララァーーーー!」
 ガチャリ、構えられたのはブラスターキャノン。左腕に内蔵された機体が音を立てて姿を現す。瞬間、マシンガンの如くうち放たれた弾がタイルの群れを掻き割った。さながら海を割ったかのような道が出来上がる。ここを駆け抜ければフロア脱出まであと一歩というところだろう。しかしそれは彼のプライドが許さない。
「後続の為に数を減らすのも先兵の務めだ! さぁ、まだまだ!!」
 右手に携えたフォトンブレードに刃が宿る。後ろ、右、左と迫る板を一回転で避け、足に力を込めてダッシュすれば伸ばしたブレードの光が軌道を描いて寸断する。それはまるで流れ星。彼のかつての戦場を思い起こさせる悲しき、美しき光。
「ふっ! はあっ! 甘いッ!」
 三連撃で打ち砕くラスターのバイザーにはまだまだ敵の感知を知らせる光が見える。それでも、絶望などあるまい。この刃の光こそ、彼の尊き誇りであり敵を打ち砕く自信そのものなのだから!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

エコリアチ・ヤエ
圧倒的筋肉パワーでひたすら押し進む。
「俺の筋肉はこれしきのことで負けはせんっ!!!」
鍛え上げた屈強な肉体で飛び込んでくるタイルを堪えながらまっすぐ出口へ直進する。
「はーっはっはっ! 筋肉さえあれば勝てぬものはない!」
だいぶん己のマッチョ具合に酔いしれてるが、これも気合の入れ方の一つ。
いつもはかっこつけて口にすることがない己の肉体への自慢を自信として、タイル部屋へと挑んでいく。
逆にタイルを弾き飛ばすが如く勢いで邁進していく。



 エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)は静かに目を閉じた。タイルが、粘土を固めただけの群れが地震を取り囲んでいるのが分かる。一つ、二つ、三つ、十、それ以上。心の臓が動いていなくとも分かる圧倒的重量の気配。その感知に敏感になったのは経験からだろうか。それとも潜在能力か。エコリアチにとってはどうでもいい話である。そう、彼にとってその力の出処など意味がないのだ。彼でなくてもそう思うかもしれないが。
「重要なのは数の暴力でも、それを探知する能力でもない。この場で今、一番重要かつ必要かつ、必勝のものは……」
 腕が鳴る。無論、物理的に。音を追加するのであれば、ムキィ、といったところか。実際に筋肉が悲鳴のような音を上げることはないのだが、誰が見たとしてもそれは声を上げていた。上げていたのだ。それに反応したか、タイルが一枚飛んでくる。相手の身を飛ばす力に長けたそれはエコリアチの腕に当たった。これは完全に背後の壁まで飛ばされる。意志のないタイルでもそう思っただろう。その場から動かないエコリアチを見るまでは。
「身の圧縮率、圧倒的質量……つまり圧倒的筋肉パワー、その一点だ!」
 タイルそれ自体は粘土の塊、焼くことで重量を増す。ならばこちらも筋肉の質量で攻める、とのこと。この勝負、どちらの質量が上かで決着がつくとエコリアチは考えたのだ。実際、彼の身はタイルの迎撃を受けているのにも関わらず一歩二歩と進んでいる。鋼の意思、鋼鉄の体……とはいかないまでも、彼の鍛え上げられた肉体と剛力な精神力がタイルを圧倒的に上回っているのだ。
「俺の筋肉はこれしきのことで負けはせんっ!!」
 右肩を前に突き出し、ショルダータックルの姿勢で駆け出してもタイルはその身を抑えることが出来ない。
「はーっはっはっ! 筋肉さえあれば勝てぬものはない!」
 悪魔と称された彼の経験、その答え。いつか誰かに聞かせるかもしれない、彼にとってはどうでもいい、誰かにとっては興味深い話。今はまだ、タイルの砕け散る音だけがフロアに木霊している。

成功 🔵​🔵​🔴​

ンァルマ・カーンジャール
今回は気合が大事なのですねっ!
日頃の「思い」を力に変えて爆発させてやりますよー!

まずはタイル広間の攻略ですね
吹っ飛ばし率極振りのタイルですかー・・・
・・・ここはもう圧倒的パウワーですね!

土の精霊魔法で私自身に岩の鎧を纏わせますよー
更に風の精霊魔法と電脳魔術の運動加速で速度もブーストです!
タイルがなんぼのもんじゃーいっ!
オラオラオラオラオラーーーッ!!!
タックルでゴリ押しですー
これが私のロック(岩)ですっ!

