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亡霊を退治して温泉三昧!

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●アルダワ魔法学園
 全ての災魔、オブリビオンが地下へと押しやった迷宮の上に建てられた学園だ。
 迷宮から脱出を試みる災魔と戦うのが、この学園の生徒の日常。
 猟兵達は転校生として、生徒ですら手こずる災魔の討伐の為に迷宮へと踏み込む。

●精霊術師を夢見た災魔の少女
 魔法学園の地下にあるとある一角に、亡霊ばかりが集まる洋館のような場所があることが分かった。
 その場所の主は、一人の精霊術士を志した少女の亡霊。
「どうか、どうか、私の元に……」
 長くきれいな金髪を持つライヤという名の少女は生前、修行を重ねて精霊との交信を試みていた。
 されど、彼女の元に集まったのは精霊ではなく、黒い小さな生霊達。そして、騒々しい女の子の姿をしたポルターガイストだった。
 悲しいかな、その霊達に憑りつかれ、ライヤは短い生涯を終えることになる。
(「ただ、精霊に愛されたかっただけなのに……」)
 今度こそ精霊に祝福され、精霊と共にありたい。
 亡霊になってなおそれを夢見る少女は、生霊達と共に迷宮からの脱出を目指すべく、洋館で力を蓄えていた……。

●ご褒美は魔法蒸気温泉のチケット
 グリモアベースにおいて、そんな依頼を持ち掛けてきたのは、金髪に青い瞳を持つエルフ少女、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)だった。
「アルダウ魔法学園で、迷宮の脱出をはかる亡霊達の討伐依頼ね」
 主として活動しているのは、精霊術士を志した少女、ライヤ。
 すでに亡霊となった彼女は生霊を意のままに操り、ポルターガイストを従えている。
 その境遇を想えば、倒すのは非常に心苦しくもあるが、災魔……オブリビオンである以上、倒す他ない。
「そんな依頼だから、皆のモチベーションを上げようと思って……」
 セレインが用意したのは、魔法蒸気温泉のタダ券。
 あれこれと情報を売買する最中でもらったものらしい。
 かなりの枚数あるので、飛び入り参加しても問題なく温泉に入ることもできる。
 基本的には男女別だが、混浴の浴場も用意されている。
 水着着用が基本だが、皆で入浴したい場合はそちらも利用してみるといいだろう。
 蒸気を使うこともあり、温泉だけでなくサウナ室も用意されているので、存分に汗を流してから、温泉に入ることもできる。
 疲労回復、美肌などに効果があるそうなので、ぜひ試してほしい。
「その為にも、亡霊退治を。よろしくお願いするわね」
 彼女はそうして猟兵達へとチケットを手渡し、この事件の解決を託すのである。

●洋館ロビー
 地下迷宮のその洋館へと向かう猟兵達。
 入ってすぐ、ロビーにて待ち受けるは、ラップ現象を起こすポルターガイスト達だ。
「うふふ……」
「うふふ……」
 やや騒々しい彼女達は笑い声をあげ、遊んでほしいと言わんばかりに洋館内の家具、食器、日用品などを投げ飛ばしてくる。
 それだけでなく、この霊どもは家具に潜んで炎を発してきたり、騒音を放ってこちらのユーベルコードを相殺してくることもある。
 かなり面倒な相手だが、洋館奥にいる少女ライヤの亡霊を倒す為、猟兵達はまずこのポルターガイストどもを黙らせに動くのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 アルダワ魔法学園の地下、とある洋室のような場所に現れる霊達の撃破を願います。

 その撃破の報酬として、アルダワ式・魔法蒸気温泉に入ることができます!
 依頼が終わればゆっくりと汗を流すこともできますので、亡霊退治に励んでいただきますよう願います。お誘いあれば、セレインも温泉パートのみご一緒します。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『ポルターガイスト』

POW   :    パイロキネシス
【自然発火の能力を持つ念力】が命中した対象を燃やす。放たれた【青白い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    テレキネシス
【念動力で操った家具の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ラップ現象
対象のユーベルコードに対し【対象の集中を阻害する騒音】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スバル・ペンドリーノ
「望む才能を得られなかった、か……可哀想では、あるけど。終わってしまったことは、どうしようもないわよね」
小さく溜め息。
物心ついた頃から魔法が使えた私に同情されたくは、ないかもしれないけど。

「貴方たちは、ライヤのお友達? 一緒に迷宮の奥でおとなしくしていてくれれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに」
数には数ね。影の蝙蝠を呼び出して、片端からポルターガイストたちの生命力を奪わせましょう。
実体のない影でもあるし、なかなか、防ぐには厄介でしょう?
ラップ現象の妨害は厄介だけど――私、生まれつき、なぜか呪いの類には強いのよね。なんとか集中力を保てるよう、頑張りましょ。

※アレンジ、絡みなど歓迎です


春霞・遙
生霊というと想いのもとになった人がいるのでは。それとも幽体離脱みたいに生きてる人から抜けてきてるとか?えー、これ、倒していいの?
といっても過去からにじみ出たオブリビオンか。呼び起こされた霊を寝かしつけるのが私たちの仕事、かな。

飛んでくる家具や食器の類は拳銃や杖で打ち落として対応。炎はローブに耐火性があるから耐えられると思う。「早着替え」「武器落とし」「吹き飛ばし」「火炎耐性」
音に対してできることはないなぁ。攻撃は物理攻撃に頼って、能力は敵の攻撃の間に【生まれながらの光】での味方への回復を頑張ろう。


十六夜・月
ポルターガイストに実体攻撃って効くのかな?
まあ、ダメだった場合は尻尾巻いて逃げるしかないか~

攻撃方法は近づいて殴る!お化けなんざ怖くねぇ、ヤローオブクラッシャー!(
相手に攻撃される前に[早業]での[先制攻撃]。
可能ならば、[2回攻撃]や[範囲攻撃]での複数体の排除を狙う。

