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卑将の謀略からレジスタンスたちを救い出せ

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「あふぅ、今回はレジスタンスたちを助け出すお仕事なの」
 溜息を吐いたのはグリモア猟兵のリュート・アドラー(f26123)だ。
 今日も眠たそうにほわほわと猟兵たちに依頼の説明を続けていく。

 どうやら既に屍人帝国の侵略によって陥落し、支配されている浮島で、密かにレジスタンスを結成して蜂起の時を窺っている勇士たちがいます。
「――だけどその中に屍人帝国のスパイがひとり混じっていて、予知ではそのスパイが原因でレジスタンスが反攻作戦の準備をしていた所で、帝国の強者によって壊滅されてしまうの」
「きっかけになったのは突如起こった飛空艇の爆発で、それに合わせて卑将『ユール・ユラーリン』と飛空艇艦隊が現れると混乱したレジスタンスたちを壊滅させたというのが今回の予知なの」
 当然、見過ごすわけにはいきません。スパイを見つけ出して、レジスタンスの壊滅を阻止しましょう。

「まずは飛空艇への補給を手伝って、スパイを探っていくの」
 飛空艇が爆発したのは恐らくスパイが積み込んだ危険物が原因で起こったものだ、補給の仕事をレジスタンスと協力して行いながら、怪しい動きが無いか探って欲しいと。
「スパイからの合図だった爆発が無ければ痺れを切らし、卑将『ユール・ユラーリン』が現れるはず、それを皆の力で倒してなの」
 予知とは違い飛空艇の爆発に炎上で起こった混乱もなく、十分に勝ち目があるとリュートは言う。
「戦いの後は……もったいないけど、アジトは捨てて脱出なの」
 スパイに情報を流されていた以上、このアジトはもう使えません。
 レジスタンスが新たに見つけた未開の浮遊大陸まで、レジスタンスや住民達を守りつつ向かいましょう。
「だけど、予知では僅かに逃げたレジスタンスも飛空艇艦隊に追われて撃墜されてしまったの」
 なので、最後まで油断をせずに逃げ切って欲しいとリュートは依頼の説明を終えた。

「あふぅ……今日もいっぱい話して疲れたの……」
 とびきり大きなため息と主に吐かれた綿雲は、もこもこと大きな雲の魔法陣になる。
「その綿雲から落ちないように乗ってほしいの、それじゃあいくのー」
 あなた達は綿雲の魔法陣で、レジスタンスの拠点へと転送された。


橄欖石
 こんにちは、本シナリオを担当させていただく橄欖石です。
 今回はレジスタンスの勇士たちに合流し、裏切り者を見つけ出して、レジスタンスの壊滅を阻止するシナリオになります。

 以下、補足です。

● プレイングボーナス
 レジスタンスの勇士たちと協力をする事です。
 レジスタンスの勇士たちは猟兵ほどの強さはありませんが、適切な指示と連携を行えば、なかなか役に立ちます。

● 第1章 日常
 レジスタンスの新入りとしてアジトに入り、紛れ込んだスパイを探し出します。
 猟兵ほどの実力があれば必ず歓迎されるのでご安心ください。

● 第2章 ボス戦
 スパイの手引きでアジトに接近していた屍人帝国の強者と戦い撃破します。

● 第3章 冒険
 スパイに情報を流されていた以上、このアジトはもう使えません。
 レジスタンスが新たに見つけた未開の浮遊大陸まで、レジスタンスや住民達を守りつつ向かいましょう。

 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『飛空艇への補給を手伝って!』

POW   :    ●『荷物をどんどん積み入れていく』

SPD   :    ●『小型の飛空艇で荷物を運んでくる』

WIZ   :    ●『作業が飛躍的に効率化するような術、アイテムを用意する』

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 飛空艇への補給を手伝って!

 猟兵たちはレジスタンスの新入りとしてアジトに潜入する事に成功した。
 猟兵ほどの実力があれば勇士たちは大歓迎だった。
 すっかりと打ち解けた勇士たちとは君たちの提案や相談に快く対応してくれるはずだ。

 食料、水、日用品……。飛空艇が飛ぶためのさまざまな物資が運び込まれていく。
 スパイはこれに紛れ込ませるようなかたちで、危険物や爆発物を運び入れたに違いない。
 どうにかしてそれを阻止し、最初の関門を突破しなければ。

 なにをするにせよ、ただ仕事に没頭するのではなくスパイを探し出す。
 これが猟兵たちの本当の任務だ、忘れずに作業に取り組まなければならない。
ナイツ・ディン(サポート)
「よーし遊ぶぞ!」
ナイツは「」、一人称俺、冷静でありつつ好奇心旺盛
ディロ(竜槍/紅竜)は『』、一人称我、不遜な暴れん坊
ローア(竜槍/蒼竜)も『』、一人称私、丁寧な保護者

好奇心のままに色々見て回る妖精。30歳児。
楽しむことをメインに。やれるアトラクションは全部回りたい派。
「ディロ、次はあっち行こうぜ!」
『おい待てはしゃぐなみっともない!』
暴君なディロでもナイツのテンションには負ける。

スキル変装、早着替えで場所や世界にあった服装をすることが多い。コミュ力も高め。動物と話すで情報収集も。面白いことは逃さないぜ!
『おい、我で遊ぶな!シッシッ!』
ディロが絡まれているのをケラケラ笑ってみていようか。


谷保・まどか(サポート)
怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンです
普段の口調は 人として生まれたもの(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
興奮したり気を抜くと 蛮族育ちの改造体(オレ、お前、だ、だな、だろう、なのか?)

普段は大人しく丁寧かつやや弱気な優等生少女ですが、興奮が強まってくると荒々しく狂暴な性格が出てしまいます

戦闘スタイルは蛮族式肉弾戦と自身の肉体を変容させて異形化しての戦い方を併用します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ。よろしくおねがいします!


チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

「では、吉報をお待ちください」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。



● 作業をしながら不審点を探し出せ

 すっかりと勇士たちと打ち解けた猟兵たち、どうやら急な搬入の予定が入った飛空艇が幾つかあるようで君たちはそこに駆り出された、という訳だ。
「おお、凄い働く新人が助っ人に来てくれるって……きいて、いたんだが……」
 アジトへと侵入した猟兵にレジスタンスは声をかけるが、次第にその声は小さく萎んでいく、何故ならば。
 助っ人に向かった猟兵はフェアリー、僅か30センチにも満たない体躯で勇士たちはこの場に詰まってしまう。
「ええっとな、この荷物を運ぶ予定なんだけど頼めるのか?」
 大きさは猟兵の背丈を優に超えている、それでもフェアリーの猟兵であるナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)は自信満々に。
「任せてくれ、これくらいなら簡単に運んで見せる。な?ディロ」
 その言葉と共にドラゴランス:ディロに宿る紅い竜が現れると、不遜な態度を隠すことない様子で。
『この程度造作もない、さっさと片付けるぞ。ナイツ』
 器用に梱包された縄にと爪を引っ掛け、ディロを背にドローンのように軽々と運んでいく。
「おお、小さいのにとんでもない力持ちだな、凄い新人たちって話は本当だったのか」
「へへっ、あっという間に片づけてやるぜ!」

 レジスタンスへとディロが明るく答えると、怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンの谷保・まどか(バルバロス委員長・f34934)が控えめにレジスタンスに声をかけた。
「あの、この樽も……運び入れる補給品でしょうか?」
「そうだけど、それは1人じゃ運べないぞ。樽だけで100キロはある」
 華奢な少女のまどかに対して、レジスタンスは彼女の見つめたワイン樽について説明する。
 樽だけでも100キロ以上、中身を入れるとそれはさらに5倍にもなる。当然そんなものをいくら凄腕の新人と言えどどうにかできるはずがない。
 なにより無茶されて中身をぶちまけらえても面倒だ、とレジスタンスは搬入用に機械を持って俺たちがやるので、まどかには別の作業を指示しようとするが――。
「そっちはいいから、こっちの――はぁっ!?」
「えっ!? あ、ご、ごめんなさい」
「これって――1つずつじゃなくて2つ一気に運んだ方がいいですか?」
 持ち前の怪力で軽々とワイン樽を抱えるように持ち上げる、彼女の言葉からするに片手で持つことも出来るようだが……。
「い、いや……て、丁寧に1つずつ運んでほしいな、うん……」
 力無くレジスタンスはまどかに答える、レジスタンスの勇士たちはただの凄腕の新人だと思っているが、彼女は猟兵だ。勇士の理外の存在なのだ
……。

「今日からお世話になります、チル・スケイルです」
「皆さん、よろしくお願いします」
 礼儀正しくお辞儀するのはチル・スケイル(氷鱗・f27327)、共に働く事となった勇士たちに丁寧にチルは挨拶していく。
「ああ、よろしく頼む……。アンタは普通に頼りになりそうだな」
 凛とした佇まいに勇士たちは凄腕の用心棒や傭兵がたまたま流れ込んできたのだと安心をしていると、その影から猫のようなくせっ毛の少女、ミルディア・ディスティン(人間のシャーマン・f04581)も明るく挨拶してきます。
「わたしはミルディア、ミルディア・ディスティンにゃ。わたしも今日からお世話になるにゃ。お手伝いは得意中の得意にゃ!」
「……こっちの嬢ちゃんも頼りになりそうだ、これからよろしく頼むよ」
 レジスタンスの勇士たちは見た目で判断する事はやめた、恐らく最近入ってきた新人たちはどこか普通じゃない、と薄々勇士たち気づいていた。
 それでも屍人帝国に反逆するためには腕の立つ仲間が必要だ、"少しくらい怪しい程度"ではレジスタンスたちにとっては問題にならない。
「それにしても凄い数の樽ですね、こちらは全部皆さんで飲むんですか?」
「こういう活動にもどうしても金が掛かるんだ。今回はこうして酒を運搬して稼ぎを出してなんとかやっているのさ」
「どこも大変だにゃあ……、それにしてもこんなに古い樽のお酒が高く売れるなんて変わっているにゃ」
 てきぱきと仕事をしながらチルとミルディアは勇士たちから情報を得ていく。普段仕事で私語をしないチルであったが、明るく人懐っこいミルディアのお陰か違和感なく話に混ざっている。
「古い樽だからだよ、ワインや蒸留酒は古ければ古いほど高く売れるんだ」
「――蒸留酒ですか、ワイン以外にも樽の中身はあるんですね」
「……? そりゃ当あ然だ。同じ酒をこんなに運んでも売れないだろう」
 どうやら急な搬入の予定の大半がお酒の入った樽らしい、もしかするとこれが予知にあった飛空艇の爆発に関わっているかもしれない。