さあ!先に参りましょー!



 そう、気合だ。気合が大事なのだ。気合一つで何でもできる。いや、できる気がするようになる。そうするとできるかどうかわからない問題に差し掛かった時、できる気がするという意志によって成功したりするのだ。気合大事。
「というわけで、今回は気合を込めて頑張りますよぅ!!」
 ンァルマ・カーンジャール(大地と共に・f07553)が高らかに言えば、タイルは皆心躍るように一斉に向かってくる。このタイル、意思があるのではないだろうか。しかし、今はそのような些事など関係がない。
「吹っ飛ばし率極振りのタイルですかー……。ならばこちらも圧倒的パウワーで勝負ですね!」
 目には目を。歯には歯を。力には力を。そう、力で向かう者は力で打ち砕くのだ。自身の得意とする土の精霊魔法で岩鎧を生成する。それを身に纏えば立派な壁盾。「更に風の精霊魔法と電脳魔術の運動加速で速度もブーストです! さぁ、どこからでもかかってこーい!」
 雨の様に降り注ぐタイルに臆することなく、少女は岩壁と共に突き進む。内向的な趣味を持つ彼女でも、戦いに赴く覚悟は一通り身に着けている。故に恐れを抱くことはない。いや、抱いても今この状況で感じるべきではない。それこそ気合の敗北だ。
「タイルがなんぼのもんじゃーいっ! オラオラオラオラオラーーーッ!!」
 空元気と謗られようと、今、この場所に立ち、敵と相まみえる彼女は立派な戦士だ。吹き飛ばされるでもなく進み続けるこれは、彼女の気合が勝っている証拠なのである!!
「これが私のロックですっ! なんちゃって!」
 少しばかりのお茶目さを出す余裕があることも、彼女がこの空間でタイルを圧倒しているという証拠である!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
何も考えずに戦えるっていうのは楽でいいよね。
偶にはこういうのもいいね。
それじゃまあ、襲ってくるタイルは撃ち落して行こうか…でも動く的を好き放題に撃ち落せるとか…何だかいい訓練にもなりそう。
術に銃に糸に取れる選択肢は色々とあるのだけど…どうしようかな。

「さて、それじゃいってみようか…」


行動・タイルが体当たりする前に撃ち落とす
コードや二丁拳銃、銀の糸を操り飛んでくるタイルを撃ち落していきます。



「何も考えずに戦えるっていうのは楽でいいよね」
 そう呟く天星・暁音(貫く想い・f02508)の前には複数のタイルが回転している。粉砕刃の様に列を成して回るそれは彼を挑発しているようだった。
「動く的を好き放題に撃ち落せるとか……何だかいい訓練にもなりそう。あっちもその気だし、それじゃあいってみようか」
 合図は為った。タイルが小さい少年に襲い来る。それに呼応したか、暁音の持つ『星杖シュテルシア』がゆらりと煌めいた。
「遥か彼方より全ての境を越えて、神威を此処に天翔けて来たれ。虹の制裁!!」
 唱えられるは詠唱。美しき世界の調べ。少年の会得した穢れのない魂の具現。そして今ここで選ばれたのは薄暗いフロアを照らし出す白き光。光属性を宿した【最終審判の時・虹の制裁(アイリス・パニッシュメント)】が幾つものタイルを貫通した。
 それでも枚数は完全に減ってはいない。暁音は更に精霊銃『エトワール&ノワール』を取り出した。
「撃ち損じがないように。これも訓練のうちだね」
 どこかの何かを仕留める時、長い苦しみからの解放を願うならその銃の扱いも必要になろう。誰に言われたわけでもなく、誰が言ったわけでもないそんな言葉を頭の隅に浮かべてみる。いや、暁音にとっては意味のないことだったか。考えることはすまい。
「おやすみなさい」
 貫かれ、ただ道と成り果てた粘土の粉粒に声を掛けた少年の横顔はどこか儚げで美しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『コボルト』

POW   :    爪牙強襲
【鋭い爪牙】による素早い一撃を放つ。また、【四足歩行】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    爪牙蹂躙
【駆け回ること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【鋭い爪牙】で攻撃する。
WIZ   :    猛牙咬撃
【噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地を這う者よ、今眠れ(きみのためのレクイエム)

