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碎輝くんとびっくり?ホラー?ナイト

#カクリヨファンタズム #【Q】 #戦後 #碎輝

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#【Q】
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#碎輝


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 夜の廃教会。一部が壊れ剥がれ落ちるも月の光を浴び神々しい光を放つステンドグラスを背景に少女はその赤く長い髪を揺らし、髪と同色の目で目の前の少年へと見下しながら蠱惑的な笑みを浮かべる。
「俺を狙う理由があるのか?」
 対する金の髪の少年は赤い目で少女を睨み返しながら言葉を紡いだ。
「ふふっ、あなたの持つ成長電流。停滞することなく永遠に成長を続けられるその力を使わない手はないじゃない。さぁ、その血肉を私にちょうだい?」
「……あいにく、そう簡単に倒されるつもりは無いぜ!」
 突如、少年の声に導かれる様に一条の雷が彼の元へと落ちた。
 光が収まったそこに立つのは先ほどより大きくなった少年、否、竜神親分『碎輝』の姿!
「俺を倒したければ俺の成長電流に勝つことだな! ついてこれるか、成長のその先へ!」
 碎輝が雷と共に飛来した槍の矛先と共に視線を少女へと向けると。
「はわわ、雷……雷怖い……!」
 そこには雷にびっくりしてプルプルと蹲る少女の姿があった――。


「大変だ、碎輝さんがオブリビオンに狙われてるんだぞ!」
 リンゴ箱に乗った少年、エスクルール・ラカーユ(奇跡の迷子・f12324)はちょっと慌てた感じで説明を始めた。
「皆は碎輝さんの特徴とか知ってるよな? ざっくり言うと碎輝さんは無限に成長しちゃうからこれを防ぐために猟兵の皆には碎輝さんと戦って成長を一時的に止める……小学生形態にしてもらってるんだぞ。
 でも、碎輝さんは特殊な能力を持つ人だ。そんなわけだからか小学生形態の碎輝さんを狙うオブリビオンが出てきたんだ」
 碎輝はそんな敵と相対すると元の状態に戻って応戦しようとするが、それを毎回やってもらっては猟兵も定期的に戦う以外にも追加で戦わなければいけなくなる。
「と、言う事で碎輝さんと行動して彼を狙うオブリビオンはみんなで戦ってもらって被害を食い止めるんだぞー!」
 

「オブリビオンの襲撃に合うまで碎輝さんは村の子供たちと肝試しをしているんだぞ。
 正確には小さな妖怪たちの驚かせる練習に碎輝さんが付き合っている感じだな」
 肝試しが行われる場所は夜の廃教会とその周辺の墓地。教会のいろんな場所を巡って妖怪たちに驚かされたりそれとなく驚かせるアドバイスをしたり、はたまた逆に驚かせてもいいだろう。
「猟兵の皆も忙しいとは思うけれど……妖怪たちも張り切って驚かせようとしてるんだ。もし良かったら皆も驚かされる練習に付き合ってほしいな」
 肝試しを行っていると件のオブリビオンが現れる。
「オブリビオンの名前は吸血夢魔姫『アンネローズ』。吸血鬼の能力、薔薇を操る力、そして魅了の力を使ってみんなと戦う強敵だぞ。
 ただ、憑りつかれた側の影響か、彼女ちょっと怖がりさんみたいだからビックリさせることができれば攻撃の力を削いできるようだぞ」
 真正面から彼女とやり合うのもよし、妖怪たちの力を借りて驚かせながら戦うのもよし。好きに戦ってみよう。
 あっ、そうだとエスクルールは最後にこう付け加えた。
「碎輝さん、彼女と相対するとすぐに成長してやっつけようとしちゃうから『ここは俺に任せて先に行け!』とかなんとか言って戦わないようにしてくれよな!」
 


遭去
●遭去です。小学生形態の碎輝と子供の妖怪たちとわちゃわちゃ肝試した後にオブリビオン倒す依頼です。よろしくお願いします

●1章
 廃教会の探索という名の肝試しです。小学生形態の碎輝も希望あれば同行いたします。
 ちなみに碎輝はメンタリティにあまり変化はありませんがかけっことか夜店が以前より好きになっているようです。

 廃教会は2階建てで礼拝堂はもちろん食堂、図書館、風呂場など一式の生活ができる設備が揃ってます(ただし全部ボロボロです)。もしかしたら何か隠された施設があるかも……?教会の周りには墓地が並んでいます。
 廃教会ですがトイレから花子さんが出てきたり墓からミイラが飛び出してきても大丈夫。カクリヨファンタズムですもの。

●2章
 骸魂『サキュバスプリンセス』取りつかれオブリビオンになった吸血鬼、吸血夢魔姫『アンネローズ』との戦闘です。
 雷が近くに落ちても驚くので驚かせるのは結構簡単です。1章で鍛えた驚かせ力を見せつけて有利に戦いましょう。
 戦闘が終わると取りつかれた吸血鬼の少女を救助できます。
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第1章 日常 『カクリヨ肝試し』

POW   :    気合で恐怖を抑え込む

SPD   :    一気に駆け抜ける

WIZ   :    こわくない、こわくない、こわくない・・・

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

伊能・龍己
【こども?達】
廃教会のおばけ屋敷……雰囲気あるっすね
オスカー先輩と東先輩と一緒なんで、わくわくです
はい、先輩の友達なんで、東先輩も先輩って呼ぼうかなと

妖怪さんたち、どうおどろかしてくるか気になるっすね
俺あんまり表情に出ない方なんすけど、びっくりしないわけではないっつーか。……急にこられるとビビるかもっす

せ、先輩方、大丈夫っすか?後ろにいますか?
おどろかされた直後の心臓バクバクするのを抑えつつ、おふたりに聞いて
そこからは、先頭に立って進んでみます
後ろはその、お願いしま……(先輩達のいる方振り向いた直後、そこを横切った妖怪さんを見て)うわぁ後ろ!?


