●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回はブルーアルカディア。パメラとクラウ、2人の少女の冒険を、キミ達でサポートしてもらうよ!」
以前猟兵達がオブリビオンの襲撃から助け出し、その後も縁を持っている少女達、パメラとクラウ。今回は、天使核を失ったガレオノイドの少女・クラウに適合する天使核を求め、とある遺跡へと向かうつもりらしい。
「前回の事件で、クラウの事を知っているオブリビオンは『聖帝国の遺構を探しなさい』と言っていた。あれから2人で聖帝国について調べてたみたいでね」
その結果、彼女達が拠点としている交易都市島シャルディナから飛空艇で数日離れた所に、かつての聖帝国が残した遺跡が存在する事が発覚した。
2人は、その遺跡を調査したいと考えているらしい。
「とは言っても、彼女達だけで、オブリビオン絡みの古の遺跡を調査する、なんてのは無謀な話だ。そこで協力者を求めてるみたいだね」
猟兵達と彼女達とは浅からぬ縁もあるし、そもそもオブリビオンが絡む事件だと言うのなら、協力しない理由もない。
今回も2人に同行し、この遺跡の調査に当たる事になる。
「遺跡は、『竜の巣』って呼ばれる空域に存在するよ。この竜の巣は、ブルーアルカディアの各所に存在する、気流や浮遊する岩石が縦横無尽に飛び回る『空のダンジョン』でね。様々な危険と莫大なお宝が眠っていると言われているんだ」
『竜の巣』と言っても、それは荒れ狂う気流を表現しての言葉であり、本当に必ずしも竜が巣食っていると言う訳ではない。まあ今回は巣食っているが。
「今回の『竜の巣』は、巨大な立体交差の迷路になってるんだ。物理的な壁じゃなく、気流や浮遊する岩が壁になってるんだけどね」
特に気流の壁は非常に危険だ。ぶつかれば、弾き飛ばされる……ならまだ良い方で、下手をすると変な所に吹き飛ばされたり、雲海に叩き落されたりする危険性もある。
また、単純に視認しにくいのも問題だ。小さな石片や砂、枯れた植物などが気流に巻き込まれているので、全く見えないと言う訳ではないのが幸いだが、それでも普通の岩壁よりは遥かに見難いだろう。
そもそも、気流はその上に着地する事が出来ない。飛行能力を持っていない場合は取れるルートが限られ、浮遊岩を跳んで渡り継いだり、登ったりする必要がある。
「ちなみに、風操作系の魔法は、あまり大規模に操作するとその影響で別の場所に突風が巻き起こったりして危険だから、気をつけて。『魔法で風の迷路を消してしまえば大丈夫』とかそういうのは駄目だよ、って事だね」
小さな穴を開けたり、僅かにコースをそらすぐらいなら問題ないが、慎重な操作が必要となる。また、気流ばかりに気を取られていると、突然跳んできた岩の直撃を食らったりするので要注意だ。
「あと、飛んでる岩は魔法的な力を持ってる物もあるから、そこんとこも気をつけてね。『幽体化すれば風の影響を受けない』とかやって、突然霊体でも触れる岩に頭をふっとばされたりしないように」
裏技はほどほどに、ちゃんと迷路を攻略するのが一番良いだろう。
「迷路のゴールは、もちろん聖帝国の遺跡だよ。大分昔から放置された、浮島の上にあるごく一般的な岩壁の遺跡だね」
遺跡自体は、屍人帝国として蘇った物ではなく、聖帝国がかつて現実に存在した事から放置されていた遺跡のようだ。とはいえ、中にはオブリビオンが存在するため、大して違いがある訳でもないが。
「ただし遺跡に入ろうとすると、その前に浮島に住み着いた『レッド・ラム』と呼ばれるドラゴンと戦う事になるよ。これは、馴らした飛竜を機械の力で強化したって言うもので、鎖付き鉄球や対装甲ドリルを使ったり、合体してロボになったりするって代物だね」
集団戦敵としての数はさほど多くないが、その分、一頭で数隻の飛空艇と渡り合えるとも言われる非常に強力なオブリビオンだ。
ただの雑魚敵と見て油断すると痛い目を見る事になるだろう。特に合体した時の能力は極めて高いため、注意が必要である。
「レッド・ラムを退ける事ができれば、遺跡の中に入る事ができる。中には、『堕翼の巫女』って呼ばれるオブリビオンがいるよ」
この巫女はかつて聖帝国において、大天使からの託宣を民へと告げていたとされる。その大天使の託宣により強力な予知能力を所有しており、生半可な攻撃はその身体能力と合わせて容易に回避されてしまうだろう。
「さらにこの巫女は天使核から力を引き出す術に長けていて、無数の天使核を繋ぎ合わせた禍々しい竜型の大魔獣や、『御使い』と呼ばれるさらに強力な大魔獣を引き連れているんだ。この魔獣がものすごく強力だから気をつけて」
巫女は、自身は予知能力による回避に徹しながら、魔獣をこちらに襲わせる、と言う戦術を得意とする。大魔獣や御使いの攻撃に耐えながら、なんとか巫女自身を狙う策を考える必要があるだろう。
「ちなみに大魔獣達の天使核は、強力だけど不安定だから、回収したい人は気をつけてね。うっかり取り扱いを間違えると大爆発するから」
まあそういう事なので、クラウに埋め込むための天使核としては不適切である。今回の最大の目的は、遺跡のある浮島を維持している天使核だ。
前回の情報を考えれば、この天使核がクラウと適合する可能性が高いようだが、何しろオブリビオンからの情報だ。どうなるかはその時になってみないと分からないだろう。
「まあパメラとクラウの事がなくても、魔獣を産み出すオブリビオンがいる遺跡とか危なくて放っておけないしね」
説明を終えてそう言ったくるるは猟兵達を見渡し、ビシッとポーズを決める。
「それじゃあ、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」
●古の伝承
「皆さん、ありがとうございます。いつも助けてくださって」
「感謝……本当に、ありがとう」
ブルーアルカディア、竜の巣付近。グリモアで転移して現地に向かった猟兵達を、パメラとクラウは頭を下げて歓迎した。
「危険な遺跡だと分かってはいるんですけど、やっぱり……どうしても、気になって」
「マグナ聖帝国……なぜ私を襲うんでしょう」
あれから、2人は『マグナ聖帝国』について、仕事の合間に図書館などを巡って調べていたようだ。何しろ古に滅びた帝国と言う事もあって調査は難航していたが、それでもある程度の情報は集まった。
「聖帝国は、『女皇』と呼ばれる支配者による専制政治を敷いていたようです。この周辺の浮遊大陸をいくつか支配するほどの広大な領土を統治していましたが、原因は不明ながら一夜にして滅び去った……と言われています」
「そんな聖帝国がどうしてクラウを狙ってるのかは分からないんだけど……でも、聖帝国の謎を解き明かせば、クラウが襲われる原因もつかめるんじゃないかと思うんですよね」
聖帝国の謎を解き明かすため、そして何よりクラウに適合する天使核を求めるため。猟兵達と2人の少女は、竜の巣の空中迷宮へと挑む……。
一二三四五六
気づけば年末、なんとか12月中。
ごきげんよう。連作シナリオ第四話をお届けします。一二三四五六です。
本シナリオは『飛空少女冒険譚』と銘打たれた連作シナリオの第4回となります。
連作ではありますが、継続参加の義務はありませんし、途中参加や1回だけの参加も大歓迎です。どうぞお気軽にご参加ください。
ちなみに次回は世界情勢とか執筆の余裕とかを鑑みて時期未定。できれば2月末までには出したいけど戦争とか来たら分からんです。
これまでのシナリオはタグからどうぞ。
『田舎の島に住んでいた少女パメラは、クラウと言う、変形機能を失ったガレオノイドの少女と出会った。オブリビオンに襲われながらもなんやかんや猟兵に助けられて旅立った彼女は、都会で運び屋をする傍ら、クラウの変形機能を取り戻そうとしていた。これまでは適合する天使核がなく修理出来なかったが、前回の事件で、クラウを狙うマグナ聖帝国に属するオブリビオンから、「聖帝国の遺構を探せ」と教えられ……』と言う感じです。これだけ知っておけばとりあえず問題ないです。
パメラは人間のガンシップパイロット。まだまだ駆け出しですが、それなりの操縦技術を身に着けました。エンジェルレイピアを用いた護身術も、自衛としては十分なレベル。
クラウはガレオノイドのウィザード。天使核を欠損しているため、ガレオンチェンジは出来ません。こちらも自衛用に、光学迷彩などを含めた簡単な魔術に習熟しています。
2人の容姿は、『https://tw6.jp/gallery/?id=150531』を参照して下さい。その他イラスト。
第1章は突風吹き荒れる天然の迷宮探索です。なんかRPGの天空マップとかにありそうなギミック。パメラ達はガンシップで飛んで移動します。
自力での飛行能力がない場合は、ジャンプとか登攀で上手く浮いてる岩を跳び移ってください。大変だとは思います。
第2章以降は戦闘です。パメラ達は自衛出来るので守る必要はないですが、守っても別に良いです。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
第1章 冒険
『空中迷宮』
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POW : パワーに任せ、強引に障害物を突破する
SPD : 浮遊する岩を足場に、より高所を目指す
WIZ : 風の流れを読み、移動に利用する
イラスト:del
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神代・凶津
よう、元気だったかパメラとクラウの嬢ちゃん達。
「…お二人とも、お久しぶりです。」
遺跡に冒険しに行くんだってな。俺達も同行するぜ。大船に乗った気でいなッ!
「…転身。」
風神霊装を纏って二人のガンシップの周りを飛びながら『竜の巣』に突入するぜ。
式神【ヤタ】を先行偵察させて出口までの比較的安全な道を探っていくぜ。
風神霊装の能力である周りの風を操る力は大規模に使うのは、やめとけとグリモア猟兵に言われたからな。
仕方ねえから、石片砂などで見えづらくなった視界を確保する為に風で払う程度に止めておくか。
さてはて、この先の遺跡にはオブリビオン意外の何が待っているのかねぇ?
【技能・式神使い、偵察】
【アドリブ歓迎】
四王天・燦
フォックステイル号で付近まで行って(パメラ達を乗せてもいいのよ!)、盗んだガンシップで出撃
留守は魔物化した娘たちに任せる、お土産くらい期待して欲しいぜ…
小石でガンシップの塗装が剥げるっての
またメンテだよ
クラウ×パメラついてきな
フォックスファイアを先行させるよ
気流の壁を確かめたり炎の靡きを見て空気を読む
弾に余裕がありそうなら、拓けたポイントに狐火を配置して他の人らが目印にできるようにするぜ
今日は抜駆けなし
クラウの為に皆の協力が欲しいんだ
ゴールできないときは『扉』の存在を疑う
アークウィンドで起こす風で慎重に気流を動かすぜ
どや♪
流石に突風を利用して移動するギミックは勘弁…ゲームしていて面倒だよねあれ
『よう、元気だったかパメラとクラウの嬢ちゃん達』
「はい、お久しぶりです!」
四王天・燦(月夜の翼・f04448)の飛空艇、フォックステイル号の甲板上。目的地へと移動する旅路の中、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)はパメラに、再会の挨拶を告げる。
「……お二人とも、お久しぶりです」
「感謝。いつも助けてくれてありがとう」
凶津の宿主である桜も、クラウと挨拶を交わす。再会を喜びながらも、パメラ達はこれからの冒険に、緊張の面持ちを浮かべており。
『遺跡に冒険しに行くんだってな。俺達も同行するぜ。大船に乗った気でいなッ!』
「……はい、頼らせてくださいね」
そんな彼女達を勇気づけるように、凶津は強気に声をかける。それを頼るようにパメラが微笑み……と、そこで竜の巣の外縁付近まで到着し、飛空艇が停止する。
「ん、船でいけるのはここまでかな」
「あ。ここまで乗せて来てくれて、ありがとうございます」
舵の所からやって来た燦は、頭を下げる二人に、気にするなと首を振る。笑顔と共に、視線を向けて。
「なぁに、クラウ×パメラの為ならお安い御用だぜ」
「……不穏。相変わらず、言い方が」
その呼び方を若干警戒するクラウに対し、笑顔がなんだかニマニマとした物に変わる。だが、すぐに表情を引き締めて、ガンシップに飛び乗って。
「それじゃ、お土産期待しててくれよ! さあクラウ×パメラ、ついてきな!」
「だから、言い方っ。もうっ!」
船員の魔物娘達にそう声をかけながら発進すると、パメラ達もそれを追って発進する。凶津達も腰を落とし、その身に風を集めて。
『よし、俺たちもいくぜ!』
「……転身」
仮面が青く代われば、顕現した霊装の力で舞い上がる。パメラ達に先行するように飛ぶと、霊符を八咫烏の式神に戻して。
『さ、偵察頼んだぜ!』
「アタシも……よっと!」
燦もまた、狐火を偵察に放ち、風の壁の位置を把握していく。危険な箇所には他の猟兵達へ道筋を示すように、その狐火で道を創り上げて。
「今日は抜駆けなし。クラウの為に協力しないとな♪」
『もっと風を大規模に操れりゃ話は早いが……グリモア猟兵に止められたからなぁ』
まどろっこしいとため息をつきつつ、飛んでくる小石や砂を風で払う凶津。パメラ達の周囲を回り、風で守りを固める。
『まあこんなもんか?』
「いやいや、ガンシップの塗装が剥げずに済むからな、大分助かるぜ。それに……」
そして燦は、じっと風の壁を見極めて。薄い所に風の短剣で慎重に扉を作っていく。
「どや♪」
「感嘆。素直に凄いです」
その技を見せてのどや顔に称賛を送られると、ますます気分良く胸を張る燦。まだまだ先は長そうだ、少しでも近道出来るに越したことはない。
「まあ、突風を利用して移動するギミックは勘弁……ゲームしていて面倒だよねあれ」
「さてはて、この先の遺跡にはオブリビオン以外の何が待っているのかねぇ?」
そんな扉を通りながら、凶津は風と浮遊岩の先を見つめる。目的地はまだ見えないが、この先にある聖帝国の遺構とは、いったいどのような場所なのか……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
…あの敵が有益な情報を渡しただけとは思えないのよね…。
完全に嘘ではないかもしれないけど、何か狙いがあって誘導してるのかもしれないし…。
真実の中に嘘を紛れさせるのは厄介な輩の常套手段だし。
【ブラッド・オブリビオン】で「荒野に飛来する氷鳥達」の「氷雪の鷲獅子」を召喚。
更に【念動力】を自身と鷲獅子、パメラとクラウの機体に纏わせて飛来物のダメージを防いだり、気流の影響を軽減。
【サイコキネシス】で全員を命綱の様に繋ぎ、万一落下したり飛ばされてはぐれたりしないように対策。
後は鷲獅子の背から探知魔術【情報収集、高速詠唱】で気流の流れや飛来物、風の迷路を探知して進むわ
とにかく、二人の安全が第一だし、慎重にね
備傘・剱
これまた、難儀な所に冒険に行くとはなぁ…
さて、どうしたのか
って事で、単純に空飛んでいけばいいってわけじゃないんなら、朱雀衝発動!
