●
眩い太陽は、狂気の都市のあらゆるものを照らしている。
荘厳な白亜の城塞も、街を行く化物達も、そして苦しむ人々も。
そしてその都市の最も広大な庭園に、一人の男が佇んでいた。
「俺達兄妹の対立を煽るネズミ共……そろそろ本気で動き出したか?」
男はサングラス越しに太陽を見つめ、そして大きく息を吐く。
「冗談じゃない、死ぬのは御免だ。偉大なる神々『フィールド・オブ・ナイン』よ。俺はお前達を信仰し、お前達を蘇らせる為、オブリビオン教団も造り上げた。その恩を、今こそ返す時じゃないのか?」
太陽も、世界のどこかで吹き荒ぶ黒い嵐も、男に何も応えない。
まだ何か足りないというのだろうか。まだ神は試練を与えるのだろうか。
「とっとと蘇り、この俺に力を貸せ! そうでないのなら……あのネズミ共が襲ってくるというのなら、この『白の城塞』で迎え撃つしかない」
男は忌々しげに太陽を睨むのを止め、そして白亜の城塞へと歩を進める。
中で男を待っていたのは、白塗りの服を着込んだオブリビオンの集団だ。
その男の名は狂人教祖『クライスト・ヴォーテックス』。
アポカリプスヘルを牛耳る、悪徳の一族の一人。
●
「集合お疲れ様だ。今回はアポカリプスヘルで一仕事頼むぜ」
猟兵達の顔を見遣り、茜谷・ひびき(火々喰らい・f08050)が言葉を紡ぐ。
「あの世界には『ヴォーテックス一族』って輩がいて、そいつらが好き勝手やっているのは知ってるか? そこで俺達猟兵はあいつらの同族争いを利用して、少しずつ戦力を削いでいたんだが……それが大きく実を結んだみたいでな」
ひびきはそう語りつつ、グリモアでどこかの景色を映し出す。
最初に見えたのは大きなビーチと市街地の様子。
次に映し出されたのは、巨大な白塗りの城塞と、そこから姿を現す白塗りの服のオブリビオン。そして――麻薬や機械兵器を生産するために、過酷な労働を強いられる罪なき奴隷達の姿。
「ここはメキシコ合衆国、アカプルコ・デ・フアレスだった場所。ヴォーテックス一族の一人、狂人教祖『クライスト・ヴォーテックス』が支配する『クライストシティ』。つまり……ヴォーテックス一族の本拠地の一つだ。敵の本拠地を見つけた以上、放置は出来ないよな。皆にはここに攻め込んで、クライスト・ヴォーテックスを撃破してもらいたい」
ニヤリと笑みを浮かべ、ひびきは猟兵達へと視線を向ける。
今回の依頼は、なかなか大変なものになりそうだ。
「街全体が敵の本拠地になってるから、クライストの根城を目指すにしても一筋縄じゃ行かないだろうな。まずは街の中を突っ切ってクライストの『白の城塞』を目指して欲しいが……道中での交戦は避けられない。迫る敵を蹴散らし、目的地へと向かってくれ」
ひびきがグリモアを操作すれば、ズームになるのは白塗りの服を着たオブリビオン達だ。
彼らはサイズこそ人間大であるものの、上半身は戦車のようになっており、危険な兵器であることを窺わせる。
「市街地に配備されているのはこの『ウォーキングタンク』だ。こいつらは無人の人型戦車で、狭い場所だろうとこちらを追いかけて狙ってくる。それだけでも厄介なんだが、とりわけ面倒なのはこいつらの着てる服だ」
オブリビオンが着込んでいる衣服は、ぱっと見た印象ではただの衣服に見える。だが、実際はそうではないらしい。
「こいつは特製の素材で出来ていて、近接攻撃を弾くらしい。相手が遠距離攻撃を得意としている以上、こちらも銃撃や遠隔攻撃で挑む方が良いだろうな。勿論相手の防御をブチ破れるなら、近接攻撃で挑むのだって有効だろう。とにかく『相手が近接攻撃に強い』っていうのを忘れないでくれ」
相手の情報さえ分かっていれば対策も立てることが出来る。猟兵としてのメリットを活かす時だろう。
「市街地を進んで『白の城塞』まで辿り着いたら、内部の敵を倒しつつクライストの元を目指してくれ。恐らく城塞内部の敵も白塗りの服を着ているだろうから、戦車達と同じように戦った方がいいだろうな」
説明が進むと共に、映し出される景色が『白の城塞』のものへと変わる。
城塞はマフィア映画に出てくる巨大な屋敷のようであり、これだけ大きければ戦車やキャバリアで乗り込むことも出来るだろう。
「城塞内部のオブリビオンはより敬虔なオブリビオン教団の信徒らしくてな。容赦なき死を与える者を『死の笛(シルバト・デ・ラ・ムエルテ)』……笛の音と共に死を告げる者、なんて言って畏敬の念を抱くらしい。相手が猟兵だろうとな。だから、格好良く戦えば相手が見入ってくれる可能性もある。これも留意しといてくれ」
再びひびきがニヤリと笑う。相手が狂人ならば、その流儀に乗ってやるのも一つの作戦だろうか。
「『白の城塞』を進んでいけば、クライストの元まで辿り着けるはずだ。そうなったらあとは全力、こいつをぶっ潰してやれ」
やるべきことはただ一つ。
悪徳の街を突き進み、敵を倒し、そして狂人教祖を討つ。
簡単な道程ではないが、ここまでやってきた猟兵達なら必ず勝ち目はあるはずだ。
「説明はこんなところだな。それじゃあ、今回も気をつけて。良い知らせを待ってるぜ」
最後に今までとは違う信頼の念を籠めた笑みを浮かべ、ひびきは猟兵達を送り出す準備を進めていった。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
白亜の城を目指し、太陽の下を駆け抜けましょう。
このシナリオが20本成功すると、クライスト・ヴォーテックスは撃破されます。
すると将来起こるであろうアポカリプスヘルの戦争において、クライストは登場しなくなります。
戦争までに撃破出来なくとも、成功数に応じた戦力は減少させられるので頑張っていきましょう。
●一章・集団戦『ウォーキングタンク』
太陽の照りつけるアカプルコの市街地を舞台に戦闘です。
敵は白塗りの服を着ており、その影響で『近接攻撃に強い』です。
遠距離攻撃で応戦するか、相手の防御をブチ抜く近接攻撃で戦いましょう。
●二章・集団戦『ダーティーギャング』
クライストの住居『白の城塞』にて戦闘です。
一章と同じく敵は白塗りの服を着ており『近接攻撃に強い』です。
また、敵は教団の教えにより『容赦なき死を与える者』に畏敬の念を覚えます。華麗に戦い相手を魅了してやりましょう!
●三章・狂人教祖『クライスト・ヴォーテックス』
クライストとの決戦です。
全力で戦いましょう。
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どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『ウォーキングタンク』
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POW : 機銃掃射
【砲塔上部の重機関銃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 対猟兵弾
【対猟兵用の砲弾を装填した主砲(連続砲撃)】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : キャニスター弾
単純で重い【散弾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:良之助
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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嘗ては栄えていた都市も、今はすっかり悪徳の街と化している。
メキシコ合衆国、旧アカプルコ――現『クライストシティ』。
リゾート施設だった場所は兵器や麻薬を作る工場へと変えられて、人々が行き交っていた道を進むのは化物と奴隷のみ。
そしてこの街は今、厳戒態勢を取っているようだ。
街の入り口からもちらほらと見え隠れしているのは、白い服を纏った人型戦車達。
彼らを倒していかなければ、目的地である『白の城塞』まで辿り着くのは難しい。
あの白い服を纏う敵は『近接攻撃に強い』ということを忘れず、決して油断せずに突き進む必要があるだろう。
街の傍らでは、罪なき人々が震え、衰弱し、いずれ来る終わりを怯えている。
その恐怖を、猟兵達が終わらせる時が来た。
陸郷・める
☆める 戦車乗り。操縦中は基本喋らない
★7号 戦車搭載の偽神兵器の制御コアにされた元ヒャッハー。喋る役
☆……とうとう、でてきた。
★なんか随分と小物くせーがな……。まあいい。どのみち結局はあの一族とやらは全員ぶっ飛ばすんだからな。
☆V.E、起動、戦車とリンクするよ
★おうさ!まずは小手調べだが……やるこたぁ基本シンプルだ。
乗り込んで砲撃してぶっ飛ばす。以上!
装甲にゃそこそこ信頼があるが、無理はしねぇぞ。本命はまだだからな
人間大ってーなら小回り効くし奴隷に紛れこんだりできるんだろうが……それならUCで「敵だけ」を消毒してやるだけだな
だっせぇ戦車モドキが多脚戦車様に勝てると思ってんじゃねぇぞォ!!
●
六本脚の戦車・実験兵器6号改のカメラが捉えたのは、陽光を受けて輝く白亜の悪徳都市。
その光景を眺めつつ、陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)はぽつりと呟く。
「……とうとう、でてきた」
彼女の脳裏に浮かぶのは、本拠地が特定されたクライスト・ヴォーテックスの姿だ。
『なんか随分と小物くせーがな……』
一方、相棒である試製実験兵器7号はどこか訝しげだった。クライストが予想外に人間じみた見た目だったからだろうか。
ともかく、やるべきことはただ一つ。
『まあいい。どのみち結局はあの一族とやらは全員ぶっ飛ばすんだからな』
「うん。める達もがんばろう」
気合を入れると同時に、めるが戦車の操縦席に座り直す。
同時に彼女の心臓からエネルギーが迸り、魂の衝動が戦車内部を照らしていく。
「V.E、起動、戦車とリンクするよ。行こう、7号」
『おうさ! まずはあの戦車ども相手に小手調べだ!』
衝動のまま、二人は悪徳の街へと踏み入れる。
同時に人型戦車達も警備から迎撃へとモードを切り替え――激しい戦火が巻き起こり始めた。
数は敵の方が多く、地の利も向こうにあるだろう。
けれどそんな不利もお構いなしに、6号改は自由に街の中を駆けていく。
敵の放つ重機関銃の攻撃を捌きつつ、返す攻撃はシンプルかつ真っ直ぐに。
「乗り込んで砲撃してぶっ飛ばす。やることは以上!」
攻撃の合間を縫って放たれる砲弾は次々と敵と薙ぎ払い、相手をスクラップへと変えていく。
純粋な戦車としての力量は6号改が上であり、操縦のテクニックは古びたAIよりもめるが上。
必要以上の被弾を避け、二人はどんどん敵を追い込んでいく。
しかし――奴隷の保護も考えなければならない猟兵と違い、オブリビオンからすれば彼らはただの資源である。
数体の戦車が兵器工場の中に突っ込むと、奴隷達を盾にしつつ重機関銃を構えたようだ。
このままでは奴隷達は戦闘に巻き込まれてしまうし、攻撃だって出来ない。相手が猟兵であることを逆手に取った外道な戦法だが――。
『随分舐められたもんだな、俺様達にはこういう手段もあるんだよ! ヒャッハー! 衛生面から汚物は消毒だぁ!』
「それ以外には無害。だから、安心して?」
6号改が工場内部に放ったのは特殊薬剤だ。これに触れた奴隷達には何も起きないが――オブリビオンは別である。
彼らの身体に付着した薬剤は次々に引火して、悪しきものだけを燃やし尽くしていく。
『だっせぇ戦車モドキが多脚戦車様に勝てると思ってんじゃねぇぞォ!!』
猟兵達の多種多様さを、そして戦力を甘く見たオブリビオン達。
彼らが最期に耳にしたのは、6号改の勝ち気な声と奴隷達を安堵させるめるの声だった。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ
砂塵の世界で苦しむ人々を救う為に…
栄える悪徳の一族を討ち倒す為にも…
さぁ行くぞ…!ワタシは…処刑人だッ!
[義侠心と闘争心]を灯して
地獄の炎を纏い敵群と相手しよう
鉄塊剣を盾代わりに[武器受け]で機銃掃射を防御して
[ダッシュとジャンプ]で敵に接近し敵群を惹きつけよう
鉄塊剣を抜き振るい敵を攻撃
攻撃を弾かれようが何度も武器振るい[怪力と鎧砕き]で
敵が粉々に討ち砕けるまで[継戦能力]維持して攻撃し続けよう
鉄塊剣での[鎧無視攻撃で串刺し]たら【聖処女殺し】を発動
変形した鉄塊剣を力づくで引きずり出し
[傷口をえぐりながら部位破壊で解体]してやろう…!
かかって来い…白装束め…!
ワタシは…処刑人だッ!!!
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悪徳の都市は見た目だけ美しく栄えているが、その一歩先にあるのは何処までも広がる死の荒野だ。
そんな光景の中で、仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)は鉄塊剣『錆色の乙女』を握る手に力を籠める。
「砂塵の世界で苦しむ人々を救う為に……栄える悪徳の一族を討ち倒す為にも……」
決意は地獄の炎に変わり、アンナの周囲を舞い踊る。
炎を纏った処刑執行人は静かに砂を踏みしめて、悪徳の都市の入り口を睨んだ。
「さぁ行くぞ……! ワタシは……処刑人だッ!」
剣を構え、アンナは勢いよくクライストシティへと突撃する。
そんな彼女を出迎えるように、幾つもの銃口が彼女の方へと向けられた。
待ち構えていた戦車達は砲塔上部の重機関銃を向けると、すぐさま攻撃を開始してきた。
恐らく初撃は此方の動きを止めるための、命中率重視の攻撃だろう。アンナはそう判断し、剣を己の正面へと構える。
鉄の処女は次々に銃弾を弾き飛ばし、アンナが進むべき道を守り抜いてくれていた。
彼女が目指すのは――迫りくる敵の群れの真っ只中だ。
「かかって来い……白装束め……! お前達の好きにはさせんッ!」
獣の如き勢いで敵の元へと突っ込めば、同時に振るうは『錆色の乙女』による重い一撃だ。
しかし――刃は敵の纏う衣服に阻まれる。その防御力は思っていたよりも優れているようだ。
だからといって、アンナは決してこの場から退いたりしない。
「阻むというなら何度でも喰らわせてやろう!」
鍛えられた怪力とスタミナを活かし、アンナは何度も剣を叩きつける。
一発、二発……重い音が響いていけば、次第に敵の様子も変化し始めたようだ。
そして力を籠めて更に一閃――すると、刃はとうとう衣服を破り、敵の装甲に突き刺さる!
この瞬間を決して逃してなるものか。
「身体を熱し貫く痛みに悶え苦しむがいい……!」
鉄塊剣が更に地獄の炎を纏い、突き刺さった刃は花のように刃を広げる。
どれだけ頑丈な装甲を持っている相手でも、内側から燃やし尽くされては敵いやしない。
そのまま刃を回転するように引き抜けば、悲鳴のような破壊音が白亜の都市に響き渡った。
最期に残るのは、スクラップと化した戦車と地獄の処刑人のみ。
けれど戦いはまだ終わっていない。この都市には、まだまだ悪徳の存在が蔓延っているのだ。
「悪徳の一族もその配下も、必ず討ち滅ぼそう。ワタシは……処刑人だからな……!」
決意を胸に、アンナは再び剣を握る。
そして力強く歩を進めていくのだ――悪しきものを、処すために。
成功
🔵🔵🔴
シャルロット・クリスティア
市街戦か……進撃戦よりも迎撃の方が得意なんですが。
まぁ、良いでしょう。問題はない。
遮蔽が多いのはこちらにとっても好都合。
相手はサイズからしておそらく無人機。であるならば、既定のプログラムに沿って巡回、警戒する。
他の交戦があって異常事態を認識したとしても、プログラムの『傾向』というのは間違いなく出る筈です。
理論立てて組み立てれば、死角は割り出せる。
あとは、認識外からの射撃で無力化すればいい。
まずは脚、即座にセンサー。そして脚と目を潰したところで、砲塔です。
その背の高さは視野は取れても、撃たれ脆い。
先手さえ取れれば、潰すのは楽です。焦らず確実に道を開きましょう。
●
街の至る所で戦いの音が響く。
それを耳に入れながら、シャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)もまたクライストシティの内部を進んでいた。
此度の戦いは市街戦。シャルロットからすれば進撃戦よりも迎撃の方が得意なのだが、かといって大きな問題がある訳ではない。
(遮蔽が多いのはこちらにとっても好都合です。この近辺の敵は……)
無造作に置かれた荷物の影に身を潜め、シャルロットは周囲の様子をざっと見遣る。
市街地に配置された戦車達はサイズや挙動から、無人機で間違い無さそうだ。
彼らは敵影を見つけ次第そちらに駆けつけ、そうでないものは一定のルートを巡回しているらしい。
(彼らがプログラムで動いているのは間違い無さそうですね。異常事態を認識したとしても、プログラムの『傾向』というのは間違いなく出る筈です)
シャルロットはすぐに敵を攻撃せずに、彼らの観察に時間をかけていた。
何故なら彼女は狙撃手。着実に相手を潰すためには、相手を知ることだって大切なのだ。
(もう少し別のポイントも探してみましょうか。どの程度の戦車が巡回しているのかも気になりますし……)
一体の敵を倒せたとして、すぐに他の敵に見つかっては危険だろう。
戦車が近くの道路を進んでいったのを確認し、シャルロットもまた静かに街を移動していく。
暫くマッピングを続ければ、近辺の戦車の行動は特定出来た。
ならば後は敵の数を減らしていくだけ。建物の影から少しだけ身を乗り出して、シャルロットが見つけるのは通り過ぎる戦車の後ろ姿。
敵は完全にこちらに気付いていない。さあ、あとは撃ち抜くのみだ。
(知らぬまま逝ける方が幸福でしょうよ。人型にしているのも利点はあるのでしょうが……)
マギテック・マシンガンを構え、狙いを定め、まずは一撃。
正確に放たれた弾丸が脚を潰せば、戦車の身体は大きくよろける。
相手もすぐに敵影を探そうと頭をもたげるが――その頭も、続けざまの銃弾にあっさりと砕かれた。
(その背の高さは視野は取れても、撃たれ脆い。脚と目を潰しました、こちらの勝ちです)
トドメとして放ったのは、自慢の砲塔を潰す一撃だ。
あらゆる部分を撃ち抜かれた戦車はドサリとその場に崩れおり、物言わぬ鉄塊へと変わる。
このまま残骸を放置しておけば、異常を察知した仲間が駆けつけるだろう。
ならばそれを狩り続けるだけ。マギテック・マシンガンに弾を装填しつつ、シャルロットは小さく息を吐く。
(焦らず確実に道を開きましょう。これは生存競争なのですから)
生き長らえるため、そして勝つために。シャルロットは静かに次の戦いに備えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
冬原・イロハ
アドリブ・連携歓迎
ラクスくん、頑張りましょうね
と、グリフォンに騎乗(振り落とされ防止に自身にストラップを装着し)
市街戦ということもあり、ドレイさんたちに怪我をさせないよう注意します
なるべくドレイさんがいなさそうな場所を通っていきましょう
交戦中に万一はち合わせた時は直ぐに離れるよう指示
敵を発見次第UCを
流星の如き煌きと重力をのせた星の属性を掛けて「えいっ!」と!