攻撃を受けた場合。当たれば厄介なものとなる・・・
それを[見切り][第六感][野生の勘]などを使い全力で回避。
それがかなわなくても[武器受け]で防御する

もともと、物理攻撃がきかない場合は、私には魔法とか得意じゃないし
体でを使って仲間を守れば少しは手伝いになるかな・・・


中村・裕美
…魔法蒸気温泉…なんとも気になる響き
……あとは…ライヤのことも…少し気になる。

とはいえ、まずはポルターガイスト退治
「……まずは…厄介な攻撃を…封じる」
ミームインベイジョンで相手の精神に【ハッキング】して【催眠】
ラップ現象の「ラップ」をヒップホップの「ラップ」に常識をすり替える
向こうは「YO!YO!私はDJガイスト!お前を黄泉路へガイド!」とか「お前のユベコ、封じてベコベコ!」みたいなことしか言えないようにさせて、相手を混乱させる。元々ラッパーじゃないからそんな言葉も出てこないだろうし
「…これはこれで…邪魔かも」

後は槍でシバくなり、味方に攻撃を任せるなり。
自分のユベコを封じられてた場合も槍で叩く


真宮・響
【真宮家】で参加。

精霊術士を目指した娘さんか。呼び出したのが邪悪な生霊でそれによって殺されたか・・・死んでもなお、自分を殺した相手と彷徨うなんて見てられないね。・・・アタシも精霊術士の親だからね。

まず【目立たない】と【忍び足】で敵の視線から逃れつつ、【ダッシュ】で接近。【迷彩】も利用して、竜牙を【範囲攻撃】で使うよ。【二回攻撃】で攻撃回数も増やしたいね。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ライヤさん、お可哀想に。瞬兄さんという身近な精霊術士がいるので分かりますが、ただ、精霊さんと仲良くなりたかっただけなんですよね。解放して差し上げるのは、まず凶器たる生霊達を倒さなければ。

私は主に盾役を務めます。【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で家具の攻撃から【かばう】。場合によっては【拠点防御】も併用します。炎での攻撃は【火炎耐性】で耐えます。私は盾役なので、信念の一撃が相殺されても戦況には影響は出ませんね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

もっと早く出会えていたら、同志として語り合えたかもしれませんね。ライヤさん、貴女の無念、良く分ります。ライヤさん、せめて貴女を天に還しましょう。まずはこの生霊達からですね。

僕は主に後方支援を担当。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も併用して【二回攻撃】で攻撃回数を増やしますね。もし攻撃が飛んで来たら【見切り】【オーラ防御】で対処しますね。



●精霊術士を目指した薄幸の少女
 アルダウ魔法学園地下。
 迷宮を進む猟兵達の一団がたどり着いたのは、とある洋館だった。
「ポルターガイストに実体攻撃って効くのかな?」
 やや男まさりな十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は、そんな疑問を抱く。
 直接殴って攻撃をと気合を入れる彼女は、ダメだったらダメで尻尾撒いて逃げるしかないかと軽い態度をとっていた。
 しかしながら、倒すべき敵に思うことのあるメンバーも多く、やや一行の雰囲気は重い。
 ぐるぐる眼鏡着用、黒く長い髪の少女、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は、魔法蒸気温泉という気になる響きにつられてこの依頼に参加したのだが。
「……ライヤのことも……少し気になる」
 裕美の本音に、他のメンバー達も同調する。
 ライヤ……精霊術士を志したものの、それが叶わず命を落として亡霊となり果てた哀れな少女だ。
「望む才能を得られなかった、か……」
 影の魔法を使う銀髪のダンピール、スバル・ペンドリーノ(星見る影の六連星・f00127)は討伐対象に同情をするも、終わってしまったことはどうしようもないと小さく溜息をつく。
 もっとも、物心ついた頃から魔法を行使できたスバルだ。
 思い悩んで命を落とした相手が好意的に捉えるとは思えないが……。
「精霊術士を目指した娘さんか」
 名家の令嬢という過去を持ちながら、豪快さを感じさせる真宮・響(赫灼の炎・f00434)がぽつりと呟く。
「呼び出したのが邪悪な生霊で、それによって殺されたか……」
 死してなお、自分を殺した相手と彷徨うなどという状況は、オブリビオンであっても見てはいられない。
 また、息子同然に育ててきた金髪の少年、神城・瞬(清光の月・f06558)が精霊術士であることも大きい
 だから、響はこの依頼を解決しようと参加していた。
「ライヤさん、お可哀想に」
 そんな母と義兄と共に、真宮・奏(絢爛の星・f03210)は【真宮家】としてこの依頼に参加していた。
 純粋で真っ直ぐな印象を抱かせる彼女は、討伐対象である少女の境遇を不憫に思う。
 やはり、彼女もまた、身近にいる精霊術士である兄の存在を感じて。
「ただ、精霊さんと仲良くなりたかっただけなんですよね」
「もっと早く出会えていたら、同志として語り合えたかもしれませんね」
 瞬も精霊術士であるからこそ、亡霊となった少女の無念を察する。
「ライヤさん、せめて貴女を天に還しましょう」
 まだ見ぬ少女に対する想いを瞬が口にしたその時、一行の目の前に目的の洋館が姿を現す。
「解放して差し上げるのは、まず、凶器たる生霊達を倒さなければ」
 メンバー達が洋館の扉を開くと、奏の告げた相手がロビーで猟兵一行を出迎えることとなる。
 ロビー内を所狭しと飛び回る家具の数々。
 それらを操るのは、この館に住み着いた生霊ポルターガイストだ。
「うふふ……」
「うふふ……」
 その姿を見せぬ彼女達は館へと猟兵達が侵入してきたことで、構ってほしいと主張するようにラップ現象を起こす。
 自己主張が激しく、実に騒々しい霊である。
「まずはこの生霊達からですね」
 瞬の言葉に合わせ、皆武具を取り出して構えを見せるのだが。
「えー、これ、倒していいの?」
 医師の本業の傍ら、猟兵としても活動する女性、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)がその存在に疑問を呈する。
 生霊というと、想いの元になった人がいるのではないか。
 それとも、幽体離脱のように生きている人から抜けてきているとか……。
 遙が考える間にも、ポルターガイスト達は自らの潜む物品を含めて操作し、襲い掛かってくる。
「といっても、過去からにじみ出たオブリビオンか」
 呼び起こされた霊を寝かしつけるのが自分達、猟兵の仕事。
 そう割り切る遙もまた、仲間と同様にポルターガイストの討伐へと当たり始めるのである。

