殲神封神大戦⑲〜天に代わりて詔し遍く衆生を救う
●大賢良師『張角』
『蒼天、すでに死す』
その言葉は大賢良師『張角』 とって、かつて在りし腐敗した漢王朝に向けたものではなかった。
「そう、私が生前、ここ太平道に到達した時、渾沌氏より伝えられたものだ。仙界から人界を見守っていた三皇は、すでに死に絶えていると」
普が三国時代を終わらせる以前に『張角』は知っていたのだ。
仙界と人界が存在する封神武侠界において、この世界の乱れがなぜ起こっているのかを。
生命を想像した女媧。
文明を興した伏儀。
医療と農耕をもたらした神農。
これらを総称して三皇と呼ぶ。
彼らが仙界より人界を見守っているのならば、人界は争いに満ちているわけがない。少なくとも『張角』にとってはそう思えたのだ。
人は苦しむ。
人は奪う。
人は争う。
なぜに此処まで世が乱れるのか。それを憂うからこそ『張角』は太平道を目指し、至る。
「同時に渾沌氏は、三皇は骸の海を揺蕩っていると述べた。ゆえに私は蜂起し、漢軍の守護する封神台へと攻め入り、破壊した」
それはなぜか。
そう、この世界を見守っていた三皇が骸の海にあるというのならば。
「正当なる統治者に、封神武侠界をお返しする為だ」
統治者なき世界に秩序はない。
この世が乱れているのは、統治者が存在しないからだ。ならばこそ、『張角』は自らがフォーミュラとして蘇り、オブリビオンを繋ぐ希望の詔を以て立ち上がる。
「なれば、世界の全てを骸の海に導いた後、私が『異門同胞』で全てを統治することこそ、最善最良の安寧に至る王道である」
彼の前に広がるのは仙界の広大な草原、太平道。
そこにあつまった黄色い布をつけた『黄巾オブリビオン』たちが声を上げる。
「蒼天、すでに死す」
彼らは数十万とも見える大軍勢でもって、この太平道に座す。
「黄天、まさに立つべし」
あまりにも膨大な軍勢は草原を埋め尽くし、身につけた布でもって黄色い大軍となる。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
「これより現れるは猟兵。我等が王道を妨げる存在なり。カタストロフことそが、平和に至る唯一の道。大義は我等に在り、そして我等が歩む道こそが、王道にして正道――!」
●殲神封神大戦
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。ユーベルコード『異門同胞』によってオブリビオン・フォーミュラ『張角』を守護していた全ての敵が打倒され、仙界『太平道』へと繋がる道が開かれました」
これまで途方も無い存在たちばかりが猟兵たちの道を阻んできた。
恐るべき敵、恐るべき要所。
人界と仙界を股にかけた猟兵たちの戦いは、今此処に結実する。
この殲神封神大戦もオブリビオン・フォーミュラ『張角』を残すのみとなっていた。
「この仙界の大草原『太平道』には数十万という『黄巾オブリビオン』たちの軍勢が『張角』を護るように展開しています」
『黄巾オブリビオン』たちは皆、『張角』に忠誠を誓うオブリビオンたちであり、軍勢としての勢いがあるようだ。
これらを蹴散らし、オブリビオン・フォーミュラ『張角』を打ち倒すことによって、この一月にも及ぶ殲神封神大戦に決着がつく。
カタストロフまで猶予がないことは猟兵たちも承知の上であろう。
「『黄巾オブリビオン』の大軍勢を蹴散らし、『張角』を打ち取る……簡単なことではないでしょう。ですが……」
ナイアルテは頭を下げてほほえみながら猟兵たちを送り出す。
これまで戦ってきたオブリビオンたちの脅威は言うまでもないものであった。危険極まりな存在ばかりであった。
けれど、それでも猟兵達は乗り越えてきたのだ。
人々を、世界を護るために戦ってきたのだ。
ならば、何も言うことはない。
だが、ただ一つだけナイアルテは猟兵達に伝えなければならない。
数十万の軍勢であろうとも、オブリビオン・フォーミュラであろうとも。
これらを打倒することで世界が救われるのならばためらうことなどない。
「どうかご武運を――」
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『殲神封神大戦』の戦争シナリオとなります。
仙界の大草原に座す『黄巾オブリビオン』の大軍勢とオブリビオン・フォーミュラ『張角』を打倒するシナリオになります。
敵の軍勢は数十万に及びます。
これらを切り抜け、『張角』へと攻撃を叩き込まねばなりません。
最後の最後で単純な力のぶつかり合い、皆さんの全力で持って戦い、これを打倒することで殲神封神大戦は終結することでしょう。
プレイングボーナス……黄巾オブリビオンの大軍勢を蹴散らし、張角と戦う(先制攻撃はありません)。
それでは、最終局面を迎えた殲神封神大戦を乗り切らんとする皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『大賢良師『張角』』
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POW : 戦術宝貝「黄巾力士」
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【巨人兵士型宝貝「黄巾力士」】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 黄巾三巨頭
戦闘用の、自身と同じ強さの【妖術を操る地公将軍『張宝』】と【武芸に長けた人公将軍『張梁』】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ : 黄巾之檄
【「蒼天已死 黄天當立」の檄文】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
イラスト:藍
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
大軍で迎え撃つのはわかりますしー。疲弊すればさすがの猟兵といえども…ってあたりですよねー
まあ、関係ないですけど。UC使用(攻撃力強化)
『馬県』は影にいる二匹が認識してますのでー
あとは、被弾上等で真っ直ぐ進軍、漆黒風で薙ぎますか
四悪霊の前に集団を置くとどうなるか。答えは『強化にしかならない』です
再構築で怪我はなおりますし、こっちの攻撃には生命力吸収つけときましたし
さて、張角にたどり着いたなら…灰遠雷に持ちかえて、雷属性攻撃ですよー。それ、ロボなんですよね?
まあ、こちらの攻撃力に耐えられれば、の話ですが
仙界の大草原、『太平道』に満ちるは黄色き布。
それは『黄巾オブリビオン』たちの持つ布であり、黄天を示すものであった。
「真の平和は全てが骸の海に沈むことにより得られるものなり。私はこの乱れた世に秩序を齎すもの。新たなる統治者を迎えるために必要なことをしている。これぞ、まさに王道にして正道」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』は数十万という『黄巾オブリビオン』の軍勢を率いて、その言葉を発する。
その言葉を聞き、『黄巾オブリビオン』たちの士気は上がっていく。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
彼らの勢いは凄まじい。
迫る大軍勢を前にして猟兵達は立ち止まるだろうか。退くことを考えるだろうか。
答えは否である。
「大軍で迎え撃つのはわかりますしー。疲弊すればさすがの猟兵といえども……ってあたりですよねー」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱、『疾き者』はのんびりとした言葉遣いながらも、大軍を前にして退かぬ猟兵の一人であった。
数十万という大軍。
これらをかいくぐり、オブリビオン・フォーミュラ『張角』への道を開かねばならない。
それは途方もないことのように思えただろう。
だが、『疾き者』の瞳に輝くユーベルコードは、それらを無用の長物へと化す。
「四悪霊は滅びず」
四悪霊・『戒』(シアクリョウ・イマシメ)によって、空に弧を描いて飛来する矢に貫かれても、槍によって穿たれても、剣によって切り裂かれても。
『疾き者』は己が滅びないことを知らしめる。
彼らは四柱の悪霊である。
その総意と『馬県・義透』という補助術式により、己の体を再構築し、生み出し封じてきた呪詛でもって強化するのだ。
すなわち、攻撃を受ければ受けるほどに己の中に在る呪詛が溢れてくる。
それは故郷を滅ぼしたオブリビオンに対する恨みであったことだろう。とめどなく溢れてくる。
失われた生命は戻らない。
だからこそ、己たちの呪詛は底を尽きることはない。
「意味のないことですよ、それは――」
手にした棒手裏剣が『黄巾オブリビオン』たちを薙ぎ払い、道を切り拓く。
『疾き者』を止めようとしても無駄だ。
止めようとする度に傷を付け、そして其処からとめどない呪詛が溢れ出すのだ。
止められない。
どうあってもこの四悪霊は止められないのだ。
「ならば、私が止めるのみ! 戦術宝貝『黄巾力士』!」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』が己のユーベルコードに寄って合体した戦術宝貝『黄巾力士』と共に『疾き者』へと迫る。
その力はオブリビオン・フォーミュラと呼ぶにふさわしいものであった。
しかし、『疾き者』の手にあったのは雷の力秘めし強弓。
放たれる呪詛伴う雷の矢が『黄巾力士』へと穿たれ、その力で持って、ロボである『黄巾力士』を苦しめる。
「それ、ロボなんですよね?」
「戦術宝貝である! この『黄巾力士』を止められると思うな!」
振るう力は雷の矢を振り払い、『疾き者』に迫る。
しかし、その突撃を受け止めるのは四悪霊の呪詛である。穿たれ、体を引き裂かれても、即座に呪詛が体を再構築し、その力を高めて『黄巾力士』を逆に打ち倒すのだ。
「私の道は王道のはず。正道のはず! それを阻むか! 真の平和は、骸の海に沈んだ後にしか存在しないのだ!」
「ならば、なぜ私達の呪詛は尽きぬのです」
そう、本当に真の平和があるのならば。
己たちの呪詛はなんだ。
尽きることのない怒りと恨みは。この哀しみはなんなのだと『疾き者』は四悪霊として呪詛の力を手繰り、『黄巾力士』と『張角』を太平道に叩きのめす。
尽きることのない呪詛。
どうしようもない哀しみだけが骸の海に満ちるというのならば、これ以上哀しみで世界を染めぬためにこそ己は戦うのだと、知らしめるのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
眼前には地を覆う無数の軍勢。然れど、それに打ち勝つべく集った猟兵も多数。“大賢良師”張角、もはやここまでよ。
「全力魔法」地の「属性攻撃」「範囲攻撃」「竜脈使い」「衝撃波」「地形の利用」「仙術」「道術」で、地烈陣。
大地を粉々に砕き、軍勢の足を止める。この地面の荒れようじゃ、まともな進軍は出来ないわ。
事前に黒鴉の式を打っておいて、「集団戦術」として首魁がどこにいるかを確かめておく。
荒れた地面は「地形耐性」で踏破。群がる敵兵を薙刀の「なぎ払い」で押しのけながら、張角を探し出す。
天運尽きたわね、“大賢良師”。ここがあなたの死に場所よ。
黄巾力士の攻撃を「見切り」ながら隙を見極め、必殺の一撃で貫くわ。
太平道を埋め尽くすのは『黄巾オブリビオン』たちが身にまとう黄色き布。
それは仙界にありて変わることはない。
「世界を骸の海に沈めてこそ、真の平和が訪れる。猟兵はそれを妨げる障害なり。この世界を見守る三皇が骸の海を揺蕩っているというのならば、この世界の乱れようも理解できるもの。真の統治者がいないからだ」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』の声が響き渡る。
打ち倒された戦術宝貝『黄巾力士』を立て直し、再び彼は言葉を発する。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
「そのとおりだ。オブリビオンとなることで平穏は訪れる。可能性という火種があるからこそ、世は乱れ、人心は荒ぶのだ」
数十万の大軍勢が太平道を進む。
対する猟兵達は、この軍勢を前にして如何に戦うだろうか。
打ち込まれるは地烈陣(チレツジン)。
大地を砕き崩壊に巻き込むユーベルコードの輝きは、転移した直後に灯された。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。竜脈宿せし大地よ。永劫の微睡みから目覚め、汝を忘れ去った者共に相応の報いを与えよ。疾!」
大地を粉々に砕けば大軍の足は止まる。
大軍であるからこそ、進軍は足並みを揃えなければならない。ならばこそ、その足が止まれば、即座に猟兵はクy意炙るだろう。