 タイルのフロアを脱した猟兵達の前には一本道の通路がある。これを進めばフロアボスと相まみえることができるだろう。しかし、しばらく進んで対峙したのは一枚のドア。木製のドアは薄汚れており、その先にフロアボスがいるのか大変に怪しいものだった。これは、まさか、もう一フロアを通過しなければならないのか。
 先頭にいた猟兵がドアをゆっくり開け、薄開きで中を窺う。その場にいたのは、災魔コボルトの集団。幸い、こちらには気付いていないようだ。
 と言いつつも、道はこのドアの先にあることは明白。引き返したとして別の道はない。ここは真正面から向かうしかない。……となれば、やることは一つ。
 猟兵達は思い切り木製のドアを蹴破った。さぁ、大物前の肩慣らしだ!
天星・暁音
ボス前の前哨戦…といったところだね。
それじゃあまあ、ちょっとばかり派手に行ってみようか…
とはいえ数が多いから近づかれるとそれなりに厄介だから、そこは気をつけないとね。
まあ、近づかれたら糸で絡めてその意図ごと纏めてバラして断ち切ればいいか…

糸使う場合、周囲に張った糸の結界で纏めて絡めて解体します
糸を引くような動作、例えば引きながら背を向けて断ち切るようのがあれば嬉しいです
『動けないよね。でも、もう動く必要何てないんだよ…何故ならこれでお終いだからね!』

コードなら全力魔法、高速詠唱、範囲攻撃を連続で撃ち込みます。
魔法陣の中央で真っ直ぐに構えた杖を勢い良く振り上げ振り下ろし砲撃を撃ち込む感じです。



唸るコボルト、絶つ奇跡。
「ボス前の前哨戦……といったところだね。それじゃあまあ、ちょっとばかり派手にいってみようか」
 暁音の声にコボルトの雄叫びが重なる。低く、地を這うそれは小さい身を囲う悪意。しかし、猟兵である暁音には強がりの鳴き声にしか聞こえない。先程よりも狭いフロアで対峙する相手は何より丁度いい。
 一体、先兵がこちらへ向かってきた。小走りが駆け足に、最後は足を蹴って飛び上がる。それに続くかのように他の個体も暁音へと進撃を始める。どれもが同じ。どれもが暁音の心臓を狙い、どれもが銀に輝く糸に切られた。
「近距離型だと思って用意したけど、あってよかった。でも、これじゃ少し足りないか」
 『聖なる銀糸』に掛かったコボルトは血を垂れ流しているものの倒れる様子はない。決定的にダメージを与えるにはどうすればいいか。時間稼ぎと防御。考えた末、暁音の手は銀糸を蜘蛛の巣のように張り巡らせた。これならコボルトを近づけさせまい。そして、ここでなら安心して準備ができる。
「……星の光よ集え。我が意を持ちて流星と成し悪しきを散せ。走れ魔法陣」
 一つ、紡ぐは星舞う果て。その目に刻む、彩の唄。魔を走らせた光の先にあるのは、因果滅亡の願いか否か。
「輝け!裂光流星(シャイニング・エストレア)!」
 フロアを明るく照らし出す無数の星が光と共にコボルトを暴き立てた。一体残さず、照らされた者は等しく大地(ほし)に還るだけである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブラスター・ブレード
フロアボスの存在を考慮すればここは最低限の消耗で先へ進むべき、幸い奴らはこちらへ気づいてはいない……今なら奇襲が可能だろう。
俺の分析プログラムも奇襲が最善と判断している……だが、俺は真正面から行く。

舐めてかかっていると言われても仕方がないが……プログラムの外、俺にも理解できない部分が叫んでいるんだ。(その方がカッコいいよね)
明らかなバグ、早急に修正するべきだが……今回はいいだろう。

ゆっくりと部屋に入り、コボルト共が襲い掛かってくるのを待ち構えるぞ。
【鋼の精神】「勇気」で攻撃力を強化、集団で襲い掛かってこようとも恐れはしない。
防御は『シュトラール』に任せ、フォトンブレードで乱戦に持ち込む!