●笑う騒霊達の群れ
 生霊と猟兵。
 洋館のロビーで繰り広げられる戦いはその構図のはずだが、一見すれば、空中を浮遊してくる家具を猟兵達が迎撃しているように見える。
「貴方たちは、ライヤのお友達?」
 スバルは周囲へと影の蝙蝠を呼び出しつつ、ポルターガイスト達へと問いかけた。
「「「うふふふふ……」」」
 しかしながら、笑う相手は返事として、洋服ダンスや鏡台といった家具を飛ばしてきた。
 対して、月が真正面から立ち向かって。
「お化けなんざ怖くねぇ、ヤローオブクラッシャー!」
 やられる前にやれという態度で、月は直接相手へと近づいて殴りかかる。
 敵が家具に潜むのならば、早業で片っ端から殴っていくだけ。
 スタイルの良い体を躍らせる月は連続し、拳を叩きつけていく。
 広範囲へと攻撃を叩き込む月だが、さすがに初撃で数の多いポルターガイスト達を駆除できず、その数倍の量の家具や日用品が猟兵達を襲う。
 それらを、遙が拳銃を手に撃ち落としていくなど、猟兵達がそれをやり過ごそうとする。
「一緒に迷宮の奥でおとなしくしていてくれれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに」
 後方に跳躍して家具を避けていたスバルもまた無数の影の蝙蝠達をけしかけ、家具に潜む生霊達の体力を奪う。
「実体のない影でもあるし、なかなか、防ぐには厄介でしょう?」
 しかし、生霊達の笑いも、宙を舞う家具も止まらない。
 飛んでくる椅子やテーブルを、【真宮家】の娘、奏は『エレメンタル・シールド』を手にして仲間のカバーに当たる。
 シールドで隠せぬ部分にはオーラ防御を展開し、彼女はできる限りダメージを軽減していた。
 合間を見て、奏は『ブレイズセイバー』を手に斬りかかっていくが、生霊達はラップ現象を起こして。
 ロビーに鳴り響く、今までで最も強烈な騒音。それは猟兵達の集中を削ぎ、ユーベルコードの使用を妨げてしまう。
「…………っ!」
 遙はなすすべないと判断し、騒音を堪える。
 手前、盾役となる奏は、自らの攻撃はうまくいかずとも戦況に影響は出ないだろうと割り切り、防御メインで立ち回ることにしていた。
「私、生まれつき、なぜか呪いの類には強いのよね」
 胸を張るスバルは、集中力を保てるよう抵抗を試みる。
 とはいえ、厄介なラップ現象による妨害に、スバルも眉を顰めていたようだ。

 【真宮家】の母親、自身に迷彩を施す響は目立たぬよう、忍び足でロビー内を立ち回っていた。
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
 相手の視界から逃れた彼女は家具群目掛けてダッシュで接近し、『ブレイズランス』で連続して切り裂いていく。
 さらに、瞬が後方から、氷の結晶のように透き通った『六花の杖』を手に素早く詠唱して。
「さて、これを見切れますか?」
 全力で撃ち放つ瞬の氷晶の矢が連続して放たれ、ベッドを、柱時計を撃ち抜いていく。
 これには、ポルターガイスト達も黙ってはおらず、苛立ちげにラップ音を起こす。
「……厄介な攻撃を……封じる……ハッキング開始」
 再度起こる騒音に、裕美がどもるように言葉を紡いで。
 ユーベルコード『ミームインベイジョン』。
「……これが……貴方の新しい世界」
 彼女は相手の精神をハッキングし、その認識を歪ませていく。
 すると、突然、ポルターガイスト達が妙な音を立て始める。
「「YO! YO! チェケラッチョ!」」
 ヒップホップ調の曲調で叫び始めるポルターガイスト達。完全にラップ違いである。果たして、どこでそれを覚えたのだろうか。
「お前のユベコ、封じてベコベコ!」
「あたし達生霊、主の命令、奇々怪々で阻害相殺!」
 一層、五月蝿さを増した感のある生霊どもに、猟兵達は皆唖然として。
「……これはこれで……邪魔かも」
 裕美はややげんなりしつつ、ユーベルコードが使える事を確認する。
 そして、彼女はドラゴンランス「覇空竜スカイフォール」を手に、個別に家具に潜むポルターガイストを叩いていく。

●襲い来る生霊の撃破を!
 遊ぶつもりがコケにされたと感じ、ポルターガイスト達も苛立ちが見られる。
「…………!」
 笑い声を止めた生霊達は、家具の中から周囲を自然発火させた。
 ロビーに浮かぶ青白い炎の数々が猟兵達の体を焼こうと襲い掛かってくるが、皆勘を働かせ、あるいは見切ってそれらを避けていく。
 月は相手の本体さえ見つけ出せば、ポルターガイストを叩けると確信し、拳で近場の本棚を殴り倒す。
 物理攻撃が効かなかったらと危惧し、最悪仲間の盾となることも考えていただけに、月は幾分気を楽にして戦っていたようだ。
 遙は着用している『革製のローブ』が持つ火炎耐性で敵の炎に耐えつつ、傷つく仲間達の回復にと聖なる光を発していく。
 多少自身が疲れるユーベルコードだが、ここは遙も仲間の治癒へと尽力していた。
 奏も所持する火炎耐性を活かし、家族を守ろうとカバーに動く。
 母親の影響で殴って解決しようとする傾向もある奏だが、この場はしっかりと盾役の任を果たそうと身構え続けていたようだ。
 そうしている間にも、瞬の氷晶の矢が家具を中に潜む生霊ごと撃ち抜き、次々に家具を床へと叩き落していく。
 相手に気づかれぬよう立ち回る響も、ドラゴンランスで家具を真っ二つに切り裂く。
「きゃあああああっ……」
 一際高い声を上げ、消えていくポルターガイスト。
 同時に、その生霊が灯していた炎もまた消え去っていく。
 数が減ってくれば、こちらのもの。
 飛んでくる化粧台を裕美が槍でしばいて破壊すると、姿を現すポルターガイストがうろたえる。
 そこに、スバルが影の蝙蝠を群がらせ、生命力を吸いつくしてしまった。