ラクスくんの機動に任せるゴリ押し回避&敵を振り回します
接近時に敵の隙があれば斧を振り回し、力任せガンッと当てて相手の体勢を崩せたら
光を撃ちこむなり、誰かがいらっしゃれば隙作りの援護になるやも
キャニスター弾はラクスくんの翔けで素早く離脱
●
「ラクスくん、頑張りましょうね」
ふわふわのグリフォンを撫でながら、微笑むのは冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)だ。
彼女の青い瞳が見つめるのは、自分達の毛並みに負けないくらい白い都市。
けれどあの白色は、偽物だと知っている。
あの白色の下に、沢山の苦しみが隠されていることを知っている。
だからこそ、イロハはラクスと共に悪徳の都市を目指すのだ。
ラクスの背に飛び乗りストラップを装着すれば準備も万端。イロハは相棒と共に、都市の中へと突っ込んでいく。
最初に飛び込んできたのは、工場で働かせる奴隷達の姿だ。
痩せ細った彼らの姿に心が痛むが、目を伏せる訳にもいかない。
「助けに来ました、皆さんは安全な所に隠れて下さい!」
大声を張り上げ、通ってきた道を指差すイロハ。
最初は奴隷達も驚いていたが、ようやく現れた助けに安堵したのだろう。誰もが礼を告げ、指示された方向へと逃げていく。
その様子には安心したが、油断は禁物。すぐに異常を察知して、人型戦車達も姿を現したようだ。
「ラクスくん、気をつけて下さい!」
イロハが警告を放つと同時に、戦車達は散弾の雨を浴びせてきた。
ラクスは主人の声を受け、勢いよく翼を広げて道を行く。賢く勇ましいこの子なら、回避は任せて大丈夫だ。
イロハもすぐさま敵を睨み、小さな指を堂々と構える。
「星の力を……えいっ!」
詠唱と共に光が弾けた。イロハの放つ聖なる星の魔力が、天から降り注ぐ光に変わり戦車達を撃ち抜いたのだ。
光の攻撃に乗じるようにラクスが翔け、まだ立っている戦車との距離を一気に詰める。
相手が近接攻撃に強いことは分かっている。けれど、それはあくまで装甲面での話だ。
イロハはバルディッシュを構えると、ラクスが翔ける勢いに乗せ刃を振るう。
「これで……崩れて下さいっ」
衝撃の音が鳴り響くと同時に、打ち据えられた戦車が奇妙な機械音を上げる。
目の前の小さな存在が、自分の体勢を崩すなんて思っていなかったのだろう。機械音はセンサーが放つ混乱の声だろうか。
「もう一度、ジャッジメント・クルセイドです!」
すかさずイロハは指を構え、敵を天からの光で撃ち抜く。
これでまずは一安心だろうか。けれど油断は禁物だ。この街にはまだまだ多くの敵が、そして捕らえられた人達がいる。
「ラクスくん、さっきはありがとうございました。この調子でがんばりましょう」
イロハが労うように頭を撫でれば、ラクスは嬉しそうに鳴き声を上げる。
ここからもきっと大変だけど、二人一緒なら乗り越えられる。それに、この街には多くの猟兵も集まってきているのだ。
皆でこの難局を乗り越えよう。そう決心し、イロハとラクスは再び街を翔けていく。
成功
🔵🔵🔴
黒影・兵庫
(「ヒャッハー!殴り込みだぁー!」と頭の中の教導虫が叫ぶ)
えぇ!思いっきり暴れてやりましょう!せんせー!
その前にまずは戦車頭共をぶっ飛ばす必要がありますが
近接攻撃は弾くらしいです!
(「そうね!さぁどうする!?」)
弾けない攻撃をしてやるだけのことです!
(UC【光殺鉄道】を発動し、黒影の影の中から芋虫が大量に湧き出す)
俺は『迷彩』効果のあるオーラバリアで光学兵の皆さんを包み込んで『目立たない』ように『オーラ防御』を行うので
光学兵の皆さんは光の刃で奇襲して敵をバラバラに切り裂いてください!
(「ナイスな作戦ね!よっしゃぁ!いくぞぉ!」)
おぉー!
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堂々たる足取りで、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は悪徳の街へと足を踏み入れる。
彼の頭の中に潜む教導虫・せんせーも今日のカチコミにはどこかテンションが高めだ。
『ヒャッハー! 殴り込みだぁー!』
「えぇ! 思いっきり暴れてやりましょう! せんせー!」
目指すは街の中央、白亜の城。そこに潜むクライストを倒すのが今回のミッションだ。
けれどそこまでの道程は一筋縄ではない。街の至る所から爆発音が響いており、戦闘は既に始まっている様子。
「道を塞いでいるのは戦車頭共ですよね。あいつらをぶっ飛ばす必要がありますが、近接攻撃は弾くらしいです!」
『そうね! さぁどうする!?』
テンションは高めだが、せんせーはいつも通りに兵庫の作戦に期待しているようだ。
兵庫もニヤリと笑みを返し、元気いっぱいに言葉を返す。
「弾けない攻撃をしてやるだけのことです! 光学兵の皆さん、行きましょう!」
輝く太陽に手を伸ばし、呼びかけるのは鉄道虫の光学兵達。
いつもより色濃い兵庫の影が蠢いて、光学兵は主人からの指示を待ち侘びる。
彼らはせんせーの細をベースに作られた頼もしい仲間だ。敵の本拠地だろうと、一緒に突き進めることが出来るなら問題ない。
「俺がオーラで光学兵の皆さんを守って目立たなくします。その間に皆さんは光の刃で奇襲して敵をバラバラに切り裂いてください!」
『ナイスな作戦ね! これならバッチリよ!』
せんせーの明るい声に、彼女の笑みがありありと浮かぶようで兵庫も思わず笑みを零す。
それに呼応するように光学兵達も嬉しそうに震えている。いよいよ進軍の時だ。
『よっしゃぁ! いくぞぉ!』
「おー!」
元気いっぱいの号令と共に、兵庫達は勢いよく街を進み始めた。
街の中では予想通り、何台もの人型戦車が巡回をしている様子。
けれど彼らは兵庫一行に気付かない。オーラの迷彩がしっかりと仕事を果たしているのだろう。
ならば――あとは作戦通り、奇襲するだけ!
「光学兵の皆さん! サイコロステーキのようにしちゃってください!」
兵庫の指示を受け、鉄道虫の身体がゆらりと光を帯びる。
その光はエネルギーと変わり、そして刃に転じて――戦車の装甲を次々に切り裂いていく!
白い衣服の防御だってお構いなしだ。人型戦車は何も気付かぬまま、ただ物言わぬ鉄塊へと変わっていく。
この調子で奇襲を続けていけば、道を切り開くことも出来そうだ。
「いい調子ですね、もっと進んでいきましょう!」
『ええ、どんどん暴れるわよ!』
にっこりと笑みを浮かべつつ、兵庫達は太陽の下を突き進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ラブリー・ラビットクロー
らぶ銃なんか持ってないぞ
マザーはどー思う?
【諦めも肝心ですよ】
ばか
それじゃダメなんな
もーいーもんマザーはここでお留守番
らぶにいい考えがあるぞ
【本当ですか?】
見つけた!モヒカン戦車!
マザーを石垣の裏側に隠して作戦開始なんな!
どんな作戦なのって?
それはもーとっておき!
こっそり後から近づいて敵の主砲にこれ(爆弾)を放り込むのん
とってもいい作戦でしょ?
んぇ!バレたし!気づくの速えーし
どどどーしよー
【ピピピピピ!お早う御座います。今日も一日頑張りましょう】
!!
マザーがアラームで敵の気を引いてくれたなん!
今のうちに敵のセンサーにアウトローサインのスプレー噴射
らぶを見失っている隙に主砲の中に爆弾を放り込むぞ
●
悪徳の街は敵の本拠地といえど、隠れられる場所なら幾らでもある。
石垣の影に身を屈めつつ、行き交う戦車をじーっと睨むのはラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)だ。
戦車がのっしのっしと歩く度、纏う白い衣服がゆらりと揺れる。あれがどうにも鬱陶しい。
手にした端末へと視線を映し、ラブリーはむむむと唸る。
「らぶ銃なんか持ってないぞ。マザーはどー思う?」
『諦めも肝心ですよ』
端末内部のビッグマザーが返したのはシンプルかつ率直な答え。ラブリーが返したのは小さなため息だ。
「ばか。それじゃダメなんな」
端末を物陰にそっと起き、ラブリーは勢いよく立ち上がる。
「もーいーもんマザーはここでお留守番。らぶにいい考えがあるぞ」
『本当ですか?』
「マザーはここで見てて。すぐにやってくるかんな。あのモヒカン戦車、やっつけてやる」
そう言いつつ懐に手を入れつつ、抜き足差し足忍び足。
目指すは近くを巡回している戦車の元だ。
ラブリーの作戦はとっておき!
相手が近接攻撃に対する装甲を持っているのなら、内側から爆破してしまえばいい。
取り出したのは可愛らしい人参型の『Love It』。可愛いけれど威力は抜群な爆弾だ。
これを構えてこっそり近づいて、そして砲台に爆弾を放り込んでやれば――。
しかし、現実というのは非情なもの。
相手のセンサーは予想以上にしっかりしていたらしい。不意に戦車が足を止め、そして頭を此方へ向ける。
無骨な砲台が、ラブリーの方を睨んだ。
「んぇ! バレたし! 気づくの速えーし」
どどどーしよー。周囲に物陰は多いけれど、相手は既にこちらを認識している。
攻撃を避けながら立て直すか? でも他に仲間を呼ばれたら?
その時だった。混乱する思考を止めるよう、鳴り響いたのは大きな音だ。
『ピピピピピ! お早う御座います。今日も一日頑張りましょう』
「!!」
戦場に不釣り合いな大きな音と爽やかな声。間違いない、ビッグマザーのアラームだ!
その音に思わず戦車も反応し、砲台が石垣の方へと向けられる。今がチャンスだろう。
「マザー、ありがとなん! あとはまかせて!」
ラブリーはすぐさま身を翻し、敵の方へと駆けていく。
接近と同時にスプレーを取り出して、狙うは相手のセンサー部分。
慣れた手付きでラビットクロー家のサインを描いてやれば、相手は完全にこちらを見失う。
「これでも食らえー!」
生じた隙を活かして可愛い人参をプレゼント。そのままその場から離脱すれば、重い爆発音が鳴り響いた。
トラブルは起きたものの作戦は成功。これにて一安心だ。
「作戦は悪くなかったでしょ? モヒカン戦車、もっとやっつけていくぞ」
『了解です。一緒に頑張りましょう』
しっかりとマザーを回収し、ラブリーは再び街を行く。その足取りは前向きで軽やかだった。
成功
🔵🔵🔴
ルゥ・グレイス
※アドリブ改変、歓迎
終末図書館の設立にヴォーテックス一族の資金が流れ込んでいる手前、あまり大々的に戦いたくはないのですが。
それでも、ここは戦うべき場面であると判断しました。
UCを起動。
ほとんどのものが一度破壊を経験しているアポカリプスヘルにおいて
このUCは極めて大きな規模で環境復元を実行できる。
殺風景で瓦礫と工場で出来上がったクライストシティを在りし日のリゾート施設に復元。
互いの地の利をフェアに戻して射撃戦を開始。
ライフルを構えて倒せそうな敵から順番に破壊していく。
一発撃つたびに場所を変え、確実に戦力をそいでいく。
町中を移動して光学センサーや魔術陣を刻み効率的に戦力を削減することに専念する。
●
悪徳の街を進みつつ、ルゥ・グレイス(RuG0049_1D/1S・f30247)は物思いに耽っていた。
自身の所属する終末図書館。荒野の世界に遺された対終末遺失情報集積機関。
ヴォーテックス一族は、この機関のメインスポンサーだ。
そんな事情のある手前、大々的に戦いたくはない。けれど。
(それでも、ここは戦うべき場面であると。そう判断しました)
決意と共に顔を上げ、ルゥは周囲の景色を見遣る。
嘗ては人々を楽しませていたこの地も、一度は大規模な破壊に見舞われただろう。
そんな場所は、ルゥの埒外を活かすのに最適だ。
「残留情報確認、復元開始」
詠唱と共に街が揺れる。崩れ落ちた瓦礫は建物へと修復され、工場と化した建物達は人々を楽しませていた施設の姿を取り戻す。
周囲の景色が一変したのに合わせるように聞こえてきたのは機械音。戦車達が異常を察知したのだろう。
けれど復元により、街の地の利はフェアなものへと転じている。
ルゥはすぐさま近くの物陰に身を潜め、ビームライフルを握り敵の出現を待った。
人型戦車達は本来ならば決まったルートを巡回していた。
しかし、既に周囲の様子は変貌し彼らはルートを見失っている。だとすれば、次に探すのは元凶である侵入者だろう。
頭の砲台を揺らしつつ、戦車達は敵影をひたすら探し続ける。
そこに降り注ぐのは――。
(まずは、一体)
ルゥは『灰骸の翼』を構え、無防備に彷徨く戦車へと容赦のない射撃を浴びせる。
相手が停止したのを確認すればすぐにその場を放れ、同時に街の様子を確認していく。
大通りなら別の戦車だって通りかかるだろう。道行きがてら、刻みつけるのは魔術陣だ。
そして再び身を潜め、周囲の気配に気を配る。暫く待てば、予想通りに戦車が数台やってきたようだ。
彼らの足が魔術陣を踏めば――弾けたのは雷の術式。近接攻撃に強くとも、内部の回路に直接ダメージが来ればひとたまりもないだろう。
衝撃を受け立ち尽くす戦車に向け、ルゥは再び銃口を向ける。
相手の戦力を削り始めた以上、ヴォーテックス一族とは以前と同じ関係には戻れないかもしれない。
けれど、周囲の復元された光景を眺め思うのは――この世界が取り戻すべき本来の姿だ。
だからきっと、後悔はしない。
「先に進ませてもらいます」
乾いた音が響き、同時に戦車達はその場に倒れ伏す。
調子は万全、けれど油断は禁物。きっと白亜の城まで、まだまだ敵は潜んでいる。
ルゥは再び気合を入れて、リゾート街を突き進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ガロウ・サンチェス
…いいよなァ、憧れのリゾートタウン。
俺も年金暮らしになったらこーゆー街でノンビリ過ごしたいと思ってたよ。
(車の窓から荒廃した町並みと、遠くに見える異様な城塞を眺めて)
…ひでぇ有様だな。いくか、イカレ教祖をぶちのめしに!
なんでぇありゃ。二足戦車…マシンウォーカーか?
車を加速させ、フロントバンパーに仕込んだ
機銃をぶっ放しつつ接近。飛び出したチェーンソーで《捨て身の一撃》
喰らわしたら運転席から飛び降り、中華なべを盾代わりにして突っ込む。
「上半身に比べて下半身が貧弱すぎじゃねーか?」
下段を狙って、足払いをかけて<体勢を崩す>攻撃。
そんでから追い打ちの【一撃必殺】で、白い装甲ごと
強引に粉砕してやるぜ!
●
クラシックセダンの車窓から、眺めるのは嘗てのリゾート地。
広がるビーチを見遣りつつ、ガロウ・サンチェス(人間のゴッドハンド・f24634)は息を吐く。
「……いいよなァ、憧れのリゾートタウン。俺も年金暮らしになったらこーゆー街でノンビリ過ごしたいと思ってたよ」
けれど、その憧れは儚く消え去ってしまった。
夢の都市は荒廃した悪徳の都市へ変貌し、その中央に聳え立つのは異様な白亜の城。
酷い有様だ。そうとしか言えない。
この世界で生まれ育ち、今日まで生きてきたガロウだからこそ、そう思う。
そしてこの状況を打破できるのも、きっと自分達だけだ。
「……いくか、イカレ教祖をぶちのめしに!」
姿勢を正し、ハンドルを握れば準備も万端。ガロウは力強くアクセルを踏み込み、悪徳の都市へと突っ込んでいく。
勢いよく道路を進んでいけば、すぐに倒すべき敵の姿は見えた。
大きさこそ人間大だが、上半身は小さな戦車。けれど下半身は二本脚。そんな奇妙な人型兵器が此方へと迫ってきている。
「なんでぇありゃ。二足戦車……マシンウォーカーか? ま、何でも良いけどよ」
運転席に備え付けた装置を操作すれば、セダンのフロントバンパーから機械音が鳴り響く。
そして姿を現したのは――無骨な機銃とチェーンソーだ!
敵も負けじと重機関銃による射撃を行ってくるが、それはドライビングテクニックで華麗に回避。
お返しとばかりに機銃を撃ち込み、敵の動きが鈍った瞬間を見計らい――。
「まずはこいつをプレゼントするぜ!」
捨て身の一撃に近い突撃とチェーンソーによる斬撃。白い衣服を着込んでいようと、衝撃はそのまま敵の身体に響くだろう。
そのままガロウは中華なべを構え、よろめく敵との距離を詰める。
近くで見れば、ウォーキングタンクの姿はやっぱりシュールだ。いや、市街戦という観点では二本脚も役立つのかもしれないが。
「上半身に比べて下半身が貧弱すぎじゃねーか?」
隙だらけの敵にぶちかますのは着実な足払い。先程の攻撃も相まって、目の前の戦車は完全に体勢を崩している。
ふわりと揺らめく白い衣服が邪魔だが、そんなことはもう関係ない。
「俺達の邪魔はさせねぇよ。これ以上この世界で好き勝手させる訳にはいかないからな!」
想いを籠めて振るうのは、拳による重い一撃だ。
一撃必殺、拳は白装束すら突き抜けて敵の内部を破壊し尽くした。
敵が沈黙したのを確認し、すぐにガロウは拳を引き抜き周囲を見遣る。
きっと白亜の城までは、何度も交戦しなければならないだろう。けれど気合は十分、迫る敵は倒していくだけ。
ガロウは気楽な足取りでクラシックセダンまで戻っていく。けれどその背には、拳には、重い決意が乗せられているのだ。
成功
🔵🔵🔴
ジフテリア・クレステッド
【がれき】
なるほど…なんか色んなことが分かったけど…とりあえずあの髭面をぶっ殺せばいいんだね?カーニバルの始まりだ…!
UC発動してライフルを巨大化させた偽神兵器アウトブレイクから汚染毒弾ペイシェント・ゼロを【範囲攻撃】【乱れ撃ち】【一斉発射】【先制攻撃】。敵味方識別するために1回だけにする。
強力な【毒使い】の私謹製の毒弾攻撃は【鎧無視攻撃】。一撃で充分。一撃で済まなくても毒の侵蝕による【継続ダメージ】を受けて装甲が溶け出してる敵なんて他の皆がどうとでも料理してくれるはず。
白い物って汚したくなるよねえ…ほら私子どもだし。敵からの攻撃は【ダッシュ】で避けたり【念動力】で逸らしたりして対処するよ。
高吉・政斗
【がれき】何ぞ?コレ?二足歩行できる戦車じゃなくって
「戦車に足が映えた」感じじゃねぇか!(FECTの事ナメトンカ!?)
さて、今回は…こいつを使う!(各種口径の銃弾)コイツで駄戦車を相手に撃ちまくる…
使いたい人は申し出てな。
コイツで駄戦車の連中を逆に取り込んでぶっ潰してやろう…だり動きを阻害してやる。 命令内容は…
「1:一歩たりとも動くな」
「2:攻撃する時は同じ駄戦車に向けてしろ。」
…だ。コレなら自分だけでなく仲間の攻撃も通りやすいだろうね。勿論自分も攻撃するからな。持ち前の銃器・戦車兵装フル稼働だ。
因みに戦車型で乗り回しながら要塞に向うから乗りたい子は気にせず乗ってけ!
