#ダークセイヴァー
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神さま、どうして僕たち、こんな目にあわなきゃいけないの?
どうして、僕たち、おとうさんやおかあさんと一緒にいられないの?
どうして、パン屋のおねえさんが消えちゃったの?
どうして、おじさん達お友達だったのに、僕たちの目の前で殺し合いなんてするの?
どうして、どうして、どうして?
その子供の問に答える者はいない。ここは檻の中。ヴァンパイアに捕まった、街中の子供達の集う場所。美しく着飾った子供達は、まるで人形のように生気がない。その手足には枷がはまり、少し動くたびにジャラジャラと鎖の音がする。
その子供達を遠くから見つめるのは親達。憎々しげに檻の周りを巡回するオブリビオンの屍鬼を睨めつける。屍鬼さえいなければ、愛しい我が子をこの手に抱けるのに。親達とて、子供達を見捨てた訳ではない。
吸血鬼は街の中に潜んでは、人を浚っていく。それを領主は見て見ぬふりをする。領主とて、子供を吸血鬼に奪われているのだ。何か事を起こせば、自分の子供は勿論、街の人々の子供達まで殺されてしまうのが分かっている。だから、領主も動けぬのだ。
吸血鬼がどこに潜んでいるか分からない故に、人々は疑心暗鬼になり、殺人事件も急増している。
それをあざ嗤うかのように、子供達をわざわざ美しく着飾らせ、広場の檻の中に入れて、見世物にしているのだ。口惜しい。口惜しい。なんと口惜しいことだろう。そして、なんて、私達は無力なのだろう。嗚呼、神様、私達に抗う力を! どうか! どうか! 力をお貸し下さい!
白くて美しい女性が口を開く。女性の名は識神・白。文車妖妃のヤドリガミであるグリモア猟兵だ。
「ダークセーヴァーという世界の、とある街の広場に吸血鬼に浚われた子供達が檻の中に収容されているのでございます。その子供達を助けて頂きたいのです」
しかも子供達は領主の子供に限らず、街中の子供達全員らしい。親達の心痛はいかほどか。
「街には表立って吸血鬼は出てきておりません。その子供達を助ければ、街の人々の協力が得られること間違いないでしょう。そうなれば、吸血鬼の居場所も分かるに違いありません」
居場所が分かれば、こんな残酷な真似をする吸血鬼を倒すこともできるということだ。腕が鳴る。
「子供達が捕らわれているのは、街の広場の中央の檻でございます。檻の周りには3匹のオブリビオン『屍鬼』が巡回しております。檻には何重にも錠がつけられており、巡回している屍鬼の内、一匹が持っているようでございます。屍鬼には最低限の知能があり、喋ることも可能なようです。屍鬼を無理に襲うと、仲間を呼び出し、敵が増える可能性がございます。どんな手段を使って頂いても構いませんから、子供達をお助け下さい」
力ずくで屍鬼達を倒すことも、屍鬼を騙すことも、鍵を盗むこともできるだろう。猟兵のアイデア次第だ。
「皆様の英雄譚をわたくしめにお見せ下さいませ」
そういって白は深々と礼をし、ひっそりとほくそ笑む。これで新たな物語が生まれる。物語を収集している白にとっては何より大事なことだ。
——物語がなければ作ればいいでしょう?
問綴
オープニングを読んで頂き、ありがとうございます。マスターの問綴と申します。皆様の物語を最大限に描けるよう努めさせて頂きます。
どうか街の子供達を助けて下さい。そうすれば、きっと吸血鬼への道が開けるでしょう。様々な方法が考えられると思います。なお、ワープ位置は広場がほど近い路地で屍鬼から見つからない位置に開きます。皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『拷問地下牢』
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POW : 正面突破で拷問地下牢を破壊して重要人物を救出する
SPD : 鍵を盗み出すなどして秘密裏に重要人物を救出する
WIZ : 牢番や拷問吏を騙して重要人物を救出する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リーヴァルディ・カーライル
…ん、どこにヴァンパイアがいるか分からないのが厄介
…私は屍鬼を騙して鍵を手に入れる方針
【血統覚醒】を使用して吸血鬼化した後
【存在感】を放ち堂々とした足取りで一番近くの屍鬼に近寄る
「誰が鍵を持っている?」、「貴様らの主の命令だ、子供たちを他所に移すぞ」
…なるべく傲岸不遜に話しかけ、吸血鬼に見えるように振舞う
反応が鈍かったり、疑われていると感じた場合は…
「ふん、無礼者め。目だけではなく脳まで腐っているな」
「私は貴様の主の古い友人だ、この目、この牙、この姿を見てまだ気付かないのか?」
…とか言ってなるべく短時間で信頼を得たい
無理なら「文句を言ってやる」とかブツブツ言いつつ一時撤退
戦闘になるまで待機
ルクレツィア・ロンバルド
咎人をいたぶるのは”やる”のも見るのも好きですが……、罪の無い人がいたぶられているのを見るのは不快ですわね……、許せません。
【行動】
堂々とした態度で屍鬼達に接触し、ダンピール種族である事を生かして自分をヴァンパイアの一味だと思わせる。屍鬼達に「ショーは終わった」と嘘を告げて騙し鍵を提出して立ち去るよう命じ、彼らが去ったのを慎重に確認してから檻を開け子供たちを救出。屍鬼達が意外に賢く騙せなかった場合は、ユーベルコード「血煙るし蛇の舞」を使用しまとめて一掃、鍵を奪う。
曇天の空は街を一層暗くする。曇天の下、リーヴァルディ・カーライルは、苛立っていた。
(……ん、どこにヴァンパイアがいるか分からないのが厄介……)
ヴァンパイアは一体どこにいるのか。その心はヴァンパイアに対する冷たい情動に駆られていた。
ルクレツィア・ロンバルドにとって、敵であるヴァンパイアや咎人を狩ることは快楽だ。だが、ルクレツィアには信条というものがある。
(咎人をいたぶるのは『やる』のも見るのも好きですが……、罪の無い人がいたぶられているのを見るのは不快ですわね……、許せません。)
二人はヴァンパイアの一味として、屍鬼を騙すつもりだ。リーヴァルディにとっては、子供達の救出など、どうでもいいが、ヴァンパイアを探すためとなれば、話は別だ。天敵たるヴァンパイアのフリだってしよう。
ルクレツィアにとっても唾棄してやまない復讐相手であるヴァンパイアに扮するなど、嫌悪すべき状況だが、子供達を助ける為には致し方ない。
リーヴァルディが深紅の瞳をもつヴァンパイアに変じる。身体が軋み、狂おしいほどに血を欲する。それをリーヴァルディは強靭な精神力でねじ伏せる。二人は傲慢で冷淡なヴァンパイアに扮し、屍鬼の元へ堂々たる歩みで近寄った。屍鬼はそれを見て身じろぐ。
「誰が鍵を持っている?」
一人の屍鬼がオドオドと手を挙げる。それを見てリーヴァルディは心の中でほくそ笑む。
「貴様らの主の命令だ、子供たちを他所に移すぞ」
それを聞いて屍鬼達が顔を見合わせ、戸惑った様子をみせる。
「ショーは終わった。お前、鍵を渡しなさい」
ルクレツィアも高圧的に屍鬼に迫る。だが、屍鬼は惑うばかりだ。
リーヴァルディが畳みかける。
「ふん、無礼者め。目だけではなく脳まで腐っているな」
「私は貴様の主の古い友人だ、この目、この牙、この姿を見てまだ気付かないのか?」
それでも屍鬼はまごつく。鍵を開けるなというのは、主人からの絶対の命令なのだろう。
ルクレツィアは鍵を奪おうと、ユーベルコードを発動させる。
「踊り狂え! 常夜に至る舞!」
ルクレツィアを彩る、黒地に赤い装飾のドレスが、闇色のマントが、十字架の首飾りが、彼岸花となって、広場の中心を埋める。美しくも死を司る彼岸花。死を齎す彼岸花に触れた屍鬼は断末魔を残して消えていった。
だが、その声を聞き、屍鬼達が集まり、存外素早く鍵を拾うと檻を守るように囲んだ。状況は不利だ。鍵のありかも多くの屍鬼が蠢くせいで分からなくなってしまった。ルクレツィアは下唇を噛む。
「文句を言ってやる」
リーヴァルディは吐き捨てて、二人共に一時撤退を余儀なくされた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
アルト・カントリック
「なんてむごい事を…」
アルトは胸を押さえ、顔を曇らせる。
一刻でも早く助けたい気持ちはやまやまだが、目立ってしまっては後に、大変なことになるだろうと頭を冷静に戻す。
「これじゃ、僕の宇宙バイクで乗り込むことはできないな…」
諦めかけていた時、閃いた!