オスカー・ローレスト
【こども?達】

よ、良かったね、東……(先輩って呼ばれて喜んでる東に

ぴぃ……(墓場の影から気配がするだけでも落ち着かずに震えている小雀

……はっ、い、いけない……こ、怖がってるばかり、じゃ……妖怪の子達にちゃんとアドバイス、出来ない、し……

な、何より……この中で俺が1番年上、だから……し、しっかりしないと……ぴぃーーーっ?!?!?!?!(飛び出して驚かせてきた妖怪さんにめっちゃ鳴く(泣く)。

あ、えっと、龍己……う、うん、後ろ……行く、ね……よ、よく考えたら……俺だと前に出ても、龍己、守れない、し……

アドバイスを聞かれたら……見えなくて気配するだけでも怖いよ、としか言えない、かも……


西條・東
【こども?達】
胆試しか~…あ、こ、怖くないぜ?

『た、龍己もよろしくな!…先輩?(キラキラした目をする)』
『俺は先輩だから怖くないぜ!さっと行って助けに行こうぜ!』
先輩ぽくふるまうぜ!(オスカーの服の裾を握りながら【元気】にすすむ)

『お、俺…先輩だからっ…こわっ…わぁぁぁぁぁ!!』
涙目で叫ぶかもしれないけど
どうだったかと言われたらアドバイスするぜ…!

『うん…!俺も後ろに行く…後ろから来るかもしれないからな!うん!』




「廃教会のおばけ屋敷……雰囲気あるっすね」
 伊能・龍己(鳳雛・f21577)はランタンを掲げた先、目の前に墓地の光景を目の当たりにするとへごくりと唾を飲み込む。
 彼らが今いるのは廃教会の墓地。訪れる者がいなくなり久しいそこは夜霧が立ち込め、いかにもという雰囲気が醸し出されていた。
 今回の肝試しは廃教会の墓地巡り。廃教会の前にある墓地を巡りながら出口の廃教会へと向かうのだ。
「俺は先輩だから怖くないぜ!さっと行って助けに行こうぜ!」
 西條・東(生まれながらの災厄・f25402)は灯り代わりの蛍光――陽貴火を掌に出現させ、辺りを見渡す。
 少年の碎輝を助けるのを主目的で肝試しはさっと終わらせるというように聞こえるが……。
「あ、東……震えて……ない?」
「……あ、こ、怖くないぜ?」
 おずおずとオスカー・ローレスト(小さくとも奮う者・f19434)がへと声をかけると、東は強がるように胸を張る。
「しかし、オスカー先輩と東先輩と一緒なんで、わくわくです」
「先輩?」
「はい、先輩の友達なんで、東先輩も先輩って呼ぼうかなと」
 嫌ですか?と龍己が不安げに問うも、東からの反応はない。
「先輩……?」
 もう一度聞き返すと、東はぽつりと呟く。
「先輩、先輩かぁ……」
 東は顔をほころばせ、先輩の四文字を噛み締めていた。
「よ、良かったね、東……」
 オスカーが東へと笑みを向ける。
(「この中で俺が1番年上、だから……し、しっかりしないと……」)
 唯一成人しているオスカーは目の前の二人を見てしっかりせねばと一人決意する。
 なんと素敵な時間だろうか。しかしそれも長くは続かなかった。
 一行は墓場を進み半分壊れかけた墓の横を通り過ぎたその時。突如、何かが転がる音と同時にオスカーが転倒した!
「オスカー、どうした!?」
「オスカー先輩、大丈夫っすか?!」
「うっ……何か踏ん……だ……」
 決意した途端の出来事にオスカーはちょっと自己嫌悪しつつも、視線を転がった者へと視線を向かわせた――途端、彼はそれを凝視したまま動かなくなる。
 固まったオスカーを見て二人も怪訝そうにオスカーの視線の先へと注意を向ける。
 視線の先、彼らから数メートル先に転がっていたのは黒髪のおさげが巻き付いた
 首。
「く」
「び」
「ぴ」
 三者が何かしら呟くと龍己と東はすぐさま転んだオスカーを起き上がらせ、そのまま三人で無言ダッシュ!
 男子三人の本気の走りのスピードはすさまじく、影は見る間に墓地の中へと消えていった――。

『う、うまく行った……かな……?』
 三者がいなくなってすぐ。現場の様子を近くで伺っていた妖怪の少女がポツンと残った首を回収する。
『発泡スチロールで作ってみたけど……効果あったのかな?』
 ねぇ? と少女は首へと語り掛けた。


「び、びっくりしたっすね」
「でも耐えた方だと思うぜ……いや、こわっ……こわぁぁぁぁ……」
「ぴぃ……ぴぃ……」
 先程の首から逃げてどのくらい走っただろうか。
 オスカーはぴぃと鳴き小刻みに震え、東はオスカーの服の裾をぎゅ~っと握ったまま放す様子がない。龍己は表情を変えていないが、胸を抑え、彼の額から流れる汗が彼が感じた恐怖を物語っていた。
「こ、ここからは隊列組んでみないっすか?」
 という龍己の提案により先頭龍己、最後尾東、真ん中にオスカーという位置順で隊列を作る。
「よしっ、これで前も後ろもばっちりっす!」
「あ、えっと、龍己……う、うん、後ろ……行く、ね……。よ、よく考えたら……俺だと前に出ても、龍己、守れない、し……」
「頼むぜ龍己! 俺は先輩だから後ろを守るぜ」
 オスカーの服の裾を皺ができるくらいギュッと握りしめながら、東は力強く答えた。