 なぁ、英雄。お前は何を見ているんだ。
「…………」
 ブラスターの思考回路はこの言葉を反芻する。いつか言われたものだったか、この生き方をするようになって他人が言われていたものを耳にしただけだったか、正確なことは何一つ登録されていない。そしてその意味も、何をもってしての言葉なのかすら彼のメモリには残っていないのだった。
「……プログラムの外、俺にも理解できない部分が叫んでいる、のかもしれないな。明らかなバグ、早急に修正するべきだが……今回はいいだろう」
 戻ってまで修正するものでもない。たとえ『分析プログラムが奇襲を選んでいるものの自分は真正面から切り込みたい』という欲が強く表れていたとしてもだ。
「ふっ……効率よりも己の可能性を信用したいとは……随分と変わったものだ」
 己のフォトンブレードを握り締め呟いたブラスターは独立稼働型支援ユニット『シュトラール』を起動させる。羽ばたくそれが正常に稼働しているのを見定めたバイザーの君はただ一言叫んだ。
「守らなければならない……未来を、人間の可能性を!」
 届く声。動き出す獣。淘汰されるべきはどちらか。今、戦いの幕が切って落とされた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ンァルマ・カーンジャール
お次はコボルトさん達ですね~!
・・・・・・ただあまり可愛くはありませんね

すみませんが道を譲っては・・・貰えませんよね?
・・・致し方ありませんが討伐させて頂きます!

土の精霊魔法で盾を生成し敵さんの攻撃に備えます
30m以内に近づく際は特に注意しましょう
併せて土の剣を生成し放ちながら攻めますー!
接近された際は手に持って対応です

数が多いと1匹に時間は掛けていられませんねー
急所を狙いながら的確に屠って参りましょう!

チャンスがあればUC《[複合接続]【電磁気学制御】大地の剣》で纏めて一掃してやりますよー!

スッキリした所で先へ進ませて頂きましょうー



 吼えろ刀剣、唸れ大地。
「コボルトさん、あんまり可愛くありませんねぇ……どうやら道を譲ってくれる気もないでしょうし、致し方ありませんが討伐させて頂きます!」
 ンァルマの手に出現した土の盾と剣。盾はコボルトの爪を防ぎ、剣はコボルトの牙を砕く。単体でしか相手にできないものの、堅実に着実に敵を屠ることができる。一進一退の攻防が辺りを埋め尽くしていた。
「やはり数が多い。このままだといつか押されてしまいそうですね。少しばかり大技を振り回した方がいいかもしれません」
 そう言ったンァルマは盾を捨てた。片手には土の剣一本。それを両手で支え、コボルト共に向ける。刺突か、特攻か、コボルトは鼻を鳴らした。そのどれもが違うと気付かないまま。
「複合接続(マルチアクセス)! 電磁気学制御! 強磁界(ローレンツフィールド)展開! ──母なる大地の御剣よ! 仇なす者に凄惨なる斬撃を!」
 唱える毎に土の剣がンァルマの周りに増えていく。両手から離された土の剣がその輪に入り、浮かぶ土の剣の総数は105本。それらが自分達の体を貫く刃であることを察した個体はどこまでいただろうか。
「さぁ、纏めて一掃してやりますよー!」
 鋭い雨の中、自信爛漫な声だけがここに、今確かに響いている。

成功 🔵​🔵​🔴​

エコリアチ・ヤエ
さぁ次はどいつだ。なんでも掛かってくるがいい。粉砕してようじゃないか!
あぁだが俺に近づけば、命はないと思え。近づかなくても同じことだがな。
さあ来い。ボスの前に肩慣らしだ。蹂躙せよ死霊ども!
リザレクト・オブリビオンを使用。死霊騎士は動けない俺の護衛かねて近くの敵を、死霊蛇竜は中距離や遠距離のコボルトを多角的に攻撃させる。
万が一攻撃をうけて死霊を解除されたらファイブエレメンツソードを飛ばして死角から攻撃だ。近寄らせはせん。絶対にだ。
[アドリブなど諸々OK]



 悪魔が来たりて、爪を研ぐ。
「さぁ次はどいつだ。なんでも掛かってくるがいい。粉砕してようじゃないか!」
 エコリアチの声がフロア内にいるコボルトの耳に入る。それと同時にコボルト共と同じ数ずつ【死霊騎士】と【死霊蛇竜】がどこからともなく現れた。【リザレクト・オブリビオン】。術士であるエコリアチが使う魔の使役。
「さあ、ボスの前に肩慣らしだ。蹂躙せよ死霊ども!」
 それは鬨の咆哮。同じ数だけいる駒同士、どちらが先に無くなるかの戦争だ。一が倒れれば二を滅し、三を仕留めれば四を屠る。醜いだろう、惨いだろう。これが、エコリアチの見た戦場の縮図である。
 ふと、一体のコボルトが混迷を抜け出した。一直線に向かってくるのはエコリアチの前。その首を刎ねようと本能が疼いたのか。しかし、飛び掛かった身には五本の剣が深々と突き刺さる。一端は炎に燃え、また一端は風に毛を切られ、また一端は土くれが染み込み、もう一端は水が血を洗っていた。最後の一本は心臓を貫き淡く光っている。
「将を狙うは賢い選択だ。だが、将は脅威を拭うために必死であると察知する頭もなくてはならん」
 窮鼠も猫を噛む程の牙を持つならばそれを向けられる覚悟もなければならない。肉弾戦で勝てない故に敵を遠ざけることに特化したエコリアチの策を、駆け出してきたコボルトは見抜けなかった。ただそれだけが敗因なのだ。
「この我に近寄らせはせん。絶対にだ」
 ではこの策士にどうしたら勝てるのか。答えをコボルトが持つはずもない。彼奴らの数は最早拮抗のバランスを失いつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