気流に乗ればいいのなら、単純に空を飛ぶより、小回りの利く、こっちの方がいいだろうな
岩が飛んでくるのなら、それも足場にできるだろうし、細かくジャンプすれば、障害物をよけるのにも使えるし、気流を移動する事もできるだろうぜ
…にしても、パメラよ?
敵からの情報はあんまり真に受けない方がいいぞ?
下手すると、鴨が葱を背負って来るって感じで罠貼って待ってるって可能性も考えないとダメなのよ…
おじちゃんもそれで大変な目に合った事があってねぇ…
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
「これまた、難儀な所に冒険に行くとはなぁ……さて、どうしたものか」
厄介な空中迷路を前に、眉を寄せる備傘・剱(絶路・f01759)。少し思案した末、脚部の反重力ユニットを起動する。
「よし、こいつを使うか」
その力で高く跳躍し、手近な浮遊岩へと飛び移る剱。着地と跳躍、さらには空中を蹴ってのを繰り返し、上手く風にも乗りながら、前へと進んでいく。
「ま、単純に空飛んでいけばいいってわけじゃないんなら、小回りが効く方が良いだろ」
飛んでくる障害物も軽く空を蹴って回避し、未知の地形に対しても慣れた様子で進んでいく。そうして移動しながら、ガンシップで飛んでいるパメラと並走して。
「……にしても、パメラよ? 敵からの情報はあんまり真に受けない方がいいぞ?」
「ええ、あの敵が有益な情報を渡しただけとは思えないのよね……」
そんな剱の言葉に、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)も同意する。彼女はいつものように鷲獅子を召喚し、探知魔術を周囲に張り巡らせる。
念動力の壁だけでは魔力を纏う飛来物からは守りきれないので、気流を周囲に影響が出ない程度に最小限操り、影響を軽減しながら、ガンシップの隣に羽ばたいて。
「完全に嘘ではないかもしれないけど、何か狙いがあって誘導してるのかもしれないし」
「鴨が葱を背負って来るって感じで、罠張って待ってるって可能性も考えないと……」
そんなアドバイスを送る2人に対し、首を傾げるパメラ。実際の所、彼女も当然その可能性は考えたようだが――。
「結局の所、手詰まりなんですよね……怪しい情報に縋る他に、方法がなくて」
怪しい連中に狙われたままいつまでもシャルディナで生活し続けるのは、いつ破綻するか分からない。かと言って、他にクラウに適合する天使核を見つける当てもない。
先に述べたように、マグナ聖帝国についての情報集めも難航している。罠を覚悟して踏み込む以外に、状況を改善につなげる方法が思いつかなかったようだ。
「今も皆さんに頼りっぱなしですし、いつまでも迷惑をかけ続ける訳にも……」
「あら、そんな事言わず、もっと頼ってくれてもいいのよ?」
そんな健気な姿に目を細め、パメラに微笑みかけるフレミア。一方で剱は、どこか遠い目をして自身の過去を回顧する。
「分かってるなら良いが、おじちゃんはそれで大変な目に合った事があってねぇ……」
「……助言、感謝。しっかりと覚えておきます」
実体験を伴った剱の言葉を胸に刻み、深く頭を下げるクラウ。自分のせいで、そんな怪しい情報に頼らなければならない……と言う思いがあるのだろう。
そんなクラウに対し、剱は気に病むなと軽く笑んで。
「ま、考えた結果なら良いさ。取り返しがつかないんじゃ無けりゃ、俺達も手伝うしな」
「そうそう、これも何かの縁なんだから。遠慮なく、ね」
それにしても鷲獅子に乗ってきたのは失敗だったか、と少し後悔するフレミア。別に移動に困っている訳ではなく、身一つで飛んでいるなら、近づいて撫でてあげられたのにと言う意味で。
「ありがとうございます、皆さん」
「感謝……いつも、本当に助かっています」
そんな2人の言葉にパメラ達は、改めて猟兵達に感謝の言葉を口にする。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
弥久・銀花
さて、どうしたものですかね……。
とりあえず、パメラさんのガンシップに同乗(船外にしがみ付いてます)させて貰いましょうか。
むむっ! 私の勘が傷跡の記憶を発動するべきと告げています
即座に発動しておきましょう
(急に沢山の尖った石と細長い樹皮が入り乱れる嵐がガンシップに襲い掛かってきました)
わわわ、このままではやばばばば、どうりゃ!!(怪力の技能でガンシップの舵を外から勝手にひん曲げて飛来物を回避!)
やった! やってやりましたよ!
パメラさん、クラウさん! 緊急の回避、任せて下さい!
大丈夫、この回避方法は履修済みぎゅっ!?(細長い樹皮に巻きつかれてミイラ状態からの、ガンシップに吊るされる蓑虫状態に)
「……心配。大丈夫?」
「ええ、問題ありませんよ!」
ガンシップの上から、船底の様子を伺うクラウ。そこには弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が、両手両足でぴったりとしがみついている。
……なんと言うか、こびりついた苔を思わせる気がする。
「まあ、重量制限は大丈夫だけど、安定が……」
しがみついた妙な重石に、パメラは若干操縦に苦労しているようだ。とはいえいつも助けてもらっている猟兵を邪険にする訳にもいかないし……と精一杯に操縦技術を見せている。
そんな姿を見れば銀花も、乗せてもらった分役に立たねばと気合を入れ直して。
「む、風が……っ」
「わわわ、このままではやばばばば」
そこに折しも、突風が吹き付ける。細かな石片と樹皮が入り乱れる、急な嵐。慌ててガンシップを制御するパメラに対し、銀花はその舵に取り付いた。
「どうりゃ!!」
「きゃあっ!? ちょ、ちょっとっ!?」
ユーベルコードの勘を働かせ、強引に下から舵を動かして回避させる。見事にその風を避けきる事に成功すると、快哉を上げる銀花。
「やった! やってやりましたよ! 緊急の回避、任せてください!」
「いや、割と困るんだけど!?」
ただ上に乗っている方としては、無理やり操られる方が遥かに危険である。操縦桿にしがみつきながら流石に文句を言うパメラに、銀花は気にせず胸を張り。
「大丈夫、この回避方法は履修済みぎゅっ!?」
そして細長い樹皮がぶつかり、ミイラのようにぐるぐる巻きになっていく。いや、むしろ吊り下がる姿は芋虫か。
「……このまま連れていこっか」
「……同意。きっと死なないです」
どうせ不死身だし、大人しくしてて貰った方が良いよね、と頷きあうパメラとクラウ。いい加減、2人とも銀花の扱いにも慣れて来たようだ。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・カンナビス
凄い場所ですね。
ま、風でどうにかなるエイストラではありません。
バイブロジェットの推力は充分に高いですし、
気流に関しても、統合センサーでホコリ等の移動速度を測れば
簡易的な3Dマッピングが出来てしまいます。
推進剤を使わないバイブロジェットでしたら時間制限もなく、
じっくり計測しながら低速巡行で飛べば楽々行けますね。
岩の類はジャンプ着地の要領で、足で受け止めるだけです。
特に障害にもなりません。
逆に、岩の破壊は極力避けましょう。礫が増えるだけです。
経路が読めない方がおられましたら先導しますよ。
なんなら抱えて飛ぶこともできますし。
パメラさんとクラウさんは大丈夫でしょうか?
試作機・庚
竜の巣…天然の迷宮って言ったところデスかね。
下手にゴリ押しはできないみたいデスからね…
素直にキャバリアに乗って気合と根性で
ルートを見出して被弾を避けつつ目的地に向かうデスよ。
使うUCはそのまま回避系UCデス。
いつもの二人になにかありそうだったら救援に向かうデス。
STGにもこういうステージたまにあるデスからね。ある程度はできると思うデスよ。多分。しらんけど。
露木・鬼燈
自力での飛行はできる。
ジャンプと登攀もできる。
でもキャバリアを使う方が楽だよね。
とゆーことで…アポイタカラ、出撃するっぽい!
搭載されたセンサー群で風と浮遊岩の動きを捉える。
観測データを基に流れを予測演算。
移動ルートを設定して、出発なのです。
避けられない浮遊岩なんかは<円環理法>で分解!
武器で破壊してもよかったんだけどね。
それだと破片が流れて行ってしまうから。
他の猟兵さんに迷惑をかけるわけにはいかないのです。
アポイタカラを使うことで疲労なんかは最小限で機動力は十分。
だから時間がかかってもへーきへーき。
いざという時は総当たりで、ね。
きっとイケルイケル!
迷宮なんて余裕っぽい!
「ふむ、パメラさんとクラウさんは大丈夫そうですね」
クロムキャバリア・エイストラのコクピット上で、センサーによってパメラ達を確認するノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)。
なかなか危なげない操縦技術に、仕込んだ甲斐があったと表情を変えず頷く。実際、パメラが今こうしてガンシップを乗りこなしているのは、彼女の特訓による所が大きい。
「では私も、遅れず進まなければ……と言っても」
そんなノエルが、今更この程度の空中迷宮でどうにかなる筈もない。エイストラのバイブロジェットは突風程度に負けるものではなく、低空巡行で問題なく進む事ができる。
「この程度は、障害とすら呼べませんね」
『うん、自力での飛行も、ジャンプと登攀も出来る。けどこっちの方が楽だよね』
露木・鬼燈(竜喰・f01316)もまた同様に、アポイタカラを駆って突き進む。運動能力的な意味合いもあるが、それ以上に役に立つのが、機体に搭載されたセンサーだ。
『風と浮遊岩の動きも、これで丸わかりっぽい!』
「エイストラの統合センサーは、埃の動きすら見逃しません」
2人のキャバリアのモニターには、精緻な3Dマッピングが表示されている。突然の気流の変動なども、高度な予測が可能だ。
アクシデントすら、キャバリアを遮るどころか、手こずらせる要因にすらならない。
「岩は……破壊は避けましょうか。礫が増えるだけです」
『だったら僕に任せるですよ!』
その進路上に現れる浮遊岩は、右腕を変化させたアポイタカラが触れる事で、分子レベルに分解していく。物質干渉の技は、キャバリア由来ではなく、鬼燈自身の技によるものだ。
『これなら他の猟兵さんに迷惑をかける事もないのですよ!』
「なるほど。便利なものですね」
キャバリアで自らの武技を再現する鬼燈とアポイタカラに、感心した表情を浮かべるノエル。ならばこちらはと、エイストラとのリンクを強めて。
「推奨ルートを割り出します」
ノエルは、外部パーツとのリンク能力に長けたレプリカントであり、キャバリアの扱いにも長けている。そんな彼女が全開で情報を処理すれば、迷路で詰まる要素など一切存在しない。
安全度や距離などを計算に入れ、またたく間に推奨ルートがマップに生成されていく。
「さて、こんな所ですが……経路が読めないようでしたら、先導しますよ」
『やー、凄いデスね』
と、そんなノエル達の様子を感心した表情で見ているのは、試作機・庚(過去を裏切った者・f30104)。
彼女もレプリカントであり、キャバリア乗りでもある。小型オブリビオンマシン・辛を駆り、こうして迷宮に挑んでいる。その点ではノエルと共通しているが――。
『まあ気合と根性でなんとかなるデスよ!』
その迷宮の突破方法は、あまりに対照的だ。言葉通りに何の偽りもなく、気合と根性だけで目的に突き進む。吹き荒れる突風も、飛んでくる礫も、回避はアドリブだ。
『STGにもこういうステージたまにあるデスからね。ある程度はできると思うデスよ』
そんな文字通りのゲーム感覚で、辛を操り縦横無尽に迷路内を駆ける庚。まあ、そうしてアドリブ回避出来る事自体が、レプリカントの情報処理能力を活かしていると言えるかもしれない。
『おりゃー、根性避けデスー!!』
言えないかもしれない。何かと謎の多い彼女の考える事は、あんまり良く分からない。それでも気合だけで全部避けているのだから、問題はないのだろう。
『この調子でいけば、余裕で突破出来るデス! 多分! 知らんけど!』
『うんうん、きっとイケルイケル! 迷宮なんて余裕っぽい!』
……本当に問題はないのだろうか。通信の向こうから聞こえてくる庚と鬼燈の声に、首を小さく傾げるノエル。いや、まあ確かに今の所は、危なげなく進んでいるけれども、妙な楽観論を聞かされると、若干の不安は感じなくもない。
「まあ、いざとなれば、私がなんとかすれば良いでしょう」
それでもエイストラが詰まる要素がないのは、楽観でもないただの事実である事だし。深くは気にせず、迷宮を進んでいく事にする。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、危険な場所ですねぇ。
その分、何か有った時の守りは堅固そうですが。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアを自身の周囲に展開し、不意の危険に備えますねぇ。
そして【征境】を発動し『領域』を形成し、『竜の巣』に入りましょう。
『領域』の範囲内に有るものの位置関係や情報は全て把握出来ますから、これで『大気の流れ』や『障害物の位置や軌道』等を確認、問題の無いルートを通りますねぇ。
どうしても邪魔になる『障害物』や『領域外からの飛来物』は『領域』で操作して動かすか、『FRS』の[砲撃]で排除しましょう。
パメラさん達にも可能な範囲で情報を伝えれば、比較的安全に抜けられそうですぅ。
秋山・軍犬
なるほど、仕事内容は理解した
つまり、この竜の巣の先に様々な魔獣
未知の食材がいるという事でよろしいですね…!