「眼前には地を覆う無数の軍勢。然れど、それに打ち勝つべく集った猟兵も多数。“大賢良師”張角、もはやここまでよ」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は砕いた大地、戦場に降り立ち、黒鴉の式神から伝えられる情報を受け取る。
狙うはオブリビオン・フォーミュラ『張角』のむ。
あのオブリビオン・フォーミュラを討ち取れば、この長きにわたる殲神封神大戦も終結する。
敵の首魁を早期に発見することこそ、戦の常道であろう。
「どれだけ数がいようとも連携が取れていないのなら」
荒れた大地を蹴ってゆかりは『黄巾オブリビオン』たちを薙刀で打倒していく。
確かに数は多い。
けれど、その強みは連携にあるのだ。
ユーベルコードに寄って荒れた大地を踏破することが個々の『黄巾オブリビオン』にとっては難しいのならば、ゆかりは彼らを混乱している最中に打倒して、黒鴉の式神が伝える『張角』への道筋を突き進むのだ。
「猟兵よ。邪魔をするな。私の道こそ、王道。正道なのだ。可能性という醜きものに染まらず、振り回されず、平穏こそを求めるのならば骸の海に沈むべきなのだ」
『黄巾力士』と合体した『張角』が拳を振るう。
その一撃は重たく、大地を砕く。
ゆかりは、曲がりなりにもオブリビオン・フォーミュラたる『張角』の一撃を躱し、言うのだ。
「天運尽きたわね、“大賢良師”。ここがあなたの死に場所よ」
どれだけ強大な力を有しているのだとしても、この世界を骸の海に沈めさせることはしない。
『今』を生きる人々が平穏を望むのだとしても、それは『過去』にはない。
あるのは『未来』に望む平穏のみ。
だからこそ、骸の海に在りし存在を赦すわけにはいかないのだ。
放たれる必殺の一撃。
それは紫の刀身をきらめかせ、戦術宝貝『黄巾力士』の胸を穿つ。
「私は黄天にこそ立つ! 蒼天が既に死すのならば、その先にある平穏こそ私達が求めたもの!」
「其れが間違いだって言ってるのよ!」
穿たれた薙刀の一撃を振り下ろし、ゆかりは一刀両断のもとに『張角』の言葉を断ずる。
可能性があるからこそ、人の心が乱れる。
わかっていることだ。けれど、それでも人は未来を目指して進む。
時が止まらないのと同じように。逆巻くことないのと同じように。
不確定な未来であっても、そこに求めるものがあるからこそ人は邁進していくことが出来るのだと、その一撃が教えるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
播州・クロリア
大乱を起こして安寧を謳う
滅茶苦茶ですね
そう思いませんか?舞狂人形
({舞狂人形}のコクピットで話しかける)
長い間お留守番をさせて申し訳ありませんでした
ここから思うがまま踊れるでしょう
さぁ貴女の舞を見せてください
({蜂蜜色の陽炎}を纏った{舞狂人形}が『オーラ防御』を行いながら、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始める)
美しい…
輝く未来を想起させる素晴らしい舞です
この後は貴女の『斬撃波』を纏った蹴りで倒した敵をUC【蠱の慶び】で復活させ張角へ至る道を拓くための礎にしましょう
最後は私が張角に向けて飛び込み
奴に『衝撃波』を叩きこみます
猟兵の一撃が戦術宝貝『黄巾力士』と合体したオブリビオン・フォーミュラ『張角』の体を打ち倒す。
崩れ落ちながらも、『張角』は檄文を飛ばす。
それはすなわち、遍く衆生を救わんとする意志であった。
全てを骸の海に沈める。
その先にこそ求める平穏が在ると疑わぬ過去の化身にとって、それこそが真理。そして王道、正道なのである。
ゆえに彼の言葉は檄文となって『黄巾オブリビオン』たちの身を奮い立たせる。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
彼らは『張角』に忠誠を誓ったオブリビオンたちである。
『張角』の言葉にこそ従い、彼の言葉によって死ぬ者たちである。
そこにあったのは骸の海に沈むという平穏のみ。
未来への可能性なく、揺らぎのない確定した事象の中に沈むことは、たしかに波紋生み出さぬ平穏であったかもしれない。
されど、それは『過去の化身』においての話である。
『今』を生きる者たちにとっては平穏ではなく戦乱である。
「大乱を興して平穏を謳う。滅茶苦茶ですね」
そうは思いませんか、と播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は流線型の装甲をまとったジャイアントキャアバリアと共に戦場に降り立つ。
話しかける言葉は優しさがあったかもしれない。
「長い間お留守番をさせて申し訳ありませんでした」
彼女はいたわるようにジャイアントキャバリア『舞狂人形』のコクピットの中を撫でる。
暴走を抑えるために舞い狂うジャイアントキャバリア。
その力を発揮するためには、このような開けた戦場でなければ無理だろう。
仙界、太平道は草原である。
猟兵の一撃で大地が砕かれているが、今の『舞狂人形』には関係のないことであったことだろう。
「さぁ、貴女の舞を見せてください」
その言葉にジャイアントキャバリアのアイセンサーが煌めく。
宿るのは、蜂蜜色の陽炎。
執念と欲望。
暗闇野中出会っても輝き、光を揺らめかせる旋律は、『舞狂人形』の機体より発せられる。
手を伸ばし、ピンとはった指先は、それだけで美しさをクロリアに感じさせる。
「美しい……輝く未来を想起させる素晴らしい舞です」
その襲撃が放つ斬撃波が『黄巾オブリビオン』たちを吹き飛ばす。
如何に強化されていたとしても、この舞に対する執念と欲望の旋律纏うジャイアントキャバリアを止める手立てはない。
打ち倒された『黄巾オブリビオン』たちをクロリアは蠱の慶び(コノヨロコビ)によって操る。
自爆能力を持ったダンスをする人型昆虫へと換え、操るユーベルコードに寄って次々と大軍勢に穴が穿たれる。
爆発が起こる度に何処かでクロリアの操る人型昆虫が『黄巾オブリビオン』を巻き込みながら霧消していく。
「私の兵を……! 許されぬ! 骸の海に沈むことこそが平穏への道であるというのに!」
「いいえ、それは『過去の化身』にとっての平穏。どれだけ世が乱れても、これを治める人物が現れる。それが人の世の習わしなれば」
『舞狂人形』の蹴撃が『張角』へと至る道を切り拓く。
一直線に開かれた道。
その道を往くのはクロリアであった。コクピットを飛び出し、単身で相まみえる。
互いの瞳に合ったのはユーベルコードの輝き。
そして、平穏を求める偽らざる思いであったことだろう。
だが、決定的に違うのだ。
確定した過去、その閉じた可能性の中でしか平穏を語れぬ者と、未来という可能性に揺らぐ中に平穏の輝きを見る者。
相容れぬからこそ、滅ぼし合うのである。
「可能性など醜きもののために、不確定な未来のために、今ある平穏を捨てる者にはわかるまい!」
「あの美しさを見て、可能性を醜いというのであれば、あなたこそ、理解していない」
互いは滅ぼし合う者。
ならばこそ、そこに問答は必要なく。
クロリアが放つ衝撃波が『張角』を打つのだ。
これは未来を勝ち取る戦い。
クロリアは、変わっていくからこそ美しいものがあることを知る。だからこそ、過去を背に、未来に手を伸ばすのだ。
その旋律をこそ、彼女は美しいと感じる――。
大成功
🔵🔵🔵
大宝寺・風蘭
何はなくともまずモチズキ召喚。ずんだ餅は取り敢えず六個セットを提供。
相手は大軍勢、手数がなきゃ話にならない。まあ、一人が二人に増えたところで気休めにしかならない説はあるが、気が休まるって大事。
当然、数十万体のオブリビオン全部は相手してられないので、突破第一。
倒しきるまで殴るというより、ダウンだけ奪ってさっさとダッシュするという感じ。遠距離ちまちま系は無視。
張角ロボとの戦いは、まあ常套手段としては、デカブツは足を狙えといわれるけど。というわけで、膝関節を執拗に狙って足を破壊、地に伏したところでモチズキと二人でボカスカと。
といっても、宝貝だし普通に空飛べる説もあるか。
その場合はまあ、直でコクピット狙って殴った方が早い気がする。モチズキともども気合いで斬り込んで、胴体一カ所に一点集中攻撃。
「神や仏がいない程度で滅んでた日にゃ、世界が何個あったって足りゃしないってんだよ。アンタの言い草は、親離れできなくて駄々こねてるガキと一緒だ。懸命に生きる人らを蹂躙するやり方で『道』なんざ語るな!」
仙界、太平道における猟兵と『黄巾オブリビオン』との戦いは苛烈を極めた。
数十万という大軍勢と猟兵とが激突する。
かたや猟兵は寡兵。
されど精鋭である。
その瞳にあったのは絶望でも諦観でもなかった。
数を物ともしない猟兵たちの戦いぶりにオブリビオン・フォーミュラ『張角』は忌々しげに己の戦術宝貝『黄巾力士』と共に戦況を打開せんとする。
「なぜ邪魔をする、猟兵。私がもたらそうとしているのは平穏だ。未来というおぞましき可能性があるから人は変わる。変化してしまう。穏やかなる日々を送りたいと願うのならば、骸の海に沈むべきなのだ!」
『張角』の言葉は、確かにそのとおりであるのだろう。
停滞とは永遠である。
時が絶えず止まらず、過去を骸の海に排出するからこそ未来へと進む。
ならば、永遠は停滞であり、過去の集積地たる骸の海にこそあるのだ。けれど、それを是としないのが猟兵だ。
「そんじゃ頼んだかんね、モチズキ。食った分はちゃんと働いてよ?」
大宝寺・風蘭(狂拳猫・f19776)は手にした手作りずんだ餅を、自身に憑依したオウガ『モチズキ』に手渡す。
六個手渡すということは、この戦場をどうにかする代償にほかならない。
相手は大軍勢である。
手数で押し切られてしまえば話にもならない。
「けど、まあ、一人が二人に増えたところで気休めにしかならない説はあるが、気が休まるって大事」
風蘭は『モチズキ』と共に戦場へと飛び込んでいく。
数十万という『黄巾オブリビオン』たちをまともに相手はしていられない。
己達が目指すのはオブリビオン・フォーミュラ『張角』だけだ。
それに己達が振るう事ができるのは拳や蹴撃、木刀の如き革命剣のみ。弓矢が降り注いでくるのはずるいといいたくも為るが、そうも言っていられないのが現状である。
「ちまちま遠距離攻撃を相手にしてなんか居られない説ってね!」
風蘭と『モチズキ』が手当たりしだいに『黄巾オブリビオン』をなぎ倒しながら、巨大な『黄巾力士』と一体化した『張角』へと迫る。
他の猟兵達が消耗させていることはわかっている。常に十全の力を発揮していないことも。
「デカブツと言えば足を狙えと言われるけど!」
駆け込む風蘭と『モチズキ』が『黄巾力士』と合体した『張角』の膝関節を執拗に狙う。
その拳が叩きつけられ、蹴撃が砕く。
「ぬぉぉっ!? 私の戦術宝貝を!」
「人型のロボだって言うんならさ! 立てなくなったらただの飾りでしょうが!」
砕かれた関節とともに倒れ伏す『黄巾力士』。
しかし、そこはオブリビオン・フォーミュラである。脚部が破壊されても噴射する力で持って空を飛ぶのだ。
「宝貝だし普通に空飛べる説もあるか!」
なら、と風蘭を持ち上げる『モチズキ』。
そう、空を飛んで逃げるというのならば、直接殴るという手もあるのだ。
『モチズキ』に持ち上げられ、投げ放たれる風蘭は、そのままの勢いで空を飛ぶ『黄巾力士』を叩き落とす。
「なぜだ、なぜ理解しようとしない。この世界を見守る三皇がいないのだぞ! この世界の乱れは、全てそのためだとなぜ理解しない!」
「神や仏がいな程度で滅んでた日にゃ、世界が何個あっても足りゃしないってんだよ」
叩き伏せる革命剣の一撃が『黄巾力士』へと打ち込まれる。
大地に激突し地鳴りを響かせ、そこに『モチズキ』が駆け込み、その拳を叩き込む。
「アンタの言い草は、親離れできなくて駄々こねてるガキと一緒だ。懸命に生きる人らを蹂躙するやり方で『道』なんざ語るな!」
『今』を生きる人々の命を奪うのが骸の海に世界を沈めるということだ。
ならば、それは救済ではなく蹂躙である。
ならばこそ、風蘭の瞳は超克に輝く。
振りかぶった革命剣が輝き、望月(モチヅキ)と共に『黄巾力士』へと打ち込まれる。
そう、どうあがいてもオブリビオンの存在は人々の生命を脅かす。
それが許せないからこそ、風蘭は戦うのだ。
いつだって運命を切り拓く意志こそが、輝きを湛える。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』すら打ち倒す一撃は、今『未来』へと向けられるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
董・白
正直この人が何言ってるのか理解できません。
そんな身勝手な解釈でこの世界を混乱に落してしまったなんて。
その身勝手…ここで終わらせます。
御覚悟を!!
数には数で対抗いたします。
『召喚術』で宝貝「黄巾力士」を召喚いたします。
『道術』で『破魔』の術をかけ攻撃力を強化いたします。
黄巾力士よ…黄巾オブリビオンを蹴散らしなさい。
ええ、皮肉ですよ。貴方たちは相手にまとも相手を召喚する価値などない。
私たちは世界を護る。
貴様らは世界を汚した罪で滅ぼ。それだけなのだから。
張角…御覚悟を!!
