夏が終わる前に ~ 攻略せよ、ウォータースライダー?
●なんでそうなったの?
アックス&ウィザーズ、精霊の森。
精霊の力に満ちた大森林であるこの森の中央には『天空樹』と呼ばれる巨木がそびえている。まさに天に届かんとするその巨木の中は、かつてアルダワに匹敵する広大なダンジョンが存在した、とも語り継がれていた。
「その『天空樹の迷宮』の入り口が見つかった、ってぇのが今回の発端サ」
グリモアベースで椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)が集まってくれた猟兵たちにそう告げる。
だが待ってほしい。どうして水着姿なんだ姐さん?
「まぁまぁ。たまにはいいじゃないか」
そう言って話の続きをしゃべりだす司。
「で、入り口が見つかったからには中を探検しようっていう物好きな冒険者たちが集まってくる……までは想定内だった」
はぁ、と嘆息ひとつ。司の表情はあきれ顔。
「迷宮の中にな、災魔が現れたんだ」
まぁ想定内っちゃ想定内である。迷宮なのだ、災魔がいる程度で何を慌てるというのか。と言いたいところだが、奇跡のコンボが発生していたのである。
「『ひらふわトビエイ』って言ってな。集団で空中を飛ぶ可愛いエイたちなんだが……」
そう言って司が振り向くと、グリモアベースの風景に一瞬、天空樹の迷宮の中が映る。そこに飛んでいたのは、青空からエイの形をくりぬいてきたような小さな空たち。そんなエイたちが迷宮内を悠々自適にふわふわ飛んでいる。
その、見た目、まったく害意がないのですが?
そんな視線を受けて、司もうんうんと頷きながら、しかし苦笑する。
「こいつら、人を見ると『遊ぼう?』って『水の迷宮』を出す癖があってな」
そんなわけで、冒険者と遭遇すると、嬉々として、そして皆して水の迷宮を出す。
ここで問題なのが、天空樹の迷宮の構造である。樹は空へ伸びているのだから、入り口はもちろん根元で、そして迷宮としては『上へあがっていく』構造になっている。
そしてひらふわトビエイたちがいるのは、結構上にある階層である。
「するとだな? 水は上から下へだーっと流れるわけだ……迷宮に沿って」
水の迷宮といっても一度に出る水の量は有限なので、流れていくとひらふわトビエイのいる階層から水が消える。水が消えると遊べないのでまたひらふわトビエイが水の迷宮を出す。水が流れる。また水を出す。
「これが延々と繰り返された結果……天空樹の迷宮内がウォーターアトラクションみたいになってるんだなコレが」
つまり、見た目は歴史を感じる大樹にもかかわらず、中身はキマフューの遊園地でもここまで壮大なものはあるまいって感じの、でっかいプール&ウォーターアトラクションになっていると思っていただきたい。
そして最大級の問題は入り口だ。
「なんてたってこの迷宮、入り口がひとつしかない」
つまり、上から最下層まで流れてきた水が入り口から一斉に流れだす。もはや迷宮内にある全ての水が入り口目掛けて流れてくるといっても過言ではない。
そのため、かなりの水圧と速度で水が吐き出され、侵入者を弾き飛ばしている。さながら滝を下から登っていく修行か? って感じの勢いでウォータースライダーである。
「そして、入り口を突破したとしても、だ。まだまだ水のトラップが続くってわけだ」
天空樹の迷宮は石造りの塔みたいに、決まった構造を持つダンジョンではない。
なので、真っ平らで水浸し(難易度:易)という場所もあれば、プールみたいになっていて泳いでいかなければならない場所(難易度:中)もあるし、上の階層からものすごい勢いで滝になっている、その中にある木の蔦を登っていかないといけない場所(難易度:難)もある。下手するとフロアそのものがウォータースライダーになっている場所だってあるのだ。
「というわけでだな。普通の冒険者じゃ全く太刀打ちのできない迷宮になっちまったってわけサ」
そんなこんなで、ここで猟兵の出番と相成ったわけだ。
「まだまだ夏を遊び足りないだろ? ちょっとスリリングなプールだと思って遊びに行ってくるといいさね」
もちろん水着を着て。そう、この壮大な伏線のために司は水着だったのだ! え、ほんと?
「んで、ついでにひらふわトビエイも倒してきておくれ」
そもそもひらふわトビエイもそんなに強い災魔ではない。アルダワ学園の新入生でも対処できそうな強さだし。ただまぁ、奇跡のコンボが凶悪だっただけで。
最終的にひらふわトビエイの対処をして、空樹の迷宮が元の、冒険できる迷宮に戻れば、オールオッケー。道中、遊び倒していても全然問題ない。
まぁ、禁止事項は『天空樹の迷宮の破壊』くらいだろうか。
「こっちが遊んでいたら、トビエイたちも近寄ってくるから、まぁ逃がすこともないさね」
まったりのんびりでも、ばっちりでも。遊んでいたらトビエイが集まってくる。どうしても倒せない、という人は捕獲した後、迷宮の外――精霊の森に逃がしてあげてほしい。後は精霊の森の自然淘汰に任せよう。
「ま、そんなわけだ。お前さんたち、よろしく頼むよ」
楽しそうに笑いながら司はグリモアを取り出す。
「あたいは行けないから水着で雰囲気だけだけど、お前さんたちは全力で遊んでおいで」
そう言って司は猟兵たちをアックス&ウィザーズへと送り出すのであった。
るちる
まいどお世話になってます、るちるです。
まだ俺たちの夏は終わってないぜ! え、ほんとに?
そんな感じで、水着でトライするダンジョンアタック(ゆるふわ)のお届けです。
お気軽にご参加ください。
●全体
2章構成の戦後シナリオです。
リプレイはプレイングの雰囲気を重視しつつ、ゆるふわな日常系に近い感じとなります。
1章では遊びに行く感覚でオッケー。2章もひらふわトビエイと遊んでいたらオッケーくらいの勢いでご参加ください。
迷宮内で濡れない場所は無いので、水着またはそれに準じた濡れても大丈夫な装備で行くことを推奨します。
禁止事項は他の参加者に直接迷惑をかけること。天空樹の迷宮が外と繋がる程に破壊すること。
●1章
冒険『ウォータースライダー迷宮』。
巨大な木の中に森のような迷宮が広がっています……が水没しています(ひらふわトビエイのせい)。
水没具合は結構まちまちで、マングローブ林みたいだったり、完全水没だったり、くるぶしくらいまでしか水が無かったり、色々パターンがあります。また基本的に水流が発生していると思ってください。階層間の移動は階段を登ったり、木の蔦を登ったり、なんか不思議なトラップ(水洗トイレのような仕掛け)を使ったりします。
どういう場所で遊ぶかは、参加者の皆さんの想像でシチュを決めちゃってオッケーです。
また『入り口』『迷宮内』『装備』『どうやって進むか』『進めたのか流されたのか』あたりを意識してプレ書くといい感じになると思います(全部書かなくてもオッケー)
ちなみにウォータースライダーに流されて行っても、依頼失敗とはなりません。楽しんだ者勝ちということで。
●2章
集団戦『ひらふわトビエイ』と遊びます。
トビエイに攻撃力はありません。デコピンで倒せる強さなので、まず一緒に遊んであげてください。
トビエイたちがいるフロアは腰まで緩やかな水流がある、腰まで水に浸かる深さの迷宮となっています。泳げますし、遊べますし、トビエイが近寄ってきます。
最終的にフロアからトビエイが1匹もいなくなればオッケーです。
●
オープニング承認後、1章は状況説明を入れます。その後、プレイング受付です。2章も同じく状況説明いれてからのプレ受付とさせてください。
戦争来てもまずこっち仕上げまーす。
それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす!
第1章 冒険
『ウォータースライダー迷宮』
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POW : 水には流されない! 無理やり歩いて進む!
SPD : ウォータースライダーやサーフィン等を楽しみながら進む!
WIZ : 水を利用した画期的な方法で進む!
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●やってきましたウォータースライダー迷宮
そんなわけでグリモア猟兵によって転送された猟兵たちは、天空樹の迷宮の前に辿り着く。
悠然と空に向かって伸びる巨木。周囲にある木々ですら精霊の力に満ちて神聖さを感じるというのに、その天空樹はその中でひときわ強い神聖を放っていた。
この中に迷宮がある……その入り口は根元のうろ。
だーっ、て水が吐き出されていた。
UDCアースにあるマーライオンの像にも負けないくらい、入り口から水が吐き出されていた。否、下手すると勢いこっちの方がすごいな?
だがこの中に入って、災魔を倒さねばマーライオンは終わらない。むしろ観光地として売り出すならこのままでもいいかな? って思ったけども、やっぱり冒険できないと困るので攻略しよう。
そんな感じで猟兵たちは天空樹の迷宮に立ち向かう!
そう、このウォータースライダー迷宮を攻略できるのは、水着コンテストを乗り切った猟兵たち以外にいないのだ!!
※補足※
POW/SPD/WIZの選択肢は参考程度で問題ありません。
禁止事項に抵触しないのであれば、ユーベルコードやアイテムの使用に制限はありません。
水着じゃなくても大丈夫です(デメリットもありません)
黒木・摩那
ほほ~。ウォータースライダー迷宮ですか。
もう夏も終わりですから、最後の思い出に試しに行きましょうか。
水着はこの夏に仕立てたオレンジのを着ていきます。この水着はうさ耳もセットなのです。
ウォータースライダーと言ったら、ボード『アキレウス』の出番ですね。
ボードを使って、水の上をサーフィンしていきます。上→下でも、『アキレウス』なら大丈夫。UC【混沌弾球】も使って、滝をステップする感じで登っていきます。
水の勢いに負けずに駆け上がるなんて、爽快ですね。
●
天空に向けてそびえたつ巨大な樹木。名は体を表すとはよく言ったものだ。
そんな天空樹の迷宮を目の前にして。
「ほほ~。ウォータースライダー迷宮ですか」
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は迷宮の入り口からすっごい勢いで溢れ出てる水を見て楽しそうに呟いた。
うん、ここが精霊の森じゃなかったら良いアトラクションになったよなーっていう。アルダワ、そういう娯楽少ないし。
そんな摩那の気持ちはよくわかる。でもこれ、大切な迷宮なのよね……。
「もう夏も終わりですから、最後の思い出に試しに行きましょうか」
そう、攻略っていうか、災魔どうにかしなきゃ。
オレンジのホルタークロスネックのビキニ(胸と腰のリボンがとってもキュートだぞ!)に身を包んだうさ耳摩那は長い髪を揺らして跳びはねるように。
意気揚々と迷宮の入口へと向かったのでした。
●
「ウォータースライダーと言ったら、ボード『アキレウス』の出番ですね」
むしろ、活躍できない場面ってあるの? って感じの万能加減が最高な、摩那のマジカルボード『アキレウス』である。土の中を掘り進む時くらいだろうか? それボードでやる意味ないし。
そんなわけでボードの上に乗って体勢セット。初動は少し念動力で補助をしてふわりと浮き上がって、着地した先はマーライオン化している入り口の水流である。
「っと」
勢いが凄すぎて、一瞬態勢を崩す摩那。しかし、抜群のバランス感覚で勢いを受け流し、態勢を立て直して、アキレウスon摩那は水上サーフィンを敢行する!
