殲神封神大戦⑰〜再来の煙管〜
「ふうん……面白いね」
編笠はそう呟き、見慣れた香港の街の壁に触れる。いつもは冷たい石の感触が返ってくるだけだったが、今日はその奥から鼓動が伝わってきた。
(死ぬ事は赦さぬ)
編笠の脳裏に声が響く。その思念の持ち主に編笠は心当たりがあった。
「おっとこれはこれは、どうやら鴻鈞道人のお眼鏡に叶った形ですかね? ありがたいねぇ」
(御託は不要だ。為すべきことを為せ)
「はいはい、仰せのままに」
そう慇懃無礼に首を下げた編笠は煙管を口から離し、煙の龍を吐き出す。
「さあて、本物の香港に帰せてもらえるようしっかり結果を残さないとねぇ」
その周りには鴻鈞道人が呼び出した香港マフィア達が集った。
「私の家族達、今度はしくじるんじゃないよ?」
仙界の最深部にある、いまだ形定まらぬ「渾沌の地」。
そこには自らを「骸の海」と自称する「鴻鈞道人」が待ち受けていた。
鴻鈞道人はこれまで倒した筈のオブリビオン、或いはまだ戦場にいる者さえも容易く作り出し、渾沌の地をオブリビオンが戦いやすい形状へと変化させることも出来た。
「完璧超人、ってレベルじゃありませんよ……」
ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は思わず頭を抱え、唸り声を上げる。
その一角、香港租界を模した場所で待ち受けるのはコンキスタドール「編笠」とその配下組織・香港マフィア。
渾沌の地に注ぎ込んでいるはずの光は完全にシャットアウトされ、中は常に暗く、ネオンの光が辺りを照らす程度。
香港マフィア達は猟兵の姿を一度見つければ路地裏や雑踏の中、看板や屋根の上などあらゆる物陰からアクロバティックな動きで攻撃を仕掛けてくるのはもうすでに周知の事実だ。
「出来立てほやほやの模倣品に霊気があるかは謎ですが……どうやら鴻鈞道人は渾沌の地と融合して『香港租界の街中』自体になっているようなんですね。つまり相手の掌の上に自ら飛び込むことになります」
どこをどう動けど、中にいる限り鴻鈞道人に狙いは筒抜け。当然それは編笠達にも伝わるだろう。本物の香港租界の時と全く同じ……というわけにはいかない。
「ただいくら鴻鈞道人が憑いていようと、突然足場が消え失せたり、壁が突き出してきて横からぶっ飛ばされたり……ということはありません。そのため『目には目を歯には歯をアクロバットにはアクロバットを』、この基本方針に変わりはないと思います」
建物と建物の間が非常に狭く、大通りと呼ばれる場所でも両端の建物の看板や屋根、ベランダが好き勝手に飛び出していて空が見えにくい。
どこかの金ピカ宮殿のように変形しないのであれば、以前用いた戦術は変わらず通用してくれるはずだ。
「本物の香港租界と違い、編笠と香港マフィア以外の住民は確認されておりません。今回は辺りを気にした情け容赦は不要です、目一杯暴れて編笠を鴻鈞道人に見限られてやりましょう」
そう言ってルウは集まった猟兵を仙界の最奥へと送り出した。
平岡祐樹
まさかの3rd ROUND。お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオボーナス「敵の先制攻撃ユーベルコードに、アクロバット・アクションで対処する」がございます。
これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
第1章 ボス戦
『『編笠』inノワール』
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POW : 紫煙龍降臨
自身の【煙管の煙から具現化した「紫煙龍」】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[煙管の煙から具現化した「紫煙龍」]から何度でも発動できる。
SPD : 拳銃挽歌
【改造モーゼル銃】から、戦場全体に「敵味方を識別する【無数の銃弾】」を放ち、ダメージと【大量出血】の状態異常を与える。
WIZ : 「今だ、私の家族(マイ・ファミリー)!」
【編笠の命令】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【香港マフィア】で囲まれた内部に【銃弾の雨】を落とし、極大ダメージを与える。
イラスト:稲咲
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
覚えておられるか不明デスガ、再会でありますな。
鴻鈞道人は他のオブリビオンの力を引き出して用いると。
ならば、ワタシも披露しマショー、編笠の力を!
出来立ての香港租界の街中を滑走靴にて駆け抜けマース!