「――聞いたな? ローア、頼んだぞ」
『ええ、私に任せて下さい。他の猟兵へ伝えてきますとも』
「……さって、俺は作業の続きに戻るとしますか」
 ナイツはドラゴランスに宿る碧い竜のローアへと伝言を託すと、紅竜に跨りながら飛空艇の中に怪しい動きをする人物がいないか警戒をしながら搬入作業をするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

風薙・澪(サポート)
穏やかで柔和な少女
だるい、めんどくさいと言いつつも、オブリビオン討伐には顔を出す
ただひとたびやると決めると、行動は早く無駄も少ない
物腰は柔らかで、だらけていなければ優等生に見える

調査や探索は、自身の人当たりのよさそうな容姿を生かして、聞き込みにまわることが多い。
UDC出身だがアックス&ウィザーズにいる精霊を扱う人間に師事しており、
状況が許せば「精霊に聞く」ようなことも行う

戦闘は剣、ポンプアクション散弾銃、魔法を主に使って戦う。
近距離は剣、中距離は銃、遠距離は魔法が主な攻撃手段だが、
状況に応じて距離に拘らず扱う時もある。


中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
「あら、なかなか楽しそうですわね」
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格。楽しそうなことには積極的なおっとりお嬢様。食べ物とかはイタリアン系が好き。
楽しそうな催し物があれば、参加者側でのんびりと参加します。
裕美にでてきて欲しいときは【オルタナティブ・ダブル】も使用可能です。

あと、虫が苦手


ミラリア・レリクストゥラ(サポート)
やや戦いの不得手なクリスタリアンの旅人です。唄を得意とし、必要であれば口だけではなく全身を震動させ発声します。また、ユーベルコードとして唄う場合は様々なサポートをします。
性格としておっとりしている所はあるものの、尊厳を卑劣に踏みにじる行為を見ると許せないと憤怒します。
ビーストマスター適性はかなり限定的で、『地母の恵み』で活性化した大地の恩恵を求め集まったものと一時的な協力関係が築かれます。
食事も呼吸も不要で、大地の放射エネルギーを糧とします。このためスペースシップワールドには適性がありながら苦手意識が強く、近寄りたがりません。

『お祝いですね!一曲唄わせてください!』
『あら?お困りでしょうか…』


架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



● たる、たる、たる。

 急遽レジスタンスの勇士たちが飛空艇で大量に運び込まれる事が決まった樽の中に不審なものがないか、猟兵たちはそこに狙いを絞って調査をする事に決めた。

「狙いを絞らずに調べるのもめんどくさいですし、何よりも軽作業をしながら情報収集というのが、これ以上ない程にめんどくさいわ……」
 ゆるい感じにすっかりとだらけきっているのは風薙・澪(ウィザードウォーリア・f17869)。
「わぁっ! お兄さん、そんなに重たそうな荷物も持てるんですね」
「そ、そうか。ふふん! 何だったら2つまとめて運ぶことだってできるぜ」
 しかし、その美貌と外面の良さからすっかりとレジスタンスの勇士たちの人気者だ。
「さてさて、お喋り好きそうなお兄さんたちを探して情報を聞き出していかないとよね」
 澪は調子のよさそうなレジスタンスの勇士を探すため、また飛空艇の中をうろつき始めた。

「ふふ、こうしたお仕事は何だか新鮮で楽しいですわね」
 多重人格者の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は色々と被害妄想めいたネガティブ思考をこじらせて、別人格を生み出して多重人格者となった。
 故に今回の任務は副人格のシルヴァーナという、積極的なおっとりお嬢様が担当する事になったのだ。
「ええ、屍人帝国の侵略によって支配された浮島で賢明に戦う彼らは素晴らしいです」
「……そんな彼らを裏切る、スパイはとても罪深い」
 レジスタンスについて語った架空・春沙(緋の断罪・f03663)は明るく人懐っこいものだった。
 反面、罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとするように冷たく鋭い物だった。
「しかしながら、確かに蒸留酒の樽というのは火災の原因にはなるかもしれませんが……」
「――果たして飛空艇を爆発する起因なり得るでしょうか?」
「それはそうかも知れません。春沙さんは蒸留酒の酒樽が原因ではない、とお考えでしょうか?」
 シルヴァーナは春沙の推理に同調しつつも、ならば一体何が原因か、と思案に耽っていく。
「あの、私が手伝っていた飛空艇でちょっとトラブルがあったみたいで……」
「トラブル? 一体何があったのかしら」
 クリスタリアンの旅人であるミラリア・レリクストゥラ(目覚めの唄の尖晶石・f21929)もまたレジスタンスの新入りとしてアジトに入り、紛れ込んだスパイを探し出し作戦に参加をしていた。
「どうやら、酒樽とそっくりな大きさと形の樽があったみたいで混ざってしまったらしいんです」
「しかし……そっくりな樽の形なら見分けがつかないのではないでしょうか?」
 ミラリアの説明に春沙は1つの疑念が浮かんだ、ならばそれはどうやって見分ければいいのかと。
「それが酒樽は古いもので、そっくりな樽は真新しい材質なので見分けは容易らしいです」
「ああ、結構古い酒樽を運んでいるという話だったものね」
 レジスタンスの勇士たちから聞いたことを思い出してシルヴァーナは納得したように頷いた。

「それだったら、他と混ざらないようにするために向こうに纏めている、って言っていたお兄さんたちが居たわよ」
 澪は3人の猟兵たちへと、飛空艇を回り作業していたレジスタンスの勇士たちから聞き出した情報を共有していく。
「なんだかやけにめんどうくさそうにしているお兄さんがいてね、話を聞いてみたの」
 運び入れた酒樽のうちで真新しい樽だけは搬出し直せ、って急な指示に怒っていたと。
「大体全部で20樽くらいって話だったかしら。それでその中身については分かっているの?」
 普段から調査任務では聞き込みにまわることの多い澪は、今回も十分な成果を得てることに成功したようだ。
「中身は油です。それは20樽ですか、確かにそれが一度に燃え上がれば……」
 飛空艇を燃え上がらせ、動力である天使核を暴走させるという事も十分に可能だ、とミラリアは言う。
「爆発の原因はそれに間違いがなさそうです、あとはどうにかスパイを見つけ出すだけですが……私に考えがあります」
 春沙は1つの作戦を思いたその内容を仲間の猟兵たちへと伝えていくと、それにミラリアに澪も頷く。
「あら、なかなか楽しそうですわね。それでは他の猟兵さんたちにもご助力を仰ぐとしましょう」
 シルヴァーナは何処か加虐的な笑みを浮かべて、軽い足取りで作戦を開始していく。

 ――さぁ、スパイを捕まえて屍人帝国の強者を引き釣り出すとしよう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ヴェルンド・ラスリス(サポート)
 ダンピールのブレイズキャリバー×死霊術士、30歳の男。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」
口数が少なく、普段は積極的に他人とコミュニーケーションは取りません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。


大豪傑・麗刃(サポート)
基本的には超絶はしゃぐ。23歳児だし。
楽しい事があればハイテンションの赴くままに動き回り、思う存分暴れまわる。

そしてたぶん調子に乗って痛い目見る。


満月・双葉(サポート)
ボディタッチ等の密な接触は嫌い
話しかけられれば応じ、冗談も飛ばす
他人に自分には踏み込ませず、また踏み込まず、つき合いは表面的な者に限りますが、会話が円滑に進むように冗談は飛ばします
表情はないが声に抑揚があり、感情はアホ毛が動いてバレバレ(嬉しいときには嬉しそうに揺れる)
相手のことは苗字+さんで呼び、丁寧語で接するが、相手のボケに対するツッコミに関しては「知らねーですよ」と敬語が崩れ、吐き捨てるような言い切りにですが付属する

食事に関しては少食で少し食べたらお腹がいっぱいになるが、大根に関しては無限に食べ、大根にチョコをかけて食べるなど味付けも少々おかしい
辛いものは苦手


レナ・ストリーム(サポート)
「そんなつまらないことしてないで、あたしと遊びましょうよ。
あたし?あたしは魔女のレナよ。レナちゃんって呼んでいいわよ。遊ばないならあなたの服装もっとよく見せて。その服の拘りはどんなとこなの?」

オシャレ魔女を目指している。色々と成長途中。
口調だけはいっぱしで、ペラペラとそりゃもう喋る。

魔女とは刹那的で楽しさを追求するべきものだと思っている。ので、そのように振る舞おうと努力中。
とはいえひどいことをするのは好きじゃないし、そんなことより皆のファッションが気になる。
味方だけじゃなく敵の服装にも興味津々。

ユーベルコードを使うのは楽しいので、積極的に使っていきたい。

他はお任せ。



● ――嘘だろ!?

「つまり僕たち猟兵が小芝居をして、スパイを引き釣り出せばいいと」
 満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)は外の猟兵たちが情報収集で得た内容と企てた作戦を仲間たちへと伝えていく。
「はっはっはっ、間抜けを罠に嵌めるとは中々に愉快な作戦なのだ。あ、一番おいしい場面は麗刃ちゃんが貰っていいのだろう?」
 大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)がとびっきりのハイテンションで気合十分にその芝居の参加を決める。
 しかし、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)だけは苦虫を嚙み潰したような表情のまま。
「芝居は苦手だ、悪いが道化の役目はやれそうにない」
「まぁまぁ、苦手なら仕方ないわね。ええ、人には得意分野ってものがあるのよ。見たところお兄さんは炎を自在に操れるのよね? 私たちはちょっとこの場に武器を持ち込めていないの。だから一番スパイの拘束に向いていると思うわ、そうよね? お願いしてもいいかしら」
 ペラペラとそりゃもう喋るのはレナ・ストリーム(魔女っ子・f34922)は矢継ぎ早に放たれる言葉でヴェルンドを丸め込む。
「あ、ああ……分かった。それで良ければ力になれるぜ」
「むむ、あいつからは濃いキャラを感じるのだ。しかし、しかし!麗刃ちゃんが一番キャラが濃いからセーフ」
 それに麗刃はギャグキャラ属性で、属性かぶりをしているわけではないと。他の猟兵には伝わらないことを口ずさみ作戦へと望んでいく。