(酔わない様になっ!)
イヴェット・アンクタン
【がれき】
欲望を信仰心と偽る者、ですか。ストームの原因に近づけるのなら、なおのこと容赦はいりませんね。【彼】……ギガント・バリスタに搭乗します。
キャバリアの巨体を活かし、後方からの援護射撃も兼ねた、両腕の弩を連射と、スティングランスを用いた槍投げを行って、遠間から貫通攻撃をあびせます。
情報収集は怠らず、より敵の多い場所へ狙いを定め……数によっては、頭部の角弩による砲撃を使い、切り崩しましょう。
また走りながら設置した、罠による破壊工作でさらに敵陣をかき乱し、私や皆さまの攻撃をより通しやすくします。
敵のUCを、悪路をも走破する脚力を用いたジャンプでかわし、UC発動。逃げ場はありません、お覚悟を。
尖晶・十紀
【がれき】何を企んでるか知らないけど…お前の好きにはさせない。こんな世界でも…生まれ育った大事な場所なんだ
遠距離射撃は苦手だけど…出来る事やるしかないね
釣り…囮の戦法を用いて挑発して引き付けつつUCで捕らえて鎧砕きの怪力で投擲、敵同士をぶつけ合わせたり操作の呪詛を与えて手駒として操ったりして効率的に処理
敵の攻撃は武器受けで跳ね返したり野生の勘で回避して対処
もし食らっても灼血の焼却の起点にするから結果オーライ
仲間の攻撃も上手く利用して得意の距離を取られないよう捨て身の一撃で仲間の攻撃の射程有効範囲内に押し込め引き付け倒していく
毒へも激痛へも耐性は十分ある
構わない、皆遠慮なくぶちかませ
●
堂々と聳え立つ、悪徳の都市。
その光景を前にしてがれきの町の一行はそれぞれの決意を抱いていた。
何故ならこれから戦いを挑むのは、この世界を牛耳ってきた悪徳者達なのだから。
「なるほど……なんか色んなことが分かったけど……とりあえずあの髭面をぶっ殺せばいいんだね?」
予知を思い返しつつ、スナイパーライフルに弾を装填するのはジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)。
彼女の言葉に、尖晶・十紀(クリムゾン・ファイアリービート・f24470)もこくりと頷きを返す。
「うん、そうだね。何を企んでるか知らないけど……お前達の好きにはさせない。こんな世界でも……生まれ育った大事な場所なんだ」
苛烈な計画の末に生まれた以上、十紀に思う所がないとは言えない。でもそれ以上に、この状況を改善したいという思いがあるのだ。
それは彼女の隣に立つイヴェット・アンクタン(ロックオン・サバイバー・f24643)にとっても同じこと。
「欲望を信仰心と偽る者、ですか。ストームの原因に近づけるのなら、なおのこと容赦はいりませんね」
傍らに待機させていたキャバリア『ギガント・バリスタ』に搭乗しつつ、イヴェットは静かに街を見つめる。
そして高吉・政斗(剛鉄の戦車乗り・f26786)もまた、愛機『FECT』に乗り込みながら戦いの用意を進めていた。
「銃弾の準備は万端……よし、こっちはオッケーだぜ。皆も弾が必要になればいつでも言ってくれ」
仲間達も気合は十分。これから先の戦いは苛烈になるだろうが、きっと乗り越えられるはず。
「それじゃあ、カーニバルの始まりだ……!」
ジフテリアの声に合わせ、猟兵達は力強く大地を踏みしめる。
悪徳を、潰すために。
街に踏み入ればすぐに、異常を察知した敵が集まってきたようだ。
白い衣服を装備し飛び込んでくるウォーキングタンクへ向け、最初にリアクションを発したのは政斗だった。
「何ぞ、コレ? 二足歩行できる戦車じゃなくって『戦車に足が映えた』感じじゃねぇか!」
愛機である鉄鋼製可変形戦闘車(FECT)ならば二足歩行と四輪走行の可変変形だって可能だ。
そんな相手を前に、不思議兵器で挑んでくるなど言語道断。
「駄戦車ども、全力で吹き飛ばしてやる!」
挨拶代わりにまずは各種口径の銃弾による雨あられを。
その攻撃を皮切りに、仲間達も悪徳の街を駆け出した。
「ギガント・バリスタ、走って下さい!」
イヴェットはキャバリアに搭乗しているという利点を活かし、速度を落とさず敵を探す。
少しでも敵を視認すれば攻撃開始だ。両腕の弩を構え、まずは範囲攻撃としての射撃をぶちかます。
相手の動きが鈍れば、すかさずスティングランスを構えて投擲。衝撃と共に、数体の戦車が吹き飛ぶのが見えた。
しかしこれで安心はしていられない。次の戦いに備えて罠を設置しつつ、イヴェットはキャバリアと共に更に街を進んでいく。
一方、生身のまま街を進むのは十紀とジフテリアだ。
彼女達も既に数体の戦車との交戦を開始していた。
「遠距離射撃は苦手だけど……出来る事やるしかないね」
十紀が小さく身を屈めてアスファルトを蹴り出せば、同時に敵も彼女を視認し此方へと寄ってくる。
そのタイミングを見計らい、ジフテリアはスナイパーライフルをしっかりと構えた。
「侵蝕、巨大化……アウトブレイク、出番だよ」
ジフテリアの呼吸に合わせ、ライフルがドクンと脈打つ――ように見えた。
その正体はジフテリアに宿る偽神細胞だ。その影響で無骨なライフルは偽神兵器アウトブレイクと化し、瘴気を放ちつつ立ち上がる。
此度の戦いは仲間と一緒だ。彼ら彼女らを巻き込まないように細心の注意を払いつつ、ジフテリアは銃口を敵へと向けた。
「……汚染毒弾ペイシェント・ゼロ、発射」
ジフテリアから生み出された毒素の弾は、凄まじい勢いで駆け抜け敵を穿つ。
相手は機械だ。けれどそんなことをお構いなしに、苛烈な毒は戦車を侵食していく。
内部の回路も、強靭な装甲も、毒に侵さればあとは腐り落ちるだけ。
「十紀、あとは好きに料理して大丈夫だよ」
「ありがとう、あとは任せて」
生じた隙を活かして、十紀もまた勢いよく駆けた。
ジフテリアが自身の毒を活かすのならば、十紀が活かすのは彼女の血液だ。
「引きずり落としてやる……!」
指先を軽く噛んで血を流し、そのままそれを糸として結い上げる。呪詛を帯びた血の糸を振り回し、狙うは腐っていく機械達だ。
大丈夫、毒の耐性は十分。仲間が作ってくれたチャンスを最大限に活かす時!
十紀が器用に糸を手繰れば、戦車達はあっという間に捕縛され身動きが取れなくなった。
そしてそのまま――。
「これで……どうかな」
全力で腕を振り回せば、捕らえた敵は大きくぶん投げられることとなる。
すぐさま増援もやってきたようだが、むしろそれは好都合。スクラップと化した戦車達は、血に籠められていた呪詛によりゾンビのように動き出したのだ。
増援達も仲間が立ち塞がるとは思っておらず、混乱するように機械音を上げている。
そこに追い打ちをかけるのは、ジフテリアによる致死毒弾だ。
「白い物って汚したくなるよねえ……」
子供のように無邪気な発想で、浴びせるのは確かな死。
二人のフラスコチャイルドはそれぞれの力を活かしつつ、少しずつ敵の数を減らしていく。
政斗もまた『敵を同士討ちさせる』という作戦を考えていたようだ。
銃撃で敵の動きを止めつつ、発動するのは自身の埒外。
「FECT、次の作戦だ。生成装置ボタン、ON!」
『在所持中の火器口径をスキャン中、同口径用に生成します』
自動音声が流れた後、装備している銃器もガチャリと音を立てる。
そのまま狙いを定めて敵を撃ち抜けば――。
「駄戦車ども、せめて少しくらいは活かしてやろう」
放たれた弾丸は敵を壊さず、ただその動きを止めていく。
先程生成・発射したのは極小針型のアンテナ弾だ。これに撃たれた相手は政斗及びFECTの命令を受け付け、自在に動くようになる。
「命令はたった2つ。『1つ、一歩たりとも動くな』『2つ、攻撃する時は同じ駄戦車に向けてしろ』……だ」
朗々とした政斗の声を受ければ、アンテナ弾を撃ち込まれた戦車達はピタリと動きを止めた。
そこにすかさず飛び込むのは――イヴェットとギガント・バリスタ!
「政斗さんが敵を止めてくれたようですね。なら……私達も参りましょう」
ギガント・バリスタは凄まじい速度で大地を駆け、そして勢いよく空へと飛び上がる。
動けない敵へ向け、浴びせるのは必殺のユーベルコードだ。
「逃げ場はありません、お覚悟を」
次の瞬間、橙色の槍弾が世界を覆う。
空中のギガント・バリスタが放つ乱弩穿が舞い踊り、動きを止めた敵達の元へと降り注いだのだ。
政斗のアンテナ弾により、彼らには逃走すら許されない。AIが恐怖を感じるのかは分からないが……彼らはただひたすら、破壊し尽くされていくのだ。
一仕事終えたギガント・バリスタが着地すれば、周囲に残ったのは二体の機械と猟兵達だけ。
「イヴェットちゃん、助かったぜ。良い暴れっぷりだ」
「そちらこそ。敵はまだまだ残っています、もっと街の奥へと向かいましょう」
猟兵達は機械ごしに顔を見合わせ、そして再び歩を進める。
白亜の城までの道程はまだ遠いのだから。
ある程度敵の数を減らしていけば、進むべきルートの目星もついてくる。
四人は一度合流し、聳え立つ白亜の城を再確認していた。
「ここ、かなり大きな大通りみたいだね。皆で協力すれば、突っ切っていけるかな」
周囲を見遣り、十紀がぽつり呟く。ジフテリアもまた頷きを返し、白亜の城を見上げているようだ。
「政斗とイヴェットの制圧力に、十紀の引きつけと私の毒。これだけ揃えば、きっと大丈夫だよ」
「駄戦車どもがどれだけ来ようと全部撃ち落としてやるぜ。このまま行こう!」
政斗が明るい声を返せば、イヴェットも同意するようにギガント・バリスタの弩に弾を籠める。
「目的地は変わりませんからね。皆で連携しつつ進みましょう」
目指す場所も、目的も皆同じ。白亜の城を目指し、そして悪を討つのだ。
四人の決意を嘲笑うかのように、再び戦車の増援もやってくるが――恐れるものは何もない。
「足が必要ならFECTを使ってくれ! 酔わない様になっ!」
「ありがとう。それじゃあ私はお言葉に甘えようかな」
ジフテリアがFECTの車体の上に立ち、アウトブレイクを堂々と構える。
迫る敵はFECTによる銃撃とアウトブレイクの毒で打ち払ってしまえばいい。
十紀は皆に先行するように駆け出して、再び血の糸を構えているようだ。
「十紀のことは囮としても、何でも使って。毒や激痛だって大丈夫。敵は引きつけるから……構わない、皆遠慮なくぶちかませ」
「作戦感謝します。けれど皆さまに必要以上の怪我はさせませんよ。工作行動ならお任せを」
ギガント・バリスタの弩による範囲攻撃も、十紀の血と炎による殲滅も、これからの戦いできっと必要になる。
四人がそれぞれの特技を、出来ることをやっていけば、これから先もきっと大丈夫。
真っ白な白亜の城を目指して、毒が、銃弾が、槍弾が、血と炎が街を埋め尽くしていくだろう。
それこそが、彼ら彼女らの標なのだから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
オリヴィア・ローゼンタール
オブリビオンストームを齎す神……そんなものを崇め奉り、世を滅びへ導く者共、赦しはしない!
聖槍を構えて吶喊(ダッシュ)
魔術的な要素がないなら、砲身の向きを【見切る】ことで躱せる筈
【怪力】を以って聖槍を叩き付け――なるほど、たしかに硬い
であれば聖槍の穂先に魔力を集中(属性攻撃・全力魔法)、天に掲げる
【灼烈轟雷槍】、轟く【神罰の】雷霆にて打ち据える
まだ動く者あらば、全霊の刺突(串刺し・貫通攻撃・鎧砕き)からの【灼烈轟雷槍】
機械で作られた動く鎧なら、膨大な電流で内部機構をショート(焼却)させられる筈
立ちはだかる者を雷霆で打ち砕きながら白の城塞へひた走る
●
荒野の世界を牛耳る悪徳の一族。
その中でも、クライストは『フィールド・オブ・ナイン』なる神を信仰しているらしい。
世界に破滅に導く危険な存在。其れを神と認めるなど、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)からすれば言語道断だ。
「オブリビオンストームを齎す神……そんなものを崇め奉り、世を滅びへ導く者共、赦しはしない!」
破邪の聖槍をしっかりと握りしめ、オリヴィアは勢いよく街を駆けていく。
遠くから聞こえるのは機械の駆動音。恐らく人型戦車だろう。
感じ取れる情報は五感に寄っている。少なくとも戦車達には魔術的な要素は施されていないはず。
迫る音に耳を澄ませ、しっかりと注意を払えば――先制出来るのはオリヴィアの方だ。
「見つけました、此処を通らせて頂きます!」
勢いを殺さないよう足を動かし、そして一気に敵の懐へ。戦車の纏う衣服は純白だが、それは決して美しいものには見えなかった。
その防御すらぶち破る勢いで、オリヴィアは全力で聖槍を叩きつける。角度も威力も十分だった、けれど――。
「……なるほど、たしかに硬い」
見た目よりも硬い装甲に、重い一撃は阻まれてしまった。戦車達は動きを止めず、淡々と銃口や砲台を此方へと向けてくる。
けれどこれも想定済みだ。オリヴィアはすぐさま聖槍を握り直し、その穂先を天高く掲げる。
「轟け閃光、彼の者どもを灼き穿て――!」
聖なる祈りの声が響き、眩い光が周囲を包む。信仰は凄絶な白き稲妻へと変わり、雷霆としてオリヴィアの元へ辿り着いたのだ。
近くにいた戦車達はまともに雷光を浴びて、内側から完全に焦がされ尽くしていく。
けれど敵はまだ多い。少し離れた位置にいた戦車が、未だに此方を狙ってきているようだ。
「そうはさせません!」
オリヴィアはすぐに身を低くし、聖槍を構えて敵の元へと突っ込んでいく。
相手の攻撃が発動するより早く、狙うは身体のど真ん中。
「もう一度、轟け閃光――!」
再び白い稲妻が奔り、雷撃を纏った刺突が敵の身体をぶち抜いた。
膨大な電流を浴びせられればどんな機械でもショートしてしまうだろう。槍を引き抜くと同時に、戦車はドサリと倒れ伏した。
これにて周囲の敵は殲滅出来た。けれど白亜の城まではまだ遠い。
「きっとまだまだ敵はやって来るでしょう。ならば……」
どんな相手だろうと、雷霆で打ち砕くのみだ。
聖槍をしっかりと構え、オリヴィアは再び走り出す。
悪しき神を崇める、狂人教祖を倒すために。
成功
🔵🔵🔴
ヴァシリッサ・フロレスク
Hm?ココがエルドラドかい?
イイとこじゃないか
シゴトでなきゃビーチでヴァカンスと洒落込みたいトコだケドねェ
スヴァローグへツェペシュMkⅧを装填
一先ず
台無しにしてる輩を鏖だ
ノインテーターで牽制しつつ情報収集
戦闘知識で攻略法を見切り
Ha,トロい癖にジマンの装甲と“綺麗なおべべ”で調子ノッてンね?
小回りも利かねェ
脇もガラ空きだ
セオリー通りトップアタックだ
UC発動
屋根伝いにジャンプ
一気に切り込み頭上から強襲
次々とスヴァローグで串刺しに
胸の前で十字を切り
ruega por nosotros, pecadores,
a hora y en la hora de nuestra muerte.
エィメン
なンてね
●
海に面したクライストシティは、建物の名残を見てもここが賑やかだった事を思わせる。
広がる海を横目に眺めつつ、ヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)は軽快な足取りで街を目指していた。
「Hm? ココがエルドラドかい? イイとこじゃないか」
シゴトでなきゃビーチでヴァカンスと洒落込みたいトコだケドねェ。そんな事を思いつつ、視線は街の方へ。
近づけばすぐに分かる。リゾートらしい光景とは相反する漂う何かの煙の臭いに血の臭い、そして戦いの音。
間違いない、ここは苛烈な戦場だろう。
ヴァシリッサは手にした武器をその場に下ろし、しっかりと確認を始めていく。
牽制用の『ノインテーター』の弾は十分。
相手は厄介な装甲持ちらしいから、メインウェポンは突貫力のあるものがいいだろう。
鼻歌を歌いつつ射突杭『スヴァローグ』を構え、『ツェペシュMkⅧ』を装填すれば準備も万端。
両手に馴染んだ武器を握りしめ、ヴァシリッサは堂々と街へと足を踏み入れる。
さあ、これから愉しい時間の始まりだ。
街の内部をぱっと見れば、そこかしこにリゾートの名残が残っている。
けれどその景観を眺める暇もなく、白装束の人型戦車達が向かってきているようだ。
「せっかく楽しんでたのにねェ。一先ず台無しにしてる輩を鏖だ」
戦車共が主砲の狙いを定めるより早く、ヴァシリッサはノインテーターを構え前方へと弾を撃ち込む。
敵は白装束と自前の装甲で出来るだけ弾丸を受け止めつつ、脚をひたすら動かしているようだ。
攻撃を放っても敵の動きは変わらず、ダメージも与えられていない。一見危険な状況だが――ヴァシリッサの反応はそうではなかった。
「Ha、トロい癖にジマンの装甲と“綺麗なおべべ”で調子ノッてンね?」
相手は人型とはいえ戦車。戦う際のセオリーだって変わらない。
敵の主砲が火を吹く瞬間を見計らい、ヴァシリッサは適当な瓦礫へと足をかける。
そのまま跳躍し、近くの建物の屋根へ登れば敵の姿もよく見えた。先程まで自分が立っていた場所には爆炎が上がっているが、そんなことは些細はことだ。
「さっきの動きでよく分かった。アンタ達は小回りも利かねェ、脇もガラ空きだ」
だから攻略法もシンプルに。屋根伝いに敵の頭上へと接近し、構えるのは『スヴァローグ』。
相手は戦車、正面からの攻撃は効きづらい。ならば弱点は――頭上からの攻撃だ。
勢いよく地上へと飛び込めば、杭が白装束ごと人型戦車を重く貫く。
「ruega por nosotros, pecadores,a hora y en la hora de nuestra muerte――エィメン、なンてね」
槍を引き抜くと同時に胸の前で十字を切って、捧げるのはアカプルコに相応しい祈りの言葉だ。
出来上がったスクラップを足場にし、ヴァシリッサは再び建物の屋根へと登る。
白亜の城に着くまでに、好きなだけ祈ってやろうじゃないか。勿論邪魔する輩は蹴散らして、だ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ダーティーギャング』
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POW : お寝んねしな!
【鉄パイプや鎖】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 催涙スプレーの時間だぜぇ!
【催涙スプレー】から【目の痛くなる液体】を放ち、【目の痛み】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : おらおら、おとなしくしな!