アクロバティックな空中機動を披露して、香港マフィアの銃撃も紫煙龍の捕食も軽やかに避けて、網笠の近くへと向かいマース!
編笠……これが、アナタとの交戦で得た力であります!
「骸式兵装展開、笠の番!」
編笠を模した衣装に身を包み、不敵に笑ってUC起動!
射程圏内に九龍城砦の複製を作り出し、網笠を取り込みマース!
不覚となった網笠に、グレネードランチャーを放ちマース!
再見(さようなら)、編笠殿!
「鴻鈞道人は他のオブリビオンの力を引き出して用いると。ならば、ワタシも披露しマショー、編笠の力を!」
出来立ての香港租界の街中をバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は滑走靴にて駆け抜ける。
その動きに鴻鈞道人からの訓示があってもなお、香港マフィア達の銃撃は追いつかず、飛び出した時にはすでに裏を取られてはるか彼方に逃げられていた。
「情けない……とは言えないね」
遠くから聞こえてくる阿鼻叫喚の有様に編笠は首を横に振るが怒鳴り散らしはしない。自分だって猟兵達には香港租界でいいようにやられてきたのだから。
そんな中、香港マフィア達の監視網を掻い潜ったバルタンがアクロバティックに宙返りしながら編笠の前に降り立った。
「覚えておられるか不明デスガ、再会でありますな」
「……あんた、何様のつもりだい?」
眉間に皺を寄せた編笠は視線を下から上へ静かに動かす。
金の紋様が彫られた靴や黒のズボン、金色の雲と黒龍の刺繍が見事なチャイナドレスに黒の丸眼鏡、そして特に目を引く頭に被さった編笠……バルタンの今の装いは自分と瓜二つであった。
「メイド服だったり調理服だったり海賊姿だったりスーツだったり提督っぽい姿だったり、見るたびに違うから随分な衣裳持ちだとは思ってたさ。だが、その格好はいただけないね」
「オヤオヤ、全部覚えてくれているとは光栄でありますな」
編笠が吐いた煙が龍を形取り、バルタンに向かって吠える。バルタンは気圧されることなく笑顔を返してみせた。
「編笠……これが、アナタとの交戦で得た力であります!『骸式兵装展開、笠の番!』」
地面が揺れ、周りの建物が崩れ落ち始める。
鴻鈞道人の力を持ってしても止められぬ衝撃と共に地面から迫り出してきたのは、先程崩れた物とは違うが見覚えのある光景…… 九龍城砦そのものだった。
龍も飛び散った瓦礫を食らうとバルタンによって作られた九龍城砦を押し上げて壊し、新たな九龍城砦を作り出す。しかしそれも静止することなく、さらに地面から突き上がってきたコンクリートによって砕かれていった。
度重なる地殻変動によって安定しない足場を飛び移りながら編笠はバルタンの姿を探す。しかしこの点に関しては霊気に頼らずに敵を見つけ出してきたバルタンの方が上手であった。
「再見、編笠殿!」
榴弾が振り返ったばかりの編笠の視界を占領する。その爆発は九龍城砦の壁をも破壊し、編笠を空中に投げ出させた。
大成功
🔵🔵🔵
楊・宵雪
「貴女はあの素敵な街に帰れるの? そういう前向きなところ、敵ながら好感を覚えるわ。戦う宿命から逃げはしないけれど…
敵の先制は[残像]で回避しつつ
[空中浮遊]で屋根上に退避
その時にマフィアがいればサマーソルトキックでもお見舞いしましょう
うまく行ったら電柱に羽衣を引っ掛けてポールダンスのような仕草で挑発するわ
マフィアを[気絶攻撃]で無力化しつつ適当なベランダや看板を盾にしつつ射線の通るポジションへ
編笠へ射線が通ったらUC発動
多数の狐火で挟撃し逃げられないように
香港租界に2つ目の九龍城砦が生えたかと思えば崩れ、代わりの九龍城砦が現れるという不可思議な状況下でも猟兵達の攻勢は止まず、香港マフィア達もそれを迎撃しようと鴻鈞道人の指示を聞きながら走る。
しかし指揮官が代わっただけで武器も戦略も変わってなくてはは元々の身体能力や技術を埋め合わせることなど出来なかった。
「貴女はあの素敵な街に帰れるの? そういう前向きなところ、敵ながら好感を覚えるわ。戦う宿命から逃げはしないけれど……」