「ねぇねぇ、どころでどうやって人を集まればいいのかしら?」
「白葡萄の酒樽を1樽破壊して実際に呼び出す予定だ。少々勿体ないが実際に壊すことにより真実味が増す。この作戦の内容も一部のレジスタンスには伝えてあるから心配無用だ」
「そう! なら安心ね、どうする? 私がやろうか? ねぇねぇ」
「いや、ここは私がやるとしよう。そうこの大根でね――!」
 ――『大根おろし(ダイコンオロシ)』、双葉は大根による超高速かつ大威力の一撃を放つ。鈍い打撃音と共に樽は破裂し、中身が周囲へと零れ出す。
「きゃーきゃーー! 樽が壊れてあたり一面に変なのが零れちゃったわ!!」
「それになんだかツルツル滑って、何だかお酒じゃないみたいなの。一体なんなのー!」
 どうしましょう!困っちゃうわ!、とレナは楽し気な声が飛空艇を響かせ、次々とレジスタンスの勇士たちから視線を集めていく。
「誰かー! 誰か、助けて頂戴、他のも倒れてしまうそうなの!」
 十分にレジスタンスの勇士たちが集まりだした時に、猟兵たちの作戦は次のフェーズへと移行する。

「そんなに怪しいものがあるなら、近くを明るくして様子を探るしかないのだ」
「そういう訳で……蝋燭に火を灯して近くで確認する……ッ!」
 他のレジスタンスがただただ呆然と野次馬をしている中、麗刃の行動に1人のレジスタンスが慌てて駆け寄る。
「ああ、嘘だな。だが、マヌケは見つかったようなのだッ!」
 中身が油だと知っているのはごく限られたレジスタンスだけ、それも既に猟兵たちによって作戦を知らされている。
 つまり――駆け寄った人物こそが。
「そいつがスパイなのだ!」
 ドォォーーーーンと背に効果音がつくような、異質な決めポーズと共に麗刃は言い放つ。
「それでは……この後は俺の仕事だ。怪我をしたくなかったらおとなしく捕まってくれよ」
 ヴェルンドは地獄の炎を鞭のように活用し、スパイを見事に拘束をしていく。

「さぁ、いいな。屍人帝国の卑将『ユール・ユラーリン』ついて知っている事を喋って貰うぜ」
 鞭で拘束したスパイへとヴェルンドは強く自供を促す、するとレジスタンスのスパイが忌々しそうに。
「無駄だ、たとえ爆発が無くとも。ここについてはもう屍人帝国へ報告済みだ」
「本来だったらレジスタンスを集め爆破、反乱分子を一網打尽という作戦だったが……」
 さらには、ぎろりと傭兵たちをレジスタンスのスパイは睨みつけ言い放つ。
「はっ、逃げたレジスタンスを探すためにどれだけ罪のない住民達が奴に殺されるかな。お前たちのしたことは無駄どころか逆効果なんだよっ!」
「もういい……、後は黙って居ろ」
 ヴェルンドは鞭を締め上げてレジスタンスのスパイの戯言を黙らせ、そんな様子を双葉はどこか楽しそうに。
「相変わらず、希望っていうのは僕のことが嫌いだね。いや、僕も希望が嫌いなんだけど」
 そのような理不尽を打ち破るために猟兵たちが居る。ここからは普段と同じ戦いだ。

 ――卑将を向かい討って斃し、レジスタンスたちを救い出すとしよう。

「いやぁ、スパイが本当に炙りだされて助かったのだ。来なければ麗刃ちゃんも炙られていたかもしれない」
 手にしていた蝋燭の炎をふっと吹き消す。そう、麗刃が持っていた炎は別に偽物でもなく本物の蝋燭だったという事は外の猟兵たちは知る由もなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『卑将『ユール・ユラーリン』』

POW   :    ヴェノム・クロー
【不意打ち、騙し討ちによる攻撃】で敵の間合いに踏み込み、【黒く鋭い猛毒の爪による斬撃】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
SPD   :    毒竜変身
【人としての姿】を脱ぎ、【ヴェノムドラゴン】に変身する。武器「【触れたモノを腐蝕させる猛毒の息】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    青空を隅々まで綺麗にする白い霧
【自身が指揮する飛空艇艦隊】から、戦場全体に「敵味方を識別する【はずのない、自身には無害の猛毒の白い霧】」を放ち、ダメージと【呼吸困難、失明】の状態異常を与える。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 『卑将『ユール・ユラーリン』』

「くっくっく、このユール・ユラーリンを陥れようと思ったのでしょうが……甘かったですね」
 スパイを捕らえ、屍人帝国の卑劣な罠を防いだ君たちの前に卑将『ユール・ユラーリン』がその姿を現した。

「もし作戦が成功すればそれでよし、もしそうでなければ――」
「このように事件を予知した猟兵たちがやってくる、どちらにせよ私の計算通りだったわけですよ」
 余裕を見せるためのユール・ユラーリンによる偽言なのか、それとも本当に彼の策略なのか。
 仮面の奥に爛々と輝かせる卑将からは何も読み取ることは出来なかった。

 しかしながら予知とは違って猟兵たちの活躍により爆発による被害は発生していない。
 もし望むのならレジスタンスの勇士たちとの共闘も行える。
 勇士たちは猟兵ほどの強さは無いが、適切な指示と連携を行えばなかなか役に立つはず
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。

基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。

シリアス以外ならいたずら好きの面も。


トゥルリラ・トゥラリラ(サポート)
 堕天使の四天王×殺人鬼、17歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、キミ、なの、よ、なのね、なのよね?)」、戦闘中は狂える殺人鬼「私、相手の名前、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?」です。

性格は明るく無邪気ですが、殺人や殺戮は遊びとして認識している危険人物です。
【地の魔王】と呼ばれる魔王に仕えていて、その魔王に心酔しています。
実は語尾がおかしい事を気にしています。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


シン・クレスケンス(サポート)
「大抵のことはこなせますので、何でもお申し付けください」
◆人物像
・落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
・窮地でも動じず冷静に戦況を判断し切り抜ける。
◆猟兵になる以前の経歴から調査、情報操作、諜報が得意。
◆戦闘
【破魔】の魔力を込めた銀の銃弾等の詠唱銃による攻撃や、魔術による攻撃を得意としている。
◆UDC『ツキ』
シンに取り憑いているUDC。闇色の狼の姿をしている。
こちらも追跡が得意(魔力を嗅ぎ分けている)で、戦闘は牙や爪で攻撃。
◆口調
・シン
僕/相手はさん付け(使役は呼び捨て)
~です、~ます、~ですか?等丁寧で穏やかな話し方。
・ツキ
俺/お前、呼び捨て。
~だぜ、~だろ、~じゃないか?等男性的な話し方。


シキア・ジェンダート(サポート)
口調 (俺、キミ、だ、だね、だろう、だよね?)
敵には(俺、お前、だね、だよ、~かい?)

踊りと歌が大好きな快楽主義者。平和がどう、とかいうよりも自分が楽しいかそうでないか。異世界交流は楽しい。そしてそんな楽しさを邪魔するオブリビオンは気に入らない。
「俺が楽しければそれでいいんだよ、だから邪魔」
「あーあー美しくないなぁ。せめてキレイに死んでくれない?」

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)




「レジスタンスたちを助けて嘸かし悦に浸るっているのでしょうね」
「くふふ、では――その貴方たち猟兵が守ったものが如何に脆弱なものか、見せてあげましょう」
 ユール・ユラーリンはレジスタンスの拠点へと自身と共にやってきた飛空艇艦隊に指揮を出し白い霧を散布していく。
「げほっ、げほっ……苦しい、それに目が……」
 それは戦場全体に敵味方を識別するはずのない、ユール・ユラーリンには無害の猛毒の白い霧はレジスタンスの勇士たちにダメージと呼吸困難、失明の状態異常を与えていく。
「夏至の夜を汚す悪しきものを追い払え、聖なる炎を消す水の流れを探し出せ」
 苦しむレジスタンスの勇士たちを助けるべく、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は火をつけたハシバミの枝を振るっていく。
 戦場に散布された『青空を隅々まで綺麗にする白い霧』の流れを充分に理解し、毒性を祓う事で、その状態異常を無効化することに成功した。
「大丈夫ですか? これで少しは楽になったはずですが……」
「お陰様でなんとか……、助かったよ。……そうか、アンタらは猟兵だったのか」
「ええ、皆さんを助けるために駆け付けました。それは私だけではありません」
 遙は頼れる仲間の猟兵が居る事を伝え、猛毒により士気が下がった勇士たちへを激励する。
「成分が甘かったですかね、仕方ありません。次は最新のものをしようしま――」
 ユール・ユラーリンはその言葉を言い切るまでに、その身に鋭い衝撃を受ける。
「あら? 思ったよりも感がいいのね、でも――まだまだ手を貸してくれる人はいるのよ?」
 矢継ぎ早に凄腕の暗殺者の霊を召喚していくのは、トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)。
「くふふ、私も不意打ちや暗殺とかは得意分野ですので多少は心得があるのですよ」
「そう! じゃあ、楽しい遊び相手になってくれそうね。これで頑丈なら嬉しいんだけど!」
 明るく無邪気な女の子に見えるトゥルリラだが、その実は殺人や殺戮は遊びとして認識している危険人物である。
 故に躊躇などという者は存在せず、凄腕の暗殺者の霊は様々な暗器による暗殺術・近接格闘術で攻撃する能力によって、ユール・ユーラリンを着実に追い詰めていく。
「あはっ! ねぇねぇ、私ともちゃんと遊んでよ!」
 身体能力を向上させる魔力が込められた、皮製の立派な鞘から『殺戮大鉈』を引く抜くと殺戮の為だけに鍛え抜かれた、禍々しく鋭利な大鉈でユール・ユーラリンを削ぎ抉る。
「これはこれは、随分と醜悪なものを食べてしまったようです」
 名も無き古書を捲りながらシン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は、落ち着いた雰囲気で物腰柔らかにユール・ユーラリンを双眸に捉える。
「おやおや、お行儀の悪い頁ですね。さぁ、お返ししてください」
「……要りませんよ。受け取ったものはちゃんと、そのまま貴方が処分してください」
 シンの名も無き古書の、乾いた血で塗り潰された頁に先程の『青空を隅々まで綺麗にする白い霧』が吸い込まれていった様子を見たユール・ユーラリンは、丁重に返却の要求を否定するが。
「元は貴方の猛毒ですよ? ただまぁ――ちゃんと貴方にも機能するように少しだけ、書き直してますけれどね?」
 シンは名も無き古書の、乾いた血で塗り潰された頁から、戦場全体に敵味方を識別するはずのない、ユール・ユラーリンに"のみ"有害の猛毒の白い霧を散布していく。
「くはっ、中和剤で……毒を消さねば……くぅ……」
 仮面越しにユール・ユラーリンの酷く苦しそうなくぐもった声が聞こえる、どうやらシンのユーベルコード『大食らいな頁(グラトニー・コーデックス)』は見事に、ユール・ユラーリンに"のみ"有害の猛毒の白い霧を作り出すことに成功したのだ。
「なんとも醜悪なステージだね。でも、本当のプロというのはどんな舞台でも踊りきって見せるものさ」
 豪奢な衣装をはためかせ、妖精かと見間違うほどの美男の舞姿を披露するのはシキア・ジェンダート(翠銀の魔踊・f31492)。
「だけど、俺1人ではちょっとこの舞台を満足させるのは難しそうだ。だから――」
「『其は焔、其は正義と憤怒の果て』……スズネ、燃やして」
 詠唱と共にユーベルコード『繋喚式「緋怒の昂焔」(スズネ・イーラ)』を解き放っていく。
 シキアの周囲に展開した術式から、スズネと悪魔が怒りを感じる程威力が増す炎の術を操る悪魔「緋怒の昂焔」(スズネ・イーラ)」を顕現させることに成功した。
「ああ、奸佞で醜悪な、奸邪をまき散らすような低劣の前に私を呼び出すとはな」
 黒髪に緋色の瞳の女性のスズネと呼ばれた悪魔はじっと不満を隠す事が無い負の感情を浮かべて、シラキを見つめる。
「……でも、俺もシラキもああいうやつは許せない、そうだろう?」
「ああ……そうだな、あのような自分の手を汚さずに苦しむさまを楽しむ下種は筆舌に尽くし難い」
 緋怒の昂焔は術者のシラキとスズネ自身が怒りを感じる程、強い炎を纏う事が可能だ。
 ――故に、熱風と灼熱の劫火が凶器となってユール・ユラーリンに迫る。
「好きなだけ紅蓮の衣装を見纏って、踊り狂うといい」
 緋怒の昂焔の放った炎から、ユール・ユラーリンの影が映る。それはまるで得体えたいのわからない動物がもだえもがいているようだった。
「因果応報ってやつだよ、長年生きていれば厭ってほど見ているんだ。人の道から外れた行いの報いが来る瞬間をね」
 もだえもがいているユール・ユラーリンの影へとグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は古めのハンドガン型ブラスターの引き金を弾いていく。
「あんたに報いを与えるには、特別な因果も因縁も英雄譚に出るような大層な武器も必要ないよ」
「ほんの指先1本分。それだけで十分さ」
 グレナディンは見えない熟達したサイキックエナジーを放ち、ユール・ユラーリンの袂を捩じりきるように掴んでいく。
 この技術に特に秘密はない。老齢の猟兵が繰り出す技が老練なのは必然だ。その技術がユーベルコードへと昇華したのが『老練のサイコキネシス(エクストラ・サイコキネシス)』。
「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ。――あたしはまだまだ伸び盛りなのさ」
 締め付けられ悲鳴をあげるユール・ユラーリン、こうして戦況は猟兵たちの優位に進んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃
さてサポートに拾ってもらったのも何かの縁。きみに恨みがあるわけでもないが、このわたしが相手になってやるのだ。