「そうだ!…」
アルトは常に持ち歩いている仔竜の角笛を手にする。僕の【楽器演奏 】で『屍鬼 』達の警戒心を解き、気を引いて、宇宙バイクで程よい距離を保ちながら『屍鬼 』を檻から遠ざける。
それが、今閃いたアイデアだった。
「上手く速度を調節できれば、きっと上手く行くはず」
屍鬼に音色が届くのならば子供達の耳にも届き、勇気づけられるのでは?
子供達の無事を祈った。
エレアリーゼ・ローエンシュタイン
このままじゃいずれ、あの子たちも食べられてしまうのかしら
いけないわ、あの子たちが食べられる前に、エルがおばけを食べてしまいましょう
暗い小さな路地に屈んで隠れたまま、
屍鬼がエルのいる所の前を通るのを、じっと、じっと待つの
前を通った、その瞬間に
一人ずつ、一人ずつ
咎力封じで捕らえてしまいましょう
声を上げられぬよう、口を塞いで
逃げられぬよう、手足も封じて
…怯えているのかしら
よくわからないわ
大丈夫、あなたはちゃんと、エルが食べてあげるから!(拷問具で止めを刺す
鍵があったらきちんと貰って、子供たちを助けるのよ
メグレス・ラットマリッジ
【SPD】誰が誰にやるにしても拷問は悪趣味ですよ、苦痛だけを与えるなんて地獄の悪鬼の所業です。
……悪鬼が現世にいる間違いを正してやるって言ってるんですよ!
正面突破を企てる方の助けにもなるでしょうし、陽動しましょうか。事前に街を探索して、障害物や曲がり角が多い道を調べておきます。
小石か何かで注意を惹き、一定の距離を維持しながら事前に調べた道へ逃げます。もし、息を合わせられそうな方がいれば注意を引いているうちに奇襲してもらうのもいいでしょう。
UCは【追いつかれそうになった時】、【逃げ切りたい時】、【他の猟兵とタイミングを合わせる時】に使用します。道中の障害物に気を取られている瞬間がベスト!
「なんてむごい事を…」
アルト・カントリックは、街の子供達の現状を聞いて、胸を押さえ、打ち震える。このようなことが許されていいものか。こんな残酷な御伽噺は許されるものではない。空を仰げば、自分の心を表すかのような曇天。竜が飛んでいても、こんな空では映えはしないだろう。
子供達をすぐにでも助け出したい。だが、力任せにすれば、事態は悪化するだろう。
「これじゃ、僕の宇宙バイクで乗り込むことはできないな……」
逸る気持ちを抑えて、手持ちの道具を吟味する。
「……サイバーアイ、ドラゴンランス、レガリアスシューズ、幻想ドラゴン事典……。あ、このページのケッツアコアトル、カッコいいなぁ……。——じゃなくて! ……そうだ、これだ!」
諦めそうになった瞬間、アルトはある作戦を閃いた。
その頃、メグレス・ラットマリッジは街を探索していた。街の中は人通りも殆どなく、あっても怯えて逃げられてしまう始末だ。人々の目にあるのは死への恐怖と激しい怒りだ。子供達の現状を見たメグレスはそれに共感せざるを得ない。メグレスにとっても最も恐ろしいことは死。捕まっている子供達の虚ろな目は精神の死を映していた。もし自分があんな目にあったら、と想像してぞっとする。だからこそ、激しい怒りを感じていた。
(誰が誰にやるにしても拷問は悪趣味ですよ、苦痛だけを与えるなんて地獄の悪鬼の所業です。……悪鬼が現世にいる間違いを正してやるって言ってるんですよ!)
悪鬼を殺す——そのための作戦をメグレスは練り上げる。
広場にダークセーヴァーには不釣り合いな禍々しい大型バイクに乗った一人の女性が現れる。アルトだ。アルトがおもむろに仔竜の角笛を取り出し、吹き始めた。子供達の無事を祈りながら吹く、その音色は心踊り、共に歌い、踊りだしたくなるような軽快さがあった。
子供達の虚ろな瞳に輝きが宿る。屍鬼の心にも、その音色が届いたのだろう。複数の屍鬼がアルトに近づいてくる。
アルトは心の中でガッツポーズを取りつつ、程よい距離感を心がけて、宇宙バイクを広場から遠ざかるように進めていく。
すると、広場にいる屍鬼の一部がハーメルンの笛吹き男の如く着いてきたではないか。アルトはそのまま笛を吹きつつ、目的地へと誘導していく。
一方、メグレスは広場で石を屍鬼共に投げつけていた。
「あなたらなんぞ、この街から消えろってぇんだ! あなたらの顔なんざ見たくもねぇ!」
一部の屍鬼達は怒りを露わにメグレスへと襲いかかる。メグレスは事前に記憶した障害物や曲がり角の多い道を上手く使い、逃げ回る。
しかし、屍鬼達とて慣れた街。メグレスを追い回し続ける。メグレスの手のひらの上とは知らずに。
ようやく、屍鬼達がメグレスを追い詰め、その爪を振るう。だが、メグレスには視えていた。——屍鬼がその爪を振るい、メグレスの頭を割く未来を。メグレスは行動を先読みし、半身をずらして避ける。大きく振りかぶった屍鬼はそのまま前のめりに倒れ込む。——その瞬間、屍鬼の身体に手枷、猿轡が嵌められる。
「……怯えているのかしら」
屍鬼にも恐怖という概念があったらしい。カタカタと歯を鳴らし、目を大きく見開いて、エレアリーゼ・ローエンシュタインを見つめ、震えている。
「よくわからないわ。大丈夫、あなたはちゃんと、エルが食べてあげるから!」
エレアリーゼは鈴のなるような声で楽しそうに屍鬼へと止めを刺す。少女は待っていたのだ。この食事の瞬間を。じっとじっと路地に隠れながら。
——だって、このままだと、いずれ、あの子達が食べられるんでしょう?
——あの子達が食べられるのは可哀想!
