今年も弾けろ!! 夏だ!ビーチだ!水鉄砲バトルⅢ!
●なんとびっくり、ついに3年目です
その日、カクリヨファンタズムのビーチは猟兵が占拠していた。
否、危険が危ないので関係者以外立ち入り禁止にしたのである!
何が危ないかって、これからここで戦いが行われるのさ!
「れでぃーす、あーんど、じぇんとるめーん!! 水鉄砲は持ったかー!!」
ひとつ高くなっているお立ち台の上から、スク水姿のサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)がアサルトライフル型の水鉄砲を構えつつ、腕を振り上げて叫ぶ。その勢いで一部揺れているが狙ってはいけない……今は(フラグ)
「これよりここは戦場になります!! 親分衆に挨拶は済ませたかー!! ずぶ濡れになる覚悟はOK?!」
そんなわけで今年も水鉄砲バトル、開催します。
●ルールはこちら!
「主催が変わりつつも、今年で3年目の水鉄砲バトル! ご存じの方も多いでしょう!」
いつの間にかマイクに持ち替えたサージェが解説ヨロシク、水鉄砲バトルの説明を行っている。
サージェの言う通り、歴戦(?)の戦士もいるだろうけども、新しい挑戦者のためにも改めて説明するサージェさん。
「まず、水鉄砲バトルのエリアはこのビーチ一帯となります!」
この見渡す限りのビーチが戦場だ。
基本的にはだだっぴろい浜辺なのだが、浜辺のところどころに大きな岩があったり、ヤシの木があったりする。一時的に身を隠したり水鉄砲の攻撃を防ぐには十分に使える大きさだ。
この散在する障害物の他に、ビーチの中に防風林がある。とはいっても隠れることができるほどの厚みがない林なので、潜む場合はひと工夫あるといいかもしれない。
他にもビーチに存在するものは有効活用して問題なし。
「そしてー! この水鉄砲バトルの『グランドルール』はこちらです!」
ばばーんとサージェが指し示すのは大きな立て看板である。ここに書いてあることこそ、グランドルール――この水鉄砲バトルにおいて必ず守れなければならない事項である。
「今年はちょっとルールの改正がありましたのでご注意を!」
というわけでこんな感じである。
①銃の種類やサイズは問わない。水風船爆弾も使用可能。ただし、中身は水(真水か海水)でなければならない。
②水着を着ていない者を撃ったり攻撃してはならない。
③バトルに参加するモノは全て紙風船を装着しなければならない。
④紙風船が破れたら行動を停止しなければならない。
「というわけで、紙風船は必ず装着してくださいねー」
この紙風船、実は水鉄砲バトルのためにカクリヨビーチパワーで開発(?)したものだ。ちなみにどこにでもくっつく仕様。
「この紙風船は【参加証】であると同時に【攻撃有効】の証となります」
どういうことかというと。
本来であれば『水鉄砲で紙風船を狙撃する』という手段が基本となるわけだが、昨今の複雑化(?)する猟兵事情から、水以外の攻撃でも紙風船が割れてしまう……というか、水で対処しきれない事態が想定される。
簡単に言うとキャバリア。
例えばキャバリアに乗ってコックピットハッチを閉めて。水鉄砲仕様のキャバリアライフルで攻撃という作戦を取るとほぼ無敵である。何故かというと紙風船を割るにはキャバリアを破壊しないといけないが、水鉄砲ではそれは無理だから。
それはあまりにも違う、これはあくまで水鉄砲バトルなのである。
「なので、この紙風船を装着していない『モノ』……生き物、無機物、現象ありとあらゆるモノからの攻撃は無効とさせてもらいましたー」
唯一の例外は水。水であれば海の中に放り投げただけで割れる。
しかし、それ以外では例え対消滅エネルギーを以てしても割れないのがこのカクリヨ仕様紙風船である! どんな仕組みかはわからないけど、たぶんカクリヨビーチパワー。
「で、紙風船を割られた人は離脱、というのは以前と変わらずですー」
これはキャバリアや分身とかでも一緒です、ご注意を。
まぁ簡単にまとめるとこう。どれかひとつは満たしてくださいな。
『水鉄砲で戦え!』
『紙風船を付けている者だけが紙風船を割る資格を持つ』
『アイテムや道具にも紙風船をつけよう』
というわけで水鉄砲で勝負をつけるという原点回帰(?)しつつも、最先端猟兵事情まで考慮したグランドルールとなっている……はずである!
もし抜け道があった場合は、裏ワザとして有効活用して問題ないから!
●その他のレギュレーションはこちらです
そんなわけで、水鉄砲キャバリア大戦にも適応できるグランドルールであるが、これだけでは物足りないという強者もいるであろう。
「そんな時はローカルルールを自由に設定してくださいね」
例えば遠距離禁止とか。ローカルルールに制限はない。そのバトルの最中は有効に働くルールとして認められる。
「それから、後はっと……『スタンス』は表明しておいてください」
何かというと水鉄砲バトルに対する熱意みたいなものである。
いつの世も、バトルを全力で楽しみたい【ガチ】派と、皆でとわいわい楽しみたい【エンジョイ】派がいるのは当然のこと。そしてガチとエンジョイが混ざると大変な化学反応が起こるので混ぜるな危険なのも。
「なのでグループ内でのスタンス統一はしっかりお願いしますねー」
一応、ガチとエンジョイのバトルエリアは物理的に区切られているので混ざることはないので安心してほしい。
後は戦う相手のマッチング。
「グループ内でバトルロイヤルとか、チーム対チームとかあると思いますが、その辺りは各自で調整お願いしますねー」
なお、チーム参加、かつ、相手が決まってないけれどもどこか別のチームと戦いたい場合はその旨を教えて欲しい。そういう相手同士でマッチングされる。
「マッチング相手がいなかった場合は、私が分身して頭数揃えた上でお相手しますよー」
そんなわけで対戦相手についてはご安心いただきたい。
なお、最初からサージェを倒したいという希少な人がいれば全力で指名してもらって構わない。その揺れてるのをガチで的にしてもいいし、エンジョイ的に縛り付けて四方八方から水鉄砲で撃ってもいい。
「そのほか、細かいルールは皆さんのグループ内で決めちゃってくださいね」
グランドルール以外のことは、グループの中でしっかり浸透させておけば全然問題ないということですね。
「それから最後の注意です」
ここでサージェがちょっとシリアス顔になる。
「水風船バトルはバトルなので、白熱したり勝つために手段を選ばないっていうのは仕方のないことです」
しかしそれは、あくまで勝ちたいという想いの延長上であってほしい。
「単に相手を貶したり、傷つけるような行為はやめてくださいね」
とはいってもバトルであることは事実。
熱くなってトラブルとかもあるかもしれないが、その時はその場限りのノーサイドとして欲しい。
転んだとか怪我したとかの不慮の事故はあっても、楽しく遊ぶ。そしてあらゆる揉め事も通り雨のようにさらりと終わらせる。
それがこの水鉄砲バトルの絶対に犯してはならないゴールデンなルールなのだ。
「そんなわけでバトル開始でーす!」
そういってサージェは再びお立ち台の上で元気よくジャンプするのであった。
るちる
まいどお世話になってます、るちるです。
やっとまとまったよグランドルール! 今年も水鉄砲バトルだ! 水着JCがある人もない人も思いっきり遊びましょう!
●全体
どなたかと一緒に参加される方は、お相手やグループが分かるようにしておいてください。
次に水着の指定をお願いします(グランドルール②)。イラストがある人はイラスト指定でOK。無い方はプレ内で指定ください。
ローカルルールは自由に決めてください。UCや技能の使用可否、特別勝利条件といった勝敗を分ける基準など。
【ガチ】【エンジョイ】の記述を忘れずに。同行グループ内でお一人、記述あればOK。
公序良俗を守りつつ、他の人に迷惑をかけず、楽しく遊びましょう。何事も相手(もしくは団体内)で合意や了承があればどんな内容(例外:R18展開)でも通ります。
●ビーチ
ビーチにありそうだなってものは、プレ内に記載があれば存在するものとします。
●アイテム・装備
カクリヨビーチパワーによって、近接武器は『相手を傷つけない』、射撃武器は『水弾や水風船を発射する』仕様に強制変化しています。キャバリアのミサイルポッドから水のミサイルが出ます。
キャバリアなどの起動兵器はこのシナリオに限り、誰でもリモート・レプリカントできます。
●バトル
最強は水(真水か海水)。発生源は問いません。
水鉄砲による狙撃戦を想定していますが、接近戦でも可。紙風船をつけていればナイフとかでも攻撃できます。ガンカタする?
●紙風船
必ずつけて参加してください。位置は自由。大きさは拳大。
石とか机とか分身とかにも紙風船がついてないと攻撃は無効になります。
(例)1000人の分身(紙風船なし)
分身の攻撃では相手の紙風船は割れない。
盾になったり、タックル等で行動妨害を行うことは可能。
生き物、分身、無機物、ロボ問わず、割られたら戦線離脱です。
●サージェ
対戦相手不足、もしくはお声がけがあれば参戦します。
アサルトライフル型水鉄砲を装備。その他、水風船爆弾と【VR忍術】水遁の術を使います。
●
相談期間と執筆期間の確保のため、プレ受付開始を8月3日(火)8:31~とさせてください。タグでもプレ受付状況を報告します。ご確認お願いします。
なお、多数のご参加がありました場合は、1回だけですが再送をお願いする可能性がありますことをご了承いただけると助かります。
よろしくお願いします!
第1章 日常
『猟兵達の夏休み2021』
|
POW : 妖怪花火で空へGO!
SPD : 妖怪花火の上で空中散歩
WIZ : 静かに花火を楽しもう
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クロエ・アスティン
【エンジョイ】アリス様(f24161)と遊びに。
水着の呪いでアリス様の水着がアレなので、
自分も巻き込まれてコレであります……。(今年の水着JC参照)
は、はい!ですが、せっかく遊びにきたのでアリス様とチームを組んで目一杯楽しむであります!
風船はお尻につけて前方からの攻撃はシャットアウトであります!
ひ、ひぃ。そんなに水を掛けられたら水着がず、ずれてしまうであります!?
これはやばいと、自分も【アースジャイアント】を呼び出して守りの要にするであります。
が、がーん!?い、いまさらなのであります!?
で、でも友達に選んでもらったのはほんのちょっと、う、嬉しかったであります。
アリス・クイン
クロエ(f19295)と二人で遊びに来たわよ!
水着はマイクロビキニで……見れば分かるでしょ!見るなえっち!
※今年の水着イラスト参照
アタシたちは【エンジョイ】勢で。歴戦の猟兵に勝てるわけないでしょ!
だからそんな相手とマッチング希望!
紙風船は太腿の紐に引っ掛けて
UC【リアライズ・バロック】
えっちな視線で見られてる気がする……
召喚したぬいぐるみ型バロックたちにアタシとクロエを守らせるわ
水鉄砲で濡れたら、余計にスケベになっちゃうもの!
えいっえいっ、アタシも水鉄砲撃つわよ!くらいなさーい!!
いっぱい遊んだら謝りたかったことを言うわ!
ごめんクロエ!アタシがむりやり選んだその水着、やっぱりドスケベすぎよね!
●
どこまでも広い青い空! 弾けるような真夏の海! そしてアツくて白い砂浜には、二人の少女が立っていた!
14歳のアリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)(身長147.1cm)と15歳のクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)(身長99cm)である。
「……はい?」
そこへ、マッチング相手を伝えに来たサージェ(12歳、身長148cm)が現れた。そして二人を二度見した。何故かって言うと、普段の全然忍べていないサージェの衣装から比べても、二人の布面積が狭かったからである。合計しても負ける勢いである。
今、この一画、どーなってんの?
という構図であった。
説明しよう。
アリスが着ているのは黒のマイクロビキニ。もはや隠している部分は極点だけという勢いのマイクロである。なお、胸はとても慎ましい。だがそれがいい。そのちょっと恥ずかしがっている(クロエには見せない)表情がとてもいい、絶対愛好家いる。
そしてクロエは……え? 紐? いや、ホルターネッククロスカットアウトビキニ(ただし布面積が極小)かなこれ。普段の戦衣装(覚醒時や召喚した英霊様は除く)の防御力はどこに置いて来たのかという肌色面積である。なお、胸はとても慎ましい。
どちらも健康的な肌がとても眩しくて良い……のだが、どうしてソッチの方向へ揃えたの?
「アタシが選んだからね!」
「ううう……」
犯人はアリスだった。
クロエ曰く、『水着の呪いでアリス様の水着がアレなので、自分も巻き込まれてコレであります……』とのことでした。水着の呪いとは……! クロエ騙されてない? 大丈夫?
さておき、そんな二人が水鉄砲を構えている光景に訪れてしまったサージェは気を取り直して、三度見した。
「見るなえっち!」
「見るなと言われて見ないなんて、そんなもったいないことしません!」
「堂々と言うなっ!?」
「ごふっ?!」
アリスがぶん投げた貝が直撃して吹っ飛ぶクノイチ。吹っ飛びながらクロエに対してもさむずあっぷしている。
このままでは水鉄砲バトルが始まらないので、そろそろバトルしよう。
「アタシたちが歴戦の猟兵に勝てるわけないでしょ!」
生粋(?)の引き篭もりアリスが堂々とそう告げておりまして。サージェがマッチング相手を探していたのですがー。
「えー、ちょっとタイミング的にマッチング相手がいませんでしたのでー」
「「えー……」」
がっくりするアリスとクロエ。そんな二人に微苦笑しながらサージェが言う。
「なので、私がお相手しますね」
言うが早いか、分身で二人に増えたサージェ(見た目が一緒なので、紙風船の色が赤と青で違います。紙風船は頭の上)がアサルトライフル型水鉄砲を構える。
「は、はい! せっかく遊びにきたのでアリス様と目一杯楽しむであります!」
サージェの言葉に、クロエはアリスに目配せして。もちろんクロエはアリスとチームである。
そんなわけでアリス&クロエvsサージェ(二人)の水鉄砲バトルが始まったのである!
●
「ここからは真面目に行きますよ!!」
アサルトライフルを構えるサージェ二人(スク水)に対して、アリス(マイクロビキニ)とクロエ(紐)。想像するとすごい構図だが、そこはひとまず横に置いておいて。
アリスの紙風船は太腿の紐に引っ掛けて腰の横にある感じ。そしてクロエは。
「風船はお尻につけて前方からの攻撃はシャットアウトであります!」
「くっ……確かに二人では!」
回り込む余裕なんてなく、唇をかむサージェ。ならば、と真正面から行くべく、二人の隙を探そうと視線を注ぐ。
「えっちな視線で見られてる気がする……」
「すごい風評被害なんですが!?」
アリスがそう呟き、サージェがそう突っ込んだところで、アリスの【リアライズ・バロック】発動。ぬいぐるみ型バロックたちがすっごい勢いで出てきた。
「見てませんよ!?」
「えー……」
クロエですら疑念の眼差しである。まぁさっきの言動が言動でしたし。サージェの自業自得ですね。
そんなこんなしている間に、ぬいぐるみ型バロックたちがアリスの指示で、アリスとクロエを守るように展開する。
「水鉄砲で濡れたら、余計にスケベになっちゃうもの!」
「濡らしますね!」
「そーゆーとこよ!!」
「そういうところであります!」
「しまったぁぁぁぁぁ!!」
アリスの言葉にうっかり反応したサージェに対して、バロックたちが一斉にサージェを向いた。完全に変質者扱いである。寄ってくるなっていう構えである。
「くっ……!」
どんどん守りが固くなっていくアリス&クロエ。このままではどうやっても勝てない、と踏んだサージェ(赤)は果敢に前に出る。
「させないのであります!」
それを迎え撃つようにクロエ(アサルトライフル型水鉄砲装備)がアリスの前に出て、バロックたちの間からサージェ(赤)を狙い撃つ。クロエの水弾がサージェにヒット。しかし、紙風船は割れていない。
「甘い!」
そしてサージェ(赤)が水風船爆弾を山なりに投擲。バロックたちを越えてクロエの体(前面)に直撃、破裂して中の水がまき散らされる。
「ひ、ひぃ。そんなに水を掛けられたら水着がず、ずれてしまうであります!?」
「そ、それはマズいです!?」
水着姿はガン見してたくせに、ポロリ展開は倫理的にヤバいと視線を逸らすサージェ(赤)。その隙にクロエが倫理ガーディアン(【アースジャイアント】だよ)を召喚。自分の前に立たせて、守りの要とする。いや、倫理以外にもサージェの水鉄砲と水風船を防いでいますからね?
そんな奮戦をするクロエを真後ろで見ながら、こくっと頷くアリス。
「やっぱりエッチよねその水着!!」
「が、がーん!? い、いまさらなのであります!?」
アリスのあんまりなツッコミにショックで思わず振り向くクロエ。
「ふははは、私が二人いることを忘れていましたね!?」
クロエが視線を前から逸らした隙に、逆側からもうひとりのサージェ(青)が突撃してきた。だが、クロエからは死角でもアリスからはばっちりバレていた。それに対して、バロックたちが正確に反応する。具体的には変質者をがっちり掴まえた。
「えいっえいっ、アタシも水鉄砲撃つわよ! くらいなさーい!!」
「ぎゃー!?」
そんなサージェ(青)に対して、二挺拳銃なアリスがガード(水鉄砲と視線に対しての)を放棄して攻撃! そして直撃だ!
「ああー!! 私がやられたー!?」
あっさり撃沈したサージェ(青)にサージェ(赤)が頭を抱える。
「隙ありであります!」
「にぎゃぁぁぁぁぁ!?」
その隙を逃すことなく、クロエの狙撃がクリティカルヒット!
自分だからコンビネーションばっちり、とか思っていたサージェ'sの攻撃はあっさりバロックと巨人に防がれて、スク水クノイチは砂浜に沈んだのである。
そんなわけで、水鉄砲バトルはアリス&クロエの勝利。
その後はバトル関係なく、水鉄砲で遊びまくったアリスとクロエ(サージェも混ぜてもらいました)。水で濡れてもポロリはありませんでしたご安心ください!
「はー、楽しかった!」
アリスが満足げに息を吐く。そして視線をクロエに向けて。そう、実はアリスには謝りたかったことがあったのだ。
「ごめんクロエ!アタシがむりやり選んだその水着、やっぱりドスケベすぎよね!」
「が、がーん!? やっぱりそうなのでありますか!?」
アリスの言葉にもう一回ショックを受けるクロエ。サージェの視線がやけに突き刺さるなーとか思ってたけど、やっぱり間違いじゃなかったらしい。
……でも。
「で、でも友達に選んでもらったのはほんのちょっと、う、嬉しかったであります」
「……!」
クロエがちょっとはにかみながらそう告げて。
その言葉にアリスは無言で恥ずかしそうに視線を逸らすのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
甘甘・ききん
【芋煮艇】【ガチ】
ルールは例年の武器だけ禁止な頭上紙風船割団内サバイバル
水着はイラ参
大量の木の葉を湧かし続けて目隠しと盾にしつつ!水鉄砲に装着したスケスケの助で遠隔透過スナイプ!乗り物や召喚物には切符で相乗り・潜入!これらアイテムと妖狐の力を駆使して戦う、無敵の美少女JKアサシン甘甘ききん。召喚した理想のわたし、影武者である
仮に影武者が倒れても、脱落したと思わせ油断を誘うことが出来る。その隙を突いて優勝を狙う真の黒幕、邪悪な妖狐。それが理想のわたし二号、影武者である
一方その頃、二段構えの囮を駆使する策士のわたし本体は、海の家でラムネにソフトクリームを乗せ、自作のフロートを完成させようとしていた
惑草・挧々槞
【芋煮艇】水着はふりふりのやつ。(イラスト参照)
私は初参加の身。旧ルールとの差異で混乱することが無い、という点で優位と言えるわね。(前向き)
装備は主に水風船。それと接近戦用の小型水鉄砲。
『単に妨害するだけなら誰でも出来る』のなら、《不亡な議論》で魍魎(紙風船無し)を喚んで手伝わせましょうか。
自分の水着の推しポイントやら他の人が着ている水着へのコメントやらを訊ねつつ、好奇心旺盛な魍魎共を他者に纏わり憑かせて行動妨害&自身の周囲に肉壁を形成。後は遮蔽越しに水風船を投げて広範囲を攻撃する方策を取るわ。
生半可な攻撃なら魍魎を盾にすれば問題無く防げるとは思うけれど……まあ、不測の事態は出たとこ勝負よね。
ルメリー・マレフィカールム
【芋煮艇】水着は今年の水着イラスト参照
……水鉄砲で戦うのは、初めて。
……でも、やるからには勝ちたい。
水鉄砲は片手に一丁、もう片方の手は自由に使えるようにして、遮蔽物のある場所で待つ。
誰かが近づいてきたら、まずは【走馬灯視】で観察。視線、体の重心、筋肉の動き。そういうものから先の行動を読んで、その後の攻防に役立てる。
相手からの攻撃は、避けるか空いてる方の手で弾く。回避も防御も難しいものは、遮蔽物に隠れてやりすごす。
攻撃に対処し続けて相手に隙ができたら、水鉄砲を[早業]で撃ち込んで反撃。観察で得た情報も使って、避けるのが難しくなるように撃つ。
【アドリブ歓迎】
ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン
【芋煮艇】
水着はJCのもの
こ、これが水鉄砲バトル…!みんな凄い気迫…
両手用の大型水鉄砲と投擲用に腰に水風船で武装、なるべく乱戦に巻き込まれないように立ち回って一対一で戦うようにしましょう!
機動力重視です!不安定な砂浜や森の木々を伝って駆け抜けますよ!これでも翔剣士ですから不安定な場所での身のこなしには自身があるんですっ!
あ…うっかり激戦区のど真ん中に来ちゃった!?に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛たすけて!?(汚い悲鳴)
狙われてたら気づいてない他の人の方に逃げたり大きな何かがあったら駆け上がったり…
と頑張って避けていればもしかしたら他の人達が相打ちになったり物凄い幸運で生き残れるかもしれません!
ジフテリア・クレステッド
【芋煮艇】2021年の水着で参加。
ガスマスク装着。アイテムの○✖ブーツを履く。
初参戦だけど関係ないね。勝つ。
UCとアイテムで足音と存在感を消しながら【ダッシュ】で動き回り戦闘中の皆の漁夫の利【暗殺】を狙っていくよ。常にね。※【継戦能力】
アポカリプスヘルで【サバイバル】経験のある私は隠れた敵を探し出す【第六感】や【索敵】能力も高いつもり。私と同じく暗殺狙いの人も探し出して後ろから撃ってやる。
本当に追い詰められた時はUCでパワーアップした魔界盗賊の技で相手の武器を奪って風船を撃ち抜く…みたいな格好良いことやってみたいな。
今日はアイドルではなく暗殺者としての私の【パフォーマンス】を魅せてあげるね。
ハロ・シエラ
【芋煮艇】
水着は今年の物で行きます。
この戦いの為に新調したと言っても過言ではありません……全力で戦いましょう。
今回はあえて【存在感】を出して皆さんを【おびき寄せ】ます。
基本的にはユーベルコードと【見切り】を用いて回避してからの【カウンター】狙いですが、可能であれば【第六感】で動きを察知し【咄嗟の一撃】で先に紙風船を割ってしまいたい所ですね。
基本的には水風船を【投擲】し、紙風船に直接当たらずとも飛沫で割るという感じで戦います。
【物を隠す】のは得意なので、水着の中に小さな水鉄砲を隠しておいて【早業】で引き抜き【騙し討ち】するのも有効かも知れませんね。
弾が切れたら今年も水の【ブレス攻撃】の出番です!
レン・ランフォード
【芋煮艇】今年の水着を参照
3度目…今年はれんの水着だからやる気120%…
なんばーわんは…れんだ…!
紙風船を頭に今年のれんは騎兵…
UCで大きくなって実体化した幽霊狼のたろー(参照画に一緒にいる子)
に乗ってビーチを駆け回るよ…
移動と防御をたろーに任せて背の上から攻撃…だけと思った?
たろーの尻尾に浸けてた水を散弾のように飛ばしたりするよ…
今UCでたろーとれんは生命力で繋がってる…
一心同体、手足みたいなもの…つまり攻撃は有効…
たろーが体を振るわせて水を飛ばす時は自分のが割れないように注意しないとね…
狙撃はれんの第六感で武器受けで防御かたろーの野生の勘で回避
隠れてもたろーの鼻で追跡するよ
数宮・多喜
【芋煮艇】
さぁて去年はちょっとエンジョイ風味が強かったからね、
今年のアタシは一味も二味も違うよ?
サングラスを掛けて水鉄砲を構えつつ、
『迷彩』のように茂みへ隠れてアンブッシュを狙う。
ここまではほとんど一緒だけど、今年は本気度が違うと言ったろ?
卑怯と呼ぶなら言っとくれ、【超感覚探知】のテレパスで、
ビーチ内のメンバーの状況と思考をリアルタイムで『情報収集』しながら
不意打ちされないように立ち回るよ!
隠れて動く前提だからあまりデカい水鉄砲は使えないからね。
あくまで潰しに行くのは二の次、
とにかくやられないようにする。
出会い頭の邂逅には『咄嗟の一撃』で対抗さ!
芋砂堀りは任せときなー!
ルエリラ・ルエラ
【アドリブ・改変歓迎】
【芋煮艇】水着は今年の物
今回も優勝目指してがんばるぞー
サージェも気が向いたら参加してね
今回はビーチで人気がなさそうな場所の砂の中に潜んで狙撃するよ
攻撃する時は、誰かとの戦闘中・ほっと息をついたとこなんかの油断しているタイミング。仕留められる!と思った時のみ狙撃
<狼耳デバイス>で常に周辺の音を『聞き耳』しながら『情報収集』して索敵・状況判断するよ
接近されたら砂の中に隠してあった<メカ・シャーク号>を起動!<芋煮ハンドグレネード>(水風船仕様)を投げまくりつつ撤退!【ルエリラの勘】を舐めないでほしいね!
周囲を索敵しつつ紙風船付きシャーク号を隠し人気がない場所に潜んで狙撃開始!
●ビーチに乗り込む芋煮艇
今年で3回目の参加となる【芋煮艇】のメンバー。ええ、常連、あるいは歴戦の戦士とはまさしく彼女らのことである。毎年ありがとうございます!
そんなわけで今年もビーチに降り立つ戦士(?)たち。
「今回も優勝目指してがんばるぞー」
とルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)を先頭にビーチに雪崩れ込む芋煮艇メンバー。
「全力で戦いましょう」
ルエリラの後を軽快に歩くハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は静かながら気合十分。立ち止まって伸びをする姿すらもやる気がにじみ出ている。
「3度目……今年はれんの水着だからやる気120%……」
もはや風格(?)すら纏わせながらゆっくりと歩いていくのはレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)。多重人格の3人娘の中、本日の担当は口数の少ない術式担当、『れん』さんらしいです。
「さぁて去年はちょっとエンジョイ風味が強かったからね」
そう告げた数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は肩に脱いだ上着をかけてサングラス姿である。姐さんですか? 姐さんですね。
こちらも冷静を装っている感じでありつつ、狙いは優勝ただひとつ。
「今年のアタシは一味も二味も違うよ?」
にやりと笑う多喜の表情はとても不敵で素敵であった。
これに甘甘・ききん(可哀想な 人の振りをする狐・f17353)を加えた5人が常連さんです。
そして、常連がいるならご新規さんがいるのも必然!
「こ、これが水鉄砲バトル……! みんな凄い気迫……」
ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)が常連組の、穏やかながら並々ならぬ気迫を感じて、若干たじろぐ。この人ら、本当にガチだからね。
「初参戦だけど関係ないね。勝つ」
だがヴォルフスブルクに続くジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)はそう告げて。
「私は初参加の身。旧ルールとの差異で混乱することが無い、という点で優位と言えるわね」
惑草・挧々槞(浮萍・f30734)もまた勝気にして前向きな言葉を口にする。やる気十分、勝つ気十分ということでしょう。
「……水鉄砲で戦うのは、初めて」
そんな中、ルメリー・マレフィカールム(黄泉歩き・f23530)みたいに事実を事実として確認しつつ、武器チェックしている子もいるわけでして。
「サージェも気が向いたら参加してね」
「はーい! さっくり参加しまーす!」
ルエリラの誘いにさくっと乗るサージェは既に戦闘態勢だ。いや、まだ始まらんけど。
というわけで、今年も激戦が予想される【芋煮艇】の水鉄砲バトルです!
●戦い前のチェックはオーケー?
さて、【芋煮艇】の水鉄砲バトルは常に真剣である。
「ルールは例年の、武器だけ禁止な頭上紙風船割団内サバイバル!」
ききんが全員に向かって叫ぶ。
つまり、武器以外は何でもあり。もはや戦争である。いや、去年実際に戦争だった。どういうことなの。
そんなツッコミもなく、メンバーたちはバトルエリアであるビーチ中に散る。開始の合図があるまでは作戦および準備タイムだ。
そんな彼女らを余すことなく、実況するために。そう、この日のためにご用意した高解像度カメラ搭載のドローン(他の人に場所が判明しないように高精度迷彩機能付き)で、メンバーの水着を紹介しましょう!
まずルメリーさん。
「……でも、やるからには勝ちたい」
そう告げる彼女の姿はシャチ(あるいはオルカ)であった。なるほど、シャチ(あるいはオルカ)のパーカー。これはとても獰猛ですね(可愛さが襲い掛かってくるイメージ)。
と思いきや、しっぽがきちんと機能しているようです。ボールを乗せている姿が可愛い。浮き輪もシンプルながらポイント高し! ですがパーカーだけじゃなくて、ちゃんと水着を見ましょう。黒のマイクロビキニですよ奥さん(奥さんだれ)。ギャップで(萌え)殺しに来てるな?
次はハロさん。
今年も新調をしたと思しきハロの水着は、黒のスポーティなビキニ。競技用と思わせるシャープなデザインと黒一色……と見せかけて、アシンメトリーに赤が入っているところがとってもおしゃれでキュート。ハイネックにオフショル、そしてローライズと、腕と足、そして腰回りの可動を邪魔しないデザインは、動き回るスタイルのハロにとてもよく似合っていると思います。
「この戦いの為に新調したと言っても過言ではありません」
……はい?! いえ、確かにデザインはその通りなんですが……えっと、あの、こちら(MS)が感じる圧もすごいんですが!?
そしてききんさん。
清純派妖狐娘、満を持して浜辺に降臨。シンプルなデザインながらセーラー(水兵さんの方)を意識したかのような白と青のセパレートワンピ。シースルーな水玉がさりげなく、それでいてしっかりとキュートさをアピール。
清純と可憐さと快活さを足して2で割った感じ(3じゃないのがポイントです)が、きっと浜辺の視線を独り占め。ききんの髪としっぽの色ともよく似合ってますね。
ジフテリアさん発見です。
ヨシ!(何が)
スレンダーなスタイルに黒のビキニという正統派……と思いながら見ていたら、前のジッパーが危険です。彼女の存在も危険かもなのですが、別の意味で色々危険です、え、それ開く仕様なの? 危険が危なすぎない? 胸元のホルタークロスネックが作り出すトライアングルがとてもセクシーです。
しかしガスマスク! 彼女の必須アイテムとはいえ、もったいない。綺麗な爪先も今は『○✖ブーツ』に隠されていてこちらも惜しい。しかし総じて可愛い。
そして挧々槞。
はい、ワンピース可愛い正義。彼女の白いネコミミネコしっぽ(化猫なので自前)を全然邪魔しない、薄い赤のワンピースに白いフリルがとても愛らしい。クールな挧々槞の表情と相反しているようなワンピのふわっとした愛らしさが、逆に彼女の表情を引き立たせるベストマッチ。オフショルとミニスカで、見せるところをしっかり魅せているのもポイント高い!
と思ったら100歳やった、合法ロリ万歳。ポーズの取り方があざといです(良い)
次にヴォルフスブルクさんです。
正統派黒のビキニきました! それでも零れそう(?)になっているのはどういうことなの、サイズ仕事して。そんな肢体を隠すほどの長い三つ編みの髪も全然仕事していないので、たぶん気流か何かが発生しているんだと思います。
なお、本人曰く『今は装甲が無い』とのことですが、もうこのまま装甲無しでもいいのでは? と思う諸氏もいるはず。水着コンではガレオノイド女性部門でずっと見てました。く、悔しいなんて思っていないんだからねっ!! 私怨はさておき。
結論:隠さなくていいと思います。
「なんばーわんは……れんだ……!」
れんさん見つけました。
なるほどね。今年はこう来ましたか。ここまで来て気付きました、毎年当番制だったのですね。
後方(術式)担当ということもあってか、去年までと比べて(水着の)活動力がダウンした代わりにふわふわ感アップ!
こうやってデザインを見ると白と緑はイメージカラー? それをベースにした中で、れんらしい黄色のフリルビキニが目を奪っていきます。大きなフリルがとても可愛いくて。マフラーとシースルーパレオにあしらわれている小さな花たち、それから対照的な頭の大きなコサージュもとても素敵です。
そしてルエリラさん。
いつも着用の『狼耳デバイス』と『狼尻尾デバイス』がぴこぴこ動いたとしても、全然邪魔しない青のビキニ。胸の谷間で結ばれたリボンがとてもキュート。やはりリボンは彼女のトレードマーク。……なのですが、リボンに目をやると必然的に谷間に目にいく、これはずるい(嬉しい)。ところで、ビキニは青一色と思いきや、肩からのグラデーションが朝焼けのような鮮やかさで目を引きます。シースルーなフリルは天女をイメージしたものでしょうか。色んな要素がうまい具合にベストマッチで、すごく可愛い良き! でございます。
最後は多喜さん。
「芋砂堀りは任せときなー!」
と今年は去年より布面積が減少しつつも、姐さん水着も全開です(なお、健全)。
シンプルな赤いハイネックモノキニ。零れそう(?)なものをしっかり包み込みつつ、動きやすさを重視したデザインのチョイスはさすが多喜。でも上着は着る気ないですねこれ? そんな上着とモノキニが赤に黒……つまり、これはフランス的にはルージュ・ノワールでギャンブル! あ、違います? しかし、水着としてはシンプル・イズ・ベストの極致といえるでしょう!
あとサージェ! スク水! 終わり!
「もうちょっと何かありませんか!?」
ありません。
というわけで水着紹介終了。
これより10人での水鉄砲バトル、開始です!
●バトル1! 忍べてないクノイチvs生粋のスナイパー
開幕直後、サージェは周囲を警戒しながら、まっすぐ海へと向かっていた。
「ふっ……私には必勝の手があるのです」
そう、必ず勝つと書いて必勝である。だが、そんな手が本当にあるのか? あるんです。しかも正攻法で。
「それこそが【VR忍術】水遁・大津波の術!」
説明しよう。【VR忍術】水遁・大津波の術とは、文字通り大津波をおこす術である。今年のルール変更。諸氏が気付いていたかどうかわからないが、実は『紙風船の耐水性』が落ちている。去年までは耐水仕様だったものが今年は耐水ではないのだ(ルールを確認してみると、耐水って言葉は無い)
つまり濡れたら割れる。
そのため、広範囲に『濡らす攻撃』を放つとめちゃくちゃ有利なのである。例えば【シェイプ・オブ・ウォーター】系とか。実は最強の一角でした。
同様にサージェの【VR忍術】水遁の術は当たれば勝てる、という最強の術。これをビーチ全体を飲み込む大津波として放つ。勝てないわけがない。
「ふはははは! 汚いですねさすがクノイチきたない!」
浅瀬で高笑いしながら、発動のためのメモリをセットしようとするサージェ。
「あれ? メモリがない。どこにやったかなー?」
スク水になったせいか、いつもの場所にメモリが無く。どこだろー? と体中を探すサージェ。
「あ、ありましたー! では改めて! 参ります! 【VR忍術】水と……」
ぱぁぁぁぁんっ!!
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ?!」
絶叫するサージェ。それは頭の上の紙風船が綺麗に割れた音でした。
「え、えーと……」
むしろ困惑しているのは狙撃した方……つまりルエリラである。あっさり落とせたのだから。
毎年スナイパーに誇りをかけて参戦する彼女は、今年もビーチで人気が無さそうな場所の砂の中に潜んでいた。そんな彼女の有視界内でサージェが無防備を晒していたのである。メモリをがさごそ探していたので、視線と注意を周囲から逸らしながら。
スナイパーの前で隙を見せるとかどういうクノイチなの。むしろ、『仕留められる!』と思った瞬間、トリガーを引いていたルエリラの腕を褒めるべきだろう。
「まぁ、ルールはルールだし」
浅瀬にがっくり座り込むサージェを確認しつつ、微苦笑するルエリラ。まだ戦いは始まったばかり。
というわけで、ルエリラwin! まずサージェが脱落したのでした。
●バトル2! 野生のもふもふライダーvs音なき暗殺者
というわけであっさりとサージェが脱落した旨が、空を飛んでいるドローンからアナウンスされる。
それは皆に『水鉄砲バトルが始まった』と認識させるには十分であった。
そのアナウンスを聞きながら、れんは胸の前で印を結ぶ。
「おいで、たろー……」
れんの声に応じて現れるのは白い狼。【口寄・数珠丸太郎】で呼び寄せた幽霊狼の数珠丸太郎である。これでもふもふ感もアップだ!
「今年のれんは騎兵……」
そう言いながら頭の上に紙風船を乗せて、れんは実体化したたろーにとうっと跨る。騎乗することでれんとたろーはパワーアップするのだ!
「いくよ、たろー」
れんが声をかければ、たろーが砂浜を蹴って走り出す。この機動力で標的を捉えて攻撃を仕掛けていくスタイルのようだ。騎乗しているれんの手、というかたろーの背には水風船爆弾がいくつもセットされている。
「移動と防御をたろー……攻撃はれん……でいい?」
「~♪」
れんの言葉にたろーがしっぽを振って応える。しっぽももっふもふやでこ奴。
その時。
「……!」
れんがたろーを制止させる。直後、視線で制する……先にあるのは人が隠れるくらい大きな岩。れんとたろーがゆっくりとその岩に近づく……前に、ジャンプ。上空からから飛び掛かる。
「……いない?」
しかし、岩の周辺には何もなく。先ほど感じた視線も今は無い。
「うーん……?」
しかし周辺に脅威はない。改めて駆け出していくれんとたろー。
「……ふぅ」
どうやらしのいだ。ガスマスク越しに吐息が漏れるジフテリア。
狙いどころ……と思ったのだが、少し気が逸ったのかもしれない。それとも相手の野生の勘がすごいのか。
何せこちらは、足音を○✖ブーツで完全に殺し、その存在感すらも【モードチェンジ:魔界盗賊】によって強化済の、卓越した技能で殺していたのだ。そう簡単に気付かれるわけもないのだが……現に気付かれてしまった。
(漁夫の利を狙う作戦だし)
今、真正面からやるには、相手が万全すぎる。
そう、そもそもジフテリアの得手は暗殺。足音も存在感も殺しながらダッシュで移動しつつ、その隙を仕留めるのがジフテリアという存在だ。
(今日はアイドルではなく……暗殺者としての私を魅せてあげるね)
心の中でそう宣言しつつ、ジフテリアもまた次なる標的を選ぶべく、再びビーチの中へ気配を溶け込ますのであった。
●バトル3! 着実な姐御vs装甲が無いガレオノイド
「なるべく乱戦に巻き込まれないように立ち回って一対一で戦うようにしましょう!」
それがヴォルフスブルクの作戦であった。周りのやる気(ガチ度)を鑑みれば、残当と言えよう。着実に、しかし勝つために。ヴォルフスブルクは両手で構える大型水鉄砲を得物としてチョイス。そして腰には投擲用の水風船で武装済。
新参者と、ガレオノイドと舐めないでいただきたい、そんな心持ちを勝手に感じるMSである。
そんなヴォルフスブルクは機動力重視で、不安定な砂浜や森の木々を伝って、バトルエリアを駆け抜ける!
「これでも翔剣士ですから不安定な場所での身のこなしには自身があるんですっ!」
零れた言葉は自信の証。空を駆けるようにしてヴォルフスブルクは砂浜を駆け抜ける。狙撃されやすいであろう砂浜を離れて、茂みへ向かう……その瞬間であった。
「……っ!?」
それは茂みからの水撃。水鉄砲によるアンブッシュ。これをどうにか身を捻って回避するヴォルフスブルク。
「ちっ、やっぱり小手調べじゃ仕留められないか!」
声の主は多喜。アンブッシュは多喜によるものであった。
その多喜はサングラスを掛けて迷彩よろしく、ひっそり茂みに潜んでいたらしい。そこへ駆け込んできたヴォルフスブルクは『飛んで火にいる夏の虫』とかいう感じだったのだろう。
だが自身の言葉通り、ヴォルフスブルクは咄嗟の攻撃を身のこなしでかわす。
「くっ……!」
そして急いで距離を取りながら、多喜がいるであろう場所へ腰の水風船爆弾を投擲!
「おっと」
しかし、ヴォルフスブルクと違って余裕がある多喜は悠々と回避しつつ、改めて距離を取る……そこへ。
「えっ、マジかっ!?」
水風船爆弾の大量投擲弾幕。これはさすがにこれはマズイ。急いでさらに距離を取る多喜。そしてヴォルフスブルクはその弾幕を隠れ蓑に素早くこの場を離れて。
この場は有効打なしの引き分けとなったのである。
●挧々槞vsハロ
今年も軽快にビーチを駆けるハロ。その手には去年までとは違って水風船爆弾が握られている。それでも機動力勝負なのは例年通り。
(今回はあえて存在感を出して皆さんをおびき寄せます)
そのために、とビーチを派手に動き回るハロ。そして……釣れた。
「……っ!」
ハロの頭上から降ってくる水風船爆弾。
だが甘い。ハロはその軌道を見切って回避しつつ、水風船爆弾が飛んできた方へ視線を向け……る前に、手にしていた水風船爆弾をカウンター投擲!
必殺のタイミングで放たれたハロの攻撃を、しかし不意に現れた魑魅魍魎たちが水風船爆弾を叩き落して防御する。
「これは……!」
「『単に妨害するだけなら誰でも出来る』んでしょ?」
ハロの絶句にそう応えたのは挧々槞であった。その挧々槞の周辺に出現しているのは彼女の【不亡な議論】によって呼び出された魑魅魍魎たち。
「ハロさんの水着の推しポイントとか教えてくれる?」
挧々槞の質問に応じて、魑魅魍魎たちがハロへと押し寄せる!
しかし、瞬間思考力によってユーベルコードのタイプを推し量ったハロは。
「この戦いの為に新調した、すなわち勝つ為の水着です!」
質問に答えて一瞬魑魅魍魎たちの動きを制しつつ、すぐさま離脱を選ぶ。しかし追いすがってくる魑魅魍魎たち。
(出し惜しみは……してられません!)
咄嗟に『奥の手』水のブレス攻撃を放つハロ。魑魅魍魎たちの視界と突撃をブレスで押し留めながら、素早くその場から離脱するハロ。
「さすがに慣れてるわね」
ハロを見失った挧々槞がそう呟いて。
この場の攻防はひとまず引き分けである。
●ききんvsルメリー
ビーチの一角に走る影。それは大量の木の葉を風に乗せて纏いながら、木の葉玉(?)みたいな感じで動いていた!
「大量の木の葉を湧かし続けて目隠しと盾にしつつ!」
中に人がいる……そう、これは!
どんどん湧き出る大量の『木の葉』を使い、手にした水鉄砲の銃口には『スケスケの助』(何でも物質を透過する)を装着することで遠距離透過スナイプを可能とした、ききんである。これで我が身を守る木の葉を気にせず、透過させて相手を撃つことができるのだ。
「これらアイテムと妖狐の力を駆使して戦う、無敵の美少女JKアサシン甘甘ききん!」
とまぁ、ききんが軽快に砂浜を駆けているのである。アサシンとはいったい。
そんなききんを遠くからみつめる影……それは岩陰からききんを視認した観察するルメリーであった。
戦闘スタイルは水鉄砲は片手に一丁、もう片方の手はフリーハンド。右手の銃が敵を捉え、左手が攻撃を防ぐという攻防一体の構えだ。そして彼女の作戦を支えるのはユーベルコード【走馬灯視】。
「……見えた」
本来は、走馬灯――すなわち死の間際のように主観時間を引き延ばすことで攻撃を回避する術だが、今日のルメリーはこの『引き延ばした時間』を利用する。モノクロめいた、暗く、冷たい、鈍化する世界の中、ルメリーの視線はききんをはじめとしたメンバーを捉えては観ていた。
観察。視線の動きや、体の重心、筋肉の動き。あるいはききんのように特殊な行動を行う時の癖。そんなものを頭の中に叩き込んでいる最中なのだ。
そう、本番はこれから。まだメンバーたちは全員、本気を出していない。だからこそ、そういう展開になる前にどれだけ想定を重ねるか、が重要だ。
一髪即発な戦況が続く中、芋煮艇の水鉄砲バトルはついに小競り合いから本気の水鉄砲バトルへと進化する!
まさかの、後半へ続く!!
(一度、仕切ります。後半もきちんとお届けします)
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
魔女・ウィッチ
前回依頼時の巨乳化効果継続中
水着も同じ
お色気可
紙風船装着部位お任せ
エンジョイ
くくっ、偉大なる魔女は水鉄砲なんて幼稚な遊びに夢中になったり等せんのじゃ(どや顔で胸たぷーん
我は優雅に甘美な美酒(※ジュース)を味わ…わぷっ!?(被弾
……
このあたしにケンカ売ろうなんていい度胸じゃないっ!!!💢💢
灯箒を召喚、飛び乗りランタンで水をばら撒くわ!
ケンカを売ってきた奴らをブチのめしたいと言う欲望を叶える為、揮杖を欲望具現術で精霊水銃へ武器改造!
海水属性に変更されたUCを発射!
無限に威力上昇する破壊的な水の奔流に飲まれなさい!
偉大なる魔女へ刃向かった己の愚かさを、冥府で後悔する事ね!(死んでません
●
苛烈にして強烈な水鉄砲バトル。そのバトルフィールドの中には基本的に安全な場所は無い(ビーチから離れた休憩所は除く)
……無いんだけれども。
魔女・ウィッチ(偉大なる魔女のサーガ・f33446)は何故か、戦場のど真ん中にあたるビーチの中で、パラソルの下、ビーチチェアに座っていた。黒いフリルに赤いリボンのついた可愛いビキニを纏ったロリにして巨乳な美少女が、こう、海辺でまったりバカンスを楽しんでいる感じである。
いや、待ってほしい。ウィッチってつるぺたんな人だった気がするのですが?
そこには深い(?)理由がある。具体的にはカクリヨパワーのせい。たぶん、カクリヨにいる間は続くんじゃないかな? めいびー。
というわけでロリ巨乳なスタイルのまま、ウィッチはその状況を堪能していたのである。
「くくっ、偉大なる魔女は水鉄砲なんて幼稚な遊びに夢中になったり等せんのじゃ」
ドヤ顔で胸をたぷーんと揺らすウィッチ。これもう愉悦してるな? 悦に入ってるな?
それもまたビーチの楽しみ方としては間違いではない。
……無いんだけれども。
「我は優雅に甘美な美酒(※ジュースです)を味わ……わぷっ!?」
「おっと、誤射してしまいました」
「どう考えても狙撃態勢よね!?」
どこからともなく水鉄砲の狙撃があったりした。もちろんサージェである。そしてウィッチさん、素が出てる素が出てる。
「何の用よ!」
「いやー、水鉄砲バトルのエリアだし、マッチング相手をお伝えにきました」
「……ほう?」
サージェの言葉に、冷静さを取り戻して魔女然たる口調でサージェの次の言葉を待つウィッチ。そう、どう過ごしてもいいけど、基本的には水鉄砲でバトルしてほしい。
「具体的には、マッチング相手いなかったのでゆっくりしていていいですよー、とお伝えに来たのですが」
「何故攻撃してきたのじゃ!?」
「いやー、なんか見過ごしちゃダメだよって天の声が聞こえてきまして」
「このあたしにケンカ売ろうなんていい度胸じゃないっ!!!💢💢」
そんなわけで、ウィッチvsサージェの対決が始まったのでありました。
「きなさいっ」
ウィッチの声に応じて意志ある空飛ぶ箒『魔女灯箒』が飛んでくる。それに合わせて魔女灯箒に飛び乗り、空へ舞い上がるウィッチ。そのついでに柄の先端に取り付けられているランタンから水をばら撒いていく。
「これは……なかなか!」
頭上からの水攻撃は、実はこのバトルでは最強の一角。サージェは回避を優先してウィッチから距離を取る。
サージェが攻めあぐねている間に、ウィッチは箒の上でユーベルコードを発動。『サージェをブチのめしたい』という欲望を叶える為、魔法で『魔女揮杖』を精霊水銃へ武器改造する。
そのまま箒上で精霊水銃を構えて、サージェのいるポイントに銃口を向けて。
「無限に威力上昇する破壊的な水の奔流に飲まれなさい!」
「凶悪すぎませんかーーーーっ?!」
よくわからない原理で、海水属性にかわった【アルカナ・ブラスター】が砂浜を破壊しながらサージェを飲み込む。ギャグシナリオだから許される展開であるほんと。
「偉大なる魔女へ刃向かった己の愚かさを、冥府で後悔する事ね!」
「死んでませんから!?」
そんなわけで海まで吹っ飛ばされたサージェの紙風船が見事に割れて、ウィッチの勝利となったのでした、まる。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【勇者パーティ】
サージェさんが忍ぶことを放棄したと聞いてきてみましたが、
これはたしかに忍ぶどころか大開放ですね。
それはいいとして、水着だと師匠のぺったんが強調……師匠が膨らんで!?
って、えっと、それさみしくならないですか?
(紙風船で上げ底した胸を見つつ)
あ、はい!わかりました師匠!サージェさんも食材ですね!
紙風船狙い?
師匠が本気なのにそんな甘いこと言ってられません。
忍ばない乳の形を変えるくらいの水圧銃で撃ち抜きます!
さ、さすがに動きがはやいです。
こうなったら【Canon】でサージェさんの動きをとめ……。
師匠ー!わたし味方ですよ!何でいっしょに……!?
それとは話が別?どういう意味ですかー!
フィア・シュヴァルツ
【ガチ】【勇者パーティ】【サージェ相手】
水着はセクシーな黒色ビキニ(紙風船製胸パッド付き)
「ビキニだと我がぺったんなのが目立つとか誰かが言い出しそうなので、これでどうだ!」(紙風船胸パッドで胸を張る
さて、これで乳忍者のサージェとも互角(?)だ。
今こそ雌雄を決しようではないか!
行くぞ、我が弟子ルクスよ!
「乳忍者よ、【極寒地獄】によって氷の牢獄に閉じ込められるがよい!
氷も解ければ水。紙風船ごと凍りつかせてくれるわ!」
ついでに、その無駄に目立つ乳も凍りついて、フリーズドライで萎んでしまうが良いわ!
「って、ルクスよ、無差別攻撃とかして我の風船を割る気か!?
ならば、一緒に氷漬けになってしまうが良い!」
●いつかこんな日が来るんじゃないかと思ってた
パーティーメンバーのサージェがなんか面白いことをやっているらしい。
そんな師匠ことフィア・シュヴァルツ(漆黒の魔女・f31665)の言葉を信じて、水着に着替えたルクス・アルブス(『魔女』に憧れる自称『光の勇者』・f32689)さんは、サージェを見つけて挨拶をする。
「サージェさんが忍ぶことを放棄したと聞いて」
「放棄してませんよ!?」
開口一番、存在意義を否定されるクノイチクオリティ。それがサージェである。
「これは……たしかに忍ぶどころか大開放ですね」
「ちゃんと着てますよ!?」
誤解を与えそうなので補足しておく。脱いでないから。普段より肌面積激減してますよね? 開放しているところないですよね? いや、まぁ存在感が大きく揺れることはあるかもですが。
「えっ、(胸の)存在感が大開放です」
「うわぁぁぁぁんっ!!」
勇者に直球で倒されるクノイチの図。だから忍べてないって言われるんですよあなた。
しかし落ち着いて振り返って欲しい。ルクスさん、その言葉っぷりだとサージェがいつもは忍べていることになりますけど、大丈夫ですか?
「それはいいとして」
いいんだ。クノイチ、浜辺で涙を流しながら倒れているけどいいんだ?
「水着だと師匠のぺったんが強調……師匠が膨らんで!?」
「ふはははは!」
満を持して、フィア降臨。高笑いはセットである。いや、そんなイメージあったっけ?
それはともかくとして。
「ビキニだと我がぺったんなのが目立つとか誰かが言い出しそうなので、これでどうだ!」
フィアのチョイスはセクシーな黒のビキニであった。そして紙風船をパッドにしていた。紙風船も肌色に塗る念の入り様で巨乳を模していた!
「いや、自分でぺったんって言ったらバレるじゃないですか」
「これで乳忍者にも負けまい!」
もっとぺたんに誇りを持てよ! そんなクノイチのツッコミはスルーするぺたん魔女。
「って、えっと、それさみしくならないですか?」
「ならん!」
そして弟子のツッコミを一蹴してフィアはサージェの前に立つのであった!
ところでルクスさん水着の指定がありません。なので紐……アッハイ、ライトグリーンのフリルワンピにしておきます。
「さて、これで乳忍者のサージェとも互角(?)だ。今こそ雌雄を決しようではないか!」
何が互角で、何の雌雄を決しようというのか? いや、そういえばライバルって設定あったな?
「行くぞ、我が弟子ルクスよ!」
「あ、はい! わかりました師匠! サージェさんも食材ですね!」
「「おかしい」」
たまに総ツッコミを受ける勇者ルクスである。サージェは食べ物じゃないし、胸はもげない。大事ですよ? 試験に出ますよ?
気を取り直して、フィアが両手に魔力を集中させる!
「乳忍者よ、氷の牢獄に閉じ込められるがよい!」
「くっ、これはフィアさん必殺の……【極寒地獄】!!」
これまで一緒に旅してきた仲間なので、詠唱とかで攻撃の手がわかるんですね。
「氷も解ければ水。紙風船ごと凍りつかせてくれるわ!」
そんなわけでフィアの【極寒地獄】が炸裂! 周辺全体を巻き込んで氷壁の迷路を創り出す!
「ついでに、その無駄に目立つ乳も凍りついて、フリーズドライで萎んでしまうが良いわ!」
「バトルの目的よりも使い方が具体的すぎませんか!?」
絶対ソッチが目当てだろっていうフィアの言葉と凍気がサージェに襲い掛かる! 主に胸に向けて!
だが、サージェには奥の手があった!
「ですが、あまいっ!! フィアさんが氷魔法をぶっぱする未来を想定して、割れるのは水って指定しておきました!!」
つまり氷の間なら絶対割れないのだね。解けるまでの間にフィアを倒せばいいっていう。
「それは職権乱用では!?」
「クノイチはきたないのです!!」
勇者の正論に対して理不尽で突き抜けるサージェ。
「そういうことなら、わたしだって!」
師匠が本気だし、サージェはクノイチきたないし。勇者が手加減する理由はどこにもなかった。
「忍ばない乳の形を変えるくらいの水圧銃で撃ち抜きます!」
「胸の大きさで忍べないなんてそんなことないもんっ!!」
ルクスの猛烈な狙撃(と口撃)に、涙を流しながら回避しまくるサージェ。この辺はクノイチっぽい。
「さ、さすがに動きがはやいです。こうなったら……!」
水圧銃を投げ捨ててルクスが取り出したモノ。それを見たフィアとサージェは思わず二度見した!
「【Canon】でサージェさんの動きをとめます!」
言うが早いか、ルクスが取り出したバイオリンを演奏しだす。そして流れだす『破壊音波魔法』! ユーベルコード【Canon】は不協和音ではない、とはルクス談である。
「ふっ……また話を聞いてない人ですね!」
発動した破壊音波魔法とルクスに向かってサージェは突撃する!
破壊音波魔法が紙風船に直撃するが……割れない。そう、この紙風船は『そういう攻撃』では割れないのだ!
「「ってうるさいわー!!」」
サージェとフィアの息の合ったドロップキックがルクスに炸裂する。うん、まぁ、その、紙風船は割れなくても本人に対する影響はいつも通りですからね。ダメージがえぐいんですよね【Canon】って。
「師匠ー! わたし味方ですよ! 何でいっしょにーっ!?」
唐突な師匠の裏切りに吹っ飛ばされるルクス。そりゃ叫びたくもなる。
「ルクスよ、無差別攻撃とかして我の風船を割る気か!?」
いや、割れないから。ルール聞いてほんと。あと無差別攻撃じゃないから【Canon】。
しかし、紙風船を付けていた者の直接攻撃は紙風船割りに有効と判断される。つまりWドロップキックは有効なので。
ぱんっ。
吹っ飛ばされて地面に倒れた拍子にルクスの紙風船が割れてしまう。
「……あ」
『こんなことで割れるなんて』とは思っていなかったフィアと。
「あーーーーっ!?」
紙風船が割れて叫ぶルクスの図。
いや、落ち着こう。
これはきっと因縁(?)の対決の雌雄を決しろという何かの思し召しなのだ。
「つまり、ぺたん魔女vs乳忍者ですね!」
「ぺたん言うな!」
「忍べてますから!」
ルクスの言葉に、ツッコミ忙しいフィアとサージェでした。
「ふっ……いつかこんな日が来るんじゃないかと思っていました」
「最初から和解の道など無いのだ我らには、な」
氷壁の迷宮の中で唐突にシリアスするサージェとフィア。そう、二人を分かつものは胸囲の格差社会。成長しないフィアがサージェを赦すことなどありえないのだ……。
張り詰める緊張感。……そして。
「【VR忍術】水遁・濁流の術!」
「【竜滅陣(ドラゴン・スレイヤー)】!!」
サージェの忍術とフィアの魔法が激突! 【竜滅陣】の熱量で水遁の水が急速蒸発! ……この現象は『水蒸気爆発』と呼ばれます。
「「「……あ」」」
声を出すのとほぼ同時に爆発に巻き込まれる3人。そしてその爆発は強烈に膨れ上がる圧で【極寒地獄】の氷壁すらも破壊する!
ぱんっ、ぱんっ! ぱぁぁぁぁんっ!!
「何事ですかー!?」
「我の胸がーーー!!」
唐突に全部割れる紙風船。
説明しよう。
【極寒地獄】発動中は『凍らせる力』が働いている。氷は氷のまま紙風船の周りに纏わりついていたのだが、水蒸気爆発の熱量と【極寒地獄】解除で、最初のフィアの目論見通り『氷⇒水』に変わったのだ。
だが盲点がある。【極寒地獄】の説明を見ると『内部に居る者』ってある。フィアさん? 今回、中に一緒に居ましたよね? 実はフィアの偽胸も徐々に凍っていたのでした。
そんなこんなで一斉に割れたってことですね。
「これは……引き分けですね」
「納得いかないんですけど!?」
「我の作戦勝ちでは?!」
審判ルクスの判断に食って掛かるサージェとフィアだが、ルクスは二人を手で制しながら首を横に振る。引き分けである。
そうなると途端に疲れた。
「おのれ……腹が減って魔力が……」
「あ、向こうにBBQコーナー作ってありますよ。休憩所なんですけど」
へたりこむフィアに、サージェがぴっと指をさして説明。バトルばっかでは疲れるので、バトルに巻き込まれない位置に休憩所があるのですね。もちろん食材とか飲み物とかも。
「行くぞルクス!」
「あっはい! サージェさんも一緒にいきましょう!」
「あ、それじゃちょっと休憩しますかねー」
こうして勇者パーティーの面々は、水鉄砲バトルを終えて、いつも通りな宴へと移行したのでした。
いつか、この決着がつく日が……来る? まぁ来なくてもいいかなって思うクノイチでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●【芋煮艇】タグメンバー・後半戦リプレイ●
●前半戦リプレイの訂正
・挧々槞vsハロ ⇒ バトル4! 砂舞う剣vs練達の策士
・ききんvsルメリー ⇒ バトル5! 美少女vs無表情少女
●後半始まります!!
「おー、やりあってますねー」
バトルから離脱した人を収監(?)するための、バトル禁止安全品質(Battle Ban safetyQuality)エリア、略してBBQエリアを設置していたサージェが激化していくビーチを眺めて、そう呟いた。ちなみにドローンが撮った映像もここで確認できるという、高品質な休憩所である。
随所で小競り合いを繰り広げていた【芋煮艇】のバトルも、徐々に勝負を決める一手を打ち始める……すなわち、決戦に向けて戦況を塗り替えていくのであった!
●やられなきゃ負けない
激化する戦況の中。
「さて……」
真っ先に仕掛けたのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)であった。否、正確には『本気になった』というべきか。
「悪いね、卑怯と呼ぶなら言っとくれ」
【超感覚探知】発動。彼女がもつテレパスを最大限に活用するその術で、ビーチ内にいるメンバーと一方通行のリンク。これによって各メンバーの状況と思考をリアルタイムで情報収集しながら、不意打ちされないように立ちまわるのが多喜の作戦であった!
攻撃は最大の防御、というが、逆もまた真なり。『やられない』ことに徹すれば、決して相手は『勝てない』。
(それでも隠れて動くのが前提だからねぇ)
そのために手持ちの水鉄砲もあまりデカいのは選ばず、コンパクトなアサルトライフルを選んでいる。
こうして多喜は最終決戦まで生き残ることに成功するのである。
●想定外ってこわい
砂浜を駆けるハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。ただ駆けるだけではなく、周囲に注意を張り巡らせていて……その背後で動く気配。
(……見つけました!)
立ち止まることなく、前に進みながら反転。振り向いた勢いで水風船爆弾を投擲するハロ!
だが。
「!?」
ゾクっとした感覚。それはハロの第六感が捉えた危機感。
咄嗟に飛び退いたハロの目前で水風船爆弾が破裂する。どちらかというとハロ寄りの場所で破裂したため、水しぶきが雨のように降る。
「……っ」
直前に飛び退いていなかったら確実に負けていた。ハロの視線の先、そこにいたのはルメリー・マレフィカールム(黄泉歩き・f23530)。どうやら障害物に隠れていたようだが、その姿を現わしたらしい。
(ですが、あれで仕留められなかったということは)
こちらの勝機。
そう考えたハロは水風船爆弾を手に、改めて突撃する。
「……」
突撃してくるハロを見据えつつ、ルメリーはひと息ついて。直後、水鉄砲を真っ直ぐ構える。そこから早業の連射連射連射。水弾がハロに襲い掛かる。
(パターンは読めた)
ここまでじっと身を潜めて、【走馬灯視】でハロを捉えていたのだ。攻撃パターンも回避のパターンも、『どう動こうとしているか』の切欠すらルメリーの手の内だ。
観察で得た情報を使って、ハロの回避が難しくなるように撃つ。撃つ。撃つ。
「くっ……!」
ハロの足が止まる。反撃の水風船爆弾は投げられない。投げた瞬間にルメリーに撃ち落とされるのが目に見えている。徐々に追い込まれるハロ。
「……もらった」
足をもつれさせて倒れ込もうとしたハロの紙風船へトドメの一撃。それを放とうとした瞬間……その子は訪れた。
がさがさがさっと茂みが動く。思わずルメリーの視線がそちらへ向く。
「あ……」
そこに立っていたのはヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)であった。しかしあまりの事態に呆然と立ちすくんでいる。
(……なら)
この隙にハロを仕留める。そのつもりで視線を戻したルメリーの視界に入ってきたのはヴォルフスブルクに向けて駆け寄るハロ!
「……!?」
ヴォルフスブルクの出現はハロにとっても予想外であったはずだ。気配を感じないほど鮮やかに軽やかに現れたのだから。それでもハロはヴォルフスブルクに対して瞬時に動いていたのだ。
(助かりました……!)
ハロがヴォルフスブルクに駆け寄っているのは、単純に『この戦況に巻き込むため』であり、共謀しているとかそんなんではない。そもそもハロが迅速に動けたのは【絶望の福音】によって、回避の未来の中でヴォルフスブルクの登場を見たからだ。だからすぐに動けた。ルメリーからの攻撃が止まることがわかっていたから。
そしてこの行動はルメリーに困惑を与えるはずだと。ハロはそれに賭けて、ヴォルフスブルクを巻き込もうとしたのである。
大変なのは巻き込まれたヴォルフスブルクである。
(うっかり激戦区のど真ん中に来ちゃった!?)
ええ、本当にうっかりです。どうしちゃったのほんと。
そして迫ってくるハロ。ガチな表情で一直線にこちらに向かってくるハロである。
「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛たすけて!?」
女の子がそんな汚い悲鳴をあげてはいけません。
しかし、ヴォルフスブルクの行動はことごとくハロに対して有利に働いていた。
近くの大きな岩に向かって猛ダッシュ。ハロから逃げるヴォルフスブルク。
「……しまった」
ルメリーはそこで気付いた。唇をかみつつ、再び水鉄砲を構える。
ルメリーの先読みはあくまで観察によるものだ。つまり、ここまでの観察で出てきていない情報があれば、予測が狂う。
ハロが【絶望の福音】を使ったのはさっきが初めて。
ハロがヴォルフスブルクに駆け寄ったのも今回が初めて。
ヴォルフスブルクが現れたのも想定外。
ハロの意図が『この場での共闘』であるなら迂闊に動けばやられるのは自分。そう、思考した時間の分だけ動きが遅れた。
目の前の光景、すなわちヴォルフスブルクがハロから逃げている以上、この遭遇は偶然。
すぐさまハロへの攻撃態勢へと移ったルメリーであったが、彼女もまたヴォルフスブルクのユーベルコードに巻き込まれていたのである。
「ううっ……どうしてこんなことにーっ?!」
涙目でダッシュするヴォルフスブルク。しかし、咄嗟にユーベルコード【Glück W】を放っていた。もしかしたら無意識かもしれない。
ものっそい悪運というか不運というか。それによって発動した【Glück W】はビーチ内全員から運気を奪って、その代わりに不幸を押し付けていく。そしてヴォルフスブルクに幸運をもたらすのだ!
具体的にはハロから逃げ出すという。
「な、何が起こったのでしょうか?」
ハロが目をぱちくりとする。神風でも吹いたのかという速度でヴォルフスブルクが一目散に離脱していったのだ。呆然としていたハロだが、気を取り直す。幸いにもヴォルフスブルクを追いかける過程で障害物(大きな岩)に隠れることができたのだ。
(ここからなら……)
瞳を閉じるハロ。相手からもこちらからも視界が防がれているのなら。ルメリーの気配を第六感で捉え……一気に仕掛ける!
「……」
岩に隠れるハロに向かって水鉄砲を構えながらゆっくりと近づいていくルメリー。ハロの武器は水風船爆弾。ならば隙を見て投擲してくるのがこれまでのパターン。しかし。
「……っ!」
ハロは岩陰から飛び出し、一直線に向かってきた。紙風船を水風船爆弾でガードしながらの接近。
「……っ」
それでもすり抜けてを期待してルメリーが水鉄砲を連射する。が、やはり決定打にはならない。
(……なら)
ガードに使っている水風船爆弾を撃ち抜く。そのために銃口が動いた瞬間。ハロが水着の中からデリンジャー型の水鉄砲を引き抜く。目にも止まらぬ早業。
しかし。
「……それは知ってる」
ルメリーの観察はデリンジャーの存在を看破していた。だからだまし討ちとはならない。
それでも、自分に銃を向けられれば、それに対する防御に意識が割かれる。銃口がぶれて、狙撃位置がずれる。
だがこのタイミング、この状況。お互いに引き下がれない!
「「……!!」」
二人が強引に銃口を突きつけて、トリガーを引く!
ぱんっ。
紙風船が割れる音がほぼ同時に重なって響いた。
「……くやしい」
「それはこちらのセリフです」
ルメリーの言葉に、ハロがため息とともにそう告げて。同時にリタイアとなったルメリーに対して微苦笑するハロであった。
●化かし合い?
さっき【不亡な議論】で召喚した魑魅魍魎'sが全然満足してくれてない。ハロにしのがれたために『満足するまで』の条件が満たせず、結果惑草・挧々槞(浮萍・f30734)は魑魅魍魎たちを引き連れて移動することになった。そんな挧々槞に近づいてくる者もおらず。
(こっちから仕掛けるしかないかしら?)
問題はどうやって相手を見つけて接近するか、であるが。
そんな時、動き続ける木の葉を球体のガードにしつつ、突っ込んでくる不思議な物体が前から突っ込んできた。
「ふむ……」
あれ参加者? どうやって戦うのかなー? とか思っていたら。
「……っ?!」
まっすぐ。突然、木の葉をすり抜けたかのような水鉄砲の狙撃が挧々槞を襲う。咄嗟に魑魅魍魎を盾にしてガード。
「誰だかわからないけど、やるなら受けて立つわ」
挧々槞の声に応じてか、木の葉球体ガードが展開する。その中から現れたのは甘甘・ききん(可哀想な 人の振りをする狐・f17353)。どういうわけか普段より幾分か美しいききんである。
そのききんが木の葉を目隠しのごとく周辺に展開する。挧々槞たちの視界を遮ってその隙に攻撃してくる作戦。どうやらききんにとっては木の葉は邪魔にならないらしい。
普通に考えれば挧々槞の圧倒的不利。
「そうはいかないわよ」
だが挧々槞には魑魅魍魎たちがいる。全力でききんに向かって駆け出していく魑魅魍魎の一部を自分のガードに残して、挧々槞も水風船爆弾を投擲する。空で破裂した水風船爆弾から水しぶきが飛び散るが、それはききんが木の葉でガード。
一進一退の攻防の中、しかし戦況を優位に傾けていったのは挧々槞側であった。
単純に手数というか、魑魅魍魎たちの数がひどい。わらわらーっとききんに集ろうとするわけだが、この魑魅魍魎たちは水鉄砲では倒せない。つまり、逃げるか、別の何かで吹っ飛ばすくらいしか手が無いのだが、ききんに今そういう手はない。
いかにききんの動きが無敵で華麗だったとしても捕まえてしまえば、関係ない。
「というわけで、チェックメイト」
好奇心旺盛な魑魅魍魎たちがききんを取り囲んで纏わりつき、そして完全に行動を阻害する。そこへ水風船爆弾を一投。空で炸裂して雨を降らす。
ぱんっ、とききんの紙風船が割れた。
「あっけないわね」
こうして、挧々槞がききんを下したのである。
……と油断させるのが、ききんの作戦であった。
「……っ?!」
気配を感じて。挧々槞が咄嗟に水風船爆弾を投げつける。そして水鉄砲も発射!!
だがそれよりも早く。
ぱんっ。
挧々槞の頭の上で紙風船の割れる音がする。
「くっ……」
挧々槞が振り向いた視線の先。そこにいたのはききんであった。もちろん紙風船着用の参加者モード。
「仮に影武者が倒れても、脱落したと思わせ油断を誘うことが出来る」
そう、そこで倒れているききんは影武者。【美女と自助】で召喚した影なる自分である。
「その隙を突いて優勝を狙う真の黒幕、邪悪な妖狐。それが理想のわたし二号」
影武者に負けず劣らず美しいききんがそこにいた。
……が、忘れちゃいけないのが魑魅魍魎'sと挧々槞の最後の攻撃である。
魑魅魍魎'sもまた挧々槞の反応と同時に、ききんに向かって突進していた。そして主の紙風船は割られたわけだが、彼ら自身には紙風船はついていない。そして制止のタイミングが間に合っていない。
なので、ききんをがっしと捕まえる魑魅魍魎's。そして空からはまだ滞空していた挧々槞の投げた水風船爆弾。
「……あ」
真上からばっしゃん、と水が降ってきたききんの紙風船が再び割れる。
ききんの二号(?)もまたここで離脱となったのである。
●目を閉じていたら終わっていた、そんなバトル
(…………)
初志貫徹。ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)はスナイパーに徹していた。もちろん狙撃後にその場に留まるのは愚策。仕掛けた後は移動している……のだが、今回『仕留められる』という隙を見せる参加者がなかなかいない。不意打ちや狙撃に対して警戒しているメンバーが多いのだ。
だからこそ、ルエリラは微塵も動かず、その時をずっと待っていたのだが……。
「……?!」
咄嗟に動けたのはひとえに【ルエリラの勘】によるものだ。砂の中から転がるように飛び出し、『攻撃』を回避する。しかし相手も一発で仕留められるとは思っていないのだろう、連続して水鉄砲を放ってくる。
(出遅れたっ)
それをどうにか回避しながら、とにかく距離を取ろうとするルエリラ。
彼女が索敵で頼りにしていたのは音。『狼耳デバイス』で常に周辺の音を聞き耳して、状況把握・情報収集をしていたのだが。
「……」
無言で水鉄砲を連射し続けるジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)。そう、アポカリプスヘルで生き抜いた経験のある彼女は、その経験を活かし、ルエリラを発見。攻撃に転じた。
ルエリラが頼りにしていた音は○✖ブーツによって殺している。ルエリラの勘さえなければ、確実に取れていたジフテリアの一手。
このまま徐々に追い込まれていくのかと思いきや、ルエリラにも反撃の一手があった!
「こんなこともあろうかと!」
ルエリラの叫びと同時に砂浜の中から砂を巻き上げて出現する何か。あれは……ルエリラの『メカ・シャーク号』! ここでサメきたー!?
そんなわけで素早く飛び乗ったルエリラはその場で旋回。砂の壁を巻き上げてジフテリアの視界を塞ぐ。そして撤退しながら『芋煮ハンドグレネード』(水風船爆弾仕様です)を大量投擲して、後続を断ちつつ撤退! ……しようと思ったら今度は前から現れた。
「くっ……!」
「今日のれんは……神風すら凌駕するよ……」
すれ違いざまの水風船爆弾が空中でぶつかって相殺。撤退しようとするルエリラ&メカ・シャーク号に、れん&たろー(レン・ランフォード(近接忍術師・f00762)と召喚&実体化した幽霊狼のたろー)が追い付いて並走する。
「この……っ!」
メカ・シャーク号で並走するたろーに体当たりするルエリラ。ちゃっかりメカ・シャーク号にも紙風船がついているので、この体当たりでも紙風船を割ることが出来る。
「なんの……」
しかし相手はというか、れん&たろーはシノビの系譜である。それっぽく軽やかにジャンプして回避! 着地と同時に体ごと反転するれん&たろー。たろーのふさふさのしっぽが宙で翻る。
「……!?」
ここでまたもや【ルエリラの勘】。
(なんかマズイ!)
と感じ取ったルエリラはメカ・シャーク号のハンドルをいきなり切ってわざと転倒。そのままスライディングするようにしてメカ・シャーク号を滑らせ、砂を巻き上げて『何か』を回避する!
「……むぅ」
その行動にびっくりしたのはれんである。実はこの反転こそがれんの奥の手であった。『たろーの尻尾に浸けてた水を散弾のように飛ばす』……この不意打ちを決めるために、これまで『れんがアタッカー』というイメージを植え付けてきたのである。
(今、たろーとれんは生命力で繋がってる……)
ユーベルコードの効果によって、もはや一心同体、手足みたいなものといっても過言ではない。れんの推測通り、たろーからの攻撃もまた有効と判断されるものであった。しかし、その攻撃は回避されてしまった。
「たろー……」
追撃、と言いかけて。れんの、否、たろーの野生の勘は新たな攻撃を察知する。
「……わん」
れんが鳴き、察したたろーが『もう一回回って』、わんと吼える。当然、濡れたしっぽが宙に翻る。目標は……背後に迫っていたジフテリア!
「ちっ!」
思わず舌打ちするジフテリア。
どうしてこうも勘が鋭い者ばかりなのか。【モードチェンジ:魔界盗賊】によって、音を立てずに、気配を殺す技能も普段の何倍にもなっているというのに。
だが、そういう技術を上回るのが『勘』というものだ。
タイミング的に回避できず、水弾散弾で紙風船を割られるジフテリア。
「むふー……」
ちょっとご満悦のれん……が気付いた時には、逃げる範囲が無いくらい、空から芋煮ハンドグレネードが降ってきていた。
「あ」
慌てて回避しようとするれんに向けて、膝を立てた態勢で銃を固定したルエリラからの狙撃!
「もらったよ!」
確実なタイミングで以て発射された水鉄砲は、しかしれん&たろーの機動力で回避される……もそんな時のための、芋煮ハンドグレネード弾幕である。
れん&たろーが着地した先に、水風船爆弾。
「やられた……」
ぺっしょり濡れたれんとたろーがしょんぼりしていたのでした。
●ドジっ娘属性を付与してもいいですか?
「……あ」
またもや、である。
ヴォルフスブルクは逃げ回っていて駆けまわっていて、そして何故か、たった今れんを降したルエリラの前に現れた。しかもルエリラが再び狙撃体制を整えようとする前である。
唐突に張り詰める緊張感。というか、ルエリラは速攻、攻撃態勢に移った。
「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!!」
だから女の子がそんな汚い悲鳴をあげてはいけません。
しかし叫びながらもヴォルフスブルク、今回は攻撃を選ぶ。ルエリラ狙撃手だからね。背中見せたら負けるよね。
「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!!」
それやられている悲鳴だから。そんな悲鳴をあげつつ、腰にあった水風船爆弾を全投擲、後に両手に大型水鉄砲を構えて水の続く限り発射するヴォルフスブルク!
「……!」
ここにきて、ようやく水鉄砲同士の、純粋な撃ち合いになった! ルエリラが横っ飛びで回避しつつ、態勢を崩しながらも自分のスナイパーライフルから狙撃。
「にゃぁっ!?」
しかし、【Glück W】の幸運が効いているのか、ルエリラの狙撃は宙を舞っている水風船爆弾に阻害される。
もはや、ガレオノイドというか、にゃんこキマイラなのって感じのヴォルフスブルクだが、どうにかルエリラの攻撃を防いでいる。
(頑張って避けていればもしかしたら物凄い幸運で生き残れるかもしれません!)
そう、そのためにも今まで全力で逃げ回ったり大きな何かがあったら駆け上がったりして、攻撃を回避してきたのだ。このままいけば……!
「それは甘いんじゃないかなー」
いつの間にやら背後に回り込まれていたっぽい。至近距離からのルエリラの一撃でヴォルフスブルクの紙風船は、ぱんっ、と軽快に割れたのでした。
●終戦
残るは多喜とルエリラ。
勝った方が優勝となる……!
しかし、ここでアクシデントである。どういうことかというと。
ルエリラは改めて狙撃ポイントを決めて潜んでいたし。
多喜は多喜で『とにかくやられないようにする』ことを前提に動いていたため、あまり積極的に仕掛けていかなかったのだ。
もちろん残り二人になった時点で仕掛けると多喜は決めていたのだが……相手がスナイパーなルエリラではちょっと分が悪い。勝ち目があるとすれば接近戦だが、問題はどうやってそこまで持ち込むかというところだった。
(ここまで来てやられるのも……)
という欲が出るのも仕方がないこと。攻めあぐねる多喜。そして時間ばかりが過ぎていき……。
「えー。勝負付かないので現時点でしゅーりょーとしまーす!」
サージェが審判権限で水鉄砲バトルを終了させたのでした。
最後まで残ったのは多喜とルエリラ。ここは間違いない。ならば後は何で差を決めるか。
「撃沈した相手の数ですね」
となると……。ルエリラに軍配があがった。
勝者ルエリラ!
こうして芋煮艇の水鉄砲バトルは終戦となったのでした。
●終わった後はBBQだよ!
「はーい、いっぱい食べてくださいねー」
かげぶんしんの術でいっぱい増えたクノイチが海の家という名のBBQエリアで頑張っていました。
イカ焼き、串焼き、焼きそばにかき氷、ドリンクもいっぱい用意してあって、そこの海でたった今クノイチが獲ってきた貝とかも磯焼きされている。
そんなより取り見取りの食べ物を手にしながら、芋煮艇の面々はバトルの後を労っていたのだ。
「っていうか、時間切れとか聞いてないんだけど」
肉の串焼きにかぶりつきながら多喜がちょっと愚痴っていた。さもありなん。
「でもまぁ、私も動く気なかったし。下手したら二人とも干からびていたかもよ?」
ちゅー、とタピオカならぬ芋煮の冷や汁(自前)を飲みながらルエリラがうんうん頷く。
「たろー……いっぱい食べていいよ……」
「~~♪」
れんの忠実なわんこ……じゃなかった狼、たろーが目の前に出された海産物をあぐあぐ食べている。そんなもふもふをなでこなでこするれん。
「最近、最後が理不尽になってきている気がするのですが」
去年は最後まで残りながら、とあるメイドさんの分身に押し流されたハロさん。今年も全員の思考を読むというテレパシー。もはや水鉄砲バトルとは、といった感じだ。
しかし、バトルした感触は確かに手に残っていて。それは決して不快なものではない。
手にしたイカ焼きを、最後まで競り合ったルメリーにぽすっと手渡して、自分ももぐもぐ食べ始めるハロ。
「……次は、勝つ」
ルメリーの言葉はハロに向けてか、あるいは全員に向けてか。とりあえずイカ焼きが美味しそうなので食べる。もぐもぐ。今度は予想外から訪れる何かに対策を打たないとね。
「テクニックやパフォーマンスの向上だけじゃ無理だね、これは」
「幸運だけでも無理そうです……」
帆立のバター焼きを突きつつ、ジフテリアは戦いを振り返る。戦術をひっくり返すレベルの勘には、暗殺すらも通じない。否、あるいはその道を突き抜ける方がいいのか。そんなことを悩みながら、帆立を食べているジフテリアの横では。
ヴォルフスブルクがかき氷を涙目で食べていました。ええ、戦闘を思い出してじゃなくて、キーンってなっているだけです。
「…………ききんさんは?」
その言葉は一匹丸々の焼き魚を口にくわえていた挧々槞のものであった。
そういえば、ききんの姿が無い。
「あー……」
「心当たり、ある……?」
多喜の意味ありげな声にれんが首を傾げる。
「……まさか」
ハロも何か思い当たったようだ。
「……?」
首を傾げるヴォルフスブルクに、静観するジフテリアとルメリー。挧々槞の視線が多喜に注がれる。
「あー、その、なんだ。この戦場にいないよ、ききん」
「えーーーーっ!?」
多喜の言葉にルエリラが叫ぶのでした。
そんなこんながあった頃。
ざざーん、ざざーん。
波打ち際の音が殊更響く海の家(BBQエリアとは別のところ)
二段構えの囮(!)を駆使して優勝を目指す作戦を取っていた策士のききん本体は。
「…………」
そこでひとり陣取っていたききんは、ラムネにソフトクリームを乗せ、自作のフロートを完成させようとしていた。
「ふっ……」
ご本人はご満悦でした。ちゅー。
●
そんなこんなで、各々の水鉄砲バトルを戦い抜いた猟兵たち。
リフレッシュになったのかもしれないし、あるいは新たな目標が得られたかもしれない。変な因縁が出来ていないと思いたい。
そんな日常を満喫して、糧にして。
猟兵たちはまた『戦いの日常』へと戻っていくのであった。
最後はカッコよくまとめてみました!