前後から浴びせかけられた銃弾の雨霰を舞を踊るように避けた楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は宙を蹴って跳び上がると屋上で待ち構えていた者にサマーソルトキックをお見舞いする。
顎に食らって吹き飛んだ者の後ろに控えていた者達は一斉にマシンガンを乱射したが宵雪の体は弾丸の風圧で歪み、霧散していった。
「ふふふ、どこを狙っているのかしら?」
近くの電柱に羽衣を引っ掛けて宵雪がポールダンスのような仕草で挑発してみせるとマフィア達は怒りで顔を真っ赤にさせて銃口の向きを変えた。
その流れ弾が当たった電線が千切れた断面から火花が散る中、遠方に見える九龍城砦の一部が吹き飛んでそこから編笠が転がり出てきた。
「ちっ、ぬかった……!」
爆発に煽られてもなお受け身を取る余裕があった編笠はすぐさま起き上がって銃を抜き、周囲を警戒する。
宵雪はそこに射線の通るポジションに向けて、適当なベランダや看板を盾にしつつ出会したマフィアを無力化しつつ飛んでいく。そしてその動きは編笠にも伝わった。
ネオンで彩られた看板の支柱が銃弾にへし折られ、木箱だらけの路上に墜落する。そのすぐ隣に着地した逃げも隠れもせずに真っ直ぐ編笠の元へ迫る。
『ほんの少しだけ、目を閉じていれば終わるわ』
宵雪を守るように薄紅色の狐火が放たれたのに対し、編笠は素早く引き金を引いて水道管を破裂させて消火を図る。しかし後ろにも迫っていた狐火がその背中を焼いた。
その熱と痛みで歯を食いしばった編笠が水が降り注ぐ一角に飛び込んだところに宵雪の回し蹴りが炸裂する。火は消せども骨は折られた編笠は脇腹の辺りを押さえながら苦々しい表情を浮かべた。
「目を閉じてなんていられないよ……。私はまだまだ終わりたくないんでね!」
大成功
🔵🔵🔵
リオ・ウィンディア
銃弾の雨には【歌唱、オーラ防御】で守りを固めつつ
ダガーによる【切断、斬撃波】で【武器受け、受け流し、範囲攻撃】で相殺を試みる
私自身も【第六感、早業、空中戦、地形の利用】を使って上下左右、前後などあらゆる方向にに飛び回るわね
主に弾丸が防げそうな大きな看板とか、分厚い壁とか弾除けに切断して利用させてもらうわ
隠れてもまた狙ってくるだろうから、そこもまたバク転で回避しつつ
常に動き回るように工夫
リロードするタイミングでUC発動
さぁ、私のファミリー紹介してあげるわよ?
せいぜい怖がるといいわ
【恐怖を与える、精神攻撃、呪詛】の触手で絡め取ってしまおう
「あっちだ! 止めろ! 走れ!」
リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)が空き箱や屋台を足がかりに上下左右、前後などあらゆる方向に飛び回りつつ先行する後を怒鳴りながら追っていたマフィア達は突如片耳を押さえて足を止め、脇道へと逸れていく。
追手の気配が唐突に無くなったことを不審に思ったリオが思わず足を止めると微かな摩擦音が聞こえてきた。
「Fire!」
ガトリング砲の砲身が勢いよく回り出し、周囲の木造建造物を砕き散らす弾幕が張られる。リオは側にあった壁をダガーで切り取ると自分の前に置いて弾除けとした。
しかし小さな一雫でも何度も垂れれば巨岩を削るように、コンクリートも弾丸を浴び続けた結果穴だらけになって倒れる。だがその下にリオの血は流れていない。
マフィア達が上を見るといつの間に駆け上がっていたのか、窓枠を始点にしてバク転をしているリオの姿があった。
ガトリング砲を装填し直す隙を埋めるためお手隙のマフィア達が拳銃の引き金を引く。しかしリオは鼻歌混じりに捻りを加えてダガーを振るい、それらを相殺させてみせた。
その最中、新たな敵の襲来が告知される。今の手持ちでは相手にならないとリオをガトリング砲に任せ、マフィア達は振り返る。
そこには大量の触手を体に纏った首無しの幽霊を大きな背中に何十体も乗せた一つ目の巨人がゆっくりと迫っていた。
「さぁ、私のファミリー紹介してあげるわよ? せいぜい怖がるといいわ」
ガトリング砲の上に着地したリオは頼もしい増援に対してカーテシーを決めると殴られる前に跳び離れた。
『Bienvenidos!この世ならざるもの達よ!』