 その後、飛び出してきた驚かしにオスカーがぴぃと鳴くも、一行は大きなパニックはなく、時にはアドバイスをしつつ順調に進んでいく。
 あと少し歩けば墓地を抜ける――。そんな希望を誰かが持った時、龍己が異変を感じ取った。
「……ん?」
「ど、どうしたの……?」
「いや、なんか足音多くないっすか?」
 先頭を歩く龍己が疑問を投げかける。
 龍己の後ろにはオスカーと東の二人。二人分の足音が聞こえるのは当たり前だが、その二つの足音に重なって聞こえるもう一つの音がするという。
「い、いやいやいや。無いって」
「そ……そうだ、よ。……風の音……たぶん」
 気のせいだということにして一行はまた歩きはじめる。
 さくさく。
 こつこつ。
 ざっざっ。
 ペタペタ。
「「「……」」」
 龍己が、否、皆一斉に歩みを止める。
 聞こえてしまったのだ。風の音とかそういうことにしたいけど、それが確実に遠くで何か引きずる音だったのを誰一人否定できなかった。
 誰も後ろを振り向かない時間が体感数時間続いた。が、意を決して皆同じタイミングで後ろを振り向く!
「……なんだ誰もいないじゃないか」
 東がほっと息をつく。
 彼らの目の前には何の変哲もない、普通の墓地が広がっている。
「き……緊張による……幻聴って……あるんだね」
「ふぅ……じゃあ皆さんあと少しっす、がんばりましょ」
 オスカーと東が前を向き、龍己も前を向こうとした瞬間、見えた。
 遠くで墓から墓へと横切りながら近づいて来る黒いローブをすっぽりとかぶった死神の姿を。
「うわぁ後ろ!?」
 珍しく慌てた表情の龍己を見て二人も視線を後ろへ――。
「ぴぃーーーっ?!?!?!?!」
「ぎゃああああああ!!!!!!」
 それぞれ絶叫を上げながら猛ダッシュ!
『あ、あの~できればアドバイスとか……』
 死神――姿の子供妖怪が猛スピードで追いかけながら尋ねるも。
「俺らの背中を見て察してくれええええええええ!!!!」
 そんな東の絶叫が墓地の中に木霊するのだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

竜神親分はいい人だね…ともかく彼を守らないと…
その前に…肝試しか…行こうか…楽しみ…

…私が生まれた世界にもこんな教会があったけ…
…懐かしいな…いや…この懐かしさはこの世界のものかな…?

[暗視と視力]を用いて教会内を探索しよう
妖怪達がいそうな所を探してみよう…

妖怪が出てきたら【恐怖与える殺意の瞳】で
[殺気]を込めた目で睨みつけて逆に
[恐怖を与えておどろかして]あげよう…

びっくりしたかな?こんな風に驚かせればいいんだよ…
…聞いてる?…やり過ぎたかな…



 朽ちかけた廃教会。訪れる者もここ最近少なくなった聖なる場所。そんな教会の中を歩く二つの影があった。
『肝試しにつきあわせてすまない! でも猟兵達が来てくれて助かったぜ』
『俺一人で全部見るのは時間的に大変だからな~』と喋りながら探索するのは竜神親分『碎輝』……の小学生の姿。
「それにしてもこんな風に子供たちの相手をしているの? いい人だね」
 もう一つの人影、仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)も灯りを掲げながら探索を続ける。
『良い人かは分からないが俺も一応親分だしな。山本みたいにはいかなくとも皆の相談事があったら聞かないと』
 そんな会話をしながら探索しているとステンドグラスの前を通りすがったアンナはふと足を止めた。
 ところどころ壊れているが月明りを吸い込んだその美しさは不屈の美を誇っているようで。
「……私が生まれた世界にもこんな教会があったけ……」
『ん? 出身は別世界なんだよな?』
「いや……この懐かしさはこの世界のものかな……?」
 自身の生まれについて考えていると突如上の階から何かが歩く音が聞こえた。
「今の音は上からだね」
『行ってみるか?』

 音がした部屋の前に立ち、ドアノブを回す。
「ここは……客間かな?」
『だろうな。住んでいるにしても生活感があまりないし』
 彼女たちの推測通り、そこは客間だった。そこには簡易な家具とベッドが二つ置かれた空間が広がっている。
 かび臭さに鼻を刺激するされながらも中に入る。床には一面の埃が……否。
「足跡がベッドに続いている……?」
 アンナの目が険しさを増す。そう、誰も訪れていないのなら一面埃だらけのはずなのに、アンナとも碎輝とも違う小さな足跡が入り口からベッドへと続いているのだ。
『な、何か怪しいものがあったなら近づいて観察してみたらどうだ?』
 碎輝は『あっ、やべ』といった感じの焦った表情をしながらアンナへと提案する。
 促され足跡が伸びているベッドへと近づく。近づくとベッドの周りの埃が無くなっているのが見て取れた。
『うふふ……』
 少女の泣き声が聞こえたと同時に、アンナの足が強い力で掴まれる。
 アンナはゆっくりとベッドの下へと視線を落とした。
 視線の先、そこにはベット下から光が全くないぎょろりとした瞳でアンナを見る少女の姿。
『ねぇ、遊びましょ……?』
 少女のアンナの足を引っ張る力が強くなる。このままベッド下へと引きずりこむつもりだ。が。
『んっ……あれ、動かない』
 しかし、足を引っ張る力も子供のそれで。一方女性の中でも比較的体格が良いアンナはびくともしない。
 最初は片手で使って掴んでいた手も途中で両手を使って足を動かそうとしても、動かない。
 一方のアンナも目の前で少女が自身の足を動かそうとしているのをただじっと見るだけ。
(「可愛いな……でもまだまだ子供だ。怖いっていうのが分かって無いから何かの真似事しかできないようだ。どうやったら怖いとか教えれるかな……実演?」)
「……」
 そんな結論に至ったアンナはわざと殺気の籠った鋭い目線で目の前の子供を睨みつける。
『あっ』
 睨まれた子供妖怪。『勝てない』『抵抗したら死ぬ』『抵抗しなくても死ぬ』とか小さな悟りを開いた声を上げると秒で戦意喪失、まさに蛇に睨まれた蛙が如く動かなくなってしまう。
「……」
『ぴえ……』
『な、なぁそこらへんで……』
 じっと視線を送り続けるアンナと動かない子供の様子を見かねて碎輝が声をかける。
 アンナが視線を外すと少女はほぅと息をつきベッドの下から這い出てきた。
「びっくりしたかな?こんな風に驚かせればいいんだよ……」
『う、うん……』
 アンナは先程とは打って変わって優し気な目と声色で子供妖怪へと接するが、少女は視線を合わせようとしない。
「……やり過ぎたかな……」
『でも驚かす側が驚かされる側の気持ちが分かったんだ。貴重な経験だったと思うぜ?』
 ちょっとしょんぼりとするアンナを碎輝は笑顔でフォローするのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

リオ・ウィンディア
【ウィンディア】
怖い?まさか!
最高に素敵な場所じゃない。夜の廃墟教会!