雷公鞭による雷『属性攻撃』と打神鞭による『精神攻撃』でしばき倒してやりますよ。
なぜ理解されぬのだとオブリビオン・フォーミュラ『張角』は嘆いた。
蒼天は既に死す。
過去に在りし仙界の三皇は骸の海を揺蕩う。
滅びは必定。
そして不変にして普遍なる事実であるというのならば、骸の海にこそ人々が求める安寧がある。
変わらぬことこそ、人の心に穏やかさを齎すものである。
「ゆえに私がもたらそうというのだ。新たなる秩序、正しき統治者に世界を委ねることこそ、真の平和であると!」
彼の言葉は猟兵たちには頷くことができなかっただろう。
滅びた先を知るオブリビオンであるからこそ、過去に歪む。
未来など必要なしと。
閉ざされた世界にこそ停滞と不変という平穏がある。
「正直、何言っているのか理解できません」
董・白(尸解仙・f33242)は檄文を飛ばし、『黄巾オブリビオン』たちの軍勢を鼓舞する『張角』を見据え頭を振る。
「そんな身勝手な解釈でこの世界を混乱に陥れてしまったなんて」
それは身勝手なことであると白は思った。
人の生命は戻らない。
失われてしまったのならば、絶対に覆ることはないのだ。
己がそうであるように。
人としての生命は終わりを告げ、僵尸としての生が今此処にある。
それは変えようのないことである。
だからこそ、それを身勝手と誹るのだ。
「御覚悟を!!」
数十万と迫る『黄巾オブリビオン』たちの軍勢を前に、白は宝貝「黄巾力士」(パオペエコウキンリキシ)を展開する。
戦術宝貝『黄巾力士』とは異なるものであったが、小型の戦闘用道術によって仮の生命を与えられた宝貝人形を召喚せしめるユーベルコードは、白の周囲に五百を超える軍となって『黄巾オブリビオン』たちとの戦闘に突入していく。
「私の軍勢を真似るか!」
「ええ、皮肉ですよ。貴方達相手にまともな相手を召喚する価値など無い」
白は言い切る。
どんなに理屈をこねたのだとしても、世界を滅ぼすということは『今』を生きる人々を鏖殺するということだ。
ならば、白は己が猟兵である意味を知る。
「私達は世界を護る。貴様らは世界を汚した罪で滅ぶ。それだけなのだから」
激突する『黄巾オブリビオン』と宝貝人形『黄巾力士』たち。
互いに打倒し、打ち倒される。
それは人の歴史を垣間見るものであったことだろう。
白は打神鞭を携え、宝貝人形『黄巾力士』たちが開いた道を一気に駆け抜ける。
目指すは首魁であるオブリビオン・フォーミュラ『張角』のみ。
かの敵を打倒することこそ、この戦いを終わらせるために必要なことだ。オブリビオンが存在する限り、生命が無意味に散ることになる。
己のような存在も生まれるかもしれない。
ならばこそ、彼女は手にした打神鞭を『張角』へと振りかぶる。
「『張角』……御覚悟を!!」
しばき倒す。
ただその一念でもって白は硬鞭を振るう。
打ち据える一撃は精神に刻む痛みである。
なぜ己の行いが誰かの生命を奪うと理解しないのか。失われてしまってからでは、取り返すこともできないことをなぜ理解しようとしないのか。
「人の営みは人が決める。神なくとも人は『未来』に向かって歩む事ができる。それを――!」
それこそが、世界の在り方だと示すように白は『張角』を打神鞭で打ち据え、その心に己の罪を自覚させんとするのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
“大賢良師”! 言うことがおかしくなってるわよ。
『骸の海』は全てが確定した過去だというなら、“渾沌氏”鴻鈞道人の千変万化はどう説明するの? あの未定義(undefined)の存在は、静謐どころか無限の可能性を持っていた。
雑魚が集まってきたか。
改めて絶陣を張りましょう。
「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「呪詛」「竜脈使い」「仙術」「道術」で烈焔陣。
ここが総指揮官の御座所ならば、それを破壊してしまえば数十万の軍勢は機能不全に陥る。
黄巾力士の攻撃を薙刀で「受け流し」、「なぎ払い」からの「串刺し」を。
分かってないわね。三皇の女媧と伏羲は、人は神の手を離れたと思ったからこそ『骸の海』に沈んだのよ!
「“大賢良師”! 言うことがおかしくなってるわよ」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は他の猟兵に寄って足を砕かれ、噴射する力で持って体勢を整えたオブリビオン・フォーミュラ『張角』に迫る。
大地を砕き、数十万という『黄巾オブリビオン』の軍勢を混乱に陥れた彼女は、『張角』を打倒さんとなおも迫るのだ。
「『骸の海』は全てが確定した過去だと言うなら、“渾沌氏”鴻鈞道人の千変万化はどう説明するの?」
「あれこそ本来の統治者! 骸の海に沈み、全てが確定したのならば可能性は生まれぬ。ならば、争いも生まれぬ!」
振りかぶられる『黄巾力士』と合体した『張角』の拳が大地を割る。
衝撃波がゆかりの頬を打つ。
やはりオブリビオン・フォーミュラである。己より強き存在に忠誠心さえ抱かせるユーベルコード『異門同胞』の力が在るとは言え、個としての力はまだ猟兵を上回るものである。
「あの未定義の祖納は、静謐どころか無限の可能性を持っていた」
ゆかりは渾沌氏鴻鈞道人の力がそのように映ったのだろう。
『渾沌の諸相』。
それは白き天使の翼、白きうごめく触手、白き無貌の牛頭、白き冊力の刃といったおぞましくも千変たらしめる力をもって知らしめられたものである。
あれをして可能性と見ることもできるだろう。
ならばこそ、ゆかりは思ったのだろう。
渾沌氏鴻鈞道人が万物に先立つ渾沌そのものであるというのならば、それは可能性ではないのかと。
「雑魚が集まってきたか」
ゆかりは、『張角』との間に割り込む『黄巾オブリビオン』たちを前に瞳をユーベルコードに輝かせる。
何度阻まれてもやるべきことは変わらない。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。汚濁に染まりし三昧真火よ。天帝の赦しを持って封印より解き放たれ、地上を劫火の海と為せ。疾!」
烈焔陣(レツエンジン)によって戦場全域の地表を割り、吹き上がる無数の火柱が『黄巾オブリビオン』たちを燃やす。
火柱より放たれる怨念に満ちた呪詛は、次々と『黄巾オブリビオン』たちに飛び火し、絶えぬ炎でもって彼らを滅ぼすだろう。
「邪魔ばかりをしてくれる。猟兵。お前達は平穏をかき乱す存在でしか無い。可能性というおぞましきものを見るからこそ、未来は変わる。人は変わる。変わることで、人は悪にも染まる。若きは年老い、美しさは醜きに変わる。三皇なき世界は統治者なき乱世と同じと知れ!」
『黄巾力士』から放たれる拳は、炎すら振り払い、ゆかりへと迫る。
その一撃をゆかりは薙刀で受け流す。
受け流しきれぬほどの拳ではなく成っている。他の猟兵達が削ってくれていたお陰であったし、何より片足が潰れているのが大きい。
「わかってないわね」
ゆかりは息を吐き出す。
衝撃波が体を打ち据えるが、こらえ、その瞳で前を向く。
「三皇は、人は神の手を離れたと思ったからこそ『骸の海』に沈んだのよ!」
人は神の介助なく歩むことができる。
過去が骸の海に排出されることによって時は運ぶ。
それは残酷なまでに美しい世界であるといえるだろう。何もかもが過去になる。そして捨てられる。
それでも尚、世界は美しいと知るからこそゆかりは己の手にある薙刀を振るうのだ。
「あたしもまた過去になるでしょう。けれど、それは悲しむべきことじゃない。人の歴史が紡いだ一つになるということ」
ならば、親となり、子を為し、未来へと繋ぐことと同じ。
世界はそうして進む。
そこに神もオブリビオンも介入する余地などない。
あるのは光り輝く未来という可能性だけだ。
「それを醜いと言う羨望の眼差しこそ、あなたの言うところの真の平和を愚弄するものであると知りなさい」
放たれた一撃が『黄巾力士』を切り裂く。
ゆかりは、己が求めたものが『張角』と同じなれど、道行きが違うことを知る。
それだけでいい。
今は世界を護ることが彼女の正道なのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
「ご主人サマ!物量攻撃とのぶつかり合いだよ!もうあれだよね!」
ぬううう!!
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵軍の陣形と状況
張角の位置と効率的に撃滅して突破する方向を把握
竜眼号搭乗
UC発動
今、戦場は幼女地獄へ至る…!
「「わーい☆」」
500師団+竜眼号
【集団戦術・空中戦・属性攻撃・弾幕・念動力・砲撃・スナイパー】
竜眼号を中心に陣形を組み念動障壁展開して主を護衛
敵軍に向けて音属性の弾丸の弾幕で蹂躙しつつ轟音で檄文妨害!
砲撃も加えて蹴散らし
残り
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
張角に向けて大突撃!
軍を蹴散らし身ぐるみ剥いで
張角ごと切り刻み金目の物は根刮ぎ強奪し尽くす
幼女地獄大発生
「「ひゃっはー☆」」
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
その檄文はオブリビオン・フォーミュラ『張角』より放たれた言葉である。
ユーベルコードにまで昇華した言葉は数十万の『黄巾オブリビオン』による大軍勢をさらなる力でもって強化する。
恐れはない。
あるのは、ただ己たちの敵である猟兵を滅ぼさんとする意志のみ。
彼らにあるのは『張角』への忠誠心のみ。
「私たちの歩む道こそ王道にして正道なり。恐れることはない。全て滅ぼすことに変わりはない。骸の海に尽くを沈め、これをもって真の平和を勝ち取るのだ」
彼らの言葉に信憑性はない。
だが、たしかにカタストロフが時の停滞であるというのならば、永遠はあるだろう。
過去に沈んだ世界がどうなるかなど言うまでもない。
ゆえに彼らは猟兵を滅ぼすことだけを考えている。
『ご主人サマ! 物量攻撃とのぶつかり合いだよ! もうあれだよね!』
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はメルシーの言葉に唸る。
「ぬううう!!」
数十万ともいえる軍勢を前に猟兵は寡兵である。この軍勢を抜けて『張角』へと至らなければ、この殲神封神大戦は終わらない。
道を切り拓くには、この圧倒的な物量を越えていかなければならない。
しかし、ユーベルコードに寄って強化された『黄巾オブリビオン』たちは手強いと言わざるを得ない。
「しょーがねーな!その分しっかり働けよ!」
『もっちろーん☆』
カシムの瞳がユーベルコードに輝く。
帝竜大戦艦『竜眼号』よりカシムは戦場を見下ろし、対軍撃滅機構『戦争と死の神』(メルシーハルノヨウジョマツリ)を展開する。
それは幼女メルシーをもって無数の師団と小型化したキャバリア武装でもって蹂躙するユーベルコードである。
「今、戦場は幼女地獄へ至る……!」
『わーい☆』
空戦艦より仙界、太平道に飛び立つ幼女メルシーたちが陣形を組み、動けぬカシムを守護する。
数十万の軍勢を前にしてもメルシーたちは怯むことなく飛び立つ。
さらに砲撃を加え、蹂躙しつつ轟音でもって『張角』の檄文を妨害するのだ。
「私の檄文を打ち消すか。だが、我等は負けぬ。真の平和を得るその時まで、我等は戦い続けるのだ」
『張角』は空に浮かぶ戦艦を睨めつける。
この状況にあって尚、『黄巾オブリビオン』の大軍勢は崩れない。
確かに強烈な忠誠心でもって統率が取れているのだろう。だが、カシムのユーベルコードによって生み出された幼女メルシーたちは容赦などなかった。
猛烈なる突撃は、『黄巾オブリビオン』を蹴散らし、軍勢の身ぐるみを剥ぐ勢いで金目のものを根こそぎ奪い尽くすのだ。
「これが幼女地獄大発生ってやつだ」
カシムは戦艦の中で見下ろす。
蹂躙劇はいまだ続く。
『ひゃっはー☆』
それはオブリビオン・フォーミュラ『張角』をも巻き込む勢いであった。
敵は戦艦に近づけさせず、こちらは敵の首魁である『張角』を狙い続ける。この戦いで『黄巾オブリビオン』を全て打倒することはできないだろう。
けれど、消耗させることはできる。
そこに活路が見いだせるというのならば、カシムは躊躇わなかったであろう。
砲撃の音が檄文をかき消し、さらに軍勢を割る。
その光景をカシムは見る。
『今』であるとか『過去』であるかなど関係ない。
己は盗賊だ。
奪って、盗んで、それを続ける。『張角』が未来を阻むというのならば、奪って盗むまでであると告げるように荒ぶ砲撃の音を打ち鳴らすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
随分と手間を掛けたようだが
蹂躙するぞ
状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う原理を無限に廻し、害ある全てを瞬時に無限に破壊、自身から断絶し否定
尚迫るなら自身を無限加速し回避
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給
絢爛を起動
目の前の空気を起点に戦域の空間を支配
因果と破壊の原理を変換
オブリビオンのみを触れた瞬間終わらせる光とし域内全てに照射する
高速詠唱を無限加速し即時起動、且つ『解放』を通じた全力の魔力供給で干渉力を最大化し必滅を図る
既に終わったものは覆ることはない
速やかに退場しろ
※アドリブ歓迎
「随分手間を掛けたようだが」
アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は仙界、太平道に居並ぶ大軍勢を見やる。
その数、数十万。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』が率いる『黄巾オブリビオン』の数は凄まじいものであった。
猟兵をして寡兵と言わざるを得ない数。
これを乗り越えて『張角』を打ち倒さなければ、殲神封神大戦に幕を引くことはできない。
「蹂躙するぞ」
短く言い放つ。
それは宣言であった。
纏う原理を無限に廻し、害ある全てを瞬時に破壊するユーベルコード。
迫る弓矢を断絶し否定する。
無限加速によってもたらされる速度は捉えることを許さないだろう。
「煌めけ」
絢爛(ケンラン)たるユーベルコードの輝きが世界に迸る。
目の前の空気を起点に戦域を支配する。因果と破壊の原理を変換し、オブリビオンのみを触れた瞬間に終わらせる蒼光となって照射される。
「我が軍勢が霧消しただと……!」
『張角』は驚愕しただろう。
目の前から己に従う『黄巾オブリビオン』たちが一斉に消え失せたのだから。
あまりにも理不尽な光景であった。
アルトリウスの放つユーベルコードはあらゆるものを破壊する原理。
必滅に至る魔力は世界の外側から組み上げられ、尽くを滅ぼす。
それが過去の化身であったとしても関係ない。
「私が求める真の平和を理解しないのだな、猟兵」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』にとって、この封神武侠界は統治者なき世界である。
三皇が亡き世界にあるからこそ、世界は乱れる。
世は荒び、人の嘆きだけが満ちる。だが、骸の海だけは違う。
凪いだ海のごとき静謐だけが満ちている。
それは謂わば、永遠でもあるのだ。争いなど終わったこと。争いが起こるという可能性すら失われた世界。
その骸の海に沈めることで世界は静謐なる平穏を甘受することができる。
「この真理を知らずして、未来を求めるか。争いの可能性しかない未来を! これこそ平穏を否定するもの! そんなものに我等が負ける道理などない!」
檄文が飛ぶ。
それは『黄巾オブリビオン』たちを強化するユーベルコードであった。
強化された彼らは一斉にアルトリウスへと迫る。
しかし、それすらアルトリウスは無為に還す。
「既に終わったものは覆ることはない。速やかに退場しろ」
迫る脅威の全てをアルトリウスは排除する。
全ては蒼光の彼方に消滅する定めである。どれだけの強化であろうと、それを圧殺するだけの魔力をアルトリウスは持っている。
圧殺されるように『黄巾オブリビオン』の軍勢は消え失せ、ただあるのは滅びへの道筋のみ。
アルトリウスは蒼光を指先で弾く。
それが既に滅びたる存在への手向けであるというように、破壊の原理は『張角』へとほとばしり、その軍勢ごと吹き飛ばすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…ふふ、数を揃えればどうにかなるだなんて、
この世界のオブリビオン・フォーミュラは随分と愛らしい事を考えるのね
…残念だけど、幾ら有象無象を並べても私には敵わないわよ?