その見た目の異様さにマフィアの1人が悲鳴をあげて拳銃を乱射する。その恐慌は数珠繋ぎに伝染していき、単発だった銃声は大合唱へ発展する。しかしどれだけ数が増えても幽霊の体をすり抜けるのみで何の傷も与えられない。
だがちょっかいをかけられたことは理解したのか、幽霊達は飛び降りるとあらゆる呪いが幾重にも重なった触手で、弾切れを起こした拳銃の引き金を必死に引き続けるマフィア達の体を絡め取った。
リオを追うために砲身の向きを変え、惨劇から目を離してしまったガトリング砲は砲手ごと持ち上げられ、建物に叩きつけられて鉄屑へと変わる。
一方的な蹂躙を目の当たりにしたマフィアは腰を抜かしながら必死に鴻鈞道人へ呼びかける。しかし幽霊の魔の手が間近に迫るまで待っても反応は返ってこなかった。
大成功
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ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
往生際が悪い、ってのはアンタには誉め言葉かな。
別に恨みがあるわけでもないけど、生き残られると困るんでね。
まあ、悪いけどもう一回骸の海に帰って貰うよ。
さて、紫煙龍は捕食しようと襲ってくるなら攻撃は噛みつきだよね。
なら適当に走って逃げて行き止まりにたどり着いたら、
壁を駆け登って宙返りして、後ろから追ってきた龍の頭に飛び乗るよ。
しばらく振り落とそうとする龍の頭にしがみついて、
編笠が見える位置まで龍が移動したら【穿伸磔爪】で龍を串刺しにして、
龍の動きが止まったらそのまま龍から飛び降りて編笠に飛び蹴りを食らわせようか。
「往生際が悪い、ってのはアンタには誉め言葉かな」
巨人が暴れ回る姿を他所に、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は首を回して鳴らす。
「別に恨みがあるわけでもないけど、生き残られると困るんでね。まあ、悪いけどもう一回骸の海に帰って貰うよ」
「ふん、やなもんさ」
口は達者なままであったが編笠は内心冷や汗をかいていた。
あの拳を今喰らったら間違いなく死ぬ。だがあれをこちらの物に出来ればまだ対抗出来るはずだ。
一縷の望みにかけた編笠が煙管を思い切り吸ってから吐くと、煙は空気に触れたそばから龍の形に転じた。
「さて、捕食しようと襲ってくるなら当然攻撃は噛みつきだよね」
予想通り大口を開けて迫ってきた龍にペトは即座に踵を返し、適当に走って逃げ出した。
「あの逃げっぷり……やっぱりあの力は自分に返ってきたら耐えきれないとみた。過ぎたる力は破滅を招くとはよく言ったものだね」
行き止まりに追い詰められたペトは振り返ることも歩調を緩めることもせずに壁を駆け登って宙返りし、龍の頭に飛び乗る。
ペトを振り下ろそうと龍は自ら壁にぶつかるなど大胆に暴れ回ったが、その程度で角を握る力が弱まるわけがない。
痺れを切らした龍はほぼ直角に飛び上がり、香港の街を一望出来る高度に達したところで全く同じ角度で降り出した。凄まじい風圧が全身にかかる中、編笠の姿が見えたところでペトは上唇を舐めて、片手を離した。
『早贄にしようか。』
振り下ろされた手が龍の頭頂部に突き刺さると先端の爪が勢いよく伸びて骨や肉を貫通し、地面を覆うアスファルトにまで至る。
完全に縫い付けられた龍の頭と自分の手を繋ぐ爪をもう片方の手で手早く切ったペトは、痙攣する龍が霧散する前に飛び蹴りを放つ。
あんなに伸びた爪では握り拳を作れないだろうと内心安心していた編笠は逃げずにリボルバーの引き金に手をかける。それはペトが色んな動物の特徴を発揮するための部位をいつも抱えている、という発想に至らなかったからだ。
「どっ、せーい!」
細い見た目からは想像できない重い質量が銃弾を受け止めながら編笠の体に直撃する。
「な、は……?」
自分の体に走った衝撃を理解できないまま内臓の多くを破裂させた編笠は血を吐き出しながら押し潰される。
凹んだ地面にめり込んだ編笠は驚愕の面持ちのまま息絶え、握力を失った手からリボルバーが転がり落ちた。
大成功
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