肝試しに普通に喪服で現れる妹である

よしここはお姉ちゃんに…
「今何か見えた気がする!」と言って足速に角を曲がり
呆然と立ちすくむ
テラ姐がやってきて「どうしたの?」と聞かれたら
青白い顔で震えながら「今女の人が…」と顔を覆って膝をつく
「大丈夫か」と聞かれたら「冗談でしたー」っと笑顔で振り向く
以上全部【演技・精神攻撃】

ステンドグラスも、古びた建物も
朽ちていくものは素晴らしい
広い場所へ出たら
くるりと回ってハイトーンで【歌唱】

いくつ命めぐっても 朽ちてく美しさには敵わない
私はいつも見惚れるの あぁ、この世は不完全
ゆえに ゆえにいつまでも


テラ・ウィンディア
【ウィンディア】
肝試しか
おれはお化けより虫が怖いけどな
「私は霊魂を導く役割もありますので恐れる事はありません」(黒髪少女
おれだって虫じゃなければ平気だぞ
だからリオも安心しろよ?

ってリオ?何処行くんだ?
って女の人!?
「だ、大丈夫ですかっ?」
って冗談かよっ(頬むにー
よし、おれとヘカテが先に行くからリオは待ってるんだぞ
ってヘカテもいくんだよ
「ぅう…心臓に悪いんですけどね…」
お化けにはおれ達は負けな…うぴゃーーーっ
「驚かせるのに此処までの技術があるとは驚きですね…っ」
と言う訳でおれもヘカテも驚いたり抱き合ったりでびっくりしまくり

でもリオが歌う様子に思わず怖がったり驚いたするのも忘れて見入っちゃってるぞ




 夜も深みを増したころ、普段なら静寂に包まれていたはずの朽ちた教会には多くの笑い声と楽し気な音色、そして悲鳴が響き合っていた。
 そんな中、廃教会の廊下からも少女の声が二つ。否、三つ。
「おれはお化けより虫が怖いけどな」
 漆黒の髪を揺らし、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は辺りを見渡す。
 廊下の窓からは月の光が入り込み歩くだけならば問題は無いなと考えているとテラの隣からまた一つの声が彼女の鼓膜を刺激した。
『え~本当ですか~?』
「主人になんて態度だよ。じゃあヘカテはどうなんだよ」
『私は霊魂を導く役割もありますので恐れる事はありません』
 ふっふーんと笑みを浮かべるのは黒髪の少女『ヘカテイア』。
 彼女はテラの所有する機神で、様々な形に姿を変えることができるのだ。
「はぁ……おれだって虫じゃなければ平気だぞ。だからリオも安心しろよ?」
 肩を落とすとテラは数歩前を歩く妹を安心させるべく声をかけた。
「怖い?まさか! 最高に素敵な場所じゃない。夜の廃墟教会!」
 一方で妹、喪服に身を包んだリオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)は嬉しそうにその場でくるくると回る。
 肝試しにはドレスコードなど無い。が、この服装だと驚かされるというよりも驚かす側の様だ。
「あっ、今何か見えた気がする!」
「ってリオ? 何処行くんだ?」
 リオはテラが止める間もなく足早に廊下を進むが、曲がり角へとさしかかった時、曲がった先を見つめたまま急に動かなくなった。
「ああっ……!……何てこと……」
 そう呟くとかわいらしい顔が瞬く間に真白になりその場に崩れ落ちた。 
「リオどうした!」
「だ、大丈夫ですか!?」
 テラとヘカテイアが慌てて駆け寄り、画面蒼白のリオの顔を見やる。
「今女の人が……」
 左手で自身の体をかき抱き、震える右手で廊下の先を指し示す。
 廊下は身を隠す場所は無いものの、窓からの光はあるものの薄暗く近くに何がいるかは視認できない。
(「予知ではオブリビオンはいないはずだが……念のため」)
「大丈夫か、リオ! ……ヘカテ、リオを安全な場所へ……」
「はーい、大丈夫でーす。冗談でしたー☆」
 テラが臨戦状態に入りかけた、次の瞬間リオはにこーと花を咲かせる。
「……ってウソかよ!」
 驚かせやがってとテラは妹の額を人差し指で軽く突くとリオはきゃーと嬉しそうな声を上げたのだった。

「なんかこの部屋が怪しいんだよな」
 廊下を歩いているとテラがある扉の前で止まり、呟いた。
「キッチン……?」
「こんなところにあるんだな」
 部屋の前にぶら下げたドアプレートには掠れてはいるが、『キッチン』と書かれているのが読み取れた。
「よし、おれとヘカテが先に行くからリオは待ってるんだぞ」
「私も行くよー?」
「さっきみたいに驚かされたらおれの身が持たないっつの」
『テラ、がんばってくださいねー。私はリオと一緒にここで待っていますので』
 ヘカティアは主を見送る良い従者な雰囲気を纏いながらすすすっとリオの隣に立つ。
「ってヘカテも行くんだよ」
 しかし、そんな雰囲気はテラは読み取らなかった。もちろんわざとである。
『うぅ……心臓に悪いんですけどね……』
「心配すんなよ。お化けにはおれ達は負けないっ!」
 きりっと自信満々の笑みを浮かべるテラ。そんな様子の主人に一抹の不安を抱えながらヘカテもしょんもりとついていく。
 入って数十秒後、うぴゃーとかわいい叫び声が廊下に響き渡った


「ひ、ひどい目にあった……」
 部屋に入って何分経ったのだろうか。テラとヘカテイアがキッチンからゲッそりとした様子で出てきた。
『驚かせるのに此処までの技術があるとは驚きですね……っ』
 ヘカテイアも主人の言葉に同意する。
 事実、かび臭いキッチンにはテラの感が当たり子供妖怪がスタンバっていたため大変なことになったのだ。
 壁にぶら下がっていた鍋が落ちたのを序章に、オーブンが勝手に開け閉めしたりタイマーが鳴りやまなかったり……最終的に小麦粉が上から降ってきたりとかなりの大騒ぎになって。
 端的に言うとキッチンの中は地獄でした。
「あれ、どこいった……?」
 テラが周囲を見渡すも銀髪の少女の姿がない。まぁいたら多分乱入して来ただろうからいなくなったのは部屋に入ってすぐだろう。
「あれほど待ってろって言ったのに……!」
 どこに行ったかとあたりを見渡すが姿は見えず。
 行きそうなところをしらみつぶしに行くかと考えていると。
 どこかで、歌が聞こえた。