じゃあ、竜の巣 突破できます(断言)
いや、突破できまし…たッ!!(断言断言)
UCとか技能とか攻略法とか重要な事じゃないんだ
レッド・ラム、大魔獣、御使い
そいつら(食材)がこの先に居るという事実が
重要なんだ…ご理解いただけたでしょうか?
正直、遺跡だけでなく空中迷宮にも
竜がいてくれた方が攻略が捗るまである
あ、でも、ここにお宝あるかもって言ってたね
食材かも知んないし…探そう(決意)
(情報収集+野生の勘+見切り)
それはそれとして、パメラちゃん
こんな空中迷宮の中を飛べる様になったとか
腕上げたっすねぇ…
水瀬・美鳥
(アドリブ、絡み歓迎)
🕊「そういえば飛ぶ方法ないけど行けるんか?」
「できた!」(空中ジャンプしてるうさみみ美鳥)
🕊「なんで?」
真の姿は解放していないがうさ耳は出てる空を蹴ってる美鳥。そのまま行きます
と言っても常に浮いていられる事はないので岩とかとりあえず数秒でも立てる場所とかで少し休憩を挟みながら進むのです。
着地できなさそうな飛んでくる危ない岩はほんの少しの間だけ剣を投影、叩き割って即座に手放す事で高度の低下を防ぎながら進みます
身体が柔らかいのもあるので、壁にぶつかっても気にせず、すこし強引な移動をします
休憩出来そうな場所が無かったら壁にくっついて休むとかも一応考えてみます
『そういえば飛ぶ方法ないけど行けるんか?』
水瀬・美鳥(鳩ともちもち魔法兎少女・f15711)の傍らで、美鳥を気遣うように声をかける、喋る白い鳩。
美鳥の方は、何やらぴょんぴょんとジャンプしており――。
「できた!」
『なんで!?』
そしてなぜだが、空中を蹴って、高く跳躍した。全く知らないその能力に、愕然とした表情――は鳥類なのでよく分からないが、ともかく驚きを露わにする鳩。
「わかんない!」
『いやわかんないってそんな……まあ実際跳べてるけど』
何やらウサ耳を生やし、ぴょんぴょんと空中を跳ぶ美鳥。無限に跳んでいられる訳ではないが、途中で浮遊岩を乗り継ぐなどすれば、難所を抜けるのも難しい事ではない。
『でもなんで跳べてるのか全く分からない……』
「いや、わかる! 何故ならこの先に、様々な魔獣、未知の食材がいるのだから……!」
と、そんな鳩の疑問に、力強い言葉で答えるのは秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)。何やら拳を握り、フードファイターの黄金オーラで飛翔しながら、メラメラと燃え上がり。
「ご理解いただけたでしょうか?」
『……?』
そう言われても、なんだか余計によく分からなくなった。だが軍犬の瞳に、一切の迷いはない。絶対に竜の巣を突破出来ると言う、その確信に満ちている。
「攻略法とか重要な事じゃないんだ。食材がこの先に居るという事実が重要なんだ……」
「成程……?」
そうして力強く語られると、なんとなくそんな気もして来る。近くにいた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も、不思議そうな表情で、首を傾げつつ頷く。
「さあ待っていろ、レッド・ラム、大魔獣、そして御使い!」
「……元気そうですねぇ」
とはいえ、軍犬のノリはあくまで彼だけのものだ。るこるが同じノリで攻略出来る訳でもない。3対のオーラの翼を広げて飛びつつ、周囲に、女神の領域を広げていく。
「では、危険を予め察知出来るようにしておきましょうかぁ」
領域内部の様々な情報を、女神の力によって集積していくるこる。それを元に進むべき道を割り出し、危険は浮遊円盤によるバリアで阻んでいく。
「まあこのルートを進めば、おおよそ大きな脅威はなく、問題ないと思いますぅ」
「なるほど。助かるよ、ありがとう!」
そうして、あくまで理論だって攻略してくれると、他の人にも大変分かりやすい。美鳥も、跳べる理由は良く分からないが、攻略自体は割とまともにやっている。
もちもちとした肉体を活かし、ぶつかってくる岩も弾力で受け流したり、瓦礫に餅のようにぺたーっと張り付いて休憩してみたり。
「脅威か……むしろ空中迷宮にも竜がいてくれた方が、攻略が捗るまである!」
「それは、なんとも……危険そうですねぇ」
つまり軍犬のノリだけが、一人特筆しておかしい。彼の頭にあるのは食材の事だけだ。
「お宝あるかもって言ってたし……それも食材かもしれない! 探そう!」
「まあ、何があるのかは、興味はありますがぁ……おっと」
そんな風に進む彼らの前に、巨大な浮遊岩が立ちはだかった。迂回路は無い訳ではないが、大分遠回りになりそうだ。
「では、排除していくとしましょうかぁ」
「よーし、斬り飛ばすよー!」
なのでその浮遊岩に、次々と浮遊砲台の砲撃を喰らわせていくるこる。その爆発によって飛び散る岩の破片は、美鳥が剣を投影する事で、素早く切り捨てていく。
当然、こちら以外にも岩は飛び散って危険だが、そこは周囲の状況をしっかりとるこるが把握し、他の猟兵達とも情報を共有して。
「皆さん、大丈夫ですかー!」
「おや、パメラさん。ええ、問題ありませんよ」
その共有された側……パメラ達がガンシップの上から、こちらに呼びかけて来る。そんな彼女達に微笑みながら応えるるこる。
「こんな空中迷宮の中を飛べる様になったとか、腕上げたっすねぇ、パメラちゃん」
「いえ、これも皆さんのお陰ですから」
軍犬も少しノリを潜め、パメラの操縦技術に感心した表情を浮かべる。実際、この空中迷宮を踏破するだけなら、彼女達だけでも行けたのでは、と思える程だ。
もちろん、2人が行けるのはここまで、この先に待っているオブリビオンの打破には、猟兵達の力が不可欠ではあるが。
「お、とうちゃーく!」
「お疲れ様でしたぁ」
そうこうするうちにようやく、目的の浮島に到着する猟兵達。美鳥は柔らかく着地の衝撃を受け流し、るこるも翼でふんわりと着地する。
他の猟兵達も、すでに先についていたり、後からやって来たり。
「さあ待ってるっす、未知の食材達!」
「探しに来たのは、天使核ですからね……?」
それ以外は持って帰っても一向に構わないけれど、目的を忘れないでほしいなー、と言う事を軍犬に主張してみるパメラ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『帝国式軍用ワイバーン『レッド・ラム』』
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POW : 八一式船体捕捉用アンカー
【尾部に移植された鎖付き鉄球】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : レッド・ラム
【頭部に生えた衝角(ラム)】で攻撃する。[頭部に生えた衝角(ラム)]に施された【対装甲ドリル】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ : 形態変化機構『ストラトスウォーム』
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【他の個体】と合体した時に最大の効果を発揮する。
イラスト:アイカワ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
さて、こうして目的の遺跡に到着した猟兵達。
長い年月放置されたせいか完全な廃墟となっており、風雨に晒されてボロボロになっている。それでもなかなかの大きさではあるようだ。
『ギャオォォォンッ!!』
「っ……早速、敵……!?」
と、そんな悠長に観察している暇はない。自らの縄張りに潜入して来た外敵を排除すべく、ワイバーン『レッド・ラム』がこちらに襲いかかってくる。
慌ててエンジェルレイピアを抜き放ち構えるパメラと、魔法詠唱の準備に入るクラウ。もう自衛に関していえば、全く不安はなさそうだ。
とはいえ、これを倒せと言うのは、流石に荷が重い。飛空艇数隻にも匹敵すると言われるレッド・ラムを倒す事が出来るのは、この場では猟兵だけだ。
この先に進むためにも、このワイバーン達を討ち倒さなければ。
神代・凶津
早速お出迎えって訳かッ!いいぜ、さっさと片付けやるよッ!
先ずは霊鋼の薙刀を手に一気に距離を詰めて先制攻撃だぜ。
その後は敵の動きを見切りながら攻撃を続けていくぜ。
敵が鎖付き鉄球を使い出したら距離を取る。だが、易々と近付けなくなったな。
なら、これならどうだッ!投擲術【流星】ッ!
薙刀を叩き込んでやるぜッ!くらいッ!やがれッ!!
薙刀を叩き込んで敵が怯んだら妖刀を手にして一気に斬り刻んでやるぜ。
「…パメラさん達の道は私達が開きます。」
【技能・先制攻撃、見切り、投擲】
【アドリブ歓迎】
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、確かに強そうですねぇ。
それでは、何とかしてみましょう。
『FAS』により飛行、【耀衣舞】を発動し『光の結界』を展開、『FMS』のバリアで二重の防壁とすると共に[結界術]で強化しますねぇ。
そして『FGS』は巨体の相手に有効な『重力弾』で抑えつつ、『光速の突進』を行いましょう。
相手の『鉄球』は『光速突進』を虚空に向けて使用した『光速離脱』で範囲内に退避すれば対処可能ですぅ。
後は『光速突進』によるヒット&アウェイで攻撃と離脱を繰り返し、確実に叩いて参りますねぇ。
『食材にしたい』という方も居ましたし、実際美味しそうな気もしますので、狙いは『頭部』の[部位破壊]でしょうかぁ。
備傘・剱
うふ…、うふふふふ…
さっき、運動してお腹が減ってたんだよ
と言うわけで、皆さん、お約束
ワイバーン、肉置いてけ!
移動速度が速そうだが、攻撃してくる以上、接触する機会は多いはずだ
それに獣だ、誘いの隙を見せれば、速攻で襲ってくるだろう
オーラ防御を薄く球状に展開して、接触した瞬間に、念動力と結界術で縛って、その瞬間に調理開始、発動!
さぁ、ワイヤーワークス投擲して、羽を縛り、手羽から、解体していこうね
ほら、可食部の肉は締まって美味しいってのが定番だしね
クラウ、パメラも、お腹、へってるだろ?
こうやって、ちゃんと食料を確保できると、危険な冒険も潤いってのが出てくると思うのよ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
『早速お出迎えって訳かッ! いいぜ、さっさと片付けやるよッ!』
出現したレッド・ラムめがけ、薙刀を手にして一気に間合いを詰める神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。
『ギャルゥゥッッ!』
『っと、やるなッ……流石に硬い……』
とはいえ、数隻の飛空艇と渡り合える、の触れ込みは偽りではない。相手に斬りかかれば帰る手応えは頑丈で、そこを押して切り裂いても、動きは鈍らない。
元々ワイバーンの皮膚が頑強なのに加え、改造でさらに強靭になっているようだ。
『なかなか厄介な奴だぜ……!』
「成程、確かに強そうですねぇ」
そんなワイバーンを観察しながら、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は光の結界を身に纏う。光の翼の祭器で飛行しながら、その身に何重もの結界と防壁を纏って。
「それでは、何とかしてみましょう」
『ギャゥゥゥンッ!?』
そのまま、祭器の重力弾を先触れに、動きを封じた所への突進。女神の加護を得て真っ直ぐに、超高速の体当たりをかましていく。
さしものレッド・ラムも、光を纏ったその激突には、大きくその身を傾がせて。だがそれ以上の突進を嫌うように、尾についた鎖付き鉄球を振り回して来る。
『ギャァァァスッ!』
「っと、なかなか危ないですねぇ……」
それがこちらに振り下ろされる前に、突進と同じスピードで離脱するるこる。相手はさらに鉄球を振り回し、こちらへの壁にするように身を守る。
『こいつは易々と近付けなくなったな……』
「あまり喰らいたい攻撃ではありませんねぇ」
その鉄球もまた、飛空艇をも打ち砕く破壊力。人の身でまともに喰らえば、ただでは済むまい。もちろん2人とも身を守り、あるいは身をかわす術は持っているが、己の身で試すには少々危険な攻撃である。
「なら、これならどうだッ……くらいッ! やがれッ!!」
『ギャォォッ!?』
ならばと、凶津はその手から薙刀を投げ放つ。霊力を込めた投擲は、まさしく流星の如く――音速を超えるスピードで、相手の肉体に突き刺さった。
その速度を威力に変える事で、強靭な皮膚を、筋肉を貫き、深々と急所に突き刺さる。
『まだだッ、斬り刻んでやるぜぇっ!!』
「……パメラさん達の道は私達が開きます」
そうして怯めば、鉄球の動きも止まる。そこに再び間合いを詰め、今度は妖刀を手に斬りかかる凶津。
その恐るべき切れ味が、レッド・ラムの身体を真っ二つに両断し、撃墜した。
『ギャオォォンッ!!』
「おっと、確実に叩いて参りましょうかぁ」
だがそこに、別のレッド・ラムも飛来する。すぐさまるこるが、その出鼻を挫くべく突進していく。
「『食材にしたい』という方も居ましたし……実際美味しそうな気もしますねぇ」
「うふ……、うふふふふ……さっき、運動してお腹が減ってたんだよ」
彼女は高速で飛び回っているので、そんな呟きを聞いた訳ではないだろうが。備傘・剱(絶路・f01759)は不気味な笑みと共に、ギラギラとした視線をレッド・ラムに向ける。
「と言うわけで、皆さん、お約束。ワイバーン、肉置いてけ!」
『グルゥゥゥッ!!』
食欲に満ちたその視線で、一気に突撃する剱。当然相手は、そんな彼を迎撃して来る。衝角がドリルのように回転し、剱の身体を貫こうと……いや、むしろ肉片に変えようと、真っ直ぐに迫ってきて。
「改造されてようと……所詮獣だな!」
『ギャウゥゥッ!?』
その突撃を阻むべく、剱は結界とワイヤーで動きを封じにかかる。レッド・ラムの全身に巻き付いていく細いワイヤー。
だが、相手は激しく暴れてそれを引きちぎろうとして来た。
「うぉっと、随分と活きが良いな!」
「頭を破壊すれば、おとなしくなるでしょうかぁ」
とはいえ、動きが封じられている事に変わりはない。るこるの突進が、相手の頭部に叩きつけられる。
さしものレッド・ラムも頭部を吹き飛ばされれば、動きを鈍らせて……止めて、でない辺りに凄まじい生命力と耐久力を感じる所だが。
「そんじゃ解体させてもらうぜ。まずは手羽からか」
それでも、もはやワイヤーを振り解ける程の力は残っていない。それを仕留めて肉を取るべく、サクサクと短刀で解体していく。
これは戦闘ではなく調理だ。ならば、彼の技量で捌けぬ相手はいない。
「クラウ、パメラも、お腹、へってるだろ? 危険な冒険には潤いが必要だしな」
「……空腹。多少感じはします」
「えー……あー、いやあ、私はお腹いっぱいかなって」
ただ、レッド・ラムの味に対する期待は、人によって多少差はあったりする訳だが。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
随分と変なワイバーンね…。
竜種は美味しいのが多いのだけど、アレは食べても美味しくなさそうね
【ブラッディ・フォール】で「変幻自在な虚ろの竜」の「猟書家『サー・ジャバウォック』」の力を使用(ヴォーパルソードと侵略蔵書にモノクル、マントといった姿へ変化)
なるべく敵に合体させない様、クラウに魔法による合体妨害を指示し、パメラに【念動力】の防御膜を付与。
【侵略蔵書「秘密結社スナーク】による不可視の怪物で敵を翻弄し、隙を突いてパメラと共に一気に間合いに入り、【ヴォーパル・ソード】を巨大化させて連携して敵複数を一閃。
合体されたらこちらも【プロジェクト・ジャバウォック】で竜人化し、一気にソードで叩き潰すわ!