 生霊達は全て消え失せたことで、ようやく静かになる洋館のロビー。
 猟兵達も一息つき、館の奥へと移動していくのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『セイレイに愛された少女の亡霊』

POW   :    『黒き焔』と遊ぶセイレイ
【揺らめく複数の黒炎玉 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    『旧き幻想の知恵』のドレス
対象のユーベルコードを防御すると、それを【古代精霊言語に変換し身に纏い 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    『私も精霊に愛されたかった』
自身に【数体の黒い生霊(セイレイ) 】をまとい、高速移動と【威力の高い魔術の衝撃波(ウェーブ)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアサノ・ゲッフェンルークです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●生霊に愛されてしまったが故に……
 洋館の奥へと踏み込む猟兵達。
 そこに待ち受けるは、1人の少女。この洋館の主となったライヤだった。
「私を、倒しに来たのね」
 自身がオブリビオンとなり果てており、この世界の生徒、あるいは猟兵が自分を討伐に訪れてきていることを彼女は知っている。
 そして、ライヤは黒い生霊達を自らの周囲へと呼び起こす。
 自身を死に追いやった存在をこうして行使できるようになったのは、皮肉と言うしかない。
 ただ、ライヤはこんなものを求めていたわけではないのだ。
「私はただ、精霊に愛されたかっただけ」
 場所が悪いのか、それとも私の力が足りないのか。
 どうしてこうなってしまったのかは、ライヤにもわからない。
 ――今度こそ精霊と一緒に。精霊に愛されたい。
 そんな願望を抱く彼女は地下迷宮からの脱出をはかる。
 その為なら、生霊だって使う。ここから出るには、どんな形であれ力が必要なのだ。
「……だから、私を止めないで」
 全身から発する黒い生霊。
 ライヤはそれらを操って、自分の前に現れた猟兵達を迎え撃つ。
十六夜・月
愛されるよりも愛したいマジで?
とりあえず、次は実弾兵器が使えるか試してみましょう・・・
まあ、大元で試すのもどうかと思うけど何とかなるでしょ

メインはver.pul【1610L-BFS】使用での[スナイパー]。
初弾、敵が気づいていなければ[先制攻撃]を仕掛けるのがいい
それが叶わなければ味方の攻撃に合わせ[援護射撃]をするのが妥当だろう。

相手に距離を詰められた場合は得意の近接戦でどうでしょう?
[早業]で相手より早く、[見切り]でより正確に、[怪力][鎧無視攻撃]で
より強力に・・・一気に叩く!

そんなうまくいけばいいけどね?いかんせんお化け相手だからどうなることやら・・・


真宮・響
【真宮家】で参加。

・・・お嬢さん。こんな姿になってまで彷徨う必要はもうないよ。お嬢さんの事は確かに覚えて置くよ。あるべき場所にお帰り。

その使う技は決して油断できないね。【目立たない】と【忍び足】で敵の黒炎と衝撃波の攻撃範囲から逃れつつ、【ダッシュ】と【残像】で敵本体に接近、【先制攻撃】【二回攻撃】で奥の手で攻撃して技を封じる。。敵の防御は【串刺し】で防御ごと貫くことを試してみるよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ライヤさん、貴女の悔恨のお気持ち、察するに余りあります。でももう恐ろしいモノを操る貴女を止めなければなりません。精霊を純粋に愛する貴女自身の為に。

移動できないのは危険かもしれないので、トリニティ・エンハンスで防御力を強化する事を選択、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【かばう】で盾となることに専念します。状況によっては【拠点防御】【激痛耐性】も併用し、黒炎玉での攻撃は【火炎耐性】て対抗します。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

僕ら精霊術士に取って精霊は愛する者。何よりも精霊を愛し、共にあることを望んだライヤさん。しかし最早貴方に寄り添うのは生霊という邪悪なもの。貴女の意志は僕が受け継ぐ。だから、もう休んでいいんだよ。同胞。

ライヤさんに敬意を込めて最初から全力で行く。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を【二回攻撃】で撃つ。【よろい無視攻撃】【マヒ攻撃】も載せて。せめて最大限の精霊術を貴女への鎮魂とします。お休みなさい、安らかに。天の果てでライヤさんと精霊達が仲良くできますように。


中村・裕美
自分に才能のない分野に生涯、いや、死してもなお努力を続けた彼女
「……その生き方に…悔いは…なかった?」
多分答えは決まっているかもしれないが、訊かずにはいられない
「…強いのね」

邪竜降臨で身体強化を行って戦う。身体強化の術なら相手に借用されないかもという目論見。万が一借用されても呪詛や毒などが身体を蝕むはず
自身への呪縛、流血、毒はドラゴンエナジーを飲んでおくことで呪詛、激痛、毒の【耐性】を得て耐える
「…代償も…備えておけば……大丈夫」
生前の彼女は引き寄せる生霊を理解して、対策はしていたのだろうか?そんな事を考えつつ、竜の機動力と破壊力でドラゴンランスを振るい、【串刺し】を狙って攻撃する。


春霞・遙
片想い…切ないですね、でも気持ちは分かりますよ。いくら自分を愛してくれるものがいても、自分が求めるものから与えられたのでなければ満たされない。それさえ得られない人もいるのに、お互い贅沢なものです。
それでも、オブリビオンというものを知っているなら、討伐されることも仕方がないというのもわかるのでしょう。来世に祈ってください。