「影精霊装」に防具改造を施し陽光を遮る闇のドレスに変化させて超克に至り、
真の姿の吸血鬼に変身し限界突破した血の魔力を溜めUCを発動
太陽を覆う真紅の月に武器改造を施して「時間王の瞳」の付与を行い、
過去の存在を捕縛する月光のオーラで防御を無視し戦場全体から魂と生命力を吸収する
…代行者の羈束、最大展開。光を鎖し、闇よ在れ
…この戦場には、先に討たれた者も含め数十万もの魂が漂っている
…その全て、この私の供物として永遠に存在する意味を与えてあげるわ
…貴方が異門同胞で統治するのと、然したる違いは無いでしょう?
数十万の魂と生命力を降霊する神祖へと肉体改造を施し、
マッハ10の極超音速の空中機動で黄巾力士に切り込み、
極限まで強化された怪力任せに敵を殴る物理属性攻撃を放つ
…UDCアースの"神の杖"だったかしら?
それを私が再現すれば、こうなるみたいね
『黄巾オブリビオン』の軍勢は、その数数十万を超える大軍勢であった。
仙界、太平道を埋め尽くす黄色は、彼らの身につけた布。それこそがオブリビオン・フォーミュラ『張角』に忠誠を示すオブリビオンたちの証。
この大軍勢を突破し、『張角』を打ち倒さなければ猟兵達は殲神封神大戦を終結させることはできない。
ならばこそ、オブリビオン・フォーミュラ『張角』は数十万という軍勢でもって道を阻むのだ。
「真の平和を勝ち取るために。骸の海にこそ平穏があるのだ」
戦術宝貝『黄巾力士』と共に『張角』が立ち上がる。
猟兵に寄って砕かれた足は、すぐにユーベルコードに寄って再生されていた。時を要したとは言え、数の利はこちらにある。
ならばこそ、彼は体勢を整える。
いまだ軍勢は数十万を割ることはない。それほどまでに『黄巾オブリビオン』の数はいまだ健在。
「……ふふ、数を揃えればどうにかなるだなんて、この世界のオブリビオン・フォーミュラは随分と愛らしい事を考えるのね」
陽光を遮る闇のドレスが仙界の風になびく。
瞳の色は赤色。
輝きは超克。
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、オーバーロードに居たりて真の姿を晒す。
限界を越えた血の魔力。そのほとばしりが彼女の体より発露する。
空に浮かぶは紅の月。
天空を支配する吸血鬼としての姿を晒したリーヴァルディは小さくつぶやく。
「……残念だけど、いくら有象無象を並べても私には敵わないわよ?」
その言葉は真実であったことだろう。
純然たる事実でもあった。彼女が至る普の姿は、吸血鬼。
他世界では世界一つを支配する存在である。ならばこそ、彼女の天に輝くは太陽ではなく紅の月。
代行者の羈束を纏う彼女の術式は過去を縛る瞳。
視線だけで過去を呪縛する呪いの宝珠と化した力の発露が『黄巾オブリビオン』たちを一瞬で縛る。
「光を鎖し、闇よ在れ」
その言葉だけで彼女の言うところの有象無象が霧散する。
魂や生命力を吸収する月光がはなたれ続ける。彼女にとって、この戦場にあるのは存在する『黄巾オブリビオン』だけが糧ではない。
先行した猟兵達が屠り、そして過去に在りし討たれた者たちの数十万もの魂。
それさえもが彼女にとっての糧であった。
「……この私の供物として永遠に存在する意味を与えてあげるわ」
「供物などと。私の同胞を糧とするか、猟兵。忌々しき存在。我等を滅ぼす存在。我等が滅ぼさなければならぬ存在。真の平和の障害物風情が」
『黄巾力士』と合体した『張角』が迫る。
霧消した『黄巾オブリビオン』たちが作る道をリーヴァルディは見た。
己に接近する『張角』の浅ましさを知る。
この戦場にありて、リーヴァルディに必要なのは、力である。そして、彼女の力は『張角』の持つユーベルコード『異門同胞』と似通っていた。
「……貴方が『異門同胞』で統治するのと、然したる違いはないでしょう?」
数十万の魂と生命力を降霊する神祖へとおのれの肉体を変えていく。
リーヴァルディが一歩踏み込むだけで雷鳴の如き音が響き渡る。
それは彼女の一歩が空気の壁を打ち破った音であった。
ただの一歩でそれだけの速度を生み出した彼女は、それだけで周囲の『黄巾オブリビオン』たちを吹き飛ばす。
凄まじい衝撃波がほとばしり、『張角』は己が目の前にした存在が生命の埒外たる存在であることを知るのだ。
「……馬鹿なっ! 我が『異門同胞』と同じだと? それは魂の隷属である! 私が求めるのは――」
真の平和である。
平穏。永遠ともいえる平穏を『張角』は求める。
どうしようもないほどにこがれたのだ。世が乱れ、人の心が荒ぶ。その恐ろしさを生前に知るからこそ、彼は人ならざる存在による統治を求めたのだ。
神は求めない。
神は間違えない。
神は与えない。
だからこそ、人の世は平穏へと続くはずなのだ。だからこそ、認められない。目の前の存在を超克の存在と為さしめたリーヴァルディを『張角』は認められないのだ。
「……UDCアースの“神の杖”だったかしら? それを私が再現すれば、こうなるみたいね?」
なんでもないというようにリーヴァルディの拳が『張角』へと放たれる。
極限まで強化された拳の一撃は、あらゆる物理障壁を無意味なものへと変える。放たれた拳は『黄巾力士』の装甲を打ち抜き、その内部にありし『張角』を打ち据え、戦場に盛大な粉塵を巻き上がらせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
全部殺して、骸の海に沈めて、それが安寧だと?平和だと??
……認めない…!
外殻ユニット装着ディスポーザブル03を【操縦】
メガスラスター【空中浮遊】上空から
オーバーロード、人工魔眼で【思考力限界突破】10指ハイペリオンツインランチャー【格散砲撃】、内蔵ビーム砲全門【一斉発射】、ミサイル【絨毯爆撃】。周囲一帯敵ごと【地形破壊】
そんな平和は認めない!!遐エ螢翫@繧03!!!
『戦壊転生』黒輪光展開、戦塵霊物質変換【03残弾・エネルギー充填】
【早業】何度も全兵装による【連続範囲攻撃】念入りに殲滅破壊。
……全てを過去にする事は、平和っていうんじゃない。
終焉。終わりだ。もう何も始まらない。
破壊した地形、滅した敵全て戦塵霊物質に変換。
【念動力】膨大な霊物質で黄巾力士張角を絡め取り機動妨害、
【オーラ防御】シールドを纏い切断力を増したサーベルユニット4基で【串刺し重量攻撃】黄巾力士を縫い止め拘束。
敵を変換した霊物質を張角の元に凝縮。
……過去は過去に、戻れ。
【焼却】霊物質熱変換。
大地変換分は、太平道修復に充てる
戦術宝貝『黄巾力士』が砕ける。
凄まじき拳の一撃は仙界、太平道の草原に穿たれ膨大な粉塵を撒き散らす。
その中心にオブリビオン・フォーミュラ『張角』はゆらりと立ち上がる。これまで猟兵達によって消耗させられた戦術宝貝は砕けた。
けれど、彼のユーベルコードは周囲にありし、無機物――『黄巾力士』の破片をもってして、新たなる機械の体を得るのだ。
巨大なロボとも言うべき姿は、おぞましき『黄巾力士』の姿であった。
「真の平和を勝ち取るまで、私は負けられぬのだ。私は求める。誰もが争わず、誰もが奪われず、誰もが、失わない世界を。それは骸の海にしかないのだ」
その言葉は、真実であったかもしれない。
変わらぬことは確定した事実のみ。
『過去』こそ永遠。
それはオブリビオンが求めるものでもあったことだろう。
そして、それは必ず世界を壊す。
「全部殺して、骸の海に沈めて」
それが安寧だと、と朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はつぶやいた。
ふせられた顔の奥にある瞳の色は知れず。
されど、その声は震えるようであった。
「平和だと?」
求めるものは同じであった。けれど、決定的に向ける視線の先が違う。
過去と未来。
対極にあるからこそ猟兵とオブリビオンは争う。滅ぼし合う。ああ、そうだ。理屈ではない。
心が認められないのだ。
「……認めない……!」
小枝子の瞳が超克に輝く。装着した外殻のメガスラスターが噴射し、空を飛ぶ。人工魔眼が燃える。燃えるように戦場に迸る。
放たれる十指より放たれるランチャーの砲撃が、内蔵ビーム砲が、ミサイルが、太平道に集まりし数十万という『黄巾オブリビオン』たちを蹂躙していく。
大地そのものを破壊するかの如き砲撃は嵐のように戦場を席巻していく。
「そんな平和は認めない!!」
迸る激情は彼女の声を声無きものへと変える。戦え、破壊しろと叫ぶ声が戦場に雷鳴のように轟く。
戦壊転生(センカテンセイ)によって『黄巾オブリビオン』が戦塵霊物質へと変換され、さらに戦塵霊物質を小枝子は己の武装のエネルギーへと変えていく。
弾丸が尽きることはない。
己の中に流れる力が、それを許さない。
戦いは終わらない。終わらせない。尽くを滅ぼすまで、彼女は止まらないのだ。
「……全てを過去にすることは、平和っていうんじゃない。終焉。終わりだ。もう何も始まらない」
己と同じように。
終わりばかりが続く世界にしかならない。
不確定な未来を恐れる気持ちはわからなくはない。けれど、何も始まらないのだ。恐れるばかりでは。
だからこそ、人の心に勇気が宿る。
「何も始まらなくていい。おぞましく醜い未来という不確定な可能性があるからこそ、人は嘆くのだ。平穏がないと、心が荒む。それがまた争いを生む。輪廻のごとく、続くのだ、この苦しみが、永劫に!」
迫る『黄巾力士』となった『張角』が小枝子へと拳を叩きつける。
それをオーラの防御でもって受け止める。膨大な霊物質で展開した力が周囲に衝撃波を生み出し、吹きすさぶ。
「例え、永劫に続く苦しみがあるのだとして」
小枝子はサーベルユニットを振るう。
四基の一撃は『黄巾力士』を貫き、その四肢を大地に縫い付けるようにして殴り押す。
彼女の手の内には、戦塵霊物質。
それは黒い輪光となって天を照らす。廻る。廻る。回り続ける光は、凝縮され小枝子の拳に宿るのだ。
「……過去は過去に、戻れ」
放たれる拳の一撃。
それはあらゆるものを破壊する無尽蔵なる霊物質の一撃。
超克、オーバーロードに至る小枝子が放つ極大の一撃であった。どれだけ過去が平穏なのだとしても、人が望む明日がある。
どれだけ争いに満ちた未来であったとしても、見果てぬ夢を追い続ける事ができるのが人なのならば、それこそ己が守らねばならぬものであると知る。
破壊しかできぬ身。
されど、この破壊の力が選ぶ未来があるのだと、小枝子は知らしめるように拳を振るうのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
わぁお、すっごい数だね
ねぇ梓、どっちがいっぱい倒せるか勝負しようよ
大丈夫大丈夫、分かってるよ
両手にDuoを構え、敵の群れに飛び込む
Duoを大きく振り回し、薙ぎ払いによる範囲攻撃
敵の攻撃は敢えて喰らってあげて激痛耐性で凌ぐ
いやぁ、やっぱり楽しいねぇこういうの
梓に張角の位置を特定してもらったら
血のナイフ、Ferrum Sanguisを生成
材料は俺の血だけじゃない
俺や梓のドラゴンが倒したオブリビオンの血、全てだ
それはもう凄い数になるだろうね
更にUC発動
武器に「黄巾オブリビオン」を透過する性質付与
念動力で操り、無数の血のナイフを張角に向けて一斉に投擲
大軍勢が仇になるなんて皮肉なものだねぇ?
乱獅子・梓
【不死蝶】
おい、この大軍勢を倒すのが最終目的じゃないからな
その先にいる張角が本命だ、分かっているよな??