「お姉ちゃんには待ってろって言われたけど……こんな素敵な場所探索しない時間がもったいないわ!」
 リオは姉の言いつけを早々に破り、軽やかな足取りで教会の中を駆ける。
 風呂場、誰かの部屋、懺悔室……いくつもの部屋を通り過ぎるといつしか広い場所へと出た。
 聖堂、御堂。名は様々だが神を礼拝する場所の壁には大きなステンドグラスが配置され、月の光を受けて神秘的な光を放っていた。
「ステンドグラスも、古びた建物も。朽ちていくものは素晴らしい」
 リオは朽ちかけたステンドグラスの前へと軽やかに躍り出て、くるりと長椅子が並ぶ方を見やった。
 神を拝するその場所には自らの罪を悔いる者がいたり日曜日には祈りを捧げていたのかもしれない。
 だが、今は誰もいない。おそらく神すらも。
「――……」
 リオは再びくるりと回ると、ハイトーンで歌を捧げた。
 
 テラとヘカティアが歌の聞こえる方に来るとそこには歌うリオの姿があった。
「やっぱりリオの歌だったか。心配させやがって……!」
 テラはちょっと怒った表情だったが、姿を確認するとすぐに安堵へと変えた。
「だけどやっぱリオの歌う姿は凄いなぁ」
『いつものお茶目っぷりが嘘の様ですねぇ』
 一人、一体の観客としてじっと部屋の隅で聞き入るテラとヘカティア。

――いくつ命めぐっても 朽ちてく美しさには敵わない
私はいつも見惚れるの あぁ、この世は不完全
ゆえに ゆえにいつまでも――

 高く、清廉に、透明に。夜を思わせるその歌は遂に終わりを迎える――。

『――だからこそ。私たちは歩み続けなければならいの』
 突如、リオでもテラでもない少女の声が、空間内に響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『吸血夢魔姫『アンネローズ』』

POW   :    アンネのお願い
【可愛らしいポーズからの「お願い」】を披露した指定の全対象に【この子の言う事を何でも聞きたいと言う】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    変幻自在どろんチェンジ
【吸血夢魔姫『アンネローズ』の姿】【狼の群れ】【吸血蝙蝠の群れ】【魔性の霧】【これらに自在に変身する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    紅薔薇の嵐
自身の装備武器を無数の【真紅の薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 聖堂に突如現れた少女はゆっくりと祭壇へと歩み寄る。
『停滞する物はいずれ朽ち、永遠を誇ることなどできない。永遠となるには成長する以外に道は無いの』
 くるりと振り返った少女の口元には蠱惑的な笑みひとつ。
『だからこそ永遠に成長できる力が私は欲しいの……碎輝はど』
「おい、何があったんだ!?」
 本堂をの扉を勢いよく開けて入ってきたのは小学生形態の碎輝と少年少女妖怪たち。
『ひっおばけ!? ……こ、こほん。音を上げて入ってくるなんてマナーがなってないわよ』
 アンネローゼは碎輝と共にいた仮装した少年少女たちを見て小さな悲鳴を上げたが隠す様に少女は少年少女たちへ冷たい言葉を投げかける。
「おっ、わりぃな! 俺碎輝! アンタは?」
『アンネローゼ……ってあなたが碎輝? 聞いてたより小さいような……まぁいいわ、大人しく殺されてちょうだい!』
「なんだか知らねぇが殺される義理はねぇ! 行くぜ!」
 今にもアンネローゼの元へ殴り込み行こうとする碎輝を猟兵達は必死に押しとどめつつ猟兵達は得物を構える。
 この戦い、長い夜になりそうだ。
 ……ところで碎輝狙ってきたのに碎輝の姿を知らないとかアンネローズちゃん……?
クロエ・ボーヴォワール
「成長? 永遠に? まア、なんと良い心がけ。是非ともわが社に!」
・アルダワ魔法学園のモーレツ実業家としては少女の『永遠に成長しようとする心構え』に共感をしめすが、中長期的にいろいろ負担が及ぶのならばその限りではない
・ボーヴォワール魔導蒸気技術(株)謹製のスチームエンジンはあらゆる装備品に対応し、装着することで攻撃力を平均300%(当社調べ)向上させます。シンフォニックデバイスに装着すれば、薔薇の花吹雪など圧倒的「歌唱」力をもって「範囲攻撃」が可能!
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「注文のお申し込みは、お早めに」