学園の迷宮にこんな物騒な輩はいらないね。しかも群れと来た。何か奥に大物が控えているみたいだし、とっとと蹴散らそうか。奏、瞬、行くよ!!

数は多いみたいだから一気に行くか。真紅の竜を呼び出し、【騎乗】。【忍び足】と【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【残像】も利用して、敵の群れの後ろを突く。【先制攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で敵集団を攻撃。近接攻撃に対しては【武器受け】した上で【カウンター】するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

何か凶暴そうな敵の群れがいますよ?爪と牙とか痛そうですね・・・でも負けませんよ!!道を開けて貰います!!

響母さんが背後から攻めるので、私は正面から攻撃しますね。必然的に攻撃が集中すると思うので、トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で攻撃に耐えながら、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃します。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使いますね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

いかにも凶暴な敵って感じですね。迷宮にこんな群れがいつまでも跋扈してるのは見逃して置けません。即討伐してしまいましょう。

僕は後衛で援護を担当。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。【二回攻撃】で攻撃回数も増やして【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょう。余裕があれば、奏の攻撃に【援護射撃】します。



 獣は愛の前に屈し、愛は家族の前にひれ伏す。
「学園の迷宮にこんな物騒な輩はいらないね」
 しかも群れときた、と真宮・響(赫灼の炎・f00434)肩を竦める。学生が健やかに生活する学び舎にあるまじき存在だ。それがたとえ日常茶飯事の出来事として認識されていたとしても。
「何か奥に大物が控えているみたいだし、とっとと蹴散らそうか。奏、瞬、行くよ!!」
 掛け声は高く、二人の愛する子供達に向けられる。微笑む真宮・奏(絢爛の星・f03210)と真剣な神城・瞬(清光の月・f06558)はそれぞれの得物を構えた。
「爪と牙とか痛そうですね……でも負けませんよ!! 道を開けて貰います!!」
「迷宮にこんな群れがいつまでも跋扈してるのは見逃して置けません。即討伐してしまいましょう」
 声音高らかに全員の戦の幕が燃えた。
「さて、一緒に行くよ!! 気張りな!!」
 その声に【真紅の竜(シンクノリュウ)】が現れる。響の相棒であり、足であり、翼であるそれは響を乗せてフロアの天井ギリギリまで飛び上がる。旋回する姿をコボルト達はただ見ているしかない。翼のないものには追いつけないのだ。そのまま一気に急降下した響の手にあるのは『ブレイズブルー』。一閃の刺突に掛けられるのは青い炎。
「援護します」
 飛行する響に食いつこうと走り回る個体を瞬が追う。【氷晶の矢(ヒョウショウノヤ)】を周りに浮かせ、その進路に狙いを定める。
「さて、これを見切れますか?」
 一つ、詞を唱えれば矢は一斉に駆ける個体を地に埋めた。一撃の殺傷力はなくてもいいのだ。個体を留めておければいい。そうすれば。
「いっきますよぉー!」
 奏が『アクア・セイバー』で一気に薙ぎ払うのだ。強化された水の剣は彼女の振るうものにしては鋭く大きいと思われるだろう。だが、彼女の考えは違う。
「誰かの役に立つ、誰かを救う、その為に戦うことに男の子も女の子もないですからね!」
 ね、と後ろで援護をする瞬に笑いかける奏の笑顔は母親譲りの強情で繊細で、何よりも明るいものだ。
「……ええ。流石に出すぎるのは危険なので控えて欲しいところですが」
 彼女を狙うコボルトを矢で沈めた瞬は困った笑みを返す。その為に自分がいるのだとしても。
「こらー! 余所見厳禁だよー! 二人ともー!!」
 宙から母の叱咤が聞こえる。そうだ、今は戦いに集中しなければ。構えなおした武器はまだコボルト達と対峙できる余裕がある。壊れはしない。戦う意志さえあれば!
「矢の援護で周りを一掃します。奏」
「分かった。……行きます!」
 深呼吸。真剣な顔持ちになった奏は群れのコボルトへ意識を向ける。瞬の二派は用意され、その時が来た。
「三、二、一……」
 掛け声一戦。矢の嵐の中心を駆ける少女が一人。近付くことすらできない彼女の先には大きな個体が一体。他のコボルトは地に伏せ、母なる竜が槍で突き上げる。あとは、あと自分がすべきことは。飛び上がった体が相手の体めがけて落ちる。
「【トリニティ・エンハンス】!!」
 水の力を強化した剣はその切っ先を袈裟に切り落とした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『迷宮に住まう老竜』