【手錠】【スタンガン】【鎖】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:kamiya jun
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵達はクライストシティの市街を駆け抜け、無事に『白の城塞』へと辿り着くことが出来た。
事前に説明を受けていた通り、『白の城塞』はとてつもなく巨大な屋敷のようだ。戦車やキャバリアによる侵入も容易だろう。
内部にはプールや南国の木々といったリゾートの名残もあるが、それ以上に――この建物は軍事的な防御力にも優れている。
この城塞の奥にクライストは待ち受けているだろう。
しかし、ここは敵の本拠地だ。警備のために、敬虔なオブリビオン教団の信者達が歩きまわっているはずだ。
信者達は人間型のオブリビオンらしく、市街地の戦車達と同様に『近接攻撃に強い』白い衣装を身に纏っている。
彼らは銃も持たされているらしく、元々持っていたチンピラめいた武器と合わせて厄介な攻撃を仕掛けてくるだろう。
信者達はオブリビオン教団への信仰心だけを胸に、ひたすら猟兵の排除を目指すはずだ。
けれど彼らの強烈な信仰は大きな弱点でもある。
教団においては容赦なき死を与える者を「死の笛(シルバト・デ・ラ・ムエルテ)」――笛の音と共に死を告げる者として畏敬の念を覚えるのだ。
それは猟兵相手だろうと変わらない。
ならば、此方も華麗に戦い容赦のない死を与えていこう。
それが狂人教祖へ辿り着く近道なのだから。
ジフテリア・クレステッド
【がれき】
天下のヴォーテックス一族…その本拠地の兵力がチンピラ集団とは世知辛くて泣けてくるね。
でも私は優しいからチンピラたちが好きそうな音楽を聴かせてあげるよ…支配を打ち破るパンクロックだ!
【歌唱】スタート!呼び出したスピーカーから大音量の毒音波を発生させて【毒使い】【範囲攻撃】!
あっ、空気の振動を【念動力】で操って皆には被害が出ないように調整するよ。
敵の催涙スプレーの攻撃は音波の【衝撃波】で吹き飛ばして防ぐ。
死の笛なんかよりもよく響く、この世界の怒りを表した希望と再生の歌!
お前たちの死を以て私たちはこの世界は再生する!邪神への贄ではなく希望への礎になりなよ!そっちの方がずっと有意義でしょ!
尖晶・十紀
【がれき】
人型、ね。……さっきのトンチキ機械よりは、良く効きそうだ……毒とか呪詛とか……異能【灼血】の本領発揮と行こうか。
まずは挨拶代わりの一撃、怪力で起こした衝撃波の無差別攻撃でまとめてぶっ倒す
それからしばらくは野生の勘とダッシュで回避しつつ鉄パイプで応戦
しまった、敵のUC……?!避けきれない……
なんちゃって、かかったな?武器で受けカウンターで反撃、布石は打った。
UCにて蹂躙。十紀の血は特殊な血…鎧をも砕き内より蝕む毒で、継続ダメージを与え続ける。近接攻撃無効?呪詛の前に距離など意味は無し
……ほら、お前らの望んだ容赦なき死だ。とくと味わえ。
イヴェット・アンクタン
【がれき】
ギガント・バリスタ、少し、待機していてください。
……いいえ、慈悲ではありません。確実に、仕留めるためです。
バイクで駆け回りながらライフルや、【弩】の装具から放つ低威力の槍弾、バイクからの援護射撃で、敵を減らします。
破壊力はなくとも、穿孔力はあります……貫通攻撃としては十分でしょう。
罠使い特製のトラップを巻き、爆破やワイヤーで敵を攪乱。さらに盗み攻撃で持ち物をかすめ取り、投げ付けるなどして、敵をある方向へ押し込みます。
誘導できたら、武器改造で一時的に自律行動を可能とした【彼】を呼びましょう。
バイクごと跳躍し、一気に乗り込んでUC発動。容赦などいたしません。地形もろとも、粉微塵にします。
高吉・政斗
【がれき】
おっと、コイツらか…チョイ見た様な輩だけど気にしないキニシナイ
M230の中空遊撃機能ON、最近作った移動式の三脚にコイツ(TYPE64AS)を取り付けてっと。
ん~やっぱ数が多いねぇコイツら…埒が空かない、ならば埒を強引に抉じ空けるかぁ!?
(WRF起動!)
大きさは小型二足型(パワードスーツ風)。
この要塞内で縦横無尽に駆け巡りながらの両腕のガトリング&両肩の重機関銃発射!(ミンチ)!
空中で滑空移動中に榴擲弾筒で榴弾を撃ち降ろし発射しながら垂直スラム攻撃(ミンチ!)
こそこそとカバーリングしてる奴は戦車砲でドカンだ!(ミ-ンチ!!)
序にこの衣装の性能…連中ひっ捕まえて零距離射撃すっか。
●
辿り着いた白の城塞の入口にて、がれきの町一行はそれぞれの準備を整えていた。
「城塞内部の護衛は人型みたいだね。さっきよりは戦いやすいかな」
「うん。……さっきのトンチキ機械よりは、良く効きそうだ……毒とか呪詛とか」
ジフテリア・クレステッドと尖晶・十紀は共に毒を扱うもの同士。先程の戦いは敵の弱点を探す戦いだったが、次の戦いは自分の特技を活かすものになりそうだ。
「……異能【灼血】の本領発揮と行こうか」
「十紀は準備万端だね。他の二人はどうかな?」
呼吸を整える十紀と仲間を見遣るジフテリアの傍らでは、高吉・政斗は愛機『FECT』に乗り込んだまま、武装の準備を進めていた。
「M230のセットと中空遊撃機能はオッケー、移動式の三脚にはコイツを取り付けて……っと」
戦車に装備させたのは突撃自動狙撃銃だ。さてさて、これでどれだけ暴れてやろうか。
一方、キャバリア『ギガント・バリスタ』に搭乗していたイヴェット・アンクタンは自分一人で地面に立ち、相棒へとそっと声をかけていた。
「ギガント・バリスタ、少し、待機していてください」
その場に鎮座するキャバリアが、自分を気にかけてくれている気がして。更に少しだけ言葉を紡ぐ。
「……いいえ、慈悲ではありません。確実に、仕留めるためです」
そのままイヴェットが乗り込むのは補助兵装『ドライブ・バリスタ』だ。これにて彼女も準備は万端。
「皆準備が出来たみたいだね。それじゃあ……行こう」
ジフテリアが歩を進めれば、十紀、政斗、イヴェットも前へと進みゆく。
いよいよ敵の根城だ。覚悟を決めて行かなくては。
「おいおい、猟兵ってあんな弱っちそうな奴らかよ!」
「『フィールド・オブ・ナイン』様のお力を借りればサクッと殺れちまえそうだなぁ!」
白の城塞へと侵入し猟兵達を出迎えたのは、白装束のチンピラ達だ。
彼らは見た目と裏腹に敬虔なカルト信者でもあるようだが、この世界の悪党らしい下卑さは抜けきっていないらしい。
「天下のヴォーテックス一族……その本拠地の兵力がチンピラ集団とは世知辛くて泣けてくるね」
「おっと、チョイ見た様な輩だな。けど気にしないキニシナイ、さくっと蹴散らそうぜ」
呆れたように首を振るジフテリアと政斗だが、二人とも戦闘に向ける気合は十分。
わらわらと迫る敵へ向け、ぶちかますのはそれぞれの得意技!
「私は優しいからチンピラたちが好きそうな音楽を聴かせてあげるよ……支配を打ち破るパンクロックだ!」
「いちいち相手してたら埒が空かない、ならば埒を強引に抉じ空けるかぁ!?」
まずはジフテリアが天高く指を掲げ、呼応するように姿を現したのは巨大なスピーカーだ。
毒々しくも荘厳なこのスピーカーはジフテリアのためだけに存在している。
ここから奏でられるのは――。
「響け殺人スピーカー! 私の歌を届けて!!」
次の瞬間、音が弾けた。ジフテリアは偽神兵器オーバードーズを握りしめ、それに向かって全力で歌声を紡いでいく。
それは敵を殺す毒電波へと変わり、そして籠められた魂が敵の悪しき心すら揺さぶっていくのだ。
激しい音圧の前にギャング達は為すすべもなく、催涙スプレーだけを握りしめてへたりと膝をついた。
「な、なんだこの歌はぁ!?」
「おっと、こっちも忘れるなよ。WRF起動!」
更に凄まじい音が響く。その音の中央に立つのは――小型二足型の機械。
『……融合、完了』
「片っ端からミンチにしてやるぜ!」
その正体は変形したFECTとそれに融合した政斗だった。
左目を仄かに青白く輝かせつつ、彼らが放つのはガトリングと重機関銃による雨あられ。
その爆音はジフテリアの歌と合わさって、悪徳を次々に打ち砕いていくのだ。
「なんなんだよぉあいつら~!」
「仕切り直そうぜぇ!」
命からがら猛攻から逃れたギャングもいるようだが、勿論攻撃はこれで終わりではない。
パンクロックと銃声の間から、微かに聞こえてくるのはバイクの音だ。
「……見つけました。逃しません」
その正体はドライブ・バリスタを乗りこなすイヴェットだった。
右手でハンドルを捌きつつ、左手に構えるのは【弩】の装具。そこから放たれる槍弾は次々にギャングを穿ち、彼らの命を断っていく。
仲間を盾に逃れようとする卑怯者もいるが、そんな相手を待ち構えるのは拳を構えた十紀だ。
「挨拶が遅れたね。これは十紀から……爆ぜろ、灼血」
ドクン、と鼓動の音が聞こえた気がした。そして次の瞬間――凄まじい衝撃が白の城塞を大きく揺らす。
十紀が拳を床へと叩きつけ、そこから生じた衝撃波がギャング達を薙ぎ払ったのだ。
それでも生き残った相手には怪力を籠めた鉄パイプでの一撃をプレゼント。十紀の足取りは止まらない。
「この辺りに来る敵は十紀がどうにかするよ。イヴェットは自分の作戦を頑張って」
「恩に着ます。それでは……幾つかトラップを仕掛けておきますので、気をつけて」
バイクで走り去りつつ、イヴェットは道行きにどんどん罠を設置していく。
その様子を見遣りながら、十紀が待つのは次なる敵だ。
ギャング達は未だに建物内に蔓延っており、このままだとクライストの元まで辿り着くのは難しい。
少し遠くから聞こえる音楽と銃声を耳に入れつつ、十紀は再び気合を入れ直した。
ジフテリアの奏でる音楽はどんどん勢いを増していく。
それに乗じるように、政斗のFECTも空中を滑空しだしていた。
「政斗、飛んで戦うのかな?」
「そうだな。あのチンピラ共を纏めて吹き飛ばすには、これが効率もいいだろうし」
「分かった、覚えておく」
皆の戦闘音を聞きながら、ジフテリアはスピーカーの調子をコントロールしていた。
発せられる毒電波は自分でコントロール出来る。空気の振動を念動力で操りながら、ジフテリアは迫りくるギャング達に応戦し続けていた。
「すげぇ歌だ……これが死の笛、だったのか……?」
ジフテリアの側で倒れたギャングは、毒に侵されつつも何かに感動するように顔を上げている。
そこから感じられるのは狂信。でもそれはきっと、間違ってると思うから。
「私の歌はそんなのじゃない。死の笛なんかよりもよく響く、この世界の怒りを表した希望と再生の歌!」
悪徳の白を塗りつぶし、世界を再生する反抗の歌。
「お前たちの死を以て私たちはこの世界は再生する! 邪神への贄ではなく希望への礎になりなよ! そっちの方がずっと有意義でしょ!」
それをもっと響かせてやる――それこそ、奥でふんぞり返ってるクライストまで!
そしてその音楽に合わせ、政斗は縦横無尽に建物内を飛んでいく。
目につく敵が見えたのなら、ありったけの攻撃をぶち込んでやるだけだ。
「逃がすわけにはいかない!」
上空からは榴弾を振りまきつつ、接近しきったのなら思いっきり垂直スラム攻撃を!
相手が物言わぬ塊へと変わったのを確認すれば、周囲のギャング達も思わず足を止めていた。
「死の笛……!」
「お前らの教義はよく分からんが……見惚れてる場合じゃないぜ!」
がちゃりと構えるのは突撃前に装着したTYPE64ASだ。しっかりと狙いを定めたのなら、見惚れる相手へ向けて全力の一撃を。
「お前達が最後に聞くのは死の笛なんかじゃないぜ。自分達の戦いの音だ!」
激しい爆音が鳴り響き、次の瞬間にはまたギャング達が物言わぬミンチへ大変身。
残った相手には一気に接近して――。
「その妙な服だろうと、零距離射撃には耐えられないだろ」
全兵装による一斉射撃をお見舞いすれば、今度こそ全部消え去った。
「よく分からん輩だったが、自分達の敵じゃあなかったな!」
勝利を実感し、政斗は楽しげに笑みを浮かべる。
数の有利があろうとも、全部押し通す。政斗とFECTだからこそ出来る必殺の作戦だった。
一方、イヴェットは未だにバイクでの走行を続け、目についた敵への攻撃を続けていた。
しかし他のメンバーに比べると、彼女の攻撃は些か緩い。
「おい、あの女なら弱っちそうだぜ!」
「そう思うなら勝手にどうぞ」
冷ややかな視線を投げつつ、イヴェットはトラップと【弩】による射撃で敵をじわじわと追い詰めていく。
最終ゴールは巨大なプールだ。ドアを蹴破り突撃すれば、大きな窓から降り注ぐ陽光がイヴェットを迎えてくれた。
「おいおい、自分から袋小路に入っていきやがった!」
下卑た笑みを浮かべつつ、ギャング達もプールへと足を踏み入れる。
しかし――次の瞬間、彼らは死を悟ることになるだろう。
窓の外にはギガント・バリスタが待ち受けていたのだから。
「【彼】はやはり来てくれましたね。それなら……私達自身が、1本の矢となりましょう!」
再びバイクを走らせ窓を突っ切り、そして待ち受けていたキャバリアと合体。
流れるような動作の後、放つのはキャバリアの頭部から放たれる必殺の槍弾だ。
「容赦などいたしません。それでは」
別れの言葉と共に槍弾が着弾すれば、プールごとギャングは吹き飛ばされていく。
死の笛の音を聞く間もなく、悪党共は消し炭になっていったのだ。
激しい戦闘音と建物の揺れを感じつつ、十紀もまたギャングとの交戦を続けていた。
彼女は他のメンバーよりも近接攻撃に特化している。その分、敵に囲まれた際は危険な状況に陥ってしまうだろう。
交戦の最中、複数のギャングが十紀の周囲を取り囲み――此方目掛けて一斉に凶器を振りかぶる!
「隙ありだぜぇ!」
「しまった、避けきれない……!」
どうにか鉄パイプで凶器を受け止めるが、鎖や手錠はそう簡単に振りほどけない。
万事休すか――そう思った瞬間、十紀は静かに姿勢を正した。
「……なんちゃって、かかったな?」
呆気にとられるギャング達へ向け、どうにか鉄パイプを振りかざす。与えられたのはかすり傷だけど、布石としては十分だろう。
「――潰れろ」
次の瞬間、ギャング達の傷口が一斉に爆ぜた。傷口から侵入した十紀の血が彼らを蝕み、強烈な苦しみを与えたのだ。
どうにか逃げさそうとしても、もう遅い。血液が侵入した時点で、彼らに勝ち目はないのだから。
「まさかこいつが……俺達にとっての死の、笛……」
「……ほら、お前らの望んだ容赦なき死だ。とくと味わえ」
ゆっくりと事切れていくギャングを横目に、十紀は仲間の元へと戻っていく。
信徒達には十分すぎる程に死を与えた。あと倒すべきは、この世界を蝕む悪だけだ。
がれきの町一行はそれぞれの長所と作戦を活かし、次々に道を切り開く。
そして四人は再び集結し、城塞の奥を目指していくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ラブリー・ラビットクロー
やった市街地を解放したぞ!
お城に行く前に抑圧されてたヒト達に会ってショーニンらしく商談を相談するなん
みんなだいじょーぶ?
らぶ達が来たからもーヘーキ
この街はもーすぐみんなの街になるなん
らぶ達が取り返すから
だからみんなの力も貸してほしーのん
みんなが頑張って作った機械兵器
そっちの戦車みたいなの
勿論タダとは言わないぞ
見て見てらぶのキラキラビー玉
とっても綺麗でしょ?みんなに沢山あげるから
戦いが終わったら返すから
それまでねぇお願い
戦車を借りれたら操縦はマザーに教えて貰っていざ出発
鉄パイプと鎖に鉄砲?
うるせーそんなの知らねーのん!
ドッカンドッカンやっちゃうぞ
【バッテリー残量が無くなりました。充電して下さい】
●
時は少し遡る。
ラブリー・ラビットクローはビッグマザーの端末片手に、城塞近くの工場を物色していた。
「やった市街地を解放したぞ!」
ガッツポーズと共に考えるのは次の展開。せっかくだから、ここはショーニンらしく商談を相談だ。
大きめの工場に堂々と踏み込めば、解放された奴隷達がラブリーの方をじっと見つめた。
ラブリーは奴隷達の側へと歩み寄り、そっと声をかけていく。
「みんなだいじょーぶ?」
「大丈夫、だけど……もしかして、奪還者が来てくれたのか?」
「そうそう。らぶ達が来たからもーヘーキ。この街はもーすぐみんなの街になるなん、らぶ達が取り返すから」
明るいラブリーの声色に、奴隷達はぱぁっと表情を輝かせる。
その様子に此方も嬉しくなるが、商談は商談だ。
「でも、だからこそみんなの力も貸してほしーのん」
「私達に出来ることならなんでも!」
「ありがと。それなら……」
す、とラブリーが指差すのは後方の機械。間違いない、あれは軍事用の機械兵器だ。
「みんなが頑張って作った機械兵器、そっちの戦車みたいなの。あれをお願いしたいのん。勿論タダとは言わないぞ」
ごそごそとポケットを漁り、ラブリーが取り出したのはキラキラのきれいなビー玉だった。
それを奴隷達に配っていき、そして覗き込むように指示して見れば――。
「……わぁ、何か映ってる!」
「すごいなぁ、綺麗だ……」
ラブリーが渡したのは、投影型小型端末だ。映し出された鮮やかな景色に、奴隷達はまたしても瞳を輝かせている。
「とっても綺麗でしょ? みんなに沢山あげるから。それに戦車も戦いが終わったら返すから」
それまでねぇ、お願い。
ラブリーの頼みに奴隷達は笑みを向け、誰もが大きく頷いている。
「ありがとなーん! この戦車、絶対役立てるからー!」
商談は無事成立だ。ラブリーも軽やかな足取りで戦車に乗り込むと、元気いっぱい走り出した。
準備が整えば突き進むだけ。ラブリーの操る戦車は、勢いよく城塞の中に突っ込んでいく。
「ひゃあ、なんだ!?」
「マザー、サポートお願い!」
呆気にとられるギャング達を余所に、ラブリーが覗き込むのはマザーの端末。だって戦車とか、あんまり操作したことないし。
『サポートを開始します。一緒に頑張りましょう』
「マザーやっつけちゃえ!」
『一緒に頑張りましょう』
「ううん分かった……ギャングどもはさくっとやっちゃおう。妙な武器とかうるせーそんなの知らねーのん!」
指示されたままに兵器を振るっていけば、ドッカンドッカンギャング達は吹き飛ばされていく。
ラブリー達の快進撃は止まらない……少なくともマザーのバッテリーが切れるまでは。
それまでの間に、ラブリーはどんどん城を突き進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒影・兵庫
(「見た目はチャラそうなのに信心深いのね」と頭の中の教導虫が話しかける)
オブリビオンに容赦するつもりは毛頭ありませんが
それで畏敬の念を向けられるのはむず痒いですね
(「気にすることは無いわ!いつも通りよ!」)
はい!せんせー!