——なら、エルがぜーんぶ、ぜーんぶ、おばけを食べちゃえばいいの
エレアリーゼが子供達の境遇と幼い頃の凄惨な思い出を重ねていたかどうかは分からない。ただ一つ言えるのは、おなかがすいた、ということ。
そして、屍鬼を一匹、一匹、確実に捉えていく。声を上げられぬよう、口を塞いで。逃げられぬよう、手足も封じて。そして、食べる。
「あんまり美味しくないの。お菓子が食べたいな」
そんな独白が血の飛び散った路地に木霊した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
浮世・綾華
長閑(f01437)と連携
誰かの自由を奪う権利なんて、誰にも存在しねーんだよ
苛立って苛立って、笑えてきちゃう
俺は見つからないレベルで屍鬼に近い場所まで近づいてから
【錬成カミヤドリ】を使って自分の本体である【鍵】を
長閑が取り押さえた奴の上から降らせる
上手く敵の持つ鍵を落下させられるかはわかんねぇけど
少しは時間を稼げるはずだ
混ざっちまえばこっちのもん
だって俺の鍵は自在だからな
嗚呼、ザーンネン。お前の拾った鍵は、俺のだぜ?
そのまま鍵を操って、眼球に向けて突き刺す
ホラ、早く逃げろよ
彼奴のゆーとーり、お兄さん達に任せとけって
憂世・長閑
綾華(f01194)
不自由を悪とは言わないけど
この状況が良くないってことは分かる
ねえ君たち!鍵を落とさなかった?
人好きのする無垢な笑顔を浮かべながら屍鬼を揺さぶる
あくまで挑発的にならないように気を付けながら
表情を注意深く読んで鍵を所持している屍鬼を見定める
上手くいけば動揺して鍵を取り出してくれたりするかも?なんて期待しつつ
隠れている綾ちゃんとアイコンタクトを交わしてから屍鬼を取り押さえる
綾ちゃんが敵に仕掛けているうちに
鍵を奪うか拾ったらそれで檻を開錠
【七星七縛符】を使えば屍鬼達の攻撃を封じることも可能だろ?
もう大丈夫!
オレたちがこいつらみーんなやっつけて
君たちの自由を取り戻すから!
自由を奪うことは悪だ。浮世・綾華は考える。鳥籠の鍵だった自分。自分の主人が縛りつけていた『あの人』。ずっと『あの人』のことが不憫で仕方なかった。自由こそ幸福への一歩だ。
不自由は悪だろうか。憂世・長閑は考える。否。鳥籠の錠だった自分。自分が縛りつけていた『あの人』。だけど、縛ることで『あの人』を護れていたのだ。
だが、この状況はどうだろう。子供達を縛りつけ、慈しみ育てる親から引き離す。悲劇でしかない。
「オレは不自由を悪とは言わないけど、この状況が良くないってことは分かる」
長閑が言えば、綾華も応える。
「誰かの自由を奪う権利なんて、誰にも存在しねーんだよ。俺はもう苛立って苛立って、笑えてきちゃう」
『錠』と『鍵』、二人の意見が合致した。目指すは広場の檻の鍵。
広場にいる屍鬼達に屈託のない笑顔で長閑が尋ねる。
「ねえ君たち! 鍵を落とさなかった? さっき、鍵が落ちてるのを見かけたんだけど」
屍鬼達は顔を見合わせ、しきりに身体に触れて鍵を確認しているようだ。
長閑はその様子を注意深く観察する。身体の一部に触れ、安堵した表情をしているように見えた一匹に目をつけ、潜んでいる綾華に目配せをする。綾華はターゲットの屍鬼に隠れながら近づく。
長閑は油断していたターゲットの屍鬼の手首を素早く掴み、引き倒して、馬乗りになる。——その瞬間、綾華が屍鬼の上から鍵をばらまく。ターゲットの屍鬼が鍵が落ちていく様を見て慌てる。自分の鍵が落ちたんじゃないか。ターゲットの屍鬼は慌てて一つの鍵を拾う。だが、それは綾華の鍵。
「嗚呼、ザーンネン。お前の拾った鍵は俺のだぜ?」
鍵は屍鬼の手のひらから離れ、宙を舞い、そして屍鬼の目に突き刺さる。醜い悲鳴が街の広場に木霊した。だが、他の屍鬼達は助けようとも動けない。
長閑が護符をばらまいて七星七縛符の呪を唱え、地に縛り付けているからだ。
ターゲットの屍鬼の身体を調べると、鍵があった。綾華が鍵を奪い取り、檻の錠を解いていく。
「ホラ、早く逃げろよ」
「もう大丈夫! オレたちがこいつら、みーんな、やっつけて、君たちの自由を取り戻すから!」
(かっこつけやがって)
綾華は長閑の台詞に苦笑いしながら、子供達に胸を張ってみせる。
「彼奴のゆーとーり、お兄さん達に任せとけって 」
子供達はおどおどしながらも、綾華と長閑に礼を言って、帰路についた。家に帰る途中、屍鬼に襲われることもないだろう。エレアリーゼが全て食べた後だろうから。
猟兵達の協力により、広場から屍鬼は消え失せ、檻から子供達は解放された。きっと今頃、久しぶりに再開できた家族達は滂沱の涙を流しているだろう。それは猟兵達の誇りだ。
成功
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第2章 集団戦
『暗闇の獣』
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POW : 魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
こうして、子供達が解放され、街の人々のわだかまりも氷解し始めた。
そんな中、一組の親子がおずおずと広場にいる猟兵達の前に現れた。親が背中を撫でて、子供に落ち着いて話すよう促す。
「……あ、あの、あたし、見たの……。勘違いかもしれないんだけど……。この檻の影の中に人が入っていったの……。最初は目の錯覚かと思ったんだけど……。でも、でも、気になって!」
それを聞いた猟兵達は半信半疑で檻を押してみる。それを見た街の人々が集まり、一緒になって巨大な檻を押し倒した。そこにあったのは地下へと続く階段。
街の人々が口を揃えて言う。そんなもの昔はなかった。きっと、これがヴァンパイアへ続く道だろう、と。
猟兵達はそれを信じて、突き進む。そこにいたのは異形の魔獣達だった。
「ここから先へは誰も通すなと、ヴァンパイア様から命令されている。そして、ここに辿り着いた者は誰であれ殺せと。お前達は一人たりとて逃がしはせぬぞ」
ここからは猟兵達の力の見せ所。この魔獣共を倒さなければ、ヴァンパイアへは辿り着けまい。残虐非道のヴァンパイアを倒す為、力を合わせることを胸に誓うのだった。
アルト・カントリック
「なるほどね……急いで畳み掛けるよ!」
それは合図だった。その為に強引ながらも怪力で宇宙バイクを地下まで引っ張ってきたのだ。
魔獣達が叫ぶ前に、姿を隠す前に、地形が滅茶苦茶になる前に!その道を突っ走る!
詠唱により、ユーベルコード【 嬰鱗矢の如し(バイパー・エクスプレス)】の発動。
宇宙バイク(ピュートーン)はもう、ただの乗り物なんかじゃない。おどろおどろしい真っ黒な、毒蛇の化け物と化していた。
その化け物からふかされる煙はまるで毒の霧のようだ。
魔獣達だけがむせてしまう。
なぜなら、
そこは大蛇の通り道。
運悪く、いや動けず、なぎ倒されてしまった魔獣達も居るだろう。
「別にずっと隠れててもいいよ?」
怪しく笑う。
「なるほどね……急いで畳み掛けるよ!」
白い髪を靡かせ、アルト・カントリックは宇宙バイクで駆け抜ける。魔獣が暴れるより早く! 魔獣が味方を傷つける前に!