……あ。上の人。サポートプレイングに書いてない私が悪かったのだが、わたしの一人称は『麗ちゃん』で頼むのだ。刃抜きで。

それはさておき。
えっときみの名前は

ゆるキャラくん

か。なるほど見ようによってはそう見えなくもないのだ。
違った?ごめんごめん

ゆらゆら揺れてるくん

よく見たら残像できてるのだ。

きみの技を4発くらうと死ぬと。
なるほどわたしは野辺の骸になるというわけか。

ヴェノムクローだけに

とネタで相手が笑って(あきれて?)不意打ちする気すら起きなくなったところでレジスタンスのみんなとフクロにするのだ。




「さて、こうしてアジトに潜入したのも何かの縁。きみに恨みがあるわけでもないが、このわたしが相手になってやるのだ」
 大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)はハイテンションに武器の切っ先を向け煙が濛々と立ち上る中、宣戦布告代わりの言葉を卑将 ユール・ユラーリンに言い放つ。
「アンタは一芝居を打ってスパイを炙りだしてた……猟兵だったのか。確か名前は……『麗刃ちゃん』!」
「……いや、違うのだ。レジスタンスの勇士くんよ」
「――私の名前は『麗ちゃん』で頼むのだ。刃抜きで!」
 ビシッと指を突き立てて、大切な事なので念入りにレジスタンスの勇士たちへと通達していく。
 これで二度と麗刃の名前を間違えて呼ばれる事はないはずだ。

「それはさておき。えっときみの名前は『ゆるキャラくん』か」
「いや、さっき見た姿と随分と姿が違うのだ。もしかしてイメチェン? それとも2Pカラーに変更したか?」
 緋怒の昂焔に焦がされ、サイキックエナジーよりすっかりとその姿は煤け白衣は原型を留めない。
「黙れ……、黙れ、誰が好き好んでこのような格好になったと……」
「ああ、ゆるきゃら業界は入れ替わりが激しいのだな。企業努力というものを馬鹿にするつもりはないのだ」
 しげしげと麗刃は注意深くユール・ユラーリンの姿を見つめ、その姿が幾重にもブレて重なるようにしていることを聡く見附る。
「ええっと、『ゆるキャラくん』改め『ゆらゆら揺れてるくん』? 怒って揺れてるのだ? それとも分身しているのか?」
「――そんなに気になるなら、私のこの『ヴェノム・クロー』を試してみるか?」
 麗刃の間合いに踏み込むようにゆっくりとゆらゆらと、ユール・ユラーリンは用心深く少しずつ迫っていく。

「ほうほう、きみの技を4発くらうと死ぬと。なるほどわたしは野辺の骸になるというわけか」
「ヴェノムクローだけに! ヴ ェ ノ ム ク ロ ー だ け に !」
 ネタキャラとしてのある種のプライドを籠めたギャグ、『ネタキャラとしての矜持(ソレデモワタシハギャグヤネタガヤリタイ)』を解き放った麗刃は、ユール・ユラーリンの身体を傷つける事なく不意打ち、騙し討ちによる戦闘に挑む姿勢を打ち砕いた。
「もういい、道外師も譫妄を拗らせたような輩も相手にする気はない、やる気がないならさっさと退――」
 呆れ果て不意打ちする気すら起きなくなったユール・ユラーリンは踵を返しながら、吐き捨てるように言った言葉を麗刃は言い切り前に仕掛けだす。
「今なのだ! 勇士くんたち! 麗ちゃんと共に『ゆらゆら揺れてるくん』をフクロにするのだ!」
「……あ、ああ! 任せてくれ!」
 レジスタンスの勇士たちは撃鉄を起こし、引き金を絞るとユール・ユラーリンへ弾丸が金属音を伴って乱れ飛んでいった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イスラ・ピノス(サポート)
 セイレーンの冒険商人×ゴーストキャプテン、15歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、兄弟姉妹には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



ヴェルンド・ラスリス(サポート)
 ダンピールのブレイズキャリバー×死霊術士、30歳の男。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」
口数が少なく、普段は積極的に他人とコミュニーケーションは取りません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。


フィリリアンナ・フェアリーガーデン(サポート)
『ボクに不可能なんて字はないのですよっ!』
僕の天才的な頭脳があれば大体のことはちゃちゃっと解決できるのですよ!
便利な魔法の数々をご覧あれです!
戦闘では味方を巻き込まないように注意しつつ強力な魔法で殲滅です!
基本的に詠唱は必要なので気を付けて下さいね。
まぁ足を引っ張るような真似はしないので平気でしょう!
あ、それとA&Wワールド以外はあんまり行ったことないので、ちょっと興味深々になるくらいですかね?
やはり見たことのない景色や知らない知識というのは尊いものですからね。

他の方との絡みとか、連携などはお任せします。よろしくお願いするのですよ!


桜雨・カイ(サポート)
UCは状況に応じて使い分けます。他の人との連携も歓迎
基本は人を守る事を優先して行動します。

人に害を与えるならその間に入り戦います。
自分が傷ついても絶対に人を傷つけさせません
……でももしオブリビオンに対して説得や浄化ができる希望があれば、救える方法を探したいです。


シン・クレスケンス(サポート)
「大抵のことはこなせますので、何でもお申し付けください」
◆人物像
・落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
・窮地でも動じず冷静に戦況を判断し切り抜ける。
◆猟兵になる以前の経歴から調査、情報操作、諜報が得意。
◆戦闘
【破魔】の魔力を込めた銀の銃弾等の詠唱銃による攻撃や、魔術による攻撃を得意としている。
◆UDC『ツキ』
シンに取り憑いているUDC。闇色の狼の姿をしている。
こちらも追跡が得意(魔力を嗅ぎ分けている)で、戦闘は牙や爪で攻撃。
◆口調
・シン
僕/相手はさん付け(使役は呼び捨て)
~です、~ます、~ですか?等丁寧で穏やかな話し方。
・ツキ
俺/お前、呼び捨て。
~だぜ、~だろ、~じゃないか?等男性的な話し方。




「随分と追い詰められているみたいだし、後は僕らで片付けてしまおう」
 ぴょんと跳ねる水髪揺らして、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)は意気揚々と追い詰められたユール・ユラーリンを追い詰める算段を立てていく。
「つまらない芝居に付き合ったんだ。上手くいかなくては困る」
 アジトへの侵入から任務をこなし続けていた、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)は気鬱たる想いを隠さずにため息を溢しぼさぼさに伸びたその髪を揺らしていく。
「あはは、どうやらスパイは探しも大変だったみたいだね。僕は楽しそうだし、そっちも参加したかったけど」
「だったら……次の機会があったら、アンタにその役目を譲るよ。俺には性に合わない」
 イスラとヴェルンド、猟兵でなければ出会わなかったかも知れない程に気質が違う彼らだが、いざ戦場で巡り合えば瞬く間に息を併せて背中を預かう事も珍しくないのは実に不思議だ。

「まずは、先手必勝。ボクに不可能なんて字はないのですよっ!」
 当然、猟兵はまだまだ変わった者もいる。そう――フィリリアンナ・フェアリーガーデン(超ド級天才魔導妖精・f00685)もまたその1人だ、フェリリアンナは独自の理論と心情に従いブレることなくその道を突き進む。
「精霊よ、精霊よ、愛する友に希望の唄を。絶望を否定せよ、暗き闇夜を拒絶せよ、天塞ぐ障害を退けよ、陽射しを以て今此処に夜明けを示せ!」
「――『カオス・デイブレイカー』ッ!!」
 足元に八芒星の魔法陣を写し出し頂点にフィリリアンナへと立つと、その背に四対八枚の翼のように妖精杖で束ねて、地・水・火・風・雷・氷・光・闇の8属性の精霊力を束ねた巨大な魔力光線をユール・ユラーリンへと、妖精杖で束ねて砲撃魔術を放っていく――。
「くはっ……、妖精風情が……随分と高等な魔術を行使するものですね……」
「ですが、その小さな体では直ぐにこの毒で動けなくなるはずです」
 ユール・ユラーリンは『青空を隅々まで綺麗にする白い霧』を解き放つ。戦場全体に敵味方を識別するはずのない、自身には無害の猛毒の白い霧が放たれ始めていく。