油断なく躊躇なく徹底的に貪り尽します!
(UC【蟷螂の鋸】を発動する)
伐採兵の皆さんは回転鋸を投擲してください!
せんせーは鋸を『念動力』で操作して四方八方から敵を切り刻んでください!
俺は『オーラ防御』で身を護りつつ『衝撃波』で敵を攻撃します!
(「オラオラ!死の笛のお通りよ!おとなしく頭を垂れて首を刎ねられるのを待ってなさいな!」)
ひゃっはー!
●
混乱が広がりつつある白の城塞へ、黒影・兵庫とせんせーも足を踏み入れていた。
そんな彼らを出迎えるのは、白装束を身に纏ったギャング達。
「ヒャッハー! お前らの首もフィールド・オブ・ナイン様へ捧げてやるぜぇ!」
『見た目はチャラそうなのに信心深いのね』
ぽつりと零されたせんせーの一言に苦笑いを返しつつ、兵庫はしっかりと敵を見遣る。
あれだけ信心深い相手なら『死の笛』とやらも本当に信じているのだろう。
「オブリビオンに容赦するつもりは毛頭ありませんが、それで畏敬の念を向けられるのはむず痒いですね」
『気にすることは無いわ! いつも通りよ!』
「はい! せんせー! 油断なく躊躇なく徹底的に貪り尽します!」
邪神信仰なんて自分達にとってはどうでもいいこと。
催涙スプレーを構え此方を目指す敵がいるなら、堂々と迎え撃てばいいだけだ。
兵庫は手を高く突き上げ、共に戦う仲間をこの場へ呼び寄せる。
「伐採兵の皆さん! 一切合切、刈り取っちゃってください!」
兵庫の指示を受け、ざっと隊列を組み上げるのは蟷螂の伐採兵達だ。
伐採兵は両腕の丸鋸を振り回し、ブーメランのようにギャング達へと投げつける。
風を切る音、小さな苦悶の声。迎撃体制はばっちりだ。
最初の数枚は上手く敵を切り裂いていく。けれど攻撃が続いていけば、相手も次第にノコギリの速度に慣れてきたようだ。
「ヒャッハー! 何度も同じ手が通用するかよ!」
得意げに攻撃を躱しつつ、ギャング達は突き進む。そんな彼らの様子をせんせーがニヤリと眺めていたことに、きっと気づきはしないだろう。
『そう思い込んだのが敗因ね』
ふいに、撃ち出されたノコギリが角度を変えて進路を変える。その刃はギャングの背中を切り裂くと、彼らの命をあっという間に奪っていった。
「何ぃ!?」
「せんせー、ありがとうございます!」
『このくらい簡単よ! さあ、兵庫も!』
ノコギリを操ったのはせんせーだ。伐採兵の物量とせんせーのコントロール。このニつが組み合わされば、敵の対処はもう追いつかないだろう。
追い打ちとばかりに兵庫も腕を構え、衝撃波の刃で敵を次々切り裂いていく。
一行の連携なら切り拓けない道はない。華麗な刃捌きに、ギャング達も思わず足を止めていた。
彼らは既に兵庫達のことを『死の笛』――笛の音と共に死を告げる者と認めているのだから。
『オラオラ、死の笛のお通りよ! おとなしく頭を垂れて首を刎ねられるのを待ってなさいな!』
「ひゃっはー!」
鳴り響く風と刃の音が、兵庫達の奏でる音色。
それを全身で体現しつつ、一行は先へと進むのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヴァシリッサ・フロレスク
ンだい?
総本山ッて割りにゃ有象無象の集まりかい
興覚めだ
チンピラ風情が
雁首揃えて勘違いしてンのかい?
本物《マジモン》の征服者《コンキスタドール》が誰か
解らせてやンよ
正面から切り込み
豆鉄砲はスヴァローグを地面に突き刺しバリケード替わりとし武器受け
カウンターでディアーヴォルの弾幕にて蹂躙する
多少喰らったとて、激痛耐性で歯牙にも掛けない
突っ込んでくる輩は見切り怪力で掴み上げ
スコルで零距離射撃
敵が遮蔽物裏へ後退したのを確認すれば指定UC
範囲内のチンピラを爆炎で一層する
我は火を捧げる者《トレナマカケ》
債務の支払い《ネシュトラワリストリ》は
手前ェ等如きじゃ役者不足だ
爆炎の中を火炎耐性で悠然と威圧しながら継戦
●
白の城塞は見た目も立派なら、設備も立派だった。
確かに此処は敵の本拠地だ。それは認めるが――。
「ヒャッハー! 簡単に神へ捧げられそうだなぁ!」
飛び出してくる信徒はギャングばかり。そんな光景を前に、ヴァシリッサ・フロレスクは首を傾げていた。
「ンだい? 総本山ッて割りにゃ有象無象の集まりかい――チンピラ風情が」
言葉を吐き捨て、ニヤリとした笑みは獰猛なものへ。
興冷めだ。相手は確かにオブリビオン、罪のない人々を奴隷にする力くらいはあるだろう。
――だから、何だ?
「雁首揃えて勘違いしてンのかい? 本物(マジモン)の征服者(コンキスタドール)が誰か解らせてやンよ」
宣戦布告と同時に、ヴァシリッサは白い廊下を駆け出していく。
彼女を迎え撃つようにギャング達も臨戦態勢を取った。ある者は銃を、ある者は鉄パイプを振りかざし。ワイワイガヤガヤ喧しい。
最初にヴァシリッサを出迎えるのは銃による攻撃だった。けれど相手は素人、数で押してくるだけの攻撃なんて対処も簡単だろう。
担いた『スヴァローグ』をその場に突き刺し盾にしつつ、ヴァシリッサが取り出すのは重機関銃『ディアーヴォル』だ。
「銃っていうのはこうやって使うもんサ」
弾丸は射突杭とその身で受け止めつつ、多少の痛みはお構いなしに弾幕をプレゼント。
数名のギャングが間抜けな断末魔と共に倒れ伏せば、相手も流石に顔色を変えていく。
蹂躙され始めたギャング達の行動は二つに分かれた。
一つは玉砕覚悟の特攻。もう一つはひたすら遮蔽物への逃走。
ヴァシリッサはそのどちらも逃がすつもりはなかった。
まずは接近してきた相手の対処だ。ギャング達は死物狂いで武器を構え、ヴァシリッサの元へ迫りくる。
「どれだけヤベー武器持ちでも、ここまで来れば……!」
「やっぱり有象無象だねェ」
呆れたような言葉と共に、ヴァシリッサは手を伸ばす。
白い手が相手の顔面を掴んだのなら、馬鹿力が決してそれを離さない。
恐怖と痛みで素っ頓狂な声をあげるギャングに対し、今度は『スコル』による零距離射撃をお見舞いだ。
物言わぬ塊は早々に放り投げ、次に狙いを定めるのは隠れた輩。
「我は火を捧げる者(トレナマカケ)。債務の支払い(ネシュトラワリストリ)は手前ェ等如きじゃ役者不足だ」
捧げるのは土着の神へ。突き立てたままのスヴァローグをそっと撫で、ぶちかますのは埒外の力だ。
スヴァローグの杭が地脈に触れ、そこから燼滅する爆炎が溢れれば何処に逃げても同じこと。
逃げ去ったチンピラ達は焼き尽くされ、廊下を炎が包み込む。白が赤に染まるのはなんというか、壮観だ。
「教祖サマはもうちょっと骨太だといいンだがねェ」
そう言って笑うヴァシリッサはいつも通りに――迫る敵を蹴散らしつつ、炎の悠々と進むのだった
成功
🔵🔵🔴
陸郷・める
☆める(操縦専念中)
★7号
★ここまでくりゃ巻き込み事故はもう起こらなくなるよなぁ?
接近戦なんかしねぇしさせる訳ねーだろうが
《砲撃》で屋敷の壁をぶっ壊して、天上落として潰してやるぜ
ま、潰れなかろうが瓦礫ぶちまけりゃ足場は悪化すんだろうな
そして奴らがモタモタしてる間に研究所から持ち出したクソ科学者共特製のグレネードで《毒使い+マヒ攻撃+継続ダメージ+目潰し》だ!
(中身は……「濃縮胡椒」とか「免疫低下剤+濃縮スギ花粉」だってよ)
顔面鼻水だの涙だのでズビズビになっちまいなぁ!!
で、これで終わりとでも思ったか?
もちろん駄目押しでUC、藻掻いてる奴も埋もれてる奴も纏めて「消毒」してやらァ!
●
白の城塞の内部は広く、改造戦車『6号』だろうと悠々と乗り込むことが出来た。
乗り手である陸郷・めるは操縦に専念中。ならば迫る敵にリアクションを返すのは試製実験兵器7号の役割だ。
白装束のギャング達は6号の駆動音を聞きつけて、どんどん此方へやって来ている。
「ひゃあ! デカブツだなぁ!」
「囲んでボコボコにしちまえば大丈夫だぜぇ!」
テンション高めにわらわらがやがや。見渡す限りギャングばかり。思わずため息が出そうな光景だ。
『ここまでくりゃ巻き込み事故はもう起こらなくなるよなぁ? 接近戦なんかしねぇしさせる訳ねーだろうが』
呆れる7号の声が響いた瞬間、6号の火器が天井を向く。
確かにこの城塞は強固であり、内部での戦闘も想定はしているだろう。けれど――。
『崩れちまいなぁ!!』
流石に、改造戦車の砲撃を受ければタダでは済まない。
次々に撃ち出される攻撃が天井を穿てば、雨あられのように瓦礫が崩れ落ちていく。
6号ならばこの程度は耐えられるが、生身のギャング達はそうもいかないだろう。
哀れな輩が数体潰され、生き残った奴らも慌てふためいている様子。今こそ追撃のチャンスだ。
『める、アイツを使うぜ!』
相棒の許可を得て取り出すのは研究所から持ち出した特製のグレネード。
なんでも内容は「濃縮胡椒」だとか「免疫低下剤+濃縮スギ花粉」だとか碌でもないものばかり。
流石あのマッドな研究者共だ。けれど今はそれを活用させてもらおう。
『顔面鼻水だの涙だのでズビズビになっちまいなぁ!!』
6本脚を器用に使いグレネードを投げつければ、次の瞬間には先程と違う悲鳴が聞こえた。
更に続くのは鼻水を啜る音に咳き込む音等々。こんな風に苦しむなら、いっそ瓦礫に潰された方が幸福だったのではないか。
「何なんだよこのグレネードはぁ!」
『ヒャア! いいザマだなぁコイツは! で、これで終わりとでも思ったか?』
藻掻き苦しむギャング達へ向け、7号が浴びせるのは一際大きい笑い声。
潰されたやつも残ったやつも、ここにいるギャング達は間違いのない汚物だろう。
先へと進むため、そして世界を救うため――。
『ヒャッハー! 衛生面から汚物は消毒だぁー!』
6号から放たれたのは市街戦時と同じ特殊薬剤だ。この薬剤はギャング達を『消毒』すべきものとして判断し、凄まじい勢いで炎を上げていく。
きっとこの炎が燃え尽きる頃には、ここら一帯の『消毒』は完了しているだろう。
『そんじゃ、まだまだ行くぜェ!』
こうしてめると7号は、より消毒すべき相手を目指して進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
冬原・イロハ
アドリブ連携歓迎
オブリビオン教団……信徒がオブリビオン自身だというのは
本人たちにとってはこれ以上ないほどの証ですよね……
ラクスくんに乗ったまま、翔けます!
私は戦斧を振るいます!
彼らの白い衣装は変わらず近接攻撃に強いですが
私の狙いは、またまたUCです
敵さんの銃弾はオーラで防御したり、武器受けで弾いたり
ラクスくんと一緒にガッと近付いて斧を叩きこみますね
斧が当たればこちらのもの
風属性のドラゴンを放ち、なぎ払うように敵さんたちに攻撃を
ラクスくんの翼の風切る音も、私が戦斧を鋭く振るう音も
貴方がたの死を呼び鳴らすものです
骸の海へとお還りください
●
クライストが教祖を務めるオブリビオン教団。
その信徒達がオブリビオンだということが、彼らにとってはこれ以上ないほどの証なのだろう。
そしてその信仰は、人々を、世界を傷つけている。それは決して、放っておいていいものではない。
そんな想いを抱きつつ、冬原・イロハはグリフォンのラクスくんと共に城塞の中を進んでいく。
ここは敵の本拠地だ。道行きに進んでいけば、当然のように信徒のギャングがこちらの進路を塞ぐだろう。
「おいおい、可愛い動物達が突っ込んできやがった!」
「フィールド・オブ・ナインも可愛がってくれるんじゃないか? あの世でなぁ!」
ギャング達は下卑た笑みを浮かべ、楽しげに武器を構えて待ち受けている。
彼らの纏う衣装はあいも変わらず厄介だが、イロハは戦斧を握りしっかりと敵を見据えていた。
「ラクスくん、このまま突き進んで下さい……!」
勇ましい鳴き声を合図にし、イロハ達は更に加速し敵へと迫る。
相手も負けじと銃撃を放ってきたが、イロハが自身とラクスを守るようにオーラを展開すれば大丈夫。
ラクスもイロハのことを信頼し、決して翔ける勢いを落としやしなかった。
「近づいてくるってならボコボコだぜぇ!」
銃撃があまり有効でないと判断すれば、ギャング達は鉄パイプや鎖を構え始めた。
流石にあれらの攻撃はオーラで守りきれない。だから、イロハはラクスの翼を信じることにした。
「……お願いします!」
タイミングを見計らい一気に加速。ラクスは力強く翼をはためかせ、より勢いよく敵との距離を縮めていく。
「そんな馬鹿正直に突っ込んできてもよぉ、俺らにはこの装束があるんだぜ!」
「分かってます! ですが……一撃、叩きこみます!」
無防備に立ち塞がる敵へと対し、イロハは全力で戦斧を振りかぶる!
確かに刃は深く突き刺さらなかったかもしれない。けれど攻撃は、これで終わりではないのだ。
「ドラゴンさん、来て下さい!」
呼びかけに応じ姿を現したのは風を纏ったドラゴンだ。
舞い上がる突風はギャング達を更に深く切り裂いて、大きく吹き飛ばしていく。
あまりにも華麗な二段攻撃。先程とは別の意味で、敵は無防備な様子を晒していた。
「この苛烈さ……まさか、死の笛……!?」
呆気にとられる彼らへ向け、イロハは精一杯鋭い視線を向ける。
合わせてラクスが羽ばたけば、風を切る音が周囲に響いた。
「ええ、ラクスくんの翼の風切る音も、私が戦斧を鋭く振るう音も、貴方がたの死を呼び鳴らすものです。骸の海へとお還りください」
別れの言葉と共に、更に戦斧を一閃。
イロハの想いとラクスの信頼、そして埒外の力が、悪しきものを打ち砕いていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ガロウ・サンチェス
プールつきの庭園に、ハイテク警備システムか。
いかにも麻薬王の豪邸って感じだな。
で、次に見えるのは…子飼いのチンピラってわけかい!
「ちわーす、ピザ屋で~す」
この手のチンピラが道具に頼るのはよくわかる。
だが、チャカは狙って急所に当たるモンじゃないぜ!
中華なべを盾代わりにして突進、
そして【チャクラドライブ】を発動、呼吸法による
《力溜め》で攻撃力を向上させつつ距離を詰める!
三節棍を構え、鉄パイプとチェーンの連撃を《ジャストガード》
《受け流し》でさばいていく。
あんま言わねえけど、俺が一番得意な技って棒術なんだよねぇ。
殺生は嫌いだが、オブリビオンなら話は別だぜ!
《功夫》による棒術で、涅槃に送ってやらぁ!
●
何処までも続くような白い廊下に、プールつきの庭園に、ハイテク警備システム。
生で見る白の城塞は予想以上に麻薬王の豪邸という感じだ。
その中を軽快な足取りで進みつつ、ガロウ・サンチェスは迫る気配に意識を向ける。
「猟兵だぁ、殺せぇ!」
元気いっぱい走ってくるのは子飼いのチンピラ。敵の本拠地、荘厳な屋敷の割には――拍子抜けだ。
「ちわーす、ピザ屋で~す」
ガロウは足取りを変えず、中華なべをぶらりと振ってギャング達を出迎える。
彼らからすれば正直に突っ込んでくるガロウは良い的だろう。手にした銃をどんどん構え、挨拶だと言わんばかりの銃弾の雨が降り注ぐ。
「この手のチンピラが道具に頼るのはよくわかる。だが、チャカは狙って急所に当たるモンじゃないぜ!」
先程までの気楽な様子を一変させ、ガロウも一気に前へと走り出した。
敵の攻撃は数こそ多いが狙いは適当。身体を中華なべで守りつつ、ガロウは静かに呼吸を整える。
「コォォォォ……」
少しだけ目を閉じて、意識するのは体の正中線。呼吸と共に気を巡らせれば、ガロウの身体に力が漲りそして溢れていく。
「……見せてやるぜ! これが神秘の力、チャクラだ!」
その力を叩きつけるよう、ガロウは一気にギャング達の元へと突っ込んだ!
「おいおいオッサン、多勢に無勢だぜぇ!?」
最初は呆気にとられていたギャング達だが、すぐに気を取り直し鉄パイプや鎖を振り回し始めたようだ。
確かに当てずっぽうな銃撃よりはこちらの方が危険だろう。けれどチャクラを活性化させたガロウなら、こんな攻撃なぞ痛くも痒くもない。
「多勢に無勢? こんな状況、何度も経験してきたぜ。そして全部乗り越えてきたな!」
なべを背中に背負い込み、ガロウが取り出すのは使い込まれた三節棍だ。
素早く振るわれる三節棍は次々と凶器攻撃をガードして、そしてさらりと受け流していく。
「何ィ!? 全然効かねぇ……!」
流石にピンチを悟ったのか、ギャング達の顔は青ざめている。
棒術を扱うのは久しぶりだったが、これなら全く問題はなさそうだ。一番得意な技というのは、やっぱり手に馴染む。
「殺生は嫌いだが、オブリビオンなら話は別だぜ! 涅槃に送ってやらぁ!」
呼吸を整え、気を巡らせて、そして力強く踏み込んで。
そして周囲が静寂に包まれ、その瞬間にガロウが扱うは見事な功夫だ。
次々に振るわれる衝撃が、取り囲んでいたギャング達を容易く吹き飛ばし――そして骸の海へ一直線。
「ま、こんなもんだな」
最後に大きく息を吐く。これにて戦いは終わりだ。
そしてガロウは再び気楽な足取りで、城塞の中を進んでいった。
成功
🔵🔵🔴
シャルロット・クリスティア
さて、潜入こそうまくいきましたが、本番はここからですね……。
どうせ完全な敵地です。少々お構いなしで行くとしましょうか。
極力広い所に出ましょう。こちらの姿を晒します。出来れば単独で。
一見すればただの餌ですが、こちらとしては万が一の誤射は避けたいので。
マシンガン生成、自分を中心に全門を放射状に配置。
一門でも一個小隊は潰せる火力です。百門を超える全弾発射……どうなるかは予測がつくでしょう。
少々のスプレー程度は、圧で吹き飛ばせる。
死の笛としては少々騒がしさが過ぎますが、存分に聴いていきなさい。
では……斉射!!