基本戦法は変わらず。味方の補助として敵の行動を「誘導」するように声をかけたり「言いくるめ」したり、拳銃で「援護射撃」したり。
衝撃波は木の杖で「武器受け」。
【悪霊祓いのまじない】では生霊を狙ってハシバミに灯した炎で「なぎ払い」。そんなに厭っているのなら払ってあげましょうか。



●少女の強い想い
 地下迷宮にある洋館の奥。
 猟兵一行が見たのは、この洋館の主。亡霊となり果てた少女ライヤだ。
「私を、倒しに来たのね」
 周囲に黒い生霊を浮かび上がらせた彼女は、やってきた面々の存在を把握しているようだ。
「愛されるよりも、愛したいって……マジで?」
 スタイル抜群の十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は、眼鏡の下から赤い瞳で相手を見つめる。
 その月の問いに、ライヤは頭を振って。
「私はただ、精霊に愛されたかっただけ」
 それを望むべく努力を重ねたのに、精霊はライヤに見向きもしなかった。
 彼女の周りへと集まったのは、生霊……セイレイ。
 それらはライヤの命を奪ってしまう程、密接にそばにいた。
 だが、それは彼女が望んだ存在ではない。
 例え、死して自らが使役できるようになったとしても、本当に近くにいてほしい存在には届かない。
「片想い……切ないですね」
 そんな相手に、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)が同情を示す。
 いくら自分を愛してくれるものがいても、自分が求めるものから与えられたのでなければ満たされない。
 ……広い世の中には、それさえ得られぬ人もいるというのに。
「お互い贅沢なものです」
「…………」
 ライヤは反応を示さない。
 遙のその言葉すらも、彼女にとっては慰めにもならないのだ。
(「自分に才能のない分野に生涯、いや、死してもなお努力を続けた彼女」)
 だからこそ、裕美はおそらく答えが決まっているとわかってしまっても、訊かずにはいられない。
「……その生き方に……悔いは……なかった?」
「ないわ」
「……強いのね」
 ある意味で、この少女の強さは本物だ。
 それなのに、どうして精霊は彼女の想いを受け取ってあげなかったのか……。
「僕ら精霊術士にとって、精霊は愛する者」
 そう告げるのは、本当に少女が望んだ精霊術士である神城・瞬(清光の月・f06558)だ。
「何よりも精霊を愛し、共にあることを望んだライヤさん」
「…………」
 少女の周囲を舞う生霊の数が増える。彼女の想いに呼応しているのだろう。
「ライヤさん、貴女の悔恨のお気持ち、察するに余りあります」
 瞬とは兄妹同然に育った仲である、真宮・奏(絢爛の星・f03210)が少女の気持ちを慮る。
「……お嬢さん。こんな姿になってまで彷徨う必要はもうないよ」
 そして、2人を女手一つで育ててきた【真宮家】の母、真宮・響(赫灼の炎・f00434)がやや寂しげに呼びかける。
 しかし、少女は首を横に振って。
「どうしても、私はこのままでは嫌なの」
 それほどまでに、彼女は自覚なく精霊を愛している。
 ライヤという少女から感じるそれは、もはや妄執。
 精霊に愛されなかった理由は、ここにあるのかもしれない。
「それでも――」
 だから、遙は武器に手をかけて。
「オブリビオンというものを知っているなら、討伐されることも仕方がないというのもわかるのでしょう」
 奏も同意し、『エレメンタル・シールド』を手に身構える。
「もう恐ろしいモノを操る貴女を止めなければなりません。――来世に祈ってください」
「最早、貴方に寄り添うのは生霊という邪悪なもの」
 それは、精霊を純粋に愛するライヤの為であると奏は確信し、彼女へと告げると瞬もまた、少女へと静かな敵意を向ける。
「貴女の意志は僕が受け継ぐ。だから、もう休んでいいんだよ。同胞」
 最後の一言に小さくライヤは、歯噛みして。
「私は……あなたとは違う」
 そんな精霊術士の一言は、生霊使いの想いをより強めてしまう。
 溢れるほどに呼応する黒い生霊達。
 ライヤは手にする杖を前方へと振るい、それらを一斉に猟兵達へと差し向けてくるのである。

●生霊使いライヤ
 宙を浮かぶ生霊はライヤの意に従い、揺らめく黒炎となって強く燃え上がる。
 一斉に放たれたそれらを、盾を構えた奏が自らの防御力を属性強化した上で全身をオーラで包み、仲間達の盾となって受け止めて見せた。
 その間、裕美は取り出したドラゴンエナジーを飲み干していく。
「……代償も……備えておけば……大丈夫」
 自らの体へと邪竜を降臨させ、身体強化を行う裕美。その身を強い呪いが縛り付けようとするが、耐性を持ってそれに耐えきってみせた。
 生霊を使うライヤのドレスにはこちらのユーベルコードを防御し、1度だけ使うことができるという効果がある。
 これなら、裕美も相手に借用されないかもと目論み、ドラゴンランスを手に飛び掛かっていく。
 裕美が自らの強化に当たっていた間に、六花の杖を手に取る瞬が先んじて仕掛けていた。
(「最初から全力で行く」)
 高速詠唱、さらに全力魔法で、瞬は空中に展開する氷晶の槍を二連続で飛ばす。
 当たれば体を穿たれ、痺れを齎す槍。
 しかし、ライヤもそれに貫かれながらも、黒炎玉で応戦してくる。 
 仲間に気を取られているなら、月にとっては好都合。
「とりあえず、次は実弾兵器が使えるか試してみましょう……」
 相手が亡霊でこちらが実弾。だからこそ、月は敢えてユーベルコードを使わずにver.pul【1610L-BFS】で狙撃する。
 猟兵としての力もあり、少なからずダメージは与えている印象を月は抱く。
「こちらですよ」
 遙もまた拳銃を発砲しつつ、ライヤに呼びかける。
 他の仲間が効果的な攻撃ができるよう、彼女は相手を誘導するよう立ち回っていた。
 次の瞬間、黒い生霊を纏ったライヤが高速で移動する。
「負けられない。あなた達には」
 精霊を追い求め続ける為には、邪魔をして来る猟兵を倒さねばならない。
 ライヤは杖を振るって詠唱し、周囲に衝撃波を飛ばす。
 己の寿命を削ってまで放つ一撃。精霊の為なら、彼女は命を投げ捨てることも厭わないのだろう。
 それを、遙は木の杖を使って受け止めて見せた。
 響は目立たぬよう仲間に潜むようにして部屋を移動し、衝撃波の範囲から逃れて。
「その使う技は決して油断できないね」
 一気にダッシュした響はライヤ目掛けて残像を残し、ブレイズランスを連続して突き出す。
 ただ、ライヤもそう簡単には食らうことなく身を引き、ドレスを翻してさらなる攻撃をと自身の周囲に生霊を浮遊させるのである。