ザコ相手にのめり込みすぎて作戦を忘れるなよ
UC発動、百を超えるドラゴンを召喚
ドラゴン達の鋭い牙や爪による噛みつきや引っかき攻撃を繰り出す
ブレス攻撃は使わず、「血を流させる」ような物理攻撃のみを行う
これだけ数が多いと血のにおいもすごいな…
綾はテンションが上がっているようだが
俺は正直、何度戦ってもこういう光景はウッとなる
戦いのどさくさに紛れて、使い魔の颯を戦場に放ち
大軍勢の隙間を縫うように高速飛翔しながら
張角の居場所を特定してきてもらう
居場所が分かれば綾の出番だ、あとは任せたぞ
黒き輪光が凝縮され、その一撃が大地を穿つように『黄巾力士』を砕く。
その中心にありしオブリビオン・フォーミュラ『張角』は血反吐を撒き散らしながら檄文を飛ばすのだ。
「負けてはならぬ。我等の目的は真の平和のみ! これを阻む猟兵を打ち倒すのだ! その先にこそ平穏が在るのだ」
彼の言葉はオブリビオンにとっての真実であったことだろう。
未来という不確定な可能性。
それがなければ、世界は永遠となる。
しかし、それはただの停滞でしかない。進まず、戻らず。ただあり続けるだけの世界に意味があるだろうか。
溢れる数十万という大軍勢は猟兵達によって蹴散らされているが、いまだその軍容は衰えを知るところではなかった。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
声が重なって響き渡るのを灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は聞いた。
「わぁお、すっごい数だね。ねぇ梓、どっちがいっぱい倒せるか勝負しようよ」
そんなふうに笑う彼を前にして乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)はたしなめる。
「おい、この大軍勢を倒すのが最終目的じゃないからな。その先にいる『張角』が本命だ、わかっているよな?」
「大丈夫大丈夫、わかってるよ」
手にした赤と黒の大鎌を構えた綾が戦場に疾走る。
もはや梓は彼の背中を見送ることしかできない。雑兵相手にのめり込みすぎてもらってはこまるのだが、作戦を彼が忘れていないことを祈るばかりであった。
そんな梓の思いを知ってか知らずか、綾は戦場を愉しげに疾走るのだ。薙ぎ払い、振り回し、迫る『黄巾オブリビオン』を尽く葬り去っていく。
それでも多勢に無勢である。
打ち込まれる矢が綾へと飛来するが、傷など今の彼にとっては無意味であったし、ただ楽しさを加速させるスパイスにしかならなかった。
「いやぁ、やっぱり楽しいねぇこういうの」
綾が愉しげに笑う。
そんな彼の頭上を飛ぶのは梓が呼び出したレイジングドラゴンの群れであった。
鋭い牙と爪は次々と『黄巾オブリビオン』を引き裂いていく。
鮮血が戦場に満ちていく。
あえてブレスのような範囲攻撃を使わなかったのは、梓の作戦でも在った。血が流れれば流れるほどに綾のテンションは上がっていく。
高揚するのだろう。
綾の笑い声を聞く梓は、何度体験しても喉元にせり上がるものを感じてしまうのだ。
「――やっぱりあの黒い輪光の所か」
梓は戦いのどさくさに紛れて使い魔の鴉である颯から伝えられる情報に頷く。
先行した猟兵が『張角』を捉え、打撃を与えているのだ。
ならばこそ、梓は綾に叫ぶのだ。
「綾――!」
その言葉だけで綾は十分だった。
彼の瞳がユーベルコードに輝く。
戦場に満ちた血が綾のちからに寄って巨大なナイフへと変わって行く。
自身の血だけではない。
『黄巾オブリビオン』のものも、梓が召喚したドラゴンの血も、何もかも束ねたナイフ。
それは綾の制御下におけるギリギリの数であったことだろう。
「流石にこの数はね。ものすごい数だけれど――」
梓より知らされた『張角』の位置。
これだけの大軍勢である。敵の囲いは分厚いなんてものじゃない。けれど、彼のユーベルコードは任意のものを透過する性質を付与することができる力。
ならば、彼は笑うのだ。
「何処に居ても関係ない。この刃は必ず捉える」
放たれる無数の血のナイフ。
それは『黄巾オブリビオン』を透過する性質を持つ。どれだけの壁も、どれだけの障害も関係なく突き進む血のナイフは『張角』へと殺到するのだ。
「大軍勢が仇になるなんて皮肉なものだねぇ?」
投擲された血のナイフがどうなったかなど見るまでもない。
綾は梓に支えられ、絶叫を聞くだろう。
「無茶しすぎだ。傷も受けすぎだし……いくぞ!」
梓は敢えて傷を受ける綾の体を気遣う。
いくら作戦通りでも、慣れぬものがあるのだ。敵の血だけならまだしも、綾の血は、傷は見たいと思うものではないのだから。
ごめんて、と笑う綾はなんでもないようであったけれど。
それでも、戦いはいつだって大事なものを傷つける。
だからこそ、戦うのだ。大切なものを奪われないためにも――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノア・クレムリィ
素敵な宣戦布告です。彼の率いる大軍団なら、きっと小細工は通用しない。ならば、正々堂々と敵中突破で辿り着くのみ。私と《ガンド》なら、それが可能です。
眼前の軍勢へ向け〈リミッター解除〉の〈ランスチャージ〉、機関フル稼働で高速突撃を敢行します。対艦槍でなぎ払い、短機関銃で〈制圧射撃〉。私が派手に動くのを見て、辿り着くまでに変形しているでしょうが構いません。
張角の機体に相対したら【UC:粉砕明星】(POW)を発動、敵機の頭部を狙い叩きつけます。潜水艦が沈む程の〈爆撃〉、無事ではいられないでしょう。
張角、貴殿の計略も此処まで。この世界も私も、負けはしません。
(愛機搭乗/アドリブ連携等々全て歓迎)
血のナイフが無数にオブリビオン・フォーミュラ『張角』の体へと突き立てられる。
血潮が溢れ出し、それでも彼は周囲の無機物をまとい『黄巾力士』へと変貌する。その巨躯で持って唸りを上げるようにユーベルコード『異門同胞』による力を発露させるかのように、数十万という『黄巾オブリビオン』たちを統率するのだ。
「我等の目的は真の平和。その求めを阻む猟兵は尽く滅ぼす。奴等こそ、平和の障害物である」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』にとっては、まさにそのとおりであったのだろう。
どうしようもないことだ。
世界の停滞を求め、永遠を求めるオブリビオンにとって、猟兵とは未来への可能性を護る存在である。
ならばこそ、滅ぼし、滅ぼされるだけの関係でしか無い。
「素敵な宣戦布告です」
ノア・クレムリィ(海駆ける鋼鉄の竜騎兵・f30572)は水陸の境界を掛ける量産型キャバリア『ガンド』と共に仙界、太平道の戦場を疾走る。
「小細工は通用しない。ならば、正々堂々敵中突破で辿り着くのみ」
それができるのが己と『ガンド』である。
リミッターはすでに解除されている。
構えた突撃槍『ノーチラス』が迫りくる『黄巾オブリビオン』をなぎ倒し、機関銃で持って制圧する。
体高5mの戦術兵器が戦場を席巻した瞬間であった。
しかし、巨大な人型の兵器がを有するのは彼女だけではない。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』もまた周囲の無機物を取り込み、『ガンド』に対抗すべく巨大化して迫るのだ。
「我等が平和を、平穏を阻むか、猟兵!」
迫る『黄巾力士』の拳が振るわれる。
だが、ノアの判断はそれを上回る。敵はオブリビオン・フォーミュラ。されど、此方に先制するほどの力がないのであれば、対応は見てからでも可能であった。
星球式鎚矛のような見た目をした収束爆雷、粉砕明星(ブロークン・モーニングスター)の一撃が『黄巾力士』へと叩きつける。
それは『黄巾力士』の頭部へと叩きつけられ、凄まじい爆発を巻き起こす。
だが、それはとっさに防御されていた。
腕を交錯した『黄巾力士』は両腕を吹き飛ばされながらも、周囲の無機物を再構成して殴り掛かる。
「無事ではいられないはずですが――」
「これしきのことで真の平和を勝ち取ることなど!」
『張角』の手繰る『黄巾力士』の拳が『ガンド』に迫る。だが、ノアも負けてはいないのだ。
振るわれる拳を装甲で受け流し、機体の位置を変える。防御と機動。
それを同時に行なうノアは、まさしく騎士そのものであった。平和を求める存在。平穏を望む存在。
オブリビオンであれど、その心は確かに真摯なるものであったのだろう。
「ですが、過去に歪むものは須らくこうなるということなのですね」
ならば、とノアは己の敵を見据える。
「『対潜爆雷は、投げるだけが使い方ではありません」
再び輝くノアの瞳。
ユーベルコードは何度でも輝く。
例え、罪深き刃なのだとしても。過去に沈み、未来を閉ざす存在を赦してはならない。
振るう爆撃の一撃は潜水艦すら沈めさせる威力を太平道の草原で知らしめる。
再構成された腕の防御を間に合わせないように鎚の柄でガードを跳ね上げ、今度こそ星球の一撃を『黄巾力士』の頭部へと叩きつける。
その一撃は爆風を生み、周囲の草原を『黄巾オブリビオン』共々吹き飛ばす。
「『張角』、貴殿の計略も此処まで。この世界も私も、負けはしません」
例え、未来が不確定なものであったのだとしても。
争いに満ちるものであったのだとしても。
それでも世界は進む。
残酷なまでに美しい世界であるからこそ、ノアは『今』を生きる人々を護る連邦竜騎兵なのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
奴は奴なりに世界の事を考えていたのかもしれないが。その為にカタストロフを求めるなど……およそまともな思考とは思えないな
神刀の封印を解除。
陸の秘剣【緋洸閃】を発動、緋色の刀を降り注がせて軍団を倒していく……が、数十万の相手を倒し切るには足りないか
全部を相手にする時間も体力もないから、降らせた、または空中に浮いたままの刀を足場にして、敵の頭上を飛び越えていこう
召喚された張宝は残った刀で妖術を発動できないように牽制、張梁の攻撃は受け流してから張角の元へ
斬撃波で牽制してから一気に切り込む。一撃与えれば召喚された2体は消えるし、まずはそこからだ
この世界のことは、今を生きている人がどうにかするさ
爆撃の炎が太平道の草原に吹き荒れる。
その炎に巻き込まれる軍勢の中からゆらりと姿を顕すのは、黄巾三巨頭。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』の前に二つの影が揺らめく。
それは妖術を操る地公将軍『張宝』武芸に長けた人公将軍『張梁』であった。『張角』はすでに多くの猟兵たちの打撃を受けて動けない。
その代わりに『張宝』と『張梁』が戦場を疾走る。
「我等の求めるは平穏。私がもたらそうというのだ、新たなる統治者を。世界を統べ、争い無き世界を齎す存在なくば、人の世は乱れる。人は間違える。人は争う。それはどうしようもないことであるが!」
それでも平穏を求めるのだ。
生前にありし、人と人とが醜く争う世界。
あのような荒んだ世界を見たくはない。ただ、一欠片だけでよかったのだ。人と人とがわかり合い、分け与え、争うことのない世界。
ただそれだけを求めるがために『張角』は他者を信じない。人を信じない。
「どうしようもない存在である人を導くには、人ならざる超越した統治者が必要なのだ!」
その叫びを聞き、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は戦場を疾走る。
「奴は奴なりに世界のことを考えていたのかもしれないが。そのためにカタストロフを求めるなど……およそまともな思考とは思えないな」
どれだけ平和のためにとうそぶいたところで、世界を滅ぼす手段に出た時点で過ちなのだ。
それを理解しない。
それを正そうとしない。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』を止めねば、遠かれ早かれ、こんな哀しみだけが広がって終わらない。
ならばこそ、鏡介は神刀の封印を解き放つ。
「神刀解放。斬り穿て、千の刃――」
煌めくはユーベルコード。
緋色の刀が戦場に降り注ぐ。
「――陸の秘剣【緋洸閃】(ロクノヒケン・ヒコウセン)」
練り上げた神気によって形成した緋色の刀は、数十万という『黄巾オブリビオン』の大軍勢を切り裂く。
しかし、押し切るには足りない。
「我等の悲願を阻む者!」
迫る『張梁』が緋色の刀を躱しながら鏡介へと迫る。その一撃を鏡介は受け流し、刀を足場にして頭上を越えていく。
さらに迫るは『張宝』の妖術であった。放たれてしまえば、己を阻むであろう。だからこそ、鏡介は牽制の刀を放ち、発動を防ぐのだ。
「我等は平穏のために戦う。汝は我等を滅ぼすための存在。ならば、平穏の破壊者なり!」
「いいや、護るのさ。人の未来を。お前達は人の可能性を醜いと言う。不確定な可能性など無いほうがいいと」
だが、それは過ちである。
己の手繰る刀がそうだ。
己は『今』を護るだけでいい。世界のために戦う存在。けれど、世界を動かしていくのは、いつだって『今』を生きる人々だ。
緋色の剣閃が『張宝』と『張梁』を切り裂く。
「この世界のことは、今を生きている人がどうにかするさ」
「それができぬからこそ、統治者が要ると言ったのだ!」
『張角』が吠える。
彼にとって、人は世界を混乱に陥れるだけの存在なのだろう。
欺瞞に満ち、猜疑に走る。
それが人なのだと。信じるに値しないのだと叫ぶ『張角』を鏡介は見据える。確かにそうなのかもしれない。
他者を信じられず、誰かから奪うことしかできない者だっている。
「だが、それでも信じるのさ。『今』を生きて『未来』に進むことでより良きを勝ち取る事ができるかも知れないと」
放たれる神刀の一撃が『張角』を切り裂く。
血潮が迸る。
人である以上、己を信じなければならない。そして、他者を信じることも必要である。
今はまだ。
それでも、これからを信じることで開かれる未来もあるのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
おお、何という事だ……彼方も此方も大軍勢!