そして、目前には、何匹もの魔獣の群れが現れた。魔獣達はアルトを通すまいと、その身体を張ってバリケードを作る。
アルトはニヤリと笑って、ユーベルコード『嬰鱗矢の如し』を詠唱する。すると、宇宙バイクは変形していき、バイクのフロントには漆黒の煙を立ち昇らせる真っ黒な竜の頭蓋骨が現れ、マフラーからは毒々しい紫煙が噴き上がる、ピュートーンのような姿へと変化した。その姿はおぞましく、総毛立つほどだ。
そして、ピュートーンに乗ったアルトは、そのまま加速し、魔獣へと体当たりする。魔獣は吹き飛ばされ、断末魔のような甲高い声をあげたかと思うと、煙のように消えていった。
それを見た魔獣の一部は戦慄し、隠れようとする。
「別にずっと隠れててもいいよ?」
アルトは唇の端を持ち上げて、不敵な笑みを浮かべた。
そんなアルトが地下へと続く階段を、重い宇宙バイクを担いで涙目で下ろしていたことは公然の秘密だ。
成功
🔵🔵🔴
アイリス・クラウディア
「…これ以上犠牲は出させない。」
「私はただ、任務をこなすだけ。」
私は愛銃MR-24(スナイパーライフル)を使って淡々と敵を処理(ヘッドショット)していくつもり。…こういう仕事も私たちの仕事だから、躊躇はしない。
敵が接近してきたらユーベルコードを使って近距離射撃(マシンガン)に移る。敵は殲滅、する。
もし奴らのボスが出てきた時は深追いはせず様子見。敵の強さを図れる戦いができればいい。
情報を得たら体制を整えるために一時撤退。
倒せる敵をただ倒す、それだけ。
「……これ以上、犠牲は出させない」
アイリス・クラウディアは、淡々とした表情で決意を固める。過去に両親を殺され、それ以来ずっと戦場を渡り歩いてきたアイリスにとって、ここも只の日常だ。
「私はただ、任務をこなすだけ」
そう自分を言い聞かせるように呟きながら、自分の半身である愛銃『MR-24』の照準を覗く。その先にあるのは、魔獣の群れ。
頭を狙い、二発銃弾を打つ。一発目は動きを停めるため。二発目は、より正確に魔獣を仕留める為。黙々と魔獣を撃ち続ける。
されど、魔獣とて思考できないわけではない。射線を辿って、アイリスへと襲いかかろうとした。
だが、常在戦場たるアイリスがそれを予見出来ない訳がない。二の腕が折れる。そこにあったのは無数の銃口。銃口から無数の弾丸が放射状に放たれ、襲いかかってきた魔獣の群れを一網打尽にした。
「敵は殲滅、する」
無表情に魔獣へと死の宣告をする。
魔獣の情報を得たアイリスは体制を整えるため、一時撤退する。無駄な戦いなどする気はない。
——倒せる敵をただ倒す、ただそれだけ。
成功
🔵🔵🔴
メグレス・ラットマリッジ
真の姿(システムがよくわからない)は瀕死でも普通に動ける特性を持つ人間、不死者。
殺す……生命に対する無限の害意が込められた恐ろしい言葉です。
何度死線を超えても、聞くたびに嫌な汗を掻いてしまいます。
生命の重さを知らないのは獣、害獣は力を以て駆除しなければならない。
やられる前にやるの姿勢で臨みます、チェストダークセイヴァー!
手斧投擲による牽制の後、【暗闇の咆哮】を封じる為に敵陣へ接近。
言葉を解す知性があるなら味方を巻き込む攻撃はしないでしょう、されても被害はあちらの方が大きいはず。対してこちらはUCによる無差別攻撃を狙います。相打ち結構、死なば諸共。
怨まれたまま生き残られると、止めは必ず刺します。
死という概念は畏怖すべきものだ。死んでしまえば、私の身体も心もこの世から消滅してしまう。消え失せてしまえば、指一本動かすこともままならず、大切な人に言葉を伝えることすらできない。メグレス・ラットマリッジにとって死とはそういうモノなのだ。メグレスも猟兵として何度となく、死線をくぐってきた。されど、それに慣れることは一切ない。いつだって死が怖い。
それと比べて魔獣はどうだろう。『殺す』という言葉は生命の害意そのものであるということを知っているのだろうか。生命の重さを知らない獣には力を以て知らしめなければならない。死そのものを。
漆黒の斧を魔獣へと投擲する。甲高い声を上げて一匹の魔獣が消え失せる。それを聞いて他の魔獣が身構える。そこにメグレスは一気に距離を詰め、我が身から電撃を放つ。地を這う電撃は魔獣の群れに襲いかかり、死を知らしめた。
だが、メグレスが懸念していたことが起きる。瀕死の魔獣が仲間すらも巻き込んで、更なる血を求め、咆哮する。その咆哮は衝撃波となって、メグレスを襲い、その身に傷をつくる。流れる血は死を連想させ、メグレスは恐怖におののく。
恐怖を押し殺しながら、瀕死の魔獣にメグレスは槍を突き刺し、電撃を放つ。鈍い悲鳴がして、肉の焦げる嫌な匂いがした。
また一つメグレスは死線をくぐった。それでも、彼女は決して慣れることはないだろう。生命の重みを知るが故に。
苦戦
🔵🔴🔴
浮世・綾華
まずは【咎力封じ】で魔獣さん達を拘束しちゃう
いやあ、別に俺、獣を拷問して遊ぶような趣味はねぇんだけどさぁ
だって向かってくるってことは、俺と遊んでほしーんでしょ
いいよ、でも。俺、子供って好きだし、けっこー怒ってんだよね
目には目を、残虐非道には同じようにってな?
【なぎ払い】である程度敵の戦力を削ったら
あとはお楽しみの時間
ごめんなさいって謝ったって【傷口をえぐる】のはやめてやらねぇけど
死んでくれりゃあ終わりだろ
汚ねー悲鳴は、そろそろうんざりだ
早くヴァンパイアに会いてぇんだけど?
だから、もう――死ね?
子供は好きだ。自由奔放さが愛おしい。あの人が自由であったなら、どうだっただろう。きっと子供のように純真無垢に自由を謳歌したに違いない。あの人のことを想起させるから、子供への虐待を浮世・綾華は許さない。目には目を。残虐非道には残虐非道を。
綾華は魔獣と向かい合う。魔獣は猛然と綾華へと向かってくる。それを綾華はひらりとかわして、魔獣の腕に向かって手枷を投げつける。ガッチリと嵌まった手枷は魔獣の足を縛る。
「いやあ、別に俺、獣を拷問して遊ぶような趣味はねぇんだけどさぁ……。向かってくるってことは、俺と遊んでほしーんでしょ? いいよ、でも、俺、子供って好きだし、けっこー怒ってんだよね。あんたらにも、あの子達とおんなじ目にあってもらわないと割に合わないじゃん? そうだろ?」
話してる間にも魔獣は襲いくる。それを薙刀で払い除け、一匹一匹、枷を嵌めていく。
だが、手負いの獣ほど恐ろしいものはない。瀕死の魔獣が烈しい咆哮をあげる。それは衝撃波となり、他の魔獣すらも巻き込んで、綾華を傷つける。傷から流れる血を舐めとって、ニヤリと笑い、瀕死の魔獣に手枷を嵌め、その傷口を足で抉る。魔獣は苦悶の声をあげる。
「俺に傷つけるなんて、オブリビオン如きが頭にノってんじゃねぇよ。ごめんなさいって惨めに謝ったって許してやんねぇ。傷ついて傷ついて傷ついて、惨めに足掻けよ。子供達がされたように」
そして、捕らえた魔獣達を嬲る。嬲る。嬲る。地下に醜い悲鳴が木霊した。
「汚ねー悲鳴は、そろそろうんざりだ。早くヴァンパイアに会いてぇんだけど? だから、もう——死ね?」
魔獣達を虐殺し、綾華は前へと進む。この事件の元凶であるヴァンパイアをぶっ飛ばす為に。
苦戦
🔵🔴🔴
静馬・ユメミル
生きて帰れないのは果たしてどちらでしょうね。
……なんて、啖呵を切るのが立派な猟兵なのかもしれませんが、静馬さん、戦いはあまり得意ではありません。
……ので、騎士さん、蛇さん。よろしくお願いします。
自分は物陰に身を潜めながら【リザレクト・オブリビオン】で【呪詛】を込めて【死霊騎士】と【死霊蛇竜】を召喚し戦わせる。
【学習力】活かして敵の動きを影から観察しつつ、動きに隙を見つけたら連携させた【2回攻撃】を叩き込んでもらう。
静馬さんが怪我するとあの2人消えちゃうので……良ければ誰か助けてくださいね?
犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分けるぜ
臭う、臭うぜ? 悪党の臭いがぷんぷんすらぁ
着物姿で進みつつ
敵の奇襲や発見は超嗅覚(ユーベルコード、第六感、野生の観、聞き耳)で感知し、仲間に知らせる
戦闘時は二刀流で戦う
俺はキナ臭い場所が解るのよ、来ると思ったぜ(かばうったり避けたり)
戦いが膠着したら、頭脳派な仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする。
自分の世界との違いにはいちいち感心する
俺は「転んでも助ける」って書いて転助だ
コロ助じゃねー! てん助だ!
※アドリブ歓迎、他PCと絡み希望、失効日ギリギリまで待ってなるべく大人数と一緒に描写してもらえると嬉しいです。
御代・燕三
手助けが出来れば、と思いはせ参じました。地下へ続く道、この場を越えたとしても更なる激しい戦いの予感。数があればこなせましょう!(なるべく猟兵が集まってから動き出したい)
わたしは頭脳派ですので、それ相応の戦い方をいたしましょう。
「わたしが道を作ります! いまですっ!」
姿が消えた場合、戦闘中であろうと聞き逃さないよう耳を澄まし、敵の位置を補足できた時にユーベルコード【フォックスファイア】を[高速詠唱3]で展開し、炎を操作し敵への道筋を描いたり、敵本体にぶつける
または索敵が得意な猟兵が居たら、その方が指摘した場所に炎を操作していく。
周囲に被害が出ないよう延焼を操作。
(他の猟兵との絡み、アレンジOK)
犬憑・転助は着物の裾を捌きながら、肩で風を切って、堂々と地下道を歩む。
「臭う、臭うぜ? キナくせぇな。悪党の臭いがぷんぷんすらぁ」
筋の通らないことが大っ嫌いな転助にとって、今回の理不尽な事件は許せるものじゃなかった。考えるより先に身体が動いて、地下に飛び込んだのだ。
そこにいたのは、静馬・ユメミルと御代・燕三。
「悪い人?」
「そういうことは思っても口に出してはいけませんよ」
首をコテンと傾け、ユメミルは転助を見やり、御代はそんなユメミルを窘める。
「違ぇよ。俺の名前は犬憑・転助。そういう嬢ちゃんと兄さんはご同胞か? そんな匂いがするぜ」
「そうです。私は静馬・ユメミル。よろしくお願いします」
「わたしは御代・燕三。コロ助とは変わった名前ですね」
「違ぇ! コロ助じゃねー! て・ん・す・け! 『転んでも助ける』って書いて転助だ!」
「ああ、転助ですか。これは失礼を」
燕三は転助の勢いに圧される形で謝る。
転助はユメミルをしげしげとつま先から頭の先まで観察する。
「ユメミルは変わった服、着てんなぁ。その人形は兎か?」
「服は普通だよ? お人形さんは、うさぎのベインちゃん。よろしく」
「おもしれぇ! やっぱり違う世界は変わったもんがあっていいねぇ!」
転助は珍しいモノ、新しいモノに興味深々なのだ。違う世界へくる度に何もかもが珍しくて仕方ない。
「それより、今はこの戦いをどうにかすべきでしょう。わたしはその手助けができればと思い、馳せ参じたのですから。それに、この場を越えたとしても更なる激しい戦いの予感が致します」
燕三の言葉に偽りはない。この後に待ち構えるヴァンパイアが持っているであろう財宝や金貨を計算に入れていることを除いては。
ユメミルも燕三に続く。
「生きて帰れないのは果たしてどちらでしょうね。
……なんて、啖呵を切るのが立派な猟兵なのかもしれませんが、静馬さん、戦いはあまり得意ではありません」
ユメミルは自信なさげに呟く。燕三が胸を張る。
「お任せ下さい。数は力です。わたしは頭脳派ですから皆様を勝利へと導きましょう」
「そいつぁ、心強ぇ! じゃあ、俺がちょいと魔獣の様子を調べてくらぁ」
転助が身を隠しながら、先へと進む。嗅覚、聴覚、第六感までもを駆使し、敵を探し出す。そして、魔獣を見つけ出した転助は、燕三、ユメミルに目配せをする。
燕三はそれを受けて、事前に聞いておいた二人の能力から、作戦を組み立て、小声で二人に伝える。
「わたしが道を作ります。それを見て、ユメミルさんは死霊を呼び出して下さい。転助さんはユメミルさんの護衛を」
ユメミルと転助は頷く。燕三は満足気な顔をし、直ぐに真剣な表情に変わる。ここからが戦いの本番だ。フォックスファイアを高速詠唱する。すると、狐火が魔獣を囲む。魔獣は火に囲まれ、逃げられない。燕三は、更に魔獣の群れの中央を突っ切るように狐火を放つ。魔獣達は断末魔をあげて燃え尽きた。
その様子をユメミルはよく観察していた。そして、死霊騎士と死霊蛇竜を呪詛を込めて召喚。
「騎士さん、蛇さん。よろしくお願いします」
魔獣が火により動きが鈍っている隙を狙って、ユメミルは死霊騎士と死霊蛇竜を操り、魔獣の弱点を挟撃させ、次々と倒していく。
魔獣の内、一匹が物陰に潜んだユメミルに気づき、襲いかかってきた。だが、影に潜んでいたのはユメミルだけではない。潜んでいた転助が白狼刀で魔獣の攻撃を受け止め、妖刀鬼哭丸で魔獣を切り捨てる。
「俺はキナ臭い場所が解るのよ、来ると思ったぜ」
そして、転助はまた影へと戻っていった。
こうして、三人は協力して魔獣を倒していくのであった。
猟兵達の活躍により、魔獣は全て消滅した。だが、この先にはヴァンパイアが待っている。猟兵達は覚悟を決めて、扉を開くのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『ヴァンパイア』
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POW : クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
地下を抜けた先にあったのは、広い謁見の間であった。中央の椅子に若い男の姿をしたヴァンパイアが座っている。
「騒々しいと思ったら、招いてもおらぬ人間如きが我が部屋に来るとは。ガキ共を餌に人間共を争わせる楽しいショーの途中だったというのに、邪魔してくれるとは。ふん、人間にしては、少しは腕が立つと見える。だが、それもここまでよ。皆、捕まえて奴隷にしてくれるわ」
子供達を盾にするような卑怯なヴァンパイア。猟兵達よ。哀しみの連鎖をここで断ち切れ!