POW   :    謎かけ
戦闘力のない【謎かけ】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【身体が若返ること】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    宣告
【謎かけ】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    一喝
【謎かけ】を向けた対象に、【間違えると衝撃波】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●汝に問う、それは正義か(ジャッジメント・ジャスティス)

 深部。やっとたどり着いた猟兵達が最後のフロアへ足を入れる。
『声聞き届し。汝、侵なる者也や?』
 地を這うような低い声が空気を振動させる。その発生源を目視して誰もが息を飲んだ。フロアを埋め尽くさんばかりの巨体、人一人分はある鱗は際限なく生えており、飛べることもないだろうに翼は二対背中に存在している。
 竜だ。老練な竜が目の前にいて猟兵達に語り掛けているのだ。
『答無き者、言葉持たぬものならざりし。我問に答えるべし』
 彼奴は言う。推し測られているのだ。猟兵が自身の敵かどうかを。だが、ここで問答を唱えることで変わることはない。誰かが是と答えた。誰かがそうだと答えた。誰かがああと答えた。全員が武器を手に取った。
『解。で、あれば、汝に問う。刃は我が身を切り裂くか?』
 咆哮。これは挑発だ。自分への過信だ。ならばその牙を折り、爪を割こう。猟兵の存在を、目の前の老いた竜に知らしめるのだ!!
エクスデス・エクソシズム
賢そうなドラゴンさんだ事で。だがよぉ、お前が骸の海から上がってきやがったなら、オレはテメーをブチ還すだけだぜ。understand?(理解したか?)

オレの答えは此奴だって具合に十字架ガジェットをブン回す。デカくて重い武器は強ェ。カミサマにだって通用する最高の真理さ、聖書にだって書いた方がいい。
そしてオレの祈りは、ただ一つ。「死者は只々眠ってろ」。聖なる祝詞はいらねえ、オレの属性はいつだってShiniest、属性攻撃をぶちかますさ。

一喝? おいおい正解なんて自明だろ? オレは聖者でお前は死者、これはちっとばっかパンクな葬儀さ。復唱しろよ―――「amen」ってな!
【WIZで判定:アドリブ共闘歓迎】


エコリアチ・ヤエ
見た目は随分強そうだが……謎かけなんぞ、老人の暇つぶしに付き合ってるほど、こちとら暇ではないのでな。
戦闘人格を維持しつつファイブエレメンツソードと杖による呪詛で戦う。
ソードで敵を一度でも切りつければ呪いの契約が完了だ。
武器はすべて赤黒く変色しエレメンツソードは五つ全てを同時に操れるようになる。
さあその無意味な飛べぬ翼を切り落とし、喉笛を掻っ捌いてくれよう!

[連携・アドリブ歓迎]