●
苛烈な戦いの続く城塞に、小さな影が潜り込む。
その正体は市街地を抜けてきたシャルロット・クリスティアだ。
少しだけ建物の奥へと進み、周囲に敵がいないことを確認してまずは一息。
物陰に身を潜めつつ、シャルロットは城塞内部をちらりと見遣る。
「さて、潜入こそうまくいきましたが、本番はここからですね……」
どうせここは完全な敵地。先程までの戦いよりもお構いなしで行くのがいいだろう。
城塞内の至る所で激しい音が響き、既に他の仲間がギャング達と交戦しているはずだ。
なら自分はどうすべきか。シャルロットは静かにその場を離れ、戦場を吟味することにした。
極力広く、そして仲間を巻き込まない場所。
その判断基準で選択したのは広いホールだ。ここなら思い切り戦うことが出来るだろう。
目的地の位置を確認しつつ、シャルロットは更に屋敷を駆け回る。
今度は出来るだけ大きく足音を立て、そして服や髪も思い切り翻して。そうすれば、間抜けな輩だって簡単に此方を見つけるはずだ。
「おい、ちっさいネズミがいるぜぇ!」
思った通り。まんまと釣られたギャング達が、シャルロットを追いかけて走り回っているようだ。
彼らから見れば小さなシャルロットはただの餌にしか見えないだろう。
(……単純な相手で助かりました)
ちらりと彼らを一瞥する、青い瞳の光の鋭さなんて気づく訳ないのだ。
多数の敵を引き連れて、シャルロットが飛び込んだのは目星をつけていたホールだ。
そのまま奥に突き進めば、まるで自ら袋小路へ入っていったようにしか見えない。
「ヒャッハー! ボコボコにしてやるぜ!」
ギャング達は催涙スプレーや銃を構え、一斉にこちらへ迫ってきている。
そんな彼らをよそに、シャルロットは周囲の魔力へと意識を向けていた。
「エーテル圧縮……エレメント組成変換、構築開始……」
ざわりと空気が揺れる。圧縮された魔力はシャルロットを取り囲むように展開され、姿かたちを変えて――。
「……限定固着、生成完了! さぁ、蜂の巣です!」
出来上がったのは幾つものマシンガンだ。それらは放射状に配置され、迫る敵を一体でも逃さないように銃口を輝かせている。
「死の笛としては少々騒がしさが過ぎますが、存分に聴いていきなさい。では……斉射!!」
勇ましい掛け声と共に全てのマシンガンが火を吹けば、ギャング達は一瞬にしてミンチに変わる。
鳴り響く銃声が彼らにとっての『死の笛』だ。
そしてその音が消え去る頃には――残るのはシャルロット一人きり。
作戦が成功したことに安堵の息を吐きつつも、警戒せずに廊下へ戻る彼女の姿は、とても頼もしいものだった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
容赦なき死に畏敬を……
邪教の歪んだものとはいえ信仰を利用するのは気が引けますが
屋敷の扉を蹴破り突入
その姿は聖槍を持つシスターから、大鎌を持つバニーへと変身している
あなたたちに死を齎す者の姿、目に焼き付けるがいい!
南国の木々や大きな屋敷を支える柱、足場はいくらでもある(地形の利用)
兎の脚力を活かして駆け巡り(ダッシュ)、スプレーや銃撃を躱す
大天使ブラキエルの絶対物質ですらその護りには隙間があった
俗物の衣如きが完全無欠である筈がない
我が【死睨の魔眼】を以って、その急所を見抜く!
死の呪力(属性攻撃)を帯びた大鎌を【なぎ払い】、斬り裂く(斬撃波・衝撃波・切断)
跳び回り駆け回り、次々に首を落としていく
●
見上げるのは豪勢な屋敷。敵の本拠地というには相応しいが、教団の建物と言われると不思議な感じだ。
屋敷の扉の前に立ち、オリヴィア・ローゼンタールが思うのはオブリビオン教団の教えだった。
「容赦なき死に畏敬を……」
彼らが崇拝するのは邪神であり、この教団は間違いなく邪教だ。
それでも彼らの信仰を利用するというのは、オリヴィアからすれば気の引けるものだった。
でも、やるしかない。
決意と共に強烈な蹴りを繰り出し、扉を叩き割れば轟音が周囲に鳴り響く。
それに釣られてギャング達もワラワラと姿を現すが――。
「おい、なんだあの姉ちゃん!?」
彼らが見たのは聖槍を持つシスターの少女ではなく、禍々しい大鎌を構えるバニー服の少女だ。
オリヴィアは真の姿の一つに変身しつつ、ギャング達へと大きく叫んだ。
「あなたたちに死を齎す者の姿、目に焼き付けるがいい!」
「へっ、たっぷり可愛がってやるぜ!」
ギャング達はそれぞれの武器を携え、下卑た笑みを浮かべつつ此方へと迫りくる。
彼らの命を刈り取るべく――オリヴィアもまた、力強い跳躍と共に敵陣へと突っ込んだ。
相手の数は多いが、囲まれないよう注意すれば対処には問題ない。
南国の木々にそこら中にある柱、或いは何かの設備など。様々なものをジャンプで足場にしつつ、オリヴィアは敵の攻撃を躱していく。
その最中に確認するのはギャング達が纏う白装束だ。
(大天使ブラキエルの絶対物質ですらその護りには隙間があった、俗物の衣如きが完全無欠である筈がない)
思い出すのは嘗ての戦い。強大な敵すら打ち倒してきたオリヴィアならば、ギャング達の装備なんて恐れる必要は全くないのだ。
銃弾の雨あられを回避しつつ、オリヴィアは金の瞳で敵を射抜く。
「魔眼よ、その急所を見抜け!」
――視えた!
白装束の脆い部分を的確に見極め、今度は跳躍と共に敵へと接近。
大鎌を振りかぶれば、見えたのは油断する敵の顔。
「そんな武器なんぞ、この装束で……」
「我が魔眼に魅入られし者、万象等しく滅ぶのみ――!」
次の瞬間、ギャングの頭はニヤケ面のままぼとりと落ちる。
オリヴィアが一瞬の内に放った死の斬撃が、装束ごと敵の首を切り裂いたのだ。
その光景を眺めるギャングは時が止まったかのようにオリヴィアの方を見つめている。驚いたのか、魅入られたのか。きっとその両方だろう。
「……あなたたちに、容赦のない死を」
再び大鎌が振るわれれば、またしてもギャング達はあっさりと首を斬られていく。
響く風切り音は、まさに『死の笛』と呼ぶに相応しいものだった。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ
私は処刑人…
貴様らに容赦なく死を齎す為にここへ来た…!
…信仰と共に死ね……!
鉄塊剣を抜き振るい敵群と相手しよう
鉄塊剣を振るい[怪力となぎ払い]で敵群を攻撃
白装束の力で弾かれようとも何度も武器振るい
[鎧砕きと重量攻撃]で破壊するまで叩きつけよう
敵の攻撃を[見切り]つ回避
又は鉄塊剣を[武器受け]で盾代わりにして防御しよう
ワタシは処刑人…行っただろう…
死を齎す為にここへ来たと…!
仮面を被り地獄の炎を身に纏い
鉄塊剣と妖刀抜き振るい[バーサーク]状態で
敵群を[重量攻撃と暴力]で殲滅してゆき
【悪逆なる者に残虐な死を】齎してやろう…!
●
此処までの戦いで信徒の数はかなり減ってきている。
その事実に対し、生き残った者達の反応は様々だ。
クライストを裏切って逃げようとする者、信仰のために最後まで戦おうとする者等々。
その全てを処刑すべく、仇死原・アンナはギャング達の前に立ち塞がる。
「私は処刑人……貴様らに容赦なく死を齎す為にここへ来た……!」
「へっ、女一人で何が出来るってんだ!」
ギャング達は鉄パイプや銃を取り出し、どうにかアンナを排除しようと試みるつもりだろう。
その希望も意欲も、根こそぎ全部燃やしてしまえ。
「……信仰と共に死ね……!」
アンナも『錆色の乙女』を構え、迫る敵を堂々と待ち受ける。
ギャング達の銃撃くらいは鉄塊剣で簡単に対処出来る。相手は白装束を過信しているのだろう、進行ルートも単純だ。
敵が奇声をあげながら飛び込むのなら、此方も攻撃を返すのみ。
「――!」
攻撃が阻まれることもお構いなしに、アンナはギャング達へと剣を振るう。
刃が弾かれようと何度も何度も叩きつけていけば、次第に装束だって壊れていくのだ。
一切退かず、そして容赦のないアンナの攻撃。それを受け続けるギャング達の顔色は、油断や嘲笑から別のものへと変わり始めていた。
「お、おい……なんかマズくないか……」
「こいつぁ……死の笛……!」
ギャング達の武器を振るう勢いが、次第に弱くなっていく。
そんな彼らに向けて大きく一閃を放ちつつ、アンナは黒い瞳で彼らを睨んだ。
「ワタシは処刑人……言っただろう……死を齎す為にここへ来たと……!」
証明のために黒い仮面を身につければ、アンナの纏う気配はより一層重く変わる。
そのまま取り出すのは処刑人の名を冠した妖刀だった。その刃で自身の腕を切り裂くと、溢れ出すのは地獄の炎だ。
こうなってしまえばアンナは――処刑人の女はもう止まらない。
「ひっ……!」
「に、逃げるしか……」
一瞬の内に気圧されたギャング達はどうにか逃げ出そうとするが、それも叶うことはないだろう。
何故なら彼らは目の前の『容赦なき死を与える者』に魅入られてしまったのだから。
「口を噤め……」
アンナが鉄塊剣を振るえば、その重い一撃は哀れな信徒を肉塊へと変えていく。
「もう二度と喋るな……」
妖刀が風を切る音が響いたのなら、次に聞こえてくるのは悪虐なる者の首が落ちる音。
ひたすらな蹂躙と殲滅が続き、その場には真っ赤な跡が刻まれていく。
そして全てのギャングが倒されて、クライストの元へ辿り着くまで――アンナの道行きは続いていった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『狂人教祖『クライスト・ヴォーテックス』』
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POW : この俺が「聖書(バイブル)」だ
【クライスト・マシンガンの連射】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : ロンギヌスが槍だと、誰が決めた?
【痛みを感じないかの如き狂信的突撃】で敵の間合いに踏み込み、【ハンマーを利用したアクロバット】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ : 知ってたか? テキーラはこう使うんだ
レベル×1個の【テキーラと火薬を混ぜた純白】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:鹿人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵達は『白の城塞』を突き進み、その最深部まで辿り着くことが出来た。
そこにあったのは広大で美しい庭園だ。
南国風の木々が植えられ、傍らには巨大なプールが設置され、そして――中央には、輝く太陽の光を浴びる一人の男。
「ネズミ共……成程、その正体はお前らだったか」
その男、『クライスト・ヴォーテックス』はサングラス越しに猟兵を睨み、手にしたハンマーを振りかざす。
「偉大なる神『フィールド・オブ・ナイン』よ。俺の信仰が足りないというのなら、コイツらを生贄に捧げよう。さあ、俺に力を貸せ!」
祈りと共にクライストが向けるのは、痛いまでの鋭い殺気。
けれどそれに負ける訳にはいかない。
ここまで来れば、やるべきことはただ一つ。
この男と戦い、そして勝利するしかないのだ。
黒影・兵庫
よぉ!オッサン!死の笛がアンタに引導を渡しに来たぜ!
(『衝撃波』と『オーラ防御』で銃弾を防ぎ『念動力』で散った弾を集めて防護壁を作る)
良い盾ができた!ありがとうよ!
じゃあせんせー!後はお願いします!
『オッケー!まかしといて!吹っ飛ばしてくるわ!』
(UC【蜂皇怨敵滅殺撃】を発動し、召喚された教導虫の抜け殻が、出来上がった防護壁を盾にして敵に向かって『ダッシュ』する)
『こんにちは教祖さん。死の笛です。死ね』
うっひょー!せんせー!かっけー!
●
いよいよ対峙した敵の大将、クライスト・ヴォーテックス。
彼の纏う圧倒的な気迫を前にしても、黒影・兵庫はいつもと変わらない様子を見せていた。
「よぉオッサン! 死の笛がアンタに引導を渡しに来たぜ!」
「俺の前で『死の笛』を名乗るとは良い度胸だ。ならば教えてやろう」
クライストは手早く背中に手をやると、隠していたマシンガンを構え兵庫を睨む。
「――この俺が『聖書(バイブル)』だ」
一切合切の躊躇もなく、兵庫へと降り注ぐのは無慈悲なまでの弾の雨。
轟音が鳴り響き、煙が立ち上がり、そして静寂が訪れて――けれどクライストは油断する様子を見せていない。
それもそのはず。兵庫の気配は変わらず元の場所に残っているのだから。
煙がゆっくりと立ち消える頃、そこにあったのは弾丸を集めた防護壁だ。
「良い盾ができた! ありがとうよ!」
壁の後ろから聞こえるのは元気いっぱいの兵庫の声。
彼は敢えてその場から動かず、全力で念動力を操ることで全ての弾を受け止めていたのだ。
しかしここまでの連戦とこれだけの大仕事。兵庫の疲労はかなり蓄積してしまっている。
ならば――ここから立ち上がるのは。
「じゃあせんせー! 後はお願いします!」
『オッケー、まかしといて! 吹っ飛ばしてくるわ!』
兵庫の後ろから、大きな影が勢いよく飛び上がる。
その正体は教導虫の抜け殻、黒影への愛情に応えるせんせーだ。
せんせーは防護壁を受け取ると、自身の正面に構えつつクライスト目掛けて駆け抜けていく。
「チッ……馬鹿正直に向かってきやがって」
クライストもマシンガンに弾を装填し、再び連射を放ってきている。
けれど兵庫が残る力を振り絞り、弾を次々に防護壁へ付与していけば大丈夫。
せんせーも兵庫を信じているからこそ、決して走るスピードを緩めずに敵へと向かっていた。
相手の弾切れを狙うという考えもあったけれど、でもそれ以上に――早く目の前の輩をぶっ飛ばしたい!
兵庫とせんせーの気持ちは同じ。だったらさっさと決めてしまおう。
せんせーは勢いよく床を蹴り、太陽の輝きを浴びつつクライストへと肉薄していく。
『こんにちは教祖さん。死の笛です――死ね』
振るわれるのは無慈悲な蜂皇怨敵滅殺撃。単純で重いせんせーによる蹴りがクライストを打ち据えて、広大な庭に大きなヒビを刻み込んだ。
衝撃で大きく吹き飛ぶクライストを見遣り、せんせーは安堵の息を吐く。
「うっひょー! せんせー! かっけー!」
『兵庫が援護してくれたからよ、ありがとう!』
互いにガッツポーズを向け合う二人の様子も、太陽に照らされきらきらと煌めいていた。
成功
🔵🔵🔴
ガロウ・サンチェス
クライストってのはオメエか。
なぜこの場所が割れたかわかるか?
俺達はずっと、オメエらの内部抗争を利用してたんだよ!
街に集めた奴隷は解放させてもらうぜ。そして、
オメエをぶっ潰す!
覇気を練り上げ、【フライング・ガロウアタック】を発動。
クライストの顔を見てたら、なんだかムカついてきたぜ。
信仰ってのは、人を戦いや犯罪に導くモンじゃねえんだ!
中華なべでマシンガンを《盾受け》しつつ突撃だぜ。
身体を貫く痛みも《激痛耐性》《気合い》で我慢し、
さらに覇気を練って《限界突破》するぜ。
バイブルだぁ?ふざけんな、俺は仏教徒だっ!
お前のルールなど知ったことか!
《功夫》《グラップル》で怒りの連打、連打!
●
吹き飛ばされた衝撃を受けつつも、クライスト・ヴォーテックスの気迫はまだまだ凄まじい。
ゆっくりと立ち上がる彼の姿を見遣り、ガロウ・サンチェスも堂々と庭園へと足を踏み入れた。
「クライストってのはオメエか。なぜこの場所が割れたかわかるか?」
「お前達のようなネズミがコソコソと嗅ぎ回っていたからだろう?」
「その通り。俺達はずっと、オメエらの内部抗争を利用してたんだよ!」
勇ましい声をあげ、拳をぐっと構えるガロウ。
ここまでの戦いも険しいものだった。けれど此処で勝利を収めれば、この世界の平和に大きく近づけるのだ。
だからこそ、絶対に負ける訳にはいかない。
「街に集めた奴隷は解放させてもらうぜ。そして――オメエをぶっ潰す!」
闘気を覇気に、怒りを力に変えガロウはゆっくりと庭園の中を進んでいく。
一歩踏み込む度に胸の中に立ち上がるこの気持ち――憎悪、嫌悪、そして苛つき。
目の前で悠々とマシンガンを構えるクライストを見ていると、なんだかとてもムカついてくるのだ。
「今日の俺様は、ちっとばかし機嫌が悪い! おめぇみたいに信仰を悪用して、人を戦いや犯罪に導く輩は放っておけるかよ!」
ネガティブな気持ちは全て糧にして、真っ直ぐにぶつけてやろう。
そう構えたガロウに向けられるのは、容赦のないマシンガンの連射だった。
クライストの向ける容赦のない攻撃に対し、ガロウが取り出したのは頑丈な中華なべだ。
これで頭や内臓は守り抜ける。けれど相手の攻撃は激しく、次々に弾丸が四肢を掠めていた。
「これで、止まれるかッ!!」
激痛は歯を食いしばって耐えればいい。この街の奴隷はきっと、自分よりずっと痛くて辛い思いをしてきたのだ。
その苦しみが終わるなら、この程度の痛みもなんのその。
「おいおい止まれよ、俺が聖書(バイブル)だぜ」
クライストがルールを宣言すれば、更に痛みが身体を苛む。でも、まだ走ることは出来るのだ。
「バイブルだぁ? ふざけんな、俺は仏教徒だっ! お前のルールなど知ったことか!」
痛みを怒りに変え、覇気を練り上げ、ガロウはクライストへと肉薄する。
最接近と同時に地面を蹴り、全体重をぶつけてやればクライストの無事では済まなかったようだ。
よろめく相手へ浴びせるのは、全力の拳の連打!
「これが俺様達の、この街の、そしてこの世界の怒りだッ!!」
ガロウは何度もクライストへと拳を浴びせ、そして最後に大きく殴り飛ばす!
想いを乗せた攻撃は、悪徳のルールを打ち破り、勝利への一歩を導いていったのだ。
成功
🔵🔵🔴
ラブリー・ラビットクロー
おいマザー
話し掛けても反応ない
きっとマザーの電池が無くなっちゃった
ここからはらぶ一人なんだ…
ううん
一人じゃない
一緒に戦ってくれるみんながいる
らぶの事待ってくれてるヒト達がいるのん
こんな所で負けられないなん
戦車から降りてアイツと戦うんだ
おいモヒカン
らぶが相手だかかってこい
爆弾ももう無いし戦車もよく分かんない
とにかくチェーンソーで応戦しながら考えるんだ
こんな時みんなならどーするのって
痛いの我慢して敵のルールにそって出来るだけ戦車の近くに誘導するぞ
遠隔操作で戦車は動かせるってあのヒト達が言ってた筈だから
敵が前まで来たら戦車を動かしたいから
だからねえマザーお願い!
叩きつけたマザーの先はきっと無線ボタン
●
クライストが潜む庭園まではあと少し。
その道行きを借り物戦車でどうにか進みつつ、ラブリー・ラビットクローは自身の端末をゆさゆさと揺すっていた。
「おいマザー……マザー?」
いつもの声が聞こえない。先の戦いで、きっと端末の電池がなくなってしまったのだろう。
強敵を前にして絶体絶命の大ピンチ。ラブは大きく息を吐きつつ、そっと目を閉じる。
(ここからはらぶ一人なんだ……ううん、一人じゃない)
城塞の中では他の猟兵達が戦っている。この戦車を貸してくれた人達がいる。そして何より、らぶの事待ってくれてるヒト達がいる。
「……こんな所で負けられないなん」
決意を胸に、ラブリーは戦車から飛び降りる。視線の先に立っているのは――クライスト・ヴォーテックス。
「随分小さなネズミだな。ガキだろうと容赦はしないぞ」
「望むところなん。おいモヒカン、らぶが相手だかかってこい」
マシンガンを構えるクライストに向け、ラブリーはびしっと指を指す。
その反対の手には、しっかりとチェーンソーを握りしめて。
ここまで来るのに使えるものは全部使った。爆弾のストックはもうないし、戦車も一人で動かすのは難しい。
ラブリーが取れる手段は、チェーンソーによる白兵戦のみだ。
「武器は立派だが……ここじゃ俺が聖書(バイブル)だ、分かってるよな?」
クライストも先の言葉通り、一切の容赦なくマシンガンの連射を放ってきている。
こんな時みんなならどーするの。必死に考えを巡らせつつ、ラブリーは遮蔽物の後ろに身を隠した。
(そういえば……あのヒト達、遠隔操作で戦車は動かせるって言ってた)
思い出すのは助けた奴隷達の言葉。戦車さえ動かすことができれば、きっと。
「モヒカンのルールなんて知らないぞ。ほら、お前なんかバラバラにしてやる」
勢いよく遮蔽物から飛び出して、チェーンソーを振りかぶるラブリー。
その時だって容赦なく弾の雨はやってくるし、チェーンソーでどうにか弾いても流れ弾が身体を掠める。
おまけに此処は相手がルールを定める場だ。動けば動く程、身体に痛みは蓄積してしまう。
けれどラブリーの懸命な立ち回りにより、少しずつクライストは部屋の入り口――戦車の方へと向かっている!
今すぐ戦車が動けばきっと、どうにか。そこでラブリーが視線を向けたのは、眠ったままのマザーの端末だった。
「ねえマザーお願い!」
ラブリーの想いに応えるよう、端末がふわりと浮かび上がって――叩きつけられた瞬間、響いたのは無機質な機械音。
次の瞬間には戦車の砲台が熱を帯び、発射された砲弾がクライストを強かに打ち付ける!
「……ありがとう、みんな、マザーも」
ここまでラブリーが繋いできた想いが、そして彼女とマザーの想いが――悪徳に一矢報いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
シャルロット・クリスティア
どうも、ネズミです。
疫病代わりに弾丸をお届けに参りましたよ、と。
たかがネズミと思うかもしれませんが、集落一つを滅ぼすこともあり得る死の運び手であることは、ご理解いただきたいものですね。
アルコールの火ですか。
贅沢なユーベルコードなことですね。あまり好きにはなれそうにもない。
ですが……
狩りの始まりを告げる角笛は、既に鳴り響いた。死を運ぶ雨もまた、ここに在る。
他者に犠牲を強いるばかりでのうのうと生き続けようとする貴方には辛いでしょう。
この雨を以て火を掻き消し……あとは、撃つだけです。
傲慢が過ぎたのですよ、貴方は。
●
白い装束を汚す血と土煙を払いつつ、クライストは庭の入り口を睨む。
そこに立っていたのはシャルロット・クリスティアだ。
相手が言葉を発するより早く、シャルロットが口を開く。
「どうも、ネズミです。疫病代わりに弾丸をお届けに参りましたよ、と」
「ああ、本当に。舐められたものだ、ネズミ共がノコノコと……」
忌々しげに呟くクライストの様子からは些か余裕が失われてきている。
きっと見下していた対象が、自分に一矢報いてきたからだろう。
「たかがネズミと思うかもしれませんが、集落一つを滅ぼすこともあり得る死の運び手であることは、ご理解いただきたいものですね」
「ご忠告感謝する。それじゃあ……消毒してやろう」
次の瞬間、庭園は白い輝きに包まれた。
それは苛烈だが平等な太陽の輝きではない。クライストの放つ、酒と火薬で出来た白炎の煌めきだ。
「アルコールの火ですか。ですが……」
身体を掠める熱気に強烈なアルコール臭。贅沢だが好きにはなれない戦い方だ。
シャルロットは眉を顰めつつ、ゆっくりと天を仰ぐ。
「狩りの始まりを告げる角笛は、既に鳴り響いた。死を運ぶ雨もまた、ここに在る」
「空を見れば分かるだろ? 太陽は俺を照らしている。そしてこの世界の嵐は俺達の神だ。お前の望みなんて……」
「いいえ、違います。嵐と共に我ら来たれり、です」
シャルロットが言葉を終えると同時に、庭園にぽつりぽつりと雨が降る。
見れば空にはドロリと黒い雲が流れ、そこから嵐のような雨が庭を覆い始めたのだ。
黒は白をどんどん溶かし、雨音は叫び声のように周囲に響く。
雨水をまともに浴びるクライストも、何かの異変を察知して木々の下へと身を隠した。
「……何だこの雨は」
「他者に犠牲を強いるばかりでのうのうと生き続けようとする貴方には辛いでしょう。罪には罰を。死すべき者に死を。これが淀む者達の声なき声です」
シャルロットが招いたのは、死者の怨念が染みついた黒い雨だ。
この世界で悪徳により虐げられた、たくさんの人達。その嘆きを、悲しみを、苦しみを力に変え、この場へと呼び寄せたのだ。
炎はどんどんかき消され、満ちる死の気配はクライストをどんどん苛んでいく。
その中を、シャルロットは真っ直ぐに突き進んだ。
呻き苦しむ狂人教祖を、終わらせるために。
「傲慢が過ぎたのですよ、貴方は」
嵐の神より強い想いが渦巻く中、シャルロットはマギテック・マシンガンをさっと構える。
そのまま流れるように放たれた弾丸が、クライストの装束を再び赤黒く染めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
陸郷・める
☆める
★7号
★ヒャッハー!!ようやく会えたなァ「ヴォーテックス」さんよォ?
☆……!(無言で戦車の脚部に付いてる履帯を展開、機動力を上げる)
★ハッ、「クライスト・マシンガン」か、いい命名センスしてるじゃねーか(※皮肉ではない)
マシンガン程度で装甲を抜けるとも思えねーが、どのみち当たらないに越したことはねぇ。
無限軌道で距離を維持して動き回りつつ《砲撃》や機銃をぶち込むぜ。
それに、当たっても砲塔とかの制御中枢は「める」じゃなくてこの「俺様」の方だからなァ……「める」がフリーだぜ間抜けェ!!
☆…へぷしゅん!(UC、大量の歩く🍄が発生、偽神細胞含有の幻覚や毒を齎す胞子を散布する)
※アドリブ他歓迎です
●
苛烈な戦いはまだまだ続く。それに合わせ、勢いよく庭園の戸を突き破ったのは陸郷・めると『7号』だ。
『ヒャッハー!! ようやく会えたなァ『ヴォーテックス』さんよォ?』
「……戦車野郎か、厄介な」
クライストの言うように、扉を突き破ったのは二人の愛機『実験兵器6号改』だ。
めるが集中しつつ戦車を操作すれば、自慢の六本脚に履帯が展開。機動力をしっかりと確保すれば準備も万端だろう。
クライストの方も油断はせずに、マシンガンを構えてめる達を睨んだ。
「早速だがクライスト・マシンガンで蜂の巣になってもらおうか。ここでは俺が聖書(バイブル)だからな」
『ハッ、『クライスト・マシンガン』か、いい命名センスしてるじゃねーか。けどその程度の武器で止められるとは思うなよ?』
本心からの褒め言葉を告げつつも、7号はしっかりと砲塔でヴォーテックスを狙っている。
そんな彼らへ向けて放たれるのは――マシンガンによる凄まじい弾丸の雨あられ。
確かにあの程度の攻撃ならば装甲は抜けないだろうが、厄介なルールを定められては危険だろう。
『どのみち当たらないに越したことはねぇ。行くぜッ!』
展開した履帯を用いつつ、6号は一気に庭の中を駆け抜けていく。
時に木々を薙ぎ払い、プールの横を突っ切って、それでも砲台は常に敵へと向けて。
華麗な足さばきで弾丸を躱しつつ、プレゼントするのは機銃による鋭い攻撃だ。
着弾地点には凄まじい勢いで煙が立ち上りが――。
『オラァッ! 蜂の巣になるのはそっちだぜ!』
「……油断したな?」
地の利があったのは相手の方だ。気がつくとクライストは遮蔽物へと身を隠しており、6号に狙いを定めていたのだ。
容赦のない攻撃が機銃へと浴びせられ、6号は一気に武器を失ってしまう。
けれど、真に油断したのはどちらだろうか?
『残念だったなァ……確かに砲塔とかの制御中枢は『俺様』の担当だ。けどよォ、俺様は一人きりじゃねーんだぜ! なあ、める!!』
その言葉に軽快するクライストの耳が捉えたのは――可愛らしい少女のくしゃみ。
「……へぷしゅん!」
呼応するように6号の影から飛び出すのは、デフォルメされた二本足のキノコのような生き物だ。
彼らはめるのくしゃみに合わせつつ、謎の粉をどんどん振りまく。それと同時にクライストがその場に膝をついた。
キノコ達が振りまいていたのは偽神細胞を含んだ胞子。それを吸い込んでは、ヴォーテックス一族だろうとタダでは済まないだろう。
「チッ、本体は別にいたのか……!」
『そういうこったァ! それじゃあ……消毒だぜ、ヒャッハー!!』
ぶちかますのは主砲による全力の砲撃だ!
めると7号、二人による巧みな連携は見事に悪徳の裏をかき、重い一撃を浴びせたのだった。
成功
🔵🔵🔴
冬原・イロハ
アポカリプスヘルの脅威をひとつ、ひとつ潰していきましょう
私はこの世界が救われて欲しい……
その一心です
プールがありますね、ラクスくん
ラクスくんに騎乗して飛び回ります
教祖のおじさんにウザイって思われるくらいに
ついでに歌もデタラメに歌いますね
信仰たくさん教祖さま~
溜まった信仰ネズミがぱくりと食べちゃいますよ~
煽りまくっておじさんのUCを誘います
敵がUCを放ってきたら、逃げるようにラクスくんと一緒にプールに飛び込み
水の中でラクスくんの騎乗を解き、私自身はUCでプールから飛び出して、斬撃と衝撃波を叩きこみます
お覚悟です!
●
庭園にて、クライスト・ヴォーテックスは忌々しげに猟兵達を睨んでいる。
その姿を前にして、冬原・イロハは小さな拳をぐっと握りしめた。
彼こそがアポカリプスヘルの脅威。それをひとつ、ひとつ潰して行くのが自分達の役割だ。
何故なら――。
(私はこの世界が救われて欲しい……その一心です)
決意を抱くイロハに呼応するように、グリフォンのラクスも気合を入れているようだ。
二人で戦うにはどうするのが最適だろうか。庭の様子を一瞥し、イロハの目に留まったのは大きなプールだった。
「プールがありますね、ラクスくん」
あれはきっと何かに使える。そちらの方角を確認しつつラクスの背に飛び乗って、イロハはクライストへと大声で叫んだ。
「教祖のおじさん、こちらですよ!」
「ちょこまかと……鬱陶しいな」
勢いよく庭を駆け回り始めたイロハとラクスへ向け、クライストが取り出したのはマシンガンだ。
連射でラクスの機動力が潰されるのは危険だろう。どうせなら別の武器で立ち向かってくれればいいのだが――だったら、相手を誘い込もう。
「信仰たくさん教祖さま~♪」
飛び回るラクスの背で、イロハが口ずさむのは即興の歌だ。
歌詞はデタラメ、メロディも思いつくまま。それに合わせてラクスもクライストの周囲を跳ね回る。
「溜まった信仰はネズミがぱくりと食べちゃいますよ~♪」
「……チッ、その歌をやめろ」
イロハ達が接近してきたこと、そして耳障りな歌が聞こえたこと。その挑発を受けたのか、クライストは大きなハンマーを持ち替えイロハへ迫る。
「そんなに無残に殺されたいのか? ならお望み通りに潰してやろう、このロンギヌスでな」
聖槍の名を冠したハンマーを掲げつつ、クライストは一気にイロハとの距離を詰めてきた。
確かにあれで殴られれば無事では済まないだろう。
そこでイロハ達が目指したのは、先に目をつけていたプールだ。
「ラクスくん、今ですよ!」
大きな水しぶきを立てながら、二人の身体は水中へと沈んでいく。
すかさずクライストもプールへ駆けて、イロハ達を待ち構えるが――。
「――行きますね!」
「何!?」
水面から飛び出してきたのはイロハ一人だ。クライストは的の大きさを読み間違え、ハンマーを空振りさせてその場で動けなくなっていた。
そこへ目掛けて風を纏い跳んでいき、そして構えるのは愛用の戦斧だ。
「この世界の平和のために……お覚悟です!」
イロハが大きく戦斧を振るえば、斬撃と衝撃波がクライストを叩きのめす!
その刃に籠められた平和への想いが、世界を蝕む悪徳を確かに削り取っていったのだ。
成功
🔵🔵🔴
高吉・政斗
【がれき】この先に髭眼鏡が入る訳だな? なら奴の力をどうにかしないといけ無いな。 登録登録登録登録…これでOK!っと、 M230遊撃システム・TYPE64AS付きキャバリア式三脚・FECT・収納器(α)をふんだんに使って皆を援護すっか…遠慮なくカバーリング扱いしてくれ。
(少なくとも奴のハンマー技に対する防御はOKだぜ?)
俺としては、「戦杖」を片手に、迷彩機能フル活用!ん~ん、リロードするこの感じがイイのよホント。後は皆が戦っている状態で髭眼鏡の野郎の背後に発射してやr……あぁっくそ!ヤッパばれたか!ならば「試作型α」を俺の所まで…そして大剣変形、よし!もう一度仕切りなおしだ打った斬ってやる。
ジフテリア・クレステッド
【がれき】
せっかく名前だけは大物が相手なんだ…真の姿で行くよ!
召喚した胎児の泣き声による【衝撃波】で突撃してくる敵を押し返す!
そして衝撃波に含まれた毒で【継続ダメージ】【マヒ攻撃】【目潰し】の効果を押しつけるよ!
痛みを感じなくても毒による身体機能の低下は意思だけでどうにかなるものじゃないんだよ。それでも突っ込んでくる根性見せてきても、骨の怪物の伸びる尾を振り回す【範囲攻撃】で近づかせないように立ち回る。
というわけで私は【毒使い】らしく慎重にあのヒゲ眼鏡を削ってくから、締めは他の誰かにお願いするね。
直接ぶちのめすのも捨てがたいんだけど、ああいうやつにはしっかり地獄の苦しみを味わって貰いたくてさ。
尖晶・十紀
【がれき】出たな怪人ヒゲ眼鏡。生憎とこっちは望み通りにしてやるつもりはない。ヒーローって柄じゃないけど…この世界の住人の一人として。絶対に勝たないと。
ジフテリアもイヴもやる気十分だね…じゃあ、十紀も。姉さん達…力を貸して?(真の姿に&UC使用)
開戦と同時にUCによる羽を利用し空から奇襲&離脱を繰り返す。もちろん灼血の炎の置き土産も忘れず。最終的に周囲を囲むように火の壁を作れたらいいね
チャンスが来たらとどめ、暗殺するくらいの勢いで急所を狙う。強化された足から放つ蹴りの二回攻撃は鎧砕きの怪力、毒と炎による継続ダメージで弱らせた所を確実に仕留める。お前が十紀達の、この世界の復興の為の贄となれ…!