四王天・燦
変な薬物で動いていそうだし食えそうもねーな
出会った日のクラウの食べっぷりを思い出して話しかけるぜ
余裕の証だよ
そんじゃ適当に援護射撃任せた
真威解放し飛翔し空中戦を展開するよ
グラップルでケーブルを掴みインファイトに持ち込む
鉄球もドリルも使えまい
金属部分に電撃属性攻撃を纏った一撃を見舞ってかかる
一撃では無理でもじわりと機械系統にダメージを与えてやる
合体中には申し訳ないが変形機構目掛けてカウントダウンを投擲します
合体後の決めポーズ中にでも爆発しときな
汚え花火だ
納刀し力溜め
必殺の電刃居合い斬りで首を刎ねるぜ
ドリルとか回収できりゃ素材としてがっぽり稼げるでしょー♪
どやっとクラウ×パメラにVサイン出すよ
「竜種は美味しいのが多いのだけど、アレは食べても美味しくなさそうね……」
「変な薬物で動いていそうだし、食えそうもねーな」
こちらは『レッド・ラム食べられなさそう組』のフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)と四王天・燦(月夜の翼・f04448)。
「でも、クラウは食べたいのか? さすがの食べっぷりだよな」
「……補給。どうしても食べたい程ではないですが、食料は必要です」
燦の問いかけに、こくんと頷きを返すクラウ。食欲旺盛なのか、それともガレオノイドと言う種族ゆえか。
ちなみにパメラの方は食べたくない組らしく、ぶんぶんと首を横に振っている。
「ま、そういう事考えられるのは余裕の証だよ。そんじゃ適当に援護射撃は任せた!」
「合体させない事を優先して。頼んだわよ!」
ともあれ、そんな雑談もここまで。襲いかかってくるレッド・ラム2体へと、それぞれ飛びかかる燦とフレミア。
燦は煌びやかな戦巫女の装束を、フレミアは過去に戦ったオブリビオンのモノクルとマントを身に纏う。
「さて、この距離じゃ鉄球もドリルも使えまい」
『ギャウゥッ!?』
そして燦の方は、ぴったりとレッド・ラムに張り付いた。間合いの内側に入り込み、相手の身体から伸びるケーブルをがっちりと掴む。
もちろんレッド・ラムはそんな彼女を振り落とそうと、暴れて抵抗して来るが。
「ちっ、よく暴れる……ならこいつでどうだっ!?」
『ギャォォォォッ!?』
そんな相手の金属部に、電撃を纏った刃を突き立てる燦。貫くと言うよりは内部に電流を流し込み、機械系統にダメージを与える。
ますます暴れるレッド・ラム、だが燦はしっかりとケーブルを握り続け、離さない。
「『スナーク』の力を見せてあげるわ」
『ギ、ィィィッ!?』
一方フレミアは、その手に侵略蔵書を握ると、不可視の怪物で敵を翻弄する。未知の攻撃に対し、激しく暴れまわって鉄球を振り回すレッド・ラム。
見えないだけなら叩き潰すまで、と言う乱暴な迎撃と、それを為すだけの破壊力は、流石に触れ込み通りではあるが。
「隙ありよっ! パメラもっ!」
「は、はいっ……!」
激しく暴れまわる相手へ一気に間合いを詰めると、手にした青い刃を巨大化させ、一閃するフレミア。同時にパメラも、合図と共に間合いを詰め、エンジェルレイピアで斬りかかる。
「っ……かったぁ……!」
「っと、大丈夫かしら?」
そしてその強靭さに、腕を震わせちょっと涙目になった。自衛には不足なくなったパメラも、飛空艇にも比肩するレッド・ラムの相手をさせるには、ちょっと荷が重かったか。
『ギャウゥゥゥゥゥッッ!!』
「おっと? 合体か?」
それでもフレミアの斬撃の方はしっかりと効果を発揮して。ダメージを受けたレッド・ラムは、手近な個体……燦の取り付いている個体との合体を図る。
その身体から金属パーツが伸び、互いに噛み合うように――。
「阻止。させませんっ!」
「おっと、ナイスだぜクラウ! 申し訳ないが、合体はさせないぜ!」
それを妨害するように、電撃の魔法を飛ばすクラウ。こちらもさして効き目はないが、それでも多少の牽制にはなる。
そしてその間に、燦は時限爆弾を叩き込む。合体途中のレッド・ラムの身体が勢いよく爆ぜると、その隙に居合斬りで、首を跳ね飛ばした。
「さあ、叩き潰すわよ!!」
もう一体のレッド・ラムには、竜人と化したフレミアが、その怪力をもって、文字通りに叩き潰す。どちらも沈黙し、浮島の大地に崩れ落ちた。
「ま、こんなもんよ。素材とか回収できりゃ、がっぽり稼げるでしょー♪」
「ふぅ。やっぱり皆さん、凄いですね」
ドヤ顔で∨サインを決める燦に、感嘆と尊敬の表情を浮かべるパメラ。まだ手はちょっとプルプルしている。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノエル・カンナビス
ええと。
ワイバーンと聞いたような……ワイバーンですかあれ?
まぁ、何でもいいですが。とりあえず囮になっておきましょう。
先制攻撃/指定UCからの索敵/推力移動/ダッシュ/空中機動/
見切り/操縦/軽業/対空戦闘/鎧無視攻撃/貫通攻撃のライフル。
敵中に突っ込んで暴れます。
こちらに攻撃してくる相手よりも、遠くにいるものを優先して
消し飛ばして行きます。囮ですから。
と言いつつ近付くラムさんの数が増えたらバックダッシュからの
範囲攻撃/キャノンで一網打尽。
さすがに生体ベースらしく、動きが滑らかではありますが。
先読み能力が足りないと瞬発力の差で置いて行かれます。
火力があったらもう少し戦えたとは思いますねー。
露木・鬼燈
竜は殺す!
というのが基本スタンスですが…
ワイバーンは亜竜なので竜ではない説も聞くからなー
まぁ、殺意はそこそこなのですよ?
なので対竜種用のUCは使わずにキャバリア用ので行くですよ
<凶鳥強襲>を使用して徹甲榴弾をたくさんくれてやるのです
敵は空を飛べるだけの巨大な蜥蜴っぽい?
強力な魔法を使うわけでもなく、射程はそこそこ
つまり敵の射程の外を高速で移動すれば安全安心
敵の密度が高い場合は逆に接近するのもいいかもね
敵集団に突っ込めば同士討ちを避けるために攻撃を躊躇うかも?
アポイタカラの速度なら一瞬でも攻撃が止まればそれで十分
銃撃を叩き込みながら通過して射程外まで移動する
これくらい余裕でやってみせるのですよ
『竜は殺す!』
アポイタカラのコクピットで、レッド・ラムを見据える露木・鬼燈(竜喰・f01316)。竜殺しとして生まれた彼は、竜を狩るために存在する……のだが。
『でもなー。ワイバーンは亜竜なので竜ではない説も聞くからなー』
その上でいまいち闘志が乗り切らず、困ったように首を傾げる。加えてノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)も、疑問を口にして。
『……そもそも、ワイバーンですかあれ?』
『ギャオオォォンッ!!』
素体がワイバーンである事は、まあ間違いない。だが改造が多分に施されたその姿は、確かにワイバーと言って良いのかどうか。なんかドリルとか回転させてるし。
『……まぁ、何でもいいですが』
ともあれ、敵がなんであっても、敵であるなら戦うのがノエルのスタンスだ。エイストラを駆り間合いを詰めると、敵陣の真っ只中でライフルを乱射する。プラズマライフルの高威力の弾丸が、相手の強靭な皮膚をぶち抜いた。
『ギュルゥゥォォォッ!!』
『おっと。さすがに生体ベースらしく、動きが滑らかではありますね』
だがレッド・ラムは、その程度ではその程度では沈まず、逆襲とばかりにこちらへと向かってくる。回転するドリル衝角を、巧みな操縦で引き離すノエル。
そのままライフルを構えると、反撃の弾丸を繰り出――さず。
『ですが……さあ、こっちですよ』
『ギャウッ!!』
その狙いは、別のレッド・ラムに。敢えて攻撃を散らす事で、相手を引き付ける囮となるノエル。そうしてエイストラは、次々と繰り出される衝角や鉄球の攻撃を、まるで踊るようにかわしていく。
『先読み能力が足りないと、瞬発力の差で置いて行かれますよ』
『ギャウッ、ギャウゥゥッ!!』
ちょこまかと動き回る相手に苛立ったレッド・ラムは、煩く喚きながらさらに攻撃を繰り出して来る。流石にそろそろキツくなってくると、一気に交代するエイストラ。
もちろんレッド・ラムはそれを追いかけて来る、が。
「改造ワイバーンに対する殺意は……そう、そこそこって事で!」
『ギュォォンッ!?』
それを迎え撃つのは、アポイタカラの放つ徹甲榴弾。エイストラが集めたレッド・ラムに対し、強靭な皮膚をもぶち抜く一撃が放たれる。
体内に榴弾が暴れまわる苦痛に激しくのたうち、衝角を前にアポイタカラへ突っ込んでくるレッド・ラム。だが相手をしてやる義理はないと、大きく後ろに下がり、間合いの外に離れてしまって。
『敵は空を飛べるだけの巨大な蜥蜴っぽい?』
『耐久力もなかなかですが……火力があったらもう少し戦えたとは思いますねー』
鬼燈の戦力評価にノエルも同意すると、エイストラがプラズマキャノンをぶちかました。アポイタカラも弾丸を叩き込み続け、じわじわと敵の装甲と体力を削る。
『数がいたら、厄介だったかも? まあそれならそれでやりようはあるっぽいけど』
『そうですね。ともあれこの数では脅威足りえません』
追ってくる敵を、引き撃ちを徹底的に叩き込み続ける2体のキャバリア。いかに相手が頑丈であろうと、射程の差によって削り殺していく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
秋山・軍犬
あ、もしもし、夜?
軍犬、今からブルーアルカディアで
魔獣(食材)狩るんすけど、持ちきれないかも
知れないんで、今、召喚して大丈夫?
うん、友達も連れてきて良いのよ(スマホで連絡)
夜「私がッ! 超級料理塾一号生! 星月 夜であーるッ!」
という訳で、早速 魔獣(食材)狩りを…ん?
何であるか? この、合体変形してるロボは?
ああん? 私と戦る気なのであ~る?
……笑止ッ!
熱血! 気合い! 根性! 友情! 魂ッ!
それらの無い、合体変形ロボなどが
漢娘(※性別は女性です)魂のこもった拳に
勝てる道理なしッ!
夜「私がぁッ! 超ッ級料理塾一号生ッ! 星月 夜ッであーるッ!!」
…
……で? (食える)魔獣はどこなのである?