念動力ブースターも駆使すれば、激流に逆らって水流の表面を斬り裂くようにアキレウスが滑り抜けていく。
水流のかさ増しのせいで入り口が狭くなっている。ボードの上で背をかがめて第一関門をするりと突き抜けた摩那の視界に飛び込んできたのは、樹の中とは思えないほどの広大な空間であった。
「これは……」
見た目より広いかもしれない。もしかしたら何か魔法的な効果でも発動しているのだろうか。
そんな想像が脳裏によぎりかけるがとりあえず横に置いておいて。
視線を前に向ければ、目の前に迫る、上から流れ落ちる多数の滝。これを伝っていかないと上の階層へは辿り着けない。
「ですが……!」
摩那は足元に力を入れる。ボードの先を少し跳ね上げるようにすれば、アキレウスがさらに加速する。
「どんな角度でも『アキレウス』なら大丈夫!」
四方から落ちてくる水をアキレウスの機動で軽やかに回避しつつ、発動するのはユーベルコード【混沌弾球】。
「周辺状況を確認。予測計算開始」
摩那のかけているスマートグラス『ガリレオ』が周囲の空間を3Dスキャン。最適な経路を導き出して摩那に伝える。
「配置よし……機動開始」
摩那の声に応えて、アキレウスが跳ねる。次に着地するのは流れ落ちてくる滝。そしてそこからまた跳ねて隣に分水している小さな滝へ。三角飛びのように跳躍を駆使して、摩那とアキレウスが滝を跳ね上がっていく。まるでウサギがステップして登っていくように。
「水の勢いに負けずに駆け上がるなんて、爽快ですね」
笑みすら浮かべて摩那は軽快に、ウォータースライダー迷宮を突破していくのであった!
大成功
🔵🔵🔵
津崎・要明
(水着で参加)
青空を切り取ったようなエイ・・・だと?
なにそれ絶対かわいいし。
オブリビオンということはですね、UDCメカニックとしてはちょっと捕まえて連れて帰って使役しちゃおうかなみたいな?
今使役しているのは、ほぼ触手系だしね・・・癒されたい…(鎮痛の面持ち)
そんな野望を抱きつつ滝登るとしよう。
走って流され、よじ登って流され、
最初は楽しんでいたけれど少しずつ体力を削られて考え直し
水流の弱いところでは休憩をはさみつつ
地道にバウンドモードで登っていくのであった
でもまだ時々流される。
こんなにキツイと思ってなかったわ
まあ、幻想的な景色が心を癒してくれるかな?
なんか、腹空いてきた…
●
ウォータースライダー迷宮化した天空樹の迷宮を目の前にして、津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)はグリモア猟兵の言葉を思い出していた。
「青空を切り取ったようなエイ……だと?」
思わず零れ出る声。その声は切実であった。
「なにそれ絶対かわいいし」
うん、愛でる方向でね? めっちゃ可愛がるつもりの声音ですね?
何かを感じ取ったのか、要明は天空樹を見上げて言葉を紡ぐ。そう、まだ見ぬ『ひらふわトビエイ』に向けて……。
「オブリビオンということはですね、UDCメカニックとしてはちょっと捕まえて連れて帰って使役しちゃおうかなみたいな?」
なるほどね? 確かにUDCメカニックとしては見過ごせないチャンスなのかもしれない。しかし、こやつに攻撃力は……。
「今使役しているのは、ほぼ触手系だしね……癒されたい……」
切実にして鎮痛の面持ちで目頭を押さえる要明。まぁ1匹くらいなら捕まえても大丈夫かなー? トビエイがいいよって言ったらね?
「よし、いこう」
そんな野望を抱きつつ、要明は今度こそ迷宮に挑むのであった。
●
そんなわけでトビエイに会うためには、この迷宮をクリアしなければいけない。
インストラクターを思わせる軽快にして爽快。白のシャツに青いロングのパンツで、水辺で遊ぶには最適な姿となっている要明。
入り口の水流は、ブラックタール特有の弾力というか変形性を利用して強引に勢いを受け流した。中に入ってしまえばこっちのもの(?)である。
「ふぅ……」
びしょ濡れになりながら人型を保って、天空樹の迷宮に視線を巡らせる要明。
「あれかな」
上から流れ落ちる滝。それも樹皮に近い方。ここなら滝の中を突き進まなくても壁を登っていけば、なんとか。
だがそこまでも緩やか……というか結構な勢いで足元をさらうように水が流れていた。
「おっと?!」
走っては足元をすくわれて流されー……(入り口に戻る)
「うわっ?!」
滝の下まで辿り着いて壁を登り始めれば、何故か急に増水した滝に押し流されー……(入り口に戻る)
「…………」
最初はそれすらも楽しんでいたけれども、何度も繰り返されるとさすがにげんなりしてくる。少しずつ体力も削られていくし。
「むぅ……」
そこで考え直した要明は。
【バウンドボディ】発動である。強い伸縮性と任意の速度で戻る弾力性を駆使する作戦!
「ここで休んで……」
水流の弱いところでは休憩をはさみつつ、地道にバウンドモードで、着実に登っていく要明。
「あーーーーっ」
でも時々流されるのはご愛敬である。
そんなこんなでどうにかこうにか上の階層へ辿り着いたわけだが。
「こんなにキツイと思ってなかったわ」
ぐったりしていた。
しかし、である。上の階層は水流も少なく、光や精霊が水辺を舞う、ひと時の幻想的な休息場をもたらしてくれていた。
「まあ、幻想的な景色が心を癒してくれるかな?」
『なんか、腹空いてきたな』とは口に出さないでおいておいた。
大成功
🔵🔵🔵
ミフェット・マザーグース
ティエル(f01244)といっしょにそろえた水着で突入!
今年の水着、海賊のしたっぱな衣装だよ
すっごくお久しぶりの友達、アテナ(f16989)もいっしょに行くね!
入り口すごい……すっごいね!
どうやって入ろう、かな?って思ってたら、サーフィンで突入する気満々!?
慌ててサーフィンボードを借りてきて、えーと、サーフィンの乗り方をを教わってから、改めて突入!……わー、ごめーんやっぱりダメだった!
UC【バウンドボディ】
のばした髪の毛を触手に変えて、みょーんって入り口に張り付けて飛ぶよ
二人といっしょに迷宮に入ったら、触手を使ってトラップを乗り越えたり、みんなが落ちそうなら触手で助けて、がんばって上に進むね。
アテナ・アイリス
今までいろんな冒険を乗り越えてきた私たちにとっては、こんなの余裕だわね。
ならせっかくだから、UC『ノルンの悪戯』を使って12歳ぐらいの年格好になって、仲良しのティエル(f01244)、ミフェット(f09867)と思いっきり遊ぶわよ。
よし、最初は入り口の水流をつかって、サーフィンして遊ぶわよ。そして、その勢いで「見切り」 「第六感」「 怪力」「 早業」 「オーラ防御」 「息止め」を使って、流れに逆らって入り口やウォータースライダーを突破していくわよ。
迷宮にさえ入ってしまえば、3人の力を合わせれば余裕余裕、、、のはずよね?
ティエル・ティエリエル
ボクとミフェット(f09867)はお揃いのテーマの海賊さん水着!
アテナ(f16989)も今日は特別名誉海賊さんだ!
わーい、お水がいっぱいドバドバ出てきてる~♪
水の途切れた隙に入口から飛び込んで、次に水が流れてくるのを待ち構えるよ♪
水が流れてきたら準備しておいたフェアリー用サーフボードに乗って水流でサーフィンだ!
アースクライシス2019で練習した『サーフィン魔法』、そのサーフィンテクニックを披露しちゃうぞ☆
そのまま水流に乗って入口のマーライオンから飛び出したら、
サーフボードを蹴って、くるくるくると3回転半にひねりを加えて着地!10点満点だ♪
そんな感じに十分遊んだら、世界樹を登っていくぞー☆
●
いまだにどどどどーっとすごい勢いで水を放出し続けている天空樹の迷宮。もはや違うダンジョンだろこれっていうツッコミはなく。
「入り口すごい……すっごいね!」
「わーい、お水がいっぱいドバドバ出てきてる~♪」
目をキラキラさせてその光景に臨んでいるミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)がおりまして。
「今までいろんな冒険を乗り越えてきた私たちにとっては、こんなの余裕だわね」
そしてその数歩後ろから後方分かってる顔のアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)。ポジション(戦闘除く)的にはこの位置が一番落ち着くんじゃなかろーか彼女。
まぁそんな感じで、天空樹の迷宮を攻略すべく、どーんと集まった3人はエルフ、ブラックタール、フェアリーという組み合わせ。
「アテナもいっしょだよ!」
ミフェットが『すっごくお久しぶり!』とアテナに向けて手を掲げれば。
「ええ、思いっきり遊ぶわよ」
アテナもまた仲良しのミフェットの手に自分の手を合わせてハイタッチ。
「わーい♪」
そこへティエルも飛んできて小さな体で二人の手の間に割り込んで、ちょん、ちょんと両方にハイタッチ。
そんな遊ぶ気満々の3人はもちろん水着である。
「「いぇーい♪」」
と改めてハイタッチしているミフェットとティエルの水着はお揃いのテーマでつくったもの。
「海賊さん水着だよ!」
「海賊のしたっぱな水着だよ!」
息の合ったコンビネーションで水着をお披露目するティエルとミフェット。
海賊の親玉っぽい羽根のついた帽子とオレンジの大きなコート。と見せかけて中は可愛いビキニ姿である。フォークは箒の代わり? 剣の代わり?
一方、ミフェットはボーダーのワンピース。頭のバンダナがとっても子分っぽいぞ! 胸元のフリル(錨のマーク?)も似合ってます。
「アテナも今日は特別名誉海賊さんだ!」
「ええ。謹んで」
大仰にお辞儀して拝領するアテナ。こちらはホルターネックの青いビキニ(独断と偏見で着せました)にラッシュガードを羽織って、うん、ちょっとだけミフェットの上? って感じ。
というわけで、海賊たちは荒波……じゃなかった、ウォータースライダー迷宮に挑むであった!
●
さて。
アテナは目の前ではしゃいでいるティエルとミフェットを見る。10歳のフェアリー(身長21.4cm)と12歳のブラックタール(138.7cm)である。
「……」
身長は……まだいい。言ってもミフェットがいる。しかし、その年齢差は、うん。
「ならせっかくだから」
そこで次の手が打てるのが彼女の才覚である。ユーベルコード【ノルンの悪戯】発動!