これも、張角殿の器の成せる業、なのでござろうか。
なれば俺は、其れをも吹き飛ばす大業を見せるまでよ。
■闘
恐らく兵士達は、檄文の効果で超強化されている筈。
気を抜いたら、俺とて終わりだ。
なれば、『敵の大軍勢とぶつかる寸前』で【空薙・舞】を発動し
襲い掛かる兵士達を1200もの【斬撃波】による【範囲攻撃】で
蹴散らしつつ、全力【ダッシュ】で突き進むぞ。
接近してきた兵士は【怪力】で押し返し、刃の元へ御案内だ!
張角殿が見えてきたら、一気に速度を上げて肉薄する。
【野生の勘】で動きを予測しつつ反撃をかわし、残りの斬撃波で
其の身を一気に【切断】せん!
※アドリブ歓迎・不採用可
仙界、太平道を埋め尽くす黄色。
それはオブリビオン・フォーミュラ『張角』が率いる『黄巾オブリビオン』たちの姿であった。
数十万を超える大軍勢。
猟兵が如何に強かろうとも、その大軍勢とぶつかれば寡兵であるほうが押しつぶされるはどうりである。
「おお、何ということだ……彼方も此方も大軍勢! これも、『張角』殿の器の成せる業、なのでござろうか」
愛久山・清綱(鬼獣の巫・f16956)は、その数十万を前にしてそう言葉を紡ぐ。
されど、そこに悲壮感はない。
あるのは覚悟だけだ。
「なれば俺は、其れをも吹き飛ばす大業を見せるまでよ」
檄文で強化された『黄巾オブリビオン』たちは強固な障害と言っていいだろう。
気を抜いた瞬間に圧殺されるのはわかりきっていた。
だからこそ、清綱はその瞳をユーベルコードに輝かせる。
猛禽の翼が広げられ、戦場を疾駆する。
見据える先にあるの敵のみ。
檄文によって士気高揚した『黄巾オブリビオン』たちの槍や弓矢、そして剣が清綱に迫る。
だが、怯むことは許されない。
「この刃からは逃れられまい……」
正面から激突する瞬間、放たれるは空薙・舞(ソラナギ)である。
ユーベルコードに寄って生み出された幾何学模様を描き複雑に飛翔する刃。
それは踊り舞う斬撃波そのものであった。
斬撃の檻は『黄巾オブリビオン』たちをたちまちの内に飲み込んでいく。
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
だが、それでも一度に刻まれるのは千と二百あまり。
溢れる『黄巾オブリビオン』は総勢数十万。
雨だれごとき一撃に過ぎない。
だが、清綱は知っている。
雨だれの一滴がいつかは巨岩すら穿つkと尾を。
ゆえに、彼は突き進む。足の健が切れようとも、己の手が使い物にならなくなったのだとしても、それでも敵の首魁の喉元目指して突き進む獣――否、剣である。
「その首をいただく!」
怪力で持って敵の圧力を跳ね返し、清綱は強引に軍勢を切り裂いて突き進む。
一気に速度を上げる。
見据えるのは『張角』のみ。
その首に刃放たんと迫る形相は鬼気迫るものであったことだろう。
「我等が悲願を! 真の平和に居たらしめんとする宿願を理解せぬ猟兵め!」
「それが業だというのならば、俺の大業こそが塗り替える!」
放たれる斬撃が『張角』へと放たれる。
骸の海に沈むことこそが、世界の平和であると『張角』は言った。確かに進まず戻らず、停滞だけが続くのならば、争乱は起こらないだろう。
だが、それは何も起こらないということ。
未来もなく。
そして、『今』もない。
ならば、それは存在していないことと同じだ。
停滞した時の中で腐り落ちるだけの存在。それを清綱は許せない。だからこそ、己の刃を振るう。
「平和の価値は『今』を生きる者たちが決めれば良い。ならば、その平和に意味はない」
放つ斬撃が『張角』へと打ち込まれる。
どうあがいても、過去は未来に追いつけない。
己達がいるからではない。
人々が未来を求めるからであると清綱は己の刃にこそ、その思いを込め、打倒の一撃として楔を打ち込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
柊・はとり
狂ってやがる…
こいつの思想は己の殺人の正当性を主張する犯人
ひいては独裁者と丸っきり一緒だぜ
奴の主張は詭弁だ
耳を傾けるなと軍勢を恫喝し
僅かでも檄文の効力を弱めたいが…
信仰の力の侮り難さは
探偵という神であれと願われたからこそ解る
退かないならそれまでだ
UC使用
敵集団にダッシュで切り込み偽神兵器を振るって
広範囲を巻き込むなぎ払いを放ちながら進軍
その際生じる氷の斬撃波で更に周辺の敵を攻撃
雑魚は俺に触れただけで凍るだろう
張角の位置は聞き耳で索敵
奴が檄文を読み上げる声を拾う
世を乱してるのはテメェだし
王道でも正道でも覇道でも
邪道ですらない
お前が歩んでるのは畜生道だ
骸の海には独りで帰りな
武器を叩きつけ張角を粉砕
「蒼!天!已!死!黄!天!當!立!」
「そのとおりである。我等が世界を統治する存在、三皇はすでに骸の海に。なればこそ、蒼天既に死す。黄天にこそ、我等が真の統治者が御わすのだ。我等もまた其処に至らんとする。世界のすべてを殺し、骸の海へと沈む。これこそが真の平和への道筋なり」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』は叫ぶ。
檄文を飛ばす。
『黄巾オブリビオン』たちの士気はいよいよ持って最高潮に達していた。
彼らは死を恐れない。すでに死しているゆえに。
二度目の生を持ってして、さらに骸の海に還るだけである。ならばこそ、彼らは世界のすべてを骸の海に沈めんとする。
滅ぼし、停滞という名の平穏にこそ真の平和があると信じて疑わぬのだ。
「狂ってやがる……」
柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)にとって、それは独裁者と同じであると感じるところであった。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』の思想は己の殺人の正当性を主張するものであった。
何度も見てきたのだ。
此の手合を。
ゆえにそれが――。
「詭弁だ。耳を傾けるな」
はとりの言葉は『黄巾オブリビオン』たちには届かない。
ユーベルコード『異門同胞』によって『黄巾オブリビオン』たちは『張角』に絶対なる忠誠を誓っている。
信じて疑わないのだ。
熱狂しているのだ。その頭に冷水をぶちまけてたとて、収まるものではない。人とはそういうものであり、熱狂するあまり足先の暗がりすら見えなくなってしまう。
それを信仰の力。
侮りがたいものであるはとりは理解している。探偵という神、そうあれかしと願われたからこそはとりは理解する。
己の言葉で彼らが退かないことを。
「それまでだ。そう、退かないのなら」
輝くユーベルコード。
瞳にあるのはあり日地の残影。
第三の殺人『十三階段峠』(ジュウサンカイダントウゲノサツジン)がはとりの中にある殺気を服熟れ上がらせる。
蒼い炎が体にまとわりつき、手にした偽神兵器を振るう。
コキュートスの刀身が煌き、数十万の軍勢を一気に吹き飛ばす。
あまりにも理不尽な暴力。
数十万の軍勢であろうと恐れを知らぬはとりいにとっては、ただの建造物と同じであった。
それが生きているか、生きていないか。
ただそれだけの違いでしかない。周囲にみちるは氷。
コキュートスが齎す蒼い炎は、はとりに迫る雑兵を尽く氷棺へと押し込むであろう。
「世を乱す猟兵め……忌々しい。真の平和へとあと一歩であるというのに、真の統治者しか、世界を治めることはできぬ。人は争い、奪い、そして陥れる。そんなものに世界を任せてはおけぬと言うのに!」
『張角』の声が聞こえる。
はとりにとって、それは嫌というほど聞いた、聞き飽きた文句であったことだろう。
人が人である限り、それは避けようのないことである。
どうしようもないことだ。
だが、だからこそ。
「世を見出しているのはテメエだし、王道でも正道でも覇道でも、邪道ですらない」
はとりはいい切る。
どれだけ言葉を弄しようとも、どれだけ意味を取り違えるのだとしても。
人の世を乱し、世界そのものを鏖殺せしめようとするのならば。
「お前が歩んでいるのは畜生道だ」
迫る蒼炎。
それは『張角』にとって恐るべき力であったことだろう。
探偵は秘密を暴く。そして、必ずや真犯人を追い詰めるのだ。それは変わらぬ定めゆえに。
「骸の海へは独りで帰りな」
叩きつけられたコキュートスの一撃が『張角』の体を粉砕する。探偵の奔った後には、ただ蒼炎が舞うのみ――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
…うん…うん?
…本人にとっては善意なんだろうな…迷惑なことだけど…
…その妄執を終わらせるとしようか…
…大軍で平押し…単純だけど効果的…用兵の基本でもあるね…
…相手がまともな戦いをするなら…だけど…
…こちらにも大軍への備えはある…重奏強化術式【エコー】で強化した【連鎖する戒めの雷】を発動…
…同じ性質…即ち『黄巾オブリビオン』全てに伝播する雷鎖を絡みつかせて電撃によるダメージを与えるよ…
…張角も黄巾オブリビオンの一端であれば伝播するけど……どうかな…
…ともあれ大軍を殲滅したなら張角へ切り込むとしようか…
…張角の攻撃を障壁で防ぎながら術式装填銃【アヌエヌエ】で銃撃…ここで終わりだよ…
蒼炎がオブリビオン・フォーミュラ『張角』を包み込む。
されど、檄文はそれらを吹き飛ばしながら数十万の軍勢を率いる首魁がいまだ健在であることを知らしめる。
「我らが求める真の平和。それを阻む猟兵を討て。これは世界を安寧へと導く戦いである。負けることは許されぬ。真の統治者に世界を明け渡し、導いていただくためには!」
その言葉に『黄巾オブリビオン』たちは一気呵成に咆哮する。
ユーベルコード『異門同胞』によって忠誠心を集め、数十万もの軍勢を手繰るオブリビオン・フォーミュラ『張角』はたしかに強敵であった。
どうしようもないほどに強大な存在であった。
だが、その彼が手繰る理屈は、世界を鏖殺するだけのことでしかなかったのだ。
「……うん……うん?」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)にとって、それは理解しがたきものであったことだろう。
世界を鏖殺する。
骸の海に沈める。そうやって得るのは平穏ではなく停滞でしかない。
未来に進むことの出来ぬ世界にあるのは、ただの破滅のみ。ならばこそ、そこにメンカルたち猟兵は未来を見ない。
「……本人にとっては善意なんだろうな……迷惑なことだけど……」
妄言に過ぎない。
だからこそ、大軍を率いる『張角』の存在は厄介極まりない。
この草原において軍勢でもって圧殺することは寡兵である猟兵にとっては脅威であり、効果的でもある。
だが、彼らは忘れている。
対峙する猟兵がまともな存在ではないことを。
生命の埒外にある存在であることを忘れているのだ。
「紡がれし迅雷よ、奔れ、縛れ。汝は電光、汝は縛鎖。魔女が望むは魔狼封じる天の枷」
周囲に展開された無数の魔法陣より放たれるは、連鎖する戒めの雷(ライトニング・チェイン)。
同じ性質の存在に伝播する雷の鎖が放たれる。
メンカルの重奏強化術式『エコー』によって強化された鎖は、瞬く間に『黄巾オブリビオン』へと伝播し、その身を繋ぐ。
「下手に『黄巾』という性質を持たせたのが、命取り……それがなくば『異門同胞』ではないのだろうけれど……」
迸る雷撃が『黄巾オブリビオン』たちを瞬く間に縛り上げ、穿つ。
絡みつく雷鎖は軍勢の足を止める。
「おのれ、猟兵!」
『張角』を見据えるメンカルが見たのは、怒りを顕にするオブリビオン・フォーミュラであった。
放たれる術式を障壁で防ぎながらメンカルは戦場を走る。
雷の鎖でもって動きを阻害された軍など、ただの壁に過ぎない。障壁でもって己の存在を隠し、さらにメンカルは『張角』に迫る。
「……その妄執を終わらせるとしようか……」
「私の平和への思いを妄執と呼ぶか! これは世界に新たなる統治者を、本来の或るべき姿に戻すための戦いである! それを!」
言うに事欠いて妄執。
その言葉に怒り心頭顕にする『張角』をメンカルは冷静に見据える。
そう、世界を巻き込み、世界を骸の海に沈めること。
それが妄執でなくてなんとするのだろうか。世界は此処にある。三皇がなくとも、世界は人の歩みで進んでいける。
示されているのだ。
普が興ったことも証左である。たゆまず人は進む。
愚帝も、たゆまず進めば賢帝のままに。
「ここで終わりだよ……」
術式装填銃より放たれる弾丸が炸裂し、『張角』の体を穿つ。
そう、人は愚かかもしれない。
けれど、その愚かさを知ることもまた知の一つであると知るのならば、再び登ることができるだろう。
愚かさの谷を越え、明るき未来を掴むことが――。
大成功
🔵🔵🔵
フィア・シュヴァルツ
「蒼天、すでに死す、黄天、まさに立つべし、か……
つまり、天ぷらの衣は蒼色よりも黄色の方が美味いということだな!」
『フィア様、敵の言葉すら聞いておられませんね……』
ふっ、天ぷらに関してならば、我、うるさいぞ。
蒼い衣の天ぷらよりも黄色い衣の天ぷらの方が美味いに決まっておろう!
張角とか言ったか、お前とは気が合うようだな!
『フィア様が黄巾之檄に共感なさいました!?
そして、その力で戦闘力が増強されていっております!?』
「よくわからんが力が漲ってきたな!
我の【極寒地獄】により、天ぷらは冷凍保存だ!」
10万の天ぷら教の軍団たちを氷漬けにしてくれよう!
『いえ、フィア様、あれは天ぷら教ではなくてですね……』
「蒼天、すでに死す、黄天、まさにたつべし、か……」
それはオブリビオン・フォーミュラ『張角』が数十万の軍勢に勅した檄文である。
世界を骸の海に沈め、世界を鏖殺した後にこそ平穏が訪れる。
そのために彼らは封神台を破壊し、オブリビオンを世に放ったのだ。
争乱が満ちるのもまた必定。
人は人のままに終わりを迎えればいい。
未来という可能性を見るからこそ、醜き本性をさらけ出す。未来などという不確定があるから、人は己の欲望をもって争い、奪い、殺す。
平和から程遠いものであるからこそ、確定した事象しか存在しない骸の海に沈めば、停滞という名の永遠の中に平穏を見出すことができる。
だが、フィア・シュヴァルツ(腹ペコぺったん番長魔女・f31665)はまるで意に介していなかった。
「つまり、天ぷらの衣は青色より黄色の方が美味いということだな!」
違う。
だいぶ違う。いや、そもそも前提条件からして違うのではないかと思った。
『フィア様、敵の言葉すら聞いておられませんね……』
使い魔の『フギン』が『張角』の言葉を食欲直結の頭に掛かれば、このように解釈されることを嘆いた。
己の主人の頭はもはや天ぷら一色である。
ここまで着てしまうと、もうどうしようもないことを『フギン』は知っていた。
「ふっ、天ぷらに関してならば、我、うるさいぞ」
いや、そういうの聞いてないんだけどな、と思わずには居られなかった。
そんでもって、檄文になぜかフィアは共感していたのだ。
わかる。わかるぞ、と。
黄色い天ぷらの衣はとても食欲をそそる。美味いに決まってるこんなの! と。
「張角とか言ったか、お前とは気が合うようだな!」
だが、オブリビオンである。
打倒する他無いのである。悲しいかな。それが現実である。
「何をわけの分からぬことを!」
『張角』の反応もまた当然であろう。意味がわからん。しかし、なぜか共感されているというのがまた意味不明さに拍車をかけていた。
『フィア様が黄巾之檄に共感なさいました!? そして、その力で力が増していっております!?」
『フギン』が目を剥くようにさえずる。
いや、マジでわけわからん事態である。しかし、フィアは動ずることなく、なぜか泰然自若とした雰囲気で笑うのだ。
「よくわからんが力がみなぎってきたな!」
今そういうこと言うのよさない? というのを言ってしまうのがフィアである。強化されたユーベルコードの煌きが戦場を染め上げる。
「我が魔力により、この世界に顕現せよ、極寒の地獄よ」
こんなにかっこいい詠唱なのに、フィアの内心は天ぷらの冷凍保存をしたいという一心である。
いや、『黄巾オブリビオン』の黄色は別に天ぷらだよってことではないのだが、フィアには関係なかった。
氷壁が『黄巾オブリビオン』を囲い込み、その中に存在する者たちを凍りつかせていく。
『いえ、フィア様……』
『フギン』がたまらず止めに入ろうとするが、もう止まらない。
だってフィアの目に入っているのは数十万の天ぷら教団である。
いや、それでもどうなのだろうか。
如何に食欲直結であると言っても、流石にあれを食べようとしている時点で、ちょっと主がわからんってなるところである。
「氷漬けにしてくれよう!」
『ですから、あれは天ぷら教ではなくてですね……』
そんな『フギン』のツッコミも虚しく、フィアのユーベルコードは数十万の『黄巾オブリビオン』を氷漬けにし、恐るべき食欲の凄まじさを見せつけるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
いよいよ大詰めだね
最後はわかりやすく暴れれば良いわけだ
という訳で使い魔を呼んで手伝って貰おうか
まかされたのですよー
鉑帝竜に搭乗し大軍勢に向かっていこう
遠距離からのレールガンで口火を切り接近しよう
近付いたら滑空からの爪攻撃や
地面に降りてからの尻尾薙ぎ払いで
オブビリオン達と戦おうか
相手の攻撃は神気で停めたり
装甲で弾いたりして防ぐよ
張角が黄巾力士で出てきたら
そのまま格闘戦を行おう
大きさも重量もこちらが上だろうから
それを活かして戦おう
ところで何故三皇は死んだんだろうね
その辺りどう考えてるのかな
まあオブビリオンになってる時点で
まともな回答は期待できないか
兵装創造で装甲を超硬剣に変換し
咥えて斬撃で決めよう
「我が軍勢が氷漬けにされる……! 馬鹿なことがあってたまるものか! 我らは本来の統治者に世界をお返しするだけ、その平穏を勝ち取るために戦っているというのに! こんな馬鹿なことで覆るなど!」
オブリビオン・フォーミュラ『張角』は、その瞳をユーベルコードに輝かせ、周囲にありし無機物でもって巨大なロボへと変貌していく。
彼のユーベルコードは確かに凄まじいものばかりである。
『異門同胞』は己よりも強大な存在を配下に置く。
そして、忠誠心で持って一糸乱れぬ軍勢となって、敵を粉砕するのだ。
ここ仙界の太平道に集まった『黄巾オブリビオン』たちであってもそうであったのだ。
だが、今や猟兵達によって蹴散らされ、数を減らしている。
「いよいよ大詰めだね。最後はわかりやすく暴れればよいわけだ」
佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は先行した猟兵達によって蹴散らされた数十万という『黄巾オブリビオン』の大軍勢を見やり、使い魔を呼び出して、鉑帝竜へと搭乗する。
そのアイセンサーが煌き、ジェネレーターがうなりを上げる。
まさに巨大なる竜と軍勢の激突である。
「さあて、でかいの一発いってみようか」
迫る軍勢を蹴散らすは遠距離からのレールガン。口火を切った砲撃は迫る『黄巾オブリビオン』たちを寄せ付けない。
「まかされたのですよー」
使い魔が元気よく答え、鉑帝竜の超硬装甲の尾が近づく『黄巾オブリビオン』を薙ぎ払う。
「絡繰ごときが、我らの道を阻むか! 我らが求めるは真の平和なり! それは骸の海にしかないのだ。時が止まり、永遠ともいえる中に揺蕩うことこそ、世の乱れとは無縁のこと! それをなぜ理解しない!」
『黄巾力士』となった『張角』が鉑帝竜と組み合う。
爪が『黄巾力士』の腕に食い込み、さらに牙が装甲を引き裂く。
「大きさも重量もこちらが上だからね! 骸の海に三皇がいるというのなら、なぜ三皇が死んだかを君は考えないのかい」
晶の言葉に『張角』は拳で持って応える。
鉑帝竜を打倒し、さらに迫る力は確かにオブリビオン・フォーミュラと呼ぶにふさわしい力であった。
けれど、飛びかかる『黄巾力士』にレールガンの弾丸を撃ち込みながら晶は立ち上がる。
「全ては滅ぶ。何もかも。ただ三皇もまた例外ではなかったということだ。人を超えた統治者なくば、世は乱れる。人が世を治めるなど、傲慢甚だしいのだ! ゆえに、我らもまた三皇と同じにならねばならぬ。滅びねばならぬのだ!」
激突する力。
超硬装甲がひしゃげるほどの力の激突。
「オブリビオンになってる時点でまともな解答は期待していなかったけどさ!」
晶の瞳がユーベルコードに輝く。
己の機体を覆う超硬装甲を兵装創造(オルタナティブ・ウェポン)によって超硬剣へと変換する。
その柄を咥え、鉑帝竜が大地を疾走る。
目指すは『黄巾力士』。
その巨体に振り抜かれる刃の一撃が、如何なる防護をも引き裂き一閃を齎す。
「新たな統治者なんていらないんだよ。どれだけ生前の世が乱れていたのだとしても、『今』を見てご覧よ。オブリビオンさえいなかったのならば、普の皇帝は治めていただろうさ。例え、それが一時に過ぎないのだとしても」
オブリビオンが齎す永遠よりは可能性に満ちている。
ならばこそ、晶は己の斬撃でもって切り拓く未来を信じている。
愚かだと誹るのもいいだろう。
けれど、決して譲れぬものがある。
世界が往く末を見つめることはできないまでも、それは決して過去に沈むという後ろ向きなことであってはならないのだと示すのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
夕凪・悠那
自己完結してカルトじみた思想を押し付けるのやめてくれない?
聞こえのいい言葉を並べても、どうせやることは異門同胞を使った洗脳のくせに
それが王道とか笑えないよね
戦場は一面の草原、周辺被害を気にする必要はないなら試してみよう
【獣王無尽】
投入するのは初めてだけど、やることは単純な力圧し
一挙手一投足が[範囲攻撃]になり得るその巨体と重量で、大木がごとき尾と豪腕で、[怪力]で
黄巾軍を蹴散らし、張角の下へ
さあ、ベヒモス
蹂躙しろ
剣閃の一撃が『黄巾力士』の巨体を切り裂く。
その一撃は確かにオブリビオン・フォーミュラ『張角』の力を削ぐ。されど、いまだ『張角』は倒れない。
オブリビオン・フォーミュラたる格がそうさせるのか、それとも彼が抱く平和への信念がそうさせるのか。
「まだだ、まだ私は滅びない。滅びるものか。確かにカタストロフを為すのだ。新たなる統治者に、本来の統治者に世界をお渡しするその時までは!」
吠える『張角』のユーベルコードが煌めく。
一度は寸断された『黄巾力士』の胴体が周囲にありし無機物を得て、修復していく。
荒い息が戦場に響く。
着実に決着の時が近づいている。
その執念を持って世界を滅ぼさんとする存在の前に夕凪・悠那(電脳魔・f08384)は立つ。
「自己完結してカルトじみた思想を押し付けるのやめてくれない?」
悠那にとって、それはただの聞こえの良い言葉でしかなかった。
真の平和。
平穏。
其れは確かに耳障りのいい言葉だ。誰もが望むものであるから。心の平穏が欲しい。誰らかも傷つけられぬ日々が欲しい。
当たり前のことだ。けれど、オブリビオン・フォーミュラ『張角』は違う。
「どうせやることは、『異門同胞』を使った洗脳のくせに。それが――」
それが王道とは笑えない。
正道とは言わせない。
悠那の中にあるのは怒りであったかも知れない。目の前に広がる障害は、数十万というオブリビオンの軍勢である。
『黄巾オブリビオン』たちは皆、一様に黄色い布を身につけている。
それもまた『張角』の思想に共感したから集まったのではなく、ただ『異門同胞』によって集められ、忠誠を誓っただけの存在だ。
「我等を誹るか、猟兵! 真の平和も、平穏も、『今』には存在しないのだ。忌むべき醜い未来という可能性が騙る言葉に騙され、お前達は我等を妨げる!」
吠える『張角』に呼応するように『黄巾オブリビオン』たちが一斉に悠那へと襲いかかる。
仙界、太平道。
草原を戦場とするからこそ、悠那は己の瞳をユーベルコードに輝かせる。
「――叩き潰せ」
命ずる言葉は単純であった。
そう、それは単純な力。
暴力と呼んでも差し支えのない力であった。
その巨体、その怪力、その速度。
あらゆる点をおいて『壊獣王』と呼ぶにふさわしいユーベルコード。
放たれる乳撃破巨体と重量でもって大地を叩き割り、大木が如き尾が『黄巾オブリビオン』の尽くを吹き飛ばし、薙ぎ払う。
豪腕の振るう一撃が『張角』までの道のりを示す。
「さあ、ベヒモス」
悠那は告げる。
その『壊獣王』の名を。
その名を持って、あらゆる障害を無きものとし、『張角』へといたれと。
「蹂躙しろ」
其れは最早止めようのない暴力。
悠那の命令に従い、『壊獣王』ベヒモスが獣王無尽(ディザスター)の如く戦場を疾駆する。
蹴散らし、吹き飛ばし、叩き壊し。
あらゆるものを破壊に導きながら『黄巾力士』となった『張角』を打ち倒す。
問答無用の力。
あらゆるものを破壊する進撃は止まらず。
悠那はその背中を見送るばかりである。
そう、正しく王の道があるというのならば、今、悠那の目の前にこそある。どれだけ言葉を取り繕っても、ベヒモスの進撃の後には何も残らない。
ゆえに、それこそが正しき道にして王道。
刻まれた道の先で『張角』は思い知るだろう。己の言葉がどれほどに軽く薄っぺらいのかを――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
うっわー
その三人に頼まれたわけでもないのにありがた迷惑ぅー
いや、キミからすれば皆の声に応えたってことなのかな?
●どーん!どどーん!どーん!!
超大型[球体]くんたちをゴロンゴロン転がしてローラー作戦で行こう!
潰し切れないことも考えて【第六感】に任せてダッシュ!して張角くんのとこまで近づいて巨大ロボットに融合した彼ごとUCでドーーンッ!!
生きている子は生きている方が良いと言い
死んでいる子は死んでいる方が良いと言い
立場の違いってやつかなー
まあどっちにしろ押し付けちゃダメだよ!