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎、NG無しです
(初っ端、ユーベルコードの『過保護なドラゴンの師匠』が発動されました、これにより蓑虫の銀花は問答無用でワープして来た全高120m級(ゴ〇ラと怪獣プロレスが出来るサイズ!)のドラゴンに飲み込まれて選手交代です、戦闘終了時にぺっと吐き出されます)
このドラゴンは時速10900Km/hで飛び回り、ドラゴンブレス(火球ではなく吐息です、本気を出すと熱線になります)を吐いたり噛み付いたり引っかいたりするので強いです
大暴れして敵を攻撃します
お腹の中の銀花はねちょねちょでシェイクされてる様な感じです
「あ、もしもし、夜? 軍犬、今からブルーアルカディアで魔獣狩るんすけど」
何やらスマホで、どこかに連絡を送る秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)。
「持ちきれないかも知れないんで、今、召喚して大丈夫? うんうん、それじゃあよろ」
『ギャオォォォォンッ!!』
もちろんそんなに悠長な連絡を戦闘中に行っていれば、そこへ敵が襲いかかってくる。レッド・ラムが、名の通りに衝角を回転させ、軍犬を貫かんと迫り――。
「私がッ! 超級料理塾一号生! 星月・夜であーるッ!」
『ギャオォッ!?』
そしてそのレッド・ラムの顔面めがけ、突如として現れた少女が、渾身の拳を叩き込んだ。それは軍犬がスマホで呼び出した、闇の精霊である。
『ギャウゥゥゥッ!!』
「ああん? 私と戦る気なのであ~る?」
突然の闖入者に驚きつつも、体勢を立て直し、こちらを睨むレッド・ラム。その鎖付き鉄球を振り回し、精霊……夜を叩き潰そうとする。
「……笑止ッ!! 熱血! 気合い! 根性! 友情! 魂ッ! それらが足りぬっ!」
『ギャオゥッ!?』
だが夜はその鉄球すらも、拳で跳ね返した。自分の鉄球を土手っ腹に貰い、呻きを漏らすレッド・ラム。
「漢魂のこもった拳に、勝てる道理なしッ! ……む?」
そうして堂々と言い放った夜の頭上に、大きな影が差す。すわ新手か、と警戒する夜だが、その影……巨大な竜は、むしろレッド・ラムへと襲いかかった。
『ギャォォォォォォォォォッ――!!』
もはや怪獣かと言うほどの巨体と威容をもって、レッド・ラムに襲いかかる巨竜。それは弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が呼び出した、彼女の師だ。
弟子の代わりに闘ってやるとばかり、その巨大な尾を振り回し、レッド・ラムを薙ぎ払う巨竜。相手も鉄球をぶつけて来るが、それを強靭な鱗で受け止める。
――ところで、その弟子はと言うと。
(「がぼぼぼっ……がぼっ、ごぼぼぼっ」)
その師匠の胃袋の中で、激しくシェイクされていたりする。一応師匠的には、弟子を自らの身体で守っているつもりなのだが、体液でドロドロになりながら、師匠が動く度に身体の内壁にたたきつけられる様は、多分、外で普通に戦うよりも、よほど大変な目に合っている。
……いや、銀花の場合は外で戦ってても、自分で大変な目に合いそうな気はする。そう考えると、後で吐き出して貰える事が確定しているだけマシなような、そうでもないような。
『ギャオォォォォンッ!!』
「む、合体変形してるであるか?」
巨竜を脅威と見做したレッド・ラムは、集まって合体し、巨竜を取り囲む。それに対して炎を噴き出して対抗する巨竜……その様はまさに怪獣大決戦のよう。
そんな様子を見れば夜は、負けていられぬと拳を固める。
「私がぁッ! 超ッ級料理塾一号生ッ! 星月 夜ッであーるッ!!」
『ギャオォォォッ!!』
竜と亜竜の激しい激突、そしてその最中で、拳一つで暴れまわる精霊少女。
……なんだかここだけ、世界観が違う気がする。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
試作機・庚
【諸々歓迎どんと来い】
すっげぇキモイデザインデスね!(関係各位ごめんなさい)
バイオロボット兵器って言ったところデスかね見たところ…
まぁ倒す分には慈悲とかを考えなくて済む分楽デスね
さっさと排除して行くデスよー!!
使うUCは【重力鎖の魔弾】
「遅いデスね」「コッチデスよ」(ナギッ)(カーン)などそんな感じで敵の死角にワープしながら四発重力弾を当ててブラックホールに消し去ってやるデスよ
一応当たった敵を消し去るだけデスから周りに被害は出ないと思うデスけど…不測の事態ってのはあるかもしれないデスね
けど迷惑はかけないようにはするデスよ
マヤ・ウェストウッド
「アタシとしたことが、道に迷ってしまったみたいで……」
・途中の空中迷路に苦戦し、遅ればせながら戦地に参上
・宇宙生まれのマヤからすれば、「空中戦」などお手の物。自前のガンシップに天使核がなくとも「野生の勘」による「瞬間思考力」で猛攻を能く避ける
・パンジャンドラム型ドローンをガンシップから射出。飛空艇数隻分の戦力を持とうとも、胡乱な空中機雷を差し向けられば足止めにはなるだろう。パンジャンを合体パーツと誤認させれば重畳、体内で「爆撃」をはかる
・戦いながら傷ついた猟兵たちを「医術」で「救助活動」し、「継戦能力」を高める
「血に染まった衝角(レッド・ラム)……殺人(マーダー)……ハッ! なんとまあ安直な」
水瀬・美鳥
(アドリブ、絡み歓迎)
「すごく悪趣味です」
🕊「兵器ってのは悪趣味な物程強いんだよなほんと」
刃が厚めのショートソードを複数個投影、迫る攻撃を避けつつ懐に潜りこんで翼の根元や脚の駆動部に打ち込むように剣を刺します
早いままでは正確な狙いが付けられないのですし
動きが鈍ったら可能な限り鋭くした細剣を投影
合体する前に腹部の動力部がありそうなところを貫きます
これ一体だけでも大変なのに沢山いるからほんとなんなんですかねぇ...
でも、動きとかは1匹目で何となくわかったのであとは厚刃の剣を投げて動きを鈍らせた後にバイタルを撃ち抜きます
迷路の先ってだけでここから出たら大変だからね。
ここで終わりにしちゃいましょ!
「すっげぇキモイデザインデスね!」
レッド・ラムの姿を見て、反射的にそんな感想を口にする試作機・庚(過去を裏切った者・f30104)。
「すごく……悪趣味です」
『けど、兵器ってのは悪趣味な物ほど強いんだよなほんと』
水瀬・美鳥(鳩ともちもち魔法兎少女・f15711)もそれに同意するが、頭上の鳩が付け加える。実際レッド・ラムの強さは侮り難く、複数の魔剣を投影しながら、迫る鉄球を回避する。
『ガオォォンッ!!』
「もう、危ないなぁ!」
なんとかその鉄球をかわし続けながら、懐に潜り込もうとする美鳥。相手の駆動部を狙い、巧みに魔剣を投射する。レッド・ラムの皮膚は頑丈だが、対飛空艇や対大型魔獣を想定しているため、細部の防御が比較的甘い。
「……それでも十分硬いけど! やんなるよねもうっ!」
「まあ頑丈な相手だろうと、やりようもあるデスよ」
ぼやく美鳥に返しながら、庚も別のレッド・ラムに飛びかかる。相手の鉄球がその頭上に迫れば、じっとそれを見上げて。
「――遅いデスね」
『ッ……ギャウンッ!?』
次の瞬間、カーン、と言う甲高い音と共に、相手の背後に現れる庚。重力による短距離ワープで攻撃を回避し、レッド・ラムへと重力弾を叩き込む。
苦悶しながらもすぐさま、鉄球をさらに振り回すレッド・ラム、庚はそれに対して、さらにカーン、カーン、と音を響かせながらの連続ワープ。
「コッチデスよ。どこを見ている、ってヤツデス」
そうして相手を翻弄しながら、二撃、三撃とグラビティの力を撃ち込む。それでもレッド・ラムは強靭で、動きを鈍らせる事はない……が。
「これで4発目……ノックアウトデスッ!」
『――――ッ!?』
その4度目を撃ち込んだ瞬間、異変が起こる。蓄積した重力が共鳴し、生じる小型のブラックホール。それは超重量で相手の身体を圧縮し、欠片も残さず消し去った。
「いくら頑強さだろうと強靭だろうと、ブラックホールには関係ないデスよ」
「おお、すごい……けど」
その間に美鳥も、鋭く練磨した投影剣で、相手の動力部を刺し貫く。爆発を起こして吹き飛ぶレッド・ラム……の向こうから、新たに現れる別のレッド・ラム。
「もう、これ一体だけでも大変なのに沢山いるからほんとなんなんですかねぇ……」
「……まあこっちもたくさんいるんで、なんとかするデスよ」
やれやれ、とため息を漏らす2人めがけて、それは一気に襲いかかってくる。当然迎撃体制を取る……が、それに先んじて、空中から何かが飛来した。
「アタシとしたことが、道に迷ってしまった……けどここからは参戦するよ!」
『グォォォンッ!!』
それを放ったのはマヤ・ウェストウッド(フューリアス・ヒーラー・f03710)。自前のガンシップから次々とドローンを射出し、レッド・ラムに襲いかからせる。
ちなみにそのドローンは空中を飛行するのだが、何故か両側に車輪がついており――まあいわゆる、みんな大好きパンジャンドラム型と言うやつである。
『グォォォッ……ガオォッ!?』
「おっと、そいつはちょっと危険だよ!」
その上、何やら回転ノコギリやら鋲やら触手やら、いろんなものが生えており。そんなものに纏わりつかれた相手は鬱陶しそうに鉄球を振り回すが、衝突すれば爆発を起こす。
「ゲテモノ感なら負けてない感じデスね……申し訳ないデスが」
「なるほど、やっぱり兵器ってのは、悪趣味な物ほど強いんだねぇ」
そんなとんでもないドローンを見上げながら、ポツリと感想を漏らす庚と美鳥。まあ、思わずまじまじと見てしまう程には、なんとも言えぬ光景ではある。
『……ギャオォォォォンッ!!』
「おっと、こっちに来たか」
だがレッド・ラムの方はあくまで、鬱陶しい攻撃としてそれらのドローンを認識する。頭部の衝角を回転させ、マヤ本人を狙って突撃して来た。
すぐさまガンシップを巧みに操り、その突進を避けるマヤ。
「血に染まった衝角(レッド・ラム)、殺人(マーダー)……ハッ! なんとまあ安直な」
そうしてマフラーをなびかせながら、背後に回り込み、パンジャンドラムで背中をガリガリ削る。相手の猛攻を巧みにかわし続けながら、的確にダメージを蓄積して。
「こちとら宇宙の産まれでね。空中戦なんてお手の物さ!」
『ギャオォォォンッ!!』
最後は合体機構にドローンをねじ込み、勢いよく爆散させる。だがその爆音を聞きつけて、またさらなるレッド・ラムが――。
「うぁー、また来たー」
「怪我したら言ってくれよ、あたしが治すからさ!」
うんざりした様子の美鳥に、ガンシップの上から声をかけるマヤ。こう見えても彼女は闇医者、治療はお手の物だ。
「だったらその時は……あー、よろしく頼むデスよ」
まあパンジャンドラムを見ると若干の不安はあるのだが。怪我しないようにもうひと頑張りしようと、レッド・ラムに向かっていく庚。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『堕翼の巫女』
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POW : 大いなる御使い
自身の【所持する魔獣の天使核】を代償に、1〜12体の【大天使から賜った御使い】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : 対帝竜用実験術式
レベル×1体の【天使核連結式竜型大魔獣】を召喚する。[天使核連結式竜型大魔獣]は【極光のブレス】を放射する能力と【竜】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
WIZ : 天からの声
【大天使からの託宣を受ける】事で【予知能力】を得た【天使核暴走形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:鳥小箱
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「九頭竜・聖」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そうしてレッド・ラムを退けた猟兵達。いよいよ遺跡の中へと突入する。
古の遺跡と言うだけあって大分風化しているが、一応建物の形は保っているようだ。
何かの要塞のようなものだったのか、兵器のようなものも取り付けられている。多くはすでに使い物にならず、仮に使えたとしても旧式も良い所だが……骨董品としての価値はかなりのものだろう。
そうして奥まで進むと、大きな部屋に出た。その部屋の壁には、巨大な壁画が刻まれており――たくさんの飛空艇が、魔獣の軍勢と戦っている所を描いているようだ。
特に目を引くのは、魔獣の軍勢の中心に描かれた巨大な竜と、飛空艇の軍勢の中心に描かれた一際大きな飛空艇。この2つが、両軍を統率しているのだろうか。
「記憶……私はこの絵を知っている……?」
「あ、あれ! あそこ!」
その壁画の前に立ったクラウは、呆然とその絵を見上げ、立ち尽くす。そして絵を眺めていたパメラは、その絵の一点を指差した。
飛空艇を守るように描かれているのは、前回の依頼で遭遇した、『アシェラリア』と名乗ったオブリビオンに良く似ている。
ただ、質素なスーツ姿だったそれとは違い、華美な鎧に身を包んではいるが。あるいはそれが、あのオブリビオンの言っていた『オリジナル』だろうか?
「違う、その上! 上に描かれてやつ!」
「……!?」
そしてその『アシェラリア』より少し上。飛空艇の甲板に立つのは、銀の髪に青い瞳の女性。その姿は、そう……クラウにそっくりだ。
「なんでクラウがこの絵に……? ……いや、ちょっと、違う?」
「不明……分からない……あれは、私……?」
ただ、クラウに比べれば少々、大人びているようにも見える。何よりその纏っている服は、『アシェラリア』以上に華美な物だ。一体これはどういう事なのか……。
「何をしているのです?」
そんな、壁画の前に集まっていた猟兵達に、横から――部屋の入口から見れば奥側から声がかかる。そちらに視線を向ければ、そこに立っていたのは、竜に似た翼を持ち、包帯をその身に巻きつけた女性。纏う服は黒いが、どこか巫女服を思わせる。
彼女が、グリモア猟兵の言っていた『堕翼の巫女』……この遺跡の支配者だろう。
「誰の許可を得てここに立ち入っているのですが。ここは神聖なる儀式の間、何人たりとも踏み入る事は……む……?」
そして巫女はクラウに視線を向け、目を見開く。そして途端に笑みを浮かべると、その懐から天使核を取り出した。
「なるほど……そういう事ですか。さあ、お前達、その鍵の船を渡しなさい」
それを握りつぶす事で魔力が広がり、巨大な魔獣が姿を現す。そして、様々な種類の竜を無理やりつなぎ合わせたかのような禍々しい姿の、連結式竜型大魔獣。
そして遺跡の天井を壊すほどの、巨大な体躯――天使の翼を生やした獰猛な肉食獣のような姿をした、巨大魔獣『御使い』。
「ああ、進んで何かをするつもりはありません。鍵の船以外は殺せば良いだけの事」
「っ……さ、させないよっ!」
その魔獣の威容に息を呑みながら、エンジェルレイピアを構えるパメラ。絵を見て呆然としていたクラウも、ハッと我に返って構えを取る。
「鍵の船……何の事か思い出せない。けれど、捕まる訳にも、殺させる訳にもいかない」
「あなたの意志に、関係はありません。陛下のため、その身を捧げなさい」
そんな2人や猟兵の言葉を意に介さず、巫女はその手を振り上げる。途端、魔獣達は咆哮し、こちらへと襲いかかって来る――。
『GRRRrrrrrrrrrrrrrr――!!』
クラウの事は捕らえるために狙わないようだが、猟兵に対しては手加減など無い。全てを喰らい尽くさんと、その牙を剥き出しにする。
もちろん竜である以上ブレスも吐くだろうし、爪は遺跡の壁を容易く砕き、牙は守りを打ち砕く事だろう。相手は、遺跡を壊す事をためらっている様子はない。
だが、これを倒さなければ、クラウの天使核を手に入れるどころか、この場から生きて変える事も出来ない。
なんとしても魔獣を掻い潜り、巫女を打ち倒すのだ!