「させません、その攻撃は既に対策済みですよ」
「ええ、その攻撃は既に記憶済みです。当然――仲間の猟兵に情報を共有していますとも」
 匂ひ袋を手にしユール・ユラーリンへと言い放った、桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)言葉に続いて、シン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は名も無き古書の、乾いた血で塗り潰された頁を開いて呆れたように言う。
「常に携えられし香りは、既にわたくしの香りに非ず」
「混ざり合い新たに生まれし香りは、我が面影となりてあなた様を守らんとす」
 ――『馨る面影(カオリダケデモイツモアナタサマノオソバニ)』。カイの携帯している匂ひ袋である、『藤桜』から戦場全体に解き放たれた『青空を隅々まで綺麗にする白い霧』に対して、守護の想いのこめられた強い香りの花弁を放つと塗り替えるだけでなく、ユール・ユラーリンに意識朦朧と虚脱を与えていく。
「これは――できれば使いたくなかったのですが……もういい……ああ、もう、容赦はしません。」
 ユール・ユラーリンの幽霊のような白衣を纏った体躯が、瞬く間に肥大化していく――。
 白衣が延伸したその体躯に耐えきれず、引き裂かれると――そこには『ヴェノムドラゴン』となった、ユール・ユラーリンの姿があった。
「……この姿でいる限り、ああ、本能に、破壊の衝動に飲まれ、この私が獣と化していく――」
 もはや、『毒竜変身』を解き放つことで人としての姿を脱ぎさり、なりふり構わなくなったユール・ユラーリン。

「それが貴方の切り札ですか、ここまで隠しておいたにしては少々興ざめですね」
 どこかユール・ユラーリンの隠された切り札に警戒していたシンはこの程度で良かったと、内心安堵の息を溢す。
「ここまで自分を犠牲にする覚悟が無いとは、本当に呆れてしまいますよ」
 巨大な体躯となった、ユール・ユラーリンの死角から魔力でつくった白銀の枷と鎖を放つ。
「神を捕らえし鎖よ、我が名において今一度顕現し彼の者を捕らえよ」
 毒竜と変貌したユール・ユラーリンの体躯を、高速で捕らえ、顎を雁字搦めに縛り上げることで触れたモノを腐蝕させる猛毒の息を解き放てぬように封じていく。
「――最初から自分すらも手駒に計算していれば、結果は別だったかも知れませんが」
 そんなつまらないもしもの話は、どのページにもありませんけれどね、と退屈そうに古書を閉じた。

「タイミングばっちり、それじゃあ僕もエース・イン・ザ・ホールを魅せてあげようかな!」
 イスラは全身を発電と吸収する泡のオーラで覆う、それは常にしゅわしゅわとばちばちと音を奏で彼女の戦闘力を向上させていく。
「ばちっといくよ――『ソーダパワージェネレーション』ッ!」
 奔らせた煌きを纏わせたイスラの拳は、邪竜の身体に減り込み苛烈すぎる勢いの衝撃を与えていく。
「あ、侮るな、この、ユール、ユラーリン、を――賎しめる、ことは、赦さぬ――」
 邪竜となって肥大化した、その黒く鋭い猛毒の爪をゆらゆらと揺らしながら隙をつくように斬撃を試みる。
「小手先の小細工は――踏みつぶすまで」
 獄炎の血に覚醒して、ヴェルンドは怨嗟の復讐鬼に変貌していく、それは『覚醒する怨嗟の復讐鬼(デッドライン・アヴェンジャー)』。
「復讐のためなら明日はいらねぇ!」
 ヴェルンドは怨嗟によって爛々と燃え上がる獄炎へと、命という名の薪を次々と投げ入れ続ける――。
「理性? 自分の命? そんなのは――目的の前には些細な代償だ」
「てめぇと俺とは、勝つための覚悟の土台が違い過ぎるんだよッ!」
 命を糧に燃え上がった復讐の黒十字架で、ヴェルンドは邪竜へ地を揺るがさんばかりの咆哮と共に切り伏せた。
「仕上げは念入りに、だよね! 僕たちもダメ押しに行くよ、お兄さん」
「ええ、沸かしました。お嬢さん――皆を守るために力を振るいましょう」
 フィリリアンナは妖精杖リリーフィアンナを構え全力魔法を放ち、カイも呼吸を合わせるようになぎなたで邪竜の巨大な体躯へを切り裂いていく。
「アアアァァァァッ―――!」
 猟兵たちの苛烈な連携を前にユール・ユラーリンは苦痛の咆哮を洩らしていた。
「もちろん、つまらないラストリゾートも許さないよッ!」
 ショーダウンまでは決してイスラは手を緩めない、爆ぜるような振盪でユール・ユラーリンの空の手札を露わにするのだった。

 もはや卑将『ユール・ユラーリン』に起死回生の最後の手段は残されていない。
 ユール・ユラーリンの敗因はただ1つ、君たち猟兵の事を侮っていた。
 ――すべては、その1点に尽きるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 冒険 『空中チェイスはどこまでも』

POW   :    大声や空砲で威嚇する

SPD   :    相手の頭上を狙い、急降下する

WIZ   :    相手に一度撒かれたふりをして回り込む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 脱出空中チェイス

「猟兵の皆! もうこのアジトは使えない」
 スパイに情報を流されていた以上、このアジトはもう使えないとレジスタンスの勇士たちは猟兵たちに言う。

「すまないが次の浮遊大陸まで、護衛して貰えないだろうか」
 どうやらここには勇士たち以外にも力を持たない住人たちが大勢いる。
 彼らの乗り込んだ飛空艇を守りながら次の目的地へと向かわなければいけない。

 どうやらもう少しだけこの依頼は続く。
 彼らを届けまでは一瞬たりとも気の抜けぬ戦いであるのは変わらないようだ。

======================================

 追手として屍人帝国の騎士が放たれ、飛空艇を襲ってきます。
 騎士たちは屍人帝国に仕える修道騎士達で、背中に背負ったロケットで執拗に猟兵たちを追いかけます。
 時には自爆することで周囲に大きな被害を出すこともあるようで、追い詰めても油断は禁物です。

 また、勇士たちに猟兵ほどの強さはありませんが、指示の元そこそこ戦うことも出来ます。
 飛空艇の操舵で勇士たちの腕を存分に発揮してもらえれば、優位に脱出できるはずです。
スフィア・レディアード(サポート)
『皆さん、頑張りましょう!』
 ミレナリィドールの妖剣士×鎧装騎兵、21歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は元気で、楽しい祭りとかが好きな少女。
武器は剣と銃をメインに使う。
霊感が強く、霊を操って戦う事も出来る(ユーベルコード)
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」

移動時には、急ぐ要素があれば、ライオンライドを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。

共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。

アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。


グリュック・ケー(サポート)
「なんかよく分かんないけど、よろしくなっ」
ノリのいい兄ちゃん。旅が好きでふらふら出歩いている割には呼べば現れる。ひとりも好きだが大勢も好き。楽しそうなことには顔を突っ込みたがる。汚れ役も引き受けられる基本的にいい人。
プリンと睡眠が大好きで常にプリンを持ち歩き、少しでも時間が空けば夢の中へ。寝起きはいいほうだが寝つきがかなり良い。
普段から顔を隠しているが、「見せて」と言われれば普通に見せる。
好戦的というわけではないが、必要であれば躊躇わない。
ユーベルコードも普通に使う。正面から戦うよりかは罠をかけるほうが好き。


ヴェルンド・ラスリス
最後の仕上げだな。殿は任せてもらおう。

『怨嗟の血杭』を使用して、追跡してくる敵兵に対して、弾幕を張って撃ち落としてしまうか。


シャーロット・ゴッドチャイルド(サポート)
ダークセイヴァ―の貧しい農村に生まれた聖なる力を宿した女の子です。暗い過去を背負った子ですが、いつも周りに気を使っていて笑顔を絶やしません。

ホーリー・ボルト~光の精霊の力で、光属性の魔法の矢を放ちます。
エレメンタル・ファンタジア~炎の精霊を呼び出し、炎の竜巻を巻き起こす。予想以上の威力のため、制御するのがやっと。
絶望の福音~10秒後の未来を予測する。
生まれながらの光~左の手のひらにある聖痕から他者を癒す。

「私は笑うって決めたの・・・じゃなきゃ、前に進めないもん!」

エロやグロに巻き込まれなければ大体のことは大丈夫です。



● しんがりを務める猟兵たち

 浮遊大陸に向かうために、レジスタンスの勇士たちは戦う力を持たない住人たちを先に乗せていく。
 しかし――、ここは元々屍人帝国が支配している浮島だ。
 騒動に気付いた屍人帝国の兵士たちが脱出を阻止するために集まってくる。
「こんなところにレジスタンス風情がこれほどいたとはな」
「――っ! まだ全員乗り込んでいないのに、ここまで来やがったか」
 屍人帝国の騎士たちの登場に、レジスタンスの勇士は慌てだして飛空艇の誘導も滞っていく。

「最後の仕上げだな。殿は任せてもらおう」
 思えば長い依頼だったなと、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)は背中に担いだグレートソードを構え、屍人帝国の騎士たちへと対峙する。
「そういうことよ、あなた方に私たち猟兵が犠牲何か出させないよ」
「だから、安心してあなたはあなたの出来る仕事をして欲しいな」
 深紅に染まったゴシックの衣装、絹糸のように美しいツインテールのシャーロット・ゴッドチャイルド(絶望の福音・f23202)はレジスタンスの勇士たちを元気づける言葉を投げかける。
「そういう事だ。 ――こっから先は一歩も通さない」
 芭蕉の葉に似た形状の美しい中国扇を持ったグリュック・ケー(なんか黒い・f32968)が手を振るうと、芭蕉扇から稲妻のように閃くとみしりっと、床に真っ直ぐな亀裂が入っていく。
「いいですね、その防衛線。分かりやすくて丁度いいです」
 スフィア・レディアード(魔封騎士・f15947)は中国扇を振るった、グリュックの方へと見るが黒衣のような全身を覆う服を着ている為、表情がよく見えない。
「あれだけの動きをしていて見えないとは……やりますね」
 偶然という訳ではないだろう、自然な仕草としてそれを可能としている卓越した技術にスフィアは敬意をはらうように言った。
「ふふ、そういう訳で住人様の誘導は勇士様に頼みましたわ」
「――だが、それではあなたら猟兵はどうするんだよ!?」
「それはないしょ、ですわ。勇士様」
 レジスタンスの勇士の言葉に響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は丁寧で柔和な笑みで語り掛けるが、その言葉には有無を言わせぬ見えない圧のようなものがあった。
「わ、分かった……。だが、礼はしたい。必ず生きて会おう」
「ふん、いいから早くしろ」
 ぶっきらぼうに言葉少なげにヴェルンドで手を払うように指示を出すのだった。