●精霊と共にあることを願って
 並々ならぬ想いを抱き、向かい来る生霊使い。
 ライヤが放ってくる黒炎玉は前線の奏が盾となり、できる限りかばい続ける。
 相手が多数いることもあって、攻撃回数を重視したライヤの炎を、奏は自らの火炎や激痛といったものに対する耐性を活かして耐えようとしていく。
 仲間が耐えてくれている間に。裕美は相手目掛けて竜の機動力を持って攻め入り、ドラゴンランスで破壊力を込めてその切っ先で少女の亡霊を貫く。
 手応えは十分と一度距離をとる裕美は、ふと考える。
(「少女は生霊に命を奪われたのだったか」)
 自らの身を駆け巡る呪縛に耐える彼女は、自らの引き寄せる生霊の力に抗うことができなかった。
 亡霊となり果ててようやく、生霊を扱う術を手に入れたというのは皮肉と言う他ない。
「もういいんです。また、機会はあります」
 遙は今の姿で、とは言っていない。来世であれば、想い焦がれる精霊と共に過ごすことができるかもしれないと暗に示しているのだ。
 そう言いくるめようとする遙は、セイヨウハシバミの枝を手に取って。
「そんなに厭っているのなら、払ってあげましょうか」
 その先端に灯した炎で、彼女は杖を薙ぎ払う。
 ライヤの前方にいた生霊が消え失せるが、すぐさま新たな生霊が現れる。
 ただ、それを操るライヤ本人は徐々に亡霊としての姿を薄れさせてきている。力を使いすぎていたのだろう。
 相手の隙を突き、響が再度近寄って。
「お嬢さんの事は確かに覚えて置くよ。あるべき場所にお帰り」
 響が使う奥の手。それは、相手を手枷、猿ぐつわ、拘束ロープで縛り付けるというもの。
「…………!!」
 言葉すら喋られなくなったライヤの周囲から、生霊が消えていく。ユーベルコードすら封じられていたのだ。
 そこに月が近づき、早業で相手を一気に叩く。
 彼女一人であれば、うまくはいかなかったかもしれない。
 ただ、この場の仲間との連携があってこそ、得意の近接戦も十分に生かすことができる。
 その存在を薄れさせていくライヤ。
 瞬は最大限の精霊術を放つことで、彼女の鎮魂とする。
 敢えて拘束を解くように、氷晶の槍は口元、腕、腹部を攻撃していく。
「おやすみなさい、安らかに」
 その一瞬だけ、纏うドレスの効果もあってか、精霊術を使うことができたライヤ。
「これ、は……」
 ただ、それよりも前に、亡霊としての存在を薄れさせ、この場から消えてしまう。
 ――天の果てで、ライヤさんと精霊達が仲良くできますように。
 その魂が立ち上るのを見て、瞬は今度こそ彼女が精霊と共に過ごせることを心から願うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『アルダワ式・魔法蒸気温泉』

POW   :    熱い湯やサウナに長く漬かり疲労回復

SPD   :    たっぷりの泡で全身を洗ってピッカピカ

WIZ   :    魔力も込めたミストで身体の芯から疲れを追い出そう

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●のんびりと温泉へ
 依頼を解決して……。
 猟兵達は地上の学園へと戻ってくる。
 事後は魔法蒸気温泉を楽しめるとあって、メンバー達は皆そちらへと足を運ぶ。

 かぽーん。
 すでにその浴場には、多数の学生達の姿があった。
「今日の災魔退治、どうだった?」
「いや、あそこの迷宮がマジダルくてさぁ……」
 彼らは日々、地下迷宮での災魔退治に当たっており、その疲れをこの温泉で癒しているのだ。
「お肌つるつるにしなきゃ」
「美貌と強さを備えるのは、アルダウ魔法学園の生徒として当然よね」
 疲労回復、美肌などに効果があり、女性からの人気も高い。
 蒸気を使ったサウナもいいものだ。
「あっつ……」
「まだまだ、がまん……」
 熱さが嫌な人は、魔力が込められた常温の白い霧……ミストを浴びるのもいいだろう。同様に疲労回復の効果を得ることができる。
「これが疲れた体には、実に心地いい……」
 新陳代謝を考えれば、サウナの方が効能は良いかもしれないが、短時間で済む為、ミストは学生達にも重宝されている。
「おおおお、プチプチが気持ちいい……」
「はは、ちゃんと洗えよー」
 ボタンを押すと、ノズルから出てくるたっぷりの泡。
 魔法蒸気で発生したこの泡で全身を洗うのもいいだろう。迷宮を歩く際や戦闘などで汚れた体を、隅々までピッカピカにしてくれるはずだ。
 
 魔法蒸気温泉は、基本的には男女別。
 ただ、交流の場として混浴の浴場も用意されているので、もし、旅団などで皆で入りたいというなら水着着用でそちらを利用するとよいだろう。
「良ければ、皆も体験してみてね」
 セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)は、今回の依頼に参加した者だけでなく、たまたま声を掛けることのできた猟兵にもチケットを渡している。
 そのチケットは、彼女があちらこちらで情報を仕入れる中、報酬としてもらったものらしく、かなりの数があるからとのこと。
 このアルダウ魔法学園だけでなく、様々な世界で戦う猟兵達を労いたいという彼女の粋な計らいだ。