弥久・銀花
包帯塗れの骨剝き出しの人が、人任せに戦闘仕掛けて何言ってるんですか!
粋がる前に自分の見た目を何とかして、出直して来て下さい!
(銀花はちょっとどころじゃなく臭くて粘度がかなり高い粘液塗れでヌチョヌチョです、神聖なる儀式の間と、そこに続く道には、ところどころに拳骨サイズのダマになった粘液が落ちてて人間サイズのナメクジが這ったのより酷い状態です)
私は何故かフレーメン反応を見せる個体を真正面から迎え撃ちます!
可能性の風を使って戦闘開始です
大きな体格と来たので、一寸法師作戦が有効でしょうか?
全力で跳び掛かって、口の中に体を捻じ込んでみましょう
何故か異様に嫌がっていますが口を抉じ開けて、体内から攻撃です!
マヤ・ウェストウッド
「しッかし、こんなにでかくなるなんて――ずいぶん『出世』したものだねえ」
・自前の飛空艇で優雅に紅茶(山盛りのクッキー付き)を啜りながら目前の巨獣を見上げ、同じく合体機構を持っていた先程の機竜の事を思い出して感慨にふける
・一見ふざけているようだが、これこそがマヤの本領。重力茶【特選】は精神を加速させる。
・「大天使から宣託を受ける事で予知する」ことから「巫女本人が宣託を受領/予知に対する戦略を練る/思考を実践するという三工程が生じる」と考え、敵と相対速度を五倍増させ、未来予知するより早く点滴スタンドを敵に叩きつける
・脳を「リミッター解除」し「瞬間思考力」を得た神速のマヤを、捉えることは至難(多分)
「しッかし、こんなにでかくなるなんて――ずいぶん『出世』したものだねえ」
自身の小型飛空艇・アンビュランサーの甲板上で優雅に紅茶を啜りながら、『御使い』を見上げるマヤ・ウェストウッド(フューリアス・ヒーラー・f03710)。
先程の機竜と、目の前の巨大魔獣を比較し、感慨にふける。
「あっちも合体機構はあったが、こっちはまたさらにでかいなぁ」
『Grrrrrr――!!!』
そんな巨大魔獣は当然、戦場で呑気にお茶会をするマヤを噛み砕かんと迫ってくる。だがマヤの方も、酔狂でこんな事をしている訳ではない。
「まあ、大丈夫かね、うん」
彼女の目には、こちらに迫るその牙はひどくゆっくりに見える。それは彼女が飲んでいる紅茶――その名も重力茶(グラビティー)によるものだ。
脳が過剰に活性化する事で、時間が引き伸ばされて感じられ――。
「包帯塗れの骨剝き出しの人が、人任せに戦闘仕掛けて何言ってるんですか!」
『GRrrr――!?』
その感覚は、横合いから弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が割って入ろうとしている事を、しっかりと把握していたからだ。
「……それは、私に言っているのですか?」
「そうですよ! 粋がる前に自分の見た目を何とかして、出直して来て下さい!」
銀花の挑発に、いかにも不愉快そうな表情を浮かべる巫女。まあ――先程までドラゴンの胃袋の中に収まっており、ドロドロの体液に塗れた銀花に『見た目を何とかしろ』と言われるのは、そりゃあイラッとも来る。
歩いてきた道筋が、人型なめくじが這って来たような……いやもっと酷いような。筆舌に尽くしがたい。
「……喰らいなさい」
『GRRRrrr――!?』
その苛立ちのまま、御使いに命令を下す巫女。巨大魔獣の顎が銀花を噛み砕かんと、牙を剥き出しにする。
対する銀花は自身に黄金のオーラを纏い、真なる姿を晒して飛びかかり。
「いざ、一寸法師作戦です!」
『……!?』
そして相手のその巨大な口の中に、自ら身を投じた。予想外の動きに戸惑う御使いは、直後、苦しげに激しくのたうつ。
『……!! ……!!?』
「っ!? どうしました!?」
それは、一寸法師作戦の言葉の通り、銀花が体内で暴れ回っている……からではなく。
いや、もちろんその作戦を取るつもりではあるのだが、巨大魔獣が苦しんでいるのはそもそも、その前段階の時点。体液の異常な悪臭に苦悶し、嫌がって首を振る。
「くっ、吐き出しなさい……っ!?」
そんな様子を見て、御使いに新たな命令を下そうとする巫女。だがそこで、はっとした表情で顔を上げると、後ろを振り向く。
「なるほど。確かに、大分優れた予知能力を持っているようだね」
巫女が銀花に気を取られている間に、いつの間にか回り込んでいたマヤ。おもむろに点滴スタンドを振り上げ、巫女を殴りつけようとする。
完全な奇襲……にも関わらず、巫女は託宣の力によって反応して来る、が
「だが、遅い」
「ぐがっ!!?」
だが、いくら予知されようとも、それを行動に移すより早く動けば関係ない。重力茶で加速した思考のまま、点滴スタンドを振り下ろした。
頭部に強烈な衝撃を受け、遺跡の床を転がる巫女。
「あんたの予知じゃ、アタシの脳にはついてこれないね!」
「くっ、妙な武器を……!」
あるいは、そんな妙な武器で殴った事も、相手の行動を遅らせる要因の一つだったかもしれない。憎々しげにマヤを睨みつける天使――の背後で、おえぇぇ、と銀花が吐き出されていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
色々と気になる点は有りますが、まずは対処ですねぇ。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアを展開し守りを固めると共に、【酷郭】を発動、『裁域』を形成しますぅ。
『御使い』のブレスは『裁域』で空間を操作し方向をずらして対処、物理攻撃には『爆破』による[カウンター]を合わせて受け流しますねぇ。
そして、巨大な相手程重力の影響を強く受けますので、『FGS』の重力弾を『御使い』相手に回し、『裁域』の『爆破』と併せて行動を抑えますぅ。
後は抉じ開けた射線から、巫女本体を狙い『FRS』『FSS』の[砲撃]を行いますねぇ。
『裁域』内なら、此方の『弾道』を操作し誘導することも可能ですので。
神代・凶津
なんで遺跡にクラウの嬢ちゃんっぽい壁画があるのか、考えるのは『堕翼の巫女』を倒してからだなッ!
「…転身ッ!」
炎神霊装を纏って戦闘開始だ。
先ずは天使核連結式竜型大魔獣をどうにかしねえとな。
パメラとクラウの嬢ちゃんの周りに結界霊符を貼り、結界を展開して敵の流れ玉が当たらないようにするぜ。
そしたら炎翼で飛翔して魔獣の動きを見切りながら極光のブレスを避けつつ、炎弾を弾幕の如く放って攻撃だ。
律儀に魔獣の相手をし続ける必要はねぇ、弾幕で目眩まししてその隙に堕翼の巫女に一気に近付いて破魔の力を宿す炎刀でぶった斬ってやるぜッ!
【技能・空中戦、結界術、見切り、弾幕、破魔】
【アドリブ歓迎】
フレミア・レイブラッド
随分と好き放題言ってくれるわね。
あのアシェラリアといい、この壁画の意味も謎が増える一方だけど…この子達に手を出すなら、容赦はしないわ!
召喚された魔獣達を見て、【ブラッディ・フォール】で「帝竜ヴァルギリオス」の姿(魔力で帝竜の姿を再現構築し、外殻として纏った姿)へ変化。
敵の攻撃が届く瞬間に自身とパメラ達や他の猟兵を【スペクトラル・ウォール】の8属性のバリアで包み、逆にカウンター。
8つの首で敵本体や魔獣の首や腕等に喰らいついて噛み砕き、至近距離から【ヴァルギリオス・ブレス】を放って吹き飛ばすわ!
対帝竜用術式?
帝竜(フォーミュラ)はそう簡単に倒せる様な相手じゃないわ。
本物の化け物を見せてあげる…!
「あのアシェラリアといい、この壁画といい、謎が増える一方だけど……」
『考えるのは、こいつを倒してからだな』
巫女を真っ直ぐに見据え戦闘態勢を取る、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)と神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。それぞれに、その身に力を纏っていく。
「……転身ッ!」
まず相棒の力ある言葉と共に凶津から引き出されるのは、炎神の力。霊装としてそれを纏うと、炎の翼で連結竜達に迫る。
『まずはこいつをどうにかしねえとな……!』
『Gyaooooon!!』
当然、相手はこちらを迎撃してくる。なんとも冒涜的なその姿から放たれるのは、全身の属性が混じり合う事で極光となった、何本もの輝けるブレス。
『パメラとクラウの嬢ちゃん、そこでじっとしてろよ!』
「は、はいっ!」
そのブレスの流れ弾から結界でパメラ達を守ると、凶津は巧みな飛翔でそのブレスを回避する。同時に翼をはためかせれば、降り注ぐ炎弾で連結竜を打ち据えて。
『Gyaooo――!』
「無駄です、その天使核連結式竜型大魔獣は、対帝竜用の術式なのですから」
だが巫女が冷たく口にする通り、連結竜はその炎弾を受け止める。吐かれ続けるさらなるブレスは、その一つひとつが、遺跡を破壊するほどの破壊力。
避けて回る凶津を、そのブレスはさらに追いかけて……。
『随分と好き放題言ってくれるわね。対帝竜用術式ですって?』
『――GYaUUUッ!?』
だがそのブレスを阻むように展開される、強靭なるバリア。八属性を備えたスペクトラルの壁が、極光を受け止め、跳ね返す。
自身のブレスをその身に浴びれば、さしもの連結竜達もただではすまない、その巨体で激しくのたうつ。
『帝竜(フォーミュラ)はそう簡単に倒せる様な相手じゃないわ!』
そのバリアを放ったのは、最強の帝竜――ヴァルギリオス。と言ってももちろん、こんな所に帝竜がいる筈もない。
それはフレミアが再現構築した、オブリビオンの記憶。外殻としてそれを纏い、力を振るう。
『さあ、『本物』の化け物を見せてあげる……!』
『Gyaoo、Gaaaaa――!』
そうしてダメージから立ち直ろうとする連結竜達を、八つの首が噛み砕かんとする。牙を突き立て、吐き出されるブレスが連結竜を灰燼に変えて。
「本物? 所詮はあなたの創り出した偽物でしょう!」
『Grrrrr――!!』
だが巫女は動じる事もなく、『御使い』をフレミアに差し向ける。さらなる強大な力をと、そして数をもって、再現された帝竜を打ち砕かんとして。
「色々と気になる点は有りますが、まずは対処ですねぇ」
『Ghaaaa!!!』
それを迎え撃つべく夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が展開するのは、女神の領域。それに御使いを捕らえると、空間を操作し、その攻撃を反らして。
さらにその空間の力を一点に集中する事で、爆発を生じさせる。
『Groooo!!』
「おっと、流石に頑丈ですねぇ」
だが御使いは爆発に揺らぎながらも耐えて、新たな敵……るこるへと狙いを定めた。その身を捉えんと、牙を剥く。
周囲にはバリアが展開されているが、御使いの牙は易々とそれを噛み砕き、そのままるこるの身体を――。
「ですが、大きいと言う事は、それだけ重いと言う事かとぉ」
『Grrrrrr!?』
それを迎え撃つべく放つのは、周囲に展開した錫から放つ重力弾。それが御使いの身体に打ち込まれ、重さと言う名の楔を打つ。
それだけで倒せる程ではないが、動きを止められれば……いや、攻撃を少しでも反らせればそれで十分。あとはそこに領域の力を重ね、御使いの攻撃を自身から遠ざける。
「そもそも、倒すべきはこの魔獣ではありませんのでぇ」
「むっ……!?」
そうして射線をこじ開ければ、砲台からの砲撃が巫女を狙う。相手は未来予知によってそれを回避するが、るこるは領域を操作する事で、その砲撃の軌道を変えて。
もちろん巫女は、変わった軌道をも予知し、回避する。するとるこるは、その回避の動きに合わせて軌道を操作する。
半ばいたちごっこのように、砲撃と巫女が延々と追いかけ合い、巫女の周りで次々と爆発を起こして――。
『こっちもいくぜっ!』
「っ……!?」
そして連結竜や御使いが足止めされている間に、凶津も一気に間合いを詰める。炎弾が次々と爆ぜればるこるの爆撃と共に、巫女の視界が塞がって。
「がっ!?」
『見えてなきゃ避けられねぇだろ!』
そうして何も見えない未来を予知した巫女の身体を、破魔の炎刀が深々と切り裂いた。血を溢れさせ、苦悶の声と共に大きく揺らぐ巫女。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
露木・鬼燈
大雑把な攻撃だけど厄介だよね
遺跡が壊れちゃうですよ!
んー壊れても問題ないっぽい?
それなら僕も派手にやっちゃうですよー
秘伝忍法<忍鯱>
対竜種用のUCで削るより火力で押す!