 当然それを赦すはずもなく、屍人帝国の騎士はそれを阻止すべく動き出す。
「己の罪を地獄で詫びろ!」
 屍人帝国の騎士へ血の杭を放つことで牽制、杭を受けた騎士たちは鎧の内側から獄炎に焼かれ、苦痛の咆哮を洩らしていた。
「ぐっ、あああっっ!!」
「――どうした、この程度ならそのまま焼き殺すぜ」
 ヴェルンドが『怨嗟の血杭(ヴァンパイア・ブラッドパイル)』を解き放ち、休む間もなく血の杭を打ち出していくと、レジスタンスの勇士たちが光の粒に包まれていく。
「皆様に戦神のご加護がありますように……」
 それは『戦神のご加護を(ゴッド・ブレス・ユー)』、先程のレジスタンスの勇士たちへと伝えた力強い言葉はリズの演説。
「さぁ、皆様にも。勇士様の為にも共に力を合わせましょう」
「はい! ――ッ! 何だかあっちの動きが不穏ですね」
 リズの言葉にスフィア頷くと光のオーラに包まれ、戦闘力が飛躍的に上昇していく。
 光のオーラはスフィアだけでなく、シャーロックとグリュックにヴェルンドも同様に強大な支援を同時に行っていく」
「やっぱり! あなたの動きなど、見抜いているよ!」
 部隊を分けて妨害を試みようとしていた、屍人帝国の騎士に対して行われた『予知霊視(ヨチレイシ)』。
 スフィアは魂の動きと霊視能力により、未来予知ともいえる精度の予測で事前にその奇襲をいち早く察知した。
「言ったでしょ。ここから先は俺たち猟兵で通行止め」
 グリュックは光のオーラを纏わせたダガーによる素早い一撃で出鼻を挫く。
「回り道をしたって無駄だよ。下手に戦力を分散するだけ愚策だね」
「そんなに回り道が好きなら、少しの間、迷宮の中にいてくれる?」
 スフィアは戦場に迷路のような幾何学模様を展開させていると、それに気づいたグリュックは楽し気に笑い。
「いい作戦だね。時間稼ぎにはもってこいだ」
 瞬時に理解しグリュックは同質のユーベルコードを解き放ち、二人の猟兵たちは戦場全体に透明なガラスで出来た迷路を作り出す
 迷路は屍人帝国の騎士の槍でも早々に壊すことのできない硬度を持ち、出口はひとつしかない。
 いくら破壊されようとも、もう一方が瞬く間に『ラビリンス』を作り出して再構築していく。
 ――こうして無事、レジスタンスの勇士たちと戦う力を持たない住人たちが逃げ出すに十分な時間を猟兵たちが稼ぐことに成功したのだ。

「――行ったか、俺のようにつまらない男を増やしてもしょうがないからな」
 苦手な潜入任務に気に入らない屍人帝国の強敵との戦い、それはヴェルンドが復讐に囚われ続けているからに他ならない。
「ここにはどんなところにも行けるような空がこんなにも広がっているのだからな」
 思わず普段とは違い、口数多く心情を吐露してしまったヴェルンドだったが、不思議と大きな達成感に包まれるようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃
さてネタは先刻やりつくしたので、ちょっと今回はガチ剣士モードでいってみようか。
わたしは剣士なので、やはりこういう時にできるのは剣を振るう事。今回は右手にサムライブレイド、左手に最近入手した新世界の日本刀とやら(贔屓目や慣れの問題かもしれないがやはり刀はエンパイア産の方がすぐれている気がするのだ)を構え、甲板の上に立つ。
そして襲ってくる敵に向けて刀を振るうと、三日月形の衝撃波が敵を襲うのだ。
くらえ!必殺の……く、く、えっと……

空挺部隊!

ってそれは敵の事だ。えっと、く、く……

食らって爆散!!

いやそういう効果なんだけど。えっと、く、くれ……

暮れる夕焼けきれいだな!

……
ともあれこれで敵を追い払うと。


虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!


赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ


アニカ・エドフェルト(サポート)
『よろしく、おねがいします。』
 オラトリオのサウンドソルジャー×聖者、6歳の女です。
 普段の口調は「読点やや多め(わたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、あわてた時は「読点少なめ(わたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。



● 屍人帝国の騎士を迎え撃つ猟兵たち。

「最後くらいはしっかりと剣士らしく決めてみるのだ」
 気付けば最初から大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)はこの任務を引っ搔き回し活躍を重ねた、もう十分にネタキャラの矜持は示すことが出来たはずだ。
 ならばこそ、後は剣士としての正当腕前を示すのみだ。
「うーむ……しかし、何ともまだ手に馴染まないのだ」
 新たに転移が可能となった世界『シルバーレイン』で仕入れた日本刀を麗刃は何度も握り直し、少し納得がいかないように首を傾げる。
 エンパイアのサムライブレイドの方が優れている、そう思ってしまうがきっと何処かで贔屓目があるからではないか、と武人としての麗刃は自分をそう客観的に評価した。
「案外その勘は間違っていないかも知れませんよ?」
 黒い刃をもつ蛇腹刀を虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は取り出すと、丁寧さを心掛けたような綺麗な口調で云う。
「俺も別の世界で蛇腹刀を見かけた事がありますが、同じ材質でも妙に馴染まなかったという経験がありましてね」
「あ、わかるー! スマホんも見た目とかが同じでも全然中身が違うんだよ」
 象が飛び乗っても大丈夫!が売り文句の無駄にタフな防塵防水対応のスマホを赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)見せながら言う。
「シルバーレインだと、もっと最新のスマホとかあるのかなー?」
「スマホ! 私も知っているよ、それで遠くの人とお話をしたり、写真を撮ったり映像を記録する事が出来るんだよね!」
 ふふー、とアニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)はスマホについての知識を得意げに披露すると、厳・範(老當益壮・f32809)は感心したように何度も頷く。
「ほう、そのような宝貝の如き器具が数多出回っているとは信じがたい」
 随分とからくり機械が進歩したものだ、と薄い鉄の板でどのように機能するのか深い思案に耽る。
「わっ! お外が何だか騒がしいよ、追手が来たみたい。皆で甲板に出て向かいうつよ」
「了解、ぱぱっと私たちで倒しちゃおうか」
 アニカと緋色の言葉に口火に猟兵たちは甲板へと駆けだした。

 右手にサムライブレイド、左手にシルバーレインで仕入れた日本刀を構え、甲板に立つ。
「くらえ!必殺の……く、く、えっと……」
「――空挺部隊ッ!!」
そうして麗刃は襲ってくる屍人帝国の騎士たちに向けて刀を振るうと、総毛立つような白刃の光とともに三日月形の衝撃波が騎士に迫っていく。
「ほう、流麗な業ですね。どうしても俺の業は荒々しく困ってしまいますよ」
「雷は炎となりて――、響き渡れこの青空に。『霹靂(ヘキレキ)』ッ!」
 朝霞の紫雲刀が紫に煌めいて、飛空艇へと休む間もなく迫ってくる屍人帝国の騎士たちに、迅雷が落ちるとその体躯を燃やしていく。
「……ってそれは敵の事だ。えっと、く、く……」
「――食らって爆散ッ!!」
 なかなか自らのユーベルコードの名前を思い出せず麗刃は頭を捻りながらも、三日月形の衝撃波が騎士を放ち続ける。
「あはは、お兄さん。随分と面白い技を使うんだね」
「私はレジスタンスの勇士さんたちに手伝って貰って派手にいこうかな!」
 私に続いて砲撃をしていってね、と緋色は高いコミュ力ですっかり打ち解けた勇士たちと連携を行っていく。
「ああ! 俺たちが力になれるなら何だって言ってくれ!」
「いっくよー! ひっさーつ! 『セミオートバースト』!」
 連射を抑え命中重視にしたガトリングと、レジスタンスの勇士たちによる援護射撃の砲撃で横殴りの雨のごとき弾幕を構成して空間を制圧していく。
「……いやそういう効果なんだけど。えっと、く、くれ……」
「――暮れる夕焼けきれいだなッ!」
大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)
 背中のジェットパックを噴射させながら旋回することで抜け出した屍人帝国の騎士が向かう逃げ道を三日月形の衝撃波が塞いでいく。
「力の限り、どこまででも、ですっ!」
 強い意思の力が形になった奔らせた煌く光のオーラがアニカの全身を纏うと、疾駆。素早く滑り込むよう、立ちはだかってみせた。
 アニカのその姿はまさしく『飛翔天使(フライングエンジェル)』、瞬く間に飛空艇から飛び出して屍人帝国の騎士へと追いつくと、その手で騎士の腕を掴み雲海へと勢いよく叩き落としていく。
「ともあれこれで敵を追い払うことは出来たのだ、これはこれで良し!」
 一体どんな名だったのか、麗刃は思い出すことは叶わなかったが十分な戦果をだし、剣士としての実力は十二分に示すことが出来た。
「散った連中はこのわしが引き受けておこう」
 ――瑞獣たる意味を教えよう、と解き放ったそれは『声焔(セイエン)』。
 範は黒麒麟へと変貌し、天地を揺るがさんばかりの咆哮の鳴き声を轟かせた。
 咆哮が屍人帝国の騎士たちの鎧を震えさせたと思うと、突然の発火――。背のジェットパックを轟音とともに破裂させた。
「そちは麒麟の化身であったか、麒麟が戦うと、鳴き声が焔になる」
「まさしく伝え聞く伝説の通り、いやはや……善きものを見れた」
 朝霞は思わず遥かなる水神の一面を見せたその言葉は、何処までも広がる青空へと溶けるように消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

阿紫花・スミコ(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒。暗い過去を持ちつつも性格は明るい。自信家で挑発的な一面がある。力があれば何をしてもいいというようなダークセイバーの領主達を心底嫌っている。機械系に強く様々な世界の機械知識を広く持ち自作ガジェットの研究・開発を行っている。

からくり人形「ダグザ」:巨大な棍棒で敵を粉砕する。
精霊銃「アヴェンジングフレイム」:黄金に輝くリボルバー。弾丸には炎が宿る。
ワイヤーギア:射出したワイヤーを引っかけ、巻き取りと、蒸気噴出で推進力を得る。

「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう?…お前が奪われる立場でも同じことが言えるかな!」

(エロやグロに巻き込まれなければどんな展開でも大丈夫です)


シフィル・エルドラド(サポート)
 ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子です。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ニノン・トラゲット(サポート)
『冒険はロマンです!』
『まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、あれこれ心配するよりはとりあえず「有効かも?」と思ったことを何でも試してみます。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!