 ――折角だから、少しだけ憩いのひと時を。
 今回の依頼を解決してくれたメンバー達に感謝しつつ、猟兵達はその温泉へと向かうのである。
スバル・ペンドリーノ
……やっぱり、少し、悲しい事件だったわね……と、しんみりするのは、程々にして。
折角来たんだもの、温まっていこうかしら。

あ、セレイン。おつかれさま、良かったらちょっとお話しない?
グリモア猟兵の先輩だもの、色々お話聞きたいわ。こんな風にチケット集めてまで皆を労って……ありがとうね。けど、そこまでするの大変じゃない? とか、話を聞いて、感心したりしてみたり。
あ、同い年なんだ、って驚いてみたり。
並んでお湯に浸かってのんびりできたら嬉しいな、って。ふふっ、浸かるのに飽きたら、泡のやつとかチャレンジしてみる?

※アレンジ、健全な範囲の絡み歓迎


真宮・響
【真宮家】で参加。

ライヤ、あの子も安らかに眠れただろうか。ライヤの姿を思い浮かべながら、奏とゆっくりお湯につかるよ。・・・熱いなら一緒にサウナはいろうか?たまにはたっぷり汗をかくのもいいよ。奏。

ふ~・・・年甲斐もなく動いたから疲れたよ。疲れが取れていい気分だ。奏もお疲れ様。これからも頑張ろうね。・・・・元気だね。全く。(泡に飛び込んでいく奏を見送りつつ)


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ライヤさんは、やっと眠れたのですね。天の果てで精霊さんと仲良くしてくれればいいなあ。あ、響母さんとお風呂ですか!!喜んで!!熱いお湯のようなので、サウナにも挑戦してみますね。ちょっとドキドキします。

サウナで汗を流したら、全身を綺麗にしたいです!!泡も一杯浴びてみたいです!!女の子ですから、綺麗にしないとですね!!(苦笑している響の姿を背に白い泡に飛び込んでいく)


神城・瞬
【真宮家】で参加。

今わの際の僅かな時間でもライヤさんは精霊と分かり合えた。僕はそう信じます。天の果てでライヤさんが精霊と仲良くできますように。心から祈ります。

所で、蒸気温泉ですが、氷の精霊術を主体とする僕にとって、熱いお湯やサウナは物理的に無理なので、ミストの方に行きます。今回は全力で術を行使したので、こういうミストは本当にありがたいです。存分に、疲労を癒しましょう。


中村・裕美
一人でのんびり入って思考を巡らす

(ライヤ、あの生き方は真似できないかもしれない)
正直、自分は人付き合いが苦手…他人はいつか自分に悪意を持って害してくるのではと思い始めると、ロクに言葉が出てこなくなる。
(何かが違っていれば、自分も彼女みたいになっていたかもしれない)
自分はそうした苦手分野を分担してくれる人格がいたり、自分の得意とする電脳魔術も人の感情に左右されない技術として自分の性にあっている。
もし、自分も彼女みたいな境遇…好きなものと得意なものが噛み合わなかった時、苦手なものを避けられなくなった時、身を滅ぼさずにいられるか考え出すと、気付けば視界が真っ白に
「…あ。…メガネ……外し忘れてた」


春霞・遙
温泉巡りが趣味なので、アルダワの魔法蒸気温泉、すごく楽しみだったんですよね。
お湯がいいだけじゃなくて魔力のミストとか泡とか、学園にこんな施設が併設されてるなんて羨ましいなぁ。

折角だから髪も体も泡で洗いたいけれど、UDCアースにはない魔力ミストの方が気になるかな。
疲労回復効果があって心地良いんだと、毎日の疲れと一緒に溶けちゃいそう。もし横になる設備もあるならちょっとうとうとしたいかも。
ゆっくりのんびりして明日からのお仕事も頑張るんだぁ…。



●眠りについた少女を想って
 少しだけ時を遡って。
 洋館から出た猟兵達が地上へと歩いていく中、【真宮家】の母、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は立ち止まり、後ろの洋館を振り返る。
「ライヤ、あの子も安らかに眠れただろうか」
「ええ。天の果てで、精霊さんと仲良くしてくれればいいなあ」
 娘の真宮・奏(絢爛の星・f03210)が頷き、館を顧みてから頭上を仰いで。
「あの際の僅かな時間でも、ライヤさんは精霊と分かり合えた」
 【真宮家】の一員として育った、神城・瞬(清光の月・f06558)はそう疑わない。
 ――天の果てで、ライヤさんが精霊と仲良くできますように。
 瞬はしばし家族と共に、心から彼女へと祈りを捧げるのである。

●施設入り口にて
 改めて、魔法蒸気温泉の施設へと入っていく猟兵達。
 その入り口付近には、事件の顛末を見届けたダンピールの少女、スバル・ペンドリーノ(星見る影の六連星・f00127)の姿もあった。
「……やっぱり、少し、悲しい事件だったわね」
 とはいえ、スバルはしんみりするのは程々にと切り替え、折角訪れた魔法蒸気温泉を楽しむことにする。
「あ、セレイン。おつかれさま」
 施設内へと入った彼女はそこで、自身と同じくグリモア猟兵の姿を目にして声を掛ける。
「スバル、お疲れ様」
「良かったら、ちょっとお話しない?」
「いいわね」
 スバルの誘いに、セレインは快く応じていたようだ。

 その後ろから、女医の春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)も中へと入っていく。
「温泉巡りが趣味なので、アルダワの魔法蒸気温泉、すごく楽しみだったんですよね」
 ロビーに入ると、まずは受付がある。
 そこで、遙は施設内の設備について確認していく。
 温泉もよいが、魔力のミストに泡といった設備が遥にとっては実に魅力的で。
「学園にこんな施設が併設されてるなんて、羨ましいなぁ」
 日々、災魔と戦うここの学生達は、依頼後は常に利用しているのだろう。
 彼らを羨みながらも、遙は実際に体験すべく中へと入っていくのである。