イヴェット・アンクタン
【がれき】
元凶ならば、真の姿で、お相手しましょう。
援護射撃は継続……変質したアサルトライフルより【弩】の短槍弾を乱れ撃ち、敵の攻撃チャンスを削ります。
同時に左腕から【弩】の槍弾による貫通攻撃を放ち、確実にダメージを通しましょう。
真の姿の私は、浮遊していますので……追跡は容易ですよ?逃がしません。
背の刃翼で薙ぎ払い、光翼で地を抉って破壊工作をし、追い詰めます。
銃撃をかわされたとしても、刺さった【槍弾】を爆ぜさせ、罠代わりに使います。
皆様の攻撃で隙ができたら、リミッター解除による能力上昇と、推力移動で回避しつつ、頭上に跳んでUCを発動。
ランスチャージの如き突破力を持つ、無数の砲撃で……かき消えろ。
●
長い戦いを経て、がれきの町一行も無事に庭園へと辿り着くことが出来た。
「この先に髭眼鏡がいる訳だな? なら奴の力をどうにかしないといけ無いな」
愛機FECTの操作盤を叩きつつ、高吉・政斗は仲間の方をちらりと見遣る。
同行する仲間達は真の姿に変身し、全力でクライストを叩き潰すつもりらしい。
「自分は……登録登録登録登録、これでOKっと! M230遊撃システム、TYPE64AS付きキャバリア式三脚、収納器、全部展開完了!」
ガシャン、と大きな音を立て、FECTに次々に武装がセットされていく。
それに合わせるように、政斗の両腕に仄かな青白い光が灯る。
「R2起動!」
『System【WR】:【R2System、起動シマス】』
FECTからアナウンスが流れると同時に、展開されるのは電子の盾だ。これさえあれば、クライストの武装にもきっと対抗出来る。
「遠慮なくカバーリング扱いしてくれ。皆は……思いっきりぶちかますよな?」
ニヤリと笑う政斗に向けて、大きく頷くのはジフテリア・クレステッド。
彼女は仲間と少しだけ距離を取り、静かに愛用のガスマスクを取り外す。
溢れる毒素が仲間を侵さないよう気をつけて、代わりにそれを衣のように纏っていけば――姿を現したのは、聖母のような姿に転じたジフテリアだ。
「せっかく名前だけは大物が相手なんだ……真の姿で行くよ!」
「では私も。元凶ならば、真の姿で、お相手しましょう」
イヴェット・アンクタンもまた埒外の力を高め、己の姿を変えていく。
真の姿を解放したイヴェットは、どこか彼女の相棒であるギガント・バリスタによく似ていた。
背の刃翼を展開し、【弩】の演奏器を構えれば準備も万端だ。
そんな仲間達の様子を確認し、尖晶・十紀は庭園の扉に手をかける。
皆で顔を合わせ、頷きあって。そして――決戦の場へ。
眩い太陽が輝く下で、クライストは猟兵達を待ち受けていた。
戦いの傷は刻まれているが、彼の瞳にはまだギラギラとした光が宿っている。
「あれが噂の髭眼鏡って訳だな?」
「この世界のためにも負けられないね」
「迅速に片付けましょう。あの男は生かしておいていい訳がありません」
挑発的な笑みを浮かべる政斗に、真剣な表情で構えるジフテリア。イヴェットも淡々と、けれど真剣に戦いへと意識を向けている。
そんな三人の想いに応えるよう、十紀が堂々とクライストの方へと歩み出た。
「出たな怪人ヒゲ眼鏡。生憎とこっちは望み通りにしてやるつもりはない。ヒーローって柄じゃないけど……この世界の住人の一人として。絶対に勝たないと」
「随分大きな口を叩くな、ネズミ共。ワラワラ群れているようだが……纏めて神の元へと送ってやろう」
クライストが武器を構えた瞬間を見計らい、十紀もまた埒外の力を発揮していく。
「ジフテリアもイヴもやる気十分だね、政斗も援護してくれる。じゃあ、十紀も。姉さん達……力を貸して?」
灰塵と化せ、この身さえも。
十紀は燃え盛る竜の翼を展開し、己の身体すら燃やさんばかりの勢いで炎を広げる。
そのまま空へと飛び上がり、狙うはクライストただ一人。
きょうだいの力を借りて放つ炎は、一気にクライストの周囲に広がっていく。
「目眩ましか? この程度の攻撃で……」
クライストはハンマーを振るい、周囲の火をかき消そうとしているようだ。
その隙を狙い、政斗とイヴェットも庭の中へと駆けていく。
そして仲間達が十分に距離を取ったことを確認し――大きく動いたのはジフテリアだ。
「さあ、行こう兄弟たち。私たちの恐ろしさを教えてあげよう」
ごぽり、ジフテリアの纏う瘴気が蠢いて、姿を現したのは毒の胎児と骨の怪物。
ジフテリアは胎児を抱き上げ、怪物の背に乗りつつクライストをじっと睨む。
「おいおい、俺の城をそんな化物共で汚すなよ」
「そっちこそ、私の――ううん、私達の世界を、これ以上汚させない」
世界を覆う悲しみを体現するかのように、胎児が大きく泣き声を上げ始めた。
その衝撃が、毒がクライストを押さえつけ、彼の身体をゆっくりと侵していく。
「この野郎ッ……!」
強烈な毒に苛まれつつも、クライストはハンマーを片手にジフテリアの方へと駆け出そうとしている様子。
けれどその道行きは、橙色に輝く短槍弾により阻まれた。見ればアサルトライフルを構えたイヴェットが、クライストに狙いを定めている。
相手の足が止まった瞬間を見計らい、追撃として撃ち込むのは左腕の【弩】だ。
咄嗟にクライストも後方へと避けようとするが、その方向には十紀が待ち構えていた。
「追跡は容易ですよ? 逃がしません」
「これ以上そっちの好きにはさせないよ」
二人はそれぞれの翼を広げ、クライストの周囲を飛び回る。
イヴェットの刃翼による薙ぎ払いと【弩】による着実な射撃、十紀の竜の翼が広げる炎と呪いのように蝕む灼血。
どちらも無理やりハンマーで受け止めつつ、クライストはどうにか猟兵達へと挑みにかかる。
そんな彼を阻んだのは、突如飛び出してきたFECTだった。
迷彩機能により奇襲し、大型拳銃『戦杖』から展開した盾で攻撃を受け止めつつ政斗はニヤリと笑みを浮かべる。
「ワラワラと鬱陶しい……本当にネズミみたいな輩だな、お前達は!」
「自分達が群れてるって? 違うね、協力しあってるんだぜ!」
攻撃を跳ね返し、そのままFECTは再び迷彩機能を展開する。
『戦杖』にしっかり弾を籠めれば、リロードの感触が心地いい。この混乱を活かし、そのまま政斗はクライストの後方へと向かうが――。
「流石に二度目はないぜ?」
同じ手はなかなか通用しないようだ。クライストはすぐに周囲の木々へと身を隠し、奇襲から身を守る姿勢を取った。
「あぁっくそ! ヤッパばれたか!」
「大丈夫、政斗。あなたが作ってくれた隙、必ず活かすよ」
すかさず飛び込んできたのはジフテリアだ。彼女を乗せた骨の怪物は鞭のように尾をしならせ、クライストを強かに打ち付ける。
攻撃は木に阻まれ、クリーンヒットとはいかなかった。けれど、かすり傷程度でも十分だ。
斬撃に生まれた傷へ向け、胎児が再び泣き声を浴びせれば、より強い毒が彼の身体を蝕むのだから。
「ナイスだぜ、ジフテリアちゃん!」
「直接ぶちのめすのも捨てがたいんだけど、ああいうやつにはしっかり地獄の苦しみを味わって貰いたくてさ。削るのは私に任せて、みんなはあいつを……!」
ここまでの戦いで、クライストはかなりのダメージを負っている。
それに加えてジフテリアが浴びせてきた毒も凄まじい量になっているだろう。
よく見れば彼の身体はふらつき、ハンマーを握る力もどこか弱々しくなっているようだ。
「散々この世界を苦しめてきたんだから。同じくらい、苦しんで……そして後悔してね」
そう語るジフテリアの言葉は静かに、けれど厳かに。
忌々しげに彼女を睨みつつ、クライストは膝をつく。きっと今が最大のチャンスだろう。
「……リミッター解除、全力で参りましょう」
勝機を確信しつつ刃翼を広げ、イヴェットは勢いよく空へと舞い上がる。
溢れ出るエネルギーは太陽に負けないくらい煌々と輝いて、そして彼女の手元へと収縮しているようだ。
「十紀も行くよ。今こそ、この世界を救うチャンスだ……!」
同じく十紀も翼をはためかせつつ、身を低くして敵を狙う。
怒りは燃え盛る血潮に変わり、更に白い庭園を焦がして広がり猛る。
仲間達の様子を称賛するように口笛を奏でつつ、政斗もFECTを操作しつつ、試作型αを堂々と構えた。
「大剣変形、よし! もう一度仕切りなおしだ。ここで決めるぜ!」
叫びに呼応するように試作型αは剣の形を取り、炎とエネルギーの煌めきを受けて刃が鈍く輝いた。
さあ、これで準備は整った。あとは全てを終わらせるだけ。
「兄弟たち、そして此処にいるみんな。その全てを、思い切りお前にぶつけるよ!!」
ジフテリアの叫びは胎児の泣き声へと転じ、それを皮切りに仲間達も一斉に動き出す。
まずはFECTが巧みな機動でクライストとの距離を詰め、すれ違う瞬間に全力で大剣を振りかぶる!
「よーし、打った斬ってやる!」
斬撃は見事にヒット。相手が怯んだ瞬間を見逃さず、次に動いたのはイヴェットだ。
「兵器ではない、私として……この力を振るいます! 無数の砲撃で……かき消えろ」
全身のエネルギーを凝縮し、構えるのは左腕の【弩】。
身体中の息を吐き出す勢いで絶叫を奏でれば――呼応するように撃ち出された槍状砲弾がクライスト目掛けて地を穿つ!
そして立ち上る土煙を掻き消すように、紅い炎が駆け巡れば――。
「お前が十紀達の、この世界の復興の為の贄となれ……!」
流星の如く飛び込んできた十紀が、クライストへと全力で拳を叩きつけた!
ここまでの毒と攻撃でクライストは完全に弱っている。
まともにガードする余裕もなかったのだろう、拳は見事に彼の胴を打ち据えて、衝撃が庭を覆い尽くしていく。
狂人教祖の白装束は血や炎、毒や土で汚れ、まともに吹き飛ばされた彼はボロ雑巾のように転がった。
がれきの町の四人が抱く、この世界への想い。
そして誰かを従えるのではなく、肩を並べ合う仲間としての連携。
それは、間違いなく悪徳を超える力となったのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
仇死原・アンナ
…白い開祖め……
貴様の信ずる神の生贄になるのはごめん被る…
ワタシは処刑人…死を齎す者也…!
仮面を被り真の姿の[封印を解こう]
自身の体を地獄の炎で包み
[オーラ防御と火炎耐性]を身に纏おう
敵の炎を鉄塊剣や妖刀を振るい打ち消してゆこう
敵の炎に包まれようと自身の纏う地獄の炎で飲み込み吸収しよう
教えてやる…地獄の炎はこういう使い方がある…!
地獄の炎纏う鉄塊剣を[なぎ払い]、【火難焚刑之陣】を発動
燃え盛る地獄の炎の[斬撃波]を振り放ち敵を攻撃
地獄の炎の[範囲攻撃で焼却]し[継続ダメージ]で
苦しませながら焼き尽くしてやろう…!
神の贄になるのは貴様のほうだ…!
黒き灰塵になれッ!!!
●
相当の傷を受けながら、クライスト・ヴォーテックスは未だ立ち上がる。
気付けにテキーラを煽り太陽を眺めるクライストの装束は、汚れているにも関わらずまだ白く見えていた。
そんな彼の耳に入ってきたのは――重々しい足音と金属の鳴る音。
「……白い開祖め……貴様の信ずる神の生贄になるのはごめん被る……」
「……フィールド・オブ・ナインに抗おうというのか、ネズミめ」
重々しい音と共に庭園の前に立ったのは仇死原・アンナだ。彼女の表情は険しく、炎獄の執行人としての矜持が感じられた。
「ワタシは処刑人……死を齎す者也……!」
取り出した処刑人の仮面を被れば、アンナの身体は燃え盛る地獄の炎に包まれていく。
呼応するように彼女の黒髪も炎の色に染まり、太陽に負けない赤い輝きを放ち出した。
「このクライストシティで輝こうとはいい度胸だ。ならば教えてやろう……炎はこう使うんだ」
クライストも負けじと懐から酒の瓶を取り出すと、中身を庭中へと散布しだす。
同時に白い炎が庭を覆い、強烈なアルコール臭が周囲に漂う。
この状況に直面し、アンナは確信した。ここは決して、聖なる場なんかじゃない。
ならば終わらせてやろう。白い炎を突っ切りつつ、アンナは真っ直ぐにクライストの元へと駆け出した。
白い炎は勢いを増していくが、それでもアンナの足は止まらない。
彼女を覆う赤い炎が身を守り、そして白い炎すら飲み込んでいくからだ。
きっとこの炎は、今まで多くのものを燃やしてきたのだろう。苦しむ人々を、世界を薪にして燃え上がっていたのだろう。
その全てを呑み込み、そして報いに変えてやる。
「教えてやる……地獄の炎はこういう使い方がある……!」
集めた地獄の炎を『錆色の乙女』へと燃え移らせて、そのまま振るうは炎の斬撃。
「どこまでも燃え広がる地獄の炎に藻掻き苦しめ……!」
斬撃と衝撃波は白い炎をかき消しながら、一気にクライストの元まで飛んでいく!
そして着弾と同時に赤い火柱が立ち上がり、その勢いは庭の植物を糧にして強まっていった。
火計を模したこの技は、偽りの神を崇める存在を殺すのに相応しいだろう。
「この、神の恩恵を理解しない、ネズミめ……!」
「神の贄になるのは貴様のほうだ……! 黒き灰塵になれッ!!!」
アンナの叫びと怒りに呼応して、更に炎は高く昇る。
空を焦がすその炎は白を黒に染め――そして邪悪なるものを世界から消し去っていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヴァシリッサ・フロレスク
ロンギヌス、ねェ?
まァ、誰が決めようがなンだろうが、どッちにしたってアンタにゃ関係ねェ話だろ?
“Qué payaso《ピエロ野郎》”が
適当に挑発
弾幕で牽制しつつハンマーによる猛攻を怪力、武器受け、激痛耐性で凌ぎつつ、あたかも押し込まれている様に見せ掛ける
3発目を食らい吹き飛ばされたかの如く障害物裏へ退く
下衆野郎が
聖槍なんぞ痴がましい
磔にする価値もねェ
手前ェ如きは串刺しで十分だ
UC発動
油断し止めを刺しに来るであろう隙を見切り早業で一気に死角へ切り込み
ンな絡繰か知らねェが、白衣の加護なぞ構わずカウンターの射突杭による零距離射撃をブチ込む
あァ
こンな汚ぇソナエモンじゃ手前ェの神サマにゃ失礼だったかい?
●
黒煙が晴れる中、クライスト・ヴォーテックスはハンマーを杖代わりにしつつ立ち上がる。
彼はあのハンマーを聖槍と呼んでいるらしい。
「ロンギヌス、ねェ?」
庭園の中を進みつつ、ヴァシリッサ・フロレスクはクライストへと笑みを向ける。
けれどその声色は決して明るいものではなく、むしろ挑発的な響きがあった。
「まァ、誰が決めようがなンだろうが、どッちにしたってアンタにゃ関係ねェ話だろ?」
「そうだ、ここでは俺が聖書(バイブル)で、俺が操るならコイツはロンギヌス。そういうもんだろ?」
「……“Qué payaso《ピエロ野郎》”が」
吐き捨てるような挑発の言葉と共に、ヴァシリッサは一気に前へと駆け出す。
手にした『Neuntöte』で弾幕を展開しつつの行進に合わせ、クライストもまた彼女の方へと駆け出していた。
信仰心のためだろうか。クライストは銃弾に身体を貫かれつつも、ヴァシリッサとの距離を詰めてくる。
そして射程距離まで届いた瞬間、振るわれるのは凄まじい威力のハンマーだ。
「チッ、厄介だねェ」
ヴァシリッサもNeuntöteと己の力で攻撃を受け止めようと試みるが、流石に近距離での打撃は苦しい。
一発、二発……次々に撃ち込まれる衝撃は、致命傷を避けるだけで手一杯だ。
「さっきまでの威勢はどうした?」
無慈悲に振るわれる三発目。その勢いでヴァシリッサの身体は大きく吹き飛び、植えられた木々の合間へと滑り込む。
あと一発殴ればあの女は殺せるだろう。そう確信したクライストは、ずるずるとハンマーを引きずり進んでいく。
――というのがクライストの目線での光景だ。
けれどここまでの攻防は、全てヴァシリッサの計算通りだった。
木の幹に姿を隠し、神経を研ぎ澄ませれば――『視認』するのは油断する狂人の姿。
(下衆野郎。聖槍なんぞ痴がましい、磔にする価値もねェ)
吐き捨てるような言葉と共に、持ち帰るのは愛用の射突杭『スヴァローグ』だ。
「散々殴られて苦しいだろう? 今すぐ神の元へと送ってやるよ」
木の向こうから聞こえるクライストの声で確信する。距離は十分、仕掛けるなら一瞬で。
「手前ェ如きは串刺しで十分だ――ついて来れるかい?」
今まで温存していた力を全て発揮し、ヴァシリッサは木々の合間から一気に抜け出す。
そしてそのまま敵の背後へ周り、白い背中へ向けてぶちかますのは――射突杭による単純で、けれど何よりも重い刺突だ。
その衝撃でクライストの身体からは血液が溢れ、戸惑うように手を広げ日の光を浴びる様は、まるで神への生贄のようで。
「あァ、こンな汚ぇソナエモンじゃ手前ェの神サマにゃ失礼だったかい?」
哀れな聖職者へ向けヴァシリッサが向けるのは、先と変わらぬ笑顔だった。
成功
🔵🔵🔴
オリヴィア・ローゼンタール
(シスター服に戻っている)
不遜、不敬
それが何かを信仰する態度か、貴様
ジャンプや慣性を利用したアクロバットなら私自身もよく使う
強化された【視力】で【見切り】、【怪力】を以って聖槍を叩き付ける
誰が決めただと? 天と地の全てが否と言おうと私が断ずる! ロンギヌスとは槍である!
違うというのなら、私に勝ってみせろ!
聖槍に施された封印を解除し、【聖槍覚醒】
無窮の光輝を纏い、全霊の力で突き穿つ!(全力魔法・串刺し)
白き衣に阻まれ――それがどうした!(限界突破・鎧砕き・貫通攻撃)
神を罵倒する貴様は信仰が足りん! 何より【気合い】と【根性】が足りん!
攻撃が通らぬというのなら、通るまで打ち据える!!(継戦能力)
●
いつものシスター服に着替えつつ、オリヴィア・ローゼンタールは白い庭園の前に立つ。
庭の中央に立つクライストは幾つもの傷を負っているが、最後まで戦うつもりのようだ。
「畜生、フィールド・オブ・ナインめ。俺達がお前達にどれだけ尽くしてきたのか忘れたのか……?」
「不遜、不敬。それが何かを信仰する態度か、貴様」
邪悪なる神を崇めるだけでなく、その神にすら巫山戯た態度を取るクライスト。その様子を目の当たりにすると、オリヴィアの胸に怒りの業火が灯った。
指差す代わりに『破邪の聖槍』を構え、オリヴィアはクライストを睨みつける。
そんな彼女へ向け、クライストもまた手にしたハンマーを構えたようだ。
「……その槍、ロンギヌスとでも言うつもりか? ロンギヌスが槍だと、誰が決めた?」
「誰が決めただと? 天と地の全てが否と言おうと私が断ずる! ロンギヌスとは槍である! 違うというのなら、私に勝ってみせろ!」
ここまで来れば、あとは互いの信仰を、信じる想いをぶつけ合うだけ。
二人の神に仕える者は、それぞれの武器を構え全力で庭を駆け出した。
激しい攻防は、傍から見れば美しくすらあったかもしれない。
時に真っ直ぐに、時に舞い踊るように武器を振るい、オリヴィアもクライストも一歩も退かずにそれぞれの攻撃をぶつけ合う。
(アクロバットなら私自身もよく使う、だからきっと見切れるはず……!)
クライストの狂信的突撃に惑わされないように、オリヴィアは全力で相手の姿を見つめていた。
確かに攻撃は華麗で、苛烈だ。けれどそれ以上に――想う気持ちが此処にはある。
勢いよく互いの武器をぶつけ合った瞬間、オリヴィアは槍を握る手に思い切り力を籠めた。
「覚醒せよ、我が聖槍。無窮の神威を今ここに――!」
迸るのは無窮の光輝、その輝きを身に纏いオリヴィアは更に力強く前へと踏み込む。
けれど繰り出した刺突は白装束に拒まれて、十分な力を発揮できなかった。
「やはり異教徒の力なんて、そんなものか」
「それが……どうした!」
嗤うクライストへ向け、更にもう一歩踏み込み刺突を繰り出す。感じられた手応えは微かに、けれど確かに強くなっている!
「神を罵倒する貴様は信仰が足りん! 何より気合いと根性が足りん!」
諦めずに何度も、何度も。どれだけ阻まれようと、オリヴィアは槍を振るう手を決して止めない。
そして自分が培ってきた全てをぶつけるように踏み込み続ければ――。
「これが、私の信ずる――ロンギヌスだッ!!」
最後に振るった一撃はクライストの胴を貫き、彼の身体を陽光と光輝の中へ照らし出していた。
そのまま彼の身体は灰のように崩れ、乾いた風が浚っていく。
風を身体で受け止めつつ、オリヴィアは己が信じる神へと祈りを捧げる。
この戦いと、この地で犠牲になってきた人々、そしてこの地の未来へ向けて。
●
こうしてクライスト・ヴォーテックスは斃れ、クライストシティは本当の名を取り戻した。
解放された奴隷達もきっと力強く生き延びていくことだろう。
ヴォーテックス一族との戦いはまだ続く。近く、大きな戦いも待ち受けているかもしれない。
けれど、今日の戦いは――間違いなく、悪徳を倒し世界を救う一歩になったことに違いはないのだ。
成功
🔵🔵🔴