『さぁ、永遠に成長できる力を私にちょうだい?』
「……いま何ておっしゃいました?」
 クロエ・ボーヴォワール(ボーヴォワール財閥総裁令嬢・f35113)は蠱惑的に笑う少女を緑色の瞳で睨みつけた。
「永遠に成長できる力……」
 アンネローゼが再び言葉を紡ぐとクロエは少女の手を握りしめ――。
「成長?  永遠に?  まア、なんと良い心がけ。是非ともわが社に!」
 目をキラキラして秒で勧誘を始めたではないか。
 クロエはアルダワ魔法学園のインフラを担う「ボーヴォワール魔導蒸気技術(株)の総裁の娘。永遠を保つべく成長を続けるというアンネローゼの目的を『永遠に成長しようとする心構え』と捉え、その意気込みに大変共感してしまっていた。
『え? え? 会社?』
 突然の共感、勧誘にさすがのアンネローゼも困惑。
「あっ、碎輝さんいります?」
『じ、自分で殺すから! 下手なことしないでちょうだい!』
 後方で「戦わせろー」というわがままを言う碎輝の方向へクロエがちらと視線をやるが慌ててアンネローゼが止めに入った。完全に敵味方逆転しとらない?
「おおっ、さすが私の見込んだお方! それでは私も障害として立ち向かいましょう!」
『な、なんなのあなた……まぁ良いわ。死んでちょうだい?』
 アンネローゼが近くの燭台に掴むと、燭台は真っ赤な花弁を吹き出し……やがて無数の真紅のバラの花びらとなり聖堂へと展開される。
「と、ここで取り出しますのは普通のシンフォニックデバイス」
 クロエは言葉通りシンフォニックデバイスを取り出し花弁の前に立ち塞がった。
『あら、お歌でも歌うのかしら? 歌でこの攻撃を止めることはできないと思うけど?』
 アンネローゼは再び不敵な笑みでクロエを見やった。
「小さいからといって侮ることなかれ、ですよ。さて、ここで今日の商品のご紹介です!」
 クロエはポケットから何やら小さなパーツを取り出し、シンフォニックスデバイスへと取り付ける。
「ボーヴォワール魔導蒸気技術(株)謹製のスチームエンジンはあらゆる装備品に対応し、装着することで攻撃力を平均300%(当社調べ)向上させます。取り付けはとっても簡単。
 では試しに使ってみましょう!」
 息を吸い込み、歌う。
 その歌声は通常であれば聞く人を魅力する歌であったであろう。
 しかしデバイス越しに流れる音はこの聖堂には見合わない大音量で。音は波となり花弁を巻き上げる!
『っきゃあっ!!??』
 突然の大音量にアンネローゼも驚き、花弁の操作が途切れた。
 今まで意志があるように動いていた花弁は今や音の波に押されアンネローゼへと襲い掛かる。
 彼女を守り、敵を切り裂くバラの花びらは彼女へと襲い掛かる凶器へとなったのだ。
「見てくださいこの威力! 今ならこのスチームエンジンがなんと送料無料!
 注文のお申し込みは、お早めに!」
 クロエはびしっと営業スマイルを決めたのだった。 

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

それ以上いけない…
竜神親分は下がって…私が相手するから…ね…?
お願いだから…ね…ね……ね?
…よし決まった…私が相手する…!
さぁ行くぞ、ワタシは処刑人だ…!

【変身譚】で[呪詛と殺気]放つ骸骨形態へと変身
敵を[おどろかして]相手をしよう

さらに地獄の炎を纏った鉄塊剣を[なぎ払い]
[範囲攻撃]で地獄の炎を巻き散らし敵を追い詰め[逃亡阻止]
炎による[焼却]と変身による[存在感]で[恐怖を与えて]
拷問具で適当に痛めつけて敵を懲らしめてやろう…

皆もこういう風に驚かしてあげればいいんだよ…
…真似出来そうにない?拷問具は持ってない…?
そっか…出来ないし持ってないのか…そっか……残念…



『よっしゃー! その挑戦、受けてたーつ!』
「それ以上いけない……」
 アンナは飛び出そうとする碎輝をガシっと捉え動きを制した。
『離してくれ、これは俺の戦いだ!』
 それでもなお食い下がる碎輝。
「竜神親分は下がって…私が相手するから……ね……?」
『いやだから』
「お願いだから……ね……ね……ね?」
 じりじりと与えられるプレッシャーに碎輝も根負けしたようで。
『……そんなにあいつと戦いたいのか……良いぜ、今回はあんたに任せる!』
「……よし決まった……私が相手する……! さぁ行くぞ、ワタシは処刑人だ…!」
 心なしかうっきなうっきな表情でアンナはアンネローゼの元へと躍り出る。
『あら、碎輝は出てこないの? とんだ腰抜けさんね?』
 再度挑発するもアンナはぎろりとアンネローゼを睨みつける。
「今回の相手は私……処刑人じゃ不足?」
『ふぅん……良いじゃない。かかってきなさい?』
「じゃあ遠慮なく行かせてもらう……!」
 言葉と共にアンナから炎が噴き出す。
 その体は燃え、肉は削ぎ落され、残ったのは炎を纏いし髑髏のみ。
『きゃぁつ!? お、お化け!??』
 先程の威厳はどこへやら。突然白骨化したアンナにびっくりした吸血鬼は咄嗟に蝙蝠の姿へと変え逃げ出そうとする。
「逃がさない……」
 炎を纏う鉄塊剣を振うと蝙蝠の周りへと炎が広がり、退路を塞ぐ。
『あっ、ど、どうしよう……』
 退路を塞がれ焦る少女。
 熱に包まれているのに冷汗が止まらない。一刻も後ろの早く逃げ出したい……。
「さて」
 突如、アンネローゼの横の床に垂直にアイアンメイデンが突き刺さった。
 アンネローゼがぎぎぎと音がしそうなくらいゆっくりと後ろを振り返ると。
「お化けへの驚かせ方を披露してあげるよ……」
 どこからか取り出したか大量の拷問器具を携えた女の姿が、そこにあった――。


「皆もこういう風に驚かしてあげればいいんだよ……」
 驚かせ(対象が無事とは言っていない)が終わると、アンナは後方で待機する少年少女妖怪へにっこり笑いかける。
『つえー!』
『あんな風に驚かせればいいんだね!』
 上がったのはアンナを褒め称える声。
 アンナは少年少女たちの感想を聞いてちょっとうれしくなる。が。
『けどあれやるのすごく大変そうだよね……』
『そもそもあんな拷問器具持ってないー』
『お小遣いで買える?』
『無理じゃない?』
 費用という最大の壁を前にアンナの驚かせ方は無理だと結論付けられた。
「そっか……出来ないし持ってないのか……そっか……残念……」
 アンナは吸血鬼へと確実な一撃を喰らわせたのにしょんもりしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
この子を驚かせればいいのか
「いいでしょう…私も魔女を率いた事もあります。驚かされてばかりなのも癪なのでいきますよ!」(黒ちび子猫

UC発動

【召喚術・降霊】
怖い扮装の幽霊やお化けを召喚(尚、皆根は陽気で驚かして遊ぶの大好き

それでがおーって脅かしちゃうぞ

因みにおれもちょっぴり驚いちゃうのは秘密だ

【見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け・オーラ防御】
敵の攻撃は飛び回り剣で受け止めて防御っ
【二回攻撃・早業・串刺し・結界術】
剣による連続斬撃から槍で突き刺したら結界術で閉じ込めて
【魔力溜め・全力魔法・属性攻撃】
そこからホラー映像を全力展開した後に
結界内で業火を展開して焼き尽くす
…ちょっとやりすぎたか?