中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『さてと、お仕事頑張りませんとね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。柔らかな物腰や【優雅なるご令嬢】で対人系は得意な方。【情報収集】も得意です。
探索系であれば、ドラゴンランスを竜形態に変えて偵察に出したりなども可能。
裕美のハッキング能力等が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手


ケヴィン・ウッズ(サポート)
無口な少年です。武器を見るのが好きな為、戦う行為には積極的にいきます。
周りの武器の扱い方や戦闘行為をよく観察し、自分の動きにも取り入れていきます。
反面話して説得、作戦を考える等は面倒くさいことから消極的です。
無意味に傷つけるような行為でなければ、言われれば素直に従います。
あとはお任せします。



● 浮遊大陸への活路を切り開く猟兵たち。

 浮遊大陸へと向かう飛空艇のうち、戦闘員を多く乗せた一団が先陣を切るようにどこまでも続く冒険の空を進んでいく。
「いやー、やはり先頭が一番気分がいいね」
 甲板に立ったボーイッシュな少女の阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)はうーんと、身体を伸ばし視線を少し上げると多くに現れだす影を見つけ顔を顰め。
「……あれは、いやー……めんどうなことになりましたね」
 レジスタンスの勇士たちの拠点は屍人帝国の支配下にあったのだ、つまるところ――。
 すぐさまシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)はその正体を察したようだが、ケヴィン・ウッズ(人間の剣豪・f34923)がそれに続けて言う。
「あいつらは国境警備隊みたいなものか……」
「はぁ、全く面倒な世界ですね。……どの世の中でも引きこもりが外に出ると世間は杭を打つ」
「いいじゃありませんか、別に引きこもりが外に出たって、気にしないで欲しいのに」
 被害妄想めいたネガティブ思考を拗らせ、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は過剰に世間に強い敵意を持って吐き捨てる。
「我々が無事に次の浮遊大陸に向かうためには彼らの相手をしなければいけないようですね」
 ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)はどうこの局面に対処するかと、これから紡ぐ冒険譚にワクワクと胸を高鳴らせる。

「宙に浮いた連中とどうやって戦ったものか」
「私たちが先陣じゃなかったら良かったんですけれどね?」
 ケヴィンとシフィルはともに愛用している武器は近接の相手に特化したものだ、足場のない空中に宙に浮いた今回のような屍人帝国の騎士にはどうしたって工夫が必要だ。
「それを言ったらボクもだよ、せめてワイヤーを引っ掛けられる場所があればいいんだけれど……」
 立体的な機動を実現したガジェットはフック付ワイヤーの射出・巻取りと蒸気噴射によりそれを可能としているのだ。
「はぁ、全くです。せめてあの沢山の雲が足場だったらよかったのに」
 そんなシルフィの言葉に、ニノンはエレメンタルロッドをぎゅっと握って目を煌めかせ。
「いいですね! それってとってもワクワクしちゃいます」
「……出来なくはないかな、それでも私1人では少し演算が大変すぎる」
「大丈夫です、お手伝いしますから一緒にやりましょう。ね!」
 裕美は『マテリアルクラッカー』、電脳空間の干渉を補助するツール。
 それは――『現象改竄(フェノメノン・クラッキング)』と併用すれば、現実の物理世界へも干渉できる。
「……アクセス開始。……パラメータ変更」
「妖精さん、力をかしてくださいねっ!」
 ――『エレメンタル・ファンタジア』、ニノンのユーベルコードと併せて裕美は空間にハッキングを仕掛け、通常では起こりえないような現象も引き起こせす。
 例えそれが――雲を足場にするような、そんな"奇跡"だったとしても。
「出来ました! これで雲を足場にして戦えますよ」
 ニノンが最後の仕上げにエレメンタルロッドを振るうと
「分かったそれじゃあ――、ああ! 本当、本当にフックが引っかかった!」
 ワイヤーで雲を引っ掛けると、引っかけ、巻き取りと、蒸気の力で戦場を跳びまわっていく。
「いいね! まるで大空を飛んでるみたいだよ! さぁ! ボクを捕まえられるかな?」
 スミコの『スリーディメンジョンモビリティ』を解き放つと、ワイヤーと蒸気の力で屍人帝国の騎士たちを巻き上げて雲海へと叩き落とす。
「硬いって訳じゃないけど、十分に足場になる。何だか不思議」
「まるでトランポリンみたい。おっと、楽しんでばっかりはいられないわよね」
 シフィルは『聖剣エデン』の理想郷と言う異名を持つ伝説の勇者の剣を構え、刀身を眩しく輝かせる。
「――勇者シフィルの一撃、受けてみなさい!」
 弾む雲の足場を蹴り上げて、聖剣エデンが屍人帝国の騎士の鎧を切断。流麗な剣閃を無数に走らせて次々と立ち塞がる騎士たちを雲海へと沈める。
「随分と煌びやかな武器ですね、それに綺麗な太刀筋だ」
 サムライブレイドで『剣刃一閃』を次々と解き放ち、ケヴィンは先ほどの剣閃を見様見真似に繰り出す。
「これをこうして――、こうっ!」
「あはっ! それって私の真似? 面白いわ、真似出来るものならやってみて!」
 奔らせた煌きを纏わせ聖剣エデンを再び、流麗な剣閃を無数に走らせシフィルは真似出来るものならやってみて、と。
 ――立ち塞がる騎士たちの掃除が終わる頃にはケヴィンは何かを掴めるだろうか?
「ちょっとー! もう、ボクの方も手伝ってほしいな。大忙しだよ」
「こちらも、雲への干渉が完了しましたから支援にうつりますよ!」
「……ああ、騎士たちが爆ぜていく、あんな風に……世の中のリア充が……爆発すればいいのに」
 猟兵たちは続けて行く手を阻む騎士たちへ、これから進む浮遊大陸への活路を切り開くために立ち向かっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

シホ・イオア(サポート)
『前へ進む、痛みと祈りがシホの背中を押してくれるから』
怖くなって緊張すると 口調が硬くなる
背中の聖痕で相手の悩みや痛みを感じ取ってしまうため
敵でも癒したい・終わらせてあげたいという方向で動く
罠や防衛戦では建造物を作り豪快に解決することが多い
自衛手段を持たないものがいる場合は救助を優先
ユーベルコードは遠距離戦に強いものが多いが
残像を纏い剣と銃を使って接近戦も行ける
輝いているため隠れるのは苦手
連携アドリブ歓迎


陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)


キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。


ライララ・ラクイン(サポート)
さぁ何より美しき反抗を、極寒の地より参りました反抗者でございます
反抗の為になら何処にでも、英雄たる他の猟兵の皆さまと協力して事を成す、それこそが私の使命
力無き人々を護り反抗者の使命を全うし続けます


赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
 人間のパラディン×シーフの女の子です。
 普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ミュー・ティフィア(サポート)
困ってそうですね。少しお手伝いしましょうか?

口調 (私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、でしょうか?)

基本的に誰に対しても友好的です。

時々うん、と相槌をしたり、敬語はやや崩れちゃったりします。

好きなものは紅茶です。
余裕があったら飲みたいです。

なるべくなら助けられる人は助けます。
復興のお手伝いとかは積極的に頑張っちゃいます!
現地の人達との交流やケアもしていきたいです。

もちろんオブリビオンや悪人には容赦なしです!
相手次第では手加減するかもしれないですけど。

ユーベルコードやアイテムは何でも使います。

いかなる場合でも公序良俗に反する事には関わりません。

不明点や細かい部分はお任せします。



● 空中戦を繰り広げる猟兵たち。

 レジスタンスのアジトを出発し浮遊大陸へと向かう飛空艇に、騎士は屍人帝国へと捧げる聖なる槍を振りかざす。
 そして屍人帝国の騎士たちは狂える信仰心と正義を燃やし、背中のジェットパックからロケット噴射による推進力を得ながら真っ直ぐに猟兵たちの乗り込む飛空艇へと、矢継ぎ早に突撃してくる。
「ううん、本当は話を聞かずに倒すなんて事はあんまりしたくないんだけど」
 相手の悩みや痛みを聖痕を通じて感じ取ることが出来るシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、困ったように心情を吐露していく。
「……、うん。あの人たちはあの人たちの正義を、疑う事もなく燃やしているんだ……」
「正義に正解は無いのよ、正義の反対もまたどこかの正義。使い古された言葉だけれど真理ね」
  生配信に使うから、と手に入れたキマフュ製スマホ。自動読み上げ機能付きの高性能のそのスマホを陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)は持ち、戦場の中でありながら配信を続け映えるセリフを綴っていく。
「あ、今日の配信はアーカイブを残すかは分からないから、是非ライブを見逃さないで欲しいわね」
「わっ、え。え……、それってまさか、生配信っていうやつですか」
「困りました、もっと可愛らしい服装にすべきだったでしょうか? それにお化粧も大丈夫かな」
 赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)はまさか、配信をしながら戦う猟兵がいるとは思わず予想外の事態に慌ててしまうが、ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)はそれに小さく笑みを溢しこたえ。
「ふふ、大丈夫ですよ。衣装もお化粧も問題ありません、それに私も配信には詳しくないのですが……」
「なんでも配信トラブル? というものが起こると注目されるようですので、普段通りにやるのが一番だと思います」
「我々の反抗は、どれほどの観客がいようがいまいが関係ありませんよ」
「さぁ何より美しき反抗を、極寒の地より参りました反抗者がやって見せましょう」
  反抗の為になら何処にでも、英雄たる他の猟兵の皆さまと協力して事を成す、それこそがライララ・ラクイン(虚飾の枢機卿・f34708)の使命。
 故に――多少のトラブルがあろうとも、決して彼女がブレる事は無い。