浮世・綾華
招いてもねーのに来ちゃうのが俺なんだなぁ
だって、俺の行動は俺が決めることだろ?
それを楽しいショーっつーなんて
マジで良い趣味してんな、あんた
この手の敵とやりあうには【巫覡載霊の舞】がいいだろ
攻撃を軽減しながら確実にダメージを与えていければいい
【傷口をえぐる】も使って全力で攻撃を
敵の技をよける手段はねえが
【なぎ払い】を使って上手く受け流す
クルーエルオーダーのルールは遵守を
縛られるのは気に食わねぇが、敵を倒すことが最優先
でも俺がそれを破ることによって相手を引き付けて仲間が有利になるなら、それも面白ぇな
子供は宝だ
誰であっても、傷つけることも
夢を奪うこともゆるされねーんだよ
浮世・綾華は悠々とヴァンパイアが座る玉座の前に立つ。
「不敬であるぞ!」
誰の言葉であろうと綾華を縛ることはできない。何故なら、自由の守護者たる綾華は誰よりも自由だから。
「招いてもねーのに来ちゃうのが俺なんだなぁ。だって、俺の行動は俺が決めることだろ? お前に俺は縛れねぇ!」
綾華は言うなり、薙刀から衝撃波を放つ。衝撃波は玉座ごとヴァンパイアを切り裂いた。
「人と人が争う姿が楽しいショーっつーなんて、マジで良い趣味してんな、あんた」
ヴァンパイアが腰に帯びた剣をすらりと抜き放ち、唇の端を釣り上げて嗤う。
「興が乗った。街の英雄のおまえ達を吊し上げたら、街の者共はどういう反応をするのだろうな。おまえ達の処刑を見てみぬフリをするのか、再び子を差し出すのか……。ククク、楽しみだ。絶望に堕ちる人の顔は我が愉悦。我の趣味が理解できぬ痴れ者にはピッタリだ」
「させるかよ!」
綾華は薙刀で空気を割く。割かれた空気は衝撃波となり、ヴァンパイアの身体に無数の傷をつくる。ヴァンパイアは血を舐めとり、不敵な顔をうかべる。
「我が血を見るのも、どれほど久しいことか。子供の血にも飽きてきたところよ。相手をしてやる。光栄に思え」
「てめぇ! 子供をなんだと思ってやがる! 子供は宝だ! 誰であっても、傷つけることも、夢を奪うことも、ゆるされねーんだよ !」
キンと甲高い音がして、薙刀と剣が切り結び、火花が散る。至近距離からの薙刀からの衝撃波はヴァンパイアを切り刻むが、ヴァンパイアはそれすらも愉悦といった面もちで、ますます楽しげに嗤うのだった。
成功
🔵🔵🔴
アルト・カントリック
戦いとは先手必勝。
「ぐっ……」
気合いを入れ、相棒であった宇宙バイクを持ち上げる。嗚呼、無情。ヴァンパイア目掛けて投げつけられた!
しかし、敵もこれが牽制を混じえたフェイントであることは見破るだろう。
だが、それでいい。瞬きの間、障害物となり、敵の隙を作れるのならば。
「【詠唱】」
ユーベルコード【竜こそは我が友】を早口で竜への敬意を忘れず、唱える。
約3mのドラゴンを召喚し、騎乗する。真っ白なドラゴンランスを左手(両利き)に構えれば、アルトが夢見た竜騎士の完成だ。
相棒の犠牲を無駄にはしない。
(後でピカピカに整備して貰うからね…)
「生命を弄んでいた代償を払って貰うよ!」
名乗りを上げ、竜に乗り牽制に徹する。
「ぐっ……」
(後でピカピカに整備して貰うからね……)
アルト・カントリックは目一杯の力を込めて、ヴァンパイアに宇宙バイクを投げつける。アルトの相棒たる宇宙バイクはヴァンパイアを押し倒した。
「何をする! 我はヴァンパイアぞ!」
「君なんか知らないよ! 僕のバイクの方が可哀想なんだから!」
バイクが障害となってる隙を狙って、アルトは素早くユーベルコードを詠唱する。
「我こそは竜騎士のアルトなり。竜よ、我が元へ」
竜への敬意を込めたユーベルコードは奇跡を起こす。天井が空へと変わり、白銀のドラゴンが優雅にアルトの元へと舞い降りる。ドラゴンに跨がり、白いドラゴンランスを左手に構えるアルト。その様は、アルトが夢にまでみた竜騎士そのもの。
「生命を弄んでいた代償を払って貰うよ!」
「ふん、ドラゴンか。面白い」
ドラゴンは空を舞う。ヴァンパイアも背中に生えた蝙蝠の翼を羽ばたかせ、宙を舞う。アルトのドラゴンランスがヴァンパイアの胸を狙う。ヴァンパイアはそれを敢えて受けて、アルトを狙い、剣を振るう。ドラゴンが更に高空へと飛び、その美しい白銀の鱗で剣を弾く。
ヴァンパイアとアルトは一進一退の攻防を続け、空を舞台に饗宴を繰り広げるのだった。
成功
🔵🔵🔴
メグレス・ラットマリッジ
彼の言葉は分かるのに理解できない。多分、それはあちらも同じことなのでしょう。
私にできることは、淡々と目の前の獣を駆除するのみです。
言葉は交わしませんが、『枠から外れる行為』が苦手なので【血の誓約書】は他者に迷惑の掛からない内容なら危機が迫るまで従います。
戦闘は接近戦を挑み、武器による行動阻害技能とUCによる回避で粘り強く戦います。
大きな隙が出来たら拷問具に血液を送り大量発電、全力の一撃をお見舞いします。
回避にUCを割く上に、基本的に身体がちょっと丈夫なだけの少女なので非力な自覚はあります。他の猟兵と力を合わせたいですね。
アイリス・クラウディア
「ここは私が援護する、まかせて。」
「……醜い。」
私は仲間のカバー(援護射撃)をしていく。
今回の敵はユーベルコードが幾らか厄介。
クルーエルオーダー、どんな内容が発動されるのか。それによって仲間の動きが鈍ることもあるだろう…。ならばその分、私が仲間をカバーする。
もし、同じように考えている仲間がいるなら上手く連携をとり、立ち回る。
奴の遠距離攻撃(マサクゥルブレイド)用に内蔵ランチャーの発射準備をしておく。味方が苦戦してる時にでも、コレ(ランチャー)が当たれば軌道をずらせるだろう。
基本的には仲間の戦闘をカバーしつつ、奴が隙を見せるのを淡々と狙うとしよう。
「ーやるべき事を、やった。それだけ。」
メグレス・ラットマリッジは、あまりの感性の違いに言葉を失う。
(彼の言葉は分かるのに理解できない。多分、それはあちらも同じことなのでしょう。私にできることは、淡々と目の前の獣を駆除するのみです)
一方、アイリス・クラウディアは戦場に私情を感じることすらない。戦場にある以上、殺すか、殺されるか、だけなのだ。
メグレスは漆黒の斧『艶消しのフランシスカ』をヴァンパイアの腹めがけて横薙ぎにする。ヴァンパイアは一跳びして後方へと下がり、剣をメグレスの胸へと突こうとした。——その瞬間、メグレスの脳内に、胸に深々と剣の刺さる予知が流れ、メグレスは大きく後退する。アイリスの相棒『MR-24』がヴァンパイアへ向けて連射される。ヴァンパイアは未知の兵器に一瞬戸惑いを見せる。その隙にメグレスが斧を振りかぶる。ヴァンパイアは剣で受け止めるが、背中からアイリスの銃撃を浴びせられる。アイリスの銃撃は、メグレスとヴァンパイアの行動をよく読んで放たれる正確無比な援護射撃。ヴァンパイアとメグレス、アイリスは一進一退の攻防を繰り広げる。