「この子を驚かせればいいのか」
 テラが武器へと手をかけ、いつでも攻撃を仕掛けられるように備える。
『いいでしょう……私も魔女を率いた事もあります。驚かされてばかりなのも癪なのでいきますよ!』
 ヘカテイアは少女の姿から黒猫の姿へと変え身を震わせると、自信ありげに呟いた。
「何するんだよ一体……」
『それは後からのお楽しみですよ!』
 先程のリベンジマッチに燃える猫には何か策があるようだ。
『無駄な事……』
 アンネローゼの体が真っ黒く変化。瞬間、少女の姿をした闇は蠢き、黒は灰色へと姿を変え狼へと姿を変えた。
『そこの男だけじゃ足りないわ。あなたの臓物も食べてあげる!』
 狼へと姿を変えたアンネローゼ。彼女は咆哮すると一糸乱れない統率を持つ狼となって襲い掛かるが。
「簡単に食われてたまるか!」
 狼の牙が、爪がテラへと伸びた、次の瞬間、テラは太刀を抜刀。横なぎの一閃は狼を真っ二つに切り裂くいた
『そんなナマクラじゃ倒せないわよ……?』
 真っ二つにされた狼は切断された面が瞬く間に接着し、再びテラへと襲い掛かる!
 慌てず攻撃を見切り、時には剣で攻撃を受け止めるテラ。
「……っ。ヘカテ! 頼んだぞ!」
『はいはーい! おいでませ我が化身!』
 ヘカテイアがにゃーんと鳴いた。次の瞬間、猫の足元に巨大な魔法陣が出現。
 光り輝くその魔方陣より這い出るように現れたのは襤褸を纏うゾンビ、不気味な肌の色をしたフランケンシュタイン、土蜘蛛、デシュラハン、肢体が欠損する幽霊――。
 そんな仮装をする幽霊(一部仮装していないが)集団がテラを、そしてテラ越しにアンネローゼを見やる。
『ささっ、テラも』
「あー……えーと……」 
 テラはその視線に応えるようにアンネローゼの方へと振り向き。
「『がおー!』」
 テラのかわいらしい咆哮とお化けたちのおどろおどろしい咆哮が重なった。
(「いや、こえーなこれ」)
 驚かしているテラも内心ちょっとビビってたりするのは秘密だ。
 一方、脅された側は――。
『おば、おばばばけえええええ!!!!????』
 先程のがおーだけで見事ビックリしたようで。先ほどまで取れていた狼同士の統率が乱れている。
『おおー、ちゃんとビビってますねェ』
『あんな小さい子に驚いてもらえるとは嬉しいのぉ』
『最近の子供はあそこまで良い反応してくれんで』
 ヘカテイアと召喚した幽霊たちが和やかに会話を続けるのを背景に、テラはすぐに動いた!
「おとなしくしてろ!」
 剣による連続攻撃によってテラは複数の狼を追い詰め槍で突き刺し、結界を展開する。
『きゃぁっ!』
 槍で貫かれたアンネローゼはたまらず変身を解除。少女へと姿を変える。
『はいはーいそれではこちら、ヘカテちゃんのおすすめホラー映画です♪』
 ヘカテイアがアンネローゼの目の前に映像を流す。
 内容は最初の方のインパクト重視ということで、序盤カップルがいちゃいちゃしてるところをサメに喰われるパニックホラー映画だ。
『……!!!??』
 見させられたアンネローゼの口からは何とも言えない悲鳴が発せられた。
「なんかやりすぎな気もするけど……ちょっと我慢してくれよな!」
 テラが結界内に力ある言葉を紡ぐ。次の瞬間、結界内に業火が巻き上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オスカー・ローレスト
【こども?達】

よ、よく考えたら、王子様以外の親分とは初めて会うん、だよな、俺……う、上手くこの場から離れて貰える、かな……

と、とりあえず……妖怪の子供達を巻き込んじゃう可能性もあるし、前に出て戦うより、避難させてあげた方が、いいんじゃない、かな……って、砕輝を説得してみる、ね……

アンネローズは、龍己や東がおどかしたりしてくれる隙を狙って……【切実なる願いの矢】を放って攻撃する、よ……!
……お、俺も、一緒になってびっくりしちゃうかも、だけど……ぴぃ。
龍己の雨雲には、【暗視】出来る自分の目で、適応する、よ……


伊能・龍己
【こども?達】
砕輝さん、ここは俺たちに任せて妖怪さんたちの避難をお願いするっす
皆さんをしっかり守るのも、かっこいいと思うっすよ

〈霧雨〉降らせて音を消す……まではいかねっすけど、抑えます。雨で室内も薄暗くして雰囲気作りですね
肝試しでおどかされた時を参考に、仕掛けてみるっす
音だけするって、怖いもんすね。気になって後ろ見たらびっくり、と
息を殺して忍び歩き、藤憑さ……ふーさんに自分から離れたところで音を立ててもらって「いる」感を。アンネローゼさんが振り向いたところで……わっ!てやるっす
攻撃は天候操作で風を強くして、花弁を吹き落とすのと……先輩方が攻撃しやすいよう、風で勢いつけときます


西條・東
【こども?達】
龍巳と一緒に驚かす側にいくぜ!