あっという間に、アテナが12歳ぐらいの背格好になる。本人曰く、『相手の年齢と好みにあわせて、デートができるので便利』とのこと。何そのチート。
というわけで改めて! 少女海賊団は天空樹の迷宮に突入する。
入り口からの水流はいまだ止まる気配なく、どばどば出ているわけだが。
「……あれ?」
ティエルが首を傾げる。どうも、ずーっと水が流れ続けているわけではなく、一定のタイミングで水量が増える……いや、逆か。何の拍子かわからないけれども、だっぱーん、と水が吐き出されて、水量と勢いが一時的に弱まるようだ。
「よーし」
早くもそれを見切ったティエルが水量の少なくなったタイミングで、入り口から突入! 空間的な隙もさることながらフェアリーの機動力がすごい。飛翔して、するっと入り口から侵入したティエルは、中からミフェットとアテナに向かって叫ぶ。
「ふたりともはやくー!」
「「いやいやいやいや」」
しかしティエルの言葉にミフェットとアテナは顔を見合わせて片手をぶんぶん振る。そんなフェアリー特有のクリア手順を公開されましても。
「どうやって入ろう、かな?」
改めて攻略手順を模索するミフェット。
「……よし」
その時アテナが呟いた。その力強い声に思わずミフェットがアテナを見る。
「最初は入り口の水流をつかって、サーフィンして遊ぶわよ」
「遊ぶの!?」
「あ、間違い。サーフィンを使って突入するわよ」
「サーフィンで突入する気満々!?」
どっちにしてもサーフィンする気満々だった。
アテナは自分から言い出したくらいなので準備万端だったりする。大慌てなのはミフェットだ。慌ててサーフィンボードを借りてくるところからなのだから。
「えーと……」
そしてサーフィンの乗り方をアテナから伝授され、なんとか乗れるようになったところで、レッツ・迷宮突入。
「いくわよ」
「う、うん!」
アテナの合図で激しく流れてきた水流に飛び乗る二人。ボードが波を掴まえて、そのまま軌道に乗る……。
「わー、ごめーんやっぱりダメだったー!!」
「ミフェットーーーっ?!」
あっさり海に落ちる子分並みに、さっくり流されていくミフェット。
一方、波に乗ったアテナは手を伸ばしかけて、引っ込める。一度波に乗ったからには行かなければ……!
波のうねりを見切り、第六感で流れを感じ取り、強引に押し流されそうになるボードを怪力と早業によるコンビネーションでコントロールする。それでも回避しきれない大波は……オーラ防御で衝撃を吸収しつつ、息を止めて乗り越える!!
「……ぷはっ!」
大波に飲み込まれながらも乗り越えて。アテナもまた迷宮内に突入できたのでした。
●
「おそいよー」
可愛く頬を膨らませてぷんぷんといった様相のティエル親分。
「ご、ごめん……」
したっぱのミフェットはずぶ濡れになりながらも、親分の前では小さくなるしか……この体格差ではどうやってもティエルの方が小さいけど、まぁ比喩表現です。
こう、テクニカルな手段では突破できないと悟ったミフェットは【バウンドボディ】を使って、体質を変化。伸縮性と弾性を付与した髪を、みょーんと伸ばして触手のように使い、みょーんと入り口に張り付けて、水の上を跳ねてきたのである。自力ウェイクボードみたいな。
とにもかくにも、アテナも含めて少女海賊団は天空樹の迷宮の入り口を突破した!
後は迷宮内のアトラクション……じゃなかった、ウォータートラップだけである。
というか、ティエルとアテナは時間があったので、次の遊び場を探し当てている。
「「サーフィンだー!!」」
「またー?!」
アテナとティエルの言葉に、思わずツッコミを入れるミフェットでした。
若干がくぶるしているミフェットとは別に、アテナは良い調子で波に乗れているし、ティエルは今からが本番だ。
少し進んだところにあった、いい感じの急流まで辿り着いたティエルは早速準備しておいたフェアリー用サーフボードを取り出して空へ投げる。自分の羽根で一瞬ふわりと飛び上がって、ボードの上に飛び乗れば、そのまま水の上に着地。
「アースクライシス2019で練習した『サーフィン魔法』、そのサーフィンテクニックを披露しちゃうぞ☆」
アースクライシスの時に何してたの姫。あ、秘密だった。しかし、自信満々に言うだけあって、その波乗りは華麗の一言に尽きる。水流に逆らうように、しかし水流の隙間を縫って、ティエルは突き進む。
おっと、終わりが見えてきたようだ。
「ていっ☆」
掛け声とともにティエルがサーフボードを蹴る。するとその勢いでボードがくるくるくると3回転半。着地はひねりを加えて軽やかにポーズ!
「10点満点だ♪」
「「おー!」」
アテナとミフェットから盛大な拍手が起こりました。
そんな感じで3人で十分に遊びつくした少女海賊団。
「世界樹を登っていくぞー☆」
「おー」
ティエルの言葉に、ミフェットが元気よく応える。そんな様子を微笑ましく見守りながら、アテナが呟く。
「3人の力を合わせれば余裕余裕……のはずよね?」
それがフラグだったなんて、その時は誰も……あ、フラグブレイカーがいた。
「いっくよー」
バウンド触手を駆使するミフェットがティエルとアテナの道行きを支える。触手でトラップを潰したり、落ちそうな場所では触手で支えたり。
「ありがとー!」
「この調子なら、大丈夫ね」
「えへへ」
そんな感じで3人協力して、上へと進むのでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
楊・美帆
ファルルカ君(f32779)と
見て見てファルルカ君!すっごいナー!うぉーたーすらいだー?だってサ!
UDCのプールなんて知らないから大はしゃぎ。
今年の水着姿で、抵抗の大きそうなパーカーは脱いで。お遊び気分でダンジョンへ突入。
流水の中を力任せにズンズン進む。
足元に気をつけてネ!
彼が流されそうになったら、青い炎の手でがっちり掴まえて引っぱるヨ。
この手、水で消えちゃわないカナ?
ちょっと不安だけれども。
なんだろこのボタン?
うっかりトラップを発動させて、押し寄せる濁流に攫われる。
ワハハ、びっくりしたナァ……うん?
お約束でブラが脱げちゃってたり。
アワワッ!?……み、見えちゃったかい?
慌てて両手で胸元を隠す。
ファルルカ・ウェレマイン
メイファンさん(f33513)と
猟兵として、ですがはじめてやってきたプール
…プール、でいいのでしょうか?
ともあれ、メイファンさんも楽しそうですしせっかくなのでボクも楽しみながら
水流に乗って遊べば楽しそうですが
今回目的は上ですので
浮き輪ぷかり。仙術で周囲の水流の勢いを無効化
それでもメイファンさんの方が早いので脚で水をかきつつ…
うっかり流されそうなのを手を繋いで貰って
少し情けないですけど…うん、でも嬉しい気持ちです
道中トラブルもあるかもですけどメイファンさんとならいい思い出に――
……~~っ!? あわわ、だ、大丈夫ですっ
な、何も見てないですからっ
…と、顔にあたっちゃった水着を下向きながら差し出して…
●
天までそびえる天空樹の迷宮。
災魔との奇跡のコラボレーションを成し遂げてしまったこの迷宮の入り口、大量の水が絶え間なく吹き出ているその光景を見て。
「見て見てファルルカ君! すっごいナー! うぉーたーすらいだー? だってサ!」
楊・美帆(デッドハンド・f33513)はめっちゃ楽しそうでした。
曰く、『UDCのプールなんて知らないから』とのことで、これがプールかなって感じで大はしゃぎしている。
「……プール、でいいのでしょうか?」
そこで小さくツッコミを入れたのは一緒に遊びに来ていたファルルカ・ウェレマイン(月のフラジャイル・f32779)である。彼の場合、『猟兵として、ですがはじめてやってきたプール』なので、プールそのものの知識はある。あるが……えーとこれは? どうすれば?
(メイファンさん、楽しそうですし)
水を差す必要もないか、とファルルカは気を取り直す。
そんな美帆は既にパーカーを脱ぎ捨てて、青い肌に魅惑的な紫かつ中華風なデザインのビキニを披露している。恥ずかしそうにしていたのに何でパーカー脱ぎ捨てたかって水の抵抗が凄そうだったからである。
「ファルルカ君、行くヨー!」
でも楽しそうなので無問題。
(せっかくなのでボクも楽しみながら)
そんな美帆に触発されて、ファルルカもまた浮き輪を手に水着姿へ。こちらのパーカーはシンプルなので抵抗も大丈夫そう。肩掛けバッグやポッケのパンダスマホを流されないように確認して。
お遊び気分でダンジョンへ突入した美帆に続いて、ファルルカもまたダンジョンに突入するのであった。
で。
まずは絶え間なく水が流れ、否、ポンプみたいに水流を吐き出し続けている入り口である。
「ヨーシ!」
と美帆。水流に強引に割り込む。華奢な体をしている可愛い少女だが、彼女の本質はパワーファイター。水流に逆らうなんて余裕なのである。
「足元に気をつけてネ!」
水流の中を力任せにズンズン突き進みながら、振り返って注意を促すほどに余裕があるのだ。
「は、はい」
と返事を返すファルルカは浮き輪ぷかり。え? ぷかり?
実は仙術【乾坤混天綾】で周辺の陰陽の法則を逆転させているのだ。すなわち、水は流れず、停滞するのみ。
(水流に乗って遊べば楽しそうですが)
とも思ったが、今回の目的は上まで登ることなので、このような手段に。
(それでもメイファンさんの方が早いんですがっ!)
どういうことなの?
懸命に脚で水をかきつつ、追い付こうとするファルルカ。しかし、焦ると良くないことが起こるのは常である。
「わっ……!?」
水流が止まっているとはいえ、水は水。抵抗があったり、そもそも中に障害物があったりする。そこにひっかかって態勢を崩しかけるファルルカ。気が乱れ、瞬間、仙術が解けそうになる!
「ファルルカ君!」
「……!」
水に沈みかける直前、聞こえてきた声と視界に入ってきた手。その手は青い炎で普通ではないけれども、確かに知っている人の手。
咄嗟に伸ばしたファルルカの手を美帆の手ががっちり掴む。
「よかっター……」
ぐいっと美帆がファルルカを引き寄せて、態勢を整えさせる。
「す、すみません……」
そういうファルルカは少し情けないような気分に陥りながらも。
(……うん、でも嬉しい気持ちです)
美帆と握りあっている手に視線を落とす。
(……よかっタ)
内心で美帆もそう思っていた。
この手、青い炎の手。この手を伸ばしても、水で消えてしまうのではないか、と……不安だったのだ。でもこの手はしっかりとファルルカの手を掴むことが出来た。
「……」
思わず口端に笑みを浮かべて。美帆もまたファルルカと繋いだ手に視線を落としていたのである。
……が、そんな空気を読まないのがこの天空樹の迷宮(注:MS)さ!
ファルルカの体勢を立て直すのに集中しすぎていて、美帆は足元のスイッチ(!)に気付いていなかった!
かちっ。
「……ン?」
『なんだろこのボタン?』と美帆が思った次の瞬間には、水流大増量。濁流となった水流が全力で二人に迫っていた!
「ワーッ!?」
「うわーっ?!」
耐えるなんてさせるわけないだろ? っていう勢いの水流が二人を飲み込んでそのまま外までざっぱーん!