「小癪な」
ヴァンパイアは楽しむことすら忘れ、戦いへと没頭する。だが、その猛追はメグレスに後一歩及ばない。メグレスは10秒先の未来がまざまざと見えるのだ。脳内では何度死んだか分からない。死線を乗り越えても乗り越えても、メグレスの恐怖は拭えない。じっとりとした冷や汗を背中に感じながら、メグレスは死線をくぐり抜け続ける。
アイリスはじっと待っている。ヴァンパイアの決定的な隙を。そして、その時は来た。メグレスの斧がヴァンパイアの肩へと突き刺さったのだ。ヴァンパイアは大きくよろめく。そこへアイリスの手首に埋め込まれた内臓ランチャーが火を噴く。ヴァンパイアはランチャーの直撃を受け、爆風に吹き飛ばされる。好機を逃さず、メグレスはヴァンパイアに口枷を嵌める。口枷に雷杖を押し当て、血液を多量に送り込む。血液は電力へと変わり、ヴァンパイアの身体中を巨大な電流のうねりがほとばしる。ヴァンパイアは大きく身体を跳ねさせ、低く呻き声をあげた。焦げた臭いが鼻をつく。
「——やるべき事を、やった。ただ、それだけ」
アイリスはそう呟いて戦場を後にした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
エール・ホーン
君は、とても悲しいひとなんだね
ひとを、子供達を苦しめて心を踊らせる彼の姿に胸が痛む
ボクらは君の奴隷にはならない絶対に君を止めるよ
野生の勘で敵の動きをよんで
武器受けで攻撃を受け流しながらも
少しずつダメージを受け劣勢を装う
うんと敵を調子にのせて
うんとうんと敵を惹き付けて、最後
トドメの一撃、それをずっと待ってた!
カウンターで敵の攻撃の威力を利用しつつ麻痺攻撃を繰り出せば
大きなダメージと共に数秒でも動きを麻痺させられたなら
君がボクらを英雄というならば、そう
ボクは英雄だ
だから君を倒すことを成し遂げる!
そうゆうふうに出来てるんだ!
ガチキマイラで攻撃しながらも
受けたダメージを回復
次の動きも、隙はみせないよ!
——君は、とても悲しいひとなんだね。
エール・ホーンは、人の、子供達の苦しみにしか、愉悦を感じることができないヴァンパイアの姿に、胸の痛みを覚えた。大きな夢や希望をもち、みんなにそれを伝えるエールにとっては、ヴァンパイアの遊びは、あまりに絶望的で、ちっぽけで、つまらない。ヴァンパイアにすら同情を覚える、心優しいエールは誓う。
「ボクらは君の奴隷にはならない! 絶対に君を止めるよ」
「ふん、我を止められるものなら、止めてみろ! 最後に勝つのは我だ!」
血塗れであろうとヴァンパイアは孤高に立ち、気高く吼える。剣を上段に構え、エールを一気に切り裂こうと打ち下ろす。エールはキマイラ特有の超人的な勘を働かせるが、肩を切られる。
ヴァンパイアは更に攻勢を強める。下段に落とした剣を跳ね上げる。エールは星の煌めきが宿る一角獣の盾で受け流すものの、足を切り裂かれる。
「なんだ。弱者か。つまらぬ」
ヴァンパイアが胸に突きを放とうとした、その時、エールが盾についた角でヴァンパイアの首を突き刺した。
「な、に……!?」
ヴァンパイアの身体が麻痺する。エールの盾の角には麻痺毒が塗り込まれていたのだ。
「傷ついたのは全部演技だよ。気づかなかった? いただきます」
エールの腕がライオンに変化して、動きが鈍くなったヴァンパイアの肩にかぶりつく。ヴァンパイアは痛みに呻く。それに反比例して、エールの傷は癒えていった。
「君がボクらを英雄というならば、そう、ボクは英雄だ。だから君を倒すことを成し遂げる! そうゆうふうに出来てるんだ!」
成功
🔵🔵🔴
アルジェロ・ブルート
…ああ!
成程、成程。人間の子供を集めてるって聞いたから、どれ用なのカナ?って思ってたんだけどさァ。
そっかァ、それ用かぁ!成程ねェ…。
なんて、へらりと冷ややかな笑みを浮かべて。
いやいや、言いたい事なんてねェよ?だってお前らってそーゆーモンだもんな。
…シッテルヨ。
さて、ンじゃあ【拷問具】を使うとするか。
俺さァ、簡単に殺してやる気は無いのね。
まーすぐ様死ぬよーなお前らじゃないのは知ってっからさァ、それなら散々苦しんでほしいわけ。わかる?
だから【毒】を使った上で【傷口をえぐる】けど、いいよな。
お前のユーベルコードなんて受けたくないし、【絶望の福音】で避けるとするわ。
ヴァンパイアと謂うものは、誰も彼もがそういうものなのだ。享楽的で残酷で救いようがない。今、目の前にいるヴァンパイアだってそうだ。人と人を争う姿がただ観たいが故に、子供達を親から取り上げる。なんて浅薄で、低俗で、陳腐で、滑稽な茶番劇だろう。アルジェロ・ブルートはただ冷笑する。
アルジェロは自らの血で枷を操り、ヴァンパイアへと投擲する——その瞬間、脳内に剣で串刺しにされる映像が映る。されど、もう遅い。既にアルジェロの周りには華美な剣が囲んでいる。避けられない。剣が次々と飛んできて、アルジェロを無骨な鎧ごと突き刺す。激痛がアルジェロの身体に走る。だが、アルジェロは激痛に『慣れ』ている。剣を抜き去り、何事もなかったかのような顔でアルジェロは再びヴァンパイアへと対峙する。それは、ヴァンパイアを楽しませるなんてまっぴらだという強い精神と純粋な復讐心。
「なんとつまらぬ男だ。悶え苦しめばよいものを!」
ヴァンパイアは剣をアルジェロの胸を狙い、突く。アルジェロは二度もヴァンパイアからの傷は食わない。予知し、半身をずらして避ける。そして、懐に入ってきたヴァンパイアに猿轡を嵌める。
これからが本番だ。毒のついた錆び付いた鋸でヴァンパイアの傷を切りつける。ヴァンパイアは目を見開き、呻く。錆びた刃物は苦痛が長く続く。ヴァンパイアはどこまでも終わらない痛みにおののき、はじめて恐怖というものを覚えるのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
フラウロス・ハウレス
ふっ……くくっ、はぁっはっはっはっ!
何だ、すでにショーは始まっているではないか!
くくっ、いい表情だな、吸血鬼よ。自らが狩られ追われる側になった恐怖は如何な心地か、是非とも拝聴したいものだな!
だが、その程度の恐怖で終わらせてやるつもりはない。
妾の愉悦の為、その端整な顔を更なる恐怖で彩って見せよ!!