まずはUCの白の金魚と一緒に元気に驚かすぜ
『うーらーめしーやー!!!』
たくさん驚かしたら龍巳の雨が強くなったらそっと姿を消すぜ
そして黒金魚は敵の足元に金魚を這わせて【恐怖を与え】たり【逃亡阻止】して碎輝達に追いかけないようにする(精神攻撃も使用)
『龍巳ナイス…!(小声)』

攻撃はまたUCの金魚で【蹂躙】と【貫通攻撃】
そしてオスカーの攻撃が当たりやすいように誘導するぜ!
攻撃を受けたらお返しに【念動力】で動きを鈍らせるぜ
『へへ、驚かすのって楽しいかも!』



『くぅ~かっこいいな猟兵達! やっぱ俺も……!』
 一度はアンネローゼと刃を交えようとするも猟兵達に静止された碎輝。しかし目の前で繰り広げられる死闘(?)に少年はついに動き出そうとする。
「よ、よく考えたら、王子様以外の親分とは初めて会うん、だよな、俺……う、上手くこの場から離れて貰える、かな……」
「大丈夫だって、親分だってそこまで馬鹿じゃない……はずだ」
 キラキラと目を輝かせる碎輝を見たオスカーの言葉に東は大丈夫だと言葉を返す。
 いかに普段より子供っぽくなっているからといって猟兵の言葉に否と断ずることは無いだろうという判断だ。たぶん。
「砕輝さん、ここは俺たちに任せて妖怪さんたちの避難をお願いするっす」
「ほ、他の妖怪の事共たちを巻き込んじゃうかもしれないし……」
『うっ、でもなぁ……』
 しかし、龍己とオスカーに止められるも碎輝は渋い顔で返した。どうやら彼の体は既に闘争を求めているようだ。
「皆さんをしっかり守るのも、かっこいいと思うっすよ」
『かっこいい?』
 ピクリと碎輝が反応する。
「う、うん……皆を守りながらしんがりを務めるの……みんなができる事じゃないから……」
『守る……しんがり……』
 言葉を反芻して考え込む碎輝。
『し、仕方ないな! じゃあ俺はみんなを避難させる。ここは任せたぜ!』
 次の瞬間にはぱぁっと笑顔になると、しっぽをぶんぶん振りながら碎輝は子供たちを避難させに入った。
『くっ、碎輝が……!』
 避難誘導を始めた碎輝に対しアンネローゼは手近な燭台をバラの花弁にして碎輝をはじめ周囲を攻撃しようとする。
「うーらーめしやー!」
『ひいっ!?』
「ぴぃっ……!?」
 突然後ろから元気な声をかけられ、怯むアンネローゼ(とオスカー)。
 アンネローゼが慌てて振り向くとそこには白の金魚を使役する東の姿が。
「大人しくしないとこの金魚がアンタを食べちゃうぜ。大人しくなくても食べちゃうがな!」
 金色がかった白い金魚がアンネローゼをじっ……見据える。普段なら何とも思わないが、金魚に真正面から見られると何考えているのか分かりにくくて怖いのは気のせいではないかもしれない。
 何はともあれ白い金魚はゆらりとその身をくゆらし優雅にひれを靡かせながらアンネローゼの元へと泳いでくる。
『た、食べないでー!』
 かわいらしい悲鳴を上げながら逃げるアンネローゼとそれを追う東と金魚たち。
 聖堂の中でちょっとした鬼ごっこが始まった。
 やがていつからか、ぽつり。ぽつり。突如降ってきた水滴に床に小さなシミができた。
 音もなく、そのシミはどんどんと姿を増しやがて霧雨となったそれは教会の中を包み込む。
 無論自然現象ではない。龍己の使役する逆さ龍による力によってこの場を室内にも関わらず暗く静かな曇天へと変えたのだ。
『雨……!』
 突然の霧に驚きを隠せないアンネローゼ。
 そしてふと見渡せば先ほどまで追いかけてきていた東と金魚の姿は無く、彼らはおろか周囲1m先をも霧に包まれ見えなくなっていた。
 ゴトッ。
 ぴぃっ……
 突如遠くから音が聞こえた。
『ひっ……!』
 アンネローゼは小さな悲鳴を上げ、近くで音のした方を凝視すれば今度は足元に黒い何かの気配を感じ固まってしまう。
 何かがいる。でも何かは分からない。この状況はアンネローゼの恐怖と緊張感をじわじわと増やしていく。
 ギッ。
 今度は後方の床がきしむ音が聞こえた。
 先程とは違い、音は段々と近づいて来くる。
 少女は早鐘が如く鳴り響く心臓を抑えつつ振り返った。
「……」
 そこには今まさに驚かそうと構えた所の龍己の姿が。
 ここからどう動こうかな……と龍己が思うより早く。
『きゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』
 アンネローゼは何度目かの悲鳴を上げた。
「龍己ナイス…!」
「うっす……!」
 東が小声で龍巳へと称賛すると、龍巳は彼にサムズアップで応えたのだった。

(「二人とも、の、ノリノリだなぁ……俺も怖いや」)
 二人の驚かせの余波(?)でクロスボウを持つ彼の手も震えてはいるが、意を決して音のする方へ得物を構える。
(「二人に当たらないと、いいけど……」)
 霧の先をじっと見据えると浮かぶのは最悪のシーン。
 考えれば考える程嫌な方へと思考が囚われる。
 突如風が吹き、数m先の霧が晴れた先には、風を操り花弁を吹き落としている龍己と、金魚を使って驚かす東、そして悲鳴を上げながら逃げるアンネローゼの姿! 
「先輩!」
「今だ!」
 東と龍己がオスカーのいる方を見やる。
 二人の顔を見てオスカーも覚悟を決めた。
(「当たらないといいな……いいや」)
 絶対、彼らに当てない。
 臆病な、しかして強い意志を持つ一矢がオスカーから放たれた!
『――ッ!』
 矢は真っ直ぐに駆けていき、見事アンネローゼの胸の宝玉へと突き刺さる!
『あっ……』
 パリンっ。とガラスのような砕ける音が聞こえたかと思うとアンネローゼの体から黒い靄が抜け出していく。
「おっと」
 そのまま彼女は膝から崩れ落ちるが、その身が床に叩きつけられる前に東がその身を支え、静かに横たえた。
「だ、大丈夫、そう?」
「ああ、寝てるだけみたいだ」
「何とかなりましたね」
 無事を確認して3人はほぅと緊張が途切れて安堵の息をつく。
「しっかし、最後オスカーにいいとこ持ってかれたな」
「最後の一撃、さすがです、先輩」
「か、彼女の意識を向かせてくれてた、ふ、二人のおかげだよ……え、えへへ」
 

 こうして碎輝を狙う骸魂との戦いは幕を閉じた。

 骸魂に乗り移られた少女を心配して様子を見に来た猟兵と碎輝、そして仮装状態の少年少女。そんな中少女が目を覚ました時、悲鳴を上げたのはまた別のお話――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年10月28日


挿絵イラスト