すっかり元の位置に戻りつつ、頭の先から足の先までしっかりずぶ濡れになりつつ、何か知らんけど向かい合う形で地面に座り込んでいた美帆とファルルカ。
ぽかーんとお互いの顔を見合わせていたが、思わず『ぷっ』と吹き出す。
「ワハハ、びっくりしたナァ!」
「そうですね、アハハ」
楽しそうに笑い合いながら、改めて天空樹の迷宮を見上げる二人。
その時。
「……うん?」
それは美帆が不意に感じた胸元の違和感。なんか涼しい、すーすーする。視線を胸元に落とす。それに釣られてファルルカもまた視線を下へ落とす。
「アワワッ!?」
「……~~っ!?」
慌てて両手で胸元を覆い隠す美帆と咄嗟にいつの間にか手に握っていた布で視界を隠すファルルカ。
ええ、お約束です。流されていたようです。
「……み、見えちゃったかい?」
「だ、大丈夫ですっ。な、何も見てないですからっ」
そう見てない。たぶん。見えてないはずだ。
そんな暗示を自分にかけているファルルカに、申し訳なさそうに美帆が声をかける。
「フ、ファルルカ君……ソレ、ボクの……」
「……あわわ?!」
そう言われて握っているモノを確認するファルルカ。
そして大慌てで下を向きながら、顔に当たっちゃった美帆の水着を差し出すのでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミコト・イザナギ
【天狗狼】
真夏の最後です、水着を纏って挑みましょうか
やあや神様、真夏の終わりをいかがお過ごしでしょうか?
オレは只今絶賛ダンジョンに入り口で激流に吹っ飛ばされました
あーれー
いえ、オレの神様に話しかけていただけ
ただの独り言ですので気にしない方向で
あ、そっちに?
何か嫌な予感が…ホラ来たーッ!?
今度はコッチから行きましょう
マングローブ林を雷獣に乗って進みましょう
オレのヌエに超えられない道は無い
そう思っていた時期がオレにもありました
なんで真正面から津波が来るですかーっ!?
アババ、ディアナ捕まって、溺れ、ぶくぶくぶく、…!
絶対昇ってやりますからねー!
なんて言った傍から渦潮って何事ですかー!!
ディアナ・ロドクルーン
【天狗狼】
水着を着るのも今年最後だから張り切って遊んじゃいましょう!
(2021の水着JC参照
さ、迷宮へいくわよー。楽な方から行きましょ
ほら其処に階段があるし、ゆるゆる登っていきましょうよ
思ったよりよゆ……んあぁぁぁぁ(と話している間に水に流されていく人狼)
ん…ミコトさん誰とお話ししているの??
今のは油断しただけだから、次はこっちの方から行きましょう
絶対登り切ってやるんだから!
(でも流される。あ~れ~~)
それ!(ビシッ)騎獣に乗るのあり!
ヌエ君に乗って楽して登頂しましょ
ってそうは問屋が卸さない!?なんでぇぇぇ津波ぃぃ
(がっしり死ぬ気で掴んで離さない)
ひえっっアトラクションって次元を超えてない!?
●
今もなお、ものっそい勢いで水を吐き出し続けている天空樹の迷宮の入り口。
それを望みながら、ミコト・イザナギ(語り音の天狗・f23042)とディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)はお互いに視線をやり取りする。
「真夏の最後です、水着を纏って挑みましょうか」
そう言って上着を脱ぎ捨てるミコト。活動力を重視した赤い、しかし腰の横にある紐がセクシーなサーフパンツのみ(足元は気にしてはいけない)で突撃するようだ。
「水着を着るのも今年最後だから張り切って遊んじゃいましょう!」
ディアナもストールを脱ぎ捨ててやる気だった。ハイネックの競泳水着……と見せかけて背中のカットアウトが大胆すぎるセクシー水着(でも腰のリボンはキュートだよ)で突撃態勢。
ここにガチ(?)攻略班が誕生したのである。
…………そして。
「やあやあ神様、真夏の終わりをいかがお過ごしでしょうか?」
何故か語り駆ける口調のミコト。
「オレは只今絶賛ダンジョンに入り口で激流に吹っ飛ばされました、あーれー……」
入り口の水流に勝てず、全力で流されていったミコトがそこにいたのである。さっきまでのクールさはどこいったの、ねぇ?
「ん……ミコトさん誰とお話ししているの??」
そう告げるディアナは既に流された後である。四つん這いになってちょっと息が荒い。つまり、流されし終着点で二人は合流したのだ。
「いえ、オレの神様に話しかけていただけ。ただの独り言ですので気にしない方向で」
「そう」
この状況を鑑みるに、うっかりピクニック気分で乗り込んだ二人をウォータープレッシャーな洗礼が押し流したっぽい。
天空樹の迷宮の容赦ないリア充爆発しろであった。あっまって天空樹さん怒らないで取り消すから!
そんなこんなしている間に、ずぶ濡れになりながらも強引に入り口の水流を突破したらしいミコトとディアナ。
「はぁ、はぁ……」
膝に手を突きながら息を整えて。長い髪と一緒に狼の耳もぷるぷるっと振るって水滴を落とせば、ようやくディアナの視界に迷宮の姿が飛び込んでくる。
「ほう。これはすごいな」
同じく息を整え、そして危うく外れかけた仮面もしっかりと直して、ミコトもまた迷宮の中に視線を巡らせる。
樹の中なのに広大な空間。そして差し込む光が空中に舞う水滴にあたって虹ができている。ともすれば幻想的な光景に……しかし水流がどどどどどーっと至るところで流れている。ここ、滝の絶景だっけ?
「迷宮へいくわよー。楽な方から行きましょ」
あんまり気にせずにディアナがミコトの手を引く。
「ほら其処に階段があるし、ゆるゆる登っていきましょうよ」
「う、うん?」
なんか若干の不安を感じつつ、ディアナが誘う方向へ歩き出すミコト。
「あら、もしかして思ったよりよゆ……んあぁぁぁぁ」
「あぁぁぁぁ~~~」
軽快に進んでいたというのに、前方から流れだしてきた水流に飲み込まれる二人。ドップラー効果を残しながらスタートへ戻る。
「……」
「い、今のは油断しただけだから。次はこっちの方から行きましょう」
ミコトの冷たい視線に臆することもなく、髪をかき上げたディアナは別の階段を指し示す。
「何か嫌な予感が……ホラ来たーッ!?」
ミコトの悪い予感はよく当たる。もしかしたらディアナ限定かもしれない。もういっかい、綺麗に華麗に流されていく羅刹と人狼。
水が流れ切った後、そこにあったのは地面に倒れ伏す2体の死体……いや、まだ生きてるよ。
「絶対登り切ってやるんだから!」
がばっと起き上がって、猛然とダッシュで階段を駆け上がるディアナ!
「あ~れ~~」
しかしまた流される狼っ娘。
「どうしてっ……!」
地面を悔し気に叩くディアナ。
そんな様子のディアナにミコトがぽんと肩をたたく。
「今度はコッチから行きましょう」
そっちはマングローブ林。たぶん水流は来ない。
そしてミコトは【朧の雷獣・奴延鳥】で雷獣を呼び出す。
「それ!」
雷獣をみて、ビシッと指さすディアナ。
「騎獣に乗るのあり! ヌエ君に乗って楽して登頂しましょ」
そんなわけでいそいそと飛び乗ったディアナ。
こうして二人はようやく天空樹の迷宮を攻略する。
「ふっ。オレのヌエに超えられない道は無い。そう思っていた時期がオレにもありました」
「ぎゃー!! ヌエ君かわしてかわしてー!!」
「なんで真正面から津波が来るですかーっ!?」
もうどうなってんだよこの迷宮。
そんな感じで唐突に巻き起こった大波に飲み込まれる二人と雷獣。
「アババ、ディアナ捕まって、溺れ、ぶくぶくぶく、……!」
あまりの展開にがっしり死ぬ気で捕まっているディアナに引き込まれるようにして沈むミコト。
「なんでぇぇぇ津波ぃぃ……アトラクションって次元を超えてない!?」
『ひえっっ』ってなりながら、どうにか生還したディアナが叫ぶ。
「絶対昇ってやりますからねー!」
ここまでくればミコトも意地である。何が何でも……。
「ってそうは問屋が卸さない!?」
「なんて言った傍から渦潮って何事ですかー!!
もうこれ天災じゃん?
そんな感じの水の洗礼に、ミコトとディアナは必死に逃げ回るのでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ひらふわトビエイ』
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POW : いっしょにあそぼう?
戦場全体に、【水】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD : いたいのいたいのとんでってー?
【尻尾からの淡い聖なる光】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
WIZ : おやすみのうたを
【ひらひらから心地良い風】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ウォーターアトラクション(一部、アトラクションの域を超えていたのは秘密)を突破した猟兵たち。
ほぼほぼ例に漏れず、ずぶ濡れになりながらも水着であったがゆえに、行動を阻害されるようなことは無く、上の階層へと突き進む。
そして、ついにそのフロアへと辿り着いた……!
そこは大きな湖のようであった。
『ひらふわトビエイ』がもたらす水の迷宮、その影響で湖面には常に緩やかな波紋と流れが浮かんでいる。水の深さも人間(一般成人)の腰くらいまで。
その上を跳びはねるように、あるいは空を飛ぶように。
『ひらふわトビエイ』が浮かんでいた。ひらひらっとふわふわっと。そうあることが自然なように、トビエイたちは浮かんでいたのである、空に、水に。
『……!』
どうやらひらふわトビエイたちが猟兵たちに気づいたようだ。
『いっしょにあそぼう?』
そう言ってさらに水の迷宮を追加するトビエイたち。
フロアに水の量が増える……と同時に、どこやら一か所からすっごい勢いで水が落ちていった!?
うん、どうやら重量制限制らしい(水のみ)
なので、先ほどの腰の高さからは水も増えないっぽいが、水が流れていく関係で、水流は穏やかな時だけとは限らないっぽい。それこそ、ウォータースライダー化したり、渦潮が起こったり。
でも、とりあえずは。
『あそぼ?』
楽しそうに近寄ってくるトビエイたちと遊ぶのが先決だ。遊んであげないと外に連れ出すのも大変そうだし。
そんな感じで、猟兵たちは広大なプールでひらふわトビエイたちと遊ぶことにしたのである。
※補足※
でっかいプールになっていると思ってください。時々底が抜けます。その関係で普段は流れるプールくらいの水流なのですが、唐突に流れが変わります(プレイングでお好きなように料理してください)
ちなみに一緒に流されていった場合はひとつ下の階層に流されますが、すぐ復帰できます。
それ以外は普通のプールです。泳げますし、遊べます。
遊んでいるとトビエイが近寄ってきますが、必ずしも構う必要はありません。
構ってあげるとめっちゃ喜びますが、構わなくても遊んでいる皆さんを見て、喜びます。
ちゃんと飼える人は1匹だけ連れ帰っても大丈夫、かも?(プレやプロフィールで判断します)
最終的にこのフロアからトビエイたちを全て排除するのが目的なので、そのための行動を以下からお願いします。
・一緒に遊んで懐かれる(皆さんについていくので必然的に外に出ます)
・退治する(デコピン一発で目が×印になって骸の海に還ります)
・捕まえて外に出す(警戒心が無いのでさくっと捕まえられます)
簡単に言うと、1章と同じノリで遊んでいて大丈夫です(さむずあっぷ)
化野・那由他
大樹の中にこんな場所が広がっているなんて……。
水着を着て臨むと致しましょう。
あ、本体である奇書はビニール袋で包んで念動力で浮かせます(雑
あら、貴方がトビエイですね。可愛いらしいですねぇ。
ここは妖奇譚『蛟』の出番です。
すっかり忘れていたのですけど、蛟、大きさを変えられるのですよね。
というわけで、一人乗り(?)の蛇のような大きさにして、
それに乗ってトビエイたちと飛び跳ねるとしましょう。
水飛沫を跳ね上げながら、キラキラと。
はい、この夏最後の思い出を作っておきたいのです。
トビエイたちと一緒にざっぱーんと外に飛び出し、精霊の森へと誘えれば万事解決ですね。空に虹を描いたりしながら……。
アドリブ大歓迎です!
●
「ぷはっ……!」
それは空気を求めて水面から顔を出す音。思いっきり新鮮な空気を吸い込んで……吐いて……。そして顔と長い黒髪についた水滴を振り払うように少しばかり頭を振って、その女性はフロアを見渡す。
「大樹の中にこんな場所が広がっているなんて……」
その言葉は吐息とともに零れるように。化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)は呟く。
実は……うっかり波に飲み込まれて溺れそうになっていたのは秘密である。ちなみにヤドリガミの那由他、その本体である奇書は今は彼女の上に念動力でふわふわと浮いているが、先ほどはばっちり一緒に波に巻き込まれていた。包んでいるビニール袋が無ければ即死だった……いや、もっと大切にして?
そんなこんながありつつ、無事生還(?)した那由他はこのフロアに辿り着いたわけである。
落ち着いてプールの底を自分の足でしっかり掴んで立ち上がる。するといつもは着物の奥に隠れて(?)いる色白の肢体が惜しみなく。
黒いシンプルなビキニ姿の那由他はいつもより活動的に見える不思議。
そんな那由他に誘われてか、『ひらふわトビエイ』たちが那由他を取り囲んでいる。……いや待てよ、さっきの波、こいつらのせいだな?
「あら、貴方がトビエイですね。可愛いらしいですねぇ」
しかし 那由他は その事実に きづいていない!
まぁこの辺りが那由他の那由他たる所以かもしれないし、彼女の良いところだと思います。
近寄ってきたトビエイを指先でちょんとつつくと、空色の体が波のように揺れる。
それを見て笑みを浮かべた那由他は、側に浮いていた奇書を手に取った。
「ここで【妖奇譚『蛟』】の出番です」
と呼び出すのは蛟――水神とも書く、水を司る存在。その巨大な体で那由他の周りをトビエイごと囲みつつ、蛟は那由他の命令を待つ……。
「すっかり忘れていたのですけど、蛟、大きさを変えられるのですよね」
『……!?』
頬に手を当て、ほうと吐息を漏らしながらそう告げた那由他の言葉に、蛟さんが思いっきり二度見した。『えっマジっすか!?』的な顔をしている蛟さんと、全然それに気付いていない那由他さん。
「というわけで、一人乗り(?)の大きさにしまして……」
そう言って那由他が蛟に触れると、那由他の意志に従ってその大きさが小さくなっていく。ミニ蛟さんである。
「それではトビエイたちと飛び跳ねるとしましょう」
そのまま蛟にまたがると、那由他を乗せて蛟がゆっくりとプールの上を泳ぎ出す。時折、打ち寄せてくる波とぶつかって、水飛沫が跳ね上がる。
ぱしゃっ、とトビエイたちに水がかかると、トビエイたちも嬉しそうに那由他を追う。
「……!」
トビエイたちの気配を背後に感じて、那由他が振り向くと、そこには跳びはねた水滴の中を、舞うトビエイたち。それはまるで雨の中を踊るようで。さらにそこに差し込んできた光がキラキラと煌めく。
(はい、この夏最後の思い出を作っておきたいのです)
トビエイたちと追いかけっこしたり、プールの中にもぐったり。那由他はトビエイたちを遊びつくす勢いでプールの中を存分に堪能する。
その時。べぎっ。という激しい音がした。
「……え?」
那由他が音のした方を向くと、そこにはぽっかり空へ続く穴が。どうやらそろそろ天空樹の外殻が水圧に耐えられなくなったらしい。
問題は……新たな水の行き先が出来たということである。
「えっ? えっ?」」
動揺している那由他を待つことなく、蛟ごと水が天空樹の外……空へ投げ出される……!
「……!」
こうなったら覚悟するしかない!
トビエイたちを引き連れて、蛟をしっかりと掴んだ那由他はそのまま空へ、ざっぱーん! と飛び出す。今度は本当の空だけれども。天空樹から流れ出る水流は滝のようになって、そこに大きな虹をかける。
ついで空に飛び出てきたトビエイたち。那由他を見つけて空をふわふわと近寄ってくる。
(……ええ。このまま精霊の森へと誘えれば万事解決ですね)
那由他が蛟に乗ったまま、ゆっくりと森へと降下すれば、それに釣られてトビエイたちもぱたぱたと追いかけていく。
もうしばらく森で遊ぶことが出来るだろう。またプールとは違った別の楽しみ方。
そんなことを思いながら那由他は口元にやさしい笑みを浮かべるのであった。
ちなみに、天空樹に開いた穴は不思議な力で塞がれました(プールキープ!)
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
エイといったら、カスベとも言って美味しいと聞いていたのですが、これは見るからに水っぽいし、そもそも叩いたら、即、躯の海行きですから食べられないですね。
残念です。
ここは開き直って、思いっきりボード『アキレウス』で渦潮を楽しみましょう!
トビエイと一緒にサーフィンもいいですね。
あ、でもエイを片付けるのが依頼ですから、締めにUC【サイキックブラスト】をヨーヨーを通して流し込んで捕まえ、袋詰めしてフロアから出てもらいます。
津崎・要明
うわ、予想以上にかわいいな。
よし!思いっきり遊ぶぞ。
水流に足を取られながら追いかけっこ、空を飛んでるなんてずるいぞ
え、泳いでもそっちが早いって?
なにを〜、まてまて〜!!
水かけっこか。よし、負けないぞ!それっ、て
ちょ、たんまっ。迷宮出しちゃ・・・うわあぁぁぁぁぁぁぁ(流され)
ぜえはぁっ
体力限界〜ちょっと休憩!
そっか、ここ綺麗だし良い所だから気に入ったのか。
でも、このもっと向こうに強くて怖い奴等が住んでて、俺達がそこに行けないとみんな困っちゃうんだ。
だから、俺たちと一緒に別の暮らし易い場所、探しに行こう。(そっとヒレを取り)
この戦争が終わったら惑星を探しに行くよ。君達が安心して暮らせるような・・・
●
辿り着いたフロアはこれまでと違って、とても平和な波のあるプールであった。
ともすれば、天空樹の中の薄暗い空間の中を、切り抜かれたような空色がひらふわと飛んでいる。もちろん『ひらふわトビエイ』である。
「うわ、予想以上にかわいいな」
「エイといったら、カスベとも言って美味しいと聞いていたのですが」
ひらふわトビエイを見て、津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)と黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が開口一番に放った言葉である。
『えっ』って感じで要明が摩那をチラ見する。特段、同行者とかじゃなくてたまたまこのフロアへ到達したタイミングが一緒なだけの二人なのであるが。
「これは見るからに水っぽいし、そもそも叩いたら、即、躯の海行きですから食べられないですね」
(……!?)
摩那の言葉に思わず二度見する要明。どうやら摩那は冗談を言っているようには見えない。これは……。
「残念です」
「……」
『食べる気だったんだ?』とは口にせず、とりあえず別行動することにした要明と摩那でした。
●side:摩那
見た目と実演(!)によって、やっぱり食べることができなそう、と確認した摩那は脇に抱えていたアキレウス(プールが穏やかだったので降りていた)を改めて水面に浮かべる。
「ここは開き直って、思いっきり『アキレウス』で渦潮を楽しみましょう!」
むしろ何故食べることがメインだったの?
でもまぁ、確かに相手が動物型オブリビオンだと食べるという解決策も無くはないか。どうなるかは保証できませんが!
それはともかく。
アキレウスの上に立った摩那に対して、トビエイたちがひらふわっと寄ってくる。
『あそぼ?』と水の迷宮を出してはプールに程よい波が生まれていく。
「トビエイと一緒にサーフィンもいいですね」
風の代わりに念動力で背中を後押しして。アキレウスに乗った摩那は軽快にプールの上を駆け巡る。自然、というより天空樹の中ではおよそ発生し得ない軌道と機動力に、ひらふわトビエイたちが『ぱたぱた♪』と歓喜して摩那を追いかける。
「えーと……『つかまえてごらんなさ~い』でしたっけ?」
どこで覚えてきたのだろう。若干ズレたような、でもバッチリじゃない? 的なセリフで摩那はトビエイたちをサーフィンに誘うのであった。
しかし、その時は不意に訪れた……!
「……!」
摩那がアキレウスに急制動をかける。直後、足元に渦潮。どうやらプールの底が抜けたようだ。
(これは……!)
思ったより豪快なシステムらしい。渦潮もたいがい豪快だった。タイミング悪く飲み込まれた摩那であったが、彼女としてはちょい刺激的、程度だ。特段命に別条があるわけでもなく念動力を使えば脱出可能なのだが。
「あー……」
一緒に巻き込まれて、目をぐるぐるさせながら渦潮でぐーるぐーる回されているトビエイたちを発見。
「仕方ありません」
と本来、空飛ぶトビエイ捕獲用にと考えていた『エクリプス』を素早く投擲。念動力で補助しつつ、正確にトビエイたちの位置を捉えてワイヤーでくるくるっと巻き取って救出。
そしてそのまま下のフロアまでざっぱーん!
「……ぷはぁっ」
下のフロアのプールの水面から顔を出した摩那はエクリプスのワイヤーを辿っていき。こう、牡蠣漁の牡蠣みたいに連なっているトビエイたちを確認。
(とりあえず……外ですかね)
外との通気口になっている穴からトビエイたちを外へと逃がす。
「それではもう一度戻って渦潮を体感するとしましょう」
さっきもなかなかスリリングだったし、楽しめそう。
そう思いながら再度トビエイたちがいるフロアへと戻る摩那さんでした。
●side:要明
「よし! 思いっきり遊ぶぞ」
と要明は興味津々に近寄ってきていたトビエイたちに話しかける。『何して遊ぶの?』という顔で、鼻先で要明をつんつんと突いてくるトビエイたち。
「まずは……」
腰まであるプールの水を両手ですくいあげて、全力でトビエイたちに水をかける要明。しかし、トビエイたちはふわふわっと空に舞い上がってその水滴をかわす。
「空を飛んでるなんてずるいぞ」
と水流に足を取られながらトビエイを追いかける要明。『ずるいぞ』と言いながらその顔は満面の笑みである。
そのトビエイたちがヒレで水面をぱしゃぱしゃと叩く。
「え、泳いでもそっちが早いって? なにを~まてまて~!!」
めっちゃ楽しそうである。これは間違いなく癒しの空間であった。
そんなトビエイたちだが、逃げるだけではない。
「これは……!?」
要明が気付いた時には遅かった。いつの間にかトビエイたちに囲まれているー!?