ふっ、良いぞ。妾に攻撃する権利をくれてやろう。
だが、妾が流した血潮だけ、我が黒爪はブラッド・ガイストにより吠え猛るぞ?
さぁ、我が血を喰らえ黒爪!偽りの支配者に死を与えてやろうぞ!
我が名を恐れ死に往くが良い、ヴァンパイア!!
妾は叛旗を翻す者にして吸血鬼を狩る者!血の反逆者、フラウロス・ハウレスなるぞ!!
「ふっ……くくっ、はぁっはっはっはっ! 何だ、すでにショーは始まっているではないか! くくっ、いい表情だな、吸血鬼よ。自らが狩られ追われる側になった恐怖は如何な心地か、是非とも拝聴したいものだな!」
フラウロス・ハウレスは吸血鬼を一瞥し、腰に手を当てて高笑いする。支配者を倒すのが宿命であるフラウロスにとって、惨めなヴァンパイアほど痛快なものはない。
「小娘如きが我を嗤うな! お前には特別な処刑を用意してやる。我の手直々に首を跳ねてやるというな!」
ヴァンパイアは翼を広げ、急上昇したかと思うとフラウロス目掛けて急転直下する。フラウロスは頭から一刀両断される。血が迸り、大量の血が石造りの床を濡らしていく。誰もがフラウロスが死んだと思った。
だが、それはフラウロスの思惑通り。敢えてヴァンパイアに自らを傷つけさせてやったのだ。
「さぁ、我が血を喰らえ黒爪! 偽りの支配者に死を与えてやろうぞ!」
フラウロスの手につけられた漆黒の爪は血を吸って、奇妙に膨らみ広がって、巨大な食虫植物のような形へと変化する。そして、ヴァンパイアを一飲みにする。変化した黒爪の中から絶叫が響き渡る。
「妾はフラウロス・ハウレス! 我が名を恐れ死に往くが良い、ヴァンパイア!! 妾は叛旗を翻す者にして吸血鬼を狩る者! 血の反逆者、フラウロス・ハウレスなるぞ!!」
フラウロスは端正な顔を恐怖に歪めるヴァンパイアに愉悦を覚えるのであった。
成功
🔵🔵🔴
犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分けるぜ
キナ臭ぇとは思ったが、こいつぁ戦いがいがありそうじゃねーか
着物姿で進みつつ
敵の奇襲や発見は超嗅覚(ユーベルコード、第六感、野生の観、聞き耳)で感知し、仲間に知らせる
戦闘時は二刀流で戦う
俺はキナ臭い場所が解るのよ、来ると思ったぜ(かばうったり避けたり)
戦いが膠着したら、頭脳派な仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
自分の世界との違いにはいちいち感心する
俺は「転んでも助ける」って書いて転助だ
コロ助じゃねー! てん助だ!
※アドリブ歓迎、他PCと絡み希望、失効日ギリギリまで待ってなるべく大人数と一緒に描写して貰えると嬉しいです。
「キナ臭ぇとは思ったが、こいつぁ戦い甲斐がありそうじゃねーか」
犬憑・転助はそう言って、腰の両刀の柄に手をかける。自慢の鼻が風雲急を告げる。
「犬ッコロ風情が我の邪魔をするな!」
「コロ助じゃねぇ!」
幾度目のツッコミか分からぬが、転助は律儀に突っ込む。だが、ヴァンパイアと馴れ合う気はこれっぽっちもない。両刀を一気に抜刀し、クロスさせて斬りつける。殺意のXがヴァンパイアを襲う。
「ぐぅっ」
見慣れぬ剣術にヴァンパイアが一瞬の隙をみせ、二刀流抜刀術の餌食となる。
「また、見慣れぬ戦い方か。二本だろうが、我が剣で叩きおってくれる!」
ヴァンパイアにもプライドがある。剣を構え、上段から斬り込む。それを転助が白狼刀で止め、妖刀鬼哭丸で突く。ヴァンパイアの服は血に染まり、鬼哭丸は血を吸って声もなしに啼く。
それでもヴァンパイアは決して負けを認めない。剣と二刀が幾度となく切り結び、ヴァンパイアと転助の身体は幾度となく傷つけられる。石床が血に染まっていく。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「待たせたなー! こいつでトドメだぜ!」
【スーパー流れ星キック】を発動するぜ!
天高く【ジャンプ】した後に【ダッシュ】【スライディング】で【残像】が出るほどに加速!
光の【属性攻撃】の【全力魔法】で、【勇気】と【気合い】を込めた【踏みつけ】をぶちかますぞー!
一見、物理攻撃に見えるかもしれないが、あたしの纏った魔力をぶつける、れっきとした魔法攻撃なんだぜ!
なぜキックするかっていうと……【パフォーマンス】?
この一撃で決着! と行きたいところだけど!
効果には『動きを一時的に封じる』までしか書いてないから、既に登場してる誰かが最後の一撃をキメていいぞー!
あたしは戦い続けてきたヒーローを応援するんだぜ!
フィロメーラ・アステールが、光り輝く星の衣を纏い、舞い降りる。それは運命の女神の思し召し。絶対悪たるヴァンパイアへの神からの天罰。
「なんだ、チビ。我は今、非常に機嫌が悪い。剣で抉り殺してやる!」
「SSRのフェアリー様だぞー! Cレベルのヴァンパイアなんかに負けないもんねー!」
「何を!」
ヴァンパイアがフィロメーラへと素早く剣を投げる。
「そこにいるなんて、いつから勘違いしてたのかなー?」
フィロメーラは天高くジャンプし高速移動することで、残像を残していたのだ。ヴァンパイアの剣が貫いたのは只の残像でしかない。
「待たせたなー! こいつでトドメだぜ!」
フィロメーラが空中で更なる輝きを纏い、ヴァンパイアへ彗星が墜ちるが如く、勇気と気合いを込めたジャンプキックをヴァンパイアへと放つ。その軌跡は流星の尾のよう。
「ぐぁあああああああ!」
フィロメーラはヴァンパイアを貫く。ヴァンパイアの身体は痺れたように動けない。
「みんな! 今だよ!」
綾華が衝撃波を放ち、アルトがドラゴンランスで貫き、メグレスが電撃を放ち、アイリスが銃撃し、エールがライオンの腕で噛みちぎり、アルジェロが拷問具を放ち、フラウロスが黒爪で抉り、転助が二刀流で斬りつけ、フィロメーラがジャンプキックを放つ。猟兵達の力が結集し、ヴァンパイアを貫く。
「……こ、これで、わ、我等に、勝ったと……思う、な、よ……」
ヴァンパイアの姿が蝙蝠の群集となり、蝙蝠も塵となり、消えていった。
広場に戻ってきた猟兵達を街中の人々が歓声を上げ、拍手をし、笛を吹き、出迎える。子供も大人も老人も皆が笑顔だ。猟兵達が来たときの陰鬱でギスギスした雰囲気は、もうそこにはない。猟兵達は街を救った。たとえ、再び、この地がヴァンパイアに支配されても、この時のことを思い出し、猟兵達のことを信じて耐えることができるだろう。そして、猟兵達の勇気を讃え、語り継ぐであろう。英雄譚として。
白はほくそ笑む。
「見事な英雄譚でした。わたくしめの書庫にまた一つ素晴らしいコレクションが増えました。どうぞ、皆様、この調子で物語を紡いで下さいませ。……ふふふ、また次の物語でお会いしましょう」
大成功
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