もっと話し合って…分かり合わなきゃ平和は来ないよ
きっとキミは…それを信じきれなかったんだね
吹き飛ばされる『黄巾力士』の中でオブリビオン・フォーミュラ『張角』は呻く。
圧倒的な力を前にして、彼は己がなぜ敗れるのかを考えていた。
道理が何処にもない。
敗れる道理が。
己が求めたのは真の平和である。
彼は生前に見たのだ。人が苦しみ、奪い、憎しみ、あらゆる災禍でもって乱れ荒ぶのを。
人では人の世は統治できない。
ならば何が統治できるのか。
それは神を置いて他にはないだろう。だからこそ、仙界にいたりて三皇の所在を知ろうとしたのだろう。
「だが、すでに三皇は滅び、骸の海を揺蕩う。ならば、我等も同じ道を往くしかあるまい。骸の海に世界を沈め、滅びの後にこそ訪れる平穏を持って真の統治者に仰ぐほかないのだ」
その言葉を『張角』は告げる。
人に人を治める度量などないのだと。
「うっわーその三人に頼まれたわけでもないのにありがためいわくぅー」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は思わず、そう言葉を紡いでいた。
どう考えても『張角』の言うところに真理はない。
あるのは平和というものを求める思いだけであった。
だからこそ、決定的に違うのだ。滅びた存在が人の世の救世を語る。それこそ騙るというものである。
「いや、キミからすればみんなの声に答えたってことなのかな?」
だが、それは意味のないことだとロニは影より飛び出す球体でもって、数十万という軍勢を蹂躙する。
超大型球体たちでもって軍勢を押しつぶすローラー作戦。
潰しきれなくても構わない。
ロニにとって必要なことは道を拓くことだ。
オブリビオン・フォーミュラ『張角』を打倒しなければ、この殲神封神大戦は終わらない。
ならばこそ、敵の首魁を打ち倒すことだけに集中しなければならないのだ。
「生きている子は生きている方が良いと言い。死んでいる子は死んでいる方が良いと言い」
神たる身からすれば、同じ生命であっても考えることの相違に首をひねるものである。
しかし、それは立場の違いでもって証明されるものである。
「生きているからこそ苦しみがある。憎しみが募る。だからこそ、滅びなければならないのだ。全てが過去になるというのならば、過去になってしまえばいい。不変は過去にこそあるのだから」
『張角』が『黄巾力士』となってロニへと拳を放つ。
その一撃を受け止めながらロニは言う。
「まあどっちにしろ押し付けちゃダメだよ! もっと話し合って……わかり合わなきゃ平和は来ないよ」
こちらから向かうものではない。
歩み寄ることによって平和は訪れるものだ。
だからこそ、ロニは思うのだ。
きっとオブリビオン・フォーミュラ『張角』は誰も信じることができなかったのだ。
心が乱れ、荒べば誰も信じることができなくなる。
わかっていることだ。
人の心は見えない。
自分の心だって確かに理解する者が居ない以上、誰もが他者の心を見ることができない。
「きっとキミは……それを信じきれなかったんだね」
悲しいことだけれど、とロニは拳を握りしめる。
迫る拳の痛みなど忘れてしまえばいい。
己の信念は拳に込めた。ゆえに神撃(ゴッドブロー)の一撃は迸る。
神々しささえ感じ冴える一撃。
それは『黄巾力士』の巨体すら打ち砕き、『張角』に迫る。
誰も彼も信じきれない。
だから不和が在る。しかし、それでも信じて欲しいと願うのは、神なる者の傲慢なのかもしれない。
けれど、それでも知るのだ。
人は手と手を取り合って生きてきたのだからこそ、続く未来という不確定の中にもまた貴ぶべき物があるのだと――。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
最後の決戦が単純な武勇の衝突であるというのも感慨深き物があります
個の力でなく、他者を束ねるその力
世を憂うかの者の性質を表しているのでしょうが…
軍勢に切り込む単騎掛けは騎士の華
機械馬に騎乗しUC起動
巨大機械槍による騎馬突撃にて軍勢を蹂躙
黄巾力士を纏う張角の元へ
貴方の掲げる骸の海の静謐による世の安寧は、今を生きる人々に
…いえ、私には受け入れ難いのです
ええ、世に争い堪えぬ事をこそ憂うのは私も同じ
ですが、我が騎士道貫く為、討ち果たさせて頂きます!
剛拳を機械馬を操っての跳躍で躱しつつ機を伺い
大盾を目潰し代わりに投擲
機械馬の蹄の音で突撃コースを見誤らせ
脚部スラスターの推力移動で馬上より跳躍
直上より槍で貫き
オブリビオン・フォーミュラ『張角』率いる数十万の大軍勢。
黄色の布がひしめく仙界、太平道の草原は、惨憺たる有り様であった。
猟兵と激突した『黄巾オブリビオン』たちが霧消していく。猟兵のユーベルコードが絢爛と輝く。
その最中をトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は機械馬『ロシナンテⅡ』と共に切り込む。
戦場に咲くは、武功。
ゆえに感慨深いものをトリテレイアは感じていた。
殲神封神大戦。
その戦いを締めくくるオブリビオン・フォーミュラとの戦いに在って、単純な武勇の衝突であること、それが彼の騎士道精神燃える炉心に日を灯すのだ。
「個の力ではなく、他者を束ねるその力。世を憂うかの者の性質を表しているのでしょうが……」
しかし、過去に歪んだオブリビオン・フォーミュラ『張角』の言葉は、どれもが騙る言葉であった。
真の平和を求めるからこそ、本来は未来に可能性を託すべきなのだ。
どれだけ人が愚かなのだとしても。
それでも誰かを信じなければ、決して平和は訪れないのだとトリテレイアは知る。
掲げた艦船強襲用超大型突撃機械槍(ロケットブースターランス・ウォーマシンカスタム)が『ロシナンテⅡ』の推力を得て、まるで矢のように走り、破城槌のように大軍勢を打ち破っていく。
「貴方の掲げる骸の海の静謐に寄る世の安寧は、今を生きる人々に……いえ、私には受け入れがたいのです」
「なぜだ! なぜ受け入れない! 世は人には収められない。人の歴史がそれを物語っている!」
『張角』の体を無機物が覆い『黄巾力士』へと変貌する。
凄まじき力の奔流。
騙る言葉は偽りであったのかもしれない。
けれど、平和に対する思いは生前をして本物であった。誰かを救いたい。苦しみを、哀しみを拭いたいという思いは最初確かに存在したのだ。
それが人という生き物であるというのならば、トリテレイアはやるせない思いを感じたことだろう。
「ええ、世に争い絶えぬことをこそ憂うのは私も同じ。ですが、我が騎士道貫く為、討ち果たさせて頂きます!」
「騎士道など、我が王道、正道の前には些末なこと! 私を阻むな、猟兵!」
迫る拳の一撃を、トリテレイアは機械馬の跳躍でもって躱す。
着地した瞬間、踵を返し、トリテレイアは暴れ馬の如き機械槍を構える。
蹄が音を立て、戦場を疾走る。
「遅い!」
振りかぶる間もなく打ち込まれる『黄巾力士』の裏拳の一撃。
それをトリテレイアはは『ロシナンテⅡ』の推力で持って躱す。蹄の音で突撃コースを見誤らせ、ミスを誘発したのだ。
「いいえ、騎士道こそ人の極地。人の抱いた理想そのもの。かくあれかし。そう願われたことを受けた偶像なれど、理想。ゆえに」
トリテレイアの振るう機械槍の切っ先から傘状のバリアとなって『黄巾力士』のお拳と激突する。
されど、その切っ先は砕けることなく、逆に『黄巾力士』の拳を砕くのだ。
「人はより良きを、その可能性を未来に見出すのです。人の歩む道に神は見守るだけでいい。貴方は、神による統治を求めた。だからこそ、それは『過去』にすべき過ちなのです!」
放たれた一撃は『黄巾力士』の腕をもぎ取り、『張角』を吹き飛ばす。
敵であれど、思う平和は同じ。
ただ、そこにあったのは見ていたものの先が違うということだけ。
だからこそ、トリテレイアは己の槍の一撃で持って『張角』という過去を打倒するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
城野・いばら
皆が笑顔で過ごせる世界
そうなれたらとても素敵
でも、アナタのやり方には賛成できないわ
今を生きる皆を悲しませる方法なんてダメ
向ってくるコ達に【UC】発動
大勢でも、戦力が増しても
動けなければ平気だわ
眠りへ誘う香りが、もっと深く遠く拡がるよう
トロイメライで魔法の風紡いで眠り速度を上げ
それでも接近されたら
風の属性攻撃で吹き飛ばして進む
泣きべそ天女さんに約束したもの
無理に起こしたコを怒ってくるって
だから、ここは通してもらうね
【黒薔薇】咲かせ、茨でアナタを捕縛したら
怪力籠めた拳をお見舞!
これは仙女さんの分
そのまま花弁で攻撃重ねて
骸の海にお帰りなさい
過去の頑張りも、苦しみも、喜びも
未来への燈火も無にはさせない
『黄巾力士』の腕がもがれながら崩れていく最中、オブリビオン・フォーミュラ『張角』は己がなぜ敗れるのかを理解していなかった。
数多の猟兵たちの紡いだ軌跡が描くのは未来という可能性。
その可能性こそ、不変を脅かすものである。
醜き可能性。
変わり続け、そして時にあらゆるものを凌駕する概念。それが未来である。未来のためならば何をしてもいいのか。
静謐たる平穏を求めることは過ちであるのか。
『張角』は生前に見たのだ。
人が争う姿を。統治者なき世であるからこそ、人の心は乱れ、荒ぶ。奪い、殺し、侵す。
土地を、作物を、生命を。
その浅ましさは人の上に立つ物が存在しないからだ。
「ならば、世界は、お前達の望む世界は、平穏ではないというのか」
その言葉に城野・いばら(白夜の揺籃・f20406)は答えた。
「みんなが笑顔で過ごせる世界。そうなれたらとても素敵。でも――」
彼女の瞳が『張角』を見やる。
確かに平和とは貴ぶべきものだ。誰もが願っているものだ。だからこそ、いばらはかぶりを振る。
世界全てを鏖殺した後に訪れる停滞という名の永遠。
それはあまりにも哀しみしか溢れぬものであったから。
「アナタのやり方には賛成できないわ。今を生きるみんなを悲しませる方法なんてダメ」
いばらはどうしようもない哀しみばかりが世界を包み込むことを憂う。
世界が止まるのだとしても、そこにあるのは哀しみであっていいわけがない。
「ならばこそ私がもたらそうというのだ。人ではなく、神たる存在の統治、過去に沈み、停滞の中にこそある永遠でもって変わらぬを求める。これこそが平和でなくて何が平和だというのか!」
呼応するように『黄巾オブリビオン』たちがいばらへと迫る。
数十万というオブリビオンの軍勢はいまだ残っている。けれど、いばらには平気であった。
その瞳に輝くはユーベルコード。
「おやすみのキスを、アナタに」
不思議な薔薇の挿し木から黒薔薇の花びらと香りを放つ。
手にした紡錘より放たれる風の魔法が暖かな夢を運ぶように黒薔薇の香気を運ぶ。『黄巾オブリビオン』たちはたちまちの内に眠りへと落ちていく。
いばらの手繰る風の魔法は、黒薔薇のくちづけ(クロバラノクチヅケ)。どんな存在も眠りから還ることはない。
泥濘の如き夢の中へと落ちたオブリビオンたちを目の前にしていばらは、『張角』を見据える。
「泣きべそ天女さんに約束したもの」
生きていたくはないと泣いた存在を彼女は知っている。
全ては『異門同胞』のために。
そのために彼女は泣いていた。死した己の生命の無意味さと、そして『今』を侵すオブリビオンとしての己をもって、生きていたくはないと嘆いたのだ。
その哀しみを知るからこそ、いばらはあらゆる障害を風の魔法で吹き飛ばす。
「無理に起こしたコを怒ってくるって。だから、ここは通してもらうね」
黒薔薇が咲き乱れ、『張角』へと迫る。
「可能性などという醜きものを、夢見る者など! 過去に沈む平穏を知らぬからいえる戯言だ! 私は知っている。この世の醜さを、残酷さを。だからこそ、人が人を治めることができぬ!」
『張角』の言葉は真実であろう。
人が人である限り、他者の存在は理解しがたきものとなる。
己の隣に理解不能なる存在が在るという恐ろしさを彼は知っている。見知った何かが、見知らぬ何かに様変わりする恐ろしさ。
だからこそ、誰も信じられない。
不確定な未来を信じ切ることができないからこそ、過去に平穏を見るのだ。
「これは仙女さんの分」
巻き付いた黒薔薇の蔦が『張角』を捉え、その頬を張る。
黒薔薇の花弁が舞い散る。
それは『張角』の体を包み込んでいくだろう。
わかっているのだ。いばらにも。『張角』が求めた平和は誰もが求めるものである。だからこそ、食い違ったことをこそ悲しむのだ。
頬を張った拳が痛む。
いばらは己の心の中にこそ、悲しさと痛みを抱える。
「過去の頑張りも、苦しみも、喜びも。未来への燈火も無にはさせない」
それが彼女の約束したただ一つのこと。
誰もが望んだ平和な未来。
それが例え、見果てぬ夢であったのだとしても。彼女の手繰る薔薇の花弁は、その道へと続く。
たゆまず進めば、それきっと希望と言う名の花を咲かす。
いつかの誰かが泣いていたのならば、それに手を差し伸べる。
それが猟兵である。
だからこそ、いばらは霧消していく『張角』の平和への願いを抱え、未だ見ぬ未来へと一歩を踏み出す。
殲神封神大戦は此処に相成ったのだ――。
大成功
🔵🔵🔵