一斉に反転して、しっぽやヒレで要明に向けてばっしゃばっしゃ水をかけるトビエイたち!
「水かけっこか。よし、負けないぞ! それっ!」
とこちらも全身を使って全力で対応!
いい勝負している……と思ったのが要明のミスである。
「……て、ちょ、たんまっ。迷宮出しちゃ……?!」
楽しくなってきたトビエイたちが一斉に水の迷宮を出したもんだから、波じゃなくて大津波発生である。しかも四方から。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁ…………」
水の流れる道に従って、ざーっと流されていく要明。
「ぜえはぁっ」
どうにか生還して仰向けに水に浮かぶ要明を、空飛ぶトビエイたちが取り囲むのであった。
「体力限界~ちょっと休憩!」
自分を覗き込んでくるトビエイたちにそう言って、要明は上を見上げる。
とても綺麗な光景だ。幻想的とも言えるし、自然であるともいえる。とてもらしくて、だから。
「そっか、ここ綺麗だし良い所だから気に入ったのか」
要明の口から自然と言葉がこぼれる。その声音は優しくて、トビエイたちもまた肯定するかのようにくるりと要明の上を飛ぶ。
「でも……」
要明の声音が少し変わって。
「このもっと向こうに強くて怖い奴等が住んでて、俺達がそこに行けないとみんな困っちゃうんだ」
それはこの天空樹の迷宮の先。まだ見ぬ、あるいは想定し尽くした……どちらが正解かはわからないが、この迷宮はそこへ辿り着く『過程』なのだ。
「だから、俺たちと一緒に別の暮らし易い場所、探しに行こう」
お腹の上にちょんと降りてきたトビエイのヒレをそっと取って、要明は囁きかける。
「この戦争が終わったら惑星を探しに行くよ。君達が安心して暮らせるような……」
それは【青き星の記録】。真剣にトビエイたちの目を覗き込む要明の言葉に……トビエイたちは少し身を震わせた。
●そして
「大漁です」
アキレウスに乗ったまま、ご機嫌な摩那。その手には袋詰め(!)されたいっぱいのトビエイたちがいる。どうやら【サイキックブラスト】をエクリプスのワイヤーに伝わせて、一斉に捕獲したらしい。たまにぴちぴちしているが、トビエイたちは元気である。
(エイを片付けるのが依頼ですからね)
と外へ運び出そうとしているところへ、またまた要明と合流。
「首尾はどうですか?」
「ん。外には行ってくれそう」
そう言う要明の背後には彼と遊んで大満足なトビエイたちがたくさん浮いていた。このまま一緒に外までは行ってくれそうだ。
(でも……)
どうやら要明と一緒には行ってくれないらしい。やはり災魔とUDCは違う、ということだろうか……?
と思っていたら。
ちょん、と肩に1匹だけ乗っかってきた。さっきもお腹の上に乗っていたトビエイである。
「君は……一緒に来てくれるの?」
要明の言葉にぷるっと体を震わせて。肩をホームポジションと言わんばかりにだらーんとくつろぐトビエイ。
「……!」
嬉しそうな要明の表情に、摩那も思わず笑みを浮かべて。
二人はトビエイたちをアルダワの自然へと返すのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アテナ・アイリス
【ティエル海賊団】の三人で。
「さあ、次はエイと遊ぶ、じゃなかったエイたちを疲れさせる作戦だったわよね。」
前回と同じで、UC『ノルンの悪戯』を使って子供の姿のままでいる。
エイに乗ってサーフィンをして遊んだり、エイと一緒に泳ぎながら、餌を上げたりして楽しむわよ。
ミフェットが歌い始めたら、「オルフェウスの竪琴」を使って、伴奏を行う。
さあ、、、、エイたちを、、、、ふあああぁ、、、、眠らせるのよ。
エイの体をポンポンしながら、寝かし・・・・・つけるの・・・・Zzzzzz......。
最後はエイによりかかって、一緒に水の流れに乗って流されていく。
ティエル・ティエリエル
【ティエル海賊団】
ようし、遊んで遊んで遊び倒すぞー☆
あっ、トビエイ達も近寄ってきたよ!
ふふーん、きっとボクの海賊団に入りたいんだね♪
それじゃあ、仲間に入れてあげる代わりに水上を飛び跳ねて近寄ってきたエイに飛び乗って水上スキーの時間だ!
おおおっ、サーフィンとはまた違った楽しさだよ♪
一通り遊んで、ミフェットのお歌でエイ達が眠そうにしてたら【フェアリーランド】にご招待だよ♪
そのまま壺の中に入れてお外に連れ出しちゃうね!
あれ、アテナがいなくなっちゃった?と周りを見渡せば、流されていくアテナが!
ようし、アテナも【フェアリーランド】の中に回収してお家に帰るよ♪
ミフェット・マザーグース
【ティエル海賊団】の三人でいっしょ!
髪の毛をにょーんって伸ばして近づいてきたエイさんのおなかをつん
船長が遊ぶつもりまんまんだし、ミフェットも遊びたいな
UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
たくさん遊んでエイさんも船長も満足したら、聞こえてくるのはおやすみの唄
だけど眠っちゃったらお仕事できないからミフェットも唄でお返しするね
リュートを奏でてゆっくりと〈楽器演奏・歌唱〉
♪今日も一日 たくさんあそんで たのしかったね
ゆれる波にみをまかせて からだをのばしてゆらゆらゆれて
ゆっくり目を閉じて またあした
エイさんたちが歌うのにも疲れちゃって、眠るのを待ってから
お外に連れて行くね
●
「わー!」
「おー!」
「わー」
『ひらふわトビエイ』たちのいる、穏やかな波の流れるプール(?)のフロアに辿り着いた【ティエル海賊団】の3人。順に、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)、ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)である。ちなみにアテナは【ノルンの悪戯】を使って、前回同様子供の姿のままである。
感嘆の声の先にいたのはもちろん『ひらふわトビエイ』たち。
「さあ、次はエイと遊ぶ、じゃなかったエイたちを疲れさせる作戦だったわよね」
思わず本音(?)が漏れてしまったアテナだが、ティエルもミフェットもそこに関して反論があるわけでもなく。
「ようし、遊んで遊んで遊び倒すぞー☆」
とティエルが拳をあげて叫べば。
「……」
つんつん。ミフェットは髪の毛をにょーんって伸ばして近づいてきたエイさんのおなかをつん
トビエイも身をぷるんと震わせて、『ぱたぱた♪』とティエル海賊団の方へ近づいてくる。
「あっ、トビエイ達も近寄ってきたよ! ふふーん、きっとボクの海賊団に入りたいんだね♪」
と交渉中の船長を見て、ミフェットとアテナは横目でちらりと視線を合わせて。
「船長が遊ぶつもりまんまんだし」
「楽しむわよ」
と3人はトビエイたちの群れの中に飛び込むのであった。
「おおおっーー☆」
楽しそうな声をあげるのはもちろん船長のティエルである。なんとー! トビエイの上に乗って水上スキーしています。さすがフェアリー、体のサイズがベストマッチ。トビエイはトビエイでだいぶ楽しいらしく、水面を泳ぐだけではなくて、トビウオみたいに跳ねたりするものだから、乗ってるティエルも思わず声をあげる。
「サーフィンとはまた違った楽しさだよ♪」
『仲間に入れてあげる代わりに乗せて☆』みたいな交渉だったのだが、思いのほか楽しい。
「いいなー」
と声をこぼすのはミフェット。さすがにミフェットではトビエイには乗れない。もしかしたら乗れるかもしれないが、なんか潰しちゃいそうだし。
「ミフェット、発想を転換するのよ」
「えっ」
後ろから聞こえてきたアテナの声にミフェットが振り向く。
――そう。1匹が無理ならたくさん集めればいいじゃない。
そこにいたのは複数のトビエイで作り上げた(?)ボード(アテナ専用機)に乗っているアテナでした。
「……?!」
ミフェットのびっくりはアテナに対してかそのアイディアに対してか。とにかく乗れる(この辺一帯のトビエイは既にティエル船長の配下だ!)事が判明したので、さっそくトビエイボード(ミフェット専用機)に飛び乗るミフェット。
「おいついた~~!」
「おぉっ?!」
「負けないわよー!」
ひとり先行していた船長に追いついた下っ端と特別名誉は、水上でデッドヒートなレースを繰り広げる。
「くぅっ、負け……あ」
「「あ?」」
こう、レースに夢中で前を見てなかったのだね。3人が前を見た時には、目の前に大波(どうも天空樹の内側で跳ね返されて大きくなったっぽい)が迫り切っており。
「「「わー?!」」」
トビエイごと流されていったのでした。
「うーん、ひどいめにあった」
「顔はそんなこと言ってないけど?」
少し浅瀬になっている場所で腰掛けながらトビエイたちに餌(お水)をあげて。
そう呟くミフェットにアテナがさらりとツッコめば、ミフェットも笑うしかない。船長? 今度はトビエイたちと競泳しているよ?
手のひらにすくった小さな泉にトビエイたちが寄ってくる。こくこく、と空色の体に水分補給。
『~~♪』
満足するとしっぽを振りながらミフェットの周りを飛ぶ。
アテナが足元でぱしゃぱしゃと水飛沫をあげれば、その水滴を追ってトビエイたちがくるくる空中を舞い飛んで。
「ねー! 一緒におよごー☆」
ティエル船長のお誘いに、もちろん、と。アテナとミフェットも参戦するのでした。
「はー、遊んだー☆」
「遊び尽くしたねー」
「そうね」
トビエイたちと遊び尽くして満足げなティエル、ミフェット、アテナ。返事は簡潔ながらもアテナさんも大満足です。
「さて……」
そう言ってアテナが視線で合図すると、ティエルとミフェットがこくりと頷きを返す。
♪ 今日も一日 たくさんあそんで たのしかったね
ミフェットが風にそっと歌声を乗せる。それは子守唄にしておやすみの唄。
♪ ゆれる波にみをまかせて からだをのばしてゆらゆらゆれて
たくさん遊んでくれたお礼に、ミフェットは優しい歌声のお返しを。
ふわりと取り出したテナーリュートで演奏し始めれば、それに合わせてアテナもまた『オルフェウスの竪琴』を取り出す。透き通った水のような色をしたい竪琴で奏でる音色をミフェットの唄に添えていく。
♪ ゆっくり目を閉じて またあした
ミフェットの子守唄に誘われるように、トビエイたちが空にぷかりと浮かんでいく。どうやら、すやすやと寝息を立てているようだ。そんなトビエイたちに近づいていくのはティエル。
(【フェアリーランド】にご招待だよ♪)
とティエルが手にした壺にトビエイたちを吸い込んでいく。吸い込みの風は優しく、ゆっくりと流れるように【フェアリーランド】へトビエイたちを入れていくティエル。
(このまま壺の中に入れてお外に連れ出しちゃうね!)
ミフェットとアテナに向かって、ぐっとサムズアップするティエル。そう、3人ともちゃんと作戦考えていたのです。ただ遊びに来ていたわけじゃないのだ!