「わ、分かりました……、それじゃあ頑張りますね!」
「全ての者に慈愛の力を、そして邪悪なる者には制裁の力をッ!」
 愛は愛用している、狂える信仰心と正義を燃やしながら迫りくる屍人帝国の騎士たちへとハートの形をした大きな盾を掲げ、『ハートフル・レインボー』を解き放つ!
 ハートの型の盾に慈愛に満ちた優しい心を込める事により、飛空艇へとジェット噴射の推進力で向かってきたことを視認している騎士たちを、七色のハート型のエネルギーの嵐で攻撃していく。
「素敵な慈愛の力をかんじます、ふふ。それじゃあ私も――飛空艇を護れる力を……」
「災厄の魔女より切り離されし、闇を照らす異端の篝火よ」
 ミューは大空に展開させた幾何学模様の魔法陣から召喚した火の精霊ルミエルの魔力で、飛空艇を護りたいという強い願いを紡いでいく。
「八百万の光宿せし我との絆を以て此処に具現せよ! この炎で私が護るわ!」
 敵意を持つ存在や攻撃を燃やす炎の結界。屍人帝国の騎士たちの突撃はその解き放たれた『精霊召喚・紅き炎の灯り(コーリングエレメント・ルミエル)』によって次々と撃退されていく。
「味方を犠牲に強引に突破しているのね。味方の屍を積んで目的へと向かう……」
「ああ、それはまるでかつて私の愛した勇者たちのようではないか」
 燐は思い出したように悪女ムーブをする、その方が配信に映えるからだ。しかし――そんな燐の様子にライララが続けて。
「あらあら、わたくしだって勇者様への愛は負けていませんわよ。みなさんついての詳細だってこの本にいっぱい書き込んでいますもの」
 ライララは大切そうに愛おしそうに『反抗の福音書』をそのかいなで抱え、恍惚の表情を浮かべ出す。
「……このままでは配信が乗っ取られそうね。そんなことはさせないわ、少し派手にいくわね!」
 騎士たちが炎の結界を越えて向かったのは揚羽擬蛾により織り成された追い込み網。
 狂える信仰心と正義を燃やしながら迫りくる屍人帝国の騎士たちを取り囲んだ『揚羽擬蛾』の羽ばたきを合図に、予め仕掛けておいた複数の黒色の蝶型武器で囲まれた、内部に穢れと呪詛を燃やし尽くす大質量の蝶型炎を落とし、天地を揺るがさんばかりの爆発を行う。
「――英雄も悪者も等しく無力の嘆きに伏すのです」
 ライララも同様に指を鳴らすと、中空から現れる純白の鎖が次々とうち漏らされた、騎士たちに放たれ対象を拘束していく。その純白の鎖は彼らのジェットパックからの推進力を著しく拡散させ、その動きを封じる事に成功した。
「さぁ、英雄たる猟兵様。彼らへと正義の鉄槌を落としてください」
「え? 英雄って……シホ? えへへ、それじゃあ頑張っちゃうね!」
 シホは宝石姫エリクシルが宿る未知の宝石で作られた剣で、魔法の触媒であるエメラルドの輝石を生み出す。
「輝石解放、エメラルド! 雷光よ、獅子の魔弾となりて敵に食らいつけ!」
 ライララの『かつて竜を封じた天地の鎖(チタノラクイン)』によって拘束された騎士たちへと、シホは指先を順に向け、雷属性の猛然たる魔弾の驟雨で打ち抜いていく。
「えへへ、このまま残り全部倒しちゃうよ、ばっきゅーん!」
 今回の猟兵たちの戦いはとても画面映えのする映えるものばかりで、この飛空艇へと迫る騎士たちを倒し終えるまでの間、燐の行っていた生配信はずっと配信サイトでの急上昇に乗り続けたという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』

まじめなこと『だけ』はやりたくないのだ!
いかなるシリアスな場面でも最低一か所はネタを挟みたい。ダジャレ、奇怪な言動、一発ギャグ、パロ、メタ等何でもよい。一応状況をちゃんと前進させる意思はあるので、状況が悪化する行為はさすがにやらない。一見悪化するけどネタとして許されるならむしろやりたい。場合によってはギャグを『変態的衝動』に繋げて身体能力を強化し無理やり状況の改善を狙う事も。

あまりに超どシリアスな雰囲気のためギャグなんか絶対に許さないとMSが判断するのなら、シリアスオンリーも一応できなくはないが、その時は頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての二重表現肯定派)。


編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」

囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。

戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。

『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』


子犬丸・陽菜(サポート)
 ダンピールの咎人殺し×聖者、14歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、リーダーには「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 宝珠による臓物を掻き回しを多用し、知られざる枷を使います。怪我は厭わず積極的に行動、臓器の負傷でユーベルコードの威力が上がるので負傷は状況によりわざと受けたりもします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
 潜在的なマゾヒストなのでユーベルコードの苦痛になにか感じる場面もあるかも?
 負傷重症描写歓迎、内臓が出るくらいやっていただいてください!
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください


ナイツ・ディン(サポート)
「よし、冒険の時間だ!」
ナイツは「」、一人称俺、冷静でありつつ好奇心旺盛
ディロ(竜槍/紅竜)は『』、一人称我、不遜な暴れん坊
ローア(竜槍/蒼竜)も『』、一人称私、丁寧な保護者

妖精種特有の翅で飛んで移動がメイン。時々『ディロ』に乗って移動することもあります(UC:エアライド・ディロ)。素早く移動するときは竜人化することも(UC:竜の血)。
探索の際は隠密がメイン。小さい体で目立たない、聞き耳、忍び足、ダッシュ、鍵開け、暗視、視力、動物と話す、第六感など。慎重に、だが大胆に。
『……冒険者より盗賊が向いていると思うぞ?』
「これも冒険者の必須技能だからな?あと静かにしろよな?」
こんなのでも30歳である。



● 新天地にたどり着く猟兵たち。

 屍人帝国の追手である騎士たちを倒した猟兵たち。
 ようやく新天地の浮遊大陸へと到着、と思いきや――大きな影が暗雲の影を落とすのだった。
「あれはどこかのガレオンですか? それにしては……なにやら様子が」
 落ち着いた雰囲気のミレナリィドールのアト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)は、遠くに見え始めたその影に疑念を抱えながら首を傾げた。
「あ、あれ……翼? それに――爪みたいなものも何だかあれって……」
「あれはドラゴンだ、間違えないぜ。元はガレオンだったんだろうけど」
 この場の誰よりもドラゴンに詳しい、ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)はそのガレオンを見てそう判断する。
「つまり、あのガレオンはぐちゃぐちゃにその身体を造り替えられて」
「あんな風になっちゃったの、ふふ……ふふ……」
 痛々しい言葉とは裏腹に子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)の浮かべた表情は恍惚としたものだ。
「……、うぅ。何だか痛そう。ガレオンに積んだ天使核の暴走によって変異しちゃったのかな……」
「聞いたことがあります、ドラゴンと化したガレオンがあると。それは知能も高く、人語を解することがあるとか」
 思わず様子を想像してしまったのか、希亜は目をぎゅっとして、黒猫のぬいぐるみを抱えるように身を縮こまらせながら言うと、アトは以前聞いたドラゴン化をした事例について説明していく。
「どうやら、オブリビオンを積み込んでいる様子はなさそうだ、アイツを倒せば後は終わりだ」
 ナイツはドラゴンランスを構えると、その切っ先を向けて決意を固めたのだった。

 ねじくれた魔笛『Guardian of the Gate』を携え、ふらっとアトは微笑む。
「――さぁ進みましょう。進めばすべてがうまくいきます」
 その奇妙に捻じれたフルートの音色が大空に響き渡ると、猟兵たちのその力を更に飛躍させていく。
 それは『狂気の行進曲(インサニティ・マーチ)』、アトの詠唱の通り。この音色を信じ進めば万事うまくいくはずだ。そう――強く感情を揺さぶらせるような音色だった。
 しかし敵はオブリビオンだ、何もせずに悠長としている訳はない。ガレオンはドラゴンの頭部の顎を大きく開きながら、ブレスによる砲撃の予備動作を開始した瞬間に陽菜は真っ先に動き出す。
「……生きているなら……、神様だって、苦しむはず。それをわたしは否定させない、んだから……」
 陽菜は視線から依代の宝珠による内臓をかき回される苦痛を放ち、はらわたの異様な感覚を共有することにより対象の動きを一時的に封じる。
「あたしの、苦痛の一端……感じてみますか? ん、ぐ、んぐぅっ!!」
 それは『知られざる枷』、経験のない痛みを感じたドラゴンガレオンは苦痛の咆哮を洩らす。
「えへへ、ん、いたい、ですよね、焼け、爛れ、焦げ付く、このいたみは……」
「飛空艇の竜でも竜だ。竜が相手って言うなら不足はないな!! ――眼には眼を、竜には竜を!」
「ディロ、本気で行くぞ!」『我に喰われるなよ小童!』
 紅い竜『ディロ』が宿るドラゴンランスを大空に掲げると、ナイツの理性を代償に自身の『ドラゴランス:ディロ』の封印を解いてナイツを取り込み、ナイツは巨大な竜に変貌する。
 巨大な竜――疾駆。素早く滑り込むよう、飛空艇の竜の前に悠然と立ちはだかってみせた。
「オオオオォォォォォッ――!」
 奔らせた煌きを纏わせ、紅竜となったナイツはすさまじいブレスを解き放つ、それはガレオンドラゴンにどでかい風穴を開けるだけでなく、余波と呼ぶには苛烈すぎる勢いと威力で大空に轟音を轟かせていく。
「もう怖いのはいや。だから、皆いなくなれ! いなくなっちゃえ!」
 陽菜の『知られざる枷』による苦しんだドラゴンレギオンの恐怖は、希亜へと伝播していたのだ。
 生み出された、継ぎ接ぎの黒猫人形。猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。
 それがドラゴンレギオンと取り囲み、どでかい風穴を開けられ推進力を喪った飛空艇は、その集まった重さでゆっくりと雲海へと沈んでいく。
「……もう出てこないでよねっ……」

 最後は少しあっけなく、しかしそれでも――。
 こうして新天地への障害のすべてを猟兵たちは打ち倒したのだった。



「完璧に勝つ――だろ? 猟兵の皆!」
 いつの間にかにドラゴンガレオンに乗り込んでいたのは大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)。
「ドラゴンガレオンスレイヤー! 麗ちゃんのエントリーなのだ!」
「もうネタがないとはいったな。――あれは嘘だ!」
 姿を見えなかった間、いち早くこのドラゴンガレオンへと乗り込んでいた麗刃は、飛空艇内部に無数の爆薬を仕掛けていたのだった。
「この自爆装置のスイッチを、こうして"ポチっと"押すだけで」
 麗刃は改造した自爆装置の起爆スイッチを手にしながら、誰に説明するでもなく起爆の方法を仕草を交えて完全な実践する。
 そう、ボタンを押すところまで――完全に再現してしまったのだ。
「あ……!? だめだこりゃ!?」
 ドラゴンガレオンは爆発で起こった熱気で焦げ、重々しい響きとともに黒い煙がもくもくと、どこまでも広がる大空へと広がっていく。
 そんな煙が濛々と立ち上る中、勝利宣言代わりの言葉を麗刃は言い放つ。

「爆発オチなんて最低なのだっ――!?」

 麗刃の喉も張り裂けんばかりの叫び声が、すっかりと平和になった青空へと溶けてきえていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年11月08日


挿絵イラスト