『汝、此を如何様に裁くか。地位か、名声か、それとも譚か』
 老竜はそう問うた。その問を受けたエコリアチは、ふっと鼻を鳴らす。
「見た目は随分強そうだが……謎かけなんぞ、老人の暇つぶしに付き合ってるほど、こちとら暇ではないのでな」
 その横、エクスデス・エクソシズム(死者還し・f15183)もまた顔に笑いを張り付けていた。
「賢そうなドラゴンさんだ事で。で、裁きを期待してんのか? こりゃあ、お笑い草だ」
 エコリアチの手には杖と剣。エクスデスの手には十字架。それが答えであり、それが裁定の証である。
「良いな。センスがあるぜ」
「そっちも、中々面白い武器だ」
 悪魔と聖者は笑う。それを竜はただ咆哮する。答を知ったからか。あるいは知れなかったからか。どちらにしろ憤怒を纏う咆哮を受け、二人は体全体に走る電撃に似た衝撃を味わった。痺れる、湧き上がる、この滾り狂う戦いの熱を!
「デカくて重い武器は強ェ! カミサマにだって通用する最高の真理さ! 聖書にだって書いた方がいい!」
 駆け出したエクスデスは高らかに講じ、重い十字架を相手に叩きつける。十字架はただの造形物でなく、立派なガジェットだ。彼だけが謳う最高の断罪機。咆哮を放つ老竜は叩かれた足を痛んでまた大きく啼いた。
 そこに、エコリアチが飛ばした【ファイブエレメンツソード】が刺さる。鮮血と共に手元に戻ったそれは、一本を五本にする魔の囁きを持って帰る。
「おぬしらの血を啜り我の呪われし武器は真の姿を発揮する……」
 呪に内入れられし五つの御剣。血に飢え、赤く、黒く染まるは悪魔の爪。腕は一つに事足りて。悪魔が来りて爪を殺ぐ。
「さあその無意味な飛べぬ翼を切り落とし、喉笛を掻っ捌いてくれよう!」
 エコリアチの声が大きくフロアに轟くと、強化を施された剣が老竜の体を引き裂き始める。足、腕、首、翼。それらは無差別に、時に明確な殺意を持ち、主人の手となる。
『オオ、問よ。答よ。汝等の意思とは斯様な冒涜か』
 答えは既に出ている。返事はないはずだ。それでも、聖者は哀れな声に返してやる。
「あん? ……おいおい正解なんて自明だろ? それとも、まだ道徳の授業がしたいのか?」
 なら、祈れよ。『amen』ってな!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

成程、深い智慧を持ち、強さも兼ね備えた老竜か。凄い強いんだろうね。でもアタシたちは引く訳にはいかない。(真の姿解放。黒髪金眼になり、赤いオーラを纏う)

竜の言葉による攻撃にまともに当たると不利になるね・・・【忍び足】と【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【ダッシュ】と【残像】で敵に気配を悟られないように敵の懐に飛び込み、【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使うよ。敵からの攻撃の防御は奏に、召喚する謎かけの対処は瞬に任せ、アタシは痛い一撃を与えることに集中するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

うわあ・・・発するプレッシャーが尋常じゃないです・・・長く生きて来た王者、と言った所でしょうか?でも私達は負ける気はありませんので。立ち向かわせて頂きます!!(真の姿解放。黒髪金眼になり青いオーラを纏う)

敵の攻撃力が物凄く高いことが予想されるので、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】を併用した上で更に信念の盾を発動、竜の攻撃から家族を【かばう】状況に寄っては【拠点防御】【激痛耐性】【呪詛耐性】も重ねます。我が身は不屈の盾、簡単に崩せるとは思わないことです!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

流石に長く生きて来ただけあって、その物言い、佇まい、逆に敬意を抱かせますね。しかし、この世界には最早貴方の居場所はありません。歯向かわせて頂きます。(真の姿解放。銀髪になり両目が赤になる)

まず、召喚してくる謎かけが厄介ですね。放っておくといずれ竜が強化される為その対処をしましょう。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。【二回攻撃】で攻撃回数も増やします。竜本体に攻撃が出来る余裕があれば、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょう。