周りの被害を考えなければこーゆーのは強いですよ
回避スペースがない程の圧倒的な弾幕
発射から着弾までのラグがほとんどないスピード
こいつで魔獣をミンチにしちゃうのですよ
で、そのまま堕翼の巫女も削り殺すですよ
射撃で片が付くならそれが一番なのです
まぁ、ダメな時は近接戦闘までいくのですが
でもシャチは近接戦闘でも強いですよ?
ハンターだからねっ!
強化外骨格で強化されたシャチの体当たりは凶悪ですよ?
水瀬・美鳥
(アドリブ 連携等 可)
🕊「未来視とか冗談じゃねぇぞオイ腹くくれェ美鳥!」
「言われなくても!」
狙いは一点。予測されて避けられるのならば「避けられない予測しか出ない一点」しかない
片刃のツルハシを投影、ドラゴンの爪や牙は可能な限り叩き割ってやるのです!
巫女に近づけるようになったら召喚石でブーストした【選択UC】で自分の背より長い大太刀を投影
不安定な召喚石をさらに二つ鳩が砕き呟く
「晶石の魔力を以て、三つの事象を一つの事象に確定させた」
大太刀の袈裟斬り一振
一振目を避ける先にもう一振
それを避ける先へのもう一振
「避けれるのなら避けてみなさい!」
─高速の三つの斬撃が寸分の狂いもなく同時に巫女を捉える─
「大雑把な攻撃、遺跡が壊れちゃうですよ! ……んー、壊れても問題ないっぽい?」
それなら自分も派手にやろうと、忍鯱を口寄せする露木・鬼燈(竜喰・f01316)。その口部に装着された電磁加速砲で、敵陣に射撃を加えていく。
「対竜種のユーベルコードで削るより火力で押す! これですよ!」
「っ……私を守りなさい!」
回避スペースを与えない、圧倒的な弾幕で、巫女の予知を潰しにかかる鬼燈。対する巫女は御使いの巨体を盾にする事で、その弾幕から身を守る。
「御使いの力、とくと見なさい!」
「削り殺してやるっぽい!」
次々と撃ち出されるレールガンの弾丸を、強靭な肉体で阻む御使い。その皮膚を貫く事は、容易ではない。
その一方で弾幕は、御使いをその場に釘付けにし、こちらへの攻撃も許さない。
『Gahhhhhhhh――!!』
「このままミンチにしてやるのです!」
そうして、拮抗する忍鯱軍団と御使い。他の魔獣達と猟兵達もぶつかり合っており、しばしの膠着状態に陥る。
『未来視とか冗談じゃねぇぞオイ、腹くくれェ美鳥!』
「言われなくても!」
その中でなんとか隙を見つけ、巫女へと突き進むのは水瀬・美鳥(鳩ともちもち魔法兎少女・f15711)。肩上の鳩に返しながら、投影した片刃のつるはしで、立ちはだかる連結竜の爪を打ち砕く。
『Grrrrrr!!』
「くっ、邪魔っ!!」
もちろん竜達の攻撃をかいくぐるのは容易ではなく、極光のブレスが周囲に降り注ぐ。肌を掠める光熱に身を焼かれながら、言葉通りに腹をくくり、止まらず前に突き進み。
「無駄です。あなたの未来は、すでに託宣が下っています」
「それは、どうかなっ!?」
巫女は至極落ち着いた様子で、こちらを見つめて来る。その視線を見つめ返しながら、取り出した召喚石を握り砕く美鳥。溢れる魔力で、背より長い大太刀を形作り。
「その未来も、見えています!」
『だったらこれも見えてるか?』
合わせて肩上の鳩も、二つの召喚石を打ち砕いた。さらに溢れ出す膨大な魔力。
『晶石の魔力を以て、三つの事象を一つの事象に確定させた――』
「!?」
それは、確定した未来をも捻じ曲げる。振り下ろされる斬撃は、全く同時に三つ。
連撃、ではない。大太刀の一振りと言う一つの因が、三つの果を生み出す。
「避けれるのなら避けてみなさい!」
「っ……くっ!?」
そうして、『避けられた』と言う未来の先に振り下ろされたその刃が、巫女の身体を切り裂いた。苦悶の声を上げ、血を噴き出す巫女。
「ぐぅ、やってくれますね、ですがまだ……はっ!?」
「今なのですっ!」
そうして、巫女の注意が逸れ、体勢が崩れた瞬間、鬼燈は忍鯱軍団を体当たりさせる。御使いの巨体めがけて繰り出される、質量による攻撃。
「強化外骨格で強化されたシャチの体当たりは凶悪ですよ?」
硬い頭突きが次々と突き刺さり、御使いの身体に穴を開ける。そうしてその身体が大きく揺れ、大地へと崩れ落ちた。
「シャチはハンターだからね。近接戦闘でも強いのですっ!」
「よくも、神聖なる御使いを……くっ!」
それによって空いた守りの穴から、生き残りの忍鯱がレールガンを射出する。避け切れぬ射撃をその身に受け、吹き飛ばされるように地面を転がる巫女。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
過度なグロ×
SPD
まるで怪獣大決戦ね。
でも、ちっちゃいわぁ
『母なる海に抱かれて』で
私の118倍強くて
身長18148.4mのマリンママの胎内へ
マリン:後で起こしてあげますから
ルルちゃんはお昼寝していて下さいね。
天井も壊れたので【念動力】で自身を浮かせ【空中戦】
目的の物を押し流さないよう【属性攻撃】の水は
槍状に圧縮して【投擲】したり【結界術】の如く周囲に渦巻かせ
極光ブレスを跳ね返す【受け流し・カウンター】として使用。
流れる水は光を曲げる。御存知でした?
さあ、ルルちゃん。仕上げですよ
ママの力を私に【ドーピング】
【誘惑・催眠術・全力魔法】で巫女を骨抜きにし
腋舐め・乳揉みで【慰め・生命力吸収】よ♥
「まるで怪獣大決戦ね。でも、ちっちゃいわぁ」
ユーベルコードによって、空に巨大な白い女性――グリードオーシャンの、深海人の母を模した存在を呼び出す、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
『後で起こしてあげますから、ルルちゃんはお昼寝していて下さいね』
連結竜や御使いよりも確かに大きな、180mほどの巨体を持つその深海人――マリンは、己の胎内にルルを取り込み、眠りにつかせる。
そして『娘』に代わって戦わんと、圧縮した水を槍のように撃ち出した。
『Grrrrrr――!!』
対して連結竜はそれを回避しながら、極光のブレスを放ってくる。何しろこちらの巨体では、それを避けるのは難しい。
だがマリンは落ち着いた様子で、周囲に水の結界を展開する。
『流れる水は光を曲げる。御存知でした?』
そうしてブレスを全て受け止め切ると、巫女へと真っ直ぐに迫るマリン。その巨体な母胎でのしかかるようにして、眠っていたルルに力を託し。
『さあ、ルルちゃん。仕上げですよ』
「分かったわ、マリンママ♪」
そうして水の力をその身に取り込んだルルは、全力で巫女に抱きついた。相手の胸に顔を埋め、生命力を吸収しようとする。
「あん、美味しいわ♪」
「っ、離れなさいっ、んっ!」
剥き出しの腋に顔を埋められた巫女は、嫌悪を露わに激しく身を捩る。託宣による力と予知能力で、それを振り払って来て。
「あら……私に身を委ねてくれても良いのに♪」
「私が忠誠を誓うのは聖帝国に対してのみです!」
振り払われたルルが流し目を送れば、巫女は己の忠誠心を謳い上げ、ルルを強く睨みつける。
大成功
🔵🔵🔵
備傘・剱
どうやら、何か知ってるっぽいな
さぁ、正直に言っておいた方が、後腐れなくていいぞ?
さっき、食料は手に入ったし、目標もいるからな
さぁさぁ、知ってる事、キリキリ吐いてもらおうか!
雷獣駆、発動!
天使が発生したら、高速で突撃しつつ、鎧無視攻撃と鎧砕きに、誘導弾・斬撃波・衝撃波・呪殺弾の零距離射撃で連続でぶち抜いてやるわ
高速移動しそうになっても、変身する兆しはあるだろうから、それが見えたら、念動力で縛り、結界術で動きを封じ、思いっきりぶち抜いてあげよう
鍵の船ってなに?この絵の少女はだーれ?とりあえず、情報が途絶えてないって事が解ったから、この絵をもとに調べればいいから、しゃべらなくても問題ないよ
裏は取るし
試作機・庚
おっと家主さんがお出ましデスかお邪魔してるデスよ。
壁画のこととかについて聞きたいんデスけど…そんな雰囲気じゃなさそうデスね!
まずは大人しくさせるデスよ!
遺跡は壊れても【メメント】で戻せるデスけどなるべく壊さないように【グラビティ・チェイン】で被害が行かないようにするデスよ
効果時間は100秒くらいしか用意できないデスからON/OFFこまめに切り替えてなるべく効果的に使うデス
効果時間が足りなさそうなら一度死んで【Restart Coin】を消費してコンティニューするデスよ
戦闘は【辛】と【ケンロクエン】でなんとかするデス…
最優先は巫女を捕縛して情報を吐かせることデスから生かさず殺さず!
「どうやら、何か知ってるっぽいな。正直に言っておいた方が、後腐れなくていいぞ?」
「それを私が話すとでも?」
備傘・剱(絶路・f01759)の詰問に、冷たく返す巫女。もちろん剱の方も、素直に話してくれるなどとは思っていない。
「だったら、力づくってヤツだ。さぁさぁ、知ってる事、キリキリ吐いてもらおうか!」
額から麒麟の角を離すと、そこから迸るのは黒い迅雷。体内のバッテリーに蓄えた生体電流が、背中の推進ユニットを起動させる。
一気に加速した剱は、巫女へと迫り――もちろんそれを迎え撃つように、御使いが立ちはだかって。
『Ghaooooon――!』
「ふんっ、邪魔だ……!!」
その巨体めがけて真っ直ぐに突き進むと、全力の零距離射撃を叩き込む。強靭な肉体めがけて撃ち込む、ありったけ……多少の攻撃では揺るがぬ相手を、揺らぐまで撃ち抜いていこうとする。
『壁画のこととかについて聞きたいんデスけど……そんな雰囲気じゃなさそうデスね!』
その隙に、試作機・庚(過去を裏切った者・f30104)は、独立機動するオブリビオンマシン・辛をけしかける。
『まずは大人しくさせるデスよ!』
「む……!」
小型レールキャノンによる射撃は、連結竜の身体によって阻止される。だがそれはあくまで牽制、本命は庚自身の力による拘束。
亜空間から産み出される重力の鎖が、巫女へと迫る。
「さあ、ひっ捕まえて情報を吐かせてやるデスよ!」
「無駄な事です。例え捕まろうとも、私があなたに情報を告げる必要など感じません」
その鎖を未来予知により、飛び回って回避する巫女。天使核を暴走させたその飛行で、巧みに鎖を掻い潜って来る。
「そもそも、捕まるつもりもありませんが!」
「ぐぅぅ……逃さんデスよ!」
対して庚の方も、より精密に鎖を操作し、巫女を追いかける。だが、この重力の鎖を生み出す事は――異なる理を操る事は、庚自身に強烈な負荷をかける。唇を噛み締め、コインを握りしめる事で衰弱する命を補いながら、その代償に耐える庚。
「できれば生かさず殺さず、と行きたいデスが……っ!」
「それは少々、私を舐めすぎです。不愉快ですね」
庚の呟きに反応し、こちらを睨みつける巫女。流石に、強力なオブリビオンを殺さず捕らえると言うのは、それだけのリスクを払っても、あまりに無理難題だ。
ただし――。
「まあそっちも、私を舐めすぎだと思うデスがっ!」
「っ……!?」
逆に言えば、殺す気で挑めば、いくらでもやりようはある。重力の鎖が狙っていたのは巫女だけではなく、周囲の魔獣も縛り付け、動きを封じ込めた。
もちろん、捕らえておけるのは一時的。だがそうして守りが消えれば、剱が一気に接近する。
「鍵の船ってなに? この絵の少女はだーれ?」
「だから話さないと言って……がはっ!?」
問いかけに返そうとする巫女の身体に、無数の弾丸を叩き込みにいく剱。重力の鎖で回避行動が制限された相手を、さらに追尾弾によって狙う事で、未来予知を上回り。
「ま、この絵をもとに調べればいいから、しゃべらなくても問題ないよ。裏は取るし」
「くぅっ……がっ……!」
呪殺の力がこもった弾丸に蝕まれ、呻きを漏らして地面に叩きつけられる巫女。苦悶の声を上げ、こちらを憎々しげに睨んでくる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
秋山・軍犬
夜「という訳で」
あの食z…魔獣共の相手は我々に任せるのである!
なに、安心するのであーる!
指定UCには、私の112人の友達(ダチ)共が
猟兵より弱いとは一言も書いてないのである!
Q:つまり?
A:プレイングとリプレイ次第で112人の中に
猟兵級の超戦力を持つネームドが居ても問題は無い
という事であーる! ぶっちゃけ、私より強い
パイセンとか居るし?
なので、軍犬は
クラウって子に不穏なフラグが立ってるぽいんで
思わせぶりな事言って肝心の情報を全く出さない
あの面倒臭そうな女に情報をゲロさせる
面倒臭い仕事を頑張ってどうぞなのである!
軍犬「マジかよ」
くっそ! 魔獣(食材)を狩りに来たのに
面倒な仕事を押し付けられてちくしょう!
という訳で、不穏なフラグを折る為に
飯の邪魔をされた悲しみと怒りを込め
駄目押しにオーバーロードもしといた
超克のアームロックを巫女さんに(覇気+グラップル)
え、巫女さんのUC?