ミフェットの歌声が響き渡るにつれて、トビエイたちがぷかーり空に浮かぶわけだが、時折安全地帯を求めて、着地してくる子もいる。
「……あら?」
竪琴の音色に誘われてか、アテナの膝元に積み上がっていくトビエイたち。……うん、ちょっと演奏するのに邪魔かも。
そう思って竪琴を横に置いて、プールの中へトビエイたちを浮かべていくアテナ。重なったトビエイの背をぽんぽんと撫でながら、アテナはミフェットに視線を送る。
(さあ‥‥‥‥エイたちを‥‥‥‥ふあああぁ‥‥‥‥眠らせるのよ)
ん? 今あくびしましたアテナさん?
誰も気づいていないが、どうやら程よい疲労感にアテナも睡魔に襲われているらしい。
「寝かし‥‥‥‥つけるの‥‥‥‥Zzzzzz」
あ、寝た。トビエイたちの体(重なってボード状になってるぞ)によりかかって、一緒にすやあするアテナ。そのまま心地よい時間が流れ……。
「あれ? アテナがいなくなっちゃった?」
「えっ?!」
トビエイたちをいっぱい吸い込んでいたティエルがふっとそんなことを言うもんだから、歌声キャンセルするくらいにびっくりするミフェット。きょろきょろと辺りを見渡せば。
「あーっ!!」
「流されてるー!?」
水流に乗っかってトビエイたちと一緒に流されていくアテナ発見。
「ようし、アテナも回収してお家に帰るよ♪」
とアテナごとトビエイたちを回収するティエル。
「お外に連れていかないといけないね」
手元ですやすや寝ているトビエイを胸元に抱えながらミフェットがティエルにそう笑いかけて。
ティエル海賊団はここに訪れた目的を無事果たしたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミコト・イザナギ
【天狗狼】
こ、これがひらふわトビエイ…!
なんて可愛い生物でしょうかっ
はい、遊びましょう
たくさんあそんでいきましょうねー(猫撫で声)
え、ディアナさん?
なぜにオレの腰に紐を結びますか
引いて泳げと?
カナヅチはこれだから…
あ、いえ、ハイ、ヤリマスヨ
馬車馬の如く引かせて頂きますよォ
さあトビエイたち、お兄さんと競争でぇす!
あ、ちょ、ディアナ、フラグ立てるんじゃ…
ぎゃあああ、こんなところに激流があ…!
流されてるもんか、ド根性ぉバタフラァイ!!
(苦難を乗り越えてる最中に仮面は外れ)
ぜひゅー…、ぜひゅー…
ち、ちょっとは自力で、泳ぐとか、してよ、寵姫だから、って…
ふふふ、そのうち、後悔させる
天狗の逆襲はこわいよ?
ディアナ・ロドクルーン
【天狗狼】
ひらふらトビエイさんが可愛い
これは遊ぼうって言われたら遊ぶしかないわね
(うっわ。猫なで声出しているぅと隣の人物をガン見)
浮き輪を持ってこなかったのが悔やまれるわ
それがあったら流されても沈むことも無いし
と思ったらあら不思議、何故か浮き輪がここに(棒読み
見て、イルカさんの大きな浮き輪これに捕まっていれば安心ね
さ、引っ張てミコト。トビエイさん達と競争しましょ
(カナヅチと言われれば踵落としを一撃くれて黙らせようか)
さっきの渦巻きとか津波とかあったのが嘘のよう
フラグ?いやあね、そんなまさかのお約束…
―――っっっ!!
ふ、は…落ちるかと思った…
貴方言ってたじゃない、私カナヅチだって
寵姫関係ないわ
●
「……」
「……」
『ひらふわトビエイ』たちがいるフロアに辿り着いたミコト・イザナギ(語り音の天狗・f23042)とディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)は無言で空を見上げた。そこには少し薄暗いながらも樹の皮の間から差し込む光が舞う空を泳ぐトビエイたちがいた。
「やっと……」
「辿り着いたわね……」
二人の間にあったのは感無量。
そう、ミコトとディアナ(とミコトの雷獣ヌエ君)はこのウォータースライダー迷宮のありとあらゆる洗礼を受けた後にここに辿り着いたのだ。具体的には鉄砲水に始まって津波に渦潮、流れ落ちる滝(足元が抜けるやつ)に間欠泉のように吹き上がる水流。それらを乗り越えて辿り着いたこのプールは……穏やかだった。
いや、ここも底抜けるけどある程度は読めるし。
ミコトとディアナはようやく平穏な(?)夏を手に入れようとしていたのだ……!
そんな感動(?)的なシーンに、トビエイたちはふよふよと空を舞いながら、二人に近づいてきたのである。
「ふふ、ひらふらトビエイさんが可愛い」
ディアナがそっと手を伸ばせばその指先を確認するかのようにトビエイたちが周りに集まってくる。
「これは遊ぼうって言われたら遊ぶしかないわね……ッ?!」
トビエイのあまりの可愛さに思わず顔が笑みに綻んだディアナがくるっと横を振り返って、次は真顔で二度見した。
視線の先に居たのはもちろんミコトである。
「こ、これがひらふわトビエイ……!」
まではよかったのだが。
「なんて可愛い生物でしょうかっ」
「はい、遊びましょう」
「たくさんあそんでいきましょうね~」
最後は猫撫で声だった。ディアナが思わず『うっわ』って呟くくらいの猫撫で声であった(大切なことなので二回)
だがそんなディアナのガン見すら気にしないほどにミコトは猫撫で声でトビエイたちを撫で回している(機密事項なので三回目)
そして遊んでくれそうな雰囲気に、トビエイたちも嬉しそうに水の迷宮を出していく。緩やかな波がほんのちょっとだけ大きくなって遊びやすくなったっぽい。
「よーし、何して……え、ディアナさん? なぜにオレの腰に紐を結びますか?」
「浮き輪を持ってこなかったのが悔やまれるわ。それがあったら流されても沈むことも無いし……」
会話が成り立ってない。成り立ってないが、ディアナはきゅっきゅっきゅーとミコトの腰にロープを巻き付けている。おっとこれは固結び。解けると困る時にやるやつだ!
「と思ったらあら不思議、何故か浮き輪がここに」
めっちゃ棒読みのディアナさん。ミコトを見上げたディアナの表情は優しい笑顔だ。
「見て、イルカさんの大きな浮き輪。これに捕まっていれば安心ね」
いつの間にかロープの先にはちゃっかりボード代わりのイルカさん浮き輪。
「……引いて泳げと?」
「(にこにこ)」
「…………泳げと?」
「(にこにこ)」
えがおだ(ぼうよみ) ミコトはあきらめた。
「カナヅチはこれだから……」
「とうっ」
「ぐばぁっ?!」
ロープを引こうとしてディアナに背を向けたのが失敗だった。完全に無防備な背中……じゃなくて後頭部に直撃するディアナの踵落とし! その身体能力で何故カナヅ……アッハイシツゲンデシタ。
「あ、いえ、ハイ、ヤリマスヨ。馬車馬の如く引かせて頂きますよォ」
悲しいかな、こういう反応のミコト(と筆者)である。
対して、ディアナさんはご機嫌である。
「さ、引っ張ってミコト。トビエイさん達と競争しましょ」
「さあトビエイたち、お兄さんと競争でぇす!」
もう半分やけくそだな? そんな感じのミコトがプールの中をかき分けるようにして泳ぎ出す。ミコトに引かれてディアナonイルカさんが優雅に手を振りながら出発。ディアナの手がひらひらと動く、その動きに釣られてトビエイたちが後ろからついてくる。
競争というか、ほんわかレースというか。和やかな(約1名除く)光景にディアナが思わず呟いた。
「さっきの渦巻きとか津波とかあったのが嘘のよう」
ほんとに。穏やかすぎて楽しすぎる。
だがその言葉に過敏に反応したのはもちろんミコトであった。
「あ、ちょ、ディアナ、フラグ立てるんじゃ……」
「フラグ? いやあね、そんなまさかのお約束……」
がっこん。
「「―――っっっ!!」」
大きな音にミコトとディアナが振り向くも、遅い。っていうか、真下が排出口(重量感知の可動式)でした。ほら、さっきから水(の迷宮)増えてたから。
「ぎゃあああ、こんなところに激流があ……ッ!」
「ちょっとぉぉぉぉぉ!?」
そんなわけでフラグを軽やかに回収する二人。底が抜けたことによって突如として出現する激流っていうか滝。
「流されてるもんか、ド根性ぉバタフラァイ!!」
「早く上がり切りなさいよミコトぉぉぉぉ!!」
ミコト、【三摩耶形】も使いながら全力ッ全力だッ! 後ろのディアナも必死にイルカさんにしがみついている。
ちなみにトビエイたちは飛んでいるので全然影響ない。
そんな中、どうにかこの状況を乗り切るディアナとミコト。
「ふ、は……落ちるかと思った……」
「ぜひゅー……、ぜひゅー……」
どれだけの苦難を乗り越えたというのか。それは普段外れることのないミコトの仮面が外れていることでお察しいただきたい。
「ち、ちょっとは自力で、泳ぐとか、してよ、寵姫だから、って……」
ぷかーっとうつ伏せに水面に浮きながらミコトさんがディアナさんにクレーム。
「貴方が言ってたんじゃない、私カナヅチだって……あと、寵姫関係ないわ」
寵姫関係なかったらしい、えマジdアッハイカンケイナイデスネ。
そんなわけでどうにか平穏(?)なプールに戻ってきたディアナとミコト。
「ふふふ、そのうち、後悔させる……天狗の逆襲はこわいよ?」
仮面をつけ直して復帰したミコトは不敵に笑うのであった。
「ちょっと、まだ遊び足りないんだから早く引っ張ってよ」
「えっまた?」
トビエイたちも遊び足りないみたいですよ? ミコトさん?
ちなみに遊び倒した後は、外に逃がしてあげました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
菫宮・理緒
ちょっと遅れちゃったけど、トビエイさんと遊びに来たよー♪
エイってなんだかまったり泳いでて、見てると癒やされるよね。
わ、こっちきてくれるの? ひとなつっこーい♪
って、わわわわっ!? なになになに!?
「はにゃーっっっっ!?」
プールが急にスライダーモードになって、
そばにいたトビエイさんを抱えながらスライダーで滑っていくね。
あー、びっくりしたね。あなたはだいじょぶ?
撫でてあげたら、しっぽでつんつんってされて……あ、あれ、これなんだか気持ちいい?
ひょっとして、ツボマッサージとかなのかな?
はわわわ、ちょっと身体がぽかぽかしてきたよ。ありがとね。
遊びながら外まで出て、そこで逃がしてあげれば任務完了、かな!
●
「ちょっと遅れちゃったけど、トビエイさんと遊びに来たよー♪」
漆黒の髪を濡らす水滴をぷるぷるっと振るって飛ばしてから。
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は空飛ぶ『ひらふわトビエイ』たちに向かって、手を挙げた。そんな彼女も水着……水着書いてないよ(だんっ)
独断と偏見で空色のタンキニ(ショートパンツ・へそだし)にします。
そんな理緒の周りにもトビエイたちが集まってくる。これはアレですね、猫が周りをぐるぐる回って品定めしているターン。その間にも水の迷宮を出しちゃったりしているわけだが、理緒の笑顔にトビエイたちも『遊んでくれる人!』と思ったらしい。空中でヒレをぱたぱたさせ始める。
「わ、こっちきてくれるの? ひとなつっこーい♪」
鼻先(?)で理緒をつんつんし始めるトビエイたち。その仕草がくすぐったくて、理緒も思わず笑いだしてしまうけど。
「えいっ」
周りを飛んでいたトビエイの中で一番大きい子をキャッチ。
すると、トビエイが一瞬、びくっとするけども。
「わーい♪」
そのまま理緒を引っ張るようにして泳ぎ出す。誘われるように体をプールの上に浮かべると、ついーっとトビエイが引っ張ってくれて、ボートに乗っているような感じ。
そんな理緒の上をさらにトビエイたちがふよふよと飛んでいる。
(エイってなんだかまったり泳いでて、見てると癒やされるよね)
そんな感じでのんびりまったりしていたのだが……!
がっこん。
「えっ!? なになになに!?」
不穏な音がして、周囲の水が『ごごごごご……』と流れを変化させていく。具体的にはなんかそこに吸い込まれるように渦潮が出来始める。
「わわわわっ!? はにゃーっっっっ!?」
状況を把握しきる前に、理緒inウォータースライダー。掴まっていたトビエイさんを抱えながら(浮き輪?)、渦潮の中をスライダーのように滑っていく理緒(と楽しそうについていくトビエイたち!)
「にゃーーーーっ?!」
ばっしゃーん、と下のフロアまで流れ落ちれば、水面から顔を出した理緒はぷるぷるぷるっと顔を振って、目をぱちくり。
「あー、びっくりしたね。あなたはだいじょぶ?」
結果的に浮き輪というよりは保護するように抱きかかえていた理緒。理緒の腕の中から解放されたトビエイはふわっと浮かび上がって、体をぷるぷるっと震わせる。どうやら大丈夫っぽい。
「~~♪」
その様子を見て理緒ががトビエイを撫でてあげる。トビエイも嬉しそうにぷるぷるしながら……何故かしっぽの先で理緒をつんつんとし始めた。
「ん? なんだろ……あ、あれ、これなんだか気持ちいい?」
ちょっと体がぽかぽかしてきてほんわか気持ちいい。
まさかのエイ先ツボマッサージだった。いや、そんなテクがあるなんて!?
「はわわわ、ちょっと身体がぽかぽかしてきたよ。ありがとね」
渦潮に飲み込まれて、ぐんっと冷えた体が元に戻った感じがする。ぽかぽかと同時に元気が出てきた理緒は最初よりも楽しそうな笑顔をトビエイたちに見せる。
「このまま外まで遊びに行こう♪」
そういってウォータースライダー迷宮を逆順攻略していく理緒とトビエイたち。
最後はまた一緒に、入り口のウォータースライダーを楽しんで。
「楽しかった、ねー♪」
そして、理緒はトビエイたちを無事迷宮の外まで連れ出したのでした。
大成功
🔵🔵🔵
楊・美帆
ファルルカ君(f32779)と
本当に空が切り取られてるみたい!不思議だナ〜。ワッ、こっちに来たヨ!
トビエイに掴まってビート板代わりに泳いでみたり、ふわふわ浮かんでお昼寝したり。
プールって楽しいネェ。ネッ、ファルルカ君!
楽しい時間はあっという間に過ぎて。
せっかくだから帰りは下まで競走しよう!
ボクはトビエイの浮力とバタ脚の推進力でぐいぐい下っていくヨ!あ、でもコーナーはちょっと苦手カモ。クラッシュで巻き込んだらゴメンネ。
入り口まで辿り着いたらお別れの時間。一思いに倒そうと思ってたけど踏ん切りがつかず。
……ダ、ダメだ〜!やっぱりできないヤ。
このまま森に放そう。人に危害は加えないみたいだし、いいよネ?
ファルルカ・ウェレマイン
メイファンさん(f33513)と
わあ…話にはきいていましたけれど
なんだか人懐こくてかわいいですね
えっと、遊ぼう…ですか?
…えい
近くの子をボクも捕まえてみます
わわ、ひっぱってくれてっ
ちょっとずるだけど、泳いでる気持ちになれますね…
はいっ それでは競争…ですね
…とはいえ、運動能力だとあまりお相手できない気も――
と、思ってたら他の子たちも興味津々で寄ってきてくれて
いっぱいでひっぱってくれてるのでスピードもでそう
…危なそうなときは、フォローできるといいんですけど…むむ
…一緒に遊んでくれて
やっぱり攻撃はできません…よね
はい、寂しいけれど森で放してお別れしましょう
骸の海に還るその時までは、どうか穏やかに
●
色々と、とラブる?(誤字じゃないよ)があった楊・美帆(デッドハンド・f33513)とファルルカ・ウェレマイン(月のフラジャイル・f32779)ですが。
ちゃんと『ひらふわトビエイ』たちがいるフロアまで辿り着きました。
「ワー……」
「わあ……」
感嘆の声はほぼ同時に。そして視線も一緒の空を向いて。
「話にはきいていましたけれど」
「本当に空が切り取られてるみたい!不思議だナ? ワッ、こっちに来たヨ!
ファルルカと美帆の声に反応したのか、トビエイたちが二人の側まで降りてくる。
「なんだか人懐こくてかわいいですね」
とファルルカがトビエイをつんと突くと、トビエイはぷるぷるっと体を震わせて。
『あそぼ?』
と水の迷宮を追加する。ぱっしゃんと水が波打って、その波に誘われたトビエイたちがファルルカと美帆の周りに増えていく。
「えっと、遊ぼう……ですか?」
トビエイたちのお誘いにどうしようか悩むファルルカ……の横で。
「えいヤッ」
お祭り好きの僵尸が健康的な肢体を惜しげもなく晒しながら、既にがっちりきっちりトビエイをキャッチしていた。両手である。ちなみに青い、想いの炎はトビエイたちを害することなく、水にも負けず、ばっちりトビエイをふにふにしていた。
美帆、めっちゃ楽しそう。
そんな様子を見ていたファルルカ。
「……えい」
きゃっち。近くの子を捕まえてみる。そっと包み込むように捕まえたトビエイは、ファルルカの行動に一瞬びっくりしたように身を震わせるも、そのぷるぷるが収まるとファルルカの手の中でヒレをもぞもぞと動かす。嫌がっているわけではなく。
「……?」
ファルルカが少し手を緩めると、トビエイがそのしっぽでファルルカの腕をくるっと掴み、そのままプールへとダイブっ!
「わわっ?!」
ぱっしゃーんとプールに雪崩れ込むも、そこにいたのは別のトビエイ。その背に乗って、手を引っ張られて……なんだか優雅にプールの上を泳いでいる気分になる。
(ちょっとずるだけど、泳いでる気持ちになれますね……)
思わず口元に笑みを浮かべて、楽し気な気分のままファルルカは美帆を見る。
「プールって楽しいネェ。ネッ、ファルルカ君!」
もう、全力で堪能している美帆がいました。
トビエイに掴まってビート版代わりに泳いでみたり、一緒にふわふわ浮かんでお昼寝してみたり。もはやトビエイの仲間ですね? という雰囲気で溶け込んでいる美帆に、ファルルカも微笑を隠せない。
「はいっ、楽しいですね」
ともすれば眩しいとも思える美帆にファルルカはそんな返事をするのであった。
でも、楽しい時間はあっという間に過ぎて。
「メイファンさん」
「ウン、そうだネ……」
いつまでもこのフロアにいるわけにはいかない。トビエイたちをこの迷宮から追い出すのがこの依頼の目的なのだから。
幸いにしてこれまで遊び倒したので。トビエイたちは美帆とファルルカについていく雰囲気満々。一緒に行動してくれるだろう。
その雰囲気を感じ取って、美帆はファルルカの方を向き。
「せっかくだから帰りは下まで競走しヨウ!」
楽しそうに提案する美帆に釣られるようにファルルカもこくん。
「はいっ それでは競争……ですね」
言葉が尻すぼみになっていったのは消極的なわけじゃなくて、どうやって戦うかを思案し始めたから。
(……とはいえ、運動能力だとあまりお相手できない気も――)
と思ったのだ。
しかし、そこは……トビエイたちが解消してくれる。ファルルカの周りにトビエイたちがたくさん集まって鼻先(?)でファルルカをつんつん。
「……!」
トビエイたちのきらきらした目が語っている……僕たちに任せて、と!
「わかりましたっ」
これだけいっぱいひっぱってくれるなら。
(スピードもでそう、です)
つまり、美帆にも負けないはずだ!
「ヨーシ、それじゃいくヨー!」
ファルルカの様子を見守っていた美帆は既に準備万端。協力(?)してくれるトビエイに掴まって浮力を確保。後は自身の身体能力にかけて……。
トビエイたちがぱしゃんっとプールに飛び込んで、直後、プールの底が開く!
それを合図に両者がスタート!
美帆がトビエイの浮力を利用しながらバタ脚の推進力でぐいぐい下がっていくのに対して、ファルルカはトビエイたちの牽引で一直線に下がっていく!
「あ、でもコーナーはちょっと苦手カモ。クラッシュで巻き込んだらゴメンネ」
「そういうことは最初に言ってくださいっ?!」
渦潮化した水流で必然的にカーブになった瞬間、接近する美帆とファルルカ。というか、美帆が膨らみすぎてコースアウトしそうだー!?
「……っ」
ファルルカの視線が美帆に向く。意識が向いて……それに釣られるようにトビエイたちがコース変更。少し空に飛び上がれば水流の影響を無視してファルルカを『その場所』に連れていく。
――……危なそうなときは、フォローできるといいんですけど……。
そう考えていたファルルカの想いを叶えるように。美帆のコースアウトを防ぐようにファルルカが外側に移動。美帆の体を受け止めて元の流れへと戻す。
「……っ、ファルルカ君ありがとー!!」
「……いえ」
直球な感謝に少し照れながら。
ファルルカと美帆は再び競争へと戻っていったのでした。
そんなこんなで入り口まで戻ってきた二人とトビエイたち。
「……」
空に浮かぶトビエイたちをじっと見て美帆が拳を握る。……お別れの時間だ。
「……」
そんな様子をファルルカも見守って……しかし時間だけが過ぎる。
「……ダ、ダメだ?! やっぱりできないヤ」
一思いに倒そうと思ってたけど、どうしても踏ん切りがつかず。美帆は握っていた拳を解く。
「……一緒に遊んでくれて……やっぱり攻撃はできません……よね」
ファルルカもまたそんな美帆の気持ちを察して、そっと彼女の手を握る。
「このまま森に放そう。人に危害は加えないみたいだし、いいよネ?」
「はい。寂しいけれど森で放してお別れしましょう」
まだ、『もう遊ばないの?』と近寄ってくるトビエイたちに後ろ髪を引かれながら、ファルルカと美帆はどうにか……トビエイたちを森の中へ放す。
これでこの天空樹の依頼で受けたお仕事の目的は果たされた。
(骸の海に還るその時までは、どうか穏やかに)
そんな祈りにも近い願いを秘めながらトビエイたちを見送るファルルカ。美帆もまたそんなファルルカと一緒に、優しい視線をトビエイたちに送るのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