「成程、深い智慧を持ち、強さも兼ね備えた老竜か」
 その巨体に、響が呟く。後ろに控える奏と瞬も同じく緊張した面持ちで竜を見た。これがこのフロアを生き、支配する存在。地下に見合わぬ巨大な翼を有した飛竜種。その不釣り合いさに、この空間が如何に歪かが分かってしまう。
「流石に長く生きて来ただけあって、その物言い、佇まい、逆に敬意を抱かせますね」
「うわあ……発するプレッシャーが尋常じゃないです……長寿の王者、と言った所でしょうか?」
 三人の声を拾った耳はまた問を放つ。
『汝、此を如何にして抑えるか。喜びか、怒りか、悲しみか』
 答は返さない。その代わりに魅せるは真の姿。黒と銀、金と赤。赤と青。色が交じりあい、溶け合う。
「アタシたちは引く訳にはいかない」
 構えるは槍。
「私達は負ける気はありませんので。立ち向かわせて頂きます!!」
 構えるは盾。
「この世界には最早貴方の居場所はありません。歯向かわせて頂きます」
 構えるは杖。
 各々の得物が光りあう。竜の眼は確かにそれを捉えた。その、美しくも恐ろしい輝きを。それは、咆哮するに値する。
「瞬! 奏! 援護を頼むよ!」
 振り向かずに駆け出す響の背を、前を、奏と瞬が守り抜く。一つ前へ行く大切な母の為に、自分達子供達の出来うる最大限の援護を。愛を。
「目の前のものは、絶対護ってみせますよ!!」
「さて、これを見切れますか?」
 【信念の盾(シンネンノタテ)】が咆哮に揺れる振動を弾き、【氷晶の矢(ヒョウショウノヤ)】が崩れかけた天井の瓦礫を落とす。その中を響は駆け続ける。愛故に開けた道への軌跡は全て動き始めた。立ち止まることはない。ただ一点、ただその一点だけを穿てば良い。見えた、何者も無く、何人も存在しない、鮮血の軌道が!
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
 穿て、一閃! 【竜牙(リュウガ)】がその喉元を割こう!
 飛沫となって染まる朱に苦しみの咆哮が轟く。赤の漏れ出る量は尋常ではない。それほど深く食い込んだのだ。
『オ、オオ……汝、何故に其処に立つ。何故に足掻く』
 問われたものに答えはしなかった。分からなかったわけではない。しかし、返す言葉もない。
『汝、何故、オオ、日が向き四つ足、昇りて二足、月満ちて三つ足、オオ、汝、如何にして三つ足たるや?』
 答えはない。答えなど存在しないのかもしれないが、それよりもこの竜には回答者がいないのだ。答えが返ってくるわけがない。……いや、もしくは『回答者と質問者が同じ』だからこそ返ってこないのかもしれないが。
「まるで、自分に謎かけしているみたいだね……」
 自問自答という言葉がある。自分で問いかけ、自分で答える。読んで字の如くであるが、目の前の竜の言葉はどうも猟兵に向けられている言葉でなく、竜自身に向けているように響は感じた。
「だとしたら哀れだね。一体、何を見ているんだ」
 それは竜に向けられた問い。勿論、返事はなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ンァルマ・カーンジャール
このドラゴンさんがラスボスですねー!
張り切っていきますよー!

何やら難しい事をおっしゃってますねー・・・
ただここでは力が正義です!・・・たぶん

謎かけは電脳魔術を駆使して情報を集めて対応です
ネットの力をお借りしましょう!

物理的な攻撃用に土の精霊さんにお願いして盾を生成
攻撃用に剣も準備し、放って攻めますよー

大ぶりな攻撃などチャンスを見つけたら、
UC《[複合接続]【運動係数制御】大地の腕》で一気に削ります!
フィナーレです!派手にいきますよー!
ぶっとびくださいーっ!!!



『汝、故に問を得たり。答えは昇る二足である』
 それは竜が急に発した重々しい言葉であった。対したンァルマはその意味が分からず、一瞬止まって竜を見上げた。先程までの古びた鱗を揺らし、竜が吼える。これは、何か来る……!
「あわわ……ぼ、防御!!」
 危険を察知したンァルマの周りに土壁が立ちはだかる。しばらく身を屈めて衝撃を待つが、音が止むまで大きな攻撃もなかった。恐る恐る壁の向こうを覗くンァルマは驚きに目を見開く。
 竜を取り巻く鱗が美しく光り輝いているのだ。今までのくすんだ色は何処へやら。これではまるで『若い』竜のようではないか。
「若さで対抗しようと……いやいや、あれですかね、力が全て! 的な、そういう手段に出たんですかね」
 若さとは力とでも言うのか、この竜は。真相はともかくとして、今のンァルマは竜に見合う力の勝負に出る。
『二足は高く、地より這い出る。汝、柘榴也や?』
 そう言った竜も一段と強い咆哮の後、今まで動かそうとしなかった腕や尾で土壁を壊す。バラバラと散っていく壁の後ろ、ンァルマは息を一つ、大きく吸って吐き出した。準備完了!
「複合接続(マルチアクセス)! 運動係数制御! 運動加速(ラグランジュブースト)!」
 最後の壁が破壊されたと同時にンァルマが飛び出す。脚力で飛び上がったのは竜の顔面。ここまで来れば十分だ。
「大地を守護する精霊よ! 万象崩壊の拳を打て!」
 その距離、29.5cm。生成された拳は竜の鼻をへし折り、衝撃は角にヒビを入れた。鱗が波打ち、はらはらと散っていく。
『オオ……オォ……汝、逝ける者也や?』
 それを最後の問として竜は姿を空気に還した。床に無事着地したンァルマは服についた埃を軽く叩き、答える。
「さぁ。『貴方が一番知っている』と思いますよ」

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月19日


挿絵イラスト