飯の邪魔をされた、肉弾戦闘系アーテイスト
フードファイターのアームロックに
勝てる訳ないだろ(断言)諦めて情報出してどうぞ
「という訳で、あの食ざ……魔獣共の相手は我々に任せるのである!」
連結竜や御使いを前に、堂々と胸を張って仁王立ちする星月・夜(闇の精霊少女)。その周囲には、彼女の友人達が集まる。
「安心するのであーる。私の友達(ダチ)共が弱いとは一言も言ってないのである!」
まあ言ってようが言ってなかろうが、どんな凄い事が書いてあろうが、強さはユーベルコードの常識の範囲内だけど。絶対勝てるって書いてあったって絶対勝てる訳じゃないけど。
それでも魔獣の足止めをする分には、不足はない。その拳を固め、魔獣へと殴りかかっていく闇の精霊達。
「と言う訳で、ここは私や、私より強いパイセン達に任せるのであーる!」
「まあ、任せるのは良いけど」
ともあれそんな、呼び出した自分より目立っている気がする夜を見やる秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)。まあ目立たないことは別に良いのだが。
「あの面倒臭そうな女に情報をゲロさせる面倒臭い仕事を頑張ってどうぞなのである!」
「マジかよ」
そんな厄介な仕事を押し付けられることについては、別に良くはない。愕然とした表情の軍犬に、夜は深く頷く。
「思わせぶりな事を言って肝心の情報を全く出さないとか許されんである!」
「いや、それはそうだけどさぁ。面倒な仕事を押し付けられてちくしょう!」
自分は魔獣(しょくざい)を狩りに来たのにと嘆きながら、巫女を睨みつける軍犬。そしてその嘆きを力に変え、突っ込んでいく。
「飯の邪魔をされた悲しみと怒り! とくと味わうがいい!」
「っ、くっ!?」
当然相手は未来予知して回避を図るが、怒りのあまりオーバーロードした軍犬は、それを上回るスピードで掴みかかる。そしてその腕を捕まえ、思い切り捻じり上げた。
「フードファイターのアームロックに勝てる訳ないだろ! 諦めて情報出してどうぞ」
「っ……ふざけた事をっ……あなたの冗談に付き合うつもりはありません」
まあ当然、こんなギャグな流れで情報を出してくれる訳もないので、普通に振りほどかれたが。それでもとりあえず離れる時に相手の腕へ、大きなダメージを負わせておく。
「どうしたのであるか、軍犬! もっと頑張るのであーる!」
「いやそんな事言われてもね!?」
そもそもにしてフードファイターに尋問しろと言う方が無理難題ではないかとか。あとアームロックの元ネタも、目的は全く達成出来てなかったような気がするなーとか。
軍犬としては、いろいろ言いたい事がなくもない。
「そのふざけた連中を喰らい尽くしなさいっ!」
「ぬぅっ! 私が超級料理塾一号生! 星月・夜であーるッ!」
だがそれよりも早く巫女が魔獣をけしかけ、夜達と激しくぶつかり合う。
相手がノリに付き合ってくれないので、なんとなく取り残された気分でいじける軍犬であった。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・カンナビス
どういうも何も、女皇の御座船といった辺りでしょう。
それとも女皇復活の鍵か何かですかね?
まぁ、特に驚くことでもありません。
空はいいですね。
どこまでも、どこまでも続く青い空。
それは自由で、無限で、光あふれる解放の国。
私は地下都市の住人です。
薄暗く、狭苦しく、閉ざされた土地の傭兵です。
地上でのお仕事は、いつも楽しみでした。
それがどれほど危険であっても。
……。
地下構造物の中での高速空中戦こそが、慣れ親しんだ私の戦場です。
魔獣に用はありませんので、全てすり抜けて突撃します。
リンクシステムによって全方位の知覚を持つ私を阻める敵はいません。
先制攻撃/指定UC、
索敵/見切り/操縦/ダッシュ/推力移動/空中機動、
オーラ防御(と称するガーディアン装甲の防御衝撃波)、
鎧無視攻撃/範囲攻撃/キャノン/2回攻撃(二回目)/切断/ブレイドで
首魁を強襲します。
なかなか面倒な力をお持ちのようで。
私は面倒が嫌いなんです。
隙があれば通常ジャンプジェットのブラストを吹きかけて動きを止め、
貫通攻撃/ライフルで一撃しましょう。
四王天・燦
御使いだの極光ブレスだのを切り払い、あるいはオーラ防御で反らして巫女に語り掛ける
壁画を見て、帝国にも何らかの正義はあったと思っちゃった
戦う前にどんな国だったのか、貴女の言葉で教えてよ
敵として敬意を持って知っておきたいんだ
お喋りも程々に戦いますか… パメラが
正念場だぜ、テメエの相棒が連れて行かれるかもしれねーんだ…パメラが戦うべきだ
捌式でパメラの鎧になる
クラウが過去の存在などではなく、未来へと共に歩む相棒がいることを見せてやれ!
パメラを徹底鼓舞するよ
予知の突破方法なんざ昔から決まってらあ
炎の翼から火属性攻撃の狐火を放ち続けて防御を打ち崩す鉄板を敢行するぜ
妖力の限界突破し乱れ撃ちだ
アタシだけじゃ多分に足りねーけど、頼れる相棒―クラウが後方支援してくれるっしょ
ダメージは全部アタシが負うからブレずに突っ込め!
巫女に問うが予知にクラウの変化と、パメラの存在は視えていたかい?
願わくば彼女達が切り開く未来に祝福の言葉を贈って欲しいね
クラウの天使核は託すけど慎重に使えよ
一応、帝国側からの情報だったからね
「帝国にも何らかの正義はあった……のかな」
壁画に描かれた戦いに、思いを馳せる四王天・燦(月夜の翼・f04448)。共感力の高い彼女は、その壮大な光景に心を揺さぶられる。
「戦う前に……どんな国だったのか、貴女の言葉で教えてよ」
「……聖帝国は、正しき世界の統治者です。女皇陛下の元、世界は一つとなるのですよ」
その問いかけが本心の物である事を感じ取ったのか、巫女は少しの思案の後、心からの崇拝を込めて答える。それはあるいは、狂信とも呼べるかもしれないが――。
「そのためにも、鍵の船を渡しなさい。聖帝国の再生のためにはそれが必要なのです」
『鍵の船、ですか……』
そんな巫女の言葉を、エイストラのコクピットで聞くノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)。巫女の言葉にも、壁画にも、大した驚きもなく首を傾げる。
『女皇の御座船といった辺りか……それとも女皇復活の鍵か何かですかね?』
「それをあなた方に告げる理由はありません。大人しく船を渡すつもりなら別ですが」
じろり、と視線を向けられたクラウは、その身体をビクリと震わせる。燦はそれを庇うように立ち、ノエルはコクピットで肩を竦めて。
『まあ、答えが帰ってくるとも思っていませんが』
「クラウを渡す訳にもいかねーしな。けど……」
そして燦は、巫女や魔獣への注意を絶やさぬまま、パメラへと視線を向ける。こちらに向け返される視線を、じっと見据えて。
「正念場だぜ、テメエの相棒が連れて行かれるかもしれねー……パメラが戦うべきだ」
「わ、私が……!?」
もちろんパメラもクラウを守る気はあるが、流石に大魔獣と戦うには力不足を自覚しており、戸惑いの声を上げる。とはいえもちろん燦も、今のパメラに単独で戦えなどと言うつもりはなく。
『大丈夫、力は貸すぜ』
「えっ、えっ!?」
その燦の身体が、狐火を纏う鎧へと変わる。目を丸くするパメラの身体に、しっかりと装着され……炎が翼となり、飛び上がるパメラ。
「わ、わっ……」
『ダメージは全部アタシが負うから、ブレずに突っ込め!』
当然、その前には巨大魔獣が立ちはだかる。連結竜の禍々しい巨体に一瞬身を竦めるパメラ、だが燦は強い言葉でその背を押して。後方から、クラウも必死に防御障壁を展開する。
「援護する……お願い、パメラ」
「っ、分かった……!」
燦とクラウの2人から力を得て、全力で魔獣の突破を図るパメラ。降り注ぐ極光のブレスを、炎の翼が防ぎ反らす。
「無駄な事です。喰らい尽くしな……むっ!?」
『無駄はどちらの方でしょうか?』
そして、魔獣に指示を飛ばそうとする巫女へは、エイストラが上空から接近する。当然こちらにも迎撃が来るが、御使いの爪と牙を、踊るような動きで掻い潜り。
『……空はいいですね。どこまでも、どこまでも続く青い空』
その回避の最中、ノエルは一人、コクピットの中で呟く。遺跡は天井が盛大に破壊されており、見上げれば広い空を一望出来る。彼女にとって空は、自由の象徴。無限の光あふれる、解放の国だ。
対して地下は、彼女の故郷。薄暗く、狭苦しく、閉ざされた地下都市。
『地上でのお仕事は、いつも楽しみでした。それがどれほど危険であっても』
ふとそれを思い出したのは、青い空から遺跡へと急降下していく、その機動ゆえか。エイストラと知覚をリンクさせ、全方位を視認する彼女には、空が遠ざかり、地が近づくように感じられる。
まるで深い地の底へ、墜ちていくかのように。
『……。地下構造物の中での高速空中戦こそが、慣れ親しんだ私の戦場です』
「くっ……!?」
その、複雑な感情を表には出さず、ノエルはエイストラを手足の延長のように操り巫女を強襲する。巫女は未来予知によってそれを回避するが、巧みな高速機動でそれを追いかけて。
『なかなか面倒な力をお持ちのようで。私は面倒が嫌いなんです』
「これは大天使の御加護です……!」
次々と繰り出される粒子ビーム砲を、回避し続ける巫女。そしてその巫女を追い続け、攻撃を仕掛けるノエル。
当然魔獣が阻止に来るが、その迎撃を、巧みな空中機動で回避し続けて。
『私を阻める敵はいませんよ』
『よし……今だ、パメラッ!』
そして、魔獣達がエイストラに気を取られている隙を突き、燦は炎翼を噴き上げる。それに背を押されるように、パメラもエンジェルレイピアを手に、巫女へと突き進み。
『お前の予知に、クラウの変化と、パメラの存在は視えていたかい?』
「っ、何を……」
そのレイピアを回避しながら、燦の問いかけに眉を寄せる巫女。まあ、ここでクラウに会うまで存在に気づかなかった事を考えれば、おそらく大天使の託宣はそんなに便利な物ではなかろうが。
『願わくば彼女達が切り開く未来に、祝福の言葉を贈って欲しいね』
「聖帝国に従うのならば、祝福しましょうっ!」
そしてもちろん、巫女のその言葉に従う事は出来ない。聖帝国は――屍人帝国は、オブリビオン(かこ)でしかない。
『クラウが過去の存在なんかじゃなく、未来へと共に歩む相棒がいる事を見せてやれ!』
「っ、はい!」
守りを燦に任せ……燦を信じ、真っ直ぐに突き進むパメラ。巫女は当然回避を図る……が、そこにエイストラのジェットが噴射され、その衝撃波が巫女の動きを止めて。
「くぅっ!?」
『いくら未来予知能力があっても、情報処理の限界を超えれば、避けきれませんね』
その点において、レプリカントたる彼女の能力は、巫女を遥かに上回る。淡々とそれを告げる一方で、パメラは動けぬ相手へ真っ直ぐに、突き進み。
『いけ、パメラッ!』
「やああああっ!!」
渾身の力をこめ、エンジェルレイピアをその胸元に突き立てた。天使核エンジンがフル稼働して、その心臓を貫く。
「か、はっ……!?」
「ノエルさんっ!」
そして魔獣達の反撃を受ける前に、それを引き抜いての一撃離脱。血を吐き出し、動けぬ巫女に、エイストラのライフルが狙いを定め。
『ええ。これで、終わりです』
「っ――!!!」
放たれる粒子ビームの一撃が、断末魔の悲鳴すら上げさせず、巫女の身体を骸の海へと消し去った。
「お疲れ、パメラ」
「はぁぁぁぁ……あ、ありがとうございます……」
燦が鎧から元に戻ると、疲労と緊張から深く息を吐き出すパメラ。だが、戦いの後には最後に、大事なひと仕事が残っている。
猟兵達と共に奥へと向かえば、そこに安置されているのはもちろん、この島の動力炉である天使核。
「クラウ、どう?」
「慎重に使えよ。一応、帝国側からの情報だったからね」
パメラの問いかけや燦の言葉に、クラウは小さく頷いた。天使核に歩み寄ると……その口から、無機質な言葉が漏れる。
『機能照合。適合。マグナ聖帝国製七型天使核を確認。……?』
「く、クラウ?」
クラウ自身も、どうやらその言葉をよく理解していないようで、首を傾げる。だが、パメラの気遣う言葉には、気にしないように首を振った。
「私は、これを知っている……?」
天使核に触れれば、それは輝きを放つ。そしてその輝きは、クラウの胸元に収まっていき、そして――。
「変形開始――離れてください、皆さん」
クラウのその言葉と共に、その全身から機械パーツが展開された。明らかに、質量保存の法則に反したそれこそが、ガレオノイドの力――。
そうして、遺跡の岩壁を破壊しながら、それは元の姿を取り戻した。全長20m弱に及ぶ、飛空艇。
「……く、クラウ? クラウなの?」
『肯定。はい、私です』
パメラの問いに答え、その船から、声が響く。そして甲板から、一人でに縄梯子が投じられて。
『乗船を。天使核を失ったこの島は、墜落します』
「……そ、そうだよね、うんっ……皆さんも、早くっ」
そうして、猟兵達は飛空艇となったクラウに乗り込み、島を後にする。核となる浮島を失った事で、気流の流れも変わって空中迷宮も消失したようで。帆に風を受けながら、飛空艇は進む。
「……はー……本当に飛空艇になっちゃった……」
『肯定。……機能の一部が回復しました』
呆然と、甲板を見渡すパメラ。飛空艇から響くクラウは、そんな言葉を告げる……が、変形機能を取り戻したばかりで、まだ混乱の色も感じられる。
『――情報の処理に時間が必要です』
果たして、クラウが飛空艇としての機能を取り戻した事が、どのような事態につながるのか。どうやら、猟兵達がそれを知るのは、もう少し後の事になるようだ……。
大成功
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