●【真宮家】の一時
「あ、お風呂ですか!! 喜んで!!」
 奏は響に誘われる形で、施設を利用することにしていた。
 彼女達は受付、案内板などで温泉の効能、温度などをチェックしていた。
「……熱いなら、一緒にサウナ入ろうか? たまにはたっぷり汗をかくのもいいよ。奏」
「いいですね!」
 ロビーで瞬と別れ、女湯へと向かう響、奏親子の2人。
 母に誘われるまま、奏はちょっとドキドキしながらサウナ初挑戦。
 扉を開けば、むわっとするような熱い蒸気が肌を撫でる。
 程よい熱さに調整されたサウナ室には、女学生達の姿もちらほらとあった。
 その一角に座った響と奏の体はすぐに火照っていき、上気していく。
 やや吐息を荒くして熱さに耐える彼女達の体から、ぽたり、ぽたりと汗が床へと滴り落ちる。
 その一滴一滴が体に不要なものを流し出してくれるのだ。
「……ぷはっ、限界です!」
 しかし、我慢が出来なくなり、奏はサウナ室から飛び出す。
 全身を綺麗にと、彼女はたっぷりの泡で満たされた洗い場へと飛び込んでいく。
「元気だね。全く」
 苦笑する母を背に、奏は楽しそうにたっぷりの泡に包まれる。
 近場のボタンを押すことで、ノズルからさらに大量の泡が発生していた。
「女の子ですから、綺麗にしないとですね!!」
 戦う乙女だからこそ、清潔に。
 奏は全身に白い泡を浴びて、さらにお肌をすべすべにしていく。
 遅れてやってきた響と一通り体を洗った後、彼女達は温泉へと浸かる。
 響が瞳を閉じれば、思い出されるのは精霊と共にありたかった少女の姿。
 色々あった依頼ではあったが、彼女は大きく息をついて。
「ふ~……、年甲斐もなく動いたから疲れたよ」
 熱い湯は体を芯まで温めてくれるだけでなく、これ以上なく疲れを癒してくれる。実にいい気分だ。
 それを実感しながら、響は隣の奏へと視線を向けて。
「奏もお疲れ様。これからも頑張ろうね」
「はい!」
 今はのんびりゆったりとこの一時の中、真宮親子はこの先の戦いの為に気合を入れ直すのである。

 男湯には、一人、設備を利用する瞬の姿がある。
 氷の精霊術を主体として使う彼にとって、熱いお湯、サウナといったものは物理的に厳しい。
 そんな彼だからこそ、魔力が込められた常温の白い霧……ミストの存在は実にありがたい。
 今回は存分に精霊術を行使したこともあり、そちらを使って存分に疲れを癒す。
「これは、いいものですね」
 その気になれば、短時間で済むミスト。
 だが、その心地良さもあってか、瞬はしばらくその設備の中で存分に疲労を癒すのだった。

●温泉での一時
 かぽーん。
 温泉には、1人先に入っていた、ぐるぐる眼鏡着用の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の姿があった。
 長い黒髪を纏めた彼女は湯でくつろぎつつ、のんびりと思考を巡らす。
(「ライヤ、あの生き方は真似できないかもしれない」)
 生き方どころか、死してなお精霊と共にあるべく活動していた亡霊の少女。
 対して、自分は。
 ――他人がいつか自分に悪意を持って、害をなしてくる。
 そう思い始めると、ロクに言葉すら喋れなくなってしまう。
 だから、裕美は人付き合いが苦手だ。
(「何かが違っていれば、自分も彼女みたいになっていたかもしれない」)
 多重人格者である裕美は、苦手分野を分担してくれる人格がいる。
 また、彼女の得意とする電脳魔術も、人の感情に左右されない技術として、自分の性に合っていると裕美は考えている。
 ――もし、自分もライヤみたいに、好きなものと得意なものが噛み合わなかったならば。
 ――もし、自分が彼女のように、苦手なものを避けられなかったならば。
 あの少女は亡霊となっていた。
 自身もまた、身を滅ぼす可能性は十分あったのではないか。
 しばらく、彼女はそんな思考へと耽っていた。

 少し距離を置いて、スバルがセレインと一緒に湯船へと浸かっていた。
「こんな風にチケット集めてまで皆を労って……、ありがとうね」
「ううん」
 スバルの労いに、セレインは首を振る。
「けど、そこまでするの大変じゃない?」
「そんなことないわ」
 どうすれば皆の役に立つことができるのか、セレインは彼女なりに思い悩んでいるらしい。
「そうなんだ」
 話を聞いたスバルは、そんな彼女の姿勢に感心していた。

 再び、裕美に視線を戻すと。
 あれこれと考えていた彼女はようやく我に気づき、眼鏡が湯気で曇っていたことに気づく。
「……あ。……メガネ……外し忘れてた」
 彼女は丁度いいタイミングと感じ、レンズを拭く為にも湯から上がることにしたようだった。

●設備を存分に堪能しよう
「ふふっ、泡のやつとかチャレンジしてみる?」
「いいわね。行きましょう」
 しばらく、湯船でのんびり楽しく語らっていたスバルとセレインは湯から上がり、泡の洗い場へと向かう。
「……ええ、私も14歳よ」
「あ、同じ年なんだ」
 セレインの年齢に驚くスバルは、彼女と共に泡に包まれていく。

 遅れてやってきた遙は浴場内を見回し、そんなスバル達の姿を目にして。
「折角だから、髪も体も泡で洗いたいけれど……」
 やはり、気になるのは常温で体力回復ができる魔力ミスト。
 心地良いその霧の中で、彼女は腰かける。
 周囲には同じく、学生達が心地良さそうに瞳を閉じている。
 中には、横になって眠ってしまった女性の姿も。
 誰も起こす様子がないので、遙も少しだけ横になって。
「ゆっくりのんびりして、明日からのお仕事も頑張るんだぁ……」
 彼女はそのままうとうとしてしまい、すぐに眠りに落ちていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト