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蒼穹のファム・ファタル

#ブルーアルカディア

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●蒼穹のファム・ファタル
 何処までも広がり続いていく青――その中を飛ぶひとつの影。
 それが此度の勇士たちの、ファム・ファタル。
 今回射抜くと決めたファム・ファタルは多数の天使の翼を生やした魔獣。
 愛しい女のように追いかけて、捕まえて。駆け引き重ねて、捕えるだけ。
 人間も、ガレオノイドも、エンジェルも召喚獣も。メンバーは多種多様。様々なものたちが気が合うからと集った勇士の飛空艇はファム・ファタルを追いかける。
 ファム・ファタルを射止めたら、そしたらいつものあの街にて祝宴だ。
 とどめを刺した者にはファム・ファタルへの最後と最初の口付が許される。
 今日も追いかけて、恋の終わりを迎えて。
 また新たな恋を始めよう。
 そんな風に、いつもと変わらぬ歌を歌っていたけれど此度のファム・ファタルは勇士たちへと終わりを導くものだった。

●予知
 ブルーアルカディアで魔獣退治を請け負ってくれんか、と終夜・嵐吾(灰青・f05366)は切り出した。
「わしが皆を送るんはある勇士たちの飛空艇の上」
 送ったら戦闘の真っただ中じゃと嵐吾は言う。それは空賊に襲われている最中だから。
「襲われておるところを、手助けとばかりに乱入じゃね。勇士は猟兵じゃいうたら受け入れてくれるじゃろう」
 手早くぱぱっと、空賊を追い払うことがまず最初にする仕事。
 その次は、この勇士たちと共にある魔獣を倒す事が仕事となる。
「その勇士らはな、狙っておる魔獣をファム・ファタルと呼んでおる」
 愛しい女――狙った獲物をそう呼んでいるのだ。ただ追いかけるだけではつまらないからと愛着持つように。
 命を懸けての戦いとなるけれど、悲壮なものにはならぬようにと。
「と、いうものの。このまま戦えば撃墜されてしまう」
 わしの予知ではそうなっておるんじゃと嵐吾は告げる。そしてそうならぬように向かってくれということなのだと。
「戦いは空の上でのことになるが、魔獣は狙いを飛空艇と思っておるからの」
 近づいてくるし、甲板に降り立つこともあるだろう。引き寄せたり、などもできるだろうし勇士たちにこういう動きをと願えばすべてうまくいくかはわからないが、動いてもくれるだろう。
「まぁ、皆なら何とかするじゃろ。無事に倒して終わったら、勇士らがよく立ち寄る街へと連れてってくれるじゃろ」
 獲物をしとめたら、やることはひとつ――そう、宴会。
 きっとおいしいものが待っているはずじゃと言って嵐吾はその手のグリモアを輝かせた。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 詳細な受付期間については【マスターページ】【シナリオ上部のタグ】で案内しますのでお手数ですが確認お願いいたします。
 全章、冒頭公開後からプレイングをいただければ幸いです。

●シナリオについて
 第一章:冒険『空賊の襲撃』
 第二章:ボス戦『???』
 第三章:日常『おいしい魔獣』
 以上の流れとなっております。

●お願い
 お二人様の場合はご一緒する方がわかるように互いに【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。(続けて二章、三章参加の場合、IDについては必要ありません)
 ご協力よろしくお願いします。

●三章について
 三章のみの参加大歓迎です。
 魔獣料理を美味しく楽しく食べよう!
 そんな感じです。
 ご希望があれば、一、二章でかかわった勇士たちと一緒にも可能です。
 お声がけあれば嵐吾も遊びに参ります。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 冒険 『空賊の襲撃』

POW   :    迎え撃って徹底抗戦だ!

SPD   :    スピード勝負で包囲を潜り抜けろ!

WIZ   :    敵の連携の隙をついて優位を取れ!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 広がる青の世界を悠々と飛ぶ飛空艇。
 いつもと変わらぬ空の旅。いや、空の旅には危険もつきもので、突然現れた小物の魔獣を打ち取って、浮気だなんだと笑いあったり。
 けれどそれは当たり前だ。この飛空艇『蒼嵐号』の勇士たちにとっては。
「ねぇ、今回のファム・ファタルの姿まだみつからないの?」
「うーん、まだだなぁ」
 遠くを見つめてその姿を探す。
 物見台に乗って、けれど周囲を見回さないのはエンジェルの少女だ。彼女の視線は隣に向いている。そこで遠くを見ているのは新入りの人間の青年だ。これは新入りの仕事だ! と請け負って、少女はお目付け役の様子。
「もー! いつもならさくっと見つかっててもおかしくないのに!」
「ファム・ファタルの姿はないけど……なんかこっちに向かってきてる飛空艇はある」
「え?」
 ちょっと貸して! と少女は彼の望遠鏡を奪い取った。
 そして青年の示した先を見れば――確かに後方からこちらに真っ直ぐ向かってくる飛空艇がある。
「!! 敵襲だよ!! 空賊だー!!」
 少女は声を上げ、物見台にあった金を鳴らす。するとどうしたと他の勇士たちも顔をだし、空賊の訪いに気づくのだ。
 気づいたなら、素早く。
 飛空艇には非戦闘員も載っている。医者や料理人は安全な場所に引っ込んで、甲板に残るのは血気盛んな勇士たち。
 向かってくる飛空艇は横に並ぶようにやってきてあっという間に縄を引っかけられ、橋を渡され空賊たちが乗り込んでくる。
「野郎ども! 勇士どもの船だ! いいもんため込んでるはずだぜ!!」
「全部かっさらっちまおうぜ!」
「そうだな、この船もな!!」
 なんて、ゲラゲラ下品な笑い声とともに襲撃者、空賊たちは高らかに笑う。
 けれど、勇士たちも迎え撃つ準備は先にできているのだ。
「私に砲撃を打ち込めばもっと簡単に攻撃できるというのに……思いのほか紳士的な方なのでしょうか」
 そう紡ぐのは、この飛空艇であり勇士たちの長たる女。礼儀正しい物言いに、空賊たちは笑って返す。
「そりゃあ無傷で船を手に入れたら、次はこの船で別の船を襲撃するんだよ!」
 空賊たちは自分たちが勝つと、思っているのだ。
 開けた甲板にそれぞれ立って、勇士たちは10人程度。空賊たちは、20人と数の有利を得て勝ちを確信しているようだ。
「皆、あちらの方が人数が多いからと言って」
「怖気づくわけないっしょ~! 船長は下がってて!」
 どんと前にでたのは立派な翼をもつエンジェルの男だ。その身にはあまたの傷を刻んで、いくつも戦いを超えてきたのがわかる。
「ふふ、ではお任せしましょう」
 ガレオノイドの女は笑って、男に先を託す。
 が、空賊も飛び掛かるのは同じ――と、いう所で。
 二者の間に放り出された猟兵たち。突然のことに、空賊たちも勇士たちも瞬き零す。
 しかし、動きを取り戻したのは空賊たちの方が早かった。
「なんかわかんねぇが、そいつらも空へ放りだしちまえ!!」
 わぁっと声があがって乱戦が始まる。
 空賊たちは猟兵たちへも切りかかり、勇士たちは空賊たちを狙い攻撃をかける。
 空の上での戦いは、始まったばかり。
ナスターシャ・ノウゼン
いつの時代も人間は人間同士で争うのはなんでじゃろうなぁ。自分から種の数を減らすとか馬鹿じゃよなぁ。ま、妾これでも一応猟兵じゃし。依頼はちゃーんとこなすから安心せい。……なにせ宴会付きと聞いとるからの!

空賊共を一匹ずつ相手にするのも面倒じゃのぉ……まとめて燃やし散らかすか。
まずは動きを止めるために斧錨を敵のど真ん中に投げ込んでーっと。……ぁ、飛空艇ちと壊しちゃうかもしれんが、どんまいじゃよ!
んでもって、ほい。
≪紅蓮天撃≫
斧錨と妾から噴き出す地獄の炎で一網打尽と。あぁ、消そうと思っても無駄じゃぞ?なにせその炎は、おぬしらが絶命するまで苦痛を与えるでな。諦めて身投げでもするといい。



 賑やかな場所じゃなと、放り出された甲板にてナスターシャ・ノウゼン(召喚獣「イフリート」・f33989)は思うのだ。
「いつの時代も人間は人間同士で争うのはなんでじゃろうなぁ」
 自分から種の数を減らすとか馬鹿じゃよなぁ、と零しながらナスターシャはその手に武器を持つ。
「ま、妾これでも一応猟兵じゃし。依頼はちゃーんとこなすから安心せい……なにせ宴会付きと聞いとるからの!」
 ナスターシャの手にあるのは、炎斧錨イグニス。ナスターシャが拾った、大破した飛空艇の錨だ。
 ナスターシャへも空賊たちは向かってくる。
 しかし――
「空賊共を一匹ずつ相手にするのも面倒じゃのぉ……まとめて燃やし散らかすか」
 数が多い。一人ずつ相手にするのは面倒だとナスターシャは思う。ならまずは動きを止める事なら。
 斧錨を、敵の集まるど真ん中へとナスターシャは投げ込んだ。
「……ぁ、飛空艇ちと壊しちゃうかもしれんが、どんまいじゃよ!」
 どんと甲板にめり込むように落ちた斧錨。それに空賊たちが意識を向けた瞬間に。
「んでもって、ほい」
 ごうと、炎が巻き上がる。
 斧錨と、そしてナスターシャ自身から噴き出すのは地獄の炎。それに追い立てられて空賊たちは逃げ惑う。
「あぁ、消そうと思っても無駄じゃぞ?」
 なにせその炎は、おぬしらが絶命するまで苦痛を与えるでな――と、ナスターシャは笑って。
「諦めて身投げでもするといい」
 その言葉に空賊たちは我先にと離れて逃げていく。それに勇士たちも、飛空艇に炎が燃え移ってはと空賊たちを彼らの船へと叩き返しているようだ。
 空賊たちが慌てて自分たちの船ろうとする。けれど、船にいる空賊たちは彼らを受け入れたくはない。
 それでどうなったかといえば、悲鳴が響く。船から放りだされたのかも、しれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウヤ・シュバルツ
お調子者なシーフの青年。
相棒の結華(f01731)と一緒に参加。

船の上に軽やかに着地し
「悪いな、お取込み中だったか?」
周囲を見渡しながら、結華に返答する
「分かってるよ」
賊に向かって気だるげに
「アンタらはただの人間みてぇだから忠告してやるけど、降伏するなら痛い目に合わずに済むぜ?」
怒り襲ってきた賊の動きを見切り、最低限の動きで避けつつカウンターの手刀を放つ。
「まぁ、そうなるよな」
表情を引き締め、体に風の魔力を纏う。
「なら、この世界での肩慣らしだ」
敵陣へ静かに拳を向け
「さぁ、スピード勝負と行こうぜ?」
UC使用、残像を生み出す高速移動で敵を通り抜けながら、拳や蹴りで無力化する。
「疾風の如く、ってな」


御門・結華
ユウヤ(f01546)をマスターと呼び従う魔動少女。
何事にも冷静。ユウヤには辛辣だが信頼は厚い

ユウヤの後ろに佇むように出現し
「マスター。予定通り、襲撃の真っ最中のようです」
空賊とやり合うユウヤを背景に、勇士たちへ一礼
「突然お邪魔してしまい、すみません」
「私たちは猟兵です。お手伝いに参りました」
ユウヤの取りこぼした敵が襲ってきたら、優雅に怪力で殴りつけ
「……マスター、敵を取りこぼされています。キャバリア戦にかまけて生身の戦闘が鈍ったのではないですか?」

腰のケースから桜の精のカードを引きUC変身
長髪が黒く、防具改造で桜柄の和装、武器改造で桜花の印が刻まれた日本刀を装備
「邪なる心を断て」「桜華一閃」



 空賊と勇士たちの戦いの最中に放り出された猟兵達。
 飛空艇の甲板では双方入り乱れての戦いがすでに始まっている。
 船の上に軽やかに着地して、ユウヤ・シュバルツ(白銀の疾風・f01546)は目の前の男――おそらく空賊の男だろう。悪い顔した男へと笑いかける。
「悪いな、お取込み中だったか?」
 けれどお構い無しに刃を振り下ろすのをおっと、と避けるユウヤ。
 そして近くから重なる、戦いあって響く刃のぶつかり合う音をユウヤは聞いて御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)へと視線向ける。
 ユウヤの後ろに佇むように結華は立って、静かに告げる。
「マスター。予定通り、襲撃の真っ最中のようです」
 その間にユウヤは向かってくる空賊と刃を交えていて。攻撃受けながら、分かってるよと結華へと言葉向ける。
 そして向き合う空賊へとけだるげに。
「アンタらはただの人間みてぇだから忠告してやるけど、降伏するなら痛い目に合わずに済むぜ?」
「そう言われて、するわけねぇだろ!!」
「まぁ、そうなるよな」
 だよな、と言いながらその動きを見切り、相手の勢いいなして避けつつその首筋に手刀を落とすユウヤ。
 ユウヤは気だるげな雰囲気をかき消し、表情引き締めると身体に風の魔力を纏う。
「なら、この世界での肩慣らしだ」
 ユウヤは敵がたむろする場所へ静かに拳を向け。
「さぁ、スピード勝負と行こうぜ?」
 その身を魔力を使って饗かして、高速移動で通り抜けながらその身に一撃を加えていく。
 拳に蹴り、突然攻撃されたと思ったらその相手はもういなくて、空賊たちは自分たちが認識する前に倒れている。
 その様子を見つつ、結華は勇士たちへと向き直った。
「突然お邪魔してしまい、すみません」
 船長たるガレオノイドの女性は、指示をしたりと戦いには今のところ加わっていない。そんな彼女へと結華は礼儀正しく、ユウヤの代わりに一言挨拶を。
「私たちは猟兵です。お手伝いに参りました」
「力を借りれるなら感謝するばかり。戦闘は、任せてよさそうですね」
 彼女は戦うユウヤの姿を見て、お願いしますと軽く会釈する。空賊たちの方が、数が多い。甲板に乗れそうな人数を見て送り込んでいるようだが、まだ動けるものは船にいるようなのだ。
 結華は、その様子を見つつはいと頷いて、身を翻す。
 自分も戦いに加わるために。
「……マスター、敵を取りこぼされています。キャバリア戦にかまけて生身の戦闘が鈍ったのではないですか?」
 その声にユウヤはそんな事ないだろと返す。
「疾風の如く、ってな」
 この通り、と空賊を倒して見せる。
 結華も、腰のケースから桜の精のカードをもって精霊をその身に宿す。
 その髪は黒くなり、桜柄の和装を纏い桜花の徴刻まれた日本刀とする。
「邪なる心を断て――桜華一閃」
 結華へと飛び掛かってきた空賊を一閃する。
 倒れる空賊は、死んだわけではない。しかし、このまま甲板に寝かせておくのも、と見ていると勇士たちがそーれと空賊たちの船へと上手に投げ返していた。
 なるほど、ああすればいいのかとユウヤも同じようにお返しと、倒した空賊を彼らの船へと投げ返していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
【箱蛸】

飛空艇か、興味深いな
それに…ふふ、友は随分と楽し気な只中に放り出してくれたものだ
きよきよ、今回も色々と期待している(微笑み

まずは船長に声を
突然の介入、失礼する
俺達は賊を取り締まる任で参じた
そして此方は、きよし大佐
敵を愉快に攪乱する伝説の達人だ
更に、いつでも嫁にいけるほど料理が美味い
ああ、西瓜でも南瓜でも美しく割れるぞ(?
そんな俺達が助太刀しよう
等と適当に言いくるめ信頼を

きよしが色々な意味で敵の注意引く隙に
UCで強化、賊の攻撃ひらり避け反撃し華麗に縛り上げよう
賊はお縄に…おっと、きよし大佐
手が滑った、すまない(謎縛

恋の如き駆け引きも楽しみだな
きよし大佐はきっとモテモテなのでは?(フラグ?


砂羽風・きよ
【箱蛸】

スゲー!ロマンが溢れるぜ!
おう、大船…いや、飛空船乗ったつもりで任せとけ!

はっはっは、俺達が来たからもう安心だ!
そう、俺は――ってきよし大佐?!俺大佐なのか?!
マジか、そんな大役仰せつかってたのか、俺…

んじゃ、雅は大将だな!
大将はやべーぜ。片手でリンゴが割れるくらいやばい
え、スイカも割れるのか?!こえーよ!

つか、愉快に攪乱した覚えねーぞ?!料理は確かに…旨いけどな!
ま、とにかく助けに来たってことだ!

ほーれほれ、この旗格好良いだろー
のぼり旗を振り注目を集め
後は大将がなんとかしてくれるはずだ

って、おいおい!俺を捕まえてどーすんだよ!
俺は仲間だ!きよだ!

え、この世界だと俺モテるのか?
マジで?



 とんと、飛空艇に降り立った筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)とどすんと降り立った砂羽風・きよ(タコヤキカレー・f21482)。
 世界が変わって視線を巡らせ零れるのは。
「スゲー! ロマンが溢れるぜ!」
「飛空艇か、興味深いな」
 それに、と清史郎はふふと笑み零す。友は随分と楽し気な只中に放り出してくれたものだと、この喧騒に瞳細めた。
「きよきよ、今回も色々と期待している」
「おう、大船……いや、飛空船乗ったつもりで任せとけ!」
 そして、最初に船長たる女へと声をかける。
「はっはっは、俺達が来たからもう安心だ!」
「突然の介入、失礼する。俺達は賊を取り締まる任で参じた」
 そして此方は、と清史郎はきよへと視線を向け。
「きよし大佐。敵を愉快に攪乱する伝説の達人だ」
「そう、俺は――ってきよし大佐?! 俺大佐なのか?!」
 俺が知らないだけか!? と困惑もつかの間。
「マジか、そんな大役仰せつかってたのか、俺……」
 きよはするりとその言葉をするりと受け入れる。その様を清史郎はにこにこと眺めて。
「更に、いつでも嫁にいけるほど料理が美味い」
「んじゃ、雅は大将だな!」
 そう言って、きよは実力あることを伝えるべく。
「大将はやべーぜ。片手でリンゴが割れるくらいやばい」
 リンゴ真っ二つを想像して告げる。素手ですぱっとのイメージだ。
「ああ、西瓜でも南瓜でも美しく割れるぞ」
「え、スイカも割れるのか?! こえーよ!」
 と、きよは突っ込むが清史郎は涼やかだ。清史郎は腰にある刀を使えば何でも美しく真っ二つ。きよはそのことを忘れている。
 しかし実力があることは伝わったはずだ。
「つか、愉快に攪乱した覚えねーぞ?! 料理は確かに……旨いけどな!」
 きよしはいつも愉快に敵を攪乱しているぞ、と清史郎は様々な場面を思い出しきよに微笑んだ。しかしなぜ微笑まれたのか、きよはわからない。いやきっと料理が旨いに微笑んだのだろうと思うのだ。
「ま、とにかく助けに来たってことだ!」
「なんだかよくわかんねぇけど、そのへんの空賊を任せた!」
 そして、後で料理もなと男から託されたらいざ戦場へ。
「ほーれほれ、この旗格好良いだろー」
 ぶんっと『きよしの屋台』ののぼり旗をふるきよ。こっちに注目だと云わんばかりの挙動だが清史郎がいるからだ。
 後は大将がなんとかしてくれる――そう思ってちらっとすると以心伝心。
 賊を華麗に縛り上げようとその手に縄を持っていた。
 空賊たちが目立つきよに意識を向けたなら、清史郎はその攻撃ひらりとよけ反撃し、華麗に縛りあげていく。
「賊はお縄に……」
「うおっ!?」
「おっと、きよし大佐。手が滑った、すまない」
「って、おいおい! 俺を捕まえてどーすんだよ!」
 たまにこのような失敗もある、と言いながら清史郎は縄をほどかない、そのままだ。
 このまま空賊の船に間違って運ばれそうな危険すらある――きよは雅! と呼んで。
「俺は仲間だ! きよだ!」
「そうだな、きよし大佐だ。ところできよきよ」
 恋の如き駆け引きも楽しみだな、と空賊を新たに縛りながら清史郎は言う。
 もちろん、魔獣との戦いのことなのだが。
「え、この世界だと俺モテるのか?」
「きよし大佐はきっとモテモテなのでは?」
「マジで?」
 期待を抱くきよ。ブルーアルカディアでモテモテフラグ――フラグ。
 そう、何かのフラグが立っていた。それはきっときよの望むフラグでは(いやある意味は望んでいるのだがそうでは)ないに違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

皐月・灯
【はなあかり(f00523)】

確かにお前好みっぽい場所だが……声がでけーんだよ。
はしゃぐのも程々にな、鉄火場真っ最中だぜ。

構わねーよ、お前が騒ぐのなんて織り込み済みだ。
つーか、お前に付き合うのは慣れてる。

オレは空は飛べねー。けどな、そりゃてめーらだって同じだろ。
いいや同じさ。
ブッ飛ばしちまえば、どいつもこいつも落ちるだけだぜ。

飛空艇の上を歩いて、真っ向から空賊に接近。やるこた単純だ。
連中に先に攻撃させた瞬間を【見切り】、【カウンター】の《猛ル一角》を合わせる。

そんで、空を渡る必要があるなら……花雫!
呼ぶだけでいい。あの女は合わせる。

お前だって慣れてんだろ、花雫?


霄・花雫
【はなあかり】

わっ、わぁーー!空だ!!
急にドンパチ真っ只中に放り出されたことより、空を飛ぶ船の上であることが嬉しい
灯くん灯くん空!やったー!
良いなー良いなー空の世界!

あ、ごめんちょっとテンション上がってた!
ふふ、別に放り出してくれても良いんだよ?
やれるもんなら幾らでもどーぞ!
だって、空はあたしの舞台だもん
背に生えた翼がなくたって、乗り物がなくたって、あたしは幾らだって空で踊れるんだから
……で、空に放り出す、が何だっけ?

UCと【念動力】の足場で【空中戦】しよっと
もう何度も一緒に依頼行ってるし、ずっと灯くん見てたもん
どう動きたいかくらい分かるよー
足場は幾らでも作ったげる、やっちゃえ!



 目の前、手を伸ばして届くけれど届かない世界――空の世界。
 空の色。その色にぱちりと瞬いて、胸にこみあげてくるものがある。
「わっ、わぁーー! 空だ!!」
 転送された先、眼前に広がる世界に霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)は大喜び。思わずこぼれた声は花雫の心からあふれた想いだ。
 ぽいっと放り出された先は、マストの上。空にさらに近い場所だった。空賊たちもまだマストまでは駆けあがってはいないようだが、すぐに姿見つけてあそこにもいるぞ! と騒いでいるようだ。
 けれどそんな様子など意にも介さずマストに上手にのって花雫は楽し気に笑う。
「確かにお前好みっぽい場所だが……声がでけーんだよ」
 そして皐月・灯(追憶のヴァナルガンド・f00069)も、マストの上でいつもと変わらぬような動きで立ち、足元を、登ってこようとする空賊や戦いあっている様相を見下ろした。
「はしゃぐのも程々にな、鉄火場真っ最中だぜ」
「灯くん灯くん空! やったー! 良いなー良いなー空の世界!」
 聞いてない。そう灯が思っていると、花雫は気付いて。
「あ、ごめんちょっとテンション上がってた!」
「構わねーよ、お前が騒ぐのなんて織り込み済みだ」
 つーか、お前に付き合うのは慣れてると言って灯はマストから飛び降りて、甲板へ。それを花雫も追いかける。
「おい! ここにも勇士の仲間がいるぞ!!」
 と、マストから降りれば空賊たちに囲まれる。放り出してやれ! なんて血気盛んな言葉に花雫はふふんと笑み一つ。
「ふふ、別に放り出してくれても良いんだよ? やれるもんなら幾らでもどーぞ!」
 だって、空はあたしの舞台だもんと。
「背に生えた翼がなくたって、乗り物がなくたって、あたしは幾らだって空で踊れるんだから」
 くるりと回って、花雫はひらりと攻撃かわす。
「……で、空に放り出す、が何だっけ?」
 この、とひらりと飛ぶ花雫に刀が振り下ろされる。けれど花雫は念動力の足場を駆けてさらに、空の上へ。
「オレは空は飛べねー。けどな、そりゃてめーらだって同じだろ」
 この船から落ちれば真っ逆さまと、マストの上から見た世界を灯は思い出す。
「お前らと俺たちが同じなわけねーだろ! 長く空賊やってんだからな!」
「いいや同じさ。ブッ飛ばしちまえば、どいつもこいつも落ちるだけだぜ」
 こんな風に、と灯は一足踏み込んだ。
 やることは単純だ。反射で攻撃をかけてくる空賊へと術式を込めた拳打をいれるだけ。
 その衝撃に空賊は吹き飛ばされる。
 あっちが空賊の船か、と灯は見る。まだ動ける人員は多そうだ。
 空賊の船の中を搔き乱せば戦況もまた変わりそうだ。そしてその船に行くならば。
「花雫!」
 ただ、名前を呼ぶだけだ。それだけで花雫は理解して、合わせるのだから。
「はいはーい!」
 もう何度も一緒に依頼に、冒険にでている。そしてずっと灯を見ていたのだ。
 どう動きたいかくらい分かるよーと笑って、灯の行きたい方向へと足場を生み出していく。
「足場は幾らでも作ったげる、やっちゃえ!」
 その言葉に灯は僅かに口端に笑みを乗せる。
 お前だって慣れてんだろ、花雫? とタイミングよく足場を踏んで、空駆けて。敵陣にてまた空賊を叩きのめしていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリィ・ミニットマン
ファム・ファタル、ね……おっと、思惟に耽るのは後だ。[鋸鉈]や[散弾銃]等を用い、空賊共と交戦する。
獣ならぬ人が相手ではあるが、生物であることに違いは無い。傷つけば動きは鈍り、そして痛みは思考をも鈍らせる。決死の覚悟で捨て身の攻撃をして来ないとも限らないが──さて、奴等の士気は如何程かな。

ところで、空賊共の処遇はどうすれば良いのだろう?
個人的には命を奪っても構わないと思ってはいるが、他の皆の考えは異なるかも知れない。勇士たちとは互いに信頼し合える仲になっておきたい所だし、その辺りの認識にズレがあると相互理解の妨げになり兼ねないからな……
周囲の状況を気にしつつ、甲板上の空賊共を無力化していこう。



「お前ら! この後ファム・ファタルとの逢瀬もあるんだからな! 全力でいくなよ!」
 それにわかってると答える勇士たちの声をユーリィ・ミニットマン(寄る辺無き民・f33966)は拾い上げる。
「ファム・ファタル、ね……おっと、思惟に耽るのは後だ」
 助太刀するよとユーリィは告げて戦いの中へ。
 勇士たちは大歓迎だとばかりに、右側を頼むと声向ける。
 右側――そちらに視線向ければ、空賊たちがぞろりと乗り込んできていた。
 ユーリィは鋸鉈を持ち、散弾銃を空賊たちへ向けた。
 それは狩人が魔獣狩りに使うもの。獣ならぬ人が相手ではあるが――生物であることに違いは無い。
 傷つけば動きは鈍り、そして痛みは思考を鈍らせる。散弾銃はそれを知っているのだ。
 決死の覚悟で捨て身の攻撃をしてこないとも限らないが――なんとなく、今のところそれは無さそうだ。
 士気は高い。けれど、傷を負ったりすれば踵返して空賊は自分の船へと戻っていくのも見える。
 命がけで相手の喉元食い破る、なんて獰猛さは持ち合わせていなさそうだ。
 散弾銃放てば、ひゃあ! と間抜けな声あげて後ろに後ずさりする空賊もいる。
「すばしっこいな」
 散弾銃を避け、鋸鉈も傷は負うが致命傷は避けている空賊太刀。
 それにしても、空賊共の処遇はどうすれば良いのだろうか? とユーリィは視線巡らせる。
 ユーリィとしては命を奪っても構わないと思っているが、この場の他の者達は違う考えかもしれない。
 それに勇士たちとは互いに信頼し合える仲になっておきたいところ。
 彼らの気持ちに沿わない事はしたくない。
 認識にズレがあると相互理解の妨げになり兼ねないからな……とユーリィは思っているのだ。
 そして見ていると、空賊たちの船へと押し返している様子。
 その押し返し方は、投げ込んだりと乱暴なところもある。
 それを見てなるほど、とユーリィは手近にいた空賊の首根っこを掴んだ。
 そしてぶんっと空賊の船へと向かって投げ飛ばす。
 その様に見事と勇士たちは声あげる。ユーリィは、次はだれが投げられたいんだ? と空賊たちへと言葉向けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
おいしいもの……!
それに勇士たちなら魔獣の解体も手馴れてるはず、です
ちょうどいいです、恩を売るです

【POW】
私は自前の一人乗り飛空艇『エル・セプス』に乗ってるですけど、
即強化外装形態に変形させちゃうです

とりあえず相手の飛空艇は墜としていい、です?
いいのなら『A.F.C.』をばんばん撃ち込むです
ダメなら穴を開けるぐらいにしておくです

それと、蒼嵐号に乗り込んだ空賊の一人に狙いを定めて、
『ケルベロスファング』を打ち込んで引っ掛け…というか喰い付かせるです
そしたら外装の《怪力》で引っ張り出し落とさないよう空中で《ぶん回す》です

生け捕りするなら加減はするです
しないなら……投げ飛ばして星になってもらうです



 おいしいもの……! とこの後の、さらに後のことを思ってヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)の心は跳ねていた。
 それに勇士たちなら魔獣の解体も手馴れてるはず――となれば。
「ちょうどいいです、恩を売るです」
 そう思って、放り出された先は空の世界、ヴィクトリアの故郷の世界だ。
 空に放りだされたけれど、ヴィクトリアには強い味方がいる。
 自前の一人乗り飛空艇『エル・セプス』――それは両親が夢とロマン(と金)を詰め込み娘専用に建造した可変型の一人用小型飛空艇だ。
 それをすぐさま、強化外装形態に変形させヴィクトリアは纏う。
「とりあえず相手の飛空艇は墜としていい、です?」
 と、近くにいたエンジェルの子へとヴィクトリアは尋ねる。
「ほどほどならいいよ! 空賊も船が痛めば撤退するだろうし」
 落としちゃうとこの人たち、船に吊るして移動だしね~と言う。
 なるほど、とヴィクトリアは頷いてエル・セプスの携行型魔導砲、『A.F.C.』を構えた。
「穴を開けるぐらいにしてくです」
 魔導砲からの一撃が空賊の船の横っ腹に穴をひとつ、ふたつ。
 すると、このままやられたらまずいと思ったのか空賊はヴィクトリアへと飛び掛かってくる。
 そんな空賊へと狙い定めて、ヴィクトリアはケルベロスファングを放った。三つの鉤爪を備えた魔改造フックショットは空賊に喰いつくように入って、空中でぶんぶんと振り回す。
「ぎゃあああああ!!!」
 と、響く空賊の叫びは高く響いて。
「そのまま投げちゃえ!」
「そうするです。投げ飛ばして星になってもらうです」
「ほ、星は勘弁してくれ!!」
 と、勇士の声と、そして空賊の懇願に仕方ないですと船へと投げ返す。
 ヴィクトリアはその空賊投げ返して、自分が開けた穴をさらに大きくするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
山の賊で山賊と呼ぶように、空の賊も空賊と呼ぶのですね
山で空であれ、賊は懲らしめるのみ
倫太郎、やりましょう
勇士の方々にも御協力、よろしくお願い致します
私達はこの世界にまだ来たばかりですが戦いだけは慣れておりますので

人を傷付けなくとも、窃盗を働いた時点で罪は罪
早々に出ていって貰いましょうか

二刀流剣舞『襲嵐』
早業の先制攻撃にて敵が集中している所へ一撃
そこから嵐を作り出して周囲を巻き込みます

敵からの攻撃は視力と見切りにて攻撃手段を判断し対応
躱せるものであれば残像
躱せないものには武器受け・武器落としにて得物や飛び道具を防ぐ・弾く
勇士の方々に流れ弾がいかないように注意して対応します


篝・倫太郎
【華禱】
空の世界にも賊ってな居るんだなぁ
ま、サクサクっと片付けちゃおうぜ?夜彦

あ!勇士の皆サンはひとつヨロシク!
大丈夫大丈夫、お仕事の邪魔はしねぇし
戦闘の邪魔にもなんねぇからさ!

んで、あんたらはアレだな……
女の子キズモンにしねぇのは賞賛するわ、理由がどうであれ
でもまぁ、賊なんで倒すけど
つー訳で空に放り出されるのはあんたらな?
(空賊に華焔刀の刃先をびしぃ!)

拘束術使用
射程内に敵がいるのを確認したら鎖での先制攻撃と拘束
同時に斬撃波を乗せた華焔刀でなぎ払いの範囲攻撃

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避する事で攻撃が勇士や飛空艇に被害が出るようなら
その場でオーラ防防御で防いで凌ぐ

邪魔者はさようなら、ってな



 空の世界――広がる青。
 そして、送られたのは飛空艇の上。
 出会って敵対する、空賊との対面も初めてだ。
「山の賊で山賊と呼ぶように、空の賊も空賊と呼ぶのですね」
 なるほど、と頷く月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)に篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は笑って。
「空の世界にも賊ってな居るんだなぁ。ま、サクサクっと片付けちゃおうぜ? 夜彦」
 その言葉に夜彦はええと頷く。山で空であれ、賊は懲らしめるのみなのだから。
 そしてこの空賊たちはとにかく元気がよさそうだと思う。
「倫太郎、やりましょう」
 そして勇士の方々にもと視線を向ける。彼らだけでも十分対応できるのかもしれないが、ここに送られたのは何かの縁があってのことだろうから。
「御協力、よろしくお願い致します」
 私達はこの世界にまだ来たばかりですが戦いだけは慣れておりますのでと夜彦は礼儀正しく紡ぐ。
 こちらこそ、なんて真面目に頭を下げてくる勇士たちに倫太郎は笑って。
「あ! 勇士の皆サンはひとつヨロシク!」
 そう言って、やってくる空賊たちに向き直りつつ勇士たちへと言葉向ける。
「大丈夫大丈夫、お仕事の邪魔はしねぇし、戦闘の邪魔にもなんねぇからさ!」
 空賊たちははやくやっちまおうぜ! と粋がっている。
 この船全てを奪ってまた新たな獲物を見つけようというように。
「あんたらはアレだな……女の子キズモンにしねぇのは賞賛するわ、理由がどうであれ」
 でもまぁ、賊なんで倒すけどといってひゅっと、華焔刀を躍らせる倫太郎。そしてその切っ先はびしっと空賊たちへと向けられる。
「つー訳で空に放り出されるのはあんたらな?」
「人を傷付けなくとも、窃盗を働いた時点で罪は罪」
 早々に出ていって貰いましょうかと夜彦も倫太郎の隣で二刀を構える。
 空賊たちが集うその場へとその切っ先むけて。
「振るう刃は、嵐の如く」
 一撃いれれば、風のように斬撃が舞い踊る。それに巻き込まれた空賊たちはおぼつかぬ足取りだ。
 この、と大雑把に振り下ろされた刃を夜彦は見切りよける。
 その姿を見つつ倫太郎は射程にいる者達の姿を見つつ、見えぬ鎖を放った。
 突然動けなくなった空賊たちはあたふたと慌てる。
 そこへ倫太郎は華焔刀をなぎ払って、まとめて吹き飛ばした。
 勇士や飛空艇に被害が出ないように上手に攻撃をかける。
 そして攻撃弾いて勇士たちにいかぬようにも気を付けて。
「邪魔者はさようなら、ってな」
 倫太郎、と夜彦が名を呼ぶ。
 それだけで倫太郎は言いたいことを理解して、タイミングを合わせた。
 二人の攻撃が重なって空賊たちは彼らの船へと吹き飛ばされる。
 甲板の上の空賊が減っても、また新手がやってくるが力量差は大きい。
「気を抜かず行きましょう、倫太郎」
 その言葉にああと笑って、倫太郎は夜彦と共に空賊たちへと向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鴇刄・紫雨
【酒煙】

良いじゃねェか、ファム・ファタル
イイ女は追い掛けたくなるもんだろ
名付けた奴はセンスが有るぜ

ま、最後に美味い飯が食えるなら仕方ない
喧騒の中で背中越しに確かに聴こえるお前の聲
真面目に働きますよっと
燻らせた煙草を掌で揉み消すのが合図

野蛮な連中の相手は慣れてるしな
遠慮無しは気が楽だ
真っ青な空に
血気盛んな怒号と雄叫び
お前の銃声が鳴り響くなら
噫、こんな景色だって昂ぶっちまう

ホラ、避ろよ、
丸焦げに為りたくないならな
二藍の華を咲かせや咲かせ
オイタが過ぎる空賊共に仕置きだ

――紫陽手ずから愛刀握ってんなら
さしずめ此処はメイン…いや、
前菜の料理中ってところか?
軽口は預けた背の向こう側へ
愉しい宴会は此れからさ


空露・紫陽
【酒煙】

魔獣にファム・ファタル――最愛の女とは
イイ女は追っかけたくなるか、違いない

ま、旨い飯の前には先ず仕事
働くぞ、紫雨
背を預け聲を直に響かせながら燻らせるは紫煙
消すのは同時、其れが合図

礼儀知らずのクソ野郎の対処なら慣れたモンだ
加減?
識らねぇよ

限りなく綺麗な蒼の空に
血気盛んな乱闘は似合いもしねぇ
なのに滾るのは
心擽る冒険心よりも
心踊る空景色よりも
此の一足早い宴会が映るから

愛銃握り、高速の銀弾放ち
余所見は厳禁、てな
威嚇には愛用の包丁を投げて
なぁ、踏むなよ?
うっかり食材になっちまっても知らんぜ

噫――命の遣り取りも又、料理の一環
此れは下準備
前菜にも早ぇさ
軽口は背越しに預け合い
愉しい愉しい宴会の幕開けだ



 響くのは、乱暴な言葉遣い。
 青い空の中、飛空艇での戦いは賑やかなばかりだ。
 その中で二人――背を預け合う。
「魔獣にファム・ファタル――最愛の女とは」
 ふ、と空露・紫陽(Indulgence・f30642)は笑い零す。そんな彼へと鴇刄・紫雨(月露・f17470)も肩越しに視線一つ向けながら、同じように笑み。
「良いじゃねェか、ファム・ファタル」
 イイ女は追い掛けたくなるもんだろ、と紫雨は言葉続ける。
 名付けた奴はセンスが有るぜ、と零せばそれはどうやら、船長の女に聞こえていたらしい。
 ありがとうございます、と言葉向けられた。先代から倣っての事なのだと笑って。
「イイ女は追っかけたくなるか、違いない」
 確かにと紫陽は返して紫煙燻らせる。
「ま、旨い飯の前には先ず仕事。働くぞ、紫雨」
 とんと、背を預けているから、聲を直に響かせながら、ふぅと紫煙を吐き出して。
「ま、最後に美味い飯が食えるなら仕方ない」
 喧騒の中でも互いの声はよくわかる。
 真面目に働きますよっと紫雨もふぅと吐き出して。そして、燻らせた煙草を掌でもみ消した。
 紫陽の紫煙も、同時に消える。それは二人の合図だ。
 戦い始めの、合図。
「野蛮な連中の相手は慣れてるしな」
 遠慮無しは気が楽だと紫雨は空賊たちへと踏み込んだ。
 視界に美しく広がる、真っ青な空に血気盛んな怒号と雄叫び。
 その音の中で、響く銃声は紫陽のもの。紫雨は耳に響くその音に機嫌よく。
「噫、こんな景色だって昂ぶっちまう」
 紫陽も、笑う。礼儀知らずのクソ野郎の対処なら慣れたモンだと。
「加減? 識らねぇよ」
 小型銃、Gewehr――それは此の世の中殺せば勝ちなのだと刹那の獣は謂った。
 其れより放たれる白銀の弾丸が空賊たちを貫いていく。
 限りなく綺麗な蒼の空の中、血気盛んな乱闘は似合いもしねぇと紫陽は思うのだ。
 なのに滾るのは――何故だろうか。
 いや、もうわかっているのだ。
 心擽る冒険心よりも、心踊る空景色よりも――此の一足早い宴会が映るから。
 身を翻す、その一瞬に飛び掛かってくる空賊には。
「ホラ、避ろよ、丸焦げに為りたくないならな」
 紫雨が二藍の華を咲かせや咲かせ――燃え上がる。
 オイタが過ぎる空賊共に仕置きだと、燃える空賊へと笑って。
 追い打ち駆けるように、紫陽は白銀の弾丸放つ。
「余所見は厳禁、てな」
 それでも足りなければ威嚇と愛用の包丁なげた。
「なぁ、踏むなよ? うっかり食材になっちまっても知らんぜ」
 そんな言葉聞こえて、とんと二人の背中が合わさる。
「――紫陽手ずから愛刀握ってんなら、さしずめ此処はメイン……いや、前菜の料理中ってところか?」
「噫――命の遣り取りも又、料理の一環。此れは下準備」
 前菜にも早ぇさと二人で交し合う軽口。
 愉しい愉しい宴会の幕開けだと紫陽は口端あげて。
 そう、此れからさと紫雨も返して二人の背は離れ空賊たちへとまた向かう。
 やがて空賊たちの数は減ってくる。
 不利となった空賊たちは撤退も早い。覚えてろよ! なんて負けセリフを吐きながら撤退していく姿を、猟兵達と勇士たちは見送った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『セラフィムビースト』

POW   :    天使核獣
【天使核のエネルギー】を使用する事で、【八翼】を生やした、自身の身長の3倍の【滅びの獣】に変身する。
SPD   :    セラフィムコメット
【天空に出現した『天使の輪』】から、戦場全体に「敵味方を識別する【燃え盛る隕石】」を放ち、ダメージと【消えない炎】の状態異常を与える。
WIZ   :    獣の烙印
攻撃が命中した対象に【獣化をもたらす烙印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【烙印の侵食】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 空賊たちが去って――勇士たちは猟兵達を快く迎える。
 そして告げるのは今回のファム・ファタル――狙う魔獣について。
 それは『セラフィムビースト』という魔獣。
 獅子の顔に巨大な角。硬い鱗に覆われた腕を持ち尾は魚のようにうねる。そしていくつもの、天使のような羽根をその身から生やし天使の輪を身に纏っているのだ。
 なお、上半身は獣の肉、尾は魚の肉となっており二種の味が楽しめるのだと勇士たちは言う。
「あとタンもおいしかったよね」
「青いけどな」
 肝も濃厚で、香辛料を用いてパテにするのも美味しい、なんて話をして。他にもいろんな食べ方があると勇士たちはその味に想いを馳せていた。
 そして互いにいうのだ。
「最後と最初の口づけは譲らないからな!」
 最後と最初の口づけ――最後の口づけはトドメ。そして最初の口づけは、一番最初に好きな部位を食べる権利。
 その為に彼らは、己の持つ力をふるう。
 そしてその時はやってくる。
 勇士たちの船の行く手、悠々と空を駆けるセラフィムビースト。
 その姿を見つけたらすぐさま臨戦態勢だ。セラフィムビーストも船に気づいて威嚇し、その牙を剥く。
 船の周囲を回ってセラフィムビーストは戦う相手を見定めている。
 そんなセラフィムビーストの首へと、鎖が投げかけられ絡められた。
 甲板中央、開けた場所へと引き寄せるためだ。
 完全に抑えられたわけではないが、ある程度飛び上がられても甲板から十分、近接武器でも攻撃は届く距離にセラフィムビーストはとどめられた。
 そしてここからが、狩りの本番――猟兵も、勇士たちもセラフィムビーストへとその得物向ける。
月舘・夜彦
【華禱】
口付け……?
とりあえず、そこは彼等に権利を譲りましょうか

そこは譲るとして、戦いはお任せください
では倫太郎、参ります

ただの獣ではなく、特殊な力があるようです
敵の動きにも警戒し、頭の輪に気を付けましょう
隕石は抜刀術『神嵐』
鎧砕きと衝撃波を使って、此方へ来る隕石に攻撃して害がない程度に砕きます

なるほど……あれを封じれば良いのですね
早業の抜刀術『神嵐』で反撃
天使の輪の力を封じられれば此方のもの
倫太郎、任されました!

駆け出す、または足場があれば跳んで接近
移動の間に力を込め、2回攻撃

敵からの物理的な攻撃は見切りにて動きを読み
残像にて回避、または武器で受け止めて凌いだ後に反撃


篝・倫太郎
【華禱】
んじゃ、まぁ、最後と最初の口付けは
元々追ってた勇士の皆サンの権利として……

一番槍は貰っていいんだよな?
往こうぜ、夜彦

拘束術使用
この射程なら嫌でも届くってモンだ
鎖での先制攻撃と同時に拘束
拘束したら斬撃波を乗せた華焔刀でなぎ払い

三倍って事は
パワーもそんだけ上乗せなんだろうケド
ま、羅刹の膂力舐めないで欲しいってハナシだ

拘束術が剥がされそうな場合は再度使用して拘束を維持

敵の攻撃は見切りながらオーラ防御で受けて凌ぐ
飛空艇に傷が出来たら大変だろ?

負傷がある場合は
以降の攻撃に生命力吸収も乗せてく

ついでに夜彦を狙ってくる隕石は
吹き飛ばしと衝撃波乗せた華焔刀でなぎ払い

夜彦!後は任せる
邪魔はさせねぇからさ



 現れたセラフィムビースト――ファム・ファタルと勇士たちが呼ぶ魔獣は唸り声をあげていた。
 そしてその獣へと送る最後と最初の口づけ。
 それを聞いて月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はまじめな顔で首を傾げていた。
「口付け……?」
 あの魔獣に、口付け……?
 したいのでしょうか、というところ。そんな心持を篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は察して笑い零す。
「とりあえず、そこは彼等に権利を譲りましょうか」
「んじゃ、まぁ、最後と最初の口付けは、元々追ってた勇士の皆サンの権利として……」
 倫太郎はとん、と華焔刀を肩にのせて。
「そこは譲るとして、戦いはお任せください」
 夜彦もふわりと笑って、倫太郎へと視線向けた。そして倫太郎もそれに応えるように頷いてみせる。
「一番槍は貰っていいんだよな? 往こうぜ、夜彦」
「では倫太郎、参ります」
 そう答えるのと、動くのとどちらが早いか。
「この射程なら嫌でも届くってモンだ」
 倫太郎が放つ見えない鎖が魔獣を戒める。それを解こうと暴れるけれど、さらに絡むだけだ。
 そしてそこへ、斬撃波を乗せた華焔刀でなぎ払った。魔獣の顔がそれにあおられ上を向く。
 そしてその瞳は倫太郎を睨みつける。そして己のもつ天使核のエネルギーを巡らせ、その身に八翼を生み出し、三倍の大きさへと変わる。
 それでも鎖は絡みついたままだ。ちぎれる事はない。
「三倍って事は、パワーもそんだけ上乗せなんだろうケド。ま、羅刹の膂力舐めないで欲しいってハナシだ」
 そう言って笑う倫太郎は夜彦の動きを瞳で追う。
 やはりただの獣ではない――夜彦は特殊な力があるようですとその動きをよくよく、警戒して見詰める。
 あの頭の輪にも気を付けましょうと声かけて。
 すると、その頭の輪が悠か高みに現れて、燃え盛る隕石を甲板へとめがける。
 そうはさせるかと勇士たちは盾のようなもので守ったり己の武器で弾いたりと船を守っている。
 倫太郎もそれを己のオーラで防ぐのを協力していた。すると勇士たちからありがとうと礼がある。
「飛空艇に傷が出来たら大変だろ?」
 そして夜彦も、その刃をふるう。
 霞瑞刀 [ 嵐 ]が持つ破魔の力を、その刃へ集中させる。そしてその斬撃は、視認している所まで届き動きを封じるものとなるのだ。
 それに見舞われた隕石は、船へ向かうことなくその場所より落下していく。
 けれど全てではない。夜彦の前へと倫太郎は立って、守る様に動く。
「夜彦! 後は任せる。邪魔はさせねぇからさ」
 そう言って隕石から守り、視線で促すのだ。狙いは一つなのだと魔獣へと視線を向けて。
「なるほど……あれを封じれば良いのですね」
 ならばできることはあると、さらに構えた。
「倫太郎、任されました! ――奪え、嵐」
 駆けだしながら、紡ぐ。
 攻撃をかわし、懐に飛び込む間に力を込めその刃を夜彦は抜き放った。
 魔獣を間違いなくとらえた一閃は、その翼一つを落としていく。翼が甲板へとどしゃりと落ちると同時に、魔獣の咆哮が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナスターシャ・ノウゼン
セラフィムビーストとやら。聞くところによると、それはもう全身美味じゃと聞いとるぞ?
……これはもう、最後と最初の口づけ。他の輩に渡すわけにはいかんのう!一番うまいところは、妾がいただくんじゃっ。

鎖につながれた獣じゃが、もーちっとリードを増やしておくか。
斧錨を獣に投げつけ、つながる鎖の先端を船の甲板に蹴り埋め。
さぁ、道はつながった。あとはあの肉の塊を締めにいこうかのう。
鎖をつたって近づいたのなら、もう妾の領域じゃ。
≪恒星爆発≫
太陽にも迫る熱量の全てを、おぬしのどてっぱらに叩き込んでやろう。

……ちゃんと食べる部分、残るんじゃよな?



 翼が落とされ、痛みと怒りを咆哮として零す。
 けれどその声にひるむことなどなく、むしろナスターシャ・ノウゼン(召喚獣「イフリート」・f33989)は笑っていた。
「セラフィムビーストとやら。聞くところによると、それはもう全身美味じゃと聞いとるぞ?」
 だってどんなに恐ろしい声色を響かせても美味と聞けば――食材にしか見えないのだから。
「……これはもう、最後と最初の口づけ。他の輩に渡すわけにはいかんのう!」
 その斧錨を手にして、ナスターシャの視線は魔獣を値踏みするように向けられていた。さて一番、どこが美味しいのだろうかと。
「一番うまいところは、妾がいただくんじゃっ」
 その声にやられてなるかというように魔獣は唸る。がしゃんと戒めた鎖の音を響かせながらとびかかる様に動くのだ。
 それを躱し、まだ暴れる余裕があるのかとナスターシャは見詰める。
「もーちっとリードを増やしておくか」
 ナスターシャは斧錨を投げつけ、繋がる鎖の先端を船の甲板へと蹴りこんだ。すると板を破って埋まり、ひっかかりとなり魔獣の動きを阻害する。
「さぁ、道はつながった。あとはあの肉の塊を締めにいこうかのう」
 とんと鎖の上にナスターシャは飛び乗って、その上を軽やかに走り魔獣へと向かう。
 近づいたならそこはもう、ナスターシャの領域だ。
 その牙を剥かれようとも、其れよりも早く熱量を極限まで圧縮し――大威力の一撃を懐へ一歩踏み込み潜り込んでその腹へと叩き込む。
 その一撃は太陽にも迫る熱量。その重さに魔獣は一瞬白目をむいて、しかし意識を繋ぎ止める。
 ナスターシャの攻撃で生まれた隙。勇士たちも今だと攻撃をかけ、その身を削っていく。
「……ちゃんと食べる部分、残るんじゃよな?」
 その呟きを近くにいた勇士が拾い上げて、大丈夫だよと言う。
 そこはみんなわかって、攻撃をかけていると。
 手足は付け根を狙って部位ごとに落とす様に――なるほど、そう聞けば確かに狙いがある程度定められているようだと気づく。
 手慣れておるなと笑ってナスターシャもそれに協力を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウヤ・シュバルツ
「天使の輪……まさか、船自体を攻撃するつもりか!」
取り出した手持ち端末にいる電子妖精に
「行くぞ、ルル!」
お転婆な見た目をした少女が返事をして、白銀色のキャバリアを呼び出す
「任せて、ユウヤ!」
機体に飛び乗り
「オレ達は上の輪っかを何とかする。本体は頼んだぜ、結華!」

隕石を確認し
「あれを安全圏で撃ち落とすには射程と火力が足りない。あれを使うぞ!」
「了解だよ!チェンジ、サラマンダー!」
UC使用。赤色の装甲、追加エンジンのバックパック、ライフルに追加パーツでビームランチャーへ
「まずは隕石だ!」
隕石を捕捉し荷電粒子砲で迎撃破砕する。
「ルル、チャージだ。天使の輪を撃ち抜け!」
天使の輪を解析し見切り撃ち抜く。


御門・結華
上空へ迎撃に向かうユウヤに
「了解しました、マスター。こちらはお任せください」
魔獣が烙印を使用する前に第六感で感じ取り
「あの攻撃は厄介なようですね。ならば」
デッキから風の精霊のカードを引き抜き、UCを使用する
「行きますよ。風の精霊-シルフ-」
防具改造で緑衣のドレスを纏い、武器改造で剣の形状が二振りの小剣へ
優雅に舞うように敵の攻撃を見切り回避し、逆手持ちの二刀で受け流す。
「そのような力押しは通じません」
大振りな攻撃を残像で回避し、敵の後ろを取り、風を纏う二刀の精霊剣を放つ。
「疾風十字-クロススラッシュ-」
敵が仰け反った隙に、構えた拳に風の魔法を乗せて怪力を以て叩きつける
「烈風咆哮-ブラストロア-」



 ふたたび頭上に、天使の輪が広がっていく。
 それを目にしたユウヤ・シュバルツ(白銀の疾風・f01546)は、あの魔獣がとりそうな行動を予想する。
「天使の輪……まさか、船自体を攻撃するつもりか!」
 先程は防がれた。ならばそれよりもというように大きく広がる天使の輪。
 ユウヤは手持ち端末にいる電子妖精へと声を向ける。
「行くぞ、ルル!」
「任せて、ユウヤ!」
 お転婆な少女の、電子妖精は返事をして白銀色のキャバリアをこの場に呼び出す。
 勇士たちは突然現れたそれに驚きはしたが、ユウヤが乗り込むのを見て猟兵のかと納得していた。
 期待に飛び乗ってユウヤが言葉向けるのは御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)だ。
「オレ達は上の輪っかを何とかする。本体は頼んだぜ、結華!」
「了解しました、マスター。こちらはお任せください」
 結華はユウヤを見送って、魔獣へと改めて向き直る。
 その瞬間、視線があった。ぎらつくそれは敵へと向けられるものだ。
 そして何かしてくる――その気配に結華は身を翻し攻撃を避けた。
 からぶったその場所に烙印が刻まれる。それは獣化をしかけたが、勇士たちがその場所を破壊し烙印を消した。
「あの攻撃は厄介なようですね。ならば」
 結華が引き抜いたのは風の精霊のカードだ。
「行きますよ。風の精霊-シルフ-」
 その言葉と共に、緑衣のドレスを纏う。そして手にしていた剣は二振りの小剣へと変わっていった。
 魔獣の狙いはまだ向いている。攻撃を、優雅に舞うように見切ってかわしていく結華。
「そのような力押しは通じません」
 繋がれている魔獣の動きは読みやすい。大振りの攻撃を回避してその後ろに回り込んで攻撃をかけた。
 風纏う二刀が魔獣の身を十字に切り裂く。そしてさらに拳には風の魔法を乗せて、結華は次の攻撃を構えていた。
 けれど、ふと影が落ちる。広がった天使の輪よりの隕石の気配だ。
 しかしそれはユウヤが対している。
「あれを安全圏で撃ち落とすには射程と火力が足りない。あれを使うぞ!」
「了解だよ! チェンジ、サラマンダー!」
 ルルはユウヤの言葉をくみ取って、その思うままに高機動型クロムキャバリア『シルフィード改』の動きを補佐する。
 趙火力形態へと姿かえるシルフィード改。赤色の装甲、そして追加エンジンのバックパック、ライフルに追加パーツでビームランチャーと換装が行われていく。
「まずは隕石だ!」
 巨大な隕石一つ――その狙いを定めて、荷電粒子砲でユウヤは打ち砕く。
 轟音と共に撃たれて砕かれていく隕石。その大きさであれば勇士たちも落ちてきても十分対処できるようだ。
 だがまだ、天使の輪はそこにある。次を、とすぐさま隕石をいくつか、魔獣は生み出そうとしていた。
「ルル、チャージだ。天使の輪を撃ち抜け!」
 はーい! と声響かせてルルはチャージを急ぎ、そして狙い定める。
 そして準備できれば、魔獣の頭上にある天使の輪が撃ち抜かれる。
 大きく広がっていた天使の輪は撃ち抜かれた所より砕かれ、ぼろりと崩れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

砂羽風・きよ
【箱蛸】

――あれ旨いのか?!
なぁ、雅。あれほんとに旨いのか?!

い、いや、そんなこと言ったら魔獣に申し訳ないよな
俺にその肉食わせろ!
あぁ、雅の頬を落としてみせるぜ!

今なんて言った??
最初の口づけ?最後の口づけ??

待て待て!落ち着け!
しようとしたらあんなのパクっとやられるだろ?!
どんだけ勇気あるんだよ!

…あぁ、なるほどな
だったら、俺だって口づけしてーわ!!

え、俺が最初にしていいのか?
おいおい、雅
それアカンやつじゃね?

照れてねー照れてねー!
接吻て!ちげーからな?!

つか、俺のぼり旗しか手に持ってねーんだけど?!
これで戦えと?!無理だろ!ちょっと押すな!押すな!

待って心の準備がまだ出来てな――

ぎゃー!!


筧・清史郎
【箱蛸】

ふむ、きっと美味なのだろう、楽しみだな(微笑み
それに、嫁にもすぐにいけるほど料理上手なきよし大佐ならば、頬が落ちる程の絶品料理を作ってくれると俺は期待している(わくそわ

おお、流石は勇気あるきよし大佐だ
出オチ…いや魔獣の唇を熱烈に奪いたいと

ああ、勿論お先に構わない
あかんやつ?(きょとり

…成程、理解した
そう照れなくていいぞ、きよし
俺が、大佐の出オチ…いや接吻を全力で後押ししよう
物理的にぐいぐいと、物理的にな(どーん

あとは俺に任せてくれ
大佐の漢気を桜嵐で盛り上げよう(UC
おお、きよし大佐に魔獣も惚れたのか、照れて(?)滅びの獣に変身したな
見事に身体を張った接吻の味、後で聞かせてくれ(微笑み



 ――あれ旨いのか?!
 砂羽風・きよ(タコヤキカレー・f21482)の口から零れた言葉はそれだった。
 どう見ても、目の前のファム・ファタルと呼ばれている魔獣は、危険な魔獣。
「なぁ、雅。あれほんとに旨いのか?!」
 その言葉に筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)もじぃとその姿を見詰め。
「ふむ、きっと美味なのだろう、楽しみだな」
 微笑んだ。
「それに、嫁にもすぐにいけるほど料理上手なきよし大佐ならば、頬が落ちる程の絶品料理を作ってくれると俺は期待している」
 きよし大佐への期待を清史郎は微笑みに乗せている。
「い、いや、そんなこと言ったら魔獣に申し訳ないよな」
 へへ、と笑いきよはきっと魔獣へと視線向ける。
「俺にその肉食わせろ! あぁ、雅の頬を落としてみせるぜ!」
「おお、流石は勇気あるきよし大佐だ」
 やる気にみちたきよの言葉。清史郎はにこにこと見守る、にこにこと。
「出オチ……いや魔獣の唇を熱烈に奪いたいと」
 出オチはきこえたのか、どうなのか――今なんて言った?? ときよは清史郎へとぐりんと向き直る。
「ほら、口付けだ。最後と最初の勇士たちがいっていた」
 そういうと、勇士たちは魔獣はファム・ファタルだからな! 栄誉だ! なんて声上げる。
「最初の口づけ? 最後の口づけ??」
 あの、口に? がおがおしている、牙一杯の――無理だろう。
「待て待て! 落ち着け! しようとしたらあんなのパクっとやられるだろ?! どんだけ勇気あるんだよ!」
 と、じたばたするきよ。しかしそこではっとする。ここは引く所だと。
「……あぁ、なるほどな。だったら、俺だって口づけしてーわ!!」
 こういえば、雅は俺が先にと言うはず――そう思ったのだが。
「ああ、勿論お先に構わない」
 しれっと、清史郎は返した。
「え、俺が最初にしていいのか?」
 それ違う。そうじゃない、と思いつつきよはははと乾いた笑いを零す。
「おいおい、雅――それアカンやつじゃね?」
「あかんやつ?」
 きょとり。清史郎はあかんやつ? の意味を考え――なるほど、と頷いた。
「……成程、理解した」
 つまりこういう事なのだろうと。
「そう照れなくていいぞ、きよし」
 そして己がやることを、やらねばならぬことを理解したときりりとする。
「俺が、大佐の出オチ……いや接吻を全力で後押ししよう」
「照れてねー照れてねー!」
 物理的にぐいぐいと、物理的にな――ほら、いこうきよし大佐をぐいぐいと清史郎は背中を押す。
 そうこれを以って、きよし大佐は前に――ところでお気づきだろうか。
「接吻て! ちげーからな?!」
 手に持たされたのはのぼりだ。
 しかしその前に、まだ。きよはまだ、縛られたままで運ばれている。
「つか、俺のぼり旗しか手に持ってねーんだけど?!」
 そして縛られている事が当たり前で、そこに突っ込んでいないことを。
「これで戦えと?! 無理だろ! ちょっと押すな! 押すな!」
「あとは俺に任せてくれ。大佐の漢気を桜嵐で盛り上げよう」
 ふわり、桜の花弁が舞い踊る。そして嵐の如き刀の連撃と衝撃波を清史郎は放った。
 すると、魔獣の意識が向けられ、
「待って心の準備がまだ出来てな――」
 大きく開いた口がきよへと向く。その様子に清史郎はにこやかだ。
「おお、きよし大佐に魔獣も惚れたのか、照れて(?)滅びの獣に変身したな」
「ぎゃー!!」
 今ここにはきよを助けてくれる者はいなかった。魔獣に追い回されるその姿を微笑ましく見守る清史郎しかいない。
 見事に身体を張った接吻の味、後で聞かせてくれと穏やかな声がきよに聞こえていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霄・花雫
【はなあかり】

うわあ……運命の女のヒト食べちゃうんだ……
すごい比喩を使うんだなあ、と思わず
運命の女性を追い掛け回してるって想像すると、ちょっと楽しいよねぇ
あーでも、食べる(物理)なんだ……

……?灯くん何でこっち見るの?
ちょっとそれどういう意味!?いや食べられたいワケじゃないけど!

むー……良いもん、灯くんのばーーか!
灯くんに【念動力】で道を作りながら、【誘惑、挑発】で敵を自分に惹き付けて囮役もやっちゃう
UCを使いつつ、【空中戦、念動力】で足場を確保しながら空を走るよ
翼がなくたって、乗り物に乗らなくたって、この空ならあたしは誰にも負けないんだから!
【野生の勘、見切り】で離脱タイミングはばっちり!


皐月・灯
【はなあかり】
ああ、こいつらファム・ファタルってのを食う気なのか。
そのために追いかけ回してんのか。物好きな連中だな……。
まあ、そんなにうめーんなら、味見くらいは興味があるな。
……尾は魚の肉、ね。

んだよ花雫、別になんでもねーよ。
お前は食いでがなさそうだって思っただけだ。

……ほら、いつまでもヘソ曲げてんな。
お待ちかねだぜ、ファム・ファタルが。
さあ、始めるか。
オレは《大戦神ノ槍》の高速移動と【見切り】で隕石をかわし、ヤツの懐に飛び込むぞ。
花雫、さっきと同じだ、道を作れ!
ヤツは空から見下ろすのに慣れてる。
オレみてーに飛べねーやつに何ができる、ってな案配にだ。
ならオレは更に上、脳天からぶちかます!



 魔獣が弱り始める。すると勇士たちはファム・ファタルを囲んで盛り上がるのだ。
 その声を聞いて霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)は声零す。
「うわあ……運命の女のヒト食べちゃうんだ……」
 すごい比喩を使うんだなあ、と思わずといったところ。
 そして皐月・灯(追憶のヴァナルガンド・f00069)もその盛り上がりを目にしてなるほどと、理解する。
「ああ、こいつらファム・ファタルってのを食う気なのか」
 そのために追いかけ回してんのか。物好きな連中だな……と灯はほとりと呟いた。それを花雫も小さく笑って。
「運命の女性を追い掛け回してるって想像すると、ちょっと楽しいよねぇ」
 なんて、言ってると一番好きなのはバラ肉~! という声が聞こえてきたりするから、その食べる気満々の気持ちに改めて、思うのだ。
「あーでも、食べる(物理)なんだ……」
「まあ、そんなにうめーんなら、味見くらいは興味があるな」
 尾の刺身も美味いー! とまた聞こえる。灯はなるほど、とその尾を見詰めた。
「……尾は魚の肉、ね」
 そしてじぃ、と灯は花雫を見詰める。
 じーと見詰めて、その視線に花雫は気付いて首傾げた。
「……? 灯くん何でこっち見るの?」
「んだよ花雫、別になんでもねーよ」
 その言葉になんでもないならそんな見ないでしょー! と返すと灯は短く息吐いて。
「お前は食いでがなさそうだって思っただけだ」
「ちょっとそれどういう意味!? いや食べられたいワケじゃないけど!」
 むーと頬膨らましている花雫。灯はその表情に視線向けて、いつまでもこうしてるわけにいかないしなと思うのだ。
 なぜなら目の前では戦いが繰り広げられているのだから。
 時々肉の部位などを叫ぶ声も聞こえてくるが、それはそれ。
「……ほら、いつまでもヘソ曲げてんな」
「むー……良いもん、灯くんのばーーか!」
「お待ちかねだぜ、ファム・ファタルが」
 と、灯は花雫を促す。さあ、始めるか、と。
 橙と薄青の瞳は一瞬閉じて、灯は己の身に魔力を巡らせる。
「アザレア・プロトコル・ユニゾン。灰燼と化しやがれ――《大戦神ノ槍》!」
 それは暴走寸前まで膨れ上がらせた魔力。
「花雫、さっきと同じだ、道を作れ!」
「わかってるよー!」
 とん、と軽く踏み出した先には花雫が生み出した道がある。そして花雫も、足場を確保しながら空をとんとんと駆けていく。
 どうするの、なんて聞くまでもなく灯のやることはわかっていた。
 だからこっちこっち! と気を引くように花雫は動いて見せる。
 魔獣が天使の輪を広げて、小さな隕石をいくつも生み出し始める。
 己に群がる者を払うように大きなものではなく小さめのものを雨のように降り注いだ。
 でもそれを花雫は避けて、灯もその中を進んでいく。
「翼がなくたって、乗り物に乗らなくたって、この空ならあたしは誰にも負けないんだから!」
 ひょいっと避けて、動いていくのは灯とは違う方向。
 でも、離れるタイミングは見逃さない。
「灯くん!!」
 とん、とんと足場を上がって――灯は今、魔獣の頭上だ。
 やっちゃえー!! と花雫の声が聞こえてくる。
 空から見下ろすのに慣れてるだろ、と零してその瞳は魔獣を射抜く。
「オレみてーに飛べねーやつに何ができる、ってな案配にだ。ならオレは更に上、脳天からぶちかます!」
 膨れ上がらせた魔力を研ぎ澄まし、総てを貫く一撃を灯は頭上から振り落とす。
 両高温のプラズマを発生させ、その熱と共に魔獣も唸り声をあげていた。
 そして鈍い音が響きその片方の角が割れ落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

空露・紫陽
【酒煙】

本命のお出ましか
青い部位程度じゃ最早驚かねぇさ
いつかのに比べたら大層旨いだろうよ
狙撃手と料理人何方の血も騒がせて
さてと、調達の時間だ

最初と最後の口付けとは
狙撃手は最後を
料理人は最初を
欲張るのは性ってモンだ
其の侭で食える旨さは譲る気もねぇよ

愛銃の射程範囲内、俺の領域にて
足場に慣れつつ狙撃手の本領発揮と行こうか
遊撃は任せるぜ、紫雨
人使いが荒いと告げる眼差しは合図
一発目の銀弾響かせて
空の女を最高に飾り
何より旨くしてやるから、なんてのは

――さ、天使のお嬢さん
殺り逢おうぜ
愛(殺)し尽くせた方の勝ちさ

紫雨、勝負でもするかい?
イイ女の気を引くのは銀弾か剣閃か
何方が射止めるか
何方も振られるか
…さて、な


鴇刄・紫雨
【酒煙】

漸く御登場だ
肉と魚を一気に味わえるってワケな
青い部位如きで驚きもしない
滾る傍らへ目配せして
そりゃあ調理の甲斐が有るだろうし
張り切って調達だ

やっぱり俺は最初の口づけ、かねえ
何事も一番先ってのは気持ちがいい
あと腹減ってるから
美味そうな部位は頂きだ

甲板へと引き寄せられた魔獣へ
焔華を周りに散らせて取り囲み
相方の照準を定めやすいように動きを鈍らせ
合図に、じと、と抗議めいた眼差しを向けるけど
やれやれ、仕方無ェ
飯のためだ

――は、イイ女の奪い合い、ってか?
上等だ、色男、其の誘い乗った
天使様とやらを射止めるのは何方だろうな
抜いた鞘から現る流れる波紋の刀
弾丸と剣閃、お好みの方を



 狩り――攻撃を受けて、魔獣は唸り声をあげている。
 その様を空露・紫陽(Indulgence・f30642)は見上げてふと笑い零した。
「本命のお出ましか」
 獣の身体に尾は魚――漸く御登場だと鴇刄・紫雨(月露・f17470)もその姿を見上げていた。
「肉と魚を一気に味わえるってワケな」
 べろりと時折見えるその舌は、確かに青い。青だなと二人で見て、微かに笑い重なった。
「青い部位程度じゃ最早驚かねぇさ」
 紫雨は肉と魚を一気に味わえるってワケなと紡ぎながら、傍らへと目配せ一つ。
 いつかのに比べたら大層旨いだろうよと紫陽は笑って、狙撃手と料理人、何方の血も騒がせている。
「そりゃあ調理の甲斐が有るだろうし、張り切って調達だ」
 紫雨の言葉に紫陽は笑って同意する。
「さてと、調達の時間だ」
 最初と最後の口づけ――それを思うとまた心は逸る。
 狙撃手は最後を、料理人は最初を。
 欲張るのは性ってモンだと紫陽は笑う。
「やっぱり俺は最初の口づけ、かねえ」
 と、紫雨は返す。何事も一番先ってのは気持ちがいい、と言って。
 それに――
「あと腹減ってるから。美味そうな部位は頂きだ」
「其の侭で食える旨さは譲る気もねぇよ」
 紫陽の愛銃の射程範囲内に魔獣は捉えられている。
 狙撃手の本領発揮と行こうかと、紫陽は視線向ける。
「遊撃は任せるぜ、紫雨」
 その言葉に紫雨は焔の華を周りに散らせて取り囲んでいく。
 囲めば、魔獣はどう動くかと思案をしているようでもある。
 その間に紫陽は狙い定めてちらりと視線向けた。返される視線はじと、と抗議めいた眼差し。
 その眼差しに口端を上げて、一発目の銃弾を紫陽は響かせた。
 それは合図だ。
「やれやれ、仕方無ェ。飯のためだ」
 その音に合わせて紫雨も動く。
 ふは、と笑い零れてしまうのだ。空の女を最高に飾り、何より旨くしてやるから、なんてのはと。
「――さ、天使のお嬢さん。殺り逢おうぜ」
 天使の輪が広がる様にも、紫陽は笑ってみせる。
 愛(殺)し尽くせた方の勝ちさと向ける銃弾で隕石を打ち抜いて、そして魔獣も撃ち抜いて。
「紫雨、勝負でもするかい?」
「――は、イイ女の奪い合い、ってか?」
 その誘いに、笑って返す。
「上等だ、色男、其の誘い乗った」
 紫陽が紫雨を誘ったのも、のってくるのがわかっていたからだ。
 紫雨はすらりと刃を引き抜く。その波紋の揺れは美しく、魔獣の視線が惹かれていた。
「天使様とやらを射止めるのは何方だろうな」
 弾丸と剣閃、お好みの方をと笑って紡ぐは紫雨だ。
 魔獣が唸り烙印を躍らせるのを斬り伏せて、撃ち抜いて。
 何方が射止めるか、何方も振られるか――と、紫陽は銃弾向ける。
 魔獣がその身を射抜かれて、斬りつけられて唸り声をあげるのは、誘いへの返答だ。
 さて、どちらの誘いに乗るのかと二人の攻撃が交差する。
 魔獣は一撃事に唸り声をあげ、次を喰らわぬように威嚇をするがそんなものはどこ吹く風というように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
ん、一番乗りもとどめも別に譲ってもいいです
報酬とお肉さえもらえれば
それじゃ、狩りの時間、です……!


空中にいるか、空中に逃げそうなら飛空艇形態のエル・セプスで飛んで、『ケルベロスファング』を打ち込んだ後、外装形態に変形、そのまま外装の《怪力》で引っ張り落とすです

(UCで巨大化し)暴れるなら……起きるです、ケルベロスファング。
UC【ケルベロスバイト】でアンカー部を機械の魔獣の顎へ変形させて喰い付かせて、天使核のエネルギー、奪っちゃうです。
相手が飛空艇の上にいるならA.F.C.使うのはちょっと避けるです
……なので出力を上げて、勢いをつけて、思い切り《怪力》でぶん殴る、です。

※アドリブ連携他歓迎、です



 魔獣は攻撃重ねられ唸り声をあげて暴れる。その身は傷ついて、呼吸は乱れ落ち着きもなく攻め時のようだ。
 魔獣のその様をヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)は見つめていた。
 一番乗りも、とどめも別に譲ってもいい。そこに深く執着つもりはない。
 だがしかし、欲しいものはある。
 それは報酬とお肉。それは、ちゃんと頂かねばならぬものなのだ。だからヴィクトリアは勇士たちへと声を向ける。
「報酬とお肉はちゃんとくださいね!」
 ヴィクトリアの声にもちろんだと勇士たちは返す。その言葉にヴィクトリアはやる気を漲らせ、エル・セプスで魔獣へと近づいた。
「それじゃ、狩りの時間、です……!」
 近づいてきたヴィクトリアに魔獣も注意する。角を折られ、敵意を滲ませ飛び上がろうとしていた。
 しかし、ヴィクトリアもそれを留めるのに手を貸す。
 ケルベロスファングを打ち込んで、外装形態に変形しヴィクトリアは怪力で引っ張り落した。
 ぐっと引かれ、魔獣はバランスを崩す。
 それならばというように身体を大きくし暴れはじめた。でもそれに対応できないことはない。
「暴れるなら……起きるです、ケルベロスファング」
 ヴィクトリアの言葉と共にエネルギーを奪い続ける機械の魔獣の顎を姿を変えて得るケルベロスファング。
 それは天使核のエネルギーを奪い、魔獣を弱らせていく。
 息が上がる様に、魔獣は大人しくなっていく。しかしここは甲板の上だ。
 だからヴィクトリアは出力あげて、勢い付けて思い切り怪力で魔獣をぶん殴った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリィ・ミニットマン
鎖である程度動きを封じてはいるが、何せあの巨躯だ。単に暴れられるだけでも厄介だな。

狩人らしく《罠連鎖》を仕掛けよう。
まずは空中機雷型に変形した[仕掛け罠]を数個頭上に投げ放ち、うち一つを銃で撃ち起爆。魔獣が飛び上がらないよう威圧する。
続いて[群狼]と連携し攻撃。包囲陣に敢えて僅かな隙を作り、鋼線製の網を発射する罠を多数仕掛けた地点へ敵を誘導。網で四肢を絡め取る、という算段だ。

罠が命中し次第、勇士たちと共に畳み掛ける。
最後の口づけ、もといトドメを狙う気は然程無いが、だからと言って手を抜くつもりも無い。
狩りとは命を懸けた真剣勝負。なればこそ、誰が勝負を決しようと恨みっこなし──そうだろう、同胞よ!



 魔獣は弱ってきている。
 鎖で戒められ攻撃を重ねられて。その姿をユーリィ・ミニットマン(寄る辺無き民・f33966)は静かに見つめていた。
「鎖である程度動きを封じてはいるが、何せあの巨躯だ」
 単に暴れられるだけでも厄介だな、と鎖を振り回されぬように抑えている者達の姿もみつつ。
 なら――狩人らしく、とユーリィは動く。
 空中機雷連鎖型に変形した仕掛け罠を数個、ユーリィは頭上に投げ放った。
 そしてその内の一つを銃で撃ち抜けば、連鎖し魔獣の頭上で派手に爆発していく。
 それは飛び上がらないようにするための威圧でもあった。
 次は、群狼がユーリィの傍へと姿現す。囲むように走りこむ群狼たち。
 勇士たちも、その動きに合わせるように包囲を敷いていた。
 けれどその包囲にも僅かな隙がある。それを魔獣は見逃さないのだが――それも罠なのだ。
 鋼線製の網が、魔物が踏み込んだ瞬間にその四肢を絡め取る。
 鎖で戒められ、動きを抑え込まれた魔獣はその場に倒れこんだ。
 ユーリィは今だと示す。勇士たちもこの機を逃さず一気に動けぬ魔獣へと攻撃を畳みかける。
 最後の口づけ――とどめを貰う気はユーリィには然程なかった。
 しかし、だからといって手を抜くつもりもない。そんなことはしてはいけないのだ。
 だってこれは、狩りなのだから。
 ユーリィにとって狩りとは、命を懸けた真剣勝負。
 なればこそ、誰が勝負を決しようと恨みっこなし──ユーリィは口端を微かに上げて、問いかける。
「そうだろう、同胞よ!」
 そう、これは狩りなのだ。
 だから命を賭して、魔獣も、狩る者――勇士たちも、猟兵もここにいるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『おいしい魔獣』

POW   :    ボリューム満点の肉料理をいただく

SPD   :    まろやかな味わいの卵料理をいただく

WIZ   :    ひと手間かけた臓物料理をいただく

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 魔獣セラフィム・ビーストが倒されて、勇士たちが狩りが終わればよく向かう街へと向かう。
 それは食の街――運び込まれた魔獣は解体され、素材へとなっていく。
 そして今回、最後にセラフィム・ビーストに攻撃をいれとどめを刺したのは誰だったのか。
 猟兵たちも勇士たちも、一斉にかけた攻撃だった故にだれかはわからない。
 そんなわけで、今回は皆、好きな部位を分け合うことに。
 行きつけの店に材料を持ち込んで、これで料理をしてもらうのだ。
 頬肉はとろとろに煮込んでしまってもいい。ロースにあたる部分はじゅわっと焼いてもいい。揚げてもいい。
 舌は厚めにきって塩コショウだけで焼いてしまうのも美味。もちろんタンシチューもありだがこれは好みによるだろう。
 尾の部分は新鮮だ。薄く切ってそのままいくのもいいが軽くあぶってオリーブオイルやハーブで軽く味付けも。
 どういうのが食べたいと告げれば、店の料理人が美味しく上手に料理してくれるようだ。
 はたまた、料理の腕に自信があるなら厨房も貸してくれる。好きに調理していいようだ。
 と、狩った魔獣を食べるのもいいが、ここには様々な食材も持ち込まれているようだ。
 ふんぎゃーと鳴く野菜はスパンと切ってサラダにしてしまうらしい。
 びちびちと雷撃放ちながら踊る生きのいい魚は一刀にて仕留めるが、しばしは舌の痺れる不思議なお味だとか。
 そんな不思議食材での料理もでてくるのでお任せしてみるのも楽しいかもしれない。
 なんにせよここからは、楽しい宴会の時間――好きに頼んで、好きに食べて、好きに飲んで。
 勇士たちとおしゃべりするのもいいだろう。
 騒いでも誰も文句は言わない。楽しいひとときを賑やかな酒場で。
ユウヤ・シュバルツ
戦いの後は積極的に宴会に参加して楽しみます。
「カンパーイ!」
「この料理、なかなかイケるなぁ」
コミュニケーションをとりつつ、この世界の情報を集めていきます。
「魔獣との戦いの前に賊に襲われてたけど、やっぱりよくあることなのかい?」
「あと、この近辺だとほかにどんな魔獣が出るのかなぁって」

こっそり、端末に居る電子妖精のルルに話しかけ
「ルル。シルフィードの調整は済んだか?」
「うん、バッチリだよ!」
常に控えている結華に対して
「結華も楽しんできたらどうだ?」
「そうかい。まぁ、肝に銘じるよ」


御門・結華
宴会を楽しんでいるユウヤの後ろを邪魔せずに付いていきます。
すれ違った人には軽く会釈をし、ユウヤが話しかけた相手には立ち去るときに礼儀正しくお辞儀をしてからユウヤの後を追います。

船長であるガレオノイドの女性を見かけたら挨拶をします。
誰かからユウヤとの関係性について聞かれたら
「マスターは私にとっての最優先事項。端的に言うと、御主人様です」
「正しく伝わったのでしょうか?」
「マスターとの関係を言語化するのは、やはり難しいですね」

ユウヤからの問いかけに対して、静かに答えます。
「マスターが妙な事を思いつかないか心配なので」
「それに、まだこの世界に来たばかりです。単独行動は控えたほうがいいと思われます」



わいわいがやがや。
 賑やかな声がどこまでも響いている酒場――そこで何度も繰り返されるのは。
「カンパーイ!」
 酒はまだ早いので炭酸水。それでも、果汁の味は色々とあって多種多様。その一つを飲みつつユウヤ・シュバルツ(白銀の疾風・f01546)は勇士たちといろんな話をしていた。
 その傍に、邪魔せずついていくのは御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)だ。すれ違った人には会釈して、ユウヤが話している相手が立ち去るときには礼儀正しくお辞儀をしていく。
 と、船長であるガレオノイドの女をみかけ、結華は挨拶を。
 今回は世話になったこと、それから無事に狩りを終えられたこと――彼女もまた礼を紡ぐ。
 と、そこへまた別の勇士がやってきて。
「なぁ、あいつとはどんな関係なんだ?」
「マスターは私にとっての最優先事項。端的に言うと、御主人様です」
 そういうと、ひゅー! と口笛ふいて興味津々の様子。御主人様とは一緒にいないとな、と言ったりあんなに若いのに、とぎりぃとする者もいたり。反応は色々だ。
「正しく伝わったのでしょうか?」
 こてんと結華は首傾げる。それをみて船長は、皆が思っているような関係とはちょっと違うみたいですねと苦笑して。あとで茶化さないようにいっておきますねと告げた。
「マスターとの関係を言語化するのは、やはり難しいですね」
 どういったらいいものか。結華はまた考えておきましょうとユウヤへと視線を向ける。
 ユウヤも勇士たちと楽しそうに話し込んでいた。
「この料理、なかなかイケるなぁ」
「いい食べっぷりだな! こっちも美味いぞ。ソースも忘れずにな!」
 と、すすめられたのは魔獣の肉を衣に包んであげた、カツだ。
 それをパンにはさんで豪快にかぶりついたり、そのまま食べたりと食べ方はお好みで。そしてふと、ユウヤは勇士たちへと問い掛ける。
「魔獣との戦いの前に賊に襲われてたけど、やっぱりよくあることなのかい?」
「いつもじゃないけど、たまにあるくらいだな」
「今回はほんと助かったぜ!」
 と、勇士たちは戦いを振り返る。ユウヤも笑って、一口。
 じゅわっと肉汁たっぷり。しかしサクッとあがっていて、美味しい。
「美味い……!」
 そう言って、そうだとさらにユウヤは尋ねる。
「あと、この近辺だとほかにどんな魔獣が出るのかなぁって」
「ほかにも色々いるな。デカい魚みたいなのもいるし」
 なるほど、と勇士たちの話を聞くユウヤ。その話は知らない事ばかり、不思議なコトばかりだ。
 そんな賑やかさの中で、そっと端末に居る電子妖精のルルにユウヤは話しかけた。
「ルル。シルフィードの調整は済んだか?」
「うん、バッチリだよ!」
 そして――ユウヤの視線は結華へと向く。いつのまにか、また傍に戻っていた結華。
「結華も楽しんできたらどうだ?」
 その言葉にふるりと結華は首を横に振った。
「マスターが妙な事を思いつかないか心配なので」
 それに、と結華は言う。
「まだこの世界に来たばかりです。単独行動は控えたほうがいいと思われます」
「そうかい。まぁ、肝に銘じるよ」
 ここの店の中なら自由に動いて大丈夫そうだと思うけどな、と言いながら結華へとほらとグラスを渡す。
 この冷えた果実水は美味いぞと、此処で知った事を教えるように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリィ・ミニットマン
〝最後の口づけ〟をしたのが誰か解らない、というのは少し残念ではあるな……皆が無事であることが何よりも大事であるし、相手が相手だったから仕方の無い辺りはあるんだが。
まあ、それはさて置き。改めて、ファム・ファタルというのは面白い言い回しだ。文化の違いという奴は全くもって興味深い。

文化と言えば、ここの食文化にも興味がある。
折角だ、料理は酒場の方々にお任せしよう。勇士たちお勧めの物があるなら試してみても良いかも知れない。
後は……ここには吟遊詩人の方は居ないだろうか。単に騒いだりするのもそれなりに好きではあるが、やはり宴には音楽が無ければ。手慰み程度ならオレも演奏は出来るし、異文化交流と行きたい所だね。



 少し残念ではあるな、とユーリィ・ミニットマン(寄る辺無き民・f33966)は思う。
 最後の口づけ――それが誰だったのか、分からない事が。
 けれど、とユーリィは視線を巡らせる。
 皆が無事で、今楽しそうにしていることが何よりも大事であるし、相手も強敵だった。だから仕方のない辺りはあるんだろう。
 それはさて置き、ユーリィには興味を持つにいたるものがあった。
 ファム・ファタルというのは面白い言い回しだと思ったのだ。文化の違いというやつは全くもって興味深い。
 それの文化と言えば、いまテーブルに並ぶ料理、食文化にももちろん興味がある。
 様々な料理があってどれがいいか自分で選ぶのはなかなか難しそうだ。
 ユーリィは酒場の給仕を呼び止めてお任せでと告げる。するとそれを耳にした勇士たちがそれならあれを食べないとな! と提案してくるのだ。
「骨付き肉いれてやってくれよ! それからパイだな! ミートパイ!」
 骨付き肉はすごいぞ、と勇士たちが言う。ユーリィがどう凄いのかと聞くと、それは来てからのお楽しみだとのこと。
 そしてしばらく待っていると大きな皿を、給仕が二人で抱えて運んでくる肉。
 それはユーリィの半身もある大きさか。骨も、腕の太さだ。
「これは……ひとりでは食べきれないな」
 みんなで分けようとユーリィは言う。頼んだ勇士も、そうなると思っていたのだろうもちろんだと笑っていた。
 ミートパイはさっくり生地にほろりと崩れていく肉の味が美味。
 これが好きで毎回食べるという勇士はおかわりをしていた。
 そしてふと、ユーリィは問いかける。
「……ここには吟遊詩人の方は居ないだろうか」
 単に騒いだりするのもそれなりに好きではある。しかし、やはり宴には音楽が無ければと。
「お、なんか演奏できるのか?」
「手慰み程度なら。知らない曲も多いだろうし」
 異文化交流だね、とユーリィは言う。すると、楽器のできるヤツをよべと彼らは笑って仲間を呼ぶ。
 弦楽器を持ち出して一音かき鳴らす。ユーリィもその音に合わせて体鳴楽器を響かせた。
 その音は勇士たちには初めて出会う音だったようで、それに合わせてまた新たな音が重ねられる。
 それは楽しい音のひと時の始まり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナスターシャ・ノウゼン
待ちに待ったご褒美タイムじゃ!
ぐぬぬ、最後の口づけを逃すとは……まぁ、あれだけの大物じゃ。そう誰ぞの一撃で、とはいかぬか。
まぁ、ええ!妾は美味い肉が食えれば、それでええわ!

目標はセラフィム・ビーストの全身を食べつくすこと!舌の先から尻尾の終わりまで、ぜーんぶ食べつくしてやるのじゃ!
ふおおお!?やはりまずはシンプルに塩コショウだけのタンか。この歯ごたえと溢れる脂、たまらんのう。そしてトロトロの頬肉!くぅっ、こちらの頬までとろけてしまいそうじゃ。ロースは肉汁をばっちり閉じ込めた唐揚げで……かぁっ、酒が進む!ハーブで香り付けした尻尾も美味!最高じゃ!!



 待ちに待ったご褒美タイムじゃ! とナスターシャ・ノウゼン(召喚獣「イフリート」・f33989)は意気揚々。
 けれど――最後の口づけを得られなかった。ということは最初の口づけ、好きな部位をお好みでの権利も今回は無し。
「ぐぬぬ、最後の口づけを逃すとは……まぁ、あれだけの大物じゃ。そう誰ぞの一撃で、とはいかぬか」
 そう、大物であったがゆえの事。それに巨体であったから得たものも多いというものだ。
 そしてそれはもう美味しい料理となって運ばれていく。
「まぁ、ええ! 妾は美味い肉が食えれば、それでええわ!」
 そう言って、ナスターシャはばっと手をあげて振る。
 セラフィム・ビーストの全身を食べつくしたい! とやってきた給仕へとナスターシャは告げる。
「舌の先から尻尾の終わりまで、ぜーんぶ食べつくしてやるのじゃ!」
 すると、なるほどと給仕は頷いて。お任せくださいとにこやかに笑った。
 それはまず舌の先から参りましょうと注文受けて厨房へ。
 なにやら厨房へと要望を通してくれている。その様子をナスターシャは見詰めつつ楽しみだと口の端はそうっと上がる。
 そして逸品目――青い色していたそれは、火が通ると焼かれた肉の色。
「ふおおお!? やはりまずはシンプルに塩コショウだけのタンか」
 厚めに切ってあるタンを食めばじゅわりと溢れる脂。それに歯ごたえは柔らかすぎず硬すぎずの絶妙。
 たまらんのうと頬緩めたところへ、お次はトロトロの頬肉。
 濃厚なワインソースでくつくつ煮込まれて。形はあるけれど、口に運べば一瞬でほどけていく柔らかさ。
「くぅっ、こちらの頬までとろけてしまいそうじゃ」
 これは飲み物か? という勢いでぺろりと平らげる。そしてどんと、ジョッキに注がれた酒が置かれた。
 それを差し出したものを見れば――次の料理にはこれがいるだろ、というような顔の勇士。
 そして彼は、すっと視線で次の料理を示した。
 揚げたて、じゅわじゅわ。肉汁閉じ込めた、唐揚げだ。
 それは、いる。ありがとの! とナスターシャはそのジョッキを片手に、目の前に置かれた唐揚げを口へと放り込む。
 じゅわりと口に広がる美味しさ――からの、酒を喉に落とす心地。
「……かぁっ、酒が進む!」
 しかし、料理は待ってくれない。お次は尻尾。魚の味わいのそれはハーブで香りづけしてあぶってある。
 どれもこれも美味しくて。足りないならば調理法方変えて持ってこようと給仕は言う。
「最高じゃ!!」
 その声に最高だ! と勇士たちの笑い声も重なる。
 美味しい時間はどこまでも、楽しく美味しく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
あの魔獣が見事に食材になりましたね……
話だけでも、どの部位も美味しそうです

私は頬肉を頂こうと思います
とろとろに煮込んだものを食べたくて
倫太郎は尻尾ですか
生は新鮮でなければ食べられませんからね

お酒……どうしましょう
そうですね、倫太郎も居りますから私も頂きます
酔い過ぎないように弱いものでお願いします
お酒の種類は倫太郎に任せて、料理を待ちましょう

お酒が来たら乾杯
すぐに回らないように、少しずつ

尾の肉ですか?……うん、美味しいです
生ですが全く癖がなくて食べやすいですね
ではりんたろ、此方もどうぞ
頬肉はとろとろで噛まなくても溶けてしまいます

追加で頼んだ部位の料理を堪能しつつ酔いが回ってふわふわ


篝・倫太郎
【華禱】
色々食べられるみたいだな

夜彦は何食べたい?
俺?俺はね、尾っぽかな
生でもイケるってなら生で喰いたいじゃん

あぁ、頬肉も絶対美味い

折角だから、飲もう
これだけ酒に合いそうな料理があるのに
飲まないなんて選択、俺にはないよ……
あんたも飲む?
今日は俺もいるから大丈夫デショ

俺のは辛口の強めで
この人には甘口の弱めで

頼んだ酒が来たらお疲れ様、そう告げてグラスを重ねて乾杯
賑やかで陽気な空気を楽しめば
隣ではちまちまと酒を飲む夜彦の姿
それはそれで愛おしい

あ、これ美味い……
ほら、あーん

追加した料理の一つを夜彦に一口お裾分けすれば
返される『う』が迷子になった名前を呼ばれ笑う

俺の唯一無二の運命はいつだって愛らしい……



 大きな魔獣であったのに――今は肉塊。
 解体も手際よくあっという間だった。その様を、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は思い出していた。
「あの魔獣が見事に食材になりましたね……」
 そうだなと、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は笑って返す。
 賑わう酒場では今その食材となった魔獣の料理がたくさん運ばれていた。
 あれすごいな、と二人の視線釘付けになる、二人で運ぶサイズの骨付き肉。こっちは骨からとった出汁のスープ、とそんな会話も聞こえてくる。
「色々食べられるみたいだな」
 夜彦は何食べたい? と倫太郎は問う。すると夜彦はしばし悩んで。
「話だけでも、どの部位も美味しそうです」
 けれどまず最初は。
「私は頬肉を頂こうと思います。とろとろに煮込んだものを食べたくて」
「あぁ、頬肉も絶対美味い」
 決めました、と頷く夜彦。そして倫太郎は? と訊ねる。
「俺? 俺はね、尾っぽかな。生でもイケるってなら生で喰いたいじゃん」
 そんな話をしていると、脂がのっているからあぶってもおいしいよ! なんて声が聞こえてくる。
「倫太郎は尻尾ですか、生は新鮮でなければ食べられませんからね」
 と、料理はほかにも色々。今日はどんどん並んでくるから好きに食べていいよということらしい。
「お酒……どうしましょう」
 その言葉に倫太郎は瞬いて。
「折角だから、飲もう」
 これだけ酒に合いそうな料理があるのに、と苦笑交じりに。
「飲まないなんて選択、俺にはないよ……あんたも飲む?」
 今日は俺もいるから大丈夫デショ、と倫太郎は給仕へと手を振る。
「そうですね、倫太郎も居りますから私も頂きます」
 そして注文は、夜彦は酔い過ぎないように弱いもので。倫太郎は辛口の、強めのものを注文する。
「この人には甘口の弱めで」
 弱めと言っても味はいろいろある。飲みやすいものを倫太郎が選んでかわりに。
 しばらくするとグラスがふたつ。倫太郎のものは琥珀色のもの。夜彦のものはうっすらと赤みがあった。
「お疲れ様」
 グラスを二人で重ねて、一口。
 夜彦はすぐに回らないように、少しずつ口にする。口に含んだそれはシロップの甘さ。どうやら果実をつけたもので割ってあるようだ。
 ちまちま飲んで美味しいと頬緩める姿に倫太郎は愛おしさを感じながら瞳細める。
 酒場の賑やかで陽気な空気と共に、一緒にこうして過ごせるのが楽しくて。
 そして料理も運ばれてくる。
 夜彦の前にはとろとろにとろけた頬肉。すっとスプーンをいれれば簡単にほぐれていく。
 そして倫太郎も、一口。
「あ、これ美味い……」
 生で食べるそれは、ちょっと薬味をつけて。脂がのっていて少しばかりあぶられたのがまた良い塩梅。
「ほら、あーん」
「尾の肉ですか? ……うん、美味しいです」
 口に運ばれたものを夜彦は素直に食べる。
 ぱくりと食べればその表情は綻んだ。
「生ですが全く癖がなくて食べやすいですね」
 おいしいです、と笑いながらでは、と夜彦は自分の皿からひとすくい。
「ではりんたろ、此方もどうぞ」
 頬肉はとろとろで噛まなくても溶けてしまいます、とふにゃりと笑う。
 酔いが回ってきて、ふわふわした心地だ。
 自分の、『う』が迷子になった名前を呼ばれて倫太郎は笑う。
 俺の唯一無二の運命はいつだって愛らしい……と目元緩ませて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

砂羽風・きよ
【箱蛸】

身も心も多分ボロボロになった俺
…どこで道を踏み外しちまったんだ?
いや、口付けがそもそもおかしかったんじゃ?

お、おい!今犠牲って言ったか?!
くそ、こうなったらヤケ食いしてやる!味わって食うけどな!

自分で作るのもアリだな
それとも個々で作ってみるのも楽しそう
よし、んじゃ作るか

――あ、嵐吾!一緒にメシ食おうぜ!
つか、聞いてくれよ!俺の話を!
…まずはメシが先だな

素材の味を生かしてステーキでも作るか!
味付けは塩コショウでシンプルに!レモンバターもいいな
お好みで付けてくれ!

へっへっへ、酒も呑んじまうか?
かんぱーい!

お、おいおい!なんだこの料理は!
旨いが舌がビリビリするぞ?!

…あれは、刺激が強過ぎたぜ


筧・清史郎
【箱蛸】

ふふ、色々な意味で大活躍であったきよし大佐を労おう
ん?おかしい?(きょと
そう謙遜するな、見事な尊い犠牲だったぞ(微笑み

俺はきよしの手料理が食べたい(きり

らんらんも共に宴会を楽しもう
きよきよの話…?
俺に縛られたきよし大佐が、魔獣にぱくりと接吻された(笑顔で一行説明

おお…ステーキ(瞳キラキラ
素材の味を楽しんだ後、レモンバターでも頂こう
さすがはきよきよ、焼き具合も絶妙だ
ふふ、らんらんの手料理もやはり美味だな
店の料理人のお勧めも頂きたい(健啖家

では、乾杯
きよきよ、らんらん、此方にも料理があるぞ(雷撃魚料理
ふふ、痺れるほど美味だったか(微笑み
魔獣との接吻の味も刺激的だったのだろうか?(笑顔で訊く



 賑やかな酒場の中、テーブルにつっぷして、身も心も多分ボロボロになった俺……と、のの字を書くのは砂羽風・きよ(タコヤキカレー・f21482)。
「……どこで道を踏み外しちまったんだ?」
 と、戦いのことを振り返るきよを筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はにこにこと見守り、遊びに来た友へとこちらだと手を振っていた。
「いや、口付けがそもそもおかしかったんじゃ?」
「ん? おかしい?」
 おかしいだろ? と顔を上げたきよにいいやと清史郎は首を横に。
「そう謙遜するな、見事な尊い犠牲だったぞ」
「お、おい! 今犠牲って言ったか?!」
 言ってない、みたいな顔をしているが言っている。しかしきっと誰も信じない――そう思ったきよは。
「くそ、こうなったらヤケ食いしてやる! 味わって食うけどな!」
 食に抱えた気持ちをぶつけることにした。そこへ清史郎はきり、とした顔で。
「俺はきよしの手料理が食べたい」
 その言葉にきよはなるほどと頷く。自分で作るのもアリ。個々で作ってみるのも楽しそうだ。
「よし、んじゃ作るか」
 と、なったところで清史郎は此処へ送った友、嵐吾を見つけ手を振る。
「らんらんも共に宴会を楽しもう」
「――あ、嵐吾! 一緒にメシ食おうぜ! つか、聞いてくれよ! 俺の話を!」
「お呼ばれしたからの~。ん、きよ君の話? きよ君大活躍の話かの?」
 どんな戦いじゃったのか簡潔に、と嵐吾が言うと清史郎は綺麗な笑顔浮かべ。
「俺に縛られたきよし大佐が、魔獣にぱくりと接吻された」
「すまん、状況がよくわからん。きよくんが縛られて接吻された事しかわからん…」
「……まずはメシが先だな」
 そどうしてそうなったと詳しい話を募られる前に、きよは料理を。
「素材の味を生かしてステーキでも作るか!」
 肉の部位はどこだろうか。どこでも美味しいに違いない。きよが焼いてステーキは肉汁じゅわっと。味付けは塩コショウでシンプルだ。
「レモンバターもいいな。お好みで付けてくれ!」
「おお……ステーキ」
 瞳キラキラさせ、まず一口。清史郎はその後にレモンバターでも頂く。
「さすがはきよきよ、焼き具合も絶妙だ」
「わしは肉か魚かようわからんけどあぶってきた! オリーブオイルでマリネじゃよ」
 それは魔獣の尻尾あたりだったようだ。
「ふふ、らんらんの手料理もやはり美味だな」
 清史郎はすっと手を挙げ、店のお勧めも頂きたいと告げる。そして次々に料理が運ばれてくるのだ。
「へっへっへ、酒も呑んじまうか?」
 もちろんだ、もちろんじゃ、とグラスもスタンバイ。
「では、乾杯」
「かんぱーい!」
「ふふ、たくさんのも~」
 ぐびっとそれぞれ一杯やって――清史郎がすっと差し出す一皿。
「きよきよ、らんらん、此方にも料理があるぞ」
 からりと挙げられた唐揚げ。それも美味しそうときよと嵐吾はひとつずつぱくっと口へ。
 だが、それは普通の美味しいではなかった。
「お、おいおい! なんだこの料理は! 旨いが舌がビリビリするぞ?!」
「!? なん、これっ!?」
「ふふ、痺れるほど美味だったか」
 舌が、とベロを出すきよ。嵐吾も舌がいたいと酒を飲む。
 これは雷撃魚料理だと清史郎は言う。面白く美味しいだろうと。そしてふと。
「魔獣との接吻の味も刺激的だったのだろうか?」
「……あれは、刺激が強過ぎたぜ」
 きよは思い出して遠目をする。刺激的な接吻とは、と嵐吾は思いつつ、慰めの気持ちも含めてお食べと口に入れたのは――雷撃魚料理雷撃増し増し風だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
【POW】
え、好きなとこ貰っていいです?
なら残ってるとことか人気のないとこでいいから量貰いたい、です

それで、お肉も渡して後全部お店にお任せしちゃうです
(どちらかというと味より量な、何用意してもおいしいって言っちゃう料理し甲斐がないタイプ)
(しかも当人料理あまりできないので特に拘りもない)
そしたら、後はひたすらに食べるです(大食い)
ん、この量でも問題なく入るです。それに働いた(エル・セプスを駆った)後はだいたいこんな感じです。

そういえば天使核は……とふと思ったけど、向こう(勇士たち)も人数多いですし、どっちみちお肉を貰えたからそれでいいです

※アドリブ他歓迎、です



 大きな魔獣の身は解体され、すでに食材へと姿を変えていた。
 そして次々と酒場へと運び込まれていく。そしてもらうのは、解体したタイミングでほしいというものもいれば、料理になってからということらしい。
「え、好きなとこ貰っていいです?」
 きらきらとヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)は瞳輝かせる。
「なら残ってるとことか人気のないとこでいいから量貰いたい、です」
 量が多めなら、とどーんと一塊。それとも削いだ切り落としがいい? と聞かれてヴィクトリアは両方! と声高に。
 そしてそのお肉で、美味しいものを作ってください! とお店にお任せ。
 どんな料理がくるかなとわくわくそわそわ。
 二人じゃないと運べない骨付き肉の姿を見たり、鼻を擽る濃厚な香り――どれも美味しそうに見える。
 ヴィクトリアの前におまちどおさま! と運ばれてきたのは肉肉ワンプレートだ。
 唐揚げ、カツ、ステーキ。粗みじん切りのハンバーグ。ソースもついていて、そしてお肉だけでなく野菜も添えてある。
 パンもサービスだよ、と貰ったら美味しい時間の始まり。
 いい食べっぷりに追加だよと、とろとろの煮込み料理ももらってヴィクトリアは頬緩ませる。
 ひたすらに食べる、食べる、食べる。
「ん、この量でも問題なく入るです」
 働いた後は――エル・セプスを駆った後はだいたいこんな感じ。
 今日はお腹いっぱい食べれそうとぱくり、ぱくりと次々とお皿を開けていく。
「そういえば天使核は……」
 どうなったのかな、と思ったけれど。勇士たちの人数も多い。
 しかし、どっちみちお肉を貰えたからそれでいいとお腹いっぱい。
 お土産持って帰るかい、と唐揚げを差し出されれば、いいんですか! とヴィクトリアは満面の笑みで受け取るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鴇刄・紫雨
【酒煙】

此れからは料理人の時間だな
自分は厨房には立てないが
お前が美味く調理してくれんの理解ってるし
任せた、相棒
報酬の肉を託して

…あ、云わずともだが
酒に合うツマミがイイなぁ、オニーサン
煙草を燻らせ待つだけの男は頬杖をついて
厨へ向かう彼へひらりと手を振る
結局お前が作るものなら何でも良いけど

並ぶ御馳走、俺の好物も完璧
…は、流石、用意が良い、俺の最近嵌ってる米酒だ
贅沢な食事を、遠慮なく口に運んでご機嫌に
…、…美味いぜ、紫陽シェフ?
揚げ串もローストも絶品だ

噫、イイ女の齎す運命とやら
確かにこの味は、宴は
男は堕落し破滅するかも、なんてな
けれど今だけは存外悪くない

満足気に眸臥して、乾杯のおとをお前と鳴らそう


空露・紫陽
【酒煙】

さて厨房を借りるぜ
紫雨との約束だからな
報酬の肉受け取って

はいはい、心配しなくても
お前さんの欲しいモンは解ってると手ひらり
面白い食材に愉しげに笑って
鳴く野菜は一閃、じゅわりと焼いたロースに添えて
揚げ物でツマミも序に
頬肉はとろとろ煮込んでロースト対象的な噛み応えに
他に不思議な食材はあるかい?と尋ね愉しげ

紫雨、待たせたな
ほらよと並べる皿の数々には肉と添えられた野菜
串の揚げ物と酒のツマミ
お前さんのフルコースだと持ち込んだ米酒も置く
くっは、お気に召したなら何より

宴に並ぶ料理もイイ女達
運命を女を満足に抱けたかいなんて
狙撃手は食べ
料理人は問う
何方も男を象る証

堕落とは最高の褒め言葉
さ、乾杯を鳴らそうぜ



 渡される一塊は、報酬の肉だ。
 此れからは料理人の時間だなと鴇刄・紫雨(月露・f17470)は空露・紫陽(Indulgence・f30642)へとそれを渡したのだ。
 紫雨は厨房には立てないけれど、知っている。
「お前が美味く調理してくれんの理解ってるし。任せた、相棒」
 約束だからなと紫陽は笑う。厨房は賑わっていて。カウンターのようになっており中が見える。
 紫雨はその席に座って酒を先に。
「……あ、云わずともだが」
 酒に合うツマミがイイなぁ、オニーサンと煙草燻らせ、頬杖ついてひらりと手を振る。
「はいはい、心配しなくても」
 お前さんの欲しいモンは解ってると紫陽もひらりと手を振って返す。
 その背を見ながら、瞳細め紫雨は口端を緩めていた。
 結局、お前が作るものなら何でも良いけどとは、本人には言わず。 紫陽は塊肉を見詰めて、面白い食材だと愉しげに。厨房にある食材はどうぞご自由にというのはありがたく、そしてまた興味そそられるものもあるのだ。
「ぴゃー! ぴゃっ!!」
 鳴く野菜を一閃すれば、いい手際だと料理人たちが言う。
 そして熱した鉄板でじゅわりと焼くロース。
 料理を形作りながら、揚げ物でツマミも序に。
 こっちの食材も使ってみるかい、なんて透明に輝くエビなんかももらいつつ、肉はもう一品。
 頬肉はとろとろ煮込んで、ローストとは対照的な噛み応えに。
「他に不思議な食材はあるかい?」
 料理人の心擽る食材がたくさん。跳ねる野菜を捕まえて、暴れる魚を鍋に閉じ込めて作る料理はなかなか力業のようで見ているのも面白かった。
 そんな、様々な此方の調理も見せてもらいつつ出来上がった料理を紫陽は運んでいく。
「紫雨、待たせたな」
 ほらよ、と並べる皿の数々。肉と添えられた野菜。
 串の揚げ物と魚のツマミ。どれもこれも美味しそうだ。
「お前さんのフルコースだ」
 これもいるだろうと持ち込んだ米酒も置く。
 その様を紫雨は眺めて――好物も完璧、と思った矢先にそれだ。
「……は、流石、用意が良い、俺の最近嵌ってる米酒」
 早速、とグラスに注いで、紫陽は紫雨が口に運ぶ様を眺めていた。
 並ぶご馳走を一口ずつ。贅沢な食事を遠慮なく口に運んで紫雨はご機嫌だ。
「……、……美味いぜ、紫陽シェフ?」
 揚げ串もローストも絶品だという言葉にくしゃりと表情崩して紫陽は笑う。
「くっは、お気に召したなら何より」
 美味いと紫陽も口に運んで思う。まぁ、美味いものしか作ってないのだけれども。
 この宴に並ぶ料理もイイ女達。
 運命を、女を満足に抱けたかいと、食べる狙撃手へと料理人は問う。
「噫、イイ女の齎す運命とやら」
 確かにこの味は、宴は――男は堕落し破滅するかも、なんてなと紫雨は笑う。
 けれど今だけは存外悪くない、と。
 どちらも、男を象る証。
 その言葉は、と口端上げて紫陽は紫煙を燻らせた。
「堕落とは最高の褒め言葉だな」
 すっと伸びる紫陽の手は、グラスを持つ。そしてそれを、己の口元ではなく紫雨の方へと向けて。
「さ、乾杯を鳴らそうぜ」
 ふと、満足げに眸臥して、もちろんと紫雨もグラスを手にする。
 もちろん、乾杯のおとをお前と鳴らそうと。
 酒場の賑わいの中で、グラス触れ合う音が小さく響いた。そして酒が喉を抜けて、心地よく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

皐月・灯
【はなあかり】

本当に魔獣食うんだな……まあ、そのための狩りなんだから当然か。
お前も結構動いてたもんな、しっかり食っとけよ。
細っこい体してんだから、食わねーといつか折れちまうぜ。

ああ、オレはロースと、舌を塩焼きで。
煮た肉も嫌いじゃねーが、外じゃシンプルに行くと決めてんだ。

(齧りつけば肉らしい歯ごたえと繊維質、溢れる肉汁)
ふうん、イケるな。そんなに獣臭さもねーし。

……お前、酒飲んでもあんまり変わらなさそうだな。
酔ったところで、今の時点でもう陽気だろ?

いや、食うなら自分で…………花雫、さてはお前、引っ込める気ねーな?

ったく……わかったよ、ほら。

――へえ、悪くねーな。

お前も食うか? オレのやつ。


霄・花雫
【はなあかり】

わぁい、灯くんご飯だよー!
いっぱい動いたし、お腹空いちゃった
周囲が賑やかになって、明るい空気が何だか嬉しい

何食べよっかー、何か食べたいものある?
あたしはねー、頬肉と尾の部分のオススメそれぞれくださーい!
尾は何かこう、炙った薄切りのサラミとか食べてる気分。これはこれで美味しいけど、お酒飲むヒトとかが好きそうー
お酒は飲んだコトないけど、家族みーんなお酒強いよー

わー!頬肉とろっとろ!おいしー……
あ、そだ、灯くんも食べる?はい、あーん
ね、とってもおいしいでしょ?
にこにこと嬉しそうに笑いながら、スプーンに乗せたひと口を灯くんの口元へ

引っ込める気は全然ないから、食べてくれるまでにこにこ見守る



 招かれた酒場の様子に、皐月・灯(追憶のヴァナルガンド・f00069)は視線を巡らせる。
 賑やかだ。活気があって、誰も彼もが楽しそう。そして傍らの霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)も。
「わぁい、灯くんご飯だよー!」
 いっぱい動いたし、お腹空いちゃったとくるりと回る花雫。
 賑やかなこの場、明るい空気が何だか嬉しくて、ターン決めれば知らない人からも拍手。
 ありがとーと言う花雫を引っ張って、灯は空いていた席へと座った。
「何食べよっかー、何か食べたいものある?」
 何かって、と灯は近くのテーブルをちらり。
「本当に魔獣食うんだな……まあ、そのための狩りなんだから当然か」
 あの魔獣がああなるのか、なんてちょっと他人事のように思いながら灯はどうしようかと思案する。
「お前も結構動いてたもんな、しっかり食っとけよ」
 細っこい体してんだから、食わねーといつか折れちまうぜという灯。花雫は折れないよ! と言いながらこれにすると決める。
「あたしはねー、頬肉と尾の部分のオススメそれぞれくださーい!」
「ああ、オレはロースと、舌を塩焼きで」
 煮た肉も嫌いではない。しかし外ではシンプルに行くと決めている灯はオススメを聴く必要もない。
 通りすがりの給仕に注文すればしばしお待ちくださいとのこと。
 そして運ばれてきた料理は、できたばかりのあたたかなものだ。
 灯は大きな肉にそのまま噛り付く。肉らしい歯ごたえと繊維質。食めばじゅわと肉汁溢れ、そのうまみが口の中へと広がっていく。美味いと灯はまんざらでもない顔をして。
「ふうん、イケるな。そんなに獣臭さもねーし」
 そして花雫は尾の一皿とにらめっこ。
 薄切りにして、少しあぶっているので香ばしさもある。でも確りと舌噛み応えがありそうな雰囲気。
 花雫はそれを一口でぱくり。どうだ、というような灯の視線にもぐもぐしながら、この味はと考える。
「尾は何かこう、炙った薄切りのサラミとか食べてる気分。これはこれで美味しいけど、お酒飲むヒトとかが好きそうー」
「……お前、酒飲んでもあんまり変わらなさそうだな」
「お酒は飲んだコトないけど、家族みーんなお酒強いよー」
「酔ったところで、今の時点でもう陽気だろ?」
 花雫の言葉に灯は、変わらないだろと再度思うのだ。
 そうかな? と思いながら花雫は頬肉を一口。するとぱっと表情は変わる。
「わー! 頬肉とろっとろ!おいしー……あ、そだ、灯くんも食べる? はい、あーん」
 美味しいもののおすそわけ、とひとすくい。
 灯の口元へと花雫は運ぶ。
「いや、食うなら自分で……」
 ずずい、とさらに近づいてくるひとすくい。
「……花雫、さてはお前、引っ込める気ねーな?」
 ふふ、と花雫は笑み深めて、はやくはやくというような雰囲気。その様子に灯は、ひとつ息吐いて。
「ったく……わかったよ、ほら」
 ぱくりと、その口へと運んでもらう。
「――へえ、悪くねーな」
「ね、とってもおいしいでしょ?」
 にこにこと嬉しそうに笑いながら花雫はもう一口いる? と訊ねる前から運んでいく。
 これもまたひっこめる気は無いようで、灯は仕方ないというように貰う。
 そして次のひとさじが来る前に。
「お前も食うか? オレのやつ」
 その言葉に花雫は食べる! と笑ってあーんと口あける。
 灯はその姿見詰めて、さてどうするかとため息一つ落とした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月05日


挿絵イラスト